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Fate/IrregularS  - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆MlN7LT33g2 :2015/02/20(金) 00:21:55.87 ID:5/AwgpwP0

普通の生活を望む何も無い少女。

一でありながら全てに成ろうとする魔術師。

一でありながら全てを繋ごうとする魔術師。

魂を手に入れたい盗賊。

呪いにより欲を失った元聖職者。

死に場所を求めながらも生き方を変えたいともがく少年兵。

優秀な才能を手に入れたい魔術師。

願いを胸に七人のマスターが七つのサーヴァントを召喚し、最後の一人になるまで殺し合いをする。

これは五回目の冬木の聖杯戦争が終わった後の東京で行われる聖杯戦争である。

Fate/IrregularS


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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
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アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
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2 : ◆MlN7LT33g2 :2015/02/20(金) 00:24:20.03 ID:5/AwgpwP0


プロローグ 0日






召還に成功した。

聖杯戦争で戦うための駒を揃える為に日本に来て最後の重要な駒、サーヴァントを召喚した。

自分でもこれほどの使い魔を召喚できるとは思っておらず、正直腰を抜かしそうだった。

目の前のソレは想像以上の魔翌力が溢れ出ており、神秘的だった。

召還には成功した、問題はサーヴァントの―――

長身で、髪は黒く長髪、切れ目で美形のソレは……。

「問うぞ、お前が私のマスターか」

「あ、ああ、俺はアイヴィー、君のマスターだ」

「そうか、サーヴァントアーチャー、召喚に従い参上した」

アイヴィー「アーチャーか、ところ質問していいか?」

アーチャー「なんだ?」

アイヴィー「何処の英霊なんだ?」

―――出身地だ。
3 : ◆MlN7LT33g2 :2015/02/20(金) 00:25:20.42 ID:5/AwgpwP0
 *


アーチャー「―――ってとこだ、私は男として描かれているが、実際はこの通りだ」

アーチャーは本来男として受け継がれているが、実際は女のようだ。

正直、俺は彼女の真名を聞いたことないし、原典も読んだことが無いので性別がどちらでも驚かない。

アイヴィー「伝承とか歴史ってのは分からないものだな」

アーチャー「女だと私が知られればそれだけで舐められるからな、美男子とでも偽って適当に伝承していけば舐められることもない」

アイヴィー「そういうもんなのか」

アーチャー「ああ、そういうもんだ」

女とは言え、少し男っぽい雰囲気があるので、それだけ男社会の中で生きてきたのだろう。

アーチャー「それと、お前に質問だが、この戦いに掛ける願いを教えてくれないか?」

アイヴィー「一でありがなら全となること」

アーチャー「?」

アイヴィー「要するに魔術師として成すべきことを成したいだけだ」

アーチャー「…まぁ、良しとしよう」

生前は魔術師ではないからだろうか?あまり興味示さなかった。

まぁ、実際に魔術師の目標なんてものは大体が根源だろうし、一々聞くものでもないだろう。

それにアーチャーと比べれば俺の願いなんて一家系の願いであり、アーチャーのように他者のための願いでもない。

彼女の願いを聞いてから、自分の願いを言うのはなんというか恥ずかしくとも思える。
4 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 00:27:16.73 ID:5/AwgpwP0

アーチャー「さて、互いに名乗るものも名乗った、後は今後の方針について固めていこう」

アイヴィー「そうだな、アーチャーはどうみる」

素人の意見を参考にするよりもスキル「軍略:B」を持つ彼女に任せたほうが得策だろう。

こういう事前の準備の段階から戦は始まると言うし、彼女に任せておけば滑り出しは大丈夫だろう。

いや、そもそも彼女を召喚した時点で戦争は始まっているか。

アーチャー「私としては各地に拠点を作る、私たちの重要拠点はここで良いが町や村、それ以外にも森があるならそこにも作ろう。ここが破壊されたときの緊急の拠点も作ろう」

アイヴィー「複数拠点でいつでも休憩の取れるようにする訳か」

アーチャー「そういうことだ、後は爆弾や武器などはあるか?」

アイヴィー「いくつかあるが、材料はあるから追加で作ることが出来る」

アーチャー「よし、なら後は拠点探しをしながら現地を見に行くだけだ」

5 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 00:29:03.03 ID:5/AwgpwP0

*




アイヴィー「ふう、やっぱり人が多い上に迷う」

迷宮のように広い駅から抜け出した彼は空を仰ぐ。空は青く、雲一つなく快晴だ。

こんなにも気持ちのいい空なのに、周りから向けられる視線はやはり慣れない。

それもそうかもしれない、外国人は多く居る街ではあるが、自分の様な姿の外国人は早々周りには居ないだろう。

金色の腰まで届く長い髪、身長は3メートル近い高身長と一見女性にも見えるような顔は本国でも美形の部類に入る顔が居れば物珍しくて誰だって見てしまうだろう。

さて、今のうちに自分の説明をしておくと、名前はアイヴィー、時計塔において最高位の「王冠」を得た若き天才とか言われている。

アイヴィー「そんなに珍しいか……いや、さすがにこの高身長は不味いか」

魔術を使うときにはこの高身長のほうが都合が良いので、身長をワザと伸ばした状態にしているが、やはり目立ちすぎているか。

アイヴィー「ま、身長のことは今は考えずに……まずは拠点作りだな、アーチャー」

アーチャー「独り言が多いな、お前は」

アイヴィー「独り言が趣味だと言うことにしておいてくれ」

アーチャー「……しかし、知識はあるが物珍しい物ばかりだ」

霊体化しているアーチャーの姿こそ見えぬが、声は弾んでいるのが分かる。

サーヴァントは召還されるときに聖杯にその時代の知識を渡されて召喚されるらしい。

知識だけはあるアーチャーでも、やはり建物や服、食事や乗り物などは知っていても実際に見るのとでは違うものらしい。

アーチャー「しかし、この街で戦うとなれば撃ちやすい場所が多い……が、同時に障害物も多いな」

アイヴィー「とりあえず拠点はビル屋上にでもするか?射撃するなら上のほうが良いだろうし」
6 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 00:32:02.47 ID:5/AwgpwP0
アーチャー「そうだな……お前の名前は魔術師の中ではどの程度有名だ?」

アイヴィー「自分で言うのもなんだが、相当有名だな」

時計塔の中では少なくとも名前を知らない奴はいないはずだ、何せ王冠の称号持ってくるくらいだし、『対の全一』と言う肩書きも知らぬ間に出来ていたこともあるし。

アーチャー「それなら、その知名度を利用して……あの建物に作ろうか」

アーチャーの指した建物は駅の上にあるホテルだった。

あそこのホテルの位置なら確かに狙撃位置としていい筈だが……

アイヴィー「どうしてあそこを?」

アーチャー「下は人目がつきやすいからな、常識あるマスターなら派手に狙うこともだろう…
それにお前が有名なら、人目のつきやすいあそこに拠点を構えていると思って警戒してくれれば本来の拠点に意識は向かないだろう……それに突入してくれれば好都合だ」

下は駅なので、確かに人の出入りが多い上に街の中心に近いので騒ぎがあればすぐに誰か来るだろう。

人払いの結界を使えば自分かアーチャーのどちらかが察知するはずだ。

アーチャー「しばらくは、重要拠点には行かずに、あの建物に出入りし、他のマスターを誘い…」

アイヴィー「罠を仕掛け、進入してきた者達を嵌める?」

アーチャー「そうだ、拠点はあくまで休憩するだけの場所ではなく罠としても機能させる、あそこはいつでも捨てられるようにしておくんだ…他にも拠点になりそうなところは同じように潰して置こう」

成程、その為の複数の拠点か。

拠点からの狙撃も可能に出来る位置に作り、罠を仕掛け、尚且つそれを複数作って、予め敵の拠点になりそうな場所を潰していく。

流石は英霊だ、そうと決まれば、さっさと拠点を作ってしまおう。

7 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 00:33:56.86 ID:5/AwgpwP0

 *

夕方


「ふむ、これが令呪か」

左手の赤い痣を見てニコニコと笑いながら触れる。

お目当ての代物を手に入れたときの彼はいつもそうだ。

自分の欲しい物を手に入れ、その実感を確かめるために触れる。

勿論、罠などを仕込まれないために最善を尽くす。

貴重で触れてはならない物でも所有者になってしまえばその限りではないと言うのが彼の考え方。

欲しい物は手に入れる、手に入れたものは自分だけが触れていい権利を持つ。

「そう言うわけよ」

クラウス「な、何がそういうことだ……盗賊王」

両腕、両足を魔術で床に縫い付けられて這いつくばっている魔術師……クラウスは困惑しながらも脱出しようともがく。

自分ほどの魔術師が負けるとは思っていなかったのか、未だに納得いかないと言った表情で盗賊王を睨み付ける。

盗賊王「ははは!そう!!俺は欲しい物は何でも手に入れる盗賊王さ!!!」

盗賊王、確かに現代において俺は盗めないものはない物は無いと言われる程の魔術師として生きている。

各地の財宝やら金やら様々な欲しいものは手に入れてきた。

盗賊王「だが俺にも手に入れられないものがある、何だと思う?」

クラウス「手に入らないもの……?」

盗賊王「それはね、魂だよ」

クラウス「魂……?」

クラウスを捕らえた時に流れ出た血で魔方陣を書きながら会話を続ける。
8 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 00:40:48.56 ID:5/AwgpwP0
盗賊王「そう、命を奪うのと壊すのは違う」

スラスラと魔法陣を書きながら盗賊王は語る。

血が足りなくなれば持っている短剣でクラウスの体を斬り、血を補充しながら。

盗賊王「魂は物を記録する為に存在し、肉体は魂を繋ぎ止める器でしかない」

クラウス「それがどうした、そんなことは知っている」

盗賊王「命を絶てば魂も同時に消滅する…人を殺すことを『命を奪う』なんて表現があるが、それは奪っているのではなく壊しているのだ」

魔法陣を書き終えた盗賊王は、次の準備としてクラウスの右腕を切り離して令呪を自分の右腕に移植する。

移植も一瞬で作業を終えていく彼が次にやることは決まっていた。

右腕を斬られた痛みで叫ばずにはいられないはずだが、クラウスの口からは声が出ない。

盗賊王「悪いが声は奪ったぞ、叫ばれるとうるさいからな……んで、話を続けるが、俺は壊すのではなく奪いたい……他者の魂を所有したいんだよ!」

クラウスはその時点で奴のしようとしていることを理解した、魂を所有……物として所有する方法なんて一つしかない。

盗賊王「今まで誰にも手に入れることの出来ない、常に身近に合った至高の物……魂の所有なんて最高に神秘的だろ?そうは思わないか?」

魔方陣が光りだし、召喚が始まる。

盗賊王「さて、俺の最高のサーヴァントを召喚しようじゃないか……手始めにお前には生贄になってもらうぞ」
9 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 00:41:50.15 ID:5/AwgpwP0
 *




「……」

目の前にある死体を見て思う。

コレは暗殺の依頼をしてきた中年男性だ。

何故僕がコレを殺したのかは分からない。

女性「ひっ……」

死ぬはずだった女性は部屋の隅でうずくまって怯えている。

それもそうだ、先程まで依頼者と女性は婚姻関係だった。

依頼者が女性の首を絞めて、僕は護衛を殺す役割を持っていた。

結果的には護衛は致命傷で抑えて、依頼者を殺し、女性を助けた。

何故そんなことをしたのかが分からない、思い当たるとすれば女性のお腹には新しい命があると言う点だ。

生まれてくる子には罪は無い、生まれる前に死ぬ理由なんていうのも無いんだ。

そんな僕の価値観を優先した結果、僕はこれから先を生きるのに最悪の選択をしたと思う。

依頼者を殺す、何てことをすれば組織の面子が丸つぶれだ。

こんなことをすれば僕は絶対に殺されてしまう。

「それも悪くないけど……」

生きたい、ここから生き方を変えたいと心から思う。

殺すだけの生き方しかなかった自分に別の道を見つけられるなら……

「ねぇ」

女性「な、何!?」

「あのさ、さっきおじさんが言ったとおりお姉さんを殺すつもりだったけど止めた」

女性「え……?」

「ここから生きるのにお金欲しいから金目のものもらえない?」

とりあえず生きるのにはお金が必要だ。

これでは殺人ではなく強盗だが、許可を取っている分マシだろう。
10 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 00:42:45.58 ID:5/AwgpwP0
女性「そ、そこらへんにあるネックレス持っていって……」

「うん、そうさせてもらうよ」

棚にあるネックレスを適当に掴んで適当にポケットに詰め込んでいく。

と、何故か棚の上に丁寧に飾られている一つのナイフが置いてあるのが目に入った。

かなり古いものなのは分かるが、珍しいものなのだろうか。

何故これが目に入ったのかは分からないが……

「貰っていい?」

そう聞くと女性は無言でうなずく。

こんな古臭いものを何故欲しいと思ったかは分からないが、どうせ身を守るためだとか適当な理由を自分で決めてありがたく貰っておく。

「じゃあ、貰ってくね」

女性「ま、待って!なんで私を助けようと思ったの?」

少し驚いた、殺そうとした理由ではなく助けた理由を聞かれるとは。

「お姉さんお腹にいるんでしょ?」

女性「え、ええ……」

「僕はあなたを殺す手伝いをしろと言われただけで、その子を殺せとは言われてないので」

女性「……」

「あなたはその子に生かされたんですよ……それだけです、色々お騒がせしてすみませんね」

女性「あ、あの……」

「まだ何か?」

女性「いえ、ありがとうございました……」

「言葉の意味が理解できません、ではもう会うことも無いでしょう…お子さんが無事生まれるように祈っています」

そう言い残して窓から飛び降りる。

30階建ての建物からの飛び降りなので、流石に用意していたパラグライダーを使って空を飛ぶ。

それと同時にパラグライダーに描いておいた魔術を起動させる。

この行為は相当目立っているだろうが、魔術で姿は他の人には見えていないので、窓から飛び去った時点であの女性も僕が何処にいるのか分からないだろう。

しかし、あの女性は何故最後にお礼の言葉を言ったのだろうか。

殺さなかったから?依頼者を殺したから?

あの女性も身分の高い人だ、色々な物を見ているのだろう。

色々な物を見てきた人の思考は僕程度では理解できない。
11 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 00:43:24.82 ID:5/AwgpwP0
「それはそうと、これからどうしようか……」

組織から逃げるにしても限界が来る、とりあえず何処かで落ち着ける場所に―――

「痛っ」

右手に何か痛みを感じた、見れば痣の様なものが出来ていた。

さっきまでは無かったのに、この痣はいつ出来たものなのだろうか。

「違う、これは…」

この痣は魔術的なものを感じる、何かの呪いに掛けられたのだろうか。

いや、これは呪いではない……では何だろうか?おそらくは、何かに使う消耗品だと感じたが……

「とりあえず試しに魔力を通してみよう」

と、微量の魔力を通してみた結果……思わぬところに反応があった。

「なっ!?」

上のパラグライダーにある魔方陣に反応があった。

魔術の起動のために書いておいたものだが、痣に魔力を通して何故魔方陣に反応があるのかが理解不可能だった。

何とか止めようとするが、まだ上空なので下手をすれば落ちて死ぬ。

そうこうしている内に魔方陣から何かが現れた。

「問おう、そなたが余の―――ってなんだのだこれわあああぁぁぁぁぁぁ……」

魔方陣から何か赤い服装の女性が現れたと思いきや下へと落ちていった、一体何なんだ。

もしかして、今何かを召喚してしまったのだろうか。

「なんなのだこれは!!」

と、赤い服装の女性が空を翔る馬車に乗って現れた。

「あの召喚の仕方はなんだと聞いているんだ!!」

「いや、その……どちらさまで」

ライダー「私はライダーのクラスのサーヴァントだ!!余の奏者(マスター)はそなたか!?」

「ライ、ダー?」

ライダー「そうだ!余がローマ帝国五代目皇帝のネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクスであるぞ!!」

……何を言っているのだろうか。

自分でも今現状が理解できないでいる。

「あの、現状が僕には理解できません、あなたがどの様な存在なのか、何故召喚されたのかとか」

ライダー「……もしかして奏者は何も知らずに余を召喚したのか?」

「多分そうみたいですね」

ライダー「もう呆れて何も言えん……とりあえず奏者もこの馬車に乗る事を許す」

「あ、ありがとうございます」

ライダー「待て、そなたの名を聞いておらぬ、軽く自己紹介してくれぬか?」

自己紹介、とりあえず簡単に自分のことを話せばいいのか。

ルト「僕ですか?僕はルトといいます……普段は暗殺とか傭兵として戦場に行ったりしてます」
12 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 00:46:19.26 ID:5/AwgpwP0
 *

深夜


「今日の0時になった瞬間に私はサーヴァントを召喚する……」

ミーシャは一人、自分の工房に篭って召喚の準備をしていた。

今回の聖杯戦争は突発的すぎる故に、監督役や協会からの監視がほとんど無い。

令呪を授かったのはミーシャ、次にロンドンの時計塔で「王冠」の称号を持つ『対の全一』の肩書きを持つアイヴィーとクラウス。

そして聖堂協会からワルターという元代行者の参戦が確定したらしい。

もっとも、元代行者と言うよりは元聖職者の彼は聖堂協会から依頼される形で参戦したのだろう。

おそらく……と言うより確実に原因の調査と聖杯の回収だろう。

ミーシャ「はぁ、万全の状態で召喚するとは言え、王冠クラスが二人となるとなぁ」

私は俗に言う落ちこぼれだ……家は裕福で、生活には何も困らなし、勉強も出来れば、運動神経も良い。

では何故落ちこぼれなのか?答えは簡単、私が魔術師の中で落ちこぼれなのだ。

私の本家はロシアにあり、私は日本に留学と言う形でこの日本に来ていた。

本来の目的は衰退の道を止めるための方法を見つけようとすることだった。

私は長女として魔術師の道に進まなければいけないが、代を重ねるごとに魔術回路は少なくってきており、衰退の道を辿っていた。

本家としては私の代で衰退の道を何としても止めたい。

なので、才能のある人間を引き入れるなり、日本の土地が合っていれば日本に住まうのも考えている。

自分自身は日本の土地が合っているので、このまま日本で住まうのも悪くないと考えていた。
13 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 00:48:08.98 ID:5/AwgpwP0
そんな時に令呪を授かった。

日本に来る際にあらゆる方法を調べつくしていて、聖杯戦争が行われた際には参加しようと考えていた。

だが、第五次が終わってしまっていた今になっては意味が無いだろうと思っていたが……調べておいて損は無かった。

ミーシャ「と言っても、急なことだったし聖遺物も無いけど……」

聖遺物が無くても、聖杯によって相性の良いサーヴァントが選択されるらしいので、それを信じて召喚してみよう。

そうして、もうすぐ0時になる。召喚の呪文もちゃんと覚えている、後30秒で召喚を始める。

その30秒がやけに長く感じるのはおそらく緊張しているからだろう。

ミーシャ「――――――告げる、 汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

ミーシャ「誓いを此処に、我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」

『されど汝は混沌なる目で我を見よ。我は光、道を照らす者。汝、道を作るもの。』

ミーシャ「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

召喚には成功した。自分でも確かな手ごたえは感じていた。

しかし、これは何だろうか。

今自分で唱えてもいない詠唱が挟まれた気がした。

だが、召還に成功したのなら―――

ミーシャ「な、何これ……」

その姿は獣だった、四速歩行のソレとても英雄とは呼べるものではなく、こんなものが聖杯戦争で呼び出されるのかと思うと恐ろしくなった。

だが、このサーヴァントは間違いなく『最強』だ。

これを使っていれば負けることは無い、そう言えるほどの強さをソレは持っていた。
14 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 00:48:35.27 ID:5/AwgpwP0
 *



聖杯戦争の始まる一日前

ルールは誰も決めていない、だが参加者の誰もがこの日に召喚するのだと理解していた。

それはきっと『聖杯の意思』なのだろう。

突如行われる聖杯戦争、交差する願い、

誰もが自分の願いをかなえるために命を掛ける。

聖杯戦争を引き起こした者、黒幕も分からないまま参加者達は願いを胸に聖杯戦争に飛び込む。

現在召喚されているサーヴァントはセイバーのクラスを除いた6騎。

日が変わり、遂に聖杯戦争が始まる―――……



「あちゃー……もう夕方だよ、学校も結局寝過ごしちゃったし……とりあえずご飯食べようかな」


そうして、最後のマスターが目を覚ます。



 *
15 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 00:54:42.75 ID:5/AwgpwP0

プロローグ 登場人物


『アイヴィー』

アーチャーのマスター。
時計塔で王冠の称号を持ち、先代の生み出した魔術を完成させた天才。
まだ二十代前半と若いが、これから更に伸びることが期待されている。
歴史の深い
家系で、表での社会的地位も手に入れている。


『ルト』

ライダーのマスター
中東圏の魔術師。
少年兵として戦争にも参加している経験もあり、現在は要人暗殺専門として働いている。
魔術師としてのレベルはそこそこ優秀。


『ミーシャ』

?のマスター。
落ちこぼれの魔術師で、代を重ねるごとに家は衰退して行っている。
衰退の道を止めるために、聖杯戦争に参加する。


『盗賊王』

キャスターのマスター
あらゆる物を盗んできた生きる伝説とも言える大怪盗。


『クラウス』

アイヴィーと同じく時計塔で王冠の称号を持つ。
盗賊王によって殺される。
16 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 01:01:11.77 ID:5/AwgpwP0
【CLASS】アーチャー
【マスター】 アイヴィー
【真名】?
【性別】女性
【属性】中立・善
【ステータス】筋力B 耐久B 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具B
【クラス別スキル】
対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

単独行動:C
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。

【固有スキル】

軍略:B
 一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。
 自らの対軍宝具の行使や、
 逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。


【CLASS】ライダー
【マスター】ルト
【真名】ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス
【性別】女性
【属性】混沌・善
【ステータス】筋力D 耐久D 敏捷A 魔力C 幸運C 宝具A
【クラス別スキル】
対魔力:D
 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
 魔力避けのアミュレット程度のもの。
 彼女自身対魔力が皆無なため、通常のライダーとしては劣っている。
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/20(金) 01:03:47.58 ID:wDdpq9SS0
赤王様幸運が下がってるな、やっぱり白野じゃないと幸運Aにはならんか
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/20(金) 01:05:12.97 ID:VDLT78x40
盗賊王というとバクラしか思い浮かばんわ
19 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 01:05:34.67 ID:5/AwgpwP0

>>1です。

このスレは型月作品の設定などを借りたSSです。

ですが、かなり設定がガバガバなところもありますので、ご了承ください。

三日に一回くらいは投稿出来るようにします。

キャラクターはほとんどをオリジナルになっています。

思い出したときに、暇つぶしに読んでいただく程度に見てください。
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/20(金) 01:07:39.06 ID:wDdpq9SS0
乙、三日に一度ですね次回を楽しみに待っています
21 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 01:07:47.56 ID:5/AwgpwP0
>>17
マスター自身の幸運のせいもあってランクが一つ下がっています


>>18
そう言えばあの人も盗賊でしたね……
22 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/20(金) 01:08:36.11 ID:5/AwgpwP0
>>20
ありがとうございます、最低三日に一回と言う形で投稿させてもらいます
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/20(金) 08:38:48.04 ID:6imcz7KYO
空飛ぶジェット戦車を持つ赤ちゃま
24 : ◆Y4CFvbSPYQ :2015/02/20(金) 22:51:45.77 ID:QXlLPWRxO
>>23
今回はライダーのクラス召喚なので、戦車を持ってる赤王様


今日も日が変わる前に投稿出来ればいいとおといますが、多分日が変わった後に少量投下していきます
25 : ◆MlN7LT33g2 :2015/02/20(金) 22:53:30.57 ID:QXlLPWRxO
すみません、トリップの文字間違えてました
上のレスは>>1です
26 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 00:17:02.98 ID:9aOmzeCN0


第一章 願いと騎士


聖杯戦争 一日目 朝


アイヴィー「おはよう」

アーチャー「ああ、おはよう……昨晩はお楽しみだったな」

ニヤニヤしながらそんな事を言ってくる。

アイヴィー「ああ……本当に罠や爆弾作りは楽しかったよ」

昨晩、ホテルの最上階を借りてホテルの最上階で爆弾や罠などを作り、敵が拠点を作りそうな部分に配置してきた。

相当な数を仕掛けてきたので、帰ってきてから疲れて寝てしまった。

時計の針は10時を指していた、五時間も寝れたし十分か。

アーチャー「まだ休んでいると良い、昨日は案外多く仕掛けられたからな」

しかし「昨晩はお楽しみ」なんて言い方されると一線を越えたようにも聞こえるが……

アイヴィー「悪くないな、うん」

アーチャー「休める時に休んだほうが良いからな」

アイヴィー「え?……ああ、そうだな」

いかん、声に出ていた。

まぁ、割とアジア系の顔は嫌いでもないし、美形だから俺と並べば似合うだろう。

アイヴィー「まぁ、ともかく……腹減ったな、適当に食べに行くか」

アーチャー「成程、なら私は近辺を見てこよう」

アイヴィー「いや、どうせならアーチャーも食べないか?」

と、ここで驚いた顔をするアーチャー。

そんな珍しいことを言っただろうか。

アーチャー「私を実体化させてると魔力の消費を抑えられるぞ?それに新しく情報を手に入れれば……」

アイヴィー「いいよ、情報なんて対峙して得れば良いし、何より食事は人が多いほうが良い、鋭気を養うってことでアーチャーも一緒に食べよう」

一瞬

アーチャー「……ふふ、ならその言葉に甘えさせてもらおう」

アイヴィー「現代の食事は初めてだろ?色々食える場所あるしそこへ行こう」
27 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 00:31:27.52 ID:9aOmzeCN0
 *



ランサー「ワルターさん、お茶が入りました」

ワルター「すまないな、ランサー」

教会で武器の手入れをしていると、ランサーが紅茶をいれてくれた。

一口飲んで息を吐く。

ワルター「落ち着くな、もっと感情豊かに表現できたら良いのだが」

ランサー「欲を無くされたのでしょう?なら仕方ないですよ」

ワルター「そうだな、欲を失ってからは感情も表現することも無くなってきたからな……」

ランサー「取り戻すために私を呼び出したのでしょう?」

ワルター「そうだな」

微笑んだ時の表情を思い出しながら微笑んでみたが、どうにも上手くいかなかった。

ランサーの微笑んだ顔を真似して見れば微笑みになるだろうか。

ランサー「ところで、ワルターさんは戦うときどうします?」
28 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 00:42:00.84 ID:9aOmzeCN0
ワルター「標準的なサーヴァントなら私一人でも何とかするつもりだが」

ランサー「無茶言わないでください」

怒られてしまった、それもそうか。

生身の人間がサーヴァント相手に叶うはずもないのだから。

ワルター「君がサーヴァントを抑えてくれれば、『アレ』と一緒にマスターを倒す、それでいいだろう」

ランサー「大丈夫ですか?」

ワルター「参加者の仲では誰よりも戦闘に長けているつもりだ」

ランサー「そうですか……無理はしないように」

しかし、彼女は感情豊かで見ていて面白い。

私も呪いを受ける前はもっと感情豊かだったと思うが、彼女のように笑うことも出来ていたはずだが……

ランサー「ワルターさん?私の顔に何かついています?」

ワルター「ん?いや、見ていて本当に美しいなと」

ランサー「おだてても出るのは紅茶くらいですよ?」

ワルター「なら、貰おうかな」

空のカップに紅茶を淹れてもらい、武器を眺める。

支給された黒鍵の数は足りているが、他の武器が足りていない。

ワルター(もっと近接戦用の武器を揃えねばな)
29 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 00:46:59.98 ID:9aOmzeCN0
*

夕方


「うーん……」

どうしよう、気がついたら夕方だ。

学校に行こうかと思ったら、夕方に起きてしまった。

「うーん、この時間から起きてしまったら授業も終わってるし……はぁ」

最近弛んでいるとは思っていたが、あまりにも寝すぎてしまった。

少し寝すぎたせいなのか、あまり昨晩のことも思い出せない。

「仕方ない……仕方ない!」

布団から出てパジャマから私服に着替え、長い髪を結んでポニーテールにする。

とりあえず起きれなかったものは仕方ない、お腹がすいたのでご飯を食べよう。

階段を下りて台所で冷蔵庫を漁る。

「な、何もない……」

ビールや調味料など食べれるものが何も無い……仕方が無い、外に買いに出るしかない。

とりあえず、机の上にあった財布の中身を見ると、三千円しか入っていなかった。

そう言えば仕送りはまだ送られてこないんだっけ……。

「ふふ、私の財布の中で夏目さんが三人輝いて見えるぜ」

仕方ない、安く済ませるために自炊してみるとしよう。

とりあえず近所のスーパーで食材を買ってこなければ。
30 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 01:03:59.79 ID:9aOmzeCN0
*

同時刻

アイヴィー「やはり日本のグルメも悪くないな」

アーチャー「ああ!現代の飯は上手いものばかりだ!」

昼はバイキングでずっと飯を食べ、その流れで散歩した後に色々食べ歩いた。

アイヴィー「大抵の物は食べたな、満足か?」

アーチャー「ああ、私の時代には無かったものばかりだ」

アイヴィー「そりゃ良かった、満足してもらえて何よりだ」

アーチャー「さて、少し腹を休めたら次は……」

アイヴィー「……晩飯とか言うなよ?」

流石に晩飯分も食べたつもりなので、今日はもう食事を取るつもりはない。

アーチャー「それも良いが、各陣営が動き始めるだろう?」

アイヴィー「それもそうか、そろそろ日も落ちるからどっか動き始めても―――」

瞬間、肌を貫くような強烈な魔力を感じると同時に互いに得物を手に取る。

少なくともこの近辺ではないはずだが、あまりにも強烈なものだったので自然と周囲を警戒してしまう。

アーチャー「今のは?」

アイヴィー「俺達に向けたものではないが……尋常じゃないな」

アーチャー「発生源を特定しに行くか?」

アイヴィー「サーヴァントの戦闘なら横から入って掻き乱すか」

アーチャー「初の戦闘か、燃えるな」

アイヴィー「ああ、アーチャーの腕前を見せてもらおうか」
31 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 01:20:08.32 ID:9aOmzeCN0
 *





「わ、私のアホー!」

財布で微笑んでいた夏目さんはいつの間にか一枚になっていた。

三枚あるし一枚くらいなら自由に使っても大丈夫かな?って思ってたらいつの間にか二枚も消えていた。

目の前においしそうなたい焼きと焼き鳥が並んでたのがいけないのだ。

流石は商店街、腹の減った少女に物を買わせるのが上手い。

「うーん……買ってしまった物は仕方ない、そこの公園で食べようかな」

割と広い公園で、明るい時間なら散歩している人がいるが、日の落ちた今では人の姿一つない。

気味が悪く感じるが、気にせず食事をすることにした。

近くの自動販売機でコーラを買って、公園のベンチで食べるたい焼きと焼き鳥を食べる。

その姿はまさしくオッサンにしか見えない気もするが、女子高生が学校サボってオッサンみたいに晩飯を食べていると言う事実は、考えていて悲しくなる。

「そう言えば今日って何日なんだろ」

公園の時計には『8月09日 19時30分』と表示されいた。

「8月…………あれ?」

よくよく考えてみれば今って夏休みじゃん。

何でそんなことにも気がつかなかったのだ私は……

「あっはっは、だったら今日はいつ寝て、いつ起きても良いじゃん!」

どうして夏休みだってことを忘れていたのか、と言うことも忘れてポジティブに考える。

人間常に前向きに考えるのが一番だ。
32 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 01:34:55.81 ID:9aOmzeCN0

と、突然冷たい風が吹く。夏とはいえ、やはり夜は冷える。

「そろそろ食べ終わるし家にもど――――――」

ろうと思った。

何故か目の前にオッサンが私のことを睨み付けていた。

年齢は中年だろうか、すっごい怖い表情で私のことを睨み付けていた。

別に食べ終わった後のゴミは持ち帰るつもりだし散らかしていくつもりも無い。

それともこの公園では食事をしていけないのだろうか……

「……」

いや、そんな常識はオッサンも持ち合わせていないだろう。

何故目の前のオッサンが常識を持ち合わせていないのか。

その答えは、そもそもオッサンの存在自体が常識ではありえないからだ。

いい加減常識に目を向けたいところだが、出来れば見ないままこの場を立ち去りたい。

百歩譲って目の前のオッサンが私を睨みつけるのは許そう。

だが――――――
33 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 01:35:58.86 ID:9aOmzeCN0


――――何故オッサンの体はライオンのような身体なのだろうか。


これではまるで人面犬、いや人面ライオン?

