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【咲SS】京太郎「これが……神の一手?」アカギ「ククク……」【アカギ】 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 19:38:07.93 ID:gMIcwShDo


 咲(世界観&キャラ)×アカギ(キャラ)×ヒカルの碁(設定)のSSとなります
 京太郎とアカギが主人公なので、ご注意を 


・のんびりと、ちまちまと更新

・京太郎が麻雀します

・ところどころ畜生になる咲キャラがいるかも

・恋愛要素……あるかも?

・カンちゃんハウス

・安価などは無し

・オチまで考えてはありますが、指摘によって展開の変更なども考えます

・対局描写が下手くそ 


 以上がよろしい方は、どうぞご覧ください



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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 19:41:20.20 ID:9SL5WOjK0
非安価クロスとは
期待せざるを得ない
3 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 19:41:59.69 ID:gMIcwShDo


 俺が望んだもの……
 それは変化だった……



〜〜 キョウ 〜〜


【Roof-top】


京太郎「……」

 全てをひっくり返すような変化だ
 生まれ変わるほどの……

 しかし俺はその資質に欠けていた
 
優希「……」

まこ「……」

久「……」


 女の子目当てで入った麻雀部では、初心者ゆえにカモられ
 手を出すことなど出来ず、雑用としてこき使われる毎日

 そして今日、【大会】への出場を賭けての麻雀も……


京太郎「(持ち点が……あと少し)」チャリッ


 連敗――
 
 追い詰められた


京太郎「くっ……」

 これまでずっと4位……流れに乗れずに点棒が減るのみ
 そのたびに胸が締め付けられる

久「さぁ、須賀君の番よ」

京太郎「……」

 これが尽きたら、俺はこれから先ずっと雑用としてみんなを応援しなければならない
 麻雀をやることもなく……ただみんなを影から見守るだけ

 半年前、麻雀部に入った
 その日から俺の運命は決まっていたのかもしれない

京太郎「(なんとかしのいで次の半荘へ)」チャラッ

 もう振れない

京太郎「(大丈夫、これならきっと通る)」タンッ

久「ロン」

京太郎「!?」


 あぁ……終わった
 何もかも


京太郎「(ミスらしいミスはしてないのに……どうして?)」ギリッ


 俺は確かに初心者だ
 だけど、運が絡む麻雀でここまで一方的なのか?

 これじゃあまるで、一方的なリンチじゃないか

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/05(月) 19:42:48.37 ID:09PJrJvL0
ヒカルの碁(設定)は合うんじゃないかな。知らんけど。
5 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 19:43:38.49 ID:gMIcwShDo


 俺は確かに初心者だ
 だけど、運が絡む麻雀でここまで一方的なのか?

 これじゃあまるで、一方的なリンチじゃないか


優希「……諦めるじぇ」

まこ「京太郎……もう辞めるんじゃ」

久「須賀君、アナタがどうしても必要なの。みんなの為にもお願い……」


 そんなこと、理解はしている
 しかし、だからと言って納得はできない


京太郎「(俺は……男だ)」グッ


 俺には分かる
 もしここで【大会】に出ず、そのままずるずると過ごしても何も変わらない

 俺は負け犬のまま、ずっと……ずっと


京太郎「(この半荘でラスをくうとオワリ。次の半荘へすすめない)」


 なんとか3位!  
……頼む!


京太郎「っ!」カッ
 
 カシッ

京太郎「……(ダメだ、来ない)」


 どれだけ祈っても、掴むのはゴミのような手
 泣きたくなるような配牌

 変わらない運命

6 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 19:45:28.24 ID:gMIcwShDo


京太郎「(誰か、変えてくれ……!)」


 誰でもいい……!

 このよどんだ空気、流れを!

 変えてくれっ!


京太郎「(誰でもいい……!)」


 神でも……!


 魔でも!


 
 ギィッ……


京太郎「……?」


 それは不思議な感覚だった


?「……へぇ」


 そいつが部屋に入った瞬間――
 俺の世界はガラリと変わった


?「……」


  | _   /:: / /:::: /  /:::::::   :::::\   iヽ   i、
  r'´ l  |::: //::::` ソ.  /::::       ::::::ヽ  i,:::ヽ  i、
 i  .:::l   | :/、,_::  ノ :/::ヽ         ::::ヽ:  i,:::::ヽ  i、
 | ::::::l   | :ヽ、`フ/-、_ :::::ヽ        ,r:'::´、 :l:::::::::ヽ :l
 i  ::::::l  :|   ./、 弋ソ`ー、::ヽ     ,r'´:::_,:::rヽトー─-
 .i, :::::::l  |     ` ̄"''::::'::´:::.... .. ....;'::::'"´ '心'. l| _, r::'´
  ヽ :::::l  |       ::::::::::::''''   :: |::.''''::::` ̄"" ̄::::::::::::::
   ヽ ::::i |              :: |::::::..  :::::::::::::::::::::::::::::/
    `l 、_l l             :: |:::::::::..     ..:::::::::::/
     |  ヽ.l            :: |::::::::::::..   ..:::::::::::::/
    /|  `|.              :: |::::::::::::::::.. ..::::::::::::::/
.    / |   l'i         ..  :: |:::::::::::::::::::::::::::::::::/
.  / , l   |:::ヽ.  ヽ,,,_    :::... :: |::::::::::::::::::::::::::::::/ヽ
  /   | .l .|:::::ヽ     ̄''''' ー、:: |_:::::::::::::::::::::/  ヽ
. /   |/| |::::::::ヽ       :::::`::´:   ̄´:::::::::/|    ヽ
/    |::::::'|:::: ::::ヽ    ,,,,,,  ::::::::::::::::::::::::::/::::|    ヽ
     |::::::|::   :::::ヽ    ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::/::::::::|     ヽ


 その男――
 神か、悪魔か

7 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 19:47:20.19 ID:gMIcwShDo


【??年前 某所】

 
「こだわらねぇだろ……どうせお前は……」


 誰だ?


「死んだ後の墓のことなど……なあ…」


 死んだ?
 オレが……?

そうか、死んだのか


「許してやってくれや……みんな……」


 クク……なんてことはねぇ


「好きなんだ…お前が…!」


 死んだ奴に、価値なんてねぇんだ


「赤木は笑っているだろう――」

 
8 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 19:48:55.45 ID:gMIcwShDo


【現在より数日前 某所】


 やせがまんばかりでもう半年過ぎた
 
 何が変わったか、誰を愛したか

 頭の中で今、夢が崩れだした


京太郎「……何とかなれ」


 俺の名前は須賀京太郎
 清澄高校二年、部活は麻雀

 俺の在籍する麻雀部は全国大会で優勝し、今や我が校の誇りとまで言われている


京太郎「この俺を除けば……ね」


 全国大会での、女子団体戦での優勝
 それは……俺たちの環境を大きく揺るがした


京太郎「……」


 個人戦でも活躍した咲や和は勿論
 俺を除く五人は、我が校の英雄となった

 むしろ、県の象徴と言ってもいい


京太郎「……」ギリッ


 一方の俺は惨め極まりない結果
 個人戦初戦敗退、それも……県予選でだ

 感じるのは周囲からの失望と、冷やかな視線


9 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 19:50:13.79 ID:gMIcwShDo


 元々女子の中に一人だけいたこともあり、風当たりも強かった
 俺をよく知らない連中は陰口を叩き、陰湿な真似もしてくる


 ただでさえ美少女の五人、それなりに狂信的な奴も多いわけだ


 そんな連中からしたら、俺は目の上のタンコブ
 アイドルの周りでチラつく男の影など……無い方がいいに決まってる


 俺の存在を無くせという声は次第に大きくなり……
 それはやがて、知らぬ存ぜぬで通せないレベルに膨れ上がる


 学校側もそれを無視できなくなり、動き出す
 こうして、提案された一つの案



 清澄高校麻雀部から清澄高校【女子】麻雀部への変更



京太郎「……」




 そして俺は……麻雀部をクビになった


10 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 20:05:50.37 ID:gMIcwShDo


京太郎「ここ、だよな?」

 殺風景な住宅街を抜けた先にある、寂れた墓地
 そこに、【その男】の墓は建っているという

 俺が最後の希望を持って縋りに来た
 ここが始まりの場所になるのか、それとも……
 
京太郎「……?」

?「……」

 そこにいたのは、歳は30から40
 ヘタをすればもっと行ってるかもしれない男

 細身でメガネを欠けたその男は、ただ静かに立ってる
 
 一つの墓の前で何も言わず、ただぼんやりと……視線を墓石に向けて


 【赤木しげるの墓】


 そう刻まれた、墓石の前でただ立っている


京太郎「……(マズイな)」

 人がいるとは思わなかった
 これでは、俺の目的が果たせない

京太郎「(早く帰ってくれよ……)」

 そんな想いを浮かべながら、どう暇を潰そうかと思案した
 その時だった

?「お前、この男に用があるのか?」

京太郎「えっ?」ドキッ

 声をかけられた
 もしかして、バレてる?

?「……まだガキだな」

京太郎「ど、どうも……」ペコリ

?「見ろよ、この人の墓」スッ

京太郎「え?」

?「墓石の欠片をガリガリ削られて、今じゃこんなに小さくなっちまった」

京太郎「そ、そうですね」

?「しかしそれも数年前までの話だ。今じゃ、誰もこの人の墓を削ろうなんてしねぇ」

京太郎「……」

 そう
 俺がここに来た目的

 それは、この【赤木しげるの墓】を削ること

 その墓石の欠片を手に入れたかったのだ


?「……お前は、コレが欲しいのか」

京太郎「……はい」

?「そうか。素直な奴だな」ハハハ

11 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 20:20:16.73 ID:gMIcwShDo

 一体この人は誰なんだろうか?
 赤木しげるの知り合いなのか、それともただの変人か

 もしくは俺と同じように力を求めてきた人間なのか?

?「お前、麻雀か?」

京太郎「っ!?」

?「その反応、図星か。ガキだからそんなことだろうと思ったけど」

京太郎「……」

?「……お前は、どうしてここに来た?」

京太郎「そ、それは……」

?「強くなりたいのか?」

京太郎「……」コクッ

?「……そうか、強くなりたいか」トオイメ

 男はひとしきり俺を見回した後、静かにため息を吐いた
 そして、この世の終わりのような顔で呟く

?「やめておけ、ろくなことにならないから」

京太郎「なっ!?」

?「俺も長くこの世界にいる。分かるんだよ、そういうの」

 見込みがない
 そう言いたいのだろうか?

 だとしたら、なんて腹の立つ言葉なんだ

京太郎「なんでそんなことを、アンタに言われなきゃいけないんだ!」

?「……ごもっとも。だからこれはただの忠告」ザッ

 砂利を踏み鳴らし、墓石を一瞥もせずに男は歩き出す
 その背中にはどこか、哀愁が感じられる

京太郎「あ、あのっ!」

?「俺はひろゆき。井川ひろゆきだ」

京太郎「ひ、ひろゆき?」


ひろゆき「……なんでですか?」ボソッ


 ひろゆきさんは呟く
 それは、もう既にこの世にいない人に向けてのものなのか

 それとも

ひろゆき「どうして、今さら……」


 その先の言葉は聞き取れなかった
 だけど、俺は直感的に察することができた


 あの人が言いたかったこと、それは――



「化けて出てくるんですか?」



 その真意はまるで分からなかったけど

12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/05(月) 20:30:41.65 ID:EzDclHnR0
なにこのクッソワクワクするSS
ひろゆきは1970年生まれだから今45歳くらいか
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 20:31:33.94 ID:9SL5WOjK0
そうかもうそんなになるか
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 20:33:20.72 ID:X1YaO2igo
死んだ設定だと老アカギも若アカギでもどっちでもいけるから便利だよね
15 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 20:33:23.97 ID:gMIcwShDo

 ひろゆきさんがいなくなってから数分
 俺はひろゆきさんと同じように、赤木しげるの墓を眺めていた

京太郎「……」

 さっき言ったようにこの墓石は人によって削られている
 というのも、この赤木しげるが生前【神域の男】と呼ばれ……恐れられた博徒だったかららしい

 ようは赤木しげるの運にあやかりたい連中が、この墓石の欠片をお守りとするわけだ

 そして俺も、そんな連中の一人
 なんとしても強くなりたい、そんな一心からこんな場所にまで来てしまった

 ただの大馬鹿者だ

京太郎「……赤木しげる」

 果たして、この男は一体何者だったのだろうか
 何を見て、何を感じ、何を想い、何を目指していたのか

 俺のような凡才が、到底追いつくことのない頂きに到達した男

 神と呼ばれた男は――
 俺と何が違ったのだろう?

京太郎「それを知りたい。だから――」グッ

 持ってきたカナヅチを構える
 犯罪だってのは分かってる、だがそれでもいい

 どうせ今の俺に失うものなんて無いのだから
 だから――

京太郎「……」ググググッ


 カラァーンッ


京太郎「……」ガクッ

 ダメだ、やれない

京太郎「やっぱ、ダメだ」

 どれだけ決意を固めても、手が思うように動かない
 決して怯えているわけじゃないのに

 どうしても躊躇してしまう

京太郎「俺に、その資格があるのか?」


 この男の力に縋る、その資格
 そして、もう一つ


京太郎「俺は……こんな形で勝ちたいのか?」


 自分の実力でどうにもならなくて、逃げ出して
 泣きたい想いを抑えて、俺は今ここにいる

 その最後の選択が、ここで、本当にいいのか?


京太郎「……」

 
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 20:36:40.52 ID:PcKnq33wO
これは期待
17 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 20:45:59.02 ID:gMIcwShDo

京太郎「……」

 そっと、赤木しげるの墓に触れる
 アンタがどんだけすごかったのか、強かったのか

 それはもう分からないかもしれない

 でも、それでも俺は――

京太郎「俺のチカラで、やってみます」

 もうすぐ、俺を待ち受けている試合
 勝ち目なんて全く無い、ただの消化試合だ

京太郎「でも、それでも」ガンッ

 思い切り赤木しげるの墓を殴りつける
 拳が裂け、血が噴き出し……俺の血が赤木しげるの墓を染めていく

 それでも、力は緩めない
  
京太郎「俺は!! 俺の力を信じる!!」

 罰当たりだとか、不謹慎だとかどうでもよかった
 ただ楽になりたかった

 ここで宣言しても何も変わらないのに
 ただ認めて欲しかった

 目の前の男に、挑む資格があるということを

京太郎「……はぁっ、はぁっ」


 パキッ


京太郎「……え?」


 パキキキッ……

 パキィィンッ……!!

 カランッカランッ!


京太郎「あっ……」

 それは、偶然なのか必然なのか

京太郎「欠けた……?」

 たまたま古くなって弱っていた?

 いや、違う

 これは――赤木しげるからの餞別だ

京太郎「……赤木さん」スッ

 俺の血で染まった、赤木しげるの墓石の欠片
 ……そこまで言うなら

京太郎「貰っていってやるよ」

 俺が、戦う姿をアンタに見ていてもらう
 俺が強くなる姿を、アンタに見せる

京太郎「……ありがとうございましたっ!!」ペコッ


 なぁ、赤木さん
 アンタは今――

 どんな顔を、してるんだ?


18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 20:50:41.03 ID:9I6Gnt1U0
これは期待
19 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 20:56:41.62 ID:gMIcwShDo


 こうして、赤木しげるの墓参りを終えた俺は長野へと戻っていた

 なんてことはない

 休日を抜ければ平日が戻ってくる
 俺にとって、苦痛でしかない毎日


 学校での生活に……


【翌日 清澄高校】

 がやっ……
    がやっ……


京太郎「……」スーッ ハーッ

 ガラガラッ

京太郎「おはよう」

 シーン

京太郎「……」スタスタ

 ヒソ……
  ヒソ……

京太郎「……」

 俺が麻雀部を辞めて一週間近く
 既に以前ほどの風当たりは無くなったが、それでも妙な噂は尽きない

 というのも、近々予定されている【大会】に
 俺がエントリーしようとしているからだ

 その大会というのが……


  ダァンッ!!


一同「!?」ビクッ

 ざわっ……  
    ざわっ……

男A「おいっ、須賀京太郎はいるか!?」ガンガンッ

男B「このクラスなんだろぉ!?」ガラガシャァン

男C「出てこいやぁ!!」


京太郎「……ここだよ」スッ

 教室に余計な被害が出ないように名乗りでる
 相手は三人……逃げてもすぐに捕まるだろうな

男A「おぉーいたな。須賀京太郎」

男B「麻雀部のお荷物君、いや、荷物持ちだったか?」ククク

男C「どっちにしても、”元” だがなぁ?」ヒャヒャヒャ

京太郎「……」ハァ

男A「おいおい、テメェよぉ? 辞めたくせにまだ部室に入り浸ってるんだって?」

男C「女子部に男が入るなんて、おかしぃだろぉ?」

男B「こいつ女みたいな顔してっからなぁ……実はタマ無しなんじゃねぇか?」

京太郎「……」
20 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 21:09:06.23 ID:gMIcwShDo


京太郎「……退部手続きしに行っただけだ」

男A「ほぉー? ならいいんだけどよぉ」

男C「じゃあなんで、お前が【大会】に出ることになってんだ?」
 
京太郎「……」

男A「質問してんだろうがっ!?」ブンッ

 バキッ

京太郎「っ!?」ツ……ツツ……

男B「おい、顔はやめろ。バレたら退学だぜ」

男A「ふん、かまうこたぁねえよ」

京太郎「……」

男C「だいいちみろ、このふてぶてしい態度」

男A「どうせ教師の誰かが止めにくると、たかをくくってやがるのさ」

京太郎「……」

男A「残念だがその計算はきかねえよ。なぜなら俺らのバックには……」

 ガラガラッ

京太郎「!?」

教師A「……なんだ、何してる?」

男A「実は須賀君が絡んで来まして」

男C「俺たちに殴りかかろうとしてきたんで、つい反撃しちゃったんですよ」

 チ、チガッ! スガハワルクナイ!
 ソウダソウダ! ナニモシテナイヨ!

教師A「静かにしろ!!」ダンッ

 シーンッ……

教師A「またお前か? ん? 須賀?」ツカツカ

京太郎「……」ジロッ

教師A「なんだその反抗的な目は……?」

京太郎「……すみません」

教師A「須賀、廊下に立ってろ。放課後は反省文を10枚書け、いいな?」

京太郎「……」コクッ

男ABC「「「……」」」ニヤリ

教師A「ふんっ。貴様のような生徒、早くやめればいいんだ」

 ア、アイツッ! ヤメロヨメダ!
 クソォー…… ミヤナガサンガイレバ……

 ナンデコンナトキニイナインダヨ! 

教師A「静かにしろと言っただろ!! 騒いだ奴も廊下に立たせるぞ!!」

 ……シーン

教師A「では出席を取る。須賀、早く出て行け」

京太郎「……」スタスタ

 ガラガラガラッ


21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 21:13:14.86 ID:g/43dc0Ao
安定の教師A
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 21:15:08.26 ID:9SL5WOjK0
安定のクズ共
23 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 21:20:40.94 ID:gMIcwShDo

【清澄高校 一年教室前 廊下】

京太郎「……」

 普段から毎日こうだというわけじゃない
 咲や部長達が居る前では、あいつらも表立っての行動はできないわけだ
 
 だが今は違う
 咲達、清澄高校【女子】麻雀部の皆は……旅行に行っている

 学校側から渡された旅行券五枚
 一週間、課外授業扱いで好きに旅行してきていいらしい

 全国大会優勝への、保護者会からの贈り物だとかなんとか
 みんな、素直に喜んでたな……

 確か、他の学校の人とも行くとか言ってったっけ?

 龍門渕の部長が張り切ってチャーター機を用意したお陰で
 風越、鶴賀も合同で参加したらしい

 きっと、楽しい旅行を満喫してるに違いない


京太郎「ま……俺には、当然何も無いんだけどさ」


 それどころか、今まで咲達の目を忍んでしか行えなかった嫌がらせが激化
 当たり前のように生徒にも教師にも目をつけられる毎日


京太郎「……」


 正直、俺自身分からなかった

 麻雀なんて元々そんなに好きじゃないし、さっさと見限ればいい

 そんで普通の高校生活に戻って
 咲達を遠くから応援して……学校を卒業して

 普通に生きればいい
 大学を出て、そこそこの会社に就職して……いつかは結婚して

 子供が出来て、子供を育てて行く

 そんな生活を夢見ればいい


京太郎「でも……逃げたくない」


 意地、なのかどうか
 そんなことも分からねぇ

 でも、きっとここで背を向けたら……俺はきっと死んじまうから
 ずっと死んだまま、これから先生きて行かなきゃいけないと思うから


京太郎「だから俺は、大会に――」


 
24 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 21:30:56.35 ID:gMIcwShDo


 俺が出場を決意した【大会】

 それはプロもアマも男女も関係なく――
 ただ、最強の雀士を決めるという大会だ

 以前行われたことがあるものに【プロアマ親善試合】というものがあるが
 規模はまるで違う

 全国大会に出場した高校から男女混合の代表者二名が出場
 プロの実業団からも代表者が二名選ばれて出場する

 いわば各高校の最強と、プロ実業団の最強選手が出場し
 競い合うお祭りのようなものだ


京太郎「当然、清澄高校の枠は2つ」


 選ばれるのは二人
 当然あの五人の中から選ばれるだろう

 学校の面子もあるし、全国の記者や視聴者が咲達に期待している
 プロを打ち負かすのではないかと、ワクワクしているのだ

 だからこそ、その枠は二つとも揺るぎないものとなる


京太郎「……」

 
 部長は言った


〜〜久「咲と和を出す。それが学校の総意よ」〜〜


 俺も同じ気持ちだ
 最も強い二人が出れば、長野の代表として鼻が高いし
 必ずいい結果を残すだろう

 だからこそ、俺はこう返した


〜〜京太郎「部長、俺がその二人に勝てば――代表になってもいいですか?」〜〜


25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 21:31:11.20 ID:E4q45wHf0
咲ちゃん早く来てくれ……
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 21:40:04.52 ID:YtcIWTh40
こんないじめが普通に起きそうなのが嫌なんだよなぁ...。
せめて京太郎に天運を与えたまえ
27 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 21:41:56.18 ID:gMIcwShDo

 部長は困惑した顔で俺を見つめていた
 言いたいことは分かる

 無理だと、不可能だと
 その目が告げている

 でも俺は引き下がらなかった

 そしてようやく、一つの条件を取り付けた


〜〜

久「まず、私とまこと優希。この三人に勝てたら考えてあげるわ」

京太郎「ほ、本当ですか!?」

久「でもね、須賀君。アナタも知ってる通り……今私たちは英雄になってる」

京太郎「……」

久「それを差し置いて須賀君が出場になれば、きっと今以上に風当たりは強くなるわよ?」

京太郎「分かってます」

久「……退部届けだって、私そんなの受け取りたくないわよ」

京太郎「……なら、染谷先輩が部長になってからでも」

久「そういうことじゃないでしょ!!!」

京太郎「……」

久「いい? 例えどんなに辛くても、周りが敵だらけでも……須賀君はここに必要なの」

京太郎「……」

久「咲も和も優希も、まこも……みんな力を出し切れないわ」

京太郎「……」

久「だから須賀君。もし、私達に負けたら――」


〜〜


京太郎「マネージャーとして入部しろ、か」

 今までと何も変わらない
 咲達の為に裏方として頑張って、応援して

 それで、みんなが活躍するのを見守る

 変わったことはただ一つ
 俺の未来が――枯れるだけ

京太郎「……なぁ、咲」

 お前は今、どこにいる?
 俺と過ごしてきたお前は今、どこに立とうとしてるんだ?

 なぁ、咲



 俺は――お前に並べるか?




?「……」スゥーッ






28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 21:45:45.62 ID:YtcIWTh40
部に必要(他の部員が全力で打つため)。
やっぱヒッサって...
しかも周りが敵だらけなの承知の上でとか...
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/05(月) 21:47:21.22 ID:o8+r/FHy0
>>26
なんか京太郎とラッキーマインを組み合わせたくなった
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 21:47:46.75 ID:G2kYJeR40
ファッキューヒッサ
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 21:47:55.14 ID:9SL5WOjK0
かなり残酷な上に無配慮というか
エグいね部長
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/05(月) 21:48:35.71 ID:l2iBPJaI0
ヒッサは考えているようで無計画なんだよなぁ
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/05(月) 21:50:59.91 ID:ZVt7B3cW0
ワシズだろ、アカギ以外には無敵の剛運だし
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 21:51:56.62 ID:X1YaO2igo
「麻雀小僧」のまー坊くらいのスタンスでいければ楽なんだろうけどなぁ。学校だし難しいよな
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 21:54:15.72 ID:0G223gDF0
安定の教師Aと畜生部長
36 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 21:55:33.55 ID:gMIcwShDo


【都内 居酒屋】


 ガヤガヤ

?「うぅっ……もっとビールくらひゃい」ヒック

ひろゆき「飲みすぎだぞ……」

?「らって、井川さんが冷らいから……」ヒック

ひろゆき「……全く。麻雀を打ってる時とは大違いだな、お前」

?「ぶーっ、いいやじゃないれすか! 麻雀なんへ……」ブツブツ

ひろゆき「なぁ俺さ。……今でも……時々思うんだ」

?「へっ?」

ひろゆき「……若い頃のあの人はどれほど強くて……化物だったのかと」

?「……あの人って、赤木しげるのことですか?」

ひろゆき「ああ、俺が知る限り――あの人より強い人は存在しない」

 チラリと、旧知の顔が思い浮かんだがそれはいい
 あの人もきっと、同じことを言うだろうから

?「ねぇ、井川さん」

ひろゆき「なんだ? 結婚ならしないぞ」

?「違います。あの、その赤木って人と私……どっちが強いのかなって」

ひろゆき「あ? そうだな……最近の若いのは変なオカルトめいた力を使うしな」ウーン

?「わ、若いっ……えへへっ」ニマニマ

ひろゆき「……でもな、そういうのじゃねぇんだよ」

?「え?」キョトン

ひろゆき「あの人の強さはもっとこう……別にあるというかさ」グイッ

 ゴクゴクッ

ひろゆき「そこんとこはまだ俺にも……分からん」

?「ふーん……。でも、井川さんがそんな話するの珍しいですね」

ひろゆき「……」

?「普段は聞いても黙ってるじゃないですか?」

ひろゆき「……それはだな。今朝、変なガキを見たんだ」

?「ガキ?」

ひろゆき「てんで弱そうで、情けなくて。才能の欠片もないような奴」

?「酷い言いよう……」

ひろゆき「でもな、あの人がそいつを選んだんだ」ギリッ

?「???」

ひろゆき「……分かりませんよ、赤木さん」グスッ



 なんで俺じゃ――ダメなんですか?



?「……」

37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/05(月) 21:58:58.91 ID:5qX9f05/0
アラフォーかな?
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 21:59:07.47 ID:g/43dc0Ao
?いったいどんな健やかなキャラなんだ……
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/05(月) 22:06:21.59 ID:l2iBPJaI0
猫耳が似合う人かな?
40 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 22:06:28.63 ID:gMIcwShDo


【数日後 Roof-top】

 部長と話し合った結果、対局の場所はこことなった
 部室に俺が入ればまた問題になるし、ここならその心配も減る

 それに――この試合のことは咲と和には内緒だから
 もし二人が知れば、どちらかが辞退する可能性がある

 それは、出来れば避けたいこと


優希「……」

まこ「事情は聞いちょる」

久「……私達三人が相手よ」

京太郎「……はい」


 そして――いよいよ決戦
 相手は俺のよく知る三人だ


優希「京太郎……私達が勝てば、辞めないんだよな?」

京太郎「ああ、約束だからな」

優希「……」


 優希の奴はきっと分かってる
 俺が部活に残ることになれば、今以上に苦しい日々が待っているかもしれない

 それでも、俺にいて欲しいのか?
 そんなに俺のことを想ってくれてるのか、優希?

京太郎「……ありがとな」ポンッ

優希「うっ、うぁっ……うあぁぁあぁっ、ごめん……ごめんなさいぃ……」ポロポロ

まこ「……京太郎、お前が苦しんどるのに気づけんで――すまん」

京太郎「いえ、いいんですよ。俺が望んだことですから」

まこ「じゃが……こんな結末!」ギリッ

久「まこ、よしなさい。須賀君の決めたことよ」

まこ「っ!! そんな言葉、口にする資格があると思うちょるんか!?」

久「……そうね。私が言うのは筋違いだわ」ウツムキ

まこ「……くっ!」

 みんな、苦しんでる
 誰も悪くないのに、みんな自分の想いのままに歩んだだけなのに

 それもこれも、全部俺のせいなんだ

 俺が弱いから

 俺が何もできないから

 だから――


京太郎「打ちましょう」


 強くなるしかない


41 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 22:09:57.69 ID:gMIcwShDo


 俺が望んだもの……
 それは変化だった……


【Roof-top】


京太郎「……」

 全てをひっくり返すような変化だ
 生まれ変わるほどの……

 しかし俺はその資質に欠けていた

 
優希「……」

まこ「……」

久「……」


 女の子目当てで入った麻雀部では、初心者ゆえにカモられ
 手を出すことなど出来ず、雑用としてこき使われる毎日

 そして今日、【大会】への出場を賭けての麻雀も……


京太郎「(持ち点が……あと少し)」チャリッ


 連敗――
 
 追い詰められた


京太郎「くっ……」

 これまでずっと4位……流れに乗れずに点棒が減るのみ
 そのたびに胸が締め付けられる

久「さぁ、須賀君の番よ」

京太郎「……」

 これが尽きたら、俺はこれから先ずっと雑用としてみんなを応援しなければならない
 麻雀をやることもなく……ただみんなを影から見守るだけ

 半年前、麻雀部に入った
 その日から俺の運命は決まっていたのかもしれない

京太郎「(なんとかしのいで次の半荘へ)」チャラッ

 もう振れない

京太郎「(大丈夫、これならきっと通る)」タンッ

久「ロン」

京太郎「!?」


 あぁ……終わった
 何もかも


京太郎「(ミスらしいミスはしてないのに……どうして?)」ギリッ


 俺は確かに初心者だ
 だけど、運が絡む麻雀でここまで一方的なのか?

 これじゃあまるで、一方的なリンチじゃないか

42 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 22:10:49.20 ID:gMIcwShDo

 俺は確かに初心者だ
 だけど、運が絡む麻雀でここまで一方的なのか?

 これじゃあまるで、一方的なリンチじゃないか


優希「……諦めるじぇ」

まこ「京太郎……もう辞めるんじゃ」

久「須賀君、アナタがどうしても必要なの。みんなの為にもお願い……」


 そんなこと、理解はしている
 しかし、だからと言って納得はできない


京太郎「(俺は……男だ)」グッ


 俺には分かる
 もしここで【大会】に出ず、そのままずるずると過ごしても何も変わらない

 俺は負け犬のまま、ずっと……ずっと


京太郎「(この半荘でラスをくうとオワリ。次の半荘へすすめない)」


 なんとか3位!  
……頼む!


京太郎「っ!」カッ
 
 カシッ

京太郎「……(ダメだ、来ない)」


 どれだけ祈っても、掴むのはゴミのような手
 泣きたくなるような配牌

 変わらない運命

43 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 22:12:24.87 ID:gMIcwShDo
京太郎「(誰か、変えてくれ……!)」


 誰でもいい……!

 このよどんだ空気、流れを!

 変えてくれっ!


京太郎「(誰でもいい……!)」


 神でも……!


 魔でも!


 
 ギィッ……


京太郎「……?」


 それは不思議な感覚だった


?「……へぇ」


 そいつが部屋に入った瞬間――
 俺の世界はガラリと変わった


?「……」

  /::,ィア::::..          /}        廴
  ノイ/:::/:::::/:::::::::/ / / / ハ          :j
   / ハ:::::::/::::r/ / / ̄// ̄! i!       :|
    |/ | ./{::::::::::ヽノイへ ノ'_____| ノ: y       :!
      j/ イ}::::::/  ヾ::::L ー┴宀ソ/i     :i!
       ノ/      ̄     )' リ r―、 ::l
       `iヾ辷ーァ         / /刀 i :ノ
          |::::::::::::__        / /ノノ ノ :/
        l:::::::::::≠ミ=-,...__    レ'ー'/::从
        |:::::::::{..___    ̄   入__(:::::::::::i
         ';:::::::::ノ     ,,イ /  ∧入::::::l
         }:::::/    ,,;;≦:::::{ /     ヾ、:::|
         jノ _ ―{:::::::::::::::::/       从k
          ̄    ヽ:::::::::::/  -−;;::: ̄ ̄ ::::{
            _/-='' ̄     -―― 、::`ヽ、
            i:   /: ̄ ̄ ̄   ̄`ヽ:::ー -::}
            |:  /:::::::::         ::\`V
    ____r‐'{::〈k=ニ二二二二`ヽ、    ::∨\
  ィ斥:::::::―…¨::::::::::::::::::::........      ̄      :::\_}


 その男――
 神か、悪魔か
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 22:13:02.63 ID:eHmi44jg0
安定のぐう聖わかめと畜生部長
そしてすこやんはダメ女アラフォーかわいい
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 22:13:18.17 ID:9SL5WOjK0
来たああああああああああああ
46 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 22:16:08.23 ID:gMIcwShDo

 ということでくっそ長いプロローグは終わりとなります
 アカギさん、一同首を長くしてお待ちしておりました


 今から少し休憩して、その後ちょこっとだけ続けます


 あと、この後の対局とかはまんまアカギから流用とかしても大丈夫ですかね?
 一応少しはアレンジしようかとは思ってるんですけど

47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 22:16:51.10 ID:9SL5WOjK0
一旦乙
いいんじゃないでしょうか
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 22:19:22.57 ID:XEdR9lYn0
私は一向に構わん
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 22:20:08.96 ID:v0yWU/y/o
一旦乙です
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 22:21:02.82 ID:H0ck0FPHO
一旦乙でした。

良いと思いますよー
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 22:43:58.37 ID:rVLQjaL30
一旦乙です
これは最高にかっこいいですわ
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 22:44:56.54 ID:oIX6XvMY0
これからどうなるのか胸アツだなぁ
53 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 22:46:35.60 ID:gMIcwShDo

 その男はまるで幽鬼のようにふらりと現れた

 店内にいる、他の一般客とはまるで違う空気

 歳は十代後半から二十代前半と言ったところか
 見た目に関してはなんてことはない、どこにでもいそうな男

 だが、それなのに俺は――
 その男の眼差し――一挙手一投足に、目を奪われた


?「クク……」ツカツカ


 歩いてくる
 対局中のどの卓にも目もくれず、ただまっすぐ俺達の元へ

 
京太郎「(一体誰なんだ、あの人――?)」

 
 染谷先輩の知り合いか?
 それとも部長の?

 頭の中をぐるぐると、色んなことが巡り回る

 しかし、誰もその人を見ようとしない
 こんなに近づいてきているというのに、誰も意識を向けようとしない


京太郎「……?」

?「……」ドサッ


                ア     非   ヽ
               ム"         ハ
                / " "        ".ハ
              / " "       " " |
              }イ " "/  /ヽ   " " |
                  |イ /1/レイ/_  XA   |
                  |.|/ }∧ ー゚'’ ii ー゚ ”}沙
                  ハ   ||    /}::::ヾ、
                    r/:∧ ー仆一 / |:::::::}:::> .
               /:/:::: ∧  zz / リ:::::::|:::::::::::::> .
            , <:::::/:::::: | ヽ   /  /::::::: |:::::::::::::::::::::::::> .
         , <:::::::::::::/::::::::::{   ヽ/  /:::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::'.
        ./::::::::::::::::::::/:::::::::::::|>---:</::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{
        }::::::::::::::::::::/:::::::::::::::|;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:::::::::_|__::::::>::::::::::::::::|
        /:::::::::::::::::::‘ー---:::|;;;>=へ ̄ ̄:::::::::::::::::::::: ̄ ̄::::::::::::::::!
       .}:::::::::::::::::::::::::::::::::::> ´    ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
       /::::::::::::::::::::::::::::::> ´        >::::>:: ̄`丶:::::::::::::::::::::::::リ
        〈::::::::::::::::::::::::::/        r千:/::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::/
       }::::::::::::::::::/:/         /;;}:/::::::::::::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::/
       |::::::::::::::::::}/ /      ./;;;;;;;;}':::::::::::::::::::::::::::::::::::' ̄ ̄「´
      .ノ::::::::::::::::/:} }  ./ /  /;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}:::::::::|


 男は何も言わず、俺の後ろの椅子に座る
 どうやら、俺の配牌を見ているようだ

京太郎「??」ガバッ

 振り向くと目線が合う
 男は何も表情を浮かべず、ただこちらを見ているだけ

 一体――何が目当てなんだ?

久「……須賀君?」

京太郎「えっ?」

久「対局中によそ見しないで。それに、椅子なんか見てどうするの?」

京太郎「???」

 椅子? いやいや、こんな見られてたら集中できないでしょ普通!

54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/05(月) 22:48:40.47 ID:Xdr4ecWu0
麻雀部の状況は悪い噂が立てばほぼ事実だから部員だと具合が悪いし、辞められても用済みだから捨てたとか噂が流れれば否定出来ない。辞められても部員のままで居られても都合が悪いからマネージャーになれだし、学校側も京太郎に土下座してでもマネージャーになって貰うしかないけど、教員も含めて状況が把握できているのがロッカーしか居ない。
大会前に理由を話してマネージャーにするなり、辞めて貰うなりするべきだったけど、対応が後手後手。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 22:49:54.53 ID:YtcIWTh40
乙ー。
ぶっちゃけ一番聖人なのは京太郎だと思うね。
苦しいのは自分だろうに、それでも部に残らせようとする優季に逆に礼を言うし、ヒッサに文句は言わないし、こんなクソッタレな学校を辞めないし、どんな過酷な人生を送ってきたんだろう...。
絶対に京太郎を幸せにしてくれ、イッチ
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 22:53:19.30 ID:9SL5WOjK0
きたぜぬるりと
57 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 23:00:01.64 ID:gMIcwShDo

まこ「少し、疲れとるんじゃろ」

優希「こんなに京太郎と打つのは初めてだじょ……」

京太郎「……?」

 もしかして、みんな後ろの奴に気づいてないのか?
 こんな人に見られながら打つ俺の身にもなって欲しいんだが……

久「そうね、今思えば須賀君と打つのなんて……どれくらいぶりかしら?」

まこ「……」

京太郎「……」

 だが、いいところもあった
 あの張り詰めた空気が少しだけ緩和されたような気がする

 勝ちを確信しているのもあるのか、あきらかに勝負の熱が引いている

京太郎「(変わるかもしれない、流れが――!)」グッ

 そうだ
 まだ負けると決まったわけじゃない!

 ここを凌いで、次の半荘から連続トップを取れば――
 収支で一位になれば問題無い

 まだ俺の点棒は――残ってる


?「……」


〜〜〜〜

 そして、南四局の八巡目
 とうとう、俺にもチャンスが来る

 235p 123m 12399s 中中 
 ツモ中
  
京太郎「(きたっ!)」

 5pを切って1p、4p待ちにする
 高めの1pが出ればドラを絡めてハネ満まである

 逆転トップも可能な手――

京太郎「……」ググッ

久「……」

まこ「……」

 この時、京太郎にとっては生涯において初めての鬼気迫る戦いであった
 それでも、その戦いの中で一番の決断を迫られたのはきっと――


京太郎「(2p切りか5p切りか……)」


 この決断に他ならない 
  

 
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:05:16.46 ID:k110iHdgo
あっ…(察し)
59 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 23:07:13.11 ID:gMIcwShDo

 5p切りしたいのはヤマヤマだが、問題は久のリーチ
 
 久の河にある現物は
 西北2p3m1s5m9p6s

 5pはどこかきな臭く感じる
 一方で2pなら現物だし、安全だ

京太郎「(中のみだけの安手……それでも)」

 しかたがない……

京太郎「(振ってしまえばそこで全て終わっちまう……無理はできねぇ)」

 第一、テンパイにしておけば流局狙いもできる
 一旦ここは凌いで、次のチャンスを――

京太郎「……」つ2p

 悩む京太郎、しかし掴んだのは現物の2p
 この時京太郎は既に、戦いにおいて最も重要な牙を抜かれていた

京太郎「(もう、これしか――)」スッ

 いよいよ持って、その一打を放とうと腕を上げた


 その時だった



?「死ねば助かるのに……」



京太郎「え?」

 声がした
 耳に心地よく残る、それでいてどこか不思議な冷たさを感じる声

 振り返ると、先ほどの男が京太郎をじっと見つめていた

60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:07:15.86 ID:KRq/QBwG0
まるで成長していない…
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:11:36.26 ID:IqMhsBHyo
どうせ投げるのにまたクソスレ立てたのか
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:13:01.49 ID:eW2f3p0S0
雰囲気最高ですわ、期待
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:15:01.14 ID:KRq/QBwG0
やべどっち切れば待ちいいか分かってないと勘違いしてた
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:16:01.02 ID:orBvXKePo
名場面きましたわ
65 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 23:20:29.45 ID:gMIcwShDo

京太郎「……」

?「昔、そんなモノをよく知っていたような気がする」

 男は遠い過去を思い返すようにそう呟くと、そのまま続ける

?「ただ……今気配が死んでいた」

京太郎「気配……?」

?「背中に勝とうという強さがない。ただ助かろうとしている」

京太郎「そんな、こと……」

 そんなことない、と言い返しそうになって言葉が濁る
 だって、本当にその通りだったから

?「お前はただ怯えている」ニヤッ

京太郎「(コイツ!)」ギリッ

 なんなんだ急に、後ろから好き勝手言いやがって!!
 お前に何が分かるんだ、ここで負けたら終わりなんだ!

 負けてしまえば俺は――!!

京太郎「(無視だ、無視)」ブンブン

久「??」

まこ「……ついにおかしく、京太郎」ギリッ

優希「うぅっ……」グスッ

 俺は俺のやり方でやる
 そうじゃなきゃ、意味が無いだろ!!

京太郎「(だから俺は――!!)」つ2p プルプル

 俺は……

京太郎「……」スッ

?「……」ジッ

66 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 23:23:50.19 ID:gMIcwShDo



京太郎「……ああ、そうだ」

?「……?」

京太郎「確かに俺は怯えてた。こんなんじゃ、いつまで立っても追いつけない」スッ

久「須賀君……?」

京太郎「(俺は今、戦ってるんだ。相手を倒すという、目的を持って!)」

 なのに、闇が怖くてどうする?
 相手が怖くてどうする?
 
 足踏みしてるだけじゃ――

京太郎「(進まないっ!!)」つ5p

 どうせ死ぬなら
 強く打って……!!

/     ,     /   /   / /             |   |  :.   .   :.
    /     /   /    '    |   |     |   |  i|   |    .
  イ        '   /|    /|  l   |   |     |   |  l|   |    |
// /      |   | {   ' :.     |   |     }   |  l|   |   {
 ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|
/ / .'   ,:  ' Y |_'. |  | |   | l   |     ' }/ }/ :  /  .イ `\
{/ /   / /  / {  |  Y≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'
 '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Y   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/
'  / /イ Y :.  Y    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /
/        | 从   |            \ ∨/        ,  /
       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_
 ,  <//////{/{{`∧         、              /  }}//////> 、
´//////////// l| ,∧             _    ∧  ||///////////>
/////////////从 {   、         _  ィ -vノ    ' } /'/////////////
/////////////{/∧   l\   ー=≦__ ,   ´   /' / イ∧/////////////
/////////////|//∧  :. \               / / /'////}/////////////

京太郎「(死ねっ!)」ダァンッ!!!!


 5p


久「!?」

まこ「!!?」

優希「!?!?」

 

京太郎「……」


久「……くっ」つツモ


京太郎「(通った……!)」


 
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:24:58.68 ID:R8u4xn/oo
いわゆる凡庸な奴の中にも輝いている奴はたくさんいるだろ? いるさ。いくらでも いる。 楽しむか楽しまないかだけだ
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:29:08.33 ID:VpCUh0dMo
(京太郎、リーチ!リーチ!)ボソッ
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:30:25.29 ID:NwdTnIGLo
すげぇ
ドキがムネムネする
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:34:17.42 ID:orBvXKePo
休めを考えたらリーチなんだろうか
71 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 23:37:37.35 ID:gMIcwShDo


まこ「(ここで5pじゃと……?)」

 その時
 全くノーマークのまこが実はテンパっていた

 まこの待ちは発と2p
 
 もしも京太郎が2pで逃げていれば振り込んでいた運命のイタズラ

まこ「(惜しいのぅ……)」タンッ

優希「うぅー」タンッ

 そして、その1巡を乗り越えた京太郎
 そのたぐり寄せるツモは――

京太郎「……っ!?」つ中

 引いたのは、四枚目の中
 すかさず――京太郎は動く

京太郎「カンッ!」バララッ

久「え?」


 そして京太郎が嶺上牌に手を伸ばす


久「(馬鹿、そんな苦し紛れで何が――)」


 引き入れるのは、神か悪魔か


京太郎「(頼むっ……!!)」


 引いたのは――


?「クク……」

京太郎「!! ツモ!!!」つ1p

 
久「嘘っ!?」

まこ「なっ!?」

優希「!?」


京太郎「新ドラは――」カチャッ

 8s

 たぐり寄せる、勝利への波


京太郎「三色同順、中、嶺上開花、門前にドラ3だから、えーっと?」

まこ「倍満じゃ」

京太郎「ば、倍満……?」

久「この半荘は……須賀君のトップね」

京太郎「!?」ガタッ


 勝負の振り子はゆっくり――
 京太郎へと触れ始めた

72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:39:28.12 ID:9SL5WOjK0
いけるやん!
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/05(月) 23:40:05.21 ID:5qX9f05/0
勝てる、勝てるんだ!
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:43:10.04 ID:YtcIWTh40
ここから先はアカギだったら赤木が代打ちするんだが、ヒカルの碁的に赤木が京太郎に宿るんだろうか?
赤木今霊みたいだし
75 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 23:46:08.48 ID:gMIcwShDo


京太郎「俺が……トップ?」ヘナヘナ
  
 この三人を相手にトップ
 未だ四回目の半荘でようやく、一位を取れた

 生き延びた――
 死なずに済んだのだ

久「少し休憩しましょ」

まこ「あ、ああ……そうじゃな」

優希「……」

 ガタッ スタスタスタ


 それぞれ思うところがあったのが、一度席を立つ三人
 一方で京太郎は、自分を勝利へと導いた男の存在が気になっていた


京太郎「……あの?」

?「……」

 先ほどから微動だにせず、京太郎を見つめる男
 京太郎は少しばかり恐れを感じながらも尋ねる

京太郎「アナタは一体……?」

 それは純粋な感謝の気持ちからなのか、好奇心からなのかは分からない
 ただ京太郎は知りたかった

 目の前の男の、底知れぬ気迫
 その正体を――


?「……赤木」

京太郎「え?」


アカギ「赤木しげる……」


     /  , _                              ヽ
    l. /  `/. ,y-ー.'ア´ /   /ヽ                  l
    l. l /´/ /_,.ィ´ _. -'/  ,/  ::ヽ   、              l,
   l. l i,/ /ー ' ´ ^/ ,/     ::::'、 l::i  |, i!      iヽ  ヽ、 l,
   l │ | / /  ヽ``く '"´、 、     ::::! .i::'、 !i ,l ! . l'、  l ヽ   ! ヽ l
  l   | ヾ /    `<う\ヽゝ     ::::! l ::l ,| ! | l  l l  l '、. |  l l
.  l   ヽ┤/      `ー ',..:::     ,..-lノ-:;l,|-:l,l .l l  l  !  i, l  l i
  l   / ''|          ''''''" :::: ,∠ッァ-ー一, /i! l l  ! ,!  l !   !
ヽl /   .:l              ::: l::`ー゙'''''"´´/   l,!  l,'    | |
 V     .:::|             :: l::      ::/   '   ´     !i
  ヽ    ::::l             :: l::.    ..:/           '
  ... ヽ  .::::|            , 、   : !:::.  ..::/
  ::::...ヽ .::::::|   ヽ、     rヽ   i:::::::::, '
 .. .:::::::.. ヽ:::.:|     ` ー- ..._ __`、. l:::/
   :.:::::::... ヽi             ヽ !'
    ::::::::::::.... ヽ    ー- 、......  /
    ::::::::::::::::.. \  ::::::::  /ヽ
  :   ::::::::::::::::: ,.イ>.     /:::::::.. ヽ
  :..   ::::::::::.: ./ l   /:::::::::::::::.... ヽ
   ::..:.  :::::.::. / ,'   /::::::::::::::::::::::::::. . ヽ
|   ::::.:.  :::: / ,' ー 'ヽ::::::::::::::::::::::::: : : : ヽ
|   :::::::.. ノ  ,i      入:::::::::::::::: : :     ヽ
 !   /   <        '、::::::::::: :      /:|
 |/     \、      i、::::::     /::::.l
  `´                 :::      ::::::::l

76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/05(月) 23:47:14.80 ID:Xdr4ecWu0
アカギの性格的にヒントと終わった後で内容の説明はしても、ヒカ碁の幽霊みたいに出しゃばったりしないだろ。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:47:48.37 ID:X1YaO2igo
熱い3流なら上等よ・・・っ!
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:48:09.61 ID:k110iHdgo
この赤城は京太郎の代わりに打つじゃなくて助言を言って京太郎を覚醒させるだろうなあ
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:48:28.58 ID:oIX6XvMY0
>>73
それはフラグだ
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/05(月) 23:53:58.21 ID:Xdr4ecWu0
アカギは風来坊だから唐突に居なくなったりするけど、割と面倒見が良いし、初心者指導も出来る。
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:55:45.92 ID:g/43dc0Ao
姫様がヒロインになって最終回が
アカギIN姫様のダブルヒロイン設定かな(迷推理)
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/05(月) 23:58:02.92 ID:X1YaO2igo
ヒロに指導染みたことはしてたしオサムを先輩から助けたり金を渡したりしてたしなー
83 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/05(月) 23:58:39.30 ID:gMIcwShDo


京太郎「あ、赤木しげる?」

アカギ「……」

 何を馬鹿な、と京太郎は思った
 なぜならその名は、つい最近聞いたばかりの名だったからだ

 それも死人

 数十年前に死んだ……神域の男
 その伝説の名前

京太郎「あの、冗談じゃなくて真面目に答えてください」

アカギ「冗談に聞こえるか?」

京太郎「いや、だって。その名前は――!」

アカギ「まぁいいさ。別に名前なんか」

京太郎「え?」

アカギ「好きに呼べばいい。萩原でも聖人でも。そんなもんに価値はねぇ」

京太郎「は、はぁ……でも一応、アカギさんって呼びます」

アカギ「……そうか、好きにすればいい」ゴソゴソ

 そう言って男はどこからか取り出したタバコに火をつける
 どうやら20歳以上のようだ

京太郎「それでアカギさん。アナタは何者なんですか?」

アカギ「……知りたいか?」

京太郎「そりゃ、まぁ」

アカギ「フフ……だがな、それは無理な相談だ」

京太郎「……え?」

アカギ「記憶がねぇーんだ。さっき目覚めてから、ここに来る以前の記憶が」

京太郎「ええっ!? それってまずいんじゃ!?」アセアセ

 記憶喪失だって!?
 それなら早く病院に行くべきだ!

京太郎「じゃ、じゃあ救急車呼びます!」ピッペップッ

アカギ「ハハハ……ばかだなおまえ。まだ気づかないのか?」

京太郎「へっ?」

 スクッ

アカギ「フフ……オレはな」スゥーッ

京太郎「!?!?」ビクッ



アカギ「もう、死んでんだ」ククク


京太郎「ぎゃああああああああっ!?!?」ドンガラガッシャァァン!


 ざわっ……
   ざわっ……



84 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/06(火) 00:11:21.16 ID:cBr7aM1eo


 タッタッタ!

まこ「どうしたんじゃ!?」

京太郎「ゆ、ゆっ、幽霊が!?」ビクビク

まこ「はぁ!? 何を寝ぼけとるんじゃ?」

京太郎「だ、だってそこに、ほらっ!」ユビサシ


アカギ「フフ……」 


まこ「……? なんもおらんぞ」

京太郎「へっ? 見えないんですか?」

久「……須賀君、もしかして私達の動揺を誘ってるの?」

京太郎「い、いや! そういうわけじゃ!」

優希「でも……対局中にもブツブツなにか言ってたじょ」ジトッ

 うっ、そう言われるとそうなっちゃうのか?
 いやでも! だって俺には普通に見えてるわけで!

アカギ「まぁ、諦めな。どうやらオレはお前にしか見えないらしい」

京太郎「そ、そんな……」

アカギ「……」

 いきなり目の前に幽霊が現れて、俺にしか見えない?
 そんなオカルトがありえるのか?

