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ほむら「修学旅行に行くことになった」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :1 :2014/08/31(日) 21:03:53.84 ID:yr6BPtvA0
叛逆以降の話です。
ゆっくり書いていこうと思います。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1409486623
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:05:04.29 ID:yr6BPtvA0
潮風が肌を撫でるというのは思ったほど気持ちよいものではなかった。

それどころかぬめっとした空気が纏わりついて不愉快だ。

暁美ほむらが気怠そうに空を仰ぐと、耳元の錘がカランと揺れてさざ波の音に変わっていく。

纏わりつく塩分を含んだ水蒸気。これは慣れそうにないだろうと直感した。

見滝原からバスで5時間かけて到着したのは漁船と民宿の町。

少し羽を伸ばそうと宿から出てきたのだが、早々に修学旅行に伊豆を選んだ教師に苦言を呈したくなった……。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/31(日) 21:05:53.06 ID:Y1gC4lFDO
こーゆー感じかSS速報
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:06:01.18 ID:yr6BPtvA0
生まれて初めての修学旅行がどんなものなのだろうという興味は抱いていたが――このざまだ

褒め称えるべき水平線の先にあるもの鼠色の雲が掛り虚ろで何も見えない。

わざわざ茶番に付き合ってここまでやってきたのは無論、太平洋をこの目で見るためでも、海の幸を堪能するためでもない。

ただ一日ずっとまどかのそばにいることができることだけが唯一の楽しみだったのに……。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:07:13.46 ID:yr6BPtvA0
水辺の埠頭に腰をかけていると、数百メートル離れた旅館から生徒たちの声が聞こえてきた。

あの中にまどかもいる。

それなのにほむらは寂れた波止場で一人所在がなく立ちすくんでいた。

既に同じ部屋の女子たちは彼女の不在に気づいていることだろうが、それを咎めるものはいないだろう。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:08:23.43 ID:yr6BPtvA0
どこか見るものを不安にさせるほむらの瞳は、安易に話をしたいと思えるようなものでなかった。

それが今の印象であり、彼女に話しかけるぐらいなら丈の長いスカートで竹刀を担いでいるやさぐれた女生徒に声をかける方がまだマシだという者もいる。

孤高の獣と捉えるものもあれば、無意識に垂れ流している妖気の毒に当てられ目を合わせることも憚られるという者さえ。

いずれにせよほむらに積極的に関わりあいたいと望む猛者は教室には誰一人いなかったということだ。

それをほむらも承知していた。むしろ上等だ。あえて話しにくい立ち振る舞いをしているつもりだから。

だが昨日の枕元で想像していたのは一人海岸沿いに腰を下ろしているこんな無様な姿などではなかった。


こんなはずではなかったのに。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:09:49.69 ID:yr6BPtvA0
妄想の中での彼女(まどか)は生き生きしていた。


バスの中で、ほむらの隣に座り窓の外を指をさす。

『ほむらちゃんっ! ほら、海が見えてきたよ!』

『ええ。綺麗ね』

『船もあんなに。ああ、早くつかないかな!一緒に貝殻ひろったりしようね』


そんなもの非現実的な妄想であるにすぎないということをほむら自身が誰よりも理解していた・・・。

そもそもバスの席は事前に決められている。

てんやわんやと修学旅行中の予定について話し合っていたこともあり教室の隣の席がそのままバスの席にしようと担任が言い出したのだ。

無論まどかとほむらは隣同士ではない。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/08/31(日) 21:10:49.36 ID:sOBSeNWq0
クラスメイトたち
http://livedoor.blogimg.jp/sayakawasayakawa/imgs/a/6/a687a185.png
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:11:17.62 ID:yr6BPtvA0
席決めをしたその時はなんとも思わなかった。

むしろまどかと席が隣になっては厄介だとさえ思っていた。

フラッシュバックを何よりも恐れ、万が一円環の理としての記憶を取り戻すようなことが再び起これば、今度こそ抑えこむことができないかもしれない。

それぐらいなら席が離れていたほうが全然マシだ。


しかし、修学旅行が近づくに連れて周りの生徒たちも浮足立っていく。

それを冷ややかにほむらも眺めていたが、やはり時期が近づくにつれて何か落ち着かない気持ちになっていった。

『初めての修学旅行』ということもあるが、まどかと遠出をする機会など今までついぞ与えられなかったものだから。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:13:15.30 ID:yr6BPtvA0
初日からどんどん彼女との距離を開けていることを考えれば、隣になって話すことどころか、一言声を交わすことさえ絶望的に思えた。

しかし何らかの何かがあって彼女の隣の席の生徒が休むことになり空席が生まれるという事態が起これば。

――起こればよかったのに。

残念ながらまどかの隣の生徒が休むこともなければ、楽しそうにさやかや杏子たちと話をしているあの輪に加わることもないまま時が過ぎ、今に至る。


好きだから。彼女がいるこの世界が愛しいから。だからこそまどかに近づけない。

あの時みたいな記憶のフラッシュバックを恐れ覚醒を遅らせるためにも、安易に会話ができなくなってしまった。

彼女とバスの中で食べようと思って買ったチョコレートは今かばんの中でドロドロに溶けてしまっているだろう。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:15:19.56 ID:yr6BPtvA0
ポツン。

――冷たい。

所在なく空を見上げていると、ぽつり、ぽつりと雨が降り出してきた。

「はぁっ……」

さすがに濡れるわけにもいかず旅館に戻らざるを得ないだろうと、ため息をついてその重い腰をあげる。

億劫だ。出来れば人のいる旅館には戻りたくなどなかった。

ほむらは道路を振り返ると雨足の先にスラリと伸びる脚をみとめた。

「よっ!」

意外な人物が背後に立っているの見て目を丸くするが、その相手は事もなげに右手の傘をそっと差し出してきた。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:16:34.67 ID:yr6BPtvA0
背中に届く長い髪。左手にはコンビニの袋がぶら下がっていて、チョコの棒を加えながら器用に喋る。


「入るかい?」


そうだ。このクラスには唯一自分に気後れせずに話しかけてくる人物がいたことを思い出した。

いつも授業中にすやすやと肩を揺らしている二つ前の席の女生徒。魔法少女でもある。


「ありがとう」


差し出された桃色の桜が描かれた傘を右手で受け取り、二人で入れるように寄り添って旅館を目指した。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/08/31(日) 21:19:02.51 ID:yr6BPtvA0
佐倉杏子は暁美ほむらが何者であるかは知らない。