「やだなぁ、ゴミは持ち帰るってー!」

現実を逃避して笑いながら袋にごみを詰めて少しずつオッサンライオンから距離を離す。

出来れば現実のものであって欲しくないと願いながら、出来ればこれは夢なのだと思いながら。

実は私が知らぬ間に良からぬ物をキメていて、これは私が見ている幻覚なのだと思いながら。

「あは、はははははははは……」

私が距離を離そうとすると、中年ライオンは一歩。

私が一歩後ろに下がると、オッサン犬もまた一歩。

「……」

嫌な夢だ。

嫌な夢だからさっさと覚めてもらいたい。

だからここは―――

「全力で逃げる!!」
34 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 01:46:46.99 ID:9aOmzeCN0
「■■■■■■ーーーーー!!!!!!!!!」

オッサンは咆哮をあげ、当然のように追ってくる。

最悪だ、最悪だ最悪だ!

こんなことが現実だとは思いたくない!

「たすけてぇぇぇええええええええ!!」

心のそこから助けを求める。

叫びながら私は後ろを見る。

後ろを見た私の視界に入ったのは、獅子の爪が振り下ろされる瞬間だった。

あ、死んだ――――。

アイヴィー「大丈夫か?」

「…え?」

爪を振り下ろされて死んだと思っていたが、視界には獅子の爪ではなく長身で金髪の外国人がいた。
35 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 02:13:45.50 ID:9aOmzeCN0
 *


横から全力のとび蹴りを食らわせて獣を大きく吹き飛ばした。

アイヴィー「ちっ、流石に死なないか、アーチャー追撃だ」

後方から矢が的確に使い魔に突き刺さる。

が、獣から発せられた炎によって矢は当たる前に宙で燃える。

アイヴィー「幻獣……いや神獣クラスか」

アーチャー「ありゃ、単体でもヤバイぞ?」

アイヴィー「本気出せば倒せるが……嬢さん」

「は、はいい!」

アイヴィー「この状況から逃げ出したい気持ちも分かるが、何故だか知らんがアレは嬢さん狙ってるみたいだ」

獣は体制を取り直してこちらに向かってくる。

アイヴィー「死にたくなかったじっとしてな」

言い残すことは言い残した。

本来なら無視しても良いのだが、何も知らずに殺されていくのは何とも忍びない。

せめて助けた後に記憶を消して元の日常に戻してやりたい……ところだが、その余裕もありそうにない。

獣は物凄い速さで迫ってきて爪を振り下ろす。

それを軽く避けて腹に一撃叩き込むが全く効かない。

アイヴィー「速い上に固いのかコイツ!」
36 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 02:28:06.04 ID:9aOmzeCN0
獣は即座にカウンターを入れてこようとするが、獣の両目に矢が突き刺さる。

アーチャーの的確な援護によりカウンターは入ることが無かったが……

アイヴィー「アイツに物理的な方法で勝負挑むならもう一人欲しいな」

アーチャー「勝算は?」

アイヴィー「とりあえずこっちも力で対抗するしかないだろ、仕方ないけど一つ晒そう」

と、即座に自分の切り札を使おうとしたが、獣は目に矢が突き刺さった状態で走り出す。

明らかに不利な状態、普通なら回復まで待つのが鉄則だろうが―――

アイヴィー「狙いはあの嬢さんか!?」

元々、何故だかは知らないがあの獣の狙いは嬢さんだった。

だからこそ獣は俺達を無視してアレ一直線で突っ込んで踏み潰せば目的は達成したも同然だ。

アイヴィー(一気に俺が魔術使ったとしてもあの速度とパワーじゃ間に合わねぇ……!!)

アーチャーは即座に弓矢を飛ばすが、獣は炎を纏い矢を通さない。

絶望的な状況、助けてやろうとは思ったが、その考えは甘かった。

アイヴィー「……すまない」
37 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 02:31:07.89 ID:9aOmzeCN0
  *


目の前には火と風を纏う四足の獣、それに対峙するかのように弓を構える女性とそれに並ぶ長身の男性。

今何が起こっているのか自分では全く理解できない、まるでゲームの中の出来事だ。

あの獣に殺されそうになってからさっきから全身が熱い、燃え盛るように熱い。

そして、今も目の前に炎を纏う獣が迫ってきている。

殺されそうになっている、今にも逃げ出したいのに、この状況をずっと待っていたかのように思える自分が居る。

何故そう思うのかは自分でも分からない、ただこの獣を見てから自分も『身を守る手段』を持たなきゃいけない思った。

そして、その身を守る手段を手に入れる瞬間は今だと誰かが叫んでいる気がする。

ああ、何故そう思うのかは自分でも理解できないが叫ぶ。

「戦うための剣……私のために来て!!」

全身が内側から燃えたかのように熱くなり、私を取り囲むように風が渦巻く。

目の前は風で覆われてて見えないが数秒で風は止み、そして目の前には、先ほどまで居なかった人間が居た。

黄金の剣を持ち、金髪の鎧を纏う男性、まるで騎士のような姿のそれは私を見て言う。

「問おう、貴女が―――私のマスターか?」

―――ああ、願いは叶ったのだ。
38 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 02:33:36.71 ID:9aOmzeCN0

登場人物 更新


『ワルター』

ランサーのマスター。
元代行者で、戦闘能力は並みの代行者では歯が立たない程。
呪いにより、欲を失う。


『?』

セイバーのマスター。
一般人、普通の女子高校生で、魔術師とは全く関わりのない。
39 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 02:36:06.66 ID:9aOmzeCN0
【CLASS】ランサー
【マスター】 ワルター
【真名】?
【性別】女性
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷C 魔力B 幸運C 宝具?


【CLASS】セイバー
【マスター】 ?
【真名】?
【性別】男性
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力A 耐久B 敏捷B 魔力B 幸運C 宝具?
40 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/21(土) 02:36:47.52 ID:9aOmzeCN0

すみません、今日の更新はちょっと書き足しながらなので雑な部分がかなり目立っています。

今日はこれで終わります
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/21(土) 13:19:17.02 ID:t2g1owkj0
乙 ランサーステ低いですね、平均値以下ですね宝具特化なのかな?
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/21(土) 14:17:43.87 ID:WC4fW0LpO


プロトなのかガウェインなのか
43 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/23(月) 23:53:57.32 ID:qvqX30w+0
>>41
こういうのは宝具特化って相場が決まってますからねー

>>42
それはこれからの話で……


と言うわけで、イベントあって更新できませんでしたが、今日は少し投下して以降と思います
44 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/23(月) 23:58:10.92 ID:qvqX30w+0
  *


「え?え?え?」

何度も「え?」を連発して状況を把握できない。

それもそうだ、自分の目の前に騎士のコスプレをしたイケメン外国人が現れればそうなる。

それも自分が襲われているときにだ。

(そうなる……なるよね?)

セイバー「サーヴァント、セイバー…召還に従い参上した」

「え?セイ、バー…?」

セイバーは一瞬で状況を理解し、剣を構える。

セイバー「状況は理解した、とにかく今は君を助けるために私はやってきた」

何も状況を理解していない陽菜のために、その場凌ぎの適当なことを言って落ち着かせようとする。

その結果か、恐怖に染まっていた顔は多少はよくなった。

アイヴィー「セイバー…彼女が最後のマスターか」

アーチャー「どうするんだ?」

弓を構えながら指示を仰ぐ。

アイヴィー(ここでセイバーと協力しておけば、適当にそこの少女丸め込んでセイバーという駒を仲間に出来るか)
45 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/24(火) 00:03:06.45 ID:Oe9hOJos0
アイヴィー「協力してアレを倒すしかないな、そっちはどうだ?」

アーチャー「だそうだ、異論は無い」

セイバー「それが懸命だ」

アイヴィー「なら、俺が彼女の護衛をする、アーチャーはセイバーのバックアップとして中衛で戦え、セイバーには前線で戦ってもらう」

セイバー「元よりそのつもりだ、バックアップがあるだけで助かる」

アイヴィー「あの獣は炎と風を操る、物理面では相当強い」

セイバー「遅れをとるつもりは無い、アーチャーには隙を作ってもらいたい」

アーチャー「あいよ、頼もしいね」

セイバーは剣を構えて獣と対峙する。

その剣は美しく、何人たりとも寄せ付けない神聖さと馴染みのある雰囲気のある魅せられる剣。

アーチャー「―――その剣」

弓を構える女性は何かに気がついたようだが、それを遮るように静かに後ろから風が吹き抜ける。

気がつけば目の前に居たセイバーは消えており、獣の懐に入っていた。

「――――――――?」

目の前の光景に、驚きの前に自分の視界がおかしくなったのかと思った。

セイバーが目の前で消え、現れを繰り返してる上に、現れるたびに火花と血が飛び交っている。

アイヴィー「速いな」

「えっ!?あ、そうですね!」
46 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/24(火) 00:11:08.56 ID:Oe9hOJos0
唐突に自分に話しかけるので驚いて過剰な反応をしてしまった。

速い、とはあの消えたり出たりしている現象のことを差しているのだろうか。

と、近くにいる長身の外人さんがこちらに話しかけてきた。

アイヴィー「一つ聞くけど、嬢さんって魔術師?」

「…は?」

マジュツシ、魔術師?

目の前の外国人は何を言っているのかさっぱり分からない。

アイヴィー「その様子だと違うみたいだね、だったら大丈夫……えっ」

外国人の方は信じられないと言った顔口をあけていた。

視線の先には戦いをしていたはずだが、気がつけば獣との戦いは終わっており獣は消えていた。

アーチャー「……セイバーのクラス、ここまでの強さだとは、戦いたくないものだ」

セイバー「貴女の弓も的確に狙ってくれたおかげで楽をさせてもらった」

アーチャー「楽なのはこっち方だったよ」

親しげに話しているが、私からしたら何が起こっているのかまるで分からない。

現状、このまま流されているだけだと分からないので、さっさと現状を理解しなければ。
47 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/24(火) 00:15:53.41 ID:Oe9hOJos0
アイヴィー「嘘だろ……神獣クラスだぞ」

「あ、あのー……」

アイヴィー「アイツは一体どんな英……ああ、ごめん何?」

「えっと……これ、何が起こってるんですか?」

アイヴィー「何って……聖杯戦争?」

(せいはいせんそうって何?)

「と言うか戦争?」

アイヴィー「そりゃ、何も知らないか」

セイバー「そうですね、良ければ説明してもらえないでしょうか」

アイヴィー「うん、そうするつもり……とりあえずここから離れるか……そうだな」

案内する、と言われて外国人の方についていくことにした。
48 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/24(火) 00:24:01.06 ID:Oe9hOJos0
 *



「お、おぉ……」

ホテルの最上階、スイートルームに案内された私。

色々と摩訶不思議なことがあったと言うものの、男性の方にホテルに案内されてホイホイついていくのは女性としてどうかと思う。

とりあえず、まずはこの騒動のことについて聞くことにした。

アイヴィー「さて、嬢さんの名前から聞いていいか?俺はアイヴィーって言うんだ」

陽菜「わ、私は陽菜です」

アイヴィー「ヒナ……陽菜、覚えた」

この外人さん、落ち着いた今だからこそ分かるが凄くイケメンだ。

それに加えて日本語も完璧で話しやすいので自然と緊張してくる上に場所はホテル―――。

アイヴィー「……大丈夫か?

陽菜「ヘ!?あ、はい」

アイヴィー「大丈夫なら良いが……さて、何処から話していこうか、とりあえず聞きたいことはある?」

陽菜「えーっと、じゃあ話す前に二人は何処に行ったんですか?」

アイヴィー「二人?…アーチャーとセイバーのことか」

陽菜「そうです、アーチャーさんとセイバーさん?」
49 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/24(火) 00:27:58.70 ID:Oe9hOJos0
アーチャー「私ならここに居るぞ」

陽菜「!?」

アイヴィーの後ろに突然現れたので驚いてしまった、と言うか今この人何も無いところから出てきた!?

セイバー「私も常に貴女の後ろに居ますよ」

今度は私の後ろに登場してきた。

突然のことなので本当に何がなんだか分からない、これは夢か何かなのだろうか。

アイヴィー「まぁ、今突然現れたのも意味分からないだろうから、そこも踏まえて説明していくよ」

陽菜「よ、よろしくお願いします」

アイヴィー「と言っても、説明とか面倒だしザックリとした話だけど…今君が巻き込まれた戦いは『聖杯戦争』と呼ばれる戦いだ」

陽菜「聖杯戦争…?」

アイヴィー「七人の魔術師が七騎クラスに分かれたサーヴァントを召喚して殺しあうバトルロワイヤル」

陽菜「あの、七人なのに戦争なんですか?」

アイヴィー「確かに自分もそう思う……でも、さっきのアレ見てもただの殺し合いに見える?」

地面を割って、風圧で壁を破壊して、炎で物を燃やしてくる化け物と対等に渡り合うアーチャーさんとセイバーさん。

殺し合いや戦争という言葉は現実味が無いが、さっきの戦いを見たか見てないかでだいぶ印象が変わってくる。
50 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/24(火) 00:38:11.68 ID:Oe9hOJos0
陽菜「じゃあ、魔術師って言うのは?」

アイヴィー「まぁ、想像通りだと思うよ?自分みたいに不思議な力を使う人たちって感じで」

なんという大雑把な説明。

陽菜「私は不思議な力が使えないのにこの戦争に巻き込まれたんですか?」

アイヴィー「たまに、こういうイレギュラーがある見たいなんだ……でもまあ魔術師の素質がないとそもそも参加できないから、素質はあるみたいだな」

陽菜「じゃあ、私も練習すれば―――」

アイヴィー「あるかも?」

おお、私も魔法を使うことが出来るんだ!!

陽菜「……現実味ない」

アイヴィー「一朝一夕で出来るものでもないけどな……さて、聖杯戦争には仕組みとしてサーヴァントって英霊を召喚するんだ」

陽菜「???????」

アイヴィー「ああ、だよなー……」

あちらも訳の分からないことを言っている自覚はあるのか苦笑いしている。

アイヴィー「そうだね……まずは、英霊って言うのは歴史上の偉人とか想像してもらえればいい」

陽菜「織田信長とか……?」

アイヴィー「そうそう、後は伝説や神話の人物……例えばアーサー王とかわかる?」

陽菜「エクスカリバー持ってる?」

アイヴィー「そう、そういう歴史や伝承に名を刻んでいる人たちのことを英霊って言うんだ」
51 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/24(火) 00:47:49.81 ID:Oe9hOJos0
陽菜「なるほど…じゃあサーヴァントって?」

アイヴィー「そうだな、例えるなら英霊は水でサーヴァントはそれを入れるためのカップだな」

陽菜「つまり体ってこと?」

アイヴィー「そうだな、そしてサーヴァントのは種類がある、それがクラス」

陽菜「成程……もしかして、それがセイバーやアーチャー?」

アイヴィー「そうだ、その他にランサー、ライダー、アサシン、キャスター、バーサーカーのクラスが存在している」

何か響きがカッコいいけど……

陽菜「あっ、もしかしてクラスって蘇らせた人の得意なクラスに当てはめるの?」

アイヴィー「そうだ、セイバーなら剣、アーチャーなら弓、ライダーなら戦車……そういった感じに」

陽菜「成程……じゃあ、セイバーさんやアーチャーさんのクラスじゃなくて本物の名前って何ですか?実はナポレオンとかアーサー王とか!」

アイヴィー「そうだな……突然だが織田信長はどうやって死んだ?」

陽菜「え?家臣の光秀に殺された?」

アイヴィー「そう、信長は家臣に殺された、つまり裏切りなどに弱いと考えられても仕方ないだろ?」

陽菜「ですね」

アイヴィー「名前を晒すってことは英霊の死んだ原因や弱点が露呈することになる」

陽菜「だからクラスで呼んでるんですね」
52 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/24(火) 00:58:47.01 ID:Oe9hOJos0
アイヴィー「そういうことだ、だから自分の英霊の名前を無闇に言ったりするもんじゃない」

陽菜「成程、大体理解できませんでしたがわかりました」

アイヴィー「それは分かったことになるのか?」

正直なんとなくは分かっているが、頭が理解はしてくれない。

問題の答えは分かるんだけど、答えに答えに行き着くまでの理由が分からないと言うか。

陽菜「上手い例えが出来ない……」

アイヴィー「ともかく、一通りは話したからこれからのことについて話そう」

アーチャー「いや、その前に一つ気になることがある」

話に参加してこなかったアーチャーさんがセイバーさんを指差す。

アイヴィー「セイバーの真名、なんとなく予想がつくんだが」

陽菜「え?」

アイヴィー「はぁぁぁああああああ!?」

何故か一番アイヴィーさんが驚いていた。

アーチャー「と言っても、見たことも聞いたことも無い、知識だけなんだけどな」

セイバー「まぁ、武人にはバレてしまうとは思っていましたが」

陽菜「有名なの?」

セイバー「ええ、剣の名前だけなら聞いたことあるはずですよ」

陽菜「剣の名前?」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/24(火) 01:14:05.55 ID:lpUuuml60
ところどころ誤字ったり話し手が違うけど面白い。期待
54 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/24(火) 01:26:34.24 ID:Oe9hOJos0


セイバー「剣の名はエクスカリバー、私はアーサーペンドラゴン、ブリテンの王です」


*


同時刻


剣が銃弾を弾く。

今まで代行者を相手にしてきたことは何度かあったが、これは規格外の化け物だ。

噂には聞いたことある程度の存在だったが、まさか本物に出くわすとは思っても居なかった。

手持ちのハンドガンに呪術により加速で少なくとも人間以上の存在でも弾が目視できない程に速いはずだが、それを弾き、避け、斬る。

あの代行者は間違いなく化け物だ。

ライダー「奏者よ!」

ライダーが戦車を走らせ、それに飛び乗る。

ルト「迂闊だった……でかい魔力の源を探ろうとしたらあんあ化け物に出会うとは」

ライフルでの狙撃を行うがいとも簡単に避けてくる。

それどころか何度も槍を的確に投げ続けてくる。

おかげで武器をいくつか駄目にされてしまった。

ライダー「だが、おかげで真名は分かったな?」

ルト「ええ、あの代行者のサーヴァントの真名は分かりました……が」

問題はあの代行者だ。

教会のことは詳しく分からないが、トップクラスの実力者にも並ぶほどの強さを持つとの噂されている、あの元代行者。

教会の知識こそ無いが、所属していた組織内では『相対すれば死ぬ』と言われていた。

強さで言えば、あの暗殺教団の末裔並みの実力者とか。

ルト「厄介ですね」

ライダー「そうだな、マスターもランサーも殺しにくい」

ルト「ですが、やるとすればランサーを倒したほうが楽そうですが……」

ランサーもあの宝具の攻略しなければならない。

ルト「少なくとも二人では無理ですね・・・・・・やるなら後一人、ですかね」
55 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/24(火) 01:27:06.08 ID:Oe9hOJos0
【CLASS】セイバー
【マスター】陽菜
【真名】アーサー・ペンドラゴン
【性別】男性
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力A 耐久B 敏捷B 魔力B 幸運C 宝具?
【クラス別スキル】
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル
事実上、現代の魔術師ではセイバーに傷をつけられない

騎乗:B
騎乗の才能。たいていの乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。

【固有スキル】


騎士道精神:A+
騎士王と謳われ、九偉人に選ばれたアーサー王の在り方そのもの
精神干渉を無効化し、自身に数の利が無い戦闘の場合相手からのペナルティーを一切無効化する。

56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/24(火) 01:31:23.85 ID:cT1qeJIg0
乙、まさかのアーサー王これはプロトのセイバーなのだろうか
57 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/24(火) 01:31:49.03 ID:Oe9hOJos0
今日はここで終わりです。

とりあえずセイバーの真名だけは最初のほうに出しておきたかったので出しました。

あと、後から気がついたけど盗賊王さんのサーヴァントキャスターって書いちゃってるジャン……アホか

とにかく、次回から少し物語の方を進めていきます

次回はライダー組とセイバー&アーチャー組とアサシン組の三本でお送りいたします……多分



>>53

ありがとうございます、色々キャラクターの設定コロコロ変えながら書いていたので、所々話し方違ったりしますが、そろそろ安定させますので……
誤字はもうどうしようもない()
58 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/24(火) 01:35:25.12 ID:Oe9hOJos0
>>56
まぁ、男アーサーなんて一人しかいませんものね
59 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/27(金) 00:34:04.45 ID:YlFq6d8n0
今日も少しだけ更新します
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/27(金) 00:37:38.52 ID:tvrFibao0
了解
61 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/27(金) 01:00:39.43 ID:YlFq6d8n0
ライダー「ならば、新たな策を探すか、同盟を結び仲間を得てもう一度倒すか」

ルト「どちらも難しいですね・・・・・・一度戻って作戦を練り直しましょう」

高速で空を翔る戦車で僕達の拠点に戻る。

飛行機には当然乗ったことがあるが、こうやって風を浴びて、空から下を眺めるのは初めてだ。

ライダー「どうだ?奏者よ」

ルト「どうって?」

ライダー「乗り心地を聞いておるのだ」

ルト「……うん、凄くいい」

ライダー「……奏者よ、もっと子供らしく喜んでいいのだぞ?」

ルト「僕はリアクションを取るのが苦手なので、それに子供らしくというのが良く分かりません」

ライダー「まぁ良い、この戦車の素晴らしさが分かれば今はそれで良い」
62 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/27(金) 01:10:04.97 ID:YlFq6d8n0
ライダーは満足げにそう言うと、より戦車のスピードを上げた。

しかし、この人は自由奔放な人間だ、僕とは真逆の人間だ。

この人と聖杯戦争・・・・・・先程の代行者のような化け物相手に戦わなくてはならないのか。

少し先行きが不安だ。

ルト「・・・・・・」

ライダー「奏者よ、そろそろ着くぞ」

ルト「え?ああ、うん」

それでも僕は勝ち進まなきゃいけない。

生きる道はそれしかない、死に場所もここしかない。

組織につかまれば僕の体は……想像するだけで気分が悪くなる。

生きた標本か、モルモットか、どちらにしろ組織にだけは捕まる訳にはいかない。

ライダー「ところで奏者よ、一つ提案がある」

ルト「提案?」

ライダー「うむ、あのランサーは無視して他のサーヴァントを倒さぬか?」

ルト「ランサーを無視する?」

ライダー「アレは我らだけでは敵わぬからな、他の陣営がランサーの脅威を分かればいつか同盟を結びに来るであろう……勝ち筋が無いわけではないが、下手に消耗しないほうが良いと思うのだ」

ルト「……そうですね、アレは僕たちで相手するにはまだ戦力不足だ」

ライダー「では、他に倒せそうな物がいればそちらから倒していこう」

ルト「そうですね、今のところ一番の脅威がアレですから、とりあえず各陣営の戦力を見てから倒すべき敵を決めましょう……それなら、最初は順当に」

ライダー「セイバーだな!」
63 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/27(金) 01:17:13.95 ID:YlFq6d8n0
* 

深夜


陽菜「・・・・・・」

セイバー「・・・・・・」

あのあと、セイバーの名前を聞いてから、今後の方針などを決めた。

しばらくは、アイヴィーさんとアーチャーさん達と行動することにした。

行動はなるべく近くに居てとったほうが良いってアイヴィーさんが良いと言う事で隣の部屋を貸してくれることになった。

と言うか、スイートルームをただで貸せるほどの資金力を持つアイヴィーさんに今私が驚いている。

陽菜「……えーっと、そこにいるの?」

セイバー「はい」

後ろから声が返ってくる。

何でもサーヴァントは霊体化という透明になる機能があるらしい。

それによってセイバーは基本的に魔力の消費を抑えるために霊体化した状態でいるらしい。

陽菜「魔力・・・・・・うーん」

あまり魔力が減っているという感覚とかは無いけど、そういうものなのだろうか。

陽菜「セイバー、姿を現して」

セイバー「どうしました?」

陽菜「互いのことはもっと知っておくべきだと思うの、とりあえず自己紹介しない?」
64 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/27(金) 01:31:37.69 ID:YlFq6d8n0
セイバー「そうですね、互いのことはよく知っておくべきですね」

陽菜「じゃあ私から!私の名前は陽菜、高校生で、趣味は特に無い……得意なものも苦手なものも……夢も特に無いかなー……はぁ」

何も無いじゃないか、私。

セイバー「苦手なものが無いことは凄いじゃないですか、得意なことはこれから会得していけばいいと思いますよ、マスター」

陽菜「マ、マスター?」

セイバー「はい、聖杯戦争のサーヴァントの主はマスターと呼ばれるものです」

陽菜「そういう物なんだ……何ともむず痒い」

セイバー「では、ヒナとお呼びしても?」

陽菜「それなら……いいかな」

マスターなんて堅苦しい呼びかたよりは全然いい。

セイバー「では、次は私の紹介をさせてもらいます、私の名前はアーサーペンドラゴン、ブリテンの王をしていました」

陽菜「お、王様なんだ」

セイバー「はい、滅んでしまいましたがね」

陽菜「え……」
65 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/27(金) 01:37:22.66 ID:YlFq6d8n0
セイバー「私の力不足でした、民や臣下には申し訳ないことをした・・・・・・」

何か凄い地雷を私は踏み抜いたのだろうか。

陽菜「えーっと、ごめんなさい・・・・・・」

セイバー「いえ、気を使わないでください、終わったことですし、後悔がないと言えば嘘になりますが、今は過去よりも今が大切なので」

陽菜「―――」

このセイバーという人は、何とも強い人なのだろうか。

『王』であって『騎士』のこの人のメンタルはどれだけ強いのだろうか。

・・・・・・あ、もしかして。

陽菜「セイバーは凄い前向きだけどセイバーの夢って・・・・・・」

聖杯戦争では、勝ち抜けば夢を叶える事が出来る。

それは滅んだ自分の国を蘇らせる事も可能なのだろうか?