京太郎「(でも、確かにアカギさんは目の前にいる)」ゴシゴシ

 声だって聞こえるし、今もこうして話している
 決して妄想や幻覚なんかじゃない

 俺にはハッキリ分かる

京太郎「(この人はいま、ここにいる!)」

 そして……さっきは俺のピンチを助けてくれた
 そこに変わりはないし、幽霊だろうと恩人だ


京太郎「すいません、ちょっと疲れてたみたいです」

久「そう。残り半荘二回。頑張ってね」

まこ「ゆっくり休むとええ」

京太郎「はい」ペコッ

 ゾロゾロゾロ

京太郎「……」

アカギ「へぇ、もう怖がるのはやめたのか?」

京太郎「はい。幽霊でも、アカギさんはいい人そうですし」

アカギ「フフ……的が外れてやがる。俺はそんなんじゃねぇ」ドサッ

京太郎「じゃあ……どうして?」

アカギ「……」

京太郎「どうして、俺を助けてくれたんですか?」




85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:23:06.05 ID:B/Avvdv+0
まぁ清澄の連中に比べたらスゲェ良い奴だよな、アカギ。
ただし畜生共には容赦しない(具体的には平気な顔して足とか撃つ)
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:25:44.12 ID:sXjNbQCPo
畜生に容赦ないとかそういうわけじゃないだろ
ヤクザとかとも平気で付き合うし
強いて言うならアカギにとってつまらない奴には容赦がない
87 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/06(火) 00:27:53.68 ID:cBr7aM1eo


アカギ「ま……気まぐれって奴だ」

京太郎「え?」

アカギ「別にいいだろ、どんな理由だろうと」

京太郎「でも、気になりますよ」

アカギ「……人のこと気にかけてる余裕があるのか?」

京太郎「……?」 

アカギ「クク……もうすぐ始まるんだろ、続き」

 ガヤガヤ

まこ「そろそろ再開じゃぞ」

久「もういい?」

京太郎「あ、はいっ!」

アカギ「……」

京太郎「あの、俺もう戻りますけど……アカギさんはどうします?」

アカギ「さあな」

京太郎「もしよければ、まだそこに居てくれませんか?」

アカギ「フフ……幽霊に居て欲しいなんて、おかしな奴だなおまえ」

京太郎「見ていて欲しいんです」

アカギ「……?」

京太郎「俺……もう死にませんから」

アカギ「ふーん。ま、やってみな」

京太郎「じゃあ、また後で」タタッ

アカギ「……」


久「それじゃあ、再開するわよ」

優希「さっきみたいなまぐれはもう無いじぇ」

まこ「……(何かが違う、京太郎……一体何をしたんじゃ?)」


京太郎「さぁ……やりましょう」


 のちに――
 麻雀界を震撼せしめる須賀京太郎


 これがそのはじまり


アカギ「……」


 赤木しげるを名乗る幽霊と、一人の平凡な少年
 この二人が交差する時――


京太郎「フフ……」


 物語は、大きく動く



 つ づ く
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:28:30.18 ID:B/Avvdv+0
>>86
あ、納得
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:29:09.74 ID:GN/N7GUY0
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:30:05.32 ID:fhlG60lUo

続き待ってる
91 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/06(火) 00:31:33.35 ID:cBr7aM1eo

 といったところで今日はここまでとなります
 またちょこちょこ書き溜めて、時間あるときに少しずつ投下しようかと思います

 今のところ、若い生気を吸う吸血アラフォーしか決めてないんですが
 こいつと戦わせて欲しい、的なキャラがいればご希望どうぞ

 ご指摘なども、遠慮なくお願いします


 それでは本日もありがとうございました

92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:33:17.59 ID:B/Avvdv+0
乙ー。
京太郎にこういう存在がいたらどれだけ救われたことやら...
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:34:38.27 ID:25bmT+Xl0
照魔鏡で見たらアカギの存在に気付けるかとか気になるから照
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:35:01.26 ID:O5rtpQt9o
おつー
戦わせて欲しいキャラって咲限定ですか?とりあえずはマホで
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:35:31.68 ID:1L8u0zzYo
乙です
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:35:49.00 ID:kujj+h6jo
アカギが見えそうなトシさんとか
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:38:59.45 ID:O5rtpQt9o
指摘というなら一つ、ヒロは基本年上だろうが年下だろうが敬語というか丁寧な口調で話すからそこが少し気になりました。なんていうかガラの悪いオッサンにしか感じなかったので
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:39:52.54 ID:B9vqNwVdo

まあ永水だろう
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/06(火) 00:43:00.11 ID:Br2ExLMz0

久は麻雀部の規模と、京太郎に頻繁に買出しに行かせて指導をしなかった事から新人を育てる才能と絶無といって良いぐらい。名門で主力を育てるか鎬を削っている方に適正が有り、弱小校の同好会の部長の適正は無いのだよな。
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:43:01.58 ID:OiXqKxK1o
トシさん絡みで宮守とか
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/06(火) 00:45:56.82 ID:Br2ExLMz0
ワシズ(最盛期)を降ろした姫とアカギが憑いている京太郎の麻雀大戦
見えていそうな照、メゲ原さん添え
102 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/06(火) 00:48:36.67 ID:cBr7aM1eo

>>97
 書いててすげー思ったけど、45歳って考えた時に福本キャラならこんなもんかなーと改悪しました
 流石に読み返すと違和感バリバリなので、次からはもうちょっと紳士的に修正していきます

 あと、別に咲キャラだけじゃなくてもいいです
 ただカイジとか、銀と金とかはあまり出したくなかったり

 ヒロVSアカギはテーマ的にやれたらいいなと思ってます
 

>>101
 完結するのに何十年かかるんですかねぇ……(切実)


103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:49:11.00 ID:lNZy/XFI0
乙期待してる
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:54:01.72 ID:W/SI56WJ0
原田は無理でも僧我さんとは打って欲しい。
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 00:54:18.79 ID:O5rtpQt9o
あーヒロはそういうことだったんですかー。了解です
他作品キャラありならあんま見ないかもしれないけど「麻雀小僧」のまー坊で。ガチな鳴き麻雀のヤバさと逆境でも諦めず自ら活路を開いてく闘牌熱さを身につけて欲しい
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 01:13:31.90 ID:a5cqgC/40
乙乙
この手のSSで天牌のキャラが出てるのを見た事無いから、影村とか沖本とか黒沢とかの熱い奴らと戦って欲しい
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 01:23:54.61 ID:Y2rohnyj0
やっぱアカギvs人鬼だな
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/06(火) 01:27:30.05 ID:5+C///yS0

鳥肌たった。続きが楽しみ
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 01:44:06.95 ID:2oQKS0zbo
なんか交流あっても不思議じゃなさそうな大沼プロで
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 01:59:34.55 ID:X5WX0ViJo
大沼「あー(あのとき対戦したことあったなぁ久しぶりだな 裏の奴らはあんたが死んでから静かになったよ だけどいつだって若い奴らが来るもんさ そうじゃなきゃお前の墓削られやしないだろ そろそろ俺の墓でも用意するかな)……墓」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/06(火) 02:06:06.16 ID:FfP4T9Af0
孤立せよっ…!
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/06(火) 02:12:00.80 ID:6xCuOkxa0
爆岡出して欲しい
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/06(火) 02:15:42.65 ID:WVpqmPzs0
アカギ&咲(京SS)好きにはありがたいSSだな!続き楽しみにしてるよ!
まあ永水、宮守(トシさん絡み)すこやんかないまんとこ戦わせてみたいのは
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 02:19:12.10 ID:j9KoolQ0o
永水のおかげで歴史上の偉人を沢山出せるな!ムダヅモ的に
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 02:34:09.62 ID:4kf9zuWU0
面白い。
待機。
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 03:32:31.61 ID:RPCDWwL1o
人鬼憑きすこやんが見られるって?
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 03:34:19.72 ID:VlIVUGFz0
時期的にはインハイ終わって一年の二学期?
>>8で京太郎が高校二年ってなってるけど。
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 06:44:23.07 ID:FMJG4iPs0
アカギが後ろについた瞬間にヒカルの碁を思い出したのは俺だけかね
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 08:54:00.11 ID:sPBv+/mxo

面白い
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 08:54:41.88 ID:D0w4+tpDo
乙です
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 08:56:10.88 ID:l3MhM3oXo
おつおつー
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 09:21:45.08 ID:rVW35nNL0
京太郎age他のキャラsageしてるヤツはなんなのか
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/06(火) 10:49:14.46 ID:XSi7tMfk0
面白い
これからパワーバランスがどうなるかちょっと心配だけど

>>118
1に書いてあるだろ
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 13:13:05.85 ID:eZdnaV4/o
京ちゃんのお友達は死してなお見守るというのか
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 13:45:55.94 ID:W/SI56WJ0
京太郎ではないけどむこうぶちの日蔭や秀にやられる和が見たい。あとは天牌の三國や津神とか。
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 14:58:07.66 ID:YF1vKuICo
面白そう…
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 17:26:38.56 ID:FMJG4iPs0
>>123
読んでなかったわ
サンクス
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/06(火) 18:27:30.32 ID:AbxhqV4io
まぁ神眼もオカルトめいていきそうだったが
45になってどうなってんのか
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 10:02:01.29 ID:oJPgStXR0
面白いんだけど一つ言いたいのは咲さんが京太郎犠牲にしてまで麻雀打ち続けたいとは思わんと思うのだが
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 10:26:18.69 ID:bSF9hLqno
アカギの後継者足る資格はものすごい才能があるとか常に勝つとかそういう部分とは全く関係ない部分にあるだろうなぁ
131 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 11:37:03.56 ID:pif1xvFeo
>>117
 すまん、過去設定の名残です
 前の設定だと久の後ろ盾も無くなって、さらに悲惨な(久だけに)目に遭ってました ドヤァ



 あと、咲キャラ以外ってのは福本キャラ(天&アカギ&ワシズ&HERO)とかって意味合いだったんですが
 他作品のキャラも拾えたら、拾いたいです
 ただ力関係のバランスとか難しいので、出来ればクロス先は増やしたくなかったり
132 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 11:56:17.16 ID:pif1xvFeo


【都内 某所】

?「馬鹿もん!!」
 
 ダンッ

ひろゆき「っ!? アイタタ……あまり大声出さないでください」キンキン

 井川ひろゆきが京太郎と遭遇した翌日
 彼は、とある旧知の麻雀プロのもとを訪ねていた

ひろゆき「謝りますから、ね? 許してください大沼さん」ペコリ

秋一郎「……」

 大沼秋一郎、プロのシニアリーグで活躍する麻雀プロ
 堅実な防御と、”火薬”の異名を持つ彼はプロでも指折りの強者である

 かつては、あの【伝説】ともあいまみえたこともある
 この日本で、あの男の名をよく知る人物の一人なのだ 

秋一郎「全く、人と約束しておいて昨日は飲み歩いとったのか?」

ひろゆき「すみません、一昨日大きな勝負に勝って……それで」ズキズキ

秋一郎「それでまた【アイツ】の墓に行っておったのか?」

ひろゆき「ええ、まぁ」ポリポリ
 
 ひろゆきは、裏での麻雀勝負に勝つと毎度のようにあの墓を訪れる
 それは、報告の意味も兼ねて……あの人にどれだけ近づけたか確認する為

秋一郎「……はぁ。それはいいとしても、あの女を飲みに誘うことは無いじゃろ?」

ひろゆき「たまたま入った居酒屋で会っただけですよ。俺も酔ってましたし、つい流れで」

 というより、見つかった途端に向こうから走り寄ってきたのだ
 すかさずガッチリ捕まり、ずるずると同席になってしまった

 正直、なんと迷惑な話だろうか
 あれで可愛くなければ、流石のひろゆきでもブチギレるだろう

秋一郎「その気が無いのに……期待させるのはやめておけ」ハァ

ひろゆき「いや、別に無いというわけでも。ただ若すぎますね」

秋一郎「抜かせ。お前も酒を飲めばやんちゃになるだろうに」

ひろゆき「あ、あはは……治そうとは思ってるんですけど」

 そう、ひろゆきは普段こそ物腰の柔らかい男だが、酒を飲むと少し変わる
 口調が荒くなり、45歳のおっさんそのものとなってしまう

 歳は取りたくないものだと、常々思う

ひろゆき「……」

秋一郎「それより……【あの話】考えてくれたか?」

ひろゆき「……大沼のじっさん、前にも言いましたけど」

秋一郎「お前も知ってるじゃろうが、今の男子プロは弱い」バッサリ

ひろゆき「じっさんがいるじゃないですか?」

秋一郎「もうすぐくたばる老いぼれに、何が出来ようか」

ひろゆき「……じっさん」

133 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 12:13:49.28 ID:pif1xvFeo

ひろゆき「前にも言いましたけど、プロなんて興味ありませんから」

秋一郎「……」

 ひろゆきが頑なに拒む麻雀プロリーグ
 それにはちゃんとした理由があった

ひろゆき「大沼さんも知ってるでしょう? 男の強いのは”裏”にいるって」

 そうだ、この世界での男雀士の大半が裏の世界で生きている
 組の代打ちとして、勝負師として、あるいは政治家として

 生きるか死ぬかのギャンブルの炎に身を焼かれながら今を生きる

 そうした無頼こそが強者

ひろゆき「じっさんには悪いですけど、おままごとじゃ俺は満足できません」

 ひろゆきの目的はあくまで【あの人】に近づくこと
 あの人を越えること

 それなのに、命のやり取りの無いプロで戦うなんて
 とてもじゃないが納得できることではなかった

秋一郎「……そうじゃな。麻雀がメジャーになってから、どこかおかしくなtっちまった」

 昔はこうじゃなかった
 実力のある者が、しのぎをかけて戦う場であったプロリーグ
 裏では組が糸を引き、麻雀賭博が横行していた ※サッカー賭博のようなもの

秋一郎「しかし今じゃ、アイドルを作り出す場じゃ」

ひろゆき「可愛くて、カッコイイそこそこを打たせておけば人気が出ますから」

 会場の入場費、グッズ販売
 それだけで、賭博以上の安定した収支が得られるのだ

 今やヤクザが警察に押さえつけられていることもあり、
 麻雀社会は大きく変動を遂げていった

ひろゆき「最も、激戦区の女子はなかなかイイ線行ってると思います」

秋一郎「じゃろうな、あやつらは本当に強いぞ」

 そういったスジに進まない女子は、純粋にプロを目指す
 自然に集うのは本物の強者

 男子のエセプロとは大きく違った、本物の打ち手

ひろゆき「それでも、俺から言わせれば綺麗な麻雀ですけど」

 超能力頼みの闘牌など、ひろゆきにしてみればお笑いだ
 そんな次元では無いのだ

 あの男の闘牌は、生き方は!!

秋一郎「……アカギ、か」

ひろゆき「っ!!」

秋一郎「なぁひろゆき。お前も近々50になり、生前のアイツに追いつくじゃろ」

ひろゆき「……」

秋一郎「そろそろ、潮時じゃないのか?」



134 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 12:28:07.79 ID:pif1xvFeo

秋一郎「お前が強いのは知っておる。だからこうして誘う」

ひろゆき「……」

秋一郎「そして何より、【あの男】の強さもよぉく知っておる」

ひろゆき「……」

秋一郎「届かんよ、お前じゃ」

 それは、ひろゆきが今までずっと貯め続けてきた想い

秋一郎「お前とアカギでは……」

ひろゆき「やめてください」

秋一郎「住む世界が、違う」

ひろゆき「っ!」グッ

 そんなことは言われなくても分かっている
 だが、ひろゆきはそれでもできるだけ近づきたいのだ

 【熱い三流】でいたいのだ
 あの人を越えることができず、死を迎えるとしても

ひろゆき「もし、これを辞めたら……その時が、本当の俺の死ですから」

秋一郎「……」

ひろゆき「……それでは、失礼します」ペコリ

秋一郎「ひろゆき、一つ聞かせてくれ」

ひろゆき「……」

秋一郎「お前、アカギの墓で何を見た?」

ひろゆき「……」

秋一郎「気づかんと思うか? ひろゆき、正直に答えろ」

ひろゆき「……アカギさんを見ました」

秋一郎「!?」

ひろゆき「とは言っても、見た目は十代から二十代の若い姿でしたけど」

秋一郎「なっ……お前、飲んでおったのか?」

ひろゆき「ええ。でも、あれは見間違いなんかじゃない」

 確信があった
 あれは間違いなくアカギ

 赤木しげるなのだ

ひろゆき「俺、見てしまったんです」グッ

 絶対に認めたくない
 でも――分かってしまう

ひろゆき「赤木さんが、後継者を選ぶのを」

秋一郎「なっ……!?」

ひろゆき「今度の【大会】……きっと、面白くなりますよ」

 ガチャッ  バタン

秋一郎「アカギの……後継者?」


 果たして、それはひろゆきの思い過ごしか……それとも


第二話
〜〜アカギ〜〜
135 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 12:56:38.39 ID:pif1xvFeo

 
〜〜アカギ〜〜


【Roof-top】

久「……」

まこ「……」

優希「……」

 須賀京太郎15歳――
 
京太郎「……」

 この日の京太郎は、半年前に役を覚えたっきりで
 スジの読み方も知らない、ど素人レベルだったという

京太郎「お願いします」タン

 しかし実践の中で京太郎は少しずつ麻雀を理解していた
 この四回の半荘で雌雄が決しなかったことが幸いし

 京太郎は今、恐るべきスピードで上達を見せていた

久「ツモッ!」バラバラ

京太郎「……」

 結局、五回戦目……京太郎の東場はマイナス7千2百
 振込もしないが和了りもない

 平凡な内容
 のちに天才といわれるその才気の片鱗はまだみえない

久「(結局さっきのはただのまぐれってことね)」

まこ「(……)」

優希「じぇ……」

 
 既に優希は精神的に追い詰められ、挙句の長期戦で疲弊している
 本来の実力の半分以下も出しきれず、ただ牌を切るだけの人形と化している

 つまり、この局面での敵は久とまこ
 まだ躊躇のあるまこはともかく、確実に仕留めに来ている久こそ

 今回京太郎が倒すべき相手となる

久「(このレベルなら、簡単に打ち取れる)」ニヤリ

 さしもの久も京太郎の成長には驚いていた
 しかし、対策の取れないレベルではない

 全国を経験した久に取って、この程度の雀士は腐るほど見てきたのだから

久「(ごめんなさい須賀君。でも、私はみんなの為に……)」

 さらに、まこや優希と違い京太郎を引き止めることに躊躇がない
 既に久の頭の中には、京太郎をマネージャーとすることしかなかった

まこ「……京太郎」

優希「……」

 まこも優希もその結果を悟っている
 だからこそ、戦う気力が起きない
 
 これ以上死体蹴りをして何になるというのか?
 
 そういう諦めが二人にはあった

アカギ「……」 

 しかし、この男だけは違う

136 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 13:08:00.41 ID:pif1xvFeo


京太郎「……」

アカギ「フフ……」

 勝つのは確実に目の前の男
 須賀京太郎であると、確信していた

久「須賀君。もう諦めた方がいいわ」

京太郎「まだ……次がありますよ」
 
久「……そう。あくまで諦めないつもりなのね」

 既に大差が開き、役満でも連発しない限り京太郎の勝ちは無い
 なのにこの自信

 久が苛立つのも無理は無かった

久「(どうしてこう、私の言うことが聞けないの?)」イライラ

 久からしてみれば、飼い犬に手を噛まれるような気持ち
 京太郎のことは可哀想だとは思う
 
 だが、自分たちだってそれなりに彼のことを気遣ってきていたのだ
 京太郎もそれなりにいい思いをしているし、自分だって優しく接してきた

久「……」

 自分がいなくなった後、麻雀部が瓦解するのは避けなければいけない
 京太郎はその要なのだ

 雀力がなくても役に立てる
 それだというのに、何が不満なのか?

 こういう役に立つ方法もあるとなぜ認めないのか?

久「……っ」

 次第に久は冷静さを失っていく
 理不尽な怒りに、苛立ちを募らせていくばかりだ

京太郎「さぁ、早く打ちましょう。部長」ニッコリ

久「……ええ、そうね」

 この男をねじ伏せたい
 久はいつの間にか、その心を深く堕としていった……

137 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 13:19:56.20 ID:pif1xvFeo

 そして事が起きたのは南二局――


京太郎「……」

 白白発発中中西 89p 2357m

 大三元の種、その対子がみっつ……!
 まさに勝負手、大逆転へのその第一歩

アカギ「……」

 麻雀を始めたての者でも分かる
 これをモノにしなければ、逆転の道は存在しない

まこ「……」つ中

 そして、ついに飛び出る一枚目の中
 
京太郎「……」スッ

 しかし京太郎、なんとこれをスルー
 常人では考えられないほどの愚行

優希「……」つ白

 一枚目の白
 
久「……」発

 さらに発すらも……

まこ「……ちっ」つ中

 そして飛び出す、最後の中
 だがこれも同じように、京太郎は……

京太郎「……」

 黙って見送る
 この局面でなぜ?
 どうして?

 理解できるものなど、この場にはいない
  

 ただある人物


アカギ「クク……」


 この一人を除いては


京太郎「……」

 白白発発中中西 88p 2355m


 結局、あれだけの手が七対子どまり……!
 未来など何も無い

 掴んだのは絶望の袖

 逆転など、起こりえないように思われた

138 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 13:30:13.63 ID:pif1xvFeo


 所詮初心者のままなのか
 彼をよく知るものほど、こう思うだろう

 だがそれは違う
 京太郎は感じ取っていた

 逆転への布石
 その準備は既に、京太郎の中で整っていた

久「……じゃあ次は」スッ

 山も減り、残りわずかというところで事件は起きた

 ガチャッ カランカラーン

久「!?」

                      -≦.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:丶、
                    /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
              /.:.:.:.:.:.:/.:.:.:i.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.ハ
                /.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.::!:i:.∧:ト、:.:.:.:ハ:.:.:!:.:.:.:.l
                 /.:.:.:.:.:.:.:.:斗-ミ:.i:.i{:.::.ナナメ、.:.:}:.:!.:.:.:.:|
            /  イ:.:!.:.:ト(∨}八トY'´V  l仆.:i :.:.:.:|
                  i:八:.:lx=ミ    x==ミ 八.:i、:.:.:|
                  l.:.:个ト::::::. ,   .::::::. /〃:ハ:.:.:|
                  |/レ从    __     厶イ 丿ハl
                     |人   ∨__ノ    ィ´ ̄.:/′
                      __n> __,.     |人ト/
                  //^>、_.」    h___
                    l   /〉}j     八:i:i廴__
                  r≦|   /:i|-、  -/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:≧x
                  ∧i从___八:| ̄ ̄/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i∧》
              /ヾ Y:i:i:i:/:i:i:i|   ./:i:i:i:i:i:i:i:i:/:i/  ヾ

咲「あっ、みんなここにいたんだ!」

久「さ、咲……!?」ビクッ

まこ「っ!?」

優希「……」


京太郎「……」


咲「あれ、京ちゃんと打ってるんですか?」

久「え、えっと。その……そうよ。たまにはいいでしょ?」

 焦る久
 それも無理はない

 咲は何も知らないのだ
 もし、こんなことが咲にバレれば、間違いなく大会を辞退する

 それだけは避けなければならない
 絶対に……



139 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 13:45:03.44 ID:pif1xvFeo


まこ「さ、咲こそどうしたんじゃ? 今日は休むって聞いちょっとが」

咲「はい。また校長先生達に呼ばれて、和ちゃんと記者の取材を」

久「よかったわね。なにせ、アナタ達は長野の希望だから」アハハ

咲「も、もう部長! やめてください!」アセアセ

 慌てる咲に、久たちは咄嗟に思案を巡らせる
 咲は何も知らない

 京太郎が迫害にあっていることすら、咲は知らないのだ

 というのは、教師達も狂信的な生徒達も咲の前では大人しいからだ
 媚を売り、ゴマをすり……下手に出てやり過ごす

 今までそんな経験の無い咲は図らずも有頂天になる
 姉との和解も済ませ、チヤホヤされる毎日

 今までに経験したことの無い心地よさが咲の目を曇らせる 


      '. : :.'. : : :.'._」 i -‐i‐‐|: :|: {_____i:.i__i: :i   i: : ハ: : : :ハ: {__i:} 
     ∧:_:_:!>''"! l !_ . ハ_」_i:.|ハ: : : : : |. :{´i ̄:.「~¨`ヽ: : : :.}: : :.:`ヽ|  
     /        .!. : : :!; <{: | i:.| |: : : : : |: : 八: : | |: : ハ: : : ': : : : : :.:| 
.    /     { . :´: :! xく:|ヽ! iヘ:「ヽ! 八: : : :.:|ヽ:「 \| |:.:/ |: :./ : : :': : : .| 
   /  ,  .∧ : : : i: :|ヽ| ,」⊥jL ヽ  \: :.|ヽァテ¬=ミ、 |ハ'. : :./. : : : | 
  ,'. :イイ: : : :. : : {ヽ|,.ァ7'"⌒ヽ`ヽ   ヽ|  ん'.:::::::ハ`Y /: : :/ : : : : :|  
  ,''´ | |: : : ∧: :Y 〃 ん'.::::::::ハ         { {::::::::::::i:} }}': :/ヘ: : : : : :.|
    { |: : : : : \! {{ { {:::::::::::i::}         Vヽ.__,ノリ ノ/|/  } : : :.∧|
       |: : : : : : ! \ .Vゝ--' ノ        ゝ--- '     /. : :./ ノ  
       |: : /{: :八 个 > '~´     ,        :.:.:::::   ;  /.: : :/     
       |: / ヽ: :.:iヽハ   ::.:.::               /_,ノィ: :/     
       |/   \| ゝ:.      、ー― ァ        /: :./ ノ:/      
                }ヘ、        ̄         .イイ/  /     
                |: />. .             .イ:./ ノ′       
               {/  ヽ{≧ト .. __  .  ´ |/
                   ヽi           |_
                      ,|          ノ.::\
                       /.:|         /.:::::::::::\


咲「えへへ、でも本当に毎日が慌ただしくて」ニコニコ

京太郎「……」


 大事な幼馴染の苦悩など、何も知らずに


久「(まずい、このままじゃ……)」

 折角追い詰めたのに、ここで勝負がうやむやになるのは望むところではない
 まして、次に戦う時には京太郎は今よりも少しばかり手ごわくなっているだろう

 何が起こるかは分からない

 仕留めるのなら、今

久「……それより、続けてもいいかしら?」

まこ「え?」

優希「……」

京太郎「……ええ、いいですよ」

優希「京太郎?」

140 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 14:02:26.27 ID:pif1xvFeo


久「あともう少しで終わりだし、よければ咲も見ていけば?」

咲「わぁ、京ちゃんが打つのを見るの、久しぶりだね」ニコニコ

京太郎「そうか?」

 機は熟す
 当然だと言わんばかりに椅子に腰掛ける咲

 京太郎は視線を向ける
 そこにあの男の姿は無い

 気が付けば、その男は――

アカギ「クク……これがお前の打ち方か?」

京太郎「……」

 隣に立つその男は、京太郎の手牌を見て
 静かに笑う

アカギ「……見たところ、真剣勝負だったようだが」

京太郎「……真剣勝負?」

 何を馬鹿な、と京太郎は思う
 元々この勝負は前提条件が成り立っていない

 相手は三人とも結託し、京太郎を抑えようとしている
 躊躇や戸惑いはあれど三対一の勝負なのだ

京太郎「俺は、機会があればいつかこうしようと思っていましたよ」ボソッ

 つまり、元々まともな勝負ではなかったのだ
 だからこそ――この一筋の希望に縋った

アカギ「フフ……」

 アカギは笑った
 無くしたはずの記憶の底で、くすぶるものがある

 自分と真逆のような性格……そのハズなのに
 根っこがどこか同じように思えるのだ

京太郎「さぁ、部長。再開しましょう」カチャッ

 伏せた牌を起こす京太郎
 それに釣られて、他のメンツも一斉に手を起こしていく

 そして、なんら変わらない自分の手をゆっくりと眺める

 そんな中、ただ一人だけ違う結末を迎える


咲「(えっ……? 嘘、でしょ……)」ゾクッ



 七対子どまりのゴミ手が、今ゆっくりと――



 白白白発発発中中中 888p 西



京太郎「勝負はこれからですよ」


 恐るべき、変貌を遂げる

141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 14:02:30.10 ID:DiRWEVyZo
サキサンAAが怖い
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 14:05:00.66 ID:126Cu/ixO
やられた方が悪いとは誰が言った言葉だったか
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 14:10:26.38 ID:tZSoY7oqo
この部長は牌の数だけ地獄見せてやらにゃいかんですなぁ
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 14:14:16.65 ID:5Al+2MYgo
久の心を折ってやりたいw

入れ替えはまことかは気付きそうなもんだが
というか二枚中きれてるのに大三元はあからさま過ぎないかね……

イカサマって、やられたその場で指摘しないと文句言えない感じ?
145 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 14:15:27.45 ID:pif1xvFeo


咲「(大三元四暗刻単騎待ち!?)」ゾクゾク

京太郎「次、誰だっけ?」

久「あ、えっと……私よ」タンッ

 うまい流れ、京太郎の思惑通り 
 今三人は咲の存在に注意が行っている
 
 そんな今麻雀を再開させれば、相手は動揺する

京太郎「……」タン

 あれだけ大量に河から牌をすり替えているのだから、
 ちょっと注意すればその異常に気づくハズ

 気づかれてしまえば、ツモでの和了しか不可能になる

 だからこそ、みんなの意識が戻らない今こそが絶好のチャンス

アカギ「(今は一種の思考停止状態……混迷の時)」

久「……」


 早く終わらせたい焦りからか
 それとも一線を超えた京太郎が引き寄せる悪運なのか

 魅せられたように――吐き出してしまう


久「……」つ西

京太郎「ロン」バラッ

久「えっ……?」


 京太郎の策にツキものった――!


京太郎「大三元、四暗刻単騎待ちです」


 ざわ……
  ざわ……


まこ「な、なんじゃと!?」ガタッ

優希「え? えっ、でもさっき……」キョトン

まこ「京太郎、そこまでして……!!」ギリッ

久「まこっ!!」

まこ「っ!?」チラッ


咲「うわぁー、京ちゃん凄いねっ!」パチパチ

京太郎「おう、サンキュ!」ニカッ


まこ「ぐっ……」

アカギ「(なるほど、ここまで計算ずくってわけだ)」

 この河からのすり替えは、ただ和了ってもダメ
 今のような状況でこそ、初めて通用する

 それ以外は無効扱い
 おそらくやり直しになっていただろう

京太郎「いやぁ……俺も悪運強いっすね」ハハハ

久「……須賀、君」ギリギリ
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 14:30:09.65 ID:5Al+2MYgo
なるほど、こういう展開か……!

サマしたくせに調子に乗って、とか思わせといて、次からはサマ無しで上がり続けて涙目にしてやりたいですなw
147 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 14:31:50.11 ID:pif1xvFeo

咲「京ちゃん、こんなの一生に一回あるかないかだよー」アハハ

京太郎「うるせー! 俺だってやればできんだよ!」

久「……」

 咲の手前、ムキになって否定することもできない
 あくまでこれは【遊び】なのだ

 少なくとも咲の前では、そうあらなければならない

優希「??」

 まさか京太郎がイカサマをしたなどとは思わない優希

まこ「……」

 気づいていても、咲の手前発言できないまこ
 そしてなにより悔しいのは――

久「須賀、君。やってくれるわね……」

 咲が和了の立会人となった以上、反故にはできない
 数の暴力で押し切ることも不可能

まこ「部長、いいのか?」

久「……いいも悪いも無いわ。やられた方がアホなのよ」

京太郎「……」

久「でもね須賀君。一度だけにしておきなさい」

京太郎「……さぁ、なんのことでしょう」

久「まだ私はね、穏便に済ませようと思ってるのよ」

 ふつふつと湧き上がる怒りを押さえ込み、久は平静を装う
 
久「でもね、もしまた同じようなことをしたら……」

まこ「……」

久「無理やり、言うことをきかせることもできるのよ」ボソッ

京太郎「……」

アカギ「ふーん……そいつは大変だ」

 引退寸前とはいえ、学生議会長
 その気になれば――物騒な生徒を動かすことも可能だ

久「……何でもアリで困るのは、そっちだと思うけど」

京太郎「……よく覚えておきますよ」ブルブル

 京太郎にも恐怖はある
 もしここでしくじれば、京太郎は死を選ぶしかない

 だが、それでも前を向いて進めるのはきっと――

京太郎「でも、勝つのは俺です」

アカギ「クク……」

 隣にいる男のお陰なのか
 それとも全く別の意思によるものか

京太郎「さぁ、続きです」

 恐怖はある、恐れもある
 しかし、この時既に京太郎の中にはもう――

京太郎「決着を付けましょう」


 迷いは無かった

148 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 14:42:01.54 ID:pif1xvFeo

 というとこで一旦休憩します
 夕方から夜くらいに再開するかも

 つーか京ちゃんがどんどんダークサイドに……
 まぁいっか、京ちゃんにはどんどんアカギ色に染まって貰います(意味深)
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 14:42:22.35 ID:Rl7wLG1Lo

これは面白い
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 14:48:03.45 ID:go4r8Theo
乙っす
早く続きが読みたい
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 14:48:05.36 ID:0uZiohlIo

アカギってこの時点でトップクラスの裏プロくらい強いしもう大会で相手になるのほぼいないやん
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 14:48:42.68 ID:bSF9hLqno
乙ー

勝負が・・・人生の全て!
女や酒、友人、家族・・・・
そんなものは、全部休憩だ・・・!
勝負と勝負の間の息継ぎに過ぎないっ・・・!

そのうちこんなこと言っちゃうようになるのか
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 15:02:34.07 ID:+GPnPsAAO

イカサマやったなら京ちゃんは
ほぼ裸で手に鎖付けた格好で
誰かの執事しないと駄目だよね!!
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 15:08:16.50 ID:phDJdrkEo
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 15:23:54.49 ID:126Cu/ixO
オカルト能力とイカサマ。そこに違いがどれだけあるのだろう。とか思ったり
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 15:30:29.62 ID:ZKtKdwpn0
リアルで例えると対子王子こと土田プロの土田システムが100%決まる感じがオカルトでサマはそのまんまとか
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 15:33:54.39 ID:QzhN5DF4o
乙。
つーか久もそこまで割り切ってるならもっと京太郎の状況を改善できるよう動いてやれよと。
女子の中に男子一人って状況しか飴やれないんじゃ、最悪プライド捨てて咲にすがり付く可能性もあるのに。
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 15:43:26.56 ID:pH5LmZpho
代打ちの八木さん役はいるんですかねぇ
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 15:47:27.10 ID:xflLEqWn0
もっともっと京太郎には堕ちて行って欲しい!
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 15:50:35.36 ID:dntHXW240
個人的には技術と努力でなんとかなる分オカルトよりはまだイカサマの方がマシだと思ってる
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 16:08:09.32 ID:rgna6d/Fo
対アカギ戦さえ除けば、イカサマもオカルトもワシズの剛運を前にすれば大差ない気がする
まあ、普通に打つ分はオカルトの方が便利だろうけど、裏の化け物揃いの世界ではどうかな…
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 16:11:07.01 ID:dntHXW240
とりあえず途中で仲間だ絆だって日和るのだけはやめてほしい
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/07(水) 16:18:32.98 ID:yRNB7vmd0
>>161
あいつらの存在しのものがSOAなんだよなぁ・・・
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/07(水) 16:21:28.87 ID:qgMhlMq6o
今思えばアカギが作中サマやったのってあれだけだったね
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 16:25:17.72 ID:Im8Cz+nlO
市川戦でも拾いやってたけどな
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 16:26:16.55 ID:bSF9hLqno
市川のときもやったよ
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 16:30:52.50 ID:hKWN4hV4o
あと工場の先輩達のときも
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 16:39:39.55 ID:N2t0nCm3o
市川戦はハジキのイメージしか残ってなかったな
169 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 16:53:52.56 ID:pif1xvFeo


 京太郎の起死回生の和了の後、久の提案でほんの少しの休憩時間が用意された
 泣いても笑っても最後の半荘

 あと一歩まで追いついた京太郎に対し、久はある対策を練ろうとしていた


久「……」

まこ「部長、なんで止めなかったんじゃ?」

久「まこ……」

まこ「わしは、京太郎のあんな姿は見とうなかった」ギリッ


 染谷まこの知る須賀京太郎は……平凡で、素朴な打ち手
 だがそれでも強くなろうとする愚直さ、真摯さをまこは評価していた

 それはもはや、ただ一人の後輩に向けるものではなくきっと――
 
まこ「なんで、ここまで追い詰める必要があるんじゃ!」


 一つの、好意だったのかもしれない


久「……まこ、黙って」

まこ「っ!?」

久「私はね。みんなの為を思ってるの」

 京太郎に好意を寄せる咲や優希、まこが戦えなくなる
 それだけは絶対に避けるべきこと

 学校中が期待しているのだ
 それだけではない、この街に住む人達……長野に住むほとんどの人が思っている
 
 プロでも活躍が期待されている咲や和
 その輝かしい未来を奪うわけにはいかない


 例えその為に自分の想い人が苦しもうと……


久「私自身が、鬼になっても」

まこ「……」ブルブル

久「それにね、もう遅いのよ」クスッ


 あるいは既に、久は壊れているのかもしれない
 一人で背負うには余りある重圧

 その期待に奔走され続けた少女の運命は――


久「須賀君はもう離さないわ。ずっと……ずっとね」ポロッポロッ

まこ「……まさか?」

久「えぇ……次で終わりよ。絶対に」 つ 携帯


 既にねじ曲がってしまっているのだから


170 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 16:57:36.40 ID:pif1xvFeo

 久とまこが話し合うその陰で、咲と優希が談笑している
 もっとも、本当のことを打ち明けるわけにはいかないので

 優希は現時点で、咲の見張り役にすぎないのである


優希「うぅ、京太郎のくせに……」

咲「優希ちゃん、次は頑張ってね」

優希「う、うん……」


 そして一方の京太郎は、アカギとともに卓で再開を待っていた
 椅子に座り、ただ時計の針の音に身を委ねながら

 怯えているのだ


京太郎「……」ガタガタ


 やってしまった
 圧倒的な負けを取り返す為のイカサマ

 部長達を本当に敵に回す、最低の行為

京太郎「(お、俺は……)」ガクガク

アカギ「フフ……おかしな奴だ」

京太郎「アカギさん……?」

アカギ「自分でイカサマやって、顔を赤くしたり青くしたり……」

京太郎「……」

アカギ「京太郎」

京太郎「は、はい」

アカギ「……あのおさげの女。何か特別なのか?」

京太郎「え?」

 アカギの視線の先
 まこと話し合う久が、何やら不敵な笑みを浮かべている

京太郎「特別も何も、強いですよ。全国大会でも大活躍で……」

アカギ「クク……ばか。俺が聞きたいのはそんなことじゃねぇよ」

京太郎「へっ?」

アカギ「俺の見立てじゃ、このまま行けばおまえの勝ちだ」

京太郎「!?」


 アカギはさも当然だと言わんばかりに京太郎を見る
 しかし、当然ながら京太郎はその言葉を信じることができない
171 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 17:01:07.57 ID:pif1xvFeo

アカギ「奴らは目が曇ってる」ククク

京太郎「そんな、こと……」

アカギ「あの女、お前に脅しをかけただろ?」

京太郎「!?」

アカギ「自信が無いのさ、心の奥底でどこかお前に負けるビジョンが見えている」ククク

京太郎「あの、部長が……?」

アカギ「所詮アイツは、多額の金や生命を賭けた勝負をしたことがない」


 そんな中、一方的に圧力をかけて勝とうとする
 ハンデを得て、優位になっていると勘違いしているのだ

 そんな脅し、本当に追い詰められた者にはなんの逆境にもならないというのに
 むしろ……闘志に火をつけるだけだ


アカギ「慢心した奴ほど脆いものはない。クク……ハダカの奴の麻雀は児戯に近いのさ」

京太郎「部長の……ハダカ?」モンモン


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∫  〈|:::::::1:::::│ ///////         /////////  ノ:::::::::::::::!:::::::::::::::!::::l::::!
ヽ  │!:::::::::::::::│                      //:::::::::::h:::::::::::亅:::::::'
    !1::::::::::: 1                      / :::::::::::│:::::::::::│:::::::!
    lil::::::::::::::: ヽ         _,,          丿’:::::::::::::::,':::::::::::::::,':::::::亅
    ヽl::::::::::::::::::\                   彳:::::::::::::::│:::::::::::│ 丿
     !ゝ::::::::::::::: \                 h| :::::::::::│:::::::::::::::!::::
       ' 、:::::::::::::::1 ‐..              ノl│:::::::::::::::::::::::::::::丿 /
         、::::::::::: ,│ │‐、       _..-‐  /│:::::::::::/::::::::::::::::::::::/
         ゙‐.. ::::│  ' / ゙l`ー -‐''"      │:::::::::::/::::::::::::::::::/
           丿‐ーー-::くr  │          亅冫―-ー:/,,..‐
          /:::::::::::::::〈ン   1         / //:::::::::::丿
        /::::::::::::::::::::::1   ノ        ノ  / :::::::::::U゙l゛ー 、


アカギ「……」

京太郎「はっ!? いやいや、そういう意味じゃないってのは分かってます!」アセアセ

アカギ「フフ……お前も好きなんだな、そういうの」

京太郎「いえ、まぁ。人並みには」ポリポリ

アカギ「とにかく、残りの半荘でお前がトップになるのは間違いない」

京太郎「……」

アカギ「だが気になるのは、あのおさげの妙な自信」

 まだ勝負は分からないというのに、絶対に勝てるという確信
 負けるハズが無いという自信があの女にはある

アカギ「何か隠してるぜ、あの女……」

 ざわ……
   ざわ……

172 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 17:04:55.09 ID:pif1xvFeo

京太郎「……」

 確かに久は強い
 まこも優希も普段の京太郎ならまるで相手にならないだろう

 だが、今は違う
 完全に勝負の流れが京太郎に来ている

 戦意を削がれた優希とまこを使ったとしても、久が逃げ切ることは容易ではない

アカギ「鬼が出るか蛇が出るか……ククク」

          /: : : : : : : : : . : /        :' ;:    ミ   |
.          / : /: : :/ : : :彡/ . / . : : .   .: ;'       ミ }
         /://: :/ 彡 : : : / 彡/ 彡: : :ミ 、 ; :;   ミ
             ///: : / : : /. :__/. ::/ヽ:   |\:;       ミ  ′
.            /  /.://: 彡// /:/: :   ミト ;: 、   ミ     /
           / / /:/./┬く:|/ヽ     \|: :'_、 \    ミ/
            |  // {: :|: :ゞ<\ハ  /.: ̄: ,: \ }\⌒V
                 l/  : :| : : : ≧く.:} / :.xくア二二ア | /.:}
                    Y: .  . : ://  ヾ :' ;:     |_/.://
                    ヾ: : : : : ://    ,: ;:     __//
                 __ : : : : //    .: :'      /:-イ
             /: : :.∧: : /厶イ__;      /  ハ
            /: : / ̄ ̄ ̄}l__}l:_:')    /}  : : :.
.        _ .. -/: : : /   -―‐´┬\\.;     .: :|" / : : l\
_ .. -‐. : : : : : : : : : : : /   ______\;;>ヽ/.: :八/} : : |: :\
: : : : : : : : : : : /: : : : :/   ´      }l   l \_ソ: :   / : : : |: : : : :\
: : : : : : : : : : /: : : : :/    ー―― …ー 、_ソ: : :   / : : : : |: : : : : : :\
: : : : : : : : : /: : : : :/         _. - ―┘: :   /.: : : : :|: : : : : : : :
: : : : : : : : /: : : :_:/         Y´:ヽ/: : : :    /: : : : : : :|: : : : : : : : :
: : : : : : : /: /: |        . : / : : : : : :      / : : : : : : |: : : : : : : :
ヽ:. : : _/: : :|.     . : : :/         /: : : : : : : : :|: : : : : : : : :

アカギ「おそらく、今頃隠し玉を用意してるハズだ」

 この、一見支離滅裂なアカギの予想だが……実は正解

京太郎「……」

 京太郎はすぐに思い知ることになる
 竹井久がどれほど自分に執着しているのか、そして――

久「えぇ、そうよ。すぐに来て欲しいの」

?『構わないが……本当にいいのか?』

久「勿論。それじゃあお願いね」

?『ああ、分かったよ』

 どんな手段を用いても、自分を手に入れようとしていることに

久「待ってるわよ、靖子」

靖子『……構わないさ』


 戦いは、いよいよ最後の半荘へともつれ込む



173 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 17:08:44.24 ID:pif1xvFeo

 ちょっと短いけど、一旦ここまで 
 あぁ〜もう京ちゃんとアカギでずっと駄弁らせてたい……


 アカギをお待ちの皆さん、お待たせしました
 いよいよ闇に降り立った天才の……最高峰の悪漢の闘牌の出番が来ます
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 17:09:58.46 ID:DF/mgVUQo
一旦乙
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 17:11:38.89 ID:oZNTcFpio

子供の喧嘩に親がでるような凄まじい大人気の無さ
部長も部長だがプロもプロというか
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 17:12:47.79 ID:pap8nkjC0
一旦乙
ヒッサが全ての元凶という風潮。あると思います
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 17:15:28.35 ID:OCLqHVqu0

清澄の麻雀部にちゃんとした顧問とかがいればこうはならないんだろうなと思う
部長が悪いというわけではなく、結局学生でしかない身だと限界があるよねって意味で
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 17:17:53.84 ID:rEB13AiRo
一旦乙

3人でよってたかって見下し潰しに掛かってる人間がイカサマを糾弾しても、薄っぺらい事この上ないな…
アカギ(と京太郎)にキツくお灸を据えられる必要がありそうだ
179 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 17:29:32.18 ID:pif1xvFeo

>>175
 現時点でアカギが久達の相手する方が大人気ないし……(震え声)
 京太郎がこのまま勝つのもアレなので、ここいらでプロと戦わせます

 先に断っておきますが、基本的に咲キャラはみんな好きです
 だからどんだけ畜生になっても、アカギ&京ちゃんにボコられても
 
 それが愛なんです(ユベル仕込み)



 また書き溜めたら夜に投下します
 先に謝っておく、藤田プロファン……ごめんね


 
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 17:33:44.90 ID:24von85Ho
カツ丼ファンはあんまり居ないと思うが
酷いキャラ崩壊とかさえしなければ大丈夫なんじゃない?
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 17:34:40.51 ID:0uZiohlIo
藤田プロいらない(文堂感)

まあころたんに負けてる段階で京ちゃんにぼろ負けしてもこれ以上評価は落ちないだろ
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 17:37:43.33 ID:5XqTCOTf0
カツ丼に電流が走るのか・・・

183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 17:52:06.46 ID:OVjrxtiPo
藤田に電流責めですねわかります。
麻雀描写とか難しいと思うけど頑張ってほすい……出来れば、最後まで。
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 17:52:16.12 ID:xflLEqWn0
一旦乙
京ちゃんとアカギの掛け合いいいね
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/07(水) 18:21:20.16 ID:RJlaIqPR0
アカギってケンカも強かったよな
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 18:22:07.36 ID:Fsx/WDsS0
テルコプターで空を飛びたい、ところで長野には投牌伝説を築いた伝説の雀士がいるじゃん?
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 18:24:19.36 ID:126Cu/ixO
というか最悪麻雀部を去るどころか、清澄を出る喜びに発展しかねないよなこれ
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 18:39:09.78 ID:LAtDRtxZo
むしろ今までよく退学しなかったなっつーレベル
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 18:39:39.77 ID:Mk1BWDKXo
このまま流れを沿ってアカギの後継者になるなら、藤田プロと打った辺りで消息不明になって数年後におもちゃ工事で発見されるはずだ
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 18:48:50.14 ID:oOHCsKG6o
ひろゆきと某年増プロが良い感じなのが意外だけど面白い
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 18:49:09.87 ID:OVjrxtiPo
いっそ麻雀描写は適当にごちゃ混ぜでごまかして、京太郎とアカギの掛け合いが見ていたい。
あと途中で京太郎らしさが垣間見えたのは良かった!
咲らしい明るさも重要だよね。
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 18:51:51.78 ID:Gt6fupnPo
こんな状況でも部長の裸を妄想しちゃう京ちゃんって凄い
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/07(水) 18:53:42.55 ID:bPJNxgf10
俺は作者の掌の上で踊らされていたと言うことか…
咲と京太郎の関係が良好で僕嬉しい
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 18:57:28.75 ID:UwC0XeG0o
一旦乙です
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 19:13:00.43 ID:6COB0Q1co
>>193
良好のままでいれば良いけど……(ヘルカイザー感)
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 19:30:23.98 ID:g951VvCs0
第2のレジェンドの誕生を俺たちはリアルタイムで見れるのか……胸が熱くなるな
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 19:38:48.66 ID:DC/3TGZAO
スゲーわくわくしてキタ!
198 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 19:52:45.57 ID:pif1xvFeo


 勝負再開――


京太郎「ではそろそろ」

久「……ええ、そうね」

まこ「……」

優希「……」

 久の出した休憩の提案から十数分
 ようやく、対局を再開することとなった

咲「京ちゃん、頑張ってねー」フリフリ

京太郎「……ああ」

アカギ「クク……」

 京太郎の気がかりはアカギの言葉
 久の隠し玉、その一つだけ

京太郎「(なんだか分からねーけど、今は普通に打つだけだ)」

 流れは京太郎に来ている
 ならば、隠し玉とやら届く前に差を開いておけばいい

京太郎「(負けられない)」タン

久「……」
 
 東一局
 京太郎の思惑通り、序盤を制したのは京太郎

まこ「……」タン

優希「……」タン

京太郎「……来た! ツモ!」タンッ

 バラバラッ

久「……くっ」

 いくら三人が慎重に打とうと、ツキは京太郎の味方
 次々と有効牌を引き寄せて、ツモ和了してしまう

久「(勢いが完全に奪われた……このままじゃ)」

 未だ五回の半荘で収支プラスとはいえ、このままでは暗雲立ち込める
 三人で結託しようにも、優希やまこも既に戦意を失いつつあるのだから

久「ふぅ……困ったわね」パタン

 八方塞がり
 一度日を改めればまた違った結果だろうが、とにかく”今”勝たなくては意味が無い

久「正直、侮っていたわ須賀君」

 頃合だと思ったのか、久が手を止め
 突然口を開く

京太郎「どうしたんですか、突然?」

久「ねぇ須賀君。一つ提案があるの」

京太郎「……?」

199 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 19:56:11.86 ID:pif1xvFeo


 ここに来て提案?
 一体なんの?

京太郎「(落ち着け、どうせハッタリだ)」ドキドキ

 ちらりと横のアカギを見る
 しかし彼は、どこか遠くを見つめて――何やら嬉しそうな顔をしている

京太郎「(アカギさん……?)」

久「須賀君の実力は分かったし。あの事、考えてもいいなって思ってきたの」

京太郎「!?」

咲「??」

久「でも、例え須賀君が私に勝っても……その証明にならないと思わない?」

京太郎「なっ!?」

 まさか約束を反故にする気なのか?
 それも……まだ決着の着いていないこの段階で

久「だから、もう一つ条件を出していいかしら?」

京太郎「条件……?」

久「ええ、これから私が代打ちを立てる。その代打ちに勝てれば……」

京太郎「……」

 なるほど、そういうことか
 自分の負けを感じ取って、新たに自分に有利な状況を作り出そうとしているのだ

 だが、そんなこと受ける必要はない
 わざわざ不利な条件を受けるメリットなど、無いのだから

京太郎「受けると思いますか? このタイミングで」

久「ふふっ、そう言われると思ったわ。だから……」クスクス

咲「あの、部長。一体なんの話ですか?」キョトン

久「ああ、咲。咲は知らないのよね」クスクス 

京太郎「!?」ガタッ

 まさか、この女――!?

久「うふふ、どうしようかしらねー?」チラリ

京太郎「(俺と同じ手を……使ってきた!?)」ギリッ

 そう
 咲に【自分の現状】を知られたくないのは……京太郎も同じ
 
 もし自分のせいで幼馴染が苛められ、虐げられていると知れば……
 必ず咲は傷つき、自分を責めることになる

京太郎「……」ギリィッ

 言わば、京太郎の良心に訴えかける脅し
 条件を飲まないなら、全て打ち明けるぞという……久の玉砕覚悟の脅しなのだ

200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 19:59:40.78 ID:L2AJKLCR0
マジかよ久最低だな
まこのファンやめます
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 19:59:48.17 ID:seuCxxkmo
咲ちゃんは癒しかと思ったのに、まさかそうきたか
202 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 20:05:24.57 ID:pif1xvFeo

久「……」ジィーッ

アカギ「クク……この女、太いタマだな」

京太郎「……分かりました、部長」

 こうなればもう受けるしかない
 咲を傷つけることなく、穏便に済ますには……

久「あら、素敵。素直な須賀君が大好きよ」ペロッ

咲「???」

京太郎「……それで、誰が代打ちなんですか?」

 咲か、和か
 それとも全く知らない人間なのか

京太郎「誰でもいいです。俺が、勝ちますから」


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二,,,、、_z      `、                           ,,,/:::::ク::::://
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:::人::ハ::::::`、        ヽ                ,,,,,,,, ∠ニニ=== _ク/
::::::::Y::::\:::`、        `ヽ、,,,,,,,,         ,,,,,,/:::::::/::::ハ::::::::/

                    ゙゙゙゙゙゙゙'''''''''''゙゙゙゙゙゙゙
久「……」ニヤリ

 コツッ 

?「誰でも……勝つ?」

 ピシィィンンッ!

京太郎「!?」ガタッ

アカギ「……おでましだ」ニヤ


?「随分と、デカイ口を叩くんだな……少年」


久「待ってたわよ」ニッコリ


 ざわ……
  ざわ……


久「遅かったじゃない、靖子」クスクス


靖子「やれやれ」ドンッ
 

京太郎「藤田……プロ?」


アカギ「……」

203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/07(水) 20:05:25.19 ID:jKJcFelY0
久の余裕の無さから麻雀部の実情に遠からずの噂が流れている。始めから数合わせで人数が揃ったらマネージャーに専念して貰う予定だった事にして体裁を整えようとしているけど、変に格好付けようとせず嘘偽り、隠し事一切無しで全てを打ち明けていれば軟着陸できた感じ。買出しで時間を潰させず雀荘に通わせていれば、マネージャーにしなくても体裁を整えられたけど、一手間惜しんだツケが出ている。
204 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 20:08:22.53 ID:pif1xvFeo


咲「お久しぶりです!」

靖子「やぁ、全国では大活躍だったじゃないか」

咲「いえ、みんなのお陰で……//」アセアセ

 オイ、フジタプロダゾ……
 マジカヨ、スゲェナ!  

 ざわ……
   ざわ……
 
京太郎「……やってくれますね、部長」

久「あら? なんのことかしら?」クスッ


 そう、これは久の完璧な作戦
 実力で遥か上の藤田靖子を戦わせ、尚且つ周囲の客の目をこちらに向けさせる

 こうなった以上、京太郎はもうイカサマもできない
 さらに、負けたことをごねることも許されない

 つまり、衆人環視の中で京太郎を倒す
 そうすることで、京太郎の心を折るつもりなのだ


久「(しかも須賀君……アナタは人の目に触れながら打つことに慣れていないハズ)」ニヤリ

 ガヤガヤ ワイワイ

京太郎「ぐっ……」

まこ「よくやる……」ギリッ

優希「じぇ? じぇ?」キョトン

久「それじゃあ靖子。私と代わってくれる?」クスクス

靖子「ん? ああ、いいよ」ツカツカ

 ドサッ

靖子「よろしく。名前は、えーっと……?」

京太郎「……須賀京太郎、です」

靖子「須賀君、か。分かった……」

 ドクン ドクンッ……

京太郎「(怯むな、相手がプロでも……流れは今俺にあるんだ)」ドクン

アカギ「……」

 ニイチャンガンバレヤー マケルンヤナイデー
 フハハハハ マ、カテルワケナイケドナァ

久「さぁ、続けましょ」

京太郎「はい……」

靖子「お手柔らかにな」カチャッ

京太郎「……」ゴクッ

205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 20:08:32.50 ID:/DZxaY0to
咲のSS見てたらどこでも久が畜生で笑えてくるわ
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/07(水) 20:09:50.07 ID:L2AJKLCR0
久はなんなの?嫌われてるの?
207 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 20:11:20.87 ID:pif1xvFeo



 まだ初心者を抜けたばかりの須賀京太郎
 対する相手は毎日のように修羅場をくぐり抜けてきた麻雀プロ

 いくら流れが京太郎にあろうとも、それをひっくり返すだけの実力差


京太郎「……」
 

 そうして迎えた東四局
 圧倒的なツキを持って牌を引き入れる京太郎に対し


靖子「ポン」チャッ

京太郎「!?」

靖子「……チー」チャッ

 
 ツモらなくても次々と有効牌を相手から拾う靖子
 京太郎のように高い手ではなくても、安い手を確実に素早く作り上げる

 
靖子「ロン」

京太郎「……なっ!?」

まこ「(早いっ!?)」

優希「じょっ!?」

 ざわ……
  ざわ……

 サスガプロダナ ナンテハヤインダ

京太郎「……」クッ

 チャラッ

久「ふふっ……」ニヤリ

 久の思惑通り、京太郎には成す術が無い
 並みの運だけで越えることができない実力の差を、京太郎は痛感した

京太郎「(こんな相手に……勝てるのか?)」ゾクッ

靖子「……(脆いな)」フゥー

 靖子は電話から京太郎の特徴を既に仕入れていた
 戦い方は鳴きをせず、手牌で揃えようとする傾向があり

 なるべく高い手を作ろうとする、初心者にありがちな打ち筋

靖子「(なら、こっちは安い手で早和了すればいい)」


 既にリードしている勝負
 無理に相手に付き合う必要など無い

 こちらは逃げ切るだけでいいし、初心者の京太郎に靖子のスピードを越えることは不可能
 つまり、どう足掻いても勝ち目などない

208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 20:12:29.56 ID:L2AJKLCR0
俺が初心者の時はポン祭りだったなぁ…
209 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 20:14:24.34 ID:pif1xvFeo


靖子「(どうせなら、少しばかりハンデを上げてやってもよかったか)」

 ただでさえ初心者を倒すという、気乗りしない仕事だ
 ましてリードをもらってからの引き継ぎなど……屈辱すら感じる

靖子「(すまないな須賀君。またいずれ……普通に打ちたいものだ)」


京太郎「うっ……あっ」ブルブル

 目前に見えた勝利の希望
 それが……一瞬にして霧散してしまった

京太郎「(くそっ、くそぉ……あと一歩だってのに!)」ギリッ

 それなのに、どうしてこんなことに?
 いくらイカサマしたとはいえ……こんなのはあんまりだ

咲「うわぁ、私も最初は全然対応出来なかったなー」クスクス

靖子「ふふ、今だってどうか分からないさ」ニヤリ

京太郎「(あの咲ですら……? なら、俺になんて絶対に無理なんじゃ……)」

 怯え、恐怖
 京太郎が意地で押さえ込んでいたものが……次第に鎌首をもたげてくる

久「さぁ、南局を始めましょう。泣いても笑っても最後の……ね」

京太郎「くっ……」ガクガク

 勝てない
 あの一局で、靖子と京太郎の格の違いがあきらかになった

 もうひっくり返ったって、京太郎の勝ちは無いだろう

京太郎「……」ガクッ

 完全な終わり
 ゲームオーバーだ

京太郎「(もう……どうでもいい)」

 全力は尽くした
 卑怯な手も使って、自分にできることをなんでもやった

 それでも届かなかった
 勝てなかった

 なら、もういいじゃないか

京太郎「(最後まで、男らしく戦ってやる!)」キッ

靖子「(こいつ、まだ目が死んでいない……?)」

京太郎「(どうせ死ぬんだ。だったら、最後に大暴れしてやる!)」

 もはや、覚悟は決まっている
 この勝負を受けた時から、ずっとずっと考えていたこと

 身の破滅
 ギャンブルの炎に身を焼かれて死ぬこと

アカギ「……」ジッ

京太郎「さぁ、続けましょう」

 だから俺は――まだ戦う
 戦うことを諦めたら――心まで、死んでしまうから

210 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 20:15:57.84 ID:pif1xvFeo


アカギ「待て、京太郎」


-z_   ̄`         < _
/                 ニ- >x
                   z---  _ヽ
        l l l l      ヾ丶\   ヾ
           j  i:.ヽ   ヽヽ    ヽ
  _  i|.i / /: : :.Vヽヽヾ  .\  ヘ
 /r− Y  /.// -=、 Vi ヘ ヽ 、ハヽ ∧
7 i,-- 7  ./イ: : :.r、  \、i V',ヘ V ヘ ヽ∧
.| L-.7  /: : : : : :ヽ``ヽ、ヽY /V',ヽ.ヘ ヽ:i
..! ∨7 ./: : : : .'   ヽ、_ゞ× イ  V! ',.i  ヾ
八 T .イ: : : : '         .: : :''ヘ   リ  リ
  テi/: : : : '        .: : : : ''ヘ
 y':∧ : : : :    _    '-__: :''ヘ
.イ: : ::∧: : : : .   `ヽ、_   ヽ `ヽ-'
: : : : : : ヘ: : : :.    ......  ヽ─'
: : ' ヽ: : : ヘ: : : :.   t‐---'
ヽ、   : : : :ヽ     ∨
///>x  : : :.ヽ    ',
//////j\  : : ヽ    ,
////////j\  / \_j
//////////j\i>x


京太郎「えっ?」

 しかし、ここで京太郎を制止する声
 そう……アカギである

アカギ「フフ……このままやろうって考えてんだろ?」

京太郎「……」コク

 周りの目もあるため、声には出さずに頷く京太郎
 それに対し、アカギは首を振りながら続ける

アカギ「ダメだな。話になんねーよ」

京太郎「っ!!」ギリッ

アカギ「奴はお前の二枚も三枚も上、レベルが違う打ち手」

京太郎「……」コク

アカギ「京太郎……代わろうか?」

京太郎「なっ!?」ガタッ


一同「!?」


京太郎「っ……」

アカギ「フフ……どうする?」

 ざわ……
  ざわ……

211 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 20:16:54.63 ID:pif1xvFeo


京太郎「(ふざけるな、どうしてこの局面で!!)」ギリッ

 自分の運命を賭けた戦いを、変われ?
 何を寝言言っている?

 どこの誰かも分からない相手に、どうして身を委ねることが出来ようか?

