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むりやり小説新館 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/07/05(土) 20:53:25.74 ID:msm3yn2f0
このスレでは
作家さんが要所要所キーワードとなる部分を空白にして小説を書き、
その空白をレス番指定された人が埋めていって小説を完成させるという
読者参加型小説ゲームを行っています。
(例)
   18 名前: 作家さん 投稿日: 2005/09/01(木) 00:00:00
      主人公「よし、朝ご飯に>>20を食べよう」

   19 名前: 参加者 投稿日: 2005/09/01(木) 00:00:08
      シュールストレミング

   20 名前: 参加者 投稿日: 2005/09/01(木) 00:00:10
      タイヤ

   21 名前: 作家さん 投稿日: 2005/09/01(木) 00:02:40
      主人公「よし、朝ご飯にタイヤを食べようって食えるかボケッ!!!」

と言う感じで書き込んでいきましょい!


まとめ
http://www.geocities.jp/neetgundam/matome/
http://www.geocities.jp/yardoramatome/
http://www.geocities.jp/qxybb760/top.html

避難所
http://jbbs.livedoor.jp/computer/32524/

○募集○
・まとめサイトの人が持っていない過去ログをupしてくれる人
・他にまとめサイトを作ってくれる人
・過去の作品をまとめてくれる人

【タイムスケジュール】
http://kmix.dabits.net/ts/
(その時に予約されているスケジュールが書かれています)
※予約・確認にはタイムスケジュールスクリプトをご利用ください。(予約は随時受付中)
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※押す可能性が多々あるので、かなり長めに時間指定しておいてください
※予約する際は、前後の予定を考慮し、1人あたり2時間は確保できるようにして下さい。
※様々な都合で時間を指定出来ない作者さんもいらっしゃるので、
 譲りあったりなどのご協力もお願い致します

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404561205
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713613334/

ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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2 :MINT : ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/05(土) 20:58:20.81 ID:msm3yn2fo
お久しぶりです。満月氏がいなくなり、すっかり寂れてしまいましたが久々にお願いします。

ジャンル:ファンタジー
3 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/05(土) 20:59:35.04 ID:msm3yn2fo
【魔王歴1494年】
魔王が魔族を率いて他種族の国に進撃する時代。一部力のない人間の国はことごとく破壊し尽くされていた。
既にエルフやドワーフといった妖精族も魔王の配下になり、日に日に魔族は力を増すばかりとなった。
そして今日も…一つの国が滅ぼされた。

ジェネッタ王国。決して大きい国ではないが平和であり、秩序のある国だった。
だが、魔王軍にかかれば滅ぼすのは決して難しいものではなかった。

魔族「ジェネッタ王族を全員捕縛した!!これでこの国も終わりだ!!」

一人の魔族が王室に集められた王族をまとめてそう叫ぶ。

魔族「情報通り…。王に王妃に…姫が二人に王子が1人…」

王室のあちこちにはたくさんの鎧をまとった残骸が転がっており、赤い絨毯をさらに血で染め上げている。
そしてこの王族たちも…魔族たちによっていとも簡単に惨殺されてしまったのだった…。


…ただ、一人を除いてだが


-ジェネッタ王国外れの森-
???「はぁ…はぁ…」

豪華なドレスを纏った少女が馬に乗って走り抜ける。彼女の背後には遠くで燃え上がる我が王国の姿があった。
彼女は決して振り返らずに馬を走らせた。

ティオルファ・ジェネッタ「はぁ…、はぁ…!!もっと…もっと奥へ…」

彼女はまさに影武者に助けられ、唯一生き残ったジェネッタ王国の生き残りだった。
ティオルファ…通称ティオは自分の知る限りの知識を頼りに森を駆け抜ける。

彼女が行先にあるもの…それは…


数日後…

-辺境の都市ハバリ-
ジェネッタ王国から遥かに南にある職人たちの町。腕に自身のある者は職人に。力がある者は兵となり
この街を支えている。主に魔族に滅ぼされた人間たちが集まっており、元王宮兵や名のある職人たちがいる。

衛兵「はいはい、止まって止まって。随分変わったお召し物の方ですね。とりあえず身分証を…」
ティオ「…私は、ジェネッタ王国第二王女…ティオルファ・ジェネッタ。身分を証明できるものは…」

ティオが衛兵の前に立ち、自身の紹介をした瞬間だった。数日間走り続けた為かバタリと倒れて意識を失った。

衛兵「ん?ちょっと…、おい!…誰か!!誰かいないか…!!」

衛兵がさらに誰かを呼び、ティオは中へと運ばれていった…。
そして、宿屋の一室に運ばれたティオは数時間の眠りの末に目を覚ます。すると>>4
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/05(土) 21:01:23.64 ID:BfE/br16o
冷たい格子付きの一部屋にいた
5 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/05(土) 21:12:11.88 ID:msm3yn2fo
そしてふとティオが目を覚ますと何故か冷たい格子付きの部屋にいた。

ティオ「…」

はっきりとまだ自分の状態がわかりきっていない状態のティオ。窓には格子がついており、
自分の眠っていたベッドの隣にはあったかそうなスープが置いてあった。

ティオ「…は!?まさか…ここは魔族の地だった!?」

ベッドから立ち上がり、急いで鉄格子ごしに外の景色を見てみる。
すると、そこは様々な建物から伸びる煙突から煙の伸びる異様な光景があった。

ティオ「煙突…?何か料理でもしてるんでしょうか?」
???「ん?違いますよ。あれは、武器や防具の職人たちの工房っす。」

ティオの背後から話をしてきたのは鎧に身をまとったひとりの少女だった。
およそ16くらいで自分とほぼ同じくらいの少女は自分の部屋にかかっていた鉄格子を開ける。
ちなみに鍵はかかっていないようだった。

ティオ「職人…?」
???「はい。ここは職人の町ハバリ。様々な物が生まれ、販売され、使われる。
     職人を中心とした町っす。ちなみに私はメル・ドゥエルフといいます。」
ティオ「メル…さんですか…。それで、何故私は牢のような場所に…?」
メル「あぁすいません。空いてる部屋ここしかなかったもので…。あ、でも鍵とか
   かかってなかったんで、別に外に出ても良かったんですけど…」
ティオ「と…とにかく、一国の姫をこんな場所に入れるとは…
     もう少し考えたほうがよろしかったのではないんですか?」
メル「とは言っても…文無しっすよね?…残念ですけどこの街では…身分は
   実力で証明するのです。私も元貴族ですけど、衛兵になってやっと身分を手に入れた
   んですね。」

メルと呼ばれる少女は自信とこの街について軽く説明をしていると>>6
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/05(土) 21:16:05.11 ID:BfE/br16o
苦労を思い出したのか、強く拳を握り締め、そこから一滴の血が流れた。
7 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/05(土) 21:30:11.58 ID:msm3yn2fo
メル「そう、私がこの街に来たのは魔王歴1490年…。
   ドゥエルフ家が魔族に滅ぼされ…唯一生き残り…そして…」

何故か過去の話を語り始めるメル。聞いていると身分以外ティオと同じ過去のようだった。
そして拳を握り締め淡々と語り続ける。するとメルの手から一滴の血が溢れる。

ティオ「あぁ、血が…」
メル「こんな一滴の血…私がこの地位に登りつめるまでの事を思うと…
   なんてことないっす!!それに…あの鬼教官のしごきときたら…」
ティオ「分かりました!!分かりましたわ!!あなたも苦労しているのですわね…」

とりあえずティオはメルを抑え、話を終了させた。
そして食事を口にしながらティオはメルに質問をした。

ティオ「そういえばこの街は職人の街と聞きましたが…メルさんは職人では
    ないように感じるのですけど…」
メル「はい。この街にはハバリマイスターズ協会という職人の集う組織と
   ハバリ守衛団という兵団が存在します。それで私は後者に所属しているのです。」
ティオ「二つ…存在するのですわね…」
メル「今は二つですが今後増えることも予測されているっす。
    一応この街は人口が増えてますからね…」
ティオ「…なるほど、大体のことは分かりました。それで私もどちらかに所属
    しなければならないわけですね?」
メル「そうなりますね…。早い人は6歳で組織に加入して10歳までに資格を
   持っている人もいますし」
ティオ「10歳で!?」
メル「はい。私の装備のアンダーウェアとか普段着とかも10歳でマイスターの資格
   手に入れたんですね。」
ティオ「アンダーウェアっていうと…その中の衣服類ですか?」
メル「そうっす。ちなみにこの剣も別なマイスターの方に鍛えてもらった
   オーダーメイドなんですよ。」

メルが今までの人生のことから急に話を変え、この町の職人について語り始めていると>>8
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/05(土) 21:35:18.86 ID:PtSVBOnn0
別の格子付きの部屋にいた男が悪態をついた
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/05(土) 21:35:48.18 ID:BfE/br16o
>>8
ここ格子付きの部屋多いなwwwwww
10 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/05(土) 21:48:06.18 ID:msm3yn2fo
???「おい、衛兵!なんだこれ!!」

隣の部屋からガチャンガチャンと音が聞こえる。

メル「あぁ、そういえば隣にも入れていたんだった」
ティオ「ここ…宿ですわよね…」
メル「でも、隣には別な衛兵がついているはずなのに…
    あ、ティオ様が悪いわけじゃないんですよ。…私は護衛の為に…」
ティオ「それは構いませんから鉄格子のついた部屋があるのを宿というのはやめておいたほうが
    いいと思いますわ…」
メル「今度話をつけておくっす。それより外に出ませんか?食事も済んだみたいですし…」

メルの提案でとりあえず格子のついた部屋から出るティオ。そして問題の隣の部屋には
ひとりの男が閉じ込められていた。

男「おい、なんで俺が閉じ込められてるんだ!?」
メル「確か…窃盗の現行犯だったはずっす。」
ティオ「あ、本当に犯罪者でしたのね…」
メル「それにあなたことは別な衛兵が任されているはず。」
男「くっ…調子ずきやがって…!!」
メル「では行きましょう。お姫様…」

