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アニ「夕日からの時間」 -
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 13:36:41.01 ID:8NcAGwsK0
進撃のSSです。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1439527000
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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阿笠「言いたいことがあるんじゃ」光彦「何ですか?」 @ 2024/12/04(水) 02:05:27.88 ID:F4j1OAIxO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1733245527/
うーきちですけど @ 2024/12/03(火) 21:28:14.33 ID:twifbdjfO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1733228894/
おみくじ引き忘れたスレ @ 2024/12/02(月) 09:02:53.62 ID:ERlmAVfVo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1733097773/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/12/02(月) 07:17:50.41 ID:SzstMj3po
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1733091466/
パスワード @ 2024/12/01(日) 23:37:17.44 ID:DBrLLHv10
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1733063837/
落ち着くまでの仮住まい @ 2024/12/01(日) 22:35:53.26 ID:Gs7Y8RKNo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1733060153/
おみくじスレ @ 2024/12/01(日) 17:50:28.20 ID:CcjYTFvt0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1733043027/
フォース=センシティブの集い @ 2024/11/30(土) 18:50:32.81 ID:ZZEZXhDs0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1732960232/
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 13:37:28.20 ID:8NcAGwsK0
アニ(日差しがうざったい・・・)
アニ(これなら訓練兵のときのほうがマシだったかも)
エレン「暇そうだな」
アニ(街で私に話しかけてくる奴なんて)
アニ「あんたもそうみたいだね」
エレン「久しぶり」
アニ「そうだね」
エレン「所属決めのとき以来か?」
アニ「何の用?」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 13:38:24.25 ID:8NcAGwsK0
エレン「何の用でもねーよ。いたから声かけただけだ」
アニ「ふーん、1人?」
エレン「アニもか?」
アニ「そう」
エレン「友達いなそうだもんな」
アニ「早く帰れば?」
エレン「あそこの売店で飲み物買ってくる」
アニ「帰りなよ」
エレン「ほら」
アニ「・・・」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 13:39:56.92 ID:8NcAGwsK0
エレン「いらないのか?隣置いとくぞ」
アニ「いるって言ってない」
エレン「そうか。いややるよ」
アニ「聞いてない?」
エレン「んっ?」
アニ「わかったよ。もらうから」
エレン「おう」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 13:40:39.86 ID:8NcAGwsK0
エレン「何してたんだ?」
アニ「なにも」
エレン「ふーん」
アニ「ここはいいところだから」
アニ「いるだけ」
エレン「いいところって」
エレン「この広場のベンチがか?」
アニ「なんだっていいよ」
アニ「私は1人が好きなんだ」
エレン「急になんだよ」
アニ「友達だとかどうとか」
エレン「気にしてたのたか」
アニ「してない」
アニ「まあ」
アニ「いないけど」
エレン「そうか」
アニ「そうだよ」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 13:42:01.71 ID:8NcAGwsK0
アニ「帰らないの?」
エレン「まだ俺の残ってるし」
アニ「ふーん」
エレン「あー久々だぁ。こんなのんびりしてるの」
エレン「何飲み物見てるんだ?」
アニ「もう終わり?」
エレン「まだ飲むか?いいけど」
アニ「いいや」
エレン「あそこで食い物も売ってるな」
アニ「そうだね」
エレン「食ったことあるか?」
アニ「ないよ」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 13:43:52.76 ID:8NcAGwsK0
アニ「・・・」
エレン「・・・」
エレン「食べるか?」アニ「食べる?」
アニ「・・・ハッ」
エレン「ははっ」
エレン「息がそろっちまったな」
アニ「まったくね、私はいいよ」
エレン「俺も、もう戻らなきゃな」
アニ「そう」
エレン「じゃあまたな」
アニ「・・・またね」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 13:47:25.16 ID:8NcAGwsK0
次の日
アニ「・・・」
エレン「おいっ」
アニ「わっ」
エレン「なんだ迷子か?」
アニ「迷っても子供でもない」
エレン「びっくりしてたな」
アニ「驚くって」
エレン「今日もここにいたな」
アニ「それはこっちのセリフ」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 13:48:50.04 ID:8NcAGwsK0
アニ「暇なの?」
エレン「暇じゃねーって」
アニ「じゃあ何で?」
