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高槻やよい「この真実が幸せを運ぶ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [saga]:2014/11/16(日) 00:56:52.40 ID:v5BseKy80

やよい「夢を見ました……」


後部座席で、私はいつの間にか眠ってしまっていたみたいです。


P「夢?」


やよい「はい」


寝ぼけた頭で、さっきの夢を、必死で言葉にしようとします。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1416067002
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【進撃の巨人】俺「安価で巨人を駆逐する」 @ 2024/04/27(土) 14:14:26.69 ID:Wh98iXQp0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714194866/

諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/11/16(日) 00:57:15.08 ID:DhIEdr500
期待
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 00:57:45.84 ID:v5BseKy80

やよい「プロデューサーが、遠くに行ってしまう」


やよい「悲しい、悲しい夢です」


P「………」


運転中のプロデューサーは、黙って続きを聴いてくれます。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 00:58:22.33 ID:v5BseKy80

やよい「夢の中の私は、何も出来なくて」


やよい「えーん…って、泣いてばかりいるんです」


P「………」


やよい「………」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 00:59:10.41 ID:v5BseKy80

しばらくの沈黙。


やよい「……あの、プロデューサー」


P「ん?」


やよい「こういうときって、『俺はどこにもいかない』って」


やよい「言ってくれたり……しないんですか」チラッ
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:00:08.00 ID:v5BseKy80

P「お前……それ言ってて恥ずかしくないのか?」


やよい「……あぅ」


P「そんなの、言うまでもないと思うんだけどな」


やよい「…でもでも、女の子はちゃんと言ってほしいものなんですっ!///」


P「はいはい」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:01:10.32 ID:v5BseKy80

P「ほら、事務所に着いたぞ」


やよい「…はーい」


ガチャッ


P「寒くなってきたなぁ」


スッ


やよい「ええ、とっても!」


ギュッ


さしだされた左手に、私の右手を重ねます。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:02:46.87 ID:v5BseKy80

P「やよいの手は小さいなぁ」


プロデューサーは、私の手を取って、いつも決まってこれを言います。


やよい「もう、何回も聞いたかなーって」


それは、私たちのおまじないみたいなものでした。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:03:30.11 ID:v5BseKy80

私たちはよく、手をつなぎます。


そして、プロデューサーは、私の半歩のまた半分だけ、前を歩いて。


私は、プロデューサーの半歩のまた半分だけ後ろを、ついていきます。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:04:05.58 ID:v5BseKy80


――――――――


―――――


――

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:04:46.56 ID:v5BseKy80

我慢しなさい、と言われて育ってきた。


欲しがっちゃいけないと、子どもの頃言われ続けてきた。


だから、「欲しい」なんて殆ど言ったことが無い。


言っちゃいけないことだと思っていた。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:05:36.12 ID:v5BseKy80

本当に欲しいものが何かなんて


私には全然分からない。


今でも、全然分からない。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:06:09.88 ID:v5BseKy80

でも、私の運命を変えたその日、


二人きりの楽屋で、私はプロデューサーの手を取って、


プロデューサーを見上げながら、囁きました。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:06:47.15 ID:v5BseKy80


『欲しがってもいいですか?』



『プロデューサーのこと、欲しがってもいいですか?』

15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:07:30.30 ID:v5BseKy80

特別なものに対しては、人は悲しいほど純情です。


言葉にならない声を返すプロデューサーに、


私は止まらなくなって、続けました。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:08:34.08 ID:v5BseKy80


『欲しい、プロデューサーが欲しい…です』



『全部欲しい、ずっと一緒にいたい……!』

17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:09:10.47 ID:v5BseKy80

生まれて初めて、「欲しい」と言えた気がした。


それはなんだか、嬉しいような、泣きたいような気分だった。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:11:04.10 ID:v5BseKy80

その後のことはあまり覚えていない。


いまにも泣きそうな私の頭をなでながら、


プロデューサーが困ったような笑顔で、


『後一年だけ、やよいがアイドルに集中できるように、我慢しててくれないか』


と言ったのだけは、ちゃんと覚えていた。


その後、私は一年間、ひたすら待ち続けたのだから。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:11:37.72 ID:v5BseKy80