新しい世界を構築したことも、その創造主であることも。

ポツポツと傘に雨粒が滴り、虚ろに地面を見つめながら赤髪の隣を歩く。


「あなた傘なんてよく持ってたわね」

「いやいや、アタシのじゃないって。だいたい、こんな可愛いの似合わないだろう?」


ほむらはそれには返答しなかった。確かに彼女が持つにしては似つかわしくない。

そうだ、彼女と美樹さやか。それから志筑仁美は、まどかと同じ部屋だった。

うらやましい。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:20:45.52 ID:yr6BPtvA0
なるほど、誰が杏子に傘を貸したのか合点がいったが、敢えて言及するのは避けた。

誰に関心があるのか気取られる可能性がある。たとえ自分を遠ざけずに話しかけてくる相手であろうと胸の内を語るつもりは毛頭ない。

この気持ちを誰かと共有したいなどとは微塵も思わなかった。


「みんなでババ抜きやってたんだけどさ、仁美の奴がめちゃくちゃ強くって…。少なくともまどかやさやかにだけは勝てるって思ってたのにな」

「それであなたが使いぱしりになっているってことかしら?」


コンビニ袋からもう一本チョコバットを取り出し、傘を持った手と合わせて器用に袋をあける。


「そういうこと。まあ、アタシは一円も出してないから構わないんだけどさ」


確か彼女は美樹さやかの家に居候していることになっていただろうか。

まどかの事以外に特に関心はないが、彼女を目で追っていると自然と情報が耳に入ってくる。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:21:50.20 ID:yr6BPtvA0
「しかしまどかの言った通りだな」


『まどか』という名前をほむらは聞き漏らさなかった。

動揺しないように彼女に問いかける。


「何が?」


もしかして自分のことを心配したまどかが、杏子に何か伝えたのだろうか。


「いや、あいつに半ば無理矢理傘持たされたんだけど、正直雨が降るなんて頭になかったからびっくりしたなって。天気予報って本当に当たるんだな」

「そう……」


てっきり自分のことを何か言及していたのかと思ったがあてが外れて肩を落とした。もちろん気取られない程度にだ。

そもそもそんな都合のいい話があるはずがないとさっき現実に打ちひしがれていたばかりだというのに馬鹿みたいではないか。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:23:44.05 ID:yr6BPtvA0
「ったく修学旅行初日だってのに、いきなり雨なんてついてないわぁ。これじゃ今日の船も中止か。楽しみにしてたんだけどな」


予定では十五時から地元漁師の漁船で沿岸で漁業体験をすることになっていた。

杏子が楽しみにしていたのは船に乗ることでも、釣りでもなく、獲った魚を食べることではと思ったが……それは口にはしなかった。

「今日は船に乗れなくても明日は晴れるかもしれない」

「なんだ、アンタも船を楽しみにしてたクチか?」


意気揚々と八重歯を見せるが、ほむらは前を向いたまま静かに答えた。


「どうかしら……」

「まあアンタが、楽しんでるんならいいんだけどな」


こんな埠頭で一人たそがれているのを見て本気で楽しいと思っているなら、佐倉杏子はどうかしているだろう。

だが敢えてほむらは彼女の斜め上を見ながら答えた。


「……そうね、楽しいわ」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:27:07.94 ID:yr6BPtvA0
しとしとと雨が傘を叩いているのが気になった。花がらの持ち主の顔が頭に浮かび、黙りこむ。

無表情で返事をするほむらにしびれを切らした杏子が睨みつけた。


「アタシが言えた義理じゃないけどさ。同じ魔法少女のよしみとして言っておくと、もう少し普通にしてた方がいいと思うぞ。

 さやかはなんでかアンタのこと目の敵みたいにしてっけど。ヤバイオーラ撒き散らしてクラスの連中遠ざけるにしても限度ってもんがあんだろう?」

「あなたは今の生活が楽しいのね、杏子」

「はっ? なんだよ急に」


杏子は戸惑う。見たことがないような柔らかい顔で暁美ほむらが笑っていたからだ。

怒ったつもりが笑われ、しかし腹が立つどころか不思議なものを見た心地だった。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:28:58.86 ID:yr6BPtvA0
「あなたのためじゃなかったのだけど。そうね。あなたが楽しいというなら決して悪くないのかも知れない。わたしは間違ってなかった」

「何言ってんだアンタ?」


なんなんだよ、と杏子はわけがわからなくなって腹が立った。

だがこんな柔らかく、寂しそうに笑うということを初めて杏子は知った。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/08/31(日) 21:36:16.00 ID:yr6BPtvA0
クラスの連中がするほむらの話などどれも同じようなものばかり。

どれもこれも胸くそ悪いものばかりで、言いたい放題。

お前らはほむらの何を知ってんだ? と言いたくなる。

しかしそれは杏子も同じで同じ魔法少女で一人で暮らしてるということぐらいしか知らない。

彼女の生まれも境遇も知らないし、例え知っていたとしても同情で友だちになったりはしなかっただろう。

積極的に関わりたい相手ではないのは確かだ。

ただ、よく知りもしないものをああだこうだと決め付けることには憤りを覚えた。そういう性分だから仕方ない。

やはり話してみると連中の言うとおり地に足がつかない奴だとは思うが、一人にしておくと何をしでかすか分からないし、仲間はずれにしているみたいでそれも気分が悪い。


「わけわかんねえっての。お前も、クラスの連中も」

「そう……」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:40:05.30 ID:yr6BPtvA0
旅館に戻るとホールには男子が数名液晶テレビの前に群がっていた。

ほむらたちのクラスだけでこの旅館を貸しきっており、せいぜいその程度の部屋しかない規模。

和魂洋才の趣きのあるエントランスの天井にはシャンデリアが吊ってあったが、各部屋は畳が敷かれていた。

「じゃあ、傘ありがとう」

杏子に背を向けてほむらは自分の部屋へと戻っていく。

杏子はほむらの部屋でどんな会話が行われているかを考えてみた。

想像するに容易く、ほむらがいないのをいいことにああだこうだとあることないことを言っているに違いない。


「待て。アンタ部屋に戻っても一人で不貞腐れて寝てんだろ? ならこっちに来な」

「え? あなたの部屋に?」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:40:46.80 ID:yr6BPtvA0
ほむらは驚きそして何か迷っているように見えた。珍しい。

確かに気を回して声をかけたのだがこんな反応を見せるとは。

部屋に戻りたくなかったのか、あるいは部屋の連中に気を使っているのか。

いや、そんなことを気にするようなき真面目さがあれば今頃クラスでこんなに浮いてはいなかっただろう。


「いいのかしら……でも……」


ほむらにとっては願ってもないチャンスだった。

しかし杏子が良くても、他の部屋にいる……とくに美樹さやかは良い顔をしないだろう。

それはまどかだって例外ではないのかもしれない。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/08/31(日) 21:41:45.78 ID:yr6BPtvA0
「いいさ。でもさやかだけは刺激しないでくれよ。露骨に嫌な顔されるだろうけど、後が面倒だからな」