悪態をつく男を後に二人は宿から外に出たのだった。

ティオ「これが…ハバリですか…」

ティオが改めて驚いた様子を見せる。片方にはさきほど見た煙突のある建造物が
並び、片方にはとても綺麗な作りの家が並んでいる。

メル「一応武器、防具、衣服、薬物…ありとあらゆる物が作られています。
   中には人間以外の方々も所属しております。」
ティオ「驚きましたわ…とてこ活気に満ち溢れて…」
メル「私もこの街大好きっす。まぁ…仕事はわりときつかったりしますけど…」
ティオ「とりあえず職人さんとかに会えないのですか?…どんな仕事なのか見てみたいのですが…?」

ティオがメルに質問をしてみると>>11
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/05(土) 21:49:45.39 ID:Up39MdnCO
鎧とヘルムを作っている職人の知り合いはいるから会わせてあげようと答えた
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/05(土) 21:50:01.40 ID:BfE/br16o
「職人に会いたい? ならば経験を積み、おのれを磨くことだ。職人は素人を相手にしない」と近くの飲んだくれのオッチャンが口を挟んできた。
13 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/05(土) 22:03:25.30 ID:msm3yn2fo
メル「じゃあ鎧とか兜とか作ってる知り合いの職人が近くにいるので案内します」

メルはそう言ってティオを職人街の方へと案内した。
彼女が案内したのは大きな煙突のある一軒の家だった。

メル「私の装備とかはここで頼んでいるっす。強化からメンテナンスまで
    なんでもやってくれます!」
ティオ「立派な煙突はあるけど…大きい家ってわけではないんですわね…」
メル「比較的安く見積もってくれるありがたい場所っす。新兵の頃から
   お世話になっております。」
ティオ「そういえば後ろにも防具の店があるけど…」
メル「あぁ、あそこはすごく高くて給料安い私には手も届かないっす。
   …兵士長クラスからあそこで頼む人多いですけど。
   まぁそれはいいとして、入りますよ。」

メルが扉を開ける。するとドアに付いたベルがカランカランと鳴る。

店員「いらっしゃいませ!…ってメルさんじゃないですか。今日はメンテナンスですか?」

明るい女性店員がメルに気づき商業スマイルで対応する。

メル「いや、彼に合わせたい方がいまして…。あ、こちらティオルファさん。
   ティオさんっていうらしいです。」
店員「ティオさんですか…。なんかお姫様みたいな格好ですね!」
ティオ「あ、あはは…」
メル「それで職人の…ウエストン君はいますか?」
店員「店長に御用ですね。それじゃ店長を呼んできますね。」

店員はそう言って奥の部屋へと入っていった。

メル「ちなみにウエストン君も10歳でマイスターの称号を手に入れた実力者なんです。」
ティオ「それって…そうとうすごいんじゃ!?」
メル「13歳で独立して…かれこれ4年目になりますね…」
ティオ「つまり今17歳でこの店を切り盛りしていると…一体何者なんでしょうか?」

この店の職人の情報に驚きを隠せないティオ。すると>>14
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/05(土) 22:04:21.21 ID:BfE/br16o
見た目はどう見ても30代の風格を持った筋肉ムキムキの大男が現れた。
15 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/05(土) 22:18:57.02 ID:msm3yn2fo
そして店の奥から一人の男が現れた。

メル「あ、ウエストン君。」
ウエストン「うん。何か用があると聞いて」

普通に会話をするメル。だが、となりのティオを口を開けたまま唖然としていた。

ティオ「あわわわ…」
メル「ウエストン君の防具は実にいいっす。ただ、最近胸の部分がきつくなってる気がして…」
ウエストン「あぁお前またでかくなったのか?」
メル「もう、はっきり言わなくていいんです!」

そこにいたのは30代過ぎた風格で筋肉がムキムキな大男だった。

ティオ「あの…彼が…ウエストンさん?」
メル「ええ、そうですけど?」
ティオ「17歳って言いましたわよね?」
メル「どう見ても17歳っす。あ、でも私のほうが誕生日が早いですけどね」
ティオ「ど…どう見ても大人の男性じゃないですか!?」

ティオがハッキリと言ってしまった。目の前の肉ダルマを前に。

メル「そりゃあ、筋肉は多少ないと仕事なんて出来ませんし」
ティオ「そんなレベルの筋肉じゃない!」
メル「身長だってほら…平均と比べるとちょっと高いだけで」
ティオ「2メートル超えてますわよね…!!」
ウエストン「おいおい、さっきからなんだこの女は…どっかの王女様か?」
メル「あ、違うみたいですよ。なんでも旅芸人の方で…」
ティオ「え、た…旅芸人…?」

突如嘘をつくメル。するとティオに向けてささやいた。

メル「あなたがどこから来たかは黙っておいたほうがいいかもしれないです。
     これは私たちだけの秘密っす…」
ティオ「…あ、はい」
ウエストン「旅芸人か…その格好からすると旅団の生き残り辺りか…」
ティオ「そ…そうなんです。実はとある劇団に所属してたのですが…
    魔物に襲われまいて…唯一生き延びたのです…」
ウエストン「そうか…なんか大変だったな…。それで、他に何の用だ?
       こちらは忙しいんだが…」

ウエストンはやれやれといった様子で奥の部屋に戻ろうとする。
すると>>16
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/05(土) 22:28:33.88 ID:BfE/br16o
明らかに人を探してます的な兵士が慌しく、乱暴に入り込んできた。
17 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/05(土) 22:35:23.55 ID:msm3yn2fo
ウエストンが奥の部屋に戻ろうとすると突然一人の衛兵が入ってきた。

衛兵「突然失礼…ってメルじゃないか」
メル「これは先輩!お疲れ様です!」

姿勢を直し、敬礼するメル。そして突如現れた衛兵はウエストンと店員に向かって叫ぶ。

衛兵「現在人を探している!見つけたら教えていただきたい!」
店員「まぁ、急なことですのねぇ…」

店員はそう言うと一枚の紙を受け取った。

ウエストン「っていうか衛兵。お前そこにかけてあった盾倒すんじゃないよ。
       売り物なんだぞ…」
衛兵「あ、これは失礼しました!」
メル「先輩、それで人を探しているって…指名手配でも出たんですか?」
衛兵「お前なんも聞いてないのか?」
メル「一応ティオ様の護衛に就いてましたので…」
衛兵「とりあえずその紙を見ればわかる。…この店にはいないようだな。
    …では失礼する!」

そう言うと衛兵は荒々しく扉を閉めて去っていった。

メル「人探しですか…どれどれ…」

ティオとメル、そしてウエストンたちは受け取った紙を見てみると>>18
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/05(土) 22:39:41.30 ID:PtSVBOnn0
あの格子付きの部屋にいた男の人相描きだった
19 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/05(土) 22:49:27.51 ID:msm3yn2fo
メル「…この顔は確か宿にいた」
ティオ「っていうかまだ宿というんですか。」
メル「あぁ…逃げられちゃったんですね…。」

全員がみた紙に書いてあったのは宿に捕まっていたあの男の絵だった。
どういうわけか脱出され、今手配書を配られているらしい。

ウエストン「メルは行かなくてもいいのか?」
メル「私はいいっす。今回の任務は護衛。捕まえるより…守ることが優先っすから」
店員「そういえばこの顔って昨日捕まった男ですよね」
ウエストン「そういえば兵士が言ってたな。窃盗の現行犯だって」
ティオ「っていうかこの街に牢屋とかないんですか…」

とりあえず二人は防具屋を後にした。街のあちこちにはたくさんの衛兵たちが厳重体制
を敷いている。

メル「どうやら緊急事態見たいっす。」
ティオ「そうみたいですわね…。とりあえず安全な場所に避難したいです。」
メル「分かりました。安全な場所なら近くに御座います。案内するっす!」

メルに手を引かれティオは走る。そして彼女の言う安全な場所とは職人街には
違和感を覚えるほど大きな…そして綺麗な教会だった。

ティオ「これ…教会?」
メル「教会っす。協会じゃないですよ!とりあえず中に…!!」

メルに手を引かれ、ティオは教会の中へと入る。すると>>20
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/05(土) 22:50:49.64 ID:BfE/br16o
シスターを人質にしている例の男が!
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/05(土) 22:52:11.78 ID:Pne5+7U10
神父(司祭)がケンカ中
22 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/05(土) 23:00:28.78 ID:msm3yn2fo
そして二人が見たものは…シスターを人質にした例の男の姿だった。

メル「アズマリアさん!!」
男「おっと動くな…!そうか、このシスターはアズマリアというのか…」

気を失った様子のシスター・アズマリアを片手にもう片方の手にはナイフを握っている男。

メル「一体どうやって脱出を…!?」
男「苦労したよ…衛兵[ピーーー]つもりで襲ったからな…。」
ティオ「衛兵を殺した…?」
男「まぁ実際は気を失った程度らしいが…とにかく近づくんじゃない!!」
メル「くっ…!」
ティオ「どうしよう…あのシスターさんがこのままじゃ…」
男「武器を捨てろ、そこの衛兵!」

メルは黙って従うしかなった。大人しく持っていた槍と背負っていた剣を床に置く。

メル「何が目的ですか!?…どうすればアズマリアさんを…!?」
男「一つは安全にこの街から出ること!もう一つは俺を追わないこと…!!」
メル「…この街から出ていく限りは…約束しましょう!!」

しかし男はシスターを中々手放そうとしない。
それどころか武器を持たないふたりの方に近づいてくる。

ティオ「メルさん!どうしましょう!!」
メル「…」
男「わかってるじゃないか…そうだ、大人しくしていろ…」

徐々に互いの距離が縮まっていく。そして>>23
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/05(土) 23:04:02.11 ID:Pne5+7U10
そのまま見送った
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/05(土) 23:22:33.52 ID:BfE/br16o
↓ ほ
25 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/05(土) 23:23:57.27 ID:msm3yn2fo
メル「…」
ティオ「メルさん…!!」

メルは全く動かない。そして男の邪魔にならないように身を交わす。

ティオ「メルさん…どうして…」
男「話のわかる衛兵さんでよかったよ…それじゃ…あばよ!」

男がナイフを一旦しまい、扉に手をかけた。その時だった。
突然男の手が止まる。男の手首は何者かが掴んでいるようだった。


男「な…なんだ…?」

男が手首を掴んだ何者かを確かめるかのように視線を向けると
その先にいたのは…人質になっていたシスターの姿だった。
彼女は完全に目を覚まし、男の手を掴んでいた。
…それもかなりの怪力で。

