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ラケル博士「始まった、どきどき」(ゴッドイーター2) -
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:43:58.58 ID:FdFeOOby0
前回
ラケル博士「オンッナノコハ コイッノキカイ……」(ゴッドイーター2)
SSWiki :
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1.5 :
荒巻@管理人★
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい 安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
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アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
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2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:44:35.80 ID:FdFeOOby0
……
−研究室前
コンコン
ナナ「ラケル博士ーいますかー?」
ナナ「あの〜……博士? お腹すいてない? みんなで一緒におでんパ」
ガンッ
ナナ「」ビクッ
『……ごめんなさい、ナナ。今は忙しいの……また後にしてくれるかしら……?』
ナナ「あ、う、うん。りょーかいです……」
『……』
ナナ「えっと……おでんパン、ここに置いときますね? お腹へったら、食べて下さい……それじゃっ!」
タッタッタッタッ……
『…………』
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:45:21.99 ID:FdFeOOby0
……
−フライア、エントランス
ジュリ「そうか……すまない。報告ご苦労だった、ナナ」
ナナ「うん。それで一応、ドアの前におでんパンは置いてきたんだけど……」
ロミオ「え、床に?」
ナナ「そんなわけないじゃん! カゴに、「元気出して」ってお手紙と一緒に入れたの!」
ロミオ「そ、そりゃそっか」
ナナ「もう、ロミオ先輩ってば」
ジュリ「……しかし、こう続くとなると問題だな」
ギル「全く、なのか?」
シエル「はい。ここ数日、ラケル博士は研究室の外に一歩も出ていません」
ナナ「すっかり引きこもっちゃって……」
ロミオ「閉じこもって、って言おうぜ」
シエル「いったい、どうすれば……」
ギル「……心配しすぎじゃないのか? レア博士や、上層部の連中は出入りしてるんだろ」
シエル「それは……そうだと思われますが」
ジュリ「……ナナ。博士の様子に、変わった点は」
ナナ「え? うーん……元気はないみたいだったけど…………あ、そうだ」
ジュリ「なんだ?」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:45:56.12 ID:FdFeOOby0
ナナ「返事がなくって、わたしがしゃべり続けてたらね、ガンッ! って音がしたの」
シエル「音……ですか」
ジュリ「破壊音か」
ナナ「ううん。なにかをこう……手で叩いたような感じ……だと思う」
ロミオ「……怒ってる、のかな」
ジュリ「活性化状態か。可能性はあるな」
シエル「とすれば、収まるまで退避しておくのが一番でしょうか」
ジュリ「そうだな……」
ロミオ「いや、なんでアラガミ扱いなんだよ」
ギル「……孤児院……あー、マグノリア=コンパスでは、どうだったんだ。こういうことはあったのか」
シエル「いえ……」
ジュリ「むしろ、怒ったところなど見たことがない」
シエル「はい。先生は常に冷静な方ですから。……なにかあっても、優しくたしなめられて、みんな自然と、それに従っていましたし」
ギル「……」
ナナ「原因があるとすれば……やっぱり、あの日……だよね」
シエル「はい……引きこもり始めたタイミングと、完全に一致します」
ジュリ「しかしあの日、俺達が訪れた時には、機嫌は良さそうに思えたが……」
ギル「問題が起きたとしたら、その後か……」
「「…………」」
ナナ「……副隊長…………」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:46:27.49 ID:FdFeOOby0
……
ラケル博士の研究室
ラケル「……ふふ、聞こえていますよ」
ラケル「随所に監視モニターがあることを、忘れているのかしら」
ラケル「…………」
ラケル「誰が引きこもりですか。誰が」
ラケル「仕事はちゃんとしています」
ラケル「……」
ラケル「……そう。あなた達の予想は、おおむね正しい」
ラケル「私は怒っています……あの日以来。…………原因は、そう」
ラケル「ブラッドの、副隊長……」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:47:12.22 ID:FdFeOOby0
……数日前
−レア博士の部屋、浴室
ジャブジャブ
ワシャワシャ
レア「さ、流すわよ。目をつぶって?」
ラケル「はい……」ギュッ
ザバァー
