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P「真美の人生を滅茶苦茶にしてしまった」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 16:54:02.78 ID:Ud2Z8WAQo

目の前には仰向けで苦しむ真美。

まるで悪夢を見ているかのように
歯を食いしばりながら痛みに耐えている。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1388735642
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 16:55:14.09 ID:Ud2Z8WAQo

目を覆いたくなるほど、生々しく滲んだ赤い血。
どれほどの痛みが真美の細い身体に襲いかかっているのだろうか。

真美の乱れた呼吸に混じる、うめき声。
それでも俺にはどうすることも出来ない。

どんどんと荒くなる真美の呼吸が
『終わり』に向かっているのだと確信させてくれた。

俺みたいなロリコンに目を付けられなきゃ
こんな事にはならなかったのにな。
3 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 16:55:51.20 ID:Ud2Z8WAQo

真美「ねえ……兄ちゃん……兄ちゃんは覚えてる……かな……?」

P「…………?」

真美「真美は……覚えてるよ……兄ちゃんと初めて会った日のこと」

P「……どんな感じだった?」

真美「兄ちゃんは……笑って握手して、くれたんだよ……」

P「……そうだったかな」

真美「うん……絶対にトップアイドルにしてやる……って……」
4 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 16:56:33.91 ID:Ud2Z8WAQo

それ以上、真美は何も言わなかった。

いや、気を失いそうな激しい痛みで
半ば理性を失いかけているのかもしれない。

どんどんと近づいてくる終わり。

いや、双海真美としての人生はとっくの昔に終わっている。

俺が終わらせたんだ。
5 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 16:57:08.81 ID:Ud2Z8WAQo

ささやかな引退ライブを最後に
双海真美は芸能界から、その姿を消した。

それなりの知名度を得ていた真美には
当然、ゴシップ記事が大半を埋め尽くすような
三流雑誌の記者から執拗なまでの追求もあった。

真美の実家に乗り込んでくる輩も居たが
真美には俺の住むマンションに身を隠すように
指示していたので二ヶ月もすれば諦めてくれた。
6 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 16:58:23.58 ID:Ud2Z8WAQo

その間も真美は、ずっと気丈に振舞っていた。

もし俺と出会わなければ、こんな事にはならなかったのに。
全ては俺が馬鹿なせいだ。

いつも真美を泣かせて。

そして今、俺の目の前で痛み、苦しんでいる。

俺は真美を苦しめたりしない。

そう誓ったはずなのに心の底では
この状況に興奮し、歓喜に震えているのだ。
7 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 16:58:50.84 ID:Ud2Z8WAQo

どうしようもないな、俺は。

出来ることなら、もう少しだけ二人で居たかった。
だけどそれも、もう終わり。

始まりがあれば、やがて終わりが来る。
8 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 16:59:21.42 ID:Ud2Z8WAQo

真美「ねえ、兄ちゃん……真美、ずっと謝ろうと思ってたんだ……」

P「……ん?」

真美「お仕事の邪魔ばっかりして……ごめんなさい……」

P「お、おい……何もこんな時に謝らなくても……」

真美「そうだよね……でもっ……こんな時じゃないと、なかなか踏ん切りがつかなくってさ……」

P「俺の方こそ、真美に辛い思いばかりさせて、すまん」
9 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 16:59:59.11 ID:Ud2Z8WAQo

口を衝いて出たのは謝罪の言葉。

真美は少しだけ顔を歪めたあと。

柔らかく微笑んだ。

今も痛みに苦しんでいるはずなのに。

突然、ぼやけた視界に驚き
思わず手で押さえると、温かいものが指先に触れる。

溢れては、こぼれていく涙を
止める術は無かった。
10 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 17:00:37.56 ID:Ud2Z8WAQo

真美「なんで泣いてるの……? 真美の……せい?」

P「まさか」

真美「ごめんね……わがままばかり言って……いつも兄ちゃんを困らせて……真美、本当に悪い子だよね……」

P「真美……」

真美「これもワガママになっちゃうかも知れないけど兄ちゃんには……ずっと笑っていて欲しいな……」


だって、しようがないじゃないか。

11 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 17:01:20.10 ID:Ud2Z8WAQo

溢れて止まらないんだ。


真美への想いが。

真美との思い出が。


いつも、気づくと視界の隅に
真美のポニーテールが揺れていた。


いつも仕事の邪魔をしにきてくれて、ありがとう。
12 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 17:01:50.17 ID:Ud2Z8WAQo

悲鳴の様な真美の声が聞こえ慌てて涙を拭う。

俺に向かって精一杯、その手を伸ばす真美。
言葉も無く、すがる様な眼差しを向けられ瞬時に理解した。

しっかりと両手で握り締めた真美の手は。


初めて出会った時と、変わらぬ大きさのままだった。
13 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 17:02:51.21 ID:Ud2Z8WAQo

真美「真美ね……ホント言うと、もう少しだけアイドル続けたかったんだ……」

P「すまん。俺のせいだ……俺が……」


P「真美の人生を滅茶苦茶にしてしまった」


P「本当なら今頃、きっとトップアイドルとして有名になって」

P「TVにも引っ張りだこで―――」

真美「兄ちゃん!!」

P「―――っ!?」
14 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 17:03:42.47 ID:Ud2Z8WAQo

