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アリサ「ゴッドイーター同士による野球対決?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 21:35:39.89 ID:JDKg/NAY0
ゴッドイーター・ゴッドイーター2SS

亀更新だけど気にしないでください

死んだ人とか生き返ってるけど、気にしないでください

とにかく、細かいことは気にしない


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418301329
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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2 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 21:38:50.24 ID:JDKg/NAY0
リッカ「さぁ、ついに始まります。クレイドル対ブラッド ゴッドイーター同士のガチンコ! 野球対決ーーっ!」

リッカ「本日の野球を解説していただくのは、正直最初見たときは、こいつが黒幕だろうなと思った。スターゲイザーことペイラー榊博士ーっ!」

榊「やぁやぁ、どうも」

\ブー!ブー! ヒッコメーッ! キュウリョウハラエーーッ!/

リッカ「続きまして、年取ってから服装が過激になった(笑)。鉄骨でぶっ叩いて欲しい人ランキング不動のNo.1。鬼教官こと雨宮ツバキさんーっ!」

ツバキ「誰が鬼教官だって?」

\ワー!ワー!ワー! ツバキサーーン! ブッタタイテクダサーイ!/

リッカ「そして、実況はカレードリンク大好きこと私、楠リッカがお送りするよ!」

\ワー!ワー! リッカターーンッ! ヒンニュウモエ〜! セイユウカエロー!/

リッカ「博士の気まぐれから始まったこの野球対決。サテライト拠点の建築業者さんたちの協力を得て、急遽作ったドームには当初の予定を超える大人数が詰め込まれてるよ! 凄いですね、博士!」

榊「そうだね。私もまさかこれだけの人が、この野球を見に来てくれるとは思わなかったよ」

ツバキ「それだけクレイドルとブラッドが、この極東に置いて注目されているということだ。両チームには、その期待に恥じないような、正々堂々とした試合をしてもらいたいものだ」

リッカ「そうですね。それでは両チームのスタンディグメンバーの紹介をいたしましょう! まず一回の表、守りについたのは―――」


シエル「ふっ!」ビシュッ!

ジュリウス「ナイスボール」パンッ!

ギル「行くぞ」ビッ!

ロミオ「おい、ちゃんと胸に投げろよ!」パシッ!

ヒロ「………」

ナナ「ヒロー、どうしたのー?」

ヒロ「……何で、こんなことになってるんだっけ?」

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/12/11(木) 21:44:42.32 ID:lf2JKxHAO
GE2の主人公の公式ネーム:神威ヒロ
4 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 21:48:55.23 ID:JDKg/NAY0
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一ヶ月前 支部長室


リーダー・ヒロ「野球対決?」

榊「そう、君たちが率いる、クレイドルとブラッドの部隊同士で野球対決をしてもらおうと思ってね」

リーダー「はぁん、……てか、『やきゅう』って何?」

ヒロ「すみません。分からないです」

リーダー「だよな。初めて聞いた」

榊「うん。そうだろうね。私自身も、この野球というものを知ったのは、つい最近のことなんだ」

リーダー「じゃあ、分かるはずないじゃん」

ヒロ「一体、『やきゅう』ってどんなものなんですか?」

リーダー「対決って言うんだから、何かの競技なのか?」

榊「うん、さすが元フェンリル極東支部第一部隊隊長、現クレイドルリーダーだね。中々いいところを突いているよ」

リーダー「ご丁寧にご紹介ありがとうございます。元フェンリル極東支部アラガミ技術開発統括責任者、現フェンリル極東支部長さま」

榊「はは。技術開発は兼任だから、そっちは元じゃないんだけれどね。まぁ、支部長になってからは、そっちが忙しくて中々研究に時間を費やせてないのは事実なんだけれども」

リーダー「どっちでもいいわ。それより、さっさと話進めろよ」

榊「そうだね。じゃあ、野球の詳しい説明は場所を移して、皆ですることにしようか」

リーダー「呼んどいて、何それ!?」

榊「さぁ、皆を呼んできてくれ」

リーダー「人の話聞けよ!」

5 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 21:58:13.44 ID:JDKg/NAY0
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ラウンジ


ナナ「あ、ヒロー!」ブンブンッ

ヒロ「あ、ナナ。久しぶり」フリフリ

ナナ「ホント、久しぶりだねー。最後に会ったのっていつだっけ?」

ヒロ「二週間前に外部居住区に現れたシユウを退治しに行った時、かな?」

ナナ「あー、そんな前になるんだー」

ロミオ「おーい、俺もいるぞー?」

ヒロ「ロミオ先輩、ギルも」

ギル「よう」

ロミオ「ったく何だよ、急に呼び出したかと思ったら二人でいちゃついちゃってさ。俺たちは眼中にないのかよ?」

ギル「『俺たち』って、さりげに俺もいれてんじゃねーよ」

ヒロ「いえ、別にそんなわけじゃ……」

ナナ「いちゃついてなんかいないよー?」

ロミオ「はいはい。―――あれ? シエルとジュリウスは?」

シエル「ここにいます」ヒョコッ

ロミオ「うおおおっ!? おまっ、どこにいたんだよっ?」

シエル「? ずっと隊長の後ろにいましたが?」

ヒロ「ずっといたんだ……。気付かなかった」


6 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 22:14:09.39 ID:JDKg/NAY0
シエル「隊長、お久しぶりです」

ヒロ「久しぶり―――って言っても、この間会ったばっかだけどね」

ナナ「あれ? そうなの?」

ヒロ「うん。ついこの間も新しいブラッドバレッドを試したいって、エイジス島に行ってきたんだ」

ロミオ「BBの試射にそんな遠くまで行ったのかよっ!?」

シエル「出来るだけ邪魔の入りにくい場所が好ましかったので」

ロミオ「いやいや、むしろアラガミがわんさかいて邪魔だらけじゃんっ!」

シエル「実験は大成功で、帰りに見た本島の夜景が凄く綺麗でした」

ナナ「へー、いいなー」キラキラ

ギル「邪魔って、そっちのことか」ボソッ

ヒロ「それ以外にも、シエルとは偶然任務が一緒になることが多いよね?」

ロミオ「『偶然』、ねぇ?」

ジュリウス「すまない、待たせた」

ヒロ「いえ、時間通りですよ」

シエル「隊長、これでブラッド全員揃いました」

ヒロ「うん。ありがと。皆ごめんね。急に呼び出しちゃって」

ナナ「ううん。別にいいよー。それより、ヒロが急に呼び出すなんて珍しいね」

ヒロ「うん。何か榊博士が皆をここに集合させてって」

ナナ「へー、そうなんだー」

ギル「内容は聞かされてないのか?」

ヒロ「詳しい話はまだ何も」

シエル「一体何の話なのでしょうか?」

ジュリウス「何にせよ、支部長直々の話だ。よほど重要な話なのだろう」

ロミオ「気を引き締めなくっちゃな!」

ナナ「うわー。何か緊張してきて、お腹すいてきたー」

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/11(木) 22:23:28.82 ID:iW9g5kX9O
GEのSSとは珍しい
とりあえず期待しよう
8 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 22:29:38.42 ID:JDKg/NAY0
リーダー「おーっす。揃ってるかー?」

アリサ「遅いですよ、リーダー! 何で呼んだ本人が遅れてくるんですか!」

リーダー「わりぃわりぃ。マシュマロが切れててよ。ちと、買いに行ってた」

アリサ「優先順位がおかしすぎます!」

コウタ「まぁまぁ、落ち着けって。んでリーダー。急に集まってくれってどうしたんだよ?」

リーダー「おー、何か榊博士が皆を集めてくれって言っててさ」

ソウマ「また、何かくだらないことでも始めようとしてるのか?」

リーダー「あながち間違いじゃなさそうな感じだったな……」

アリサ「一体何が始まるんです?」

リンドウ「そんな構える必要はねーと思うぞ?」

コウタ「リンドウさん? どうしてここにいるんですか?」

リンドウ「どうしてって、ひでぇな。俺だってクレイドルの一員だぜ?」

アリサ「え? そうでしたっけ?」

リンドウ「おい、こら」

コウタ「あれ? クレイドルって、俺とリーダーとアリサとソウマとツバキさんだけじゃありませんでしたっけ?」

リンドウ「何で、そこでちゃんと姉上が出てきて、俺が出てこないんだよ!」

コウタ「え? でも、なぁ?」

アリサ「正直、リンドウさんよりもツバキさんの方がしっかりしてて頼りになりますし」

コウタ「なー」

リンドウ「現場では俺のほうが頼りになるだろ! 姉上の神機はコウタが使っちまってるから現場には出れねーんだからよ!」

コウタ「いやぁ、クレイドルの戦闘員はもう足りてますし」

アリサ「それに現場だったらリーダーの方が頼りになりますし」

コウタ「むしろ戦闘以外の、政略的に富んでるツバキさんの方が貴重というか」

アリサ「ムサイおっさんよりも、綺麗なツバキさんの方が見栄えするというか」

アリサ・コウタ「ね(な)ー」

リンドウ「おいいいっ!!」

9 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 22:47:53.35 ID:JDKg/NAY0
サクヤ「はいはい。あまり私の旦那をいじめないでちょうだい」

コウタ「あれ、サクヤさん?」

アリサ「何で、サクヤさんがここにいるんですか?」

サクヤ「あら? 私もクレイドルの一員だから。って言ったらおかしいかしら?」

コウタ「いえいえ、そんなことないですっ!」

アリサ「むしろ、大歓迎です!」

リンドウ「何だよ、この扱いの差……」

サクヤ「ふふっ。ありがとう。実はリンドウから何か面白いことが起きそうだから一緒に来いって、無理やり連れてこさせられたのよ」

リーダー「そうなんですか?」

リンドウ「ああ、まぁな」

サクヤ「支部長からの招集だから、結構重要な内容だと思うんだけど、来ちゃってよかったかしら?」

リーダー「ええ。構いませんよ。今回はそんな真面目な話ではないみたいですし」

サクヤ「そう? じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかしら」

アリサ「うわー。何かこのメンバーが一緒になるのって凄く久しぶりですねっ!」

コウタ「だな! 最後にこのメンバーが揃ったのって、いつだっけ?」

サクヤ「多分、私とリンドウの結婚式以来じゃないかしら? 結婚してから私は現場から離れちゃったし、リーダーとリンドウは欧州に行っちゃってたから」

リーダー「俺が欧州行く前には、アリサが実家に帰っちまってたからなー」

コウタ「ソウマも後半、影が薄くなってたしな」

ソウマ「ほっとけ」

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/12/11(木) 22:50:42.53 ID:lf2JKxHAO
おい待てなぜ無印の主人公は「リーダー」なんだ
11 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 23:01:55.90 ID:JDKg/NAY0
榊「やぁ、皆待たせたね」

リーダー「やっと来たよ」

アリサ「榊博士、遅いですよ」

シエル「12分42秒の遅刻ですね」

榊「ごめんごめん。ちょっと準備に手間取ってしまってね」

コウタ「準備?」

榊「ああ。君たちに野球を説明するのに少し大掛かりな仕組みを用意したんだよ」

アリサ「経費の無駄遣いっ!?」

榊「まぁまぁ、いいじゃないか。今回だけだし」

アリサ「後で、ツバキさんに報告しときますね」

榊「コウタくん。アリサ君が酷いよ!」

コウタ「いや、自業自得でしょう」

ソウマ「何でもいいから、さっさと話を進めろ」

ギル「野球って一体何なんだ?」

榊「ああ、そうだったね。うん、野球ていうのはいわゆるスポーツ競技の一種でね」

ヒロ「スポーツ競技?」

榊「まぁ、大雑把に言うと9人対9人でボールを投げたり打ったりする競技なんだよ」

アリサ「本当に大雑把ですね」

榊「とりあえず、この機材を見てもらおうかな」スッ

ナナ「大きな手袋に、木の棒……?」

榊「それは、グローブとバットと言って、守りはグローブを装着し、相手が打ったボールを取る。攻撃側は、相手が投げてきたボールをそのバットを使い打ち返す為に使うんだよ」

ジュリウス「なるほど。つまり、私たちで言う神機みたいなものか」

榊「うん。まぁ、間違ってはいないかな」

榊「まぁ、細かいことは用意したビデオを見て説明することにしようか」ピッ


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!


ナナ「うわー! すっごーい! 大きなスクリーンが出てきたよ!」

アリサ「一体どれだけの経費を使ったんですか……」

12 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 23:03:04.47 ID:JDKg/NAY0


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鑑賞中


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13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/11(木) 23:14:30.10 ID:6OqhwrRdO
無印主人公の公式デフォネームは神薙ユウとかじゃなかったか
14 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 23:15:55.55 ID:JDKg/NAY0
榊「と、大体こんな感じかな」

シエル「9人対9人のチーム戦。試合方式は攻撃と防御を交互に繰り返す交代制。防御側は攻撃側から三つの『あうと』を取ることにより攻撃側へ移ることが可能」

アリサ「逆に攻撃側は三つの『あうと』を取られる前に、防御側が投げてきたボールを打ち返し、三つ先の『ほーむ』へと戻ることにより点が加算。そして、その攻防を9回繰り返し最終的に点が多く加算されていたチームの勝ちってことですか」

榊「さすが優等生二人組だね。これ以上ない説明ありがとう」

サクヤ「これは、思っていたよりも複雑そうね……」

コウタ「え、そうですか? 要するに来たボールを打ちまくればいいだけじゃ?」

シエル「いえ、一概にそうとも言えません」

ロミオ「何でだよ? 多く点を取ったほうが勝ちなんだろ? だったら沢山打ったほうがいいに決まってんじゃん」

コウタ「だよなー」

アリサ「相手となるのがコウタみたいな馬鹿だったら構わないんですが、今回は違いますから」

コウタ「何だよ、それ……」

シエル「守る側には、投げる人以外に8人の防衛がついています。この防衛が打った球を取り、処理することで攻撃側から『あうと』を取ることができます」

ヒロ「つまり、攻撃側は簡単には『ほーむ』へ行かせてもらえないってこと?」

シエル「そうなります」

アリサ「もちろん、投げる人も簡単には打たせないような工夫が必要になってきます」

コウタ「打つだけじゃなくって、守ることも重要になってくるってことか」

リンドウ「それに付随して攻撃側も、打つにも、『ほーむ』へ向かうにも工夫が必要になって来るってわけだ」

アリサ「そういうことです」

ロミオ「うあー、何か面倒だなー」


15 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 23:18:37.25 ID:JDKg/NAY0
榊「さて、じゃあいきなり試合をしてって言われても無理だと思う」

リーダー「当たり前だ」

榊「だから、とりあえず一ヶ月間あげるから、両チーム各自、練習をしといてほしい」

アリサ「えっ? その間のゴッドイーターとしての仕事はどうするんですか?」

榊「勿論、ゴッドイーターとしての仕事もしてもらう。皆には負担をかけるが、是非この野球勝負を実現させるためにも頑張って欲しい!」キリッ













リーダー・コウタ・リンドウ・ロミオ「いやいやいやいやいやいや!」ブンブンブンブンッ!

ナナ「え? なに? どういうこと?」

アリサ「あの、正直私は『クレイドル』の仕事があるので、あまりそちらに費やす時間がないのですが」

ソウマ「俺もだ。まだ研究中の素材が山ほど残っている。その『やきゅう』というものに費やす時間はない」

サクヤ「そう? 何か面白そうじゃない」

シエル「私は君が良ければ」

ヒロ「俺は、別にいいかな? 皆で何かをするのとか久しぶりだし」

ギル「俺も、今は特に予定もないから大丈夫だ」

ロミオ「いやいや、何言ってんだよ! つまり、この『やきゅう』っていうので休みがなくなるってことだぞ!」

リーダー「お前はまだマシだろ! 俺なんて通常任務に『クレイドル』の仕事に、榊のおっさんからの特別任務があんだぞ! しかも、特別手当なしだ!」

リンドウ「お前こそ甘ぇよ! 俺なんか通常任務に『クレイドル』に特別任務に新人教習もあんだぞ! しかも特別手当なしだ!」

ナナ「え? なに? どういうこと?」

シエル「ジュリウスはどうですか?」

ジュリウス「俺は賛成だ。数少ない先輩方との交流を持つ絶好の機会。その機会を用意してくれたのだ。無下にはできない」

榊「うーん。綺麗にクレイドルとブラッドの意見が分かれたねー」

ロミオ「いや、ブラッドにも反対者いるよー。ここに一名いるよー」

榊「じゃあ、こういうのはどうだい? この勝負で勝ったチームには特別報酬として、願い事を何でも訊いてあげるよ」


「「「「!?」」」」ガタッ!


リーダー(え、今―――)

コウタ(何でも、するって言ったよね―――?)

リンドウ(願い事を―――)

ロミオ(何でも―――)


16 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 23:30:40.83 ID:JDKg/NAY0
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願い事 〜コウタの場合〜

コウタ「おーい、ノゾミー! 前から欲しがってたくまのぬいぐるみだぞー!」

ノゾミ「うわー! すっごい大きなくまさんだーー! どうしたの、これっ!」モフモフッ

コウタ「ふふふっ。ノゾミの為に手に入れてきたんだよ」

ノゾミ「お兄ちゃん大好きーーっ!」ダキッ!

コウタ「うへへ〜」

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願い事 〜ロミオの場合〜

ロミオ「くらえ! 《血の力》!」ザンッ!

スサノオ「ギャアアアアアアアアアアッ!」バタッ!

ロミオ「おらーーーーーっ!」ザァンッ!

ツクヨミ「キュイイイイイイイイッ!」バタッ!

ロミオ「うおおおおおおおおおっ!」ドッカーンッ!

アマテラス「」ドスーンッ!