レア「ほんと綺麗な髪よね。うらやましいわ」
ザバァー
ラケル「ふふ、ありがとう。お姉さま。……けど、……私はお姉さまがうらやましいわ」
レア「ら、ラケル」
ラケル「……さぁ、次は体。……今日は、いつもよりいっそう丁寧に……洗ってくださる?」
レア「え、えぇ……いいけど。どうしたの?」
ラケル「ふふ……ないしょ」
レア「ふぅん……泡立った。はい首からいくわよ」ワシャワシャ
ラケル「あと……お姉さまのネグリジェも貸してくださる?」
レア「えぇ、私の…………え?」
ラケル「そう……あのスケスケのやつがいいわ。あの赤くてとってもえっちなやつ」
レア「ら、ラケル、どうして」
ラケル「お姉さま。…………お姉さまは、私にぜんぶくれるのでしょう……?」
レア「け、けど、あれ……サイズが」
ラケル「は?」
レア「な、なんでもないわ」
レア(渡す前に急いでサイズ直さないと……)
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:48:07.72 ID:FdFeOOby0
ラケル「……胸がないことが、そんなにいけませんか?」
レア「!? い、いえ、私は身長のことを」
ラケル「えい」ムギュ
レア「あんっ……ってちょっとラケル!」
ラケル「えいえい」モミモミ
レア「んっやぁ……やめてっ」
ラケル「お姉さまは、私にぜんぶくれるって……」モミモミモミ
レア「む、胸は、無理っあんっ」
ラケル「あら、手が止まっていますよ……? お姉さま。さ、私の胸も洗ってください」
レア「そ、そうね……んっ」コシコシ
ラケル「……」モミモミ
レア「んっあっ……んん」コシコシ
ラケル「っ……」ギュウウ
レア「い゛っ!? いたい! やめてラケル!」
ラケル「お姉さまのものは私のもの。私のものは私のもの」ギュウウウ
レア「あぁああーっ! とれちゃうっ! とれちゃうからぁ!」
ラケル「とって私の胸にくっつけます」
レア「はぁ……はぁ……やりかねないから怖いわ」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:48:41.48 ID:FdFeOOby0
ラケル(……お姉さまの胸は、私が揉んでいたから? けど私だって、自分で……)
ラケル「揉まれると大きくなるって、本当なのかしらね……? お姉さま?」
レア「……い、今からじゃもう、成長は」
ラケル「は?」
レア「ひぃっ! ごめんなさい! あぁごめんなさいラケル! 私のせいで! 私のおっぱいが大きいばかりに!」
ラケル「おいちょっとツラかせやお姉さま」ムギュ
レア「あぁあっ!」
ラケル「……新種のオラクル細胞に期待するしかないのかしら…………」
レア「そんなことに貴重な研究材料は使えないと思うわ」
ラケル「……」モミモミ
レア「あんっあぁそんなラケル! あぁっ」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:49:19.64 ID:FdFeOOby0
……同日、夜
−極東支部、医務室
リッカ「ごめんね。こんな遅くまで手伝わせちゃって」
リッカ「うん。またリンクサポートデバイスの機能実験……え? こないだので終わったはずじゃ……って?」
リッカ「……技術は日進月歩。すぐに新しいものが出てくるから、どんどん実験していかないと」
リッカ「え? あはは、モルモットになんかしてないよ。大丈夫、キミの身体には、影響ない……はず、だから」
リッカ「冗談冗談! さ、またキミの身体を検査してデータをとるから、横になって。うん、前とおんなじ、寝てる間に終わるから。……もう遅いし、そのまま朝まで寝ちゃっても」
リッカ「……この後、用事がある? ……ふぅん、……分かった。終わったら、ちゃんと起こすよ」
リッカ「……」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:50:03.68 ID:FdFeOOby0
リッカ「…………眠った……よね」
ギシッ
リッカ「よい……しょっと」ゴロン
リッカ「えへへ…………添い寝。……なんちゃって」
リッカ「……」
リッカ「……うーん。これじゃ、密着度が低くて……」
ギシッ ギシッ
リッカ「よっと……うん。上に乗っかって、こう……」ギュッ
リッカ「はぁ…………あったかい」
リッカ「…………ずるい、よね。こんなの」
リッカ「けど……」
リッカ「私、全然……女の子らしい可愛いかっことか、しないし……匂いも、オイル臭いでしょ」
リッカ「起きてるときに……こんなふうにする勇気なくて…………」
リッカ「ごめん……」
ピクッ
リッカ「!」ビクッ
リッカ「え……な、なに……なにか、あたっ」サワッ
リッカ「こ、これって、まさか……なんで……」
リッカ「…………バースト状態になってる」///
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:50:46.99 ID:FdFeOOby0
リッカ「ね、眠ってるのに……私が、乗っかったから?」
スリ……スリ……
ムクムクッ
リッカ「ぁ……また、リンクバーストレベルが、上がって……」スリスリ
リッカ「だ、だめ……こんなこと、しようと思ったんじゃないのに……私、なんで……すりつけたりなんか……」スリッスリ
リッカ「はぁっ……だめ、ぁ……こんな」///
コンコン
リッカ「…………あ、い、今、リンクサポートデバイスの試験運用と、使用後のけん」
ドッガァアン!