―――――――――

―――――

――

20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:12:45.23 ID:v5BseKy80

その一年、私はがむしゃらに頑張っていた。


頑張っていれば、プロデューサーの理想に近づけると思って。


期待に応えれば、プロデューサーに喜んでもらえるんじゃないかって。


微熱に冒されたような日々は続いた。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:13:53.09 ID:v5BseKy80

それでも、hotに振り切れたメーターは、最後まで続かなかった。


私は、寝不足と過労で、ある番組の収録が終わった後に糸が切れたように倒れ、


医務室に運ばれた。


体力自慢の私には、ありえないことだった。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:15:00.76 ID:v5BseKy80

『やよい!やよいっ!!』


目が覚めると、プロデューサーが目の前にいました。


『よかった……あぁぁ』


まだ医務室のおばさんがいるのに、プロデューサーは私を強く抱きしめると、


『ごめん、ごめんな、やよい……』


『俺が、ちゃんと気付いてやらなきゃいけなかったのに……』


大人の人は、人前で涙を流さないものだと思っていたんです。


『プロデューサーのそんな声、初めて聴きました……』


だから私は、間抜けにもそんなことを言いました。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:17:02.32 ID:v5BseKy80

その日、プロデューサーは私の元気が出るまで、


ずっと横で、私の手を握っていました。


『プロデューサー、私はどこにもいきませんよぅ?』


『俺が一緒にいたいんだよ』


ああ、私は、離したくないんだなぁって。


私を支えてくれる、この手を。


私の、大好きな人の、この手を。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:18:01.82 ID:v5BseKy80

そして、約束していた一年が過ぎて、


プロデューサーが突然、私を映画に誘いました。


映画のあと、カフェに入って、くだらない話をしていたと思います。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:18:35.23 ID:v5BseKy80

『えーっと』


話の途中、プロデューサーは今までと違う声のトーンを出して、


何秒か視線を泳がせて、


また『えーっと』と言いました。


そのあと、好きです、と言って、付き合ってください、と付け加えました。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:19:17.11 ID:v5BseKy80

あんまり突然だったので、私はとっても驚いてしまいました。


プロデューサーは、ちょっと緊張した感じに、


だけどまっすぐに私を見てくれていました。
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:20:01.83 ID:v5BseKy80

私も、不思議な力に引っ張られるように、


『はい、好きです』


って返しました。


私たちは何だか安心した感じになって、コーヒーを飲みましたね……


私のは、甘いカフェオレだったんですけど……えへへ。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:20:57.97 ID:v5BseKy80


――――――――

―――――

――

29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:21:37.09 ID:v5BseKy80

一日が経って、一週間が経ちました。


一ヶ月が経って、半年が経ちました。
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:22:46.03 ID:v5BseKy80

あれから私たちは、ゆっくりと、歩幅を合わせて歩いています。


それでもまだ、付き合って半年。


私たちは、歩き始めたばかりです。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:23:36.09 ID:v5BseKy80

765プロで会う以外は、月に一、二度のデートをするぐらいで、


電話は週に三回。私とプロデューサーが交代でかけました。


それはとても、ゆるやかで淡いお付き合いだったと思います。


私としてはちょっと物足りないかなーって感じでしたけど、


プロデューサーは、『足りないくらいがちょうどいい』らしいです。
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:24:16.21 ID:v5BseKy80

プロデューサーはみんなに優しいけれど、


私と二人きりの時は、ときどきいじわるでした。
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:25:19.37 ID:v5BseKy80

やよい『先生〜、ここ、分かんないです〜!』


P『どれだ』


ギュッ


やよい『ひゃっ!な、なんですか〜もう!』


よく、後ろからくっつかれました。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:26:36.48 ID:v5BseKy80

P『いいだろ、このままで教えられるんだから』


やよい『んひゃ……く、くすぐったいです〜!』


P『ん、やよいのいい匂いがする』クンクン


やよい『う、あ、女の子の匂いなんて、かいじゃダメですってば〜!!///』
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:27:08.23 ID:v5BseKy80

