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もっさん「…ストライクウィッチーズです」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2014/10/23(木) 20:59:52.84 ID:c+weYppV0
もっちゃん「ストライクウィッチーズ…?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406424927/

↑の裏側、もっさんに何が起きたのかをまったり綴ります

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414065582
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/23(木) 21:02:57.98 ID:c+weYppV0
 
―1945年 某日―


501JFWロマーニャ基地 通信室


???『お前はいつも一方的だな……私の連絡は無視するくせに』

美緒「? …何の事だ、黒江少佐?」

綾香『なにって、手紙だよ! 去年の一件もあったし、また欧州の前線に出てるっていうからお前にも出したのに――』

綾香『結局、フジと竹井からの返事だけで、お前やヒガシは無視だよっ! 穴拭なんて今何処にいるのかすら――』

美緒「手紙…? いや、届いてないが?」

綾香『……え、ほんと?』

美緒「ああ」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/23(木) 21:10:07.11 ID:c+weYppV0
 
綾香『…………あーれ、おっかしいなぁ…??』

美緒「検閲にでも掛かったんだろう」

綾香『いやいや、そんな馬鹿な』

美緒「まぁ、いいじゃないか。 こうして直接通話しているんだ、結果オーライだろう?」

綾香『……坂本、8年前はもっと可愛気があったのに…』

美緒「で? 手紙の内容は何だ?」

綾香『…はぁー、私の前にまずお前だろ? どうせ届いたって返さない様な奴なのに、急に電話よこしてさ』

美緒「失礼な奴だ」

綾香『これぐらい言わせてよ。 …で、何かあったのか?』
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/23(木) 21:18:56.12 ID:c+weYppV0
 
美緒「うむ…………実は、烈風斬の事で少しお前に聞きたい事がある」

綾香『………』

美緒「……おい?」

綾香『雲燿でしょ?』

美緒「それはお前のだろう、黒江。 烈風斬は私なりに改良が加えてある」

綾香『…………やっぱり使ってるんだ』

美緒「? 何だ?」

綾香『…実は私もその事で言っておきたいことがあったんだよ』
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/23(木) 21:22:42.98 ID:c+weYppV0
 
綾香『…実は私もその事で言っておきたいことがあったんだよ』

綾香『流石のお前も目ぐらい通すだろうと思って、手紙に書いてそのままにしてたけど……今まで忠告知らずで使ってたのか…』

美緒「忠告だと?」

綾香『501でのお前の活躍は知ってるよ。 新聞記事とかゴシップ読んでまさかとは思ったけど、雲燿でヴェネツィア近郊の新型ネウロイを圧倒してるんだろ?』

美緒「……何が言いたいんだ、黒江?」

綾香『自分から相談しといて白ばっくれるなよ。 お前ほどの奴が自覚ないわけないんだから』

美緒「……」


綾香『…坂本。 もう雲燿は使うな』

美緒「……」


綾香『……違うか。 雲燿なら問題無いけど、烈風斬だっけ? あんな物撃ってると今に飛べなくなるぞ」

美緒「っ…!」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/23(木) 21:26:21.82 ID:c+weYppV0
 
綾香『お前は正直天才なんじゃないかと私も思う事があるけど、半年やそこらで零から私の秘剣を習得するのは不可能だよ。 ましてや新型ネウロイを一刀両断するまで昇華するなんて無理だ』

美緒「…黒江、私は…」

綾香『わかってる! 魔法力が散ってるんだろ? 私も始めはそうだったよ』

美緒「………今は違うのか?」

綾香『勿論。 何年とかかったけど、今は寝ていても刀身に魔法力を留めることが出来るよ』

綾香『…これが出来なきゃ雲燿は成らない。 ただ“撃てるだけ”じゃ効率よく魔法力を流せないし、刀から大量に魔法力が漏れ続けて危険だからね』

美緒「……」

綾香『魔動機の力を借りてだけど、“あがり”を迎えた私さえまだ撃てるのが秘剣・雲燿だよ。 本当はね』
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/23(木) 21:30:58.25 ID:c+weYppV0
 
