やはり俺の脳内選択肢が青春ラブコメを全力で邪魔しているのは間違っている。

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30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/20(日) 17:45:41.53 ID:/CgeGexDO
乙です
楽しみに待ってます
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/20(日) 17:45:42.13 ID:JD5lAfJTo
乙です!
32 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/09/23(水) 09:43:06.89 ID:eqe/CnbC0
※お久しぶりです
投下します
33 : ◆oUKRClYegEez :2015/09/23(水) 09:47:13.65 ID:eqe/CnbC0
 時間はとんで、数日後。


 文化祭実行委員会のミーティングにて。


 実行委員長を決める段だ。


相模「はーい、わたしやりまーす」


語尾に「w」をつけて話す彼女以外、誰も立候補しなかったので、彼女に決まった。


めぐり「雪ノ下さんがやってくれれば安心なんだけどなあ……」

雪乃「城廻先輩、立候補した人がいるのに、失礼ですよ。それに私は別に……」

めぐり「そうだね、ごめんなさい。
    相模さん、よろしくね」

相模「はい!」ww

奏「八幡はしないのか?」

八幡「いや、俺がやっても誰も仕事しないだろ」

雪乃「ええそうね。比企谷くんがリーダーなんて努められるはずがないものね。」

八幡「まあな」

奏(………………)
34 : ◆oUKRClYegEez [saga]:2015/09/23(水) 09:50:09.48 ID:eqe/CnbC0
モブA「……で……」
モブB「うんそうそう……」

 会議は進まない。
 進行役が全く機能していないのだ。

 相模なんとか。

 文化祭実行委員長になったのはいいものの、それだけでなにもこの状況を変えようとしない。

 そろそろ会議を本格的に始めないと、本番予定に間に合わなくなってくる――

【選べ
 1, このまま誰かが動くのを待つ。
 2, 自分から積極的に動き、流れを変えようとする。
 3, 「あはは! さがみん、ぼくちんも話に混ぜてよぉ!」的なことを  】

 よし、2だ。

 珍しく即決。
 3については、ツッコまないでおこう。
 その時間すら惜しい――

雪乃「あの、相模さん。 そろそろ会議を始めてもらえないかしら?
   先ほどから始める気配が全くないものだから」

 なんと、選択肢による強制を受ける前に一人の女子が行動していた。
 よく見れば、新学期初めに八幡となにかあった気の女子だ。

 容姿端麗ではあるのだが、その眼光には特筆すべき強さがある。

めぐり「そうだね。相模さん、そろそろ初めてくれるかな?」

 相模の隣の生徒会長(だったはず)が話かける。

 いや、関係ない話だが……なんかこう、あの人を見ているとほんわかしてくる。

 八幡は「めぐりっしゅ☆」とか言ってたような、言ってなかったような……

相模「あ、すみません……
   では、これから文化祭実行委員会をはじめまぁす」

語尾に「www」とつきそうな口調で話し始める相模。

こんなんで本当に大丈夫だろうか?

 なお、雪ノ下が先に行動したため、俺は行動しなくても頭痛はしな――

奏「イタッ!?」

 えぇ!?

 この雰囲気を変えろと!?

 ……しかたない、頭痛止まないし、そういうことなのかな……?

八幡「おい天草、どうした?」

奏「えー、もうちょっと話してよーよーw」

雪乃「天草奏くん、でしたか?
   静かに。会議は始まっています」

 っこえぇぇぇぇっ!!??

 なにこの人!? すごく怖い!

 視線だけで人を殺せそう。

 なに? 写○眼なの?

 まあ頭痛止んだからいいんだけど……

八幡「天草……いくらアレがあったとしても、雪ノ下にケンカを売ることはやめておけ」

 ハイ、深く心に刻みました。

 俺も死にたくないからね。
35 : ◆oUKRClYegEez [saga]:2015/09/23(水) 09:50:40.32 ID:eqe/CnbC0
モブA「……で……」
モブB「うんそうそう……」

 会議は進まない。
 進行役が全く機能していないのだ。

 相模なんとか。

 文化祭実行委員長になったのはいいものの、それだけでなにもこの状況を変えようとしない。

 そろそろ会議を本格的に始めないと、本番予定に間に合わなくなってくる――

【選べ
 1, このまま誰かが動くのを待つ。
 2, 自分から積極的に動き、流れを変えようとする。
 3, 「あはは! さがみん、ぼくちんも話に混ぜてよぉ!」的なことを  】

 よし、2だ。

 珍しく即決。
 3については、ツッコまないでおこう。
 その時間すら惜しい――

雪乃「あの、相模さん。 そろそろ会議を始めてもらえないかしら?
   先ほどから始める気配が全くないものだから」

 なんと、選択肢による強制を受ける前に一人の女子が行動していた。
 よく見れば、新学期初めに八幡となにかあった気の女子だ。

 容姿端麗ではあるのだが、その眼光には特筆すべき強さがある。

めぐり「そうだね。相模さん、そろそろ初めてくれるかな?」

 相模の隣の生徒会長(だったはず)が話かける。

 いや、関係ない話だが……なんかこう、あの人を見ているとほんわかしてくる。

 八幡は「めぐりっしゅ☆」とか言ってたような、言ってなかったような……

相模「あ、すみません……
   では、これから文化祭実行委員会をはじめまぁす」

語尾に「www」とつきそうな口調で話し始める相模。

こんなんで本当に大丈夫だろうか?

 なお、雪ノ下が先に行動したため、俺は行動しなくても頭痛はしな――

奏「イタッ!?」

 えぇ!?

 この雰囲気を変えろと!?

 ……しかたない、頭痛止まないし、そういうことなのかな……?

八幡「おい天草、どうした?」

奏「えー、もうちょっと話してよーよーw」

雪乃「天草奏くん、でしたか?
   静かに。会議は始まっています」

 っこえぇぇぇぇっ!!??

 なにこの人!? すごく怖い!

 視線だけで人を殺せそう。

 なに? 写○眼なの?