それからそれから、


私はとってもヤキモチ妬きでした……
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:27:58.23 ID:v5BseKy80

P『………ってね、昨日、モバPさんと話したんだけど』


やよい『モバPさん?』


P『うん』


やよい『モバPさんですか……』


P『うん』


やよい『……モバPさん』
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:28:53.76 ID:v5BseKy80

P『ねえ、一応訊くけど、妬いてるのか?……男だぞ?』


やよい『でも、妬いちゃいます』


やよい『一緒に楽しそうに女の子の話とかして〜』ムスー


P『職業上の都合だもん……』
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:29:57.06 ID:v5BseKy80

P『あのさ、俺が好きなのはやよいだけって、知ってるでしょうに』


やよい『妬けます』


P『妬かないで』


やよい『……ごめんなさい』シュン


P『あ、あやまることじゃないよ』
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:31:15.59 ID:v5BseKy80

やよい『自分でも、こんなに妬いちゃうのはいやなんです』


やよい『だけど、プロデューサーの前の彼女さんのこととか考えると』


やよい『どうしても、この辺が、ギュー!ってなっちゃうんです』


P『前の彼女?』キョトン
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:31:53.86 ID:v5BseKy80

やよい『あぅ、ごめんなさい』


P『ごめんってことはないけど』


P『前の彼女なんて、いないし』


やよい『え?』


P『え?』
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:32:40.79 ID:v5BseKy80

やよい『こんなヤキモチ妬きの彼女は嫌ですよね……』


P『そんなことはないよ』


やよい『でもでも、妬かないほうがいいですよね?』


P『……そんな風に妬くっていうのはさ』


P『それだけやよいに愛されてるんだにゃ、とは思うよ』
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:33:15.74 ID:v5BseKy80

やよい『う?』


P『何?』


やよい『今、噛みませんでした?』


P『何が?』


やよい『愛されてるんだにゃ、って』


P『言ってないよ』
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:33:58.76 ID:v5BseKy80

やよい『言いました』


P『ちょっと言ったかも』


やよい『にゃんでですか?にゃんで今、愛されてるんだにゃ、って』クスクス


P『にゃんでかは、俺も分からにゃいよ』アハハ
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:35:00.24 ID:v5BseKy80


――――――――

―――――

――

45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:38:24.12 ID:v5BseKy80


こんな感じで、私たちは、かけがえのない何かを確かめながら、


ゆっくりと、けれど確かに、歩いてきました。

46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:39:06.13 ID:v5BseKy80

そして、数年が経ちました。


今日は三月二十五日。


牡羊座の私は、二十回目の誕生日を迎えます。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:39:45.52 ID:v5BseKy80

二十歳になった記念、ということもあって、


プロデューサーとお酒を飲むことにしたんです。


プロデューサーは、神楽坂の小さな和食のお店を予約してくれていました。
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:40:36.96 ID:v5BseKy80

「お誕生日、おめでとう」


プロデューサーはごく普通の祝辞を述べて、私に日本酒をそそいでくれました。


「えへへ、ありがとうございます」


お祝いのお酒はとても美味しかったです。


私ももう二十歳だから、お酒の味も分かるんですよ!


なーんて、えへへ……
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:41:18.02 ID:v5BseKy80

私は少し酔っていました……



やよい「あのですね」


やよい「私はもう二十歳じゃないですか」


P「うん」


やよい「二十歳になったら……って言ってたじゃないですか」


P「ああ、おう」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:42:01.65 ID:v5BseKy80

やよい「でもでも、まだちょっと怖くて、延長してもいいですか?」


P「いいよ、もちろん」アハハ…


P「それにいつかさ、きっと、そういう時が来るよ」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:42:53.38 ID:v5BseKy80

もう付き合って何年目でしょう。


というより、結婚もしているのに、何を私は生娘のような……


って、生娘なのだから大事なことなんです……うぅ。
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:43:48.86 ID:v5BseKy80

お店を出て、ぶらぶらと散歩をしながら、


私たちは途中で見つけた高台で立ち止まりました。


気持ちが澄まされるような、月夜でした。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:44:24.08 ID:v5BseKy80