エレン「来ただけだって」
アニ「はあ?」
エレン「それがどうかしたのかよ」
アニ「別に」
エレン「そうだ昨日の売店のとこのパン買ってきたから食おうぜ」
エレン「この前のベンチで」
アニ「いらないって言っても意味ないんだろうね」
エレン「いらないなら俺が食うだけだ」
アニ「もらうよ」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 14:00:31.98 ID:8NcAGwsK0
エレン「うまい」
アニ「そうだね」
アニ「子供の頃からそうなの?」
エレン「何がそうかは知らねーけど」
アニ「昔からそんな性格なの?」
エレン「そんなってどんなだよ」
エレン「わかんないな自分の性格とかさ」
エレン「多分変わってないだろ」
アニ「それはそれはみんな大変だったろうね」
エレン「そっそんなことねーよ」
アニ「嘘ばっかり」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 14:01:54.99 ID:8NcAGwsK0
アニ「きっと幼馴染に迷惑ばかりかけていたんでしょ?」
エレン「俺が助けに行ったりとかしてた」
アニ「否定はしないんだ」
エレン「いいだろ、お前は?」
アニ「さあ?」
エレン「そんな感じか?」
アニ「少なくとも・・・」
アニ「やっぱわかんないね」
エレン「そーか」
アニ「生暖かい風」
エレン「今日は風があるな」
アニ「うん」
アニ「吹き飛ばされるかも」
エレン「そんな訳ないだろ」
アニ「そんな訳ないね」
エレン「なにが言いたいんだよ」
アニ「そうだね」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 14:02:57.68 ID:8NcAGwsK0
エレン「まあいいや今日はもう帰るから」
アニ「そう」
エレン「じゃあな」
アニ「エレン」
エレン「?」
アニ「それでね」
エレン「それで?」
アニ「今日は風が強いね」
エレン「なら吹き飛ばされるなよ」
アニ「がんばるよ」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 16:47:35.00 ID:8NcAGwsK0
アニ(今日は遅いな)
アニ(パンも飲み物も全部買ったけど)
アニ(食べてないし)
アニ(この時間になっても)
アニ「人が多い」
エレン「独り言か?」
アニ「わっ」
エレン「毎回驚くなよ」
アニ「毎回急に出てこないでよ」
エレン「今日もいたんだな」
アニ「えっ?」
エレン「えっ?って」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 16:50:09.45 ID:8NcAGwsK0
アニ「いやなんでもないから」
エレン「あっ悪い」
アニ「なんでもないって」
エレン「なんか買ってくるか」
アニ「あるし」
エレン「おう、食べないのか?」
アニ「さあ?」
エレン「いやいいけどさ」
アニ「はぁ・・・いいよ」
エレン「んっ?」
アニ「食べていいよって言った」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 16:57:15.09 ID:8NcAGwsK0
アニ「忙しいの?」
エレン「調査兵団か?近々、大規模な作戦があるみたいだけどな」
アニ「ふーん」
エレン「憲兵団はどうだ?」
アニ「毎日あんたより早くいる時点で察して」
エレン「ふーん」
アニ「そう」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 16:59:38.78 ID:8NcAGwsK0
エレン「もう暗くなっちまうから帰るな」
アニ「うん」
アニ「でも」
アニ「もう少し・・・」
エレン「もう少しなんだ?」
アニ「もう少しってなんて言いたいんだろね」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 17:04:30.97 ID:8NcAGwsK0
エレン「暗くなったら」
アニ「だって」
アニ「夕日が綺麗になる」
エレン「夕日?・・・ほんとだな良く見える」
アニ「いいところだからね」
アニ「いつもは1人で見ていたんだけどね」
エレン「壁がなかったら最後まで見れるんだな」
アニ「うん壁がなかったらね」
エレン「おっ見てみろよ」
アニ「何を?」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 17:06:57.41 ID:8NcAGwsK0
エレン「人の影が」
アニ「影が?」
エレン「巨人みたいに大きいな」
アニ「あの人達は巨人じゃないから」
エレン「知ってるよ」
アニ(私達はどうなんだろ?)
エレン「どうした?」
アニ「どうもないよ」
エレン「じっくり見ることってあまりないけど綺麗だな」
アニ「いつもこんな風なら」
エレン「いいのになぁ」
アニ「良くないよ」
エレン「そうかあ」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 17:12:18.39 ID:8NcAGwsK0
エレン「ほらアニ来てみろよ」
エレン「俺は何mに見える?」
アニ「本当にバカだね」
エレン「どうだ?」
アニ「見えない」
エレン「何が?」
アニ「うまく顔が見えない」
エレン「だったら近くにさ」
エレン「ほら」
アニ「引っ張らないでって」
エレン「悪い、服が伸びちゃうな」
アニ「伸びちゃうよ」
アニ「近くにきたけど」
アニ「それでも」
アニ「よく見えないね」
エレン「目が悪いのか?」
アニ「さあ」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/14(金) 17:13:23.45 ID:8NcAGwsK0
エレン「大丈夫か?」
アニ「全然大丈夫だよ」
アニ「それよりも」
アニ「もう夕日が」
アニ「見えない」
エレン「夜になるな」
アニ「帰るんでしょ?」
エレン「ああ遅いし」
アニ「じゃあ早く帰れば」
エレン「なんだよ」
アニ「いつも夜には帰るから」
アニ「そう言ったんだよ」
エレン「おうそうだな」
エレン「お前って時間に厳しいんだな」
アニ「あんたはさあ」
アニ「わからないんだね」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/16(日) 18:50:44.84 ID:Tfu1f5qV0
アニ(話す言葉が徐々に少なくなっていけば)
アニ(もう話すことなんてない)
アニ(それがいい)
アニ「それでいい」
アニ「わからないね」
エレン「怖いな」
アニ「なっ」
エレン「いてっ・・・蹴るなよ」
アニ「蹴ってない」
エレン「豪快な嘘だな」
アニ「うん」
エレン「今日は何も買ってないのか」
