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大淀「本当に…解体なさってもよろしいのですか?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/14(月) 22:15:51.57 ID:WC1AIxCwo

提督「…ああ」

大淀「しかし彼女は仮にも功労艦です」

提督「それでもだ」

大淀「…私としては、あまり気乗りしないのですけれど」

提督「それは俺も同じだ」

大淀「でしたら無理に解体などなさらずとも…」

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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/14(月) 22:16:55.16 ID:uU3330JCO
真っ先に那珂ちゃんが浮かんだ俺を許してくれ
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/09/14(月) 22:28:13.61 ID:mETD2jr30
え、提督を解体して艦むすにするスレじゃないの?
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/14(月) 22:29:22.08 ID:xmqQUWjKO
何言ってんだコイツ
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/14(月) 22:31:28.59 ID:WC1AIxCwo

提督「…だからこそだ」

提督「天龍とは着任して間もなくからの付き合いだが、今回のような事態を見過ごすことは出来ない」

大淀「天龍さんが功を焦って、無断で出撃しようとしたのは誉められたことではありません」

大淀「ですが彼女は確かな戦功をあげました。鎮守府への強襲を目論んでいた戦艦レ級を早期発見し、その撃破に貢献したのです」

大淀「その事実をもって、彼女の独断専行は免責されてもよろしいのでは?」

提督「……」

提督「……」

提督「…いや、やはりダメだ。天龍は解体する」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/14(月) 22:42:08.00 ID:WC1AIxCwo

大淀「…理由を聞いても?」

提督「自己保身だ。それ以上はない」

大淀「確かにそれもあるでしょう。提督…貴方の監督不行届は、大いに問題視されて然りなのですから」

提督「ああそうとも。まったく、彼女も迷惑な真似をしてくれたもの」

大淀「ですが、本当にそれだけですか?」

提督「…それだけだとも」

大淀「……」

提督「……」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/14(月) 22:58:42.64 ID:WC1AIxCwo

提督「……」

大淀「……」

提督「…聞いてどうする?」

大淀「一応でも納得したいのです。私は常に、提督…貴方の味方で居たいと思っていますから」

大淀「それに…提督が周りから上がる非難の声で参りでもしたら、艦隊運営に支障を来してしまいます」

提督「……」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/14(月) 23:05:51.49 ID:WC1AIxCwo

提督「…大淀」

大淀「はい」

提督「君は…艦娘である自分をどう認識している?」

大淀「……」

大淀「…兵器であり、人のようなものであると」

提督「…そうか」

大淀「…何故、そのような事をお尋ねになるのです?」

提督「確かめたかったんだ。大淀…君が自分を、単なる兵器だとしか自覚していないかをな」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/14(月) 23:20:43.61 ID:WC1AIxCwo

大淀「…天龍さんは、兵器としての自分に強い自負を持っていましたね」

提督「ああ…」

大淀「そして、それが彼女の性能不足を大いに補っていました」

提督「…私はそれに危うさを感じていた」

大淀「危うさ?」

提督「兵器としてのアイデンティティを獲得したいと望む天龍は、提督の立場からすれば都合のいい存在だったさ」

提督「…だが私は、彼女に闘争以外の何かを尊んで貰いたかった。そしてそれに依存しない生き方をして欲しかった」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/14(月) 23:30:39.97 ID:WC1AIxCwo

提督「……」

大淀「…つまり今回の件で、それが叶わないとお思いになって彼女を解体なさると?」

提督「…ああ」

大淀「なるほど。とても身勝手な話ですね」

提督「ああ。思い通りにならないからと、駄々をこねて追い出すだけだからね」

大淀「…解体されれば、彼女は戦う力を失ってしまいます」

提督「…うん」

大淀「それは天龍さんにとって、とても…とても残酷な事です」

提督「……」

大淀「…それでもよろしいのですね?」

提督「……」

提督「…いいんだ。無事に生きてさえいれば、きっとなんとでもなる」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/14(月) 23:37:20.99 ID:WC1AIxCwo

提督「……」

天龍「…おい!」

提督「……」

天龍「提督、テメェ…!よくも、よくもこんな!」

提督「……」

天龍「クソがっ!こんな拘束具くらい、オレならすぐに…」

提督「……」

天龍「…くっ!なんで!なんで外れねえんだよ!畜生!」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/14(月) 23:46:53.33 ID:WC1AIxCwo

