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男「…スライム?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 22:12:25.30 ID:xH3BOTJhO
男「スライムって可哀想だよな」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1412514745
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [だ]:2014/10/05(日) 22:16:54.15 ID:xH3BOTJhO
男「レベル上げのためにめちゃくちゃやられなきゃいけねーんだもん。」ピコピコ


ディリリッティンティッティーン!



男「お、56レベルに上がった。」


男「そろそろBOSSに挑んでも良さそうだな…」


男「でももう2時だしな、程よく眠いし今日は寝よう。明日も学校だし。」


パチっ


男「」スヤスヤ



3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 22:20:30.45 ID:xH3BOTJhO


チュンチュン


男「ふあー、もう8時かよ…」


ガチャ

母「男ー、私もう行くから戸締りお願いねー」



男「あいよー」



バタン

ドタバタドタバタ…



男「母ちゃん…お腹完全にスライムだな」



男「そろそろ準備していくか」






4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 22:25:28.82 ID:xH3BOTJhO


学校

ワイワイガヤガヤ



男(ふー、なんとか間に合った…。まさか出掛ける間際にトイレに行きたくなるとは…。)


男(……いつも通り誰もおはようもなし、か)



男は友達が居なかった。


5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 22:28:56.06 ID:xH3BOTJhO
いや、知り合いは多いのだ。
都合のいいときだけ、関わってくる知り合い。

例えば、テストのときのノート、

例えば、掃除当番、

例えば、人数合わせの割り勘要因、


男はいつも利用される立場の人だった。

6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 22:34:11.98 ID:xH3BOTJhO


チャラ男「男〜、今日どうしても外せない用事があってよ〜、掃除変わってくんね〜?明日のお前の代わりやるからさ〜」


男「うん、いいよ。やっておくよ。」

チャラ男「男〜サンクスゥ〜」




女共「かわってくれるって?」

チャラ男「おう〜、カラオケ行けるぜ〜」


男「…」(…BOSSはちょっと遅れて倒すことになるな。てかあんなチャラ男でも成績俺より全然いいんだよなー…)



7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 22:40:00.62 ID:xH3BOTJhO

男(というかそろそろ違うゲーム探さなきゃ。違うタイトルに挑戦してみようかな。)



ガラッ

先生「よーし、おはようございまーす、ホームルームやりますよー席についてくださーい。」


皆「はーい」

ガタガタ



男(今日は数学からだっけかな…)



男は自分が利用される側の人間であるこをわかっていた。

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 22:43:56.97 ID:xH3BOTJhO

輝ける人はとことん輝けるし、輝けない人はとことん輝けない。

たとえ輝こうとしても、さらに強い光にかき消されてしまうのだ。


それが、学校でも職場でも国でも、どこでも同じだ。



だから男は、輝こうとしなくなった。


そうすることで気持ちを楽にしていた。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 22:46:58.48 ID:xH3BOTJhO

踏み台にされる人生…。


でもそれも悪くないし、踏み台が楽しくないなんて誰が決めた?


自分なりの楽しい日々を送っているんだ、不足はない。不足を感じちゃいけない。




男(ふー…数学は疲れる。)




男(でも今日のとこはテストでそうだな…)
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 22:54:13.53 ID:xH3BOTJhO

男(…)カキカキ


女(…)ジー


女(男君って真面目だなぁ…。休み時間も復習してる。)



男(ん………………尿意……)



ガタ、スタスタ



女友「女なにぼっとしてんの?」


女「ん?あぁ、別になんでもないよ」


女友「てかさあ、数学本当意味わからんんのだけど…」


11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 23:00:26.86 ID:xH3BOTJhO


昼休み


食堂



男はいつも食堂でご飯を食べていた。
この高校は意外と独りでご飯を食べる人が多く、あまり違和感をもたれない。



男(今日の弁当は唐翌揚げか!ふぉぅ!)


男 パクパクモグモグ



男(そういえばそろそろ進路希望を出さないとだ…)


男(とりあえず大学に行きたいけど…また四年間孤独に学生生活を送ることになるなら働こうかな…)



男(でも高卒って何と無く危ない感じするんだよな…やりたいことも決まってないし)



ゴクン



男(…進路相談しないとかな…)


12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [を]:2014/10/05(日) 23:05:58.07 ID:xH3BOTJhO

もう5月の半ば。


そろそろ進路を決めなければいけない。



ここでこれからの人生の展開のおおよそが決まってしまうのだ。


いや、そう脅されているといってもいいかもしれない。



教師や親はこの時期になると、子供たちを追い詰めるように問いただしはじめる。


ここで全てが決まるかのように。



男もそんな焦りを感じさせられていた。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 23:08:19.78 ID:xH3BOTJhO


男(もう面倒くせえ…。)ハァ



男(帰ったらすぐBOSS倒して憂さ晴らししてやる!)





男(あ、でも掃除当番だ…)


14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 23:15:53.78 ID:xH3BOTJhO

放課後


男(チャラ男のやつ、よりにもよって時間のかかる教室掃除じゃんか…。)



男(メンバーは…女さんと茶髪さんね。男は俺だけか。)


女「男君ー。そっちの机運んでもらっていいー?」



男「あ、わかった。」(そういえば今日、声を発したの今が初めてだ。)




茶髪「教室は本当面倒くさいねー。なんで3人なのかなー。」


女「本当ね。人数割絶対おかしいよねー。」




15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 23:25:46.84 ID:xH3BOTJhO
茶髪「そういえば女は進路決めたー?」



女「お、いきなりだね」


茶髪「えへへ、私決めたからさー」



女「えっ、本当?!どうするの?」



茶髪「女が言ったら言うよ〜」ニコニコ



女「えー、んー…。わかった。」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 23:45:31.17 ID:xH3BOTJhO

女「私はねー…靴の専門学校行くことに決めたんだ!」


茶髪「靴っ?!」

男(靴っ?!)



女「はっはー、驚くよね。」.


茶髪「服とか美容はよく聞くけど…初耳だよー」

女「あんまり知られてない分野だもんね。でも私靴が好きでさ、去年の暮れくらいから親と相談して決めたの」


17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 23:48:34.88 ID:xH3BOTJhO


茶髪「へぇー、確かに履いてる靴オシャレな感じがすると思ってたよ。」


女「ありがとう。革靴も磨くとキレイに味が出てきたりするのよー。」



男(女さん…そんな夢を持ってたのか…。)


男(俺なんて三年間プーマのスニーカーだよ…。)



女「はい!次は茶髪ちゃんの番だよ〜!」


18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/05(日) 23:51:12.82 ID:dQ46onQx0
スライムだからスライム娘だと思った
でも面白そうだから期待
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 23:51:45.78 ID:xH3BOTJhO


茶髪「私はね、A大学行くんだー」


女「うわっ、結構頭良いところだよね?」


茶髪「うん、なかなか頑張らないと難しいって先生にも言われたよ。」



男(そこ…俺が諦めたとこだ…。予備校行かないとダメだって言われたんだよな。)

20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 23:54:44.72 ID:xH3BOTJhO

茶髪「だから予備校通ってるんだ。ギリギリだけど間に合いそうなの。」


女「イケるといいね。応援してる!」


茶髪「女頭良いから学校のテストは頼らせてもらお〜笑」



女「ははは、いいよー」


女「そういえば男君はどうするの?」

21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 23:57:08.63 ID:xH3BOTJhO
男「えっ、お、俺?」


茶髪「私たちのきいたもんねー」ニコニコ

女「まぁ勝手に話したんだけども。いつも真面目だから気になるなあって」



男(まさか聞かれるとは…。)

22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/05(日) 23:59:49.32 ID:xH3BOTJhO
男「俺は…特に考えてないんだ。真面目でもないし…」


女「あ、そうなんだ…」


男(あぁ〜!つまんないことしか言えない…。でも本当人に言えるほど立派な夢とか理想なんて…)


女「でも男君はなにどこでもやっていけそうだよね」

23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 00:03:46.25 ID:Tya3KJ1PO

男「え、そうかな…?」

女「うん!」

茶髪「優しいししっかり者そうだもんね〜。」


男(あ……。そういうことか。)



男(もう言われ慣れたやつか…。俺を当たり障りなく扱うときによく言われるやつだ…。)

茶髪「今日もチャラ男とかわってあげてたし」ニコニコ


女「うーん…。私はそれとは違う感じするかも」

24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 00:08:12.06 ID:Tya3KJ1PO

男(?!)

茶髪「あれ?違うんだ?」


女「周りが大人だらけになったら力を発揮するタイプに見える」



茶髪「あっはっは〜、なにそれ具体的だね」


男「よくわからないけど…ありがとう?」(…本当に意味わからん…でもなんか嬉しいな)


25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 00:12:07.54 ID:Tya3KJ1PO


男(てか女さん…そんなことよく思ったな…。俺なんて存在も薄いのに…)


茶髪「あっ!私たち話してる間に男君が掃除終わらせちゃったよ!」



女「あっ、ごめんね、男君」アセッ



男「ううん、別に大丈夫だよ。」


茶髪「じゃあ教室の鍵返して帰ろうか〜」




26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 00:32:05.52 ID:Tya3KJ1PO


男宅



男「ふぁ〜!疲れたー」ぼふっ



男「学校帰りってなんか眠いんだよなぁ…。」



男「でも今日は…久々に普通に話したな。いや、俺は普通じゃなかったか…」




男「それにしても…2人ともあんな真剣に将来を見据えてるんだな…。俺とは全然違う…。」


男(やらなきゃいけないことじゃなくて……あの2人のはやりたいことだ。)

27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 00:36:32.91 ID:Tya3KJ1PO


男「まああの二人はそういうタイプの人間だしな、2人とも可愛いし、俺とは違う。悩むポイントじゃないな。」


男「あんまり考えると劣等感だらけになるし…。ゲームでもするかな!」



ピッ

ティーティリーティーティーティーティー

ティリリリリーリ


男「そういえば…」


男「スライムと俺、似てるかもな笑」

28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 00:41:30.43 ID:Tya3KJ1PO

男「ゲームの中でもきっと脇役だ」


男「今は主人公だけど」



ピコピコ


男「よし…BOSSまで来たぞ…!」


男「攻略情報によるとかなり手強いらしいな…」

29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 00:44:53.38 ID:Tya3KJ1PO

男「だが俺の勇者は考えられる最高の能力、装備してる…。何度、民家のタンスを荒し農場を荒らし、ダンジョンを潜ったことか…。」



男「負けるはずがなし!」



男「勝負だおらぁぁああ!!」



男はゲームを前にすると独り言が多くなりテンションが上がるタイプだ。

30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 00:47:22.73 ID:Tya3KJ1PO

母「男〜、ご飯よー」


コンコン



男「まじか?!」


男「ちょっと…後でに…」


母「ラーメンだけど」


男「今行く」

31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 00:51:43.89 ID:Tya3KJ1PO


男(くそー、タイミングが悪いよ母ちゃん…。)


男(ラーメン美味いな…。)ズルズルッ


母「男、そろそろ進路希望の話が先生からある頃なんじゃないの?」


男「……。そうだね、そういう時期だね」

母「あんたはどう思ってるの?」



男「…。俺は…なんも考えられてないよ。ごめん母ちゃん…。」


男「やりたいこととかも特にないんだ…。」



男(情けない…。母ちゃん怒るかな…?)
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 00:55:31.73 ID:Tya3KJ1PO

母「あらそうなの〜。まあ大学でもいけば見つかるんじゃないの?」



男「うん…。でも大学入って楽しく過ごせるもわからないし、働くっていってもイメージ全く沸いてないんだ…。どっちつかずというか…。」


母「まあやることなんて入ってからでも見つかるかもしれないんだし、そんな臆病に考えることないんじゃない?あんた成績も悪くないみたいだし」ズルズルズルッ

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 01:03:47.82 ID:Tya3KJ1PO

男「…。怒らないの?」

母「え、私が?あんたに?なにいってんのよ、怒る理由もないのに。」


男「いや、俺、なんも決まってないし…。」


母「それは私は別に困らないからね。男が後から困るだけで。ただ、焦ることがイイとは思わないのよー。逆になんも決められずに縮こまってても良くないけどさ。」


男「…。」


母「あせらず考えなっ」ちゅるん!


34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 01:07:34.81 ID:Tya3KJ1PO


男部屋


男(…本当いい母ちゃんだな…。普通ガミガミ言ってきたりするだろうけど…。いい意味で放って置かれてる感じだ。まぁだからのびのび勉強出来たっていうのはあるんだけど…。)



男「あんまり焦っても良くないよな…。」



男「うん!そうだ!まだ時間はあるんだし、ゆっくり考えよう!」



男「んで、早速お預けだったBOSSを倒しますかー!」

35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 01:10:02.70 ID:Tya3KJ1PO

男「おぉ…これがBOSSか…。めっちゃ強そうじゃねえか…。」



男「アイテムと装備を確認して…と。」



男「勇者の体力がちょい不安が残るな…。まあ魔王城攻略にそこそこ手こずったから仕方ない。」


36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 01:21:02.84 ID:Tya3KJ1PO


男「でも魔法使いと僧侶は温存してたからな…。存分に魔法をぶっ放せるぜ。」


男「戦士の武器も魔王城でいいやつ見つけたし」



男「てか4人で魔王退治て…。無謀すぎるだろ。笑」


男「こいつらは勇気の塊だな」


男「俺もこんだけぶっ飛んだ世界なら勇気出せるかなー…」


37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 01:23:40.59 ID:Tya3KJ1PO

男「妄想してても、しょうがないし、やるか!」


ピッ、


魔王『良くきたな…勇者よ』


38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 01:26:21.44 ID:3wfCsXlQo
見てるぞ
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 01:27:22.00 ID:Tya3KJ1PO

魔王『わざわざ倒されに来るとは…ご苦労なことだ。』


魔王『私は今まで貴様達を見てきた。』



魔王『人間どもから化け物地味た強さの貴様達は恐れられ、王族からは召使いのような扱いを受け、この世の負の要素の多くを受け背負わされてここまできた。』


40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 01:30:14.00 ID:Tya3KJ1PO
魔王『愚かだ。』


魔王『自己犠牲心などという、一見すると尊いように思える思想に踊らされる様は実に愚かだ。』


魔王『せめて私の手で直接楽にしてやろう。』


魔王『かかってこい!』

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 01:33:51.33 ID:Tya3KJ1PO


男「…。」

(こいつ…。めっちゃ重いこと言ってくるなゲームのくせに。)



男「まあいいや!ボコボコにしてやんよぉおおお!」


ピコピコッ!


勇者→極大雷撃魔法
魔法使い→極大炎滅魔法
僧侶→極大聖十字魔法
戦士→攻撃


42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 01:36:29.66 ID:Tya3KJ1PO

魔王に226のダメージ!

魔王に150のダメージ!

魔王に201のダメージ!

魔王に78のダメージ!



魔王は暗黒竜を呼び出した!


暗黒竜の攻撃!

全員に76のダメージ!


43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 01:39:37.19 ID:Tya3KJ1PO

男「ふっ、ちょろいな…」


勇者の攻撃!

魔王に150のダメージ!



魔王は極大地熱魔王を唱えた!


勇者に176のダメージ!
魔法使いに140のダメージ!
僧侶に180のダメージ!
戦士に120のダメージ!




男「うぉぉおおおと?!?!なんじゃその魔法は?!めっちゃ強え!」

44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 01:42:05.05 ID:Tya3KJ1PO

男「僧侶に回復させねば…」


暗黒竜の攻撃!

戦士は50のダメージをうけた!


男「こいつ召喚されたらずっといるタイプか?!くそがぁぁああ!」



ピッ、

ピコピコ、

45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 01:44:25.20 ID:Tya3KJ1PO


男「はぁ…はぁ…。」


(魔王のHPいくつだよ…。もう1万くらい与えた気がするんだが…。)



男「もう勇者しかいない…。回復アイテムもわずか…。」



男「……次の攻撃にかける!!」


46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 01:46:49.49 ID:Tya3KJ1PO


男「いけぇええ!勇者ぁぁああ!!」


勇者→超聖十字斬



ピッ、




勇者の超聖十字斬!


会心の一撃!!

魔王に478のダメージ!


魔王は力尽きた!

47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 01:55:49.93 ID:Tya3KJ1PO


男「…はっ……」


男「とうとう…倒したか…!」



男「このゲームをやり始めてから2週間……BOSS戦が始まってから2時間も経っていた…。」



男「やっと…やっと倒したぜぇえええ!」



男「うひょぅううおおおお!」


48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:01:42.10 ID:Tya3KJ1PO

男「さぁ、エンディングが始まるぞぉおお!」



魔王『大したものだ…。この私を倒すとは…。』



魔王『だがこれだけは言っておこう。貴様達はこれから幸せな時間が待っていると思っているだろうが、世はもっと混乱していく。また私のようなものが現れ、また貴様達のようなものが現れるのだ。』


魔王『時代は満足してなどいない。私には分かる。例え私が死に消えたとしても、全ては徒労に終わることだ。フッフッフッ…。ハーッハッハッハッハッ!!』

サラサラ〜…


魔王は砂になり、風に運ばれ消えて行った。


49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:06:21.14 ID:Tya3KJ1PO

魔王城には光が注ぎ、爽やかな風が吹き始めた。


世界は平和になったのだ。



男「…。マジで最後まで嫌なやつだったな魔王…。てかあの口ぶりだと裏BOSSいそうだわ。」



男「でもめっちゃ面白かったな!やっぱりこのシリーズは間違いない!」



男「ってもう2:30か!明日のためにももう寝るかぁ」ふぁあ


男「次はなにやろうかなあ…」むにゃむにゃ…




男は深い眠りについた。

50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:07:03.66 ID:Tya3KJ1PO

見てくれてる方いますか?
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 02:08:33.40 ID:oHJWKjjbo
いるぞ
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:09:43.00 ID:Tya3KJ1PO

ありがとうございます。
続けます。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 02:11:44.83 ID:eHRBw/zR0
期待
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:12:31.14 ID:Tya3KJ1PO


男「…んー…。」


(なんか寝心地が…変わったか…?)



男「んぁ…顔が痛いな…なんだよ…?」



ギシッ

男「…ん?板?」


男「って板ぁぁ?!」ぴょん!


55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:14:42.08 ID:Tya3KJ1PO


男「なんで板?!てかここどこだよ??!」



男のいる場所は小屋のようだ。


埃まみれ、というわけではなく、どこか生活感を感じる。



男「なんだここ…。俺んちじゃないよなどうみても…?」


56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:17:11.27 ID:Tya3KJ1PO

男「服装は…ジャージのままだ…。」



男(寝てからどっかに運び込まれたのか…?)


男(窓から日差しがある。てことは朝か昼か…。覗き込んてみるか)




小さな小窓から外の景色を覗き込む。


57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:20:47.76 ID:Tya3KJ1PO

男(…!!!!????)




男「ど、どうなってるんだ…。この景色…!」.







男「どうみても近所とかじゃないぞ…!」



一面に広がる緑の芝。

ところどころに木が生えていて、窓から見る限り周囲には建物が見当たらない。


58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:25:29.35 ID:Tya3KJ1PO

男「な、なんなんだよこれ…。」

窓から後ずさる。



男「この小屋…誰か使ってるものなのか?」



改めて小屋を見渡す。


ふと目に入る。


あるものが。

男「こっこれは」


スッ

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:30:45.56 ID:Tya3KJ1PO


男「どうみても剣…だよなこれ。」

ズシ

(重いな…持てそうにない。)

男「でも装飾がすごく豪華だな…なんか覚えがあるようなないような」



(もう少し小屋を見てみるか)


男(畳まれた衣服みたいなものがある。食料っぽい干し肉のようなものもある。誰か絶対に生活してるだろこれ…。)


60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:34:33.39 ID:Tya3KJ1PO

男(完全に不法侵入しちゃってるんじゃねえのか俺?!)



男「…一回外に出てみよう」





小屋にはドアが一つだけあった。



スタスタ…

ガチャ


男(カギとかは…ついてないな…)


ギイ……
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:38:12.02 ID:Tya3KJ1PO


男「おぉ〜…。一面緑だ…。」



男の目の前には窓から見た景色がパノラマで広がっている。



青い芝に澄み切った青空、少し乾いた空気と半袖が少し肌寒いくらいの気温。

ヒュー…

男「なんか…気持ちいいな…。」



サクサク

男「こんだけ開けてる土地、日本にあるのかな」


62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:41:51.77 ID:Tya3KJ1PO

男「てか今何時なんだろ?時計もってないし、見当たらない…。」




ジュルッ…




男「あの小屋意外に建前は見えないしな。」



プクプク



男「…ん?」


男「なんか音がしたな…。こっちか?」



63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:44:37.77 ID:Tya3KJ1PO

ジュプッ

男「ひっ!」

(あそこ…なんか吹き出てきてるぞ…?!)



ジュプジュプッ


ポンッッ


男「うぉぉおおッッ!何事だ?!」


64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:46:28.83 ID:Tya3KJ1PO


???「ぴぎー!」



地面から吹き出てきた液体は、潰れた雫のような形に姿を変え、男に向かって吠えた。






男「…スライム?」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:50:15.37 ID:Tya3KJ1PO


スライム「ぴぎー!ぴぎー!」



男(完全にこれスライムだろ?!なんで現実にでてきてんの?!てかこいつ意外とでかいな?!)



スライム「ぴぎー…」


スライムは睨みつけながら男の左側にジリジリと回る。



男(なんだよもうどうなってるんだよ…?!夢か?これ夢か?!)


スライム「ぴぎー!」ダッ



66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:53:42.95 ID:Tya3KJ1PO


男がうろたえているとスライムが思い切りタックルをしかけてきた!



男「どぅわあッッ!!?」



どがぁっ!

吹き飛ぶ男。


スライム「ぴぎゃー!!」


着地したスライムはどこか誇らしげだ。


男「ぶっ…ぶふぅ…!」(え、?なんだよこいつ、攻撃してきだぞ?!すげえ痛え?!夢なのにめっちゃ痛いぞ?!)


67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/06(月) 02:56:08.62 ID:Iamp3KjO0
なろうでやれよ
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 02:57:36.71 ID:Tya3KJ1PO

スライム「ぴぎー…!」

もう一度ジリジリとにじり寄ろうとするスライム。


男「あっ…ああ!」(またくんのか?!ヤバイヤバイヤバイヤバイ!)


(もう一回あれ食らったら泣く!よけないとだめだ!)



なんとか立ち上がり、やったこともないボクシングスタイルをとる男。

69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 03:02:45.97 ID:Tya3KJ1PO

スライム「ぴぎー!」ダッ


男(き、きたァァッッ!)

バッ!

男は大きく横に飛んだ。


スライム「ぴっ、ぴぎー!」ズザァア!



男「ふっ、ふっ、ふっ、」


(こ、こいつはイノシシみたいな感じか?真っ直ぐしかアタックしてこないし…)


男「…感触はそこまで硬くなかった…。」

(こっちから攻撃してやる…!)

70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 03:06:15.66 ID:Tya3KJ1PO

スライムがまごついてる間に男はスライムに向かって走り出した。


男「おっ、オラァアア!!」


右拳を一直線!


スライム「ぴっ?!」


バチィィッッ



振り下ろす形で男の右拳はスライムの顔面?にヒットした。



スライム「ぷギィッッ!」


71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 03:09:53.46 ID:Tya3KJ1PO

ボンボンッ、ボンッ


3回ほど跳ねながら吹き飛び、スライムは倒れた。


男「はぁッ、はぁッ…っはぁ……」ドクンドクン



男は殴ったあとの姿勢のまま、肩で息をしている。


スライム「ぴぎ…」

ニュルッ

ニュルルルルルル、
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 03:14:37.05 ID:Tya3KJ1PO


スライムは芝の中へと溶けて行った。


男「…やったのか?」

ガクッ



男「はぁ…はぁ…はぁ」ドクンドクン

生まれて初めて本気でなにかを殴った。

心臓がバクバクと音を立てている。

もう疲労困憊だ。


どさぁ

芝の上に寝転がる。


男「げ、撃退してやった…。はぁ…なんだったんだか意味わからんけど…スライムに勝ったっぽいぞ…。」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 03:20:34.35 ID:Tya3KJ1PO

男(ここは…絶対日本じゃない…。てか現実ですらなさそうだな…。夢しか考えられん。めっちゃ痛いけど。)




男「…寝れば戻れるかな?」




男「ここで、寝ちゃおう…。もう疲れたし…」



男「変な…夢だな…」


すー…


男はまた深い眠りについた。








???「あれ、なんであんなとこで寝てんだあいつ。」


74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 03:22:18.95 ID:Tya3KJ1PO
今日はここまでにしようと思います。

初めてSSを書いているので至らない部分あると思いますが、読んでいただけると嬉しいです!
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 07:56:18.49 ID:v7jxQoJYO
乙おもしろかった。
76 : [sage]:2014/10/06(月) 08:21:07.35 ID:rBOKalRqO
期待しとく
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 08:36:51.65 ID:Tya3KJ1PO

男「…ん。」




男「………。」(んー…朝になったのかな…)



男はまだ目は空いていないが、意識が復活した。


男「…お…きるか。」

パチリ

ギシッ

男「…ん?」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 08:39:28.19 ID:Tya3KJ1PO

男「なんか…痛い…?」


男の目の前は、またしても板だった。



男「また板ぁ?!」ぴょん!



???「うぉっ」ビクッ


男「えっ」(人の声??)





79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 08:44:08.04 ID:Tya3KJ1PO

???「なんだ、起きたのかお前。」



男「…………?」(だ、だれだこの人…?)





男に話しかける男性。
見た目からして20前後だろうか。

がっしりとした体躯に、腕には細かい傷多数ついていて、とても存在感がある。


80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 08:50:54.15 ID:Tya3KJ1PO


男「…えっと…あなたは…誰ですか?」

(なんか見たことある容姿だ…。でもこんな人間離れした人…。)



???「俺は勇者、お前は?」



男「…へ?」


男(勇者…?!この名前、確か昨日やってたゲームの公式ネーム…だよな?!)


(よく見たら見た目もそっくりだし見覚えあるのも当たり前だしてかそこに置いてある剣なんて最後に魔王を倒した剣じゃんか!!!)


勇者「…お前、へ、っていうのか?」

81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 08:55:37.09 ID:Tya3KJ1PO


男「い、いや、男っていいます…」

(なんだよどうなってるんだ??起きても戻れてないし目の前には勇者だって…?!まだ夢は冷めてないのか?!)




勇者「男ね…。」



男「ゆ、勇者さんは…ここにお住まいで?」


勇者「さんなんかつけなくていい。そうだ、ここは俺の家だ。」


男「そ、そうなんですか…」

82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 09:01:52.82 ID:Tya3KJ1PO


勇者「質問なんだが…お前、なんでこんな辺鄙なところで寝てたんだ?」



男「……?俺、寝て…た…?」


勇者「お前、木の下で寝てたんだよ。魔物に襲われる可能性があるから俺の小屋に連れてきたんだ。」



男「俺…そんなところで寝てたんですか…」(もう確実に現実世界じゃない…。ここは。誰に連れられて来たのかわからないけど、スライムといい勇者といい、絶対にゲームのなかだ。)


83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 09:08:18.21 ID:Tya3KJ1PO

男(…どうやったら帰れるんだ…?)


男(…だめだ…。考えても多分無駄だ。自分でここに来たんじゃないんだ、来た方法がわからないのに、帰り方が分かるわけない…。)



勇者「…ふぅ」(よくかんがえるやつだな…。)


勇者「おい男。」


男「は、はいっ?!」


勇者「敬語も使わなくていいよ、俺も使ってねえし。お前、腹減ってないか?」

84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 09:12:04.83 ID:Tya3KJ1PO

男「あ…腹…減ってる」ギュルル

(自分でもわからなかった…)



勇者「飯にしようぜ、そこで色々と話そう。待ってな。」


ギイ

バタン

勇者は干し肉と数種の食材を持ち、外へ出た。




男「…勇者は優しい…のか?」

85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/06(月) 09:15:16.15 ID:xzTSf2Ky0
すごく期待
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 11:59:49.54 ID:wj7va6aio

期待
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 12:25:22.24 ID:Tya3KJ1PO

すみません、寝落ちしてました。

ちょっとずつ書いていこうと思います。
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 12:31:21.98 ID:Tya3KJ1PO


男(ちょっと冷静になれてきたかも…)


男(状況を考え直してみると、昨日ゲームクリアして、そのまま布団に入って寝たんだ。その間に?なのかは分からないけど、俺はゲームの中に入り込んだっぽい。)



男(……なんかマンガみたいな展開だな。)



男は眉間にシワをよせ、前方をにらんだ。


89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 12:36:21.16 ID:Tya3KJ1PO

男(学校とかどうしよう…。)



男(朝になったら俺がいないんだ。母ちゃん絶対心配するぞ…!)




男「………帰らなきゃ」




男「なるべく早く帰らないと大事になっちゃう…」



男(勇者に全てを話して相談してみよう。なにか知ってるかも。。)






ガチャ


90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 12:41:24.36 ID:Tya3KJ1PO

勇者「おーし、出来たぞー」


勇者は右手に紙袋にフランスパンのような細長いパンらしきものと、左手に小さな鍋のようなものを持ってきた。



ゴト、パサパサ



男「うわ、ありがとう勇者。凄いうまそうだ。」


勇者「その鍋の中のものをパンにつけて食べるんだ。今パンを切る。」



91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 12:45:07.75 ID:Tya3KJ1PO


勇者「よっと」


勇者は空中にパンを放った。



男「!!」(まさか…!)




勇者「風魔法。」フワァ



スパパパパパァン!!!



男「うぉおおお!?!」

(やっぱり魔法使いやがったぁぁああ!!)



92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 12:47:52.51 ID:Tya3KJ1PO


勇者「お前、魔法知らねーのか…?そんだけびびっちゃってよ」


パサパサパサパサ


切られたパンが綺麗に並べられて行く。




男「い、いや、存在は知ってたんだけど、生で見るのは初めてなんだ…。風魔法だよね?」


勇者「あぁ。魔法無しで生活とか考えられないなー。」ドガッ


勇者は男の向かいの椅子に座った。




93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 12:57:49.99 ID:Tya3KJ1PO


勇者「頭も落ち着いてきてるみたいだし、話すか。」



男「うん…!」



勇者「なんでお前こんなところにいるんだ?てかここまでどうやってきた?」





男「実は…」



男は全てを話した。


94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 13:00:44.87 ID:Tya3KJ1PO


恐らく自分は違う世界から来たこと。


自分から望んできたわけではないこと。


この世界を向こうでいう【ゲーム】の中で旅したこと。


その中で勇者を操作していたこと。


魔王を倒したこと。




そして、さっきスライムと戦ったこと。


95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 13:06:19.86 ID:Tya3KJ1PO

勇者は神妙な顔つきになりながら聞いてくれた。

全てを聞き終えると、男に向き直り、目を輝かせながら言った。



勇者「お前…なんかすげえやつだな!!」



男「えっ…?」



勇者「異世界から来たってやつはたまに会うんだが、この世界をゲームってやつで旅していたなんて、会ったことがねえ!だから魔法も魔王も俺もわかるわけか!!」


勇者「道理で着てる服も変なもんきてるなと思ったぜ。どの地方でも見たことない服だからな。」

96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 13:09:14.91 ID:Tya3KJ1PO

勇者「いやあ、もう隅々まで世界を旅したと思ってたが、まさか自分の家で新しい発見と出会うとはなあ。」



男「…」ポカーン





それから勇者は自分のことを話してくれた。

97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 13:15:19.93 ID:Tya3KJ1PO


勇者は魔王を倒す旅に出るまでは、旅人だったらしい。王様からなにか神託を受けて旅に出たわけでなく、旅の途中で人助けや魔物退治をしていたら、勇者に祭り上げられてしまったのだという。もともとは探し物のための旅だったけど、その過程で魔王の存在が人間にとってどれだけ脅威であるかを知り、最後には自ら決意をして魔王を倒した。

今は隠居生活をしたくてこの離島に住んでいる。この島には勇者しか住んでいなくて、たまに雨上がりなどのときにスライムが湧き出るそうだ。

98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 13:18:10.17 ID:/UL4zn8bo
斬新だなあ
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 13:19:48.44 ID:Tya3KJ1PO


勇者「また旅にでもでるかなあ。お前みたいな発見がまたあるかもしれねえ。」



男(こ、このゲームにそんな背景があったとは…。いや、大部分がかなり違うような気もするけど、今は魔王を倒したあとの世界なのか…。)


勇者「なあ、お前も旅に出てみるか?」





男「…………へ?」




勇者「恐らくだけど、俺の知ってる限りの情報じゃあ異世界を渡る方法は現時点でこの世界には存在しない。」

100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 13:24:35.05 ID:Tya3KJ1PO


勇者「そんなワクワクするような魔法や魔術のようなものがあれば俺が試してる。」



勇者「もし帰りたいなら、この世界を探し回るしかねえと思うぞ。」




男「…そう、ですよね…。」(確かに…ここにずっといさせてもらうことなんて出来ない…。)



(自分の脚で歩いて…見つけなきゃ。縮こまっていたって誰も助けてくれない、そんな奴を助けようなんて思わない。)


101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 13:32:41.40 ID:Tya3KJ1PO


男「……。」(絶対帰らなきゃ…。母ちゃんがきっと待ってる。それに…1ヶ月や2ヶ月くらい家を空けたって、冒険してきた!とか言えばうちの母ちゃんは笑って迎え入れてくれるだろうし…。縮こまってちゃダメなんだ…!)



男「…勇者…俺も旅に連れて行って欲しい!!」




男「帰る方法を見つけたいんだ!」






勇者「よしきたっ!」

勇者「大冒険のはじまりだなあ!」


102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 13:33:29.15 ID:Tya3KJ1PO


ここで一時中断しようと思います。

見てくれてる方はありがとうございます!
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 13:44:32.50 ID:gYVL/WbTO
これは期待できる
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 13:58:34.41 ID:eHRBw/zR0
良スレのかほり
105 : ◆UIO5PaVWa2 [saga]:2014/10/06(月) 15:07:55.76 ID:mK3TmpWpO
しえん
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 15:21:07.88 ID:Tya3KJ1PO


少しだけかきます!
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 15:24:51.82 ID:Tya3KJ1PO



勇者宅から少し離れたところの草原


勇者「…よし。ここだな。」



男「勇者…ここでなにを…?」



勇者「決まってんだろ?修行だよ、修行。」



男「修行?!」



勇者「あぁ。これから冒険していくのに、スライムと死闘を繰り広げてるようじゃ、すぐにやられちまうぜ。」


勇者「この島である程度の力を身につけてから出発だ!」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 15:30:20.28 ID:Tya3KJ1PO


男「た、確かにスライム相手にあの調子じゃきっとダメだ…。」


(でも修行って…?まさか筋トレとかランニングか…?!あっちではほぼもやしだったから、運動能力はまったくないぞ…。)




男「勇者、その内容は…?」




勇者「これから先、戦うことのある相手は人間じゃないはずだ。ほとんどが魔物か魔族。対人もなくはないと思うが…その状況は良くないもんだ。想定しない。」


勇者「だからお前には、ここでひたすらスライムと戦ってもらい、対魔物経験を積んでもらう!」



109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 15:36:39.23 ID:Tya3KJ1PO


男「ス、スライムと?!」(マジでか?!さっきあんなに痛い目にあってやっとこさ倒したあいつと…?)



勇者「スライムとだ。」


勇者「安心しろ。お前は聞く限りだと素手でやっつけたみたいだが、木刀を貸す。」


スッ

勇者は木刀を男に渡した。


男は木刀を装備した!




110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 15:42:49.94 ID:Tya3KJ1PO

男「初めて持ったな…。木刀。」(確かに…俺のパンチでやっつけられるんだ、木刀なら軽く倒せるかも…!!)


勇者「扱えそうか?」



男「多分…向こうの世界でもあったんだコレ。俺の国では皆知ってるものだと思う。」


勇者「へー、お前の世界も興味深いな…。」


男「スライムはどこから現れるんだ?」

111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 15:52:54.43 ID:Tya3KJ1PO

勇者「小屋でも言ったが、雨上がりに現れやすいんだ。湿気を好むからな、あいつらは。」



勇者「だから、雨を降らす。」





男「マジで?!」




男「雨を降らせるなんて、そんなことできるの?!」



勇者「お前…驚いてばっかりだな。」


勇者「俺は雷魔法が得意なんだ。雲を呼んでしばらく置いておけば雨が降るだろう。まあ降らずとも湿度は上がる。そしたら湧き出てくるはずだ。」

112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 15:59:51.50 ID:Tya3KJ1PO


男「確かに…ゲームでも凄い雷魔法使ってたよ。」(あんなん現実でやられたらヤバイだろうな…。)



勇者「俺は一週間この島を離れる。調べ物があるからな。その一週間、お前はこの島でスライムと戦い続けるんだ。小屋も好きに使っていい。」


男「…わかった!凄い怖いけど、挑戦してみるよ!」


勇者「いいね、冒険心が芽生えてきたな。」


男「ビビってたら前に進めないもんね。しかも勇者が協力してくれるんだ。」


113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 16:03:49.73 ID:Tya3KJ1PO

男「一週間、やってみるよ!」


男は少し成長したのかもしれない。


以前までなら、ここで勇者に助けを請い、頼り切りになろうとしていただろう。


しかし、短い時間とはいえ様々な経験、知識を詰め込まれた男に、なにかに頼り切りになろうという考えは浮かんでこなかった。


114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 16:10:21.30 ID:Tya3KJ1PO



勇者「よし。」


勇者は右腕を天高くかざした。



勇者「はぁぁぁぁあああ…!!!」



勇者の右腕が帯電し始める。

空は曇り始め、明るかった辺りがどんどん暗くなってきた。


男「うぉおお…!」

(こ、これが雷魔法か!すげえ!)



勇者「いい感じで曇ってきたな。こんなもんか。」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 16:16:15.71 ID:Tya3KJ1PO

勇者「男、戦いのコツを教えとく。」


男「なんだ?」


勇者「とにかく攻撃は受けないようにすることだ。傷ってのはそう簡単には治らない。攻撃は振り回せばいいだけだが、防御は意識を張り巡らせないと出来ない。熱くなりすぎずに、冷静に経験を積むんだ」


勇者は右腕を下ろし、そういった。



男「わかった。気をつけるよ。」



勇者「一週間後、楽しみにしてるぜ。」


116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 16:18:26.35 ID:Tya3KJ1PO

勇者は風魔法を発動した!


勇者の身体が浮き上がる!



勇者「それじゃ、がんばれよ!」

ヒュンッッ



男「うお!」

(風魔法の応用とかなのかな?凄い速さで飛んで行った…。)


117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 16:19:21.07 ID:Tya3KJ1PO

中断します!

コメントありがとうございます!
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 16:28:09.13 ID:4hw71WzpO
中断代行はよ
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 16:45:47.25 ID:8BSrQ1gfo
>>118
中断代行だと再開しないわけだが
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/06(月) 17:53:59.11 ID:1o8mnA6d0
期待
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 23:47:32.36 ID:B2xaZGMTO

少し書きます!



男「さて…。1人になったわけだけど…。」




今、島には男1人しか居ない。

この広い草原で1人なのだ。


大きく出たものの、流石に少し心細く感じた。



男(幸い雨は降ってない…。曇ってるだけだ。)


男(でも…かなり湿度が高くなってきてるな、肌に湿り気を感じる)ギュッ


男(きっと…出てくるぞ)

122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 23:48:36.85 ID:B2xaZGMTO
少し書きます!、


男「さて…。1人になったわけだけど…。」




今、島には男1人しか居ない。

この広い草原で1人なのだ。


大きく出たものの、流石に少し心細く感じた。



男(幸い雨は降ってない…。曇ってるだけだ。)


男(でも…かなり湿度が高くなってきてるな、肌に湿り気を感じる)ギュッ


男(きっと…出てくるぞ)

123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/06(月) 23:53:57.50 ID:B2xaZGMTO
すみません、コピペは読み込まれないのでしょうか?
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 00:04:02.15 ID:GZn11adLO
すみません大丈夫でした!



ポコッ

聞き覚えのある音がした。


男「!!」


男の左前方の芝が隆起している。

男「きっ、来たか!!」


125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 01:43:11.58 ID:GZn11adLO

ポコポコッッ


ジュポンッ!


スライム「ぴぎーー!!」


男「うおーー!!」



バッ

距離をとって素早く木刀を構える。

男「出たな…!スライムめ…!」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 01:44:15.32 ID:GZn11adLO


男(最初にあった奴より少し小さいか?でもなんか色が濃いような…?)


スライム「ぴぎっ!」ダンッ


スライムはいきなり突っ込んできた!



男「!!!」


男(なんか速えぞ?!)シャッ


男は木刀で防御。

127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 01:45:33.67 ID:GZn11adLO

バギャ!

男「グゥヴッッ!!」ズザァッ



なんとか受けるも、かなり吹き飛ばされてしまった。


スライム「ぴぎーー!!」スタッ

128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:00:51.72 ID:GZn11adLO



男「こっ、こいつ!」


ダッ

スライムに向かって走り出す。

木刀を薪割りのように構え、思い切り振り下ろした!


男「おらぁ!」ブンッ



スライム「ぴぎっ」ソイッ

129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:01:39.38 ID:GZn11adLO


男「かわしやがった?!」


ガッ

虚しく木刀は地面を叩いた。

男「この!」バッ

間髪入れずに男は横薙ぎ繰り出す!


スライム「ぴッ?!」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:03:53.83 ID:GZn11adLO


ズムッッ…!



男(入った!!)



パコオォォン!