やよい「プロデューサー?」


P「ん?」


やよい「大好きですよ、ずっと」


P「……おう」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:45:19.38 ID:v5BseKy80

やよい「プロデューサーは、言ってくれないんですか?」


P「そんなの、言うまでもないと思うんだけどな」


やよい「でもでも、女の子はちゃんと言ってほしいものなんですっ!」




P「……だ、」


P「……大好き、です」


やよい「なんで敬語なんですか〜!!」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:46:08.42 ID:v5BseKy80

それからプロデューサーは、ぎこちなくかがんで、私にキスをしました。


私はいつも、この瞬間、この身長差が愛おしく思うのです。


ぎこちなくかがんで、かっこ悪いキスができる、


プロデューサーと、私だけの距離。
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:46:47.15 ID:v5BseKy80

やよい「あの」


P「ん?」


やよい「見られてますよ」


P「誰に?」


やよい「月に、です」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:47:51.12 ID:v5BseKy80

大きな月が、私たちの恋を見守っていました。


プロデューサーは月を見上げ、嬉しそうな顔をします。


もう一度、私はキスをしました。


波打ちぎわで春の波が、寄せては返すみたいに。


ゆっくりと、柔らかに。
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:48:46.95 ID:v5BseKy80

P「暖かくなってきたなぁ」


スッ


やよい「もうすぐ四月ですから」


ギュッ


さしだされた左手に、私の右手を重ねます。


あなたの薬指には、私の左手のと、サイズ違いのプラチナの指輪。
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:50:39.56 ID:v5BseKy80


P「やよいの手は小さいなぁ」



やよい「もう、何回も聞いたかなーって」



P「これからも、何度でも言えるといいな」



やよい「……ずるいですよ、そんなの」

60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:51:37.42 ID:v5BseKy80

私たちはよく、手をつなぎます。


そして、プロデューサーは、私の半歩のまた半分だけ、前を歩いて。


私は、プロデューサーの半歩のまた半分だけ後ろを、ついていきます。
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:52:59.32 ID:v5BseKy80

街は人工的に輝き、恋人たちは歩く。


恋人じゃない人も、何かを待っている人も、何かを探している人も、


みんな歩く。




私たちは手をつないで、街を歩きます。


きっとこれからも私たちは、大人と子どもの境界線上を、


ゆっくりと、やさしく、手をつなぎながら歩いていくのでしょう。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:54:03.53 ID:v5BseKy80


P「やよい」


やよい「……?」


P「大好きだからな、ずっと」


やよい「…はい!」

63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2014/11/16(日) 01:56:37.57 ID:v5BseKy80

おしまいです。


読んでくださった方々ありがとうございました。


“高槻やよい「暖めてあげるからそばにいて」”の正編でした。


甘いものは、苦いもののあとに食べると、より美味しい。


これからも、やよいとPが幸せでありますように。
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/16(日) 02:14:01.86 ID:eemo+nzIo
乙ー

カラメルの効いた極上プリン、御馳走様でした
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/16(日) 02:20:44.85 ID:OcaYYZElo

ちょっとコーヒー買ってくる
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/16(日) 03:14:18.75 ID:KE1tM3pDO
乙です。
ブラックコーヒー作るかな
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/16(日) 05:27:38.03 ID:5tk0b3pyo
やっぱり中学生に欲情する大人は二次でもキモいな
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/16(日) 06:54:06.76 ID:Xx2Q6cHko
朝ごはんの鍋が甘いんだけどどうしたかなこれ
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/16(日) 10:35:30.02 ID:2K7m+7dl0
なぜか大ダメージを受けました!
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/16(日) 11:21:40.89 ID:uWBwasuOO
もしやと思ったけどやっぱりか
静かで甘い雰囲気が最高だった
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/16(日) 11:37:46.24 ID:ubYwNOBqo
良かった。
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/16(日) 13:37:17.76 ID:CFhmMueKO
あまーーい
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/16(日) 19:42:29.06 ID:/3+MvQNJo
にゃんにゃんの件最高に鬱
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