綾香『刀身の魔法制御が未熟なうちは、使うべきじゃないってお前に忠告したかったんだけど……どうやってるのか威力を更に上げて乱発してるんだってな?』

美緒「…ああ。 底上げは出来た」

綾香『……正直に答えろ、坂本。 何をした?』

美緒「……」

綾香『……』

美緒「…刀を、打った」

綾香『…………おい、お前…』

美緒「自らの手で打った。 魔法力を練り込み、術式を編み込んで鍛えた物だ」

綾香『……馬鹿。 素人が妖刀なんか造って…』

美緒「私にはもうこれしか道は無い」

綾香『逆だよ! そんなジャジャ馬、魔法力全部吸い取られて終わるぞ!?』
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/23(木) 21:33:19.41 ID:c+weYppV0
 
美緒「黒江、説教はいい。 どうすれば烈風斬を完全に使いこなせるか助言を聞きたい」

綾香『………これから言う条件を必ず守ると約束出来るか?』

美緒「ああ、約束しよう」

綾香『……』

美緒「……」

綾香『今すぐその刀を捨てろ。 どうしても武器に頼るならせめて業物を使え』

綾香『名刀も魔法力の流れが良過ぎる分扱いが難しいけど、基礎が成っていれば少しは何とかなる。 癖だけが全ての妖刀と違ってね』

美緒「わかった。 で、その基礎を固めれば良いんだな?」

綾香『簡単に言ってるけど、一朝一夕で身につくものじゃないから。 ……まぁ、お前は実践も積んでるし、才能有るからそれなりに早いだろうけど』

美緒「……何をすればいい?」

綾香『これから言う特訓を段階別で毎日やること。 とにかく刀身の魔法力制御に習熟しなさい』

美緒「うむ」
9 :※注釈 [saga sage]:2014/10/23(木) 21:36:20.73 ID:c+weYppV0
例によって、本文中もっさんの台本表記は“美緒「 」”です
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/23(木) 22:44:36.63 ID:c+weYppV0
 
――――
――



美緒「――有難う黒江少佐、助かった」

綾香『はいはい。 次はもうちょっとマシな要件で連絡よこせよ?』

美緒「わっはっは、なにを言う! お前の手紙も同じ内容なのだろう?」

綾香『私のはもう少し気の利いた内容だよ!』

美緒「届いていないからわからんな、わっはっは!」

綾香『〜、まぁいいや。 それじゃあ坂本、私はそろそろ切るよ』

美緒「ああ、助かった。 また連絡する」

綾香『期待しないで待たせてもらうよ、私も話せてよかった。……妖刀はちゃんと処分しろよ?』

美緒「ああ、そうする。 ではな」

綾香『ああ、また』


ガチャン



美緒「………すまんな、黒江」

美緒(私にはもう時間も、他の得物も無いんだ)
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/26(日) 21:16:19.29 ID:b4Q7180t0
期待
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/28(火) 23:16:28.65 ID:7VHazHvR0
 
―後日―


早朝

浜辺


美緒「……」フィィイン

烈風丸「〜〜…」

美緒「………ふぅ、少しはマシなってきたな」シュルル

美緒(だが、これでは習熟まで1年はかかる)

美緒「……そんな悠長には出来ん!」


美緒(なにか、なにか他に方法は無いか…!?)チラ

美緒「――!」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/28(火) 23:31:58.88 ID:7VHazHvR0
 
美緒「…あれは?」スタスタ

美緒「……この積まれている箱は、前にペリーヌ達が見つけた海底の宝箱か。 ルッキーニが遊んで放置したものだな」

美緒「……」

美緒「ふむ…(しかし中身はどうあれ、古代ウィッチの遺産が今もそのまま眠っていたとはな)」

美緒「学者連中ならば失われた文明の跡に歓喜するだろうが、…生憎私の探し物では――」

美緒「…!!(いや、待てよ!?)」ハッ


美緒「……そうか、その手があったか!!」


美緒(考えてみれば真・烈風斬こと“真の太刀”も、古より伝わる秘奥義。 古代ウィッチの遺跡に何か手がかりになる物があるかもしれん…!)