京太郎「……」フリフリ

 勿論答えはNO
 この時京太郎、以外に頑固

アカギ「あらら……」

 当のアカギは少しだけ残念そうに肩を竦める
 本気だったのか、冗談だったのか

 どちらにせよ、京太郎に乗る気は無い

アカギ「……ぎりぎりもいいとこじゃない。強がってる場合か?」

京太郎「……」

 確かにアカギの言う通り、強がる場合ではない
 だが、かといってこのアカギを信用してもいいものか

京太郎「(だけど、もしこいつが本当に赤木しげるの幽霊なら……)」

 京太郎の脳裏に浮かぶのは、あの伝説
 もし……もしもポケットの中にある墓の欠片がこの男を呼び寄せたなら

 あるいは――きっと

京太郎「……」

 決断は二つに一つ
 自分で打って確実に負けるか、この男を信じて破滅するか

 どっちでも結果は同じ

 なら、選ぶ道は一つ

京太郎「……(自分で打つ!)」キッ

アカギ「……」

 そうだ
 信じるのは自分の力のみ

 そう墓の前で宣言したじゃないか

212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 20:19:12.59 ID:seuCxxkmo
だが八木より戦力差が大きいな……
213 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 20:19:31.03 ID:pif1xvFeo


京太郎「(だから、例えアカギさんが本物でも……)」

アカギ「聞き分けのねぇガキ。うんと言わすには……もう……実力行使しかねぇか」ボソッ

京太郎「!?」

アカギ「クク……京太郎。俺は今、こいつらの牌をのぞき放題だ」

京太郎「!?」

アカギ「もしお前が言うことを聞かないってんなら……それを読み上げてやってもいい」

京太郎「……!?」


 それはつまり、相手の手牌を教えてくれるということ
 そんなのもはや、イカサマでもなんでもない

 ただのインチキ
 麻雀ですら無い戦いとなる


京太郎「っ!!」ギリッ

アカギ「……俺はお前を勝たせる。何をしてもな」ククク

京太郎「……」

アカギ「もう一度聞く。代わろうか?」


 アカギの脅迫
 それは卑怯者になるかどうかの瀬戸際

 常人なら、身の破滅を戦いを賭けたギャンブルでこう言われたら喜んで頼むだろう
 だがしかし、京太郎の答えは一瞬で決まる


京太郎「……」コクッ

 答えはYES
 京太郎に取って、死よりも辛いもの

 それは――


京太郎「(プライドを捨ててまで、勝とうとは思わない)」


 どうせ死ぬなら、今まで生きてきた須賀京太郎として死ぬ
 それが須賀京太郎の決意

 色褪せることの無い、悲願なのだ


アカギ「クク……それでいい」スタスタ

京太郎「(相手も代打ちを立てたんだ。こっちだって、少しくらいいいさ)」


 とは言っても、向こうは正真正銘のプロ
 こちらは自称赤木しげるの幽霊

 どちらが優勢かなど、一目瞭然だ


アカギ「俺は牌を掴めないんでね。言った牌を切ってくれればいい」

京太郎「……」コクッ

 この時の京太郎はアカギを信じることしか出来なかった
 だがそれと同時に、不思議な安心感も感じていた

京太郎「(この人なら、なんとかしてくれるかもしれない)」ギュッ


214 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 20:29:40.85 ID:pif1xvFeo


 もっとも、なんら確信の無い思い込みである
 だが、自分に2p切りではなく5p切りを決意させた言葉

 あの気迫――


京太郎「(この人には、絶対に何かある)」

 妙に確信めいた思いが京太郎にはあった

アカギ「……」フフ

靖子「そろそろいいか?」

京太郎「……はい」


 こうして対局は始まる
 南一局、藤田靖子の親番


京太郎「……」

アカギ「クク……見てな。凍りつかせてやる」

 過去に【神域】と呼ばれた男と……
 のちに【神域】と呼ばれる男の初の試合

京太郎「それじゃあ行きます」

アカギ「……」

靖子「(なんだ、この感覚……?)」ゾクッ

咲「っ!?」


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: : :.:/:.:. : :/ . : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:|  : : : :ヽ     ::::::::::::::::::::::::..:.:.:.:.:.:.::::::/:::::


 運命の賽は今、確かに放られた


【OP】
http://www.youtube.com/watch?v=bEUEHMl-pCM


215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 20:31:47.33 ID:0dI+zCRto
アカギのAAと曲がミスマッチすぎてワロタwwwwww
216 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 20:32:18.84 ID:pif1xvFeo

 ちょっと書き溜め尽きるの早過ぎんよ〜
 申し訳程度のヒカルの碁要素を出しつつ、休止します

 GetOverはこのスレの京太郎の為の歌(暴論)

 今日中に藤田プロ戦を終わらせたいけど、多分無理ぽ


217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 20:33:46.11 ID:126Cu/ixO
一旦乙です。
爽やかな青春を感じさせる曲はアカギに合わねぇww
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 20:35:59.74 ID:DC/3TGZAO
一旦乙!
ミスマッチすぎてワロタww
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 20:37:38.51 ID:seuCxxkmo
まあホルモンの曲が自然と流れてきちゃうわなw
てかてっきり京太郎がうつのかと思ったけど、ヒカルの碁だったの忘れてたわww
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 20:38:58.97 ID:/DZxaY0to
このスレは間違いなく神スレ
ラストまで是非…!是非…!
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/07(水) 20:44:39.58 ID:jKJcFelY0
仮に勝ってマネージャーにしても負い目があるワカメ、タコスから情報がいずれ漏れ麻雀部解散は避けられない。このロッカー、地位や名誉で目が曇っていやがる。夢で目が曇り蔑ろにしていたIH時、IHの成果で目が曇っている現在…あれ?
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 20:50:14.57 ID:rNiEluCco
詰まるとこ常に曇っていたわけだ
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 20:52:28.12 ID:oZNTcFpio

安易な方向に流されないこの京太郎は信念あるな、間違いなく熱い三流
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 20:56:08.05 ID:MG3w8BQAo

ここまで「自分の」勝ちに拘るのはなかなかヤるな
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/07(水) 20:58:13.70 ID:yRNB7vmd0

今思えばヒカルの年齢設定は絶妙だったな
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 20:59:28.09 ID:yCrria59o
一旦乙です
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 21:01:40.31 ID:4LLb9iK4o
>>221
でも、漸く部員が集まってそのあととんとん拍子に上手く言ったって言うなら、多少浮かれても仕方ないだろう。
228 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 21:27:18.76 ID:pif1xvFeo


 須賀京太郎と竹井久の意地をかけた戦い
 その戦いは須賀京太郎しか知らぬところで、代打ち同士の対局になっていた

咲「京ちゃん、負けないでねー」クスクス

久「ふふっ……」

アカギ「……」クク

京太郎「(頼むぜ、アカギさん)」ググッ

靖子「さぁ、打つか」タン

 靖子の親番
 ここはなるべく早い手を使って流したいところ

京太郎「……」

 その、重要な鍵を握る1戦
 最初の靖子はツモ切り

 続くまこが白を切り、それに対し靖子が鳴く

靖子「ポン」

 先ほどと同じ、靖子の速攻
 京太郎は冷や汗をかきながら動向を見守る

 しかし、この男は違った

アカギ「……」ジッ

靖子「……」

京太郎「……(俺の番か)」スッ

 その運命を握る配牌は――

京太郎の配牌

 3577m 468p 1246s 中

 ツモ中

京太郎「(ツイてる!)」

 靖子の親番を流したい今、早和了の特急券である中の対子
 最も欲しかったところだ

京太郎「(まだ俺の勢いは落ちてない……戦える!)」

 ほくそ笑む京太郎
 だが、その一方でアカギの出した指示は……

アカギ「中だ」

京太郎「(えっ……?」

アカギ「中を切ってくれ」

京太郎「(な、何!?)」

 京太郎……困惑
 ここでなぜ中切り?
 
 理解不能の指示に、京太郎は思わず頭を抱えそうになる

229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 21:28:16.99 ID:H5pRW6Uh0
部長だって18歳なんだし自分本位でも仕方ないんじゃない?
やっぱ問題なのはIH前も後も何のフォローもしてない顧問を初めとした教師陣だろ。
230 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 21:36:35.00 ID:pif1xvFeo

京太郎「(やっぱり、この人に任せるべきじゃなかった)」ギリッ

 恐らく麻雀もろくに知らないのだろう
 でなければ、そんな選択は生まれないハズ

京太郎「……」チラッ

アカギ「……どうした? 中だ」

京太郎「くっ」

 しかし、一度任せると約束した以上……指示に従うべきだ
 例えそれがいかに悪手だと分かっていても

京太郎「……」タン

咲「?」

久「……(馬鹿ね。どうしてそうなるのよ)」

 理解不能、それは咲も久も同じ
 きっと京太郎がやけになっただけ

 そう思うのも無理はない

 しかしこの時、この中でただ一人

アカギ「……」クク

 アカギだけが、それを感じ取っていた

京太郎「……」

 そしてまわった次巡
 そこでもアカギの指示は中切り

京太郎「……」つ中

咲「京……ちゃん?」

靖子「……」

 その時、最初に鳴いた靖子の手は――

靖子の手牌

1255p 3477s 発中 ポン白白白

ツモ1p

靖子「(中の二丁落とし? 染め手でも無いようだが……)

 なんにしても、不可解な手ではある
 だがこちらは急いで和了ればいいだけの話

靖子「(中は持っていても仕方ない)」つ中

久「(ま、当然ね)」

まこ「……」タン

京太郎「(アカギさん、一体どうする気なんだ?)」ギリッ

アカギ「……」


 
231 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 21:46:56.45 ID:pif1xvFeo

 しかし次巡――
 京太郎達の認識は一気に覆る

靖子「(さて、ツモは……)」スッ

 カッ

 中

靖子「(なっ……!?)」

 意外、それは中

靖子「(チッ……まさか被ってくるとは)」つ中 タンッ

京太郎「(また中……? ツモがかぶったのか?)」

久「(運が悪いわね)」チッ

 この時は、まだ違和感を覚える程度
 だが――さらにその次巡

靖子「……!?」スッ

 引いたのは発

靖子の手牌

11255p 3477s 発発 ポン白白白

靖子「(しまった……)」

 プロとはいえ、思わず後悔してしまうミス
 そしてすぐに気付く

靖子「(あの中連打さえなければ……)」ギュッ

 小三元、いや……京太郎の中切りが遅ければ大三元も有り得た
 その動揺が、早和了をするという靖子の目的から外れていることを……消し去ってしまう

 格下に役満を潰された
 この屈辱が、靖子の中で消えない痛みとして残ってしまったのだ

靖子「……」タン
 
久「(まさか……偶然よ)」

まこ「……?」

優希「じぇ?」

アカギ「……」フフ


 その三巡後に発を鳴く靖子だが、時既に遅く中は切れた後
 この頃になって、様子を見ていた京太郎にも

 アカギの指示がどういう意図だったのかハッキリしてくる


京太郎「(あの連打で、藤田プロの大三元を封殺した……?)」

 ざわ……

咲「……」

京太郎「(白を鳴いただけで、大三元の匂いを嗅ぎ当てたのか?)」

 危険への予知
 その感度が常人よりもかなり早い

京太郎「(俺なら、数巡後に中を鳴かれていたかもしれない)」ゴクッ

232 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 21:58:01.34 ID:pif1xvFeo

 そしてさらにその後、京太郎は三色イーシャンテンとなる

 京太郎の手牌
 233m 34678p 22234s

 しかし、靖子の手は既に3フーロー
 和了が早いと察するとみるや

アカギ「チーだ」

京太郎「チー!」

 534s カッ!

 育てた三色をあっさり捨てる
 そこに一切の迷いは無い

優希「うーん……」つ5p

京太郎「ロンッ!」バララ!

 1000点食い和了り
 あの局面からなんとか靖子を出し抜くことに成功 

靖子「ぐっ……」

久「嘘……」

咲「京ちゃん……だよ、ね?」

 みんなが驚くのも無理は無い
 最速の中切りもそうだが、今の和了手もそうだ  

久「(普通これを凡人が打てば、三色に未練を残して手を遅くする)」

 結果として靖子が和了となっていたハズだ
 
京太郎「(でも、そんな未練がどれだけ自分の足を引っ張るか……知ってるんだ)」ゾクッ

 感度の差――!
 
 プロである藤田靖子を寄せ付けないだけのモノが、そこにはあった

アカギ「クク……認識はあらたまったかい?」

靖子「……なるほど、ただの少年じゃなさそうだ」フゥー

 靖子は京太郎のことを素人だと決めつけていた
 運がいいんだけのラッキーボーイ

 久に聞いた時の印象はそんなものだった

靖子「(だが、今は間違いなく違う)」

 刺激し過ぎて眠れる獅子を起こしたのか、どうなのかは分からない
 ただ一つ言えることは――

靖子「(こいつはもう、ただの子供じゃない)」キッ

 内側に魔物を秘めた、化物
 自分と互角の打ち手
 
 そう思って戦わなければ……容赦なく喰われるだろう

京太郎「(すごい、アカギさん……)」

 

233 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 22:15:43.80 ID:pif1xvFeo

靖子「……須賀君、見直したよ」

京太郎「ど、どうも……(そりゃ俺じゃないし)」

靖子「しかし……もう油断はしない」

京太郎「!?」

靖子「持てる力の全てで君を倒そう」

アカギ「……クク」

久「(靖子……本気で言ってるの?)」

 久が困惑するのも無理はない
 いくら京太郎が妙な和了をしたとて、それはたったの一回のことだ

 それなのに、靖子はもう京太郎を自分と同格に扱うと言ったのだ

まこ「(確かに今の京太郎は妙じゃったが……)」

優希「……」

靖子「……さぁ、続きだ」チャッ

 靖子もまた、化物の一人
 魔を喰らい……その身に宿す一人なのだ

京太郎「ええ、勿論」

 そして京太郎も……その背中に魔を宿す男
 赤木しげるという、闇に生きる魔そのものを

アカギ「……」ニヤリ

 そして始まる次局
 南二局、まこの親番だ

靖子「……」

 認識を変えて、京太郎を敵だと認識した靖子
 つまりここからが本番

 靖子VSアカギ

アカギ「……」

 今、この二人は代打ちとしてこの場にいる

 つまり賭けているものが無く、もしくは無いに等しい状態
 その勝負を制するのはセンスと集中力に長けた能力の高い者だ

234 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 22:27:46.53 ID:pif1xvFeo



靖子「……」タン

京太郎「……」タンッ

 京太郎とアカギ、その戦いはそのセンスと集中力を競うもの
 そして先に仕掛けたのは――

靖子「リーチ……!」

 藤田靖子
 そのリーチは……

久「(ふふっ……靖子ったら)」

 靖子 カン7s待ちリーチ

 345m 23488p 34568s

久「(いきなり脅しをかけた……)」

靖子「(普通この手はもう少し待って、両面に変わってからリーチするべき)」

久「(それを迷わず、フライング気味の先制リーチ)」

 靖子は京太郎の、アカギの対応を見たいのだ
 勝負の質を変えて本気となった靖子のリーチ

京太郎「(かわすか、受けるのか……?)」チラッ


 京太郎の手牌

566m 2345p 78999s
 
 ツモ6p

京太郎「(テンパイ……)」

久「(これは面白いわね)」クスッ

 今までの京太郎なら、安パイの9s 落としだろう
 並の打ち手なら仕方の無いこと

 だが、ここで京太郎が――アカギが選ぶのは
 

京太郎「……」つ6m

靖子「(うっ……)」

アカギ「……」

咲「……」ポーッ

久「(並の神経じゃない……)」ゾワッ

 スンナリ切ったこの一打だけでも、並の人間には生涯到達出来ない領域
 完全に迷いを見切っているその打ち筋

靖子「(なるほど、一筋縄じゃいかないな)」タッ

 
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 22:34:43.58 ID:71u89p2Z0
京太郎の手牌一枚少ないよ
236 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 22:39:01.32 ID:pif1xvFeo

>>235
 失敬


靖子「……」タン

京太郎「……」タンッ

 京太郎とアカギ、その戦いはそのセンスと集中力を競うもの
 そして先に仕掛けたのは――

靖子「リーチ……!」

 藤田靖子
 そのリーチは……

久「(ふふっ……靖子ったら)」

 靖子 カン7s待ちリーチ

 345m 23488p 34568s

久「(いきなり脅しをかけた……)」

靖子「(普通この手はもう少し待って、両面に変わってからリーチするべき)」

久「(それを迷わず、フライング気味の先制リーチ)」

 靖子は京太郎の、アカギの対応を見たいのだ
 勝負の質を変えて本気となった靖子のリーチ

京太郎「(かわすか、受けるのか……?)」チラッ


 京太郎の手牌

566m 23445p 78999s
 
 ツモ6p

京太郎「(テンパイ……)」

久「(これは面白いわね)」クスッ


 今までの京太郎なら、安パイの9s 落としだろう
 並の打ち手なら仕方の無いこと

 だが、ここで京太郎が――アカギが選ぶのは
 

京太郎「……」つ6m

靖子「(うっ……)」

アカギ「……」

咲「……」ポーッ

久「(並の神経じゃない……)」ゾワッ

 スンナリ切ったこの一打だけでも、並の人間には生涯到達出来ない領域
 完全に迷いを見切っているその打ち筋

靖子「(なるほど、一筋縄じゃいかないな)」タッ

 
237 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 22:40:08.12 ID:pif1xvFeo


 次巡――

【京太郎の手牌】

56m 234456p 78999s

ツモ7s

アカギ「……六萬だ」

京太郎「……」ピシッ つ6s

久「(六萬は通す癖に……本命の7sはキッチリ抑えて、的確なヨミ)」ギリッ

 一体いつの間にここまでの感性を身につけたのか
 そして、その勝負強さ

京太郎「(六萬が通ったからいけいけなんて、考えないのか?)」

 雰囲気に流されない
 自分の判断にただ沿おうとする心――

靖子「(どこが運のいい素人だ……)」

 目の前の少年は、靖子に取って不気味の域を越える
 自分の判断を信じる才能――揺れない心を持つ強者

靖子「ふふっ……手強いな、少年」

京太郎「……」クスッ

 この対局を見据える久と咲
 そのあまりの緊張に、二人はただ息を呑むしかない

 そして、次巡
 とうとう流れが変わる時が来た

靖子「!」

 靖子、このカン7s待ちを……

 345m 23488p 34568s 

 ツモ7s

 ツモ和了!

靖子「……」

久「(ふふっ、これがプロの実力よ)」ニヤリ

 追い込まれた中で、薄い7sを引き寄せる才能
 これで和了れば京太郎との差は更に開く

 流れも引き寄せ、一石二鳥の和了となる……

靖子「……」ピシッ

 7s

久「えっ……?」

 ハズだった
238 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 22:52:15.59 ID:pif1xvFeo


 なんと、靖子は和了らずにそのまま7sを切る
 
京太郎「?」

アカギ「……」

咲「(あれ? アレは和了牌じゃ……?)」

 ざわ……
  ざわ……

久「……! (なるほど、ね)」

 誰もが呆気に取られている最中、久だけが靖子の真意に気付く
 これは京太郎の読みを裏切り、混乱を誘う作戦

 これは靖子の策略なのだ

靖子「……」フフ

京太郎「……(あ、アカギさん?)」チラッ

アカギ「……」

靖子「(どうする? 本命の7sは通ったぞ)」ツモキリッ

 タンッ 東

靖子「(私が和了らなければ、この局は須賀君がものにするだろう、しかしそれでいい)」

 京太郎は点棒を拾うが、代わりに迷いを一つ抱くことになる
 その不信があとあとボディーブローのように効いていき、苦しめることになるのだ

久「(自分の読みに疑いを抱けば、後にもっとプレッシャーがかかる局面で迷いを呼ぶ)」)
 
 それが弱い打ハイへと流れる
 その一打こそ、重い勝負では命取り……!

久「(流石、この世界で生きてきた靖子ね)」ニヤリ

靖子「(プロは心理から絡め取るのさ)」

 その網に、京太郎はもう半分かかった
 靖子と久はそう確信していた

 しかし、十五巡目
 そこで意外な展開――!

京太郎「……」カッ

【京太郎の手牌】

3344566p 778899s

 ツモ5p

咲「(来たっ!)」

 なんとここで、京太郎の和了

京太郎「(二盃口、平和ツモ。満貫だ!)」

 これを和了れば京太郎のは靖子を上回り、トップとなる
 しかし、ここでアカギ――

アカギ「ツモ切りだ」

京太郎「(えっ?)」

 意外にもこれをスルー

 
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 22:57:24.76 ID:VW0AecM5o
>>237
六索になってね?
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:03:33.85 ID:JYWGHesG0
横やり
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:05:08.32 ID:seuCxxkmo
間違いは気にしなくていいよ
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:06:08.00 ID:0jcUuhnJo
ダレるし脳内補完出来るから治さなくてもいいのよ
243 :ミスごめんよ、脳内変換よろ ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 23:07:36.62 ID:pif1xvFeo

京太郎「(な、なんでだ?)」つ5p

 タンッ

靖子「!?」

 ざわ……

靖子「(妙だ。あの5p、和了でもおかしくなさそうだが……)」

 疑惑が残る靖子
 しかし、確信は得られない

久「(なんなの……? 須賀君、アナタ一体……!?)」

 そして、そのままお互いに膠着状態が続き……
 気が付けば、とうとう流局

京太郎「……テンパイ」ジャラッ

【京太郎の手牌】
3344566p 778899s

靖子「!? (やはり……)」ゴクッ

 京太郎はさっきの5pで和了っていた

靖子「(こいつ……満貫を蹴ってまで、確かめに来た?)」ギロッ

 自分の読みが外れていたかどうか、その確認
 そうしておいた方が後の勝負では有効だと、分かっていても普通は出来ない

 それが、自分の運命を賭けた勝負なら尚更だ

靖子「(惜しくないのか!?)」

京太郎「(アカギさん……)」

アカギ「フフ……おい、京太郎」

京太郎「(なんですか?)」コクコク

アカギ「手を開けさせろ。その女、必ず張ってる」

京太郎「(わ、分かりました!)」コクッ

久「……」

京太郎「あの、藤田プロ」

靖子「……なんだ?」

京太郎「手を開けてくれませんか? テンパイなんでしょう?」

靖子「……くっ」バラッ

 345m 23488p 34568s 

アカギ「クク……やっぱりな。想像はしていたが、案の定ひねた打ち方」

京太郎「(アカギさんの、読み通りだ……)」

アカギ「人を嵌めることばかり考えてきた人間の発想――」

京太郎「……痩せた、考え」ボソッ

アカギ「……!?」 

 ざわ……
   ざわ……

靖子「なん……だと?」ギリッ

京太郎「俺なら、もっとストレートに行くのに」ボソッ

アカギ「へぇ……言うな。京太郎」ニヤッ

靖子「〜〜〜っ!!」ビキビキッ
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:10:11.19 ID:oZNTcFpio
この京ちゃん本当に根っこがアカギに近いんだな
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:10:46.55 ID:pOFm2xUy0
いいねぇ
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:14:20.36 ID:osjsxKuw0
熱くなってきたねぇ
247 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 23:14:23.57 ID:pif1xvFeo

久「や、靖子……」

靖子「私は……まだ心のどこかで、彼を甘く見ていた」チャラッ

 ざわ……

靖子「軽んじていた。しかし、もう舐めない。毛ほども舐めたりはしない」ギロリ

京太郎「っ!」ゾクッ

靖子「なぜなら、その薄皮一枚剥いだその下は……魔物」

 あの天江衣や、宮永照と同じ――いや、もしくはそれ以上の……
 容量が計り知れない

靖子「(間違いなくこの男、将来とてつもない逸材となる)」

 しかし、それは遠い未来の話
 今なら勝てる

靖子「(何せ君はまだ――【オカルト】を知らない)」ニヤリ

 麻雀に存在する合理性
 それを根本から覆す存在……オカルト


/::::::/|::::::::/ー--、      ゙、:::::|  レレレ /
:::::;:, -、:::|     ` 丶、     V       /
:::;/ λ゙、:| ┌─--- 、 `丶、 |      /
::;:| | | ゞ  ヽ   φ \   ノノ , ,/ _/
::::|        `ー----__,   '   / /
/|::゙、                   ̄/
 |::::|゙、                     /
  |::| 〇__            ,   /
  | /|::::::',   T- _         /
    / |';::::::',    \w二、‐-- _ /
     ̄ ';:::入    \  ̄    /
      レ  \     ̄~ー-- /

靖子「(これで君を――ねじ伏せる)」ゴッ

京太郎「……」

   ! lll        ,イllll /:::::\  い  :::::::::::::::::::::::::::::::::
   ! ll  ,イ llll   /::|ll /:::::::::::::`メ \  :::::::::::::::::::::::::::::
   !   ./ .i lll.   /:::::|/:::::::::.,,/  `ー`ヽ . . ,,,::::::::::::::::::::
   ! ll /  i ll  K.:::::::|::::  //    _,,xー''´ィ´::::::::::::::::::::::::
   .! i   i  / \    ソ ,,ャj'´ ,. ' ´  :::::::::::::::::::::::::
   レ'   ∨     \  ....  'y ´     :::::::::::::::::::::::
              y,;;'''''';;;;;,,,....      ::::::::::::::::::::
               /,;'            ::::::::::::::::::
            /,;'             :::::::::::::::::
.            /,;'  ´ ̄)           ::::::::::::::::
           /   /ソ       ブ`   :::::::::::::::::
          ./  / ノ´    _ ィ ´     ::::::::::::::::::::
          `´   丶-ーヘ´     ..... :::::::::::::::::::::
                   i__ .. イ;;;;;;'' ::::::::::::::::::::::
                      |;;;;;  ::::::::::::::::::::::::
                      |;;;  ::::::::::::::::::::::::::

アカギ「さぁ、これからが本番だ」フフ

248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:15:34.75 ID:Px3YR9qS0
京太郎がレイプ目で言ってそうでうける
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:18:04.33 ID:ZsDbazHU0
この京太郎カッコよすぎぃ
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:18:41.84 ID:MG3w8BQAo
でもオカルトってメンタル面にも影響されるよね(狂気スマイル)
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:19:06.18 ID:0jcUuhnJo
鷲頭の豪運はオカルトと言っても過言ではないからどうなるか
252 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 23:19:10.54 ID:pif1xvFeo


 いいとこだけど一度休憩させてください
 こっから最終決着となります

 それと追記ですが、藤田プロのまくりをオカルト扱いとします
 別にそうでなくてもいいんだけど、その方が盛り上がる気がするので

  

253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/07(水) 23:19:18.40 ID:L2AJKLCR0
咲「(やだ……かっこいい……)」
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:21:30.49 ID:yXqyj5x2o
流石にリーチしてればアガるんじゃ…
誰もアガらなければ手は晒さなきゃならんし、押してるからって京太郎がアガる確証は無いし
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:23:21.55 ID:anLZrUbd0
いいね、この焼けつくような闘牌
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/07(水) 23:24:23.08 ID:CnUuRWIb0
アカギ代打ちの流れがちょっと強引な気がするけど、面白いです!
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:32:14.78 ID:MG3w8BQAo
>>254
自分有利&相手が自分の手を読んでる臭い→わざとテンパイ放棄で読みの「自信」と「確信」を崩す。動揺すれば後の麻雀が有利に進めれる
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:32:46.81 ID:MG3w8BQAo
テンパイじゃないアガリだ
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:35:50.38 ID:24von85Ho
そろそろ処刑用BGMがながれてきそうだな
260 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 23:37:54.38 ID:pif1xvFeo

 
 そして迎える南三局
 親は優希――


京太郎「……」

靖子「……」タンッ


 本気を出すと宣言した靖子
 そのあまりの恐ろしさに、思わずして緊張してしまう京太郎だが

 その緊張も、不意に霧散する

靖子「……」タンッ

京太郎「?」

 ざわ……  
  ざわ……

 というのも、靖子が全く動かないからだ
 序盤のように鳴くわけでも、急いでる様子も無い

 ただ引いては切り、引いては切り
 その繰り返し

 先ほどの言葉とは裏腹に、逆にやる気を無くしたようにさえ思える打ち方だ


アカギ「……?」


 当然困惑するアカギ
 それは京太郎も同じだ


靖子「……フフ」タンッ

優希「うーん?」

まこ「……」

久「(まさか、アレを使う気なの……?)」

咲「あの時と、同じ……」

 その時、気づいているのは久と咲
 後は直感でまこが感じ取っていたくらいだろう

 靖子の真意
 それは――

靖子「……」タンッ

アカギ「ロンだ」

京太郎「ろ、ロン!! 混一色ドラ……満貫です!」バタタタッ

 ざわ…… 
  ざわ……

優希「きょ、京太郎が……逆転?」

 そう、なんとこの手で京太郎は大逆転
 大きく差を付けてトップに踊り出ることとなる

261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:40:55.19 ID:yXqyj5x2o
>>257
誰もアガらなければ手を晒すことになって
やっぱ読み当っとるわ、しかもこいつツモアガり拒否しとるやんで終わるんですがそれは
ダマなら伏せれるけど
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:41:02.46 ID:D9gYFN22o
>>254
アカギ読もうぜ
263 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/07(水) 23:47:00.25 ID:pif1xvFeo


京太郎「(おいおい、意外と藤田プロって弱いのか?)」

 そんなことが脳裏をよぎる京太郎
 だが――実際は違う

まこ「……やっぱりか」

久「フフ……終わりね」

靖子「……ふ、ふふふっ。しくじったな、須賀君」ニヤァ


京太郎「えっ……?」


靖子「……最後の一局の前に、教えてあげよう」


 ズォォォォッ……


靖子「私がプロで、何と呼ばれているか」

アカギ「……!?」ゾワッ

 総毛立つような、靖子の気迫
 先ほどとはまるでレベルが違う……

 記憶を無くしたアカギの奥底で、どこかくすぶる懐かしい記憶

アカギ「(昔……こんな奴と戦った記憶がある)」

 それが誰かは思い出せない
 だが――彼の本能が覚えている

アカギ「(これは――危険だな)」

靖子「Reversal Queen……まくりの女王」

京太郎「まくりの、女王?」

靖子「そう。馬鹿でも分かるだろう、その言葉の意味」

 限定的な条件でのみ発動するオカルト
 条件ゆえに使い勝手は悪いが、その分発動すれば強力な力を持つ

靖子「もう、これで格付けは済んだ」

 靖子と京太郎
 否、靖子とアカギの運気がごっそりと入れ替わる

 その超常めいたチカラで――運気そのものを捻じ曲げるのだ

咲「(京ちゃんは頑張ったけど、もう終わりかな)」

 あの時、自分ですら防げなかったまくり
 それを――今の京太郎に防ぐことは恐らく不可能

京太郎「……」ゴクッ

久「(須賀君の悪運もここまでね)」

 言わば、先ほどの靖子とはもはや次元が違うのだ
 この状態になった靖子は――上位のプロですら凌駕するのだから
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:47:17.84 ID:seuCxxkmo
アカギさんはオカルトに無防備……?
これは、出るかまくりの女王……っ!
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/07(水) 23:55:04.27 ID:vcsjahXOo
でもどんなに調子に乗っても相手がアカギってだけでもう強制敗北というか負けイベというか…
せめて互角に闘いたいなら老鷲頭様や天、勝ちたいなら全盛期鷲頭様連れてこないと
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:03:11.90 ID:FAq5rjaUo
真の強者云々がまさにぴったり
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:03:13.43 ID:ur0kkJPS0
??「打てますか?」
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:03:53.89 ID:IqvLXN1o0
鷲巣様とアカギが組んだらどうなるんだろうか・・・
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:04:24.15 ID:1RlptWNo0
ここで少年マンガ的な展開なら京太郎の能力覚醒なんだけど
アカギがいるからならないか
270 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 00:05:15.19 ID:0F13/UPyo

京太郎「……」

靖子「どうした、怯えて声も出ないか?」フフ

アカギ「……」

 流石のアカギも、オカルトというモノの予備知識は無い
 どう攻略すればいいか、倒すべきか

 一局でも様子を見ることが出来れば……対策は立てられる
 だが、その最後の一局で雌雄が決するのだ

久「(もう手遅れよ、何もかも)」

 この場の全員が、徐々に靖子の勝ちを確信していく
 久や取り巻きで見ている野次馬も含め
 
 あの咲ですら……京太郎の負けを予見していた

咲「(いい戦いだったよ、京ちゃん)」

靖子「さぁ、親番だぞ。須賀君」

 そして始まるオーラス、京太郎の親

京太郎「……」

 誰もが諦めと、失意に飲まれて傍観する最中

 ただ一人
 この局面においてたった一人だけ――

京太郎「(アカギさん、俺に考えがあります)」チラッ

アカギ「!?」

 この男だけが――己の、アカギの勝利を確信していた

アカギ「へぇ、自信があるのか?」

京太郎「はい……でも、俺一人では無理です」ヒソヒソ

 誰にも聞こえない音量で、ヒソヒソと話す京太郎
 アカギはそんな京太郎の言葉に……ただ耳を傾ける

京太郎「……だから、……して、……すれば」

アカギ「……クク、分かってるのか? それが失敗すれば、確実負けだ」
 
 京太郎はマネージャーとして残りの学生生活を過ごし
 学校中の悪意と戦いながら生きなければならない

 しかし京太郎はそんな覚悟など、とうに決めていた

京太郎「自分の身を削らないで、勝ちを拾おうなんて思っちゃいない」

アカギ「……」ニヤリ


京太郎「俺はハナから……命、賭けてんだ」ボソッ


アカギ「フフ……同類だ、お前は」

京太郎「?」

アカギ「……やるぞ、京太郎」

 くすぶりかけたアカギの闘志に、再び火が灯る
 それを呼び覚ましたのは、京太郎の言葉か――それとも

 だが、この時ハッキリしていたこと
 それは――

京太郎「(必ず、勝つ!)」

 須賀京太郎
 この男もまた――無頼
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:06:24.26 ID:F/L4gi5D0
燃える展開じゃないか
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:06:44.47 ID:KLa4esaLo
正直アカギがオカルトの存在自体を念頭において打てばさほど問題にならんと思うんだよね
むしろそれに頼り切ってる人間は鴨に出来ると思うわ
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:08:22.32 ID:zPPxG4Ato
>>268
鷲巣が豪運でガリガリ削ってくるなか間隙をアカギがつく&潰してながら手を縛ってくるからどうしようもなくなる
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/08(木) 00:08:24.41 ID:7yMxB+vE0
やべぇアツイ
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:10:15.19 ID:FAq5rjaUo
鷲巣とか能力関係ない一番根本のところがぶっ飛んでるからなぁ
確定地和とか笑える
阻止するのも笑えたけど
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:10:29.80 ID:1RlptWNo0
これ京太郎がアカギと一緒にオカルト持ちの試合見たらほぼ確実に勝てるよな
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:11:44.62 ID:jDyFKY35o
プロをオカルト頼りの打ち手と考えるのが間違いだと思うんですが
オカルトだらけの世界ならそれ以外の部分が強くないとお話になりそうにないし
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:14:58.65 ID:hbkl3J5Lo
まぁ原作がほぼオカルトジャンケンだし、しゃーない
279 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 00:20:58.09 ID:0F13/UPyo


 南四局 京太郎の親

 泣いても笑っても、焼き土下座しても最後の一局
 京太郎に取って運命を左右するこの局の初手は――

京太郎「……」

【京太郎手牌】
 122444688m 35p 29s 発

咲「(ダメ、なんて重い手……)」

 ここは軽いタンピン手などがベスト
 だが掴んだのは高火力を狙うような配牌
 
久「(そして一方の靖子は――)」

【靖子手牌】
128888s 145p 267m 東

久「(一見すると凡手に見える。でもね……)」

 引き寄せる
 靖子のオカルト……まくりの力

京太郎「ドラ確認します」カチャッ

 来る、引き寄せる

 7s

久「……」ニヤッ

靖子「……」フフ

 凡手から一気にドラ4の手に変化
 しかも、それだけではない

咲「(あのカンドラ……)」

 そう……咲には見えていた
 もし誰かがカンをすれば、新しくドラが表示される

 そのドラすらも……

靖子「(埋まっているが、間違いなく7s)」

 靖子と咲の読みは正解
 隠された新ドラは8s

 つまり、靖子の手はドラ8となる
 暗槓しただけでドラ8は確定

 ツモ和了でも京太郎をまくり確実に勝利する

280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:21:31.36 ID:6CCntfido
これはアカギにオカルトを体験してもらうチュートリアルでしょ
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:23:16.62 ID:1bfocHBBo
ぶっちゃけ鷲巣は老いて尚グーチョキパーを同時出ししてるレベルの豪運だからな
それとやりあえるアカギも大概だけど
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:23:24.05 ID:VEsksuXF0
>>277
てか和みたいな運が良くて効率的に打つだけのキャラが強キャラ扱いだから
オカルトを考慮しないと咲の麻雀のレベルは他の麻雀漫画より低く見える
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 00:28:23.81 ID:zPPxG4Ato
まぁ基本はできてるだろうが、結局オカルトっていう突出した長所があればそこを伸ばすことになって弱所がうまれちゃうんだよね
284 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 00:31:38.40 ID:0F13/UPyo

京太郎「……」

 一方で、重たい手を手中に入れたことでお通夜モードの京太郎サイド
 後ろに並ぶ一般客は、みな顔を見合わせてため息を吐く

 京太郎の勝ちはもうない
 希望のきの字も無い

 そう思っているのだ

アカギ「クク……」

 だが、ここで二人の若き天才は――

京太郎「(思い通りの手が来た!)」

 全く、別のストーリーをこの手から創造していた

久「(もう終わりよ、諦めなさい)」

京太郎「では、行きます」タンッ

 こうして始まった戦い
 半荘六回にも及ぶ激戦の果て――勝つのは京太郎か、久か

京太郎「……ポンッ!」

 二巡――
 まずは京太郎が動く

 222m カシッ!

 そして三巡――

京太郎「チー!」ピシッ

 768m カシッ!

京太郎「……」

まこ「これは……」

優希「(混一色か、清一色か?)」

 早々とした鳴き
 手を急ぐべき京太郎には当然の行動のように思える

 無論、周囲もそう思っているし
 それは対局している優希とまこも変わらない

優希「(この局面、絶対に振り込めないじぇ)」つ現物

まこ「(降りるべきじゃな)」つ現物

 二人にできるのは靖子の邪魔をせずに、生き延びること
 つまり、無理に戦う必要は無いのである

咲「(二人が降りた。これで一体一……)」

 遠目に見守る咲だが、まだ京太郎の分が悪いのを悟る
 靖子は運気すら引き寄せているのだ

靖子「(いくら鳴いてスピードを速めようが……私には勝てないさ)」ニヤリ

 着々と積み上がる靖子の怪物手
 和了さえすればドラ8は確定

 その恐るべき異能の力によって


 
285 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 00:42:37.65 ID:0F13/UPyo


靖子「(一見、清一色や混一色を匂わせているが、それはフェイク)」

 なぜなら今そんな手をいれる必要が無いからだ
 勝ち逃げならタンヤオで十分
 
靖子「(どうせドラは全部こっちが握ってるんだ。焦る必要はない)」

 仮に和了られても、直撃でなければトビはしない
 
靖子「(問題は、いつ暗槓するかだ)」チラッ

 手を持って確認する靖子
 もう少しでテンパイ

 その時に嶺上開花で和了る

靖子「(恐らく、あの嶺上牌が……)」

 靖子の求める和了牌
 ドラ8を絡めた嶺上開花で京太郎をまくる

 完璧なシナリオ

 ただ一つ誤算があるとすれば――


アカギ「京太郎、今だ」

京太郎「……へへ、待ってました」ボソッ

靖子「なに……?」

 バララッ

京太郎「カン」

一同「!?!?」

 4444m カシャッ

靖子「なっ……?」
 
 先にカンをされた
 ということはつまり――

京太郎「じゃあ、リンシャンツモりますね」スッ

靖子「(な、それは――私の!?)」

京太郎「……」クスッ

 つ3p

京太郎「いらんな」ペシッ

靖子「……ぐっ」

 流されてた……
 テンパイする前に、自分の和了る筈だった牌を……

 それもよりによって須賀京太郎によってだ

靖子「(だがしかし、ドラは表示される!)」

京太郎「おっ、また8sがドラですね」カチャッ

靖子「(当然だ)」

 計画の狂いはあったが、問題無い
 別に嶺上開花でなくても和了ればいいのだ

 和了さえすれば、己の勝ちなのだから


  
286 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 01:01:25.53 ID:0F13/UPyo


【京太郎のフーロー】
 
カン4444m ポン222m チー678m


靖子「(三鳴きしたんだ。もう既に張っている可能性が高い)」ギリッ

 圧倒的な有利からスタートしたものの
 いつでも有効牌を取れるという油断が、暗槓の遅れを招いた
 
靖子「(今頃か……少し遅い)」つ2p

 タンッ

京太郎「……」

 これで靖子の手牌はテンパイ
 後は3pを待つのみとなった

【靖子の手牌】
 24555p 118888s 567m

靖子「(須賀君は一度3pを切っている。また出る可能性は高い)」

 ここはただ待つべきか?
 それとも、待ちを変えるべきか

 思案しながらも、現状維持を決意

京太郎「……」

 一方の京太郎は迷うことなく手を切っていく
 
京太郎「……」つ1s

靖子「……っ」
  
 中々尻尾を出さない京太郎
 次第に、靖子の焦りも強くなっていく

靖子「(あの四枚……一体何が隠されている?)」

 見えない京太郎の手を見て、靖子は不安に駆られる
 嫌な予感がひしひしとあの四枚から感じられるのだ

 そして、そんな予感を抱えてのツモ

靖子「(これは……)」つ2p

 迫られる、手替わりの時期
 4pを切り、2p1sシャボ待ちも可能

靖子「(しかし、3pを彼が持っている可能性もある)」

 ツモ切りからの素早い切り捨て
 考えられるのはピンズが無く、本当に清一色や染め手の場合

靖子「(仮にこれで和了られても、痛くも痒くもない)」つ4p

 タンッ

京太郎「……」

靖子「(今は須賀君の親番。飛ばない限り、次の機会はある)」

 つまり、多少は危険を犯しても強気で行くべきなのだ
 相手にドラは無い

 染まってもいない手に恐怖など感じる必要など皆無
287 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 01:21:24.46 ID:0F13/UPyo

 ごめんなさい、靖子の手牌がちょっとミスってました
 訂正するのでちょいとお時間を

 オリジナル入れるとすぐこれだよ、全く


288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/08(木) 01:21:59.35 ID:7yMxB+vE0
がんばって
応援してる
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 01:23:43.03 ID:sz/Nj+jeo
おもしろい
リッツもこんな風に配碑で悩んで筆が止まってるんかな
それともただサボってるだけか
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 01:25:22.81 ID:aaUqRwCb0
超面白いんで無理せずがんばってくだせえ
291 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 01:30:31.69 ID:0F13/UPyo
>>286
これは無かったことにしてください




【京太郎のフーロー】
 
カン4444m ポン222m チー678m


靖子「(三鳴きしたんだ。もう既に張っている可能性が高い)」ギリッ

 圧倒的な有利からスタートし、
 いつでも有効牌を取れるという油断が、暗槓の遅れを招いた
 
京太郎「……」

【靖子の手牌】つ6p
 2455p 118888s 567m

靖子「(須賀君は一度3pを切っている。また出る可能性は高い)」

 ここはドラを切ってでも無理やりテンパイに持っていくか?
 それとも、暗槓するか

京太郎「……」

 しかし、暗槓すればドラ8は警戒される
 別にロン和了でなくても勝機はあるが――可能性はぐっと低くなる


靖子「……」

 思案する靖子
 長い思考の果てに選んだのは――


【靖子の手牌】
 4556p 118888s 567m

 つ2p

 暗槓せず、現状保持

靖子「……(あの嶺上牌をつかめばいい)」

 靖子がカンをする時、拾うであろう牌……

靖子「(恐らく、7p)」グッ

 確信めいた直感、恐らく100%的中するハズだ
 ならばそれを待ちにできるようにセッティングする

 今の靖子の運なら、造作の無いことだ

292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 01:35:25.16 ID:XFUwuorO0
まじでこのカツ丼から八木のにおいがする…
ただ八木よりも小物に見えるけど
293 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 01:35:57.39 ID:0F13/UPyo

  
 一方の京太郎は迷うことなく手を切っていく
 
京太郎「……」つ1s

靖子「……」
  
 中々尻尾を出さない京太郎
 待ちが読めないこともあり、靖子の焦りも次第に強くなっていく

靖子「(あの四枚……一体何が隠されている?)」

 見えない京太郎の手を見て、靖子は不安に駆られる
 嫌な予感がひしひしとあの四枚から感じられるのだ

 そして、そんな予感を抱えてのツモ

靖子「(これは……)」

【靖子の手牌】4p
 4556p 118888s 567m

 まさかの4p
 ここで8sを切り、6p待ちにする手も考えられる

靖子「(だがドラ2の8sを切るなんて、考えられない)」

 やはりここは常識的に考えて4pだ
 
靖子「(だが唯一気になるのは、3pを彼が持っている可能性もある)」

 ツモ切りからの素早い切り捨て
 考えられるのはピンズが無く、清一色や染め手であること

 しかし、そこにピンズが加わっているとなると……話は変わる
 混一色も清一色も無ければ、ただのゴミ手
 
靖子「(仮にこれで和了られても、痛くも痒くもない)」つ4p

 タンッ

京太郎「……」

靖子「(今は須賀君の親番。飛ばない限り、次の機会はある)」

 つまり、多少は危険を犯しても強気で行くべきなのだ
 相手にドラは無い

 染まってもいない手に恐怖など感じる必要など皆無
294 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 01:39:43.27 ID:0F13/UPyo


京太郎「……」
 
靖子「……」ホッ

 結果としてこの手は通る
 そして、京太郎の番が来る

 だが、次の京太郎の1打が……靖子を苦しめることとなる

京太郎「……」スッ つ3p

靖子「ぐっ!?(まさか、本当に抱えていた?)」

 困惑する靖子
 そして、続くもう1巡

京太郎「……」5p

靖子「!!」

 これは――どういうことなのか?
 もしかすると須賀京太郎は、35p で4pをカン待ちしていた?

 ならばなぜ、和了らなかった?

靖子「!!(こいつ、もしかして私の思惑に気づいて……)」

 そう、もし今の4p直撃でも靖子を飛ばせないとすれば
 恐らく、京太郎の手は相当安い

靖子「(だから見逃した。もっと高い手を作ろうと……)」

京太郎「……」

靖子「(ここに来て、なんて馬鹿な真似を)」ニヤリ

 やはりこの男は凡夫だった
 勘がよければドラ8の匂いを感じ取れたものを……

靖子「(つまり、今須賀君はテンパイしていない)」ニヤリ

 そんな見逃しをしてしまえば、運の女神も見放すというもの
 その証拠に――靖子が掴んだものは
 
【靖子の手牌】つ3p
 4556p 118888s 567m

靖子「(来た来た来た!!!)」ニヤリ
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/08(木) 01:44:15.36 ID:cIAVrkPp0
支援
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 01:45:11.52 ID:sz/Nj+jeo
フラグしかない
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/08(木) 01:51:31.78 ID:7yMxB+vE0
完全なるフラグ
298 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 01:57:07.45 ID:0F13/UPyo

 運命を引き寄せる力
 オカルトによる、絶対的な支配

 何をも恐れぬ、女王の闘牌

靖子「ふ、ふふっ……ははは……あははははっ!!」

 靖子は笑う
 己の勝ちを確信し、ただ嗤う

京太郎「……」

靖子「須賀君、私の勝ちだ」

 ざわ…… 
  ざわ……

靖子「長かったよ、ここまで。すごくいい勝負だった」

アカギ「……」

靖子「だが、勝つのは私だ! この、私なんだ!!」バラッ

 倒される四つの8s
 ドラ8の化物――相手を地獄に誘う死者

靖子「カンッ!!」

 そして、引き寄せられる勝利への鍵
 運命をねじ伏せる――


靖子「(ツモッ! ツモツモツモツモツモ!!! 私のチーピン!!) 」


 ハズだった


アカギ「クク……」ニヤリ

靖子「えっ……!?」

久「う、嘘……でしょ?」

 掴んだのは7pなどではない
 あるのは――

 そこに有るはずの無い発

靖子「う、嘘だ! これは……何かの間違いだ!」

 先程までの余裕から一転、慌てふためく靖子
 だが、それに対して一方の京太郎は笑みを浮かべる

京太郎「フフ……どうしたんですか?」

靖子「な、なぁっ……」ブルブル

京太郎「自分の読みが外れて、大慌てですか?」

靖子「ち、違う! こんな、こんなハズは無い!」

 確信があった
 必ず7pであると

 しかし、結果は違った
 なぜ? どうして?

 疑惑が募る
 驚愕だけが――靖子を包み込む


京太郎・アカギ「「まるで白痴だな」」


靖子「!?!?!?」
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/08(木) 01:58:07.18 ID:7yMxB+vE0
濡れた
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/08(木) 02:01:13.65 ID:cIAVrkPp0
支援
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 02:03:31.71 ID:S3du7I7Io
これは抱かれてもいいってか抱かれたい
302 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 02:11:51.19 ID:0F13/UPyo

靖子「な、なぜ……」つ発

 仕方なく発を切る靖子
 他に選択などできるハズが無い

 そして、新ドラが表示される

京太郎「……」

 一方的な靖子の和了かと思われた
 しかし、そんな絶望的状況を乗り越えた先に――

京太郎「……ツキの女神は、待っている」ニィ


 3m 


靖子「!?」

 
 新ドラは――4m


アカギ「クク……」

 京太郎の手牌が一気に跳ね上がる
 それも満貫確定のドラ4

京太郎「藤田プロ」

 ざわ……
   ざわ……

靖子「な、なんだ……?」

京太郎「考えてみてください。あの局面、俺がどうして早々にカンをしたのか」

靖子「!?」

京太郎「別に急ぐ必要も無し、無駄なドラを乗せることもなかった」

靖子「(まさか、まさかこいつ――!?)」

京太郎「アンタの探し物は……」つ2m

 バラッ 4444m

京太郎「カン」スッ

 つ7p

アカギ・京太郎「「こいつだろう?」」

 バラララッ

京太郎「ツモ、嶺上開花」


77p 999s カン4444m カン2222m チー678m 


靖子「な、なんで……? どうして、そこに……? ありえ、ない」ガタガタ

京太郎「……」

 そして、めくられる新ドラ
 まるで――地獄で悪魔と契約してきたかのよう


 1m


京太郎「リンシャンツモ、ドラ8――トビです」

靖子「嘘だぁぁぁぁあ!!!」
 

303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/08(木) 02:12:34.74 ID:cIAVrkPp0
能力に頼って、アカギ達の仕掛けに気づかなかったパターン?
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 02:13:41.13 ID:KLa4esaLo
あれっカツ丼のあごと鼻が尖ってる
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 02:15:33.74 ID:wk/6OkVko
グニャアアアアア
306 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 02:18:07.82 ID:0F13/UPyo

 ざわ……  
  ざわ……

靖子「こんな、こんなハズはない!!」

久「や、靖子……」

靖子「私に分かる。7pはあそこじゃない! 私が引くハズだった!!」

京太郎「……」

靖子「何をした!? オカルトなのか? お前も……持っているのか!?」

京太郎「……なんの話か、分かりませんね」

靖子「!?」

京太郎「ただ、一つ言えるとしたら」

 ざわ……

京太郎「俺、幽霊が見えるんですよ。それも、とびっきりの、ね」ニコッ


∠-'';::/ ,∠/ ./::   ::\.ヽ\ ヽ ヽ \ ヽ. \
::::r''∠- '´:∠ -ヘ::....... ,...:‐''7,ゝl‐-ヽ}   ト、 lヽ. !
:::l::::-===モ== _::::/:::::::::/_  ` / ,ヘ. | ヽ |. ヽ.!
: |:::: `  ー‐=''"::´:::::::::::::/ニ´>,'/  ヽ | ヽ!  ゙l
::|:::::      ..::::::::::::::::::::::/    ハ     ヽ!
:|::::::    ...:::::::::::/::r:::::::i_:   ,'l }
|l::::::        `__:::    /.|′
iヘ::::..      ̄ ̄     `ヽ ./^'
:|::ヽ:::..      ‐==;;   /
::l::::::ヽ::..        :::::::   /    ,.、
:::l::::::::::\.         /  /.:/:ヽ.
::::|:::: :::::::\.         ,イ /....::/::::::::ヽ.


アカギ「クク……」

靖子「……」ヘナッ

 フラフラ……バタン

優希「……う、うそ」

まこ「まさか、本当に……」

久「靖子に、勝った……?」

 ガヤガヤ ナニモンダアノニーチャン
 スゲーゾ マジデヤリヤガッタ!

咲「……」

京太郎「それじゃあ部長、例の件。お願いします」

久「……え、ええ」

京太郎「よし。それじゃあ咲、帰ろうぜ」

咲「……うん」タッ

 スタスタスタ

京太郎「それじゃあ、また学校で」

久「……」

 ガチャッ

 カランカラーン


 バタン


307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/08(木) 02:18:29.33 ID:k+PsORy70
三暗刻付いて三倍満か
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 02:21:41.79 ID:Z7AKYCG00
咲は気づいてそうだね
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/08(木) 02:24:55.90 ID:7yMxB+vE0
咲さんマジ正妻
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 02:25:21.91 ID:sz/Nj+jeo
あきらめたーらおーわりー
きもーちをーりっせっとしてー
311 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 02:25:39.27 ID:0F13/UPyo

京太郎「……ふぅー」

 長い戦いは終わった
 策略と、力の打ち合いによる死闘

 制したのは京太郎とアカギである

京太郎「……(今でも、心臓がバクバクしてる)」ドキドキ

 生まれて初めてだった、あんな経験は
 勝負に命を賭けるスリル、興奮

 それは――京太郎にとって、人生の価値観を変える一戦

咲「……」トコトコ

京太郎「……」スタスタ

 何はともあれ
 これで、資格を得た
 
 咲や和、この二人と戦い――代表を得る資格
 プロを倒した事実さえあれば――

咲「……ねぇ、京ちゃん」

京太郎「んー? どうした?」

咲「私ね……気づいてるよ」ジッ

京太郎「っ!?」ドキッ
 
咲「イカサマ……だよね?」
  
京太郎「……」

アカギ「クク……」

 この時アカギ、地味に付いてきている

312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 02:26:26.37 ID:GQDQSgMu0
倍プッシュで枠を2つともいただくかと思った
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 02:29:26.87 ID:IqvLXN1o0
今回はイカサマだとしても・・次からはやらんと思うなぁ
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 02:30:33.75 ID:zlQdrBOS0
付いてきてるwwww想像したら草生える
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/08(木) 02:31:07.13 ID:A9OxJD4K0
地味にアカギが付いてきている光景は想像を絶する
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 02:34:54.77 ID:4zw+KUOho
クスッときた
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/08(木) 02:36:49.98 ID:7yMxB+vE0
最後ワロタ
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 02:38:17.99 ID:Wte3RIf6o
わかってるけどあえて言わせてくれ

派手に付いてくるアカギが見たい
319 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 02:47:19.29 ID:0F13/UPyo


咲「……最初の四萬カンの時に、牌を入れ替えたんでしょ?」

京太郎「おいおい……なんの冗談だよ」

咲「分かるよ。だって、あの時に位置がずれたんだもん」

 咲は常に嶺上の牌が何か分かる
 だからこそ、あの時の違和感は拭えなかった

京太郎「あのな。あれだけ人がいるのにそんなことできるわけないだろ」

咲「……」

 確かに、あれだけのギャラリー、
 野次馬がいれば京太郎がイカサマをするのは至難の業だ

 その道のプロだって、できるかどうか怪しいもの

咲「早々と鳴いて手牌を少なくした。残った牌をまとめれば……体に隠れて後ろからは見えないよ」

京太郎「手牌はそうでも、嶺上牌はそうはいかねぇだろ?」

 京太郎が手を伸ばし、ツモり、牌を切る
 この一連の動作の中で嶺上牌を入れ替えるなど、不可能だ

京太郎「なぁ、そうだろ?」

咲「……」ジッ

 見つめ合う二人
 咲は何も言わず、京太郎をずっと見つめていたが……

 やがて

咲「うん、そうだね。ごめん、無理に決まってるよ」ニコッ

 その愛らしい笑顔で、京太郎に微笑む

咲「私の勘違いだよね、きっと」

京太郎「そうそう。偶然だよ偶然」アハハ

咲「……」

京太郎「……早く帰ろうぜ」

咲「うん」タッタッタ

京太郎「……」

アカギ「あらら……いいのか? 泣きそうな顔だったぜ」ヒョコッ

京太郎「アカギさん……(ついて来てたのか)」

アカギ「クク……それにしても、本当に初めてだったのか?」

京太郎「当たり前じゃないですか、あんなの」ハァ

 正直、もう二度とゴメンだ
 心臓がいくつあっても足りやしない

アカギ「……」

京太郎「しかし、うまく行ってよかったですよ」

 確かに、京太郎は一つの強攻策を取った
 だがそれは――

京太郎「でも、言えるわけがない。”イカサマ”じゃないなんて」

アカギ「フフ……」

 京太郎が藤田靖子を下した作戦
 それは、一種の神がかり的トリック

京太郎「咲、俺は……」

320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/08(木) 02:49:07.28 ID:7yMxB+vE0
咲さんマジ正妻!!!
321 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 02:52:33.70 ID:0F13/UPyo

 というところで今日は終了
 実を言いますと、最初は驚異のドラ8となるカンをする靖子

 しかし、ドラを必ず集めると読んでいた京太郎が靖子の8sをチャンカンで刺す
 というストーリーだったんですが……まさかの暗槓で進行しちゃったので断念Orz

 
 急いでネタ作り直したから意味不明過ぎる和了となりましたが、一応次回で種明かし編
 思ったより大したことないトリックなのかもなので、期待せずにお待ちください


 それでは今日もありがとうございました
 
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 02:53:27.28 ID:SefCEmb10
乙、気になるところで切るなぁ
しかし咲ちゃんが可愛い、凄く可愛い
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 02:55:27.59 ID:Z7AKYCG00
咲ちゃんがこのまま咲ちゃんでありますように(切実
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 02:55:38.19 ID:4zw+KUOho
乙です
続きめっちゃ気になる
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/08(木) 02:56:20.63 ID:7yMxB+vE0
明日もこれのために頑張ろう
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 03:03:57.54 ID:DKSPK2KAo
乙面白かった

>44556p 118888s 567m の形からなんで8s暗槓しないのかと思ったけどそういうことか
結果的に3pで和了れていただけにカツ丼さんはもったいなかったな
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 03:12:42.13 ID:t1/iViqoo
乙。
まあカツ丼さんは二回も見くびりで痛い目にあったのに、三回目やっちゃったからね、仕方ない。
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 03:26:08.75 ID:VEsksuXF0

しかしカツ丼さんこれレジェンドルート乗ったんじゃね?
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 03:28:36.69 ID:BLJKgkDD0
ちょー続き気になるよー
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 04:19:48.79 ID:8pmF+hVD0
プロが私闘でレジェンドルート乗ったりしたら、所属チームから訴えられるレベルの話。
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 04:21:09.66 ID:9NAcfLDK0
乙乙乙乙!凄い面白いです…
アカギと京太郎でかっこいいし咲さんかわいい

個人的にはのどっちとの対局があれば楽しみ
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 05:42:36.28 ID:BzhZNRJAO
乙!
スゲー面白れ〜!
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 07:29:55.35 ID:NUeQT2Dvo
だが実際イカサマじゃなかったとして、京太郎を疑う咲ちゃんェ……
どんだけ自分を過信しているのか、その鼻っ柱へし折るしかあるまい。
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 07:36:16.65 ID:yDjRLon1o
いや普通イカサマ疑うだろ
一介の学生がプロに勝ったんだから
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 07:42:52.36 ID:vYE6qYX30
お疲れ
毎日の楽しみが増えた
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/08(木) 07:44:25.27 ID:7yMxB+vE0
しかも嶺上牌が読める咲さんだしね
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 07:54:19.96 ID:ggalDZ/A0
ここの京太郎は、勝つ為なら咲もイカサマのタネにした上で「死ぬなら須賀京太郎として死ぬ」とか言うんだから、元々そういう人だったんでしょ。
リャンシャン牌見える咲からすると、対局中にリャンシャン牌入れ替わったんだからイカサマ疑うのは当たり前じゃん。
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [ sage]:2014/05/08(木) 08:04:29.66 ID:cXtbJGCh0
こういうのアカギ好きにはたまらない
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 08:36:05.59 ID:8DPvvcQSo
乙です
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 08:48:53.76 ID:BzhZNRJAO
しかし、此で咲さんも京太郎の状況に気付くかね……
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 08:54:33.60 ID:hVql6rFmo
部長がまだ食い下がりそうだけどスパッと切り捨てて欲しいな
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 09:23:37.02 ID:vqpqirKtO
野暮なツッコミですまんが
ツモと切り出しが両方『つ1m』とかで書かれてるから
引き入れと切り出しがぱっと見分かりにくいかも
補完出来るレベルだからええけどもね
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 09:24:01.05 ID:ZPgDDDaao
そうか、イカサマ指摘は当たり前だったか。
まあ軽い勝負だと思っているオカルト持ちの咲ちゃんには、イカサマだと確信して話の種ぐらいにはするかね。
ちゃちゃ入れてすまんな。
お疲れさん。
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 09:44:37.81 ID:wk/6OkVko



345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 10:31:08.46 ID:xkMUkGJGo
おつおつー
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 11:38:37.25 ID:SefCEmb10

                   の   ん
ちゃちゃ

こうだな!
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 11:48:50.25 ID:F3z7IRnx0
他はともかく部長だけは二度と麻雀できない位へし折って欲しい
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 11:57:36.18 ID:WfWLdzIn0
部長とか勝手に潰れるだろうから、クソ教師に制裁が欲しいな。
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 12:16:26.30 ID:Wu44es2eo
こういう話の教師や生徒って京太郎が有名になったら自分のこと棚に上げて
俺、あいつと同じ学校だったんですよ、って自慢しそうだな
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 12:18:47.11 ID:oxhMIo7So
京太郎とアカギのタッグならそういう教師や生徒もサクッと裁けるだろうな
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 12:20:49.54 ID:+U8GN33qo
乙です
カツ丼さん慢心しすぎww
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 12:22:40.96 ID:wdbjKMB40
アカギはあの教師や生徒には容赦しなさそうだな
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 12:53:15.96 ID:/0cqnUuAo
拳銃でも持ってくれば簡単だよ(アカギ感
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 14:54:20.18 ID:hCjNSF1yo
そういや、アカギが憑依した状態なら例の一コマで殴り飛ばす超速パンチとかのケンカ強さも身に付くんだろうか?
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 15:09:32.66 ID:SefCEmb10
打ってる時も憑依してるわけじゃなくて指示に従ってるだけだから無理じゃないかな
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 15:18:20.64 ID:GQyXvUT4O
京太郎のガタイでアカギの超速パンチ打てたら、あの程度じゃ済まない気がするんだが…
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 15:29:51.82 ID:rXMHm6f8O
清水谷組とか辻外内組が出てきそう(偏見)
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 15:33:33.04 ID:CSlzzvfxO
http://i.imgur.com/djZZy12.jpg
支援
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 15:51:16.94 ID:ySa5lJbg0
京太郎が福本仕様になっとるwww
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 16:04:01.62 ID:3qdgCWKYo
ひろゆきに見えた
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 16:05:27.62 ID:rFLFoBP7o
福本絵の京太郎に違和感が無さすぎて、一瞬どの福本キャラかと思っちまった
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 16:11:26.80 ID:CbmNiltqo
いじめっ子ABCは間違いなくパァン…パァン…される枠
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 16:13:42.34 ID:DMVgXdI+o
福本漫画に居そうだな
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 16:31:54.60 ID:B1doDOx2o
>>362
なんで掘ってるんですかね...
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 17:03:16.39 ID:shtJvUHbO
掘られるくらいならまだマシかもな
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 17:43:17.29 ID:PL2M5jjco
>>362
恐縮です
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 17:46:54.76 ID:rFLFoBP7o
安価ミスか、それとも何だろう
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 18:36:39.65 ID:3Ad1UHgjo
拳銃で撃たれることのつもりだったのにたまげたなぁ…
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/08(木) 19:05:20.83 ID:wqKLxBUl0
銃はパァニ…パァニ…だからね、しょうがないね
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 19:06:43.61 ID:Pdl54T17o
もしかして→パァニ…パァニ…
類似した結果→バニッ!バニッ!
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 19:22:12.86 ID:Iwo0le2s0
京太郎のフワッとっとしたジャンプが見れるのか
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 19:55:13.29 ID:piLslKYqO
ナギッ!ナギッ!にならないことを祈る
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/08(木) 20:24:15.34 ID:HIJbvUx20
――――〈::::::!
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     /    ,  '        }, ‐ ' ー '' "´   .:::/;;;;;::´   `
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 7:::!::::::厶イ
../::/:::::∧f´
/!:::|::::::{ア
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 20:30:55.31 ID:ESIPLuYlo
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 20:38:09.33 ID:HVNGFt8co
>>358
福本風に書く某スレの人か
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 20:40:39.98 ID:zlQdrBOS0
>>358
咲風のアカギはよ願いします
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/08(木) 20:52:51.77 ID:FR8JPuaw0
牌譜の確認で咲が指摘した怪しい部分は気付くだろうけど、勝負の条件から形振り構わない所まで追い詰めていたと、久の逆上せ上がっていた頭が冷えて正気に戻ると良いな。
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 20:57:09.12 ID:CjJDaLLco
いくらなんでも伸ばしすぎ
自重してくれ
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 20:58:55.66 ID:F/L4gi5D0
人気ありすぎや……
確かに面白いが
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/08(木) 22:13:55.02 ID:53AIX2Wi0
カンドラ即のりなんだね
381 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 22:25:42.43 ID:Ac31SEe5o

>>380
 ぐあぁぁぁぁぁぁあ!?
 咲世界じゃ即ノリじゃ無かったぁぁぁぁああああああああああ!!