アズマリア「…先程は不意打ちをされたけど、次は私が不意打ちをする番!」
男「なんだ、この力…」
メル「…人質にする相手…間違えたみたいっすね」

そしてアズマリアは男の手首を掴んだまま軽快な動きで一回転し、それと同時に
男の鳩尾に肘を当てた。

男「な…なんだこの娘…。強い…」

男はそう言い残し、気を失った。

アズマリア「全く、神聖な教会で罪を犯すなって…」

手をパンパンと叩き、ホコリを払うアズマリア。そのシスターに見えない言動と行動に
ティオは驚きを隠せないでいた…。

メル「さすがはアズマリアさん。見事っす!」
アズマリア「へへ…これでもマイスターやってるからね。その辺の衛兵よりは強いよ?
       …それより、このお姫様は?」

とりあえず互いに自己紹介をすることになった。

アズマリア「へぇ…旅芸人なんだぁ・あ、私はアズマリア。一応シスター兼マイスターね。」
メル「主に衣類系のマイスターなのです。」
アズマリア「主に女の子用のマイスターやってるよ。兄貴と違ってね」
ティオ「へぇ、お兄さんいるんですか」
アズマリア「うんうん、兄貴は防具ばっかでさぁ。丈夫さを優先するあまりセンスがなくて…
       双子だってのに全然似てないし…」
ティオ「双子だったんですか」
メル「ほんとに、ウエストン君とアズマリアさんは似てませんよね」
ティオ「え…」

他の衛兵たちが駆けつけ、窃盗犯の男を連行していく中、ティオの驚き声が教会中に
響き渡る。

ティオ「ウエストンさんと…アズマリアさんが…ふ…双子!?」
アズマリア「うん、そうだよ」

驚きの表情が隠せないティオ。そしてガールズトークに花を咲かせるメルとアズマリア。
すると>>26
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/05(土) 23:29:42.22 ID:Pne5+7U10
ピアノが目にとまり弾きはじめるティオ
27 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/05(土) 23:40:36.96 ID:msm3yn2fo
ティオ「そうだ…疲れているんですわ…きっとピアノを弾けば…」

そう言って教会に置いてある大きなピアノを弾き始めるティオ。
ふたりの関係にあまりに驚いた末に弾き始めてしまったようだ。

アズマリア「へぇ…上手じゃないか」
メル「っていうかこのピアノ、音を出すの初めてです。」
アズマリア「ピアノとか弾かないからなぁ。ほとんど裁縫のほうがメインだし」

ティオの奏でる曲は実に美しいものであり、二人も落ち着いた様子で
耳を傾ける。そして一曲、奏で終えるとティオは二人のもとにやってくる。

ティオ「それで、双子というのは…冗談ですわよね?」
アズマリア「いや、本当だけど」
ティオ「やっぱり本当でしたか…!!」
メル「まぁちょっと似てないとこあるからわからないわけじゃないですけど」
ティオ「いあいあ、全然似てないじゃないですか!身長差だけでも50cmはあるし!!」
アズマリア「まぁ数日もすれば慣れるって。それよりティオだっけ?
       住むとこないならしばらく教会に来るかい?」
ティオ「え、いいんですか?」
アズマリア「ここ一人で経営してるからね。人手が欲しかったんだ。
        …それに、少なくとも何かしらはできないとこの街じゃ生きられないからね」
ティオ「あ、ありがとうございます!」

ティオは新たな寝床を見つけ、この街での生活を開始することとなった。
国が崩壊し、唯一生き残った姫はこの先どの道に進むのだろうか…

28 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/05(土) 23:42:19.81 ID:msm3yn2fo
とりあえず久々にやらせていただきましたけど中々難しい。
多分職人要素は次回から…多分絶対に次回からww
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/05(土) 23:43:48.14 ID:Pne5+7U10
乙!
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/05(土) 23:50:04.54 ID:BfE/br16o
>>28
おつー
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 20:58:28.25 ID:drMPmUlHo
gogogogogo
32 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/12(土) 20:58:48.71 ID:+nFDKbSeo
そろそろっぽいんで始めさせていただきますよ。

【登場人物】】
ティオルファ・ジェネッタ
-通称ティオ。元ジェネッタ王国のお姫様だが、魔物との争いに巻き込まれ国は壊滅。
唯一の生き残こりとなり、辺境の都市ハバリへとやってきた。

メル・ドウェルフ
-元貴族の娘だが、家系は崩壊。現在は衛兵としてハバリで生活している。
現在の仕事はティオの護衛。

ウエストン・バリニーズ
-防具の魅力に魅せられ、鍛冶師になった青年。一応防具屋をやっているが
ほとんどバイトに店番させ、鍛冶に集中している。筋肉ムキムキで17歳に見えない。

アズマリア・バリニーズ
-ウエストンの双子の妹で教会のシスターをしている。魔法と裁縫の心得があるため、
魔翌力のこもった衣類やアクセサリーを作ることができる。兄に似ず小柄だが口が悪く、腕っ節がありシスターには思えない。
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 20:59:05.72 ID:drMPmUlHo
【07/06 (日) 09:02時点でのタイムスケジュール】 : ttp://kmix.dabits.net/ts/

07/12 (土)
  21:00〜/MINT: ◆MINT.MMVcM氏 - マイスタープリンセス 第二話「新人プリンセス」
34 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/12(土) 20:59:39.74 ID:+nFDKbSeo
【ハバリ教会】
アズマリア「しかし髪型変えて、服着替えるだけでここまで変わるとはね…」

ティオは長かった髪をバッサリと切り、着ていたドレスもアズマリアが作った一般用の洋服に着替えた。
ショートヘアになり、ブラウンを基調とした洋服のティオ本人もかなり違和感を覚えているようだ。

ティオ「ちょっとスカートが短くありません?」
アズマリア「一応ハバリマイスターズスクールの制服を元に改造してみた。」
ティオ「学生服なんですの!?」
アズマリア「うん、私や兄貴は親父達から直接学んだから行ったことは一度もないけどね」
ティオ「へぇ、そういえばアズマリアさんもマイスターなんですよね?」
アズマリア「そうだよ。私は重い装備が不可能な術者や女性専用の法衣やアクセサリー、普段着類のマイスターなんだ。」

そう言ってアズマリアは懐から手帳を取り出すとそこに入っていたカードを見せる。
そこには大きなエンブレムとアズマリアを証明するものが刻まれていた。

アズマリア「一応カテゴライズされていて、このエンブレムは装備品のマイスターのもので、これがあれば、
      商業目的な生産が可能になるんだ。」
ティオ「ちなみにほかにどんなのが?」
アズマリア「竜のエンブレムは装備品、鳥のエンブレムなら薬物食品…あ、この間可決した虎のエンブレムの建造物があるな。」
ティオ「3つあるんですか…」
アズマリア「マイスターズ協会が最も大きくカテゴライズしてるのはこの3つ。ちなみにハバリ守衛団はもっと細かく分類されてるみたいだけど」
ティオ「そういえば…メルさんの組織は上下関係が厳しかった気がします」
アズマリア「メルんとこは職人っていうより軍隊だからな。まぁそれより仕事だな。ティオ、あんたは何が出来るんだい?」
ティオ「え、あ…一応ある程度の学は学んできましたけど…」
アズマリア「科学とか魔法とか…その辺のカテゴリは分かる方?」
ティオ「一応…治癒魔法くらいなら…」
アズマリア「治癒魔法か…」

アズマリアはティオの実力を確認し、工房へと案内する。教会の礼拝堂のさらに奥に作られた大きな工房には
衣服を作る織り機やアクセサリーを加工するための工具や宝石が並べられていた。

アズマリア「うちは主に女性ものがほとんどなんだけど…少なくとも職人が誰もが通る道なら宝石の加工は基本だな」

アズマリアは作業台にある宝石を手にし言った。

アズマリア「宝石によって加工する方法は変わる。強く叩かないと形が変わらないものもあれば、強すぎると割るものもある」
ティオ「難しそうですね…」
アズマリア「マイスターズスクールだと最初は基本知識から学ぶみたいだが、私は別だ。とりあえず宝石の精錬からやってもらうぞ。
      マイスターの基本だからな」
ティオ「分かりました。ご教授お願いします!!」

ティオはエプロンとゴーグル、品質の悪い宝石とそれを加工する工具を受け取った。

ティオ「ええと…この宝石は…」
アズマリア「加工方法はそこにある本に書いてある。精錬後の形もその本に書かれてるものに似せるんだよ」
ティオ「あ、はい。」

そしてアズマリアの教授のもとティオの職人への人生がスタートする。不慣れな手つきで宝石を加工するティオ。
そして数時間後>>34
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 21:02:45.82 ID:drMPmUlHo
宝石は一匹の竜へと姿を変えていた。
36 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/12(土) 21:11:19.31 ID:+nFDKbSeo
そして数時間後…

アズマリア「あのさぁ…」

アズマリアがティオの加工した宝石を見てため息をつく。
ティオのいる作業台の上には加工された宝石があった。
しかしよく見るとそれは綺麗に象られた竜の姿をしていた。

ティオ「なんか集中してたらこんなふうに…」
アズマリア「とりあえず普通に加工すれば良かったんだけどね…
        しかしそこそこ雑だとは言え…技術はあるんだな。」

小さな宝石の竜の像を見てアズマリアは感心する。

ティオ「一応…この本の通りに加工したのもあるんですけど」

ティオが見せたものは本の通りに加工された宝石だった。

アズマリア「確かに見た目通りにはなっているけど…どれも雑だ。
        これなんか軽く叩いただけで…すぐこうだ」

アズマリアが木槌で軽く宝石を叩くと宝石は衝撃で二つに割れてしまった。

ティオ「あう…努力します…。」
アズマリア「そうだな…とりあえずこれが基本だ。しばらくそれをやらせるからな」

アズマリアがそう言うと部屋から出ていく。

ティオ「あの…どちらに?」
アズマリア「これでも教会の管理人だからな。ほかの仕事もあるんだよ。
       ティオは終わったら掃除とかしといてよ」

アズマリアはそう言い残し、部屋から出ていった。

ティオ「さて、それじゃ続き続きと…」

ティオが工具を片手に宝石の加工の練習を再開させると>>37
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/12(土) 21:13:10.63 ID:QTHSO2IX0
宝石から声が
38 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/12(土) 21:18:47.86 ID:+nFDKbSeo
ティオ「それにしても…さすがに手が痛くなってきましたわ…」