提督「…無力だな」

天龍「んだとォ!」

提督「手足の自由を奪われたら、ろくに身動きもとれないのだからね」

天龍「ぐ…お前が、こうしたん、だろう、が!」

提督「……」

 ゴトッ

天龍「オ、オレの艤装じゃねえかよそれ!」

提督「…妖精さん」

妖精「…あいよ」

天龍「なっ、おい!テメェら一体それをどうするつもりだ!」

妖精「どうするって…今からバラすんだよ」

天龍「何っ!?」

妖精「アンタはもう艦娘じゃなくなる…だったらもう、コイツは必要ないよな?」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/14(月) 23:50:55.06 ID:WC1AIxCwo

 ...カーン、カーン

天龍「!?」

提督「妖精さん、なるべく早く頼む」

妖精「あいよ」

 ...カーン、カーン、カーン

天龍「や、やめろっ!」

提督「どうして?」

天龍「そいつをバラされちまったら、オレが…オレでなくなっちまう!」

提督「…知ったことじゃない」

 ...カーン

天龍「…やめろよ…お願いだ、やめてくれよ…!」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/14(月) 23:53:59.49 ID:WC1AIxCwo

 グイッ

天龍「ぐっ…」

提督「…やめてくれ、だと?」

天龍「……」

天龍「…や、やめて」

提督「……」

妖精「……」

天龍「…やめて、やめてください…お願いします……」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/15(火) 00:05:04.17 ID:7yDrcxQPo

提督「……」

 バキッ!

天龍「がっ…!」

提督「やめてください、だと?」

天龍「うっ…」

提督「私がそう言ったら、君はそれを聞き入れてくれたのか!?」

天龍「……」

提督「…それについてはお互い様か。私の方こそ、君の希望に応えられなかった事は少なくなかったからね」

提督「……」

提督「だかな…勝手に武力を行使するなんて、いかなる理由があっても見過ごせる訳がないだろう」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/15(火) 00:06:06.17 ID:7yDrcxQPo
中断
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/15(火) 00:14:33.17 ID:IxhoAoks0
期待
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/15(火) 00:14:53.43 ID:HCmIkPKaO
期待
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/15(火) 02:47:24.05 ID:7yDrcxQPo

提督「だかな…勝手に武力を行使するなんて真似、いかなる理由であっても見過ごせる訳がないだろう」

提督「君が艦としての自分に誇りを持っているのは知っている。だが君はそれ以前に、組織に属する軍人でもあったはずだ」

提督「軍事力を持つ者が規律もなく身勝手に振る舞う…それが力無き者にとってどれだけ恐ろしい事か、君は想像していたのか?」

天龍「う、うるせえ!」

提督「天龍!」

天龍「力のない者だって?それならオレだって、他の軽巡や上位の駆逐に劣る古い艦じゃねーか!」

天龍「ここは気の良い奴が多かったからよ、嫌味なんて言われる事なんかそうそうなかったさ」

天龍「…けどな、どうしても差ってのはついちまう。否応なしにそれを感じちまう度、オレはどんどん惨めになっていった」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2015/09/15(火) 03:02:41.68 ID:7yDrcxQPo

提督「……」

天龍「ちゃんと分かってたなんて言えるわけもねえけど…オレのしでかした事は、実際とんでもない話だよ」

天龍「戦う力のある兵士…まして軍艦の力をそのまま使えちまう生き物が、突然どっかに行っちまうなんてあっちゃいけねーからな」

提督「…天龍」

天龍「へへ、柄にもなく湿っぽい事ばかり話しちまった。だけどそれもじき終わる」

提督「……」

妖精「……」

天龍「…どうか一思いにやってくれ」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/15(火) 06:51:09.48 ID:Ypg+Uo6nO
スレタイから日本語ガバガバwwwwwwww
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/15(火) 08:25:23.11 ID:vkURClEMo
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/15(火) 22:17:26.37 ID:twYDX68do
解体〜♪解体〜♪一役買いたい〜
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/16(水) 06:24:09.49 ID:FbZtBiiRo

提督「…天龍」

天龍「んだよ」

提督「殊勝に振舞っているつもりだろうが、殺意を隠せていないぞ?」

天龍「…」

天龍「…ふ、ふふ」

 ブチィ!

提督「!」

妖精「て、提督!」

天龍「全てお見通しってわけかよォ!提督ゥ!」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/16(水) 06:34:57.67 ID:FbZtBiiRo

 シャアッ!

提督「くっ!」

天龍「よくかわしたなあ、オイ」

 ズバッ!