 アカギだと即ノリだったから、畜生っ……!! 畜生っ……!!


 あびゃびゃ、今まで書き溜めた南四局(京太郎視点)はおしゃかだぜ……
 


 南四局、リメイクして出直してきます

 
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 22:26:52.09 ID:B53MuxbLo
いや、このままでいいと思うが
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/08(木) 22:28:33.26 ID:UdTQorJ60
いや、このままでいいからすすめようぜ
リメイクしても良いけど
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 22:32:01.64 ID:5gEPFAhko
個人的には進めて欲しいに一票
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 22:32:10.59 ID:tbnK4avKo
面白いし良いんでない?
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/08(木) 22:32:52.98 ID:bxxdhsVdo
先を見たいからこのままでいいよ
細かい部分なんて大多数の人間は気にしない
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 22:34:38.95 ID:8+YyfbWAo
そのままでいいかと…
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 22:37:08.48 ID:LjZxAiDS0
続きが見たいです
っていうか正直いちいちミス書き直さなくても〜で脳内補完しといてって言うだけでいいと思うよ
389 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 22:37:13.27 ID:Ac31SEe5o

>>
 いえ、牌の表示ミスなんかならいいんですが、ルール改変は流石に書き直します
 折角だし、もうちょい分かりやすい勝ち方にしてみます

 非常に申し訳無いです
 ちょっとアカギサイドに肩入れ過ぎかね、修正修正……

 
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 22:37:25.89 ID:CXJc6MzOo
気になったら脳内変換するし、そのままで構わんよーー
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 22:39:38.72 ID:8XNhseYE0
その店のルールが即乗りなんだったら即乗りでおかしくない。現実でも即乗りの店もそうじゃない店もあるし。
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 22:41:09.17 ID:R4nx/Th60
言えない…即乗りってなんだかわかってないなんて
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 22:41:17.35 ID:SefCEmb10
大会ごとにルールも違うだろうし、今回の大会は即ノリでそれにあわせたとかでいいんじゃね?
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 22:43:45.26 ID:IkwIs6AWo
というか大会とかIH準拠
場所によってルール違うからこれってのは先に提示しているSSが多い
内容自体変えたいなら止めないが
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 22:44:39.10 ID:7yMxB+vE0
いやもう続き見たいんで脳内補完するから続きお願いします
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 22:58:43.77 ID:5gEPFAhko
>>392
カンしたあと牌を引く前にドラを開けたら即乗り引いた後に空けたら後乗り。アガリした際にドラが乗るか乗らないかが違う
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:12:03.89 ID:5txPPFXPo
続きみたいけど書くのは1だからね仕方ないね 待ってます
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:16:18.28 ID:+3COucdMo
>>396
明槓での新ドラめくるのは嶺上牌引いた後じゃなくて打った後じゃなかったっけ?
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:19:57.41 ID:5gEPFAhko
>>398
あぁすまん、その部分の説明抜けてたわ
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:21:13.33 ID:jDyFKY35o
競技麻雀と裏麻雀は噛み合うのかってところも題材にして欲しいかも
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:25:12.01 ID:A6c6vF0Zo
ここ数年で読んだSSの中で一番好きかも
402 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 23:46:37.18 ID:Ac31SEe5o

 色々考えましたが、今後アカギ・天の闘牌を流用することが多そうなので
 今作は【カンドラ即乗り】ルールにします

 なので、藤田戦はそのまま
 京太郎サイドの戦い(種明かし)の投下でよろしいでしょうか?


403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:47:33.42 ID:R53jcsbg0
縺縺繧医シ
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:47:38.11 ID:KwSeYOOy0
いいですよ!
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:47:40.99 ID:x/ta47pno
あっいいっすよ
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:47:44.59 ID:SefCEmb10
よろしいです!むしろお願いします!
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:47:45.06 ID:pOOh57qro
了解です
透華お願いします
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:47:50.82 ID:qOZB/eNto
おっけーでーす
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:49:40.28 ID:5txPPFXPo
よっしゃああああ
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:49:43.34 ID:7yMxB+vE0
ああもう全然構わないどころか土下座してお願いするレベルッス!!!
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:50:27.52 ID:xgG5B8JAO
114514
412 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 23:51:04.95 ID:Ac31SEe5o

〜〜南四局 京太郎の親〜〜


 泣いても笑っても、焼き土下座しても最後の一局
 京太郎に取って運命を左右するこの局の初手は――

京太郎「……」

【京太郎手牌】
 122444688m 35p 29s 発

咲「(ダメ、なんて重い手……)」

 ここは軽いタンピン手などがベスト
 だが掴んだのは高火力を狙うような配牌
 
久「(そして一方の靖子は――)」

【靖子手牌】
128888s 145p 267m 東

久「(一見すると凡手に見える。でもね……)」

 引き寄せる
 靖子のオカルト……まくりの力

京太郎「ドラ確認します」カチャッ

 来る、引き寄せる

 7s

久「……」ニヤッ

靖子「……」フフ

 凡手から一気にドラ4の手に変化
 しかも、それだけではない

咲「(あのカンドラ……)」

 そう……咲には見えていた
 もし誰かがカンをすれば、新しくドラが表示される

 そのドラすらも……

靖子「(埋まっているが、間違いなく7s)」

 靖子と咲の読みは正解
 隠された新ドラは8s

 つまり、靖子の手はドラ8となる
 暗槓しただけでドラ8は確定

 ツモ和了でも京太郎をまくり確実に勝利する

京太郎「……」チラッ

アカギ「……」コクッ

靖子「……」チャッチャッ つ牌

 ざわ……
   ざわ……

アカギ「……」ジィーッ

京太郎「……」



 
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:51:06.15 ID:Qe+v7jpe0
バッチコーイ
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/08(木) 23:55:50.05 ID:TUwHUDbx0
正直なところ少しはオリジナル闘牌も見たい
415 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/08(木) 23:55:58.17 ID:Ac31SEe5o

京太郎「……」

 一方で、重たい手を手中に入れたことでお通夜モードの京太郎サイド
 後ろに並ぶ一般客は、みな顔を見合わせてため息を吐く

 京太郎の勝ちはもうない
 希望のきの字も無い

 そう思っているのだ

アカギ「クク……」

 だが、ここで二人の若き天才は――

京太郎「(思い通りの手が来た!)」

 全く、別のストーリーをこの手から想像していた

久「(もう終わりよ、諦めなさい)」

京太郎「では、行きます」タンッ

 こうして始まった戦い
 半荘六回にも及ぶ激戦の果て――勝つのは京太郎か、久か

京太郎「……ポンッ!」

 二巡――
 まずは京太郎が動く

 222m カシッ!

 そして三巡――

京太郎「チー!」ピシッ

 768m カシッ!

京太郎「……」

まこ「これは……」

優希「(混一色か、清一色か?)」

 早々とした鳴き
 手を急ぐべき京太郎には当然の行動のように思える

 無論、周囲もそう思っているし
 それは対局している優希とまこも変わらない

優希「(この局面、絶対に振り込めないじぇ)」つ現物

まこ「(降りるべきじゃな)」つ現物

 二人にできるのは靖子の邪魔をせずに、生き延びること
 つまり、無理に戦う必要は無いのである

咲「(二人が降りた。これで一対一……)」

 遠目に見守る咲だが、まだ京太郎の分が悪いのを悟る
 靖子は運気すら引き寄せているのだ

靖子「(いくら鳴いてスピードを速めようが……私には勝てないさ)」ニヤリ

 着々と積み上がる靖子の怪物手
 和了さえすればドラ8は確定

 その恐るべき異能の力によって

京太郎「(まずは邪魔な二人の排除)」

アカギ「……」

 染めていることを匂わせられる配牌は、京太郎の望むところであった
 相手に牽制をかけ、靖子との一対一に持ち込むことが出来るからだ

416 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 00:00:48.47 ID:fv4ydcs1o



京太郎「……」

 京太郎の策
 それは――常人には到底思いつきもしない異端の策略であった

 というのも、なんら確証もない……それも、想像の域を出ないものだからだ

 だが、今はその京太郎の想像こそが――
 この大勝負の、運命を左右することとなる


京太郎「(藤田プロは、自分を"まくりの女王"と言った)」


 それは即ち、オーラスで自分が大逆転をする
 それが【自分の能力】です、と説明してくれたに他ならない


京太郎「(そして……今現状は1万点以上の差がついている)」

 考えられるのは2つ 


・逆転できるほどの大きい手をツモ和了する

・一位に当てて逆転する


 この2パターン

京太郎「(だけど、プロの世界でまくりの女王と呼ばれている以上、2つ目の可能性は低い)」

 プロの世界で生き残るのは簡単ではない
 相手とて、それなりの打ち手だし1位の逃げ切りが出来ないほどヤワではないだろう

 まして、まくりの条件を満たすということは藤田プロよりも格上である可能性が高い
 あの藤田プロを越える雀士が、果たして差込や現物での逃げ切りができないものか? 

 否、つまりこれは当てはまらない

京太郎「(あくまで可能性だが、自分で和了る系統の能力だ)」

 確信は無い
 だが、今の京太郎にとっては十分過ぎる考察

京太郎「(となると、次に考えるべきは藤田プロの手の高さ)」

・役満での和了

・高い役を絡める大きな手

・ドラを引き寄せた高い手

京太郎「(こればかりは分からない……場合によってはどれもありえる)」

 そう、高い手で和了だということしか分からない
 つまり――こればかりは見てみないと判別は不可

 しかし、京太郎の雀力では藤田プロの筋を読み切り
 相手の手牌を想像することは不可能だ


京太郎「(だからこそ、この人の力がいる)」

 
アカギ「クク……」

 
 まずはアカギが見をする
 そこで、どのパターンの高い手を作っているかを想像する

 勝つための第一の条件は、まずそこが鍵となるのだ

417 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 00:14:03.56 ID:fv4ydcs1o

京太郎「(どうですか、アカギさん?)」チラッ

アカギ「染めている様子も無い。それに、クセも見抜いた」

京太郎「……?」

アカギ「所詮競技麻雀……お上品な打ち方」ニヤリ


 そう、この時アカギは藤田靖子の”あるクセ”を見抜いていた
 それは――


一般客ウニ頭「うーん、麻雀はよく分からないのでせうが」

一般客シスター「ちんぷんかんぷんなんだよ!」 

 ざわ……
   ざわ……

靖子「……ふぅ」カチャカチャ

 チャッチャッ

2455p 12 8888s  567m つ1p


一般客ウニ頭「おぉ、見やすい!」

一般客シスター「ありがとうなんだよ!」

靖子「……」クス


アカギ「槓子があるな」

京太郎「(槓子?)」

 そう、麻雀プロゆえの観客を意識した打ち方だ
 テレビに放映されることも多く、自然と牌を整理して並べるクセがあるのだ

京太郎「(部長、俺にサマをさせないように客を集めたのが逆に災いしましたね)」

 靖子はあくまでもプロ
 そのクセは、意識しない限り抜けることはないだろう

 もっとも、こんなほんの一瞬の隙を見抜けるのは――
 この場ではアカギくらいであろうが


アカギ「牌の種類はバラバラだが、どういう塊があるかは見え見えだな」

京太郎「(つまり、萬子、ピンズ、ソーズの塊は出来ている)」

 そして今、牌を整理するときに見せた4つの牌の塊
 順子や刻子なら3つ……つまり、槓子である可能性が高い

 だが勿論、それ以外の可能性も捨てきれないわけではない

京太郎「(確証はあります?)」

アカギ「まず間違いない、と言いたいが。クク……そういう罠かもな」

京太郎「(いや、そんなメリットは無い……)」
  
 だがもし、アレが槓子なら……考えられるのは四槓子、四暗刻などか
 
京太郎「(ん? そういや、なんで暗槓しないんだ?)」

 見られたく無い牌なのか?
 それともする必要が無いからなのか……?

京太郎「(もし、もしだけど……藤田プロの和了牌が嶺上牌にあるとすれば?)」

 以前、咲は藤田プロに破れたと言っていた
 つまり――カンを奪うこともできると、考えられる

418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 00:20:29.96 ID:IE4s9UXXo
>>414
今のこれオリジナルやろ?
419 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 00:23:01.70 ID:fv4ydcs1o

京太郎「(アカギさん……)」

アカギ「クク、なら確かめてみるか」

 チャッ

京太郎「(ツモは……4m!)」

アカギ「京太郎、今だ」

京太郎「……へへ、待ってました」ボソッ

靖子「なに……?」

 バララッ

京太郎「カン」

一同「!?!?」

 4444m カシャッ

靖子「なっ……?」
 
京太郎「(明らかに今、動揺した)」

アカギ「クク……」

京太郎「じゃあ、リンシャンツモりますね」スッ

 つまり、今から引く牌は有効牌の可能性が高い
 それも――とびっきりの

靖子「(な、それは――私の!?)」

京太郎「(お前か3p……)」クスッ

 つ3p

京太郎「いらんな」ペシッ

靖子「……ぐっ」

京太郎「(とりあえず、危険なピンズは整理しておくか)」チャッ

靖子「(だがしかし、ドラは表示される!)」

 そして、何も気づいていないフリをしながら
 ドラ表示牌に手を伸ばす

京太郎「おっ、また8sがドラですね」カチャッ

靖子「(当然だ)」

京太郎「(なるほど、ドラが8sね)」ゾクッ

 つまり、これで疑惑は確信に変わる
 藤田靖子の槓子の正体は8s

 ドラ8の化物手……

京太郎「(つまり、役もろくに作らずともドラ8だけで逆転ってわけだ)」

 そうなると、手の内を想像するのは簡単だ
 役も適当に……ただ和了さえすればいい

京太郎「(それにいつかは暗槓しなきゃいけない。ということは……)」

 狙うのは恐らく嶺上開花
 つまり、次の牌が藤田靖子の和了牌となる可能性が高い

京太郎「(兎に角、ここで第一の条件はクリアだ)」

 藤田靖子の和了るハズだった牌を奪う
 これこそが、京太郎の策

京太郎「(流れは――今、変わった)」ニィッ
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 00:27:51.56 ID:JFVXzHLro
麻雀知らん奴が麻雀喫茶に来て闘牌見続ける方が不自然なんですがそれは
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 00:31:52.33 ID:hwEy3SIPo
>>420
きっとこの店のカツ丼が有名なんやろ(適当)
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 00:34:31.71 ID:I4SBkeGqo
近くになんか有名人でもいたら興味なくてもちょっと見たくなるだろ
それに麻雀喫茶というか麻雀"も"できる喫茶店って感じなんじゃないか?
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 00:39:26.91 ID:823KY5JV0
>>422
確かこれだった
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 00:40:01.31 ID:g34CgBXd0
ネトマなんかで麻雀覚えた奴は牌を分かり易く整理するから局が進むと手の内が丸分かりになるって、ギャンブル漫画のラスボスが言ってた。
425 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 00:41:05.38 ID:fv4ydcs1o


 これからが反撃の時

京太郎「……」

 しかし、ここまで冷静に藤田靖子のオカルトを分析してきた京太郎だが
 ただ一つだけ絶対に自信を持てないことがあった


京太郎「(支配を破る為の……方法だ)」


 咲やあの天江衣――大星淡のように
 場を支配し、牌の位置を自在に操る力
 
 それが――いつ決定されるのか、ということ


京太郎「(我ながら何を馬鹿なって思うけど……あいつらの力ってそういうもんだろ)」

 つまり――

・牌を引く時に有効牌に変わる

・最初から運命づけられてその位置に存在する

 この二通りのどちらであるのかが、重要な鍵となる

京太郎「(……分からない。どちらもあり得るし、その判断はここじゃ付かない)」

 そう、こればかりは分からない
 それに2である場合、京太郎にはもうどうしようもない

 このまま負けを認めるしかなくなってしまう

京太郎「(だが、1のパターンならまだ可能性がある)」
 
 オカルト持ちが牌を引く時――
 触れた時に牌が決定されるのであれば

京太郎「(俺にも――やれる!!)」
 
 望みの薄い策ではある
 だが、0よりは1

 ――やらなければ、何も変えられない

京太郎「(それが、さっきの牌への接触)」

 そう、京太郎は先ほどの嶺上牌のツモである一つの作戦を決行していた

京太郎「(イカサマスレスレだけどな……)」ニッ

 嶺上牌を引く時に、その下の牌――
 次に惹かれる牌に少し触れたのである
 
 上から軽くちょんっと押す程度であったが
 牌をツモる動作で、ずれた牌を直すレベルの動きだ

京太郎「(そう、藤田プロが引く前に俺が触れた。つまり、あの牌の支配は俺にある)」

 とんだ屁理屈、子供の理論
 だが京太郎は本気だった

京太郎「(つまり今度は俺が引く牌を――次に藤田プロが奪う形になる)」


 当然、そんな保証はどこにもない
 そのまま和了牌を引かれて負ける可能性だって大いにある


京太郎「(だけどもし俺にほんの少しのオカルトがあれば――)」

 京太郎が触れた瞬間に牌は決定され、そこに位置することになるハズだ
 
京太郎「(言わねーけど、藤田プロ。俺のオカルトはへなちょこだぜ?)」


 
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/09(金) 00:44:17.88 ID:823KY5JV0
あっなるほど
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 00:45:37.80 ID:urum0nWw0
天才ってこんな事を思い付くから天才って言われるんだろうな…
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 00:47:32.39 ID:j8Plc2x20
オカルトにはオカルトで対抗か
でもオカルト能力者だと逆に見落としそうな考えだよな
当然に使えてるだけに細かい原理についてまで頭が回らなそう
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 00:49:02.74 ID:KJhYDHEZ0
これが成立するなら結構色んな相手に対策できそうだね
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/09(金) 00:50:51.90 ID:oMs2H6bV0
オカルトをイカサマと言った咲は
どのツラさげて言ったんだろう

オカルト麻雀してるのに
431 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 00:54:29.42 ID:fv4ydcs1o


 そして、そんな思考を抱えながら京太郎は闘牌を続ける
 一方の京太郎は迷うことなく手を切っていく
 
京太郎「……(次はピンズを切らないと)」

 靖子の有効牌が3pであると分かった以上、35pは危険だ
 早めに切り捨てるべきである

アカギ「いや、ツモ切りでいい」

京太郎「(え?)」

アカギ「早くしろ、出来るだけ迷い無く打ったように思わせろ」

京太郎「(は、はい)」タンッ

靖子「(あの四枚……一体何が隠されている?)」

 見えない京太郎の手を見て、靖子は不安に駆られている
 嫌な予感がひしひしとあの四枚から感じられるのだ

 そんな中の迷い無いツモ切りである
 靖子の思考に影が差すのも無理はない

靖子「(これは……)」

【靖子の手牌】4p
 4556p 118888s 567m

 まさかの4p
 ここで8sを切り、6p待ちにする手も考えられた

靖子「(だがドラ2の8sを切るなんて、考えられない)」

 当然靖子は相手の直撃を覚悟で打つことになる
 ドラを落とすことなど、考えられないからだ
 
靖子「(だが唯一気になるのは、3pを彼が持っている可能性もある)」

 ツモ切りからの素早い切り捨て
 考えられるのはピンズが無く、清一色や染め手であること

 しかし、そこにピンズが加わっているとなると……話は変わる
 混一色も清一色も無ければ、ただのゴミ手
 
靖子「(仮にこれで和了られても、痛くも痒くもない)」つ4p

 タンッ

京太郎「……」

靖子「(今は須賀君の親番。飛ばない限り、次の機会はある)」

 だが、ここでアカギは確信
 4pを切ったということ、それにさっきの2p切りも踏まえると

 3ー7pを待ちに据えたイーシャンテンといったところ

 つまり、危険牌を整理するなら暗槓する前
 今しかない
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 00:54:54.71 ID:Rw2HWkK1o
いよいよオカルトがイカサマじみてきたな
引いた瞬間に牌が変わるって無意識のイカサマみたいなもんじゃねえか
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 00:58:32.76 ID:j8Plc2x20
>・最初から運命づけられてその位置に存在する
こっちの方が正しくて京太郎はそれを歪めるオカルト持ちって可能性もあるけどね
だからこそ咲も理解し切れなかったのかもしれんし
434 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 00:58:49.77 ID:fv4ydcs1o

 そしてアカギも動く

アカギ「3pだ」

京太郎「……」スッ つ3p

靖子「ぐっ!?(まさか、本当に抱えていた?)」

 困惑する靖子
 一方のアカギは、勝利への流れ感じ取っていた

京太郎「(ツモは……!?)」

 7p

 引き寄せたのは、まともや藤田靖子の有効牌
 圧倒的に見える靖子のオカルトに――ヒビが入り始めた証拠であった


57p 999s  【222m 678m 4444m】


アカギ「5pを切れ」

京太郎「……」5p

靖子「!!」

 そして二連続で手の内から切った35p
 これにより、靖子は盲信する筈だ

靖子「!!(こいつ、もしかして私の思惑に気づいて……)」

 そう、もし今の4p直撃でも靖子を飛ばせないとすれば
 恐らく、京太郎の手は相当安い

靖子「(だから見逃した。もっと高い手を作ろうと……)」

京太郎「……」

靖子「(ここに来て、なんて馬鹿な真似を)」ニヤリ

 アカギの思惑通り、靖子は高をくくる
 そして慢心を持って和了を決意するだろう

靖子「(つまり、今須賀君はテンパイしていない)」ニヤリ

 そんな見逃しをしてしまえば、運の女神も見放すというもの
 その証拠に――靖子が掴んだものは
 
【靖子の手牌】つ3p
 4556p 118888s 567m

靖子「(来た来た来た!!!)」ニヤリ

 勝ちを確信する靖子
 だがそれは大きな間違いだった

京太郎「……」

435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 00:58:52.98 ID:I4SBkeGqo
これってガン牌してたらどうなるのか気になるな
確定してたもんが急にすり替わったりしたら銀次とかたまったもんじゃないな
逆にガン牌が最強のメタになるかもしれんが
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:01:20.42 ID:a65mjMVVo
この京太郎イカサマ使っちゃうのか…
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:02:15.04 ID:a65mjMVVo
オカルトの間違い
438 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 01:02:17.02 ID:fv4ydcs1o

 運命を引き寄せる力
 オカルトによる、絶対的な支配

 何をも恐れぬ、女王の闘牌

靖子「ふ、ふふっ……ははは……あははははっ!!」

 靖子は笑う
 己の勝ちを確信し、ただ嗤う

京太郎「……」

靖子「須賀君、私の勝ちだ」

 ざわ…… 
  ざわ……

靖子「長かったよ、ここまで。すごくいい勝負だった」

アカギ「……」

靖子「だが、勝つのは私だ! この、私なんだ!!」バラッ

 倒される四つの8s
 ドラ8の化物――相手を地獄に誘う死者

靖子「カンッ!!」

京太郎「(来たっ!)」

 果たして、自分の読みが当たっているのか
 それとも外れてしまっているのか

靖子「(ツモッ! ツモツモツモツモツモ!!! 私のチーピン!!) 」

京太郎「(頼むっ――!!)」


 発 


アカギ「クク……」ニヤリ

靖子「えっ……!?」

久「う、嘘……でしょ?」

 掴んだのは7pなどではない
 あるのは――

 そこに有るはずの無い発

靖子「う、嘘だ! これは……何かの間違いだ!」

 先程までの余裕から一転、慌てふためく靖子
 だが、それに対して一方の京太郎は笑みを浮かべる

京太郎「フフ……どうしたんですか?」

靖子「な、なぁっ……」ブルブル

京太郎「自分の読みが外れて、大慌てですか?」

靖子「ち、違う! こんな、こんなハズは無い!」

 靖子には確信があった、必ず7pであると

 しかし、結果は違った
 京太郎の策により、違う牌を掴まれたとも知らず

 ただ困惑するのみ、自分の負けを認められない愚か者
 みっともない敗北者の姿


京太郎・アカギ「「まるで白痴だな」」

靖子「!?!?!?」

439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:03:16.84 ID:eJSVVbkJ0
イカサマじゃないでしょう、牌に触っただけですし
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:04:05.28 ID:Rw2HWkK1o
既にイカサマしてるけどね
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:04:17.01 ID:wRxwzo8co
シュレディンガーの猫的な感じで、何らかの形で明確に牌の正体を認識されない限りオカルトでいくらでも改ざん可能なんかね
そうならガン牌は最強のメタになり得る気がするけど
442 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 01:04:34.13 ID:fv4ydcs1o

靖子「な、なぜ……」つ発

 仕方なく発を切る靖子
 他に選択などできるハズが無い

 そして、新ドラが表示される

京太郎「……」

 一方的な靖子の和了かと思われた
 しかし、そんな絶望的状況を乗り越えた先に――

京太郎「……ツキの女神は、待っている」ニィ

 3m 

靖子「!?」
 
 新ドラは――4m

アカギ「クク……」

 京太郎の手牌が一気に跳ね上がる
 それも満貫確定のドラ4

京太郎「藤田プロ」


 ざわ……
   ざわ……


靖子「な、なんだ……?」

京太郎「考えてみてください。あの局面、俺がどうして早々にカンをしたのか」

靖子「!?」

京太郎「別に急ぐ必要も無し、無駄なドラを乗せることもなかった」

靖子「(まさか、まさかこいつ――!?)」

443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/09(金) 01:05:39.13 ID:oMs2H6bV0
つーか、オカルト=イカサマな扱いみたいだね…男は
女性雀士のオカルトは能力でイカサマじゃない
って感じ
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:05:46.26 ID:KJhYDHEZ0
縺ゅ≠繧ゅ≧縺九▲縺薙>縺縺ェ縲√■縺上@繧縺
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:06:53.20 ID:1RgevNVZo
この理論でいけるなら、牌のズレとか直そうとしたらオカルト総崩れだな
先触っちゃえば良いだけだし
ちょっとでもオカルト的な才能あれば
446 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 01:08:55.12 ID:fv4ydcs1o

京太郎「……」

アカギ「京太郎」

京太郎「(アカギさん……?)」

アカギ「……お前の勝ちだ」

京太郎「(いえ、違いますよ)」フルフル

アカギ「……?」

京太郎「(”俺達”の勝ちです)」ニッ

アカギ「……フフ。ああ、そうだな」


靖子「あ、ぁっ……」ガタガタ

京太郎「アンタの探し物は……」つ2m

 バラッ 4444m

京太郎「カン」スッ

 この運を引き寄せたのは――赤木しげるの狂気の運なのか
 それとも、須賀京太郎の粘りに粘った勝利への執着がもたらしたのか

 答えは分からない

 だが一つだけハッキリしているのは――


 7p


アカギ・京太郎「「こいつだろう?」」

 バラララッ

京太郎「ツモ、嶺上開花」


77p 999s カン4444m カン2222m チー678m 


靖子「な、なんで……? どうして、そこに……? ありえ、ない」ガタガタ

京太郎「……」チャッ


 1m


京太郎「リンシャンツモ、ドラ8――トビです」

靖子「嘘だぁぁぁぁあ!!!」
 

 この二人――
 どちらも劣らぬ、本物の無頼である


447 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 01:16:03.11 ID:fv4ydcs1o

 といったところで種明かし編完了
 どうですか、超理論でしょう?


 一応補足すると>>441に近い設定です
 牌にオカルトの力が触れて初めて牌が決定される的な、ね

 あと、余談ですが京太郎はオカルトを使いませんし、ろくに使えません
 
 オカルトをろくに使えないヘボ京太郎だったからこそ、
 自分の有効牌でもない発というヘボに決定されちゃった感じです


 あと、今回はカンドラでご迷惑をおかけして申し訳なかです
 花田をどげん好きにしてもよか、ばってん許して欲しかー


448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:17:33.03 ID:wRxwzo8co
漫画的ハッタリの効いた良いトリックだったと思う
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:18:04.74 ID:j8Plc2x20

酷いことしにくい対象なんで撫でます
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:20:07.77 ID:Deg5HKGO0
乙シュレディンガーの猫的な感じかな?
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:20:09.40 ID:qNUHps5Lo
それだとオカルト同士の対戦で王牌先に撫でられでもしたら咲終わりだな
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:21:49.26 ID:Ye8ZHoJoo
乙!
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:23:08.91 ID:j8Plc2x20
>>451
咲は牌が変わったことに気付けてたみたいだからそれにあわせて手を変えるんじゃないかな
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:25:50.82 ID:4TjBzkKzo
読む限り咲は何に変わったかまで読めてないだろう
オカルトの弱点が大きすぎる感はあるような
まぁ面白いならなんでもいいけど
455 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 01:26:05.76 ID:fv4ydcs1o

>>451
 藤田プロには非常に申し訳無いことになるのですが

 咲や衣なんかの魔物と言われる連中
 こいつらのオカルトは別格扱いです

 今回の手も通用しないし、運命そのものを操ってる感じなのが
 牌に愛された子とか、行き遅れアラフォー実家暮らしとかになります

 まぁmそこいらとの対戦はまだ先なので、お待ちください


>>358

 遅ればせながらなんて素晴らしい支援だぁ……(恍惚)
 うちの咲ちゃんは……可愛いからっ……!
 
 的なのも見たいなー? チラチラ

456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:28:34.45 ID:Rw2HWkK1o
まあ藤田プロ普通に衣に負けてるからなぁ
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/09(金) 01:28:50.76 ID:jSODQk0q0

>>446は2mのカンでいいんだよね?
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:31:21.11 ID:823KY5JV0
今日はもう終わりか?
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:32:27.71 ID:WCu2OXxzo

オカルト最上位クラスに対抗するのは、アカギにとっては逆に馴染みのあるパターンかもな
何せ有象無象関係無く自身の豪運ですべての流れを支配する鷲巣と、自分がガン不利な鷲巣麻雀で交戦した経験があるのだから
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:33:19.71 ID:TIlOopOpo

オカルトか強運かわからんけど
要は牌に触れた時にそれが強い方が常に牌を書き換えるって思っておくわ

まぁそれだけに聴牌拒否がもったいねえ
461 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 01:36:31.09 ID:fv4ydcs1o

>>457
 そうだよ(便乗)

 
【次回予告】 

〜〜デジタル天使、のどっち編〜〜


久「私は、彼に賭けてみようと思うの」

和「なっ……」

 大会出場を取り消され、憤りを覚える和
 その矛先は勿論京太郎

和「なら、私が須賀君を倒します!」

 自分の実力を証明し、咲と大会へ進むことを決意する
 だがしかし、そんな和の前に現れたのは――


アカギ?「……」

             /|  /|  /|
        /! ///|///|///,|
       /| |.|//// .///  /// |/|
      /| | | .! ! ! ///  ///   .!,.ィ
     /! | | | ! l l //ヽ.///   / |
.     /|.|./\! | l l /    ヽ/  ///!
.    il |/   `'-‐'´      ヽ/// .|
    l||/        ,,. -─‐  ヽ./   .|
.   l/ ̄`ヽ  u r'"´      / ___.!
.   =====、--,:=======〒:f‐、─‐l
   !:::::::::..  / ̄l::::::::::::::::..  ノ |;;|-、}  ̄l
    `iー--:/    `ー----‐'´ │!-、! ニ!
      l  /  __ )    u   |;l‐' !.─l
      ! ゙-‐           ,.lト‐'   l  (ムネデケェ……)
.     l ⊂ニニニニニ⊃   / 'ヽ三三!
       !、 ___     /   ヽ,.‐'´\
       ヽ  ̄ ̄   /    , ‐'´;;;;;;;;;;;;;;;\
        ヽ、   ./  .,.‐'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::ゝ、
         ヽ/|   /;;;;;;;;;;;;: -‐''"´ ̄',',',',','
               |/;;;;;;; ‐'"´,',',',',',',',',',',',',',',','
           /;;;;;:‐'´',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',
          /;;;;/,',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',
            //,',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','

和「アナタは?」キョトン



 次回
 のどっちVSアカギ……?

 

京太郎「和の写真を用意してっと……」ゴソゴソ

アカギ「クク……なるほど、それでシコシコやろうってんだ」スッ

京太郎「」

アカギ「なんでもっとこう、スパッと生きられないかねぇ」

京太郎「!?」

アカギ「クク――パイプッシュだ」ニヤリ


 つ づ く
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:38:42.57 ID:WCu2OXxzo
ヒデェwww
これ絶対に老アカギ成分マシマシだよね
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/09(金) 01:42:10.92 ID:KJhYDHEZ0

実際和って相手に恵まれただけで大したことないよね
胸以外
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:44:43.71 ID:IE4s9UXXo
おつおつー
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:51:19.36 ID:Og/gxqq40
乙乙乙っす
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:53:54.46 ID:YMTVvJHXo
フリテンリーチは罰符と思ったが違うのか…
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 01:55:20.14 ID:0sPx3dQAo

まぁ基本デジタル+運だから裏プロ相手にはカモだよな
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 02:12:01.04 ID:htv9xi9R0
和はアカギと組んだ京太郎に勝つのは難しいだろ
下手したら部長の方がまだ頑張れるレベルかもな
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 02:17:55.45 ID:sHuIn1R9o
効率に縛られてる奴(デジタル)とかカモ極まりないしな、アカギからすれば。
オカルト相手でも、全国二回戦で塞さんいなけりゃ大量失点待ったなしだっただろうし。
まあ、常時発動系か一撃必殺系じゃなければ、それ以外のところで稼げるからオカルト相手でも勝ててきたんだろうけど。
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/09(金) 04:48:34.39 ID:bDUb79rR0

こういう取り憑かれ物ってプライベート無くなるよなw
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 06:20:46.46 ID:NP/ohBOko
そこは気使ってやれよアカギwww
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 06:43:32.74 ID:D+V44Cn8O
あぁ、そうか。
ダメギと和って似てるのか。考え方というか、本質的にというか。
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 07:06:36.05 ID:FuyZsac/0
フリテンリーチが罰付なんて初めて聞いたわ
どこルールよそれ
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 07:18:26.95 ID:cOlBq93jo
オカルト使えない奴が、常に最善最速を選ぶ相手に罠や心理戦に持ち込むのは相当難しそう
相手を引っ掛けることが出来るのも、こっちが先に手が出来てることが前提だし
原作前半の和やダメギはブレてたけど、オカルトだらけのインハイ経験済みの和だとそうそう揺るぎそうにないし
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 07:24:52.29 ID:+V/A5cRrO
>>472
(M)無意味な(S)死は(G)ゴメンだと言ってるんだ!
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 07:51:25.46 ID:tmGP3xfZ0
なんで京ちゃんが最後にリャンシャンカイホー出来たか分からないんだけど。
京ちゃんが触れたら不要牌になるって設定なんだよね?
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 08:58:35.19 ID:j8Plc2x20
とりあえず久は改心してくれたようでよかった
元々強さが足りないのに出場させたらさらに辛くなるって心配が歪んでいったものだろうし
プロ倒せばそりゃ考え直すか
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 09:21:32.24 ID:nSebf+Nno
>>476
どこにもそんな設定書いてないように見えるけど
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 09:28:59.36 ID:NnyY2ZUXo
乙です
480 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 09:52:20.65 ID:fxcdxIT2o


 最後の展開が分かりづらかったっぽいので一応説明
 まぁそこまで難しく考えなくていいよ、こんな糞スレの設定なんて


【補足】

1 配牌で、最初の嶺上牌は3pに決定(靖子の初期手牌から)
 ↓
2 京太郎が先にカンし、3pを奪う(通常)
 ↓
3 靖子は3pで和了の予定だったので、次の嶺上牌を予定していない(次の嶺上牌はまだ未定)
 ↓
4 京太郎があるかどうか分からないオカルトのチカラで、次の嶺上牌に触れる(発に決定)
 ↓
5 靖子が7pにしようと、力を使って引こうとする。だが前もって決まってる”京太郎の発”のまま(7pが発の次に予告される)
 ↓
6 最後に京太郎が、普通の状態(アカギ&京太郎の幸運)で予告されていた7pをツモる(7p)
 ↓
7 靖子「」グニャァァァ
 ↓
8 久のお股濡れ濡れ
 ↓
9 久「抱いて!」
 ↓
10 ロッカー
 ↓
11 HAPPY END

481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 10:07:42.15 ID:mdbU6N5mO
オカルトを利用したわけか
最近のむこうぶちで似たようなのあったな
必ず危険牌を引くキャラ
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 10:37:33.28 ID:Vm2s1D/R0
楽しんでいる身からすると、あまり卑下して欲しくないのだけれど…

ともかく魔物以外は先に牌に干渉した方が優先されるってことかな。ただ、その理屈だとなんで咲さんがサマを疑っているのかという疑問が残る気もする
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 10:38:43.28 ID:Vm2s1D/R0
楽しんでいる身からすると、あまり卑下して欲しくないのだけれど…

ともかく魔物以外は先に牌に干渉した方が優先されるってことかな。ただ、その理屈だとなんで咲さんがサマを疑っているのかという疑問が残る気もする
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 11:07:39.01 ID:I/MsWAa30
やっぱり咲はテニヌやバヌケと同じで麻雀をベースにした超能力バトル的な何かだな。
その内、ムダヅモ並にハジけそう。
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/09(金) 15:12:50.03 ID:bDUb79rR0
衣やらリザベやら塞vsはっちゃんの時点で既に…
決勝戦で会場が吹き飛んだり精神が宇宙に飛ばされたりしても驚かんぞ
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 17:22:17.89 ID:LzZkVZUG0
>>483
そりゃ今までオカルトのオの字も見えなかった奴がまだ弱かった頃とはいえ初見でカツ丼さんにいっぽん食わされた咲から見たらサマやったようにしか見えないだろ
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 18:49:13.31 ID:j8Plc2x20
牌が変わったのに気付いたけど変わった理由がそれしか思い浮かばなかったってだけでしょ?
オカルトについて細かく考えないと浮かばない手だし咲は使えて当然だからそこまで考えたことなさそう
というかどちらかといえば咲の考えが足りないんじゃなくて思いついた京太郎が凄いんだしなぁ
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/09(金) 20:38:25.85 ID:H4pyLOO80
京ちゃんはカツ丼さんからプロスカウトされそう。プロスカウトされてもロッカーは引き止める事が出来ない。清澄麻雀部で京太郎を引き止められるのは咲と和ぐらいだけど、和は絶対に止めない。
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 20:44:49.47 ID:vMvLCBu6o
この京太郎ならスカウトは袖にしそう。普通に裏プロやりそうだ
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 20:57:40.12 ID:j8Plc2x20
清澄に執着がないならさっさと転校してるだろ
清澄も麻雀も捨てられないのがここの京太郎なんじゃないかな
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 21:08:31.87 ID:bFSaZtsVo
>>490
と言うより咲がいるからって気がする
それか、男の安いプライドか

個人的には後者が好ましいな
男はどんなに安っぽいプライドでも貫かないと本当の男とは言えないってエロい人が言っていた

そっちの方が泥臭くて福本作品っぽいし
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 21:11:50.21 ID:823KY5JV0
>>491
どっちもに100ペソ
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/09(金) 21:27:02.71 ID:H4pyLOO80
まずはプロスカウト受けたけどどうするかと咲に相談じゃないか。他に相談相手になるのは面識が有ってそれなりに付き合いがあるハギヨシと和、友人関係のモブぐらい。久、まこ、タコスは今回の勝負に参加するぐらいだから論外、相談相手が本当に居ない。
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 21:28:42.77 ID:qKodsy4+0
>>493
和も敵くさい
相談しやすいのは咲とハギヨシぐらいだろ
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 21:37:50.24 ID:iyH9oWObo
アラフォーも立ち位置としては相談役に向いてるような気がする
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 21:41:12.84 ID:j8Plc2x20
和は敵というよりライバルだろ、京太郎が枠取るために戦ったように枠守るために和も戦うのは別に不思議じゃない
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/09(金) 21:52:43.94 ID:H4pyLOO80
和は基本的に真面目だからちゃんと考えて相談に乗ってくれると思う。今回の裏事情を知らないから京太郎の相談を久かまこに投げるかもしれない…咲と相談するか照から話を聞くとかした方が良さそうだ。
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 21:55:07.74 ID:v+AKVyuU0
のどっちは悪く言えばダメギ
良く言えばオカルトに頼らないでも強い打ち手

人によって全然評価が違う印象
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 22:00:06.51 ID:rm+zjRado
スレ使いすぎ
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 22:01:34.03 ID:4TFoWLRro
まぁそれに関してはアカギが結論いってるよね。9割は勝てる人間。だけど重要な1割では勝ちきれない
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 22:03:23.80 ID:qKodsy4+0
>>497
なんで照がでてくるの?
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 22:19:52.15 ID:tCS4QgEM0
雑談のせいでまたおもしろいスレが潰れるのか...
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/09(金) 22:51:42.23 ID:JVw34f550
自治厨さまは鏡を見たことがないのかしら
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/09(金) 22:56:08.04 ID:368tSPXWo
まーた始まった
505 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 23:48:13.80 ID:qZCMW0WXo

 別にスレの内容に関する雑談なら、一向に構わへんよ
 ネタ拾ったり修正できるしのぅ


 今日は時間も遅いので、ちょこっとだけ和編導入パート
 
506 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/09(金) 23:55:48.30 ID:qZCMW0WXo


 京太郎と藤田靖子の闘牌から遡ること数十分前
 清澄高校校長室では、一つの取材が行われていた


記者「それではもう一度写真いいですか?」

和「はい。どうぞ」ニッコリ

咲「うぅ……」グギギ

記者「あはは、硬いね。もっと自然に笑えるかな?」パシャッ

咲「が、頑張ります」ニコッ

和「いい感じですよ、咲さん」クスクス

咲「ふ、ふふ……」ニコニコ

和「……」

 全国大会で活躍した宮永咲、原村和への取材である
 それも、大々的な人気の麻雀雑誌への掲載だ

校長「いやー。素晴らしい」パチパチ

和「ありがとうございます」

校長「これで我が清澄高校も安泰だよ。君たち【女子】麻雀部のお陰でね」アハハハハ

咲「え? 女子、麻雀部?」キョトン

和「……校長先生?」ジロッ

校長「あ、いやっ! なんでもないよ、あははっ!」

咲「???」

和「もう終わりですよね? では私達は失礼します」

校長「あ、ああそうだね。ありがとう」

 ガチャ バタン

和「……ふぅ」

咲「和ちゃん、さっきのどういう意味だろう?」

和「さぁ、校長先生の何か勘違いでは?」

咲「そうだよね。酷いなぁ、京ちゃんだっているのに」プンプン

和「……」

咲「それじゃあ和ちゃん。私、もう行くね」

和「どこかに行くんですか?」

咲「うん。ちょっと京ちゃんを捜しに」

和「須賀君を……ですか?」

咲「最近全然話せてないから、えへへ、少し話したいなって」モジモジ

和「……須賀君も、喜ぶと思いますよ」ニコッ

咲「そ、そうかなぁ……//」

和「では……私は先に帰ります」

咲「あ、うん。また明日だね、和ちゃん」

和「はい。では、また明日――」

 タッタッタッタッタッタッ

和「……」
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 00:03:26.32 ID:c6QRnGeIo
この京太郎はそんなものは休憩なのかな
508 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 00:04:41.78 ID:UgzkO2sZo



和「……」

 清澄高校一年、原村和
 元インターミドルチャンプで、今年はインターハイにて好成績を残す

 両親は弁護士と検事
 その恵まれた美貌に、常人離れしたスタイル
 
 成績優秀、品行方正

 彼女を知る者は誰もが溜息を吐きたくなるほどの完璧超人
 
 それが――
 原村和であった


和「……」スタスタ

男子A「は、原村さん……// さようなら」デレデレ

和「はい、さようなら」ニコッ

男子A「うひょぉぉぉ!!」ダダダッ


 テメェナニハラムサントハナシテンダ! シネッ!
 ドガバキッ!  ギャァァァア!


和「……」

 アーハラムラサンダー  カワイイー
 スタイルイイヨネー  ウラヤマシー

 ナカヨクナリタイナァー ホントホントー

和「……」ニコニコ

 常に、誰に対しても笑顔を崩さず
 全ての人に癒しを運ぶ少女

 人々はこぞって彼女を慕い、応援する

 中には狂信的なファンも多く――親衛隊のようなものまで出来る始末だ

和「……」スタスタ

 恵まれた存在
 人々がおおよそ望む、全ての幸福を詰合せたような――そんな人生

 その余りある幸福の中にあって、彼女にはただ一つだけ

 欠けているものがあった


和「……」ギリッ
 

 それが――
 今回の騒動を引き起こす、キッカケとなる

509 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 00:14:26.78 ID:UgzkO2sZo
 
<<第三話 〜〜ノドカ〜〜>>

【京太郎の部屋】

 藤田靖子との対局の後、京太郎は帰宅していた
 というのも、出された宿題や次の日の予習――学生にはやることが多々あるのだ

 それに宿題を忘れればそれを口実にどんな嫌がらせをされるか分かったものではない
 弱みを作らない為にも、京太郎は優等生にならなけばならないのである

京太郎「……」カリカリ

 その――

アカギ「……」ジィー

京太郎「……う、うぅ」

 ハズだったのだが

京太郎「だぁぁぁ!! 集中できませんよ!!」

アカギ「あらら……」

京太郎「なんで、ついて来てるんですか!?」

 というのも、発端はあの靖子との一戦の後
 帰宅する京太郎の後ろを、アカギがずっと付いてきたのだ

 そしてそのまま家に上がり、部屋まで入り
 今じゃベッドに寝転んでくつろいでいる有様である

                __ィ ニ ミy ニ 三 ミ、
            , z  二,三 : : : : : : : i! : : : : : :`ヽ
          ´   < : : : : : : : : : : :',: : : : : : : : :ミx
            / : : /: : : : ::γ: : : : ',: :ヽ: : : : :∧
            ,イ: : : :イ : : : : : ::/: : : : : : : : : ヽ : : : :ミ、
           〃 : : /: ,,イ: : : : :,': : : : : : : : : : : : ∨: : : :ミ、
          イ :ィ: ;イ: :i!: : : : : :{: : : : : : : : :!,: : : : :',: : : :∧
        / オ: / { : i! : : : : : i!: : : : : : : : |∨:ミ、: :ト 、: ::∧ ヽ
     / ´ {!:/ : i! /! : : : : : i|: : : : : : : : :! ∨:Y    ィ メ、 .!
         |/ : : i/: ! : : : : : i|:: : : : : ::λ| 〃  ,イツ  ヾj、 |
         λ: : r'ヘλ: : : : /i从 : : : : { jリ ′ 〃 - '     Y
         / }: : !、r D: : : i!: : ',  ,, =ー 、         iヽ
          从リ- テ.':ヽ: : i!ーソ´  セツ ラ ヽ        !  ィ= = = 7≧=-
        ' | '  リハi!: 川リ: :≧ ´ー   ´   :.     , イ  .:   .∨////////´
          ヽ   j! \:∨从:  ≧       ー ‘   シ  .::   ∨//////7777
           ∧     ヽ    ー┬≧    ー   _´  /::    ∨///〈////
              ',       |}     イ   ヾ!≧=-, ヘ.  イ:::      ≦=ァD//
               }、   /   ァ ´ _ , ≦ > ´//∧/≧ュ、   _ ,イ    ̄≧
           / ミー  ィ  {′,イ>=<////////∧ー、/ハ二 ___
             /        ,' r' ィ//////>、77777て’/////////////\
         /       ,' ,从/////////≧ュ//////////////////// ,ー
           /          ,'rf/////////////∧//////////////////////
        /        .ハ///////////////,∧/////////////////////
       ./           ///////////////////ハ _///////////////////
        ,イ       / {77/ /≦ 、//////////,'}////////////////////
     /          i――=<//\///////,イ/////////////////////
    ,/          /   !      \/∧///,////////////////////////
     i!        〃   i!      ∨,∧//////////////////////////
     |       ''    j!        ,イy´ ヽ ////////////////////////
     i!          /      /     ≧=- 、///////////////////
    |          イ     ...::             ヽ /////////////////
    i!       /    , <              \///////////////
    |       ´   イ
    ゝ、   ,  -=≦

アカギ「クク……そう怒るなって」

京太郎「家に帰ればいいでしょ!」

アカギ「おいおい、忘れたのか? 俺は記憶喪失なんだ」

 つまり、帰る家も分からない
 どこに行く宛も無いというわけだ

京太郎「いやいや! お墓があるでしょ! お・は・か!」
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 00:16:39.79 ID:KBi5R1c20
のどっちは天使だよな? 天使、だよな?
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 00:17:19.26 ID:MH3j0nDK0
のどっちはクレイジーサイコレズだよ
512 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 00:27:54.80 ID:UgzkO2sZo


 幽霊であるならお墓に帰るべきだ

 というかどうやってあの世からこっちに来たの?
 どうして俺のとこなの?

 聞きたいことは山ほどある 

京太郎「あの……そもそも、どういう経緯でここまで?」

 それが一番の気になるところだ
 幽霊はお風呂のぞき放題だとか、そんな姿でも性欲はあるのかとか
 色々と聞きたいことはあるがまずはそこ

京太郎「教えて、くれませんか?」

アカギ「……ま、話してやるか」

 この時アカギ、意外に素直

アカギ「アレは――」


【数日前 赤木しげるの墓】


 それはいつからの事なのか
 
アカギ「……」

 アカギは気が付けばそこに存在していた

アカギ「……?」

 見渡せば墓石が立ち並び、ここが墓地であることはひと目でわかる
 そして――自分の目の前にある【赤木しげる】の墓石

アカギ「クク――なるほど」

 それは、記憶の奥底で覚えていることなのか
 それともただの直感なのか

アカギ「赤木しげる……それが俺の名か」

 目の前の墓が自分のものであると、理解することができた
 
アカギ「化けて出たってわけだ」

 微妙に透けた身体
 おぼろげな記憶

 そんなまどろみのような存在として、アカギはそこに存在した

アカギ「さて、どうしたもんかね」

 どうしてそこにいるのかは、別にどうだっていい
 過去の事に縛られても――そこには何の価値も無い
 
 だが、問題はこれからのこと

アカギ「……」

 記憶がなければ行く宛も無い
 何をする気も起きない
513 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 00:39:55.30 ID:UgzkO2sZo


アカギ「……」

 そこでアカギの取った行動は待機
 その場で留まることを決意する

アカギ「……ま、いろいろあるしな」

 墓前に備えられた栄養ドリンクやタバコ、その他様々なお供え物
 物には物理的干渉できないアカギだが、なぜかこれられには触れることが出来た

アカギ「クク……」カチッ

 スパスパ

アカギ「フゥー」

 タバコを吸いながら、ぼーっと空を見つめる
 目的も無く、これからどうするか

 一度死んだ身に、何ができるのか
 
 命の重みも実感できず、”あの”胸の焼け付くような戦いも出来ないのだ

アカギ「……あの?」
 
 思い出せない
 だが、確実に心の中に眠っている

 勝負を求める――狂気の魂

アカギ「……」

 だが、今となっては無力
 例えどれだけの才能があろうと、力があろうと

 体が無くては何もできない
 生を実感することも――不可能

アカギ「クク……お手上げだな」

 半ば諦めのような気持ちもあった
 だが同時に――期待もある

アカギ「……」

 ここで待っていれば、何かが変わる 
 そんな――予感



〜〜〜〜〜〜〜


ひろゆき「……ヒック、赤木さん」スタスタ

天「……」ゴシゴシ


 その数日の間
 時々は誰かがやってきて、墓前で手を合わせていった


 顔も知らない、でもどこか懐かしい面々ではあったが――
 誰ひとりとして、赤木に気付くものはいない


アカギ「……」


 アカギは待った
 そこから動くことはなく、ただずっと
 
514 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 00:49:57.16 ID:UgzkO2sZo


 オレが望んだもの……
 それは変化だった……

 全てをひっくり返すような変化だ
 生まれ変わるほどの……

アカギ「……」

 この死ぬよりもつまらない退屈
 それを全て吹き飛ばすような――そんな変化

ひろゆき「それでですね、赤木さん。今日は――」ゴクゴク

 ほぼ毎日のように顔を見せるこの男の戦勝報告でもなく
 ただもっと――

 もっと自分を満たすような狂気の闇
 勝負への渇望

 誰でもいい

 このくそったれな空気
 流れを……変えてくれっ……!

アカギ「誰もいい……魔でも……!」

 神でも――!!