さやかなど今のほむらには取るに足らない存在である。だが、彼女が不機嫌になりせっかく修学旅行を楽しむまどかの害になればそれはほむらにとっても好ましくない。

それでも……

このまま何もないまま帰りたくない。


「……ええ。それぐらないなら構わないわ」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/31(日) 21:43:54.60 ID:yr6BPtvA0
とりあえずここまで書きました。

何か気になったこととか違和感があれば教えて下さるとありがたいです。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/31(日) 21:52:44.33 ID:csb1ZK57O
なにこの俺のトラウマ思い出させるようなSS
同じ部屋の人に座敷わらしみたいとか言われたからね
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/31(日) 21:58:07.04 ID:KrYekxkQ0
>>1
カマキリさん?
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/31(日) 22:05:54.80 ID:NQAwkNwvO
>>25
ここまで書きました。はまどほむ嫌いで有名なカマキリさんだよ
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/01(月) 04:31:46.19 ID:6l+uy0+yo
微妙
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/01(月) 07:42:54.87 ID:dQDbgnMCo
ほのぼのって言って人集めて鬱展開で終わらせたり
まどほむですって言ってラストで実はほむらじゃなくて使い魔でした(^^)
とかやったまどほむ狩りのプロか
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/01(月) 14:25:48.10 ID:+OeYHOHCo
よく分からんけど読むの止めておいた方がよさそうだな
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/01(月) 16:31:07.81 ID:9cJlk0gT0
>>28
こマ?
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/01(月) 17:43:30.37 ID:jkeU8qWWo
地雷SSの実績があるのか?
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/01(月) 17:45:59.00 ID:ugPRycBVO
次は途中でバラさず最後まで書き切ってアホ共に目にもの見せてやってよカマキリさん!
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/01(月) 18:12:44.92 ID:01iq40w4o
叫んだわ
えろいとこ、アップで見てたから



純粋な子は見ない方がいい

てか、みたらいけません

この漫画 やばいな…
http://i.imgur.com/hYzVW.jpg%0A


【拡散希望】
【やばいな】
【最初変態かと思った】
【見てみ】
【これは酷い】
【思考停止したわ←】
【携帯伏せた】
【電車の中で携帯投げた】
【リア友に携帯投げつけた】
【やばい。....】
【ちょwwwまてwww】
【パネェwwwwwwwwwwwwwwwwww 】
【水吹いた←】
【わお(ω*)】
【マッハスピードで携帯をくいってやったわ】
【うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ】
【何こいつw人間?www】
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/09/01(月) 20:25:36.65 ID:5cMb1cXs0
狩られたいから続き書いてくれ
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/01(月) 20:42:00.10 ID:Qglm9OqKO
>>28
まどほむ好きが集まって作ったまどほむ合同誌に参加してまどほむとは呼べない作品を描いたくらいだからもはや伝説
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/02(火) 01:16:42.37 ID:4rvkSP4AO
乙期待
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/09/02(火) 07:52:18.85 ID:wIiajBuC0
>>35
これマジ?
頭イカレテルワ
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/03(水) 15:20:19.22 ID:L/Xk1ydEo
自演臭い叩きは置いといて続きを書きたまえ
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/05(金) 06:37:37.46 ID:p21pkv3Oo
自演擁護する暇があるなら早く続きを書きたまえ
40 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:26:35.10 ID:YrfXeuVw0
コンコンと八畳の和室にノックの音が響き渡った。

「あ、杏子ちゃん帰ってきたのかな! 雨に濡れてないといいけど」

ノックの音など聞こえてないようというように仁美とさやかは室内に設置されたテレビをじっと見ている。

ドラマでは美女二人が一人の男を取り合う修羅場で二人とも釘付けになっていたのだ。

「二人とも聞いてない……しょうがないなぁ」

まどかが苦笑いして立ち上がり、入り口に向かう。

「おかえり、杏子ちゃん!」

鍵を開けると、そこには二人。奥にいる少女をみとめるとまどかは目を見開いた。そこにいることが全く予測できなかったためである。

「あれ……どうしたの?」
41 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:27:20.38 ID:YrfXeuVw0
まどかは杏子を見た。

ほむらもいきなりまどか出てくるとは予期もせず、目を逸らすと杏子が奥にいる人物を気にしながら恐る恐る彼女に説明した。


「外で会ったんだ。だからこっちに来ないかって誘ったんだけど」

「そ、そうだったんだ」


まどかはどうしようというような困った顔を見せた。


「えっと、ほむらちゃんが来てくれたよ!」

「なぁあああにぃいいいいいい!!」


ドラマに釘付けになっていたはずの一人が、もの凄い勢いで飛び出してくる。


「こぉらああああ、アンタの部屋はここじゃないでしょうがぁあ!」


颯爽と登場するさやかを意に介さず無表情のまま嘯く。


「少しここに居させてもらってもいいかしら? 部屋には少し戻りづらくて……」


その返事にさやかは面を食らったようで、杏子はほっとしていた。

本人がそう云うのでさやかもあまり強くは言えなくなってしまった。
42 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:28:18.25 ID:YrfXeuVw0
歯痒い思いで下唇を噛むさやかを余所に杏子はほむらを奥に押し込む。


「まあ上がってけよ。まどか、いろいろ食い物買ってきたからちょっと手伝ってくれ」

「うん! ゆっくりしてってねほむらちゃん」


備え付けの冷蔵庫にプリンやヨーグルトなどを詰め込みながら、奥でくつろいでいろと、目で促す杏子。


「……」


ほむらはまどかの後ろ姿を横目で見ながら奥へ流れていく。するとテレビの前で正座していた一人が、ほむらに向かって笑顔を向けた。


「あら、暁美さん。こんにちは。ゆっくりしてって下さい」


目に見えて不機嫌そうな一人以外は、突然の来客を歓迎してくれるようだ。


「ありがとう志筑さん。お言葉に甘えさせてもらうわ」


ほむらは柔らかく笑うと仁美はこれには少し驚いた様子で、言うべもなく右手を口元に当てた。

仁美はさやかやまどかよりも世間慣れしていたが、掴みどころのないこの生徒のことが苦手だった。
43 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:28:53.60 ID:YrfXeuVw0
それでもちゃんと笑うのだと思い知ると、肩の力を抜き目を見て話しかけた。


