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【モバマス】飛鳥「ちょっとボクの暇つぶしにもらえるかな」【百合】 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:39:40.31 ID:l3VOO6kDo

・地の文(一人称)あり
・飛鳥×蘭子の百合要素あり

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ゼロツー「入れ替え? ボクは嫌だよ」 @ 2018/05/20(日) 22:41:05.61 ID:o928Sayyo
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魔王「勇者勇者ッ!ココはどうやって行くのだ?」 @ 2018/05/20(日) 22:10:46.95 ID:n+zGhS+60
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永夢「Fate/Grand Orderクロニクル!僕達がこのゲームを終わらせる!」 @ 2018/05/20(日) 20:34:33.67 ID:6HSUi/WA0
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【スロスタ】ある朝のできごと @ 2018/05/20(日) 20:20:40.49 ID:uTaXUJCzo
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マリベル「あら、アルス。どこ行くの」アルス「ちょっと、お城に」 @ 2018/05/20(日) 20:03:28.77 ID:sIO9mK6/0
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水邪「起きろ炎邪、朝だぞ」炎邪「どっごらあああああああああ!!」 @ 2018/05/20(日) 20:01:56.75 ID:DGwR3BM40
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/30(日) 11:40:45.68 ID:c0j3wDTJo
期待
3 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:41:50.09 ID:l3VOO6kDo

「最近、寒くなってきたよね」
「ん、そうだね」
と、僕は暑がり、というより寒さに耐性があるんだけどそう答えた。
なぜかって? おいおい、それは少々間の抜けた疑問じゃないかな。
だって、彼女は僕の彼女……。おっと、これじゃ良く分からないよね。
つまり、彼女――神崎蘭子――は、このボク――二宮飛鳥――と恋人関係にあるということなんだ。
だから、相手に合わせてあげるのは恋人として当然。
うん、言葉で言うと意外にあっさりとしているものだね。そうでもない? おかしいな。
でも、人の感性というのは様々だからね。僕がそうだと思ったって、君が同じように感じるとは限らない。
そういうものだよ、人間というのは。人と人は一生において、一度として交わりあう事は無い。
なぜなら――っと、あやうく脱線してしまうところだったね。
ええと、何の話だったっけ? ああ、そうそう。僕は蘭子と話をしていたんだったかな?
うん、そうだ。ならば、話を進めるとしようじゃないか。
4 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:43:03.18 ID:l3VOO6kDo
「最近はどんな漫画を読んでるんだい?」
と、僕は笑みを湛えて言った。ああ、どうしようも無い質問だと思っただろうね。僕も今そう思っていたところさ。
そうしたら、君と僕は今この瞬間だけ重なり合ったのかもしれないね。
え? そんな事は物理的に不可能だって? ……無粋だね、君は。
どれくらい無粋かといえば、彼女と二人で夜空を見ているときに、アイラヴユーと言われて、
『あ、それってあれだよね!夏目漱石が英文を日本語訳した奴!』といって無駄に自分の博識をひけらかす男くらいには無粋だね。
しかも、誰でも知っているような話なのに。
分かりにくい? ああ……君は本当に甲斐性なしだね。もう僕も話すのが嫌になってきたよ。
はぁ……で、ええと、どこまでいったかな。……まだ全然進んでないじゃないか。
自分で自分が嫌になるね。
5 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:43:48.63 ID:l3VOO6kDo

「えっと、笑らわないでね?」
初めにえっと、と前置きしておいてさらに笑わないでね、ときたものだ。
当然、この後にはすぐに言葉が続くわけだけれど、ついつい言葉を挟みたくなるくらいに、そう、かわいいよね。
これは君もそう思ってくれると信じている。
まぁ、信じるなんて言葉、薄っぺら過ぎて、僕としては現実で一度として言いたくない言葉の一つに数えているんだけど。
いい加減、この語りも飽きてきた頃じゃないかな。だから、なるべく僕の御喋りは自重するとしようか。
6 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:44:46.77 ID:l3VOO6kDo