 まあ頭痛止んだからいいんだけど……

八幡「天草……いくらアレがあったとしても、雪ノ下にケンカを売ることはやめておけ」

 ハイ、深く心に刻みました。

 俺も死にたくないからね。
36 : ◆oUKRClYegEez [saga]:2015/09/23(水) 09:53:33.95 ID:eqe/CnbC0
モブA「……で……」
モブB「うんそうそう……」

 会議は進まない。
 進行役が全く機能していないのだ。

 相模なんとか。

 文化祭実行委員長になったのはいいものの、それだけでなにもこの状況を変えようとしない。

 そろそろ会議を本格的に始めないと、本番予定に間に合わなくなってくる――

【選べ
 1, このまま誰かが動くのを待つ。
 2, 自分から積極的に動き、流れを変えようとする。
 3, 「あはは! さがみん、ぼくちんも話に混ぜてよぉ!」的なことを  】

 よし、2だ。

 珍しく即決。
 3については、ツッコまないでおこう。
 その時間すら惜しい――

雪乃「あの、相模さん。 そろそろ会議を始めてもらえないかしら?
   先ほどから始める気配が全くないものだから」

 なんと、選択肢による強制を受ける前に一人の女子が行動していた。
 よく見れば、新学期初めに八幡となにかあった気の女子だ。

 容姿端麗ではあるのだが、その眼光には特筆すべき強さがある。

めぐり「そうだね。相模さん、そろそろ初めてくれるかな?」

 相模の隣の生徒会長(だったはず)が話かける。

 いや、関係ない話だが……なんかこう、あの人を見ているとほんわかしてくる。

 八幡は「めぐりっしゅ☆」とか言ってたような、言ってなかったような……

相模「あ、すみません……
   では、これから文化祭実行委員会をはじめまぁす」

語尾に「www」とつきそうな口調で話し始める相模。

こんなんで本当に大丈夫だろうか?

 なお、雪ノ下が先に行動したため、俺は行動しなくても頭痛はしな――

奏「イタッ!?」

 えぇ!?

 この雰囲気を変えろと!?

 ……しかたない、頭痛止まないし、そういうことなのかな……?

八幡「おい天草、どうした?」

奏「えー、もうちょっと話してよーよーw」

雪乃「天草奏くん、でしたか?
   静かに。会議は始まっています」

 っこえぇぇぇぇっ!!??

 なにこの人!? すごく怖い!

 視線だけで人を殺せそう。

 なに? 写○眼なの?

 まあ頭痛止んだからいいんだけど……

八幡「天草……いくらアレがあったとしても、雪ノ下にケンカを売ることはやめておけ」

 ハイ、深く心に刻みました。

 俺も死にたくないからね。
37 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/09/23(水) 09:54:33.69 ID:eqe/CnbC0
※あれ?
3つもやってしまった。すみません。
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/23(水) 10:11:07.53 ID:t27hdesAO
許す
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/23(水) 11:51:22.25 ID:HJQnqAHAO
エラーが出たら少し時間置いてリロードな
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/25(金) 01:04:57.71 ID:fyOTrTbTO
写◯眼からイザナミへ
41 : ◆oUKRClYegEez :2015/09/26(土) 20:01:35.83 ID:t3Cw20t30
相模「えぇー、本日の議題は……」

雪乃「……スローガンが……」

 といったふうに、今日も会議が始まった。

 いつも通り、しかしこれでは間に合う気がしない。

でも選択肢でもないので、会議にはきちんと参加。

 スローガンを真面目に考える。

 でも、転入生の俺が考えてもそんなにじゃあないかな……

八幡「人〜よく見れば片方楽してる文化祭〜ってのは……」

 吹いた。

 思わず吹いてしまった。

 理由を説明している間も、俺は八幡の隣で笑いをこらえる。

 しかし、実際に音をたてた俺より、肩をふるわせて俯いている雪ノ下さんの方に、周囲の目は向いていた。

 傍目からでも、笑いをこらえているのがわかる。

 ひとしきり笑った後、

雪乃「却下。」

 デスヨネ〜。

 面白かったんだけどなぁ。
42 : ◆oUKRClYegEez :2015/09/26(土) 20:23:51.96 ID:t3Cw20t30
陽乃「あっはっはっはっは! さすが比企谷くん、面白いこと言うわぁ!」

 先日から、有志ということで(?)参加している雪ノ下陽乃さんが大声を上げて笑った。

雪乃「姉さん、やめてくれないかしら?」

陽乃「ああごめんごめん、雪乃ちゃん。
   ついついね……いやあ、笑った笑った。会議続けて?」

雪乃「はぁ……。相模さん、これ以上続けても案は出ないと思うわ。
   またスローガンはまた明日にして、今日は他の仕事をしましょう」

相模「あ、はい、そうですね。では、会議を終わります。」

 がやがやと人が出て行く。

 会議は終わり、しかし作業が終わった訳ではない。

 八幡と同じ係(本質的にいまは雑用となっている)に配属され、忙しくする。

 と、そこへ

静「なあ天草。お前、奉仕部に入って見る気はないか?」

 クラスの担任の先生が話かけてきた。

 平塚先生。

奏「奉仕部?」

静「なにも部活はやっていないのだろう? わたしが顧問をしている部だ。なに、あまりクラスになじめていなさそうだったのでな、おせっかいかもしれんが、それが教師だからな。比企谷もいるぞ。どうだ?」

 断る理由もないので、

奏「はい、わかりました」

静「うむ。では、比企谷達に声をかけておくから、放課後に職員室に来てくれ」

奏「わかりました」
43 : ◆oUKRClYegEez :2015/09/26(土) 20:25:43.23 ID:t3Cw20t30

静「というわけだ、雪ノ下。部室に来てくれ」

雪乃「そんな余裕がないのは先生ならよく知っておいでだと思うのですが……」

静「まあ、そう怒るな。新入部員への部活説明ができないほどではないだろう?」

雪乃「そうかもしれませんが……」

静「では、またな」

静(押し切らないと負けるな)

雪乃「はぁ……」


静「すまないが……」

結衣「いえいえそんな! わああ、新入部員かあ、楽しみだなあ」

静(雪ノ下よりかなり女子高生らしいな……)
44 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/09/26(土) 20:30:15.92 ID:t3Cw20t30
※どもです。
見てくれている皆さん、ありがとうございます。
このままこのssは、基本俺ガイル原作にそって(カットしつつ、多少いじって)やります。
次もいつになるのかはわかりませんが、これからもお願いします。
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/27(日) 01:09:22.44 ID:P76u4lJAO
選べ…