リッカ「ど、ドアが……!?」
キュラキュラキュラ……
ラケル「…………」
リッカ「ら……ラケル博士」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:51:22.80 ID:FdFeOOby0
ラケル「あらあら…………そんなはしたない格好をして、いったいどことどこをリンクさせるつもりだったのかしら……?」
リッカ「あっ……ち、ちがっ……これは」///
ラケル「いいから早く下りなさい」
リッカ「は、はい……」ギシッ
ラケル「……いいですか? …………私の可愛いブラッドのメンバー……」
ラケル「増して、その子に何か妙なことをしたら…………」
ラケル「……分かっていますね?」ニコッ
リッカ「は、……はい」
ラケル「……では、私はこれで……」
ラケル「リンクサポートデバイスの完成……楽しみにしていますから……ね」
キュラキュラキュラキュラ……
リッカ「…………真面目にやろう……」カチカチ……ピッ、ピッ
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:52:05.07 ID:FdFeOOby0
……現在
−研究室前
ロミオ「シプレ、シルブプレ?」キャルン☆
ナナ「あはは! ロミオ先輩おもしろーい!」
シエル「興味深いです」
ロミオ「だろー!? 似てるだろ? PVいっぱい見て練習したからなぁ〜」
ギル「……その暇があったら戦闘訓練をだな」
ナナ「まーまー、今はそういうこと言わないの」
ギル「……で、次は?」
ジュリ「……俺だ」
ナナ「よっ! 隊長! 待ってました〜!」
ロミオ「ひゅーひゅー! 一発すごいのかましちゃってくれよ隊長!」
ジュリ「あぁ……俺の秘蔵の…………レベル3ブラッドアーツ級かくし芸をお見せしよう」
シエル「……」ゴクリ
ジュリ「いくぞ…………」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:53:18.55 ID:FdFeOOby0
ジュリ「ゴリラの真似」ウッホウッホホ
ギル「」ブフォッ
ジュリ「頭のバナナをとろうとするゴリラの真似」ウホ? ウホウホホー??
ナナ「に、似てるぅー!! あはははは!!」
ロミオ「た、たいちょっお腹いたいお腹!! ははははは!」
ジュリ「ピクニックに赴くゴリラの真似」ウホー! ウホホホホーイ!
ナナ「も、もうやめてぇー! あははははは!」
シエル「きょ、きょうみ、ぶかっぶかか」
ギル「本当にやめてやれ。シエルが白目剥いてるぞ」
ジュリ「む……そうかウホッ」
ギル「やめろと言ってるんだ」ガシッ
ジュリ「……すまない。つい」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:54:07.18 ID:FdFeOOby0
ロミオ「はー……笑ったー……こんなに笑ったの久々だなー」
ナナ「うんうん。もうお腹がねじ切れるかと思ったよー……でも」
ジュリ「…………先生からの反応は、なしか」
ロミオ「天岩戸作戦もだめかぁ……」
シエル「神話上も確か、ただドンチャン騒ぎをしてもダメだったのでは……」
ナナ「どんなお話だったけそれ……?」
ジュリ「とにかく、この作戦も失敗だ。総員、一時退却! 体勢を立て直すぞ!」
「「了解!」」
タッタッタッタ……
ギル「…………一応、あの人に相談してみるか……」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:55:32.98 ID:FdFeOOby0
……
ラケル博士の研究室
ラケル「ぷっ……くくく、ゴリラ……ジュリウス・ヴィスゴリランティ……」
ラケル「……ふぅ、……あの顔は卑怯です」
ラケル「……しかし、そんなことでこの私は」
コンコン
『ラケル博士はいらっしゃいますか?』
ラケル「……どなたですか?」
『そうだな……俺はさしずめ、愛の狩人……約束の地を求め彷徨う、愛の求ど』
ラケル「極東支部の四番隊隊長、真壁ハルオミですか」
ハルオミ『おや、……俺の名前をご存じとは、光栄至極』
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:56:18.87 ID:FdFeOOby0
ラケル「何の用です」
ハルオミ『なぁに、フライアにはとびっきりの美人博士がいると聞いたもんでな。ちょいと顔を拝ませてもらおう……ってのと、……デートのお誘いでもできたら、と』
ラケル「…………生憎ですが」
