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【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」照「京咲照」咲「京咲でしょ!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/17(土) 03:52:22.46 ID:GXZpMIU5o

 非安価
 京太郎スレ
 未来妄想の京咲
 1日1回、3−5レスの小ネタを投下

 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ?」咲「京咲だよっ!」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443023066/

 【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」咲「京咲!」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444022970/

 【咲-Saki-】京太郎「一家団欒」咲「宮永家!」
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444232227/


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1445021542
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part6 @ 2024/03/16(土) 18:36:44.10 ID:H9jwDXet0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1710581803/

昔、スリに間違えられた @ 2024/03/16(土) 17:01:20.79 ID:TU1bmFpu0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1710576080/

さくらみこ「インターネッツのディストピアで」星街すいせい「ウィキペディアね」 @ 2024/03/16(土) 15:57:39.74 ID:7uCG76pMo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1710572259/

今日は月が……❤ @ 2024/03/14(木) 18:25:34.96 ID:FFqOb4Jf0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1710408334/

どうも、僕は「げじまゆ」をヤリ捨てた好色一代男うーきちと言います!114514!! @ 2024/03/14(木) 01:23:38.34 ID:ElVKCO5V0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1710347017/

アサギ・とがめ・新生活! @ 2024/03/13(水) 21:44:42.36 ID:wQLQUVs10
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1710333881/

そろそろ春だねー! @ 2024/03/12(火) 21:53:17.79 ID:BH6nSGCdo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1710247997/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part5 @ 2024/03/12(火) 16:37:46.33 ID:kMZQc8+v0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1710229065/

2 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/17(土) 03:57:31.94 ID:GXZpMIU5o
 歴代シチュエーション

 ・1スレ目で頂いたシチュエーション!(組み合わせた都合で投下順になってます)

 14
 【仕事場にお弁当を届けに行く咲ちゃん】

 72
 【一緒にスーパーで買い物】

 84
 【休日にまったり耳かき】
 151
 【久しぶりに姉も誰もいない二人っきりの京咲】

 158
 【照にあすなろ抱きされて耳元で囁かれる京太郎】
 159
 【照の誕生日京太郎独占】
 181
 【照の誕生日京太郎独占権プレゼント】

 125
 【内弁慶】

 148
 【鍋料理】

 149
 【紅葉狩りに行く】
 156
 【子供達と一緒にお風呂はいる】
 【川の字で寝る】
 157
 【旅館で家族風呂】

 174
 【子供に「伯母さん」と呼ばれる照】

 180
 【膝の上に座って充電】

 152
 【優希と和が訪ねてくる】
 203
 【高校時代の麻雀部員との会話】

 150
 【告白した時のこと】

 235
 【子供の名前を考える夫婦とDQNネームをつけたがる照】

 75
 【突然の大雨に濡れてしまったので三人でお風呂】
 160
 【宮永家全員とヤる】

 275
 【看病】

 276
 【酔っ払って前後不覚に陥りながらなんとか家に帰って玄関に倒れ込み、むくれながらスーツを脱がそうとしたらすごい勢いで手を振り払って「止めてくれ、家に妻がいるんだ」と喚いて気を失う京咲】

 161
 【子供の授業参観などの学校行事】

 226
 【夫婦喧嘩してから仲直りまで】
 227
 【子供達が京ちゃんを独占していることに嫉妬して、パパは10年も前からママのなのーって嫉妬する咲ちゃん】

 277
 【押入れを整理してたら高校時代のセーラー服出てきて、ついつい着ちゃう咲ちゃん】

 274
 【お産間際のみやながけ】

 201
 【咲ちゃんは友達が少ない】
 271
 【京咲家デートの割合】

 1スレ目で頂いたシチュエーション全て完遂!
3 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/17(土) 03:58:01.19 ID:GXZpMIU5o

 ・2スレ目で頂いたシチュエーション!(組み合わせた都合で投下順になってます)

 864
 【界さんが京ちゃん呼びする理由】
 989
 【両親視点での生活風景】

 994
 【出産前後の京咲】

 988
 【恋人になってからの初デート】

 ↑完遂
 ↓未投下

 476
 妊娠発覚時の様子
 477
 結婚前、界さんに嫁さんにくださいな挨拶をする京ちゃん咲ちゃん
 480
 バレンタイン
 481
 京太郎と照の浮気疑惑
 482
 カン(物理)
 888
 子供が風邪を引いたら自分が代わりになってあげたいと思う京咲
 987
 結婚初期の話
 990
 プロポーズ
 991
 重婚が法的に認められてテルーと京ちゃんの子が誕生、という照の夢オチ
 992
 友情破壊ゲームをプレイしたのに、さらに絆が深まった京咲
 993
 照視点で何か
 996
 照と京ちゃん夫婦に間違われて咲ちゃん嫉妬
 998
 家族みんなでトランプ遊び
 999
 みんな幸せな風景
 1000
 京太郎たちが3年の卒業式
4 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/17(土) 03:58:42.21 ID:GXZpMIU5o
 ・3スレ目で頂いたシチュエーション!(組み合わせた都合で投下順になってます)
 ↓未投下

 862
 京咲最大のプレゼントは感謝の言葉
 901
 女子会にて少女マンガ等でよくある壁ドン顎クイetc.の話で盛り上がるもよく考えたら全て京ちゃんにされていた咲ちゃん
 905
 男女の双子について。ヨスガ
 906
 ペットのカピパラの話で盛り上がる
5 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/17(土) 04:00:11.09 ID:GXZpMIU5o

 希望シチュなんかは感想にくっつけといてくれても単レスでも拾うんでいつでも募集してます
 ではいつもの時間にまた来ますね
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/17(土) 06:25:43.40 ID:C6/dHAfKo
立て乙
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/17(土) 07:14:16.35 ID:hi8umWwSO
新スレ乙!
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/17(土) 10:01:48.38 ID:XdZPEz7XO
京太郎好きからすると良いスレなんだろうが、
咲好きからすると不愉快なスレでしかないな
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/17(土) 10:04:41.84 ID:PT5wePIFO
良いスレだ
10 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/17(土) 17:59:41.42 ID:GXZpMIU5o

 1/6

 481
 京太郎と照の浮気疑惑

 996
 照と京ちゃん夫婦に間違われて咲ちゃん嫉妬


 『あの宮永プロに熱愛発覚!?』

 『日本代表宮永照! ついに婚期が訪れた!?』

 『恋愛は小鍛冶健夜に大勝利!? 宮永照の恋路を探る!』


 須賀咲ちゃんです。激おこです。

 朝から新聞の一面を賑やかすニュースが目に入ります。

 お姉ちゃんは世界ランカーの現役女子麻雀プロ。

 高校卒業からプロ入りして、ずっと最前線で戦い続けている。

 それに、美人だ。男性ファンも多い。


 『ついに「宮永姓」卒業か。女子麻雀プロのジンクスを覆すか!?』

 『お似合いの長身男性! ファンも思わず安心!?』


 あんなぽんこつ、お似合いじゃないもん!


 『クールな宮永照が甘える一面も!?』


 おい。外でやっちゃダメだって言ったよね。

 今や日本を代表する宮永照の熱愛発覚ともなれば、新聞記事は大いに沸く。

 私が言うのもなんだけれども、お姉ちゃんかわいいし、ぐぬぬ。

 それに『いろんな意味で』小鍛冶健夜の再来とも言われるお姉ちゃんだ。

 普通ならば男性ファンの嫉妬の嵐が予想されるも、何故か安心したとの声もあるらしい。

 確かにお姉ちゃんは美人なのだが、こう、胸にも乏しいのでアイドルというわけでもない。

 麻雀にストイックというイメージなので、安心したという声も出るのだろう。

 ふーんだ! 残念でした! 根も葉もないゴシップだからお姉ちゃんの婚期はまだまだ遅れちゃうもんね!
11 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/17(土) 18:00:22.86 ID:GXZpMIU5o

 2/6

 「あー、咲。あんまり気にしないほうがいいぞー」

 「外で何をしてたのかが問題だよ!」


 もー、お父さんは黙ってて!

 そりゃ京ちゃんとお姉ちゃんで出かけることも多いし、デートみたいなことも許してるけどさ!

 立場が立場なので、お姉ちゃんも気を使って変装しているはずなのに。

 こ、この前なんか……。


 『お姉ちゃん……それ、何のつもり?』

 『咲のコスプレをしてみた。

  咲の髪型のウィッグ。モブ顔。完璧。

  あ、胸の大きさでバレちゃうかも』

 『黙れ同類。

  このまま持ってる包丁で刺すよ!?』

 『やだ。京ちゃん怖い。助けて』

 『さ、咲。それはさすがにシャレにならんぞ』

 『京ちゃん。アレは嫁さん違います。

  私が嫁さんです』

 『お ね え ち ゃ ん ! ?』


 あの時は本当にやっちゃおうかと思ったよ。咲ちゃん大人。

 お父さんなんかケタケタ笑ってたし。もー!


 「ほ、ほら、咲の好きな本にもよくあるシチュエーションだろ?

  プレゼントするために付き合ってもらうとか」

 「!?

  そ、そうなのかな。

  それなら仕方ないかな!」

 (宮永界ですが、娘がちょろいです)


 デュフフフフフ。

 そっかー。そうだよねー。こう言うシチュエーションって言ったらそれだよね。

 文学少女咲ちゃんだから喜んじゃっても仕方ないよね。

 あー、それなら許しちゃおっかなー!


 「ほら、京ちゃん帰ってきたぞ」


 待ってて京ちゃん! お嫁さんが今いくよ!
12 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/17(土) 18:01:17.57 ID:GXZpMIU5o

 3/6

 「京ちゃん! おかえりなさい!」

 「おう。ただいま」

 「えへへー」

 「?」


 そんなとぼけた顔しても嫁さんにはわかっちゃうんだから。

 ……大丈夫だよね。なんか本気でとぼけた顔しているみたいだけど。

 いやいや、そんなはずないよねー。だよねー。


 「どうした。機嫌がいいな」

 「そりゃもう!

  ところでー。京ちゃん。

  何かあるんでしょ?」

 「へ?」

 「……またまたー、とぼけちゃってー」

 「?」


 あれかな。とぼけた振りをして後でこっそり渡すとかそういうのもあるもんね!

 良かったね、京ちゃん!

 私は文学少女だからいろんなシチュエーションを知ってるよ!

 あはははは!

 ……いや、自分を騙すのはやめよう。

 京ちゃんの顔を見れば嘘ついてるかなんかわかるもん。

 ここは率直に聞こう。


 「私にプレゼントは?」

 「え、ないぞ」


 静まり返る玄関。



 「宮永界ですが。家庭の空気が最悪です」


 お父さんは夜食に必ずカップラーメン食べさせる刑に処すね。
13 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/17(土) 18:02:13.60 ID:GXZpMIU5o

 4/6

 「あー、あの件で機嫌悪かったのかァ。

  いや照さんと出掛けるなんていつもの」

 「いつものことでも! 有名になったらダメなの!」

 「ご、ごめん」

 「……何してたの」

 「いや、普通に照さんを迎えに行っただけだよ。

  本当にいつもどおり」

 「……むー」


 玄関で口論。

 と言っても、京ちゃんはあっけらかんとしていて困り顔。

 そりゃ私だって京ちゃんが浮気するなんて思ってない。

 だって、根がチキンな京ちゃんがそんなこと出来るわけないし!


 それに、京ちゃんは酔っ払ってても私のことを思ってくれてるのに、浮気なんてするわけないもん。

 それはわかってる。

 でも、でもね。


 「お嫁さんはね。

  世界で唯一、この人のお嫁さんです! って言えるんだよ!」


 結局、私にとって文句があるのはここなんだ。

 女の子にとってお嫁さんは憧れ。

 一番好きな人のお嫁さんだって、自分は『須賀』咲ちゃんなんだって普及できるのが嬉しいんだ。

 それなのに、こうして世間ではお姉ちゃんが京ちゃんのお嫁さんみたいに扱いを受けているのが辛い。


 「咲。ごめんな。

  もう少し考えるべきだった」

 「ううん。私もごめんなさい。

  京ちゃんはいつものことをしただけだし、お姉ちゃんだって悪くないもん」


 この件は誰も悪くないんだ。

 だから静まるまで我慢して……。


 「咲。大丈夫。そろそろ始まるテレビを見ればいい」

 「お姉ちゃん!?」


 え、いつの間に!?

 というか京ちゃんの後ろにいるならわかるけど、なんで家の中でソファーに座ってお菓子食べてるの!?

 とりあえずご飯食べられなくなるからすぐに没収! そんな顔してもダメ!!
14 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/17(土) 18:03:03.01 ID:GXZpMIU5o

 5/6

 お姉ちゃんが映したテレビ番組には、なんとお姉ちゃんが映っていた。


 『いやー、小鍛冶健夜の再来と呼ばれた宮永さんにも春が来ているようで、安心ですねー!』

 ー目線を隠した小鍛冶プロの写真が映るー

 『いや、本当に安心しました。本当に!』


 ちょ、ちょっとこれは小鍛冶プロが可哀想なような。


 『いえ、あの人は妹の旦那なんですよ。

  何かと世話を焼いてくれるので、つい甘えてしまうんです』

 『えぇ!? それでは!?』

 『ええ。残念ながらまだ私には春は来てないんですよ。

  いつかは子供も欲しいな、とは思うんですが、『今はまだ』時期じゃないです』

 『あ、あらー。それは残念です。

  おっと、テレビの前の男性ファンは安心したのかな?』

 ースタジオに笑いが起こるー

 『妹には何かと苦労をかけているので、旦那と幸せそうにしているのを見るのが嬉しいですね』

 『そうだったですかー』

 『妹夫婦は、見ている方が恥ずかしくなるくらいラブラブですよ』
15 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/17(土) 18:04:11.58 ID:GXZpMIU5o

 6/6

 「予期していたわけじゃないけれど、全世界に発信できた。

  咲、良かったね」

 「お、お、お、お、おねえちゃぁぁぁん!?」

 「うん、お姉ちゃんだよ」


 私も京ちゃんも顔とか出てないし、疑惑も晴れたと思うけどぉぉぉ!?

 なにこれ!? すっごく恥ずかしい!

 というかこれ和ちゃんとか優希ちゃんとかが見てたらまた弄られるんじゃ!?

 もー! なにを考えていいかわからない!

 京ちゃんも顔を赤くしてるし!

 お父さんは腹を抱えて笑ってるし! 明日お弁当作らないから自分で買ってね!


 「これで一件落着」

 「そ、そうだけどさぁ」

 「まぁまぁ。照さんは有名人なんだから、仕方ないよ」

 「ブイ」


 あ、アラサーが声出してブイって……。

 まぁ今回の件はお姉ちゃんのファインプレーかな?

 一件落着!


 『なんでこれからも街中で彼と歩いているのが見つかっちゃうかもしれないですね』


 テレビから流れる音声に、お姉ちゃんがニッコリ笑ってこっちを見る。

 ……これが本当の狙いかぁ!! カン!!
16 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/17(土) 18:05:03.18 ID:GXZpMIU5o
投下完了
前スレシチュは埋まったらまとめます
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/17(土) 18:42:40.30 ID:hi8umWwSO
策士、いや錯視だな照ww乙ー
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 06:33:01.25 ID:ZRnqfFGwo
乙です
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 07:37:25.57 ID:LYxO/hZ7o
乙です
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 12:46:30.88 ID:Hy7fQ+wso
新スレ乙
妹をからかうテルー好き
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 13:04:00.38 ID:Ct6uyeV9o
乙です
22 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/18(日) 18:00:52.38 ID:6ZaFszeNo

 1/6

 862
 京咲最大のプレゼントは感謝の言葉


 ふっふっふ、須賀咲ちゃんです。

 今日は一つ企み事をしています。

 優希ちゃんから聞いた、夫婦の愛を確かめる方法。

 感謝の気持ちを込めて『愛してる』と言ってみる、を実行しようと思います!

 本当は熟年夫婦の旦那が嫁に言うらしいんだけど、面白いからやってみよう!

 家族にお願いして今日は二人っきりになります。

 京ちゃんが帰ってきます。

 言います。

 なんだ、簡単じゃん!


 『どーせ咲ちゃんには言えないだろうから、言えなかったら罰ゲームだじぇ!』


 ぐぬぬぬぬ……。私にだって言えるもん!

 聞いた話によると、熟年夫婦はそういうことを言わなくなってるとか、だから難しいらしい。

 まだ結婚して数年の咲ちゃんにはお茶の子さいさいなのだ!

 ……そういえば


 『京ちゃんと付き合ってから、愛してるっていつ言ったっけ?』
23 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/18(日) 18:01:34.36 ID:6ZaFszeNo

 2/6

 あ、あれ? おかしいな。

 付き合った時も好きとか言ったし、結婚の時に京ちゃんに言われたけど、自分から言った記憶がない。

 え、情事の時? ノーカンだよ!

 思えば京ちゃんとはもう10年以上の付き合いになるわけで


 「あ、あれ!?」


 急にすごく恥ずかしくなってきた!?

 よく考えたら私と京ちゃんが夫婦扱いされるようになったのが中学1年生だから、それで今の年齢を考えると……。

 もしかして、14年ぶんくらい溜まってる?


 「ちょ、ちょっと待って!」


 なぜか汗が出てきたよ。

 あ、匂いとか大丈夫かな!?

 し、下着ももっと可愛いのにしないといけないし。

 そもそもちゃんと準備できてないじゃん!

 京ちゃんの好物も揃えてあげないとダメ!

 い、急げー!!
24 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/18(日) 18:02:35.67 ID:6ZaFszeNo

 3/6

 京ちゃんの好物ばかりの豪華な食卓。

 外に行くのかと言わんばかりの可愛い服装。

 化粧、口紅、香水。

 わ、私は何をしているんだろう……。

 ただ愛してると言うだけなのに、それが出来ない!


 「ただいまー」

 「きょ、京ちゃん!?」

 「夕飯のいい匂いがするなー。

  ……咲? これから出かけるの?」

 「出かけないよ!

  そ、その、あ、愛し」

 「ん?」

 「何でもない!

  とっとと風呂入って、ご飯食べて!」

 「お、おう」


 な、何でー!?

 ま、まだチャンスはあるはず。

 ご飯食べている時に世間話みたいに自然に言えばいいんだ! 咲ちゃんかしこい!
25 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/18(日) 18:03:36.92 ID:6ZaFszeNo

 4/6

 「咲、今日のご飯はいつもより豪華じゃん!」

 「う、うん。それでその、あいし」

 「何かの記念日だっけ?」

 「そういうわけじゃないんだけど、その」

 「よ、良かった。

  焦っちゃってさ。俺が記念日忘れてたのかなって」


 無理、無理無理無理ー!!

 こんなの言えるはずないよ! 恥ずかしいー!

 結局、言えないままご飯は進み、京ちゃんもビールを開けていい感じにお酒がまわってきました。


 「俺さ」

 「?」

 「仕事でいろいろあって、疲れてきて、もうダメかなーって思うと咲が好物を用意してくれてるんだ。

  本当に感謝してるんだよ。

  咲ー、愛してるぞー!」


 ……え?


 「え、咲? どうした!?」

 「ち、違うの。泣いてないもん!」

 「ごめん。何か悪い事言ったなら謝るから、ごめん!」

 「違うの! 京ちゃんは悪くないの!!」
26 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/18(日) 18:04:16.47 ID:6ZaFszeNo

 5/6

 「落ち着いたか?」

 「うん」

 「……じゃあ、どうぞ」

 「本当はね。

  今日お洒落して、京ちゃんの好物用意して、いつもありがとう、って言うつもりだったんだ」

 「そんな。俺より咲が」

 「聞いて!」

 「はい」

 「そ、それでね。その、京ちゃん!」

 「はい!?」

 「いつもお仕事お疲れ様です! いつもありがとう! あ、あ、あ、

  愛してる!!」


 い、言っちゃった。

 何かもー当初の予定とは違くて、こんな泣きながら言うつもりとか全くなかったのに、もー……。

 京ちゃんが悪いんだから……。


 「それを言うために、今日はそんなかわいい格好してるのか」

 「う、うるさい」

 「さっきからずっと挙動不審だったのは、恥ずかしかったから?」

 「うっ」

 「咲」

 「な、何さ」


 京ちゃんなんか知らないもん。

 って、え
27 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/18(日) 18:05:05.48 ID:6ZaFszeNo

 6/6

 「咲ー!!」

 「ひゃぁぁぁぁぁ」


 京ちゃんが抱きついてきた!?

 あ、これ酔いも入ってるでしょ! お酒結構飲んでたもん!


 「咲、お前可愛すぎ」

 「や、きょうちゃんはなして」

 「かわいいかわいいかわいい」

 「ふにゃぁぁぁぁ……」


 耳元で囁かれて力が抜けちゃうぅぅぅぅ。

 え、なに、抱っこしてどうするつもりなの。


 「下着もかわいいじゃん。期待してたんだ」

 「!!」


 やめてそう言われると濡れちゃうから! 準備OKになっちゃうから!

 ベッドに強引に、あ、やだ、やめ、京ちゃん、あぁ

 あ


 か、かん……
28 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/18(日) 18:05:53.36 ID:6ZaFszeNo
こいつらまた盛ってる…
前スレ埋め、ありがとうございます
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 18:35:45.15 ID:dxqU5/gSO
おつ!
読み終わってコメントどう書こうかなーと考えてたら自分がすげーニヤニヤしてるのに気付いてちょっと恥ずかしい///
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 18:37:02.75 ID:WYT1xmKfo
すばら
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 19:42:20.47 ID:Hy7fQ+wso
夫婦だからね
盛っちゃうのも仕方ないね
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 23:50:33.06 ID:y5MR2WJFo
三人目も近いな
今度は京似の女の子か咲似の男の子かどっちだ
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 23:52:07.44 ID:lXknYwh8o
34 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/19(月) 18:13:17.78 ID:27IYjVrlo

 1/3

 901
 女子会にて少女漫画などに良くある壁ドン顎クイetc.の話で盛り上がるもよく考えたら全て京ちゃんにされていた咲ちゃん



 「女子の憧れについて語りましょう」

 「のどちゃんどうした」

 「いつものことじゃないかな……」


 須賀咲ちゃんです。また女子会です。

 最近になって、具体的には和ちゃんが誕生日を迎えてから女子会の比率が上がっている気がする……。

 私はともかく、付き合ってくれる優希ちゃん優しいなぁ。


 「それはですね。焦っているからですよ」

 「ナチュラルに心を読まないでくれるかな!?」

 「のどちゃん……」


 優希ちゃんの眼差しが生やさしいんだけど、和ちゃんわかっているのかな……。


 「さて、結婚するにはどうしたらいいか教えて下さい」

 「のどちゃん。私も未婚だじぇ」

 「和ちゃん。私に聞いても仕方がないってわかってて聞いてるよね!?」


 自分で言うのもアレだけど、私は京ちゃんがいないとお姉ちゃんみたいになってたと思うよ!

 こう、喪女一直線というか、結婚とは懸け離れた人生を送っていたのは間違いないと思う。


 「合コンとかすればいいんじゃないかな」

 「そうそう、のどちゃんは美人なんだから合コンでもすれば一発だじぇ」


 和ちゃんは焦っているみたいだけど、女の子でも見惚れる美人さんなんだからそんなに焦る必要はないと思うんだ。

 そのがっつきっぷりを隠してにっこり笑っていれば男の子なんて一発で落とせると思うんだけど……。


 「その、友達に誘われて何回か行ったりしたんですが、どうもうまくいかず」

 「えー。そのおっぱいを使えば一発だと思うんだけどなー」

 「なんか和ちゃんが何をしたのか聞きたくないんだけど」

 「ふ、ふふふ。もう合コンなんて真っ平御免です」


 いや、本当に何をしたの……。


 「和ちゃんのおっぱい使えばうちの旦那だって一発で落とされちゃうもん」


 あーあ、京ちゃんはおっぱい星人だもんなー。

 ……あれ、何で二人ともジト目でこっち見てるの?
35 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/19(月) 18:14:20.85 ID:27IYjVrlo

 2/3


 「やっぱり女の子には憧れのシチュエーションがあるんですよ!」

  女の子の憧れシチュって言ったら、やっぱり壁ドンです!

  いいですよね! ドキドキします!

  痛くない程度で、でも女の子じゃ抵抗できないくらいの力で片腕を押さえつけられます。

  そこから、こう、残った片腕で顎をクイっと持ち上げて強引にキスされたいです!」
 
 「のどちゃんが合コンで引かれた理由がわかった気がするじぇ」

 「私も思った」


 和ちゃん……。どうしてこうなった。

 お酒に弱いんだね……。最近はお酒を飲んでいなくてもにたようなテンションな気がするけど。


 「でもわかる気がするじぇ。

  無理やりされたいーってのは女の子の憧れだじょ」

 「そうですよね! 無理やりベッドに押し倒されるなんて憧れます!

  もちろん好きな人に限ります!」

 「うん、それはわかるよ。

  やっぱり女の子はみんなそう思うよねー」

 「ここぞというときにヘタレたり、鈍感だったりするとその時点で男として見れなくなりますよね!

  いわゆる草食系男子はダメです! 肉食とは言わなくてもリードはして欲しいです!

  まぁそんなシチュエーションなんてないんですが!」

 「咲ちゃんなら経験あるんじゃないか?」

 「えー」


 優希ちゃん。そこで私に振る?

 どう答えても和ちゃんの逆鱗に触れる気がするんだけど!

 ……ってニヤニヤしてる。確信犯だった。

 肉食ねぇ。うーん……。
36 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/19(月) 18:15:05.17 ID:27IYjVrlo

 3/3

 『俺は、咲のことが好きだ』

 『俺は咲と一緒にいたいんだよ!』

 『そんなの知らない!

  気づいた時だよ!

  お前と離れたくないって思ったら、言うしかなかったんだ!』

 『離れて行って欲しくないんだ。

  咲っ! 付き合ってくれ!』


 『だから、さ。恋人らしいことをしたいんだ』


 『や、やめてくれ。

  家に妻がいるんだ!』


 『仕事でいろいろあって、疲れてきて、もうダメかなーって思うと咲が好物を用意してくれてるんだ。

  本当に感謝してるんだよ。

  咲ー、愛してるぞー!』

 『下着もかわいいじゃん。期待してたんだ』


 「ふぇっ」

 「咲ちゃん顔真っ赤」

 「何を妄想したんですか!

  これだから既婚者は! 羨ましいです!」

 「ち、ちちちち違うもん!

  別に無理やりベッドに押し倒されたりだとか! 壁ドンから顎クイだとか! スカイツリーで強引な告白なんてされてないもん!」

 「のどちゃん、どう思う?」

 「有罪ですね。

  のどっちのどっちの刑に処します」

 「何なのそれ!?」

 「聞かないほうがよさそうだじぇ」


 え、ちょ、和ちゃん何する気なのかな!?

 そんな手をわきわきさせながら近づいて、ちょ、やめ……!


 「痛くしませんから! 優しくしますから!」

 「咲ちゃん自業自得」

 「理不尽だよっ!」


 この後、死ぬほどくすぐられました。カン……。
37 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/10/19(月) 18:17:16.47 ID:27IYjVrlo
投下完了
1巻読んでたら咲ちゃんが「ぅひ」って鳴いてることに気づいた
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 18:18:32.46 ID:IQU5vTGIo
良い感じ
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 19:07:15.75 ID:W1/hmBYSO
誰か和をもらってやって下さい
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 19:08:49.58 ID:emh594Ryo
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 20:04:10.90 ID:YMwOf24CO
うおおリクエスト消化ありがとおおお
今日はよく眠れそうだ
乙です
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 22:44:08.65 ID:gHypE62P0
京太郎に須賀和さんと一緒の家を持ってほしい
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 00:41:23.24 ID:kNQZu8m6o
のどっちのどっちの刑のワードセンスに嫉妬
44 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 17:56:12.27 ID:sOiU05Mvo

 1/16

 990
 プロポーズ

 須賀京太郎です。今日はとっても重要な日。

 咲は家でぐだぐだしていたいーと、言っていたけれども、今日だけは外デートが必要なんだ。


 「京ちゃん。今日は暑いし混んでるよー。家でゴロゴロしよ?」

 「咲。今日はどうしても、外のデートに付き合ってくれないか」

 「わ、わかったよ。たまには外デートも良いもんね」


 幸いにして外は晴れ、うん、歩いて散歩するには十分な天気。


 「どこいくのー」

 「東京周りでデートしよう。渋谷とか六本木とか。希望があるなら秋葉原でも」

 「うえぇ。人多いの苦手……」

 「おいおい、たまには付き合ってくれよー」

 「だ、大丈夫大丈夫! ちょっと待ってて!」


 自分用のバッグに、こっそり買ったプレゼントを忍ばせ、心臓の鼓動を抑える。


 「化粧整えるから待ってて!」

 「あ、咲。駅で待ち合わせな。

  俺は先に行くよ」

 「え、ええぇぇー!?」


 二人で使う最寄駅。

 いつもは家からデートするものだけれども、今日だけはそうじゃない。

 ちゃんとコイツに、ロマンチックな思いをしてもらいたいし。

 まぁ、緊張してて顔を合わせられないってのもあるけどさ。
45 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 17:56:59.04 ID:sOiU05Mvo

 2/16

 あの時と同じように、駅で待ち合わせ。


 「もー、京ちゃんどうしたの!?」

 「え?」

 「何か雰囲気おかしいもん」

 「そ、そんなことないぞ。まぁ久しぶりのデートをしよう」


 咲が相変わらずジト目で見つめてくるが、頬を掻きながら目線を逸らす。


 「たまにはちゃんとしたデートをしたかったんだってば」

 「はいはい。エスコートしてね」

 「了解。お姫様」

 「なにが姫だ」


 懐かしい。中学・高校時代によくやっていたやり取り。

 今の俺と咲は恋人同士。

 高校一年で恋人になって、大学の四年を過ぎて、社会人になっても変わらない。

 俺はそこそこの企業に就職して、咲は就職に失敗して家で家事をしている。

 そのことに焦っているのがよく分かる。だからこうして、仕事が休みの日にはデートに誘っているんだ。

 まぁ今日は、それだけが目的なわけではないんだけれどね。
46 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 17:57:50.38 ID:sOiU05Mvo

 3/16

 未だに心に残る、咲の才能。

 嶺上牌に届く唯一のオカルトと、姉という存在。

 あの時の咲は照さんと戦うために生み出された存在だった。

 だが、そのしがらみを解いた時、もし咲が本気で麻雀プロを目指していたら……。

 これは俺の憶測だけれども、「宮永照」を容易に超える存在になったのではないか。

 プロになればきっと、最強姉妹として広告塔に使われるかもしれない。

 そうなれば麻雀界はもっと発展したかもしれないし、咲もこうして普通の就職に困らず、大金を得ていただろう。

 それをさせなかったのは、俺、須賀京太郎だ。

 咲は大会の後、麻雀へのモチベーションを完全に失った。

 部活に所属している以上、最低限のことはしていたが、そもそも麻雀の練習といってもひたすら打つくらいしかできない。

 もともと、咲が麻雀に戻ったのは姉に会う、その一点だ。

 後に強い人たちと戦いたい、となったのかもしれないが、咲はその才能を生かそうなどと考えていなかった。

 そしてその姉への執着の部分に須賀京太郎が入り込んだ。

 その後、咲は麻雀より俺を優先することとなり、あの時の咲の力はどんどん失われていった。

 照さん曰く、「牌に愛されなくなった」とのことだが、何のことだか凡人の俺にはわからなかった。


 結果だけを言おう。残りの2年間で咲が全国へ行ったことは一度もない。


 負い目はある。就職面接で何度も落とされる咲を見て、落ち込んでいる咲を見て、俺のせいではないかと自問自答した。

 高校のあの時、俺は咲を手に入れた。

 その時、こうなる未来も見えていたし、乗り越えてやると思っていた。

 それでも、咲が辛い思いをしているのには、耐えられそうになかった。
47 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 17:58:52.67 ID:sOiU05Mvo

 4/16

 「咲!」

 「ぅひ! ……京ちゃん!

  いきなり後ろから声かけないでよ!」

 「あ、あれ? ごめん。ちょっと寝てた」

 「歩きながら寝てたの!?

  もー、京ちゃんはー!

  エスコートしてくれるんじゃないの!」

 「わかったわかった。気をつけますよ、と」


 やばいやばい。本来の目的を忘れてはいけない。

 今日はローマンチックなデート!

 ……このぽんこつ、何も気づいてない気がする。

 隠しているつもりとはいえ、ここまで気づいてくれないといざって時がどうなるかワクワクしてくる。

 よし、いつもの気分に戻って、緊張も取れた!


 「じゃあお姫様をエスコートしますか!」

 「街中でなにやってんの……」


 ジト目で見られた。

 そうそう、咲はそういう反応をしてくれなきゃな!
48 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 18:00:06.01 ID:sOiU05Mvo

 5/16

 『あの日』と全く同じデートプラン。

 前は高校生でお金に余裕がなかったからってのもあったけれど、俺はあえてこのデートプランを選んだ。

 いろいろな店を回って、面白い品物を探して、咲が好きそうな本屋に入って、社会人の財力で買ってやる。

 咲はあんまり何かを求めたりはしないからなァ。

 俺と図書館に行くなり、本屋に行くなりが唯一の楽しみなのかもしれない。

 それはそれで、出不精なのを何とかした方がいいな。


 「あー、そろそろ夜だね」

 「夜はまだまだこれからだろ?」


 あの時とは違う行動制限。

 もっと遅くまで動ける年齢に財力。


 「でもこの時間にどこ行くか決めてるの?」

 「東京スカイツリーからの夜景がめちゃくちゃ綺麗らしくてさ。

  どうしても見たいんだよね」

 「スカイツリーかー。行くの……あ!」


 咲が何かに気づいたようで、顔を赤くする。


 「お、思い出の地巡りも悪くないっしょ」


 おそらくこちらの考えていることまでは考えついてないはずなので、ゴリ押しで通す!
49 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 18:00:56.22 ID:sOiU05Mvo

 6/16

 「咲。今日は一番高いところにまで行くぞ」

 「え!?」

 「お金は俺が出すから大丈夫だよ」

 「ちょ、ちょっと怖いんだけど!」

 「前に行けなかったし、気になるじゃん。

  俺にくっついておけばいいからさ」

 「う、うー!!」


 何か文句があったようだが、強引に押し通す。

 高さを展望デッキまで上げ、夜景を楽しむんだ。

 それに、こっそり予約したレストランが、そこにある。

 今日の外デートに行きたくないと言われていたら、ちょっとへこんだかもしれない。
50 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 18:01:57.52 ID:sOiU05Mvo

 7/16

 「こ、こ、怖いよ!

  高すぎて怖い!」

 「それなら俺の手を離すなよー」

 「それも恥ずかしいんだよ!」

 「おい」


 東京スカイツリー展望台。

 視界に広がる東京の夜景。イルミネーションは俺の語録力じゃ言葉に表せないほど綺麗で、俺も咲もしばし見入ってしまった。


 「す、すごいねー!」

 「確かに怖いけど、ここまで来ると凄さが勝るよね」

 「あ、でも座れそうな場所あるかな?」

 「それなら大丈夫」

 「?」


 咲と手を繋ぎ、心臓の鼓動が伝わってないことを祈りつつ、目的の場所まで歩く。


 「スカイレストランってトコ、予約しといたから」

 「え?」

 「いいから、座って」
51 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 18:03:17.26 ID:sOiU05Mvo

 8/16

 心臓がバクバクしてきて咲のことを考えている余裕がない。

 鈍い咲ですら、これから何か起こるのかとそわそわしている。

 普通の女の子ならプロポーズくらい想像がつきそうだが、咲はどうなんだろうな。

 見ている限りだと、プロポーズされるとすら思ってなさそうだ。

 全く、ぽんこつはこれだからな

 ぽんこつ、か

 ……


 それも含めて、俺はお前のことが好きになったし

 これから一生、一緒にいたいと思ってる


 ……
52 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 18:04:24.47 ID:sOiU05Mvo

 9/16

 「咲」

 「ふぇ。

  はぃ……」

 「これを受け取ってくれ」

 「?」

 「三ヶ月分、ってほどは出せなくてごめん。稼いだ金で買った」

 「これ、まさか」
53 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 18:04:59.25 ID:sOiU05Mvo

 10/16

         __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__
           > ´ ̄  /   `   `、  、
     、 -  ´    /   '     } ヽ ヽ\  \
      `  ̄ >'  /   ,: |    ∧/! |   } ヽ  ヽ
        /,ィ  / ' / /|   _/,.ム斗}-/  ハ   :.
       {/.'   ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ }  |    .
       /  イ/{ : ! ィ斧从}/   Vzソ ノ /イ ,:
     <__  ´// 从{ Vソ /         / イ- 、  |
          {'{  { ,    '           /' ⌒ }  |
           从Y              /.: ノ  |
            叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从
  「咲」         、           イj   / /
                 :.          < |'  /}/
                 、__   ´    } イ从/
                    |        |/ 
54 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 18:05:42.70 ID:sOiU05Mvo

 11/16

         ,. : : : :´: : : : : : : : : : : : : `: :.、
     , . : ´: : : :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
    /: : : : : ://: : : : /: : : : : : : : : : : : : : ヽ: ヽ
     ̄ ̄/': ': : : : : :|: : : : : : : : : : : : : : : : ∨:.、
       //: /: : :--/-|、 : |: : : : : |: : : : : : : : : :.
     / /: :': : : : :,:  l: |: : : |: : : : : |:i: : : : : : |: : :|
            /: : :|: : : :/_ l: |: : : |: : : :`ヽ、: : : : : |: : :|
       |: : /|: |ィ´斧ミ从: : ∧:{、 : : |:|\: : : :': : :.'
       |: /イY:{ 比::(_,   、{ ィ斧ミ:/:|:|: ヽ: /: : /
       |'  |:/|、|弋zソ     ん::::(_ ∨:}: : :/: : /
        |Y :.:.:.:  ,  弋こソ l/|: :イ: : ,  「なぁに、京ちゃん」
          人   、     :.:.:. /: j' ,ノ/:/
            、    ´    ム:イ-' /:イ
            / ::`:::-,--==≦「イ:/:イ
          { {:::::::::∧  , -┴::::ヽ
55 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 18:06:11.99 ID:sOiU05Mvo

 12/16

                     /イ         /    V ヽ、    `
                  ,  ´/          |   \
                    _/  '   '    ,:      |    \
                  ̄ ̄/  /   //     }       |
                     /    /    〃     /   |    |
               /      {   /.'       ∧  }    |
               /_, ィ   ∧ /_ |       / V ∧
                 / /  / ∧{tォミ、  ,  /   | '  、
                   / イ  / /| 弐_ V | /   __}/   _ヽ
                     | / , :  ー':, ∨/   イ乎(_ ヽV |
                    ∨ {/ '   / /      Vzソ   V}
                    {   、                 リ
                         ∧   `
                        、
    「結婚しよう」               ∧ `
                         |l∧      ̄         <
                          「´∧           ´
                        .:'//>--==≦ゞ
                      ////////\        /
56 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 18:07:12.48 ID:sOiU05Mvo

 13/16

 言葉はすんなり出てきた。

 それを言うのが当たり前だったからかもしれない。

 心が決まったのがついさっき。

 こいつのぽんこつっぷりを見せられたってのがもうダメだ。

 俺はコイツにベタ惚れだよ。もう認めるしかない。

 でも理由だけは、絶対に本人には言ってやらねー!
57 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 18:08:04.59 ID:sOiU05Mvo

 14/16

 しばらくの無言。

 咲は震えている。

 何か間違ってしまっただろうか。でももう俺の思いは伝えた。

 あとは咲の気持ちだけだ。


 咲は俯いている。

 その表情を伺うことはできない。


 「京ちゃん。私就職もできなかったんだよ」

 「だから俺が養ってやる」

 「ぽんこつだから、家事だって迷惑かけちゃうよ」

 「ぽんこつな咲が好きなんだ。

  だから俺はお前と一生一緒にいたいと思ったんだ」


 咲は、俯いている。

 俺は、咲の返事を待つ。
58 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 18:08:48.28 ID:sOiU05Mvo

 15/16

     /::.:.:.:.:!:.:.:.|.:.:.:.:.:|: : ::| : : : :|: : | | .i: : | | i:. :.:.:.:.i:.:.:.:.|
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   / : : : : |: : : :!:.:.:.:ト、ヽ:.;!、i: :.:.:|::|、゙、'i´|:フiナi:|::::::::::::|:::::::|
   / : .:.:.:i:.:|:.:.:.:.:ヾ、:.'i´ヾ.::|!ヾ、:::゙、ヽハハヽハノ |ハ::::::::::|:::::::|
.  /.:.:.:.;ィ'|:.:.:i:.:.:.:.::i ヽ:|  ヽ!  ヽ::ゝ  `'  リ |::::::i:ノヽ:::|
 彡 '´ リ i:.:.ヽ:.::.:.:゙、 ヽ___       ;==─-ソ::::::/ /:::!
      ヽ|:.:.ヾ:.、::ヽ≠'´ ̄`     ;;;;;;;;;;;; ノノ:ノ /;イノ
         ソ:.:.:::/::ヾー-;;;;;;;;;  ,     """ /ノ.;:‐'::/
       i.;イ:::;ハ、::゙、 """    ___      /:::::/
       ソ レ  ` ヾヽ    ヽ´  ノ   ィ´::/リ    「よろしくおねがいします!」
              ` 、__    ̄  , ' |!;/
                 _"_〕ー--‐'    |__
                /:.::/:|       |:/\
59 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/20(火) 18:09:33.40 ID:sOiU05Mvo

 16/16

 「だから外デートに誘ったんだね」

 「途中で気づいた?」

 「全く気づかなかったよー。

  もー、京ちゃんは本当に……」

 「今回のデートも、告白した時のデートをそのまま使ってさ。

  最後のスカイツリーも今回は展望台に上るってことで、前より上の関係になりたい、とか考えてたんだけどなぁ」

 「えっ……!

  た、確かにあの時と同じだ!」

 「気づいてなかったのか」

 「う、うぅぅ」


 赤くなってそんなジト目で見られても、可愛いとしか思えないぞ。


 「これから界さんところに行って伝えてくる」

 「え、もう行くの!?」

 「咲は貰います。俺が養いますって伝えないとな」

 「……もー! 京ちゃんは!!」


 少しは気が安らいだかな?

 主婦になってくれれば、楽になるだろ?

 主婦になるということで、咲の就職活動は……カン!
60 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/10/20(火) 18:10:55.29 ID:sOiU05Mvo
投下完了
今日含めて四日くらい過去編が続きます
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 18:30:32.68 ID:RZQt/wBSO
おつー!
理由だけは言わないと心で誓った直後に言ってますがなww
それはそうと咲ちゃん家は半ば父子家庭で家事はできるはずだけど、このSS内はダメなのね
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 20:17:36.29 ID:kUeQTE9a0
ゴミスレ上げんなカスが
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 21:03:11.94 ID:BbwudwVno
乙ー
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 22:38:35.53 ID:kNQZu8m6o
乙ー
お姫様云々のやり取りが原点回帰って感じでクるものがあったぜ
65 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/21(水) 05:48:49.05 ID:olFHCDldo
咲の言葉は、普段家事をやっているけど、ぽんこつだからドジをしてしまい、迷惑をかけることがあるよ、って意味ですね

こんな文章力ではリクエストをしてくれた人に答えられたのか心配ですね。以後気をつけます。

今日の夜には界さんから咲ちゃんを嫁にします宣言のリクエストを消化します
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 16:12:18.00 ID:EviZLNgbo
乙です
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 17:17:48.00 ID:dUzkju9QO
乙ですー
咲ちゃんのお料理講座とか見てみたい
68 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/21(水) 18:38:33.91 ID:olFHCDldo

 1/8

 477
 結婚前、界さんに嫁さんにくださいな挨拶をする京ちゃん咲ちゃん


 こんな日が来るなんて、思ってもみなかった。

 中学で知り合って、高校で付き合って、大学も一緒。

 中学一年からだから、もう十年近い付き合いになる。生きてきて半分とまでは行かないが、長く一緒にいるわけだ。

 夫婦なんてからかわれて、恋人になって、ずっと一緒にいたいと思った。

 その感情は嘘じゃない。


 「あ、あの。お父さん」

 「界さん、お邪魔します」

 「おー、京ちゃん。いらっしゃい」


 気さくに声をかけてくれる界さん。

 この人との付き合いも咲と同じ中学生時代からで、その時に会ってからいろいろと良くしてくれている。

 それなのに、物凄く緊張する。

 高校時代に咲と付き合うことを報告した時も緊張したけれども、その比じゃない。

 これから界さんに伝えなければいけないことは、一人の女の子の人生に関わることだ。

 考えた。咲と一緒になるために、二人で考えた。

 この日のために、と言っていいのかわからないが、そこそこいい企業に就職できたつもりだ。

 咲のことだって誰よりも考えている自信がある。

 咲は俺が支えていく。そう決めた。

 まだ早いかもしれない。若すぎると言われるかもしれない。

 それでも俺は、咲と一緒にいるって決めたんだ。

 ……本人には一回しか言わないけどさ。
69 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/21(水) 18:39:34.51 ID:olFHCDldo

 2/8

 「界さん。今日は大事な話があって来ました」

 「きょ、京ちゃん」

 「ほう……?」


 今まで十分考えたんだ。

 今は考えるな!

 思っていることを言えばいい!


 「界さん」


 唇が乾く。

 心臓が飛び出そうだ。

 震える手を握りしめろ!


 「俺たち、結婚します。

  娘さんを、咲を俺にください」
70 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/21(水) 18:40:12.09 ID:olFHCDldo

 3/8

 「……」

 「……」

 「お、お父さん」


 界さんの表情が今まで見たことがないくらい真剣だ。

 こんな顔も出来るのか、と思った。

 これが父親の視線。心が射抜かれたようだ。

 手を更に強く握りしめる。


 「お父さん。

  わ、私も、京ちゃんと結婚したい」


 咲も緊張しているのか、震える声で俺の後押しをしてくれる。

 愛おしそうに撫でる指輪は、俺がプレゼントした指輪だ。


 「咲。少し京太郎君と話がある。

  部屋にいなさい」


 俺と咲がビックリした。

 界さんが俺のことを「京太郎君」と呼んだのは、初めて出会った時以来だ。

 それだけ真剣に考えているんだと思うと、俺だって負けられない。

 これは男と男のぶつかり合いなんだ。

 咲の手を軽くなぞり、部屋に行くのを薦める。

 心配そうな目でこちらを見ていたが、目で強く律した。

 大丈夫だ。俺に任せろ!
71 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/21(水) 18:41:23.80 ID:olFHCDldo

 4/8

 居間に残った俺と界さん。

 界さんは、タバコに火をつけ、視線を外した。

 お互い黙ったまま、時間が過ぎていく。

 時計のカチ、コチと言う音だけが聞こえる。

 何分経ったのかわからない。

 界さんがポツポツと語り始めた。


 「咲は、まぁ、手にかからない子でね。

  照と喧嘩することはあっても、俺たちに何かを言うことなんてなかった。

  ……家族麻雀に限らず、アイツにはいろいろと我慢させてきた」

 「小さい頃、ああいった性格になってしまったのも、すべて俺たちが悪い。

  君に会う前にいた友達は一人だけだった」

 「中学の頃、君と出会って君の話をする咲は眩しかったよ。

  今までそんな強気に出られる相手なんていなかったからね。

  その相手が男だったと言うのは、当時複雑だったなー」

 「高校に入って、女の子の友達も出来て、大分安心した」


 界さんはタバコを吸いながら、昔を懐かしむように話した。

 その間、俺に視線は一切向けず、過去だけを見ていた。

 すると突然、真剣な表情でこちらを射抜いた。


 「当時、男手一つで育ててきた。

  人一人を養うなんてのは簡単なことじゃない。

  それは君にはわからない」

 「っ」

 「君が真面目なことはわかっている。

  だが、真面目なだけではダメなんだ」

 「……界さん」


 自分がまだ、世間に揉まれてないなんてことは、わかってる。

 じゃあどうすればいい。どうすればわかってもらえる?
72 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/21(水) 18:42:37.30 ID:olFHCDldo

 5/8

 「まぁ聞け。

  結婚式の費用は?

  養うならば、子供は作るのか?

  子供と咲を養えるだけの給料はあるのか?」

 「結婚式くらいは挙げたいだろう。

  いや、何が何でも挙げさせる」


 考えてなかったわけじゃない。

 でも、今の俺たちに出来るのは「将来こうしたい」という願望だ。

 それだけの力と金がない。

 一緒にいるだけで幸せと言うのは、間違いなのかもしれない。


 「俺は父親失格だよ。

  一度家族を崩壊させたんだ。本来は何かを言う資格なんてない。

  それでも、それでも! 咲には人並みの幸せを掴ませてやりたいんだ」


 界さんの気持ちは痛いようにわかる。

 俺が咲の幸せを何よりも考えているように、界さんも咲の幸せを何よりも考えているからだ。


 「君が咲のことを想うように、俺も咲の幸せを祈っている」

 「じゃあ、界さんはどうしたら認めてくれますか。

  俺は咲のことが好きです。

  将来設計だって、若造の考えだと言われたらそれまでです。

  一緒にいるだけで幸せなんて言って、否定されたら終わりです。

  でも、それでも、俺は咲は一緒にいたい。

  認められるためならば、なんだってします!」
73 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/21(水) 18:43:06.30 ID:olFHCDldo

 6/8

 結局、俺に出来ることは熱意を伝えることだけだ。

 どんな精密な将来設計だって、うまくいかないことがある。

 でも、今の俺には若さと熱意がある。

 いや、それしかないんだ。

 それならばそれを武器にするしかない!


 界さんは一息ついて、タバコの火を消した。


 「認めてないなんて言ってねーぞ?」

 「え?」


 先ほどまでの空気が弛緩した。

 呆然とする俺に対して、いつもみたいに笑う界さん。


 「ただ結婚式だとか、これから住む場所だとかは気になってさ」

 「は、はぁ」

 「二人で色々と考えたんだろうが、まだ若いんだ。

  色々と我慢することも多いだろう。

  お金はないと幸せになれないぞ」


 割と裕福な家庭で過ごしてきたので何も言えない。


 「結婚式のお金なら、うちも出すさ。

  住む場所も、安定するまではうちを使ったって構わない。

  もう少し親を頼りなさい。

  咲も京ちゃんも、幸せになりなさい」


 顔を叩かれた気分になった。

 今まで自分たちでなんとかすることしか考えてなくて、親を頼るなんて考えてなかった。

 そうだ。咲を幸せにするんなら、俺のプライドなんて安いもんだ。

 だから、この涙は悔しいから泣くんじゃない。

 嬉しいから流すんだ。男だって、それなら泣いていいはずだ。


 「お願いします……っ!!」
74 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/21(水) 18:43:50.70 ID:olFHCDldo

 7/8

 「これでいーんだよな」


 誰もいなくなった部屋で呟く。

 いつかこんな日が来ると思ってはいたが、本当に早かった。

 京ちゃんとの付き合いも10年以上になる。

 初めて会ってからこんなに長い付き合いになるなんて思わなかった。


 「照がいるから、これをあと一回か。

  それに照の相手はこう簡単にはいかねーだろ。

  あー、しんどい」


 照の相手は誰になることやら。

 こんなの柄じゃない。

 自分が同じように妻を貰いに行った時も、あんな真剣な表情をしていたのだろうか。

 ……俺はその時の約束を果たせなかったなぁ。

 今でこそ和解したとはいえ、一時期でもああなってしまったんだ。

 悔やんでも悔やみきれない。

 俺と嫁だけならまだ自業自得だろう。

 照と咲には本当に申し訳ないことをした。


 「よし、飲むか!」


 娘がいる奴にこの気持ちを分けてもバチは当たるまい。

 ちょうど、弁護士の知り合いが長野にいる。

 昔のように無理やり連れ回すのもいいだろう。


 「お父さん。ありがとう」


 後ろから娘の声がした。

 驚いて振り向けば、閉まっていない扉に急いで階段を降りる音。


 「こっちこそ、ありがとうな」


 妻と別居した時に、俺についてきてくれた。

 いつだって我慢させてきた。


 咲。幸せになれよ!
75 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/21(水) 18:44:22.33 ID:olFHCDldo

 8/8


 「京ちゃん。ちょっとお義父さんって呼んでみてくれよ」

 「はい?

  お、お義父さん」

 「お前にお義父さんと呼ばれる筋合いはない!」

 「えぇぇ!?」

 「いやー。一回言ってみたかった!」

 「お父さん! 何やってるの!」

 「おう咲。最初から聞いてたんだろ?」

 「さ、咲!? 聞いてたのか!?」

 「ひゃぅ!? き、聞いてないもん!」

 「あっはっは。顔真っ赤だ。

  熱烈な大好きアピールだったもんなー」

 「お父さん!!」

 カン!
76 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/21(水) 18:44:56.62 ID:olFHCDldo
投下完了
咲ちゃんのお料理教室。オムライスでも作らせますか(錯乱)
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 18:58:21.63 ID:SE1rSvwwO
オムライス……女死力……うっ、頭が……
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 19:09:20.71 ID:6tIddYXSO
乙!
親父さんにもいろいろあるんだろうねえ…
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 19:29:54.61 ID:86pm2VZIo
乙です
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 19:42:05.94 ID:3aVcg/LgO
乙です
割りと裕福……うっ、うぅぅ……
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 23:04:48.01 ID:nXkN10kio
夫婦で仲良く手分けして料理しよう! そうしよう!
ぷんぷくり〜んはアカン
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 23:06:17.27 ID:Pat4fHAUo
83 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/22(木) 18:46:04.05 ID:VKiqXv4Po

 1/5

 863
 京咲が結婚後に宮永家に住んでなかったら

 987
 結婚初期の話


 須賀咲ちゃんです!

 ……須賀! 咲ちゃんです!

 え、えへへ、ぅひひひ。

 宮永咲ちゃんは須賀咲ちゃんに進化した!

 というわけで、新婚ホヤホヤの須賀咲ちゃんです。

 半年ほど前に結婚式を挙げ、京ちゃんと同棲生活を始めました!

 京ちゃんはお仕事、私は近所のスーパーでパートをしています!


 「須賀さん。これお願いできる?」

 「は、はひ」

 「須賀さんは頑張り屋さんねぇ。

  おばちゃん嬉しいわぁ」


 ぅひひひひ。同じパートの人たちに『須賀さん』と呼ばれるたびにニヤけが止まりません!


 「須賀さんは新婚さんなんだっけ?」

 「は、はい。半年くらい前に結婚しました!」

 「あらあら。若いっていいわねぇ」


 そ、それにしても他のパートさん達によく絡まれる気がする。

 みんなニコニコしながら話しかけてくれるので、人見知りの私でも安心できます!

 本当、優しい人が多くて私は恵まれているなぁ。
84 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/22(木) 18:46:36.43 ID:VKiqXv4Po

 2/5

 「旦那さんも若いの?」

 「は、はい。

  中学校からの付き合いで」

 「あら! 本当!?

  まー、ロマンチックじゃない!

  羨ましいわぁ」

 「中学生の頃からの付き合いでそのまま結婚だなんて!

  いやぁ、須賀さんは愛してもらっているわねぇ」

 「あ、あいして……」

 「照れちゃって!

  もー、須賀さんかわいい!

  旦那さんにいじめられたら、おばちゃんに言うのよ?」

 「やぁねぇ。

  新婚さんよ? 毎日よろしくやってるに違いないじゃない」

 「そういえばそうね。夜にいじめられちゃってる、とか?」

 「「キャー!」」


 よ、夜にいじめられ……は、恥ずかしいぃぃぃ!

 確かにいじめられるほうが好きだけど、京ちゃんが疲れている時は私が頑張ったり……って違う!


 「須賀さん顔真っ赤!」

 「私の娘にしたいわぁ」


 も、もみくちゃにされるぅぅぅ。
85 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/22(木) 18:47:29.22 ID:VKiqXv4Po

 3/5

 「でも旦那さんが働いているなら、須賀さんは早く元気な子供を産みたいんじゃないかしら?」

 「ちょっと、それはセクハラじゃない?

  それにまだ若いし、お金の問題もあるでしょう」

 「あ、ごめんなさいね。

  須賀さんが可愛いから、ついいじめちゃうわ」

 「もう少し二人っきりの新婚生活を楽しみたいもんね?」

 「こ、子供……ぁぅぅ」


 そ、そう言えばそうだよね。

 その、あの、夫婦になったってことは、いつでも子供を作っていいってことで……。

 私のお父さんも、京ちゃんのお父さんも、お金のことは気にしなくていいって言ってたし。

 わ、私としても京ちゃんとの愛が形になるのはやぶさかじゃないかなっていうか……。


 「こ、子供は欲しい、です。はい」

 「それなら、須賀さんも早く子供が欲しいってアピールしなきゃ!」

 「うふふ。それならいい方法があるわよー。

  男なんて言葉で言うよりもっと単純なんだから!」

 「そうよね!

  パッとして、ガッとヤって逃げられなくすれば一発よ!」

 「ふ、ふえぇぇぇ」


 ど、どうしよう。みんなノリノリだよぉ。

 でも効果的なアピール方法があるなら、聞いてみたい、かも。

 あ、あくまで一般的な方法を聞くだけで、実行するとは決まってないし。


 「まずは……ね?」


 え、本当にそんなことするの!?

 みんなやってるの!?
86 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/22(木) 18:48:07.96 ID:VKiqXv4Po

 4/5

 ……
 …

 「ただいまー」


 今日も疲れた……。

 新入社員だから覚えることがいっぱいあるし、まだまだ怒られることも多い。

 でも、こうして毎日頑張って咲を養うって決めたのは自分自身だ。

 何より、帰ってきた時にトテトテと出迎えてくれる咲がいるだけで俺は頑張れる。

 ……本人には絶対言わねーけど。

 そう言えば、今日は出迎えがないな?

 聞こえなかったのかな? ま、まさか倦怠期には早いだろうし。


 「咲?」

 「な、なぁに。京ちゃん」


 何だ、出迎えてくれてるじゃないか。

 ? 何でそんなところに隠れているんだ。

 そんな壁から顔だけ出すように隠れるなんて。

 いやぁ、それにしても咲のエプロン姿はいいなぁ、って……!?!?!?


 「さ、咲。お前、その!?」

 「うぅぅぅぅぅ」


 うん。

 これ。

 裸エプロンじゃねーか! ありがとうございます!!
87 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/22(木) 18:48:55.80 ID:VKiqXv4Po

 5/5

 「……」

 「ち、違うの!?

  こ、これはパートの人たちがこうした方がいいってね!?」

 「……」

 「そ、その。私はパートだし、きょ、京ちゃんが喜ぶなら少しくらい頑張ろうかなって」


 ほう。


 「そ、それに。こ、子供も欲しいかなって」


 ほう。


 「か、勘違いしないでよね!?

  別にこの格好をしたくてしてるわけじゃ、その」


 何を勘違いしろって言うんだ。


 「咲」

 「な、なぁに」

 「いただきます!!」

 「きゃぁぁぁ!?

  その、晩御飯出来てるし! お風呂も沸いてるし!」

 「咲にする!」

 「ご、ごーいんだよ!」

 「咲も強引な方が好きじゃん」

 「そ、そうだけど。や、ひゃう。

  きょ、京ちゃ……んっ」


 えぇい。うるさい口は塞いじゃいましょうねー。

 じゃあ俺は咲とよろしくやってるから! カン!!
88 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/22(木) 18:50:37.38 ID:VKiqXv4Po
投下完了。こいつら また 盛ってんな…
渋の京咲を見て、咲ちゃんエプロン似合いすぎィ
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 19:05:33.22 ID:Yn+kxxl8O
乙です
この時に出来たのがあなた達なのよと、子供に語られるわけですね
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 19:29:46.05 ID:E8F+XtWdO
生徒会役員共のアリアの両親みたいな感じで言われるのか…
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 19:38:56.22 ID:7shua3ISO
おつ!
洗礼はきっとおばはん共も通った道なのだ
渋の京咲ってのが気になる…ガラケーは辛いぜ
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 23:41:59.31 ID:bixfS4DTo
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 23:50:38.11 ID:4965qM2Jo

エプロンは確かに似合いそうだ
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 06:57:32.35 ID:mrXkeAufo
2828
95 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/23(金) 18:08:55.25 ID:SI2U4KY7o

 1/10

 >>476
 妊娠発覚時の様子


 須賀咲ちゃんです。

 京ちゃんを裸エプロンで出迎えたあの黒歴史の日から三ヶ月くらい経ちました。

 さ、さすがにもうやらないよ!

 あれは恥ずかしいもん! 絶対にヤダ!

 で、でもまぁ、京ちゃんがどうしてもって言うなら、考えなくもないかなぁ、なんて。


 「須賀さん。体調悪そうだけど大丈夫?」

 「そうねぇ。顔色悪いわよ」

 「だ、大丈夫。です」


 とは言うものの、本当は大丈夫じゃない。

 なんでかなぁ。最近何かと気持ち悪いんだよねぇ。

 風邪かな。京ちゃんに心配させないように、早めに病院に行った方がいいかな。


 「少しくらい休んで来てもいいのよ」

 「少しと言わず、本当に辛かったら休ませなさいよ」

 「だ、大丈夫れふ……。

  うっ」

 「須賀さん!?」


 う、うぇぇぇぇぇぇ。は、吐き気が。

 このままだとゲロインになっちゃう!

 おしとやかな文学少女咲ちゃんのイメージが崩れちゃうぅぅぅ。



 ……あ、ダメだこれ。我慢できない。吐いてこよう。
96 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/23(金) 18:09:36.08 ID:SI2U4KY7o

 2/10

 「ちょっと須賀さん。

  病院に行った方がいいんじゃないの?」

 「体調悪い?

  どんな感じ?」

 「その、最近吐き気が出てきて、腹痛や頭痛がするんです。

  あとは味覚が変わったのか、酸っぱいものを食べたくなって……」

 「えっ」

 「須賀さん。それって」


 ……?

 パート仲間の人たちがニヤニヤし始めたよ?


 「きゃー!?

  須賀さん!」

 「須賀さん! 今すぐ病院に行きましょう!」

 「え、そんな大げさな」

 「そう言えば時期的にはおかしくないわね!」

 「産婦人科に行くのよ!」


 え

 産婦人科って、まさか

 え、えぇぇぇぇぇ!!?
97 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/23(金) 18:11:04.23 ID:SI2U4KY7o

 3/10

 ……。

 あの後、為されるがままに病院に行って、その結果は……。


 「きょ、京ちゃんになんて言おう……」


 はい。見事に出来ちゃってました。

 いざこうなってみると、頭が混乱してどうしたらいいかわからない。

 体調が優れないことも相まって、すごく不安になる。


 「よ、喜んでくれるかな。

  迷惑だって言われたらどうしよう」


 大丈夫だと思うけれど、不安になる。

 涙まで出てくる。不安になるのは妊娠の初期症状だって言うけれど、どうしてもダメだ。

 私は嬉しいけれど、まだ若いし、京ちゃんがどう思うのか、不安で仕方ない。

 私たちはまだまだ裕福じゃない。お金のことだってあるし、子供を育てられるほど立派な大人になれてない。


 「咲!」

 「え、きょ、京ちゃん!?」


 と、不安になっていたら玄関がすごい勢いで開いて、京ちゃんが出てきました!

 あ、あれ。仕事が終わるのがまだまだ時間がかかるはずなのに、それまでに心の準備をしようと思ったのに!


 「咲のパート先から電話があった。

  大丈夫か?」

 「だ、大丈夫」

 「……」


 なんとか涙を隠して、京ちゃんの顔を見ないようにするけれど、京ちゃんに肩を掴まれて顔を見つめられます。


 「泣いてるぞ。咲、ちゃんと答えてくれ」

 「う、そ、その」


 きょ、京ちゃんが鋭い。

 えぇい。もうどうにでも、なれ!
98 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/23(金) 18:11:32.82 ID:SI2U4KY7o

 4/10

            _,.......---............_
         ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
        . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
     /: : : / : : : : : : : : : : : |: : : :ヽ: : : : : : : : : : :'
    .': : : /: : : : : :/: : : :/: :.| : : : : |: : : : : : : :、: : :.'.
    |: : : |: : : : : /: : : ,イ: : ,:|: : : : :ハ: : :l: :|: : : :V: : '.
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    |: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ  }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
    {: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
    八:{、:、__ \:lヽ  Vり         ヒり/:イ:/: :|
      `\}、: 、    /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{  「そ、その、赤ちゃんが出来たの」
     , --r--,\ ,-- 、_____  人: /  \〉
      /  |::| |::::::>  ____ソイ⌒∨
    {   ,::, {::::::::::::∧-,  r/:::::://|   }
99 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/23(金) 18:12:02.59 ID:SI2U4KY7o

 5/10

 「えっ」

 「……」


 玄関に沈黙が訪れる。

 京ちゃんは呆然としていて、私も俯いているから表情が見えない。

 や、やっぱり迷惑だったかな。なんて泣きそうになっていると。
100 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/23(金) 18:12:31.51 ID:SI2U4KY7o

 6/10

               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
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            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
 「咲!!」            人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
101 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/23(金) 18:13:01.13 ID:SI2U4KY7o

 7/10

 しまりのない顔で京ちゃんが抱きついてきた!?

 うひゃあ!?


 「この、この! 心配させて!

  嬉しいぞ、このやろー!!」

 「わぁぁぁ!?」


 私の頭をもみくちゃにする京ちゃん。


 「う、嬉しいの?」

 「当たり前だろ!

  もう、病院に行ったって聞いて本当に心配したんだぞ!」

 「ぅひ」


 京ちゃんが収まらないようで、私の体をギューって抱きしめる。

 うげぇぇぇ。嬉しいけど今は気持ち悪いからだめぇぇ!
102 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/23(金) 18:13:30.34 ID:SI2U4KY7o

 8/10

 「京ちゃん。正座」

 「はい」


 あれから数十分。熱の治った京ちゃんを正座させます。


 「女の子の髪の毛を安易に触ったらダメって言ったでしょ!

  彼女でも奥さんでもダメなの!」

 「うっ」

 「もー、女の子は髪型に気を使ってるんだからね!」


 くしゃくしゃになった髪の毛を整えながらお説教です!

 京ちゃんは女心がわかってないんだから!

 ……まぁ、家の中ならいくらでもやっていいけどさ。


 「いや、でも嬉しくて、さ」

 「……もー!」


 許しそうになっている自分が憎いぃ!


 「京ちゃん。その、本当に嬉しい?」

 「?」

 「だって、私たちまだ若いし、お金だって」

 「咲」


 京ちゃんが手を伸ばして、私の頭に手を乗せようとして、途中で止める。

 ……もー!!


 「こういう時はいいの!」

 「お、おう」


 理不尽?

 女の子はこういうものなの!
103 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/23(金) 18:14:00.39 ID:SI2U4KY7o

 9/10

 京ちゃんが私の頭に手を乗せて、残った腕でゆっくり抱きしめる。

 今度は手を動かすのではなく、乗せるだけで安心させてくれる。


 「咲、大丈夫だよ。

  俺嬉しいよ。

  咲も、この子も、全部俺が背負っていくからさ」


 ふぇ。

 ……。

 まったくもー!

 きょ、京ちゃんはわかってないんだから!


 「私たちで、でしょ?」


 そう言って私も京ちゃんを抱きしめる。

 京ちゃんに抱きしめられるとポカポカする。

 さっきまでの不安が消えていく。

 ああ、安心するなぁ。

 まだまだ不安はいっぱいで、自分が親になるなんて考えもつかないけれども。

 京ちゃんと一緒に、少しずつ経験して行こう。

 産まれてくるこの子のためにも。

 私がお母さんなんですよ、って、胸を張って言えるように。
104 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/23(金) 18:14:29.92 ID:SI2U4KY7o

 10/10

 「咲が妊娠した!?

  初孫だぁぁぁーー!!」

 「この中に子供が……」

 「お姉ちゃん、触る?」

 「うん」

 「さ、咲。お父さんにも触らせてくれ!」

 「え、嫌に決まってるじゃん。

  あ、お母さんはいいよー」

 「咲ー!?」

 「界さん……」

 「ぐ、ぐぬぬぬぬぬ。

  それはそれとして、咲もいろいろ不安定だろうし、しばらくうちに暮らした方がいいんじゃないか?

  母さんもいるし、経験者がいた方が何かといいだろう」

 「えっ、京ちゃん、どうしよう」

 「うーん。俺がいない間の咲が心配だし、ここは言葉に甘えた方がいいんじゃないか」

 「お父さんが珍しくいいことを言った。

  咲、妊娠中の京ちゃんの相手は任せて」

 「お ね え ち ゃ ん ! ?」


 この後、京ちゃんのお父さんとお母さんが宮永家の改築を提案してくれて、現代に続くよ! カン!
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 18:15:37.88 ID:OLlWed/bo
すばら
106 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/23(金) 18:15:51.04 ID:SI2U4KY7o
投下完了。過去シリーズ完
次回からてるてる強化週間。京咲照イイよね…
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 18:21:38.79 ID:OLlWed/bo
いいよね
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 18:48:19.70 ID:1szcXl+Io
乙です
照の出番楽しみ
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 18:51:26.65 ID:5IHjuuGSO
おつおつとても良いのよー
まだ双子と判明してないから「この子」なんだね
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 22:18:38.82 ID:T+Mz505io

ほんといい性格してるわ照
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 22:31:35.02 ID:qigwMYdIo
ここの照さんほんと好き
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 23:53:27.54 ID:w/Qkrl+Ko
乙ー
113 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/24(土) 18:16:36.97 ID:5QkQheoeo

 1/5

 >>993
 照視点で何か


 京ちゃんぺろぺろしたい。宮永照です。

 最近、麻雀関係でとても忙しい。

 でも、私にとって麻雀は全てではない。

 麻雀は好きだけれども、あくまで仕事であって、京ちゃんとイチャイチャしたいし、咲をギュッと抱きしめたい。

 この年でもたまにはお母さんに甘えたい。お父さんはどうでもいい。……やっぱり、ちょっとだけ甘えたいかも。

 定期的にこんなアンニュイな気持ちになってしまって、麻雀のモチベーションも下がってしまう。

 もちろん、モチベーションを含めて調整するのがプロだけれども、私だって人間なんだから仕方ない。


 「早くオフシーズンになってほしい」


 遠征に来てしまえば、宮永家に帰ることは出来ない。

 私の唯一の休息場所すらなくなってしまって、とっても不機嫌だ。

 まだまだ初日だと言うのに、こんな調子で大丈夫なのだろうか。

 いや、これでも私は宮永家の家計を支える稼ぎ頭。私の成績が宮永家の献立を左右する!

 頑張れば京ちゃんが頭を撫でてくれるし、咲はお弁当に力を入れてくれる。

 この遠征が終わって家に帰れば、子供たちが私を出迎えてくれるはず。

 私が甘やかすせいか、子供たちは咲より私に甘えたがる傾向がある。

 家に帰ると嬉しそうに駆け寄ってくる子供たちが愛おしい。

 もちろん、お母さんである咲が大好きなのはわかるが、こうして好き放題甘やかせるのはお姉ちゃんの特権だ。


 「よし」


 そうと決まれば、気合を入れて成績を残さないと。 

 ……私もお母さんになれば咲みたいな気持ちになるのかな? 京ちゃんはよ。はよ。
114 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/24(土) 18:17:54.23 ID:5QkQheoeo

 2/5

 「まずは腹ごしらえ」


 ホテルの一室、本来ならば素敵な外食を勧められるところだけれども、最初の一食は決まってる。

 私は咲のお弁当じゃないと力が出ない。

 ちゃんとお弁当箱を洗うことを条件に、今日も咲に作ってもらった。


 『いいから、水に漬けておいてくれればいいから!』

 『大丈夫。お皿くらい洗える。私だって東京で生活していた』

 『この間、石鹸で洗っていたよね!? 前より退化したよね!?』

 『久しぶりで危うかっただけ』

 『危ういのはお姉ちゃんの体だよ! いいから言う通りにするの!』


 全く、咲は失礼。

 ……あ、ホテルに洗剤はない。危ないところだった。


 「あれ?」


 包みを解いてみると、一枚の紙が出てきた。

 なんだろう、これ。

 包みの上に何かが乗っかってるから、ふりかけかと思った。


 『照さんへ。応援してますね!』

 『お姉ちゃんへ! 無理はしないこと!』


 ……。

 全く、朝忙しい中、二人でこんなものを用意していたなんて。
115 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/24(土) 18:18:38.05 ID:5QkQheoeo

 3/5

 さぁ、落ち込んでなんかいられない。

 私はプロだ。私はお姉ちゃんだ。

 格好いいところを見せないといけない!

 うまく行ったら京ちゃんとデートだ。特別に咲も連れてきてあげよう。

 優勝したら子供を欲しがってみよう。きっとワンチャンある。

 そっと私の聖書(バイブル)の『アカギ』を仕舞う。

 宮永照、出陣!


 『さぁ、タイトル戦初戦になります。

  宮永プロ、意気込みの方はどうでしょう!?』
116 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/24(土) 18:19:07.57 ID:5QkQheoeo

 4/5

     /    .:: : .:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::: : : i
   /          / .   /::.:::::    .:::;:イ :/:.::::::::::::::::!   !
  // ..::::_ /: .::::::::/::::::::::::;:イ::;ィ:::::::::::::::::://::/:::::::::::::::::/:: . : :!
 /;/´ ̄ /: .::::::/:;:-‐/T77i ̄:::; -‐' /::7ナー-、_:::/:::レ::!: |
 ´    /: :.:::∠:::イ   ___!:::/   /ノ!ナ|::::::://::::::::::::: :!
      /.:::::::::::::::::;ヘ! ァ"7::::::::iヾ     '´,;-ァ=!::;ィ、 /::::::::/::: : !
     /;:イ::::::::::::::::{ヽ|.'{  b::::::::!      h::::レ:::i>'::::::::/イ:: : !、
    // /:::::::::::::/::|  ! ` ゝ:::ン_        ,!'_::::;ン/:::::::/ i::: : 、ヽ、
   .!/ !/:::::::::/:::::ヽ i   , , ,   ,     , , , i:::::::/ /:::::: : : iヽヽ
   / /::::::::::/:::::::::::゙、_|              |:|:::/_ノ:::::::::. : : ゙、 \ヽ
    /:::::://::::::::::::::;ハ     _  _     !:i:::、::::::、::::::::. : : :i  ヽ!
  ∠./‐' /:::::::::::/   > 、      ̄    /v、::ヽ:::丶:::::::.. : :!
       /::/::::/ _,ノ:::::::::` r 、     ,  イ、/  ' !::::/\::::.、: :!    「今日の私は強いです!」
     /::/;/  `ヽ、__;ィ:|:ー-`〒´-‐:':´::|    レ'  ヽ;ハノ
    //        _,..-'´:|::::::::::::||:::::::::::::::::!丶,、
        _,... -―'::´:::| :::::::::::::::::::::||:::::::::::::::::::::::::|:`ー-、
117 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/24(土) 18:20:27.77 ID:5QkQheoeo

 5/5

 「お、照さんの出番だ」

 「お姉ちゃん頑張れー!」

 「今日の照は絶好調だな。読みが冴えてる」

 「一点読みが多いので、見ていてヒヤヒヤしますね」

 「今日のお姉ちゃん……。

  ちょっと調子に乗りすぎてやらかしそうな気がする」

 「おいおい。まさか照さんに限ってそんな」

 「京ちゃん。お姉ちゃんに幻想抱いてない?」

 「……やらかしそうだなぁ」

 「俺はむしろ麻雀以外のところが心配だぞ。

  この前のフライデーしかり」

 「前はお菓子食べてるところ撮影されてましたねぇ」

 「そのままお菓子のCM出演しちゃうあたり、お姉ちゃんらしいといえば……って」


 「「「あっ」」」


 カン!
118 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/24(土) 18:21:00.23 ID:5QkQheoeo
投下完了
照編が続きます
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 21:58:46.70 ID:ieSGVGvSO
一旦?乙
須賀家にとって照への報酬は高いのか安いのか…
宮永家全体と見ればまた変わるかもだけど
120 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/25(日) 01:25:39.08 ID:j7ylNVbxo
感想、ありがとうございます。
今までのスレの感想も何度も読み直して活力にしています。

今から次回投下までシチュ募集します。(残っている19個のシチュは、書き溜め済、校正しながら投下待ち)

↓ みんなの京咲照妄想を分けてくれー!
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 01:33:07.08 ID:HKvxujZao
照に京太郎と結婚することを伝える時の咲さん
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 03:03:12.88 ID:qmxNSDKro
照の試合中継をおうちでテレビ観戦京咲
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 13:00:53.41 ID:kdK+rRXro
照と京太郎のデート(with咲)
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 13:48:20.85 ID:TAv4QsA4O
京咲の結婚式での照と清澄の様子
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 13:51:27.83 ID:Ue37jKQUo
宮永姉妹に襲われる京ちゃん
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 15:04:48.70 ID:DXjdWao5o
いつもの調子じゃなくてがち本気で京太郎に迫る照
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 15:17:24.67 ID:lUJIE1B6O
子供が親の真似をしてキスとかしてた
128 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/25(日) 19:03:38.90 ID:j7ylNVbxo

 1/5

 984
 照とロッカーに入ってしまって嫉妬する咲ちゃん


 今日はお姉ちゃんの応援! 須賀咲ちゃんです!

 日本代表レベルの実力を持つお姉ちゃんともなれば、マネージャーやスポンサーも本気。

 私たちの助力なんていらないんだろうけれども、家族の応援は別腹だよね!

 と、言うわけで、今日は私と京ちゃんが現場に行って応援するよ!

 ちなみに、お姉ちゃん特権で控え室にまで入れます。

 試合まで時間がないお姉ちゃんを京ちゃんと行かせたんだけれども、……私が迷子です。

 でも侮る事なかれ! 他の人に聞いて目的地に着くって事を覚えたよ!


 「あ、あの、あの、宮永照の応援のものです……」

 「ああ、噂の家族さん? あっちですよー」


 ……噛まずに言えるのはもう少しかかるかな!

 そもそも、京ちゃんにはちゃんと迷子を連れて行く義務があるんだよ!

 私とお姉ちゃんとお母さんを放置したらどうなるかわかるよね!?

 もー、京ちゃんってばわかってないんだから!


 「京ちゃん、お姉ちゃん。ここー?」

 『ちょっ、ヤバイですって照さん!』

 『そうだよね。奥さんがいるのに嫁さんのお姉ちゃんのお尻を揉みしだくのはまずいよね』

 『照さぁぁん!?』


 え、ちょっと待って何事!?


 「二人とも! 何してるの!」

 「さ、咲!?」

 「見ての通り」

 「照さん!?」

 「ロッカーの中に一緒に入ってお尻を揉みしだかれただけ」

 「マジで勘弁してください!」


 ……ふー、OK。落ち着け咲ちゃん。

 嫁さんは優しいから理由くらいは聞いてあげないとね! 暴力系ヒロインは良くないもんね!

 理由聞いたから許すとは言ってないけど……ね!?


 ………
 ……
 …
129 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/25(日) 19:04:20.09 ID:j7ylNVbxo

 2/5

 京ちゃんと手を繋いで控え室に入る。

 うん、人の体温って安心する。

 京ちゃんを専属マネージャーにしたいくらい。

 名残惜しいながらも、京ちゃんの手を離す。


 「着きましたね、照さん」

 「うん。京ちゃんのおかげで迷わなかった」

 「いや、照さんの方がここに来てるでしょ。

  なんで俺が案内しているんですか」

 「私はお菓子を食べるのに集中する。

  京ちゃんは私を案内する。

  WIN WINの関係」

 「せめて麻雀に集中してくださいよ!?」

 「今さら麻雀を考えても仕方ない。

  そうプロは甘くはない。

  私は打つべき時に合わせて調整しているから、今日はその結果を出すだけ」

 「おお、格好いいですね」


 ふふん。京ちゃんに褒められた。

 私もお菓子ばかり食べているようで、麻雀の世界に関しては頑張っている。

 何より、プロのライバルたちは高校生の比ではない。

 プロの世界とは、それこそ高校時代に傑出していた魔物が当たり前で、その中でさらに才を見出す世界。

 油断をしてしまえばすぐに喰われる。

 それでも、私は京ちゃんがいる限り負けない。


 「照さん、何やってるんですか」

 「嬉しいから」


 褒められた嬉しさに、クルクルと回ってみる。

 ……あれ、方向が


 「あっ……」

 「照さん!」


 京ちゃんの手が私に伸びる。

 あれ、何が……?
130 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/25(日) 19:05:04.70 ID:j7ylNVbxo

 3/5

 凄まじい音を立ててロッカーの中に飛び込む私と京ちゃん。

 私に痛みはなく、固く暖かい腕に包まれ、音に反比例した安心感を与えた。


 「痛っ」

 「京ちゃん!?」


 京ちゃんはその分の痛みを一身に背負ったようで、呻き声を上げる。

 大人がロッカーに入ってしまったわけで、入る際に腕や肩、押し付けた際に頭も打ったようだ。

 どうにか外に出ようと思っても、勢いで扉が閉まってしまい、一瞬暗闇に包まれる。


 「えっ」


 ドキッとする、男の子の匂い。

 鍛えられた胸板、体のどこを触っても、咲と違って固い。

 体をギュッと抱きしめられて、少し痛いけれども、その痛みが逆に嬉しい。

 そして、抱きしめられた際に……。


 「あっ」


 お尻を鷲掴みにされて、変な声が出ちゃった……。


 「んっ、ダメ、京ちゃ」

 「……あ、照さん!?」


 意識を混濁させていたのは一瞬だったようで、荒々しく、痛みがないように外に出してくれる京ちゃん。


 「ご、ごめんなさい!」

 「京ちゃん……」


 彼の胸板に頭を乗せる。

 ……チューしちゃダメかな。さすがに咲が怒るかな。


 「ちょっ、ヤバイですって照さん!」


 …
 ……
 ………
131 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/25(日) 19:06:03.59 ID:j7ylNVbxo

 4/5

 須賀咲ちゃんです。割と怒ってます。

 本気で体が痛そうな京ちゃんにも、飄々としているようでシュンとしているお姉ちゃんにも怒ってます。


 「ラッキースケベはいいとして、いやよくないけれども!

  危ないでしょ!」

 「ご、ごめん」

 「ごめんさい、咲。

  私の不注意で京ちゃんを怪我させてしまった」

 「いや、怪我ってほどじゃ」

 「京ちゃんはちょっと黙ってて!」


 このままだと京ちゃんが下手な言い訳でお姉ちゃんをフォローする。

 本当に女心がわかってないんだから!

 お姉ちゃんに手を伸ばす。怒られると思ったのか、お姉ちゃんがビクッと体を揺らす。


 「京ちゃんじゃなくて、お姉ちゃんも危ないでしょ」

 「咲……」


 それに構わず、ゆっくり抱きしめる。

 京ちゃん、こんな時にフォローされても、お姉ちゃんが余計落ち込んじゃうでしょ?


 「まぁ京ちゃんは頑丈だし体は固いし男臭いし女心わかってないから怪我してもいいとして」


 本当はよくないけど。


 「お姉ちゃんは女の子なんだし、嫁入り前だし、何より、試合前でしょ」

 「咲……」


 全く、お姉ちゃんも自分のことは考えないんだから!
132 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/25(日) 19:06:46.92 ID:j7ylNVbxo

 5/5

 「うん。ありがとう咲」

 「どーいたしまして。

  京ちゃんは帰ってからお仕置き」

 「えっ」

 「嫁さんのお姉ちゃんのお尻を揉みしだいておいて許されると思ってたの?」

 「ごめんなさい!」


 まぁ、本当は嘘。お仕置きなんてしないけどね。

 せ、狭い場所でお尻を揉みしだくプレイ……い、いや何でもないよ!?


 「咲。この借りは試合で返す」

 「そーこなくちゃ。

  頑張って、お姉ちゃん!」

 「照さん! 応援してます!」

 「ありがとう。

  ……それと、咲」

 「なぁに、お姉ちゃん」


 ? お姉ちゃんが私の耳元に顔を近づける。


 「傷物になったら京ちゃんに貰ってもらうから大丈夫」

 「……またそういうこと言うー!!」


 私が言い返す前にヒラリと身をかわし、控え室を後にするお姉ちゃん。

 ……よろけてるけど、あれは多分ヒラリと身をかわしたかったんだろう。


 「京ちゃん。胸板固くて気持ち良かった。

  お尻くらいならまた今度揉ませてあげる」

 「照さん!?」

 「お姉ちゃん!?」

 「じゃあ、行ってきます」


 お姉ちゃんはこんな時でも、営業スマイルではなく、身内用の表情でVサインを出す。

 うん、お姉ちゃん、頑張れ! カン!
133 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/25(日) 19:09:07.82 ID:j7ylNVbxo
投下完了。ARC-V見直していたら遅れてしまった
たくさんのシチュありがとうございます。宮永姉妹丼が人気なのかな?
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 19:25:22.68 ID:aYpCVb6wo
いいぞ、またもませてもらおう
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 20:04:48.03 ID:o3ERclzSO
DNAに刻み込まれるレベルの迷子遺伝子
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 22:08:01.38 ID:Ue37jKQUo
嬉しくてクルクル回る照かわいい
しっかしこの様子だと子ども達まで迷子属性持ってそうだな
137 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/26(月) 01:29:35.11 ID:YW03lmC8o
遊園地に着いた瞬間、咲・照・宮永母・娘・界さんが迷子
それを見つけだす京ちゃんとその息子……小ネタにしようかな?
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 04:30:15.77 ID:YBTcA3KSO
なぜに界さんまでww
139 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/26(月) 18:36:51.16 ID:YW03lmC8o

 1/6

 480
 バレンタイン


 鼻歌を歌いながら、須賀咲ちゃんです。

 明日のバレンタインのために仕込みを行ってまーす。

 ふふふ、専業主婦になった咲ちゃんにとって、お菓子作りなどお茶の子さいさいなのだ!

 市販のチョコレート溶かすだけとも言うよ!

 まぁ今回はちょっとだけ凝ってみて、チョコレートケーキを作るつもりだよ!

 京ちゃん喜んでくれるかなぁ……。

 ……っと、ここまではいいんだけれども、うちには問題児が一人います!


 「咲。チョコレートを溶かせばいいの?」


 そう、このぽんこつお姉ちゃんだ。……私もぽんこつだけど家事は出来るもん。

 何事にも最大火力で行おうとする料理スタイルは麻雀のスタイルとは真逆。

 まず、包丁の持ち方から教えなければならないんだけど……。


 「お姉ちゃん! またそんな持ち方して!」

 「逆手持ち。カッコいい」

 「また変な本読んだでしょー!」


 こんなことをしだすからお姉ちゃんがキッチンに入ると戦争なのです。

 でも、そんな姉でも思うことがあるようで、今日は比較的真面目なんだ!


 「お姉ちゃん、ドキドキしてる?」

 「っ!!」


 ……ハァ。そりゃそうだよね。

 お姉ちゃんの初恋の人にチョコレートを渡すんだもんね……。
140 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/26(月) 18:37:51.04 ID:YW03lmC8o

 2/6

 お姉ちゃんを横で見ていると、緊張しているのが丸わかりだ。

 いつものクールな表情でもなく、ボケーっとしている表情でもなく、営業スマイルでもない。

 ここにいるのは、恋のために必死なお姉ちゃん。……それ人の旦那なんですけどー。


 「お姉ちゃん落ち着いて。成功するまで横で指南しててあげるからさ」

 「咲」

 「うん。好きな人には美味しいものを食べてもらいたいもんね」


 私だってそうだ。

 京ちゃんに美味しいものを食べてもらいたいと思って、献立はかなり工夫している。

 初めてバレンタインのチョコを作った中学生。

 あの時は酷かったなー。

 形をうまく作れなくて、半泣きになりながら渡したんだよね。

 それを空気を読まずムシャムシャ食べてくれた京ちゃん。あっけらかんと美味しいぞ、って言ってきて、思わず腹パンしちゃったね。

 それでも渡すまでの緊張と言ったらなかったよ。

 だからお姉ちゃんをこうやって支援してあげる咲ちゃんは優しいのだ。

 お姉ちゃんだから、ちょっとだけ、助けてあげるんだからね!


 「咲、この先どうすれば良い?」

 「はーい。ちょっと待っててねー」


 自分の方の仕込みを終わらせ、後は冷まして渡すだけ。

 時間が空いたので、プルプルしているお姉ちゃんのために、妹が頑張っちゃうよー!
141 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/26(月) 18:38:42.83 ID:YW03lmC8o

 3/6

 「唾液を入れるって聞いた」

 「唾液なんて入れてどうする気!?

  また漫画知識でしょ!」

 「?」

 「女の子なら、好きな人には美味しいものを食べて欲しいでしょ!

  余計なものを入れるのは恋する乙女レベル減点!」

 「なるほど」

 「だから髪の毛とか入れてる漫画を参考にするのはダメ!」

 「うん。わかった。

  咲、教えて?」

 「オネエチャンカワイイ」

 「咲?」

 「う、うん。とりあえず今回は簡単なものにして、味わって食べてもらおう?」

 「……うん。咲、一つだけお願いがある」

 「なぁに?」

 「そ、その、言いにくいんだけど」

 「?」

 「ハート型のチョコを、どうしても作ってみたい」

 「……大丈夫! 型に嵌めるだけだもん!

  一緒に、がんばろ?」

 「うん。頑張る」
142 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/26(月) 18:40:11.80 ID:YW03lmC8o

 4/6

 そして迎えた当日。少し早めに帰宅して、チョコの前でジーッと座る。

 ちょっと型が崩れちゃったりして、やっぱり咲が作ったものには及ばない。

 そうなると、咲より早く渡したほうがいいのかな。

 でも、踏み台になっちゃうみたいで、悔しい。


 『女の子はね、美味しく食べてもらいたいって、作るんだよ』


 ……っ!!

 京ちゃんが帰ってきた?

 早く行かなきゃ!


 「私は後で行くから、ゆっくりでいいよー」


 ……咲、ありがとう。

 タタタタと、駆け足で玄関まで向かう。


 「京ちゃん。おかえりなさい」

 「うお、照さん。ただいまッス」

 「そ、その、に、荷物を」

 「照さんに重いもの持たせられませんって」

 「そ、その、こ、これ」

 「?」

 「ちょ、チョコ。

  一応、手作り」

 「……え?」
143 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/26(月) 18:40:53.85 ID:YW03lmC8o

 5/6

 彼の反応が固まる。

 だ、だって京ちゃんは咲の旦那。

 受け取れない、って言われたら、立ち直れないかもしれない。


 「やっぱり「うおおおおおお! 照さんの手作りチョコだー!!」」


 ……え?


 「嬉しいッス! 嬉しいッス!」

 「え、え、あうう」

 「これ、ここで食べてもいいですか?」

 「あ、それ、形崩れちゃってて、美味しくないかも」

 「うまーい! めっちゃ美味しいですよ!」

 「本当?」

 「はい! いやー、美人の照さんにチョコもらえるなんて俺は幸せ者だー!!」

 「……」



 「えへへ」
144 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/26(月) 18:41:25.43 ID:YW03lmC8o

 6/6

 「もー、普段からかってくる癖に、こういうところは純情なんだからー」


 一部始終を見ていたが、予想通りです。

 だって私の旦那なら絶対に喜ぶに決まってるもんね!

 さて、あとは……


 「咲ー。ただいま」

 「おかえりなさい。どうせお姉ちゃんのチョコ食べたんでしょ?」

 「うっ」

 「というわけで、夕食は私が作ったチョコレートケーキです!

  食べられるだけ切って食べてねー」

 「え、今回の咲のチョコ……」

 「チョコレートケーキじゃ満足できない?」

 「み、みんな用だろ?」

 「……ふふーん、はい。

  そう言うと思ったから、今回はカップチョコ。

  もう十年以上もらってるんだから、今年はこれとチョコレートケーキね」

 「やったぁー!」

 「もう。ホワイトデーのお返し、待ってるよ?」

 「任せとけって!」


 カン!
145 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/26(月) 18:41:55.03 ID:YW03lmC8o
投下完了
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 19:09:59.15 ID:YBTcA3KSO
おつ!
何より照のチョコが完成まで残ったことに驚いたのは俺だけじゃないはず(味見、つまみ食い的な意味で)

嫁さんは流石の実績と貫禄ww
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 19:26:57.32 ID:iol1X4FHO
てっきり体にチョコ塗って食べさせるのかと…
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 20:22:16.91 ID:mcXk0Ekuo
乙です
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 22:03:20.47 ID:2Z9dD6G2o

唾液とか髪の毛とか入れようとしちゃダメだろ……嫁さんナイス
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 23:26:15.10 ID:buil98tuo
乙ー
151 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/10/27(火) 00:04:14.38 ID:nRLHSiDgo

 1/6

 【会社の飲み会】


 須賀咲ちゃんです。私に女子力があるのかどうかわかりません。須賀咲ちゃんです。

 昔よりは家事などにも気合を入れていて、飲み会に着ていくようの服も何着か持ってます!

 というわけで、京ちゃんの飲み会に、何故か私も参加することになりました!

 う、うう……。コミュ障の私にこんなことをさせるなんて……。

 でも、逆に考えれば酔った京ちゃんの直デレを見られるというわけで、ハイリスクハイリターンなんです!

 ……緊張したら、京ちゃんから離れないもん。


 「あ、噂の須賀さんの奥さん!」

 「この前はごめんなさいね」

 「ひゃ、ひゃい。大丈夫です。

  こちらこそ、ありがとう、ございます」

 「「かわいいー!」」


 あ、前回いろいろと助けてくれた人だ。ちょっと安心したかも。

 女性相手ならまだなんとか喋れると思うんだ。


 「お、君が噂の須賀の嫁さん?」

 「あ、課長だー。浮気しちゃダメですよー」

 「しねーよ!?」

 「課長の顔怖いんだから気をつけて下さいよー」

 「え、どうやって気をつけるの?」


 どうやらこの人は偉い人なのに弄られ役も兼任しているらしい。でも社会経験のない咲ちゃんは縮こまることしかできません。


 「あれ、奥さん。随分古いガラケー使ってるじゃん」

 「は、はい。機械が苦手で」

 「おい須賀ァ! 嫁さんにくらい新しいスマートフォンくらい買ってやれよ!」


 須賀って怒鳴り声で咲ちゃんも泣きそうになっちゃったよ!


 「いぃ!? 課長!」

 「普段から支えてもらっているなら、少しでもいいものをプレゼントしてあげるのが男の甲斐性ってもんだろ?」

 「は、はい。その通りだと思います」

 「あ、あの、上司さん」

 「……ん?」

 「京ちゃ……旦那は新しいものにしようって言うんですが、私が機械苦手なんで、断っているんです。

  あまり裕福ではないので、そのお金を貯めて、家族で何かしたいなって考えてたり、その……」

 「咲……」

 「……須賀。嫁さん。酒が入っていたとはいえ、他人の家の事情も知らず、無礼を働いて申し訳ございません。

  須賀ァ! 本当にいい嫁さんじゃないか!!」

 「え、あ、はい。いい嫁さんです!」

 「それならもっと、稼げるようにならねーとな?」

 「ハイ!!」
152 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/27(火) 00:05:25.31 ID:nRLHSiDgo

 2/6

 その後、京ちゃんはその上司に連れて行かれ、何やら上に上がるための方法見たいのを話しているみたいです。

 台風が過ぎ去った私は、隅っこの方でチマチマと飲んでいようかな、と思っていたところ、先ほどの女性職員にもみくちゃにされちゃう!?


 「須賀さんカッコよかったよー!」

 「あの上司に気に入られるなんて相当だよ!」

 「ふざけてるように見えて、人を見る目が違うからね。

  私たちは弄ってるけど、あれはそこまで読んで今のままでいいって結論づけているタイプだから」


 な、何やら仕事中の人の性格診断のようなのが怖いよぉ。

 京ちゃんも言っていたけれど、『これはこういう奴』と評価を下したり、自分が使う時にどう使うか、などで意外な所で自己評価は語られているようです。

 しゃ、社会って怖い。私が面接で落ちる理由がわかった気がする……。

 和ちゃんなんて生ぬるかったよ……。なんとなく察していたけれど、女子会とか言いながら緩めにしてくれていたんだ……。

 人の悪口だとか、評価付けだとか、どうするかだとかの話に巻き込まれて頭がふらふらするー。

 こ、こういう時はラインで京ちゃんに助けを求める!

 ガラケーでもラインくらいできるもん! チャットで、こう!



 ん、咲からラインだ。

 なんですぐそこにいるのに?


 『><』


 ……ああ、女子会に耐えられないから助けてくれ、と。

 はいはい、今行きますよー。
153 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/27(火) 00:06:23.40 ID:nRLHSiDgo

 3/6

 「ふぇぇ」

 「咲は本当にコミュ障なんだからなァ」

 「そういうお前も、嫁さんのピンチにはすぐ来るんだよなァ」

 「うっ」

 「この前酔った時だって、嫁さんのこと」

 「おい、それは言わないでくれって」

 「言ってください」

 「咲!?」

 「知りたいです。すっごく知りたいです」

 「そうそう、こいつ酔うたびに嫁さんの惚気を始めるから、それを教えちゃうぞー」

 「ま、待ってくれぇー!!」


 私の知らないところで、酔った京ちゃんは私にデレているらしい。

 もー、本人の前でちゃんとデレてくれればいいのに! デヘヘ!


 「そう言えば、須賀さんってあの宮永プロの妹さんって本当?」

 「あ、聞いたことある!

  よく見れば似てるよね」

 「は、はい。宮永照は私の姉です」


 うう、よく言われるけどなんか恥ずかしい。


 「キャー! あのクールな宮永プロの妹さん!?」

 「私もファンなの! あー、サイン欲しいわぁ」

 「ダメよー。須賀さん困らせたら悪いじゃない」

 「クールでやわらかな表情! 女の子にも人気なのよー」


 え、クール? やわらかな表情?

 すみませんそれ別人です。私にそんな姉はいません。
154 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/27(火) 00:07:34.90 ID:nRLHSiDgo

 4/6

 「そう言えば須賀。

  お前、宮永プロと熱愛疑惑が立ってたなァ」 

 「ゲッ、課長!?」

 「こんないい嫁さんがいながらお姉さんにまで手を出すとはふてぇやつだ」

 「ち、違うんです。あれは」

 「あんなクールで良くできて、気が利いてなんでも出来そうなお姉さんと出掛けるなんて、うらやましいぞ!」

 「……!?」


 京ちゃんもひいてるし。

 お姉ちゃんへの一般人イメージってそんなに良かったんだ。

 実際は、休日ともなればあんなにダラダラぐだぐだ、京ちゃんに甘えて気が向いたときに子供と遊んでるんだよねぇ。


 「宮永プロ、休日は何してるのかしら」

 「やっぱりオシャレに気を使ったり、スタバでコーヒーを飲みながら本を読んだり、Macを華麗に使ったりしてそうよねぇ」

 「は、ははは……」


 し、真実は絶対に言えないよね。


 『もー、お姉ちゃん。同じものばかり着ると、服がヨレヨレになっちゃうから新しいの買ってよー』

 『京ちゃん。買ってきて』

 『いや、自分で買いましょうよ……』

 『男の子は、女の子に服をプレゼントして脱がせたいって聞いた。

  京ちゃんの好みの服を買っていい。もちろん脱がしてもいい』

 『照さぁん!?』

 『も、もー、お姉ちゃん何言ってるのさ』

 『ところで、咲が持ってる白いワンピースは京ちゃんの趣味?

  咲ならもっとオシャレに縁がなさそう』

 『『』』


 お、オシャレに関しては、私も深くは言えないけどさ!

 ちなみに京ちゃんは女の子女の子していて、あまり露出がないものが好きです!
155 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/27(火) 00:08:12.17 ID:nRLHSiDgo

 5/6

 『京ちゃん。コーヒーを飲んでみたい』

 『はいはい』

 『もー! お姉ちゃんはせめて私にお願いしなよ!』

 『ありがとう京ちゃん。……ぐえー』

 『苦いのダメなのになんでストレートで飲んだの!?』

 『ミルク入れてください!』

 『京ちゃんのミルク?』

 『お姉ちゃん、それ以上いけない!』


 ミルクと砂糖たっぷり入れてるし……、太るよ……。


 『京ちゃん。新しいパソコンが動かない』

 『いや、照さんタブレット使ってたじゃないですか』

 『このまっくぶっくえあーっていうの』

 『なんでわざわざそっちを買うんですか』

 『事務所がこっちの方がイメージに合うって勧めてきた』

 『俺もMacはそんなに詳しくないんですが』

 『京ちゃん。わかりづらいからもっと近くで教えて』

 『え、これくらいですか?』

 『う、うん。もうちょっと近くてもいいけど、今はこれくらいでいい』

 『?』

 『お姉ちゃん……』

 『な、なんでもないもん』


 隙あらばくっつこうとするし……。

 基本的に機械はダメダメだし……。

 うん、お姉ちゃんのイメージを崩さないように、愛想笑いで切り抜けよう!
156 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/27(火) 00:09:02.84 ID:nRLHSiDgo

 6/6

 「もー、大変だったよ」

 「ははは、ありがとうな、咲」


 そうこう凌いで、なんとか帰り道。

 暗くなった道を、おしゃれした私と京ちゃんが歩く。

 思えば、最近こんなにおしゃれしてデートするなんてなかったなぁ。


 「それにしても、お姉ちゃんってイメージだけならすごいんだね」

 「俺もビックリした。

  まぁ、あの人営業スマイルすごいし」

 「むー。まぁ、お姉ちゃんなんてダラダラぐだぐだ虫でちょうどいいんだもん」


 もし世間の思う通りのお姉ちゃんだったら……鳥肌が立つよ。

 私たちにとってのお姉ちゃんは、あれでいいのだ。


 「咲だったらああはいかないしなァ」

 「む。そういうこと言う」

 「こう、営業スマイルしようとして、グギッって」

 「そ、そこまでは行かないもん!」


 もー! 京ちゃんったら失礼なんだから!

 ……? 京ちゃんがモジモジしてる。


 「咲、寒くないか?

  手、貸せよ」

 「ぅひ」


 わ、わ、わ。いきなり手を握られちゃった。

 むー。自分が握りたいだけなんじゃないの? ……えへへ。


 「今日の私、上着の下に白いワンピース着てるんだ」

 「へ、へぇ」

 「……」

 「あー、咲。俺も明日休みだし、ちょっと遠回りして帰ろっか」

 「もー、仕方ないなぁ。

  ちょっとだけ、だよ?」


 微妙に顔を俯いて、上目遣い攻撃! 和ちゃんから教えてもらったんだ。

 ま、まぁ、今日はご飯も作ってきたし、明日は用事がないし、ちょっとくらい遅くなってもいいよね?


 ……ちなみに、宮永家に着いたのは朝でした。カン!
157 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/10/27(火) 00:10:09.20 ID:nRLHSiDgo
投下完了。咲ちゃん誕生日おめでとう投下でした
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/27(火) 00:11:45.99 ID:fD5WLvBTo

咲たんイェイ〜
159 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/27(火) 19:20:20.01 ID:nRLHSiDgo

 1/4

 998
 家族みんなでトランプ遊び

 999
 みんな幸せな風景


 「やったぁー! 一抜けだ!」

 「京ちゃんが一位か。

  おっと、俺も一抜けだ」


 須賀咲ちゃんです。家族みんなでババ抜きをしています。

 さっきから勝つのは京ちゃんとお父さんばかり……ビリは私とお姉ちゃんとお母さんでループ。

 ぐぬぬ、麻雀だと真逆なのに……。

 今回はお母さんも一抜けし、私とお姉ちゃんの一騎打ち。


 「咲は顔に出るからなァ」

 「照は無表情なのに、嘘をつきたい時だけ営業スマイルになるのがいけない」

 「お父さんは黙ってて。

  これは姉妹で京ちゃんを賭けた戦い」

 「賭けてないからね!?

  なんでナチュラルに人の旦那を盗ろうとしてるの!」


 油断も隙もないよ!

 で、でも勝った後に言い出さないだけマシなのかも……?

 いや、よく考えたらこう考えさせられること自体がおかしいよ!


 「あっはっは。

  咲。負けられないな」

 「いやいや、界さんは止めてくださいよ」

 「お父さんは自分の娘を何だと思ってるの!?」


 どこの世界に姉妹丼を推奨する父親がいるの!
160 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/27(火) 19:21:08.66 ID:nRLHSiDgo

 2/4

 「咲。何も賭けないと人は真剣になれない」

 「私に得が一個もないよ!?」

 「不合理に身を委ねてこそギャンブル。

  狂気の沙汰ほど面白い」

 「お姉ちゃん、私の部屋の『アカギ』持って行ったでしょ!」

 「咲だって前に精液麻雀がどうとか言ってなかった?」

 「あ、あれは夫婦だからいいの!」

 「親の前でなんて言い争いをしてるんだ」

 「前に真似をしてみたら公式戦で負けちゃった。

  私じゃあの人には届かない」

 「何やってるんですか照さん!?」

 「照!?」

 「お姉ちゃぁぁん!?」


 あ、アレか! ものすごいドヤ顔で決めようとした裸単騎待ち!

 お姉ちゃんにしては珍しいことをするな、と思ったけれど!

 しかも負けてたし! 一応プロでしょ! え、冗談だよね!?


 「チャンピオンはエンターテイナーでなければならない」

 「たぶん照さんにそういうキャラは求められていないと思います」

 「照に無表情で言われると本気なのか冗談なのかわからんなー」

 「あれはあれで考えがあったんだけれども、失敗した(´・ω・`)」


 文句を言いながらも、私が二枚。お姉ちゃんが一枚。ジョーカーは私。


 「これがババ抜きの面白いところですね」

 「ここにいる『ババ』はもう抜かれちゃったけどな。

  なぁ母さん」


 あっ……。

 お父さんが首を絞められながら隣の部屋に連れて行かれちゃった……。


 「お母さん、仕事は続けられる程度にヤっちゃっていいよ!」

 「さ、咲ィ!?」


 ま、お父さんだし。
161 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/27(火) 19:21:53.89 ID:nRLHSiDgo

 3/4

 「咲。今あなたは追い詰められている」

 「見ればわかるよ!」

 「ふ、ふふふ。これで京ちゃんは借りていく」

 「まぁまぁ。咲、落ち着いて。

  照さんも買い物くらいなら付き合いますから」

 「え、本当!?」

 「京ちゃぁぁぁん!?」


 何堂々と浮気宣言してるのぉぉぉ!?


 「本気でいく」

 「照魔鏡まで使う!?」

 「しまった。トランプのオカルトなんて持ってないから意味がない」

 「それに照魔鏡のデメリットを考えるとジョーカーを引きそうですね」

 「お姉ちゃん……」


 なんか哀れになってきたよ。

 もう私はお姉ちゃんがわからないよ!

 あのテレビの中のかっこいいお姉ちゃんはどこにいるんだろう。


 「隙あり」

 「あ」


 とかなんとか言ってる間にサクッと取られちゃった。

 でも、そっち側は確か……。


 「と、隣か……」

 「まだそのネタ引っ張りますか」

 「裏ドラに関しては私もお姉ちゃんも支配の外なんだから諦めなって……」

 「ま、まだ終わってない!

  こ、この裸単騎には魔法がかけてある!」

 「アラサーアニオタ独女め……」

 「咲! それ以上はいけない!」


 こうは言うけど、京ちゃんがいなかった時の私の未来の姿を見ている気がしてつらいよ!
162 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/27(火) 19:22:38.78 ID:nRLHSiDgo

 4/4

 「はい、終わり」

 「う、うううううう」


 自分からフラグを建てて行ったせいでお姉ちゃんの負けでした、とさ。

 我ながら勝てると思わなかった。

 涙目でうずくまるお姉ちゃん。

 みなさん。これが日本代表トップ麻雀プロ(アラサー)の私生活です。


 「ほら、京ちゃんとお姉ちゃん。出かけるよ」

 「咲?」

 「もう遅いけど、三人でデートしよ?」

 「咲……」

 「ほら、照さん。行きましょう」

 「京ちゃん……」


 涙目のお姉ちゃんぺろぺろ……じゃない! なんでもない!

 ま、お姉ちゃんも普段頑張っているし、一番お金を入れてくれているし、ご褒美は必要だもんね?


 「京ちゃんはちゃんと女の子二人を楽しませるように!」

 「はいはい。お姫様方」

 「お姫様。えへへ」

 「さぁ京ちゃん。お姉ちゃん! 行くよ!」


 私が自分から外デートを提案するなんて珍しいんだからね?

 じゃ、行こう!

 ……そういえば?


 「お父さんの呻き声も止まったね」

 「それ、界さん大丈夫なのか!?」


 いや、お父さんの安否とかどうでもいいし。

 ……あれ、お父さんもお母さんも家にいない?