A.由比ヶ浜に「胸を揉ませてくれ」と土下座する

B.雪ノ下に「何を食べたらそんな貧相な胸に育つんだ?」と聞く

C.平塚先生に結婚を申し込む
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/27(日) 03:11:32.58 ID:064pxRwOo
乙です!
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/02(金) 01:20:43.01 ID:liTVMj4Ao
選択肢が原作より甘いな。
もっとめちゃくちゃな選択肢だそうぜ
48 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/10/03(土) 15:06:26.50 ID:O3Uy1mFg0
※投下します。
49 : ◆oUKRClYegEez :2015/10/03(土) 15:06:55.86 ID:O3Uy1mFg0
〜会議後〜

静「というわけで、新入部員の天草だ。」

奏「天草奏です。これからよろしく」

静「雪ノ下、説明してくれ」

雪乃「はい……
   天草さん、ここは奉仕部です。
   主な活動は生徒達の相談にのり、解決へ導くことです」

八幡「魚をやるのではなく、魚の取り方を教える、だっけか」

雪乃「そうね。腐ったヒキザカナくんはだれもほしがらないだろうけれど」

八幡「だれだよヒキザカナくん。腐っているのは俺でなく俺の目だ」

結衣「ヒッキーのツッコミそこなんだ!?」

奏「ん? 由比ヶ浜さんってFクラスの?」

結衣「うん、そうだよ! 改めてよろしくね、奏くん!」

雪乃「まあ、わからないことがあればそこの二人でなくわたしに聞いてね。やる気がない人と説明がわかりづらい人だから」

結衣「ゆきのんひどいし!?」

八幡「まあ、妥当だな」

結衣「ヒッキーまで!?」

八幡「俺は俺に対する侮辱に妥当だと言ったんだが……」

静「しばらくは文化祭で活動できないが、顔を合わせる機会はあるんだ。親睦を深めるのも悪くないよ」

奏「わかりました」
50 : ◆oUKRClYegEez :2015/10/03(土) 15:08:18.01 ID:O3Uy1mFg0
 翌日。

会議の流れは相変わらず悪く、進まない。
ある程度決めてある仕事をするだけで、それ以上の案が出てこない。

そんな中、雪ノ下さんの前に並べられた仕事だけが増えてゆく。

委員長相模さんが自分のクラス、Fクラスに入り浸っているせいで、本来相模さんのものである仕事が副委員長である雪ノ下さんにまわっているのだ。

 大変だろう。

 限られた時間の中で二人分以上の仕事をこなしているのだから。

 そう、二人分以上。

 自分のノルマ、相模さんの分、そして相模さん以外にもさぼっている実行委員会のメンバーの分。

 さすがにある程度は、事実あまり仕事のない『記録係』である俺と八幡たちに割り振られてはいるのだが、

八幡「仕事したくない……社畜はいやだ……」

それでも雪ノ下さんの負担はかなり大きい。

 いつ体を壊してもおかしくない働きぶりをするほどに。

【選べ

1, 「雪ノ下さん、俺が2/3くらい仕事もらおうか?」

 2,「雪ノ下さん、俺が全部仕事やってくるよ!」

 3,「雪ノ下……お前、最近頑張りすぎじゃね? ……少しは自愛して休めよ」イケメン風に                    】

3無茶ぶりかっ!

俺にそんなのできるわけねぇっ!

 俺はそんなキャラじゃない!

 でも……雪ノ下さんが働き過ぎのような気がするのは確かだしな……

 全部はさすがに僕自身ができないけれど、選択肢にあった2/3くらいなら、引き受けよう。

奏「雪ノ下さん。
  俺が2/3くらい仕事もらおうか?」

雪乃「……あ、ごめんなさい。なんですか?」

 集中しすぎて聞いていなかったようだった。

 八幡の『絶対に許さない』ノートには、学年主席・雪ノ下雪乃と書いてあった。

 恐ろしく要領のいい人なのだろう。

 ノートのことに関しては、悲しいので触れないでおく。

 そんな人がこれほどまでに集中しなければならない状況は、おかしいと思った。

奏「よければ僕も手が空いてきたし、その仕事2/3ほどもらおうか?」

雪乃「ありがとう天草くん。
   けれど、委員長代理である私がしなければならない案件もあるから、一概に2/3の仕事をあげることもできないの。
   気持ちだけは嬉しいのだけれど、後で仕事を割り振るから、その時またよろしくね」

 気づいた。

 仕事の割り振りという作業ですら、今は雪ノ下さんの負担になっていることに。
51 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/10/03(土) 15:10:40.20 ID:O3Uy1mFg0
※まずい……書き溜めがなくなってきた……
保守投稿になっても、一ヶ月以内にはがんばります……たぶん……
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/03(土) 15:30:08.12 ID:wlx96aO7o
乙です!
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/07(水) 20:21:24.13 ID:Ya1+YaRr0
作者の構ってちゃんオーラがヤベェ
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/07(水) 22:52:22.21 ID:WJiH1Yd+O
あげks>>53の構ってちゃんオーラがヤベェ
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/07(水) 23:53:05.57 ID:QBJ4zJzmo
sage厨チョン野郎>>54の構ってチョンオーラがヤベェ
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/08(木) 19:35:45.13 ID:/5QoD0uHO
>>55
特大ブーメランwwww
57 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/10/10(土) 16:13:25.42 ID:meYOU6be0
※どうも、凪です。
こ、これは荒れたうちに入るのでしょうか?w
ともあれ、書き溜めできたので投下します。
58 : ◆oUKRClYegEez :2015/10/10(土) 16:15:32.92 ID:meYOU6be0
しかし、言葉は優しいが、ずっと机に視線が向き、なお雰囲気で「余計なお世話」と言われてしまえば、口を開くことはできない。


【選べ

1, 明日から委員会を比企谷八幡とともにサボる

2, 明日から委員会をサボる

3, 委員会で何かがおこる          】


またきたよ……『何かがおこる』。

 この前は真夏に雪が降ったっけ。

 でも、委員会をサボるわけにはいかない。

 なにかなら、他の人に迷惑がかかる可能性が、他の二つよりは低いだろう。

 ……のはずだ。

 3を選択しても、翌日までなにも起こらなかった。

 そして翌日。

 体調不良で雪ノ下さんが休んだ。
59 : ◆oUKRClYegEez :2015/10/10(土) 16:17:57.75 ID:meYOU6be0
 委員会に顔を出さなかった雪ノ下さん。
 そこで初めて雪ノ下さんが休んでいることを聞いた。