ロミオ「ふん、こんなもんだ」

ナナ「先輩、すっごーい!」

ギル「ふん、やるじゃねーか」

ヒロ「やっぱり叶わないなー」

ジュリウス「これからのブラッドは、ロミオ、お前に任せるとしよう」

ロミオ「えっへっへっへっへ〜〜〜」

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願い事 〜リンドウの場合〜

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放送できません

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願い事 〜リーダーの場合〜

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――――――――――

放送できません

―――――――――
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―――


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リーダー・コウタ・リンドウ・ロミオ「よっしゃあ! やるかぁ!」

アリサ「ええっ!?」
17 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 23:37:14.59 ID:JDKg/NAY0
アリサ「ちょ、リーダー。さっきと言ってること違うじゃないですか!」

リーダー「いいか、アリサ。これは支部長命令なんだ。それがどんな内容であれ全力で挑むのがゴッドーイーターとして……いや、全人類の希望である者としての務めではないか?」

アリサ「いや、急にそんな真面目になられましても……」

ソウマ「急にやる気を出してるとこ悪いが、こっちも決して疎かにできる仕事をしてるわけじゃないんだよ」

アリサ「そうですよ。私たちが普段してる仕事も、人類の希望となる大事な仕事なんですよ」

コウタ「いや、そりゃ勿論わかってるけどよー」

リンドウ「本職の仕事を手を抜くつもりはねーよ」

ロミオ「両方頑張りますよ」

榊「フェンリルとしても、野球の練習をしている間、極力サポートをすることを約束しよう」

アリサ「うーん、でも……」

サクヤ「ねぇ、アリサ。もうちょっと肩の力を抜いたらどうかしら?」

アリサ「……サクヤさん」

サクヤ「確かに、アリサや皆がやっている仕事の大変さや重要性はこの極東、いえ全人類にとって大切なものだって分かってるわ。でも、それにこだわりすぎて当人のアリサが追い込まれていちゃ本末転倒じゃないかしら」

アリサ「………」

サクヤ「それに、これは私の我儘なんだけど。久しぶりに皆で何かをする機会なんだもん。ちょっとした思い出作りに協力してくれないかしら」

アリサ「……ずるいですよ。サクヤさんにそんな風にお願いされたら断れるはずがないじゃないですか」

サクヤ「それじゃあ」

アリサ「分かりましたよ。やりましょう、『やきゅう』!」

リーダー・コウタ「いえーっす!」グッ!

アリサ「ただし、やるからには勝つ気で行きますからね!」

リーダー「了解!」

コウタ「さぁーて、あとは一人だけだな〜。なぁ、ソウマー」ガシッ

ソウマ「……はぁ、好きにしろ」

榊「両チーム決まったようだね?」


クレイドル「」コクッ

ブラッド「」コクッ


榊「ふふふ。それでは諸君。読者のために盛大な野球を始めようじゃないか!」


18 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 23:43:00.18 ID:JDKg/NAY0
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時は戻り、特設野球ドーム



審判「それでは試合を開始します。選手の皆さんは集合してください」


リーダー「おっしゃ、行くぞっ!」

「「「「「「「「「おーーーーーーーーっ!」」」」」」」」」


ヒロ「それじゃあ、皆行くよ」

「「「「「「「「「おーーーーーーーーっ!」」」」」」」」」


審判「それでは、これよりクレイドル対ブラッドの試合を始めます。お互いに礼!」


「「「「「「「「「シャーーーーーーッス!」」」」」」」」」



19 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/11(木) 23:53:16.18 ID:JDKg/NAY0
チームクレイドルvsチームブラッド



チームクレイドル       チームブラッド
1番 捕手 藤木コウタ    1番 中堅 真壁ハルオミ
2番 遊撃 アリサ     2番 左翼 ロミオ
3番 三塁 ソーマ     3番 捕手 ジュリウス
4番 投手 雨宮リンドウ   4番 三塁 ギルバート
5番 二塁 リーダー     5番 二塁 香月ナナ
6番 中堅 大森タツ     6番 遊撃 神威ヒロ
7番 一塁 台場カノン    7番 投手 シエル
8番 右翼 ジーナ  8番 一塁 エミール・フォン=s
9番 左翼 橘 サクヤ    9番 右翼 エリナ

マネージャー 竹田ヒバリ   マネージャー フラン


20 : ◆e178b4MDRPqf [saga]:2014/12/12(金) 00:03:45.96 ID:L5XsPBLB0
チームクレイドルvsチームブラッド



チームクレイドル  
1番 捕手 藤木コウタ
2番 遊撃 アリサ・イリーニチナ・アミエーラ
3番 三塁 ソーマ・シックザール
4番 投手 雨宮リンドウ
5番 二塁 リーダー 
6番 中堅 大森タツミ
7番 一塁 台場カノン
8番 右翼 ジーナ・ディキンソン
9番 左翼 橘 サクヤ

マネージャー 竹田ヒバリ 



チームブラッド
1番 中堅 真壁ハルオミ
2番 左翼 ロミオ
3番 捕手 ジュリウス・ヴィスコンティ
4番 三塁 ギルバート・マクレイン
5番 二塁 香月ナナ
6番 遊撃 神威ヒロ
7番 投手 シエル・アランソン
8番 一塁 エミール・フォン=s
9番 右翼 エリナ・デア=フォーゲルヴァイデ

マネージャー フラン
21 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/12(金) 00:05:11.99 ID:L5XsPBLB0
リッカ「さぁ、ついに始まります。クレイドル対ブラッド ゴッドイーター同士のガチンコ! 野球対決ーーっ!」

リッカ「本日の野球を解説していただくのは、正直最初見たときは、こいつが黒幕だろうなと思った。スターゲイザーことペイラー榊博士ーっ!」

榊「やぁやぁ、どうも」

\ブー!ブー! ヒッコメーッ! キュウリョウハラエーーッ!/

リッカ「続きまして、年取ってから服装が過激になった(笑)。鉄骨でぶっ叩いて欲しい人ランキング不動のNo.1。鬼教官こと雨宮ツバキさんーっ!」

ツバキ「誰が鬼教官だって?」

\ワー!ワー!ワー! ツバキサーーン! ブッタタイテクダサーイ!/

リッカ「そして、実況はカレードリンク大好きこと私、楠リッカがお送りするよ!」

\ワー!ワー! リッカターーンッ! ヒンニュウモエ〜! セイユウカエロー!/

リッカ「博士の気まぐれから始まったこの野球対決。サテライト拠点の建築業者さんたちの協力を得て、急遽作ったドームには当初の予定を超える大人数が詰め込まれてるよ! 凄いですね、博士!」

榊「そうだね。私もまさかこれだけの人が、この野球を見に来てくれるとは思わなかったよ」

ツバキ「それだけクレイドルとブラッドが、この極東に置いて注目されているということだ。両チームには、その期待に恥じないような、正々堂々とした試合をしてもらいたいものだ」

リッカ「そうですね。それでは両チームのスタンディグメンバーの紹介をいたしましょう!」


22 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/12(金) 00:06:35.96 ID:L5XsPBLB0
リッカ「では一回の表、守りについたチームブラッドのスターティングメンバーを紹介するね。先発は背番号1。GEには珍しい露出控えめな巨乳っ娘。シエルちゃーん!」

シエル(そんなに大きいでしょうか?)ムニムニ

リッカ「お前ここにいていいのか? っていう野暮なツッコミは無しでお願いね。キャッチャー ジュリウスさーん」

ジュリウス「今日はよろしくお願いします」

リッカ「ファーストは、愛すべきウザキャラ エミール君」

エミール「ふっふっふっ。ついに我が騎士道を世に―――」

リッカ「露出高ぇ! ぶっちゃけ一番タイプです。セカンド ナナちゃーん」

ナナ「わーい。ありがとう」ブンブンッ!

リッカ「サードは、我が愛弟子。ちょっとはフラグがあっても良かったんじゃないかな? サード ギル君」

ギル「フラグって何ですか」

リッカ「そして、ブラッドで一番の要注目選手。ブラッドのキャプテンも任されてるね。ショート ヒロくーん!」

ヒロ(要注目って……)テレッ

リッカ「レフトは、SS都合で、都合よく生き返りました。お前、ちゃんとフラグ回収したな。ロミオ君」

ロミオ「うっせーよ!」

リッカ「フェチを探して三千里。生きることは探求することだ。センター ハルオミさん」

ハルオミ「リッカちゃんの、その華奢な体型もちゃんと俺のフェチニズムを刺激してるぜ」

リッカ「そしてライトを守るのは、キャラクターエピソード『いつか肩を並べられるように』の時、主人公に褒められて驚いてる時の顔が超絶可愛かった。エリナちゃーん」

エリナ「何か、私のだけ紹介細かくないっ?」

リッカ「そして、マネージャーには金髪ボブにキツイ目つきがたまらない。フランさんが付いてるよー」

フラン「どうも」ペコリッ

23 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/12(金) 00:08:40.82 ID:L5XsPBLB0
リッカ「続いて、一回の表、攻撃に入るチームクレイドルのスターティングメンバーの紹介だね」

リッカ「1番 色んな面においてフラグを壊していく、アナグラいちのフラグクラッシャー。センター コウタ君」

コウタ「今日のリッカさん、何かキツくね?」

リッカ「2番 下乳! THE下乳! とにかく下乳! あと、何か絶対M。ショート アリサちゃーん」

アリサ「そうですね……」

リッカ「3番 アニメ化したらコウタ君とのBL本が増えそうな気がする。サード ソウマ君」

ソウマ「やめろ……」

リッカ「4番 クレイドル要注目選手。GE2発売前の公式イラストを見たときの、厨二全開っぷりが凄かった。ピッチャー リンドウさん」

リンドウ「男はいつだって厨二病患者みたいなもんだ」

リッカ「そして、5番 この人も要注目選手だよ。結局の所、お前オリジナルキャラじゃん。セカンド リーダー」

リーダー「無口キャラにするかどうかで悩んだんだよなー」

リッカ「6番 ヒバリに振られた回数なら誰にも負けない! センター タツミさん」

タツミ「うっせーよ! ほっといてくれよ!(半泣き)」

リッカ「7番 世紀の誤射姫。調教したい人ランキング又、調教されたい人ランキングでトップを飾る。ファースト カノンちゃん」

カノン「え? 調教ですか……?」

リッカ「8番 BLがコウタ×ソウマなら、百合はジーナ×カノンだろ! 異論は認めねぇ! ライト ジーナちゃん」

ジーナ「百合って何だい?」

リッカ「9番 横乳の良さを教えてくれた第一人者。何で2で出てこなかったの? レフト サクヤさん」

サクヤ「何か、ごめんなさいね」

リッカ「そしてマネージャーには、我らが大天使 伊藤かな恵が演じるオペレーター。ヒバリー!」

ヒバリ「ねぇリッカ。声優名を言うのはやめてくれない?」

リッカ「以上、両チームのスターティングメンバーとなります。一体どのような試合になるか。注目して行きましょう!」

24 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/12(金) 00:14:51.01 ID:L5XsPBLB0
今回はここまでです。
次回は気が向いた時に更新します。
もし、見かけたら読んでください。

>>10
ぶっちゃけ、ユウとヒロのキャラって被ってるから書き分けが難しんだよね。
だから、無印・バースト主人公はリーダー。GE2主人公はヒロにしました。GE2が出るまでは、よくリーダーとか男主人公とかで書かれてたから、正直こっちの方が違和感なく書けるんですよ。

>>13
ですです。
今回は書き分けということで、リーダーにさせてもらいました。
名前は、適当に。ユウという字を残して『八木ユウ』とでも名づけてください(笑)。

25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/12(金) 00:25:22.78 ID:1tyWa7SZO

さっきから気になってたけど、何でソーマの文中表記がちょくちょくソウマになってるん?
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/13(土) 21:04:11.75 ID:zJpXlLmno
片方平均年齢高くね?
27 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/15(月) 21:24:18.10 ID:Zpgh+pyQ0
>>25
本当だーーっ! orz
多分、タイピングだからコウタと同じ流れで打っちゃったのかも……。すみません。
>>26
各チームの平均年齢(双方主人公は除く)

クレイドル:22.8歳 ブラッド:19.5歳
案外、そうでもない?

投下始めます。
28 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/15(月) 21:27:06.32 ID:Zpgh+pyQ0
1回表 TC 0−0 TB
無死 ランナー無し
打者 藤木コウタ

審判「プレイボール」

リッカ「さぁ、試合開始だね。チームブラッド、先発のシエルちゃん。一体どんな投球を見せてくれるのでしょうか? 対するチームクレイドルの先頭バッターはコウタくん。これは、いきなり見応えのある対決ですね」

榊「そうだね。両者共、偵察任務において大きな成果を残しているからね。一体どちらが相手のことを見定めきれるかが重要になってくるだろうね」

ツバキ「勿論、相手の選手の見定めも重要だが、その他にも相手戦力の把握、場の状況、試合の流れ。これらを踏まえての自分の状況を把握し、いかに上手く立ち回れるかも重要になってくるだろう」

リッカ「なるほどー」

コウタ「おっしゃあ。いっちょ行きますか」ザッ

ジュリウス「」コクッ

コウタ「ブラッドの元隊長に副隊長のバッテリーとか、よく考えたら凄い組み合わせだよな。お手柔らかに頼むぜ」

ジュリウス「ご謙遜をなされないでください。現第一部隊隊長殿。むしろ、若輩者の私たちでは先輩方の相手になれるかどうか」

コウタ「あはは。やっぱ、かなり手ごわそうだな〜」スッ

コウタ(さぁて、まさかピッチャーがシエルで来るとは思わなかったな。一体どんな投球を見せてくれるやら)

ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

ビシュッ!

パァンッ!

審判「ストライーク!」

29 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/15(月) 21:41:47.86 ID:Zpgh+pyQ0
コウタ(アウトコース一杯……)

リッカ「初球ストライク! ツバキさん。シエルちゃんの投球なんですが、初球しっかり決めてきましたね」

ツバキ「ああ。アウトコース低めのいいボールだったな。初球に、ああいったボールが決まると、外への印象が強くなるから普段よりもストライクゾーンが外へ広がりやすくなるんだ」

榊「そうなると外のボール球に手を出しやすくなるから、外を使ってカウントを取っていくのもよし、決め球を投げ込むのもよし。とにかく、ブラッドバッテリーにとって勝負がしやすくなったのは確かだろうね」

リッカ「なるほどー」

コウタ(アウトコースギリギリ。これを狙って投げ込んでたなら、かなりのコントロールだな……)

ジュリウス「ナイスボール」ビッ

シエル「」パシッ

コウタ(もう一球、見ていくか)スッ

ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

ビシュッ! 

パァン!

審判「ボール」

コウタ(今度はインコースのボール球……。これもギリギリだったけど……)チラッ

ジュリウス「いいぞ」ビッ

シエル「」パシッ

コウタ(……もう一球。見とくか?)

シエル「」スッ

ビシュッ!

コウタ(また、インコース。今度は入ってる!)グッ

キィン!

ドッ!

審判「ファール」

30 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/15(月) 22:07:20.02 ID:Zpgh+pyQ0
コウタ(ちぃ〜。追い込まれちまったよ。こっからは際どい球は手を出さなくちゃなんねーか……)

ジュリウス「………」

コウタ「」

ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

コウタ(外のいい球に、内二つ。となると最後は外か? それとも、また内見せてから外―――)

コウタ(どの道、他にどんな珠を持ってるかわからない以上、外のボールには気をつけていかないとな)スッ

ビシュ!

コウタ(また内! けど、これは外れて―――)

ギュンッ!!

コウタ(っ!)

パァン!

審判「ストライーク! バッターアウッ!」

31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/12/15(月) 22:10:55.87 ID:e/cP87TD0
俺得スレのヨカーーーー(゚∀゚)ーーーーン!!
32 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/15(月) 22:19:20.62 ID:Zpgh+pyQ0
コウタ「かぁ〜。やられたー」

リッカ「見逃し三振! シエルちゃん、先頭のコウタ君を三振に切って取りました!」

榊「最後のボールはスライダーだね。利き手方向とは逆方向に曲がる変化球で、昔の人たちの間ではよく使われていた変化球だったらしいよ」

コウタ「わりぃ、先頭出れなかった」

アリサ「初見だからしょうがないとはいえ、せめてバットは振ってくださいよ。チームの士気が関わる先頭バッターが見逃しとか、本当ドン引きです」

コウタ「いや、そこまで言わなくたっていいじゃん……。相手バッテリーかなりコントロールがいいから気をつけたほうがいいぞ」

アリサ「そんなの、さっきのを見てれば分かります」

コウタ「そっか、じゃあもう一つ―――」コソッ

アリサ「何ですか?」

コウタ「あいつら、まだ何個か隠し球を持ってる―――と思う」

アリサ「と思うって何ですか、曖昧すぎるじゃないですか」

コウタ「いや、最後の決め球のサインを出すとき妙な間があったんだよ。多分、まだ何個か選択肢があって、それを選んでた間なんじゃないかなって」

アリサ「うーん。決め付けるには少し決定力に欠けますね」

コウタ「だよなー」

アリサ「そうですね。そこら辺を踏まえて、少し探りを入れてみますよ」

コウタ「おー、よろしくな」

33 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/15(月) 22:42:43.22 ID:Zpgh+pyQ0
1回表 TC 0−0 TB
一死 ランナー無し
打者 アリサ・イリーニチナ・アミエーラ

リッカ「2番 ショート アリサちゃん」

アリサ「お願いします」ペコッ

ジュリウス「」ペコッ

アリサ(さて、コウタが言ってたのが本当なら、ただ待つだけでは隠し玉は引き出せないですよね……)

ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

ビシュッ!

パァン!

