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まり花「今日は……」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/05/23(土) 23:30:07.70 ID:ys3mLuV00

ひなビタ♪のSSです。
本日がキスの日と聞いていてもたってもいられず。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1432391397
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ひたむきに! @ 2025/07/13(日) 20:04:58.82 ID:YMv4024Yo
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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/05/23(土) 23:31:20.73 ID:ys3mLuV00

〜サウダージ・まり花の自室〜

まり花「ねぇねぇ、イブ!」チョイチョイ

一舞「んー、どしたの?まりか」ヒョイッ

あたしとまりかは小さい頃からの幼馴染だったんだけど、つい最近その関係が変わった。

というのは、つまりあたしがずっと隠してた気持ちを伝えて、まりかを、その…彼女にしたってわけで。

それまでの日々とあまり変わらないあたしとまりかの関係だったけれど。

お互いに歩み寄って、初めてのキスをしたあの日の記憶は今でもすごく鮮明に思い出せちゃう…ね。

そんな風にして、さきこやりん、めうになつひ達が居ない休日のこと。

二人で過ごすことが当たり前になった日々、お昼も過ぎた頃にあたしの前にずいっと飛び出てきたまりかの笑顔。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/05/23(土) 23:32:27.44 ID:ys3mLuV00
まり花「これ知ってた?」

一舞「……5月の記念日一覧?」キョトン

お化粧なんかしなくても綺麗な顔に、ぷるぷるの唇。

幼馴染だったころからすっごく魅力的なソレに何度も目を奪われたこともあったし。

このまま今すぐかぶりついてしまいたかったけれど─冷静になってまりかの言葉を聞くことにした。

まり花「うんっ、ゴールデンウィークさん以外にもいろいろあるんだよっ!」フンスッ

まり花「例えばねっ、9日はアイスクリームの日だし、15日はヨーグルトの日なんだよっ」ニヤニヤ

一舞「もう、あんたは…いつも食べ物のことばっかじゃん」ハァ…

まり花「えへへ〜、アイスクリームさんもヨーグルトさんも美味しいもんねっ!」

きっと今まりかの頭の中ではアイスクリームがたくさん乗ったちくパや、ヨーグルトのパフェが想像されてるのかな。

想像だけでよだれをたらしそうなほどに、にやにやしてるこの子を見るのはその、悪くない気分だし。

スイーツに目がないのは昔っからのことだから気にもしてない。

一舞「……まぁ、まりかがこうなるのはいつものことだけどさ」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/05/23(土) 23:34:04.28 ID:ys3mLuV00

そう言いながら、開かれたファッション誌のページを流し読みしていたあたしの前に飛び込んできた衝撃的な言葉。

5月23日─つまり今日の位置に書かれた『キスの日』の4文字。

あまりに驚きすぎて、さっき聞いたアイスクリームの日のことなんてはるか彼方に飛んでいってしまって。

その下に書いてある制定された理由の解説文になんか目もくれずに。

あたしはまりかに本を返すようにしてもう一度開かれたそのページを突きつけた。

一舞「ねぇ、まりかっ」

まり花「なぁに、イブ?このページにまだ食べ物の記念日さんがあったのかなっ?」ズイッ

一舞「ううん、違うし。ほら、ここ…今日のところ見てよ」

指差した、23日の部分。

最初はまりかも何か分かってなかったのか顔をきょとんとさせていたけど。

まり花「んー…っ!?い、イブっ…///」カァァッ

案の定…というか、少ししてあたしの言いたいことが伝わったみたいでまりかは顔をゆでゆでだこにしちゃった。

もうそんなところもすっごくすっごく可愛いから今すぐちゅーしたいけど、いきなりはダメ…だよね。

まり花「い、イブはね…その……ちゅー、したいの?」

真っ赤になったままうつむくまりか。

こういう時は大体『恥ずかしいけど、イブとならいいよ』って言うサインだったりするんだけど…。

一舞「別に今日だから、ってわけじゃないけどさ─折角のキスの日だし、ダメ…?」

まり花「んもぅ…イブはずるいよぅ…断れるわけないよ///」ウツムキ

一舞「えへへ、ありがとね。まりか」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/05/23(土) 23:34:57.43 ID:ys3mLuV00

ベッドとカーペット、それぞれ離れた位置にいたあたし達はどちらからでもなく近寄って。

気がついたらベッドの上で向かい合って女の子座りの体勢になっていた。

まり花「イブ、何だか…不思議な感じだよぅ…///」

一舞「こんな風に改めて、なんてのはあたしだって恥ずかしいし…///」

カップルになってから何回もした、まりかとのキス。

だけど、何でかな。今日のはやけにドキドキして─あたしの心臓、すっごく音がうるさい。

あぁもう……まりかに聞こえてたらちょーはずいじゃん…。

まり花「じゃあ、するね…イブ」

一舞「うん…///」コクッ
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/05/23(土) 23:36:03.46 ID:ys3mLuV00