スライム「ピーッ!」

ザァァッ


スライムは吹き飛び、芝を滑っていく。

そして、芝の中へと吸い込まれて行った…。


男「はぁっ、はぁっ、」

(やった…!なんか少し強いような気がしたけど、やっぱり木刀が入ればやられるんだ!)
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:04:51.62 ID:GZn11adLO


男「でもダメージを受けちゃったよ…。勇者に言われてたのに。」ズキズキ





男(2回戦って気づいたぞ。避けるのって凄い難しい!身体がこわばって動けなくなっちゃうんだ。)




男「まずはこのこわばりを無くさないと!」

132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:05:54.17 ID:GZn11adLO


ポココッ



スライム「ぴぎーー!!」


男「出てきたな!」


男(硬くなりすぎるな…!!そのことに注意を注ぐんだ!攻撃は後だ!)キッ




スライム「ぴぎィいい!」ダンッ


男「…!!」


(動け…ない…!)


ドスッッ

男はほとんど棒立ちのままスライムの体当たりを受けてしまった。

男「ヴゥッッ!!」


苦痛に顔がゆがみ、足が地面から離れる。


男(ミスった…!)
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:07:41.76 ID:GZn11adLO


ドシャァァア


スライム「ぴぎゃあ!」


男「がはぁッ!ッはあ!ゲホッッ…!」



男(や、やっぱりめちゃくちゃ痛い!砲丸投げの球を食らったみたいだ!)


スライム「ぴぎーー!!」ダダッ


男「ッッ!」(ヤバイ!)

スライムはここぞと言わんばかりに突進してきた。



男(くそっ!せめて木刀で防御を…!)


ザシュッ

男は木刀を地面に刺し、受けの体勢にはいる。



スライム「ぴぎャッッ!」バガッ!


男「ヴッ!」ググッ


男(衝撃が凄い…!!)



スライム「ぴぎーー!!」ピョンピョン
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:09:01.06 ID:GZn11adLO


スライムは木刀で受けられたことによって痛みを感じているようだ。


その間に男も体勢を立て直す。



男「はぁ…はぁ…はぁ…」ズキズキ


男(めちゃくちゃ手が痺れた…。防御も避けるのも全然上手くいかない!…もう攻撃して倒そうかな…でもダメージが深くて木刀を振り回せるかは微妙だ…。それに元気なあいつに当てられる気がしない。)


135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:09:45.01 ID:GZn11adLO


スライム「ぴぎー」フゥ



男(まさか2匹目で窮地に立たされるとは…。)


男(というか俺はこのスライムに負けたらどうなるんだ?まさか食われたりするのか?!)


男はダメージを受け、追い詰められてかなりパニックになっていた。

136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:12:35.41 ID:GZn11adLO


男(勇者に言われて防御から考えてみたけど良く考えればなんの経験もない俺がよけられるわけないよ!)



男(もう逃げるしかない!こんな痛いのはもう嫌だ…!)




スライム「ぴぎーー!!」ダッ


悩む男などお構い無しにスライムが突っ込んでくる。


男「う、うわぁあ!!」

137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:13:20.41 ID:GZn11adLO


ドガァッ!


男「ぶっぶふぉおああ!!」



男は受けることも出来ず、吹き飛ばされてしまった。

男「ぐふぅッ…!」


うつ伏せに倒れこむ。


スライム「ぴぎゃぁー!!」ピョンピョン
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:14:08.76 ID:GZn11adLO



男「ッヴヴ…。ゲホッ…。」


男(くそ…やっぱり…無謀だったのかな…?)



男(もう逃げるのも無理だ…。調子に乗ったからだな…。)




男(俺が…こんな挑戦するなんて…こと自体…分不相応だったんだきっと。。)


139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:16:08.00 ID:GZn11adLO


男(こんな木刀なんて持ってさ…。)







男(帰りたいよ…母ちゃん……)




握っている木刀に目を向ける。

目から涙がこぼれそうだ。



(縮こまってちゃダメだって気づいたんだ!)


突然、勇者と別れる前の自分がフラッシュバックした。
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:16:11.78 ID:TdZ7Xi73o
改行多くて読みにくいわ
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:17:09.53 ID:GZn11adLO


男「…。」


(帰るならこの世界を旅するしかない)


(スライム相手に死闘を繰り広げているようじゃすぐやられちまうぜ)



男「………。」


(一週間がんばってみるよ!)



またフラッシュバックだ。


木刀を見つめる瞳に力が戻り始める。



142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:18:53.32 ID:GZn11adLO


男(そうだよ…。自分で言い出したんじゃんか…。)



男(逃げてたらダメなんだ…。逃げてるやつなんか誰も助けてくれない。勇者も挑戦しようとした俺を、認めてくれたから木刀を貸して修行を与えてくれたんだ…!)




男(少しやられたくらいでなんだ俺は…)グッ

ポロポロ


涙がこぼれる。


だが、弱音の涙じゃなさそうだ。
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:19:43.07 ID:GZn11adLO


男(一回スライムを倒したくらいでいい気になってたんだ…。その鼻っ柱をスライムに折られた。でもそんなもん折れて当然だ…!!)ぐぐっ

木刀を杖に男は立ち上がった。


男(やるんだ!一週間…!集中しろ俺!!)


スライム「ぴぎぃ?」


男「やってやる…!!」





男は、壁を一つ乗り越えた。



144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 02:22:37.57 ID:GZn11adLO

改行が癖になってしまっていて申し訳ない。

気をつけて書きます。


145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 07:16:22.82 ID:GZn11adLO

男「ビビリすぎるな…。相手をちゃんと見るんだ。」ふーっ


スライム「ぴぎーー!!」ダダッ

なにやら様子の変わった男に危機感を覚えたのか、焦ったようにスライムは体当たりをしてきた。


男(やっぱりこいつの動きは直線的だ…!確かに速いけど、避けられるはず!)

バッ

男は大袈裟に左に飛び退いた。


スライム「ぴぎっ?!」ブン


男「よしっ…!」ザッ


146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 07:24:45.75 ID:GZn11adLO

スライム「ぴぎーー!!」ダンッダンッダンッ

男「かわされたことに怒ってるのか…?」


スライム「ぴぎー!」ズダッ


男「うおっ!」

怒ったスライムの体当たりを素早くかわす。

スライム「ぴぎぃ?!」

男「よし…見えてきたぞ…!!はぁ…はぁ…はぁ…!」

(でももう身体の限界が近いような気がする…!かわす練習もしたいけど、身体を休めないと。)

147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 07:30:22.87 ID:GZn11adLO

男「倒すしかないな…」

男(こっちから仕掛けても避けられるかもしれない…。待つんだ。迎え打てるように…!)

男は両手で木刀をしっかりと握りしめ、姿勢を低く構えた。


スライム「ぴぎーー!!」

男「うぉおお!!」


ズバァッッ



148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 07:33:48.59 ID:GZn11adLO

男「ッッ…!」ビリビリ

スライム「ぴぎゃー!」


男はスライムの突進を下から思い切り斬り上げた。木刀から伝わる衝撃が男の身体に響く。


男「はぁ…!はぁ…!やった…!」

スライムはボトリと音を立てて落下すると、そのまま芝のなかへ消えて行った。


149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 07:47:41.42 ID:GZn11adLO


男「なんとか…切り抜けたぞ!はぁ…はぁ…。」グッ


男(でもダメージが大きい…。今日はもう小屋で休もう。)

幸い、辺りにスライムは出ていなかった。雨もまだ降っていない。


男「小屋はあっちか…はぁ…はぁ…」


男は小屋へと戻り床に倒れこんだ。


男(疲れた…。でも今回の戦いでなにか掴んだ気がするぞ。)



150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 07:52:47.60 ID:GZn11adLO

男(次は…もっと上手く…やるんだ。)

徐々に意識がなくなっていき、倒れこんでから3分ほどで男は眠りについた。

翌日

男「ふっ!」サッ

スライム「ぴぎっ!?」


151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 07:58:46.18 ID:GZn11adLO

スライム2「ぴぎーー!!」ブン

男「くっ!あぶねえ!」バッ

ズザッ

男「はぁ…はぁ…」

スライム・スライム2「ぴぎーー!!」


男「見えてきたぞ…!!」

4時間前。男は眠りから覚めたあと、身体が回復しているのを確認するとすぐさま草原へ向かった。

そして避ける受けるの練習を始めた。
最初はスライム一匹相手に、そして今は二匹を相手に、攻撃をまともに食らうことなく戦っている。

152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 08:05:26.27 ID:GZn11adLO

男(かなり避けられるようになってきたぞ。スタミナ的な消耗はあるけど、ダメージはほとんど受けてない。)


男「次の練習だ…!」


スライム2「ぴぎーー!!」ダンッ

男「はぁ!!」

スライムの体当たりを今度は避けずに横から斬りつけた。

ズバァッ

男(よしッ!)

男(この迎撃が毎回出来ればもうやられることはないはず!)

スライム「ぴっ、ぴぎぃ」

男(勇者が帰ってくるまでに、自分のものにするんだ!)

153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 08:17:00.28 ID:GZn11adLO

サウス王国


勇者「うし、頼んだぞ、確実に届けてくれ。」

カモメ「ピィー!」バサッバサッ

勇者「天気も悪くないし、2日くらいで届くかな?」


郵便局員「勇者さんお手紙かい?」

勇者「ああ。旧友にね。速達カモメ使わせてくれてありがとうな。」

郵便局員「いやいや、商売だからね、こちらこそいつも利用してもらって、ありがとうございますだよ。」

154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 08:22:07.14 ID:GZn11adLO

勇者のいる国は、サウス王国。
気候の穏やかな国で、勇者の出身地だ。

勇者の離島もこの国の王様からもらったもので、勇者はなにか公共の機関を利用するときや買い物、依頼が届いたときなどにこちらに帰ってくる。


勇者「じゃ、俺は買い物があるからさ、またな郵便局員。」

郵便局員「また帰りに寄ってくれよ。」


勇者「ああ!」
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 08:27:08.90 ID:GZn11adLO

勇者(さて、まずは本屋だな。)


ワイワイガヤガヤ

サウス王国の城下町。

勇者「相変わらず賑わってんなあ。まだ昼前だぜ。」

156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 08:43:31.48 ID:DHLZexkHO

町民「あれ、勇者さんじゃないか!またなんか珍しいものでも見つけたのかい?」

勇者「おー町民か。いや、ちげえよ、今回は買い物と郵便だ。」


町民「なんだそうなのかい。」

勇者「なんだってなんだよ!まあ珍しいもの見つけたのは間違ってないけどな。」

町民「やっぱりそうか〜笑」


町民2「勇者さん!きてたんですね!」

勇者「おう。お前は会うの久々だなあ!」


157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 08:47:26.76 ID:DHLZexkHO

町民2「本屋のおばちゃんがさみしがってたよ!最近会えてないって!」


勇者「マジでか。まあ今日の買い物は本屋に行くからちょうどいいな。」

町民「何を買うんだい?勇者さんが読んで参考になる本なんておいてないと思うけど…。」


勇者「初級魔術書を買うんだ。俺用にじゃないぞ。」

町民2「初級?!そんなのも覚えてないやつがいるの?!」


158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 08:53:24.71 ID:DHLZexkHO

勇者「まあな〜。んじゃ、俺は行くぜ。また帰りにお前らの店寄ってくわ!」


町民「はいよ〜。」

町民2「またね!勇者さん!」


勇者の目的地である本屋は繁華街から少し外れた場所にある。


見た目は毒リンゴでも食べさせそうな魔女のおばあちゃんが経営していて、埃っぽい代わりに蔵書数はなかなかのものだ。
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 09:02:37.07 ID:DHLZexkHO

カランコロンカラン


本婆(本屋の婆さん)「いらっしゃい…。」ペラ

本婆は眼鏡越しに本と睨み合いながら無愛想にそういった。


勇者「婆さん相変わらず接客する気ねえな〜笑」

本婆「ん…その声…。勇者かい?」


勇者「おう!本を買いに来たぞ。ついでに婆さんが生きてるかの確認も。」


本婆「ふっふっふ…。間違いなく勇者だね。顔を見んでも分かる…。」


160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 09:24:59.66 ID:DHLZexkHO

本婆「今日はなにを買いに来たんだい…?あんたの頭に入ってない本なんて置いてないようちは…。」


勇者「初級魔術書を買いに来たんだ。とりあえず基本3霊種が入ってるわかりやすい本が欲しい。」


本婆「…初級魔術書?そりゃああるが…あんた何に使うんだい?子どもでも出来たか…?」


勇者「まあ必要としてるやつがいるんだよ。というか本婆ならなんか分かるかもしれない。」

161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 09:37:23.75 ID:DHLZexkHO

本婆「…なんだい?」


勇者「実はさ、異世界から来たやつが今うちの離島にいるんだよ。」

本婆「異世界…?それはまた…珍味なものを見つけたね。」


勇者「まあ原因とかは俺もわからないけど、気づいたら島で寝てたんだよ。本人も覚えがないらしい。」


本婆「悪いけど…異世界関連の知識はほとんどないよ。出会ったことも数える程しかないしね…。会ったやつのほとんどが死んだような顔をしてたよ…。」

162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 09:49:03.90 ID:DHLZexkHO

本婆「あぁ…。でも1人まともそうなやつがいたねえ…。ノース王国からきたとか…。」

勇者「マジか?!それはいつ頃に?」


本婆「まだ世界が魔王との戦争に躍起になっていたころさ…。あんたと同年代くらいかねえ…。火霊の最上級魔術書を求めてたらしい。異世界からきたことを自慢げに話してきたよ…。」


勇者「けっこー前だな…。流石に俺も人の情報は集めきれないからな、こんなイイ情報が聞けるとは。婆さんに聞いて正解だった。」

163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/07(火) 09:59:42.96 ID:jypwitht0
これ全部「スライムって可哀想だな」からはじまったよなぁ、
ありえん
164 :M9TavVJv0 [sage]:2014/10/07(火) 10:13:10.92 ID:jypwitht0
寝落ち?寝落ち?
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 10:30:33.56 ID:l5lUcAzRO
面白いよ!期待してるから頑張って
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/07(火) 10:42:11.90 ID:jypwitht0
まさかこんなおもしろいSSが描ける人がいるとは思わなかった
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 13:03:03.65 ID:DHLZexkHO

コメントありがとうございます!
遅筆ですが少しずつ更新していきます!



本婆「でももうなにもわからないよ…。そいつが生きてるのかどうかもね…。」フワァ

本婆が指を振ると、小さな風が起こり、棚から一冊の本が取り出されフワフワと浮きながら勇者の前へと運ばれてきた。


本婆「それが基本3霊種の契約手形が入った本だ…。著者は大賢者だね。それならその異世界から来たやつでも読めばわからないことはないだろ…。」

ポト

パシッ

勇者「おお!流石、本を選ぶセンスは本婆には勝てねえな。これなら男のやつも理解出来るかもしれない。」


168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 13:09:19.36 ID:DHLZexkHO

勇者「今日はもう行くけど、またちょくちょく来るよ。面白そうな情報が入ったらまた教えてくれ!」チャリンチャリン


本婆「はいよ…。…ってあんたコレ勘定間違えてるよ。多すぎるさね…。」


勇者「情報料!」

カランコロンカランッッ


本婆「せわしないやつだねえ…。」

169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 13:21:15.68 ID:DHLZexkHO

2日後

サウス王国・ブック地区

カモメ「ピィー!ピィー!」カンカンカン

ガラッ


???「あら、速達カモメじゃない。」


カモメ「ピッ!」


???「こんな遠くまでご苦労さま、配達ありがとうね。」

カモメ「ピッピィ!」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 13:24:57.57 ID:DHLZexkHO

???「私に手紙なんて…誰かしら?」

カモメ「ピィ!」バサァ

???「あ、もう大丈夫よ、気をつけて帰りなさい。」

ピィー!ヒュンッ


???「えーと…えっ、勇者から…?」カサッ

??「お師匠さまー。カモメの声がしたのですが、お手紙ですか?」

171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 13:28:20.35 ID:DHLZexkHO

???「起きたのね、??。そうよ、今カモメが手紙を届けてくれたの。」

??「どなたからのお手紙ですか?」


???「昔の仲間からの手紙よ。」ニコッ

172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/07(火) 13:30:49.49 ID:jypwitht0
期待、

ワンタン麺っておいしいよねー、>>1の好みのラーメンはなんです?
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 13:31:39.04 ID:L158N37tO
何か引き込まれる
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 13:34:50.47 ID:DHLZexkHO

??「それは勇者様ですか?戦士様ですな?僧侶様ですか?」

少女は目を輝かせてそう質問した。


???「勇者よ。あなたはまだあったことがなかったわね。」

??「本や新聞でお姿を見たことがあります!お師匠様とともに悪の元凶、魔王を倒したとても勇気ある方なんですよね?!」


???「ん〜、そうねえ、勇気は誰よりもあるわ。そこだけは生まれ持っての才能だったんでしょうね。」


175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 13:39:07.98 ID:DHLZexkHO

??「素晴らしいお方なんですね…!その勇者様はお師匠様になにか用事があるのでしょうか?」


???「ええ、手紙はとても急で不躾な言い方だけど、私のことを呼んでいるみたいだわ。」


???「早速だけど、??、お出かけの準備をしましょっ。少し長めのピクニックよ。」

??「はいっ!」キラキラ

176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 13:48:23.61 ID:DHLZexkHO

さらに5日後

離島


ザザーッ

離島では雨が降っていた。
勇者が呼び出した雲が成長を続け、さらにもともとの天候そのものも荒れ出し、かなりの雨になっている。


男「はぁ…!はぁ…!」

スライム1.2.3.4.5「ピキーッ…!」


177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 14:00:09.73 ID:DHLZexkHO

男「雨になると途端に元気になりやがってこいつらめ…。」

男「5匹か…。」


スライム1.2「ピキーッ!」ダンッ

スライム1.2が挟み撃ちを仕掛ける。


男(左右同時から攻撃か!これは…)

男(前に逃げる!)ザザッ


スライム1.2「ピギィ!」ボヨンッ

標的が消え、スライムはぶつかり合ってしまった。
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 14:04:47.98 ID:DHLZexkHO

男(あとのスライムは後方に1匹、前方に2匹。おそらく…)

スライム4「ピギィい!」

前方の1匹が男に向かってタックルを仕掛けてきた。

男(やっぱりこいつがタックルをしてきたか!)


ザンッ

男は木刀を地面に突き刺し、受けの構えをとる。

スライム4「ピギャッ!」ガッ

男(っし!衝撃はあるけど、しっかり構えをとれば大した攻撃じゃない!)

179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 14:09:38.63 ID:DHLZexkHO

男「はぁあ!!」ズボッ

男は勢い良く木刀を抜き、痛みでうろたえているスライム4に向かって唐竹割りを放った。

ズバシャァッッ

スライムは真っ二つになり、液体となって地面へ帰って行く。


スライム1.2.3.5「ピギィーーー!」

仲間がやられ興奮するスライムたち。
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/07(火) 14:12:45.87 ID:jypwitht0
>スライム1.2.3.5「ピギィーーー!」
に不覚にもワロタwwwwwwwwww
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 16:01:39.06 ID:DHLZexkHO

男(よし!こいつらは怒ると速度は増す代わりに単調な攻撃しかしてこなくなるんだ。4匹に連携を取られたらやっかいだけど…慌ててるこいつらなら動きが読める!)スッ

ダンッ

男は横薙ぎの構えをとって思い切り地面を蹴った。


男「せやぁぁあああ!!」

スライム5「ピギィャアアア!!」

スライムも負けじと男に突っ込む!


男「ふんっッ!」(やっぱりな!)ブンッ

ズバシャァッ

横一文字に振り抜かれスライム5はやられてしまった。
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 16:09:53.06 ID:DHLZexkHO

男(あと、3匹…!)

スライム1.2.3「ピギィ…!!」



この7日間、ひたすら実践を積んだことにより、男の剣術はかなり上達していた。

男は気づいていないだろうが、7日前と比べると別人といえる。

スライムも、初日戦ったスライムよりも雨のときのスライムのほうが強い。それでも圧倒しているのだから、この成長は勇者も予想外かもしれない。
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 16:14:41.42 ID:DHLZexkHO


スライムたち「ピギッピギピギ!ピギィ!」ババッ

男「??なんだ3匹でかたまって…。」


敏感なスライムたちは男の成長を察知し、これ以上は自分たちでは勝てないことを悟った。

スライム「ピギィィイイイイイ!!」


身を寄せ合うスライムたちが光り輝き始める!

184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 16:19:06.66 ID:DHLZexkHO

自分たちで勝てないのなら違うものに任せるしかない。


男「なんだなんだなんだ?!魔法か?!」

(い、いや!これなんか覚えがある感じするぞ…!)

男「…!まさか…!!」


重なり合うスライムたちがボコボコと膨れ上がって行く!

ボコボコッ

ボコッ

男「…!!」


185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 16:20:23.93 ID:DHLZexkHO

ボココココッ…

ズゥンッ!!!


キングスライム「オオオオオオオオ!!」

スライムたちは合体してキングスライムになった!


186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/07(火) 18:19:33.37 ID:jypwitht0
またもや寝落ち?
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/07(火) 18:30:34.95 ID:jypwitht0
いや、休憩か
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 18:51:32.89 ID:DHLZexkHO

すみません、本当に少しずつの更新になってしまいそうです。

溜まったかな?くらいの感じで見ていただけると嬉しいです!



男「や、やっぱりか!キングスライムになりやがった…!」

男「こんなに…でかいのか!!」


キングスライムはさっきのスライム3匹の体積の合計よりもはるかに大きい。
体を揺らすたびに地面が震えている。


キングスライム「ンモオオオオオ!」

189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 18:56:57.98 ID:DHLZexkHO

ズゥンッ

男「斬りつけたところで効くのかこいつは…!?とりあえず離れないと…。」ダダッ

キングスライム「ンモオオ?」


距離を取ろうする男を発見したキングスライム。

男(ん?)

次の瞬間、キングスライムは全身を使い体をはねあげた!

ズダァンッッ!

190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 21:28:33.29 ID:DHLZexkHO

キングスライム「ンモオオ!」

男「うおおおお!」


男(なんて大きさだ!こんなのに潰されたら本当に死んじまう!)ダダダダッ


ドダァァアアン!

キングスライム「ンモオオオオオ!」


地面が大きく揺れ、地響きが鳴り渡る。

男「くっぅ!」

191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 21:33:41.46 ID:DHLZexkHO

ズザァ!

男は地震に体勢を崩されながらもなんとかキングスライムと距離を置くことに成功した。

男「はぁ…はぁ…。」(どうする…。なんとか離れることはできたけど…)


男(とりあえずは近づきすぎずに離れて様子を見てみるか…。あの巨体で素早くは動いて来ないだろ…)

192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 21:39:49.80 ID:DHLZexkHO

キングスライム「ンモオオ…。」

キングスライムは動きを止め大人しくにった。

男(…?大人しくなったな?)


男「これは…仕掛けたほうがいいのかどうか。」

キングスライムはじっとして動かない。

男(不気味だな…。…ん?)

ヒュラァ…

キングスライムの前方に赤い光のようなものが見えてくるようになった。

193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 21:47:18.21 ID:DHLZexkHO


男(なんだあれ…?赤い…光?)

よく見ると、その光に雨が近づくと蒸発しているようだ。


男(……熱?熱を持ってるのか?)


キングスライム「ンモオオ…!」


光が強くなっていく。
それと同時にキングスライムの唸り声に力が入り始める!


男「!!?」

パチィィッ!!

赤い光が弾け飛び炎が出現した!
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 21:53:19.31 ID:DHLZexkHO

キングスライム「ンモオオオオオ!!!」ボウワァア

火炎が男に向かって放たれる。


男「火炎魔法かぁ!」ダダッ

男(確かにゲーム内でもキングスライムは火炎魔法を使ってくる!)バッ


男は火炎を紙一重でかわした。


男「だけど…こんな威力のあるものなのか!」

キングスライム「ンモオオオオオ!」


195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 21:56:55.59 ID:DHLZexkHO

男(さっきから驚いてばっかりだ…!でも離れたら魔法を使ってきて不用意に近づけば巨体に押しつぶされてしまう…!魔法なんて覚えてないし、ヤバイぞ!)


男「ど、どうする…!?」


男はまさに窮地にたたされていた。


196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 22:10:15.64 ID:DHLZexkHO
ヒューッ


???「あら、今何か光ったわね?」


??「あの感じは…火霊を使った魔法でしょうか?」

???「おそらくそうね…。勇者がなにか遊んでいるのかしら?」


2人は雨の中を風魔法を使い飛んでいる。
目的地は勇者の島だ。



??「いや…お師匠様、なにか魔物が暴れています!」

??「あれは…キングスライム?!」

197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 22:15:34.81 ID:DHLZexkHO

???「あら、本当ね。」(手紙に異世界の子が1人で修行をしているとは書いてあったけど…キングスライムは流石にまだ早いんじゃない勇者…。)

??「誰か襲われています!」


???「??、飛ぶのは私に任せて、キングスライムを倒してちょうだい。できるわね?」


??「は、はい!」

198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 22:22:52.37 ID:DHLZexkHO

??「はぁー…!!」

??は???から離れ、キングスライムに狙いを定める。

そして風魔法の詠唱を始めた。


??「精霊よ…力をお貸し下さい…。」


ヒュゥゥゥ…

??の手に向かってどんどん空気が圧縮されていく。


??「中・風魔法ッッ!!」

199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 22:29:43.86 ID:DHLZexkHO
ヒュバァッ

??の発令で圧縮された空気が刃となってキングスライムに襲いかかる!


キングスライム「ンモオオ?!」

ズバババァッ!


男「な、なんだ?!」


??「よし!当たりましたよお師匠様!」

???「ふふふ、まあ不意をついたからね。」


キングスライム「ンモオオあああ!」

キングスライムは八等分ほどに切り分けられ、雨の中に霧散していった。
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 22:31:57.92 ID:DHLZexkHO

男「な、なんだ何が起こったんだ??キングスライムが…。」

ヒュー

スタッ


???「あなたが勇者の言ってた異世界の子?」
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 22:37:50.17 ID:DHLZexkHO

男「…えっ?勇者が言ってたって、異世界から確かに来たけど…えぇ!?」


男は全く状況を把握出来ずにいる。


???「私は魔女。この子は魔法使い。勇者から呼ばれてあなたのためにやってきたのよ。」クスクス


魔法使い「魔法使いです!男様、よろしくお願いします!」


202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/07(火) 22:41:44.07 ID:DHLZexkHO

とりあえずここで中断しようと思います!

203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 22:44:14.64 ID:UaX+4HbyO
中断とかいらないから続けて
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 22:56:02.74 ID:7KtM6lsiO
今日みたいなペースでやってくれればそれで十分だ

リアルを優先に頑張って!
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/08(水) 00:20:01.18 ID:UDjzSIuLO
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/08(水) 11:04:01.91 ID:aRef/AIHO

コメありがとうございます!

書きますー!


キングスライムを魔法使いが倒してから1時間ほど経った。雨は降っていない。雨が鬱陶しい、ということで魔女が上級風魔法を使い天候を変えたからだ。

そして、突然のことで焦る男に魔女が、勇者から手紙を貰い、男に魔法を教えるために来たことを細かく説明した。

最初はうろたえていたが、男は納得し、2人に自分の素性を全て話した。

207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/08(水) 11:28:46.82 ID:aRef/AIHO
小屋


魔法使い「異世界…凄いところから来たのですね、男様は。」

男「俺からしたらこっちのほうが凄い世界ですよ。魔法使いさんはいくつなんですか?同年代くらいに見えます。」


魔女「その子は15歳よ〜。ちょっと大人っぽく見えるけどね。」

男「そうなんですか?!3つもしたなんだ…。」

魔法使いの身長は160ほどで、栗色の髪の毛を軽く三つ編みして垂らしている。瞳は茶色がかっていて、もし男の世界にいたら20前後に見られてもおかしくはなさそうなルックスだ。

魔女「異世界の人間ねぇ…。私もあまり会ったことがないわ。世界を超えて渡る方法も聞いたことがない。まあそもそもそんな方法があれば勇者が大はしゃぎするだろうしね〜。」
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/08(水) 11:36:51.45 ID:N8fMHXRz0
ゆっくりゆったり描いて行ってね!!!
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/08(水) 12:07:09.46 ID:aRef/AIHO


魔法使い「私も全くわかりません…。生まれ故郷のノース王国でも異世界から来た方の情報は全く耳にしませんでした。」

男「ノース王国?」

魔法使い「あっ、男様はこちらの世界のことはまだわかりませんでしたね、私が説明させていただきます!」


魔法使い「私たちが住んでいる大陸は、五つの大きな国がそれぞれの地域を治めています。」

男「五つ?」

魔法使い「はい。」

魔法使い「まず初めに私たちが今いる、気候も穏やかで過ごしやすく、農業の発達したサウス王国。」

魔法使い「五つの国の中で最も大きく、様々な文化が混合しているウエスト王国。」

魔法使い「国の大部分を山が占め、あまり外交をしないことで知られているノース王国。」

魔法使い「今は内乱が続いていて国が荒れていますが、農業、漁業、鉱業全てが発達しているイースト王国。」

魔法使い「そして最後に、この大陸の真ん中の位置し、最も文明が発達していて、強力な軍も持っている世界の中心【セントラル王国】。」

魔法使い「お師匠様はセントラル王国の出身なのです!」
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/08(水) 12:09:33.97 ID:aRef/AIHO

男「へぇ〜…。なるほど!ありがとう!ゲームの中とは国の名前こそ一緒だけど、それぞれの特徴がかなり違うんだね。」

魔女「まあ魔王を倒してから変わった部分も大きいわねえ。」

男「それで、勇者は今どこにいるんでしょうか?」


魔女「おそらく、今頃セントラル王国の賢者様を尋ねていると思うわ。あの人は勇者より知識がある数少ない方だから。」

男「それで一週間空けるといったんですね。」(賢者なんていたっけか…?やっぱりゲームとかなり違うな…。)


魔女「まっ、3人の知識をより集めても答えはでなさそうだし、男君の修行を始めましょう!」
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/08(水) 12:43:50.65 ID:aRef/AIHO

男「はい!」

魔法使い「わかりましたー!」


草原


魔女「えーと…修行の内容は勇者から聞いてる?」

男「いえ、特には…。ここでスライムと戦っておけとだけ。」


魔女「なるほどね…。手紙に書いていなかったから私の憶測だけども、勇者はあなたに魔物との実践経験を積ませようとしたようね。」

魔女「異世界からきて見たこともない生物と戦うことはかなり怖かったでしょう?」


男「はい…。初日に心が折れそうになりました。」(最後は泣いちゃったしな…。)


魔女「スライムなら慣れるための相手にはちょうどいいし、一週間もやればもう恐怖でからだが硬くなることはなくなるでしょう。これで冒険者に必要な最低限の第一段階を終えた、といえるわ。」

魔女「私たちが呼ばれたってことは、第二段階に進むってことよ。」

男「第二段階…なんとなく予想が付きます。」


魔女「ふふふ、察しがいいわね、なんだと思う?」


男「……魔法に関しての修行ですよね?」

魔女「なぜそう思うの?」

男「キングスライムも火の魔法を使ってきましたし、魔法使いも風の魔法でキングスライムを倒していました。それを見てると、やっぱりこの世界では魔法がかなり重要なんだな、という風に思ったんです。」

魔女「あはは、これは魔法使いよりも覚えが早いかもしれないわねぇ。」

212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/10/08(水) 12:55:40.02 ID:N8fMHXRz0
異世界の住人だからな
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/08(水) 13:04:11.13 ID:aRef/AIHO

魔法使い「お師匠様!私も頑張っていますよ!」

魔女「大丈夫、わかっているわよ魔法使い。」

魔女「勇者が帰ってくるまでおそらくあと2日はかかるわ。セントラル王国はこの離島からかなり遠いの。その2日間で対魔法の修行を積んでもらうわよ。男君。」

男「対魔法なんですか?てっきり俺自身が魔法を使うのかと。」

魔女「魔法を使うには魔術書が必要なの。精霊に誓いを立てるためのね。そこらへんは勇者が帰ってきたら説明してあげるわ。」


男「なるほど…。わかりました!」

214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/08(水) 16:43:14.19 ID:ebL7hLC20
頑張ってください応援してます
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 09:51:29.35 ID:TQpUZSGBO


男「修行の方法はどんなものでしょうか?」


魔女「簡単よ。魔法使いがあなたに魔法を放つから、それをよけてもらうの。」

魔法使い「えっ?!私が男様に魔法を打つのですかお師匠様?!」

魔女「そうよ〜。あなたの修行も兼ねられるからちょうどいいわ。」


魔法使い「でも精霊との契約が済んでいない男様は死んでしまうかもしれませんよ!?」

男「死ぬんですか?!」


魔法使い「いや、最悪の場合なんですが…さっきお師匠様が少しお話しした、【精霊の誓い】を契約している方としていない方では魔法耐性にかなり違いがあるのです。」


魔法使い「男様はまだ精霊と契約を結んでいないので、魔法をモロに受けてしまいます。未熟な私では加減が上手くいくかどうか…。」


男「そ、それは…ヤバイ感じですね…。」(確かにキングスライムに使った風魔法を俺が受けたら確実にバラバラになるぞ…!)ブルッ
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 09:52:29.19 ID:TQpUZSGBO

魔女「ふふふ、大丈夫よ。」

魔女「男君、その木刀、勇者から貰ったものでしょう?」

男「は、はい。もらったというか、この修行の間は貸してやるみたいな感じでした。」

魔女「その木刀は普通の木で出来ていないわ。精霊の力の篭った木を使って作った魔法耐性のある木刀なの。昔、勇者がエルフの国で無理やり譲り受けたものよ。」


男「そんな凄い木刀だったんですか!道理でスライムをあれだけぶっ叩いても折れないわけだ…。」

感心したように木刀を見つめる男。

男(ちょっと丈夫なだけかと思ってた…。勇者…。)
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 09:53:40.38 ID:TQpUZSGBO

魔女「契約ほど効果はないでしょうけど、なんの耐性がないよりもはるかに効果があるわ。」

魔法使い「エルフの木刀だったのですね…。」


魔法使い「それならば遠慮なくとまでは言えませんが、不安なく魔法を打つことができます!」


魔女「魔法使いも納得してくれたみたいだし、修行を始めましょう。」

魔女「ルールとして、魔法使いが使っていい魔法は風、土の2つだけに限定するわ。」

魔法使い「はい!」

魔女「男君は魔法を避けるかその木刀で受ける。でもさすがに受けすぎると木刀が折れるわ、なるべくかわすの。」

男「わかりました!」

男(魔法も物体で受けることが出来るのか。)

魔女「じゃあ2人とも離れてもらうわ。」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 09:54:37.76 ID:TQpUZSGBO


ザッ

2人はお互いが30mほど離れた場所にたった。
修行はこの間合いから始めるらしい。


魔女「…始めっ!」


魔法使い「はぁぁあ…!」コォォオオ

合図と同時に魔法使いが魔翌力を練り上げる。

男「!」

男(魔法使いの両手が明るくなってきたぞ?魔法の準備か?)


魔法使い「中・土魔法!」パンッ

ズズズッッ!

魔法使いの手の光が強くなり、発令とともに地面に手をつくと、目の前の地面が大きく隆起し始めた!


男「うぉおおお!これが土魔法ってやつか?!」


魔法使い「食らえば痛いではすみませんよ!」ズズズッッ

男(土の隆起が速い!かわせるか…?!)

バッ

男は大きく横っ飛びし、なんとか土をかわした。

男「ぐっ!」ザッ


魔法使い「まだです!小・風魔法!」スパァ

男「!」(こりゃ風の刃か?!)
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 09:55:15.83 ID:TQpUZSGBO


ザシュッ

真空波が男の右肩を斬りつけた。

男「うぐッ!」

男(めちゃくちゃ痛え!!)


魔法使い「〜…。」コォォオオ


男「ヤバイ!また来る!」

魔法使いの両手に光が集まっているのを見て焦る男。肩の傷はそれほど深くなさそうだ。


男(土か風か?!てか容赦なさすぎるだろ?!)

ダダッッ
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage saga]:2014/10/09(木) 16:30:20.71 ID:0lIa8HOo0
休憩のときは休憩って言って、今日やめるときは今日はやめますって言ってください、お願いします。

221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/09(木) 17:23:42.90 ID:eFdDREp/o
これだからSSLは
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 18:03:02.72 ID:0jNrhKRhO

中断もなにもいえずすみません!

今から書いたものを投稿して、また中断したいと思います。

そしてまた夜にまとめて投稿します!
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 18:04:57.99 ID:0jNrhKRhO

魔法使い「風魔法!!」ヒュパァッ


男「はぁあ!」

魔法使い「!」


ズジャァッッッ

男「ぐぅ!」(よし!なんとか防げたぞ!)

魔法使い(風魔法を木刀でかき消すとは。さすがです男様。でも…。)

ヒュァアア


男「えっ!?」

男の真上に魔法使いが風魔法に乗って高速で移動してきた。

男(そういう目的だったのか今の魔法は!)


魔法使い「いきますよ!」コォォオオ

男「…!!」(走ったって間に合わない。)
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 18:06:02.19 ID:0jNrhKRhO

男「なら!」ダンッ

魔法使い「なっ?!」

男は大きく上に飛んだ。


魔法使い「中・風魔法!」(まさか飛び込んでくるなんて!)

男「うぉらあああ!!」ズバッバッバッ

男のからだが魔法で切り裂かれる!


男「ああ!」ブンッ

シュバァッッ

男は木刀で魔法をかき消した!
そして、そのまま落下していく。

ダンッ

男「はぁ…!はぁ…!うぐッ…。」


魔法使い「…。」スタッ

魔法使い(魔法のなかに突っ込んで来るなんて…凄い勇気…。)


魔女「あらあら、思いっきり木刀使っちゃってるわね。」フフッ
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 18:07:17.31 ID:0jNrhKRhO


男「痛っ…めっちゃ痛い…。」(でも…わかってきたぞ。)

男(魔法は少し準備する時間が必要なんだ。そして発動にはなんかしらの前兆がある。)


男(あと風魔法を実際受けてわかった…魔法が最も威力を出せる距離は中距離で、発動直後はまだ威力が乗り切れてないんだ!本当なら今の魔法はもっと威力が高いはず。)

男「ってことは取るべき策は一つ…。」


男「間合いをつめる!」ダダッ

魔法使い「!」

魔法使い(この僅かな時間で魔法使いの弱点をっっ)


魔法使い「でも私も負けませんよ!男様!」コォォオオ
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 18:08:02.49 ID:0jNrhKRhO

魔法が発揮されにくい距離を感覚で掴んだ男はそれから積極的に接近を試みるようになる。

魔法使いも負けじと風魔法を駆使し、距離を上手に保ちながら発動の速い魔法で男に牽制していった。


男「はぁ…はぁ…。」ボロボロ


魔法使い「ふぅ…、ふぅ…。」


魔女「ふふふ、いい感じで修行になってるわねえ。」


男(体中傷だらけだよ…でっかいのは喰らわずに済んでるけど、発動が速い魔法はよけきれないことが多い…。)

男(でも魔法がどういう手順で俺に襲いかかるのか、そのタイミングみたいなものはある程度掴めてきた気がする。)


魔女「はい、じゃあ今日はそこまでにして身体を休めましょう。魔法使いも魔翌力が残り僅かのようだし。」
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 18:08:49.48 ID:0jNrhKRhO

男「ありがとうございました!」

魔法使い「ありがとうございました。それにしても、男様の避ける力は本当に素晴らしいですね。」


男「いやいや、魔法使いが上手に手加減してくれてるおかげだよ。」スチャ

男は照れ臭そうに木刀を腰にさした。

魔女「まあ魔法使いが本気を出したらなかなか凄いことになるのは間違いないわぁ。」

魔法使い「お師匠様!」

魔女「あら?恥ずかしいの?誇っていいことなのよ?」

男「??」

魔法使い「あのような姿になってしまうのは恥ずかしいに決まっていますよ!!」

男「あのような…?」

魔法使い「男様!きいてはいけません!」

魔女「そのうち見れるわぁ。」フフッ

魔法使い「お師匠様ァ〜!」

男(そんな凄いことになるのか…)

228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 18:09:37.38 ID:0jNrhKRhO


セントラル王国


賢者の家

賢者は昔、勇者とともに魔界に乗り込んだメンバーの1人だ。幼くして賢者号を取得し、研究のために、という理由で魔王討伐についてきた。勇者よりも探究心が高く常になにかを研究している。

賢者「へぇ…異世界のやつが君の家にねぇ。」

勇者「あぁ。お前なんか知らねえか?」

賢者「色々と知ってはいるさ。それが勇者の役に立つかはわからないし、勇者も知っている範囲のことが多いけど。」

勇者「なんでもいいんだ、異世界に関する洞窟とか文献のある国とか人物の情報とか!」

賢者「ん〜…勇者の知らなそうなことで、みっつ心当たりがある。」

勇者「まじでか?!」

賢者「でも一つ一つの冒険の難易度がアホみたいに高いところだよ。勇者1人ならなんとかいけるだろうけど、もしその異世界のやつと本気で冒険するなら、そいつはついていけないだろうね。」

勇者「………どこだ?」
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 18:12:39.31 ID:0jNrhKRhO

賢者「さすがに勇者といえどもなんの対価も無しに情報はあげられないなあ。」ふふふ


勇者「お前の知らない情報なんて持ってねえよ!」

賢者「情報じゃなくてもいいよ。実は手伝って欲しいことがあるんだ。」

勇者「ああ?」

勇者「俺は2日後には離島に帰らなきゃいけないんだ、長期のことは手伝えないぜ。」

賢者「今すぐのことじゃない。でもこのお願いは多分勇者自身からやる気を出すと思うよ。」

勇者「…どんなお願いだよ。」


賢者「………魔王に関してのお願いさ。」
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 18:13:32.78 ID:0jNrhKRhO

勇者「…は?!」

賢者「僕もこの情報を聞いたときは驚いたよ。」

勇者「魔王が復活でもしたのか?!」

賢者「まあまあ、焦らないで聞いてくれ勇者。」

賢者「簡潔に言えば、魔族の活動が活発化しているらしいんだ。それだけなら大したことはないんだけど、ウエスト王国で魔物が凶暴化しているらしい。」


賢者「魔物は基本無害な生き物だ、でも魔族によって支配されてしまったら駆除すべき対象となる。魔王討伐で魔族の力は一時弱まったけれど、魔族全てとケリをつけられたわけじゃない。」

賢者「その魔族がまたなにかをきっかけに活動を開始した……。」

賢者「…原因、気にならない?」ふふふ


勇者「…!!!」

勇者(めっちゃくちゃ気になるぞこれは…!魔族が活動開始ってことはまた戦争が始まる可能性がある。なにかきっかけがあるのだとしたら…不謹慎だが…ワクワクしないわけがない…!)