「最近になって、NARUTOを読み始めたんだ」
「NARUTOか……。いいんじゃないかな。最近最終回を迎えたばっかりだしね」
「うん! 終わっちゃったって聞いて、試しに読んでみたら……」
「ハマちゃった?」
「……うん」
はい。ここまで黙ってきたわけだけれど、この『うん』には、注釈を加えないといけないだろう。
なぜなら、彼女はここで赤面しながら顔を伏せた状態で、ひよこが小さく首をかしげるようにして頷いたんだ。
ああああああ、何てかわいいんだろう!
おっと、すまない。取り乱してしまった。でも、かわいらしいものを見て取り乱す事は女子として正しい事じゃあないのかな。
他のアイドルでも、いい年してそうな人が、他の誰かが連れてきた犬を見て、わぁ!かわいいですぅ!とかいって、
何十年前のネタだよってぶりっこポーズを取りながらきゃぴきゃぴ言ってたしね。
本人のいないところでこんな悪口を言いたくはないけれど、ああいう大人にはなりたくない。絶対。
7 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:46:44.31 ID:l3VOO6kDo

「そうかい。ちなみに、どのキャラが好きなのかな?」
「……日向かな?」
「日向か。確かに、あの健気な感じがいいよね。誰も裏切らなさそうだし」
「だよね! かわいいよねー」
ああ、皆まで言わないでくれ。その通りだよ。僕はみっともなく嫉妬してしまったんだ。認めるよ。
言うのが遅れたけど、ボク達がいるのは他でもないボクの家でね。
そのようなところでそんな、漫画のキャラクターとはいえ他の人物の事をかわいい、などといわれたら嫉妬しない彼女、或いは彼氏がいるのかな?
いるとしたら、とんだ自信家か、とうへんぼくなんだろうな。ボクはそこまで自分に自信が持てなくてさ。
それこそ人並みに傷ついちゃったりしたんだよ。こんな事、恥ずかしくて君くらいにしか言えないけどね。
8 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:48:18.62 ID:l3VOO6kDo

ああ、勘違いしないでくれよ? 別に僕は君の事をこれっぽっちも、
洗米する際シンクに落ちてしまった米粒程にも気に留めてないからね。
どうでもいいけどシンクに落ちた米粒って、元に戻すべきかそのまま捨てるべきか迷うよね。
多分、この辺りで大雑把か潔癖かの入り口が開けてくると思うんだ。ちなみに僕は拾わないかな。
という事は蘭子も同じく拾う事は無いんだよね。
……ああ、突っ込みはいらない。
「…………」
「ん? 飛鳥ちゃん?」
「…………」
「あ……、もしかして嫉妬した?」
醜く嫉妬した自分が恥ずかしくて顔を背けたボクの顔を、そんな風に下から覗き込まないでくれ!
そんなに顔を近づけられたらボクは気が変に……。
9 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:49:16.02 ID:l3VOO6kDo

「ん……」
ちゅっ、と。そういうのが一番分かりやすいと思う。実際は何の音も無く、ただ静かに事が成されたわけだけれど。
そう、キスをされた。
蘭子から。
別に、珍しい事ではない。むしろ、最近では蘭子からしてくる事の方が多くなった気がする。
僕的には、顔を近づけられて顔を赤らめる蘭子に、半ば強引にキスをするのが楽しく、面白かったわけだけど、
こうして蘭子から愛情表現をしてくるっていうのも中々良いと思い始めてしまっていた。
10 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:50:35.08 ID:l3VOO6kDo

しかも、今二人の間で流行っているのは下を二重三重に絡ませるというちょっとした遊びみたいなディープキスなんだ。
遊び始めたのは、普通のディープキスもそれなりに回数をこなしてしまったからというのもあるが、
ええと、始めたのは一体どっちからだったっけ……。
まぁ、とにかくボクと蘭子のどちらかがそんな遊びを始めてしまったがために、唇から唾液が垂れるわ、
お互いの吐息が互いの顔にかかってしまうわ、その上何分間も舌を絡ませる事になるわで、あまり好ましくない。
は? いやいや、嬉しいだろって、君はそんな簡単かつ単純に言ってくれるけどね。
これが思いのほか大変な事だと、なぜ君は理解らないのかな。
11 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:52:11.31 ID:l3VOO6kDo