コンコンと宝石を叩きながら象っていくティオ。
緑の宝石を加工し終えると、次は赤い宝石に手を伸ばす。
すると

宝石「…」
ティオ「ん?今なんか聞こえたような…」
宝石「待って…」

今持っていた宝石から声が聞こえる。

ティオ「今…話しかけてきたのは…これですの?」
宝石「…」

突然聞こえてきた声にティオは驚いている様子だった。

ティオ「…あの、何か?」

恐る恐る聞いてみるが…聞こえるのは細々とした声だった。

ティオ「なんか聞こえる…気がする?」

怪訝そうな表情で持っていた赤い宝石を作業台においてみる。

ティオ「ふぅむ…一体何を伝えたかったんでしょうか…」

怪しげな様子で工具を持つティオ。すると宝石は>>39
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 21:20:45.80 ID:drMPmUlHo
苦悶の表情を浮かべているように見える! 何かが宿っている!?
40 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/12(土) 21:32:38.33 ID:+nFDKbSeo
そして宝石が苦悶の表情を浮かべているように見える。なにか宿っているのだろうか…。
ゴクリと生唾を飲むティオ。
すると、そこへアズマリアが戻ってきて、例の宝石をつかみあげる。

アズマリア「魅入られてるんじゃないよ…。こいつは呪いの宝石だ。」
ティオ「呪い…?」

突然の帰還にそしてその宝石の正体に驚くティオ。

アズマリア「君だって聞いたことがあるだろう?魔物や異教徒が作り出した…
       人間や魔族の生命をも脅かす呪いのアイテムってやつを。」
ティオ「ええ…一応…。」
アズマリア「これはその類さ。一応レベルの低いものだから浄化は可能だけど…」
ティオ「あの…それでこれって何が宿ってるんですか?」
アズマリア「そうだな…イタズラが好きな低級霊ってとこだな…。
        しかし…こんな石用意させるなんて…。今度とっちめないとな…」

アズマリアは誰かに対し怒りを顕にした様子だった。
ティオはとりあえず聞いてみることに

ティオ「あの…それでこの中身を解放するってことは可能なんですか?」
アズマリア「一応可能だけど…でもこれは協会関係者や魔物使いのライセンスがないと
        解放出来ない。一応そういうルールだからな。」

アズマリアはそう言って赤い宝石を仕舞いこんだ。

アズマリア「そういえばメルが来てたんだ。そろそろ昼だから一緒にどうだって」
ティオ「まぁ、そんな時間ですか」

ティオとアズマリアは工房を閉め、協会の外に出る。するとそこには鎧を着込んだ
メルの姿があった。

メル「お、ティオ様。職人としての生活はいかがでしょうか?」
ティオ「まだまだ道は険しそうですわ。」
アズマリア「まぁ…これからだな。どの職人の道に進むかはわからないけど」

出会った瞬間早速会話を弾ませる三人。すると>>41
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/12(土) 21:41:50.74 ID:EqY0oe+N0
窓からサッカーボールが飛び込んできた
42 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/12(土) 21:52:50.30 ID:+nFDKbSeo
そして三人が教会の外で話していると、突然何かが飛んでくる。
それはボールのようだった。そしてそのボールは勢いよく教会の窓へ!

ガン!

しかし窓は割れず、ボールは跳ね返される。

ティオ「えっ!?なんで割れないの!?」
アズマリア「ん?あぁ、一応ここ造った職人が強化ガラス使ってくれてね。
        それにここはいつ何があってもおかしくないからな…。
        それなりに丈夫なんだ。」
メル「うちももう少しお金貯めれば、もう少し頑丈な家に住めるっす!
   今は…貯金する余裕ないっすけど…」
アズマリア「ははは…とりあえずこのボールぶつけたやつ出てこいや!!」

アズマリアがボールをぶつけられたことにキレ、勢いを失ったボールをつかみあげると
そう叫ぶ。すると遠くから子供がひとりやってきた。

少年「すいません…」
アズマリア「またお前か。ここは職人の町だぞ?遊ぶならもっと向こうに訓練場があるから
       そっちいけ」
少年「分かりました。すみませんでした。」
アズマリア「お前分かってないだろ。確か数日前のこの辺にいたな?
        確か数件隣の工房にぶつけてたな?」
ティオ「まぁまぁ…子供相手にそんな…」
メル「いや…確か君、守衛団の駐屯地にもボール投げ込んできましたね。
   わりと有名なお子様っす」
ティオ「あらら、常習なお子さんでしたか…」

アズマリアがボール片手に子供に説教を、そしてメルも注意をし、少年にボールを返すと
少年は頭を下げて去っていった。

二人はやれやれといった表情で子供の所業に対してため息をついた。
そして三人が昼食について案を出し合い始めると>>43
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 21:59:54.57 ID:drMPmUlHo
再びボールがぶつけられた。しかもさっきの少年だ。何か言いたげにこちらをじっと見ている。
44 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/12(土) 22:07:03.04 ID:+nFDKbSeo
そして再び勢いよくボールが飛んでくる。それはメルの鎧に当たり、勢いを止めないボールは
そのままアズマリアの顔に直撃する。

アズマリア「いたたた…」
メル「だ…大丈夫っすか!?」
ティオ「とりあえず鼻血!!鼻血が!」

ティオはハンカチを取り出すとそれをアズマリアに渡す。ちなみにボールを蹴った少年は
何かを言いたそうにこちらに見ていた。

アズマリア「あのガキ…!!もう許さないぞ!!」

怒りのアズマリアは逃げる少年に向かった走り出す。
勿論直ぐに捕まってこちらに戻ってくるわけだが。

アズマリア「お前なぁ…なんか恨みでもあるのか?」
メル「あ、でも直接狙ったのが私なら私に恨みがあるのかと…」
少年「…」
ティオ「アズマリアさんに恨みでもあるとか…?」
アズマリア「恨みか…買われるようなことはしてないんだけどなぁ…
        …一応シスターですし、毎日懺悔とかも聴いてるし」
メル「とりあえず私も知りたいっす。守衛団としても秩序は守らないと!」

二人が少年に向けて問い詰める。

ティオ「二人共怒りすぎです!…とりあえず教えてくれるかな?
    なんでこんなことするのかな?」
少年「>>45
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 22:18:25.31 ID:drMPmUlHo
あんたの正体がバレていないと思ったら大間違いだよ?
46 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/12(土) 22:29:03.53 ID:+nFDKbSeo
少年「あんたの正体がバレていないと思ったら大間違いだよ?」
ティオ「ええっ!?わ…私!?」
メル「ふむ…つまり、最初からティオ様に当てるつもりだったと…」
アズマリア「お前ノーコンすぎるだろ…」

鼻にハンカチを抑えたアズマリアとボールを受け取ったメルが言う。
そして…

ティオ「あの…正体ってその…」

正体がどうので慌てるティオ。

少年「お前、ジェネッタ王国の生き残りだろ?」
ティオ「…な、なんのことかな?」
少年「知ってるんだぞ!とぼけるなよ!」
アズマリア「ジェネッタ王国っていえばここから遥か北にある王国だな…。
       魔族に滅ぼされて王族は滅んだとか」
メル「ええ、滅んで王族はいなくなったっす。…でもティオ様は元旅芸人っす!
   それよりも…少年!君とはちょっと話をしたくなったっす。ちょっと中に来てもらえるかな?」

メルはそう言うと少年を連れて教会の中に入っていった。
ティオとアズマリアも後をついていくことに。

【教会内部】
メル「少年。君はどうしてティオ様がジェネッタ王国の生き残りだというんだい?」
少年「数日前にドレス着て歩いてただろ?」
メル「分かっていないなぁ…。ティオ様がドレスを着ていたのはお姫様役を演じて劇をしているときに
    魔族に襲われたからなんだよ。」
少年「…」
メル「それとも…ほかに根拠とかはあるのかな?…悪いことは言わないっす。
    変な思い違いはしないほうがいいっすよ。」

メルは静かに少年に説得する。そして>>47
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/12(土) 22:32:20.16 ID:QTHSO2IX0
最後に締めのデコピンを一発
48 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/12(土) 22:44:55.00 ID:+nFDKbSeo
メル「とりあえずアズマリアさんにやったのはこれでおしまいっす!」

メルはそう言うと少年の額にデコピンを一発与えた。

少年「そんな…みんな言ってたのに…。その姉ちゃんがお姫様だって…」
メル「残念ながら…ジェネッタ王国の王族はみんな殺されてるっす…。
   これは近隣の国々の調査などで調べられているっす…。」

メルが悲しそうな表情でそういった。
そして少年も頭を下げて立ち去っていったのだった。

メル「ふぅ…やれやれっす…」
ティオ「メルさん…」
メル「なんかドッと疲れたっす…。」
アズマリア「しかし変な噂とかも流れるようになってきたな。まぁ確かに
       ティオがここに来たときは確かに小奇麗だったけど」
ティオ「それなりに儲かってる時に新調したドレスだったんで…その…」

ティオも口を濁しながら説明する。その後は軽く食事をし三人は新たな場所へと向かう。

アズマリア「さてと…本気で文句言ってやらなくちゃな!」

アズマリアが怒りをあらわにする。そんな三人の前にあったのは怪しい看板の店だった。

メル「ここは確か獣人リーナンの経営する素材店っすね」
ティオ「獣人!?」
メル「はい、なんでも特殊な技術を会得してたのですが、自分の国ではその技術自体が
   使用禁止になって、この街にやってきたみたいっす。」
ティオ「獣人までいるんですね…。」
アズマリア「さぁ、とりあえずこれについては文句言わないとね!!」