賢者「調査開始は一ヶ月後だ。戦士も参加してくれる。まあ戦士はお金で動く傭兵だから雇った形になったけど。」

勇者「…一ヶ月後…。それなら…。」

勇者(男を大陸に渡らせて冒険に旅立たせるには十分なリミットだ。異世界の情報も手に入れることが出来る。男には悪いが…。)


勇者「その調査、俺も加わらせてくれ!」


賢者「ふふ、そう言ってくれると思ったよ。ありがとう勇者。」
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 18:15:41.37 ID:0jNrhKRhO

ここで中断します!
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/09(木) 18:21:17.87 ID:WF96uPp3o
メール欄に saga って入れといたほうがいい
sage じゃなくて saga ね
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/10/09(木) 18:38:41.99 ID:21TMoGsmO
むしろ両方入れとけ
魔力が魔翌力にならないから
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2014/10/09(木) 22:21:24.67 ID:0jNrhKRhO

ありがとうございます、いれました!

貯めたものを少し投稿します!


離島 夜


今日の修行を終え、3人で食事をとったあと男は1人で草原を歩いていた。

草原は月明かりで美しく照らされ、微かな風が吹いている。


男「…。」スタスタ

男「…回復魔法ってすごいな…。」グッ、パッ

男(あんだけ傷だらけだったのに、ほとんどの傷が塞がりかけてる。)

男(魔女さんが凄いからなのかな?)

男(もし、こんな魔法が現代で使えたら相当騒がれるだろうなあ。)
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2014/10/09(木) 22:22:25.35 ID:0jNrhKRhO

男(…もうこっちに来てから9日目…。)


男(静かに夜を過ごすのは久々な気がする。)

男(最初の一週間はスライムとの修行で寝る時も気が気じゃなかったからなー。)


男(でも、かなり成長した。そのことを自分でも実感できる。)グッ

男「…前の俺なら魔法に飛び込むなんて絶対できなかったな。」


男(正直、今は帰れない不安よりも、これから始まる冒険へのワクワクのほうが強い…。これも勇者の影響なのかな?)

スーッ…

男は木刀を抜いた。
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2014/10/09(木) 22:23:32.52 ID:0jNrhKRhO

男「……ふっ!」シュパッ

男「はっ!」ザンッ


男「やぁっ!」ズバァッ!

魔法使い「男様?」

男「わあ?!」ビクッッ

男「ま、魔法使い?!」

魔法使い「フフ、そんなに驚かなくても。」

魔法使い「あれだけ修行をしたのにまだ剣を振っているんですね…感心します。」


男「いや…今たまたま振っただけだよ。散歩してただけなんだ。」

男「魔法使いはどうしたの?」


魔法使い「私も散歩をしにきました。月明かりがとても綺麗なので。」

魔法使い「風が気持ちいいですね〜…。」
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2014/10/09(木) 22:24:13.09 ID:0jNrhKRhO

男「…そうだね。」

男(…。こうやって改めて見ると、魔法使いってすげー美人だなぁ…。肌とかも真っ白だし…。まつ毛も凄くながい。髪の毛なんかトゥルントゥルンだよ。)

魔法使い「?。私の髪の毛になにかついていますか?」


男「う、ううん、なんでもないよ。」アセッ

男(危ねえ!みすぎた!)

男(現実でもこういうとこあったからな…気をつけないと…。)

魔法使い「…ひとつ質問してもよろしいですか?」

男「え、あぁ、もちろんいいよ。」


魔法使い「……男様はなぜあそこまで修行に必死になれるのですか?」

男「…へ?」

魔法使い「失礼でしたらすみません。修行をしているとき、何度もそう思うことがあったので…。」

魔法使い「魔法に飛び込んだり、魔法を木刀で弾いたり…昨日まで全く魔法を知らなかった方が、あそこまで身を顧みず…。」


魔法使いは少し心配した様子で男に尋ねた。
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2014/10/09(木) 22:25:15.41 ID:0jNrhKRhO


男「…うーん…。」

男「俺もよくわからないんだけど…。向こうでは今まで色んなことを諦めながらフラフラと生きてたんだ。」

男「できる奴はなんだって出来て、出来ないやつはずっと出来ない側の人生を過ごして行くのが当たり前だと思ってた。」

男「俺は出来ない側の人間だから、分不相応なことは考えないし、やらない。そうすべきだってね。」


男「でも…こっちにきて勇者と出会ってスライムと戦って魔法を体験して…色んなことに気づけた。」

男「その気づけたことは凄く抽象的で上手に言葉に出来ないけど、」


男「縮こまってたら良くないってことだけは、はっきりと学んだ。」

男「だからなるべく挑戦出来るものはやって行きたいんだ。皆には迷惑をかけちゃうかも知れないけれど…。」

魔法使い「……。」


男「迷惑をかけるけど、明日もよろしくね、魔法使い!」


魔法使い「…はい!」

魔法使い「私もあなたのように頑張りますね!」

男「い、いや、そんな俺を手本みたいに言わないでよ!」アセッ

魔法使い「いえいえ♪」


男「あ、そういえば昼間の魔女さんが言ってた…」

魔法使い「そ、そのことは聞かないでください〜!」

239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 22:26:03.76 ID:0jNrhKRhO


離島 翌日


魔女「さて、今日も修行を始めるわよ〜。」

男「はい!」

男「って魔法使いがいないんですが…いずこへ?」


魔女「多分寝坊ね。」

男「寝坊?!」

魔女「あの子朝は弱いのよ〜。まあ今日は私がやろうと思ってたから大丈夫よ、心配しないで。」

男「は、はい。」(昨日は張り切ってたのに…。なんか悲しいな。)


魔女「今日は勇者が帰って来るだろうから、魔法について簡単な説明をしておくわ。」

魔女「魔術書を読まずとも理解できるようにね、」

男「ありがとうございます。」


魔女「少し難しい話になるのだけど、あなたの世界のゲームと基本的には同じよ。」

魔女「基本3属性の風、土、水。5大属性になると火と雷がそこに加わるわ。光と闇っていう特殊なものもあるけど…。」

男「限られた人しか使えない、ですよね?」

魔女「そう。まあ適正がないとダメってことねえ。」

魔女「5大属性もそうだけど、どの魔法が自分に適正にあっているのかは、実践してみるしかないわ。」

男「なるほど…。」

魔女「魔法使いは土の魔法が得意で、私は火の魔法を得意としているわ。」


男(俺はどれなんだろう…。)
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2014/10/09(木) 22:26:48.05 ID:0jNrhKRhO


魔女「そして、魔法のレベルは大まかに初級・中級・上級・超級・極大の五つに大別されるの。」

魔女「それぞれ精霊との契約を済ませて置かなければ行使することは出来ないわ。」


男「その、何度か聞いた精霊っていうのは…どんなものなんですか?ゲームではなかったものです。」


魔女「フフ、ここが魔法を扱う上で一番重要なところよ。」


魔女「魔法っていうのは、自らの魔力を使って精霊たちに呼びかけて、精霊の力を借りて行使するものなの。そこで、発動までに三つの段階が必要になってくるわ。」


魔女「まず一つ目、自分の魔力を放出して精霊に呼びかける。」

魔女「二つ目、詠唱したり集中したりして精霊の力を現実に現させる。」

魔女「最後の三つ目、発令をし魔法を放つ。」

魔女「強い魔法ほど時間がかかるわ。そして凄い魔法使いほど、魔法を放つのが早いの。」


男「なるほど…。なんか凄いですね!」

魔女「こっちの世界では子供でもやっているわ。日常と密接な関係だからねえ。」

魔女「男君も、飲み込みが良ければ半年くらいで中級魔法が使えるようになるかもしれない。」


男「は、半年ですか?!」

魔女「ふふふ、魔法は知識と感覚だからね、時間がかかるのよ。」


男「これは…頑張らないとですね!」(めっちゃかかるんだな…。まあどんなものでも上達には時間がかかるよな。すぐに出来たら誰も苦労はしない。)


魔女「ん…。」

魔女「なかなかいいタイミングね。」


男「え?」


魔女「帰ってきたわよ。」ニコッ


ヒューーーー……

ズダァン!!!

男「!?」(そ、空からなんかきた!?まさか…。)

「フーッ…」

勇者「久しぶりだな、男!」
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/09(木) 22:28:13.02 ID:0jNrhKRhO

今日はここで中断したいと思います。

遅筆な上に展開が遅くて申し訳ない…。

なるべく投稿できるよう、貯めておきます!
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/10(金) 02:36:10.08 ID:hQpraDXOO
sageとsagaの間にスペース入れないと効果せんのやで

あと「saga」の効果はフィルターの除去で、「sage」の効果はスレに書き込んでもスレが上がらなくする事だから、「下げ進行にしてスレが完結するまで新規読者は来なくていい」もしくは「続きを書いたのが気付かれにくい方が良い」とかの理由がなければ「sage」は必要無い

人が増えなければ荒らしが来る可能性が減るから自分の見てるスレはsage進行にして欲しいって人も結構いるけど、>>1がそういう読者を大事にするか、もっと多くの人に見てもらいたいか、でsageを入れるかどうか決めた方がいいよ
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/10(金) 08:57:12.38 ID:12qgI4r+O
結論としてはsagaだけでいいよ、と。
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage saga]:2014/10/10(金) 09:09:04.31 ID:BZ0hjzxK0
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/10(金) 12:35:50.08 ID:Iy+xmBIHO
作者はageてくれた方が更新わかりやすくて良いしね
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/10(金) 13:38:07.87 ID:VkR8GexRO

アドバイスありがとうございます!

sagaだけを入れて更新していきたいと思います。

少し投稿して、また中断します!
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 13:38:45.66 ID:VkR8GexRO

男「勇者!!」

魔女「ふふふ。」

男「10日も離れるって聞いてなかったから、びっくりしたよ!」


勇者「おー、悪い悪い。色々あってな。」

勇者「てかお前……そこそこ成長したみたいだな。」


男「うん。スライムとの修行もやり切ったし、魔女と魔法使いも協力してくれたから。」

勇者「魔女を派遣して良かったなこりゃ。」

魔女「本当、いきなりの手紙で驚いたわよぉ。」

勇者「まぁお前なら協力してくれると思ってたぜ。ありがとうな。」
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 13:39:36.87 ID:VkR8GexRO

勇者「噂の弟子の魔法使いも来てるのか?」

魔女「ええ、ちょうどいい修行になると思ってね。」

魔女「まだ小屋で寝てるけど。」


男「勇者はどこにいってたんだ?」

勇者「色々だが、サウス行ってセントラル行って賢者と王様にあってきた。目的はお前のための魔術書だったんだがな。」スッ

勇者は本婆から買った魔術書を出した。


勇者「男はどこまでわかってるんだ?」

魔女「魔法はもう体感してもらったから、あとは体得って感じね。」

勇者「なるほど…。」

勇者「うし、じゃあこれから魔法を覚えさせるか。」
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 13:40:17.23 ID:VkR8GexRO

勇者「男、魔術書だ。」スッ

男「ありがとう。」

男(これが魔術書なのか…。意外と薄いな。広辞苑みたいに分厚いかと思ってた。)


勇者「もう基本的なことは聞いたようだから言わない。とりあえずその魔術書は基本3霊種の契約が出来るから、まずは契約だ。」

男「わかった!」

男「契約ってどんなものなの?」

勇者「簡単だ、その本に手形をつけるページがあるから、そこに手形を押すだけ。」

魔女「本当は内容も読んで理解してからのほうが契約しやすいのだけど、初級なら多分読まなくても契約出来ると思うわ。」


男「なるほど…。」

勇者「手にはなにもつけなくていい。押し付けるだけで自分の魔力がページに焼き付けられる。」
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 13:40:52.69 ID:VkR8GexRO


ペラッ

男「…ここに手を当てるのか。」ゴクッ


魔術書の手形のページは、なにやら難しそうな文字がギッシリと綴られている。

男「…当てるよ。」

スッ…


ヒタッ…

男は手をゆっくりとページにはりつけた。

男「…。」


魔術書の文字が光始める。

男「…。」コォオオオオ

男の手から魔力が放出され、本に焼き付けられると、魔術書の文字は光らなくなった。
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 13:41:32.58 ID:VkR8GexRO

男「…なんか、凄いな…。」

勇者「意外と簡単なもんだろ?」

男「う、うん。こんな簡単に済むとは思わなかった。」

勇者「大変なのは魔法を覚えることだからな。とりあえず、契約は終わりだ。」


男(これで魔法が使えるようになったんだ…。実感はわかないけど。)


魔女「じゃあ早速だけど、魔法を行使する練習を始めましょう?」

男「はい!」


勇者「まて。」
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 13:42:09.88 ID:VkR8GexRO

男「?」

魔女「どうしたの勇者?」


勇者「実はな、一ヶ月後にどうしても外せない用事が出来ちまったんだ。」

勇者「だから、あまり時間をかけて男を鍛えたりは出来ない。」


勇者「男を旅に連れて行くと言って、魔女にまで協力してもらったのに悪い。」

男「…マジか…勇者。」


勇者「だが、見たところ男はもう冒険者に必要な最低限のものは持ってる。」

勇者「多分大陸に渡ってもなんとかなるはずだ。」
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 13:42:50.12 ID:VkR8GexRO

男「い、いや、そんな知らない土地を一人で旅するなんて流石に無理だよ!」

魔女「うーん…1人はねぇ…。」

魔女「男君はまだこの島すら出たことがないんだし…。」


勇者「男…俺はまだ出会ってほんの少ししか経ってないが、お前なら出来ると思うぜ。」

勇者「それに、冒険ってのは知らないところに行くから冒険って言うんだ。」

勇者「不安で怖くてどうしたらいいかもわからない…。でもそれよりもワクワクするって気持ちが強けりゃ、案外自分の足は前に出てくれるもんよ。」
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 13:43:34.61 ID:VkR8GexRO


男「…。」

男(確かに…。知ってるとこ行くのは冒険じゃないもんな。散歩みたいなもんだ。)

男(俺は昨日、凄いワクワクしてた…。それこそ勇者が言った不安や恐怖よりも強い感情だった気がする。)

男「なんか…勇者の言うことは重みがあるな。」


勇者「ああ?まあ実際旅してたからなー。」

男「大丈夫……。ここまでしてもらえてるだけでも十分だよ!」

男「大陸に渡ったらこの世界を1人で旅してみる!」


魔女「あらぁ…。大丈夫なのかしら?」

男「他人の俺をこんなに構ってくれたってだけで皆には凄い感謝だよ。」


勇者「悪いな、いい返事をありがとう男。」ニッ

勇者「一応、後二週間はこの島に要られる。その間に冒険の基礎をしっかり叩き込んでやるよ!」

男「よっしゃ!」
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/10(金) 15:52:39.83 ID:BZ0hjzxK0
よっしゃぁ!更新ktkr!
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/10(金) 16:51:09.63 ID:SUEDhP02O
男の属性はなんだろな?
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/10(金) 18:45:14.47 ID:VkR8GexRO

また少し投稿したいと思います!
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 18:46:02.84 ID:VkR8GexRO

そして男と勇者の修行が始まった。

まずは魔法の行使から始まった。


勇者「いい感じだ!もっと両手に魔力を集めろ!」

男「・・・ああ!」コォオオオオ

魔法使い「発動光が集まってきています!あとは発令と放出ですよ男様!」


男「はぁるぁあ!」

プスッ

勇者「………。」

男「…。」

勇者「…もっかいだ。」
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 18:46:42.41 ID:VkR8GexRO

次に冒険の基本的な知識の講義。


勇者「いいか?!街に入ったとしても、安易に宿は使うな!」

男「え?!」

勇者「宿は冒険っぽくないからだ!」

男「なるほど!」

勇者「まずはどこでも眠れる、トラブルですぐ起きることができる睡眠法を伝授してやる!」

男「おお!」


食べ物やお金に関しても。


勇者「この世界で冒険者が生きて行くには依頼をこなしていくしかない!依頼は酒場に貼り付けられているものもあるが、道具屋や宿屋、武具屋の主人たちが依頼をしてくることもある!だからくまなく街を歩け!お金を稼ぐ為に!」

男「おす!」

勇者「食べ物はあんまり買い溜めするなよ!荷物が重くなるし魔物も寄ってくる!」

男「じゃあ道中どうすれば?!」

勇者「この世界は果物がたくさんなっている!それを食え!探せ!」
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 18:47:20.20 ID:VkR8GexRO

魔物に関しても。


魔女「魔物っていうのは敵ではないわ。普通の動物と同じなの。コミュニケーションの取れる魔物もいるし、野生的で近づくと危険な魔物もいるわ。」

男「なるほど!」

魔女「ただ、魔族と呼ばれるモノたちがいて、魔族は魔物を支配して人間界を我がものにしようとしている、人間にとってはハッキリと敵と言える存在よ。」

魔女「まあ、人間も魔界に攻め込んだりしているから、どっちもどっちだと私は思うわ。」

男「どこの世界も同じですね。」


そして、戦闘。


男「はぁ!ふぁ!」カン!ヒュパッ

勇者「いいぞ、一つ一つの動きの流れを繋げるんだ!だが、いつでも退避行動に入れるようにしておけよ!」カン、サッ

男「おお!」

勇者「甘いッッ」ドコッ

男「ぐはあ!」


そんなこんなであっという間に10日間が過ぎていった…。
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 18:48:03.72 ID:VkR8GexRO


男「はぁぁああ…!」コォオオオオ

魔法使い「いいですよ!その調子です!」

男「くぅうう!」

男「風魔法!小ーッ!」

ポスンッ

男「…。」

魔法使い「……お、惜しいですね!」

勇者「…いや。全く惜しくないぞ。」

魔法使い「うっ…。」


男「な、なぜできないんだ…?」ガクンって

勇者「んー…基本3種は誰でも上手くできるはずなんだが…。」

男「初級ですら出来ないよ…。」

魔女「まあ考えられることは2つね。」

魔女「男君の魔法に関するセンスがもともとないのか、」

魔女「それとも、この基本3種の魔法が男君の適性ではないのか。」

男「後者の可能性もあるんですか!?」

魔女「十分あるわぁ。適性がなければ初級でもひと月近くかかる人が多いの。適性があれば10日くらいでコツを掴み始めるんだけどね。この3つは適性がなくてもやりやすいんだけど、稀に残りの雷と火が飛び抜けている人もいるから。」
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 18:48:40.19 ID:VkR8GexRO

勇者「俺は雷は得意だが、この3つはそんなに上手くない。魔女は火が得意だが、火が少し抜けているだけでほとんどがかなりのレベルで行使できる。そんな感じだ。」


男「なるほど…それにかけるしかないってことか…。」

勇者「大陸に渡れば色んな魔術書がある。気長に思え男。」

勇者「それにこの10日間でお前はかなり冒険者としての知識と力を得たはずだ。」

勇者「なんといっても魔王討伐メンバーが2人がかりで稽古をつけたんだからな。」

勇者「もう王国の一般兵くらいの力はあるだろう。自信をもて。」


男「そうだね…。まだ10日だ。」

男(焦っちゃダメだ。俺は別に天才とかじゃないんだからな。)

男(てか10日でこの国の兵士と並ぶことができるなんて…。もやしだったこの俺が…。皆のおかけだ本当に。)

男「俺も勇者と同じ雷の適性があったらなんかカッコいいなあ。」

勇者「雷?あまり使い勝手良くないからオススメしないぞ?」

勇者「まあ格好良さはダントツだけどな。」


ハッハッハ

263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 18:49:21.22 ID:VkR8GexRO

それからさらに4日。

とうとう離島を旅立つ時がきた。

島のはじっこにある桟橋に4人は集まっていた。


男「いやあ…こっちの世界にきて約1ヶ月。めっちゃ早く感じたよ。」

魔法使い「私も勇者様や男様、初めて会う方ばかりで、あっという間に感じました。」


勇者「男はこれからだからな。冒険はまだ始まってすらないぞ。」

男「うん。」

男「これからまた新しい発見がたくさんあるもんね。」

勇者「ああ。1人ってのは怖いけど楽しいこともたくさんある。日記みたいなものでも綴っとくといいぞ。」

男「おー!それはいいね!」

魔女「なんにしても、ここまで関わったんだからすぐに死んで欲しくないわねぇ。」ふふふ

男「ま、魔女さん…縁起悪いよ…。」

魔女「フフッ、冗談よ。」

264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/10(金) 18:49:53.31 ID:VkR8GexRO

勇者「よし、これから風魔法で大陸の港町に連れていくぞ。」

勇者「俺はそこからウエスト王国まで向かわなきゃならねえから、そこで男とはお別れだ。」

魔法使い「私たちもブック地区へと帰ります。しばらく空けていたので様子も気になりますし。」

男「…大陸に渡ったら皆とはすぐにお別れかあ。」

男「名残り惜しいけど………またみんなに会いに行くよ!」

男「帰る方法を見つけても!必ず報告する!」

勇者「もちろん頼むぞ!なんか面白そうな情報があればすぐ教えてくれ。」

魔女「私はブック地区から動かないだろうから、いつでもおいで〜。」


男「皆ありがとう…!」

男「じゃあ…大陸に渡ろう!」


勇者「よし!いくぞ!」
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/10(金) 18:51:21.53 ID:VkR8GexRO
ここで中断したいと思います!

266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/10(金) 19:20:44.43 ID:PA1ZD70lo
おつ
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/10(金) 19:39:38.17 ID:WnPn7PMrO
乙!
面白いよー(*´∀`)
次が楽しみ
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/10(金) 22:00:30.76 ID:Q+ruSX0Eo

魔法使いは仲間にならないのかな
なって欲しいが
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/11(土) 13:14:39.80 ID:eIB10/vEO
少し投稿します!
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/11(土) 13:15:45.60 ID:eIB10/vEO

勇者「男は俺が乗せるからそっちはそっちで頼む。」

魔女「わかったわぁ。」


勇者は両の手を地面にかざし、風の魔力を集め始めた。

勇者「風魔法・翔。」


発令直後、地面から吹き上げる優しい風が男と勇者を包み、フワリと持ち上げる!

男「す、すげえ…!実際に風魔法で飛ぶのってこんな感じなのか…。」

勇者「わりと上級向けの魔法だ。使えるやつは多くないぜ。」

魔法使い「私は自分は飛ばせても人を飛ばすことができないので、お2人は本当にすごいです。」フワフワ


魔女「こんな感じの日常用の魔法もたくさんあるわぁ。」

男「魔法は奥が深いんだね…。」

男(てか…浮かんでると股間がヒュイヒュイするな…)
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/11(土) 13:16:54.96 ID:eIB10/vEO

勇者「1時間ほど飛んだら港町に着く。高さは大丈夫そうか?」

男「うん!」

勇者「うし、じゃあこの高さで飛んでくぞ!」

勇者「慌てて俺の風からはみ出るなよ!」

ギュンッッ


勇者が言葉をかけ終えると同時に、男たちは猛スピードで海原へとスタートを切った。


その頃、ウエスト王国。


とある洞窟。



冒険者「はぁ…!はぁ…!」


冒険者(…くそっ。こんな洞窟に入ったのはやはり失敗だったか…。)

冒険者はかなりの傷を負っているようだ。


冒険者(まさか…。)


冒険者(こんな…怪物がいたとはな…。)


???「愚かだなあ。自分からここにくるなんて。」


冒険者「貴様みたいな化け物がいるとはな…。」


???「私からすれば君も十分化け物さ。」

???「種族の違いは悲しいね。」

???「結局は力比べになってしまう。」


冒険者(帰って国に知らせなければ…このままでは…)


???「死ね。」


グシャアッッ
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/11(土) 13:17:47.24 ID:eIB10/vEO

港町


男「………うぇっ。」

男「少し…酔った。」


勇者「まあ初めてなら普通の反応だ。」

男「あんなに速いとは…。」

魔法使い「ここが…サウス王国の港町なんですね。」

勇者「ん?魔法使いは来たことないのか?」

魔法使い「はい!離島へ行く時もそのまま飛んできたので、港町を利用しませんでした。」

魔法使い「とても栄えている町なんですね!」


魔女「サウス王国の港町では1番大きい町だからねえ。色んなモノ、ヒトが行き交うだけあって、町の持つエネルギーはそうとうなものよ。」


男「確かに凄い町ですね。建物は…向こうで言う西洋文化に近いのかな?」

魔女「西洋文化?」
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/11(土) 13:18:34.30 ID:eIB10/vEO

男「あ、はい。俺の世界では西洋文化、東洋文化みたいな、文化の違いがあって、人種も思想も建築も全然違った進化をしてきたそうなんです。」

男「俺は東洋の出身でした。」


勇者「へえ。面白そうな話だな。この世界にも文化の違いはかなりあるぜ。」


4人は町にはいり、1番大きな通りを歩き始めた。

勇者「その木刀と似た剣を作ってるところなんかは、お前の顔に似た人間が多くいる。」


男「えっ!?」

男(てか俺、そんなにこの国の人たちと違う顔してんのかな…。)


勇者「冒険して行く中でよってみるといい。冒険者にも寛容なところだし、もしかしたら異世界関連のなにかがわかるかもしれない。」


男「どのへんにあるんだそこは?」

勇者「イースト王国のはじっこにある。ちょい閉鎖的だけど、みんな優しい不思議なとこだ。」
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/11(土) 13:19:27.22 ID:eIB10/vEO

魔法使い「わー!!お師匠様!」

魔女「あら、どうしたの魔法使い。」?

魔法使い「これっていのりの指輪ですよね?!昔お師匠様がつけてたっていう…。」


魔法使いは露天商の品物に目をつけたようだ。キラキラと目を輝かせ、指輪に食いついている。

男「いのりの指輪?」

魔女「あらそうねえ。こんなところに出回ってるなんて珍しいわ。」

男(確かに…結構なレアアイテムだった気がしたけど…。)

魔法使い「とても綺麗な指輪ですね…。まさか実物を見ることが出来るなんて…。」

勇者「露天商、これはいくらなんだ?」

露天商「フフッ、安くないよ?森の中で自然と精製されたものを加工したからね…。」

露天商「25000Gだ。」

魔法使い「25000Gですか?!」

露天商「あぁ。手間がかかってるんでね。」

魔法使い「私のお小遣いじゃ…全然足りないですね…。」

男「勇者、25000Gは高いのか?」ヒソヒソ

勇者「んー、俺は金については無頓着だからよくわからんが、宿で1泊するのは大抵50Gとかだ。」

男「じゃあめっちゃ高いんじゃないのかコレ?!」ヒソヒソ
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/11(土) 13:20:20.45 ID:eIB10/vEO

魔女「フフッ、勇者にとっては大した金額に思えないのよ。」

魔女(…。)

魔女「魔法使い、私が買ってあげるわ。」

魔法使い「えっ!?いいんですかお師匠様?!」

魔法使い「普段からあまり無駄遣いはしないようにと…。」

魔女「これは無駄な買い物じゃないわぁ。手に入れるまでの苦労を考えると、買っておいた方があとあとお得よ。」

魔女「はい、露天商さん。」チャリン


露天商「たしかに…頂いたよ。さぁ、受け取りなお嬢さん。」スッ


魔法使い「は、はい…。」

魔女「はめてごらん。」

魔法使い「…。」スチャ

魔法使い「…!!」

魔法使い「凄いです…!魔力がこの指輪から伝わってくるのが分かります!」

魔法使い「こんな高価なものを…。ありがとうございますお師匠様!!」
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/11(土) 13:21:12.89 ID:eIB10/vEO

魔女「フフッ、まあ私からの餞別よ。」

魔法使い「餞別?」

魔女「男君、あなたこの大陸を全て回るのよね?」

男「え、一応はそのつもりでいます。」?


魔女「じゃあ……。」

魔女「魔法使いも連れて行ってあげてくれる?その旅に。」


男「…えぇ!?!?」

魔法使い「い、いや私も驚きですよ!いきなりなぜですかお師匠様?!」


魔女「男君と話していたあの夜…。随分考え事をしていたのを、私がわからないと思った魔法使い?」

魔法使い「…あれは、お師匠様が思うような考え事では…。」
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/11(土) 13:21:59.82 ID:eIB10/vEO

魔女「5年間、私の元で修行詰めだったものね…。あそこまで遠出することもあまりなかった上に、異世界なんていうとても特別なものにまで触れ合ってしまえば、あなたが外の世界に興味を示しだすことはわかっていたわぁ…。」

魔女「勇者が付いていけないことは少し予想していなかったけれど、男君は思ったよりも頼りになりそうだしね。」


男「あ、あざっす。」


魔女「男君、魔法使いはセンスのかたまりよ。ノース王国のある一族の末裔なの。」

男「えっ、そんな背景があったんですか…?」

魔法使い「そんな大それたことじゃないですよ!ただ、あまり一族の繁栄などを考えない一族で、血筋が細っているだけなんです。」

魔法使い「しかし、ノース王国は魔界とも近く、このままでは細い血筋が本当になくなってしまうかもしれない…ということで、戦争を機に一族はノース王国から出て、皆それぞれが新しい土地を求めて散開したのです。」

魔女「その一族は土魔法に関してかなり進んでいてね、魔法使いはまだ15歳だけど、土魔法の超級まで扱えるのも、血が関係している部分が大きいわ。」


勇者「その年で超級まで扱えるのか!?そりゃ天才だ…。」
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/11(土) 13:23:02.07 ID:eIB10/vEO

魔女「だから男君の役にも必ず立てるわ。魔法使いを連れて行ってくれる?」

男「心強いですし、俺はもちろんOKですけど…魔法使いはそれでいいの?」


魔法使い「……。」

魔法使い「…お師匠様の言うとおりです。今、私は冒険というものに興味がしんしんです…。初めて見るものばかりで…男様がワクワクするというのもわかるような気がします…。」

魔法使い「でも、まだまだお師匠様とともに居たいというのも…素直な私の気持ちでして。。」


魔女「これからずっと会えないわけではないわ。私はあの家から動かない。もし嫌になれば戻ってくればいいのよ?」


魔女「私は…あなたが興味を示しているこの今を大切にして欲しいと思ってるの。行きたいと思えるなら、若いうちにどんどんやって欲しい。」

魔女「私も初めて冒険に出たのは17だったわ。勇者に無理やり連れられてね。もちろん怖いこともあったけど、行ってよかったと今では思えてるわ。」


魔女「魔法使い、経験よ、経験。」フフッ


魔法使い「お師匠様…!!」


魔法使い「私…男様と冒険しに行っていいですか?!」

魔女「ふふ、行ってらっしゃい。」ニコッ


魔法使い「男様!至らない私ですけれど、よろしくお願いします!!」ガバッ


魔法使いは深く頭を下げて、男に頼んだ。


男「いやいやいや!こちらこそついて来てくれてありがとうございますだよ!」ガバッ


勇者「冒険者が2人も増えたな!」ハッハッハッ


魔法使いが仲間になった!

279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/11(土) 13:23:56.01 ID:eIB10/vEO

その後、2人は勇者に連れられて、町のギルドへと行き、冒険者としての登録をした。


勇者「この登録証があれば、一般人の立ち入り禁止区域にも入って冒険することができる。2人とも、腕をだせ。」

ガチャリ

男「おお…腕輪なんだね。」

男(リストバンドみたいだ。)


勇者「通常の冒険者じゃ入られない区域もあるが、それは経験を積んで試験に合格しなきゃならねえ。」

勇者「とりあえずはその登録証で冒険してみろ!」


魔法使い「はい!」

男「うん!」


魔女「懐かしいわねぇ、この腕輪も。」
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/11(土) 13:24:44.11 ID:eIB10/vEO

勇者「あぁ。」

勇者「それじゃ…これで最低限の冒険者としての登録は終わりだ。俺が手伝えるのはここまで。そろそろ向かわなきゃならんからな。」


魔女「私も勇者と同じ列車で帰るわ。」

男「そっか…。2人とも色んなことをありがとう!」

男「桟橋で言いたいことも言えたし、悲しくはないよ!」


勇者「ふん、お前がどうなって行くのか、楽しみにしてるぞ。」ニッ

魔法使い「お師匠様、お元気で…!」グスン


魔女「あなたもね。」フフ


男「じゃあね…魔女さん、勇者!」



男と魔法使いは、魔女と勇者に別れを告げ、2人は列車に乗ってそれぞれの目的地へと向かって行った。
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/11(土) 13:26:23.51 ID:eIB10/vEO
ここで中断します!

物語の場面転換の不自然さを消すのがこんなに難しいとは…。

今日はもう更新できなさそうなので、明日また投稿します!
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/11(土) 13:27:46.47 ID:iC1tuRQAo
乙、楽しみだ
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/11(土) 16:25:31.87 ID:aBBP+nPvO

こっからが本番だな楽しみ
284 :M9TavVJv0 [saga]:2014/10/11(土) 17:12:40.39 ID:Vos3YLem0
乙、

orz<なんでできないんだ…
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/11(土) 18:03:32.79 ID:yQv20aQzo
さてさて、この世界に男がやってきた意味はあるのかな?
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/12(日) 09:13:22.27 ID:gMl9wumm0
乙、SSはじめてでこれとか






続けたまえ
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/12(日) 22:10:44.99 ID:T2WHParRO

すみませんこれからの展開を考えるのになかなか時間を食ってしまっていて、今日は更新ができなさそうです…。

明日のよるくらいまでにはまとめておいて投稿したいとおもいます!
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/12(日) 23:24:11.87 ID:GRSfFlcEO

頑張れ
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/13(月) 18:29:09.89 ID:GBtrIDzEo

トリップつけてくれたら助かる
わからなければぐぐって
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:06:14.37 ID:kpmsJ2TiO

遅くなって申し訳ない。

拙いながらもなんとか書けたので投稿します。

トリップはよくわからなかったので今回はつけずに。

291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:07:14.62 ID:kpmsJ2TiO

男「…。行っちゃったね。」

魔法使い「そうですね…。」


男「2人だけど、これから頑張っていこう!」


列車を見送り、2人は港町を歩いていた。


魔法使い「はい!男様はどこか行きたい場所がありますか?」

魔法使い「この大陸は広いですから、無闇に冒険するのは少し無謀な気が…。」


男「うーん…確かに。」(いざこうやって世界に放り出されるとどうすればいいのかわからないな…。)

男「まあとりあえずこの港町で色々と回ってみようと思う!勇者も冒険のときは隈なく回れって言ってたし、行きたい場所を探すためにも。」

男「魔法使いはなにか行きたい場所はある?」
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:07:58.33 ID:kpmsJ2TiO

魔法使い「私は…そうですね。」

魔法使い「なるべくでいいのですが…ウエスト王国のほうから大陸を回って頂けると嬉しいです。」

魔法使い「お師匠様の住むサウス王国ブック地区は、セントラルとイースト王国とサウス王国の境目あたりにあるので、そちらから回っていくと早々と出会ってしまうかもしれません…。」


男「なるほど。」

男「じゃあ早速進む方向は決まったね!ウエスト王国方面からいこう!」


魔法使い「男様の冒険なのにすみません。」アセッ

男「ううん、俺はなんもわからないからどこ行っても同じだよ。それに俺だけの冒険じゃないしね!」


魔法使い「ありがとうございます。」


男「んじゃ日が沈みきる前にまずは酒場を尋ねてみる?」

魔法使い「はい!」
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:08:43.64 ID:kpmsJ2TiO

酒場


男「ここかぁ。」

扉の前に立ち、酒場を見上げる男。
建物はなかなか大きく、二階建てで横に広い。
中からは男たちの笑い声が聞こえる。


男(現実でも居酒屋なんて入ったことないからな…。緊張する。)

男「勇者がくれた資金も節約したいし、少し入って見てあまり良くなかったらすぐに出よう。」

魔法使い「わかりました。少し緊張しますね…。」


男「…行こうか。」


男が扉に手をかけようとしたその時。


ドゴォォオオオンッッ

扉が吹き飛び、1人の男性がすっ飛んで行った。

男「え!?」

魔法使い「なっ!?」


男性「うぐぁぁああ!!」
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:10:05.01 ID:kpmsJ2TiO


男「な、なんだなんだ?!」

男(誰か吹っ飛んで行ったぞ?!)

魔法使い「扉が…!」


「もういっぺん言ってみやがれ!」

壊れた扉の奥から怒号が響く。


「もう片方の頬もぶん殴るぞ!!」


男(ケンカか?!)

魔法使い「下がりましょう!」ヒソヒソ

男「う、うん。」


男性「くっそ…がぁああ!」

男性「後悔すんなよガキィ!」ダッ


少年「こっちの台詞だボケぇ!」


殴られた男性は怒りに任せ、少年に突っ込んだ!

少年「へっ!」

男性「うらぁあ!」ブン

少年「そんなおっせえパンチ当たるかよ!」シャッ


殴りかかる男性の懐に素早く入り、左拳を構える。

男性「なっ!」(は、速え!)

少年「オラアッッ!」バギィッ

男性「ぶっ・・!」

ドザァ

男性「うう…。」

少年「はぁ、はぁ。ふん、くそ野郎が。」
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:10:55.76 ID:kpmsJ2TiO

男「す、すげえ…。」

魔法使い「凄いスピードでしたね…!」

男(年は…同じくらいか?派手な頭してるな…。)


少年「お前らなんだ?」

男「え、?」

男「い、いや酒場に入ろうとしてて…。」

少年「みせもんじゃねえぞ!!」ブン

男(まじかこいつ?!)

男「ちょ、ちょっ!」

バッ

少年のいきなりのパンチを鼻差でかわす。

少年「おっ!?」

男(はっ、速い!危なかった!)

魔法使い「男様!!」コォオオオ


男「魔法使い!」

魔法使い「風魔法・小!」ヒュパァッ


魔法使いの放った魔法が、少年の身体を吹き飛ばす。

少年「あぁ?!」ブォン


ズザァァァアアア

少年「…魔法か。このやろう…!」


魔法使い「なんていう身のこなし…。風魔法を受けても、空中で体制を整えるなんて…。」

男「凄いな…。どうしよう。」


少年「小細工使いやがって、覚悟しろよ…ってお前女か?!」

296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:11:42.56 ID:kpmsJ2TiO

魔法使い「えっ?私ですか?」

少年「お、女じゃねえか!」アセッ


魔法使い「??」(女だとだめなのかな?)

少年「女はどけ!そこの男!ケリつけるぞ!」

男「いやケリもなにも…。」


魔法使い「ダメです!男様とやるというなら私もです!」


少年「お、男様?!様ってなんだよお前ら!どんな関係なんだよちくしょう!」


男「…。」(こいつ…女が苦手なのか?)

少年「ちっ……!今回は見逃してやらぁ!」ダッ


魔法使い「あっ…行ってしまいましたね…。」

男「うん…。とんでもないチンピラだったね。」

男「 変なやつに絡まれたけど、とりあえず酒場に入ろうか。」

魔法使い「はい…。」


男「おー、酒場ってこんな感じなんだね。」

魔法使い「私も入るのは初めてです。とても賑やかですね。」

男「派手にケンカがあったのに、皆意外と目を向けないのかあ。」

2人は酒場を見渡しながら歩き、カウンター席に腰を下ろした。
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:12:31.18 ID:kpmsJ2TiO

マスター「いらっしゃい。」

マスター「さっきは大変だったな。」ゴト


男「見てたんですか?」(あれ、まだ頼んでないぞ?)