審判「ボール」

アリサ(ボールだけど、アウトコースギリギリ。確かにコントロールは悪くないですね)

ビシュッ!

アリサ(次はインコース。これは―――)

キィンッ

審判「ファール」

アリサ(球速はそこまで速くない。ストレートだけでしたら付いていけますね……)


34 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/15(月) 23:16:42.93 ID:Zpgh+pyQ0
ビシュッ!

アリサ(また内。けどこれは外れてる……)

パァン!

審判「ボール」

ジュリウス「………」ビッ

シエル「」パシッ

アリサ(変化球投げてきませんね。さっきのファールで真っ直ぐには付いていけてるのが分かってるはずですから、変化球を投げてきてもおかしくないんですが……)

ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

ビシュッ!

アリサ(今度は外、甘め―――)グッ

ギュンッ!

アリサ(スライダー!)スッ

チッ! ドッ

審判「ファール」

アリサ(さっきのスライダーですか……。予想以上に大きな変化。キレもいい。確かに知らない状況で、あれに反応するのは難しいですね)スッ

ジュリウス「………」

アリサ(追い込まれてしまいましたが、真っ直ぐにもスライダーにも付いていきました。もし隠し玉があるのでしたら、ここなのですが……)スッ

ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

ビシュッ!

パァン!

審判「ボール」

アリサ(外へまっすぐのボール球……。これでフルカウント。やはりコウタの憶測は間違ってるんじゃ……)スッ

ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

ビシュッ!

アリサ(また外。今度は入ってる。真っ直ぐならピッチャー返し。スライダーならセカンド頭上を―――)ザッ グッ

キュッ!

アリサ(内に曲がって―――っ!?)
 
ガキィッ!

ジュリウス「ヒロ!」

アリサ「くっ」ダッ

ヒロ「エミール」パシッ シュッ

エミール「はっはっはっ。任せた前。このジュリウスが導き、シエルが投げ、我がライバルが決死の覚悟で拾ったボール。まさに魂がこもったと言ってもいいであろうこのボール、たとえこの身が朽ちようとも必ずや―――」パンッ

審判「アウト!」

アリサ「あー……」


35 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/15(月) 23:29:48.88 ID:Zpgh+pyQ0
リッカ「アリサちゃん、5球目を打っていくもショートゴロでアウト。これでツーアウトです」

リッカ「博士。最後にシエルちゃんが投げたボール。スライダーとは逆方向に曲がりましたね」

榊「あれはシュートというやつだね。ストレートと同じ腕の振りで、ストレートさほど変わらない球速で利き手方向に変化するから反応するのが難しい球なんだよ」

リッカ「へー」

アリサ(コウタの言う通りでしたね……)タッタッタッ

ソウマ「最後のはシュートか?」

アリサ「そうですね。想像していたよりもキレがいいです。ソーマは左利きだから相手の球筋を見やすいでしょうから、しっかりと引きつけてから打ちにいったほうがいいかもしれません」

ソウマ「ああ、分かった」

36 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/15(月) 23:45:15.14 ID:Zpgh+pyQ0
1回表 TC 0−0 TB
二死 ランナー無し
打者 ソーマ・シックザール

リッカ「3番 サード ソーマ君」

ソーマ「よろしく頼む」スッ

ジュリウス(左打席か……)ペコッ

ソーマ(さて、コウタとアリサの情報によると、今のところ明らかになってる球種は3つ―――)

シエル「」スッ

ビシュッ! パァン!

審判「ストライーク!」

ソーマ(球速がそこそこの真っ直ぐ―――)

シエル「」スッ

ビシュッ!

キュッ! パァン!

審判「ストライーク!」

ソーマ(キレのある、利き手方向に曲がるシュート。そして―――)

シエル「」スッ

ビシュッ!

ギュンッ! ブンッ!

パァン!

ソーマ(利き手方向とは逆方向に曲がるスライダー。変化球も内と外の投げ分けができている。これは中々厄介な相手だな)

審判「ストライーク! バッターアウッ!」
37 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/15(月) 23:58:20.28 ID:Zpgh+pyQ0
―――――クレイドルベンチ―――――


ソーマ「中々やるな」

コウタ「中々やるな、じゃねーよ。普通に三振してるじゃねーか!」

アリサ「あれほど、外の変化球には気をつけてくださいって言いましたよね」

サクヤ「まぁまぁ、落ち着いて二人共。ソーマも色々考えながらやってるんだし。ね?」

ソーマ「ああ」

コウタ「本当かよ」

タツミ「まぁ、何だかんだで今判明してるシエルの全球種は投げさせてたわけだし、全く戦果がなかったわけじゃねーじゃん」

アリサ「確かに、そうですけど……」

カノン「えっと、シエルちゃんの持ち球は、真っ直ぐとスライダーとシュートの3種類ってことでいいですかね?」

アリサ「コウタの考えだと、まだ他にも隠し球を持ってるかもしれないんですよね?」

コウタ「うん、まぁ。ただ本当にそうかは分かんねーけどな」カチッ カチッ

タツミ「あのコントロールってだけでも面倒なのに、まだまだ球種があるとか本当に厄介だな」

カノン「ですよねー」

リンドウ「ほらほら、攻撃はもう終わったんだ。相手投手のことは置いといて、まずは守りに専念しろ」

「「「「「「「「「はーーーーい」」」」」」」」ダッ
38 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/16(火) 00:12:51.44 ID:pf5G49Ul0
今回はここまでです。
次回は木曜日に更新します。
もし、よかったら見てください。

>>31
あざーっす!
そう言ってただけるだけで、すごく嬉しいです!
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/12/16(火) 00:13:22.20 ID:d6Cxot5U0
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/16(火) 00:14:08.49 ID:JmhJp8+zo
乙です
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/16(火) 13:27:55.48 ID:oFdVTzQcO
あんなゴツい腕輪してたら邪魔になりそう
42 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/18(木) 22:41:27.08 ID:Xt0tQ+vC0
>>39
>>40
ありです!
>>41
まぁ、そこはほら。あんな腕輪つけてモンハンしてるくらいだし大丈夫じゃないでしょうか?

投下始めます。
43 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/18(木) 22:46:21.97 ID:Xt0tQ+vC0
1回裏 TC 0−0 TB
無死 ランナー無し
打者 真壁ハルオミ

リッカ「1回裏 チームブラッドの攻撃は、一番 センター ハルオミさん」

ハルオミ「よっし、いっちょ行ってくるぜ」

ナナ「がんばってー!」

ギル「ハルさん、お願いします」

ハルオミ「ああ、任せとけ。しっかりと塁に出て、お前に回してやっから。しっかりと返してくれよ」

ギル「そうですね。ハルさんが塁に出たら絶対に返しますよ」

ハルオミ「期待してるぜ」

ロミオ「ま、その前に俺がホームランで先に返しちまうけどな」

ギル「お前は黙ってろ」

ロミオ「何だとー!」

\ギャー!ギャー!/

ナナ「またやってるよー」

シエル「どうしますか?」

ヒロ「んー。ほっといていいんじゃないかな?」
44 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/18(木) 22:58:06.85 ID:Xt0tQ+vC0
ハルオミ「おっす、コウタ。よろしくな」

コウタ「どうも、ハルオミさん。こちらこそ、お手柔らかにお願いしますよ」

ハルオミ「ははは。それはこっちの台詞だろ。ちゃんとリンドウの奴に言ったか? 本気は出すなよって」

コウタ「いやー、仮に言ったとしても聞かないですよ」

ハルオミ「ははっ。それもそうだ」

審判「プレイ!」

ハルオミ(さぁて、リンドウは左投げか。一体どんな球を投げてくるかな?)スッ

リンドウ「」スッ

ハルオミ(リンドウのことだ、初球は絶対にストレート。しかも絶対ストライクに投げる。だからこそ、それを初っ端からぶっ叩いてやるぜ!)グッ


ビシュッ!ッパァァンッ!


コウタ「〜〜〜〜っ!」ジーンッ

審判「ストライークッ!」

ハルオミ(はっや……)

45 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/18(木) 23:12:40.03 ID:Xt0tQ+vC0
ッパァァンッ! ブンッ!

審判「ストライーク!」

ッパァァンッ!

審判「ストライーク!」

ッパァァンッ! ブンッ!

審判「ストライーク! バッターアウッ!」

ジュリウス「………くっ」

リッカ「三者連続三振ーーっ! リンドウさん、立ち上がりを三者連続三振で切って取りました!」

榊「三人とも真っすぐのタイミングに合ってなかったね」

ツバキ「全くペース配分というものをちゃんと考えているのか、あいつは?」

コウタ「ナイスピッチです、リンドウさん」

リンドウ「おう、コウタもナイスキャッチだ」

コウタ「随分飛ばしてる感じでしたけど、大丈夫ですか?」

リンドウ「は? 別に飛ばしてないぞ」

コウタ「え?」

リンドウ「俺も歳だからな。初回から飛ばしたりはしねーよ」

コウタ「………え?」
46 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/18(木) 23:13:54.79 ID:Xt0tQ+vC0
―――――ブラッドベンチ―――――


ジュリウス「すまない」

ヒロ「いえ、あれは仕方がないですよ」

ロミオ「そうだって。あんな球いきなり打つなんて無理に決まってんだし」

ギル「そう言うセリフはバット振ってから言えよ」

ロミオ「あ? 何だよ!」

ギル「三球ともボールを見逃して三振とかやる気がねーんじゃねーのか?」

ロミオ「俺は、相手の球筋を把握するためにあえてこの打席を捨てたんだよ!」

ギル「ただ見てるだけで相手の全部が把握できるのかよ」

ロミオ「うっせーよ。そういうお前はあのリンドウさんのボールを打てるのかよっ?」

ギル「打てるかどうかは分からないが、少なくともお前よりはマジな打席にはなる」

ロミオ「何だとー!」

エリナ「また始まったよ……」

ナナ「でも、あんな速い球がくるなんてビックリだよねー」

ジュリウス「ああ。速さだけでなく、ボールからの圧力も凄かった。高めには手を出さないと心がけても、つい手が出てしまった」

ハルオミ「まぁ、まだ初回だからな。そう重くなる必要はないだろう。あいつもいい歳だし、そうあのペースが長持ちすることはないさ。それよりも、これからの守りをどう守るかが重要だろ」

シエル「そうですね。次の回は4番。あのリンドウさんからの打席ですからね。先頭を出さないようにしていきましょう」

「「「「「「「「おーーーーーーーーっ!」」」」」」」」

47 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/18(木) 23:17:53.01 ID:Xt0tQ+vC0
2回表 TC 0−0 TB
無死 ランナー無し
打者 雨宮リンドウ

リッカ「2回表 クレイドルの攻撃は4番 ピッチャー リンドウさん」

リンドウ「おう、よろしくな」

ジュリウス「よろしくお願いします」ペコッ

リンドウ「さて、いっちょ行くか」グッ

ジュリウス(………)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ジュリウス「いいか、分かってはいるだろうが、この回の先頭はあのリンドウさんからだ」

シエル「分かってます」

ジュリウス「ピッチャーで4番バッター。彼がクレイドルの柱であるのは間違いないだろう」

ジュリウス「だからこそ、彼を打ち取れば向こうに行きかけている流れをこちらに引き戻すことができる」

シエル「はい」

ジュリウス「この回、多少球数を使っていくつまりだ。それだけは覚悟をしといてくれ」

シエル「分かりました」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ジュリウス(この打席、とにかくこの人の情報を探っていきたい)

リンドウ「」クイックイッ

ジュリウス(立ち位置はほぼ中央。スタンスは少し広め。この人の場合、内から外角へ投げても迷わず踏み込んできそうだが……)

ジュリウス(逆を言えば、外角から内へ付いた場合も踏み込んできそうだ。それなら―――)

シエル(まずは、外角低めへの真っ直ぐにボール球―――)コクッ

ビシュッ!

リンドウ「いただきっ」グッ

キィィンッ!


48 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/18(木) 23:23:57.71 ID:Xt0tQ+vC0
ギル(打ってきた! ライン線!)バッ!

ドッ

審判「ファール!」

リッカ「リンドウさん、初球を積極的に打っていくもファールです!」

リンドウ「かぁ〜、ちと引っ張りすぎたかー」

ジュリウス(外角のボール球を何のためらいもなく振っていったか。ここで問題となってくるのは外角を待っていたからなのか、それともストレート待ちだったからなのか?)

リンドウ「次はしっかりと引きつけていかねーとな」グッ

ジュリウス(外のボールを三塁線へと引っ張っていったあたり、狙っていたのは真っ直ぐの気がするが。確かめてみるか―――)スッ

シエル(内角高めへの真っ直ぐ。これもボール球で―――)コクッ

ビシュッ!

リンドウ「」グッ ピタッ!

パァンッ!

審判「ボール」

ジュリウス(……狙いは真っ直ぐか)

49 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/18(木) 23:29:22.52 ID:Xt0tQ+vC0
ジュリウス(真っ直ぐ狙いなら、ファールを打たせて早めにカウントを稼ぐとするか―――)

シエル(インコースへのシュート―――)コクッ

ビシュッ!

キュッ!

リンドウ「ほっ!」クイッ!

キィィィンッ!

ジュリウス「!?」

リッカ「打ったーーっ! ボールは三遊間を―――」

ヒロ「んっ」パァンッ!

ズザァァッ!

リンドウ「なっ!?」

審判「アウトーーッ!」

50 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/18(木) 23:40:08.49 ID:Xt0tQ+vC0
リッカ「取ったーーっ! リンドウさん、いい当たりをするもショートライナーで倒れました!」

ヒロ「ふぅー」ムクリ

ギル「ナイスキャッチ」スッ

ヒロ「ありがとう」スッ

ナナ「ヒロすごーい! よく取れたね!」ピョンピョンッ

ヒロ「うん。上手いことグローブに入って良かったよ」

シエル「すみません。助かりました」

ヒロ「いいって気にしないで。シエルが打たれたとき、それをフォローするのが俺たちなんだからさ。シエルは後ろを気にせず前だけを向いていって」

シエル「………はい」

51 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/18(木) 23:46:57.12 ID:Xt0tQ+vC0
リッカ「5番 セカンド リーダー」

ジュリウス(初見であるはずのシュートをつまらずに三週間へ運んでいった……)

ジュリウス(大振りをするイメージがあったが、とっさに左手を引いてミートさせたあたり、バットコントロールも大したもの……)

リンドウ「かぁー。抜けたと思ったんだけどなー」

ジュリウス(やはり、彼がクレイドルの一番気をつけなければならない柱的存在―――)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

コウタ「―――って思ってそうだな、ジュリウス」

アリサ「まぁ、今のところの活躍を見るとそう思うでしょうね」

ソーマ「ふんっ」

リンドウ「わるい、塁出れなかったわ」

リーダー「でも、いい当たりでしたよ」

リンドウ「サンキュー。あいつらの配球は恐らく基本通りだな。内を突いて外を振らせる。追い込まれる前に打つか、外のボール球には手を出さないよう気をつけろ」

リーダー「外のボール球を振らないって、それリンドウさんが言いますか」

リンドウ「細けぇことは気にすんな。……それじゃあ、頼むぜ“リーダー”」

リーダー「ウスッ!」

52 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/18(木) 23:54:46.38 ID:Xt0tQ+vC0
2回表 TC 0−0 TB
一死 ランナー無し
打者 リーダー

リッカ「5番 セカンド リーダー」

リーダー「よろしくー」

ジュリウス「」ペコリッ

リーダー「おっしゃー、いっちょ大きいのかますかーっ!」ブンッ!ブンッ!

ジュリウス(彼も注意深く相手をしなければならないな。まだプレー自体は見ていないが、クレイドルのキャプテンを任されている人だ。この人もリンドウさんクラスの存在であると考えていいだろう)

リーダー「」クイックイッ

ジュリウス(打ち気は十分にあるように見える。ならまずはその打ち気を逸らさせるとしよう―――)

シエル(アウトコースへのスライダー。ストライクからボールになる球―――)コクッ

ビシュッ!

リーダー「」グッ

ブォォンッ!

シエル・ジュリウス「っ!?」

パァンッ!

審判「ストライーク!」

リーダー「いっけね」

アリサ「リーダー、しっかりしてくださーい!」

リーダー「うっせぇ、分かってるよ」

ジュリウス(今のスイング……)

シエル(風圧がここまできました……)

53 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/18(木) 23:56:10.72 ID:Xt0tQ+vC0
ジュリウス(彼とまともに勝負をするのはまずい……。内外で出し入れして、最後はボール球を振ってもらおう―――)

シエル(インコースへのシュート……。これも外していい―――)コクッ

ビシュッ!

リーダー(インコースッ!)グッ

キュッ!

リーダー(シュート―――)ピタッ

パァンッ!

審判「ストライーク!」

リーダー「ん?」

ジュリウス(………)

ジュリウス「」スクッ ビッ!

シエル「」パァンッ!