 まさかとは思うけれど、ヤっていいとは言ったけどそうじゃないよ!? カン!
163 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/27(火) 19:23:42.99 ID:nRLHSiDgo
投下完了
京咲も書きたい京照も書きたい、アラサーのどっちも書きたい
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/27(火) 19:40:50.41 ID:OYY8JnySO

ヲイヲイ年の離れた弟か妹フラグとな!?
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/27(火) 20:04:34.15 ID:sVYg2g4Yo
乙です
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/27(火) 20:07:32.69 ID:BLMqmBiyo
乙です

>>163
全部みたい
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/27(火) 21:55:06.31 ID:j73ft1THo
みんな幸せ(意味深)な風景とか?
咲たんイェイ〜
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/27(火) 22:13:39.06 ID:yHjan08RO
照がジャックっぽいこと言ってて笑ったw
咲たんイェイ〜
169 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/28(水) 18:29:41.93 ID:BketMDkFo

 1/6

 >>986
 何かと頼りにされる咲ちゃん(の夫)


 「咲さん。旦那さんを貸してください」

 「嫌だよ!? 和ちゃんどうしたの!?」

 「のどちゃん……人の旦那を奪おうとするのはさすがに引くじょ」

 「いいえ、ゆーき。女の子は人の旦那にこそ惹かれるのです。

  現に今の京太郎君はすごく魅力的じゃないですか!」

 「まぁそこは否定しないじょ。

  何かと頼りになるしなー」

 「優希ちゃん!?」

 「実際、ショタ好きじゃなければちょっと年を取っている風な男に惹かれると思うんです」

 「確かにそうかも。私の友達にもそういう人多いじょ」

 「大学で普通に遊んでいた友達が、年上のおじさまと不倫しているって話をよく聞きます」

 「あー、それ私も聞くなぁ。清楚系の友達が意外にそういうことしてるんだじょ」

 「本人たちは隠す気もなく、普通に話してくるんですよねー」

 「『私不倫してるんだー』とか、いやぁよくある話だじょ」

 「人妻の前でよくその話できるよね!?」


 須賀咲ちゃんです。今日も女子会です。

 和ちゃんが不穏な目つきでこちらを見ています。いや、もう本当にやめて……。


 「のどちゃん、またなんかあったのか?」

 「ふ、ふふふ。それを聞きますか。聞いちゃいますか」

 「あっ、やっぱりいいです」


 思わず優希ちゃんも標準語に。

 そういえば、大人になってからの優希ちゃんは素になると普通の喋り方をするけれど、まさか


 「おっと咲ちゃん、それ以上はいけないじぇ?」

 「ぅひ!?」


 ま、まさかこっちも!?

 京ちゃん。(元)清澄女子麻雀部が怖いです……。
170 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/28(水) 18:30:32.09 ID:BketMDkFo

 2/6

 「頼りになる男性は魅力的ですよね

  京太郎君は背も高いですし、力もあるし、日曜大工なんかも出来そうですね」

 「あー。たまにやってくれるなぁ。

  私のお父さんと一緒に本棚作ったり」

 「私もタコスをまた食べたいじぇ」

 「それなら今度お願いしてみようか?」

 「咲ちゃん、本当か!?」

 「私も是非お願いします!!!!!」

 「うわぁ……」


 和ちゃん必死すぎ……。


 「もう! 聞いてくださいよ!

  この前、父に言われてお見合いをしたんです」

 「のどちゃんがお見合いかー。

  そのおっぱいを使えば一発だじぇ」

 「本当だよねー。清楚な格好をして、上目遣いでもすれば一発じゃないかな」

 「……19戦19敗」

 「じぇ!?」

 「ファっ!?」

 「ふ、ふふふ。まぁそんなに多くない数字ですが、負けが込んでいましてね」

 「いやいや、のどちゃん。19回もご破談になっているのに多くないって……」

 「日本のすべての男性人口と比べれば、統計的に見ても微々たる数です!」

 「えぇ……」

 「そのデジタルには無理があるじょ」


 い、いやさすがにそこまで行っちゃうといろいろとおかしいんじゃないかな!?

 どう控えめに見ても和ちゃんは美人さんだし、アラサー付近と言ってもむしろ結婚適齢期でしょ!?

 そのくらいの年齢と、見た目、公務員ってスペックでそれはおかしいよ!

 一体何をすればそんなに破談になるの!?


 「最初は本当に嫌だったんですよ。いや、今でも嫌なんですが。

  それでも、父の態度がですね?」

171 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/28(水) 18:31:21.02 ID:BketMDkFo

 3/6

 1回目

 『和、こちらの方に挨拶だけでもしておきなさい。

  人柄も良いし、安定した企業に勤めている方だ。

  しかし、ちゃんと見極めるんだぞ』


 2回目

 『和。この方はこれから伸びる方だ。

  顔見知りになっておいて損はないだろう。

  お前をその辺の男にはやれん』


 5回目

 『……和。その、なんだ。

  無理にとは言わないが、今回もお見合いを用意したぞ』


 10回目

 『いや、その、な?

  お節介だったらお節介で構わないんだ。断ってくれても構わない』


 15回目のお見合い終了後

 『和。お前の友達に良い方はいないのか?

  恋愛結婚は良いぞ。うん。お前が良いと言う方ならばそれで良いだろう』


 16回目のお見合い終了後

 『そういえば十年ほど前か、お前が話題に出していた男の子がいたじゃないか。

  今でも交流は続いているのか?

  ……むしろその男の子以外に知り合いはいないのか?』


 17回目のお見合い修了後

 『和。よければ私がその男の子と掛け合おうか。

  何? すでに結婚している?

  そんなことを言っている場合か!』


 18回目のお見合い修了後

 『私の旧友に宮永界という男がいてな』


 19回目のお見合い修了後

 『何を迷うことがある奪い取れ!

  今は悪魔が微笑む時代なんだ!』
172 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/28(水) 18:32:09.03 ID:BketMDkFo

 4/6

 「と、いうことがありまして」

 「ちょっとぉぉぉー!?」

 「わーお、過激だじぇ」


 え、和ちゃんのお父さん何言ってるの!?

 冷静に考えても頭おかしいんじゃないかな!?


 「あの過保護な父がこう言う態度になってきたという事実が、何よりキますね」

 「いやいやいや、ここまで来ると和ちゃんに何か原因があるんじゃない?」

 「いやー、若い娘にこれだけお見合いを用意する方もなかなか狂ってるじょ」

 「私は普通にお見合いをしているつもりなんですが」

 「と、とりあえずどんな感じに?」

 「それでは、咲さんを頼らせていただきますね」


 い、一個一個直していけば大丈夫なはず。

 やだよ! 絶対に京ちゃんは渡さないよ! 和ちゃんに勝てる気がしないもん!


 「まず、いつもの服を着てお見合いに向かいます」

 「アウト!」


 この年齢、あの露出服でお見合いに行ってるの!?

 しかも和ちゃんのお父さんが紹介する人なんだから、かなりまともな人でしょ! そりゃダメだ!


 「次にお互いの自己紹介で、金髪で高身長じゃなかったらアウトですね」

 「なんでさ!」

 「せめて写真で断ってやるべきだじょ……」

 「ヤンキーに壁ドンされる女の子に憧れているんです!」

 「特定個人を指しすぎだよ!」

 「あとは白馬に乗った高身長金髪の王子様!」

 「えっ、京ちゃんが王子様……?」


 ないわー。私嫁さんだけどそれはないわー。

 あっ、優希ちゃんが笑い転げてる。
173 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/28(水) 18:33:45.68 ID:BketMDkFo

 5/6

 「かなり高レベルでこじらせてるじょ……」

 「私のお姉ちゃんでもこのレベルはないよ」


 ちなみに、私のお姉ちゃんに聞くと、『京ちゃんがいい』としか返ってこないよ!


 「あとは挨拶代わりに職業、年収、運動歴、名前が須賀京太郎かを聞きますね」

 「いやもうお見合いでやっちゃいけないことの役満じゃん……。

  というか最後は何さ……」


 最後のはともかく、割とこじらせてるだけでダメだこれ!

 ネタで言っているのかと思ったらキョトンとしてるし!

 私服がマイノリティだと自覚していた和ちゃんはもういない!

 というか大学の和ちゃんの友達は、合コンの時とかに誰か教えてあげなかったの?


 「咲ちゃん咲ちゃん。

  多分、大学にいるのどちゃんの友達はライバルを減らしたり、相対的に自分をよく見せるために止めなかったんだと思うじょ。

  のどちゃん。プリクラで自分だけ前に出てたこととかないかー?」

 「? いつもそうですよ。

  何かと前に出てくれと言われます」

 「のどちゃんそれ罠だじぇ。

  プリクラを撮る瞬間に自分だけ下がって、小顔に見せて他の人の顔を大きく見せるのは女の子の必須スキルだじょ」

 「えっ」

 「あっ、親しい友達にでもやるから、悪意はないと思うじぇ。

  それでそのプリクラを使って男を釣るんだじょ。

  顔が大きいってそれだけで引かれちゃうし、後ろに小顔の自分がいればのどちゃんレベルでも踏み台にできちゃうじょ」


 えっ、そうなの!?

 女子会こわい! 女の子こわい!

 周りにお姉ちゃんしかいなくて、旦那さんもちの自分がいかに恵まれているかわかったよ!
174 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/28(水) 18:34:34.33 ID:BketMDkFo

 6/6

 「う、うう。

  な、なんにせよ旦那さん借りていいですか?」

 「どうしてこの流れで借りていいって言われると思ったの!?」

 「のどちゃん諦めろー。

  もう試合終了だじぇ」

 「今思えば、運動ができる高身長金髪イケメンと優良株すぎました。ぐぬぬ。

  あんな王子様みたいな人いませんよ!」

 「いやぁ、うちの旦那が王子様はちょっと……」

 「あっはっは。逃した魚は大きいってか。

  ……私は咲ちゃんが別れたらもらうつもり」

 「優希ちゃん何か言った?」

 「なんでもないじぇー」


 ? どうしたんだろ。

 というか、京ちゃんは私とお姉ちゃんの相手で忙しいの! ダメなの!


 「では私はipsして京太郎君にぶっ込みますので、京太郎君が咲さんに挿れるのでいいですか?」

 「何がいいと思ったの!?」

 「ipsで……みんなを笑顔に……。

  こうなったら、京太郎君に私の子供を孕んでもらいます」

 「どうしてその結論になるのかな!?

  100歩譲って、和ちゃんが子供を産む側でしょ!?」

 「えっ、譲ってくれるんですか!?

  言質を取りました。これは父と法廷で使います」

 「それが狙い!?

  ダメ、絶対にダメー!!」


 全く、和ちゃんは本当に油断も隙もないだから!

 京ちゃんは私のなんだからね! カン!
175 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/10/28(水) 18:36:18.39 ID:BketMDkFo
投下完了
途中からリクエストが関係なくなる風潮サーセン
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/28(水) 18:48:21.49 ID:RRVa0K27o
乙です
もう皆まとめて住んじゃえばオッケーじゃね
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/28(水) 18:58:23.19 ID:DkIaN6mSO
おつ!
女子会こえぇ…てかよく>>1も知ってるな
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/28(水) 21:50:51.77 ID:SqNV2Sp5O
嫁 咲 愛人 和 タコス 優希 テル 照 これで幸せな須賀家の完成だ(白目)
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/28(水) 23:07:05.23 ID:18RG+TXCo
乙です
京照をください!
京照+咲をください!
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/29(木) 00:16:01.01 ID:TMSa/tyUo
こののどっち割とイカれてる……
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/29(木) 18:51:49.29 ID:k96Q0e5Io
乙です
182 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/29(木) 19:14:34.07 ID:S98KNuP2o

 1/8

 122
 照の試合中継をおうちでテレビ観戦京咲


 宮永照について語るスレ66110



  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:goburei

 日本を代表するプロ雀士、宮永照について語るスレです


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 最近不調だね


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 男と遊んでいるからいけないんだよ
 麻雀の女神はストイックに麻雀と向き合う人に微笑むからね!


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 麻雀の女神(喪女)


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 麻雀の女神(すこやん)


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 麻雀は年を取っている方が脂がのる競技でしょ
 てるてるはまだまだ20年前のすこやんくらいの年


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 10年前だよ!?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 10年前でも相当前なんだよなぁ……
183 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/29(木) 19:15:34.39 ID:S98KNuP2o

 2/8

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 あの辺りの世代で第一線で活躍できてるのは宮永照くらいだからなぁ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 あの辺りの世代の現役って、天江衣・大星淡・江口セーラ・愛宕洋榎辺りかぁ


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 しげるーん♪


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 ここの連中の比較対象は常にしげるんとかすこやんだからなぁ
 てるてるももう10年戦えばいい線いくんじゃないか


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 元世界ランク1位と元世界ランク2位と比較されるくらい期待されてるんだよ


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 この前の対局、てるてるが昏倒した時には心臓止まるかと思った


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 彼氏に介抱してもらってた。裏山


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 てるてる支えても胸があたらなさそう


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 てるてるは尻で勝負してるし


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 あれ彼氏じゃなくて、妹の旦那じゃねーの?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sumire

 めっちゃ抱きついてたんだけど、妹の旦那だった方が問題じゃねーの!?


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 物騒なオカルトが多い中、相手にダメージを与えないてるてるは天使


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:harvest

 あの竜巻でぶん殴ったらそこそこダメージでそう

184 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/29(木) 19:17:08.98 ID:S98KNuP2o

 3/8

  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 ところで、女性雀士のスレって結婚して名字が変わったらどうすんの?


 名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 さぁ? 前例がないから……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 なんで語呂合わせが『貰い手』な時にそんな話題出すんですかねぇ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:harvest

 てるてるは妹の旦那に貰ってもらうから大丈夫


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sumire

 大丈夫じゃねーよ!?


 名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 二度と麻雀できない体にしてやる


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 なんかスレ内に怨念がこもってない?


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 てるてるには結婚して欲しくないと言うよりも、すこやんの様になって欲しくない


  名前:以下、名無しに変わりまして地獄からお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:wasizu

 は? てるてるが結婚とかマジねーし


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:jun1rou

 アイドル雀士じゃないんだし、結婚くらいさせてやれよ……


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 は? させるわけないじゃん


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???

 こいつこえぇ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 小娘に結婚とか早すぎるから


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sigeru

 てるてるの打ち筋はまだまだ甘い。しかし、あいつが結婚するならフグ刺しでも食わせてやるか


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan

 は? まずアンタから潰すわ


  名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sigeru

 おう、待ってるぜ、小娘
185 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/29(木) 19:18:12.32 ID:S98KNuP2o

 4/8

 須賀咲ちゃんです。今日はお姉ちゃんのタイトル戦です。

 最近不調不調言われるお姉ちゃんだけれども、いつもベスト8までは安定して残ってます!

 お姉ちゃんは日本トップレベルだから求められるものが違うんだよね……。

 今のお姉ちゃんの海外戦なんか、日本という国を背負って戦ってると言っても過言じゃないもん。

 そのプレッシャーに押しつぶされそうになっていた時期も知ってる。

 それでも! 私にとってはお姉ちゃんが最強の雀士だもん!


 「頑張れ、お姉ちゃん!」

 「あぁ、今回の照さんなら行けるぞ!」

 「この決勝卓でも、読みが冴えてる。

  油断しなければいけるよ!

  頑張れー! おねえちゃぁぁーん!」

 「今年はまだ無冠だし、ここで取っておきたいな」


 凄まじいプレッシャーがあるだろう中、お姉ちゃんはいつもの動作で牌を切る。

 麻雀を打つ時のクールフェイスは、私たちにとっては珍しい。

 それでも少しの疲れが出ているのか、表情に僅かな汗が浮かんでいる。


 「照さん、疲れてるなぁ」

 「うぅ……、お姉ちゃんのことだから、ポーカーフェイスを崩したって感じじゃなさそうだし。

  さすがにここまで来ると疲れてるよ」

 「照さん、頑張って下さい……っ!」


 私は息子を膝に乗せ、京ちゃんは娘をギュっと抱きしめる。

 普段やんちゃな息子もお姉ちゃんの勇姿を目に焼き付け、お父さんっ子な娘はお父さんに抱きしめられて嬉しそう。

 まぁ、この年齢でお姉ちゃんを応援しろって言うのも無理な話だよね……。
186 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/29(木) 19:19:05.09 ID:S98KNuP2o

 5/8

 「張った!」

 「いや、ダメだよ」


 そうこう言っているうちにラスト一局。

 お姉ちゃんとトップの差はあと少し。いつもの麻雀ならば無理をして一位を狙う場面ではないけれども、このタイトル戦に限っては別。

 求められるのは総合力ではなく、短期決戦。

 お姉ちゃんの頬を汗が滴り落ちる。


 「切らなきゃいけないのはトップの人の上がり牌。

  しかもお姉ちゃんの位置からじゃ読みにくいと思う」

 「うわっ。で、でもここで逃したらツモられるかもしれないし」

 「どっちにしろ、切れない。

  お姉ちゃん、お願いっ!」


 咲ちゃんテレパシー伝われ! なんて思って見るほどこっちも緊張する。

 お姉ちゃんの長考。後にして考えれば、それは数秒にも満たない時間だったと思う。

 でも、私たちには永遠にも等しく感じられた。
187 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/29(木) 19:19:34.58 ID:S98KNuP2o

 6/8

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 ∧ヾ   |:::::::/    ヽ.、   ._ ヾ.,    イ   /::/i::::′      ゝ_
../ ∧ヽ.  |::::/.      i > _  ̄ . r  ./.  // i:/         /.:/i_
.i  ∧ヽ  |:/       丶    ̄    /  /  レ         /.:// ヽ

188 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/29(木) 19:20:23.87 ID:S98KNuP2o

 7/8

         /.::/.: :,'.: :: ;:;イ:: :: ::i:: :: :: :: :: :: :: ::ヽ
.        /.::/.: :: i:: :: ::i/i:: :: ::i!iハ:: :: ::i:: :: :: :: ::::.
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.   .:::: ::: イ !:: :/i:!ハ:: ハi::   ' ヽ      i/i:!:: :!:: :::. :.
   .:::::/  !/!:::!::i:ハヽヽ            /'i::!:i:::i:i:: ::. :.  『ツモ。嶺上開花』
       /.::ヽi:: !':: ::ヽ     , ‐ -    /.: :i:: ::!ハ:!:: :::. :.
     /.: :: :: .: :: :: :: ::>    ´     ,イ:: /.: :::i:: :!i:: :::  :.
    / .: :: /.: :: /.: :/.: ::>     / !:/.: :: ::i:: ::i!:: ::   ::
  / .: ::イ.: :: ::/.: :: :/.: :/ ヤ  `     / ヽ:: :: :i:: :::i:: ::  .:
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/  .::  /イ:: :/.::;; -゙ ニ  ヘ } ヽ   .: :: :::}   ヽ;;_ノ.::
  .::  { !ィ 二         ヘ   ヽ  .: :: :;;}      ニー._
  .::   / ヽ ヤ:.         ヘー-、  .: ::':: :}     〃/ ヽ
     /   ヽヤ:.         ヘ _ - ‐ 、::}     〃/  .ハ
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189 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/29(木) 19:21:14.29 ID:S98KNuP2o

 8/8

 それは私の得意技。

 不調だったとは思えないほど淀みなく、自信満々に行われたそれに私は息を飲んだ。

 もしかして、お姉ちゃんはもう一つ上の領域を目指して、不調だったのかもしれない。

 仕上がっている自分を変えようとして、負けが込んでもそれを続けるのはとても難しい

 でも、お姉ちゃんはそれに負けず、こうして一皮剥けたんだ。

 おめでとう、お姉ちゃ


 「咲ィィィィィ! 照さんが勝ったぞぉぉぉぉ!」

 「わふっ! きょ、京ちゃん!」


 ちょっと! 人がシリアスムードで考え事をしているのになんでくっついてくるの!

 やめてってば!

 もー! そんな強くギュッとしちゃダメだってば! 準備できちゃうってば!

 子供も見てるんだからやめてってば! ひゃう!?


                . . .-‐…‐-. . .
                 ... ´. . . . . . . . . . . . . \
           /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
            /. . ./. : : : : : : : : : : : i: . . . . ハ
         /. ./. . ./: : i: :i: : : : :i: : : i: ',: : : :i: : :,
            ′ー―ァ: :/: :从: : : ト--ミ: i: : : :|: : :'
          ′: : : ://⌒/ }: : :リ }: :ハ:|ト: : :i: : : ,
.         /: |l: : : |l ∨__|{  }: : / レ'  }| }: : i: : : :i
       /: :从: : 八《´んハ. j/ r==ミ /: ::/| . . .|
        // _ }ト: : :ハ 弋 ソ     :::::: 厶イ: |: . . | 『今回の勝利は、家族に伝えたいです! ブイッ!』
      /^  / }|l: ≧ゝ} ::::::  ′__    /-' i: :|: . . |
.      ' .i / / }: : ::::::人    f  ノ ./:::::: i: :|: : i |
.      i し' ./ .i} i: ::::i:::::>o。..   < i::::::::/::/: :/: |
    ノir―-ミ  |:∧:::八::::::::::r'ス´ / ゝ-、 :/}: / }/
   f入 `ー  〉 /'  V_ゝ/.〈 ]  /  i`/イ、_
   辷ーく  /   /   /  rヘ/__rヘ_/   |    ヽ
   { ̄`  入    i   /  | /:::| / .       /  ハ
.   Y   i 圦   |.  `> 1 /::::|l ∧ _彡  /
    ハ.  // ‘, 」:::/ /  |/::::::|l/ \    /     |
.   /八_//   ‘ {:::;′〈 .   |ト、/    〉__ i  \/


 あ、お姉ちゃんのVサインだ。

 もー、今日はお姉ちゃんの好物でご飯を作ってあげようかな! カン!
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/29(木) 19:22:35.68 ID:3zIaCXSSO
スレの1/4くらい占めてそうな人をNGにしないみんなの優しさ
191 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/29(木) 19:26:43.61 ID:S98KNuP2o
投下完了
某スレと同じ日にゲロを投下し、笑顔でも被った奇跡。なんか嬉しい
女子会ネタはまた仕入れてこよう
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/29(木) 19:38:43.44 ID:PXAW365vO
怨念だからNG出来ないからね仕方ないね(畏怖)
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/29(木) 19:45:58.82 ID:AojaL1G5o
なお、すこやんはNG出来ない仕様
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/29(木) 20:17:04.82 ID:95BEvr6OO
怨念がおんねん
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/29(木) 20:45:55.32 ID:TMSa/tyUo
おい咲
準備するなし
196 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/30(金) 18:49:59.84 ID:zfEaMapUo

 1/9

 998
 京咲照で海水浴


 「海だー!」

 「もー、年を考えて叫んでよねー」

 「咲ぃ。そんなこと言うなよー」

 「京ちゃんは年を取ってもカッコいいよ」

 「!? て、照さんありがとうございます」

 「あ、お姉ちゃん抜け駆け厳禁!」

 「? 咲はダメだと思ったんじゃないの?」

 「う……。わ、私としては、年をとった分大人の対応をした方がいいんじゃないかな、って言っただけであって……。

  そ、その……、京ちゃんはいつでも、格好いいよ!」

 「お、おう。その、咲も水着似合ってるよ」

 「ぅひ」

 「京ちゃん。私は?」

 「照さんは美人なんでスッゲー似合ってますよ!」

 「ム」

 「ふふーん」


 須賀咲ちゃんです。今日はこの三人で海に来ました。

 子供は親に預けて、三人だけのデートです。

 ……普通は二人だけでデートするものだと思うんだけどなぁ。

 チラッとお姉ちゃんを見てみると、キョトン?といった顔でこちらを見返してくる。

 もう、仕方ないなぁ……。
197 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/30(金) 18:50:42.42 ID:zfEaMapUo

 2/9

 「海に入る前にはちゃんと準備運動をするんだぞ。

  あと二人とも浮き輪は用意した?

  何より、俺から離れるなよ」


 うっ、ちょっとキュンっと来たよ。

 って、お姉ちゃんまで雌の顔をしないの!


 「もー、大げさだよ」

 「咲、泳げたっけ?」

 「……泳げません」

 「照さん。泳げますか?」

 「泳げない」

 「必ず俺の言う通りに動く事!」


 そういうと京ちゃんは、シートを貼ったり日傘を立てたりし始めました。

 私はとりあえずシートにお弁当を置いたり、ジュースの準備。

 お姉ちゃんは……、何をしたらいいかわからずオロオロしてます。


 「照さんは早めに準備運動を始めちゃってください。

  咲も終わったらやるんだぞ」

 「ほら、お姉ちゃんもまずは日焼け止め! 塗らないと大変なことになるよ!」

 「日焼け止め、京ちゃんに塗ってもらいたい」

 「ダメ! おとなしくしなさい!」

 「むー」

 「むー、じゃない!」


 ジタバタ暴れるお姉ちゃんを抑えて、背中の日焼け止めを塗る。

 前はもちろん自分でやらせるよ!


 「咲ばかりずるい。お姉ちゃんが塗ってあげる」

 「きゃっ。もー。……ってダメだって、そこは違うよ! く、くすぐったい!」


 そんなこんなで姉妹間でキャットファイトを繰り広げていると、京ちゃんが前かがみになっていた。

 ……こらー! どっちに発情したか言ってみなさーい!
198 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/30(金) 18:51:38.92 ID:zfEaMapUo

 3/9

 「咲……お前体固すぎ」

 「は、半分を保てないよぉ」

 「照さん。もうちょっと運動しないと体壊しますよ」

 「きょ、京ちゃん痛いっ。ダメ、あ、ゆるしてっ」


 長座体前屈で伸ばしてもらったけれども、二人とも直角を保つことすら出来ず、後ろに倒れていっちゃうよ。

 京ちゃんが二人とも支えて少しずつ前に倒すんだけれども、まったく進みません。


 「まぁ、こんなもんでいいか。

  二人分の浮き輪も膨らませましたし、足首も回しましたし、そろそろ行きますか」

 「おー」

 「お姉ちゃん、テンション高いのに棒読みなんだね……」


 しかし、いい年をした大人が子供も連れずに三人で、しかも男一人女二人だとどう思われてるんだろうね。

 両手に華だし、私と京ちゃんが夫婦に見えないだろうから、ちょっと悔しいなぁ。

 でも、何も考えていない顔をしているお姉ちゃんを見ると、まぁ許せるかな!

 今日は二人とも思いっきりリラックスして欲しいんだ。

 京ちゃんもお姉ちゃんも、いつも大変だからね。

 さて、海に入ろうかな……って。


 「ひゃぁ!」

 「おっと!」

 「わっ」

 「ほいさ!」


 ……砂浜で順番に転ぶ私とお姉ちゃんをしっかり支える京ちゃん。

 これ、結構すごいんじゃないかな!?


 「うぅ、京ちゃんありがとう」

 「いやまぁ、慣れたよ」

 「京ちゃん。お礼」

 「えっ!?」

 「腕に抱きつくの禁止!」


 もー、油断も隙もない。


 「転ぶと危ないから先に手をつなぐ」

 「はいはい」

 「もー! きょ、京ちゃん。私も」

 「どうぞ、お姫様」


 ぐぬぬ……。なんで嫁さんよりリードしてるのかな!?

 そして、二人の女の子と手をつないでいる京ちゃんはどんな風に見られているんだろう……。
199 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/30(金) 18:52:08.25 ID:zfEaMapUo

 4/9

 「疲れたー!」

 「おいおい、まだ全然泳いでないぞ」

 「京ちゃん。私も疲れた。

  咲と休んでるから泳いでくるといい」

 「そうですね。ちょっと体動かしたいし。

  咲ー、うろちょろして迷子になるなよー」

 「ならないよ!」

 「咲はおっちょこちょいだから」

 「照さんも動かないでくださいよ!」

 「(´・ω・`)」


 そう言うと京ちゃんは腕を回しながら海の方に向かって行きました。

 ……はっ! 京ちゃんナンパされたりしないかな!?

 ぐぬぬ、追いかけたいけれど、この砂浜で走ったら間違いなく転んじゃうし。


 「ねぇー、君たち、今暇?」

 「かわいいじゃん。俺たちと遊ぼうよー」


 ひぇぇぇ!? こっち!?

 生まれてこのかたナンパなんてされたことなかったけど、お姉ちゃん狙いなのかナンパされちゃいました!

 ど、どどどどどどうしよう!?

 思えば京ちゃん以外の男の人とまともに会話したのは中学生が最後だよ!?


 「あ、ああああああの!? 人違いです!?」

 「人違いって……」


 違う、そうじゃない。

 なんか哀れみの目で見られるようになった気がする!?

 ち、ちゃんと言わないと!
200 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/30(金) 18:53:11.48 ID:zfEaMapUo

 5/9

                 〜〜    〜〜
                   -―――-    〜
              〜 .....::::::::::::::::::::::::::::::::.::::::::::::`丶
            /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\  }
            } .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. {
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           .:::::::::::::::::::::::::::│::::::::::|\:::|\::::|:::::::::::::::::::::::. }
         } /::::::::::::::::::|::::: / | ::|:::::::ト- ::|--∨\ ::::::::::::::::| {
       { /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
      /::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\|  〃⌒゙ヾY :::::::: |::::|  }   「人妻ですっ!」
        ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ     {{    }} }|/| ::::::|::::|  {
      {  |:: 八ハ{ {{   }}     ゞ==(⌒) | :: /:::::|
       } |/|::: {. ハ (⌒)==''         ///  |/}:::::|
            |:::: ヽ_| ///              __,ノ :::::|  }
.          { レヘ::八     _.. ‐〜‐-、   イ ::::::::::::/  {
           }   ∨个 .._ (_,,.. ‐〜〜' イヘ:::/|/∨
                 \|  _≧=一ァ  〔/⌒T:iT7ス
                r=Ti:i:i:i:i:i:7____/i:i:i:i:i:i:i/ ∧  }
               {  ∧i:i:i:i:i:i:i:i:|   /i:i:i:i:i:i:i/   / ∧ {



 「あら、残念」

 「じゃあそっちのお姉さんは」
201 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/30(金) 18:53:40.22 ID:zfEaMapUo

 6/9

           -‐──‐-
       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,   「二号です」
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:X         ""  ノ   |
    /::::入_           _  < / /| /
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
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     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈
           |  .〈∧/    !__/
           |        | |


 「「「」」」
202 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/30(金) 18:54:25.51 ID:zfEaMapUo

 7/9

 「ちょ、お姉ちゃぁぁぁん!?」

 「どうしたの、咲?」

 「まるで私がおかしいみたいな言い方やめてよ!?」

 「おい、やべーぞこいつら……」

 「逃げようぜ……」


 お姉ちゃんの発言にドン引きしているナンパさん二人組。


 「咲! 照さん!」

 「京ちゃん! 遅いよ!」

 「京ちゃん、待ってた」


 そこに現れる京ちゃん。

 もうちょっと早く来てくれれば格好良かったのに! 濡れ濡れだったのに!

 なんか色々と台無しのタイミングだよ!


 「この子、さっきお姉ちゃんって言ってたぞ」

 「やべーぞ姉妹丼じゃねーか」

 「くそっ! 世の中は理不尽だ!」

 「そう言うなよ。お前には俺がいるじゃねーか」

 「そう言えばips細胞で男同志でも子供が出来るらしいな」


 この人たち、なんかムーディーな雰囲気を醸し出してるよ!?

 あまりの衝撃的発言に壊れた!?

 ちょ、とりあえず離れよう!?
203 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/30(金) 18:54:54.71 ID:zfEaMapUo

 8/9

 「今日は楽しかった」

 「そ、それは良かったです」

 「よくないよ……。すっごく疲れたよ……」


 脱力感たっぷり。もう何もする気が起きません……。

 あの後、お姉ちゃんが迷子になるわ、私も迷子になるわで大変でした。

 だって、お姉ちゃんはおトイレ探して帰ってこないし、私は屋台にフランクフルトを買いに行ったら場所がわからなくなっちゃったんだもん。

 まぁ、京ちゃんが買ってきてくれたんだけどね。


 「京ちゃんのフランクフルト。美味しかった」

 「そ、そうですか」

 「ちゃんと『買ってきてくれた』って入れてよ!?」


 その言い方は絶対に確信犯でしょ!?

 京ちゃんのフランクフルトを知らないくせに! 知らないくせに!


 「家族みんなでお風呂に入った時に見たよ」

 「むきー!!」


 落ち着け、私。そうじゃない。

 お姉ちゃんのペースにハマったら負けだ!


 「咲は」

 「ひゅい?」


 お姉ちゃんが私のほっぺを両手で押さえて、じっと見つめてくる。


 「咲は楽しかった?」


 ……ぅ。


 「楽しかったよ!」

 「よかった。京ちゃん、大成功」

 「やりましたね! 照さん!」


 ぇ?
204 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/30(金) 18:55:23.70 ID:zfEaMapUo

 9/9

 「最近、家事ばっかりで外出られてないだろ?

  みんなで話して、咲を気分転換させてやろうって」

 「咲に話したら図書館って言い出しそうだから、秘密だった」

 「たまには外でないとね。

  咲は出不精だからなァ」

 「咲。いつもお疲れ様」

 「子供の世話も大変だろ。ありがとうな」


 あ、あれ? 私が二人に楽しんでもらいたかったのに、実は仕組まれてたの?

 や、やばい。にやける。えへへ。


 「ど、どうせ海にした理由だって、京ちゃんは水着のお姉さんが見られるからでしょ」

 「ぅ。いや、そんなことは」

 「お姉ちゃんだって、京ちゃんに水着でアピールするためでしょ」

 「うん」


 そこは否定してよ。


 「もう、本当に二人とも……いい話にするつもりなんだから。

  えへへ。ありがと!」


 こちらこそ、いつもお仕事お疲れ様です! カン!
205 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/10/30(金) 18:55:52.22 ID:zfEaMapUo
投下終わりです
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 19:34:06.39 ID:2wySbE+SO
おつー
良い家族や(一部歪んでるけど)
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 19:36:45.07 ID:73HXJ080o

和「三号です」
優希「四号だじぇ」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 21:49:01.31 ID:oAU4a+oo0
乙です

まこ「5号じゃけぇの」
ヒッサ「6号よ」

そんな未来が見えるww
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 00:29:59.43 ID:/DxXniAvo
テルーのジョークが相変わらず小気味良い
○号が増えすぎると死者・行方不明者が続出するのでNG
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 06:48:53.90 ID:5RDeFmCRo
「じゃあ飼い猫になるし!」
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 12:24:39.91 ID:ooFPdMw1o
乙です
212 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/31(土) 19:08:15.34 ID:wlJczYUzo

 1/5

 888
 子供が風邪を引いたら自分が代わりになってあげたいと思う京咲


 須賀咲ちゃんです……。子供が風邪を引いちゃいました。

 息子が引いてしまい、うつらないように娘は隔離。お母さんが面倒を見てくれています。

 子供が風邪を引いた、それだけで宮永家は大事件!


 「よしよし、ちょっと我慢してくれ……。

  ね、熱が38度もある!」

 「本当か、京ちゃん!

  いますぐすいのみと氷嚢買ってくる!」

 「咲は病院の診察券を取ってきてくれ。

  ……やっぱ俺が行くから咲はここで見ていてくれ」

 「さすがに迷わないよ!

  で、でもわかった」

 「京ちゃん。私はどうしたらいい」

 「え。照さんは、その」

 「わかった。関西から麻雀仲間の看護士を呼んでくる」

 「照さんそれはやりすぎですっ!」


 え、お姉ちゃん関西からここまで呼ぶのはさすがに引くよ! それに看護士呼んでどうする気!?


 「て、照さんは咲と一緒に見ていてください」

 「わかった。なんでもする」


 な、何にもしないでほしいなぁ……。

 とにかく京ちゃん! 早く行ってきて!
213 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/31(土) 19:08:44.73 ID:wlJczYUzo

 2/5

 「すいのみと氷嚢。あとはレトルトのおかゆとプリンを買ってきた!」

 「お父さんありがとう! じゃあどいてて!」

 「え、おじいちゃんとしてちゃんと見るぞ」

 「お父さん、邪魔」

 「て、照まで」


 こういう時、やっぱり私か京ちゃんに甘えたいと思うから、二人には準備をしてもらって、私は背中をさすってあげる。

 悔しい。本当に悔しい!

 母親として、この子たちのためならばなんだってできる。命だって投げ捨てられる覚悟だ。

 誰だって親バカになるもん。

 せめて辛さだけでも変わってあげたいのに、それすら出来なくて歯痒い。

 今できることは氷嚢をタオルに包んで熱を冷ますのと、定期的にすいのみで水をあげること。

 息子の前で何時間も正座して、うとうととしていても水を求められたらすぐにすいのみを差し込んであげる。

 それに加えて、汗をかいてきたらすかさず拭いてあげる。

 水がなくなったので補給しようと思っても、息子が不安そうに私の指を掴むので離れられない。


 「咲、私が水を入れてくる。氷嚢もタオルも変えよう」

 「うん」

 「咲も休んだほうがいい」

 「もうちょっとで京ちゃんが来るから、それまではやる」


 疲れた、などということはなく、辛さは感じない。

 一番感じる辛さは、心にくる。

 胸が痛い。変わってあげたい。少しでも楽にしてあげたい。

 じっとなんてしてられない。
214 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/31(土) 19:09:32.77 ID:wlJczYUzo

 3/5

 京ちゃんが帰ってきて、京ちゃんとお父さんと息子が一緒に病院へ。


 「咲。家のことは私がやるから寝なさい」

 「すごく心配だけど、任せたよ」


 その間に私は小休憩で仮眠。

 息子が心配で寝られないかと思ったら、逆に「帰ってきた時のために体力を残さなければ」と思い、すぐに寝付くことができた。

 親って、すごい。子供が関わるとなんでもできる。

 二時間くらい張り付いて看護することだって、全然辛くない。

 とりあえず今は、寝よう。




 気づけば京ちゃんが帰ってきて、また息子をベッドに寝かせていた。

 京ちゃんが先ほどまでの私の位置に座って、すいのみと汗拭きを繰り返していた。


 「京ちゃん」

 「起きたか、咲」

 「どうだった?」

 「普通の風邪。薬を飲んで寝てれば治るはずだ。

  しばらくは俺が見てるから、咲は家事を終わらせちゃってくれ。

  照さんが仕事増やしてるぞ」

 「……あー。わかった。

  その、大丈夫、なんだよね?」

 「ああ。絶対に大丈夫だ。俺に任せろ」


 京ちゃんに言われて決意!

 自分の頬を叩いて気合を入れ直し、洗濯物や食事や掃除などをまとめてこなしちゃいます!
215 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/31(土) 19:10:14.80 ID:wlJczYUzo

 4/5

 「ほら、ちょっとでいいからおかゆ食べで」


 京ちゃんがなんとかご飯を食べさせようとしている。


 「あーん。よしよし。いい子だ!

  もうちょっと食べられるか? よーし、いい子いい子!

  これだけ食べられたら薬を飲もうな。イチゴ味だから大丈夫。

  もし薬もちゃんと飲めたら、プリンを食べていいぞ。

  あ、ダメだダメだ。プリンはちゃんと全部終わってから!」


 普段、子供と接する時間が短いのに、すごく手馴れてる。

 ちょっと嫉妬しちゃうな。でも、カッコイイよ。


 「全部終わったな!

  お、プリンはお母さんに食べさせてもらいたいってさ」

 「甘えん坊だねー。

  よしよし。ほら、アーン」

 「一気に食べちゃダメだぞ」

 「はいはい。少しずつね。

  もう一個。アーン」


 これも二人の共同作業。

 言葉がなくてもわかる。京ちゃんも私と同じ思いだったんだ。

 そしてそれは、私たちのお父さんお母さんが通った道なんだろうね。
216 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/31(土) 19:10:44.35 ID:wlJczYUzo

 5/5

 「熱は下がりました。

  もう元気になりましたよ」

 「よかったなー!」

 「二人とも、頑張った。少し休むべき」

 「ただ、その……」

 「あー、もしかして、アレかな?」

 「アレ? どうやら、風邪を引けば構ってもらえると覚えてしまったみたいで」

 「はっはっは! 親なら誰でも通る道だ。

  甘やかしちゃダメだぞ!」

 「今、咲が叱ってます。

  まぁほどほどにですけどね」

 「それならその間に別室に預けられてた娘……と私に構うべき」

 「? そうですね、照さんも一緒に行きますか」

 「よし」



 「もー! 仮病なんて覚えちゃダメなんだからね!」


 親は子供の仮病くらい見透せるんだからね! カン!
217 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/10/31(土) 19:11:21.03 ID:wlJczYUzo
投下終わり。ほのぼの定期
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 19:59:46.31 ID:RR/AkMlTo
乙です
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 20:49:58.58 ID:sbGHu4cSO
おつおつ
仮病か…体温計をこたつのヒーターにくっ付けて蛋白質が凝固する42度越えてしまいやり直した思い出
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 00:45:21.09 ID:l5GASoYdo
ほのぼの定期ってどうせ次あたりでまた盛るんだろ!
なんにせよ乙です
221 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/01(日) 19:30:34.50 ID:8LchY2mXo

 1/6

 【ハロウィン】

 126
 いつもの調子じゃなくてガチ本気で京太郎に迫る照

 220
 ほのぼの定期って、次あたりでまた盛るんだろ!


 「トリックオアトリート」

 お姉ちゃん……珍しく朝早いね。須賀咲ちゃんです。

 休日のお姉ちゃんは朝食を食べたら寝なおすことが多かったのに、なぜか元気に戻ってきました。

 それに、どこで買ったのかヴァンパイアのコスプレをして、悪い顔、どこかのDVDのパッケージ絵になるような顔してる……。


 「トリックオアトリート」

 「はいはい。

  あっ、お菓子切らしちゃってる。どうしよう」

 「それなら悪戯する」

 「もー、やめてよ何する気……?

  いやどこ行く気!?」


 急にパッと笑顔になったお姉ちゃんが、マントを翻しいそいそとどこかへ向かおうとしてる。


 「京ちゃんに悪戯してくる」

 「何で!?」


 最近のハロウィンはお菓子を渡さなかったら旦那を持ってかれるの!?

 ちょっとハードすぎるよ! 追いかけたいけど、家事を疎かに遊ぶわけには……ぐぬぬ。


 「ちょっとだけだからね!

  寝てるんだから起こしちゃダメだよ!」

 「了解。トランザム」


 嬉しいのか、スキップを踏んで……あれ、お姉ちゃんスキップできたっけ……あっ、転んだ。

 まぁ、お姉ちゃんも京ちゃんを起こしたりはしないだろうし、大丈夫かな……?
222 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/01(日) 19:31:13.49 ID:8LchY2mXo

 2/6

 ……

 「お邪魔します。

  悪戯しにきました」


 声を抑えて京ちゃんの部屋に侵入する。

 夜は結構いびきがすごい京ちゃんも、朝方になってくると静かに寝ているみたい。

 仕事をしているような真剣な顔でもなく、普段浮かべている楽しそうな笑いでもなく、赤ちゃんのように無防備な表情で寝ている。


 か

 かわ

 かわいい


 普段はとっても頼りになる京ちゃんが、無防備に寝ているってだけでかわいい。

 これが好きって気持ちなのかな。

 咲は毎日これを見てるのかな。ずるい。

 私も早起きして……ダメそう。

 寝顔を見るために『1京ちゃん』で咲が写メ撮ってくれないかな。

 ちなみに『京ちゃん』は姉妹間取引の単位。内容はないしょ。

 京ちゃんポイントを貯めると何かが起こる。


 「トリックオアトリート。

  お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ」


 絶対に聞こえない程度の小声でトリックオアトリート。

 寝ている時の京ちゃんは何をしてもそうそう起きないらしい。

 試しに、頬をつついてみる。……固い。

 あっ、寝間着がはだけている。直してあげ……。

 ちょっと待って。その前に堪能する。
223 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/01(日) 19:31:53.62 ID:8LchY2mXo

 3/6

 ジャージの前のファスナーが全部開いているので、上半身が丸見え。

 ……咲が堪能した後? まぁいい。

 ゆっくり、起こさないように人差し指で京ちゃんの胸板を突く。


 「お、おぉぉ」


 思わず感嘆の息を漏らす。

 男の人の胸板ってこんなに固いんだ。

 抱きついたりはしたけれど、こんなにじっくりと触ることなんてなかった。

 少し加えて、手のひら全体で触ってみる。

 す、すごくゴツゴツしてる……。女の子とは全然違うんだね。

 私や咲も大きくないけど、女の子特有の柔らかさはある。

 ……ちなみに、来世で京ちゃんに揉んでもらうために成長をまとめて溜めているだけだもん。


 「むふー」


 胸板をずっと触っていたくなるけれど、ここは我慢。

 他にも触りたい場所はある。

 例えばその……腹筋。

 最近スポーツができていないと言っていたが、かつてがっつり鍛えられたその腹筋は割れている。

 そこに指を垂らしてみると、くすぐったいのか京ちゃんが呻いた。


 「あっ……zzz」

 「かわいい、かわいい、かわいい」


 そんな様子がいじらしくて、ついつい虐めてしまう。

 一通り腹筋を堪能して、一旦離れる。顔も体もすごく暑くなっている気がする。
224 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/01(日) 19:33:24.10 ID:8LchY2mXo

 4/6

 これだけされても全然起きない京ちゃん。

 やっぱり、疲れているのかな?

 あまり起こさないように気をつけつつ、せっかくのチャンスを堪能しよう。

 というわけで、二の腕で腕枕をして欲しかったけれども、今日はやめよう。

 ちなみに、咲は京ちゃんの二の腕が大好き。私は胸板が好き。胸板枕やってもらいたいな……。

 寝汗をかいていたのか、京ちゃんが少し汗ばんでいる。

 それを見た途端、ボーッとして、気づけば胸板を舌で舐めていた。


 「んっ……zzz」

 「!?」


 自分のした行動なのに、ビックリする。

 すぐに離れようと思ったけれども、京ちゃんの匂いに包まれてそのまま胸枕をしてもらう。

 ……咲が羨ましいなぁ。これをいつでもしてもらえるんだもん。

 京ちゃんの匂いに包まれて、お酒を飲んだ時のような陶酔感。ボーッとして何も考えられない。

 顔を上げると、無防備な京ちゃんの顔。

 気持ちよさそうに寝てる。

 唇が柔らかそう。

 食べたらお菓子みたいに甘いのかな。

 呆然として自分が何をしているのかわからない。

 もうちょっと、もうちょっと伸ばせば……


 「!?」


 唇に触れた瞬間、正気に戻った。

 自分が何をしたのかわかって、顔が真っ赤になる。

 咲と京ちゃんを裏切って申し訳ないだとか、初めてのキスの感覚だとかに惑わされて正常な思考が出来ず、自分の部屋に走り込んでしまった。

 ……
225 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/01(日) 19:33:57.91 ID:8LchY2mXo

 5/6

 「京ちゃん。お姉ちゃんの様子がおかしいんだけれど、ナニしたの?」

 「えっ、俺は照さんと一回も顔合わせてないぞ?」

 「あれ? 朝起きた時お姉ちゃんいなかった?」

 「俺は咲が起こしてくるまで寝てたよ。

  そういや最近、寝てるうちに上半身脱いじゃうみたいで、朝寒いんだよね」

 「そ、そうだね! 早く直さないとね!」

 「?」


 じ、実は朝、京ちゃんの体を堪能するために私が脱がせているなんて言えないもん!

 だって京ちゃんの二の腕枕……ぐへへへへへ。


 「咲ー」

 「なぁに、京ちゃん」

 「トリックオアトリート!」

 「京ちゃんまで……」


 ジト目で見返す。もー、いつまでたっても子供なんだからー。


 「じゃあ何かお菓子作ってあげるから」

 「今お菓子ないの?」

 「うん。だから作るから……きゃっ!」


 え、なにこれ、どゆこと

 あすなろ抱き?

 あ、まさか!
226 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/01(日) 19:34:40.84 ID:8LchY2mXo

 6/6

 「きょ、京ちゃん。ダメ!」

 「えー、いいだろー」

 「今日は……んむっ」

 「唇もーらい!

  もっと悪戯するぞ」

 「ダメ、今日はその、可愛くないやつだから……」

 「……」

 「ね? だからせめて、明日とか……」

 「その反応がかわいい」

 「ぅひ」

 「咲……」

 「ひゃう!?

  耳元で囁かないでぇ……」

 「今日は休ませないぞ」

 「ドキッ」

 「今興奮した?」

 「し、してない! してないもん!」

 「じゃあ、発情してるかチェックしないとな」

 「ちょ、やめ、恥ずかし、……あっ」

 「びしょびしょじゃん」

 「」


 う、うるさーい! 咲ちゃんは京ちゃんに抱きつかれた段階で準備OKになっちゃうの! カン!
227 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/01(日) 19:35:31.59 ID:8LchY2mXo
投下終わりです

>>220
なぜバレた
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 20:26:20.33 ID:l5GASoYdo
感想までお題に取り入れてくるとはたまげたなあ
照のガチ本気が慎ましやかで可愛い
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 21:16:01.12 ID:zyoiZVZmo
乙です
照が一線越えることはあるのかな
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 21:50:28.95 ID:mNRn8e6SO
おつー
>>229
反復横跳びなら11回くらい越えられるよ!

…に関連して、町内会の体力測定にでも参加してみようか
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/02(月) 01:12:04.72 ID:pF3uiOoMo
乙ー
232 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/02(月) 18:03:33.04 ID:YbexeEE6o

 1/6

 1000
 清澄麻雀部全員での同窓会で盛大にのろける京咲とかさ


 転機は、高校三年生の頃だった。

 両親が別れ、麻雀の全国大会への夢を諦め、まこと幽霊部員で麻雀部を存続させていた。

 こんな状況で全国大会なんて行けると思っていなかったし、自分自身諦めていたわ。

 そんな中、麻雀部に入りたいという酔狂な新入生が来たの。


 『あの、麻雀部の部室ってここでいいんですか?』

 『ええ。あなた、新入生?』

 『はい! 麻雀に少し興味があって、見学に来ました!


 彼は金髪で高身長、肩幅や体つきを見ると、運動をしていたのかもしれない。

 自分がよく知る副会長と比べると、やはり体つきが違う。


 『須賀京太郎です! よろしくお願いします!』


 そして彼は入部して、麻雀部の一員となったの。

 その後、和や優希が仲間入りして、それでも部員が一人足りないという時、彼は幼馴染を連れてきてくれた。



 うん、冷静に考えてみて?

 どう考えても私に気があると思うわよね!?

 同好会以下の人数で、私とまこに興味がないとまずこない麻雀部!

 もともと麻雀をやっていない初心者!

 というかそもそも体育会系!

 女子にも気さくに話しかけてくるコミュ力!

 部員が一人足りないとなれば、知り合いを連れてきてくれる!

 私たちが大会で忙しいとなれば、雑用を買って出てくれる健気さ!

 高身長の金髪イケメン!

 わりとお金持ち!!

 国士無双13面待ちと思ってもいいじゃない!?
233 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/02(月) 18:04:19.57 ID:YbexeEE6o

 2/6

 『きた、きたわよまこ! 私にも春が来たのよ!

  どう考えても私に気があるとしか思えないわ!』

 『お、おう』

 『まぁ、私が須賀君に惚れるかどうかは彼次第ってところねー?

  ほら、私って悪女キャラだしー?』

 『そんなに気になるなら、それならこっちからもアプローチをかけたほうがいいんじゃないかのう』

 『ふふふ。甘いわよ!

  私の悪待ちの特性を忘れたのかしら!?

  ここはあえて厳しくして、全国大会が終わるまで待つのよ。

  そして終わった後、優しく須賀君を抱きしめて、『お疲れさま、私には体くらいしかあげられるものがないけど』なんて、なんて!

  きゃーっ!!』

 『そううまくいくかのう?』

 『辛いことばかりでも、生徒議会長を頑張っていた私に、神様が私にくれたご褒美よ!

  ごめんね、まこ。私は先に彼氏を作るわ!』

 『久は男に幻想を持ちすぎじゃないかの』

 『あらー、嫉妬しちゃってー。ごめんねー?』

 『うぜぇ』
234 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/02(月) 18:04:54.64 ID:YbexeEE6o

 3/6

 『部長。咲と付き合うことになりました』

 『!?』


 全国大会終了後、彼が放った一言はそれだった。


 『ほら、言うたろ?』

 『甘いわね、まこ!

  これは彼なりのツンデレよ!

  言ったでしょう? 私の特性は悪待ち。

  どんなに汚れていようと、最後にこの竹井久の元にあれば良い!

  あっ、その時は須賀久だったわね。きゃー!』

 『もうダメかもわからんね』

 『甘いですね部長』

 『和!?』

 『恋愛に 悪待ちなんて ありえません(笑)

  攻めない恋愛、待ち続ける幼馴染は敗北ヒロインと相場が決まっています。

  最近の男にウケるのはクレイジーサイコレズですよ』

 『和は必死ねー! 須賀君は私のことが好きだから最終的に私のところに帰ってくるのにー!』

 『須賀君は私のことが好きなんですよ? 公式設定に勝るものはありません。

  何より、常に胸の方ばかり見てましたからね』

 『あ、あのー、二人とも。あの二人はもう恋人同士なんだじぇ。諦めて祝福してあげようじぇ』

 『優希は偉いのう』
235 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/02(月) 18:05:36.95 ID:YbexeEE6o

 4/6

 そして十年後。清澄麻雀部同窓会


 「ふふふ。今日のためにいろいろと仕上げてきたわ」


 出来る女! 美人OLとして自分磨き。

 常にブランド物に気をつけて身だしなみ、悪女のように男を使い捨てるテクニックも磨いた!

 セックスレスだとか、結婚していて意外と合わなかっただとか、大人の女性として指導してあげないといけないわよねー!

 は、初めてだけどそこは須賀君に優しくしてもらいたいっていうかー! きゃーっ!


 「須賀君、まだかしら』

 「一番最初は私ですよ、『竹井』さん」

 「あら、『原村』さん。彼はまだ来てないわ」

 「そうですか』

 「えっと、悪待ち(笑)でしたっけ?」

 「えぇ、私の人生はいつだって悪待ちで生きてきたわ。

  麻雀部もそう、全国大会もそう、私はいつだって最後の勝利者なのよ!」

 「宇宙の心は竹井さんだったんですね(笑)」

 「何笑っているのよ」

 「恋愛に 悪待ちなんて ありえません!」

 「ふふ、信じられないというならば、この後の結末を見ていればいいわ!」

 「あの二人と同じ席にいることがどれだけ大変か……」

 「? 何か言った?」

 「いいえ、なにも」
236 :番号修正 ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/02(月) 18:06:57.84 ID:YbexeEE6o

 5/7

 今日は清澄麻雀部の同窓会

 ついに狙いの彼が来た!

 振り返って、彼に視線を向ける。

 そこにはーーーー



 「もー、京ちゃん。ちゃんと手を繋いでよー」

 「おねむの双子を担ぎながら手を繋ぐってのも中々難しいんだよ!」

 「でもちゃんと私の手も握ってくれるんだ?」

 「当たり前だろ。離したらすぐにどっかいっちゃうじゃん」

 「えへへー。離しちゃダメだからねー」


 人前でも関係なくイチャイチャしだすラブラブ夫婦(子持ち)がいた。

 え、なにこれ、砂糖吐くんだけど。


 「咲はいつも迷子になるんだからなァ」

 「ム。そういう京ちゃんだって出張行ったら寂しくてため息ついてるんでしょ」

 「い、いやそんなことねーし」

 「寂しくないの?」

 「うっ、……そ、そりゃ咲がいなくて寂しいってのは」

 「へっへー、引っかかったぁ」

 「あっ! そういう咲だって、俺が帰ってこないと落ち込んで夕飯のグレードが下がるって、界さんが言ってたぞ!」

 「そ、そんなことないもん!

  お父さんの食事の手を抜くのは昔からだし!」

 「それはそれで界さんがかわいそうなような」
237 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/02(月) 18:08:12.81 ID:YbexeEE6o

 6/7

 えっ。

 なにこれ。

 TPOを弁えて欲しいんだけど。

 独女だらけの集会でこれはないでしょ。


 「和ちゃん聞いてよ!

  京ちゃんったらね! 飲み会でノロけすぎて素面になった時からかわれてるんだよ!」

 「そうですか。死ねばいいと思いますよ」

 「和は直球だのう……」

 「毎度毎度女子会で惚気られればこうもなります!」

 「女子会の時ののどちゃんも大概だじょ……」

 「優希! 聞いてくれよ!

  咲の奴、この間海に行った時ナンパされて涙目になりながら『人妻ですっ!』って言ってたんだぜ!」

 「京太郎も私の気持ちをちょっと考えて欲しいじぇ。

  割り切ってるけど、割り切ってるつもりだけど」

 「?」


 えっ、なに、和も優希も聞き慣れてるの?

 どういうことなの?


 「あっ、竹井先輩!」

 「えっ、ああ、久しぶり、須賀君」

 「お久しぶりです!」

 「竹井さん、お久しぶりです」

 「咲も元気そうで良かったわ」


 気押されてる場合じゃないわね。

 年長者として、話の流れを掴まないと。
238 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/02(月) 18:08:46.80 ID:YbexeEE6o

 7/7

 「そういえば須賀く」

 「聞いてくださいよ!

  咲の奴、俺が寝てる間に勝手にキスしてきたんですよ!

  そんなことされたらこっちもビックリしてそのまま抱きしめちゃいますよ!」

 「あー! その話するんだ!

  聞いてくださいよ!

  この間、休みの日にちょっと横になっている間に京ちゃんが家事をやっちゃったんですよ!

  休みの日くらい休んでって言ってるのに聞かないですよこの旦那は!」

 「なんだと!

  咲が普段家事で疲れてるのに俺に手伝わせないからいけないんだろ!」

 「毎日仕事で疲れてるのは京ちゃんでしょ!

  私は帰ってきた京ちゃんが美味しそうにご飯を食べてるだけで幸せなの!」


 ちょ、やめて! 独り身にその攻撃は効く。やめて!

 そ、そうよ! まこや和や優希に助けを求めるのよ!


 「あっ、咲さん。せっかくなので子供の面倒は私たちがみますね」

 「やっぱり子供は可愛いじょー!」

 「元気でいいのう!」

 「わ、私も」

 「そう言えば竹井さんは二人と話したがっていましたよね。

  積もる話もあるでしょうし、子供は私たちが預かりますのでお構いなく」


 和ァ! 図ったわねぇ!!


 「そう言えば竹井さんに会うのは久しぶりでしたね」

 「俺たちも会いたかったんですよ! 今日はたくさん話しましょう!」

 「ファっ!?」


 こ、このバカップルがぁぁぁぁーーーっ!!

 あ、悪待ちはこんなので負けないわよ! カン!
239 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/02(月) 18:09:51.97 ID:YbexeEE6o
投下終わりです。新キャラ登場

>>229
てるてるをどうするかは迷ってる
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/02(月) 18:30:47.60 ID:a5MfG4dSO
おつ!
付き合い始め報告で冷静なタコスで笑ったwwww
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/02(月) 18:59:32.92 ID:zDS1vJsZO
おつおつ
どうしてこんなになるまで放っておいたんだッ!w(二つの意味で
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/02(月) 18:59:41.31 ID:BgbEzVYko
乙です
これ見ると照の話しだけじゃなくて部長のも見たくなる
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/02(月) 19:16:29.35 ID:8NKQgxoOO
乙です
このヒッサは当分?彼氏もできずに独身なんだろうな…
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/02(月) 19:18:16.80 ID:pF3uiOoMo

まぁ28の処女はちょっと面倒くせえなと思う
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/02(月) 21:53:30.86 ID:0I9PSBJKo
や京咲N1のスレ間違えて開いたかと思うほどヒッサが狂っとる……
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 01:53:10.58 ID:Tzga0i6e0
この膝には幸せになってほしい……
247 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/03(火) 18:09:45.09 ID:LOPWYWWno

 1/4

 999
 友情破壊ゲームをプレイしたのに、さらに絆が深まった京咲


 「京ちゃん、うまいなぁ」

 「このゲームはコツがあるんですよ。それさえ出来ればもう巻き返せません」


 須賀咲ちゃんです。ただいま桃鉄をみんなでやっています。

 みんなゲームをするタイプではないんだけれども、お姉ちゃんがプレゼントされて持ってきたので、触ってる感じです。

 うう、それにしてもこのゲーム難しいよぉ。私ずっと最下位で、貧乏神がついててまともに動けなくて借金地獄。

 お姉ちゃんは3位だけど、ゴールに辿り着けないからお金がなくて、ちまちま観光名所を回る旅みたいになってる。

 お父さんは最初のうちに何度かゴールに入っていたおかげで、なんとか2位。


 「コツ?」

 「最初は運ですが、とにかくお金は移動系に全部使うんです。

  連続でゴール出来ますし、密集地帯なら振れば確定ゴールです。

  ゴールで貯まった金でまた移動系を買って、残った金で物件を攻めていく感じです」

 「なるほど」

 「このやり方ならある程度は上位に行きますし、貧乏神をつけられても速攻で返せます。

  物件が増えれば増えるほどゴールのお金はどうでもよくなりますので、ある程度勝ち確定になったら物件漁りですね。

  物件買えばまた決算ですごい金額が入るので、最後に高額物件を揃えて守りに入れば終わりです。

  他にも戦法はありますが、とりあえずこれが一番簡単ですね」

 「そうすると資産、移動の差が取り返せないもんなぁ。

  これ、もう勝ち確定?」

 「他の人が全員で協力してキングボンビーかハリケーンボンビーを押し付ければワンチャンありますね。運頼りですが……」


 う、京ちゃんがこっち見てる。

 なにさー。嫁さん見捨てて一人で豪遊してさ!

 もう借金しかないし、買える物件もほとんど京ちゃんが買っちゃってやることないもん!


 「あれ?」

 「おっキングボンビーに変化か」

 「おっきくなった」

 「もーやだー!!」
248 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/03(火) 18:10:13.26 ID:LOPWYWWno

 2/4

 ボンビーが巨大になって、次から地獄を見せると言い放つ。

 もう何もできなくて、やりたくなくて、コントローラーを投げてしまおうかと思った、その時!


 「この瞬間を待っていたんだーっ!」


 京ちゃんが移動カードを使って私からキングボンビーを奪い取った!

 え、え!? 何が起こったの!?


 「メカボンビーRXでキングボンビーを退治してやる」

 「そ、そんなこと出来るの?」

 「まぁ見てなって」


 なんだかわからないけれど、窮地を助けてもらったのかな?

 そ、そうだとしたら嬉しいな。えへへ。


 「いけー、メカボンビー!」

 「これ、勝率100%なのか?」

 「いえ、50%くらいです」

 「それ、大丈夫なのかー?」

 「やってみなけりゃいけないでしょ」


 そう言って京ちゃんがこっちを見る。

 ちょ、ちょっとドキッとしたよ! ちょっとだけ!
249 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/03(火) 18:10:42.58 ID:LOPWYWWno

 3/4

 「「「「あっ」」」」

 検討虚しく、メカボンビーRXは破れちゃいました。

 怒りのキングボンビーがサイコロ10個で借金を作らせる。


 「まだ、数回なら耐えられるんですが、サイコロが多いと困りますね」

 「早めにボンビラス星に行くのがいいんだっけ?」

 「あそこは勝ち確定状況だと天国ですよ」


 しかし、なかなかボンビラス星に連れて行ってもらえず、サイコロ10個を連発されて京ちゃんの持ち資金はゼロになっちゃった。

 さらに追撃のサイコロ10個で物件を売り払い、その後ボンビラス星で物件を売って資金を作ってました。


 「京ちゃん……」

 「泣くな泣くなしょぼくれるな!

  まだ行けるって!」


 しかし、そんな希望を打ち砕くようにすぐにキングボンビー変化。サイコロ10個を連発されて物件が壊滅。

 残った農林水産も、次に進化したハリケーンボンビーに飛ばされて京ちゃんには何もなくなっちゃった……。


 「京ちゃん……」

 「ぐぬぬ、あー咲にも負けちゃいそうだぜ。

  でも、まだ諦めないぞ!」


 そうは言うけど、残り期間は短く、決着。

 お父さんが1位、お姉ちゃんが2位、私が3位、京ちゃんが4位になりました。
250 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/03(火) 18:11:12.13 ID:LOPWYWWno

 4/4

 「おーい、いつまでむくれてるんだよ。

  最下位じゃなくて良かったじゃん」

 「京ちゃん。わざとやってたでしょ」

 「へ? いーや、お金に余裕があるから咲に施しをやろうと思っただけだって!」


 何を言ってもこの返ししか返ってこない。

 表情すら合わせてくれない。私に見られたら嘘だってバレるからだ。

 私はもう、京ちゃんの声だけで嘘だってわかるんだからね!


 「ゲームだと、嬉しい」

 「……おう」

 「でも! 現実でも自分を犠牲にして私を助けるなんてやったら本当に怒るんだからね!」

 「ばっか、そんなことしねーよ」

 「嘘だ。絶対する」

 「……善処するよ」


 大人になっても、指切りげんまん。

 でも、きっと二人とも守らない。京ちゃんは私や子供達が危なかったら命を張って助けるだろうし、私だってそうだ。

 この話は続けても水掛け論にしかならないからここでおしまい!

 それだけ愛されてるってことで終わりにしておこうかな! カン!
251 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/03(火) 18:12:32.35 ID:LOPWYWWno
投下終わりです。無難に桃鉄
照和久のせいで、気をぬくと咲ちゃんが空気化するから京咲アピール
252 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/03(火) 18:14:59.07 ID:LOPWYWWno
修正。リクは2スレ目999ではなく992でした
2スレ目分もあと三つですね
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 18:20:23.85 ID:4ejwjBbm0
友情破壊ゲームと聞いて、エアライドかと思ったわ
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 18:23:58.84 ID:M9jwYBN4o
ドカポンかと思った
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 19:04:12.54 ID:M3UHJbJEo

もうかりまっカードで他人の物件を奪い続けてたらガチギレされたのはいい思い出
ところで京ちゃんの、色々なゲームの定石を知ってそう感は何なんだろう
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 19:05:16.18 ID:Nl3TbamSO
大借金からたいらのまさカード、航路にうんち設置してレッドカード
あれ思ったより妨害系の作戦思い付かないや俺も鈍ったもんだ
257 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/04(水) 17:48:06.89 ID:+hq+D4hio

 1/9

 1000
 京太郎たちが3年の卒業式


 宮永咲ちゃんです。

 時の流れは早いもので、気づけば私たちも三年生になりました。


 「きょ、京ちゃん待ってよぉ……」

 「いや、もう待ってるから……。ゆっくり来なよ」

 「うう、ごめんね? 一緒に遅くなっちゃって」

 「いつものことだし、気にしてねーよ」


 うん、やっていることは中学生の頃と全く変わらないんだけどね!

 違う場所は、私たちの距離。


 「その、手、組んでいいぞ」

 「それは恥ずかしいからダメ!

  手をつなぐくらいなら……」


 宮永咲と須賀京太郎は、高校生で恋人になりました!

 それが、この高校生活を彩りのあるものに変えた関係です。
258 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/04(水) 17:48:42.62 ID:+hq+D4hio

 2/9

 「咲は昔っから、何にも変わらないよなァ」

 「ム。そんなことないもん」

 「だって、麻雀だってあんまり気合い入れてなかったろ?」

 「京ちゃんと遊ぶからいいんですー」

 「そんなこと言ってさ。また俺と優希と和以外、友達できなかったじゃん」

 「うう……」

 「後輩だって、ムロマホが苦手って……あんなにいい後輩はいないぞ?」

 「だってぇ……」

 「ホント、咲は俺がいないとダメなんだから、俺から離れるなよ」

 「はーい」


 ふふふ。顔を真っ赤にして言ってる京ちゃんかわいい!

 全く、京ちゃんも私がいないとダメなんだから!


 今日は私たちの卒業式。

 面倒臭い式辞は置いておいて、私はとっても必要なものがあるの。


 「京ちゃん。第二ボタンちょーだい!」

 「お、おう」


 ムフフー。彼女なんだからもちろん優先権があるもんねー!

 寝取ろうとしていた人たちは残念でしたー!

 これで京ちゃんの第二ボタン、心臓は私のものです!


 「ってなんで前閉めないの?」

 「そのボタンが最後」

 「え?」

 「ボタン全部取られちゃったよ……」


 ……えっ?
259 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/04(水) 17:49:29.18 ID:+hq+D4hio

 3/9

 「第二ボタンだけは勘弁してもらったんだけどさ。

  なんか他のでいいから欲しいって」


 「な、な、な、なんでそこでOK出しちゃうの!?」

 「えっ。でも咲がいるって話したし」

 「むー!

  彼女がいるのに第二ボタン渡す人がいる!?」


 そしてもらう方ももらう方だよ!


 「って言っても、あげたのは和とかマホ相手にだぞ?

  恋愛感情とか抜きで、思い出にって」

 「余計ダメな人だよ!」


 和ちゃんはこじらせてるからともかく、マホちゃんはいけない匂いがするよ!

 あの子は私とかお姉ちゃんと同じ匂いがする! 京ちゃんと相性が良すぎるよ!

 優希ちゃんですら自重してるのに、あの子は妹分の立場を生かしてやりたい放題すぎるんだから!


 「まぁ、でも俺には咲がいるし、関係ないだろ」

 「ぅひ。

  そういう急なデレは反則!」

 「?」

 「他には来なかったの?」

 「あー、ちょっと話す程度の後輩とかよく来たよ。

  でも顔を覚えてる程度だしなぁ」

 「京ちゃんにとっての顔を覚えている程度って」


 それは人によっては惚れちゃうよ!

 喪女相手にでも普通に話す京ちゃんは、いろんな子に人気です。

 コミュ力が高いので誰相手にでも仲良くなれるんだけど、特に人気がある相手がコミュ障と後輩相手なんだよね。

 面倒見の良さに惚れちゃうよ! ソースは私!
260 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/04(水) 17:50:00.96 ID:+hq+D4hio

 4/9

 「咲さん。ついに卒業ですね」

 「思えばいろいろあったじょ」

 「そうですね。

  私と咲さんで『俺とお前でスーパーのどっち』した日も懐かしいです」

 「何その単語!?

  覚えがないよ!?」


 和ちゃんがおかしくなったのはいつだろう……。

 京ちゃんと私がくっついてからおかしくなった気がするんだけど……。


 「須賀君とも気づけば3年間の付き合いですね」

 「和みたいな美少女とお近づきになれるなんて、いい三年間だったぜ!」

 「ム」

 「ほら、お嫁さんが拗ねてますよ」

 「まだ嫁さん違います!」

 「咲とは大学も同じだし、3年の付き合いじゃないすまないし」

 「咲ちゃん咲ちゃん。遠回しにお墓に入るまで一緒って言ってるじょ」

 「いぃ!?」


 あ、京ちゃんが顔を赤くしてる!

 もー、大きい図体してそんな顔するのは卑怯だよ! 可愛い!

 どーせ私を嫉妬させたくて和ちゃんにデレデレしてるんでしょ、知ってる!

 というか、そうじゃなかったら頬を抓っちゃうもん!
261 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/04(水) 17:50:29.71 ID:+hq+D4hio

 5/9

 「のどちゃんも祝福できるようになったみたいで本当に安心したじょ。

  いやマジで」

 「いいえ、優希。

  私はデジタル的に行動しているだけですよ?

  まだ勝負はついていません」

 「勝負?」

 「のどちゃん……。

  そんなことを言ってると行き遅れちゃうじょ」

 「私が行き遅れるなんて、そんなオカルトありえません!」

 「そうだよねー。和ちゃんは美人さんだし、相手だって選り取りみどりでしょ」

 「だよなー! くー、和の恋人になれるやつが羨ましいぜ!」


 もー、京ちゃんったらまたそんなこと言って。

 でも、和ちゃんはこの三年間もモテモテだったし、大学もレベルの高い女子大に行くし、行き遅れとは縁がないんだろうなぁ。

 うん。和ちゃんが結婚できないんだんてありえないよね!

 きっと大学に行ってもモテモテで、彼氏に困らないんだろうなぁ。

 優希ちゃんも男友達との付き合いが得意そうで、本当に羨ましい。

 私に京ちゃんがいなかったら……、うぅ、想像するのも怖いよ。


 「京ちゃん先輩!」

 「おっ、マホか」

 「えへへ! 卒業おめでとうございます!」

 「なんか照れるな」


 (無)邪気が来たか!

 マホちゃんは私の天敵です……。和ちゃんや優希ちゃんはマホちゃんの側面を知らないんだもん!
262 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/04(水) 17:51:12.13 ID:+hq+D4hio

 6/9

 『宮永先輩は須賀先輩の恋人なんですよね?』

 『う、うん。そうだよ』

 『京ちゃんって呼び方も宮永先輩しかしてないですよね!?』

 『私とお姉ちゃんだけかな?』

 『わかりました! 私も京ちゃん先輩って呼びます!』

 『なんで!?』

 『?

  宮永先輩をコピーすれば私も京ちゃん先輩の恋人になれるってことですよね?

  マホはコピーが得意です!』

 『どういう理屈なの!?

  私が彼女なんだから諦めてよ!?』

 『なんで諦める必要があるんですか?

  マホは京ちゃん先輩が好きだから努力するんです!

  えへへ』

 『え、いや、えぇー!?』

 『だから安心して別れていいですよ!

  マホにおまかせあれ! です!』


 あ、あれは別次元の生物だよ。日本語が通じなかったよ!

 それでも、京ちゃんたちの前では普通のマホちゃんなのが怖いよ……。
263 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/04(水) 17:51:56.23 ID:+hq+D4hio

 7/9

 「これであの時の清澄麻雀部もみんな卒業ねぇ」

 「竹井先輩!」

 「ふふっ、久しぶり、須賀君、咲、優希」


 わ、わ、わ。ぶちょ、じゃない、竹井さんまで来てくれたんだ!


 「みんな、元気かの」

 「染谷先輩!」

 「後輩の晴れ姿はいいのう。

  ……ところで、優希。久しぶりにタコスを食べに行かんかの?」

 「……。

  京太郎! 咲ちゃん! ちょっと最後にタコスを買いに行くじょ!」

 「え、どうしたんだよ」

 「いいから早く!」


 優希ちゃん、強引だなぁ。

 でも、これでタコスも食べ納めだし、優希ちゃんと染谷先輩と一緒にタコスを食べに行きます。


 「竹井先輩、悪待ち()の成果はどうですか?」

 「あら、和。いたの?

  そっちこそ、自慢のデジタルは3年間じゃ機能しなかったみたいね」

 「デジタルは統計的に見るものですから。

  短く見積もっても80年近く連れ添うとして、3年は大した時間じゃありません」

 「悪待ちだって、最終的に私のものにするための作戦よ?」

 「マホは若さをアピールできない人は見苦しいと思います!

  宮永先輩を一番コピーできるのはマホです!」

 「「あ”!?」」
264 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/04(水) 17:52:31.71 ID:+hq+D4hio

 8/9

 急に優希ちゃんに連れ出されたりもしましたが、本当に解散の時間です。

 高校3年間、本当に色々とあったなぁ。

 最初は何もないと思っていたけれど、麻雀部に入ってから激動の毎日。

 友達ができて、お姉ちゃんと和解して、京ちゃんと恋人になった。

 うん、本当に楽しい3年間だったよ!


 「では、これでお別れですね」

 「咲ちゃんまたなー!

  大学生になっても、みんなで女子会しようじぇ!」

 「おい、女子会じゃ俺が混じれないだろ」

 「それでは、『京太郎君』はまた別の時にお誘いしますね」

 「!?

  うおおおおーーーッ!?

  和が俺のことを名前で呼んでくれたぞー!」

 「ふふっ」


 あ! 和ちゃんあざといよ!

 まぁ、優希ちゃんも呼んでるし、名前で呼ぶくらいならいいけどさ。

 ちゃんと私を見ててよね、って手をつないでアピールしてみます。

 み、みんなの前だと恥ずかしい!

 優希ちゃんと染谷先輩がニヤニヤしてて直視できない!
265 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/04(水) 17:53:15.14 ID:+hq+D4hio

 9/9

 ……

 これから大学に行って、就職して、ずっと京ちゃんと一緒にいるのかな。

 高校からの帰り道、この道を通るのもきっと最後。

 京ちゃんと手をつないでこの道を通るのも、もしかしたら最後。

 自然と、ぎゅっと強く握ってしまう。


 「大丈夫だって」

 「?」

 「みんなまた会えるよ。

  女子会誘ってくれるって、言ってたろ?」


 ……そっちじゃないんだけどなぁ。

 まぁ、京ちゃんに女の子の気持ちを悟れって言っても、仕方ないかな!


 「ありがと、京ちゃん」

 「それに、さ」

 「?」

 「お、俺はずっと一緒だから」


 ……

 もー、すぐにそういうこと言う!

 そういうこと言えば満足すると思ってるんでしょ!


 「手、離したら迷子になっちゃうんだからね」

 「その時は探すよ」

 「そこは、手を離さないって言うところでしょ!」

 「咲は手を繋いでてもすぐに迷子になるからなァ」


 全く、本当に女心がわかってないんだから!

 そんな京ちゃんの手は、咲ちゃんが離してあげません! カン!
266 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/04(水) 17:54:43.51 ID:+hq+D4hio
投下終わりです
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 18:35:39.50 ID:Obg1fPDSO
おつおつ
タコスはマホのこと気付いてますねこれ咲ちゃんは気付いてないと思ってるみたいだけど
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 19:49:40.62 ID:D108xTLmo
乙です
スーパーマホっち見たいな
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 20:05:34.45 ID:GVT0u1WIo

でも確かに高1から付き合ってた彼女とそのままゴールインはなかなかないだろうとは思うよな
時には恋人時代に喧嘩もあったはず
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 23:23:00.77 ID:PHcSqx/jO
乙です
この後、和も久も拗らせて10年経つことが確定してるんだよな…
拗らせて10年経ったマホが見たいです(恐いもの見たさ)
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 01:02:56.02 ID:jI8hU+z0o

このカップルがそのままゴールインし、事あるごとに盛るようになるとはね
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 15:06:29.93 ID:K16eWvHho
すばら
273 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/05(木) 18:27:54.16 ID:EagxCSmZo

 1/5

 991
 重婚が法的に認められてテルーと京ちゃんの子が誕生、という照の夢オチ


 「照さん、照さん」


 ん、京ちゃん。もうちょっと寝かせてほしい。

 今日は仕事がなかったはずだし、本当にもう少し休みたい。

 最近、記憶を奪う使い手や、夢を見させる使い手と対局したせいで疲れている。

 そんな相手と戦って、何のオカルトも持たず君臨する人がいると聞くけれど、私にはまだ遠い。

 というわけで私は寝る。京ちゃんを抱き枕にして寝る。


 「照さん。俺たちの子供が早く出かけようって、怒ってますよ」


 !?


 「え、何、京ちゃんもう一回言って」

 「どうしたんですか、今日は俺と照さんのデートですよ。

  咲にも許可もらったじゃないですか」


 突然のことに動転する。

 いつもはポーカーフェイスで過ごせてるはずなのに、胸がドキドキする。


 「ム。今週は許すけれど、来週は私と京ちゃんのデートなんだからね」

 「照さんが普段忙しいのはわかりますが、子供はやっぱりお母さんと一緒に遊びたいんですよ」

 「私が普段世話をしているんだから、このままじゃ私がお母さんと間違えられちゃうよ。

  早く行ってきなよー」


 京ちゃんと咲が言っていることがわからない。

 未だに混乱する私。

 咲を別室に引っ張って行って聞き出した話によると、どうやら私は京ちゃんの第二夫人らしい。

 なんやかんやで重婚法が発表され、それを受けて私と京ちゃんが子供を作った。

 咲よりはるかに遅れてしまったけれども、私も子供を授かったことを喜んでいたはず。

 なぜか忘れてしまっていたけれど、そういうことになっているんだ。

 よし、デートに行こう。

 好きな男の子と同じ名字を使いたいというのは、女の子としての憧れだ。

 念願の『須賀』照としてのデート……


 えへへ
274 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/05(木) 18:28:33.81 ID:EagxCSmZo

 2/5

 「て、照さん。俺が抱っこしますよ」

 「だ、大丈夫」

 「でも手がプルプルしてますよ!?

  危ないから!」


 失礼な。赤ちゃんの抱っこくらい私……須賀照ちゃんにもできる。

 それに、今日だけはこの子を離したくない。

 そう、普段仕事で疲れていて、育児のほとんどを咲に任せている以上、こういうところでお母さんをしないといけない。

 子供の顔を覆い隠すようにギュっと抱きしめる。

 絶対に離すもんかと抱きしめる。……京ちゃん曰く、私の全力は全然力が入っていないらしい。


 「まぁ、辛くなったら代わりますからね。

  照さん。今日は遊園地ですよ」

 「うん。楽しみ」

 「じゃ、行きますか」


 こうして、私たちは一時の休みを夫婦として過ごした。

 メリーゴーランド、コーヒーカップ、子供に乗れるものは少なかったけれど、十分楽しめた。

 遊園地の最後と言えば観覧車。最後に乗り込む。


 「照さん。楽しかったですか?」

 「うん。夢みたいに楽しかった」

 「それは良かったです」


 本当は、このまま終わらせたい。

 けどそれは、『宮永』照が許さない。


 「ねぇ京ちゃん」

 「なんですか?」

 「私と咲、どっちが好き?」


 京ちゃんは呆れ顔でこう言った。


 「二人とも好きですよ。

  だから俺は二人と結婚したんじゃないですか」
275 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/05(木) 18:29:27.23 ID:EagxCSmZo

 3/5

 …

 うん、やっぱりそうだよね。


 「京ちゃん。いや、私の夢の中の京ちゃん。

  今日は1日ありがとう」

 「え、どうしたんですか?」

 「私の子供。名前も顔も知らないけれども、私の子供でいてくれてありがとう。

  きっとまた会えるから、その時にもっと遊ぼうね」


 朝から子供の顔すらもやがかかったように見えなかった。

 だから抱きついて顔を覆い隠していた。自分がその事実を認識したくなかったんだ。


 「京ちゃんは、私と咲を選べと言われたら、咲を選ぶ」

 「!」

 「ありがとう。本当は最初からわかっていたんだ。

  それでも、少しだけ、この幸せに浸っていたかった。

  本当に楽しかった」

 「て、照さん?」

 「なんで、って顔してるね。

  だってそれが私の好きになった京ちゃんだもん。

  私は『咲を一番に愛してくれている京ちゃんを女として好きになった』。

  損をしてるよね。それでも、女の子だから仕方ないの。


  『貴方は須賀京太郎じゃない』

  『今度はいつか、現実でこうしよう』」


 ……

 …
276 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/05(木) 18:30:20.87 ID:EagxCSmZo

 4/5

 「照さん! 照さん!」

 「……?」

 「大丈夫ですか?」


 京ちゃん。……仮眠室のベッド?

 記憶がない。どうしたんだろう。


 「照さん。対局後に倒れたんですよ。

  夢に関するオカルトって呟いてましたけれど、大丈夫ですか?」

 「そう。対局は勝った?」

 「いや、今は照さんの体調の方が」

 「京ちゃん、プロとしてあの場に立っている私は、それが何より大切」

 「……僅差で照さんが勝ちました」

 「それなら良かった」


 納得できないような顔で京ちゃんが答える。

 まだこれが夢の中かもしれない。

 胸が痛い。チクチクする。

 でも、聞かなければいけない。


 「京ちゃん。大事な話がある」

 「はい?」

 「咲のことは好き?」

 「はいぃ!?」

 「もしかしたら対局に関わる。真面目に答えて」

 「えっ、対局って、えっ!?

  ……まぁ、好きだから結婚したんですよ」


 うん、良かった。本物の京ちゃんだ。

 ちょっと辛いけれども、やっぱり嬉しい。


 「そんなことより、いくらプロでも限度があります!

  照さんだって大事な家族です。

  体を大事にしてください」

 「京ちゃん……」

 「わかりましたか!?」

 「うん、わかった」


 それでもやっぱり、私はこの人が好きなんだなぁ。

 咲に分けてもらえないか相談してみよう。そうしよう。
277 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/05(木) 18:30:49.55 ID:EagxCSmZo

 5/5

 「起き上がれますか?」

 「少し甘えれば大丈夫」


 そう言って京ちゃんに思いっきり抱きつく。

 全力で抱きついたのに身じろぎ一つしない京ちゃんはすごい。


 「照さん軽すぎです。お菓子以外も食べてください」

 「京ちゃん成分を吸入してから考える」


 京ちゃんの呆れ顔が目に浮かぶ。うん、今の私はこれでいい。


 「京ちゃん帰ろう」

 「わかりました」

 「手をつないで」

 「いぃ!?」

 「じゃないと迷子になる。訴訟も辞さない」

 「新しい脅迫ですね……。

  はい、どうぞ。【お姫様』」

 「うん」


 私と京ちゃんの距離感は『今は』これでいい。

 それでもいつか、あの夢のように


 「京ちゃんお菓子」


 咲と一緒に、あなたの隣に立ちたいな。 カン!
278 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/05(木) 18:33:40.90 ID:EagxCSmZo
投下終わりです

>>270
10年後マホは焦る年齢じゃなさそうだけど把握
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 18:40:23.07 ID:65A6Gl1HO
マホ…コピー…ヤンデレ…うっ頭が
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 19:19:36.04 ID:Vd6MEQg3O
乙です
調べればわかちゃうかもしれんが、内容的に表題を最後に持ってきても良かったかも
>>278
25歳であのままだと…
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 22:05:18.49 ID:16sWEjGQo
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 23:43:21.32 ID:jI8hU+z0o
夢オチだと分かってて読むからこそ安心できるってのもある
スタジオアラタみたいな感じ
283 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/05(木) 23:55:55.13 ID:EagxCSmZo
>>280
確かに、最初に何のシチュかわからない状態で読んでもらう方が面白そうですね
ちょっと一個それで試してみますので、00時から投下します
人がいたら、どっちの方がいいか教えていただけると幸いです
284 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/06(金) 00:01:57.28 ID:AUx7laKpo
 1/4


 須賀咲ちゃんです!

 今日は土曜日。京ちゃんと今週分の食材を買うためにスーパーに行きます!

 しかし、その前に腹ごしらえが必要で、簡単なファミレスでご飯を食べよう、という話になりました!

 場所については、田舎には選択肢がなく、チェーン店です……。


 「咲はあまりチェーン店こないよね」

 「高校時代にはカップうどんとかサラダうどん食べてたよ」

 「外にも出るの面倒臭かったんだろ」

 「う、うるさい!」


 京ちゃんの胸をポカポカ叩く。ぐぬぬ、胸板固すぎ! 今夜スリスリしちゃうもんね!


 「何頼むのー?」

 「久しぶりにオムライスでも食べてみようかなー」

 「えっ」


 えっ、京ちゃん何言ってんの?


 「京ちゃん! オムライスなんて食べちゃダメだよ!

 「え、ええっ!?」

 「周りの視点からすれば、『あらー、旦那さん嫁さんにオムライスも作ってもらえないの?』って見られちゃうでしょ!」

 「お、おう」

 「こういう時は、家だと食べられないものを頼んでよねー」


 もー、普段「なんでもいいぞー」なんて言うくせに、オムライスくらい言ってくれれば作るもん!

 こっちは京ちゃんが『なんでもいい』って言う事をわかってて、数個選択肢を与えてから決めさせてるんだからね!

 もちろん栄養配分は考えているので、好きなものばかりは食べさせません!
285 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/06(金) 00:02:46.55 ID:AUx7laKpo

 2/4

 ちょっと注意して、自分のメニューを開く。うん、ピザにしようかな。

 ……あれ、京ちゃんションボリしてる。オムライスを食べれなくて落ち込むなんて、大人でしょ!


 「もー、夕飯にオムライス、作ってあげるから」

 「えっ」

 「私が作った方が美味しいでしょ?

  それとも、咲ちゃん特製オムライスは食べたくない?」

 「食べる! 咲の(オムライス)が一番好きなんだ!」


 ひゅい!?

 う、うん、重要なとこ省かれたせいで愛の告白みたいになっちゃったよ。

 不意打ちは卑怯だよぉ……。えへへ。

 ……ん?

 気づけばお客さんがみんなこっち見てる?


 「すみませんお客様。もう少し声を抑えていただけると……」


 ぅひ!?

 やだ、周りに聞こえてた?


 「素面でよくあれだけバカップルできるなー」

 「この後オムライス作ってもらって、デザートに奥さんだろ?」

 「もしもし、壁殴り代行サービスですか?」


 デザートなんてないもん! ……多分!

 恥ずかしくなったので、その後は会話も少なく撤収しました!
286 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/06(金) 00:03:21.58 ID:AUx7laKpo

 3/4

 はい、今日はオムライスを作ります!

 子供にも大人気、お姉ちゃんにも人気で、宮永家の主力メニューです!

 あのクックパッドに載っている、トロットロのオムライスを作っちゃうよ!

 まず、ケチャップライスを作ります。

 オリーブオイルににんにくを入れて、弱火で熱し、香りが出てきたらベーコン投入!

 中火に変えて、ちょっと熱する。ベーコンの油が出てきたら、玉ねぎとウインナーを投入。

 玉ねぎが透明になってきたら、ミックスベジタブルを入れて中火で炒める!

 ケチャップとチリソースを入れて、コンソメと塩コショウで味の調節。

 混ぜ合わせれば、ケチャップライスの完成!

 暇そうなお姉ちゃんに人数分盛らせるよー。

 その間にメインである卵を作るよ!

 まずは卵を持って、突起にカン!(物理)

 フライパンにサラダ油を入れて、といた卵を投入!

 ここが一番のポイントで、強火で熱しつつ、卵がフライパンにくっつかないように揺する。

 そうするとぷくっぷくの卵が出来るので、少し固まった卵をフライパンから直接ケチャップライスに乗っける!


 完成!
287 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/06(金) 00:04:42.09 ID:AUx7laKpo

 4/4

 「おお、ご飯の味調整もバッチリだ。

  咲が腕を上げてるな」

 「卵がとろとろふわふわ……、どうやって作るんだろう」

 「咲、これうまいぞー!」

 「えへへ、お店のより美味しいでしょー!」


 なんたって、『愛』が詰まってますからね!


 「トロけてるから、他のオムライスとは見た目が違うんだな」

 「そうなの。ふっくりさせたかったからこのレシピで作ったよ。

  これなら型崩れしないんだ」

 「咲、今度は黄色い卵を開くと中からご飯が出てくるのも食べたい」

 「うっ、型崩れしないようにするの難しいんだよー。

  でもちょっと頑張ってみる」

 「頑張ってくれたら京ちゃんも頑張ってくれるはず」

 「姉妹間の通貨は俺なんですか!?」

 「咲が頑張ったら1京ちゃん。

  私が頑張ったら1京ちゃん」

 「その通貨で何が出来るんですか?」

 「「な い し ょ」」

 「え、咲も肯定派だったの!?」

 「界です。一緒にいるのに話が回ってきません」


 でゅふふふふ。咲ちゃんの料理の力を見たか!

 え、姉妹間取引の1京ちゃんって何に使うのかって?

 ……ないしょ。 カン!


・今回のシチュエーションはこれでした!

 482
 カン(物理)
 67
 咲ちゃんのお料理講座

288 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/06(金) 00:07:55.74 ID:AUx7laKpo
投下終わりです。
最初にタイトルで読めない展開と最初にタイトルつけるスタイル
どっちが楽しめたか教えていただけると幸いです
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 00:09:25.56 ID:7tiwfsfYo
290 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/06(金) 00:12:27.76 ID:AUx7laKpo
これだとどう書き込めばいいかわからないですね
タイトルを前にした方がいい、という場合は『前』
タイトルを後にした方がいい、という場合は『後』

で大丈夫です。あと一応これも書き溜め使っているので、読んでいただければ幸いです
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 00:41:31.28 ID:My4CQ3VSO
乙です
タイトルの位置は内容によりけりな部分もあるからなぁ
>>273の夢落ちみたいな物だと、ネタバレ感が半端ないので
もし統一するなら後かな
あと、どうでもよい話だけど、ケチャップライス作った時に、いつご飯を投入したのだろう?
工程がそれなりに書かれているので、気になってしまうw
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 00:54:28.03 ID:R4RtYXtHo
おっつおつ
カン(物理)はこう捌いてきたか
保守派な俺は『前』派かな
293 :286修正版 ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/06(金) 01:08:14.34 ID:AUx7laKpo
 3/4

 はい、今日はオムライスを作ります!

 子供にも大人気、お姉ちゃんにも人気で、宮永家の主力メニューです!

 あのクックパッドに載っている、トロットロのオムライスを作っちゃうよ!

 まず、ケチャップライスを作ります。

 オリーブオイルににんにくを入れて、弱火で熱し、香りが出てきたらベーコン投入!

 中火に変えて、ちょっと熱する。ベーコンの油が出てきたら、玉ねぎとウインナーを投入。

 玉ねぎが透明になってきたら、ミックスベジタブルを入れて中火で炒める!

 ケチャップとチリソースを入れて、コンソメと塩コショウで味の調節。

 ご飯を入れてかき混ぜて、全体にケチャップが回ればケチャップライスの完成!


 暇そうなお姉ちゃんに人数分盛らせるよー。

 その間にメインである卵を作るよ!

 まずは卵を持って、突起にカン!(物理)

 フライパンにサラダ油を入れて、といた卵を投入!

 ここが一番のポイントで、強火で熱しつつ、卵がフライパンにくっつかないように揺する。

 そうするとぷくっぷくの卵が出来るので、少し固まった卵をフライパンから直接ケチャップライスに乗っける!


 完成!
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 01:09:25.31 ID:iueVqWEkO
乙ですー
僕は前かなー、なんとなく
295 :286修正版 ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/06(金) 01:12:03.54 ID:AUx7laKpo
>>291
いつも細かく読み込んでくれていて嬉しいです
ご飯投入は最後です。実際に作れるレシピですよー

>>292
カン(物理)は難産でした。料理教室のリクが来たのでどうにかできました

ではいつもの時間に投下しますー。おやすみです
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 03:17:55.74 ID:nQy/ZLKPo
乙です
おなかすいてきたww
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 07:15:40.29 ID:QhSyaufSO
乙なのよー
いろんなリクになんとかして応えてくれる>>1好き
298 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/06(金) 18:44:54.85 ID:AUx7laKpo

 1/5


 「いけー! がんばれー!」


 いろんな親御さんたちが応援して盛り上がる幼稚園の運動会。

 須賀咲ちゃんです。

 今日は息子の晴れ舞台、および娘がトラウマを負わないか心配する日です!

 息子は身体能力に優れているから大丈夫だろうけれども、娘は運動がダメダメなので心配で夜も眠れなかったよ!

 何より心配したのは、どんな服を着ていけばいいのかわからなかったところです!

 京ちゃんが選ぶようなオシャレ系はダメだろうし、私は部屋着か、デート用の気合を入れたやつしか持っていないので……。



 『咲ー。何を着ていけばいいんだ?

  何着ていってもいいって言われても……困るよね』

 『うー、ワンピースとかだとまずいよね』

 『もっと動きやすい服装がいいんじゃないか? ジャージとか』

 『京ちゃん京ちゃん。ジャージを着ていくと『あの人気合入ってますね……』って言われるからやめたほうがいーぞ』

 『お父さんが恥をさらした話だね』

 『て、照ぅ……』

 『オススメとしては男女共できる長袖Tシャツに普通のジーンズにスニーカーだ! 動くにしても問題ないし、日焼け対策の長袖。

  あとは細かいところにクリームを塗っておけば大丈夫!』

 『お、おお。お父さんが役に立っている……』

 『よし、みんなで応援するぞー!』

 『京ちゃん京ちゃん。初めての運動会はまずパパ友ママ友を増やすことを意識すること!

  咲がそんなことできるわけないんだから、そのコミュ力でみんなと友達になっちゃえ!』

 『はい!』

 『咲はその分、お弁当だとかジュースだとか、ちょっとしかお菓子を作っておいて、子供達が楽しめるように準備しておきなさい!

  残ったお菓子を使ってママ友を作ること!』

 『は、はぃ』


 初めてお父さんを頼もしいと思ったよ。

 やっぱり、宮永家にみんなが住むって判断は、間違ってなかったんだよね! えへへ
299 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/06(金) 18:45:34.06 ID:AUx7laKpo

 2/5

 当日。子供達が緊張しているのが見てわかるけれども、親としての初めての運動会なので親も緊張しているのです。

 子供達が競技を行う前に、京ちゃんはいきなり横にいた人に話しかけはじめた!?


 「いやー、子供の運動会なんて初めてで、何をやったらいいのかわからないんですよ。

  どれくらい来てますか?」

 「うちは二人目だから結構来てますよ」

 「そうなんですか!? よければ色々と教えてください!」

 「私にわかることならばもちろんですよ。

  失礼ですが、お年は?」

 「25です!」

 「おお! お若いのに大変ですね」

 「そうなんですよ大変です。でも、子供がいると毎日が楽しいんですよ!

  家族みんなで助けて貰ってますし、あっ、今もあなたに助けてもらってます!

  えーっと、そう言えば名前も聞いていませんでしたね。

  私は『須賀京太郎』です。あちらが妻の『須賀咲』です」


 そう言いながら京ちゃんがこっちをチラッと見た。

 周りの人の視線が一気に私に向く。怖いよ!?


 「そいつ内気なんで適当に弄ってやってくださいね」


 京ちゃん!?


 「あと、全日本代表プロ雀士宮永照の妹なんですよー! 自慢の俺の嫁です!」


 京ちゃぁぁぁん!?


 「私とママ友になりましょうよー」

 「奥さん本当にお若くて羨ましいわ……」

 「う、は、はい。宜しくお願いします……!」
300 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/06(金) 18:46:07.09 ID:AUx7laKpo

 3/5

 京ちゃんのコミュ力で、一気に周りの空気が弛緩して、知らない人がいなくなっちゃいました。

 京ちゃんは嫁が好きアピールをしたことで弄られキャラになって、私はお姉ちゃんの妹って立場で一気に輪が広がりました。

 これ、狙ってやったんだろうけど、京ちゃん凄すぎるよ!

 
 「咲がやったらママ友ぼっちになるだろ……。

  ここからは子供達のこととも関わるんだから俺経由でも友達作ろうな」

 「う、うん。わかった。子供のためなら頑張る」


 そうだ。私個人の友達はともかく、ママ友は作っておかないといけない。

 子供達が安心して遊ぶために必要なんだ。子供のためなら、須賀咲ちゃんはなんだってできるのだ!

 でも今後が不安で仕方ないよ……。


 「ほらっ! あいつら走るぞ!」

 「え、ビデオビデオ!」

 「おじいちゃんがやるから安心しろー」


 最初は息子のレース! 細かいルールは親には伝わってないです。

 最初から一気にトップに踊り出し、かなりの差をつけてゴール!


 「やったぁぁぁぁーーーっ!」

 「京ちゃん! あの子すごいよ!」

 「孫の勇姿を撮らねば!」


 も、もう、お父さんは大げさだなぁ。

 私は機械苦手なんだからちゃんと撮っておいてよね!


 「あの子うちの子なんですよ! あの子うちの子なんですよ!」


 え、なんか聞き覚えのある声が……って!?


 「お姉ちゃん!? なんでここに!?」

 「仕事にキャンセルが入った。応援する」


 ああ……京ちゃん、不安要素が増えたよ……。
301 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/06(金) 18:46:35.89 ID:AUx7laKpo

 4/5

 そして今度は娘のレース。

 こっちは不安で仕方がない。始まる前から行きたくない行きたくないとぐずっていたんだ。

 その気持ちはとてもよくわかるけど、心を鬼にして今日は行かせました。


 「ガンバレー!」

 「ファイト!」


 京ちゃんとお姉ちゃんが声をあげて応援するも、途中で転んで泣き出してしまった。

 まずい、ああなったら動かない。そう思った私が娘のところまで行って説得しようとすると、京ちゃんに制された。

 怒った顔で京ちゃんに文句を言おうと思ったら、京ちゃんは無言で指を指した。


 その先には私より早く飛び出して娘を説得している息子。


 静まり返る応援席。娘は泣きながら息子の腕に捕まって立ち上がる。


 そしてゆっくり、歩きながらだけど、ゴールすることができました!


 会場大歓声!


 私も京ちゃんもお父さんもお母さんもお姉ちゃんも泣いてます。

 周りのママ友たちも感動して泣いてます。

 席に戻ってきた子供達を、思いっきり抱きしめてあげました!
302 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/06(金) 18:47:11.60 ID:AUx7laKpo

 5/5

 「ほら、なんとかなったろ?」

 「ム。そうだけどさ……」


 今は休憩時間ということで二人ともご飯を頬張っています。

 私は多く作ったもののおすそ分けなどをコミュ障なりに頑張ったよ!

 ご飯を食べ終わったのか、子供達が元気に取っ組み合いを始めました。


 「コラー、何してるの! 怪我させちゃだめ!」

 「……?」

 「パパとママの真似!」


 壁ドン から 顎クイ して、キスはこの前怒ったから頬にして、ゆっくりベッドに乗せてのしかかる……。


 「きゃーっ!?」

 「ちょ、お前ら、どこで見て……!?」

 「ごめん。この前トイレに行かせた時にちょっと見られた」

 「照さん!?」

 「お姉ちゃん!?」

 「あのタイミングで盛ってる方が悪い。説得するのは大変だった」

 「「ご、ごめんなさい」」


 割と本気で怒ってるお姉ちゃんの前に謝ることしかできないよ……。


 「あらー、まだまだ夫が求めてくれるなんて、羨ましいわー!」

 「須賀さん可愛いからねー。うちの旦那も頑張ってほしいわよ」

 「え、あぅ、あぅぅ」


 「まだまだ若いといいなー!」

 「嫁が可愛いうちはまだまだ勃つからな! ヤレるうちにやっとけよ!」

 「あ、はい。え、ええ」


 有名バカップル夫婦として広まってしまい、何かとお世話を焼いてもらえるようになりました……。カン……。


 985
 子供たちの運動会とか
 989
 子供達がよその子とおままごとをしたせいで須賀夫妻の(主に夜の)家庭事情が赤裸々に
303 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/06(金) 18:49:10.09 ID:AUx7laKpo
投下終わりです
今回みたいにオチとお題が直結してるものは後ろに持ってくる感じで調整しますねー。普段は前でいきます
2スレ目分は前回投下で全部終わったんですが、早く3スレ目分も進めないといけないですね
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 19:33:06.97 ID:QhSyaufSO
おつおつ
京ちゃんの巻き込み力すげえ
頼れるなあ
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 21:28:51.88 ID:My4CQ3VSO
乙です
咲ちゃんはママ友達に会うたびに、次のお子さんはまだかしら?とかからかわれるんだろうな
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 22:21:25.69 ID:R4RtYXtHo
あちゃー見られてたか
いつの間にか2スレ目までのリク消化しきってたのか気づかなかった
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 23:00:41.82 ID:7tiwfsfYo
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 13:30:10.11 ID:h4vT1EW+o
乙です
309 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/07(土) 18:24:51.50 ID:Ce+HDltZo

 1/8

 123
 照と京太郎のデート(with咲)


 宮永照です。

 今日は京ちゃんとデート。すごく楽しみ。

 貯めた京ちゃんポイントを使うと、咲は渋々許してくれた。


 『咲、貯めた京ちゃんポイントでデート一回』

 『うっ、もうそんなに貯まってたの?

  わかったよ。公序良俗に反することはしないこと!』

 『わかった。

  ……咲、もう一つお願いがある』

 『えっ、お弁当を作るとか?』

 『あの、えと、その。

  デートについてきてほしい』

 『……え?』


 咲にお願いするのは結構勇気が必要だった。

 最近ますます格好良くなってくる京ちゃん。そんな京ちゃんと一緒にいると恥ずかしいのか胸がドキドキしてしまう。

 これがきっと恋心。

 辛くて、嬉しくて、ときめいて、一緒にいたいけれど、緊張する。

 咲がいればきっと大丈夫。

 うん。メインは私だから咲と京ちゃんのデートにはさせないけれどね。

 それに咲とも一緒に遊びたい。

 わがままなお姉ちゃんのお願い、聞いてくれてありがとう。
310 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/07(土) 18:25:47.36 ID:Ce+HDltZo

 2/8

 「外デートするのも久しぶりですね」

 「いつも子供がいたから仕方ない」

 (京ちゃんとお姉ちゃんが夫婦で、子供がいるみたいな話してるけど、今日はスルーしてあげる……ぐぬぬ……)


 今日は目一杯お洒落してのデート。

 京ちゃんはジーンズにシャツと結構ラフな格好。大学時代に着ていたらしい。

 私は一応有名人なので、ウィッグをつけて誤魔化す。

 いつもならカツラを被ったりもするけれど、今日はもっと素直にデートしたかったんだ。

 咲に話したら許してくれた。ありがとう、咲。


 「その、照さん。今日はすごく気合が入ってますね」

 「うん。京ちゃんも格好いいよ」

 「いぃ!? ……照さんも綺麗ですよ」

 「本当?」

 「ええ。照さんは綺麗系で、咲はかわいい系って感じですよね」

 「……」

 「咲?」

 「なんでもなーい。

  今日はお姉ちゃんを敬う日なんだから、ちゃんとお姉ちゃんとデートすること!」

 「はいはい」


 咲がすごく複雑な表情で許してくれた。嬉しい。

 京ちゃんに褒められた。とっても嬉しい。

 かわいいって言われることはあんまりなかったけれど、京ちゃんに綺麗って言ってもらえたならそれで十分。

 自分がアラサーだし、それ以上なんて望まないよ。


 「照さん! スキップすると転びますよ!」

 「あー、もう……。京ちゃん。手を繋いであげて……」
311 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/07(土) 18:26:33.80 ID:Ce+HDltZo

 3/8

 咲の計らいで手を繋げた。嬉しい。

 京ちゃんは咲とも繋ごうとしたけれど、咲が『今日はダメ!』って言ったから私とだけ繋いでいる。

 こうして手を繋ぐと、京ちゃんと距離が近くなる。すごくドキドキする。

 自然と匂ってくる京ちゃんの匂い。あれ、昨日はシャンプーを替えたのかな?

 私は利きシャンプーが出来るくらい匂いを判別できるんだけれども、京ちゃんの匂いが一番安心する。

 お父さんというか、頼れる男の人の生活臭。……好き。


 「咲……絶対に迷子になるなよ?」

 「な、ならないもん。

  最悪、GPSで探しに来てね?」

 「その前にスマホ落とすなよ。そうだ、首からかけておこう」

 「そこまで子供じゃないもん!」


 うん。やっぱり二人とも息ぴったり。

 でも、やっぱり咲が迷子になるのは不安だよね。


 「京ちゃん。咲とも手をつないであげて」

 「え、お姉ちゃん?」

 「咲が迷子になったら大変だから。お願い」

 「はいはい。分かりましたー」

 「ムー」

 「京ちゃんポイント使うから、ね?」


 ふふふ。これはこれでお姉ちゃんポイントをゲットできたかな?

 いい歳した大人がみんなで手をつないで歩いている、しかも男一人に女二人だ。

 世間にはどう思われているのかな?

 あ、京ちゃんが困ってる。かわいい。

312 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/07(土) 18:27:11.65 ID:Ce+HDltZo

 4/8

 デートの内容はそんなに凝ったものじゃない。

 フラフラと散歩をして、思いついたところに行く。

 まずは歩いていたら公園にたどり着いたので、一休憩。


 「ハァ、ハァ……」

 「お、お姉ちゃん体力なさすぎ」

 「咲に言われるってひどいな……」

 「ム。私は最近子供の世話で体力ついてきたもーん」


 ぐぐぐ。咲に負けるのは悔しい。

 そう言っているうちに、咲がシートを広げてくれた。

 そういえば、もうお昼ご飯の時間だ。


 「お弁当作ったんだよー」

 「おっ、それは期待!」

 「あ、あんまり期待しないで」

 「え?」

 「はいはい。開けるよー」

 「さ、咲。待って」


 そう言っても咲は止まらず、お弁当のフタを開ける。

 そこにあるのは、咲に手伝ってもらって私が作ったお弁当。

 かなり協力してくれたとはいえ、どうしても咲に比べると形も味も自信がない。

 う、やっぱりやらなければよかったかな。
313 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/07(土) 18:27:44.92 ID:Ce+HDltZo

 5/8

 「て、照さん。これ、もしかして」


 やっぱりバレちゃったかな。

 私の中が後悔で満ちる。

 せっかくのデート、これでダメになっちゃったら嫌だな。


 「(´・ω・`)」

 「照さんが作ってくれたんですか!?

  俺、すっげーうれしいです!」

 「(´・ω・`;)!?」

 「これ、食べていいですか!?」

 「あ、でも、味見はしたけど味に自信が……」

 「いただきます!

  ーーーうっまーい! すごく美味しいですよ!」




        . :´: : : : : : : : : : : : : : : : :` 、    
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.        八: : { l  ____ ` \| ___|/ | : 八: : |l
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.     /:/: : : :ハ """"  '  """" '// /: 〔、: :、
    .: /:__: : : :圦 lヽ  r    ┐  // /: : /): :\     「えへへ」
    /: l l\\: : : :| .!     ノ  .:'_/ 厶 "/: ト、: :ヽ
    .'  |八 :\\__| .!>  __ . イ´ 、__フ‐<ヽ.: :| \:|
.     .′ V.rヽ _|___       |   /_〔 ̄ | V    〕
        //.へ`ー-:.、Υ   八      l  |


 頑張って、良かった!
314 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/07(土) 18:28:21.80 ID:Ce+HDltZo

 6/8

 それからショッピングモールに向かい、季節に合わせた服を見繕って、次はスイーツ巡り。


 「照さん、何にします?」

 「トリプル!」

 「お姉ちゃんだとそれしかないと思ったよ……。

  あ、私はシングルでいいや」

 「二人ともカップな……。

  絶対にこぼすから」

 「ム!」

 「京ちゃんひどい」

 「照さんはトリプルでしょう!

  おとなしくカップにしますからね!」

 「「はーい」」


 そんな京ちゃんの指揮のもと、アイスを食べる。

 スイーツは大好き。お菓子も大好き。

 ふと、自分はいい、とアイスを食べなかった京ちゃんが手持ち無沙汰なことに気づいた。

 私の手の中には、トリプルのアイスが入ったカップと、それを掬うスプーンがある。

 ……

 咲の方をチラッと見る。

 咲はため息を一つ吐いた。やっぱりダメかな?