マスター「あぁ。あの子は武闘家って言ってね、この酒場の問題児なんだ。」

マスター「あとそのお酒はサービスだ。腕輪を見る限り冒険者なんだろう?」

魔法使い「はい。ありがとうございます!」

魔法使い「美味しそうな匂いがしますねえ。」

マスター「甘い果汁の入ったジュースのようなお酒だ。あまり酔えないが、最初に飲むには丁度いい。」


男「武闘家はいつもここで暴れたりしてるんですか?」

マスター「そうだな、依頼が終わる度にここに来て呑んでまたすぐに、依頼を受けている。あいつは両親がいないからな、働きづめのようだ。」

マスター「まあ血の気が多いからな、子供が1人で依頼を受けようとするとバカにされることも多い。すぐにケンカになっちまうんだ。」


男「そうなんですね…。」

魔法使い「あの年で1人で依頼を受けているなんて。」

男「俺たち初めてここに来たんですけど、依頼はどうやって受けたらいいんですか?とりあえず人の集まる酒場にくればいいかなって思ってここに来たんですけど…。」

マスター「初めてか!」

マスター「依頼はそこにある掲示板に貼り付けられているぞ。依頼者の住所も示してあるから、そこに行き交渉するんだ。」

男「なるほど、ありがとうございます!」

マスター「まぁこれも俺の仕事さ、頑張れよ。」
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:13:09.92 ID:kpmsJ2TiO


男「よし、早速なにか受けてみようか。」

魔法使い「そうですね!どんなものを受けましょうか?」

魔法使い「薬草納品…馬車の警護…隣町への御使い…結構色々ありますね。」


男「うーん…初めての依頼だからなぁ。なるべく簡単なやつからやっていこう。」

男「……。」ジー…

魔法使い「あ、男様!簡単かどうかは分かりませんが面白そうな依頼を見つけました。」

男「お、どんな依頼?」


魔法使い「【最近夜になると作物が荒らされていることが多いので、その原因を明かして解決してほしい。】だそうです。報酬も500Gとなかなかいいですね。」


男「なるほど…。少し怪しげな内容だね。」


男「でも確かに面白そうだ!報酬もいいし、依頼者に話しを聞きに行ってみようか。」

魔法使い「はい!」
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:13:52.72 ID:kpmsJ2TiO

2人は酒場を後にし、依頼者の家へと向かった。

酒場からそう遠くなく、40分ほど歩くと、その家に着いた。


依頼者「お前らが依頼を受けてくれるのか?」

男「はい!酒場で依頼状を見まして…。」ペラッ

依頼者「もう少し熟練のやつだと安心出来たんだが…まあ解決してくれるならなんだっていいか。」

魔法使い「すみません…。」

依頼者「いいよ。内容は紙で読んだだろうから、農場に案内する。きな。」


男(やっぱりこの見た目だと舐められるかぁ…。)

魔法使い「社会って厳しいですね…。」


問題の農場は依頼者宅から少し離れたところにあった。

現実世界では見たことがない、美味しそうな果実や野菜が沢山なっている。
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:14:39.30 ID:kpmsJ2TiO

男「大きいですね。果物も野菜もたくさん…。」

依頼者「だろう?うちの果実は港町の名物みたいなもんさ。」

依頼者「実をつけるまで少し時間がかかるが、ちゃんと育ててやれば大きくなってくれる。」

依頼者「それが最近、朝になるといくつかもぎ取られているんだ…。商売上がったりだ、たまらないよ…。」

依頼者「自分で見張ったとしても、もし魔物の仕業だとしたら太刀打ちできないし、これ以上損害がでるなら、冒険者に依頼したほうが早いと思って酒場に依頼状を出したんだ。」


男「なるほど…分かりました!この依頼受けさせてもらえますか?」

依頼者「おお、大した自信だな。報酬は成功報酬だ。失敗したらお金は払えないが、それでもいいのか?」

男「魔法使い、いいよね?」

魔法使い「はい!依頼者様が可哀想ですし、是非解決させて欲しいです。」


依頼者「ありがとよ。じゃあ今夜から頼んだぞ。俺は家に帰る。」

男「はい!」
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:15:21.53 ID:kpmsJ2TiO

依頼者は帰宅し、男と魔法使いは見張っているときのための食べ物を買いに港町へきた。


魔法使い「日も完全に沈みましたね。そろそろ農場を見張りますか?」

男「そうだね、食べ物も用意したし、行こうか。」

魔法使い「はい。それにしても…誰が農場を荒らしているんでしょうか?ここは割と市街地ですし、山奥までは距離があります。魔物だしたら、随分な遠出ですが…。」


男「んー…。わからないな…そんだけ果実が美味いとか?」

魔法使い「なるほど…魔物も食べたくなるほど…。」

男「…一個くらいいいかな?」

魔法使い「だ、だめですよ!!」

男「ハッハッハ、冗談だよー。」フフフ


農場


男「じゃあ、交代で見張っていこう。最初は俺が見張るよ!」

魔法使い「ありがとうございます。もしなにかあればすぐに起こして下さいね。」


男「わかった。おやすみ。」


魔法使い「おやすみなさいです…。」

魔法使い「……zzz。」


男「…寝るの早いな。」
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:16:35.90 ID:kpmsJ2TiO

農場は静かで、今の所はなんの異常もない。


男(本当…なにが果実を盗んでるんだ…?1番有力なのは人間だけど…。)


男(人間だとしたら、とりあえずおさえつけないとな。)


男(でも俺の力でイケるかな?返り討ちにあう可能性も。。)


男(まあそんなのは関係ないか…。わからない相手に怯えても仕方ない。)


男が見張り始めて4時間が経った。

まだ異変は起きていない。


魔法使い「………zzz。」


男(さっき交代してもらおうと体を揺すったが起きる気配無し。)


男(忘れていた。魔法使いの眠りはかなりのものであることを。)


男「…今日は完徹だな。」



チュンチュン


魔法使い「…ん。」

魔法使い「……朝?」


男「あ、起きたんだね、魔法使い。」

魔法使い「あれ…そういえば私…。」

魔法使い「!!」(見張り!!!)

魔法使い「す、すみません男様!交代もせずにずっと寝てしまって!!」アタフタ

男「ううん、大丈夫だよ。」ニコ

男の目の下は真っ黒で、目は少し虚ろだ。
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:17:33.29 ID:kpmsJ2TiO

魔法使い「本当にごめんなさい…。私、寝起きが弱くて…。」

男「明日は先に俺が仮眠を取って、そのあと魔法使いに起こしてもらうかたちにしよう。」


魔法使い「も、もちろん男様の望むかたちで!」

男「ありがとう。昨晩はなんの異常もなかったよ。果実も取られてない。」

男「今夜はなにかあるかもしれない。」


魔法使い「分かりました、念入りに見張ります!」





男「…zzz。」

魔法使い「……。」

魔法使い(本当に申し訳ないことをしてしまいました…。男様も疲れているのに…。)

魔法使い(お師匠様からも治すよう言われているのに。)

魔法使い(この癖は旅の中で改善しないと行けませんね、うん。)


魔法使いが見張り始めて2時間。

まだ異常はない。


魔法使い(うぅ…ね、眠くなってきました…。)

魔法使い(でもまだ2時間ほど…。今交代してしまったら男様の睡眠時間が圧倒的少なくなってしまいます…。)

魔法使い(頑張るのです魔法使い…!)


ザクッ


魔法使い「!!!」

魔法使い(…今…なにか物音が…?)
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:18:52.10 ID:kpmsJ2TiO

ザクッ


魔法使い「!!」

魔法使い(とうとう犯人が…?!)


コォオオオオ。
静かに魔力を高め始める。


魔法使い「…誰かいるのですか!?」


ザクッ

魔法使い「!」ビクッ

魔法使い「出てきてください!果実を盗むことは許しませんよ!」


魔法使い(…応答がない。人間ではないのでしょうか…?)


魔法使い(そろそろ目が慣れてくる頃…。)


魔法使い「…!!」


ジュプッ

ガジュッ

魔法使い「この魔物は…!」


それは複数いるようだ。
形は人間に似ているが、衣服はボロボロで、肌の色が人間とはまるで違うのが闇の中からもわかる。
片方の目はだらりと垂れ下がり、ヨダレも出っぱなしだ。


魔法使い「犯人は…【腐ったしたい】だったんですね…!!」


腐ったしたい「あ・?」

腐ったしたいは魔法使いに気付いた。
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:19:37.30 ID:kpmsJ2TiO

魔法使い「果実を食べるのをやめなさい!!」カァッッ

魔法使い「風魔法!中!」ヒュパァッ


腐ったしたい「・ああああ!!」ザシュッ

腐ったしたいは慌ててかわそうとするも、かわしきれず傷を負った。


男「……ん…?」パチリ

男「…なんか騒がしくなっ…。」

男「!!!!」

男「なんかいる!?」


魔法使い「男様!犯人は腐ったしたいたちでした!4体いるようです!」


男「く、腐ったしたい!?」(実物はあんな感じなのか!)

腐ったしたい「・ああ!」ガバァ


魔法使い「!」(暗闇からもう一体…!)

男「魔法使い!」ダンッ


バキャッ

男は素早く木刀を抜き、腐ったしたい両腕を砕いた。

腐ったしたい「・あーッッ!?」

魔法使い「あ、ありがとうございます!」


男「ううん!こいつらを倒そう!」ザッ
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:20:19.47 ID:kpmsJ2TiO

腐ったしたい「・ああ!!」


魔法使い「はい!」


男(腐ったしたいは今やったやつも含めて…6体か!)

男(手前のやつから倒す!)


腐ったしたい「・あッ!」

男「ふっ!」サッ

腐ったしたいのひっかき攻撃を寸前でかわす。


男(結構速いしリーチも長いけど、よけられる!)

男「おらあ!」

ズバァッッ


魔法使い「はぁぁああ…!」コォオオオオ

魔法使い(腐ったしたいはなかなかタフな魔物。小魔法じゃ倒し切れない…!)


魔法使い「くっ…!」ヒュパッ


腐ったしたい「・あッ!」

腐ったしたいは魔法を受けながら突進してくる。

魔法使い「土魔法・小!」ドゴゴッ


腐ったしたい「・ああああ!」


魔法使い「はぁ…はぁ…!」(もっと素早く中魔法を使えるようにならないと…!)
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:21:02.45 ID:kpmsJ2TiO


男は上手くかわしながら木刀を叩き込み、魔法使いは小魔法をなんとか駆使して、腐ったしたいたちを倒し切った。


男「っはぁ…はぁ…これで全部かな?」


魔法使い「はい…恐らくは…はぁ…。」


男「なんだかんだで10体くらい出てきたね。」


魔法使い「まさか腐ったしたいが農場を荒らしていたとは…。」

男「隣が墓地だったんだね。」


魔法使い「男様、怪我などは大丈夫ですか?」

男「あぁ、ほとんど喰らわずに済んだから大丈夫だよ。魔法使いは?」


魔法使い「私も大丈夫です。ただ…。」

魔法使い「眠気が……。」


男「あ、結構時間が経ってるもんね、明日になったら依頼者さんに報告するから、それまでゆっくりと休んで。」

魔法使い「すみません…ありがとう…ございます…zzz。」


男「…相変わらず早いなぁ。」



武闘家「…。」
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:21:49.60 ID:kpmsJ2TiO

翌朝


依頼者「まさか腐ったしたいだったなんてなあ。」

魔法使い「隣の墓地から来ていたようです。」


依頼者「全く予想がつかなかったよ。解決してくれて本当に助かった。」

依頼者「最初に変な態度を取ってすまないね。これで安心して眠れる。報酬の500Gだ。」

ジャラ

男「ありがとうございます!」


依頼者「それと、これは気持ちだ。」

ゴト

依頼者の出したお皿には美味しそうな果物が綺麗に切り分けられて並べられている。


依頼者「守ってくれた果物が食べて欲しいとさ。」フフフ


魔法使い「わぁー!いいんですか?!」


依頼者「ぜひ食べてくれ。」


男・魔法使い「いただきまーす!」

309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:22:40.02 ID:kpmsJ2TiO

港町 大通り


男「最後はいい人だったねー。」

魔法使い「はい。きっと果物を荒らされていてナーバスになっていたのでしょう。」

魔法使い「しかし、腐ったしたいの気持ちも少しわかってしまいますね…。」

男「うん…あんなに美味い果物たべたことがなかったよ。」


男「売ってたら買おうかなあ。」


魔法使い「いいですねえ。」



「おい。」


男「ん?」

後ろから呼ばれ、振り向く。


男「!」

男「お前は…。」


武闘家「…よぉ。」

男「一昨日のチンピラ…。何のようだ?」

魔法使い「…。」コォオオオオ


武闘家「まあ待ってくれや。こないだは…悪かったよ。今はなにもしねえ。その構えてる手を下げてくれねぇか?」
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:23:34.94 ID:kpmsJ2TiO

魔法使い「…分かりました。」スッ


男「一昨日の続きかと思ったけど…違うのか?」


武闘家「……腐ったしたいとの戦い、見てたぜ。」

男「!。お前、あの辺にいたんだ。」

武闘家「あぁ。お前ら、なかなかやるな。」


男「そりゃどうも。お前も1人で依頼をこなしてるらしいね。」


武闘家「ちっ…マスターか…。」

武闘家「…。」


武闘家「まあ聞いただろうけどよ、俺はこの街じゃあんまりよく思われてねえ。」


男「…。」


武闘家「依頼も受けさせてもらえねえことだってある。ガキだし親がいねえからな。そんなやつよりいい奴はたくさんいるってよ。」


男「…俺たちになにかようがあるのか?」


武闘家「……手伝って欲しいことがある。」
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:24:25.35 ID:kpmsJ2TiO

男「…え?」


武闘家「どうしてもクリアしたい依頼があるんだ。」

武闘家「その依頼はなかなか難しい依頼でよ。俺1人じゃ受けさせてもらえねえんだ。」


魔法使い「その依頼の人数合わせに来てくれと?」


武闘家「いや、そんな嫌味な理由じゃねえ。お前らの腕を見て、頼みたいと思ったんだ。誰でもってわけじゃない。」


男「…。」(なんか認められてるみたいで嬉しいな。)


魔法使い「男様…どうしますか?」

魔法使い「彼は1人で依頼をこなしてしまうくらいですし、実力はありそうです。協力して依頼を受けるのも悪くは…。」


男「…うん。」

男「依頼の内容を聞かせてくれないか?」
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:24:58.84 ID:kpmsJ2TiO

武闘家「ありがとうよ。興味を持ってくれただけでもありがてえ。」


武闘家「依頼の内容だけどな……。ある鍛治職人の依頼でよ。報酬は6000Gだ。」


男「6000G!?」

魔法使い「破格の報酬ですね…!!」


武闘家「内容も破格だぜ……。」


武闘家「【森の奥に最近住み着いた、ドラゴンの討伐】だ。」
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/14(火) 03:27:10.69 ID:kpmsJ2TiO

ここで中断します!

淡々と、なってきているのでなるべく次からは起承転結を考えていきたいと思います。

314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/14(火) 10:48:06.98 ID:hTL1tOAeO
いやあ、ドラゴンはまだ厳しくないか?
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/14(火) 12:32:37.04 ID:D2v2djGG0
武道家ができない依頼だったらドラゴンしかなかったんじゃないか?

中級のドラゴンみたいなの。
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/14(火) 20:50:42.76 ID:0hVxo7YRO

wktkする
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/15(水) 12:10:20.37 ID:Uuxqhy48O

コメントありがとうございます。
少しだけ投稿します!


318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/15(水) 12:11:00.47 ID:Uuxqhy48O

男・魔法使い「ドッ、ドラゴン!?」


男(まさかあのドラゴンか?!)


魔法使い「ドラゴンといえば竜族ですよ!?生態系の頂点に君臨している種族です!」


男「そんなに強い位置づけなのかドラゴンは。」


魔法使い「はい。旅立ってすぐの私たちにはとても無理ですよ…。」


武闘家「まあそう言うだろうと思ったぜ。」

武闘家「ドラゴンは中級クラスの冒険者でも厄介なレベルの相手だからな…。」


魔法使い「…正直、魔法も中級では通るかどうか…。」
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/15(水) 12:11:39.40 ID:Uuxqhy48O


武闘家「ああ。奴の鱗は硬い。腹や首はそこまで硬くないが、奴もそこはきっちり守ってくる。鋭い爪と牙、巨大な尻尾、そして口からは火炎。一つ一つが人間にとっては必殺の威力だ。」


男「まだスライムと腐ったしたいしか戦ったことのない俺が太刀打ち出来る相手じゃない!本当に死んじまう…。」


男「だいたい武闘家はなんでドラゴンを倒したいんだ?そんな危険な依頼、やる必要ないだろ?」


武闘家「……。」


魔法使い「なにか特別な理由があるのですか?」


武闘家「…ちょっと深い話になる。店に入らねーか?」


男「…わかった。」
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/15(水) 12:12:14.59 ID:Uuxqhy48O

酒場


3人は丸いテーブルを囲った。


武闘家「マスターから聞いてると思うけどよ、俺は独りだ。」

武闘家「魔王との戦争で父さんも母さんもやられちまってよ。」


魔法使い「…。」


武闘家「こうみえても、両親がいた頃は大人しいほうだったんだ。家で母さんの手伝いをしてるのが好きだったくらい。」


武闘家「父さんは冒険者でな。そこまで強い冒険者じゃなかったけど、この港町では頼りにされてたんだ。」

武闘家「さまようよろいや一角うさぎ、エビルシードにきりかぶおばけ、色んな魔物と戦ったことを話してくれた。俺はそんな父さんを誇りに思ってたぜ。」


武闘家「でも…魔王の軍勢ってやつは、そんな甘いもんじゃなかった。」


武闘家「ある魔物が俺の家にきて、父さんも母さんも一瞬で消し去られたよ。」


魔法使い「け、消し去られた?!」


武闘家「あぁ。俺の目の前でな。」


武闘家「実力差がありすぎたんだ。そんだけ絶望的な力だった。」

武闘家「俺は奇跡的に助かって、この街の孤児院に入れられたけど、おれはそこを飛び出した。」
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/15(水) 12:12:56.42 ID:Uuxqhy48O

武闘家「強くなるために。」


武闘家「強くなってその父さんを殺した魔物を殺すためにな。」


武闘家「それが1年ほど前のことだ。」


武闘家「それからは我流でひたすら特訓して、依頼を受けての繰り返しだ。」


男「そんな背景があったのか…。」


武闘家「世界は魔王討伐によって一見平和になったように見えてるけど、そんなことはない!」ギリッ

武闘家「両親を失い孤児院に流される子供や、パートナーが死んで職にありつけず娼館で働く女、戦争していた頃の記憶のフラッシュバックに悩まされ続ける兵士。そんなやつばかりだ。光の影で助けを受けられず苦しんでる。そんな奴らをこの街でたくさんみてきた。」

武闘家「戦争は終わっても不幸な奴らは不幸なままだ…。」
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/15(水) 12:13:38.01 ID:Uuxqhy48O

武闘家「俺は世界を救うなんて大それたことは言えねえけど、そういう奴らがいるってことはちゃんと知ってるつもりだ。知らない奴らにはどうでもいいことかもしれねえけどよ。」


男「…この賑やかな港町でそんなことがあったなんて。」(本当にどこの世界でも同じなんだな…。てかこいつどんだけしっかりしてるんだよ。)


武闘家「なんでドラゴンなのかってのは、父さんが目標にしてた魔物だからなんだ。いつかドラゴンを狩って皆を驚かせてやる!ってな。」


魔法使い「そ、そういうことだったんですね……。」グスン


武闘家「おっ、おい!泣くなよお前!」

魔法使い「いえ…ただのチンピラだと思っていてしまって申し訳ないです…。」グズッ


武闘家「いや、チンピラは間違ってないし、こないだは俺が悪りぃ…。すまん。」


武闘家「…この依頼に手を貸してくれねえか?昨日今日の出会いで失礼なことも分かってるんだが…この街ではもう頼れるやつがいねえ!自業自得なのも分かってる!報酬はお前らが多めにもらっていい!だから頼む!」


男「…どうする魔法使い?」


魔法使い「私は…手伝っても…いいと思います。」

魔法使い「武闘家様1人では無理ですし、私と男様の力を合わせればあるいは…。」


男「俺も…手伝いたい。」

男「ドラゴンに勝てるかは分からないけど、武闘家が困ってるなら見過ごせない。」


武闘家「お、お前ら…!」


武闘家「すまねえ、恩に着るッッ!」


武闘家は頭を下げて男と魔法使いに礼を言った。
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/15(水) 12:16:31.96 ID:Uuxqhy48O

ここで中断します!

また夜に更新します
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/15(水) 12:37:24.54 ID:BiwYs0qWO
乙!
ドラゴンを倒せるかどうか心配だ
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/15(水) 14:36:11.17 ID:O0Tp855t0
乙、

中級ぐらいだと思ってた…、明らか序盤の敵じゃねえわぁ…。
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/15(水) 16:00:21.57 ID:O0Tp855t0

http://t-walker.jp/mugefan/html/ivent/ivent87/iv87_img/iv87_cut04.jpg

上級ドラゴン「ググ、カパッ、ゴォォォ…。」ボォォォォォォォォ…

俺の上級ドラゴンの理想図↑
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/15(水) 17:49:17.88 ID:iLD+g/G4O
乙乙
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/15(水) 21:13:17.23 ID:O0Tp855t0
中級↓
http://livedoor.blogimg.jp/mh4tyousokuhou/imgs/f/a/faea00f8.jpg

リオレイア「ガオー」ヒュュュュュュュュュュゥ
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/15(水) 21:22:02.66 ID:/BKabpigo
そういうのいいです
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/15(水) 22:10:06.15 ID:Uuxqhy48O

すみません、今日の更新が出来るか微妙なところです…。

展開を考えるのがなかなか難しく…。


魔物は基本的にドラクエから借りてきていますので、ドラゴンはあの緑色の背中をしたドラゴンをイメージして貰えるとストーリーがぴったりくると思います。

コメントありがとうございます!
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/15(水) 22:27:13.28 ID:aohREETgO
それラストダンジョンの敵やん
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/15(水) 22:54:04.79 ID:CV643DgOo
やS糞
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/15(水) 23:15:32.35 ID:q+2lj1zMo
小さくてもドラゴンだし!
トカゲじゃないもん!
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 01:52:05.31 ID:0y/PEommO

少しだけ投稿します
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 01:52:49.68 ID:0y/PEommO


男「でも少し条件というか、その依頼をやる前のお願いがあるんだ。」

魔法使い「?。なんですか男様、お願いというのは。」


武闘家「なんでも言ってくれ。」


男「魔法使いもほしいと思うんだけど…。」

男「修行をする期間が欲しい!そのドラゴンの依頼が引き伸ばしに出来るギリギリで。」

男「ドラゴンとやるなら、もう少し、付け焼き刃だとしても強くなりたいんだ。」
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 01:53:22.54 ID:0y/PEommO


武闘家「もちろんそれは大丈夫だ!」

武闘家「でも引き伸ばせるのは多く見ても2週間くらいだと思う。それでもいいか?」


男「ああ!魔法使いはどう?」


魔法使い「大丈夫です!ドラゴンと戦う作戦も考えられますし、必要な時間だと思います。」

男(今のままじゃマジで死んじまうかもしれないからな…。やれることをさがさねえと…。)


武闘家「分かった。じゃあ2週間後に出発だ。鍛冶屋には俺が話を付けにいく。」

武闘家「諸々の予定をお前らに伝えたいから、明日の夜、また酒場にきてくれ!」



男「了解!」
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 01:54:02.54 ID:0y/PEommO


3人は酒場で解散し、男と魔法使いは野営のために、街から少し外れた林に来ていた。


男「武闘家…あんな過去があったんだね。」


魔法使い「はい…。戦争というのはとても残酷なものです。」

魔法使い「武闘家様は少々気が荒いですが、本当の部分は好い人な気がしますね。」


男「無理してきたんだろうなあ…。」


男「そういえば魔法使いは竜族と戦ったことある?」


魔法使い「お師匠様に連れられて1度だけありますが……あのときはお師匠様が守ってくださっていたので戦ったという感じではないかもしれません…。」


男「そのとき、魔女さんはどうやってドラゴンを倒したの?」


魔法使い「水魔法で一発だったと思います。濁流を呼び寄せてそのまま押しつぶしてました。」
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 01:54:39.79 ID:0y/PEommO


男「おぉ…。やっぱり凄いね。」(規格外の強さしてるな。参考にならん。)

男(現実だと魔法にも物理にも強い設定だったからなあ。テ・・ーのワンダーランドでひのいきにかなり苦労させられたのを覚えてる…。)

男(俺はまだ魔法も使えないし…まず木刀が通るのかな…。)


男「まあ……明日の武闘家の話を聞かなきゃなにも分からないか!」


魔法使い「今日はもう寝ますか?」


男「寝ようかあ。 また俺が先に寝るから交代になったら起こしてね。」


魔法使い「はい!」

339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 01:55:15.31 ID:0y/PEommO

翌日 酒場



武闘家「これが、契約書と内容だ。」ス


男「ありがとう。」

【東の森に住み着いたドラゴンを討伐し、その牙を証として鍛冶屋に納品する。報酬は6000G。】

魔法使い「改めて見ても凄い報酬ですね…。」


武闘家「待てるのはもって15日。森の奥まで行くのに1日、往復で2日、戦闘に1日だとして、つまりここに残れるのはあと12日だ。」

武闘家「ドラゴンは普通のドラゴンらしい。グレイトドラゴンやダースドラゴンではないようだ。」
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 01:55:52.53 ID:0y/PEommO

男「12日か。それなら色々と修行できるね。」

魔法使い「そうですね。」

魔法使い「武闘家様はなにかドラゴンの弱点をきいておりますか?」


武闘家「い、いや、特には分からねえ。なにせ戦うのは俺も初めてだからな。」アセッ

男「…こないだも思ったんだけど、武闘家って…女の子苦手なのか?」


武闘家「はぁ?!な、なにいってやがる!」


男「めっちゃ目が泳いでるよ。」


魔法使い「確かに私と話すときは目を向けてくれませんね…。」
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 01:56:27.66 ID:0y/PEommO

武闘家「いや!別になんてことはねえ!気のせいだ気のせい!別に女の子と触れ合う機会がすくねぇからとかじゃねえからな!!」


男「わかりやすっ!!」

魔法使い「私で良ければ練習に。」ニコ


武闘家「い、いい!気持ちだけ受け取っとく!」アセッ

武闘家「てかお前ら修行する場所は決めてんのか?!この辺は広いぞー!」


男「いや、まだだけど…。」


武闘家「じゃあ俺がいつも修行してるところを案内してやるよ!そこは魔物も少し出るが、危険もすくねぇ。修行にはぴったりだ。」


男「おお!じゃあ頼むよ!」

武闘家「明日からやるからな!」


魔法使い「はいっ!」
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 01:57:05.49 ID:0y/PEommO

翌日

武闘家オススメの修行場所は、少し森に入ったところで、人里からはかなり離れている。

木々の隙間から光が零れているが、全体的に陰の雰囲気だ。


男「ここかあ。空気が美味いなー!」スウッ


武闘家「いいところだろ?気持ちも落ち着かせられるし、集中しやすいんだ。」

魔法使い「瞑想がはかどりそうです!」


武闘家「うし…じゃあ早速だけど、男、組手やってみねえか?」
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 01:57:37.64 ID:0y/PEommO

男「く、組手?!武闘家と俺がか?!」


武闘家「おう!木刀使っていいからよ。お前らも俺の実力を把握しておいたほうが共闘しやすいだろ?」グッ、グッ

武闘家はやる気満々で屈伸運動をしている。


男「まあそうだけど…人に木刀振りかざすのは…。」


武闘家「怪我しても気にするな!薬草もあるし俺もそんな弱くねえ!」

武闘家「そんかわり、俺も手加減しないからな。」


男「まじかよ…。…わかった!」

男「やってみよう!」
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 01:58:14.87 ID:0y/PEommO

魔法使いを真ん中に距離を置く2人。

男は木刀を正眼の構えにおき、武闘家は腰を低く沈め空手のような構えをとっている。


男「ふーっ…。」(こないだ見た限りだと武闘家は素早さが飛び抜けてる感じだ…。体格は同じくらい…。スピードは確実に俺よりも速い。)

男(でも木刀をよけきるのは難しいはず。リーチでは勝ってるんだ、近寄らせ過ぎるな!)


魔法使い「では…はじめ!」


武闘家「しゃぁぁああ!!」ダンッ

合図とともに走り出す武闘家。


男「!」(速い!)


武闘家「ふっ!」タンッ

男(上に飛んだ?!)
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 01:58:49.04 ID:0y/PEommO

武闘家「おらぁ!!」ブン

武闘家の勢いをつけた廻し蹴り。

男「ふん!」ガッ

男はそれを木刀の柄の部分で受けた。


男(っし!反撃に…!)

男「!!」

武闘家「らあ!」

男(やべえ!懐にはいってきやがった!)

武闘家は着地してすぐ、男の懐へダッシュ、男も距離を置こうとするが、武闘家の追い脚のほうが僅かに速い。


武闘家「シャオラァ!!」ブン

男「うっ!」ヂッ

武闘家の拳が男の顔を掠める。


男(ダメだ武闘家の距離になってる!大きく飛び出さないと!)

ダンッ

武闘家「!!」(避けやがったか!)
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 01:59:41.40 ID:0y/PEommO

ズザッ

男「ふぅ…ふぅ…。」

男(あぶねぇ…あのままじゃボコられるとこだった。なんとか抜けられた。)


武闘家「かわすのうめえな、男。」


男「武闘家もやっぱり速いね。危なかった。」


武闘家「まだ…本気じゃねえぜ!」ダダッ

男(きた!間合いを保つんだ!)


ジャッ

武闘家は男の右側に回る。

先刻のようには突っ込んでこない。


男(…こっちから行くか!)

男「はぁあ!」ダンッ

武闘家「!」(きやがったな!)


男「ふん!」ブンッ

男の横一文字の一閃。

武闘家「ふっ」サッ

武闘家はスウェーバックでかわす。


男「くっ!」(次!)スパッ

切り返して袈裟斬り。


武闘家「ほっ!」サッ

男(!!)

武闘家「おら!」ブン

ドカァ!

武闘家の直突きが男にクリーンヒットした。


男「ぐふっ…ぅう!!」(い、いってえ!!)

武闘家「はいったな今のは。」シュウウ


男「ぐぅ…ッ…。」(こんなに避けられるなんて…俺が遅過ぎるのか!?)


武闘家「…なるほどな。」


男「ま、まだまだぁ!」ダンッ
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 02:00:49.12 ID:0y/PEommO

それから男の攻撃はほとんど避けられ、男も武闘家の攻撃をかわし続けるも、5発に1発は食らってしまっていた。


男「はぁ…!はぁ…!くそっ…!」(なんでこんなに当たらないんだ!?武闘家も確かに速いけど、俺だって攻撃をかわせてる。でも俺の攻撃は掠りもしない…!)


武闘家「はぁ…はぁ…。この辺にしとくか?」


男「…はぁ…はぁ…うん。ちょっと休憩しよう。」


魔法使い「お疲れ様です!いやぁ、2人ともかわすのが上手いので見ていてハラハラしましたよ。」

魔法使い「これ、美味しい水です。」スッ


武闘家「さ、サンキュ…。」テレッ


男「ありがとう…。」

男「武闘家…俺の攻撃って…そんなに見え透いてる感じだった?」


武闘家「ん?あぁ…。」

武闘家「我流の俺が言うのもなんだけど…。」

武闘家「お前、交わすのは上手いんだけど、攻撃が下手なんだよ。」


男「え?」(攻撃が下手?)


武闘家「ダメージを受けないようにって踏み込みが浅くなってる。確かに魔物の攻撃は1発がデカイから、深入りすんのは良くないけどよ、男はもうちょい踏み込んでもいいんじゃねえか?」


男「そ、そうだったのか…踏み込み切れてなかったのか…。」

男(確かに勇者に言われてどうしても交わすこと重視の戦い方になってるかもしれない…!)

男(魔物相手ならそれでいいけど、武闘家とか手の速いサイズの似た相手のときは戦法を変えないといけないのか!)


男(勇者も人間との戦闘は想定しないって言ってたもんな。)


武闘家「なんか掴んだ感じか?」

男「…あぁ!武闘家、もう一度組手頼むよ!」

武闘家「おう!」

魔法使い「私は少し離れたところで瞑想をしていますね!」


こうして武闘家との修行が始まった。
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 02:01:27.81 ID:0y/PEommO

とある洞窟。


「へえ。」


「ここに勇者たちが向かってるんだ。」


「ハイ。情報に寄りますと、ウエスト王国に集まりつつあるようです。」


「どこから嗅ぎつけたんだか…。」


「おそらく賢者と呼ばれる者が詮索して回っていたと思われます。」


「あのおチビさんかあ…。最近少し動きすぎたのかも。」


「…まだ兵は集めるな。」


「はっ。」


「同志たちもまだ動くつもりはなさそうだし、ここで勝手をするのも受けがよくない。」



「魔王様の復活はド派手にいかないとね。」

349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/16(木) 02:06:39.81 ID:0y/PEommO
ここで中断します。
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/16(木) 06:39:42.79 ID:Q5peC8+JO
>>348
バギー先輩、ちっす
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/16(木) 07:28:06.10 ID:OfiHHnbZO
ここにいるぜ!
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/16(木) 13:04:07.06 ID:9xjMO7tB0
乙、

>>351、 つ[sage]
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:25:08.98 ID:+EM1L+3hO
少し更新します
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:27:28.27 ID:+EM1L+3hO


3人での修行が開始されてから7日が経過した。


魔法使い「はぁぁあ!」コォオオオ


武闘家「おっ!」


魔法使い「土魔法・中ッ!」ドゴゴゴッッ


武闘家「くっ!すげえ威力だな!!」


タタタッ


魔法使い「土魔法・小!」

ズガァ

武闘家(魔法を足場に距離を開けるつもりか!)


魔法使い「…土よ、大地よ…!」コォオオオ


武闘家「やばい!!」

ダンッ

武闘家「やらせるかぁ!!」


魔法使い「上級土魔法!崩!」ドゴゴゴ…


武闘家「!?」(でけえ岩が…持ち上がって…?!)


バガァァンン!!

武闘家「うぉおおお!!」


ガラガラッ…ズゴォン……
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:30:09.77 ID:+EM1L+3hO

魔法使い「はぁ…はぁ…。ちょっと…やりすぎちゃいましたか…?」


ガラッ、ゴトン

武闘家「ぐッ…!すげえな…。」パラパラ


魔法使い「武闘家様!大丈夫ですか!?」タタタッ


武闘家「な、なんとか直撃してねえから平気だ!」


男「上級魔法ってあんなに威力があるのか。」


魔法使い「詠唱が長くなってしまうのと、消耗が激しいのであまり使えませんけどね。」


武闘家「これならドラゴン相手にも効きそうだな…。」


魔法使い「効くかもしれませんが…私の上級土魔法は速度にかけるのでよけられてしまう可能性が高いです…。」


男「俺と武闘家で足止めしないとだね。」


武闘家「無理すれば出来るかもな。でも一歩間違えば死ぬ危険がある。」


男(死ぬ…のはやだな。)

男「どうするかぁ…。」
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:31:19.39 ID:+EM1L+3hO

ゴソッ


魔法使い「!」

魔法使い「今…私たちの荷物から音がしませんでしたか…?」


武闘家「俺には聞こえなかったな。」


魔法使い「…。」

男「…魔物か?」


魔法使い「風魔法…。」コォオオオ


魔法使い「翔!」フワァ

荷物が持ち上がる。


「うおっ!!!」

「なんやねん!!体が浮いてる?!」


男「!!」

武闘家「音の正体はこいつか…。」


ボトリ


ぶちスライム「いてっ!なんやねん急に落とすなやコラ!」

魔法使い「ぶちスライムだったんですねぇ。」


黄色いからだに黒のぶち模様のスライムが男たちに向かってしゃべっている。


ぶちスライム「ただのぶちスライムやあらへんぞ!ここらの主、ぶっち様や!!」
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:32:24.59 ID:+EM1L+3hO

男「なんでこいつ喋れるんだ?!」

魔法使い「結構喋れる魔物というのは多いんですよ。愛玩動物として飼われる魔物もいますし。」

魔法使い「おいで〜。」


ぶっち「なめんなや娘っ子!そう簡単にぶっち様が人間に捕まるとでも…ぎゃあ!!」

武闘家「コソ泥の分際で偉そうだなあ、あぁん?!」

武闘家に片手で持ち上げられるぶっち。


ぶっち「はっ、離せや〜!」ドタバタ

魔法使い「あっ、可哀想ですよ!武闘家様!」


ぶっち「お!娘っ子ええで!わいを助けてや〜!」

武闘家「調子にのんなよこら!」

ぶっち「ひっ!」


魔法使い「まあまあ、離してあげましょうよ。見たところ無害な魔物のようですし。」


武闘家「いや、盗みを働こうとしてたぞ…。」

男(なんでこいつ喋れる上に関西弁なんだよ…。まあ2人は馴染みないんだろうから言わないけど…。)


タッ

ぶっち「娘っ子お前ええ奴やなあ!」スリスリ

ぶっちは離されるとすぐに魔法使いに擦り寄った。


魔法使い「あら、ふふっ。」
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:34:01.36 ID:+EM1L+3hO

武闘家「…。」ビキビキ

男「ぶ、武闘家?」

武闘家「あいつ絶対変態だぞ男…。」ビキビキ


魔法使い「なんで私たちの荷物をとろうとしたの?」


ぶっち「別に盗もうとしたんやあらへんで?ちょっと食べもん借りよかなぁ思うただけで。」


武闘家「食べ物借りるってなんだよ!」ビシッ

魔法使い「まあまあ。」アセッ


ぶっち「おー、怖い怖い。気性の荒いやっちゃで。」


武闘家「」ビキビキビキ


ぶっち「てかお前らが悪いんやぞ!」

魔法使い「えっ?」


ぶっち「わいはこの辺で慎ましく生活しとったのに、最近ドッタンバッタンうるさくてかなわんわ!軽く地形も変わっとるし!」


魔法使い「あっ…そういうことだったんですね。申し訳ないことをしました…。」


ぶっち「この森であんまり騒ぐと噂のドラゴンが出てくるんや。静かにしたってや。」
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:35:40.17 ID:+EM1L+3hO

男「ドラゴンが出てくるのか?!」


ぶっち「なんや、知らんのか。ちょっと前にここに来て威張り出してるんや。そのせいで森の深くには皆住めんくなってな、浅い人間の里の近いところで生活しとるんや。」


ぶっち「こないだなんかグリズリー夫妻がボコボコにやられてよお、住処をうつしとったわ。」


男「グリズリーもやられるのか…。やっぱり強いんだな。」

魔法使い「グリズリーも弱い魔物ではないですよね…。」


武闘家「ドラゴンは今も森の奥深くにいるのか?」

ぶっち「おるで〜。ここが気に入ったようやな、迷惑このうえないわ。」


ぶっち「……お前ら、まさかドラゴンを狩るつもりなんか?」


武闘家「だったらなんだよ?」


ぶっち「やめとけや。さっきの見とったけど、お前らまだ駆け出しの冒険者やろ?娘っ子はまあまあやるようやけど…。」

ぶっち「きりかぶおばけやベビーサタンとは訳が違うんやで。」


武闘家「…んなことはわかってんだよ。だけどな、俺はやらないわけにはいかねえんだ。」


武闘家「こんないいタイミング、逃せねえ。」ギリ


ぶっち「…ほーん。死にに行くようなもんや。お疲れさん。」


武闘家「こいつ…!」ビキビキ

男「…武闘家。ちょっと提案があるんだけど…。」


武闘家「ん?なんだ?」
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:37:35.61 ID:+EM1L+3hO

男「このぶっち?ってやつは森に詳しそうだよな。こいつに森を案内してもらって、1度ドラゴンの視察に行かないか?」ヒソヒソ

武闘家「あ?!こいつにか?!」


ぶっち「なんや、コソコソしよって!ビビットんか?!」


武闘家「…。」ビキビキ

男「まあまあ。討伐のときに初顔合わせじゃすくんじまうかもしれない。」

男「どうだ?」


武闘家「まぁ…。悪くねえな。」


男「なあ、ぶっち。お願いがあるんだけど…。」

ぶっち「なんや?あんたはなんか大人しいなぁ。」


男「ドラゴンのところまで連れて行ってくれないか?戦う前にドラゴンを見ておきたいんだ。ばれないように。」


ぶっち「はぁ!?なにをいうてんねん!?」


魔法使い「偵察…ということですか?」


男「うん。1度は見ておいたほうがいいかなって。」


ぶっち「あほか!ドラゴンは勘も鋭いんやぞ?!見つかったら全員焼き殺されるか食われてまうわ!そんなんだれが付き合うかい!」


武闘家「お前のことは守ってやる!心配すんな!」

ぶっち「お前らなんかに守れるかい!」


男「頼む!俺らだけじゃ危険だと思うんだ!」


ぶっち「無理や!」


魔法使い「ぶち様お願いします!」


ぶっち「い、いや、娘っ子の願いでも無理なものは…!」
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:38:57.25 ID:+EM1L+3hO

魔法使い「食べ物なんでもあげますから!」


ぶっち「な、なんでも…!?」ゴクリ


武闘家(お、揺らいだな?)


魔法使い「なにか食べたいものがあるんですか?」

ぶっち「…。」


ぶっち「お前ら、水あめっちゅうもんを知ってるか?」


武闘家「水あめ?あのお菓子屋に売ってるやつか?」


ぶっち「それや!…あれが食いたいんや。」


魔法使い「それなら買ってあげられますよ!」


ぶっち「でも…ドラゴン…。」(あんなん…ぶちスライムの手に終えるやつやあらへんで…。)


ぶっち「…絶対わいがいるときには戦わないと約束できるか?」


ぶっち「もしお前らが見つかって、わいも見つかって、お前らが死んだら、わいは確実にドラゴンに追われてまう。」


男「…確かにそうなるか…。」


ぶっち「せや。だから絶対に案内だけで終わりにすると、約束してくれ。」


武闘家「約束する!てか負けねえしお前も守ってやるから大丈夫だ!」


魔法使い「はい!水あめもたくさん買っておきますよ!」


ぶっち「……。」

ぶっち「…しゃーないな。絶対水あめ寄越せよお前ら!!?絶対見つかるんやないで?!」


武闘家「任せとけ!」

魔法使い「ありがとうございますぶち様!」


ぶっち「色々確認することがある!3日後にまたここにくるから待っとけや!水あめ忘れたらあかんで!」
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:41:55.65 ID:+EM1L+3hO

3日後 森



ぶっち「ようお前ら。」ピョンピョン


武闘家「おお…きたか。」

男「今日はありがとうな、ぶっち。」


ぶっち「ふん。わいは約束は守るスライムや。」


魔法使い「これ、水あめ買って持ってきましたよ〜。」スッ

魔法使いは荷物からツボを取り出した。


ぶっち「おおお〜!これやこれー!」

早速ツボにかぶりつくぶっち。


ぶっち「…。」ペロペロ


魔法使い「すごい食いつきですね…。」


ぶっち「ぶふう。やっぱりこいつは美味すぎるで〜!!」


武闘家「人間の食いもんは魔物にとってうめえのか?」


ぶっち「いや、美味いのはこの水あめだけや。パンやら干し肉やらは好かん。」


男「面白いなぁ。」


ぶっち「魔物が街降りて買い物なんて出来へんからなあ。前に冒険者からくすねたこの味が忘れられんくてよお。」ペロペロ


武闘家「てめえ前から盗みやってたんじゃねえか!」


ぶっち「ま、まあまあ落ち着けや。今日はしっかり案内したる!」


ぶっち「水あめの恩も返さなあかんからな!」


ピョンピョン

ぶっちは水あめを食べ切ると、軽快に跳ね出した。


男「そっちなのか?」

ぶっち「おう!ついてこいや!」
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:43:54.96 ID:+EM1L+3hO

しばらくぶっちについていく。

森はどんどん暗くなっていき、樹々の高さはてっぺんがよく見えないほどの高いだ。

光がほとんど入らなくなったところで、ぶっちは止まった。


ぶっち「……ふぅ。」

ぶっち「そろそろ…ドラゴンの警戒区域にはいるで。」


男「…わかった。」(なんとなく…空気がピリピリしてるのが伝わってくる…!)