アズマリアが勢いよく扉を開ける。すると店のカウンターには問題の獣人が新聞を片手に
こちらを向いた。

リーナン「おやおや、いらっしゃーい。ってアズじゃん。どうしたのかなぁ?」
アズマリア「あんたんとこで買った宝石にこれが混じってたんだが…」

アズマリアはカウンターに先ほどの赤い宝石を置く。するとリーナンはそれを手に取り、
ルーペでじっくりと観察する。

リーナン「こりゃ霊石だね。どうやら混ざっちゃったみたいで…ごめんね」

リーナンは軽い表情でアズマリアに謝り、赤い宝石を改めて調べてみる。すると>>49
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 22:46:26.43 ID:drMPmUlHo
リーナンの手と赤い宝石が激しく共鳴を始めた。
50 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/12(土) 22:57:17.09 ID:+nFDKbSeo
リーナン「ふむ…こいつは面白いのが封印されてるな」
アズマリア「この期に及んで一体何を…」

リーナンはそう言うと右手に赤い宝石を置く。すると彼女の手に施された
紋章が光だし、赤い宝石も激しく輝きだした。

リーナン「こいつは俗に言う使い魔というやつだ。さしずめアズのことだ。
      低級霊とか言ったんだろう。」
アズマリア「うっ…なぜそれを…」
リーナン「お前はなんでも悪霊のせいにするからな。もっと細かく調べてみればわかるものを…」

リーナンがやれやれといった様子で右手に置いた赤い宝石に力を入れる。
するとその宝石が輝きを強めていく。

リーナン「おい、そこの金髪の娘…!!」
ティオ「わ…私!?」
リーナン「どうやらこの宝石の中身はお前さんを気に入っているようだ。
      …どうだ、飼ってみないか?」

リーナンが笑いながらそういう。それにアズマリアとメル…そして本人であるティオが
驚いた様子を見せる。

アズマリア「飼うって…何言ってんだお前!!」
リーナン「アズに聞いているわけではない。その娘に聞いているんだ。」
ティオ「その…飼うって言われても…使い魔の育て方とか…」
リーナン「そんなの普通の赤子と同じだ。…それで…どうするんだ?」
ティオ「うう…メルさん…アズマリアさん…」

二人に助けを求めるティオ。それに対し反対な意見のアズマリアに
半分興味のあるメル。

メル「ちなみに危険度とかは?」
リーナン「少なくとも全くない。安心せい。それでだ、どうするよ、娘!」
ティオ「>>51
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 22:58:46.43 ID:drMPmUlHo
子育てには自信があります
52 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/12(土) 23:08:48.22 ID:+nFDKbSeo
ティオ「子育てには…自信があります!」

ティオはそう言うとリーナンがクスクスと笑う。

リーナン「面白い事を言う娘だな。それじゃ…こいつはお前のものだ!!」

リーナンが赤い宝石を強く握り締めると宝石にヒビが入っていき…
大きな破裂音とともに辺りを光が支配する。

メル「な…なんすか…これ!!」
ティオ「まぶしい…!」
リーナン「目覚めるぞ…これがお前の…使い魔だ!!」

そして光が徐々に落ち着いてゆき…リーナンの手元には宝石の破片が散らばっていた。

アズマリア「なんだ…これ…」

そしてティオの手にあったのは…白い小さな光だった。

リーナン「これは使い魔フリーダム。これはお前が望む姿に形を変える。
      …ちなみにこの使い魔自体…かなり希少価値のあるものだぞ」
ティオ「使い魔…これが私の…」

まだ小さな丸い結晶のような姿をしている。その結晶を見てリーナンは言う。

リーナン「フリーダムという種族は人によってそれぞれだ。
      自分の知る限り…竜の姿にもなったし…人の姿のもいる。
      …悪魔の姿というのも当然あるし、動物の姿のもいる。」
ティオ「結構…いろんな姿になれるんですね…」
リーナン「うむ…お前さんは何を選ぶ?使い魔はお前さんの望む姿になる」

リーナンがクスクスと笑いながらそういった。

ティオ「望む姿ですか…。私がこの子に望むのは…>>53
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/12(土) 23:12:44.75 ID:QTHSO2IX0
人魚(マーマン)
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 23:13:14.72 ID:drMPmUlHo
この世の女神! すなわちこの私と同じ!
55 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/12(土) 23:22:42.12 ID:+nFDKbSeo
ティオの望んだ姿…それは人魚だった。
彼女の手のひらで使い魔は形を変える。全身が魚の使い魔だった。

メル「うわぁ…かわいい…」
ティオ「ほんとだ…望んだら…形が…」
アズマリア「…」
リーナン「最初にしては上出来だ。お前、資格あるんじゃなかろうかな…」
ティオ「資格…ですか…」
メル「でも魚っすね…。大丈夫なんすか?陸の上で」
リーナン「安心せい。そいつは魚の形をした使い魔。魔翌力があれば空中でも地中でも自由に泳げる。」
ティオ「魚じゃないんですね…」
リーナン「うむ…あとはちゃんと育てられるかだな…。飼えなくなり、捨てられた使い魔は
      はぐれ使い魔として人間に危害を加える。それだけは注意して欲しい。」
ティオ「分かりました。頑張って育ててみます!」

ティオが使い魔を手に入れ、リーナンの店を後にする。

アズマリア「あぁティオ。とりあえず使い魔を手に入れたのはいいんだけど…」
ティオ「どうしました?」
アズマリア「一応職人としての仕事とかもあるから厳かにするなよ。
       …まぁ、使い魔を使いこなせるようになれば一番助かるんだが…」
ティオ「あ、はい!…これからもお願いします!」
メル「ティオ様!ファイトですよ!!」

ティオの手には使い魔の眠る新たな宝石が握られていた。
小さな魚の姿をした使い魔は今後どのように育つのだろうか…

続く
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 23:23:24.24 ID:drMPmUlHo
おーつー
57 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/12(土) 23:25:17.13 ID:+nFDKbSeo
ペット的なのが出来てしまいましたよ。
多分某ゲームとかでサポートしてくれる猫とか的なのだと思われますけど…。

とりあえずあの子供は前回の犯罪者の息子ですかね(
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/12(土) 23:26:35.66 ID:QTHSO2IX0
乙!
59 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/13(日) 20:59:32.67 ID:9oN5l/Tno
みなさんこんばんわ。とりあえず始めさせていただきますよ

【登場人物】】
ティオルファ・ジェネッタ
-通称ティオ。元ジェネッタ王国のお姫様だが、魔物との争いに巻き込まれ国は壊滅。
唯一の生き残こりとなり、辺境の都市ハバリへとやってきた。

使い魔マリオン
-ティオの使い魔。魚の姿をしている。


メル・ドウェルフ
-元貴族の娘だが、家系は崩壊。現在は衛兵としてハバリで生活している。
現在の仕事はティオの護衛。

ウエストン・バリニーズ
-防具の魅力に魅せられ、鍛冶師になった青年。一応防具屋をやっているが
ほとんどバイトに店番させ、鍛冶に集中している。筋肉ムキムキで17歳に見えない。

アズマリア・バリニーズ
-ウエストンの双子の妹で教会のシスターをしている。魔法と裁縫の心得があるため、
魔翌力のこもった衣類やアクセサリーを作ることができる。兄に似ず小柄だが口が悪く、腕っ節がありシスターには思えない。

リーナン・キムリック
-異国から来た獣人で鉱物職人。また使い魔の知識にも長けている。
彼女の店では特殊な鉱物を扱っているため、職人の中ではすごく有名な存在。
60 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/13(日) 20:59:58.62 ID:9oN5l/Tno
【ハバリ教会】
使い魔をノリと勢いで手に入れてしまったティオ。現在、水晶の中には魚の形をした使い魔が眠っている。

ティオ「食事はこの姿の時は大気中の魔翌力だけでいいと…」
アズマリア「じゃ問題ないな。ここ教会だし。ただ魔翌力の偏りはひどいが…」
ティオ「そうなんですか?」
アズマリア「一応魔翌力配分は教会や神殿といった場所は神聖な属性が強めなんだ。…まぁ神聖な神を祀ってる場所の話だけどな。
      ちなみに過去の調査だと兄貴の工房は魔翌力自体が薄いし、リーナンの店は火、水、風、地の属性が安定している。
      場所によって魔翌力が違うんだよ。」

アズマリアが魔翌力について説明していると、使い魔の入った水晶玉が周りの魔翌力を吸収し始める。
その魔翌力が吸収される流れが目に見える。

ティオ「魔翌力を食べてる。…なるほど、こうやって育つんだ…。」
アズマリア「一応使い魔は魔翌力を好きな食べ物に変えられる。そういうイメージで捉えるといいらしい」

アズマリアがリーナンからもらった育て方の本を見て言う。

アズマリア「これなら私も使い魔育ててみるかな…。一応これでも魔翌力の管理は可能だからな」

さらに興味を示すようになっていた。ちなみに使い魔の管理が可能なのは魔翌力の制御が出来る者のみで
魔翌力を扱えない人間には与えられない。その手のものは魔翌力を管理できる職人たちによって管理されている。

リーナン「ちなみに今までみた使い魔には人の姿をした者もいれば犬や猫…機械生命体もいたなぁ」
アズマリア「!?」

突然扉の方から聞こえるリーナンの声。どうやら用があったようで現れたらしい。

リーナン「いやいや、まさかアズが使い魔に興味を示すとはねぇ…。」
アズマリア「な…なんだよ!!一応…助っ人というかパートナーというか…」
リーナン「マイスターズ協会に申請すれば人くらい派遣してもらえるのになぁ」
アズマリア「シスターの資格持ってる奴がいなかったんだよ!だから今まで一人でやってたの!」
リーナン「あらら、まぁここは職人の街だからねぇ…」

リーナンはニコニコ笑いながら使い魔の水晶を手に取る。

リーナン「ふむふむ…いい食事をしてるみたいだ。」
アズマリア「当たり前だ。ここを誰が管理してると思ってる?」
リーナン「これなら成長も早いだろう…。あとは教育方針かな…」
ティオ「教育方針…?」
リーナン「戦闘に特化させたければ戦い方を…職人としてなら学を…。君は子育てに自信があるとは言ったが…
     本当に子育てをしたことはあるのかな?」
ティオ「…」
リーナン「まあいい。これからが楽しみだ。…あぁ、それとアズ。君に頼まれた物を持ってきたよ。」

リーナンがそう言うと大きな麻袋からたくさんの宝石が現れる。

リーナン「安心せい。ただの安い宝石だ。」
アズマリア「本当だろうな…」

アズマリアが一つ一つ宝石を見定めてみる。すると>>61
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/13(日) 21:02:15.86 ID:r51csqDm0
何故か宝石に混じってアメちゃんが入っていた
62 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/13(日) 21:11:30.19 ID:9oN5l/Tno
アズマリア「全く…お前の宝石は質はいいんだがなぁ…」

