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サン=テグジュペリ「ストライクウィッチーズ?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆kW/TrkkVS2 [saga]:2014/07/10(木) 12:06:17.55 ID:1yTsJPZL0

その日、ぼくはコルシカ島のボルゴ基地から、グルノーブル地方への偵察に出発した。
ノルマンディー上陸の作戦が始まってから一か月ほど後のことだ。
ぼくはその道程の途中、ドイツ軍機らしき影を見た。

〈ああ、ぼくはここで死ぬのか〉

そう思った。
しかし、雲の間から現れたのは、巨大で黒い謎の飛行機と、それと戦う少女たちだった。







 『それまで、ぼくはずっとひとりぼっちだった。だれともうちとけられないまま、6年まえ、ちょっとおかしくなって、サハラさばくに下りた。ぼくのエンジンのなかで、なにかがこわれていた。ぼくには、みてくれるひとも、おきゃくさんもいなかったから、なおすのはむずかしいけど、ぜんぶひとりでなんとかやってみることにした。それでぼくのいのちがきまってしまう。のみ水は、たった7日ぶんしかなかった。
  1日めの夜、ぼくはすなの上でねむった。ひとのすむところは、はるかかなただった。海のどまんなか、いかだでさまよっているひとよりも、もっとひとりぼっち。だから、ぼくがびっくりしたのも、みんなわかってくれるとおもう。じつは、あさ日がのぼるころ、ぼくは、ふしぎなかわいいこえでおこされたんだ。
 「ごめんください……ヒツジの絵をかいて!」
 「えっ?」
 「ぼくにヒツジの絵をかいて……」』  


 サン=テグジュペリ『星の王子さま』より











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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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2 : ◆kW/TrkkVS2 [saga 需要?しらないな]:2014/07/10(木) 12:08:12.18 ID:1yTsJPZL0
夜から始めます
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/10(木) 12:12:01.38 ID:nK3FPPRDO
はは まさか ほんとうに やるとはな
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/10(木) 12:12:26.39 ID:jaOnTJLWo
なんだこれ……期待
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/10(木) 12:25:34.18 ID:L651PzGbo
星の王子様しか知らないし、夏目漱石や宮沢賢治ほど文章に
個性がない気がするからどう展開するのか全く予想つかない。期待
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/10(木) 12:42:31.74 ID:XZDIN/7/O
いいSSになる事を期待する。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/10(木) 13:48:12.97 ID:EIJTRMmsO
なんという発想
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/10(木) 14:11:03.02 ID:1A0DJ89W0
なるほど、ドリフターズ(漂流者)になったのか
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/10(木) 14:12:52.92 ID:FG6zzzWE0
期待せざるをえない
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/10(木) 15:19:15.63 ID:LoWnkySgo
すっげぇ期待
11 : ◆kW/TrkkVS2 [saga ]:2014/07/10(木) 15:27:48.73 ID:1yTsJPZL0
BGM:時には昔の話を(加藤登紀子)

ttp://iup.2ch-library.com/i/i1236160-1404973564.jpg
12 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/10(木) 15:41:42.05 ID:1yTsJPZL0
現在フミでカネな先生及び某超有名スタジオの某ハヤオ監督とかに日本式DOGEZA謝罪をしております
今日は5時からやります
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/10(木) 15:43:18.34 ID:UQK0sz9A0
期待
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/10(木) 16:33:17.75 ID:P/5oQg3Y0
そんな謝罪しなきゃならんって、スキャンダルレベルちゃうの?
15 : ◆kW/TrkkVS2 [(モニターの前で)土下座]:2014/07/10(木) 17:02:23.75 ID:1yTsJPZL0
すると、その黒い飛行機は赤い光線をこちらにも放ってくる。ぼくはこの状況にいささか混乱しながらも、高度を400まで下げて、雲のなかに逃げこんだ。

サンテグジュペリ「何なんだ一体」

ぼくは、<あれは空の見せた幻覚だったのだ>と、無理矢理に納得して、元の航路に機首を向けるよう修整した。
16 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/10(木) 17:12:47.20 ID:1yTsJPZL0
そのままフランスの大地を探そうと飛んでいたが、雲は思ったよりも厚く、今飛んでいるのが陸地だか海だかぼくにはわからなかった。そうして飛んでいると、ぼくはその時雲の切れ間に灯台の白い光が滲むのを見た。

サンテグジュペリ<陸だ!あれは海の灯台の光だ!>

しかし、その光は直ぐにかききえてしまった。
ぼくは更に高度を落とそうとした。
17 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/10(木) 17:19:22.45 ID:1yTsJPZL0
その時、ぼくを強い振動と、地獄から響くような恐ろしい音が襲った。そのまま飛行機は草原を滑ってやがて止まった。
ぼくは不時着してしまったのだなとその時理解した。
機体は不気味に震えている。ぼくは危険だと判断して、コックピットから飛び降りて走った。すると、軍から与えられた金属製の双発機は、草原の真ん中でぼうぼうと炎を上げて燃え始めた。ぼくはそれを離れたところから見つめながら、持ち出して来たわずかな水を一口飲んで、そのまま座ってしまった。
18 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/10(木) 17:25:14.67 ID:1yTsJPZL0
ぼくはフランスの平原にひとりぼっちになってしまったのだった。

サンテグジュペリ〈そうだ、前にもこんなことがあった〉

ぼくは依然、サハラの砂漠に不時着してしまったときのことをおもいだした。しかし、あのときは同乗者のプレヴォーがいたし、ここまで飲み物も少なくはなかった。
ぼくは、辛抱してその日は眠りにつくことにした。もう燃え終わった機体の影で横になった。

19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/10(木) 17:34:19.51 ID:LoWnkySgo
今回の資料は夜間飛行とか?
20 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/10(木) 17:37:10.50 ID:1yTsJPZL0
翌日、ぼくは起きて水を飲もうとして、呆然とした。機体の上に置いたはずのその小さな瓶は、地面に落ちて割れてしまっていた。僕は完全に生きる希望を失ってしまった。
ここは仮にも敵地だった。仲間が危険を犯して助けに来るとも思われなかった。

サンテグジュペリ〈ああ、ぼくはここで死ぬんだ。遂に帰ってこなかったギヨメやメルモスのように、ぼくはここで死ぬのだ〉

ぼくは、脱水で死にそうな気分になりながら、空を見上げた。涙で視界はぼやぼやとした。



「あら、だいじょうぶですか!?そこの貴方!!」




ぼくは、その時、空から降りてくるお姫さまを確かに見たのだった。
21 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/10(木) 17:39:30.57 ID:1yTsJPZL0
とりあえずここまで
資料は 星の王子さま 人間の土地 夜間飛行
の三つです
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/10(木) 17:52:12.06 ID:LoWnkySgo