静「今日は雪ノ下は休みだ。
  奉仕部で行ってみてはどうだ?
  あいにくと、私は今日は外せない用事があってな……」

結衣「わかりました!
   ゆきのんのお見舞い行ってきますね。
   ヒッキーも来るでしょ?」

八幡「いや、別に俺は……」

結衣「奏くんは?」

奏「行ってもいいのなら、行きたいけどね」

 今、彼女は文化祭実行委員に、ひいては学校に必要な人物だ。

 それに、同じ部活の人間として、お見舞いはしたい。

結衣「奏くん、ヒッキー説得して!」

奏「ん? う、うん。
  八幡、行こう。
  心配じゃないのかい?」

八幡「……」

 しぶしぶではあったが、八幡も来ることにさせられ――なった。


 そして、下校中。 

【選べ

 1, 雪ノ下雪乃の寝込みを襲う

 2,比企谷小町の寝込みを襲う     】


奏(……)

奏(もう……なにも言うまい……)
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/10(土) 21:03:39.47 ID:tMWGhwomO
はよ
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/10(土) 21:04:07.65 ID:tMWGhwomO
2はよ
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/10(土) 22:34:03.19 ID:DaE7HcVjo
2しか見えない
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/11(日) 08:14:44.42 ID:OAwkb/2eO
小町なら受け入れてくれるさ
一つになりなさい
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/12(月) 10:39:31.97 ID:2Njig8i+O
はよ
65 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/10/12(月) 15:48:32.44 ID:v8gfj6+70
※皆さん小町好きすぎませんか……?
投下です。
土曜更新できるように書いてきます。
66 : ◆oUKRClYegEez :2015/10/12(月) 15:50:35.80 ID:v8gfj6+70
 『妹』(?)との超えてはいけない一線を感じた俺は、仕方なく、1を選択してしまった。

ほんと、他人に迷惑をかける選択肢は選びたくはないけれど……雪ノ下さんならうまくかわしてくれそうだし(その方にかける)、
俺にも一応、考えはあった。

うまく危険を回避するための、策は。
67 : ◆oUKRClYegEez :2015/10/12(月) 16:01:40.27 ID:v8gfj6+70
 ……なんてかっこよく言って、いや思ってみたものだが、どうということはない。

 選択肢を実行する前に八幡にあらかじめ「5秒たったら止めて」 と言っておき、ゆ〜っくり動く俺を止めてもらう。

 八幡は選択肢のことを知っているから、こういう時頼みやすい。


 本当にそれだけのことなのだが、思考をのぞけるはずの選択肢が、頭痛を送ってこないということは、つまりOKということなのだろう。

 選択肢自体が呆れかえっている、という線も、ないこともないのだが。


 一つだけ問題があるとすれば、それは由比ヶ浜さんだが……がんばってどうにかする他ないだろう。
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/12(月) 17:57:06.53 ID:7qqlvxxuO
まだ?
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/14(水) 13:53:50.35 ID:8g6ncXgB0
SSの内容以前に作者が臭すぎ。内容もつまらんし、選択肢のセンスなさすぎだろ。どうせ、エタるってこんなの
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/14(水) 13:59:06.66 ID:Eji1VWA/O

あげks>>69の構ってちゃんオーラがヤベェ
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/14(水) 19:03:29.08 ID:xjehCwl0O
>>69
色んな所であげては批判
作品を楽しめず下らないことに情熱傾けてかわいそう
72 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/10/17(土) 15:02:54.98 ID:LlD8ZV1y0
※投下します
73 : ◆oUKRClYegEez :2015/10/17(土) 15:06:05.25 ID:LlD8ZV1y0
 で、雪ノ下さんの家。

 家にいると駄々をこねる八幡を無理矢理連れ出し、由比ヶ浜さんと合流、雪ノ下さんの住んでいるというマンションについたわけだが。

八幡「でけえ……」

奏「高級マンションだよね、これ……」

結衣「い、いくよ!二人とも!」

 エレベーターホールで部屋番号を八幡が入力、雪ノ下さんの反応を待つ。

結衣「ゆきのん遅いね……
   寝てるのかな?」

八幡「さあな。もう少しまって来なかったら帰ろうぜ。いや、なんならもうすぐに帰ろう。今すぐに。」

結衣「ヒッキーなんでそんな後ろ向きだし!もう少しまってy」

 と、コール音がそこで途絶える。

雪乃「騒がしいのだけれど。なにか用かしら、由比ヶ浜さん、甘草くん、ひき……ひき……くん」

八幡「おい、途中で思い出すのやめないでくんない?わりと傷ついちゃうんだけど」

奏「俺の名前はすぐに出てきたのにな」

雪乃「あらごめんなさい、忘れていたのよ」

八幡「おい……」

結衣「ゆきのん。入れて?」

 由比ヶ浜さんが本来の目的を果たそうとする。

 口調に強さがある。

雪乃「なぜ?」

結衣「今日学校休んだでしょ?だから、お見舞い」

 少し考えて、雪ノ下さんは、

雪乃「開けたわ。入って」

 エレベーターは開き、雪ノ下さんの部屋に一行は行った。
74 : ◆oUKRClYegEez :2015/10/17(土) 15:07:24.11 ID:LlD8ZV1y0
 ドアチャイムを鳴らして、出てきたのは、温かそうなカーディガンを羽織った雪ノ下雪乃だった。

雪乃「ごめんなさい、こんな格好で。入って」

 そこに、確かに調子の悪そうな雪ノ下さんだったが、しかし弱みを見せまいとしているのか、気丈に振る舞っている。

雪乃「お茶をいれるわ」

結衣「だめだよゆきのん!今は寝てなきゃ!わたしがかわりに――」

八幡「いや、頼むからやめてくれ。お茶でも危ない気がする」

結衣「ヒッキー酷いし!?」

奏「あ、じゃあ俺やるよ」

 皆が机の周りに座りかけていたところ、俺だけが立ち上がる。

八幡「すまんな、頼む」

雪乃「えぇ……お言葉に甘えさせてもらおうかしら」
75 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/10/17(土) 15:09:21.04 ID:LlD8ZV1y0
※今週はここまでで。
次くらいには、例の選択肢実行かな……
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/17(土) 15:19:48.06 ID:CF6b0Sj7o
乙です!
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/17(土) 16:45:51.80 ID:MCxApcOI0
なんか違和感あると思ったらお見舞いの前にスローガン決めが来てたせいか
78 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/10/17(土) 18:49:40.22 ID:LlD8ZV1y0
>>7
あ、逆でしたか……
今手元に原作6巻がないもので……
スルーでお願いします☆
79 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/10/17(土) 18:50:20.11 ID:LlD8ZV1y0
※上記修正
>>77
80 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/10/24(土) 08:21:32.00 ID:N1+TnvZM0
※投下です
81 : ◆oUKRClYegEez :2015/10/24(土) 08:25:06.40 ID:N1+TnvZM0