でも、先程アーチャーさんに何気なく聞いたときは『国の平和』なんて答えたくらいだし、相当大きな願いでも大丈夫なのだろう。

セイバー「私の夢ですか、私は―――――自らを知りたい」
66 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/27(金) 01:49:34.30 ID:YlFq6d8n0
陽菜「自らを知りたい?」

セイバー「自分の存在意義・・・・・・私と言う人物が生まれた理由、それが知りたい」

陽菜「く、国を蘇らすとかじゃなくて?」

セイバー「……国を復活、それも良いですが私はどうしても、それを知らなければいけない……すみません、自分勝手な願いで」

陽菜「いや、セイバーって人間味無いくらい強い人だと思ってたから少し驚いちゃった」

セイバー「失望させてしまったのならすみません」

陽菜「ううん、近寄りがたい雰囲気あったけど……結構人間味のある願いで良かったと思った」

セイバー「私の願いはそれほど人間味があるとは思えませんが・・・・・・」

陽菜「そう?王様で騎士で・・・・・・私にとっては雲の上の人だと思ってたけど、その願いが自分のことだから、やっぱり同じ人間なんだなーって」

セイバー「?」

陽菜「なんというか、自分の願いを自分のためではなく、自分の願いを他者のため使う人じゃなくて良かったってこと……うーん、説明しづらい」

セイバー「大丈夫ですよ、なんとなく分かりました」

陽菜「そ、そう?」

本当に伝わったのだろうか、しかし何故私はこんな説明の仕方をしたのだろうか。

セイバー「国を滅ぼしておいて民のために国を蘇らせないのか!なんて言われていれば私は何も言い返せませんでした」

陽菜「人の願いなんて人それぞれだよ」

セイバー「ありがとうございます、胸を張って夢を叶える事が出来ます」
67 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/27(金) 02:01:01.30 ID:YlFq6d8n0
陽菜「うん、私の騎士なら胸張ってもらわなきゃ」

セイバー「はい、我が剣はいつまでも貴女と共に」

と、軽い紹介(?)を終えたところでセイバーが思い出したかのように申し訳なさそうな顔をした。

陽菜「どうしたの?」

セイバー「ヒナ、私は一つ貴女に隠し事をしている」

陽菜「隠し事?」

セイバー「はい、こればかりは貴女を信頼していても・・・・・・いえ、私を信頼している貴女には明かしたいと思いますが」

陽菜「ううん、別に人間隠し事の一つや二つはするよ」

セイバー「すみません……これから貴女に仕えるというのに」

陽菜「良いって!・・・・・・あ、そうだ」
68 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/27(金) 02:13:10.57 ID:YlFq6d8n0

セイバーをもっと知りたいし、ちょうど良い。

陽菜「今度私とデートしようよ!」

セイバー「デート、ですか?」

我ながら大胆な誘い方と言うか、人の弱みに付け込む酷いやり方だ。

いや、私はあくまでセイバーのためを思って、現代の風景や色々な物を見せてあげるために……。

陽菜「うん、セイバーさえ良ければ」

セイバー「私はあなたの騎士ですから、いつでもエスコートしますよ」

にっこりと微笑むセイバー。

陽菜「うっ、イケメンだ……」

セイバー「外見を褒められるのは嬉しいです、ありがとうございます」

陽菜「はっ!声に出ていた!?」

セイバー「ヒナも凄く可愛らしいですよ」

陽菜「うっ!照れる!照れるからやめて!!!」


*


アーチャー「若いねぇ」

ホテルの屋上から、下の階で賑やかな声を聞きながら遠くの景色を見る。

キラキラと光るその風景は彼女にとってはじめてみるもので、心が躍った。

それと対照的に蠢く嫌な空気が漂っていた。

アーチャー「まるで私たちを探ろうとしているような汚い臭いだ、『――――――――』」

何かを唱えて弓を構え、『ソレ』に向かって放つ。

『ソレ』は頭を打ちぬかれて機能を停止して、その場で消滅する。

約2kmは離れた距離の狙撃だが、弓の天才と呼ばれ、隣町のハエでさえ打ち抜くとまで呼ばれた彼女にとっては関係ない。

アーチャー「探ってないで来れば良い、私たちはここにいるぞ……」
69 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/27(金) 02:27:50.60 ID:YlFq6d8n0
 *


「おや?打ち抜かれてしまいましたか」

バーサーカー「あら?失敗ですか?」

「うん、街中に使い魔を『糸』を自然と張り巡らせたつもりだけど打ち抜かれたよ」

バーサーカー「うふふ、大丈夫ですよ私が居るのですから」

「そうだな、私はあの夜お前に助けられたんだ、その恩返しをしなきゃな、姫」

バーサーカー「うふふ、私はあなたさえ居れば良いわ」

「嬉しいな……さて、捕らえたのは一人だが丁度いい」

自分の魔術により『アサシン』のクラスを手中に収めた彼は考える。

セイバーとアーチャーは同盟。

ランサーは代行者が厄介だが何とかなる。

ライダーは未知数、戦車でひき殺されればたまらない。

キャスターは神殿を組み立て引きこもり『使い魔』……『恐怖の父(アブホール)』を呼び出して様子見。

アサシンは勝手に動いて、自滅してあとにこちらに引き込む。

「姫、私はキャスター倒したいな」

バーサーカー「キャスターですか?」

「ああ、あの盗賊王を引き込みたいのさ」

バーサーカー「うふふ、いいですわね……やりましょう」

「右腕の借りもあるから……ね」

彼は令呪のついている右腕を天にかざしキャスター陣営の壊滅を誓う。

バーサーカー「何処までもお供しますわ」

それに寄り添う着物を着た『姫』と呼ばれる女性。

聖杯戦争でも選りすぐりの『狂気』を持った二人が動き出した。

そうして、夜は明け、太陽は昇り、新しい一日が始まる
70 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/27(金) 02:33:30.55 ID:YlFq6d8n0
【CLASS】バーサーカー
【マスター】?
【真名】?
【性別】女性
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力D 耐久D 敏捷D 魔力D 幸運C 宝具?
【クラス別スキル】
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/02/27(金) 02:39:38.15 ID:tvrFibao0
最後の陣営のバーサーカー陣営も登場、ミーシャちゃんあの後出てきてないと思ったらすでに手駒にされてる?
72 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/27(金) 02:45:14.33 ID:YlFq6d8n0
【CLASS】マスター
【サーヴァント】セイバー
【令呪】3
【真名】陽菜
【性別】女性
【属性】中立・中庸
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷D 魔力C 幸運A 宝具?
【固有スキル】



【CLASS】マスター
【サーヴァント】アーチャー
【令呪】3
【真名】アイヴィー
【性別】男性
【属性】中立・善
【ステータス】筋力C 耐久C 敏捷B 魔力A 幸運B 宝具?
【固有スキル】



【CLASS】マスター
【サーヴァント】ランサー
【令呪】3
【真名】ワルター
【性別】男性
【属性】中立・悪
【ステータス】筋力A 耐久A 敏捷B 魔力B 幸運E 宝具?
【固有スキル】
洗礼詠唱:C
キリスト教における“神の教え”を基盤とする魔術。
その特性上、霊的・魔的なモノに対しては絶大な威力を持つ

魔術:D
強化の魔術を中心にオーソドックスな魔術を習得している。 
73 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/27(金) 02:53:21.37 ID:YlFq6d8n0
【CLASS】マスター
【サーヴァント】ライダー
【令呪】3
【真名】ルト
【性別】男性
【属性】混沌・中庸
【ステータス】筋力D 耐久C 敏捷C 魔力B 幸運E 宝具?
【固有スキル】
専科百般:B+
類いまれなる多芸の才能。
武術、射撃、追跡術、隠蔽工作、道具作成、陣地作成、などの
戦術系統の専業スキルについて、Dランク以上の習熟度を発揮する。

呪術:A
オーソドックスな呪術を使う。



【CLASS】マスター
【サーヴァント】キャスター
【令呪】3
【真名】盗賊王
【性別】男性
【属性】混沌・善
【ステータス】筋力D 耐久B 敏捷A 魔力B 幸運B 宝具?
【固有スキル】
仕切り直し:A
窮地から脱出する能力。
不利な状況であっても逃走に専念するのならば、
相手がAランク以上の追撃能力を有さない限り逃走は判定なしで成功する。



【CLASS】マスター
【サーヴァント】アサシン
【令呪】3
【真名】ミーシャ
【性別】女性
【属性】秩序・中庸
【ステータス】筋力E 耐久D 敏捷C 魔力C 幸運C 宝具?
【固有スキル】
魔術:C
オーソドックスな魔術を使う。
一族の秘伝の魔術もあるが成功確率は低い。
74 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/02/27(金) 03:00:30.54 ID:YlFq6d8n0
>>71
アサシン出すつもりが、出せなかった……
次回にはアサシン陣営の状況をお送りいたしますのでお待ちを


と言うことで今日は終わりです。
ステータスは人間基準で考えてもらえればいいです。
平均的な一般人男性をDランクと考えてもらってのランクだと思ってくれて構わないです。
登場人物の細かな力配分とかを知ってもらうために作ってみました。

では、少し今急がしいので更新できれば2,3日以内には更新します。
75 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/01(日) 22:38:06.41 ID:HuLVHHDK0
今日も少しだけ投下していこうと思います
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/01(日) 22:45:10.62 ID:n6+OKvqF0
はーい
77 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/01(日) 22:46:04.51 ID:HuLVHHDK0
 *


聖杯戦争 二日目


早朝


ミーシャ「やっぱり、何かおかしいわね」

朝早く起きて、サーヴァント召喚時に感じていた異変を調べていた。

軽く見て回って、最後に駅の中を調べていた。

ミーシャ「街全体に何か『糸』が張り巡らせてあるような感じ、ね」

だが、異変と呼べるような脅威でもなく、ただ張り巡らせているだけとしか感じなかった。

強いて言えば常に見られているような感じがある。

そう思わせるのが、コレを仕掛けている人物の思惑なのだろうか。

ミーシャ「アサシンじゃこう言う異変の調査とかには役に立たないし……」

特に得るものは無かったと思い、引き上げようとした瞬間だった。

「マスターだな?」
78 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/01(日) 22:50:44.56 ID:HuLVHHDK0
  *


「マスターだな?」

駅の中に低い声が響いた。

声のしたほうに目を向けてみると、そこには神父の格好をした男がにいた。

「ランサーは出てこなくていい、ここは私だけでやる」

ミーシャ「成程、この糸を張ったのはあなたね?」

「『糸』に釣られて出てきたマスターを狩れれば上出来だと思ったが、まさかこんなに早くに掛かるとは」

ミーシャ「で、何が望み?」

「サーヴァントを自害させて残りの令呪を渡してもらおう」

ミーシャ「そう、私には関係ない話ね、アサシン食い殺しなさい」

拙い、ここでアレと出会うことになるとは思わなかった。

神父の姿、十中八九、元代行者のワルターだ。

まともに殺りあえば私に勝ち目は無い、アサシンを囮に全力で逃げさせてもらおう。

足に強化の魔術をかけてワルターとは逆方向に走る。

とりあえず駅の中からの脱出を最優先としよう。
79 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/01(日) 22:57:13.88 ID:HuLVHHDK0
>>78
訂正『  * 』の部分はミスです



 *


「そう、アサシン食い殺しなさい」

狂気に満ちた目で彼女はアサシンに命令して自分とは逆方向に走り去っていく。

まだ染まりきっていないが、あの様子ではいずれは精神が堕ちるだろう。

欲を失う呪いを受けた自分よりもよっぽど酷い呪いに掛けられているのだろうか。

ランサー「念のため」

ワルター「ああ、追跡させてくれ」

ランサー「分かりました」

ワルター「……さて」

気配の一つもない。

完璧な気配遮断か、それともあの場でのハッタリなのか。

前者なら厄介だが、後者なら今から走っても追いつくだろう。

だが、動くにしても後者を前提に動いたほうが都合が――――

ワルター「――――!」
80 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/01(日) 23:09:50.82 ID:HuLVHHDK0
突然だった。

黒鍵を出現させて即座に『ソレ』に投擲する。

だが『ソレ』は軽々と避けて目の前に姿を現す。

ワルター「……」

禍々しく、何者も寄せ付けず、何者にもならないソレは異様な雰囲気を漂わせていた。

体は無数の蟲が蠢いているかのように見え、口からは黒い液体を垂れ流しており、太く曲がりくねって鋭く伸びた注射針のような舌。

8つの目が食い殺さんと睨み付けて来る。

その目には『意思』はなく、ただただ見えるものは欲望だけだった。

その姿はまるで猟犬、狂った猟犬だ。

ワルター「ランサー、何処から現れた?」

ランサー「分かりません……ただ、突然壁のほうから現れました」

ワルター「となると、これほどの殺気を消せるほどの気配遮断スキル……」

アレは数多の戦場を渡ってきた私でさえも気がつかないほどに接近していた。

判断が遅れていれば首を食いちぎられていただろう。

しかし、これほどに食欲にまみれた獣が気配を殺す術を持っているとは思えない。
81 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/01(日) 23:18:10.21 ID:HuLVHHDK0
何らかの条件を達成している状態で最高ランク・・・・・・評価規格外とも言える気配遮断スキルを持ち合わせているはずと考えてもいいだろう。

ワルター「何にせよ、これを殺せばあのマスターはいらないくなる、アレを戻してくれ」

ランサー「わかりました、私はどうしましょう」

ワルター「ランサーはとりあえず控えてろ、この狭い中ではお前は戦えないだろう」

ランサー「では、必要なときは仰ってください」

ランサーの気配が消えた、おそらく外で待機しているのだろう。

こちらの使い魔が到着すればあの獣を倒すのも容易だが……。

アサシン「――――」

食欲を満たしたいと言わんばかりにコチラを容赦なく襲ってくる。

ワルター「仕方が無い」
82 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/01(日) 23:39:23.23 ID:HuLVHHDK0
紙一重で獣の攻撃を避け、強化の魔術が施されている刀を一本取り出し獣の腹を切り裂く。

手ごたえは感じた、深手を負わせたはずだ。

その証拠に腹からとてつもない量の黒い液体を垂らしながら体制を崩す。

所詮獣、サーヴァントという高位の次元の存在と言えどただ闇雲に突っ込んでくるだけなら話にもならない。

ワルター「っ――――」

手に何かが入り込んだような気がした。

自分の手には黒い液体、獣の血がかかっていた。

この血は人間にとっての毒か、いや毒と言うよりコレは……?

と、ふと前を見てみると獣の姿が無い。

ワルター「気配もなし、流石に撤退したか?」

と、気がついたときには遅かった。

自分の真横から獣が襲い掛かってきていた。

黒い液体に気を取られすぎて接近に気がついていなかった。

死んだ、そう感じた瞬間――――

獣の姿は横に吹き飛び、獣の居た場所には犬の使い魔がいた。

ランサーが追跡に追わせていた使い魔が帰ってきたのか。

この気は逃さない―――!!

吹き飛んだ獣が何か行動を起こす前に首を跳ね飛ばす。

続いて体も容赦なく切り刻もうとするが、その必要も無くなった。
83 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/02(月) 00:00:29.38 ID:XSCY84uj0
ワルター「はぁ、はぁ……消えたか」

獣は黒い光となってその場で消えていった。

早々に自分だけでアサシンを殺すことが出来たのは今後の展開としては良いだろう。

結局、アサシンが何者なのかは分からないが、死んでしまった今考える必要も無いだろう。

手についた黒い血を拭き取り、それを念入りに燃やす。

ランサー「大丈夫ですか!」

実体化したランサーが駆け寄って手を握ってくる。

ワルター「いや、今は手を握らないほうが良い」

ランサー「ですが、ワルターさんが怪我をしていたの、私は何も……」

ワルター「この狭い中では君は無力だった、仕方ないことだ……次頑張ってくれれば良い」

ランサーを安心させようと表情だけでも笑顔を作ろうとした。

ランサー「……ふふ、苦いものでも食べました?」

ワルター「笑顔のつもりだが……やはり上手くいかないものだな」

ランサー「しかし、本当に大丈夫ですか?」

ワルター「ああ、使い魔が―――」
84 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/02(月) 00:08:07.95 ID:XSCY84uj0
と、使い魔の様子がおかしかった。

突然吼え始め、目は充血し、今にも襲い掛かってきそうだった。

ワルター「ランサー、強く『止まれ』と命じてくれ」

ランサー「止まれ!!」

ランサーが使い魔に命じた瞬間、使い魔はピタリと体を動かさなくなった。

その隙に刀で使い魔の首を跳ね飛ばす。

使い魔も首を飛ばされたのにも関わらず体と首が暴れていたが、獣と同様に光となってその場で消えていった。

ワルター「すまない、アレもアサシンの毒にやられていたみたいだ」

ランサー「仕方ないことです・・・・・・アレも、ということは」

ワルター「私もあの毒、というより血に触れたおかげで正常な思考が出来ているか心配だ」

ランサー「だ、大丈夫ですか!?急いで教会に戻って手当てしましょう!!」

ワルター「だから大丈夫だ、それより調べたいことがある」

ランサー「し、調べたいことですか?」

ワルター「ああ、この血と張り巡らされた糸についてだ」

あの手についた血、と言うよりあの獣自体に感じたものは食欲と……

ランサー「狂気、ですか?」

ワルター「言いたいことは分かっていたか」

ランサー「何となくは、アサシンから感じた気配とあの子が苦しみ方を見ていれば……」
85 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/02(月) 00:17:48.89 ID:XSCY84uj0

ワルター「あの獣は精神を汚染してくる能力を持ち合わせている、その獣の血を浴びれば当然精神が汚染されるのも仕方が無い」

だが、血に触れただけで汚染してくるような汚染力は尋常じゃない。

だが、それより考えるべきは……。

ワルター「この張り巡らされた糸の正体だ」

ランサー「何か分かったんですか?」

ワルター「ああ、これは……これこそが狂気だよ」

糸、と言っても目には見えない。

だが魔力を通せば何となくだが見えるその細い糸は紛れもなく人を狂わせる狂気で出来ている。

ワルター「とりあえず今分かることは、この糸の出所は少なくともあの少女のものではないだろう」

ランサー「あの少女はこの糸を仕掛けていたとしたら、本来はこの場には居ないからですか?」

ワルター「ああ、この糸は既にあの少女が来る前に駅の中に仕掛けられていたものだからな」

ランサー「では、この糸はいったい誰が?」

ワルター「それは分からない、だがこの糸を仕掛けた人物こそが聖杯戦争の黒幕と見て良いだろう」
86 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/02(月) 00:30:25.22 ID:XSCY84uj0

ランサー「え?」

ワルター「街全体にこれほどの仕掛けをする奴が黒幕以外には思いつかん、後はこの糸には何かを隠したいという意思が見える気がしてな」

ランサー「少し早計ではないでしょうか」

ワルター「……そうかもしれないな、とりあえず確認したいことは確認したから戻るか」

ランサー「はい!」

この糸は狂気。

とるに足らないレベルの、放って置いても問題ないほど弱い弱い狂気……。

聖杯戦争のサーヴァントの召喚には聖遺物を使った召喚と、召喚者の相性によって召喚する方法がある。

もし、彼女がこの狂気によってやられている状態で召喚したとしたら――――?

ランサー「どうかしました?」

ワルター「いや、なんでもない」
87 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/02(月) 00:44:03.61 ID:XSCY84uj0
  *

 朝


キャスター「うむ、この食べ物はなんと言うんだ」

盗賊王「そいつはカレーだよ」

キャスター「では、これは?」

盗賊王「カツ丼だ」

キャスター「ハハハハハ!美味いぞ!美味いぞ盗賊王!!」

盗賊王「そりゃどうも、てか良く食うな」

聖杯戦争は始まってから二日経った今、適当な大きな神社に陣取って、そこに神殿を作って聖杯戦争の準備を整えた。

一日で準備自体は整ったので、誰が神殿に来ても対処できる状態だが、あまりにもキャスターが暇だと言うので街に繰り出して今朝飯を食っている。

そして、そのキャスター様は現代風のファッションに身を包んで満足げに食事を楽しんでいる。

キャスター「うむ、これを作ったものには褒美として黄金を贈ろうぞ」

盗賊王「わーったよ、とりあえず食ったら行くぞ」

キャスター「ほう、次は何処だ?」

盗賊王「現代の街を案内して欲しいんだろ?」

キャスター「ああ、我の時代に無かったものばかりだからな……色々見て回りたいものだ」

盗賊王「だったら娯楽がいいか」

キャスター「そうだな、非常に興味がある……ところで」

盗賊王「どうした?」
88 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/02(月) 01:05:51.46 ID:XSCY84uj0

【CLASS】キャスター
【マスター】盗賊王
【真名】?
【性別】男性
【属性】混沌・善
【ステータス】筋力D 耐久D 敏捷D 魔力A+ 幸運B 宝具?
【クラス別スキル】
陣地作成:A+
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
"神殿"を上回る大神殿を形成することが出来る。

道具作成:B
魔力を帯びた道具を作成できる。




【CLASS】アサシン(死亡)
【マスター】ミーシャ
【真名】?
【性別】?
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力B 耐久C 敏捷A 魔力C 幸運E 宝具?
【クラス別スキル】
気配遮断:EX
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
???????????????????????

【固有スキル】




精神汚染:EX
精神が存在しないため、、他の精神干渉計魔術を完全にシャットアウトする。
ただし、他者とは命令以外の意思疎通が成立しない。
また、アサシンと長時間接していた対象はBランク相当の精神汚染スキルを取得することがある。

【宝具】

89 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/02(月) 01:08:25.74 ID:XSCY84uj0

すみません、今日は中途半端ですが、都合上忙しいのでここで終わりにします。

今週は忙しいので、話があまり進まないかもしれませんが、次の次辺りからは速めに物語を進めていこうと思います。
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/02(月) 01:20:35.97 ID:6XC8QFov0
アサシンの真名てもしかしてティンダロスの猟犬、だとしたらまだ生きてるな
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/02(月) 01:43:26.68 ID:5gdCYFago
おつ
クトゥルフもありなのか…
アーチャーは那須さんかな?でもハエを撃つってのは聞いたことないな。
92 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/02(月) 03:11:49.11 ID:XSCY84uj0
>>90
ティンダロスの猟犬は調べてみると書いてあること厄介ですからねぇ・・・・・・


>>91
メタ的なこと言うと、ハエを撃つと言うのはある漫画のワンシーンの台詞からとってきたもので、検索してもそういう逸話は出てこないですね
彼女自体はあまり有名ではないので真名を当てられたら凄いですよ
93 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/04(水) 19:51:16.84 ID:vQyPm/y30

さて、今日も投下していこうと思います
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/04(水) 19:55:03.48 ID:TkQ/CzDR0
了解
95 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/04(水) 20:11:11.16 ID:vQyPm/y30

キャスター「聖杯戦争にはあまり関心が無いように見えるが、どうなんだ?」

盗賊王「いや、やる気はあるがお前キャスターだろ?」

ふむ、となんとなく気持ちを察したキャスター。

キャスター「・・・・・・なるほど、派手な戦いが出来ないが故に意気消沈していたのか」

盗賊王「そーだ、俺は聖杯戦争ってのはもっと派手に街破壊して気持ち良くなるもんだと思ったら・・・・・・」

キャスター「仕方あるまい、盗賊でありならがら魔術師である貴様なら分かるであろう」

盗賊王「魔術師は自分の陣地で戦うのが一番強いってか?」

キャスター「ああ、キャスターというクラスで召喚されてしまった以上は、仕方あるまい・・・・・・なんなら『恐怖の父(アブホール)』をつれて戦いに興じてくるか?」

盗賊王「それも面白いが・・・・・・昨日の戦い見てたろ、あのアブホールでさえセイバーとアーチャーの二人には敵わなかった」

キャスターは難しい顔をして食べる速度を緩める。

キャスター「アレは意外だったな、あのセイバーが『アーサー・ペンドラゴン』の名を持っているとはいえ、あそこまで簡単に倒されてはな」

盗賊王「アーチャーもアレはアレで厄介な能力だ、知名度はたいしたこと無いが直接顔は合わせたくないな」

キャスター「ふむ・・・・・・なんなら、他にもライダー、アサシン、ランサーのサーヴァントはどうだ?」
96 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/04(水) 20:18:42.67 ID:vQyPm/y30
盗賊王「ランサーはパス、アレはマスターが糞だ」

キャスター「あの男、昨晩の戦いで『我らに』ランサーを見せずに戦ったからな」

盗賊王「本人の強さもそうだが、まさか俺らに気づいてランサーが視界に入らないようにライダーと戦うなんてどうかしてるよ、ホント」

キャスター「では、ライダーはどうだ?彼女は『ネロ』であろう?」

盗賊王「俺もそれ思ったんだ!ローマ皇帝は興味がある!!」

キャスター「では、今宵は酒のつまみはお主の戦いにさせてもらおうか」

盗賊王「ハッハッハ、任せな」

キャスター「して、アサシンは脱落したとはいえ油断できぬが・・・・・バーサーカーはどうだ?」

盗賊王「俺が取り逃がしたあのクラウスの野郎が仕掛けた糸でバーサーカーの位置が判断できなくなってやがる」

キャスター「厄介だな、我の目であろうとも見通せぬとは」

盗賊王「アレは敵に回したくないからぶっ殺したつもりだが・・・・・・バーサーカー召喚されてるとなるとな」

キャスター「何故、貴様はそのクラウスという用心深い男がバーサーカーを召喚したと分かるのだ」

盗賊王「街中に張り巡らせている糸、こんなものはあの魔術師以外に扱えないからな」
97 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/04(水) 22:06:45.44 ID:vQyPm/y30

キャスター「しかし、これほどの魔術の使い手、いくら貴様といえど奴を殺すのは手間取ったはずだ」

盗賊王「アイツの魔術工房への侵入だけはもう絶対にゴメンだ、種も割れちまったしな」

キャスター「面倒だな・・・・・・ともかく、当面の難敵はあのセイバーとアーチャーのマスターとランサ組とバーサーカー組と言うことだな」

盗賊王「ランサーは真正面から戦う気は起きんしな、奇襲かけるんだったらそこらへんだな」

キャスター「では、昼までは娯楽に興じ、夜は戦いをつまみに酒を飲ませてもらうとするか・・・・・・」

食べ終わったキャスターは立ち上がり、厨房に入り『褒美だ、受け取るが良い!』と言って金の延べ棒をおいて店の外に出て行った。

盗賊王「・・・・・・はぁ、能力も優秀だが引っ張りまわされるのは楽じゃないねぇ」

盗賊王は間違いなく、最強のサーヴァントを引いたが、それが勝利に直結するわけではない。

アーチャーのマスターは化物、ランサーのマスターは元代行者、ライダーのマスターも油断できない強さ、バーサーカーのマスターは自分の身が一番分かっている。

サーヴァントだけではなく、マスターにまで気を配らなければ勝てない戦争だ。

楽しくって楽しくって仕方が無いが・・・・・・

盗賊王「どーにも引っかかるな」

聖杯戦争は楽しいが、聖杯戦争を起こした人物の意図と、この聖杯戦争の『聖杯』の行方が分からない。

サーヴァントシステムが実際に存在していると言うことは、聖杯戦争の類が行われていることが確かだが・・・・・・

盗賊王「何にせよ、今は目の前の敵を潰すことしかやることはねぇな」
98 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/04(水) 22:08:19.02 ID:vQyPm/y30