ひょいひょいと宝石をつまみ上げながら見比べるアズマリア。すると
あるところでその手が止まる。

アズマリア「おい、リーナン」
リーナン「何かな?」
アズマリア「これ…キャンディじゃないか?」
リーナン「ふむ…よく見たらキャンディだった。そういえばこの間宣伝のために
      いくつか作ったから…それがまじったのかな」
アズマリア「まじったのかな?…じゃねぇよ!!お前…必ず異物を混ぜるな!」

アズマリアはキャンディを取り上げるとそれをリーナンに投げつける。

リーナン「ははは、人間は完璧ではないのだよ」
アズマリア「だったらもう少し完璧になるように努力しろよ!」
ティオ「っていうかキャンディまで作ってるんですね…」
リーナン「正式には私が作ったのではないんだがな…。」
アズマリア「あー…そういえばお前の店のとなりって…」
リーナン「うむ…菓子屋だ。そこで工房借りて作ったんだ」

リーナンが自国で使用されていると思われる扇でパタパタと仰ぎながら説明する。

リーナン「意外と宝石に似せたキャンディは好評でな。おかげで売上もよかったよ」
アズマリア「はいはい…それはよかったな…。それじゃとっとと帰れ。こっちは
        弟子に仕事教えること多いから忙しいんだよ」

アズマリアがシッシッと獣を追い払うかのようにリーナンを追い出す。

アズマリア「さてと、それじゃ改めて仕事を始めますかね…」
ティオ「あ、よろしくお願いします…!」

二人が作業に取り掛かる。宝石の加工、法衣のための素材の見分け方など
アズマリアが今まで行ってきたことをティオは教え込まれている。
すると>>63
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/13(日) 21:13:03.97 ID:vG1PbJTq0
猛烈な睡魔に襲われ
64 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/13(日) 21:22:32.33 ID:9oN5l/Tno
ティオ「あう…眠い…」

猛烈な睡魔に襲われるティオ。ここしばらくずっと同じ作業だったためか
かなり体力的にも精神的にも来てるのだろう。

アズマリア「っと、わりといい時間だな。それじゃ休憩しますかね」
ティオ「すいません、ちょっと寝てきます」
アズマリア「ああ、私もちょいと買い物でもしてくるかな。」

ティオは自室へと戻り、アズマリアも教会の外へと出ていった。
そして使い魔の水晶をテーブルに置き、ティオはベッドへと潜り込んだ。
約二時間後…

アズマリア「おい、ティオ!起きろ!!」

アズマリアに揺さぶられ、目を覚ますティオ。

ティオ「あ…おはようございます…ふぁあ…」
アズマリア「全く…まさか二時間も寝てたとはな…」
ティオ「いやぁ…お恥ずかしい限りで」
アズマリア「マリオンもまだ眠り続けてるし…ほんとに親に似るんだな」

アズマリアは使い魔の水晶の中で眠る魚型の生物を見て呆れた表情を見せる。

ティオ「そういえばマリオンはいつ成長するんですかね…。まだ一日しか経ってないけど」
アズマリア「どうだろうな…こういうのはリーナンが詳しいと思うが…
       まぁそれはどうだっていいから、とりあえず仕事だ」

ティオもベッドから立ち上がり、仕事場へと向かう。そして午後の仕事を開始すると>>65
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/13(日) 21:28:18.78 ID:vG1PbJTqo
今度は強烈な食欲に襲われた
66 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/13(日) 21:36:42.48 ID:9oN5l/Tno
ティオ「あの…師匠」
アズマリア「何かな?」
ティオ「ちょっとお腹がすいたんですけど…何かありますかね?」
アズマリア「お前なぁ…どんだけ欲に飢えてるんだ?寝て食うって…」
ティオ「一応朝から何も食べてないわけですし…」

恥ずかしそうに笑うティオに怒りがこみ上げてくるようなアズマリア。
するとアズマリアはティオにパンとコーヒーを差し出した。

アズマリア「それでも食っとけ。全く…」
ティオ「すいません、助かります。」
アズマリア「ん?でも確か昼食は少し早くに食ったはずだよな…。」

ふと思い出す疑問。実際ティオが眠る前に昼食を軽くとっていたのだ。

アズマリア「なぁ、ティオ。お前…その水晶に…力奪われてないか?」
ティオ「え?」

アズマリアが言っているのはその使い魔が眠る水晶だった。
実際アズマリアはそれほどの睡魔も食欲も訪れていない。
一方でティオは極度の睡魔と食欲に襲われている。

ティオ「ううん…どうでしょうか…」
アズマリア「そういえばリーナンも言ってたな。使い魔は大気中魔翌力を糧にする。
        …ってことはお前…自身の魔翌力を食われてるってことだぞ!?」

アズマリアがティオの作業台にあった使い魔の水晶を指差して遠ざかりながら叫ぶ。
そして食事を済ませたティオも使い魔の水晶に視線を向ける。すると>>67
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/13(日) 21:42:29.02 ID:vG1PbJTqo
レベルアップしたような音楽が聞こえた
68 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/13(日) 21:54:14.69 ID:9oN5l/Tno
すると水晶から謎の効果音が聞こえた。
ファンファーレのようなそんな音である。

アズマリア「なんか成長したというかレベルがあがった音が聞こえた気がした」
ティオ「私も聞こえました…」
アズマリア「ティオ…やっぱお前…魔翌力食われてるぞ…」
ティオ「やっぱそうなんですか…」

とりあえずアズマリアはリーナンを呼びつける。
リーナンはすぐには無理とか言っていたがアズマリアが強制的に連れてきたため、
手には作業用の工具が握られていた。

アズマリア「その使い魔なんだが、ティオからも魔翌力を奪っているんだが」
リーナン「ふむ…嬢ちゃん、魔法の心得は?」
ティオ「一応…治癒魔法とか簡単なものなら」
リーナン「心得はあったか…。うむ、間違いない。魔翌力を食われてるな
      それもかなりごっそりと」

リーナンが断言した。それにティオは驚きを隠せないといった様子だった。

アズマリア「おい、どうするんだよ!このままだとティオが死ぬぞ!?」
リーナン「まぁ待て。解決する方法が無いわけではない」
ティオ「あるんですか!?解決方法が!」
リーナン「あるとも…まず一つは使い魔に食われないように躾る必要がある。
      だが、まだ幼体だからな…覚えるほどの知能がまだない!」
アズマリア「だめじゃないか…」
リーナン「もう一つは嬢ちゃんの魔翌力が非常に美味らしいからな。別な属性の
      魔法を覚えて、食べにくい味にする」
ティオ「なるほど、属性の復号化ですね」
リーナン「如何にも。属性が増えれば魔翌力も変わる。その使い魔が苦手な属性を追加
      すれば魔翌力を食われることがなくなる。」
ティオ「ほかの属性か…。」
アズマリア「そういえば同じ部屋にいた私が魔翌力を食われてないな…
        つまり、使い魔にとって苦手な属性だったってことか」
リーナン「それはどうか分からないけど、少なくともご馳走な属性を持った親がいれば
      そっちに間違いなく食いつくだろうな」

他にも解決策をリーナンが教えてくれる。マジックアイテムを使用することでの
魔翌力吸収を抑える方法、とっとと魔翌力を与えて成体にする方法など…
命に関わるか関わらないかに関係なく様々な案が出された。その結果>>69
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/13(日) 22:02:55.51 ID:r51csqDm0
話し合ってる間に勝手に解決していた
70 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/13(日) 22:17:24.02 ID:9oN5l/Tno
そして話し合っている間に問題はあっさり解決した。
理由は使い魔が魔翌力を溜め込みすぎた結果、成長をしてしまったのである。

ティオ「これが…私の使い魔…」
リーナン「そうか…成長するほどの魔翌力を一気に溜め込んでしまったのか…」

水晶から飛び出していたのは上半身が人間、下半身が魚の使い魔だった。

マリオン「ご主人様、美味しい魔翌力をたくさん頂いたおかげで無事成長できましたわ」
ティオ「すごい…これが私の使い魔…」
リーナン「一気に成長したな。普通ならもっと時間はかかるというのに」

マリオンと呼ばれる使い魔は魔翌力により空を浮いている。魚類系ではあるが
魔翌力が存在する以上どんな場所でも泳ぐことが出来る。そんな使い魔なのである。

アズマリア「へぇ…使い魔ってこんな感じなんだ。それで、どんなことが出来るんだ?」
マリオン「魔翌力があればどんな事でも出来ますよ!あ、でも職人みたいなことはむりかなぁ…」
ティオ「はうぅ…かわいい…!そうだよね、細かいことは無理だよねぇ!」
リーナン「まぁこれで無事使い魔が生まれたんだ。嬢ちゃん、それじゃ申請することあるから
      来てもらおうかな?」
ティオ「え、申請?」
リーナン「うむ、使い魔の力は膨大でな。下手すれば主にも危害が出ることもある。
      それをある程度抑えることがルールで定められている。」

そう言うとリーナンは不格好なリングと一枚の紙を取り出した。

リーナン「この申請を行ってもらう。」
ティオ「分かりました。」

ティオは申請書にサインをし、受け取ったリングをマリオンの腕に装着させた。

マリオン「はう、なんか魔翌力が弱くなってきた気がします…」
リーナン「マリオンの魔翌力はまだ安定していない。このリングがあればちょどいい力に抑えられる。
      それと同時に嬢ちゃんから魔翌力を奪うこともなくなるわけだ。」
ティオ「それは助かります。これなら一緒にいられそうです!」

喜び、舞い上がるティオ。そこにアズマリアが口を挟んでくる。

アズマリア「さてと、それじゃ仕事の続きだ。」

アズマリアに言われ、作業台に戻るティオ。そしてその隣には水晶に戻ったマリオンが
中で応援をしていた。

そして今回のノルマである宝石を加工していると>>71
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/13(日) 22:27:22.76 ID:vG1PbJTqo
砲丸投げの鉄球が壁をぶちぬいて飛んできた
72 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/13(日) 22:35:36.29 ID:9oN5l/Tno
ティオ「よし…最後の一個…」