?「……」ソローリ

 ジャリッ

アカギ「!?」

 それは――

ひろゆき「お前、この男に用があるのか?」
 
京太郎「えっ?」ドキッ

 それは――今や枯れ果て
 とうの昔に失った――熱いなにか


                    _,.. -- 、__, 、___
              ⌒> ´  ´  ヽ  `ヽ、
                _,.   ´  ,  , 、   | 、 、 ヽ
                ̄7  / / 从  、 |  |  |  :.
                 /イ / /l/  | | | l}从}  |   {
               _/_ { 从ヽ、 { | |/ イ´∨}  :
                 ̄´ {∧ { ○ 从{  ○ }'⌒}、{
                 {从         r-く| \
                     叭   __   八}イ
                   、 └―┘ ィ/∨
                  「¨>-- rく「 ̄ }
             , ------ ∨_」   :, ∨]/|ィ¨7ー-- 、
               ////////「//| ー- 」 }ヽ// ///////}
                {/{////// \∧ r'  ヽ }' {///////
                |l∧////////Y,〈      | |///////|
                |/∧/////////|l∧     ,l |///////|
                |//∧/////////() \//∧}///////

アカギ「……待っていた」ザッ

 自分には分かる
 自分がここにいたわけ、その理由――

アカギ「お前だ、お前を待っていた」

 
 それは――同類を嗅ぎ分ける、直感だったのか
 それとも――魔物が引き寄せた運命のイタズラか


アカギ「クク……」

 こうして、二人は出会ってしまったのである
515 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 00:55:24.48 ID:UgzkO2sZo


ひろゆき「……まだガキだな」

京太郎「ど、どうも……」ペコリ

ひろゆき「見ろよ、この人の墓」スッ

京太郎「え?」

ひろゆき「墓石の欠片をガリガリ削られて、今じゃこんなに小さくなっちまった」

京太郎「そ、そうですね」

ひろゆき「しかしそれも数年前までの話だ。今じゃ、誰もこの人の墓を削ろうなんてしねぇ」

京太郎「……」

ひろゆき「……お前は、コレが欲しいのか」

京太郎「……はい」

ひろゆき「そうか。素直な奴だな」ハハハ

 二人が話し込んでいるのを尻目に、アカギはただじっと少年を観察していた
 そのオーラ、身に纏う無頼としての格

アカギ「……」

 てんでお話にならない
 そこいらの小学生でも、もっとセンスのいいものはいるだろう

ひろゆき「お前、麻雀か?」

京太郎「っ!?」

ひろゆき「その反応、図星か。ガキだからそんなことだろうと思ったけど」

京太郎「……」

ひろゆき「……お前は、どうしてここに来た?」

京太郎「そ、それは……」

ひろゆき「強くなりたいのか?」

京太郎「……」コクッ

ひろゆき「……そうか、強くなりたいか」トオイメ
 
 ひろゆきも先ほどのアカギと同じように京太郎を品定めする
 結論は同じ
 てんでお話にならない

ひろゆき「やめておけ、ろくなことにならないから」

京太郎「なっ!?」

 だが、この時アカギには確信があった

アカギ「……」

 この少年には何かがある
 必ず、自分の求めている何かが――

516 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 00:59:53.11 ID:UgzkO2sZo



ひろゆき「俺も長くこの世界にいる。分かるんだよ、そういうの」

京太郎「なんでそんなことを、アンタに言われなきゃいけないんだ!」

ひろゆき「……ごもっとも。だからこれはただの忠告」ザッ

 去りゆくひろゆき
 その背中を見て――アカギはなぜか、自分でもよく分からないが

京太郎「あ、あのっ!」

ひろゆき「俺はひろゆき。井川ひろゆきだ」

アカギ「ヒロ……」ボソッ

 呼び止めていた
 その男を、顔も覚えていないその――かつての”仲間”を

ひろゆき「(今の、声……)」ドクン


    |`/|  /〃    /  ,/\      ゛     ゙  }: : :.i
    |/ .|`/'i リ 〃/i〃/   \∧゛:}   {\ ゛_.: : : :|
        |/ |:∧}八} | ./     ヽ \\: : : : : : : 、: : |
        }ハ ___ レ′      >-ヽ 丶、: :}: : : : :|
         '∧ヽ弋ゥ、    ∠ _____ i: :i⌒ヽ: :|
          {ハ  ー-/     弋^“´ _. イ |: :|爪 |: :.|
           i  :/        ̄     .|: :|じ リ: :.|、
           '  /             }_ノ.イ: : : ハ
            ∨  .. -‐-        ノ、i: : ' : : } i
               'ヘ´ ‐- .._ __,     / :∨: i:.:/ .|
                    __    /     ',: :/  l\
             ∧  ヽ::::ノ   /        ∨   |  \
            / .∧      /         /    .|
           /   / 丶_ . イ           /     |
          /   ./       }          /      .|
      /      /      |        ./       |
      /       /        :|       /        .|
アカギ「クク……またな」

 聞こえているわけがない
 アカギ本人もそう思っている

 しかし――それは運命の数奇なイタズラか
 それともただの幻聴だったのか

京太郎「ひ、ひろゆき?」

ひろゆき「……なんでですか?」ボソッ

 ひろゆきの胸にはしっかりと――

ひろゆき「どうして、今さら……化けて出てくるんですか?」

 アカギの言葉は届いていた


517 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 01:05:35.63 ID:UgzkO2sZo


 こうしてひろゆきと別れた後
 京太郎は目的を果たす為にカナヅチを取り出す

 墓石を手に入れようというのだ  


京太郎「……」ググググッ

アカギ「……」

 一方でアカギの方は、この少年にどう接触するべきか悩んでいた
 話しかけることも触れることもできない
 
 この状況ではさしものアカギもお手上げである

京太郎「俺は!! 俺の力を信じる!!」

 そんな最中、京太郎が一大決心とともにアカギの墓を殴りつける
 すると――

アカギ「!?」バキィッ

 突然、横っ面を殴り飛ばされたようにアカギが転倒する
 その衝撃は――重く、アカギの心にまで響く一撃であった
 
京太郎「……はぁっ、はぁっ」

アカギ「……クク、やってくれるな」

 フラフラと起き上がり、京太郎を睨み上げるアカギ
 すると、そんなアカギに呼応するかのように――

 パキッ

京太郎「……え?」

 パキキキッ……

 パキィィンッ……!!

 カランッカランッ!

 墓石の欠片が、京太郎の前に転がり落ちたのである

京太郎「欠けた……?」

アカギ「あらら……」

京太郎「……赤木さん」スッ

 京太郎はそれを、アカギからの餞別だと勘違いしたのか
 ゆっくりと拾い上げる

京太郎「貰っていってやるよ」

 そして、深々とお辞儀をし――
 あらん限りの声で叫ぶ
 
京太郎「……ありがとうございましたっ!!」ペコッ

アカギ「……」

518 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 01:15:26.40 ID:UgzkO2sZo


 そうして、京太郎は早々と帰っていく
 対するアカギはその後ろからバレないように付いて歩いている

 というのも、先ほど京太郎が墓の破片を手にしてから
 なんだか急に体が重くなり

 今までのふわふわとした感覚が無くなっていったのだ

アカギ「……」

 今の自分は、目の前の少年に近くされる
 漠然とだがアカギはそれを理解していた

京太郎「ふんふ〜ん」テクテク

 だからこそアカギは後ろを歩く
 この少年を見極める為に――

アカギ「フフ……」


〜〜〜〜


 そうして長野まで付いてきたアカギが目にしたのは、
 学校内で虐げられる京太郎の姿であった
 
 理不尽な暴力、嫌がらせ

 しかしそれに不満を言わず、ただ辛抱する

 馬鹿そのもの生き方
 他人のことばかり気にして、自分のことを考えない愚か者

京太郎「うっ……くっ……ちくしょぉ」ポロポロ

アカギ「……」

 なんてことは無い
 この男は優しすぎるのだ

 無頼として生きるには――不要な甘さ
 
アカギ「やれやれ」

 現状では、この男には何も価値が無い
 自分を満たすような存在には到底思えないのだ

 しかし、それでもアカギが京太郎を見放さずに付いて回るのは――

京太郎「……だけど、明日で変わるんだ!」ギリッ

アカギ「クク……それでいい」

 瞳の奥底に僅かにくすぶる……勝負への執念
 勝ちへのあくなき執着

 それこそが、アカギが最も求めているものであった

519 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 01:26:24.51 ID:UgzkO2sZo


【現在 京太郎の部屋】


京太郎「つまり……オレが面白そうだから付いてきたってことですか?」

アカギ「フフ……分かってるじゃん」ニヤリ

京太郎「なんじゃそりゃぁあぁ!!」

 そんな映画を見に行こう的な感覚で言われても
 こっちは困っちゃいますって!!

アカギ「ま、いいだろ別に。減るもんでないし」

京太郎「なんで幽霊と同棲しなきゃならないんですか!?」

アカギ「中々出来ない経験って奴さ」

京太郎「そういう問題じゃないでしょ!」

 ズキズキと痛くなる頭を抱えつつも
 京太郎は続ける

京太郎「俺について来て、アカギさんは結局何がしたいんですか!?」

アカギ「……」

京太郎「……」


アカギ「そうだな……もう一度、満足の行く勝負をしたい」


京太郎「えっ?」

アカギ「……心を満たすような、身を焦がす命懸けの死合だ」

京太郎「……」ゴクッ

 アカギの言葉はまるでとんちかんであったが、
 なぜか妙な重みがあった

 それは――冗談でもなんでもなく
 間違いなく本気の一言であると、京太郎は理解していた

アカギ「クク――だが俺はものに触れないんでね。必要なのさ、お前が」

京太郎「ひぃいぃぃ!? 体を奪われるぅぅぅぅ!?」ズザザザッ

アカギ「あらら……」

京太郎「というか命懸けの勝負ってなんですか!?」

アカギ「そりゃ……負けたら死ぬってことだ」

京太郎「もう死んでるじゃないですか!!」

アカギ「だから――」

./:::.:.:.:.::.::::_:∨ {┤ | 、 ;  ハ
{:.:::.:.:.:::/::::::∨ ヘ'、 }:、 }  ;  |
;:.::.::.:./:::::::::::::::\ハ ヽト、ヾ  , -┴ 、
;:.:.:::_.、-‐rッ  ̄ \ フ´| /__:::::::}
  |::: ̄:::::ー─‐  ´ . :.:.:| |::__.:::}.::/
  |::::::::::::::.:        .:.:.:l |::_::V.::/
  |:::::.::::::::.:      .:.:.:.l レ:::Y::/
  |::.:.:::::::.:      . :.:.:.l |__/:/
  |::::.::.:.:      . :.:.:.ハ|__ノ_
  |:.:::.}      . :.:.:.:/ ノ/三 \
、_ノ'"´       . .:.:.:イ /三三三ヽ_
──────'.:.:.::/f| /三三三三 {三≧= __
___   ..:.:.:.:.:/.::{レ三三三三三;三三三三三≧= 、_
圭三´ . .:.::.:.:.:/.:::::::.l三三三三三三,三三三三三三三三
  . .:.:.:.:.:.:./.:::::::::.: :|三三三三三三!三三三三三三三三
 . ..:.:.:.:.:/.::::::::::::. :. :|三三三三三三;三三三三三三三三

アカギ「京太郎――お前でいい」
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 01:28:25.41 ID:BLfFqJsdo
無頼なんてそんな大層なもんじゃねーだろ……と思うけど、まあアカギってぶっちゃけキチガイだしなあ
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 01:28:26.15 ID:iAt+enSV0
なかなかこの天才酷い奴だぞwww
522 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 01:40:18.30 ID:UgzkO2sZo

京太郎「え? それは俺に死ねと言っているのでしょうか?」グギギギ

アカギ「クク……ま、遠からずってとこかな」

京太郎「」

アカギ「だが、今のお前じゃまだまだ弱い」

京太郎「そ、そりゃアカギさんに比べれば弱いですけど……」ブツブツ

 策略や運
 その全てが桁違いだったアカギ

 それと比べれば京太郎など、吹けば飛ぶようなものだ

アカギ「だから――しばらく見ていてやるよ」ゴロン

京太郎「え?」

アカギ「お前は強くなりたい。俺はお前を借りて勝負したい」

 ただそれだけ
 アカギにしてみれば、京太郎の死は自分の死に等しいのだから
 
 それで十分に熱い勝負が出来ると踏んでいた

アカギ「お互いに目的を果たせるってわけだ」

京太郎「た、確かにそうですけど……」

 アカギの闘牌を間近に感じ、ともに戦う
 今日一日だけでどれほど勉強になり――成長することができたか

 一目瞭然だった

京太郎「……」

アカギ「……」

京太郎「アカギさん。一つだけ、いいですか?」

アカギ「ああ、言ってみろ」

京太郎「確かに俺は強くなりたいし、実際に今はアカギさんに敵わないでしょう」

アカギ「……そうだな」

京太郎「だけど、だけど俺は強くなりたい。誰よりも――アナタよりも!」

 そう、誓ったんだ
 自分のチカラで赤木しげるを越える
 
 それが俺の目標なんだ

京太郎「だから――いつか俺と勝負してください」

アカギ「!」

京太郎「……そして、必ずアカギさんを満足させて――成仏させます」

 それは――いずれ果たされる約束

 京太郎は命を――アカギは魂を――
 
 それぞれが求める、夢の果てにあるもの
 胸焦がし、喉がひりつくような熱い勝負の先――


 神(魔)の一手を巡る戦いの始まり


京太郎「俺は――アナタを殺す」ニィ

アカギ「クク……面白い。やってみろ」ニヤリ

 アカギと京太郎
 その長い死闘の火蓋は今、切って落とされたのである

523 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 01:46:56.21 ID:UgzkO2sZo
 
 和編導入? なんのこったよ?(すっとぼけ)
 まだやっていなかったアカギ復活の流れをやって今日は終了

 のどっちが天使か悪魔か
 それは誰にも分からない(まだ決めてない)


 それでは今日もありがとうございました

524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 01:49:52.52 ID:+ArqMCoqO


そして支援
http://i.imgur.com/Zlh5JI3.jpg

そして>>455での要望
http://i.imgur.com/uJJJBjh.jpg
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 01:49:59.51 ID:Y+JwGdRX0


楽しみすぎて寝れないぞコンチクショー
明日は休日なんだから早い更新頼むよ!
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 01:57:35.94 ID:H78zZCuX0
お疲れ様です。
527 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 02:01:14.43 ID:UgzkO2sZo

>>524
 ただもう素晴らしいの一言、ありがとうございます
 リクでも好きなキャラなんでも、好きに言ってくだせぇ
 

 二枚目に関してはうん、可愛い

 だけど美心のスタイルを考えるとやっぱり
 うちの和は……可愛いからっ……! ではないでしょうか? チラチラ

528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 02:11:44.81 ID:+ArqMCoqO
>>527
ククク…リクエストだとかキャラだとか…
そういうもんじゃないのさ…
俺はただあんたのSSを読んで…応援…ただ単純に支援するつもりで支援絵を描いた…それだけ……
つまり…見返りとか…そういったモンを俺が求めていると思うのは…
少し…ほんの少しだけ…違うな…

そう…強いて言うなら…このSSの完結…

無事に…エタらずにエンディングを迎えてくれることこそ…俺への最高の選別になるだろうぜ…
あとこれは一切関係ないけど俺はむっきーが好きだぜ…
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 02:19:40.79 ID:TpLfGe2Wo
>>528
むっきー可愛いよな

530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 02:38:11.03 ID:sVxok0ivo

パァニ…パァニ期待
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 03:24:37.31 ID:wsfCMqgTo
おつ
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 03:40:59.54 ID:mJbq8kzco
乙です
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/10(土) 05:37:04.96 ID:bNGf7Gvz0

取り殺されるまでもなく麻雀は場所が場所なら命取られるからなあ
もし大会って目標無かったら凍牌みたいな高校生になりそうだったな
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 05:38:55.18 ID:UjH2VvIAO
乙!
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 07:38:32.66 ID:l40BW+IR0

和は黙認側か
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/10(土) 09:51:34.77 ID:1QPU3Oyc0
GAMBLER! -勝負師-の勝とも相性よさそうだな京太郎
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 10:59:17.98 ID:b1LRlUyQ0
>>1はまだ決めてないみたいだけどなんか和は淫レピくさいな

まあとりあえず敵であることは間違いなさそうだな
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/10(土) 12:50:36.34 ID:AYuh2FPH0
京太郎追い出すために和が全部仕組んだっぽいな。
アカギさんがいるならこれから教師Aとかのカスどもと一緒に潰して欲しい
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 12:54:22.23 ID:w4wjEEr4o
全員まとめてパァニ…パァニ…になりそうだし安心していいと思う
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 13:15:26.37 ID:l40BW+IR0
独善気味でも自分が汚れ役になろうとしてた部長より遥かに畜生の香りがする
清澄の癒しは咲ちゃんと嫁田だけか……
でも優希とは和解してあげて欲しいと思ってしまう
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 13:38:33.56 ID:dN/CjDPvo
まこさん……
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 14:03:34.56 ID:c6QRnGeIo
おもしろい

けど、今まで何もできなかった京太郎が現時点で本物の無頼ってのは違和感が
今からなるなら分かるけど
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 14:16:29.90 ID:qd/NeS5O0
>>542
まあ後に神域になる男ってかいてあったしこれから頑張るんでしょう
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 15:07:10.98 ID:mbNfmsDYo
頑張るというか無頼って人間性的にはクズ側やしなしっかりキチガイ方面にいってくれるなら行ってくれるならあり
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 17:04:42.07 ID:3+2k4jv+o
まぁ一人では生きていけてないしな現状

あと、全盛期のというかアカギが凄いのは分かっても具体的にどんな人か知らない京太郎が
なんで越えたいと思うほどアカギに憧れてるんだろう
それともある程度アカギの戦績は知ってんのかね
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/10(土) 18:12:04.90 ID:deUpgtGl0
京太郎は性格から猛獣の群れ(清澄麻雀部)に何故か紛れ込んでいる一匹のカピバラの様なマスコット扱いになりそうな物。マネージャーが人数合わせで部員になっていたとかの噂でも流れて「用が済んだのに何で今も部員なんだ」な流れにならないと嫌がらせは受け難い気がする。京太郎の嫌がらせに対する教師の反応の薄さから久が指導を全くせずパシらせていた事実を把握した学校側が噂を流したとか。
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 18:41:54.05 ID:AHYAW4QNo
>>542
何も出来なかった、というより優しすぎて何もしなかったのかも。
そもそもが明るい性格の中に狂気を宿していたと考えると……なんか恐ろしいな
548 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 20:58:57.84 ID:wNxDkFVio

 京太郎の無頼に関しては頼る者がいない、という意味での無頼です
 アカギのような無法者としての無頼とはまた違った意味で捉えてもらえると嬉しいです

 まぁ、まだまだ成長期なので
 のんびりと見守ってあげてください


 ということで、のどっち導入編(+むっきーマシマシスペシャル)




  
549 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 21:04:58.51 ID:wNxDkFVio



 須賀京太郎と藤田靖子の闘牌を終えたRoof-top
 そこでは一時的に盛大な、お祭り騒ぎが起こり――場を賑やかせていた

 全く無名の高校生がプロ雀士を下す
 それも――完全に実力を上回る打ち筋である
  
 人々は口々に噂し、Twitterや2chにその情報を流す

 やがて、その噂は妙な現実味を帯びて語り継がれることになる


 あの【神域】の再来が現れたと


靖子「……」


 卓に突っ伏したまま、一言も発さずに微動だにしない藤田靖子
 今、彼女の胸を巡る想いはどのようなものなのか

 誰にも分からない
 きっと、このプロ雀士本人にも――ずっと


 ざわ……
   ざわ……

 
久「……」

 そんな喧騒の最中、頭を抱えている少女がいた
 
久「全く、どうしたものかしら」

 ある意味ではこの騒動の発端となった存在
 清澄高校麻雀部部長、竹井久である
 
まこ「……あれが、京太郎じゃと?」

久「何が言いたいのー?」ハァ

まこ「わしゃ……アレが京太郎とはとても思えん」

優希「……同感だじぇ」

 途中まではよかった
 正直、よく飛ばなかったと驚いた程だ

 そしてあの5pを切っての和了に至っては
 その瞬間――京太郎に麻雀をさせるべきではないか、そう考えたほどである
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/10(土) 21:05:55.82 ID:Y+JwGdRX0
来てた
551 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 21:12:22.43 ID:wNxDkFVio

 しかし――
 藤田靖子が現れてから、須賀京太郎は変わった

久「まるで鬼神ってとこかしら――」

 大三元のイカサマ、中の二連打切り
 靖子の目的を見抜いての和了の見逃し――

 そして極めつけは決着の一撃となったあの和了

久「まさか、”まくりの女王”のまくりにカウンター決めるなんて」

 まるで理解できない
 自分達にいいようにやられていた須賀京太郎からは、到底信じがたい闘牌

優希「なんだか京太郎が怖い。今までのアイツじゃなくなっちゃったみたいで……」

まこ「優希、やめんか」

優希「で、でも!!」

 今にも泣き出しそうな顔で、優希は縋り付く
 対するまこの顔色は伺いしれない

 それは、彼女なりの必死のやせ我慢であったのかもしれない

まこ「……そもそも。わしらの知ってる京太郎とはなんじゃ?」

優希「えっ?」

久「……」

まこ「いつも明るくて、雑用を嫌な顔せず引き受けて、スケベで、麻雀も弱い……」

久「……他は?」

まこ「……」フルフル

久「優希は、分かる?」

優希「や、優しくて……私のわがまま、聞いてくれて、それで、それで……」ジワッ

 思い浮かばない
 半年近くずっとそばにいたのに――自分達は一体京太郎の何を知っていたのか?
 
 知ったつもりでいたのか

久「所詮、それくらいなのよ。私達が知っていることなんてね」

優希「……」ガクッ

久「彼がどんな風に強くなったとか、今の私達にどんな想いを抱えているか……何も分からないわ」

まこ「ああ、そうじゃな……」ウツムキ

久「でも、一つだけハッキリしてることがあるわ」

 須賀京太郎は以前の素人ではない
 経過はどうあれ、今の彼は魔物――

 恐らくは自分達よりも遥か高みにいる


久「私達は負けたのよ」


 竹井久は覚悟を決めた
 何があっても、彼を――須賀京太郎を守りぬく

 それが自分の――最後の仕事であるのだと

552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 21:14:24.07 ID:Y+JwGdRX0
最後の敵は和ちゃんか
553 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 21:17:30.84 ID:wNxDkFVio



 原村和が竹井久の呼び出しにより、Roof-topに着いたのは日が沈見かけた夕暮れであった
 大事な話があるから来て欲しい

 そんな簡素な呼び出しだけに、和はどこか嫌なものを感じていた

和「……」

 ただでさえ、気の滅入るような取材を終えて帰宅したばかり
 正直気は進まなかったが、無碍にするわけにもいかず


           ,、  ─ -  _
    ┌::-/      ┌:Y´::7
    {::./     /   ヽ V:::}:::::}
    ,Y  1 l lj ! !V } Y'::`く
    く::! ィ, N升卅从卅代ノ;イト'
      `ヽN 〔厂 '  〔厂 l  | l
        i| '、       ノ  1 ト、
        /jj `ー  ニ ‐,´ l  | ヽヽ
     〃/  レ:´:.{  }:.:.:Y l| l V
     V {  ト:;\i /::/ ∧ l {
      ハ l !\><:∧/  }  〉
      V 1Y    〉く   } | ./′
       Y{   /:::::i    j |'′
        | ヽ {::::::::l  〈  |
         |  {  {::::::::l  {  |

 こうやって、出向いてきたのである

 ガヤガヤ ザワザワ

 店の前まで来ると、店内は異様な熱気に包まれていた
 またあの日のようにコスプレでもさせられるのか

 そう思うと沈んだ気持ちが更に沈み込んでいくのが分かる

和「……」ハァ

 和は意を決し、扉を開く
 そこで自分の想像を越えた出来事が

554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 21:19:39.54 ID:b8lUPrUto
和はコスプレ気に入ってた気がするが
555 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 21:21:28.48 ID:wNxDkFVio

>>554
 後で分かる


久「和、大会の出場を諦めてくれる?」

和「はい?」

 店内に足を踏み入れた和
 彼女を待ち受けていたのは、久の唐突な発言であった

和「え? えっと……状況が掴めないんですが?」

 和は困惑に支配されながら、必死に理解しようと務める
 部長は以前、確かに咲と和

 この二人を大会に出すと言っていた

 その決定を覆すということはつまり、出場する選手が変わるということ

和「もしかして、部長が出るんですか?」

 和が出した結論
 それは至極、理に適った考えである

 今年引退の竹井久が出場したいと思うのであれば、自分の辞退もやぶさかではない 
 それに――元々出たかったわけでものないのだから

久「……いえ、別に人よ」

和「え? じゃあ……染谷先輩でしょうか?」

 次点で可能性があるのが染谷まこだ
 来年度の部長でもあるし、経験を積むことはいいことだ

 和も彼女になら代表を譲るのに抵抗はない

まこ「……違う」

和「えっ……?」

 そうなると、残っているのは片岡優希
 確かに実力は評価しているが、自分ほどではない

 しかし、来年からの成長を考えているのだとしたら――
 これも部への貢献となるだろう

和「分かりました。ゆーきの為でしたら――」

優希「ううん、のどちゃん。私でもないじぇ」

和「はい?」

 そうなると、一体誰が残るというのか
 新しく誰かが入部した?

 それならばいくらか合点も行くが複雑な心境だ
 自分たちが必死になって手に入れた代表の座を、部外者に明け渡すなど

久「須賀君よ」

和「……はい?」

久「須賀君が、和の代わりに出場するの」

和「え……?」キョトン

556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 21:21:58.48 ID:IXsE6cNXo
今日は疲れてたからなんやろ(適当)
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/10(土) 21:24:05.32 ID:deUpgtGl0
守るも何も今更。初心者指導を全くせず、育ってきたらドヤ顔で守り抜くって…「相変わらず抜けたこと」だよ。
頼れる者がいないという意味では確かに無頼だ。
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 21:25:22.51 ID:Jo2BcfuAO
本当に大切なものは遠ざけておくもの
559 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 21:30:00.17 ID:wNxDkFVio

 スガクン……?

 すがくん

 須賀君

 須賀京太郎君

 同じ麻雀部員だった少年
 優しく、雑用をよく引き受けてくれていたあの須賀京太郎


和「あの、須賀君ですよね?」

久「ええ……そうよ」

和「本気ですか!?」

 和が声を荒げるのも無理はない
 それは何も、須賀京太郎の実力を軽んじてのことではなく
 
 ただ純粋に――彼の身を案じてのことだ

和「もし今そんなことになったら――」

久「ええ、そうね。特に和――アナタの親衛隊、黙っちゃいないでしょうね」

和「っ……」ゾワッ

 思い出しただけでも身の毛のよだつ集団
 あの気持ちの悪い男達の集まり――


 あんなもの、欲しくもなんともない


 ただただ、気持ち悪いだけ
 見られているだけで、声をかけられただけで――背筋が凍る
 
 そんな――頭のおかしな連中が、存在しているのだ


和「そう……ですよ、あの人達にまた――酷い事、されてしまいますよ?」ブルブル

久「そうなるかもしれないし、ならないかもしれない」

和「そんな無責任なっ!」

久「……私はね。別に今更善人ぶるつもりも、取り繕う気もないわ」

和「!?」

久「私は自分の夢の為に須賀君を利用したし、そこに後悔は一切無い」

 断言
 その瞳には、本当に迷いや後悔は無いように見て取れる

560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 21:35:33.27 ID:QAhftqVa0
(そのせいで人を傷つけるなら、夢ではなく欲望と言った方が正しいんじゃね?)
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 21:37:51.24 ID:zuQYKuZYo
まぁ、その夢も現在の清澄高校や京太郎の扱いがバレた場合ただの汚名となって降り注ぐだろうが.....
562 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 21:39:14.23 ID:wNxDkFVio

まこ「部長、それは少し言い過ぎじゃ……」

久「まこ、別に言い訳しても仕方ないし、結果的にそうなった以上認めるわ」

まこ「……」

和「じゃあ、どうして今更須賀君に?」

久「……見たくなったのよ」

和「えっ……?」

久「私達が勝手に決めつけていた須賀京太郎という男のイメージ……その真の姿を」

和「??」

 和にはまるで意味の分からない言葉だった
 須賀京太郎は須賀京太郎

 それ以上でも、それ以下でもない

 麻雀は弱く――雑用しか取り柄がない
 優しさはあり、優希も懐いていて好青年だとは思う

 しかし、自分はあまり好きではなかった
 感謝こそしているが――所詮彼も他の男と同じ

 自分をいやらしい目で見ているだけでの、男にすぎなかった

久「和、あなたのイメージはきっと当たっていると思うし。事実よ」

和「……」

久「でもね。目に見えるものだけが真実じゃない、私はそう思うわ」

 和には分からなかった
 なぜ久がこんなにも須賀京太郎を過信しているのか

 どうしてここまで言い切ることが出来るのか

和「ですが、それと大会と何の関係があるんですか!?」

 折角、落ち着いてきたばかりだというのに
 あれだけ殺気立っていた連中も最近は影を潜め――

 今では大したこともしていないと聞いていた

 咲の耳にも入っていないことからも分かるように、
 このまま須賀京太郎が部活を辞めるだけで全て上手く行くハズだった

 それなのに――
 なぜ、なぜ掘り返そうというのか

久「私は、彼に賭けてみようと思うの」

和「賭ける?」

久「須賀君が――優勝することに」

和「なっ……」

563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/10(土) 21:40:03.23 ID:deUpgtGl0
のどっちは久に「初心者に対する最低限の指導すら放棄していた事は後悔した方が良いと思います」とか、空気を読まないツッコミを入れて欲しい。
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/10(土) 21:40:22.45 ID:3zDNhJhc0
別に誰を傷つけようと夢は夢だと思うけども
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 21:40:41.44 ID:FtRpXx0b0
大抵一本筋が通った筋金入りのドクズの方が好かれやすいけどブレる奴には厳しい理由とは?
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 21:41:43.05 ID:w4wjEEr4o
今の京太郎なら親衛隊如きマッハパンチで終わり
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 21:42:12.79 ID:8GrQ024O0
このアマ……
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 21:42:54.68 ID:zoVLUrweo
取り敢えず、部長は今までの謝罪と反省を述べた上での土下座くらいは必要経費だと思うがな
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 21:43:04.78 ID:6ZpXFIJMo
そろそろ静かに見た方がいいと思うんですけど
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 21:44:39.21 ID:i0wKTi0qo
この淫ピと部長はドクズ
傲慢で泥沼に浸かりながら、さもそれが美しい事の様な態度で人を見下すタイプ
571 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 21:49:19.01 ID:wNxDkFVio


 和はますます分からなくなる
 あの須賀京太郎が優勝?

 県予選ですらまともに戦えなかったあの少年が?

 全国の強者やプロを退けて優勝する?

 そんなオカルトありえない

和「……分かりました」ワナワナ

久「和……?」

和「つまり部長は、私より……須賀君の方が強いと、仰りたいんですね?」キッ

 屈辱だった
 それは別に須賀京太郎がどうとか、そういうことじゃない

 今までずっと麻雀を打って来て――辛い想いもたくさんして
 共に全国大会を勝ち抜いてきた仲間から、一方的にこんなことを言われるなんて

久「……ええ、そうよ」

和「っ!?」

まこ「部長」

久「事実だもの。いずれ分かるわ」

和「っ……それが、答えですね」ワナワナ

優希「の、のどちゃん……」

和「染谷先輩も、ゆーきも……同じですか?」

まこ「……」コクッ

優希「……うん」ポロポロッ

和「……」

 裏切られた、という気持ちよりも
 ただただ虚しかった

 自分が信じていた絆というものが、あっさり砕け散ったかのようにも思えた

 こんなにも、自分達の関係は儚いものだったのだろうか

和「……決定した以上、私に異論はありません」

久「和、ごめんなさい」

和「ですが、まだ大会までは日がありますよね?」

久「え?」
 
和「なら、私が須賀君を倒します!」

572 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 21:53:47.74 ID:wNxDkFVio


 それは果たして――
 誰に対する挑戦であったのか

和「そうすれば、また考え直していただけますね?」

 どういう経緯で奪われたのか、それはどうでもいい
 ただ結果として、自分が彼よりも強いと証明できればいい

 そうすれば――全てが丸く収まるのだから

久「……ええ、いいわ」

まこ「部長!」

久「でも、和。一つだけ忘れないで」

和「……なんでしょうか?」

久「私達の絆が壊れたって、思ってるんでしょ?」

和「っ!」ドキッ

久「でもね、それは違うわ」

 久はゆっくりと息を吸い込み
 体を震わせながら、消え入るように吐き出す

久「元々、完成していなかったのよ。だって、私達六人で麻雀部じゃない……」

和「!!」

久「……ピースが足りてないパズルが、完成するわけないのにね」

優希「うっ、うぇぇっ……」グスッ

まこ「……」ギリッ

和「……」


 その問いかけは果たして、和に対するものか
 それともまこや優希に向けられたものなのか

 あるいは――


久「……ごめんなさい」ウツムキ


 自分に向けられた言葉だったのかもしれない


573 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 22:04:53.64 ID:wNxDkFVio
 
【和の寝室】


 Roof-topでの話し合いから数時間が経ち、月が綺麗に輝く夜空

和「……」

 和は部屋の窓を開け、静かにその星空を眺めていた

和「どこで、ズレてしまったんでしょうか」

 和は思い返す
 まだ麻雀部に咲がいなく、優希と京太郎が馬鹿騒ぎを繰り返していた日々

 そこに咲が加わり、大会への目標を誓い合って
 それでみんな必死に努力して、頑張って、戦って

 やっとの思いで優勝した

 しかし、気が付けばそこに須賀京太郎の姿は無くなっていた

和「……」

 別に彼が嫌いなわけではない
 むしろ――自分がこれほどに仲を保てる男友達など彼を除いてはいないだろう

 
和「……っ!?」ゾクッ


 だが、ダメなのだ
 気づいてしまったから

 理解してしまったから――

 周りが自分をどんな風に見て、どんな対象として触れようとしてくるのかを


和「はぁ、はぁっ……」ブルブル


 男はみんな同じ
 自分の事を性愛の対象くらいにしか思っていないのだ

 それはきっと――あの須賀京太郎も同じ

 だから、だからこそ


和「負けられません……男にだけは」カチカチカチカチ


 身を凍らせるような恐怖の中で、和はただ一人耐える
 自分を守る為に――

和「うぅっ……くっ……」ゴシゴシ


 好きだった可愛らしい衣装も――
 今ではもう着られない

 自分を【見られる】ということに、耐え難い苦痛を感じる日々


和「咲さん……ゆーき……助けて」ガタガタ

 
 唯一の心の支え――
 それは奇しくも、揃って別の方を向いている

 
和「須賀、くん……」


 和にはもう、何が正しくて
 何が間違っているかなど、分かるハズもなかった


574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:05:31.38 ID:l+KvVS3oo
すごく面白い
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:06:37.76 ID:gra2orIbo
やっぱりレズじゃないか
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:06:46.77 ID:l40BW+IR0
和は思ったよりまともで良かった
というか状況の異常さで少なからず皆病んでる部分はありそう
ある程度保護されてる咲は別として、あとはまこも結構冷静か
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:09:14.06 ID:zuQYKuZYo
どこでずれたかといえば最初からずれてたんじゃないかと思います。
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:10:10.06 ID:w4wjEEr4o
和を救うヒーローとなるのかはたまた心を完全にへし折ってしまうのか ほんと面白いです
579 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 22:13:49.77 ID:wNxDkFVio

 一方その頃京太郎はというと――

【京太郎の部屋】

 お風呂上がり、体が火照っている至福のひと時
 心地よい睡魔に誘われるようにベッドに転がりこむ

 そして――その布団の心地よい感触に身を委ねながら……

京太郎「……よし

 決意する

京太郎「(今日は和で抜くか)」ガサゴソ

 自家発電準備っ……!! 圧倒的っ……自家発電っ……!!

京太郎「和の写真を用意してっと……」ゴソゴソ

 ベッドから飛び上がり、机の引き出しから和の写真(引き伸ばし)を取り出す
 そしてティッシュボックス(ウェット)をセット
 誤爆の無いようにズボンとパンツを脱ぎ捨て、ベッドに再び腰掛けて終了――


 この間二秒弱

 数万回としてきた動きだ
 よどみはない


            _,...---、_,.、
           / : /: : / : : ヽー-、
            /. : :, !: iハ!/メ、.i | \
            イ : :{ ヽN  'i:!/!人iヽi
         _1: : :i(    _ 丶:\
        /   `Yリヽ   '、_)'´!`ー`
      /:::..     |  ,. _/
.      /.::、::    ト、ィ'
      / ::::::|::    !;-!
    /  ::::|::     ! ヽ、        ,:-‐クヽ
    /    ::!::..   ⊥__!_      /  ..:ノ)
   /     |::::..         ̄`''''''' ′..::::::::::ノ
.  /:     |::::.....      ..............:::_,:::-‐'′
 /::      `ー‐┬---r―'''''''"" ̄__
./__       /!   i      / iu-゙、
/----、\   ::::/ |::  ⊥ __,...-‐'.i...:ヒノ
 ̄ ̄`ー`ー`ー-、/ |::.         _,.-‐'"

京太郎「よーし、そんじゃ早速!」ビンビン

 スゥー

        _、‐-、, -‐z._
        > ` " " ′.<
      / " " " " ゙ ゙ ゙ ゙ \
        7 " " ",.",ィ バ ,゙ ゙ ヾ       r‐ ' _ノ
       ! " " /-Kl/ Vlバ.N     _ ) (_
       | "n l =。== _ ,≦ハ!      (⊂ニニ⊃)
      |."しl|  ̄ ,._ ∨       `二⊃ノ
      | " ゙ハ  ー--7′       ((  ̄
      r'ニニヽ._\. ¨/           ;;
     r':ニニ:_`ー三`:く._           [l、
   /: : : : : : :`,ニ、: :_:_;>      /,ィつ
.   /: : : : : : : : / : : : ヽ\     ,∠∠Z'_つ
  | : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.   / .r─-'-っ
.   |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l   /  ):::厂 ´
   |:.:.:.:.::.:.:.:l -─-: : /:_:_:_:_l / ̄`Y´
.   |:.:.::.:.::.::l.__: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
   |::.:::.::.::l: : : : : : /:::: : : : : |: : : : ゙/

アカギ「クク……なるほど、それでシコシコやろうってんだ」スッ

京太郎「」

アカギ「なんでもっとこう、スパッと生きられないかねぇ」

 和の読みはある意味、的中しているのかもしれない

580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:17:01.98 ID:Y3TMAKRko
和がまともでほんとによかった

こうなったのは京太郎は当然悪くないけど
かといって咲達が悪いと言うのとも違うからなぁ
そりゃ全国優勝を狙っていけば部員全員を見れなくなるのはある意味仕方ない
女子部員ですら5人しかいないような部活だしね

京太郎が和に勝ってその実力を認めてもらうのは当然としてもそれだけじゃ終わらんよなぁ・・・
馬鹿教師共をなんとかできればいいんだが
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:17:28.69 ID:IXsE6cNXo
十五で数万回はやべえよ
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:17:33.96 ID:zoVLUrweo
綺麗事言ってブレまくり、迷惑をかけた挙げ句の果てに自己満足の「ごめんなさい」…
流石に虫が良すぎるぞ部長

冒頭の生徒どもや教師ともども鼻っ柱をヘシ折って、心の底から反省させたい…
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:21:13.46 ID:Y3TMAKRko
・・・京太郎も若いからちかたないね!

とはいえ思春期の女の子が自分が男のおかずになってると割り切れというのもまた酷な話ではある
潔癖症ぽいしね和
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:21:56.97 ID:l+KvVS3oo
風呂入ってから抜くのか……
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:22:28.45 ID:l40BW+IR0
というか本来部長ってそこまでやる立場じゃないんだよなぁ
顧問の先生とかいない部じゃ手が回らんのは仕方ない
586 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 22:22:42.54 ID:wNxDkFVio


京太郎「死にたい」ズゥーン

アカギ「フフ……お前もやっぱりただの馬鹿だよな」

 京太郎の失敗
 それはアカギの存在を忘れていたことに他ならない

京太郎「いつもの、いつものクセなんです……」シクシク
 
 みっともなく布団に包まり泣き出す京太郎
 十五歳で自分のシコシコタイムを覗かれたのだから、当然といえば当然である

アカギ「というか、女々しく自分で慰めるくらいなら適当に女を抱けばいいだろ」フゥー

京太郎「は?(半ギレ)」

アカギ「ん?」

京太郎「俺童貞なんですけど? そこ分かっていらっしゃいます?」ギリギリギリギリ

アカギ「い、いや……」タジッ

京太郎「童貞舐めるなよゴルァァァ!! 好きでシコシコしてんじゃないんだよぉぉぉ!!」

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アカギ「……」

 面倒くさいのでさっさと童貞を捨てさせよう
 そう決意するアカギであった

587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:23:35.30 ID:Xwa0Le9WO
相手を考慮出来ない牌効率最優先のデジタルでアカギ相手とか失笑すら起こらないレベル
フランケンの竹井さんくらいの柔軟さが持てんもんか
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/10(土) 22:24:28.25 ID:deUpgtGl0
昔から性的な目で見られていれば、男性不信も頷けるけど、和の可愛い服って男女問わず注目を集めそうな”あぶないしふく”じゃ・・・一の紐スタイル、肌蹴過ぎで服の意味が薄い初美、はいてない隠乃の咲世界だと和の私服程度なら可愛い服レベルで済むのか。あれ?
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:25:38.80 ID:wPFvJsDM0
アカギをもたじろがせるほどの童貞力
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:27:09.06 ID:75cJlCHjO
一番最初の相手はわた……かわいい幼馴染がいいと思うよ!
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:27:21.09 ID:Y3TMAKRko
童貞だからいいんだよわかってねぇなアカギィ!!(理不尽な怒り)
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:30:52.14 ID:yp2HnagN0
そういう漫画だしな
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/10(土) 22:32:03.64 ID:nFU9f26P0
>>581
五年前から始めたとすると、仮に二万回しかしていないとしても、その数は11回/一日を超えるっ…!
勿論っ…年中無休365日し続けてっ…!
まさにっ…「本物」の童貞力っ…!
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:34:38.34 ID:l40BW+IR0
とある既婚の話だが童貞卒業してもお一人でする時もあるらしい
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:35:03.86 ID:LWbzGHm/0
>>593
古谷さんのボイスで再生されたじゃないか!
コーヒー返せ!
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:35:16.14 ID:MH3j0nDK0
572の問いかけってどれ?
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:35:43.09 ID:l+KvVS3oo
ま、まぁどんなに追い込まれても自分ですることにこだわる男だから!
598 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 22:40:35.94 ID:wNxDkFVio


アカギ「それで、お前この女が好きなのか?」

京太郎「えっ!?」ドキッ

 アカギが指差すのは勿論、原村和の引き伸ばし写真である
 集合写真を伸ばしたものだから解像度こそよくないが、その美貌は当然健在だ

京太郎「い、いやまぁ……好きって言えば、好きだけど……その、愛というか憧れというか」デレデレ

アカギ「クク……でもヤりてぇんだろ?」

京太郎「はい」キリッ

 即答である

アカギ「ふーん、ま、胸も大きいし顔も悪かない。ただちょっと丸いな」

京太郎「丸いって、そりゃアカギさんに比べれば大抵の人は丸いですよ」

アカギ「ほー、言うな京太郎」ギロリ

京太郎「すんませんしたっ!」ドゲザッ

アカギ「まぁいい。それより、他に抱きたい女はいるか?」

京太郎「え?」

アカギ「女だ。いるのか、いないのか?」

京太郎「え、えーっと……」

 そりゃまぁいるといえば星の数ほどいる
 福路さんとか、神代さんとか、石戸さんとか、松実さんとか
 
京太郎「瑞原プロとか戒能プロとか愛宕プロ……いや、流石に人妻は……」

アカギ「クク、お盛んなこった」

京太郎「そりゃまぁ、年頃ですから」ポリポリ

アカギ「……なぁ、京太郎」

京太郎「?」

アカギ「お前――この世で一番抱いて気持ちのいい女がどんな女か知っているか?」

京太郎「えっ……?」

 そう言われても返答に困る
 そんなの人それぞれだと思うし、というか童貞に分かるわきゃねぇだろ!

京太郎「む、胸のデカイ人ですか?」ドキドキ

アカギ「アホかおまえ、他には?」

京太郎「えーっと、あそこの締めつけがいいとか?」グヘヘ

アカギ「……」

京太郎「自分のナニと、相手のアソコの相性がピッタリ! これだ!!」

 まさに童貞の思考そのものである

アカギ「なんだなんだ! お前はただの童貞か?」ヤレヤレ

京太郎「」

アカギ「……ハァ、もういい」

京太郎「(なんだかすげー失望されてる気がする)」ガビィーン


599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:42:17.95 ID:Y+JwGdRX0
あのクソ生徒や教師は全国優勝後のインタビューで京太郎が全部話しちゃう展開を望む
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:42:44.82 ID:75cJlCHjO
なんか京太郎とアカギがずっとだべってるだけでも面白い
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/10(土) 22:48:39.87 ID:deUpgtGl0
天から聞いた惚気話ぐらいは話せそうだけど、アカギさん…あんたは死を間近で感じないと生きている実感が沸かない狂人で男女の仲には興味が無いだろ。
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:50:22.98 ID:KjxiiWiqo
ID:deUpgtGl0
長文多いな
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:53:31.51 ID:TiI4QcIGo
早速悲惨だなぁ…大方の予想通りに京太郎のプライバシー0だ。
和の奴もこれを見たら、少しは溜飲が下がるだろうて。
…しかし、だ。それを知っていて尚、"初日から"自家発電に勤しもうとは…単に忘れていたって?まあ何でもいいけど。

>>588
そういうことなら和の取り巻きにも、多少の存在意義はあったということだね。
どうせ、何時かは誰かが突っ込みを入れることになったのだろうし。
604 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 22:57:14.53 ID:wNxDkFVio


京太郎「あの、答えは教えてくれないんですか?」

アカギ「ん……、知りたいのか?」

京太郎「後学の為に是非とも!」ペコリ

 みっともなく頭を下げる京太郎に、アカギは半ば呆れながらも口を開く
 若い二十代前後の姿からは想像も出来ない、憂いを秘めた瞳で
 
アカギ「……たとえば麻雀だ」

京太郎「麻雀?」キョトン

アカギ「世の中には頓狂な奴がいて……ラチのあかねぇ遊戯に自分の限界を越えたもん賭けちまう」

京太郎「自分の人生も……」

アカギ「まぁ、そんな奴だから……頭は悪いが、勝ちたい気持ちはスゲェーもんだ」

京太郎「……」

アカギ「女も一緒さ。自分の全知全能をかけて考える、決断して、そして躊躇して」

 相手が本当に自分にふさわしいのか?
 自分が人生を預けるに値する男であるのか?

アカギ「それでもやっぱりこの人しかない」

京太郎「っ」ゴクッ

アカギ「そりゃもう、ほとんど自分の魂を切るように体を差し出すのさ」ククク

 その魂の乗った身体
 そういう女を抱くことは、それはまるで人の心を喰らうようなもの

京太郎「それって、つまり?」

アカギ「ククク……ようは自分にベタ惚れな女ってこった」

京太郎「へっ?」

アカギ「それに比べりゃあ、お前が言った女はゴミみてぇなもんだ」

京太郎「は、はあ……」

 そんな簡単なことなのか?
 そう思う京太郎

 見よ、これが童貞である

アカギ「この世じゃ人の心が一番うまいんだ。女だってそうさ」

京太郎「ふ、深い……」シミジミ

アカギ「自分みたいなクソッタレの為だけに、女が魂かけて差し出すから抱く価値がある」

京太郎「……」

アカギ「違うか……?」

京太郎「は……そうですね……」

アカギ「わかったらさっさと惚れさせろこらっ!!」どんっ

京太郎「は…はいっ!!」ビクビク

 こ、この人急にお爺ちゃんぽくなるんだな……
 ちょっと怖い

アカギ「フフ……」

605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:58:25.54 ID:BLfFqJsdo
死人が何偉そうな口叩いてんだコラ
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:58:52.43 ID:Ic/qb36go
やっぱり来たか、最も美味いフグ(料理)の話
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 22:59:46.74 ID:l40BW+IR0
この2人のやり取りいいなぁ
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:01:18.73 ID:l+KvVS3oo
ちょっと食って後は放置するのか……
609 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 23:16:51.39 ID:wNxDkFVio


京太郎「とは言っても、和はガード固いしなぁ」

 というか手を出したら殺されるんじゃなかろうか
 あの親衛隊どもに……

京太郎「あ、あのー……やっぱり別な人にしちゃダメですか?」

アカギ「……」ギロリ

京太郎「が、頑張りますっ!」ビシッ

アカギ「それでいい」

 というかなんで脱童貞する流れになってんだ?
 しかも相手があの和……?

 おいおい、マジかよ

 そんなの太陽が西から昇るくらいありえねぇって!

アカギ「……」ジィー

京太郎「アカギさん?」

アカギ「いや、なんでもない」

京太郎「?」

 今、窓から外を見ていたよな?
 一体何を見ていたんだ……?

 ブルブルブルブルッ

京太郎「ん? 携帯……メールか」パカッ

アカギ「けーたい……?」

京太郎「えっ!? 和からっ!?」ビクッ

 驚くのも無理は無い
 あの和からメールなど、ここ数ヶ月無かったからだ

京太郎「(てっきり嫌われてるんだと思ってたけど……)」チャッ

 カチカチ


【差出人:マイフェイバリットエンジェルのどっち】
題名:お願いです

本文
 明日の放課後、私と麻雀を打ってくれませんか?
 清澄では何かと目立つかと思います

 なのでよろしければ鶴賀の麻雀部で、いかがでしょう?
 既に鶴賀には話を付けてありますから


 須賀君、どうかお願いします





京太郎「和から、勝負……?」

アカギ「クク、なるほど。いい機会だ」

京太郎「もしかして、部長が何か言ったのかなー」ウーン

 もしくは本当に約束を守ってくれたとか
 それで代表権を賭けての戦いを挑んできた……?

610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:21:40.71 ID:Y3TMAKRko
まあ和としたらいきなり京太郎に代表譲る事になって「はいそうですか」と納得できないわな
部長が決めた事で弱い京太郎しかしらないんだしこれはお互いの納得の為にも良い事だと思う
清澄では無く鶴賀で麻雀やれるというのも有難い
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:23:53.79 ID:oPhwaEpOo
図らずとも実力が他校にどんどん広まっていく形になるのき
612 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 23:27:25.53 ID:wNxDkFVio

アカギ「どうする、受けるのか?」
 
京太郎「……受けますよ、そりゃ」

 ここで逃げてちゃ、何も変わらない
 脱童貞は置いておいて……まず普通に和とは話しておきたいし

アカギ「……勝算はあるのか?」

京太郎「それなんですけど、アカギさん」

アカギ「なんだ?」

京太郎「実は俺……部長やみんなにも、隠してることがあるんです」

 それは――いつか和と戦う日を夢見てきた少年の――
 
アカギ「隠してること?」

 とっておきの、切り札

京太郎「俺……和にだけは絶対に勝てるんです」ニッ


〜〜〜


和「……必ず、勝ちます」ギュッ

 この時、原村和はまだ知らない
 今この瞬間にも――嫌悪し、憎悪にも似た想いを向ける少年こそが

 自分を闇から救い出す、一筋の光であるということを

 
〜〜〜


京太郎「……ということなんです」

アカギ「クク……なるほど、それならお前の勝ちだ」ニヤリ

京太郎「だから、明日は俺一人でやります」

アカギ「好きにすればいい。お前の売られた喧嘩だ」フフ

京太郎「待ってろ和。オレは必ず、お前を倒す」

アカギ「……」

 しかし、京太郎もまた知らない
 自分の存在が――和にとって光であると同時に


京太郎「……クク」クスッ


 強すぎる光は、闇をも生み出すということを



 つ  づ  く 


613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:27:33.45 ID:l40BW+IR0
鶴賀側で打つのがモモとおりんとかだったら結構厄介そうだな
特にモモいる場合は和だけが一方的に対処できるし
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:27:56.89 ID:FtRpXx0b0
童貞脳のままでは一生童貞…!その思考を変えなければ一生童貞…!何より行動を起こさなければ一生童貞…!
だがそれでいい…!
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:29:33.43 ID:Auk4VmuQ0
差出人欄が痛すぎる…
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:30:57.68 ID:Y3TMAKRko
>>613
とはいえ和の性格上3vs1で戦うとも思えないからそこはまだやりやすいと言える
ただ勝つんじゃなくてちゃんとした勝負で勝ちにくるだろうしね
追い詰められたらどうなるか分からんけど
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:31:43.06 ID:zRToYkRi0
周りも悪ければ麻雀部も悪い、巡りめぐって状況は最悪になってるけど近い未来起こり得そうな事なんだよなぁ
でも面白い
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:33:02.55 ID:5oP6Lh/h0
これで清澄麻雀部の女子に全国優勝させるために、全国を狙える実力の清澄唯一の男子部員を
マネージャーとして使い潰したなんて悪評がたったら面白いな
そうなれば他校の麻雀部からさぞ久が忌み嫌われるだろうねww

619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:34:06.70 ID:MH3j0nDK0
久が約束を守るとは思わなかった……てっきり別の学校に飛ばすかと思ってた
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:34:26.94 ID:wPFvJsDM0
ゾーマかな?
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:35:21.85 ID:09R5xfjDo
京太郎も順調にドクズになってて非常に宜しい
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:37:44.63 ID:+qj4aeQVo
どうしようないね…
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:38:23.91 ID:l40BW+IR0
アカギ無しで打つなら鶴賀から誰が来ても普通に苦戦しそうだな、和対策はあるようだが
624 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 23:39:08.03 ID:wNxDkFVio


【お ま け】

 瞬間――
 彼は何も無い真っ暗な空間で目を覚ました

 
幸雄「っ……?」


 その男の名は平山幸雄
 遥か昔、伝説の男【赤木しげる】に成りすまし、代打ち稼業についていた男である

幸雄「……?」キョロキョロ

 男はかつて、本物のアカギと戦う前に浦部という代打ちに敗北
 その後はとある男に命懸けの勝負にいざなわれ……

 あえなく敗退
 
 致死量の血液を抜き取られて死亡した

 その後、多摩地区のはずれの森林にて埋められているところを発見され
 そのまま死体は火葬処分となった

幸雄「お、俺は……」ブルブル

 生きている
 今現在、どういう経緯かは分からない

 だが、確実に今ここに生存している

幸雄「う、うぉぉぉお!!」

 雄叫びを上げる
 自分が生きてここにいることを証明せんとばかりに――ニセアカギは声をだs

幸雄「はぁはぁ……おっと、こんなことしてる場合じゃねぇ」

 そう、生き返ったからといって別に今までどおりというわけではない
 今がいつで、ここがどこなのか?

 分からないことは多い

 しかし、生きてさえいればチャンスはいくらでもある
 そう、これからがチャンス――

??「あー、やっぱり失敗なのですよー」

幸雄「えっ?」

 不意に、声がした
 小さな女の子のような、可愛らしい声

?「とんだパチもんね。酷いったらありゃしない」クスクス

 今度はとても艶めかしい、大人の女の声
 俺は囲まれているのか?

?「どうしますか、やり直します?」

?「面倒……」ポリポリ

??「正直本物にしか興味ないのですよー」

幸雄「だ、誰だ!? お前らは俺に何をしようとしてるんだ!?」

 姿の見えない声が、幸雄に恐怖を与える
 一体ここはどこで、相手は誰なのか?

 情報が少なすぎて推理することすらままならない

 そんな絶望的な状況の中

625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:40:51.95 ID:GCiKACpzo
正直ダメギでも咲世界なら和なみの打ち手になる気がする……
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/10(土) 23:42:12.91 ID:Y+JwGdRX0
姫様のための降臨か
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/10(土) 23:43:29.73 ID:nwiuPJc60
原作の和はいつになったら、オカルト持ちにへこまされるのか

ずっとこのままってわけは展開的にはなさそうだが、清澄のなかで唯一敗北らしい敗北ないし
628 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 23:47:00.52 ID:wNxDkFVio


?「そうね、本物でないなら意味は無いし……」

 何やらブツブツと、念仏のようなものが聞こえる
 一体これはなんだ?

 周りで一体何が起きようとしているのか?

??「成仏するんですよー」

?「ばいばい……」ボリボリ

幸雄「な、なんだ……」グワングワン

 意識が薄れていく
 気分が悪くなって……まるで、血を抜かれているかのよう

幸雄「や、やめろ……俺は、死にたくない」

?「クスッ……何を言ってるのかしら?」フフフ

幸雄「やめろー……死にたくない、死にたくなーい……!」


?「だってもう、アナタは死んでるんですもの」


幸雄「ヤメロー! シニタクナーイ! シニタクナーイ!」

 シニタク、ナイ……

 シニタク……

 シニ……


??「……Zzzz」スピー

?「ふぅ、失敗ね」

?「どうして失敗だったんでしょうか?」

?「そうね。考えられるとしたら――」


 既に、この世に戻ってきている――


?「なんて、ありえないかしら?」クスクス

??「……御無礼……むにゃ」スピー

?「あら、もっと別なものを呼び寄せてしまったかしら」

??「これで大会優勝は頂きなのですよー!」

 ワイノワイノワイノ! キャッキャウフフフ!


ダメギ「シニタクナーイ、シニタクナーイ……」



 その日、出番を心待ちにされていた一人の幽霊が消えた
 なんていうことはない、器ではなかったのだ

 和と対決?
 そんなこと許されるわけがない

 だってダメギだし

 うん、ダメギだもん



 カンッ

629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:48:29.22 ID:oPhwaEpOo
人鬼さんなら大成功じゃないか
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:49:10.73 ID:eerMm1e7o


ワカメは妖怪だから死んでないだろ!!
逆に妖怪だから呼べるのか?
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:49:34.57 ID:FtRpXx0b0
咲の真の主人公は和、咲さんは主人公と言うより怪奇現象
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:51:24.52 ID:9/7sqshNo

これ永水勢と京ちゃん&アカギコンビが戦ったらアカギ祓われちゃうん?
633 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/10(土) 23:53:06.29 ID:wNxDkFVio

 ぬぁぁぁ、むっきーまで出せなくて申し訳無い
 次回は癒しキャラとしての大活躍が待っているので、お待ちください

 ここのアカギさんは若い頃から中年までごちゃまぜですが
 そういうの気にせず広い心でお楽しみください


 それではまた次回にて

634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:53:31.72 ID:l40BW+IR0

それまでに京太郎1人でもやれるレベルにならないとな

>>631
和の最大の武器は主人公補正だしな
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:55:40.27 ID:TiI4QcIGo
>>619
福本先生の漫画、どんなクズでもギャンブルのルールだけは守るか守らされるからね。
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:57:12.53 ID:+qj4aeQVo
乙です
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/10(土) 23:58:18.70 ID:p6o7Ajfao
和ちゃんは原作でも補正勝ちみたいに見られてるからなぁ
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 00:15:57.31 ID:pKF+0AzUo
乙でした!