すみません、続きは明日か明後日に書きます
少し忙しいので、短いですが今日はここまでにさせてもらいます。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/04(水) 22:53:19.02 ID:TkQ/CzDR0
乙、お気になさらずリアルを大切に
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/04(水) 23:11:59.55 ID:XHxxq/ujo
お疲れ様。
こんなん暇ができた時に書けばいいのよ。

こんなんではないか。
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/05(木) 00:51:33.30 ID:d5tbB5fsO
このアーチャー馬泥棒か?
102 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/05(木) 01:24:06.82 ID:3PFoUrmP0
>>99
すみません、ありがとうございます

>>100
いえいえ、こんなんでも見てくれているのですからこんなんで十分です

>>101
うーん違いますね
次回は少し情報出しますのでお楽しみに
103 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/06(金) 15:09:56.08 ID:yzBjfe+E0


今日の夜に投下していこうと思いますー
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/06(金) 16:20:56.20 ID:iLX26pEk0
了解、所で主人公とか決めてます?それともzeroみたいな群像劇とか?
105 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/07(土) 15:13:01.64 ID:BeN71gO00

すみません、昨日は急用で家に帰れなかったので今日の夜には必ず投下します

>>104
今はZEROみたいな群像劇っぽい感じだと思ってください
106 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/07(土) 21:58:29.56 ID:BeN71gO00
  *


 昼



陽菜「えっ、じゃあ昼は別行動ですか?」

アイヴィー「ああ、調べたいことがいくつかあってな」

ホテルのバイキングで昼食兼朝食を四人で食べていた。

昨日の出来事のこともあってか、疲れきった陽菜は昼ごろまで寝てしまっていた。

アイヴィー「お前にはセイバーが居るから襲われても滅多なことで死なないと思うから安心しろ」

陽菜「そ、そうですか」

セイバー「その襲われたときのために魔力を温存したほうがいいのですが」

陽菜「いや、食事はちゃんと取らないと!」

セイバー「いえ、食事はとらなくても良いと―――」

陽菜「腹が減っては戦は出来ぬ、ですよ!」

アーチャー「そうだぞ?こんな美味いもの食える機会なのに逃すなんて勿体無いぞ?」

アイヴィー「お前は遠慮なく食ってる上に遠慮なく実体化してるよな」

アーチャー「ん?駄目なのか」

アイヴィー「ま、良いけどよ」

こうやって楽しく食事をするのはいつ以来だろうか。

クラウスとはもう半年以上会ってない、だが聖杯戦争には出ると言うのは知っているが・・・・・・
107 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/07(土) 22:12:51.85 ID:BeN71gO00

アイヴィー「・・・・・・」

セイバー「食事の席で申し訳ないが、今日貴方達と行動できないなら、一つだけアーチャーのマスターに尋ねたい」

アイヴィー「呼び捨てで良い」

セイバー「では、アイヴィー・・・・・・昨日は色々なこともあって尋ねませんでしたが、『アレ』はなんですか?」

陽菜「アレ?」

セイバー「ええ、昨晩・・・・・・と言うより召喚された瞬間から感じているこの邪悪な雰囲気です」

陽菜「雰囲気?」

アイヴィー「まぁ、魔術師でもない陽菜が気がつかなくても仕方ない」

やはりサーヴァントもコレには気がつくか。

この雰囲気・・・・・・というより糸にはおそらく全マスターとサーヴァントが  から気がついただろうが・・・・・・。

アイヴィー「そうだな、一応話しておくか・・・・・・コレは俺の親友であるクラウスって男が仕掛けてる糸だ」

陽菜「糸?」

アイヴィー「ああ、目には見えないが魔力を通せば見ることの出来る細い糸なんだがな」

陽菜「糸・・・・・・何か変なら切れば良いじゃないですか」

アイヴィー「確かに切ればいいが、切っても意味がないんだよ」
108 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/07(土) 22:39:26.22 ID:BeN71gO00

陽菜「切れない?」

アイヴィー「簡単に説明すると、この糸は人の感情や考え方、思想を共有する魔術による糸なんだ」

陽菜「ごめんなさい、もう少し分かりやすく・・・・・・」

アイヴィー「集団意識ってあるだろ?集団になると個人の考え方や思想が集団の考え方や思想に変わってくるって言う」

陽菜「ありますね、自分は和食食べたくても集団が中華食べたくなるって言うと自分も和食食べたくなるって言う・・・・・・」

アイヴィー「・・・・・・まぁ、そういう捕らえ方でいいか、この糸は不特定多数の意識を無意識かで共有させて一つの集団を意図的に作る魔術なんだ」

アーチャー「糸だけに?」

セイバー「ですが、これは共有と言うより・・・・・・」

アイヴィー「支配、だな」

陽菜「支配、ですか?」
109 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/07(土) 22:45:30.62 ID:BeN71gO00
アイヴィー「この魔術の脅威は不特定多数に『自分の思想』を植えつけられることなんだ・・・・・・そうだな、例えば和食派と中華派と洋食派で対立していたとしよう」

アイヴィーの前におにぎりと肉まんとグラタンが置かれる。

アイヴィー「まず、和食派のトップであるアーチャーはこの糸の魔術を使って和食派の人間の思想を共有、目的を作ったとする」

アーチャー「むぐっ」

アイヴィーは無理やりおにぎりをアーチャーの突っ込む。

陽菜「うわぁ・・・・・・」

アーチャー「この赤い粒々美味いな」

陽菜「それイクラですよ」

アイヴィー「その目的としてアーチャーはまず打倒中華を掲げ・・・・・・達成した」

アーチャー「むぐっ」

次にアーチャーは肉まんを口に突っ込む。
110 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/07(土) 23:20:52.94 ID:BeN71gO00
アーチャー「これカニ入ってるのか!」

陽菜「美味しそうですね!」

アーチャー「一口いるか?」

陽菜「いただきます!」

アイヴィー「ここでアーチャーは糸の魔術を使って倒した中華派を吸収した、中華派は和食派となり中華を捨てた」

陽菜「捨てちゃうんですか?」

アイヴィー「ああ、中華派は魔術によって和食文化を刷り込ませるからな」

陽菜「え・・・・・・?」

アイヴィー「完全に形だけでなく心から和食派になった中華派は次に目をつけたのは・・・・・・」

アーチャー「洋食派、だろ」

アイヴィーが行動を起こす前に先回りしてアーチャーはグラタンを食べていた。

アーチャー「そうして、和食派は同様に洋食派を打倒した」
111 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/07(土) 23:54:26.30 ID:BeN71gO00

アイヴィー「ま、普通ならそうだが、ここで何故か和食派は中華派を打倒した時点で洋食派も同時に和食派に塗り替えていたとする」

陽菜「え?和食派は一回しか戦ってないのに二つに勝っちゃったんですか?」

アイヴィー「そう、一度しか戦っていないのに戦ってない敵にも勝利・・・・・・だが本当のことを言えばそもそも中華派を打倒しなくても二つの勢力を和食派に塗り替えることが出来た」

ここでセイバーは気がついたような顔をした。

セイバー「成程、その糸による効力・・・・・・思想の刷り込み、集団心理を上手く利用すれば戦わずして勝利することが出来る・・・・・・この糸の効力は・・・・・・」

アーチャー「あー・・・・・・成程な、そして例え話の中で中華派と戦ったのは、和食派の強さを見せて手っ取り早く引き込むためであって戦う必要もなかった訳か」

陽菜「あのー、話が良く理解できないので分かりやすく」

アイヴィー「和食派は魔術を使った、って言ったろ?その魔術は思想を刷り込む魔術だ」

陽菜「うん」

アイヴィー「そして、その魔術を広範囲に・・・・・・和食派だけでなく中華派や洋食派にも仕掛けられていたとしたら?」

陽菜「その魔術で簡単に和食派に塗り替えられる・・・・・・あれ?なら戦った理由は?」
112 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/08(日) 00:12:15.44 ID:nm3AYQCB0

アイヴィー「そう、簡単に塗り替えられるなら戦う必要はないが・・・・・・じゃあ、もし和食派だけでなく中華派や洋食派にも魔術師が居たとしたら?」

陽菜「当然、その魔術を壊す?」

アイヴィー「そう、普通だったらそうだが・・・・・・」

陽菜「!」

アイヴィー「そう、切れない魔術・・・・・・これは発動してしまった時点で防ぎようのない魔術なんだよ」

陽菜「じゃあ無敵じゃないですか!和食最強ですね!!」

アイヴィー「ああ、多人数に対しては防ぎようがないな」

陽菜「多人数には?」

アイヴィー「今俺やサーヴァント達が見えているこの糸は普通の魔術師が気がつけば普通に防げるレベルなんだよ、さらにやろうと思えば準備段階で魔術の破壊は出来なくても逆に利用出来る」

陽菜「利用できる、ってことは塗り替えられそうになったら逆にそれを利用すれば防げる、ってことですね」

アイヴィー「そういうことだ、だから魔術師に気がつかれるような強い力でそんなことすれば逆効果なんだ」

陽菜「でもその魔術を使わないと塗り替えられないじゃないですか」

アイヴィー「だが、弱い力で少しずつ塗り替えていけば気がつかれることもない」
113 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/08(日) 00:31:48.86 ID:nm3AYQCB0
セイバー「ですが、それでは塗り替えるのに時間が掛かる、和食の方が優れているということを塗り替えるのに時間が掛かる」

アーチャー「そこで手っ取り早く倒せそうなところ倒せば、和食の優位を見せ付けて洋食の人間に『もしかしたら和食のが優れているのかもしれない』と思わせることができる」

アイヴィー「そこでその考えが生まれれば詰みだ、集団の意識が無意識に共有されている状態で一人でもその疑念をかければ瞬く間に広がっていく」

陽菜「んー、微妙ですが何となく分かりました」

アーチャー「私も和食とか中華とか色々言ってたら一体何の話なのか忘れちまった」

アイヴィー「もっと分かりやすく簡潔に言うべきだったな、すまん」

セイバー「いえ、アイヴィー程の魔術師がそれだけ詳しく説明したくなるほど厄介だと言うことですね」

アーチャー「それに私中華派だし」

陽菜「えっ」

アイヴィー「えっ」

アーチャー「お前私の出身知ってるだろ・・・・・・」

アイヴィー「すまん、完全に忘れてた」

陽菜「中国の出身だったんですか・・・・・・てっきり与一さんかと」

アーチャー「まぁ、日本人だと間違えられても仕方ないか」
114 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/08(日) 01:17:39.82 ID:nm3AYQCB0
陽菜「中華のことは詳しく分からないからアーチャーさんのこと分からない・・・・・・あ」

と、陽菜は思い出したように言う。

陽菜「でも何でその糸の魔術は切れないんですか?」

アイヴィー「俺もそこが分からなくてな、アイツの魔術を完成させる手伝いはしたけども、そこばかりは最後まで理解できなかった・・・・・」

セイバー「あと、クラウスという男の身なりはどうですか?」

アイヴィー「銀髪で髪は長い、真夏でも平然とコート着てるような男だから分かりやすいと思うぞ」

陽菜「真夏にコートって変人じゃないですか・・・・・・」

アイヴィー「否定できないな・・・・・・さてと」

ゆっくり話しているのも悪くないが、さっさとこの糸の出所を探って回収しないと拙い。

アイヴィー「これ、俺の連絡先だから、何か合ったら電話してくれ」

陽菜「あ、行くんですか?」

アイヴィー「ああ、この街の近辺に居てくれれば、襲われたときにアーチャーをすぐに飛ばせるから襲われても死ぬことはないと思うから安心しろ」

セイバー「ですが、そのときはあなたが一人に・・・・・・」

アイヴィー「生憎一人でも余裕だ、防戦に徹するだけならセイバー・・・・・・例えアーサー王にも負ける気はしないね」

セイバー「!」

サーヴァント相手、しかもアーサー王という誰もが知る名前を相手に啖呵を切る。

普通なら死んでてもおかしくなさそうだが・・・・・・。

セイバー「心強い、貴方がヒナの味方で良かった」

アイヴィー「―――――失礼した」

そう言って席から立ち去る。

流石騎士だ、喧嘩を売ってみたが快く思われてしまった

アーチャー「流石騎士だな」

アイヴィー「そうだな、さて仕事だぞ」

アーチャー「ああ、分かったよ」

115 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/08(日) 02:32:54.03 ID:nm3AYQCB0


  *


陽菜「言っちゃったね」

セイバー「はい、これからどうしますか?」

陽菜「一応、街の中見てていいって言われたけど・・・・・・」

セイバー「そう言えば、アイヴィーから渡されたものが、これ自由に使っていいぞ、とのことです」

と、セイバーは封筒から封筒を二つ受け取り中身を取り出す。

一つは鍵だった、おそらくホテルの鍵だろう。

もう一つは・・・・・・

陽菜「??????????」

見覚えのある物がドサリと手の上に落ちた。

陽菜「これに何?」

セイバー「?、この国の紙幣かと」

陽菜「いくらだと思う?」

セイバー「見る限り百枚はあるかと・・・・・・大金ですね」

陽菜「・・・・?」
116 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/08(日) 03:10:49.38 ID:nm3AYQCB0

陽菜「何故?」

セイバー「何故、とは」

陽菜「何でこんな大金使っていいって!?」

セイバー「落ち着いてください、アイヴィーは何が起きるか分からないので、『その程度の端金でよければ、この国なら戦争中ならどうにかなるだろ?』といっていました、私も遠慮しましたが・・・・・・」

陽菜「しましたが?」

セイバー「アイヴィーは『少ない所持金で何が出来るんだ、備えあれば憂いなしだ』と」

陽菜「な、何故私の所持金が少ないことを・・・・・・」

セイバー「多分彼は財布の中身が小銭ばかりなので音などで判断した上で、だと思われます」

真顔でそんなことを言うセイバー。

陽菜「ああ、うん・・・・・・」

事実、彼女の財布にはそこまで大きな金額は入っていなかった。

うれしいといえばうれしいが、あまりにも大金なので手をつけるのをためらう。

セイバー「ここは素直に好意を受け取っておきましょう」

陽菜「そ、そうかな」
117 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/08(日) 03:29:32.30 ID:nm3AYQCB0

セイバー「ここを拠点にする場合、服などを買った方がいいでしょう」

陽菜「た、確かに・・・・・・じゃ、じゃあお言葉に甘えて」

遠慮こそしてしまうが、大金という誘惑には勝てないので、それらしい理由をつけてしまう。

セイバー「あとはこの鍵ですが、どうします?」

陽菜「どうなんだろうね、一応入ってみる?」

セイバー「そうですね、わざわざ用意された物ですし」

そうと決まれば席を立ち上がって、この鍵の部屋に向かう。

しかし、人にポンとお金を渡せるほどの財産を持ってるなんて、どれだけお金持ちなのだろうか。

それにホテルの部屋もスイートルームを簡単に借りられるし、魔術師って怖い。

ちゃっかりここの食事もお金支払われてたし・・・・・・いや、それは普通にこのホテルのサービスか。

セイバー「ここですね」

陽菜「じゃあ、あけてみるね」

鍵を外してドアノブを回す。

「いらっしゃい、あの人から聞いていますよ」

目の前に入ってきたのは一人の少女。

メガネをかけた、ゴシックドレスを来た紫髪の少女。

見た目の一部分を除いて彼女は普通の少女だった。

陽菜「紫の髪、だけど・・・・・・その、あ、頭に」

セイバー「蛇が生えている・・・・・・?」

メデューサ「自己紹介からですね、私の名前は『メデューサ』と申します」
118 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/08(日) 03:35:50.09 ID:nm3AYQCB0
【CLASS】????
【マスター】アイヴィー
【真名】メデューサ
【性別】女性
【属性】?
【ステータス】筋力? 耐久? 敏捷? 魔力? 幸運? 宝具?
【固有スキル】
119 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/08(日) 03:37:56.40 ID:nm3AYQCB0

かなりゆっくり書きました

とりあえず、リアルが落ち着いたのでこれまでどおりのペースでやっていこうと思います

色々と謎を残しつつ、今日は寝ようと思います

おやすみなさい・・・・・・
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/08(日) 11:19:51.24 ID:PZFJgC0B0
乙、黄忠かなアーチャーは日本だと老兵てイメージだけど
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/08(日) 12:21:24.21 ID:NrhQ2weXo
水滸伝の燕青かな?
美青年だし弓使えるし。

一人で二人召喚してるのか、それとも片方は誰かから奪ったのか。それともこれの前にどっかの聖杯戦争に参加してるのか。
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/08(日) 12:28:04.08 ID:3lmyVuQN0
ようやく追いついた
キャスターってミダス王とかかな?
黄金だけで予想する安易な考えだけど・・・
123 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 00:26:44.01 ID:fR+CWmkT0

皆さん結構答えまで近づいてきている・・・・・・?

とりあえず今日も少ないですが投下します
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/10(火) 00:38:44.87 ID:SOzBMi6O0
了解
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/10(火) 00:50:22.25 ID:VgPUaddPo
はいよー
126 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 01:21:09.48 ID:fR+CWmkT0

陽菜「メデューサ?どっかで聞いたことあるけど・・・・・・」

セイバー「メデューサはギリシャ神話のゴルゴン三姉妹の一人、見られると石に変える力を持った女性ですよ」

陽菜「あ、よく聞く石に変える・・・・・・」

メデューサ「そうね、それが私よ」

陽菜「・・・・・・はっ、それって」

メデューサ「別に危険はないわよ、魔眼殺しで封じてるから」

陽菜「魔眼殺し?」

メデューサ「私の眼鏡のこと、私の目の力を抑えている道具とだけ思っておけばいいわ」

陽菜「成程・・・・・・あ、私は陽菜です」

セイバー「セイバーです、一つ質問してもよろしいでしょうか」

メデューサ「別に私はサーヴァントじゃないわよ」

セイバー「なら貴女はただの使い魔ですか・・・・・・?」

メデューサ「そうよ、もっとも私自身は本物のメデューサじゃないけど」

陽菜「本物じゃない?」

メデューサ「作り物よ、あの子の家によって再現された『メデューサ』という形」



127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/10(火) 01:27:13.36 ID:VgPUaddPo
メデューサの容姿自体はそのままだと思っていいのかね
128 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 01:34:00.84 ID:fR+CWmkT0

セイバー「では、アイヴィーの家は魔物の体の再現を成功させたということですか?」

メデューサ「そうね、ほぼ完璧な再現が出来てるからあの子は天才よ」

陽菜「えーっと、どのくらい凄いんですか?」

メデューサ「織田信長の体だけを蘇らせる」

陽菜「凄すぎて何というか・・・・・・というか、アイヴィーさんもメデューサさんも信長知ってるあたり日本文化詳しくないですか?」

メデューサ「暇すぎて本読み漁ってる日々だからよ」

メデューサの座っているものはよく見たら椅子ではなく本。

部屋の中には本が何冊も積み上げてあった。

メデューサ「さて、本題に入りましょ?」

陽菜「本題?」

メデューサ「あなたに魔術を教えてあげるわ」

陽菜「え!?」

魔術を教えてくれる、これで私も―――。

セイバー「お待ちください、ヒナ」

と、それを止めるセイバー。

セイバー「アイヴィーは何が目的なのですか?」
129 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 01:45:22.21 ID:fR+CWmkT0

メデューサ「知らないわ、あの子に聞いて」

セイバー「ヒナ、魔術を教えてもらいたい気持ちもあるでしょうが、アイヴィーの考えていることが分かりません」

陽菜「どういうこと?」

セイバー「私たちは仲間ですが、いずれは聖杯を掛けて戦う運命になる可能性があります」

陽菜「え?」

メデューサ「聖杯は一人だけ、工夫すれば何とか成るかもしれないけど・・・・・・」

陽菜「――――」

確かに、最後の一人になるまで殺しあうといっていた。

つまり、私も・・・・・・?

メデューサ「顔面蒼白ね、何か勘違いしてるけど、全てのサーヴァントを倒せばそれでいいのよ?」

陽菜「でも、それじゃあ」

セイバー「どちらにしろ、私もアーチャーも受肉化という選択肢をとらなければ現世に留まる事は出来ません、受肉化以外に願いがある以上は私たちはいつか、近いうちに分かれなければいけません」

陽菜「そ、っか・・・・・・」

殺し合い、と言われている時点でセイバーかアーチャーさんのどちらかは絶対に・・・・・・。

それだけは嫌だ、みんなが残る、みんなが生きる。

セイバーもアーチャーさんも殺しあわずに願いをかなえる方法はないのかな。

陽菜「―――ある、私はそれを?」

メデューサ「大丈夫?」

130 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 01:54:33.55 ID:fR+CWmkT0

陽菜「はっ・・・・・・大丈夫です、少し混乱していました」

メデューサ「それなら良かったわ、色々思うところあるだろうけど、今度アイヴィーに真相を聞いてからまた来てちょうだい」

陽菜「は、はい」

今、自分は何を考えていたのだろうか。

メデューサ「うんうん、なら今日は少しお話しましょうよ、あの子意外と話すの久々だから楽しくて楽しくて!」

陽菜「あ、私はいいですけど・・・・・・」

セイバー「私も構いませんよ、ただしアーチャー側に有益な情報を漏らさないように」

陽菜「うっ、自然と口から出ないようにします」

メデューサ「だったら私から積極的にあの子達のこと教えちゃいます」

陽菜「えっ」

メデューサ「とりあえず何か知りたいことあれば何でも言いなさい、今なら有益なあの子の情報を教えてあげるわよ?」

陽菜「えーっとだったら・・・・・・メデューサさんって部屋空けた瞬間お淑やかだったのに急に小悪魔っぽくなりましたね」

メデューサ「え?」

陽菜「いや、最初は『あの人』って言ってたのに『あの子』って言い直したり敬語っぽかったのに急に友達と話すような感覚になったり・・・・・・」
131 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 02:07:38.66 ID:fR+CWmkT0

メデューサはポカーンと面を食らったような顔をして、笑い出した。

陽菜「えぇ!?私何か変なこと言いました?」

メデューサ「あははっあははは!いや、私がわざわざあの子の情報教えるって言ってるのに、さっきまで現実叩きつけられて暗い顔してたのに、最初に私に聞いてきたことがそれなんてふ、あはははは!!」

陽菜「え、えぇ!?別にいいじゃないですか!気になったんですから!!」

セイバー「・・・・・・ふふ」

陽菜「あ!セイバーも今笑ったでしょう!」

セイバー「笑っていません」

陽菜「きりっとしてイケメン顔しても無駄ですよ!」

メデューサ「そこのセイバーも笑ってたわよ」

陽菜「ほらー!」

セイバー「おのれメデューサ・・・・・・」

メデューサ「うんうん、面白かったわ・・・・・まぁ、質問の答えだけど初見で普段通りに話したりしたら『何だコイツ、馴れ馴れしい!』って思われたらあれだから、初見は堅苦しくして、普段どおりでも大丈夫だと思ったらすぐに切り替えてるだけよ」

陽菜「あ、そうなんですか、過去に怒られた経験が?」

メデューサ「時計塔のお偉いさんに嫌な顔されたわー、ぶん殴ってやろうかと思ったくらい」

本当に嫌な思い出なのか、苦い顔していた。
132 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 02:20:42.45 ID:fR+CWmkT0

陽菜「へぇ・・・・・・」

メデューサ「本当に些細なことよ、いや最初から面白かったし盛り上がったわ」

陽菜「一人で盛り上がっただけじゃないですか」

メデューサ「いや、そこの男も・・・・・・」

陽菜「いない!?」

メデューサ「あの男霊体化して逃げたな?」

陽菜「・・・・・・騎士の癖に」

セイバー「すぐ隣に居ます、騎士ですから、逃げたのではなく魔力の消費を抑えるためです」

と言ってまた透明になって消えていった。

メデューサ「騎士に拘るわね、流石騎士王」

陽菜「あはは・・・・・・あ、質問なんですけど、アイヴィーさんがメデューサさんをつ、作った?んですか?」

作った、という表現が良く分からないので疑問系で聞いてみる。

メデューサ「そうね、性格にはあの子の先祖が私の体を再現して、あの子が『完成』させたって形ね」

陽菜「生まれた、ではなく?」

メデューサ「再現した、のほうが正しいわね、私はどちらかと言うとホムンクルスとかの部類に入るわ」

陽菜「ホムンクルス?」

メデューサ「そこからか・・・・・・簡単に言えば人工的に作られた使い魔、人間見たいな物よ」
133 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 02:42:58.30 ID:fR+CWmkT0

陽菜「人間を作る・・・・・・結構えぐくないですか?」

メデューサ「いや、そんなもんよ、私だってそうやって作られたし」

陽菜「メデューサさんはその、神話のとおりなら本当に石にできるんですか?」

と、メデューサは眼鏡をとって近くにあったビスケットを見つめて・・・・・・

陽菜「石になった!?」

メデューサ「そういうことよ、勿論元にも戻せるけど」

陽菜「凄い・・・・・・ライダーさんの目って黄金の色ですけど、何か関係があるんですか?」

メデューサ「いいところに気がついたわね、私の目は魔眼って言って、見ただけで魔術を発動できるって代物よ」

陽菜「見ただけで・・・・・・あ、それって自分で抑えたれないんですか?」

メデューサ「そうね、だからこうやって魔眼を抑える道具を使ってるのよ・・・・・・ちなみに私の瞳って元々は石の形らしいわよ」

陽菜「宝石?」

メデューサ「何でも黄金よりも凄い魔眼なんだけど、やっぱり再現するのが難しいんだってさ」

陽菜「想像つかない・・・・・・」

メデューサ「まぁ、人工的に私を再現するのに黄金の色を作るだけでも相当凄い、と言うより時計塔を揺るがしたとか何とか」

陽菜「・・・・・・あっ、もしかしてほぼ完璧の、ほぼって」

メデューサ「そうね、魔眼のことよ」
134 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 03:19:03.12 ID:fR+CWmkT0

陽菜「へぇ、メデューサさんって何となく大人っぽい感じがあると思ったんですけど、見た目子供なのでそこが完璧じゃないのかと」

メデューサ「いや、コレは私の趣味よ?スラっと大人っぽいことより小さくて可愛いほうが美しいじゃない?もっと大人っぽくスラっとなれたらしいけど」

ゴシックドレスに眼鏡をつけた少女、時折うねうね動く頭から生えている蛇を除けばどうみても可愛い美少女。

美しいかどうかは別として可愛いので良しとしよう。

陽菜「アイヴィーさんは、そういう神話の生物を生み出す仕事、というか魔術を?」

メデューサ「いや、私を生み出したのなんて奇跡に等しいからそんなポンポンできるわけじゃないわよ、そうね・・・・・・」

座っている本の中から一冊取り出して、その中の一ページを見せてきた。

陽菜「・・・・・・人狼?」

メデューサ「あの子は狼の血を持っていてね、色々と体の形を変えることができるのよ」

陽菜「体の形を?」

メデューサ「そ、例えば狼になったり、鳥になったり、魚になったり・・・・・・あの子はそうやって色々な形に体を変えることができるの」

陽菜「魔術師って凄い・・・・・・いや、この場合アイヴィーさんが凄いのか」

メデューサ「そうね、人狼と人のハーフって話はそうそう聞かないと思うわよ?」

陽菜「そもそも人狼と言う存在自体実在するとは思っていませんでした」

メデューサ「そうね、今まで一般人でしょうし

135 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 03:30:51.56 ID:fR+CWmkT0

陽菜「いきなり巻き込まれちゃいましね」

メデューサ「いきなりにしては適応力半端じゃないわね」

陽菜「いや、ビクビクですよ?」

メデューサ「そう?あなたは全てを見通してる感じあるわよ?まるで自分は絶対に死なないと思ってる感じ」

陽菜「私はそんなんじゃないですよ!それに・・・・・・あっ」

と、気がついてしまった。

聖杯戦争の行き着く先が、もしアーチャーさんやアイヴィーさんと戦うことになったら、それはメデューサとも戦うと言うこと。

メデューサ「なんて思ってるんでしょうね」

陽菜「え?・・・・・・えっ!?」

メデューサ「思考バレバレよ、私は少しだけ相手の感情を読み取る力もあるからあなたの考えてることなんてすぐ分かるわ」

陽菜「あはは・・・・・・メデューサさんとも戦うことになるんですか?」

メデューサ「安心しなさい、私は戦わないわ」

陽菜「そうなんですか?てっきりアイヴィーさんと戦うのかと」

メデューサ「私はあの子にルールを作ったのよ」

陽菜「ルール?」
136 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 03:45:22.09 ID:fR+CWmkT0



メデューサ「1、私はあの子と協力するのは聖杯戦争が始まる前だけ」

そういってビスケットを口に入れて食べる。

メデューサ「2、私は聖杯戦争中は自由に行動するけど敵対はしない」

そういってビスケットを私の口に入れてくる。

メデューサ「3、私があの子と協力する場合は何らかのイレギュラーがあった場合、もしくはあの子と協力するのは私の気分が向いたときのみ」

そうして、最後に石にしたビスケットを割って、片方を差し出してくる。

メデューサ「食べる?」

陽菜「石ですよね?」

メデューサ「まぁ、食べてみなさい」

石のビスケットを恐る恐る食べてみると・・・・・・

普通のビスケットの味で、硬くともなんともなかった

メデューサ「魔術を解いておいたわよ、石にするだけじゃなくてちゃんと石から直す方法もあるから、誤って石になっちゃっても安心しなさい」

陽菜「あ、はい・・・・・・でも、何で協力しないんですか?」

セイバー「それについては私も疑問に思いました」
137 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 03:54:04.65 ID:fR+CWmkT0

メデューサ「お、でたな騎士王」

セイバー「貴女は使い魔でありながら、主であるアイヴィーに従わないのですか?」

メデューサ「その理由は今はいえないわね、それにあの子にも言ってないわよ?・・・・・・あら」

陽菜「時間?」

メデューサ「そうなのよ、魔術教えてたら多少伸びても良かったけど・・・・・・今日はこれでお開きね」

陽菜「うん、ありがとうメデューサさん」

メデューサ「私も久々に人と話せて楽しかったわ、また会いに来て頂戴」

陽菜「はい!」

と、お辞儀をして部屋を出て行こうとすると。

メデューサ「一つ、私をよく見なさい」

振り返って言うとおりにメデューサを見ると・・・・・・

陽菜「ステータス・・・・・・?」

メデューサ「一応私のも見えてるみたいね、なら全部教えてあげるわ」

陽菜「いいんですか?」

メデューサ「私は自由に行動するし、あなたなら敵対もしないでしょ?」

陽菜「も、勿論です」
138 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 04:02:38.75 ID:fR+CWmkT0

メデューサ「うん、それなら別に教えてもいいわ」

と、笑顔で言う、可愛い。

メデューサ「そして二つ、最後の質問のヒントよ」

陽菜「ヒント?」

メデューサ「それはね、この聖杯戦争に関係してるわ」

陽菜「でも、メデューサさんはサーヴァントじゃないんですよね?」

メデューサ「そう、聖杯戦争と私自体は関係ないけど、私が関わりたくないと思った・・・・・・そしてこの理由をあなたが知るときこそ、あなたの選択のときよ」

陽菜「・・・・・・」

彼女は、メデューサさんは何を知っているのだろうか。

それは私に関わることなのか?それとも聖杯戦争の根本にあるのか?