アニ「曇りだから」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/16(日) 18:52:24.37 ID:Tfu1f5qV0
エレン「雨降るか?」
アニ「それは知らない」
エレン「この前の巨人のような遊びできないな」
アニ「したくないよ」
エレン「いやだったか?」
アニ「別に」
アニ「1人でやっていたらバカみたいって」
アニ「思っていたくらい」
エレン「えっそうかよ」
アニ「そう」
アニ「でも全然」
エレン「それよりさ、雨が降ったらどうしような」
アニ「帰ればいいでしょ」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/16(日) 18:56:06.77 ID:Tfu1f5qV0
エレン「帰るかー」
アニ「降る前に帰ったほうがいいって」
エレン「お前は?」
アニ「近いから」
エレン「いいな」
アニ「いいでしょ」
エレン「じゃあ俺は帰るぞ」
アニ「結構歩くんだ」
エレン「まあな」
アニ「大変だ」
エレン「そんなことねーけど」
アニ「待っている人がいるんだから」
アニ「早くしないと忘れるよ」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/16(日) 19:04:52.86 ID:Tfu1f5qV0
エレン「忘れるって?」
アニ「帰る場所とか」
アニ「人とか」
エレン「忘れるかよ」
アニ「ほんとに?」
エレン「あっそうか」
アニ「なにがそうかなの?」
エレン「だからお前は独り言を言ってたんだな」
アニ「忘れてよ」
エレン「ああ忘れる」
アニ「あっ」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/16(日) 19:07:12.62 ID:Tfu1f5qV0
アニ「帰る前に」
アニ「帰ったきたことを知った人は」
アニ「なんて言うの」
アニ「なんて言ってくれるの」
エレン「いつも言っていることを」
エレン「聞くだけだろ」
アニ「おかえりとか」
エレン「ただいまとか」
アニ「言ったことは?」
エレン「言うよ」
アニ「ずいぶんいい子だね」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/16(日) 22:20:42.01 ID:Tfu1f5qV0
エレン「別に当たり前だっただろ」
アニ「そうだったね」
アニ「子供だった頃」
エレン「ずっとそうだと思ったけどな」
アニ「ずいぶん優しいよ」
アニ「どこかで聞いたことで」
アニ「昔を忘れていけば」
アニ「先のことを思わなくなる」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/16(日) 22:21:44.02 ID:Tfu1f5qV0
アニ「そしたら私達は死ぬことなんてない」
アニ「そうだっていうんだって」
エレン「そんなこと」
エレン「誰が言ってたんだよ」
アニ「言っていたような気がするよ」
アニ「知っている人から」
アニ「何回もね」
アニ「・・・」
アニ「いやそうじゃなくて走って帰ろう」
アニ「いい?」
エレン「おお!負けねーぞ」
アニ「いや勝負じゃないから」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/08/16(日) 23:51:27.78 ID:BrYHhjxAO
切ない
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/18(火) 00:11:46.28 ID:1kI5ZZ8U0
エレン「おいっアニ」
アニ「えっ?ああエレン」
エレン「寝てたのかよ」
アニ「寝てないよ」
エレン「目が閉じてたぞ」
アニ「閉じてただけ」
エレン「よだれもか」
アニ「うん?」
アニ「雨が」
エレン「今日は降ってねーよ」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/18(火) 00:12:54.82 ID:1kI5ZZ8U0
アニ「毎日毎日飽きもせず」
エレン「悪いか」
アニ「他のみんなはどうしてんの?」
アニ「あんたみたいに暇してる?」
エレン「俺も暇じゃないけど」
エレン「訓練してる」
アニ「へぇ昔と同じだ」
エレン「壁外調査をするためにな」
アニ「怖くないの?」
アニ「ああごめん。あんたは大丈夫だよね」
アニ「怖いものなんてないし」
エレン「そんなこと言っててなにかになるのか?」
アニ「悪かったね」
エレン「そうじゃねーよ」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/18(火) 00:14:07.63 ID:1kI5ZZ8U0
エレン「・・・」
アニ「・・・」
エレン「動物は」
アニ「動物?」
エレン「巨人は動物襲わないんだよな。そうだよな」
アニ「まあそう習ったね」
エレン「じゃああれか動物に変装すりゃ襲われないのか」
アニ「やってみれば?」
エレン「うーん」
エレン「それで死んだら最悪だ」
アニ「確かにねえ」
エレン「だろ?」
アニ「動物に」
アニ「もし動物に生まれ変わったら」
アニ「鳥なんかどう?」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/18(火) 00:15:05.25 ID:1kI5ZZ8U0
アニ「どこにでも行けるでしょ」
エレン「足が折れそうだな」
アニ「なんで?」
エレン「足が細いだろ」
エレン「お前に蹴られでもしたらひとたまりもないからな」
アニ「鳥蹴らないし」
アニ「その前に逃げてよ」
エレン「飛べるからな」
アニ「うん。飛べるから」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/23(日) 23:15:59.89 ID:v1eMzLKx0
アニ「ほらっ今日も暗くなるから帰りなって」
エレン「走ってか?」
アニ「嫌だって」
エレン「じゃあ飛んでだな」
アニ「できるならどうぞ」
エレン「無理いうな」
アニ「バカ」
アニ「今日は悪かったね」
エレン「暗くなったら帰れって言う事が」
エレン「そんなに悪いのか?」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/23(日) 23:18:20.83 ID:v1eMzLKx0
アニ「やっぱりあれだよね」
アニ「暗くなったら」
アニ「怖いでしょ」
エレン「お前が?」
アニ「私が」
エレン「本当かよ」
アニ「本当だと思ってくれる?」
エレン「本当ならな」
アニ「また」
エレン「ああ」