しかし文体うまいなぁ
23 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/10(木) 18:51:30.98 ID:1yTsJPZL0
別酉で趣味全開で戯れにかいたSSが評価高くて舞い上がっているので今日はもうちょっと書きます
九時から更新です
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/07/10(木) 19:03:08.26 ID:KNxevhTDO
サン=テグジュペリも戦闘機乗りだっけか
作風が天地の差だけど、チョコレート工場の秘密のロアルドダールも戦闘機乗りだったな
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/10(木) 19:09:38.77 ID:CgMhiptUo
戦闘機っていうか、偵察だな
F-5とかP38とか乗ってたんだっけ
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/10(木) 19:23:37.23 ID:nK3FPPRDO
雪風要素もアリ、と
戦闘機の動きに付いていければ、だろうが
27 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/10(木) 19:46:48.98 ID:1yTsJPZL0
雪風的近代ジェット機じゃないよー
ライトニングは双発レシプロ機です
なおサンテグジュペリの操縦技量に難ありな模様
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/10(木) 19:52:15.68 ID:CTuFtePC0
偵察ってとこででしょ。連想したのは
29 : ◆kW/TrkkVS2 [そうだったのかすまない saga]:2014/07/10(木) 21:16:18.29 ID:1yTsJPZL0
ぼくは信じられない、今まで体験したことのない状況にいた。ぼくの意識は一気に活性化する。
空からやって来た彼女は、ぼくの意識のあることを確認すると、仲間をつれてくるので待っているように言って飛び去っていった。

サンテグジュペリ〈また幻覚か、女の子の、しかも下は下着しか着ていない空翔ぶ少女の幻覚を見るとは、自分も案外変態だったのか〉

ぼくは死の間際に立っていた。立っていながら恐怖は感じなかった。それとは別に誰かに抱き締められているような気がしていた。ぼくの意識は静かに薄れていった。
30 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/10(木) 21:39:31.37 ID:1yTsJPZL0
目が覚めると、ぼくはベッドに寝かされていた。そんなぼくを覗きこむ二つの目がある。

「あっ!目が覚めましたか!」

それは東洋人の少女であった。ぼくは幾つか質問をしてみる。

サンテグジュペリ「ここはどこなんだ?」

「ここはガリアの第501統合戦闘航空団です」

サンテグジュペリ「ガリア…?フランスの古名か?」

「フランス?」

サンテグジュペリ「フランスを知らないのか?」

ぼくにはなにがなんだかわからなかった。

サンテグジュペリ「君の名前はなんだろうか」

芳佳「私は芳佳、宮藤芳佳といいます。貴方は?」

サンテグジュペリ「私はサン
31 : ◆kW/TrkkVS2 [ありゃ、書き込みエラーかな]:2014/07/10(木) 21:44:31.50 ID:1yTsJPZL0
サンテグジュペリ「私はサンテグジュペリという。軍人だよ」

そのあとぼくはベッドのなかにいながら、彼女に色々な質問をした。どうやらこの世界はぼくのいた世界とは全く違ってしまっている事が分かった。彼女のいっていることが嘘でなければ、ぼくは全くの別世界に来てしまったことになる。ぼくは運よく優しい少女たちに拾われたことに感謝しながら、少しの間眠った。
32 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/10(木) 21:50:38.16 ID:1yTsJPZL0
とりあえずここまで
まだ彼は活躍できませんね
もう少しお待ちを
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/10(木) 21:54:50.82 ID:BUL4/3YD0
つーか男って基本サポートなような……違う?
34 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/10(木) 22:00:39.66 ID:1yTsJPZL0
彼はまだサポートとしても活躍できていないのだ…
しかもあんまり操縦も巧くないのだ…
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/10(木) 23:54:45.18 ID:zWRKrj9Zo
郵便やさんやからね、仕方ないね
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/11(金) 00:04:46.86 ID:ywBTQehb0
戦いもする郵便屋さん……テガミバチ路線もアリか
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/07/11(金) 00:16:11.19 ID:s2VHAUMdO
むしろ彼よりも彼の持ってきた飛行機の方が重要な価値を持つのでは
38 : ◆kW/TrkkVS2 [ちょっと投下]:2014/07/11(金) 00:54:43.54 ID:scguq/AYO
やがて、ぼくは大分回復して、この隊の隊長の元へ出頭することになり、先ほどの芳佳に連れられて執務室へとやって来た。執務室では、一人の少女が書類を読んでいる。彼女は、顔を上げて入ってきたぼくらを見た。

「あなたが救助されたライトニングのパイロットね。貴官の名前と所属をお尋ねします芳佳」

サンテグジュペリ「アメリカ連合軍アルゲーロ基地所属、アントワーヌ・ド・サン
39 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 00:56:31.90 ID:scguq/AYO
なぜだぁぁあ何故誤字とエラーが出るのだぁぁぁ
上のは無視してください
40 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 00:58:46.32 ID:scguq/AYO
やがて、ぼくは大分回復して、この隊の隊長の元へ出頭することになり、先ほどの芳佳に連れられて執務室へとやって来た。執務室では、一人の少女が書類を読んでいる。彼女は、顔を上げて入ってきたぼくらを見た。

「あなたが救助されたカールスラント機のパイロットね。貴官の名前と所属をお尋ねします」

サンテグジュペリ「アメリカ連合軍アルゲーロ基地所属、アントワーヌ・ド・サン
41 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 01:06:13.47 ID:scguq/AYO
サンテグジュペリです」

彼女はミーネと名乗った。ぼくは彼女にも、芳佳にしたような説明を繰り返さなければならなかった。

ミーネ「……貴方の世界ではガリアを占領しているのがカールスラントだなんて…信じられないわね」

サンテグジュペリ「しかし、ぼくにとっては紛れもない事実です」

ミーネはしばらくぼくを鋭い目で見つめていたが、ふっと顔を緩めた。

ミーネ「まだ疑いは残るけど、物は嘘をつかない」

そう彼女は言うと、ぼくの目の前に、ぼくのドッグタグを差し出した。

ミーネ「このタグには、出身地がちゃんとフランスとかれているわ。貴方を信じましょう」

ぼくは芳佳と一緒に執務室を退室した。
42 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 01:08:34.56 ID:scguq/AYO
ミーネ「このタグには、出身地がちゃんとフランスとかかれているわ。貴方を信じましょう」
の間違いでした
脳内修正お願いします
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/11(金) 01:14:30.74 ID:a+jMKa9lo
ミーネ?
ミーナじゃなくて?