提督「ぐ…」

天龍「だが、そう何度も避けさせはしねーぞ」

提督「…もう止めろ、天龍」

天龍「止めろ、だと?優位に立ってるのはオレなのに、そんな戯れ言が通るとでも?」

提督「通るさ」

天龍「なら、通してみろ!」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/16(水) 06:42:22.27 ID:FbZtBiiRo

 ...バキィ!

提督「…」

天龍「な、なに…」

提督「すまない、龍田」

龍田「…いいのよ〜。提督が謝らなくたって」

天龍「龍田、テメェ…!」

龍田「だって…悪いのは上官に逆らって、挙句弑逆しようとした天龍ちゃんなんだから〜」

天龍「…龍田ァ!」

龍田「ごめんね、天龍ちゃん」

 ズガァッ!

龍田「…おやすみ」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/16(水) 06:52:48.46 ID:FbZtBiiRo

天龍「……」

提督「…天龍」

龍田「提督…どうか気に病まないで」

提督「しかし…」

龍田「さっき言ったけど悪いのは天龍ちゃん。貴方は何も悪く無いのよ」

提督「…だとしても、天龍をこうさせてしまったのは私の力不足だ。情けない」

龍田「ううん、違う。そんな事ない」

提督「……」

龍田「天龍ちゃんが…この子がもっと強ければ、力や功績に拘らずに生きていけたわ」

龍田「だけどそうはならなかった。天龍ちゃんは、自分が戦場で輝ける事を何よりも望んでいたから…」

龍田「…私はただ、天龍ちゃんと一緒に居られたら良かっただけなのにね」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/16(水) 07:02:12.66 ID:FbZtBiiRo

提督「…」

龍田「…ねえ、提督」

提督「何だね」

龍田「私も、天龍ちゃんと一緒に解体されようと思うの」

提督「……」

龍田「この子が居なくなってからの鎮守府で、私がこの先もずっと戦っていけるとは思えない」

龍田「たとえこの先新しい『天龍』がやって来ても、その子はこの天龍ちゃんとは違う。どう転んでもろくな事にならないわ」

提督「龍田…」

龍田「…ごめんね。私もこの子と同じで、弱い子だから」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/16(水) 07:12:14.00 ID:FbZtBiiRo

提督「…妖精さん」

妖精「お、おう!」

提督「天龍と、それに龍田の解体も頼む」

妖精「…いいのかよ?」

提督「いいんだ」

妖精「天龍は勿論、龍田ちゃんまで解体したら資源輸送に困るぜ?」

妖精「他の軽巡より慣れているのもあるが…2人は駆逐の嬢ちゃん達に、すごく懐かれてんだし……」

提督「…私がどうにかするさ。勿論、鎮守府みんなの力を借りてな」

妖精「…」

提督「だから…龍田の願い、どうか聞き届けてやってくれ」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/16(水) 07:17:46.21 ID:FbZtBiiRo

妖精「龍田ちゃん」

龍田「…手間を増やしちゃって、ごめんね〜」

妖精「手間だなんてそんな…んな事より、本当にバラしちまっていいんだな?」

龍田「……」

妖精「…すまねえ。野暮なのは分かってんだが、どうしても訊いときたくてな」

龍田「…ううん、いいの」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/16(水) 07:21:16.90 ID:FbZtBiiRo

...カーン、カーン

天龍「……」

龍田「…天龍ちゃん」

 カーン、カーン、カーン...

龍田「私も一緒についていってあげる」

 .カーン、カーン、カーン、カーン...

龍田「…一人ぼっちは、さみしいでしょう?」








 カーン、カーン、カーン...

 カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン...

 カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン...
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/16(水) 07:30:32.04 ID:FbZtBiiRo

 ○

提督「…」

提督「…ん、ううん」

大淀「あら、提督。おはようございます」

提督「ん、おはよう」

大淀「…お加減はいかがですか?その、随分とうなされているようでしたから」

提督「案外気分は悪くない。大丈夫だよ」

大淀「そうですか…でも、どうか無理はなさらないで」

提督「ああ、分かったよ。ありがとう」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/16(水) 07:34:03.49 ID:FbZtBiiRo

大淀「…」

提督「…」

提督「…昔の事を夢で見ていた」

大淀「夢、ですか」

提督「うん。天龍と龍田を解体した日の事だ」

大淀「お2人の事は、本当に残念でしたね」

提督「おいおい…2人ともまだ死んではいないぞ?」

大淀「…」

提督「…大淀?」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/16(水) 07:38:56.73 ID:FbZtBiiRo