美緒「…よし、ならば早速行ってみるとしよう」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/28(火) 23:37:11.73 ID:7VHazHvR0
 
基地下 古代遺跡


美緒「…結局収穫は無し、か」スタスタ

美緒「それらしい石碑や壁画のような物はあったが皆目意味が解らん。 あとは――」


ヒュンヒュンッ


美緒「ふっ…!」キンキン

美緒「……侵入者を殺すためのトラップくらいか(封鎖して正解だったな)」

美緒「トラップがあったということはこの辺りにも…?」キョロキョロ

美緒「! あった、壁一面に文字らしき彫刻がある。 これまた立派な物だが」ペタペタ

美緒「……むぅ。 やはり読めんな」ジ
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/28(火) 23:38:28.62 ID:7VHazHvR0
 
美緒「……」

美緒「…んー…」キョロキョロ

美緒「……腹も空いたし、引き揚げるか。 無駄足だったな」スタスタ


ガコッ


美緒「っ!?」バッ シュタ

美緒「……なんだ? 何か踏んだか?」


…ゴゴゴゴゴゴ


美緒「!」
 
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/28(火) 23:39:35.40 ID:7VHazHvR0
 
ゴゴゴ…


美緒「…隠し部屋?」


美緒「……」スタスタ


美緒「…………」キョロキョロ

美緒「不自然に広いな。 …しかし何も無い部――…む?」

美緒「……壁に何かある」サスリ

美緒「酷く汚れているが……鏡か?」マジマジ
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/28(火) 23:40:24.49 ID:7VHazHvR0
 
美緒「淵に文字が彫ってあるが、さっぱり読めん…」

美緒「……」

美緒「…………」ジー

美緒「…しかし酷い顔をしているな。 なんだ、この締まりの無い面は?」ペシペシッ

美緒「……」


美緒「んっ…!」キリ


美緒(………妙だな? なんだか自分にしては幼く見える気がする)

美緒「汚れているからか? ボヤけているからわからんな…」ゴソ

美緒「…少し磨いてみるか」スッ
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/10/28(火) 23:41:27.68 ID:7VHazHvR0
 
美緒(これでも子供の頃は、先生みたいな大人に成るのかと淡い期待も抱いたんだが…)ゴシゴシ

美緒「……参ったな、未だひよっこという訳か」ゴシゴシ

鏡「…〜〜」ユラ

美緒「ん…?」

鏡「〜〜!」フィィイン


ピカァァアアーー


美緒「!! なっ!? なにぃ!?」



〜〜〜〜

〜〜

19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/11/02(日) 12:22:52.06 ID:OYauU53B0
 

ガヤガヤ


美緒「〜〜…っ(暗がりに瞳孔が開いていた眼で直視してしまった!)」

美緒「……くそ、油断した」グシグシ

美緒「…〜、ようやく視界が戻って――」


ガヤガヤ


美緒「……!?」


美緒「………ぇ? なっ…!??」

美緒(なんだ此処は!? …外? 馬鹿な??)
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/11/02(日) 12:23:36.93 ID:OYauU53B0
 
美緒「……と言うか、ここは――」キョロキョロ


美緒「…………舞鶴…!?」


ガヤガヤ


美緒「……この街並、この通り。 間違いなく見覚えがある」

美緒(全く意味がわからん、夢かこれは?)

美緒「……」

美緒「っ…」ガリ

美緒「…痛覚がはっきりしている。 それにこの感じ、夢中の様なふわついた感覚ではない」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/11/02(日) 12:28:12.79 ID:OYauU53B0
 
美緒(落ち着け、情報を整理しろ。 私はついさっきまでロマーニャ基地下の遺跡にいたんだ、…………その筈だ)

美緒「……まさか、記憶が飛んだか…?」

美緒(人ひとりが瞬きする間に地球の裏側へ移動するわけない、それは間違いない。 …するとやはり――)


ヒュゥゥ〜

――ガサッ


美緒「…?」

ちり紙「〜〜」バサバサ

美緒「……」ペラ

美緒「……“扶桑海ノ閃光、近日公開”…?」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/11/02(日) 13:37:25.51 ID:OYauU53B0
 
美緒(!? このポスターは…!!)