あとは、直接書き込むんじゃなくて書き込んだやつをコピペすれば途中送信とか少なくなると思うよ
44 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 01:17:59.70 ID:scguq/AYO
執務室から出た後、ぼくは一人の少女とすれ違った。それは紛れもなく、ぼくを助けてくれた少女であった。ぼくは礼を言おうとして彼女を引き留めた。

サンテグジュペリ「ぼくを助けてくれてありがとう。助かったよ」

ぼくは芳佳からあらかじめ、ぼくを助けてくれたのはペリーヌという少女だということをおそわっていた。

ペリーヌ「べつにネウロイの掃討の帰り際に見かけただけでしたのよ、お礼を言われる筋合いはないですわ」

サンテグジュペリ「しかし、君がここに運んでくれなかったら、ぼくは渇きで死んでしまっていた」

ペリーヌは足早に立ち去っていってしまった。彼女は本当に不器用だった。

45 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 01:21:05.33 ID:scguq/AYO
やった……!
遂にやってしまった……!
あまつさえあのお方の名前を間違えるという大失態…!

ミーナに脳内変換してください本当に申し訳ない

そしてこの眠気…!
圧倒的眠気…!
46 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 01:27:44.50 ID:scguq/AYO
眠気にかてないので今日はここまで
中佐の名前間違えは本当に申し訳ない
一体誰とごっちゃになったのか
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/11(金) 03:14:32.84 ID:PIUDeJBO0
カモミールティーでも飲んで落ち着きなヨー
48 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 09:34:49.65 ID:ZVuOFoA/O
今分かった…リーネさんと混じったんだ…
12時から書き溜め放出します
49 : ◆kW/TrkkVS2 [saga 都合の為フライング]:2014/07/11(金) 11:17:42.22 ID:WMFXWLTG0
芳佳はそのままぼくに与えられた部屋に案内してくれた。
ぼくは清潔な部屋のベッドに腰かけて、頭を休めた。今日というこの日は、ぼくに大きな混乱をもたらした。だが、あまりにもへんな出来事が続けざまに起きると、ぼくは思考を停止してしまうくせがあった。ベッドから立ち上がると、数少ない私物を整理して、ジャケットを古びた椅子に掛けた。
やがて、芳佳が、食事ができたと伝えに来て、そのまま食堂まで案内してくれた。てっきりぼくは一般兵用の食堂に案内されるとばかり思っていたが、一般兵と一緒に食事させるのも問題があるとのことなので、魔女の彼女らと食事をとることとなった。
食堂では、10人の少女がぼくと芳佳を待ち構えていた。
50 : ◆kW/TrkkVS2 [saga ]:2014/07/11(金) 11:18:22.87 ID:WMFXWLTG0
彼女らが食事をとるその場所は、にぎやかだった。ぼくの素性はミーナからあらかじめ伝えられていたようで、みなぼくに彼女たちにとっての別世界のことを質問した。ぼくはできるだけ丁寧に説明した。

そこは、島の狭い基地の小さな兵舎に押し込められていたぼくにとって、オアシスであった。美味いジャガイモをほおばりながらの少女たちとの談笑は、なんと明るく楽しいことだろう!
彼女たちはネウロイとの戦いの中にあって、戦争の薄暗さを感じさせなかった。
ぼくはこの団欒の中にあって、彼女たちの力強さを感じ取った。
51 : ◆kW/TrkkVS2 [saga ]:2014/07/11(金) 11:45:21.69 ID:WMFXWLTG0
シャーリー「アントワーヌはガリア人なのか」

ぼくはこの場ではアントワーヌと呼ばれていた。

サンテグジュペリ「ああ、フランス人だからそういうことになるのだろう」

リネット「でも、別の世界から飛んできたなんて、不思議な話ですね」

サンテグジュペリ「僕も信じられないよ」

エイラ「まあ、短い間だろうけどゆっくりしていくんだな、ここはいいところだ」

サンテグジュペリ「ああ、そうすることにするよ」

食事が進むにつれ、皿のジャガイモはあっという間になくなっていった。
52 : ◆kW/TrkkVS2 [saga ]:2014/07/11(金) 11:46:35.89 ID:WMFXWLTG0
用事があるのでここまで
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/11(金) 12:26:13.72 ID:kI4fEc1DO
短い間と言うが、帰れるのか?
それに、こちらにはこちらのアントワーヌさんが居るんじゃないかとか、色々考えるべき事は多そうだ
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/11(金) 13:40:26.70 ID:a+jMKa9lo
エースじゃないからなぁ
55 : ◆kW/TrkkVS2 [saga ]:2014/07/11(金) 16:13:39.81 ID:WMFXWLTG0
http://uproda11.2ch-library.com/e/e00055799-1405062752.jpg

イメージボード
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/11(金) 16:22:01.86 ID:UXOpSjxyO
かあいい
57 : ◆kW/TrkkVS2 [ここの欄で連絡するのがマイブーム]:2014/07/11(金) 16:51:40.65 ID:WMFXWLTG0
http://uproda11.2ch-library.com/e/e00055804-1405064996.jpg

菫ョ豁」
58 : ◆kW/TrkkVS2 [なんか文字化けしとる ]:2014/07/11(金) 20:37:40.75 ID:WMFXWLTG0
今日は10時から始めます
59 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 22:00:49.18 ID:wh3W8I+NO
翌日、ぼくは再びミーナに呼び出しを受けた。
ぼくは一人で執務室に入室する。すると、そこにはミーナの他に、昨日食堂でも顔を見た眼帯の、坂本という少女がいた。彼女の豪放な性格はよく記憶に残っている。ぼくはミーナに一礼して用件を尋ねた。
60 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 22:09:47.15 ID:wh3W8I+NO
サンテグジュペリ「今日は何の用ですか少佐」

ミーナ「ミーナでいいわ。今日になって貴方の処遇が決定した」

サンテグジュペリ「それはまた早いな」

ミーナ「この基地周辺の事はある程度私が自由にできるから…リストを洗ってみてもサンテグジュペリと言う名のガリア人の少佐は居なかったわ」

サンテグジュペリ「当然だよ、ぼくはフランス人だ、ガリア人じゃない」

ミーナ「そうだったわね……ともかく貴方はこの世界では軍属ではないわ、でもこのまま放り出すこともよろしくない」

サンテグジュペリ「ぼくとしても遠慮願う」

ミーナはひとつ咳払いをすると、こう言った。

ミーナ「貴方は昨日の食堂で、昔は郵便機のパイロットだったと言っていたわね?
貴方を、この基地付きの郵便飛行機パイロットに任命します」
61 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 22:10:37.45 ID:wh3W8I+NO
げえっミーナさんの階級中佐だ
一行目変更しておいてください
62 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 22:22:27.36 ID:wh3W8I+NO
ぼくは何の因果か、この世界でも郵便飛行機の操縦士に任命されてしまったのである。ぼくはミーナに幾つか質問をした。