あえて今まで伏せてきたけど、ボクは健全でおしとやかでラブラブな、そんな恋愛を望んでいるんだよ。
体をまさぐり、いじり、嘗め回し、快楽に溺れるなんて不健全で畜生で鬼畜みたいな事、全く望むべくもないね。
それを踏まえて考えると、ディープキスはかなり、とてつもなくギリギリのライン、綱渡りだ。
だって、唇って性感帯の一つに数えられるんだよね?
しかも、口内っていうのはこれが中々に強敵で、舌を触られるだけで快感を感じるものなんだよ。
そうなの? って言われても流石にこればっかりは答えようがないな……。
うーん、君のためにあえて例えるならば、他人に耳掃除や歯磨きをしてもらうようなものかな?
……ちょっと違うような……。仕方ない、この事の表現については諦めるとしよう。
12 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:53:24.35 ID:l3VOO6kDo

どうしても気になるのなら意中の相手の一人でも見つける事だね。そうでなくても、君にはお金があるだろう。
ん……そんな不健全なまねはできないって? なんだい、それ。ボクの口真似かい?
……ちょっと血の巡りが早くなったかな。いや、気にしないでくれ。ボクもちょっと言いすぎた。
ああ、でもおかげで何の話をしていたのかさっぱり分からなくなってしまったよ。
君は覚えてるかい? えーっと……、ああ、そうそう。健全なお付き合いって話だよね。
まぁ、そんなわけで、Aは良しとして、Bはそのうち……、Cだけは踏み越えたくはないっていうのが、ボクの意思。
意志と読んでもらっても構わない。
ただ、その事については蘭子と、ひと悶着あって、それはこれから少しずつ述べていくよ。
13 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:54:12.40 ID:l3VOO6kDo

「んん、ん」
うん、まだ続行中なんだ。今回はいつもよりちょっと長めだったからね。
どれくらいかというと、唇の真下にあったボクのショートパンツが漏らしたみたいに唾液でびちょびちょになったくらい、かな。
「ぷはっ……」
流石に苦しくなったのか、蘭子から顔を離した。顔は熟しすぎたトマトのように真っ赤だ。きっとボクもそんな顔だったんだろうな。
普段ならここで蘭子が猛烈に照れだして、その辺にある座布団に顔をぐりぐりと押し付けるんだけど、今回はちょっと違った。
ちょっとどころではない、滅茶苦茶変化していた。
蘭子は顔を赤らめたまま、あろうことかボクの胸に顔をくっつけたんだ。いつもとは違う展開に、流石のボクも凍りついたよ。
14 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:55:43.03 ID:l3VOO6kDo

ボクが男の子なら、童貞だとからかう事もできただろうにね。まぁでも処女ではあるよ。うわっ、君が照れてどうするのさ。
正直、かなり引いた。今風に言えば、ドン引き。今すぐ輪廻転生の儀を執り行って、女性に生まれ変わるといい。
「……蘭子?」
蘭子が動かなくなった。と、思いきや蘭子は顔をもぞもぞと振り始めた。じゃない、手でボクの乳房を撫でていたんだ。
そのときのボクの顔と言ったら、おかしい事この上無かったよ。うん、見ていないけどね。
まぁ、こんなこと、蘭子との付き合いの中どころか、ボクの人生において一度としてあり得なかった状況だった。
ゆえに、ボクが何もできずに頭の中を真っ白にしていただけであったのも、責められる謂れは無いんだよ。
15 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:56:57.06 ID:l3VOO6kDo

そんな、口に出すのも憚れるような状況にありながら、ボクがただ蘭子を見つめる事しかできないでいると、
蘭子はボクの胸を揉み始め、その蒸気した顔をこちらに向けたんだ。
想像してもみなよ、あの蘭子の愛らしい顔が自分の胸を辺りにあって、しかもクリクリとした目がこっちを上目使いに見ているんだ。
もう、こんなのどうにかならない訳がないよね。うん。
でも、ボクは蘭子の肩を抱いて、向こうへ押した。
蘭子は心外そうな、今思い返すとあれは裏切られた、といったような表情を浮かべていたかな。
それでもボクは自分を律して、それ以上蘭子を近づけさせまいとしたのさ。
いや、失敗したんだけど。
16 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:57:55.86 ID:l3VOO6kDo