「さっきまで皆さんとトランプをやってましたの」

「佐倉さんから聞いたわ。志筑さんがとても強いと」

「とんでもありません。運だけで勝っているようなものですもの」


もうかれこれ何ヶ月ぶりだろうか。ほむらは久しぶりになんでもない話をした。手下の人形や杏子やマミたちとは違う生粋の人間。

それにしても……美樹さやか。彼女の意地は予想以上のものだ。

他の魔法少女たちはほむらが何者かなどとうに忘れてしまったというのに。
44 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:29:32.92 ID:YrfXeuVw0
まどかと杏子が麦茶の入ったコップとポテトチップスやピーナッツを盛った皿を持ってこちらにやって来る。


「さぁ、第二ラウンド始めっぞ。次は負けないからな」

「いいですわね。今度は7並べでもしましょうか?」

「でも仁美がゼッタイ強いじゃん! さりげに得意な遊び選んでるでしょ」

「えっと……ほむらちゃんは何かやりたいものとかってある?」


まどか……。


「私はなんでもいいけれど」

「へえ、ずいぶん余裕じゃん。それじゃ仁美の希望通り、七並べで勝負してやるよっ!」


最下位だったはずの杏子がさっきまでの勝負などなかったかのように勢い良くカードを切り出した。
45 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:30:42.89 ID:YrfXeuVw0
ほむらの隣にはまどかが鎮座すると、できるだけ彼女を意識しないようにと目線を杏子が切るトランプに目を移す。


「暁美さんもトランプはお強そうですわね」


隣にいる仁美が気品の良い笑みを浮かべると、ほむらは返答に困りながらまどかの視線を気にして答えた。


「あまりこういう遊びはしたことがなくって……」

「アンタにだけは絶対にまけないから」


まどかよりも対面にいるさやかがメキメキと火を燃やしていた。面倒くさい。

カードを杏子が配り終えると、仁美が2枚、まどかが1枚、杏子が1枚7を場に出す。

特に勝負に興する理由もない。

たしか7並べはカードを全て無くなった人物が上位で、最後まで持っていた者が負けだっただろうか。


おそらく8や6といった7に近い数字を持っている方が有利になり

反対に1や13といった7に遠い数字を如何に場に置くかが、勝負の鍵になってくるということだろう。
46 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:32:14.55 ID:YrfXeuVw0
「1番はスペードの7を持ってたまどかからな」

「うん。じゃあ遠慮無く置かせてもらうね」


まどかは嬉しそうにカードを出すと、杏子が、大事なことを思い出したと言わんばかりに切り出した。


「そういや、今回の罰ゲーム決めてなかったな〜」


罰ゲーム?

先程は杏子が負けて買い出しに行かされたと言っていたか。

今度はどんな罰ゲームになるというのだろう。


「今の恋人との事情について語ってもらうっていうのは?」


さやかが、にひっと笑いながらスペードの6を出すと隣の仁美が眉を上げる。


「何故か矛先がわたしに向いているような気がしてならないのですが?」

「悪趣味ね」

「何っ!あんたには言われたくないわよ」


空気が悪くなることを心配した杏子が割って入る。


「まあまあ。隣の芝生の話しなんかされてもつまんねえだろ」
47 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:33:17.31 ID:YrfXeuVw0
「冗談だって。杏子は何かいい罰ゲーム思いついたの?」

「そうだな。 ほむらが増えた分だけデザートのプリン買って来なかったけど、負けたやつだけがみんなが食うのを眺めてるってのは?」

「いくらなんでもそれはかわいそうじゃないかな?」

「わたしはもともと数に入ってなかったのだから、あなたたちで好きに食べれば」

「でも丁度いいのではないでしょうか? 他に妙案がないのでしたら」

「おっ、仁美はやる気みたいだな」


志筑仁美は意外と勝負事には前向きのようだった。

自分が勝つという自信の現れなのか、こういう遊びにも全力を尽くすタイプなのかほむらには図りかねた。

「ちなみにパスって何回でもできるのかしら?」

「うーん、まあ決着は最後までみたいし、何回でもいいんじゃないか?」

「そうですわね。途中で最下位が決まってしまっては、楽しみも半減してしまいますし」

「よかったぁ。ちょっと出せるかどうか心配だったから、それなら安心かも」


明らかにほっとするまどかの手札がちらりと見えた。ハートの5か……。

ほむらはハートの6から出すと続いてまどかはその手札から5を出した。
ほむらもどこか満足げに笑った。
48 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:35:29.86 ID:YrfXeuVw0
「あがりましたわ!」

「アタシもお先に!」


一番に志筑仁美が、二番手に杏子の手札がなくなり、結局ほむらとまどか、それから美樹さやかが残されることになった。

我先にとプリンを取り出した杏子がさやかの手札を見ながら勝負の行方を見守っていたが、様子を見るにもう何順も待たずに上がりが確定しているということだろう。

一方まどかは真逆で雲行きの怪しい表情で場を眺めていた。

手札を盗み見てはまどかの出して欲しそうなものを出してきたのだが、よほど手札運がなかったようだ。


「よっしゃ〜、3位!」


美樹さやかの手札がなくなり舌打ちしたくなるのをこらえ、仕方ないと、ほむらは笑みを浮かべる。

まどかとほむらだけが残されることになった。


「さぁ、お二人だけの勝負になりましたわね」

「まどか、そんな奴に負けるんじゃないわよ!」


無論まどかを蹴落としてまで勝利するつもりは毛頭ない。プリンは彼女に譲るつもりである。

それにほむらはまどかのカードを覗いていたので、残りの手札がわかっていた。

ほむらに残るカードは1枚。しかしこれを出すことはまどかの手札を考えると、出せずに終わるだろう。

先にまどかがハートの13だされれば、ほむらに勝つ術はなかったのだが……。
49 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:37:11.78 ID:YrfXeuVw0
「じゃあスペードの12ね」

「えっ……?」

「えっ?」


その場にいたまどか以外の全員が口を広げていた。


「おいおい、まどか、それはないだろう?」

「え?なんで? どうしたの杏子ちゃんもみんなも……」

「いや、だってお前がそのカード出したらほむらにアガられちゃうだろ」

「え、そうなの?」


この期に及んでまどかはまだ理解していないのだろうか?

ほむらがまどかの顔を見ると、畏まったように目を逸らしたのだった。

まさかわざと?

仕方なくほむらはスペードの13を場に出した。


「アガりよ」

「あ〜、言わんこっちゃない」

「あはは、負けちゃった…」


これはまどかの優しさか?