大淀「…提督」

提督「うん?」

大淀「私は…解体されてからの彼女達を知りません」

提督「うん」

大淀「どこで何をしているのは勿論、お2人の安否さえも分からない」

提督「…だから?」

大淀「彼女達は今、どこにいるのですか?」

提督「…」

大淀「何故、答えられないのです?」

提督「……」

提督「…君が知る必要はない」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/16(水) 07:51:32.84 ID:FbZtBiiRo

大淀「…そう、ですか」

提督「…」

大淀「私には、打ち明けていただけないと?」

提督「…すまない」

大淀「…」

大淀「…いらない」

大淀「そんな言葉、いらない。私はただ、貴方に打ち明けて欲しいだけなのに」

大淀「私達が艦娘でなくなったら、一体どうなってしまうのかを」

提督「…知らなくていい」

大淀「提督っ!」

提督「それに私も全てを知っている訳じゃないし…憖っかに知れば、徒に憶測してしまうだけだ」

大淀「…」

提督「…」

大淀「…残念です」

提督「…」

大淀「ええ、とても残念。私と貴方の関係が…未だこの程度のものだったなんて……」

提督「……」

大淀「…本当に、哀しい事です」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/16(水) 07:53:12.53 ID:FbZtBiiRo
この先もぐだぐだと続きます
日本語が不自由なのは、その…僕の不勉強としか言えません
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/16(水) 08:31:09.54 ID:uFhMMt39O
言い訳してる暇あるなら学べよ
謝られても叩く力は強まるだけだぞ
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/16(水) 08:41:05.03 ID:pvfIEkYmo
おつ
そんな気にしなくても書いてりゃそのうちまともになるよ
読み書きも結局慣れだから
応援してるで
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/16(水) 12:39:18.31 ID:LJDJKWFmo
面白いよ
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/16(水) 19:34:00.02 ID:FeV1PKwoo
気にせずに書けばええんやで
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/17(木) 00:15:08.04 ID:mhgwckpJ0

続き待ってるよ
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/21(月) 11:27:41.04 ID:cFbHu9UPo
書かないなら宣言して依頼出せよカス
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/23(水) 18:21:04.08 ID:TvoQcypAo

この提督は刹那的な考えの持ち主で、かつ根暗とは無縁の男であった。

そんな彼だが、秋口を過ぎた頃からはナーバスになる。

大淀はそれが気になって仕方なかった。

普段はセクハラめいた発言や行動が目立つのに、それがピタリと止んでしまう。

多くの艦娘が、半ば当たり前の事だと受け入れてすらいるのにだ。

鎮守府の誰もが気にせずにはいられない。



…天龍と龍田が解体されたのも、今時分になってからの事だった。
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/23(水) 18:40:41.81 ID:TvoQcypAo

大淀は提督と長い付き合いであったが、これまで提督の様子について問いただそうとはしなかった。

それは他の艦娘も同じだ。

問いただして、それからどうなってしまうのかと怖がったためだ。

この提督は、艦娘への待遇をかなり良くしてくれている。

だが彼は人間だ。

まして刹那的な考えの彼が、ふとした事で態度を一変させないとは限らない。

艦娘は他の鎮守府について良い話も悪い話も聞く。それには、艦娘と人間との違いからくる諍いも含む。

その結果艦娘か提督、あるいは双方が不幸になったなどという結末もよく耳にした。

彼女達と同じ轍を踏むのを避けようとするのは、当然の事と言える。
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/23(水) 18:55:51.97 ID:TvoQcypAo

その傾向は、天龍が無断で戦闘を行った結果解体された事により、いっそう強くなった。

その上、龍田も天龍に殉ずる形で解体されたという。

この鎮守府で艦娘が解体された事など、それまでは一度たりともなかったのだ。

無理からぬ理由とはいえ、それは鎮守府の誰もに恐ろしげな印象を与える事になった。

その結果として、誰もが以前よりも規律を重んじるようになった。

かといって提督のセクハラがなくなった訳でもないし、真面目一辺倒という風にもならなかったが。

それでもかつてのようには戻らなかった。

提督と艦娘の関係は、どこかに大きなしこりを残してしまったままだった。
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/23(水) 21:14:21.48 ID:TvoQcypAo

 「ふむ、今日のお茶も美味しいな」

 「ありがとうございます」

そんな状況ではあったが、大淀のように以前と態度を変えない艦娘も少なからず存在した。

特に大淀などは、提督が鎮守府に着任した当初からの付き合いだ。

長く関係を続けているためだろうか、彼女らは提督への抵抗感を示してはいなかった。

だが疑念は抱いていた。

提督は何かしらの特別な事情を抱えているのではないかと。

そして可能であれば、自分達がそれを解決する助けになれればと考えていた。
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/23(水) 21:41:57.35 ID:TvoQcypAo