アニ「何回言えばいい?」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/23(日) 23:24:49.17 ID:v1eMzLKx0
アニ「あっ」
エレン「今日は遅かったな」
アニ「・・・驚かないね」
エレン「驚かそうとしてたのか」
アニ「そうではないけど」
エレン「あってなんだよ」
アニ「不公平じゃない」
アニ「私だけが驚いているの」
エレン「じゃあさ、俺を驚かすことがあったら」
エレン「まとめて驚かせてくれよ」
アニ「それもちょっと」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/24(月) 23:47:23.50 ID:Tu/81M2J0
アニ「良くないね」
アニ「そんなことしたら」
アニ「可哀相でしょ?」
エレン「俺が?」
アニ「どうだか」
エレン「もしそんなことがあっても」
エレン「平気な顔してやるからな」
アニ「へえ」
エレン「おう」
アニ「がんばって」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/24(月) 23:48:50.55 ID:Tu/81M2J0
エレン「・・・あんまり何回も来てるとさ」
エレン「代わり映えしないよな」
エレン「この景色」
アニ「そう?」
エレン「そうだろ」
アニ「なら」
アニ「昨日の夕日の形を」
アニ「憶えてる?」
エレン「昨日のことだろ」
アニ「ちょっと説明してみて」
エレン「うっ」
アニ「できるでしょ」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/24(月) 23:50:11.69 ID:Tu/81M2J0
アニ「どんな形だった?」
エレン「えっと」
アニ「じゃ手を出して」
アニ「広げて」
エレン「だからこういう形のさ」
アニ「うんうん」
エレン「わかったか?」
アニ「いや?」
エレン「おい」
アニ「ちゃんと見てなかったみたい」
アニ「もう一回」
エレン「見てろよ」
アニ「ははっ」
アニ「何回だっていいよ」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/31(月) 00:50:53.94 ID:JnWmHnYL0
エレン「伝わらないな」
アニ「やっぱり難しいね」
エレン「難しいだろ」
アニ「それはいつもそう」
エレン「憶えてはいるんだけどなー」
アニ「うん」
エレン「お前はできるのかよ」
アニ「ほらやっぱりそれは」
アニ「私は見たの初めてだし」
エレン「初めてじゃないだろ」
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/08/31(月) 00:58:03.72 ID:JnWmHnYL0
アニ「うまく伝えることができなかったら」
アニ「・・・昔の事」
アニ「訓練兵団で過ごしたことなんて」
アニ「すぐに忘れてしまうんだろうね」
エレン「忘れるか?」
エレン「色々あったろ」
アニ「まあね」
エレン「成績良かったよな」
エレン「俺にはお前が何でも簡単にこなしているように見えたから」
アニ「これでもね」
アニ「精一杯だった」
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/02(水) 00:32:35.16 ID:ME/eQKbg0
エレン「そうは見えなかったな」
エレン「なあ」
アニ「うん忘れてほしいことはたくさん」
エレン「別にいい」
アニ「憶えているのは」
アニ「いつもは」
アニ「小雨の日とか曇りの日とか」
アニ「空は青いまま濃さを増して」
アニ「暗くなるから」
アニ「その中を」
アニ「帰るところがある人はいいね」
アニ「私達にも昔あったもの」
アニ「でも考えると帰るところがあったときでも」
アニ「いいななんて思わなかったから」
アニ「どうでもいいね」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/02(水) 01:34:59.44 ID:dRUgDGgAO
乙です
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/06(日) 23:12:33.84 ID:7NrCaSG/0
アニ「もう帰っていい?」
アニ「エレン?」
エレン「子供が遊んでるな」
アニ「だから」
エレン「いいなって思っただけだよ」
エレン「なあお前の家ってどこにあるんだ?」
アニ「憲兵団の寮だって」
エレン「違う」
アニ「忘れたよ」
エレン「俺の家は」
アニ「知ってる」
アニ「言わなくていい」
エレン「俺は知らないけど」
エレン「忘れるわけないだろ」
アニ「帰るから」
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/12(土) 01:16:49.51 ID:O2mUlKa40
おつ
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/12(土) 22:21:17.66 ID:5Lhi1K4z0
アニ(いつも帰り道は最悪で)
アニ(真っ暗で)
アニ(いつもと同じ)
アニ(いつもと同じなら耐えられるはず)
アニ(全然耐えられる)
アニ(そういう風に訓練してるから)
アニ(帰る道だって迷わない)
アニ(いつもと同じだから)
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/12(土) 22:23:51.61 ID:5Lhi1K4z0
アニ(今、目を閉じて)
アニ(帰ることができるんだ)
アニ(昔を思い出しても)
アニ(先を思っても)
アニ(同じだからって)
アニ(耐えることができた)
アニ「くそっ」
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/13(日) 23:09:15.25 ID:u37yZbAj0
アニ(どうやってばかり示されて)
アニ(どうしてなんて)
アニ(考える訳ないから)
アニ(今、どうしている?なんて)
アニ(誰のためかなんて)
アニ(もうとっくに失くして)
アニ(無い)
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/13(日) 23:12:47.38 ID:u37yZbAj0
アニ(だからこの場所にいるのは)
アニ(昨日の夕日があるこの場所に)
アニ(いるのは)
アニ「おかしいでしょ」
アニ「なんでいるの?」
エレン「お前に言われたくねーよ」
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/18(金) 17:52:51.52 ID:LnJDKRFH0
otu