八幡「おい雪ノ下。お前まさか、学校休んでても文化祭実行委員の仕事やってたんじゃないだろうな?」

 座る前のテーブルには、文化祭の資料と思しき紙が広げられていた。

雪乃「ええ、やっていたわ。
   そうでもしないと、もう間に合わないのだもの。
   仕方ないでしょう?」

 疲れたように、どこか諦めたように言う雪ノ下さん。

 しかし、奉仕部二人がそれを許すはずもなかった。

結衣「ゆきのん、ちょっと頑張りすぎだよ。ちょっと休んだら?」

八幡「無理してもいいことはないと思うぞ」

 そして、由比ヶ浜さんが続けて言った。

結衣「わたし、ちょっと怒ってるんだからね。
   ゆきのんにも、ヒッキーにも。」

八幡「おい、なんで俺――」

 口を挟もうとした八幡を遮るように、由比ヶ浜さんは続ける。

結衣「文化祭の依頼を受けたときに言ったじゃん、ヒッキー、ゆきのんのこと助けてねって」

八幡「いや、それはだな……」

雪乃「比企谷くんはちゃんと仕事をしてくれているわ。別に助けていないわけでは……」

結衣「それは違うよゆきのん。ヒッキー、ちゃんと助けてたら、ゆきのんこんなことになってないよね。ゆきのんが大変だったってこと、気づいてたんだよね。じゃあ、なんで助けなかったの?」

八幡「……」

雪乃「由比ヶ浜さん……」

 二人とも、なにも言い返せずにいた。

 俺は、依頼のことなど初めて聞いたし、もちろん、由比ヶ浜さんからの八幡への依頼も知らなかった。

 けれど、この微妙に詰まった空気を変えることができたのは、俺だった。

奏「……お茶、冷めないうちに。ね?」

 半強制的に、意識をお茶へと向けさせる。

 資料で埋まっていた机の上を片付け、温かいお茶の入った湯飲みを置き、みんなで飲む。

 お茶を飲んでいる間に、お互いに冷静になれればと思い、時間をつくった。

 時間が全てを解決してくれるわけではないけれど、時間でよくなることも、ないっわけじゃあない。

 いまこの状況なら、「時間」は俺の切れる最高のカードだった。
82 : ◆oUKRClYegEez :2015/10/24(土) 08:26:25.19 ID:N1+TnvZM0
奏(はぁ……ところで、選択肢どうしよう。)

と、おかゆを作りながら思う。

 自分から志願しておかゆづくりを始めたのは、由比ヶ浜さんに任せられない(俺は知らないが八幡と雪ノ下さんが本当に嫌そうだった)からと、もし足りていない物があったとき、由比ヶ浜さんに買い出しを頼んで選択肢を実行するためだった。

 しかし、さすがは雪ノ下さん。

 手入れの行き届いた台所は、普段使っているような、使いやすいものだったのだが……。

 かけている物が一つもなく、なお必要以上の物もなく、かつおかゆをちょっと豪華にしたくらいではなくならない量の食料がある。

完璧。

 俺の策をフイにしてくれる完璧さだった。

 ついでに。

 料理中ずっと選択肢の鈍痛がして、火にかける時間が短くややお米が固くなってしまったのは、まぁ仕方のないことだろう。
83 : ◆oUKRClYegEez :2015/10/24(土) 08:27:07.00 ID:N1+TnvZM0
結衣「ゆきのん、ちょっとお手洗い借りるね。」

八幡「由比ヶ浜、女子は『お花を摘みに』って言うんだぞ」

結衣「え、そうなの!? ゆきのん、本当?」

八幡「どんだけ信用無いんだよ、俺……」

結衣「だって、わたしとの約束……」

八幡「すまん、悪かった。俺が全面的に悪い」

結衣「謝るの早いし……。
   でゆきのん、本当?」

雪乃「ええ、比企谷くんには珍しく、本当のことを言ったわよ」

八幡「いつも俺が嘘ばかりついているみたいに言うのやめてくれる?」

雪乃「事実じゃない」

八幡「傷つくじゃねえか……」

奏(か、会話に入れない……)
84 : ◆oUKRClYegEez :2015/10/24(土) 08:28:14.23 ID:N1+TnvZM0
八幡「もうこんな時間か。そろそろ帰るかな。ずいぶんと話し込んでしまったし」

結衣「そうだね〜」

奏「そろそろ帰らないと由比ヶ浜さんも危ないし――」

【選べ

1, 自分の目が光り、夜道を照らして安全に帰る

2, 由比ヶ浜結衣と比企谷八幡を二人で帰らせ、自分は前の選択肢を実行する(これを選択しなければ、前の選択肢を実行するまで今までの3倍の頭痛)

                  】

 ……言外に「選べよ、2番」って言ってきた。

 まぁ八幡なら由比ヶ浜さんも安心だろうし、3倍の頭痛は勘弁だ。

 ということで、2を選択。

奏「八幡。外も暗いし、由比ヶ浜さんを送っていったら?」

八幡「そうだな。奏、お前は――」

 ここで俺は、意味ありげな目配せ。

八幡(アレ関係か)

 八幡もうなずき、了解を示す。

八幡「ん。それじゃあ、俺たち先帰るわ。」

結衣「じゃあね、ゆきのん。ちゃんと寝てなきゃだめだよ?」

雪乃「わかったわ」

八幡・奏(なぜデレる……)
85 : ◆oUKRClYegEez :2015/10/24(土) 08:29:07.23 ID:N1+TnvZM0
 八幡を見送ってから気づく。

奏(……あ、俺を止める人いないじゃん)

 突如、この八幡のいないタイミングを待っていたかのように頭痛が強くなる。

奏(ごめん、雪ノ下さん……許してなんて言わないけど、ただ、謝らせてくれ!)