だが提督は大淀に、何一つ事情を教えようとはしなかった。

欲望を明け透けにしている普段の彼を見て、隠し事などはしそうにないと誰もが思っていたのだが。

…あの提督はとても助平だ。

その上女性相手にがっつきはするが誘惑に弱く、求められれば拒めない人物だ。

とてもじゃないが誠実とは言い難い。

しかし彼は、決して嘘をつくような男でもない。

提督は嘘を何よりも嫌っていた。

 「嘘を重ねれば事実の不都合さも大きくなる。それを隠せているうちはいいが、バレてしまえば隠さずいるよりリスクが大き過ぎる」

そう言って、彼は虚偽の報告を第一に禁じていた。
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/23(水) 21:57:18.33 ID:TvoQcypAo

 「第一、私は嘘が嫌いなんだ」

そう口にする提督の顔は、実に忌々しげな様子だった。

落ち着き払ってお手つきをする普段の彼からは、とても想像しがたい姿だ。

 「どうしてですか?」

 「子供の頃、嘘つきな大人に散々騙されてしまったからね」

 「そうなのですか…一体どのような?」

 「……」

提督は何も答えなかった。

ひどく顔を顰めながら、子供が拗ねるように大淀から目をそらしていた。

 「…お気に触るような事をして、申し訳ありません」

 「いや…どうか気にしないで欲しい」

その時の提督からは、普段の助平三昧な姿など想像もつかなかった。
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/23(水) 22:16:09.97 ID:TvoQcypAo

  ◆

大淀と提督のやり取りから数日が過ぎた。

あれから2人は一切会話をしていない。それどころか、提督は秘書艦を明石に代えている。

 「…何かあったんです?」

 「ちょっとね」

誰が訊いても、彼はただはぐらかすばかりだった。

そうするうちに、普段の行いからかセクハラのし過ぎでそうなったのだろうという話が広まりだす。

 「ヘーイ提督ゥー!」

 「なんだね」

 「時間と場所は弁えた方がいいと思いマース!それと、私でしたら今はバッチコイですヨー?」

 「…今は遠慮させてもらうよ」

結果提督は針のむしろに座る思いで、今は金剛に守られながら日々を過ごしている。

鎮守府の皆からは、最早ナーバスな提督への警戒心など失われているかのようだった。

それほど大淀が慕われているという事だろう。
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/23(水) 22:28:01.28 ID:TvoQcypAo

 ぴぴぴぴぴぴ。

 鎮守府に端末の着信音が鳴り響く。

「…どうかしたかね、朝潮」

「はい、司令官。○○元帥がこちらを尋ねにいらしてますが」

「○○元帥が…ああ、もうそんな時期か」

「いかがなさいますか?」

「今すぐそちらに向かおう。元帥には、少し待っていただけるよう伺ってくれ」

「承りました」

 ○○元帥。

 提督が明かしていない艦娘の真実を知る、数少ない一人だ。
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/09/23(水) 22:40:05.80 ID:TvoQcypAo
…続きはまたそのうち
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/24(木) 07:25:33.31 ID:/MKgBKQ5O
乙です
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/24(木) 08:09:58.07 ID:pSELR6JmO
乙ー
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/10/03(土) 01:33:57.99 ID:5k26nDAYo

>>49

それほど大淀が慕われているという事だろう。→それよりも、大淀を慕う気持ちの方が勝ったということだろう。
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/10/03(土) 01:41:37.72 ID:5k26nDAYo

提督「…お久しぶりです、閣下」

元帥「うむ」

提督「相変わらずご壮健のようで何より」

元帥「そう言う君は、少しやつれて見えるのだが」

提督「何分気苦労が絶えないものでして…煩わせて申し訳ありません」

元帥「いや、いい。そちらこそあまり気にするな」

提督「…はっ」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/10/03(土) 01:47:05.72 ID:5k26nDAYo

元帥「噂は聞いている。どうも筆頭秘書艦と上手くいっていないらしいな」

提督「恥ずかしながら、閣下の仰る通りであります」

元帥「君が盛り過ぎたせいだという話だが」

提督「…」

元帥「…どうなのだね?」

提督「…」

提督「…事実ではありますが、流石にそれが原因という訳ではありません」

元帥「ふむ」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/10/03(土) 01:59:59.56 ID:5k26nDAYo