サンテグジュペリ「何処と何処を結ぶんだ?」

ミーナ「この基地からトゥールーズ、カサブランカの間よ。今までは兵員輸送の際に一緒に手紙を送ってもらってたけども、郵便飛行機があればあるに越したことはないわ。この基地には色々な国の人々が集まっているから郵便物は多い」

サンテグジュペリ「それに、郵便飛行航路に就航している飛行機も少ないと」

ミーナ「その通りよ、みんなネウロイとの戦いに徴発されるか、さもなくばパイロットが志願して居なくなってしまってる」

ぼくはミーナに敬礼をして、命令を受領したことをあらわす。坂本は豪快に笑ってぼくを激励してくれた。
63 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 22:33:50.92 ID:wh3W8I+NO
ぼくは歓喜にうち震えた。もう一度大空を飛べるのだ!このぼくの喜びようがわかるだろうか。執務室を出たあとのぼくは廊下を跳び跳ねながら行きたいような心持ちだった。
ぼくがかつて郵便飛行の仕事に着いたのは、第一次世界大戦と第二次世界大戦の戦間の時だった。ぼくはその時すでにひどく空に憧れていた。その前は軍に入って飛んでいたが、操縦のミスが多くてついに辞めざるおえなくなってしまった後だった。ぼくは決められた航路を政治家の手紙や富豪の証券なぞを積んで、危険な冒険をしなければいけなかったが、空はそれ以上に、息を飲む風景を見せてくれた。ぼくはそれがたまらなく好きだったのだ!
64 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 22:40:14.19 ID:wh3W8I+NO
ぼくは部屋に戻ると、ジャケットと飛行帽の手入れをきちんとした。そして、手帳に今日伝えられたことを書き付けて、ジャケットの右ポケットに滑り込ませた。そうして色々な、大空に飛び立つ準備を進めていると、通りかかったエイラが食事の準備がすんだ事を知らせてくれた。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/11(金) 22:41:12.73 ID:/ibt8uaWo
これ時期的には1期なの?
66 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 22:41:41.32 ID:wh3W8I+NO
とりあえずここまでー
67 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 22:42:29.50 ID:wh3W8I+NO
一期です
何故なら基地の位置が都合がよかったからです
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/11(金) 22:44:40.76 ID:/ibt8uaWo
なるほど、だからイギリスの地名なのね
69 : ◆kW/TrkkVS2 [縺薙l雎縺ェ]:2014/07/11(金) 22:50:16.47 ID:wh3W8I+NO
サンテグジュペリはフランス本土を偵察する任務についていて、地中海の島からフランスへ向けて飛んでいったのですが、一期ストライクウィッチーズはガリア、つまりフランスにいたので、冒頭の遭遇シーンは実はそこら辺も考えられてます
70 : ◆kW/TrkkVS2 [いや、ガリアではなくドーバー海峡だった]:2014/07/11(金) 23:41:37.55 ID:wh3W8I+NO
ぼくは食堂で、少女達とパンにかじりついた。ぼくがこの基地の郵便飛行機操縦士に任命されたことを皆に伝えると、喜んでいるようだった。皆とこうして雑談するのも、規則により今日が最後かと思ったが、ミーナは特にうるさくはなかった。理由を聞くと、ぼくは民間人の扱いだからとのことであった。それでいいのかとは質問したが、その代わり死んではいけないわよとは言われた。ぼくとしても彼女たちを無闇に悲しませることはしたくなかった。
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/11(金) 23:42:22.75 ID:tiklsn1f0
伝令とかみたいな危険でキツいのじゃなくて良かったね
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/11(金) 23:48:11.22 ID:kI4fEc1DO
死んではいけない、か。これまた温かくも重い事をおっしやる
73 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/11(金) 23:58:38.98 ID:wh3W8I+NO
シャーリー「リベリオンからの手紙も早く届くようになるな」

サンテグジュペリ「そうだな、カサブランカ経由で飛ぶと早く着くね」

坂本「日本からの手紙も」

サンテグジュペリ「早くなる」

ぼくは皆の期待を背負って飛ぶ覚悟を決めた。
明後日には飛行機が用意され、第一便のフライトを決行する予定だった。
74 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 00:02:13.33 ID:ejlCZlJxO
今日はここまでー
無職から郵便飛行機パイロットに昇格しました
カサブランカってアフリカなんですよねー
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 00:33:10.51 ID:1ohsaVqyo
76 : ◆kW/TrkkVS2 [ちょっと投下]:2014/07/12(土) 12:05:34.31 ID:dtZ2wTNlO
やがて二日後がやって来た。
ぼくが起こしてもらったのは朝の三時だった。ぼくはいきなり鎧戸を押し上げた。そしてこの水上の城の周辺に薄暗い雲がかかっているのを見た。ぼくはむっつり身支度をした。
三十分後、ミーナから与えられた小さな鞄の上に腰を下ろして、基地のそまつな滑走路で機が来るのを待っていた。待っている間の時間はひどく長く感じられた。
77 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 12:11:29.14 ID:dtZ2wTNlO
やがて、ぼくの元に倉庫の整備員がやって来て、ぼくに整備の終わったのを告げた。

「大将、終わりましたぜ……」

ぼくは一礼して立ち上がって、倉庫の方へ歩き出す。やがて、倉庫の扉がゆっくりと開く…。
このときのぼくの驚きようといったら!
倉庫の中に鎮座していたのは懐かしの複葉機であった。

サンテグジュペリ「ブレゲー14!」

「基地にはこれしかなかったんです、他はみんな徴発されてしまってる…」
78 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 12:17:11.56 ID:dtZ2wTNlO
ああ、ブレゲー14 !
ぼくが始めて郵便飛行に使った機だったが、まさかこんなところで出くわすとは!
この機は相当に年寄りなはずだ。ぼくは少し不安になった。