ジュリウス「」ピョンピョン

シエル「」コクッ クルッ

シエル「すぅー。ふぅー。すぅー」

シエル「ふぅー……」チラッ

ヒロ「?」

シエル「」グッ

シエル「」クルッ ザッ

ジュリウス(よし、大丈夫そうだな)

リーダー「………」

54 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/18(木) 23:58:19.08 ID:Xt0tQ+vC0
ジュリウス(シュートが中に入って来てしまったのは危なかったが、幸いストライクを取ることができた―――)

リーダー(―――と、思ってるんだとしたら痛い目にあうぜー)

ジュリウス(まぁ、そんなこと微塵も思ってはいないが)

リッカ「シエルちゃん、シュートを決めてノーボールツーストライク。2球でリーダーを追い込みました!」

榊「うーん。一球早かったかなぁ。まぁ、さっきのは外す気でいた球が入ってしまったから仕方がないのかもしれないけど」

リッカ「どういうことですか?」

ツバキ「追い込まれたのは、ブラッドバッテリーの方だということだ」

リッカ「え? でもカウントはノーツーで、実際に追い込まれてるのはリーダーなんじゃ……」

榊「追い込まれたからだよ。こうなると際どい球は全部カットしてくる。スライダーもシュートも見られてしまっている以上、粘られていく内に投げられる球がなくなってしまう」

ツバキ「そうなってしまったら、もうブラッドバッテリーは歩かせる他手段がなくなる」

榊「コントロールピッチャーが、ランナーがいない場面でフォアボール出してしまうというのは、今後の試合展開に悪い面でしか影響を及ばさないからね。そうなると、この場面での対決はこの試合の行く末を決めるといっても過言ではないんだよ」

リッカ「なるほどー」

55 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/18(木) 23:59:29.90 ID:Xt0tQ+vC0
今回はここまでです。
次回は来週の木曜日に更新します。
もし、よかったら見てください。
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/19(金) 00:11:46.26 ID:ojzh3YXSO

のんびり待ってる
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/19(金) 00:24:02.49 ID:iFhrjsVbo
乙です
58 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/25(木) 23:16:56.04 ID:cZP28N8T0
ビシュッ! パァン!

審判「ボール」

ビシュッ! キィンッ!

審判「ファール」

ビシュッ! パァン!

審判「ファール」

ビシュッ! パァン!

審判「ボール」

ビシュッ! パァン!

審判「ボール」

リッカ「7球目はボール! シエルちゃん、これでついにフルカウントになりました!」

シエル「………すぅー、ふぅー」

リーダー(ベースのここから外端まで―――)トンッ トンッ

ジュリウス(結局、追い込まれたか……)

アリサ(リーダーが追い込まれてからの配球は、インハイのストレート、アウトローのストレート、アウトコースへのスライダー、インコースからのシュート、アウトコースからのスライダー……)

リーダー(次は何でくっかな?)

ジュリウス(………)

59 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/25(木) 23:17:36.78 ID:cZP28N8T0
シエル「2回表 ワンナウトランナー無し。カウントはフルカウント。シエルちゃん、8球目は一体何を投げてくるのでしょうかっ?」

コウタ(こうなると、向こうは本当に投げる球がねーぞ……)

アリサ(7球目は外を見せてるから、ここはやはり内へ来る……?)

コウタ(それとも、また外か……)

リーダー(フォアボールは勘弁してくれよー)

ギル(どうする?)

ナナ(シエルちゃん、がんばれー!)

ヒロ(内なら右、外なら左へ。どこへ飛んでも絶対に捕る―――)グッ

ジュリウス「………」スッ

シエル「」コクッ

アリサ(サインが決まった……)

シエル「」スッ

コウタ(内か―――外か―――)

ソーマ(内に曲がるか―――外に曲がるか―――)

ビシュッ!

リーダー(真ん中っ!? どっちかに曲がる……?)

ゴォッ

リーダー(真っ直ぐか―――っ!)グッ


キィィンッ!



60 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/25(木) 23:18:43.89 ID:cZP28N8T0
シエル「打ったーーっ! ボールはライトへーーーっ!!」

ジュリウス「エリナッ!」

リーダー「」タッ

エミール「そちらへ飛んだぞっ。エリナッ!」

エリナ「うるさい! 分かってるっ!」ダダダッ

ハルオミ「くっ!」ダダダッ!

エリナ(ちょ、まっ……。これっ……!)ダダダッ

ハルオミ(やっべぇだろ、これ……)ダダダッ

コウタ「うおっ!」

アリサ「これ……」

リーダー「」グッ


ドッ


リッカー「入ったーーーーーーっ! 先制ホームランーーーーーーっ!!」


61 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/25(木) 23:20:07.11 ID:cZP28N8T0
リーダー「っしゃあーーーーっ!」

リンドウ「おおお! 入ったか、あれ」

コウタ「すっげぇ、伸びたなっ!」

アリサ「思いっきり振り遅れてたのに、よく入りましたね」

ソーマ「単純に力で持ってったな」

サクヤ「あの子らしいというか、何というか」

タツミ「ナイスバッチ!」スッ

リーダー「ギャハハハッ! イエイッ!」スッ

パンッ!


シエル「………」

ジュリウス「すまない、あそこは奇を衒わずに行くべきだった」

シエル「いえ、あの選択肢は間違いではなかったです。実際相手のタイミングは外せていました。打たれたのは、単純に私の力不足です」

ジュリウス「あまり自分を卑下にするな。最後の球は力のこもったいいボールだった。ただ相手の方が何枚も上手だったというだけだ」

シエル「……ありがとうございます」

ジュリウス「これ以上向こうに流れを持ってかれないよう、次のバッターは必ず抑えるぞ」

シエル「はい」

62 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/25(木) 23:21:01.63 ID:cZP28N8T0
2回表 TC 1−0 TB
一死 ランナー無し
打者 大森タツミ

タツミ「おっしゃあ、俺も続かーっ!」ザッ

リッカ「6番 センター タツミさん」

タツミ「おっす。あんたがブラッドの隊長さんだっけか?」

ジュリウス「いえ、私はもう隊長職を退いています。今の隊長はあそこにいるヒロがやっています」

タツミ「そっか。そりゃ悪かったな。ブラッドの奴とはあんまり関わることがねーから、いまいちよく分かんなくてよ」

ジュリウス「いえ」

タツミ「あんなホームラン打たれた後で悪いけど、ヒバリちゃんが見てるからな。俺も後に続かせてもらうぜ」スッ

ジュリウス「お手柔らかにお願いします」

タツミ「この打席、我がヒバリちゃんに捧げるぜ!」ビッ


ヒバリ「お飲み物どうぞ」スッ

リーダー「お、サンキュー」スッ

タツミ「おしこーい!」スッ

63 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/25(木) 23:21:51.13 ID:cZP28N8T0
ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

タツミ(真っすぐはさっきの打席でホームラン打たれてるから、初球はおそらく変化球で来るだろうな……。なら初球は見てくか)スッ

ビシュッ!

ギュンッ! パァン!

審判「ストライーク!」

タツミ(なるほど、さっきのがスライダーか……。キレもあるし変化の幅もある。甘く入ってきた時か、読みが当たった時以外は無理に打っていく必要はねーな)

ジュリウス「………」スッ

シエル「」コクッ

タツミ(さて、次は何で来る?)

シエル「」スッ

タツミ(いつまでもさっきのホームランを引きずるほどヤワな連中にも見えねーし、開き直って真っ直ぐを入れてきたら打ちに行くか。スライダーだったらファールにして投げにくくする……)スッ

ビシュッ!

タツミ(ストレート。けど、これは外れてる)グッ

パァン!

審判「ボール」

64 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/25(木) 23:22:52.11 ID:cZP28N8T0
タツミ(さっきのが真っ直ぐ。確かに打てなくはないな)

ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

タツミ(あの球速だったら長打を狙うこともできるが、無理はしない。内野を越す程度でいいから大振りはせずにコンパクトに当てていく)

ビシュッ!

タツミ(インハイストレート!)

キィンッ

パサッ

審判「ファール!」

タツミ(くっそ、このコントロールか。アウトローからのインハイ……。分かってても反応するのが難しいな)

ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

タツミ(さて、追い込まれちまったか。となると、ここはあいつの真似をして、際どい球は全部カットしていくか……)

ビシュッ!

タツミ(インロー。ギリギリ入ってる、カット……)グッ

キュッ!

タツミ「っ!?」

カキィッ

ジュリウス「シエル」

タツミ「くそっ!」ダッ

シエル「」パシッ ビッ

エミール「はっはっはっ」パシッ

審判「アウト!」

タツミ「くっそ〜」

65 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/25(木) 23:23:41.46 ID:cZP28N8T0
2回表 TC 1−0 TB
二死 ランナー無し
打者 台場カノン

キィンッ

ジュリウス「ヒロ」

ヒロ「はい」パシッ

審判「アウト! チェンジ!」

リッカ「7番 カノンちゃんはショートフライでスリーアウトです」

カノン「うあ〜。ごめんなさい……」トボトボ

リーダー「いいから気にすんなって。次は守りだ、切り替えていくぞ。ほれグローブ」スッ

カノン「あ、ありがとうございます」スッ

リッカ「さっきカノンちゃんを打ち取った球はタツミさんと同じシュートでしたか? こっから見てるとストレートを打ち損じたようにも見えたんですんが……」

ツバキ「シュートだろうな。恐らく余程キレているのだろう。ほとんどのバッターがストレートとの見分けが付いていない」

リッカ「なるほど。リンドウさんはシュートを打てていましたが、これは見分けがついていたってことですか?」

ツバキ「あれは見分けがついていたのではなくて、強引に内に入ってきた球を打って行っただけだ」

リッカ「強引に?」

榊「リンドウくんは内に入ってきた球を左手でバットを引いてヘッドを走らせたんだよ」

ツバキ「ヘッドが走ることによってバットが最短距離で出るから、内に入ってきた球を無理やり巻き込んで打ちに行ったんだ」

リッカ「へー」

66 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2014/12/25(木) 23:25:59.96 ID:cZP28N8T0
今回はここまでです。
次回は来週の木曜日に更新します。
もし、よかったら見てください。

あと、メリクリ〜。

>>56
>>57
ありです〜。
遅筆でホントすみません。
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2014/12/25(木) 23:30:24.71 ID:LRSDIK1mO

いまGEでシヴァ作りに混沌雷砲を探しまくってる私にタイムリーなスレを発見してしまった
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2014/12/25(木) 23:31:05.78 ID:QET0vmoko
乙です
69 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/01(木) 22:48:29.50 ID:d4xaYc9j0
>>67
シヴァか〜。神帝爪が全くでなくって挫折したな〜。
もう一回やってみようかな。

>>68
ありです。

投下始めます。
70 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/01(木) 22:49:52.57 ID:d4xaYc9j0
2回裏 TC 1−0 TB
無死 ランナー無し
打者 ギルバート・マクレイン

リッカ「2回裏 チームブラッドの攻撃は、4番 サード ギルバート君」

ギル「お願いします」スッ

コウタ「おっす」

ギル「ども」

コウタ「お手柔らかに頼むぜー」

ギル「それはこっちのセリフですよ。何ですか、あれ? まるでチートじゃないですか」

コウタ「まぁ、ウチのリーダーだからな〜。そういうもんだと思ってもいいと思うぞ」

ギル「何すか、それ……」スッ

コウタ(まさか、4番がギルだとはな〜。てっきり5番あたりに座ってそうなイメージがあったけど、一体どんなバッティングをしてくんだろ?)

71 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/01(木) 23:04:19.85 ID:d4xaYc9j0
ギル「」

コウタ(立ち位置はほぼ中央。スタンスも狭めだけど、こいつのリーチならどこでも届くだろうな。まずは―――)スッ

リンドウ(インハイ高めか、了解)

コウタ(―――とサインは送ったのはいいけど、正直リンドウさんはそんなにコントロールは良くないからな〜。精々4分割で投げ込んでくれればいい方だし、逆球も多いし……)

コウタ(けど、初球。これは重要だからしっかりと決めてくださいよ―――)グッ

リンドウ(あいよ、分かってるって―――)スッ

ビシュッ!

ギル「っ」

ッパァァンッ!

審判「ストライーク!」

コウタ(よし、初球取れた。しかも、しっかりと相手を仰け反らすこともできた。これで外でカウントを取っていける……)

コウタ「リンドウさん、ナイスボール!」ビッ

リンドウ「おう」パシッ

ギル「………」

72 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/01(木) 23:21:11.59 ID:d4xaYc9j0
コウタ(次は外角―――。多少甘くてもいいですから、出来るだけ外側に投げてくださいよ)スッ

リンドウ(おう)スッ

ビシュッ!

キンッ! ドンッ

審判「ファール!」

リッカ「ギル君、2球目を打っていくもボールは後ろへ―――。これでノーツー。追い込まれました!」

榊「何だかんだで、ブラッドとしては初めてボールに当たったね」

コウタ「………」

ギル「ふぅー」

コウタ(……少し甘かったとは言っても、内から外へのボールを難なく当ててきたか〜。簡単には打ち取れるとは思ってなかったけど、これは予想以上かな……)

ギル「」ザッザッザッ

コウタ(まぁ、取り敢えず追い込むことには成功してるわけだし、こっからやることは―――)スッ

リンドウ(もう一球外角。今度はボール球で―――)コクッ

ビシュッ! ッパァァンッ!

審判「ボール」

ギル「………」

コウタ(おっし、そんで最後は―――)スッ

リンドウ(内角へ真っ直ぐストライクっと。了解)コクッ

ビシュッ!

キィンッ

サクヤ「」タッタッタッ

サクヤ「」パンッ

審判「アウト」


73 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/01(木) 23:31:07.06 ID:d4xaYc9j0
リッカ「ギル君、4球目を打っていくもレフトフライで終わりました!」

ギル「ちぃ……」

ナナ「ギル惜しかったねー」

ギル「悪かったな、先頭でれなかった」

ナナ「いいっていいって。それよりどうだった?」

ギル「球威が予想以上にあるな。打った手が未だに痺れてる」

ナナ「へー」

ギル「だから打つときはしっかりグリップを握っとかないとバットの方が持ってかれる。あと中途半端も禁物だな」

ナナ「うん。つまり思いっきり振っていけばいいってことだね!」

ギル「……ああ、そうだな」

ナナ「よーしっ! それじゃあ行ってくるね!」タッタッタッ

ギル「………」


74 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/01(木) 23:48:30.50 ID:d4xaYc9j0
2回裏 TC 1−0 TB
一死 ランナー無し
打者 香月ナナ

リッカ「5番 セカンド ナナちゃん」

ナナ「お願いしまーす!」ガルーン

コウタ「おう、よろしくなー」

ナナ「思いっきりいくから、本気で来てよね〜」

コウタ「ああ、一切手加減はしないから安心してくれって」

ナナ「えへへ、じゃあ行くよー」グッ

コウタ「おう、来いっ」

75 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/01(木) 23:49:12.32 ID:d4xaYc9j0
コウタ(さぁて、一体どうやって打ち取りますかね……)ジッ

ナナ「ふふ〜ん♪」クイックイッ

コウタ(見た感じ打ち気は満々って感じだな。なら初球は―――)

リンドウ(インコースへのボール球―――)コクッ

ビシュッ!

ブォンッ! ッパァァンッ!

審判「ストライーク!」

コウタ(すっげぇスイング……。パワーだけならウチのリーダーと同じ位か……?)

ナナ「うわー、すっごい早ーい」

ヒロ「ナナ、ボールをしっかり見て」

ナナ「うん。分かったー」

ビシュッ!

ナナ「んん〜〜」ジーッ

ッパァァンッ!

審判「ストライーク!」

ナナ「……あれ?」

ヒロ「ストライクゾーンはしっかり振って!」

ナナ「えー。しっかり見てとか振ってとか。どっちにすればいいのー?」

ヒロ「ボールをよく見て。ストライクは振って、ボール球は振らなければいいんだよ」

ナナ「ん〜。分かったー」

ビシュッ!

ナナ(これは外れてるから振らない……)グッ

ッパァァンッ!

審判「ボール」

ヒロ「そうそう、そんな感じ!」

ナナ「えっへへ〜」

76 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/02(金) 00:03:51.67 ID:LKFdqtPY0
リッカ「ナナちゃん。3球目を見ていってボール。けどカウントはワンボールツーストライクで不利な状況です」

ナナ「ボール球は見て、ストライクに入ってきた球は打つ。ボール球は見て、ストライク―――」ブツブツ

コウタ(フリースインガーかと思ったけど、しっかりと見極めはできるみたいだな。選球眼のあるパワーヒッターは厄介なんだよな〜)

コウタ(取り敢えず、さっき外角を見せたし内角で勝負してみるかな―――)スッ

リンドウ「」コクッ

ビシュッ!

コウタ(よしっ! インローどんぴしゃ!)

ナナ(これは、入ってる―――っ!)グッ!

キィィィィンッ!

リンドウ・コウタ「っ!?」

リッカ「打ったーーっ! ボールはレフト線! これは大きいーーーっ!」

ロミオ「おっしゃー!」

エリナ「入れーーっ!」

コウタ「サクヤさん!」

サクヤ(これは、取れない……。けど―――)スタスタ


ドッ!


サクヤ「ギリギリ外側ね」

審判「ファール」


77 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/02(金) 00:05:53.95 ID:LKFdqtPY0
リッカ「ナナちゃん、大きな当たりでしたが惜しくもボールはポールの外側。ファールです」

リンドウ「お〜、あっぶね〜」

ナナ「あ〜〜。惜しかったな〜」

コウタ(危なかった〜……。インローにバッチリ決まったリンドウさんのボールをあそこまで持ってくかよ……)

ナナ「よーしっ、次も打ってくよー」ブンブンッ

コウタ(こりゃ出し惜しみはしてられないかな。とりあえず、確実に仕留めるためにも―――)スッ

リンドウ(インハイ高め。絶対に外せと。まぁ、さっきの当たりを見たら用心したくなるのは当然だわな―――)スッ

ビシュッ!

ナナ(外れてる……)

ッパァァンッ!

審判「ボール」

78 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/02(金) 00:07:09.05 ID:LKFdqtPY0
リッカ「5球目は外れてカウントはツーツー並行カウントです」

ヒロ「いいよ、ナナ。その調子」

ナナ「うん!」

コウタ(よし、これで準備はできた。リンドウさん分かってますよね)

リンドウ(ああ、分かってるって)

コウタ(これは、このバッターを打ち取るだけじゃなくて相手ベンチへの牽制にもなるんです。絶対に決めてくださいね―――)スッ

リンドウ(おう。任せとけ)コクッ

ナナ(次はどこに来るかな〜)クイックイッ

リンドウ「」スッ

ビシュッ!