「んー!」
と、蘭子が激しい抵抗を見せて、無理やり首から上だけを動かし、ボクへ頭突きをするかのようにキスをしたんだ。
それはもう、貪るように。口内の唾液という唾液。粘膜すらも舐めとらんとする激しさ、猛烈さでボクの唇を味わっていたんだ。
ボクはさすがに、何かがおかしいと思った。
おかしい、というか異常だ。
いつもの蘭子ではない、何か。
「やめてよ」
と、相手は普段の蘭子ではないとわかっていながらも、ボクはそう、言ってしまった。
言って、後悔した。
蘭子は、うつろな目でボクの顔を見つめた。それは、さながら世界の終りを目の当たりにでもしているかのような表情だった。
そして、そんな顔をさせたのはこのボクだ。
自責の念が絶えないよ。今だってそう。
17 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 11:59:14.14 ID:l3VOO6kDo

でもそのときは後悔の気持ちよりもこの不自然な状況に対して、
どうにかしなければという思いのほうが勝っていたから、とにかく蘭子に正気を取り戻してほしい一心だった。
「おかしいよ、こんなの」
ボクの言葉じゃない。蘭子が言ったんだ。
おかしいよって。
「え?」
「なんで、そんなこと言うの?」
「それは……」
「やっぱり、嫌いなんだ。それで、別れるタイミングを失ったから、キス以上の事をするのが嫌なんでしょ。だから、拒むんだよね」
ボクは何て言ったらいいかわからなかった。こんなの、言い訳にすらならないよね。
でも、少し釈明させて貰おうと思うくらいには、自分が悪くないって思っているし、仕方無かったんだ。
18 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 12:01:00.22 ID:l3VOO6kDo

うん、殴った。グーで。
渾身の右ストレートさ。
思わず手が出たっていうのは本当なんだけれど、それにしてはちょっとえげつないくらいこぶしの効いたストレートだったかもしれない。
結果、蘭子は思い切り仰け反ってそのまま仰向けにノックアウト。
ボクが無意識の世界から戻ってくるまでに数秒を要したけど、ボクが慌てだす頃に蘭子は起きだした。
目には、涙――ここでは蘭子の事を思って涙なんて客観的で無責任な言い方はやめておこう。
そう、言うならば、瞳の表面に、感情が流動した末に溢れ出た清廉な水をためて、暫くの間上を向いていたんだけど、
こらえきれなくなった水が蘭子の頬を伝い、耐えられなくなった蘭子が頭を下げて嗚咽を漏らした。
19 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 12:02:00.63 ID:l3VOO6kDo

「……ごめん」
ボクはとりあえず、といった調子でそう言った。
なんだい、その顔。やれやれ、みたいなそれ。やめてくれるかな。
これから淡々と、地の淵を跋扈している闇の住人も号泣する感動物語を語ろうとしているのに、そんな風にやけに大人ぶった、
仕方ないなぁ、みたいな顔をされると、これまで温厚に忠実に語ってきたこのボクでもやぶさかではないよ。
そう、謝ってくれるならいいんだ。
20 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 12:02:57.48 ID:l3VOO6kDo

「…………」
でも、蘭子の方は謝って済む問題でもなかったようでね。それはそうなんだけど。
ところで、蘭子が言った言葉の意味は流石に分かるよね。だって、君だって一枚噛んだんだから。
ボクと蘭子が付き合っていることを、君に惜しげもなく公開できるのは、君の努力のおかげなんだよ。
ま、少しは感謝しているさ。
でも、結局人間は一人で生きていかなければならない以上、誰かの助けなんて必要にしていない訳で、
つまりボクと蘭子は自分たちの力で苦難を乗り越えてきたといっていいよね。
ああ、そんなこと君に言うまでもなかったか。失礼。
21 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 12:03:59.18 ID:l3VOO6kDo