「大丈夫ですぜ…俺たちがきちんと整備しましたから…」

ぼくは腹を括って、よじ登って郵便袋を操縦席の裏に詰め込むと、一番前のコックピットに着いた。
79 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 12:25:25.69 ID:dtZ2wTNlO
ぼくはここにきてしげしげと滑走路を眺める。今までここから何人の操縦士が飛び立っていったのだろう。そして、何人がその大空に身を投じたのだろう。何人が地に落ちたのだろう。何人が帰ってこなかったのだろう!
そして、ぼくもこの滑走路から飛び立つ操縦士の一人になるのだ。
80 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 12:30:06.65 ID:dtZ2wTNlO
ぼくは、エンジンをかけてもらう。そして計器盤を点検して、ライトが点くかどうかを確認する。ライトがつかなかったら、ぼくは夜間飛行の時に、唯一の羅針盤を失うことになってしまうからだ。そうして一通りの点検を終えた。
81 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 12:38:46.95 ID:dtZ2wTNlO
やがて、機体はゆっくりと前進する。そしてその速度を増す。発動機は全開となり、銅鑼のようになりはためきながら、風切りの音を圧して進むとき、ぼくは自分の腰の動揺によってこれを知る事ができる。ぼくは感じる、自分の機がスピードを増すにしたがって刻一刻と能力に満ち溢れてゆくのを。ぼくは感じる、この十五トンの物質のなかに、飛行を可能とするあの成熟が準備されるのを。ぼくは、その手のなかに操縦桿を握りしめる。するとしだいに、彼の手のひらのなかにこの能力が技となって受け入れられる。操縦桿の金属の器官が、この能力が彼に満ちてくるにしたがって、彼の力の伝達者として働きだす。この力が成熟しきったところで、花を摘み取るよりいっそうしなやかな動きで、操縦士は機体を陸から離して空中に浮かび上がらせる。
82 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 12:40:27.87 ID:dtZ2wTNlO
ぼくは、懐かしの土地、トゥールーズへと飛び立った。
83 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 12:41:52.37 ID:dtZ2wTNlO
訳 堀口大學でお送りしました。
とりあえずここまでです
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 13:00:05.32 ID:zlVmdz1DO
85 : ◆kW/TrkkVS2 [もうちょっとだけ]:2014/07/12(土) 13:15:15.41 ID:dtZ2wTNlO
眼下にはドーバー海峡が見える。辺りはそろそろ日の出を迎えようとしていた。空の一点が明るくなり、地平線が煌めく。
すると、ぼくの視界に入るものがあった。

サーニャ「アントワーヌさん」

ぼくは手を振る。サーニャは暫く、並んでぼくの機についてきた。
朝日を浴びる彼女は、美しく、その銀髪が橙に反射する姿は、ぼくの記憶に深く刻まれた。
ぼくとサーニャは朝日とは反対方向の、まだ暗闇の残る方角へと飛んでいた。彼女は、薄く笑っている。その微笑みさえも神々しかった。静かなその笑みの後ろに隠された、その知性は、ぼくの航海を導く女神をぼくの機体に降ろした。

サーニャ「……この二百キロさきで、嵐がおこってるわ。気をつけて」

サーニャはそうぼくに告げると、ゆっくりと離れていった。おおかた夜間哨戒の帰りだったのだろう。その小さな女神は遥か後ろの基地へと戻っていった。
ぼくは高度をさらに上げた。

サーニャ
86 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 13:17:03.54 ID:dtZ2wTNlO
一番したの一行は無視で
ここまで
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/12(土) 13:43:45.37 ID:PGGZPasT0
乙。いいね
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 14:17:20.44 ID:1ohsaVqyo
そういえばストウィ世界ってストライカーユニット以外の飛行機ってどういう発展してんのかね
二期一話とかでも出てるから完全にないってことはないんだろうけど
89 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 14:23:11.84 ID:dtZ2wTNlO
>>1は、飛行機は普通に発達してると考えています
今回は描写の問題でブレゲー14を選びました
ディティールはイメージボードを参照してくだされ
90 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 17:38:19.78 ID:lpAifraK0
ぼくは、ガリアを避け、ネウロイに出くわさないようにしながらぼくはやっとの思いで道程の半分を翔破したところで、サーニャの予言通り嵐に襲われた。鋼管に布を張っただけの翼には、激しい風雨が打ち付けられる。機体が激しく揺れた。空の怒り狂った場所をぼくは機体の速度を上げて通りすぎようとする。積乱雲の上昇気流に機体は突き上げられ、更に振動が激しさを増す。ぼくは更にエンジンの出力を上げる。
すると、周りの黒い雲は後方へと流れ、辺りは純白の雲と澄んだ藍色の空になった。嵐を通りすぎたのだ。
ぼくは機体の異常がないことを確かめると、安心して、トゥールーズでの朝食のことを考えた。
91 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 17:47:10.28 ID:lpAifraK0
やがて、雲が切れてトゥールーズの町が地平線に見えてきた。ぼくは高度を落として滑走路を確認すると、ゆっくりと着陸する。右のタイヤが軋んだが、特に問題はなく降りることができた。
92 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 18:08:35.68 ID:lpAifraK0
とりあえずここまで
挿絵的な何かをいれてほしい人は、シーンを指定してくれれば入れます
93 : ◆kW/TrkkVS2 [忘れてた]:2014/07/12(土) 18:16:08.54 ID:kh/2a0CRO
ぼくは機を降りて滑走路に立つと、郵便袋を背負って軍の施設に入った。この飛行場は元々ぼくが所属していたラテコエール社の飛行場だったが、今では軍に接収されて、すっかり軍用飛行場へと様変わりしていた。
ぼくは軍の施設に郵便袋を預ける。明日には別の郵便袋が用意され、ぼくはそれをもってバルセロナへと飛び立つはずであった。
ぼくは軍の建物を出ると、馴染みの食事屋に向かった。
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 18:28:13.21 ID:JjSbAeSpo
世界違うんじゃなかったんですかね
95 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 18:28:40.64 ID:kh/2a0CRO
ぼくは町へ出て呆然とした。町の家々は皆空っぽだった。急いで近くの軍人に聞いてみると、ついこの間もネウロイの攻撃があり、皆スペインなどに疎開していってしまったとのことだ。ホテルもやっておらず、仕方なく軍の施設に宿を借りることになった。トゥールーズはガリア沿岸に位置する。これは後で知ったことだが、ガリア全体がそうであるように、このトゥールーズも、ぼくが帰りにここに寄ったときを最後に、ネウロイの攻撃を受けて完全に人がいなくなってしまったのであった。ぼくがこのときいたトゥールーズは、陥落しようとしている砦だった。
96 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 18:31:31.36 ID:kh/2a0CRO
これはあれだ。きっとラテコエールとかの会社の名前が同じだったからてっきり食事屋もあるんじゃないかと勘違いしたんだ。
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 18:32:25.67 ID:JjSbAeSpo
なるほどね?
98 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 18:45:19.01 ID:kh/2a0CRO
ぼくはその晩、軍から借りた部屋のなかで、手帳に文章を書き付けていた。サーニャの神秘的な姿が印象的であったため、彼女をモデルにして散文でも書こうかと考えていた。
書き出しはこうだ。
「あれは、ぼくが501の基地で郵便飛行を勤めた最初の朝のことだった。
ぼくが、基地のある海峡を飛んでいると、横に、ある小さな女神が並んだのをぼくは見た……………」