ティオが最後の一個の宝石を加工していると突然壁が破壊され、何かが飛んできた。

これにアズマリアとティオは本気で驚いていた。

アズマリア「なんだ!これ!!」
ティオ「これは…鉄球!!」
アズマリア「戦争か、戦争が始まったか!!」

地面に落ちていたのは鉄球だった。これが壁をぶち抜いて飛んできたのである。

二人は急いで教会の外に出てみる。するとそこには武器を構えたメルがいた。

メル「あ、ティオ様!アズマリアさん!!ご無事でしたか!!」
アズマリア「大丈夫!それでこれは一体!!」
メル「私も急いで駆けつけたっす!教会が何者かに襲撃されたと!」
アズマリア「壁破壊されたからね…。只者ではないでしょ!」
メル「現在、守衛団が調査を行っているっす!犯人はじきにわかると思います!」

そして守衛団が駆けつけ、アズマリアの教会の襲撃されたポイントの調査が開始される。
武器が飛んできた方向、距離や角度などを調べあげ始める。そして数時間後、
怪しい人物が確保された。

守衛団「指紋が一致した怪しい人物を確保した!!」

アズマリアたちの前に突き出された者…それは>>73
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/13(日) 22:38:17.50 ID:r51csqDm0
片腕だけが異常に発達していた
74 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/13(日) 22:46:04.99 ID:9oN5l/Tno
アズマリア「いやさぁ…」

アズマリアが口を濁して言った。守衛団に捕まった人物は何故か右腕のみが異常発達
した男だった。

メル「ちなみにこの男が鉄球を投げたのは間違いないっす。」
アズマリア「っていうか人間なのか…この…如何にも砲丸投げか腕相撲に特化した男は…」
ティオ「ドーピングとか…?」
メル「調べ上げれば分かることっす。ちなみに今は大人しいっすけどあれを投げるほどの
   怪力の持ち主っす!」

男はがんじがらめに縛られているため、全く身動きが取れないようだ。
そのため非常に大人しくなっている。

アズマリア「それで聞かせてもらおうか、なんでうちを襲撃したんだ?」
男「…」
アズマリア「黙られても困るんだよね。全く、変なガキといい変なおっさんといい…
       どうして教会を狙うものか…」
メル「あ、ちなみに先日の少年は補導しましたっす。あの後、別な職人の家の
   ガラス割ったんで。」
ティオ「懲りてないなぁ…あの子も…」
アズマリア「それでどうなんだい?なんでうちを襲ったのかな?」

アズマリアが工具を持ちながら犯人に追求してみると>>75
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/13(日) 22:52:17.24 ID:vG1PbJTqo
「太陽が眩しかったから」と有名小説からパクったセリフを言った
76 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/13(日) 23:00:16.94 ID:9oN5l/Tno
男「太陽が眩しかったから…」
アズマリア「ほう…つまり太陽が眩しくて鉄球で太陽でも壊そうとしたのか?」

アズマリアの顔にどんどんと怒りがこみ上げてくる。

アズマリア「そしていざ投げてみたら途中で落ちて…うちに直撃したと」

アズマリアはそう言ったと同時に拳が男の顔に直撃していた。
男は何も言わずに吹っ飛ばされる。

アズマリア「てめぇ…どんだけ馬鹿なんだ…?大体、今何時だと思ってやがる…」
メル「もう既に夕刻っすね。お日様はもう沈みかけてるっす。」
ティオ「そういえば、もうそんな時間…」

そしてアズマリアは再び男の胸ぐらをつかむと何度も何度も拳を顔に向けてぶつける。

アズマリア「そんな単純な嘘つくんじゃねぇぞ!!それに日はうちから反対側に沈むんだよ!!」
あの位置にはどう考えても鉄球は落ちてこない!!」

メル「落ち着いてくださいっす!気持ちは分かりますけど!!」
アズマリア「っていうか、コイツ誰だよ…。こんなの見たことないぞ!」
メル「とりあえずマイスターズ協会の名簿にも守衛団の名簿にも載ってない顔っす!」
アズマリア「一般人ってとこか?…いや、こんなふざけた体の一般人はいないな…
       おいおっさん。正直に話してもらおうか。…何が目的だ?」
男「>>77
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/13(日) 23:09:27.55 ID:vG1PbJTqo
「(絶命していた)」
78 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/13(日) 23:18:19.95 ID:9oN5l/Tno
男「…」

男は何故か黙り込んでいる。ここまできて黙秘をシャレこもうとしているのだろうか。
いや違う。男は死んでいたのだ。

アズマリア「…死んだ?」
メル「…アズマリアさん、殴りすぎっすか?
   …いや、違う、とりあえず離れるっす!!」

メルがそう叫ぶ。すると守衛団が一斉に集まりだした。

メル「このパターンは…例のあれっすね…」
守衛「またこれか…」

守衛団が集まって話し合っている。そして話が終わったのか
ティオたちの前メルがやってくる。

メル「この男は魔族っす。」
ティオ「魔族…!?」
アズマリア「どうして魔族がここに!?」
メル「実はここ数日、不審な死が数件ほど出てるっす。その時同時に
    今回のように家を襲うケースがあったんす。」
アズマリア「そんなことが…!」
メル「ハバリは職人と守衛がいるために魔族に襲われることはないと思ってたんですが、
    どうやら少しずつ魔族は襲ってきてるみたいっすね」

守衛たちから聞かされた事実。これにより今まで縁がなかったと思われた
魔族がやってきているということを知らされた。

これを聞かされて最も顔を青ざめていたのはティオ本人だった。

続く
79 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/13(日) 23:19:44.28 ID:9oN5l/Tno
とりあえずこれで終わりです。
なんか毎回必ず教会は襲撃されるようで。
多分次回からはちょっとは話が進むかと思われます


いや、とりあえず最後なんか言おうず。襲った理由くらい知りたいし
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/13(日) 23:21:04.52 ID:vG1PbJTqo
>>79
思いつきませんでした

81 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/19(土) 20:58:36.47 ID:1j7+2yjio
それじゃ始めさせていただきます。
とりあえず雨ばっかで憂鬱にもなりますねww
82 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/19(土) 20:59:14.71 ID:1j7+2yjio
人間に化けての魔族の侵攻が始まった。時には亜人種たちが捕らえられ、尋問されることもあった。
リーナンといった獣人たちもまさに疑問の対象だった。
なかにスパイがいるのではないか?呼びつけた者がいたのではないかと…。
しかし、守衛団にはそれを見抜くことが不可能だった。その結果、事件が起きてからしか動くことができなかったのだ…。

だが、数年が経過し…
83 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/19(土) 21:00:08.97 ID:1j7+2yjio
【登場人物】
ティオルファ・ジェネッタ
-通称ティオ。ハバリへとやってきた亡命姫。
魔宝石を加工する職人になった。

使い魔マリオン
-ティオの使い魔。人型へと成長し、協会公認の使い魔となった。
水を中心とした様々な魔法が使える。

メル・ドウェルフ
-元貴族の娘だが、家系は崩壊。現在は衛兵としてハバリで生活している。
現在の仕事はティオの店の警備員兼店員。

アズマリア・バリニーズ
-ウエストンの双子の妹で教会のシスターをしている。魔法と裁縫の心得があるため、
魔翌力のこもった衣類やアクセサリーを作ることができる。兄に似ず小柄だが口が悪く、腕っ節がありシスターには思えない。

リーナン・キムリック
-異国から来た獣人で鉱物職人。また使い魔の知識にも長けている。
彼女の店では特殊な鉱物を扱っているため、職人の中ではすごく有名な存在。

ウエストン・バリニーズ
-防具の魅力に魅せられ、鍛冶師になった青年。一応防具屋をやっているが
ほとんどバイトに店番させ、鍛冶に集中している。
84 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/19(土) 21:00:50.79 ID:1j7+2yjio
【魔王歴1499年】
4年の時が経過した1499年…。新たな協会が設立され、魔族を区別することも可能となり
守衛団もマイスターズ協会も大きな成長をしていた。

マイスターズ協会に魔翌力のある武器を生み出せるマイスターが現れたのだ。そのお陰である程度訓練を組んだ者でも
魔族に対抗できるようになった。もちろん、守衛団に所属するものはかなりの実力を手に入れている。

そして…こちらでも…

マリオン「ありがとうございましたわ、またご利用くださいませ!」

立派に成長した使い魔…そして様々な宝石を加工する一人の職人がいた。
それこそ、過去のプリンセス…ティオだった。

現在彼女は魔翌力のこもった宝石を中心とした新たな職人として活動している。
今まで魔翌力のある宝石を自在に生み出すことができたのはいなかった。
鉱石をメインとするリーナンでもそれは不可能だったのだ。
だが、ティオはその方法を解析。実際付与することが可能となり、立派な店を構えている。
この宝石は力のない一般人は勿論のこと、守衛団や武器、防具職人などにも大量に売られ、マイスターズ協会でも
かなり上位に存在する店となっていた。

メル「しかし大繁盛っすね。驚きっす!」

守衛団から派遣され、ティオの店の護衛を正式に任されるようになったメルはほぼ彼女の店の店員と化している。
過去に数回ほど襲撃があったもののメルのお陰ですぐに解決している。

メル「とりあえず守衛団の情報によりますと魔族の攻撃は強くなっている一方らしいっす。」
マリオン「怖いですわね…。」
ティオ「恐れても仕方ありませんわ。今は自分たちができることをする。力があっても魔王を倒せるかはいまだ未知数。
    ならば…少しでも力になるために武器や防具を作る。…それが今の私たちですから」

ティオが宝石を加工しながらマイスターズ協会の心得を述べる。ちょいちょい宝石の形を確認しながら正しい形に整えている姿は
もはや一人前の職人だった。

メル「しかしティオ様の宝石は実にすごいっす…。魔翌力を加えられる上に他の武器や防具に付けてもその魔翌力が失われないなんて…」
ティオ「ああ、一応マリオンの力もあるの。宝石に安定した魔翌力を込めるのは人間だけじゃ無理ですからね。」
メル「そうなんすか…。マリオンさんってすごい使い魔だったんすね!」
マリオン「えへへ…でも魔翌力を制御するまでかなり修行しましたの!」