真美「真美、後悔なんかしてないよ!」

真美「そりゃ今は、痛くって苦しくって辛いけど……」

真美「真美が望んだ事だし……だから―――」


真美「絶対に、元気な赤ちゃん産むかんね!!」


いつまでたっても子供のままだと思っていたのに。
15 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 17:04:19.66 ID:Ud2Z8WAQo

俺は生粋のロリコンだと思っていたけど、違うのかもしれない。

今なら分かる。

きっと、真美だから好きになったんだ。

さあ、もうすぐだ。

終わりが訪れ、新しい日々が始まる。

今まで二人で過ごしてきた日々を懐かしむと同時に。

真美の頑張る姿を見て
ようやく、新しい命を迎える決心が付いた気がする。
16 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/03(金) 17:04:46.94 ID:IxC7WvL10
おや…………?
17 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 17:05:18.50 ID:Ud2Z8WAQo

頑張れ、真美。

いつだって、俺は応援する事しか出来ないけど。

真美の悲痛な叫びが分娩室に響き
次に大きな産声が響き渡った。

だけどこれで終わりじゃない。

苦しみが二倍なら、喜びも二倍。
18 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 17:05:50.65 ID:Ud2Z8WAQo

遅れること数十分。

産まれ落ちた愛の結晶がもう一人に負けない様に泣いた所で。


俺も。


真美も。


我慢しきれずに泣いた。


初めて、家族四人で泣いた。


これからは四人で歩いて行こう。

19 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 17:06:41.64 ID:Ud2Z8WAQo

P「お疲れ様、真美。よく頑張ったな」

真美「んじゃあ、ご褒美ちょ→だい?」

P「何がいい?」

真美「……真美の頭……撫でて?」

P「やっぱり真美は子供だな」

真美「子供じゃないよ! もうお母さんだもん!」
20 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 17:07:31.39 ID:Ud2Z8WAQo

ひとしきり真美の頭を撫でたあと。

二人の我が子を抱く真美を
そっと包み込むように抱きしめる。

この腕の中にある温もりだけは
何があっても守り抜こうと思った。
21 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 17:07:59.57 ID:Ud2Z8WAQo


真美「ねえ、兄ちゃん……?」


P「うん?」


真美「真美は今、無茶苦茶幸せだよ」




【P「真美の人生を無茶苦茶にしてしまった」】改め。

【P「真美の人生を滅茶苦茶幸せにしてしまった」】終わり。
22 : ◆cjitx1hLjk [saga]:2014/01/03(金) 17:08:47.62 ID:Ud2Z8WAQo
以上で投下終了です。
ここまで読んで戴いた方が居ましたらありがとうございました。
23 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/03(金) 17:10:19.00 ID:IxC7WvL10
のっけから血の気の引くような気持ちでビクビクと読んでたけど、ハッピーで良かった。 乙!!
でも、「無茶苦茶」と「滅茶苦茶」が混同しておかしくなってるような。
24 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/03(金) 17:12:52.18 ID:tYewFY9d0

いい意味で予想を裏切られたわ
25 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/03(金) 17:12:53.62 ID:rWkJHx320
クソスレ立てんなカス
26 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/03(金) 17:13:20.58 ID:EdWk+3AGo

血を吐くかとおもったら砂糖を吐いていた

良かったです(小並)
27 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/03(金) 17:16:31.44 ID:+05JNH1t0
苦茶がゲシュタルト崩壊した
色んな意味でよかった
28 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/03(金) 17:35:13.77 ID:pa5UzyuoO
>>25 新年早々荒ぶってんじゃねぇよks
29 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/03(金) 17:35:57.57 ID:+5o20/YNo
実によかった
30 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/03(金) 18:22:00.86 ID:0SwBSCQao
新年初裏切りだった
乙乙
31 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/01/03(金) 18:59:03.48 ID:ceggBkbm0
我慢しきれなくなったPが真美をレイプするSSかと思いきや
32 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/03(金) 19:09:01.04 ID:2TxWF27DO
ふむ…良い話だった


>>25
死 ね
33 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage ]:2014/01/03(金) 20:11:44.88 ID:BCNJWi9e0
34 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/03(金) 20:25:56.30 ID:LWcTsboF0
誰だよコーヒーの中に砂糖ぶちまけた奴は・・・
35 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/03(金) 20:29:49.06 ID:85DVoDm50
スレタイが物騒だから展開は逆かなと思ったら予想的中。
満足した。乙です。
36 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/01/03(金) 22:28:15.64 ID:9kJSutfT0
エスプレッソだっと思ったらチョコラテだったでござるの巻
37 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/04(土) 01:43:44.33 ID:Y5ohmzUao
おつおつ

すばらであった
38 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/04(土) 05:31:53.77 ID:m6etEGOvo


コーヒーに砂糖と間違えてサッカリン入れちまったようだ
39 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/04(土) 17:01:51.73 ID:sRjWM3Ed0
なんだ砂糖ssか
40 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/01/04(土) 22:05:12.56 ID:IL6+ucgw0
キチガイPかと思いきや良い話でした
41 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage ]:2014/01/04(土) 22:05:56.07 ID:/xo3nrHc0
42 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage saga]:2014/01/04(土) 23:25:22.19 ID:fFrnbgtso


「震える舌」っぽいSSかと思いきやチクロ入りのSSでした
43 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/01/05(日) 15:33:37.35 ID:Pq7d6mx3o
おつー
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