ぼくは、冒頭の一章をかきあげると、そのまま寝てしまった。
99 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 18:46:39.19 ID:kh/2a0CRO
ここまで
100 : ◆kW/TrkkVS2 [まだだ、まだ終わらんよ]:2014/07/12(土) 19:20:17.37 ID:lpAifraK0
翌日、郵便袋を積み替えるとバルセロナへと飛んだ。バルセロナには一日で着くことができた。バルセロナはヒスパニア領であり、まだ活気があった。市場で買った酸っぱいオレンジをかりながら、昨日の小説の続きを書く。題名は「魔女と郵便飛行機」とした。元の予定を大幅に縮小して、二章での構成とする、比較的短い文章だった。ぼくはそれを一気にかきあげると、バルセロナにあったガリアの亡命政府の支部に届けて、機関紙にでも載せてくれと頼んでみた。担当者は、出てくる魔女がガリアの出身でないことに苦言を呈したが、主人公はこの、ガリア出身の郵便飛行士であると言うと、来週号にでも載せると言って原稿を引き取ってくれた。原稿料は夕食代くらいの金額にしかならなかったが、食事屋でクロワッサンとコーヒーを頼む位の金にはなった。
101 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 19:26:16.25 ID:lpAifraK0
ぼくは翌日にはカサブランカへと飛び立った。ひとつの町でゆっくりしないのは、郵便飛行の鉄則であった。色々な会社が凌ぎを削っていた時代は、郵便飛行機はどの会社の郵便飛行機よりも早く目的地に郵便物を届ける事が要求されたからである。
ぼくはカサブランカに飛び立つとき、ある奇妙な同乗者を載せることとなった。
102 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 19:27:52.60 ID:lpAifraK0
ここまで
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 19:53:06.25 ID:JjSbAeSpo
機関誌の担当者ちょろいなww
104 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 21:18:00.81 ID:HaJS9by2O
携帯からだがちょっとした地図
http://uproda11.2ch-library.com/e/e00056094-1405167240.jpg

トゥールーズとかカサブランカとかわからない人向け
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/12(土) 22:11:39.03 ID:1VqqjF2Io
描く絵にいちいちセンスがあって嫉妬
いいなぁ。タッチに味のある人は
106 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 22:29:33.53 ID:oD02s54bO
実は宮崎駿監督の書き方を研究したりしてる
宮崎駿の紅の豚エンディングの絵とかに割りと近いと思っとります
107 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/12(土) 23:41:48.11 ID:lpAifraK0
12時からやります
前にかいたスレHTML依頼してなかったガビーン
108 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/13(日) 00:23:06.11 ID:LmF5aX7y0
ぼくが新しい郵便袋を担いでカサブランカへと飛び立つ準備をしている際、ある一人の女性がぼくに声をかけてきた。彼女は自らを圭子と名乗った。話を聞くと、圭子は北アフリカ戦線でストームウィッチーズの隊長をやっている少佐らしく、カサブランカへの便が今日はぼくの郵便機しかなかったので、これに載せてくれとのことだった。

サンテグジュペリ「……こんなぼろの飛行機でよければ、後部席に乗せましょう」

実を言うとぼくは、こんなことは何回も経験していた。ぼくは例によって快諾することにした。彼女は喜んで、おんぼろの郵便飛行機に乗り込んだ。
109 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/13(日) 00:26:38.28 ID:LmF5aX7y0
用事があるので今日はここまでで
一レスしかなくてすまない
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/13(日) 00:53:27.00 ID:kvAADV9/O

挿絵のタッチがジブリっぽくていいなあと思ってたらやっぱり研究してるんですね
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/13(日) 01:31:34.32 ID:+oj1Qhza0
面白いのはいいんだがもっと改行増やしてくれ
見辛くてかなわん
112 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/13(日) 04:04:01.94 ID:JEvCNsvoO
いつかは出ると思ってたがどうしよう
改行か…考えてみます
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/13(日) 06:05:51.04 ID:KufOeeADO
航空機はストライカーの開発を優先しているので本来より約5年遅れてる。
114 : ◆kW/TrkkVS2 [適当に挿絵 ミーナさんの話にでも使おうか]:2014/07/13(日) 06:37:57.07 ID:JEvCNsvoO
http://uproda11.2ch-library.com/e/e00056160-1405200998.jpg
115 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/13(日) 06:38:57.44 ID:JEvCNsvoO
そういえばそうでした
修正しときます
116 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/13(日) 06:57:24.76 ID:JEvCNsvoO
あ、8話のミーナさんの恋人の車と形違うやん
書き直そう…
117 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/13(日) 13:39:16.69 ID:LmF5aX7y0
今日は五時から始めます
118 : ◆kW/TrkkVS2 [遅れてしまって申し訳ないです]:2014/07/13(日) 19:31:26.20 ID:TKcCnUEXO
サハラの砂漠は昼は厳しい暑さで、一度地図上のその一点に放り出されれば、周囲二百マイルはなにも存在せず、ありもしないオアシスを探し求めてさ迷うこととなる。
このとても人の生きることのできないような荒れ地を、ただの遊戯の規則でしかなかったコーランが人々を富ませ、または人々を隷属させ、ひとつの王国へと変えて行く。
その王国は一見脆いように見えて、その実堅牢だが、それも吹きすさぶサハラの砂嵐に飲み込まれてしまえば、一夜の夢のごとく消えてしまうものだ。
その、王国の絢爛さと、外敵にたいしての儚いほどの脆さには、人を惹き付けるなにかがあるようだった。そして、かつてのぼくもその一人であった。
119 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/13(日) 19:39:18.15 ID:TKcCnUEXO
私はケイと共にカサブランカへと飛んだ。カサブランカは北アフリカに位置し、北アフリカ戦線の戦線維持で重要な補給を担っていた。ぼくはカサブランカで郵便袋を降ろしたあと、ケイを送り届けるために、ストームウィッチーズの本拠地があるトブルクへと彼女を送り届けることになった。
120 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/13(日) 19:48:10.32 ID:TKcCnUEXO
砂漠ですか?ぼくはこの時北アフリカにぼろの郵便飛行機で乗り込むこととなった。バルセロナでの偶然の出合いが、ぼくを昔のようにまたサハラへと向かわせることとなった。1944年の7月のことである。
話はこうだ。
121 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/13(日) 19:49:58.15 ID:TKcCnUEXO
とりあえずここまで
本文の格式高さを再現するのが難しい
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/13(日) 19:51:10.53 ID:yreKGuz9o
文章が詰まってて横幅長いから読みにくいんだな
ちょいちょい空白行挟んでみるとかかなぁ
123 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/13(日) 19:54:29.10 ID:TKcCnUEXO
やってみます
199の冒頭が私ではなくぼくでした
124 : ◆kW/TrkkVS2 [行間開けテストにちょっと投下]:2014/07/13(日) 20:08:10.08 ID:TKcCnUEXO
ぼくはカサブランカへケイをのせて飛び立った。