 そろり、そろり。

 音を立てないようゆっくりと、雪ノ下さんの潜り込んでいる布団に近づく。

 頭痛は、収まる気配を見せない。

奏(くっそ! どうにか……!どうにか防がないと……!)

 布団に覆い被さった。

 そこから気づかないように、布団をめくる――
86 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/10/24(土) 08:30:36.41 ID:N1+TnvZM0
※今週はこの辺で!
来週は学校の文化祭があるので、更新できないです(そのぶん多く投下。)
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 09:58:03.09 ID:Pr1qo42bo
乙です!
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 10:05:59.49 ID:0YM02noSO
乙です
楽しみに待ってます
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 15:12:25.69 ID:g9HTKfkrO
キ…キマシ…
90 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/11/07(土) 14:41:23.14 ID:nwh475UT0
※おひさしぶりです。
投下します
91 : ◆oUKRClYegEez :2015/11/07(土) 14:43:16.53 ID:nwh475UT0
 次の瞬間。

 なにが起こったか、俺には理解できなかった。

 とりあえず、気づいた時には俺はだらしない格好で寝そべり、雪ノ下さんはゴミでも見るような目で俺を見ていた。

 いや、実際ゴミ(俺)を見ていたのだろう。

雪乃「男子の性欲が強いことは知っているつもりだったけれど、まさか、寝込んでいる女子を襲うとは……」

 申し訳ない。

雪乃「思わず投げてしまったじゃない、手加減なんてできなかったから、足を捻っているかもしれないわ」
92 : ◆oUKRClYegEez :2015/11/07(土) 14:45:27.89 ID:nwh475UT0
奏「……いや、元は俺が悪いし、甘んじてそのくらいは受け入れるよ」

 なんとか声が出せるようになってきた。

 頭痛は止んでいたが、代わりに右足がとてつもなく痛かった。

 尋常じゃない捻り方をしたかもしれない。

雪乃「さすがに、泊まっていけとは、私は言えないけれど……
   そうね、でも比企谷くんの携帯電話の番号などは知らないし、小町さんに心配をかけるのも悪いわね。
   私はこのまま布団で寝るわ。ただし、あなたを縛って動けなくしてから。怖いもの」

奏「……ごめん」

 雪ノ下さんはどこから持ってきたのか、俺を太いロープで机の脚に3本(捻った右足以外)くくりつけ、毛布を掛けてから

雪乃「おやすみなさい。……できれば永遠に」

 と言って布団に再び潜り、すやすやと寝息を立て始めた。

 俺も寝るか、と思ったとき、初めて、今制服のままであること、俺の携帯電話がポケットの中から消えていること(雪ノ下さんが取ったのだろう)に気がついた。

奏(今、こたつに入ってるみたいな絵だな)
93 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/11/07(土) 14:46:34.56 ID:nwh475UT0
※基本、俺ガイルの原作通りにはいきますが……
6巻のクライマックスから、オリ要素いれていこうと思ってます。
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 14:53:19.41 ID:QGu29cBKO
久々期待
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 14:56:52.60 ID:Ggr+utbko
乙です!
96 : ◆oUKRClYegEez :2015/11/14(土) 16:26:44.98 ID:qsz0OBQ20
 翌日。
 雪ノ下さんの家で目覚めた俺は、雪ノ下さんが台所で朝ご飯であろう支度をしているのに気づいた。

 足の束縛は解けている。

奏「雪ノ下さん、もう調子はいいの?」

雪乃「ええ、昨日のあなたの行動がなければ、本当に万全だったのだけれど」

 軽口(そうであって欲しい)を言う雪ノ下さん。

 これなら大丈夫そうだ、と荷物をとり帰ろうとする。

雪乃「なにをしているの? 朝食くらい食べて行きなさい。
   ……その、お見舞いのお礼、よ」

 どうやら、雪ノ下さんは昨夜のことは、流してくれるようだ。

 さすがに投げ飛ばしたことは悪いと思っているのだろうか。

奏「ありがとう。じゃ、ありがたくいただくよ」

雪乃「ええ、召し上がれ。」
97 : ◆oUKRClYegEez :2015/11/14(土) 16:27:30.13 ID:qsz0OBQ20
奏「雪ノ下さん」

 かなりの腕の雪ノ下さんの朝ご飯を食べて、俺は切り出した。

奏「昨日、机にあった仕事なんだけど……
  俺、仕上げておくよ。月曜にまた決済印とか押してくれたらいいから」

 本来、その決済印さえも雪ノ下さんの仕事では無いのだが、委員長の相模さんが投げ出してしまっているので、雪ノ下さんがするほかない。

 ならば、家まで持って帰ってするほどの仕事量はこなさなくてもいいはずだ。

 いままでしていた無茶のツケが、実際回ってきたわけだし。

 それに今日は土曜。部活も何もない俺に、いい暇つぶしができたようなものだ。

 まあ、ノルマでない文化祭の仕事は、雪ノ下さんだけでなく俺にも回ってきてはいるのだが、かなり仕上がっている雪ノ下さんの残りくらいなら、片付けられる――

【選べ

1,「今以上に目が腐るくらい八幡を強制労働させて仕上げるから大丈夫!」

2,「俺は雪ノ下さんの奴隷だからな!」                】
98 : ◆oUKRClYegEez :2015/11/14(土) 16:28:43.84 ID:qsz0OBQ20
奏「今以上に目が腐るくらい八幡を強制労働させて仕上げるから大丈夫!」

 ……あれ? 今罪悪感を感じなかった。

 なんでだろ?