 「お姉ちゃん、今日はいいよ」


 !!
315 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/07(土) 18:28:50.59 ID:Ce+HDltZo

 7/8

 「きょ、京ちゃん!」

 「うお!? どうしたんですか、照さん」


 鬼気迫る表情で近づいたせいか、京ちゃんが後ずさる。

 落ち着け、私。深呼吸。


 「(;´・ω・)っあ、あーん」

 「て、照さん!?」

 「京ちゃん。貰っときなよ」

 「咲まで!?」


 京ちゃんは一瞬迷った末、観念した風に食べてくれた。


                   _. . : : : : ̄ ̄ ̄: : : : : . 、
               ,. : : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
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           /: :,: : : : : :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
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        /: : :从|: : : :/|:`イ: |: : : : ∧: :.:|: : : : /: : : : : :|: : : : : |
      / : : : ィ: :{: : :/ィ-、 }:∧: : : | -}:|-|---く: : : : : : ,: : : : : :|
          ̄´  |: ∧: :| _)雫ミ从: : :|  _}∧:_:/ }ヽ : : : /: : : : : :
           |: : : Y V::ノ   \|´_)笊雫ミ/: : : :/:/: : : : : : ,     「ありがとう。二人とも」
           |: : : ,: |    ,      V:::::ノノ' : : イ:.イ: : : : : : ,′
           |: : :j:从            /:/ /' ノ: : /: : :/
           |: : ,|: {: : .    _      ´ ィ: ー ´: : :/: : :/
           |: :/|: 从: : : . ‘ ’      イ |: :/ : : :/: : :/
           |:/ 从{_r--'´` ー 、-=≦   ∨: : : /: : :/
           }'   / ||:|       ∧    /,': : : /: : .イ
             / ||:|    /   _,./ / : イ:/\
              / ∧:{   /⌒\´/   ´  ´     、
             ,   {:.:\、 ,′  /     ,. ---――‐`ヽ、
          /  ∧:.:.:. ∨  /_,.:.―:.:.´:.:.:.//    Y |
316 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/07(土) 18:29:22.30 ID:Ce+HDltZo

 8/8

 楽しい一日はすぐに終わってしまう。

 私たちのデートも、これで終わり。

 明日は日曜日だからみんなでゆっくり休む日。

 正直、私も疲れてしまった。


 「お姉ちゃん。疲れちゃったんじゃない?」

 「咲こそ。足が震えてる」

 「二人とも、もうちょっと体力つけてください」


 京ちゃんだけはまだまだ平気なのか、あきれ顔だ。

 もう少し、もう少しだけデートしていたいなと思ったら、自然と歩みが遅くなった。

 そんなことをすれば二人に置いていかれてしまうな、と思ったけれど、二人と距離が離れることはなかった。

 みんな、何も言わず、歩幅が揃ってゆっくりになっていた。


 「いやー、今日は楽しかったですね!」

 「お姉ちゃんにデレデレしてたもんね」

 「えぇ!?」

 「嘘だよ。今日はそうしてもいい日だもん」

 「?」

 「また、誘ってもいい?」

 「そんなこと聞かなくても、いつもいろんなところに行ってるじゃないですか」

 「そーだよお姉ちゃん。今更」

 「照さんが一番忙しいと思うんで、暇があったらいつでも誘ってください!」

 「宮永家にいる間は、みんな一緒なんだからね!」


 うん。そうだよね。

 咲と京ちゃんと、ずっと一緒にいたいな。カン!
317 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/07(土) 18:29:51.15 ID:Ce+HDltZo
投下終わりです
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 18:49:48.40 ID:6iyeNjICo
乙です
京照いいね!
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 00:18:55.23 ID:db/q2RHuo
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 10:31:52.03 ID:HrmZIvNqo

大人3人で手繋いで歩いてるのって確かに異様な光景かも
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 12:02:29.60 ID:GhFnyoyOo
乙です
京照最高や
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 15:22:02.77 ID:kMQLS5Lmo
乙です
323 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/08(日) 18:47:04.32 ID:a+kb3u43o

 1/5

 須賀咲ちゃんです! 最近京咲成分が足りないと思います!

 乙女なお姉ちゃんや壊れた和ちゃんや手遅れの竹井さんがいてもここは京咲スレです!

 京ちゃんは私の! 私のなの!!


 「咲ー。ちょっといいかー?」

 「なぁに、京ちゃん」

 「日曜日、ちょっと出かけてくるから照さんと子供たちを任せていい?」

 「えー? どこに行くの?」

 「界さんと家具を買いに行くんだよ」

 「はいはい。あまり無理しないでね?」

 「いや、買い物だし」

 「ぎっくり腰とか、笑えないんだよ!」

 「大丈夫だって」


 お父さんがぎっくり腰をした時なんか、何もできないーって言って大変だったんだ。

 京ちゃんにもそうなって欲しくないから、それとなくお父さんを酷使するように仕向けておこうかな!

 お母さんも出かけるって言ってたし、日曜日に家にいるのは私とお姉ちゃん、子供たちかぁ。

 うん! 一日頑張ります!
324 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/08(日) 18:47:39.97 ID:a+kb3u43o

 2/5

 今日はお弁当を作る必要がない代わりに、四人分の昼食が必要。

 どう控えめに見ても私(迷子)とお姉ちゃん(迷子)と娘(迷子)がいる時点で外に出かけるのはダメ!

 家で子供たちと遊んであげないといけないんだよね。

 まぁそこそこ食べられるものを作って、夜の準備をして、掃除をして……ちょっと大変かも。

 子供の相手はお姉ちゃんに任せようかな。


 「さき……朝ごはん……」

 「トーストがあるから食べちゃって!

  すぐにお昼ご飯だからお菓子は食べちゃダメ!」

 「うぅ……京ちゃんは……?」

 「京ちゃんは出かけてるよ」

 「(´・ω・`)」

 「そんな顔しないの!

  今日は子供たちの相手をしてもらうんだから二度寝しちゃダメだよ」

 「うん。1京ちゃんね」

 「ぐぬぬ……」


 弱みを握ればすぐに京ちゃんを持って行くんだから……。

 なんにせよ、家事が終わるまでは何も出来ないんだから、お姉ちゃんに任せたよ!
325 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/08(日) 18:48:09.86 ID:a+kb3u43o

 3/5

 こういう時、双子は二人で遊んでくれるからいいよね!

 娘が不安だけど、息子が連れ回してくれるから、外に出なければ安心。

 お姉ちゃんもいるし、大丈夫!

 ……本当に大丈夫?

 こそっと、心配になって覗いてみます。


 「あっ」

 「……えっ?」


 そこには、キスをしている双子がいました。

 その双子はまごう事なき我が子でした。

 ……何やってるのぉぉぉーーー!?


 「ちょ、ちょっと!」

 「咲。こっちに来て」

 「えっ、お姉ちゃん?」


 珍しくお姉ちゃんが力強く私を引っ張って外に連れ出す。


 「あの子たちは『大好きな両親の真似』をしたいだけ。

  それを咲が叱るとおかしな事になる」

 「うっ、え?」

 「それに、どうしてやってはいけないのか、ちゃんと教える必要がある」

 「うん。これは思春期に関わりそうだもんね」

 「二人で頑張ろう」

 「お姉ちゃん!」


 姉妹で抱き合い、いざ出陣!
326 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/08(日) 18:48:39.78 ID:a+kb3u43o

 4/5

 「だーめ。

  ちゅーって言うのはね、家族じゃない、本当に好きな人のためにとっておいてあげるんだ」


 お姉ちゃんが、すごくお姉ちゃんしてる……!

 うまく説明できなくてどうしようと考えていた私より先に、とっとと説明を始めてしまった。


 「今感じている『好き』、とは違う『好き』があるんだ。

  それを感じると、とっても辛いけど、とっても幸せで その人のことしか考えられなくなっちゃう。

  まだまだ早い話だけどね」


 お姉ちゃんが営業スマイルで諭していく……。

 というかそれ、お姉ちゃんが今経験している感情なのかな……。


 「パパとかママのほっぺたにしてあげるのは大丈夫だから、次はそうしようね」


 お、おお。すごい。うまくまとめた。

 ……本当は母親の自分がやらなければいけなかったんだろうなぁ、と思うと自己嫌悪。


 「そんなことない。

  『両親の真似をして好きな相手にキスをしてはいけない』理由を説くのは、実の母親じゃ難しいと思う」


 お姉ちゃんがフォローしてくれているけれど、やっぱりちょっとだけ辛いかな。

 もっともっと、お母さんとして頑張っていかないとね。


 「うわっ」


 そう思っていると、子供たちが飛びついてきた!

 二人とも私とお姉ちゃんの頬に嬉しそうにキスをして、笑ってどこかへ走り去っていった。……あ、娘は転んだ。転んだ娘は息子が起こした。
327 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/08(日) 18:49:16.65 ID:a+kb3u43o

 5/5

 「本当に、仲が良いね」

 「自慢の子供ですから!」


 まるで私たちのように仲が良いのは、心から自慢している。

 何より、私とお姉ちゃんは一度喧嘩別れしてしまったわけで、この光景を見ると少し複雑なんだ。

 でも、それすらも子供たちは治してくれたと思う。子供って、本当にすごい!


 「あの子たちのおかげで私たちはこうなれた」

 「うん、そうだね」

 「子供って本当にすごい。

  だからそろそろ三人目がいてもいいと思う」


 ぅひ!?

 お姉ちゃん!?


 「そ、その、お金とかの問題はあるけど、私としてもやぶさかじゃないというか」

 「咲は賛成なの?」

 「う、うん」

 「わかった。言質は取った。

  私も初めてだけど、頑張って京ちゃんに孕ませてもらう」


 は?


 「えっ!?」

 「私は『三人目がいてもいいと思う』と言っただけ。

  この家の誰が産むとは言ってない」

 「なにその屁理屈!?

  それじゃお母さんでもOK見たいな言い回しじゃん!」

 「咲……。親子丼はちょっと……」

 「姉妹丼も大概だよ!?」

 「実際に日本で、母親と姉を孕ませて、どっちと結婚してもいいよ、って話を聞いたことがある。

  その話のオチは妹も孕ませていたって話。だからなんの問題もない」


 実話があるから大丈夫ってどういうこと!?

 お、お姉ちゃんの目が本気だ! いや、いつも本気だったね……。

 う、うぅ。なんにせよ三人目を作るのは私なんだからね! カン!


 905
 男女の双子について。ヨスガ
 127
 子供が親の真似をしてキスとかしてた
328 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/08(日) 18:50:13.76 ID:a+kb3u43o
投下終わりです。運動会の前にこの話を挟む予定でした

>>320
ま、迷子になられたら洒落にならないから仕方ないよね
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 19:20:52.64 ID:oq0OWxmSO
乙ー
迷子率高いww咲ちゃん3人目と思いきや次もまた双子と見た
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 20:12:35.80 ID:7A2RjO4sO
乙です
京太郎と咲にそっくりな双子兄妹なので、家族じゃなくて男女の好きですって言われかねない…(それでもいいと思ってしまう自分)
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 21:05:17.80 ID:pJVwW/XQo
みんなは子供たちになんて呼ばれてるんだっけ

照おばちゃんとか宮永さんとか和おばちゃんとかタコスおばちゃんとか呼ばれてショック受けたりするのかね
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 21:23:05.50 ID:7A2RjO4sO
和はおっぱいおばちゃんと呼ばれている可能性
333 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/08(日) 22:11:00.79 ID:a+kb3u43o

 >>331-332

                     /:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\
                    /:..:..:..:..:..:..:.:.:.:.:.:.:..:.:.:..:..:..:..:..:ヽ
                   ノ:..:..//:./:./:./:.:.:.;、:.:.:i.:.:.:.:.:..:.:、:.゙、
                   /、  / ,ィ_,A:.ハ.i.....i !|__|___|、:.:.:.:.i:.:i
                 /  )_:.i:.´|V ソ .|!:.:.:| !ト、:!、:|`|:i:.:.:|:.:|  __        ,.-‐┐
   ___        ,:=''"/   .//:.:.|:.:.|ィ≠=、 !、:.:| z≠=、ハ:.:.i:.:.l/-―ァ    /   ノ
  (     ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ    //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi  b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ//   / 「パパ! ママ!」
  `ー-、__/    `      !\::.ム.! ー―'   ,  ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ /   / \_
  ___ノ          ノ   )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / //   /、`ヽ、 `ヽ
 f        __       ∧ ,.へ iヽ! \  、___ノ   / / / // / / /   '"  ̄ヽ!__/
 `ー-----r‐'" i        r/ /   ,  |ノ!   `ー----ァ'"   / i! '"  / 〈  i         ̄  `ヽ
       \  ヽ     !_ノ _/__ノ ヽ、  \ /  /  !、  i    V   、_    、____ノ
        )  | 、ヽ_,ノ、_/---、〈   `ーァ、___,、_/   !: : ̄ヽ,_/    `        )
        (_ノ  ソ  /:.: : : : : : _〉   ,,"   ゛、     ノ: : : :/       _`  /  (ヽ
          ヽ  |  |: : : : : : :/ 〈 \ 《      ゛、 /゙、: :/   ,.---‐二ノヽ___!、   \
            i  |  ゙、: : : : : i       ゛、     ラー=-|:(__,..イ `ー'´      7\_  )







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. /  : {   : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !:    |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ   ヽ;| |: : : |  ,≧:|_  マ:|',:. :  |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ   ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
.  l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ    ヽj  i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
.  |: : : : :,:.A | { :::::::::: }        .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
.  |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ        `゙'''''´  .//ノ-‐''" ̄ ヾ 「(照)伯母さん! (界)おじいちゃん!」
  .レi: : / ヽ∧ ⊂⊃   `     ⊂⊃  " /: : : :..: : : : ̄` ' 、
ー==,.∨ ̄ミ=',      .___,   .    /≡ィ゙\: : : : : : :
_/      .: : ゙∧                /ヽ   `ヽ\: : : : :: : : : \
 _/ : : : : : : /{"゙,ヽ          ,   へ ::    - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. >   . __, . - "〃ヽ \,.'       ヾ: : : : : :  ヽ
: : : : : __/      ' ,: : \      {__,.. '       ノ:\

334 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/08(日) 22:11:38.79 ID:a+kb3u43o
                _  -‐==‐-
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   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
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      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 「(和)おっぱい! (優希)タコス!」
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
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                /7::::i::::/ ィ 弌ト、.   乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
          _ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}`     ´んぅト/ /!::::::リ::/
.               八:::|从とつー '        ら::::/ 〉 ::::;:イ:::{
              >、 } 〃〃   ,   ` ーrっ// ノ::八
                 /⌒              〃〃/}_rくノ )}
             /::::::::::/\   ^ ` 〜 、    / >=へ
                {:::::从:{   >        _  < /:i:::::::::::ヽ  「竹井」
                  ゝ:::(八    _}>-=≦/{_    {八::::::::ハ::}ト
                   /i |   `>/::::\    }::/ レ'
              ---=ニ¨:::::::い  / '::::::::::入   ´
       __  /      i:::::::::ヾ/ ':::::::::::/  `ヽ
335 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/08(日) 22:12:59.39 ID:a+kb3u43o
雑談された設定は取り入れていくスタイル
久和には本当に申し訳ないと思っている
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 22:22:18.87 ID:7A2RjO4sO
名字呼び捨てのヒッサw
そしてハブられるまこェ…
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 22:23:28.06 ID:pJVwW/XQo
竹井wwww
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 22:52:15.34 ID:oq0OWxmSO
ひでぇwwww
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 23:08:04.54 ID:1BUExAJQo
話題にも登らない緑の娘かわいそう…
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 23:47:32.60 ID:7A2RjO4sO
ま、まこは子供を連れてRoof-topに行った際に良くしてくれてるから、お姉さんやお姉ちゃんって呼ばれてるから、除外されただけかも…(震え声)
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 23:53:06.46 ID:HrmZIvNqo

咲日和の池田の巻のみたいだ
文堂が三姉妹に呼び捨てにされるやつ
342 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/08(日) 23:57:45.14 ID:a+kb3u43o

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  ///:::::::::::V::ハヽ:::{ \::{N {::っ::::::く    ├ ‐┤{:::::::r''   / /:::}::::::::::ヽ:::::ハ:::}
  〈/ {::/:::::::/:::::::ヽ ヾ、 `ヽ  ゝ;;;;;∠    /   { P...::7  ' /ノノ:/:/:::〃:ノ ソ
  ′ V:::::::::{:::::i::::::\__   \        /    \ ̄´   / /::://;:く<
     V:::::∧::ハ::::::::::::::::ハ    ` ー─ ´     丶  `丶、_ ィ'::::::::::l:::::〉、:ヽ
     〉:::ハ:〈 ヽ〉:ノ=‐7`                    /:::::::::::///  〉::〉 「まこおばちゃんでいいんじゃよ?」
     ソ´  `  /: . :┤          ` ー──-       /:::::::::ノ 〃   ソ
       , .<´: . : . 〈    \             /:::::::V  ′
    , .<: . : . : . : . : . :\     丶       . .<:<_V∨
 ,. .<: . : . : . : . : . : . : . : . :\     ` ー <: . : . : . : . : .\
343 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/08(日) 23:58:14.71 ID:a+kb3u43o

                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 「まこちゃん!」
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
           /   __ i: . : :、/|__ ∠  / ‐  //          |
          /`-‐ /   / |  __ -‐/   /             |


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. /  : {   : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !:    |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ   ヽ;| |: : : |  ,≧:|_  マ:|',:. :  |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ   ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
.  l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ    ヽj  i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
.  |: : : : :,:.A | { :::::::::: }        .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
.  |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ        `゙'''''´  .//ノ-‐''" ̄ ヾ 「まこお姉ちゃん!」
  .レi: : / ヽ∧ ⊂⊃   `     ⊂⊃  " /: : : :..: : : : ̄` ' 、
ー==,.∨ ̄ミ=',      .___,   .    /≡ィ゙\: : : : : : :
_/      .: : ゙∧                /ヽ   `ヽ\: : : : :: : : : \
 _/ : : : : : : /{"゙,ヽ          ,   へ ::    - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. >   . __, . - "〃ヽ \,.'       ヾ: : : : : :  ヽ
: : : : : __/      ' ,: : \      {__,.. '       ノ:\


                   __
             -‐<:::::::::::::::::>へ
          /:::::::::::::::\:::::/:::::::::::::\、
          /:/::::::::::::::::、:::::∨:::::::::ィ:::::::::::ヽヽ
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          l::::l::::::::::::::::::l ` `´ ´  |:::::::::::::ヽ:!:::i
       /:::::!:::::::::::::::::i         l:::::::::::::::::::\
      」::::::::::::::\::::/       \::/:::::::::::::〉
      /:::/:::::::::::::::::{`ヽ、__   、_,、__-‐´〉:::::::::::::::::ト.,
     ∨ヘ:::::::;;:へ::「 ̄ ̄ ヽ  /  ̄ ̄レ`ヽ:::ノ::∧:/
        ノ:ゝト{  `       L__!       1 レ::く
      //::::::、',        /  、       //:::::、::\
    〈::/ {:::::::::::`ゝ__ / 、 \ __ ィ´:::::::::}ヽ::::〉
    ヽ  {::::::::::::::\' ' ' '___     ' ' ' ' ノ::::::::::::ノ 〉;′   「て、照れるのう」
       `ヽ:イ:ヘ:::>.(_二二ニつ <:j::∧:::/   '′
        ´ ´ `_>.─i ー--‐ i´-::ノ__'_ `
       ┌、、:.. ̄:..:..:..:..:.〈′     ト/:..:..:..:..:.. ̄>、
      ∧:ヽ:..:..:..:..:..:..:..:..',    ,-/:..:..:..:..:..:..:../:..:∧
       / ヽ:..ヽ:..:..:..:..:..:..:..ト、__/:..:..:..:..:..:..:.〃:./ ヽ
     ∧、  \:.\:..:..:..:..:..ヽ   /:..:..:..:..:..:../:/  /∧

344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 23:58:36.96 ID:HrmZIvNqo
やっぱりまこがナンバーワン!
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 23:58:50.43 ID:db/q2RHuo
うむ
346 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/09(月) 00:00:15.40 ID:e7h/Ybnoo


               _,. =-―‐-= 、
            ,. <: : : : : : : : : : : :`ヽ、
            /: : : : : : : : : : : :ー- 、 : :、 \
          /ィ´ / : : : : : : : : : : : : \ \: ヽ
        // イ : : : : : : : : : : : \: : : :ヽ: ヽ:ヘ
        /;ィ" / : : : : : : : : j: :、 : : : : \: : :.';ヘ、ハ
.       /:,.' .l :/:,': : : : : : :/|: : lヽ、 : : ヽヽ: : ';ヽミ '、
      /:/  l/ ,': : : : : :,イι !ト、l `ミー-=ゝ.: : :',: : ヾ\
      ,':/  .l: :l: : : : : /    ヽ ヾ _, -‐'' ヽ.: : :!: :゙l} ヾ:、
     f:,'    {: :! : : : :/ー-      ´-‐,_-ュ、゙,: : l゙!: :{    ゙;
    {f     V{l: : : :,' ,_=ミ_     ,ィ7圭r`} l: :,!': : !    ,!
    ゙{    V!.: : :Kf'r伐ミ`     ゞ=≠ リ:/j: : リ
     `ー--'  ゙',: : N゙ ゞ='-'  ,   ////ィ'/: :.厶ィ スヽ
             ヽ:.{ ト、///       (f´イ': : ;:'  / \゙,   「お姉ちゃんって呼んでいいのよ!」
              ,rゝぃゝ、   ー〜ー ' ィヽlェォ'   /   ゙;
         _,. -―込_ノ~゙f' `≧,‐ - < /.,イ/i   /リ     ー- 、
      , ';.ィ フ´ : :_:_:_;ノ   {ー=ーt'`ー!:.f: :l、ヽ ム'      、!   \
     fi'  f: :,r ´冫fハ、   弋   l.   V、: :ゞヽ\   _   \  /
     ぃ  V: : :( 弋ミ\.   ',.  l    );\: :X `i}/       ヾ
        ゙ーノ \: :\ ヾ三\.  ', l ,.ィ彡ニ;ィヾ!ノ'   ,r―=ァー- 〉



               ,..  / ヽ ´⌒> 、
             /             \
            /      |  }!      \⌒
.           /  /   !   |   | ヽ   \
           /ィ  :|  \∧  | /| |! トー―
           | _|VT示r ∨j/示rx/ V(
            レ1(  弋,り   弋り {ソ V            __
             |/V{   ___   从|>ー―――r―――/ /
             ___/>、 V /  イ7   /     /――-、  \   「竹井!」
          ___/   | | ー 77 /   /     /      ー―
         ノ  (    | |  / /    /     /
       /     \|   | | / /    /´ ̄ ̄ ̄
     /        !   ∨∨ /  /(
  _/\     /|/   ∨ / / /  ⌒ヽ
 ー  / \    / 人   〈 /  /       |
   し′     ̄  ,  >==≠  | /⌒ ト{_
             |    | |/    |/|   |::::}!
             |   \| {___/::/|   |::/




   /: . : ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V: . : . : . : . : . : . : .',
    {: . :.:7::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Vヘ: . : . : . : . : . : . : ,
   !: . : ,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}ソV: . : . : . : . : . : . :,
   ,: . :.{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ::::V: . : . : . : . : . : . :.
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    V: .',:::::::::::::::::::::::::::::::-- ―― -- 、:::::::::::::::::::::::::::::::i: . : .:.i. : . : . : . : . .,
    V: ..}:::::::::__,. /         \:::::::::::::::::::::::::川 : . !: . : . : . : . : .}
     ヽ:.:',‐ ´     ,           ー― -、:::::7: . : .:..!. : . : . . : . .:,
      ヽ:}                      ー{..: . : . :.i. : . : . : . : .,   「……」
       ',!                ,}    ,イ: . : . :.:リ: . : . : . : .,
       i               イ/〃   / {: . : . : /: . : . : . : .,
       ., u         ,.. '"  /     ,'  ',: . : . :{: . : . : . : ./
        .、       _,.ィ'" -‐ ´        ,人: . : . : . :i!: . : .,
        i:.ヽ                  /  ヽ: . : . : i: . : .,
        ',: . : .’ - ,_           イ     ヽ: . : .:i: . :.ノ
        \: . : \: .: . : }: . . . .ァ  __ '"         }==彡
          `  _:.\: . リ: . : ./  ',          /: . ノ: . : .ヘ
              、}===/   ',        /: . : ./}: . : . :ノヘ
              ノ: . : ./} __,.j       /,': . : ./:;:}. : . /: . :}
347 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/09(月) 00:01:51.74 ID:e7h/Ybnoo
まこさんは面倒見の良いし料理上手いし、結婚早そうな気がする
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 00:05:07.11 ID:+tl1dtIW0
この双子、すこやん見たら悪魔呼ばわりしそう
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 00:06:21.74 ID:Y4i2jj0cO
このスレの和と久はオチ要員知ってる
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 00:13:30.94 ID:IdOqI74Po
おっぱいと竹井が逆光源氏計画をたてている可能性
さすがにないか
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 00:32:33.18 ID:Y4i2jj0cO
>>350
自分もそれは頭を過った
そして妹がキレて魔王化して槓(未知)が炸裂
352 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/09(月) 01:49:39.62 ID:e7h/Ybnoo

 >>348

 ・TVを見る双子。息子視点

                    ;/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ ;
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          ノ     :|:.:.:.:|:.:.|:.        ,        u |:.:.:|:.:.:.:.:.|
          ─|─〃  |:.:.:.:|:.:.|ハ            ,    イ : |:.:.:.:.:.|
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             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
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      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 「あらふぃふだ!」
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
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353 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/09(月) 01:50:16.69 ID:e7h/Ybnoo

 ・TVを見る双子。娘視点

\\// Y=ニニニニニニニニ∨   ∧ニニニニニ/⌒丶/  ./  { }ニ}ー-、    /  {}}   厂 ̄ ̄ ̄⌒ヽ__
=ニ∨/   }ニニニニニニ厂 ̄    〈  }==ニニ/⌒7  ー=彡  }.//}______厂 ̄}   {}} /      O ,ィ彡'´
ニ∨/  .ノ==ニニニ/  }ニ:Y  }  }==厂   ,.   -────-  /ニニニ}__/    {}}ニニニニニニ⌒ヽ___
ー=彡'"´ニニニニ/   人ニ{   ノ/⌒´  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`丶/  ⌒ヽ  {}}ニニニニニニマ
ー'=ニニニニニ/   /  ヽ=ニニニニヽ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\/⌒⌒ヽ         〉ー=彡⌒´
ニニニニニニ/   /    ノ===ニニニ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ      ̄`ヽ     {ニニニニニニニニ
==ニニ\    /     ⌒ヽニニニニ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.          \   \ニニニニニニ
=ニニニ/    ′         }=ニニ/:.:.:.:.:.:.:.: :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,イ : }:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.        }     Y⌒ ̄ ̄`ヽ
ニニ/\     γ⌒ヽ__rく==ニ′: : :i:.:.:./|:.:.:./{ハ: :./ |:.:/\:.:./ハ:.:.:|:.:.:.:.:.i        }     }      }
ニ/ー-  ⌒7 ̄}      /{.   i:.:.:.:.: :|:.:/ :l:.:./   ∨ レ'  ∨  }Y:.:.:.:.:.|       Y      /       /
ニニニニニ/⌒ /      /   } 〃|:.:|.:.:.:.W  V                |:.:.:.:.:.|   / ̄ ̄⌒)    /     /
ニニニニニ}           ⌒)/  {{ |:.:|.:.:.:.|   ___,.   、____  |:.:.:.:.:.|____/,ィ彡'´  Y⌒ヽ/   /==ニ
ニニー=彡 ヽ_ _  O       |:.:|.:.:.:.| ´                ` |:.:.:.:.:.|:ニ/  /   /       /==ニニニ
ニニニニ\      >`¨´       |:.:|.:.:.:.| ,斗ぅ芋ミ      斗ぅ芋ミ  |:.:.:.:.:.| {__/   ./⌒ヽ     /ニニニニニニニ
ニニニニ厂⌒ヽ/\}  ,ィ彡'⌒    |:.:|.:.:.:.| {. 乂辷ソ::::::::::::::::::乂辷ソ .} |:.:.:.:.:.|  /    /==ニニニ\/    / ̄ ̄ ̄
:ニニニ/⌒)      \/     〃  |:.:|.:.:.:.|ハ   :::::::::::::::::::::::::::::    ハ|:.:.:.:.:.| ./    /ニニニニニニニ〉    /
=ニ/   _}ヽ   ー=彡'´    |:.:|.:.:.:.lヽ{        '         }ノ|:.:.:.:.:.| | __/===ニニニニ/⌒\/
/   __)   }          |:.:|.:.:.:.|:.人     __       人 |:.:.:.|: | | |=====ニニニ/O  Y
  /  / \/  ___________}\ |:.:|.:.:.:.l: :|:.:|:...    ̄ ̄    イ:l:.: :|:.:.:.|: | | |===ニニニ/ `¨´ /|
/ニニニ〉    Y  {ニニニニニニニニY.|八:.:.:.ト、|:.:|:.:.r‐}` ー--‐  {‐ァ: |:.|: : |:.:.:.|: | ∨ニニニニ/     / :|
\===/     |   〉ニニニニニニニニ   \l:_:|-‐'{厂         ア}ー- .:_:|:.: 八|===ニニ/       /  ヽ___/
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⌒ヽ ー───ニニニニニニニニニ∧           ヽ       /           ∧    { {____/ニニニニニニニニニニニ





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                /::::::::::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::ヽ
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            / j:::::::/:::::::/__::/  |{ |:::i  i:::ハ.∧:::::|: i:::::::i:::::|l
             { /:::::/:::::/i{  |{ ̄~|圦:::; i/ j/-j::::/:::|::::::il::: |l
                /7::::i::::/ ィ 弌ト、.   乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
          _ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}`     ´んぅト/ /!::::::リ::/
.               八:::|从とつー '        ら::::/ 〉 ::::;:イ:::{
              >、 } 〃〃   ,   ` ーrっ// ノ::八
                 /⌒              〃〃/}_rくノ )}
             /::::::::::/\   ^ ` 〜 、    / >=へ
                {:::::从:{   >        _  < /:i:::::::::::ヽ  「ヒッ、怖い! 助けてパパ……!!」
                  ゝ:::(八    _}>-=≦/{_    {八::::::::ハ::}ト
                   /i |   `>/::::\    }::/ レ'
              ---=ニ¨:::::::い  / '::::::::::入   ´
       __  /      i:::::::::ヾ/ ':::::::::::/  `ヽ

354 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/09(月) 01:51:08.67 ID:e7h/Ybnoo
きっと麻雀適性もこの通り
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 11:00:25.89 ID:Y4i2jj0cO
すこやんは未だ独身なのだろうか…
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 11:16:27.33 ID:oDyoXc0fo
正直京ちゃん、作者設定とアニメのシーン重ね合わせたら「他家への放銃率&放銃時の打点上昇」とかのデメリットしかねえオカルト持ってても不思議じゃない状態になってんだよなぁww

※りつべが「男子麻雀はクッソ地味」明言してるにも関わらず県予選で倍満だの三倍だの放銃しまくってた京ちゃん
357 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/09(月) 18:00:22.89 ID:e7h/Ybnoo

 1/8

 994
 タイムカプセル


 「タイムカプセル?」

 「そうよ! 全国制覇……とはならなかったけれど、この6人組で偉業を成し遂げたのよ!

  私たちが老いた後、埋め起こしてみるってのも面白いんじゃない?」

 「おー! じゃあ私はタコスを……」

 「優希ちゃんやめて! カプセル内が大変なことになっちゃうよ!」

 「ちぇー」


 宮永咲です。

 清澄高校麻雀部、初出場で全国2位記念ということで打ち上げをしたんですが、急に部長が思いついたみたいです。


 「って言っても、入れるものなんてないですよ」

 「麻雀牌でも入れちゃうかー?」

 「ゆーき。これからどうやって麻雀するんですか」

 「普通は小学校の頃遊んでいたもの、なんかが主流なんじゃないかのう。

  あとは手紙が一番メジャーかもしれんの」

 「手紙……、いいわね、まこ!

  みんなで未来の自分に対しての手紙を書きましょう!」

 「まぁ、無難なところですね」

 「いつ開けるんですか?

  おじいちゃんおばあちゃんになってからだと忘れそうですね」

 「うーん。あまりこういうことを言いたくはないんだけれども、開ける頃にはいなくなっている人がいる、なんてこともよくあるらしいわ。

  だから期限は10年、ってことにしましょう。

  ちょうどみんなが就職して、結婚なんかもして、一番頑張っている時期に過去からの応援の手紙! って感じよ!」

 「おおおおお、部長が真面目なこと言ってるじぇ……」

 「ゆーき……」
358 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/09(月) 18:00:51.70 ID:e7h/Ybnoo

 2/8

 とは言ったものの、書く内容が思いつかないよう……。

 10年後の私、一体何をしてるのかな?

 同じく、横で何を書くか迷っている京ちゃんを見る。

 この全国大会で京ちゃんと恋人同士になったことを思い出して、顔が熱くなる。

 ううう、未だに慣れないよ。恥ずかしい……。

 そこで気づく。

 私と京ちゃんは、10年後もちゃんと恋人でいるのかな?

 急に怖くなってくる。

 些細な喧嘩で別れてしまうことだってあると聞くし、京ちゃんと別れるなんて考えたくない!




          ,  ´    /V    <⌒`
        /,     /   ∨      ̄\___
       ' /       '     ∨   、 < ̄ ̄´
       / /    ,  |      V   l | V \
     '  .'  / l |  | l     | } 、 | }  、`
     |  |  { |{ |  {∧ l   |//V /   \
     } ∧ ∨从>-、从  |'___}イ }、r----                 「なぁーにしけたツラしてんだよ、咲」
     /イ' 从 {  =====∨\ }  ̄  |ノ `\   ____
      乂  \           リ    |  ,. : :´: : : : : : : : : :`: : : .
       \__、              人/: : : : : : : /: : : : : : : : : :`: 、
     /⌒7/{込、  ,  ―--‐  イ/: : ,: : : : : :/: /: :/: : : : : : : : : : ヽ
     /////\\//≧   __ ィ///: : : :/ : : : /|_/: :/: :/: :/): : : : : : : .  っ
    {////// V///// ̄} //////,--、/: : :/_ /`ー'--'-/-く: : :/: : : : : :.  っ
    ///>-//}/////// ()//// 〈  {: /  ===   /:イ: //\': :/: : : : :|
   ,'////////≧=--- 、////////⌒ー--}         |://:/}:\: / : : ,
   {////////////////// ̄}¨´  r‐―ノ       /' /、/イ: /`/: :
   ` <_////////////// |    〉               ヾ>jイ:イ: : /     「ぅひ」
      |//// -=<__()__ノ--≦:く     ,....::⌒\        /: : : : :,
      |////////////////////乢\  `ヽ、:.:.:У     ,:⌒V:∧: :{
      |////////////()//// ̄Vノ >,   __      ,イ_ノ/ \|
      ////////rく(ヽr,// く...、......∧---/........\/: イ ̄ }://イ
      //////// し'--く/  {:.:`\....、 /........//r、/ )-、
      ,'/////////ノ---' \  ` ー-`、∨.....イ/r'-、 ーく
     //////////∧            [二] ̄  ∧_二}´
359 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/09(月) 18:01:20.99 ID:e7h/Ybnoo

 3/8

           ,. : : : ¨¨¨: : : .、
          /: : : : : : : : : : : : `: 、
         ,:': : : : : : : : : :,: : : : : : : : .、
          /: : : : : : : : :/: : : : : : : : : `:、                 ___
         ': : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : :.            _   - /`ヽ´-<⌒
       /イ: : : : : : :./: : : : : : : :/: /: : }: : .      ,  ´    /    、  ヽ
       | |: : : : :_:_:/:,: : :/: -/-、'}: :/: : :.|     /        /  / | ヽ   \
       { {: : : :/-、{イ : / ,ィ斧ミ' /: ,' :/ : |     .'         |  /|_,/l_イ| \  \_
       八 : : 、  |: /{ 〈ソ /: イ: / \{     }        {  | }/__ 从 、 |` ̄ ̄
           }: :イ八 }/  :.:.   ( {:/イ   `    ,'           |  芯 {、 从}
      r―く_/    、   、_ ノ `        /イ      {⌒Y    、\{
     _/ --- 、`ヽ、 /_>--  ´               、ト     乂_      ノ `
   「  / ̄::`ヽ Y、ヽ-、               }∧  /从    ー '
   | /l::::::::::::::::::∨ヽ}` { ∧             __/' '     _   /
   | イ::|::::::::::::::::::::∨ \〉' }          , - ≧=- 、    ,.:'    ̄
   | ハ::Y::::::::::::::::::∨、_{  ∧         , ´ , ´: : : : : :ヽ  /  `ヽ、
   Y|::::::、::::::____〉::|!:l「:::::::.      /   /: : : : : : : : :}:、_ r-/:/ ハ
    `'|:::::::{:∧    ' :::|!:∧_:〉     ,    l: : : : : : : : : :|、:`¨´:/ /: |
     |::::::::: ̄:.    Y!:{:::} |'     /   Y: : : : : : : : |  ̄   : : : |
     |::::::::::::::::::.    マ::::::| |    /      } : : : : : : : : |   / : : : : |


 なんやかんやで、考えてたことは京ちゃんにバレちゃいました……。


 「そんなくだらないこと考えてたんだ」

 「くだらなくなんてないよっ!」


 ム……としながら言い返すけれど、京ちゃんは呆れ顔。


 「今までも喧嘩なんてたくさんしてるし、もう4年目の付き合いだろ」

 「だって……」

 「それに、10年後の話だったらもっとプラス思考で考えればいいじゃん」

 「プラス思考?」

 「た、例えば、結婚……とか」

                    ,. - ――-- 、
                 , -、´     - 、    、
                ,.:/           \   \
                  / '   |  、    \  \   ヽ
                   / |   |  | ヽ l  ヽ   :.   |
                 / _,∧{ | _|__,从  | |-、  l   |
                 ̄ / ∧ {'Y___ ヽ、 l ノィ { ∧{
               { /ィ从\ Vソ '  ∨| |、 从{  \
       ,. : : :¨¨¨¨ ー: :': : :〃     u /イ}/ } /∧
     ,. :´: :,: : : : : :、: : : : : :/ ` ー、 _     //////{
     /: : : ,: : :∧: : :|: : :|: : : 、   `ヽ`_....イ </////`> 、
    .': ,: :/:.|、/__{,: : |、__,lィ: |: :ヽ  _}/∧  \/////////>
    {: {: :|: :|/__ 从: { }:_/ヽ:}:、:∨,ィ////〈   「//////////////> 、   「結婚!?」
     '.: : {: :|{{__}} ∨{{__}} }∧\}'///////{  ///////////////////}
     ∨从{u //////// ム: } ///////// Y////////////////////|
      乂_\  ∠ヽ  人∨///////// (_)////////////////////|
      __l、_,.- ≧r- r≦_と,..--ィ `¨¨ヽ、//////////////|////////|
     { \::::::::「 ̄ ̄ ̄ ̄ 〉|/ ,ィ,-     \////////////////////|
     |  \,-ァ     r〈∨ // ,.--、  /⌒\//////// |////////|
     /    {´_〉 ---- 〈_,`{ノ/{ノ///`>/////\////// |////////|
    乂  /∨´ 、    }イハ/////// {////////\//// }////////}
     { ´   {     ̄  ∨ }/////// \////////\/_ノ/////// /
     乂__ノ\____/__乂//////////\//////////////////
360 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/09(月) 18:01:53.02 ID:e7h/Ybnoo

 4/8

 「だ、だだだだだだ誰と!?」

 「いや、そりゃ……恋人とだろ」

 「きょ、京ちゃんとってこと!?」

 「そ、その時の恋人が俺とは限らないだろ!?」

 「……ぅぅ」

 「な、泣くな泣くな!

  わかったよ……」


 京ちゃんの言葉に泣きそうになっていると、京ちゃんが急いで手紙を書き始めた。

                     ____
            ,. ´ __    `¨¨ヽ
         ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
        /  _     ,:   ∨   、    :.
      / /,´      /    |    ヽ     .   『10年後の俺へ
    / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
    l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |   咲を悲しませていたら
  _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
   ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}      針千本飲ますからな!』
       / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
        / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
      ´    \∧  '        ,r ' /
            、  v   ァ    / 从/
                  \ `こ     イ  _|、
               ` r  ´   //∧
                  /|     /////∧


 そして、恥ずかしそうに顔を背け、手紙を渡してきた。


 「これでいいだろ!」

 「こ、これって」

 「勘違いするなよ!?

  結婚するって意味じゃないぞ!」


 そのあとに、「それに、そういうのはもっとちゃんとした立場になってから言わせてくれ」と、小声で繋げたのをちゃんと聞こえた。

                  _........----......._
              ,. : ´: : : : : : : : : : : : :`: : 、
             /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、
              :': : :,: : : : : : : : : : : : :、: : : : : : : : ヽ
            /: : :/: : : :/: : : : : : : : : |: |: : : : : : : ∧
             .': : : ' : : : / : /: :,: : イ: : :|: }: : |: : :|: : :∧
            , : : : |: : : / : /l: /: / }: : ,:.イ : /: }: :}: :!: : :.
             | : : : |: : /:{:_/_}ム/ / : /、_|:_/: /: /: :|: : : :.
             {: / : | : ィ´}//イ /}: / / }/`ヽ:イ: : ': : : : :
          〉,: :, {: : | ,ィ斧汽 /´ ィ斧汽、} : /:|\: : |    「えへへ、これで許してあげる!」
          {八:{ \:{とヒこソ       ヒこソっ: イ: :|  \}
          |   乂ム     :.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:  ムイl: /
             从{∧     _   _     人:∧{
              |/ >:../^} /⌒l、` .イ }:./ リ
                ___/-'-'-- 、/〉「-、/ '
          ,.. <:::::::::::::::{======ミ`ヽ|〉::`::::...._
         /⌒\\:::::::/`ヽ:::::::::::∨, {::::::::::::::::::>-、
          {==、 {:\/   〈7 ー、{ ̄|:::::::::::://,ィ^.
            ,   \Y       /   | ,::::::::/イ:.:./  ∧
         {      `|  、      |_/= ´イ:.:.:,イ  /  }
361 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/09(月) 18:02:23.33 ID:e7h/Ybnoo

 5/8

 「なぁ、咲はなんて手紙を書いたんだ?」

 「内緒!」

 「おいおい、俺のは見せたじゃん!」

 「えー?

  だってこれ、10年後に見せるものでしょ?

  今見せたら面白くないじゃん」

 「ぐっ、確かに……。

  ってことは10年後には見せてくれるんだな!」

 「えっ、ちょっ」

 「いーや、ダメだぞ。絶対に見せてもらうからな!」

 「きょ、京ちゃぁぁん……」



              _____
          ,. . : ´: : : : : : : : : `: : . 、
        ,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、
      /: : : : : : : : , : ,: : : : : : : : : :\: \
     /___,__: : : /: /__{:|: : :|: : : : : ヽ: ヽ
    ' __,./_/___/_/|:|__|--==: V : : : V: ::. 『10年後に宮永咲はいません!
    /: :,: : : l : |: :|{ -| |-:l:| : : |l{,:-|--:|、|: : : :V: :
   ' : /:/: : : : |´八: { {: 从: : :{ \} 、}|:∧: : : | : |    須賀咲ちゃんになってます!
  / イ|:l': : : :{: | ,ィチ雫ミ  \_:、 ィチ雫ミ: |: }: :| : |
     l'|: : : :∧{{ _)::刈      _):刈 V|/: /: : |  須賀咲ちゃんへ! ちゃんと京ちゃんのいい嫁さんになるように、家事を頑張ること!
     |: : :,: :{人 弋zり     弋zり ノ'}: /}: ,: |
     |: :∧:乂l}         ,         /イ ノ/}/  いい嫁さんになってなかったら針千本飲ましちゃうからね!』
      l/ \叭                 ムイ://
           ゝ     ´`      イ}: /}'
            \>       </|/
            从 :|  `´  |: :/
             /⌒ |      |⌒\
           /.........∧     /...........\


 カンっ!

 ……カン?
362 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/09(月) 18:02:56.00 ID:e7h/Ybnoo

 6/8

 おまけ


           ,. : : ' ¨ ̄ ¨': ‐- 、
         _,/ : : : : : : : : : : : : : : : :\
   x‐―‐(./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.\
  /:./: : :/:/: : /: :/ : : : : : : : : : : : : :.ヽ: : : :ハ
 ,' /: :/ :/:/: : /: :/ : / :i: ! : !: : :!: : : : :ハf⌒Y⌒)
 !,': :/ : ,' : : :/_」⊥、:! :.| :! : !: : :! : : !: : :.ト--ヘ⌒\         『10年後の私へ!
  !:/| : :.|:.!: :イハハ: !: ! :.!: !:斗--!、 : |: : : !: : : !:ヽ.\\
  { i:! : N\| xぅトN ヾヾ| 从从/ メ : : :|: : : !: :! !: ハ )     タコスばっかり食べてるかー?
.   从: :! }: ハ〈.ん::i}     z=ミ、 |: : :.i: : :,' : | |: : :!
    ヽ|/: : :! v少         .....  !: : ,': :./: :.,' ,': :./      今の私は失恋して辛いじょ。
    イ !:fヽ.! :::::  '     ::::: ,': :.厶イ: : / 厶ィ'
     乂 |. }:.ゝ、   v フ    /: :/: :/: :./         でも! 10年後の私ならこれも笑い話にして、もーっといい男を捕まえられてると信じてるじょ!』
      _|. Vリ/ > 、     ,. イ仏厶仏イ
     /ヽヽV 厶r:::个ー'^ー'"⌒}―- 、__
    { \〉J }::::::::::∧ r‐x┐ ,|::::::::::::::::`:7
    ヽ`ー'  ノ::::::::::::::::\ヾ!ト'  !:::::::::::::::::∧
.    /ゝ―:彳{::::::::::::::::::::::ヽい〉 |:::::::::::::::/ ハ
    |::::::::::::::人\ー― - 、::::\/::::::,. イ / |
    |`ー―'  〉 !\: : : : : :>-r<:./| /   !




     /:.:.:.:.:.::/ヽヽ:.//|::::.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:ヽ
     ノ:.:. :.:.::::|``゛゛´""'' |::::.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:::::.:.:i
    i´..::..:.:.::::/       |:::.:.:.:.:.:.:.:!::::: ::::: i          『10年後のわしへ。
  _ノ:.:.:.:.:::;<_         、:::::....:.... \::::::.:.:.!
  i;ハ:.:::i.::::i _ヽ      __.>、:::.:.:.:.:..|::::::.:.:|            正直検討もつかんが、なんだかんだうまくやっていると信じているよ。
    !::::|;ハ:!f' r:::ヽ     _´__i::;:::::;:::::ヽ:::.:.:!
.    >.:|:::::! b:::::i)_i´ '"f'::::::ヾ、::ノ!:::ハ|:::.:.:゙、           この年に生まれた絆は、その時になっても大事にするんじゃぞ』
  /ィ.:.::゙、::! ゝンi´h !.   P::::::ノノ!. レ ノ:::.:.i、.:i
.  i;ハ.::::::::!ーy' ,ィ' .i h゙、   `ー‐ 'ノ   ノ:::::::::.ハ!
    ヽ:::i:::>/ .i/ | ||`ー--‐'/ ̄::::/:/::/
      レVノ     |    イ:::,:;;;::/;人:i
      |        |-‐'´  .|_"  '"  ゛
     ._|     /     トミ:、_
 ,/ ̄:.:.:._)_    /      |:.:.:.:.`ー-、
<:.:゛、:.:.:.:/__:.:.`ヽ_/iー-、  -‐-i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ー-,、
363 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/09(月) 18:03:34.78 ID:e7h/Ybnoo

 7/8

           ,∠、  /            ヽ
            /   |: :/                  \へ
     / ̄¨ヽイ     |:/ / / /||:! ! | !         .|
     !:   〈〈:     /:{: ': ,': ':::|::|: l::l: l::l  ,ィ: ! l    ,!
     ∨   ノ¨ト==イ: :! l斗十ナナノ.:|: /::l. /十ト、l:     i〉
      ¨フ´/ !: : : :! 、トト、!ィチ^:丁:::}/ :::}'::::::!ノ :: !: l   リ
.     /: 〃 |: : : :|ミソ :::〈 l{::::::::| :::::::::::::::rf示、 ノ ノ/ /
     レイ ト、_|: : : :l ヽ  弋:zソ       !::::}l }イノイヽ
     |.: : :|: : : : .: |     ::::::::      ,  辷リ !:. :. :.:ト、 \
     |.: : :|: : : : .: ト、            :::::: |: : : : | ⌒
     / : : :|: : .: .:  lミ、Y       ‐ -    ノ: : :. :.|
.    /, : : : |: : .: .:  l   !  ヽ           イ|: : !:.|
   //   : :|: : : :  :ハ  |   `  . _ x<: : |: :!: : :|:. :!
.  //  . :/!: : : :   ∧. !       |  |: : : :.|: :!: :. :.、|
  //   . ::/∧: : .:   ∧`ヽ.      l ヽl、:: : |: :l : : : : ト
. //  . ::/厶 ヘ.:     ∧  \   `ヽ.  ヽl : l : : : : | ヽ
//   , <   \      \  \    ∨  `|: :. :. :.|   \


 『10年後の私へ

  きっと10年後にはips細胞も実用化して須賀君と咲さんを同時に孕ませることが出来ているに違いません。

  ここ数年で二人とも私のものにする予定です。

  おそらく10年後には忘れている可能性があることをここに記しておきます。

  10年後の私は夫婦丼ばかり食べずに、夫婦丼+親子丼の可能性があることを思い出してください。

  焦らずに精通が来た後まで我慢するんです。大丈夫、ips細胞は無限の可能性なんです。

  きっとあの悪待ち(笑)はかわいそうなアラサーになっていることでしょう。

  恋愛に悪待ちなんてありえません。

  デジタル勝利の美酒を共に飲むことが出来ないのが残念です』
364 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/09(月) 18:04:14.82 ID:e7h/Ybnoo

 8/8

      〃:::::::::::::::/::::〃::::‐ン:/   |│」 |ヽl゙U::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::l
     //::::/:::::::/::::丿/::丿:/    リ !l l i:`ー  '、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::│
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        /::::::::::::::::::::::1   ノ        ノ  / :::::::::::U゙l゛ー 、


 『10年後の私へ。

  きっと10年も待てば悪待ちも成功して、この世の全てをデジタル(笑)で解決出来ると信じているレズもどきも改心している頃かしら?

  いいえ、そんなのはもうどうでもいいわね。それより須賀君よ。

  私は人生悪待ちで生きてきたわ。きっとこの悪待ちも成功するはず。

  今は別の女の子に浮気していても、須賀君が本当に好きなのはこの私ってわかっているんだから、もう、ツンデレね。

  きっと10年後には幸せな家庭を作っているんでしょうね。

  子供は2人か、3人かしら? あらやだ、まだ早いかしら。

  私としては共働きがいいと思うんだけれども、須賀君がどーしてもというならば専業主婦でも悪くないと思うわ。

  もし意固地になっていたら、この手紙を見て思い出して、須賀君に優しくしてあげてね』
365 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/09(月) 18:07:32.81 ID:e7h/Ybnoo
投下終わりです。京咲AAが豊富だったからどうしても使いたかった。やっぱり京咲はNo.1!
双子が京咲そっくりで、前回のリクエストでキスしているのは業が深い

>>355
前に宮永照スレを書いた通り…
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 18:21:34.88 ID:0sgCLjmSO
乙!
ピンクはもうこの時点で頭の中まで染まってたのか…毎日これでもかと砂糖吐かせられてりゃ仕方ないね

まこさんは幸せになってますように
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 18:22:43.51 ID:LFAjB+zzo

後ろ二人はもう終わりですね……(ロジェ並感
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 21:52:24.91 ID:spJaC9utO
これは納得の竹井呼ばわりですわ
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 22:25:28.79 ID:E6QWPELhO
タコスの手紙からにじみ出る
幸せになって欲しい感
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 22:36:08.46 ID:iShyGhhmo
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 22:39:00.86 ID:/sFrrviPo
男女を同時に孕ませるとか発想がガチでこーわーいー
京咲AAこんなにあったんだな……
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 23:48:40.87 ID:1Nn/f+WDO
乙です
和は親子丼とか言っちゃってるあたり効率重視を含め、ロックオンを息子(と娘)に向けてきそう…
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 13:52:45.36 ID:hkVYMGRqo
乙です
374 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/10(火) 18:50:32.08 ID:t6bULEOfo
2つ投下します
375 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/10(火) 18:51:23.13 ID:t6bULEOfo

 1/4

 906
 ペットのカピバラと戯れる


 「あぁ……、カピー(二代目)に会いたい……」

 「そういえば、最近会ってないよねー」


 須賀咲ちゃんです。京ちゃんがホームシックを起こしています。

 京ちゃんの実家にいるカピちゃんは二代目、私たちにとっては生まれたばかりの赤ちゃんの頃から知っています。

 何より、動物好きのうちの旦那さんにとって、カピちゃんと長い間会えないのは辛いのかな。


 「うちでも動物を飼う?」

 「いや、その場合はほとんど咲が面倒みることになるんだぞ」

 「うぅ、自信ない」

 「それに、ペットというかペッツというか、もう父母姉嫁息子娘で六人いるし……」

 「?」


 黄昏れる京ちゃん。え、なにどうしたの?


 「じゃあ、たまにペットショップでも行かないか?」

 「やっぱり寂しいんだ。

  それなら実家に一緒に行こうよ」

 「いやぁ、ペットを見に実家に帰ったなんて恥ずかしい」

 「えー。そこはお義父さんとお義母さんに顔を見せに行くってことでいいじゃん。

  孫を見たがってると思うよ?」


 わ、私としても『お義父さん』と『お義母さん』のポイントは稼ぐ必要があるしね!

 でゅふふふふ。この響き、なんかいいなぁ。


 「それになぁ。うちに帰ると、親が子供達を甘やかしちゃうからさ」

 「あはは。京ちゃんの家、わりとお金持ちだもんねぇ」


 カピバラを飼うために必要な施設を一式揃えている京ちゃんの実家は、大豪邸です。

 まず、家に温水プールがある時点でとんでもないよね……。

 あの龍門渕さんと比較しても、何ら劣ることがないってすごいと思う。

 そんな人がお義父さん、お義母さんなんて、未だに実感が湧かないなぁ。
376 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/10(火) 18:52:02.30 ID:t6bULEOfo

 2/4


 「よく考えたら、京ちゃんって凄い人?」

 「えっ?

  いや、俺自身は特に何もしてないし……。

  それを言ったら、日本代表雀士の照さんが姉にいる咲だって大概だろ」

 「あー、そういえばお姉ちゃんって凄い人なんだねぇ」

 「凄いも何も、インターハイ団体個人3連覇、そのままプロ入りしてルーキーオブザイヤー。

  何個かタイトルにも手を出してるんだぜ」

 「い、言われてみるとお姉ちゃんって凄いんだね」


 その代償なのか、家にいるとぽんこつ度が増していて全く凄いと思えない……。

 口を開けば『京ちゃんお菓子』

 動いたと思ったら気まぐれに子供と遊ぶ。

 事あるごとに京ちゃんを取ろうとする。

 ……うん。やっぱり凄いと思えない。

 テレビの中で活躍している宮永照と、自称須賀照を名乗るお姉ちゃんが同一人物……。

 これは詐欺だよ!

 一番似合ってるのが、お菓子のCMに出演しているお姉ちゃんだと思うよ!


 「といっても、家にいるときのお姉ちゃんを見ると信じられないよね」

 「まぁな。

  家にいるときくらいはゆっくりしてもいいんじゃないか」


 もー! 京ちゃんはお姉ちゃんに甘いんだから!

 た、確かに家にいるときにだらけるのを許してる私も私だけどさ……。
377 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/10(火) 18:52:31.30 ID:t6bULEOfo

 3/4

 「なんでこんな話になってたんだっけ」

 「カピちゃんに会いたんでしょ?

  行こうよー」

 「こ、今回はやめとく。

  でも、子供達を動物園に連れて行って、その結果カピバラに触るんだったらいいよな」

 「ジトー」

 「うっ。で、でも子供達も動物園に行きたがってたじゃん」


 動物園じゃ京ちゃんの仕事の疲れが取れないでしょー!

 まぁでも、実家に戻るのは面倒くさいらしいし、ここで妥協するしかないかなぁ。


 「咲」

 「なぁに、京ちゃん」

 「俺は、ペットを見たくなったら、咲とペットショップで見て触るだけでいいんだ。そんなに気を使わなくてもいいんだぞ?」

 「ふふふ!」

 「な、なんだよー」

 「私だって、京ちゃんとのデートは本屋巡りしたり、図書館に行くだけでいいんだからね!」

 「ハハハ……」


 二人とも、相手のことばかり考えて馬鹿みたいだね!

 でも、こうして心配してくれていることが、とっても嬉しいよ!
378 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/10(火) 18:53:10.73 ID:t6bULEOfo

 4/4

 ・動物園にて


 「おお……かたい……」

 「照さん、カピバラの体毛は凄く硬いんです。

  ここのみんなは人馴れしてますけど、ビックリさせると危ないんで気を付けましょう」

 「わかった。気をつける」


 お姉ちゃんはカピバラに思いっきり抱きつきたいのをこらえているのかオドオドと近づいています。

 あ、あれ逆に警戒されてるんじゃないかなぁ。

 逆に京ちゃんはカピバラ慣れしているようで、自分の思い通りに触れてるみたい。う、うらやましい。


 「照さん。こっちのカピはかなり人馴れしているみたいなんで、思いっきり行っても大丈夫ですよ」

 「ほ、本当?」

 「はい、ギュってしてください」

 「か、かたい」

 「ヘヘっ、固いですよね。見た目からしてモフモフしてそうなのに、こいつらは本当に固いんですよ。

  慣れてくるとそれが可愛く思えるんですよね」

 「かわいい、かわいい、かわいい」

 「おお、照さんも静かにテンション上がってますね。

  ぬいぐるみのカピバラだとスッゲー柔らかいんで、買って帰ります?」

 「う……、咲、買っていい?」


 そ、そこで私に振る?


 「まぁお姉ちゃんのお小遣いで買う分にはいいと思うけれども、結構高いし、何より、子供達に奪われないようにしないとね。

  あんな高い物を使えるってなったら、金銭感覚壊れちゃうからね。ちゃんとお姉ちゃんが保管して、子供が寝た後に使うこと!」

 「うん。頑張る。ありがとう、咲」


 もー。どっちがお姉ちゃんかわからないよ! カン!
379 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/10(火) 18:53:52.25 ID:t6bULEOfo

 1/6

 999
 高校時代にできた戦友


 「あらあら」

 「あっ……」


 須賀咲ちゃんです。今日はものすごい偶然に巻き込まれちゃいました。

 息子と娘を公園に連れて行って、ベンチでボーッとしていると、見覚えのある人がこちらに歩いてきました。


 「宮永咲さん。覚えているかしら?」

 「ええっと、石戸霞さんですよね?」

 「ええ。もう10年前にもなるわね。

  会ったのは一度きりなのに覚えていてくれて嬉しいわ」


 私にとってもあのインターハイは特別なものだからね。

 それに、石戸さんはすごく一部が特徴的というか……、忘れられない風貌をしていたので……。


 「宮永さん。でいいかしら?」

 「ええっと、実はその、宮永は旧姓でして」

 「あら! ご結婚なされていたのね!

  おめでとうございます!」

 「あ、ありがとうございます!」

 「あちらのは宮永さん……じゃなかったわね。

  貴女のお子さんですか?」

 「はい! その、今の苗字は須賀と言います」

 「須賀さん、ね。覚えたわ。

  あらあら、うふふ。お子さんも須賀さんにそっくりね」


 事情を話すと、石戸さんはまるで自分のことのように喜んでくれました!

 えへへ。石戸さんは私なんかより包容力があってお母さん適性がありそうで、羨ましいなぁ。
380 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/10(火) 18:54:21.68 ID:t6bULEOfo

 2/6

 実は、人見知りの私が一度あっただけの石戸さんを覚えていたのはもう一つ理由があります。



                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 「いいほうのおっぱいおねえちゃん!」
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
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              |::::i:::::l-\::::::l八 斧苧干 |:::::::|::::::::::::::|::::::|
              |:::::\l  __\{   乂hソ |:::::::|::::::::::::::|::::::|
              |l::::::l::|斥汽         |:::::::|::::::::::::::|::::::|     「子供って本当にかわいいわねぇ」
           八::::l∧乂ソ ,     ″   |:::::::|::::::::::::::|::::::|
               Y:::::::. ″          |:::::::|::::::::::::::|::::::|
.               |::l::从 __ _      |:::::::|::::::::::::::::::::八
              八::\::::l┌ヘ)`    /|:::::::| :::::::::/::::/
              \:::Y 二二〉‐=≦  |:::::::|::::::::/::::/
                 ∨ ┬_]┘:::::|   从::::::|:::: /:: /
                  /    八:::::/l_/⌒∨:|:::∧:/
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    { :八 : : { : : : {: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 八  |:::::| ||
    {   l\ { : : : {: : : : : : : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : /  /|:::::| ||
    {   |  \: : : \ : : -=ニ二ニ=- 、: : : : : : : : :/  / |:::| ||
    {   |   / ̄ ̄[二二フ二フ二二二二二二[  /   .ノ:::ノ  :|人



 石戸さん、高校時代と全く変わってないよ!?

 私やお姉ちゃんもそこそこ大人びたとは思うし、高校時代の同級生もそう。

 でも、石戸さんはまるで高校時代からそのまま出てきたかのように若々しいよ!?

 もともと大人びていたとかそういう次元じゃないよこれ!?

 そして和ちゃんが我が子にディスられてるよ! 残当。
381 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/10(火) 18:54:50.55 ID:t6bULEOfo

 3/6

 「あ、あの、石戸さんはすごく若々しいですね」

 「あら、お世辞でも嬉しいわ」


 お世辞じゃないよ!

 相変わらずびっくりするほど大きいおっぱいで息子を抱きしめながら謙遜を言う石戸さん。

 あっ、息子が嬉しそうだ! えぇい、母のおっぱいじゃ不満か!?

 まったくもう! 本当に京ちゃんに似ておっぱい好きなんだから!



               //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                /::::::::::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::ヽ
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            / j:::::::/:::::::/__::/  |{ |:::i  i:::ハ.∧:::::|: i:::::::i:::::|l
             { /:::::/:::::/i{  |{ ̄~|圦:::; i/ j/-j::::/:::|::::::il::: |l
                /7::::i::::/ ィ 弌ト、.   乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
          _ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}`     ´んぅト/ /!::::::リ::/
.               八:::|从とつー '        ら::::/ 〉 ::::;:イ:::{
              >、 } 〃〃   ,   ` ーrっ// ノ::八
                 /⌒              〃〃/}_rくノ )}
             /::::::::::/\   ^ ` 〜 、    / >=へ
                {:::::从:{   >        _  < /:i:::::::::::ヽ  「ムー……」
                  ゝ:::(八    _}>-=≦/{_    {八::::::::ハ::}ト
                   /i |   `>/::::\    }::/ レ'
              ---=ニ¨:::::::い  / '::::::::::入   ´
       __  /      i:::::::::ヾ/ ':::::::::::/  `ヽ


 お兄ちゃんを取られて不満なのか、涙目で抗議する娘。

 ご、ごめんね。お母さんまな板で本当にごめんね!


 「ほら、石戸さんに迷惑かけないの!」

 「あら、迷惑なんかじゃないわよ。

  私でよければ遊ばせてくれないかしら?

  娘ちゃんも一緒に、ね?」


 まるで聖母のような微笑みで娘に笑いかける石戸さん。


                     /:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\
                    /:..:..:..:..:..:..:.:.:.:.:.:.:..:.:.:..:..:..:..:..:ヽ
                   ノ:..:..//:./:./:./:.:.:.;、:.:.:i.:.:.:.:.:..:.:、:.゙、
                   /、  / ,ィ_,A:.ハ.i.....i !|__|___|、:.:.:.:.i:.:i
                 /  )_:.i:.´|V ソ .|!:.:.:| !ト、:!、:|`|:i:.:.:|:.:|  __        ,.-‐┐
   ___        ,:=''"/   .//:.:.|:.:.|ィ≠=、 !、:.:| z≠=、ハ:.:.i:.:.l/-―ァ    /   ノ
  (     ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ    //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi  b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ//   /    「おねえちゃん!」
  `ー-、__/    `      !\::.ム.! ー―'   ,  ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ /   / \_
  ___ノ          ノ   )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / //   /、`ヽ、 `ヽ
 f        __       ∧ ,.へ iヽ! \  、___ノ   / / / // / / /   '"  ̄ヽ!__/
 `ー-----r‐'" i        r/ /   ,  |ノ!   `ー----ァ'"   / i! '"  / 〈  i         ̄  `ヽ
       \  ヽ     !_ノ _/__ノ ヽ、  \ /  /  !、  i    V   、_    、____ノ
        )  | 、ヽ_,ノ、_/---、〈   `ーァ、___,、_/   !: : ̄ヽ,_/    `        )
        (_ノ  ソ  /:.: : : : : : _〉   ,,"   ゛、     ノ: : : :/       _`  /  (ヽ
          ヽ  |  |: : : : : : :/ 〈 \ 《      ゛、 /゙、: :/   ,.---‐二ノヽ___!、   \
            i  |  ゙、: : : : : i       ゛、     ラー=-|:(__,..イ `ー'´      7\_  )


 娘まで堕とされた!?

 京ちゃんのおっぱい好き遺伝子は娘にも感染してたの!?

 お、お母さんは私だもん!!
382 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/10(火) 18:55:19.67 ID:t6bULEOfo

 4/6

 「石戸さんはすごいですね。

  娘は人見知りなのに、すぐに打ち解けるなんて」

 「あら、そうなの?

  二人ともとてもいい子ですね」

 「そんなに母性に溢れていて、大和撫子の見本みたいで、なんでもできそうで、羨ましいです」

 「そんな、褒めすぎよ。

  私だってまだ未婚なんだから、須賀さんの方がよっぽど立派よ」

 「えっと」


 つまり、石戸さんはまだ結婚してないってことかな?

 う、うぅ。私の周りには和ちゃんとか竹井さんみたいな例がいるから迂闊につつき辛いよ。


 「たくさんお見合いのお話や許嫁もいたんだけれどもね」

 「へぇ、そうなんですか」


 ここで「石戸さんなら選び放題ですよね」と言わないのが和ちゃんで学習した私だよ!

 慎重に、慎重に、言葉を選ぶ咲ちゃんです。


 「まったく、私にはもう決めてある相手がいるのにね」

 「あ、好きな人がいるんですか?」

 「えぇ、平行世界で結ばれているんだけどね。

  この世界ではなかなか会えなくて」


 ……ん?


 「え、えっと?」

 「薄い本が計4冊出ていて、今年の夏にまさかの5冊目で夢オチからの大逆転勝利したのよ?

  そろそろこの世界でも会えるといいんだけれども」


 うん。

 電波さんだこれ!?

 それに5冊って……、私でも1冊しか出てないのに! しかもおまけみたいな扱いだったし!!
383 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/10(火) 18:55:51.84 ID:t6bULEOfo

 5/6

 「あ、あの」

 「何かしら?」

 「そろそろお夕飯を作らなければいけないので、お暇しますね」

 「あら、そう?

  お時間とらせて申し訳ないわね。

  よかったらまた子供と遊ばせてね?」

 「は、はい」

 「これ、連絡先よ。

  子供を預かって欲しいときなんかは、いつでも言ってね?」

 「あ、それは嬉しいです!

  では、失礼します!」


 なんとなく嫌な予感がしたので撤退したけれども、ちょっと失礼だったかな?

 並行世界って言い出されたけれども、実害はなかったわけだし、和ちゃんや竹井さん相手と違って子供たちも懐いていたもんね。

 電波さんなのかもしれないけれど、和ちゃんや竹井さんとは違って、本当にいい人な気がする。

 うぅ、もうよくわからないよ……。

 ……そういえば石戸さん。


        ,. . . -――- . . .、
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  ,' : : : : : : :l: :,i : : /   l: : : : :l  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /   .レl: : :ノ .__ ',: :l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l: : : : : :l
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Y: :、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ l: : } \ノ
   ',:乂_           `     !ヘ:ノ       「なんで長野にいたんだろう?」
   ',: : : : 丶、     ー-‐     j
    ヽ{\ : : _        ,, イ
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、
     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }
384 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/10(火) 18:56:20.86 ID:t6bULEOfo

 6/6


        /   : : : : : : : : : : : : :\  : \
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.       !::::::八 ‘:::::: | 乂辷ソ        乂_ソ ;:::::::::::::::;       「ここにいたのね、須賀京太郎さん?」
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        ‘:::::::::::::::::|:::::|              ′:::::::::::;
        ‘:::::::::::::::|:::::|\       、 _,     .イ::::::::::::::/
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          \::八::::|:∧\     l| |\ノ |:::::|:::::::::|
              _\:::::|':::∧、\   l| |  ⌒i|:::::|:::::::::|
            /  \:::::::∧\\ l| |   八:: |:::::::::ト、
          /     \:: ∧ \ソ' |     \::::::: | \



 カン!
385 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/10(火) 19:00:42.45 ID:t6bULEOfo
投下終わりです。最初は京霞純愛長編スレの予定だったというどうでもいい舞台裏

>>367
京咲でみんなの未来に、笑顔を…
半年以上合流できない幼馴染がいるなと思ったら、京咲は年単位で会話してなかった
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 19:06:46.38 ID:SDmcKwPIo
(あ、これのどっちとひっさよりアカンやつや……)
お、乙……ww
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 19:10:33.04 ID:FcEB01qJO
さ、搾・・雀士……
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 19:22:31.55 ID:fbDEKvaSO
おつー
この霞さん何十年経っても加齢する気配がないんですが
あと照も懐きそう…
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 20:57:41.93 ID:5Wxysa7qo
乙です
京照、京久、京マホッチ、京霞とここのイッチに書いて欲しい話しが多すぎる
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 21:48:42.66 ID:TVdvCG60o
乙です
京霞もいいよね
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 22:08:56.88 ID:LX5MfKBAo
5冊目のタイトルを教えていただけませぬか
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 22:57:04.42 ID:4j0F4H80o
京霞スレの予定だったとは予想外
でゅふふふふと笑う咲は珍しい
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 22:58:45.09 ID:4j0F4H80o
途中送信してしまった
二次の咲はきゅふふと笑うイメージが強かったからでゅふふは新鮮だった
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 11:43:32.93 ID:Kjv2p7TLO

子供を預けるとしても鹿児島まで行くのか…
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 12:22:07.08 ID:lDIycAEjO
>>394
京太郎を求めて霞さんが長野に来てる(住んでる)んじゃないかな?
山があればワープ出来る謎設定もあるし…
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 17:40:33.31 ID:iyHHNnzOO
わりとお金持ち...N1......

うっ、あたまがっ!
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 17:41:42.96 ID:iyHHNnzOO
>>385 京霞長編書いても良いのよ?
398 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/11(水) 18:09:07.40 ID:Z53Vt/89o

 今日も二つ投下します

                                      __
                                    /´ ̄ \     ¨¨¨   、
                              , -- |   、       、   \
                            /イ ,: |    |、 \  \ \    \
                                / / {    ∧  \  \ ヽ    |
                               / / / 从   { 、\_ \ | ト、   、
                          / イ /  , { \ ∧ ´ \  | } /l }  |`\
                        _...-――-Y / 从- \ { ,ィ==从}/ イ_,ノ   ,
                     ,. : ´: : : : : : : :/ イ/ ∧ ィ= `     /'   , / /
                    /: : : : : : : : : : : : : : :/ イ从{   、          | ハ}         「みやながけ」
                  /: /: : :/: : : ,: : : : : : : : 、: : : :叭  v ― 、  ,  从{
                  .': /: : :/: : : /: : /: : : : : : }: : : : ::. \ `こ   /   |\
                  |: ': : :/: : : /: : /: : :イ: !: /: : : : :∧:、` r ´       !  、
                  {/: : : r-、/: : :/': / l: l , : ,:.|: : : : |:_\ :.     / |   ∨、
                 /} : : : { {^|: : /,{:/-- }: /,.イ: |: :.|: :.|/、  }     ,:   |    〉 \
                   /:イ 、: : 、 、: | 、__, /イ __,}:/: :.}、: |//\/       〉  /////\_
_____________/ ,Y 、\   ̄   , `ムイ: , \///∧      //イ///////////> 、_______
二二二二二二二二二__,.....ィ:://     .   ,., ィ///∨//////∧___//\///////////////}二二二二二二
            , 「::::::::::::::/ 、  l:.    ` -- 7´///////////\/∧   ///////////////////|
            / {|::::::::::::/  `  r--/:::::::::/|/∨////////////\ }  //イ/////////////////l|
             ,  |:.,:::::::::::{\___/::::::::::::,: |//∨//////////////| //////////////////,/// |
            /  Y、:::::::|   /::::::::::::/ , |///∨/////////////∨//////////////////////!
            ,  l 、:.:.\::::.、 /::::::::::::イ/,: / |////}/////////////////////////////// //////}
         /  ,  \:.:.\∨:::::<:.:.:.//   ////|//////////////(_)/////////////// {///// |
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399 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/11(水) 18:10:05.67 ID:Z53Vt/89o

 1/5

 須賀咲ちゃんです。今日は子供達と一緒にお買い物です!

 早いうちからお手伝いさせておかないと、家事もできない子になっちゃうからね!

 自由奔放な息子はともかく、将来お嫁さんに行くことになる娘にはちゃんと仕込んでおかないと!

 家事ができない女の子って、それだけでポイント下がっちゃうからね。


 「咲、お菓子買っていい?」

 「ダメ! 甘やかしちゃダメ!」

 「私の分」

 「もっとダメ!」

 「咲はケチ」


 そう、問題はこの姉である。

 買い物を手伝ってくれると言うから連れてきたのに、まるで子供が一人増えたような気分だよ!

 子供達には優しく、ダダ甘ながらもよく躾けてくれるお姉ちゃん。

 しかし、私と京ちゃんに対しては自分が子供になったかのように甘えの限りを尽くします。


 「家にプロ麻雀煎餅があるでしょ」

 「甘いものが食べたい」

 「だーめ。

  もー、そんなに甘いものばかり食べてると太るよ?」


         -─===‐-ミ
    ´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
 /.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: \
 .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
 .: .: .: .: .: .: .: .: .|.: .: .: .:| \.: .: .: .: ',
 .: .: .: .: .: .: .: : |.: .: .: .:|   \|.: .: : :.
 .: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:|   -‐.:|、.: .: ::.
 .: .:|.: .::| |.: :/  |.: .:八ノ    ハ:.:|::. :.
 .: 八.: :|┬─┬}/  ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
 .:/⌒ヽ} | :::::: |   三 | :::::|  .'.:.::|
 .:{    '└─┘    ̄ └‐┘ l.: .:|       「ふ、太ってない」
 人_    u              j.: .:|
 i.:.: .: .>      )‐┤    イ.l: ::'
 i.: .: .:i .: : _;〕ト  _/| h ≦.:.:.|: 八/
 ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
 | \{ .,_  \|     |/ ハ
   / ヽ >   |    ノ / ∧



 うん。太ったんだね。
400 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/11(水) 18:10:43.65 ID:Z53Vt/89o

 2/5

 宮永家は京ちゃん、お姉ちゃん、お父さん、お母さん、息子、娘に私と、7人分の食事が必要になります。

 だからこうして数日おきに買いに来なければならないんだけど、この人数分の食事を毎日用意するって結構大変なんだよね。

 何より、この食材を持って帰るのがものすごく大変です。

 メニューを考えて、たくさん揃えて、カートでレジを通して、そこで私は気づきました。


        ,. . . -――- . . .、
      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l .',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :!  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !    「……誰もいない!?」
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Y : 、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ .l: : :} \ノ
   ',:乂_          `    .!ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、 U   ,--、 u  ノ
    ヽ{\ : : _      ̄   ,, ''
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、
     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// } 


 ちょ、ちょっと待って!?

 今日はお姉ちゃんがいるから子供達を任せても大丈夫かな、なんて思ったけれど、まさかの全滅!?

 私も人のことは言えないけれど、いくらなんでも酷いよ!

 うーっ! やっぱり京ちゃんがいる日にすればよかった! そうすれば荷物も持ってもらえたのに!

 我ながらこの四人で買い物に来るのは無理があった!

 この大型スーパーじゃ探すのも一苦労だし、どうしよう!
401 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/11(水) 18:11:16.01 ID:Z53Vt/89o

 3/5

 「お、いたいた。咲ー」

 「京ちゃん!?」


 そんなこんなで途方に暮れていると、エスカレーターから京ちゃんがやってきました。

 仕事帰りに寄ったのか、スーツ姿の京ちゃん。毎日見ているけどイイよね……って違う、そうじゃない!


 「きょ、京ちゃん。実は」

 「ああ。咲で最後だから大丈夫」

 「は?」

 「迷子」


        ,. . . -――- . . .、
      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l ',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : /   l: : : : :l  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /   .レl: : :ノ .__ ',: :l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l: : : : : :l
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Y: :、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ l: : } \ノ
   ',:乂_           `     !ヘ:ノ       「えっ?」
   ',: : : : 丶、     ー-‐     j
    ヽ{\ : : _        ,, イ
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、
     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }
402 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/11(水) 18:11:44.93 ID:Z53Vt/89o

 4/5

 「わ、私は迷子じゃないよ!

  みんながいなくなったんだよ!?」

 「咲、見苦しい」

 「お姉ちゃん!?」


 京ちゃんの後ろからひょっこり姿を現わすお姉ちゃん。

 京ちゃんに首根っこ掴まれている息子に、京ちゃんの手を掴んで離さない娘。

 た、確かに全員いるけど!


 「何言ってるんですか。

  照さんも迷子だったじゃないですか」

 「私は迷子じゃない。

  どのお菓子を買うか迷っていただけ」

 「放っておいたら帰れなくなってますよね……」

 「そんなことない。京ちゃんが来てくれる」

 「やっぱり迷子じゃないですか」


 呆れた顔をしてため息をつく京ちゃん。

 あれほど言ったのにお菓子コーナーにいたんだ……。あとで怒るよ!

 ちなみに、息子はおもちゃコーナー、娘はどう迷ったのか本屋さんで絵本を探していたらしいです……。
403 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/11(水) 18:12:24.92 ID:Z53Vt/89o

 5/5

 「京ちゃん。どうしてきたの?」

 「いや……、この面子で出かけるとか絶対にこうなるだろ……」

 「か、返す言葉もないです」


 うう……、京ちゃんに迷惑かけちゃった。

 さすがに私だけなら迷わないよ! スーパーくらい一人で行かなきゃ主婦できないもん!


 「界さんが俺に言ってくれたから良かったけど、今度からは気をつけてくれよ」

 「ご、ごめんね。

  っていうかお父さんが言ってくれたんだ?」

 「おう。

  界さんと二人で迎えに来たんだよ」

 「……えっ?」


 ここにいるのは、私・京ちゃん・お姉ちゃん・子供達。


 「お父さんは?」

 「そう言えば分かれて探していたから、そろそろ合流しないと、っと携帯だ。

  もしもし、界さん。

  全員集めたんで合流しましょう」

 『さすが京ちゃんだな。

  ……ところで、その勢いで俺を探してくれないか?』

 「何言ってるんですか!?」

 『いや、見覚えはある場所なんだ。

  京ちゃんと一緒に通った場所で、さっきカラスがいたところ』

 「せめて動かない場所を目印にしてください!」


 ああ……やっぱり二次災害だよ……。

 結局、夕飯が遅れてお母さんにも怒られました。……お母さんだって迷子になるくせに! カン!


 987
 子ども達と一緒にスーパーで食材お買い物
 135
 DNAに刻み込まれるレベルの迷子属性
404 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/11(水) 18:13:16.37 ID:Z53Vt/89o

 1/5

 997
 京咲大学時代の照視点


 「京ちゃん。そっちにある本とって」

 「えー……。こたつから出るの面倒臭い。

  咲もちょっとは動けよ」

 「ヤダ。ぬくいんだもん」

 「それに、俺の膝の上に咲がいるんだから、咲が動いてくれないと俺も動けないぞ」

 「うーっ……」

 「うー、じゃありません」

 「……」


 宮永照です。妹が爛れた毎日を送っています。

 これはお姉ちゃんとしてしっかり一言言ってあげないといけないよね。


 「京ちゃん、お菓子」

 「京ちゃんはお菓子じゃありませんってば。

  ……って照さん。いつの間にこたつに入っているんですか」

 「私は麻雀で疲れた。

  だからこたつに入る資格がある」

 「ここ俺の借りてるアパート……。

  いや、なんでもないです。好きにしてください」

 「お姉ちゃんは自活能力が皆無だからね……」

 「咲は失礼。

  私は一足先に社会人になって、自分の力でお金を稼いでいる」

 「じゃあマネージャー雇ってくれますよね?

  次の試合俺は行かないんで……」

     /: : : /.: :/: : ::j: :| ト :|.     |: : : :|: :|   _i: :∧: :|i: :
   /: : : : /.: : :|: : : :i: :| |.:/ `ヽ  |: : : |i: :|  '´ |:/  V .|::
  /: : : : : : !: : : :i: : : :|ヾ| , ィ, ニ、ヾ、 .|: : :八/ ,=ヾ,ニ、ヾ、 |::
/: : : : : : : : |.: : :八: : :| 〃 /少iハ ヾ|/ ミ、 /少L心 ヾ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|: : : : |:\{ !  {斗ニ刀:::::::::::::::::::::::::::{斗ニj
.       i: : : : |:::::::ハ  气l∪iリ:::::::::::::::::::::::::::气l∪ikリ
.       l: : : : |:::::::i l{',、 乂Zソ          乂ZZソ
       |: : : : |:::::::j         ,
        |: : : : |:::::::{
        |: : : : |::::::::ヽ      ,ィ⌒ー'⌒ヽ.
        |: : : /|: |:::::::::::> .   `−⌒ ⌒'‐′      . <          「ぐぬぬ……」
       |: : / 乂|:∧:::| 、::::≧=   ___   <---
 
405 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/11(水) 18:13:56.41 ID:Z53Vt/89o

 2/5

 「ぐぬぬ、じゃないよお姉ちゃん。

  これでも私たちは大学生なんだから、場合によってはお姉ちゃんの面倒を見れないし」

 「そんなことを言って。

  咲はちゃんと大学に行ってるの?」

 「行ってるもん」

 「この前の月曜日の話なんだけど」



            _,.......---............_
         ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
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    |: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ  }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
    {: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
    八:{、:、__ \:lヽ  Vり         ヒり/:イ:/: :|
      `\}、: 、    /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{   「この前の月曜日……ああっ!?」
     , --r--,\ ,-- 、_____  人: /  \〉
      /  |::| |::::::>  ____ソイ⌒∨
    {   ,::, {::::::::::::∧-,  r/:::::://|   }
    |   \、\::::::::::∨- /:::::://:/
    |     { 、、\:::::::∨/::::://:∧    |



 咲が何かに気づいたようだけれども、もう遅い。


 『朝早いけれど、私には二人を見守る義務がある。

  あわよくば朝食をもらおうなんて思っていない』


 あの日、たまたま、そう、たまたま近くに寄ったので、京ちゃんのアパートに寄ることにした。

 インターフォンを鳴らして入れてもらおうと思った、その時だった。


 『あっ……、ダメ、京ちゃ……』

 『なぁ、いいだろ、咲』

 『ダメだって……もう、昨日たくさんしたでしょ』

 『そんなこと言って、咲だってもう準備満タンじゃん』

 『ひゃう!? 触っちゃダメ!

  そ、それに、今日は朝の一限があるでしょ!』

 『今日の一限は出席は取らないし、先に行った高久田から先生が遅れるってメールが来たぞ』

 『ほ、ほんと?

  な、なら、いいよ……』
406 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/11(水) 18:14:37.82 ID:Z53Vt/89o

 3/5

               ,..-‐:.':.´ ̄:.`:.ー.、
               /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
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             ヾ!、::ヽ ヽ!ヾ ""::::::::::::::::::::"" i:::,、::::|         「だ、ダメダメダメ! それ以上はダメ!」
            ヽ、:`:ー:::、   ! ̄ヽフ   /,ノ \i         ,、
               ヽiヽi、` , 、 ` ̄´ /             /./ /フ
       r、            ヽ|  ` ーイー-――ァー,-、    _   /./// ,.-,
.   ヾヽ.  | i     _,....-‐:.:'〔'   _/:.:.:.:.:.://  ヾi  |i ノ ´ ∠- '/
   ,...__ヽ丶 | .!  ,イ、、:.:.:.:.:.:.:.ト._´/:.:.:.:.:://   r-、|  | ´ 、    ∠.._
   `ー-、`ヽ`  Vヽ.,、 、\:.:.:.:.:i   /:.:.:,;.:."イ  | /  ゙、  ヽ   ヽ  ,ィ―ー‐'
   ⊂二     ー' ,イ >ー`ー-ヽ./-‐"-‐'ノ==  レ'     ヽ√i    ,ノ
      ヽ /   / .V `ー-┬'`i'ー―'´  ヽヘ      ;ヘ,メ、   /〉


 顔を真っ赤にして私に飛びかかる咲。

 私だって非力な咲には負けな……、あれ、いい勝負だ。


 「て、照さん。聞いてたんですか」

 「ここは玄関の隣が台所なんだから、そんなところでする方が悪い」

 「い、いや、エプロンをしてる咲が性的だったので」

 「何言ってるの京ちゃんのバカァ!!」


 彼女の姉が目の前にいるのに惚気始めないでほしい。


 「爛れた毎日を過ごすのは良くない」

 「ふ、普段はちゃんとしてるもん!

  それにお姉ちゃんに言われたくない!」

 「でも、今日フラッとここに寄ったら咲が京ちゃんの腕の中でぬくぬくしていたんだけど」

 「べ、別に彼女なんだから彼氏の家にいたっていいじゃん!」


 おお、咲が開き直った。

 何年も付き合っているのに未だに恋人だとか、彼女って言うと赤面する咲にしては珍しい。


 「……あれ?」

 「どうしたんだ、咲」
407 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/11(水) 18:15:19.23 ID:Z53Vt/89o

 4/5

                    _..................._
               ,. : : :´: : : : : : : : : : : : `: : . 、
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            /: : : : |: :|: :{: :|: :! { : : |、: :| }: :l|:|: : : |: : | : : : : |
        /: : :/ : |: :|--Y、{_从: :{ \{ ム斗|-: : |: : | : : : : |
         |: : /ィ: :{: :| ,イ斧ミ、` ∨ ー',ィ斧ミ、|: /: : ': : : : : |
        l: イ {: : :从{ 比刈     比J刈 }イ : / 、: : : : '     「なんで私のアパートじゃなくて京ちゃんのアパートに来るの?」
        ' l  |: : : : }  Vzソ     弋こソ /: :イ  }: イ: ,
           |: ∧: |  `¨   ,     `¨¨ ムイ__,ノ:/ }:/
           |/ }从              /: :/}/ /
              / }: 、   ‐-----‐ 、   イ: :/ /
                  l从` .       ィ   |:从
                      ` ーr = ´    |、
                     /|      |::\
                  ,..:<:::::/     /::::::::>:..._
              ...:<:::::::::::::/      /:::::::::::::::::::::::::::> 、





/`ヽ            .  - ─ ─-  .
 /`ヽ   . - ───<_人 _ : : : : : : : : :.┼  .
/  /´    __.rr.─‐┐ノ:´Y´ .: : : : : : : : :_ 人 _: \
し '   r<´  |ll:    | : : : : : : /. : : : : : :.`Y´. : : : ヽ
   } └ .─ ┴‐─ ┴,. : ://: : : : / : : : : :!: : : : : _人_
、 .斗 ‐‐─ァ── <:./: :/: /: /: : /: : : : :.:/:i: : : : :.`Y´
 > ´  ̄ フ./: : :/: : :.// :./_:/_:/:_: /. : : : : :/:/: : :! : : : ∧
___..斗< /: : :/i: : : :{: : /: /: /: : /`ヽ. :./:/: :i: :.! : : :/:∧
.       /: : /´:!: :.:从: :芹竿ミx.:|: : :./:/:`メ: :.! : :/:/:.∧
     /: : /!/ |: : : |人{弋 _メckj /:/:/. :ム:リ :/:/: /:.∧        「咲、さらば!」テルーン
.    /: : /人.N: : : |  ⌒ ー ''     「笊ckくj /:/:./: /:.∧
    /: : //: : ヽ!: : :.| """"        辷..ソXl|: : :/: /: /:.∧
.   /: : //__人_:j: : : |        ,   """ノリルイ⌒ `ヽ/:.∧
  /: : //: :.`Y´.|: : : ト、    、_       /. :i: :.:|      `マ}
ー/: : //: _人_: :.j: : :.:|:.|\     ー '     . イ. :人_ |    i
∨`X「ー`Y´─.! : : |:.|.  \    .  イ: :.!:.`Y´. ! ___ 人 ___
 \ \       !: : ::l:.|     ̄「:i: : : : :j: :.:|: : :l: :.:l   `Y´
   \ \    从: :.j:.|      |N\: : :l: : :!: :.リ:.:.リ    l
      ト、\   人: l:.|      } jト、 \j : リ: :/: :/
     | .\ \   ヽ j\ _ _j ハハ  ` <': :./
     |:::\\ \     \   ⌒ } i    `<}ト、
     |: :: :::\\ \      \   .N      // ト、
408 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/11(水) 18:15:59.29 ID:Z53Vt/89o

 5/5

 「ちょっ、待ちなさい!

  お姉ちゃぁぁぁん!」

 「さ、咲。落ち着け!」

 「京ちゃんも違和感なしに受け入れてたじゃん!

  浮気だ! 浮気だ!」

 「そんなんじゃないって!

  あの人放っておく方が危ないだろ! マジで!」

 「……百里あるね」

 「だろ?」

 「でもそれとこれとは話が違うもん!

  覚悟!」

 「飛びかかってくるなって!

  ……あっ、軽っ。弱っ!」

 「もー!!」

           -‐──‐-
       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,   ヒョコッ
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j     「よく考えたら帰る方法考えてなかった。泊めて」
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:X         ""  ノ   |
    /::::入_           _  < / /| /
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈
           |  .〈∧/    !__/
           |        | |


 「……咲」

 「……京ちゃん」

 「仲直りしようぜ」

 「異論はないよ……」


 うむ。姉のおかげで仲直りできたね。

 さすが私。できるお姉ちゃんだ。カン!
409 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/11(水) 18:17:10.36 ID:Z53Vt/89o

 投下終わりです。3スレ目分のシチュ終わりました。待たせすぎて申し訳ない
 三週間とか待ってもらえてるんだろうか…猛省…

 >>388
 きょ、京咲は……?

 >>391
 とらで宮守編で検索して購入!

 >>394-395
 ワープであってます
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 18:42:36.94 ID:O2N3CqSSO
今回も面白かった乙!
咲ちゃんもけっこう苦労してるなあ…宮永父母の馴れ初めが迷子センターでも驚かないぞ

>>409
須賀夫妻は既婚者の意地で霞っぱいの誘惑をはね除けるイメージ
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 02:05:01.97 ID:9mcta0+Fo

界さんまで迷子に……そしてさりげなく出てくる嫁田改め高久田誠
412 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 18:35:44.11 ID:03mj5/Lbo
今日も二つ

                    ,..   ̄ ̄  、
                  /⌒ '    ⌒\     ヽ
                / ,   ,      | |  :.  .
                  { 〃  / , :  | | l |l|   :
               /  / {| _|_/{ { | }-}/、| | |           _... -----. . 、
              / イ , ∧ {_,从 } /,ィtォ } / :、        , : ´: : : :': : : : : : : \
                 {/}| 从芯 ∨'  ゞ' /イ} | \   ,..::´: : : : ,: : : : : : : : : : : :ヽ
                   ,'∧l{∧   '    }'l从     / : : /: ': :, : ,: : : : 、: 、: : : : : :.
                 ´  \}ム    _,  人/    /: : ,: |:_|_: :|: :|: : !:!: |: |: :|: :|: : |
                    /∧:.、 ´   ,.:' |∧    /: イ: :!{:Y:从:{: :从⌒l|、:, : |: : |
                     _,{\∧ `¨¨  「rィ/>-- 、  ':从斧ミ \ィ斧ミ、}:/: /: : :,
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            二/ /´/〉/|//////////「 ̄ ヽ ヽ ' }!//|////|:::::::::::::::|-、 r/:::::::::::::/ハ
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             〈二二二二二二二二二二二二二二二二二_/
413 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 18:36:45.05 ID:03mj5/Lbo

 1/7

 121
 照に京太郎と結婚することを伝える時の咲さん


 宮永咲です。まだ宮永咲です。

 京ちゃんにプロポーズされて、京ちゃんは私のお父さんに許しを貰いました。

 京ちゃんの家族にも伝えたんだけれども、何事もなくOKを貰いました。久々に行った京ちゃんの実家、すごかったよー。

 というわけで、私は個人的に伝えなければならない相手がいます。


            ,. : : : ̄ ̄ ̄ ̄: : : : .、
            /: : : : : : : : : : : : : : : : : :`ー: イ
           ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :<´
         .': : : : : : : : : : : : : : : |: : : ,: : :、: : :
         /: : : : : : : : : : : : : : : :{: : :ハ: |:|: : {:|
        .' : : : : : : : : : |: : : : : : :W:{´ 从}: : :\
        |: : : : : : : : : : {: : : : : : :|ィ斧ミ  Y:{ー'
        |: : : : : : : : : : :Y: : : :从 マソ  乂_〉   「お姉ちゃん、話があるんだ」
          ,: : : : : : : : : :r \∧: : \     }
         |: : : : : : : : : 乂 `    ̄      /
         Y:∧: : : : : : : : ー 、      ´,
        从{  、: : ,: : : : :从 > ..___/
              ∨ `ヽ: : {     ,
                __}Y    {
           / ̄一-- ̄ \  |`ヽ
          /  ,..:::―- 、 \ \ ∨}∧
        /   /::::::::::\:::\ \ \'/ }
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.  / i |  :.:ハ!_|.|.:|:::::i::|:::::::::::::::::::::::::::::. |
 / ..|.:|::!:::::'|´|_И:!::::i::|::::::::::::|::::::::::::::::: |   「どうしたの、咲」
./ .:/!:{:ハ:::i:f"|:ヽ|:::::::i::|-、::::::|:::::::::::::::::::.|
i/   |::::::};ハ{. Lン|:::::;ル'^ }::::::|::::::::::::::::::: |
     |:::ノ   "" j/  /::::::|:::::::::::::::: :: |
    |::::.、        '^リ::::::!:::::::::::::::: : | |
    |::::ハ`       !:::::/:::i::::::::::::i: |ノ
    |/   ヽ.__,..::、  /::::/:::/:::::::/:/!: /
           V | /::ノi!:/!:::::ノソ }ノ
          ,..-‐y/‐j/フ‐'" ̄\
     ,...-‐'"            `ー- 、
   r=、´                   `ir、
  /\ヽ、                     ||.ト、
 ハ   | |:|                    ||.| |
. i ゙、  | |:|                   ||.|/!
|  ゙、 !.i:i                   ||.||
414 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 18:37:17.70 ID:03mj5/Lbo

 2/7

 お姉ちゃんはいつものように振り向いてくれた。

 これから何を言われるのか、わかっていないんだろう。

 うー、心が重い。でも、これは私がやらなければいけないことだ。

 私は、宮永咲は京ちゃんと結婚する。

 そして、おそらくだけど、お姉ちゃんも京ちゃんのことが好きなんだ。

 普段からかっているようで、誰よりも乙女なお姉ちゃんのことを知っている。

 だからこそ、とても言いづらいんだ。

 でも、言うんだ。今度は何も伝えられずに仲たがいなんて、したくないから!


           ,. : : : ¨¨¨: : : .、
          /: : : : : : : : : : : : `: 、
         ,:': : : : : : : : : :,: : : : : : : : .、
          /: : : : : : : : :/: : : : : : : : : `:、
         ': : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : :.
       /イ: : : : : : :./: : : : : : : :/: /: : }: : .    「私、京ちゃんと結婚する」
       | |: : : : :_:_:/:,: : :/: -/-、'}: :/: : :.|
       { {: : : :/-、{イ : / ,ィ斧ミ' /: ,' :/ : |
       八 : : 、  |: /{ 〈ソ /: イ: / \{
           }: :イ八 }/  :.:.   ( {:/イ   `
      r―く_/    、   、_ ノ `
     _/ --- 、`ヽ、 /_>--  ´
   「  / ̄::`ヽ Y、ヽ-、
   | /l::::::::::::::::::∨ヽ}` { ∧
   | イ::|::::::::::::::::::::∨ \〉' }
   | ハ::Y::::::::::::::::::∨、_{  ∧
   Y|::::::、::::::____〉::|!:l「:::::::.


               /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
           /: : :/ : : : : : : : : : : : : : i : : : : : : : : : ヽ
             /: : :/: : : : : : : :./|: : : : : :| : : : : : : :ヽ : : :.
         /: : : i: : : : : : : |: | |: : : : : :|ヽ:.:i: : : : : :i : : i
            ′: : :|: : :i.: : :./|: | |: : : : : :| i:.|: : : |: :.| : : |
          / : : : : |: : :|:|i: :|‐|‐ト: : : :|i:斗‐|┼: i:.|: :.| : : |    「……そう」
.         /: : :/|八 : |八 |_.レ'.._|: : :八/__.}/∨}/: : | : : |
        厶イ  |: : ヽ{{ 午不か}/  午示下}.: : :| : : |
           |: : : :| 弋__ソ       弋__ソ  レ': : : |
           |: : : :|ハ                /| : : : : |
           |: : : :|ヽ}       '        /´| : : : : |
           |: : : :|: :人    _    /.: :.| : : : : |
           |: /i: |: |: : `: :._     ィ: : i: : :.| : :i.: :.|
           {/.人{: |/}: :厂}   ー  .{ア}_l_: : |: : i :. ′
            ,. -‐乂¨ ̄{¨       ¨}   ¨八/}/
          r<. 、       |          |        >、
       /   \\      |          |    //  \
415 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 18:37:50.95 ID:03mj5/Lbo

 3/7

 お姉ちゃんは振り返ると、それだけ言った。

 どうしていいかわからなくて、顔を上げられない。

 お姉ちゃんは今どんな顔をしているのだろうか。

 抑揚のない声で返答され、怖くなってしまう。


 「お父さんたちにはもう話した?」

 「うん。お父さんとお母さん。

  京ちゃんのお父さんとお母さんにも話したよ」

 「じゃあ、私が最後だったんだね」


 そこで一旦言葉を切られる。もしかして、最後にしたのを怒ったのかな?

 そう考えて泣きそうになっていると、お姉ちゃんは私の頬を両手で挟み、顔を持ち上げた。


     /    .:: : .:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::: : : i
   /          / .   /::.:::::    .:::;:イ :/:.::::::::::::::::!   !
  // ..::::_ /: .::::::::/::::::::::::;:イ::;ィ:::::::::::::::::://::/:::::::::::::::::/:: . : :!
 /;/´ ̄ /: .::::::/:;:-‐/T77i ̄:::; -‐' /::7ナー-、_:::/:::レ::!: |
 ´    /: :.:::∠:::イ   ___!:::/   /ノ!ナ|::::::://::::::::::::: :!
      /.:::::::::::::::::;ヘ! ァ"7::::::::iヾ     '´,;-ァ=!::;ィ、 /::::::::/::: : !    「おめでとう、咲」
     /;:イ::::::::::::::::{ヽ|.'{  b::::::::!      h::::レ:::i>'::::::::/イ:: : !、
    // /:::::::::::::/::|  ! ` ゝ:::ン_        ,!'_::::;ン/:::::::/ i::: : 、ヽ、
   .!/ !/:::::::::/:::::ヽ i   , , ,   ,     , , , i:::::::/ /:::::: : : iヽヽ
   / /::::::::::/:::::::::::゙、_|              |:|:::/_ノ:::::::::. : : ゙、 \ヽ
    /:::::://::::::::::::::;ハ     _  _     !:i:::、::::::、::::::::. : : :i  ヽ!
  ∠./‐' /:::::::::::/   > 、      ̄    /v、::ヽ:::丶:::::::.. : :!
       /::/::::/ _,ノ:::::::::` r 、     ,  イ、/  ' !::::/\::::.、: :!
     /::/;/  `ヽ、__;ィ:|:ー-`〒´-‐:':´::|    レ'  ヽ;ハノ
    //        _,..-'´:|::::::::::::||:::::::::::::::::!丶,、
        _,... -―'::´:::| :::::::::::::::::::::||:::::::::::::::::::::::::|:`ー-、


 お姉ちゃんは、本当に嬉しそうに、見惚れる笑顔で笑っていた。
416 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 18:38:20.13 ID:03mj5/Lbo

 4/7

 「咲が結婚できると思わなかった」

 「うっ、で、でも、恋人はずっといたもん!」

 「そうだったね。

  本当に京ちゃんには感謝してもしきれない」


 私を抱きしめ、嬉しそう気持ちが声にも漏れているようだ。

 こんなにテンションの高いお姉ちゃんは久しぶりに見る気がする。

 私のことを抱きしめて離してくれない。苦しいと思わないのは、お姉ちゃんも私同様非力この上ないからかなぁ。


 「咲、これからたくさん辛いことがあると思うけれど、京ちゃんを疑っちゃダメだよ」

 「お姉ちゃん?」

 「京ちゃんは、咲のことを誰よりも好きで幸せにしたいって思ってた。

  きっとこれから、二人で辛いことがたくさんあると思う。

  そういう時は、まず私やお父さん、お母さんに相談しなさい。

  必ずしも二人だけで解決することがいいこととは限らないから。

  言いたいことはたくさんあるけれど、ね」


 お姉ちゃんが私を抱きしめてくれた。
417 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 18:38:49.58 ID:03mj5/Lbo

 5/7

                   _. . : : : : ̄ ̄ ̄: : : : : . 、
               ,. : : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
             ,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
           /: :,: : : : : :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
             /: : :/: : : : : /: : ,: : : : : : : : : : : : :,: : : ヽ: : : : : : .
          ,: : : /: : : : : /: : /: : : : :|: : : : : : : : |: : : : :∨: : : : :.
          /: : /:,: : :_:_:/: : /: : : : : :i: : : | : : : : l: : : : : :|: : : : : :
        /: : :从|: : : :/|:`イ: |: : : : ∧: :.:|: : : : /: : : : : :|: : : : : |
      / : : : ィ: :{: : :/ィ-、 }:∧: : : | -}:|-|---く: : : : : : ,: : : : : :|
          ̄´  |: ∧: :| _)雫ミ从: : :|  _}∧:_:/ }ヽ : : : /: : : : : :     「山の上に花は咲いたね。
           |: : : Y V::ノ   \|´_)笊雫ミ/: : : :/:/: : : : : : ,
           |: : : ,: |    ,      V:::::ノノ' : : イ:.イ: : : : : : ,′    咲、幸せになりなさい。
           |: : :j:从            /:/ /' ノ: : /: : :/
           |: : ,|: {: : .    _      ´ ィ: ー ´: : :/: : :/     本当に、おめでとう。
           |: :/|: 从: : : . ‘ ’      イ |: :/ : : :/: : :/
           |:/ 从{_r--'´` ー 、-=≦   ∨: : : /: : :/
           }'   / ||:|       ∧    /,': : : /: : .イ
             / ||:|    /   _,./ / : イ:/\
              / ∧:{   /⌒\´/   ´  ´     、
             ,   {:.:\、 ,′  /     ,. ---――‐`ヽ、
          /  ∧:.:.:. ∨  /_,.:.―:.:.´:.:.:.//    Y |
            {__  ,  \:.:.:{_/--  ´:.:.:.:.:.:.:./ ,      マ |



      / : : : : : : |i : : : |i : : : : : :|i : : :|i :| : : : :| : : : : : : : : : : :∧
     . : : : : : : : : : |i : : | |i: :|: : :|: :|i : : :|i :| : : : :| : : : : : : : : : : : : :.
     /: : : : : : : |: : : |i : : |_||__|_:|ノ|i: : : |\,.___: :ト、 : : : : :|: : : : :.
.    /: : : : : : : : |: : : |/´l.八_|: : :| |i : : :||八: : : :|/|/\ヽ: :i: :| : : : : :.
   /: : : : : : : : : |: : : |ヽ:斗====ミ|.八: : : |  斗====ミ、 X: i|: : : : : :i     「おねえちゃ……」
.  / : : : :__|: : :i|: : : |〃 ,イ斧心 ′ \: |    笊i心.  ヾ | : リ: : : : : :|
  ´ ̄ ̄   il : :八: : :|″ ._)::::::hi}    ヽ   ._)::::::h}   |: /: : :/ : : |
       |i: : : |r\|   乂___ツ         乂___ツ  . |/: : :/: : : :j
       |i : : :|l`ハ  `ー       ,      ─‐ :' /: : ,イ: : :|: ,
       |i ,: :∧    """"               """"  厶イ'/:|i /|/
       l/|: : :人__                     ,__/: ル' '′
         { |: 八: : 从        ー─         /: : /'′
        |/  \: : \    /´        ヽ     ,イ: /
        '     \ ト、: ,   _,   ─   ノ   , : : /
                 ヽ \:>         _ <: /
                     ヽ: : 〕   ─   〔: :/l: /


 そこから先は言葉にならず、泣いていた。

 お姉ちゃんはずっと、私を抱きしめてくれていた。
418 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 18:39:30.79 ID:03mj5/Lbo

 6/7

 ……
 …


 咲は落ち着かせて帰らせた。

 本当は送って行ってあげたかったんだけれども、咲にも思うところがあったようだし、タクシーを呼んでお金を握らせて帰らせた。

 それに、情けないけれど、私も気持ちを整理する必要がある。

 咲が結婚……それはとてもうれしい。

 その相手はもちろん私もよく知っている、京ちゃんだ。

 京ちゃんならば咲を悲しませない。それは『私が誰より知っている』


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   /.:′|.:.:.:.:|.:.:.:|'⌒  \.:.{    ,.斗==ミ|.:.:.}:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.
  ./.:.i{.:. |.:.:.:.:|:.:.:.|      \  " 乂ソ |.:./.:.:.:ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.    「京ちゃん……」
.  / .:八:.:{.:.:.:.:ト.:i:.| 斗=气      ´ "" }/ }/ |!.:.:.:.:.:.:.丶
 .:.:.:.:.:.:.:.:.イ.:.:i|::乂〃 Уソ             リ.:.:.:.:.:.:.:.:|
./.:.  '"   |i:.:.リ.:.:.:ハ ´""  ′        __/::}.:.:.:.:.:|:.:.|
´      |i:/.:.:.:.:.:::::::.             /:::::i|::/.:.:.:.:.i|.:.:|
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:込、    ´ '      イ:::::::リ/.:.:.:.:.:八:i|
      i:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:|:::::::.....       /|::::::/.:.:.:./  :リ
      |.:.:.:.:.:.ト.:.:.:.:.|:::::::::::::>.、_     |:::::/.:.:./   ′
       八.:.:.:|.:| \:|:::::::::|i::_, く}        ト/.:/
       \{──<´ ̄  \\      |:イ \_
      /⌒      \    ::::\     |:::|  } =- .,_
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    /             `、     :::∨::/           ∧


 宮永照は、京ちゃんのことが好きだ。

 ……好きだった、と言えるほど、私は気持ちの整理が出来ていないらしい。

 最初は嫉妬していた。私と咲が仲たがいしている最中、誰よりも咲の近くで、咲を笑わせ続けた人だった。

 二人が付き合うようになって、彼の人となりを知った。

 今時の男の子で、学業も平凡。麻雀はとても弱い。スポーツはとてもすごい。

 何より、そのコミュニケーション能力。彼と関わる人全てを笑顔にしてしまっていた。

 気づけば私は、『咲を笑顔にする京ちゃんに惹かれていた』んだ。

 きっと、『咲と別れて私と付き合おうとする京ちゃん』だったら嫌いな人になってしまう。

 私の初恋は、どうやっても実ることがない。ずっとずっと、わかりきっていたことだった。
419 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 18:39:58.80 ID:03mj5/Lbo

 7/7

             ,. . : : : : :  ̄ ̄ ̄: : : : . . .、
           ,. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `: . 、
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       /: :〃: : :|: : : : : |: : : : : : :|、: : : :|、_: :|: : : : :|: : : : : :.
      ,: : :':|: : : :|: : : : : {: : : : : : :| \イ:l´\: : |: : : , :|: : : : : : .
      /: : :|:|: : : :|: : : :_,∧: : :| : : {  \},.ィtr‐、: : /}/: : : : : : :|
     ′: : |:{: : : :{:´「´: | 从:{\: :\ ィ雹(_心 イ: /⌒Y: : : |: : |      「京ちゃん、大好きだよ」
     ': : : : 从: : :∧:{ 从{   \` ー` 乂こソ |:/ )  } : : : : : |
   /: : . :イ: : :\: :{ ,イ¨雹芯            /' ,..-_ノ: : : :|: : |
   ,': :/ |: : : : :从\:. 乂zリ               /: |: |: : : : :|: : |
  ー ´   : : : : : : |: : ∧     '           ム: |: |: : : : :|: : |
       ,: : : : : |: : {:∧        _ ,     イ |: : |: |: : : : :|l : |
       Y: : : :|: : |: :个:..          <   |: : |: |: : : : 从: !
        ∨ : : ∨ |: : {: : : : : :≧=-r ´   /⌒|:/: : : :/ Y
         \: : :\}: : \: ヽ : / ∧  _,/   /'/: : ,.く
          \: } \>:,.イ /⌒\/     ,.- /:/、  \
            \   //  ,'  /    / /イ- 、 \ ∧
              /,イ   / /    //´     \ \∧


 毛布を被って、静かに泣いた。

 カン
420 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 18:41:22.27 ID:03mj5/Lbo

 1/5

 242
 部長の話
 270
 10年後のスーパーマホっち


 「なんで結婚できないのか会議をするわよ」

 「増えたじょ……」

 「もうやだ……」


 須賀咲ちゃんです。女子会に2名ほど追加されました。

 しかもその対象が竹井さんとマホちゃんって……もうやだ。次はこないもん!