彼女は後部の、かつてのプレヴォー達、親愛なる僚友達が乗っていた通信機が据え付けられている席に座り、しきりにライカのシャッターを切っている。

ぼくは空の上で彼女に話しかけてみた。

サンテグジュペリ「……空を撮っているんですか」

ケイ「……いや、これは君を撮っているんだ」

サンテグジュペリ「……ぼくを?」

ケイ「……そうだよ、501の専属郵便飛行士を撮っているのさ。」

サンテグジュペリ「……何故?」

ケイ「……何故って、ああ、私は元々報道写真家だったんだ。こういうのは撮っておきたいものなのさ」

サンテグジュペリ「……へえ?そんなにぼくは人気者ですか?」

ケイ「……この戦争のなか郵便飛行なんてやっている人は貴重だよ。それに、あの501専属だなんて、それだけで人気者になるさ」


125 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/13(日) 20:16:15.82 ID:TKcCnUEXO
ここまで
挿絵がほしいシーンがあったら遠慮なくいってください
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/13(日) 20:41:11.24 ID:aYiJiAS1o
じゃあ写真を撮られて少し振り返ってる主人公
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/13(日) 20:42:52.33 ID:yreKGuz9o
すっげー読みやすくなった
ありがとう
128 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 00:13:20.88 ID:S2shxyevO
>>126のリクエスト

http://iup.2ch-library.com/i/i1238883-1405264250.jpg
129 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 00:27:43.96 ID:S2shxyevO
明日にはスキャンします
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/14(月) 00:44:58.84 ID:zKcBZan+o
>>126だけど、わーありがとう!
サンテグジュペリさんこんな顔なんだねw
131 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 00:48:43.43 ID:S2shxyevO
わし書き分けができないんじゃぁ…
若い頃は結構イケメンだったようですが中年になるとMr.ビーンみたいな感じになってましたね
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/14(月) 01:18:05.96 ID:KaCuqFmbo
着陸態勢のブレゲー
133 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 02:37:03.47 ID:xaCPrUoa0
>>132 描き上げたので明日スキャンして上げます。本編今からはっじめっるよー
134 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 02:51:03.43 ID:4nl1uSemO
雲の中に機体は突入する。
例のごとく四方八方からの気流に機体は翻弄され、がたがたと上下に揺れた。

ケイ「大丈夫なのかい?」

サンテグジュペリ「大丈夫なはずです。これよりもっとひどいこともありますから」

ケイ「へえ、それはどんなときだい?」

サンテグジュペリ「たとえば…大きな山の周囲の気流をもろに受けると、大変です」

ケイ「どうなるんだい」

サンテグジュペリ「機体が分解します。そして操縦者は死にます」

実際にぼくはの周りではそんなことで死んだ先輩、僚友が何人もいた。
郵便飛行のために、初期の頃は何人もの人々が探検にでかけた。
そして、帰ってこなかった
皆、山脈の腹や海の底に、いや、大空に還っていった。
135 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 03:18:58.04 ID:4nl1uSemO
飛行すること四時間。
各地の空港がぼくによこしてきた報告の通り、時速20キロメートルの追い風が吹いた。
そのため鈍足なこの機体でも早めにカサブランカに着陸することができた。

ぼくはここの軍の基地で、郵便袋を降ろして、ミーナに電報を打ち、ケイを送り届けるために2日ほど遅れることを報告した。
そして、ケイとイスラム教の色が濃い町並みを見たり、軍の船から下ろされる、戦車や地上型ストライカーのコンテナを見たりした。
近場の食事屋で適当な郷土の料理を食べ、宿を取り、一眠りするとやがて翌日がやって来る。

トブルクへ出発。

136 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 03:21:31.39 ID:4nl1uSemO
とりあえずここまで
イラストは明日スキャンしますので挿絵のリクエストは今のうちにしておくと明日に間に合うかも
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/07/14(月) 11:50:40.36 ID:O5K8V0JJo
主人公とデート(?)で年甲斐もなくはしゃぐお圭さん描いてほしい!
あと上の方でうpされてる絵がろだから流れてるので再うpしてほしいです
138 : ◆kW/TrkkVS2 [saga ]:2014/07/14(月) 12:08:12.33 ID:xaCPrUoa0
http://iup.2ch-library.com/i/i1239220-1405307205.jpg

カサブランカ行
139 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 12:18:26.41 ID:S2shxyevO
http://iup.2ch-library.com/i/i1239222-1405307847.jpg

夜間飛行
140 : ◆kW/TrkkVS2 [saga ]:2014/07/14(月) 12:30:46.60 ID:xaCPrUoa0
http://iup.2ch-library.com/i/i1239224-1405308616.jpg

着陸
141 : ◆kW/TrkkVS2 [saga]:2014/07/14(月) 13:53:51.59 ID:xaCPrUoa0
ああ……同人誌書きてえ……
ストパンの合同誌あったら参加してえ……
時間ができたので四時からやります
142 : ◆kW/TrkkVS2 [saga]:2014/07/14(月) 14:12:14.92 ID:xaCPrUoa0
お圭さん今描いてます
ちょっと待ってね
143 : ◆kW/TrkkVS2 [saga]:2014/07/14(月) 14:33:06.83 ID:xaCPrUoa0
http://uproda11.2ch-library.com/e/e00056371-1405315936.jpg

リリーマルレーン
144 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 15:59:15.32 ID:S2shxyevO
申し訳ない九時からでお願いします
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/14(月) 16:25:31.65 ID:vshqHZ900
絵描けるSS書きとかレベル高杉ワロタ
146 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 17:03:02.07 ID:S2shxyevO
忙しくて圭さんかけん…
すまぬ…明日まで待ってくだされ…
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/14(月) 18:14:55.30 ID:p2+bXfQCo
おお、機体ががかっこいい
ありがとうございます!