ラケル「私には、あなたの求める……聖なる探索の答えは、何一つ持ち合わせていません……」
ラケル「世界の総てを包み込む陽光ような、母なる慈愛の双丘も……」
ラケル「大地から芽吹く生命の息吹のごとき、瑞々しい流線美も……」
ラケル「……ですから、あなたの言う美人博士とは、おそらく私の姉の」
ハルオミ『いいや、あんたであってる』
ラケル「……?」
ハルオミ『あなたを探してここまで来たんだ。俺は。……それに、レア博士にはもう会った。あれは確かに美しいが……ああいうタイプ、ちょいと苦手でな』
ラケル「……私は今、人と会う気はありません。お引き取りを」
ハルオミ『何か……怒ってるのかい? そう、まるで……誰かに嫉妬している乙女の口調だ。いじらしいねぇ』
ラケル「っ……あなたに何が分かると」
ハルオミ『おおっと図星か? まぁそうカッカしなさんな。怒った声色も人間味があって魅力的だが、きっと笑ったほうが可愛いぜ?』
ラケル「私は、軽薄な男性は大嫌いです」
ハルオミ『ははっこりゃ早々に嫌われちまったな』
ラケル「……」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:57:00.01 ID:FdFeOOby0
ハルオミ『けど、これが俺の性分なんだ。愛を囁く唇は、止められない』
ラケル「愛などと……私には必要ないことです。……私には…………ブラッドの、私の愛しい子供達への想いだけで充分。だから私は、彼らに与え、そして、」
ハルオミ『なぁ、ラケル博士』
ラケル「……」
ハルオミ『俺はな……愛ってのは、与えることでも……奪うことでもないと思うぜ』
ラケル「…………では、なんだと」
ハルオミ『愛は………………許すことだ』
ラケル「…………ゆるす……?」
ハルオミ『俺に言えるのは、これだけだ。後は…………あんた次第』
ハルオミ『そうだろ、乙女な博士さん』
スタスタスタ……
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:57:45.60 ID:FdFeOOby0
ラケル「……許すことが、愛……?」
ラケル「世界の命を喰らい尽しても……世界の全てに命を与えても…………愛には辿り着かないというの……?」
??「……あんなくだらない男の戯言、聞く必要はないよ」
ラケル「許すことが、愛だなんてっ……」
??「そんなのウソ。世界の真理は、ただ滅びと再生のために……」
ラケル「私にっ…………浮気を許せと言うの!?」
??「…………は?」
ラケル「浮気は男の甲斐性だとでも? そんな旧時代的な……」
ラケル「私のところへ来ると言っておきながら、あんな小娘にいいようにされて……それを、許せと?」
??「いや、そんな話じゃ」
ラケル「私には、やっぱり許せないわ……」
ラケル「一度本人に……嫌というほど教えてあげなくては……」
ラケル「いったい、誰の所有物かということを……うふふふ……」
??「……」
ガチャッ バタン
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 22:59:43.80 ID:FdFeOOby0
……
−フライア、エントランス
キュラキュラキュラ……
ラケル「ご苦労様です。フラン・フランソワ・フランチェスカ・ド・ブルゴーニュ」
フラン「ラケル博士。お疲れ様です」
ラケル「……ブラッド隊の副隊長は?」
フラン「それでしたら、今ちょうど戦域に到着したところで。オペレートを開始します」
ラケル「そうですか、ミッションに出てしまって……」
キィイイン……
ラケル「! ……いけない。すぐに引き返させなさい」
フラン「え……?」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 23:00:41.43 ID:FdFeOOby0
『こちらっ……ザザッッド! ロミオです! なんか見たことないアラガミがっうわぁあ!』
フラン「!? そ、そんな、反応はまだっ」
『ロミオ先輩! きゃあぁっ!』
『くそっ囲まれた! 副隊長! そっちは無事か!』
フラン「あっ……あぁっ! みなさん、落ち着いて! 一度陣形を立て直して」
『その暇はない。個別に未確認アラガミとの交戦に入る』
フラン「そんなっ……相手の弱点や攻撃方法も不明なのにっ」
『敵陣にある程度ダメージを与えて隙を見つけなければ、合流も撤退も不可能な状況です! フランさん、指示を』
フラン「あ……そ、そんな……」
ラケル(私の子供達が…………あの子が……)
(本当の、お母さんみたいに思ってるよ!)