ナナ(真ん中! いっただきま―――)グッ

ブォンッ!

バシッ!

ナナ「―――す?」

審判「ストライーク! バッターアウッ!」

79 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/02(金) 00:11:33.95 ID:LKFdqtPY0
リッカ「三振ーーっ! ナナちゃん、いい当たりを打つも結局三振で終わりました」

榊「三振前の大ファウルとはよく言うけど、あれは仕方が無かったかな」

リッカ「博士、最後のボールなんですけど、ボールが急激な角度で落ちましたが、あれは……?」

榊「あれはフォークだろうね。多分」

リッカ「多分ってなんですか?」

榊「いや、スプリットとどっちかなと思ってね。落差があったからフォークかなと思ったけど、それにしては球速もあったし」

ツバキ「元々球速があったから、多少球速が落ちていたとしても十分に速度があるように感じるのだろう。どの道、チームブラッドからしたら厄介この上ないがな」

リッカ「なるほどー」

ナナ「………」

ヒロ「おつかれ、ナナ。惜しかったね」

ナナ「……ねぇ、ヒロ。最後どうなったの?」

ヒロ「え?」

ナナ「私、ヒロの言ったとおりボールを見て、ストライクに入ってきたたボールを振っていったのに、急にボールが消えたの……」

ヒロ(打席側からだと、そういう風に見えるんだ……)

ナナ「最後、何がどうなったの?」

ヒロ「……何て言えばいいか分かんないけど、最後のボール、ナナの手前で落ちてきてたんだ」

ナナ「ボールが、落ちる……。変化球?」

ヒロ「うん。だろうね。正直、あの球を打つのは難しいと思う。簡単には打てないだろうね」

ナナ「じゃあ、どうすればいいの?」

ヒロ「ごめん。それは俺も分かんない。けど、絶対に打てないってこともないと思うんだ。ほら、ウチには変化球のスペシャリストがいるし」

ナナ「え? ……あ。シエルちゃん」

ヒロ「うん。多分、シエルなら直ぐにとは言わなくても、必ず突破口を見つけ出してくれると思うんだ」

ヒロ「だから、それまで俺たちに出来ることをして行くべきだと思うよ、ね?」

ナナ「うん! よーしっ! 早速シエルちゃんと話してくるね! 勿論、ヒロの応援もしてるからね!」

ヒロ「うん。ありがとう」

80 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/02(金) 00:12:30.83 ID:LKFdqtPY0
今回はここまでです。
次回は来週の木曜日に更新します。
もし、よかったら見てください。

あと、あけおめ〜。
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/02(金) 00:35:04.18 ID:rH23IbaDo
乙です
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/02(金) 02:34:07.10 ID:dBOhNngAO
83 : ◆SIJX2KryAg [sage]:2015/01/09(金) 01:00:58.03 ID:D7lQmLVc0
すみません。急遽先輩に飲みに誘われてしまい。投下できませんでした。

明日(というか、今日?)、仕事が終わったら必ず投下します。

待っててくれてる人がいたら本当にすみませんでした。
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/09(金) 12:31:08.38 ID:qgUkfkxHo
了解
85 : ◆SIJX2KryAg [sage]:2015/01/09(金) 22:13:44.48 ID:N+/pOVBA0
2回裏 TC 1−0 TB
二死 ランナー無し
打者 神威ヒロ

リッカ「6番 ショート ヒロ君」

ヒロ「お願いします」ペコリッ

コウタ「よろしくなー」

ヒロ「」スッ

ヒロ(追い込まれると、さっきのフォークが来る。リンドウさんはコントロールにムラがあるから、出来るだけ早いカウントで甘く入ってきたボールを狙っていったほうがいいかな)ユラッ

コウタ「………」スッ

リンドウ「」コクッ

ビシュッ!

ヒロ(来た! 早速甘め―――)グッ

クンッ!

ヒロ「っ!?」

ブンッ! バシッ!

審判「ストライーク!」

86 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/09(金) 22:24:49.46 ID:N+/pOVBA0
ヒロ(初球からフォーク……!?)

コウタ「リンドウさん、ナイスボール!」ビッ

リンドウ「おう」パシッ

ヒロ(次はどっちで来るかな……)グッ

コウタ「………」スッ

リンドウ「」コクッ

ビシュッ!

ッパァァンッ!

ヒロ「っ!」

審判「ストライーク!」

リッカ「真っ直ぐーーっ! ヒロ君、早くも追い込まれました!」

ヒロ(全く反応できなかった……)

ナナ「ヒローー! 打てるよーー!」

ロミオ「狙ってけーーっ!」

ヒロ(確かに、どっちにも気を張って打てるようなボールじゃない。どっちかに絞ってかないと……)

コウタ「」スッ

リンドウ「」コクッ

ヒロ(真っ直ぐ。今、俺に打てるとしたら真っ直ぐしかない……)グッ

ビシュッ!

ヒロ(来た。真っ直ぐ―――)グッ


ナナ『』ブォンッ!

ヒロ『』ブンッ!


ヒロ「っ!」

ッパァァンッ! ブンッ!

審判「ストライーク! バッターアウッ! チェンジ!」

87 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/09(金) 22:36:23.23 ID:N+/pOVBA0
リッカ「三球三振ーーーっ! リンドウさん、ヒロ君を三球で切って取りました!」

リンドウ「うしっ」パンッ

コウタ「よっしゃあ!」ポイッ

ヒロ「くっそ〜〜〜………」

ナナ「完璧にやられちゃったねー」ハイ、グローブ

ヒロ「うん。一瞬だけど頭にフォークがよぎっちゃった」アリガトウ

ギル「切り替えてけよ。守りの時にまで頭にフォークがよぎってエラーされたら、たまらねーからな」

ヒロ「分かってるよ。とりあえず、リンドウさんの対策は攻撃の時に考えるとして、今は守りに専念しよう」タッ

ナナ「はーい」タタタッ

ギル「ふん」タッ

ロミオ「お前も4番だからといって、攻撃のことばっか考えてエラーこくなよー」タタター

ギル「うるせぇよ」


88 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/09(金) 22:46:22.39 ID:N+/pOVBA0
3回表 TC 1−0 TB
二死 ランナー無し
打者 藤木コウタ

キィンッ

コウタ「くっ……」ダッ

ジュリウス「ギル」

ギル「んっ」パシッ ビッ

エミール「さすがは、精鋭を誇るブラッドの副隊長を務める人。強大なる敵を相手にしながらも、その堂々とした佇まい。其の様はまさに騎s―――」パシッ

審判「アウト! スリーアウトチェンジ!」

ヒロ「シエル、ナイスピッチ」

ナナ「さすがナナちゃんだね!」

シエル「いえ。皆さんのが後ろで守っていただけてるからこそ、こうして安定した守りを行えてるだけで、その……」

ギル「謙遜するな。お前が相手を翻弄して打ち取ってるからこそ、俺たちが楽に守りを行えてるんだからよ」

シエル「はい」

ロミオ「素直じゃねーなー。もっと単純にナイスピッチって言えばいいじゃねーか」

ギル「お前はただ単に短絡的すぎんだよ。この回の相手は下位打線なんだから、これくらいしてもらわねーと困るんだよ」

エリナ「下位打線に入るのは私たちも一緒だけど、ただ単純に打ち取られる気はありませんよ」

ヒロ「何か対策でもあるの?」

エリナ「正直今現在ではないけど、向こうだって人間だもん。絶対何かしら綻びがあるはず。ただすごすごと打ち取られるなんて真っ平御免だからね」

エミール「よく言ったエリナよ! ブラッドの方々ですら歯が立たなかった強大な相手を以てしてでも、その不屈とばかり言わんや精神を矛に立ち上がる姿! まさに騎士道!」

エリナ「うるっさい! 少しは静かにしなさいよ! てか、あんたボールが来るたんびに何か言うのやめて! 恥ずかしいし、一々セリフ考えるのがめんどくさいって誰かしらが言ってるんだけど!」

エミール「ふっふっふ。案ずるでない、エリナよ。ここの>>1はその程度のことで根を上げるような奴ではない。きっと必ずや最後まで私のセリフを考え尽くしてくれるであろう」

エリナ「だから、その台詞回しがめんどくさいって言ってんの!」

ギャー!ギャー! ワー!ワー!

ロミオ「大丈夫か、あいつら?」

ヒロ「まぁ、いつも通りだし大丈夫じゃないかな?」

シエル「では、先頭は私なので行ってきます」

ナナ「シエルちゃん頑張ってー!」ブンブンッ

89 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/09(金) 23:02:57.78 ID:N+/pOVBA0
3回裏 TC 1−0 TB
無死 ランナー無し
打者 シエル・アランソン

リッカ「3回の裏。チームブラッドの攻撃は、7番 ピッチャー シエルちゃん」

シエル「お願いします」ペコッ

コウタ「おっす」

シエル「」スッ

コウタ(シエルは左打席か。ピッチャーのくせにいい度胸をしてるな)

シエル「」ピシッ

コウタ(まぁ、しかし、その分打撃に関しては厄介なんだけどな……。とりあえず―――)クイックイッ

ソーマ「」ザッ

アリサ「」ザッ

シエル(向こうの守備体型は―――。外野がやや前に位置どっていますね。内野もサードとショートが通常よりも前気味になってる……)

シエル(確かに私のパワーでは簡単に頭を越せはしないですから、ベストと言える守備陣形ですね)

シエル(となると、私がすべきことは流し打って塁間を抜くことなのですが……)

ソーマ・アリサ「」

シエル(全く隙がありませんね……)

90 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/09(金) 23:10:55.63 ID:N+/pOVBA0
コウタ「」スッ

リンドウ「」コクッ

シエル(初球。ストレート8。フォーク2)スッ

ビシュッ! ッパァァンッ!

審判「ボール」

コウタ「………」

シエル(初球アウトコースへのストレート。2回表 リーダーへの7球目と同じコース。やはり、このコースは際どくてもボールと宣告されるみたいですね……)

コウタ「」スッ

リンドウ「」コクッ

シエル(2球目。ストレート9。フォーク1)スッ

ビシュッ!

シエル(真ん中―――)グッ

ッパァァンッ! ブンッ!

審判「ストライーク!」

91 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/09(金) 23:37:39.52 ID:N+/pOVBA0
リッカ「空振りーっ! シエルちゃん2球目を振っていくもボールを捕らえることができませんでした。これでカウントはワンエンドワン!」

榊「さっきのはど真ん中だったから、最悪でもバットに当てて行きたかったけどね」

ツバキ「明らかにボールの下を振ってしまっていたな。恐らく想像以上にボールが伸びてきてるのだろう」

シエル(掠りもしなかった……)

コウタ「……フゥ」ビッ

リンドウ「しししっ」パシッ

シエル(恐らく、さっきの真ん中はリンドウさんの失投。それでもボールの下を振ってしまった……)

コウタ「」スッ

リンドウ「」コクッ

シエル(今度はボール二つ……。いえ、思い切って三個分上を振ってみましょうか)グッ

ビシュッ!

シエル(内―――)グッ

ギンッ! フワッ…

リッカ「3球目打ったーーっ! ボールは打ち上がってセカンドの後ろへ!」

シエル「くっ……」ダッ

コウタ「っ! アリサ!」

アリサ「分かってますっ!」タタタッ

ヒロ「際どいとこ……」

ロミオ「落ちろーーっ!」

アリサ「………くぅっ!」バッ


パシッ


審判「アウトーーーッ!」

92 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/09(金) 23:52:31.89 ID:N+/pOVBA0
リッカ「アウトーーッ! ボールはセカンドの後ろの際どい所へ飛んで行きましたが、アリサちゃんの好守備に阻まれました!」

ツバキ「後ろ向きでの難しい捕球だったが、上手くボールの落下地点へグローブを伸ばせたな」

榊「本来だったら何てことのないセカンドフライだったけど、内野安打を気にしてのシフトが裏目に出ちゃってたね。まぁ、ソーマ君やアリサ君なら上手く反応してくれる信じてたからこそのシフトだったのかもしれないけどね」

リッカ「そうなんですか?」

ツバキ「そうかどうかは分からんが。事実、アリサの反応は素晴らしかったからな。一歩目からボールの落下地点まで迷いなく走っていった」

榊「ああいったプレイをされると、相手バッターはかなりプレッシャーだろうね」

リッカ「へぇ〜」

リンドウ「アリサ、よく捕ったな〜」

アリサ「焦りましたよ。リンドウさん、この回ボール甘くないですか?」ビッ

リンドウ「すまんすまん。次からは気をつける」パシッ

アリサ「本当に頼みますよ……。って、リーダー何でまだ前かがみになったままなんですか」

リーダー「気にするな」

カノン(ここからだと、アリサちゃんがボールに飛びついたとき、思いっきり下乳が見えましたね……)



93 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/10(土) 00:08:46.44 ID:SpZwKo2W0
3回裏 TC 1−0 TB
一死 ランナー無し
打者 エミール・フォン=シュトラスブルグ

エミール「むぅ!」ブンッ

ッパァァンッ!

審判「ストライーク! バッターアウッ!」

エミール「ぐぐぐっ。無念……」

リッカ「エミール君、最後は高めのボールに手が出て三振! これでツーアウトです!」

エミール「すまない、エリナよ。この僕の全力を持ってしてでも、かの伝説とまで謳われているリンドウ殿のボールを捕らえることができなかった」

エリナ「いや、別に期待してなかったから。それよりも打席から見てどうだった?」

エミール「うむ。かのリンドウ殿のボールを一言で表すのは難しいところだな。まるでボールが生きてるかのような唸りを上げたボールは、まさに魂がこもったともい―――」

エリナ「ああ、はい。もう分かったから。さっさとベンチに戻ってくれる」

エミール「おおっ! さすがは我が好敵手の妹エリナ! たったこれだけのやり取りで僕の気持ちを汲み取れるとは。これぞまさに以心伝心!」

エリナ「」イッラァ…
94 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/10(土) 00:17:59.42 ID:SpZwKo2W0
3回裏 TC 1−0 TB
二死 ランナー無し
打者 エリナ・デア=フォーゲルヴァイデ

リッカ「9番 ライト エリナちゃん」

エリナ「よろしくお願いします、コウタ隊長」

コウタ「お、エミールの次はエリナか。お前ら本当に仲がいいな」

エリナ「本っ当にやめてください!」

コウタ「ははは。まぁ、よろしくな」

エリナ「」ムスッ 

コウタ(さて、エリナのパワーなら多少甘くても長打の心配はないだろうから、初球からバンバン入れていきますか)スッ

リンドウ「」コクッ

エリナ「………」

ビシュッ!

エリナ「」スッ

コウタ(セーフティバント!?)


95 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/10(土) 00:25:54.94 ID:SpZwKo2W0
ソーマ「」ダッ

カノン(え!? 初球から……) ダッ

エリナ「………」スッ

ッパァァンッ!

審判「ストライーク!」

カノン「え、あれ? やらないんですか?」

ソーマ「………」

エリナ(……なるほどねー)

コウタ(何だ? 結構甘めの球だったのに、バントしてこなかった。ただの揺さぶりか?)

エリナ(次は、こんなのはどうかな?)スッ

コウタ・リンドウ「………?」

リッカ「おーっと、エリナちゃん、ランナーがいないのにバントの構えです。これは一体どういう意味でしょう?」

榊「あはは。なるほどねー。エリナくん、中々性格が悪いね」

リッカ「え?」

ツバキ「案外、コウタよりも場のコントロールで言えばエリナの方が才能があるかもしれないな」

96 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/10(土) 00:31:55.50 ID:SpZwKo2W0
コウタ(マジで何だ? バントの構え……普通に考えればバスターだよな? けど、ツーアウトでランナーがいない場面でするか?)

エリナ「」ユラユラ

コウタ(いや、エリナにリンドウさんの球が打てるとは思えない。だったら、ただの揺さぶりだ―――)スッ

リンドウ「」コクッ

ビシュッ!

エリナ「」スッ

コウタ(バットを引いた―――)

ソーマ「」グッ

カノン(来るっ!?)ググッ

ブンッ! ッパァァン!

審判「ストライーク!」

カノン「ふぅ。やっと追い込みましたね」

ソーマ「………」

エリナ「♪〜」

コウタ(やっぱり、エリナはリンドウさんの球を打つのは無理だ。そうと分かって、向こうはどう出る?)チラッ

エリナ「」スッ

コウタ(またバントの構えか……随分徹底してるな)

リンドウ(どうする?)

コウタ(どうせ、打てないんだし。ここはさっさと片付けましょう―――)スッ

リンドウ(了解―――)コクッ

ビシュッ!

エリナ「」スッ

チッ パァン!

審判「ストライーク! バッターアウト!」

リッカ「三球三振! リンドウさん、早くも7つ目の奪三振を取りました! スリーアウトチェンジです!」

97 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/10(土) 00:34:02.48 ID:SpZwKo2W0
今回はここまでです。
次回は来週の木曜日に更新します。
もし、よかったら見てください。

>>81
>>82
ありです〜。

>>84
こんなSSでも待っててくれてありがとうございます。

98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/10(土) 00:43:57.81 ID:oOXCkDh7o
乙です
99 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/15(木) 15:05:16.89 ID:WN9bdu420
4回表 TC 1−0 TB
無死 ランナー無し
打者 アリサ・イリーニチナ・アミエーラ

リッカ「4回表 チームクレイドルの攻撃は、2番 ショート アリサちゃん」

アリサ「よろしくお願いします」ペコッ

ジュリウス「」ペコッ

アリサ(この回から両チームとも2巡目に入る……。まだどちらも完璧に相手ピッチャーを捉えられていない)

リーダー「アリサー。絶対出ろよー」

アリサ(まぁ、リーダーは別ですが……。それでもウチが完璧にシエルさんを捉えられないのには向こうのシュートがキレているから……)

アリサ(普通であれば、狙うのは外を意識して外。スライダー系を狙っていくのが定石なのですが―――)スッ

ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

ビシュッ!