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/20(日) 22:51:12.96 ID:lHkRFU7l0
エレン「ここに居るしかないだろ」
エレン「ここでしか会えたことがないんだし」
アニ「いつもいるみたいなこと」
エレン「怖い顔だな」
アニ「凶悪顔のくせに」
アニ「そんなこと言う?」
エレン「いやお前に言いたいことがあったんだ」
アニ「言いたいこと?」
エレン「いや聞きたいことか?」
アニ「どっち?」
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/20(日) 22:51:50.32 ID:lHkRFU7l0
エレン「お前」
エレン「やっぱり」
エレン「家族と仲悪いのか?」
アニ「・・・えっ?」
アニ「あははっ」
エレン「なんだよ。だってお前家族の話したとき」
アニ「ちょっと待って」
エレン「なんだよ」
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/21(月) 04:29:26.50 ID:ABlUeojL0
アニ「・・・はぁ」
エレン「落ち着いたかよ」
アニ「うん」
アニ「それじゃあ」
アニ「私も聞きたいね」
アニ「今は昔の話をしている?それとも」
アニ「これからの話?」
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/21(月) 23:05:33.73 ID:z3UUOVrM0
エレン「今の話だ」
アニ「そうだね」
アニ「そうかもね」
エレン「あんまり言う事じゃないけどさ」
エレン「良くないんじゃねーか」
エレン「家族と仲良くないのは」
アニ「そんなのいいよ」
エレン「そんなのって」
エレン「後悔しても知らないからな」
アニ「もう後悔していたら」
アニ「しようもないね」
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/22(火) 06:49:53.93 ID:rwfzNXF30
エレン「謝りにいくか?」
アニ「行かないよ」
アニ「誰に?私が悪いことになってない?」
アニ「私は謝らないから」
エレン「俺は謝りたいな」
エレン「言えなくなるなんてすぐだったから」
エレン「いつ最後になるなんてわからなかった」
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/26(土) 00:37:56.87 ID:pCPQ2i5e0
エレン「なあ?」
エレン「どうした?」
アニ「悪いけど」
アニ「珍しく思ってた」
エレン「なんだと思ってたんだよ」
アニ「誰になんて聞かないけど」
アニ「ひとまず私に謝ってくれる」
エレン「はっ?」
エレン「やだよ」
アニ「たくさん驚かしたし」
エレン「それは悪かったな」
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/26(土) 00:38:47.46 ID:pCPQ2i5e0
アニ「まあそれでいいよ」
アニ「じゃあ、あそこの店にいこうか」
アニ「あんたの奢りで」
エレン「奢りかよ」
エレン「絶対お前のほうがたくさん貰ってるだろ」
アニ「うるさいね」
アニ「さあ先に行って」
アニ「私も」
アニ「いつも最後だって思っている」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/26(土) 17:33:55.84 ID:pCPQ2i5e0
アニ「空いてる?」
エレン「ああ」
アニ「そう」
アニ「ここはいつも空いてるからね」
エレン「よく来るのか?」
アニ「まさか」
アニ「空いてるから来たいとは思ってた」
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/26(土) 21:07:07.97 ID:pCPQ2i5e0
エレン「ここの店員愛想ないな」
アニ「まったくね」
エレン「一瞥しただけだった」
エレン「だから空いてんのかな」
アニ「だとしたらいいね」
エレン「いいか?それ」
アニ「うるさいよりはいいよ」
エレン「何頼む?」
アニ「なんでも、任せるよ」
エレン「じゃあ俺の好きなの」
アニ「あるんだ」
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/27(日) 00:42:17.90 ID:OnSJCR1V0
エレン「それはあるだろ」
エレン「別にお前も好きなの言えばいいだろ」
アニ「いや、任せるって言ったし」
エレン「流石憲兵団だな」
アニ「どういう意味?」
エレン「まじめだ」
アニ「なにそれ」
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/27(日) 00:45:15.99 ID:OnSJCR1V0
アニ「この飲み物」
エレン「知ってるか?」
アニ「初めて」
アニ「憲兵団のイメージがまじめって?」
エレン「えっ?そうだろ」
アニ「そうじゃないよ」
アニ「私はそんな風に見える?」
エレン「見えないな」
アニ「うん」
アニ「そんなすぐに答えなくてもいいけど」
エレン「じゃあ調査兵団のイメージはどんなだ?」
アニ「変人」
エレン「・・・そうだな」
アニ「当たり?」
エレン「先輩達が良くないのか?」
アニ「あんた達もどうかな」
エレン「えっ」
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/27(日) 03:20:49.53 ID:OnSJCR1V0
エレン「このパンって」
アニ「私が」
アニ「調査兵団に入ったらどうなっていたかな」
エレン「いまからでも入れると思うけどな」
エレン「いつも人いないからさ」
アニ「ありがと。でもそうじゃないんだ」
アニ「あんたが憲兵団に入ったら」
エレン「入らねーよ」
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/27(日) 03:22:59.86 ID:OnSJCR1V0
アニ「どこまで引き返せば」
アニ「間違いを治せると思う?」
アニ「それを考えてみてさ」
アニ「それがずっと昔からだったら」
アニ「それは自分じゃないね」
エレン「今日は話すんだな」
アニ「たまにはいいよね。今までの分も含めてさ」
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/27(日) 21:23:12.73 ID:OnSJCR1V0
アニ「外がよく見えるところだね」
アニ「まだ人が全然見える」
エレン「壁も見える」
エレン「知ってるかこんな噂?」
アニ「噂って?」
エレン「この壁の中に外の世界に抜け出す」