>>635
というかそもそも久ってクズなわけでもなんでもないからね?
ちょっと独善的な部分あったにせよ麻雀部のみんなや京太郎を守ろうとしての事なんだから
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/05/11(日) 00:20:09.43 ID:YKPhObDT0
                       _二ニ=-  Y  ∠_
       __             >    "   "  <
       `ヽ:::::\ . <二ニ=-  ∠ ケ "  "     " ヽ
    _.. ---一::::::::V:::/:::: ̄ ̄ミx∠ "  "  ,x "  " "|^!
  ∠_::::::rx:::::::::::::::::::::::::::::::)そ:::::`ヾアィ  /イ ./:::|:|!_" " |
  ア:::::::::::::〉 〉::::::::::::::::::::::x斗 ミ:::::::::::::V " |イこ|/::::::|千二ヘ"_リ
 /:::::_:::::∠ そ_::::::::::::xnイ  xミ:::::::::::::::Vヘ |こ・ニ:i:::::ニ・フ .}/ }   ねじ曲げられねぇんだよ‥‥!
/ ''ア´::::::::::::^〜^::::::::::::::^V^´::::::::::::::::::::::::',、.}|   } 、   }ノ    自分が死ぬことと博打の出た目はよぉ‥‥!
 ./::::::::::::::::::::::::::ハ:::::、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l Vヘ ー---一 /7
../イ:::::/:::::::::/:::/| | V::::\ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::| ハ| ヽ ∀  /|ハ
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イ    <  O }:::::::::::ゝイ   u   }::::::::::/ / ./  / l    ./        押さない‥‥‥!
. !    |> 、 }ィ::::::::::/ }  uv  イ:::::::::/イ__/  / |  |   /          俺は押さないっ‥‥‥!!
 l    | | `}:::// .|、__ イ::::::/\___/  |  |   /
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 00:28:07.83 ID:cWjsjRpco

クズではなくとも独善的で差別的な見方でしか京太郎を見ていなかった事を謝りすらしてないままだからなぁ…
3人で潰しにかかって悲惨な学校生活を送らせる計画をためらいなく実行に移す時点で、
京太郎を部の備品か何かとしか認識してないと言われても仕方がない
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 00:29:18.74 ID:V92a1fWuo
利根川の名前も幸雄じゃなかったか?利根川かと思ったわ
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 00:31:56.86 ID:OsGdOr5g0
学校側から強引に京太郎を部から排除されて、でも京太郎いないと咲や優希が持たないのは目に見えてて
それでも部を守るためになんとかしなきゃいけないって思って思考が狂ってた部分もあるみたいだし
というか謝罪なんて京太郎は望んでないだろ、望まれてもいない謝罪なんて自分の気休めにしかならない自己満足だぜ?
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/11(日) 00:32:36.80 ID:KgHEgeoJ0
いや久はクズだろ

周りはもっとクズだけど
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 00:34:32.78 ID:lLnxFMC9o
正義であろうが善人であろうが…クズはクズっ…
同じ穴の狢…狂人っ…
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 00:35:40.49 ID:pKF+0AzUo
少なくとも京太郎はそうは思ってないだろうけどな
本当に麻雀部のみんながクズならとっくに全部投げ出して転校でもなんでもしてるだろう
いちいち誰かを悪人に仕立て上げなきゃいけないわけでもないでしょうに
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 00:38:42.14 ID:BD71fFa6o
ヒッサは自分でも言っている通り頭イカレてるらしいからね、仕方ないね
とりあえず京太郎の活躍による生徒&教師のホモビデビューを楽しみにしようか(ゲス顔)
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 00:41:09.63 ID:TVgvQhKp0
某バナナの人曰く、そういうのは「姑息なだけの弱者」らしい
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 00:48:55.30 ID:GsxhksJ7o
>>1は前のスレの時からそうだけど、舞台設定で清澄をクズの巣窟にするのホント好きよね
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 00:48:59.81 ID:0qfDTPzio
ちょっと部長が理解ある風になってるけど今までサポートしてくれた後輩の学校生活三対一潰しにかかってたのは事実だし
行動原理は納得できるけどなぁなぁで和解だったらうーん
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 00:49:44.14 ID:cGwrQytPo
まぁ読み手にどう見えるかは重要だし、これで屑でないってのは通らんかな
やることやってるのが良い目見るのはあんまり気持ちの良いもんではないし
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 01:04:10.93 ID:/GVtQDc/0
作者のお気に入りだからいい風に書かれてるけど
清澄ともんぶちは原作から普通にクズですし
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 01:06:16.95 ID:OsGdOr5g0
指導してこなかったのはともかくこの状況での久の行動を叩くのはどうなんだ?他に部を守る方法ないと思うんだが
下手に自分が動くと麻雀部と絡んでることで京太郎の立場が益々辛くなるだけなのは目に見えてるし
かといって京太郎が部から離れるのを認めれば咲や優希までいなくなりかねないしその2人が抜ければ和まで抜けかねない
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 01:07:45.46 ID:9tY33aH2o
和が外される理由がよくわからん
京太郎が強けりゃ誰かと交代は分かるけど一定期間内の部内での収支とか大会成績とかで決めるんじゃない?
それで和が最低とは思えないけどな
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 01:09:01.61 ID:Zbwqrt35o
最近外野うるさくなったよね
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 01:09:48.11 ID:LCsPWHlCo
乙!
むっきー成分がないじゃないか!よくもだましたアアアア!
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 01:10:10.48 ID:a4KX8Jxho
姫様に人鬼が降りたら誰が相手でもゲームセットやね
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 01:11:33.91 ID:0qfDTPzio
まぁ今後の展開次第だし議論してても意味ないわな
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 01:15:03.40 ID:OsGdOr5g0
>>653
それは清澄から参加できる枠が2つしかなくてもう1つの枠が咲だとわかった上での発言なのかな?
咲と和のどっちかを外すんなら和になるのが普通じゃないかなと思うが
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 01:18:06.42 ID:X9nLYWGao
>>653
大会参加者は各校二名。久は京太郎と京太郎が勝てば大会参加を認める、負ければマネージャーとして部に残らせるという賭けを実行。結果京太郎が勝利したことで咲と和のどちらかが参加取り消すことに。

結果久が選んだのは和ってことでしょ。

まぁ、勝手に咲と和の参加権がかけられてましたってこと
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 01:21:53.80 ID:SW2INSnuO

むっきー楽すみ
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 01:25:15.81 ID:/iVlef+U0
京太郎が負けてマネージャーになっても結局扱いは変わらないよな
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/11(日) 01:33:50.58 ID:5LSYEOpN0
つーか久はともかく一番あれなのは、かつ丼だと思うの
どこまで説明受けてたのかわからんけど、ホイホイ来てプロが学生を倒そうとするとか
事情知って受けてたら、クズ度がやばい
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 01:41:22.12 ID:a4KX8Jxho
下克上するスレはいきなり原作のパワーバランス崩壊させるといろんな方向にヘイトが集まるから長文も増える
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 02:22:22.87 ID:zwHJewIIo
スレに書き込むのは乙だけでいい
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/11(日) 02:57:56.03 ID:zl9G2Owv0
乙ー
みんなちょっとヒートアップしすぎやで
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/11(日) 03:05:31.46 ID:i9dcyuS00
何気に自分に都合よく使えるから使おうという部長のクズ思考が変わってなくて笑い
雑魚じゃないと京太郎じゃないという、まこと優希の見下し感もいい感じのクズ思考
理解できないオカルトはイカサマっていう咲の傲慢さとか
なかなか面白いアンチ作品
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 03:13:01.85 ID:nYVbqVQd0
えっ人鬼死んでるの!?
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 03:53:04.18 ID:aQfQhF3Jo
あいつは妖怪の一種だし人に憑くくらい余裕よ
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 04:28:21.45 ID:ovgIlhwh0
ここの>>1がメンタル弱いのをいいことに
アンチや自演百合豚が正論っぽいこと言ってヘイトしてる
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/11(日) 06:38:35.72 ID:UDxtYHjC0
別に原作でも久部長の行動ってそこまでクズとは思わないけどな
1年でレギュラーでもない個人戦にしか出ない初心者って普通雑用ばっかりだろ
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 06:50:12.26 ID:lv+dxB1u0
あくまでそれは弱小だろうとある程度頭数がいる場合の話で
事実上創部一年目な清澄には当てはまらない
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/11(日) 07:59:53.69 ID:+n4pmxpx0
久の思考はゲスとかじゃなく同好会、弱小部じゃなくて選別、選抜が前提の名門、強豪校、プロの物なんだよね。
カツ丼さんが京太郎を全力で取りに掛かったのも京太郎が予想以上に強く麻雀が打てなくなった清澄を辞めてプロに来る様に誘うためだろう。それ程でもなければ、試合後にプロとして年配者として久を説教して終わらせたと思うぞ。
龍門渕はころたんの為に作られた部活で姫の為にある永水と同じで前提その物が他校と違う。
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 08:36:57.90 ID:toTEp9cdo
>>672
場所がそう言う場ならそのままで良いけど、あくまで弱小校なんだからそう言う思考を変えてく努力をするべきだった。

その結果、このSSでは一人の人間を傷つけてるわけだし、もはや傲りかと

674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 08:49:18.00 ID:BMbzQW0ao
乙ー!
のどか戦楽しみだ
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/11(日) 09:03:22.47 ID:+n4pmxpx0
>>673
まこは家業優先だから部の人数が集まらなくても構わなかったから久の方針に文句を付けなかったけど、変えられなかったから三年まで清澄は定員割れで団体戦に出られなかった。キャップと部長を入れ替えれば上手く回ったのでは。
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 11:05:37.87 ID:7fC/ge3jo
別に久がゲスかどうかは読み手の
感じ方次第なんだから争う必要はないよね
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 12:40:21.04 ID:+GOW+4Mbo
和は周りの視線とかには無頓着なんじゃないかな
麻雀も打ってる人は見ずに卓と牌しか見てないし
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 13:04:29.01 ID:BwR0oeGho
だからこそ対戦相手に恵まれるという贔屓というか補正が目立つよなー。
全国二回戦は塞さんいたし、決勝の灼と誠子の能力はたいしたことないしなぁ。
準決勝は……
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/11(日) 13:37:39.91 ID:5Bn+PZA20
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     / .,--、:::::::::::::::::::::::::)_く::::::::::::::::::::::::::/ ̄ ̄
  _,,/:::::::::::ヽ) \ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/   憑
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::::::::::::::::::::::::::::::::::|.i  \:::::::::::::.:r-::::::::::::::::::|    ま
::::::::::::::::::::::::::::::/, ヘ、  l::::::::::::::| (ヽ::::::::::::|    す
:::::::::::::::::::::::://::| ヽ  \:::::::::!  \::::::::|    か
. );;; .ッ:::://::::::::::| ヽ   \::::::ヽ  ヽ:::::\   ?
;;~~,ヾ//::::::::::::::::::|  )    ゝ 丿   ヽ::::::::\_
::::::::::ゝ :::::::::::::::::::::::::| ″          \:::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l  \          |::::::::::::::::
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 14:05:39.70 ID:OsGdOr5g0
卓と牌しか見ない、オカルト対策しないって弱点が致命的過ぎるんだよな
そこ克服したらステルス無効化とか出来なくなりそうだけど克服しない限りこれ以上強くなる余地がない
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 14:08:31.55 ID:z3haIW7w0
オカルトを否定してるんじゃなくてオカルトから逃げてるだけなんだよなぁ
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/11(日) 14:37:15.27 ID:N0Ts7JHEo
オカルトも運気の流れには逆らえないとかそういう設定があれば咲ももっと奥深い麻雀漫画になったんだが
立もオカルト麻雀の限界にぶちあたって隔週連載さえ放棄してサボってるし
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 14:44:47.96 ID:pKF+0AzUo
本編批判は別の場所でやってくれたほうが有難い
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/11(日) 14:48:46.88 ID:zl9G2Owv0
>>680
本人は気付いてないけど実はオカルト無効にするオカルトって開き直れば良かったんだろうけどね
今の所2回戦ボロ負けしなかったの塞さんのおかげにしか見えないしな
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 14:58:30.39 ID:hZJOuf4Lo
>>679
あなたはお帰りください
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 15:19:00.39 ID:8JZanrkaO
>>679
傀さんやめちくり〜(畏怖)
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 16:04:45.78 ID:vczw4M1SO
兎という元祖超能力麻雀マンガがあってだな、、、
オカルトが運気に負けるのはそのマンガでよくやられてるべ
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 16:25:08.32 ID:JMmP36nOo
妖怪ワケメはまこさんにでも取り憑いてて下さい
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 17:03:37.98 ID:mePKzt910
しかしこれで和がようやくまともな私服を着るようになるのか、よかったよかった
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/11(日) 20:59:27.80 ID:+n4pmxpx0
今回の出場で京太郎が勝ち残れば、久と学校は自業自得とは言え散々に叩かれる事になる…指導放棄してパシリと雑用しかやらせなかった事実を明らかにして叩かれる覚悟を決めたであって守る(ドヤァァァ)じゃないのだけど、上から視点は変えられないのだね。
名義と場所の提供以外何もしていなかった学校は久以上に叩かれる事になる。大会まで強化合宿の企画、実行。プロに咲と和の指導の依頼と顧問、学校でやる事もやっているから手が回り切らなかったのは仕方が無い。久は京太郎に指導が出来ない理由を話して個人練習するように指示を出すべきで、パシリで時間を潰させるべきではなかった。
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 21:01:49.08 ID:NS+Ng53no
お前の妄想は誰も見たくないんですが
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 21:16:05.79 ID:Qj1EWd70o
長文キモいなぁ
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 21:18:38.11 ID:+zBweGHk0
京太郎は全国優勝しない限り立場は変わらないだろうな
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/11(日) 21:24:13.00 ID:6GvIScKOo
本文更新来てないかなと覗く度にアホみたいな長文貼られてて吹く
695 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/11(日) 23:46:16.68 ID:UsTwM+QZo

 うーむ、思ったより書き溜められへんなぁ
 ということで今回はVSのどっち導入編パート2


 短いけど許してください、はやりんがなんでもしますからっ!











 まだまだ、むっきーは出ない(震え声)

 
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/11(日) 23:56:17.70 ID:N0Ts7JHEo
ん? いま・・・
697 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/11(日) 23:59:13.36 ID:UsTwM+QZo


 京太郎とアカギの運命の出会いから一日が経った
 鮮烈な記憶を残したほんの一瞬の勝負

 その熱は今や身を潜めていたが、確かに京太郎の中にくすぶり続けている

 一度火がつけば消えることのない、その火はやがて大きくなり
 止まることなく、京太郎の体を焼き尽くす


 そんな身を削る戦いの先にある頂き――


 そう遠くない未来
 彼はふと思い出すのだろう

 自らを導いた一人の神域の存在
 越えるべき一人の伝説の男のことを


京太郎「そうでしょう……アカギさん」


                  i               \ \
                  .:|          、    \ \
                  .:| \ \        \ \  \ 、
  .:i        :i       .:|  i i \         ',\ 、   \
  .:|  :i       :|   :i  .::|  l |   ', ',     }  \、
  .:|  :|       :|   :|  .:;   l |  ,/  V    }   \
  .:|  :| :   : /:/|   :|  /   丿 ,//.ハ Y    }\ \
⌒ヽ|  :|斗 77:/丁 ¨ /| :/=‐-、   〈/斗弋、Y:|  ハ  、 \
ノ`ヽ| i |/ //:/ :|  / :|/____ :\ ∨^ー彡ヘ|从 /  \ \
 Y´| |[ |.:/癶 ̄| :/ ̄|赱及 . : ::ヽ      丿 }/      `\
  Y |[ |    '^|/─‐|^¨´  . . : : :::.
\ \|[ |    .:/   /    . . . : : ::::.     }
\  :И|   /           . . . : : :::.  \  ,
. :.:\_)                 . . __,::::.__/ ′
  . :|三\                      /
  . :|三三\                   / /
  i :|三三三> .      ー――   ´   \__
、 l :|三三三三三> ..        ー=彡'  |=====‐‐‐ 、
Y[/ 三三三三三三三> .           | ========⌒ヽ       _ --======
. ∨三三三三三三三三三三> ..    人=======Y⌒ヾ\ _ --==========
_/ニニニニニニニニニニ=‐‐     丁\{========||===}}================
=ニニニニニニニニニ=‐‐       ,/   \ ===== ||==={{================
  ‐=ニニニニニニ=‐       /{       \====||=== \==============
    ‐=ニニニニ=-        {  .:        Yt=||======\============
.         \::.           .::       ...::Y/ ̄ ̄ ̄ ̄============
            \::.         .::    ...:::´  Y=====================
            \::.       .::  ....::: ´      Y====================
            \::.    .:://           Y=============== i===
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::\.......:.:.:/'′           Y\============|==
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ /             i===\==========i|===
                      : : . .               |====/==========||===
                 : : : . . .            |===/===========||==/
                  : : : . . .           |==/============W/
                   : : : . . .          |=/=============W



 闇を飲み込み、男は変わる――


OP2 
http://www.youtube.com/watch?v=tvT3KY9kJkg

698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 00:01:50.28 ID:glQbCQzMo
闇を飲み込む(意味深)
699 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 00:04:30.40 ID:zSdNQf1Ao

【早朝 清澄高校 廊下】


京太郎「……」

アカギ「クク……」

 ざわ……
   ざわ……

 こうして普通に登校し、歩いているだけでも京太郎は目立つ
 それは勿論いい意味ではなく悪い意味ではあったが

京太郎「……」スタスタ

 噂話とは尾ひれが付くものであり
 今や京太郎は麻雀部の部員に付きまとう変人であり、みんなの嫌われものだと言われていた

 当然それは嘘であり、京太郎のクラスは全員そんなことはないと知っている
 だがそれをいくら訴えたところで、所詮は焼け石に水

 京太郎の噂はどこまでも広がり、今や県外のファンサイトですら叩かれる始末だ

 なんてことはない
 事実無根であろうがなんだろうが、他人の噂など面白ければ面白いほどいい

 京太郎のことを知らぬ者など、みんなこぞって悪人だと決め付ける
 女子5人の部活に一人男がいたのだ、下衆な妄想をしてしまうのも無理もない

 それは嫉妬か――羨望か
 たとえ手を出していなくても、五人の美少女の中に一人だけ男がいたという事実は変わらない

 世の男性が京太郎に向ける悪意は――とても計り知れるものではなかった

  
教師A「ん? 須賀か」

京太郎「……」ピタ

教師A「貴様……まだ学校に来れるとはな」ハァ

 その悪意は当然、こういった部分にも現れる
 今までは気にも止めなかったくせに、麻雀部が全国優勝した途端にこれだ

 顧問も付けなかった部に、あたかも学校側が力を注いできたかのように振る舞い
 京太郎のことを部の栄光に泥を塗る存在だと、勝手に決めつけて排除する

 醜いクソッタレな現実がそこにあった

700 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 00:06:44.94 ID:zSdNQf1Ao


教師A「お前も分からん奴だな、うん? なぁ、おい」

京太郎「……」

教師A「お前みたいなクズのせいで、学校が迷惑してるんだぞ」ガシッ

京太郎「……やめてください」

教師A「どうしてあいつらのまとわりつく? そんなによかったのか、あ?」

京太郎「俺とあいつらはそんな関係じゃありません」

教師A「ふん、どうだかな」グググッ

京太郎「……」

 京太郎は抵抗しない
 それは自分が反撃でもしてしまえば、事実だと認めてしまうようなものだから

 あの大切な仲間達に――
 みんなに迷惑はかけたくなかった

 だが――

教師A「なぁ、俺にも少し回してくれないか? そうすれば――」

京太郎「!」

 もし、標的が自分からアイツらになるというのなら
 話は別だ

教師A「特に原村はいい体してるだろう?」ククク

京太郎「……」ジャキッ


 こんな奴、殺してもいい


アカギ「フフ……」


教師A「なんだその眼は? あぁ?」

京太郎「……死ねよ」ボソッ

 京太郎の瞳が怪しく光り――
 その腕が伸びようとした――その時だった

?「私の後輩に――!!」ダダダダッ!


 ダッダッダッダッ!


教師A「ん?」クルッ

久「何してんのよっ!!!!」ガンッ!!


 チーンッ


教師A「」タマグチャァァア

京太郎「!?」タマヒュンッ!

アカギ「……」コカンヲサッ


 メリメリメリッ!
 グチュァ……

 
教師A「お、おぉっ……おほぉ……」ピクピク

701 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 00:10:14.54 ID:zSdNQf1Ao


教師A「」ピクピク

 ナンカタオレテネー? シラネ
 オイ、タドコロブチコンデイイゾー  イキマスヨーイクイク

 アーッ!


久「ふぅ……。おはよう須賀君」ニッコリ

京太郎「ぶ、部長?」ビクビク

久「あら、どうしたの股間なんて抑えて?」

京太郎「い、いえ……」ガクガクブルブル

 強烈なトゥーキックが玉袋にめりこんでいた
 あれは確実にタマタマが破裂しているレベルですね、はい

京太郎「(部長だけは怒らせないようにしよう)」ブルブル

アカギ「……」トオイメ

久「探してたのよ。今日、和と打つんでしょ」

京太郎「え、ええ。そうですけど」

久「ごめんなさいね、私が上手く説得できなくて」

京太郎「あ、いえ。というか――いきなり代表の座をくれるとは思ってなくて」

 元々の約束は代表の座を考えてくれ、というものだ
 てっきり次は咲や和と打ってから――なんて状況を想定していたのだが

 こうもあっさり認めてもらえるなんて、どういうことだろう?

久「それは、アナタの実力を認めたからよ……」

京太郎「……」


 それが嘘なのだと京太郎はすぐに察した
 それほどまでに、今の久の言葉は軽く――心に響かない

 きっと彼女なりの罪滅ぼし――あるいは、

702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 00:12:19.56 ID:r9K3G07yo
アカギの反応にワロタ
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 00:13:44.77 ID:jZLs3ukbo
死してなお恐怖を覚える玉潰し
704 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 00:15:30.72 ID:zSdNQf1Ao


.        /::::::::::::::::: .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::ヽ
          .″::::::::::::; ::::::::::::::::::::::::::::_::;::: ‐ ''"`ノ,:::;::::::゙,
.         |::::::::::::::/:::::::::──-ニ之_,    彡从i:::::::::i
       |:::::::::::::i :::::::::::;/,,_/'ー 、    、 " ノレ i :ト.
         |:::::::::::::l:::::::::;イ/テ=ミ;_      , -`ミー i:: |::}:l
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    _ , - ' ~ナT爪く    ゙ -,r、<;:::y':::/
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    \. ./:イ::::::八   \  ∧\ |::::::::|
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       i:| .|:::::::::::::::::\  \ーヘ八::::::::::\
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久「……ねぇ、須賀君」

 ほんの少し、思いつめたような顔で久が呟く
 
京太郎「なんですか?」

久「私の事……恨んでる?」

京太郎「はい……?」

久「え?」キョトン

京太郎「恨む? 何をですか?」

久「……だって、その雑用とか……指導とか」

京太郎「……」

久「それに、今回の事だって守ってあげられなくて……」ジワッ

 バツの悪そうな顔でもじもじと久がうつむく
 彼女なりに思うところは多いようだ

 しかし、そんな態度が逆に気に入らない京太郎

京太郎「部長、俺をバカにしないでください」

久「!?」ビクッ

京太郎「俺が雑用を進んでやったのは弱かったからです」

 そう――
 みんなと同じ舞台に立つこともできず、見ているしか出来なかった

 練習相手になることも、その辛さを分かち合うこともできず
 静観することしか許されなかった

京太郎「無力だった――」



705 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 00:21:05.34 ID:zSdNQf1Ao

京太郎「今回のことだって、もし俺が全国に出場でもしていれば――違ったかもしれない」

久「須賀君、それは――」

京太郎「全部俺の蒔いた種です。だから、部長にとやかく言われる筋合いはありません」

久「……」ギュッ

京太郎「それに――俺、今でも感謝してますよ」ニッ

久「えっ……感謝?」

京太郎「俺を麻雀部に誘ってくれて、あんな面白いものに出会わせてくれた」

 もしも、これを知らずにいたら――俺はきっとつまらない人生を送っていただろう
 きっかけもつかめず、何も変わらず

 そして何よりも

アカギ「フフ……」

 この人に出会うこともなかった

京太郎「だから――もういいんです」ポン

久「須賀君……」ジワッ

京太郎「部長は役目を果たしてくれました。次は――俺が応える番です」ザッ

久「……うん」ポロポロ

京太郎「部長――俺、優勝しますから」

 和も、咲も、誰よりも強くなる
 例えそれで俺が俺でなくなろうとも、きっと俺は――もう引き返せない

久「ええ……待ってる」

京太郎「……」

 きっと、部長も分かってる
 ここから先は――俺がもう戻ってこられないこと

 だから――

京太郎「だから部長――もし、俺が和に勝ったら」
  
 
 きっとこれが最後の――


京太郎「その黒タイツ、一度ビリビリに引き裂いていいですか?」ニカッ


               . . -――..、--- .、
                . : ´: : : : :_:_:/: : \: : : \
          /: :/: : / /:/リi:l: i\: : : :\
         /: :/: : /   i// 从ハ: :\: : : :.
        /〃:./: : :./ノ    ̄ ‐‐- ∨: :.i: : : ::.
.        // l/: : : /´     ‐‐ 、,__ ∨:.|: l: : ::.
      // /: : : :/ ニ、      ィ斥心ヽi: :|:リ: : : :
        i/  .: : ://ィ斥心     V沙゚ ノi: :l/ : : : |
        l   |: : |/从 V沙  ,    ,,,   l〃: : : : :|
        i   |: : i:∧  ,,,          /: : : : / : |
        |: : |: ∧           〈: : : : /: : :;
         八: :i/: ∧      ´`       〉:l: :.i: : :/
            ヾi/:/i:介: . ..,        .イi: :l: l:|: :/
          ∨ノ: :i: :l:_:〕 --   i:.|:l:/:/:.|:/
          〃: : :l:.ノ.:.:i        ト〃:/: ノ:{
          -=´i/:/:./ニニニ\     i/: /:./: : :ヽ
      // ̄ ノ从ハニニニニニ\__i从i:/`ヽ: :l:.i=-、
      ///\   {::\二二二\   |'二ニi从リ二/、
.     i/{  i \ \:::\二二二\ |二二二ニ/} ∧
.     l/|  八  \ \:::`<ニニニニ\|二二>'":://  i

久「……ばか」

 アナタの後輩として出来る、最後の恩返しなんだ   
 
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 00:25:04.23 ID:jZLs3ukbo
もういっそ部長で童貞卒業しよう
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 00:30:19.12 ID:OrsRYdbgo
敢えてっ…心を折らないっ…!
相手を貶めないっ…!
贖罪の猶予すら与えない見事な感謝の言葉っ…圧倒的寛容さっ…!

この無頼はっ……仇を恩で返すという埒外の行動を取ったっ……!
708 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 00:34:18.52 ID:zSdNQf1Ao


 スタスタスタ 

アカギ「……よかったのか?」

京太郎「何がですか?」

アカギ「フフ……」

 意味深な顔で後ろ付いてくるアカギ
 どうやら色々と思うところがあるらしい

京太郎「別に、部長とは何もありませんし」プイッ

アカギ「……そうかい」ニヤ

京太郎「そりゃまぁ、おかずにはしたことありますけどね」

 数百回くらい
 主にロッカープレイ

 せまいところが(ry

アカギ「ほー」

京太郎「うぐぐ」

 ええい、なんなんだ!
 アカギさんは俺に何を言いたいんだ!

京太郎「というか、学校まで付いてこないでくださいよ!」

アカギ「クク……そんなのは俺の勝手だ」

京太郎「うぐぐ、学校は部外者立ち入り禁止なんですから」

 勿論、幽霊も例外ではない

 多分だけど……

アカギ「へぇー、そいつは初耳だ」

京太郎「……もういいです」ハァ

 相変わらずアカギさんは子供なんだが大人なんだかよく分からないな
 ていうか、あれ?

 そういやアカギさんっていくつなんだ?

京太郎「あの、アカギさんって何歳で死んだんですか?」

アカギ「……さあな」

京太郎「あ、そういえば記憶が無いんでしたっけ」

アカギ「ああ、何も覚えてない」

 つまり、20歳だったり100歳だったりもありえるのか?
 あれだけの伝説を残してるくらいだし、結構な歳はいってそうだが

京太郎「(一度、アカギさんのこと詳しく調べた方がいいかな……)」

 だけど図書室とかにありそうもないし
 裏で伝説を残した人だから表立っての資料は残っていなそうだ

 やはりそういう筋の人を尋ねるのが一番だろう

京太郎「そうなると……やっぱり」


 【あの人】を――頼ってみるか

709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 00:39:46.76 ID:9cjgBESy0
高一で数百回
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 00:40:52.17 ID:UHrJoAcNo
>>87まで読んだが、ワクワクが止まらないな、最高だ
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 00:43:12.93 ID:I0rgvFKF0
(あの人でハギヨシさんが浮かんだのは俺だけじゃないはず)
712 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 00:49:09.48 ID:zSdNQf1Ao


【一方その頃 東京 某所】


 ヤクザ同士の麻雀賭博
 そんなものは、いつの時代だって行われている

 例え規制が強くなろうと、なんであろうと
 それが組の面子を保つものである限り――この先も残り続けるだろう

 そして――そんなヤクザ同士のゴタゴタの中で
 今、一際異色を放つ代打ちがいた

黒服「お嬢、お見事でした」

 ざわ……
   ざわ……

??「……存外つまらないな。裏のプロというのも」

八木「……」

 男の名は代打ちの八木圭次
 遥か以前は相当な打ち手として名を馳せたその男も――今や死にかけのジジイ

 若い時代に飲み込まれるのも、無理のない話であった

黒服「いえ、この程度の代打ちはまだまだ三下でして」

??「そうか。ならいい」

 元々は興味本位で付いていった組同士の代打ち麻雀
 そこで見た、一人の男

 優男な風貌からは想像も出来ない、悪魔じみた闘牌
 そこいらのプロ雀士よりも遥かに高みにいる、その実力

??「……」

 心が震えた

 あれほどに強い打ち手がいるということ
 麻雀にはまだまだ先があるということを知った


713 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 00:54:36.86 ID:zSdNQf1Ao


 今の自分ではとても敵いそうにないが――いずれ機会があれば戦いたい
 そのためにも、今は実力を付けるのみ

??「そういえば、あの男はどれくらいの強さなんだ?」

黒服「井川ひろゆきのことでしょうか? でしたら――最上位より、少し落ちるくらいかと」

??「……あれでか」

黒服「とは言っても、今では引退間際の天さんを除けば上から数えた方が早いのですが」

??「そうか。あれよりも上がいるのか――」

 恐るべき強さを有していた井川ひろゆき
 しかし、それすらをも上回るという打ち手

 そして、終局後に井川ひろゆきが言った言葉――
 今でもハッキリと覚えている


〜〜〜「まだまだ赤木さんには届かないな……」〜〜〜


??「ふふっ、面白いな」

黒服「は……?」

??「次の相手を用意しろ。なるべく強いのがいい」

黒服「か、かしこまりました!」

??「赤木しげる。【神域】と呼ばれた男……どれほどなのか」


 少女はまだ知らない
 いずれ、自らの前に立ちふさがる少年こそが――


 その【神域】の男であるということに 



 
714 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 01:04:04.26 ID:zSdNQf1Ao

 
【さらに一方その頃 鶴賀学園】


睦月「……」サッサッ

鏡「」キラーン

睦月「……」カミイジリイジリ

鏡「」キラキラーン

睦月「に、にこっ」ニカー

鏡「」ブッブー

睦月「」ガーン

 ガクッ

桃子「むっちゃん先輩、何してるんすか?」

佳織「えっと……今日、部室を清澄の人に貸すらしくて」

桃子「そういえば、清澄のおっぱいさんが来るとかなんとか」

佳織「うん。それでその、一緒に清澄の、ほら……男の人がいたでしょ?」

桃子「男? あぁ、あの荷物持ちしてた奴っすね」

佳織「あのね、これは内緒なんだけど……」ヒソヒソ

桃子「ええええ!? むっちゃん先輩がアイツに!?」ガビーン

 ざわ……
   ざわ……

佳織「ああ! ダメダメ!」アセアセ

桃子「ご、ごめんなさいっす」」シュン


睦月「う、うむ。ひ、久しぶり、だ、だね」グギギギッ

鏡「」ブブー

睦「Orz」ズゥーン


桃子「一体何があったんすか?」ヒソヒソ

佳織「詳しいことはよく分からないの……」ヒソヒソ



睦月「す、須賀君……きょ、今日もいいて、天気で」グギギギ

鏡「」ブブー


睦月「」ショボーン


 
桃子「重症っすね」

佳織「重症だね」


715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/12(月) 01:06:24.16 ID:LejPqEyL0
ぶっちゃけ金玉にトゥーキックはヤバい
目撃しただけで崩れ落ちるレベル

てか久に関することかなりうまく回収したな
これは童貞卒業も近いな
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:07:45.54 ID:zzmzjlqQ0
黒服「かしこまり!」
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:08:15.31 ID:ETs5TWqW0
むっきー可愛すぎ
これはヒロイン候補ですわ
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:09:54.86 ID:LejPqEyL0
>>716
kbtitやめろや
719 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 01:16:16.72 ID:zSdNQf1Ao

 
桃子「でも、可愛いっすよ」ヒソヒソ

佳織「うん。恋する乙女だよね」ヒソヒソ


睦月「……帰る」フラフラ


桃子「!?」

佳織「ええっ!?」


睦月「こんな顔じゃ須賀君に会えないから、帰るよ」スタスタ

桃子「え、うぇええ!?」

佳織「ど、どうしたの急に!?」アセアセ

睦月「もう死のう」

桃子「どういう思考回路っすか!?」

 ギャーギャー

 ガチャッ

ゆみ「おいおい、何を騒いでるんだ?」

智美「廊下まで声が漏れてたぞー」ワハハ

桃子「先輩! 元部長さん!」

佳織「どうしてここに?」

ゆみ「今日は清澄に立会人を頼まれてな」

智美「それで部室を掃除しておこうと思って来たわけだぞ」ワハハ

 モトブチョウダー
 ユミセンパイカッコイイ
 ワハハセンパイマジワハハ

睦月「嫌われる、もう終わりだ……おしまいだぁ」ガクガクブルブル

ゆみ「で、これはなんだ?」

智美「見事なナーバスぶりだなー」ドンビキ

桃子「ジツハカクカクシカジカスカトロモモなんすよ」

ゆみ「あの、須賀とかいう少年に?」

智美「おー、めでたい!」パチパチ

佳織「ま、まだ付き合ってるわけじゃないよ」アセアセ


睦月「ソウテダヨワタシガスガクントツキアエルワケナイヨウムモウシノウ」ブツブツブツブツ


佳織「あぁぁ! ち、違うのぉ!」アセアセ

ゆみ「重症だな」

智美「重症だぞ」

桃子「重症っすね」

佳織「重症だよぉ!」


睦月「うむ……」

720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:19:06.05 ID:P9Pp85JCo
【あの人】なんて書き方するから刹那で忘れちゃう人かと思った
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:19:14.26 ID:RbFkknUc0
スカトロモモ
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:21:35.55 ID:a3Ifl8Pc0
(0H0)は再登場で美人になったよなあ……
723 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 01:23:56.02 ID:zSdNQf1Ao

睦月「死なせてください!!」ジタバタ

智美「や、やめるんだ! 早まるんじゃないぞー!」ガシッ

佳織「いやー!!」

 ギャーギャー! ワイワイ!



桃子「そういえば、清澄はなんの用なんすか?」

ゆみ「ああ、なんでも原村と須賀が【二人きり】で勝負したいらしくてな」


睦月「……」ピクッ


桃子「え? 清澄じゃダメなんすか?」

ゆみ「事情は分からないが、なんでも【人目につかない場所】がいいらしくてな」


睦月「……」ピクピクッ


桃子「それでここってわけっすね」

ゆみ「ああ。私と蒲原でメンツを揃えて、サシ馬対決でもする気だろう」


睦月「サシ馬……? 挿す……? 馬のように……?」ガクガク


 モワモワァン

〜〜妄想〜〜


京太郎「そら、和! どうだ!!」パァニパァニ!

和「ひひぃぃぃん!?」ガクガク

京太郎「馬並みだっ……!! 俺のはっ……馬並みだろうっ……!!」パァニパァニ!

和「ひぐぅぅぅぅ!?」ガクガクプシャァァア!!


ゆみ「いいぞー!」

智美「やれやれー!」ワハハ



〜〜〜〜


睦月「……死にます」フラフラ

ゆみ「どうしてそうなる!?」ガーン

724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:24:08.56 ID:qh3GhzlUo
>>721
クソスレのムッキーは自分に自信が無いから体を鍛え始めちゃう系の乙女だったのか
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:25:57.66 ID:9czjzY2S0
ファッ!?
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:26:07.40 ID:vHfeYq3AO
>>721
ウッ……ハラガ……イタイッ……
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/12(月) 01:26:20.23 ID:E7AC61ir0
おう、糞スレの話やめろや
728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:26:21.55 ID:abRBOp7e0
なんでや!?
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:26:51.23 ID:xXNVgwZ7o
パァニパァニの悪用は厳禁
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:28:11.33 ID:qfdSWrVTO
腹パンのやつか
731 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 01:32:40.23 ID:zSdNQf1Ao

 ガラガラッ!

睦月「飛び降りる! 死ぬしか、道はない! 無いっ!」グググッ

智美「だからやめっ、やめろぉー!!」ガシッ

佳織「死んでもいいことないよぉ!」グググッ

睦月「う、うぅっ……!!」ポロポロッ

 その時、奇妙な偶然が起こった
 窓を開けて身を乗り出し、涙を流す睦月

 暴れたことにより飛び散った涙のひとしずくが……
 静かに遥か下へと吸い込まれていくその最中



「……」ピチョン


 偶然にも、下を歩いていた少年に当たってしまった

睦月「えっ……?」

「雨か……?」

 顔を上げる
 その少年の視線が上へ、上へと上がって行き――やがて


    __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__
      > ´ ̄  /   `   `、  、
、 -  ´    /   '     } ヽ ヽ\  \
 `  ̄ >'  /   ,: |    ∧/! |   } ヽ  ヽ
   /,ィ  / ' / /|   _/,.ム斗}-/  ハ   :.
  {/.'   ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ }  |    .
  /  イ/{ : ! ィ斧从}/   Vzソ ノ /イ ,:
<__  ´// 从{ Vソ /         / イ- 、  |
     {'{  { ,    '           /' ⌒ }  |
      从Y              /.: ノ  |
       叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从
         、           イj   / /
            :.          < |'  /}/
            、__   ´    } イ从/
               |        |/
              「 ̄|     「 ̄ ̄ ̄ ̄}
              |//l|     |//////// 、
        ,. <// ∧      |//////////> 、


京太郎「津山……さん?」

睦月「あっ……」

 その視線は激突した

睦月「あ、あぁっ……//」カァァァア

京太郎「……? (何してるんだろ)」

 事情がよく分からない京太郎ではあったが、
 視線があった以上挨拶しないわけにもいかない

京太郎「……」ニコッ

睦月「」ボムッ!

智美「!?」ビクッ

睦月「あ、うぁ……あぁ」バタンッ


一同「えええええ!?」

 
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:34:15.37 ID:9cjgBESy0
カエッテキテムッキー
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:39:11.37 ID:a3Ifl8Pc0
これ苦笑いだろ……
734 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 01:40:49.57 ID:zSdNQf1Ao

 ムッキー! ウワァァアシンダァァア!!
 ダレカァー! ビエェェン!


京太郎「騒がしいな……」

 鶴賀はとても賑やかな場所らしい
 京太郎の中での鶴賀のイメージがちょこっとだけずれていく

アカギ「フフ……そんなことより京太郎。相手はお待ちかねのようだ」

京太郎「……!!」

 アカギの視線の先
 そこで待ち受けるのは――


            ,. . . -−-. . . .,
        _,,,,.  '.: : : : : : : : : : : : :`゙'. ,   _
       i/              ._,./::iヽ,
     i'"~::/ . .; .i: : ; : : : : : : : : : : : ィ´::::`v":::ィ
     i: :./: :.i : l: :l: : il: : : : i: : :.li: : ; i: ヽ::::;;:::i::i:::::|
    冫/:./i: : li: i: : i:.|: : : |: : :|: |: :|i: i: :冫:::::/iヽ,l
    !,::i: :i:.|: : |:| |: :.i|:.|: : :|i: :.|: :.|: |:|: |; iゝイ:::i;::::\
    ./|:.|i:.|: : |:i__l_l_:.|: : ! l l:_!_i:_:l´l ||: リ::;,!l__/
    く;;;|:|'|:.l: :.||'ャii;;;;;;;i \! l/ヤi;;;;;;i;'ヤl|_,.! '´:|: :l: |
     l! l!,\l !:ヽ辷ソ    ヽ==ソ .! |: : :.|: :|: |
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    ;' li l:l i    / .i ,!    ;' l:li :l  ';  i   |::|: i:| !

和「よく来てくれましたね」

京太郎「和――」

和「須賀君、私は絶対に負けません」

京太郎「……」

和「私が勝って、咲さんと大会に出ます」キッ

 それは――正面から京太郎をねじ伏せるという和の決意
 だが、それは大きな勘違い

京太郎「なぁ、和。一ついいか?」

アカギ「クク――」

和「……?」

京太郎「俺が負けたら、出場権をお前に返すのはいいんだけどさ」

和「はい、そうして貰えるなら助かります」

京太郎「でもよ、これっておかしくないか?」

和「……はい?」キョトン

 まるで分からない、という和の表情
 それに対し京太郎は――至って冷静な顔で告げる

京太郎「お前が負けたらどうするんだ?」

和「えっ……?」

735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/12(月) 01:50:36.17 ID:3dJoecoX0
お互いリスクを背負ってこそのギャンブルか
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:51:02.57 ID:abRBOp7e0
確かに
737 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 01:54:26.89 ID:zSdNQf1Ao

 和にはまるで意味が分からなかった
 自分が負けたら何を差し出すか?

 自分が負けたら?

 何を言っているのだろう?

和「あの、言葉の意味がよく……」

京太郎「俺は部長達に勝って枠を手に入れた、負けたらマネージャーになるって条件でな」

和「それが……?」

京太郎「俺はこの枠に命を賭けて、必死にしがみついて手に入れたんだ」

和「……」

京太郎「だから、メリットの無い戦いにこの枠を賭けるなんてするわけないだろう?」

和「!!」

 ここまで来て、ようやく和は理解した
 つまり京太郎は和にも賭けの商品を差し出せと言っているのだ

和「……」

 正直、和は全くそんなことを考えていなかった
 なぜなら大会の枠というのは強い二人が選ばれるもの

 戦って勝った方が手に入れる
 それが当たり前だと思っていたからだ

京太郎「つまり、だ。お前が俺を勝負に乗せるだけの何かを差し出すってんなら――打つぜ」

和「……見損ないました」

 これでも和は京太郎を他の男子よりは評価しているつもりだった
 ほんの僅かではあるが、それはエベレストにも勝るものである

 それが、まるで紙くずのように吹き飛んでいくのが分かる

和「アナタはもっと、真摯な人だと思っていました」

京太郎「なんだっていいさ。俺の考えは変わらない」

和「くっ……」

 だが、いくら和が京太郎を嫌おうと――見下そうと
 枠を握っているのは京太郎である

 つまり――京太郎が受けなければ勝負自体が成立しないのだ

和「……ハッキリ言えばいいんじゃないですか?」

京太郎「ん? なんだ?」

和「須賀君の……望みはなんですか?」

 正直、これ以上失望したくなかったというのもある
 須賀京太郎が他の低俗な男と同じだと、なぜか認めたくなかった

 しかし、その期待は裏切られることになる

京太郎「そうだな――それじゃあ」

和「……」

京太郎「胸、ひとつ」

和「……えっ?」

京太郎「和が胸をひとつ賭けるなら受けてもいい」



738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/12(月) 01:55:46.00 ID:LejPqEyL0
胸?心?それともおっぱい?
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:57:22.50 ID:vHfeYq3AO
も……モグのか?
チチをモグのか?
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 01:57:45.97 ID:xYA2edTb0
食べるのか
741 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 02:04:19.69 ID:zSdNQf1Ao


 和の胸のサイズは90cmオーバー
 この当時の90cmオーバーは今の90cmオーバーである


和「む、胸……ですか?」ビクッ

京太郎「ああ、そうだ。右でも左でも好きな方でいい」

和「そんな――胸を、どうするんですか?」

京太郎「所有権を貰う。触ったり、舐めたり、嗅いだり……」ウヘヘ

和「ひっ!?」

京太郎「枕にしたり――!?」チラッ

アカギ「……」
 
京太郎「!?」


 その時のアカギさんの表情は印象的で
 今でもよく覚えている

 子供が興味の無いおもちを見つめる目


┏━━━━┓ lll   /.lll / l iii ii ii /|iii iilヽ  ll llll   ┏━━━┓
┃だ で あ┃  lll / ! i´ liii/| iiii/  .|lll | ヽ lll   ll    ┃生 オ..┃
┃ろ き ん┃ lll ./,,,,,,,| i  |ii/ |iii./ _ ,.,,|ii |,,,,,,,,,\ll   ll  ┃涯 レ. ┃
┃う  な .な┃  | /   .l'"".|/ .|ii/'"`` ヽ|     |   lll  ┃ ・ に .┃
┃か い 目┃ l i-====ヽ  レ ====== -|ll|⌒ ヽ .┃ ・ は .┃
┃ら    .は┃ ヽl | ,. (。0)// ;;;   (。0)    |ll|⌒| | ┃ ・  .  ┃
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               ヽ  ;;;;;;;;;;,     /;;;   .| ll /
               .ヽ        /;;;;;;     |  /\
                \      /;;;;;;      |iii/  \
                _,,,入   /;;;;;;;       | /   \
             ,,,.. '" /  ヽ、/|;;;;;;        |/     \
            ''"   /      |         /
                /       |        /
               /       |       /


京太郎「(って、諦めるかー!!)」ギラギラ

和「……っ」ブルブル

 燃え上がる京太郎とは対照的に、和は苦しんでいた
 ただでさえ京太郎に裏切られたことに続き……この展開である


742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/05/12(月) 02:06:52.39 ID:LejPqEyL0
おっぱいの方かよ

京太郎の童貞力なめてたわ
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 02:08:07.81 ID:I0rgvFKF0
台無しだな
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 02:10:30.88 ID:a3Ifl8Pc0
???「神さまにおもちのよさはわかってもらえないですのだ」
745 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 02:14:29.41 ID:zSdNQf1Ao


和「何を……馬鹿な」

京太郎「……」

和「そんなもの受けれるわけないじゃないですか!」

京太郎「なぜ……?」

和「なぜも何もありません! 話にもなりません!」

 必死に否定する和
 その姿は異様なまでに怯えにまみれている

京太郎「なんだ……自信が無いのか?」

和「自信は……あります」

 悩む和
 自分が負けるとは思えない

 だが、もし――もし負けたらどうなるのだろう?

和「しかしどんなに低い確率でも、ゼロではありません」

アカギ「……」

和「たとえ1%でも裏を引く可能性がある以上、胸なんて取り返しのつかないもの……」

京太郎「……」

和「勘違いしないでください。これは負けることや胸を失うことを恐れているわけではないんです」

京太郎「じゃあなんだ?」

和「こんなの馬鹿馬鹿しい賭けです。確率が低いとは言っても――」

京太郎「……和」

和「単なる大会で、命や体を張れますか? 【無意味な死】はごめんです」

京太郎「無意味な死?」

アカギ「クク……なるほど、凡夫だ」

京太郎「その【無意味な死】ってのが――まさにギャンブルじゃないのか?」

和「えっ……?」

京太郎「俺は最近そう考えるようになったけど、違うのかな?」

746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 02:15:09.60 ID:qYOx4NSVo
和はダメギポジか
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 02:16:32.76 ID:GEEMpMsoo
まぁ、和とダメギ似てるから。
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 02:17:01.23 ID:yH1R4hHh0
アカギさんギャンブルなのに全然楽しそうじゃない
749 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 02:22:30.49 ID:zSdNQf1Ao


 京太郎の瞳に迷いは無い
 本気でそう思っているのだ

 隣にいるその男の影響か――あるいは元から眠っていた本質か

和「私とは考えが違うようですね、須賀君と私とは」

京太郎「いや、これは考えの違いじゃない。覚悟の問題だ」

和「!?」

京太郎「ようするにお前はまだ勝負の覚悟を決めていないんだ」

和「なん……」ワナワナ

京太郎「だから、麻雀を確率なんかで計ろうとする。見当違いも甚だしいぜ」

和「っ!!」ギリッ

京太郎「背の立つところまでしか海に入ってないのに、海を知ったと言ってるようなもんさ」ニヤリ

アカギ「ハハハ、言うな京太郎」

和「須賀君っ……!!」ギロッ

 デジタル麻雀に対する罵倒
 これは――和本人への罵倒よりも遥かに効果を与える

京太郎「さぁ、どうする?」

和「わ、私は――」

京太郎「まさか、ここまで言われて引き下がるのか?」

 確かにこのままでは悔しい
 勝負に勝って、目の前の男に敗北を与えたいという衝動が沸き上がってくる

和「……」

 この男に胸を奪われて、好き勝手にされて……
 そんなこと、考えただけでおぞましい

和「(でも……)」ブルブル

 負けたくない
 男には――特に、こんなことを言う男にだけは

 だから――

和「分かり、ました……」

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  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
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和「その勝負、受けます!!」

京太郎「Good!!」

アカギ「なぁ、京太郎。やっぱり命を張らねぇか?」

京太郎「ダメです。これこそがベスト」キリッ

アカギ「……そうか」
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 02:25:16.45 ID:FUlVtSIRo
アカギ「ショボン」
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 02:26:10.95 ID:I0rgvFKF0
京太郎の目的は和の胸か
らしいけど何かこうね
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 02:31:12.17 ID:9czjzY2S0
アカギ「そうか(´・ω・`)」
753 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 02:38:30.82 ID:zSdNQf1Ao


和「胸が欲しいだなんて……変態ですね」

京太郎「そうか? 俺らしいと思うけど」

和「……最低っ」ボソッ

京太郎「あっはっはっ、そう怒るなって」

アカギ「……?」


和「私は、負けません――絶対」ブツブツブツ

アカギ「……」

和「いやらしい男なんかに、絶対、男には――」ギリッ


アカギ「……なるほどな」

 この時、アカギだけは京太郎の思惑に気づく
 
京太郎「……(悪いな、和。こうでも言わないと――)」グッ

 その恐るべく思惑は――
 
アカギ「(クク……お優しいこった)」ニヤリ

 きっと、京太郎に残された最後の良心

京太郎「じゃあ、行こうぜ和」

和「……」コクッ

 この時の和はまだ知らない
 胸を賭けたことの本当の意味――

 京太郎が自分をどんな目で見ていたのか

和「……必ず、勝ちます」

 そして、須賀京太郎に対する考えがこの日を境に――


 ,  <//////{/{{`∧         、              /  }}//////> 、
´//////////// l| ,∧             _    ∧  ||///////////>
/////////////从 {   、         _  ィ -vノ    ' } /'/////////////
/////////////{/∧   l\   ー=≦__ ,   ´   /' / イ∧/////////////
/////////////|//∧  :. \               / / /'////}/////////////


京太郎「――さぁ、楽しい勝負の始まりだ」

 
 思いもよらぬ方向へ、変化していくことを



ED
http://www.youtube.com/watch?v=Md42D3kDEXg


754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 02:41:12.11 ID:ETs5TWqW0
京太郎やりおる
乙です
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 02:42:49.58 ID:vIsyFczXo

アカギさん今回は完全にお休みなのかな
756 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 02:46:33.46 ID:zSdNQf1Ao

【次回予告】


 須賀京太郎と原村和
 両名の意地を賭けた闘牌は、ある意味予想通りの出だしとなる

和「ツモ、倍満です」

京太郎「……」

 何もできない京太郎
 優勢に進める和

京太郎「さーて、頑張るぞっと」

ゆみ「(まるで平凡な打ち手だが……なぜだ? なぜこうも嫌な予感がする!)」ゾクッ

 だがそれは――

京太郎「和、やっぱりお前にだけは負けない」

和「!?」

 全て――
 この男の策の内である

京太郎「俺さ、ずっと好きだったんだ」

和「須賀……くん?」 



 次回

――シセン――



京太郎「和。俺は一度だってお前を――」

和「っ!」ドクンッ





アカギ「……」ソワソワ




 この時アカギ、意外に純情


757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/12(月) 02:48:17.32 ID:MGbvKl+E0
くそっ 面白いじゃねーか
758 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/12(月) 02:50:42.20 ID:zSdNQf1Ao


 ということで次回でのどっち編終了
 その後は考えてないんで、大会に行くか裏に行くか悩む感じ

 まぁぼちぼち進めながらノリで決めます


 それでは今日もありがとうございました

 
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 02:54:51.19 ID:V/p9HKbco
正直京太郎にアカギの台詞言わせたいだけに見える
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 02:58:01.54 ID:I0rgvFKF0

これはギャグなのかシリアスなのかわからんな
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 03:10:28.88 ID:9sFasHSMo
非常に難しいけれどもアカギに通じるだけのオリジナルの台詞と展開が欲しいな……
ちょっと元の台詞を京太郎にはめ込むように改変させるだけでも大分違うと思う
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 03:37:16.94 ID:yIgZd3aZo

好きに書けばいいと思うよ
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 04:25:39.50 ID:++kA7M6eo
アカギの麻雀に必要なのは
天運、強運、メンタル、技術

デジタルに必要なのは
メンタル、技術

天運、強運がないからデジタルになる
和はデジタルでも強運持ち
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/12(月) 04:44:50.74 ID:xCL3jvbZ0
乙ー
クソッ真面目な部分に逐一ツッコミ所を置いてきやがるw
でもそうか胸はフェイクか、京太郎ならあり得るかもと思って見てたわ
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 06:07:08.34 ID:RRy0BtAKo
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/12(月) 06:51:30.00 ID:J5D6Tsd40

胸のこと咲が知ったらどうなるんだろ
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 07:55:31.13 ID:FzR4RZnKo

むっきーかわいい
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 08:42:41.56 ID:mr3bJE2K0

もう京太郎は鶴賀に転校すればいいんじゃないかな?
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 09:20:22.62 ID:3LgiALGGo
まぁアカギの台詞使いたいだけに見えるのは良いと思う
でもそれをやるならもうちょいなんか真剣にというか、シリアスにやんないとギャップでちょっと京太郎が気持ち悪いだけの奴に見えてしまう
これにアカギが興味持つって言われても…となってしまう
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 09:21:05.83 ID:3LgiALGGo
使いたいだけってか使いたいのはだな
言葉が悪かった
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 09:24:52.19 ID:wu/OgZaPo
乙です
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 10:19:32.80 ID:N3L9IUbPo
京太郎…変なところで図太いやつだなぁ…。
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 11:08:06.74 ID:asz1L+eJo
アカギが純情wwwwwwwwwwww
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 12:50:19.01 ID:ElU+ptt10
地の文が古谷さんで再生される
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 14:42:03.59 ID:ul05D3hto
赤木みたいな考えに至った描写がないのにセリフを丸写ししてるから違和感があるんだろう
京太郎が二重人格患ってるように感じるわ
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 14:51:23.73 ID:g8jmi4wKo
アカギが取りついたから言動がそれっぽくなったんじゃなくて本質的にアカギ寄りだから取りついたってことだし説明はいるな
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 15:12:25.74 ID:3tkQ6fpu0
裏もみてみたいけど出来れば大会編にいってほしいな
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/12(月) 21:31:15.28 ID:QK47uEmI0
京太郎が夏季大会を落としたのは和のおっぱいを揉む為の下準備の一環だったの噂が流れる。久のマナーの悪さ、咲さんの舐めプを考えると男子部員も無害そうに見えても清澄麻雀部の一員だったで終わる。和との闘牌が学校、麻雀部の不始末の火消しになる。
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 21:37:49.83 ID:V0Ea3bTXo
まーた妄想か
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 21:48:10.81 ID:LejPqEyL0
妄想はもうそぅのくらいにしとけよな
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/12(月) 22:15:40.02 ID:eolPah1po
あったかくない…
782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/13(火) 01:33:55.87 ID:0CEf2a5yO


むっきークソカワイイマジむっきー
むっきーがカワイイありがとう
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/13(火) 01:39:12.25 ID:ixxX60gZo
乙でした。
むっきーはあれだよな。あのコラのせいで色々と損してる気がせんでもない。
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/13(火) 02:00:20.39 ID:ahvnSRRZo
ネタ以外にも最近の絵では普通に可愛いむっきー
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/13(火) 19:42:38.87 ID:c53GcL3DO

京太郎っぽい言動とアカギの台詞の二面性がいい
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/13(火) 21:11:09.48 ID:gjFL9Ueto
クロチャーが弟子入りするレベルのおもち好きなのかもしれない…。
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/13(火) 22:03:12.80 ID:n0LdHETlo
正直ときめきスレよりこっちの方が楽しみ
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/13(火) 22:05:21.30 ID:aE1sIooE0
ヘルカイザーも楽しみ
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/13(火) 22:29:36.51 ID:4BKiEqbao
ここのイッチ、ヘルカイザースレも建ててるの?
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/13(火) 22:34:16.42 ID:cE11b26D0
>>789
前建ててたけど荒らしが多くて一旦やめてる感じ
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/14(水) 01:40:14.16 ID:tVjhr7pPo
次の投下が待ち遠しい
792 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/14(水) 01:50:19.65 ID:w5gMM8hSo

 ダメだ、書き溜めが中々進まへん
 ちょこっとだけ闘牌の直前まで進めて、少し休息します

 一週間くらい空いても……バレへんか


793 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/14(水) 01:53:59.70 ID:w5gMM8hSo



【数週間前 清澄高校】


和「……」スタスタ

 その頃、原村和は喜びに満ちた日々を送っていた
 というのも、所属する部活が全国大会で団体戦優勝

 自分は引越しもせずに済み、この長野の地に留まることが出来たからである

和「ふふっ……」

 親友の片岡優希、そして大切な仲間である宮永咲
 頼りになる先輩である竹井久、染谷まこ

 それと、ほんの少しだけ仲のいい


                ____  _
              /     ' Y  __>
             /           ゙、  \
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 ――ちょっとだけ気になる男の子



和「……いえ、ないですね」

 確かに優しさもあるし、優希が懐くだけのことはある
 だけど、正直よく分からない

 恋愛という気持ちを体感したことがない上に――そもそもそんなに熱を上げているわけでもない

 あくまで他の男子よりもほんの少しだけ上に位置している

 ただそれだけのことだ


和「あっ……」


 などと色々と思案していたが、大事なことを忘れていた
 次の授業は移動授業

 日直である自分が教材を運ばないといけないのだ


和「ゆーきは……先に行ってしまいましたね」

 
 待たせてしまうが、こればかりは仕方ない
 踵を返し、教室へと引き返す和


 それが、悲しい出来事の始まりとなった

794 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/14(水) 01:57:38.85 ID:w5gMM8hSo


 ガヤガヤ

 移動教室というものは不思議なもので
 大体が移動する時に仲のいいグループでかたまり、女子はさっさと移動
 男子は時間ギリギリまで教室で遊んだり、喋っていたりするものだ


 この日もそれは例外ではなく、和をはじめとした女子はみな先に移動を終え
 今教室に残っているのは一部の不良男子のみであった


和「(……少し、入りづらいですね)」

 と、教室の前まで戻ってきた和であったが
 中に男子しかいない状況はいささか、躊躇する


和「(まぁ、気にすることもないでしょう)」


 一応はクラスメイトである
 とって食われるわけでもないと言い聞かせ、扉に手をかけた――


男子A「やっぱり原村の胸は最高だよなぁー」グヘヘ


和「っ!?」ピタッ


 扉越しに聞こえた言葉
 自分の胸が最高――?