本編も待ってるけど、ゆっくり無理しないでくださいね
148 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 20:27:44.27 ID:xaCPrUoa0
http://uproda11.2ch-library.com/e/e00056430-1405337143.jpg
落書き ガリア解放

九時から始めます
149 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 21:14:27.70 ID:4nl1uSemO
カサブランカから飛び立って二時間、この小さな郵便飛行機は北アフリカの大きな雲に入り、コンパスを頼りに飛行を続けていた。

ぼくは三度めの方向修正を済ませると、速度を時速300キロメートルに固定して一息ついた。
ぼくは椅子のしたからコーヒーの入った水筒を取りだし、ケイの方向を振り向く。

サンテグジュペリ「……コーヒー、飲みますか?」

ケイ「いいの?ならいただくよ」

ぼくは彼女にブリキのコップと水筒を手渡すと、白い雲の中を見渡す。
眼下には赤い光が見える。あれは灯台だろうか?

ここでぼくは気づく。こんなところに昼間から赤い光を灯す灯台なんてない。
ケイも気配に気づいたようで、コーヒーの水筒をぼくに渡すと、あの赤い光を指差した。

ケイ「……ネウロイよ、あれ…」

ぼくはい守っている武器を確認するが、生憎ちっぽけな拳銃しかもっていない。ぼくは舌打ちして前を向いた。

すると、雲を貫いてやつが光線を放ってきた。翼を僅かに掠り、鉄が溶ける嫌な臭いがする。

ぼくはこの場を切り抜けるために、ある決断をした。

サンテグジュペリ「ケイさん!しっかりシートベルトをしていますか?」

ケイ「してるよ!」

ぼくは、一気にレバーを引っ張り、エンジンを止めた。
150 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 21:25:14.74 ID:4nl1uSemO
機体は急降下する。むしろ墜落といった方がいいかもしれない。

ぼくの作戦とは、機体のエンジンを切ることで、機を墜落したように見せかけ、この場を切り抜けるというものだった。
まだ第一次世界大戦の、西部戦線の生き残りがいた時代に、彼らの武勇伝のひとつとして聞いた話だった。彼らはそうして敵機から逃げおおせていた。
ケイはぼくが何をしたかを理解したようで、ベルトをつかんでじっとしている。

機体はなおも急降下し、高度計がぐるぐると回った。700、650、600。

ぼくは、雲を抜けて、ネウロイが完全に飛び去ったのを確認すると、高度400mで機体のエンジンをかけ、また上昇した。

サンテグジュペリ「……成功しましたね」

ケイ「寿命が縮んだと思ったわ。」

ぼくは再びコンパスを確認すると、機体を東に向ける。

あと一時間ほどで、基地に到着するところまで来ていた。
151 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 21:29:10.87 ID:4nl1uSemO
トブルク。
サハラの真ん中に位置する、ストームウィッチーズの本拠地だ。

そこの砂にまみれた滑走路に、着陸許可の無線を入れてから、ブレゲーを着陸させた。でこぼことした路で機体は二、三度飛びはね、滑走路の端でようやく停止する。

僕らを出迎えたのはハンナという少女だった。
152 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 21:41:09.98 ID:4nl1uSemO
夜、ぼくはトブルクからの帰路に着いていた。

トブルクでは501にいる友への手紙と、お礼の上等な白ワインと、ミーナに渡すべきある書類をもらい、それらを後部座席に詰め込んでの飛行だ。夜を一跨ぎしてぼくはカサブランカに降りた。

その二日後には、501へと帰りつくことができたのであった。
153 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 21:50:55.55 ID:4nl1uSemO
基地に着いたのは朝のことであった。

途中でネウロイに襲われもしたが、なんとかぼくは懐かしいあのオアシスに戻ってくることができた!

ぼくは滑走路に降り立ち、郵便袋を担いで城の中に入っていった。
154 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 21:54:19.93 ID:4nl1uSemO
既に入り口では、手紙を待つ人々が待ち構えていた。ぼくは手紙を担当の男に渡すと、男は礼をして走り去っていった。

すると、廊下の遠くで大きな歓声が上がる。皆家族からの手紙をもらった人々だった。
155 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 21:56:22.09 ID:4nl1uSemO
とりあえずここまで
アフリカ篇はどこかでやります
156 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 22:33:48.28 ID:4nl1uSemO
いかんな…これはいかん
157 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 22:41:34.25 ID:4nl1uSemO
SS速報ゴールデンタイム(当社調べ)にやったのに音沙汰ないのはいかん…どこで間違えたのか…
こうなったらスレ建て直してストーリー変えていくか…?
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/14(月) 22:52:27.10 ID:P7OymrfXo
そんな自信なくさないで
原作知らないで読んでるからコメントしづらいんだよ
159 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 23:05:15.62 ID:4nl1uSemO
少し弱気になってました、ありがとう
改定案
160 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 23:08:01.56 ID:4nl1uSemO
改定案として、サンテグジュペリが元々ストウィの世界に生きてたらという設定の元、郵便飛行に従事するというのにしようかとは考えていましたが、いつかこのネタでなにか出すときに使うことにします
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/14(月) 23:17:39.18 ID:p2+bXfQCo
ちょうどいない人だっているんやで
少なくともここにちゃんと読んでる奴がいるんだから心配しなさんな
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/14(月) 23:30:12.36 ID:OXKeVFtuo
あと、宮沢賢治も待ってるよ
163 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/14(月) 23:54:12.96 ID:4nl1uSemO
ウェイありがとうございます
頑張りますのでこれからもよろしくお願いします
宮沢賢治は現在書き貯め中です
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/15(火) 01:22:11.96 ID:JaxwTSXxo
ん、よんでるよ
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/07/16(水) 23:25:17.19 ID:lSk7tHoeO
全ての投下が終わるまでコメント書かない主義のやつもいるで
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/17(木) 18:33:02.48 ID:T3Dr8MPFo
スレにレスが一つ付いたら30人はROM専がいると言い伝えられている
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/17(木) 20:02:57.77 ID:BMTsyydqO
俺たちはネズミかなにかか?
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/07/18(金) 00:24:32.22 ID:si3He6yL0
どっちかっていうと目の前に投下された餌に群がるG
169 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/18(金) 02:35:44.04 ID:MSyWvtZ+0
>>1にとっては皆さんは全員大事な読者です
明日には更新します
遅れてしまいもうしわけないです
170 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/18(金) 02:38:18.70 ID:MSyWvtZ+0
>>1にとっては皆さんの全員が大切な読者です
遅れてしまい申し訳ありません
明日には更新します
171 : ◆kW/TrkkVS2 :2014/07/18(金) 02:39:25.16 ID:MSyWvtZ+0
おおう電波状況悪いな
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 04:10:42.82 ID:KY23AcaNo
マダー?
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 23:45:20.22 ID:uVeFsjlqo
まだかな…
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/14(木) 23:23:15.10 ID:1J17yiEoo
まだかん
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