ほむらは立ち上がり皆に背を向けた。
50 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:45:38.52 ID:YrfXeuVw0
「あれ? どこいくんだよほむら。プリン食べてかないのか?」

杏子が部屋から立ち去るほむらを呼び止めるがそれには答えず、部屋の外を目指す。

自分だって食べたいだろうに。

ガランと扉を閉じると、それを背に廊下を幽鬼の如く歩き出した。





雨は勢いを増してまるで水の壁に覆われているようだった。

自室に戻ることで他のクラスメイトたちが顔をしかめることなど厭わないが、この憂鬱と相反する高揚感を一人で抱えこむことができない以上、まだ戻るつもりはない。

ほむらの口元は引きつったように固く、だが薄く震えるように笑っていた。

まどかは相変わらず優しいままだった。この世界でも、この数ヶ月でも彼女は変わらないままだ。



でも……。


杏子と共にやってきた自分の姿を認め困ったような顔をしていた。

妙によそよそしく時々こちらを見ては、見ていないふりをするまどか。



わずか身体1つ分という距離にいながらも、なお遠くに感じた。

ほむらが彼女と過ごしてきた時間の差なのか、悪魔と神という立場の違いなのかもわからない。


遠くなれば遠くなるだけ、痛みも彼女を想う気持ちも膨らみ続けていく。

その痛みがほむらをより奮い立たせた。

いっそ狂おしいほどの愛でまどかもろとも、この世界を塗りつぶしてしまいたい。
51 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:48:13.53 ID:YrfXeuVw0
結局ほむらはロビーにある長椅子の片隅に腰を落ち着かせた。

貸し切りになっているためクラスメートがまばらにやってくる。

ほむらの存在を気に留める者はいるが、声をかけるものは誰一人いなかった。

ザーザーと喧しい雨音を受け止めながら、ただ時間が過ぎていく。


今頃部屋でプリンを食べているのだろうか。

あるいはトランプに飽きて、ゴロゴロくつろいでいるのだろうか。

さっきまで隣にいた手札を抱えるまどかの幻影がほむらの脳裏をかすめると、それを放すまいと目を閉じた。


埋めようのない距離があると知りつつもこの上ない幸福感があり、切なくて胸が裂けそうなのに考えるのを止められない。

そんな自分が愚かしくて、愛に呪われていることが悲しくも、どこまでも沈んでいけそうな気がした。
52 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:54:24.67 ID:YrfXeuVw0
だが沈んでいくほむらを意図せず引き上げるものがいた。


「よう。一人でそうやってて楽しいか?」


背中まで伸びる長髪がひらりと揺れて八重歯が見える。


「……どうしたの?」


長椅子の丁度反対側に両足をまたぐようにしてほむらを見つめる。


「いや、それはこっちのセリフだって。何で急に出てったんだよ?」

「興ざめしたからよ。勝てる勝負をみすみす逃すなんてどうかしているわ」

「なんだ、まどかに腹が立ったのか? まあ、ありゃ確かにまどかが悪いな。 アタシだってびっくりしたって。どうしてああも抜けてるんだか」

「……」

「まあそれはアンタにも言いたいんだけどな。ほむら」

「は?」

「どう考えてもカードを出す順番がおかしいって。自分が先のカード持ってないマークから切ってく?」


ドキっとした。

まさかまどかの手札を見て切っていたとは言えない。
53 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:56:33.06 ID:YrfXeuVw0
「たまたまカードが見えなかっただけよ。それに私は今回初めての7並べだったし。どうでもいいけど、あなたよく見ているのね」

「いや、私じゃなくて仁美が後々言ってたんだけどな。お前の切り方がおかしいって」

よく見ているものだ。


「コンビニのプリンなんて、居候中のアタシにとっちゃ月に一回の贅沢なのにどういうことだい。それともさやかに花をもたせたのか?
 
 あいつを立てる義理なんてアンタにはないはずだろう?」


杏子は、肝心の答えには辿りついていないようだった。

それに一安心するとほむらは席をたった。


「部屋に戻るわ」

「お、おいっ。待てって!」


杏子の制す声を無視して、ホールから階段を登り足を進めた。
54 :1 [saga]:2014/09/12(金) 18:59:20.71 ID:YrfXeuVw0
205号室がほむらの部屋。階段を登り、真っ直ぐ突き当たる角の直ぐ先にほむらの部屋はある。

中の生徒たちに歓迎されないことは知れど、別段構えることはない。

ただのクラスメイトなど取るに足らない存在であり、いくらでも捻り潰すことができる。

適当に挨拶をして、持ってきた本でも読みふけっていようと考えながら廊下を歩いていた。

すると曲がり角で何かビニール袋を抱えている人物が、ほむらを待っていたのである。


「あ、ほむらちゃん!」


鈴の音が鳴るような声におもわずびくっと竦んでしまいそうになるのを堪えた。


「……」


どうしてこんなところにという顔を出来るだけしないように表情を殺す。


「何か用?」


温度ない声で問うが、まどかはしばらく口を閉ざしたままだった。
55 :1 [sage]:2014/09/12(金) 19:19:30.50 ID:YrfXeuVw0
遅くなりました。
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/12(金) 19:23:14.94 ID:8C1GDEfro
乙待ってました
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/12(金) 19:35:02.67 ID:zM2LbpKXo
町くたびれたぞ乙
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/12(金) 20:11:57.66 ID:DSKf35Joo
今度はほむらとまどかのどっちが偽物なの?
帰国子女まどかは実はまどかじゃなかったwwみたいなオチかな?
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/12(金) 20:12:03.93 ID:PClEhl8AO
おかえりー乙

>>54
鈴の音が鳴るような声って日本語おかしくないか?
間違って……はいないか。

鈴を転がすような声とは言うな。
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/12(金) 22:18:19.33 ID:mYPgVRAB0
これ全部ほむらちゃんの妄想でした^^とかだったら神SSだわ
とりあえず乙面白い
61 :1 [saga]:2014/09/18(木) 01:23:19.24 ID:MEQUIPinO
雨脚がどんどん強まっていく。

ほむらはまどかが抱えているビニール袋の中に目を遣ると、まどかの分であるはずのプリンがあった。

まさか届けに来たのだろうか?

