ミリマスSS投稿スレ

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401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 22:58:38.31 ID:hzB3xpZeo
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 これはとあるグラビア撮影での話。

 その日、集まった五人の少女はそれぞれがアイスクリームをモチーフにした、とてもカラフルな衣装に身を包んでいた。

 そしてまた、彼女たちの付き添いでやって来ていた阿呆なプロデューサーが言うのである。

「あのぉ……プロデューサーさんに言われた通り、指にガーゼを巻きましたけど。これは一体、何をするものですか?」

 チョコミントアイスをモチーフにした目に優しい緑色の衣装を身にまとい、箱崎星梨花は男に訊いた。
 立てた右手の人差し指には、彼女が言う通りガーゼがクルクルと巻かれている。

「実は俺、歯磨きできないんだ」

「はい?」

「だからね、歯磨きが出来ないの。一人で歯ブラシが使えない。
 ……あー、どこかに俺の歯を磨いてくれる、優しい女の子がいないかなぁ〜?」

 そしてまた、男は期待するような視線を星梨花に向ける。
 この白々しいまでの催促に、いくら世間知らずを地で行く星梨花も何を求められているか気づくという物。

 全く、コイツはとんだお願いだ!

「もう、プロデューサーさん!」

 そうだ! 男の破廉恥な要望に怒れよ星梨花!

「私でよければ、いつでも磨いてあげますよ♪」

「さっすが星梨花だ話が分かる!」

 違う、そうじゃない。だがしかし、神は悪事を見逃さない。
 純真無垢な少女を騙し、己が欲望を満たさんとする邪悪な男の企みに、待ったをかけた者がいる!

「ちょっと二人とも、ダメじゃない!」

 それは清涼感溢れる青い衣装……ソーダアイスをイメージさせる服を着た、北上麗花その人だ。
 ついでに言えばここに居る、五人の少女たちの中でも一番お姉さん。流石は年上、しっかりと注意してくれるかと思ったら……。

「爽快感溢れるソーダの私を、忘れてもらっちゃ困りますよ♪」

 ニッコリ満面の笑顔で微笑んで、ガーゼを巻いた人差し指を男の口に突っ込んだ。その動きには一切の躊躇もためらいもなく。

「はい、綺麗キレイにきゅっきゅっきゅ〜♪」

 少々乱暴な動きながら、男の歯肉をマッサージ。そこへ今度は二人の少女が顔を出し。

「そういえば、苺味の歯磨き粉もありますな〜。ではではプロデューサーさん、次は私に、あーんしてくださいね〜」

「りょ、緑茶歯磨きには口臭予防効果もあるんですよ! なので私も、その……歯磨き粉です!」

 ストロベリーアイス担当の宮尾美也、そして抹茶アイス担当の七尾百合子も加わって、少女たちに次々指を突っ込まれるプロデューサー。

(あ、ああ! ここが天国、パライゾか……!?)

 だがしかし! そんな乱痴気騒ぎに待ったをかけた少女が居た! 
 この面子の中では最後の良心。レモンチーズケーキアイス担当の佐竹美奈子が言う。

「待ってみんな! 大切なことを忘れてる!」

「大切なこと……?」

 キョトンと訊き返し、彼女に視線をやった五人の目が驚愕にみるみる開かれた。

 なぜならそう! 美奈子の手には山盛りのチーズケーキアイスの乗った皿が。

「歯磨きだって大事だけど、その前にちゃんと食事しないと! ……と、いうワケで。アイスなら沢山ありますから、一杯食べてくださいねっ♪」
 
 この後、指の代わりにたらふくアイスを喰わされて、見事にお腹を壊したプロデューサーがトイレに籠るのは別の話。
 とにもかくにもある日の一幕、これでおしまいどっとはらい。
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