慎重に脚を進める3人。



ぶっち「ストップや!」ヒソヒソ


武闘家「!。どした?」


ぶっち「…ドラゴンの住処が見えてるんやけど…こいつは予想外やで…。」


魔法使い「なにかあったのですか?!」ヒソヒソ


ぶっち「……じんめんじゅがドラゴンにケンカ売っとる。」


武闘家「な?!まじでか?!」

ぶっち「まじや…。あのじんめんじゅはこの辺に住んでてな、ちょいケンカっ早いねん。我慢してたようやったけど…とうとうやりよった。」


ぶっちの視線の先ではドラゴンとじんめんじゅが睨み合っている。
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:45:21.86 ID:+EM1L+3hO

ドラゴン「グルルル…。」


じんめんじゅ「キェ!キェーー!」


2匹の大きさはほぼ同じくらい。
高さはじんめんじゅのほうがあるが、ドラゴンは幅がある。

消防車ほどのデカさだ。



男「で、でっけえ…!!」(なんだよこの大きさ!現実でこんなにでっかい生き物見たことねえ!!)

武闘家「…!!」ゴクリ


ぶっち「…あかん始まる。」



じんめんじゅ「キェーーッ!」ジュババッ

じんめんじゅはドラゴン向かって勢い良く枝を数本伸ばした。


ドラゴン「ガルァ!!」

ダンッッ

それに対しドラゴンは、枝の攻撃が当たることなど気に留めずじんめんじゅへ突進した。


バギャバギバギャッッ

じんめんじゅ「キェ!?」


ドラゴン「ガルルルルッッ!!」

ズガァァァアアンンンッッッッ


ドラゴンの突進がじんめんじゅを押し倒す。


ズズゥゥウウン

男(う、うお!地震が…!)

魔法使い(すごいパワーですね…!)


じんめんじゅ「キェー!」

じんめんじゅがもがくが、ドラゴンは鋭い爪で押さえつけた。


ドラゴン「グァァァアア!!」ビリビリ

窓ガラスがこの場にあれば割れていてもおかしくはないほどの咆哮。
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:46:10.83 ID:+EM1L+3hO

ぶっち「!!!あかん!」

武闘家「あ?!どした?」


ぶっち「火炎を吐くつもりや!被害を食らう前に逃げるで!!」ダッ


男「マジでかよ!?」ダダッ


カァァァアアッ

ドラゴンの喉の奥が赤く光り始める。


じんめんじゅ「キッ、キェ!キェーーッ!」ジタバタ


ドラゴン「ガルァァァァアアア!」ゴォオオオオオオオ


ドラゴンの口から火炎が吐かれ、辺りが一気に明るくなる。

じんめんじゅは至近距離で火炎をくらい、消し炭になってしまった。


武闘家「や、やべえな…。」(すげえ…さすがは竜族…!)ダダッ



ドラゴン「グォオオオオオ!!」

366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:47:33.94 ID:+EM1L+3hO

森 修行場所



男「はぁ…はぁ…!つ、疲れた。」

魔法使い「かなり走り続けていましたからね…。離れてからは安心でしたが…。」


ぶっち「ふぅ…。分かったかお前ら?」

ぶっち「ドラゴンてのはあんなんやで?バケモンや。」


武闘家「…。」

男(武闘家…。)


ぶっち「ほんまに死ぬぞ。」


武闘家「いや…俺は…。」

武闘家「引けねえよ。2人はわかんねーけど…この平和な港町でドラゴンの討伐依頼があるなんてなかなかねえ。…確かにバケモンだったけど…。」

武闘家「怖いとか勝てそうにないとかで引きたくねえ。」ギリ


武闘家の表情は覚悟半分、諦め半分のような。


男「…。じゃあ俺も引かねえ!」


武闘家「お、おい!俺のことは気にすんなよ!」

武闘家「お人好しで命を落とすなんて…もったいねえよ。」


魔法使い「いえ、私も行きます!」

武闘家「は?!お前、ドラゴンの強さを見ただろ?」


魔法使い「はい…。やはり強そうでしたね。」

魔法使い「私たちがいても勝てるかどうかは微妙ですが…。」

魔法使い「武闘家様1人では確実に勝てない相手です。」
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:49:13.96 ID:+EM1L+3hO

男「お前、命捨てる気か?」

男「父親の夢に挑戦したってことだけで満足するつもりか?」


武闘家「…ち、ちげぇよ。そんなんじゃ…。」


武闘家「…いや。わかんねぇ。」

武闘家「命は大事にしてぇけど…ここで逃げるのも、お前らに迷惑をかけるのも、どっちも嫌なんだ…。」


男「…。」

魔法使い「…。」


武闘家「気持ちは嬉しいけどよ…。」


男「…じゃあこれはどうだ?」

男「俺たちはお前を手伝うから、武闘家は、これからの俺たちの冒険を手伝ってくれ。」


魔法使い「!。」


武闘家「は、はぁ?!この街を出て冒険に出ろってことか?!」

武闘家「最近出会ったんだぞ?!」


男「ああ!仲間になってくれ!」

男「いいよな?魔法使い!」

魔法使い「私はもちろんですよ!武闘家様はお強いですし、来ていただけたら心強いです!」


武闘家「い、いや…。そう言ってくれんのは嬉しいが…。」


男「父親も冒険者だったんだろ?それで父親のドラゴンをこれから倒すんだ。武闘家はもう冒険者みたいなもんだろ!」


ぶっち「なんやなんや、スカウトかい。」


武闘家「……いいのかよ?」

武闘家「マスターも言ってただろうけど、俺は問題児だぜ。ケンカっ早えしよ。」


男「俺は気にしない!」
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:50:31.51 ID:+EM1L+3hO

武闘家「…。」(…父さんが居たこの街を離れて冒険者になる…。)

武闘家(こいつらとは一週間くらいしか一緒に過ごしてねえけど…いい奴らなのはもう十分分かった。…でも…こうやって誘われてるのに俺を躊躇わせる理由ってなんなんだ…?)


武闘家(この街への未練か?冒険への怯えか?)

武闘家(多分…どっちも違うな。)


武闘家(父さんのせいにして、逃げてる部分がきっとあるんだ。父さんの夢にすがればいいやって…。)


武闘家(でもそれじゃダメなんだ。父さんの夢は父さんの夢…。父さんの仇なんていうチャチな理由は…俺の逃げ道で、そんなこと父さんは望んでないんだ。)


男「どうした?武闘家?」


武闘家(俺は俺の道を見つけねえと…。)


武闘家(ドラゴンも…その足がかりに過ぎないと思えばいいんだ。)


魔法使い「?」


武闘家(こいつらもいてくれるって言うしな…。俺だけの戦いじゃねえ。)

武闘家(…。)


武闘家「…まさか…こんなところで人生決めることになるとはな。」


男「ん?」


武闘家「…連れてけ!お前らのその旅に!」


男「お!いいのかよ!?」


武闘家「俺はめっちゃ迷惑かけるからな!覚悟しとけよ!」

武闘家「ドラゴンも絶対に討伐するからな!」


男「もちろんだ!」

魔法使い「よろしくお願いしますね!」


武闘家「よっしゃぁあ!燃えてきたぜ!」



武闘家が仲間になった!

369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 15:52:42.62 ID:+EM1L+3hO

ここで中断します!

展開があまりにも遅くなっている…。

あまり細かく書かず、テンポよくできるように努めたいどおもいます。


次の更新は少しあきそうでふ!
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/17(金) 17:20:00.51 ID:rblk456L0
乙でふ!
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/17(金) 18:43:54.44 ID://XOjMC0O

魔法使い上級も使えんのか
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/17(金) 19:28:55.89 ID:gt3EtuRx0
頑張って完走してくれ
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/17(金) 21:26:59.52 ID:6KiHQWtBO
まあ、あれだアドバイス程度に聞いてくれ。

会話文で

男「こんにちは。お久しぶりです。」



男「こんにちは。お久しぶりです」

って会話の最後には句読点は着ける事が常識だけど、SS速報では会話の最後には句読点は着けないことが主流になってる、ってことを言いたかった。

例えばレス番号367の魔法使いの

魔法使い「!。」

てのはちょっと違和感が有ったし、それをスルーして「!。」だけを見たら驚き→一旦落ち着く

の様なちょっとワンテンポ遅れる気がしたんだ。

別にこれを見て無理に直さなくてもいいけど、そういうのも踏まえて書いていったらもっと面白くなると思うよ。

長文失礼
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/18(土) 10:56:39.92 ID:koCVxdgTO
俺もそれは少しだけ違和感は有ったわ
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/18(土) 11:11:58.16 ID:WSIw7UJF0
>>373に同意
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/18(土) 12:52:23.55 ID:qJafBDbDO
なるほど…最後に句読点はつけないほうがいいんですね

これからはその方向でいきます!


377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/18(土) 14:51:31.21 ID:qMbjFxEqo
男「こんにちは。お久しぶりです。」
俺は読みやすくて好きだけどな

男「こんにちは。お久しぶりです!。」
の場合は
男「こんにちは。お久しぶりです!」ってのが好き
人によるんだろうが
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/18(土) 14:52:15.45 ID:qMbjFxEqo
男「こんにちは。お久しぶりです。」も俺は読みやすくて好きだけどな、でも
男「こんにちは。お久しぶりです!。」の場合は
男「こんにちは。お久しぶりです!」っていう方が好き
人によるんだろうが
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/18(土) 14:52:55.55 ID:qMbjFxEqo
二重投稿してしまった…
すまない
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/18(土) 20:29:21.66 ID:6F65vd+LO
55.55だから許す
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/18(土) 23:49:34.57 ID:X2mnfRWgO

投稿します
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/18(土) 23:50:20.37 ID:X2mnfRWgO
修行していた森


武闘家「さて…どうするか」


3人は3日後に迫っているドラゴン討伐に向けて作戦会議をしていた。


男「まあ…わかることは…」

男「俺と武闘家じゃ多分倒せないってことだな」


武闘家「確かに打撃じゃキツそうだな」


男「うん。魔法使いの魔法しかとどめはさせないと思う」


魔法使い「自信はありませんが…全力を尽くします!」


ぶっち「せやろな、木刀、拳、蹴りじゃ決め手にはならん」


武闘家「…おめーに言われるとむかつくな」


ぶっち「事実やろ?」

武闘家「てめえこのやろう!」


ポカポカポカポカポカポカ


男「どうやってドラゴンを足止めして、魔法使いの魔法を叩き込むか…」


魔法使い「上級魔法は貯めてから発動までの反応が大きいので、ドラゴンに気づかれてしまう可能性も高いです…」


男「足止めプラス気をそらさないとってことだね」
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/18(土) 23:51:09.95 ID:X2mnfRWgO

武闘家「ふう」

ぶっち「」


武闘家「俺が一つ案を思いついたぜ」

男「ん?」


武闘家「かなり危険で勝算も薄いが、うまく行けばドラゴンの動きを止められるかもしれない作戦だ」


魔法使い「それはどんな作戦ですか?!」


武闘家「ドラゴンの火炎を見て思いついたんだけどな、これはかなり危ねえから俺がやるつもりだ」


男「なんだよどんな作戦よ?!」


武闘家「それはな、」


………………………



男「…それ、マジで危険過ぎるだろ」


武闘家「だが成功すれば確実にドラゴンを倒せるぞ」


魔法使い「…武闘家様は本当によろしいのですか?」


武闘家「ああ。男よりも適任だと思うしな。それに、手順の中で男にもかなり危ねえ役割がある。皆が相当なリスクを冒すことになる作戦だ」


男「…普通にやるよりはいいか」


武闘家「いけるか?」


男「ああ。そのために残りの時間、修行しないとな」


魔法使い「私も水魔法の練習をしておきます!」


男「よし!1日しかないけど、修行しよう!」


武闘家「っしゃあ!」
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/18(土) 23:52:00.13 ID:X2mnfRWgO

各々が作戦に必要な修行を重ね、とうとうドラゴン討伐の日になった。



ぶっち「水あめ3日分やからな!忘れたらあかんで!」


魔法使い「はい!」

ぶっち「全く…2回もドラゴンに近づくことになるなんて…」


武闘家「とか言いつつお前、ずっと修行見てたじゃねえか」

武闘家「ちょっと心配とかしてんじゃねえの〜?」


ぶっち「そ、そんなんやあらへんわ!お前らがうるさくし過ぎないようにと森のためにやなあ」


男「まあまあ、ありがとうな、ぶっち」

男「ぶっちがいなかったらドラゴンに到着するまで、迷ったりなんだりで体力奪われて、満足に戦えないかもしれない」


ぶっち「ふん!感謝せいや」

ぶっち「お前らに森で死なれても後味悪いしな!」


ぶっちの案内でこの間と同じような道を歩いていく。


ぶっち「そろそろやで…」


武闘家「おう…」

男「ピリピリしてきたね」


ぶっち「おったで…ドラゴンや」


ドラゴン「グルルル…」


ドラゴンはその場所か気に入ったようで、じんめんじゅと戦ったあの場所から移動していなかった。

炭になったじんめんじゅが形だけを残して風に晒されている。
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/18(土) 23:53:08.65 ID:X2mnfRWgO

男「相変わらずデカイ…」

魔法使い「今は落ち着いている様子ですね」


武闘家「ぶっち、お前は遠く行っててくれ。ドラゴンを倒したら呼ぶ」


ぶっち「……死なんようにな、お前ら」ピョンピョン


男「ああ」


武闘家「うし……不意打ち一発入れてやろうぜ」


魔法使い「私の出番ですね」

男「多分魔力を練り始めたら気づかれるだろうから、俺と武闘家でドラゴンの前に立とう」


武闘家「おう!」


武闘家「…………行くぞ男!」

男「しゃあ!」


魔法使いが魔力を練り始めるとともに、男と武闘家は二手に分かれてドラゴンに近づいた。


ドラゴン「…グルルル?」ムクッ

ドラゴンは魔力に反応し、身体を起こした。


魔法使い「…ブツブツ…」(気づかれてしまいました!)コォォオオ

魔法使い(2人とも…お願いします!)


武闘家「おらぁぁああ!」ダダッ


ドラゴン「ガル?」

武闘家「くらえやああ!」ダンッ

武闘家はドラゴンの右側に周り、素早く潜り込んだ。


武闘家「ふん!」ドドドッッ

3連弾を叩き込む。


ドラゴン「ガルァア!!」ガッ

前足が武闘家めがけて振り下ろされた。

武闘家「やべえ!」サッ

ズギャァアッッ

ドラゴンの爪が空を切り、地面を抉る。


武闘家(距離をあけねえと…!!)
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/18(土) 23:54:11.06 ID:X2mnfRWgO

男「武闘家!」バッ

ドラゴン「ガル!」

隙を見て男がドラゴンの横顔に突っ込んだ。


男「はぁぁああ!!」ブン

バギャッ

横一文字にドラゴンの顔面をぶっ叩く。

ドラゴン「グルァ?!」

武闘家「ナイス男!」


ドラゴン「ガルァアァアッ!!」

ドラゴンは大きく雄叫びをあげた。


武闘家「離れるぞ!」

男「うん!」ダダッ


魔法使い「いきます!上級土魔法!」

魔力を練り終えた魔法使いが両手をかざすと、大きな岩の塊が空中に浮かび上がってきた。

ドラゴン「ガルアッ?!」


男「よし!頼んだ魔法使い!」


魔法使い「はぁぁあ!」

魔法使い「崩ーッ!!!」


岩が砕ける!

バガァァァアアンンッッ

魔法使い「当たれェええ!」


ドラゴン「グルァァアアア!!」ズダッッ


ドゴゴゴッ

ズガァンンッッ

ドラゴン「グルルルッ!」ガラガラ


大きな岩が砕け散り、ドラゴンを襲ったがドラゴンは落石の半分以上を回避した。

多少のダメージは受けたようだが、これによってさらにドラゴンの怒りが上昇、警戒心がMAXまで引き上がる。
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/18(土) 23:55:27.09 ID:X2mnfRWgO

ドラゴン「ガァァアアア!!!」ビリビリッ


男「くっ!」(あまり効かなかったのか?!)


魔法使い「はぁ…はぁ…やはり動きが早いですね…!」


武闘家「ちい!男!やるぞ!」


男「わかった!魔法使い、頼んだよ!」ダダッ


ドラゴン「ガルァアッ!」ズダンッッ

武闘家「こっちきやがったか!」ダダッ


ドラゴン「グルルル!」

武闘家「ぐぅ!」ズガァンンッ

武闘家の肩をドラゴンの爪が掠った。

武闘家(かわしきれなかった…!)


魔法使い「ふぅーッ」(意識を集中…水の精霊よ…)


武闘家(離れるんだ!攻撃はしなくていい!時間を稼ぐ!)ダダッ


男「こっちだドラゴン!」

ドラゴン「グルァ?!」


男はドラゴンを挑発し、武闘家から意識を離そうとする。


ドラゴン「ガァァアアア!」

ドラゴンは鋭い牙を剥き出しに男に襲いかかった。


男「!?」(は、速い!!マズイ!)

男「ちっ…くしょおお!」


ドラゴン「グルァァア!」ガシュンンッッ


男「ぐぅ…!うっ…!」ギリッ


武闘家「男ぉ!」


男「な、なんとか大丈夫だ!!」ギリギリッ


男は、木刀を噛ませて、体に牙が届くのをなんとか防いでいた。
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/18(土) 23:58:55.70 ID:X2mnfRWgO

ミシミシッ

男(マズイ!木刀が折れる!)


ドラゴン「グルァァ!!」ブンッ

男「うおっ!?」ブン


男は木刀ごと投げ捨てられてしまった。

男「ッ!いってえ!」ズザァァ


ドラゴン「ガァァアアア!」

男(ヤバイ!飛び込んできた!)


魔法使い「男様!中・水魔法ーッ!」ザパァ


バランスボールほどの大きさの水の球が3つ放出された。

男「魔法使い!」


ドラゴン「グガッッ!!」ズドドドンッッ


ドラゴンに直撃。

周囲が水浸しになる。


武闘家「よっしゃあ!」

武闘家(第一段階クリアだ!)


ドラゴン「グルルル…!」イライライライラ


ちょこまかと連携しながら攻撃してくる3人に、かなりの苛立ちを募らせているドラゴン。

しかも苦手な水が周囲にばら撒かれ、湿度が一気に上がっている。


男「はぁ…はぁ」


男(こっからは…俺の役目だ!)
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/18(土) 23:59:42.19 ID:X2mnfRWgO

スゥ…


男「なんだよ!ドラゴンなんて対したことねえなあー!」


ドラゴン「!」

男「こんなもんかよお!竜族ってのはあ!?それともお前が弱いだけかあ!?」

ドラゴンは人間の言葉などわからないが、知能の高い生き物だ、この目の前の男が言っていることの意味がなんとなく理解できてしまう。

男「へっ!心配して損したぜ!そろそろとどめさしてやろうかこのへっぽこドラゴン!」


ドラゴン「グルルル……!!!!」

ドラゴン「ガァァアアアアアアア!!!」ビリビリ


男「うおっ!」ビリビリ

雄叫びが森に響き渡る。
ドラゴンの怒りが喉の奥で赤く熱く光り始めた。

ドラゴン「グォォォ…!」コォォオオ


男「きたきたきた…!!」

男(これをかわさなきゃ作戦は成功しねえ!集中しろ俺!)


魔法使い(男様…!)

魔法使いは茂みに身を隠し、ドラゴンの視界から逃れている。


男「おっしゃあ!こいよお!」


ドラゴン「グァァォアアオア!!」ボォォオオオ

ドラゴンの口から凄まじい火炎が吐かれた。
鉄さえも溶かしそうな威力のその炎が、男に向けて襲いかかる。

しかし、


男「うおおおおおおおお!」ダダダダッッ

男(よし!水魔法の湿気でそこまで熱く感じねえ!)


先ほどまかれた水により、炎の威力は減殺されてしまった。

男(作戦成功だ!)
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/19(日) 00:00:57.54 ID:tGYWi6WnO


ジュゥゥウウウ…

その熱で水が蒸発する。


ドラゴン「グルルル?!」


そして、蒸発した水が辺りを霧となって包み込んだ。


男(ここまで計画通りだ…。この霧の中から仕掛ける!)


男「よしっ…」スクッ


ブゥンッ

男「ん?」

ズッッ

男(えっ…?)ググッ

男の右半身に太く力強い尻尾がのめり込む。


ビシィィイイイインンッッ


男「がっ!?!」(し、尻尾か!?)


ドラゴン「ガァァアアア!」ビュンッ


男「ぶっ、ぶふッ!」ズザァァッ

男は、ドラゴンが闇雲に振り回した尻尾をもろに喰らい、20mほど吹き飛んだ。


男「ぐぅぅううッッ…がはっ…」(や、やべえ…食らっちまった…!!尻尾とは…!!)


男「!」(体が全然動かせねえ…!どっかの骨が折れてんのか…?)


ドラゴン「ガルルル…!」ズシン、ズシン

男「く…くそ…ッ!」ぐぐっ


ドラゴン「グォォォ…!」コォォオオ

ドラゴンは火炎でとどめをさすようだ。


男(か、火炎か…)


男(もう…避ける力もねぇよ…)


男(俺…ここで終わりかあ…)


ドラゴン「グォォォ!!」カァァア

ドラゴンの炎のボルテージがMAXになる!

391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/19(日) 00:02:38.76 ID:tGYWi6WnO

男(あ…)


男(あとは頼んだぜ…武闘家…!)


ドラゴン「ガァァアアア!!!」


スルルッ

武闘家「男ぉぉおお!!」バッ


ドラゴン「!!」

武闘家「おらぁぁあ!!」

霧に紛れて武闘家が飛び込んできた。

そして、渾身の蹴りを火炎を吐く前の顎に叩き込む!


ズドォンンッッ

ドラゴン「グガッッ!?」

ガチィンッッ


ドラゴン「グプッブフッッッ!?」ゴポッブググッ

顎を強制的に閉じられ、行き場を失った炎が口の中を彷徨う。

さすがのドラゴンといえど、鼻まで炎が逆流してしまうとダメージを受けるようだ。


ドラゴン「グォォォアアアアアアアア!?!」ゲホッゲホッ


武闘家「よっしゃああ!!どうだおらあ!」


武闘家「男!大丈夫か?!」ダダッ

男「ぐふっ…な、なんとか生きてるよ…体は動かねえけど…」
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/19(日) 00:04:04.53 ID:tGYWi6WnO

武闘家「まさか尻尾が飛んでくとはな…でも良く時間稼ぎしてくれたな!おかげで感づかれずに近づけたぜ!」グイッ

男の肩を持つ武闘家。


男「俺らの役目は終わりだね…」


武闘家「ああ!早く離れよう!」


武闘家「魔法使いが決めてくれるはずだ…!!」


ドラゴン「ガァァアアア!!」ジタバタ


コォォオオオオ…


魔法使い「男様と武闘家様が命がけで作って下さったこのチャンス……逃しません!!」



………………………………



男「ドラゴンが火炎を吐く隙を突いて口を閉じさせる?!」


武闘家「おう!」


武闘家「男がなんとか気を引いて、俺が自慢のスピードで潜り込んで顎に一発叩き込む」

武闘家「そうすりゃあさすがのドラゴンも火炎が逆流してしばらくは苦しむはずだ。魔法使いの魔法の時間が稼げる」



………………………



魔法使い(聞いて驚きましたが…お2人ならやれると思い、私はこの作戦にのりました)


魔法使い「…ふーッ」


魔法使い(そして今、大きなチャンスを作ってくれた!)


魔法使い「無駄にはできません!!いきます!」カァァア


ドラゴン「グォォォアアアア!!」ジタバタ


魔法使い「はぁぁあああ!!」ゴゴゴゴゴッッ


魔法使いが両手を上げて行くとともに、6本の巨大な土の柱がドラゴンの頭上に並ぶ。
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/19(日) 00:06:57.45 ID:tGYWi6WnO


ドラゴン「ガルァア?!」


男「いっけええええ!!」


武闘家「頼む魔法使いーッ!」


魔法使い「上級土魔法…ッ!」コォォオオ


魔法使い「【柱】ーーーッッッ!!」カァッッッ


発令と同時に6本の柱がドラゴンめがけて発射された!



ズドドドドドドッッッ

ドラゴン「グギャァァァァアアアアアアアア!!!」


ガラガラァッ
ズガジャァアンン!!


ドラゴン「オオオオオオオオオオンン!!!」

上級魔法の威力に大地が揺らぐ。


男「す、すげえ威力だ…!」グラグラ


武闘家「これなら…!」


「オオオオオオン…」

ズズゥゥンン……

モヤモヤモヤ…

地響きとともにあたりが土煙で覆われていく。
ドラゴンの叫び声がきこえなくなった。


魔法使い「はぁ…!はぁ…!」(短い時間で上級を2発…もう魔力が残っていません…!お願い倒れて…!!)

394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/19(日) 00:07:32.48 ID:tGYWi6WnO

男「はぁ……はぁ…やったか?」


武闘家「どうだ……?」


静まり返った森。なんの音もしない。


男「視界が…回復してきた…」


魔法使い(静かですね…)


スゥーーーッ…

土煙が晴れていく。


3人は恐る恐る、瓦礫に近づいていき、様子を確かめた。


男・武闘家・魔法使い「!!」



視線の先では、瓦礫に埋れたドラゴンが白目を向き舌を出したまま倒れていた。

全く動く気配がない。



そう、3人はドラゴンを倒したのである。


395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/19(日) 00:09:32.71 ID:tGYWi6WnO
ここで中断します!

質問なのですが、勇者、男、魔法使い、魔女、武闘家、ブッチのデザインを書きました。

それはUPしないほうが皆さんのイメージの妨げにならないでしょうか?
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 00:12:28.81 ID:31pw7Udl0
見たいです
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 05:01:10.18 ID:675VHzVI0
UPしてくれって言ってほしいんだろ?
何も言わずにしたけりゃしろ妨げになると思うなら何も言わずにするな
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 09:28:28.43 ID:QIx7dtb+o
乙!
気になるからみせてくれ!
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 10:37:11.54 ID:+ameOJQaO
黙ってリンク貼っとけば見たい奴は見るだろうし見たくない奴はスルーするだろ
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 11:31:16.76 ID:pPmQ3VfLO
作者が自分のスレに貼るんなら、なんも問題ないだろ
俺は周りの反応見て、その絵を開くか判断する
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/19(日) 15:47:31.79 ID:tGYWi6WnO
なるほど

自分の自由にしろってことですね

貼ります!
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/19(日) 15:57:05.09 ID:tGYWi6WnO
http://m1.gazo.cc/up/12277.jpg
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 16:12:13.78 ID:vwBCxIiq0
ありがとうございました。
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 19:16:19.59 ID:RR/3Kow4o

うん、まあ無くても良かったと思うな
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 20:22:35.26 ID:+KvlUyQpo
まあ、あれだ。
自分の好きなようにやったらええ。
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/20(月) 06:41:14.39 ID:VLakBNvxO
お前らの反応が微妙過ぎて笑える
誰かデジタル絵にリメイクしてやれよ
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/20(月) 10:22:42.32 ID:jrf+dFh20
乙、よかったよぉっおっおっおっ
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/20(月) 10:48:59.47 ID:iVYLeBJ+O
魔法使いって言うよりシスター的だな
武闘家が洋服金髪なのだいぶ意外
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/20(月) 16:38:07.67 ID:ctvbPDVZo
思ったより下手だった
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/20(月) 16:38:40.08 ID:LersvZkwO

絵については猛省します


次の内容の更新は2日後になりそうです!
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/21(火) 20:52:03.81 ID:1VD2jP4NO
あかん イメージがギャグ漫画日和になってしまった…
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/23(木) 06:25:54.09 ID:1v48EFSr0
お前らの反応があんまりにもあんまり過ぎて支援したくなっちまったじゃねーか

http://i.imgur.com/uJon0iD.jpg

イメージさえあれば誰か支援してくれるかもしれんから>>1も細かい事気にせず描きたくなったら描くんやで

あと描いてて魔法使いは頭に何かしらアクセサリーつけたりとんがり帽子とかかぶせたほうが魔法使い感上がるし可愛いと思った
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/23(木) 11:29:19.45 ID:n/ZvCzkeO
>>412
水飴うめえわろた
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/23(木) 13:07:31.82 ID:FovZc3UTo
>>402
左上をよく見てほしい
おわかりいただけただろうか
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/23(木) 13:39:33.19 ID:WoZOUMRH0
>>402
左上になんか笑ってる顔があるんだけど…ww
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/24(金) 23:36:44.57 ID:DpFCjwYLO

絵を描いてもらってありがとうございます!
すごく理想に近いです!

更新が遅くなってしまってすみません。


内容は全然進んでいませんが、投稿します!
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/24(金) 23:37:35.35 ID:DpFCjwYLO

男「はぁ……はぁ」(倒した…のか?)


武闘家「…やったぞ…!ドラゴンを…倒したんだ!!」


武闘家「よっしゃぁぁあ!」


魔法使い「はぁー…本当に緊張しましたあ…」


男「…」(やったのか…よか…った…)フラッ

ドサッ


魔法使い「お、男様?!」

武闘家「男?!」


男はその場に倒れ、気絶してしまった。



武闘家「気を失っただけか…」ホッ


魔法使い「尻尾の攻撃がかなりのダメージだったようですね…男様は時間稼ぎのためにずっと動き回っていましたし…」


武闘家「ああ。本当…よくやってくれたぜ」


武闘家「とりあえず修行してたところまで戻ろう」


魔法使い「そうですね。ぶち様ーー!!」

418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/24(金) 23:38:24.76 ID:DpFCjwYLO

同刻 港町外れの荒野


賊「はぁ…はぁ…」


賊2「なんなんだこいつは…!」


ザシュッッ

賊3「ぎゃぁぁあああ!!」


賊「賊3!…くっ!とうとう2人になっちまった!」


賊2「くそが…なにもんだてめえは!いい加減名乗りやがれ!!」


剣士「あー…お前らみたいなのに教えたくないね」


賊「ざけやがって…!」


賊2「おらぁぁああ!」ダダッ


剣士「…遅いよ」

スパァン


賊2の体が肩から斜めに両断された。

賊2「えっ…」


剣士「次」


賊「う、うわぁぁああ!」


ザンッッ

…………………………
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/24(金) 23:39:11.96 ID:DpFCjwYLO

剣士「おじさんも律儀だよなー。ポケットマネーでこんなやつの退治依頼出すんだから」


剣士「剣を取り上げてと…」ヒョイ


剣士「んじゃ、港町に戻ろうかな」


…………………………

ぶっち「いやー、まさかお前らがドラゴンを倒すとは…」

ぶっち「予想外やで」


武闘家「へっ、勝つっていっただろ!」


ぶっち「なんやビビって死んでもいいくらいの顔しとったやつが」


武闘家「なんだと?!」


魔法使い「まあまあ2人とも。倒すことができたのですから、いいじゃないですか」


魔法使い「鍛冶屋の職人さんにこの牙を届ければいいのですよね?」


武闘家「あぁ。それが討伐の証になる。なんか武器も作れるらしいしな」


魔法使い「ドラゴンの牙から作られる武器…強そうですねぇ…」


ぶっち「そろそろお前らの修行してたとこに着くで」


武闘家「わかった」
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/24(金) 23:51:31.05 ID:DpFCjwYLO

修行場所

武闘家「いやー、久々に帰って来たな」

魔法使い「1日ほどでしたがとても濃い1日でした」

魔法使い「疲れもかなりきています…」

武闘家「ああ。男も早いとこ休ませねえとな」


武闘家「ぶっち、道案内ありがとな」

ぶっち「ふん、余裕や余裕。森の守り神やぞわいは!」

武闘家「へっ、また来るからよ元気でいろよ」

ぶっち「また水あめ頼むで。最悪武闘家はいらんからな、娘っ子と水あめだけでええから」

武闘家「こいつ…!」

魔法使い「ふふっ、素直じゃないですね。もちろん持ってきますよ」

武闘家「ふん、またな」

ぶっち「おう。元気でやれや〜」


ぶっち「行ったか…」

ぶっち「いやー、これで森に平和が戻るわ…あいつらには感謝せんとな」


「あれ、魔物だ」
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/24(金) 23:52:16.85 ID:DpFCjwYLO


ぶっち「!?」

ぶっち「だれや?!」


剣士「いや、別になんもしないよ。声が聞こえたから寄っただけ」


ぶっち「なんやねん、冒険者か」


剣士「喋れるんだ。珍しいね」


ぶっち「わいはこの森の主のぶっち様や!喋るくらいわけないわ!」


剣士「ふぅん。偉そうなぶちスライムだなあ」


ぶっち「な、なんや?やんのか?」


剣士「いや、なんもしないって。てか君がこの森の主なの?」


ぶっち「せやで!」


剣士「なんだ、ドラゴンかと思ってたよ」


ぶっち「ドラゴンはついさっきわいの仲間が倒したんや!」


剣士「えっ、ぶちスライムで勝てる相手じゃないよ」


ぶっち「冒険者の連れがおんねん!これまた娘っこが強くてなぁ…」


剣士「…おじさんが行ってた子たちかな?ドラゴンを倒したのか…」


剣士「もう帰ったの?」


ぶっち「さっき港町に戻っていったで」


剣士「なるほど、ありがとね、ぶちスライム」


ぶっち「ぶっち様や!覚えとけ!」
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/24(金) 23:54:02.77 ID:DpFCjwYLO

鍛冶屋


職人「…武闘家か…」


武闘家「おっす」


魔法使い(このかたが依頼人の…。凄い眉間にシワが寄っていますね…)


職人「…依頼はどうした?」


武闘家「…魔法使い、頼む」

魔法使い「あっ、はい!」ゴソゴソ


ゴドッ


武闘家「ドラゴンの牙、ちゃんととってきたぜ」


職人「うむ…確かにドラゴンの牙だ…」


職人「お前には無理だと思っていたが…よく倒したな」


武闘家「1人じゃ絶対無理だった…」


武闘家「でも仲間が協力してくれたんだ!」


職人「そこのお嬢さんか…?」


武闘家「魔法使いもそうだけど、もう1人宿で療養してるやつがいる。二人のおかげで討伐できたんだ」


武闘家「そいつがいなきゃドラゴンは倒せなかった」


職人「なるほどな…」

職人「お前の父親も仲間とともに冒険していた…」

職人「命をあずけられる仲間を持ってよかったな…」

武闘家「うん。2人には本当に感謝してるよ」
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/24(金) 23:54:52.55 ID:DpFCjwYLO


職人「これが約束の報酬だ…受け取れ…」


ジャラッ

武闘家「ありがとう。っておもっ!」


魔法使い「6000Gは重いですね…」


武闘家「男にも早く報酬を見せてやりたいな!」


カランコロンカランコロン


武闘家「ん?客か?」


剣士「どうもー」


魔法使い「冒険者さんのようですね」


武闘家「…なんか見たことあるな…?」


職人「おう…剣士か。賊はどうだった?」


剣士「やってきましたよ、全員。おじさんの作った剣も回収しました」スッ


職人「…ありがとうよ…約束の報酬だ」


剣士「どうも」


職人「すまねぇな…お前にこんな依頼をして…」


剣士「いやいや、依頼なら受けるのが冒険者です。ましてや職人さんの依頼なら断れるはずないでしょう」


剣士「それに、剣士の端くれとして、剣が悪用されるのは僕も気持ちが悪いですし」


職人「お前らしいな…」


剣士「あ、2人はお客さんですか?」


職人「いや、ドラゴン討伐依頼を受けていた冒険者だ…もう1人いるらしいがな…」


剣士「ドラゴンを討伐したのは君たちだったのかあ」


魔法使い「あなたも冒険者さんですよね?」


剣士「うーん…生計立てるのに依頼受けてるだけだから、どうだろう?」


職人「こいつは…ウエスト王国のコロシアム選手だ…」
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/24(金) 23:55:46.47 ID:DpFCjwYLO

武闘家「!」


魔法使い「コロシアム?それはなんですか?」


剣士「知らないのかぁ。君の出身は?」

魔法使い「ブック地区です」


剣士「ウエストからかなり遠いね。それじゃ知らないのも無理はない」


剣士「簡単に言えば、闘技場だよ。戦って勝てばお金がもらえるし、負ければ名誉を失うんだ」


武闘家「…そこで昨年のトーナメントを制した若い男の剣士…」

武闘家「藍色の髪の毛に、細身の剣…」


武闘家「新聞に載ってたのを思い出したぜ…!あんた、その人だろ?!」


職人「おぉ…やはり名が知れているな…」


剣士「有名になったなあ」


魔法使い「そ、そんな凄い方なんですか?!」


武闘家「凄ぇよ…セントラルから来てる王国騎士団や名のある賊、魔王討伐メンバーなんかも出てるくらいの大会だ。大陸一のやつを決める大会で優勝なんて…想像もつかねぇ…」


剣士「そんな大したもんじゃないよ。運が良かっただけで」


剣士「戦士さんは途中棄権してたしね」


剣士「君たちはこれからどこへ行くんだ?」


魔法使い「一応…ウエスト王国方面へ…」


剣士「なら一度覗きにおいでよ。なんなら出場してみるといい。いい経験になるよ」


武闘家「コロシアム…名前だけは聞いてるけど…」


魔法使い「出場は少し怖いですよね」


剣士「ま、僕は今年も出るから良かったら見てね」

剣士「じゃあ、おじさん、僕帰ります。またなにか依頼があれば郵便をください」

職人「おう…ありがとよ…」


剣士「それじゃ」
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/24(金) 23:56:25.19 ID:DpFCjwYLO

カランコロンカランコロン


武闘家(コロシアム…)


職人「まあ…コロシアムはウエスト王国の名物だ…寄って見て損はねぇだろう…」


魔法使い「時間があれば見てみようと思います。ウエスト王国まで行くのにまだまだ寄るところでがありそうなので」ニコ

武闘家「…」


魔法使い「…武闘家様?」


武闘家「そ、そうだな…男にも言ってみないとだしな!」


魔法使い「はい!そろそろ宿に戻りますか?」


武闘家「ああ。職人さん、報酬ありがとな。またくるよ」


職人「おう…」


カランコロンカランコロン
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/24(金) 23:57:05.56 ID:DpFCjwYLO

宿屋


男「…ん」


男(あれ…ここは…?)


ムクッ


男(宿屋…?確かドラゴンを倒したはず…)


男「ッッ!?」ズキッ

男(右…腕…!?)


男「…あぁそうだ…ドラゴンの尻尾を受けたんだ…」


男(多分俺、気絶したのかな…宿屋ってことは武闘家たちが運んでくれたんだ…)

男(今は、依頼人のところとかに行ってるのかな?)


男「!」

ガタッ!