美緒「…………」


美緒「っ…!」ダッ


――――
――



美緒「……至る所に張られている。 これがタチの悪いイタズラでなければ、今は…」スタスタ

美緒(いや、信じられん! 記憶が途切れていて時間が進んでいるならまだしも、8年前の舞鶴にいるなど……私はおかしくなってしまったのか??)

美緒「…ん、待てよ? まさかあの鏡が何か――」


『あ! せ、せんせぇ〜ぃ』


美緒「!」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/11/02(日) 13:40:25.56 ID:OYauU53B0
 

ステテテッ


???「どうしてここにいるんですか!? それにもう歩いても――」スタタ

美緒「?」クル

???「…ぇ! ……ぁ…」ビク


美緒「――!!?」


???「ご、ごご……ごめんなさぃ。 ぁの……ま、間違え――」オドオド

美緒「……じゅ、醇子…?」

???「ふぇ…? は、はいっ」ビクッ
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/11/02(日) 13:41:49.32 ID:OYauU53B0
 
美緒「お前…、まさか竹井醇子か!?」

???「ぁ、あの…。 ……ぇ?」

美緒「あ、いやすまない。 友人に似ていたものでな、人違いだ(……そんな馬鹿な話は無いな。 醇子には今年も会ったし、こんな昔のような、子供の姿な訳――)」クル


???「もしかして……み、美緒ちゃん…?」

美緒「!?」ドキッ


美緒「!」バッ

???「ひゃっ!?」

美緒「……なぜ私の名前を知っている?」

???「ぇ…だ、だって美緒ちゃんは私のお友達だし。 えと、その…」オドオド
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/11/02(日) 13:43:35.18 ID:OYauU53B0
 
美緒「……(間違いない、醇子だ。 私が欧州へ発つ以前の…あの頃の!)」

醇子「ね、ねぇ……美緒ちゃん? 美緒ちゃん…だよね? たしかこの前遣欧艦に乗って行っちゃった筈なのに、どうしたの…?」

美緒(…これはどういうことだ?? 幻か? 私は今どうなっている!?)

醇子「? …美緒ちゃん? ねぇ、どうしたの?」

美緒「……」

醇子「…ごめんね」シュン

美緒「ぇ…?」

醇子「わたし、なにか嫌なこと聞いちゃったかな? ごめんね美緒ちゃん…っ」グス

美緒「あ、いやっ! 違うぞ、醇子!? すまん!」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga sage]:2014/11/02(日) 13:52:22.86 ID:OYauU53B0
全然8年前じゃなかった

>>22
『8年前の舞鶴にいるなど……』を『7年前の舞鶴にいるなど……』に訂正
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/02(日) 16:28:03.84 ID:WhGn5wroO
じゅんじゅんかわいいよ
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga sage]:2014/11/02(日) 16:53:48.25 ID:OYauU53B0
 
――――
――



醇子「――それでね? 軍務の前に先生はもう少し養生しなきゃいけないから、わたしがお手伝いしながら今はこっちでゆっくりしてるの」スタスタ

美緒「…そうか(醇子のこの姿、やはりここは7年前の舞鶴なのか? しかし夢にしては妙に現実感がある)」スタスタ

醇子「お野菜も買ったし、早く道場に戻らないと。 美緒ちゃんも行こう?」

美緒「むぅ……」

醇子「……美緒ちゃん!」

美緒「ん? ああ、なんだ?」

醇子「また怖い顔してる、わたしの話聞いてた?」

美緒「……すまない、少し考え込んでいて」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/11/02(日) 16:55:34.14 ID:OYauU53B0
 