雪乃「……比企谷くんまで動員してもいいのかしら?
   私、実は彼の仕事の割り振り他の人よりやや多めにしているのだけれど」

奏(雪ノ下さん、やんわりと酷いことをするなあ」

雪乃「聞こえているわ。……まあ、彼にはついやってしまうというか……
でも彼なら、やりきってくれるでしょう? その確信はあるの。
   甘草くん。お願いしてもいいかしら?」

奏「もちろん。」

雪乃「ありがとう。
   ……あなたには感謝しかしていない気がするわ」

奏「気のせいだよ」


 雪ノ下さんから仕事をうけとると、俺は比企谷家への帰還を許された。

 選択肢が浮かぶようになってから、変人扱いこそされ、感謝されることなどかなり少なかった。

 感謝される気分というものを、久しぶりに味わった気がする。


 そして、こちらに転校してきてから、選択肢の酷さが緩くなっている気がする(雪ノ下さんのあれを除く)。

 これは、何かの前触れのような気がしてならないのだが……しかし、今はどうすることもできない。
99 : ◆oUKRClYegEez :2015/11/14(土) 16:29:35.74 ID:qsz0OBQ20
【選べ

1, 教室の教卓の上で豚の真似(鳴き声付き)をする

2, 雪ノ下陽乃のまえで「あ〜^心がぴょんぴょんするんじゃぁ〜^」 】

 ……おっと。
100 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/11/14(土) 16:31:15.00 ID:qsz0OBQ20
今週はここまでで!
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447485891/

一つ目が完結していないのに新しいssを書き始めました。
リンクできてるかな?
よければどうぞ。
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/14(土) 16:33:44.26 ID:/5WzjQpSo
乙です!
2
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/14(土) 19:35:45.45 ID:X28FBwi/O
乙です
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/22(日) 11:13:54.10 ID:XB02aPLs0
 帰って八幡の机の上に置いてあった『絶対に許さないノート』を適当に開くと、『雪ノ下陽乃』の名前があったので、見てみた直後の選択肢。

 ノートには、「強化外骨格。要注意。近くていい匂いで危険」とだけ書いてあった。

 八幡が危険というくらいだから、あの雪ノ下さん(姉)は、相当の人物なのだろう。

 選択肢の2だけは、なんとしても避けたかった。

 けれど……

 前の時の二の舞も、正直いやだった。

 さて、どちらにするべきか……

 と、下の階から声がした。

八幡「奏−、お前2階にいるのかー?」

奏「おう、2階にいるよー」

 ……ううむ。さて選択肢をどうす――え?

 あれ?

 選択肢が……消えてる?

 もしや。

 さっきの「2」階で……とか、ないよね?

 ねぇ、ないよね!?
104 : ◆oUKRClYegEez :2015/11/22(日) 11:14:49.21 ID:XB02aPLs0
 実行するまでは猶予はあると思ったのだが、なぜか俺が教卓にむかう度、まるで「そっちは選ばなかっただろ」とでもいいたげに、選択肢による頭痛がはしった。

 そうして、とうとう放課後、雪ノ下陽乃さんのいる文化祭実行委員会が始まった。
105 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/11/22(日) 11:15:31.01 ID:XB02aPLs0
ふときづくとテスト期間が始まっていました。
ということで、来週の更新はお休みです。
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 11:38:03.06 ID:uNfVYMd8O

テスト頑張ってね
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 11:54:43.64 ID:kqBxNA+ko
乙です!
108 : ◆oUKRClYegEez :2015/12/05(土) 17:04:00.26 ID:e3B25LSn0
※お久です
更新します
109 : ◆oUKRClYegEez :2015/12/05(土) 17:05:28.41 ID:e3B25LSn0
 陽乃さんは、タカタカとパソコンを打っている八幡の方に近づく。

陽乃「ねぇねぇ比企谷くん」

八幡「なんですか雪ノ下さん」

陽乃「そっけないなぁ、比企谷くん。陽乃でいいのに。
   で、正直仕事すすんでる?間に合いそう?」

 八幡や俺の近くにある山のような仕事を見ながら、陽乃さんは言う。

八幡「正直、本番にぎりぎり間に合うかくらいですかね。まだ終わっていないことは少しありますし、当日が一番不安ですし。というか、俺は仕事手伝わされているだけなんで、俺の仕事では本来ないのですが」

陽乃「ふうん……そっか」

 陽乃さんは興味を無くしたかのように見えた。が、突然、

陽乃「そうだ比企谷くん。わたしが手伝ってあげようか?」

 陽乃さんの顔はニヤついていた。
110 : ◆oUKRClYegEez :2015/12/05(土) 17:07:37.31 ID:e3B25LSn0
八幡「え、いいんですか。でももう少しでノルマ終わるんで、いいですよ」

陽乃「えー、そーなの? 残念。」

雪乃「姉さん……」

陽乃「んー? なぁに雪乃ちゃん。
   わたしが手伝うのがそんなにいや? それとも、比企谷くんを手伝うのがいやなのかな?」

雪乃「っ! そんなわけがないでしょう。部外者である姉さんを手伝わせるわけにはいかないもの」

陽乃「えー、だってわたし総武祭参加するよ? 部外者じゃないでしょう?」

雪乃「……」

陽乃「それに、そんなに人手多くないみたいだし。わたしのところ、有志の団体のところくらいはやらせてもらってもいいんじゃない?」

雪乃「…………」

 雪ノ下さんが沈黙してしまったとき、がらがらっと、教室のドアが開いた。

隼人「こんにちは。今日も手伝いにきたよ」

 おなじクラスの葉山くんだ。

 このとても人数の足りているとはいえない実行委員にきて、手伝ってくれている。

 先ほどは陽乃さんの言った有志関係のことを一挙に引き受けてくれており、その内容も完璧だ。

陽乃「お、隼人じゃーん、どしたのー?」

隼人「陽乃さん……。陽乃さんこそどうしてここに?」

陽乃「ん? 質問に質問で返すの、隼人? まぁいいや。わたしは、有志の参加の件できたのよ。隼人は何をしに?」

隼人「俺は有志のことでちょっと話して、そこで人手が足りないって聞いたから、手伝いに。」

陽乃「ふぅん……」

 と、そこに、

南「こんにちわあっ、みなさんお疲れ様です〜」

 いつものとりまき二人と共に、名ばかりの実行委員長が来た。

実行委員に委員長が来るのは当たり前のはずなのに、この委員では久しぶりに見かけた気がする。
111 : ◆oUKRClYegEez :2015/12/05(土) 17:08:15.27 ID:e3B25LSn0
 相模さんが仕事をサボることで、全体のモチベーションは下がっており、人も少なければ委員会に出ている人の仕事のペースも遅い。

 なんとか雪ノ下さんのおかげで成り立っているようなものだ。

 そこに、いったい相模さんは何をしに来たのだろう?