アリサ「っ!?」バッ

パァンッ!

審判「ボール」

リッカ「初球インハイに大きく外れたボール球。アリサちゃんギリギリでかわします!」

アリサ(まぁ、そう簡単にはいかせてもらえませんよね……)



100 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/15(木) 15:30:23.14 ID:WN9bdu420
ビシュッ!

ギュンッ! パァン!

審判「ストライーク!」

アリサ(今度はアウトロー一杯にスライダー……)

ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

ビシュッ!

アリサ(またアウトロー。今度は真っ直ぐ―――っ!)グッ

キィンッ!

ドッ

審判「ファール」

リッカ「アリサちゃん、外のボールを打っていくもファール。これで追い込まれてワンツー。追い込まれました!」

アリサ(さっきのスライダーのイメージのせいで振り遅れちゃいました……。これで向こうは内を突く余裕が出来てしまいました……)

ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

コウタ(外は十分に見せたしシュートが来るか? いや、こうもシュートを意識されてたら逆に投げてこないんじゃ……)

ビシュッ!


―――普通であれば、狙うのは外を意識して外―――


アリサ(インコース―――)


―――スライダー系を狙っていくのが定石―――


キュッ!

アリサ(シュート―――)キュッ

ジュリウス(脇を締めた―――っ!?)

ツバキ「上手い」


キィィンッ!

ドッ!

リッカ「センター前ヒットーーっ! アリサちゃん。打ちあぐねていたシュートをセンター前へ運んでいきました!」

101 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/15(木) 16:14:10.31 ID:WN9bdu420
アリサ「よしっ!」グッ

ジュリウス「くっ」

リッカ「アリサちゃん。シュートを見事センター前へ運んで行きました。これで両チーム通じて初めての先頭バッターが塁に出ました!」

榊「いやぁ、シュート打ちのお手本のようなバッティングだったね。狙ってたのかな?」

ツバキ「だろうな。テイクバックからインコースまで迷いなく振り抜いていたからな」

リッカ「あの、さっき博士シュート打ちのお手本のようなと言ってたけど、リンドウさんのバッティングと何が違ったんですか?」

ツバキ「リンドウは前の手を引くことで内に入ってきた球を無理やり持っていったという説明はさっきしたな?」

リッカ「はい」

ツバキ「それに対して、さっきのアリサは脇を締め、締めた脇から押し出すように前へ打ち出したのだ」

リッカ「へぇー」

ツバキ「リンドウと違い脇を開いたまま無理やり打っていくのと違い、自分のフォームを崩さずにボールを持っていった分。まさに理想のシュート打ちであるということだ」

リッカ「なるほどー」

102 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/15(木) 16:23:53.65 ID:WN9bdu420
4回表 TC 1−0 TB
無死 ランナー一塁
打者 ソーマ・シックザール

コンッ

ジュリウス「一塁!」

ギル「ちっ!」パシッ ビッ

エミール「むぅ」パシッ

審判「アウト」

アリサ「よしっ」パンパンッ

コウタ「ソーマ、ナイスバント!」

ソーマ「ふんっ」

ジュリウス(インローの難しい球を難なく転がしたか……)

リッカ「3番ソーマ君。難なくバントを決めました。これでランナーは二塁!」

リンドウ「ナイスバント」

ソーマ「お膳立てしてやったんだ、しっかり打てよ」

リッカ「そしてランナーを得点圏に置いて迎えるは、4番 リンドウさん!」

リンドウ「おう。任せとけ」ザッ

103 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/15(木) 16:37:02.48 ID:WN9bdu420
4回表 TC 1−0 TB
一死 ランナー二塁
打者 雨宮リンドウ

リッカ「4番 ピッチャー リンドウさん!」

リンドウ「おっしゃ、いっちょ行きますか」ザッ

ジュリウス(ランナーを得点圏に置いて、クリーンナップ。正直一番避けたかった場面だな)

リンドウ(向こうからしたら長打は避けたいの場面。インコースは投げにくいだろうからな。まずは初球。外、狙ってくかな)グッ

ジュリウス(長打は絶対に避けたいところ。まずは無難に外からいきたいが、それは向こうも承知してるだろう。となれば―――)スッ

シエル「」コクッ

ビシュッ!

パァンッ!

審判「ストライーク!」

リンドウ(インコース……)

104 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/15(木) 17:13:48.15 ID:WN9bdu420
リッカ「初球インコース! 強気のピッチングで初球ストライクを取りました!」

リンドウ(さすがはブラッドの副隊長ってとこか。インコースのサインもらっても顔色一つ変えず頷いたってことだろ)スッ

シエル「………」パシッ

アリサ(相手の守備位置は、外野が少し後ろ気味に構えてますね。やはり長打は怖いんですね)ザッ

ヒロ(アリサさん、あまりリードは大きくないな……。本来こういった場面ではホームを意識して重心が前によりやすいんだけど、それもない)

アリサ「………」

ジュリウス(仮に単打で帰れなかったとしても、ワンナウト一塁三塁。多数の攻め手を持ったまま彼に打順を回すことができるという考えなんだろう)

ヒロ(ゲッツーの可能性もでてくるのに……。それだけリーダーに対して信頼をしてるってことなのかな?)



105 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/15(木) 17:45:20.11 ID:WN9bdu420
ビシュッ!

パァン!

審判「ボール」

リンドウ(また内……)

ジュリウス「」ビッ

シエル「」パシッ

リンドウ(二球連続で内か……。また内で来るか?)

ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

ビシュッ!

リンドウ(またインコース―――)

キュッ!

リンドウ(シュートッ―――)グイッ

キィンッ!

ギル「っ!?」バッ

ドッ!

審判「ファール!」

リッカ「リンドウさん3球目を打っていくも、ボールは三塁線の外側! ファールです!」

リンドウ「かぁ〜。ちと引っ張りすぎたか……」


106 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/15(木) 18:05:01.00 ID:WN9bdu420
リッカ「カウントはワンエンドツー。リンドウさん追い込まれました!」

リンドウ(3球連続で内か……)

アリサ(立て続けのインコース。最後はアウトコースへのスライダーでしょうか?)

リンドウ(外ならセンターからレフト方向へ狙ってくか。もし内なら、思いっきりぶっ叩く!)グッ

ジュリウス「………」スッ

シエル「」コクッ

シエル「」チラッ

アリサ「!」ザッ

シエル「」スッ

ビシュッ!

アリサ(4球連続っ!?)

キュッ!

リンドウ(シュート。今度はきちんとぶっ叩―――)グッ

ググッ!

アリサ・リンドウ(沈んだっ!?)

カキィ!

ジュリウス「ヒロ!」

リンドウ「くっそ!」ダッ

ヒロ「」パシッ チラッ

アリサ「くっ」ザッ

ヒロ「」ビッ

エミール「はっはっはっ」パシッ

審判「アウトー!」

107 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/15(木) 18:13:31.84 ID:WN9bdu420
リッカ「アウトー! ランナーは動けず、ツーアウト二塁に変わります!」

リンドウ「かぁ〜。やられたな……」

タツミ「ドンマイ。ほれ、水だ」スッ

リンドウ「おお、悪いな」スッ

コウタ「リンドウさん。最後の球はシュートですか?」

リンドウ「ああいや、途中までは確かに内に入り込んできたはいたが、さっきの球はそこからさらに沈んでいったな」

カノン「沈む……ですか?」

サクヤ「それって……」

リンドウ「ああ。間違いない。あいつはスライダー・シュートのピッチャーじゃねぇ……」


リンドウ「『シンカー使い』。あいつの本当の切り札はシンカーだ」


108 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/15(木) 18:15:36.74 ID:WN9bdu420
今回はここまでです。
次回は来週の木曜日に更新します。
もし、よかったら見てください。

>>98
ありです
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/15(木) 18:22:13.46 ID:4qm2uirAO
1ヶ月で三球種習得するとか凄い
ところでリンドウの球速何キロ?
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/15(木) 20:22:46.25 ID:rvPD6r+Go
乙です
111 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/26(月) 19:55:16.53 ID:xAoj1i/a0
更新遅れてすみません。
ちょっと訳あって京都へ行ってまして、更新が遅れてしまいました。
とりあえず、今日更新して、今週の木曜日にまた更新します。
本当に申し訳ございませんでした。

>>109
変化球投手としては最低でも4つ以上の球種は欲しいですからね。細かいことは気にしない気にしない。
ちなみにシエルが変化球投手っていうのはバレットの種類の多さからのイメージで設定させてもらいました。
そういう意味ではジーナさんも変化球投手。変化球を軸にキレのある真っ直ぐで仕留めるイメージ。

特に球速が何キロという設定はしてません。
ゴットイーターだと普通に160Kmとか出しそうですし……。

>>110
ありです。
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/26(月) 19:56:50.25 ID:vaKoD+PMo
了解
113 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/26(月) 20:00:38.41 ID:xAoj1i/a0
4回表 TC 1−0 TB
二死 ランナー一塁二塁
打者 大森タツミ

シエル「………」ジッ

アリサ「」

リーダー「」

シエル「」スッ

ビシュッ!

キィンッ!

審判「ファール!」

タツミ「くっそ……」

コウタ「タツミさん、狙い球絞って!」

リンドウ「力んでんぞ。肩の力抜けー」

タツミ「分かってるよ!」ザッザッ

リッカ「タツミさん、3球目打っていくもファール。早くも追い込まれました!」

コウタ「打てるよ、タツミさん!」

リーダー「シンカー気をつけろよーっ!」

カノン「あ、あの〜……」

サクヤ「ん? どうしたの?」

カノン「シンカーって一体何なんですか?」

リンドウ「おっ。いい質問だ。さすが誤射率ナンバーワンを誇ってるだけのことはあるな」

カノン「え? そ、そうですか?」テレッ

サクヤ「いや、別に普通の質問でしょ。あと、それ褒められてないわよ。カノン」

コウタ(リンドウさん、この間、後ろから思いっきりモルター系のバレットくらってたからな〜)

ソーマ(つーか、誤射率だったらリンドウも人のこと言えないだろ……)

114 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/26(月) 20:24:36.45 ID:xAoj1i/a0
サクヤ「シンカーって言うのは、シュートと同じ方向に曲がって、さらに沈んでいく球でね。基本的に右バッターにとってかなり打ちづらい球なの」

カノン「えぇ!? 私右なんですけど……」

サクヤ「そうね。だから、カノンちゃんも打席に立った時は気を付けて方がいいわよ。何せ内に食い込んでくる球だから、デッドボールにもなりやすいからね」

カノン「え〜。本当ですかぁ〜……?」

サクヤ「えぇ。まぁ、内角打ちをしっかりと出来てれば問題はないんだけどね」

コウタ「けど、シエルの投げたシンカーはシュートとそこまで球速的に変わらなかったですよね?」

リンドウ「ああ。俺も正直途中までシュートと思って打ちに行ってた」

カノン「シンカーって本来遅い球なんですか?」

コウタ「まぁ、そうだと思ってたんだけど」

サクヤ「正直、人によって握り方や投げ方。変化の仕方なんかが色々と変わってくるんだけど……」

サクヤ「基本は中指と薬指の間にボールを挟み込むように握って、手首を内側に捻って、ボールにシュート回転を掛けながら、指の間から抜くように投げると……」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ググッ!

タツミ「っ!?」

カキッ

ジュリウス「シエル」

シエル「はい」パシッ シュッ

エミール「」パシッ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

サクヤ「あんな感じで右打者の内角を食いこみながら落ちていくってわけ」


115 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/26(月) 20:51:22.18 ID:xAoj1i/a0
コウタ「そして、抜くように投げてるから、自然と球速も遅くなるってわけ」

カノン「なるほどー」

ソーマ「しかし、向こうは球速はシュートとほとんど変わらない速度で投げてきてるんだろ?」

サクヤ「恐らく、高速シンカーね」

リーダー「なぁ、シンカーってそんなに打ちにくいものなのか?」

サクヤ「え?」

リンドウ「何だ。随分威勢が良いな」

リーダー「いや、そういうわけじゃないんだけど。俺、結構ゲームとかする方でさ」

サクヤ「ゲーム?」

リーダー「ああ。その中でもパワプ○っていう野球ゲームがあるんだよ」

コウタ「ああっ。知ってる知ってる。二頭身のやつらが野球をするゲームだろっ?」

リーダー「そうそう。で、その中で結構シンカーを使うピッチャーとかいるんだけど、割と打てないこともないかなって」

サクヤ「なるほどね」

リーダー「いや、まぁ、現実とゲームとでは全然違うんだろうけど。実際問題どうなんだろうって思ってさ」

サクヤ「まぁ、確かに球自体は、全く打てないって言うほどのものじゃないからね」

カノン「あ、そうなんですか?」

サクヤ「基本芯に当たれば簡単に飛んでいくしね」

リンドウ「しかし、ただでさえシュート回転で打ちにくい上に、さらに沈んでいくんだから厄介なのには変わりはないがな」

サクヤ「実際に打ち取られた人が言うと説得力あるわね」ニコッ

リンドウ「………」
116 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/26(月) 21:15:06.29 ID:xAoj1i/a0
サクヤ「ただ、私が思うに問題なのは人間の存在的意識の方にあると思ってる」

コウタ。リーダー「存在的意識?」

サクヤ「そう。あなた達も対アラガミのゴッドイーターとは言っても、少なからず戦闘の心得はあるでしょ?」

リーダー「まぁ……」

コウタ「少なからずは……」

サクヤ「大抵、敵との立ち回る時は相手の正面には立たないわよね?」

コウタ「当たり前じゃないですか」

カノン「え? そうなんですか?」

リンドウ「相手の正面に立つということは、相手の格好の的になるってことだからな」

カノン「へー」

サクヤ「それじゃあ、相手と相対するときはどのように立ち回る?」

リーダー「そりゃあ、相手の利き手の外側。右利きなら反時計回り、左利きなら時計回りに回る」

サクヤ「何で相手の利き手の外側に回るの?」

リーダー「何でって利き手の内側に行ったら、モロに攻撃をもらっちまうし」

サクヤ「外側なら安全?」

コウタ「そりゃ、外側なら、相手が向きを変えるか、関節でも曲げないことには向かっては………あっ!」

サクヤ「そういうこと。人は基本、相手の外側にいれば相手は手を出せないという考えがある」

リーダー「………」

リンドウ「しかも、腕の振りとは逆の方向へと曲がってくる。頭では分かっていても、身体が反応しにくいってことだ」

カノン「なるほどー」

リンドウ「まぁ、それでも心配は必要ねぇよ。所詮は慣れの問題だからな」

117 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/26(月) 21:18:58.79 ID:xAoj1i/a0
4回裏 TC 1−0 TB
無死 ランナー無し
打者 真壁ハルオミ

リッカ「4回表の攻撃は、1番 センター ハルオミさん」

ハルオミ「よっしゃ。行きますか!」

コウタ(一巡して、一番のハルオミさんか。前の打席は確か、初球真ん中を見逃し。内角ボール球を見て、外角低めを空振り。最後は高めのボール球を空振りで三振―――)

ハルオミ「」グッ

コウタ(最後の釣り球は除いて、ボール球はしっかり見て、入ってる球は積極的に打ちに来てる。追い込まれてからカットへ切り替えようとしてるのを見ると、こう見えてチームバッティングに徹するタイプだな)

コウタ(とりあえず、初球。空振りをした高めに一球―――)スッ

リンドウ(出来るだけ内角へ……。了解)コクッ

ビシュッ!

ハルオミ「っ!?」バッ

ッパァァンッ!

審判「ボール」

ハルオミ「あっぶねぇ……。おい! 危ねぇだろうが、リンドウ!」

リンドウ「わりぃ。手が滑った」

コウタ「すいません。大丈夫ですか?」

ハルオミ「いや、別に大丈夫だけどな。あんなん当たったら洒落になんねーぞ」

コウタ(グローブで受けててもかなり痛いくらいだもんな……)


118 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/26(月) 22:15:52.56 ID:xAoj1i/a0
コウタ「リンドウさん、リラックスリラックス」

リンドウ「おう」

コウタ(初球。別にあそこまで厳しく攻めてこなくても良かったんだけどな。まぁ、ハルオミさんを仰け反らすことができたし。折角だから利用させてもらおうかな……)

ハルオミ「」ザッ

コウタ(少し、ベースよりも下がった。やっぱり、さっきのボールが頭にあるんだ。なら―――)スッ

リンドウ(もう一球内角……)

コウタ(多少甘くてもいいです。ただし中に入るのはダメ。高低は気にしないんで、出来るだけ内をついてストライクを取ってください)

リンドウ「」コクッ

ビシュッ!

コウタ(インコースを嫌がってる時に内をつかれると身体が起き上がって手打ちになりやすい。多少甘くても打ち取れる可能性はたか―――)

ハルオミ「」ザッ!

コウタ(身体を開いた!?)

キィィンッ!

ハルオミ「誘ってるんだっ!」

119 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/26(月) 22:18:13.05 ID:xAoj1i/a0
ドッ!

サクヤ「」パシッ

リッカ「レフト前ヒッーーートッ! ハルオミさん。2球目をしっかりと捉え、レフト前ヒット! チームブラッド。初めてのヒットが出ました!」

ハルオミ「お誘い。お答えいただきありがとうな」

ロミオ「よっしゃあ! 初ヒットーーッ!」

ギル「ハルさん。ナイスバッティングっす!」

コウタ「くっそ。やられた……」

リンドウ「かぁ〜。完全試合、ノーヒットノーランなくなっちまったな」

ロミオ「よっしゃあ! 次は俺の番だな!」ブンッ!ブンッ!