男「…ま、まじで…?」


男「木刀が……折れてる…」

男(そういえばドラゴンの噛みつき攻撃をガードしたもんな……)


男の木刀は押し潰れたように折られている。


男「せっかく…勇者が貸してくれたのに…」


男「なんか貴重な木刀らしいし…エルフのなんとかだっけか」


男「エルフの国で無理やり譲ってもらったって言ってたな」


男「勇者らしいね」ふふっ


男「今頃どうしてるのかなぁ」
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/24(金) 23:57:47.35 ID:DpFCjwYLO

ウエスト王国


勇者「だぁ〜!!なんであいつはいつも遅れてくるんだよ!」

賢者「まあ落ち着きなよ。多分僧侶の身支度に時間がかかってるんだ。女の子だからね」


勇者「いや、僧侶は時間通りくる人間だ。絶対あいつがもたついてんだよ」

勇者「どうせ糞でもしてんだろうけどよ!」


賢者「仮にも年上だよ?」


勇者「3個上なんて大したことねえよ」

賢者「まあ僕は6つも違うからね、敬意は払うよ」


勇者「あいつ、どうせ敬意とかわかんねぇよ。アホだから」

賢者「戦士が感じなくてもいいさ。僕が払えてさえいれば」


「すいませ〜ん!」


勇者「お!」

賢者「きたね」


2人に駆け寄ってくる男女。

男は190cm近くはあろうかという身長に、プロレスラーのような筋肉を搭載している。

女のほうは、男とは対照的に150cmほどで、幼い顔つきをしている。はたからみれば親子にしか見えない。
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/24(金) 23:58:44.89 ID:DpFCjwYLO

僧侶「すいません!1時間も遅れてしまって…」

戦士「いやあ!悪りいな!なかなか出なくてよ!」

勇者「やっぱ糞だったか!」

賢者「いやいや、2人とも良く来てくれたよ」

賢者「イースト王国からは遠かったでしょ?」


戦士「おう!ま〜時間かかったぜ!昨日宿に着いてからはすぐ寝たよ」

僧侶「戦士は列車でも寝てたじゃん…」

戦士「ん?そだっけ?はっはっは!」

勇者「変わってねぇなー。僧侶が大変そうだ」


僧侶「本当です…あれ?魔女と盗賊はこないんですか?」

勇者「来ないってよ」

僧侶「じゃあ4人なんですね」


賢者「そうだね。まあ今回は洞窟の探索と、噂の魔族の確認だけだから、大丈夫だとおもう」

勇者「3人でも余裕だろ」

戦士「俺がいりゃ心配いらねえ!」

賢者「頼もしいね。洞窟では頼んだよ」

僧侶「戦士、あんまり突っ込みすぎないでね!」

戦士「任せろ!」


勇者「その洞窟まではここからどんくらいなんだ?」

賢者「そんな遠くないよ。全速で1日くらい」

勇者「なるほど…」


賢者「早速だけど出発して大丈夫?」


戦士「おう!」

僧侶「大丈夫です!」

勇者「いいぜ」


賢者「それじゃ出発しようか。僕が魔法でみんなを運ぶから、途中魔物が襲ってきたら処理をお願いね」

賢者「風魔法…」

賢者「翔」

429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/25(土) 00:18:52.24 ID:TEdjaE3JO

ここで中断します!

キャラが増えてきたので、展開を考えるのに時間がかかりそうです
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/25(土) 02:25:15.52 ID:vaRQbGiK0
がんがれ
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/26(日) 14:23:11.24 ID:0QsPVx/2O

少し更新します
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/26(日) 14:23:49.24 ID:0QsPVx/2O
賢者が地面に向けて手をかざすと、風が吹き、4人の体が持ち上げられた。


勇者「相変わらず魔法うめーなー」

僧侶「4人同時で全く魔力が荒れていませんね」


賢者「ありがとね。でも相変わらず持久力はないから疲れたら休むよ」


勇者「おう」


戦士「魔法は便利だなー」

僧侶「戦士は魔法のセンスゼロだもんね」

戦士「はっはっは!そうなんだよな!」


勇者「いや、そこ笑うとこじゃねえぞ」


賢者「じゃあ出発するよ」


ヒュン!
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/26(日) 14:24:38.05 ID:0QsPVx/2O

ヒュゥゥゥ

荒野を一定のスピードで飛んでいく。

戦士「なー賢者」

賢者「なに?」


戦士「今回冒険する洞窟の魔物は予測とかついてんのか?」


賢者「んー…なんとなく考えてはいるけど、多分違うだろうなって感じだよ」

賢者「情報もゴールドバングの冒険者が帰ってきていないってだけなんだ。結構な手練れらしかったから、怪しいなって」

賢者「そうなると、魔族が関わってると思うじゃない?」

僧侶「魔物の動きも活発ですしね」


勇者「まあ魔物を束ねてるってことは、幹部連中の可能性もあるな」

戦士「まじか!そいつは燃えるな!」

勇者「可能性だよ。てかいたら困るわ!」


僧侶「幹部たちの半分はまだ生きていますものね…」


賢者「最近、魔族たちの動向が活発化してることには確実に関わってきているだろうね。謎だよ。竜王も、和平を結んでいるとはいえかつての仲間の情報は渡さないだろうし」


勇者「あのガンコジジイ…完全中立ってか」

戦士「あいつとはやりたくねえ」


賢者「セントラルも気付き始めてるから、それなりの対策はしてるはずだし、竜王抜きで残りの幹部連中が団結しても被害はそんなでもないんじゃないかな」


勇者「なんにせよメンバーが集まって冒険なんてあんまりねぇからな。楽しもうぜ」

戦士「おー!」
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/26(日) 14:25:24.75 ID:0QsPVx/2O

休憩を挟みつつ荒野をしばらく飛んでいく。


問題の洞窟が見えてきた。


賢者「あれだよ」

戦士「ほー!でっかく穴空いてんなぁ!」

勇者「…自然に出来たものか?」


僧侶「うーん…魔法で空けた感じがしなくもない…」

賢者「多分魔物が出てくる。そろそろ降ろすよ」


スタッ


勇者「近づくとますますデカく見えるな」

賢者「……」


賢者「勇者」

勇者「ん?」

賢者「魔物だ」


ケケケッ ケケッ


勇者「……シルバーデビルか」


シルバーデビル「ケケケッ!!」


洞窟からわらわらと出てくる。
20体近くはいるだろうか。
門番のような役割をしているようで、勇者たちとやり合うつもりだ。
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/26(日) 14:25:58.30 ID:0QsPVx/2O

勇者「賢者!僧侶!下がっててくれ!ここは前衛の俺らだけでやる!」

戦士「っしゃあ!」

僧侶「はい!」


勇者「うっしゃあ!」ダンッッ

シルバーデビル「ケケーッ!」

勇者「ふん!」ズバンッ

シルバーデビル「ケッ…!」


戦士「おー、やっぱり速えなあ!」

シルバーデビル「ケケーッ!」カァァア

戦士「むっ、火炎魔法か?」

シルバーデビル「ケーッ!!」ゴォォオオオ

中級クラスの火炎魔法が戦士を襲う。

戦士「はっはーーっ!」

ブゥンッッ!!

戦士は思い切り剣を振り抜き、剣圧だけで火炎魔法をかき消した。

シルバーデビル「ケッ?!」

戦士「うらぁ!」ズダンッ

シルバーデビル「ガッッッ」ズバァン!

戦士「よっしゃあ!」


僧侶「よければいいのに…わざわざかき消さなくても…」ハァ

賢者「戦士らしいね。ここは問題なさそうだ」
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/26(日) 14:26:45.93 ID:0QsPVx/2O

勇者「おらおらおらおらおらぁぁああ!!」

ズバズバシュッザンッジュパッズバンッッ

シルバーデビル「ギャァォァ!!」


勇者「フゥッ!」

勇者(割と片付いてきたな。あと4.5体か?)


シルバーデビル「ケケケッ」ヒュンッ

戦士「まちやがれー!」

シルバーデビル「クケッ!」スッ

戦士「あっ、洞窟に引っ込みやがった…」

戦士(追うかどうしようか…)


勇者「どした戦士?」

戦士「洞窟に逃げられた」


賢者「!」(洞窟から大きな魔力の反応…)

賢者(シルバーデビルじゃないな…)

賢者「勇者!戦士!なにかくるよ!」


勇者「ん?」


ゴゴゴゴ…

勇者「!?」(なんだ、地響きが…)

戦士「おー地震だ」


グォォオオオオオンン!!


勇者「!!」

戦士「おっ!?」

勇者(奥から雄叫びが…しかもこの声…!)


ズシンッッ

ダースドラゴン「グオオオンン!」

ダースドラゴンが洞窟から現れた。
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/26(日) 14:27:32.52 ID:0QsPVx/2O

僧侶「ドラゴン!?しかも亜種ですね!」

賢者「!」

賢者「目が赤い…!シルバーデビルに操られているのか?」


ダースドラゴン「グォア!」ズダンッ

戦士「うおっ!!」ガキンッッ

ダースドラゴンの牙を剣で受ける。

戦士「グググッッ…!」(すげーパワーだ!!)

戦士「…面白え!!」


シルバーデビル「ケケケッ!」

勇者(ドラゴンの目が赤い…あいつらか!)

勇者「竜族を操るとはな…」

勇者「大したもんだ」バチバチバチッバチッ

勇者の右腕で雷が不規則に弾け出す。

勇者「雷魔法…!」


戦士「うぉぉおお!!」ガキィン!

ダースドラゴン「グォアッ?!」

戦士は力任せにダースドラゴンを引き剥がした。

ダースドラゴン「グォアッ」ズダァッ

戦士「いくぜぇえええ!」ダンッ


勇者「【閃】!」バチバチィィイ!!

シルバーデビル「カッ!?」バチバチバチィイ


戦士「ふん!」

ダースドラゴン「グガッ!?」ズバンッッッ


シルバーデビルは閃光のように走った稲妻に貫かれ、ダースドラゴンは首を切断されてしまった。


ザァァッ

戦士「っしゃあ!」


勇者「全員に命中したか」


僧侶「さすがですね、2人とも」

賢者「うん。ノーダメージでよかった」


戦士「いやあ、やっぱり戦うのは楽しいな!」

勇者「まさかいきなりダースドラゴンがてでくるとは」


賢者「お疲れさん」

勇者「おう」
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/26(日) 14:33:21.22 ID:0QsPVx/2O
中途半端ですがここで中断します
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/26(日) 16:02:18.08 ID:Cefxsq69O
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/26(日) 16:19:59.80 ID:ON6G46GAO
さすがクリアパーティー
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/28(火) 13:15:17.35 ID:7D8AnVKhO
また少しだけ更新します
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/28(火) 13:16:20.21 ID:7D8AnVKhO

賢者「自然発生であんな魔物がいるとは考えにくいし、ここでビンゴっぽいね」

勇者「ああ」

僧侶「シルバーデビルも普通は森の中に生息している魔物ですものね」

勇者「大将がどんなもんなのかはまだ分からねえけど、ある程度警戒しておくか」


賢者「そうだね。よし、洞窟に入ろう」


4人は洞窟へと入った。


ザッザッザッ

僧侶「内部はかなり暗いですね」

賢者「うん。日の光は届かないみたいだ」

洞窟の中は草木も生えておらず、光も全く入ってきていない。


僧侶「火魔法…灯…」ポウ

魔法によってあたりが照らされる。

勇者「…こりゃあ広いな」

戦士「でけぇ!」
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/28(火) 13:16:55.43 ID:7D8AnVKhO

形は筒の中のように開けていて、トンネルのようだ。

先刻のダースドラゴンもこれだけ広ければスペースの問題はなかっただろう。


賢者「…爆裂魔法かなにかでぶち壊してあけたのかな」

勇者「こんだけでかい穴を開けられるほどの魔力ってなると、それこそ幹部クラスだな」

賢者「まぁ、進んで見ないとわからないか」

僧侶「そうですね」

勇者「うし、いこう」


洞窟を進んでいく。

迷うような道ではなく、順調に進めていた。


賢者(…魔力を感じる)

賢者(最深部にいるやつからか…なかなか大きいぞ)


勇者「なんだ、魔物にでくわさねぇな」

戦士「つまらん!」

僧侶「こら戦士!合わない方がいいでしょ!」

戦士「だって歩いてるだけだぜー?面白いわけねーよー」

賢者(…まだ僕しか感じとってないか。相手も魔力を隠すのが上手いな)
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/28(火) 13:18:20.34 ID:7D8AnVKhO

賢者「!」


ズゥン…

勇者「ん?なんだ?」

僧侶「奥から地鳴りが…」サッ


賢者「魔物だ…この魔力なかなかの相手だよ」(どういうことだ…さっき感じ取ったやつがもう出てきたぞ…?)


戦士「っしゃあ!!かかってこいやあ!」


ズゥン…

オオオオオ…


勇者「!!」

賢者「こいつは…」


大きく青緑の身体に4つの脚。

大きな薙刀を持ち、モヒカンのようなヘアースタイルのその魔物は、ゆっくりと勇者たちのもとへと歩いてきた。


僧侶「ずしおうまる…!」

勇者「絶対に自然の魔物じゃねえな…」
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/28(火) 13:19:06.33 ID:7D8AnVKhO

ずしおうまる「ヨクキタナ」


戦士「うお!喋ったぞ!」

勇者「喋れるのか」(言語を理解するってことはなかなかレベルの高い魔族だ…こいつがBOSSか?)

賢者「君がここのボスなのかい?」


ずしおうまる「フッ…ワタシナドデハナイ。ワタシハタダノバンニンダ」


賢者(こいつより上がいるのか…!)

勇者「賢者、どうするよ?」


ずしおうまる「ススミタイノナラワタシガアイテニナル」スチャッ


賢者「…やろうか」

賢者「今回は僕がやるよ。どんなレベルなのか見ておきたい」


戦士「えーっ!」

僧侶「戦士!我慢よ!」

戦士「…めっちゃ面白そうな相手なのに…」シュン

勇者「わかった、はじで見てるぞ」


賢者「ありがとう」

賢者「聞いていたか?ずしおうまる。僕が相手になるよ」

ずしおうまる「ゼンインデモイイゾ?」

賢者「僕がやられればそうなるさ」


賢者「ないと思うけどね」コォォオオオ

ずしおうまる「フン!!」
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/28(火) 13:19:48.61 ID:7D8AnVKhO

賢者「風魔法・飛」ヒュンッ

賢者はずしおうまるより高く飛んだ。

ずしおうまる「オオオオオ!」ズダァンッッ


ずしおうまる「フゥン!」ブンッ

それを追ってずしおうまるが薙刀を繰り出す!

賢者「当たらないよ」ヒュッ

ずしおうまる「ムッ!?」ブンッ

賢者「風魔法・中」ヒュパァッ


ずしおうまる「グウッ!」ガギィンッッ

賢者のしんくうはを薙刀でガード。
それと同時に賢者は次の魔法の準備をする。

ずしおうまる「コイツ…!」


賢者「上級火炎魔法・乱」ボッボゥッボッボッ

不規則な軌道の火炎の球が、ずしおうまるを襲う。


ボシュゥッボンッ!ボンッ!

ずしおうまる「グゥ…ァ…!」


僧侶「ノータイムで上級魔法を…流石です」

勇者「本当センスの塊だな」
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/28(火) 13:20:29.38 ID:7D8AnVKhO

ずしおうまる「ヤルナ…ダガワタシモカンタンニハマケラレヌ」

賢者「ん?」


ずしおうまるは体を低く沈め、歌舞伎役者のような構えを取った。


賢者(ずしおうまるの得意技か…)

賢者「ならば…」コォォオオオ


ずしおうまる「イクゾ…」


ズダァンッッ!!

ずしおうまるが猛スピードで賢者へ突っ込む!

戦士「速え!!」


ずしおうまる「ヌゥウアオオオオ!!」ブンッブンッブンッ

賢者「くっ…」ヒュンヒュンッ


ズガァッッガッガキョッッズバァッ!


賢者(やはりこれか…!息もつかせないほどの連続斬撃…!)


ずしおうまるが薙刀を振るう度に洞窟の地形が変わっていく。

賢者は風魔法でなんとかかわしていた。


ずしおうまる「ヌァ!!」ドガァァンン!!

パラパラパラパラ

賢者「!!」(砕かれた土が…)

ずしおうまる「モラッタァア!」ブンッ


賢者「…チッ」

勇者「おい!賢者!!」
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/28(火) 13:20:58.08 ID:7D8AnVKhO

ガギィィイイインンンッッ!!


ずしおうまる「!?!?」(ナンダ?!)

仕留めたかのように見えたずしおうまるの薙刀は、賢者には届かなかった。


賢者「上級土魔法・柱」

賢者を中心に6本の細い土の支柱がたっている。ずしおうまるの薙刀をガードしたのはこの柱のようだ。


ずしおうまる「ナ、ナンダト…!?コンナモノニワタシノナギナタガ…!」

賢者「フゥ…危なかった」

賢者「地中の硬い鉱物を探して掘り出し、圧縮したんだ。少し時間はかかったけど」


勇者「あぶねぇなあのやろう…」


ずしおうまる(コノイッシュンデココマデノツチマホウヲ…!)

ずしおうまる「ク、クォォオオオ!!」ブンッ


賢者「もう遅いよ」

賢者「僕に時間を与え過ぎたね」カァァア


賢者「上級風魔法・円」ヒュンヒュンヒュンヒュンッッ

ヒュンッ!


ずしおうまる「!!」ズバァァ!

ずしおうまる「ガッ…ァ…!」

ズシンッ


風の刃によって薙刀ごと真っ二つにされ、ずしおうまるは絶命した。
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/28(火) 13:24:29.06 ID:7D8AnVKhO
ここで中断します!
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/29(水) 13:22:15.86 ID:NYHz50OjO
投稿します
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/29(水) 13:23:25.44 ID:NYHz50OjO

賢者「ふぅ…。なかなか強い相手だった」

勇者「一瞬、肝を冷やしたぞ!」

賢者「ははは。魔法が間に合って良かったよ」


僧侶「でも一撃ですからね。流石です」

戦士「俺だってやってればあんな奴…」ブツブツ


賢者「悪いね戦士。でもあいつは番人のようなものだと言っていたし、さらに強い魔族が下層にいると思うよ」

戦士「そいつはやっていいのか?!」

賢者「ああ。蹴散らしてくれ」

戦士「っしゃあ!!」


勇者「戦士は本当働きもんだな…」

僧侶「アホなだけですよ…回復が追いつけばいいんですけど」


賢者「おそらくここからは今みたいなやつがたくさん出てくるとおもう。連携も取りつつうまくかわしながら進んでいこう」


勇者「了解」

僧侶「はい!」
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/29(水) 13:25:09.66 ID:NYHz50OjO

「へぇ…ダースドラゴンもずしおうまるもやられたんだ」


「さすが魔王様を討伐したパーティだね」


「いかがなさいますか?」


「お前はどう思う?」


「…正直なところ、勇者パーティに勝てる見込みのある魔物はいません。いたずらに突っ込ませると兵を失うことなるかと…」


「そうだよねー。私が出てもいいんだけど、それだと警戒されて計画が上手くいかなくなるかも知れないし…」


「……あの子を出そうか」


「やつを出すのですか?!やつはまだ忠誠を誓ってはおらず、言うことを聞くかどうか…」


「まあポンと置いて行けばいいさ。勝手に戦ってくれるだろうし。逆に忠誠を誓ってくれない子はこれから先、兵としては使えないしね」


「確かに…」


「お前は残りの魔物たちを連れて1度魔界領へ帰れ。私はあの子を開放してから出て行くよ」


「はっ!!」


「焦らなくていいからね。まだ戦争は始まってないんだ」
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/29(水) 13:26:51.82 ID:NYHz50OjO


賢者「……」

戦士「…」


戦士「…賢者」

賢者「ん?なんだい?」

戦士「……全く魔物が出てこねえんだけど」


賢者「うん」


戦士「うん。じゃねぇよお!!なんだよ強いのでてくるんじゃねえのかよお!」

僧侶「こ、こら戦士!」

戦士「僧侶〜!」


賢者「うん…出てくると思ったんだけどねぇ」(あれからかなり進んでるにもかかわらず、魔物が全く出てこない)

賢者(この洞窟はなんもないのか…?それとも存在に感ずかれて逃げられたのか?)

賢者(それなら脱出経路を確保しているはず……でもこの洞窟はウエスト王国の端に位置しているんだ。洞窟の広さと方向からして、その先は海…。洞窟は入り組んでいないし…。大体海の先は魔界領だ。まさかそこまで逃げるなんて…)
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/29(水) 13:28:58.92 ID:NYHz50OjO

勇者「どーしたよ賢者?考え込んでるな」

賢者「うーん…。なんで魔物が出てこないのかなって」.

勇者「…親玉が撤退したか、ずしおうまるやダースドラゴンが勝手に住み着いていただけかどっちかだろうな」

賢者「どこに逃げたと思う?」

勇者「…そこまではわかんねぇな…。広すぎる。魔界領までっつったら距離がありすぎるしな」

賢者「そうなんだよねー…」

賢者「魔界領は今魔王不在でまとまっていないはずだし…」


賢者(この洞窟でなにがしたかったんだ…?ウエスト王国からもかなり離れているし、資源も大したことはない。んー…わからんなぁ…)

勇者「まあこの洞窟を攻略してから考えようぜ!」


賢者「……んー…そうだね!とりあえず最下層まで行ってみようか!」
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/29(水) 13:30:11.48 ID:NYHz50OjO

ガチャッ……


「やぁ」


「キサマ…ノコノコトオレノマエニアラワレヤガッテ…」


「ふふ、相変わらずだね」


「ダマレ」

「コンナクサリサエナケレバキサマナド…!」


「まあまあ。今日はお前に頼みたいことがあって来たんだよ。了承してくれれば、解放するし、相手にもなってあげるからさ」


「ダレガキサマノイウコトナドシンジルカ」

「オレヲカイホウスレバキサマハシヌ」


「お前に負ける私じゃないよ。お前がかつての悪魔族の王でもね」


「オレハソンナショウゴウナドキョウミハナイ!ツヨイヤツトタタカエレバソレデイイ」


「今、勇者パーティがここに向かってる」


「…ホントウカ?」


「ああ」

「やりたいと思わないか?あの魔王様を討伐したパーティだ。人類の頂点といってもいいやつらがここに向かってるんだぞ?」


「ヤラセロ!!」

「ふふ、焦るなって。もちろんお前にやってもらうつもりさ。しかもそのあとは自由だ、戦ってさえくれれば」
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/29(水) 13:31:11.53 ID:NYHz50OjO

「ユウシャタチトタタカエルウエニジユウマデアタエルダト…?フッ、キサマガナニヲカンガエテイルノカハワカラヌガ…」


「ネガッテモイナイコトダ」


「交渉成立だね」


「私はやることがあるからおいとまするよ。10分後に鎖は外れる。勇者たちももう近くまで来てるだろう」

「存分に暴れてくれ、タイタニスよ」


タイタニス「フン、ソノアトニキサマヲコロシニイクカラナ、マッテイロ」


「はいはい」



ザッザッザッ


勇者「なかなか深くなってきたなー」


僧侶「そうですね。足場もかなり悪くなってきました。最下層が近いのでしょうか?」


賢者「そろそろだと思うよ」

賢者「今のところは普通の洞窟となにも変わらないね。魔物の生活していた形跡は所々にあるけど」


勇者「確実にずらかったなこれは」


賢者「うん。まあずしおうまるがやられたのを知って最下層に逃げ込んでる可能性もあるね」


戦士「じゃあいっぺんに戦えるのか!?」

賢者「かもしれない」

戦士「うぉっしゃぁぁああ!」


勇者「気合い入れとかねーとな…」
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/29(水) 13:32:25.00 ID:NYHz50OjO

バチィン!!!


僧侶「へっ!?」ビクッ

賢者「…なんの音だ…?」(なにかが外れたような…)

戦士「なんだあ?」


オオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!


勇者「うおっ!?」ビリビリ

勇者(なんだ?!奥からいきなりすげー魔力が…!?)

賢者「戦闘準備だ!」

戦士「っしゃあ!!」

賢者(この魔力…!!ずしおうまるの比じゃないぞ…!?)

僧侶「光魔法・界!」ポワァンッ

4人を僧侶の光魔法が包み込む。
この魔法はあらゆる魔法の威力を弱める効果があり、特に闇魔法には絶大な効果を発揮する。


僧侶「闇魔法の反応があります…!気をつけてください!」


ズズズゥゥンン…!
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/29(水) 13:32:59.42 ID:NYHz50OjO


賢者「なにか魔法を行使したな…」


オオオオオオオ!


ズン!ズン!ズン!ズン!


勇者「…ん!?」


ゴォオオオオ

勇者「!!」

勇者(暗闇からなにかきてる!)


バヂバヂバヂッッ!!

暗闇から紫の雷が勇者を襲う!


勇者「ぐっ!」カァァアア

勇者「雷魔法・中!」バチィッッ


バヂバヂバヂッバヂィィイイッッ

ピシャァァァアン!

魔法が激しくぶつかり合い、あたりに雷鳴が轟いた。


勇者「闇の雷魔法か…!」

戦士「のやろー!!」ダンッッ


戦士が突っ込むと同時に、相手も姿を現した。


タイタニス「オオオオオオオ!」ズン!ズン!


僧侶「あれは?!」

賢者「タイタニスだ!!悪魔族の王であるやつが何故こんなところに?!」


戦士「フン!」ザンッ

459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/29(水) 13:36:09.20 ID:NYHz50OjO
ここで中断します!
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/29(水) 14:12:04.66 ID:MLmSVpYHO
カタカナを会話を使うキャラについては

「コンニチワイイテンキデスネキョウハドコニイキマスカ」

「コンニチワ イイテンキデスネ キョウハ ドコニイキマスカ」

の様に文節を区切った方が見やすいからお薦めする
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/29(水) 20:52:46.86 ID:+piuG1TKO
今日、ワイ、移転、キデスネ教は、何処に行きますか
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/30(木) 22:10:15.58 ID:iSRvm8OEO
楽しい!
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/31(金) 01:29:32.71 ID:ZxYIqrMAO
本当に少しだけ更新
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/31(金) 01:38:04.96 ID:ZxYIqrMAO

タイタニス「ヌゥ!」ブンッ

タイタニスは大きな腕を振り回した!


戦士「うらぁ!」ズゥンッ

戦士(すげえ重い!なんてパワーだ!)ググッ


勇者「戦士!今行くッ!」ダダダッ


タイタニス「ガァア!!」ゴォオッ

勇者の攻撃に合わせて、タイタニスの両角に闇の魔力が集中する。

ヂヂヂヂッヂィヂヂッ!
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/31(金) 01:38:36.10 ID:ZxYIqrMAO

勇者(闇の雷か!)

勇者「おらぁあ!!」ズバァ!

バヂバヂバヂッッッ

勇者「ぐぅ!」


勇者は、剣圧で相殺するも、僅かに漏れた雷にダメージを受けてしまった。


勇者「まだまだぁ!」ヒュッ

勇者(風魔法で斬り込む!)


戦士「はっ!」ガィンッッ

戦士(うし!腕を弾いたぞ!)
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/31(金) 01:39:17.17 ID:ZxYIqrMAO

タイタニス「オオオオオオオ!」ブンッ


バッッガァァアンンッッ

タイタニスは思い切り地面を砕いた!


戦士・勇者「!?」


タイタニス「オオオ!」バヂバヂバヂッバヂバヂッ

割れ目から雷が漏れ出す!


勇者「なっ?!」(地面から雷が!?)

戦士「ぐぁあああ!!!」ヂヂヂヂッ!

勇者「がっ…あ…!」バヂバヂィイイッッ
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/31(金) 01:40:02.89 ID:ZxYIqrMAO

僧侶「戦士!勇者!」


賢者「僕が隙を作る!回復を頼んだよ!」ヒュンッ

僧侶「はい!」ダダッ


タイタニス「ムッ!?」


賢者「上級火炎魔法!乱!」ボボボッボボッ


タイタニス「ウガァ!」バシィッ

賢者「なっ!」(腕だけで弾いただと!?)


タイタニス「ヌルイワァ!」バヂヂヂヂヂッッ

賢者に向けて稲妻が走る!


賢者「ちっ!上級火炎魔法・集!」

ボシュゥゥゥッッッ

ヂヂヂヂッッッ

賢者の手に高密度の炎が集中、
タイタニスの稲妻と相殺された!


賢者(強い!流石は悪魔族の王だ!)

スタッ

賢者(上級魔法じゃダメージにならない…)
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/31(金) 01:40:43.48 ID:ZxYIqrMAO

僧侶「2人とも!」ダダダッ


勇者「くっ…う…」

戦士「いってぇえええ!」


僧侶「回復魔法・中!」ポワァン

僧侶が手をかざすと、2人に聖なる光が集まり傷を癒す。


勇者「…さんきゅ!よし!」


僧侶「賢者のフォローを!」

戦士「まかせろお!」ダダッッ


タイタニス「ヌゥゥウアア!」ドゴォドゴォッ


賢者「ぐぅ!」(土魔法のガードが砕けそうだ…!)

タイタニス「ナカナカ イイマホウダナ!」

戦士「おらぁぁああ!」ギュンッ
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/31(金) 01:41:29.96 ID:ZxYIqrMAO

タイタニス「ムッ!」

戦士「はっ!!」ズバァ!

タイタニス「グッ…!」

戦士「うし!」ズザァッ


タイタニス「キサマァ!」ブンッッ

戦士「うらぁ!」ズズンッ!

戦士「1度受けてるんだ!コツは掴んだぜ!」


勇者「ハァアア…!!」バチバチバチバチ


タイタニス(ムッ!オオキナ マリョク ノ ハンノウガ…)


勇者「上級雷魔法・帯…!」シュパァ

練り上げた魔力を剣に込める!


勇者「オオオオオオオ!」ヂヂヂヂヂヂヂヂッ

勇者「シャア!!」ダンッッ

雷を纏った剣で稲妻のように突っ込んだ!


タイタニス「ヌゥラァ!!」ブンッ

それに対し、タイタニスも応戦する!
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/31(金) 01:41:58.30 ID:ZxYIqrMAO

ズガァァアアアンンッッ


ゴォオオッッ


僧侶「凄い…エネルギーです!!」

賢者(激しいぶつかり合いだ…!)


勇者「ぐぅあッッ!!」ガギィィン!


タイタニス「グゥッ!」ズザァッ


勇者「はぁ!はぁ!」スタッ

勇者(強い…!腕の硬度は相当なもんだ。魔力も体力も底が知れねえ…さすがは悪魔族の頂点に君臨する魔族だ…)


タイタニス「フッフッフッ。サスガハ マオウヲ タオシタメンバーダ」

タイタニス「コンナニ タノシマセテクレルトハナ」

勇者「へっ、そりゃどーも。こっちは楽しくなんかねーけどな」

471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/10/31(金) 01:46:53.65 ID:ZxYIqrMAO

ここで中断します!

展開遅くなってきたので、はしょりながらテンポよくを考えて次から投稿したいと思います。

間が空くので、期待せずにお待ちを…
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/31(金) 06:58:55.24 ID:2eyPx4XjO
おつ
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/31(金) 08:52:27.10 ID:ABL+74NNO
おつ
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/11/02(日) 23:46:02.67 ID:eSx5bwpx0
おつ、期待してる
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/04(火) 16:44:08.57 ID:inUyLZL6O
あまり進んでいませんが、間を開けすぎるのは嫌なので投稿します!

ごめんなさい!
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/04(火) 16:45:10.21 ID:inUyLZL6O
勇者「大体なんでお前みたいなやつがこんな辺境の洞窟にいるんだ?」


タイタニス「ソンナコトハドウデモイイ。オレハ ツヨイヤツト タタカイニキタ」


勇者「まともに答える気はなしか…」(ちっ…)


タイタニス「オマエラハ タシカニ ツヨイ」

タイタニス「ダガ コンナモノナノカ?マオウヲタオシタナラバ モット タノシマセテクレルト オモッテイタ」


戦士「なんだとー?!まだ本気じゃねえからな!なめんなよ!」


僧侶(私たちはまだ本気を出してはいませんが…タイタニスの強さも底がしれません…)

僧侶(それに、魔王を討伐したときより、2人少なく、あの時ほど研ぎ澄まされてはいない…)


タイタニス「ホウ…アンシンシタゾ」


勇者「ん?」


タイタニス「オレモ ホンキデ タタカエル」

タイタニス「コンナニ コウフン スルノハ ヒサビサダ」


ズァオッッ

タイタニスの体から闇の魔力がほとばしる。


賢者「本気モードか…」

勇者「すげぇ魔力だ…!」

戦士「おー!」
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/04(火) 16:45:50.36 ID:inUyLZL6O

僧侶「…!」

僧侶「皆…これは、本気でかからないと…!!」


賢者「そうだね…その前に、タイタニスに聞きたいことがある」

僧侶「えっ?」


タイタニス「モウ ハナシハ オワリダ」


賢者「まあ待ってくれよ」

賢者「要望にお応えして、ここからは僕らも本気を出すつもりさ。じゃないと死んでしまうしね」

賢者「でもお前と戦う理由もわからないまま戦うのは全力が出しにくい」


賢者「最近、冒険者が行方不明になったり、魔物の活動が活発になっているという報告を受けている。僕たちはそのことについて調査するためにこの洞窟に来たんだ」

賢者「そのことにお前は関係しているのか?」


タイタニス「…」(アイツノシワザダナ…)


賢者「もし関係なく、ただここに住んでいるだけというなら、戦う意味もない。全力で撤退させてもらう」


勇者「んー…確かに」


戦士「えっ!?やんねえの?!」


賢者「原因を明かすために来たんだ。タイタニスなんて化け物と戦って意味もなく死にたくないだろ?」

戦士「俺ぁ負けねえ!!」

賢者「僕が死ぬよ?」

戦士「それはだめだ!」

勇者「単純かよ…」
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/04(火) 16:46:28.17 ID:inUyLZL6O

タイタニス「ナルホドナ…ニゲラレルノハ コマル」


賢者「無関係ではないんだろう?」


タイタニス「……」

タイタニス「マア オレニハカンケイノナイコトダ。ハナシテヤッテモイイ」


タイタニス「オレヲ タオスコトガ デキレバ オシエテヤル」


賢者「……」(やっぱりそうきたか…)


勇者「…上等じゃねえか」スッ


戦士「おっ?!やっぱりやんのか?!」


賢者「…依頼人として内容を変更するよ」


賢者「タイタニスを討伐し、昨今の事件の原因の情報を得る」

賢者「みんな、ここからは全力をだしてくれ」


勇者・戦士「おう!」

僧侶「はい!」


タイタニス「フッフッフッ タノシミダ!」

479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/04(火) 16:47:12.46 ID:inUyLZL6O
その頃、宿屋


グッ グッ グッ

シスター「どうですか?」


男「…はい!いい感じです。痛みがありません」

男「回復魔法ってやっぱりすごいですね…」


シスター「ふふ、大袈裟ですよ。このくらいは普通です」


男「ありがとうございました!」

シスター「怪我をなさらぬよう気をつけて」

男「はい!」


ドラゴンを討伐し、3人は男の療養のために港町に滞在していた。

毎日シスターのもとへ通い、回復魔法をかけて貰った結果、5日ほどで、折れた骨は完全にくっついた。


タタタッ

男「ごめん!やっと治ったよ!」

武闘家「おう!」

魔法使い「良かったです!」


男「いやー…俺のせいでもたついちゃって本当にごめん」

武闘家「気にすんな。ドラゴンとやったんだし、休養はあったほうがいい」


魔法使い「男様の冒険ですしね!」

男「ありがとう2人とも」


男「それで…これからの冒険の指針なんだけど…どうしようか?」

男「ウエスト王国方面に行くには、みっつほど村と街を経由していかないといけないんだよね?」
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/04(火) 16:49:00.96 ID:inUyLZL6O

魔法使い「はい。それが1番早くウエスト王国に行ける道順だそうです!列車は抜きで、ですが」


武闘家「列車は冒険じゃねえからな、論外だ」

魔法使い「そうですね」


男「各街で依頼をこなしつつ、進んでいくのが1番かな…」


魔法使い「ドラゴンを倒した報酬金もありますし、ある程度の余裕はもてそうです」


魔法使い「男様の木刀が折れてしまったので、この港町で買い換えましょう!」


男「そうだ、武器がないんだった」


武闘家「職人さんとこに行くか!」
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/04(火) 16:49:33.63 ID:inUyLZL6O

鍛冶屋


職人「おう…武闘家か…」

職人「今日は例のやつも連れてるようだな…」


武闘家「おす。こいつが男だ」


男「ど、どうも」(めっちゃ怖え…)


職人「どうした?武器でも買いに来たか…?」


男「もともと使っていたものがドラゴンに折られてしまって…これからの冒険のために剣を買いにきたんです」


職人「ほう…剣士なのか…お前は…」


男「…た、多分…!」(初めに渡されたのが木刀だっただけだけど…剣士なのか俺…?)


職人「なら色々見ていけ…品揃えは悪くない…」


男「はい」(本当にいっぱいあるなあ…)
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/04(火) 16:50:11.94 ID:inUyLZL6O

魔法使い「あっ!これなんかどうですか??」

男「ん?どれどれ…」

魔法使いが持っているのは、クレイモアと呼ばれる男の身の丈ほどもある大剣だ。


男「でかっ!?そんな大きいのは無理だよ!」

魔法使い「そうですか…」シュン


武闘家「おっ!これなんか男に似合いそうだぜ!」

つ》ハルバード


男「それもでかすぎる!」

男「大体それ剣じゃなくてハルバードだよ!」ビシッ


武闘家「んー…武器は難しいな…」


男「俺のサイズに合うやつじゃないと…」


職人「それならまぁ短剣…ロングソードあたりだな…値段も…安価だ…」

男「無難でそれが良さそうだなぁ…」

男(できればまた木刀だといいんだけどな…刃物は殺してるって感じがして刺激が強すぎる)

男(日本出身だからか、手に馴染みやすい気もする)
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/04(火) 16:50:52.01 ID:inUyLZL6O

魔法使い「男様!これならどうでしょう?!」


男「ん?」(またクレイモアみたいなやつかな?)


魔法使い「なんとなく前の武器に形が似ていますし、見た目もカッコいいです!」


男「えっ!!」(こ、これは!日本刀!?)


魔法使いが手にしているものは、間違いなく日本刀だ。

黒塗りの鞘に、丸い鍔。

他のものと比べて、存在が浮いている。


職人「それか…イースト王国の技術が使われている剣だ…。あまり…オススメ出来ない…」


男「な、なぜですか?」


職人「…扱いにくいからだ…。両刃ではないうえに…斬り方もロングソードやクレイモアとは違う…。耐久性にも欠ける…作ったはいいが…全く売れていない…」

職人「イースト王国の武人と呼ばれるものたちは…上手く使っているようだがな…」


男「そうなんですか…」

魔法使い「すみません…また見当違いのものを勧めてしまいました…」シュン


男「いや…この剣は…俺の出身地でも馴染みのあるものなんだ」


魔法使い「えっ!?」


武闘家「お前、イースト王国出身なのか?」
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/04(火) 16:51:29.13 ID:inUyLZL6O

男「そんな感じの場所なんだ。使ったことはないけど」


武闘家「へ〜。確かにそんな感じの顔してるよな」


男(どうしよう…なんか、ときめいてしまったというか…日本人としての血がこの日本刀を選べといっているような気がする…)


職人「ほう…なら…少し振ってみるといい…俺もそいつに適性があるか…どうか…わからなくはない…」


男「いいんですか?!」


職人「ああ…売れていないしな…たまには抜いてやってくれ…。外にでるぞ…」


外 鍛冶屋の裏


魔法使い「前の武器が木刀だったせいか、やっぱり似た形のものが似合いますね!」


男「そうかな?ありがとう」(こうやって腰に指すのか…思ったよりも軽くて邪魔にならなそうだ)


職人「その剣は…太刀と呼ばれている…長さによって細かく区分されているそうだが…」


男「太刀…」(イメージだと太刀はもっと長いものだと思ってた…)
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/04(火) 16:52:02.54 ID:inUyLZL6O

武闘家「どうやって戦うんだ?なんか他の剣よりもかなり脆そうに見えるんだが」


職人「武闘家…言う通りだ…太刀はかなり脆い…ロングソードやクレイモアのように…魔物の攻撃を…受け止めることはできない…折れてしまう…」


職人「一撃で…決めるべき武器だ…」


職人「相手の攻めは全てかわし…一瞬で終わらせる…」

職人「抜刀の瞬間の速さは……相当なものだ…上手くできればな…」


魔法使い「な、なんか凄いですね…!」


武闘家「他の剣とは全然ちがうな!」


男「なるほど」


職人「まずは…お前なりに…構えてみろ…」


男「…はい」

男(俺なりに…なんか恥ずかしいな…)


男(いろんな漫画で日本刀は出てきてるけど、抜刀するときの構えといえば…)
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/04(火) 16:52:29.88 ID:inUyLZL6O

スッ

ジャリ…


腰を下げ、鞘に手を添える。

左手の親指を鍔にかけ、柄の部分を右手で握りしめた。


男(こ、こんな感じだよな…るろ剣だと)


職人「…ほう…」

職人「なかなか…様になっているぞ…」(大抵のものは…刃を下に向け…手首を立てずに握るものだが…やはりイースト王国出身のやつは…違うな…)


男「ありがとうございます」

男「ここから、どうしたらいいでしょうか…?」


職人「…抜いてみろ…なるべく…素早く…」


男「はい」


男(……いくぞ!!)


チンッ

ヒュッッ

ザンッ!!


男「…!!」(ど、どうだ?!)

487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/04(火) 16:55:35.19 ID:inUyLZL6O
ここで中断します!

488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/04(火) 18:45:01.53 ID:XUDA+T4LO
おぉい!!
おつ
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/04(火) 19:39:53.31 ID:Rv2YhzWUo
良いところで止めるね。

あと進めてくれるだけで有りがたいから謝らなくてもいいよ
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/04(火) 21:43:12.85 ID:VJ9l/ZU3O
男の指「スパッ」
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/05(水) 02:11:38.61 ID:oBpCEfBXo
るろ剣の真似してるだけの素人が誉められてるwwwwwwwwwwwwwwww
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/09(日) 16:14:01.59 ID:13o2KgMp0
まだかな〜
1さん頑張って〜
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/09(日) 17:20:51.65 ID:ttc7oTyKo
なろうでよく見たわこういうの
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/15(土) 07:45:48.26 ID:NApoc51DO
まだかのぉ〜?楽しみに待っとるよ〜
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:06:54.02 ID:AgOk+UQNO
すごく遅くなってしまって申し訳ないです

少し最近忙しく、ちょこちょことした書きためができなかったので…

ある程度たまったので投稿します!
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:07:35.90 ID:AgOk+UQNO

職人「……」(ふむ…)


魔法使い「…迫力がありますねぇ…」


男「…どうでしょうか…?」


職人「…他の…普通の武器を扱うよりは…向いているかもな…」

職人「今の動作は…居合と…呼ばれるものに近い…もっとも…本来の居合はこんなものではないがな…」


男「…居合」(抜刀術とかのことだよな?見よう見まねだけど…)


職人「…その…刀は…やる」


男「…えっ!?」(やる?!)