エレン「抜け穴があるんだってな」
アニ「それって」
エレン「知ってるのか?」
アニ「聞いたことある」
エレン「おう」
アニ「このパンって?」
エレン「教えてくれよ」
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/27(日) 23:31:26.66 ID:OnSJCR1V0
アニ「私が聞いたのはその逆」
アニ「壁の中に内地に行く」
アニ「抜け穴があるって」
エレン「内地ってどうなんだそれ」
アニ「普通の人はそうは思わないよ」
エレン「普通じゃないみたいに」
アニ「当然」
アニ「安全なほうに行きたいでしょ」
アニ「今度行ってみる?噂の場所はわかるよ」
エレン「おう、いこうぜ」
アニ「へえ」
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/27(日) 23:32:54.26 ID:OnSJCR1V0
アニ「このお店子供がいるんだ」
エレン「どこにだ?」
アニ「奥のほう。手を洗いにいったときにいた」
エレン「店の子かな」
アニ「そうでしょ」
エレン「へー・・・それでさ」
エレン「お前は行きたいところってあるか?」
アニ「じゃあ」
アニ「あそこ」
エレン「なんだよ外を指差して」
アニ「壁の上に行きたい」
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/28(月) 00:26:10.32 ID:VHcFRtZAO
乙
スピンオフのアニさんカッコ良すぎんよ
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/28(月) 23:52:21.54 ID:7fYj40+d0
エレン「なんであんな所に行きたいんだ?」
アニ「そう、憲兵団になってから行かなくてさ」
エレン「昔はよく訓練で行ったな」
アニ「行ったね」
アニ「そういえば訓練兵のときって」
アニ「あんた割とよく泣いたよね」
エレン「ぜっ全然、泣いたことなんてねーよ」
アニ「悪いなんて言ってないよ」
アニ「まあ私は泣いたことなんてないけど」
エレン「お前な」
アニ「あと何か頼む?」
エレン「まだスープがあるな」
アニ「頼む?」
エレン「えっと」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/30(水) 00:19:36.78 ID:kIo/Csc60
エレン「スープうまいな」
アニ「そうだね」
エレン「指輪」
アニ「えっ?」
エレン「着けてたんだな」
アニ「悪い?」
エレン「悪いなんて言ってねーよ」
アニ「繰り返しみたいな会話」
エレン「悪くないだろ」
アニ「そう」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/09/30(水) 23:44:37.76 ID:iNSXK7Gi0
エレン「これとかお前も作れるのか?」
アニ「うーん」
エレン「なんか料理得意な気がしてたな」
アニ「食べたことないよね」
エレン「まあそりゃあ」
エレン「でも調理当番の時とかは」
アニ「あれはそんなんじゃないよ」
アニ「それに私だって分かった?」
エレン「うーん」
アニ「ほら」
エレン「芋の皮むきが上手かった」
アニ「それって・・・どうなの?」
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/10/01(木) 23:26:25.62 ID:8M0PF/ZF0
otu
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/04(日) 02:37:51.50 ID:ozD/pfXR0
アニ「果物がきたよ」
アニ「果物だ」
アニ「デザート」
アニ「すごいね」
エレン「ああ・・・んっ?お前のほうが多くないか?」
アニ「知らないよ。この店のサービスじゃない?」
エレン「いいけどさ」
アニ「いる?」
エレン「お前のだから、いいよ」
アニ「みんなそう言うんだね」
エレン「じゃあくれよ」
アニ「少しは」
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/04(日) 21:39:51.86 ID:po+gnuSI0
エレン「食べたか?」
アニ「食べたよ」
エレン「それじゃあ行くか」
アニ「払ったの?」
エレン「さっきな」
アニ「冗談だったんだけど」
エレン「使う時間なんてないからさ」
アニ「払うよ」
エレン「別に」
アニ「あー」
エレン「またでいいよ」
エレン「今度みんなでこようぜ」
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/04(日) 21:44:15.57 ID:po+gnuSI0
アニ「できたらいいね」
アニ「でも」
アニ「今度って言えるほど」
アニ「私達」
アニ「そんなに生きていないでしょ」
アニ「ごめん」
アニ「バカみたいだから」
アニ「もう少しちゃんと言えたら」
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/04(日) 22:09:06.65 ID:po+gnuSI0
エレン「・・・」
アニ「エレン?」
エレン「あそこ見てみろよ」
アニ「えっ?」
エレン「店の子供が手を振ってる」
アニ「なんで」
エレン「なんでなんてより」
エレン「手を振ってやれよ」
アニ「うん」
アニ「じゃあね」
エレン「ははっ」
アニ「何っ?」
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/04(日) 22:13:55.94 ID:po+gnuSI0
アニ「今のお店良くなかった?」
エレン「?うまかったよ」
アニ「へえ」
アニ「ねえ」
アニ「行く?」
エレン「ああ、行こうぜ」
アニ「いまから?」
エレン「まさか」
アニ「そうだね」
エレン「装備を持ってこいよ」
エレン「じゃあな」
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/04(日) 22:16:57.28 ID:po+gnuSI0
アニ「そうだね・・・」
アニ「今日は」
エレン「うん?」
アニ「また会えますようにって」
アニ「子供が言ってた」
エレン「さっきの子が?そういや何時仲良くなったんだ?」
アニ「指輪落としたんだ」
アニ「そしたら」
アニ「拾ってくれてね」
アニ「これはあなたの?だって」
エレン「うん」
アニ「そうだよって」
アニ「私は言って」
アニ「キラキラしてるって言ってた」
アニ「それで」
アニ「欲しい?って言ったんだ」
エレン「それで?」
アニ「そしたらね」
アニ「あなたのだからって」
エレン「大事にしなくちゃな」