ジュリウス「ロミオ」

ロミオ「ん? 何だよ、ジュリウス?」

ジュリウス「ここは確実に送っていけ」

ロミオ「はぁ? 何でだよっ?」

ジュリウス「向こうのピッチャーの実力からして、こちらが得られるチャンスには限りがある。そのチャンスを必ずものにするためにも、ここはランナーをしっかりと送ったほうがいい」

ロミオ「そんなこと言って、本当は自分がチャンスで打ちたいだけじゃねーのかよ?」

ギル「おい、そこら辺にしとけ」

ロミオ「何だよ?」

ギル「この試合は別にお前の活躍の為にあるわけじゃねーんだよ。ジュリウスがチームが勝つためにそれが必要だと言ってるんだから、それを全うすべきだろうが」

ロミオ「俺が打って塁に出れば相手にアウトを上げずにランナーが得点圏に行くんだぞ! その方がチームとしてもいいじゃん!」

ギル「そんな簡単に行くわけねーだろ。下手すればゲッツー食らって、ハルさんが作ったチャンスを無駄にするかもしんねーだろ」

ロミオ「上手くいくかもしんないだろ!」

ギル「『かも』で通用するような相手じゃねーだろ」

ロミオ「うっせぇよ! いいよな、お前は! 4番だからバントとかそんなの気にする必要ねーもんな!」

ギル「必要な場面だと思ったらバントに一つや二つくらいする」

ロミオ「嘘つくな!」

ギル「嘘ついてどうすんだよ」

審判「ネクスト! 早く来ないと遅延行為と判断するよ!」

ロミオ「………ちっ」スタスタ

ギル「ふんっ……」

ナナ「ちょ、二人ともー……」

ジュリウス「……はぁ」

ヒロ「………」

120 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/26(月) 22:20:03.55 ID:xAoj1i/a0
4回裏 TC 1−0 TB
無死 ランナー一塁
打者 ロミオ・レオーニ

リッカ「2番 レフト ロミオ君」

ロミオ「」ブッスーーッ

コウタ「おおっ?」

ロミオ「」ザッ

コウタ(何か随分不機嫌そうな顔してんな〜。何かベンチでも揉めてたみたいだし、何かあったのか?)

ロミオ「」スッ

コウタ(バントの構えか……。どうやらロミオはあまりバントに乗り気じゃないみたいだな。だったら、ここは一つ欲張ってみますか―――)スッ

リンドウ「」コクッ

リンドウ「」ジッ

ハルオミ「おっ?」ザッ

リンドウ「」スッ

ビシュッ!

ロミオ「うおっ」スッ

ッパァンッ!

審判「ボール」

ロミオ「……あっぶねーなぁ」ボソッ

コウタ「」ニヤッ

121 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/26(月) 22:21:16.02 ID:xAoj1i/a0
ロミオ「」スッ

コウタ「………」スッ

リンドウ「」コクッ

リンドウ「」スッ

ビシュッ!

ロミオ(内角……。これは外れてる……)スッ

ッパァンッ!

審判「ボール」

ロミオ「んんっ?」

リッカ「おおっと。リンドウさん、ランナーを気にしてるのか、バントの構えをするロミオ君に対してボール先行。これでノーツーです」

コウタ「」ビッ

リンドウ「」パシッ

ロミオ(何だよ、向こうバッテリーコントロール安定してないじゃん。ランナー出してセットに入ってるからか、前の打席ほどの球威は感じないし。これならいけるんじゃねーの?)

コウタ「………」

122 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/26(月) 22:24:04.29 ID:xAoj1i/a0
ロミオ(もし、次甘い球が来たら打ちにいってもいいよな……?)スッ

コウタ「………」スッ

リンドウ「」コクッ

ロミオ「………」

リンドウ「」ジーッ

ハルオミ「………」

ロミオ「………っ」

ハルオミ「………」ピクッ

リンドウ「」スッ

ビシュッ!

ロミオ(きたっ! 内角高めの甘め―――っ!)スッ グッ

ハルオミ「っ!?」ダッ

ギル「あの、馬鹿っ!」

キィンッ! ドッ!

ロミオ(おっしゃあ! 一・二塁間! 抜けr―――)

リーダー「」パンッ

ロミオ・ハルオミ「っ!?」

ロミオ「なっ……」

ハルオミ(何で、そこにいんだよ……っ!?)

リーダー「」ニヤッ

ハルオミ(くそっ。ゲッツーだけは防がねぇと……)ピタッ

リーダー「………」

ハルオミ(オラッ。タッチしに来いっ!)

リーダー「」ビッ

カノン「」パンッ!

審判「アウト!」

ハルオミ「ちっくしょ……!」ダッ

リーダー「おっしゃあ! カノン、二塁へおべらっ!?」ドゴッ!

アリサ「………」

コウタ「………」

リーダー「か……はっ……」ドサッ

カノン「……射線上に入るなって」

カノン「私、言わなかったっけ?」ゴゴゴッ!

リーダー「いや、俺ちゃんとしゃがんでたじゃん……」

ハルオミ(さすが、カノンちゃん。期待を裏切らないぜ……)セーフ

123 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/26(月) 22:25:39.84 ID:xAoj1i/a0
今回はここまでです。
次回は今週の木曜日に更新します。
もし、よかったら見てください。

124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/27(火) 05:24:49.10 ID:LG4RZ858o
乙です
125 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/29(木) 22:59:40.19 ID:DCI5+JdZ0
ロミオ「………」タッタッタッ

ギル「おい、何か言うことがあるんじゃねーのか?」

ロミオ「……せぇよ」

ギル「あ?」

ロミオ「うっせーーよっ! 結果的に上手く送れたんだからいいだろ!」

ギル「あれはカノン先輩の暴投のおかげだろうが! もし、あれがなかったらゲッツーだぞ!」

ロミオ「っ! でも……」

ギル「お前はこれからも、『かも』だとか『結果的に』とか言っても仲間を危険に晒していく気か!」

ギル「そんなんだから、お前は―――」

ヒロ「はい、ストーップ」パシッ パシッ

ロミオ「って!」

ギル「っ」

ヒロ「とりあえず、二人とも頭を冷やしなよ。試合中喧嘩してたら、それこそ勝てるものも勝てなくなるよ」

ギル「……ああ」

ロミオ「……分かったよ」スタスタ

ヒロ「ギルも、ネクスト入って」

ギル「分かってる」スッ

ヒロ「ロミオ先輩のことは何とかしとくから。ギルはギルの『仕事』をちゃんとして」コソッ

ギル「……ああ。悪かったな」

ヒロ「いいって。仲間なんだから助け合うのは当たり前でしょ」

ギル「頼んだぜ」スッ

ヒロ「うん。そっちも頼んだよ」スッ


コツッ


126 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/29(木) 23:02:23.57 ID:DCI5+JdZ0
4回裏 TC 1−0 TB
一死 ランナー二塁
打者 ジュリウス・ヴィスコンティ

リッカ「3番 キャッチャー ジュリウスさん」

ジュリウス「よろしくお願いします」ペコリッ

コウタ「」ペコリッ

ジュリウス「」スッ

コウタ(得点圏にランナーを置いてクリーンナップか。カノンさんめ、やってくれるよ本当に……)

カノン「すみませんすみませんすみませんっ!」ペコッペコッペコッ!

リーダー「いや、いいから切り替えてけって」ズキズキ

コウタ(さぁて、どうすっかな?)チラッ

ジュリウス「………」

コウタ(脇が開いてる。恐らく外角狙い。一・二塁間を狙ってんるな……)

ハルオミ「………」ザッ

コウタ(一・二塁間を抜いて一気にホームへ、抜けなくても最悪進塁打ってことなんだろうな。まぁ、そう簡単にはやらせねーけど―――)スッ

リンドウ(内角低めへ真っ直ぐ……)コクッ

コウタ(徹底的に内角を攻めて、カウントを稼ぐ。引っ掛けてショートへ転がしてくれればランナーを釘付けにしたままアウトを取れる―――)

リンドウ「」チラッ

ハルオミ「」サッ

ビシュッ!

ッパァンッ!

審判「ストライーク!」

ジュリウス「………」

127 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/29(木) 23:05:42.51 ID:DCI5+JdZ0
ッパァンッ!

審判「ボール」

ジュリウス(また内角……。一・二塁間へ打たせる気は全くないということか。しかし―――)

コウタ「………」スッ

リンドウ「」コクッ

リンドウ「」チラッ

ハルオミ「」サッ

ビシュッ!

ジュリウス(内角。そう何度も投げられれば予測も付くっ!)グッ

クンッ!

ジュリウス「っ!?」

ブンッ! バシッ!

コウタ「」ザッ!

ハルオミ「」ザッ

審判「ストライーク!」

リッカ「ジュリウスさん、三球目を振っていくも空振り! これでワンエンドツー。追い込まれました!」

コウタ「リンドウさん。ナイスボール!」ビッ

リンドウ「おう」

ジュリウス(ここでフォーク……。ランナーが怖くないのか?)

ハルオミ「ちくしょー。しっかり俺への牽制も入れてきやがる……」

128 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/29(木) 23:08:03.41 ID:DCI5+JdZ0
ジュリウス(追い込まれたか。こうなると広く構えるしかないか……)ニギッ

コウタ(バットを短く持ったか。意地でも当てていくつもりみたいだな……)

リンドウ「………」

コウタ(こうなると、もう内角とか外角とあまり関係なく甘い球は振ってくるだろうな。それなら―――)スッ

リンドウ「」コクッ

ビシュッ!

ジュリウス(外角! 甘い。ライト方向へ―――)ザッ!

クンッ!

ジュリウス「っ!?」

ブンッ! バシッ!

審判「ストライーク! バッターアウッ!」

ジュリウス(二球連続……だと……)

リッカ「三振ーーーっ! ジュリウスさん、チャンスの場面で積極的に打ちに行くも空振り三振! これでツーアウト二塁に変わります!」

129 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/29(木) 23:16:18.44 ID:DCI5+JdZ0
4回裏 TC 1−0 TB
二死 ランナー二塁
打者 ギルバート・マクレイン

リッカ「4番 サード ギル君」

ギル「よろしくお願いします」ペコッ

コウタ「オッス」

ギル「」スッ

コウタ(さて、これ何とかツーアウトに出来たな。あとはギルを仕留めれれば、この回を凌げるんだが……)

榊「ここはコウタくんにとって難しい局面だね。ここでの選択がこの試合大きく影響するよ」

リッカ「選択って、何と何をですか?」

ツバキ「勝負をするか、歩かせるか。だな」

榊「その通り」

リッカ「ツーアウトですし、ここは勝負なんじゃないですか?」

ツバキ「ギルバートは前の打席、真っ直ぐにしっかりとついて行ってたからな。一塁も空いているし、下手に勝負するよりも素直に歩かせた方がリスクが少ないというわけだ」

榊「けど、それは逆転のランナーを出すことにもなるし、続く5番のナナ君は変化球を全く捉えられていないけど、真っ直ぐに対して大きなファールボールも打ってる」

榊「長打が出た場合、一気に逆転ということにもなりかねないってわけ」

リッカ「なるほどー」

130 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/29(木) 23:17:32.92 ID:DCI5+JdZ0
コウタ「」スッ

リンドウ「」コクッ

ビシュッ!

ッパァァンッ! ブンッ!

審判「ストライーク!」

ギル(ど真ん中―――っ!)

コウタ「どうした、ギル? 振り遅れてんじゃねーか?」

ギル「はい?」

コウタ「歩かされるかもとか思ってたんじゃねーの? もしそうなら安心しな。俺たちは逃げも隠れもしねーから」

ギル「………」

コウタ「正々堂々。真っ向から勝負しようぜ」

131 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/29(木) 23:18:43.85 ID:DCI5+JdZ0
ギル「はっ。後悔しますよ?」

コウタ「後悔はしねーから安心しな」

ギル「………」スッ

コウタ(いやでも、初球ストライクを取れてよかった〜。厳しく攻めてというサインを出した以上、リンドウさんのコントロールだと外れる可能性が高いからなぁ。もしあそこで外れてたら格好つかねーよ……)

リンドウ(さすがに俺も、それくらいの空気は読めるってぇの)

コウタ(問題はこっからどうするかだな。ギルは前の打席、ストレートを当ててきてるからな。変に真っ直ぐを投げると打ち返される……)

ギル「………」

コウタ(やっぱ、初球カッコつけないで内角へと投げとけばよかったな……。次投げる球で悩むわ。とりあえず、外角へボール球を一球見せてみて様子を伺ってみますか―――)スッ

リンドウ「」コクッ

ビシュッ!

ギル「」ピクッ

ッパァンッ!

コウタ(おっ)

審判「ボール」

ギル「」ザッザッ

コウタ(さっき、僅かだけど反応したな。……そういやギルにはまだフォークを見せてないんだよな)チラッ

ギル「………」

コウタ(恐らく、それをフォークを嫌がって早めに真っ直ぐを叩いときたいっていうのがギルの頭の中にある。さっき外角の球に反応したのは多分それの現れ。それなら―――)スッ

リンドウ「」コクッ

リンドウ「」チラッ

ハルオミ「」ピクッ

リンドウ「」スッ

ビシュッ!

ギル(外角。入ってる―――!)グッ

クンッ!

ギル「っ!?」

ブンッ! バシッ!

審判「ストライーク!」

132 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/29(木) 23:19:39.99 ID:DCI5+JdZ0
リッカ「3球目ストライク! リンドウさん。ここで変化球で来ました!」

ツバキ「ふむ……」

榊「面白いね」

リッカ「面白いって、コウタ君の身振り手振りがですか?」

榊「いや、そうじゃないよ」

リッカ「『なんだよぉ、待ってくれよぉ』」ブンブンッ

ツバキ「っふ」

榊「私が面白いと思ったのはコウタ君の配球のことだよ」

リッカ「配球、ですか?」

榊「ああ。ギル君がストレートに合っている分。フォークは決め球に使いたくなるところなんだけど、ここはあえてギル君を追い込むために使った」

リッカ「さっきのがそうですね」

榊「こうなると、バッターとしては狙い球を定めにくくなる。自然とバッティングに迷いが生じやすくなるんだよ」

リッカ「なるほどー」

ギル「くっ……!」

133 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/29(木) 23:20:31.74 ID:DCI5+JdZ0
ナナ「ギル、打てるよーーっ!」

シエル「ボール球には気をつけてください」

エリナ「積極的にーーーっ!」

ロミオ「………」

ヒロ「ロミオ先輩、水いりますか?」スタスタッ

ロミオ「……いらない」

ヒロ「そうですか。隣いいですか?」

ロミオ「好きにしろよ」

ヒロ「では、失礼します」スッ

ロミオ「………」

ヒロ「………」

ロミオ「……何だよ?」

ヒロ「はい?」

ロミオ「何か言いに来たんだろ? 説教なら聞いてやるよ……」

ヒロ「んー? いや実は特に何を言おうとかって考えてなかったんですよね」

ロミオ「はぁ?」

ヒロ「だって、言わなくても二人とも、もう分かってるじゃないですか」

ロミオ「………っ」

ヒロ「」ニコッ

ヒロ「これ、ギルに聞かれたら多分怒られると思うんですけど、ギルってこの野球を凄く楽しみにしてたんですよ?」

ロミオ「はぁ? あのギルが?」

ヒロ「はい。そして、その理由はロミオ先輩なんです」

ロミオ「俺? 俺何もしてねーだろ?」

ヒロ「また、ロミオ先輩と一緒に戦えるって」

ロミオ「………」

ヒロ「ギルは多分、もう二度と来ないであろう、ロミオ先輩と一緒に戦えるこの機会を無駄にしたくないんだと思います」

ロミオ「………」ギュッ

ヒロ「勿論、俺も……俺たちも、そう思ってます。だからロミオ先輩―――」

ヒロ「みんな一緒に勝ちましょう!」

ロミオ「………おう!」

134 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/01/29(木) 23:22:14.91 ID:DCI5+JdZ0
今回はここまでです。
次回は来週の木曜日に更新します。
もし、よかったら見てください。

>>124
ありです。
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/01/29(木) 23:32:16.41 ID:CfPKYNDno
乙です
136 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/02/05(木) 23:11:02.13 ID:SE7butYc0
ギル(くっそ。さっきのがフォークか。全くストレートと判別がつかねーじゃねーか……)

ギル(次は何で来る? ストレートか、それともフォークか……?)

ギル(さっきフォークが来たから、次はストレートの方が確率が高いか……? いや、ジュリウスには連続で投げて三振を取っていた。ここでも同じように来る可能性も……)

ギル(追い込まれた以上、入っていたら手を出すしかねー。けど、フォークだった場合は三振で、折角ハルさん達が作ってくれたチャンスを棒に振ることになる……)

ギル(ストレートか? フォークか?)