醇子「もぉー、…最初は先生にそっくりだなって思ったんだけどなぁ」

美緒「! 私が? 北郷先生に?」

醇子「うん、後ろから見たら全然わからないよ! …でもやっぱりちょっと違うね?」ニコ

美緒「……」

醇子「ぁ…! 違うのっ! そう意味で言ったんじゃ……」

美緒「わかっているさ、醇子。 私が先生と並ぶなんて痴がましい」

醇子「美緒ちゃん…」

美緒「…それより、醇子は今の私を見てなんとも思わないのか?」

醇子「へ? ……どういうこと?」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/11/02(日) 16:58:08.48 ID:OYauU53B0
 
美緒「……」

醇子「…? 美緒ちゃん?」

美緒「醇子、今年は何年だったか覚えているか?」

醇子「な、何年って……38年だよ?」

美緒「……」

醇子「…あれ、ち…違う?」オロオロ

美緒「……とりあえず、先生のところに行ってみるか。 買い出しはもう済んだのだろう?」

醇子「う、うん」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/02(日) 22:53:25.65 ID:k/Zmq6FBO
じゅんちゃん育てたい
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/11/02(日) 23:23:40.15 ID:OYauU53B0
 
講導館道場


美緒(ここも変わってないな………いや、私の方が変わっているのか?)

醇子「せいせーい! 帰りましたー!」パタパタ

美緒「…!」


章香「おかえり、醇ちゃん。 お金は渡した分で足りた?」

醇子「はい。 これ、お釣りです」

章香「うん、ありがとう」チャリン

美緒(……北郷…先生)
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/11/02(日) 23:31:28.14 ID:OYauU53B0
 
章香「…ん? そっちの方は?」チラ

醇子「あ! 先生、そうなんです! お買い物の帰りに偶然――」

章香「待って! …………その眼帯、坂本か?」

美緒「……はい。 後夫沙汰しております、先生」ペコ


章香「……」

美緒「……」

醇子「…?……??」


章香「……そう。 まぁこっち来て座りなさい。 少し話そうか」

美緒「はい、失礼します」スタスタ
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/11/02(日) 23:49:56.78 ID:OYauU53B0
 
章香「醇ちゃん、悪いんだけど買ったもの仕舞ってきてくれる? それが終わったら練習に戻っていいから」

醇子「あ、はい!」ステテ


パタパタパタ――



章香「………さて」ヨイショ

美緒「…先生、お身体の方は如何ですか?」

章香「ふふ、君が最後に見た時と大して変わってないよ。 …でも少しは良いかな? そろそろ軍務にも戻れそうだ」

美緒「……もう、無理はしないでください」

章香「そうは言ってもね、十二航空隊の指揮も放って置けないし、私のせいでいつまでも醇ちゃんに足踏みさせる訳にもいかないよ」

美緒「……」

章香「あの子は今必至だよ、お前や若に少しでも追いつこうとね」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/11/02(日) 23:59:17.72 ID:OYauU53B0
 
章香「…こんな所で油を売っていると直ぐに抜かれるぞ、坂本。 遣欧はどうした?」

美緒「……先生、聞いてくれますか?」

章香「どうしたの、もう弱音?」

美緒「いえ、あの…とりあえず私の話を聞いてください。 お願いします」

章香「……んー」

美緒「っ…」

章香「…わかったよ。 聞こう」


――――
――
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/20(木) 23:25:44.34 ID:vJPkiy0fo
続編見つかったよかった
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga sage]:2014/12/01(月) 22:51:32.49 ID:Zw0njy2y0
保守
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2014/12/31(水) 18:17:45.82 ID:LomlNEWV0
 
章香「……なるほどね。 それで雰囲気が違ってたんだ」フフ

美緒「あの、自分で言っておいてなんですが。 …信じるんですか、こんな話?」

章香「だって、大きくなった坂本が目の前にいるじゃない。 それとも君は偽物?」

美緒「い、いえ……違いますが」

章香「…立派になったね、坂本」ニコ

美緒「先生…」

章香「座っていてもわかる。 背格好も大きくなったし、その仕官服も様になってるよ」

美緒「……いえ」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2014/12/31(水) 18:19:02.82 ID:LomlNEWV0
 