別にそこまでする必要はないのにと思いつつも、それがまどかなのだなと思い…笑みを噛み殺しながらまどかに近寄ろうとした。


だが、その時部屋の中から女生徒たちの声が聞こえた。


「雨すっごいねー」

「やばくない? ていうか、あいつこんなときにどこほっつき歩いてんだろう」

「案外まだ外にいたりして…」

「ありえる。何考えてるかわっかんないんだよ。気持ち悪言ったらないっての!」

「ねー。なんでおんなじ部屋なんだか。こっちまで気が滅入るわ」

「喋ってたら喉乾いてきた。たしかロビーに自販機あったよね。ジュース買いにいかない?」


中からこちらに近寄ってくる音が聞こえてきた。

この程度の雑言にいちいち目くじらをたてるほむらではないが、まどかはそうはいかなかったようだ。

聞いてはいけないものを聞いてしまった…そんな気まずさが顔に出ているのを見てほむらは頭を垂れた。


これでまた距離が…。
62 :1 [saga]:2014/09/18(木) 01:24:19.33 ID:3miy8tdZO
内側からはこちらに向かって生徒たちがゆっくりと歩いてくるのがわかる。

いっそここで彼女たちを迎えうち、修羅場にしてやろうか。

まどかはそんな自分を見て二度と関わろうと思わなくなるだろう。

その方がいい。その方が諦めがつく…。

言葉も交わせないぐらいの関係になってしまえば、淡い期待を抱くこともなくなる。

この世界を維持するのにも、まどかと関わらない方が彼女の記憶を呼び起こすこともなく、よほど……。


ほむらは覚悟を決め、中から生徒が現れるのを待った。

一歩一歩近づくにつれてまどかとの関係が修復できないほど遠ざかっていくかと思うと、無性に何かを叫びたくなる。

彼女の抱える袋の中にある優しさを、せめて最後にもらうことができればと思わなくもなかった。
63 :1 [saga]:2014/09/18(木) 01:24:59.65 ID:3miy8tdZO
ドアのノブが半回転したその時……。目の前で床を蹴る音が鳴り響いた。

女生徒たちが、次々と出てくる。


「あれ、今誰か部屋の前にいなかった?」

「そう? 気のせいじゃない?」

「案外さっきの話聞かれてたりしてね」

「やだ、やめてよ」

「いいじゃん。帰ってくんなっつぅの。鬱陶しい」


吐き捨てるように言葉を置来ざりにしていった彼女たちの背中を、ほむらは近くにあった物置の影から見送った。

まどかに手を引かれて、205号室から数メートル離れた場所に身を隠したのである。
64 :1 [saga]:2014/09/18(木) 01:25:58.57 ID:3miy8tdZO
「もう行ったみたいだけど……?」

「ぜぇ…ぜぇ……ぜぇ…」


ほんの数メートル動いただけなのに、息を切らしていた。


「あの……大丈夫?」

「えっ…あぁ…ああ……うん」


肩で息をしている。そこまで走ったわけではないのに…。

左手はしっかりとまどかに握られており、彼女は無意識だろうがほむらにとっては意識せざるをえないほどの大事であった。

目を逸そうにも…距離を置こうとしても…叶わない。

まどかの温度と柔らかい感触を確かめながら、天井を仰いだ。

雨音が胸の鼓動のように降り注いで来る。
65 :1 [saga]:2014/09/18(木) 01:27:06.91 ID:3miy8tdZO
二階の一部がカフェになっていた。食堂が隣にあり、既に夕餉の準備が行われていた。

売店でほむらとまどかはそれぞれ飲み物を注文して……気がついたら向い合っていたのである。

クラスメイトは数名いたが、決して目立たない程度でほむらたちを気に留めるものはいなかった。

コンビニのプリンを見ながらほむらはなお冷たい口調で問いかける。


「わざわざ持ってきてくれたの? それ」


責められるような眼差しを受け目のやり場に困るように恐る恐る言葉を選ぶ。


「ほむらちゃんが勝ったから…だから…」

「いいえ。あの勝負はあなたの勝ちだったはずよ。 わざと負けて、興が冷めるような真似をして。いったいどういうつもりなのかしら」

「それは……」


アイスティーのレモンに目を落としているまどかを、ほむらは複雑な面持ちで見つめていた。

まだ彼女の手の感触が残っている。温かい左手。


「それとも私があの部屋に戻れないと思って、気を使ってくれたのかしら?」

「……えっと」


あそこで負けてしまったら、仲間はずれになったほむらが帰ってしまう気がしたのだろう。

みんなが美味しいものを食べているところに、その喜びを共有出来ないものがいては、場の空気を淀ませてしまう。

ほむらが立ち去ることを予測したまどかはそれを引き止めるために、わざと負けたのだ。
66 :1 [saga]:2014/09/18(木) 01:27:54.64 ID:3miy8tdZO
「勘違いしないで欲しいけれど、一人きりで部屋にいることも厭わない。私はあの子たちに言われたことはなんとも思っていない。」
それはまごうことなき本心であった。もう誰かに理解されることを求めたりしない。あの程度の嘲笑が心を抉ることなどありえない。人でありながら、人として何もかも失ってしまったほむらが意に介す余地がなく――それが虚しいと言えば虚しいともいえるが、罵倒も雨が降ることもさほど変わらないことである。まどか以外の何者も、この世界を構成する1つの塵芥と同じもの。

「ほむらちゃん……」


深い瞳の色をまどかは悲しげに覗いていた。ほむらが強がりや虚勢を張って嘘をついているのであればまだ声のかけようがある。
でも、そうではないということを理由ではなく直感で感じ取った。自分とは違う、自分なら耐えられない孤独をこの子は知っており、それを受け入れてしまっている。そんな相手にかける言葉が存在するのか。何が出来るのか。


「どうして――本当は……本当は優しいんでしょ? 私が転校してきた時だって、何か大切なことを教えようとしてくれてたんじゃないの? さっきだって、私が負けてがっかりすると思って、私が勝てるようにしてくれたんでしょう? なのにどうして……」


まどか――。
67 :1 [saga]:2014/09/18(木) 01:29:24.31 ID:3miy8tdZO
「あなたは何か勘違いをしているわね。 私が何か理由があって皆から距離を置いていると思っているなら改めなければいけない。私は昔からこういう性格で、他人のことなんて興味がないし、関わることがただ億劫なだけ。誰にどう思われようがそれに振り回されて生きることが馬鹿らしいの」

「……」

「わかってもらえたかしら? わかったら、もう私にかかわらないで欲しい」


大好きで、今にも泣きつきたい……そんな相手にここまで言えることに、ほむら自身が驚いていた。だけど側にいるとどうしょうもないぐらい愛おしいという気持ちと、それと等しいほどの不安が押し寄せてくる。その不安がこの言葉を押し出している。もし彼女と関わって永久に会う機会を失ってしまえば――。今度こそ自分は自分を保てなくなるだろう。

