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男「友妹ちゃん、か……」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆h894TYD8msVH [saga]:2014/04/16(水) 19:08:15.27 ID:1UsZU+mE0
男「今日の放課後、女さんに告白する」

友「ふーん、よかったね」

生返事だった。
ここは昼休みの屋上。
友は俺の話に興味がなさそうに、弁当のから揚げを口に頬張っている。
いや、そうじゃなくて……

男「おい、他になにか言うことないのかよ。もっと、こう、思いやりのある一言をだな……」

友「がんばれー、応援してるー」

男「……心がこもってませんな」

友「だってその台詞聞いたの、今日で八十五回目だよ。いいかげん馬鹿らしくもなってくるさ」



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第五十九回.知ったことのない回26日17時 @ 2024/05/10(金) 09:18:01.97 ID:r6QKpuBn0
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誰かの体温と同じになりたかったんです @ 2024/05/09(木) 21:39:23.50 ID:3e68qZdU0
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真神煉獄刹 @ 2024/05/08(水) 10:15:05.75 ID:3H4k6c/jo
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愛が一層メロウ @ 2024/05/08(水) 03:54:20.22 ID:g+5icL7To
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2 : ◆h894TYD8msVH [saga]:2014/04/16(水) 19:10:17.77 ID:1UsZU+mE0
男「し、仕方ないだろ!なんたって一年以上の片思いなんだ。少しぐらい臆病にもなる。つーか、よくもまあ、律儀に数えたな?」

友「暇だったから」

男「よくわからん……」

暇だから数えるのか?
謎だ。

友「ごちそうさま」

弁当を食べ終わると友は立ち上がって、屋上のドアに向かって歩き始めた。
まだ口に焼きそばパンをくわえている俺をその場に残して……

男「ちょ、待て。まさか置いていくなんてこと……ないよな?」

友「ごちそうさまって、言った」
3 : ◆h894TYD8msVH [saga]:2014/04/16(水) 19:12:30.27 ID:1UsZU+mE0
男「と、友達を見捨てるのか。この薄情ものー!」

友「…………」

すると、友はゆっくりと振り返って、ジーッと俺の顔を見つめた。
なにを考えているのかよくわからない、いつもの無表情だった。

友「きみと、いつ友達になったっけ……?」

男「たったいま、おまえは俺を怒らせた」

友「ほんとにおぼえてないんだ。ごめん」

男「やめろ。素直に謝られると余計むなしくなる……」
4 : ◆h894TYD8msVH [saga]:2014/04/16(水) 19:16:08.16 ID:1UsZU+mE0
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――


去年の七月の初めだった。
セミの鳴き声がやけにうるさかったから、よくおぼえている。
その日運悪く金欠だった俺は、暇と空腹を紛らわすために、なんとなく屋上にあがった。

男「あれ……?」

友「…………」

夏の屋上なんて蒸し暑いだけだ。
普通はクーラーの効いている図書室にでも行く。
だが、屋上には珍しく人がいた。
そいつは地べたに座り込んで一人で弁当をつついていた。

耳の少し下あたりまで切り分けた、ショートカットの髪。
その甘く整った顔にはどこか品性も感じられる。
そいつには見覚えがあった。
5 : ◆h894TYD8msVH [saga]:2014/04/16(水) 19:19:46.17 ID:1UsZU+mE0
男(たしか……2―Aの友だったな)

美形で成績優秀、しかもけっこうな変わり者。
目立つのは当然のことだった。

男「あ」

友「…………」

そのとき、けたたましい腹の音があたりに響いた。
弁当に集中していた友はキョトンとした顔で、こっちに目を向けた。
なんだかすごく恥ずかしい。

男(帰ろう)

マヌケ面を見られたくなかった俺は、急いで友に背を向けた。
だが、それと同時に背中に小さな声が聞こえたような気がした。

友「……る」

男「え?」

友「食べる?」

それが俺たちの出会いだった。
6 : ◆h894TYD8msVH [saga]:2014/04/16(水) 19:22:09.45 ID:1UsZU+mE0
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――――
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友「あぁー、たしかそんなこともあったような」

男「おせーよ!」

こいつにとって俺は、道端に落ちてるただの石ころか?

友「あのときのきみ、すごい物欲しそうな目をしてたね」

男「こいつは、人を物乞いかなにかみたいに……」

友「ぼく、間違ったこと言った?」

男「もういいよ……」

本当につかみどころがない。
それに友は面白いやつだった。
だからあの日以来、昼休みになると、俺は自然と屋上に足を運ぶようになった。

男「まあ、おまえがどう思ってるのかはともかくとして、俺はおまえのこと友達だと思ってる」

友「…………」

友はなにも言わずに、澄んだ目で見つめてくるだけだった。
俺は呆れてため息が出そうになった。
7 : ◆h894TYD8msVH [saga]:2014/04/16(水) 19:26:03.16 ID:1UsZU+mE0
予鈴が鳴る前に俺は教室にもどった。
自分の席に座ると、隣の席の幼馴染が嫌味っぽく話しかけてきた。