そのまま、近づくあたしとまりかの唇。

いつだってあたしからはキスできなくて、まりかからばっかだけど。

ぷるぷるのまりかの感触は病みつきになっちゃいそう、というかすでになっているかもしれない。

一舞「ん、ふ…ぁ、まり、かぁ…」

まり花「ふ、んっ…ちゅっ、は、あっ…///」

全身で感じるまりかの体温や声。

いっぱいの『大好き』が詰め込まれたキスはまりかからの最高のプレゼントで。

一舞「は、んっ…ちゅぅ…ふ、ん…ぷは、はぁ…」

少し息が苦しくなってきて離れたあたし達の間に出来ていた銀の糸はすぐに途切れてしまった。

一舞「…まりか、だいすきだし」

まり花「うんっ、わたしもイブが大好きだよっ…んっ」チュッ

7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/05/23(土) 23:38:46.29 ID:ys3mLuV00

そんな糸をもう一度繋ぎたくて、今度は唇だけじゃなくて手でも触れ合う。

お互いに抱きしめ合ったまま、恋人繋ぎから感じるまりかの心臓の音と手汗。

あたしと同じくらいのドキドキした音、湿り方でやっぱりあたし達は何でもお揃いなんだな、って嬉しくなるしっ。

まり花「ん、はぁ、はぁ……」

一舞「ふふ、まりか……」

再び離れて手だけはぎゅっと繋いだまま笑い合う。

こんな幸せな日々が続けば、あたしもまりかも他のみんなも──すっごく楽しいね。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/05/23(土) 23:45:58.45 ID:ys3mLuV00

まり花「イブっ、あのね…!わたし、イブともっと……」ヌギッ

なんて思ってたら何だかまりかの様子が変で。

羽織っていたカーディガンを脱ぎ始めて、下に着ていたブラウスのボタンをぷちぷちと外、外し─えっ、ちょっ!

も、もしかしてまりか、キスより先のえっちなこととか…今からするのかな…///

でもでも、今からだなんて勇気が全然足りないし、流される感じでそんなことしたくないしっ…!

ぐるぐるぐるぐると悩みに悩んで、ダメだという結論が出て。

その瞬間に、ボタンが全部外れたブラウスを脱ぎ始めようとしたまりかの手を無意識に握っていた。

一舞「だ、ダメ―!!あたし達、ま、まだ高校生だし、その、健全なお付き合いしないとだし!!」

思いっきり大声で制止をしちゃったけど、何だか様子がおかしい。

特に手をぎゅっと握られて動きを止められた当の本人─まりかは何が起こったのかまるで把握できてないみたいで。

まり花「……イブ?どうしたの?」

きょとんとした顔で返ってきた無垢な反応の前にへなへなと力が抜けて倒れ込むあたし。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/05/23(土) 23:47:31.90 ID:ys3mLuV00

どうやら、キス以上の色々なことを考えていたのは自分だけだったみたいで…

恥ずかしすぎて穴があったら入りたくなるし…///

一舞「う、ううん…何でもないし……はぁ」

まり花「でも何だかイブのお顔さん、あんまりにこにこしてないよぅ…」

まり花「あっ、そうだ!イブっ、こっち来て!」

1人だけちょっぴり汚れていたことを思い知らされて凹むあたしの前にまりかが手を広げて。

ふわりと香るシャンプーのいい匂いと一緒に抱きしめられてしまった。

まり花「こういう時はむぎゅぎゅーってするのが一番だよねっ」

一舞「ま、まりか……」

不思議なもので、小さいときからお互いのどちらかに何かがあった時は必ずこうしてしまうのが当たり前で。

こうするだけで何故か抱え込んでいた不安とかそういったものなんて全部何処かに吹き飛んじゃうしっ。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/05/23(土) 23:49:07.50 ID:ys3mLuV00

まり花「えへへ、イブ。今日はずーっとこうしていよっか!」

一舞「うん、たまにはそんなのもいいかもだしっ!」

またいつも通りの休日かもしれないけれど。

こうやって隣に大好きな人がいること、いつでも愛を伝えられる環境は何物にも代えがたいよね。

ふっふーん、今のあたし、さいっこーに幸せだしっ!!

一舞「じゃあ、まりか、んっ」チュッ

まり花「……んっ」



おしまい
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/05/23(土) 23:52:21.55 ID:ys3mLuV00

短いですがこれで終わりです。
ピクニック絵でまり花ちゃんの首に抱きつくイブちゃんホントすき。

ありがとうございました。
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/05/24(日) 00:30:04.92 ID:QoB45w3r0
乙。すごいよかった。
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/05/24(日) 15:37:55.02 ID:0PBrkS2/0
乙だしっ! いいまりイブだった…。
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