職人「もって…いけ…。金はいらん…」


男「い、いや!悪いですよ!武器って高いものですし、お金もあります!」

武闘家「おっさん太っ腹だなあ!はっはっはっ!」


職人「俺は…金のために…剣をうっていない…。造ったものが…正しい人間に使われること…それだけだ」

職人「ドラゴンを討伐したんだ…腕がないわけじゃ…ないだろう…」


男「職人さん…」

男「でもこんな高価なものを…」
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:08:02.18 ID:AgOk+UQNO

武闘家「男!遠慮しすぎんな!おっさんだって皆に配ってるわけじゃねえ。気に入ったやつにしかこんなことしないんだ」

武闘家「素直にもらっとけ」


職人「…どう…する?」


男(日本刀…こんなものをもらえるなんて…すごく申し訳ないけど、きっとなかなかない機会だ…)

男(この先、色んなチャンスがある。異世界から来た俺は逃しちゃいけない)


男(飛びつくんだ)


男「……ありがたく…いただきます!」

男「大事に使って、もっと腕を磨きます!」


職人「ふん…礼はいいさ…正しく…使ってやってくれ…」


男「はい!」
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:08:36.31 ID:AgOk+UQNO

飯屋


魔法使い「男様の武器が調達できてよかったです!」


男「うん。しかも貰えるとは…本当、職人さんには感謝してるよ」


武闘家「おっさんは気難しいけど、見る目は確かだ。男のなにかを見抜いたんじゃねーか?」


男「…なんだろう?」(異世界から来たってことかな?)


魔法使い「武器が合う人を見抜く…」

魔法使い「鍛冶屋の方ならではの才能ですね」


武闘家「太刀?だっけか?」


男「うん。俺の地元じゃ日本刀って呼ばれてた」


武闘家「何と無くだが…ロングソードよりも頼りなく見えるな…」


男「刀身が細いからじゃない?」


武闘家「魔物を倒せるのかどうか」


男「試してみないとわからない…」

男「でも…太刀じゃ確実に殺してしまうだろうから、悪者の魔物相手のほうが気兼ねなく振るえると思う」


武闘家「剣は手加減も難しいもんな」


魔法使い「内容をよく見てから依頼を受けるのが一番ですね」


男「そうだね」
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:09:06.62 ID:AgOk+UQNO

魔法使い「そういえば、次の経由する予定だった街なんですが…」


男「うん?」


武闘家「花の街ってところでな、綺麗な街なんだが、今は冒険者は通れないらしい」


男「まじか。それはなにか理由があるの?」


魔法使い「レジスタンスによって攻撃を受けてしまったようです」


男「…レジスタンス?」(反乱軍みたいな感じか?)


魔法使い「はい。私も詳しくは知らないのですが、とても深い歴史がある組織だそうです。各国の傘下にある都市をゲリラ的に襲っています」


武闘家「花の街はセントラル王国の傘下国だからな…」

武闘家「今朝の新聞で大きく載ってたぜ」


男「そんな組織があるんだ…」

男「大きいの?」


武闘家「隊員数は不明なほど、巨大で秘密の多い組織だ。目的もわからんし…とにかく危ねえやつらだ!」

魔法使い「魔王との戦争の時も、人間側には加担せず、傍観する姿勢をとっていたようです」


男「なんか…怖いね」
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:10:02.51 ID:AgOk+UQNO

武闘家「ま、避けるに越したことはねえ!」

武闘家「出会っても返り討ちにしちまえばいいしな!」


男「おー、頼もしいな」(魔物以外にも問題が山積みだな、この世界は)


魔法使い「関わらないのが一番です!」


魔法使い「花の街経由ではなく、ウエスト王国に入るにはもうひとつルートがあるのでそれを使うしかなさそうです」


男「よかった、他の道もあるんだね!」


魔法使い「このルートは、男様が休養しているときに酒場で聞きました。経由は二つで済むそうですが…」


武闘家「二つあるルートのうち、こっちのルートは冒険者も利用したがらない」


武闘家「経由も一つ少ないし、距離も短い。二週間あればいけるかもしれない」


武闘家「それでも冒険者が少ない理由はなんだと思う?」


男「い、いやわからん。魔物がいっぱいでるとか?山道がキツイとか?」


魔法使い「……二つ目の街が問題有り、なんです」


武闘家「ああ…」

武闘家「身分の差が激しく分かれていて、国からのバックアップも全く受けず、完全自治されている無法地帯【奴隷と賭博の街】と呼ばれる街を通らなきゃいけないんだ」


男「奴隷と…賭博?」


武闘家「俺も行ったことはなくてな、話をきいただけなんだが…」
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:10:33.03 ID:AgOk+UQNO
…………………………………

酒場


町民「…ウエスト王国に行きたい?」


武闘家「ああ!」


町民「なんで私にきいてくるんだ?」


魔法使い「マスターからあなたならウエスト王国までの道のりに詳しいと聞きました」


町民「あ、なるほどね。うん、詳しいよ」

町民「何回か通ったことがあるからね」


魔法使い「この港町からウエスト王国に入国するにはどうしたらいいのでしょうか?」


町民「んー…ルートは二つあるんだ」


武闘家「二つ?」


町民「うん。花の街経由か、復興の村経由か」

町民「でもね、困ったことに…というか、良くあることなんだけど、花の街がレジスタンスに襲われて通行不可なんだよ、今は」


武闘家「片方の道しか選べないってことか」


町民「うん。復興の村から奴隷と賭博の街を通って、ウエスト王国の入り口、鉱山の街に入るんだ」


町民「ただ、この奴隷と賭博の街っていうのが問題なんだよね。だから、普通なら花の街から行くんだ」
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:11:11.25 ID:AgOk+UQNO

魔法使い「…どんな街なんですか?」


町民「奴隷を使って貴族たちが賭博をしている街なんだ」


魔法使い「賭博ですか?!」


町民「賭博といっても、格闘闘技大会で、貴族たちは奴隷を出して自らの優秀さを奴隷で比べ合うんだ」

町民「貴族街は治安がいいけど、それ以外は人攫いや暴力事件みたいなことがある物騒な地区で、貴族街はお金がないと入れない」


武闘家「とんでもねえ街だな…」


魔法使い「そこには補給だけしてすぐに立ち去ったほうが良さそうですね…」


町民「おそらく、補給もままならない。外からの人間には、ありえない価格を提示してくる」


魔法使い「そんな…経由を諦めて素通りするしかないということでしょうか?」


武闘家「いや」


町民「ん?」


武闘家「その賭博に参加しちまえばいいんじゃねえか?!」
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:11:41.43 ID:AgOk+UQNO

町民「ふふっ、奴隷しか参加していないよ?そんな中に一般人の旅人として参加するのかい?」


武闘家「賭博ってぐらいだから勝てば金が手に入るんだろ?勝てば補給も出来るし金も手に入る。少し滞在してすぐ鉱山の街を目指せば問題ないんじゃねえか?!」


魔法使い「い、いや、武闘家様!それは危険ですよ!」

魔法使い「下手をすれば自分が奴隷になってしまいそうですし…」


武闘家「んー…まあその危険は付きまとうな…」


町民「悪くない線だよ。旅人が参戦して荒稼ぎするのは良くある」


武闘家「まじか?!」


町民「ウエスト王国に続く道なだけあって、コロシアムの前哨戦と捉えているやつもいるんだ」


町民「ただ、負ければ奴隷に落ちることがほとんどだ」


町民「実力試しにはハイリスク過ぎるかもね」


町民「勝てば全部上手く行くだろうけどねえ」


…………………………………………
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:12:12.96 ID:AgOk+UQNO

男「そんな街があるんだ…」


武闘家「ルートを無視して進むのは迷う危険があるが、このルートを選んだとしても二つ目の街で引っかかる」


魔法使い「私たちでも悩んだのですが、この冒険は男様の冒険です!男様が決めたことについていきますよ」


武闘家「……」


男「うーん、2人はどう思う?」(そんな重要なこと決められないよ…)


武闘家「…俺は」

武闘家「奴隷の街に興味がある!ウエスト王国にあるコロシアムもそうだが、闘技場で自分を試せるのなら、飛び込んで見たい」


男「なるほど、でも負けたら奴隷になってしまうかもしれないんだよな?」


魔法使い「はい…」


男「…」


武闘家「…男、お前の冒険だ。避けてなんとかすることもできるっぽいからな」

武闘家「選んでくれ」


男(自分試しの闘技場か…。こないだ聞いたコロシアムの話、俺も少し興味が湧いたけど、奴隷の街は普通じゃなさそうだ…)

男(魔法使いは女の子だし、街に入るだけでもなにかありそうだな…)


男「…」
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:12:45.05 ID:AgOk+UQNO

男(でも、そんな街なら異世界の情報もあるかもしれない)


男(武闘家には話していないけど、奴隷の街には賛成なようだし…いや!)


男(仲間を失う危険がある街に行くなんて、勇者は良いと言うか…?)


男(勇者ほど強ければ問題ないだろうけど、俺は弱いし…魔法使えないし…魔法使いを攫われてしまったら、魔女さんに申し訳なさすぎる)


武闘家「…」


魔法使い「…」

魔法使い「…男様?」


男「…っん?」


魔法使い「とても難しい問題ですが…男のやりたいほうに進むのが一番だと、思います」


魔法使い「もし、私のことで心配事が増えてしまっているのでしたら、それは考えずに男様のやりたいことを選択して下さい!」


武闘家「おう!俺も興味がある程度だからな!ルート無視でも構わねえぜ!」


男「……二人とも後悔したりしないよね?」


武闘家「あたぼうよ!」


男「…よし!」


男「飛び込んでみよう!奴隷と賭博の街に!」


男「そこでどうするかは、着いてから決めるとして、とりあえず復興の村経由でウエスト王国を目指す!」


魔法使い・武闘家「はい!おう!」
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:13:22.56 ID:AgOk+UQNO

3人は冒険の指針を復興の村へ定め、港町を出発した。


ズバッ!


ダダダッ


ドガァ!


アルミラージ「キキーッ!」


アルミラージ2「キ〜ッ!」


男「はぁ!はぁ!…こいつら…!」


武闘家「なかなかやりやがるな…」

武闘家「アルミラージはなんとかなるが…キラーパンサーはかなり厄介だぜ…!!」


キラーパンサー「グルル…」ジリリ…


復興の村へ向かう途中、魔物の群れに捕まってしまっていた。

自然が豊かなこの地域では、獣系の魔物が多いようだ。
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:13:53.56 ID:AgOk+UQNO

魔法使い「私が風魔法でキラーパンサーを牽制します。ダメージは与えられないと思いますが、隙くらいは作れるはずです。そこをお願いします!」ヒソヒソ


男「わかった!」ヒソヒソ


武闘家「いや!まて!男はまだ太刀が上手く扱えてねえ。キラーパンサー相手にしくったら、港町に引きかえさねえと治せない!俺にやらせてくれ」


男「…っ。確かに…そうだね、武闘家に頼むよ!」


男はまだ太刀に慣れていなかった。

今までの道中も、ミスしてしまう場面が何度かあり、男だけダメージがかさんでいた。


男(くそっ…!日本刀がこんなに難しいなんて…!)

男(ここまでの三日間、4回くらい戦闘になったけど全然魔物を倒せない…!ガードもできないからダメージを受けちゃうし…)


魔法使い「いきますよ!」

魔法使い「風魔法・小!」ヒュンッ


薄い風の矢がキラーパンサーを襲う。


キラーパンサー「ガルァ!」バッ


魔法使い(やはり簡単に避けられてしまいますね…!でも武闘家様が突っ込んでくれています!)


武闘家「しゃらあ!!」ダンッッ


キラーパンサー「ガルルル!!」シャッ


武闘家はキラーパンサーが避けた位置に向かって勢いよく突っ込んだ。

絶妙なタイミング。

キラーパンサーは着地を狙われ、不十分な体勢で武闘家を迎え撃つ。
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:14:27.49 ID:AgOk+UQNO

武闘家「ぐぅう!」(前足…ッッ!危ねえ!)サッ


キラーパンサー「ガル!?」ブン


武闘家「くらえやぁあ!!」ドゴゴゴッッ!


隙を突いた4連撃!


キラーパンサー「グルァッッ…!」


魔法使い「たたみかけます!」コォォオオ


男(俺はアルミラージたちを引きつけないと!)ダンッ


アルミラージ、2「キキーッ!」ダダダッ


男(魔法使いの邪魔をするつもりか!)


魔法使い「土魔法・中!」ドゴゴゴォォオオッッ

魔法使い(男様!アルミラージは任せました!)


男「はぁああ!!」ブンッッ

男はアルミラージに向け、力任せに太刀を振った。


アルミラージ「キッッ!」ギィン!


男(なっ!?角で受けやがった?!)


アルミラージ2「キキーッ!!」

ここぞとばかりにアルミラージ2が突っ込んでくる。


男(くそッ…や…!)

男「べぇ…!!」ブシュゥッ!

男「ぐぅう!」(角が腹を掠った…!!!でも、勢いは止められたぞ!)
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:14:59.26 ID:AgOk+UQNO

アルミラージ2「キキーッ!」


男「う…ッらあ!!」バギィ!


アルミラージ「キィイ!」ズザァ


男は力を振り絞り、柄の部分でアルミラージをぶん殴った。


男「次…!!」ババッ

男(…一撃で倒すなら…喉を狙うんだ!)


アルミラージ2「キィイイッ!!」ダダダッ


男「ふん!!!」ズバァッッ


アルミラージ2「キッ…!?」ブシュッゥゥ


ズザァ…

アルミラージ2は喉からうなじにかけて斬られ、動かなくなった。
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:15:46.98 ID:AgOk+UQNO


ドゴゴゴッッォォオオッォ!!


キラーパンサー「ガルルルァァァア!!」


魔法使い(命中しました!さすがのキラーパンサーも…!)


武闘家「まだまだああ!!」

武闘家「ふんん!」ドガァ!


キラーパンサー「ガァッ!?」


武闘家(どうだ!?)


ジャリリリリリリリッッ!

キラーパンサーは土魔法と武闘家の攻撃を受け、数メートル吹き飛んだ。


キラーパンサー「ガルルル…!」


魔法使い「これでもまだ決定打にはならないなんて…!」

511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/18(火) 01:16:33.56 ID:AgOk+UQNO

ここまでにします!

また期間が空いてしまいそうですが、しっかり書いてきます!

512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/18(火) 20:38:50.20 ID:pVexjv5Ko
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/21(金) 19:31:46.60 ID:zG/pMm7RO

期間が空いて申し訳ない

投稿します
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/21(金) 19:32:34.68 ID:zG/pMm7RO

武闘家「…さすがここらの主と呼ばれてるだけあるな」


キラーパンサー「ガルルル…」ジリリ…


キラーパンサーはダメージを受けたが、戦闘不能になるまでは至らず、まだ戦う余裕を見せている。


男「はぁ…ッ…」(な、なんとかアルミラージを倒したぞ!)

男(2人の戦況は?)チラッ


男「…」(土魔法がヒットしたようだけど…まだキラーパンサーはやる気がありそうだな…)


男「2人とも!こっちは終わったよ!」ヒソヒソ


魔法使い「では3人でかかりましょう!」


武闘家「うし!」


魔法使い「また私が魔法で牽制を…!!」


キラーパンサー「ガルァッ!!」

ジャリャッッ!!


魔法使い「!!」(なっ!?)


武闘家「やべえ!!」(いきなり飛びかかってきやがった!)


魔法使い「ッッ…!」(避けられ…なっ…!!)


男「魔法使いッ!!」

男「くそッ!!」ダッ

男(だめだ!間に合わない!!)
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/21(金) 19:33:13.96 ID:zG/pMm7RO

シャッッッ


魔法使いの肌に、キラーパンサーの爪が触れるかどうか、その間際。


スパァン!


キラーパンサー「ガルァッ!?」ブシュッッ


魔法使い「えっ!??」


なにかがキラーパンサーの両前足を切り落とした。


キラーパンサー「ガルァァアァアァアァア!!」ズザァッッ…


武闘家「な、なんだ?!」(キラーパンサーが…!?)


魔法使い「魔法…!?」


「なーんだよなんだよ、たいしたことねえじゃんか」

ヒュゥゥ


男(…!?空から…?)


スタァンッ


「ふー…」

「ちょっと前からお前らの戦闘を見てたけど、全然じゃん?」
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/21(金) 19:33:42.79 ID:zG/pMm7RO

男たちの前に降り立った青年は、そう一言言うと、手をあげた。


「おーい、出てきていいぞー」


男(なんだ??)


ヒュタッッ


「……」


青年の合図で木から降りてきた少女は、むすっとした顔で男たちをにらんだ。


男「だ、だれですか…?」(少女…?!15くらいか…?)


魔法使い「…?」


茶髪「俺は茶髪。ウエスト王国の冒険者だ」


茶髪「んで、こっちの色白は俺のパートナー。エルフ娘だ」


エルフ娘「……」


男(同じ冒険者か!!)


魔法使い「冒険者の方だったんですね…」ヘタリ

魔法使い「本当…やられてしまうかと思いました…なんてお礼を言ったらいいか…」


茶髪「はっはっは!気にすんな、気まぐれだから」


魔法使い「ありがとうございました」

魔法使いはへたり込んだ姿勢から申し訳なさそうに礼を言った。


武闘家「…気に入らねえ」
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/21(金) 19:34:20.40 ID:zG/pMm7RO

茶髪「…ん?」

茶髪「どうした?」


武闘家「俺らの戦いだったんだ!余計なチャチャいれやがって!」


エルフ娘「……」コォォオオ


茶髪「まて、エルフ娘」

茶髪「…まあ、そうだな。余計な事したかもしれねえや」

茶髪「少し前に俺らと同じ冒険者のパーティがこのルートを通ったって聞いたからよ、興味本位で戦闘を見学させてもらったんだ」


茶髪「お前らはなに目的の旅なんだ?」


武闘家「答える義理はねえ」


魔法使い「武闘家様…気を逸らした私が悪いんです!あまりいがみあわずに…!」


男「ま、まあまあ武闘家。同じ冒険者で仲間なんだし、いがみ合うのはやめよう」


武闘家「男、俺ぁ引かねえぞ!」


武闘家「一発、勝負しやがれ!!」ダンッ


男「あっ!」(しかけやがった!)
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/21(金) 19:34:49.69 ID:zG/pMm7RO

茶髪「おいおい…」

エルフ娘「…茶髪…やるから…」


武闘家「おらぁあ!!」

武闘家は茶髪に踊りかかった!


エルフ娘「……下がれ」カァッ


ドゥンンッッ


武闘家「がっ!?」

武闘家(な…んだ…!?)


ズシャァッ

武闘家「ぐ…ッハ…!」(見えねぇ…衝撃波…が…!?)


男「いきなり武闘家が吹っ飛んだぞ!?」


茶髪「あーあ、エルフ娘は優しくねえぞー?」


エルフ娘「…潰れろ」カァッ


エルフ娘が片手を武闘家に向けてかざすと、また見えない圧力のようなものが武闘家へ襲いかかった。
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/21(金) 19:35:39.38 ID:zG/pMm7RO

ベコベコッッベコッッッ


武闘家「な、なんだこりゃあ!?」

武闘家(地面が俺に向けて抉れてきてやがる!)


武闘家(動かねえと!)ダンッ


エルフ娘「…ちっ」

エルフ娘「…動くな…」カァッ


武闘家(あいつの手が光った…!?)


ガチィンッ!

武闘家「がっ!?」

エルフ娘「…よし…」


武闘家「ががっ…!」(俺の…身体を…見えねぇなにかが縛ってやがる…!?)


武闘家はエルフ娘の見えない魔法によって拘束されてしまった。


武闘家「…ッ…な、んだ…こりゃ!?」

武闘家「ま、ほう…ッ…か?!」グググッ


エルフ娘「……茶髪に謝れ…」
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/21(金) 19:36:07.48 ID:zG/pMm7RO

武闘家「は…っ!?」


エルフ娘「……まだ痛い目にあいたいの…?」


武闘家「…っざけんな!…誰が…ッ…謝るかよ!!」

武闘家「う、おおおおらあああ!外れろぉぉおおお!!」ジタバタッ


エルフ娘「……そう…」


エルフ娘「じゃあ…」


茶髪「ストップ、エルフ娘」


エルフ娘「茶髪…」


茶髪「十分だ、それ以上は意味もなんもない攻撃になる。無駄なことはよせ」


エルフ娘「…わかった…」スゥ…


エルフ娘が魔力を鎮めると、武闘家にかかっている拘束魔法が解け、武闘家が落下する。


ドサッ

武闘家「ぐっ…!」
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/21(金) 19:36:37.84 ID:zG/pMm7RO

魔法使い「武闘家様!」

男「武闘家!」


2人は倒れこんだ武闘家に駆け寄った。


魔法使い「…2度の魔法でここまで武闘家様がボロボロになるなんて…」


武闘家「はぁ…はぁ…」


男「大丈夫か?」


武闘家「…も、んだいねえ…俺はまだ…やれるぜ」

男「嘘つけ!これ以上はやめとこう。別に敵じゃない」


魔法使い「見えない圧力の魔法…」

魔法使い「まさか…聖魔法を扱うことができるんですか?」


エルフ娘「…」
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/21(金) 19:37:08.23 ID:zG/pMm7RO

男「聖魔法?」

魔法使い「以前説明した、基本3霊種と火、雷の霊種を覚えていますか?」


男「うん。一応3霊種の契約はしてるしね」


魔法使い「その5霊種は本から契約することができます。体得する方法が簡単なので、一般の方でも行使することができますが…」


魔法使い「聖魔法、闇魔法は違います」


男「たしか…普通の人は使えないんだっけか…?」


魔法使い「はい。この2つはその人の人格や思想が強く影響する魔法なので、並大抵では扱うことができないのです」


茶髪「ほう…よく知ってんじゃん。さすがは魔法使いってとこか」


茶髪「エルフ娘は聖魔法の使い手だ。大したもんだろ?」


エルフ娘「…そんなこと…ない…」


魔法使い「神に信仰のある方しか会得し得ない魔法を…とても凄いです」


茶髪「パーティが2人で済んでるのも、こいつがいるおかげだね。お前らは3人か?」


男「はい。港街から冒険を始めました」


茶髪「港街?!始めたばっかりじゃん!それでその腕なわけかあ」
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/21(金) 19:48:56.92 ID:zG/pMm7RO
ここで中断します!

遅筆と雑な展開に、磨きがかかってしまい申し訳ない
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/21(金) 20:52:56.54 ID:4GSvgmfJO
乙、がんばれ
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/21(金) 23:21:00.27 ID:ZYPIVqLZO
おつおつ
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/22(土) 16:46:52.82 ID:CoBsM+bDO
少し投稿
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/22(土) 16:47:24.03 ID:CoBsM+bDO
茶髪「お前のその武器と顔からしてイースト王国の出かと思ってたよ」


男「この武器は譲ってもらったもので…顔は似ているだけです」(やっぱりイースト王国顔なのか、俺は…)


茶髪「見た所、お前が剣士で、そこの野蛮なやつが武闘家、お嬢ちゃんが魔法使い、って編成か。悪くねえパーティじゃん」


エルフ娘「…多い…」


茶髪「いや、普通こんなもんだろ。俺らには必要ねえけどな」


魔法使い「お二人はウエスト王国からきたのですか?そうでしたら私たちとは逆方向からということですが…」


茶髪「はっはっはっ!」

茶髪「俺らそんな駆け出しじゃねえぜ?ほら」

ガチャ

茶髪は右腕にはめている銀色の腕輪を見せた。

魔法使い「シ、シルバーバングなんですね!」
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/22(土) 16:48:03.03 ID:CoBsM+bDO

茶髪「シルバーバングになってからもそこそこ経ってる。俺らはウエストからセントラル周りで大陸を回ってるんだよ」


男「ってことは…」

男「もう大陸のほとんどを回ってきたってことですか?!」


茶髪「んー、まあな!はっはっは!」


男「凄い…」(そりゃ武闘家が勝てるはずないよ…)


武闘家「…」

武闘家は外れの木陰で、1人休んでいる。


男「…」(今は武闘家も離れてるし、異世界について聞いてみよう…!この人ならなにか分かるかもしれない!)


男「あの…俺らの旅は…というより、俺の旅に2人が付いてきてくれている形なんですけど…」


男「異世界について調べて行こうと思っているんです」


茶髪「異世界…?」

エルフ娘「…」


男「はい。なにか分かることってありますか?情報を頂けると嬉しいです」


茶髪「…異世界…ねぇ…」

茶髪「そういやあ、1人出会った事があるよ!なあエルフ娘?」


エルフ娘「…うん…かなり…うざかった…」


男「本当ですか?!」


茶髪「うん。あれはセントラルだったかなあ。なかなか入国が出来なくてな」


茶髪「俺らと同じで入国出来ずに喚いてる奴がいたんだよ」
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/22(土) 16:48:36.05 ID:CoBsM+bDO
……………………………………

城門


「なんで入れないんだい?!僕が入れないなんてあり得ないだろう!?」

兵「身分証もない怪しいやつを入れるかドアホ!!」


「しょうがないだろう!?僕はこの世界を旅しているんだ!身分なんて証明しようがない!!」

兵「諦めろ。やすやすとセントラル王国に入れると思うなよ。ましてや、今は魔王との戦争直後で国も大変なんだ。余所者に構っている暇はない!」


「僕がなんでも手伝うよ!魔法も得意なんだ!!」

「仕事さえくれれば必ず役に立つ!」


兵「帰れ。それが仕事だ」


「なんだと?!」

「それが仕事というなら給料をくれ!そしたら帰る!」


兵「ほれ、セントラル名物、ココヤッシの木の汁を煮詰めて作った餡が入っている饅頭だ」ポイ


「わーい!!」


兵「ふん、雑魚が」
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/22(土) 16:49:13.23 ID:CoBsM+bDO

「パクパク…」


茶髪「おーおー、変な奴がいるなあ」

エルフ娘「やばい…」


「ふぅ…お!君達も入国待ち!?」


茶髪「絡まれた」


「僕もそうなんだよお。この国はなかなか酷いね!サウス王国はとても優しかったのに」


茶髪「あんたは旅人なのか?見た所、冒険者ってなりじゃなさそうだ」


「ああ!この世界を旅して回っている!異世界から来たからこの世界が目新しくて仕方ないよ!」


茶髪「…は?」(異世界?)

茶髪「異世界って…どこ?」


「そうだろう!そうだろう!珍しいだろう!?」

「異世界から来た人なんて、僕も僕しか知らないからね!」
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/22(土) 16:49:41.97 ID:CoBsM+bDO

茶髪「聞いたこともねえなあ。エルフ娘は?」

エルフ娘「…知らない…きもい…」


「可愛いお嬢さんだね!僕より少し年下くらいかな?」


茶髪「あんた、かなり若いっぽいな。いくつだ?」


「17さ!」


茶髪「若えなあ!俺の1つ下かよ!」

「君も若いね!綺麗な毛並みだ」


茶髪「あんたも眩しいくらいの金髪だな」


「僕のこの髪は自慢さ!僕の国では多かったけれど、その中でも僕のこのキューティクルはレアものだよ!」


茶髪「へえ〜。なんか羨ましい国だなー」


「君の毛並みはうちでも相当なレベルだと思うよ!」


茶髪「ありがとよ。てか今、国って言ったけど、なんて国だ?」


「おそらくわからないと思うけど、」


「ラトビアという所さ!!」

532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/22(土) 16:50:25.33 ID:CoBsM+bDO
中断します
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/22(土) 19:57:36.63 ID:Buh4o7U6O
おっつー
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/23(日) 17:38:11.49 ID:LyUEHpnAo
武闘家ンゴwwwwwwww
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/29(土) 02:23:17.41 ID:FI4mixTnO
はよ
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/30(日) 13:28:56.10 ID:aPc+99+mO
長く空いてしまいごめんなさい

まだまだ更新が出来そうにないので、期待せずお待ちを…


537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/07(日) 22:35:06.26 ID:6qXxMYtcO
ならば期待せずに待っていよう(`・ω・´)

はよはよ
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:30:53.39 ID:qo7APlc8O
長く開けてしまってごめんなさい!

少し溜まったので放出します
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:31:35.59 ID:qo7APlc8O
男「ラト…ビア?」


茶髪「ああ。この世界にそんな地方や国はない。言ってることが本当なら、あいつは異世界から来てるってことだろうなあ」


男(なんだろう…聞いたことあるようなないような…)

魔法使い「私も知りませんね…」

男「その人は金髪なんですか?」


茶髪「ああ。サラッサラだったよ。ラトビアとかいう国の特徴らしい」


男「なるほど」(俺と同じ世界から来ているのか…?聞いた限りだと、俺よりもかなり早く、しかも魔王がいた時代らへんからいるっぽいな…)


茶髪「すぐに別れたからそれ以上はなんも知らねえ。異世界の情報なんてこんなとこだな〜」

エルフ娘「…私も……」


男「いえ、少しでも教えて貰えただけで嬉しいです。でもシルバーバングの茶髪さんでも異世界のことは珍しいんですね」


茶髪「まあな。俺は冒険歴が浅いってのもあるけどね」

茶髪「まだ2年ちょっとしか冒険してねえから、回れてないところもたくさんだ!はっはっはっ!」
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:32:19.04 ID:qo7APlc8O

魔法使い「茶髪様とエルフ娘様はなぜ旅を?」


茶髪「俺は大したことねー理由さ。ウエスト王国で貧乏やっててよ、それが嫌で冒険を始めたんだ。丁度魔王が倒されたしな」


エルフ娘「…私は…茶髪に…助けられたから…」


男「えっ?」


茶髪「……エルフ娘とはウエスト王国で会ったんだ……」

茶髪「魔王が死んで、治安が良くなるかと思ったらそうでもなくてよ。貧富の差が激しく出るようになったんだ。それこそ、奴隷とかな…」


茶髪「エルフ娘は…奴隷商に捕まる寸前だったんだ」


茶髪「エルフは貴族が好む上に、人間の世界にはあんまし顔を見せねえから高価で取引される。奴隷商はエルフ娘をどうしても捕まえたかったようだ…」

エルフ娘「………」ブルッ


茶髪「…大丈夫か?エルフ娘?」


魔法使い「あっ、あぁ!すみません!それ以上は大丈夫です!」


魔法使い「辛い過去がおありだったのですね…気安く聞いてしまって…」


茶髪「…すまねえ。まあそこからは物語みてーなもんさ。俺が助けて、エルフ娘を仲間に誘って、ってな」


エルフ娘「……茶髪は…優しい…」ギュ

茶髪「お?」


男「……」(そう言えば武闘家が前に言ってたな…魔王が死んでから、世界は平和になったように見えてるが実際は違うって…)


男(俺のいた世界じゃ考えられない…いや…日本だからなのかな…)
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:32:57.54 ID:qo7APlc8O

茶髪「冒険の始まりは軽いもんだったんだけどな、エルフ娘を助けてから意識が変わって…」

茶髪「人助けをしながら、この世界を旅しようって決めたんだ」


男「人助け…」


茶髪「お前らを助けたのも、俺の冒険ってわけよ。武闘家は逆に怪我させちゃったけどな」


武闘家「俺ァまだやれるぞコラア!…ぅうッ…!」

男「安静にしときなよ武闘家…」


茶髪「はっはっはっ!お前らは異世界の情報集めだっけか?」


男「それもやっていきたいんですけど、この世界を隅々まで回ってみたいなあっていうのもあります」

魔法使い「私もです!」


茶髪「いいじゃん。冒険者っぽいね〜」

茶髪「それで今はこの復興の村ルートでウエスト王国を目指してるってわけか」


男「はい。復興のm」

ドガァン!!!


「うぉああ!!」

男「!!??」

魔法使い「武闘家様の声!?」


大きな衝撃音とともに、武闘家が男たちのところまで吹っ飛んできた。


武闘家「ぐほお!」ズザァ

男「なんだ!?」

茶髪「んー?」


ドシンッ…ドシンッ…


茶髪「…こいつは…」

男「…で、でかい…!」
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:33:44.37 ID:qo7APlc8O

武闘家の寄りかかっていた木がぶち折られている。

この魔物の仕業のようだ。

緑色の体表に丸々とした体型。紫色のたてがみがヒラヒラと揺れている。
通常のサイズよりも大きいのか、先ほどのキラーパンサーよりもかなり大きい。


ストロングアニマル「ゴロロロ…」


茶髪「…ストロングアニマル…」


男「…!!」(ゲームでは中堅扱いのモンスターだったけど…こんなに大きいのか…!?ドラゴンくらいあるぞ…!)

魔法使い「と、とても大きなモンスターですね!」

武闘家「いてて…いきなりなんだよ…ってなんだこいつは!?」


エルフ娘「…ストロングアニマル……普通より…大きい……」

茶髪「ああ。こんなに大きなサイズはなかなかいない。それに…」


ストロングアニマル「ゴロロロ…!!」ビキビキ


茶髪「かなり…キレてるみたいだ」


武闘家「上等だよ…!」スッ

武闘家「色々鬱憤が溜まってんだ!相手してやる!!」

魔法使い「む、無茶ですよ!武闘家様!体もボロボロですし、このサイズのモンスターは…!!」

武闘家「関係ねえ!!」ダッ


茶髪「エルフ娘」

エルフ娘「……」ハァ


ビキィンッッ

武闘家「ぐっ!?またッ…拘束魔法か!?」

茶髪「下がってたほうがいいぜ。こいつはお前らにゃキツイ相手だ」

エルフ娘「……あほ…」


武闘家「ち、ちくしょーがー!」


茶髪「エルフ娘、3人を頼んだ」

エルフ娘「…ん」コクリ

茶髪「男、魔法使い、武闘家、ここは俺がやるからさ、みといてくれ」

男「わ、わかりました」

男(茶髪さんの戦いか…どう戦うんだろう)
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:35:07.99 ID:qo7APlc8O

ザッ……


茶髪「…ふー…」

ストロングアニマル「ゴロロ…」


茶髪とストロングアニマルの間には数メートルほどの間が空いている。

2、3歩ほど距離を詰めたところで、茶髪は歩みを止め、剣を抜いた。


茶髪「うし…」スラァ


男(…ロングソード…か?でも真ん中に刀身が通ってない…不思議な形だ)


茶髪の抜いた剣は、刀身の真ん中がくり抜かれていて、長細い輪が出来ている。


茶髪「……いくぜッッ!!」ダンッ

ストロングアニマル「!!」


男(は、速い!)

茶髪は正面からストロングアニマルの目の前まで瞬時に移動し、剣を構えた。


茶髪「ふっ!」ズバッッ

ストロングアニマル「ゴロァ!!」ブシュッ!

ストロングアニマルの前足を斬りつける。


茶髪(斬り落とせないか…良い筋肉してんなあ)

ストロングアニマル「ゴロロロ!!」グアッ

ストロングアニマルは大きな右腕を振りかぶり、茶髪に狙いを定めた。

ドガァンンッッ


茶髪「ッッ」バッ

茶髪(危ねえ!)


ストロングアニマル「ゴロァ!」ズンッ

茶髪(体当りかッ)

剣で受けの構えをとる。
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:37:02.92 ID:qo7APlc8O

ズンンッッッッ


茶髪「うっ!」ズザザザッ

男「茶髪さん!!」


体当りをガードした衝撃で10メートルほど、地面を抉りながら後退。


茶髪「ふー…結構な衝撃だ…」

茶髪(まともにやり合ってたら、いつか潰されちゃうな)


ストロングアニマル「ゴロァァ!!」ダァンッッ

茶髪「!」

ストロングアニマルの飛びかかり。


茶髪「くっ!」バッ

ズズンッッッ


茶髪「この…!!」ズザァ

茶髪(やり返す!)ダンッ


スゥッ!

ストロングアニマルは大きく息を吸い込んだ。

ストロングアニマル「ゴロァァアアアアアア!!!!」ビリビリ

茶髪「うおっ!?」ビリビリ


男「ッッ!?」(こ、これは…【おたけび】か!?)

魔法使い「す、すごい吠え方ですね!離れているここまで音の衝撃が…!」


茶髪の動きが一瞬、止まってしまった、

茶髪「くっ!」(ひるんじまった!)

ストロングアニマル「ゴロァ!!」ブンッ

茶髪(やべ!)


ドゴォッッ

茶髪「ぐっ…は…!」(ガードが…間に合わなかったか…!)

男「茶髪さんんー!!」

ズザザザッッ

茶髪「ぐっぅ…」ザァッ

吹き飛ばされながらも、なんとか体制を整える。しかし、ストロングアニマルが追撃のために向かってくる。


ストロングアニマル「ゴロロロ…!!」ズンズンズンッッ


男「や、やばい助けないと!」

エルフ娘「…大丈夫…」

男「でも、ストロングアニマルが!」

エルフ娘「……多分……少し本気を出す…と思う…」
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:38:21.83 ID:qo7APlc8O

男「えっ?」


茶髪(…今から避けるんじゃ中途半端だしガードも意味がない…)

ストロングアニマル「ゴロロロ!」ズンズンッ


茶髪(……!)

ストロングアニマル「ゴロァア!!」ズダァンンッッ


ドガァァァアアアンンンッッ!


男「…ッ!!」(凄い体当りだ…!)

魔法使い「茶髪さん!!」


ブシュゥッッ


ストロングアニマル「!?!?」

ストロングアニマルの胴体から出血。

煙の中から茶髪が現れる。

茶髪「ふー…!」

ゴォォォオオオオ

その手には剣が握られていて、刀身に凄まじい勢いの炎がまとわりついている。

茶髪「【火炎斬り】」


ストロングアニマル「ゴロァアアア!!」ボォォオオオ

傷口から炎が吹き出し、慌てふためくストロングアニマル。


男「剣に…炎が巻きついてる!?」

男(いや!巻きついてるというより、刀身の無いスペースから吹き出してる感じか!?吹き出す炎が凄すぎて剣が見えねえ…!)


武闘家「なんだありゃあ!?魔法か?」


エルフ娘「……茶髪の…得意技……」

エルフ娘「……火の魔法を刀身に乗せる……高等剣術……」


男「物体に魔法を乗せるなんて出来るのか!?」


エルフ娘「……頑張れば…できる…」

男「が、頑張れば…??」
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:39:21.40 ID:qo7APlc8O

茶髪「はぁあああ!!」ゴォオオオオッ

茶髪(決める!!)