それで、ボクもそうなんだけど、蘭子の方だって数日数十日ですっかり忘れられる程、さっぱりした性格というわけでは無かった。
だけど、そんなこと、言われるまでボクは気にもとめていなかったんだ。
蘭子がそこまで、心に傷を負ってるなんてね。
「ボクは、蘭子の事を愛していて、大切にしているんだよ」
だから、上っ面の言葉なんかじゃなくて、思っていることを遜色なく話そうと決めた。
「それで蘭子を不安にさせてしまっていたのなら、謝る。でも、ボクが生半可な気持ちで言ってるんじゃないって事は、理解ってほしい。
 ボク達くらいの年齢で望むような事では無いかもしれないが、ボクは蘭子がそばにいるだけで幸せで、うれしくて、楽しいんだ」
蘭子に心のままを打ち明けているところを話しているだけなんだけど、なんで君にまで言わないといけないんだろうね。
ああ、冗談だよ。
ここは非常に大切な部分だからね。
山場さ。
22 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 12:05:08.38 ID:l3VOO6kDo

「だから、蘭子にまでそれを理解しろとはいわない。けど、ボクの気持ちが嘘偽り無いということだけは、どうか分かってほしい。
 それに、周りから色眼鏡で見られたり、ちょっかいを出された程度で壊れるような気持ちでは無いさ」
そうボクが言うと、蘭子はボクへ近づいて、ボクの胸に顔をうずめた。
でも、今度はそれだけだった。
ただ、ボクの胸の中で鼻水を流していただけだ。
え? 台無し? だって、仕方ないだろう。他に適当な言葉が見つからなかったんだから。
それに、事実ではあるしね。その証拠にボクがそのとき着ていたYシャツはびしょびしょになった上に、少し粘着質な水がこびりついていたんだ。
着替えて洗濯するのに少し手間だったかな。
もったいない? 殺すよ。……うん、いいんだ。冗談だと、ボクは君の事を蘭子の次に理解っているつもりだから。
でまぁ、その後は暫くの間抱き合ってから、軽く口づけをしておしまい。
仲直り。それで、この話は終いさ。
23 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 12:06:52.49 ID:l3VOO6kDo

ま、オチとしてはさ。
蘭子がボクの家に上がった時、お茶菓子として出したチョコレートがまさかのウィスキーチョコレートで、
ボクがそれに気づいた時には既に蘭子が4個程平らげていたんだけど、
いくらウィスキーとはいえチョコレートに入っている程度、大丈夫だと思ったんだ。
ところがどっこい、蘭子の体質なのか、それともただ単に慣れていないのが悪かったのか、酔ってしまったわけなんだよね。
それにボク達が気づいたのは、蘭子が仲直りした後も顔が真っ赤で、立ち上がるとふらふらしていたからなんだけど。
そんなわけで、蘭子のあの行いは深層心理に基づいたものであり、それがボクに伝わったのは良かった良かったという話なんだけど、
蘭子がおかしかったのはお酒のせいかよ!ってね。
24 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 12:08:11.88 ID:l3VOO6kDo

考えてみれば、蘭子の顔が異常に赤かったり、いつもの独創的表現が無かったという事を、
何でも無いように受け入れてしまったのがそもそもいけなかったんだよね。
ああ、なるほどなって、君もそう思うかい。
そうだよね。
そもそもボクと話すときだって、というかボクと話すときは特に詩的表現に磨きがかかるしね。
よくよく思い返すと、お茶を飲むまではそうしていたかな……。
いや、ボクもまだまだだと思い知ったよ。
反省。
25 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 12:10:58.07 ID:l3VOO6kDo

「で、どうだったかな?」

「あー……、それちょっとフィクション混ざってるよな」

「まぁ、ね。ちょっかいとか出されてないし」

「だよなぁ」

「でも、話としては面白かっただろう? いい暇つぶしにはなったんじゃないかな」

「うーん、ってか一応暇では無いんだが……」

「事務所にいるプロデューサというのは得てして暇人さ」

「凄い偏見をされているような……」

「じゃあ。まぁ、また面白そうな話があったら話すとするよ」

「フィクション物なら、日菜子の方が良い聞き手になってくれるぞ」

「ああ、そうか。じゃ、そうするとするかな。……次は、ね」
26 : ◆.a5aH6WtmReM [saga]:2014/11/30(日) 12:11:52.93 ID:l3VOO6kDo

おしまい
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/30(日) 13:03:47.13 ID:3rcDz9F8o

結局どこまで本当なんだ…
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