 「竹井さんは悪待ちするのでは?」

 「あら、和。いたの?

  呼んだ覚えはないのだけれども」

 「いえいえ、普段の私たちの女子会に顔を出すなんて、厚顔無恥ここに極まれりですね」

 「和先輩は難しい言葉を使いますね!

  男は賢い女の子より『きゃーっ!』とか『かわいいー!』って言っておけばいいんです!

  賢い女より男を立てて媚びる女です!」


 地獄絵図だよ! 今回は本当に心が折れそうだよ!


 「咲ちゃんごめんな……。

  私が引き受けるつもりだったんだけど、知らないうちにのどちゃんが咲ちゃん呼んでたんだじぇ」

 「う、ううん。大丈夫だよ優希ちゃん」

 「咲ちゃんは優しいな。

  (三人とも、おこぼれをもらいたいなら咲ちゃんの味方になればいいのに…)」


 私の味方は優希ちゃんだけだよ!

 なんとか今日1日乗り切ってみせるよ!
421 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 18:42:18.64 ID:03mj5/Lbo

 2/5

 「マホ、馬鹿な女は嫌われますよ?」

 「逆ですよー。変に自分賢い!ってしてる女の子は女子会でハブられるんですよ!

  女の子は周りに合わせて、話からハブられないようにするのが定石だってマホ知ってます!」

 「麻雀の定石は覚えられないのにそういうところばかり賢くなって……」

 「麻雀はできても結婚できないけど、女子力を磨けば結婚できるんです!

  マホ、友達から教えてもらいました!」


 こわっ! マホちゃんパワーアップしてる、こわすぎるよ!


 「えと、そんなことないと思うんだけどなー……」

 「咲ちゃん咲ちゃん。

  女の子って、道を歩く時はどんなに邪魔扱いされても横に広がるだろ?」

 「う、うん。私はよくわからないけれど、よく見るよ」

 「アレって、ハブられないように、他のやつより後ろにいたくないってことなんだじぇ。

  女の子界隈で権力争いは本当にあるんだじょ……」

 「もうやだー!!」


 なんで私は、女の子の常識を叩き込まれているんだろう……。

 喪女だから知らなかったツケがここで払われているんだね……。
422 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 18:43:08.81 ID:03mj5/Lbo

 3/5

 「またマホはそんなことを言って……」

 「和先輩ももっと媚び媚びーってやれば一発で落とせますよぉ」

 「そんなテクニックありえません!」

 「えへへー!」

 「和ちゃんが押されてるじぇ……」


 ああ……大惨事だよ……。


 「あら、和負けちゃったのー?」

 「竹井先輩も、雑学が詳しいってマイナスですよね」

 「……あ?」

 「男の子の話を聞く時に、なんに対しても『なにそれ! 教えて教えてー!』ってやるのは定番中の定番ですよ?

  自分で答えられる雑学に対して、そういう対応できますかー?

  マホはできます! ギャルのコピーしましたから!」


 マホちゃん!?

 あ、でも普通の女の子として生きることを考えれば、麻雀力よりよっぽど便利なものをコピーしたよね。


 「わ、私が教えてあげればいいじゃない!」

 「やれやれです。

  それじゃー男を立ててあげられないじゃないですか!

  ドヤ顔早口で雑学の話なんてされたら大抵お男の人はドン引きですよ!」

 「それはマホが正しいじょ。

  久先輩が求めているのが対等な相手ならいいけど、それが恋愛感情に発展するかは久先輩次第。

  年下辺りを狙うなら無駄に知識を持ってない方が便利だじょ」

 「そ、そうなんだ」

 「男をたてるのって難しいんですよー。

  それこそ、自分が本当に知っていても、知らない風に装うのが真の女子力です!」


 な、なんかマホちゃんがこの中で一番正論言っている気がするよ……。

 優希ちゃんもよく知ってる辺り、やっぱり大学の女子会を経験している人は違うんだなぁ。
423 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 18:43:42.98 ID:03mj5/Lbo

 4/5

 「ってことは、この10年間でマホちゃんはモテモテだったの?」

 「はい! 何回か覚えてませんけれども、モテました!」

 「彼氏は何回くらいできたの?」

 「0回です!」

 「「「「」」」」


 えっ?


 「マホ、それだけ言っておいて彼氏が出来たことがないんですか?」

 「和。ここは引き分けにしておいてあげましょうよ。かわいそうだし(笑)」

 「マホはどうしても好きな人がいるんで、告白されたらお断りです!

  でも……」


 ぅ。やな予感。


 「思わせぶりな態度とか、実質恋人なんじゃないかって人を何人か作って練習してました!

  実際に付き合うとかの単語を出させないのがポイントです!

  もちろん付き合ってないのでボディタッチなんてNGです!

  デートの調査とか、男の人はどうやれば喜ぶのかとかを徹底的に調査しました!」


 うわぁ……。


 「何人かはうまく制御できないで付き合おうって言うんですが、そういう人はお友達だと断言して切っちゃいますね。

  あくまで女子力を高めるための練習ですから!」


 これが本物の悪女……。
424 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 18:44:19.20 ID:03mj5/Lbo

 5/5

 「料理も出来て、仕事も決まりましたし、男を立てる術も勉強しました!

  マホの本命はこれから実らせます!」

 「う、うん。頑張ってね……?」


 もうこの子と関わるまい。そう誓いました……。

 なんにせよ、京ちゃんと私はもう結婚してるし、京ちゃんが浮気なんかするわけないって信じてるもん。

 それにマホちゃんの好きな人ってのが京ちゃんとは限らないし、私はもう関係ないもん!!


 「なるほど、女子力。……それが有効ってことは、私にとってはこのまま悪待ちするのが一番ってことね!」

 「恋愛に悪待ちなんてありえません」

 「原村ァ……」

 「なんですか竹井」

 「マホ、頑張っちゃいます!」

 「さすがにこれはやりすぎ。咲ちゃんたちは私が守ってあげるからな」

 「そんな、大げさだよぉ」

 「ちなみに、普通の女子会ではマホの言ってたことは当たり前のように出てくるって覚えておくといいじょ」

 「え”……」


 もうやだ。私の居場所は宮永家にしかないんだもん。

 今日は京ちゃんに甘えよう……。カン!
425 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 18:45:48.23 ID:03mj5/Lbo
投下終わりです
これでリクは二つ残して消化できたはず。残り二つは浮かばないんでまた後日
後でシチュ募集するかも
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 18:55:25.96 ID:TZbF4XpSO

女子会怖えぇ…(2回目)
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 18:55:59.22 ID:I34w0kTBo

優希とマホは10年でスレちゃったけど
和と久は変わらないな
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 19:08:56.34 ID:lLtvy/9tO
乙です
マ、マホは凄いなぁ(震え声)
とりあえず、みんな当分は結婚(及び彼氏)できなさそうデスネ
429 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 21:25:36.74 ID:03mj5/Lbo
 ・1スレ目で頂いたシチュエーション

 14
 【仕事場にお弁当を届けに行く咲ちゃん】

 72
 【一緒にスーパーで買い物】

 84
 【休日にまったり耳かき】
 151
 【久しぶりに姉も誰もいない二人っきりの京咲】

 158
 【照にあすなろ抱きされて耳元で囁かれる京太郎】
 159
 【照の誕生日京太郎独占】
 181
 【照の誕生日京太郎独占権プレゼント】

 125
 【内弁慶】

 148
 【鍋料理】

 149
 【紅葉狩りに行く】
 156
 【子供達と一緒にお風呂はいる】
 【川の字で寝る】
 157
 【旅館で家族風呂】

 174
 【子供に「伯母さん」と呼ばれる照】

 180
 【膝の上に座って充電】

 152
 【優希と和が訪ねてくる】
 203
 【高校時代の麻雀部員との会話】

 150
 【告白した時のこと】

 235
 【子供の名前を考える夫婦とDQNネームをつけたがる照】

 75
 【突然の大雨に濡れてしまったので三人でお風呂】
 160
 【宮永家全員とヤる】

 275
 【看病】

 276
 【酔っ払って前後不覚に陥りながらなんとか家に帰って玄関に倒れ込み、むくれながらスーツを脱がそうとしたらすごい勢いで手を振り払って「止めてくれ、家に妻がいるんだ」と喚いて気を失う京咲】

 161
 【子供の授業参観などの学校行事】

 226
 【夫婦喧嘩してから仲直りまで】
 227
 【子供達が京ちゃんを独占していることに嫉妬して、パパは10年も前からママのなのーって嫉妬する咲ちゃん】

 277
 【押入れを整理してたら高校時代のセーラー服出てきて、ついつい着ちゃう咲ちゃん】

 274
 【お産間際のみやながけ】

 201
 【咲ちゃんは友達が少ない】
 271
 【京咲家デートの割合】

 ↑投下済
430 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 21:26:05.61 ID:03mj5/Lbo

 ・2スレ目で頂いたシチュエーション

 864
 【界さんが京ちゃん呼びする理由】
 989
 【両親視点での生活風景】

 994
 【出産前後の京咲】

 988
 【恋人になってからの初デート】

 481
 【京太郎と照の浮気疑惑】
 996
 【照と京ちゃん夫婦に間違われて咲ちゃん嫉妬】

 990
 【プロポーズ】

 477
 【結婚前、界さんに嫁さんにくださいな挨拶をする京ちゃん咲ちゃん】

 863
 【京咲が結婚後に宮永家に住んでなかったら】
 987
 【結婚初期の話】

 476
 【妊娠発覚時の様子】

 993
 【照視点で何か】

 480
 【バレンタイン】

 998
 【家族みんなでトランプ遊び】
 999
 【みんな幸せな風景】

 888
 【子供が風邪を引いたら自分が代わりになってあげたいと思う京咲】

 992
 【友情破壊ゲームをプレイしたのに、さらに絆が深まった京咲】

 1000
 【京太郎たちが3年の卒業式】

 991
 【重婚が法的に認められてテルーと京ちゃんの子が誕生、という照の夢オチ】

 482
 【カン(物理)】
 67(4スレ目)
 【咲ちゃんのお料理講座】

 ↑投下済
431 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 21:26:35.44 ID:03mj5/Lbo

 ・3スレ目で頂いたシチュエーション

 862
 【京咲最大のプレゼントは感謝の言葉】

 901
 【女子会にて少女漫画などに良くある壁ドン顎クイetc.の話で盛り上がるもよく考えたら全て京ちゃんにされていた咲ちゃん】

 984
 【照とロッカーに入ってしまって嫉妬する咲ちゃん】

 986
 【何かと頼りにされる咲ちゃん(の夫)】

 998
 【京咲照で海水浴】

 1000
 【清澄麻雀部全員での同窓会で盛大にのろける京咲とかさ】

 985
 【子供たちの運動会とか】
 989
 【子供達がよその子とおままごとをしたせいで須賀夫妻の(主に夜の)家庭事情が赤裸々に】

 905
 【男女の双子について。ヨスガ】
 127(4スレ目)
 【子供が親の真似をしてキスとかしてた】

 994
 【タイムカプセル】

 906
 【ペットのカピバラと戯れる】

 999
 【高校時代にできた戦友】

 987
 【子ども達と一緒にスーパーで食材お買い物】
 135(4スレ目)
 【DNAに刻み込まれるレベルの迷子属性】

 997
 【京咲大学時代の照視点】

 ↑投下済
432 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/12(木) 21:27:03.73 ID:03mj5/Lbo

 ・4スレ目で頂いたシチュエーション

 122
 【照の試合中継をおうちでテレビ観戦京咲】

 126
 【いつもの調子じゃなくてガチ本気で京太郎に迫る照】
 220
 【ほのぼの定期って、次あたりでまた盛るんだろ!】

 123
 【照と京太郎のデート(with咲)】

 331
 【双子から何て呼ばれているか】
 348
 【すこやんをテレビを見た双子の反応】

 121
 【照に京太郎と結婚することを伝える時の咲さん】

 242
 【部長の話】
 270
 【10年後のスーパーマホっち】

 ↑投下済
 ↓未投下

 124
 京咲の結婚式での照と清澄の様子
 125
 宮永姉妹に襲われる京ちゃん
433 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/12(木) 21:28:35.47 ID:03mj5/Lbo
見たいシチュあればお願いします
既存キャラならOK。新キャラはちょっと待ってね
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 21:43:31.61 ID:rZx655rCo
照さんのプロ仲間が家に遊びに来たりとか
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 21:46:12.90 ID:evw/zJJNo
仕事で疲れた京太郎に膝枕しつつ耳掃除をする咲ちゃんをば
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 21:49:43.81 ID:TZbF4XpSO
まこから見た和久マホ
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 21:50:42.70 ID:I34w0kTBo
新婚旅行
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 21:56:43.59 ID:BUCXQHZTO
子供達とまこの雀荘へ遊びに
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 21:57:59.53 ID:bmgFGb/+o
乙です
この前の霞さんの話のつつとか
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 22:06:02.37 ID:VSa1xgWco
照の女子(プロ)会
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 22:25:05.27 ID:NuFti5ZR0
照さん繋がりで白糸台メンバーも交流がある、そして全員が喪を拗らせてる
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 22:44:25.31 ID:GwhjPru9O
危しちょっとマホにデレてしまった京ちゃん(本人に自覚無し)
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 22:46:41.57 ID:ZQXaJREpo
京太郎出世する
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 22:57:50.93 ID:Dz1evkdS0
子供たちの七五三をする京咲
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 23:44:29.14 ID:1F3NtNcIO
まこさんは誰かと結婚したんだろうか
それが知りたい
446 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 00:07:45.46 ID:IHYe9qVBo

 1/5

 442
 危しマホにちょっとデレてしまった京ちゃん


 「京ちゃん先輩! 久しぶりです!」

 「マホ……か?」


 夢乃マホです! 目標は宮永先輩から京ちゃん先輩を奪い取ることです!

 今日はプラン1、京ちゃん先輩と偶然を装って再開するミッションです!

 話すのは帰り道、電車から降りたところです!

 あくまで今日であったのは「偶然」ですよ! 「偶然」!


 「いやー、大きく……はなってないけれど、マホも大人になったな」

 「えへへ、そうですか?」

 「うん。なんというか、雰囲気が大人びたよね」

 「京ちゃん先輩にそう言ってもらえるなんて、マホ感激です!」


 これがマホの努力の成果です!

 マホは起伏が乏しい体とは言えませんし、京ちゃん先輩の好みから外れていることも理解しています。

 でも、無い物ねだりをするのは間違っています!

 マホにはマホの強みがあります。そう、『かわいい』路線です!

 放っておけない、弄りがいがある、良く懐いてくる……。

 後輩には後輩の強みがあるんです!

 もちろん、妹扱いされる、恋愛対象とは見られないと言ったデメリットがあることも重々承知です。

 ですが! 自分を見失って迷走するよりはよっぽどの強みになるはずです!

 背伸びをしない化粧、無理に大人びない服装。

 そして、今のマホは料理などの家事もバッチリです!

 自分が頼られるはずなのに気づけば後輩の女の子に依存していた……男の人の弱いポイントです!
447 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 00:08:15.42 ID:IHYe9qVBo

 2/5

 「今日はたまたまここに寄ったのか?」

 「はい!

  背が高くてカッコよかったので、京ちゃん先輩かなーって思って、つい声をかけちゃいました!」

 「おいおい。カッコ良いって……」

 「め、迷惑でしたか?」

 「そ、そんなことないさ!

  嬉しいよ」


 最後の言葉を言う時には、ちょっとあざといくらいに見上げて目を潤ませて言います!

 両手はグーにして胸の前で媚びるのも忘れません!


 「京ちゃん先輩はマホのことを褒めてくれたのに、マホが京ちゃん先輩を褒めちゃいけないなんて、不公平ですから!」

 「既婚者を口説いちゃダメだろー」

 「えへへー」


 おっと、無理には押しません。

 ここで無理に押せ押せになってしまっては悪待ち(笑)とデジタル(笑)と同じになってしまいます。

 あくまで今のマホは『偶然』京ちゃん先輩と再会した後輩ですから!

 京ちゃん先輩が宮永先輩を立てている以上、押せ押せになっても拒絶されるだけです。

 少しずつ、少しずつ、京ちゃん先輩の心に夢乃マホを浸透させていくんです。

 もっとも、口説いていることを『否定』はしません。こういったさり気ない部分が少しずつ浸透していくんです!

 今のマホはあくまで後輩、今のマホはあくまで後輩。……自分に言い聞かせます。
448 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 00:08:44.97 ID:IHYe9qVBo

 3/5

 「そういえば、京ちゃん先輩はカピバラを飼っていましたよね」

 「おお、よく覚えてるな」

 「マホは天竺鼠を飼っているって話、覚えてますか?」

 「あー……、そういえば言ってたね」

 「えへへ」


 今日するのは世間話だけです。

 京ちゃん先輩とマホには、ペットを飼っているって共通点がありますから!


 「カピバラってどうやって飼っているんですか?」

 「懐かしいなぁ。それはーーー」


 マホはあくまで聞き役に徹します。

 男の人は自分の知識を自慢したい部分があります。もちろん、そうでない方もいますけど。

 それを少しずつ刺激しているんです!


 「それでカピが乗っかかってきてさ。

  なんとかどかすんだけれど、重くて重くて……」

 「すごいですね!

  マホには出来ないです!」


 自分には出来ないことをアピールします。

 同時に、先輩を持ち上げることも忘れません。


 「あ……、すみません先輩。

  今日はそろそろお暇しないと」

 「そ、そうか。ごめんな、話し込んじゃって」

 「いいえ! 京ちゃん先輩の話、とっても面白かったです!

  良かったらまた聞きたいです!

  カピバラに触ってみたくなりました!」


 名残惜しいですが、別れを切り出すのは自分からです。

 マホが京ちゃん先輩目当てで擦り寄っていると思わせないためです。

 さて、ここは撤退して……。
449 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 00:10:04.12 ID:IHYe9qVBo

 4/5

          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |
.      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |
     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
.      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.
.       //  /|  ::l、   :    ー‐   \{  | /  ー‐    j/ /}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.     「じゃあ今度カピを触らせてやるよ!」
     / _,/:.:..|  ::| \ !           j/        ′/:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
        / :.:.:.:.:{  ::|\ハ_,          ノ            ,___/{:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.∧
.    /:.:.:.:.:.:.:.::′ ::|:.:.|\圦                       / j/l/.:.:′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.∧
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                  /: :/ : : //: : : :/: : : :ト、 : : 丶: :付寸ママママママム
              /: :/.: : :///| : : |: : : : |: :丶 : :ハ: :寸マママママメメ、
              |: :l : : _jレ代ト、: :ト、: : :.ト、 ,ハ: :ト、i: : 寸ママママママ
              |: :| : : |    ハ|∧  l ` 'l: :l: :l: : : 寸マママママ
             人∧,ハl         \l   l: :i: :| i : : :.寸ママママ
                l : : 刈,r==く      ,zx、ノノイ / : ::/`マママ
                | : : : :| l/l/  ,     ⌒ヽ.   レ⌒Y            「ほ、本当ですか!?」
                | : : : :|   ┌ ―┐  l/l/l ノんノ
                | : : ,仆、   マ. 丿     rく__/|
                l : : !i ト、「>rf^h_, ィ ノ|人|: :/
               /イ: :|寸〈V j i  |   i匕>、 レ′
               人| ,rく〉V l i  | ̄>′  \`
                    〉 i_〉⊥i, hく      ∧
                  ∧/ ,r一'   |rヘ、   /ヽ',
                  / r| 〈 / ̄ヽ  >く   l∧
                   / 〈 \レ': : : :/ `ヽノj_, /  !
                    /  | `ー\::/      ̄`ヽ ト一
                  V     ∧        `|
                 V     / \         |
                〉ー<     \    , イ
                /           >---く  |
450 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 00:11:11.60 ID:IHYe9qVBo

 5/5

 ……

 …


 「ふ、ふふふ」


 京ちゃん先輩と別れて、自分の部屋で毛布に包まります。

 予想外の展開で、急接近できました。……京ちゃん先輩はとってもコミュニケーション能力が高くて、こういうことが出来るんです。

 正直、完全に予想外ですが、使える手は使います。カピちゃんも触りたいですし。

 何より、京ちゃん先輩が前よりずっと格好良くなっていて、マホの胸がキュンキュンしちゃってます。我慢できません。


 「それじゃあ、今日も鎮めますか」


 どうしても我慢できない時、マホには特別な手段があります。


 『咲。ただいまー』


 京ちゃん先輩



 『おかえりなさい。京ちゃん。

  ほら、スーツ脱いで』


 宮永先輩


 『ちょっとゆっくりさせてくれよー』

 『だぁめ。シワになっちゃうんだから!

  そうなったら誰がクリーニングに出すと思ってるの!』


 二人のコピーは完璧


 『マホにはいつも迷惑をかけていてごめん。

  マホはいい嫁さんだなァ』


 そこにマホを移し替えて。


 「はい! 京ちゃん先輩。愛してます!」


 ほら、完璧


 カン!
451 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 00:11:41.51 ID:IHYe9qVBo

 即興を一つ
 引き続きシチュは募集します。以前書いたシチュと新キャラ系はごめんね

 >>435
 1スレ目170にありますのでよければどうぞ!
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 00:41:07.13 ID:BPLSCQriO
乙です
悪待ち(笑)とデジタル(笑)をディスるだけあってマホTueeee!!
普通だったら余裕で墜とされそうだな…
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 04:16:15.57 ID:k6bkgBVgo
乙です
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 06:16:31.29 ID:eJIlgGjao
乙です
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 06:45:45.67 ID:Dx9w1X2SO
凄ぇ怖ぇ
出会った順番が先で良かったな咲ちゃん
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 07:53:40.90 ID:gJLX1pcDO
京ちゃんエロ本所持なお巨乳もの
457 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 18:23:55.53 ID:IHYe9qVBo

 1/8

 434
 照のプロ仲間が家に遊びに来たりとか

 440
 照の女子(プロ)会


 「数え、くらいくれてやる」


 私に勝てるのはテルだけだった。


 「亦野せんぱーい。

  私のためのハンデづけお疲れ様でーす」


 全ては私の引き立て役。


 「役満くらいくれてやる」


 仮に一回負けたとしても。


     /                  \
 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /
  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l|
  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |  「ちょと反省してテクニカルになったスーパーノヴァあわいちゃんがボッコボコにするよ!」
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ X__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶 


 最終的に勝つのは私。

 テルと一緒に暴れまわって、その次の年は亦野を困らせて好き勝手にやった。

 私に敵なんていない。私が右を向けばみんな右を向く、私が左を向けばみんな左を向く。

 私は白糸台麻雀部のてっぺんなんだーーー!!
458 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 18:24:29.25 ID:IHYe9qVBo

 2/8

 なんてやっていたら。



         /               ヽ \
            /   ./              :.
        /   ′ /|     :∧         ::.
.       / 7  | ./ !     | ∨    |    |
       ′ !   | / ̄`∨   |´ ̄Y    |     |
       |  |   r≠ミ、∨  | r≠ミx   |     |
       |  |  从 r':::::}!八  〃r'::::::}!》  |     |  「あわ?」
       |  |  ハ弋)ソ   \{ 弋)ソ |   |     |
       {  |   :i ,,,  ,     ,,,, /  八   !
.        |   :}          /7 /     |
        八   人   v  フ   / /}    八
         \{\( >...       仏イ/    /:  \
.           /    ≧ー <    |/   /:    \
          /   厂 ̄ |      /   /:.      \
         //   /   /|    /   ∧::..       ::.
.      //'    /   ∧   //   /  \::.      |
.     // /   /   /\  / /   /    \::.    |
     l(  /   /   /  /   /   /        \:..   |


 私が3年の時に、誰も友達がいなかったのだ!!

 正確に言えば、3年までは誰かしらが側にいたんだけれども。

 先輩たちがいなくなった瞬間、誰も近寄らなくなっちゃった。

 まるで、今まで私の近くにいたのは先輩への義理だったと言わんばかりに……。

 それでも意地っ張りな私は自分を直さずそのままでいた。

 ……仮に直していたとしても、女子のカースト制度を考えると、仲良くなるなんて出来なかったよね。

 しかし、一度ぼっちになってしまえばあとは転落一直線。

 高校を卒業してプロになっても、新しく友達ができるなんてことはなくーーー。
459 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 18:24:59.89 ID:IHYe9qVBo

 3/8

 「うわーん! テルー!」

 「よしよし」


 こうして、テルーに頭を撫でられている。

 テルですら大苦戦するプロの世界。私もスーパールーキーとして鳴り物入りで参戦したんだけれども、その成績がいいとは言い難い。

 同期の中ではトップクラスに値するとはいえ、もうプロ入りから7年。『同期の中では』なんて言い訳通用しないよっ!

 世間では『宮永照の後継者』だと散々持ち上げられた末の結果、しかも私自身のビッグマウスも相まって風当たりも強かった。

 その中でも一番響いたのが、『宮永咲なら宮永照の後継者として申し分なかった』という記事だ。正直泣いた。

 サキは高校一年がピークで、そこから先は麻雀に本腰を入れてないのに、伝説だけを残して去ったせいで持ち上げられているのだ。

 いざという時に頼れる友達すらいなかった私は、こうしてテルに頼るしかなかった。

 テル、そして社会人になった亦野は、時々私のことを慰めてくれるのだ。


 「立場上マスコミに付け回されるのは仕方ない。

  そう言ったものに関わらないようにするべき」

 「だってぇ……。何かとサキと比較されるんだもん」

 「うん。咲は戦績にほとんど傷をつけずに麻雀界から消えたから、仕方ない」

 「高校2年、3年ではパッとしなかったくせに……」

 「全国まで来なかったから、逆に取材も薄かったのが大きい」


 テルの前だというのに、咲に当り散らしてしまう。

 自分の妹がそんな扱いを受ければテルも怒るかな、と体を強張らせていたのだが、反してテルは私を抱きしめてくれた。


 「淡は素直だから、悪意に対しても素直でいちゃうんだよね」


 結果を残している時はそれでも良かった。全てを結果で黙らせることが出来たからだ。

 でも、今はプロの世界。

 何より、どんなに自分が頑張っても、目の前のテルに勝てる気がしない。

 そう、どんなに甘えても、『宮永照はライバル』であり、競う相手なのだから。
460 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 18:25:39.69 ID:IHYe9qVBo

 4/8

 「あれ、照さん。帰ってたんですか?」


 急に聞こえた声にビクッとしてテルから離れる。

 弱いところを見せるのはテルの前だけ!


 「京ちゃん。今は女の子の時間」

 「あっ、すいません」

 「……あ、やっぱりちょっと待って。

  ちょっと子供達を連れてきて」

 「? わかりました」


 なにやらよく分からない会話をして、男は去っていった。

 えっ、もしかして私、テルに男関係ですら負けてるの……?


 「テルーの彼氏?」

 「そうだったらいいんだけどね。

  咲の旦那さん」


 いつもクールなテルが、男を見ている時だけ熱に浮かされたような目をしていた。


 「それって」

 「いつか姉妹丼を目指してる」

 「食べられる側なのに!?」


/`ヽ            .  - ─ ─-  .
 /`ヽ   . - ───<_人 _ : : : : : : : : :.┼  .
/  /´    __.rr.─‐┐ノ:´Y´ .: : : : : : : : :_ 人 _: \
し '   r<´  |ll:    | : : : : : : /. : : : : : :.`Y´. : : : ヽ
   } └ .─ ┴‐─ ┴,. : ://: : : : / : : : : :!: : : : : _人_
、 .斗 ‐‐─ァ── <:./: :/: /: /: : /: : : : :.:/:i: : : : :.`Y´
 > ´  ̄ フ./: : :/: : :.// :./_:/_:/:_: /. : : : : :/:/: : :! : : : ∧
___..斗< /: : :/i: : : :{: : /: /: /: : /`ヽ. :./:/: :i: :.! : : :/:∧    ブイッ!
.       /: : /´:!: :.:从: :芹竿ミx.:|: : :./:/:`メ: :.! : :/:/:.∧
     /: : /!/ |: : : |人{弋 _メckj /:/:/. :ム:リ :/:/: /:.∧
.    /: : /人.N: : : |  ⌒ ー ''     「笊ckくj /:/:./: /:.∧
    /: : //: : ヽ!: : :.| """"        辷..ソXl|: : :/: /: /:.∧
.   /: : //__人_:j: : : |        ,   """ノリルイ⌒ `ヽ/:.∧
  /: : //: :.`Y´.|: : : ト、    、_       /. :i: :.:|      `マ}
ー/: : //: _人_: :.j: : :.:|:.|\     ー '     . イ. :人_ |    i
∨`X「ー`Y´─.! : : |:.|.  \    .  イ: :.!:.`Y´. ! ___ 人 ___
 \ \       !: : ::l:.|     ̄「:i: : : : :j: :.:|: : :l: :.:l   `Y´
   \ \    从: :.j:.|      |N\: : :l: : :!: :.リ:.:.リ    l
      ト、\   人: l:.|      } jト、 \j : リ: :/: :/
     | .\ \   ヽ j\ _ _j ハハ  ` <': :./
     |:::\\ \     \   ⌒ } i    `<}ト、
     |: :: :::\\ \      \   .N      // ト、


 て、テルーが分からない……。
461 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 18:26:14.97 ID:IHYe9qVBo

 5/8

                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 「あっ、ビッグスター!」
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
           /   __ i: . : :、/|__ ∠  / ‐  //          |
          /`-‐ /   / |  __ -‐/   /             |



                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \  「こら! 走るな!」
                    | ∧          ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、


 子供がドタドタと騒がしく走ってきたと思ったら、先ほどの男に捕まえられて持ち上げられる。

 それでもバタバタと暴れるが、男ががっしりと掴んでいるために動けないみたい。


           -‐──‐-
       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j    「私と京ちゃんの子だよ」
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:X         ""  ノ   |
    /::::入_           _  < / /| /
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈
           |  .〈∧/    !__/
           |        | |


 「「」」
462 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 18:26:44.19 ID:IHYe9qVBo

 6/8

 「えっ、は?」

 「照さん……またそんなこと言って」

 「冗談」


 て、テルが冗談を言うなんて、この男何者!?


 「この子は、淡のファン」

 「また冗談でしょ……」

 「ううん。『ビッグスター』って、覚えてる?」


 覚えてるよ。

 私がスーパールーキーとして参戦した時に名付けられた異名だ。


 「この子、淡の麻雀カードばっかり集めるくらい、淡が好きなんだよ」

 「……えっ」


 先ほどから男に羽交い締めされている子供を見る。


               ,..  / ヽ ´⌒> 、
             /             \
            /      |  }!      \⌒
.           /  /   !   |   | ヽ   \
           /ィ  :|  \∧  | /| |! トー―
           | _|VT示r ∨j/示rx/ V(
            レ1(  弋,り   弋り {ソ V            __
             |/V{   ___   从|>ー―――r―――/ /
             ___/>、 V /  イ7   /     /――-、  \    「ビッグスター!」
          ___/   | | ー 77 /   /     /      ー―
         ノ  (    | |  / /    /     /
       /     \|   | | / /    /´ ̄ ̄ ̄
     /        !   ∨∨ /  /(
  _/\     /|/   ∨ / / /  ⌒ヽ
 ー  / \    / 人   〈 /  /       |
   し′     ̄  ,  >==≠  | /⌒ ト{_
             |    | |/    |/|   |::::}!
             |   \| {___/::/|   |::/


 まだ喋るのに慣れていないのか、それだけを繰り返す。

 でも私がいることが本当に嬉しいみたいで、羽交い締めにしている男を蹴り、殴り、振りほどこうとしている。
463 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 18:27:20.11 ID:IHYe9qVBo

 7/8

                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ   「コイツ、大星淡さんのファンでして……。
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /     騒がしくてすみません」
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、


 男が困ったように、謝った。


 「私に、ファン?」

 「普段そういう声は聞こえないのかもしれないけれど、淡にだってファンはいる」

 「嘘?」

 「子供がそんな嘘つけるわけないでしょ」

 「……」

 「淡。あなたの味方は確かにいる。だからもうちょっとだけ、頑張ろう?」


                _, -──-  .,_
               '´         `丶、
            /              \
           ,          /         \
.           /     .   /            ヽ
           ′     / /              `、
.          .' /   /,     // /|   |       `
         i     . /    」_ ′/  |   | i|  . i
.         i |   j/,    /イ`メ、   |  小 ||   ト.!
          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i  「うんっ!」
___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕
464 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 18:28:01.90 ID:IHYe9qVBo

 8/8

 「じゃあ、気をつけて帰ってね」

 「俺が送りましょうか?」

 「大丈夫! 同い年だし敬語もいらない!」

 「そうか?」

 「うんっ!」

 「ビッグスター!」

 「大星、また遊びに来ていいよ。

  この子も待ってる」

 「もちろん! あわいちゃんはファンに優しいのだっ!」

 「元気なヤツだなぁ」

 「お前の名前は?」

 「須賀京太郎だよ」

 「きょーたろー……。よし、また今度子供に会いに来るからねっ!」

 「おお……。子供の相手をしてくれるなら嬉しいよ」

 「なんか騒がしいけど、どうしたの?」

 「あっ、サキ!」

  ふっふっふ。

  ネオニュービッグスターあわいちゃんはもうサキには負けないからね!」


        ,. . . -――- . . .、
      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l ',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : /   l: : : : :l  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /   .レl: : :ノ .__ ',: :l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l: : : : : :l
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Y: :、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ l: : } \ノ
   ',:乂_           `     !ヘ:ノ       「?」
   ',: : : : 丶、     ー-‐     j
    ヽ{\ : : _        ,, イ
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、
     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }


 カン!
465 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 18:29:33.55 ID:IHYe9qVBo
新キャラは無理だと言ったな。淡ちゃんで勘弁な!
子供時代のまこのAAってないんだね……
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 18:40:30.90 ID:jgm5Nnfao
かわいい
姉妹丼狙ってるテルーに吹いた
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 18:48:25.46 ID:LNrrc7ZOo
乙です
あわあわや照も可愛いから困るぜ
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 19:07:54.19 ID:+XnU/NeTo
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 19:12:24.30 ID:QUjeHCcdo
まさか、こんなに早く書いてくれるとは…
乙です
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 19:47:29.04 ID:Dx9w1X2SO
おつー
照から見たら夫婦丼
同じ野望をおもちの方がいらっしゃいますねえ…
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 20:05:46.64 ID:0QnKiUa8O
今のところ、咲さんの主婦友いないな。
顔見知りが誰も結婚してないとか軽くホラー
472 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 21:20:20.89 ID:IHYe9qVBo

 1/6

 436
 まこから見た和久マホ
 438
 子供達とまこの雀荘へ遊びに
 445
 まこさんは誰かと結婚したんだろうか


 慌ただしい足音。

 走ってここまで来ているのだろうが、転んでなければいいんじゃが。

 何度言っても直らんしのう。




                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ バタン!
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 「まこちゃん!」
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
           /   __ i: . : :、/|__ ∠  / ‐  //          |
          /`-‐ /   / |  __ -‐/   /             |









         /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/          i::::::::::::::::::::::::!
         /  / ::::::/    ..  :: :::::::/             |::   ::::::::::l
          i::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ              |::::::....    1
        i:::::::/::::::::::::::::::::_:::::::_:/           |:::::::::::::::::::::::::\
         i/::::{:::::::::::::::::: ̄:::::::>'´   `ヽ、_        _>─:-:::::::::::::::::::\
       ノ:::::::!::::::::::::::::::::::/___ _   ノ  ノ  '´   \::::::::::::::::::::::::::::〉
     /::::::/:::i::::::::i:::::::::{´ィ::::::::::::::ヾミ- `ヽ    ,--==ヒ--、V::::::::::::::::::::::〈
    //::::〈:/::ハ::::::ハ:::::{:::;仆::::::::::::::::}  `   }   /イ:::::::::j ヾ` ハ:::::::::::::::::::ヽ::ヽ
  ///:::::::::::V::ハヽ:::{ \::{N {::っ::::::く    ├ ‐┤{:::::::r''   / /:::}::::::::::ヽ:::::ハ:::}
  〈/ {::/:::::::/:::::::ヽ ヾ、 `ヽ  ゝ;;;;;∠    /   { P...::7  ' /ノノ:/:/:::〃:ノ ソ
  ′ V:::::::::{:::::i::::::\__   \        /    \ ̄´   / /::://;:く<       「おうおう、元気か、坊主」
     V:::::∧::ハ::::::::::::::::ハ    ` ー─ ´     丶  `丶、_ ィ'::::::::::l:::::〉、:ヽ
     〉:::ハ:〈 ヽ〉:ノ=‐7`                    /:::::::::::///  〉::〉
     ソ´  `  /: . :┤          ` ー──-       /:::::::::ノ 〃   ソ
       , .<´: . : . 〈    \             /:::::::V  ′
    , .<: . : . : . : . : . :\     丶       . .<:<_V∨
 ,. .<: . : . : . : . : . : . : . : . :\     ` ー <: . : . : . : . : .\
473 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 21:20:59.25 ID:IHYe9qVBo

 2/6

 「染谷先輩、すみません。

  また預かってもらっても……」

 「構わんよ。うちの娘も張り合いが出るじゃろ」

 「今日は俺と娘で図書館に行く約束なんで、あの子を連れて行くと大変なことに……」

 「どうぞ、ごゆっくりー」

 「まこちゃん!」

 「まこちゃんは忙しいから、上で娘と遊んでてくれないかのう」

 「うん!」


 元気よく返事をしたと思ったら、バタバタと家の中に走り込む。

 何かあるたびに預かっておるから、もはや自分の家みたいな感覚なのかのう。

 ま、何か問題起こした時にはあの両親の比じゃないほど雷が落ちるけぇ、物は壊さんしいいことじゃ。

 あの坊主と、もちろん娘の方も小さい頃から面倒を見ているから子供がもう二人いる気分じゃ。

 遊んでやりたいが、お客さんの相手をしなけりゃならんしの。


 「まこちゃん。さっきの子、また来たのか」

 「いいじゃん。俺たちが構ってやるよ」

 「お兄ちゃんの方は麻雀弱いし、しっかり教えてやるからさ」

 「おんしら、そんなことをしたら妹の方にトバされるぞ。

  お兄ちゃんっ子じゃし」

 「あ、あの嬢ちゃんは何者なんだ……」

 「ただの女の子じゃよ。たーだーの」


 ケタケタと笑いながら、あの二人の娘を思い浮かべる。

 間違いなくブラコンじゃろ。兄にひっついて離れようとせん。

 麻雀は咲の血を引いとるじゃろうが、あの絵本好きを見ると麻雀には興味ないじゃろうし。

 無理やりやらせん限りやりたがらんし、ダイヤの原石も磨かなければなんとやら。
474 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 21:21:55.78 ID:IHYe9qVBo

 3/6

 それにしてもーーー


       /::::::::::, -‐ ´\::::::::::::::::/`::ー-、
      /::::::::::r'´:::::::::::::::::::\:::::::/:::::::::::::::::::`ヽ
     /:::::::::::::i:::::::::::::::::::iへ::::ヽ:/:::/:|:::::::::::::::::::|
    i::::::::::::::::!:::::::::::::::::::|:\\Y:://i:::::::::::::::::::!
.    | :: :: ::ノ     :: ::|```゛゛'"´´´ !::: :    \
    |:::::::::i...:::::::::::....::::.::::|        |::::...:::.......::::::..i
.   !:::::::::!::::::::::::::::::::::::ノ  u      、::::::::::::::::::::::::!、
   /::::::/::::::::::::::::ー/-、__      _,_-_'__、:::::::::::::、:::::`i
 /;ィ::::i:::彡!::::::∧/=テ=ミ`く  ソ彡-.、-、Τ、::、:::::iヽ::!
/:::/i::::::::V r‐、::::|´|'´i´:::: .i`  |   ! .i :::: ! 〉i::::|:::|:::/
!;/ i:::::::::::゙、  `ヾ、 ! 弋;;;;;ン   iー┤弋;;、ノ ' i::/:ヾイ、
|! !:::ト:::::::i:\_ 丶___ /   . \____, i':|::::ハ;ノ   「久と和とマホはなんとかならんのか」
.  ヽ| ヽ::人:、:::::\  """      `  """ /i:|〈
      W ヾヽヽ:i 、U   ー====ァ   ∠/ハ|
      _,..-‐:.´:.シ  \    ̄ ̄ _/:.:.:.:.|.iヽ
  ,..-‐:.´.:.:.:.:.:.:.:.:.゙、   ` ーr‐:.':.´:.:.:.:.:.:.:.:!.i;;ト、
<´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゙、     〈 ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:..//:/∧
、\\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゙、_  ,..-|:.:.:.:.:.:.:.:.//:/./ |
/__ ` 、ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ-`‐' ̄|:.:.:.:.:.:.://:/i /  |
 ̄\  \:::`ー-、:.:.:.:.:.:.:.:.\   |:.:.:.:.:.//:/ |/   i


 最近の悩みの種はこれじゃ。

 年を増すごとに行動がエスカレートしてきておる。

 正直、あの三人がどうやったって京太郎を落とすなんて無理無理じゃ。

 マホは頭が良いから、無理とわかりながら努力している……気がする。

 問題は残り二人じゃ。行動が行動ゆえに、完全に女として見られなくなっとる。

 いや、京太郎が不倫を始めたら修羅場も修羅場なんじゃが、京太郎の事をちゃんと見ていればそれはない、ってわかるじゃろうし。

 ちょっと前の和は他の人を探したり、失恋に強くなったかと思ったんじゃが、お見合いの連敗が堪えたようじゃの。

 久は……、匙を投げるわ!

 アレが一番重症じゃ! 自分の状況も何もかもわかっとらん!

 マホは磨いてきた自分がある。それこそ、京太郎を諦めれば一瞬で寿退社を狙えるレベルじゃ。

 和は……、マホに比べれば劣るが、それにしても容姿端麗の公務員。無理やりにでも意識改善をすればどうにかなるじゃろ。

 久はもうどうにもならん! 美人OLではあるが、あの面倒臭い性格のアラサー処女を貰ってくれる男なんぞおるんか?

 かなり妥協しなけりゃなるまいが、それに気づく頃にはアラフォーかのう……。
475 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 21:22:25.53 ID:IHYe9qVBo

 4/6

   /::::::iミ\/|:::::::::::`i::::::::::\
    |::::::::::|`゛゛""|::::::::::::::!、__:::::::::i
  ノ:::::::::::!     └_、_:::::::::::::i::::::::|
  /::::::::/ニ=、 ./ ,オ:::`N;::::N::::::::::i
. ん::::/:i´{.|:::oi.|-{  i;;;;oノ'/V;r-、:::::|    「もっとも、わしもそれを教えてやるつもりはないぞ」
  \|ァ人 ー'ノ, `ー---'    ^.}:::ヾ:、
   /::;:::::! ̄         __,ノ:::i::::ト、i
   |/|:::::丶   ̄`   ,.イ:::::::;ィi::|::ノ リ
     ):人N`ー、__  / |;:、:/ |人|
    '´    '^ヽ;;|      !
         ,r/       >ヽ------、_
     _,.-':.:.ト__-‐/:.:.:.:.:.:.://  ゙、
    ,.<i:.:.:.:.:.:.:.|´  `/:.:.:.:.:.:.://   ,.-‐i
    /ヽヽ:.:.:.:.:.i   /:.:.:.:..//   /   |


 思い込んでいる人間に何を言っても無駄じゃし、下手をすれば絶交になる。

 現にマホはともかく、和や久は友達が減っとる。というか、あの夫婦に絶交されないのが不思議なレベルじゃ。

 わしにできることはあいつらが過ちに気付いた時、まだ友達でいてやる、それだけで十分なんじゃ。



              ____
             /:::::::::::::::::::::::`::ー-..、___,...
            /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::\
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       __ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::;| ゙i:::::::::/
      /:/:,::::::::::::::::::::::r‐‐;::|::::::::/::/::/<.  |:::::::/
       |//:::/:::::::::::::::::::::::{ ⌒И:::::::N V  `_,/:::::::゙、  「わしにも守るべき者がある。
       |,:ハ:::::::::::::::::::::::::\  \;/   ヽ、//:::,:::ハ::|
         ゙、:::::::::::::::::::::::::/       ""|/!;::ハ:ハ|   久、謝りはせんよ」
         |ハN:::::::::::::::八     ,、    〉
            )::::::/  \    L >,-´
           _,.K´/     冫 、   /
       _,..-‐.:´.:..:..:.\   イ、  `ー '
      /‐‐>、__.:..:..:..:..:..:..\__ ヾヽ
     |::/__   \:..:..:..:..:..:..\-‐\\
.     |::y'´  ̄`! \;,,;,:..:..:..:..:.\ ゙、:.丶、
.     レ /    ゙、  \`ー-、,,;..:..:\|..:..:.〈
476 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 21:23:07.58 ID:IHYe9qVBo

 5/6

 「全く、咲も母親ならそれくらいの立ち位置でいいじゃろ。

  また『お母さん』としての振る舞いを教えてやろうか」


 roof-topのお母さんは『最強』なんじゃ。

 悲しいが、旧友だろうが切り捨てるべき者は切り捨てる。

 社会人なんじゃ、己で這い上がってこい。

 もちろん、相応の振る舞いをしている須賀夫婦には、持ちつ持たれつでやっとるがの。




    /:::::::::::::::Y::____::::::::::::::::゙、:::::::::::::::::::::::::\
   /:::::::::::::;ヘ;::::///:|:::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::゙、
   |:::::::::::/ミヽV///∧::::::::::::::::!;::::::::::::::::::::::::::::::::|
   ,!::::::::::::|```゛´´´´ |:::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::::::::::|
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 |:::::::::::::::::/⌒    '二二≧、::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::|
 〉::::::::::::,┼‐_-、  / ,=----、\:::::::::::::ハ::):::::|:::::::::::゙、
/:::∧:::::::|:| | 「d==|   |:::::::oi |::ノ|:::/‐ 、:::::::|::::::::::::::丶、
|::/ |:::|`ト;;! !|::.|  | ヽ {:::::::ノ / /ノ/⌒ }:::::::|::::::::::::::、::::|
` . リ 乂_.ソ  \    ̄ ノ      /::::::::゙、::゙、::::::ハ!
     /::ハ:| 丶     ̄ ̄     __ ノ::::::::::::::|:::::|:::/
     |:/ |::゙、  r―┐       /......И::::::/リ:::/:::|
     `  \:\ `ー' _ , -‐:..:..´:..:..:..:..:\:|.:..Wーニ
        l::::::::>'´゙、..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\
         ∠=、゙、:..:゙、.:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\ 「聞いとるか、咲」




        ,. . . -――- . . .、
      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l .',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :!  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Y : 、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ .l: : :} \ノ
   ',:乂_          `    .!ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、 U   ,--、 u  ノ     「ぅひ」
    ヽ{\ : : _      ̄   ,, ''
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、
     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }
477 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 21:23:39.67 ID:IHYe9qVBo

 6/6

             /:::::::::::::::::::::::`::ー-..、___,...
            /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::\
           /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::|`、
          /:::::::::::::::::::::::::::::::::::;:-‐:´:::::::::::|彡/::::::゙、
         /::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::ト;;::|:::::::::::)
       __ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::;| ゙i:::::::::/
      /:/:,::::::::::::::::::::::r‐‐;::|::::::::/::/::/<.  |:::::::/
       |//:::/:::::::::::::::::::::::{ ⌒И:::::::N V  `_,/:::::::゙、   「しっかり旦那を支えてやるんじゃぞ」
       |,:ハ:::::::::::::::::::::::::\  \;/   ヽ、//:::,:::ハ::|
         ゙、:::::::::::::::::::::::::/       ""|/!;::ハ:ハ|
         |ハN:::::::::::::::八           〉
            )::::::/  \   `ー-/
           _,.K´/     冫 、   /
       _,..-‐.:´.:..:..:.\   イ、  `ー '



                 〜〜    〜〜
                   -―――-    〜
              〜 .....::::::::::::::::::::::::::::::::.::::::::::::`丶
            /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\  }
            } .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. {
           { /::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
           .:::::::::::::::::::::::::::│::::::::::|\:::|\::::|:::::::::::::::::::::::. }
         } /::::::::::::::::::|::::: / | ::|:::::::ト- ::|--∨\ ::::::::::::::::| {
       { /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
      /::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\|  〃⌒゙ヾY :::::::: |::::|  }    「はい……」
        ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ     {{    }} }|/| ::::::|::::|  {
      {  |:: 八ハ{ {{   }}     ゞ==(⌒) | :: /:::::|
       } |/|::: {. ハ (⌒)==''         ///  |/}:::::|
            |:::: ヽ_| ///              __,ノ :::::|  }
.          { レヘ::八     _.. ‐〜‐-、   イ ::::::::::::/  {
           }   ∨个 .._ (_,,.. ‐〜〜' イヘ:::/|/∨
                 \|  _≧=一ァ  〔/⌒T:iT7ス
                r=Ti:i:i:i:i:i:7____/i:i:i:i:i:i:i/ ∧  }
               {  ∧i:i:i:i:i:i:i:i:|   /i:i:i:i:i:i:i/   / ∧ {


 専業主婦をしているなら、家を守るは母の仕事!

 可愛い後輩ともう二人の子供のためにも、咲も甘やかさんぞ?


 カン!
478 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/13(金) 21:26:23.77 ID:IHYe9qVBo
今までが遅すぎたので、今後はなるべく早めにリクに応えたい所存
なので定期時間は無理かも
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 21:35:07.57 ID:0QnKiUa8O

良かった、喪女のまこさんはいないんだね
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 21:39:54.79 ID:jRWZQGkQO
乙です
AA無くてもまこの娘を出してもええんやで
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 21:59:32.24 ID:Dx9w1X2SO

立派に人生の先輩しててかっこいいな
この雰囲気からするとまこは京咲より早く子持ちになってる?けっこうな早婚みたい
482 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/14(土) 17:58:05.59 ID:DcJDyVXCo

 1/5

 439
 この前の霞さんの話のつつとか


 この世界では、石戸霞よ。


 話せば長くなるけれども、私と京太郎さんの馴れ初めを語っていこうと思うの。

 あれは……いつかの世界のインターハイ全国大会のことだった。

 私の胸を見て鼻を伸ばして歩いている彼の首筋を手刀でーーー


 コホン、『この世界の話』は万人向けじゃないわね。


 あとは、そう、私が麻雀で神を降ろした際、払うために男性の精液がなんやかんやの理由で必要だった時の世界。

 京太郎さんを無理やり拉致して……。


 『この世界の話』もダメ。馴れ初めには向いてないわ。


 では次の世界の話。ここなら絶対に大丈夫。

 この世界での霞と京太郎は確実に結ばれる世界。

 そう、この世界の話をしましょう……。
483 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/14(土) 17:58:37.06 ID:DcJDyVXCo

 2/5

 石戸霞は、全てに縛られて生きてきた人間だった。

 持てる全ては姫さまのため、お家のためと尽くしてきた。

 姫さまの代わりが務まる仕事として、天倪として生きることを強いられていた。

 それに対して不満を持っていたことなんてなかった。それが私の役目だと、それしか知らなかったのだから。

 だが、その考えは全国大会に行った時、須賀京太郎とあった時に変わることになる。

 清澄の部長によって引き合わされた二人は、最初は何気なく世間話を楽しんでいた。

 しかし、些細な行き違いで口論になったのだ。思えば、霞も京太郎も我を通すような者ではない。

 彼らが譲らなかったこと、それは非常にくだらない内容。

 霞は自分より京太郎の方が大変だと怒った。

 京太郎は霞の今の立場は疲れてしまうと怒った。

 お互いを思う、しょうもない痴話喧嘩にしか見えない。

 だが、霞にとっては、初めて男と全力で口論し、自分のことを心配してくれたという事実が心に残った。

 その後も、空いた時間を生かして何度も会い、お互いの理解を深めた。

 ……だが、一度帰ってしまえば距離が遠すぎて会うことすら叶わない。

 霞は携帯電話すら持っていないので、家の電話から京太郎の電話にかける、ということで二人は喜んだ。

 少しずつ、少しずつ、彼らはお互いに恋心を抱いて行った。


 ーーーそう、あの日までは


 「石戸霞。許嫁を用意した。

  これと結婚して、子を孕め。なるべくすぐだ。

  高校は中退しても構わん」


 神代本家の命令は、絶対だった。
484 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/14(土) 17:59:06.48 ID:DcJDyVXCo

 3/5

 ふふっ、『その世界での私と京太郎さんの馴れ初め』はこんな感じよ。

 ここから先の話は必要ないわよね?

 この世の中には、いろんな世界がある。

 私が知っている中では、私との出会い方が4パターンもあったわ。

 彼が他の方と結婚している世界を見たこともあります。

 そもそも出会わなかったことの方が、圧倒的に多いかしらね。

 私はそれを見ることが出来る。

 私に取り付いた悪神が、そういうオカルトを持っていた。

 そして、私を待つ未来。私が真っ当に幸せな道を歩んでいる世界なんてなかった。

 ただ一つ、先ほど私が話した、須賀京太郎が石戸霞を救ってくれる世界を除いて、だ。

 あの世界の私は本当に嬉しそうに笑っていたのよ。

 それを成し遂げたのは、須賀京太郎。


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   |::::::::┃ : :::::::::::::::::|    ``         `` ,′:::::::::::|    「それ以来、私は京太郎さんに尽くすことを決めたのよ」
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485 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/14(土) 17:59:35.53 ID:DcJDyVXCo

 4/5

 彼を愛している。

 その気持ちは誰より負けない。いろんな世界を見てきたからだ。

 だから私は、あの人が幸せであればそれでいい。

 今、咲さんと結婚して、京太郎さんはすごく幸せそう。

 それならそれでいいの。



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       |  :::::::::::|::::::: |::l:::::::l´l:::::l` |::::::::::: |:::/--、|::::::八:::::|  「ただ、彼が幸せでなくなった時は……。
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      !::::::::::::::|::::::: | ,,xぅ气芹ミ,ノ::::/ 斗ぅ冬,, ノ:::::::::::::|    どんなことをしても、彼を幸せにしようとするでしょうね」
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          \::八::::|:∧\     l| |\ノ |:::::|:::::::::|
              _\:::::|':::∧、\   l| |  ⌒i|:::::|:::::::::|
            /  \:::::::∧\\ l| |   八:: |:::::::::ト、
          /     \:: ∧ \ソ' |     \::::::: | \




 天倪になって、産む機械にされるしかなかった私を救ってくれた。

 それは別世界の霞だったとしても構わない。石戸霞が向かうBad Endのうち、一つを救ってくれただけで構わない。

 私は、あなたのためだけに生きて、あなたの知らないところで死にます。




 カン……?
486 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/14(土) 18:00:05.17 ID:DcJDyVXCo

 5/5

                 . : ´: : : : : : : : : : : : :`: .
                /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
                   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.\___
               /: : : : : : : : : : : : : : : ト、: : : : : : : : : : ∨: :二ニ=‐-
                 /: : : : :./: : : : :|: : : : : :| ': : :.:.l : : : : : : ∨: : :.`丶
             |: : : : : :|: l: :|:.l |: l: : : : | _|:l : :l\: : : : : :∨: : : : : :\
          /: :|: : : : : :|: l: :|:.l |八: : : :|  |八:.|‐-\: : : : ∨\ ̄ ̄`丶
         /: : :从: : : : : |八人Nノ \: :l   ⌒|   |: : : : :!`丶     \
         /: : ://:/\ : 从   __,,.  \   ≦三≧ル^Y:.\|    \
       /: : :/ /:/  |: ∧l,r≦彡'´   ,       てノ| }|\: |
.      /:.:/   /:/   :|/〈∧てノ、、   ______   `` |_ノ  ‘:|
     //   ./:/    |\`∧    厂     `Y  人     |    「か、霞ちゃんの黒歴史ノートが酷いですよー」
.    /´    l:/    从: l ̄    〈__   -‐┘       |
            |      ‘:l    ≧=-  __  -=≦
                    |       |    ∨
                    . .-=≦___   __≧=- . .
                  / :  :    ` ´   :  ::  \
                 /   ::  :          :  ::    |
                --┤ Y::  : . . . . . . . . . .:  : Y   |‐―┐
                「 ̄ ̄ ̄ ̄\              l__, ┴― 1
                |            ー――――一        /|






            /    .:      \
         ―-′|   / ,.     ヽ
      /  ....,  ノ / /    |l  |  |
.     /  / / /|爪/ /__./ :;  |   |  | |!
     ′/  . :/f⌒彡/7  |ヽ/  ハ |  | :从
     |/   /.:/∧ |!Yん弐W!//⌒!/}  |/
        . :/| | ∨ 弋炒`   rテミく/  ハ  }!  「そういえばあの頃、一目惚れしたーって騒いでた時期がありましたね……」
        | ||! ∧ト  "   ,  炒ノムイ  | /
        |リ    /  \ ー    イ7/|| j!/
          ーイ   />ー 、   / }ノ
       /   `ー-  /  ヽ }ヽ
      /               | | (
.      八   ヽ          | | |\
    r<二ヽ__l!_      | | |  ー――――  、
    ∨        \    {八ト   \ー―    \
     \―――-    \   !\\    \__    \
      〕!      \  \/|::::::\〉  _____    \



 カン!
487 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/14(土) 18:00:44.20 ID:DcJDyVXCo
投下終わりです
2レス目はそんなスレを書こうとしていた名残
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/14(土) 18:08:10.29 ID:8Q0iUHxFo
乙です
いつか京太郎「いわとけ」も読みたい
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/14(土) 18:12:27.27 ID:4qyhP815O
もう黒歴史とかいうレベルじゃねー
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/14(土) 18:28:52.80 ID:p8rxfHHCO
乙です
本当にオカルトによる平行世界の記憶なのか、只の黒歴史の妄想なのか、どっちにしてもヤヴァイな…
あと、若さを保つ秘術とか使ってるのだろうか…
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/14(土) 19:28:19.97 ID:d0VnJiH4o
乙よー
>>488
この場合なら霞「すがけ」のがそれっぽい
俺もこっちも読んでみたいなー
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/14(土) 23:21:41.75 ID:LgGNYl4Io
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 00:29:22.88 ID:VU8qHlVjo
割と日常的なのが続いたところにオカルトぶっこんできやがったな!
黒歴史ノートにしては妙に具体的なんだよなぁ……
494 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/15(日) 01:00:57.45 ID:2AACZL+Fo
専用の霞スレでやるネタをここで使っちゃうか迷う
というわけで、人がいたら即興で書きます。霞・淡のシチュがあれば↓にどうぞ!
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 01:10:27.73 ID:fPFXKHh7o
明星に鼻の下を伸ばす京ちゃんを見て本気出す霞
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 01:16:27.57 ID:5ws8lRTXO
息子が淡に麻雀を教えてもらう
そして娘の淡への反応
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 01:20:15.13 ID:fPFXKHh7o
あ、うっかり京霞かと思っちまったが違ったか
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 01:28:15.08 ID:5ws8lRTXO
どうなんやろ
霞さんは>>495で挙げられたので、淡と前回絡まなかった娘を挙げてみた
>>1が書き込んでから10分くらいたってからの書き込みで反応が無いから、寝落ちの可能性
499 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/15(日) 01:40:33.16 ID:2AACZL+Fo
495(ちょっと改変)と496やります
ちょっと待って
500 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/15(日) 01:48:30.56 ID:2AACZL+Fo

 456
 京ちゃんエロ本所持なお巨乳もの
 495
 胸の大きい人を見て鼻の下を伸ばす京ちゃんを見て本気出す霞


 私は石戸霞よ。運命に縛られた女……。

 そんな重い女を救ってくれた京太郎さん……。

 今日は『たまたま』長野の方に用事があったので、『たまたま』京太郎さんのお家の近くにいるの。

 ああ、もちろん会おうなんて考えてないわ。

 私は一つ救ってもらったし、今彼が幸せの絶頂にいるんだから、それを崩そうなんて考えていない。

 しかし、私にも出来ないことはあるの、そう、京太郎さんが実際にどう思っているのか、それがわからないの。

 そう、私が神通力で手に入れた、彼が会社用の資料と偽って冊子の中に混ぜてある、この書物。



                 ...-―――-...
               /:::::::::::::::::::::::::::::::::\
             /::::/:::::::::::::::::::::::::ト:::\::\
           /::/::/:l::::l::::|l::l::::::::::::i‘:::::::ヽ::::ト、
           .:::::l::::l:l:l::::l::::リ:ハ:::::::::リ-‘:::|::|l:::|i|
            |:::::l::::l从/i::// }::::::/__ l::|::リ:::|i|
            |:::::l::::|,斗≠ト 厶イ,斗=ミル::::::|i|
            l::八:::l〈 V炒    V炒 〉|l::::::リ |
            |:::::个ト、 ,,    、  ,,, ,小::/ !
.          ‘::::::i:∧      __     //::/  ノ ーーー巨乳大全集があるのだから
             ‘::::i::::分、   ` '   ...:i/::/i
             ‘::∨:::::::i〕i=-  -≦::/::/:::|
            ‘::i:::::l:::|∧   l ∨:/::::::|
             /‘:::::l:::| ∧_// ∨:/::::|
            /  /‘卅li   ∨/  W:::::::ト 、
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 01:48:45.67 ID:5ws8lRTXO
起きてた
はいよー
502 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/15(日) 01:54:11.38 ID:2AACZL+Fo

 これを見ると、京太郎さんは大きな胸の人が好きなはず。

 見ている限り、須賀さん(咲)は……あまり大きいと言えない。

 そうなると、京太郎さんは日々の交わりに不満を抱いているではないかしら。

 本当は得られる幸せを、少し諦めて妥協しているのかしら。

 確かに、悪神様の力を見て透視する限り、須賀さんはとてもいい奥さんをしています。

 二人が結婚している、ということは間違いなく須賀京太郎さんの最高の幸せでしょう。

 二人を別れさせるなんて事は、間違いなく京太郎さんの『不幸』を招きます。

 しかし、ほんのすこしの欲望で、酔った勢いで、たった一度の過ちを起こしてしまってはいけません。
503 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/15(日) 01:58:38.14 ID:2AACZL+Fo
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            /:::/::Ν::::::::::|:|´  ̄\八::|:::::::::::::::::::::::::::::.
              |::::i:::::l-\::::::l八 斧苧干 |:::::::|::::::::::::::|::::::|
              |:::::\l  __\{   乂hソ |:::::::|::::::::::::::|::::::|   「どうしてあげればいいかしら」
              |l::::::l::|斥汽         |:::::::|::::::::::::::|::::::|
           八::::l∧乂ソ ,     ″   |:::::::|::::::::::::::|::::::|
               Y:::::::. ″          |:::::::|::::::::::::::|::::::|
.               |::l::从 __ _      |:::::::|::::::::::::::::::::八
              八::\::::l┌ヘ)`    /|:::::::| :::::::::/::::/
              \:::Y 二二〉‐=≦  |:::::::|::::::::/::::/
                 ∨ ┬_]┘:::::|   从::::::|:::: /:: /
                  /    八:::::/l_/⌒∨:|:::∧:/
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    {  {   /   / . : : : : : : : : : . .        . : : : :l / |:::::| ||
    { :八 : : { : : : {: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 八  |:::::| ||
    {   l\ { : : : {: : : : : : : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : /  /|:::::| ||
    {   |  \: : : \ : : -=ニ二ニ=- 、: : : : : : : : :/  / |:::| ||
    {   |   / ̄ ̄[二二フ二フ二二二二二二[  /   .ノ:::ノ  :|人


 この二人の関係を保ちつつ、京太郎さんの欲望を開放させ、欲求を満たしてあげる。

 思いつくことは二つあります。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::\
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、:::::::\::::::::::.
::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| \::::: |:::::::::::.
::::::::l:::l:::::: /:::::::::::::: l::::::::::::::|-―‘:::::|:::::::::::::
::::::::l:::|::: /::::::::: /:::::l::::::::: |::|   ‘::|:::::::::::::|
::::::::l:::|::/ l/: /::::/:l::::::::: |::l __,  ‘|:::::::::::::|  ・1つ、私の力を使って『巨乳への欲求』を消去する
::::::::l:::l::l'´|:::::/::::/ |:::::: /l/ ´ ,,____|:::::::::::::|
::l:::::l:::l::l l: /l:::/  :|::/ ,x≦斧⌒|:::::::::::::|   ・2つ、私の体で満足してもらった後、京太郎さんの記憶を消す
::l:::::|八{ l/´|/,,_ノ´   h_刈   |:::::::::::::|
::l:::::|  x≦芹⌒`     辷ソ  |:::::::::::::|
::l:::::l /{h_j刈           '''  |:::::::::::::|
八从{ 乂_少^        、     |:::::::::::::|
ー ||                      八::::::::::
`ー:||、             _     /::::::::::::/
:::::::l|::\        ‘’  /:::::::::::::::/
504 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/15(日) 02:03:10.99 ID:2AACZL+Fo

 一番無難なのは1の選択肢のように見える。

 しかし、これは京太郎さんの精神を改造することになるわ。

 そんなことが許されていいはずがありません!

 なので、私には2の選択肢しか残っていないわ。

 こちらでも記憶消去を促すことになるけど、基本的に須賀さんの方に仕草が変わったりでバレることがない。

 でもそのためには、私の体を捧げる必要があります。

 私が犠牲になれば……、二人の関係をより磐石にすることが出来るのよ!

 石戸霞! 頑張るわ!
505 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/15(日) 02:06:22.51 ID:2AACZL+Fo
           ,  ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::..ヽ
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;、:.:.:.:.:.:.:::::ヽ:::..:.ヽ
       // .:./..::::/.:::;:::::::::::/ ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:';::::....;
        /,'::.:::;'.:::::/.:::l!::::::::::;'  .';::::::::::l:::::::::l:::.:.:..i
        /.i::::::::|:::lL::-亠 : :::l  ̄丁T!::‐!::::::l:l:::::.:.::|
.       i !:、::::l::::l!、:_」L::::l:::l --+HL_:::l:::.;リノ:::.:.:...|
        ! .l:::::トゝ:!´__::_ヽ:川  ,,z=-zy/j;イ:::::::::::::::.|   「す、須賀京太郎さん!」
        | .l :::::. lv'筰:卞 ヽ. ´ b::::::::jヽ .!l::::::::::::::.|
       l ::::::::l! .辷.ノ      ー.―   ll::::::::::::::.|
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            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八    _ _   人    「……はい? どなたですか?」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
              -=≦、[二]//l}    |、}l∧_
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506 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/15(日) 02:11:52.12 ID:2AACZL+Fo

 あ、ダメよ、これは無理よ。

 他の世界で見てきたとはいえ、直視するのは眩しすぎるわ!




   /  /     |  ハ       |  | i 、 ヽ  \     \_
.   i  /     |  | |       |  | |、 i  ゙、 、 \_     _>
   |  i   | i  |  | |       |  ハ ハ _i!_ i   \ ヽ` ̄ ̄
   |  |   |+--|、_|! |   | i! ,/.ィ'|"i´ ハ  | i  ヾ 、 ヽ
   |  |   |.|ヽ |、_|王!ー  |./i .;"´/=、!/ | ! |   \ 、i      人
.   !. r|   i.|、!,,ィ'":::._iミi!  |/ /彳:::: r:!ヽ,| ,イ | 、_   \      `Y´
.   | |^!.  N 《 _、o;;;;i_ 丶、/ / ┴゜‐'"´ !イ | λ i` ー--ヽ
    ! | i、i、 ゙、  ` ̄ ̄   メ(        /^|イ `、|     ←霞にはこう見える
   ノi \ヾi:.、、         i!      i ノリ   `
    |  ヽ__i                 |イ|/
    ヽ i、  i    ____....,     |/
      ヽ!、  i\   `ー-- ―'´  /、!
       i !i 、 \     ̄´  /!/       人
         |ハ,i、! 、 \      / ./.|       `Y´
         ト、! ゙、  `ー---'′ /|V


                    -――-
                  / . : : : : : : : . \
                     / : :::::::::::::::::::: : : : : \   タタタタタ
                  ′:::::::::::::::::::::::::::::|:::::::|:|
               |::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::|八
               |::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::/
               |::::::::l:::::::::::::::::::::::::|::::′
               |::::::::l:::::::::::::l:::::::::::|:::|
               |::::::::l:::::::::::::l:::::::::::|:::|
               |::::::::l:::::::::::::|::::::::/|:::|   「ま、ま、ま、ままた出直してきますー!」
                 /|::::::::l:::::::::::::|:::::/ `゙丶
.                //|::::::::l:::::::::::::|::/     /\
              / !:::::|:::::::::::::/     /   ∧
                // { !::::|::::::::::/    /   { ',
            / {   ‘::::::::::/    { ,   ∨ 〉
             j{  \_j-<         〉 '    ∨
             / /  l__ノイ 〉       /  |     ‘,
.         /  |   /::::/∨____/__/_|    /,
          /    |l/:::::::/|ニニニニニニニ|   / |
.      /    /::::::::::/,人ニニニ二二二二l /  |
    /     ./::::::::::::://: :/`¨¨/¨¨¨¨¨¨l¨¨|/     :|\
..   {    /:::::::::::::://: :/: : : /: : : : : :l: :∨,′    :|  |
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: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
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: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i     「!?」
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >
507 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/15(日) 02:17:28.31 ID:2AACZL+Fo

 ふぅ、危うく既婚者なのを忘れて求愛行動をとるところだったわ。

 ま、まずはこの世界の京太郎さんの写真から慣れていきましょうか。

 ここに悪神様に撮っていただいた京太郎さんのプライベートショットがあります!

 あら、悪神様素晴らしい腕前ですね……。

 きゃっ! ぬ、ヌード写真なんてはしたない!

 少しずつ慣れて、須賀夫婦のための礎としてなれるように修行します!

 次こそ……


    |:::|:::::::|::::::::::::|::::::|:::|::::::::::::l::|  |::::::::::::::|:|::::::::::::::::::l::| -------   l:::|::::: |:::::::::::::::|::::::::::::::|
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    |:::|:::l:::|::::::::::::|:::::l|:::|\::::: l::| 八:::::::::: |:ト、::::::::::::: l::|    ̄ ̄`   l:::|::::: |:::::::::::::::|::::::::::::::|
    |::l|:::l:::|::::::::::::|:::::l|从  \j八 ___,\:::: lノ \:::::::::l::|  _____     |ノ|::::/|::::::::::::::从:::::::::::|
    |::l|:::l:::|::::::::::::|:::::l|  _,,x竓芹苧笄ミ\{    \:::|ノ ァ芹苧苧笄ミx, ノイ ,::::::::::: /:::::::::::::::八
    |::l|:::|八::::::::八:: l|ァ'^´|. :|: : : : l: :l           \    |. :| : : : |: :f癶> ,:::::::::: /::::::/::::/
    |从::l::::::\::::::::\   乂: ー‐: :ノ             乂: ー‐: :ノ    ,:::::::/:::/::::::::/
.       ‘:::::::::::::\{\{   ´ ̄ ̄                     ̄ ̄`   厶イ::::/:::::::::::/


 待っていてくださいね、京太郎さん!
508 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/15(日) 02:21:07.54 ID:2AACZL+Fo

 ・みやながけ

: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /     「咲、家の前におっぱいが大きい女子高生くらいの女の子がいて、名前を呼ばれたと思ったら逃げ出したんだが」
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >

                    _..................._
               ,. : : :´: : : : : : : : : : : : `: : . 、
              /: : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : \
             /: : : : : : : : /: : :,: : : : : : : : : : : : : : ヽ
            ,:': : : /: : /: /: ': : :/: : :,ハ: : : : : : : :、: : : : '.
              /: : : /: : /: /: :,|: : :l: : : | | : : | : : : : ∨: : : .
          /: : : :' : : :|: :| : /|: : : : : :.| |: :l|:|: : : |: : |: : : : :.
            /: : : : |: :|: :{: :|: :! { : : |、: :| }: :l|:|: : : |: : | : : : : |
        /: : :/ : |: :|--Y、{_从: :{ \{ ム斗|-: : |: : | : : : : |
         |: : /ィ: :{: :| ,イ斧ミ、` ∨ ー',ィ斧ミ、|: /: : ': : : : : |
        l: イ {: : :从{ 比刈     比J刈 }イ : / 、: : : : '
        ' l  |: : : : }  Vzソ     弋こソ /: :イ  }: イ: ,
           |: ∧: |  `¨   ,     `¨¨ ムイ__,ノ:/ }:/
           |/ }从              /: :/}/ / 「京ちゃん、病院行く?」
              / }: 、   ‐-----‐ 、   イ: :/ /
                  l从` .       ィ   |:从
                      ` ーr = ´    |、
                     /|      |::\
                  ,..:<:::::/     /::::::::>:..._
              ...:<:::::::::::::/      /:::::::::::::::::::::::::::> 、

 カン!
509 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/15(日) 02:23:12.31 ID:2AACZL+Fo
初めての即興でグダグダでした。ごめんなさい
次からはお題いただいて10-20分くらいで書き上げ、って感じになると思います
淡の方は明日まとめて投下します。猛省……
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 06:41:22.09 ID:YjgbDbmSO
おつ!
霞さんを高校生くらいと言ってあげる京太郎優しい
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 06:42:29.99 ID:JaQQ4NDwo
乙です
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 09:35:49.61 ID:OAb5jEkMO
乙です
霞さん、口では偉そうな事言いながら激しくポンコツ臭がする…

>>510
>>380で咲ちゃんが高校時代と見た目が変わってないと言ってるよ
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 15:02:32.49 ID:YjgbDbmSO
>>512
原作霞さんの時点で高校生には見えn
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 17:26:40.82 ID:BMamNs/lO
>>513
霞さんじゅうはち歳と申すか
515 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 19:26:19.95 ID:2AACZL+Fo

 1/5

 496
 息子が淡に麻雀を教えてもらう
 そして娘の淡への反応


 「ビッグスター!」

 「違うよ! 私の異名はーーー」


     /                  \
 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |   「The Big Star ! 」
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /
  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l|
  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ X__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶


 「?」

 「わかんないかー」


 期待の超新星! The Big Star ! 大星淡ちゃんだよ!

 プロの麻雀は気合だけで勝てるほど甘くはないけれど、テルーたちのおかげで相当いい線いくようになったよ!

 やっぱり、自分にファンがいるって聞いて超新星爆発!

 『スーパールーキーついに開花!』なんて見出しも貰っちゃって、調子に乗りまくりの淡ちゃんなのだ!

 そしてその切っ掛けになった、キョータローとサキの息子に会いに来たよ!

 麻雀を教えてあげようかな、と思ったんだけど、とてもルールが覚えられそうな年齢じゃないし、そもそもアウトドア派みたい。

 淡ちゃんも最初は昔みたいに一緒になって暴れてたんだけれども、子供の無尽蔵な体力にはついていけなかったよ……。

 子供はやっぱり好きなだけ暴れたと思ったら寝てしまい、一人でバラバラになったドンジャラを片付ける。


 「もー! 体力多すぎ!」

 「子供と張り合ったらダメだって。

  大星、明日筋肉痛だろーな」

 「うう……」


 前に来た時も張り切りすぎて遊んだら、翌日動けなくなったよ……。

 わ、若い頃は大丈夫だったのに、まだ若いつもりでも、運動量が違うんだね……。


 「キョータローは平気なの?」

 「俺は慣れてるから、うまくセーブするんだよ」

 「なにそれずっこい!」

 「ずっこくない」


 キョータローもサキも同い年のはずなのに、自分よりずっと大人に見える。

 これが子供を持つ親のイメージなのかな。ずっこい!
516 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 19:27:02.79 ID:2AACZL+Fo

 2/5

 「ところでさー」

 「なんだ?」

 「あれ、なに?」


 私が指差す先には、サキをミニマムにしたような少女が一人。

 さっきからずっと、恐る恐るこちらを覗いているんだよねー。

 それも、何故か涙目。淡ちゃんなにもしてないよ!



               //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                /::::::::::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::ヽ
              / 〃7/:::::::::::::::::/::::::/7:::::从::::: |ト::::::::::i:::::::::::::::ハ
           / / //:::::::/:::://i:::::/ /i::::| ':::::|l :::::: i:::::::::::i:::::il
            / j:::::::/:::::::/__::/  |{ |:::i  i:::ハ.∧:::::|: i:::::::i:::::|l
             { /:::::/:::::/i{  |{ ̄~|圦:::; i/ j/-j::::/:::|::::::il::: |l
                /7::::i::::/ ィ 弌ト、.   乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
          _ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}`     ´んぅト/ /!::::::リ::/
.               八:::|从とつー '        ら::::/ 〉 ::::;:イ:::{   「ムー……」
              >、 } 〃〃   ,   ` ーrっ// ノ::八
                 /⌒              〃〃/}_rくノ )}
             /::::::::::/\   ^ ` 〜 、    / >=へ
                {:::::从:{   >        _  < /:i:::::::::::ヽ
                  ゝ:::(八    _}>-=≦/{_    {八::::::::ハ::}ト
                   /i |   `>/::::\    }::/ レ'
              ---=ニ¨:::::::い  / '::::::::::入   ´

 「俺の娘だよ。

  人見知りで怖がりだから、あんまり驚かさないでやってくれ」

 「私、なにもしてないよ!」

 「あー、あとお兄ちゃんっ子だから、大星に嫉妬してたのかもね」

 「へぇー」


 確かに、倒れてるお兄ちゃんをよく見て、次に私を見てる。

 うーん、確かにそうかも。でも、他にも要因がありそうな……。


 「キョータロー。私のこと淡って呼んでみて」

 「ハァ?」

 「いいからゆるーす!」

 「なんだよ、淡」


 うおっ!? 男の人に名前で呼ばれたことなんてお父さん以来だからちょっとドキッとした!

 ……やっぱり、妹ちゃんはさっきより泣きそうな顔でこっち見てる。

 ファザコンでブラコン。サキーは大変だねぇ。
517 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 19:27:34.98 ID:2AACZL+Fo

 3/5

 「拗ねんな拗ねんな。

  おいで」


 キョータローが手を広げると、パアッとお日様のような笑顔を浮かべ、妹ちゃんが飛び込んできた。


                     /:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\
                    /:..:..:..:..:..:..:.:.:.:.:.:.:..:.:.:..:..:..:..:..:ヽ
                   ノ:..:..//:./:./:./:.:.:.;、:.:.:i.:.:.:.:.:..:.:、:.゙、
                   /、  / ,ィ_,A:.ハ.i.....i !|__|___|、:.:.:.:.i:.:i
                 /  )_:.i:.´|V ソ .|!:.:.:| !ト、:!、:|`|:i:.:.:|:.:|  __        ,.-‐┐
   ___        ,:=''"/   .//:.:.|:.:.|ィ≠=、 !、:.:| z≠=、ハ:.:.i:.:.l/-―ァ    /   ノ
  (     ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ    //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi  b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ//   /    「パパー!」
  `ー-、__/    `      !\::.ム.! ー―'   ,  ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ /   / \_
  ___ノ          ノ   )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / //   /、`ヽ、 `ヽ
 f        __       ∧ ,.へ iヽ! \  、___ノ   / / / // / / /   '"  ̄ヽ!__/
 `ー-----r‐'" i        r/ /   ,  |ノ!   `ー----ァ'"   / i! '"  / 〈  i         ̄  `ヽ
       \  ヽ     !_ノ _/__ノ ヽ、  \ /  /  !、  i    V   、_    、____ノ
        )  | 、ヽ_,ノ、_/---、〈   `ーァ、___,、_/   !: : ̄ヽ,_/    `        )
        (_ノ  ソ  /:.: : : : : : _〉   ,,"   ゛、     ノ: : : :/       _`  /  (ヽ
          ヽ  |  |: : : : : : :/ 〈 \ 《      ゛、 /゙、: :/   ,.---‐二ノヽ___!、   \
            i  |  ゙、: : : : : i       ゛、     ラー=-|:(__,..イ `ー'´      7\_  )


 それをがっしりと抱きとめるキョータロー。

 あの勢いで飛び込まれても身じろぎ一つしない。やっぱり男の子ってすごいよね!

 なんかこう、家族の微笑ましいやりとりを見ていると、私もニヤニヤしてくる。

 よーし!


         ´          ` 、
      /              \
.     /   ,   | |   ト、      :.
    /  / /  | | \| \ /  |
    .′ /|../__`八 |  / __.X   |
    |i  / _ \ヽ  / _\  |    「カメレオーン!」
    |i   { 〈 厄 ) }  { 〈 厄 )リ  |
.    八   >x 二/   \二vヘ、|
     ,.ヘ_人    v ア     >/´_ヽ
   /  、 > ≧=‐::r‐=:::ト< \/_∧
  ./ 、/ / x<  ._/  /ヽ∧   i
  /  / / ノ   \ ∨ /   } 、}   |


 仲良くなろうと、持ちネタを披露!


  /  : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ::       ',
. /  : {   : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !:    |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ   ヽ;| |: : : |  ,≧:|_  マ:|',:. :  |:: }
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.  l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ    ヽj  i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
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  .レi: : / ヽ∧ ⊂⊃   `     ⊂⊃  " /: : : :..: : : : ̄` ' 、
ー==,.∨ ̄ミ=',      .___,   .    /≡ィ゙\: : : : : : :
_/      .: : ゙∧                /ヽ   `ヽ\: : : : :: : : : \
 _/ : : : : : : /{"゙,ヽ          ,   へ ::    - \: : : : : : : ヾ
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 やった! 笑った!

 キャンディーはこのまま兄妹で分けてねー!
518 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 19:28:14.00 ID:2AACZL+Fo

 4/5

 「妹ちゃんは麻雀できるの?」

 「ドンジャラで遊んだことはあるよ。

  それに、ルール覚えられる年齢じゃないだろ」

 「へー」

 「染谷先輩の家、……ああ、雀荘なんだけど、そこに行くときにはちょっとやるらしい」


 うーん。淡ちゃんの直感が言ってる!

 妹ちゃんは麻雀強くなるよ! 私みたいに!


 「それに、絵本を読んであげたほうが喜ぶし」

 「えっ、キョータローが絵本読むの?」

 「おう」

 「読み上げてあげるの?」

 「ああ」

 「なにそれ超ウケる!」

 「世の中のお父さんを敵に回すぞ……」


 だってー、こんなにガタイが良くて、ハスキーボイスが絵本を読み上げてるって。

 全然イメージに合わないもん。


 「サキーが読んでるほうが違和感ないよ」

 「あいつは読み上げるのが上手くてなァ。

  テンポ良くて心地いいから、俺と息子が先に寝る」

 「へぇー。サキもテルと同じで本好きなんだ?」

 「本好きというか、一時期は本の虫ってくらい噛り付いてたよ。

  中学生の頃なんか昼食食べずに本を読んで昼休みが終わって、泣きそうになりながら授業受けてたし」

 「ウケる!」

 「だよな!」


 やっぱり姉妹だ! テルとよく似てる!

 テルはお菓子で誤魔化してたんだよねー。
519 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 19:29:03.51 ID:2AACZL+Fo

 5/5

 「照さんだって絵本を読んであげたりするんだぞ」

 「えっ、なんか意外!」

 「そう思うだろ?

  読み上げてるうちに先に寝ちゃうんだ」

 「あっ! それなら違和感ない!」

 「そういう時は娘が涙目になってこっちに来るんだよ。

  そこから代わりに読んであげるんだ。

  あんまり読み上げるの得意じゃないんだけど、嬉しそうに聞いてくれてなァ」

 「なにそれ! かわいいー!」


 なんかテルーらしい!

 いいお姉ちゃんみたいなのに、どこか抜けてるんだよね!


 「寝ちゃったな」

 「そうだね」


 そんな風に話していたら娘ちゃんも寝ちゃって、ここに寝入った子供が二人。

 どっちも寝顔がかわいいー!

 なんかこう、子供っていいな。

 そう言えば、私もそのうち子供が出来るのかな……。

 花の高校生を女子校で過ごして、大学に行かないで麻雀プロだから出会いなんてないんだけどさ。

 こうして子供をあやして寝かしつけて、隣には旦那さんが……。



                                 ___
                        _   - /`ヽ´-<⌒
                     ,  ´    /    、  ヽ
                 /        /  / | ヽ   \
                    '         |  /|_,/l_イ| \  \_
                      }        {  | }/__ 从 、 |` ̄ ̄
                   ,'           |  芯 {、 从}
                    /イ      {⌒Y    、\{       「どうした、淡」
                    、ト     乂_      ノ `
                   }∧  /从    ー '
                     __/' '     _   /
                 , - ≧=- 、    ,.:'    ̄
              , ´ , ´: : : : : :ヽ  /  `ヽ、
            /   /: : : : : : : : :}:、_ r-/:/ ハ
              ,    l: : : : : : : : : :|、:`¨´:/ /: |
          /   Y: : : : : : : : |  ̄   : : : |
            /      } : : : : : : : : |   / : : : : |


 「あわわわわ!?」

 「えっ」

 「なんでもない!」


 やっば! なにこれ恥っず!

 ……私にも。いつかそんな日が来るのかなぁ。カン!
520 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 19:29:41.17 ID:2AACZL+Fo
投下終わりです
霞さんネタ書きたい。何かあればどうぞ
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 19:37:31.63 ID:xy0Pt2Lyo
乙です
霞さんのネタもっと読みたい
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 19:49:15.35 ID:IlcxSMzqo
霞さんも女子会()に参加してみよう
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 19:55:56.82 ID:fPFXKHh7o
黒歴史ノートを読んで凹む霞パパ「今どき許嫁とかSOA…」
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 20:09:11.39 ID:YjgbDbmSO
おつおつ
あわあわも息子娘もかわいいなヲイ

ところで超新星からthe big star(=巨星?)って時間が巻き戻ってませんか淡さん
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 21:10:59.24 ID:HH8EmGqHO
乙です
咲ちゃん以外が参加の女子()会を
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 21:46:08.55 ID:8LrgYIs1o
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/11/15(日) 22:19:11.07 ID:5ieo+4ds0
今話題の天使ちゃん→悪魔 の番組見て
夜中に一人でトイレにいけなくなっちゃったみやながけ一同
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 22:31:13.53 ID:VU8qHlVjo
乙。今回に限らないけどAAの使い方上手いなァ
淡の良くも悪くも子供っぽい部分がイイカンジに活きててすばら

霞さんネタは、楽しそうになぜか姫様や六女仙の話をしはじめる霞さん
529 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 22:31:37.77 ID:2AACZL+Fo
23時頃には霞さんネタ投下したい

>>527
ググったんですがよくわからなくて…、ホラーかな?
530 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 23:02:43.27 ID:2AACZL+Fo

 1/7

 石戸霞です。

 いろいろな世界の京太郎さんを巡って旅をした時の話。

 前回の続きの話よ。

 なんとしても許嫁との結婚をさせたい神代。

 それに対する、須賀財閥・龍門渕財閥の攻防。

 上でお父様方が何かをしている間に、私は清澄高校に転入。

 京太郎さんのお父様から言われた一言がこれよ。


 『君は普通の高校生の生活をしていなさい』


 普通、普通とは何かわからなかったの。

 私にとっての普通とは、姫様を最優先で守り、家のために鍛錬を積み、子をなすことにある。

 だけど、その中に入った異物……、そう、それが京太郎さん。

 須賀京太郎さんは、私に知らない世界をたくさん教えてくれた。


                 ____
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       | |:::l::::::::::::∧八{ 从:::: Ν --И::/|:::::::: |:::|
       | |:::l:::::::::: | x竓斧 \{ 斧≧|/ リ:::::::/:: |   「これは一つの世界の物語」
.          八ト、:::::l::|〈 _)刈     __)刈 》::::::/::::::|
.           \l∧  Vヅ      V_ツ厶:::::::::::: |
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531 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 23:03:47.43 ID:2AACZL+Fo

 2/7

 『霞さん。カラオケ行きましょうよ!』

 『ビリヤードに行きませんか?』

 『ダーツとか面白いですよ!』

 『ボウリングにハマってるんです!』


 彼が先導してくれる遊びは、いつも刺激的なものばかり。

 遊び相手と言えば、老人か女の子しかいなかった私にとって、とっても新鮮だった。

 何より嬉しかったのは、こうして引っ張ってくれること。

 石戸霞は『みんなのまとめ役』であり、お家のために、滅私奉公を義務付けられていた。

 誰かを先導し、意見をまとめるのは自然と私になっていた。

 そんな私の手を引き、何も知らない私の世界を広げてくれたの。


 『霞さんは頑張りすぎです!』

 『高校生なんだから、もっと遊びましょうよ!』


 雪が溶けるかのように、私の心を溶かしてくれた京太郎さん。

 大和撫子のように彼の三歩後ろを歩こうとしたけれども、彼は私の手を取って走り回る。

 私は引っ張られて頑張ってついて行ったの。

 彼は私を飽きさせなくて、色々な遊びを教えてもらって、私は一人の女としての幸せを享受していたわ。


          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |
.      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |
     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
.      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.   「霞さんっ!」
.       //  /|  ::l、   :    ー‐   \{  | /  ー‐    j/ /}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.
     / _,/:.:..|  ::| \ !           j/        ′/:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
        / :.:.:.:.:{  ::|\ハ_,          ノ            ,___/{:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.∧
.    /:.:.:.:.:.:.:.::′ ::|:.:.|\圦                       / j/l/.:.:′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.∧
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 そう、私は幸せだった。
532 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 23:04:33.00 ID:2AACZL+Fo

 3/7

 そんな日々も長くは続かなかったわ。

 ある日、痺れを切らした神代家が刺客を送り込んできたの。


 「いたぞ! こっちだ!」

 「石戸霞は絶対に殺すな!」

 「腹は狙うなよ!

  腕や足は潰して構わん! どうせ後々なくなる予定だ!」



              ,...-―:.:.:.:.:.:‐-..、_
                /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::.:.:.:.`ヽ
           /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.::.:.:::.:i、:::...:.:.:.:.:.:\
          /:.:.::::::.:.::::::|:::::/:.:.:.| 、:::::、:::::、:.:ヽ、
             !:.::::::::/::::::::|::::!::::::::i|  i:::i:::i::、::、.:.:.iヽ、
           | .:: .:: |:: ::::!:..ハ....::::|   i::| .i: i   i i i
            |..::::::i:::|::!:::::|-:| ゙、::::|! ‐i:大ハ:}::i:::::}:l
           | :::::::|::リ.!、::{_、| 丶i| ィ≠i/ |:::j!:::ハ!   「逃げてっ! 京太郎さん!」
          |.::::::;ヘ、! メo!:::i゙   `  b::..}) i、ノ!イ
          |:.:::.{ i::|゙ ー‐'       ̄  !ノ:i.:i
             |;:::::ー-!:!       '    !::::i:.i
.             |:、:::::::::|:\    ー    /:::/:.i
             |.::i:::.:.:.|/|゙  、 _ ,ィ:::|:.:.:./:.i
           |_;:i .:.:.:|  !    リ \|.:.:.:i..:i
           /  ゙、:.:.|  、_  _/  i!:.:.:.:.ト、
         /    i:_:|   ゙、  /   /!:.:.:.:.i `ヽ
       /        |:::|ヽ   ヽ./  /i.::.:.:.:i   ハ


 そんな私たちを守ったのは、皮肉にも霧島神社で鍛えられた護身術だった。

 人を倒すのに筋肉はいらない。刺客を投げ飛ばし、鍛え上げられた手刀で昏倒させ、私たちは学校から脱出したの。


         , - ------ 、
        /::::::::::::::::::::::::::::ヽ
      ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
    ./::::::::::::::::::/`ヽ:::::::::::::::::::::::::::',
    ハ:::::::::::::::i   o ',::::::::::::::::::::::::::i  「逃がすな! 石戸の娘は霧島で子供を孕み続ける定めにあるんだ!」
     i:::::::::::::::::::::ヽ_ ノ:::::::::::::::::_:::::::,'
    ',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/o ',:::/
     ゝ-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i__ ノ/
    /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /
   ./:::::::::::::::::::::::::::r ニヽ::::::::::::/
ー、/:::::::::::::::::::::::::::::::`ヽィ′:::/
:::::::`ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
:::::::::::::::',:::::::::::::::::::、:::::::::/
:::::::::::::::::i::::::::::::::::/` ̄´
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:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::',
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
533 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 23:05:14.31 ID:2AACZL+Fo

 4/7

 「霞さん。平気ですか?」

 「ええ、京太郎さんは?」

 「俺は大丈夫です。それより、霞さんですよ!」

 「いいえ! 京太郎さんの方が危ないのよ!

  私なら、最悪殺されはしないわ」

 「霞さん!」

 「京太郎さん!」


 やっとの思いで脱出したというのに、私たちは言い争い。

 それでも、内容はお互いの身を案じるもの。


 「へへっ、なんか出会った時を思い出しますね」

 「あっ……」


 そう、私たちは出会った時、こんな風にお互いを想って口論していたわ。


 「何も変わってないのね」

 「いいえ、俺はあの時より、ずっと霞さんのことが好きになってます!」

 「も、もう。京太郎さんったら」

 「霞さん……」


 一息つくと、彼は私の肩を掴んだ。
534 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 23:06:02.95 ID:2AACZL+Fo

 5/7
                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}' 「俺と一緒にフランスに来てください」
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


              . . -―━━━━―-. . .
            . :´ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `: .
.            /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
            / : : : : : : : : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
          ′: : : : : : : : : : :./: ::::::::::::::::::::::::::::‘,::::::::::::::::.
        |: : : : : : : : : .:::.:..:| ::::::::::::: |:::::::::::::::|:|‘,:::::::::::: |
          |: : : : : : : : .:::::: : :|::::::::::|:::::|::::::::l::::::|:| '::::::::::: : |
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.         |: : : : ::::::::::::::::::::::::/|\八人:::: | ヒリ  |
        |: : : ::::::::::::::::::::::::::{  |:::::::::::::::|\|     乂_
.       |: : : ::::::::::::::::::::::::::::\|:::::::::::::::|   ``   /
.         |: : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::|        , j
        |: : : ::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::::::::::|        /  「えっ……?」
.       |: : : :::::::::::::::::::::::::::::: /:|:::::::::::::::|: : : . .__/
      |: : : ::::::::::::::::::::::::::::_/: :|:::::::::::::::|/⌒|:::::::::|
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.       |: : :::::::::::::::::::::::: /    |::::::::::::::| | ト、\::::.
      |: ::::::::::::::::::: -‐く    ‘ :::::::::: ト、j_j \\:._
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       |::::::::/        ゚'*。‘::::::::::|   ゚'*。 ',   }
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535 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 23:06:32.51 ID:2AACZL+Fo

 6/7

 「実は、俺にハンドボールのスカウトが来ていて、フランスに招待されてるんです」

 「そ、そうなの?」

 「はい。両親にも海外に行ける伝はもらっていますし、逃げるならうってつけですよ」

 「で、でも、これ以上迷惑をかけるわけにはいかないわ」


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
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         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | | 「
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧          ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //   「俺が霞と一緒にいたいんだ。ダメか?」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、


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   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::l:::::::::l:::|八::|:::l:::::::::::::|::|__,  |:::::::|l:::::::::::|   |
   |:::::::: l :::::::::::|l::::::::::::|\从::l __}八{:::::::::::::l:ノ    从::::リ:::::::: 八 j
   |:::::::: l ::::::::::八::::::::::|  ,,xぅ斧笄ミ\::::::::|斗ぅ斧x )/:::::/:/  ノ
   |:::::::: l ::::::::::::::::\::::| 《 h __j刈   `ー┘ h__j_| 》厶イ イ
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::个゙  乂廴ソ        乂_ソ ,′:::::::|
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::::|               ,      ,′:::::::::|
   |::::::::┃ : :::::::::::::::::|    ``         `` ,′:::::::::::|
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   |:::::::::::::‘:::::::::::::::::::「:|    `       ....::|:::::l:/ / /^Yヽ     よろしくお願いします!」
   |:::::::::::::::‘:::::::::::::::::|八       T7^\:::::|::: / / / /Y^,
   |:::::::::::::::::‘:::::::::::::::|\\     //  `丶/ / / / | !
   |:::::: -‐ ‘:::::::::::: |  \\   .//.     / / / / .八 |
 -‐'^´     ‘:::::::::: |   \\ //    / / / /  /   ト、




 そして私はフランスに渡り、京太郎さんと幸せな日々を過ごしたの。

 これは私と京太郎さんが結ばれた一つの世界。

 別の世界に関しては、また今度語りましょう。カン!


 ……カン?
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 23:07:23.04 ID:xy0Pt2Lyo
乙です
この話し長編で読みたくなってくるな
537 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 23:07:32.78 ID:2AACZL+Fo

 7/7

 ・7年前の石戸家


 「え、好きな人ができた?

  わかった。許嫁は解消しておくぞ」

 「あらまぁ。霞も高校生ですしね。

  良かったわね、あなた」

 「霞はいつも我慢ばかりする子だからな。

  相手はいい男であってほしいものだ」

 「ええ。何かあったら、すぐに言うのよ?」



 ・7年前の神代家


 「今時許嫁の教養なんてあるわけないじゃろ」

 「跡継ぎがいなかった時用の許嫁ですからねぇ」

 「恋愛結婚最高じゃ!」

 「ワシはエンディング5分前にはどんな奇跡が起こっても許される派じゃ!」



            /    .:      \
         ―-′|   / ,.     ヽ
      /  ....,  ノ / /    |l  |  |
.     /  / / /|爪/ /__./ :;  |   |  | |! ←既婚者(許嫁と結婚)
     ′/  . :/f⌒彡/7  |ヽ/  ハ |  | :从
     |/   /.:/∧ |!Yん弐W!//⌒!/}  |/
        . :/| | ∨ 弋炒`   rテミく/  ハ  }!   「神代の反応はこうだったような……。
        | ||! ∧ト  "   ,  炒ノムイ  | /
        |リ    /  \ ー    イ7/|| j!/     内容がやけに具体的で怖いですよー」
          ーイ   />ー 、   / }ノ
       /   `ー-  /  ヽ }ヽ
      /               | | (
.      八   ヽ          | | |\
    r<二ヽ__l!_      | | |  ー――――  、
    ∨        \    {八ト   \ー―    \
     \―――-    \   !\\    \__    \
      〕!      \  \/|::::::\〉  _____    \


 カン!



 523
 黒歴史ノートを読んで凹む霞パパ「今どき許嫁とかSOA…」
538 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 23:08:46.11 ID:2AACZL+Fo

 用意していた話と噛み合ったレスがあったので仕上げて投下
 レス見たときドキッとした

 >>528
 AAに頼りすぎかなぁ…って思ってたとこなんで嬉しいです
 これからも適度にAA使っていきます
 子供キャラ喋らせるのはAAないと難しいですね。まこのがマジで欲しい
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 23:09:31.49 ID:5ws8lRTXO
>>529
たぶん、「ノロイちゃん」の事だと思われ
540 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/15(日) 23:11:07.94 ID:2AACZL+Fo
焦ったせいで誤字が…
>>537は「許嫁の教養」ではなく、「許嫁の強要」ですね

>>539
ありがとうございます!
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 23:15:46.82 ID:VU8qHlVjo
霞さん小説家目指せそうなレベルの妄想力
妄想だったとしたらだけど
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 23:19:51.74 ID:8Kb99/oNo
乙!
ヒッサのエピソード見たいな
酔っ払った京太郎と二人きりになって悪待ち成功しそうになるけど経験なくて土壇場でビビってチャンス逃がしちゃうヒッサとか
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 23:32:01.27 ID:OAb5jEkMO

相手が既婚者なんだけど、現在の岩戸家はどんな反応するんだろうか
544 :539,543 [sage]:2015/11/15(日) 23:36:10.59 ID:G2gF0NGvO
ID2度被るとか初めてだよ
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 23:40:04.80 ID:8LrgYIs1o
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 23:51:07.86 ID:HH8EmGqHO
乙です
はっちゃんが人妻か…
子供は何人くらいやろ
547 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/16(月) 18:33:13.80 ID:OddqVRYUo

 1/5

 444
 子供たちの七五三をする京咲


 須賀咲ちゃんです……。最近オチ担当以外してないけど京咲スレです……。

 今日は子供達の七五三の日! 我が子を思いっきり愛でるのだ!


 「イマイチ七五三ってどうしたらいいかわかんないよね」

 「ハハッ、慣れてきたらもうやらなくなるものさ」

 「界さんに教えてもらえて助かってますよー」

 「おっ、世辞がうまいねぇ」


 お父さんを立てているように見えて、お父さんが会場に来るまでに迷子になったことは内緒です。

 まぁそんなこと言っても、お父さんやお母さん、染谷先輩に助けてもらって今の私たちがいるんだけどね!


 「京ちゃん、ちゃんと写真撮ってよね」

 「おう。咲が撮るとブレブレになるからなァ」

 「手ぶれ補正が甘いんだよ!」

 「咲がカメラを構えると、ブレてるを通り越してガクガクしてるし」


 ムー、失礼な!

 夫婦に役割分担ってものがあるでしょ!


 「本当は髪置きの儀は女の子が行うもんだが、男の子がやることもあるし、一緒にやってよかったな」

 「へぇ、そうなんですか!」

 「ちなみに、次は5歳の男の子、その次は7歳の女の子がやるんだ」

 「咲と照さんもやった時期があるんだよなァ」

 「そういやアルバムがあったはず。

  帰ったら見るか?」

 「お、是非!」

 「「ダメ!」」


 わっ、お姉ちゃんとハモるなんて珍しい。

 ……ってそうじゃないよ! 子供の頃の写真なんて恥ずかしいもん!

 だいたい今日は子供達が主役の日でしょ!
548 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/16(月) 18:34:38.78 ID:OddqVRYUo

 2/5

 息子も娘もソワソワしてる。

 娘は見知らぬ人の前でやるのが恥ずかしいのか、ずっと俯いて涙目だ。

 あっ、京ちゃんダメだよ! 安易に助けるのはよくないよ!

 全く、そういうところ甘いんだから! 咲お母さんはちゃんと厳しく躾けます!

 ……あ、あんまり甘やかすと私まで染谷先輩に雷落とされちゃうしね。

 そして、大問題は息子です。

 じっとしているのが大の苦手。数秒じっとしていたら嫌になって動き出す息子です。

 どれくらいじっとしていられないかというと、遊園地に連れて行ってアトラクション待ちの時間でどこかに飛び出すくらいダメダメです。

 もう既にじっとしていられないのか、さっきから抜け出すタイミングを見計っているのが見え見えだ。

 ふふふ、でも私はそんな子たちのお母さん。

 どうしたらいいかなんて、とっくに対策済みなのだ!
549 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/16(月) 18:35:32.87 ID:OddqVRYUo

 3/5

     /::.:.:.:.:!:.:.:.|.:.:.:.:.:|: : ::| : : : :|: : | | .i: : | | i:. :.:.:.:.i:.:.:.:.|
.    / : : : :i: : : |: : : | ! : ::| i: : :.:|::|::::::i i::::|::|::|::::::::::::i:::::::|
   / : : : : |: : : :!:.:.:.:ト、ヽ:.;!、i: :.:.:|::|、゙、'i´|:フiナi:|::::::::::::|:::::::|
   / : .:.:.:i:.:|:.:.:.:.:ヾ、:.'i´ヾ.::|!ヾ、:::゙、ヽハハヽハノ |ハ::::::::::|:::::::|
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 彡 '´ リ i:.:.ヽ:.::.:.:゙、 ヽ___       ;==─-ソ::::::/ /:::!
      ヽ|:.:.ヾ:.、::ヽ≠'´ ̄`     ;;;;;;;;;;;; ノノ:ノ /;イノ
         ソ:.:.:::/::ヾー-;;;;;;;;;  ,     """ /ノ.;:‐'::/
       i.;イ:::;ハ、::゙、 """    ___      /:::::/
       ソ レ  ` ヾヽ    ヽ´  ノ   ィ´::/リ   「ちゃんと手を繋いでいてあげてね?」
              ` 、__    ̄  , ' |!;/
                 _"_〕ー--‐'    |__
                /:.::/:|       |:/\


                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 「わかった!」
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
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: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ   ヽ;| |: : : |  ,≧:|_  マ:|',:. :  |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ   ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./   「……!」
.  l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ    ヽj  i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
.  |: : : : :,:.A | { :::::::::: }        .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
.  |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ        `゙'''''´  .//ノ-‐''" ̄ ヾ
  .レi: : / ヽ∧ ⊂⊃   `     ⊂⊃  " /: : : :..: : : : ̄` ' 、
ー==,.∨ ̄ミ=',      .___,   .    /≡ィ゙\: : : : : : :
_/      .: : ゙∧                /ヽ   `ヽ\: : : : :: : : : \
 _/ : : : : : : /{"゙,ヽ          ,   へ ::    - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. >   . __, . - "〃ヽ \,.'       ヾ: : : : : :  ヽ
: : : : : __/      ' ,: : \      {__,.. '       ノ:\
550 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/16(月) 18:36:20.37 ID:OddqVRYUo

 4/5

 これで大丈夫!

 息子は娘の面倒はちゃんと見るから我慢してじっとしているし、娘はお兄ちゃんっ子だから落ち着く!

 我ながら頭がいいと思うよ!

 二人とも本当に仲がいいんだ!

 何せ、私の自慢の子供たちですから!


 「あらー、二人ともすごく偉い子ですね」

 「そうでしょうそうでしょう!」


 ちょっと親バカになるくらい許してほしい。

 そしてなんやかんやして、無事に終わりました。


 「二人とも、よく頑張った」

 「照さんもわざわざ来てくれてありがとうございます」

 「子供のためなら問題ない」


 Vサインをするお姉ちゃん。わざわざ行事のために時間を作るなんて律儀だなぁ。

 これから学校に入ったら、どんどん余裕がなくなると思うんだろうし、今のうちに見ておきたいのかな。


 「お子さんたち二人とも仲が良くて、羨ましいですね」

 「えへへ」

 「こんなに仲が良い双子なんて珍しいですよ!」

 「そ、そうですか?」

 「……ところで、失礼かもしれませんが一つよろしいですか?」

 「はい、なんでしょう?」
551 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/16(月) 18:36:59.43 ID:OddqVRYUo

 5/5

 「どちらの方のお子さんですか?」

           -‐──‐-
       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j    「わた」
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:X         ""  ノ   |
    /::::入_           _  < / /| /
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈
           |  .〈∧/    !__/
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         ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
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      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
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    .': : : /: : : : : :/: : : :/: :.| : : : : |: : : : : : : :、: : :.'.
    |: : : |: : : : : /: : : ,イ: : ,:|: : : : :ハ: : :l: :|: : : :V: : '.
    |: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
    |: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ  }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
    {: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
    八:{、:、__ \:lヽ  Vり         ヒり/:イ:/: :|
      `\}、: 、    /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{   「私ですっ!!」
     , --r--,\ ,-- 、_____  人: /  \〉
      /  |::| |::::::>  ____ソイ⌒∨
    {   ,::, {::::::::::::∧-,  r/:::::://|   }
    |   \、\::::::::::∨- /:::::://:/
    |     { 、、\:::::::∨/::::://:∧    |
    |     | \__>、_}'__>´/}   |
    |     |    `ー=-r-- ´ ,:   |


 お姉ちゃん、それ絶対にやると思ったよ!

 あっ、お姉ちゃん悔しそう! 私だって負けっぱなしじゃないんだからね! カン!
552 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/16(月) 18:37:44.02 ID:OddqVRYUo

 1/5

 528
 楽しそうに何故か姫様や六女仙の話をし始める霞さん


 「あら、須賀さん」

 「あ、石戸さん!」


 今日も公園のベンチで子供を遊ばせていると、石戸さんが声をかけてきたよ。

 最近、石戸さんがよく公園に来てくれて、子供の相手をしてくれるんだ。


 「最近どうですか?」

 「ど、どうと言われても……」

 「ふふふ、旦那さんとは仲が良いみたいですね」

 「うぇぇ!? だ、誰から?」

 「デパートの人たちから、『おしどり夫婦』って有名でしたよ?」

 「や、やだ。恥ずかしい……」


 何かと一緒に行って、子供たちが迷子になるのをみんなが探してくれているから有名になっちゃったんだよね……。

 運動会の件もあるし、話しかけられることもチラホラ……。


 「須賀さんは今幸せですか?」

 「えっ」

 「旦那さんがいて、子供たちがいて、幸せ?」

 「あ、はい、その」
553 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/16(月) 18:38:29.78 ID:OddqVRYUo

 2/5

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    ヽ!ヽ _ `{. _ヒソ    _ヒソノ/イ:|
     `ヽ!ゝ ////////////j:i:/|ハ!   「幸せ、です」
   ,∠_ ̄〈: :` こ__ー--_ュ,/く'
  i: : : :ヽ 、ヽ : : ヽ 丁:i : : i: :ハ
  |.: : : : :ヽi :ヽ: : : V: : |: : :}:/ : l
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  ハ: : : : :ヽ! : : : V: : :/: : :/:/ : ヘ








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:::::::ヽ:::::\       ィ:::::::::;′
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554 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/16(月) 18:44:17.20 ID:OddqVRYUo

 3/5

 「ど、どうして聞いたんですか?」

 「だって、結婚して子供を産んで、いい旦那様に巡り合えて女の子にとって幸せの絶頂!