南「えーっとお、クラスの方も手が空いてきたんで、こっちの方行こうかって話しになってぇ」

 見ると、後ろには取り巻き二人が。

南「で、なにか仕事ってある? 雪ノ下さん」

 隣の八幡がイラッとした雰囲気が伝わる。

 正直、同じ気持ちではあるけれど……

雪乃「ないわ。あなたに手伝えることなんて。」

 雪ノ下さんが一蹴した。
112 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/12/05(土) 17:09:05.55 ID:e3B25LSn0
※えと、明日も一応更新できます。
したほうがいいですか?
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/05(土) 17:17:38.28 ID:f5FW6/N4o
乙です!
当然です
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/05(土) 20:51:06.13 ID:Uv9pF1jsO
乙です
楽しみに待ってます
115 : ◆oUKRClYegEez :2015/12/06(日) 12:06:55.87 ID:6yFtiBbL0
南「……え?」

 相模さんが聞き返す。

雪乃「今ここにいる人たちはあなたが実行委員に来ていない間にかなりの業務をこなしたわ。ある程度の慣れや連帯感もある。だから、あなたがすることはないわ。あ、実行委員長の挨拶くらいは考えておいて。」

 相模さんが絶句した状態で突っ立っていると、意外や意外、陽乃さんが助け船を出した。

陽乃「いいねぇ、文化祭は準備から楽しまなくっちゃ! 実行委員長が楽しまなきゃ、誰も楽しめなくなるわよねえ?」
116 : ◆oUKRClYegEez :2015/12/06(日) 12:07:34.35 ID:6yFtiBbL0

 このセリフに、再起動した相模さんがのっかった。

南「そ……そうですよね!」

陽乃「ね、そうは思わない? 比企谷くん」

八幡「なんでここで俺に振るんすか……」

陽乃「いやあ、最近出番ないなあって」

八幡「確かに俺は影薄いですが、出番ってどういうことですか」

陽乃「微妙に意味わかっちゃってるじゃない。それより、君はクラスの方にはでなくてもいいの?」

八幡「俺がクラスの方なんかに行ったら、それこそ追い返されますよ。「お前どこのクラスのやつだ」ってね」

雪乃「……」

陽乃「あっはっはっは! さすが、面白いなあ比企谷くんは!
   ひねくれてるねえ!」

 雪ノ下さ――雪乃さんは沈黙、陽乃さんは大げさに笑った。
117 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/12/06(日) 12:08:08.79 ID:6yFtiBbL0
あ、えっと……ここまでで。
118 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/12/12(土) 16:09:44.52 ID:GptNZ4Tf0
二週間音沙汰ないときは保守レスおねがいします。
119 : ◆oUKRClYegEez :2015/12/12(土) 16:12:44.71 ID:GptNZ4Tf0

陽乃「……ん、そだ。君は何をしてるの?」

 ネタを常時探している陽乃さんが、迷惑なことに――選択肢からしたらまあ妥当だろう――俺のほうに来た。

奏「仕事です」

 そっけなく返してやった。

 すると、

陽乃「あははっ、君もおもしろいねえ! 比企谷くんもなかなかだけど、君もなかなかだ!」

 と言って、わざわざ近くに来て肩をべしべしとたたいた。

 ……なんか、気に入られてしまったらしかった。

陽乃「お姉さんがかわいがってあげようか?」

 頭痛。

雪乃「何を言っているの姉さん」

 強い。痛い痛い痛い泣きそうまじでっ⁉

 雪乃さんがなにか言ってるみたいだけどほとんどわからない。

陽乃「あっれー? 雪乃ちゃんはてっきり比企谷君かと思ったんだけど、お姉ちゃんの間違いかな? まさかこの子のこと好きなのー?」

雪乃「そんなわけがないでしょう」
120 : ◆oUKRClYegEez :2015/12/12(土) 16:13:25.44 ID:GptNZ4Tf0
陽乃「あーら、かわいそっ」

雪乃「っ……。甘草くんからも、何か言いなさい。黙ったままなの?」

 と、急に頭痛が止む。

 話の流れは全く分からないけど、ここで言えということなのだろう。
121 : ◆oUKRClYegEez :2015/12/12(土) 16:14:13.62 ID:GptNZ4Tf0
奏「あ〜^心がぴょんぴょんするんじゃぁ^〜」
122 : ◆oUKRClYegEez :2015/12/12(土) 16:14:40.93 ID:GptNZ4Tf0
 完璧に言えた。特にあの「^」の部分。

 そう(無駄に)確信すると同時に、あたりが沈黙していることに気付いた。

 ……俺、なにかおかしいことを言ったのだろうか?
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/13(日) 04:13:18.28 ID:avHBJYEfO
おかしい事しか言ってないwwww

124 : ◆oUKRClYegEez [sage]:2015/12/13(日) 19:01:26.64 ID:vmt+X2VB0
※追記
テスト爆死しました。
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/13(日) 19:37:20.23 ID:ESIeSSZBo
まあ、頑張れ
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/14(月) 10:00:19.97 ID:zo3LHru9O
明日があるさ
127 : ◆oUKRClYegEez :2015/12/19(土) 19:07:04.95 ID:LVBoV3VA0
 陽乃さんが笑いをこらえるのに必死になっていた。
128 : ◆oUKRClYegEez :2015/12/19(土) 19:08:03.39 ID:LVBoV3VA0
 そしてとうとう、文化祭当日だ。
129 : ◆oUKRClYegEez :2015/12/19(土) 19:09:14.76 ID:LVBoV3VA0
 ブブブブ。

 とてつもなく大きなバイブが携帯から発せられて、目が覚めた。

 開いてみると、着信だった。

 久しぶりの神からだった。

『はろはろ〜、神で〜っすっ!
 お久だねー、甘草奏くん?
 いやあ、急になかなか連絡がとれなくて焦ってたんだよ。
 選択肢の力で他の神の力が届きづらくなってるみたいだね。
 この電話もさほど長くできないから、要件を簡潔に書くよ。
 その世界のちょうど三月、君は元の世界に帰ることができる。
 選択肢も、そこが限界みたいだ。
 で、だ。これは個人的な忠告なんだけれど。
 その世界には気をt ブツッ』

 と、ここできれた。

 もう少し時間の調整はできなかったのだろうか? 神だろ?

 そして、もう一つのメールが、俺にとっては重要だった。
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