メデューサ「頭の片隅に入れておきなさい、そしてこの聖杯戦争は危険だから気をつけなさい」

そう言って彼女と手を振って別れる。

最後の言葉が少し引っかかるが・・・・・・

陽菜「とりあえず今が大事だよね」

セイバー「これからどうしますか?」

陽菜「とりあえず私が街を少し案内しよっか?」

セイバー「ありがとうございます、あとはヒナが生活するための道具も買いましょう」

聖杯戦争はまだ始まったばかりなのだ。

今は目の前を見て歩こう。

139 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 04:26:50.26 ID:fR+CWmkT0

【マスター】アイヴィー
【真名】メデューサ
【性別】女性
【属性】混沌・善
【ステータス】筋力D 耐久D 敏捷C 魔力B 幸運B 宝具?
【固有スキル】
怪力:C+
一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。
使用する事で筋力をワンランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。
再現によって人狼の血などを使用して作られた彼女は一時的に本来以上の力を発揮する。

魔眼:B
最高レベルの魔眼・キュベレイを所有していたが、完全には再現できていないのでランクが下がっている。
MGIがD以下の者は無条件で石化。Cの者でもセーブ判定次第で石化をうける。
Bの者には石化判定はないが、全能力をワンランク下げる“重圧”をかけられる。
対魔力で抵抗可能。

神性:-
神霊適性を持っていたが、作られた存在ある彼女には備わっていない。

人狼:D
人狼の血を使ってつくられた彼女は、多少だが人狼としての力を行使できる。


【宝具】
『自己封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ)』
ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:10〜30 最大捕捉:300人
血の結界。本来は内部に取り込んだ人間を溶解し、赤い血液となり使用者に吸収されるが、
本来の力を発揮できないので、重圧をかける程度。
ただし、この結界内で傷口から血を流した場合、流した血は彼女に吸収され続ける。
140 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/10(火) 04:32:38.65 ID:fR+CWmkT0

アーチャー陣営は魂こそ違うがロリメデューサさん作っちゃう、ちょっと能力的にチートくさい陣営

他の陣営勝てないんじゃね?ご安心ください皆チート級にすれば・・・・・・

半分嘘です、ですが本家よりマスターがチートくさいのは少し反省



と言うわけで、今日はここまでです。

次回は全ての陣営が・・・・・・
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/10(火) 04:50:00.56 ID:VgPUaddPo
ホムンクルスかーなら仕方ない。おつおつ
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/10(火) 08:58:29.70 ID:8Tfq4WVE0
ホムンクルスのメデューサと本物との違いは幸運だな、本物:E〜D
143 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/11(水) 23:01:32.98 ID:8cnKAY6B0

彼女の人生自体は不幸でもなければ、むしろアイヴィーと出会わなければ生きることもできなかったので幸運のランクはあげてあります

ホムンクルスと言っても宝具抜きなら並みのサーヴァントと渡り合えるレベルなメデューサさん


さて、今日も少し投下していこうと思います
144 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/11(水) 23:11:08.93 ID:8cnKAY6B0

*

  夕方


陽菜「さて、そろそろ帰ろっか!」

セイバー「そうですね、必要なものは買いましたし」

メデューサさんと別れた後は色々と買い物をしてきた。

横にセイバーがいたのでデート見たいな感じで、周囲から注目を浴びていた。

イケメンの外国人が彼氏・・・・・・。

陽菜「良い」

セイバー「何が良いんですか?」

陽菜「ヘェ?!いや、全部良いな!ってセイバーもその服似合ってるよ!!」

セイバー「ありがとうございます、陽菜のセンスの良い主を持てた私は幸せです」

陽菜「あ、うん・・・・・・」

駄目だ、そんなこと言われては照れてしまう。

返す言葉もない。

セイバー「あっ、ヒナ――――」

陽菜「え?・・・キャッ」
145 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/11(水) 23:50:32.13 ID:8cnKAY6B0


  *


ミーシャ「やっぱり、もう一度来て見たけど、ここにあった使い魔が全て処分されているか」

ランサーの情報が少しでも得られるかと思ったが、そうもいかないか。

アサシンが殺された今、『アサシンの復活』を待つしかないが、やれることはやっておきたい。

サーヴァントの居ない状況で出歩くのは危険だが、いざとなれば令呪を使えば蘇らせることも可能だ。

ミーシャ「ふぅ」

少し疲れた。

アサシンが来てからは、何故だか体が変に軽いと言うか、気持ちが吹っ切れたような感じになる。

アサシンが居ない状況のほうが体が重く感じる。

魔力供給をしている状況の方が楽なんて言うのもおかしな話だ。

家のためにも、私が頑張らなくてはならない。

頼れる人はいない、気持ちを共有できる友もいない。

孤独な戦いだが、アサシンさえ上手く扱えればこの戦いは絶対に勝てるはずだ。

ミーシャ「・・・・・・」

アサシンがいないと体が重く感じるが、いつもより思考がクリアな感じで気分がいい。

この気持ちいい気分をもっと味わ――――

「え?・・・キャッ」

よそ見していたら人とぶつかってしまった。

ミーシャ「ごめんなさい、大丈夫?」
146 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/12(木) 00:09:45.78 ID:IPV4ZoXl0

倒れた女性に右手を差し出す。

「はい―――わ、刺青ですか?」

と、自然と令呪が宿っているほうを差し出してしまった。

迂闊な行動だ、と反省。

ミーシャ「ええ」

「そう言えば外国の方って刺青とか好きですもんね・・・・・・あ、ぶつかってごめんなさい!」

ミーシャ「いえ、こちらも考え事してたからお互い様ね」

「いえ、こっちも浮かれた気分だったので・・・・・・」

ミーシャ「あら、そちらの方は彼氏さ――――」

女性の隣に居た男性、てっきりただのカップルかと思ったが。

「いや、彼氏だなんてそんな〜えへへ」

「ヒナ、今この状況を理解していないのは貴女だけですよ」

ミーシャ「あなた、マスター?」

「・・・・・・え?」

147 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/12(木) 00:26:34.40 ID:IPV4ZoXl0

  *


とりあえず近くの喫茶店に入る。

突然の出会いで、こちらが警戒する前にあちらのマスターから取り乱して慌てていた。

陽菜「ご、ごめんなさい!ぶつかったり、いきなり警戒したりして・・・・・・私は陽菜です、こっちはセイバー」

セイバー「いくら敵マスターと出会ったからと言って、すぐに戦闘になるわけじゃありませんし、人がいるなかでいきなり『や、やるかこの野郎ー!』はない思います」

陽菜「うぅ、反省しています」

セイバー「最初から喧嘩腰なのはいけないですが、戦う意思がちゃんとあったので安心しました」

陽菜「み、身を守るためなら・・・・・・」

ミーシャ「あー、私のこと忘れてない?」

陽菜「あ、すみません!えーっと」

ミーシャ「ミーシャ、そう呼んで」

陽菜「じゃあ、ミーシャさん!」

ミーシャ「うん」

陽菜「・・・・・・」

ミーシャ「・・・・・・」

どうしよう、会話がない。

ミーシャ「あー・・・・・・情報交換しない?」
148 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/12(木) 01:12:51.19 ID:IPV4ZoXl0

陽菜「情報交換ですか?」

ミーシャ「そ、互いに聖杯戦争は始まったばかりだし情報はあったほうが良いでしょ?」

陽菜「そ、そうだね!・・・・・・でも何から話したらいいかな」

セイバー「獣のことは?」

獣、あのランサーのマスターが連れていた犬のことか?

陽菜「私がセイバーを召喚する前に、人の顔をしたライオンに襲われたんですよ」

ミーシャ「人の顔したライオン・・・・・・恐怖の父(アブホール)かしら」

陽菜「アブホール?」

セイバー「エジプト神話に登場する生き物で、地中海から西アジアにかけて数多の伝説がある獣です」

陽菜「伝説って?」

ミーシャ「ええ、アブホールは神獣だから、竜の次に強い幻想種だけど・・・・・・どうやって逃げてきたの?」

陽菜「え?あー・・・・・・襲われた瞬間にセイバーが倒してくれて」

ミーシャ「え?一人で倒したの?」

陽菜「はい、頼りになります」

アブホールを単騎で倒す。

サーヴァントと同等の力を持っていてもおかしくないが、このセイバーは少なくとも単騎で幻想種と渡り合えるほどの強さか。

ミーシャ「それじゃあ、多分エジプト関係のサーヴァントが少なくともいるってことね」

陽菜「成程・・・・・・」


149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/12(木) 10:54:11.05 ID:fNGY5SnB0
寝落ちかな?
150 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/12(木) 19:23:43.93 ID:IPV4ZoXl0
すみません、寝落ちしてたので
続きは今日の夜に書きます
151 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/13(金) 01:36:14.86 ID:Jf9aNe2Q0

ミーシャ「じゃあ、次は私の知ってることだけど・・・・・・ランサーのマスターについて」

ここで嘘を言うのもいいが、相当強いサーヴァントを持つ彼女を敵に回そうとは思わない。

陽菜「マスター、ですか?」

ミーシャ「残念ながら、サーヴァントの情報はないのよ・・・・・・と言うより、彼がサーヴァントを出してこなかったのよ」

陽菜「もしかして一人で?」

ミーシャ「そのまさかよ、犬の使い魔と戦ってたみたいだけど、私のサーヴァントを退けるほどの強敵よ」

陽菜「どんな人なんですか?」

ミーシャ「元代行者のワルターよ、あの有名な」

陽菜「じ、実在したんですね」

ミーシャ「そりゃそうよ、同僚の代行者を10人が束になって襲っても帰ってきたのは死体だけなんだから」

陽菜「化け物ですね・・・・・・」

ミーシャ「まぁ、彼はどういう戦い方をするかは知ってるから、もしかすると対策の取りようはあるけど・・・・・・」

陽菜「どんな戦い方なんですか!」

ミーシャ「知らない?箱の武装」

陽菜「箱?聞いたことはあるけど・・・・・・」

ミーシャ「服の内側に黒鍵の柄だけ残して、黒鍵を利用した戦いのほかにも、何の魔術使ってるのか分からないけど、箱の中からありえない量の武器が出てくるのよ」

陽菜「四次元なのかな」

ミーシャ「アレは青タヌキロボット並に出てくるものが酷いわよ・・・・・・殺した魔術師や代行者とかの武器を自分なりに改造して使ったりしてるみたいだし」
152 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/13(金) 02:14:01.14 ID:Jf9aNe2Q0

陽菜「ランサーのマスターが代行者ワルター・・・・・・うん、有力」

ミーシャ「私が知ってるのはこれだけだわ、聖杯戦争も始まったばかりだし、敵同士だけどお互いがんばりましょ」

陽菜「はい!・・・・・・ところで、凄く日本語上手ですね」

ミーシャ「ええ、一応一年前から住んでるので」

陽菜「そうなんですか!?」

ミーシャ「と言っても、まだまだ慣れないわ、文化の違いもあるし」

陽菜「いやいや、私と普通に喋れてるんですから大丈夫ですよ!」

ミーシャ「ふふ、ありがと・・・・・・陽菜は学生?」

陽菜「・・・はい」

ミーシャ「どうして戸惑ったのよ?」

陽菜「え、いや、サボリ魔の私が学生と名乗っていいものかと」

ミーシャ「サボタージュしてても学生なんだから名乗っても大丈夫よ」

陽菜「私は高校一年生です・・・・・・ミーシャさんは何歳ですか?」

ミーシャ「私は17よ?高校二年、日本には留学できてるし」

陽菜「へぇ・・・・・・えぇ!?」

ミーシャ「そんなに驚くこと?」

陽菜「年上かと・・・・・・」

ミーシャ「ふふ、よく言われるわ」
153 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/13(金) 03:19:17.21 ID:Jf9aNe2Q0

陽菜「でも安心しました」

ミーシャ「?」

陽菜「私がぶつかっちゃった時に凄い疲れた表情でしたので」

ミーシャ「そう?やっぱりか」

陽菜「どうかされたんですか?」

ミーシャ「え?いや、色々調べてたらね」

危ない、『アサシンが死んじゃってね』何て口滑らせたら・・・・・・

いや、そう言って騙す手ももあったか。

ミーシャ「色々家のために絶対に勝ち残らなきゃいけないし」

陽菜「家?」

いけない、話さなくていいことも口を滑らしてしまった。

ミーシャ「いやー・・・・・・私の家って魔術師の家系では結構歴史ある方だったのよ」

陽菜「だった?」

ミーシャ「何故か分からないけどね、代を重ねるごとに魔術回路の本数も減ってきて、後二代か三代もあれば完全になくなっても可笑しくないくらい」

陽菜「それって、魔術師じゃ無くなっちゃうってことですよね・・・・・・」

ミーシャ「ええ、だから私のお祖父さんに選択されたのよ、今までの地位を利用して魔術師ではない道を進むか、魔術師としての衰退の道を進むか・・・・・・決めるのは若い私だ、って」

陽菜「ミーシャさんはそれで・・・・・・」

ミーシャ「この聖杯戦争を最後のチャンスにするつもりだわ、どちらの選択肢を取るか見定めるために日本に来てたけど、偶然こんなチャンス掴んだしがんばらなきゃ」

154 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/13(金) 03:43:24.58 ID:Jf9aNe2Q0

陽菜「私も偶然だったのに、ここまで意識の差があると・・・・・」

ミーシャ「あなたも魔術師なら同じでしょ?」

陽菜「そうですけど、覚悟も気合も違うなって」

たはは、と笑う彼女に何を思ったのか分からないが、私は彼女の手を掴んだ。

陽菜「ひぇ!?」

ミーシャ「自信を持ちなさい、あなただって魔術師なら目的のために前に進んで結果を出すしかないわよ!」

陽菜「ミーシャさん・・・・・・」

ミーシャ「私たちは敵同士だけど、悔いの残らないように、そして何よりも死なないように頑張りましょう」

陽菜「はい!」

敵である彼女に何故感情的になっているのだろうか。

いや、普段私はこういう性格だったはず・・・・・・?

分からない、分からないけど・・・・・・。

陽菜「なんか、ぶつかっちゃった上に励まされて本当にありがとうございます」

ミーシャ「いいわよ、別に・・・・・・っと、こんな時間」

陽菜「じゃあ、そろそろ解散しましょうか」

ミーシャ「そうね、出来れば敵同士では会いたくないけど・・・・・・」

陽菜「会えたときはお互い生きてるってことなので喜びましょ」

ミーシャ「喜べればいい状況なら良いんだけどね」

155 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/13(金) 04:19:25.95 ID:Jf9aNe2Q0

  *





ミーシャと分かれて喫茶店を出ると、外はもう暗くなっていた。

案外遅くまで居たようだ。

陽菜「ミーシャさん良い人だった・・・・・・」

セイバー「そうですね、敵味方関係なく接し、そして励ます・・・・・・良い人でした」

陽菜「だけど騙すのはちょっと悪いことしたなぁ」

セイバー「それに関してはお疲れ様でした、魔術師でないと分かれば何をされるか分からないですからね、不安な要素は無くしておくべきです」

陽菜「そうだね・・・・・・とりあえず、帰ったら報告しなきゃ」

セイバー「そうですね、ランサーは未知数でマスターは脅威と言うのは・・・・・・」

陽菜「セイバー?」

セイバーは言葉を途中で止めて、鎧と剣を取り出す。

陽菜「セイバー!?どうし――ん?」

何故だか分からないが、自分の足元に水が貯まっていた。

雨も降ってないのにどうしたのだろうか。

それに、繁華街だと言うのに周りには人が誰一人としていない。

セイバー「離れないでください、何処に敵が潜んでるか分かりません」

「とぉーりゃんせ、とぉーりゃんせ、ここはどこの細道じゃ〜」

歌が聞こえてくる。

歌の聞こえてくるほうを向くと、そこには二つの影。

「これって日本の歌だっけ?」

「そうですわ、そしてここはクラウス様の道ですわ」
156 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/13(金) 04:31:21.61 ID:Jf9aNe2Q0

長身に黒いコートを着た銀髪の外国人と和服を着た美しい女性。

二人は狂ったようにケラケラと笑いながら歩んでくる。

セイバー「あれは・・・・・・」

陽菜「あなたが、クラウスさん?」

そう尋ねると彼はニタリと笑いながら言う。

クラウス「ヒヒヒ!そうさ私がクラウスさ、そしてこっちがバーサーカー」

そういうとバーサーカーはお辞儀をする。

バーサーカー「今宵はあなた達の命を貰い受けにきました」

クラウス「そういうことさ、よろしくねぇ・・・・・・ヒナちゃんにアーサーさん」


  *


  同時刻



盗賊王「おうおう、お前がライダーか!」

目の前に、アブホールを引き連れた男が立ちふさがった。

空から街を見ていたところ、地上から攻撃を受けた。

攻撃自体は大した事ので無視出来たが、喧嘩は売られたら買わねばなどと言ってライダーはわざわざ降りてきた。

ライダー「貴様か、我が戦車に泥を塗ってきたのは」

盗賊王「ああ、お前がライダーだな?そしてルト」

ルト「!」

名前を呼ばれるとは思わなかった。

何故僕の名を?

盗賊王「何でって顔してるな?・・・・・・お前が一番良く知ってるだろ?」

ニタリと笑いそう言う目の前の男。

まさか――――

盗賊王「俺は組織の中でも重役の方の専属でなぁ、滅多に他の団員には会ったことないが・・・・・・分かるぜ、お前のこと」

何故?早すぎる。

それに何故マスターに?
157 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/13(金) 04:40:46.45 ID:Jf9aNe2Q0

盗賊王「あんな臭いジメジメした組織抜けたいよなぁ?」

ルト「何故、組織の人間がマスターに?」

盗賊王「それが俺の仕事さ、でも偶然お前がいた、だから殺す」

成程、それならば納得がいくが・・・・・・。

盗賊王「しかし、お前何もない空っぽな男だな」

ルト「なに?」

盗賊王「ああ、すまないな、生まれてこの方殺しだけはしてきたんだっけか?何も無いは言い過ぎたな!同属殺しのスペシャリストだもんな」

コイツは僕の経歴まで知っているのか。

盗賊王「でもさぁ、そんな奴がこの先組織抜けてどうすんの?殺ししか知らない人間が生きられるとでも?」

心を見透かされている?

だが、コイツの言っていることは確かにそうだ。

盗賊王「どうせお前の先何て殺しだけだよ、俺ぶっ殺しても組織が次々に刺客送り込んでくるぜ?」

ルト「だからどうした」

盗賊王「お前は最初から最後まで殺しだけだって言ってるんだよ、お前の人生の生きる理由なんてのは後にも先にも人殺しだけだよ」

そうだ。

確かにそうかもしれないが、僕は―――。

盗賊王「たかが『一人の妊婦』救った程度で救われる人生なんて最高に愉快で素敵な人生だなぁ!」
158 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/13(金) 04:47:43.57 ID:Jf9aNe2Q0

ルト「――――待て、今なんていった?」

盗賊王「だからよぉ、一人の妊婦救った程度で救われた気持ちになってさぞ愉快で素敵な人生だつってんだよ!」

何故コイツがそれを知っている?

何故?何故?何故?

盗賊王「何でだと思う?」

にやりと不敵な笑みを浮かべ、そして声を低くして言う。


盗賊王「お前の尻拭いは俺がしてやったんだよ、腹をぶっ刺してなぁ!」


ルト「――――――」

殺された、のか?

盗賊王「せっかく生かした女も報われないなぁ!」

僕が、僕があの時逃した意味は?

盗賊王「お前が殺しとけば今も組織に追われることはなかったのによ!」

僕が、あの後も組織が彼女を殺さないか監視しとけば?

盗賊王「いやぁ、本当に悲しいなぁ!」

僕は――――「いいや、違うぞ」

ルト「ライダー・・・・・・?」

ライダーは僕の肩を優しく、だが心なしか力強く掴み僕の横に立つ。
159 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/13(金) 04:59:50.93 ID:Jf9aNe2Q0

ライダー「我が奏者が過去に何をしたかは知らぬ、だが我が奏者は一人、いや二人を救ったのだろう?」

ルト「はい、でも・・・・・・」

ライダー「それを否定してはならぬそこで奏者が殺していれば今の奏者は『ここ』ではなく『あそこ』に立っていたのだぞ」

そう言って男を指差す。

ライダー「過去を悔いて、罪を償うのはいい事だ、そして善良な民を救うこと否定してはならぬ」

ルト「救っても死んでしまっては・・・・・・」

ライダー「救っても、救いたくても死んでしまうこともある、それは生き物として避けられないことだ・・・・・・しかし!」

剣を出して構える。

ライダー「救った後に死んでしまったのは悲しいが、奏者が救ったという事実は奏者と救った二人が覚えておる!それを余は否定させぬ!!

そうして笑顔で誇らしげに言う。

ライダー「そして余は奏者が正しいと証明してみせる!」

ルト「ライダー・・・・・・」

ライダー「それに、本当に死んだかなんて分からぬであろう?」

ルト「え・・・・・・?」

ライダー「もし、心を見透かす能力があれば、それで奏者を揺さぶっているだけかもしれぬ・・・・・・今は戦いのときだ」

ルト「その可能性に賭けろ、ってこと?」

ライダー「そうだ、今は戦うとき・・・・・目の前の男を討った後でも事実を確認するのは遅くないであろう?」
160 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/13(金) 05:24:41.09 ID:Jf9aNe2Q0

ルト「・・・・・・ありがとう、ライダー」

ライダー「落ち着いたか?」

ルト「ああ、大丈夫・・・・・・今はコイツを倒すことだけを考える」

盗賊王「やる気になってくれたか、良いねぇ!」

盗賊と神獣、暗殺者と騎乗兵は互いに得物を構え対峙する。

  *


 同時刻


アイヴィー「ちっ!アーチャー!!」

飛んでくる黒鍵を打ち落とすアーチャー。

まさか、調べ物の途中に一番厄介な奴に出くわすとは思わなかった。

アイヴィー「サーヴァントは出さないのか、代行者」

ワルター「お前とアーチャーだけなら私一人で十分だ」

そういって、ワルターは黒い皮のアタッシュケースを開いて武器を取り出す。

取り出したのは映画などで見たことのある近代兵器――――。

と、それを躊躇なく撃って来る。

バババババ、と激しい音と煙に包まれ、撃たれたところは蜂の巣となる。

当たらないように弾を避けてみるが、相当無理がある。

アイヴィー「アーチャー!あれ打ち落とせ!弾!!」

アーチャー「無茶言うな!何本矢が必要だと思ってんだ!」

アーチャーはとりあえず撃ってみるが全て打ち落とされる、ただし。
161 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/13(金) 05:40:49.28 ID:Jf9aNe2Q0

ワルター「やるな」

銃に一本の矢が突き刺さっていた。

アーチャー「すまないな、お前に当てるつもりだったが・・・・・・」

ワルター「いや、あれだけの弾の中で私の銃だけを狙うその腕・・・・・・見事」

アーチャー「褒められて気分は悪くならないな」

ワルター「ああ、だったら次はどうだ?」

そういって取り出してきたのは――――

アーチャー「あの筒が幾つもある武器は何だ?私の知識にアレはない、説明してくれ」

アイヴィー「ミニガン、まぁ簡単に言えばガトリング銃って言って1秒に100発弾だしてきたりするな」

アーチャー「成程な・・・・・・そりゃ恐ろしいな、ところで銃って反動はあるのか?」

アイヴィー「あるな、弓以上に」
162 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/13(金) 05:42:39.18 ID:Jf9aNe2Q0

アーチャー「さっき、アイツが持ち出した銃も相当な速度で相当な量の弾が出てたが・・・・・・あれの反動ってどうなんだろうな」

アイヴィー「知らん、だが少なくとも今奴が持ってるミニガンはさっき以上の反動だぞ」

アーチャー「・・・・・・そうか、ところでマスターは敵が反動なく銃を撃ってきたら怖いと思うか?」

アイヴィー「怖いな、反動無いってことは狙いを定めやすいってことだからな」

アーチャー「成程、さっき奴は銃を反動を感じずに撃っていたな」

アイヴィー「そうだな」

アーチャー「・・・・・・そろそろ現実を見たらどうだ」

アイヴィー「ミニガンを両手に持って反動なしで撃ってくるなんて信じられるか、信じたくない」

アーチャー「お前の戦う相手だ」

アイヴィー「はは、某映画の兵士だって銃を両手で持ってたぞ・・・・・・ワルター怒りの聖杯戦争、なんてな」

その瞬間、アイヴィーとアーチャーにミニガンの弾が襲い掛かる。
163 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/13(金) 05:43:06.59 ID:Jf9aNe2Q0


今日はここまでです

昨日寝オチですみませんでした。
164 : ◆MlN7LT33g2 :2015/03/13(金) 06:54:51.20 ID:Jf9aNe2Q0


アイヴィー「ミニガンを両手に持って反動なしで撃ってくるなんて信じられるか、信じたくない」

の訂正で、

アイヴィー「ミニガンを両手に一つずつ持って本人は反動無く撃ってくるなんて信じられるか?信じたくない」
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/13(金) 09:29:37.21 ID:Zr7o811zo
おつ
ワルター怒りの聖杯戦争が地味にツボった
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/13(金) 10:58:11.67 ID:p22NLczEO
おつ
ヒナとミーシャの会話でヒナが一般人には見えないんだが
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/13(金) 11:12:08.05 ID:GYPgjo6e0
バーサーカーvsセイバー
キャスターvsライダー
ランサーvsアーチャー 同時刻に残る六組が違う場所で戦闘とかバトルロイヤルぽっくて良いですね
168 : ◆MlN7LT33g2 :2015/03/13(金) 17:26:36.60 ID:6DVWGDZ0O
>>165
とっさに思いついた貴重なギャグシーン(?)