 それは一体――


男子B「だよなぁ、顔も可愛いけどやっぱりあの胸だな!」

男子C「あぁ〜、一度でいいから揉みしだきてぇよ〜」

 ゲラゲラゲラゲラ  イヒヒヒヒ
 フヒヒヒヒ   


和「え……? 何、を……?」


 困惑
 今まで自分が聞いたこともないような下卑た言葉が、和を混乱させる


男子A「俺なんか昨日は原村の大会の映像見てさー」

男子C「あー、原村とヤれたら気持ちいいだろうなー」

男子B「犯したくなっちゃうよなー隣で見てると」ニタァ


和「!?」ゾワッ

795 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/14(水) 01:59:49.52 ID:w5gMM8hSo

 多少の自覚はあった
 優希がネタにしたり、からかう時によく言う言葉

 だが、実際にそうだなんて――思ってもいなかった


男子A「私服もアレだぜ? 誘ってるに違いねーよ」ニヤ

 ワカルワカルー  ショウジキガードアマスギ

男子D「なる〜、やっぱ淫乱ピンクってか」ギャハハハ

男子B「じゃけん今度、輪姦しましょうね〜」


 ガヤガヤ  ザワザワ


和「あ、あぁ……」ブルブル

 むしろ、今まで何も気付かなかった方がおかしいのだ
 その余りある美貌、常人離れしたスタイル

 学校中の男子が一度は自分をそういう目で見ているのは当然のこと

和「い、いや……」ガクガク

 普段は優しく自分にプリントを配ってくれた男子も
 委員会で一緒に仕事を頑張ったあの人も

 大会優勝を祝ってくれた男子のみんなが――


男子ABC「「「やっぱり原村はいいオカズだわ」」」

 
 自分のことを、性欲の目でしかみていなかったという現実


和「っ!!」ダダダッ


 それからは無我夢中で何も覚えていない
 気が付けばいつの間にか保健室で寝ていて


和「(あれは夢……悪い夢なんです)」フラフラ

 教室に戻ると、みんな暖かく迎えてくれた

 しかし――

男子A「原村、大丈夫だったか?」ニコッ

男子B「気をつけろよー」ニコニコ

男子C「”大事なカラダ”なんだからさー」アハハ

 アハハハハ! フフフフ!

 クスクス  ゲラゲラ

和「(やめて、ください……)」

 和の目には、もう男子は正常には映らなかった
 全てのシセン――声がいやらしい意味に聞こえる

 自分のことをそういう目で見ているようにしか感じられない


和「(もうっ……いや……!!)」ブルブル


 その日から、原村和は変わった
 男に恐怖する、一人の少女として

 あるいは――

796 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/14(水) 02:01:08.78 ID:w5gMM8hSo

【鶴賀学園 麻雀部部室】


ゆみ「……では、改めて自己紹介させてもらおうか」

 鶴賀学園麻雀部

 つい最近まではたったの5人しかいなかったこの小さな部も、
 今では10人を越えるメンバーがいる

 しかし、今日に限ってはその数は少なく
 残っているのは一世代前のレギュラーメンバーだけである

ゆみ「元鶴賀麻雀部員の加治木ゆみだ」

智美「元部長の蒲原智美だぞー」ワハハ


 今や引退した身であるが、相応の実力を備えた二人だ
 そして――今回の目玉とも言えるのは次の二人である


和「清澄高校麻雀部一年、原村和です」

 元インターミドルチャンプ、原村和
 
京太郎「清澄高校元麻雀部一年、須賀京太郎です」

 元麻雀部員である須賀京太郎

ゆみ「今回の闘牌はこの四人で行う。そして、立ち会いを見届けるのが――」

 ゆみの視線の先
 そこにいるのは三人の少女

佳織「せ、妹尾佳織です」

桃子「東横桃子っす」

睦月「う、うーむ……」

ゆみ「一人気絶しているが、気にしないでくれ」ハァ

京太郎「……??」

ゆみ「とにかく、私と蒲原が入り、原村、須賀の両名の対決ということで問題ないか?」

和「……ありません」

京太郎「ええ、いいっすよ」

797 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/14(水) 02:05:09.20 ID:w5gMM8hSo


 そう、今日は須賀京太郎と原村和の決闘の日である
 お互いに負けることのできないものを賭けた、真剣勝負

 京太郎は大会の出場権を
 和は自身の体の一部を

 それぞれ、譲ることのできない大切なもの


ゆみ「ルールはプロアマ大会仕様、半荘一回での結果勝負とする」

京太郎「問題ないです」

智美「不正が発覚した場合はその場で敗北。まぁ、これは問題無いと思うが」ワハハ

和「いえ、どうでしょうか」ジッ

 ざわ……
  ざわ……

京太郎「それはどういう意味だ?」

和「……聞いていますよ、須賀君があの藤田プロに勝ったということ」

ゆみ「何……?」バッ

智美「それは本当か?」ワハハ

京太郎「さぁ、どうでしょう?」

 こればかりは正直に答えるわけにはいかない
 何せ、勝てたのは全て……

アカギ「フフ……」

 この隣にいる男の力によるものなのだから


桃子「その噂、確かに聞いたっす」

佳織「う、うん。クラスで凄い噂になってた」

睦月「うむ、うむむ……」ムニャムニャ


和「しかも、奇想天外な方法で勝利したとも伺っています」

京太郎「(そりゃまぁ、ドラが8も乗ったしな)」ポリポリ

 イカサマもなにも、オカルトの力も利用したものだ
 最も和には理解できないだろうが

和「言っておきますが、私にイカサマは通用しません」

京太郎「……へぇ?」

和「やりたければどうぞ。それでも私は負けませんので」

 それは、和の麻雀に対する絶対の自信の表れ
 不正などには負けない、そう和は言い切ったのだ


798 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/14(水) 02:10:15.73 ID:w5gMM8hSo


京太郎「なぁ……和」

和「なんでしょうか?」

京太郎「俺は、麻雀ってのは奥が深いもんだと思ってる」

ゆみ「……?」

京太郎「確立とか、運とか、オカルトじみた力とか……色んな要素がごちゃまぜ」

和「……」

 だからこそ面白い
 だからこそ、色んな戦い方がある

和「それがどうかしましたか?」

京太郎「中でも、和は理に適った打ち方を好む。確立と計算によるデジタルな打ち方だ」

和「ええ……そうですね」

京太郎「そんなお前からしたら、俺は運だとかオカルトじみた部分に少し頼ってる――不安定な打ち手に見えるかもしれない」

和「だから、なんだと言うんですか?」

京太郎「否定はしないよ。事実だし、俺はこのスタイルを気に入ってる」

 俺は頭もよくないし、特別な力も無い
 でも、自分は勝てると信じたい

 自分の力を信じて、相手を打ち勝てると思っている

京太郎「だから、お前が俺を弱いと決めつけて、俺の打ち方は否定するというのなら――」

 それは最大の侮辱
 勝負に命を賭けようとする男の……触れてはいけない琴線


京太郎「俺はお前のやり方で、お前を倒す」ニカッ

和「!?」ガタッ

京太郎「今日の俺は”理”でお前を倒してみせる」


 京太郎からの和への挑発
 勿論、こんなことを言われては和も引き下がっているわけにはいかない


和「……分かりました。では、疑うのはもうやめましょう」


 軽率な自分の言葉を戒め。新たに決意を固める和
 目の前の男は――全身全霊を持って倒す


和「私も、私の”理”を持ってアナタを倒します」


 こうして原村和、須賀京太郎による麻雀勝負は始まる

 交差する”理”と”理”

 勝つのは計算による”理”か、それとも――


京太郎「さぁ、サイを振ろう」


 須賀京太郎の”理”か


799 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/14(水) 02:12:38.12 ID:w5gMM8hSo


アカギ「……」タバコスパー


          /: : : : : : : : : . : /        :' ;:    ミ   |
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_ .. -‐. : : : : : : : : : : : /   ______\;;>ヽ/.: :八/} : : |: :\
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: : : : : : : : : : /: : : : :/    ー―― …ー 、_ソ: : :   / : : : : |: : : : : : :\
: : : : : : : : : /: : : : :/         _. - ―┘: :   /.: : : : :|: : : : : : : :
: : : : : : : : /: : : :_:/         Y´:ヽ/: : : :    /: : : : : : :|: : : : : : : : :
: : : : : : : /: /: |        . : / : : : : : :      / : : : : : : |: : : : : : : :
ヽ:. : : _/: : :|.     . : : :/         /: : : : : : : : :|: : : : : : : : :


 イクゾノドカッ!  ドウゾ
 ワハハ、マケナイゾー  サテ、ドウナルカ

 ガンバルッスヨー!  マダオキナイノカナ?   ウム……

 
 ワイワイ  キャッキャウフフ


アカギ「……」


                >'7´ ̄ 7 <
              Y´         \
              ノ            .
               イ ハj  /`メ、/ ハ. !
              イ 乂ル' rァ<!/_ュル ハj
                } /    ⌒ |´/ル'
              ル'へ   __ 」/
            /人_ \  `/
          /::/ ::: :::::::} />く _
        . ' :: :::: ::/::⌒:::\ ::: :::::/\          f「!
          / ::: :::: :::::::::::::::´ ̄ ̄>く :: :: \.      ∩_ノ メ!=''
       / ::: ::: ::: ::::::::::::::::::::::/   ` <::ノ\    ノ   ノ
        / :::::::: :: ::::::::::::::::::::::/ 、     \x ´ ̄ `  /
.     / :::::::::: :::::::::::\: :::: :i  \      }    ,.<
.     .' ::::::::::::::::::::::::::::: :\: :! ;:::::/> .     ,.< /∧
     i ::::::::::: ::::::::::::::::::::::::: \!:::/ / . :>--<\ /⌒ 〉 ___
     } ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::// . :: : : : : : : :.∨/   /´ : : : : \
    ノ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: / : : : : : : : : : : : : :V   /: : : : : : : : :.\
     } :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ : : : : : :V : : : : : : : : : .  / : : : : : : : : : : : :\
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     { ::::::::::::::::::::::::::: / : : : : : : : :/:∧ : : : : : : : ': ∧: : : : :/ \ : : : : : : : :.\
    ノ :::::::::::::::::::::: / : : : : : : : : :/://∧ : : : : : : : ' :∧: /     \ : : : : : : : :.\
   〈 ::::::::::::::::::::/ : : : : : : : : : :/ ///: :.\ : : : : : : ' :∧       \ : : : : : : : : 7 、____ノ⌒ヽ
     } ::::::::::: / : : : : : : : : : : :/ :/ ´: : : : :: X : : : : : ': : \          `ヽ: : : : : :/: :/XXハ⌒}
    〈:::::::::/ : : : : : : : : : : : :.//:: : : : : /  \{/ : : : : : :.〉、          ヽ.__/:/介! ̄__j_メ
    ヽ/ : : : : : : : : : : : : :/ _:_:_:_:_:/       \ : : : :ノ: :.>- 、       \/  r ='´
      `` ー ── ─ <                  \Y:/介彡' X⌒ヽ
                               乂 ____ / Vノハ
                                    ` = = ''

 この時アカギ、意外に手持ち無沙汰



 つ づ く

800 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/14(水) 02:14:54.22 ID:w5gMM8hSo


 といったところで、一時中断
 VSのどっちの決着まで書き溜めてから、次回投下します

 それまではときメモなり、なんなりにお付き合いください


 ではまた次回にて


801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/14(水) 02:16:07.89 ID:WZ15/X3Ro
乙ー
そりゃやることねえよなww
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/14(水) 02:19:10.13 ID:5iXgi66Z0
乙乙
アカギに不覚にも萌えちまったじゃねーかwww
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/14(水) 02:35:57.58 ID:h3IV2Xzko
乙。
まあアカギの人生的にこんな女の子だらけの環境は不慣れだろうしなぁ。
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/14(水) 02:40:28.75 ID:eRLBs9OF0
乙乙
ナレーションが古谷さんで再生されるから破壊力が凄いwwww
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/14(水) 03:04:37.43 ID:aFpafrnGo
乙です
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/14(水) 03:39:12.59 ID:AQinXERN0
乙ー
アカギさんwww
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/14(水) 03:54:56.98 ID:Kt9t6PrP0


青春とは程遠い中学時代だったしな……
高校行ってたかは知らんし
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/14(水) 07:16:53.81 ID:WB4MEt6YO
アカギww
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/14(水) 08:30:24.77 ID:S8PWGKCgo

アカギのリアクションに一々笑ってしまうwww
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/14(水) 08:40:14.36 ID:9VsMT7z9o
乙ー!
空くのはかまへんけどエタるんだけは勘弁な
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/14(水) 11:39:25.20 ID:Vf8adB2Fo
アカギが一番かわいいじゃねーか!
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/14(水) 20:05:52.34 ID:UgZhS0Ux0
乙!

やっぱり命が掛からないお遊びに口出しはしないか。

アカギは死と隣り合わせの鮮血的な意味での鮮やかな青春だから
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/14(水) 20:09:58.28 ID:xGgPm4bU0
>>812
いや京太郎が自分だけで闘うって言ってたじゃん
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/14(水) 20:11:04.96 ID:0BIxfeSK0
乙ー
そりゃ輪姦とかなんとか言うの聞いたら怖くもなるわな
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/15(木) 04:46:54.23 ID:Wblh5hTY0
そりゃわかんなくもなるよな、京太郎にすら警戒心剥き出しだったし
816 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:03:05.12 ID:umasereeo

 VSのどっち編が思いのほか長くなりそうな予感でございます
 今、半分くらい書き終わったので、一応前半戦だけ投下しちゃおうかと思うんですが

 一気に決着までの方がいいですかね?
 それとも前後編に分けちゃってもよかですか?




817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 16:04:19.92 ID:snKmnVmP0
分けても大丈夫だと思います!
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 16:07:04.34 ID:4m2L8eJH0
分けて貰えると嬉しいです!
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 16:11:42.47 ID:8adStAgAo
一気見の方が嬉しい所存ー
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 16:13:27.95 ID:R8cou7GY0
一気見だとどれくらい長いかによるかも
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 16:13:56.22 ID:gAMSlrw4O
分けてもいいと思う
822 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:18:01.67 ID:umasereeo



【鶴賀学園 麻雀部】


 須賀京太郎と原村和
 両名の意地を賭けた闘牌、その始まり


京太郎「……」

ゆみ「(藤田プロを倒したという実力、嘘か誠か……)」


         /     /ミヽV /彡|      V   \
          /     /⌒¨゙ー'´⌒|      ',   ハ
        /      /         i         ヽ
     ,イ/    /        ',        \   !
      /      ナ ‐-- 、    -‐气─-    \ ア !
    ´  〃 /,イ            ヾ\     `   |
< __ . -彳ィ i ! ___      ___、 7‐ _   ≧ ァ
        i ! ハ《 _fっ::;}`     ´_fっ:::;}》 〃  } T  T´
        iハ ! .              /   // .′ |
.          /ヽ i     ′        ´ー ´  .イ    !
        /  八     _             r-‐'       |
        .′ / へ      `        ィ |       |
.       /   ′            i | .!       ハ
     //  /      `!ー-‐  ´  |、 ! |        ;
.     {/i λ    i ,ィ/|、  _  -‐ ´ V、        | !i
        | / i __,ィ.::::/ /_V ヽ      /.:::ヽ        | |}
     _ ..-‐::::/.::::::/ ,イ////∧     /.::::::::|:7 /-ァ / i〃
 r.:i::´::::::::::::/.:::::::::// }////  ヽ  /.:::::::::::|' /:::/ /:::::`::‐-..、

 ざわ……
  ざわ……

ゆみ「では、始めよう」

 最初の親は加治木ゆみ
 そこから順に和、智美、京太郎が親となる
 
ゆみ「……」タンッ

和「……」タン

智美「……」タンッ

京太郎「ふーむ」タンッ

 それぞれがよどみなく牌を切っていく最中、
 後ろからその闘牌を見守るのは桃子、佳織の両名である

桃子「(うーん、さすがおっぱいさんっすね)」ジーッ

佳織「(すごい、三つがもうあんなに……)」

睦月「うーむ……うむ」スピー

和「……」チャチャッ

823 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:19:51.27 ID:umasereeo

 順調な滑り出しを見せる和
 その手牌の速さ、牌の流れを見切る動きに唖然とする外野

和「(……聴牌、ここで気になるのは加治木さんの動きでしょうか)」チラッ

 彼女の実力はよく知っている
 河から察するに、もう聴牌をしていてもおかしくはない

 しかし、こんな序盤から警戒をするほどのことでもなし
 そもそも相手は目の前の須賀京太郎なのだから

和「(それで、一方の須賀君はというと――)」チラッ

京太郎「ふんふ〜ん♪」チャッ

智美「……?」

ゆみ「……???」

 理解不能
 京太郎が切るのは――

【京太郎の河】
 3s 4m 発中 9p

和「(切ってる牌はほぼ他家の現物ばかり)」

 つまり、京太郎は最初からベタオリしているのだ
 それも始まったばかりの東一局の第一打から

和「……須賀君」

京太郎「ん? どうした、和?」ニコッ

和「それが――アナタの”理”なんですか?」ギロッ

京太郎「おいおい、和。対局中に相手の打ち方に文句付けるなよ」アハハ

ゆみ「……原村、須賀の言うとおりだ」

智美「勝負が終わるまでは口出し無用だぞー」ワハハ

和「……そうですね。では」スッ千点棒


            __  ‐ ''" ̄ ̄ `゙' ..、
.           | . / : : : : : : : : : : : : :.' ,
          ≠ / : : : : : : : : : : : : : : : : : ∨゙\
          | _イ. /: : : :/ ハ: :、: 、: : 、: : r‐┴| く
         イ:/: /: /:/:Χ./ .}: 八:.|::!:.:.|: : !  :| .ノ
         {:::{: /:|/レ|ィ心≧ |/ .ィナ什ノ: : L...ノイ.、
.        //|',::::(,| .ヒ::リ゙. ′ 匕:::リレ∨: : |\冫
        //::ハ: : : : :', :::::::     `'-'゙ :: ハ:.: レイ
       / : ノ ∨: : : ヘ   __   :::::: ,≠ヽ',: : ::ト、
     ,./: : : :/._,.-∨: ::_丶  _ .  イ    ∨: :.!: \
.    , '>.-‐''二>''.´\ ,.二つ ̄ ̄ ̄二>.  ',: :',: : : :\
   く    く//__.ハ .i\.ヾ{_:_: : :_ : : :__ミ、__  マ: :ヾ、: : ::ゝ
.  ,' .\  .{|::|─、U (/゙ .二⊃|ヽ\  {:::::::|:|.、  マ:..'., ヽ: : : : :>ー - 、
     { .\_.>‐ "  ̄ ゙̄´!.: :: :.∨\\|:::::::|:}. ',.  ',: :..'.,   × : : : : : : : : :ヾ
     ∨: : ├──.!  /      マ::::::┐::://::k.}  マ: :...'.,       ̄ ヾ´
.     ∨: : \.  |.Y.        ヾ.__{_/彡Χ   ',: : : .'.,
.      マ: : : :ー┤| ,'         ∨゙|   \  ∨: : : :\
        \_ イ! | :          ∨、     \  ' ,: : : : .:\
            ∨.',          }::::ヽ      ∨ .\: : : : ヾ
.             ∨.' ,     / ,' ノ.::::::::.\   :ノ    \: : :::

 タンッ

和「リーチです」

824 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:21:22.59 ID:umasereeo

 和の先制リーチ
 相手がベタオリするというのなら、自分は少しでも高い手を和了る

 和は合理的な考えで、場を支配しようと動き出した

智美「手が早いなー」タンッ

 一方それに対しての京太郎の行動

京太郎「これは通るかなー?」つ危険牌

 それが――全くの意味不明さ

桃子「(えっ……?)」

 ざわっ……
  ざわっ……

和「……通ります」

京太郎「やったぜ。」

ゆみ「(ここでその牌だと?)」

智美「(危険スレスレの牌を……?)」

佳織「ほえ?」

 周りが困惑するのも仕方ない
 何せ、今までずっとベタオリだった男が――突然危険ギリギリの牌を切ったのだ

ゆみ「(現物が切れたにしても、もっとやりようがあるだろう)」タンッ

和「……」タンッ

智美「降りるかなー」ワハハ

京太郎「お、いい牌。んじゃ……」

一同「「!?!?」」

 またもや巻き起こる混乱
 そう、京太郎がツモ牌を引き入れた代わりに出した牌が――

京太郎「通れ!」つ現物

 和の現物
 つまり、先ほどの危険牌打ちは現物切れではなかったのだ

ゆみ「(なんだこいつは――まるで意味不明だ)」タラッ

和「……」ワナワナ

825 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:23:29.83 ID:umasereeo

京太郎「よっし、いいぞ」ニコニコ

 リーチ一発が付きそうな場面での現物保留
 その直後の現物切り

 京太郎の目的は一体何か?
 
 その場に分かるものはただ一人だけ


               ∠'´--,-、__`゙≡  ヽ 、iヽ
         )     ,, ‐'_´_≡ ≡    ミ  '‐‐-、
         (,-‐-、_ -´_'´´≡,           ニ、‐、
        ,/. )    ̄´,,-‐´ 彡, ‐ , -""       、i
      /. ,,,,   ///_,‐、ゝく/,-‐'"´i ll ili i|i  、ゝ
     /,ン‐//-ュ   //i ,Y l\´  ,,ゝ、ハ  i|li  |__________  ,,,,-‐
   , ‐´''''''/'‐"‐片    `‐i/ l/゙゙|  丶く、_  、|、i   ノ-、,_,,, -‐'´
 -'´,,,,_丘‐-ッ‐i'"       /  ,|    ゙  ゙̄'' ゝ  / ,, -‐
''"´´'" `'''‐"、/        'i ,,,_´' ヽ     /,,-、. /
''''゙゙゙"' ‐=、,___ノ    ∧.   i `"''"'‐、_    .//゙ノノ/       ____
‐-<'‐-、,,ッ'     ノ | \  | ヾ‐、  "´ イ__,,ノ./‐--‐''''"´´ ̄
ノ ´   |    / |   \|       , ∧\ /          ,,-
 i    /-、__/   |     |  _, ‐ ´ / |  \‐ ‐ -      //
  l__,,,-‐'  ∠_/`‐-、|     ‐- 、  /  |   \     ,/ /
 ,|      /    ___,,,,,,,,/     ,ノ  |     |_/ ̄´
/      /  /´\     /ゝ‐-/   \   //_ ‐'  ノ

アカギ「……」ゴロン


 そう、アカギ一人である
826 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:24:50.79 ID:umasereeo

 京太郎の打ち方は混乱こそ招いたが、それは有効打とはなりえない
 というのも、京太郎が変な打ち方をしても周りは普通に打てばいい

 対策をする必要も無いし、むしろ勝手に自滅してもらえれば好都合

ゆみ「(やはり藤田プロに勝ったというのは偶然か)」

智美「(だろうなー)」ワハハ

 一斉に京太郎への評価が決定されていく中――

 バラッ

和「ツモ、倍満です」

 とうとう和のツモ和了となる

京太郎「……」

ゆみ「くっ……流石にツモは防げないか」

智美「いきなり倍満手とは凄いなー」ワハハ

和「4000・8000です」

京太郎「お、おおぉお!!」


 と、ここで京太郎が震え出す
 誰もが和の実力に驚き、恐れだしたのだと思った

 だが――


京太郎「お、俺今二位だ!!」ジィーン

ゆみ「……は?」

京太郎「よっしゃー、このままリード守るぞー」ウエヘヘ


ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ    ヽ冫
:: |: : : : ::/::/: : : /」: : : /}: : : :}゙`「丁ヽハ:!:!: !:  }
-ィ: : : |_,'_,,|-‐''/ / / .}: : /.|: :|: |:::/. }:|:|:. リ !.|. ト.、           ,. ──‐、
: :ト、::ィ゙ |: ::|\/ //.  /: :/ !: :!/!/  !从:/|:.| !∧冫         //´ ̄ ̄ヽ',
: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ. /./ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′           U     } }
: :l: : ヾ |/{:::::::::⊂. ′   ´ ! :::::ィ./ ト,ムノ:!                    , ,' '
:γ⌒Eヽ弋二;;ノ       ゝ-.″ | }: : : :|                 //
',:{ :::`    ::::::::::::::     、  ::::::::::  レ′ : :!.  ◯  ◯  ◯     { !
..',\     ::::::::::              ノ:   ::::!                   U
: : :| `ー´\       ,. ,      / !:! !  !
: : :|.     ` 、          ./|: :. !:! !  ::!                ◯
: : :|         }`   .. __ , イ  |::|: |:|: :|  |
: :: }     ィ‐┤.        ├ .、|::|: |:|: :|  {

和「……」ポカーン

 困惑
 ただその言葉に尽きる


827 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:27:19.27 ID:umasereeo
             _ _
        , ': : : : : : : : : : `: : .、
      / . . .,. : : : : : : : : : : : : :ヽ
...    ,.': : : : ; ' : : : : ; : ' : : : :,, ´: ¨:`ヽ
    /: __: /: : : ,,: ': : : _;.: -:' : : : : : : : : : j
/ ̄ ̄ ̄\_:  ̄: : :  ̄: : : : : : : : : : : : _,丿 ¨`:,
  ネ  あ . !: `_-: _:_:_: : : : _:_.、 -‐,. '" ヽ'-; : : :}
  ジ  ま .|'"-、j/: :./ __、_, ., `.、    |'/: :../
  が  り .| .(/l{: /  l!,/ミヾ、、ヽ ゙'v   ;': :../
  と  の ○o。 `'   ヾノ/ ゙`、   ,-、": :/
  ん 衝  |:`v       `   ,/ヽ´ノ!: ;{
  だ 撃  |: 、    /       .{゙/`'' !:.{
  か に  |: :';     し     ..:::ゝ:|   `、_
\___/: ト:', ヽ.     -_、 ノ: : l
::/: : : : /:::::|: : l ;.',  .〉、   ,. ' : : : .l
´: : :./ ::::::|: : lヾ:', /: : `;;‐': : : l,: : : : l
: :/:::::/:;l:::j: : j、 ':;ヽ : : ; :イ : : :l l: : : :.l
´:::::::::/:::;;l/: :./::'、;; ></:/|: : : :l .l: : : :.l
::::::::/:::::::/: :/::::::::jj /-く/ .l: : : :.l !: : : :l

ゆみ「お、おい? 肝心の原村には大差を付けられたままだぞ?」

 ゆみの言うとおり
 これは京太郎と和の勝負

 今や16000の差を付けられたのだから、この先の勝負は厳しいハズ
 だが京太郎はそんなこと気にも止めていない様子で微笑む

京太郎「いやー、加治木さんや蒲原さんからは直撃取れる気がしないので」エヘヘ

和「っ!?」キッ

 ざわ……
  ざわ……

ゆみ「は、はは。言うな……」

京太郎「事実ですから」ジャラジャラ

 その言葉、裏を返せば和からは直撃が取れるということ
 京太郎の挑発かあるいはただのハッタリか

 いずれにしても、それは和に多大な効果を与える

和「……続けましょう」

ゆみ「あ、ああ……」

 しかしそれでも平常心を保っていられるのは、和の実力か
 それとも【負けられない対価】を賭けた戦いだからなのか

和「(須賀君、これが”理”だと言うのなら――それは勘違いです)」

 挑発や虚勢などなんの意味も持たない
 自分は感情によって、闘牌を変えるような愚か者ではないからだ

和「……」つエトペン

桃子「あれは……」

ゆみ「来たか……」

 ギュッ

和「……」ポーッ

 デジタルの神の化身
 闘牌を全て俯瞰で感じる、その恐るべき思考能力

和「では……私の親ですね」

智美「(怖いなー)」ブルブル

ゆみ「(どう警戒したものか)」ゾワッ

 それぞれが和に対する警戒を強める中で
 京太郎はただ一人、別の展開を描いていた

京太郎「……」ニカッ
828 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:29:34.54 ID:umasereeo


 そうして迎えた東二局
 和の親である

和「……」カチャカチャ クルッ カチャ

ゆみ「……」カチャカチャ

智美「……」カチャカチャ カチャッ

京太郎「……」ジィー カチャカチャ

 まずは配牌
 京太郎の手牌はまずまずといったところ

和「……」タンッ

 対する和は好調な配牌
 運も和に傾いているかのような状況である

ゆみ「……」タン

智美「うーん」タン

 一方で二人は和に対する様子見
 まずは出方を伺っているのだろう

和「……」タンッ

        j:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::://:::/:!l::::/!:/!::::;'!::::::/: : : :!:::::::::.:.:.:.!
       ,':.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::j !V:!ヽ!:::! l:! !::;':!l::::::!: : : : !l:::::::::::::::!
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      j.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::|   --     : : : : : .fr':}  }∧:::.:.:!
       /.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::|             _`''′/.j:::::.:.:.j
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   /.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|: . .     r‐‐ュ      ノ:::::::::.:.|
  ./.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!>、: : .     ̄   u., イ::::::::::::::.:!
  }/!.:.::.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:!: : :>. _      , ..<::::::::::::::::::::::ハ
   !.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::j::l、 : : : : : : >-‐'"::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
   l.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::;;l:l::::::::/!:! >.、: : : ∧::::::::::::::::::::::::::::::::j:::::::::ハ!
 _,,. -―='''" ̄ ̄ ̄7.:リ:::::::/ j!    >-'_∧:::::::::::::::::::::::::::ハ::::::::! !
'".:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j.:.:j!!::::/ /    ,イ::..::..::ヽヽ:::::::::::::::::::::/:! !:::::/ j
.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j.:.:.:l:;イ.:.ヽ  / ヽ::..::..:lハ ∨`ヽ、:::::/./ j:::/ ./
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ、.:.:.:.:.:.:.:.\     !::..::.Vヽ!.:.:.:.:.:.:.:>メ、/:/
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::V.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>イ´.:.\   .l.::..::..:V l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノイ.ヽ、

桃子「(凄い、これが原村和……)」ゾクッ


【和の手牌】 ※ドラ9p

123m 1237s 1299p 東東  

 
桃子「(鳴かずの三色、役牌2、チャンタ、ドラ2……)」

 そのままでも8翻での和了
 リーチすれば、裏も踏まえて三倍満も夢ではない

桃子「(これがまだ4順目の手っすか!?)」

 配牌も、ツモも、流れを読みきった動きも
 全てが和の手中に収まっている

829 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:31:45.49 ID:umasereeo

桃子「(……それに対して、須賀京太郎は?)」チラッ

 この好調な手牌に対応できるわけがない
 そう思いながらも、京太郎の手を覗く桃子

京太郎「……」

【京太郎の手牌】

1156p 33447s 9p 西北南南


桃子「(これまた微妙な手っすね)」

 ドラ2の七対子
 リーチ裏ドラで跳ね満出世も視野に入るが――

桃子「(このままいくと、多分ダメっす)」

 桃子の予感
 それはある意味で的中する

京太郎「さーて、頑張るぞっと」

 数巡後――

【京太郎の手牌】

1155p 33447s 9p 西南南 
 
桃子「(ようやくここまでっすね)」

 イーシャンテンまでこぎつけた京太郎
 目の前の和の動向も気になる中での、ツモは――

京太郎「……」つ西


【京太郎の手牌】
1155p 33447s 9p 西西南南

 
桃子「(聴牌!!)」ドクン

 なんという豪運であろうか
 和のあの神ががった手を躱しながら聴牌まで持ってきたのだ

桃子「(ビギナーズラックって奴すかね?)」チラッ

佳織「(みっつずつじゃない?)」アレ?

桃子「(だけど、ここが正念場っすね)」


 問題は7s切りか、9p切りか
 7sは既に河に二枚あり、地獄待ちとなる
 逆に9pはドラであり、まだ河には一枚も無い 


桃子「(切られる可能性も低く、放銃の可能性もある9p)」

 それか出るかどうかすら怪しい7sにするか
 この決断は迷うところである

桃子「(さて、どうするっすか?)」チラッ

830 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:33:10.82 ID:umasereeo

京太郎「……」スッ

 京太郎が選んだのは――


 タンッ! カラン


京太郎「リーチ」

 9p

ゆみ「!?」

            ィ´ ̄
         __//   -───-
       /´ ̄ア:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`丶、
      /   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
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 _ ∠;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.!:.イ/ 〃⌒ヽ/ ' l:.:.:.:イ/
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     `ー┐:.:.:.|   Wイ    _       l
       j∧:.:`ー一x     /  `   __  |
        l:.:∧:.:.:./`     {      }ノ /
        レ' _」:.:/      ̄ ̄ `ヽノイ
    ____ / ̄ ̄`  _、  /ー─‐ ´ ̄
  ∠_    \      /| /> 、
 /    `ヽ、   \   /  | ヾ、 ∧__
 l       ,    \ハ ` ┐ i ヘ、\ `ヽ、
 |       l     ヽ::\ | | /\}  ハ
 |        、   i    \:ヽl Y  '. /  l
 '.          ヽ、 |      ヽゝ_j::|   ∨   |
  、           Y^       Y::::::|   |   |

智美「(ここでドラ!?)」

和「!!」ピクッ

桃子「(ドラ切り……)」ゾワッ

 正直な話、京太郎はここで7sを切ると桃子は思っていた
 少しでも高い手が欲しい局面、ドラを残したいと思うのが人情だ

桃子「(だけどこの男は、まるで確信があるかのように……)」

 勿論ありえる選択肢ではある
 だが、それだけでは片付けられない奇妙な偶然があるのだ

和「……」

【和の手牌】 ツモ東

123m 1237s 1299p 東東 

 和も聴牌
 そして、その手の内にあるのは先ほど京太郎の待ち選択肢の7sと9p

 もし京太郎が9pを待ちに選んでいれば、確実に出ていなかっただろう
 逆に、この7sはどうであろうか



和「(須賀君の手は捨て牌から見て七対子ですね)」

 素早く巡る、和の思考回路
 リーチをしたということは、それなりに出やすいものを待ちに選んでいる可能性が高い

831 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:35:11.35 ID:umasereeo

和「(私の手で切りたいのは7s、これはどうでしょうか?)」

 場には既に二枚の7sが出ている
 つまり、残りは1枚のみ

 一巡待てば違う待ちにできる七対子をリーチで縛り、更にはドラを捨ててまでの地獄待ち
 非合理的過ぎる

 さらに言えば、聴牌を崩して受けに回るほど劣勢な場面でもない

和「(どう考えてもこの局面で、7s切り以外ありえません)」タンッ

 そして、とうとう切られる7s 
 吸い込まれるように……和はその手を差し出してしまう

京太郎「クク……悪いな、和」

和「え?」


          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |
.      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |
     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
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 ジャラッ

京太郎「ロン。一発リーチ、チートイ、裏は――流石に乗らないか」クスッ

和「なっ……」

京太郎「ハイ、御免でした。満貫頂き!」イェイ

 ざわ……
  ざわ……

ゆみ「7sで地獄待ち……?」

智美「おもしろい待ちをするなー」ワハハ

 一同が騒然とするのも無理は無い
 先ほど和が考えた思考がそのまま、裏をかかれた形となるのだから

832 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:36:00.33 ID:umasereeo

和「……」

 唖然とする和
 しかし、それよりももっと驚愕に包まれていたのは――

桃子「(な、なんて奴っす!)」ゾクゾク

 和の手牌を見抜いたように、正確な7s残し
 結果として和の7s切りを見抜き――挙句に直撃まで奪った

桃子「(こいつ……バカのフリして実は!?)」

京太郎「ん……ドラ? あぁぁー!!? 俺ドラ切ってるじゃん!!」

一同「……え?」

京太郎「ぐあぁぁぁ! しまったぁぁ! あ、でもドラで和了でも同じようなもんか」ポン

ゆみ「……」ポカーン

智美「ここ、笑うとこ?」キョトン

佳織「????」

桃子「(や、やっぱりこいつアホっす)」ガクッ

 一同の京太郎への評価がまたもや急転直下していく
 そんな中、静かに京太郎を見つめる和

和「……(偶然に決まっています)」ギリッ

 自分の好調な手を潰されたのは腹ただしい
 しかし、だからといって負けが決まるわけでもない

和「(元々意味不明な闘牌をする人でしたし、気にする必要はありません)」

 目の前の男が計算外の行動を起こしただけのこと
 その破天荒さも視野に入れれば、計算できないことではない

和「(もう油断しません)」キッ


京太郎「……」クスッ

アカギ「クク……」


 
ゆみ 17000

和 33000

智美 21000

京太郎 29000 


833 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:36:58.02 ID:umasereeo


【東三局】
 
 そして続く蒲原智美の親番
 ここまで見に回っていた智美だが、親番となっては強気に動くしかない

智美「(早和了で場数を稼ぐしかないなー)」ワハハ

 タンッ

京太郎「……」つ東

智美「ポンッ!」

 東東東 カッ!

智美「……(よしっ)」

ゆみ「(蒲原が早いな――一方の原村はどうか)」チラッ

和「……」タンッ


【和の手牌】ドラ4m

 456456m 678s 2223p


桃子「(やはり流れはおっぱいさんっすね)」ゴクッ

 異様に手が早く、しかも高い
 智美も聴牌しているが、どちらが先に和了か――

京太郎「……」つ2m

ゆみ「ポンッ!」チャッ

 222m カッ!

京太郎「今日はよく鳴かれるなー」アハハ

桃子「(こいつはこいつでマイペースすぎるっすね)」

 役牌を切ったり、現物を切ったり
 フラフラと自分なりの麻雀を打っているようだ

834 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:37:48.26 ID:umasereeo

 だが、一方で隣に座る加治木ゆみは冷や汗をかきながら京太郎を見る

ゆみ「(まるで平凡な打ち手だが……なぜだ? なぜこうも嫌な予感がする!)」ゾクッ

 というのも、先ほどから京太郎が危険牌をことごとく切っているのだが
 それが一つも原村和にヒットしない

和「……?」

 それどころか、なぜこうもことごとく躱されるのかと困惑しているようにも見える
 つまり、原村和の手を読み切っているような打ち筋なのだ

智美「……」タンッ

ゆみ「(二人が張っているのに、どうしてそんなに強気なんだ?)」チラッ

京太郎「〜〜〜♪」チャッチャッ

ゆみ「(私も聴牌だが――降りるべきか?)」

 悩むゆみ
 しかし、背負う者の無い闘牌である

ゆみ「(むしろここは、相手を牽制する!)」スッ

 タンッ!

ゆみ「リーチ!」

智美「!」

和「……」

 場に点棒が出たことで、ダマテン二人にも緊張が走る
 しかし、そんなことを意に介さない男が一人

京太郎「うわー、手が早いですね」ニコニコ

ゆみ「あ、ああ。ありがとう」

 ただ笑って、手を進めるのであった

智美「(ユミちんの待ちが読めないなー)」

 動揺を隠せない智美だが、ここまで来た以上降りるわけにもいかない
 迷わずに聴牌を維持しながらツモ切りに務める

和「……」

 それは和も同様で、聴牌を崩さずに勝負に走る
 自分が和了るという絶対の自信の表れなのだろうか
835 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:38:45.42 ID:umasereeo

京太郎「……」

 そして一方の京太郎
 聴牌もしておらず、ベタオリするかに思われた彼に行動は――

ゆみ「……一発は乗らずか」スッ

京太郎「ポン……!」チャッ

ゆみ「え?」

京太郎「……」ニカッ

ゆみ「では……」スッ

 タンッ

京太郎「ポンッ!!」

 チャッ

ゆみ「!!」

和「……」

桃子「(どうしてここで2副露?)」

 三人が聴牌している状況で無理に勝負する必要も無い
 これではまるで――

ゆみ「よしっ! ツモだ!」ジャラッ!

智美「くっ……」

ゆみ「2000・4000だ」

和「……」

京太郎「あちゃー、鳴かなければよかったなー」アハハ

桃子「(先輩に和了牌を引かせる為だけに鳴いた……?)」

 勿論、そんなことは可能性である
 どう見ても初心者の京太郎が場の聴牌も読めずに鳴いた

 その結果ゆみが牌を多く引き、ツモ和了しただけ

京太郎「……」クス

和「……(偶然に決まっています)」

 どちらにせよ、和のトップは揺るぎない
 大丈夫、問題は無い

京太郎「次は――俺の親だな」ニカッ


ゆみ 25000

和 31000

智美 17000

京太郎 27000 
836 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:40:37.22 ID:umasereeo

【東四局】


京太郎「……」カチャカチャ

和「……」チャッチャッ クルッ クルッ チャッ

ゆみ「……」チャッチャッ カッ

智美「……」ワハハ

 そして続く東四局
 待ちに待った京太郎の親である


               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/   ガンバルゾー
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、
                     ///// |   /////////////////> 、
               /////// { //////////////////////}
             //////////∨///////////////////////|

京太郎「……」タンッ

和「……」ゴクッ

 ここまで平静を保ってきた和だが、
 京太郎の親となるといささか緊張がぶり返してくる
 
和「(もし、負けたら――)」

 目の前の男に、自身の胸をいいようにされ
 死にたくなるような恥ずかしめを受けるに違いない

和「……」ギュッ

 エトペンを抱く手に更に力がこもる
 大丈夫、自分は負けない

 そう言い聞かせながら、和は更なる高みへと身を落としていく

和「……」ポーッ

837 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:42:13.60 ID:umasereeo

京太郎「……」タンッ つ中

和「ポン」カッ

ゆみ「(鳴きにシフトしたか……)」

智美「(須賀君の親を流すつもりかー?)」ワハハ

京太郎「……」つ7s

和「ポン」カチャッ!

 息も付かせぬ早い鳴き
 この予想外の動きに、ゆみと智美は動揺する

ゆみ「(現物が少なすぎて、何を切ればいいか分からない)」クッ

智美「(とりあえず無難なところを切るかー)」ワハハ

 タンッ 1s

和「ポン」チャッ!
 
智美「(しまった!?)」

 これで和の鳴きは中、17s
 混一色の可能性大である

ゆみ「(これは下手にソーズは切れないな)」

智美「(ここはなんとしても降りるぞー)」ワハハ

京太郎「……」

 一方の京太郎は意にも介さず、思うように牌を切る

京太郎「せいっ」つ東

桃子「(あぁっ、バカ!)」

和「……」
 
 しかし和、この東をスルー
 この時和の待ちは――

【和の手牌】※5s赤ドラ

 45s 北北 【111s 777s 中中中】

 ずばり36s両面待ち
 
京太郎「ふんふーん」つ8s

和「……っ」

京太郎「ん? どうかしたか?」ニコッ

 通る
 京太郎の切るソーズがことごとく通る

京太郎「これもいいな」つ9s

838 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:43:29.89 ID:umasereeo


 そのあまりの自然なソーズ切りに、動揺したのは和だけではない

ゆみ「(まさかソーズが通るのか?)」

智美「(読み違えたか……?)」

 京太郎のソーズ連打にゆみと智美、両名の思考が鈍る
 そしてとうとう、まるで悪魔に魅入られるように――

智美「(通るか……?)」タンッ

 6s

和「ロン!」ジャラッ

智美「あっ」

和「7700です」

 鳴きの混一色役牌にドラ1
 僅か数巡でこの和了である

京太郎「折角の親が流れちまったなー」


ゆみ 25000

和 38700

智美 9300

京太郎 27000 


 これで京太郎と和の点数差は11700
 先ほどの奇跡のような和了で詰めた点差も、またもや一瞬で離される

ゆみ「(これが原村和か……)」

 場の流れを読み、確実に自分の手牌を積み上げる
 合理的で完成された闘牌スタイル

ゆみ「(まるで付け入る隙が無い)」グッ

839 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:45:10.94 ID:umasereeo

 恐ろしい実力だと、改めて関心するゆみ
 そして逆に対峙する京太郎への印象は最悪だ


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ゆみ「(何を考えているのかまるで分からん)」

 奇跡的に放銃を躱してはいるが、それはあくまで運がいいだけに過ぎない
 先ほどの和了も偶然のように見えるし、合理性に欠ける

ゆみ「(ようするに、無茶苦茶に打っているだけの素人か)」

 ゆみの推察はある意味では正しかった
 唯一誤算があるとすれば、京太郎は無茶苦茶に打っているわけではない

京太郎「あー、もう東場は終わりか」

和「……これで分かりましたか? 須賀君に勝ち目はありません」

京太郎「ん? 逆だろ?」


 この男は、自分の”理”を組み立てながら打っている


京太郎「この東場でハッキリした」
 
 ざわ……
  ざわ……

和「何が、言いたいんですか?」ギロリ

京太郎「和、やっぱりお前にだけは負けない」

和「!?」

 京太郎の闘い
 それは既に始まっている

840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 16:45:24.95 ID:5lVVp0YAO
>>834
ゆみちんポンしてね?
841 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:50:42.91 ID:umasereeo


>>834
 すまん、別にゆみでなくてもいいんで和でも智美でも好きに脳内変換してくれ



842 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:53:27.09 ID:umasereeo


和「虚勢ですね……」キッ

京太郎「そう聞こえるか? なら、証明してやるよ」

 チャッ

京太郎「次の局。俺はお前から直撃を取る」

 ざわ……
   ざわ……

ゆみ「(馬鹿な、何を根拠に……)」

智美「(そんなの無理に決まってるなー)」ワハハ

桃子「(無理っすね、絶対)」


 果たしてそれは――現実となるのか


和「……」


 二人の戦いはいよいよ、後半戦へともつれ込んでいく

 
睦月「ん……ここは?」パチッ


                       ...::<//////////ミヽ、
                     y-‐<///////////////////////zz、
                 /////////////////////////////////>、
                    /////////////////////////////////////ヽ
          ヘ      j/////////イ州z‐-////////////////////////ゝ、
        /   \ ___ノ///////ー-- 、/////`¨''-、///////////////////∧
       /       イ//j///ー=─-ミ  ヽー=ー 、///ヽ///////////////////ヽ
      /        ///{//ー=Z        ー、 ヽ//ハ///////////////////
            ////ハ::/           ミ、州弋 |///////////////////
             /////,イ:::.                ト州州,l/,イ///////////////
           ,//////ソ:::::                 }州州彡'' ,ィ彡´///////////
           ///////イ::               |州州州州'///ノ/////////
        /___,,-─--|ィ':..               j州州彡', <´///////////
          `∨    /:::::..              .::Y`l州州///////////////
            /      |イ::::::..:::.          ...:::::/._ノ州<//////////////
        /   --─--|::::::::::::      ..:::::::洲州州//////////////
       r─-- 、    lハ::l::::::::::::::::::::::::::,イ::.j::/    //////////////
      Yニニ'''   ヽ、   lハ::::,イ:::::::::::::::/ ,}/リ   //////////////
     イ---      ヽ、___.ソ ハ:::::,イ::/ー- ___  <//⌒''ー-、/////l\
     (__ー弋         `¨¨'∨-ソ─---- 三三j     ∨///|  \
        ̄ `ヽ、 __                          ハミヽj
                `¨'''ー- 、_                  /
                      `¨''ー- 、_           /
                             `¨''ー- __/

アカギ「Zzzz……」スピー



京太郎「さぁ、続けようぜ」

和「……はい」


 この闘い
 勝つのは京太郎か、それとも和か

 思考渦巻く闘牌の果てに――

 二人は何を見るというのか

京太郎「……」



 つ  づ  く
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 16:54:08.02 ID:r4af0tSEo
アカギwwwwwwwwwwww
844 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 16:56:44.27 ID:umasereeo

 気をつけてても変なミスするもんだなー
 うん、しばらく休もうそうしよう

 VSのどっち後半戦――

      ____________
    ヾミ || || || || || || || ,l,,l,,l 川〃彡|
     V~~''-山┴''''""~   ヾニニ彡|       書く・・・・・・!
     / 二ー―''二      ヾニニ┤       書くが・・・
    <'-.,   ̄ ̄     _,,,..-‐、 〉ニニ|       今回 まだ その時と場所の
   /"''-ニ,‐l   l`__ニ-‐'''""` /ニ二|       指定まではしていない
   | ===、!  `=====、  l =lべ=|
.   | `ー゚‐'/   `ー‐゚―'   l.=lへ|~|       そのことを
    |`ー‐/    `ー――  H<,〉|=|       どうか諸君らも
    |  /    、          l|__ノー|       思い出していただきたい
.   | /`ー ~ ′   \   .|ヾ.ニ|ヽ
    |l 下王l王l王l王lヲ|   | ヾ_,| \     つまり・・・・
.     |    ≡         |   `l   \__   我々がその気になれば
    !、           _,,..-'′ /l     | ~'''  のどっちの受け渡しは
‐''" ̄| `iー-..,,,_,,,,,....-‐'''"    /  |      |    一週間後 二週間後ということも
 -―|  |\          /    |      |   可能だろう・・・・・・・・・・ということ・・・・!
    |   |  \      /      |      |



 期待せずに気長にお待ちください

845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 16:57:51.45 ID:tvYg/UMJo
乙ー
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 17:00:54.25 ID:ngiz23CDo

アカギがスヤァしていらっしゃるwww
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 17:05:04.56 ID:CMbLsnF7o
乙ー
アカギwwwwwwwwwwwwww
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 17:10:01.83 ID:r0DjFYoIo


立直一発七対 ドラ無し裏無しなら6400じゃない?
849 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/15(木) 17:15:07.44 ID:umasereeo

>>848
 京太郎の5pが赤だってハッキリ、分かんだね

 やめたくなりますよぉ〜闘牌ぃ……



850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 17:17:39.66 ID:Z4pGy3Iko
リーチ1発七対って6400じゃ…
5sが赤だったのかな?
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 17:18:49.25 ID:Z4pGy3Iko
書いてたら更新されてた
やっぱり赤か
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 17:21:40.56 ID:TfQRbiWro

アカギ蚊帳の外だから仕方ないね
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 17:23:36.40 ID:r4af0tSEo
くっそ面白いけどアカギだから闘牌シーン不可欠だし時間かかっても仕方ないね
がんばってくだちい
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 17:39:48.73 ID:3oyKVG7Eo
良いんだけど
アカギ会ったくらいしか変化無いのになんでここまで雰囲気変わるんだ?
というか麻雀に対する理解度とか成長過程すっ飛ばし過ぎてるような
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 17:44:19.74 ID:ud6xnWj20
>>838
デジタルって流れとか一切読まないというか信じないで牌効率に特化してるんじゃないの?