ロミオ「ギルーーーーーーッ!」

ギル「っ!?」

ロミオ「ぐちぐち悩んでんじゃねーよ! ジュリウスはチームが勝つためにお前を4番に置いたんだから、てめぇはその仕事をしっかりと全うしろよ!」

ギル「ロミオ………」

ナナ「ロミオ先輩、いいこと言う〜」

エリナ「『いや、お前がそれ言うな』って感じのセリフですけどね」

ギル「……いや、お前がそれ言うんじゃねーよ」

ロミオ「何だとーーっ! 言われたくないんだったら、グチグチ考えてないで、バットを振り抜けよ!」

ギル「言われなくたって打ってやるから、てめぇはそこで見てろ!」

ロミオ「言われなくたって見ててやるよ!」

ギル・ロミオ「………はっ!」

エリナ「全く、仲がいいんだか悪いんだか分かりませんね」

ヒロ「まぁ、ほら仲がいいほど何とやらって、そういうことじゃないかな?」

エリナ「ああ、なるほど」

ナナ「エリナちゃんとエミール君みたいな感じだね!」

エリナ「一緒にするのやめてください!」

137 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/02/05(木) 23:12:01.26 ID:SE7butYc0
リッカ「ツーアウト二塁。カウントはツーストライクワンボール。ギル君追い込まれています」

ギル「ったく、あの野郎……」ザッザッ

コウタ(うーん、まいったな。折角いい感じに悩んでいてくれたのに、いい感じに吹っ切れちまった。こりゃ、簡単には仕留められないな……)

リンドウ(追い込んでるのはこっちだぞ)

コウタ(そうだ。追い込んでる以上、主導権はこっちにある。ここは弱気になるところじゃない)

ギル「………」

コウタ(いくら吹っ切れたといっても、さっきのフォークは頭にあるはず。となると、ギルの意識は低めへと向かってる)

コウタ(それなら、あえて低めのボール球を投げれば打ち取れる。けど……、それじゃあリンドウさんが納得しないですよね?)

リンドウ(正々堂々勝負すんだろ?)

コウタ(啖呵を切った以上、せめてこの打席でも勝負しなきゃですよね―――)スッ

リンドウ「」ニッ チラッ

ハルオミ「」ピクッ

リンドウ「」ザッ

ビシュッ!

ギル「」ザッ

シエル(インハイ高めっ!)

ヒロ(踏み込んじゃってる! あれじゃあ、バットを振り抜けない。このままじゃ―――)

ギル(差し込まれるっ! カットへ―――)


『ぐちぐち考えてないで、バットを振りぬけよ!』


ギル「っ! う、おおおおおおおおおおおおっ!」グッ!


ガギィィィィィィィィィィィィンッ!!



138 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/02/05(木) 23:13:55.41 ID:SE7butYc0
フワッ


リッカ「打ち上がったーーーっ! しかし内野は前へ出てる。面白いところへ飛んでいったかーーっ!?」

コウタ(あれだけ差し込まれて、バットを振り抜きやがったっ!)

コウタ「リーダーバックーーッ!」

リーダー「っくそ!」ダダダッ

タツミ「絶対に捕るっ!」ダダダッ

ハルオミ「」ザッ!

リッカ「打ったと同時にスタートを切ったハルオミさん、三塁を回ったーーっ!」

タツミ「落ちるな!」

ナナ「落ちろっ!」

コウタ「落ちるな!」

ロミオ「落ちろ!」

リーダー「落とさねぇー!」

ギル「っ!」


ギル「落っこちろーーーっ!」



ドッ!



ハルオミ「」ザァァッ!



リッカ「落ちたーーーーーーっ! そして、同時にハルオミさんがホームイン!」

ヒロ「」グ〜ッ

ロミオ「」グ〜〜ッ

ナナ「」グ〜〜〜ッ!


リッカ「チームブラッド同点ーーーっ!」



「「「「「「「「「っしゃああああああああああああああっ!!!!」」」」」」」」」


139 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/02/05(木) 23:15:16.84 ID:SE7butYc0
リッカ「初回に取られた先制点。4回裏についに取り返しました!」

タツミ「くっそ!」パシッ

リーダー「ちっくしょ〜……」

ヒロ「ギルナイスバッチッ!」

ロミオ「よっしゃあああああっ! やるじゃんか!」

ナナ「おかえり〜〜っ!」スッ

ハルオミ「おおっ! 続けよ!」スッ

パシッ!

リッカ「ツバキさん。ギル君、差し込まれながらも見事ボールを外野まで運んで行きましたね!」

ツバキ「ああ。見事バッターの裏を取ったコウタも良かったが。それ以上に、ギルの気迫が上回ったということだな」

ギル「見たか、オラァ!」

ロミオ「うっさい。ちゃんと見てたよっ!」

140 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/02/05(木) 23:17:36.31 ID:SE7butYc0
4回裏 TC 1−1 TB
二死 ランナー一塁
打者 香月ナナ

キィィィンッ!

ナナ「いっけーーーっ!!」

コウタ「っ!?」

リッカ「初球攻撃ーーーっ! ボールは左中間へーーっ!」

ロミオ「よっしゃあーーっ!」

エリナ「抜けろーーーっ!」

サクヤ「」タタタタタッ!

ザァッ! パシッ!

リッカ「取ったーーっ! これ以上の反撃は許さない。そう言わんばかりにバックがブラッドの反撃を拒みます!」

リンドウ「おー。よく捕ったな、サクヤ」

サクヤ「何打たれて呑気なこと言ってんの。もうちょっと危機感を持ちなさいよ」

リンドウ「いや〜。でも、しっかりと捕ってくれただろ?」

サクヤ「……もう。本当にこっちの気もしれないで勝手なこと言う……」

リーダー「らーぶらーぶ?」

アリサ「熱いですね。二人とも〜」

リンドウ「お? そうだろ?」

サクヤ「そんなんじゃないから。からかわないの! リンドウも乗らない!」

141 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/02/05(木) 23:18:17.42 ID:SE7butYc0
ナナ「ギル〜〜〜。ナイスバッティング〜〜!」

ヒロ「よく打てたね」

エリナ「内角の差し込まれた球を普通あそこまで持ってけないですよ? どんな腕力をしてるんですか?」

ロミオ「さすがゴリラって言われてるだけのことはあるな〜」

ギル「言ってるのはてめぇだけだろ」

ロミオ「……おい」

ギル「何だよ?」

ロミオ「この試合、勝ちたいと思ってんは俺も一緒だかんな」

ギル「………」

ロミオ「次からはさっきみたいなミスはしねーから。ちゃんと見てろよ」

ヒロ(ロミオ先輩……)

ナナ「一件落着だね〜」エヘヘ

ギル「……はっ。てめぇが暴走しないように、ちゃんと監視しててやるよ」

ロミオ「何だとー、コラァァ!」

ギャーーーーッ!ギャーーーーッ!

エリナ「……で、結局またこうなるんですか?」

ヒロ「まぁ……」

ナナ「あの二人らしいよね〜」

142 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/02/05(木) 23:19:59.49 ID:SE7butYc0
5回表 TC 1−1 TB
無死 ランナー無し
打者 台場カノン

リッカ「5回表 チームクレイドルの攻撃は、7番 ファースト カノンちゃん」

カノン「よ、よろしくお願いします!」ペコッ

ジュリウス「」ペコリッ

カノン「うぅ。さっきのミスを取り消すためにも頑張らないと……」ザッ

ジュリウス(台場カノン。極東支部第四部隊に所属。第一世代遠距離型神機使い。ブラスト系の神機を使い。誤射は多いが、その火力だけを見れば、他の神機使いの非ではないと聞く―――)

カノン「―――」ユラァ

ジュリウス(普段は大人しい性格だが、戦闘に入ると性格が反転し、一気に荒々しいものに変わると聞くが……)

カノン「しゃあぁあぁぁっ!! ほら来なよ、クソアマァ! かっ飛ばしてあげるからさぁ!」

ジュリウス(野球でも、それは同じなのか?)

143 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/02/05(木) 23:22:12.46 ID:SE7butYc0
ジュリウス(性格が豹変するのはこの際いい。問題はこの打者をどう打ち取るかということだ)チラッ

カノン「」クイックイッ

ジュリウス(前の打席ではシュートを初球から打ってきた。多少ボール球でも初球から振ってくる可能性が高い……)

ジュリウス(初球から振ってくるなら、初球から決め球を使ってカウントを稼ぐ手もある―――)スッ

シエル(インローからのシンカー―――)コクッ

ビシュッ!

カノン「あはっ! いただきーーっ!」グッ!

ググッ!

カノン「っ!?」

ブォンッ!

カコッ

ギル「っ!」ダッ

カノン「くっそが!」ダッ

ジュリウス「ギル!」

ギル(ちくしょ! スイングの良さに騙された!)ダダダッ!

カノン「っ!」ダダダッ!

ギル「お、らぁっ!」パシッ ビッ!

カノン「う、ああああああああっ!」バッ

ザァァッ! パシッ!


審判「セーフ!」


144 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/02/05(木) 23:23:15.50 ID:SE7butYc0
今回はここまでです。
次回は来週の木曜日に更新します。
もし、よかったら見てください。

>>124
ありです。
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/05(木) 23:32:33.48 ID:gocOC0X+o
乙です
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/07(土) 00:36:41.08 ID:nrd9J8WMo
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/30(月) 00:22:13.75 ID:yS8r5h790
ほしゅ
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/04/06(月) 21:04:34.21 ID:D/r4n5hXo
149 : ◆SIJX2KryAg :2015/04/06(月) 22:44:45.85 ID:Fx8+uolZ0
リッカ「一塁セーフッ! チームクレイドル。先頭のバッターを出しました!」

リーダー・コウタ「っしゃあああああっ!!」

アリサ「カノンさん、ナイスランです!」

カノン「うえ〜。砂が口に入っちゃいました……」ペッペッ

ギル「ちっ」ザッ

ヒロ「どんまいどんまい」

ギル「おう」

ジュリウス(長打を警戒して、後ろへ構えさせてたのが仇になったか……)

シエル(これで、ランナーを殺さない限り、打順が上位に回るようになってしまいましたね)

ジーナ「………」

150 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/04/06(月) 22:47:50.63 ID:Fx8+uolZ0
5回表 TC 1−1 TB
無死 ランナー一塁
打者 ジーナ・ディキンソン

リッカ「8番 ライト ジーナさん」

ジーナ「よろしく」ザッ

ジュリウス「」ペコッ

ジーナ「」スッ

ジュリウス(ジーナ・ディキンソン。防衛班に所属し、スナイパー系の神機を使うゴッドイーター。射撃の技術は一流で、アナグラの随一の狙撃手と言われている)

ジーナ「」

ジュリウス(ハルオミ殿は、彼女を『嘆きの平野』と言っていたが、どういう意味があるのだろうか?)

ジーナ「」ペターン

ジュリウス(前の打席は追い込まれるまで手を出してこなかったが、この打席はどうくるか?)

シエル「」チラッ

カノン「」ザッ

ジュリウス(ああ、分かってる。ここで一番可能性が高いのはバントだ。ジーナ殿は左打席。一塁ランナーの動きがこちらからでは見にくい。動いてきても反応するのが難しいからな)

ジュリウス(基本に忠実に行くなら、一球大きく外角に外して様子を見させてもらうところだが―――)スッ

シエル(―――内角へスライダー)コクッ

シエル「」スッ

ビシュッ!

ギュンッ!

ジーナ(スライダー……)ピクッ

パァンッ!

審判「ストライーク」

カノン(うわ〜。初球から攻めてく―――)

ジュリウス「」ザッ!

タツミ「っ! カノン、バックッ!」

カノン「っ!」バッ

エミール「うおおおっ!?」パァンッ! パシッ

審判「セーフッ!」

ジュリウス「少しボールが高かったか」

リーダー(あの野郎。ジーナさんの裏から回って投げてきやがった。完璧カノンの死角から狙ってきた。油断も隙もねーな)

151 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/04/06(月) 22:49:40.68 ID:Fx8+uolZ0
カノン「はわわわわわ。びっくりしました」

エミール「うおおおお。びっくりした〜〜〜」

エリナ「何で、あんたがカノンさんよりも驚いてんのよ!」

エミール「いやしかし、死角からシユウの砲撃のごとく剛速球が迫ってきたのだぞ! さすがの私も精神を乱してしまった」

エリナ「試合中なんだから常に集中してなさいよ」

ジーナ「……なるほどね」

ジュリウス(これで、ランナーも積極的には動けなくなるだろう。後はバントに気をつけながら、このバッターを打ち取ればいい)

カノン「ううっ……」ジリッ

シエル「」チラッ

カノン「」ビクッ

シエル「」スッ

ビシュッ!

ジーナ(内角高め……)スッ

パァンッ!

審判「ボール」

ジュリウス「」ザッ

カノン「うわわわ……」スタスタ

タツミ(警戒されてるな……)
152 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/04/06(月) 22:54:34.20 ID:Fx8+uolZ0
ジーナ(二球続けて内角。ヒッティングは無いと思われてるのかしら?)スッ

ジュリウス(ワンエンドワン。未だにバントの構えは見せないが、バントはしてこないのか?)チラッ

ジーナ「」

ジュリウス(全く読めないな。仮にヒッティングだとしても、外角のシュートを活かすために次も内角で攻めて行きたいところだ)

ジーナ「」チラッ

カノン「!」ピクッ

タツミ「………」

カノン「た、タツミさん……?」

タツミ「俺が合図したらコンゴウな」

エミール(コンゴウ?)

カノン「わ、分かりました」

153 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/04/06(月) 23:18:09.76 ID:Fx8+uolZ0
ギュンッ!

パァンッ!

審判「ストライーク!」

リッカ「4球目ストライク! これでワンエンドツー。ジーナさん、追い込まれました!」

ジュリウス(よしっ)

ジーナ「………」

タツミ「リー・リー・リー・リー」

カノン「………」ゴクリッ

ジュリウス(追い込んだ。遊び玉もまだある。もう一球内角を見せてもいいが、無駄に球を使う必要もないだろう)

ジーナ(内角へ3つ。決め球は恐らく外角へ来る。外のスライダーは踏み込めばカットできることは分かっいてる)

ジーナ(狙うは外角。狙うは広く空いてる一・二塁間。狙うは追い詰めたと思ってる今)グッ

ジュリウス「」スッ

シエル「」コクッ

シエル「」ジッ

カノン「」ピクッ

タツミ「リー・リー・リー・リー」

シエル「………」

カノン「………」

タツミ「リー・リー……」

シエル「」スッ

タツミ「っ、ゴーッ!」

カノン「っ!」ダッ

154 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/04/07(火) 00:05:34.73 ID:hBnmRsXw0
シエル「っ!」

ジュリウス(走った!?)

シエル(走った。ここから、外す―――)

シエル(―――いえ、シュートの握りで外したらどこへ行くか分からない……)

ジーナ「………」

シエル(せめて、バッターだけでも仕留めるっ!)

ビシュッ!

ジーナ(来た、外角―――)グッ

キュッ!

ジーナ「っ!?」グッ

キィィンッ! ドッ!

ジュリウス(打ってきたっ!?)

リッカ「打ったーーっ! 打球は一・二塁間へ!」

ジュリウス「ナナッ!!」

ナナ「うえっ! 逆っ!?」ザザッ ダッ 

コウタ「抜けろーーっ!」

ナナ「う、あああああああっ!」

パシッ!

ヒロ「ナイス、ナナ!」

ジーナ「くっ」タタタッ!

ナナ(二塁は無理。一塁へ―――)スッ

カノン「」ザッ

ヒロ「っ! 走ったっ!」

ジュリウス「っ! ナナ! 投げるなっ!」

ナナ「……え?」

ビッ

155 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/04/07(火) 00:19:51.00 ID:hBnmRsXw0
ヒョロッ…

ナナ「あっ!」

エミール「っ!」グッ

パシッ

審判「アウト!」

エミール「ぐっ! 三塁っ!」

ギル「………」バッテン

カノン「」ザァッ

審判「セーフ!」

リッカ「エンドラン成功! ランナー三塁まで進んで、ワンナウト三塁! クレイドル、この回もチャンスを演出しました!」

コウタ・リンドウ「よっしゃあーーっ!」

アリサ「カノンさん、ナイスランです!」

カノン「えへへ。やりましたー」ブイッ

タツミ「ジーナも、ナイスバッチ!」

ジーナ「シュートだった分、少し内へ入っちゃったわ。真っ直ぐだったら抜けてたのに」

タツミ「ランナーを三塁まで進められたんだ。結果オーライだろ。ナイスバッチ」スッ

ジーナ「……ふっ、そうね。ありがと」スッ


パンッ!


156 : ◆SIJX2KryAg [saga]:2015/04/07(火) 00:43:59.40 ID:hBnmRsXw0
えー、何て言えばいいか分かりませんが……。ひとまず二ヶ月ちょい放ったらかして、本当にすみません。

レイズバーストにかまけてて、全く更新する意欲が湧きませんでした。別にコメントがあまりに少なくてやる気をなくしたわけではないんですよ? いや本当に。
これからは、暇を見つけてはできるだけ更新するようにはしますので、どうか気長に待ってください。

と、前置きはここまでにして。
遅ればせながら、レイジバースト発売おめでとうございます!
皆さんは先行予約どこでしましたか? 自分はソフマップでオロチコードとアナザーシエルとタペストリーをゲットしました。シエルアナザーの服めっちゃだせぇ(笑)。ジーナアナザーの服めっちゃかっけぇ(惚)
ダメージの数字化とか、バグ連発とか、やたらぬるゲーになってるとか色々ありましたけど、スキルインストールとかパーソナルアビリティとかやり好み要素も増えてて結果満足。

最初から始めても、追加のストーリーとかも多々あって暇しなかったし、サイズマジ使えないし、結合崩壊やたらしやすくなってるし。もうちょっと以前からやってる人のことを考えて欲しいかなって気はするけど、まぁ、面白いです。
まだキュービ討伐までしか進んでないんで、今後出てくる新キャラに期待ですねー。

というわけで、ゲームしながらも、できるだけ暇を見つけて今後も投下していきますんで、できるだけ温かい目で見守ってください。

PS.
二ヶ月経っちゃってるけど、落ちた場合は最後まで書き溜めてから別スレで投下します。





157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/04/07(火) 00:46:11.77 ID:eGfsynVuo
乙です
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