提督「…」

元帥「だとすると…君は昔の事でも思い出して煩っているのかね?」

提督「…はい」

元帥「まあ、今時分は君にとって何かと因縁の多いものだ。無理もない」

提督「…お気遣いいただき恐縮です」

元帥「気にしなくともよい。それより××、艦娘達にはきちんと話しておき給えよ」

提督「…何を?」

元帥「知れた事さ。君の過去についてだよ」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/10/03(土) 02:10:33.95 ID:5k26nDAYo

提督「……」

提督「…恐れながら閣下、私にはそうするつもりがありません」

元帥「何故だい?」

提督「部下達の、私に対する心象が一層悪くなるだろうと考えられるからです」

元帥「…そうなのかね?」

提督「はい」

元帥「……」

元帥「……」

元帥「…××、嘘をつくのはいけないよ」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/10/03(土) 02:19:39.89 ID:5k26nDAYo

提督「嘘、とは?」

元帥「君の噂について私は、良いものも悪いものも概ね把握している。当然裏付けも取っている」

提督「ならばお分かりでしょう?それらに嘘など何一つ無いという事に」

元帥「ああ。確かにその通りだ」

 ...バンッ!

提督「…」

元帥「…だが、それらの噂は全て君自身が広めさせたものでもある。違うかね?」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/10/03(土) 02:35:54.27 ID:5k26nDAYo

提督「…何を根拠にそのような事を」

元帥「以前ここへ視察に来た憲兵…その全員が揃って『まるで誰かに見せつけるように、不埒な真似をしていた』と口にしていたよ」

提督「ははっ、まさか。私は彼らの気配なんて気付きも」

元帥「…少し前、怪我をして帰った憲兵がいたね」

提督「!」

元帥「どうやら彼は行為にちゃちゃを入れようとして、結果痛い目に遭ったそうだ」

提督「……」

元帥「…君は彼らに、自らの醜聞を広める以外の真似はさせたくなかった」

元帥「そう考えると、君がかの憲兵にした仕打ちにも納得がいくのだよ」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/10/03(土) 02:43:26.22 ID:5k26nDAYo

提督「…」

提督「…仮にそうだとして、閣下は私をどうなさるつもりなのですか」

元帥「私は何もしない」

提督「……」

元帥「君がどういう理由でそうしているのかと、下衆の勘繰りをしても意味は無いからね」

提督「…ならば何故追求するのです」

元帥「おせっかい」

提督「……」

元帥「…そう睨むな。君の親代わりとして、気を揉んでいるだけの事だ」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/10/03(土) 02:54:15.28 ID:5k26nDAYo

提督「…○○元帥」

元帥「君が自らをどうしたいのか…それを最初に決めるのは結局、君自身だろうさ」

提督「…」

元帥「だがね××…君は一人じゃない」

元帥「他者の思惑によって得も損もするし、誰かに対して融通をきかせなければならない事もある」

提督「…つまり?」

元帥「部下達に対しもっと真摯な態度で接しろ、という事だ」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/10/03(土) 03:18:35.21 ID:5k26nDAYo

元帥はそう言うなり、懐から一枚の写真を取り出し提督に見せる。

 「こ、これはっ…!」

 「…あっ」

それには或る艦娘のあられもない姿が……!

 「間違えちった、すまん」

元帥が写真を懐に戻すと、提督はひどくうなだれた。

 「そ、そんなに落ち込まないでくれ給え…どうかこれで機嫌を直して欲しい」

新たに提督へと差し出される写真。

 「…!」

提督はそれを、感慨深げな様子でじっと眺めている。

 「…閣下」

 「うむ」

 「ご厚意、ありがたく頂戴いたします」

 「構わんよ。それより君、今すぐ会いに行くのだろう?」

提督は深く頷いた。

 「君の部下には私から話しておく。早く行って、その陰鬱さを払拭し給え」

 「はっ!」

返事をするやいなや、提督はその場を走り去っていった。

…逢いたい者がいるからだ。

天龍と龍田。

今は艦娘ではなくなった2人…当時の記憶は、もう少しも残っていない。

だが提督にとって、そんな事はどうでもよかった。
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2015/10/03(土) 03:19:35.13 ID:5k26nDAYo
ちゃんと続けられるようにしたい…
では
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/03(土) 03:43:01.69 ID:NbDBG/ybo
おつ
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/03(土) 08:38:03.28 ID:F53vmeF0o
おつです
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