ごめん。細かい事だけど気になった
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 17:45:02.91 ID:7rBpWH0Z0
アカギとプロの対決を見たのも大きな変化だと思うが?
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 17:51:34.55 ID:g1eUKv8oo
乙です
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 17:58:34.87 ID:0t9SU1Lu0
アカギのせいで全てがギャグになってしまう
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 17:59:38.57 ID:drKJ2CGno


アカギはこのスレのマスコット、はっきり分かんだね
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 18:38:39.42 ID:+5LMB5iFo
>>856
それでこんな一気に強くならんというか
人格変わってるじゃねーか
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 18:44:41.45 ID:yYlhf4FDO

まだ和対策のネタばらしもしてないのに早漏スギィ
というかここまで京太郎に和メタ以外におかしい部分ないじゃん
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 18:46:49.05 ID:ovfM5uN5O
おーつー
徹頭徹尾メタに走られると和の打ち方だと凄く弱いからな
完全に最善手だけ打つなら読みやすいにも程が有るわな
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 18:47:06.96 ID:Dg4AYd8co
強さはまぁともかくとして
性格の方は違和感はあるかな
なんというかアカギに寄ってくのが急すぎて
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 18:52:38.40 ID:7rBpWH0Z0
アカギに寄っていってるんじゃなくて元々アカギに近い性質って何度も言われてるやん
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 18:57:22.59 ID:Dg4AYd8co
だとすると最初の境遇に違和感出る
まぁ人が変わりすぎのようには写るよ
ただの感想だけどね
いくら近くてももっとゆっくりじゃねぇかなぁ
俺が書く訳じゃないから言ってもしゃーないけど
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 18:57:37.31 ID:PUDZWRDEo
うーん和は他人に読まれやすい訳では無いけどな
良くも悪くも盤面しか見ていないから、オカルトとか信じてないだけで
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 19:16:53.04 ID:RZq6lCflo
アカギのストーリーと台詞使っておれのかんがえたかっこいい京太郎を書きたいだけ
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 19:24:11.15 ID:wzuqKMqAO
うるせぇ
本気でデジタルが雑魚なんて考えてるわけないだろ

この物語はフィクションですだよ
ましてや二次クロスだよ?
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 19:26:36.29 ID:y29cbX4X0
ああ……荒らしたい人に構ったらダメだって
読むのが嫌なら勝手に消えるさ
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 20:22:11.54 ID:Rabbiqz2o
完デジってアカギ系の裏プロからしたらカモでしかないよね
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 20:38:38.27 ID:q+0pHVPVo
アカギさん寝てんのかよw
まあ年齢ではおじいちゃんだからしゃーない。
とりあえずお疲れさん。
麻雀描写は、まあ気にしない気にしない。
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/15(木) 21:13:20.52 ID:kCu8PsLz0
京太郎は清澄麻雀部に限れば手の内を知り尽くしている。アカギの助言で気を取り直した京太郎の打ち方に対応できず遅れを取った久達…温度差に泣ける。今回は和が自分を見ていたかいなかったかの事の確認っぽい。戦う前の情報戦で和は敗北している。
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 21:17:21.54 ID:7CRbAH20o
アカギすやすやwwwwww
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 21:34:59.90 ID:uDwqTxmJo
アカギかわいいなww
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 22:17:03.36 ID:Dls2VlPlO
のどっちが東二局目で9pポンしなかったのはデジタル的にはどうなん?
受け入れ8枚しかない愚形、の内の1枚が切られたら流石に鳴きそうな気がする
京太郎のリーチ警戒で鳴かなかった?
・・・の割には次順で7S勝負してっけど
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 22:42:30.83 ID:s8c3QcrQ0
脳内補完推奨っすから
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 22:57:04.89 ID:wpwlAwgHo
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 23:02:51.67 ID:1KY4uqv20
お疲れさんさんさんころり〜
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/15(木) 23:25:05.32 ID:snKmnVmP0
乙ー
まあとりあえず荒らしには触れない方がいいよ
どんなに文句言いたくなっても我慢しなきゃ
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/16(金) 00:30:10.84 ID:PLOzx+lDO
>>875
鳴いてドラ3なんか普通見せないだろ
123pチーなら分かるが、警戒される上に飜数も変わらないポンはありえない

あと勝負した理由は懇切丁寧に描写されてるぞ
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/16(金) 01:33:32.68 ID:ettDpJnmo
漢は黙って乙してりゃいいのさ
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/16(金) 02:44:53.74 ID:PFoP0TkY0
このスレのヒロインはアカギで決まりですね
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/16(金) 09:37:16.46 ID:+8p7mWfA0
>>880
なんというか随分古臭い考えを持ってんな
愚形手って前提で、どう鳴いても満貫確定なら基本的にすべて鳴いてスピード上げるのがデジタルの主流だと思うよ
まあ今回はリーチ入ってるからちと違うが

仮に123pチーだとしても残りはドラと役のシャボだから出にくいのは変わらんわけで
おまけに待ち牌の数はどう鳴いても4枚だからツモり易さも変わらん
それとドラ3見せることに特に問題は無い
どっちみち3・7やドラ役は出にくいから和了率はそれほど減少しない、むしろ相手の手を止めることでツモ和了率の上昇まであり得る

あと飜数が変わらない鳴きってむしろオトクだろww
麻雀には喰い下がりってルールがあんだから食っても下がらない鳴きって貴重だよ
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/16(金) 10:54:15.71 ID:ADdQA16j0
ひとつ....そう、ただ一つだ!
私が気になったのはッッッッ!!
のどっちの倍ツモで開いた差は二万点だと言うただ一つ!それだけだッッッッ!!(チートイツは赤5s脳内変換余裕ですた)
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/16(金) 13:10:25.28 ID:63rrgd27o
>>883
河が全部わかってるわけでもないんだからなんか理由あったんだろで流せばすむ話
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/16(金) 15:48:09.71 ID:B+bNGYTm0
レベル低い卓で打ってるんだな
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/16(金) 15:52:54.00 ID:z0B6uSWPo
麻雀におけるレベル低い高いの明確な基準てなんだろね?
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/16(金) 15:55:48.88 ID:B9Nqzeiv0
まあ運がめちゃくちゃいい人なら格上相手でも結構簡単に勝てるしな
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/16(金) 17:53:40.00 ID:C7Ff3a7g0
言っちゃ悪いけど今卓囲んでるの普通の人だらけだしね
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/16(金) 21:57:25.96 ID:ExpGoWFy0
卓のレベルは前回のが確実に上だし
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/16(金) 22:00:59.98 ID:bd5v5XPE0
まあ前はプロ居たからな……
和と咲にも勝ってる
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/16(金) 22:04:53.41 ID:zMJEl7AZ0
まあそのプロ衣に負けてるけどね
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/16(金) 22:33:45.03 ID:+tTAsq/R0
いや、麻雀は四人でやるもんだから一回順位で押されたくらいでそうと決め付くのは正しくないぞ


冷やかし透華にぼこぼこにされたことはあるけどね
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 00:20:51.48 ID:Huox9S5IO
冷やかし透華って凄いレベル低そうだな
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/17(土) 05:28:28.78 ID:4CY6f95m0
京太郎:「最後には、俺がアンタを殺します」
アカギ:「やってみろ小僧」
この二人の関係すげぇ好き。渚と殺せんせーみたいだ。
殺意すら喜んで受け止めるアカギの大物っぷりも見事だし、
出会ってたったの数日で、京太郎がアカギに無二の信頼を寄せるのも納得の作劇・キャラ造形も見事。

上記と全然関係ない話だけど、和ってあれだけ萌えどころ満載のキャラなのに、
イマイチ萌えられないのは俺に同性愛の傾向が全くない事も然ることながら、
基本的に男という生き物を馬鹿にしている節があるのがキツいかな。
これまでの人生で出会ってきた男の中で、自分と同年代の男は、
尊敬できるどころか対等だとすら思った相手がいないんじゃないんだろうか?
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 05:54:35.72 ID:yWqcFhw7o
どうも長文が多いなこのスレ
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 06:28:35.70 ID:LLJNuqolo
ながい三行で
898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 09:13:32.41 ID:9yjLM/IAo
VIPから来た小学生増えたからね
しょうがない
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 09:18:45.63 ID:gr8o/NmV0
>>895
俺の思うSSきもいからチラ裏で勝手にやっててよ
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 11:19:26.85 ID:7yMOzFX00
またSSLか
これなら文句言われても仕方ないだろ
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/17(土) 12:12:51.76 ID:ZcPR15Sw0
咲とやり合う時は槍カンが出そう
暗カンなら厳しいけど暗カンに槍カン出来る唯一の役が國士無双だと誰かさんが言ってたような
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 12:26:41.31 ID:tReqaOzx0
和対策って、理牌が一定だからそこから手牌を読むとかそんな感じかなぁ?
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 12:54:11.51 ID:ioUHQRKfo
展開予想とかよそう
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 13:20:05.35 ID:OMm3tN1fo
エトペンの目に小型のカメラ仕込んどいたんだろ
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 13:25:12.82 ID:U4dpOu2AO
どっかのドラゴンさんみたいに、おっぱいに聞いたんだろ
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/17(土) 13:41:22.48 ID:J1BFAEbp0
そう言えば前にアチポでの京太郎能力って、一定の確率で不要牌を引くことだって聞いた事ある
これ意図してんなら、このイッチやりおる
凄い原作再現率だな
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 13:58:34.19 ID:SAfKp7cN0
とりあえずそろそろ雑談ストップしようぜ
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 14:30:42.13 ID:BuRYaC5I0
取りあえず>>895
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 14:42:26.40 ID:bODEybUe0
なんでこのスレ作者のレスよりも雑談多いわけ?
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 14:47:17.37 ID:1PzN733po
さすがに個別に雑談スレ立てた方がいいレベル
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 14:49:25.41 ID:SAfKp7cN0
そんなん語ってねえで黙ってろよ
俺も含めて無駄なレス多すぎ
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 18:19:59.39 ID:y9qOl8+bo
>>895
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 20:05:22.82 ID:RoGH/3UCo
埋まりそうでござる
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 23:38:22.14 ID:TI991K/j0
咲×アカギ雑談スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1400337435/
雑談が多いので立てました
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 23:40:29.17 ID:ZLbKY2k6o
えっ?>>1に相談せず見解も聞かず>>1でも無いのに雑談スレを勝手に立てたの?
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/17(土) 23:41:29.86 ID:J2LZuucL0
>>914
荒らし目的かなんか知らないけどそんなひょいひょい雑談スレたてていいようなとこじゃないから
ただでさえ百合豚がうるさいのに
917 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:08:33.70 ID:8WKWUlwfo
 
 のどっち編最終回を投下します
 それと同時に第一部完

 続きは未定ですので、ご容赦を



918 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:09:29.75 ID:8WKWUlwfo


【南一局】ドラ7p


 京太郎の和に対する直撃宣言
 その言葉により、その場は重い空気に包まれていた


京太郎「……」カチャカチャ

和「……」チャッカチャカチャ

ゆみ「ふむ……」カチャカチャ

智美「……」ワハハ


睦月「あ、あれ……?」

佳織「あ、起きたの?」

睦月「うむ……」

桃子「もう後半戦っすよ」

睦月「南場か……須賀君は?」チラッ


ゆみ 25000

和 38700

智美 9300

京太郎 27000 


睦月「二位!! 二位だ!! 須賀君が二位だ!!」パァァァァ

桃子「むっちゃん先輩……これはサシ馬対決っすよ」

睦月「ん……ということは」

桃子「11700の差で須賀京太郎が負けてるっすよ」

睦月「なん……だと……?」グギギギ

 原村和、須賀京太郎による対決
 現在は和の圧倒的有利状態――

ゆみ「では始めるぞ」タンッ

和「……」タンッ

智美「うーん」タンッ

京太郎「……」タンッ

 それぞれが思い思いの牌を切っていく

和「……」タンッ

智美「……」タンッ

京太郎「……」タンッ

桃子「(なるほど、おっぱいさんも意地があるっすね)」

 先ほどの京太郎の挑発
 直撃を取ると宣言された以上、狙われる和は少しは弱気になりそうなものだ

 しかしそれでも和は今までどおりの強い闘牌で攻める

919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/18(日) 00:09:59.76 ID:GSXoRxtt0
イッチがきた!!
920 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:10:34.19 ID:8WKWUlwfo

ゆみ「(ここで降りれば、須賀の思うツボだからな)」

 牌効率、相手の捨て牌から手を予想し切る
 単純、だがそれゆえに弱点らしいものが見つかりにくい

 和には絶対の自信があった
 それゆえに自分のスタイルを曲げてまで逃げたりはしない

ゆみ「……」タンッ

和「……チー」チラッ

 678s カッ

智美「ふーん」タンッ

京太郎「……」タンッ

和「ポン」

 111s カッ

ゆみ「(ソーズの2副露か)」

智美「(早めにソーズを処理しておくかー)」タンッ

 4s

和「……」ピクッ

智美「(まだ聴牌はしてないのか……?)」

京太郎「……」タンッ

 2s

和「ポンです」

 222s カッ

ゆみ「(これは――!?)」

【和の鳴き】

 678s 111s 222s

【和の捨て牌】
 3m、2p、72m、59p、3s、西、1p

智美「(やっぱり清一色、もしくは混一色か?)」チラッ


和「……」カシッ クルッ カシャッカシャッ

京太郎「……」ジィー

和「……」つ9s


 タンッ

ゆみ「(9sを切ったか。既に聴牌している可能性が高い)」

智美「(字牌とソーズはもう切れないなー)」ワハハ

921 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:11:27.08 ID:8WKWUlwfo

 この時、誰もが和の聴牌を察知
 ソーズと字牌に対する警戒が最高潮に高まっていく

 そんな中、ただひとり

京太郎「……」

 京太郎だけはある確信を持って、その手を切っていた

京太郎「……」つ4s

桃子「(えっ……それは!?)」

 圧倒的危険牌4s
 その時京太郎の手牌は――

【京太郎の手牌】 ドラ7p

 35m 333455s 222m 678p

桃子「(現物の3s、もしくは萬子の整理でもいいハズっす!)」

 それを敢えてこの危険な勝負である
 そんな必然性などどこにもない

京太郎「……」タンッ

 だがそれはあくまで、京太郎以外の話である

和「……っ!?」

京太郎「……どうした? 通るのか?」

和「……」コクッ

 ざわ……
   ざわ……

ゆみ「(偶然か……? いや、それにしては妙な自信だ)」

智美「(なんにしても、ここはベタオリだな)」

 点数差のある智美がベタオリに移行
 ゆみも少し悩んだが、様子見で降りを決意

 これにて戦いは京太郎と和
 この両名に限られた

京太郎「……」ニッ
 
桃子「(こいつには、一体何が見えてるんすか……!?)」

和「……っ」

 しかし、ここで動揺したのは和である
 
和「(私の牌が見られている……?)」

 そんなハズは無い 
 しかし、京太郎の不思議な動きはどうにも理解できない
922 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:13:20.47 ID:8WKWUlwfo

和「(私の牌が見られている……?)」

 そんなハズは無い 
 しかし、京太郎の不思議な動きはどうにも理解できない

和「(……いえ、落ち着かないと)」タンッ

 例え相手がどんな打ち方をしようと、自分の打ち方を貫く
 それが原村和の意地なのだ

智美「……」つ現物 タンッ

京太郎「……」タンッ

 5m(赤)

和「(……赤ドラ切り?)」

 ここに来ての赤ドラ切り
 わざわざ5mの赤を切るということは35m 57mのカンチャン整理の可能性が高い

 和への直撃を意識して、少しでも待ちを広くするのであれば
 23m、78mの1469m待ちが怪しくなってくる 

 つまり萬子の待ちだとしても、2378はほぼ通ると言える 
 
ゆみ「……」タンッ

 タンッ タンッ タンッ

 場に少しばかりの緊張が流れていく
 一方で和はその思考をどこまでも高めて、確立を重んじる戦いを続ける

和「……」つ2m

 そして、和のツモで引き入れたのは2m
 これは安牌

和「……」タンッ

 自分の待ち牌はまだ河に出ていない
 焦らず、待ちを広げられれば――

京太郎「……和」クスッ

和「えっ……?」

京太郎「だからそれが、お前の限界ってわけだ」パタン

【京太郎の手牌】

 34m 33355s 222m 678p

京太郎「ロン。2600だ」

和「なっ……!?」

 あまりの衝撃に、誰もがハッと息を呑む
 そして京太郎の和了を見て――誰もがある事実に気付く

ゆみ「馬鹿な、さっきの赤5mで和了じゃないか!?」

 そう、京太郎は先ほどの5mでツモ和了
 点数は7900となり、直撃を取るよりも点数を稼げた

923 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:14:31.94 ID:8WKWUlwfo


和「なんで、こんな……」

京太郎「合理的じゃないかって?」

和「っ!?」ドクン

京太郎「悪い、俺は点棒に興味は無いんだ」 

 ゆっくり、ハッキリと京太郎は告げる
 
京太郎「俺は”お前”に勝つ為に打ってる」

和「……!」

 それは不合理極まりない打ち方
 しかし時にそれは――

京太郎「まずは俺の一勝、かな」ニッ

 相手の喉元に喰らいつく牙となる


睦月「はぅっ……//」キューン


                  /                       ヽ
                   / __/  〃                         :.
                 ///                          l
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                厶イ/    〃    〃                 :|
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                   〃/   ./                    . :l
                | / /〃 /〃/. : {: .               r‐x : : ′
               / ′/∨ . /. :/´\   、   {\__ . : /、 }: /
                    | / .l. :/:| /〉 x=ヘ: . {\ \、\ : |: :八} /: {
                    |   |:∧ ///: : : . \l: : .\l  ̄ :!:/_ノ/: : |__
                    -‐    ̄∨/ : : : : .       : : : : /_/:. : :八:\
             /       // : : : :  :     . : : /:::::\_:_/}: :∨ \
            /         〈/ イ ー-  、  . : :/:::   :::: : :/: : : :. : : :
            /l       _.. :/-‐/, :ヘ ニ=‐   . :/:::::      . : : : : :〉: : :
            l_/ ̄  |/   /: : : : .     :/::::::::     /: : : : : /: : : :
        /     } /      / : : : : : : 〉 _/::::::::::    /: : : : : : /: : : : :
         /    | ;       . : : : : : : :/:.  \:::::    /: : : : : : : /: : : : : :
.        /  |:.    | .:|    / : /\: : :∧::.       ..::/: : : : : : : : /:::: : : : : :
        ′ |::    |: :|:   厶イ : : :∧ /   :.    .. :: :/: : : : : : : : : /:::::: : : : : :

アカギ「……Zzzz」スヤァ


ゆみ 25000

和 36100

智美 9300

京太郎 29600
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:14:56.03 ID:ufmJSDwio
フリテンじゃん
925 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:15:59.43 ID:8WKWUlwfo

【南二局 和の親】

 京太郎の和了により、ざわめき立つ部室
 不可能と思われた京太郎の和直撃

 誰もがその偉業に驚き、騒然としている

 僅か2600とはいえその功績は大きい

京太郎「さて、やるか」ジャラジャラ

 そんな空気を意にも介さぬといった様子の京太郎が牌を落としていく
 しかし、そこで思わぬ場所から物言いの声が上がった

桃子「待つっす!!」バァーン

ゆみ「モモ? どうかしたか?」

桃子「……牌の交換をするっす」

京太郎「へぇ……」

智美「んー? どういうことだ?」ワハハ

桃子「さっきから後ろで見てるっすけど、須賀京太郎の打ち筋が何かおかしいっすよ!」 ビシッ

 ざわ……   
   ざわ……

睦月「何!? まさか、須賀君がイカサマしてるとでも!?」ゴゴゴゴゴッ

桃子「い、いや……えと、その」ガクガク

佳織「」ビクビク

ゆみ「まぁ落ち着け津山。モモの言うことにも一理ある」

京太郎「……」

ゆみ「先ほどの4s切りといい、東場での回避といい。いささか神がかり的に思える」

京太郎「それは、相手が和だからですよ」チラッ

和「っ!!」ガタッ

ゆみ「落ち着け原村。だが須賀君、そう言い切れるということは牌は別に変えてもいいだろう?」

京太郎「ええ、いいっすよ。何も変わらないと思いますけど」

和「……」ギリッ

智美「よし。確か新品の牌がロッカーにあったハズだぞー」ワハハ

 ガヤガヤ

京太郎「……」

 こうして、南二局より新品の牌を使用することとなる
 キズ一つなく、ガンパイすることなど確実に不可能

桃子「これでよし!」

睦月「須賀君がイカサマなんかするハズない……うむ、絶対に」メラメラ

桃子「あ、あくまで保険っすよ、保険」ビクビク
 だが、本音を言えば少し違う

桃子「(あの荷物持ちが、こんなに強いハズ無いっす!)」

 自分を難なく抑え、全国でも大活躍だった原村和
 一方的なライバル意識さえ多少なりとも持っている相手だ

 それを――雑用しかしてこなかった男
 ”男”が原村和を上回っているなどと、絶対に認めたくない

桃子「(むっちゃん先輩には悪いすけど、どうせこいつはイカサマしてたっすよ)」フフン

 だがそれもこれで終わり
 新牌になった以上ガンも出来ず、小細工などしようものなら後ろから止めに入ればいい
926 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:18:44.94 ID:8WKWUlwfo

>>924
 一巡回ってる



京太郎「……じゃあ、続けようか」

和「ええ、では」チャッ

桃子「(そのメッキ、外してみせろっす!)」
 
 桃子の京太郎に対する認識
 麻雀もできないくせに、女子目当てで入部してるようなふしだらな”男”

 それはきっと概ね正しい

京太郎「……」タンッ

 だがほんの数分後

和「……」グッ

 その認識がそのままそっくり裏返ることになるとは――誰が予想しえただろうか


【南二局】


和「……」タンッ

 原村和は今、軽い混乱の最中にいた
 対局を俯瞰で感じながら、牌効率と相手の捨て牌によって最良の手を切っていく

 それが自分のスタイル
 完成されたデジタルの打ち方だと自負していた

 
 八巡目――


ゆみ「……」タンッ 4s

和「……(鳴けますね――でも)」チラッ つツモ

京太郎「……」ジィーッ

【和の手牌】

 3888p 23455m 3567s

 先程は鳴いた為に手を読まれた
 ここは面前での最良の手を作る

和「(そうすればアナタは捨て牌から私の手を予想するしかない)」タンッ

 南

 そう、それこそが完全無欠のデジタル
 得られる情報から、予想し限りなく正解に近づける打ち方

和「(須賀君、アナタにそれができますか?)」  
927 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:19:50.34 ID:8WKWUlwfo

京太郎「……フフ」

ゆみ「?」

京太郎「なるほど、考えてるな和」

和「……さぁ? なんのことでしょう」

京太郎「素晴らしい”理”だよ。関心する、本当に」

和「……」

ゆみ「須賀君、無駄な私語はやめるんだ」

京太郎「すみません、じゃあ俺の番っすね」チャッ

 タンッ

桃子「……」ジッ

 京太郎は静かに微笑む
 その打ち筋には微塵も迷いは感じられない

和「……」グッ

 そして迎えた十巡目――

【和の手牌】ツモ4p

3999p 23455m 3567s

和「(3s切りで聴牌ですね)」チラッ

 京太郎の河を見る
 相変わらず読みづらい、デタラメな河だ

和「(恐らく七対子。ですが、この牌で待ちますか?)」

 3s切りで聴牌である
 これを逃す手は無い

和「通ればリーチ!」つ3s

 カランッ

京太郎「……ふふ、それが出るか」

和「えっ……?」

京太郎「御無礼、ロンだ」バラッ


【京太郎の和了】ドラ4m 赤5m

3s 5577p 334455m 中中
 

京太郎「またまた、満貫頂き!」ニカッ

和「……」ヘナッ

ゆみ「(なんだこれは――!?)」

智美「(偶然じゃ……ない!?)」

928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:20:17.87 ID:ndq6cUVeo
フリテンは一巡関係ないんだよなぁ
自分で赤捨てたのにフリテン消えるのか(驚愕)
929 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:20:36.87 ID:8WKWUlwfo

 ざわ……
   ざわ……

和「……」
 
 これで京太郎の逆転トップである
 ここにいる誰ひとりとして予想しえなかった状況

 誰もが困惑し、動揺を隠せない中――

桃子「い、異議ありっす!!」

 すばやく我に帰った桃子が割って入る

京太郎「……なんだ?」

桃子「さっきから後ろで見ていたっすけど、今の和了には不自然なところが……」

睦月「無い」キッパリ

桃子「い、いや!」アセアセ

 ざわ……
   ざわ……

ゆみ「モモ、どういうことだ?」

桃子「その男、聴牌してからずっと3sを待ちにしていたっす!」

京太郎「それが何か問題なのか?」

桃子「問題って……だって、待ちを変えることはいつでも出来たハズ!」

 そう、3sだなんてものよりもっと出そうな待ちはいくらでも出来た
 場に一枚出ている中や北……などなど
 少なくとも3sよりは出やすい待ちがあった筈なのだ

桃子「なのに、どうして……?」

京太郎「どうしてって、和が3sを持ってるからだよ」

和「!!」ガタンッ!

 と、ここでとうとう和に限界が来る
 京太郎の度重なる挑発、言動に冷静さを取り繕っていたが
 流石にここまで言われて黙っているわけにもいかない

和「説明してください! どうして分かったんですか!?」

京太郎「えー? 残り二局あるのに?」

 そう、仮にトリックがあるにしても
 それを教えてしまえば次からは利用できない

 教えるとしても終局後――そう考えるのが普通だ

930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:22:00.29 ID:3L8ZBdCzo
ロン見逃しじゃなくて自分で捨てたのはフリテンじゃん
おいおい
931 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:23:33.43 ID:8WKWUlwfo

>>928
 そうだっけ? 最近麻雀打ってないからうろ覚えなんよー
 ロン見逃しにでもしておいて





ゆみ「気持ちは分かるが、それは直感や能力の類ではないのだろう?」

京太郎「いや、まぁ――」

和「そんなオカルトありえません。何か仕掛けがある筈です」キッパリ

京太郎「んんー、まぁそうなんだけどさ」ポリポリ

和「でなければ、私が――須賀君なんかにっ!」ワナワナ

京太郎「……」


睦月「あー、怒らせたねー。うむ、私の事本気で怒らせちゃったよ……」オープンアップ

佳織「あ、あわわわっ……」


京太郎「あーもう、分かった。分かったよ」オテアゲ

和「!」

京太郎「種明かししてやるから、そう怒るなよ和」ニッ

和「……」キッ

京太郎「可愛い顔が台無しだぜ、な?」ニコニコ


睦月「うっ、ひぐっ……ぐすっ……」ポロポロッ

桃子「(はやっ!?)」ビクッ


和「やめてください。虫唾が走ります」ギロッ


睦月「……あ?」スクリュー ブリザート!

佳織「」ガタガタブルブル


ゆみ「では一時中断し、須賀君の話を聞こうか」

京太郎「とは言っても、大した仕掛けじゃないですけどね」ポリポリ

 そして京太郎は卓の上の牌を集めて説明を始める
 須賀京太郎の”理”

 それは、恐るべき異端の策の上に成り立っていた



ゆみ 25000

和 28100

智美 9300

京太郎 37600


932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:24:18.61 ID:J00MKrAK0
>>931
おkおk
933 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:24:30.81 ID:8WKWUlwfo

 
京太郎「まず一局目から順を追って説明します」

ゆみ「ああ、頼む」

京太郎「まず東一局、俺はいきなりベタオリを見せましたね」

 そう、和の現物ばかり差込み
 まるで和了る気配を見せない闘い

京太郎「みんなにはそう映ったかもしれないけど、アレは俺なりの闘いだった」

智美「俺なりの闘い……?」

京太郎「……俺はある【方法】で和の牌の傾向が大体分かっていたんです」

和「やっぱりイカサマを……!」

ゆみ「まぁ待つんだ。最後まで聞こう」

智美「それで?」ワハハ

京太郎「ですが、実戦でそれを試したことがない。だから、それが通用するか確かめたんです」

桃子「つまり、ベタオリしながら様子見――?」

京太郎「ああ。それで和がリーチした時に、俺はそれを試した」

 和の手牌を理解しているなら、放銃を避けることは容易い
 その結果が――あの時の危険牌打ち

京太郎「結果として大成功。それは通り、俺は確証を得ました」

ゆみ「なるほど――その後の現物切りは目的達成の証というわけか」

京太郎「それもありましたし、和にとっては意味不明な打ち方をすることも目的でした」

和「!!」

京太郎「混乱したろ?」ニカッ

和「っ〜〜!!」ギリギリッ

桃子「(おっぱいさんの目が血走って怖いっす……)」ビクビク

京太郎「和がツモった後のアホ発言も、まぁ……和のペースを乱す為です」

ゆみ「結果としては、更に本気にさせてしまったようだが……」

京太郎「いえ、そんなことありませんよ」

ゆみ「何?」

京太郎「あの挑発のお陰で、和は自分でも気づかない程に動揺してました」

和「そんなことっ!!」

京太郎「してたさ。だからこそ俺はあの東二局で勝負に出た」

 七対子での7s待ち
 ドラを切っての、予想を裏切る攻撃

京太郎「ドラなんてどうでもよく、最初から俺は和の7sを狙ってたんだ」

和「……」

ゆみ「確かに、7sが分かっているのならあの打ち方にも納得が行く」

智美「その後のアホな振る舞いは演技かー?」

京太郎「お恥ずかしながら」ポリポリ

桃子「(こ、コイツ……!?)」

ゆみ「そして続く東三局は私の和了だったが?」

京太郎「東場で和了を重ねても、俺が警戒されちゃまずいので……それでちょっと」
934 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:26:04.65 ID:8WKWUlwfo

 今は格下と侮られている(事実その通りなのだが)京太郎が
 もしも東場で荒稼ぎしたらどうなるか?

京太郎「和を油断させたまま、混乱だけを積み重ねたかった」

 その為に自分はのらりくらりと和を躱し、
 逆にゆみに和了を譲ることでその場を凌いだ

ゆみ「だが東四局では原村に譲っていたな?」

京太郎「あれは出来れば蒲原さんか加治木さんに和了って欲しかったんですけどね」アハハ

智美「申し訳ないぞー」ワハハ

桃子「そこは別に謝るとこじゃないっすよ」

京太郎「でも、それで東場で俺から直撃を取れなかったという事実を和に突き付けた」

ゆみ「直撃を?」

京太郎「和のスタイルは別に狙い打つようなスタイルじゃありません。でも――」

 その東場が終わった後に京太郎が見せた挑発
 それは――自分が和から直撃を取るというもの

京太郎「これで和は相当動揺した筈だ。俺からの直撃なんてとんでもないって」

和「……」

京太郎「本人は気丈に振舞って打っているつもりでも、どこか俺を意識してしまう」

和「してませんっ!!」

睦月「そうだそうだ!!」

京太郎「えーっと? それでまぁ、和はいささか保守的な動きにならざるを得ない」

 それは普段の和のデジタル計算機の――僅か1%を狂わせたにすぎない
 だがその1%にこそ、勝機がある

京太郎「それで迎えた南一局。和が染めている気配を見せた瞬間――計画はスタート」

ゆみ「……」

京太郎「まずは和の和了牌が5sだと予想した俺はまず4sを切り――」

和「だからそんなことは不可能だとっ!」ガタッ!

桃子「お、落ち着くっすよ!」アセアセ

京太郎「……はぁ、分かった」オテアゲ

和「えっ?」

京太郎「最後まで引っ張ろうと思ったけど、そこまで言うなら先に教えるよ」

和「……お願いします」

京太郎「じゃあ、あの時の和の鳴きの形はこうだろ?」


【和の鳴き】
 678s 111s 222s

【和の捨て牌】
 3m、2p、72m、59p、3s、西、1p

935 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:27:17.89 ID:8WKWUlwfo

ゆみ「ああ、間違いない」

京太郎「この鳴きを完成させる前に和は一度、蒲原先輩の4sに反応しています」

智美「ああ、覚えてるぞ。正直ヒヤヒヤしたけどなー」ワハハ

京太郎「この時4sは俺が一枚、場に一枚、そして蒲原さんの切った一枚が見えていました」

ゆみ「つまりポンではなく、チー」

京太郎「234s、345のチーは俺が3sを三枚、和が一枚切ってるからありえない」

智美「考えられるのは――56sのチーだな」

京太郎「その後和はある牌”X”をツモって9sを切った」

和「……」

京太郎「つまり、Xをツモる前の和の牌の形はこうなります」カチャカチャ

 569s X

京太郎「Xの牌が何か、可能性は四つ」

 6s 7s 8s 9s  

京太郎「まず9sの場合、この形なら4蒲原先輩のsで和了だ。見逃す必要が無い」

桃子「9sじゃないってことっすね」

京太郎「次に6sの場合ですけど、これも不自然なことがある」

ゆみ「6s切りの数巡前に確か、3sを切っていたな」

京太郎「そのとおり。もし3sなら和はその時点で35669sとなるから、切るなら普通は9s」

 この局面で聴牌を崩す必要性など皆無だからだ

京太郎「なら次は7sだけど、5679sならさっきの4s鳴きの反応が不可解になる」

智美「単騎待ちの上に、ツモによっては両面待ちにできるからなー」ワハハ

京太郎「そうなると残るは――5689s。つまりXの正体は8sで決まるってわけだ」

和「……」ワナワナ

京太郎「和、俺の考え……間違ってるか?」

和「いえ、ここまでは正解です」

 ざわ……
   ざわ……

睦月「うむ、かっこいい……//」フラフラバターン

 ギャー! マタキゼツシター!?
 マタカ!? ウワァァアンン!

ゆみ「(な、なんて奴だ……!?)」

 まるで非の打ち所のない的確な推理
 恐ろしい程までに研ぎ澄まされた”理”の打ち方

智美「凄いな、普通にデジタルも打てるんじゃないかー?」ワハハ

京太郎「あはは、【師匠】がいいんですよ。【師匠】が」

和「で、ですがっ!」ダンッ

京太郎「ん?」

和「そこまでは認めます。しかし、5689sからの9s切りは二通りある筈ですよ」

智美「確かに7sをツモっての5678sか、8sをツモっての5688sと二通りあるな」ワハハ

 7sをツモっていれば58sが待ちとなり、8sをツモっていれば47sが待ちとなる

和「これでどうやって7sか8sか特定できるんですか!?」
936 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:28:06.41 ID:8WKWUlwfo

和「これでどうやって7sか8sか特定できるんですか!?」

 そうだ
 これが特定できない以上、4s切りは50%の確立で死亡するギャンブルと同じ

和「結局は運だけで――」

京太郎「いや、違うよ」

和「え?」

京太郎「言っただろ。俺の”理”で勝負するってさ」ニカッ

 京太郎は胸を張って言い切る
 100%の確立で、4sが通ると確信していたと

ゆみ「しかし、どうやって――」

桃子「聞きたいっす」

 その京太郎の自信に――誰もがその種に関心を寄せていた
 先ほどまで、意味不明な素人と思っていた人間の”理”

 この場はもう、京太郎に対する興味のみが渦巻いている

京太郎「と、その前に――一つ、いいですか?」

和「……?」

ゆみ「……なんだ?」

 突如、解説を遮り――視線を上げる京太郎
 その先にいるのは……原村和

京太郎「……俺は、麻雀部に入部してからほとんど打たずに雑用ばかりで過ごしました」

和「っ……」

ゆみ「ああ、知っている」

京太郎「俺には優希みたいな東場で強くなる力も無いし、部長の悪待ちなんてものもない」

 ただ、弱かった
 なんの力も持たず、なんの成果も得られず

京太郎「咲みたいな能力も当然無いし、染谷先輩みたいに豊富な知識があるわけでもなかった」

 暗闇
 弱者に位置づけられた自分に、這い上がる術など何もないと思っていた

京太郎「正直、何度もやめようと思ったし……辛い日々だった」

和「……」ブルブル

京太郎「でもな和。お前なんだ」

和「……わた、し?」

京太郎「お前が俺に、光をくれたんだよ」

 オカルトに負けず、自分の打ち方に自信を持ち
 誰が相手でも効率を重視した完璧なデジタルをやり遂げる
937 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:29:34.14 ID:8WKWUlwfo

 オカルトに負けず、自分の打ち方に自信を持ち
 誰が相手でも効率を重視した完璧なデジタルをやり遂げる

京太郎「だから俺は――ずっとお前に憧れてた」

和「私に、須賀君が……?」

京太郎「その日から俺、家でも部活でも、ずっとお前の打ち方を真似してたんだよ」
 
 当然、そんなに甘いわけでもなく
 勝率なんて少なく――ネトマでも負け越すことの方が多かった

京太郎「お前のビデオを見て、過去の牌譜も暗記して――ずっと幻影のお前を追っかけてた」

和「そこまで――」

京太郎「勿論、和みたいに凄い計算ができるわけじゃないから――弱いままだったけどさ」

桃子「(さっきの理詰めでも十分凄いっすけど……確かにおっぱいさんには劣るっすね)」

京太郎「それで、ある日気づいたんだ」

ゆみ「気づいた……?」

京太郎「和の打つ時のクセ、ツモり方が――目に焼き付いて離れないってことに」

和「!!」ドクンッ

京太郎「そんな俺からしたら――7sツモか8sツモかなんてハッキリ分かる」

ゆみ「どうやって……?」

京太郎「無意識だったんでしょうね。和の奴――ツモった牌をひっくり返したんです」

一同「!!?」

京太郎「5689sは上下対称。ひっくり返す必要なんて無い」

 つまり――あの時に和が引いた牌
 それは確実に7s

京太郎「だから俺は5678sでの待ち、58sが和了牌だと分かったんだ」

和「……じゃ、じゃあ!」

京太郎「ああ。今までの局でお前の手が分かったのもほとんどはこれ」

 配牌時に――ツモった時に
 整理し、回転させ、位置を整える

京太郎「俺はお前がどういう傾向で並べてるのかよーく知ってんだ」ニッ

和「そ、そんな――」

 これが須賀京太郎の”理”
 デジタルでは和に及ばないものの、その場の空気――対戦相手の気配を察知し
 
 相手の手牌を予想する
 それは――和のデジタルよりも、恐らく精度の高いもの

ゆみ「(原村限定とはいえ――なんて男だ!?)」

桃子「(勝負への覚悟、執念がまるで違う……)」ゾクゾクッ 

和「どう、して……?」ジワッ

京太郎「……」

和「す、須賀君は……悪い、男の人、なのにぃ……どう、じで……」ポロポロッ

 和は戸惑っていた
 目の前の男は自分にいやらしい視線を寄せ、挙句に胸を賭けに要求するような男
 他の男――あのクラスの男子達となんら変わらない存在、そのハズだった

 なのに、どういうことだ? 
 雑用をしながらヘラヘラ鼻の下を伸ばしていたと思っていた彼が、陰でこんなにも努力していた
 自分に憧れてデジタルの道を学び、ここまで成長していた
  こんなにもまっすぐな瞳で、麻雀に向き合っているではないか 
938 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:30:54.84 ID:8WKWUlwfo

和「わ、わたっ……私……」ブルブル
 
京太郎「俺さ、ずっと好きだったんだ」

和「ふぇっ?」

 しんと静まり返る部室
 京太郎が発した言葉――その一言が周囲の雑音を消し去ったのだ

京太郎「和――」

和「須賀……くん?」 

京太郎「俺は確かに、スケベで弱虫で――麻雀も弱い、役立たずだ」

和「……」

京太郎「お前の事を性的な目で見てたし、正直――何回オカズにしたか分からねーくらいだよ」

和「っ!!」ゾクッ

 やっぱり、同じなのだろうか?
 あのいやらしい人達と、須賀京太郎も――

 そう、和が思った時である

京太郎「でも、でもな……」

 それは――
 和が一度も見たことがないような優しい笑顔

 嘘偽りの無い、穢れなき光

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、

 
京太郎「和。俺は一度だってお前を”身体だけで”見たことなんかねぇよ」

和「……!」
939 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:32:42.33 ID:8WKWUlwfo


京太郎「可愛くて、おっぱい大きくて、それでいて堅物なくせに、仲間想いで――」

和「……」ツーッ

 言葉にすればいくらでも出てくる
 須賀京太郎が好きな、原村和という少女の特徴

京太郎「なんかいい匂いして、少女趣味で、俺の麻雀の手本になってくれて――」

 京太郎はなおも、続ける
 無理やりのようなものも、長所と言えないようなものもひっくるめて

 次々と、和にその言葉をかけていく

 
京太郎「他にもえーっと、うん。まぁたくさんあっけどさ。一つ言わせてくれ」

 彼の他に、誰も言葉を発しない
 ただその行く末を見届けたいと――誰もが思った

京太郎「誰が、お前の”身体”だけに惚れるかってんだ!」

和「っ!」ドクンッ

京太郎「俺はな、お前の全てをひっくるめて好きなんだよ!」

和「!!」ドクンッドクンッ

京太郎「勝手に――値打ち下げてんじゃねぇ!」プイッ

和「あ、うぁっ……//」カァァア

 超が付くほどのどストレートな言葉
 それは、なんの打算も無い――ただただシンプルな想いの叫び

京太郎「……」チラッ

ゆみ「……//」モジモジ

智美「わ、ワハハ……//」テレテレ

佳織「はぅ……//」ドキドキ

桃子「……//」ポーッ

睦月「Zzzz……」スヤァ

  ,,‐´ __                      ゝ
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    ::::::::::::::/::::::::::ヽ、     :::/:::       |:::::::::::::::::::::|
   :::::::::::/::::::::::::::l::ヽ、  ::/:::       /l:::::::::::::::::::::|
   ::::::::/::::::::::::::::l:::::::lヽ/:::         /::|::::::::::::::::::::::|
   :::::/::::::::::::::::::|:::::::::|::::         /::::|::::::::::::::::::::::::|
   ::/:::::::::::::::::;:へ::::::::|            /:::;:へ::::::::::::::::::::::|
   /:::::::::::::/:::::::::\::|- 、      , -‐//:::::::::\::::::::::::::::|
   ::::::::::/::::::::::::::::::0:|  ヽ   /  /:::::::::::::::::::::::\:::::::::::|

アカギ「……」ソワソワ

 この時アカギ、意外に純情
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:33:20.34 ID:F037phs80
wwwwwwww
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:33:24.30 ID:GX2EHr23o
アカギwwww
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:33:30.00 ID:JLvvWspGo
アカギさっきからいないけど成仏したのか?
943 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:33:46.09 ID:8WKWUlwfo


和「え、えっと……// そのっ……//」モジモジ

 突然の愛の告白に戸惑う和
 今までに数多くの告白を受けてきた百戦錬磨の和だが、
 こんな情熱的な告白は初めてなのだから無理もない

和「〜〜〜っ!」ギュゥゥゥ

エトペン「」ブチブチブチッ

 あまりの興奮と衝撃からか、思わずエトペンを握りつぶす和
 中身出そうになってる? 知らんな

京太郎「……とまぁ、こういう感じで和の手牌の一部は分かってました」ポリポリ

 と、一方の京太郎はいささか罰の悪そうな顔で話を戻す
 そりゃこれだけの人数を前にして告白まがいをしたのだから当然だ

ゆみ「あ、ああ。分かった、痛いほど理解したよ」ニヤニヤ

智美「あぁー、愛のなせる技だぞー」ワハハ

佳織「(あぅぅ、気絶していて助かったよぉ)」ホッ

睦月「うむ……」スピー

桃子「(あれ、どうしてっすかね。なんだか胸が……)」バクバク

京太郎「後は約束の直撃を取る為に、5mの赤を見逃して2mを待ちにしました」

 あの状況で智美、ゆみが降りることはなんとなく予想できた
 となるとアレに引っかかるのは強気で勝負してくる和くらいだろう

ゆみ「南二局の3s待ちは?」

 狙いすましたように和の3sを七対子で待った
 ただ牌を予想できても、必ず切る保証など無いハズだ

京太郎「ああ、それも原理は同じです」

ゆみ「というと?」

京太郎「和は早くに、加治木先輩の4sで鳴こうか悩んだんですよ」

和「!?」

智美「?? そんな気配あったかー?」

ゆみ「いや、私は感じなかったが」

和「そうです。あの時は慎重に行動していたので、分かるハズがありません」

 そう言い切る和
 しかし京太郎は首を横に振って否定する

京太郎「ツモる時の指だよ」

和「指……?」

京太郎「和の牌をツモる動作はすごく綺麗だ。毎回ブレなくまっすぐに牌の中心を掴んでる」

ゆみ「そう言われると確かにそうかもしれないが、だからどうした?」

京太郎「その時は和の奴、鳴こうか悩んだ4sに視線を送っていたんで手がずれたんですよ」

一同「???」

京太郎「つまり、よそ見しながら牌をツモろうとして、いつもより左に流れた部分を掴んだんです」


 ○=指  ●=牌
   
 ○○       ○○
 ●●  →   ●●
  ○        ○

和「そ、そんなっ!?」
944 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:34:40.74 ID:8WKWUlwfo

和「そ、そんなっ!?」

京太郎「他家の河から察するのに4sポンじゃない。となると3567sの牌形が分かる」

 つまり、そこの牌溢れとなりえる3sを狙った
 その為に待ちを変えやすい七対子に絞って

ゆみ「し、しかし……そんな小さなこと!」

京太郎「だから、言ってるだろ」

和「……」ドキドキ

京太郎「俺は、ちゃんと”和”を見てる」ジッ

和「ぅぁっ、ぁぁ……//」ドキドキドキドキ

 顔が熱い
 心臓が早鐘のように鳴り響いている

 平常心を保てない
 顔がにやけそうになるのを、必死にこらえていなければならない

和「(私、どうして……?)」

 分からない
 この気持ちがなんなのか?

 考えれば考える程
 目の前にいる須賀京太郎を見つめれば見つめるだけ――動悸は激しさを増していく

ゆみ「なるほど……それが君の”理”ということか」タラッ

京太郎「納得して頂けましたか?」ニッコリ

ゆみ「ああ。正直言うと言葉が出ないよ」

 今まで彼女達の京太郎への評価など、ただの荷物持ちでしかなかった
 大会ではいいとこ無しだと聞いていたし、それは変えようのない事実である

京太郎「……」

ゆみ「(何がきっかけで化けたのか分からないが――この男!?)」

智美「(精密なデジタルをベースに、ラフプレイに心得もある)」

桃子「……」ジィー

京太郎「まぁ、対策するのには観察が必要だし。和以外にはそうそう通用しませんけどね」アハハ

 この間の竹井久達との対戦でもそうであった
 久はラフプレイに慣れているし、まこは京太郎よりも技術が上
 優希は沈黙していたが、最初の東場で暴走されていたら手遅れであっただろう 

 つまり、最初からまともにやりあって勝てる相手は和くらいなもの

京太郎「だけど――和にだけは負けない自信があった」

和「はぁっ……はぁっ……//」ギュッ

 須賀京太郎の”理”は和の”理”を制す
 それは同時に和の中の何かを変えるキッカケとなる
945 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:35:17.30 ID:8WKWUlwfo

ゆみ「しかし、困ったな」

 正直言うと、ゆみも含めてここにいるほとんどが京太郎のイカサマを確信していた
 だが実際はそうでなく京太郎は確かな対策を持って和に挑んでいたのだ

智美「ああ、これじゃあ残りの二局……京太郎君が不利だなー」ワハハ

 種を明かされた手品ほどつまらないものはない
 あの原村和に、同じ手はもう通用しないだろう
  
京太郎「まぁ、約束した以上。最後まで俺の理で挑みますよ」

 例え勝算が薄いと分かっていても
 それでもいい

京太郎「俺は和に認めて欲しかった。こんな”シセン”もあるってこと」

和「あっ……」ハッ

京太郎「だから、もう勝ち負けなんてどうでもいい」ニカッ

和「須賀君、まさか……?」 

 そして和は気付く
 あのまとわりつくような視線への嫌悪感

 それがもう綺麗さっぱり消え去っている

和「(まさか、あんな賭けを持ち出したのも?)」

 胸を賭けた闘い
 和の中で京太郎の評価は最低値にまで落ちていたが――今ではむしろその逆

 もしかすると京太郎は、身を持って教えようとしたのでないだろうか

京太郎「男はみんなスケベなもんさ。そりゃ中にはマジでろくでもない奴もいるけど、でも……」

和「……須賀君」ドクン

京太郎「お前が魅力的過ぎるのも悪いんだぜ?」ハハハ

和「……フフ。そう、ですね」クスッ

 笑った
 原村和が――ついに笑みを見せた

京太郎「(ああ、これでいい)」

 須賀京太郎は最初から、勝つつもりは無かった
 この闘いの中で和に道を示し――その抱えている闇を照らしてあげられれば、それで

京太郎「……じゃあ、残り二局。打つか」

 もっとも、勝機の見えない戦いである

 京太郎が”理”で戦う限り――の話だが

和「待ってください」

京太郎「ん?」

和「この勝負――私の負けです」

ゆみ「何?」

 ざわ……
   ざわ……

京太郎「和、お前?」

 突然、負けを認める和に一同が騒然とする

和「私の理は須賀君の理に負けました。それは代わりのない事実です」

 最初に取り決めた約束
 和はそれに破れた、挙句にその弱点を指摘してもらえる始末

和「ですから、私の負けです」
946 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:35:53.42 ID:8WKWUlwfo

京太郎「和、お前はそれでいいのか?」

 京太郎からしてみれば、和がここで敗北を認める意図が分からない
 いくら意地があるとはいえ、負ければ胸一つを賭けると言っている勝負だ

和「……はい」コクッ

 迷いの無い瞳で京太郎を見る和
 だが逆に、京太郎が首を振って否定する

京太郎「それはダメだ、和」フリフリ

和「!? どうしてですか!?」

京太郎「俺が認めない。勝っていない勝負の景品なんか、なんの価値にもなりゃしねぇ」

和「須賀君……」ギュッ

京太郎「だから俺は続けるぞ」チャッ

 勝ちの目があるから勝負するんじゃない
 勝ちたいから勝負をする

京太郎「……」

和「……分かり、ました。ですが須賀君、お願いがあります」

京太郎「なんだ?」

和「須賀君には――何か、不思議な力のような、オカルトめいた物が……ありますよね?」

一同「!?」

和「残り二局――須賀君、本来のスタイルで打って貰えませんか?」

 ざわ……
   ざわ……

京太郎「和、お前……?」

和「須賀君が藤田プロを倒したのは、恐らくこの方法じゃありませんよね?」

京太郎「……ああ」

和「お願いします。それなら、まだ勝負は分かりませんから」

京太郎「でも、それは……!」

 京太郎本人の実力ではない
 あの【神域】の男の知恵を借りた――偽りの闘牌だ
947 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:36:29.85 ID:8WKWUlwfo

 京太郎本人の実力ではない
 あの【神域】の男の知恵を借りた――偽りの闘牌だ

京太郎「俺の、力じゃ……」

アカギ「クク……いいじゃねぇか京太郎」スッ

京太郎「(アカギさん!? いたんですね)」ビクッ

 京太郎の悩みを掻き消すように、ゆっくりとアカギが姿を現す
 その顔はどこか誇らしげである

アカギ「京太郎。お前は明らかにこの女を上回った、それは事実だ」

京太郎「(でも、今はもう違います)」

 京太郎の指摘で和は以前のような隙は見せなくなるだろう
 かといって全力で挑んでも地力の差で敵わない

アカギ「……お前が逆なら、どうだ?」

京太郎「!!」

アカギ「女の意地、通してやれねぇような男じゃあんめぇ」ニッ

京太郎「……はは、本当にお爺ちゃんみたいだ」ボソッ

アカギ「フフ……」

京太郎「(でも、お陰で目が覚めた)」

 和が望むなら、自分の持てる最大の力で戦うしかない
 それが例え――

アカギ「退屈してたところだ。さぁ、やるぞ」

 悪魔の力でも

京太郎「分かった……やるぞ、和」

和「……須賀君!」パァァッ

ゆみ「話はまとまったようだな」

智美「じゃあ、続けるぞー」ワハハ

桃子「……須賀、京太郎。須賀京太郎、須賀京太郎……」ジッ

佳織「ど、どうなっちゃうんだろう?」ドキドキ

睦月「う、うぅむ……」スヤァ

  
京太郎「和……」

和「はい」

京太郎「これから打つのは……俺であって俺じゃない」

和「……」


 和はその言葉の意味がよく分からなかった
 だけど、その時和にはハッキリと見えた

948 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:38:25.39 ID:8WKWUlwfo



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アカギ「……」ニヤリ

京太郎「……」

和「(そう、それが須賀君の――)」

 一瞬の出来事
 瞬きをする間に消えてしまったけれど、和にはそれで十分だった

京太郎「それでも、許してくれるか?」

和「ええ、勿論」ニコッ

 そこからの勝負は――
 およそ、現実とは思えない程の闘いであった

京太郎「……」


 その打ち筋は独特で、誰も真似が出来ない


アカギ「クク……的が外れてやがる」

ゆみ「そんな……!?」

智美「こ、こんな打ち方――!」

和「ああ……須賀君。これが、これがアナタの――目指してる道なんですね」


 まぎれもなく天性の博才


京太郎「和……その牌だ」

和「……私の、負け。ですね」


 鶴賀学園で行われた須賀京太郎と原村和の意地を賭けた対決
 その結果は――須賀京太郎の勝利

 終わってしまえば、圧倒的な点差である


949 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:39:12.41 ID:8WKWUlwfo


ゆみ「ああ、しかと見届けた」

智美「ワハハ、強かったなー」

桃子「……」ポーッ

睦月「う、うぅーむ」

佳織「あれ? 待ちを変えて? あれ? あれれ?」チンプンカンプン

 
 須賀京太郎の勝利を見届け、それぞれ思うところがあるようだ
 ある者は恐れ、ある者が感心し、ある者は憧れを抱いた

 だが、それでも京太郎は満たされない
 
 なぜならこれは――自分一人で掴んだ勝利じゃないから


京太郎「……それじゃあ、俺。帰ります」ガタッ

 スタスタ

和「待ってください、須賀君!」

 ガチャッ バタンッ

和「っ!!」タタッ



【帰り道】


京太郎「……」

 タッタッタッタッタッ!

和「須賀君!!」ザッ

 ピタッ

京太郎「……和」

和「はぁ、はぁっ……ま、まだ。終わっていません」ゼーゼー

京太郎「……」

和「しょ、賞品を――渡して、いません」カァァ

京太郎「賞品?」

 それは――原村和の胸
 はっぱをかける為だけに持ちかけた条件である

950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/18(日) 00:40:00.78 ID:F037phs80
なんか昔ジャンプで連載された野球漫画を思い出した
951 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:40:19.71 ID:8WKWUlwfo

和「……その、須賀君になら……//」モジッ

京太郎「……悪い、和」

和「えっ?」

京太郎「今の俺には、それを受け取る資格がない」

アカギ「……」

和「で、でも!」

京太郎「それは好きにしてくれ。だけど、たった一つ望むならこれかれはもっと自信持てよ」 

和「……そ、そんな!」

京太郎「……」クルッ

 そのまま踵を返して去ろうとする京太郎
 だが、和はなぜか引き止めていた

和「行かないでくださいっ!」

京太郎「……」

和「わ、わた……私は!」

 ここで引き止めないと、手遅れになるような気がした
 もう二度と――以前の須賀京太郎には会えなくなる

 そんな――予感

和「私はアナタが好きです!!」

京太郎「……っ!」

和「だから、だから――お願い、します」ポロッ

京太郎「……」

和「胸でも、どこでも……好きにして、いいですからっ」ポロポロ

京太郎「……和」

 京太郎は振り向かない
 その顔を見せないのは、一体どういう意図なのか?
952 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:42:52.95 ID:8WKWUlwfo


 ただ一つ、分かっていること
 それは……


京太郎「敗者に、そんな資格は無いだろ」

和「っ!!」

京太郎「俺が欲しけりゃ、いつでも勝負してやるよ」

和「勝負……?」

京太郎「お前が勝てば、好きにしていい」ザッ


 歩き出す
 これまでの甘えを捨て去るように――強くなる為に


 好きな人すらも、犠牲にして


京太郎「俺は今よりも、もっと強くなる」

 大会で強者と闘い、喰らい
 自分の強さの糧として――いつかはあの男を越える

 それが、須賀京太郎の目標だから


和「だったら……私も、強くなります!」


京太郎「……」


和「だから、待っていてください! 必ず、須賀君を手に入れてみせますから!」


 それは本心からの叫び

 ”完璧”である原村和に唯一欠けるもの――


和「私は……! 私は須賀君を追いかけますから!」


 愛を、手に入れた瞬間だった

 
京太郎「……」スタスタ



953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:46:30.82 ID:69P2026Uo
エトペン…いい奴だったよ…
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:48:07.18 ID:hmZr+OVko
アカギのAA見た瞬間鳥肌立ったわ
かっこよすぎんだろ!!
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/18(日) 00:51:44.10 ID:F037phs80
なんかOVERTIMEという打ち切り漫画を思い出した
956 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:51:48.75 ID:8WKWUlwfo


〜〜〜〜〜


アカギ「クク……よかったのか?」

京太郎「……んー? 何がですか?」

アカギ「惚れてたんだろ、アイツに」

京太郎「ええ、まぁ。それなりに」ポリポリ

アカギ「ふーん……。折角の童貞を捨てるチャンスを不意にしたってわけだ」

京太郎「それは……うん。もういいです」

アカギ「あらら……」

 一人の少年と、一人の幽霊は歩く
 夕日が落ち、朝と夜の狭間の影の中で――

京太郎「ヤるときゃ自前でやりますよ。酒と女は自前って言うじゃないですか?」

アカギ「フフ……分かってきたな」


 今日も、明日も
 これからも――

 二人は共に歩いていく


京太郎「しっかし、今日の闘牌。あれどうやったんですか?」

アカギ「お前にはまだ早い」

京太郎「チャンタって言うんでしたよね。あれかっこいいですよ!」


 いつか、お互いに戦うことになるその日まで
 どちらかが、本物の【無頼】となるその時まで


京太郎「ところで字牌を逆さまにしろって指示……あれチャンタの合図?」

アカギ「当たり前だバカ。気づくのが遅い」ハァ

京太郎「うぅ、ちくしょー」


 須賀京太郎と赤木しげる
 二人の男は、運命的な出会いの中でともに戦いに身を投じていく

 次の相手は――仮か、本物か


京太郎「あぁ……強くなりてぇーなー」

アカギ「ククク……」


 いずれにせよこの二人


京太郎「でもなにより、勝負がしたい!」グッ

アカギ「ああ、それでいい」ニヤッ


 向かうところ、敵無しである






 第一部  完

957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:52:20.53 ID:3L8ZBdCzo
アカギが出れば済むじゃんってならないのはいいな
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/18(日) 00:54:20.85 ID:GiP522HV0
あれ?わた咲ちゃんがヒロインじゃないの?
959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:55:10.70 ID:DIdFexJ+o
違うと思う…
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:56:33.87 ID:kDHg+nxM0
>>958
あんた多分ラスボス候補や
961 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 00:57:30.14 ID:8WKWUlwfo

 くぅ疲、麻雀のルールもうろ覚えで挑んだ所存です

 いやもう、ね
 オリジナル対局入れた途端にガタガタですよ、もうねダメですわ
 やめたくなりますよぉ〜SSゥ……

 とりあえずやりたかった構想までは終わったので、ここで一時終了となります
 非安価スレ初めてだけど、悪くないもんやね

 一応スレが残ってたらアカギVS咲まで行きたかったけど、まぁ次の機会ということで
 その他にもヒロ戦とか妖怪アラフォーとか御無礼とかは……気力があったら考えます

 
 それでは短い間ですが、お付き合いありがとうございました
 
  
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:57:46.31 ID:1RI+zDI20
何故なんだ……わた宮永照がまだ登場しないなんてこんなことは許されない
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:58:20.04 ID:PzA0FZR00
あれ、なんだろう
この二人がすげーいいコンビに思える
会ってからまだ大して経ってないのに
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/18(日) 00:59:29.23 ID:F037phs80

ヒカル碁よりもジャンプのOVER TIMEのほうが似ていた
あっちも墓で出会ったしな
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 00:59:36.80 ID:iYc5AbQL0
乙、メインヒロインは今回地味に可愛かったむっきーをだな……
スレも終わるし次スレ立てずに第二部始める時に新スレ立てる感じかな?
とりあえず京太郎格好良かった、性欲が強さへの渇望に切り替わってそうだな
966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/18(日) 01:00:07.82 ID:GiP522HV0
麻雀漫画でもよくある事やからそこまで気にせんでええよ〜
967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 01:01:02.60 ID:3L8ZBdCzo

次回作は糞スレ続編期待してるで
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 01:04:05.03 ID:DIdFexJ+o
乙です
969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 01:05:55.73 ID:JNqSThnA0

理牌の癖からの手牌読みかぁ。
やっぱネトマはオート機能切らなきゃな
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 01:08:11.09 ID:ljdk6qIc0
乙続き待ってる
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 01:10:12.29 ID:n0R62MeMo
乙!
最後の二人の会話がかなり好きかも
972 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/18(日) 01:12:20.47 ID:90IU3xJt0
すげー面白かったです。
続きを期待してしまいますが、他の作品でもイッチの文章が読みたいので、
自分の書きたい物を優先して下さい。
これからも、がんばってくださいね。
973 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 01:15:04.50 ID:E8IHbsCRo
続きまってる

974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 01:32:13.60 ID:PzA0FZR00
アカギin京太郎 vs 人鬼が見られるのか(期待)
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 01:39:54.45 ID:xYeZWgRYo
乙でした
続きはある程度溜まったらスレ立てて投稿っていう解釈でおk?
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 01:53:41.35 ID:+PaBSBAHo
面白かったわ
続き待ってます
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 01:58:38.41 ID:nYREGZpo0
和とのオリ対局は実に良かった
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 02:10:08.27 ID:QcSGbS9AO
乙!
いや〜面白かった!
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/18(日) 02:18:46.26 ID:I6q0A0O90
>>974
そんな事になったら千年戦争になるじゃないですか
何スレあってもたりんわ
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 02:21:22.64 ID:jVHUz/9Uo
>>938
だったらおもちはもらってゆきますのだ。
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/18(日) 02:42:52.16 ID:pA12oRVc0
乙ー
大会編期待なんだけど本人納得済とはいえこのまま和から出場権奪ったら
どこぞのライオンさんみたく出場前に闇討ちされそうだよね
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 02:47:51.14 ID:8DBf5uJV0
乙です
凄かったので続きが読めたら嬉しいです
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 02:51:43.29 ID:mMOHcxmLo
おつおつー
984 : ◆RwzBVKdQPM [saga]:2014/05/18(日) 02:52:24.24 ID:8WKWUlwfo


【補足】

1 なんで京ちゃん強いの?

・半年間、雑用中に和の闘牌を勉強してたのでそこそこ強くなってました


2 京太郎が豹変しすぎだろ、死ね(直球)

・本来そういう性格でしたが、今までは虐げられて表に出せてなかっただけです


3 >>975

・分かんない ときメモの進行もあるし、次は予告してたDJスレの予定


4 闇堕ち&糞スレあくしろよ

・ぶっちゃけみんなそこまで待ってないとおも……


5 >>977

・ほぼ天の丸パクリで少しいじってるだけ、はっきり分かんだね


6 むっきーとの出会いは?

・次の機会があればねっとり描写します


7 麻雀のルールも知らないの? そんなんじゃ甘いよ

・もう二度と改変なんて書くもんか!


8 >>981

・大会編前に裏麻雀でガイトさんから拳銃貰わなきゃ……(使命感)


9 今回の教訓は?

・麻雀の対局描写とか戦術とか全く向いてないお


10 天は今なにしてんの?

・せっくしゅ


 とまぁ、こんな感じ

 描写不足で進行したのは私の責任だ
 
 だが私は謝らない
 住人は脳内補完をしてくれていると、信じているからだ

  
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 02:58:50.84 ID:jC8tHEmh0
乙ー
闇堕ちとアカギ楽しみにまってる
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 03:02:35.45 ID:oDFz2dT0O
乙!
なかなか面白かった!
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 03:04:03.89 ID:+PaBSBAHo
(糞スレも待ってるんだよなぁ)
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/18(日) 03:08:09.50 ID:JgOdgg4O0
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 03:23:15.31 ID:NO9G0B/Q0
完全にチョンボだけど乙
990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 03:26:53.43 ID:xYeZWgRYo
返信感謝
丸々全部ひっくるめて期待してます
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 03:28:55.11 ID:P8vC8mhwo

次は鉄火場のシンの花田をすばらの父親にしてだな……
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/18(日) 03:41:22.04 ID:pA12oRVc0
ヤクザがバックに付くのかー
これで日常生活も安心やね(震え声)
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 03:47:33.70 ID:LeWM3SN3o
>>992
部長がロッカーに入れられてゲフンゲフンされた後にパァニパァニされちゃうんです?
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 04:01:33.04 ID:NX0ck909o
糞スレが一番楽しみなんだよなぁ…
前回といいモモが落ちたらスレも落ちるのはなんぜだ
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 04:04:42.82 ID:AKZhJd0AO
>>1000なら>>1が酒呑んでからスレを立てる
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/18(日) 04:39:22.69 ID:b+8BV/3w0
と〜ころが、ギッチョン! 糞スレ待ってるのもいるんだなぁ、これがぁっ!
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 04:51:29.00 ID:XHzAxF/P0
同じく糞スレ待ち
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/05/18(日) 05:55:34.32 ID:9O4iOW0s0
糞スレは間違いなく需要あるから機会があったら是非また書いてほしい
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/18(日) 06:04:32.49 ID:cGe3hf6v0
1000ならvsすこやん
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/05/18(日) 06:41:13.67 ID:FjAx3Rm60
姦々びより
1001 :1001 :Over 1000 Thread
____   r っ    ________   _ __
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 ̄ ̄ く_/   \ `フ |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |   | |  |____丿く / <´ /   `- 、_// ノ\  `ー―--┐
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