  そんな状況でしょう?

  相手がいない身としては、興味津々なの」

 「そ、そうなんですか」

 「でも、須賀さんが幸せだと私まで嬉しくなっちゃう!

  子供も本当に楽しそうで、須賀さんによく懐いていますし、いい家庭なんでしょうね」

 「あ、はい。

  自慢の家庭ですから!」

 「うふふ……」


 石戸さん。いい人だなぁ。

 私たちの幸せを見て、嫉妬するどころか本当に嬉しそう。

 自分のことのように喜んでくれる。

 子供の相手も無償でしてくれて、ぞんざいに扱うこともなく、子供が喜ぶことをしてくれる。

 子供が楽しそうだと石戸さんも楽しそう。

 こんな聖母みたいな人がいたんだ……。和ちゃんも見習ってよ!

 なんか最初に疑ってたのが申し訳ないよー!


 「霞さんは長野に何をしに来たんですか?」

 「仕事と観光、ってところね。

  仕事も趣味みたいなものだから、時間を持て余しているの」

 「巫女さんだと跡取りとかあるんですか?」

 「うふふ、お父さんが優しくて、そういうのに縛られない人なの」


 人生を満喫してそうで羨ましいなぁ。私だって負けてないけどね!

 そう言えば、永水の他の人たちは何をしているんだろう……。
555 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/16(月) 18:44:46.65 ID:OddqVRYUo

 4/5

 「巫女さんって家に縛られるイメージがありました」

 「そう? まぁ、私が特別なのかもね。

  私と一緒にインターハイに出た人は覚えてる?」

 「す、少しだけなら」

 「先鋒が私たちが守るべき姫。それ以外の四人と、中学生の二人を合わせて六女仙。

  かなり格式が高い家に生まれているから、私以外はみんな許嫁と結婚したわね」

 「えっ、そうなんですか!?」

 「ああ、許嫁と言っても、恋愛結婚できなかった時用の許嫁よ。

  恥ずかしながら男の子に縁がなくて……」

 「な、なんか軽いんですね」

 「それに、私の友達の薄墨初美ちゃんって子。インターハイ副将のちっちゃい子は覚えてる?」

 「その人なら覚えてます!」

 「あの子は高校卒業と同時に結婚して、そのまま妊娠出産したわ。

  許嫁との結婚だったけれども、旦那さんを尻に敷いて子沢山の幸せな家庭を築いているの」

 「へぇ……、そうなんですか」

 「あとは、狩宿巴。この子はちょっと覚えてないかもね」

 「すみません……」

 「この子は料理がとてもうまくて、許嫁の旦那さんをメロメロにしちゃったの。

  霧島のおしどり夫婦って言われているわ。あなたたちみたいに、ね」

 「そ、そんなぁ」


 クスクスと笑う霞さん。弄られてるのがわかるよぉ。


 「……あら、ごめんなさい。もうこんな時間。今日はお暇しますね」

 「あ、ありがとうございます。その、今度暇だったら誘っていいですか」

 「ええ、もちろん! お待ちしているわ」


 石戸さんと一緒にいると、なぜか安心するんだよね。

 えへへ。自分から友達を誘うなんて、京ちゃん以来かも、次に会うのが楽しみだなぁ。
556 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/16(月) 18:45:17.36 ID:OddqVRYUo

 5/5

 ふぅ、うまく誤魔化せたかしら。

 他の子達の話をしだすと、ちょっと聞きたくないような話になっちゃう。

 今話した二人はいい家庭を築きあげているんだけれども、全てがそううまく行くわけじゃないのよね。

 それこそ、恋愛結婚でも揉め事で離婚する人がたくさんいるわけで、許嫁との結婚でうまく行く方が特殊なのよ。


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        ‘:::::::::::::::::|:::::|              ′:::::::::::;「憂鬱になる話を、須賀さんに聞かせたくないわ」
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 須賀さんには、ずっと笑顔でいてほしいのよ。

 とってもいい子なんだから。

 霧島に残った子達は全て、許嫁と結婚をしたわ。

 別に霧島神社が悪いわけじゃない。ただの男女の揉め事の話よ。

 夫婦仲がうまくいかず別居状態、離婚、そんなことがザラにある、俗世の話と何も変わらないわ。

 私はこうして霧島を飛び出して、好きに仕事と趣味に費やせるから本当に幸せよ。

 ほんの少し、京太郎さんと須賀さんの幸せを見せてくれれば、私は満足なんだから。

 あっ、そういえば小説の〆切が近かったわ。

 ごめんなさい。詳しい話はまた今度、ね? カン!
557 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/16(月) 18:46:59.62 ID:OddqVRYUo
投下終わりです
はっちゃんと巴さんの良妻になりそう感
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/16(月) 19:05:33.03 ID:1Rpi/wxSO

はるるは家事ダメっぽいなあ…上手下手じゃなくやる気的な意味で
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/16(月) 19:09:54.72 ID:LhYRtj9Yo
黒歴史がそのまま職になってるか
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/16(月) 21:06:17.28 ID:LpKlmQgAO
初ちゃんが結婚出来てるなら、ころたんも結婚出来てるよね!
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/16(月) 23:49:18.75 ID:Xb6ZonKwo

霞さんマジで小説家だったんか
はっちゃんは案外しっかり者なイメージが強い
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/16(月) 23:50:25.68 ID:obp6oQKGo
563 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 16:59:15.84 ID:q/eFPLBNo

 1/9

 【未知との遭遇】


 須賀咲ちゃんです。早速ですが、迷子です……。

 うぅ……、ここはどこ? 山の中みたいな雰囲気だよぉ。

 こんなところ、近くにあったかな?

 そもそも、私はどうしてこんなところにいるんだろう。

 今まで何をしていたかの記憶がおぼろげで、よく思い出せない。

 家の外に出た記憶がないんだけれども、なんでこんなところにいるんだろう。


 「あっ、お屋敷だ……」


 見覚えのない家を見つける。

 こんな大きな屋敷、近場にあったっけ?

 長野にあるお屋敷なんて、龍門渕さんと京ちゃんの家くらいしか覚えがない。

 どちらにせよ、ここの人に場所を聞けば帰れるよね!

 旦那さんとお姉ちゃん、子供達がお腹をすかせてるだろうし、早く帰らないと!

 だから、人見知り咲ちゃんはちょっと休んでて! せーの!


 「ご、ごめんください」


 屋敷の門を潜ってみると、そこには季節を無視した様々な花が咲き乱れていた。


    ,':.:.:.:.:': :.:. :.:.| , イ:.l | ̄`丶:.|:.: .|  , -‐-、 | |  :i:.:.:.:.:\
   ,' : : :! :.:.:.:.:.:/:.:.:.:!',| |:.:|__|:.:.:.j:.:.:j|:.:.:.:.:|:.:.|:.:\:|:... i     ヽ
   ! : :.:.:.| :.:.:.:.: !:.:!:.:.:.:| i| ヽ| j:.:./|:./ !:.:.:.;'j:.,'|:./ |:.|:.:.:.:.|:.:.    i
   ! .:.:.:.:.| : :.:.:.:.', |ヽ:.:ヒニ三≠/ j/ j:.:.///_j/ j/|:.:.:.:' i:.:.:. .  i
   | :.:.:.:.:.! : .:.:.: ヽイ X::::::::ハ `  / ///"ィハ,`ヽ f:.:.:/:.:i` 丶 、i
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   !:.:.:.:/ ヽ:.:.:.:.:.:!ヽ.マOイ ソ         Y) イ!.ノ//:.:.:.:.:i
.   ;.:.:.:{{  \:.:.ヽ  `¨¨´         、 `¨´  {:.:.:.:.:.:.:.:i
    ',:.:八   `丶\ ゙゙゙゙゙             ゙゙゙゙゙ l:.:.:!.:ト、:. i  「きれい……」
     ヽ|ヽヽ.                      !:::ハ| ヽl
.        \.ー\        ⊂ニ  つ     .イj/  !  |
        ヽiヽ::}丶    , ---- 、    <
.          ヽヽl    ./   /\ \イ
            l    / / , ヘ.Y´
            ,xへ|   // / ,.へ.\
564 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 16:59:59.94 ID:q/eFPLBNo

 2/9

 で、でも、中には人の気配が全くしないよ。

 それどころか、生き物自体の気配がしない。

 ううう……だんだん怖くなってきたよ。


 「あ、あの! 誰かいませんか!」


 意を決して叫ぶ。

 もうやだよー! 助けて京ちゃん……。


 「……こんなところで何をしてるの」

 「わぁー!?」

 「……呼ばれたから来たのに」

 「ご、ごめんなさい!」


 いきなり後ろから声をかけられて叫んじゃったよ。


     /        /      ,                        \
    /      /       /|       |        ',      ',      ヽ
  γ/     /        /  .!        | \ヽ\   ',        ,      ヽ
  ./_    __/ /    /   _ !        | _  ヽヽ ヽ  ,         '      、 \
      ̄   〃    /〜 ´`´ ',      |´`  ヽ〜 、 .!     ! ',\    ヽ\、
      / !/ {  〃          !     !    ヾ  ヽ|      |ヽ   ヽ、   }
       /  , ./ ! _ ≧==== ヽ! \  _|=====≦   ||l   | | |    ヽ, /
    ./      、{ ! ̄{::::o::::::}          {:::::o::::::::} ミ、| l    ' 〃      ',
   /     〃  |  弋::::::::ノ        弋::::::::::::ノ  〃 |  /  \       '
        //   .!                     /  ムイ    \    |
   !,'!   /, '     .|   ' '     '       ' '           ヽ      、ヾ |  「まぁ、いいけど」
   |!%  /,'  ,'    |                        {   、     ', ,/
    % |!'  !   '                       / .|       !
          l   ヽ       ,-‐-‐--,             ノ   ヽ    |
         ,!    ヽ       ̄ ̄          ィ--    |  ヾ  | |
          丶  {   |  、             イ  /l    '  | | / '
           \!  !  !     _   < |/! /   !   イ  / }/ /
               ヾ _|  |           ! V   ムイ
         ._        ヘ--!    ----―‐、
       /  <三三ニ>'" ', !  /|      ヽ--==ニ> ̄ ̄`ヽ
     /   /三三>'"    V /  |      /三三三"      ヽ


 そう言って彼女は家の中を指差した。


 「立ちっぱなしもダルいから、中で話す」

 「は、はい」


 知らない人の家の中に入るのは怖いけど、背に腹は変えられないよね。

 出来れば電話だけでも借りられればいいんだけどなぁ。

 ……『ここがどこかわからないけど迎えに来て』なんて言ったら、京ちゃん怒りそう。
565 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 17:00:48.26 ID:q/eFPLBNo

 3/9

 中はとっても広くて、そこだけで迷子になってしまいそうだった。

 居間に通されたと思ったら、彼女はサラッとお茶を出してくれた。わ、悪いことしちゃったかな?

 見た目は高校生くらいかな? 私より年下みたい。

 見覚えがある気がするけど、よく思い出せないや。


 「なんでここにいるの?」

 「あ、あの、気付いたらここにいて、よかったら電話を貸してもらえませんか?」

 「電話はない」

 「えっ!? そ、そんな、どうしよう。

  ここから帰る方法がわからなくて、地図か何かありませんか?」

 「……地図を教えても、貴女が一人で帰れると思えない」

 「うぐっ」


 初めて出会った人に迷子癖がバレるなんて……。


 「大丈夫、そのうち人が来るから、ゆっくりしていけばいい」

 「う、うん」


 この子のお父さんかお母さんが来るのかな?

 うう、この年になって恥ずかしいけれど、どうしようもないもんね。

 そんなこんなで待つことを決めると、女の子のお腹がぐぅーっと鳴った。


 「私はご飯にするけど、貴女も食べる?」

 「そ、そこまでしてもらうわけには……。

  そうだ! 良かったら私が作りましょうか?」

 「本当?」

 「うん! 料理は得意なんだ!」

 「じゃあお願い」


 一瞬だけ立ち上がったと思ったら、すぐに私に譲ってくれた。

 私が言うのもなんだけれども、初めて会った人の料理で大丈夫なのかな……?

 でも、せっかく作るんだから腕を奮うよ!
566 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 17:01:29.78 ID:q/eFPLBNo

 4/9

 「美味しい。こんなに美味しいご飯は久しぶり」

 「そ、そんな、言われると恥ずかしいな」


 どうやら、舌には合ったみたい。よかったぁー。

 ちょっと調理器具が古かったけど、京ちゃんの実家で慣れてて良かった。


     \ー―――‐`         }
       \         --- 、 __ノ_⌒ヽ
      /⌒    /     /    Y^ ,
    ー=≠       /           |   ',
.   /     /      / /         \_
   /     /     / / /        /      Y´
.  /  / /   / _/_/イ_/,  、__/ ∧
  | /./ /   /´/|/´-l/   // /`^ヘ |   | l|
 八{ /  j/ ll ∧ :|芹苧豕 /l/苧豕, ∧|   | l|
   / イ / Ν/-、| | 乂_ソ}/   ヒソノ∧八 リノ
.     {  | \、_jノ        、   ,   ∨ 「この料理を毎日食べられる旦那さんが羨ましい。
     \八  厂〕ト       _  人  i|\)
        )/(\ノ/}>   ´ イi:i:ト、)ノ /   いい嫁さん」
            (\\\   爪 i:i:i:i:i:|∧
         ⊂ニ=---、__〉\:i:i:i:|  \
         /:i:i⊂ニニヽ \{\ |:i:i:i|   } ̄ |

          _____
       ... : ´: : : : : : : : : : `: : : ..
     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、
    /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\: : 丶
  / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : :\
.  ′: : : : : : : : : : :|.: : : : : : : : : :.|: : : : : :ヽー'⌒
  |: : : : : i: : : : : i: :l: : : : :i: : : : : :l\ : : : : |
  |: : : : : |: : : : : |:∧: |: :.:l: : : : :.i:l⌒ヽ.: : :.|
  |: : : : : |: : : : : |匕Y: /ト、: : /从   |: : : |
  |: : : : 八: : : :.i:|:{   V ノ ∨ ,ィ   |: : : |  「えへへ」
.  : : : : : : ヽ: : 从   _      ≠⌒ Y:/}
  \: : :{⌒\:.{  r==ミ    , ::::::::::Y
    乂: \r'     :::::::::::        uノ
     丶、:_ー‐、   r‐ ー'  フ /
        _ヘr─ァ、ー ┬ 、 ≦-─、
      /⌒ヽ\     \   }    ノ}\


 そこまで褒められると照れちゃうよー!

 ……あれ、なんか違和感がある。

 そうだ。私ーーー


      / :::::/::::::::::::::::::::.:.::::::::::::::∧:::::.:.:.:|:..:.:.:.|:.:.:::|i::.:.:|
     /   !  / ::::::/:::::::::::::::::|:| |::::::|:::|:::::..:.:i:::::::|:i:.:.:l
.    /............|........|..//.ハ.......:.ハ..:::| | !: : |:: |:::....:...|:::::::|::.:.:|
    /.:.:::;:イ::|!:::::::l//メ、|::::::::!'i:::::|::| i:::::|i:::|::i:::::::::|:::::::::.:.:i゙、
  /:.::/ .|::|:!:::://'´`ヽ!::::::| _、::|V-‐!::::|、::!|:::::::::|:::::::::.:.:|
  //    |/:::V::!|  <ヽヽ:::|  V'"´゛ヽ、!ヽi::::::::::ト、:::::./i|
        !::::::::|:r-、弋ノ  ヾ   f´:i  ヾ ゙、::::::/) }:ル'
       r‐|::::∧:ト、.\ ,     _ゞ',、  /  i:::/ ' /W
      人:|i:/:.:.::゙、 \ `ー-、    `i. ヽ  ,..N./:.:.:.:`ー-、
    ,イ ゙、゙、:.:.:.:.:.:\ ヽ   `ー--‐' /_.ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,,:.:-‐'´>、  (ーーー旦那がいるなんて、言ったっけ?)
    ! ゙、 ゙、゙、:.:.:.:.:.:.:ヽ         / /:.:.:.:.:.:,,:.:"_, -‐-´i::::|
.   /i ゙、. iヽ\:.:.:.:.:.:.\      ,ク´:.:.:.,,:.:"´イ´/     i::!
   i |  ヽi: :\\:.:.:.:.:.!ヽ  _, -‐'´i:.:/:./: / /     i| リ
.   i  | i ヽ: : :.\\:.:.>'´:.:.:.:,; -=i:./: :/ /    ハ |
   |   ゙、 ゙、 |\: : :\\i:.:.:/:.:.:.:.:.:..| : / /     i | ノ
567 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 17:02:23.20 ID:q/eFPLBNo

 5/9

 「あ、あの」

 「どうしたの?」


 妙な圧迫感。

 この感覚には覚えがある。

 とても久しぶりに感じる。

 そうだ。これはあの時の感覚だ。

 ーーー私が麻雀をしていた、高校1年生の時に感じたものと同じだ。


 「心配しなくていい、迎えが来たみたい」

 「えっ?」


 彼女はそんな私を尻目に、マイペースに玄関の方を眺めていた。


                ---
           ...::´:::::::::::::::::::::::::`::...、
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         |::::::|::l:|::|八 !从{:::/:::/::::/--.l::::|::|:::|l::|
         |:::八从斧苧ミxl厶厶イ- 、从::::|:::|l::|
         |::::::::| |l^乂_ツ     斧ミv' 厶イ: 八|
         |:::: 人|l  、、     Vツ }/:::::::::/ ノ
         |::::::::::从      '  、、 /:::::::::/   「須賀さん。迎えに来たわよ」
         |::::::::::::::l\   `ー   ..イ::::::::/
.        八::::::::::: l    ┬‐=≦:::|::::::/
        -\:::::::|\   h\|:::::::|:::::′
.      ´ 〈 |∧::::|  \  ノl  l゙` |::::{
   /l   l   |: : }=|    \/  :|   |::::|\
.  / ll   l   |: : l:::|\    〉  :|: : :.\!
 /  l   l Lノ: : :l:::|: : \ ./   |: : : : :.\ |
./   ll   /   /ミ|    /    从    `゙丶
    リ  /     |:::〈   /   /         ,
   /〈 |     八::::l  /   /            ′
      l       }:::l ./    /           |
      | : : : . /::ノ/    /: : . .      . . : :,
  \  人: :./:://: : : : /.: : : : : : : : : : : : : : :./
 \ \{ Χ://\__/: :-‐=‐-: : : :___.. イ |
   \ \{::{`l≧====≦三三三三三l  |:::l:::| 〉


                 〜〜    〜〜
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         } /::::::::::::::::::|::::: / | ::|:::::::ト- ::|--∨\ ::::::::::::::::| {
       { /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
      /::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\|  〃⌒゙ヾY :::::::: |::::|  }    「石戸さん……」
        ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ     {{    }} }|/| ::::::|::::|  {
      {  |:: 八ハ{ {{   }}     ゞ==(⌒) | :: /:::::|
       } |/|::: {. ハ (⌒)==''         ///  |/}:::::|
            |:::: ヽ_| ///              __,ノ :::::|  }
.          { レヘ::八     _.. ‐〜‐-、   イ ::::::::::::/  {
           }   ∨个 .._ (_,,.. ‐〜〜' イヘ:::/|/∨
                 \|  _≧=一ァ  〔/⌒T:iT7ス
                r=Ti:i:i:i:i:i:7____/i:i:i:i:i:i:i/ ∧  }
               {  ∧i:i:i:i:i:i:i:i:|   /i:i:i:i:i:i:i/   / ∧ {
568 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 17:03:30.72 ID:q/eFPLBNo

 6/9

 「私が泣かせていたみたいな雰囲気はやめてほしい。

  私はご飯を食べていただけ」

 「わかっているわ。須賀さんはとっても精細だから」


 旧知の知り合いのように話す二人に空気が弛緩する。

 よ、良かった。石戸さんの知り合いだったんだ。

 でも、和ちゃんや優希ちゃんだけでなく石戸さんにまで迷子の迎えに来てもらうなんて恥ずかしい……。


 「その、私は『須賀咲』って言います。良かったら帰ったらお礼を……」

 「ご飯美味しかった。私のことは『シロ』と呼んでくれればいい」

 「シロさん! 本当にありがとうございました!」

 「またご飯を食べさせてくれる?」

 「ええ、是非! ……あっ、でも電話ないんですよね」

 「大丈夫よ。私が今度案内するわ」

 「石戸さん……もう何から何まで……」


 もう石戸さんに甘えすぎて辛くなってくるよ……。


 「これはご飯のお礼。持って行って」

 「えっ?」


 そう言ってシロさんが差し出したのは、先ほどシロさんが使っていたお椀だ。

 いつの間に洗ったのか、綺麗になっている。


 「持って帰ればわかる」


 ? どういうことだろう。
569 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 17:04:14.76 ID:q/eFPLBNo

 7/9

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           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ   「今度遊びに行くから、それで食べさせて」
.             { /   }\__              ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
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      ヽ|:.:.ヾ:.、::ヽ≠'´ ̄`     ;;;;;;;;;;;; ノノ:ノ /;イノ
         ソ:.:.:::/::ヾー-;;;;;;;;;  ,     """ /ノ.;:‐'::/
       i.;イ:::;ハ、::゙、 """    ___      /:::::/   「はい! 任せてください!」
       ソ レ  ` ヾヽ    ヽ´  ノ   ィ´::/リ
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              |::::i:::::l-\::::::l八 斧苧干 |:::::::|::::::::::::::|::::::|
              |:::::\l  __\{   乂hソ |:::::::|::::::::::::::|::::::|
              |l::::::l::|斥汽         |:::::::|::::::::::::::|::::::| (……素直じゃないんだから)
           八::::l∧乂ソ ,     ″   |:::::::|::::::::::::::|::::::|
               Y:::::::. ″          |:::::::|::::::::::::::|::::::|
.               |::l::从 __ _      |:::::::|::::::::::::::::::::八
              八::\::::l┌ヘ)`    /|:::::::| :::::::::/::::/
              \:::Y 二二〉‐=≦  |:::::::|::::::::/::::/
                 ∨ ┬_]┘:::::|   从::::::|:::: /:: /
                  /    八:::::/l_/⌒∨:|:::∧:/
              /  ノ/:::::://  /∨:::|⌒    、
.              _ノ  /::://   /   ∨|      \
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570 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 17:04:55.86 ID:q/eFPLBNo

 8/9

 そこから先はよく覚えていない。

 気がついたらベッドで寝ていた。

 夢かな、と思ったけれど、いつの間にか置いてあるシロさんのお椀が夢じゃないことを示していた。

 石戸さんと連絡が取れたら、改めてお礼をしなきゃいけないよね。

 そういえば、『持って帰ればわかる』ってどういうことだろう?


                     /:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\
                    /:..:..:..:..:..:..:.:.:.:.:.:.:..:.:.:..:..:..:..:..:ヽ
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  (     ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ    //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi  b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ//   /    「ママ!」
  `ー-、__/    `      !\::.ム.! ー―'   ,  ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ /   / \_
  ___ノ          ノ   )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / //   /、`ヽ、 `ヽ
 f        __       ∧ ,.へ iヽ! \  、___ノ   / / / // / / /   '"  ̄ヽ!__/
 `ー-----r‐'" i        r/ /   ,  |ノ!   `ー----ァ'"   / i! '"  / 〈  i         ̄  `ヽ
       \  ヽ     !_ノ _/__ノ ヽ、  \ /  /  !、  i    V   、_    、____ノ
        )  | 、ヽ_,ノ、_/---、〈   `ーァ、___,、_/   !: : ̄ヽ,_/    `        )
        (_ノ  ソ  /:.: : : : : : _〉   ,,"   ゛、     ノ: : : :/       _`  /  (ヽ
          ヽ  |  |: : : : : : :/ 〈 \ 《      ゛、 /゙、: :/   ,.---‐二ノヽ___!、   \
            i  |  ゙、: : : : : i       ゛、     ラー=-|:(__,..イ `ー'´      7\_  )



 そんなこんなで家事をしていると、娘が後ろから抱きついてきました。



  /  : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ::       ',
. /  : {   : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !:    |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ   ヽ;| |: : : |  ,≧:|_  マ:|',:. :  |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ   ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
.  l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ    ヽj  i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
.  |: : : : :,:.A | { :::::::::: }        .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
.  |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ        `゙'''''´  .//ノ-‐''" ̄ ヾ 「これ!」
  .レi: : / ヽ∧ ⊂⊃   `     ⊂⊃  " /: : : :..: : : : ̄` ' 、
ー==,.∨ ̄ミ=',      .___,   .    /≡ィ゙\: : : : : : :
_/      .: : ゙∧                /ヽ   `ヽ\: : : : :: : : : \
 _/ : : : : : : /{"゙,ヽ          ,   へ ::    - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. >   . __, . - "〃ヽ \,.'       ヾ: : : : : :  ヽ
: : : : : __/      ' ,: : \      {__,.. '       ノ:\


 あれ、何かくれるのかな?

 ……本のしおり? 幼稚園で貰ったのかな?

 あっ、二人でお揃いだ!

 私も本好きだって、わかるんだ。えへへ、嬉しいなぁ。


 「えへへ、ありがと!」

 「えへへー!」


 みやながけに起こった、ちょっとした幸せ。カン!


 ……カン?
571 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 17:06:00.63 ID:q/eFPLBNo

 9/9

                     _  \ー- 、
                   ∠二 _  ̄\ヽ   !
              -=_,,ニ二_   ヽ  )}  }
              / _,, -‐     ゝ   ノ、
                 / /              ヽ
              / /                 }
            .ノ       /           ヽ`ヽ、
          /.     /     /    l   !   l   ヽ
         /  /    /     / /   .}   l .l  }ヽl⌒ )
         ./  /       / /}∠!_  ./l__l__ l  l  l
        / ./ /   {  /7____|  /´j_∠!_/! リ  }
       (/{  { /   \{/(。::厂`;ノ ´(。厂)トノ\人
         乂 .八ハ  /   l ,,,`¨      ¨,,, ∧    ,ゝ  「貴女は京に会わないの?」
           `   )/从  l、      `   / }   .l
           _,,,../l \{::\   , 、 ./、ノヽ/)ノ
        ,, -<//////∧ \::::>..._ ,,..イ∧ ヽ
      /  \ ヽ/////∧  \  / .}///l  }
    ./      .、.}/////∧   〉∧ .|///l  l
  /        }.l//////∧  ,.ヘV∧ .l.//∧ .l
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./\      / }////////////∧イ  Vl.////////ハ


           ,  ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::..ヽ
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;、:.:.:.:.:.:.:::::ヽ:::..:.ヽ
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        /.i::::::::|:::lL::-亠 : :::l  ̄丁T!::‐!::::::l:l:::::.:.::|
.       i !:、::::l::::l!、:_」L::::l:::l --+HL_:::l:::.;リノ:::.:.:...|
        ! .l:::::トゝ:!´__::_ヽ:川  ,,z=-zy/j;イ:::::::::::::::.|
        | .l :::::. lv'筰:卞 ヽ. ´ b::::::::jヽ .!l::::::::::::::.|
       l ::::::::l! .辷.ノ      ー.―   ll::::::::::::::.| 「ま、まぁそのうち、ね?」
          l :::::: l. ,,,    '     '''    'l:.:::::::::: .|
        l::::::::::l             /l:::::::::: .|
.         l::::: :::.l.    ャー‐ッ     /:::l:/::: :.l
         l:::: ::::::>...            イ:::::/ :: ::::::l
.          l:::: :::::::::::::>.....___ <  |:l:/:::: ..::::::'
          l::: .:::::: :::::/:::::l     /:::::::::.:::::: /
.           l::: :::::..:::/{:::::::|    /::::::::.:::::::::/
          l:: .:::.::/ ゝ´ll  /,':::::::::::::::::./> 、
         l: .::::::///  ! / /::::::::::::::: イ./   ヽ
.           l:.:::::/  ,'  /  /::::::::::::::;.' /    | .i
.          l=;/   l /   ,;:::::::::::::::,' /       ! l
           ,':::l  ./      i:::::::::::: / /    / l! .l
        /::丿, '     /!:::::::::::;' /    /     !

                    / / `ヽー、     ー、   `ー /´
               _ -‐ァ'/       ´⌒ヽ  、 ヽ、_ 彡 ´
              /⌒ィ'´ /            ',  \  ヽ
                /´ア´ /  / /       !   ',   ヽ
            ({ /  ノ  / /       ! l    \   、   \
             `Y ィ´   / /    i l  '.   、 ヽ.  ',_  `ー-
             / /    /イ/i{    j{ j  、      \ ヾ  ̄´
            , ィア,' イ  /`7〜ヽ   ハ 八  (ヽ    ト、 }  ー、
           j/ / { { イzx、_エ、  j |〜〜、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
             ´ {  ヽハ、{i  佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ }  〉ハ    ヽ.
             ∨   ハ `  ̄   \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ     ハ
              ヽ { j! !    、     } ヽ!  〈 /フ   j!  / リ (素直じゃないのはどっちだか……)
               `ヘハ ト          j       /´j}   ハ ノ
                  `  \  ゚ `   /    / ノ j_ノ ´
             _ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ    / `7=ュ。_
            イ  「ニニニ7   人j  ハ   〈  /ニニニ´⌒ヽ
           ´ i  ニニニ{  /l] `Y  ',   V /ニニ/    '.
               l  ニニニ、/!  [! (   '.   Vニニ7       }
      /     ハ  ニニニニニ|  マ、  ィハ    Vニ7        ′
     /       ',  ニニニニニ|  マ、ィ´  。    V       /


 本当にカン!
572 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 17:06:44.68 ID:q/eFPLBNo
投下終わりです
キャラも出揃ったのでしばらくは既存キャラの掘り下げでいきます
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/17(火) 17:14:51.86 ID:OdY2L+H0O
アイエエエ!?シロナンデ!?
冒頭部分でマヨヒガかな?と思ったらマジでシロが出てきてビビった
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/17(火) 17:16:05.56 ID:GxIl/yqSO
屋敷がマヨヒガなのはわかるけど、お椀にはどんな意味があるのだろう

あとシロが独身拗らせた和や部長に狙われないか心配だww……まさか霞さんも?
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/17(火) 17:18:39.84 ID:h5WwqgbcO
乙です
シロが歳をとっていない…?
やはり宮守は妖怪の巣窟だったのか…
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/17(火) 17:57:34.65 ID:GxIl/yqSO
ググって来ましたぜ
お椀は富を呼ぶラッキーアイテムなのね
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/17(火) 19:03:37.79 ID:J5FWdV2jo
これでわりとお金持ちになるな
578 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 19:51:58.87 ID:q/eFPLBNo

 1/6

 542
 酔っ払った京太郎と二人きりになる久


 竹井久よ。

 今日はちょっと帰りが遅くなっちゃったわね。

 上司のためにも、付き合いだけでも花を持たせてあげていたらこんな時間になっちゃったわ。

 やっぱり出来る女は辛いわぁ。

 ……あれ、あそこにいるのは和じゃない?


 「あら、竹井さんじゃないですか」

 「和? こんな遅くにどうしたの?」

 「いえ、旦那さんが酔っ払ってしまったので迎えに」

 「だ、旦那!?」


 えっ、なにちょっと待って。おいカメラ止めろ。

 和が私より先に? えっ、待って、ちょっと待って。


   /: . : ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V: . : . : . : . : . : . : .',
    {: . :.:7::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Vヘ: . : . : . : . : . : . : ,
   !: . : ,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}ソV: . : . : . : . : . : . :,
   ,: . :.{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ::::V: . : . : . : . : . : . :.
    . : .{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}: . : . |: . : . : . : . :..
    V: .',:::::::::::::::::::::::::::::::-- ―― -- 、:::::::::::::::::::::::::::::::i: . : .:.i. : . : . : . : . .,
    V: ..}:::::::::__,. /         \:::::::::::::::::::::::::川 : . !: . : . : . : . : .}
     ヽ:.:',‐ ´     ,           ー― -、:::::7: . : .:..!. : . : . . : . .:,
      ヽ:}                      ー{..: . : . :.i. : . : . : . : ., (結婚式の招待状来てないんだけど)
       ',!                ,}    ,イ: . : . :.:リ: . : . : . : .,
       i               イ/〃   / {: . : . : /: . : . : . : .,
       ., u         ,.. '"  /     ,'  ',: . : . :{: . : . : . : ./
        .、       _,.ィ'" -‐ ´        ,人: . : . : . :i!: . : .,
        i:.ヽ                  /  ヽ: . : . : i: . : .,
        ',: . : .’ - ,_           イ     ヽ: . : .:i: . :.ノ
        \: . : \: .: . : }: . . . .ァ  __ '"         }==彡
          `  _:.\: . リ: . : ./  ',          /: . ノ: . : .ヘ
              、}===/   ',        /: . : ./}: . : . :ノヘ
              ノ: . : ./} __,.j       /,': . : ./:;:}. : . /: . :}


ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ    ヽ冫
:: |: : : : ::/::/: : : /」: : : /}: : : :}゙`「丁ヽハ:!:!: !:  }
-ィ: : : |_,'_,,|-‐''/ / / .}: : /.|: :|: |:::/. }:|:|:. リ !.|. ト.、
: :ト、::ィ゙ |: ::|\/ //.  /: :/ !: :!/!/  !从:/|:.| !∧冫
: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ. /./ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′
: :l: : ヾ |/{:::::::::⊂ ::::::::::::::::::::: ! :::::ィ./ .ト,ムノ:! ニヤニヤ
:γ⌒Eヽ弋二;;ノ ::::::::::::::::::::::::':ゝ-.″ | }: : : :|
',:{ :::`               、       .レ′ : :!.
..',\                   ノ:   ::::!
: : :| `ー´\       ,____.,.      / !:! !  !
: : :|.     ` 、    `ーi!′  /|: :. !:! !  ::!
: : :|         }`   .. __ , イ  |::|: |:|: :|  |
: :: }     ィ‐┤.        ├ .、|::|: |:|: :|  {
579 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 19:53:08.22 ID:q/eFPLBNo

 2/6

 「って、須賀君じゃない!」

 「はい。『咲さんの』旦那さんを迎えに行っていたんですよ」

 「原村ァ……」


 こ、このデジキチ、私をからかうためにわざわざわかりにくい言い回しをしたわね!?

 ふ、ふふふ。それすなわち和も須賀君と何も起こっていないという証明よ!


 「京太郎君はよくここの飲み屋を利用しているんですが、たまに飲みすぎてしまうんですよ。

  咲さんに任せると二次遭難になりますので、私が迎えに行くんです」

 「へ、へぇー。そうなの」


 何よ! 私の方がよくわかってます、ってアピールじゃない!

 でも和が一歩先を進んでいるのは確かね。

 悪待ちは何も考えずに逃避することじゃない。

 全てを理解した上で悪い待ちに取ることを言うのよ。

 現状の把握はとても大事ね。

 ふふん、和。やられたままじゃ終わらないわよ。

               __
           , : . : . : . : . : . : . : . : . . ,
        , : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .,
       /: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : \
     /: . : . : . : . : . : . : . : .x: . : . : . : . : . : . : . : . ,
    , : . : . : . : ./. : . : . : . : ./ \へ. : . :\: . : . : . : .,    「どう? 良かったら私が代わりに送るわよ?」
    /: . : . : . :.:/: . : . : . : . :/    \ヾ` 、ヾ、: . : . : . ,
   . : . : . : . : ,'. : . : . : ./:.:/      `   ーヘ: . : . : . ヘ
    ,: . : . : . : . : . : . : . /:.:/          ,.ィ' V: . : . :ヘ:ヘ
    {: . : . : . ,'. : . : . : 7」:,'--、       ィ'"   V: . : . :ハヾ、
    : . : . : . : . : . : . :7 {:ソ              V: . : . ハ ヾ、               _
   , . : . : 7. : . : . : , {,'           ,。x=ュ、Y: . : . :.}  ヘ             /.ノ   ,.,
    : . : . , : . :{: . :., ,斗==x、      イ´ ハ }`,': . : . :.:.i   ',           , '  '  / .ノ
    ,. : . : . : . i!: ..イ´ん'.  ハ `       r’:::. }  ハ: .ヘ: . : ,     マヽ      ,   , ' ./ /
    ,: . : .{: . : .',: ..{.ヽ V .:::. }         乂ュノ  ハ: . :.',. : リ     マ ヘ   / ., ./ /
    ヘ: . :.',. : . : . :iヽ  ` - '            ,: . : . : . 7      , ヽ_/   ` ’ ./
     V: . : . : . ヽ{: ..ヘ          ’     川: . : }:/       ,  ',     .ム、
     ヽ: . :\: . : . : . : 、       _  ‐ァ    人: . : . ソ          }   Y   / ノ ,
       、: . :.:\: . : . : ハ    ‘  -     /: .:..\: . ヽ        ハ     / / ノ
        、: . : . ヘ: . : . : }-  _      ィ - -== __ヽ: . \     ヘ',    ‘¨ゝ- '/ヽ
         ): . : . :}: . : .ノハ   ̄  ¨  .i!マ;::;:;:;:;:;:;:;:;:;〃7-、:ヘ     ヾ\    イノ=7
         ハ: . : . :i!: ..// ハ        ` マ:;:;:;:;:;:;:;:;:7:;7ニニ\     }ニ`≦-=≦ニ7,
       /: . : . : .//:;:;:{           }:;:;:;:;:;:;:;:7:;7ニニニニへ     ∧、ニニニニニニノ=ヽ
       {: . : . : /:;:;:;:;:;:;:;ム         ,イi!:;:;:;:;:;:;:7:;7ニニニニ}ニニへ、 ヽ,ニ≧ー−'ニニニ}
       \: . : {:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ム− -- 、  ´ 」:;:;:;:;:;:7:;7ニニニニ}ニニニニニ≧。ヘ\ニニニニニニ{、
     /=、\: ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ム_  -−   ̄!:;:;:;:;〃/ニニニニニi!ニニニニニニニヽニ:\ニニニニニハ
580 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 19:54:05.07 ID:q/eFPLBNo

 3/6

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   ヽ:::::.{',从|レィ==、   ィ==x .リ/:|」|
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     |:.:.|::| : : |> , `.-- ' ,∠// /! :|
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     |...:|::| ! :リ.|::::{_   __.//゙ / ヽ!|
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      !::::::::::::::\;《,{ cj      '' l:::::| ′「…んぁ?」
     `、::::::::::::::`ヽ,゙ ‐'    `   ム::;!
      ヽ::::::::::::::::::::\``  ._っ  /;;ノ
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        \ヽ;;:::;ノ    ̄ K::: {:::::::ヽ._
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           ∧::::::::::::::::::`ヽ._ノヽ::\;::::::::}
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         /==-、__:::::`ヽハノ:::::::Y〈 |
          /"     \ ̄`.==、/|:::l .|
581 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 19:55:04.04 ID:q/eFPLBNo

 4/6

 なんやかんやで、和はそのまま帰ってしまった。

 ……え?

 よくわからないけれど、これってチャンスじゃない!?

 酔っ払った須賀君、程よく酔った私、ここから導きだされる結論は一つ!


 『あれ、俺なんでこんなとこに寝て……』

 『あら、起きたの? 須賀君』

 『竹井先輩!? え、なんで裸で!?』

 『……大丈夫、昨日のことは忘れるから、ね』

 『お、俺、なんてことを』

 『気にしないで。のせられた私も不注意だったから』

 『……竹井先輩。いや、久。

  俺、責任取るから』

 『だ、ダメよ須賀君。

  あなたには奥さんが』

 『ずっと前から好きだったんだ!』

 『須賀君……実は私も』

 『さぁ、あのデジキチに勝利宣言しに行こう!』

 『ごめんね、和。私は先に幸せになるわ!』


 京久キタコレ!

 グフフフフフ。それじゃあ早速、ホテルを探して。

 ……ほ、ホテルってどうやって探すのかしら。それにチェックインとかどうすればいいのかしら。
582 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 19:56:05.39 ID:q/eFPLBNo

 5/6

 「う、うーん」

 「やばい!」


 須賀君が起きそう!

 いや、かなり悪酔いしているから、起きても混濁状態なはず。そのうちに既成事実を作ればいいのよ!


 「さきぃー……」

 「なんだ寝言ね」

            _,...---、_,.、
           / : /: : / : : ヽー-、
            /. : :, !: iハ!/メ、.i | \
            イ : :{ ヽN  'i:!/!人iヽi
         _1: : :i(    _ 丶:\
        /   `Yリヽ   '、_)'´!`ー`
      /:::..     |  ,. _/
.      /.::、::    ト、ィ'
      / ::::::|::    !;-!
    /  ::::|::     ! ヽ、        ,:-‐クヽ
    /    ::!::..   ⊥__!_      /  ..:ノ)
   /     |::::..         ̄`''''''' ′..::::::::::ノ
.  /:     |::::.....      ..............:::_,:::-‐'′
 /::      `ー‐┬---r―'''''''"" ̄__
./__       /!   i      / iu-゙、
/----、\   ::::/ |::  ⊥ __,...-‐'.i...:ヒノ
 ̄ ̄`ー`ー`ー-、/ |::.         _,.-‐'"

 「咲!咲!咲!咲ぃぃうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
  あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!さきさきさきぃううぁわぁああああ!!!
  あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
  んはぁっ!咲のショコラブラウンの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
  間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
  漫画1巻の咲かわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
  アニメ2期放送されて良かったね咲!あぁあああああ!かわいい!咲!かわいい!あっああぁああ!
  コミック14巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
  ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…シノハユもアニメもよく考えたら…
  咲 は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
  そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!長野ぉぉぉぁああああ!!
  この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?エプロン姿の咲が俺を見てる?
  エプロン姿の咲が俺を見てるぞ!咲が俺を見てるぞ!玄関から咲が俺を見てるぞ!!
  嫁さんの咲が俺に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
  いやっほぉおおおおおおお!!!俺には咲がいる!!やったよ界さん!!ひとりでできるもん!!!
  あ、コミックの咲ぃぃぃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
  あっあんああっああんあ咲ぃぃ!!さ、咲ぃぃぃ!!照さぁああああああん!!!界さぁぁぁあああん!!
  ううっうぅうう!!俺の想いよルイズへ届け!!ハルケギニアのルイズへ届け! 」


           /:::::::::::::::::::::::::::::::::::;/:::::::::::::ヾ::::::::::::::::::ヽ
          /:::::::::::::::::::::::::::::::::;//::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::゙,
         /:::::::::::::::::::::::::::::;/   lVi::::::i::::::::ハ::::::::ミ:::::::::::::::ハ
        /":::::/:::::::::::;/      \ゝVi:::::::::::::::i::::::::::::::::l
        /;イ::::/::_:;:-;;−- 、    , -──-\:::::::::::l::::::::::::::::|
       〃|:::/:::::::〃___ -        - ___ ∨:::::::|:::::::::::::::l
       |l |:/::::::::y";x==、     ,,:=;==ミ;、 Y;::::::}:::::::::::::::|
       || |l:::::::∧《 7c:::::i`      '"ic:::::::::i ヾ;|:::y':::::::::::::::|
       l| .l::::::/:::i.ヽゝ::::o!       V::::oソ ,/"!/:::::::::::::::::|
       l' .|:::::i:::::::i  `ー"       ー " '  ,イ::::::::::::::::::|
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          !N:::::::::ヽ    ‘、_ ノ   {:::::::::::::::::::::::::::/
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     /ヘ \ \::::::::::::::::::::::::ヽ、   \ー 、 ,ヘ、:::::::::::::::::::::〉i
583 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 19:56:55.91 ID:q/eFPLBNo

 6/6

 「もー!

  京ちゃんまた酔っ払って!

  竹井先輩、わざわざありがとうございます!」

 「い、いえ、大したことじゃないわ」

 「今度時間がある時にでもお礼しますね」

 「う、うん。わかったわ。

  と、とりあえず今日は帰らせてもらうわね」

 「遅くまで付き合わせてごめんなさい。

  ほら、京ちゃんも謝って!」

 「うーん。さきぃー……。

  かわいいよ咲……」

 「ち、ちがっ! 私じゃないでしょ! もー!」


: \: . : . : .ヽ: . : . :ヘ
、: . :ヾ 、: . : . ヘ: . : . :.,
ヽ\: .:ヘ\: . : ヘ: . : . :,
、: \\:.ヘ ヽ: . :.}: . : . :,
 ``ヾ、 ヘ:} ヘ: .:i: . : . : .,
.     ソ  .}}ソ',: . : . : .
        ´ ∨: . : . ,
    ,, 〜ー-‐'  .∨: . : ..,
−-'"          }: . : . :.
 ,ィ         |: . : . : .
  , ィ ⌒ `ヽ    |: . : . : .,
 / ィf升ミュ、ヽ  .i: . : . : . ,  「ま、負けないもん!」
  〃ィf♀ミ,ヾ,  :i: . : . }: . ,
  ヾヾゞ=彡ィ’  |:. :. :. !: . :,
   ヾ=ニ='"    .i : . : .リ: . :.
           iヘ: . :/: . : .
  /i/i/i/   !} }:./: . : . }
         J i ノ: . : . : .:
          イ´: . : . : . :
         〃}: . : . : . :/
         / .ノ: . : . : ./
_ ,ィ〜==ァ  {ノ.: . : . : ./
 ̄ ´     /: . : . : . /
      /: . : . : .ノ: .,'


        ,. . . -――- . . .、
      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l ',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : /   l: : : : :l  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /   .レl: : :ノ .__ ',: :l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l: : : : : :l
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Y: :、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ l: : } \ノ
   ',:乂_           `     !ヘ:ノ       「?」
   ',: : : : 丶、     ー-‐     j
    ヽ{\ : : _        ,, イ
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、
     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }


 カン!
584 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/17(火) 19:58:27.49 ID:q/eFPLBNo
投下終わりです。そろそろ京咲のターンにしたい
作った後、改変するシミュレーターがあることを知った
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/17(火) 20:11:05.31 ID:GxIl/yqSO
おつ
一見したらチャンスを素直に譲る和は何回SAN値を削られたのでしょうね
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/17(火) 20:47:38.02 ID:J5FWdV2jo
最後ルイズのまんまやんけ
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/17(火) 20:59:33.73 ID:AJhsc64LO
>>586
ルイズコピペは一つ残すのが伝統なんだ…
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/17(火) 21:10:20.14 ID:rXnJZLC8o
優希「」ガタッ
589 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/17(火) 21:45:54.42 ID:q/eFPLBNo

 1/5

 125
 宮永姉妹に襲われる京ちゃん


        ,..-―へ/ . : : :ヽー- 、
        彡';´.:/.: : : ; : : ヽ: : .、ヽ
         //: : i: : : : :ハハ: : ;ハ:i、 iヾ、
   ー--‐':´: : : : |: : : | |   ゙、: ! И人ト、
   \__: : : /: :ヽ!、: |!    V     ハ
       / : /: : :/   r- 、 __, -‐'   !
        !:∠:イ´   丶、 _     _,..ノ
        |ハ:(        U   ̄ ̄   /  「グヘヘ……さきぃ……」
        |;ヘー\            /
            \: ;ヽ、   r--‐'′
           r―┴┐ ├┬┐
          ノ::::::::::::::|i  ! _|O|_
          /:: ̄ ̄ ̄\「:::: ̄:::::::\


        . :´: : : : : : : : : : : : : : : : :` 、
      /: : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : .
     /: : : : : : : : : : ,イ: : : : : : : : : : : : : ∧
    /: : : :/: : : | l: : :/ | : : : : |!: : |: :|: : : : : :,
    ̄ ̄ ̄| : : : N: :/__:| : : : : ト、__|: :|: : :|: : :′
       i| : : : | ∨ 八:ト、: : | N: リ: : :|l : : |
.        八: : { l  ____ ` \| ___|/ | : 八: : |l
      /:リ \N '~⌒``     ´⌒``〕/ ;__: :八 「きょうちゃんおかし!」
.     /:/: : : :ハ """"  '  """" '// /: 〔、: :、
    .: /:__: : : :圦 lヽ  r    ┐  // /: : /): :\
    /: l l\\: : : :| .!     ノ  .:'_/ 厶 "/: ト、: :ヽ
    .'  |八 :\\__| .!>  __ . イ´ 、__フ‐<ヽ.: :| \:|
.     .′ V.rヽ _|___       |   /_〔 ̄ | V    〕
        //.へ`ー-:.、Υ   八      l  |


         ,. : :´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、
      ,. : :´: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : ヽ
     --/: : : : : : /: : ': : : : : : :V: : : ∨: : ',
     / : : : /: ': /l:|: :|:!: : :!: :、: |: : l: : :V: : :
   /': : : /: ': :{:/ハ七从: : |\:`lー/: : : | : : |
    /: :イ7: :{: :从{ __ {/\{  _从ハ : : /: : :.|
   '´   |: 八: :| ((__))     ((__)) |: :/} : ハ:|
       |: 人\〉:.:.       :.:/:イ ノ: , }'
       |/  `ム   , ‐--‐、   ムイ: /   「もー……」
          个 . ー― ‐'   个从{
           \:}`}>-<{:/}/
           _,..イ,'    V:\
        r<:´::::::::::::{--、 , -|:::::::::`ーr-、
       / ∨:、::::::::::∧, ---、/::::::::::::::/::/∧
       ∧ \:\:::::::∧  /:::::::::::///
        l  ヽ \ー<、_∧ ,:::::::::> ´ィ´   }
        |   } \//ヽ、∨/´/// }     |
590 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 21:46:34.15 ID:q/eFPLBNo

 2/5

 須賀咲ちゃんです。死屍累々です。

 京ちゃんは酔っ払って帰ってくるし、お姉ちゃんも付き合いでお酒を飲んできたみたい。

 京ちゃんはまぁまぁ飲めるけど飲みすぎてこうなる。

 お姉ちゃんは弱いからちょっと飲むとこうなる。

 二人とも面倒見ることになる私のことも考えて欲しいんだけどなぁ。


 「ほら、どっちかお風呂に入って」

 「咲が一緒に入ってくれなきゃやだ!」

 「京ちゃんお風呂!」

 「ハァ……」


 私も酔っ払いが相手だと辛辣だよ!

 ちなみにお父さん相手なら、玄関から放り出して朝まで放置するよ!

 京ちゃんとお姉ちゃん相手だからこうして面倒なことをしてあげてるんだからね!


 「もー、わかったよ。

  じゃあ私が二人とも入れてあげるから順番に、ね?」

 「さきぃ……」


           -‐──‐-
       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:X         ""  ノ   |  「三人で入れば楽だよ」
    /::::入_           _  < / /| /
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈
           |  .〈∧/    !__/
           |        | |


 「お姉ちゃん本当は酔ってないでしょ!?」


 もー! 油断も隙もない!

 あっ、でもお姉ちゃん本当に辛そう。……うぅ。
591 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 21:47:05.57 ID:q/eFPLBNo

 3/5

 「ハァ……、ハァ……」

 「きょ、京ちゃん……」

 「うぅ……うっ……」

 「おかし……、おかして……」

 「二人とも黙って入る!」


 なんか如何わしいことは言わないの!

 放っておいたほうがゲロまみれになるのは避けたいので、結局二人とも一緒に入れることにしました。

 なんで姉妹丼みたいなことになってるの……もー!

 京ちゃんもお姉ちゃんも酔った時の記憶は消えてるから大丈夫……だよね?


 「二人とも仕事で疲れてるんだし、私に出来ることを頑張らないとね」


 うん。嫁さんには嫁さんに出来ることを頑張ろう!


 「さき……」

 「きょうちゃん……」

 「何やってるのそこぉぉぉぉ!?」


 京ちゃんが私の名前を呟いたと思ったら、お姉ちゃんが京ちゃんに抱きついた!?

 ちょ、やめて待って!? 二人とも裸なんだよ!?


 「さきじゃない……?」

 「むないたかたい」


 和ちゃん相手だけじゃなく、お姉ちゃん相手でも私じゃないって判別つくんだ……ってそうじゃない!


 「ダメ! 何やってるの!」

 「さきだ!」

 「さきもいっしょ?」


 二人とも幼児退行しないの!

 ほら! お風呂の中は危ないから早く出るの!
592 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 21:47:39.47 ID:q/eFPLBNo

 4/5

 「きょうちゃん……」

 「さき……」


 ふぅ、何とか二人ともお風呂から出して、ベッドに寝かせたよ。

 京ちゃんもお姉ちゃんも、うまく服を着させられなかったからちょっとはだけている。

 お風呂上がりで色っぽい二人。服がはだけている。同じベッド……。

 如何わしいにも程があるよ! もう!

 でも二人とも寝入っちゃったし、私の筋力じゃ二人を動かせないし。

 それにしても、二人とも色っぽいなぁ。京ちゃんはガッシリしているし、お姉ちゃんは美人だし。

 あ、京ちゃんの胸元開いてる。

 ……京ちゃん、さっきお姉ちゃんに抱きつかれたせいかおっきくなってる。

 な、なんか私まで変な気分になってきた。

 いや、お姉ちゃんの横でなんて……そんな、……いや正直興奮するけど!

 いつもは京ちゃんが強気で、私もちょっと無理やりな方が好きだし、京ちゃんに押さえつけられると興奮するし。

 でも今なら、屈強な京ちゃんを文学少女咲ちゃんが無理やりできちゃうし、隣にお姉ちゃんいるとか……。

 ……

                ,. . : : :――: : . .
               ,. : ´: : : : : : : : : :_: : : :`: .、
            , :´: : : : : : : : : : : : : : \: : : : :\
           /: : :, : : : /: : : : | : : : : : : ヽ: : : : : ヽ
          .': : : : /: /: :.|: |: : :|:|: : : |: : : : :.∨: : : : :.
        /: : : : : |: ': :|: |: {:, -|:{---|、:|:|: : : |: : : : : : .
        ': : : : : : :|_{:__|: {: :V: :V\: }、:|:|: : : |: : : : : :.:|
       /: :/: ,: : :´|:|V:{:从: { \}ィチ雫ミ: : : ,:_:_: : : : :|
       |: :イ |: : :|:从ィ雫ミ \   _)::刈 }: : // V: : : |
       '  l |: : :乂{ _):::}     Vzり/:イ   } ノ : /リ
          |: ∧:.∧ Vり            _,..イ:/}/  「バレなきゃセーフ!」b
          |:/ V : :.   '         イ:イ:/ /
          }'  {/ 人     v ァ    ..:  |/ '
               `       イ  |
                     `_ T´     |⌒\
      r-,-、        _,....´./'   /´............`:......_
      / / /`>、  _,.. <.........../-、  r/...................................>、
     {   ' /  ∨{...\.........../   `/......................_> ´ ̄ V..、
      ,   〈`、ノ,:|:.\.\_{  /---__,...>:.:.´/  , -- |...|
      }\_∨/ 乂:.:.:.` ̄`Vイ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.> ´ |  /     ...|
      |\_ ̄ 〉∨` ̄「 ̄ ̄/ ̄ ̄´====  ∨      |..|
      |............. ̄}/   L__/           l  {      |..|
      ∧............... |   /:./:.:.|              |       |..|
     「 ` ̄ ̄ ̄}  ,:.:./:.:.:.:|           V}        |..|
     |        | /:.:.:|:.:.:.: |             |      V〉
     |        | ,:.:.:.: |:.:.:.: |       ::.     /|       }'
593 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 21:48:08.27 ID:q/eFPLBNo

 5/5

 ・次の日


                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ   「体がだるい……」
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
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.   / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
  /  .:.:.:.|:.:.:.:.|  :.: : ||:.:.:.:.:.:.:| |:.:.\ | :.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. /  .:.:.:.: |:.:.:.:.|  \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|
/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |
ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|  「もー、お酒飲みすぎだよぉ」
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \

           _. . ----- . ._
        ,. : ´: : : : : : : : : : : ` : .、
      ,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
      /: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : 、
     .': : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : :'. : : : : :\
     |: : : : : : : |: : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : ヽ
     |: : : : : : : |: : : : : : : : : : : : : |: : : : :、: : : .、
     |: : : : : : : {: : : : : : |: : : : : : :},、: : : ::l  ̄ `
     |: : : : : : : :| : : : : : |: : :|: : : / {: :.|:|:.|
     |: : : : : : : :l: : : : : :.|: : :|: : : |_ノ: :从:j (起きて最初に京ちゃんの横顔を見れた。幸せ)
     |: :,: : : : : : ,: : : : : :|: : :|: : : | |: : | '
     |: :| : : : : : : : : : : : |: : :|: : : | |: : |
     |: :,: : : : : :/: : : : : ,: : : : : : :|ィ}: : ,
     |: :{: : : : :/: : : : : /: : : :|: : :.| , : /
     |:/|: : : : ,: : : : : : {: : : :/: : //:イ_
     |' ,: : : /: | : : : : | ̄ /: イ /::/ /  ヽ
         \: {/、: : :.从 /   /::/ /    :.
       / }/{  \{     /::/ /       }
       {  |::|           /::/ /      |


 カン!
594 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/17(火) 21:50:30.77 ID:q/eFPLBNo
どうしても京咲を投下したかった。初期の咲ちゃんに回帰させたかった
今日は本当に終わりです
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/17(火) 22:36:35.42 ID:pidurlfVo

親父ェ…
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/17(火) 22:47:06.43 ID:GxIl/yqSO
おつ!
照本当は酔ってないだろの突っ込みは咲ちゃんがしてくれた…が結局酔ってたのね
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/17(火) 23:24:35.39 ID:5QWHBiHeo
乙よー
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/17(火) 23:55:04.46 ID:3dFfTRmto
バレなきゃセーフ! じゃねーよ!
お題が先に示されててもなおこのオチは予想外だった
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 07:25:44.77 ID:yDzD94eAO
>>596
咲ちゃんが突っ込んでくれたというより、咲ちゃんは突っ込まれた方だな
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 16:24:57.99 ID:s/r2Qtw2O
今、京ちゃんの子どもたちいくつだっけ
あわあわがアラサーかアラフォーの頃に京ちゃんの息子さんにずっと好きだったとか言われたら浪漫かなとふと思いついた
601 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/18(水) 18:23:53.40 ID:UMyxjcWbo

 1/8


 須賀咲ちゃんです。

 シロさんの屋敷から帰って数日後、宮永家に来る人が増えました。


           ___/ / /        \   \
           ⌒フ / ,  /   l 〈     \\ \
           /  / /  /  /| \      ∨ \ \
         /  / /  /-〜/-| {  \〜ー 、'   \ )
           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ
.             { /   }\__              ′ |  「咲。ご飯」
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
             /∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧


.   / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
  /  .:.:.:.|:.:.:.:.|  :.: : ||:.:.:.:.:.:.:| |:.:.\ | :.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. /  .:.:.:.: |:.:.:.:.|  \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|
/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |
ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/  「ちょっと待ってくださいねー」
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \


 うん。シロさんが家にやってくるようになったのだ。

 なぜか京ちゃんやお父さん、お母さんが遅い日に限ってやってきて、子供と遊んで帰っていく。

 みんなが遅い日なんて、そうそう多いわけじゃないから来る回数も多くはないんだけれども、やけに子供たちも懐いている。

 不思議な雰囲気の人だなぁ……。
602 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/18(水) 18:25:09.19 ID:UMyxjcWbo

 2/8

 「そう言えば、家の人はいいんですか?」

 「私は一人ぐらし」

 「えっ、あんな大きな屋敷に一人ぐらしって、女子高生くらいですよね?」

 「私は霞と同い年」

 「……!?」


          _____
       ... : ´: : : : : : : : : : `: : : ..
     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、
    /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\: : 丶
  / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : :\
.  ′: : : : : : : : : : :|.: : : : : : : : : :.|: : : : : :ヽー'⌒
  |: : : : : i: : : : : i: :l: : : : :i: : : : : :l\ : : : : |
  |: : : : : |: : : : : |:∧: |: :.:l: : : : :.i:l⌒ヽ.: : :.|
  |: : : : : |: : : : : |匕Y: /ト、: : /从   |: : : |
  |: : : : 八: : : :.i:|:{   V ノ ∨ ,ィ   |: : : |  「うっそだー!」
.  : : : : : : ヽ: : 从   _      ≠⌒ Y:/}
  \: : :{⌒\:.{  r==ミ    , ::::::::::Y
    乂: \r'     :::::::::::        uノ
     丶、:_ー‐、   r‐ ー'  フ /
        _ヘr─ァ、ー ┬ 、 ≦-─、
      /⌒ヽ\     \   }    ノ}\


 えっ、嘘っ!?

 だって、石戸さんと同じってことはお姉ちゃんと同じってことで……。

 アラサーでしょ!? 石戸さんもだけど、どう見ても高校生だよ!?


 「まぁ、信じてもらえなくてもいいけれど、私は貴女に会ったことがある」

 「嘘っ!?」

 「直接は会ってないけれど、高校インターハイ2回戦の宮守女子先鋒」


 あ、あぁぁぁぁーーー!!

 思い出した! そう言えば優希ちゃんと戦った人だ!

 あんまりにも若すぎるから紐づけられなかったよ!

 えっ、石戸さんもシロさんも、なんで変わってないの!?


 「私と霞の見た目に関しては考えないほうがいい」

 「は、はい……。というか仲がいいんですね……」

 「まぁ、霞とは腐れ縁」


 なんかもう驚きすぎてどうでもよくなっちゃったよ。
603 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/18(水) 18:26:32.33 ID:UMyxjcWbo

 3/8

                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ バタン!
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 「シロー!」
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
           /   __ i: . : :、/|__ ∠  / ‐  //          |
          /`-‐ /   / |  __ -‐/   /             |



      //ア    /  / イ   :ト、    \      \        \   \
.     // /     /  /  |    | \    \      \       \   \
.      /′i    /  /i   |    │  \      `ヽ      `ー- 、      Y⌒ヽ}
     {  |  ,:イ   :ハ`¨´`T´   |  、  \ト、  ヽ `ー- 、    \_   }
         |  | |  ト、ハ≫=zzz、   !   `¨´`¨´`¨´`¨´   |  |\    ヽ`ヽノ\
.      人  | |  |  代 {  __} \|    ィ=- ..,,__\ト、 j │ \    }     \
         \! 〉、 !  :. 乂_フ     ´下¨¨“_卞ゝ  jイ  ノ    ヽ  ノ      i
           /  ヽ ハ             弋  `フ ノ  j/`ヽ    j/       | 「はいはい」
.           / /   / :.    ,      `¨¨´        ノ      ト、   ト、  }
         i  |  i :从                       /  ト、   | ヽ.  ; } /
         l 人  ト、  ト、    _          rー-イ  イ ! \ !   } / j/
         ∨  \! ∨V .>   `       イ {ス人jヽノ jノ    jノ  j/
               , ´∠ニニ>、 _ ... イ   /  \
                  / /ニニニニニ7   λ    /    /入
              /  {ニニニニニ7/「八.  /     //二\



 あ、シロさんになついてる我が息子がやってきたよ。

 シロさん、面倒くさがり屋みたいだけれども、子供の面倒はよく見てくれるんだよね。

 時々、息子や娘をギューっとして動かないのは多分、面倒になったから抑え込んでるんだと思う。

 やけに手馴れてるなぁ、と思ったけれど、石戸さんと同年齢なら納得かな。

 石戸さんとシロさんがしっかり者すぎて、お姉ちゃんがこの人たちと同じ世代とは思えないよ……。

 あ、でも外にいるときのお姉ちゃんはしっかりしてるんだもんね。うーん、なんだかんだでみんな年上なんだなぁ。
604 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/18(水) 18:27:22.10 ID:UMyxjcWbo

 4/8

 「咲、前に渡したお椀はある?」

 「あ、はい」

 「そう、それならいい」

 「あ、あの、あれにはどういう意味が?」

 「……別に、ただちゃんとしまっておいてね。

  私がご飯を食べるのに使うから」

 「いつもは違うの出しちゃってますけど、あれの方がいいですか?」

 「……どっちでもいい。でも、大事にすること」


 いつもボケーっとしているように見えるシロさんが、真剣な目でこっちを見ていた。

 う、うーん。貰ったものだし大事にするけれど、どういう意図があるんだろう。


 「じゃあ、そろそろ私はお暇する」

 「あれ、もう帰るんですか?

  良かったらうちの旦那さんやお姉ちゃんが挨拶を……」

 「……また今度ね。

  今日は忙しくなると思うから」

 「?」


     \ー―――‐`         }
       \         --- 、 __ノ_⌒ヽ
      /⌒    /     /    Y^ ,
    ー=≠       /           |   ',
.   /     /      / /         \_
   /     /     / / /        /      Y´
.  /  / /   / _/_/イ_/,  、__/ ∧
  | /./ /   /´/|/´-l/   // /`^ヘ |   | l|
 八{ /  j/ ll ∧ :|芹苧豕 /l/苧豕, ∧|   | l|
   / イ / Ν/-、| | 乂_ソ}/   ヒソノ∧八 リノ
.     {  | \、_jノ        、   ,   ∨ 「じゃ、またね」
     \八  厂〕ト       _  人  i|\)
        )/(\ノ/}>   ´ イi:i:ト、)ノ /
            (\\\   爪 i:i:i:i:i:|∧
         ⊂ニ=---、__〉\:i:i:i:|  \
         /:i:i⊂ニニヽ \{\ |:i:i:i|   } ̄ |


 私の制止も聞かず、シロさんは帰って行った。

 まるで最初からいなかったように、気配を消した。

 うーん。やっぱり不思議な人だなぁ。
605 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/18(水) 18:27:52.18 ID:UMyxjcWbo

 5/8

               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/  「咲!」
                {               _,ノ
                  人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|


            _,.......---............_
         ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
        . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
     /: : : / : : : : : : : : : : : |: : : :ヽ: : : : : : : : : : :'
    .': : : /: : : : : :/: : : :/: :.| : : : : |: : : : : : : :、: : :.'.
    |: : : |: : : : : /: : : ,イ: : ,:|: : : : :ハ: : :l: :|: : : :V: : '.
    |: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
    |: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ  }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
    {: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
    八:{、:、__ \:lヽ  Vり         ヒり/:イ:/: :|
      `\}、: 、    /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{  「ぅひ!?」
     , --r--,\ ,-- 、_____  人: /  \〉
      /  |::| |::::::>  ____ソイ⌒∨
    {   ,::, {::::::::::::∧-,  r/:::::://|   }


 後ろから京ちゃんに抱きつかれた!?

 もー! いつの間に帰ってきてたの! 驚かすのはダメー!


 「それやっちゃダメだって言ったでしょ!」

 「う、でも今回は許してくれよ!」

 「? どしたの」


 興奮冷めやらぬ表情で、京ちゃんは汗だくだ。走って帰ってきたんだろう。

 そんな急いで一体何が……
606 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/18(水) 18:28:36.63 ID:UMyxjcWbo

 6/8


          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |
.      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |
     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
.      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.
.       //  /|  ::l、   :    ー‐   \{  | /  ー‐    j/ /}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.  「俺、出世したぜ!」
     / _,/:.:..|  ::| \ !           j/        ′/:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
        / :.:.:.:.:{  ::|\ハ_,          ノ            ,___/{:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.∧
.    /:.:.:.:.:.:.:.::′ ::|:.:.|\圦                       / j/l/.:.:′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.∧
.   /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′_,ノ⌒ヽ::|  、    、      _  -‐'     /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.::/:.:
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     ': |: : : :/: |       {从: : : : :'  \{    \: |: : : : : :/: |: : : : : : :
      |: |: : : ': /|    --    \: : |           V: : : : : :': .' : : : : : : |
      {八: : :|:,: :},ィ≠≠ミ     \|  --      从: : : :/}/: : : : : : ,: |
      l  、 : |: V            ィ≠≠ミ、 / |: : : イ/⌒V: : : :/:/
       \|: ,  :.:.:.:.     '             |:/ /⌒} }: : :/}/  「ほ、本当!?」
         V{                  :.:.:.:.:.  /    ノ 人:,:' /
         人      __              _ イ:/
           `      乂 ̄   ー‐ァ      イ: :/: : :/
           rrr==≧=- `  --  ´  r_:_´/|イ{: イ
             /|.||...................../ ̄| ̄´   7......`.. ̄ ̄≧=-、
          ,イ |.||.....................{---- 、  /...............///⌒ヽ
           /  |..V、.................|     /...............///   ∧}
607 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/18(水) 18:29:41.03 ID:UMyxjcWbo

 7/8

 興奮する京ちゃんを何とか抑えて、食卓に座らせました。


 「前のプロジェクトでうまくいったのが評価されたみたいだ!」

 「京ちゃんすごいよ!

  言ってくれればもうちょっと豪華な夕食にしたのに」

 「いや、別にいいんだよ。

  咲のご飯はいつも美味しいからなァ」

 「も、もー。

  そんなこと言っても、今からじゃ豪華に出来ないよ。

  あ、生姜焼きぐらいなら一品付け加えられるよ」

 「ヘヘっ、じゃあ頼むよ!」

 「はーい。

  ちょっと待っててねー」


 やったぁ! 京ちゃんの頑張りが評価されたんだ!

 ふふっ、なんだか私まで嬉しくなっちゃうな。

 今日はダメだけど、明日のご飯は豪華にしてあげよう!

 お姉ちゃんにも伝えたら、きっと一緒に喜んでくれるよね!

 ……そう言えば、京ちゃんとシロさんはすれ違わなかったのかな?

 タイミング的には玄関で会ってそうだけど、偶然だなぁ。
608 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/18(水) 18:30:16.46 ID:UMyxjcWbo

 8/8

                    _,,.. -=Z__
                . -‐=二..,,_ '"´⌒``ヽ、
         . -‐=く             `ヽ、
        /                  `ヽ、    `ヽ、
.      , ´   '~ア   ,      \     `ヽ、    `ヽ、
     , ´ / /    :|      ヽ、     `、    ー-ミ
     ,′ イ  :|    :|\      `ヽ、  `、 `ヽ、 {
    {/ ;ノ|  . :|   :,  j|  `ヽ、     `、   `、  \;
     {/:ノ  ;八  { 八( ̄ ̄\    〈\} }\`,    `、
.     {: .;ノ|:┼‐ \ \_Z斗≠=ミ\ヽ、! } } :}j    ;
.      乂l 人」斗=ミ\Ζ 乂_,ノ  }ハノ `,丿      \j
      人 ハ}乂丿               |  \ `;(\ノ
       \ハ   ,                 ノ   `:, }ミ、
.           }                厂`、   :}}  ;ハ 「あれはあくまで京の頑張りの成果」
         ∧             . : ! ;   从 ;八j
          / /\   '⌒      . : . : . j j ;,:仏イ
.        / / : : ;ヽ、      _...:::ア . :/|人ノ
.         {ー|: :/{: : : : :Tニニア¨}:/___/ /⌒\
.         人:{  \_(\_厶ミ{∧    ,:    \__
                _//{ ∨⌒;〉 . ´       /⌒\
               ,:´:| ,′〉に)/ ∨      / .   \
               _/ :丿 j/ ∧ \/        ,: . . .     ‘,
           /.:/  {___/ }____ノ        .′. . .    |


        /   : : : : : : : : : : : : :\  : \
          /   . : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : \: : : :.
        ′  .:.:.:/.:.:.:./:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
.        i   :::::::|::::::: |::l:::::::::::/:::::::/:::::::::::::::::::| ‘:::::::::::|::::::::|
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       |  :::::::::::|::::::: |::l:::::::l´l:::::l` |::::::::::: |:::/--、|::::::八:::::|
       l :::::::::::::|::::::: |/\::|-\{- |::::::::::/l/ -、 И/::::::::::|
      !::::::::::::::|::::::: | ,,xぅ气芹ミ,ノ::::/ 斗ぅ冬,, ノ:::::::::::::|
.        !:::::::::/!::::: |〈 lh__,j刈   ̄    |h_j | 》/:::::::::::::|
.       !::::::八 ‘:::::: | 乂辷ソ        乂_ソ ;:::::::::::::::;
.         ‘:::::::::::::\}:::::|   、、、      ,   、、 ,:::::::::::::::;
        ‘:::::::::::::::::|:::::|              ′:::::::::::; 「ふふっ、そうね」
        ‘:::::::::::::::|:::::|\       、 _,     .イ::::::::::::::/
        ‘:::::::::::::|:::::|:::::l` .        . イ::::|::::::::::::/
.           ‘:::::::::::|:::::|:::r|   `  ┬=≦l |:::::|:::::::: /
          \::八::::|:∧\     l| |\ノ |:::::|:::::::::|
              _\:::::|':::∧、\   l| |  ⌒i|:::::|:::::::::|
            /  \:::::::∧\\ l| |   八:: |:::::::::ト、
          /     \:: ∧ \ソ' |     \::::::: | \


 カン!
609 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/18(水) 18:32:18.51 ID:UMyxjcWbo
京咲かわいいするお姉ちゃんたち
後でシチュ募集するかも

>>600
だいたい3-4歳くらいですね
あわあわが結婚できるなら、結婚すると聞いて息子は拗ねそう
610 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/18(水) 18:33:42.24 ID:UMyxjcWbo
タイトル抜けてた

443
京太郎出世する
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 18:39:02.29 ID:s/r2Qtw2O
>子供は3〜4歳
…高校出たあとにプロになって、それから7年プロやって、とあったから今25〜7歳か、あわあわ
……10代の男の子に迫られて食べられて結婚するアラフォー処女あわあわ…?
すこやんだとあれ〜?と思うけど、あわあわならありかなっ(贔屓目
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 18:41:07.65 ID:CSmMV/ASO
おつ!
実は>>576で京太郎が出世か照がタイトル奪取でもするのかな?と追加しようとしたけど削ったんだ
そしたら今回のだもんびっくりだよ
613 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/18(水) 21:02:22.88 ID:UMyxjcWbo

 ・みやながけ

 須賀咲
 旦那さん大好きお母さん。周りに振り回されるが本人も大概。専業主婦のお嫁さん

 須賀京太郎
 嫁さん大好きお父さん。酔うとデレるサラリーマン

 宮永照
 京咲大好きお姉ちゃん。実は乙女。プロ雀士日本代表

 宮永界
 家族大好きお爺ちゃん。娘たちにぞんざいに扱われる。まだ仕事してます

 宮永母
 常時迷子なお婆ちゃん。一緒に住んでるけど、原作に出るまで出番はない

 京咲息子
 わんぱくで外で遊ぶのが大好き。妹の面倒を良く見る

 京咲娘
 お父さんっ子、お兄ちゃんっ子。絵本が好き


 咲ちゃん妊娠を機に、改修した宮永家に須賀夫婦が同居
 表札には「宮永」「須賀」があり、みんなで住んでいる


 ・みやながけを取り巻く人たち

 原村和
 喪女その1。お見合い19連敗中。悪待ちだけは許さない。小学校の先生です

 竹井久
 喪女その2。アラサールートにずっぷり。デジタルだけは許さない。美人OLやってます

 片岡優希
 精神的にいい女に成長。常識的に京咲を守る子。社内のムードメーカー

 染谷まこ
 一児の母。厳しく強いお母さん。まこ娘と京咲子供は仲が良い。roof-topで頑張ってます

 夢乃マホ
 ギャルをコピーしたスーパーマホっち。男の弱い部分を攻める子。OLだよ

 大星淡
 「The Big Star」プロ雀士。最近みやながけに遊びに来ます

 石戸霞
 高校生から老いてません。本人が語るのは黒歴史かオカルトか? 結構売れてる小説家

 小瀬川白望
 高校生から老いてません。霞さんと仲が良い? 働かなくても生きる極致に到達しました


 ・ちょい役

 薄墨初美
 旦那を尻に敷く人妻。子沢山なしっかり者。薄墨家を継いでます

 原村恵
 娘が喪女になって壊れた。宮永界の旧友。最近お見合い相手を探すのが楽しい

 高久田誠
 京咲とは中高大と一緒。京咲のために大学の出席は代返してました

 小鍛冶健夜
 未婚。ネットに怨霊として出現。現役復帰し、世界2位のプロ雀士
614 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/18(水) 21:03:32.77 ID:UMyxjcWbo

 みやながけ、みやながけを取り巻く人たちからリクエストどうぞ
 どのキャラが好きかとかどんなシチュが好きかとか教えてくれるとリクを受けやすい
 ↓の頂いたシチュは書き溜め中。思いついたら投下します。他のは全部消化したはず

 124
 京咲の結婚式での照と清澄の様子

 437
 新婚旅行

 522
 霞さんも女子会()に参加してみよう

 525
 咲ちゃん以外が参加の女子会

 529
 夜中に一人でトイレに行けなくなったみやながけ一同
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 21:11:03.45 ID:cPQEH6EAo
和久の逆光源氏計画(成功する見込みなし)
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 21:23:29.75 ID:s/r2Qtw2O
照に甘える淡と、淡に対抗して照に甘える兄妹   を見ている咲ちゃん
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 22:22:27.56 ID:CSmMV/ASO
町内会で健康診断
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 22:38:17.10 ID:VR1QbHn+o
ちょい役に
亦野誠子
一般企業に就職(?)。淡の相談役の一人

狩宿巴
許嫁との関係は良好で、霧島のおしどり夫婦と呼ばれている。料理上手

が抜けてるぞー(冗談)
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/18(水) 23:25:50.37 ID:gSbCbAG2o
子供にペットをせがまれる
620 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 00:05:02.46 ID:iDF/MPHEo

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                       ´              \__
                         /                    マ三三三三三三ニ=-
                  /     /           \     ∨ /⌒> 三三三ニ=-
                         ,′          ヽ           \三三三ニ=-
                   /     _/ │  ∧          .     | ニ二  -=ニ\三三三ニ=-
.                /    / /│ '|  |\  :.       :. i   |\        ̄`丶三三三
           __/      / /  │/│  |   :. |\       :.   |             \三三
         _/´/ /    /| \| | |  |  |│ ::.     |   八   ー―‐=ニマ三\  マ三
       厂| |∨//    人 レl   | ト-|  |  |│ ::.     │ \ \       `マ三)  }三
__,,...  -┤│レ/゙∨   /\l |_|斤テ外八 ^ト--|/--│              ー=ニ二 `マ  /_三
       ││|{ {.  /  ∧ンリ 乂ツ   \|斗テ外、.|       卜、        丶、______ く_三三
       | ∨\八  {  /  Y::/::/  ,    乂)ツ 》│    | /\       \≫==≪\ マニ三
__,,,... -‐ヘ_ \,,>\∨廴_,人          ::/::/ / リ│  │  >ー──=ミ〃    `ヽ∨ニ三
          ̄    \__,))       ヽ      ∠/_7  イ /⌒)丿    \_ノ{ -‐〜‐- }ノ三三   「あわー……」
                      ≧=‐   -=≦ / ∧|/ / ,.二二二二∨|\___/| ̄ -=
                                 / /  厂∨ / -――=マ 〉|      |
                               ((⌒´     ∨ 〈       ∨/l.     │
                                           `ーヘ      ∨|     │
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   /.:′|.:.:.:.:|.:.:.:|'⌒  \.:.{    ,.斗==ミ|.:.:.}:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.
  ./.:.i{.:. |.:.:.:.:|:.:.:.|      \  " 乂ソ |.:./.:.:.:ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.
.  / .:八:.:{.:.:.:.:ト.:i:.| 斗=气      ´ "" }/ }/ |!.:.:.:.:.:.:.丶
 .:.:.:.:.:.:.:.:.イ.:.:i|::乂〃 Уソ             リ.:.:.:.:.:.:.:.:|
./.:.  '"   |i:.:.リ.:.:.:ハ ´""  ′        __/::}.:.:.:.:.:|:.:.|
´      |i:/.:.:.:.:.:::::::.             /:::::i|::/.:.:.:.:.i|.:.:| 「本当に淡は甘えん坊なんだから、もういい年でしょ」
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:込、    ´ '      イ:::::::リ/.:.:.:.:.:八:i|
      i:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:|:::::::.....       /|::::::/.:.:.:./  :リ
      |.:.:.:.:.:.ト.:.:.:.:.|:::::::::::::>.、_     |:::::/.:.:./   ′
       八.:.:.:|.:| \:|:::::::::|i::_, く}        ト/.:/
       \{──<´ ̄  \\      |:イ \_
      /⌒      \    ::::\     |:::|  } =- .,_
      /            丶    、::::、   }:::}  }        、
.     /                 ::::  /::/
    /             `、     :::∨::/           ∧



     /                  \
 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /
  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l| 「テルーの膝枕気持ちいいんだもん!」
  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ X__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶
621 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 00:05:39.10 ID:iDF/MPHEo

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                        _. . : : : : ̄ ̄ ̄: : : : : . 、
                    ,. : : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
                  ,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
                /: :,: : : : : :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
                  /: : :/: : : : : /: : ,: : : : : : : : : : : : :,: : : ヽ: : : : : : .
               ,: : : /: : : : : /: : /: : : : :|: : : : : : : : |: : : : :∨: : : : :.
               /: : /:,: : :_:_:/: : /: : : : : :i: : : | : : : : l: : : : : :|: : : : : :
             /: : :从|: : : :/|:`イ: |: : : : ∧: :.:|: : : : /: : : : : :|: : : : : |
           / : : : ィ: :{: : :/ィ-、 }:∧: : : | -}:|-|---く: : : : : : ,: : : : : :|
               ̄´  |: ∧: :| _)雫ミ从: : :|  _}∧:_:/ }ヽ : : : /: : : : : :
                |: : : Y V::ノ   \|´_)笊雫ミ/: : : :/:/: : : : : : ,
                |: : : ,: |    ,      V:::::ノノ' : : イ:.イ: : : : : : ,′ 「そんなこと言って、子供に見られてるよ」
                |: : :j:从            /:/ /' ノ: : /: : :/
                |: : ,|: {: : .    _      ´ ィ: ー ´: : :/: : :/
                |: :/|: 从: : : . ‘ ’      イ |: :/ : : :/: : :/
                |:/ 从{_r--'´` ー 、-=≦   ∨: : : /: : :/
                }'   / ||:|       ∧    /,': : : /: : .イ
                  / ||:|    /   _,./ / : イ:/\
                   / ∧:{   /⌒\´/   ´  ´     、
                  ,   {:.:\、 ,′  /     ,. ---――‐`ヽ、


            -‐==‐-
         ´            `
      /             ヽ

     / ,      !   :  |   |     i
.    / |i  , ‐‐i|  .:ト、_|‐‐ |  :i|  |
    l :/:|i  | |/八 .:|     | |  :i|  |
    |/ :〔!|  N ○ \|  ○ |ノ  ,リ
.   〔 八! l圦 ,,   '   ,, l //  |
       N |  .  v ァ  . ∨/  .:| 「あわっ!?」
        ヽ|:| l_≧=ァ≦ト /_,′  八
       ノ厂| l  〔,   / / `丶、 `
      /∧ i| |  「⌒ / /  /∧
    / イ′ j ト、∧  / ′´ .イ
   :'  /    | |\ハヒ/| |ニニ/   〉    :
  /  ノ〈    i i   >ニ| |  ´y'    !     |
  .' /   〉  / j / ノ<i| |  〔___!   ト、〕
. 〔′|  `ー‐'  ///  | |  i| Υ─|  | .′


        /   /  //  . :〃  . :iト、|:. |             ヽ    ヽ  ヽ
      乂 .′ / ,イ .:/ !   . :i| |:. |\: .                  ハ
      .′ i`ーァ′/ ! .:i |   . : | |:. |  \: .  ヽ: .  ____ i-‐ ´   .
     .′  !/ . : ′| .:| |   . : | |:. |   \: .        ̄| ̄ ̄ `ヽ:
        /i|  :|. :|  | .:| |   . : ! |:. |_,,-‐====‐\   . : :|   . :|: . i
    j〃 . :i|  :|. :|‐===┼-  | : j   -‐     \: .    . : |   . :|: . |
    /  . :i|  :{. :!  \八  . : | jノ   , -‐ __,,.⊥   . : }   . :|: . 人
   ′ . : 八  Y ≫=ミ、 . : !     ≫≦Y⌒'マハ:、  . : .′ . :|: . : .\
   i . :i    . :\{ハ 《  )i:::::::ハ\{     ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : /  . :/!: . \: .\ 「あわいちゃんは優しいから、テルーを分けてあげるのだ!
   | . :|   . :i   '. ヾ い;::::::jj         八∨乂 _;ノ:ノ  . :/  . :  |: .    : .`ー-
   | . :|   . :| . :| . :l'.   V辷ク            ゞ゚-‐ '  . :/   . :/ . :|: .  .     ほら、おいで!」
   | . :|   . :| . :| . :|ハ               /    . :/   . :/ .:.:|: .    : .
   | . :|   . :| . :| . :| :.       ,        /  . . : .′ . / . : :|: .     : : . .
   | . :|   . :| . :| . :|  :.             /  ,. : ,イ  . :/  . : 人: .       : : : . . .
   |..:i:|   . :| . :| . :|   ゝ.     、   ノ .′ // / . : : /  . :.:/  \: .\: .
   l :从  . : :| . :| . :{   / > .        { /'   / . : / . : : .:′    \: .\: .
   乂{: \. : :!\〉、:\_/   . : .:〕jッ。.     . ィV`ヽ /. :/ . . : :/       \: .\: . .
    `\ \{   \;/  . : .://{{   ` ´ | |│ ,// . : .:/             \: .\: . .
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   ___        ,:=''"/   .//:.:.|:.:.|ィ≠=、 !、:.:| z≠=、ハ:.:.i:.:.l/-―ァ    /   ノ
  (     ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ    //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi  b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ//   /    「!」
  `ー-、__/    `      !\::.ム.! ー―'   ,  ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ /   / \_
  ___ノ          ノ   )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / //   /、`ヽ、 `ヽ
 f        __       ∧ ,.へ iヽ! \  、___ノ   / / / // / / /   '"  ̄ヽ!__/
 `ー-----r‐'" i        r/ /   ,  |ノ!   `ー----ァ'"   / i! '"  / 〈  i         ̄  `ヽ
       \  ヽ     !_ノ _/__ノ ヽ、  \ /  /  !、  i    V   、_    、____ノ
        )  | 、ヽ_,ノ、_/---、〈   `ーァ、___,、_/   !: : ̄ヽ,_/    `        )
        (_ノ  ソ  /:.: : : : : : _〉   ,,"   ゛、     ノ: : : :/       _`  /  (ヽ
          ヽ  |  |: : : : : : :/ 〈 \ 《      ゛、 /゙、: :/   ,.---‐二ノヽ___!、   \
            i  |  ゙、: : : : : i       ゛、     ラー=-|:(__,..イ `ー'´      7\_  )


               ,..  / ヽ ´⌒> 、
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            /      |  }!      \⌒
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           /ィ  :|  \∧  | /| |! トー―
           | _|VT示r ∨j/示rx/ V(   「てるー!」
            レ1(  弋,り   弋り {ソ V            __
             |/V{   ___   从|>ー―――r―――/ /
             ___/>、 V /  イ7   /     /――-、  \
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         ノ  (    | |  / /    /     /
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               /::::::::少::|:::::::斤i i::}`  ∨::::::|  .;イ竿三ミY::::::::::::::i::::::::::::::::::::::|
.             /:::/ i::::i::::::::i彳=三ミ ∧:::::|.   ら:::::::::::i 》i::::::::::i:::i::::::::::::::::::::::|
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       _, -───- .i::/i:::::::::i ゙ 从:::::リ          ̄  /:::/ i/  ∨::::::::::::|
      '´           Yノ:::::::::'    ̄              //       i:::::::::::::::|
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/    ´            \::::::::ゝ     ゝ= 、        /::::::i::::::::::::::::::::::::|
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/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |
ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|  「お、お姉ちゃんがお姉ちゃんしてる……」
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/
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      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
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: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /  「咲も俺の膝の上から降りなさい」
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >

                  ,. : : : : :  ̄ ̄ ̄: : : .、
               ,. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ、
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              {:/  ' : : {: |/' Y  \  / '   }: : :, : : : }
              {: :,: :从 ィ=ミ     ィ≠ミ/: : /-、: /
              |:/: : :{` :.:.:. '     :.:.:.:. ム: :/ Yl}ィァ  「聞こえなーい!」
               ∧: :从     __   _   /:イ__///ア
               ∨  、   V  ノ 、 ヽイ: : ////
                   ` .   ....:::}  }'/ 〃- く
                ___   `T ´/:|    /, - }-、
                /:/::::::`ー-´l/::イ}   とイ-、 ノ、\
                 /:/:::::::/-/:/:.:八      / ∨ \


 カン!

 616
 照に甘える淡と、淡に対抗して照に甘える兄妹   を見ている咲ちゃん
624 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 00:08:05.82 ID:iDF/MPHEo
サッと早くお出ししたかった
文量足りなかったのでAA劇場にまとめましたすみません
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 00:24:23.96 ID:+AYGLvNsO
この咲ちゃんの大勝利感よ……
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 05:48:09.15 ID:dzFqUroSO
身内以外の人がいれば咲ちゃんでも照に甘えられる可能性?
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 08:41:29.94 ID:BVh1yoqKo
たまにはこういう漫画チックな構成もいいと思う
AASSって言うんだっけ?
628 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 17:31:59.19 ID:iDF/MPHEo

 1/6

 615
 和久の逆光源氏計画(成功する見込みなし)


 「あぁ、子供って可愛いわねぇ……」


 竹井久よ。今日は和や優希と一緒に、あの二人の子供と遊んであげてるの。

 何かと二人でイチャイチャばかりしているみたいで、お呼ばれすることも多いのよね。


 「呼ばれてるのは私と優希ですよ。

  それに染谷先輩の三人です。間違えないでください」

 「原村ァ……」

 「今日はたまたま染谷先輩が来れなくて、代理として呼ばれただけじゃないですか」


 うるさいわねこのデジキチ!

 た、確かに高校でも数ヶ月しか一緒にいなくて、2年も年が離れていればこんなもんだろうけど、二人とも軽薄じゃない!?


 「夏までの付き合いの先輩と、そこから1・2年以上一緒にいた人たちでは頼みやすさも違うと思いますが」

 「うるさいわね!

  それに何よ! さっきから私の心を読んでいるみたいに!」

 「心を読めるなんてありえません。

  ……ありえませんが、分かりやすい人の先を読むのは難しくないですから」


 ぐぅぅ、言わせておけば……。

 いいえ、ここで和に合わせていたらずっと青筋を立てたまま終わってしまうわ。

 今日はせっかくの息抜きなんだから、もうちょっと気を抜きたいからね。

 ……それにしても。
629 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 17:32:29.45 ID:iDF/MPHEo

 2/6


                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 「竹井!」
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
           /   __ i: . : :、/|__ ∠  / ‐  //          |
          /`-‐ /   / |  __ -‐/   /             |



                      -‐……‐-ミ
                .  ´          `ヽ
                 . '               ヽ
               /            . . . . . . . . :.
            /          . . : : : : : : : : : : : :.
            /イ ,'      . : | . : : : : : .ヽ : : : : : : : :.
         //  ! /    . : /|.:. .:.:ト、ト、: : :| : : : : : : : :.
          //  |//  . : .:/  |ハ: : |   \ト、 : : : : .: .:|
          〃   ′  . : :/    乂{ _,,-‐ ¨ ヽ.: .:|.: .:.|
          {{   i :|  . : :/ー--    ′イニミ、 :i: : |Y: :|
          {!   | :|  . :/ _ ニミ    ィf乏心 〉!: :.|ノ. .′
           `ー- ヽ|  : :i 〃乏ハヾ    乂zク ′ノ.: .:,'      (何よ、可愛いじゃない!)
                ヽ.:.:.:|ハ乂zク      /:/:/:/ :イ: : :/―_ァ 、
.                 人.:{ヽV:/:/:   ′   (イ. ! :ノニニ/`ヽi
               _ヽ_:込、   〜〜´  .ィ)j=={ニニ7
             __∧ニ厂「`≧=-  <ニニ/. : :{ニニ/      マニニヽ
            . ´ =ァ :`¨¨´. :ノニニニ|-‐‐-「ニニi : : 人_/        マニニ〉
         〃  / : : :/:/ニニニニ{    !ニニニ| |: : :{>、)    ___マア
         {{  { : /: :ハ:i:iマニニニハ  |ニニニj人: : :ヽ   ノ     〈
            \ 人{: : : {  マi:i:`マニハ ムニア´i:i:i:>、: :} /   ___
         /  `ー-、) ヽマi:i:i:`マャjア´i:i:i:i:i:/Уjノ   , イ_ ノ  }
.           { ̄`ヽ、 `ヽ._|  `ー-[二]-‐‐一'' / _,/  !  __ノ
            \   `Tヽ、_|     /i:i:i:|    〈イ     レ'´
630 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 17:33:16.01 ID:iDF/MPHEo

 3/6

 え、何これ須賀君の息子かわいすぎじゃないの!?

 なぜか呼び捨てにされてるけれど、ミニマムになった須賀君って感じがしてグッドね!

 あぁぁぁぁ、この子も須賀君みたいにカッコよく成長するのかしら。

 今の須賀君、大人の風格が出てきて本当にイケメンなのよね。

 高校の時の子供っぽさと人懐っこさもいいけれど、ダンディーな雰囲気も合わせて本当にいいのよ!

 思わず思い出しただけで……うっ。ふぅ……。


 冷静になれば、この子も須賀君そっくりなわけで、須賀君みたいに成長するわけよね。

 ……逆光源氏計画ってのもありかしら?

 あぁ、でもこの子が結婚できる歳になったら私は40歳後半じゃない……。

 いくらなんでも、いやでもこの子めっちゃかわいいし、ああでも、うう……。


      /: : : : : : : : : :/ : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : ミ; . :.゙':、
.     /: : : : : : : : : :/ : : /: ; : : : : : : : : : : :.; :.ッィ ; : : : : ハ
    /: : : : i: : : : : :i゙.:./: /.: : : : :._;. -‐=;彡'" /〃i:、: : : :゙i
.   /: : : : :.|: : : : : :レ゛:./.: : ;.,''"´  ,/'"  //:::/|:lヽ.:.\!
   i: : : : : :|: : : : : :.|/.: :-∠_     ,/     /' {::/ 从|,!.:`.:ミ、
  i゙: : : : : :|: : : : : : |: : :./_ ><,         ゙{ ' ヽ!: :ヽ:ヘ
.  |: : : : : : |.: : : : : :.|: :.//z=ミく;、、゙''ー-ッ        |: : :.l゙:;:i
  |: : : : : : :l: : : : : : :レ"{ i^_)::::::} ヾ,         ,=ー‐-、,l: : : :| i:|
. |: : : : : : :.|: : : : : :.:|  ゙ {:::::c /   `       ,z==;、 /!: : : l' |:!
. |: : : : : : : |: : : : : : |i,   ` "’         ,_)::ハ l}`/.:|: : :.| |l
. |: : : : : : :.:|: : : : : : i l J  、、、       {:::。;// /:.:.|: : :,! リ  (ワンチャンあるわよね!?)
. |: : : : : : : :|: : : : : :,i:.}               、 `"  /:.:.:.|: :./ ,/
  !、: : : : : : |: : : : :;/'リ               `゙ /:.:.:.:.l:.:/
  \: :ヽ: : ;!: :.:,/ハ、      , -,     /:.:.:.:.://
.   `Y===イ      、              /:.:.:.:.://
    i|: : : :.:Y       \       ,, ィl゙:.:.:.:.:.:.//
  __,|i:.: : : :`、         `,z-、‐.<.:.:.:.:/:.:.:.;.:'/
''"`:::::::..|i: : : : : :.\       ∧  `ミ;;:_::∠::_:;/
:::::::::::::..八: : : : : :.゙ 、\    /ヘ::\   「:: ̄::l|
、::::::::::..{:.{ \: : : : : :.\ヽ、 i  li:::::::\. |: : : :人
、\::::::.゙ミ;\ \: : : : : :.\ヽ. ,-|:::::::::::::.゙li、: : : : :.\
631 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 17:34:03.05 ID:iDF/MPHEo

 4/6

 ……
 …

 全く、これだから非効率な悪待ちアラサーは……。

 須賀君の息子に目をつけるなんて、そんな非効率的なことをしてどうするんですか。

 あと10何年も待ち続けて、本物のおばあちゃんになった貴女に振り向く確率は非効率的です!

 格好よければその間に他の人に靡く可能性も高いですし、そんなこの子の可能性を潰すようなことは許せません!


 そう、デジタル的に考えれば、『京太郎君と咲さんを落としつつこの子をつまみ食い』が一番なんです!!!!!!!!!!!!


 私ならば近親相姦にならないから法律的に問題ありません!

 ……ふふっ、青少年保護育成条例に当たると考えた方がいますよね?


ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ    ヽ冫
:: |: : : : ::/::/: : : /」: : : /}: : : :}゙`「丁ヽハ:!:!: !:  }
-ィ: : : |_,'_,,|-‐''/ / / .}: : /.|: :|: |:::/. }:|:|:. リ !.|. ト.、
: :ト、::ィ゙ |: ::|\/ //.  /: :/ !: :!/!/  !从:/|:.| !∧冫
: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ. /./ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′
: :l: : ヾ |/{:::::::::⊂ ::::::::::::::::::::: ! :::::ィ./ .ト,ムノ:!
:γ⌒Eヽ弋二;;ノ ::::::::::::::::::::::::':ゝ-.″ | }: : : :|
',:{ :::`               、       .レ′ : :!.
..',\                   ノ:   ::::! (全国で唯一、長野県にはその条例がありません!)※マジです
: : :| `ー´\       ,____.,.      / !:! !  !
: : :|.     ` 、    `ーi!′  /|: :. !:! !  ::!
: : :|         }`   .. __ , イ  |::|: |:|: :|  |
: :: }     ィ‐┤.        ├ .、|::|: |:|: :|  {


 ふふっ、これがデジタルです。隙はありません!

 つまみ食いして、この子の自主性を尊重しつつちゃんと任せられる女の子と結婚させる。それが一番です。

 まぁ、非効率で現実が見られない悪待ちアラサーには考え付かないことですがね。

 それに何より、この子の大好きなおっぱいがここに……。
632 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 17:34:32.51 ID:iDF/MPHEo

 5/6

                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 「原村!」
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
           /   __ i: . : :、/|__ ∠  / ‐  //          |
          /`-‐ /   / |  __ -‐/   /             |


. . . . . /. . . : :/: : :/: : : : : : : :ヽ: : : 、: . . 寸三ニ7
: : : : /. . : /:/: : /:!: : : : : : :.|: : :゙、: : :!: : . . 寸三}
: : : /. . ://! !: :,':.:.|: :.:|: : : : :!: : : :ヽ: :l:| . . . ゙ニ7
: : / . .:Ll-┼┼-l、: :|: : : :.!|ヽ,r|''T:ーt、: : : :├'ヾ、
: :,'. : :.´!.! |:∧ | l.| ! ,'|:.l: : :|| |: !:||: |: : :.l: : !  ヽ、
: :l{: : : :|!| i'  ヾ |! |/,'/|: :/|! |/|' |:./!|:.,イ: :.i!   i!
: :l|ヽ: : | ┳━┳━/' /:/./'┳━┳' イ:/,': : ,'|    ノ
: :.i!: :lヽl ┃//┃  /'´  ┃//┃ イ'l/: :,イリ
: : : : |  ‘ ━ ’        ‘ ━ ’ '://: |
: : : : |                 ,':´:!: : . .!  (あれ、前は確か私のことをおっぱいと呼んでいたような……?)
: : : : L  """       '   """ |: : |: : . .l
: : : : ト.ヽ               イ: : l: : . ∧
: : : : |ヽ|ヽ      凵@    .ィ´: !: : i: : . . .゙、
: : : : ト、l}  `   _    _ ....:チ: : :.,':λ: :!: : . . . ト、
: : : : ゙、/      7"/': : :.,': : :./:/ |: : !: : : . .ト、゙、
: : . : : lヽ      ,'-.、_: : /: : :./!,' .!: :.|:. : : . .l ヾ.
: : . . : :゙、:\   ∧:::::::::::-.:_//'   !: :.|: : : : . ! l:l
ヽ: . . . . ヽ、:`ヽ  ヽヽ::::::::::::|!`!    |: : !: : : : . | リ
633 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 17:35:01.39 ID:iDF/MPHEo

 6/6

   / : : : : : : : /: |i: : : : : : : / : : /     | : : |\: : : :|: \: : ::∨: \
.  / : : : : : : : : : : : |i:: : : : : ::/ : : >ト .,   | : : |  |: : ∧ : : : : : :|: : : ::ヽ
.  .: : : / : : : :   | ::八 : : : : /{/,.斗=ミ.  |: : / |< ̄:|: : |:::∧: : : : :.
  ′: : : : : : : : : :|: : : : : : : / . ,ィ´ん):iト,   |/  .斗=ミ|::| : :W ∧:: : :::|
 | : : : |i::∧: : : : :!: : : : :\{:| 〈  {h:::iノ }       ん)ト |/!/ |: :∧ : : |
  : : ::|i::|.∧ : :: :|:: : : : : : : :,  .乂こン        {h:iノ}  ゚: : :| : : | : : :/
.  \八|  |:: :::|: : : : : : : : :,   .,.,.,.      , 弋こソ {: : : ::|: : ノ }/
       |: :\! : : : : : : : : :,              ,.,.,  : : : : |/
       |: : : : : : : : : : : : : :,     ゝ    ,      } : : : |  「安心するんだじょ。放っておいてもお兄ちゃんは取られないから」
       |: : : : ::|i: : : : : : : : :              イ : : :/
       |人:: : :|i: :|: : :|:::|i: :}>            イ: :|: : :
.           \八/\人八/}    ー┬‐ ≦: :人/|/
                 {^辷ー^ヽ/\/ヽア:/
.          ,r‐=ニニ二二二\           〈二ニニニニニニ┐ :/
.           /  -=ニニニニニニニ.\        ∧ニニニニニニニ.!∨ /
.       /      -=ニニニニニニ\ Y⌒Y⌒Y}ニニニニニニニj{. ∨


               //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                /::::::::::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::ヽ
              / 〃7/:::::::::::::::::/::::::/7:::::从::::: |ト::::::::::i:::::::::::::::ハ
           / / //:::::::/:::://i:::::/ /i::::| ':::::|l :::::: i:::::::::::i:::::il
            / j:::::::/:::::::/__::/  |{ |:::i  i:::ハ.∧:::::|: i:::::::i:::::|l
             { /:::::/:::::/i{  |{ ̄~|圦:::; i/ j/-j::::/:::|::::::il::: |l
                /7::::i::::/ ィ 弌ト、.   乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
          _ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}`     ´んぅト/ /!::::::リ::/
.               八:::|从とつー '        ら::::/ 〉 ::::;:イ:::{   「ムー……」
              >、 } 〃〃   ,   ` ーrっ// ノ::八
                 /⌒              〃〃/}_rくノ )}
             /::::::::::/\   ^ ` 〜 、    / >=へ
                {:::::从:{   >        _  < /:i:::::::::::ヽ
                  ゝ:::(八    _}>-=≦/{_    {八::::::::ハ::}ト
                   /i |   `>/::::\    }::/ レ'
              ---=ニ¨:::::::い  / '::::::::::入   ´

 カン!
634 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 17:35:30.54 ID:iDF/MPHEo

 息子のおっぱい記録は霞さんに上書きされました

 >>618
 補足ありがとうございます!
635 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 17:36:14.69 ID:iDF/MPHEo
 またタイトル後付けミス

 615
 和久の逆光源氏計画(成功する見込みなし)
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 17:58:44.46 ID:nk+EeguSO
乙です
タイトル、先に付いてるよ
この久と和はもうダメだと思う
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 18:06:06.56 ID:dzFqUroSO
乙!
もう手遅れですね…いっそiPSでクローンでも造りますか
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 18:30:56.28 ID:52dNUuFfO
とうとうヒッサと同列になったかw
今の和を阿知賀の面々が見たらどう思うのだろうか……w
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 18:43:48.68 ID:Xo6/bCf7O
全員結婚してる阿知賀勢が、和を諭す様が見える
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 19:00:31.96 ID:nk+EeguSO
他の四人は良いとして、宥は結婚出来るのだろうか…
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 19:08:33.99 ID:nkWwEYpuO
まず服を脱ぎます
642 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/19(木) 20:46:22.25 ID:iDF/MPHEo

 1/9

 437
 新婚旅行


 須賀咲ちゃんです! 今日は夢にまで見た新婚旅行!

 海外に行ったりすると気を遣っちゃうから、日本国内の温泉にやってきました!

 比較的近場だからか京ちゃんが『いいのか?』なんて言ってきたけど、京ちゃんがいれば満足なの!

 言わせないでよ恥ずかしい!

 それにあんまり遠いと迷子になった時に……、いや、今回はならないもん!


 「おー、やっとついた」

 「すごい、歴史を感じるね!」

 「咲にそんな違いがわかるのかァ?」

 「何さ!」


 失礼だな、もー!

 私にだって少しくらいわかるんだからね!


 「いいか。絶対に手を離すなよ。

  さすがに知らない土地で探すのはしんどい」

 「わ、わかってるよ!

  京ちゃん、頑張ってね!」

 「いや、そこは自分で気をつけるところだろ!?」

 「ふーんだ。嫁さんくらいちゃんと捕まえておいてよね」


         ,  ´    /V    <⌒`
        /,     /   ∨      ̄\___
       ' /       '     ∨   、 < ̄ ̄´
       / /    ,  |      V   l | V \
     '  .'  / l |  | l     | } 、 | }  、`
     |  |  { |{ |  {∧ l   |//V /   \     「何偉そうなこと言ってんだ」
     } ∧ ∨从>-、从  |'___}イ }、r----
     /イ' 从 {  =====∨\ }  ̄  |ノ `\   ____
      乂  \           リ    |  ,. : :´: : : : : : : : : :`: : : .
       \__、              人/: : : : : : : /: : : : : : : : : :`: 、
     /⌒7/{込、  ,  ―--‐  イ/: : ,: : : : : :/: /: :/: : : : : : : : : : ヽ
     /////\\//≧   __ ィ///: : : :/ : : : /|_/: :/: :/: :/): : : : : : : .  っ
    {////// V///// ̄} //////,--、/: : :/_ /`ー'--'-/-く: : :/: : : : : :.  っ
    ///>-//}/////// ()//// 〈  {: /  ===   /:イ: //\': :/: : : : :|
   ,'////////≧=--- 、////////⌒ー--}         |://:/}:\: / : : ,
   {////////////////// ̄}¨´  r‐―ノ       /' /、/イ: /`/: :
   ` <_////////////// |    〉               ヾ>jイ:イ: : / 「あうぅ……」
      |//// -=<__()__ノ--≦:く     ,....::⌒\        /: : : : :,
      |////////////////////乢\  `ヽ、:.:.:У     ,:⌒V:∧: :{
      |////////////()//// ̄Vノ >,   __      ,イ_ノ/ \|
      ////////rく(ヽr,// く...、......∧---/........\/: イ ̄ }://イ
      //////// し'--く/  {:.:`\....、 /........//r、/ )-、
      ,'/////////ノ---' \  ` ー-`、∨.....イ/r'-、 ーく
     //////////∧            [二] ̄  ∧_二}´ 
643 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 20:46:56.29 ID:iDF/MPHEo

 2/9

 「遠路はるばるようこそ!」


 わっ! わざわざお出迎えしてもらっちゃった!

 えへへー、こんなに贅沢するなんて初めてかなぁ。


 「……京太郎君?」

 「え?」


 お出迎えしてくれた女の人が京ちゃんに話しかける。

 えっ、京ちゃんこんなところに知り合いいるの?


 「京ちゃん! 新婚旅行で浮気なんて、成田離婚ならぬ羽田離婚だよ!」

 「待て待て、……あれ玄さん?」


            /   . . . . . . . : : : : : : : : . . .   \
             ,  . . . . : : .:. .:..:.:.:.:.:.:. .:. .:.:.:.:.:..ヽ:. . :. ヽ
          /  . . . : .:.:.:.:.:.:.:′.:.:.:.:. i{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:..‘. ∧
            / :/ :/:/ ..:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:. | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨. ‘.. .
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        ././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
        i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
        |′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \  ヽ. \} :. : |: :{
            i . .:.|:八.:.|ヽ{  _    \   ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
            | : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ     ´   `'^| :. : |:.小
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            |:′:} .:.: :| ∨ /i     '       .:. :. :.!:. l: {   「お久しぶりです!」
         ○: :′.:.:.ト. .           ,      八:.:..:}:. l:.‘
         /:.{: :| .:.:.:. {:: 込      `   ´   /}::.:.:./::. :!:. ‘
          /:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:.....       .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧
       i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.
       |{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂    / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.
         .′..:.八:!ム:.七¨⌒}     >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、
         / . rヘ´ ヽ \  |   ∧   ∧'ィ斗v′:.:/       ヽ
.        / . :′       八_{ ̄≧ V__/イ´  {'リ:.:.:.:′      / }
       / . . {⌒ヽ       八  z__{ }___,  {.':.:.:./      /   |
      .′. .:|    \      《    ハ下  . /.:.:.:.′   ,    小
      / . . .:.{     ヽ   }  ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./     /     {:∧
.     / . ./..:.:}      . | く    /  }  ;:.:.:.:.:′ .′/     {:. .‘.
    / . ./..:.:.:.i      ∨ }    `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′     }:. . ‘.
  / . :/′:.:.:.}  ‘.     V|         ∨   |:ノ}:.:}  j /    /  {:.:. . ‘.
644 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 20:47:42.47 ID:iDF/MPHEo

 3/9

 ちょっと、せっかくボケたのに、嫁さんの扱いがぞんざいだよ!