(博士にあげようと思ってサインしてもらったんだ。だから……はい!)
(ブラッドは俺に、なくしてた……なくしたと思っていた、家族を……取り戻させてくれた。だから、)
(私達も……みんなで感謝を伝えようと……)
(ゴリラの真似)ウッホウッホホ
ラケル「みんな………………」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/05/12(火) 23:00:54.62 ID:0es//3Cq0
面白い、ので、期待。
でも前作検索しても出てこないのだけど、ナンデ?
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 23:01:18.57 ID:FdFeOOby0
フラン「い、一旦、A地点、いえ、C地点まで後退、それから、」
『だからそこはアラガミがいるってばー!』
『どうすんだ! 各個撃破には限界があるぞ!』
フラン「っ……く…………」
カチャッ
フラン「えっ……あ!」
ラケル「ナナ、聞こえますか」ピピッ
『!? ラケル博士!?』
ラケル「ポイントFまで交戦中の相手を誘導。ギル、ロミオは前方に展開した敵を可能な限り引きつけなさい」
『っ……無茶言ってくれるぜ……了解!』
『よっしゃ! オレも頑張る!』
ラケル「シエルはF、D、H地点にトラップを設置。ジュリウス、後方のD、H地点付近の敵を蹴散らして、退路の確保を」
『了解です』
『了解しました』
ラケル「副隊長…………あなたは、状況を見て、各員の行動の邪魔になるアラガミを排除しなさい。……以上で、私からの交信を終わります。……フラン、後は任せましたよ」
フラン「あ、す、すみません……有難うございます。けど、博士、どちらへ」
ラケル「…………少し、外の空気を吸ってこようかと」
キュラキュラキュラキュラ……
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 23:04:51.39 ID:FdFeOOby0
前回のタイトルミスってたすまない
ラケル博士「オンッナッノコハ コイッノキカイ……」(ゴッドイーター2)
ナとノの間の小さいツが抜けていた。
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 23:05:51.51 ID:FdFeOOby0
……
−ブラッド隊、作戦行動領域
ギル「ちぃっ! これじゃキリがないな」
ロミオ「よ、弱気になったら負けだ! 博士が指示をくれたんだ! それ通りにいけばっ」
ギル「それ通りに……いけばな」
ナナ「わわわっ! 連れてきたよー!」
シエル「ナナさん! こっちです!」
ドゴォオオオオン!
ナナ「や、やった!?」
シエル「一時的に、動きを封じただけです。今のうちに!」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 23:07:13.55 ID:FdFeOOby0
ジュリ「ぐっ……さすがに、きついか」
ジュリ「このままでは、みんなが個別の行動を完了させても、退路の確保が……!」
グォオオオオオ!
ジュリ「しまっ……危ない! 副隊長!!」
ズガァアアアアアアアアッ!!
ギル「っ! なんだ!?」
ロミオ「あれっ……!」
ナナ「神機兵?」
シエル「まだ試験中のはずでは……」
ジュリ「アラガミを……一撃で、だと……」
ジュリ「いったい、これは……」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 23:07:57.08 ID:FdFeOOby0
『なにをぼーっとしているの? ジュリウス』
ジュリ「!!?? こ、この声は!?」
ラケル『さぁ、早く片付けて……みんなで帰りましょう?』
ジュリ「な、なんて無茶を……」
ラケル『やぁあ!!』
ザシュッ!
ドガガガガガガ!
ジュリ「これが神機兵……いや、ラケル博士の力、なのか……?」
ラケル『ふふ……この程度、まるでピクニックのようね』
ドガァーン! ドガァーン!!