>>167
陽菜はミーシャが魔術師だと勘違いしてるので、そこを利用して何とか騙してました

>>168
6陣営の同時の戦いなので、書くの難しそうなので、なるべく見にくくならないようにします


今日の夜投下出来たら、投下しますー
気力とか色々で物語を進められそうになかったら、前の投下でのミーシャと陽菜の会話で、
ミーシャ視点でしたので、陽菜視点の会話とかの小話とかを投下したりします
169 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/14(土) 01:27:13.95 ID:NkhWtKHN0

【Extra Story 1 ミーシャと陽菜、その裏側】

 *


とりあえず近くの喫茶店に入った。

突然の出会いというのもあって、私は気が動転して慌ててしまったが、セイバーのおかげで何とかなった。

とりあえずこういうのは自己紹介から入るものだ

セイバー(自己紹介といっても、下手に喋らないほうが良いですよ)

陽菜(わっ、頭の中にセイバーの声が!?)

セイバー(私たちはパスでつながっているので、こうして会話できます・・・・・・とりあえず今は目の前のことを)

陽菜(あ、うん・・・・・・下手に喋らないほうがいいって、アーチャーさんたちと行動してることとか?)

セイバー(勿論です、それから魔術師でない事も伏せてください)

陽菜(私が何をされるか分からないから?)

セイバ(そうです、アサシンやキャスターがサーヴァントの場合は、そういう倒せそうなマスターから片付けられる可能性があります)

陽菜(な、成程・・・・・・じゃあ、それを念頭に入れて話してみる)

陽菜「ご、ごめんなさい!ぶつかったり、いきなり警戒したりして・・・・・・私は陽菜です、こっちはセイバー」

セイバー「いくら敵マスターと出会ったからと言って、すぐに戦闘になるわけじゃありませんし、人がいるなかでいきなり『や、やるかこの野郎ー!』はない思います」

陽菜「うぅ、反省しています」

セイバー「最初から喧嘩腰なのはいけないですが、戦う意思がちゃんとあったので安心しました」

陽菜「み、身を守るためなら・・・・・・」

ミーシャ「あー、私のこと忘れてない?」

陽菜「あ、すみません!えーっと」

ミーシャ「ミーシャ、そう呼んで」

陽菜「じゃあ、ミーシャさん!」

ミーシャ「うん」

陽菜(どうしよう、会話が無い)

セイバー(ここは出方を見るのです)

陽菜「・・・・・・」

ミーシャ「・・・・・・」

どうしよう、会話がない。

ミーシャ「あー・・・・・・情報交換しない?」
170 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/14(土) 01:40:28.07 ID:NkhWtKHN0
・・・・・・・
・・・・・
・・・



セイバー「エジプト神話に登場する生き物で、地中海から西アジアにかけて数多の伝説がある獣です」

陽菜「伝説って?」

ミーシャ「ええ、アブホールは神獣だから、竜の次に強い幻想種だけど・・・・・・どうやって逃げてきたの?」

陽菜(どうやって逃げたことにする?)

セイバー(いえ、私が一人で倒しました)

陽菜(え?)

セイバー(私が一人で倒しました、そうしましょう)

陽菜「え?あー・・・・・・襲われた瞬間にセイバーが倒してくれて」

ミーシャ「え?一人で倒したの?」

陽菜「はい、頼りになります」

陽菜(実際、一人で倒せる?)

セイバー(恐らく苦戦を強いられると思います、アーチャーが的確に急所を狙ってくれたので大きな傷を与えることが出来ましたが)

陽菜(ミーシャさん凄い驚いてるけど、多分『セイバーが楽に倒したんだ』と思ってるよ)

セイバー(いえ、楽に倒せます)

陽菜(えっ、でも今・・・・・・)

セイバー(恐らくです、あくまでも恐らくです、恐らく苦戦を強いられるかもしれないのであって、決して遅れはとりません)ドヤァ

陽菜(無駄にカッコいいドヤ顔でこっちを向かないで、ドヤァじゃない)
171 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/14(土) 01:47:50.77 ID:NkhWtKHN0
・・・・・・・
・・・・・
・・・



ミーシャ「そのまさかよ、犬の使い魔と戦ってたみたいだけど、私のサーヴァントを退けるほどの強敵よ」

陽菜「どんな人なんですか?」

ミーシャ「元代行者のワルターよ、あの有名な」

陽菜「じ、実在したんですね」

セイバー(良い反応です、知っている風を出しつつも噂程度でしか聞いたこと無い雰囲気を出すその言い方)

陽菜(馬鹿にしてる?)

ミーシャ「そりゃそうよ、同僚の代行者を10人が束になって襲っても帰ってきたのは死体だけなんだから」

陽菜「化け物ですね・・・・・・」

ミーシャ「まぁ、彼はどういう戦い方をするかは知ってるから、もしかすると対策の取りようはあるけど・・・・・・」

セイバー(どのような戦い方なのですか!?)

陽菜「どんな戦い方なんですか!」

陽菜(釣られて言ってしまった・・・・・・)

ミーシャ「知らない?箱の武装」

陽菜「箱?聞いたことはあるけど・・・・・・」

陽菜(実際はないんだけど)

ミーシャ「服の内側に黒鍵の柄だけ残して、黒鍵を利用した戦いのほかにも、何の魔術使ってるのか分からないけど、箱の中からありえない量の武器が出てくるのよ」

陽菜「四次元なのかな」

ミーシャ「アレは青タヌキロボット並に出てくるものが酷いわよ・・・・・・殺した魔術師や代行者とかの武器を自分なりに改造して使ったりしてるみたいだし」

セイバー(アレは猫型では?)

陽菜(何で知ってるの?)

セイバー(聖杯に与えられた知識にありました)

陽菜(謎だ・・・・・・)
172 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/14(土) 02:19:15.65 ID:NkhWtKHN0
・・・・・・・
・・・・・
・・・


陽菜「私も偶然だったのに、ここまで意識の差があると・・・・・」

ミーシャ「あなたも魔術師なら同じでしょ?」

陽菜(何が同じだと思う?)

セイバー(適当にあわせましょう)

陽菜「そうですけど、覚悟も気合も違うなって」

何故だかは分からないが、彼女は私の手を掴んだ。

陽菜「ひぇ!?」

ミーシャ「自信を持ちなさい、あなただって魔術師なら目的のために前に進んで結果を出すしかないわよ!」

陽菜「ミーシャさん・・・・・・」

ミーシャ「私たちは敵同士だけど、悔いの残らないように、そして何よりも死なないように頑張りましょう」

陽菜「はい!」

陽菜(凄い罪悪感)

セイバー(身を守るためです、仕方ありません)

陽菜「なんか、ぶつかっちゃった上に励まされて本当にありがとうございます」

・・・・・・・
・・・・・
・・・


陽菜「今思えば本当に騎士なのかと疑う言動がチラホラ」

セイバー「ヒナの危険を少しでも取り除くため仕方なかったのです
173 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/14(土) 02:19:52.41 ID:NkhWtKHN0

今日は本筋進められそうに無いので、

後一つ小話を投下して終わろうと思います
174 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/14(土) 04:21:38.30 ID:NkhWtKHN0

【extra story2 皇帝とルト】


あれから二日。

ライダーと出会って一日で色々起きたが、ストレスしか感じない。

ライダー「むにゃ」

ルト「・・・・・・」

だらしなく、潜伏先のホテルで寝ている彼女、ライダーは見事に何も身に着けずに寝ていた。

同じ部屋、しかも異性がいると言うのにこの体たらく。

これがローマ皇帝だと言うのだから笑える、いや笑えない。

ルト「せめて何か一枚着るか、布団を掛けるかしてください、風邪引きますよ・・・・・・それと朝です」

ライダー「むにゃ・・・・・・おぉ、奏者よー」

ルト「あぁ、寝ぼけてる・・・・・・涎垂れてますよ」

ライダー「あぁ、すまぬ・・・・・・少し夢を見ていた」

ルト「サーヴァントも夢を見るのですね」

ライダー「そうじゃな、だが風邪は引かぬぞ?」

ルト「あなたを見てるとこっちが風邪引きそうです」

ライダー「それはすまぬな・・・・・・む」

ルト「どうしました?」

ライダー「いや、頭痛がな」

ルト「ああ、だったら飲みますか?」

ライダー「これは?」

ルト「効くかは分かりませんが、頭痛に効く薬です」
175 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/14(土) 04:37:30.83 ID:NkhWtKHN0

ライダー「なんと・・・・・・だが、余の頭痛は治らぬと思うぞ?」

ルト「でしょうね、だったらこっち使ってください、痛み止めです」

ライダー「奏者は用意周到だな、子供ながらに感心したぞ」

ルト「子ども扱いしないでください、僕はこれでも14歳です」

ライダー「子供ではないか」

ルト「大人です、それに聖杯戦争がどういうものかは昨日の戦いで何となく想像ついたので、出来る限り不安要素を消しておくために作ったんですから、効き目があるかどうか教えてください」

ライダー「―――奏者が作ったのか?」

ポカンと、驚いた様子でこちらを見ていた、何も身につけていない状態で。

せめて布の一枚でも身に着けて欲しい。

子どもだと思っているから気にしていないのか、それともただの痴女なのだろうか。

ライダー「奏者は薬の知識があるのか!」

ルト「ええ、呪術を使って作ったので、効き目は自信あるんですけど、もしかしたら合わないかもしれないので、とりあえず使用してみてください」

ライダー「ふふ、余は良いマスターに恵まれたな」

ルト「あ、薬飲む前にご飯を用意したので、食後にお願いします」

ライダー「・・・・・・!何やら良い匂いがすると思えば、朝食の匂いだったのか!」

ルト「簡単なもので申し訳ないですが、お口に合うといいです」
176 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/14(土) 04:50:41.47 ID:NkhWtKHN0

ライダー「うう、余は今感動している!冷徹でクールだと思いきや、わざわざサーヴァントである余にも手作りの食事を用意して、そして余の頭痛を和らげようと余の知らないところで薬を作ってくれていたとは・・・・・・!!」

ルト「いえ、確かに手作りは初めてですけど、食事を提供するのは当たり前でしょう」

ライダー「いや、サーヴァントは食事をとらなくても魔力供給で良いのだぞ?」

ルト「えっ、じゃあ今までの行為は無駄だったってことですか」

ライダー「そんなことはない、美味い食事は士気に繋がるぞ!」

ルト「士気なんてどうでも良いので、今度からコスト削減のためにあなたの食事を割きますね」

ライダー「何故だ!?」

ルト「何故も何も、これから僕が過ごすにはここで浪費するにはいきません」

ライダー「聖杯戦争に勝てば全てチャラになるであろう?」

ルト「それもそうですが・・・・・・」

ライダー「それに余は節約や嫌いだ」

ルト「でしょうね!あなたのことは少し調べさせてもらいましたが、やっぱりそうだったんですね」

ライダー「まぁ余が聖杯戦争に勝ってマスターの願いを叶えてやる、だから今まで通り食事を提供して欲しいぞ奏者よ!この通りだ!」

ルト「わっ!?抱きしめないでください!せめて布を一枚身につけてからお願いします!分かりました!食事は提供しますから離れてください!!僕だって男なんですからぁぁああああああああ!!!」

177 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/14(土) 04:52:44.52 ID:NkhWtKHN0


・・・・・・とまぁこんな具合に、ここまでにしておきます。

もし、ストーリーとか思い悩んでるときとか、暇なときは各マスターの過去や裏話、各陣営の日常会話など書いてみたいと思います

どっかの陣営の会話見てみたいってのもあれば是非どうぞ。

それでは、今日はここまで。
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/14(土) 12:08:19.40 ID:KmbEkrmko
おねショタは崇高だ。
179 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/15(日) 23:02:59.28 ID:XpSpET2H0

今日もボチボチ投下していきまする
180 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/15(日) 23:08:11.00 ID:XpSpET2H0

陽菜「あなたがクラウスね」

クラウス「会えて嬉しいよ、アイヴィーと一緒に行動してるんだろ?」

陽菜「なんで、私の名前やセイバーの名前を・・・・・・」

クラウス「ヒヒヒ、私は何処からでも、街の中を見れるからね・・・・・・さて」

バーサーカーがクラウスの前に出る。

クラウス「お喋りはここまでにしよう、これは戦争だ!」

手を上にあげて、楽しそうに叫ぶ。

それと同時にバーサーカーの体がミシミシと大きくなり始める。

クラウス「勝つか負けるか、支配するかされるかの戦い!」

やがて、美しい和服美女の姿は――――

クラウス「さぁ始めよう!私たちの準備は整った!!」

―――巨大な蛇の姿に変わっていた。

セイバー「大蛇に変化した・・・・・・!?」

陽菜「頭には般若・・・・・・?」

セイバー「とにかく、今はあのサーヴァントをどうにかするのが先決です、陽菜は離れないように」

陽菜「わ、わかった」

セイバー「それから、令呪に関して説明をアイヴィーから受けてませんでしたね」

陽菜「令呪?」

セイバー「もし、自分に危機が訪れた場合、強く私を呼んでください」

陽菜「そしたら助けてくれるの?」

セイバー「はい、必ず駆けつけます」
181 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/15(日) 23:15:29.09 ID:XpSpET2H0
陽菜「わかった」

セイバー「では」

陽菜「うん、頼みますセイバー!」

セイバー「はい、この剣に誓って」

黄金の聖剣を構え、バーサーカーと対峙する。

それと同時に、バーサーカーは口から炎を吹き付ける。

セイバー「私の後ろに!」

陽菜「セイバー!」

辺りが激しい炎に包まれる。

幸いセイバーが防いでくれているが、この勢いの炎ではセイバーが・・・・・・。

クラウス「・・・・・・へぇ」

セイバー「この程度ですか」

陽菜「セイバー!大丈夫!?」

セイバー「大丈夫です、あの程度の炎ならば我が盾に傷をつけることは出来ません」

そう言うセイバーの左手に握られていたのは盾。

その盾には聖母マリアの描かれていた。

クラウス「へぇ、盾か・・・・・・」
182 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/15(日) 23:41:50.92 ID:XpSpET2H0

セイバーは剣を構えて走る。

大蛇は炎を吹いてセイバーを近づけないようにするが、何事もなく炎を盾で防ぐセイバー。

三秒も掛からずに剣の届く距離にきたセイバーは剣を振りかざすが、横から蛇の尾がセイバーを襲う。

陽菜「危な―――」

だが、それを読んでいたセイバーは難なく避け、大蛇に剣を振る。

当たる、誰もがそう思ったが・・・・・・大蛇はそれを避けた。

セイバー「!―――」

以外だとは思ったが、それを難なく回転し遠心力をつけてもう一撃。

クラウス「やらせるか!」

剣は大蛇に触れることが出来たが、弾かれた。

クラウスの魔術だろうか、何が起こったのかは分からないが効かないと思ったセイバーは次の手を繰り出す。

セイバー「刺し貫く魔の槍(ロンゴミニアド)!!」

セイバーは左手の盾を離し、その手には槍が握られていた。

そして、その槍を大蛇に突き刺す。

クラウスも貫くことは出来ないと考えているはずだが―――

バーサーカー「■■■■■――――――!!!!!!!!」

槍は大蛇の体を貫き、大蛇は悲鳴を上げる。

その状態で暴れだしたので、すぐさま槍を抜いて陽菜の元まで後ろに下がる。

183 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/16(月) 00:18:27.31 ID:so4/MmmX0

クラウス「君本当にセイバー?」

セイバー「セイバーが槍を持っていてはおかしいか?」

クラウス「当たり前だ!何でそんなもん持ってるんですかねぇ!!」

白い柄に、槍頭には黄金の装飾が施されている5メートルはある槍。

ロンゴミニアド、アーサー王伝説においてモードレッドを刺した槍。

聖槍としての扱いを受けているそれだが、セイバーのクラスであるアーサーが持っているのはこの場の誰もが意外だとは思った。

クラウス「ヒヒヒ!まぁいいや、こっちの防御が通らないなら―――」

クラウスの足元から煙が煙が吹き出る。

クラウス「さて、バーサーカー!」

クラウスに呼ばれたバーサーカーはもう一度火を吹く。

セイバーは盾で防ごうとするが―――セイバーに当たる寸前で炎はセイバーの横を通り抜ける、

まるで生きているかのように、マスターである陽菜に襲い掛かる。

狙いが分かった瞬間セイバーは陽菜の元に炎よりも速く駆けつけ、炎から身を守る。

そして、炎を防ぎながらセイバーは大蛇に向かって前進しようと駆け出すが・・・・・・。

セイバー「?」

大蛇まで三秒も掛からなかったはずのセイバーが途中で足を止める。

そして、後ろに向かって飛んで、陽菜の横まで後退する。

陽菜「ど、どうしたの?」

セイバー「あの煙、おそらく魔術の類でしょうが、対魔力が通じません・・・・・・!」
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/16(月) 01:09:37.99 ID:u19+tgyQ0
バーサーカーの正体清姫か、確かに姫だな
185 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/16(月) 01:33:58.74 ID:so4/MmmX0

  *


ワルター「ほう、避けるか」

ワルターの目の前には弓を構えたアーチャーと獣の姿をしたアイヴィーがいた。

ミニガンから発射された弾の嵐を避けきった二人は再びワルターと対峙していた。

ワルター「噂には聞いていたが、君が」

アイヴィー「俺もアンタの耳を疑う噂は聞いてるよ、代行者時代は同僚を盾に獲物を仕留めたんだってな」

ワルター「盾役を買って出てくれたのでな」

アイヴィー「本当かよ・・・・・・」

ワルター「信じてくれなくてもいい、どの道同じことをしていた・・・・・・さて」

ここでワルターの隣に初めてサーヴァントの姿が現れる。

ワルター「さて、一人で仕留めようかと思ったが面倒だ」

アイヴィー「最初からそうしとけよ、代行者」

ワルター「元代行者だ」

ワルターはアタッシュケースを片手に、黒鍵を持ってアーチャーの方に向かう。

黒鍵を投げつけるがアーチャーはそれを全て撃ち落す」

アーチャー「マスターは俺が引き受けた!」

アイヴィー「分かった!!」

迫るワルターを牽制しながら、アーチャーは後退していく。

分断して、互いにマスター対サーヴァントの状況を作るのがワルターの狙いだろうが・・・・・・
186 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/16(月) 01:53:08.12 ID:so4/MmmX0

アイヴィー「残念ながら、代行者の狙いは裏目に出たな」

ランサー「どういうことですか?」

アイヴィー「ステータス見る限り、お前程度じゃ俺は倒せないって言ってるんだ、それにアーチャーなら相手が代行者でも戦える」

アイヴィーは今、人狼としての力である獣人化で自らの姿を狼の姿に変えている。

これによって、平均的なサーヴァントならば宝具さえ使われなければ同等に戦うことも出来る。

平均以下ならば倒すことも可能なほどに身体スペックは跳ね上がっている。

そしてアーチャーは平均的なサーヴァントではあるが、埋められることの無い人間とサーヴァントの差と宝具があれば仕留めることも可能だ。

ランサー「そうですね、私ではあなたを倒せません」

アイヴィー「なら、何故分断した?」

ランサー「その答えは私と戦えば分かりますよ」

アイヴィー「だな、その方が分かりやすい」

獣なっているせいもあってか、血の気が多くなっているアイヴィーは力を溜め込み、駆ける。

ランサーの耐久力では今のアイヴィーの一撃を貰うだけでも致命傷になるだろう。

サーヴァントにも負けない速度で一瞬で距離を詰めたアイヴィーは拳を握り振りかざす。

だが、その拳はランサーに通ることはなかった。

アイヴィーの前には突如青い壁が立ちはだかった。

壁に拳をぶつけても傷一つつかず、何が起こるかも分からないので元の位置に後退する。
187 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/16(月) 02:13:19.75 ID:so4/MmmX0

後退してその壁の正体が分かった。

アイヴィー「腕・・・・・・?」

思わず呟いてしまった。

アスファルトの地面を突き破り出てきていたのは鎧を纏った腕。

ランサー「確かに私には倒せません、ですが―――――

ゴゴゴ、と地鳴りと共に大地が揺れる。

そして、もう一本の腕が同じようにアスファルトを突き破り出現する。

そうして、徐々にランサーの後ろにその全身が出現する。

地面から全ての姿が出切った頃には、全長14、5メートルはあるかと言うほど巨大な青銅の鎧を纏った巨人が現れる。

これだけで彼女の真名は――――

ランサー「―――――この『全て破壊す青銅の巨人(エクシティアム・アド・タロス)』ならば!!」

――――クレタ島の姫、『エウロペ』だ。

アイヴィー「・・・・・・はは、あの代行者の考えることがえげつないな」

成程、分断したのはいい判断だとは思った。

これならランサーは俺に負けることはないし、今の状態なら俺が勝てる見込みも無い。

アイヴィー「しかたない、やるだけやるがアイヴィーが無理なら俺が本気出してみるか」

とりあえずは時間稼ぎ、あの巨人のスペックを確かめることが先決だ。

本格的な戦いの前に気合を入れるために息を吸い込み・・・・・・。

アイヴィー「うぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

青銅の巨人と姫を目の前にして、孤高の狼は吼える。
188 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/16(月) 02:40:27.52 ID:so4/MmmX0

  *


ワルター「厄介だな」

逃げながら的確に矢を当ててくるので距離を詰めようにも詰められない。

アーチャー「どうした?接近戦は好みじゃないのか?」

ワルター「欲のある頃ならば傷など気にせず突っ込んだだろうが、今は違うな」

あの女の弓は的確に急所を狙うだけでなく、撃った矢に重ねるように矢を撃ってくる。

最初の矢を撃ち落しても、死角になって放たれる矢に反応できなければ撃たれる。

それを急所に打ってくるのだから冗談じゃない。

ワルター「そろそろだろうな・・・・・・『喰らいつく不屈の猟犬(ラエプラス)』!!」」

何処からともなく、ランサーの宝具である猟犬が現れる。

アーチャー「成程、エウロペか」

ワルター「ああ、どうせお前のマスターには明かしただろうから隠す必要も無いな」

アーチャー「成程、アイヴィーが踏み潰されないうちにこっちも片付けるか」

ワルター「片付ける?誰が」
189 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/16(月) 02:44:11.87 ID:so4/MmmX0

アーチャー「私がだよ、お前にこの矢を当ててな」

ワルター「やってみるがいい、全て撃ち落してくれる」

厄介ではあるが、戦えない相手ではない。

撃ち落しながらラエプラスで時間を稼いで距離を詰めていけば勝機はあるだろう。

アーチャー「あちらにランサーのマスターがいるでしょう?」

そう言ってアーチャーは弓を構える。

アーチャー「この神箭将軍(しんせんしょうぐん)と呼ばれる私が射抜いて見せましょう」

ワルター「ほざけ」

矢が放たれ、ワルターはそれを撃ち落す。

確かに撃ち落した矢は、ちゃんと『ワルターの肩に刺さっていた』。

ワルター「何・・・・・・?」

アーチャー「いや、すまないな・・・・・・手元が狂って肩を打ち抜いてしまった」

今、確実に撃ち落したはずだ。

だが、何故私の肩に撃ち落した矢が突き刺さっている?

ワルター「いや、神箭将軍という肩書き・・・・・・成程、お前は」

アーチャー「知っているなら嬉しいな、私が梁山泊の花栄だ」
190 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/16(月) 02:56:57.44 ID:so4/MmmX0
【CLASS】セイバー
【マスター】陽菜
【真名】アーサー・ペンドラゴン
【性別】男性
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力A 耐久B 敏捷B 魔力B 幸運C 宝具?
【クラス別スキル】
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル
事実上、現代の魔術師ではセイバーに傷をつけられない

騎乗:B
騎乗の才能。たいていの乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。

【固有スキル】


騎士道精神:A+
騎士王と謳われ、九偉人に選ばれたアーサー王の在り方そのもの
精神干渉を無効化し、自身に数の利が無い戦闘の場合相手からのペナルティーを一切無効化する。



【宝具】
『?』

『刺し貫く魔の槍(ロンゴミニアド)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜3 最大補足:1人
カムランの戦いでアーサーがモードレッドを刺し殺すのに使ったと言われる名槍。
アーサーはロンゴミニアドにより、モードレッドの鎧をものともせず一撃のもとに突き殺したという。
真名解放により持ち主が指定したもの『だけ』を貫く魔術の込められた槍。

『?』



【CLASS】ランサー
【マスター】 ワルター
【真名】?
【性別】女性
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷C 魔力B 幸運C 宝具?
【クラス別スキル】
対魔力:C
第二説以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪宝など大掛かりな魔術は防げない。

【固有スキル】
神性:D
神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的に神霊との混血とされる。
ランサーは海神ポセイドンの孫娘である。

【宝具】
『?』

『喰らいつく不屈の猟犬(ラエプラス)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜300 最大補足:1人
ランサーに服従し、偵察・観察・追跡・警護を務める使い魔である。
戦闘力はサーヴァントには及ばないが、並の代行者なら一蹴するレベルである。
ラエプラスが殺害された場合、魔力を消費することで再び呼び出すことが可能。
ランサーがゼウスから賜ったものの一つであり、「決して獲物を逃がさない猟犬」

『全て破壊す青銅の巨人(エクシティアム・アド・タロス)』
ランク:A++ 種別:対軍宝具 レンジ:1〜99 最大補足:100人

191 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/16(月) 03:13:33.93 ID:so4/MmmX0
【CLASS】アーチャー
【マスター】 アイヴィー
【真名】花栄
【性別】女性
【属性】中立・善
【ステータス】筋力B 耐久B 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具B
【クラス別スキル】
対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

単独行動:C
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。

【固有スキル】
千里眼:C
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。

軍略:B
一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。
自らの対軍宝具の行使や、
逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。

【宝具】
『我が弓の腕は全てを射る(しんせんしょうぐん・かえい)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
アーチャーが自身の弓の腕前を証明するときの逸話を宝具化したもの。
発動時に遮蔽物がなく、射撃対象が視界に入っている時に自らの真名または肩書きと『射撃対象を当てる』と宣言することにより発動。
発動後に射った矢は物理的に絶対に当たらない状況にならない限り『対象に必ず当たる』という事象が確定しており、対象は矢を打ち落とすことも出来ず、防ぐこともできない。
対象以外は矢を防ぐことは出来るが、この宝具の効力を解除するか、対象に当たるまではこの宝具は有効となる。
この宝具はあくまで『当てる』だけの宝具なので、致命傷を負わせられるかはその時の状況次第。

『?』



【CLASS】バーサーカー
【マスター】ワルター
【真名】?
【性別】女性
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力D 耐久D 敏捷D 魔力D 幸運C 宝具?
【クラス別スキル】
【クラス別スキル】
狂化:E
通常時は狂化の影響を受けない。その代わり、正常な思考力を持つ。

【固有スキル】
精神汚染:B
精神が錯乱しているため、他の精神干渉計魔術を高確率でシャットアウトする。
ただし同ランクの精神汚染が無い人物とは意思疎通が成立しない。



【宝具】
『?』
192 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/16(月) 03:18:09.42 ID:so4/MmmX0

【CLASS】マスター
【サーヴァント】アーチャー
【令呪】3
【真名】アイヴィー
【性別】男性
【属性】中立・善
【ステータス】筋力C 耐久C 敏捷B 魔力A 幸運B 宝具?
【固有スキル】
人狼:A
人狼の血が流れている。
人間とのハーフだが、人狼の血を濃く引き継いでおり、人狼としての力を最大限に引き出せている。
獣人化することにより、魔力と幸運以外の全てのランクをワンランク引き上げる。



【CLASS】マスター
【サーヴァント】ランサー
【令呪】3
【真名】ワルター
【性別】男性
【属性】中立・悪
【ステータス】筋力A 耐久A 敏捷B 魔力B 幸運E 宝具?
【固有スキル】
洗礼詠唱:C
キリスト教における“神の教え”を基盤とする魔術。
その特性上、霊的・魔的なモノに対しては絶大な威力を持つ

魔術:D
強化の魔術を中心にオーソドックスな魔術を習得している。 

武装改造:B
武装を改造して扱うことの出来るスキル。
このランクならば近代兵器や魔術を使用する武装でも改造・使用が出来る。
193 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/16(月) 03:21:19.94 ID:so4/MmmX0