章香「いいえって事無いでしょう? よければ聞かせてよ、坂本の活躍」

美緒「……」

章香「?」

美緒「……」

章香「…………どうした、坂本?」

美緒「……昔を振り返るのは、些か抵抗があります…」

章香「ふっ、ここに戻って来て何言ってるんだ。 暫く見ない間にいっそう硬い言葉になっちゃって」クス

美緒(…?)ピク

章香「そんなに辛かった?」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2014/12/31(水) 18:21:28.08 ID:LomlNEWV0
 
美緒「……いえ――…ぁっいや、苦労は勿論ありましたが。 その…」

章香「ん?」

美緒「…今の自分が情けなく思えてしまいます。 それ程、眩しくもありましたから」

章香「坂本…」

美緒「……」

章香「……7年後か。 ということは21かな?」

美緒「…いえ。 ここに来る以前の記憶では、まだ」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2014/12/31(水) 18:24:27.19 ID:LomlNEWV0
 
章香「そう…。 二十歳か、私より年上だ」

美緒「……はい。 不甲斐ないです…」

章香「お、おいおい」

美緒「…結局私は先生の足元にも及ばないまま、シールドも張れなくなりました」

章香「……」

美緒「っ……」グ…

章香「…成る程。 魔力が減衰しているんだな?」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2014/12/31(水) 18:25:50.39 ID:LomlNEWV0
 
美緒「……先生、私は…っ!」

章香「自分を追い込みすぎる所は変わってないみたいね」フゥー

美緒「!」

章香「坂本。 君は慢心しない代わりに自分をよく過小評価する――」ヨッコラセ

美緒「ぇ!」

章香「それが君の強さであり、弱さだよ」スク

美緒「せ、先生…!? 大丈夫なんですか!?」

章香「別に歩けなくなった訳じゃないし、これくらいはもう問題ないよ。 …ほら、坂本も立ちなさい?」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2014/12/31(水) 18:35:26.97 ID:LomlNEWV0
 
美緒「……はい…」スク

章香「ふふ、本当に大きくなったね。 目線も殆ど私とかわらないかな?」ズイ

美緒「……(本当だ! あんなに大きく見えていた先生が…)

章香「坂本。 気を付けっ!」

美緒「!? …は、はいっ!」ビシッ

章香「……」ジー

美緒「……」

章香「んー…」ジロジロ

美緒「……?」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2014/12/31(水) 18:39:41.79 ID:LomlNEWV0
 
章香「んふ、いい目だ!」ニコ

美緒「ぇ…あの…?」

章香「よしよし。 私も久々に張り切っちゃおうか!」スタスタ


章香「……これだとちょっとボロいかな? けどまぁ、仕方ないか」カチャ

章香「ほら、坂本!」ヒョイ

美緒「! …っと」パシ
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2014/12/31(水) 18:41:44.29 ID:LomlNEWV0
 
美緒「…先生!? これは!」

章香「立合だ、構えろ」

美緒「な…!?」

章香「残念ながら君はもう子供じゃない。 ひとつひとつ話すより、こっちの方が手っ取り早いからね」

美緒「し、しかし先生はお身体が…!?」

章香「いいから、間合いを取って構えなさい」

美緒「……北郷先生…」

章香「成人祝い……にしては、ちょっとあんまりかな?」


美緒「……」


美緒「…………いえ。 …有難く、お受けします!」

章香「ふふ」


――――
――
46 :※訂正 [saga sage]:2014/12/31(水) 19:08:59.86 ID:LomlNEWV0
>>41
章香「そう…。 二十歳か、私より年上だ」 → 章香「そう…。 二十歳か、私と同じだ」

に訂正


21歳の可能性もあるけど、まいいや
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/01/16(金) 23:57:17.46 ID:e0NFoEf00
もっさん?
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/15(日) 23:41:35.41 ID:MujT6STs0
続いてくれー
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