 「インターハイ決勝でうちと戦っただろ。

  阿知賀女子学院、和の友達で優希と戦った先鋒の人」

 「うっ」

 「咲は人の顔を覚えられないからなァ」

 「そ、そんなことないもん!」

 「仲が良いんですね!」

 「ふ、夫婦ですから!」

 「お、おい」


 京ちゃんが赤くなってる。は、反撃成功だよ! 私も自爆したけど!


 「ま、話したと言っても本当に数回だけだよ」

 「そうですよ。さ、お部屋に案内しますね」

 「お願いします。咲、はぐれるなよー」

 「はぐれないよ!」


 見知らぬ土地ではぐれたら命の危機だからね!

 絶対はぐれないように京ちゃんの服の裾を掴む。

 年を考えろって? こっちは必死なんだもん!
645 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 20:48:56.87 ID:iDF/MPHEo

 4/9

 「あの人、ここの旅館の人だったんだね。

  そういえば旅館の名前か、さすがに忘れてたよ」

 「あれから何年も経ってるもんね。

  京ちゃんが忘れてるなら私が忘れても仕方ないよね!」

 「開き直るな、こいつー」

 「うぐぐ」


 もー、夫婦になっての初めての旅行なのにいつもと変わらないんだから。


 「そう気を張るなって」

 「?」

 「いつもどーりでいいんだよ。俺たちは、さ」


 京ちゃんが目をそらして頬を掻く。

 ……ふーん?


 「照れてるんだ?」

 「そ、そんなことねーし」

 「京ちゃんかわいー」

 「やかましい。

  そんなこと言ってると襲うぞ」

 「ぅひ。

  せ、せめて温泉に入ろうよ!」

 「……嫌がらないんだ」

 「そ、それはまぁ、夫婦、だし……」


 何言わせるの、もー!

 私まで赤くなっちゃったじゃん!
646 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 20:49:50.13 ID:iDF/MPHEo

 5/9

 旅行のメインは観光なので、いろんなところを周りました。

 基本的に家デートが多い私たちにとっては新鮮だったよー。

 まぁ、距離を歩く体力がないので、そんなにたくさんの場所には行けなかったんだけどね。

 あとはまぁ、夜はいつもと違った気分で、ね?

 お互いの湯上りに興奮しての繰り返しで、何度温泉に入ったか……うん……。

 いいじゃん! 夫婦なんだから!

 まさか嫁さんとかからかわれてた時期、こうなるなんて思ってなかった。

 こうして京ちゃんと一緒に旅行に来て、完全に夫婦として一緒になってるんだ……。

                        ____  ,- 、_
                       ⌒>    `  ヽ  ` 、
                       /,      ,   | l   ヽ
                     /イ  ,/ / |{  | | | l |   .
                       / イ { /{-从 }/}-}イ |  |
              r-、_         V从 ィ=ミ∨ィ≠ミ| / , ∧
          ,. : : : ̄:´ゝく)、        ヽム   '     |/イ V } 「楽しかったな咲! また来ようぜ!」
        /: : : : : : : : : : : \          }∧ v  ァ  'r-イ
         ,: : :,: : : :/:}: : :|: : |: : ヽ         _、__  イ/}_/
       : : : |: /-'{: |: : 从: }: : 、: .    ___ {// }   r≧7}
        | : : |: ィ雫 |/ィ雫}:/:∧:} <//////////  「/////>- 、
        l : r从 ゞ'  , ゞ'{イ: :{/}'///////////{l _|//////////\  「か。髪の毛触らないの!」
        从乂:、 u:.:.:  :.:人//////////|/////∧:: ////////////// 、
         }/ハ>  _´ イ///////////////////∨////////|//////∧
       ,......-.ノ   V -.乂___,..---- {////////o//r====、 }、//////∧
      rく.、.......{    }...........7 、       |/////// ///////// | ∨/////∧
      ∧ \....\  /....../l/ }       |////////o////////{  ヽ./////∧
      { V  ` rミ ∨=≦ 〈 ⌒Y     |/////////////////|  /⌒////〉


 そんな風に私が考え込んでると、いつも心を読んだかのように京ちゃんが絡んでくる。

 ……京ちゃんのことだから、わかってやってるんだろうな。悔しい。


 「もー、これからは仕事が大変なんだからね!

  しっかりしてよ、旦那さん!」

 「お、おう。

  咲だって美味しいご飯期待してるからな! 嫁さん!」
647 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 20:50:20.69 ID:iDF/MPHEo

 6/9

 ……
 …

 「じゃあ玄さん。また時間が出来たらきます」

 「はい! お待ちしていますね!」


 京太郎君が帰って行った。楽しんでもらえたかなぁ?


 「玄ちゃん。あの人と知り合いだったんだ」

 「お姉ちゃん?

  うん、そうだよ。インターハイで会ったんだ」


 そう、切っ掛けは些細なことだった。


 『わっ!』

 『おっと、大丈夫ですか?』

 『あ、ありがとうございます』

 『あれ、確か和の知り合いの……阿知賀の先鋒の人ですよね?』

 『は、はい』

 『俺、清澄の須賀京太郎っていいます。

  和のところに行くんですよね? 案内しますよ』

 『あ、ありがとうございます!

  私は松実玄です! お、お姉ちゃんがいるんで玄って呼んでください!』

 『じゃあ玄さん。行きますか』


 「こんなことがあってね」

 「えっ、それだけ?

  よく覚えていたね」
648 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 20:51:00.94 ID:iDF/MPHEo

 7/9

                   -―……―-
                ...:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ
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         /..../::::: !......〃/ .!:::::::::: l\:ヽ::::::::::i::::::::|::i:::::::::l:.:.|
           ′::::i::::::|\:|.{:|  ::ト::::::::ト、 \::/:i::::::::|::|::::::::|:.:.|
        |:: '::: i:::::乂:::ト{:|_、{ \::{__ 斗へ:::::i::::::::|::|::::::::|:.:.|
        |::|l:::::i:::::::::ト::{ `   \. ヾ      ヾ|::::::::l::|::::::::|:.:.|
        |::|l::::ハ::::::::ハ  ___-     、___ ,、|::::::::|イ::::::::|:.:.|
        |::|l::/ ::::::l:::} ´` ̄´      ̄´ .|::::::::| }::::::::l:.:.:l
        |::|l:{  i::::::l:::| 、、、、   ,   、、、、 |::::::::|/::::::::i:.:.:.l  「忘れないよ! ずっと待ってたから!」
         `O′ |::::::l从             j:::::::〃:::::::ィ::.:.:.l
        /::j  |::::::|::i::>   `   ′  . ィ:::::::/i::::::::::|::.:.:.:l
          {:::/   |::::::|::|:::::::::|>     < {::::|:::::/:/::::::::::|:.:.:.:.:l
          |::{  .从:::Y:::::::|l:::: r‐}`´ __ ノ }/:::/:/:::::::/:::|:.:.:.:.:.l
          Y  /::::ヾ::::{:::::::|l::ノ ∧__∧ ∠::::/_'::::::::/:::::|:.:.:.:.:.:l
          /.::::::::::\r‐ '〃/レ  〃ヽ 厶イ /:::::::/\_|:.:.:.:.:.:.l
             '::::::::::::::/ ` 厂 ̄`r=く  ̄}/  /::::::::/  ⌒ヽ:.:.:.:.:l
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     j: : : : : :|: : : ::|: : : :, r:ナ'ナ.|`:メ, |: : : : : : ::|i_,rハ-:、i: : : : |: : : ::i: ヽ
    .i: : : : : ii: : : : |: /: ::/::/ .j:::/  |: : : : : : /1:/ !: ::/iヽ、::リ: : : ::|:::ヽ
    |: : : : : ||: : : : |: : : :/_ノ--i:/  .|: : :::/|::/ .V ._i::/ .|: : :/: : : : :|i: :|
    |: : : : ::|:|: : : ::|: :::/r'   ノ' ヽ  |: :/ i/  r'´ y ヽ|:::イ: : : : :::|i::::|
    |: : : : ::|:|: : : : |/.{      .} レ     {    .レ'/: : : /::/|:リ
    .〉: : : : :|´|: : : ::|.  ゝ    ノ       、    .ノ./: : :/|::/ レ
   /:|: : : : :|. !: : : : !   ゝー''´         ゝ _.ノ /::::/:ノ'  '
   /: :|: : : : :|ゝi: : : ::|  \ \ \ \ \ \ \ \ \/::ノ: ::|:イ
   〈: :|: : : : ::|: :|: : : ::|                   ´ i: : ::j::|  「ふえっ?」
   .ゝ:::|: : : : :|: :ヽ: : : |、       / ̄ ̄ ̄ヽ     ノ: : :ノ::|
    ヽ:|: : : : :|: : ヽ: : ::|.ゝ、     ゝ-------'__ -- ' /: : /: : ヽ、
    〉::!: : : : :|: : :>: : ::i  ` ヽ------- ' ´  __, --/: : :/: : : : : :ヽ
    /: !: : : : :i: :/ ヽ: ::i、        __ - '   ,,ノ::/::<: : : : : : :i:::ヽ
   ./: : :ヽ: : : :Y   〉、:ヽ、__,     ´    _ -´ // .ヽ: : : : ::iヽリ
  /: : : : :ヽ: : : ::|  ./ \ゝヽ      _, r ´      r⌒ヽ: : ::ノ レ
 /: : : : : : :ヽ: : : :|  |  `]-___, r ' ノ        /   ヽノ
649 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 20:51:52.76 ID:iDF/MPHEo

 8/9

 「支えてくれた京太郎君が格好良くて、好きになっちゃったんだ」

 「えっ、それだけで!?」

 「?

  人を好きになるのなんて些細な理由だよ」

 「そうかもしれないけど……。

  で、でも別に再開する約束もしてなかったんだよね?」

 「うん、してないよ?」

 「ふぇっ!?」

 「来てくれないかなぁ。ってずっと思ってたんだ。

  偶然来てくれて嬉しかったなぁ」

 「それならなんであんまり関わらなかったの?」

 「何言ってるのお姉ちゃん。京太郎君は既婚者なんだよ?」

 「そ、そうだけど」

 「それに新婚旅行って言ってたでしょ。お邪魔虫になっちゃだめだよ」

 「う、うん?」

 「間違いないよ。一言一句覚えてるから」

 「え、えー」

 「それにさっきも、『また時間が出来たらきます』って言ってたでしょ」

 「そ、そうだったかな?」

 「間違いないよ。……だからね」
650 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 20:52:21.89 ID:iDF/MPHEo

 9/9

                   __
              . -'" ̄     ̄`   、
            /              ヽ、
            /      .  . . . : : : : : : . . .  \
           /    .:r . : ! : : : |: : : : : :゙.: : : : ヽ:.\
        /    .: :| . : : !.: : : :| : : |: : : l!: : : :ハ.:l: : .ヽ
        ,'     ..: :|. : : :l: : :∠L: :l|: : :l:|l: |: :l :| :!: : l:ハ
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       ,  l  . .:|.. : :!: : : :!/ "´'" '" ´  l从:!: |: :,'l: !
        |  l . : :|: : :.|: : : :l  ,ィ==、    ,ィ=、リ!: :l:/ l/
         l.  ! . :.:|: : λ: : : !           {: :.| ´
         !.  l . :.:|: :/ |: : : :.l """     , "" l: :.:!
       ,  .| .:.:.|:k  !: : : :.l      ___     |: : |  「10年でも20年でも、楽しみに待ってるんだ」
      ,   .:! : : :!:ハヽl: : : : |    r.{_::::;ノ   ..イ: : :l
       .  : : !: : :|:ハ: :!.: : : :ト 、  \ヾ _..ィ´: |: : :j
        .: : :l : :|'\∨l:ト: : :l   ` ァ、 ヾ.:.:!: :.:|: :./
      '  . : : :.! : : : :.`゙、ヾ\ヾー‐ァtノニヽ: |: :_!_,':!
     .  . ;.r‐''ヽ: : : : : :ヽ、r''ヾ!ヽ'_/─, | ト-y'/_: |
        /    \\: : : : ヘ\:::::::〈 ‐(_!ノ'゙ Y /  ヽ
     ,'  .!     ヽ.\: : :∧<:_:/l  ヽ   .|   λ
     /  .:l         Yヽ: : :K_::::}、  } ノ    l ゙.
    ,  .: l         } ヽ: :.ヽ. Y \  /   Y   !
.   /  . : ハ       ∨  ヽ: ,L/   ヽlヽ   ヽ  !
  /  . :/: :.ヽ       ヽ   Y      `l    丶 l



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  l: : : : : : : : :|: : |: : : : : |r=チテ心ミ、 /' /: : : : /.// /`メ、j: :/j: j: : : :|: : : : |
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  !: : : : : : : ::|r' Y: : : : ::| つ::::::::o'::メ        rチテミ、/./' .//: : : : j: : : jl: l
 .!: : : : : : : : |  |: : : : : | ゝミ :::乂        .ん/:::::::リ ヽ./: : : : : ::j: : ::ノ!:j
 .!: : : : : : : : |  |: : : : : |        ::::::::::::::  {っ:::::o::メ 〉/: : : : : :/: :ノ.j/
´ !: : : : : : : : |_ .|: : : : ::|.  ' ' '    :::::::::::::::::::: ゝ:::__ソ  /!: : : : : :l:/
 |: : : : l: : : : | ` |: : : : ::| U                  ./:l: : : : : :Y! (あ、あったかくない)
 |: : : : ゝ: : : |  .|: : : : :ト、               ' ' '  /::j: : : : : : !:!
 |: : : : ::ヽ: : :|  .|: : : : :|  `ヽ、  r─-‐、_        ./ ::l: : : : : :j::!
 |: : : : : :ヽ: : :!  .!: : : : !、    ` `─- 、_ )      ./:j: l: : : : : :}::}
 |: : : : : : :ヽ: :!  !: : : : ! \    ` ヽ、       .ノ`ゝ}: : : : ::/:j
 .{: : : : : : : :ヽ:!  {: : : : {          \---‐' ´ _.ノ: : : : :/::j
 .ゝ: : : : : : : :ヽ{.  ゝ: : : ヽ           ` ヽ、   j: : : : :/: /
  : : : : : : : : : : ゝ  ヽゝ: :\              `ゝ/: : : ::/: 〈
、 __ ヽ: : : : : : : : : ゝ 、   ゝ::\           _ ,,,ノ: : :,r.〈ノ. ヽ



 カン!
651 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/19(木) 20:53:17.85 ID:iDF/MPHEo

 話題になったので阿知賀編
 ガッチガチのグラビティクロチャー書きたいけど、間違いなくほのぼのスレでやる内容じゃない
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 21:30:57.24 ID:o8f8EVTto
クロチャーの闇は深い
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 21:48:23.69 ID:dzFqUroSO
さすが和の先輩
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 21:48:51.92 ID:GVN2XfNho
源流はレジェンド
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 21:51:02.40 ID:n5Cd1n99O
行き遅レジェンド
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 21:57:40.97 ID:nk+EeguSO
こ、これは酷い…
ほ、他の阿知賀の面々も、み、見てみようぜ…
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 22:00:09.49 ID:HAF1/3Dgo
これは酷いって思ったけど
クロチャー阿知賀編の時も
こんなんだったな……ww
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 22:42:32.78 ID:drNP7m+no
重さがおもちの大きさに比例してる気がする…
659 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 22:57:06.19 ID:iDF/MPHEo

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                    /\-――‐- 、
              , -−=7   丶      `ヽ
         /,             ヽ  ヽ
        ∠/       /      、 、  丶  i
        /       i     ! l.  l i.  i |
       /  ,/  ! !  l||   ! |、 ll !  |  ヽ、
      /_ -7 , | l ト、| |ヽ!  N , 斗 r  ,'_  ト--`
     ̄  //!  ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
       ´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ
        // l i `i           _/,、/  「竜華さんは美人で、母性的ですよね!」
        ´   {ハ!ヽ{    ′      /!}/ ′
              丶  ー ―‐ '  / |′
               \    /  |
                __ i ー '     ! __
          , ィ'´:.:/-‐ ´}     /  `Y´:.:.\
      , -‐'' ´:.:./:.:.:./― - 、   ,/__ /:.:.:.:.:.:/`丶、
      ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i     `    ̄    /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
    /:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:!   ヽ  /   /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ
     !:.:.:.:.ヽ:.{:.:.l:.:.:.:.:l.     i     /:.:.:.:.:.:/:.:./:.:.:.:.:.:./:.:.:.i



.   / .::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::..
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  .′::::::/ :::::::::::/ |::::::::::::::::::::::::::::::::: V:::::::::::::::|
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   : ::::| :::|:::::\   :::/:::::\:::::::|:::::::|::::::::::::::::|
 | :::::::::|::八::::|_    \{\:::::\ |:::::::|::::::::::::::::|
.八::::::::::Λf笊心、   イ笊心rァ |::ハ|:::::::::::::: |
.  \{\:::. Vり      V/タ  j/ ヽ::::::::::::: |   「京太郎くんはそんなことばかり言うんやからなぁ」
     |:ハ    ,     ,,.     /:::::::::::::: |
     |:::::           r-イ:::::::::::::::::: |
     |:::::\  マ ノ   / |::::::::::::|:::::::::::::|
     |:::::::::::>..     イ  |:::::|:::: |:::::::::::::|
     |:::::::::|三三=千     /=|:::: |:::::::::::::|
     r|:::::::::|三ニニ/ |     /三|::::::|=\:::::|
    /| |::::::::ムニニ|      /ニ三|::::::|ニニ>、|
.   / V:::::/三三ニ|――- /=ニニ/:::::/ニ三三>
  /  /::::/三三ニニ|   /==ニ/:::::/三三/ |
. /  /::::/三三ニニ|  /ニ三/:::::/=三/ /  |

                     ____

               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /  「お世辞じゃないですよ!
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、   なんというか、母親みたいで安心できるっていうか」
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、
660 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 22:57:59.96 ID:iDF/MPHEo

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          , - ´  ̄ ̄ ` - .
        , ' : : : : : : : : : : : : : : :.\
       / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ヽ.
        ': : : : : :/:::::::::::ィi:::::::::: ::::: : : : : : :ハ
     /: : : : :::://:::::::// l:::::::::::::::::::::::::: : : : ',
    , : : :::::://:::::::/::l  !:::l::::::::::::::::::::::::::: : i
     i  : ::::l:l:lハ丁iトi、 ,斗fT丁¨V:::::::::l:: l
     {{ !:::::::::l:l l_,⊥l_.l    ヽ_,ムL_ V::::::l:.: |
    !小::::::小ィ'戔心     ィ'戔心Vl::::::i:. :|
    乂ヘ::::::i iヘ弋'ソ      弋'ソ/ レヘ:l: :.|
       トrハ   ¨        ¨     ノl: : |
       |.l::トi ''''   `    '''  rf升l: : |  「お? うちじゃ恋人にはなれへんってことか?」
       |.l:::::::>、   -ー-     イi:::::.l:l:: : l
         小::::::l:::i>    ,. ィ升:l::::::l:l::.: :|
      ムl::::::::Lム斗_}` ´  ヤトl:::::::l:l:::::.ム
      r┼iTl::::::l:::::::::{       }::.l:::::::lj ̄`¨ト、
     ∧:V:::|: :::l::::::::::L_   _./:.:.:l:::::::l/// ハ



            ,.  ´ ̄ ̄ `  、__
          /   ,      / /⌒Y
         /    /    ,:       | ̄\
        .:'    '  /__/   ,      |   \__
       /    /  ///\/ /   .'   '    {` ̄
     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Y /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \  「違いますよ!
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从
////////\///    、   .  ´            竜華さんは理想の彼女です!」
//////////\{    /`¨¨ 、
////////////>、  {、     〉
/////////////(_)}   ∨、_,イ/\
///////////////`¨¨¨|/\////\


       /  / ::/ :::::::::::::::::::://:´ ̄::ヽ:::/ /::/   |:l |:::::::::::::::::|::::::.     i
.      /  / : ::::| :::::::::::::::/ /:::::::::> ´ /,: ′  |:l |:::::::::::::::::|::::::::.    l
     /  /...::::::::|::i:::::::::::/ァ===ミ、 ヽ /イ      .:j_|:::::::::::::::::|::::::::::.   │
.     ′.:: :::::::::::リ、:::::::;《 ん干ハ\        〃 j\:::::イ::/::::::::::::.   /|
.   / .::: ::::::::/  ∨ |  {:ト::::::ノ:'         ,ノ  /::::::ヾ }/}::::\ __/ .′
   ′::::  ::::::::{    ヽ{  ゝ:こソ        =ァ=/:::/  ソ/::::::/::\   /
  / :::::! :::::::::∧     。              ん干ハ_  /::::::/::::::  ヽ.′
 ′:::::::|...:::::::::::::∧__   :.:':.':.:           {:ト::::::ノ:′|} /:::/:::::::   //
/ . ::::::::i|..::::::::::::::::::::|::{              、     ゝ:こソ //彡::::::::  //
.....::::::::::i|.:::::::::::::::::::::|∧                     ヘ:/::::::  / ノ 「よく言えました。
...::::::::::::i|::::::::::::::::::::::l::::∧     「   、    :.:':.':.° ′ノ┬=ァ ´
:::::::::::::::i|::::::::::::::::::::::|:::::/ :.     ` -- ′       ,: イ: / /        ほな、膝枕してあげるわ」
::/::::::::::j|::::::::::::::::::::::l:::/   \           /::::::::: / /
/::::::::::::j|::::::::::::::::::::::|/      丶 ___,,..  イ::::::::::::../ /
:::::::::::::::i|::::::::::::::::::::::ト         /:::/::i|::::::::::::::::::::::../ /
-=ニニニム::::::::::::::::::::{ニ\        /:::/::::i|:::::::::::::::::::. ,′/
661 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 22:58:42.30 ID:iDF/MPHEo

 3/3

        <:_: : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
           フ:/: : : : : /: : : : : : : : : : : : : : ヽ
           /:;/: : /:/:/: : : : :/: : : : : : : : : : : \
         /: : /: :/\_ハ: : l: :ハ: : : : : : : : : :\: :\
       ∠―フ:l: /fァミミ  l: :ト:LLレ: : : !: : :ト:ヽ  ̄
            /:レ:i 辷ソ  ∨‐ァミハ: : :/: : : :{ `
           /:/j "" 、    (z/ソ 〉:/V: :j: :ヽ
          レ  {   _    ""´ /;イ:./: :/\:ゝ   「と、怜。
             \ ヽつ  u -イ:∧:/
           rァァ―ミ..┬  T´:< レ'          竜華は人形相手に何をやっとるんや?」
            ///:::::::::/'┘ /:::::z彡ミ\
            /〈〈::::::::/⌒フ´:///⌒Y:ハ
            / \:::::' /:// /     }::::i
        / / iヽレ::::イ   i /    !:::ヘ
          / i _>小<    ∨    V:::ヘ
       く\/: . :ノY\: .ヽ  /___ノ!:::::ヘ
          \!⌒´ ´  ヽ:_.> 〈____ノー―'
        l/            /   /
          /            /   /


               .  ´        `  .
                 . '   ...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:... ヽ
               /  ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
           /  ..:.:.:.:.:,ィ.:.:.:.:.:.:.:.:.ト、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
            ,′.:.:.:.:.:.,イ |.:.:.:.:.:.:.:.:ノ i.:.|:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.
           ,二=- .:.厶斗 .: .:.;イトミ」.:|.:.: |:|.:.:.:.:.:.:.:.
            |.:.:| : ト、ハl リ.:./ jノ   j人ノ|:|:.:.:.| .:.:.:.
            |!八从T777T     T777T jノ.:.:.:| :.:.:.i
            |.:.:.:i:.:}弋ZZソ      弋ZZソ |.:.:.:.:.| .:.:.:|
          ,'.:.:.:.i:,'              |.:.:.:.:.|).:.:.| 「知らんかったの?
            i .:.:.:八              / .:.:.:.:!.:.|.:.|
            |.:.:.:.:.:. ` : .   r‐ 、    . イ .:.:.:.:/.:i:|.:.|     10年間ずっとこうやから入院してるんやで」
            {人.:.:.:.|.:.:.|:`≧=-r---rュ´ .:.| .:.:.:/.:j从:ノ
              \从人ノ__/リ/ ̄ ̄{从ハイ人/
                    / / ,/  / ̄`ヽ、
                / //  /      ヽ



     |: : : : : : : : : : : : : : :./__//  }: }: : : : : : : :./ |: :|___}: : : : : : : : : : : |
     |: : : : : : : : : : : : : :./ // ` //|: : : : : : : /´ l:./    |/|:..: : : : : : : : :|
     |: : : : : : : : : : : : :./ /イ  〃 ,:ィ: : : :../  〃    ,ノ : : : : : : : : : :.|
     |: : : : : : : : :..:.ト、/___j!__,/__/ /: :../   /_,j!______  |: : : : : : : : : :|
     |: : : : : : : : :..:i!〃つ。ノ.V/l|\-‐ ´    '´つ。ノ.V/l}_ |: : : : : : : : : ハ
    ,: : : : : : : : : :fヘヽ弋l(......)ツ           弋(......)lツ / ,:イ : : : : : : : : :.
.    ′: : : : : : : : :| i  ¨¨¨¨¨           ¨¨¨¨¨  / |: : : : : : : : :い
    i.| : : : : : : : : :.|  , ゚.:.:.:.:.:.:.:          :.:.:.:.:.:.:.゚  ,  |: : : : : : :..:..| |i 「ちなみに、本人と会ったことはないはずや」
    |ハ: : : : : : : : : |  ′:.:.:.:.:.:.:.:     '       :.:.:.:.:.:.:.  ′ノ: : : : : : : : :| ||
    || |: : : : : : : : :.\__j                   j_/: : : : : : : : :..:| ||  (うちが竜華の見舞いに来ることになるとは思わんかったなぁ)
    || l: : : : : : : : : : : :.∧                  /: : : : : : : : : : : : , l|
    リ 乂: : : : : : : : : : : :个:..      ´  ̄ `      ..:个: : : : : : : : : : : : ゚ リ
       \}: : : : : : :.ト、: : : : >...         イ: : : : : : : : : : : : : : :./
         \: : : : い乂: : : :..:.| >  __  <│: :j: : : :./}: :/}: : : :/j/
          `ー―ヘ   ヽ}ィニ|           |ニヽ:ノ}ノ/_,イノ ィ
           __ -=ニニニニニノ           ∨ニニ=- __


 カン!

 【枕神京ちゃん】
662 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 22:59:17.46 ID:iDF/MPHEo

 咲の二大重力発生装置。クロチャーとりゅーか
 みんながグラビティが好きそうだったからつい…
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 23:18:29.84 ID:o8f8EVTto
この勢いだと全国にいますねぇ……
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 23:32:07.10 ID:dzFqUroSO
どっかのスレと混線してらっしゃる
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/19(木) 23:40:59.79 ID:BVh1yoqKo
他スレのノリをどんどん取り込んでいくスタイル割と嫌いじゃない
そのうち座薬とか低周波マッサージ機とか男性器の写真とか出てクルー?
666 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/19(木) 23:55:17.16 ID:iDF/MPHEo
りゅーかは番外編ってことで本編には繋がりません。ほのぼのに戻れなくなるよ!
あ、クロチャーは本編です。どさくさまぎれて京セラ書きたい
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/20(金) 01:12:16.80 ID:mg89g0VpO
阿知賀で一番ネタに使いやすいのがクロチャーだからなあ…乙
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/20(金) 13:14:42.05 ID:xHptooYjo
乙です
669 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/20(金) 17:05:18.55 ID:NIFkN8Tyo

 1/6

 522
 霞さんも女子会()に参加してみよう
 525
 咲ちゃん以外が参加の女子会


 「こちらがroof-topでよろしいかしら?」

 「……おお、懐かしい顔じゃの」


 石戸霞です。今日はシロさんと一緒に子供達の面倒を見る予定よ。

 こちらの雀荘で預かっていると聞いたので、迎えに来ました。


 「あら、私のことを覚えていてくれたのかしら?」

 「よく言う。10年前と全く見た目が変わっておらんわ。

  それに仕事柄、人の顔を覚えるのは得意なんじゃ」

 「え、ええ」

 「なんじゃ?」

 「いえ、見た目が変わっていないことを受け入れてくれるというのも、珍しくてね?」

 「不思議なことなんぞいくらでもあるわ。

  無理に聞き出したりはせんよ。

  ただ、そうでない人も多いじゃろうし、気をつけるんじゃよ」


 そう言って染谷さんは店の奥を指差す。

 そこには10年前のインターハイで見覚えのある方々がいたわ。

 ふふっ、私たちと違って、すごく綺麗になってるわね。羨ましいわ。

 それにしても、一体何を話しているのかしら?
670 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/20(金) 17:06:00.39 ID:NIFkN8Tyo

 2/6

 「何で竹井先輩がここにいるんですか?

  お仕事はどうしたんですか?」

 「あら、有給をとって旧友のお店に寄るのに理由がいるのかしら?

  それに私は雀荘に寄っただけよ」

 「のどちゃんも竹井先輩も、女子会するんならもうちょっと仲良くやろうじぇ……」

 「マホ、いろんな女子会を経験してきました。

  女子会に来てない人を罵倒するのは普通でしたが、女子会の中で喧嘩するのは初めて見ました……」

 「マホも醜いのを見てちょっとは反省するんだじょ」

 「はい、反省します……。

  でも、お二人をからかうのは楽しいからやめません!」

 「まぁ、ほどほどにな。

  私ももうどうでもよくなってきたし」

 「おんしら、仲良くやらんなら締め出すぞ」

 「いいでしょう。ここは麻雀で決着をつけましょう」

 「ええ。ちょうど四人いるしね」

 「マホ、そうやって麻雀で決着をつけようとするからモテないんだと思います!

  女の子ならもっといろいろあると思います!」

 「そうやって火に油注ぐのやめるんだじょ」

 「お二人の喧嘩を見るの、楽しいじゃないですか!」

 「ハァ……。

  マホは全部理解した上で安全圏から油ぶっかけるからタチが悪いじょ」
671 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/20(金) 17:07:08.00 ID:NIFkN8Tyo

 3/6

 「あらあら、仲が良いわね」

 「あれは腐れ縁と言うんじゃ。

  見ろ、他の客が離れて座っておるわ」

 「腐れ縁でも人の縁。

  なんだかんだ言いつつ一緒にいるのはいいことじゃないかしら?」

 「普通ならそうなんじゃがな。

  久と和に限っては本気で相手を潰したい、逃げたくないからやっとるぞ」

 「あ、あら」


 ぶ、物騒ね。

 普通なら喧嘩するほど仲が良い、っていうパターンだと思うのに、あの二人はツンデレじゃないのね。

 ふんふむ。次の小説のネタに使えそうね。

 やっぱりいい小説を書くには引きこもっていないで外に出ないといけないわ。

 そういう意味では須賀さんの子供達と遊んだりするのはいい息抜きになるのよねぇ。


 「さて、須賀さんの子供達は預かりますよ」

 「おお、そうじゃったそうじゃった。

  ……よければわしの娘も一緒に遊ばせてもらって構わんかのう?」

 「あら、ご結婚されていたんですか? おめでとうございます!

  でも、いいんですか? ほとんど初対面ですよ」

 「あの二人が信頼して子供を預ける、それじゃ理由にならんかの?」

 「……ふふふ。負けました。

  責任を持ってお預かりします!」


 染谷さん、本当にいい人ね。

 お母さんになった人の胆力、はっちゃんにそっくりよ。
672 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/20(金) 17:07:57.30 ID:NIFkN8Tyo

 4/6

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::::::| }  、、 ̄`   _ ィ::::::::::l ; 「じゃあ、お預かりしますね!」
{::从_       '   ̄`∧::::::;' /
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|::/ |:::|`ト;;! !|::.|  | ヽ {:::::::ノ / /ノ/⌒ }:::::::|::::::::::::::、::::|
` . リ 乂_.ソ  \    ̄ ノ      /::::::::゙、::゙、::::::ハ!
     /::ハ:| 丶     ̄ ̄     __ ノ::::::::::::::|:::::|:::/   「おう!」(まともな人で良かったわ)
     |:/ |::゙、  r―┐       /......И::::::/リ:::/:::|
     `  \:\ `ー' _ , -‐:..:..´:..:..:..:..:\:|.:..Wーニ
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673 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/20(金) 17:08:30.87 ID:NIFkN8Tyo

 5/6

 『霞。休みの日くらい、子供の面倒は俺が見るよ』

 『ば、馬鹿にしないでちょうだい。

  私がお母さんなんだから、これくらい……』

 『あっ、ほら泣かせた。霞もぶきっちょだよなァ』

 『も、もう、京太郎さんのばか!』

 『最初はみんなのまとめ役で大人っぽい雰囲気だったのにね。

  実は不器用なのを隠してたとか』

 『う、うう。

  京太郎さんは不器用な私は嫌い?』

 『まさか。そんな霞が大好きだよ』

 『あっ、京太郎さん……。

  も、もう。そうやってキスすれば許されると思ってるんですから!』

 『じゃあもうキスしてあげない』

 『京太郎さんの意地悪……』

 『冗談だよ。普段ハンドボールで忙しいから、つい霞をイジメちゃうんだ』

 『もう……京太郎さんったら』

 『それに、……今晩もたっぷりイジメてやるから』

 『あ、あうう……』
674 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/20(金) 17:09:00.37 ID:NIFkN8Tyo

 6/6


 ・薄墨家
                 . : ´: : : : : : : : : : : : :`: .
                /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
                   /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.\___
               /: : : : : : : : : : : : : : : ト、: : : : : : : : : : ∨: :二ニ=‐-
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             |: : : : : :|: l: :|:.l |: l: : : : | _|:l : :l\: : : : : :∨: : : : : :\
          /: :|: : : : : :|: l: :|:.l |八: : : :|  |八:.|‐-\: : : : ∨\ ̄ ̄`丶
         /: : :从: : : : : |八人Nノ \: :l   ⌒|   |: : : : :!`丶     \
         /: : ://:/\ : 从   __,,.  \   ≦三≧ル^Y:.\|    \
       /: : :/ /:/  |: ∧l,r≦彡'´   ,       てノ| }|\: |
.      /:.:/   /:/   :|/〈∧てノ、、   ______   `` |_ノ  ‘:|
     //   ./:/    |\`∧    厂     `Y  人     | 「もうダメですよこれー!」
.    /´    l:/    从: l ̄    〈__   -‐┘       |
            |      ‘:l    ≧=-  __  -=≦
                    |       |    ∨
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                  / :  :    ` ´   :  ::  \
                 /   ::  :          :  ::    |
                --┤ Y::  : . . . . . . . . . .:  : Y   |‐―┐
                「 ̄ ̄ ̄ ̄\              l__, ┴― 1
                |            ー――――一        /|



            /    .:      \
         ―-′|   / ,.     ヽ
      /  ....,  ノ / /    |l  |  |
.     /  / / /|爪/ /__./ :;  |   |  | |!
     ′/  . :/f⌒彡/7  |ヽ/  ハ |  | :从
     |/   /.:/∧ |!Yん弐W!//⌒!/}  |/
        . :/| | ∨ 弋炒`   rテミく/  ハ  }! 「まさか京霞同人を自分で出版しているとは思いませんでしたよー」
        | ||! ∧ト  "   ,  炒ノムイ  | /
        |リ    /  \ ー    イ7/|| j!/
          ーイ   />ー 、   / }ノ
       /   `ー-  /  ヽ }ヽ
      /               | | (
.      八   ヽ          | | |\
    r<二ヽ__l!_      | | |  ー――――  、
    ∨        \    {八ト   \ー―    \
     \―――-    \   !\\    \__    \
      〕!      \  \/|::::::\〉  _____    \


 カン!
675 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/20(金) 17:10:07.45 ID:NIFkN8Tyo

 1/6

 529
 夜中に一人でトイレに行けなくなったみやながけ一同


 「本当にこの番組見るの?」

 「ふっふ〜ん。京ちゃん怖がってる?」

 「いや、俺は大丈夫だけど、この先どうなるか目に見えてるし」

 「京ちゃん。私は怖くないから大丈夫。

  いつでも抱きついてきていいよ」

 「ほら、お姉ちゃん離れて!

  京ちゃん、怖かったら嫁さんに抱きついてきていいんだからね!」

 「お、おう」


 須賀咲ちゃんです!

 ふふふ、今日はお姉ちゃんと結託してホラーを見るよ!

 これで怖がらせて京ちゃんに抱きつかれるって作戦だ!

 怖がって抱きついてくるなら結構強く抱きしめてくれるだろうし、ぐふふふふふ、ヨダレが止まらないよ!


 「んじゃ、つけるぞ」

 「京ちゃん覚悟」

 「あっ、お姉ちゃんずるい!」


 私が娘を膝に乗せている間に京ちゃんの腕に絡み付こうとしてる。ずるい!

 ちなみに息子は昼間に遊び疲れて寝ちゃってます。

 娘は京ちゃんが起きているからもうちょっと起きているらしい。

 まぁ、昼間にお昼寝してたから仕方ないかな。

 我が娘ながらお昼寝が好きで心配になるよ……。
676 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/20(金) 17:10:40.00 ID:NIFkN8Tyo

 2/6

                 〜〜    〜〜
                   -―――-    〜
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       { /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
      /::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\|  〃⌒゙ヾY :::::::: |::::|  }   「京ちゃぁぁぁん!!」
        ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ     {{    }} }|/| ::::::|::::|  {
      {  |:: 八ハ{ {{   }}     ゞ==(⌒) | :: /:::::|
       } |/|::: {. ハ (⌒)==''         ///  |/}:::::|
            |:::: ヽ_| ///              __,ノ :::::|  }
.          { レヘ::八     _.. ‐〜‐-、   イ ::::::::::::/  {
           }   ∨个 .._ (_,,.. ‐〜〜' イヘ:::/|/∨
                 \|  _≧=一ァ  〔/⌒T:iT7ス
                r=Ti:i:i:i:i:i:7____/i:i:i:i:i:i:i/ ∧  }
               {  ∧i:i:i:i:i:i:i:i:|   /i:i:i:i:i:i:i/   / ∧ {

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         } /::::::::::::::::::|::::: / | ::|:::::::ト- ::|--∨\ ::::::::::::::::| {
       { /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
      /::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\|  〃⌒゙ヾY :::::::: |::::|  }  「京ちゃん……っ!!」
        ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ     {{    }} }|/| ::::::|::::|  {
      {  |:: 八ハ{ {{   }}     ゞ==(⌒) | :: /:::::|
       } |/|::: {. ハ (⌒)==''         ///  |/}:::::|
            |:::: ヽ_| ///              __,ノ :::::|  }
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                /7::::i::::/ ィ 弌ト、.   乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
          _ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}`     ´んぅト/ /!::::::リ::/
.               八:::|从とつー '        ら::::/ 〉 ::::;:イ:::{   「パパー!!」
              >、 } 〃〃   ,   ` ーrっ// ノ::八
                 /⌒              〃〃/}_rくノ )}
             /::::::::::/\   ^ ` 〜 、    / >=へ
                {:::::从:{   >        _  < /:i:::::::::::ヽ
                  ゝ:::(八    _}>-=≦/{_    {八::::::::ハ::}ト
                   /i |   `>/::::\    }::/ レ'
              ---=ニ¨:::::::い  / '::::::::::入   ´

: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
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: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /       (うん、知ってた)
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >
677 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/20(金) 17:11:12.22 ID:NIFkN8Tyo

 3/6

 三連星と化した私たちが京ちゃんにしがみつく。

 京ちゃんは呆れた顔でテレビを消しました。


 「だから言ったじゃん……」

 「だ、だってぇー!」

 「だっても何もありません!

  ほら、寝るぞ」

 「ちょ、こんな時に寝かせるなんて鬼!」

 「京ちゃん、夢に出てきそうで寝られない!」

 「パパ……っ!」

 「(俺、明日も仕事なんだけどなァ……。)

  わかりましたよ。もうちょっと起きてますから、せめて布団に行きましょう」


 う、うう。

 でも京ちゃんも眠そうだし、ワガママ言ってられないよね。


 「今日だけ、一緒に寝ていい?」

 「咲、いいか?」

 「う、うん。お姉ちゃんも私にしっかりくっついてよね!」

 「うん。二人で子供達を挟もう」

 (俺いらないんじゃ……?)

 「「京ちゃんは子供をお腹の上に乗せて!」」

 「殺す気ですか」


 ひどい! 怖がってる嫁さんと娘を放って置いて寝る気!?

 と思ったら、娘を抱っこしてとっとと寝ちゃいました。ぐぬぬ……。

 いいもん、私とお姉ちゃんは息子を挟んで抱っこして寝るから!
678 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/20(金) 17:11:52.20 ID:NIFkN8Tyo

 4/6

 そしてみんなが寝入って数時間後の話。


 「京ちゃぁぁぁん!!」

 「うわぁ!?」

 「キャァァァァァァ!?」


 急に京ちゃんを呼ぶ声がして、みんな飛び起きました。……あ、息子は眠ってる。

 って、この声、お姉ちゃんじゃないし、まさか……。


 「トイレに起きたら、廊下に白い髪のお化けがいた!」

 「界さんまで何やってんですか……」


 あっ、地味にホラーが苦手なお父さんだ。

 さっきの番組も見る前に寝るとか言ってたもんね。

 ……って、白い髪のお化けって何!?


 「わかりましたよ。

  強盗かもしれませんし、俺が見てきます。

  界さんはここでみんなを見ていてください」

 「えっ、京ちゃんも危ないだろ?」

 「女の子を残すわけにもいかないですよ。

  んじゃ、行ってきます」


 そう言うと、京ちゃんはサクッと行ってしまった。

 ここに残ったのは、みんなホラーが苦手な宮永家一同……。


 「咲、大丈夫だ。お父さんが守ってやるからな!」

 「数秒前の自分見直してよ。まったく頼りにならないよ!」

 「むしろお父さんが生贄になって京ちゃんと私たちで逃げるべき」

 「ひでー!」


 うん。自業自得じゃないかな?
679 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/20(金) 17:12:28.56 ID:NIFkN8Tyo

 5/6

 「ほら、何もいなかったよ。

  じゃ、寝ましょう」

 「京ちゃん淡白……」


 サクッと行って帰ってきた京ちゃんしゅごい……。

 で、でもちょっと待って!


 「京ちゃん、おトイレ付き合って……」

 「……京ちゃん、私も」

 「パパ……」

 「……みんなで行きますか」

 「じゃ、おじいちゃんも一緒に行こうかな!?」

 「「お父さんは待ってて」」

 「俺もトイレ行きたいんだよ!」

 「変に怖がらせた罰だよ!」

 「お父さんなんて膀胱爆発させて死ねばいい」

 「いくらなんでもひでーよ!?」

 「もう、なんでもいいから行きましょう。寝かせてください……」
680 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/20(金) 17:13:37.25 ID:NIFkN8Tyo

 6/6

                    / / `ヽー、     ー、   `ー /´
               _ -‐ァ'/       ´⌒ヽ  、 ヽ、_ 彡 ´
              /⌒ィ'´ /            ',  \  ヽ
                /´ア´ /  / /       !   ',   ヽ
            ({ /  ノ  / /       ! l    \   、   \
             `Y ィ´   / /    i l  '.   、 ヽ.  ',_  `ー-
             / /    /イ/i{    j{ j  、      \ ヾ  ̄´
            , ィア,' イ  /`7〜ヽ   ハ 八  (ヽ    ト、 }  ー、
           j/ / { { イzx、_エ、  j |〜〜、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
             ´ {  ヽハ、{i  佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ }  〉ハ    ヽ.
             ∨   ハ `  ̄   \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ     ハ
              ヽ { j! !    、     } ヽ!  〈 /フ   j!  / リ
               `ヘハ ト          j       /´j}   ハ ノ    (寝ぼけて京の家とここを繋いでしまった……)
                  `  \  ゚ `   /    / ノ j_ノ ´
             _ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ    / `7=ュ。_
            イ  「ニニニ7   人j  ハ   〈  /ニニニ´⌒ヽ
           ´ i  ニニニ{  /l] `Y  ',   V /ニニ/    '.
               l  ニニニ、/!  [! (   '.   Vニニ7       }
      /     ハ  ニニニニニ|  マ、  ィハ    Vニ7        ′
     /       ',  ニニニニニ|  マ、ィ´  。    V       /


 カン!
681 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/20(金) 17:15:07.53 ID:NIFkN8Tyo
投下終わりです
『霞さんは同人作家』ってスレタイでもいけそう
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/20(金) 17:22:30.53 ID:VCHVt3XYo
すばら
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/20(金) 17:45:51.33 ID:uyvidylSO
おつー
知らぬが仏とはまさにこのこと
内面のヤバさ加減は和久に全く劣らない霞さんもTPOをわきまえてるぶんマシかな?
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/20(金) 17:57:23.10 ID:/KpA74vlo
乙です
そろそろ京太郎とシロの出会いやら仲良くなったエピソード見たいな
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/20(金) 17:59:15.39 ID:SSRiV0S/O
京霞同人誌を書く女の子は嫌いですか?
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/20(金) 17:59:30.95 ID:Y0rI/Zc0o
乙です
687 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/20(金) 18:02:35.35 ID:NLGEQgSHO

京霞は専用スレあってもいいレベル
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/20(金) 18:22:45.28 ID:hI6he3Eko
はっちゃんオチ好き過ぎィ!
夜中に家に家族以外の人間がいたら誰でもビビるわ
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/20(金) 18:50:57.70 ID:/atYR6rUo
アラサーで自分が主人公の同人誌出版するとはすごいメンタルですね…
690 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 18:35:54.56 ID:u72o6GN9o

 1/7

 617
 健康診断


 「もー! お姉ちゃん!

  そんなにお菓子ばっかり食べて、太っても知らないよ!」

 「うっ……」

 「……?」

 「じゃ、じゃあ今日はこれくらいでやめる」

 「……えっ、もしかして」

 「咲、残りは食べていいから京ちゃんには言わないで」

 「う、うん。

  ってそれ私にメリットないじゃん!

  私だって太りたくないよ!」


 須賀咲ちゃんです。お姉ちゃんがついにお菓子に負ける日が来たようです

 そりゃアラサーにもなってお菓子食べてたら太るよ……。

 年を考えなさい、年を!


 「そもそも、アラサーでお菓子なんて食べてたら太るとか以前に、早死にするよ……」


 お姉ちゃんの残したポテチとポッキーを食べる。

 種類の違うものを開けないでよね。

 ちなみに、子供にお菓子をたくさんあげるのは絶対ダメです。

 ただでさえ染谷先輩以外は甘やかして、こっそり食べさせたりするからうちでは控えめにしてます!

 というわけで、これを処理しなきゃいけないんだけど。


 「お父さん、食べる?」

 「えっ、さっきの流れで?

  俺なら早死にしてもいーのか?」

 「言わせないでよ恥ずかしい」

 「娘が……娘が厳しーな……」


 いや、早死にはしちゃダメだよ?

 お父さんは私たちに苦労かけた分、たっぷり長生きして私たちに尽くすこと!

 ゼーったい、早死にしちゃダメだからね!
691 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 18:37:11.25 ID:u72o6GN9o

 2/7

 「……やっちゃった」


 うん。

 私が太った。

 知ってた。


 「こ、ここまで見越したお姉ちゃんの罠……」


 私は仕事をしてない分、会社で定期健診が受けられないから病院で受けてきたんだ。

 ……まぁ身長は伸びてないとして、体重が、ね?

 ちなみに妊娠しているわけでもありません……。


 「ダイエットしないといけないな」


 出産した後にしたダイエットをまたしようかな。

 ちなみに、ダイエット方法は単純で痩せます。キャベツダイエットです。

 内容は適度な運動をしつつ、キャベツだけを食べることです。

 もちろん栄養はちゃんととりつつだけど、お腹が膨れるから他に食べなくて済むんだよね。

 またやらなきゃいけないかなー……。運動か……。


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               ,. : ´: : : : : : : : : :_: : : :`: .、
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           /: : :, : : : /: : : : | : : : : : : ヽ: : : : : ヽ
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        ': : : : : : :|_{:__|: {: :V: :V\: }、:|:|: : : |: : : : : :.:|
       /: :/: ,: : :´|:|V:{:从: { \}ィチ雫ミ: : : ,:_:_: : : : :|
       |: :イ |: : :|:从ィ雫ミ \   _)::刈 }: : // V: : : |
       '  l |: : :乂{ _):::}     Vzり/:イ   } ノ : /リ  「やるぞっ!」b
          |: ∧:.∧ Vり            _,..イ:/}/
          |:/ V : :.   '         イ:イ:/ /
          }'  {/ 人     v ァ    ..:  |/ '
               `       イ  |
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      r-,-、        _,....´./'   /´............`:......_
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     {   ' /  ∨{...\.........../   `/......................_> ´ ̄ V..、
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692 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 18:38:22.49 ID:u72o6GN9o

 3/7

 ……
 …

 「ただいまー」


 仕事で疲れてやっと家に帰宅だよ……。

 ま、家に着いたら可愛い嫁さんがトテトテと迎えに来てくれるわけで、それで疲れも吹っ飛ぶんだけどさ。

 ……あれ、来ない?

 ちょっと待て、それは辛い。

 1日の楽しみなんだぞ!


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: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
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.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /      「咲……さん……?」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >
693 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 18:38:51.66 ID:u72o6GN9o

 4/7

 なんかものすごく怒っていらっしゃる!?

 えっ、俺なにかしたっけ!? 覚えがないぞ!


                _.------.._
              /:::::::::::::::::::::::\
             /:::::::::::::::::::::::::::::::::::\
             |:::::::/::::::::∧;;;N\:::::::\
             /:::∠:::∧:|f;;}`  f;}|::::イ
               |:::::::イ   :::::::::;:::|::::N
             ^v;;;;;;;ミ    o /    「京ちゃん早くっ!」
                |  Tー- '
             _/    ̄ー-- 、
            /            |
            /  ,           \
         __ /   | ノ \.    ト __>\
       _ト 、:\_ ∧__i___... --‐'  _..--‐'\_
      イ ..:::::::\_ ̄ _ ___ -‐‐'   ::::::::::.. \
    _/...:::::::::     ̄ ::::::::::::::::::::::::::  \___  |::::::::::... \
   ノ..::::::::|:          :::::::::::::::::::::::::     ̄ |  ::::::::.....`Tー‐--┐
--イ::::::::::  |     /  .::::::::::::::::::::::::::      \   :::::::...\:::::::  |
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   , -‐‐ソ    ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..          ハ     ノ


            _,...---、_,.、
           / : /: : / : : ヽー-、
            /. : :, !: iハ!/メ、.i | \
            イ : :{ ヽN  'i:!/!人iヽi
         _1: : :i(    _ 丶:\
        /   `Yリヽ   '、_)'´!`ー`
      /:::..     |  ,. _/       「何やってんだ咲ィィィィィ!?」
.      /.::、::    ト、ィ'
      / ::::::|::    !;-!
    /  ::::|::     ! ヽ、        ,:-‐クヽ
    /    ::!::..   ⊥__!_      /  ..:ノ)
   /     |::::..         ̄`''''''' ′..::::::::::ノ
.  /:     |::::.....      ..............:::_,:::-‐'′
 /::      `ー‐┬---r―'''''''"" ̄__
./__       /!   i      / iu-゙、
/----、\   ::::/ |::  ⊥ __,...-‐'.i...:ヒノ
 ̄ ̄`ー`ー`ー-、/ |::.         _,.-‐'"
694 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 18:39:20.46 ID:u72o6GN9o

 5/7


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         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : \           \
       . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .  /  楽   い
      . : : : : : : : : : : : : .: : : .: .:: :. : : : : : : :. ′   し    っ
.     /: : : : : : : :i: ,:i: : : :ト、:,」L{i_:ハ:i: : : : : ::i     も    し
    厶イ: : : : : .:|i:八: : :.|.:ハ:i: :l|ノ州: : : : : .:|     う   ょ
      |.:: : : : :才Zノ\:|( 斗笊ミメ|: _: : -=j     よ   に
      | i: : : : ;抖笊ミ     Vーり l/ }: :/:八    !
      l人: : : :::.乂_り       ̄  .ノ.://   、
       乂: {:八 、、   '__  ``.刈乂      ー-----‐
         ヾ(      ヽ ノ  イリ
              >r‐   乂}ト。.
                Y^}     _./      、
     ___    /     |`` '"´ /       __:.
.   / 、Vn   ∧     :|  ̄ ̄ /      _/.  ;ミメ、
  〈 ュ`Yノ ノ  ′ト、    :|   /    ..:::イ :!′ } Y \
.   }⌒;´イ  {:!.!:.\  ;    ′ ....::::::/ ; |  / ∨\ ハ
   ハ   人  八 ;、:::.:\l   厶イ.:.::/---マ:!.:// . }  ヾ|
   [__フ_彡ヘ/  |  ー‐ミ以r‐… ´      |// {:八
   { 【  ハト、 !      )___{           j/  ≧=- 、
   ∨\  } E    /:.:.:.ハ        〈    \ }


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \  (ああ、太ったのか)
                    | ∧          ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
695 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 18:39:52.08 ID:u72o6GN9o

 6/7

                  _........----......._
              ,. : ´: : : : : : : : : : : : :`: : 、
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              :': : :,: : : : : : : : : : : : :、: : : : : : : : ヽ
            /: : :/: : : :/: : : : : : : : : |: |: : : : : : : ∧
             .': : : ' : : : / : /: :,: : イ: : :|: }: : |: : :|: : :∧
            , : : : |: : : / : /l: /: / }: : ,:.イ : /: }: :}: :!: : :.
             | : : : |: : /:{:_/_}ム/ / : /、_|:_/: /: /: :|: : : :.
             {: / : | : ィ´}//イ /}: / / }/`ヽ:イ: : ': : : : :
          〉,: :, {: : | ,ィ斧汽 /´ ィ斧汽、} : /:|\: : |
          {八:{ \:{とヒこソ       ヒこソっ: イ: :|  \}
          |   乂ム     :.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:  ムイl: /    「今日は私が動くから、京ちゃん動いちゃダメだよ!」
             从{∧     _   _     人:∧{
              |/ >:../^} /⌒l、` .イ }:./ リ
                ___/-'-'-- 、/〉「-、/ '
          ,.. <:::::::::::::::{======ミ`ヽ|〉::`::::...._
         /⌒\\:::::::/`ヽ:::::::::::∨, {::::::::::::::::::>-、


               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/  (なんという僥倖っ! 咲かわいい!)
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、
                     ///// |   /////////////////> 、
               /////// { //////////////////////}
             //////////∨///////////////////////|
696 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 18:40:31.22 ID:u72o6GN9o

 7/7

 ・数時間後


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  ゙、 ヽ       /        /:.:.:.:.:.:.:.:`ー-<      \:.:.://:.:./ /  \

        ,..-―へ/ . : : :ヽー- 、
        彡';´.:/.: : : ; : : ヽ: : .、ヽ
         //: : i: : : : :ハハ: : ;ハ:i、 iヾ、
   ー--‐':´: : : : |: : : | |   ゙、: ! И人ト、
   \__: : : /: :ヽ!、: |!    V     ハ
       / : /: : :/   r- 、 __, -‐'   !
        !:∠:イ´   丶、 _     _,..ノ   「も、もう無理……」
        |ハ:(        U   ̄ ̄   /
        |;ヘー\            /
            \: ;ヽ、   r--‐'′
           r―┴┐ ├┬┐
          ノ::::::::::::::|i  ! _|O|_
          /:: ̄ ̄ ̄\「:::: ̄:::::::\

 カン!
697 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/21(土) 18:41:31.70 ID:u72o6GN9o

 キャベツダイエットは効果的。四十八手は普段使わない筋肉を使うからいい感じ
 アラサー付近になると太りにくい体質の人がメタボ体型になるからお菓子はヤバい。てるてるヤバい

 >>684
 シロのエピソード把握
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 18:49:56.50 ID:/8OCEEfSO
>ああ、太ったのか
前科何犯ですか咲さんwwww乙乙
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 18:58:11.68 ID:+sbrlyRUo
女性は微妙な増加も気にするから……
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 21:24:10.02 ID:KDq8RWWyO
乙です
京太郎は咲にどれだけ搾り取られたんだろう…
三人目まだー?
701 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 23:12:15.23 ID:u72o6GN9o

 1/10


 石戸霞です。

 あれは高校を卒業して、京太郎さんのために修行を積んでいた時代になるわ。

 平行世界を垣間見た私は、この世界の京太郎さんのために巫女修行をしていたの。

 書物を読み漁り、ひたすらに自分を高めていたの。

 修行のしすぎで、時には手首を痛めてしまうこともあったわ。

 それでも京太郎さんのためを思い、私は日々鍛錬を続けていたの。


                ...-―――-...
               /:::::::::::::::::::::::::::::::::\
             /::::/:::::::::::::::::::::::::ト:::\::\
           /::/::/:l::::l::::|l::l::::::::::::i‘:::::::ヽ::::ト、
           .:::::l::::l:l:l::::l::::リ:ハ:::::::::リ-‘:::|::|l:::|i|
            |:::::l::::l从/i::// }::::::/__ l::|::リ:::|i|
            |:::::l::::|,斗≠ト 厶イ,斗=ミル::::::|i|
            l::八:::l〈 V炒    V炒 〉|l::::::リ |
            |:::::个ト、 ,,    、  ,,, ,小::/ !  「京霞本を二回出した程度で手首が痛くなるなんて
.          ‘::::::i:∧      __     //::/  ノ
             ‘::::i::::分、   ` '   ...:i/::/i       巫女修行が足りない証拠だわ」
             ‘::∨:::::::i〕i=-  -≦::/::/:::|
            ‘::i:::::l:::|∧   l ∨:/::::::|
             /‘:::::l:::| ∧_// ∨:/::::|
            /  /‘卅li   ∨/  W:::::::ト 、
        ∠   i  |:i::l|\   /  |‘::::::::|   \
.        ∧ `ヽ l _|:l::リ_ヽ./  / ‘:::::|\  i‘.


 そう、その時の私は未熟だった。

 時には滝に打たれ、時には瞑想し、時には一晩中書き続け、時には他のサークルの方と仲良くする。

 他の巫女を含めて、平行世界を見ることが出来たのは私だけだった。

 誰にも相談できない内容に、精神的にも体力的にも追い詰められていたわ。

 そんな憂鬱な、同人即売会での出来事だった。
702 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/21(土) 23:12:44.09 ID:u72o6GN9o

 2/10

                     _  \ー- 、
                   ∠二 _  ̄\ヽ   !
              -=_,,ニ二_   ヽ  )}  }
              / _,, -‐     ゝ   ノ、
                 / /              ヽ
              / /                 }
            .ノ       /           ヽ`ヽ、
          /.     /     /    l   !   l   ヽ
         /  /    /     / /   .}   l .l  }ヽl⌒ )
         ./  /       / /}∠!_  ./l__l__ l  l  l
        / ./ /   {  /7____|  /´j_∠!_/! リ  }
       (/{  { /   \{/(。::厂`;ノ ´(。厂)トノ\人
         乂 .八ハ  /   l ,,,`¨      ¨,,, ∧    ,ゝ
           `   )/从  l、      `   / }   .l  「あなたは……」
           _,,,../l \{::\   , 、 ./、ノヽ/)ノ
        ,, -<//////∧ \::::>..._ ,,..イ∧ ヽ
      /  \ ヽ/////∧  \  / .}///l  }
    ./      .、.}/////∧   〉∧ .|///l  l
  /        }.l//////∧  ,.ヘV∧ .l.//∧ .l
 /             ////////∧/ }::::} Y////∧ノ
.〈         , イ/////////∧ノ:ハ:ヽl.//////\
./\      / }////////////∧イ  Vl.////////ハ


           ,  ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::..ヽ
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;、:.:.:.:.:.:.:::::ヽ:::..:.ヽ
       // .:./..::::/.:::;:::::::::::/ ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:';::::....;
        /,'::.:::;'.:::::/.:::l!::::::::::;'  .';::::::::::l:::::::::l:::.:.:..i
        /.i::::::::|:::lL::-亠 : :::l  ̄丁T!::‐!::::::l:l:::::.:.::|
.       i !:、::::l::::l!、:_」L::::l:::l --+HL_:::l:::.;リノ:::.:.:...|
        ! .l:::::トゝ:!´__::_ヽ:川  ,,z=-zy/j;イ:::::::::::::::.|
        | .l :::::. lv'筰:卞 ヽ. ´ b::::::::jヽ .!l::::::::::::::.|
       l ::::::::l! .辷.ノ      ー.―   ll::::::::::::::.|
          l :::::: l. ,,,    '     '''    'l:.:::::::::: .|  「あら、宮守の……、お久しぶりです」
        l::::::::::l             /l:::::::::: .|
.         l::::: :::.l.    ャー‐ッ     /:::l:/::: :.l
         l:::: ::::::>...            イ:::::/ :: ::::::l
.          l:::: :::::::::::::>.....___ <  |:l:/:::: ..::::::'
          l::: .:::::: :::::/:::::l     /:::::::::.:::::: /
.           l::: :::::..:::/{:::::::|    /::::::::.:::::::::/
          l:: .:::.::/ ゝ´ll  /,':::::::::::::::::./> 、
         l: .::::::///  ! / /::::::::::::::: イ./   ヽ
.           l:.:::::/  ,'  /  /::::::::::::::;.' /    | .i
.          l=;/   l /   ,;:::::::::::::::,' /       ! l
           ,':::l  ./      i:::::::::::: / /    / l! .l
        /::丿, '     /!:::::::::::;' /    /     !
703 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 23:13:44.08 ID:u72o6GN9o

 3/10

           ___/ / /        \   \
           ⌒フ / ,  /   l 〈     \\ \
           /  / /  /  /| \      ∨ \ \
         /  / /  /-〜/-| {  \〜ー 、'   \ )
           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ
.             { /   }\__              ′ |   「とりあえず京霞本を三冊」
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
             /∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧



.   ′:::::′:::::::::′::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::/ ':::::::::::::::::::::::. \
   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::′ ':::::::::::::::::::::::.
   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::|::::::::::::::/|::::::::::::::::::::::::::′  '::::::: |::::::::::::|   |
   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::l:::::::::l:::i-l:: l‐::::::::::::: |::| ---|:::::::|l:::::::::::|   |
   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::l:::::::::l:::|八::|:::l:::::::::::::|::|__,  |:::::::|l:::::::::::|   |
   |:::::::: l :::::::::::|l::::::::::::|\从::l __}八{:::::::::::::l:ノ    从::::リ:::::::: 八 j
   |:::::::: l ::::::::::八::::::::::|  ,,xぅ斧笄ミ\::::::::|斗ぅ斧x )/:::::/:/  ノ
   |:::::::: l ::::::::::::::::\::::| 《 h __j刈   `ー┘ h__j_| 》厶イ イ
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::个゙  乂廴ソ        乂_ソ ,′:::::::|
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::::|               ,      ,′:::::::::|
   |::::::::┃ : :::::::::::::::::|    ``         `` ,′:::::::::::|  「ありがとうございますー」
   |:::::::::‘:::::::::::::::::::::::|\       r‐ ┐    人::::::::::::: |
   |:::::::::::‘:::::::::::::::::::::|::|       ` ´    イ:::_:_:__::::::::八
   |:::::::::::::‘:::::::::::::::::::「:|    `       ....::|:::::l:/ / /^Yヽ
   |:::::::::::::::‘:::::::::::::::::|八       T7^\:::::|::: / / / /Y^,
   |:::::::::::::::::‘:::::::::::::::|\\     //  `丶/ / / / | !
   |:::::: -‐ ‘:::::::::::: |  \\   .//.     / / / / .八 |
 -‐'^´     ‘:::::::::: |   \\ //    / / / /  /   ト、
704 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 23:14:12.52 ID:u72o6GN9o

 4/10

 そう、私とシロさんはそこで出会ったの。

 その場では話もそこそこに、帰り道を一緒にしたわ。


 「小瀬川さん、よろしければご飯でも食べに行きませんか?」

 「わかった……」

 「それにしても意外ね。小瀬川さんがここまで来るなんて」

 「今回は特別……。私だってやりたいことにはやる気を出す」

  それと、シロでいい」

 「それじゃあ私も霞でいいですよ」


 誰にも言えなかった趣味を共有出来る人ができたと思った私は興奮していたの。


 「シロさんに本を買ってもらえるなんて光栄だわ」

 「別に……京の本を売っている人なんて珍しいから」

 「あら? シロさんも京太郎さんと知り合いなの?」

 「うん」
705 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 23:14:47.22 ID:u72o6GN9o

 5/10

     \ー―――‐`         }
       \         --- 、 __ノ_⌒ヽ
      /⌒    /     /    Y^ ,
    ー=≠       /           |   ',
.   /     /      / /         \_
   /     /     / / /        /      Y´
.  /  / /   / _/_/イ_/,  、__/ ∧
  | /./ /   /´/|/´-l/   // /`^ヘ |   | l|
 八{ /  j/ ll ∧ :|芹苧豕 /l/苧豕, ∧|   | l|
   / イ / Ν/-、| | 乂_ソ}/   ヒソノ∧八 リノ
.     {  | \、_jノ        、   ,   ∨  「私と京は前世で結ばれた関係だから」
     \八  厂〕ト       _  人  i|\)
        )/(\ノ/}>   ´ イi:i:ト、)ノ /
            (\\\   爪 i:i:i:i:i:|∧
         ⊂ニ=---、__〉\:i:i:i:|  \
         /:i:i⊂ニニヽ \{\ |:i:i:i|   } ̄ |
.         /:i:i:i:i:i:iノ  {   \_,|:i:i:i:\     |
       / ̄て二...__......_   `゙<:i:i\  ノ
        |      ∨:i:i:i:i:i:> .     ̄ ̄ `ヽ
        |      ∨:i:i:i:i:i:i:i:i:i:> .        ',
.       /|      ∨:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i> ..    }
      /       /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i:|  ̄ ̄
     {        }:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:i:i:i0└┐___
.      \      ∨:i:i:-=彡:i:i:i:i:i:i:i:i:i/:i:|:i:i:i:i:i:
.         `ト――┬く:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:|:i:i:i:i:i:
.        |    |  \:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/|:i:i:i:i:i:


                    -―――-
               ....::´::::::::::::::::::::::::::::::::::`::..、
                /::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::\::::\
              /:::/::::::::::::|:ト、::\::::::\::::::::::::\::::\
                /:::/ :l:::::::::::|:| \::\::::::|::::::::::::::::\:::::.
            /:::/::Ν::::::::::|:|´  ̄\八::|:::::::::::::::::::::::::::::.
              |::::i:::::l-\::::::l八 斧苧干 |:::::::|::::::::::::::|::::::|
              |:::::\l  __\{   乂hソ |:::::::|::::::::::::::|::::::|
              |l::::::l::|斥汽         |:::::::|::::::::::::::|::::::|
           八::::l∧乂ソ ,     ″   |:::::::|::::::::::::::|::::::|
               Y:::::::. ″          |:::::::|::::::::::::::|::::::|
.               |::l::从 __ _      |:::::::|::::::::::::::::::::八  「ふんふむ」
              八::\::::l┌ヘ)`    /|:::::::| :::::::::/::::/
              \:::Y 二二〉‐=≦  |:::::::|::::::::/::::/
                 ∨ ┬_]┘:::::|   从::::::|:::: /:: /
                  /    八:::::/l_/⌒∨:|:::∧:/
              /  ノ/:::::://  /∨:::|⌒    、
.              _ノ  /::://   /   ∨|      \
           _//  /::://   /       ゙:| \     \
          / //  /'"´ /  /         ゙:.  }        ,
.      /  / , '"   /  /            ゙o.j      / :
      /   {/   /  /               ゙:\   /   :
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    /  /   /  /                |::|\:::\  ト.
    {  ./   /   /  . . . . . ..             ノ´| ∧:::::| ||
    {  {   /   / . : : : : : : : : : . .        . : : : :l / |:::::| ||
    { :八 : : { : : : {: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 八  |:::::| ||
    {   l\ { : : : {: : : : : : : : :_:_: : : : : : : : : : : : : : : /  /|:::::| ||
    {   |  \: : : \ : : -=ニ二ニ=- 、: : : : : : : : :/  / |:::| ||
    {   |   / ̄ ̄[二二フ二フ二二二二二二[  /   .ノ:::ノ  :|人
706 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 23:15:16.70 ID:u72o6GN9o

 6/10

 ……
 …

 私と京は、前世で従姉妹だった。


 『シロ姉、疲れたよー』

 『運動で疲れたのはわかるけれど、洗濯物は出して。

  それに、ご飯も食べるでしょ?』

 『やった! シロ姉の料理は美味しいからなァ」


 なんやかんやあって身寄りのなくなった私たちは、二人で暮らしていた。

 私は面倒くさがりで、京と二人で暮らすまでは自分で家事なんてしたことなかった。

 けど、そんな面倒なことも京の嬉しそうな顔を見られるというだけで、頑張れるようになった。


 『面倒くさがりのシロ姉がこんなに家事をするなんて思わなかったよ』

 『京、そんなことを言うならご飯抜き……』

 『わっ、シロ姉ごめんって!』


 嘘。京にはいっぱいご飯を食べてもらって、元気に育って欲しい。

 私は京の【お姉ちゃん】だから、京のために頑張るのは当然。


 『シロ姉聞いてよ!

  寺子屋でさー、女の子が弁当作ってきてくれたんだよ!』


 ピクリ、と自分の体が反応したのがわかった。


 『でも、俺にはシロ姉が作ってきてくれた弁当があるからさ』

 『……恋人が出来て、お弁当がいらなくなったら言えばいい』

 『えー! 俺はシロ姉の弁当が一番力が出るんだよね』

 『京はお姉ちゃん離れしないとダメでしょ』

 『俺、家族離れなんてしたくないよ』


 自分が嘘をついているのがわかった。

 京に恋人なんで出来て欲しくない。

 京にお姉ちゃん離れして欲しくない。

 京に他人なんていらない。
707 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 23:15:45.51 ID:u72o6GN9o

 7/10

                    / / `ヽー、     ー、   `ー /´
               _ -‐ァ'/       ´⌒ヽ  、 ヽ、_ 彡 ´
              /⌒ィ'´ /            ',  \  ヽ
                /´ア´ /  / /       !   ',   ヽ
            ({ /  ノ  / /       ! l    \   、   \
             `Y ィ´   / /    i l  '.   、 ヽ.  ',_  `ー-
             / /    /イ/i{    j{ j  、      \ ヾ  ̄´
            , ィア,' イ  /`7〜ヽ   ハ 八  (ヽ    ト、 }  ー、
           j/ / { { イzx、_エ、  j |〜〜、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
             ´ {  ヽハ、{i  佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ }  〉ハ    ヽ.
             ∨   ハ `  ̄   \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ     ハ
              ヽ { j! !    、     } ヽ!  〈 /フ   j!  / リ  「京には私がいればいい」
               `ヘハ ト          j       /´j}   ハ ノ
                  `  \  ゚ `   /    / ノ j_ノ ´
             _ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ    / `7=ュ。_
            イ  「ニニニ7   人j  ハ   〈  /ニニニ´⌒ヽ
           ´ i  ニニニ{  /l] `Y  ',   V /ニニ/    '.
               l  ニニニ、/!  [! (   '.   Vニニ7       }
      /     ハ  ニニニニニ|  マ、  ィハ    Vニ7        ′
     /       ',  ニニニニニ|  マ、ィ´  。    V       /
708 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 23:16:13.73 ID:u72o6GN9o

 8/10

 自分の考えが狂っていることは自覚していた。

 どうしても京が欲しかった。

 ……それでも、脳裏に浮かんだのは無邪気に笑う京の姿。

 私が狂うことによって京が悲しむのなら、不幸になるのなら耐えよう。

 家族として、京の幸せを祈れるのならばそれでいい。

 物分かりのいい自分と、浅ましい自分が対立する。

 気づけば、寝ている京をじっと見つめていた。

 ーーーせめて、最後に一つ、思い出だけでも。

 想いをを断ち切るつもりで、寝ている京にキスをした。


 すると、布団の中に引きずり込まれて抱きしめられた。

 何が起こったのかわからず、混乱する。


 『シロ姉、俺も我慢できないよ』

 『京……』

 『弁当は、好きな人がいるって断ったんだ。

  シロ姉のことが、ずっと好きだったから』

 『いいよ。京の好きにして』

 『シロ姉……っ!』

 …
 ……
709 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 23:16:43.33 ID:u72o6GN9o

 9/10

 ……
 …


                  ... ----- ...
                ..::´::::::::::::::::::::::::::::`::..
                  / .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                / .::/::/:::/:::: l:|::::l:::::::::::::::::::::::.
             ′::/::/:::/ l::::::l:|::::|\:::::l:::::::::::::.
                |::::::l::::l:::|:l__l::::::l:|::::| __}::::ト::::::::::l:|
                |::::::l::::|八{__\从ノ __j::ノ|::::::l:|
                |::::::|:::抖ぅ竿   ´竿冬、 l::::::/ |
                |::::::l从乂ツ    乂ツ'仏イ:::;
            ‘::::∧{ 、、   '   、、 }∧:::/  「まぁ! すごくロマンチックな話ですね!」
                 ∨::八    ┌‐┐    八:::/
.             ∨::::::::...   ` ´   . イ::::::/
              ∨:::::|:::〕iト -- i〔|:::|::::/
                _|=ミl/´ |    ll |:/::/
               / /:::/|  |    /l |:::::{ ̄ ̄`丶
             / /∠..._ |  |\_,// :|:::::|\   }∧
           {/´       `ヽnm/´|:::| ̄`丶{ ∧
           /         r|| l〈   |:::::|    \ :|
.          /         /l:|| | ∨八::::\    ‘,|
.          ,′       / ノ|l |  \::::\   !
.           |      /  /  !   ',     \::::\  |
.         从     /   _/  |   ',__    \::::\|
         {/∧     { .//  .人   \\   \:::}八
       /} \__/ /  /_\   }  \__,/|  \
       / /´ ̄ /  {/{三三三≧=ヘ    \  |   \


 「……信じてくれるの?」

 「ええ! 実は私も、平行世界で京太郎さんと連れあった仲ですから!

  同じ人を好きになったんですから、その気持ちが本物だってわかりますよ!」


 柄にもなく興奮してしまったわ。

 自分と同じような境遇の人に出会って、とても嬉しかったの。


 「そう、あなたも雰囲気が普通ではないと思っていたけれども」

 「うふふ、興奮してごめんなさいね」

 「一つ聞かせて、あなたは何故、京と出会おうとしないの?」

 「それはあなたも同じでしょう?」


        /   : : : : : : : : : : : : :\  : \
          /   . : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : \: : : :.
        ′  .:.:.:/.:.:.:./:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
.        i   :::::::|::::::: |::l:::::::::::/:::::::/:::::::::::::::::::| ‘:::::::::::|::::::::|
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       l :::::::::::::|::::::: |/\::|-\{- |::::::::::/l/ -、 И/::::::::::|
      !::::::::::::::|::::::: | ,,xぅ气芹ミ,ノ::::/ 斗ぅ冬,, ノ:::::::::::::|
.        !:::::::::/!::::: |〈 lh__,j刈   ̄    |h_j | 》/:::::::::::::|  「今の京太郎さんが誰のことを好きなのか、わかっていますから」
.       !::::::八 ‘:::::: | 乂辷ソ        乂_ソ ;:::::::::::::::;
.         ‘:::::::::::::\}:::::|   、、、      ,   、、 ,:::::::::::::::;
        ‘:::::::::::::::::|:::::|              ′:::::::::::;
        ‘:::::::::::::::|:::::|\       、 _,     .イ::::::::::::::/
        ‘:::::::::::::|:::::|:::::l` .        . イ::::|::::::::::::/
.           ‘:::::::::::|:::::|:::r|   `  ┬=≦l |:::::|:::::::: /
          \::八::::|:∧\     l| |\ノ |:::::|:::::::::|
              _\:::::|':::∧、\   l| |  ⌒i|:::::|:::::::::|
            /  \:::::::∧\\ l| |   八:: |:::::::::ト、
          /     \:: ∧ \ソ' |     \::::::: | \
710 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/21(土) 23:17:15.04 ID:u72o6GN9o

 10/10

 それから意気投合した私たちは、現在に至るまでずっと親友になったの。

 シロさんは欲望を抑えるためのものとして私の本を買ってくれるし、私がネタに迷った時にはシロさんに進む方向を決めてもらえる。

 時々、京白本を作って差し入れした時には、本当に喜んでくれたわ。うふふ。


      //ア    /  / イ   :ト、    \      \        \   \
.     // /     /  /  |    | \    \      \       \   \
.      /′i    /  /i   |    │  \      `ヽ      `ー- 、      Y⌒ヽ}
     {  |  ,:イ   :ハ`¨´`T´   |  、  \ト、  ヽ `ー- 、    \_   }
         |  | |  ト、ハ≫=zzz、   !   `¨´`¨´`¨´`¨´   |  |\    ヽ`ヽノ\
.      人  | |  |  代 {  __} \|    ィ=- ..,,__\ト、 j │ \    }     \
         \! 〉、 !  :. 乂_フ     ´下¨¨“_卞ゝ  jイ  ノ    ヽ  ノ      i
           /  ヽ ハ             弋  `フ ノ  j/`ヽ    j/       | 「霞、笑ってないで次のページ渡して。
.           / /   / :.    ,      `¨¨´        ノ      ト、   ト、   
         i  |  i :从                       /  ト、   | ヽ.  ; } /  早く校正しないと間に合わない」
         l 人  ト、  ト、    _          rー-イ  イ ! \ !   } / j/
         ∨  \! ∨V .>   `       イ {ス人jヽノ jノ    jノ  j/
               , ´∠ニニ>、 _ ... イ   /  \
                  / /ニニニニニ7   λ    /    /入
              /  {ニニニニニ7/「八.  /     //二\



                ---
           ...::´:::::::::::::::::::::::::`::...、
         /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
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.         ′ /:::/:::::/|::::/:::/:::::::::/:::∧::::|::|:::l:::.
         |::::::|::::|::l:::|-|:::l:::/:::/:::/::::/ l::::|::|:::|l::|
         |::::::|::l:|::|八 !从{:::/:::/::::/--.l::::|::|:::|l::|
         |:::八从斧苧ミxl厶厶イ- 、从::::|:::|l::|
         |::::::::| |l^乂_ツ     斧ミv' 厶イ: 八|
         |:::: 人|l  、、     Vツ }/:::::::::/ ノ  「はーい」
         |::::::::::从      '  、、 /:::::::::/
         |::::::::::::::l\   `ー   ..イ::::::::/
.        八::::::::::: l    ┬‐=≦:::|::::::/
        -\:::::::|\   h\|:::::::|:::::′
.      ´ 〈 |∧::::|  \  ノl  l゙` |::::{
   /l   l   |: : }=|    \/  :|   |::::|\
.  / ll   l   |: : l:::|\    〉  :|: : :.\!
 /  l   l Lノ: : :l:::|: : \ ./   |: : : : :.\ |


 さて、私たちは京白霞本の続きを執筆しなきゃいけないからね。

 今回の話はここまでよ。カン!


 684
 京太郎とシロの出会い
711 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/21(土) 23:23:28.07 ID:u72o6GN9o
 京太郎とシロの出会い(今世とは言ってない)

 残りのシチュがあと二つなんでまた募集
 区分はだいたい宮永家、和久マホ(喪女)、霞白玄(電波)、あわあわ(あわあわ)になりそう


 ・残りのシチュ

 124
 京咲の結婚式での照と清澄の様子

 619
 子供にペットをせがまれる
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 23:32:13.72 ID:nrKoQclF0
・幼稚園の学芸会(お遊戯会?)で劇(シンデレラ、西遊記など)をする子供たちを見る宮永家

・初めてのお使いをする子供たち&それを陰から見守る大人たち
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 23:33:21.01 ID:htbrZgRmO
乙です。
端から見たら妄想談義してるようにしか見えないなー
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 23:44:48.92 ID:7OvKhAb2o
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/21(土) 23:53:28.30 ID:ijkc/L0CO
昔に京ちゃんに宛で書いたけど渡さなかったラブレターが発掘されて
なぜか京ちゃんに朗読する羽目になった咲さんとか見たいです(畜生スマイル
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 02:47:09.66 ID:idI5hSuCo
京太郎が長期の出張中の家の様子
717 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 03:01:14.28 ID:f+5ZQ9ezo
ほのぼの宮永家リクが多くて嬉しい
女子会組か霞さんの需要の方が強いと思ってた

もちろんなんでも書きます。↓引き続きリクあればどうぞ
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 03:15:39.29 ID:Hx46m1IYo
京霞本を読んだ久と和の感想
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 06:13:34.32 ID:dRcIwvHIo
偶然京太郎と出会ってしまう霞さん
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 08:05:11.50 ID:35pqW6WSO
おつ!
ダメ人間製造機よのう京太郎

普通に素直に双子のお誕生日会を家で
ゲストは自由
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 08:07:19.92 ID:L7UiCzkhO
京ちゃんの男子会
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 11:22:53.09 ID:uktWnedbo
シロと京太郎が姉弟・従姉弟なのってどうしてこうも似合うんだろう
今のところ電波組のうちクロチャーだけただのグラビティ子っていう

お題:宮永家に偶然知り合いが大集結
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 11:51:43.78 ID:zKqRgIlWo
グラビティクロチャーに救いの手を……
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 16:07:51.65 ID:NhpdC6Kpo
乙です
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 16:39:38.85 ID:7C601RGx0
乙です
これは電波なのか、そうじゃないのか悩む……

リクは{クロチャー、長野に観光に来る}と{京ちゃん、咲ちゃん(&照)とドライブする}でお願いします
726 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 16:51:18.38 ID:f+5ZQ9ezo

 1/9

 619
 子供にペットをせがまれる


 「いやぁ、動物はかわいいなァ!」

 「本当、京ちゃんはこういうところに来るのが好きだよね」

 「動物好きだからね。

  カピーにも会いたい」

 「じゃあ京ちゃんの実家でも良かったのに」

 「なんか実家に戻りづらいし、照さんが来れないじゃん」


 須賀咲ちゃんです。今日は動物との触れ合い場に来ています。

 京ちゃんが動物好きなので、ショッピングのついでにこうして寄ることが多いんだよね。

 毎回、実家のカピちゃんに触れば? って言うんだけれども、京ちゃんは何かと理由をつけて帰りたがらないのです。

 でも、確かにかわいいなぁ。

 あそこにいる大型犬なんて、人懐っこくて温和で京ちゃんみたい。


 「咲、あそこの犬かわいいね。

  京ちゃんみたい」

 「……お姉ちゃんと発想が同じだった」

 「?」


 お姉ちゃんは動物に触り慣れていないので、恐る恐る触っている。

 それに対してはち切れんばかりに尻尾を振って喜ぶ大型犬。

 ……うーん、京ちゃんがお姉ちゃんに撫でられて尻尾を振ってると考えると複雑かも。

 そもそも、京ちゃんがお姉ちゃんを撫でていて、尻尾を振っているのはお姉ちゃんなような……。
727 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 16:52:53.56 ID:f+5ZQ9ezo

 2/9

 「お、おお? おおおおおお?」


 そんなこんなでボーッとしていたら、お姉ちゃんが大型犬に思い切り抱きつかれて頬を舐められている。

 京ちゃんがお姉ちゃんをペロペロ……、そ、それはダメ!


 「きょ、京ちゃん、助けて!」

 「えー、羨ましいですよ!

  懐いてもらってるんだからいいじゃないですか」

 「ざ、ザラザラしていて変!」

 「そりゃ、犬の舌ですからねぇ」


 普段は過保護な京ちゃんも、相手が動物となっては助けてくれないみたい。

 何せ犬の方はお姉ちゃんを気に入ったみたいで、抱きついて押し倒さん勢いだ。

 涙目になってペロペロされるお姉ちゃん……か、かわいいかも!


 「さ、咲!」

 「私じゃどうしようもないもん」

 「ううー!」

 「頑張ってねー」


 万策尽きたのか、私にも助けを求めてくるけれども、どうしようもない。

 私までこうなったら大変だし、何より子供の面倒をみなければいけないので少し離れた位置から見学しています。

 前は触りたいなーって思っていたけれど、カピちゃんが懐いてくれているので満足なのだ。
728 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 16:53:32.73 ID:f+5ZQ9ezo

 3/9

 京ちゃんはフラフラといろんな動物を見ているみたい。

 思いっきり犬をモフッたと思ったら、次は人懐こい猫に囲まれてご満悦。

 旦那さんは気楽でいいね……。さて、問題はこっちだよ!


 「いぬー!」

 「いぬ……」


 二人とも抱きつけるくらいの大型犬が気に入ったのか、がっしり張り付いている。

 息子なんて乗りこなそうとしているくらいだ。危ないから降ろしてもらっているけどね。

 娘は……恐る恐る近づいて、最後に抱きしめるって結論になったのか、抱き枕代わりに抱っこしている。

 大型犬も父性だか母性があるのか、されるがままに枕になっている。

 ……これは嫌な予感だ。

 それから一時間、息子は飽きたのか外に行ったりもしたけれど、娘はずっと大型犬を抱きしめていた。

 大型犬も子供には何もしないので、されるがまま、娘のおもちゃになっていた。

 ……くるぞくるぞ。
729 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 16:54:14.58 ID:f+5ZQ9ezo

 4/9

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  (     ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ    //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi  b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ//   / 
  `ー-、__/    `      !\::.ム.! ー―'   ,  ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ /   / \_
  ___ノ          ノ   )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / //   /、`ヽ、 `ヽ  「ママ! この子つれてかえる!」
 f        __       ∧ ,.へ iヽ! \  、___ノ   / / / // / / /   '"  ̄ヽ!__/
 `ー-----r‐'" i        r/ /   ,  |ノ!   `ー----ァ'"   / i! '"  / 〈  i         ̄  `ヽ
       \  ヽ     !_ノ _/__ノ ヽ、  \ /  /  !、  i    V   、_    、____ノ
        )  | 、ヽ_,ノ、_/---、〈   `ーァ、___,、_/   !: : ̄ヽ,_/    `        )
        (_ノ  ソ  /:.: : : : : : _〉   ,,"   ゛、     ノ: : : :/       _`  /  (ヽ
          ヽ  |  |: : : : : : :/ 〈 \ 《      ゛、 /゙、: :/   ,.---‐二ノヽ___!、   \
            i  |  ゙、: : : : : i       ゛、     ラー=-|:(__,..イ `ー'´      7\_  )


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      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./    「だーめ!」
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \
730 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 16:55:11.32 ID:f+5ZQ9ezo

 5/9

 さあ、母娘のバトルが始まったよ。

 本来ならば息子が欲しがるタイプなのだが、今日は珍しく娘が仕掛けてきたようだ。

 あまり言いすぎると落ち込むので、適度なバランスで戦わなければならない。

 まずは泣きながら喚く娘を落ち着けるため、抱きしめる。

 ゆっくり背中をさすり、泣き止むのを待つ。


 「なんで犬が欲しいのかな?」


 怒ってないよ、と優しい声で呟くように伝える。

 嗚咽交じりの声を聞くと、『よくわからないけれど犬がいい』とのことなのだ。

 子供だから、自分が何で欲しがっているのかもわからないんだ。


 「今、家の中にいて寂しい?」


 ピクリ、と身体を動かした。

 うー……、これは大人たちが謝らなければいけない事だ。

 最近忙しかったが故に寂しかったのだろう。

 特に、幼稚園では兄が守ってくれているとは言え、ずっと兄と一緒にいるわけにはいかないだろう。

 帰ってきたら友達の出来た兄は外に飛び出して遊び始め、私は家事。京ちゃんとお父さんが夜遅くて、遊んであげられる時間が減ったんだ。

 私がもう少し何とかしてあげるべきだったなー……反省。

 ここで理路整然と買えない理由を話しても、全部自分でやると言い出して止まらないだろう。

 だから、こっそり妥協点をあげちゃおう。


 「ごめんね。お母さんがあまり構ってあげられなかったから」

 「……」

 「寂しかったよね……ごめんね……」


 やばいです! 私まで泣きそうです!
731 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 16:56:07.02 ID:f+5ZQ9ezo

 6/9

 「ほら、パパのところに来なさい」

 「えっ、京ちゃん?」

 「普段寂しがらせてごめんな。

  一週間いい子でいてくれたら、プレゼントをあげるからさ」

 「えっ?」

 「……わかった」

 「よしよし、いい子いい子!」


 そう言いながらいきなり担いで肩車をしだす。

 娘はびっくりして目を回してるよ!


 「我儘をプレゼントであやすのはよくないよ。

  それに、片方だけにプレゼントすると……」

 「まぁそう思うだろうけど、今回は昇進祝いってことで、な?

  あっちにも考えてあるから任せとけって」


 うーん。不安だなぁ。

 確かに昇進祝いってことでちょっと貯金を切り崩すのもありなのかな?

 いつも厳しく躾けてるし、京ちゃんに任せてみよう。
732 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 16:56:49.13 ID:f+5ZQ9ezo

 7/9

 ……
 …
     , ´   /  .' / .'  '        | l  | l |  |
   /    / '   |  | | l|  |    l | ,  } l |  |
 _/    イ /   l|  |_,∧_{  :.   ,-|-}-/、 ,  |  {   _   ___,-、 __
  ̄ ´   / /    {  |、{ l∧  {、   | }/イ/},イ /  l_、  { Y´ /  '   }- 、
      {〃   r∧ |ィ斧ミ从 、Y , イ斧ミ、 } /l|  l、r  ̄ {   {  |  / _ }、
      /    /{ 从{、 Vzリ  \Y/ Vzり /イ } / |   乂_人_/、_/   / \
       /   //从 l∧\       ,\        | /イ/   }==   ̄ ̄ ̄ ー く
     /  イ'  {/l∧ ∧      、        ,イ/j'  /             \
    ̄ ̄        ー∧         _,     从    ,                 \
               ヽ 、    ` ¨  ̄   ィ }/    /     / '
                 ∧ \       / |/>  ,      /
                  {(从_|     --  ´ 「/// |  {
                  |/ ̄}}          |////|_ |    「ほら、一週間いい子でいたな。いい子には、これをプレゼントだ!」
            _,.:<|///||          l/////` |
     _,.. -=<///// \//}         ,r-/////// |
  <//////////////////∧-- 、    {///////l{ 


   _(⌒ ̄ ̄ ̄\
  /   ●  ▼ヽ
 |      人 |
 |       ノ
  U ̄ ̄U ̄ ̄ ̄U ̄


  /  : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ::       ',
. /  : {   : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !:    |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ   ヽ;| |: : : |  ,≧:|_  マ:|',:. :  |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ   ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
.  l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ    ヽj  i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
.  |: : : : :,:.A | { :::::::::: }        .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/     「わぁ……!」
.  |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ        `゙'''''´  .//ノ-‐''" ̄ ヾ
  .レi: : / ヽ∧ ⊂⊃   `     ⊂⊃  " /: : : :..: : : : ̄` ' 、
ー==,.∨ ̄ミ=',      .___,   .    /≡ィ゙\: : : : : : :
_/      .: : ゙∧                /ヽ   `ヽ\: : : : :: : : : \
 _/ : : : : : : /{"゙,ヽ          ,   へ ::    - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. >   . __, . - "〃ヽ \,.'       ヾ: : : : : :  ヽ
: : : : : __/      ' ,: : \      {__,.. '       ノ:\
733 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 16:57:33.55 ID:f+5ZQ9ezo

 8/9

 出てきたのは、大人サイズのカピバラぬいぐるみ。

 ……デカっ!? 私たちが抱き枕に使ってもいいくらいだよ!?


 「これがいれば寂しくないか?」

 「……う。うん」

 「これと、パパが早く帰ってきたら寂しくないか?」

 「うん!」


 花が咲いたような笑顔で京ちゃんに飛びついている。

 ま、ママもいるんだけどなぁ。頑張らないとね。

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}    「なるべく早く帰るようにするからさ。
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'     それまではソイツで我慢してくれよ?」
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


                     /:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\
                    /:..:..:..:..:..:..:.:.:.:.:.:.:..:.:.:..:..:..:..:..:ヽ
                   ノ:..:..//:./:./:./:.:.:.;、:.:.:i.:.:.:.:.:..:.:、:.゙、
                   /、  / ,ィ_,A:.ハ.i.....i !|__|___|、:.:.:.:.i:.:i
                 /  )_:.i:.´|V ソ .|!:.:.:| !ト、:!、:|`|:i:.:.:|:.:|  __        ,.-‐┐
   ___        ,:=''"/   .//:.:.|:.:.|ィ≠=、 !、:.:| z≠=、ハ:.:.i:.:.l/-―ァ    /   ノ
  (     ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ    //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi  b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ//   / 
  `ー-、__/    `      !\::.ム.! ー―'   ,  ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ /   / \_
  ___ノ          ノ   )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / //   /、`ヽ、 `ヽ
 f        __       ∧ ,.へ iヽ! \  、___ノ   / / / // / / /   '"  ̄ヽ!__/  「うん! パパだいすき!」
 `ー-----r‐'" i        r/ /   ,  |ノ!   `ー----ァ'"   / i! '"  / 〈  i         ̄  `ヽ
       \  ヽ     !_ノ _/__ノ ヽ、  \ /  /  !、  i    V   、_    、____ノ
        )  | 、ヽ_,ノ、_/---、〈   `ーァ、___,、_/   !: : ̄ヽ,_/    `        )
        (_ノ  ソ  /:.: : : : : : _〉   ,,"   ゛、     ノ: : : :/       _`  /  (ヽ
          ヽ  |  |: : : : : : :/ 〈 \ 《      ゛、 /゙、: :/   ,.---‐二ノヽ___!、   \
            i  |  ゙、: : : : : i       ゛、     ラー=-|:(__,..イ `ー'´      7\_  )
734 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 16:58:20.93 ID:f+5ZQ9ezo

 9/9

 「結局お高いもの買っちゃうんだから……」

 「まぁ、内向的だとどうしても寂しがる時が来るだろうから、仕方ないよ」

 「そうだ、ね。これは私の失敗かー」

 「いつかやることだったから、そんなに気にするなよ」

 「ちなみに、問題の方には何を買ったの?」

 「スポーツ用のシューズ。ハンドで遊びたいらしい」

 「そうなるといつまでも妹の面倒見てられないもんね」

 「動物を飼うのも悪くはないんだが、リスクが大きすぎてだめだ」

 「とりあえずこのまま行こうよ」

 「ん、そだな」

 「これからは、誕生日とクリスマスのサンタさん以外でプレゼントは禁止だからね!」

 「わかってるよー。

  親戚周りにもやらかさないように言わないとね……」

                        ____  ,- 、_
                       ⌒>    `  ヽ  ` 、
                       /,      ,   | l   ヽ
                     /イ  ,/ / |{  | | | l |   .
                       / イ { /{-从 }/}-}イ |  |
              r-、_         V从 ィ=ミ∨ィ≠ミ| / , ∧
          ,. : : : ̄:´ゝく)、        ヽム   '     |/イ V }  「ま、大丈夫だって、心配すんな」
        /: : : : : : : : : : : \          }∧ v  ァ  'r-イ
         ,: : :,: : : :/:}: : :|: : |: : ヽ         _、__  イ/}_/
       : : : |: /-'{: |: : 从: }: : 、: .    ___ {// }   r≧7}
        | : : |: ィ雫 |/ィ雫}:/:∧:} <//////////  「/////>- 、
        l : r从 ゞ'  , ゞ'{イ: :{/}'///////////{l _|//////////\
        从乂:、 u:.:.:  :.:人//////////|/////∧:: ////////////// 、     「もう、女の子の頭を撫でちゃダメだってば!」
         }/ハ>  _´ イ///////////////////∨////////|//////∧
       ,......-.ノ   V -.乂___,..---- {////////o//r====、 }、//////∧
      rく.、.......{    }...........7 、       |/////// ///////// | ∨/////∧
      ∧ \....\  /....../l/ }       |////////o////////{  ヽ./////∧
      { V  ` rミ ∨=≦ 〈 ⌒Y     |/////////////////|  /⌒////〉
      |  {    ` [二]´  「二二}      |////////o////////| ////////

 カン!
735 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/22(日) 16:59:45.78 ID:f+5ZQ9ezo
 いい夫婦の日なのでほのぼの
 でも夜までに間に合えばクロチャー投下予定
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 17:05:14.83 ID:cf43FNbfo
乙です
すごくかわいい
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 17:15:17.79 ID:35pqW6WSO
おつおつ
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 19:03:03.31 ID:R7hulqZHO
乙です
クロチャー襲来…
他の阿知賀勢も気になる…
739 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/22(日) 19:56:12.30 ID:f+5ZQ9ezo

 1/6

 723
 グラビティクロチャーに救いの手を
 725
 クロチャー、長野に観光に来る


 須賀咲です!

 早速ですが、インターホンが鳴りました。

 そういえばお姉ちゃんが『お客さんが来るよ』って言ってたよね。



            /   . . . . . . . : : : : : : : : . . .   \
             ,  . . . . : : .:. .:..:.:.:.:.:.:. .:. .:.:.:.:.:..ヽ:. . :. ヽ
          /  . . . : .:.:.:.:.:.:.:′.:.:.:.:. i{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:..‘. ∧
            / :/ :/:/ ..:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:. | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨. ‘.. .
         / .イ ′:.:.:.:.:.:{:.:.:.:,| ...:.:.:.: {∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:. :. i
        ././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
        i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
        |′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \  ヽ. \} :. : |: :{
            i . .:.|:八.:.|ヽ{  _    \   ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
            | : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ     ´   `'^| :. : |:.小
            |.:/ :! .:.:.:.ハ ′             /i/, | :. : |:.|i
            |:′:} .:.: :| ∨ /i     '       .:. :. :.!:. l: {
         ○: :′.:.:.ト. .           ,      八:.:..:}:. l:.‘    「こんにちはー」
         /:.{: :| .:.:.:. {:: 込      `   ´   /}::.:.:./::. :!:. ‘
          /:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:.....       .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧
       i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.
       |{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂    / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.
         .′..:.八:!ム:.七¨⌒}     >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、
         / . rヘ´ ヽ \  |   ∧   ∧'ィ斗v′:.:/       ヽ
.        / . :′       八_{ ̄≧ V__/イ´  {'リ:.:.:.:′      / }
       / . . {⌒ヽ       八  z__{ }___,  {.':.:.:./      /   |
      .′. .:|    \      《    ハ下  . /.:.:.:.′   ,    小
      / . . .:.{     ヽ   }  ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./     /     {:∧
.     / . ./..:.:}      . | く    /  }  ;:.:.:.:.:′ .′/     {:. .‘.
    / . ./..:.:.:.i      ∨ }    `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′     }:. . ‘.
  / . :/′:.:.:.}  ‘.     V|         ∨   |:ノ}:.:}  j /    /  {:.:. . ‘.


 今日はお姉ちゃんの友達が遊びに来ました。

 何と、私たちが新婚旅行で再会した松実玄さんは、お姉ちゃんの友達だったようです。

 お世話が好きな玄さんは何かとお姉ちゃんを気にかけていたようで、気づけばメールでやりとりする仲になっていたとか何とか。

 私も知らない仲じゃないのでお話していたんだけど、本当に優しいんだよね!

 石戸さんみたいに母性的というか、理想のお嫁さんって感じで羨ましいよっ!

 やっぱりこういうのって潜在的なものなのかなぁ。

 私には一時期お母さんがいなかったし、……っとダメダメ! こんなことを考えると重い女になっちゃう。

 玄さんを見習わなきゃ!

 それにしても、おっぱいもあるし、露出も少ないし、京ちゃんの好みど真ん中じゃん。ぐぬぬ……。
740 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 19:56:55.00 ID:f+5ZQ9ezo

 2/6

 「わざわざすみません」

 「そんなことないよ!

  子供達と遊ぶのって楽しいもん」


 ああ、本当にいい人だ!

 
 「クロー!」

 「はーい」

 「……!」


 子供達も玄さんのことが気に入っているようで、何かと飛びついている。

 特に娘の方がクロさんに憧れているのか、おままごとを頼む。

 そんな子供たちに対して、嫌な顔一つせずに付き合ってあげているって本当にすごい。

 だって、自分の子供ならともかく、親類ですらない他人の子供相手にこれだけ母性的になれるんだよ?

 うう、かなわないなぁ。


 「よければ、私がご飯を作ってもいいかな?」

 「えっ、そんな、悪いですよ!

  お客さんなのに」

 「私がしたいんだ。

  それに、照さんとも約束してるしね」


 うう、そう言われると弱い。


 「じゃあ、お願いします。あるものは全部使っていいですよ」


                      -――-
                . . : : : : : : : : : : : : `丶、
                   / :/: : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
                  . : : :/:/::.::.::./::.::.::.::.::.::.::.:: : ヽ::.::.
            /::/::.:: /::.::.::./:|::.::.::.::.:|::.::.::.::.:i.::. ::.:
            ,'::/::.::.: i:.::.:: / │::.::.::.::|\| .:: |::.| ::.i
             |::i::.::.:|::.|::`ト|  | :|::.::.::.L イ::.::|::.| ::.|
             |::i::.::.:|::从≫=ミ|八 .::. 抖=ミ从::| ::.|    「おまかせあれ!」
             |::i::.::.:|::.:|{ rJハ  \_{.rJハ }|::.:| ::.|
            V|::.::.|::.:| 弋ツ    弋ツ ::. | ::.|
            /Y:|::.:|'. ::、::、  '   ::、::、 /|: | ::.|
             ,::/゚|::.l :.仏     __     厶|: | ::.|
            .:/::.:|::.| :.|:个: . .  ‘ ’   . :介/::/::八
          /::{/{∧::.::.i.::|〈  {≧ ‐≦}  |/::.::.: /ヽ::..
            / ::.::/ _V^>、|∧ ∨ーヘ. /iレく∨ ∧.::.、
.           / ::.::.」 // \く>、∨|  /∨rく_ン⌒∨ |::.::.\
          /::.::. 〔/ //⌒7┴ヘ_,//ー| ̄\\.\ 〕 .::.::.:\
       /::.::.:/       〈  -={_}=ー 〉`     \ .::.::.::.::\
.      /.::.::/{          人_,/| |\_人       ト、.::.::.::.::.: \


 「さて、こっちはママで我慢してねー」

 「クロー……」

 「ムー……」


 二人とも不満か! ママの何が不満なんだ! やっぱり胸か!
741 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 19:57:29.87 ID:f+5ZQ9ezo

 3/6

 「お、美味しい……」


 か、完敗です……。これが旅館の味……。

 私だって主婦だし料理には自信があったけれど、やっぱりプロは段違いだね。


 「味は大丈夫かな?

  一応、旅館の味だと子供が食べにくいかなって、アレンジしているんだけど」

 「こ、これで普段と違うんですか!?」

 「うん。だって老舗の旅館の味だと子供の舌には合わないもん。

  お客様に合わせた料理をしないとね!」


 う、うう。なにこの完璧超人。お嫁さん力が高すぎるよ。

 サービスを押し付けるのではなく、相手に合わせたサービスを展開するなんて。

 これはもう、私がお嫁さんに欲しいレベルだよ!

 お姉ちゃん1が石戸さん。お姉ちゃん2がシロさん。お姉ちゃん3が玄さんかぁ。

 ふふっ、なんか嬉しいな!


 「壁|ω・`)チラッ」

 「あっ、お姉ちゃんおかえり」

 「咲が私をディスった気配がした」

 「そ、そんなことないよ!?」

 「おかえりなさい!

  ご飯できているんで食べてください! あ、お風呂のほうがいいですか?」

 「……咲、家に帰ったら可愛い嫁さんがいるんだけど、これはどうしたの?」

 「私にもわからないよ……」

 「か、可愛いだなんて、嬉しいな、えへへ」

 「「(あざといけどかわいい)」」
742 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 19:58:06.50 ID:f+5ZQ9ezo

 4/6

 そんなこんなで満喫してもらって、玄さんは帰って行きました。

 京ちゃんが帰ってきたら挨拶させようと思ったんだけれども、どうしても帰るって言うから仕方ない。

 石戸さんもシロさんも玄さんも京ちゃんと遭遇しないような、気のせいかな?

 みんなの話を聞いている限りだと、京ちゃんが嫌われているわけじゃないと思いたいなぁ。

 さて、玄さんが使った食材を確認して、京ちゃんに嫁さんの料理を作っといてあげますか!


 「あれ、家の食材が減ってないような。気のせいかな?」

 「咲、どうしたの?」

 「なんでもないよー。多分気のせい。

  それにしても、お姉ちゃんもすごい人と知り合いなんだね」

 「お姉ちゃんはすごい」

 「お姉ちゃんじゃなくて、玄さんがすごいの!」

 「(´・ω・`)全日本代表なのに」

 「うっ、それはそれとして、お嫁さん力の話だよ!」

 「咲もいい嫁さんだから大丈夫」

 「お姉ちゃんがデレると気味が悪いよね……。

  最近京ちゃんと遊んでないから京ちゃん貸して欲しいんでしょ?」

 「(;´・ω・`)ぎくっ」

 「お姉ちゃんからも玄さんにお礼言っといてよね。

  最近何かと迷惑かけてるから」

 「うん、わかった。

  ……最近、か」


         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
        /: : : : : : : i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
      /: : : /: : : : /i: : : : : : i: : i: : : : : : : ',: : : : : ',: : : : ヘ
     //.: : : :′: : :/ i.: : : : : : |',: :i゙、: : : : : : ',: : : : : ',: : : : :.',
   / :/: : : : i: : : : :′l:',: : : : : :i ',: ',. 、: : : : : :i: : : : : :',: : : : :.',
  /  ′   | : : : :i  ',:',: : : : : i ',: ', 、: : : : :i: : : : : :.i: : : : : i
/ . : : :i.: : : : : :iハ : :i  ',:ト: : : : :i  ヾ_,‐弋: ̄:ハ.: : : : :.i: : : : : i
: : : : −|: : : : : :i.  ',: i ̄` ',i ヽ.: : :i ´‐ 、   \:i i: : : : : i: : : : : |
´.     |: i: : : :ハ  ≧i ‐-   \: i ‐彳干圷ヾ i: : : : :.リ: : : : : i
     i:ハ: : : i: i 斤ハ  ミ、   ゞi  ち:::::::;ハ ゞ: : : :/ : : : : : :i
     i:i .ト.: :i: :i. ', ⊃:::::ノ:i       弋:::::丿ソ i: : :./⌒ヾ: : : :.i   (最近よく来てくれるけど、こっちで就職したのかな?)
.      ',} i:ヽ.:i: :i  弋二丿         ─ ´  j: : /   i: : : :.|
       i: : ヘ.: :i                 / ´    /: : : : |
        i: : : : : ハ      '              /.: :: : : :|
.      i: : : : : : :、                r‐‐ ´ : : : : : : :|
.       i: : : : : : : :.、     - ─      イ::::::::::::. : : : : : : : |
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       i: : : / i::::::::::::::::::::>  __    ´   |:::::::::::::i: : : : :./. i i
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     y ヘ         i. __  /     ´
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   /  ', ',::',        i      /
743 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 19:59:19.83 ID:f+5ZQ9ezo

 5/6

 ……
 …

 「ごめんね、お姉ちゃん。

  お仕事任せちゃって」

 「ううん。お姉ちゃんだもん。

  それに跡取りの女将として、玄ちゃんがいつお嫁さんに行っても大丈夫にならないと、ね?

  そういえばどこに行ってきたの?

  最近よく出かけるけど、彼氏?」

 「結婚の予定なんてないよぉ。

  ちょっと長野に行ってきたんだ!」

 「長野……?

  ま、毎回長野に行ってるの?」

 「うん」

 「行き帰りで10時間くらいかかるよね……?」

 「そうだよ?」

 「な、何をしに行ってるの?」

 「ふふーん。前に来てくれた京太郎君の子供達の面倒を見ているんだ!

  私は宮永照さんと知り合いだから、ちょっとお話した時にそんな流れになって」

 「子供の面倒を見るためだけに毎回通ってるの……?」

 「うん。材料を買って行って、料理を作ってあげたりもしてるよ。

  あ、大丈夫だよ。

  他に趣味もないからお金はあるし、無駄遣いじゃないもん」

 「そ、それもあるけど、そうじゃなくて。

  行き帰り大変でしょ?」

 「?

  私が好きでやっているんだから全然大変じゃないよ?