ギル「これならっ……!」
ロミオ「いける! いけるぜ!」
ナナ「いよぉーし! どっかぁーん!!」
シエル「敵の包囲陣形が崩れました! 総員、」
ラケル『眼前のアラガミをブッ飛ばしたら、すぐにD地点へと集合。……すみやかに帰還しますよ……?』
「「はい!!」」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/05/12(火) 23:08:07.43 ID:iW3dyHxYO
回想のジュリウス…
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 23:08:55.35 ID:FdFeOOby0
……後日
極東、仮設ステージ
ザワザワ……ガヤガヤ……
ギル「しかし……あの一件で有人式神機兵の有用性が認められ、一気に正式採用とはな」
ロミオ「パイロット志願の応募総数は、募集の20倍だって!」
ナナ「ロミオ先輩は応募したの?」
ロミオ「ばっオレは、ブラッド隊があるから」
ナナ「落ちたんだ」
ロミオ「違うって言ってるだろぉー!」
コウタ「だいたい、一次募集は現役ゴッドイーター以外から、だからね。俺も応募したかったけど、諦めたよ」
ロミオ「コウタさん! やっぱり来たんですね!」
コウタ「あたぼうよ! なにしろこの神機兵正式採用記念式典! フェンリル神機兵師団イメージガールとして選ばれた、あのシプレちゃんが来るって言うんだからな!」
ギル「しかし……そのシプレとかいうやつ、バーチャルアイドルなんだろ? モニターも投影機もないこんな場所で……」
『みなさーん! 神機兵、しるぶぷれー?』
ワァアアアアアアア!!
「「オゥ! メルシー!!」」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 23:10:00.05 ID:FdFeOOby0
『今日はわたしのライブに来てくれてぇ、ほんとーに、ありがとー!!』
ワァアアアアアアア!!
ギル「お前のライブじゃないだろ……」
『でも……わたし自身は、みんなのいるそこに行けないの……だから』
キュラキュラキュラ……
ナナ「…………え?」
コウタ「あれって……」
ロミオ「シプレ!? でも、あの車イス……」
ギル「」
シプレ?「皆さん、改めまして……ごきげんよう」
シプレ?「私は、神機兵の開発者の一人にして……シプレの声を担当しております、……ラケル・クラウディウスと申します」
ワァアアアアアアアアアアアアア!!!
ラケル「本日はシプレに代わりまして、私が、彼女の歌を、精一杯歌わせて頂きます……みなさん、よろしいでしょうか……?」
「「オゥ! メルシー!!」」
ラケル「ふふ……有難うございます。それでは…………聞いて下さい」
ラケル「シプレ3rdシングル……『コイメカ』」
〜♪ 〜〜♪
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 23:11:00.25 ID:FdFeOOby0
〜♪ 〜〜♪
ラケル(……私は、私の中にあった大義を……捨てた)
ラケル(あの子や……ブラッド…………ゴッドイーター達を守るために、有人式の神機兵を普及させる道を選んでしまった)
ラケル(……もう、私の描いていた破滅と再生への道は閉ざされてしまった)
ラケル(今は…………あの声も聞こえない)
ラケル(だけど…………)
もちょっとだけ♪ あと、ちょこっとだけ♪
おーねーがーいこっち向いて☆
おーーーばーぁひぃと♪
目と目が合った瞬間! 起動した! 恋を知ーぃたっ
ラケル「はじめまぁった♪……どぉきどーきー☆」
ラケル(後姿、見送るだけじゃダメだ)
ラケル(キミが)
―――好き
END
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/05/12(火) 23:12:59.01 ID:nQUcduSAO
おつ!メルシー!
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2015/05/12(火) 23:15:45.19 ID:FdFeOOby0
次回予告(嘘)
「白銀の髪……赤い目、アンタ、まさかっ」
「わたくしは、月を見上げていただけです。あの、緑の月を」
「よぉしいいぞ! カピのすけ!」
「カルビです」
「うぎゃー! かむなぁ!」
「ユノ、これからはアイドル戦国時代よ。トップアイドルになるためには」
「あの……サツキ? 私一応、歌手……」
「お姉さま……私、負けないわ……どんな相手が来ても」
「だって……!」
「私はアイドル!!」
「いや、科学者だろ」
ラケル「次回、THE IDOL E@TER、目指せトップアイドル! 超神性アイドル、ラケル・クラウディウスと、飛び交う妖精のごときライバル達との激しいバトルを……どうぞみなさま…………」
ラケル「しるぶぷれ♪」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/05/12(火) 23:17:38.67 ID:iW3dyHxYO
お姉様乙を使うわ
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/05/12(火) 23:40:57.93 ID:0es//3Cq0
激しく乙。
妖精とか言うからメイデンコスの博士が出てきたどうしてくれる。
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/05/13(水) 00:17:47.03 ID:9Cp1G8ODo
エミールが京太郎化してますねぇ
ブラッド式麻雀を楽しませないとね
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/05/14(木) 20:34:51.50 ID:yeJnUAnz0
どうしてこうならなかった
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