ほむらは席を立ち――そしてまどかに背を向けた。

その時、まどかはそっとつぶやいた。


「私の知ってるほむらちゃんは……」


胸の奥を強く、強くえぐられるような発言。それを聞き逃すことはできなかった。
ほむらはそれを敢えて言及することをせず、そそくさとその場から立ち去るだけだった。


まさか――まどか……あなたはもう既に?
68 :1 [sage]:2014/09/18(木) 01:31:34.32 ID:3miy8tdZO
少し時間をいただくと思います。
1〜2週ぐらい…。
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/19(金) 03:09:31.09 ID:n6nypTuEo
気になるところでおあずけとは何たる仕打ち・・・
はよ
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/19(金) 20:22:48.95 ID:+9vLFIJOo

こんなところで焦らしプレイなんてくやしいでも感じちゃうビクンビクン
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 17:46:42.40 ID:7URx541zo
マダカー!
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/10/16(木) 22:19:02.94 ID:vkiVAvtpo
いつも竜頭蛇尾な感じが否めないから飽きずに今回は頑張ってくれ
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/18(土) 23:11:39.82 ID:M35P6mS10
頼む続きが読みたい
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/20(月) 23:05:08.62 ID:KWv85CJx0
孤独に揺られながら十畳半ばかりの自室に戻ると和室には独特のい草の匂いがほむらを迎えた。

女生徒たちの私物が投げてあるがほむらの目にはそんなものは映らない。

そのまま奥の麩をガラリと開けて、縁側にある背もたれのある椅子に腰をかける。


あの言葉はなんだったのか。

『私の知っているほむらちゃんは』


いろんな意味にとれた。

この世界で出会ってから見てきたほむらの印象をまどかなりに見て漏れた言葉であったのか。

今思えばそんな……何の気なしに嘯いたかのような気もする。
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/20(月) 23:05:45.57 ID:KWv85CJx0
もしほむらが危惧しているような事態が、既に取り返しのつかないほどまでに進行していたとするなら、彼女は既に消えてしまっている可能性が高い。

円環の理として覚醒して、この偽りと夢の箱庭は消えて無くなっているだろう。

記憶を取り戻しているか、否か。

1か0か。

いや。


あるいはその間があるのか……。
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/20(月) 23:06:36.47 ID:KWv85CJx0
ほむらが魔女として覚醒するまでの間に抱いた違和感を、

同じような形でまどかも抱えているとしたら――。

徐々に徐々に取り戻す過程にいたとするなら。



同じ魔法少女と肩を並べて力を合わせて人の心に住み着く悪夢を打ち砕き勉強と使命と仲間に囲まれ充実した毎日。

記憶はがすり替わったとしても適応力で簡単に順応してしまう。

ほんの少し、何かが違う世界に移動したとして、普通は違和感すら感じられない。


ほむらのように時間を何度も繰り返さない限りつゆほども不思議に思ったりはしないだろう。

彼女が自身が創りだした結界に対し真っ先に違和感を覚えたのは魔女だからではなく、
世界の移動を何度も繰り返し、異なる世界に足を踏み入れるという感覚を知らずしらずのうちに身につけていたためである。

普通の人間はもちろん、魔法少女である杏子やマミであっても、そのような違和感を感じ取ることは不可能だ。


結界の中でほむらは気づいてしまった。

何かが違う。ここは本当の自分がいるべき世界なのか?

あの胸騒ぎと焦燥のようなものを、まどか自身が感じているとしたら――。

時間移動どころか、世界そのものを作り変えてしまったまどかなら――。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/20(月) 23:07:51.18 ID:KWv85CJx0
厄介だ。まどかはあの時の自分と同じ状態にいる可能性が高い。

力を封じて、円環の理としての記憶を追い出してもなお、そのような状態にいるのであれば、もはや手のほどこしようがない。




両手で顔面を抑えながら、いつぞやのさやかの言葉を思い返していた。


『ねえ、これってそんなに悪いことなの? 誰とも争わず、みんなと力を合わせて生きていく。

 それを祈った心は裁かれなければならいほど、罪深いものなの?』


あの時は許せなかったのだ。

まどかの祈りを無駄にしてしまった何者かを。

全ての魔法少女のために、犠牲になったまどかのことを思えば……。


魔法少女として命を終えるまで戦い続けなければいけない――。

許されるはずがない。


だからこそ自分は裁かれなければならなかった。

あの結界の中で討ち滅ぼされるべきで――どう考えても死ぬべきだったはずなのに。



――ねえ。まどか。

あなたはもし私があんなことをすると知っていたとしたら、迎えに来た?

それとも…幻滅して見捨ててしまったかしら?


あんなことになるとは思ってなかったでしょうけれど、それでもわたしを見捨てなかったんじゃない。

見捨てられなかったんじゃ……。

そんなまどかを――わたしは。
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/20(月) 23:08:56.09 ID:KWv85CJx0


やめよう。


冷静に考えれば考えるほど、自分が許せなくなってくる。

わたしは悪魔。 それを忘れてはいけない。

既に引き返すことができないほどの罪でこの手は汚れている。



まどかを貶め、全てを自分のものにしたときの開放感と、高揚感には得も言われぬ達成感があった。

やっとこの手で掴みとった――望みが叶ったあの時。

この世の何よりも気高い存在に触れて、ドロドロしたあの感覚を未だに覚えている。

悦楽などに興じることを潔しとしなかった彼女には知ることのなかったものだ。
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/20(月) 23:10:21.06 ID:KWv85CJx0
大事な親友と共にいたいと切望する想いをはるかに越えた域にある、愛。

あの純真さ、真っ直ぐな瞳、ひたむきで温かいぬくもりに触れて、全て自分の中へ引き込み、塗りつぶしてしまいたいという願望を抑えることは出来なかった。

こんな自分がいた事が信じられなかった。

それでもなお、まどかを円環の理と記憶を引き裂くだけに留めたののは、ほむらの理性が働き自制したからに他ならない。

おかげで未だにまどかはその瞳の輝きを失わずにいる。



なのにそれが出来なかったのは、悪魔になりきれなかったせいだ。

まどかの魂ごと蝕むこともできたはずだが、それをしなかったのは――。


あの時の気持ち。『まどかを守る』という祈りがあったからだろうか。

それを失ってしまえば、きっと自分を保てなくなる。

自身の存在意義を問うことになる。

自分が成してきたこと、やり遂げたことをこの手で壊すだけの勇気がなかった。

ただそれだけのことなのかもしれない。
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/20(月) 23:11:19.32 ID:KWv85CJx0
夕食を誰とも言葉を交わすことなく終えようとする頃には、旅館を包む重々しさが消えていた。

