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【アイマスSS】一人でも二人 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2014/05/22(木) 21:06:43.17 ID:+nZ8YiETo
「はい、はい――本当にすみませんでした。失礼します」
僕が受話器を電話機に置いてもまだ、彼女は泣きべそをかいていた。
ソファーに座るよう促しても彼女は座ろうとしなかった。
「なあ、気にするなよ。誰だって……例えば春香だって似たようなミスはやったさ」
ずずっと鼻水をすすって、彼女は疑わしそうな目を僕に向けた。
「本当?」
「本当本当」
ほら、と僕はソファーに座って、隣の席をぽんぽんと叩いた。
ようやく彼女は腰を下ろした。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1400760403
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
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ゼンレスゾーン淫夢要素ゼロ @ 2025/07/16(水) 18:57:50.86 ID:RQSyJ1Qxo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752659870/
【ギルデッドエネミー】ウルフ「まるでじゃんけんだ」 @ 2025/07/16(水) 01:49:20.03 ID:ryYxoR/vO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752598160/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/07/15(火) 00:40:24.35 ID:LBAUOkqwo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752507623/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/07/15(火) 00:39:16.20 ID:qbAcbrETo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752507555/
猫饅頭 @ 2025/07/14(月) 19:14:21.34 ID:1knELuPaO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752488061/
(安価&コンマ)コードギアス・・・ @ 2025/07/13(日) 22:27:49.60 ID:9f2ER2kw0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752413269/
KU-RU-KU-RU Cruller!Neo @ 2025/07/13(日) 21:55:45.76 ID:YIcI6tEGo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752411332/
ひたむきに! @ 2025/07/13(日) 20:04:58.82 ID:YMv4024Yo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752404698/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2014/05/22(木) 21:07:37.29 ID:+nZ8YiETo
彼女はテーブルの上のティッシュを一枚引っ掴んで、
涙をぐしゃぐしゃと拭った後、ちーんと鼻をかんだ。
何となく、子供らしさを残したその仕種に僕は頬を緩めた。
「落ち着いた?」
「ん……」
こくりと頷いた彼女の細い首には、幼さと女性らしさを漂わすなだらかなカーブがあった。
落ち着いた、らしいが、僕は今しばらく黙っていた。
時々思う。女性と言うのは、例えいくつ年を取っても永久に少女なんだと。
彼女もまた、その永久の少女期間の始めに立っていた。
そして、今日は彼女の誕生日。
いや、彼女たちの誕生日――十四歳だったか。
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2014/05/22(木) 21:08:39.10 ID:+nZ8YiETo
彼女はふん、と一つ鼻から息を吐いてから言った。
「誕生日のお祝い、やっぱりいらないや」
「それは……どうして?」
「……上手く……できなかったから」
僕の隣の彼女は悲しげに俯いた。
普段は見られない、静かで憂いのある表情が蛍光灯の白に色を輝かせる。
「――に、申し訳ないか?」
「……それもあるけど」
僕は彼女の悲しみが伝染してこないよう、多少無理に微笑みを作ってやった。
「思ったことを言ってごらん。……何せ、今日は誕生日だから、誰も文句を言えないさ」
まるで教師だな、とは僕の友人の弁だ。
僕のアイドルのプロデュースという、一見華やかな仕事について訊かれ、
ありのままを話したらそう返された。
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2014/05/22(木) 21:09:34.34 ID:+nZ8YiETo
「もし、ああなったのが――じゃなかったら。……今ここに居るのが――だったら」
はあ、と彼女は溜息をついた。
「もっと、上手くやってたと思うんだ」
「それは、今の仕事のこと?」
「ぜーんぶっ」
彼女は身体をばたんと僕の方に倒して、膝の上に頭を乗せた。
結び髪が楽しげに揺れているのを僕は眺めていた。
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2014/05/22(木) 21:10:08.93 ID:+nZ8YiETo
「きっとね、僕は思うんだ……」
「何を……?」
彼女はまた小さく溜息をついた。
その悲しげな考えが詰まっているであろう可愛らしい頭を、僕は優しく撫でた。
彼女は目を閉じたようだった。見なくても分かった。
「きっとね、――も、同じことを言ったと思うんだ」
「どうして分かるの……」
彼女は目を瞑ったまま返事をしたんだと思う。
「だって、双子じゃないか」
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2014/05/22(木) 21:10:48.25 ID:+nZ8YiETo
僕の膝を枕にしてソファーに寝転がった彼女の身体が、静かに震えたようだった。
少し呼吸を置いて、綺麗なすすり泣きが聴こえてきた。
目を瞑ったまま泣いているのかな。僕は彼女の髪や肩を撫でた。
すすり泣きに混じって、笑い声も聴こえた。
「そうだよね、そうなんだ。――もきっと同じことを言ったよね」
彼女は身体を起こして、またティッシュで涙をごしごしと拭って、鼻をかんだ。
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2014/05/22(木) 21:11:17.09 ID:+nZ8YiETo
「兄ちゃん、ケーキ食べよっ」
「うん、そうだな。二人の好きなケーキを、僕は買ってきたんだ」
僕はソファーから立って、冷蔵庫にしまっておいたケーキを取り出してテーブルに置いた。
「二人とも、誕生日おめでとう。これからもよろしく」
「兄ちゃん、ありがとう。これからもよろしく!」
僕と彼女の二人で、ケーキを食べた。
いつか見た金木犀みたいに甘い匂いが、僕らを暖かく抱いてくれた。
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2014/05/22(木) 21:12:10.76 ID:+nZ8YiETo
短いですが以上で終わり。
亜美、真美、誕生日おめでとう。
彼女は亜美でも真美でもきっと同じことを言ったでしょう。
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[sage]:2014/05/22(木) 21:47:01.58 ID:fQUT5SXw0
乙!
亜美真美誕生日おめでとう!!
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/22(木) 21:51:35.36 ID:o6wGijobo
おつおつ
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[ Aramaki★
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