ズダッッ

茶髪は大きくジャンプした。

ストロングアニマル「ゴロァア!!」


茶髪「しゃああ!!」ズバァッッッ


大上段からの力任せの唐竹割り。
激しく噴き出す火炎とともに、その斬撃はストロングアニマルの正中線を綺麗に斬り抜いた。

ストロングアニマル「ゴッッ…アァ…!!」

ブシュァァアアアッッ

ゴォオオオオ…


スタンッ

茶髪「うし!」


エルフ娘「……流石……」

男「す、すげえ剣術だ…あんなに大きな魔物を…一刀両断するなんて…!!」

魔法使い「しかも炎まで…」

武闘家「…やるじゃねえか…」


茶髪「…」(戻すか)ゴォォ……シュゥ…


エルフ娘「茶髪」タタタッ

茶髪「お」

エルフ娘「…お疲れ様…」

エルフ娘「今…回復する…」コォォオ

茶髪「ありがとよ。ちょっと背中がいてーんだ」

エルフ娘の手のひらから、優しい光が溢れ出し茶髪の身体を包み込む。

シュゥゥ


茶髪「…よし、回復したよ。ありがとなエルフ娘」
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:40:30.71 ID:qo7APlc8O

男「茶髪さん!」タタッ

茶髪「男!どうよ?見ててくれたか?」ニカッ

男「見てましたよ。凄い剣術ですね!火を剣に乗せるなんて…」


茶髪「あれは俺の得意技でよ。火炎斬りっていうんだ」

男「火炎斬り…」(ゲームでもあったな…。こんなに派手な特技だったんだな)

男「魔法を剣に乗せているんですか?」

茶髪「んー。ちょっとちげーな」


茶髪「この剣の真ん中の部分あるだろ?ここには特殊な鉱石が練りこまれててよ、魔法を貯めておけるんだ」


魔法使い「私の身につけているいのりの指輪のような特殊装備なんですね」


茶髪「そういうことだな。俺は魔法得意じゃねーからさ、戦闘中はなかなか上手く練れないんだ。だから、あらかじめここに貯めておいて、使いたいときに解放するって寸法よ」

茶髪「まあ、この剣じゃなくてもできるし、貯めたものを使わなくてもいいんだけど、さっきは咄嗟のことだったからな〜」


男「すげえ…火炎斬りなんて…本当にファンタジーだ…」


茶髪「ファンタジー?」

男「い、いや!なんでもないです!」

男(勇者の雷魔法も魔法使いの上級土魔法も凄かったけど…この剣術も凄い)

男「…」(というより、魔法ってものが凄すぎるのか…)

男(俺なんて…魔法どころか剣も扱えてない…)


茶髪「それにしても、なかなか戦闘が重なったなー」

茶髪「特に獣系が多い気がする」


魔法使い「この辺りは獣系の魔物たちの縄張りなのかもしれませんね」

エルフ娘「……多分…そう…」

武闘家「ちくしょう…俺も戦いてえ…」

茶髪「はっはっ、お前は元気だね〜」

武闘家「うるせええ!」

魔法使い「武闘家様の具合も回復してきているようですし、復興の村へ向かいますか?男様」
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:41:43.10 ID:qo7APlc8O

男「……」


魔法使い「…?」

魔法使い「…男様?」

魔法使いが首を傾げながら、男の顔を覗き込む。

男「おわ!!」

魔法使い「どうかしましたか?」

男「ごめんごめん!ボーッとしてた」

男「そろそろ先に進もうか!」

魔法使い「…??」

男「茶髪さんたちはどこへ行くんですか?」


茶髪「実は俺らは港町での依頼の途中でな、これから洞窟に向かうんだ」

エルフ娘「……寄り道……長かった…」

茶髪「まあ楽しかっただろ?」

エルフ娘「…そこそこ…」


男「じゃあ……ここでお別れですね…」

茶髪「うん。お前らとは少ししか関わってねえけど、もう仲間だと思ってるからさ、また会ったときはお互い良い報告が出来るといいな」

男「はい!茶髪さんに会えて良い刺激になりました」

男「がんばります、追いつけるように」

茶髪「はっはっ!うん、頑張れよ」

武闘家「おれぁまだ許してねえからな!覚えとけよ!」

魔法使い「また会いましょう!お元気で〜!」フリフリ

茶髪「おう!またどこかで会おう!」

エルフ娘「……バイバイ……」フリフリ


茶髪「じゃあなあ!」


茶髪とエルフ娘はそう言って男たちに背を向けると、深い森の中へと吸い込まれていった。


魔法使い「行っちゃいましたね…」

武闘家「へっ、いけすかねえ野郎だったぜ」

魔法使い「ふふっ、武闘家様は負けず嫌いですね」

武闘家「次はあのチャラついた面に一発入れてやるんだ」

男「……」

武闘家「俺らも負けてらんねえ!早く行こうぜ!」


男(……剣術……)

男(…魔法)
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:44:42.82 ID:qo7APlc8O

復興の村 宿屋

主人「港町から…それはお疲れ様でしたね」

主人「この村までは遠かったでしょう?」


魔法使い「少し距離を感じましたが、道中も目新しいものばかりで楽しかったです!」

魔法使いはそう言うと、宿屋のリビングを見渡した。

魔法使い「ここはとても綺麗な宿屋ですね」


主人「この村はまだ魔王との戦争から立ち直り切っていませんからね…宿屋だけは綺麗にして冒険者の方たちにしっかり寛いでいってもらえるよう、みなで意識を共有しているのです」

魔法使い「なるほど…私たちにはとてもありがたいことです」

武闘家「飯もめっちゃうめえしな!」


主人「お気に召していただけたようでなによりです」ニコ

主人「就寝の時間の少し前に、部屋の方へ紅茶を持ってまいります。それまではご自由にお寛ぎください」


魔法使い「ありがとうございます」

武闘家「俺には砂糖4つ頼む!!」


3人は茶髪と別れたあと、順調に旅を進め復興の村へたどり着いていた。

あまり休まずに歩き続けたおかげで、1日ちょっとで村へ着いたが、着いた頃には完全に日が沈んでいて、夕食からのプランでこの宿屋に宿泊させてもらっている。

先刻、2人は夕食を食べ終わり、今は休憩タイムのようだ。


武闘家「道中は果物ばっかりだったからなー。やっぱり肉はうめえ」

魔法使い「そうですね。私も久しぶりに焼き立てのパンを食べられて感動してしまいました」

武闘家「食うもん食わねえと冒険なんて出来ねえもんな」


武闘家「なのに…」

武闘家「男のやつ…飯も食わねえでなにやってんだか…」

武闘家の前には男の分の食事が並べられている。

魔法使い「……」

武闘家「飯が完全に冷めちまってる…」

魔法使い「…おそらく、まだ村の外にいるのでしょう…」

武闘家「やりすぎだぜ……宿にも寄らねえで」
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:45:23.90 ID:qo7APlc8O

村から少し離れた平原


ブンッ!ブンッッ!

「ふっ…!ふっ…!」

(もっと…速く…スムーズに…)

ババッ!

ズバッッ!!

男「…ふーっ…」

男(……ダメだな……遅過ぎるし、太刀筋がぶれまくってる……)

男(茶髪さんは…こんなじゃなかった…)


茶髪たちと別れたあとの道中、男は痛感していた。

自分の実力が不足していることを。

幾度か戦闘があったが、日本刀を扱うことが出来ず、武闘家と魔法使いの2人で終わることもあった。

2人に申し訳ない、という気持ちがわいてきているのと、茶髪の剣術に影響されたことが合間って、空きの時間はなるべく修行するようにしている。


男「よしっ、次は魔法の練習だ」

男(魔法使いに教わった瞑想のやり方で、と…)ガリガリガリ

男「…こんなもんかな」

男「……ふーー……」

男(まずは……風の精霊にこっちから問いかける…)

男(…そして…返事を待つ…)


男(……研ぎ澄ますんだ……耳を傾けろ……)

男(…最後…)

男(現実に……行使する!)

男「はぁぁあ!!」カァッ


シーーン……
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:45:52.40 ID:qo7APlc8O

男「……」

男「だめか…くそっ…」

男(本当なら今のやり方で俺の周りに小さくても風が吹くはずなのに…)

男(なにも起こらない…)

男「本当にセンスねえなあー俺は」バタッ


その場で仰向けに寝転ぶ。

空を見てみると、すっかり陽は暮れていて、もう夜空には星がきらめいていた。


男「もう夜か…」

男「……帰るかな。2人が心配するだろうし」

グルルル

男「腹も減った…」


「……」

「……冒険者……」
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:46:31.17 ID:qo7APlc8O

宿屋


男「確か…ここに泊まる予定だったな」

男「入ろう」

ギィ…

バタンッ

男(……綺麗な宿屋だなあ)

魔法使い「あっ!男様!」

男「あ、ただいま。魔法使い」

魔法使い「おかえりなさいです!」

男「いやー、遅くなって申し訳ない。熱中しちゃって…」

魔法使い「遅くまでお疲れ様です。ご飯が用意されていますよ!少し冷めていますが…」

男「おっ!ありがたい。2人はもう食べたんだよね?」

魔法使い「はい。もう武闘家様は部屋で寝ていると思います」

魔法使い「私も今湯浴みしたところです。とても気持ち良いですよー」

男「風呂はいれるんだ!いいね〜」

男(湯上がりだからなんとなく色っぽいのか…?肌が火照ってる…てか15才だよな……見えねぇ……)


そんなことを思いつつテーブルに腰を下ろす男。
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:47:03.91 ID:qo7APlc8O

魔法使い「前、失礼しますね」ストッ

男「あ、うん」

男(……濡れた髪がエロい……)

男(そういえば……俺、恋とかしたことないな……向こうではそこまで気持ちが発展することもなかったし……)ボーッ

魔法使い「男様…」


男(そんな俺が…女の子と旅してるんだよな……)


魔法使い「……男様?」


男(しかもなぜか様付けで…)ボーッ

魔法使い「…」ムスッ

魔法使い「風魔法・小」カッ

シュパッ

男「おわあ!?」ブワァッッ

男「な、なんだ?突風が…?」

魔法使い「男様、なぜボーッとしているんですか?」

男「え…あ、あぁ…ごめんよ。つい考え事を…」


魔法使い「修行のし過ぎですよ男様」

魔法使い「そんなに焦って強くならなくても…」

男「……まあそうなんだけどね…。頭ではわかってるんだけど…体が疼いちゃって…」

魔法使い「日本刀は扱いの難しい武器だと、職人様も言ってらっしゃいました」

魔法使い「男様は十分お強いですし、もっと自分をいたわってもいいと思いますよ」

男「ありがとう、魔法使い…」

男「そうだね…修行もほどほどにして今日はゆっくり休むよ!」

男「ご飯食って風呂入る!」ニカッ

魔法使い「はい!」ニコッ
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:47:33.11 ID:qo7APlc8O

復興の村 村長の家


ギィ バタン

少年「ただいま…村長さん」


村長「おや、ずいぶんと遅くまで遊んでいたんだね、少年」

少年「……平原に行ってた」

村長「そうか、あの辺は魔物が出ることもある。次からはわしに言ってから行くのじゃぞ」

少年「はい…」

少年「…村長さん」

少年「今日…平原に冒険者が来てた」

村長「あぁ。主人さんのところの人たちだろう?」

村長「わしのところにも連絡が来ておった。最近は冒険者が増えてきてくれて、この村もよみがえりつつあるのう」

少年「……なんか…違う匂いのする人だった」

少年「…この世界の匂いじゃない」

少年「…あのときと…似てる」


村長「…あのときの匂い…あり得ない話じゃぞ少年よ。もう奴はいないんじゃ」

村長「その冒険者のかたにそんなことを言ったりしちゃいかんからの」


少年「…はい……」
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:48:05.57 ID:qo7APlc8O

翌日


武闘家「くぅ〜!気持ちのいい朝だぜえ!」

武闘家「今日も張り切っていくかあ!」


魔法使い「……」コックリ…コックリ

男「…魔法使い、起きてる?」ツン

魔法使い「はっ!」パチッ

魔法使い「すみません…立ちながら眠っていました…」

男「ははっ、相変わらず弱いね」

魔法使い「…これ…だけは…」


男「いつも思ってたんだけど、武闘家は朝に強いな」

武闘家「あたりめーよ!武闘家なんだからな」

男「おー…」

魔法使い「…」…カックシ!

武闘家「ま、魔法使い!起きろ!」


男「しょうがない。魔法使いには宿屋にいてもらって、俺と武闘家で依頼を見に行こう」

武闘家「あ〜?いいのかよ?」

武闘家「魔法使いも依頼には目を通したほうがよくねえか?」


武闘家「なあ?」

魔法使い「…zzz」

男「…寝ていてもらおう」

武闘家「……」
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:48:43.29 ID:qo7APlc8O

依頼受付所


受付「おはようございます」

男「どもっす。依頼を受けに来たんですけど…」

受付「昨晩、主人さんのところに宿泊の冒険者様ですね?」

受付「復興の村へ来ていただいて、ありがとうございます」ニコ


男「いやいや、情報が渡るの早いですね」

受付「小さな村ですから。繋がりでお客様をおもてなしするのが一番の武器になるんですよ」

男「なるほど。俺らにはありがたいことです」

武闘家「本当にいい村だな〜」


受付「今日は依頼をお探しなんですよね?」

受付「うちは小さな村ですが、製紙産業が盛んなのです。なので、虫系の魔物の討伐依頼が一番ポピュラーですよ」


男「む、虫…?」

武闘家「キリキリバッタとかはさみクワガタとか、か」

男「虫は…苦手だな」

武闘家「それこそ魔法使いの魔法があれば接近せず倒せるぜ。俺ァ別に気にしねーし」

男「そっか…」

男(そうなると、また俺がお荷物になっちまう可能性が…)

男(でも虫にビビってたらダメだよな…)


受付「虫系の魔物以外ですと、オークの討伐依頼がありますよ」

男「オーク??」

受付「はい。オークの持っている槍がなかなか貴重な槍らしく、その槍が欲しいという依頼主がいるんです」

受付「しかし、そのオークも弱くないのでなるべくシルバーバングの冒険者にお願いするよう言われていますが、実力のあるかたには積極的に紹介しろとも言われています。3人パーティの方たちなら、危なげなく成功できる依頼かと…」
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:51:34.67 ID:qo7APlc8O

男「…なるほど…」

武闘家「悪くねえんじゃねえか?」

武闘家「オークをチャチャッと懲らしめて槍を奪えばいいんだよな?」

受付「はい。オークを殺さなくても大丈夫だそうです」

武闘家「奪うことはそんな難しくねーし、虫が苦手な男にゃベストだろ」

男「俺には嬉しい依頼だ。オークなら修行の相手にもちょうど良さそうだしな」

男「その、報酬やら契約やらはどんな感じなんですかね?」


受付「正式な依頼内容は【平原奥地に住む、白銀の槍を持ったオークから、槍を奪い返し、オークが復讐に出ないよう懲らしめること】です。報酬は1500Gと、悪くないと思いますよ」


男「1500か。次の街までの買い出しと宿泊を考えても良い報酬だな!」

武闘家「これに決めちまおう!魔法使いも嫌とはいわねぇだろこれなら!」

男「…そうだね。」(オークか…)

男「受けよう!受付さん、この依頼を受注させて下さい!」

受付「分かりました。これが依頼主の住所になります。詳しい話はそこで聞いて下さい」ニコ


男「ありがとうございます」

武闘家「…この住所、俺らの宿屋と近そうだな」

男「……うん。魔法使いにこの話を話したら、3人で向かってみよう」

558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:52:41.75 ID:qo7APlc8O

宿屋


魔法使い「……オークの……槍を…奪う…」

魔法使い「なるほど!少し変わった依頼ですねー」


男「うん。まあオークが直接害を及ぼしてるわけじゃなさそうだから、槍を奪還してそこまでにしても良さそうだよね」

魔法使い「無闇に殺すのは良くないですもんね」

武闘家「そのくらいの加減が通用すれば、だけどな。強けりゃこっちもガチンコでやらねぇと!」

男「そうだね。とりあえず全力で戦ってみよう」


魔法使い「……えーと、場所は平原の奥地、ですよね?」

男「内容にはそうあったよ」

武闘家「……たどり着けんのかな」


男「……」

男「確かに」

男「依頼主と相談してみよう」

魔法使い「案内をつけてくれるかもしれませんね」

男「うん。依頼主の住所も、この宿屋から近いみたい」


武闘家「うしっ」ガタッ

武闘家「そうとも決まれば、早速向かうか!」


主人「すみません、皆様」


男「ん?」

男「主人さん…?」

武闘家「なんだ、主人じゃねーか。どうしたんだ?」

主人「いえ、先ほどのお話に出てきた依頼主のことで…」

武闘家「?」

主人「その依頼主、私の知人なんですよ」

男「えっ、そうだったんですか?」
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:53:15.60 ID:qo7APlc8O

主人「ええ。少し前からその依頼を出したことも知っておりました」

主人「珍しい槍を見つけたんだが困ったことになったなあ…とぼやいているのを喫茶店で聞きまして」

主人「まさか、私の宿に泊まってくださった冒険者様が受けてくれるとは…」


魔法使い「偶然ですね〜」

主人「嬉しいです。その依頼主の家なら私が知っております。もしよろしければ、ご案内いたしますよ」

武闘家「まじか!ありがてえ!」

男「それなら迷わずに行けますね!ありがとうございます」

男「それにしても、こんなところでも繋がっているとは…」

主人「ははは。この村の自慢のようなものですよ」

主人「では、お急ぎのようなので、早速ご案内いたしますね」

男「ありがとうございます」


依頼主宅


主人に案内され、たどり着いた依頼主の家は、宿屋から歩いて5分ほどのところにあった。


主人「ここが、依頼主の家になります」


男「こ、ここが…」

武闘家「……こりゃあすげえ」

魔法使い「キラキラですね…」


現代で言えば、小さめの小学校ほどの大きさの建物に、校庭のように広い庭、その周りを囲っている塀にはキラキラとした装飾が豪勢に散りばめられている。

いかにも、お金持ち、といった印象のこの家に、3人は目を丸くしていた。
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:53:48.40 ID:qo7APlc8O

武闘家「かなり…金持ちなんじゃねえのか?」

武闘家「港町でもこんなもんは見たことがねえ」

魔法使い「この装飾なんてかなり手が込んでいますね〜」

魔法使いが感心しながら見ている、塀の装飾は、可愛い魔物の形をしている。

女の子が好きそうな見た目だ。


魔法使い「…持ち帰りたい」ジトー

主人「ふふふ。やはり皆さん驚きますよね」

男「まあ…こんな立派な建物に住んでる人が依頼主なら、びっくりしますよ…」

主人「実は、この建物は依頼主のものではないのです」

男「えっ!?」

主人「この建物は、以前、魔王軍との戦争で傷ついたり独りになってしまった人たちのために建てられたものなんですよ」

主人「そして、依頼主はサウス王国からこの村を復興するために派遣されてきた、王国の役員のかたです」

男「じゃあこの広大な土地は…」

主人「ええ。みんなが共有して使っています。ちなみにその豪華な装飾は、孤児の子供達が作っているんですよ」

魔法使い「えぇ!!こんなに複雑な装飾を!?」

魔法使い「…とっても器用なんですね〜」

武闘家「国からの支援か…」

男(武闘家…)

武闘家「まあ依頼主は悪いやつじゃなさそうだな」

男「…そうだね」

男「というか、国の役員も普通に依頼するんだね」

武闘家「あるぜ。俺もいくつか受けたことがある。あいつら金があるからな、冒険者雇う余裕があるんだよ」

主人「依頼主はおおらかな方ですよ。この村の人たちからとても感謝されていて、事実献身的にこの村の復興に手を貸してくれています」

男「へぇ〜…」

男(国の役員ってだけで、なんとなく敬遠しちゃうもんだけど…どんな人なんだろう)

主人「案内しましょう。こちらへどうぞ」

男「はい」
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:54:55.20 ID:qo7APlc8O

少し先のこと サウス王国


サウス王「な…なんだと?」

使者「…」

サウス王「その報告は本当なのか?」

使者「…はい。ウエスト王国のギルドから、しっかりと連絡をいただきました」

使者「ギルドの契約内容に明記されていた、期日までの連絡が途絶えたようです」

サウス王「…ばかな…」

使者「すでに…ウエスト王国では捜索が始まっています」

サウス王「………すぐにこちらでも隊を編成する。選りすぐりのものを集めよ。ゴールドバングの冒険者にも声をかけ、5人編成の隊を5つ作るのだ。いけ!」

使者「はっ!」

ダダッ バタンッ


サウス王「……あり得ん…」

サウス王「あの……勇者たちが行方不明になるなど……」

サウス王(勇者のみならず賢者に戦士…僧侶までもが…)

サウス王(魔女と盗賊は知っているのだろうか…)
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/10(水) 11:57:12.83 ID:qo7APlc8O

ここで中断します!

期間を空けすぎて読んでくれていた人には本当申し訳ない

次の投稿は、ウエスト王国突入まで書き終えてからにしたいと思っています

また期間が空くと思いまふので、少々お待ちを…
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/10(水) 19:20:10.49 ID:VqJi7+aSO
乙です

次回が気になりますなぁ
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/12(金) 07:45:15.98 ID:5sslc0b0O
おつ
槍を[奪う]と[奪い返す]じゃ、
話が変わるんだが
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/12/12(金) 15:52:21.33 ID:EhHAy59eO
ミスを見つけたので訂正


序盤で女性の茶髪が出ていますが、ゲーム内の茶髪とは関係なしです


名称かぶり申し訳ない
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 16:39:42.09 ID:Sf9ftdXx0
めちゃクチャ遅くなって申し訳ない

結局、奴隷の街までは書けず、全く進まずに新年へと移行します


ごめんなさい

半端なところまで書きためていたので、それを投稿して、このスレを閉じたいと思います

567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:10:47.63 ID:x+CYt/21O
長い間空けてしまって申し訳ない

奴隷の街までは書けず、ほとんど書けませんでした……

半端なところまでしか書きためていませんが、その分を投稿してこのスレを閉じたいと思います

568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:12:12.81 ID:x+CYt/21O

男「…家の中も豪勢だなあ」

魔法使い「所々に魔物の彫刻が置いてあります」

魔法使い「…こんな怖ろしいものまで作れるんですねぇ…」


魔法使いの視線の先には、2メートル近くある、魔物の彫刻が置かれていた。


主人「それは依頼主の趣味ですね」

主人「依頼主は彫刻が趣味で、子供たちもそれを教わって作っているのです」

魔法使い「そうなんですね」

武闘家「この家にはどのくらいの孤児がいるんだ?」

主人「そこの部分は私はあまり詳しくないので、依頼主に直接聞いてみるといいでしょう」

569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:13:08.58 ID:x+CYt/21O


主人「このドアの向こうにいると思います」

主人「入ってしまって大丈夫だと思いますので、どうぞ」


男「……はい」


コンコン


男「失礼します」ガチャッ


依頼主「…ん?」

依頼主「……主人と…誰だ君達は?」

男「依頼を受けに来た冒険者のものです」

魔法使い「こんにちは!」

武闘家「おす!」

570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:13:50.39 ID:x+CYt/21O

依頼主「…なるほど…」

依頼主「そういえば依頼を出していたな。思い出した」


男「依頼受付所で話を聞いて、直接の契約に来ました」

男(初老の男性…育ちが良さそうなのが伝わってくる。この人が国の役員なのか)


依頼主「わざわざありがとう。主人は道案内をしてくれた感じかね?」

男「はい。たまたま主人さんの宿屋に宿泊していて」

主人「案内をさせてもらいました。では、私はおいとましますね」

依頼主「あぁ。そんなに急ぐなよ主人。ゆっくりしていけ」

主人「ふふ、宿屋の仕事もありますので、今日のところは…」

依頼主「そうか…ありがとうな。またきてくれ」

魔法使い「ありがとうございました!」
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:14:31.10 ID:x+CYt/21O

依頼主「さて、と」

依頼主「私がだした、オークから槍を奪還する依頼を引き受けてくれた、ということでいいかな?」

男「はい。内容も確認したので、正式な契約をさせてもらいにきました」


依頼主「ふむ…バングを見る限り、まだ冒険の経験は浅いようだが…オークは決して弱い魔物ではないぞ?」

依頼主「ましてや、平原には獣系の魔物だけではなく、夜には悪魔系の魔物も現れる。駆け出しのようなら、無駄な犠牲を払いたくはないし断らせてもらうが…」


武闘家「へへっ!そこは大丈夫だ!俺らはドラゴンを討伐したことがあるんだ!」

武闘家「オークぐらいサクッと懲らしめてやんよ!」


依頼主「ほう…ドラゴンをか?」


男「かなり苦戦しましたが…一応」

依頼主「それは頼もしいな。ブロンズバングとは言っても、駆け出しではないということか」

男「今回の依頼、引き受けさせてもらえますか?」
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:15:12.04 ID:x+CYt/21O

依頼主「いいだろう。君たちにこの依頼を任せる」


男「ありがとうございます」

武闘家「よっしゃあ!任せとけ!」


依頼主「ふ、威勢がいい。良いことだ」

依頼主「おそらく、オークは平原の奥地にいる。この地形に詳しくない君たちにはたどり着くことが難しいだろう」

男「そうですね…」


依頼主「案内役をつける。きてくれ、少年」

少年「はい……」


依頼主に呼ばれ、部屋の影から中学生くらいの男の子が出てきた。

表情は暗く、その瞳には生気がない。
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:15:53.48 ID:x+CYt/21O

男「……この子が」(かなり表情が暗いぞ……大丈夫なのか?)


依頼主「この子が案内をしてくれる。少し不安かね?」

武闘家「そりゃあ……まだガキンチョじゃねえか。冒険の案内なんて危険なこと、務まるのか?」

依頼主「まあ普通はそう思うだろうね……」

依頼主「だが、この子は大丈夫だ」


魔法使い「……普通は、ということは、なにか理由があるのですか?」


依頼主「この子には……ある力が宿っている」

少年「……」

男「力?」

依頼主「あぁ。話しても良いかい?少年」


少年「……」コクリ
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:16:31.43 ID:x+CYt/21O

依頼主「少年は、この村が魔王に襲われたときに生き残った子どもの1人なのだ」

依頼主「軍が到着したおかげで、生き残った人たちはこの子の他にもたくさんいたが……この子は生き残った状況が圧倒的に違う」

男「……状況?」


依頼主「この子は、魔王から生き残ったんだ」


魔法使い「魔王……から?」


少年「……」


武闘家「どういうことだ……?まさか、この村に魔王が来てたってことか……?」


依頼主「そうだ。こんな辺境にある、冴えない村に、魔族の王が降り立ったのだ」

依頼主「やつは気まぐれで来ただけなのかもしれないが、この村の被害は甚大な物だった。街は燃え盛り、家屋は全壊。そんな中で、魔王は少年の前に現れた」

依頼主「……魔王は少年にとてつもない魔力の魔法を放とうとしたらしい。1秒後には確実に死ぬ、そんな恐怖が少年を包んだそのとき」

依頼主「魔王はなぜか魔力をおさめ、去っていったという」
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:17:08.93 ID:x+CYt/21O

男「……凄い経験ですね」


依頼主「あぁ……少年はこの経験から、さきほど言った力を手に入れたんだ」


武闘家「それはどんな力なんだ?」


依頼主「言葉で説明するのは少し難しい」

依頼主「この場で体感してみるといいだろう。少年、イケるかい?」

少年「……うん」


武闘家「??」

男「実践ってことか……?」


依頼主「男君?といったかね?全力で少年を1発殴ってみてくれ」

男「……は!?」

男「い、いやですよ!子どもを殴るなんて出来ません!」(なにいってんだこの人!!)

少年「……」
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:17:41.28 ID:x+CYt/21O

依頼主「ふっふっふ、この子が案内人で不安なのだろう?その不安を払拭するのに最も良い方法が、殴りかかることだ」


依頼主「大丈夫、私が保証する。男君はどれだけ頑張っても、少年を殴れない」


男「……」ムカッ

武闘家「おいおい……男だって冒険者だぞ。依頼主とはいえ舐めすぎなんじゃねぇのか?」

男「ま、まあまあ武闘家……。あれなのかもしれない」

男「俺たちがこの子に不安なように、依頼主さんも……俺たちに不安なのかもしれないよ」

男(武闘家でもなく……魔法使いでもなく……俺を指名か……)


依頼主「私はこの子が案内人として信頼できることを、示しておきたいだけだ。このまま不足なく、冒険へと旅立てるのなら、こんなことをしなくてもいいぞ?」


武闘家「男、別にガキンチョだって関係ねえ。俺らで守ればいいんだ。こんなことしてねぇでサクッと出発しようぜ」
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:18:38.64 ID:x+CYt/21O

男「……いや、やるよ」


武闘家「はっ!?」

武闘家「お前、こんなガキンチョ殴んのか!?」


男「依頼主は大丈夫って言ってるんだ。やらせてもらう」

男(……確かに馬鹿げてる……けど、この子の力ってものも気になるし、依頼主に不安を抱かせたまま出発するのは歯切れが悪い……)

男「やります」


依頼主「では、少年、準備はいいか?」


少年「……いつでも」


男「……ふぅ」


依頼主「1分だ。1分でノーヒットに終われば信用できるだろう」


武闘家「1分だと……戦闘での1分なんて、めちゃくちゃ長いぞ……!」

魔法使い「大丈夫でしょうか……」


依頼主「始め」
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:19:07.59 ID:x+CYt/21O

男「ふっ!!」ブンッ

男は開始の合図とともに、少年へと殴りかかった。


少年「……」(……右ストレートから左回し蹴り)


男「はぁ!」シャッ!

少年「……」サッ

男の右拳は少年の左側の空を切った。


男「…!」(かわされたか!次だ!)ズァッ!

男(回し蹴り…!!)


少年「……」ヒョイッ

男「!?」(またかわされた!?)


男「くっ……おおおお!!」

少年「……」(……乱打……かな)

男(子ども相手に情けないけど、構ってられない!)

男は自分に喝を入れた。

少年へと身体を向け、一歩踏み込む。
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:21:03.05 ID:x+CYt/21O

男「おらぉぁああああ!!」

ブンブンブンブンッッ

拳を振り回す。


シュッシュシュッ、スカッシュッブンッ

しかし、全て外れてしまった。


少年「……」ヒョイヒョイ(……分かりやすい人だな)


男「くっそ!!」(あたんねぇ!こんな楽に避けられるもんなのか!?)


武闘家「まじでか……?」

魔法使い「男様も手加減しているようには見えません……」


少年「……」ヒョイッッ


男「ぐっ!」スカッッ

男(先読み……されてるのか!?)


依頼主「……やめ!……1分だ」
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:21:42.80 ID:x+CYt/21O

男「!!」(……まじかよ)

少年「……」


男「マジで……1発も入れられないとは……」


依頼主「まあ、気に止むことはない。だがこれで分かってもらえただろう」

男「……そうですね」


武闘家「このガキンチョはなんでこんなに避けるのが上手いんだ?あんたが教育でもしてるのか?」


依頼主「少しは戦闘訓練をさせているが、本格的なものではない」

依頼主「この子には特殊な力があるのだ」


依頼主「今、体験した男君はなんとなく分かっているだろう。この子の特殊な力とは、【未来予知】だ」


魔法使い「み、未来予知!?」

男「……やっぱりそんな感じなのか」


依頼主「この子が話してくれたことを元に推察し、表現しやすい言葉がそういうことになるが、細かく言えば自らに危険をもたらすものを予測する力、とそんな感じのものだな」


少年「……大げさだよ依頼主さん」
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:22:15.87 ID:x+CYt/21O

依頼主「まあ謙遜しているが、さっきの通り凄い力だよ。例えば、相手が攻撃をしてこようとする身体の部位には紫っぽいモヤモヤがかかるそうだ。そこから繰り出されるものを予測するのは難しくない」


男「……凄い力ですね」

武闘家「武の極地みたいな能力だぞ。相手の攻撃を完全予測するんて」


依頼主「これで信頼してくれただろう。少年は平原にも詳しい。自分の身は自分で守れる。依頼の成功率も上がるはずだ」


男「そうですね。信じざるを得ないです……」

男(まさかこんなところで自信を無くすことになるとは……)ズーン


武闘家「まあ依頼のほうは任せてくれや!きっちり懲らしめてくるからよ!」


依頼主「まあ怪我には気をつけてくれたまえ。幸運を祈っている」

582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:22:59.91 ID:x+CYt/21O

依頼当日 宿屋前


男「……よし」

男「忘れものはなさそうだな……薬草、干し肉、乾パン……」

男「……日本刀」


武闘家「うっし!気合入れて出発だなあ!」ノビ〜


魔法使い「そうですね!出発が遅めの時間なので私もバッチリです!」

武闘家「いや、魔法使いは朝弱いの直しとけよ……」


少年「……」


男「少年はもう出発出来そう?」

少年「……うん」コクリ


男「じゃあ少年を先頭に平原の奥地まで行こうか」

男「昨晩の話し合い通り、戦闘になりそうになったり、少年が危険を感知したときは、俺が少年を守って、武闘家が魔法使いを守る。四人がなるべく離れ過ぎないように気をつけよう!」


武闘家「おう!」

魔法使い「はい!」
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:23:38.50 ID:x+CYt/21O

平原


ザッザッザッザッ

四人は平原をひたすら歩いていた。

平原は周囲が見渡せるため、隠れた危険は少ない。

依頼中だが、そこまで気を引き締めなくとも大丈夫だ。


武闘家「ふぁ〜あ。魔物もあんましいねぇし、暇だなー」


男「オークがいるのは奥地らしいしね。しばらくはこれが続きそう」


魔法使い「この辺りのお花たちは綺麗なものが多いですね」

魔法使い「あ、この花可愛いです」


男「魔法使いはのんびりしてるなー……」
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:24:30.96 ID:x+CYt/21O

少年「……」

男「……少年はこのあたりよく来るの?」

少年「……うん。あなたが……修行してるところも見てたよ」

男「えっ!まじか!あのとき見られてたのか……」

少年「……あなたはどこから来たの?」

男「……イースト王国のほうから来たんだ。冒険の始まりは港町だけどね」

男(……?)

少年「……本当に……?」

男「!?」

男「ほ、本当だよ」(なんだこの子??)

少年「そう……」

少年「前に嗅いだ匂いと……同じ……異世界……そんな匂いがしたんだ。変なことを聞いてごめんなさい……」

男「……だ、大丈夫だよ」

男(まじかよ……匂い!?)

少年「魔王が僕の前に現れたとき……」

少年「それと……同じ匂い」

男「……魔王と!?」

男「魔王と俺が同じ匂いって?」
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:25:17.84 ID:x+CYt/21O

少年「……匂いだけ」

男「……」(俺と魔王が同じ匂い……!?なんか変な話だけど……特別な力を持つ少年が言ってるんだから……無くはないことなのか……!?)

男「でも魔王ってもう死んでるんだよね?」

少年「……さあ?」

男「あれ?勇者が倒したはずじゃ……」(ゲーム内では確実に倒したぞ……?)

少年「魔王も……あなたも……他にはない匂い……」

少年「魔王の存在が……絶えることはない……絶えず……生まれる」

少年「言い伝え……」

男「…………」(なんだ……この子は!?魔王も異世界の出身てことか?でも、俺の世界からではないだろ……ゲームで見た魔王は巨人だった……)

男「色々……知ってるんだね」

少年「あなたは……この世界のこと……なにも知らないみたい」

男「うっ!!」(鋭い……!!)
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:25:53.93 ID:x+CYt/21O

武闘家「おっ?」

魔法使い「どうかしましたか?」

武闘家「これ見てくれよ」

魔法使い「……?」

魔法使い「これは……足跡……ですか?かなり大きいですね」

武闘家「こりゃ魔物だろうな!どんな魔物かはわからねえが」

男「少年なら分かるかな?」

少年「……これは……オークかな」

武闘家「おっ!ビンゴじゃねえか!近そうか!?」

少年「……もう少し……奥に行けば……」

少年「……あと……2時間歩く」

武闘家「なかなか近いな。うしっ!気合い入れてこーぜ!」

男「ああ。魔物にも警戒しつつ奥地に入ろう!」
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:27:58.03 ID:x+CYt/21O
平原奥地

男「んー……」

男「かなり……うっそうとしてるね……」

魔法使い「はい……先がよく見えません」

魔法使い「火の魔法もあまり使えなさそうですね。森を焼いてしまいそうな……」

武闘家「まあオークはデカイだろうし、見つけられないことはねえだろう」

少年「……!」

少年「……みんな……」

男「ん?」

少年「……くるよ……」

ガサッ! ガサガサッ!

魔法使い「!」

武闘家「魔物か!!」

ギャオア!!

グレムリン「ギャギャ!」

男「こいつは……グレムリンか!?」

ギャギャァ!

ガサッ!

武闘家「複数いるぞ!」

男「作戦通り武闘家は魔法使いを!俺は少年を守るよ!」

武闘家「おう!」

グレムリン2「ギャギャ!」

ベビーサタン「キエッ!」
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:29:07.07 ID:x+CYt/21O

ズバッ!

ドゴォ!

ダダッ! ザンッ!

ヒュパァァ!

…………

男「はぁ……はぁ……」

男「なんとか……撃退出来たね」

武闘家「そんな強い魔物じゃなかったしな!」

魔法使い「魔力も節約出来ました」

魔法使い「でも……男様のキズが……」

男「ん?ああ、大したことないよ」

男「大丈夫!」

男「このまま先に進もう」

少年「……」

少年(危なっかしい……戦い方……)

「……」

「……ジャマモノ……」
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:31:13.80 ID:x+CYt/21O

ザッザッザッ

男「ふぅ……」

男「結構、奥地まで来たんじゃないか?」

魔法使い「そうですね……陽の光があまり入らないせいか、昼のはずなのに夜のような雰囲気です」

男たちは平原の奥地までたどり着いた。

巨木がそこかしこに立ち並び、陽の光を遮っている。

武闘家「……悪魔系の魔物にも注意しねえとな……」

武闘家「オークはどの辺にいんのか、ガキンチョ分かるか?」

少年「……分からない」

少年「奥地は広いから……時間かけて歩かないと……」

武闘家「まじか……」

男「なかなかシンドイね……」

魔法使い「一度川へ出て休憩しませんか?」

魔法使い「手持ちの水も少なくなってきましたし……」

男「そうだね」

男「川はこの辺から行けそう?」

少年「曖昧だけど……」

少年「付いてきて……」

ガサッ……

少年「!」

少年「……?」

少年(微かな気配……)

男「川が近いといいよね」

武闘家「おう!腹も減ってるしな、休憩してえよ」

魔法使い「果物があると嬉しいですね」

少年(……誰も……反応しない……)

少年「……気のせいか」


「……ジャマモノ……」

「ワカレロ……」

ザザッ

「オトコハ……オレガヤル」
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:33:03.43 ID:x+CYt/21O

川付近

サラサラサラサラサラ……

少年「水の男……」

男「おっ!俺にも聞こえた!」

武闘家「よっしゃあ!」

武闘家「早く休憩しようぜ!」ダダッ

魔法使い「あ!武闘家様!」

男「ハハ、元気だね」

魔法使い「まだ安全な川かどうか分かりませんのに……」

魔法使い「追いますね!」

男「うん」

男「……」

男「疲れたな……」

少年「……」グイ

男「ん?」

少年「……食べたい……」スッ

男「え?あ、あぁ、あの木の実?」

少年「……」コクリ

男「結構高いなあ」

男「……よし、取ってくるよ!」

男「……せえ……」

男「の!!」ダダッ

ギラッ!!

少年「!!」

少年(殺気!)
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:33:45.05 ID:x+CYt/21O

「ハァ!」

男「!!!??」

ガキィンンッッ!!

少年「……!!」

男「グググッ……!」

「ホウ……ウケトメタカ……」

男「な、なんだいきなり!!?」

男(木の陰から剣が光ったから気付けたけど……)

男(遅かったら胴を斬られてた……!)

男「かぼちゃの頭に……ッ……その服装……!」

男「こいつ……ッ……【かぼちゃの騎士】か!!」
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:34:49.79 ID:x+CYt/21O

かぼちゃの騎士「フッフッフッ……」

かぼちゃの騎士「ナカナカ イイハンノウダ」

男「くそっ……!こんなところで魔物と遭遇するなんて……!」

少年「……」

少年「……あの魔物……強いと思うよ……」

男「えっ?まじで?」

少年「……うん……この辺りの魔物グループ……その1つのボスだと思う」

男「ま、まじかよ……!」

男(武闘家たちと離れちまってる今にそんな奴と戦闘かよ!)

かぼちゃの騎士「ニンゲン……ヒサビサダ!」

かぼちゃの騎士「フン!」ダダッ

男「!!」ギュッ

かぼちゃの騎士の突進。

反応し、男は柄を握りしめた。

かぼちゃの騎士「ハァ!」ブンッ

男「うぐ!」サッ

男(速え!!)

かぼちゃの騎士「カワスノガ ウマイナ」

男「この……ッ!」

男(居合抜きで叩っ斬ってやる!!)グンッ
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:35:26.84 ID:x+CYt/21O

剣を振り抜き、隙が生まれた脇腹へ目掛けて刀を走らせた。

シュァッッ!!

かぼちゃの騎士「オソイ!」ガキィンンッ!

男「ぐっ!!」

男(切り返すのが速い!剣の扱いに慣れてるんだ……!)

かぼちゃの騎士「ヌゥ!!」

男「!」

ガキィッギィンッ!

ガン! ギィンギィンッ!

男「ぐっ!おっ!?おお!?」

かぼちゃの騎士の猛攻。

男はなんとか受けているが、かぼちゃの騎士の勢いはさらに増していく。

かぼちゃの騎士「シネェエ!!」

男「ッッ!!」ギィンッ

男(や、やばい…ッッ!マジで……劣勢過ぎる……!)

少年「……!」

少年「本当に……危ない……」
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:36:12.05 ID:x+CYt/21O

男(くそ!なんで俺は弱いんだよ……!)

男(勇者に稽古をつけてもらって……ドラゴンとも戦ったのに……!)

男(なにが……ッッ!いけないんだ!)

かぼちゃの騎士「ハァ!」ガキィンンッ!

男「ぐあ!!」

ズザァッッ

男は、かぼちゃの騎士の強烈な一撃に吹き飛ばされた。

男「ぐぐッ……!」

かぼちゃの騎士「フッ……ヒサビサニ ケンシトノ タタカイヲタノシメル ト オモッテイタガ……」

かぼちゃの騎士「コシヌケトハナ」

男「な、なんだと……!」

かぼちゃの騎士「キサマ タタカウイシハ アルノカ」
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:36:41.85 ID:x+CYt/21O
男「……え?」

かぼちゃの騎士「……ケンヲヌイテモ アイテカラノコウゲキヲウケテバカリ……」

かぼちゃの騎士「カワスコト ウケルコトシカゲイガナイノデハ」

かぼちゃの騎士「ケンシデハナイ」

男「……ッッ!」

男「剣士じゃないだと……!」

かぼちゃの騎士「アイテヲ キッテコソケンシ」

かぼちゃの騎士「フミコムコトヲオソレルケンシナド ケンシニアラズ」

男「……!」
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:37:21.73 ID:x+CYt/21O

かぼちゃの騎士「ミヤゲバナシモ オワリダ」

男「……そうか」

かぼちゃの騎士「ケンヲカマエロ」

かぼちゃの騎士「セメテ ケンヲニギラセタママ コロシテヤル」

男(……なるほどな……)

男(こんな魔物に言われて気づくなんて……)

かぼちゃの騎士「カマエヌノカ」

男(まだ……残ってたんだ)

男(俺の中の……ビビりが……!)

男(わからなかったな……今まで)

かぼちゃの騎士「フン……ユクゾ」

男(覚悟をきめろ……!!)

男(自信を持って攻めろ!)

かぼちゃの騎士「ハァ!!!」ダンッ!

男(出来る……ッッ!やるんだ!)

男「おあああ!!」


ギィィィイインンンッッ!!


少年「……!!」
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2014/12/30(火) 23:42:51.81 ID:x+CYt/21O
ここで終わります


続きは次スレで書きます!

タイトルは

男「……スライム?」2

にします。

読んでくれていた方々、ありがとうございました。
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2014/12/31(水) 00:08:13.12 ID:kAQkYKkbo
乙!
いいところで終わるな
まだまだかけるのになぜ次スレなのだ
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2014/12/31(水) 00:26:12.17 ID:BVYKF/F7O
このスレのまま続けて欲しいなぁ
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2014/12/31(水) 04:55:58.69 ID:4+lLyj/+O
物語が何も区切りもついてなければスレが消化してるわけでもないのに新しく立てる必要ないでしょ

こんなキリ悪いところで新スレ立てる意味がわかりません
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/01/05(月) 19:52:28.05 ID:OwlQQ64o0
これの続きは?
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