オネショタっていいですよね・・・・・・というわけでここで終了。

結構な勢いで真名バラしたりしてますが、まだキャスターとバーサーカーがわからないから良いよね(棒)

まぁ、バーサーカーは何となく分かるかもしれませんがキャスターはどうでしょう・・・・・・

次回はライダー組対盗賊王&おっさんライオンの戦いとセイバー対バーサーカー組でお送りしようと思います。


それでは、今日はここまで。
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/16(月) 03:32:32.89 ID:POggsob9O
ちょっと戦況がごちゃごちゃしてきたから一回纏めて欲しいな
195 : ◆MlN7LT33g2 :2015/03/16(月) 04:14:54.60 ID:so4/MmmX0
>>194
分かりづらくてすみません、
今度から終わるときに各陣営の現在の状況とかを書いていこうと思います

セイバー陣営 バーサーカー陣営と交戦中

アーチャー陣営 ランサー陣営と交戦中
ただし、互いにマスター対サーヴァントの状況になっている

ランサー陣営 アーチャー陣営と交戦中

ライダー陣営 キャスター陣営と交戦中

キャスター陣営 ライダー陣営と交戦中

アサシン陣営 帰宅して寝ている、アサシンの復活待ち

バーサーカー陣営 セイバー陣営と交戦中
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/16(月) 12:25:20.71 ID:lh7RPDwf0
乙 清姫確かキャス狐とメル友の仲だったよな確か、
197 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/17(火) 00:02:30.08 ID:mKrtzFU10
>>196
ですね、どういう経緯でメル友になったのかは分からんのですが・・・・・・本編で普通にキャスターとメールさせて良いのだろうかと悩むところ。

今日は小話を一つ投下して終わりまする
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/17(火) 00:05:50.63 ID:0sDGGE1q0
現界中って座とメール出来んのかな?
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/17(火) 00:24:34.47 ID:ZHiGC9uN0
九尾の狐状態のキャス狐は過去の中国に未来にいる白野を呼び出したあったし、まあ可能なんじゃない
200 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/17(火) 01:20:16.39 ID:mKrtzFU10

【extra story3 ワルターの夢】


ランサー「ところで、あなたがこの戦いで叶えたいものは何ですか?」

ワルター「私のか?」

ランサー「はい、私の願いは普通の人生を歩んでみたい、と言うものだと仰いましたが・・・・・・ワルター様の願いを聞いたことはありませんでした」

ランサー、エウロペの願いは受肉化だと聞いていた。

ゼウスに誘拐まがいの熱烈なプロポーズを受けていたエウロペは王ではなく普通の民としての生活を送ってみたい、とのことだった。

ワルター「・・・・・そうだな、それには私のことを少し話さなければならない」

ランサー「ワルター様の?」

ワルター「ああ、私はこの通り無愛想だろう」

常に真顔、究極のポーカーフェイスとも呼べる程、顔の表情が変わらない。

ワルター「私は昔、聖堂教会という場所で代行者という仕事をしていた、簡単に言えば少々過激な悪魔祓いのようなものだ」

ランサー「では、その神父の格好は・・・・・・」

ワルター「仕事の時に使っていた服だな、これが一番頑丈なのでな・・・・・・続けるが、私は聖職者と呼べるには程遠い男だった」

食いたいときに食い、寝たいときに寝て、犯りたいときに犯る。

欲望の化身のような人間だった。

ワルター「そんな人間だった私は仕事中に一人の魔術師と出会った」
201 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/17(火) 02:11:42.06 ID:mKrtzFU10

出会った経緯はどうだったかは覚えてないが、彼女は私を受け入れてくれた。

欲望まみれの自分をすんなりと受け入れた。

ワルター「穏やかで、全てを受け入れる彼女に対して私は欲望まみれの獣・・・・・・どちらが聖職者か分からなくなった」

そんな自分を始めて恥じた自分は、彼女に頼み込んで欲を抑える呪いをかけたのだ。

他者の力を借りることは恥ではあるが、これを機に自らの欲を封じ込めて、本当の聖職者になると彼女に誓った。

ワルター「欲を封じ、聖職者らしくなってきたところで・・・・・・私は彼女を殺した」

ランサー「殺した、のですか?」

ワルター「ああ、仕事でな」

私は泣いた、一生分は涙を流したんじゃないかと言うほどに泣いた。

そうして、私は悲しんだ後も仕事をし続けた・・・・・・が、一つ気がつかなかったことがあった。

ワルター「私は死んだ彼女に呪いを解く方法を教わっていなかった」

あらゆる書物や彼女の持っていた書物も漁ったが、何一つとして呪いを解く方法が分からなかった。

欲をどんどん失っていく私は、次第に楽しさや悲しさなどといった感情も失い。

ワルター「その先は紛れも無い闇の中だった、欲も無ければ感情も思い出せなくなった阿呆な聖職者」

今までのツケだと思えばそうなのかもしれない。

自らを受けれた女性を殺した人間には当然の報いだとは思っていた。
202 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/17(火) 02:34:48.84 ID:mKrtzFU10

ワルター「そして私はある日気がついた、欲が無い自分は救いすら求めていないと」

それに気がついた私は聖職者であることを辞め、ただの人間になろうかと思った。

だが、何も無い空っぽな男が『ただの人間』にすらなれないと気がついた。

ワルター「彼女を殺したのは私だが八つ当たりのつもりで、怒りという感情がどういう風なのかも思い出せない私はただ自分の力を闇雲に振り回し、気がつけば同僚を皆殺しにしていた」

そこからは教会に追われる日々。

何人殺したかは分からないが、相当な被害を出したであろう私が狙われるのも当たり前だった。

ワルター「そうして、殺して殺して殺して・・・・・・そうしていくうちに私は何故殺しているのか、何故生きるのか、何故私は彼女を殺したのか、など様々な答えを捜し求める旅をした」

刺客を振り払いながら、世界を回る旅。

始めていく場所などは自然と体が弾むような、おそらく楽しいという感情が湧き上がっていた。

ワルター「そうして、私は日本に来て一人の中年の男と出会った」

私は生涯を彼に話した、彼は一般人なので魔術などの部分は脚色しながら話していった。

すると彼は『君は欲を失ったと言ったが、欲など最初から失っていなかったのだ』と言った。

ワルター「彼の言葉により私は気がついた、真に欲を失ったのならば、何故生きようとするのか、何故答えを捜し求めるのか・・・・・・」

そうして彼は『今も呪いが掛かっているのならば、その呪いを解くか、原点に返って呪いに負けないような欲を手に入れたまえ』と言った。

ワルター「そこから私は呪いにも負けずに欲望を手に入れようともがいた・・・・・・そして、それを達成できそうなイベントに巻き込まれた」

203 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/17(火) 02:44:44.00 ID:mKrtzFU10

ランサー「それが聖杯戦争ですか?」

ワルター「ああ、結局のところ私は欲を得るためにこの戦争に参加した」

ランサー「なんだか、不思議な人生ですね、欲のままに生き、欲を抑え、欲を捜し求める・・・・・・」

本当に不思議でおかしな生きかたをしている。

ランサー「ですけど、今のワルター様は楽しそうですよ?」

と、微笑むランサー。

何となくその姿は彼女に似ている。

ワルター「・・・・・・ふむ」

ランサー「ごめんなさい、本当に楽しそうな雰囲気でしたので・・・・・・」

ワルター「何がだ?君の言うとおり私は今楽しいのだが」

ランサー「え?で凄い形相で・・・・・・」

ワルター「笑顔のつもりだったのだがな・・・・・・」

どうやら、笑顔の作り方も分からなくなっていた。

ランサー「大丈夫ですよ、少しずつ練習していけばいいんです」

ワルター「そうだな」

ランサー「そうだ、紅茶飲みますか?」

ワルター「ああ、茶菓子も用意するか」

彼女に似ているサーヴァントと共にお茶を飲む。

失ったものを取り返したような気分だ。
204 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/17(火) 02:47:16.76 ID:mKrtzFU10

ということで、ワルターさんのお話。

バーサーカーさんには小話で話せればキャスターとのメール交換とか投下してみるか・・・・・・


それでは、今日はここまで。
205 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/20(金) 00:06:09.32 ID:YpDLwtm/0

今日もボチボチ投下しますの
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/20(金) 00:08:50.24 ID:XVbVrAOX0
了解
207 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/20(金) 01:03:54.39 ID:YpDLwtm/0

  *


大神殿内


結界を完成させ、大神殿を作り上げたキャスターは結界内から戦いの様子を見ていた。

意外だったのは、アサシン以外の全ての陣営が動き始めたことだ。

キャスター「盗賊王の戦いも面白いが、他も面白い・・・・・・ランサーがエウロペなのも中々面白い」

キャスターは全ての陣営のサーヴァントの真名を確認したうえで、今後の方針を決めなければならない。

各6クラス、内1クラスは敵ですら無い。

キャスターの中ではアサシンは無視しても問題ない程のレベルだが、アサシンを手駒としているバーサーカー陣営が問題だ。

キャスター「我の目でも見通せぬ物を眠らせるクラウスと言った男・・・・・・盗賊王が何故始まる前に殺したのかが分かるほど不気味な存在だ」

盗賊王はサーヴァントを召喚する前に本当に面倒な存在を倒したかったようだが、全く持って同感だ。

『合成召喚』などと言う方法でサーヴァントを召喚しようとしていた奴は早々に叩きたいと思うのも頷ける。

しかし、それ以上に奴は『何か』を隠そうとしている。

『糸』の魔術はおそらくそれの為なのだろうが・・・・・・

キャスター「奴が隠したいものを理解していないから我に見えない・・・・・・まさかな」

理解もせずに隠す意味があるのだろうか?

それとも別の意思が働いているのか?いや、ありえない。

キャスター「まだ、見なければならぬことが多いか・・・・・・おっ」

と、ふと頭に浮かんだ。

この戦いをかき乱す方法を、そして奴がどのような反応を示すのかを。
208 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/20(金) 01:28:49.58 ID:YpDLwtm/0


 *


盗賊王「あぁ!?思いついたって何を・・・・・・危な!」

弾が飛び交う繁華街で戦う二人。

ルト「余所見ですか?」

盗賊王「そういう訳だ!後にしてくれ!!」

容赦なく機関銃を撃ってくる少年に、必死に避け続ける盗賊王。

盗賊王(完璧だな、餓鬼の癖に『奥の手』まで隠し持ちながら戦うとか)

餓鬼、と言うには少し疑ってしまうほどの力をルトは持っていた。

盗賊王は、様々な魔術師などから様々な物を盗む関係で、幾つもの修羅場を潜り抜けてきた。

ルトも同様に戦場や要人の暗殺など、様々な修羅場を歩んできた。

だからこそ、互いに分かっていた。

ルト(何を仕掛けてるか分からないが、一撃貰えば死ぬ)

盗賊王は今のところ仕掛けてこないが、ルトの弾丸一発一発には呪術が込められている。

一撃でも貰えば相手は相当痛手なはずだ。

盗賊王「しかし、お前はいくつ武器を持ってるんだ」

ルト「さぁ?手の内明かすほどアホじゃないですし」

盗賊王「ま、良いけどよ・・・・・・サーヴァントの方はどうだろうな」

音がしたと思えば、横の壁を突き破ってライダーが吹き飛ばされていた。

ライダー「すまぬ、奏者よ・・・・・・少々この獣は厄介だ」
209 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/20(金) 01:52:44.70 ID:YpDLwtm/0

互いに傷だらけのライダーとアブホール。

仕方ないといえば仕方ないが・・・・・・。

ルト「奴一体程度ならまだ何とかなります、盗賊王は僕でも倒すのが困難なのでアブホールを先に倒しましょう」

ライダー「倒すとは、一体どうやって・・・・・・」

ルト「僕なら倒せます、成功率は少し低いですが・・・・・・」

そう言ってライダーに見せた左腕。

ルトの左腕には黒い包帯が巻かれており、赤い文字で模様と文字が書かれていた。

ライダー「それが作か?」

ルト「ええ、一瞬でも動きを止めてもらえれば後は」

ライダー「分かった、何とかしてみよう」

盗賊王「それだけはさせるかよ!!」

目の前の盗賊王も焦ったのか仕掛ける、その手には短剣が握られていた。

前方から盗賊王、左にはアブホール。

ルト「盗賊王が厄介です、戦車で動きを止められますか!?」

ライダー「仕方ない『太陽導く白銀の戦車(トリスティック・デイ・テラ・ソル)』よ!!」

空から戦車が現れ前方の盗賊王を轢き殺そうと走る。

盗賊王はそれを避けるが・・・・・・。
210 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/20(金) 02:09:51.44 ID:YpDLwtm/0

ルト「充分、ライダー!!」

僅かな時間を無駄にせず、ルトはアブホールに仕掛ける。

ライダーはルトの声に従いアブホールと打ち合う。

ライダーの炎の様な剣とアブホールの爪が火花を散らすが、アブホールの圧倒的な差にライダーは吹き飛ばされる。

ライダーが吹き飛ばされた瞬間、隙を見てルトはアブホールの懐に入る。

ライダー「奏者よ!!」

ルト(失敗すれば死、だが成功すれば一気にこの状況を打開できる―――!!)

包帯を外してアブホールの体に左手を当てる。

アブホールはルトが何をするのかも想像がついていないが、易々と行動させるわけにも行かない。

アブホールの爪がルトを裂こうとするが、その爪はルトには届かなかった。

ルト「終わりました」

そう言ったと同時にアブホールは消滅していく。

ライダー「何を、やったのだ?」

その場にいたライダーだけが理解をしていなかった。

ルト「奥の手です、成功したので・・・・・・」

包帯を再び巻きなおして右手でハンドガンを構えるルト。

ルト「次はあなたです」

盗賊王「やってくれたな・・・・・・!!」

苦虫を噛み潰した顔をした盗賊王が突如ルトの目の前から消えて、代わりに巨大な蛇の尻尾が現れた。

クラウス「あぁぁぁぁぁああああああいたかったぞ!!!!!盗賊王!!!」
211 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/20(金) 02:26:43.44 ID:YpDLwtm/0

  *


セイバー「なっ、別のサーヴァント!?」

壁を突き破って盗賊王を吹き飛ばしたバーサーカーと、そのバーサーカーの上に乗るクラウス。

それと同時にルトの後ろに女性を抱きかかえる騎士の格好をした男が現れる。

突然のことに驚きを隠せないルトとライダー。

陽菜「わっ、何あの痴女!?」

ライダー「なっ、痴女とは何だ!」

ルト「何者ですか?」

ルトは銃を構えようとするが、ライダーはそれを止める。

ライダー「待て、すぐに敵意を向けないほうが良い」

セイバー「ええ、賢明な判断です」

ルト「・・・・・・すみません、戦いで興奮していました」

ライダー「うむ、落ち着くことが大事だぞ、奏者よ」

ルト「では、改めて聞きますが何者ですか?僕はルト、こちらの痴女はライダー」

ライダー「なっ、余は痴」

セイバー「私はセイバーです、こちらは我が主のヒナです」

陽菜「陽菜です、初めましてよろしくお願いします?」

ルト「・・・・・・お願いします?」

ライダー「余の言葉を途中で切るでない馬鹿者ー!」
212 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/20(金) 02:28:21.76 ID:YpDLwtm/0

中途半端で申し訳ないですが、今日は終わりにします。

色々出かける準備もあるので、短くてすみません。

次回は月曜日の夜になります。


それでは、今日はここまで。
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/22(日) 22:11:13.97 ID:ou8nqdE4O
遅くなったが乙
214 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/23(月) 23:36:48.27 ID:0elDtti+0

ボチボチ投下しますのん
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/24(火) 00:10:04.04 ID:Ttb9ZaAr0
了解
216 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/24(火) 00:48:26.51 ID:FPg4wjZ/0

ルト「ところで、そちらはあの蛇と交戦中だったんですか?」

セイバー「ええ、ですがマスターの噴出した黒い煙に近づくことが出来ないのでこの剣で斬ることもできないので、仕方なく敵の攻撃を避けながら突破口を見つけようとしていたのですが・・・・・・」

ルト「黒い煙?」

蛇の近くには確かに黒い煙が漂っていた。

ルト「ライダー、あの煙に触れることは出来ると思う?」

ライダー「あの煙は何か余、というよりサーヴァントを寄せ付けない程の何かを秘めている」

ルト「成程、サーヴァントすらも寄せ付けないように出来る一種の結界か何か、ということですか」

陽菜「あの、あなた達も戦ってたり?」

ルト「ええ、今吹き飛ばされた男と交戦中でした」

ライダー「して、あの男はまだ息があるようだが・・・・・・」

ルト「確実に仕留めたいです、アブホールはサーヴァントではないので奴のサーヴァントが来る前に」

ライダー「わかった、だが混戦状態になった場合は宝具を使っても構わぬか?」

ルト「ええ、他のサーヴァントと混戦状態になる場合は躊躇なくお願いします」
217 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/24(火) 01:39:54.76 ID:FPg4wjZ/0

盗賊王「くっそ、油断した・・・・・・」

クラウス「おいおい、どうしたぁ!感動的に殺してやろうかと思ったのに!」

盗賊王「何が感動的だ、不意打ちで叩き殺そうとしやがった野郎が」

吹き飛ばされた割には無傷で立ち上がった盗賊王の手には人形が握られていた。

やがてそれはサラサラと砂になって地面に落ちていった。

盗賊王「ちっ、もう少し持つと思ったが限界か」

クラウス「ああ、変わり身の人形?成程、それで今の攻撃を受けきったのか」

盗賊王「よく知ってるな、あんまり知られてない礼装だと思ったが」

クラウス「僕もそういう礼装作れるから何となく分かったんだよ、まぁそんな事どうでもいいから死ね」

言葉に反応するようにバーサーカーは火を噴き焼き殺そうとする。

だが、火は盗賊王を避ける様に周りへと広がり、盗賊王は何事もなかったかのように煙草を吸い始める。

クラウス「火除けか」

盗賊王「当たり前だ、それぐらい予想できないから俺に殺されるんだろドアホが」

クラウス「叩き殺せ」

その言葉に反応するようにバーサーカーの尻尾が再び振り下ろされる。

盗賊王「・・・・・・!」

盗賊王は後方に飛んで避けようするが、それを逃がさんとするようにバーサーカーの尻尾は振り下ろされる。

だが、尻尾は盗賊王に当たる寸前で勢いを失っていた。

その理由は・・・・・・

218 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/24(火) 02:22:02.84 ID:FPg4wjZ/0


  *


ワルター「くっ」

アーチャーの真名が判明したのは良いが、問題はその能力にあった。

彼、いや彼女は『花栄』と呼ばれる人物。

水滸伝と呼ばれる中国の物語の中で、梁山泊という山で山賊をしていた弓使い。

飛ぶ鴨の頭を打ち抜くほどの技量や計略にも優れており、彼女は戦において無敗を誇る。

ワルター「厄介だな」

彼女の宝具は『宣言した対象に必ず矢を当てる宝具』だ。

どのように射線を遮っても、どんな反応速度で避けようとしても必ず当てる必中の宝具。

射線から完全に外れて建物内に逃げ込んでも矢は足に当たった辺り『物理的に絶対に当たらない』というのは360度全てが壁に包まれている密室の状態にでもならない限りこの矢は何処までも追ってくるだろう。

ただし、この矢は当たりさえすれば良い。

掠った程度で解除されるこの宝具はギリギリ当たる範囲で避け続ければ軽症ですむ。

これで攻略したつもりだったが・・・・・・。

ワルター「毒か、確かに仕込まない理由がないな」

徐々に体が痺れてきていた。

毒に対しても耐性はあるつもりだが、最初の肩に当たった一撃が大きく響いているのだろう。

撤退したいところだが、護衛として着かせていたラエプラスは撃ち殺されてしまった。
219 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/24(火) 02:54:09.54 ID:FPg4wjZ/0

だが、ラエプラスおかげで宝具の能力は理解した。

後はこの状況をどうにかして脱しなければならない。

建物の中に隠れているが、いつ見つかるかも分からない、見つかれば逃げ場の少ない彼女に見つかるのは建物内では死を意味するだろう。

アーチャーの気配はすぐそこまで来ていた。

ワルター「・・・・・・使うか」

アタッシュケースの中には、このような状況でも対応できるように様々な物が入っている。

体の痺れは薬を飲めば何とかなるが、効き始める前に襲われれば次はないだろう。

仕方が無いので奥の手として取っておいた礼装を一つ取り出すが・・・・・

すぐそこまで来ていたアーチャーの気配は消えていた、つまりこの場を離れたということだ。

何故アーチャーがこの期に及んでこの場を離れたのか・・・・・・まさかランサーが?

ランサー『ワルター様、他の陣営が現れました』

ランサーに持たせていた連絡用の機械から連絡が来た。

ワルター「他の陣営?何処だ」

ランサー『それが・・・・・・おそらく、アサシン以外の全陣営だと思います』
220 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/24(火) 02:54:58.31 ID:FPg4wjZ/0

すみません、今日はここまでにします。

続きは明日で
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/24(火) 11:02:38.20 ID:XOjWYN9B0
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/24(火) 11:27:04.97 ID:Ml0UYFO90
乙、エウロべはランサーですか確かに槍持ってますね、となると残る最後の宝具は‘けして無くなることのない投げ槍‘ですね
223 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/24(火) 22:36:02.47 ID:FPg4wjZ/0
>>222

そうですね、まだ詳細は出ませんが・・・・・・


というわけで始めます
224 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/24(火) 23:07:20.59 ID:FPg4wjZ/0


  *

 五分前


アイヴィー「糞が!!」

明らかに不利な戦いだった。

元々サーヴァントに人間が勝てるはずがないのにも関わらず彼は勝負を仕掛けてきた。

彼ほどの強さならアーチャーと合流して戦うことも出来ただろうに。

ランサー「何故、アーチャーを呼び戻さないんですか?」

アイヴィー「一人で勝てるって思ってるからな」

ランサー「ですが、タロスを突破しない限りは私には辿り付けませんよ」

アイヴィー「タロス倒すよりお前を倒したほうが手っ取り早いだろ」

ランサー「その私にたどり着けないと言っているのですが・・・・・・」

戦いが始まってから、チマチマと動き回って様子を見てはタロスに攻撃をしているようだが、明らかにタロスにダメージはない。

何がしたいのだろうか?

ランサー「タロス、ワルター様に迷惑が掛かるといけません」

タロスはランサーの声に応えて体を赤く燃え上がらせる。

ランサー「やりなさい」
225 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/25(水) 00:02:09.56 ID:L9/c4U9B0

タロスは指をアイヴィーに向け、やがて指からは赤い光が照射される。

アイヴィー「うっそだろおま・・・・・・」

当たった部分は溶け落ちる程の熱線を放たれる。

並の人間でないにしても、これほどの攻撃と防御力を前にしては彼も下手には近づけないだろう。

だが、10本の熱線を持ってしても彼は傷一付くことなく、難なく避け続ける。

ランサー「大きいのを一発、ですね」

タロスに命じて、強大な避けることも防ぐことも出来ないレベルの熱線で焼き殺そう。

そう命じようとした瞬間、彼は注射器を自分の腕に刺していた。

何をしたのだろうか?だが関係ない、これが放たれれば彼も―――――。

アイヴィー「へぇ、ゼウスが惚れるのも分かる美人さんだな」

何が起こったのだろうか。

瞬きをした瞬間には目の前に彼がいた。

だが、彼の顔は獣人化した状態ではなく、普通の人間の顔だった。

アイヴィー「おっと」

彼が何か行動を起こす前に目の前は炎に包まれた。

タロスが私を守るために炎を放ってくれたのだろう。

だが、タロスすらも反応できない速度の動きは獣人化の状態でも出来ないと思ったが、何故獣人化していない状態で彼は私の目の前まで距離を詰められたのか。
226 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/25(水) 00:37:26.94 ID:L9/c4U9B0

後方へと距離を開けたアイヴィーは獣人化している状態だった。

一体、彼は何をしたのだろうか。

ランサー「ですが、それは知らないまま終わりそうです」

タロスは手のひらをアイヴィーに向ける。

そうして溜めたエネルギーで今度は逃げ場がない程強大な熱線を放つ。

アイヴィー「・・・・・・それ街中で放つ規模じゃないと思うが」

ランサー「申し訳ございません、こちらの方が手っ取り早いですし、時間は掛けられないので」

熱線が放たれる、轟音と共に地面や建物が溶け堕ちていく。

彼は避けられず、熱線の中に飲み込まれていった、これでアーチャー陣営は終わりだ。

タロスは熱線を放つのをやめると、熱線によって溶けた建物と・・・・・・

アイヴィー「げほっ、死ぬかと思った」

血を吐き出しながら生きているアイヴィーの姿が目に入った。

ランサー「何故、タロスの一撃を・・・・・・」

アイヴィー「何故って、そりゃ―――いや、戦いは中断だ」

「■■■■■ーーーーーーーー!!!!!!!!!」

ランサーとアイヴィーの目に悲鳴をあげる巨大な蛇の姿。

そして―――
227 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/25(水) 00:53:01.00 ID:L9/c4U9B0

  *


盗賊王「助かったぜ、何処の誰か知らんが」

クラウス「おや、アイヴィー」

アイヴィー「よう、会いたかったぜ」

ルト「また新たな陣営が・・・・・・!」

陽菜「うわ!今度は獣とロボット!?」

アサシンを除く全ての陣営が出揃った。

盗賊王「おいおい、これじゃあこの日に聖杯戦争終わっちまうんじゃないのか?」

陽菜「え?え?これって何機のサーヴァントがいるの?」

セイバー「六機です、マスターの方は・・・・・・」

ランサーの元にワルターが帰ってきた。

ワルター「すまない、ランサー」

ランサー「大丈夫ですか!無理はしないでくださいと仰ったはずです!」

それと同時にアーチャーもアイヴィーの横に立っていた。

セイバー「・・・・・・全員出揃ったようですね」

陽菜「あれ?アーチャーさんが何であの獣のサーヴァントの横に?」

セイバー「あれはもしかするとアイヴィーでは?獣に変身する術を持っているとメデューサは言いましたし」

陽菜「えっ!?そう言えばそんなこと言ってたけど、まさか本当に動物に変身出来るとは」
228 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/25(水) 01:20:47.81 ID:L9/c4U9B0

バーサーカー「■■■■■ーーーーーー!!」

クラウス「大丈夫かい?とりあえず霊体化して休むといい、私は一人でも大丈夫だから」

巨大な蛇は霊体化して消え、クラウスは熱線を放った相手と対峙する。

クラウス「君達か、愛しの姫の尻尾を焼いたのは」

ランサー「あら、事故で焼いてしまってごめんなさいね」

クラウス「はは、糞女が殺してくやる」

殺意を剥き出してランサー達を睨み付けるクラウスに対して、明らかな殺意をクラウスに向ける男がいた。

アイヴィー「クラウス、お前の『糸』はどうなってるんだ」

クラウス「アイヴィー!死んでなかったんだね!私の糸?それは私の本来の使い方をしているだけだよ!」

殺意を剥き出しにして凶悪な顔をケロりと変えて笑顔でアイヴィーと向き合う。

その顔や姿に先程までの殺意は無く、親しみだけが彼に向けられていた。

正直その姿を見た誰もが『狂っている』と思っただろう。

アイヴィー「『調和』はやめたのか?」

クラウス「やめたよ、調和なんかしてる暇があったら支配してた方が手っ取り早いし」

アイヴィー「そうか、それなら躊躇わずに殺せる」

クラウス「おや、怒ってるのかい?」

アイヴィー「ああ、お前に何があったかは知らんが調和を捨てたお前にはもう興味が無い」

クラウス「おやおや、嫌われてしまった・・・・・・親友を失ってしまったよ、姫」
229 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/25(水) 01:30:27.08 ID:L9/c4U9B0

クラウスとランサー、クラウスとアイヴィーの中で険悪な雰囲気が漂っている中、それをぶち壊すように一人の男が乱入する。

キャスター「会いたかったぞぉぉぉおおおおお!!!セイバー!!!!」

盗賊王「はっ!?キャスター!?」

キャスター「盗賊王!見事なやられっぷりだな!」

盗賊王「いや、何でお前がここに!?」

キャスターは5階建のビルの上からサーヴァントとマスターを見下ろす。

セイバー「あなたがキャスターか?」

キャスター「そうだ!我が姿を覚えておるであろう!」

陽菜「セイバー、知り合い?」

セイバー「おそらく」

キャスター「ふふ、アーサー王であるお主が余の姿を忘れるはず無かろう?」

ルト「なっ―――!」

ワルター「アーサー王・・・・・・」

アーサー王、という単語が出た瞬間視線は一斉にセイバーに集まる。

キャスター「どうせお主の剣の美しさを見れば誰もが分かるであろう」

セイバー「・・・・・・そうですね、隠していても仕方ない」
230 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/25(水) 01:47:52.69 ID:L9/c4U9B0

盗賊王はキャスターが連れて来たアブホールによってキャスターと同じ位置に連れてこられた。

盗賊王「すまないな」

キャスター「気にする出ない、面白いことを思いついた」

盗賊王「それは真名を出してでもすることなのか?」

キャスター「ああ、面白いぞ?」

ルト「でも、セイバーを知っているキャスタークラスの英霊・・・・・・まさか」

ワルター「だが、アブホールはエジプトの・・・・・・いや、そのアブホール」

キャスター「まぁ、大方予想しておるだろうが・・・・・・」

キャスターが指を鳴らすとアブホールは消えていった。

キャスター「コヤツ、盗賊王の趣味でそれらしい使い魔を作っていただけじゃよ」

ワルター「なるほど、ということはお前がマーリンか」

キャスター「いかにも、ワシがマーリンだ」

盗賊王「!」

真名を言い放ったキャスターに盗賊王は何かに気がついた様子だった。
231 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/25(水) 01:59:26.84 ID:L9/c4U9B0

盗賊王「言っちまった、まぁいいや」

キャスター「だが、こうして同じ伝説の者が二人もおると楽しいじゃろ?」

盗賊王「全く・・・・・・さて、どうするよお前さんたち!こうしてアサシン以外の全陣営が出揃った訳だが―――」

と、言葉を遮るように強烈な殺意が六つの陣営は感じ取った。

視線の先には黒い獣の姿。

ワルター「なっ、アサシン・・・・・・!?」

ランサー「倒したはずじゃ・・・・・・」

声も出さずにただ黒い涎をたらしながら獣は獲物を見定める。

何を食べれるのかを・・・・・・。

盗賊王「さて、アサシンのマスター以外は全員が出揃ったわけだが・・・・・・どうだろうか自己紹介でも」

キャスター「いい考えだな、盗賊王よ!」

ワルター「阿呆か」

陽菜「じ、自己紹介・・・・・・」

ルト「・・・・・・」

アイヴィー「この場の奴ら全員叩き殺すのに顔覚えられそうだから俺は賛成だな」

クラウス「いいねぇ!僕もこれから手に入れる物の顔や考えを知りたかったところなんだ!」
232 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/25(水) 02:01:22.79 ID:L9/c4U9B0

今日はこれで終わりにします。

ちょっと最近は小出しになって申し訳ない。

次の投下は明日になります


それでは、今日はこれまで。
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/25(水) 02:44:37.45 ID:sysU76gP0
乙、確かガーデンオブアヴァロンのネタバレでマーリンはまだ死んでないから英霊の座にはいないて聞きましたけど、
  このマーリンは座以外のとこから召喚されたのでしょうかその編はどうします?、後生きているて設定にするなら霊体化できないとかありますか?
  アルトリアも霊体化できませんでしたし、
234 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/25(水) 02:59:52.35 ID:L9/c4U9B0
>>233

生きているなら霊体化出来ない、と言うのは原作と同じです
まぁ、この先はネタバレしてしまうとアレなので、物語を見て色々予想してもらいたいです。
235 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/25(水) 23:15:19.15 ID:L9/c4U9B0

んじゃ、今日もボチボチ始めていこうかな
236 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/25(水) 23:28:22.08 ID:L9/c4U9B0

ワルター「だが、自己紹介をする前にアレを潰さねばならない」

獣、アサシンに全員の視線が集まる。

この場で唯一マスターの顔が分からないアサシンだが、様子を見るに今にも襲い掛かってくるだろう。

確かに、何かをするにしても、この理性の無い獣をどうにかするのが先だ。

ランサー「やります」

ランサーの声に応えてタロスが熱線を放つ、だがアサシンはいつの間にか消えていた。

気配も何も感じられない、まさか一撃で消し飛んだのだろうか?