  それにね」
744 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 19:59:50.35 ID:f+5ZQ9ezo

 6/6

                   -―……―-
                ...:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ
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           ′::::i::::::|\:|.{:|  ::ト::::::::ト、 \::/:i::::::::|::|::::::::|:.:.|
        |:: '::: i:::::乂:::ト{:|_、{ \::{__ 斗へ:::::i::::::::|::|::::::::|:.:.|
        |::|l:::::i:::::::::ト::{ `   \. ヾ      ヾ|::::::::l::|::::::::|:.:.|
        |::|l::::ハ::::::::ハ  ___-     、___ ,、|::::::::|イ::::::::|:.:.|
        |::|l::/ ::::::l:::} ´` ̄´      ̄´ .|::::::::| }::::::::l:.:.:l  「行きは『これから会えるんだ』って思えば楽しいし
        |::|l:{  i::::::l:::| 、、、、   ,   、、、、 |::::::::|/::::::::i:.:.:.l
         `O′ |::::::l从             j:::::::〃:::::::ィ::.:.:.l    帰りは『次は何で遊ぼうかな』って思うと楽しいんだよ』
        /::j  |::::::|::i::>   `   ′  . ィ:::::::/i::::::::::|::.:.:.:l
          {:::/   |::::::|::|:::::::::|>     < {::::|:::::/:/::::::::::|:.:.:.:.:l
          |::{  .从:::Y:::::::|l:::: r‐}`´ __ ノ }/:::/:/:::::::/:::|:.:.:.:.:.l
          Y  /::::ヾ::::{:::::::|l::ノ ∧__∧ ∠::::/_'::::::::/:::::|:.:.:.:.:.:l
          /.::::::::::\r‐ '〃/レ  〃ヽ 厶イ /:::::::/\_|:.:.:.:.:.:.l
             '::::::::::::::/ ` 厂 ̄`r=く  ̄}/  /::::::::/  ⌒ヽ:.:.:.:.:l
           /::/:::::::::/   廴_ 八    {  /::::::::/   /  V.:.:.::l
        /:ィ:::::::::/   く __ ノ 辷=- _〉/::::::::/  /     V:.:.:.l
      /〃 j::::::::/ レ        } /   ̄ ./::::::::/  /     }:.:.:.:.l


    /: : : : : : :/: :/: : : : ::/: : : : : : : :/!: : ::/!: : : : : : : : :l::l: : : ::}:ヽ: : : : ::ヽ
    /: : : : : : :j:: ::/: : : : ::/: : : : : : : /.j: : :/.j: : : : : : : : : l::l: : : : }::ヽ: : : : : ヽ
   /: : : : : : ::j: : l: : : : : /: : : : : : ::/ /: ::/ j: : : : : : : :/!:ll:::l: : : : :l: :}: : : l: : :
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  /: : : : : : : :l: :/l: : : : ::jr‐ナ:フ─.メ-ノ-フ: : : : : : : :/j:j .}/|: : : : }: ::!: : ::|: : : :|
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  l: : : : : : : : :|: : |: : : : : |r=チテ心ミ、 /' /: : : : /.// /`メ、j: :/j: j: : : :|: : : : |
  l: : : : : : : : {:/!: : : : ::| ん‖:::::: リ  ノ_: :/ ノ' ./' .j:/j`Xj::/: : : }: : : }!::|
  !: : : : : : : ::|r' Y: : : : ::| つ::::::::o'::メ        rチテミ、/./' .//: : : : j: : : jl: l
 .!: : : : : : : : |  |: : : : : | ゝミ :::乂        .ん/:::::::リ ヽ./: : : : : ::j: : ::ノ!:j
 .!: : : : : : : : |  |: : : : : |        ::::::::::::::  {っ:::::o::メ 〉/: : : : : :/: :ノ.j/ 「う、うん……」
´ !: : : : : : : : |_ .|: : : : ::|.  ' ' '    :::::::::::::::::::: ゝ:::__ソ  /!: : : : : :l:/
 |: : : : l: : : : | ` |: : : : ::| U                  ./:l: : : : : :Y!
 |: : : : ゝ: : : |  .|: : : : :ト、               ' ' '  /::j: : : : : : !:!
 |: : : : ::ヽ: : :|  .|: : : : :|  `ヽ、  r─-‐、_        ./ ::l: : : : : :j::!
 |: : : : : :ヽ: : :!  .!: : : : !、    ` `─- 、_ )      ./:j: l: : : : : :}::}
 |: : : : : : :ヽ: :!  !: : : : ! \    ` ヽ、       .ノ`ゝ}: : : : ::/:j
 .{: : : : : : : :ヽ:!  {: : : : {          \---‐' ´ _.ノ: : : : :/::j
 .ゝ: : : : : : : :ヽ{.  ゝ: : : ヽ           ` ヽ、   j: : : : :/: /
  : : : : : : : : : : ゝ  ヽゝ: :\              `ゝ/: : : ::/: 〈
、 __ ヽ: : : : : : : : : ゝ 、   ゝ::\           _ ,,,ノ: : :,r.〈ノ. ヽ

 カン!
745 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/22(日) 20:00:21.86 ID:f+5ZQ9ezo
 救えなかったよ……
 グラビティクロチャーは自分から一歩引いて重力展開する
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 20:04:57.04 ID:gFss+PtPo
乙です
ある意味一番怖い病みかた
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 20:08:48.44 ID:35pqW6WSO

お、重いぃ…重力レンズ発生しそうですわ
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 21:25:34.46 ID:uktWnedbo

先鋒繋がりでインターハイ以降、照とメル友になったってことか
メル友の家に遊びに行ってるだけ って言い張ろうと思えば言えなくもないのが何か怖い
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 22:12:02.90 ID:8gtwI+cUO
乙です
咲ちゃん、色々騙され?てる…
まぁ、本当にヤヴァイ人は、他人に悟らせないからな…
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 22:46:00.12 ID:2vHcGzT1o

それにしても須賀家に来る人多いなぁ
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 23:55:54.19 ID:zKqRgIlWo
ああ電話グラビティクロチャー可愛いけど報われて欲しい……
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/22(日) 23:56:20.26 ID:zKqRgIlWo
……電話って何だ?
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 00:20:59.58 ID:MXO/W6c20
乙です
クロチャーの病みも深い……!
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 00:21:52.26 ID:Xs3OEXyTo
恵さんと界さんは知り合いみたいだし
恵さんにもの凄く孫自慢をする界さん見たい
755 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 00:23:10.84 ID:j70+/s8bo

 1/2

           _ -‐ : : : : : : ‐- _
            /: : : : : : : : : : : : : : : :\
           ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
       /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ', ?
         ': : : :{: : : :i{ : { : : : } : : : : : : : : }:',
        {: {: : :{: :i{: ハ: :{ : : : }、: : : : :}: : :}: :l
        {: { : : Vハ{ V\{V \j^ 、}: : :}: :|
        {: {: : : {  ∩     ∩  }: : :}: :l  「玄ちゃん。一日中電話の前にいるけどどうしたの?」
        {: {: : : {  ∪     ∪  }: : :}:/
        Y: : : {             }: : :}'
        ',{: : : {              爪 :}
        {: : : {≧=‐   ̄  -=≦: : :/
        ∧ : : ',⌒      ⌒/: : /\
        ,   ', : ',        /: : /     、
.       {    ', : ',        ,': : :/     }


            _ -─‐-  ..._
        ,  '"´. . . . . . . . . . . . . . . .、
       /. . . . . . . ..................... . .. . . . . . .、
     , '. ./. . .. .:::::::::::::/::::::::::::::::::::\::\ . . ヽ
.     / . ./. .:/..:::::::::::::/::::::::::::::!:::::::::::::゙.::.ヽ.::. ゙.
    / . .'. .:/:/:::::::::::/!:::::::::::::::|、:::ヽ::::::::.:::..ヽ.
   ,',イ . .!..::!::|::_::-─ |:|:::::::::::l::!ゝ--!、:::::l:::::..l:゙.. .l
   ,'/ !. . |.:::!;ィ´:::::!:L. |:l!::::::::::l::{-ヽ::|ヽ`::l:::::::.l::!. |
   |l |. .::|.:::!:|\:::||L,,.ヾ\:::::ヾ:;ァ=リxzレ!:::::::l::!: !
   || l. .::|::::トゝ,ィ'ヌ :::`ト \`ーY´{c::::。i} !:::::::l:|: |
    \Y:::|::::|ゝ{! {c:::ク|      込_ク λ::::::i|:.:!
.      |:l::!::::! ゙. ` ー‐''       ,, ,,  ,' |!::::::|!:.:!  「咲さんがね。『この前のお礼を今日中に夫の方から連絡させます』って」
.      リ|:|::::l\! " "   ′      jイ!:::::::i!:.:|
     0::|:::::l::::|ヽ    「  ̄j     ...イ|::|j:::::::l!:. !
    /|:|::::l::::::l:::l:::::>....._` ‐   ィ、:::::|:!:/:::::::|!:.:.|
.    {iλ!:::|::、:::l:l:::::,':::::∧| ー ´/ \ヽl:::::/!':|:.:.:!
    `ハ::::!\、ヾ/:::ノ  〉-r<     〉:::/:/::':::::.!
    / .:::ヽ|::::::::::::l__|  人  λ   //::::::::ト、::::ヽ.
.   / .::; r‐'|:l::::::::::!.... ̄.フt≦ ̄ ̄.7´/:::::::::::,'  ` 、:、
756 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 00:24:27.22 ID:j70+/s8bo

 2/2

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
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     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '  『あっ、玄さんですか?
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /    仕事で遅くなっちゃってすみません。
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、    この前は妻と照さんと子供達の面倒を見てくれてありがとうございました』
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
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              , </∧ /   {///////////////> 、
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            /   . . . . . . . : : : : : : : : . . .   \
             ,  . . . . : : .:. .:..:.:.:.:.:.:. .:. .:.:.:.:.:..ヽ:. . :. ヽ
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        ././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
        i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
        |′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \  ヽ. \} :. : |: :{
            i . .:.|:八.:.|ヽ{  _    \   ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
            | : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ     ´   `'^| :. : |:.小 『ううん、そんなに待ってないから大丈夫ですよ。
            |.:/ :! .:.:.:.ハ ′             /i/, | :. : |:.|i
            |:′:} .:.: :| ∨ /i     '       .:. :. :.!:. l: {   また何かあったら呼んでください!』
         ○: :′.:.:.ト. .           ,      八:.:..:}:. l:.‘
         /:.{: :| .:.:.:. {:: 込      `   ´   /}::.:.:./::. :!:. ‘
          /:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:.....       .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧
       i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.
       |{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂    / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.
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         / . rヘ´ ヽ \  |   ∧   ∧'ィ斗v′:.:/       ヽ
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    {i /    ′ ,′.: : : : : : : : ト、: : : : : : :|: : : : : |: :.、    ',
     ,′   l: : : :.! .: : : : : : !:.:. :.| !: : : : : :.|: : : : : |:.:.:.|: : :.   〈
      l    .: |: :. :.:| .: :. 斗匕 ̄ メ |: : : : :.:.ハ-┼- 、.:.:.|: : : :.   〉
      |   .:.:i!: : : :| /: :/: / l/   |: : : : :/ .l ∧:.:ハ ヽ!: : : : :   |
      |  .:.:.i|: :. :.:|: : : :/x = x.    |.:.: ハ/    j/ l: :|: : : : :
      |  .: :.:||: : : :|: : ,〃    ヾ  j/   〃 ̄`ヾ: ハ: : : : :: : .′! (玄ちゃん7時間くらいそこにいたよね?)
      | .:.:.::.||: : : :|/ {{       }}        {{    jイ !: : : : : /
.     /| : : : ||: : : :|  ヾ _  '′       ヾ _ ノ .: : ://  /
    /: | : : : ||: : : :|   、 、  、  、  、  、 `¨¨¨´ ムイ´
   { │ : : : i:!: :. :.|    ` `  `  ` `  ` `   |: : | |
   ヽ. | : :. :.|:!: : : ト、          _, 〜〜 ┐       !: : ! !
    i! : : ::.|:|: : : |: :.>、     丶 __ ノ _ ィ ,′ ′\
    i! : : : | !: : :.: / __>   _ .. -  ´    /: :./: : :.  ヽ
    i| :. :.:.|: \: :、  \            .. - ‐  ムイ: : : : : i! !
.   /:| : : :.|.:.:./ \\  \__     ̄ ̄        ヽ: : : : ハ
    ′| :. :.:|: /  /`¨\        >'´        -‐∨.:/ !/

 カン!

 751
 電話を待ち続けるクロチャー
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 00:25:14.64 ID:kasEAZcpo
ひぇぇ...かわいい...
758 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 00:25:29.85 ID:j70+/s8bo

 だって751が「電話」「グラビティクロチャー」って不吉な単語を出すから……
 クロチャーは寝取ろうとか騙すとか一切考えてない。すべて善意

 >>754
 恵さん孫欲しいけど娘が喪女だよ壊れちゃうよ。把握しました
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 00:32:56.20 ID:t7pXk3TDO
グラビティクロチャー、前世か来世では結ばれてください……
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 00:51:03.39 ID:U+cJn8gOo
ああ……グラビティクチァー……ああ……
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 00:52:15.76 ID:Gc0YM10HO
>>758
ありがとう……本当にありがとう……
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 01:03:47.53 ID:tkti1PNPo
満面の笑みがカワイイなァ……

クロチャー他人の家とか掃除しちゃいそう
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 01:29:07.05 ID:N8SHyl5ao
乙です
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 08:08:24.88 ID:BC8qBJQSO
ああぁああああうぉあおあぁああ・゚・(ノД`)・゚・。
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 13:14:02.87 ID:VGbbeLklO
もういっそ霞さんたちは京ちゃんも咲さんもテルテルも皆まとめて食べてしまえばいいのでは(お目々ぐるぐる
あ、和さん久さんはかえって。ちゃんと世間の目を取り繕って咲さんを警戒させない方だけですから
766 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:44:14.82 ID:j70+/s8bo

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     ': : : : : : : : : : : : :|: : : :|: : |、-:、: : ヽ: :_:ヽ ̄             :.   /´ //////∧_ r '///>- 、
     /: : : : : : : : : : : : : :l: : : :|: : | ヽ} ヽ: :}: :、 `\               ∧ _人 イ///////∧-}//////////> 、
    .': : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : | ,イ、 }从: : 、              {//\___「///////// ∨////////////∧
    |: : : : : : : : : {: : : : : : :从:{\{ { r、 イ:{、:}\             |////()/}//////////{/////====/// //|   「本ばかり読んでいた私に声をかけてくれた。
    {: : : : : : : : : :∨: : : : : : 、` ` : ヾ} 乂__                 ////// //////////(_)//////////|////|
   ,'|: : : : : : : : : : :∨: : : : : 、\  、   :.:.:.:.: {               ,'//////イ/////////////////////l|////|      灰色の学生生活にお日様が射した」
   / ',: : : : : : : : : : {^\: : : : :\` :.:.:.:.:.:.    ;                ////////j//////////////////////|////|
    ∧: : : : : : : : : 乂 \:、_: :\  , 〜〜 ,            {////////{//////////////////////|////| 
    {  、: : : : : : : r、: :  ̄「`\  ̄       ,            ∨//////イ////////////////////// ///∧
      \__: 、 ∨: 从   ::......___,..イ==- 、             マ//// |//////////(_)///////// {//////}
        `ー-_、\ }: : { \    / ̄´:::// `_ヽ::\             ̄   |/////////////////////,イ///// |
       と二二_ヽ ∨、:ミ    /:::::::::::// /  \::\            |/////////////////////} 〉/////|
        /ィ-r、  }:::「'   _/:::::::::::/イ /    ∨:::::.           |////////////////////{ {//////|
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767 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:44:43.63 ID:j70+/s8bo

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                  /⌒ '    ⌒\     ヽ
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                     _,{\∧ `¨¨  「rィ/>-- 、  ':从斧ミ \ィ斧ミ、}:/: /: : :,
               r=r<//\{___    |/イ/////// |:/: {Vリ   Vリ /: イ }: :/   「何気ないお誘いが嬉しかった。
               //{|//////∧、__`_r//〉/////////},:叭  '   "" ' r-':}:/
               ///|{/////〈 ∧    /イ//__/////,'///{|  、 、     ィ: /:イ      何も知らないあなたが眩しかった」
          __, --ァ===-////\ム、 //r<ヽ ヽィ//{////{/:::`:::ュ=≦  〉:::::`:::::....、
            二/ /´/〉/|//////////「 ̄ ヽ ヽ ' }!//|////|:::::::::::::::|-、 r/:::::::::::::/ハ
           / ' / /〉/|//////////{     } l l |//j//// { 、 :::::::::l ̄`/::::::::::イ /  }
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768 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:45:12.99 ID:j70+/s8bo

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                          / イ /  , { \ ∧ ´ \  | } /l }  |`\
                        _...-――-Y / 从- \ { ,ィ==从}/ イ_,ノ   ,
                     ,. : ´: : : : : : : :/ イ/ ∧ ィ= `     /'   , / /
                    /: : : : : : : : : : : : : : :/ イ从{   、          | ハ}
                  /: /: : :/: : : ,: : : : : : : : 、: : : :叭  v ― 、  ,  从{
                  .': /: : :/: : : /: : /: : : : : : }: : : : ::. \ `こ   /   |\
                  |: ': : :/: : : /: : /: : :イ: !: /: : : : :∧:、` r ´       !  、      「あなたの髪の毛はまるでお日様のようで、
                  {/: : : r-、/: : :/': / l: l , : ,:.|: : : : |:_\ :.     / |   ∨、
                 /} : : : { {^|: : /,{:/-- }: /,.イ: |: :.|: :.|/、  }     ,:   |    〉 \    あなたの匂いが好きだった」
                   /:イ 、: : 、 、: | 、__, /イ __,}:/: :.}、: |//\/       〉  /////\_
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二二二二二二二二二__,.....ィ:://     .   ,., ィ///∨//////∧___//\///////////////}二二二二二二
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         /  ,  \:.:.\∨:::::<:.:.:.//   ////|//////////////(_)/////////////// {///// |
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            / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
           .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
           }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
             / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.   「他の人を見ているあなたが嫌だった。
            ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                  {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \   私だけを見ていて欲しかった」
                 |                ノ ' }/イ/
       ,. : : :¨¨¨¨: : .、 {               _,ノ
      /: :,: : : : : : : : : :ヽ人       _,..::ァ       r }/
     .': /:/:.,: {: :|: |:|: : !: :.  `     ゝ - '   イ   |/
     /:イ: {:-{、从{ ィ七、|: : |    `  ーr  ´  ___|_
       {从l芯ォ   芯ォ}-:/     ___|     |//////|
    ム  八"     "人'     {|___ノ  __|[_]//∧_
      :     > _^ _イ      /// |____|///////////> 、
          /:{_,/::`\   ///// |   /////////////////> 、
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769 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:45:46.09 ID:j70+/s8bo

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         ,  ´    /V    <⌒`
        /,     /   ∨      ̄\___
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     '  .'  / l |  | l     | } 、 | }  、`
     |  |  { |{ |  {∧ l   |//V /   \
     } ∧ ∨从>-、从  |'___}イ }、r----
     /イ' 从 {  =====∨\ }  ̄  |ノ `\   ____
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    {////// V///// ̄} //////,--、/: : :/_ /`ー'--'-/-く: : :/: : : : : :.  っ
    ///>-//}/////// ()//// 〈  {: /  ===   /:イ: //\': :/: : : : :|    「一緒にいることは楽しいけれど、
   ,'////////≧=--- 、////////⌒ー--}         |://:/}:\: / : : ,
   {////////////////// ̄}¨´  r‐―ノ       /' /、/イ: /`/: :      もう友達扱いは嫌だった」
   ` <_////////////// |    〉               ヾ>jイ:イ: : /
      |//// -=<__()__ノ--≦:く     ,....::⌒\        /: : : : :,
      |////////////////////乢\  `ヽ、:.:.:У     ,:⌒V:∧: :{
      |////////////()//// ̄Vノ >,   __      ,イ_ノ/ \|
      ////////rく(ヽr,// く...、......∧---/........\/: イ ̄ }://イ
      //////// し'--く/  {:.:`\....、 /........//r、/ )-、
      ,'/////////ノ---' \  ` ー-`、∨.....イ/r'-、 ーく
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     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::.         /イ / /l/  | | | l}从}  |   {
     .': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、: : :.        _/_ { 从ヽ、 { | |/ イ´∨}  :
     {: : ,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :}: : l: 、        ̄´ {∧ { ○ 从{  ○ }'⌒}、{
     |: :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /): :|: : |、: :.         {从         r-く| \
     |:∧: : : : : : : : : : : : : : : : : : : イ{∧:|:|: : | \〉         叭   __   八}イ
     }'  、: : : : : : : : : : : : : : : : l: / Y/∧: :!               、 └―┘ ィ/∨
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          /   -从-----イ{     イ             ////////「//| ー- 」 }ヽ// ///////}
     _,.::―/:::::::::::::::::::::::::::≧≦--r---、           {/{////// \∧ r'  ヽ }' {///////       あの公園の桜の下で待っています」
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770 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:46:41.41 ID:j70+/s8bo

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 「やべーもん見つけた!」


 須賀咲ちゃんです。思わず口調も崩れるレベルで叫び出しました。

 こ、これは私の黒歴史時代、通称「咲ちゃんは友達がいない」中学生時代の産物だ。

 京ちゃんと出会って間も無い頃の話だよ!

 う、ううううう! 喪女なんて男の子に話しかけられたら惚れちゃうじゃん! 仕方ないじゃん!

 それにこう、読書が趣味だったら小説というかポエムというか、そういうものを書くのも仕方ないじゃん!

 時効だよ、時効! 幸いにして誰にも気づかれずに発見したし、このまま黒歴史を焼却してーーー。


                    ,. - ――-- 、
                 , -、´     - 、    、
                ,.:/           \   \
                  / '   |  、    \  \   ヽ
                   / |   |  | ヽ l  ヽ   :.   |
                 / _,∧{ | _|__,从  | |-、  l   |
                 ̄ / ∧ {'Y___ ヽ、 l ノィ { ∧{
               { /ィ从\ Vソ '  ∨| |、 从{  \
       ,. : : :¨¨¨¨ ー: :': : :〃     u /イ}/ } /∧
     ,. :´: :,: : : : : :、: : : : : :/ ` ー、 _     //////{
     /: : : ,: : :∧: : :|: : :|: : : 、   `ヽ`_....イ </////`> 、    「咲……、さっきから何を読んでたの?」
    .': ,: :/:.|、/__{,: : |、__,lィ: |: :ヽ  _}/∧  \/////////>
    {: {: :|: :|/__ 从: { }:_/ヽ:}:、:∨,ィ////〈   「//////////////> 、
     '.: : {: :|{{__}} ∨{{__}} }∧\}'///////{  ///////////////////}
     ∨从{u //////// ム: } ///////// Y////////////////////|    「ホギャァァァァァァァ!?」
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771 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:47:33.84 ID:j70+/s8bo

 6/9

 「ほぎゃぁぁぁって……乙女が出していい言葉じゃ……」

 「ど、どこから聞いてたの!?」

 「本ばかり読んでいた私にーーーってトコから」

 「最初からじゃん京ちゃんのバカ!!」

 「え、えぇー……?」


 不覚! 不覚! 一生の不覚!

 くっ殺! くっ殺! いやもう本当に殺して……。


 「それ、ラブレター?」

 「う、ぐぐっ!?」

 「昔書いたやつとか?」

 「はぅ!? 違うし違うし!

  京ちゃんには関係ないし!」


 こうなったら、このままうやむやにして逃げ切っちゃうもん!


 「俺に関係ないって、俺以外に好きだった人がいたの?」

 「……ふぇ?」


 ん? 雲行きが怪しいような。


 「そ、そうだよな。

  咲だって女の子なんだし、俺と会う前に好きだったやつとかいたよね。

  会う前っていうか、その、俺が知らないうちに恋してたってこともあるだろうし」


 京ちゃんが目を逸らして首筋をかく。
772 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:48:03.32 ID:j70+/s8bo

 7/9

 「いや、嫉妬してるわけじゃないし。

  前の男がどうこうなんてみみっちいよね。

  俺は違うけど」


 明らかに機嫌が悪くなる京ちゃん。

 ……あっ、嫉妬してくれてるんだ。

 ふーん、いない人に嫉妬しちゃうんだ。かわいいー!

 で、でもこれを京ちゃん宛とバラすのはいささか難易度が高いというか……でも拗ねてる京ちゃんも困るし……。


 「……うちゃん宛だもん」

 「え、なに?」

            _,.......---............_
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      `\}、: 、    /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{    「中学生の頃に書いた、京ちゃん宛なの!」
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773 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:48:34.86 ID:j70+/s8bo

 8/9

 ……言ってしまった。

 もうやだ恥ずかしい。なにこれ拷問?

 冷静に考えて黒歴史を旦那に知られるとか本当に勘弁してほしいよ!?

 もー殺して……。


 「咲」

 「な、なにさ」

 「ごめん。俺、すっげー嬉しい」

 「……京ちゃんも大概重いよね」

 「うるせー」


 さっきまでの沈んだ顔が嘘のように、ニヤニヤしながらこっちを見つめてくる京ちゃん。

 ほんと! 京ちゃんは単純なんだから!


 「だいたい、あのぼっち咲ちゃんにそんな相手がいるわけないでしょ……」

 「初恋も俺だったり?」

 「う、うるさい!」


 京ちゃんデリカシーなさすぎ!

 そういうのは言わないもんだよ!

 ……いやまぁ、そうなんだけどさ。


 「咲」

 「なぁに、京ちゃん」


 あっ、これいつものパターンだ。

 仲直りックスして『こいつらまた盛ってんな』って言われる奴。

 もー、京ちゃんは仕方ないんだからー!
774 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:49:03.87 ID:j70+/s8bo

 9/9

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.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /     「ご、ごめんなさい」
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
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 許さないよ! 明日は日の丸弁当で出かけてね! カン!

 715
 昔に京ちゃんに宛で書いたけど渡さなかったラブレターが発掘されて
 なぜか京ちゃんに朗読する羽目になった咲さんとか見たいです(畜生スマイル
775 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:49:42.91 ID:j70+/s8bo

 1/6

 719
 偶然京太郎と出会ってしまう霞さん


 石戸霞です。

 ふふっ、今日もシロさんのところに行って京霞・京白談義で熱く語れたわ。

 シロさんはあの世界でボケーっと過ごしているし、私も余裕を持って執筆しているから時間を合わせられるのよね。

 それに、シロさんは放っておくとご飯を食べるのも億劫になってしまうから、心配なのよ。

 ……それなのに、私より料理が上手いって嫉妬しちゃうわ。

 わ、私は別に不器用じゃないもん!


 「あら、今日はあの本の新刊が出る日だったかしら」


 やっぱり恋愛系の本って続きが気になるのよね。

 高校生の頃からずっと追いかけている作者さんの新刊の発売日よ。

 あ、私の新刊も今日発売だったわね。気恥ずかしいわ。

 これが最後の一冊ってことは、結構売れているのかしら。嬉しいわね。

 ……あら、あれは!?


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776 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:50:14.19 ID:j70+/s8bo

 2/6

 きょ、きょきょきょきょきょきょうたろうさん!?

 な、なんでここにいるのかしら!?

 ま、待って、ここは気付かずに出て行けば大丈夫なはず!

 そう思って踵を返すとーーー


 「あれ、前にうちに来てた人ですか?」


 きゃー!? 京太郎さんが喋ったわ!?

 し、しっかりしなさい私! しゃべるわよ! 人間だもの!

 あれ、もしかして私に話しかけているのかしら!?


 「君だけど、もしかして勘違い?」

 「い、いいいいいいえ。わわわ私です!」

 「(中学生時代の咲みたいな反応……)」


 ちょ、ちょっと待ってー!

 いきなり憧れの人に話しかけられるなんて私には難易度が高すぎるわ!

 これまで生きてきて、霧島のお爺様以外の男の人と会話なんてしたことないんです!

 この前の京太郎さんとの遭遇だって会話してないし!

 それにお化粧や着こなしだってシロさんのところに行く程度しか……に、逃げさせてぇ!

 
 「良かったー。前に咲に話を聞いたら知り合いだって言うからさ。

  びっくりさせて帰らせちゃったのかと」

 「しょ、しょんなことないでしゅ!」

 「(あっ、この子は男と話すの慣れてないんだな)」


 す、須賀さんが私の話をしていてくれて助かったわ。

 私、あのままだとただの不審者ですもの。

 それにしても京太郎さん……。
777 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:50:46.42 ID:j70+/s8bo

 3/6

   /  /     |  ハ       |  | i 、 ヽ  \     \_
.   i  /     |  | |       |  | |、 i  ゙、 、 \_     _>←霞フィルター
   |  i   | i  |  | |       |  ハ ハ _i!_ i   \ ヽ` ̄ ̄
   |  |   |+--|、_|! |   | i! ,/.ィ'|"i´ ハ  | i  ヾ 、 ヽ
   |  |   |.|ヽ |、_|王!ー  |./i .;"´/=、!/ | ! |   \ 、i      人
.   !. r|   i.|、!,,ィ'":::._iミi!  |/ /彳:::: r:!ヽ,| ,イ | 、_   \      `Y´
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    ! | i、i、 ゙、  ` ̄ ̄   メ(        /^|イ `、|
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      ヽ!、  i\   `ー-- ―'´  /、!
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          / ____    /  l|     | :.     \ ←現実
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              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :. 「(おっぱいでけー!
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \  いや待てJKは犯罪だ。咲に殺される)」
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
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778 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:51:15.09 ID:j70+/s8bo

 4/6

 「えっと、石戸ちゃんだっけ」

 「は、はい!」


 あら、私の年齢の話は聞いていないのかしら?

 ふふっ、そういえば『この世界』では京太郎さんと喋ったこともないわね。

 ついつい忘れていたわ。ふふふふふ。


 「結構本は読むの?」

 「はい!」

 「あ、それで咲と仲良くなったんだ。

  アイツ人見知りで友達少ないから、仲良くしてやってくれよ」

 「こ、こちらこそ」


 ふふっ、年下扱いされるのも悪くはないわね……。

 昔は何かと年上扱いばかりされていたから本当に嬉しいわ!

 はっ!? 京太郎さんそこまで見抜いて私を甘えさせてくれているのかしら!?

 さすが京太郎さん……。


 「良かったら本を教えてくれないかな」

 「よ、喜んで!」

 「咲に頼まれたんだけど、著者『K・K』って人の新作はどこかな?」


 ……えっ?
779 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:51:47.47 ID:j70+/s8bo

 5/6

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            |:::::l::::|,斗≠ト 厶イ,斗=ミル::::::|i|
            l::八:::l〈 V炒    V炒 〉|l::::::リ |
            |:::::个ト、 ,,    、  ,,, ,小::/ ! 「(私の書いた本!)」
.          ‘::::::i:∧      __     //::/  ノ
             ‘::::i::::分、   ` '   ...:i/::/i
             ‘::∨:::::::i〕i=-  -≦::/::/:::|
            ‘::i:::::l:::|∧   l ∨:/::::::|
             /‘:::::l:::| ∧_// ∨:/::::|
            /  /‘卅li   ∨/  W:::::::ト 、


 何を隠そう、私こそがケー・ケー。つまり、『京霞』です!

 ふ、ふふふふふ。

 京太郎さんから『京霞』って単語を聞けるなんて……もう今日はお腹いっぱいじゃない。

 京太郎さんと会えて、話せて、幸せすぎて死にそう……。


 「そ、その本なら私が最後の一冊を持ってるんで、持って行ってください!」

 「えっ、でも君の本じゃ」

 「ただ持ってただけです家にいっぱいあるから大丈夫です!」

 「お、おう? そう?

  いやぁ、ありがとう。

  これで咲にどやされなくて済むよ」

 「よよよよかった!」


 京太郎さんに喜んでもらえるなんて……幸せすぎりゅ……。
780 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/23(月) 19:52:15.27 ID:j70+/s8bo

 6/6

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '  「また今度遊びに来なよ。
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /    お礼をするからさ」
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、




                  ... ----- ...
                ..::´::::::::::::::::::::::::::::`::..
                  / .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                / .::/::/:::/:::: l:|::::l:::::::::::::::::::::::. パアッ……
             ′::/::/:::/ l::::::l:|::::|\:::::l:::::::::::::.
                |::::::l::::l:::|:l__l::::::l:|::::| __}::::ト::::::::::l:|
                |::::::l::::|八{__\从ノ __j::ノ|::::::l:|
                |::::::|:::抖ぅ竿   ´竿冬、 l::::::/ |
                |::::::l从乂ツ    乂ツ'仏イ:::;
            ‘::::∧{ 、、   '   、、 }∧:::/  「ほ、ほっほっほ本当ですか!?」
                 ∨::八    ┌‐┐    八:::/
.             ∨::::::::...   ` ´   . イ::::::/
              ∨:::::|:::〕iト -- i〔|:::|::::/
                _|=ミl/´ |    ll |:/::/
               / /:::/|  |    /l |:::::{ ̄ ̄`丶
             / /∠..._ |  |\_,// :|:::::|\   }∧
           {/´       `ヽnm/´|:::| ̄`丶{ ∧
           /         r|| l〈   |:::::|    \ :|
.          /         /l:|| | ∨八::::\    ‘,|
.          ,′       / ノ|l |  \::::\   !
.           |      /  /  !   ',     \::::\  |
.         从     /   _/  |   ',__    \::::\|
         {/∧     { .//  .人   \\   \:::}八
       /} \__/ /  /_\   }  \__,/|  \
       / /´ ̄ /  {/{三三三≧=ヘ    \  |   \


 ふふっ、生の京太郎さん……生の京太郎さんの声……生の京太郎さんの匂い……。

 これで京霞妄想も捗るわ!

 それに、よく眠れそう!

 よく眠れた日にはいい夢を見れ……もとい平行世界を見れたりもするわよね!? カン!
781 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/23(月) 19:52:58.86 ID:j70+/s8bo
ラブレターの文章に一番苦戦した
クロチャーリクがあればどうぞ
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 20:00:26.55 ID:t7pXk3TDO
乙です。
そう言えば大原さやかさんと福山潤さんでのカップリングって何かあったっけ?ホリックぐらい?
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 20:11:22.91 ID:BC8qBJQSO

霞さん妄想だって自覚してるじゃないですかー!!
恥ずかしがる嫁さんかわいい
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 20:13:09.31 ID:AvYMySKQo
乙です
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 21:03:04.93 ID:7u+8c8s7o
クロチャーのとこに家族(+α)で旅行に行こう
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 23:21:34.05 ID:5HKGrxc1O
その後、家族全員迷子になって二人きりになるんですねわかります
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/23(月) 23:38:54.80 ID:tkti1PNPo

『こいつらまた盛ってんな』ってついにメタネタがww
平行世界はやっぱりただの妄そ……夢だったのか
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 00:37:39.55 ID:Wo6Hbgxuo
霞さんのポンコツ度が際限なく上がっていく
クロチャーにも何か手紙を書かせよう
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 01:43:17.45 ID:l0gU16fOO
クロチャーに幸福を味わって欲しいので
「クロチャー、京ちゃんや子どもと一緒にいて夫婦と間違われる」


790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 12:20:24.74 ID:ONN9w09SO
霞さんが京玄本を描いて持って行ってあげれば喜んでくれるんじゃないかな

二重の意味で
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 16:10:14.65 ID:yfIsCAhWo
クロチャーのグラビティに咲が気づく話しとか
792 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/24(火) 17:15:07.26 ID:MLfkPR5no

 1/12

 716
 京ちゃんが長期出張中の家の様子
 722
 宮永家に偶然知り合いが大集合


 「じゃあ行ってくるよ」

 「ちゃんとご飯食べるんだよ?

  忘れ物はない?

  歯を磨いてね。

  夜中にカップ麺食べちゃダメだよ!」

 「お、大袈裟だな」

 「ぜーったい、京ちゃん一人じゃ好きなもの食べるもん!」

 「わかったって、気をつけるよ!」

 「あー、もう! まだ言い足りないのに!

  行ってらっしゃーい」


 須賀咲ちゃんです。京ちゃんが2週間の出張に行きました。

 もー、私がいないと京ちゃんが自堕落な生活送りそうで怖いよ……。

 帰ってきてお腹がポヨンポヨンになってたら叱っちゃうんだから!


 「そんなこと言って、咲だって京ちゃんがいなくてやる気なくなるのは勘弁してくれよ?」

 「大丈夫だよ。おとーさんのご飯はいつでもやる気ないから」

 「さ、咲ー!」


 嘘だけどね!

 まぁ、お父さんに対して素直になれる娘なんていないから、許してほしいかな。

 それに、京ちゃんがいなくてもわんぱくな息子たち、目が離せないお姉ちゃん、お父さんとお母さんがいるんだから。

 私は私で頑張らないとね!
793 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/24(火) 17:15:51.70 ID:MLfkPR5no

 2/12

 「でも、なんか張り合いないなぁ」


 そんなことを言っても、京ちゃんがいないとどうもやる気が出ません。

 特に問題なのが、子供達が幼稚園に行っている最中のお昼ご飯。

 面倒だからコンビニのうどんで済ませちゃってるんだよね。

 な、なんかインターハイ中にうどん食べてた時を思い出すよ。

 世の中の主婦さんだって、自分一人の時は手を抜いている……はず……。

 そんなことを話せる、ママ友がほとんどいないからわからないけど……。

 染谷先輩ならちゃんとご飯を作ってそうだなぁ。

 あれ、電話だ。お姉ちゃん?


 『咲、迷子になった』

 「ええっ!? 京ちゃんいないんだよ!?」

 『玄を迎えに行ったつもりなんだけれども、たどり着けなかった……』

 「なんでそんな無謀なことをしたのかな!?

  お姉ちゃんがそんなことを出来るわけないじゃん!」

 『咲は失礼』

 「現状を省みてもう一回言ってみてよ!

  ああもう、私も行くからちょっと待っててね!」


 もー! 京ちゃんがいない時にそんなトラブルを起こされても困るよっ!

 いや、冷静に考えて京ちゃんがいる時に迷子になられても困るんだけどさ!

 軽くお化粧して、身だしなみを整えて、いざ出陣!
794 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/24(火) 17:16:32.72 ID:MLfkPR5no

 3/12

 「……二次災害だよ」


 うん。正直わかってた。

 でもでも、京ちゃんがいないなら私がどうにかするしかなかったんだもん!

 ううっ、さすがに出張中の京ちゃんに電話をかけても心配されるだけだし、これ以上困らせてお仕事の邪魔をしても悪いし。

 どうしよう……。


. . . . . /. . . : :/: : :/: : : : : : : :ヽ: : : 、: . . 寸三ニ7
: : : : /. . : /:/: : /:!: : : : : : :.|: : :゙、: : :!: : . . 寸三}
: : : /. . ://! !: :,':.:.|: :.:|: : : : :!: : : :ヽ: :l:| . . . ゙ニ7
: : / . .:Ll-┼┼-l、: :|: : : :.!|ヽ,r|''T:ーt、: : : :├'ヾ、
: :,'. : :.´!.! |:∧ | l.| ! ,'|:.l: : :|| |: !:||: |: : :.l: : !  ヽ、
: :l{: : : :|!| i'  ヾ |! |/,'/|: :/|! |/|' |:./!|:.,イ: :.i!   i!
: :l|ヽ: : | ┳━┳━/' /:/./'┳━┳' イ:/,': : ,'|    ノ
: :.i!: :lヽl ┃//┃  /'´  ┃//┃ イ'l/: :,イリ
: : : : |  ‘ ━ ’        ‘ ━ ’ '://: |
: : : : |                 ,':´:!: : . .!  「何やってるんですか、咲さん」
: : : : L  """       '   """ |: : |: : . .l
: : : : ト.ヽ               イ: : l: : . ∧
: : : : |ヽ|ヽ      凵@    .ィ´: !: : i: : . . .゙、
: : : : ト、l}  `   _    _ ....:チ: : :.,':λ: :!: : . . . ト、
: : : : ゙、/      7"/': : :.,': : :./:/ |: : !: : : . .ト、゙、
: : . : : lヽ      ,'-.、_: : /: : :./!,' .!: :.|:. : : . .l ヾ.
: : . . : :゙、:\   ∧:::::::::::-.:_//'   !: :.|: : : : . ! l:l
ヽ: . . . . ヽ、:`ヽ  ヽヽ::::::::::::|!`!    |: : !: : : : . | リ


 「の、和ちゃん!」


 やったぁ! 助かったよぉ!

 なんで都合よくここにいるのかわからないけれど、とにかく助かった!


 「咲さんの旦那さんに頼まれていたので」

 「えっ?」

 「『照さんから迷子になったって電話が来た。咲が迎えに行くらしい。

   間違いなく二次遭難するから探しに行ってくれ。

   多分この辺りで迷子になるはずだ』

  と電話があったんですよ」

 「ぅひ」

 「全く……私だって働いているんだからしっかりしてくださいよ。

  咲さんも大人なんですから!」

 「ご、ごめんなさい」


 至極真っ当に怒られちゃった……。

 でもなんでだろう。和ちゃんに正論を言われると釈然としない気持ちが……。いや今回は私が悪いんだけどさ……。


 「ちなみにお姉さんの方は玄さんが救助して家に向かっているそうです」

 「あうう……」


 また玄さんに迷惑かけちゃった……。

 今度何かお返しできたらいいなぁ。
795 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/24(火) 17:17:27.16 ID:MLfkPR5no

 4/12

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        ././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
        i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
        |′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \  ヽ. \} :. : |: :{
            i . .:.|:八.:.|ヽ{  _    \   ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
            | : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ     ´   `'^| :. : |:.小 「お帰りなさいっ!」
            |.:/ :! .:.:.:.ハ ′             /i/, | :. : |:.|i
            |:′:} .:.: :| ∨ /i     '       .:. :. :.!:. l: {
         ○: :′.:.:.ト. .           ,      八:.:..:}:. l:.‘
         /:.{: :| .:.:.:. {:: 込      `   ´   /}::.:.:./::. :!:. ‘
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.      人  | |  |  代 {  __} \|    ィ=- ..,,__\ト、 j │ \    }     \
         \! 〉、 !  :. 乂_フ     ´下¨¨“_卞ゝ  jイ  ノ    ヽ  ノ      i  「おかえり」
           /  ヽ ハ             弋  `フ ノ  j/`ヽ    j/       |
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         i  |  i :从                       /  ト、   | ヽ.  ; } /
         l 人  ト、  ト、    _          rー-イ  イ ! \ !   } / j/
         ∨  \! ∨V .>   `       イ {ス人jヽノ jノ    jノ  j/
               , ´∠ニニ>、 _ ... イ   /  \
                  / /ニニニニニ7   λ    /    /入
              /  {ニニニニニ7/「八.  /     //二\
796 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/24(火) 17:17:56.82 ID:MLfkPR5no

 5/12

 「ただいま……ってアレ!?」


 想像していたより数が多いよ!?

 石戸さんとシロさんまでいる、なんで!?


 「急にお邪魔してごめんなさいね」

 「子供が家に入れないと思って助けた」

 「あぁぁぁーーー!?」


 そうだ! 思ったより遅くなったから子供が帰ってきてるんだ!

 ううっ、和ちゃんに睨まれてる……。京ちゃんいなくなってからダメダメだよ……。

 ……あれ、この二人に迷子になったって言ったっけ。お姉ちゃんが言ったのかな?


 「もう、咲さん。友達ですか?

  女子高生にまで迷惑をかけてはいけませんよ!」

 「ご、ごめんなさい」


 あれ、あんまりにも二人が変わってないから和ちゃんも気づかないのかな?

 まぁ十年前にモニター越しに見ただけだもんね。

 説明しても、どうせ『そんなオカルトありえません』って言われるから黙っておこう。


 「なんだか賑やかで楽しいね!」

 「玄さんがなんでここにいるのか聞きたいですが、そんな場合でもありませんね」

 「そうよ。友達になるのに理由なんていらないわ」

 「和ちゃん、石戸さん、シロさん、玄さん、この度は本当にご迷惑をおかけして……」

 「そんなお礼いいから。だるい」

 「もう、シロさんったらお礼を言われるのを恥ずかしがってるのよ。気にしないであげてね?

  ……ねぇ、須賀さん。もしかして私だけ苗字呼びなのかしら?」


 あっ、そう言えば……。

 和ちゃんは高校からだし、シロさんは最初に『シロ』としか教わってなかったからそのままだし、玄さんはお姉ちゃんがいるから名前で呼んでいるんだよね。


 「それなら、私のことを『霞』って言ってくれたらそれがお礼でいいわ」

 「霞、さん……?」

 「うふふ。私もこれからは『咲ちゃん』って呼ぶわね」

 「だる……」

 「あら、嫉妬? じゃあシロさんも『シロちゃん』って呼んじゃおうかしら」

 「なんでもいい……」


 もう……、霞さんは私のお姉ちゃんになってください……。

 っていうか、この騒ぎの原因になったダメな方のお姉ちゃんはどこに行った!?
797 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/24(火) 17:19:08.49 ID:MLfkPR5no

 6/12

 「さ、咲。ごめんなさい」

 「いや、もう私も迷惑かけちゃったし何も言えないよ……」


 怒る権利すらないんだよね……。


 「みんな、私とお姉ちゃんで美味しいご飯を作りますので、食べていってください」

 「あっ、それなら私が……」

 「く、玄さんにもお礼をさせてください!」

 「玄さん、お礼を素直に受け取るのも大事ですよ」

 「そうだよね! 待ってるね!」

 「よーし、腕を振るいます!」

 「任せて、咲、私は何をすればいい?」

 「お姉ちゃんは時計の秒針を眺める係ね」

 「わかった!

  ……あれ?」


 うん、さすがにかわいそうだし、お湯でも沸かさせておこうかな。


 「じゃあ、ちょっと席を外しますね!」

 「その間に、子供と遊んでいるから大丈夫……」

 「ふふっ、みんなで楽しんじゃいましょう」

 「アリですね」

 「ずっと楽しみにしてたんだー!」


 なんか子供のお世話も任せて申し訳ないけど、他に手もないし、私は私に出来ることをやるのだー!
798 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/24(火) 17:20:12.70 ID:MLfkPR5no

 7/12

 ……
 …


ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ    ヽ冫
:: |: : : : ::/::/: : : /」: : : /}: : : :}゙`「:|:::ヽハ:!:!: !:  }
-ィ: : : |_,'_,,|―‐,'‐/-/|: :./|:-|―‐,'-}:|:|:. リ !.|. ト.、
: :ト、::ィ゙ |: ::|\/ //  /.: :/ !: :!/!/  !从:/|:.| !∧冫
: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ /.:/ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′
: :l: : ヾ |/{:::::::::⊂ '     ´ ! :::::ィ./ ト,ムノ:!
:γ⌒Eヽ弋二;;ノ       ゝ-.″ | }: : : :|    「そう言えば、皆さんはどうやって知り合ったんですか?」
',:{ :::`                、         レ′ : :!
..',\                   ノ:   ::::!
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          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ   「私は京と前世からの知り合いだから」
.             { /   }\__              ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
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          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧

                ...-―――-...
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            |:::::l::::l从/i::// }::::::/__ l::|::リ:::|i|
            |:::::l::::|,斗≠ト 厶イ,斗=ミル::::::|i|
            l::八:::l〈 V炒    V炒 〉|l::::::リ | 「私は京太郎さんの平行世界のお嫁さんよ」
            |:::::个ト、 ,,    、  ,,, ,小::/ !
.          ‘::::::i:∧      __     //::/  ノ
             ‘::::i::::分、   ` '   ...:i/::/i
             ‘::∨:::::::i〕i=-  -≦::/::/:::|
            ‘::i:::::l:::|∧   l ∨:/::::::|
             /‘:::::l:::| ∧_// ∨:/::::|
            /  /‘卅li   ∨/  W:::::::ト 、
        ∠   i  |:i::l|\   /  |‘::::::::|   \
799 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/24(火) 17:20:42.04 ID:MLfkPR5no

 8/12

                    ____
               ,, :´ : : : : : `: ..
               ≦: : : : : : : : : : :\
          .  .ク:.:::.: : : : : : : : : : : :.ヽ
           /::.::.::.:. : : : : /: : : : : |: : : : : : : : い
         ./. __.ヾ:. :.ィ: /!: : : : :.ハ : : : : :‘:,:  ‘, ゚.
        .,/..../::.!.―:{ |: i |: : : : : | ∨:.:|: : : |:.: : :|: ゚
          ′::::i::.. 从 :乂:.ヾ:::::ハ.i|≧ミ∧..`:|: : : :|: :
       |:: '::: i:. :..ノ灼茫  ヾ:i ^灼茫ミ...}::.:.|: : : :|: :.゚
       |::|l:::::i:.:.:.圦 vツ       vツノ |::...|: : : :|: : i
       |::|l::::ハ.:.:.} 、、、  ′   、、、 ,i::: : : : :|: : |  「わぁ……! ロマンチックですね!
       |::|l::/.::::..小.   r―      イ. : :.|: : : |: : |
       |::|l:{.i:::::.: 込.     ..ノ    .イ. }: :..:.: :...|: : |  羨ましいなぁ!」
        `O′:::.(:. ノ介ト __  <{从 /: :..|: : : |: : |
        /::j |:::::_≧=ー : 〕  .....{  j:.:/: : :.イ: : :.l: : |
       .{:::/ |::::.:.:广.../レ  〃ヽ  /: : :/:.:|: : :。.: : !
       .|::{ .从:..:|....┴ヘ. イー|. :/: : :/^`ア⌒ヽ:,
       .Y /::::ヾ/../ >..={_}=ー 〉...: : :/::/


ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ    ヽ冫
:: |: : : : ::/::/: : : /」: : : /}: : : :}゙`「丁ヽハ:!:!: !:  }
-ィ: : : |_,'_,,|-‐''/ / / .}: : /.|: :|: |:::/. }:|:|:. リ !.|. ト.、           ,. ──‐、
: :ト、::ィ゙ |: ::|\/ //.  /: :/ !: :!/!/  !从:/|:.| !∧冫         //´ ̄ ̄ヽ',
: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ. /./ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′           U     } }
: :l: : ヾ |/{:::::::::⊂. ′   ´ ! :::::ィ./ ト,ムノ:!                    , ,' '
:γ⌒Eヽ弋二;;ノ       ゝ-.″ | }: : : :|                 //
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800 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/24(火) 17:21:22.82 ID:MLfkPR5no

 9/12

 「(えっ?

   今の会話おかしくないですか?)」

 「玄はどうやって出会ったの?」

 「えへへ。高校インターハイで助けてもらっちゃいまして」

 「まぁ、素敵じゃない!」

 「クロ、シロ、カスミ……、色で分けられてる」

 「わぁ……! なんだか共通点があっていいですね!」

 「うふふ、なんだか嬉しくなっちゃう。

  私たち、仲良くなれそうね」

 「(私だけ仲間外れじゃないですか!?

   というかこの人たちの会話が電波すぎて混ざれません!?)」

 「あの、私も霞さん、シロさんって呼んでいいですか?」

 「もちろんよ! 私も玄ちゃんって呼ぶわね」

 「長いのが嫌だから玄って呼ぶね……」

 「もう、シロちゃんは最初から呼んでるじゃない」

 「(同じ人を狙っているのになんでこんなに和気藹々としているんですか!?)」

 「玄さんはわざわざ奈良から、大変じゃない?」

 「そんなことないですよ。行き帰りで10時間くらいですし」

 「そんなにかかってるの……?」

 「大丈夫です! 待っている時間も楽しいですから!」

 「それなら、こっちに来る時は私か霞に連絡すればいい。

  どっちの力でも移動は楽になる」

 「そうね。それなら数分で来れるわ」

 「(なんの話ですか!?)」

 「えぇ、でも悪いですよ!」

 「(なんで玄さんも納得しているんですか!?)」

 「私も霞も暇だから大丈夫……」

 「もう、私は一応お仕事をしているのよ?」

 「えへへっ、じゃあお願いしますっ!」

 「(何を、何をお願いするんですか!?)」
801 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/24(火) 17:22:34.01 ID:MLfkPR5no

 10/12

 「(お、落ち着くんです原村和。

   デジタル的に考えて、この二人が飛行機的な何かを持っているお金持ちかもしれません。

   数分はアレです。お釣りは100億万円的なアレです)」

 「それにしても、京太郎君と咲さんは仲がいいでよね!」

 「ええ、本当。羨ましくなっちゃうわ」

 「(ここは話題に乗れるチャンス!)

  そうですよね。本当、仲が良くて」

 「いつも熱々な夫婦……」

 「(いつも……みてるんですか?)」

 「私もお仕事がなければもうちょっと遊べるんだけれども、お二人の邪魔をしても悪いからね」

 「そうですよね!

  私も二人の邪魔をしないように気を使ってます!」

 「(あれ、胸が痛いですっ!?)」

                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}    「カスミー! シロー!」
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
           /   __ i: . : :、/|__ ∠  / ‐  //          |
          /`-‐ /   / |  __ -‐/   /             |


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                   ノ:..:..//:./:./:./:.:.:.;、:.:.:i.:.:.:.:.:..:.:、:.゙、
                   /、  / ,ィ_,A:.ハ.i.....i !|__|___|、:.:.:.:.i:.:i
                 /  )_:.i:.´|V ソ .|!:.:.:| !ト、:!、:|`|:i:.:.:|:.:|  __        ,.-‐┐
   ___        ,:=''"/   .//:.:.|:.:.|ィ≠=、 !、:.:| z≠=、ハ:.:.i:.:.l/-―ァ    /   ノ
  (     ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ    //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi  b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ//   / 
  `ー-、__/    `      !\::.ム.! ー―'   ,  ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ /   / \_
  ___ノ          ノ   )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / //   /、`ヽ、 `ヽ  「クロチャー!」
 f        __       ∧ ,.へ iヽ! \  、___ノ   / / / // / / /   '"  ̄ヽ!__/
 `ー-----r‐'" i        r/ /   ,  |ノ!   `ー----ァ'"   / i! '"  / 〈  i         ̄  `ヽ
       \  ヽ     !_ノ _/__ノ ヽ、  \ /  /  !、  i    V   、_    、____ノ
        )  | 、ヽ_,ノ、_/---、〈   `ーァ、___,、_/   !: : ̄ヽ,_/    `        )
        (_ノ  ソ  /:.: : : : : : _〉   ,,"   ゛、     ノ: : : :/       _`  /  (ヽ
          ヽ  |  |: : : : : : :/ 〈 \ 《      ゛、 /゙、: :/   ,.---‐二ノヽ___!、   \
            i  |  ゙、: : : : : i       ゛、     ラー=-|:(__,..イ `ー'´      7\_  )


 「あらあら、元気な子供が来ましたよ」

 「今日もおままごとをする?

  おまかせあれ! です」

 「わ、私も一緒にやりますよ!

  お姉ちゃんと一緒に遊びましょうねー!」
802 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/24(火) 17:23:28.98 ID:MLfkPR5no

 11/12


               ,..  / ヽ ´⌒> 、
             /             \
            /      |  }!      \⌒
.           /  /   !   |   | ヽ   \
           /ィ  :|  \∧  | /| |! トー―
           | _|VT示r ∨j/示rx/ V(
            レ1(  弋,り   弋り {ソ V            __  「原村ァ!」
             |/V{   ___   从|>ー―――r―――/ /
             ___/>、 V /  イ7   /     /――-、  \
          ___/   | | ー 77 /   /     /      ー―
         ノ  (    | |  / /    /     /
       /     \|   | | / /    /´ ̄ ̄ ̄
     /        !   ∨∨ /  /(
  _/\     /|/   ∨ / / /  ⌒ヽ
 ー  / \    / 人   〈 /  /       |
   し′     ̄  ,  >==≠  | /⌒ ト{_
             |    | |/    |/|   |::::}!
             |   \| {___/::/|   |::/


               ____
         ,.' ´        `  、
      _,ィァ′        ヽ    \
       {少′  / ,i  l ト、  i   ,ィマ、
      Y /  /// | l| | ハ  辷='/|:..ヽ\
     イ ′ / | { | 从、|  } |彡' /|:.:i:.:.|,∧
.     { | l l―‐ {(リ八「―‐メ、 彡个rイト、
      リ、_! l リィチfト   '行タト、彳,ィl |:.:| |:.:i
      l_,以 { ヒtリ    ヒztリ  |f リ| |:.:| |:.:|
      「 l 「ト    '         _,イ | |:.:| |:.:|
      } } ハ    _     ,ィ' ) ,j リ 刀 「     「(なんで……?)」
     / /,イ| |l>、    ,ィ |ノイイ / リ |
      / /リ |:! !仏ィ_〕¨     》,// / /| !
.    / / r廾 .|「{: |-、  __ / // ,ヘ〔 .j {
    〈 イ ∧V /:.:.: :|__´_./: :./ /:.:.:.:.>))
    } } /`Y'| {:.:.:.:.:.l    /: : 〈 〈:.:,イ´ /{,
    j/ }`ー冫j\:.:.:|  /: : : :___)ノ/i´r‐'='}
      ト ン′`ヾ >-r'< ̄ _彡冫=v'   人
.     }/:.:.   . :.:.[二]-:.―'´. : :.:.:.:.:V  / ∧
     i':.:.:.. . . .: : :∧Y:.:..  . . : :.:.:.:.:.:i // ,/ イ
     {  : : : : : : }:.:|:.i:{:.:.:.: : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:|r<´ _.!
    _八     j:.:.!:..:|..  : : : :     ノ{    {
   { i   ヽ、._  |:.:.:.:.:|::         ,イ ヾ、_  |
   ∧ヽ  { >=-.¨|:.:.:.:.:|==-__--,イ}:{  丶、._〉
   〉ヘ ':;:...| //´ |:.:.:.:.:|: : `¨ー= イ{l! ';:..   {
803 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/24(火) 17:24:50.45 ID:MLfkPR5no

 12/12

 ・後日

            ,. . . -−-. . . .,
        _,,,,.  '.: : : : : : : : : : : : :`゙'. ,   _
       i/              ._,./::iヽ,
     i'"~::/ . .; .i: : ; : : : : : : : : : : : ィ´::::`v":::ィ
     i: :./: :.i : l: :l: : il: : : : i: : :.li: : ; i: ヽ::::;;:::i::i:::::|
    冫/:./i: : li: i: : i:.|: : : |: : :|: |: :|i: i: :冫:::::/iヽ,l
    !,::i: :i:.|: : |:| |: :.i|:.|: : :|i: :.|: :.|: |:|: |; iゝイ:::i;::::\
    ./|:.|i:.|: : |:i`'トム.;:.|: : ! l: | ,;:lィ ''l|´l ||: リ::;,!l__/
    く;;;|:|'|:.l: :.||'ャii;;;;;;;iィソ !'ィ'ヤi;;;;;;i;'ヤl|_,.! '´:|: :l: |
     l! l!,\l !:ヽ辷ソ    ヽ==ソ .! |: : :.|: :|: |
      /|: |: :|i ::::::::  、   :::::::::: .;ィ'| : : :|i: :i: |  「咲さん。あの三人には気をつけてくださいね」
       / |: |: :|:ゝ     _      /" | : :.|:|: :|:.|
.     / /| |: :|: ||`ヽ 、.´ `   , イヾ  |  : :|i |: :|:|
    / ./:|:l: : |: || |  _,`,iー "´ ィ冫、.|i  : |:| |: :.i';
    ;´ /:.i|i : :l_,..-‐'''´:/:イ   /:::::::::::|:| . i|.,| |: : ハ
   ; /: :i:|: : :|:::::::::::::::iニ-ー,/::::::::::::::::|:| . :.l|;´ヽ,: : ハ



.   / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
  /  .:.:.:.|:.:.:.:.|  :.: : ||:.:.:.:.:.:.:| |:.:.\ | :.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. /  .:.:.:.: |:.:.:.:.|  \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|
/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |
ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./    「(何言ってんだコイツ)」
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \


 カン!
804 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/24(火) 17:25:59.49 ID:MLfkPR5no
 うちは狭く深くやっていければと思っています。
 今回みたいにキャラ数が多いと捌ききれてなくてごめんね
 クロチャー移動手段ゲット
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 17:32:40.16 ID:/nO0vhi7o
  クロチャーは10時間もの移動時間すら気にしないグラビティ娘
→マヨヒガ式or永水式ワープ術により移動時間が数分に短縮
→クロチャーが軽くなり救われた  オカルトってすげえ!
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 17:37:57.78 ID:ONN9w09SO
おつ!
世話好きと怠惰が出会ってしまいましたなー
そして安定の原村
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 18:09:17.74 ID:+uC3Grpio
乙です
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 20:03:14.55 ID:XyZ/cImdO
乙です
女三人寄れば姦しいとは言うが、病んでる三人だと禍々しいな…
そして何時も通り子供達からの地位がどん底の原村ァ
山ワープだと送り迎えの際に穏乃と遭遇したりしてそう
ここ最近の霞や白望、玄とかを見てると、普通?に驚愕するよりも「山でワープ?普通ですよね。私もよくやります」とか言い出しかねん…
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 21:26:54.49 ID:1qbnAXFno
読み終わったぞ原村ァ!
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 21:37:32.64 ID:vLug9laV0
乙です

原村ァ!!(挨拶)

まぁ、今回はのどっちが正しいんだけど、あの3人は普段の行いがのどっちと比べたらしっかりしてるからねぇww
それと、オカルトってスゲェ(白目)

そういえば、家族麻雀で京ちゃんと界さんはどんな戦績何だろう?
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/24(火) 22:30:46.69 ID:Wo6Hbgxuo
大人数にせざるを得ないお題を捌いてもらえて感謝感激
電波組と他のメンバーを知り合わせてみたくてあんなお題出しちゃった
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/25(水) 07:56:32.55 ID:QvVgK0PSO
早朝4時頃家の中で竜巻に襲われる夢を見て一旦目が覚めてしまったおかげで眠い
てことで家の中でトルネードぶっぱしてみんなに叱られる照
813 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/25(水) 17:33:24.76 ID:1fk1A0U3o

 1/9

 712
 初めてのお使いをする子供たち&それを陰から見守る大人たち

 ※初めてのお使いが出来る程度の年齢のお話


 「メモは持った?

  お金は持った?

  防犯ブザーは?

  GPSは持ってる?

  絶対に外しちゃダメだからね!」


 須賀咲ちゃんです。

 今日はうちの子たちの初めてのお使いの日です。

 息子も娘もがっしり手を繋ぎ、離さないようにさせました。

 重要なものは首から下げ、あるいはズボンに鎖で繋いでいるので落とす心配もありません。


 「ママと一緒に行っているスーパーはわかるよね?

  そこに行って、好きなジュースを二人分買ってくるだけでいいからね。

  お財布の中には余計なお金は入っていないから他のものを買わないこと!」


 対策は、バッチリです!
814 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/25(水) 17:33:58.92 ID:1fk1A0U3o

 2/9

 某番組ではクレームが殺到するような内容でしたが、うちでやるものはそうじゃないです。

 あくまで子供たちに『体験』させるためのものなんだ。

 最低限の条件として

 ・親と何度も徒歩で行ったことがあるお店

 ・購入するのは二人がいつも買うジュース(手で持って帰れるもの!)

 ・メモを持たせる。(うちの子は文字を読める年齢です!)

 ・お財布に入っている金額はジュース二本分のみ!

 ・変な人に絡まれた時のための防犯ブザー!

 ・宮永の血が覚醒した時のためにGPS!

 ・全て首から下げるか、腰に鎖で繋いでいるから落とさない!

 ・大人の人にお願いする用のメモ+地図!


 本当はこれくらい出来る! って状態で送り出さなきゃいけないんだよ!

 あくまでして欲しいのは自分で買いに行く体験と、成功にしろ失敗にしろ「チャレンジした」という事実。

 このために尽くすんだ。


 「じゃあ、ママが玄関を閉じたらスタートだから、行ってらっしゃい!」
815 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/25(水) 17:34:35.94 ID:1fk1A0U3o

 3/9


                _  -‐==‐-
             /. . . . . .      `
   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
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      /  /  /          `ヽ  : : : :
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      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}   「わかった!」
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
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                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
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                /7::::i::::/ ィ 弌ト、.   乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
          _ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}`     ´んぅト/ /!::::::リ::/
.               八:::|从とつー '        ら::::/ 〉 ::::;:イ:::{   「ママー……」
              >、 } 〃〃   ,   ` ーrっ// ノ::八
                 /⌒              〃〃/}_rくノ )}
             /::::::::::/\   ^ ` 〜 、    / >=へ
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                   /i |   `>/::::\    }::/ レ'
              ---=ニ¨:::::::い  / '::::::::::入   ´


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/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |
ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|  「いい返事だよ! それじゃ!」
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/
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      |:./  \:.:{\          /  |:.::/
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \

 バタン
816 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/25(水) 17:35:12.20 ID:1fk1A0U3o

 4/9

 タタタタタと、扉から離れた音がする。

 もうこっちの声も聞こえないかな? 大丈夫かな?

 ふー

 さて

      / :::::/::::::::::::::::::::.:.::::::::::::::∧:::::.:.:.:|:..:.:.:.|:.:.:::|i::.:.:|
     /   !  / ::::::/:::::::::::::::::|:| |::::::|:::|:::::..:.:i:::::::|:i:.:.:l
.    /............|........|..//.ハ.......:.ハ..:::| | !: : |:: |:::....:...|:::::::|::.:.:|
    /.:.:::;:イ::|!:::::::l//メ、|::::::::!'i:::::|::| i:::::|i:::|::i:::::::::|:::::::::.:.:i゙、
  /:.::/ .|::|:!:::://'´`ヽ!::::::| _、::|V-‐!::::|、::!|:::::::::|:::::::::.:.:| 
  //    |/:::V::!|  <ヽヽ:::|  V'"´゛ヽ、!ヽi::::::::::ト、:::::./i|
        !::::::::|:r-、弋ノ  ヾ   f´:i  ヾ ゙、::::::/) }:ル'
       r‐|::::∧:ト、.\ ,     _ゞ',、  /  i:::/ ' /W
      人:|i:/:.:.::゙、 \ `ー-、    `i. ヽ  ,..N./:.:.:.:`ー-、  「めっちゃ心配だよぉぉぉーーー!!」
    ,イ ゙、゙、:.:.:.:.:.:\ ヽ   `ー--‐' /_.ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,,:.:-‐'´>、
    ! ゙、 ゙、゙、:.:.:.:.:.:.:ヽ         / /:.:.:.:.:.:,,:.:"_, -‐-´i::::|
.   /i ゙、. iヽ\:.:.:.:.:.:.\      ,ク´:.:.:.,,:.:"´イ´/     i::!
   i |  ヽi: :\\:.:.:.:.:.!ヽ  _, -‐'´i:.:/:./: / /     i| リ
.   i  | i ヽ: : :.\\:.:.>'´:.:.:.:,; -=i:./: :/ /    ハ |
   |   ゙、 ゙、 |\: : :\\i:.:.:/:.:.:.:.:.:..| : / /     i | ノ


 もう既にじっとして入られないよ!

 子供の成長に必要なイベントとは言え、宮永の血筋を引いているあの子たちにこのイベントは無謀だよっ!

 迷子イベントが目に見えてるじゃん!


 「咲、それでもギブアップするまでは信じてあげないとダメだろ?」

 「そ、そうだけどさあ」

 「確かに出来ないかもしれない。でも、失敗もまた経験だ。

  チャレンジすることが重要だって、信じて待ってよう」

 「ぐぬぬ。正論ばっかり言っちゃって!」

 「こうでもしないと抑えきれないんだよ……。

  宮永家全体で何回迷子になって、何回俺を迎えに来させたか言ってみろ」

 「はい、ごめんなさい……」


 やったね、京ちゃん! 今日は記録更新の日かもしれないよ! ……うう。

 ……?


 「おとーさん? どこに行くの?」

 「あー? ちょっとさー、酒買ってくるよー」


 ……お酒買うのにカメラはいらないよね?


 「京ちゃん! 私おとーさんを見張ってくる!」

 「お、おい」


 京ちゃんが止める間も無く、二人で飛び出してしまいました。


 「どっちにしろ迷子記録更新するんじゃないかな……」
817 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/25(水) 17:36:02.97 ID:1fk1A0U3o

 5/9

 ……
 …

 子供達は両親の言う通り、まずは記憶を頼りに歩きました。

 でも、すぐにどこで曲がればいいかわからなくなってしまい、妹が泣きだしそうになります。

 兄はそんな娘の手をギュッと強く握り、頭を撫でて安心させてあげました。

 両親から渡された手書きのメモを確認します。

 父親の書いたそれは非常にわかりやすく、すぐ見てわかるものを目印にして現在地を探し、どこに行けばいいか書いてありました。

 それの通りに歩いて行ったのですが、大人にとっては些細な距離でも、子供に取っては大きな距離。

 距離の見間違えで、少し早く曲がってしまったようです。

 本来あるはずの場所にお店がなく、今度は兄もちょっと涙がにじみます。

 するといきなり巫女服の女性が彼らの前を横切りました。

 見覚えのある人だと追いかけますが、どうしても追いつけません。

 その女性が曲がり角を曲がったと判断し、走って辿りついた時には女性の姿は完全に消えてしまいました。

 白昼夢、もちろん子供にとってこんな単語はわかりませんが、そういうものを見たのかもしれません。

 しかし偶然、辿り着いた場所は目的のスーパーだったのです。

 思えば数カ所曲がる場所を間違えただけなので、本当に近い距離なのです。何回も道を曲がっていれば着くこともあります。

 さて、これからがメインイベント。兄は涙が滲んている妹の手を更に強く握り、あやします。

 妹が落ち着いたところでいざ出陣!

 店の中に入ると、冷房が効いていていきなり涼しく感じました。

 あとはいつもの場所……を探すだけなのですがスーパーを一周してもよくわかりません。

 すると目の前を見覚えのある白髪の女性が通り、ジュースが置いてある棚から商品を取ってレジに向かいました。

 商品の場所が分かれば子供たちのものです。二人は喜んでジュースを取りました。

 会計に持って行って渡して、お財布の中のお金を全部渡すだけです。

 お釣りもなく、二人はジュースを手に入れました。

 帰りの二人は自信が違います。

 だって、ここまで二つの難関を乗り越えてきたんですから!

 一つは、スーパーに辿り着く事。

 一つは、ジュースを買う事。

 チャレンジした事によって得られた成功の経験値が彼らの自信になります。

 あとは地図を見て、今度こそ迷わず帰るだけ。

 最初に確認した時より入念に確認し、標識などもちゃんと確認して帰った結果ーーー
818 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/25(水) 17:37:14.24 ID:1fk1A0U3o
 6/9

                _  -‐==‐-
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   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
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      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
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              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
           /   __ i: . : :、/|__ ∠  / ‐  //          |
          /`-‐ /   / |  __ -‐/   /             |

                                           「「パパ! ママ! ただいま!!」
                     /:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\
                    /:..:..:..:..:..:..:.:.:.:.:.:.:..:.:.:..:..:..:..:..:ヽ
                   ノ:..:..//:./:./:./:.:.:.;、:.:.:i.:.:.:.:.:..:.:、:.゙、
                   /、  / ,ィ_,A:.ハ.i.....i !|__|___|、:.:.:.:.i:.:i
                 /  )_:.i:.´|V ソ .|!:.:.:| !ト、:!、:|`|:i:.:.:|:.:|  __        ,.-‐┐
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  `ー-、__/    `      !\::.ム.! ー―'   ,  ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ /   / \_
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 `ー-----r‐'" i        r/ /   ,  |ノ!   `ー----ァ'"   / i! '"  / 〈  i         ̄  `ヽ
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     / _,/:.:..|  ::| \ !           j/        ′/:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.   「おかえり! よくやった!」
        / :.:.:.:.:{  ::|\ハ_,          ノ            ,___/{:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.∧
.    /:.:.:.:.:.:.:.::′ ::|:.:.|\圦                       / j/l/.:.:′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.∧
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819 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/25(水) 17:37:47.81 ID:1fk1A0U3o

 7/9

 「いくらでも撫ででやるぞー!」

 「パパー!」

 「えへへぇ」

 「ママは?」

 「……ママは、ご褒美のお菓子を用意してるからちょっと待ってな?」

 「「(´・ω・`)」」

 「ご、ごめんな! ママからも後でいっぱい褒めてさせるから!

  その分、パパがいっぱい遊んであげるから許してな!」

 「パパー!」

 「パパだいすき!」

                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/ 「(あの二人、今回はお灸を据えないといけないよなぁ)」
  //////////〉        込、  __    ,.: /
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、
820 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/25(水) 17:38:19.75 ID:1fk1A0U3o

 8/9

 ……
 …

 「もう、咲ちゃんダメじゃない。

  子供を信じてあげるのが親の仕事でしょ!」

 「はい……。その通りです……」

 「心配して出てきたお爺ちゃんが迷子になるとか……徘徊老人……」

 「う、うぐっ」

 「成功して帰った時にママがいなくて褒めてもらえなかったり、『親に信用してもらえなかった』って思われたりしたらもう大変よ!」

 「ご、ごめんなさぁぁい」

 「謝るならちゃんと子供に謝りなさい!

  じゃあ、帰ったら旦那さんとしっかりやるのよ?」


            /::::::::::::::::::::::::::::::\
         /:/:::::::::::::::::::::::::\::::ヽ
    (_)  /::::/:::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::ハ
 /\   /:::/::/::/::::::::::::::::ヽ::::::::::::V
    \  ハ:::::/::/:::::::::::::i:::::::i:::::::::::∧
        { V/:::/:::::::::::::::::::::::i:::::::::/. .〉
   ̄ヽ   ∧.V:::ハ:::::::::::::::i::::::::i:::::V . ハ
  ー-    { \Vハ:::人:::川:::::ハ::/. 〃 }   「はい! いろいろとありがとうございました!」
  / l   ハ  \ミ. .ヽV /. . 彡:フ  ハ
  し j   ∧  ヽ、ミ::::ヽ∨:彡::/   ∧
   /  〈  \__人`゙〒テ'"人 _/ 〉
 |     \__ イ  //∧ 〉、__ /
 |人_    ハ   } //!/∧/  ∧
        ハ   } {/∧//ハ  / }
        { ヘ   } !//∧/∧ / !_
         ∧ヘ  } !//ハ//∧.イ.\. . >―. ._
          /./. ∧  ト!//7\/∧.\. . . . . . . . . . . . .┐
       /./ . . ∧  !.!/j./  ∧/〉.ヽ\. . . . . . . . . .//
        /./ . . . .∧  !V./  ∧∨. . .\. \ . . ―. //
.       /./ . . . . . . i ヽ./  /. i. . . . . .ヽヽ. . . ー-. //
      /./ . . . . . . . {  Y   ノ. ハ. . . . . . .〉ヽ\. . ./
    / / . . . . . . . . ゝ /   /. .ハ . . . . . i. . ヽ.ヽ〃
.   / / . . . . . . . . . .ゝ{//ノ. . .i .i. . . . . ./ . . ヽ//
821 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/25(水) 17:39:00.47 ID:1fk1A0U3o

 9/9

 ……
 …

                  ... ----- ...
                ..::´::::::::::::::::::::::::::::`::..
                  / .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                / .::/::/:::/:::: l:|::::l:::::::::::::::::::::::.
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                |::::::l::::l:::|:l__l::::::l:|::::| __}::::ト::::::::::l:|
                |::::::l::::|八{__\从ノ __j::ノ|::::::l:|
                |::::::|:::抖ぅ竿   ´竿冬、 l::::::/ |
                |::::::l从乂ツ    乂ツ'仏イ:::;  「私はたまたまあの辺を散歩していただけだからセーフよ」
            ‘::::∧{ 、、   '   、、 }∧:::/
                 ∨::八    ┌‐┐    八:::/
.             ∨::::::::...   ` ´   . イ::::::/
              ∨:::::|:::〕iト -- i〔|:::|::::/
                _|=ミl/´ |    ll |:/::/
               / /:::/|  |    /l |:::::{ ̄ ̄`丶
             / /∠..._ |  |\_,// :|:::::|\   }∧
           {/´       `ヽnm/´|:::| ̄`丶{ ∧
           /         r|| l〈   |:::::|    \ :|
.          /         /l:|| | ∨八::::\    ‘,|
.          ,′       / ノ|l |  \::::\   !
.           |      /  /  !   ',     \::::\  |
.         从     /   _/  |   ',__    \::::\|
         {/∧     { .//  .人   \\   \:::}八
       /} \__/ /  /_\   }  \__,/|  \
       / /´ ̄ /  {/{三三三≧=ヘ    \  |   \


           ___/ / /        \   \
           ⌒フ / ,  /   l 〈     \\ \
           /  / /  /  /| \      ∨ \ \
         /  / /  /-〜/-| {  \〜ー 、'   \ )
           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ  「グレーゾーンでしょ。
.             { /   }\__              ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八  私は『周囲から得られる情報でも目標は達成できる』って教えられたからセーフ」
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
             /∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧

 カン!
822 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/25(水) 17:41:40.54 ID:1fk1A0U3o
 咲ちゃんもまだまだ親として未熟な話
 昨日で2ヶ月連続投下だったっぽい。きっとどこかで途切れます

 >>810
 家族麻雀が3スレ目「いい嫁さん」にあります。よければ↓からどうぞ
 http://www27.atwiki.jp/miyanagake/

 >>811
 むしろお題を頂けるだけで感謝です。これからもお題頂ければ嬉しいです
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/25(水) 17:48:20.20 ID:Mf5NuUM2o
乙です
双子よりも迷子になる親とはいったい
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/25(水) 17:50:49.35 ID:QvVgK0PSO
おつ!
遭難常習者ばかりだから早く息子も捜索隊に加入しなきゃね
2ヶ月連続とか読ませてもらってる分には凄くありがたいけど>>1の生活が心配になる
無理だけはしないでおくれ
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/25(水) 21:13:48.51 ID:qTPjiOtZo

オカルト勢はホント神出鬼没だなァ
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/25(水) 21:16:53.87 ID:76RvyoVDo
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/25(水) 21:38:07.17 ID:szGM5SbB0
乙です

自分の出したお題を叶えていただきありがとうございます!

咲さん、宮永の血が覚醒した時用ってww
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/25(水) 23:01:30.64 ID:DkIE6Sn1o
乙です
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/25(水) 23:11:48.14 ID:4MgKImoeo
乙ー
830 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 00:20:15.83 ID:GEoOt+sVo

 1/7

 712
 幼稚園の学芸会(お遊戯会?)で劇(シンデレラ、西遊記など)をする子供たちを見る宮永家


 須賀咲ちゃんです! 今日は子供達のお遊戯会の日です!

 ふふふ、親に隠そうと思ってそわそわしている我が子たちは本当に可愛かったよ!

 もちろん大人にはバレバレなんだけれども、あえて気づかないフリをしてあげるのが親ってものだよね!

 いろいろとこっそり練習しているみたいだけれども、一体何をやるのかな?

 不安なのはこういう舞台が苦手な娘だけれども、成長するには慣れさせないといけないからね。

 私みたいにぼっち力たっぷりに育ったら京ちゃんみたいな人が拾ってくれないと詰んじゃうからね……。

 やっぱり、親としてはそれだけは避けたいです。

 気がはやいかな? でも娘がお嫁さんに行くとなったら京ちゃんとお父さんが暴れそうだね。

 息子はクラスの人気者らしいから、もしかしたら主人公なんかやっちゃったりして!

 コミュ力お化けの京ちゃんにそっくりだね。羨ましい……。


 「ほら、咲。早く準備しろー」

 「京ちゃん待って。

  もうちょっと……」

 「そんなに気にしなくても……」

 「気にするよっ!

  他の人に見られるんだからね!」

 「俺、咲がそう言い出すことに感動してるよ」

 「ぐぬぬぬぬ。京ちゃんだっておヒゲ剃った?

  親の見た目で子供の立場が悪くなるかもしてないんだからね」

 「だいじょーぶだって」

 「男の人の準備時間が羨ましいよ……」


 ぐぬぬ。京ちゃんはこういう人と関わるところは本当に強いよね。

 そもそも毎日出勤してる京ちゃんが準備に手馴れてるのも当たり前かー。

 それにしては今日はいつもより気合い入れてるし、かっこいいし!

 何か、何か言い返せないかな。

 そうだっ。
831 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 00:20:44.71 ID:GEoOt+sVo

 2/7

.   / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
  /  .:.:.:.|:.:.:.:.|  :.: : ||:.:.:.:.:.:.:| |:.:.\ | :.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. /  .:.:.:.: |:.:.:.:.|  \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|
/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |
ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|  「ほっぺたに食べかすついてるよ」
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \



                ,. --- 、        ____
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           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
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       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/    「そんな咲じゃあるまいし……、どこ?」
  //////////〉        込、  __    ,.: /
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
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                  _........----......._
              ,. : ´: : : : : : : : : : : : :`: : 、
             /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、
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            /: : :/: : : :/: : : : : : : : : |: |: : : : : : : ∧
             .': : : ' : : : / : /: :,: : イ: : :|: }: : |: : :|: : :∧
            , : : : |: : : / : /l: /: / }: : ,:.イ : /: }: :}: :!: : :.
             | : : : |: : /:{:_/_}ム/ / : /、_|:_/: /: /: :|: : : :.  「んっ」チュッ
             {: / : | : ィ´}//イ /}: / / }/`ヽ:イ: : ': : : : :
          〉,: :, {: : | ,ィ斧汽 /´ ィ斧汽、} : /:|\: : |
          {八:{ \:{とヒこソ       ヒこソっ: イ: :|  \}
          |   乂ム     :.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:  ムイl: /
             从{∧     _   _     人:∧{
              |/ >:../^} /⌒l、` .イ }:./ リ
                ___/-'-'-- 、/〉「-、/ '
          ,.. <:::::::::::::::{======ミ`ヽ|〉::`::::...._
         /⌒\\:::::::/`ヽ:::::::::::∨, {::::::::::::::::::>-、
          {==、 {:\/   〈7 ー、{ ̄|:::::::::::://,ィ^.
832 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 00:21:12.28 ID:GEoOt+sVo

 3/7

            _,.......---............_
         ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
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      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
     /: : : / : : : : : : : : : : : |: : : :ヽ: : : : : : : : : : :'
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    |: : : |: : : : : /: : : ,イ: : ,:|: : : : :ハ: : :l: :|: : : :V: : '.
    |: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
    |: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ  }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
    {: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
    八:{、:、__ \:lヽ  Vり         ヒり/:イ:/: :|  「ほら、行くよ!」
      `\}、: 、    /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{
     , --r--,\ ,-- 、_____  人: /  \〉
      /  |::| |::::::>  ____ソイ⌒∨
    {   ,::, {::::::::::::∧-,  r/:::::://|   }
    |   \、\::::::::::∨- /:::::://:/
    |     { 、、\:::::::∨/::::://:∧    |
    |     | \__>、_}'__>´/}   |
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            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :. 「(自分でやっといて照れる咲かわいい!)」
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、
833 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 00:21:43.76 ID:GEoOt+sVo

 4/7

 ……
 …

 「誰が何の役やってるんだ?」

 「当日のお楽しみだって。

  場所によってはみんな主人公とからしいけど」

 「王子様が何十人もいるって奴か」

 「怖いよねぇ」


 そわそわしながら京ちゃんと会話して気を紛らわせる。

 だって、こういう舞台で子供が失敗しないか不安なんだもん。


 「大丈夫だって。失敗したって別にいいじゃん」

 「京ちゃんのそういうところすごいよね」

 「やってみなけりゃ失敗すら出来ないよ」


 こう、リア充組のセリフだなーって思う。

 中学生の時はハンドボールで押せ押せ、高校になったらいきなり鞍替えで女の子だらけの麻雀部に突撃するだけはあるよね。

 だからクラスの誰とでも仲良くなれたし、女の子ともすぐに仲良くなれるし、私みたいなぼっちにも声をかけてくれたし。

 本当に羨ましいよ。


 「あっ、始まるみたいだよ」

 「本当!? 京ちゃんビデオカメラ!」

 「おう! 任せとけ!」


 録画してお父さんとお姉ちゃんにも見せてあげないとね!

 あっ、霞さんやシロさんや玄さんも気になってたかな?

 和ちゃんや淡ちゃんも見たいって言ってたし。

 ……なんか最近よくうちに人が来るなぁ?
834 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 00:22:12.42 ID:GEoOt+sVo

 5/7

 演劇はシンデレラ。王道だね。

 他の子達も自分の役に一生懸命でかわいいなぁ。

 親の方をチラチラ見る子、緊張して口が回らない子、楽しそうに演劇する子。

 いろいろな子がいて、見ていて飽きないよ。

 さて、うちの子はどこかなー。……まだ出てないのかな?

 娘は主役のシンデレラではないみたい。

 ……あっ!

 息子は王子様だ! かわいいいいいいいいいい!

                ,. . : : :――: : . .
               ,. : ´: : : : : : : : : :_: : : :`: .、
            , :´: : : : : : : : : : : : : : \: : : : :\
           /: : :, : : : /: : : : | : : : : : : ヽ: : : : : ヽ
          .': : : : /: /: :.|: |: : :|:|: : : |: : : : :.∨: : : : :.
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        ': : : : : : :|_{:__|: {: :V: :V\: }、:|:|: : : |: : : : : :.:|
       /: :/: ,: : :´|:|V:{:从: { \}ィチ雫ミ: : : ,:_:_: : : : :|
       |: :イ |: : :|:从ィ雫ミ \   _)::刈 }: : // V: : : |
       '  l |: : :乂{ _):::}     Vzり/:イ   } ノ : /リ 「(やっぱりうちの子がナンバー1!)」b
          |: ∧:.∧ Vり            _,..イ:/}/
          |:/ V : :.   '         イ:イ:/ /
          }'  {/ 人     v ァ    ..:  |/ '
               `       イ  |
                     `_ T´     |⌒\
      r-,-、        _,....´./'   /´............`:......_
      / / /`>、  _,.. <.........../-、  r/...................................>、
     {   ' /  ∨{...\.........../   `/......................_> ´ ̄ V..、
      ,   〈`、ノ,:|:.\.\_{  /---__,...>:.:.´/  , -- |...|
      }\_∨/ 乂:.:.:.` ̄`Vイ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.> ´ |  /     ...|
      |\_ ̄ 〉∨` ̄「 ̄ ̄/ ̄ ̄´====  ∨      |..|


 これには咲ちゃん思わずガッツポーズ。

 ふふふ、そうだよねぇ。地毛が金髪でコミュ力が高ければ王子様に抜擢されるよね!

 ふふーん。誇り高いよ!
835 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 00:22:47.50 ID:GEoOt+sVo

 6/7

 さて、娘の方はどこにいるのかな。

 王子様がシンデレラを見初めるシーンで発見。

 従者役なのか、王子様の隣で一生懸命威圧しているうちの子がいました。


               //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                /::::::::::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::ヽ
              / 〃7/:::::::::::::::::/::::::/7:::::从::::: |ト::::::::::i:::::::::::::::ハ
           / / //:::::::/:::://i:::::/ /i::::| ':::::|l :::::: i:::::::::::i:::::il
            / j:::::::/:::::::/__::/  |{ |:::i  i:::ハ.∧:::::|: i:::::::i:::::|l
             { /:::::/:::::/i{  |{ ̄~|圦:::; i/ j/-j::::/:::|::::::il::: |l
                /7::::i::::/ ィ 弌ト、.   乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
          _ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}`     ´んぅト/ /!::::::リ::/
.               八:::|从とつー '        ら::::/ 〉 ::::;:イ:::{   「……」
              >、 } 〃〃   ,   ` ーrっ// ノ::八
                 /⌒              〃〃/}_rくノ )}
             /::::::::::/\   ^ ` 〜 、    / >=へ
                {:::::从:{   >        _  < /:i:::::::::::ヽ
                  ゝ:::(八    _}>-=≦/{_    {八::::::::ハ::}ト
                   /i |   `>/::::\    }::/ レ'
              ---=ニ¨:::::::い  / '::::::::::入   ´



         ,. : : :  ̄ ̄: : : : .
       ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :`ヽ、
     / : : : : : : : ,: : : : : : : : : : ヽ:ヽ
     .': : :,: : /: :/: :|: : ||: :V: :V : |: :V:.
     ' : : /: /|:_/__ノl: : |{:、_|_|: : |: : |: :.
    /: : : :|: |:_V {:/:从: :| 、{ \:l从|: : | : i
   ': :,ィ/: |: |: ,イ_)笊 \  イ_)斧ミ|/: ,.: :|
  {:イ/ ': : Vl { Vzソ      Vzソ / : イ : |
    l' |: ,: {`\ `¨´  '  `¨´〈:イ )}: : , 「(ああっ、あの顔はお兄ちゃんを取られたくないんだね)」
     |∧乂ム  ''''        '''' ムイ|: /
     '  }:∧个 r 、_- -   イ : /|/
       '  ヽ: :/ / }-、_,.ィ : /: イ
          _,..{   ' ' ノ {-く
     r<........../\___}__,/........> 、
     「\..、...rく\___,/ /.........../..>、
    /⌒ `ー{  \__/,イ......../イ´  ∧


 思わず私まで不安顔になります。

 でもここで不安になればもっと泣き出しそうなので、思い切って笑って楽しんでいるように見せます!

 二人とも、頑張れ!
836 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 00:23:16.36 ID:GEoOt+sVo

 7/7

 ……
 …

 なんやかんやあって、お遊戯会も終わり。

 拍手喝采の大成功でした。

 もー、二人とも可愛かったよぉ。

 これで宮永家上映会もバッチリ!


                     /:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\
                    /:..:..:..:..:..:..:.:.:.:.:.:.:..:.:.:..:..:..:..:..:ヽ
                   ノ:..:..//:./:./:./:.:.:.;、:.:.:i.:.:.:.:.:..:.:、:.゙、
                   /、  / ,ィ_,A:.ハ.i.....i !|__|___|、:.:.:.:.i:.:i
                 /  )_:.i:.´|V ソ .|!:.:.:| !ト、:!、:|`|:i:.:.:|:.:|  __        ,.-‐┐
   ___        ,:=''"/   .//:.:.|:.:.|ィ≠=、 !、:.:| z≠=、ハ:.:.i:.:.l/-―ァ    /   ノ
  (     ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ    //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi  b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ//   /   「パパ、ママー!」
  `ー-、__/    `      !\::.ム.! ー―'   ,  ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ /   / \_
  ___ノ          ノ   )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / //   /、`ヽ、 `ヽ
 f        __       ∧ ,.へ iヽ! \  、___ノ   / / / // / / /   '"  ̄ヽ!__/
 `ー-----r‐'" i        r/ /   ,  |ノ!   `ー----ァ'"   / i! '"  / 〈  i         ̄  `ヽ
       \  ヽ     !_ノ _/__ノ ヽ、  \ /  /  !、  i    V   、_    、____ノ
        )  | 、ヽ_,ノ、_/---、〈   `ーァ、___,、_/   !: : ̄ヽ,_/    `        )
        (_ノ  ソ  /:.: : : : : : _〉   ,,"   ゛、     ノ: : : :/       _`  /  (ヽ
          ヽ  |  |: : : : : : :/ 〈 \ 《      ゛、 /゙、: :/   ,.---‐二ノヽ___!、   \
            i  |  ゙、: : : : : i       ゛、     ラー=-|:(__,..イ `ー'´      7\_  )


 走り寄ってくる娘を抱きしめる。

 息子もどことなく誇らしげだ。

 こうやって成長するんだなぁ、って思うと目頭が熱くなるよ!


 「今日は二人の好きなハンバーグを作ってあげるからね!」

 「うん!」


 そんなこんなで、二人は少し大きくなったのでした! カン!
837 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 00:23:52.42 ID:GEoOt+sVo

 1/5

 789
 クロチャー、京ちゃんや子供と一緒にいて夫婦と間違われる


 須賀京太郎です。

 ふふふ、今日はまさかの玄さんとデート!

 照さんのところへ来た玄さんがうちに泊まることになったと言う事で、入り用な物を一緒に買い物に来たんだ。

 照さんは仕事で、咲は家で夕食を作っている。

 子供達を連れてちょっとした買い物。

 玄さんが嫁かァ、いいなァ……。


 「ごめんね、京太郎君。

  付き合わせちゃって……」

 「とんでもないです!

  美人の玄さんとデート出来るなんて幸せですっ!」


              /:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ |:.:.:.ハ:.:.:.:j:.:.:.:.} ゚。:|\ :.:.:.:.:.|:..:。:..:..:..:.\
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           /:..:./..:.:.:.|.:.:.:.:.:.|  ミト、     ィj/     ミト、     ィj/ | :.:.:.:.|:.:.:.:..:.∧
         j:./ .:..:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|   ゞ=====彡       ゞ=====彡  │ :.:.:.|:.:.:.:.:..: ∧  「で、デートっ!?」
         イO/:.:..:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|////////////////{ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:..:..∧
      /:..// .:..:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|、         r――――― 、    ι  ノ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.. ∧
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      |::::::::ヾ|`|/ヽ|ソヾ:::::ハ|ー≦\::::::::::::::::::::::::::::|
      |::::::::ハ ィ.爪ハ  .ヾ:i  イ斤心 }:::::::|ヽ::::::::::::::|
.     |::::::::::::i 弋っリ       込:::リ.|:::::::i |:::::::::::::::|    「も、もう!
      i:ハ:::::::::| xx  ,     xx .,i:::::::ヒ」:::::::::::::::|
      o .i:::::::::i              u |::::::::|:::::::::::::::::::|    京太郎君は既婚者でしょ。
      i::| ト::::::ヽ.    _      i::::::::|:::::::::::::::::::::|
     ノ:|:| |.:.ヾ::::::::ゝ 、   .,孑≦|::::::::|;;;;;;::::::::::::::::|    おねーさんをからかっちゃダメだよっ!」
     /ノ |  |.:.:.:i::::::::::::::::ソ` 夭  /|::::::ソ:::::,:::::::::::::::::::|
        |ゞ:::::i::::::::/ ゝ仆'   i:::ソi|/|.:.:.:.:.:.i:::::::::::::|
       |:.:.:ヾ、:广 レへ /ヽ .i:// ノ.:.:.:.:./::/ヽ、::|
        |.:.:.:i:::::| 尸ヽ一イ ̄刀  /.:.:.:.:./:::/  .ヽ|
       |.:.:.:i::::::|  >  ,卅   /  ノ.:.:.:.:/:::::/   /`.i
      |.:.:.i:::::::/. <ヽ イ  ト-匕ヽ/.:.:.:.:/:::::/   /   .|


 天使だ!
838 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 00:24:31.18 ID:GEoOt+sVo

 2/5

 わかった! この人弄られキャラだ!

 この反応は弄られ慣れているからもうちょっと行っても大丈夫だな。


 「いえいえ、玄さんは性格良し、器量好し、料理も出来る。

  理想のお嫁さんですよっ(おっぱいもあるし)」

 「そ、そうかな、えへへ。

  ってまた褒め倒して、もー騙されないんだからね!」

 「本音ですよー」


 ヤバい、この弄り反応は楽しいっ!

 中学生の頃の咲を弄っているみたいだ。

 咲は中三あたりから何言ってもジト目で返してくるようになったからなァ。

 まぁ、あまり言いすぎて不快に思われても困るからこの辺にしておこう。


 「それにしても、照さんと仲が良いんですね」

 「照さんも咲ちゃんも一緒にいて楽しいんだ!」


 気づけば咲をちゃん付けして、お姉さんのように振舞っているこの人には頭が上がらない。

 俺以外で咲照コンビを御することが唯一の人物じゃないかな、マジで。


 「でも、ここまでくるの大変でしょう?」

 「ううん、最近は近くなったから!

  それに、頼られると嬉しいんだ」

 「?」


 近くなったってことは、こっちで転職したとか?

 お姉さんが誰かと結婚したから実家から離れたとかありそうだね。

 そこまで踏み込むのは何か悪いかな、下がろう。
839 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 00:25:00.71 ID:GEoOt+sVo

 3/5

 「さて、子供たちを迎えに行きますか」


 買い物をしている間、触れ合い広場に預けてきたからね。

 あいつら本当に迷子になるから、玄さんに申し訳ないし。


 「あら、お迎え?

  まぁ、美人の奥さんですねぇ」

 「へへっ、そう見えます? そう見えます!?」


 玄さんと夫婦扱いされるなんて光栄だなァ。

                   -―……―-
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        |:: '::: i:::::乂:::ト{:|_、{ \::{__ 斗へ:::::i::::::::|::|::::::::|:.:.|
        |::|l:::::i:::::::::ト::{ `   \. ヾ      ヾ|::::::::l::|::::::::|:.:.|
        |::|l::::ハ::::::::ハ  ___-     、___ ,、|::::::::|イ::::::::|:.:.|
        |::|l::/ ::::::l:::} ´` ̄´      ̄´ .|::::::::| }::::::::l:.:.:l  「夫婦じゃないですよっ。
        |::|l:{  i::::::l:::| 、、、、   ,   、、、、 |::::::::|/::::::::i:.:.:.l
         `O′ |::::::l从             j:::::::〃:::::::ィ::.:.:.l    間違えないでくださいっ」
        /::j  |::::::|::i::>   `   ′  . ィ:::::::/i::::::::::|::.:.:.:l
          {:::/   |::::::|::|:::::::::|>     < {::::|:::::/:/::::::::::|:.:.:.:.:l
          |::{  .从:::Y:::::::|l:::: r‐}`´ __ ノ }/:::/:/:::::::/:::|:.:.:.:.:.l
          Y  /::::ヾ::::{:::::::|l::ノ ∧__∧ ∠::::/_'::::::::/:::::|:.:.:.:.:.:l
          /.::::::::::\r‐ '〃/レ  〃ヽ 厶イ /:::::::/\_|:.:.:.:.:.:.l
             '::::::::::::::/ ` 厂 ̄`r=く  ̄}/  /::::::::/  ⌒ヽ:.:.:.:.:l
           /::/:::::::::/   廴_ 八    {  /::::::::/   /  V.:.:.::l
        /:ィ:::::::::/   く __ ノ 辷=- _〉/::::::::/  /     V:.:.:.l
      /〃 j::::::::/ レ        } /   ̄ ./::::::::/  /     }:.:.:.:.l


: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `  「(オゥフ……。弄りすぎて怒ってるかな?)」
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >
840 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 00:25:33.38 ID:GEoOt+sVo

 4/5

 いやー、バッサリ切られちゃったよ。

 まぁ、あんまり言い過ぎて悪かったかなァ。

 玄さんは絡みやすいからついつい踏みこみ過ぎちゃうんだよね。



            /   . . . . . . . : : : : : : : : . . .   \
             ,  . . . . : : .:. .:..:.:.:.:.:.:. .:. .:.:.:.:.:..ヽ:. . :. ヽ
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        ././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
        i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
        |′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \  ヽ. \} :. : |: :{
            i . .:.|:八.:.|ヽ{  _    \   ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
            | : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ     ´   `'^| :. : |:.小   「京太郎君っ。
            |.:/ :! .:.:.:.ハ ′             /i/, | :. : |:.|i
            |:′:} .:.: :| ∨ /i     '       .:. :. :.!:. l: {     お買い物付き合ってくださってありがとうございますっ!」
         ○: :′.:.:.ト. .           ,      八:.:..:}:. l:.‘
         /:.{: :| .:.:.:. {:: 込      `   ´   /}::.:.:./::. :!:. ‘
          /:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:.....       .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧
       i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.
       |{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂    / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.
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       / . . {⌒ヽ       八  z__{ }___,  {.':.:.:./      /   |
      .′. .:|    \      《    ハ下  . /.:.:.:.′   ,    小
      / . . .:.{     ヽ   }  ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./     /     {:∧
.     / . ./..:.:}      . | く    /  }  ;:.:.:.:.:′ .′/     {:. .‘.
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               __  /⌒ヽ
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              _, ----`      ∨   `ヽ、
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          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Y { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \ 「(うん、やっぱりこの人は天使だ!)」
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、
                     ///// |   /////////////////> 、
               /////// { //////////////////////}
             //////////∨///////////////////////|


 さて、買い物も終わったし、俺には可愛い嫁さんがいるからね。

 安心できる自宅に帰るとしますか!
841 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 00:26:03.20 ID:GEoOt+sVo

 5/5

 ……
 …

 「玄ちゃん。ずっとニヤニヤしてるけどどうしたの?

  (想像はつくけど)」

 「えへへ。今回ね、京太郎君と夫婦に間違えられたんだ!」

 「よ、良かったね。

  お似合いなんだよ、きっと」

 「そ、そうかな。嬉しいな」

 「玄ちゃんはいい子だから、自信を持って、ね?」

 「ありがとう、お姉ちゃん!

  今ちょっとあの時の思い出を何回も思い返して、忘れないようにしてるんだ」

 「う、うん。その時どうしたの?」

 「安心して! きっぱり『違います!』って断言したよ!」

 「……えっ?」

 「私のせいで京太郎君と咲ちゃんの間に亀裂が走ったら嫌だもん」

 「そ、そうだね」


            '' _.――  ....
        / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、..
     . '       .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
     / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }     ヽ
   /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......  ',
  /::.:′. .: }:  ヽ ,斗‐|-  .::| :ト.、 | |.!
. /::. |:...:.:/|:.  ..:l\ ! ヽヽ .::l /! ..l | | l
. {: /.! :|.:.:..::|:.. ...:|〒弐オ`\.l/〒テト.|./|.:i
...rぅ' ,|::.|::.:.|:;{.  ,.::| ト'::ィ;リ      トィリr::ノl:ノ
./:{ V:|::.|::.:.|´ii ..:::| `ー'     .゙-'l |/
.|:.|/::.:,::.:.::. l :|.i ',.:::|   ゙゙゙゙    ` ゙゙',!.:}  「京太郎君、喜んでくれたかなぁ?」
.{i:{:: :ハ::.: 込{.::l :'.,l.    (_`チ  _,ノ./|.
.乂:/:.:∧::.:.V.i::ヽ_.::!ヾ=<>‐、‐ T´|..小{
  / .:: :::::::: ル´}::.从`⌒H⌒´}.丿. }:.{
. / .::: .:;へ/` '、l::..<__/八_,>.l. .}:.{
/ .:::::::///;;`ヽ',`..〈   ./ .|  } |  }:.{

 カン!
842 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/26(木) 00:27:45.47 ID:GEoOt+sVo
 クロチャーは何やっても好意的に解釈するからいつでも幸せ
 明日以降は投下時間がこのくらいの時間になりそうです
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/26(木) 00:49:12.12 ID:pD52JhTxo

裏の事情を抜きにして見るとホンマ完璧超人だなクロチャー
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/26(木) 06:55:10.37 ID:6mGRzcSSO
乙!
娘に将来良縁ありますように
咲ちゃんも指摘してるけどあらゆるコネ使って相手の男が娘に相応しいか調べそうだ京太郎&界さん
玄ちゃはキャップと並んで嫁さん力カンストしてるなー
845 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/26(木) 17:40:22.05 ID:GEoOt+sVo

 1/3

 754
 恵さんにものすごく孫自慢する界さん


 「それでさー! ほんっと孫が可愛くってさー!」

 「……界」

 「いいから話聞けよー。

  それでさー。『じーじ!』とか『お爺ちゃん』とか言うんだぜ!」

 「おい、界」

 「いやー、もう可愛いったらないよ。

  この前なんかお爺ちゃんに感謝する日とか言ってプレゼントくれるし、もーサイコー!」

 「私の娘に恋人すら出来ないことを知って、この飲み会に誘ったのか?」

 「あー?

  だってお前よー、自業自得だろ、そんなの」

 「自業自得、だと?」

 「俺は咲に高校時代から彼氏を許してたぜー。

  女の子なんてよー、恋愛経験ないと終わりだよ、終わりー」

 「……昔はお前も『娘はやらん』と言っていたと記憶していたが?」

 「それはそれ。相手がしっかりしてる男なら、許してやるのが父親だろー。

  俺んとこの京ちゃんならもう一人の娘も託せるね。

  むしろ結婚できる気がしないからもらってほしいくれーだよ。

  あー、もう一人くらい京ちゃん落っこちてねーかな?」

 「お前に諭されるとは、一生の不覚だ」

 「あるぇー? 恵ちゃん怒っちゃった!?

  いつも俺に説教ばかりしてた恵ちゃんが落ちたもんだねー。

  ……実際反省しろよ。転勤ばかりで友達を作れないなんて、親の責任じゃねーか」

 「ぐっ……。

  ……お前こそ、一時期は離婚寸前まで行ったらしいではないか。

  一時期は『俺の娘がこんなにぼっちなはずがない』と喚いていたな?」

 「……痛み分けってことでやめねーか?」

 「そうしよう」
846 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 17:40:51.58 ID:GEoOt+sVo

 2/3

 「で、実際どーなのよ。

  目に入れても痛くない娘なんだろ?」

 「……良く出来た娘だ」

 「なんで結婚出来ねーのかね。

  恵ちゃんの話聞いてるとわかんねーよ」

 「この前でお見合い19連敗だ」

 「じゅっ……!?

  お前、それは娘さんに問題あるだろー」

 「男友達が一人しかいなかったとは聞くが……」

 「その子じゃダメなの?」

 「残念だが、既婚者だ」

 「そりゃ残念」

 「どうもお見合い相手にその男の幻影を求めているらしい」

 「へー、どんな?」

 「どうやら、金髪で」

 「ほうほう」

 「身長は俺とほぼ同じくらい」

 「そりゃデカイな。恵ちゃんは183だろ?」

 「優しく運動神経が良い」

 「すげースペックだな」

 「同じ高校の麻雀部の男子」

 「……ん?」

 「全く、いつまで初恋を引きずっているのやら」

 「あのー、恵さん?」

 「なんだ、敬語など気持ちが悪い」

 「恵ちゃんが迷子になった俺を探してくれているみたいに、迷子探しが得意とか言ってなかったかー?」

 「ああ、そんなことも言っていたな。

  ……だいたい、お前はいつも迷子になって、俺に尻拭いをさせて」

 「ちょっ、お説教は勘弁!」
847 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 17:41:20.58 ID:GEoOt+sVo

 3/3

        ,..-、_,.ィ⌒:.ー-、
        /:.:.ハ:.:..ハ::::i:::::::.::.:.ヾー:、
      /.::::::::トヽYハ!:i:|::i:::::i:::::::|:.:.:.ヽ
       !::|::|:::i|     }:ハ:ハ:::!:}:::i|:::::::..:i
.     ノ::|::i!::i:|   ノ-j;!‐!:|:i:::i:|:::::::::.:i
    人:i:::{:、ト|-_ r‐彳テiY |;:ィ::i,:_::::.::!
       仟ィiテ)⌒ー―'′ハ!:i'^ヽ::::!
         `┼'7        リ  /::ト!  「(ゼッテー黙ってよ)」
.          | ヽ        ィイ:::::|
         、  -―‐    / }:!:::トヽ_
           丶  `゙  ,、 ゙ ′i リ!y′ |`ー-、_
          "',、__,,、ヽ     ! /   |     `ヽ
           // \     i /_    !     _冫ー、
           / /n  ハ    | \. |   /   ヾ、
     .   /   //ノ  {_ !  /f'"   \!   / :/:       i
      /    レ \_ |`  イ        ′:!:       |
      ハ         `ヽ  ノ       ハ /  /:  |


                   ,..、__
               ,.ィ:、フ、: : \:`:ヽ.、
              / :ハ:!-‐i: 、:ヽヽ-、: ゙、
                / /:ハ: 、 }ハ:j!`、i!ト、:、\
             i.i : | __,...__ iリ _ル.._|:i:iー-ゝ
                 |:!_:i! rェ:ェ、,. /ィ:ェ、 };!!
              {^}j 、     i   !}
              !、_, i     ,. 〉   'i  「(何か知っているな?)」
                i: i !  , _.. .._  /
               ゙i"\ ` 二  /
                 /i_   \___,.イ
             _/   \_  /,ノ\
          _,..-'′\    /―<    ト、_
     _,....-‐''"       \ ∧::_::;!\  |  `ー--、
    /'"               `′ヽ::::i  `゙′      \


 カン!
848 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 17:42:23.29 ID:GEoOt+sVo

 1/6

 718
 京霞本を読んだ久と和の感想


 原村和です。一刻も早く彼氏が欲しいです。

 最近は父親もお見合い話を持ってこなくなりました。

 この前、家で夜中にトイレに起きた時、両親が揃って話をしていたことをよく覚えています。

 曰く、『お見合い相手がもう見つからん』だそうです。

 えぇい、両親に頼らなくても私は一人でなんとかしてみせますよ!

 ここまで生きてきて、京太郎君しか男の人の友達がいないのはどうしてなんでしょうか……。

 そもそも! 告白してきた男の人たちがいけないんです!

 いきなり告白してくるなんて何を考えているんですか!

 理想はお友達から少しずつ発展して甘酸っぱい関係を経てから告白イベントにしてください!

 そう、咲さんと京太郎君みたいな関係が理想なんです!

 こ、この前大学の友達と女子会した時の恐怖が思い出されます……。


 『最近はもう体の関係から入るよねー』

 『(えっ!? そうなんですか!?)

 『あー、わかるわかるー。とりあえずお持ち帰りされてから考えるよね』

 『体の相性が良くないと別れちゃうもんねー』

 『(そんな、女性はもっと貞淑であるべきです!)』

 『のどっちなんか選び放題っしょー。うらやましー』

 『この体で何人拐かしてきたのー? うりうり』

 『そ、そこそこですよ!』

 『『(まぁ処女なのは見ればわかるんだけどね)』』


 あの哀れみの目線……絶対にバレてます……。

 うぐぐぐぐぐぐ。いいじゃないですか乙女のロマンですよ!
849 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 17:42:52.40 ID:GEoOt+sVo

 2/6

 ハァ、今日は私の好きな作家さんの新刊が出ますし、それを読んで気を紛らわせましょう。

 私が高校2年の頃にデビューした『K・K』さん……。

 非常にロマンチックなお話と、辛い展開から報われるハッピーエンドに定評がある作者さんです。

 デビュー作の巫女さんが主人公の話から、魅力的な男性キャラクターが織り成す物語です。

 最近の展開はまさに怒涛の展開。

 ヒロインとかつての親友、父親との対峙のシーンが非常に熱いんです!

 それに男らしい男性キャラクターの方も熱くて……最高ですね。

 こんな大恋愛を書けるなんて、きっと作家さんもすごい恋愛を経験してるんでしょうね。

 私もこんな恋愛を経験したいです……。

 ……あら、あそこにいるのは?