幼馴染「ずいぶんと、遅かったのね」

男「うるせーな。文句あるかよ?」

幼馴染「大有りよっ!!」

幼馴染は机を両手でドンッと叩いて、俺の顔をキッとにらみつけた。
相変わらず短気な女だ。

幼馴染「いいかげんにしなさいよっ!一昨日から言ってたじゃない!今日はみんなで学食行くんだから予定空けときなさいって!」

男「そんな前のことなんか、いちいち覚えてねーよ」

幼馴染「あんたの脳みそ、ニワトリ以下ね」

男「おい。なんかいま、人間としての尊厳を激しく傷つけられたぞ?」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/04/16(水) 19:27:36.86 ID:K5OcoFVq0
なんか友妹ちゃんの正体の予想ができたような……
9 : ◆h894TYD8msVH [saga]:2014/04/16(水) 19:30:20.27 ID:1UsZU+mE0
女友「はろはろー!そこのお二人さん。今日も仲がおよろしいことでー」

男友「うぃーっす」

男「おまえら……」

幼馴染と言い合っていると、途中で男友と女友がやってきた。
こいつらとは一年のころからの腐れ縁だ。

男「勘弁してくれよ。こいつと、なんてあるわけないだろ」

幼馴染「なによっ!そこまで言うことないじゃないっ!」

男「もう一回言ってやるよ。死んでもありえねー」

幼馴染「むっかー!」

男「なんだよ?悔しいなら言い返してみ――痛ぇッ!?」

幼馴染「ふんっ」

男「てっ、てめぇ……!」

こいつ、思いっきり足踏みやがった!
10 : ◆h894TYD8msVH [saga]:2014/04/16(水) 19:33:20.98 ID:1UsZU+mE0
男友「なんだ男のヤロー。ツンデレか?」

女友「男くんの場合、ありえるかもねー」

男「いや、ないから」

女友「まあ、それはともかくとして幼馴染ー」

幼馴染「なに女友?」

女友「男くんにはさあ、好きな人がいるのよ」

男・幼馴染「え?」

コイツイマナンテイッタ……?

男・幼馴染「ええええええええッ!?」

男友「なにおまえまで驚いてんだよ」

男「いや、だって……」

ま、まさかバレていたとは……
にしても、タイミングが悪すぎる……
11 : ◆h894TYD8msVH [saga]:2014/04/16(水) 19:34:30.11 ID:1UsZU+mE0
幼馴染「だ、だれっ!?それだれっ!?」

女友「ふふ、焦らない焦らない〜♪ちゃんと教えてあげるから、ね?」

男「…………」

男友「んん〜?顔色わるいな。どした?」

男友はニヤニヤ笑っている。
ぶん殴ってやりたい。

女友「実は……」

幼馴染「う、うん」

女友「実はぁ……♪」

幼馴染「はやくーーーっ!!」

男「あ、ああ……」

終わった。
俺はもう……終わった。
12 : ◆h894TYD8msVH [saga]:2014/04/16(水) 19:35:30.70 ID:1UsZU+mE0
女友「3―Aの……友くんですっ♪」

幼馴染「え……」

その言葉を聞いた瞬間、期待と不安に満ちた幼馴染の目は輝きを失い――

幼馴染「は、はああああああ……???」

脱力した声がため息とともに出てきたようだった。
俺も同じ心境だった。

男「なに……トチ狂ったこと言ってんだ、おまえ?」

幼馴染「…………」

男友「ありえねぇ。BL本の読みすぎだろ」

女友「あっれ〜〜〜?反応それだけ〜〜〜?おかしいなぁ……」

俺たちの反応が悪かったので、女友は苦い顔で首をかしげている。
13 : ◆h894TYD8msVH [saga]:2014/04/16(水) 19:36:32.85 ID:1UsZU+mE0
女友「でもでも〜。ウワサ、けっこう広がってるよ?」

男「ちなみに聞くけど、それってどういう……?」

女友「うん。あのね、男×友は確実だって。あと大穴狙って、男×男友もありえるかもって」

男「だれだ?そんな信憑性ゼロの情報流したやつ。だれだ?」

呆れてため息も出てこない。

男友「男」

男「なんだよ」

男友「おまえの気持ちは嬉しいけど、俺には想い人がいるんだ。だから、ごめん……」

男「しね」

男友「ああ……モテる男って辛いよなーマジで」

男「聞けよバカ」

昼休みはそんな感じで終わった。
14 : ◆h894TYD8msVH [saga]:2014/04/16(水) 19:36:59.57 ID:1UsZU+mE0
とりあえずここまで
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/16(水) 19:43:04.76 ID:/COzE6UXo

次を楽しみにしてる
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/04/16(水) 19:43:34.52 ID:K5OcoFVq0

妹の時点でなんとなく……
楽しみしている
17 : ◆h894TYD8msVH [saga]:2014/04/17(木) 23:33:24.25 ID:dUqI7+JJ0
女友「ねー、男くん。ちょっといいかなー?」

男「?」

昼休み後の掃除時間。
ほうきを持ってボーッと突っ立っていると、急に女友がこそこそと手招きをしてきた。
しかも、周りを注意深くキョロキョロ見回している。
怪しすぎる……

女友「よし、おっけー☆」

男「……なにが?」

女友「ま、とりあえずろーか来てよ。ろーか。男くんに大事なお話があるの」

男「いま掃除中……」

女友「いいからいいからー」

男「ちょ」

腕を強引につかまれ、そのまま教室の外へずるずる引きずられる。
人通りが少ない西階段まで来ると、女友は急に足をとめた。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/04/18(金) 07:45:44.44 ID:q7YFHOkX0
女友海老名さんかよ
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/13(火) 20:09:03.20 ID:WVjfRwKQO
まだー?
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/08(日) 23:00:35.07 ID:x9wGxBsJo
はよぉ〜
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