と、陽菜の後ろからアサシンが現れる。

セイバーは声などよりも先に剣を振りアサシンを切り裂いていた。

陽菜「え?えぇ!?」

セイバー「一体何処から・・・・・・どうやって」

アイヴィー「・・・・・・成程」

切り裂かれたアサシンは叫び声を上げ、消滅していった。

キャスター「あのアサシン、食べる相手を間違えたな」

盗賊王「ああ、寄りによってあのお嬢さん食べるのは駄目だろう・・・・・・」

キャスター「くく、だがそんなことは理性の無い獣には分からぬ・・・・・・分かるのは我々理性のあるサーヴァントだけだ」
237 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/26(木) 00:54:27.86 ID:kopHrebO0

盗賊王「んじゃまぁ、邪魔者は消えたし始めに俺から・・・・・・俺は盗賊王!全てを盗む大怪盗!聖杯には魂の物質化を願う男だ!!」

アサシンを出オチとばかりに高速でセイバーに退場させた後に堂々と宣言する盗賊王を見て困惑する周囲。

盗賊王「あ?どうした?お前ら」

ルト「どうしたもこうしたも・・・・・・唐突ですね、それに魂の物質化といえば第三魔法じゃないですか」

盗賊王「ま、聖杯ならそのくらい楽だろ」

クラウス「面白いねぇ、僕を一度殺したことは許せないけど、その大きな目標は嫌いじゃない」

盗賊王「そりゃ、ありがとな」

クラウス「では、次は私だ」

銀髪の髪と黒いコートを着ている男、この土地に糸を張り巡らせている張本人。

クラウス「私の名前はクラウス、時計塔では『対の全一』という肩書きを持っているちょっとした魔術師さ、聖杯にかける望みは『全ての支配』だ、よろしく」

アイヴィー「・・・・・・」

陽菜「?」

アイヴィー「・・・・・・次は俺だ、俺はアイヴィー、この場にいる全員を殺すつもりでいる、別に聖杯にかける願いなんて言わなくてもいいだろ」

クラウス「相変わらずだな、君は」
238 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/26(木) 01:00:37.38 ID:kopHrebO0

クラウスの言葉を無視して視線をワルターに向ける。

ワルター「・・・・・・本当にやるのか、俺はワルター、聖杯には欲望を求める」

真顔で簡潔に言ったワルターは次にルトに視線を向ける」

ルト「・・・・・・ルトです、とりあえずはそこの盗賊が死んでくれれば今の願いは何もありません」

盗賊王「嫌われてるな、あれ嘘なのによ」

ルト「嘘?何処に証拠が」

盗賊王「お前の助けた女性を見てくれば分かるさ、ちょっとお前の反応見たくてやったけど中々本気出してくれて楽しかったぜ」

ケラケラ笑う盗賊王と対照的にルトは少しだけ困惑していた。

盗賊王「最後だぜ、お嬢さん」

陽菜「え?あ・・・・・・ひ、陽菜です、願いとかは今のところとくにありません」

盗賊王「ない?金持ちになりたいとかそう言うのも?」

陽菜「は、はい、強いて言えば・・・・・・皆さんと仲良くなって見たい、かな」
239 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/26(木) 01:08:23.58 ID:kopHrebO0

陽菜の言葉を聞いたマスターとサーヴァントはポカンとした様子で陽菜のことを見ていた。

陽菜「え?え?」

ある人間は呆れた顔で、ある人間は困惑した様子で。

陽菜のその言葉を聞いた者達は各々違う感情を抱いていた。

ライダー「ふふふ・・・・・・あーっはっはっははっはは!」

と、その静寂を壊したのはライダーだった。

ライダー「いや、良い!戦いだというのにも関わらず敵と仲良くなりたいと言う女子がいるとは余は思わなかったぞ!」

陽菜「へ、変ですかね」

ライダー「いや、友を作りたいと思う気持ちは変ではないと思うぞ、敵でなければ余も仲を深めてみたいものだ」

陽菜「わぁ!」

パァっと、明るくなる陽菜、それを見て苦笑いのアイヴィー。

アーチャー「面白い子だな、度胸もある」

アイヴィー「空気が読めないだけじゃないか?」
240 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/26(木) 01:56:25.63 ID:kopHrebO0

盗賊王「うんうん、全員のことはよーく分かった!」

ワルター「何が分かっただ、お前は何がしたいんだ」

盗賊王「俺としては、皆に聞きたいことが一つ、それと今日は仲良く解散しないか?と提案する」

クラウス「聞きたいこと?最後のは却下だけど、前者は聞いてあげよう」

盗賊王「却下されても逃げるけどな・・・・・・さて、お前らはこの戦争の商品である『聖杯』の正体を知っているか?」

ルト「聖杯の正体?」

盗賊王「ああ、何故俺たちは聖杯戦争に参加したのか、どうして聖杯戦争が行われると知ったのか」

ワルター「・・・・・・確かに、分からない部分は多いな」

盗賊王「ああ、この聖杯戦争が誰が仕組んだものなのか俺は知りたいとも思う、そこら辺はどう思う?」

アイヴィー「どうでもいいな、全員殺せばそのうち出てくるだろう」

ワルター「そうだな、同意だ・・・・・・だが、手がかりは無いだろう」
241 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/26(木) 02:21:49.22 ID:kopHrebO0

盗賊王「クラウスはどう思うよ」

クラウス「何故僕に聞く?」

盗賊王「お前の糸は、聖杯を隠すために張り巡らせてるんじゃないのか?」

クラウス「―――――、そういう考えか」

何かを考える仕草をした後、クラウスはケタケタと笑って全員に背を向ける。

ワルター「何処へ行く?」

クラウス「帰るのさぁ、姫も傷ついてるしね・・・・・・それと、盗賊王の言っていることはあながち間違いでもないよ、じゃあねぇ−」

クラウスは聖杯を隠している。

その場の誰もが思ったことだが・・・・・・

ルト「僕たちも行きましょう、色々確認するべきこともあります」

ライダー「良いのか?」

ルト「ええ、僕たちではこの場の全員を相手できるほど強くないですし」

そう言ってルトはライダーの戦車に乗る。

ライダー「ヒナ、と言ったな」

陽菜「えっ!?」

突然話しかけられて困惑していると、ライダーはニッコリと笑う。

ライダー「余はそなたの様な者は嫌いではないぞ、また会おう!」

そう言って戦車を走らせてどこかへ飛んでいった。
242 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/26(木) 02:37:33.37 ID:kopHrebO0

ワルター「私も行くか、ランサー」

ランサー「はい」

神父の格好をした男と女王もまた背を向けて去っていく。

ワルター「獣男、決着は必ず」

アイヴィー「ああ、楽しみにしてる」

盗賊王「さて、俺もお暇するかな」

キャスター「セイバー・・・・・・」

セイバー「・・・・・・」

言葉も無く、ただ二人は視線を合わせる。

キャスター「・・・・・・うむ、変わりないな、行くぞ盗賊王よ」

そうして盗賊王もまた姿を暗ます。

そうしてアイヴィーと陽菜だけがその場には残った。

アイヴィー「とりあえず、今日のことをまとめるためにホテルに戻るぞ」

陽菜「・・・・・・あの」
243 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/26(木) 02:47:37.94 ID:kopHrebO0

アイヴィー「なんだ?」

陽菜「聖杯って何ですか?皆が皆殺意を持って敵対して、今だって初めて全員顔合わせしたって言うのに、皆目の前の人たちを殺そうって思ってましたよね・・・・・・」

アイヴィー「・・・・・・」

陽菜「誰かを殺してまで欲しいものなんですか?」

アイヴィー「俺は少なくともそうは思わない、俺の願いは聖杯でなくとも叶えられるしな・・・・・・あの時は戦いだからこそ殺意を持って言っていたけどな」

でも、とアイヴィーは口にした。

アイヴィー「もし、自分の命が聖杯でしか助からないとしたら」

陽菜「・・・・・・」

アイヴィー「他者の命を食ってまで生きたい、他者の命を食ってまで叶えたい、叶えなきゃいけない・・・・・・そう言う願いだってある」

陽菜「そうまでして、叶えたい願い・・・・・・」

アイヴィー「だから『戦争』だ、他者の願い、生きたいという意志を食らって生き延びて、自分の願いを叶えるために戦う、それが戦争だ」

陽菜「戦争を経験したことあるんですか?」

アイヴィー「似たようなことは、な」

そう言うアイヴィーの横顔は少し悲しそうだった。

アイヴィー「とにかく、積もる話やこの話の続きもしたいだろうから、いったん戻るぞ!」
244 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/26(木) 02:54:19.77 ID:kopHrebO0

  *


様々なことがあった、人の思いや殺し合い。

色々な物を見た、だがそれはこの先続く戦争の始まりに過ぎない。

謎に包まれた聖杯、その正体は何なのか。

一人の少女の願い、『皆と仲良くなりたい』

それは叶う、きっと叶うだろう。

この戦いはそう言う戦いなのだから。


  *
245 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/26(木) 02:59:49.65 ID:kopHrebO0

雑で申し訳ない、ちょっと駆け足気味です。

次回以降は二章ということで各々の陣営の様子とかうつして、マスターの方で脱落者とかも出る・・・・・・かも

二章は少し謎が深まる章になると思います。

一章時点でのサーヴァントのステータスとかも次回出そうと思います。


それでは、今日はここまで。
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/03/26(木) 03:52:03.33 ID:wIcuAbc/o
乙です
247 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/29(日) 15:26:40.49 ID:e762flLV0

時間あるので、ちょっくら書いて行きます
248 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/29(日) 15:47:33.05 ID:e762flLV0


 第二章  真実とは


認められたかった。

その者は誰かに認められたかった。

才能が欲しい、私は才能が欲しい。

代を重ねるごとに衰退していく現実を直視できなかった。

そんな時、一筋の光が見えた。

その光を辿れば、きっと望んでいる未来が見える。

そう信じて、今も前を歩み続ける。
249 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/29(日) 16:58:31.74 ID:e762flLV0

  *

聖杯戦争三日目


深夜


アイヴィー「すまん、色々話したいこともあるだろうが、今日は休もう」

と言って部屋に行ってしまった。

全員が集まったあの後、何事も無くホテルまで帰ってきたつもりだが、アイヴィーさんは明らかに疲れていた。

私たちと同じで、きっとアイヴィーさんも戦っていたのだろう。

セイバー「ヒナ、少し話があります」

陽菜「なに?」

セイバー「私は、ヒナに一つ隠し事をしています」

陽菜「隠し事・・・・・・?」

セイバー「はい、召喚された瞬間は突然のことだったので考えてもいませんでしたが・・・・・」

陽菜「そんなに大事なことなの?」

セイバー「・・・・・・まだ、私の中で気持ちを整理できないので時間を空けてもらいたいです」

セイバーの顔は悲しそうな、申し訳なさそうなどちらにも取れる表情をしていた。

それほどにまでセイバーの悩みは大きいのだろうか。
250 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/29(日) 18:37:49.67 ID:e762flLV0

陽菜「なら、話さなくてもいいよ」

セイバー「良いのですか・・・・・・?」

陽菜「うん、誰しも隠したいことの一つや二つはあるでしょ?」

セイバー「本来ならば、マスターである陽菜に伝えなければならないことなのですが、申し訳ありません」

陽菜「話したいなら、気持ちを整理してからで大丈夫だよ」

セイバー「ありがとうございます」

そう言えば、前にセイバーの願いを聞いたときに『自分を知りたい』って言ってたけど、それと関係あったりするのだろうか?

願いについて改めて聞いてみたかったけど、今はやめたほうがよさそうだ。

陽菜「今日はもう休もうかな」

セイバー「わかりました、今日はお疲れ様でした」

陽菜「うん、おやすみなさい」

セイバー「おやすみなさい、ヒナ」
251 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/29(日) 18:53:17.36 ID:e762flLV0

アイヴィー「うぇ、げほっっっ!!」

風呂場が赤く染まり、口からは大量の血が吐き出される。

ランサーとの戦いで使った魔術の反動が返ってきたのだろうが、予想以上に辛い。

アーチャー「大丈夫か!?」

アイヴィー「だい、じょうぶだ・・・・・・水と机の上にある薬を持ってきてくれ」

言われたとおりに水と薬を持ってきて飲み干す。

アイヴィー「流石に一日二日で素材元から再現は難しいか・・・・・・」

アーチャー「魔術か」

アイヴィー「ああ、折角良い素材が手に入ったからな、どうせならと思って試したが・・・・・・」

アーチャー「全く、無理をするものじゃない」

アイヴィー「痛みは今だけだ、すぐに慣れる」

アーチャー「便利な体だ・・・・・・だが、魔術は成功したのか」

アイヴィー「ああ、あれは『本物』だ」

そう、あれが『本物』だと言う事は奴の言っていることが嘘になる。

奴の真名は他に探さなきゃならない。

アイヴィー「絞り込めるとはいえ、情報量が少なすぎるな」

252 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/03/29(日) 19:20:02.12 ID:e762flLV0

マスターの盗賊王とやらも聞いたことのある話どおりなら、面倒だ。

こんなときにクラウスがいれば多少は楽だったが・・・・・・

アイヴィー「はぁ、考えても仕方ないか」

今は目の前のことを――――と、携帯が鳴っていることに気がついた。

アイツか、そう言えば日本にきたなら聖杯戦争後に挨拶するのも悪くない。

アイヴィー「もしもし」

『久しぶりだな、元気か?』

アイヴィー「ああ、そっちは順調か」

『相変わらずだ・・・・・・そう言えば日本にいるんだってな』

アイヴィー「ああ、野暮用でな」

『そっか、時間あったらこっち来ないかって思って電話かけてみたけど、今東京なんだっけ』

アイヴィー「ああ、東京だが野暮用が終わったら時間空くだろうし、そっちに向かう」

『そうか!来るときに連絡してくれ、歓迎するからさ』

アイヴィー「そりゃ楽しみだ・・・・・・あ、くれぐれもアイツには内緒――――」

待てよ?

アイヴィー「―――頼みがある」
253 : ◆MlN7LT33g2 :2015/03/31(火) 11:52:20.59 ID:xaFPGZYp0

すみません、急に落ちてしまって

休みも終わるので、これからは投下出来るときに少しでも投下していくスタイルで行こうと思うので、急に落ちたり投下されたりすることがあります

投下出来ても微量となってしまいますが、よろしくお願いします
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/04/02(木) 15:30:00.82 ID:G9IGNloM0
公式で清姫ちゃんツイートされましたね、すごく可愛いです
255 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/04/21(火) 22:34:22.88 ID:ReYNYnZ/0
やっと新環境も慣れてきたので、地味に少しだけ投下
256 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/04/21(火) 22:43:37.39 ID:ReYNYnZ/0

『頼み?』

アイヴィー「ああ、どうせお前ら二人で暮らしてるんだろ?・・・・・・正確には三人か」

『ああ、それがどうかしたか?』

アイヴィー「こっちから送金するから、今から言うものを取り揃えておいてくれ、あと伝言」

俺は電話の相手にスラスラと自分の愛用している物と同じものを言う。

アイヴィー「用が済んだら適当に貰ってくれ」

『え?良いのか?』

アイヴィー「お前らとは違って金持ちなんだよ・・・・・・あ、それと伝言の内容は『良い儲け話がある』とだけ」

『何かよくわかんないけど、とりあえず揃えておくよ』

アイヴィー「ありがとう、三日以内にはもう一度連絡するから頼んだ」

そう言って電話を切った。

アーチャー「どうした?」

アイヴィー「少し情報を集めようと思ってな、知人に頼みごとをしただけだ」

アーチャー「そうか、まぁ無理をするなよ」

アイヴィー「ああ、流石に今日は疲れた」

そう言って、俺の体は限界を迎えた。

電話をしていたときは気がつかなかったが、自分の体は予想以上に疲労していたらしい。
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/04/21(火) 22:51:43.60 ID:kl4w/RaXo
待ってた!
258 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/04/21(火) 22:52:28.19 ID:ReYNYnZ/0


  *


キャスター「ふむ」

盗賊王「どうした?」

キャスター「いや、クラウスのしていることが分からん」

盗賊王「と言うと?」

キャスター「奴は先程の問いで、自分が聖杯を隠しているような素振りを見せた」

盗賊王「そうだな」

キャスター「だが実際は奴は聖杯の在り処は知らなかった」

盗賊王「アンタの目でもアイツの考えてることは分からなかった訳か」

キャスター「あのアイヴィーと言う男も大概化け物だが、奴も魔術師にしては出来すぎているくらいだ」

盗賊王「あの二人は、二人揃えば一番根源に近いなんて噂もあるくらいだしな」

キャスター「奴は聖杯を隠していないことが分かった以上は、聖杯の在り処は誰も分からないことが判明した」

盗賊王「つまり、この聖杯戦争が・・・・・・」
259 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/04/21(火) 23:00:05.40 ID:ReYNYnZ/0

キャスター「偽り、といいたいところだが・・・・・・」

盗賊王「サーヴァントが召喚されている時点で、少なくともサーヴァントシステムは機能している」

キャスター「肝心の賞品の無い戦いか・・・・・・」

盗賊王「いや、聖杯はサーヴァントの魂を溜めるもんだ」

キャスター「すると、サーヴァントの魂を入れる場所が存在するか」

盗賊王「一番聖杯の場所を確認するには、誰か一騎を俺らが落として、その魂が何処に行くかをキャスターが見届ける」

キャスター「うむ、それで良いだろう」

盗賊王「しかし、どうやって、誰を落とすかが問題だ」

キャスター「アサシンだな」

盗賊王「・・・・・・手っ取り早いのはそれだな」

キャスター「物量で押せそうな敵はライダーだが・・・・・・」

盗賊王「『俺の』宝具を使うこと前提か」

キャスター「アレと我が宝具を合わせれば、少なくとも負けることはあるまい」
260 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/04/21(火) 23:06:05.57 ID:ReYNYnZ/0

盗賊王「けどよ、俺の宝具は持って12秒だけだ、それに疲れる」

キャスター「充分だ、それだけあれば、あのアーチャー達ですら楽に倒せる」

盗賊王「背に腹は変えられんか・・・・・・それはそうと、セイバーはどうする?」

キャスター「アレは面白い、どちらの真名をバラしても疑われるのはセイバーの方だ」

盗賊王「いきなりマーリン何て名乗るもんだからビックリしたぞ?」

キャスター「だが面白いだろう!奴からすれば私はマーリンなどではないと言うのに、そう言わざる終えないのだから」

盗賊王「人が悪いな、アンタも」

キャスター「だが、アーサー王があんなにも面白い存在とはな・・・・・・くくく」


261 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/04/21(火) 23:13:23.83 ID:ReYNYnZ/0


  *




何だか、無性に暖かい。

まるで人肌に触れているかのような・・・・・・もしかしてセイバー?

陽菜「むにゃ、おはようセイバー」

メデューサ「あら、おはよう」

陽菜「はい、おはようございますメデューサさんむにゃむにゃ・・・・・・・・・」

成程、この暖かさはメデューサさんの物だったのか。

セイバーじゃなかったのは残念だが、メデューサさんも抱きしめやすいし暖かいから、これはこれd

陽菜「何でここにいるんですか!?」

メデューサ「今更?」

寝ぼけていたせいで、全く疑問を抱かなかった。

何故私の布団の中にメデューサさんがいるの!?

セイバー「起きましたか?」

陽菜「おはよう!なんでメデューサさんが!?」

セイバー「何か陽菜に用事があるようでしたので」

陽菜「でも布団の中に進入くらいは止めようよ!」
262 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/04/21(火) 23:19:10.51 ID:ReYNYnZ/0

セイバー「えっ、陽菜が布団の中に迎え入れてたじゃないですか」

陽菜「そんなこと――――寝ぼけてたのか私!アホ!」

メデューサ「私ヒナちゃんにあんなことやこんなことを・・・・・・」

陽菜「してませんからね!?」

セイバー「なんと、アレは寝ぼけていたのですか」

メデューサー「主が起きているかどうかの確認も出来ないなんてバトラーのクラスとして失格よ」

セイバー「生憎私は騎士です、とりあえず着替えてきてください、朝食の準備は出来ていますよ」

と、良い匂いが漂ってきたが、これはセイバーが作ってくれたものなのか。

セイバー「メデューサから食材を貰ったので、軽く調理してみました、お口に合えば良いのですが・・・・・・」

陽菜「すぐに着替えてくる!」

263 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/04/21(火) 23:23:36.98 ID:ReYNYnZ/0

と言うわけで、今日はおしまい。

色々落ち着いてきたので、再開します。

清姫イラスト公開とか色々とFateが熱いので、モチベある内にやってしまおうかと思います

ただ、書き溜め無いので、投下するときは思いつく限りを投下して、終わっての繰り返しになると思いますので、

中途半端に終わることが多々あります、ご了承くだせい。

では、今日はここまで。



まぁ、思いつきと言っても、ちゃんと本筋と結末とか複線あたりはきっちり張ったり回収したりするんでご安心を
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/04/22(水) 06:58:41.24 ID:KaXhXH2dO
おつー
265 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/04/22(水) 21:54:01.29 ID:QkpgREHo0
見てくれてありがとですー

今日も微量更新
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/04/22(水) 21:57:39.71 ID:w/9nCMg60
了解
267 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/04/22(水) 22:07:28.61 ID:QkpgREHo0

  *


陽菜「お、美味しいかった・・・・・・」

メデューサ「あら、本当に執事目指してみたら?」

セイバー「私は騎士です」

なんとも、適当に買って来た食材でメデューサさんが料理を振舞ってくれるらしかったが、思わぬところでセイバーの料理の実力が分かってしまった。

しかも和食、一体アーサー王と言う存在から何処からそんな知識が湧き出たのか。

陽菜「あ、そう言えばメデューサさんは何故ここに?」

メデューサ「今日はアイヴィーがいないって言う伝言と、魔術知りたいでしょ?」

陽菜「良いんですか!?」

メデューサ「ええ、色々学ぶことも多いけど・・・・・・体に叩き込むわ」

陽菜「恐ろしく怖い」

メデューサ「大丈夫よ、素質あるし・・・・・・とりあえず、あなたは私の部屋の前で待っててね」

陽菜「わかりました先生!」

メデューサ「ふふ、よろしい」

268 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/04/22(水) 22:15:06.25 ID:QkpgREHo0

  *

セイバー「一つ聞きたい」

陽菜が部屋から出た後にメデューサに尋ねる。

大方、セイバーの聞きたいことは分かる。

メデューサ「魔術を教える理由?それともあなたのこと?それともあの子のこと?」

セイバー「全部知っているのですね」

メデューサ「ええ、私の目は石化こそ弱まってるけど、私を作る際に色々な物使ってくれたおかげで『そういう物』まで見通せるようになったのよ」

セイバー「・・・・・・」

メデューサ「別に言わないわよ、今の私じゃアーサー王には勝てない」

セイバー「感謝する、ヒナには嘘をつきたくないが・・・・・・」

メデューサ「ヒナもあなたが知らないことを隠している、それでイーブンじゃない?」

セイバー「隠し事はしたくなかったですがね・・・・・・」

メデューサ「弱気ね、あなたは誰がなにを言おうとアーサー王よ、その事実だけは揺るがないわ」

セイバー「・・・・・・ですね、貴女の言うとおりだ」

メデューサ「あの子が待ってるわ」

269 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/04/22(水) 22:39:33.39 ID:QkpgREHo0


  *

陽菜「す、すごい、本当に・・・・・・」

朝から昼まで私は陽菜に魔術の知識を叩き込み、実践をさせることにした。

そうして彼女は初歩的な魔術を使えるようにはなったが・・・・・・

幾らなんでも早すぎる。

自分の『目』から見て彼女は常人とは違うのが分かるが、それでも魔術の習得が早すぎる。

メデューサ「ヒナ、もしかして魔術師の家系?」

陽菜「いや、私は魔術とか知らなかった人ですよ?」

それにしては、あまりにも出来すぎている。

彼女は決して嘘をついていないだろうが・・・・・・

メデューサ「そう、じゃあ・・・・・・そうね、あなたはどんな魔術を使ってみたい?」

陽菜「悩みますね・・・・・・例えばこう、派手な?」

メデューサ「まぁ、派手にしようと思えばいくらでも出来るでしょうけど・・・・・・」

陽菜「それか、魔力で簡単に物を作れたりできたら良いんですけどね」
270 : ◆MlN7LT33g2 [saga]:2015/04/22(水) 22:44:19.48 ID:QkpgREHo0


今日はここまでにさせてもらいます
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/04/23(木) 00:31:04.26 ID:yLrMqmtjo
乙です
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