嵐が去って近場であれば外出も許可された自由行動。

同室の女生徒たちからは露骨に目をそらされているが、そんなことよりも気になるのはまどかたちの会話だった。

「どっかでかけっぞ。せっかく外に出ていいってんだし!」

「それはいいけど、杏子。何か見たいものでもあんの?」

「いや。ただ部屋の中でじっとしてんのもなんだろう」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/20(月) 23:11:53.99 ID:KWv85CJx0
「私はどちらでも構いませんが、まどかさんはどうですの?」

「え…?」


まどかは素っ頓狂な顔をして、直ぐに笑みを浮かべた。

「ああ、そうだね。いいんじゃないかな。海も見たいし」

「でも増水してるから、浜の方はダメだってよ」

「そっか、残念だなぁ」

一瞬ぼっとしているように見えたが、何か考えごとをしていたのだろうか。

胸騒ぎがする……。
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/20(月) 23:14:29.54 ID:KWv85CJx0
眠いので眠いので…。
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/21(火) 06:28:19.64 ID:mW5Gpbx2o
書け、そして書け
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/05(水) 18:31:52.93 ID:4G7Waml2O
はよ
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/07(金) 20:00:02.91 ID:rNEWveCJ0
まだかい
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/22(土) 16:05:30.35 ID:z1ggmF3DO
エタだな
87 :1 :2014/11/26(水) 18:58:08.74 ID:+6bjhzsf0

食後にまどかたちが出かけるのを見計らって、ほむらはあとをつけることにした。

雨のせいで、まるで雲の中にいるように霧が立ち込めている。おかげで追跡するのはわけない。

昼間のようなじめじめした空気は消え、少し肌寒い。

追いかけてきたのはいいが、いったいどこへ行くというのだろう。特に宛てがあるとは思わないが……。
88 :1 :2014/11/26(水) 18:58:58.96 ID:+6bjhzsf0
どこからともなく篠笛のような和風のメロディが響いてきた。

祭りでもやっているのだろうか?

杏子を先頭に、石畳の階段を登っていく姿が見えるとまどかもそれに続いていく。

どうやら見物していくらしい。
89 :1 :2014/11/26(水) 18:59:31.43 ID:+6bjhzsf0
ほむらが最上段まで上りつめると、露店と提灯の列が連なっていた。

雨上がりとはいえ、参加者の数は気をつけないと見失ってしまうぐらいにはおり、早速まどかたちの行方がわからなくなってしまった。

おおかた屋台に嬉々とした杏子が皆の手を引いて参列者たちの中に混じっていったのだろう。

持ち合わせがないわけではないが、祭りに興じるほど彼女の心にゆとりはない。

まどかがいなければこんな場所一刻も早く立ち去るところだ。
90 :1 :2014/11/26(水) 19:00:24.17 ID:+6bjhzsf0
軽くため息をついて人混みへと足を踏み入れると、憂い気持ちがこみ上げてくる。

わたしは……何をしているのだろう。

まどかはひとつずつ真実を思い出し始めている。

その彼女に対する策の一つでも講じもせず、背中を追いかけているとは。

わたあめやとうもろこしをかじる子供が笑みをこぼす中で、ほむらもまた笑みを浮かべていた。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/02(火) 10:54:26.94 ID:83wRz0X/o
はよう
92 :1 :2014/12/03(水) 21:27:35.49 ID:lI0v1GA+0
無論自嘲の笑みだ。


そのまま人混みを進む。

それなりに屋台の数も多くまだ奥まで行き当たらない。

出会い頭ばったりまどかたちに会うという状況だけは避けたかったが、こう人が多くてはそれも仕方ない

ここまで来て無駄足では悲しい……それぐらいならまだ出会い頭に見つかったほうがまだましだと思い始めていた。
93 :1 :2014/12/03(水) 21:28:17.55 ID:lI0v1GA+0
慣れない人混みのせいで数分で疲労だけが溜まり、いったん大通りから外れて露店の裏側で一息つくことにした。

まどかはさやかたちと今頃屋台で遊びを満喫しているのだろうか?

大木のに背中を預け、ほむらはため息を漏らす。

すると樹の裏側から子供のすすり泣く声が聞こえてきた。

声から察するに小さな女の子だろうが、親とはぐれてしまったのだろうか?

こんなところに一人佇んで、誰にも助けを求められずいることがなんだか他人のような気がしなくて、
気まぐれに声をかけてみることにした。
94 :1 :2014/12/03(水) 21:30:42.21 ID:lI0v1GA+0
「ねえ、どうしたの?」

その子が顔を上げた瞬間、ほむらの全身が凍りついた。

「あのね…パパとママとはぐれちゃった…」

浴衣の女の子は予想通りの返事をしてきたが、それがなおほむらを驚かせる。

暗がりの中で視界は悪いものの、今、最も会いたいと願っていた人物に瓜二つだったからだ。

あどけない顔つきで、年の功は小学生の低学年ぐらいだろうが、
ここまでそっくりな子供がいるものだろうか……?

まるでまどかをそのままタイムスリップしたようだ。
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/04(木) 00:45:14.80 ID:wPOhOag/o
96 :1 :2014/12/05(金) 00:21:26.95 ID:AvsMkJo60
「おねえちゃん?」

「あ、ごめんなさい。知り合いに似ていたものだからつい…」

本当にびっくりした。

「おねえちゃんも、一人なの?」

「…ええ」

「そうなんだ。じゃあ、わたしと一緒だね…えへへ」

泣き止んだ?
97 :1 :2014/12/05(金) 00:31:01.05 ID:AvsMkJo60
「よかったらわたしと一緒にまわる? お母さんとお父さんが見つかるまで」

「いいの?」

なんとなく一人にはしておけなかった。
まどかとそっくりだからかもしれない。

あるいは、彼女にただいい格好がしたかっただけなのかも。

他人であることは間違いないのに、馬鹿だなと自分で思った。

「いきましょうか」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/06(土) 03:35:21.02 ID:AMIxNZoUO
お巡りさんこいつです
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/10(水) 06:53:12.14 ID:PjFRCVpwO
あんた幼女好きだなww
続きを
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/20(土) 00:56:44.79 ID:e5xE45fVO
マダカー!!
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/04(日) 17:44:35.69 ID:5Mlgp/GxO
マダカァー!
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/12(月) 00:59:20.13 ID:unbVPNEfo
はよ
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/21(水) 20:57:05.40 ID:NBthqsIso
>>1がこのスレの存在を忘れてそうな・・・
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/01(日) 21:55:51.69 ID:YrB8m5Qxo
書きなさい
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/07(土) 00:11:36.21 ID:Tj/tCb6po
はよう
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