アニ「ありがとうって言うよ」
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/19(月) 19:59:10.52 ID:AHqP/QN80
エレン「来たな」
アニ「来たけどさ」
アニ「そんな言葉使うものなの」
アニ「来たなとか」
エレン「でっかいなー」
アニ「聞いてないふりは良くないね」
アニ「大きいのは知ってるし」
エレン「細かいんだって」
アニ「はいはい。そうだね大きいね」
エレン「だろっ?」
アニ「でも勝手に登っていいの?」
エレン「駐屯兵団に知り合いがいるんだ」
アニ「私の知らない?」
エレン「知らない人だな」
エレン「子供のときからの」
アニ「そう」
アニ「いこうか」
アニ「見上げていても何もない」
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/20(火) 00:24:57.69 ID:XZZz+zQX0
エレン「アンカー打つから、ちょっと離れてろよ」
アニ「・・・」
エレン「それにしてもさ、訓練でもないのにいるなんて変な気分だな」
アニ「変な気分は前からだけどね」
エレン「気分悪いのか」
アニ「あんたより平気だよ」
エレン「?ならいいけど、見つかるなよ」
アニ「えっ?許可とってないの?」
エレン「知り合いがいるって言っただけで」
エレン「俺が許可なんてとれる訳ない。そうだろ?」
アニ「威張られてもね」
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/20(火) 00:27:12.03 ID:XZZz+zQX0
アニ「壁の間際ってすごい暗いから」
エレン「ほんとに、ここは夜みたいで」
エレン「どこに日があるのかわからないな」
アニ「早くいこうか」
エレン「あせんなよ」
アニ「わかってる」
エレン「よっと」
アニ「流石5位早いね」
エレン「うるせーな4位」
アニ「誉めてるから」
アニ「素直に受け取るもんだよ」
エレン「わかったよ」
エレン「けどいつまでもそんなこと言ってても仕方ないな」
アニ「いつまでも言えることじゃないね」
アニ「だからほら」
エレン「着いたな」
アニ「・・・明るい」
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/20(火) 00:28:56.41 ID:XZZz+zQX0
エレン「アニ来てみろよ!」
エレン「俺らがいたところが見える」
アニ「あんな小さいところで話していたんだね」
アニ「でも」
アニ「外も見ようよ」
エレン「おう!」
エレン「どこまでも見えるな」
アニ「どこまでもは見えないけど」
アニ「うんすごく」
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/20(火) 00:32:43.13 ID:XZZz+zQX0
エレン「すごいな。やっぱりすげえな」
アニ「うん・・・でも」
アニ「何度も見てるのに?」
エレン「こんな風に見ることは無かったさ」
アニ「あんたが前に言ったことだよ」
アニ「私に」
アニ「もう忘れている?」
エレン「そうだっけか」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/20(火) 00:33:50.67 ID:XZZz+zQX0
アニ「エレン下を見て、もう一度街を」
アニ「聞いてよ」
アニ「私達の影がさあ、街に映っていれば」
エレン「ははっ、そしたら今度こそ一番大きな巨人だ」
アニ「やっぱり」
アニ「そんな無邪気でさ」
アニ「いられるのはなんで?」
アニ「少し聞いてみたかった」
アニ「巨人になれることをどう思ってるの?」
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/21(水) 06:47:39.44 ID:hHiMY0cs0
エレン「・・・それはもうさ」
エレン「強くていいだろ、それで倒してやるんだ」
エレン「なにもかも、だから強くて」
エレン「やっつけてやる」
エレン「全然大丈夫だ」
アニ「あー」
アニ「しなくていいんじゃない」
エレン「何をだよ?」
アニ「無理してそんな子供っぽくしなくてもさ」
エレン「はぁ?」
エレン「言うなよ。そんな事を」
エレン「それにそれは」
エレン「お前もだろ」
アニ「それが?」
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/22(木) 22:56:25.60 ID:oBvUr2lR0
アニ「誰も言ってくれないよね。お互いに」
エレン「俺が無理してるんだったらお前は」
アニ「それっていい事だと思うよ」
アニ「誰も好きにならなくていいんだ」
アニ「さよならを言う手間も」
アニ「謝ることもしなくていいからね」
エレン「俺はただ単純にさ」
アニ「無理してるよ」
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/26(月) 00:40:54.71 ID:EFYkIuSw0
アニ「こんなところにいるんだ」
アニ「大切な作戦の前で」
アニ「逃げだした」
エレン「・・・」
アニ「訳じゃないよね」
アニ「でもそれに近い」
アニ「監視があるの?」
アニ「訓練がきつい?」
アニ「なんでいるの?」
アニ「許可はとれた?」
アニ「前にも聞いた?」
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/26(月) 00:43:05.71 ID:EFYkIuSw0
エレン「許可なんてとれるわけねーって」
エレン「さっき言っただろ」
アニ「ここにいたいんじゃなくて」
アニ「いたくなかったんでしょ」
アニ「あんたを知っている人達から」
アニ「例えば幼馴染とか」
エレン「知ったこと言うなって」
アニ「なんで逃げ出したかったの?」
アニ「なんで私?」
アニ「友達がいなさそうで」
アニ「唯一憲兵団に所属している私が」
アニ「話易かった?」
アニ「それとも憲兵団しか知らないような情報が」
アニ「欲しかった?」
アニ「こっそり壁の外に出るような情報が」
アニ「1人で壁の外に行って」
アニ「ボロボロになって」
アニ「しまいたかった?」
アニ(そう言って欲しいと願うのは)
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/26(月) 00:45:00.69 ID:EFYkIuSw0
エレン「俺はそんな弱くねーよ」
エレン「弱くないから」
エレン「強くなって」
エレン「全然大丈夫って言うんだよ」
エレン「お前に言ったみたいに」
アニ「私は練習?」
エレン「違う」
エレン「みんなが死んでしまうことなんて」
エレン「考えられないくらいに」