マリオンが褒められ、少し照れた表情を見せていると>>85
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 21:05:57.49 ID:HsYwIXuqo
「それは違うぞ」という突っ込みが
86 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/19(土) 21:11:37.79 ID:1j7+2yjio
マリオンが褒められ、少し照れた表情を見せていると突然扉が開き

???「それは違うぞ!」

との一言が飛んできた。

メル「むっ、初見の方っすね?」

長年この街に住むメルでさえ見たことのない人物の来店。
そして、即飛んできたツッコミに全員が驚いた様子だった。

ティオ「い…いらっしゃいませ。なにか御用でしょうか?」
マリオン「いいえ、その前にお聞きしたいですの!
      その何が違うのか…お聞きしたいですの!」
メル「マリオンさん…とりあえず落ち着いて…」

突然現れた訪問者に食ってかかる使い魔マリオン。
そしてそれを必死でメルは抑えていた。

ティオ「マリオン、落ち着きなさい。…全く、そういうとこは子供なんですから…。」
マリオン「うう…。それで何が違うんですの?」

マリオンは悔しそうな声で男に聞いてみると>>87
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 21:13:26.32 ID:HsYwIXuqo
「君の力、それは私のおかげだ」
88 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/19(土) 21:20:34.65 ID:1j7+2yjio
男「君の力、それは私のおかげだ」
メル「はぁ…?」

突如現れた男が言った一言は辺りを凍らせた。
そして…

ティオ「あぁ、そうなんですか。」
男「だから私に敬意を払わなければならない」
メル「なるほど…それであなたはどこまで知ってるんすか?マリオンさんのこと」
男「…」

急に黙り込む男にメルが追い打ちをかけてくる。

メル「いかがなされました?」
男「いや…その…」
メル「そしてマリオンさんの力が仮にあなたのおかげだとして…
   何が目的ですの?」
ティオ「メルまで本気にならないの…。」

ティオがやれやれと思いながら魔宝石の加工を再開させる。

メル「それで何が目的っすか?」

メルが男に尋ねてみると>>89
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/19(土) 21:24:18.25 ID:YstCvNVC0
君の父親について聞かせて欲しい
90 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/19(土) 21:33:00.71 ID:1j7+2yjio
男「君の父親について聞かせて欲しい」

男がそう言うとメルのオーラが変わる。額に怒りマーク辺りが見えたのではないかと思うくらいだ。

メル「話し全く関係ないっすね!っていうかお父様は既にお亡くなりっす!」

メルはそう言うと男を掴み上げると店の外へ放り出した。

男「な…なんだよ!!」
メル「冷やかしはお断りっす!!それにマリオンさんにはお父様はおりませんし、
   ティオ様は元旅芸人っす。お父様のことはご存じあげません。」

そしてメルは男をつまみ出すとそのまま店の外に立ちはだかった。

メル「帰れっす!!」

男はしばらく抵抗している様子を見せたが数分後には余りにも不審ということで
守衛団に確保され連れて行かれてしまった。

-ティオの店内部-
ティオ「最近変なのが現れるようになったみたいね」
マリオン「全くですわ!お陰で安心してお外にも出られません!」

魔族だけでなく避難してきた人物の中にも変なのが増えてきた。
そのため、守衛団も協会も無駄な労力を使うことが多くなってきたようだ。

ティオ「はやく魔王を倒す勇者とか現れないと…」
マリオン「全くですの!こうやってご主人様が魔宝石を作っているというのに!」

マリオンがプンプンと怒った様子でティオと話していると>>91
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 21:42:20.73 ID:HsYwIXuqo
勇者になりたいと豚が来店した
92 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/19(土) 21:50:16.47 ID:1j7+2yjio
そんなことを話しているとメルが店内に入ってきた。

メル「ティオ様ー。お客様っす」

メルが連れてきたのは小太りな男だった。
本人曰く勇者になりたいらしい。

マリオン「勇者になるのは勝手ですがここは職安じゃないですよ」

マリオンがすっぱりと言い払う。

男「それはわかってるんだ!だから武器が欲しくてきたんだけど」
マリオン「誰から聞いて来たか知りませんがここは魔宝石の店です。
      武器なら武器屋、防具なら防具屋へどうぞ。」
男「あの…」
マリオン「なんですか?一応言いますけど魔宝石を扱うなら免許とか必要に
      なります。あなたの今の装備ですと魔法に関するライセンスは
      お持ちではないように見えますけど…」

どうもこの店に来る人物はなにか勘違いしているようで、武器や防具を求めてくる
人物が多い。実際ここで売られているのは魔宝石と呼ばれる宝石で、
これを武器や防具に付与することで効果を発揮するのである。
なのでここで売られているものを買う人物は職人が主なわけだが…

男「それじゃ、ここは新米の冒険者にはまだ早いというのか?」
マリオン「はい、せめて魔法に関する知識と免許を得てからお越し下さい。
      あ、とりあえず職安への道をお教えしますか?」

マリオンが男に対し、職安への道を教えていると>>93
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 21:53:52.27 ID:HsYwIXuqo
小太りの母親がやってきた
94 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/19(土) 22:02:36.82 ID:1j7+2yjio
そして職安への道を教えていると、今度は小太りの母親がやってきた。

マリオン「いらっしゃいませ。」
小太りの母「こんなとこにいた!魔宝石は高いのになんで入ったの!!」
小太りの男「いててて…知らなかったんだよ!」

小太りの男が母親に捕まると激しくビンタされていた。
それを見てマリオンが必死で呼び止める。

小太りの母「ほんとにバカ息子が申し訳ございません。
        この子、勇者に憧れているもので…」
マリオン「いえいえ、男の子ですからね…。ちなみにお母様は魔法の心得とかは?」
小太りの母「いあいあ、そんなのございません。私はただのフードマイスターです!」

そう言うと母親らしき女性はライセンスを見せる。するとそこには鳥のエンブレムが描かれていた。

ティオ「フードマイスターってことは随分遠くのエリアから来たんですね…」

ティオが言うには飲食街はこの職人街ではかなり離れた場所にあり、
歩いてくるには相当な時間がかかるとのこと。
そして何度か頭を下げた後、二人の親子はティオの店から去っていった。

マリオン「今日は変な人が多いですの…」
ティオ「気にしないの。とりあえず、今日のとこはこれくらいでいいかな」

ティオが魔宝石を加工し終え、それを箱にしまう。

ティオ「メルさん、マリオン。とりあえず店じまいの準備を」
メル「了解っす!」

メルが看板などを片付け、マリオンが店の中の掃除をしていると>>95
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/19(土) 22:12:29.25 ID:YstCvNVC0
謎の古文書を発見した
96 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/19(土) 22:22:07.15 ID:1j7+2yjio
そして掃除中、謎の古文書を発見する。

マリオン「ご主人様?…この店って築何年でしたっけ?」
ティオ「三年くらいだけど?」
マリオン「どうもいつのか分からない本を発見したんですけど」
ティオ「ふむ…お客さんの忘れ物かな…」

ティオがマリオンから受け取ったのはとても古い本だった。

マリオン「本自体からは魔翌力が出ていないようです。ただ…」

マリオンが不安そうな表情を浮かべて呟く。

マリオン「怪しいといえば怪しい気がします…。」
ティオ「なるほど…それじゃここじゃまずいかな…。」

閉店後、三人は謎の古文書を持ってアズマリアの教会へと赴く。

アズマリア「あのさぁ…ここ、夜は開かないんだけど」
ティオ「すいません、アズマリアさん。じつは…」

アズマリアに問題の本を手渡す。マリオンが怪しいと判断し、
神聖な力が働く場所で開くことを推奨したからである。

アズマリア「なるほど…確かに文書自体怪しいな…」
マリオン「それでここなら安心して開けるのできた次第ですわ」

四人はとりあえず警戒しつつも謎の古文書を開いてみると>>97
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/19(土) 22:35:00.30 ID:YstCvNVC0
実はそれは古文書に見せかけた裏金の帳簿だった
98 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/19(土) 22:44:58.63 ID:1j7+2yjio
そしてその古文書を開いてみるとそれは見せかけただけの裏金の帳簿だった。

アズマリア「随分溜め込んでるみたいだな」
ティオ「うちのじゃないですよ!?」
アズマリア「それじゃどこかの職人のものだな。ちなみにこれ見るとわかるが
       うちが卸してる法衣をかなり高値で売りつけてるな。」

アズマリアが見つけた項目ではアズマリア製造の法衣がかなりの値段で
売りつけられていたようだった。さらにはアズマリアの兄が製造した武器でさえも
かなり値段が上がっているようだった。

ティオ「ここ見るとうちで作ったオーブもありますね」
アズマリア「ちなみに何処の店のものかはすぐに分かった。
        私たちが商品卸してるマルチな販売店だ。」

アズマリア曰く表紙の文字は別な国の言葉に書き換えられてるだけで、
翻訳自体は実に簡単らしい。

アズマリア「これはマイスターズ協会に送りつけておくよ。」

アズマリアにこの件を任せ、三人は教会を後にする。

ティオ「まぁ実際考えてみたら築三年の店に古文書なんてあるわけないか…」
マリオン「そうですわね。」
メル「さしずめ、間抜けな店主が落としていったってとこっすかね」

三人が工房への道を会話をしながら歩いていると>>99
99 :MINT ◆MINT.MMVcM [sage]:2014/07/19(土) 23:02:37.62 ID:1j7+2yjio
とりあえず反応がないみたいですのでここまでにしておきます。
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 23:03:37.97 ID:HsYwIXuqo
イケメンでオーラビシバシの美青年がタイ焼きを焼いていた
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 23:05:02.37 ID:HsYwIXuqo
遅かったか

新規書き込みの時にスレは上げないんですか?
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 23:07:58.00 ID:HsYwIXuqo
>>99
とりあえず乙
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 19:31:42.29 ID:wCbkdr80o
保守
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/31(日) 21:26:10.06 ID:j52SToFe0
今月は無しか・・・。
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/09/06(土) 21:40:24.24 ID:ylJemWeZ0
保守
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/09/21(日) 13:50:09.39 ID:Wue5mS2j0
保守
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/17(金) 23:53:00.42 ID:pw737q/F0
保守
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/11/02(日) 18:58:00.72 ID:nZ4kOVb20
もう保守はできません
皆さんさようなら
楽しかったよ
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