エレン「もっと強くなって、だから」
エレン「この力をもっと上手く使えれば」
アニ「だから壁の外で1人で実戦を?」
アニ「死ぬよ」
アニ「でも残念だったね」
アニ「勝手に壁の外なんか行けるわけないじゃない」
アニ「外にいけるなんて思ってたら結局は」
アニ「どこにも行けないんだ」
アニ「私達どこにも行けないでしょ?そしたら」
アニ「もう日が暮れて帰るしかない」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/26(月) 00:45:57.62 ID:EFYkIuSw0
エレン「まだ暮れてないだろ」
アニ「うん」
エレン「ここにいるのは」
エレン「お前の言ってること、それだけじゃない」
アニ「それだけだって」
エレン「お前もそれだけじゃない」
アニ「要らないよ」
アニ「全然」
アニ「だからやめよう」
エレン「夕日のときって遊ぶ時間だったんだ」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/26(月) 00:48:49.78 ID:EFYkIuSw0
エレン「子供の時、そうじゃなかったか?」
アニ「私はそんなこと無かった」
アニ「そんなことしてたら」
アニ「子供の時に見下げられると思うから」
エレン「だから」
エレン「俺らは戦いっぱなしで」
アニ「だったらあんたの幼馴染としてれば」
エレン「それも違ってさ」
エレン「俺、お前のそういうの見たことないんだ」
アニ「やっぱり」
アニ「思ってたとおりに」
アニ「ひどいね」
アニ(ずいぶん優しくて)
アニ(ごめん)
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/26(月) 00:51:17.66 ID:EFYkIuSw0
エレン「悪い、なんて言ったんだ?」
アニ「やっぱりって」
アニ「それは私だってここで」
アニ「話していたいって思うことだってある」
アニ「だけど最初から夕日になって話すから」
アニ「時間なんて無いんだ」
アニ「わからないけど」
アニ「しらないけど」
アニ「それはきっと誰かのためだから」
アニ「結局のところ」
アニ「今になってなんでそんなことを」
アニ「ちょっとだけだと思う」
アニ「言えるのは明るいとか眩しいねとか」
アニ「そんなことしか言えないでしょ」
エレン「なんでだよ。それで悪いのか」
アニ「それしか言えないんだもの」
アニ「それだけでも好きに言えるのは」
アニ「これで最後にしたいよ」
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/26(月) 00:53:23.39 ID:EFYkIuSw0
アニ「明日になったら」
アニ「そんなのには永遠に成れない」
アニ「それが終らないように思える」
アニ「私達、辿り着けないまま」
アニ「ここから壁が壊れる」
アニ「見てみてよ」
アニ「ある日突然くる脅威」
アニ「壁が壊れるとしたら」
アニ「それは私の名前みたくなっちゃうね」
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/26(月) 00:55:41.47 ID:EFYkIuSw0
エレン「今、壁が崩れたらどうしようもないかも知れないけど」
エレン「壁が壊れる音が聞こえたら」
エレン「ここにいてくれてありがとうって」
エレン「互いに言うのは悪くないだろ」
エレン「無理じゃないさ、そのくらいの時間あるだろ」
エレン「俺達がここにいたことなんてない」
エレン「なんていうか」
エレン「わかるか?」
エレン「俺は今わかった」
エレン「俺達がここにいたことなんてなかったんだよ」
エレン「だからなんとかなんだろ、しなきゃな」
アニ「なんとかなるかな?」
エレン「なんとかなる」
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/26(月) 00:58:28.17 ID:EFYkIuSw0
アニ「絶対に?」
エレン「絶対だ」
アニ「なら嬉しいかもね。でも」
アニ「嘘だったらあんたを笑ってやろうかな」
エレン「笑うなよ。本当だったらどうだ」
アニ「なら私を笑ってもいいよ」
エレン「笑うかよ」
アニ「別に・・・これからは・・・」
アニ「恐れないでいいよ」
アニ「怖かったら」
アニ「私に押し付けていい」
アニ「怖がることもないね」
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/26(月) 01:00:29.91 ID:EFYkIuSw0
アニ「私は」
アニ「なにも要るものなんてなくて」
アニ「ただ」
アニ「夕日が落ちるまでの間」
アニ「この時間だけでいいんだ」
アニ「私は」
アニ「それから昔も今も明日もずっと先も」
アニ「忘れていい」
アニ「なにも思わなくていい」
アニ「立ち止まった瞬間があって」
アニ「その瞬間が」
アニ「夕日の形が思い出せないような」
アニ「光の中の表情を思い出すような」
アニ「光の中で」
アニ「一瞬以下が」
アニ「私に残して」
アニ「残るから」
アニ「それを信じるんだ」
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/26(月) 01:03:12.67 ID:EFYkIuSw0
アニ「暗いね」
エレン「気をつけろよ」
アニ「暗いっていっただけだよ」
エレン「帰ろうぜ」
アニ「怖いね」
アニ「暗くなって」
アニ「どうだろう」
アニ「私達すぐに」
エレン「そういえばさ」
アニ「何?」
エレン「なんで壁の上に来たかったんだ?」
アニ「バカじゃない」
アニ「壁の上って」
アニ「最後まで」
アニ「夕日が見れるから」
エレン「子供泣いてるな」
アニ「嘘だ」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2015/10/26(月) 01:03:56.69 ID:EFYkIuSw0
これで終わりです。ありがとうございました。
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/26(月) 01:10:45.68 ID:Ug2Fr2uAO
乙
アニには夕日がよく似合う
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/26(月) 23:33:20.95 ID:weBCoTDA0
otu
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 18:12:51.34 ID:uNuYW/+Qo
おつおつ
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