      /: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . \
     /: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . ヽ: . : . :.\
    . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : イ/{:ヘ: . : ..ヽ: . : . : .
   . : . : . : . : . : . : . : . : . :/ {ソ ,从:.V: . : .ヘ: . : . : .
   . : . : . : /: . : . : . : . :./    {!  ヾ: .V: . : . ヘ: . : . : .
  . : . : . :./: . : . : . : ./     ヾ   ヽ_V: . : . :', : . : . . キョロキョロ
  ,': . : . :.7: . : . : .//            ヽ: . : . : . : . : .,
  . : . : . 7: . : . :/  .{         _,. - 、ヽ: . : . : . : . ,
 {: . : . : {: . : . / _L,,_       '"      ∨: . : . : . :}
 : . : . : .i: . : .,'‐'"  ヽ `         __   ∨: }: . : ..:
  ,: . : . :i: . :7   __ 、       ,ィチ示心ヾ  ∨i: . : .
  . : . : . : . :{  ,ィ'仍芝_、      / つ ::: } 〉、} ',i: . : .:
  ,: . : . : . :', {! ち .::: } `       乂ュ少 ′ !〉}: . : .,
  V: . : . : ..ハ ヽ 乂ュ;;ノ               レク: . : 7
   V: . :.ヘ: ..ハ                       川: . : .
   V: . : ヘ: .ハ         ,          ,': /: . :/
    ヽ: . : . :..:ハ  u               ノ: . : .:./
     \: . : . ヘ       __  --、     /: ../: . ,
        、: . : }>..、           イ、: . {/: .ノ
         )===7`} 、     < { ヽ==ヘ
       , イ: . : /: 7 .i    ¨      i__}: . : . :\
     /: .イ: . /: . : {‐-、!            {:;:;:;i. : . : . : ..\
    ./:/ {: ./{: . : .ヘ:;シ          、7:;ヘ. : . : . : . : }
850 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 17:43:29.34 ID:GEoOt+sVo

 3/6


 「竹井先輩?」


 なにやら不審に周りを見回しています。

 まさか万引き!?

 これは悪待ちに対してデジタルで正義の鉄槌を与えるチャンスかもしれませんね。

 ……あっ、こそこそしていましたがなんだかんだでレジに持って行きましたね。

 そこにある本は確か……。

 『K・K』さんの新刊じゃないですか!

 ま、まさかこの人もこの本を読んで……?


 「の、和?」

 「ひゃぁ!?」


      , ':::::::::::::::::::::::::::::::::;;:::::i:i::::ヽ\
.     /"::::::::::/:::::::::/:::::::/^i::l从ヘ::::::::ヽ.
    /::::::::::::/:::::::::/:::::;〃 lノ'"   \::::`、
    !:::::::::::::l:::::::::/:::,//    /_⌒ !ゝ;ミヽ
    |:::::::::::::|:::::::/-;サ=、   ,ィr^_.l::::::}゙i;|
    l:::::::::::::{ :::l;/;==;、    ゙、c.ノ' i::::::l l|
      !::::::::::::::\;《,{ cj      '' l:::::| ′ 「和もこの本を読んでいるのかしら?」
     `、::::::::::::::`ヽ,゙ ‐'    `   ム::;!
      ヽ::::::::::::::::::::\``  ._っ  /;;ノ
       \:::::::::::::::::ト}, _    _.、<;彡、
        \ヽ;;:::;ノ    ̄ K::: {:::::::ヽ._
          `゙Y彡ヽ、., ___ |,\:\:::::::::`ヽ.
           ∧::::::::::::::::::`ヽ._ノヽ::\;::::::::}
            /:::::\;心:::::::::::::}\ .|/∧.ヽ,ノ
         /==-、__:::::`ヽハノ:::::::Y〈 |
          /"     \ ̄`.==、/|:::l .|



       ./          .\
       /./ .. . . . . . . . . . 、. . . . `、
      ./:/: : :/: :,: : ::/ : :!: : :!: :! |:  `,
      ||::|: : ::|: :ハ::.,ィ: : /|: : :|: :|:.|: ::|:|:|
      ||::|: : ::|:|:| |/.|:_,ム !゙.:,〈_/:/!: ノ:|:|
      ||::|: : ::|十ナ丁/ .|:/|儿`゙ナ" :|:|
      ||::ヽ,: :{ {itツ ̄   {iィツ¨リ: : /ソ  「……!?」
     /:!: : :\! ー/////,//ー."ハ/
 .   /: :|: : : ::ト、  , 、__ _    ハ:!|
    / : : !: : : ::\ヽゝ-‐_-,.' ィ!リ:: !
 .  / : : /|: : : : | \ ' /!|\_|:. : |
  / _,,.-‐ヘ: : : ::|\ \`|:|   ! :  ト、
 ./       ヽ:: : !  \ `!.|.  |:. リ ヽ
 { ̄ ̄\   ∧ |   \|::|.  !: ./  /}
851 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 17:43:58.22 ID:GEoOt+sVo

 4/6

 ……
 …


 「やっぱり恋愛して付き合うのは乙女のロマンよね!」

 「わかります! 体からの付き合いなんて寂しいじゃないですか!」


 気づけば、二人で居酒屋で飲む羽目になっていました。

 どうしてこうなったのか全くわかりませんが、普段話せないことを話せるので結構楽しいです。

 大学の友達に私の理想を語るとドン引きされますし、優希に話しても穏やかな目で返されちゃうんですよね。


 「和、この作者さんのデビュー作見た!?」

 「ええ!

  お互い一目惚れする話から、家のことで引き離されて、二人で海外に逃亡する話ですよね!?」

 「それよ!

  なんてロマンチックでピュアなお話なのかしら……」

 「俺がお前と一緒にいたい、だなんて男らしすぎます」

 「普段から遊ぶことを教えてもらってなかったヒロインに、ヒーローが俗な遊びを教えるシーンとかいいわよね」

 「後ろから覆いかぶさってビリヤードをするシーンが最高ですよ!」

 「その気持ちわかるわ!

  大きな体で覆い尽くされるように指南されたいー!」


 世の中の女子高生に人気の本ですからね。

 小説から始まり、小説を原作として少女漫画としてヒット。

 知るひとぞ知る名作、って感じですよ。

 展開こそ王道なんですが、世の中王道に勝るものなんてありません!

 何度も使い古されているからこそ、安心して読めますしカタルシスも覚えられますからね。

 しかし、この悪待ちおばさんとこんなに気があうとは思いませんでした。

 これなら、少しくらい態度を軟化してもいいかもしれませんね。


 「そうですよね、やっぱり恋愛は」

 「そうよね、やっぱり恋愛は」
852 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 17:44:26.94 ID:GEoOt+sVo

 5/6

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    ,イ: :/:./{゙`   ,ィzュ、}: :i: : ,   {、ヽ\
    / {:.7: ヘ ィf心   ひサi: :|: : ,   ',ヘ ヽ ',
   ,'  ,: : {:.ヘ ゝ-'  ,  `¨ ,: リ: : }   ヘ `ヽ 、
      ヽ: : :ハ   vァ  .ノ:./: :ノ    }、  }、  「悪待ちよね!」
      ヽ` 、: :.‐-. , イ j=´     λ;.;¨;.;.}、
         ¨{:゙:¨´} /: : ;j.;’,.、   ヽ`ー‐’}
        /: :∠__/: : :/;.;.;.;/ヽ   |    i
       /;.{:./  /{;/;.;.;.;/ /  ヘ  .i     .i
      Y.{{;.;.;/ /;.;.;.{!.;.;. /{ ,'    ヽ}     .i
       {ム;.;.{/;.;.;.;.;.;.;.,.イ  ',\      }    }
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      i!. }i;i{         / /.   \ ヘ    リ
      〈ヽ|i;i;|       ,' 7     ヽ    /
       } |;i;i|   /   { 7       ` -'
       i |;i;i;|  /       {



          ,>─.:::.──- .ィ─-、._
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    ヽ ! .{: :{:| | | 」|:.| :|: :ィ‐十ト|:|:} : : }:::::\
   / |/{ |.!.| {斤人|ヽj\| .レ゙リリル: :ノ::::ィレ′
   ヽ:::::.{',从|レィ==、   ィ==x .リ/:|」|
     ├┤| :沁 ::::::::    :::::::: ノ/: : !
     |:.:.|',| : :人    r─‐┐  ハ/  /:|   「デジタルです!」
     |:.:.|::| : : |> , `.-- ' ,∠// /! :|
     |:.:.|::|   .:|ィ‐=_,,} ー  {.__//゙ /_.| i|
     |...:|::| ! :リ.|::::{_   __.//゙ / ヽ!|
     |:.:.|:.| ! / /_,ヽ.∠ィ'/ /─=||
     |:.:.|:.| / /─'、,..ィ‐-、_,..|:|  |_    ||
     |:.:.|:.i!:../. :::      .:. . |:∨ ゙<  小.
     |:.:.|:.{ !      :∨:: . ヽ`>、 ∨ |. )
     |.:.:| | {     .:::      :} ! :!
     |:..:|∧ ',: : . .: : . : i.     ..ノ|: | リ
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853 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 17:44:56.34 ID:GEoOt+sVo

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       /: . : . : . : ., ィて示心`      ち.::リ ノ .i }: . ,    「は?」
       7,: . : . : i: . :{〈 ち .:::. }       `¨´  レ': . :}
      7 ,: . : . : . : .i!   ゝ‐'’     ,      川: . :
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     {  ,: . : .', . :!\              ノ: . ノ: .,
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           }: . : . : . : ノ        `7{: . :.|i!ニニニニニニr'" ィ V
      _,,> ノ: . ,イ: . : ,ヘ        -‐!:;ヽ.:.|i!ニΦニニニゝ,'´,ィ ,V
    <ヘ:;:;:;:;:/. :./:;:{. : : ノ:;:ヘ  _  __i:;:;:ノ.:|i!三三三三ニ{_i (
   / .ヘ ヘ:;:;:{. :/:;:;:;:;:ヽ. :{:;:;:;:;ヘ´      ,':;:; '":;:;:;:;:;:;:;:;//ゝ‐、-ニ、`. ',
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     l! l!,\l !:ヽ辷ソ    ヽ==ソ .! |: : :.|: :|: |
      /|: |: :|i ::::::::  、   :::::::::: .;ィ'| : : :|i: :i: |
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    / ./:|:l: : |: || |  _,`,iー "´ ィ冫、.|i  : |:| |: :.i';
    ;´ /:.i|i : :l_,..-‐'''´:/:イ   /:::::::::::|:| . i|.,| |: : ハ
   ; /: :i:|: : :|:::::::::::::::iニ-ー,/::::::::::::::::|:| . :.l|;´ヽ,: : ハ
    i /: :.l/|: : |::\::::::::|   /:::::::::::_,.‐'_;i ; : : l; /`il: :i: :',
   ,': : :/.l: : |i.\;;:`ヽl /;;;.:-::':;´‐''~/;': : //   :|i: :l: : i
.   iil: :.i .l: : i .'._ .゙''.‐.,y,._≠'' ´,,..‐//: : / i    |:l: :i :i: l
    l!i :i; lil! l  `゙''ー;-'‐;:-‐ ''´  //: : .;'`;.|.    |::|i:|: .i |
   ', / l:!l:l l     トーィ;"    ;'/i:.i .i   i|     |::||:l: | l!
    ;' li l:l i    / .i ,!    ;' l:li :l  ';  i   |::|: i:| !


 その後はお互い無言で、割り勘してお会計をして帰りました。カン!
854 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/26(木) 17:48:16.58 ID:GEoOt+sVo
結局いつもの時間に投下
同年齢相手の恵さんのキャラとかわからん
前回言い忘れましたが、1レスに二個お題書いても大丈夫ですよー
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/26(木) 18:04:18.09 ID:6mGRzcSSO
おつー
展開読めても笑う王道って良いね
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/26(木) 19:16:28.43 ID:R+RnjR57O
いかに王道が大事か分かるね
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/26(木) 22:20:52.40 ID:pD52JhTxo

王道、即ちそれはデジタル
ゆえにのどっち最強
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/27(金) 01:48:48.93 ID:WxQzKRmto
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/27(金) 16:29:24.43 ID:ld0uOxUMo
乙です
面白かったよ
860 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/27(金) 20:05:19.40 ID:24uakB9Jo

 1/18

 124
 京咲の結婚式での照と清澄の様子


 初めて会ったのは、インターハイ個人戦で咲と戦った後の話。

 咲が彼氏が出来たと紹介して、お菓子を渡されて懐柔されてしまった。

 ……ずっと自分を騙していた。

 『実はお菓子で誤魔化されたように見せかけていた』んだ。

 本当は、咲があらかじめ教えてくれていた部分、中学から高校までの咲を連れ回してくれたこと。

 だからこそ今の咲があること、それを理解していたから、会う前から好感度は高かった。……当時は嫉妬していたんだけれどもね。

 お菓子を貰って、すぐに目線を外してお菓子に夢中になる……振りをした。

 本当は彼の顔が眩しくて見つめられなかったんだ。


      /              \
      / .::::::::..::::::::. ::::::::::::.. ::::::::...  ヽ
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./ .:/!:{:ハ:::i:f"|:ヽ|:::::::i::|-、::::::|:::::::::::::::::::.|
i/   |::::::};ハ{. Lン|:::::;ル'^ }::::::|::::::::::::::::::: |
     |:::ノ   "" j/  /::::::|:::::::::::::::: :: |   『咲があなたのことを自慢するのが眩しかった』
    |::::.、        '^リ::::::!:::::::::::::::: : | |
    |::::ハ`       !:::::/:::i::::::::::::i: |ノ
    |/   ヽ.__,..::、  /::::/:::/:::::::/:/!: /
           V | /::ノi!:/!:::::ノソ }ノ
          ,..-‐y/‐j/フ‐'" ̄\
     ,...-‐'"            `ー- 、
   r=、´                   `ir、
  /\ヽ、                     ||.ト、
 ハ   | |:|                    ||.| |
. i ゙、  | |:|                   ||.|/!
|  ゙、 !.i:i                   ||.||


 私はこの人に恋をしてしまって、そしてその恋は実らないんだと、わかってしまった。
861 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:05:48.84 ID:24uakB9Jo

 2/18

 それから、高校三年間、大学四年間と家族にも近い時間を彼と過ごして、自分の想いが間違いじゃなかったことを知った。

 彼にはいいところもダメなところもいっぱいある。

 いいところで言えば、コミュニケーション能力が高くて誰とでも仲良くなれる。

 ダメなところで言えば、落ち込みやすい。

 どっちもたくさん知っていて、どっちも愛せるようになってしまった。

 恋は盲目と言うが、本当にそうだ。好きな人のダメなところですら愛しく感じてしまうのだから。

 そんな彼が、今日妹と結婚する。

 そして夫婦になって、一緒に支えあって生きていく。

 私は二人とも大好きだ。だからとっても嬉しいんだ。

 特に、咲に関しては本当に幸せになってほしい。

 本人には言わないが、咲のためならばなんでもしてあげたい。

 小さい頃からお姉ちゃんとしてやるべきことを何もしてやれなくて。

 その分、トラウマの様なものだけを残していった。

 今更どんなに謝っても、咲は許してくれるだろうが、私が自分を許せない。

 咲の花嫁姿、とっても綺麗。

 隣にいる京ちゃんも緊張しているけど、幸せそう。

 咲はもっと緊張しているけど、どこかニヤけている。

 ……うん。
862 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:06:18.27 ID:24uakB9Jo

 3/18

 ……
 …

 『なんだこのチミっ子。ここは小学校じゃないよ』

 『このナイスバディの魅力がわからんとは、哀れな奴だじぇ』

 『ナイスバディ、どこにいるんだー!?

  ……ハハッ、悪かったよ。俺は須賀京太郎、京太郎でいいぜ』

 『片岡優希だじょ! 優希でいいじぇ!』


 お互い、コミュニケーション能力が高かったからすぐに仲良くなった。

 京太郎と話していると、いらないことまで喋ってしまう。


 『みんなロリっ子って。私だってロリっ子に生まれたかったわけじゃないんだけどなー』

 『そうかァ? そんな事言う奴らは優希の事をよく知らないんだろ。

  優希には優希の言い所がいっぱいあるじゃん』

 『えーっ、例えばどこだじぇ』

 『うーん。優希は元気で見てるだけで楽しいし、話してると楽しいんだよね。

  それって良い所じゃないのか?』


 ロリっ子じゃない私を見てくれていた人は、京太郎が初めてだった。


 『のどちゃん。私京太郎のことが好きになっちゃったじょ』

 『うん。きっとあいつはのどちゃんみたいなのがタイプだと思う』


     ィ' "´  : (   )   : /:: ./: :  :/|:       \
   / /    :: ∧-彳  : : : : : .: : : : : : : : : :    :   ヾヽ─- 、,
  /  /   ::/:: /:: /  : ://: :: ./ /: ://: /|: :|: }: : !:  ヾ  ∨ミ 、
. /  /  : :::/: 〃::/   :://」__./_/__/./: / .!: :! :!:!: !: : |    ',:  `
 ′  {  : : :{/||,: : i  : : |ナ´|::/ .{:::/ メ:/ ,' /|: |:|: |:|  |. |    ',:.  、 ',
    !  : : :|{::\ :|  : : !  レ′.!/゙// ./::/ .i/|ィ‐ト|、...|. | |..  }:  |ソ
    ヽ{  : {: /: :::|  : : ! イ爪沁ミ、 ∠イ / / j//}:少丿. ! |/::   |
      \: :\: : :!  :i: Kん:::::cソ ゙.    ィ庁ヾ、 レ彡  ノ ./:: :  |
       |>=イ: !  :|: !.ゞー‐″     ん::::ソ./ /ー=彡イ:  |: ノ
.       ',人: !: ト、: :!゙\ xxxx      , ヽ-.″ /: : : :|: :丿: ノ/
         ヾヽ!vヽ'.,            xxxx /: : : :/|ィ゙/,/
            イ゙ヘミ\    `ー〜  Π7ノ: : : :/ハイ  『でも、それはそれ! 【私には私の良い所】があるんだから、そこで攻めるじょ!』
            |V゙\  > ,  ,.ィ゙_,二二つ/j//  '
    _,. -‐──ー゙\  .`´Χヾ/ ´-‐┼|.|゙. , _
   /ー-、, ミ、::::::::::::::::::\  /__/   ─《゙¨::::::::: ̄`.
  〃/∠\\ \.:::::::::::::ィ─/{    /゙u_〉.::::::::::::|::::}


 何より自信を持たせてくれた。
863 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:06:46.05 ID:24uakB9Jo

 4/18

 『これで卒業か。早かったような、長かったような』

 『なぁ、京太郎。一つ聞いて良いか?』

 『何だよ?』

 『1年の頃、私がお前のこと好きだったってこと、知ってるだろ?』

 『……』

 『京太郎は鈍感じゃないんだから、誤魔化そうとしたって無駄だじょ。

  咲ちゃんみたいに、私だってずっと京太郎のことを見ていたんだから、京太郎がどう思ってるかなんて見ればわかる』

 『そんな気はした、程度だよ。

  さすがに『コイツ俺に惚れてないか!?』みたいな感じではないよ』

 『京太郎は他人の気配りが得意なんだから、そりゃ気づくじょ。

  まっ、私も若気の至りだったし、もうなんとも思ってないから安心して。

  【私には私の良い所がある】し、そこを好きになってくれる人を探すじょ!』

 『ああ』

 『だから、私が言いたいのはな……。

  逃がした獲物は大きいから存分に後悔するんだな、ってこと!

  いつかきっと後悔させてやるくらい、いい女になってみせるじぇ!』

 『……おう、いつかきっと、後悔させてくれよ?』



 京太郎と咲ちゃん、幸せそうだな。

 逃した獲物は大きい、か。……それは私に当てはまるんだじょ。

 高校から、咲ちゃんと付き合って、卒業して、大学も出て、どんどんいい男になって、ずるいじょ。

 のどちゃんや部長やマホより、私が一番最初にいい男になるって気づいたって言いたいのに、咲ちゃんはもっと前からだもん。

 中学生からずっと一緒、か。私もそうだったら……。

 ううん。違う。

 私の取り柄は元気なところ! 私の良い所は一緒にいて楽しいところ!

 いつか、『お前にしとけばよかった』って言わせてやるじぇ!

 ……きっと私の好きな京太郎なら、咲ちゃんがいるのにそんなことは言わない。

 だから私はずっと自分を高め続けるんだ。

 ……うん。
864 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:07:35.00 ID:24uakB9Jo

 5/18

 ……
 …

 わしにはもったいない、良く出来た後輩じゃったよ。

 京太郎も咲も、二人ともわしに良くしてくれた。

 わしが3年になってのインターハイ団体戦。決勝まで行くも、龍門渕に大敗。

 前年度に刻んだ伝説を、『まぐれ』の一言にしてしまった出来事だ。

 言い訳なんかいくらでもできる。牌に愛されなくなった咲の大幅劣化、久の卒業。

 久の代わりは次の年の入学生にかけるしかない。

 この状態で龍門渕フルメンバーに勝つのは厳しかった。

 もっとも、前年度は部員二人の状態から全国2位にまで行けたわけで、やはり言い訳にもならんか。

 帰ってきたら罵倒されることも覚悟じゃった。

 でも、帰ってきたのは、優しい声援。

 困惑するわしを咲が引きずり、部室まで逃げ切った。


 『どういうことじゃ?』

 『京ちゃんが企画してくれてたんです!

  麻雀大会が始まる前から、染谷先輩がどれだけ頑張っているかを学園全体に教えてたんですよ』

 『え、えぇ?』

 『京ちゃんと優希ちゃんはコミュニケーション能力高いから、合わせて学年全部の人と知り合いなんです。

  その伝を使って、負けた時に染谷先輩今までありがとう会が出来るように、って』

 『負けは、すべて久を継げなかったわしが悪いんじゃ』

 『そんなことないです! 部室の雰囲気は前より今の染谷先輩が部長の方がずっと楽しかったです!

  私たちはやるべきことをやって、負けたんです。……私だって衣ちゃんを抑えきれなかった。

  でも、今持てる全ての力は注ぎました! だから胸を張って帰りましょう!』
 

 咲、その口下手なのを隠して、一生懸命慰めてくれておるのか?

 後輩たちよ、わしを恨んでないのか?


 『お、染谷先輩!』

 『地元の人も来てくれてるみたいです!』

 『すごかった! 僕、これから麻雀始めるよ!』

 『マホも来年清澄に入って、先輩たちの後を継ぎますから!』


 たくさんの声援と、ありがとう、おめでとうの声。

 わしは後輩に救われたんじゃ。
865 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:08:27.76 ID:24uakB9Jo

 6/18

 相談を受けてきた記憶が蘇る。


 『染谷先輩……。咲と付き合い始めて、あいつの才能を潰したんじゃないかって……』

 『咲がそんなことを気にするとは思わんがの。

  女の子は男に引っ張られたいもんじゃよ。

  まず何より、咲と相談するべきじゃ。

  言葉にしないとすれ違ってしまうかもしれんぞ』


 『染谷先輩。本当にありがとうございました』

 『卒業までにずいぶん進展したみたいじゃの。

  言った通りじゃろ? 咲は麻雀よりも京太郎を選んだ。

  女の子は男の子が強引に引っ張って行ってくれるのを期待しているんじゃよ。

  自分の麻雀の才を、咲が惜しむわけないじゃろ。

  隣にいるパートナーを信じられないで、何が恋人じゃ?』


 『染谷先輩。俺と咲、結婚します』

 『結婚のことまでわしに聞きにくるんか。

  何、もう決まってる? それならええ。

  結婚もチャレンジ、やるだけやってみい。

  後先考えない我武者羅で、その結果失敗しても、それは立派な経験となる。

  ……それに、京太郎以上に咲を幸せにできるやつなんて、おらんよ』


 ずっと相談に答えてあげてた二人が結婚、か。

 ……うん。
866 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:08:57.81 ID:24uakB9Jo

 8/18

 ……
 …

 最初はちょっとだけ苦手でした。

 そもそも男の人が苦手で、胸に関する視線はどうしても嫌だったんです。

 ですが、彼はそんなことを気にせず、男女の友達の距離感を教えてくれました。

 性別関係なく、誰とでも仲良くなれる、まるで優希そっくりの彼は、私と友達になりました。

 最初に感じた嫌悪感なんて一瞬で吹っ飛ばして、次の瞬間には友達になっていました。

 本当に、彼のコミュニケーション能力は尊敬してますよ。


 「でさぁ! こいつが本当バカでさー!」

 「ふふっ、そんな人がいるんですね」

 「あっ、信じてないな?

  今度合わせてやろうか!」

 「し、信じます信じます!」


 そんな意地悪なことをされても、全然不快に思わなくて。

 男に対する苦手意識そのものを、撃ち砕いてくれました。


 「なぁー。原村って言いにくいから『和』って呼んでいい?」

 「いいですよ」

 「よっしゃ! 片岡の事は最初に優希って呼ぶことにしたんだけど、和が苗字のままじゃ何か遠いと思ってさ!

  これで麻雀部一年全員名前呼びコンプリートだ!」

 「ふふっ、私とゆーきしかいませんよ」

 「これから増えるって! 四人で麻雀できるようにしたいよね!」


 気づけば仲良くなっていて、さらに相手の懐に入り込んで仲良くなれる。

 彼の話が楽しいから、彼がいろいろ楽しい話を持ってきてくれるから、こんなに仲良くなれました。
867 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:09:26.90 ID:24uakB9Jo

 9/18

 そんな折、優希から相談がありました。

 京太郎君のことを好きになってしまったと、言っていました。


 『のどちゃんは、京太郎のこと好きなのか?』

 『いえ、そういう感情は持っていませんが、彼相手なら付き合ってもいいかな、とは思ってますよ』

 『の、のどちゃん相手じゃ勝ち目がないじょ。

  でも、【私には私の良い所】があるんだから、そこで攻めるじょ!』


 優希は負けない! と言い残して帰ってしまい、時間が空いてしまいました。


 『実際、須賀君はモテるんですよね。

  男女関係なく誰とでも仲良くなれますし、運動も出来ます。

  何より、彼と一緒にいると楽しいんですよね』


 そんなことを考えながら、本屋をうろついていました。


 『さて、私の好きな作家さんの新刊を買いましょう。

  金髪ヤンキーと世間知らずなお嬢様?』


 そう、この本が、私の未来を変えたのです。
868 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:09:55.91 ID:24uakB9Jo

 10/18

 『こんな危ないところを歩くなんて、何考えてんだ』

 『お、男なんかに助けられるなんて』

 『そういや有名なレズカップルなんだっけ?

  お嬢様は男相手じゃ礼も言えねーのか』

 『……助けていただいた感謝はしますわ』

 『いや、やっぱいいよ。礼なんていらない』

 『えっ、何を!?』

 『報酬はあんたでいいや。

  そもそも、こんなところを歩いている方が悪い』

 『ま、まさか』


 壁ドン!


 『男はさぁ、そういう趣味のやつを、屈服させたいと思ってるんだよねぇ。

  ほら、こうやって』


 顎クイ!


 『キスをして、男の味を植え付けてやるよ……』

 『こ、この!』

 『助けてもらったお礼はこの程度でいいや。いつかあんたに男の良さを教えてやるよ……』
869 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:10:29.28 ID:24uakB9Jo

 11/18


       / /  ./  ,ィ          ヽ ヽ_
        / /  ./  //   /!  |l!   .lY'::::::::::)
      ; i  くlハ //,ィ  / .|  リ! j  l }::::::::::l!
      |イl!  ' _`Vメ、 l  / __.! ./_l/__ ノ l::::::i='ヽ
      ゝゝ| ;´んィ:!`    =j/__ノノイ /¨T ヽヽ
      ||  l 弋_丿     'んィ:!.ヽ// ,'   !  } }
      ||  l 、、、     弋_丿 // .,ヘ  .!   j/  / ̄ \
      ||  l     '   、、、 // ./イ  |     |  ア  |
      || ::ゝ.    __     // ./. !   |      |  リ  .!
      ||  | l > ´‐-'   _イ//‖| l  |    <.  で  |
      |l!. l_L:;ノ:.ト!¨  T¨ェ:://.‖ll! l  |     .|  す  !
      l|-、 ヽ: : : :.l! ̄` |:.:.// /l!ll| .!   |     .!  ね .!
     /-、:::ヽ ヽ: : : l ̄ ̄l:.// /: :ヽ! .!   !    \__/
.    / | >ヽ ヽ:.:.:l    l;'///: :/\ .|   |
.     /  l . /ヽ:ヽ ';.:ヽ /:::////、   \  |
   人.. V    } :!:ヽV/'/l;;;_/  Y ..人 !
.  /  ヽl     l  ! [__] / .l     i/  ヽ|


 ああ、私もこんな風にヤンキーみたいな人に無理やり壁ドンなり顎クイなりされたいです。

 でも実際には本物のヤンキーさんなんて怖くて近寄れませんし、愛がないキスなんて絶対嫌です!

 恋人同士で、こんな風にしてくれる人がいれば……いれば……!?


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rYィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \ ←ガタイ良い、金髪ヤンキーに見えなくもない
                    | ∧          ∧,イ
                   Yム    -  -    イ //     恋人としてはすごく優しくしてくれそう
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
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 ゆーき。ごめんなさい。私も須賀君を狙います!

 この漫画通り、クレイジーサイコレズは男に受けるとある通りにすれば須賀君はそれに魅力を感じて落としに来るはずです!

 ふ、ふふふ、この本を聖書として、しっかりトレースできるようにしないといけませんね!
870 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:11:09.56 ID:24uakB9Jo

 12/18

 ……
 …

 『和はすげーよなー。全部デジタルで出来るって羨ましいよ』

 『頑張れば須賀君にも出来るはずですよ?』

 『む、無理無理』

 『完璧でなくてもいいんですよ。

  ただ、地力を上げておくのは重要です』

 『おう』

 『これから大学で別れてしまいますが、何かありましたらすぐに伝えてくださいね。

  微力ながら協力しますから』

 『和が来るってだけで、力いっぱいになるなァ』

 『ふふっ、そんなこと言ってると、あそこにいる彼女さんが怒っちゃいますよ?』

 『えっ!?』

 『嘘ですよ。安心しました?』

 『和がそんな冗談言ってくれるだけ仲良くなれて、俺はうれしーぜ!』

 『ふふっ』


 そして、その彼は咲さんと一緒に結婚するんです。

 お二人とも、緊張している以上に幸せそうな顔が伝わってきますよ。

 もう、存在しているだけで惚気始めるなんて、どういうことですか!

 これからずっと二人で頑張っていくんですよ。

 そう、私もこれからのことを考えて、夫婦丼計画を……おっとなんでもないです。

 ……うん。
871 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:11:47.90 ID:24uakB9Jo

 13/18

 ……
 …

 清澄麻雀部は6人揃って一つ。

 例え試合に参加できなくても、彼も含めて清澄麻雀部だ。


 『ねぇ、須賀くん。ごめんなさいね。

  最近は麻雀打ててないでしょう?』

 『いきなりどうしました?』

 『雑用ばかり任せてしまっているな、と思ってね』

 『何言ってるんですか!

  レギュラーじゃない一年生が雑用するなんてどんな部活でも当たり前ですよ!』

 『そ、そうかしら』

 『俺だって中学の頃、ハンドボールやってました。

  1年生の時はこれの比じゃないほど理不尽にシゴかれましたし、自分が3年になった時は逆にシゴきましたからね』

 『そう。でもやっぱり規模が違うし……。

  それに、大会が終わっても引退してしまうから私じゃ指導できるかどうか』

 『そんなもんじゃないですか?

  俺もハンドボール部にいた時、一年生の指導なんてできませんでした。

  三年生は数ヶ月だけ、それも最後の大会のために全力で、それが終わったら引退。

  まぁ個人的に仲良くはなりましたけど、部活の付き合いってそんなもんでしたよ』

 『……』

 『俺、中学三年生の時に県大会決勝で負けちゃったんですよね。

  とにかく悔しくて悔しくて、あの咲にすら気を使わせちゃう始末で。

  全国に出られない気持ちはよくわかってるつもりです。

  だから部長。気にしないで全力で勝ってください。悔いのないようにお願いします!』

 『うっ……須賀くん、ありがとう』

 『ちょっ、泣かないでくださいよ!?

  美人の涙が最優先だ、ってね』

 『ふふっ、それはちょっとクサすぎよ』

 『あっ、ひっでー!』
872 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:12:17.08 ID:24uakB9Jo

 14/18

 初めてできた後輩にそんなことを言われてしまったから、ずっと意識してしまった。

 最後の最後に私に意識させないように、あえて道化を演じて笑わせてくれた。

 そんなことを言われてしまったら、須賀くんが私のことを好きだと勘違いするのも仕方ないじゃない!?

 それに、こんないい男っぷりを見せられたら、その後の人生に支障が出るのも仕方ないわよね!?

 でも、彼が咲と幸せになること自体に異論はない。

 だって彼は言っていた。『咲に気を使わせてしまう始末』と。

 きっと、私に須賀君がしてくれたようなことを、咲は須賀君にしてあげていたんだろう。

 中学生の頃にそんなことをしていたら、それは両思いになっても仕方ないわよね。

 あーあ、こうして貧乏くじを引くのはいつだって私。

 ……ごめんなさい。須賀君も咲も、あの清澄麻雀部全てが私にもったいないくらいいい子たち。

 ふふっ、二人とも緊張してる。

 咲、しっかりしないと私が須賀君をとっちゃうわよ?

 二人は幸せになれるかしら。

 ……うん。
873 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:12:46.65 ID:24uakB9Jo

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     ′: : |:{: : : :{:´「´: | 从:{\: :\ ィ雹(_心 イ: /⌒Y: : : |: : |   「幸せになりなさい」
     ': : : : 从: : :∧:{ 从{   \` ー` 乂こソ |:/ )  } : : : : : |
   /: : . :イ: : :\: :{ ,イ¨雹芯            /' ,..-_ノ: : : :|: : |
   ,': :/ |: : : : :从\:. 乂zリ               /: |: |: : : : :|: : |
  ー ´   : : : : : : |: : ∧     '           ム: |: |: : : : :|: : |
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    ヽ|/: : :! v少         .....  !: : ,': :./: :.,' ,': :./ 「幸せにならなかったら許さないじぇ!」
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874 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:13:16.46 ID:24uakB9Jo

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875 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:13:45.67 ID:24uakB9Jo

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    {: . : . : . ,'. : . : . : 7」:,'--、       ィ'"   V: . : . :ハヾ、
    : . : . : . : . : . : . :7 {:ソ              V: . : . ハ ヾ、               _
   , . : . : 7. : . : . : , {,'           ,。x=ュ、Y: . : . :.}  ヘ             /.ノ   ,.,
    : . : . , : . :{: . :., ,斗==x、      イ´ ハ }`,': . : . :.:.i   ',           , '  '  / .ノ
    ,. : . : . : . i!: ..イ´ん'.  ハ `       r’:::. }  ハ: .ヘ: . : ,     マヽ      ,   , ' ./ /
    ,: . : .{: . : .',: ..{.ヽ V .:::. }         乂ュノ  ハ: . :.',. : リ     マ ヘ   / ., ./ /
    ヘ: . :.',. : . : . :iヽ  ` - '            ,: . : . : . 7      , ヽ_/   ` ’ ./
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        、: . : . ヘ: . : . : }-  _      ィ - -== __ヽ: . \     ヘ',    ‘¨ゝ- '/ヽ
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876 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:14:15.25 ID:24uakB9Jo

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                      {          、 : |Y从、 ∨ 从 }
            ,. : : : ̄ ̄ ̄ ̄: : : : .、     ,\l | { {斧 ∨、 \
            /: : : : : : : : : : : : : : : : : :`ー: イ,- 从   マソ  、  ̄
           ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :<´ { L       /
         .': : : : : : : : : : : : : : : |: : : ,: : :、: : : 〉,乂_      _ ノ
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        |: : : : : : : : : : {: : : : : : :|ィ斧ミ  Y:{ー'       '´ ̄´
        |: : : : : : : : : : :Y: : : :从 マソ  乂_〉_       |
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        从{  、: : ,: : : : :从 > ..___/          ̄  }
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 カン!
877 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/27(金) 20:15:15.44 ID:24uakB9Jo
投下終わり
短くまとめられなくて反省
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/27(金) 21:06:09.71 ID:JrIo1vhUO
乙です
この頃はまだまともだったのに…
言葉通り人生に支障が出ましたね、久…
和はこの時点でダメだな…
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/27(金) 22:00:01.21 ID:q3CClKESO
乙乙
子どもの年齢的にまこはこの時点でもう既婚者だっけさすがの余裕
タコスもなかなか
久は…和に至っては……
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/28(土) 00:25:23.35 ID:W5+VN27Do

のどっち高校時代から狂ってんな
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/28(土) 00:59:33.22 ID:UIm6VX340
乙です!

のどっちェ……
見た目はいいけど性格でマイナスになってるんだよなぁ……!
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/28(土) 11:23:02.96 ID:mvW0XfxuO
優希はぜってえモテるになってるんだろなー
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/28(土) 17:40:37.67 ID:W5+VN27Do
>>882
1スレ目の262、264で仕事場の人から恋愛対象として見られてないって言われてたりする
幼めの外見+親しみやすい性格 の組み合わせは恋愛と相性悪いのかねえ
884 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/28(土) 18:14:13.33 ID:lpi7CncQo

 1/11

 720
 双子の誕生日会を家で


 須賀咲ちゃんです! なぜか今日はお祭り気分です!?

 子供達の誕生日ということで、二人のお祝いをしようと思ったら、なんとシロさんとクロさんが来てくれました!

 霞さん、優希ちゃん、和ちゃんは残念ながらお仕事なので参加できません。

 というわけで、宮永家に加えて二人追加してお祝いしちゃおうと思います!


 「私と咲ちゃんがお料理作っちゃうね!

  腕を振るうから!」

 「が、頑張るよー!」


 ううっ、玄さんの料理は本物のプロだから、邪魔をしないようにしないとね!

 シロさんはうちの旦那とプレゼント選び!

 ……あっ、シロさんと京ちゃんって面識ないよね。

 でもまぁ、京ちゃんのコミュ力なら問題ないでしょ!


 「んじゃ、京ちゃんとシロさんでプレゼント選んできてね!」

 「任せろー! 息子は外で遊べる何か、娘はあの絵本で良かったよな?」

 「それで大丈夫。じゃあシロさん、お任せします!」

 「わかった……」


.   / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
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  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
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/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |
ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ| 「それじゃ、行ってらっしゃい!」
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/
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      |:./  \:.:{\          /  |:.::/
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \
885 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/28(土) 18:15:14.48 ID:lpi7CncQo

 2/11

 ……
 …

 私は現世で京と出会うつもりはなかったんだけどなぁ。

 だからいつも、京のいない日に来て、咲や子供たちと遊んで満足してたのに、こうして会ってしまった。


 「えっと、シロちゃんでいいかな?

  今日はうちの子供達のお祝いに来てくれてありがとうね」


 ……見た目通りの年齢で捉えてるね。ダルいから直さないけどね。

 本当に、前世そっくり。あの時は栄養のあるものをあまり食べさせてあげられなかった。

 でも今はそんなことはない。京はすごくがっしりとした体つきに育ったし、いいお嫁さんも貰えた見たい。

 元京の姉として、とっても嬉しい、はず。


 「京は、『覚えてないの?』」

 「あれ、どこかで会ったことあったっけ?

  ……ごめん、覚えてない」

 「なんでもない、気のせいだった」


 やっぱり、京に前世の記憶はないんだね。

 京の恋人にはなれないけれど、京のお姉ちゃんにだったらなってもいいよね。


      //ア    /  / イ   :ト、    \      \        \   \
.     // /     /  /  |    | \    \      \       \   \
.      /′i    /  /i   |    │  \      `ヽ      `ー- 、      Y⌒ヽ}
     {  |  ,:イ   :ハ`¨´`T´   |  、  \ト、  ヽ `ー- 、    \_   }
         |  | |  ト、ハ≫=zzz、   !   `¨´`¨´`¨´`¨´   |  |\    ヽ`ヽノ\
.      人  | |  |  代 {  __} \|    ィ=- ..,,__\ト、 j │ \    }     \
         \! 〉、 !  :. 乂_フ     ´下¨¨“_卞ゝ  jイ  ノ    ヽ  ノ      i   「(京にはあまり関わらないから、せめて幸せになって)」
           /  ヽ ハ             弋  `フ ノ  j/`ヽ    j/       |
.           / /   / :.    ,      `¨¨´        ノ      ト、   ト、  }
         i  |  i :从                       /  ト、   | ヽ.  ; } /
         l 人  ト、  ト、    _          rー-イ  イ ! \ !   } / j/
         ∨  \! ∨V .>   `       イ {ス人jヽノ jノ    jノ  j/
               , ´∠ニニ>、 _ ... イ   /  \
                  / /ニニニニニ7   λ    /    /入
              /  {ニニニニニ7/「八.  /     //二\
886 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/28(土) 18:15:56.45 ID:lpi7CncQo

 3/11

 「むに」

 「……なに」

 「いえ、なんか思いつめてたみたいだから、頬を引っ張ろうかな、と」

 「思いつめてなんか」

 「大丈夫だって。なにがあったのかわからないけど、失敗も経験! なんでもやってみるといいよ!」


 ああ、この子は私を励ましてくれたんだ。

 親しくないから事情は深入りしないけれど、大丈夫だよ、って道化を演じてる。

 いつもこうだ。誰よりも人の感情の機微に聡いんだ。

 間違いない。この子は前世の『須賀京太郎』だ。なにも変わっちゃいない。



     /        /      ,                        \
    /      /       /|       |        ',      ',      ヽ
  γ/     /        /  .!        | \ヽ\   ',        ,      ヽ
  ./_    __/ /    /   _ !        | _  ヽヽ ヽ  ,         '      、 \
      ̄   〃    /〜 ´`´ ',      |´`  ヽ〜 、 .!     ! ',\    ヽ\、
      / !/ {  〃          !     !    ヾ  ヽ|      |ヽ   ヽ、   }
       /  , ./ ! _ ≧==== ヽ! \  _|=====≦   ||l   | | |    ヽ, /
    ./      、{ ! ̄{::::o::::::}          {:::::o::::::::} ミ、| l    ' 〃      ',
   /     〃  |  弋::::::::ノ        弋::::::::::::ノ  〃 |  /  \       '
        //   .!                     /  ムイ    \    | 「じゃ、目的地までおんぶして」
   !,'!   /, '     .|   ' '     '       ' '           ヽ      、ヾ |
   |!%  /,'  ,'    |                        {   、     ', ,/
    % |!'  !   '                       / .|       !
          l   ヽ       ,-‐-‐--,             ノ   ヽ    |
         ,!    ヽ       ̄ ̄          ィ--    |  ヾ  | |
          丶  {   |  、             イ  /l    '  | | / '
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               ヾ _|  |           ! V   ムイ
         ._        ヘ--!    ----―‐、
       /  <三三ニ>'" ', !  /|      ヽ--==ニ> ̄ ̄`ヽ
     /   /三三>'"    V /  |      /三三三"      ヽ


 「いぃ!?」

 「なんでもチャレンジしてみるものって言ってた」

 「あ、あの、俺捕まっちゃうから別ので……」

 「……」

 「(怒ってらっしゃる?)」

 「じゃ、何か考えとく」

 「よかったー」


 弟に諭されるなんて嫌だから、ちょっと拗ねてからかってみた。

 いい反応が返ってきたので満足。
887 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/28(土) 18:16:30.01 ID:lpi7CncQo

 4/11

 「買うの、これでいいの?」

 「ええ、前に欲しそうにしてたので」


 サッカーボールと絵本を買って、帰路につく。

 歩くのがダルい。いつもならマヨヒガを使うんだけれども、京の前では見せたくない。

 それに、すぐについてしまっては意味がない。

 少しでも長く、一緒にいたいっていうのはワガママだろうか。

 京は私より多くの荷物を持ってくれている。

 私が持っているのは、量に比べて軽いものだ。

 やっぱり京は男の子なんだなぁ。

 そんなこんなで家についてしまった。
888 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/28(土) 18:17:01.51 ID:lpi7CncQo

 5/11
                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ
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     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Yィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '   『ただいま、シロ姉』
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
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         /  / /  /-〜/-| {  \〜ー 、'   \ )
           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}  『おかえり。京』
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ
.             { /   }\__              ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
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          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧
889 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/28(土) 18:18:08.07 ID:lpi7CncQo

 6/11

 一瞬世界が混濁したのか、前世の記憶が戻ったのかで私の呼び方が戻っていたよ。

 霞の方でも起きかねないから、京と接触する際には注意するように言わないと……だる……。

 だから私も霞も京と接触しないようにしていたのに、油断した。


 「おかえりなさい! 京太郎君、シロさん!」

 「玄さん。大丈夫ですか?」

 「とりあえずは問題ないかな!

  こっちの準備はOKだよ!」

 「よし、じゃあ時間までお話でもしますか」

 「えっ、お話?」

 「最近こちらで何かと手伝ってもらっているので、本当に申し訳ないな、と」

 「もう、そんなこと言わないの!

  私は二人のお手伝いをするのが好きなんだ!

  他に趣味も写真を撮ることくらいだから、そんなに時間取らないし、呼んでくれるとすごく嬉しいよ!」

 「それじゃ、今度は甘えさせていただきますよ。もう、俺たちも友達ですよね」

 「もちろんだよ!」

 「そういえば先ほど写真が趣味って言ってましたけど……」

 「うん。放っておくとなくなっちゃいそうなものを撮るんだ。そんなに気合を入れた趣味じゃないんだけどね」

 「凄いじゃないですか! うちなんか機械オンチばっかりでもー……。

  女の人なのに機械に詳しいって凄いですよ!

  本当、誰もがお嫁さんにしたがるような人ですよね!」

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          /:..:..:./ :|.:.:.:.:.:リ il{        }li l/ il{        }li | :.:.:.:.|:.:.:..:.∧  「……!?」
           /:..:./..:.:.:.|.:.:.:.:.:.|  ミト、     ィj/     ミト、     ィj/ | :.:.:.:.|:.:.:.:..:.∧
         j:./ .:..:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|   ゞ=====彡       ゞ=====彡  │ :.:.:.|:.:.:.:.:..: ∧
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890 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/28(土) 18:18:37.13 ID:lpi7CncQo

 7/11

 照れたクロがこっちに向かってくる。

 私の横を通り過ぎて行くつもりだったんだろうが、足が引っかかってしまった。

 とてもではないが勢いを止められず、支えようとする京の手も届かず、思い切り倒れてしまった。


 「二人とも、大丈夫か!

  ……シロちゃんが黒さんで玄さんが白さん」


 京の言葉を聞いて、すぐにスカートを正すも、後の祭り。


 「京」

 「あ、ああ」

 「私と玄の、見た?」

 「み、見てない!」

 「でもさっき、何か言ってたよね」

 「覚えてないなー!? 何を言ってたっけなー!?」

 「ちなみに今日の私は白を履いているんだけど」

 「ええっ、嘘だ!

  シロちゃんは黒、玄さんは白いのだったはず……はっ?」 

 「とりあえず、認めたね」

 「ご、ごめんなさい!」

 「うん。許すよ」

 「早っ」

 「別に怒ってないし。助けようとしてくれたことの方が嬉しい。

  それより、あっちの方を見てあげて」

 「はい、すぐに行きます!」


 京に玄の相手をさせている間に、この火照った顔を冷まさないといけない。

 ……ダルいなぁ。
891 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/28(土) 18:19:07.86 ID:lpi7CncQo

 8/11

 「京太郎君、見た?」

 「はい、見ました……」

 「その、恥ずかしいよぉ」

 「ご、ごめんなさい!」

 「あ、京太郎君が悪いんじゃなくて、私が走り出したのがいけないから、ごめんね?」

 「(パンツを見せてもらったのに謝られた。天使だ……)」

 「その、恥ずかしいんだけど、聞いていい?」

 「はい、何なりと!」

 「私の下着、どうだった?」

 「とっても可愛かったです!」

 「本当にそう思ってる?」

 「はい! 心から思ってます!」
892 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/28(土) 18:20:01.92 ID:lpi7CncQo

 9/11


            /   . . . . . . . : : : : : : : : . . .   \
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893 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/28(土) 18:20:31.73 ID:lpi7CncQo

 10/11

 ……
 …

 さて、なんやかんやで誕生日会!

 京ちゃんとシロさんが買いに行ったプレゼントに、私と玄さんが作ったケーキ!

 お父さんとお姉ちゃんも帰ってきて、準備は満タンです!

 最後に、時間を潰してきたお母さんが子供を連れて戻ってきました。


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      l  、 : |: V            ィ≠≠ミ、 / |: : : イ/⌒V: : : :/:/
       \|: ,  :.:.:.:.     '             |:/ /⌒} }: : :/}/ 「誕生日、おめでとー!」
         V{                  :.:.:.:.:.  /    ノ 人:,:' /
         人      __              _ イ:/
           `      乂 ̄   ー‐ァ      イ: :/: : :/
           rrr==≧=- `  --  ´  r_:_´/|イ{: イ
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          ,イ |.||.....................{---- 、  /...............///⌒ヽ
           /  |..V、.................|     /...............///   ∧}


 みんなの笑顔で子供達を迎えます!

 はしゃぐ息子、照れて京ちゃんの背中に隠れる娘。反応がかわいいよぉ。

 息子へのプレゼントのおもちゃも、娘のプレゼントも喜んでくれたみたいではしゃいでるよ!

 子供達の喜ぶ顔のためならなんでも出来るよね!


 「これはお姉ちゃんからのプレゼント。お菓子」

 「あっ、誕生日だからいいけど、普段はあんまり買っちゃダメだよ」

 「うん。わかった」

 「私からは子供用のお箸……」

 「あっ、私は寒い時用のマフラーを編んだんだ!」


 みんな喜んでる!

 本当、子供って笑顔になるよね。……私も、嬉しいなぁ!
894 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/28(土) 18:21:00.89 ID:lpi7CncQo

 11/11

 ・社畜組

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::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、:::::::\::::::::::.
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::l:::::l:::l::l l: /l:::/  :|::/ ,x≦斧⌒|:::::::::::::|
::l:::::|八{ l/´|/,,_ノ´   h_刈   |:::::::::::::|
::l:::::|  x≦芹⌒`     辷ソ  |:::::::::::::|  「仕事の締め切りが直前じゃなければ行けたのに
::l:::::l /{h_j刈           '''  |:::::::::::::|
八从{ 乂_少^        、     |:::::::::::::|   残念だわ」
ー ||                      八::::::::::
`ー:||、             _     /::::::::::::/
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ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ    ヽ冫
:: |: : : : ::/::/: : : /」: : : /}: : : :}゙`「:|:::ヽハ:!:!: !:  }
-ィ: : : |_,'_,,|―‐,'‐/-/|: :./|:-|―‐,'-}:|:|:. リ !.|. ト.、
: :ト、::ィ゙ |: ::|\/ //  /.: :/ !: :!/!/  !从:/|:.| !∧冫
: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ /.:/ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′
: :l: : ヾ |/{:::::::::⊂ '     ´ ! :::::ィ./ ト,ムノ:!
:γ⌒Eヽ弋二;;ノ       ゝ-.″ | }: : : :|   「テストの点数をつけなきゃいけませんので……」
',:{ :::`                、         レ′ : :!
..',\                   ノ:   ::::!
: : :| `ー´\         _      / !:! !  !
: : :|.     ` 、          ./|: :. !:! !  ::!
: : :|         }`   .. __ , イ  |::|: |:|: :|  |
: :: }     ィ‐┤.        ├ .、|::|: |:|: :|  {


/r"´`ヽ ./   / /i  / / i   |  : : :!: ! : : : : :l O   l': :、: : ヽ、: .`ヽ
ハ 、  ノ/   /  l i  ,ハ ハ |  i.|: : |: :ハ : |.:!: : i: :ト.、._ ,.イ|i: : .\: :ヽヾ、:
: //:7:r' ヽ:i: : :i.!: : :|:!,.-|-|、.! !|i: : !.! :‐!-|-!、|_ト、: :!: ゙、: : : :|:|:、: : : :ヽ: : ゙、 ヽ
/ l:/: :ゝ イ!: : :|!: :/|i: : i-!-| !:、: |、!: :|;ナ |: ハ|`!、!|: : !: : : !:|: i: : : i ハ : : i
 |': : : :ト、!O: : !i: : :!:!ヽ、.! ヽ!   ヽ! ゙、!  |/ リ |:ノ !: /i: : :/:i: |: : : :i| i: : :|
 !: : : : |、/゙:\:! \:|   _,         、      リ |/ /: : : / /i : : :i|ヽ| : i|
 ゙、.:: : .レ: : : : :! ≡≡三彡       ミ三≡==、  /: : ノ ;/:/: : ///.!.: ;l    「私は残業だらけでとてもいけないじょ……」
  i: : /; : : : :/ :::::::::::::::::         ::::::::::::::::::  //` ‐:´ / : :/'"//: :ハ
-- ヾ/ハ:i : : f  """"""          """"""  /ィ: : : : ノ,. イ://:,ノ  ゙、
__  |ハ:|、: :i.、                  /:/: : : イ´:i: :l.|――‐----
  ̄ ̄ ヽ、!w;丶、          ,.-、__,へ7 ソ/: : //: ノ;ノ'"__
           `ー-、_ 〜〜〜'´     _ ノ-― ´'"´       ̄ ̄ ̄

 カン!
895 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/28(土) 18:23:13.84 ID:lpi7CncQo
シロもクロチャーもなぜか勝負下着

>>882-883
優希は原作の性格からしてモテそうなんですが、社会人になると見た目がネックかな、と
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/28(土) 18:56:45.52 ID:i2Xv1j93o
乙です
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/28(土) 18:59:08.62 ID:yTfdd3OSO
おつ
もしかしてシロさん、ウネウネ髪の妹もいた記憶あったりする!?
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/28(土) 19:21:46.48 ID:nI3lC22Ro
乙です
なんか切なくなってきた
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/28(土) 22:06:01.36 ID:v1PMS2lNO
>>895
見る目がねえなあ・・・
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/29(日) 00:18:35.01 ID:vWvSThsao

割とあっさり京太郎とシロが顔合わせることになったのな
901 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 17:51:17.87 ID:SfmIkH2uo

 1/3

 721
 京ちゃんの男子会


 「よー、須賀!」

 「あれ、俺が最後?」

 「そうだよ、須賀君」

 「内木先輩、待たせてすみません。

  高久田はどうでもいいや」

 「おい!」

 「まぁまぁ、まずは乾杯しようよ」

 「「カンパーイ!」」

 「須賀は最近どうなん?

  いい嫁さんもらって羨ましいぜ」

 「えぇぇ? 咲が?」

 「君からの惚気を聞く限り、いい嫁さんだと思うけれど」

 「俺、惚気てなんかいませんよ!」

 「副会長、聞きました?」

 「今度須賀君が酔った時を録画しておこう」

 「やめて!」

 「この前なんかさァ」
902 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 17:52:26.94 ID:SfmIkH2uo

 2/3

 ……
 …

 『内木先輩。須賀を酔わせちゃダメです!』

 『えっ、もう結構飲んじゃったけど』

 『あー……』

 『……咲』

 『やばい! 咲botだ!』

 『えぇ、さきぼっと?』

 『ちょっと聞いてくれよ高久田!

  この前さァ。咲がさァ!

  ちょっと辛いことがあってぼーっとしていたんだけれど、ソファに座ってこっち見てるんだよ!

  なんだろ、って思ってみると何も言わないでムスッとした顔してソファの横を指差してさ!

  『早く座るの!』って言うから横に座ったんだけど!

  無理やり膝枕してもらって、頭撫でてきてさー!

  もー可愛くて可愛くて、太ももにスリスリしちゃってさー!

  咲って本当に可愛くて、太ももとかいつまでもスベスベなんだよ!

  胸がないとか気にしてるけどさ! それは違うよ!!!

  “胸がないことを気にしている女の子”が至高なんだよ!! わかるか高久田ァ!!!』

 『須賀のせいで俺まで咲ちゃんの知識が増えてくんだけど』

 『なんだとお前咲を狙ってるのか許さんぞ高久田ァ!!!!!』

 『狙ってねーよ微かにも狙ってねーよ!』

 『それでさー! 咲の太ももで興奮しちゃっていきなり押し倒すとさ!

  可愛い鳴き声で『だめっ』なんて言うんだけどさ!』


/     ,     /   /   / /             |   |  :.   .   :.
    /     /   /    '    |   |     |   |  i|   |    .
  イ        '   /|    /|  l   |   |     |   |  l|   |    |
// /      |   | {   ' :.     |   |     }   |  l|   |   {
 ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|
/ / .'   ,:  ' Y |_'. |  | |   | l   |     ' }/ }/ :  /  .イ `\
{/ /   / /  / {  |  Y≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'
 '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Y   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/
'  / /イ Y :.  Y    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /  『止めるわけないだろ?』キラーン
/        | 从   |            \ ∨/        ,  /
       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_
 ,  <//////{/{{`∧         、              /  }}//////> 、
´//////////// l| ,∧             _    ∧  ||///////////>
/////////////从 {   、         _  ィ -vノ    ' } /'/////////////
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903 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 17:52:55.61 ID:SfmIkH2uo

 3/3

 ……
 …

 「こ、殺せ……」

 「少しは反省しろっての」

 「そんなんで大学とか大丈夫だったの?」

 「そーなんすよ。

  こいつらいつも盛ってるから、大学の一限とか俺が代わりにノートとってやったり、出席とか代返してやったり」

 「……君も大概甘やかしてるよね」

 「まァ、中学校からの付き合いですし」

 「か、感謝してるから許してくれ高久田ァ……」

 「バッ、てめー感謝してるなら酒飲むのヤメロォ!」

 「こんな恥ずかしいことされて酒を飲まないでやってられるか!」

 「須賀君が、須賀君がまた!」

 「……」

 「「あっ」」

            _,...---、_,.、
           / : /: : / : : ヽー-、
            /. : :, !: iハ!/メ、.i | \
            イ : :{ ヽN  'i:!/!人iヽi
         _1: : :i(    _ 丶:\
        /   `Yリヽ   '、_)'´!`ー` 「咲 k a w a i i i i i i i i i i i i i i i i !!!!!」
      /:::..     |  ,. _/
.      /.::、::    ト、ィ'
      / ::::::|::    !;-!
    /  ::::|::     ! ヽ、        ,:-‐クヽ
    /    ::!::..   ⊥__!_      /  ..:ノ)
   /     |::::..         ̄`''''''' ′..::::::::::ノ
.  /:     |::::.....      ..............:::_,:::-‐'′
 /::      `ー‐┬---r―'''''''"" ̄__
./__       /!   i      / iu-゙、
/----、\   ::::/ |::  ⊥ __,...-‐'.i...:ヒノ
 ̄ ̄`ー`ー`ー-、/ |::.         _,.-‐'"

 カン!
904 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 17:53:47.89 ID:SfmIkH2uo
ーーーーーーーーーー

 1/7

 812
 家の中でトルネードぶっぱする照


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   /.:′|.:.:.:.:|.:.:.:|'⌒  \.:.{    ,.斗==ミ|.:.:.}:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.
  ./.:.i{.:. |.:.:.:.:|:.:.:.|      \  " 乂ソ |.:./.:.:.:ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.
.  / .:八:.:{.:.:.:.:ト.:i:.| 斗=气      ´ "" }/ }/ |!.:.:.:.:.:.:.丶
 .:.:.:.:.:.:.:.:.イ.:.:i|::乂〃 Уソ             リ.:.:.:.:.:.:.:.:| 「(私だって一人で子供と遊んであげられるもん)」
./.:.  '"   |i:.:.リ.:.:.:ハ ´""  ′        __/::}.:.:.:.:.:|:.:.|
´      |i:/.:.:.:.:.:::::::.             /:::::i|::/.:.:.:.:.i|.:.:|
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:込、    ´ '      イ:::::::リ/.:.:.:.:.:八:i|
      i:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:|:::::::.....       /|::::::/.:.:.:./  :リ
      |.:.:.:.:.:.ト.:.:.:.:.|:::::::::::::>.、_     |:::::/.:.:./   ′
       八.:.:.:|.:| \:|:::::::::|i::_, く}        ト/.:/
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   -‐==ニ二      ‐‐- _         `ヽ
       /                : . . .
      /  /  /          `ヽ  : : : :
       /  /  .i     .ト           : : : . __ニ=-.
      ./ . :/    |      | ヽ      : : : :\
    / . :/    {      i‐-ヽ     : : : :._\       \
    ./  .: :{   i  ',       ! ___\   .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄ 
   /   : : :|  i : :|     | |≠r:::rュミヾ  i{ .ハ ∨:∨ミ、
  ./ /|: : :i  :.{ : : !`ヽ    !|  {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}  「テルー! ギギギー!」
 //  |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{   乂zzソ     /|: : !|
      |: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:}             {: :i : :|‐-─ 、-
        |: ト: : \ヽ|匁ソ ,            / i/| : :|:.:.:.:.:./  ヽ
      |:.| }: : : :ゝ          ‐-    /   !/i|:.:.:/    i
        t|ノノ~|/Vハ    くi    ノ /.     ヽ/       |ゝ、
              \    -‐  /. :    /          ヽ
                >‐──.、. : : :.   /        -‐‐、  /
                _,「  . : :): .   /       イ  ニ=-  ~
              / f .:|  : :r     /   //     ~ ‐-ヽ
            /  | : :ハ  : :!   /|  /           i
           /   __ i: . : :、/|__ ∠  / ‐  //          |
          /`-‐ /   / |  __ -‐/   /             |
905 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 17:54:17.57 ID:SfmIkH2uo

 2/7

             ,. . : : : : :  ̄ ̄ ̄: : : : . . .、
           ,. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `: . 、
          /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
        .' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : : :\: : : : : \
       /: : ,: : : ,: : : : : : : : \ : : \ : : : \: : : :\: : : : : :.
       .': : /: : :/: : : : : : : : : : :ヽ: : : :ヽ: : : : ヽ : : : ∨: : : ∧
       /: :〃: : :|: : : : : |: : : : : : :|、: : : :|、_: :|: : : : :|: : : : : :.
      ,: : :':|: : : :|: : : : : {: : : : : : :| \イ:l´\: : |: : : , :|: : : : : : .
      /: : :|:|: : : :|: : : :_,∧: : :| : : {  \},.ィtr‐、: : /}/: : : : : : :|
     ′: : |:{: : : :{:´「´: | 从:{\: :\ ィ雹(_心 イ: /⌒Y: : : |: : |
     ': : : : 从: : :∧:{ 从{   \` ー` 乂こソ |:/ )  } : : : : : |
   /: : . :イ: : :\: :{ ,イ¨雹芯            /' ,..-_ノ: : : :|: : | 「危ないからダメ」
   ,': :/ |: : : : :从\:. 乂zリ               /: |: |: : : : :|: : |
  ー ´   : : : : : : |: : ∧     '           ム: |: |: : : : :|: : |
       ,: : : : : |: : {:∧        _ ,     イ |: : |: |: : : : :|l : |
       Y: : : :|: : |: :个:..          <   |: : |: |: : : : 从: !
        ∨ : : ∨ |: : {: : : : : :≧=-r ´   /⌒|:/: : : :/ Y
         \: : :\}: : \: ヽ : / ∧  _,/   /'/: : ,.く
          \: } \>:,.イ /⌒\/     ,.- /:/、  \
            \   //  ,'  /    / /イ- 、 \ ∧
              /,イ   / /    //´     \ \∧
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               ,..  / ヽ ´⌒> 、
             /             \
            /      |  }!      \⌒
.           /  /   !   |   | ヽ   \
           /ィ  :|  \∧  | /| |! トー―
           | _|VT示r ∨j/示rx/ V(      「じゃーギュイイイン!」
            レ1(  弋,り   弋り {ソ V            __
             |/V{   ___   从|>ー―――r―――/ /
             ___/>、 V /  イ7   /     /――-、  \
          ___/   | | ー 77 /   /     /      ー―
         ノ  (    | |  / /    /     /
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   し′     ̄  ,  >==≠  | /⌒ ト{_
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./ .:/!:{:ハ:::i:f"|:ヽ|:::::::i::|-、::::::|:::::::::::::::::::.|
i/   |::::::};ハ{. Lン|:::::;ル'^ }::::::|::::::::::::::::::: |  「(離れさせれば大丈夫かな)」
     |:::ノ   "" j/  /::::::|:::::::::::::::: :: |
    |::::.、        '^リ::::::!:::::::::::::::: : | |
    |::::ハ`       !:::::/:::i::::::::::::i: |ノ
    |/   ヽ.__,..::、  /::::/:::/:::::::/:/!: /
           V | /::ノi!:/!:::::ノソ }ノ
          ,..-‐y/‐j/フ‐'" ̄\
     ,...-‐'"            `ー- 、
   r=、´                   `ir、
  /\ヽ、                     ||.ト、
 ハ   | |:|                    ||.| |
. i ゙、  | |:|                   ||.|/!
|  ゙、 !.i:i                   ||.||




          /: : : : : : : : : : : : : : : \
          ,.' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
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        /: : : : :.:.: :.:. .:.:.::.: : : ::', : ::. : : : : : : : :`: .、
.       /: : ヽ:ヽ 、:::Χ::::::、::::. : :!¨ヽ:::::: : : : : : : : 、:ヽ
      /: : : ::\、:. /`ΧV::',::::::::「  }:.:.:.:. : : : : : : ::\\
.      . : : /: : :::ヽ/ヽ代J}ヽN::::::!) /::.:.:.::.:.: : : : : : : : ヽ
     /: ; イ: ハ: : ::::\__ `'   V:! 「:::::!:::::!::::::ヽ: ヽ: : }ヽ}  「離れてて」
      // |/ .V: ::::::〉 `      リ .|::::/!::::ハ:::::} ハ } \! ヽ
.    /   |  V: :::ト、  ,_ァ   / ´ ̄¨|::√}::::厂 }!、 j
           V::/ `i:r- 、 j  .::. !/`、|:/    >、
.              V   j!  }::「!  :::l /  /\       `>、
                 j:ハ l ::::l     ::ヽ     ::...  ≧x
                   /y ::::!      ::::::〉、    :::>:::7/
                      /=l  :::    ,_...::::::/::::} /´ V:::/
                     〃 {      /=≦ム://'    ∨
                _ ,小   `ー―.v´  >'"¨∨/
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          /: : : : /::/ ,    ::::::::::::,     ,
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         l: : ::/ |: :::/   }`      ::::::::}       !
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          }_\;' \;' \;' ;' //   i | ∧j/\   l   ト、  /}/}/|   l|     |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
.       // \;' \;' \/     | l/ ∧芹≧x八  | | / _____」L リ┐   |.: : : : : : : : : : : : : : : : :. :. :.|
.     ((// -‐ァ\;' \/.     |       V)炒`. \{‐ァ'≦芹トリ /}/}  ∧{.: : : : : : : : : : : : : : : : :. :. :.|
.      (// // }; ; lリ       l / l圦   :::::::::::::::::....V)炒 //__,ノ / {: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|
.      (/  (/   }彡'.        |/l  ll  、   '         / /  /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
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                      八 l|    \  `   ≦/ ̄ ̄: : ‐-: : :              : : |
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 丶     ,′    >‐-      八 ll...|  |___        |   l|  |  |l    ill|   |  l ll|   |lli    ii|    i|
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. \.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:< ̄ ̄  _/.:.:.:/l__//>--  \             ,  l| )ノ   l| |,/  l i    リ^i\   } /^}/}
    ̄\.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.`ー‐‐.:.:.:.:.:/,/ ̄ ̄\ト、 }   \         ′リ    l| |′ l |       \从,/   | /
      \.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ,/       ̄ `ー-  _〉                 リリ   リ′             }′
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             .|:/:.:/:/i:.:\:::.:.:.|:iム:::::::::::::::::::::::::/      、          イ:::/|     家の中で竜巻が起こったみたいになってるよ……?」
             .|:.:./:/ .|:.:.:.:.\:.从_ムー---‐ ´                 .イ '!:/
             .|:/:./ .|:.:.:.:. 厂:´ト、. ヽ            _..     /:/ |′
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       { /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
      /::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\|  〃⌒゙ヾY :::::::: |::::|  }  「ご、ごめんなさい……っ!!」
        ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ     {{    }} }|/| ::::::|::::|  {
      {  |:: 八ハ{ {{   }}     ゞ==(⌒) | :: /:::::|
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               {  ∧    |   /    /   / ∧ {

 カン!
911 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 17:58:37.39 ID:SfmIkH2uo

 1/11

 788
 クロチャーに何か手紙を書かせよう


 「うー、どうしようかな」


 ふと趣味で撮った写真の出来が良くて、恋するあの人に送ってみようかな、なんて思った。

 最近で写真となればスマフォのカメラ機能や、タブレットを利用する人も多い。

 玄はデジタルカメラを利用して写真を撮るのが好きだった。

 もっとお金をかけている人もいるが、昔からなんとなく続けている趣味なので、そんなにお金を使うつもりもない。

 少し前は長野への移動費で結構出費が絡んでいたのだが、知り合いが増えてからはそういったものも少なくなった。

 それ以来、昔のようにカメラで写真を撮ることが増えた。


 写真は好きだ。

 決して変わることがないからだ。


 母親を失っても、写真は残った。

 写真が残れば思い出も残る。

 いくら頭の中で反芻しても、忘れていってしまうものは多い。

 それでも、写真として残ればそれを切っ掛けにして記憶が戻るのだ。
912 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 17:59:06.80 ID:SfmIkH2uo

 2/11

 「玄ちゃん。どうしたの?」

 「あ、お姉ちゃん」


 そうこうして悩んでいると、後ろから姉の声が聞こえた。

 自慢の姉だ。

 玄が面倒を見ることが多いと言っても、やはりここぞという時には姉が玄を守ってくれる。

 松実館を継ぐ話もそうだった。

 玄には想い女がいる。操を立てた人がいる。

 それが叶うと思ったことはないが、その状態で誰かを好きになれるとは思わなかった。

 それでも自分を育ててくれた父親のための義理がある。

 正直な話、姉が結婚できると思ったことはない。

 玄の中でぐるぐると思考が渦巻いていたら、姉はお見合いをしてさっさと結婚してしまった。

 その意図を話してくれたことはないが、きっとそういうことなのだろう。

 同級生の灼も早々に結婚してしまったし、自分の周りは恵まれているのだろう。

 もっとも、麻雀の師匠や後輩はそれとなく苦戦していると聞いているが……。


 「咲ちゃんと京太郎君宛てにお手紙を書こうと思って」

 「手紙?

  今時珍しいね」

 「うん。いい写真が撮れたからね!」


 自慢げに撮った写真を見せる。

 姉はそんな玄の笑顔を嬉しそうに見つめていた。
913 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 17:59:42.23 ID:SfmIkH2uo

 3/11

 「でも、何を書こうか迷っちゃって。

  メールならわかるのに」

 「そんなに気は使わなくていいんじゃないかな?

  玄ちゃんが思ったことを書けばいいと思う」

 「思ったこと……」

 「あっ、ほどほどに、ね?」


 すぐに慌てて訂正を入れる姉の言葉は聞こえていない。

 玄は先ほど受け取った『が思ったことを書く』という言葉を何度も反芻した。

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   |l |. .::|.:::!:|\:::||L,,.ヾ\:::::ヾ:;ァ=リxzレ!:::::::l::!: !
   || l. .::|::::トゝ,ィ'ヌ :::`ト \`ーY´{c::::。i} !:::::::l:|: |
    \Y:::|::::|ゝ{! {c:::ク|      込_ク λ::::::i|:.:!
.      |:l::!::::! ゙. ` ー‐''       ,, ,,  ,' |!::::::|!:.:!  「わかったよ!」
.      リ|:|::::l\! " "   ′      jイ!:::::::i!:.:|
     0::|:::::l::::|ヽ    「  ̄j     ...イ|::|j:::::::l!:. !
    /|:|::::l::::::l:::l:::::>....._` ‐   ィ、:::::|:!:/:::::::|!:.:.|
.    {iλ!:::|::、:::l:l:::::,':::::∧| ー ´/ \ヽl:::::/!':|:.:.:!
    `ハ::::!\、ヾ/:::ノ  〉-r<     〉:::/:/::':::::.!
    / .:::ヽ|::::::::::::l__|  人  λ   //::::::::ト、::::ヽ.
.   / .::; r‐'|:l::::::::::!.... ̄.フt≦ ̄ ̄.7´/:::::::::::,'  ` 、:、
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. / .::,' ハ ||:::::::::l|─''....八...ヽ_ノ、 |:::::::::::|     /  l


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    {i /    ′ ,′.: : : : : : : : ト、: : : : : : :|: : : : : |: :.、    ',
     ,′   l: : : :.! .: : : : : : !:.:. :.| !: : : : : :.|: : : : : |:.:.:.|: : :.   〈
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      |  .:.:.i|: :. :.:|: : : :/x = x.    |.:.: ハ/    j/ l: :|: : : : :
      |  .: :.:||: : : :|: : ,〃    ヾ  j/   〃 ̄`ヾ: ハ: : : : :: : .′!
      | .:.:.::.||: : : :|/ {{       }}        {{    jイ !: : : : : / 「ほどほどにだよ!?」
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   { │ : : : i:!: :. :.|    ` `  `  ` `  ` `   |: : | |
   ヽ. | : :. :.|:!: : : ト、          _, 〜〜 ┐       !: : ! !
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 姉の言葉、妹知らず。
914 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 18:00:29.48 ID:SfmIkH2uo

 4/ 11

 須賀咲ちゃんです!

 今日も今日とていつも通り家事を頑張ります。

 なんか最近は家によく人が来ていて忙しかったからねー。

 たまたま玄関の近くにいると、人の気配。郵便受けに物を入れて去って行っちゃった。


 「あっ! 玄さんからだ!」


 気になって見てみると、玄さんからのお手紙でした!

 今時お手紙なんて、古風だなぁ。

 でも文学少女咲ちゃんには好評だよ!

 だって……、未だに機械苦手だもん……。

 機種変すると使い方がわからなくなるので、未だに数年前のガラケーを使ってます。

 まぁ、携帯持ってなかった高校生時代からすると成長したよね!?

 ……封筒を開けてみると、そこから写真が落ちてきます。

 そういえば、玄さんは写真を撮るのが好きって言ってたっけ。

 さて、どんな写真なのかな?
915 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 18:01:32.41 ID:SfmIkH2uo

 5/11
                                       、 - _ ( 、   、、
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                                ,..-― '" `         { ( 、
                                /   -  _ 丶 、  、.l ヽ ',
               ,. -‐   ―- ._   丶ー-‐ '"  -  ,.ー―  ヽ、  、ヽ    }
               ,.イ/////////////>、 _ ゝ-    _,. '"          、ヽ.!'l     ト
             //////////,ハ'///////,ヽ'"__,. - '"             .}.ヽ!    }.ヽ
             ハ//////////i_l///ハ///ハ.ノ         .:.  : /   .! '   : ,'  '
.            !'//////////ソ }/ソ'r;.∨/jソ         ,. -―-、  .ハ}'   ',   /   '
          , 'l'////////Vィ'了'"  vハ//ハ        /  >"⌒} ./ .'   .}  /   }
_        , / ノ/////////,弋rソ    、 ∨/ハ    ハ'、 >"    /,ィ      ,. 'ノ   !
ー- ̄_ー '"   /////////ト'//ヘ   _ , 八/ハ  , '{. l/ , ∧  ./ ' l ,  r- '",.イ   j-
     ̄.>'"//////////,ゝ,\/\    イ、 )'/ソ / 、ヽ } .ノ/ l/{/  .!/ !,/ ./_´. ー-,   ,'  ヽ
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///////////////!/////ハ-‐ ''"  ̄ ,. - ヽ,\/ } ヽ.{  !   .'     .,.' /  /  /./ ´   、 `ヽ
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         V///l     \////,\ {   .r-‐ニニニノ/ ,' ., ト 、
         ノ∨//!        \////\、 ,.人_,...  ..__,ノ .{
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916 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 18:02:09.23 ID:SfmIkH2uo

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     }'  、: : : : : : : : : : : : : : : : l: / Y/∧: :!
       ∨:、: : : : : : : : : : : : :/イ  u |/  ∨
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          /   -从-----イ{     イ
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    {::|| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | |::|   |
    |::|| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | |::|   |
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    |:::ー====================_'_」::|   |
    ´ T T ―r――r、―――――‐ '     }


 えっ、なにこれしゅごい!

 これはなんだろ?

 どこかに旅行に行ったのかな。

 やけにリアル感があるドラゴンが見えるような……!?



 それで、手紙の内容は……?
917 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 18:02:42.44 ID:SfmIkH2uo

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         / .イ ′:.:.:.:.:.:{:.:.:.:,| ...:.:.:.: {∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:. :. i
        ././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
        i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
        |′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \  ヽ. \} :. : |: :{
            i . .:.|:八.:.|ヽ{  _    \   ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
            | : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ     ´   `'^| :. : |:.小
            |.:/ :! .:.:.:.ハ ′             /i/, | :. : |:.|i
            |:′:} .:.: :| ∨ /i     '       .:. :. :.!:. l: {
         ○: :′.:.:.ト. .           ,      八:.:..:}:. l:.‘
         /:.{: :| .:.:.:. {:: 込      `   ´   /}::.:.:./::. :!:. ‘
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       i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.
       |{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂    / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.
         .′..:.八:!ム:.七¨⌒}     >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、
         / . rヘ´ ヽ \  |   ∧   ∧'ィ斗v′:.:/       ヽ
.        / . :′       八_{ ̄≧ V__/イ´  {'リ:.:.:.:′      / }
       / . . {⌒ヽ       八  z__{ }___,  {.':.:.:./      /   |
      .′. .:|    \      《    ハ下  . /.:.:.:.′   ,    小
      / . . .:.{     ヽ   }  ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./     /     {:∧
.     / . ./..:.:}      . | く    /  }  ;:.:.:.:.:′ .′/     {:. .‘.
    / . ./..:.:.:.i      ∨ }    `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′     }:. . ‘.
  / . :/′:.:.:.}  ‘.     V|         ∨   |:ノ}:.:}  j /    /  {:.:. . ‘.


 『突然のお手紙失礼します。松実玄です!

  いつも結婚している家庭にお邪魔してゴメンなさい。

  私も楽しくてついお邪魔しちゃうんだ!

  この前のお誕生会、とっても楽しかったです!

  咲ちゃんへ 何かあったらいつでも言ってね

  京太郎君へ 下着を褒めてくれてありがとう

  照さんへ お菓子の食べ過ぎには気をつけてね』
918 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 18:03:36.40 ID:SfmIkH2uo

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   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
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  ,' : : : : : : :l: :,i : : /   l: : : : :l  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /   .レl: : :ノ .__ ',: :l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l: : : : : :l
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Y: :、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ l: : } \ノ
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919 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 18:04:06.44 ID:SfmIkH2uo

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         .|'  .|:/:./:.∧:.:::::.:.::::.:: |::::::|:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.; ´        |イ:.:.:./ .|  「京ちゃん……?」
         .|  |:/:.:/:∧:.::::.:.:. W::::::|':::::::::::::::::::::::::: -‐--- '´           '::::/i/
             .|:/:.:/:/i:.:\:::.:.:.|:iム:::::::::::::::::::::::::/      、          イ:::/|
             .|:.:./:/ .|:.:.:.:.\:.从_ムー---‐ ´                 .イ '!:/
             .|:/:./ .|:.:.:.:. 厂:´ト、. ヽ            _..     /:/ |′
             .|':./  |:.:.:.:∧:. /|:.:`¨¨へ          '´      ./ iル′
             .|/'  |: / ∨: !、:.::/ |>o。_          /  .!-ー--  .._
           {.     |:./   ∨{. Y/ |:.:.:.:./i:.:¨7 T¨¨¨¨¨¨´    ^ー 、     ` ̄
920 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 18:05:12.25 ID:SfmIkH2uo

 10/11

 「京ちゃんこの手紙どういうことー!?」

 「なんだよ咲怖い顔して……、って玄さぁぁぁん!?」

 「見たの、ねぇ、見 た の ?」

 「そ、そそそそんなことねーし!」

 「何色だった?」

 「確か玄さんは白でシロさんが黒……ハッ!?」

 「余罪まで判明した、ね?」

 「あ、あれは事故だ、誤解だ!」

 「嫁さんの下着じゃ不満!?」

 「そっち!?」

 「わ、私は確かにおっぱいないけど、し、下だったら京ちゃん褒めてくれたじゃん!!」

 「落ち着け咲ィィィィィィ!!」

 「……これはもう、京ちゃんの京ちゃんに直接聞くしかないよね?」

 「待て、落ち着け咲。冷静に話し合おう」

 「聞こえませーん。

  こっちの方が素直だもんねー」

 「(……あれ、役得?)」

 「今役得って考えたでしょ。

  一発終わっても抜かないからね!!」

 「待てェ咲ィ!

  男の子は一発ヤッたら休憩しないと痛いんだぞ!?」

 「つまりその時間が京ちゃんの弱点なんだよね……?

  抜かないて私が動けば京ちゃん呻いちゃうもんね……!」

 「ちょっ、咲、やめっ!!」
921 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/29(日) 18:05:51.32 ID:SfmIkH2uo

 11/11
        ,..-、_,.ィ⌒:.ー-、
        /:.:.ハ:.:..ハ::::i:::::::.::.:.ヾー:、
      /.::::::::トヽYハ!:i:|::i:::::i:::::::|:.:.:.ヽ
       !::|::|:::i|     }:ハ:ハ:::!:}:::i|:::::::..:i
.     ノ::|::i!::i:|   ノ-j;!‐!:|:i:::i:|:::::::::.:i
    人:i:::{:、ト|-_ r‐彳テiY |;:ィ::i,:_::::.::!
       仟ィiテ)⌒ー―'′ハ!:i'^ヽ::::!
         `┼'7        リ  /::ト!  「こいつらまた盛ってんな
.          | ヽ        ィイ:::::|
         、  -―‐    / }:!:::トヽ_  (京ちゃんが抵抗すれば咲を抑えるなんて簡単なのに)」
           丶  `゙  ,、 ゙ ′i リ!y′ |`ー-、_
          "',、__,,、ヽ     ! /   |     `ヽ
           // \     i /_    !     _冫ー、
           / /n  ハ    | \. |   /   ヾ、
     .   /   //ノ  {_ !  /f'"   \!   / :/:       i
      /    レ \_ |`  イ        ′:!:       |
      ハ         `ヽ  ノ       ハ /  /:  |


           -‐──‐-
       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:X         ""  ノ   |  「とりあえず子供たちと外に避難する。
    /::::入_           _  < / /| /
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′        おいでー」
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈
           |  .〈∧/    !__/
           |        | |


 カン!
922 : ◆Y.lj54HWGU [saga]:2015/11/29(日) 18:08:09.47 ID:SfmIkH2uo
 皆さんに100個以上もお題をもらえたというわけで、いつもありがとうございます

 京霞、京玄は単独長編ネタをやってみたいけど、スレを立てる勇気がない。ここでやっていいのかな?
 お題ストックがあと少しなのでまた募集します。照とか淡も書きたいけど時間がないよ。分身したい
 そろそろまた新キャラが出る、かも。名前だけは現在出てるキャラになる予定

 ↓未投下

 725
 京ちゃん、咲照とドライブする
 785
 クロチャーのところに家族みんなで旅行に行こう
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/29(日) 18:27:03.48 ID:YUdBwl1SO
乙&拾いありがと〜
予定調和ってステキだと思います
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/29(日) 19:10:26.25 ID:FTlbxnLFo
乙です
新キャラは永水からかな?
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/29(日) 19:26:44.13 ID:vWvSThsao
大穴で亦野先輩かもしれない
照は基本的にいいお姉さんだけどたまに失敗するって感じだな
クロチャーの手紙ってお題から盛ってんなオチに持って行くのスゲエ

お題:他人の家を掃除しだすクロチャー
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/30(月) 10:57:27.24 ID:dKj8dOZs0
乙です

新キャラ、誰だろうか?
憩さんかSSSさん…かな?

お題:
家族麻雀で天和や地和などの役を出しまくって1位になってしまった京ちゃんと、そんな京ちゃんに大きな不幸がこないか心配になって慌てる宮永家一同
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/30(月) 12:37:53.66 ID:0gERuGFMo
乙です
928 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/30(月) 17:55:40.11 ID:bkIpM2K/o

 1/8


 『女性プロ雀士は結婚できない』というジンクスがある。

 主に小鍛冶健夜のあまりの強さと、同時に男っ気のなさから生まれたジンクスではあるが、それ以降本当にそうなってしまっているのが困りものだ。

 それどころか、強い女性は女性の憧れになり、普通の女性からモテるということもある。

 女性が女性にモテるのは雀士に限った話ではないが、この世界では麻雀の強さがモノを言う。

 彼女たちが女性にモテ、バレンタインにチョコをもらい、告白されるのもよくある話なのだ。


 「あ、あの、これ受け取ってくださいっ!」


 ―――ああ、これで何人目だろうか、苦笑いを抑えて笑顔でラブレターを受け取る。

 プロ雀士になってから愛想笑いばかりが上手くなった気がする。

 ふと、高校生インターハイチャンピオンも営業スマイルがうまかったな、と思い返す。

 渡してくれた女の子は一目散に逃げ出してしまい、ヒラヒラと手を振ってみる。

 その後、受け取ったものは開封せずマネージャーに渡すのだ。

 アイドルのように、それに属するものは受け取っても本人が見たり食したりすることはできない。

 それこそ、何が入っているのかわからないし、手紙一つとっても中傷の言葉が羅列されている可能性があるからだ。

 申し訳ないな、と思ったのも最初だけだ。今は少し疲れた顔で帰路につく。

 今日はもう、何も考えたくなかった。
929 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/30(月) 17:56:09.96 ID:bkIpM2K/o

 2/8

 周りの女性は結婚したり、していなかったりとまちまちだ。

 今現在親しい友達であり、ライバルはまだ未婚ではあるが、噂によると男の影が見え隠れするらしい。

 ここまでくると、周りからは結婚しないように思われてはいるが、そんなことはない。

 女の子はいつまでたっても女の子。恋に恋する乙女なのだ。

 年齢的に青春染みた恋が難しいことは理解している。

 それでも、憧れてしまうことは罪だろうか。

 変なところで現実を見てしまうが故に、それが辛いことなのがわかってしまう。

 例えば、現役プロ雀士の同年齢として『宮永照』を超えることは自分には難しいことはわかっている。

 下手をすれば後輩として最近躍進してきている『大星淡』にも追い抜かれてしまうかもしれない。

 プロ野球と同じで、才能は残酷だ。

 全ての人は努力して努力して努力して、その中で才能があるものが芽を出し、その才能があるものの中で才能があるものが傑出する。

 それを何度も繰り返して、純度の高い天才こそが『小鍛冶健夜』や『宮永照』に当たるのだ。

 宮永照の同世代として、彼女は今スランプに陥っていた。
930 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/30(月) 17:56:38.84 ID:bkIpM2K/o

 3/8

 「大丈夫?」


 飲み会で、そんなライバルが声をかけてくる。

 いつもは自分から笑って声をかけているのだが、今日はそんな気分ですらない。

 世界ランカー、日本代表、そして友人である宮永照だ。

 こんなところに気がきくところすら苛立つ。

 昔はこんなことなんてなかったのに、最近はどうも調子が狂うのだ。


 「悩み事があるなら聞く」


 今の悩み事なんて話せるわけがない。柄じゃない。


 「大丈夫、誰だって悩みはあるもの」


 この何も考えてなさそうなぽんこつにも悩みはあるのだろうか。些か疑問である。

 でも、他に悩みを相談できそうな相手もいないので、酒に酔った勢いで相談してみる。
931 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/30(月) 17:57:11.89 ID:bkIpM2K/o

 4/8

 「なるほど、気持ちはわかる」


 このポンコツに何がわかるんだ。やっぱり相談しなければ良かった。


 「そんなことはない。私だって絶賛片思い中」


 片思い……? ということは、照の側によくいる男は照の彼氏ではないのだろうか。


 「私なりに頑張っているけれども、恋愛は難しい。

  だから、一緒だね」


 このポンコツと一緒扱いされるのは些か納得がいかないが、照なりに私を励ましてくれているのだろう。

 そう考えるとなんだか胸が熱くなる。むず痒い。

 思えば、誰かの相談役になったことは多いけれども、誰かに愚痴を聞いてもらったことはなかった気がする。


 「こうなったらとことん飲んでお話ししよう」


 そうだ。たまにはハメを外すのも悪くはない。

 これだけ言ってのけるということはそこそこ飲めるのだろう。

 酔い潰してやるのも悪くはない。
932 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/30(月) 17:58:11.67 ID:bkIpM2K/o

 5/8

 ……
 …

        . :´: : : : : : : : : : : : : : : : :` 、
      /: : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : .
     /: : : : : : : : : : ,イ: : : : : : : : : : : : : ∧
    /: : : :/: : : | l: : :/ | : : : : |!: : |: :|: : : : : :,
    ̄ ̄ ̄| : : : N: :/__:| : : : : ト、__|: :|: : :|: : :′
       i| : : : | ∨ 八:ト、: : | N: リ: : :|l : : |
.        八: : { l  ____ ` \| ___|/ | : 八: : |l
      /:リ \N '~⌒``     ´⌒``〕/ ;__: :八
.     /:/: : : :ハ """"  '  """" '// /: 〔、: :、
    .: /:__: : : :圦 lヽ  r    ┐  // /: : /): :\ 「京ちゃんがね! 京ちゃんがね!」
    /: l l\\: : : :| .!     ノ  .:'_/ 厶 "/: ト、: :ヽ
    .'  |八 :\\__| .!>  __ . イ´ 、__フ‐<ヽ.: :| \:|
.     .′ V.rヽ _|___       |   /_〔 ̄ | V    〕
        //.へ`ー-:.、Υ   八      l  |
        |{/´ ̄〕    !、___/ヽ    /' \
.         八   '′   l    /  ∧  〈 、   \
      /   \    .'.  /   /_   ∨´   \
     / -‐== /   ∧  / /   :_   :./⌒ヽ. >
    \............./    =- V / -‐=':._    ∨ヽ__/
      Υ⌒/    .′.:〔二〕´     :._    V´/
      |ニ/    :   ∧〔\    八    ∨
      |_V      .! :/ N'  \    个:、_/


 うん。先ほどまでの自分を殴り倒してやりたい。

 ビールを数口苦々しく飲んだと思ったらこれだ。弱いにも程がある。

 酔ったと思えば爽やかな笑顔で、「京ちゃん京ちゃん」だ。

 曰く、とっても優しい。

 曰く、とってもすけべ。

 曰く、そんなところも好き。

 全く、随分とベタ惚れなものだ。

 これがインターハイ団体個人3連覇、ルーキーオブザイヤーカらの日本代表宮永照の一面だと誰が知っているだろうか。

 これがライバルで、これに歯が立たないのだから笑うしかない。

 しかしこうなってしまってはどうしたらいいのだろうか。

 照の住所はさすがに知らないし、どこに連絡をしたものか。
933 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/30(月) 17:58:41.29 ID:bkIpM2K/o

 6/8

                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/    「照さーん。迎えに来ましたよー」
  //////////〉        込、  __    ,.: /
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、


 そんな中、一人の男性がこちらに来た。

 もちろん、見知らぬ男性に友達を預けるわけにはいかないので素性を尋ねてみると、あの『京ちゃん』だと言う。

 試しに照の携帯番号や、照の携帯に入っている本人の番号や住所まで聞いてみたが全て正解。

 連絡先で妹さんにまで確認を取ったので、おとなしく引き渡すことにした。


 「あっ、貴女も送りますよ。こんな夜中に危ないですし」


 サクッと照を持ち上げておんぶしたと思ったらそんなことを言ってのけた。

 自分がそんなにか弱く見えるのか、と聞いてみる。


 「か弱いか弱くないじゃなくて、男の子は女の子を守りたいものなんです」


 ……そんなナンパなことを言ってのけた。

 ナンパか? と聞くと、『ちょっ、違いますよ!』なんて慌てて反論。

 そんな距離感がちょっと近くてむず痒かった。
934 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/30(月) 17:59:10.24 ID:bkIpM2K/o

 7/8

 案内すると言っても駅までで十分なので、お願いすることにした。

 照とは付き合ってるのか、なんて聞くと真顔で否定された。

 彼は仕事帰りなのか少しシワが多いスーツを脱いで、シャツの上から照を背負う。

 簡単に背負えるあたり、やっぱり男の子なんだな、と年を考えずドキッとした。

 これなら自分も簡単に背負えるな、なんて茶化すと、『勿論ですが、すぐタクシーを呼びますよ』と答える。

 そんなに自分を背負うのは嫌か、と答えると、『男のプライドで女の子を傷物には出来ません。おんぶで落としたら危ないでしょう』と返す。

 それに加えて『男のプライドを捨てるくらいで安全を買えるなら安いもんです』と言ってのけた。

 顔を赤くすると、ニヤニヤと笑う。どうやらからかわれたらしい。

 それでも、この男性との会話がとても楽しかった。


 この男性のことが好きになったという、照のことが羨ましかった。

 こんなに話していて楽しい男性なんて今までいなかった。

 例えばこの男性と恋ができたら、自分は女の子になれるのだろうか。

 みんなからは女の子っぽくないだとか、女の子っぽい格好をしろと言われるが、最近はかなり意識している。

 部屋の中にはプロの初任給で買った白いワンピースが眠っていたり、誰にも見せたことのないぬいぐるみがある。

 最近は人気の少女漫画なんかも読んでいる。……高校時代はラフな格好や少年漫画を読んでいたことは否定しないけれど。


 『京ちゃん』は照と一緒に手を振りながら去ってった。

 ……恋がしたい。
935 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/30(月) 17:59:38.93 ID:bkIpM2K/o

 8/8

 ……
 …


 自分はもう手遅れで、恋愛に関しても宮永照に負けてしまっているのか?

 そんなことはない!

 高校時代の親友は非常に女性的な側面を持っていた。そんな彼女は言ってくれた。

 『女の子はいつまでたっても乙女』と。

 遅かったとしても、最後まで足掻いてみせる。

 それが、俺の戦い方や!

 あの時も思った。『より多く、奪う』

 宮永照から、男を奪う!

 それだけの話なんや!


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`  …‐- :_:_: : : : : : : : : ト .,_ : :  ̄ `ヽ/: /   : : : : : : : :ハ: : : : :  |: : :゚。
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  ´ ̄     ∨: : :{    |: :./ { |:.:{lilノ:.:::::/∧ j′|: : : : :/斗:f斤「_}: : : : /: ||: : : : : : : {
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              /ニリ : / ヽ    :.:.:':':':.:        、     /⌒:, : : : : :.l リ    \
           /ニニr}/   \                :.:':':':. /\ ∨: : : :.′
          ィニニニ∧      、    `ー--  .,,__        /.|  ヽ ∨: : /
     /二ニニニニ∧       \             >=} } } ∧ 乂/
.   /ニニニニニニ=∧       丶         <二二//    ∧
.  /二二二ニニニニニ∧       / > -- <二二二二//     \
/ニニニニニニニニニニ∧         / }ニニニニニニ//        |
 <二二ニニニニニニニニ∧__    /   |二二二ニニ//   /     |
ニ>  <ニニニニニニニニ∧   `   /|ニニニニ/イ  /      \


 照が狙っているあの男は狙い目やな。

 狙っているということはあの男もお相手がいないやろうし、頭ハネ、狙わせてもらうで! カン!


 【女の子はいつまでも乙女だよ】
936 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/11/30(月) 18:05:03.00 ID:bkIpM2K/o
乙女枠。名前だけは出てました
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/30(月) 21:04:10.92 ID:IooNf0zpo
乙です
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/30(月) 21:13:11.63 ID:GfhZ/kv7o
もう嫁さんいるって知ったらどうなってしまうんだろうな
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/30(月) 21:46:38.78 ID:ChB54Rndo
こういう地雷じみたフラグ立てホント好き
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/30(月) 22:43:33.04 ID:r3bvyRXSO
酔った京太郎が嫁さん自慢してるとこに遭遇させたい
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/30(月) 23:45:49.95 ID:24B9TCGBo
乙 予想外の人だった
頭ハネしようにもこっちが聴牌する前にとっくに和了られてるんだよなあ
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/01(火) 00:12:05.96 ID:fn62DlgzO
雀卓ひっくり返そうとしてる人もいるから…
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/01(火) 10:44:36.07 ID:UKl1HXOp0
乙です

京ちゃんの左手の薬指を見ろと言ってあげたいww

そういえば、宮永家は大掃除はするんだろうか?
まぁ、するとしても照さんは掃除に参加させるもらえずに、子供の面倒を見る係りになりそうだがww
944 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/01(火) 18:35:01.75 ID:u1i2n3lXo

 1/11


 さて、今日は家族麻雀の日だ。

 なんやかんやで、家族でグダグダと麻雀をやるのは楽しい。

 三年間で全く勝てなくて、今なお界さんと二人で負け越しているけれども、楽しい。

 きっと麻雀を楽しんでいるというより、照れる咲やドヤ顔をする照さんを見ているのが楽しいかもな。

 また今日も界さんと焼き鳥かなぁ。なんて思いながら駅に近づく。

 すると、路地裏の方から喧騒の音が聞こえた。

 こういったものに関わるとろくなことにならない。周りの人たちはみんな聞こえない振りをしているのだろうか。

 俺だって家族がいるんだ。何かあったら大変だ。

 でもここで見逃したらきっと後悔する。

 そんな思いで一歩、路地裏に踏み込んだ。

 独特の匂いが鼻腔をくすぐる。あまり好きな匂いではない。

 そこには、白髪の老人が壁を背に座り込んでいた。


 「だ、大丈夫ですか!?」


 思わず近寄るが、手で制される。

 大丈夫、という意味だろうか。だがとても大丈夫には見えない。


 「失礼します。よければ救急車を呼びますけれど」

 「ああ、そろそろ迎えが来るから大丈夫だ」


 今度は返答があった。そういうと老人はタバコに火をつけた。


 「でも、傷がついてます。せめて消毒だけでもしましょう」


 半ば強引に近づいて、鞄から消毒液と絆創膏を取り出す。

 思えば、中学時代から咲がよく転んでしまうから欠かさず持ち歩くのが習慣になっていた。

 今は子供のために持ち歩いているが、まさかこんなところで役に立つとは思わなかった。
945 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/01(火) 18:35:59.31 ID:u1i2n3lXo

 2/11

 「ちょっと染みますよ」


 老人は止める気がないのか、俺に身を任せてくれる。

 ポケットのハンカチを取り出し、消毒液を吹きかける。

 ハンカチを見て、毎朝毎朝『もー京ちゃんハンカチは持ったー!?』なんて叫ぶ可愛い嫁の姿を思い出し、破顔する。

 ?についた傷を拭い、手持ちの絆創膏をつける。


 「その、子供用なんで柄はこんなんですが、すみません」


 渋い老人の顔に不釣り合いなカピバラの絆創膏が?につけられる。

 思わず笑いそうになるが、必死にこらえる。


 「子供がいるのかい」

 「? ええ」

 「それならこんな怪しい爺さんには関わるもんじゃないぜ」

 「仕方ないですよ。見逃したらもっと後悔します」

 「損な性格だな」

 「本当ですよ」


 嫁さんもドジなのを引いちゃいましてね、なんて言うと老人は笑った。

 すると後ろから懐中電灯で照らされ、思わず目を覆う。

 わずかに見えた人影も黒服達の集まりのようで、正直かなり怖かった。


 「長生きしろよ」


 フラッシュで見えなくなったはずの老人がやけに若々しく見えた。

 次の瞬間には、老人はどこにもいなくなっていた。
946 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/01(火) 18:36:28.22 ID:u1i2n3lXo

 3/11

 ……
 …

 「ハァ、驚いた驚いた」


 結局何事もなさそうだったので、そのまま帰宅することにする。

 電車を待つホームで、先ほど使った絆創膏とハンカチを見る。

 まるで夢のような気分だったが、血の跡のついたハンカチと、開封された絆創膏が現実であったことを伝えてくれる。

 人助けをしただけだ、忘れよう。そんな気持ちで帰りの電車に乗る。

 普段ならば座れるはずもないのだが、今日は運が良く座ることが出来た。

 帰るときに寝れば帰ってから子供達の相手を出来るな、なんて思っていると、次の駅でいかつい老人が乗ってきた。

 結構な歳をとっているようで、電車の中で立ちっぱなしは辛そうだ。

 そういえば、どこかで見覚えがあるな、なんて思っていたら体が勝手に動いていた。


 「あの、俺はそんなに遠くまで乗らないんで、席譲りますよ」


 正直、これも勇気がいる一言だ。

 最近は老人扱いされると怒る人も多く、素直にこういったことが出来ないのだ。

 心の中では『スッゲー疲れてるし見て見ぬ振りしちゃえよ……』と自分に呆れてしまう。

 だが、こんな性分だ。

 仮にそうして家に帰ったら、咲と子供達の前で笑顔で居られる自信はない。

 それを咲に目ざとく見つけられて、『もー、京ちゃんはいつも気にしすぎなんだからー!』と言われる図が浮かぶ。


 「悪いね」

 「いえいえ」


 席を変わると、老人は座る。

 満員というほどではないが他の場所に移動する余裕もないため、座った老人と向き合う形になる。

 ―――スッゲー気まずい!

 そう思っても移動できず、目を逸らすことしかできない。

 しかも周りの目線も自分に集中しているようで、余計に恥ずかしい。

 さらに、電車が何度か止まることもあり、時間も長く感じる。

 ―――俺が降りるか、この人が降りるかしないかな。

 そう考えたのだが、残念ながら降りる駅は同じだったようで、その間ずっと気まずい思いをする羽目になった。

947 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/01(火) 18:36:56.04 ID:u1i2n3lXo

 4/11

 ……
 …

 「坊主、すまんな」

 「いえいえ」


 結局同じ駅で降りて、お礼を一つもらって別れることになった。

 『うちの孫にもこういう相手がいればな』なんて褒め言葉まで頂いたので、大満足だ。

 さて、今度こそ家に帰るだけ。不思議なイベントが二個もあったんだ。もう大丈夫だろー。


 「よう、坊主。ちょっと道を聞きたいんだが」


 そんな気分で駅から出ると、今までの中で一番の最年長にもなる老人に声をかけられた。

 うわー、こういう日ってあるんだなあ、なんて思いながら話を聞いてみると、この場所で待ち合わせだったつもり友人が、すでに現地に行ってしまったらしい。

 薄情な友人もいたものだ。咲なら『もー京ちゃんったらちゃんと私を見ててよね!』なんて理不尽を投げかけてくるに違いない。


 「ここに行くにはどうしたらいい?」

 「そこだとバスかタクシーですね。ちょっとタクシー呼んできますよ」


 なんて言って、ロータリーを見回すが、なぜかタクシーが一台もない。

 少し電車が止まってタクシーを利用した人が多かったのだろうか。

 この時間ではバスを待つのも辛いだろう。

 ……この人を見捨てるのも、なんかなぁ。

 結局、普段なら絶対にしないような行動を取る羽目になる。

948 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/01(火) 18:38:03.04 ID:u1i2n3lXo

 5/11

 「悪いな」

 「いえいえ、ちょうど家に向かう途中ですので」

 「こんな知らない爺さんに関わるなんて危ないだろう」

 「まぁ、そんな日もありますよ」


 自分の車に乗せて一緒に向かうことにした。

 普段ならば他人にそこまでするなんてありえないのだが、今日はすでに2つもお節介をしたのだ。

 今更一つ増えても仕方ないだろう、そんな投げやりな気持ちもあった。

 ここまでやったなら気持ちよく帰ろう!

 結局、そんなに距離はなかったので大変だったわけではない。

 ただ、連れて行った先が超有名な高級料理店なので引いた。


 「若い奴にしては感心だ」

 「へへっ」

 「ああ、そうだ。

  何かと周りに呼び寄せるタチのようだが、ほどほどに気をつけろ」

 「?」


 老人が最後に残した言葉はわからなかったが、これで気持ちよく帰れる。

 結局、家に着くのが遅くなってしまい、咲に『遅くなるなら言ってよー心配したよー!』と怒らせてしまった。

 咲よ。メールは送ったんだが見てないだろ……。

949 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/01(火) 18:38:45.01 ID:u1i2n3lXo

 6/11

 ……
 …

 「ツモ、う、嘘みたいですけれど、国士無双13面待ちです……」
 
 「京ちゃん!?」

 「京ちゃん裏切ったな! 俺の気持ちを裏切ったな!」

 「これで2回連続役満……」


 須賀咲ちゃんです。

 京ちゃんがおかしいよ! 今日の麻雀、2連続で京ちゃんが役満上がってます。

 一回目は地和。二回目はこれ……。

 まずいよまずいよ……お祓いに行った方がいいんじゃないかな……。


 「ぐ、偶然ですよ偶然!」

 「偶然ってレベルじゃないよ!」

 「京ちゃん。私も不安だから、次の局は照魔鏡で見てみる」

 「そうですね……。何か呪われてたら嫌ですし」

 「京ちゃんが裏切った!」

 「おとーさんうっさい!」


 とりあえずお父さんを黙らせ、配牌を行う。親は京ちゃん。

 まぁ、和ちゃんじゃないけど確率的にはないわけじゃないから、一生分の麻雀運を使ったと思えば……。


 「……うげぇ!?」

 「どうしたの!?」

 「……天和。しかもこれ九蓮宝燈じゃん初めて見た」


 速攻で麻雀卓を片付け、京ちゃんを確保しました。

950 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/01(火) 18:39:14.28 ID:u1i2n3lXo

 7/11

 ・次の日


 「京ちゃん。会社休もうよ……」

 「そんなこと言ってたらキリがないだろ」

 「だって、絶対死んじゃうよ!?」

 「確かに一生分の運を使い切った気がする」

 「ダメダメダメダメ! 絶対に死んじゃダメ!」

 「で、でも仕事が……」

 「もしもし、私は日本プロ雀士の宮永照と言います。

  すみません。妹の旦那の須賀京太郎さんなんですが、体調不良により本日はお休みを頂きたいのですが」

 「照さん何やってるんですか!?」

 「そうだ! お祓い行こう!

  霞さんにお願いすれば大丈夫だよ!」

 「すぐに連絡する」

 「お、大げさだって」

 「じゃあみんなで行くよ! 京ちゃん車出して!」

 「俺が車出すのかよ!」

 「咲、結局事故の可能性が出てくる」

 「照さんがまともなことを言ってる!?」

 「うえぇぇぇん! どうしよー!」

951 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/01(火) 18:39:42.23 ID:u1i2n3lXo

 8/11

                    / / `ヽー、     ー、   `ー /´
               _ -‐ァ'/       ´⌒ヽ  、 ヽ、_ 彡 ´
              /⌒ィ'´ /            ',  \  ヽ
                /´ア´ /  / /       !   ',   ヽ
            ({ /  ノ  / /       ! l    \   、   \
             `Y ィ´   / /    i l  '.   、 ヽ.  ',_  `ー- ←何か起こらないように24時間寝ずに監視中
             / /    /イ/i{    j{ j  、      \ ヾ  ̄´
            , ィア,' イ  /`7〜ヽ   ハ 八  (ヽ    ト、 }  ー、
           j/ / { { イzx、_エ、  j |〜〜、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
             ´ {  ヽハ、{i  佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ }  〉ハ    ヽ.
             ∨   ハ `  ̄   \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ     ハ
              ヽ { j! !    、     } ヽ!  〈 /フ   j!  / リ  「ダル……」
               `ヘハ ト          j       /´j}   ハ ノ
                  `  \  ゚ `   /    / ノ j_ノ ´
             _ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ    / `7=ュ。_
            イ  「ニニニ7   人j  ハ   〈  /ニニニ´⌒ヽ
           ´ i  ニニニ{  /l] `Y  ',   V /ニニ/    '.
               l  ニニニ、/!  [! (   '.   Vニニ7       }
      /     ハ  ニニニニニ|  マ、  ィハ    Vニ7        ′
     /       ',  ニニニニニ|  マ、ィ´  。    V       /
952 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/01(火) 18:41:07.11 ID:u1i2n3lXo

 9/11

              ,...-―:.:.:.:.:.:‐-..、_
                /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::.:.:.:.`ヽ
           /:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.::.:.:::.:i、:::...:.:.:.:.:.:\
          /:.:.::::::.:.::::::|:::::/:.:.:.| 、:::::、:::::、:.:ヽ、
             !:.::::::::/::::::::|::::!::::::::i|  i:::i:::i::、::、.:.:.iヽ、
           | .:: .:: |:: ::::!:..ハ....::::|   i::| .i: i   i i i ←滝行を受けながらお祈り中
            |..::::::i:::|::!:::::|-:| ゙、::::|! ‐i:大ハ:}::i:::::}:l
           | :::::::|::リ.!、::{_、| 丶i| ィ≠i/ |:::j!:::ハ!
          |.::::::;ヘ、! メo!:::i゙   `  b::..}) i、ノ!イ
          |:.:::.{ i::|゙ ー‐'       ̄  !ノ:i.:i
             |;:::::ー-!:!       '    !::::i:.i  「京太郎さん……」
.             |:、:::::::::|:\    ー    /:::/:.i
             |.::i:::.:.:.|/|゙  、 _ ,ィ:::|:.:.:./:.i
           |_;:i .:.:.:|  !    リ \|.:.:.:i..:i
           /  ゙、:.:.|  、_  _/  i!:.:.:.:.ト、
         /    i:_:|   ゙、  /   /!:.:.:.:.i `ヽ
       /        |:::|ヽ   ヽ./  /i.::.:.:.:i   ハ
        / \   .,   !::|  、  ./  / i.:.:.:.:i  / i
      ./ / |.l i V   |::|  、 /  / !:.:.:.:i 、イi  i、
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     /  / | i.| i    !:::!  /  /  i:.:.:.:i   }.|  、!
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  .,.イ  /  .| .|.| 、     )、ヽ /    |:.:.:.i   /|.!   i
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         | V /、:.(:.:.:.:.i!:.:/:./:.:.i.:|.:.!:.:.:!:.:i_,ノ i     |
953 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/01(火) 18:42:04.48 ID:u1i2n3lXo

 10/11

            _ -─‐-  ..._
        ,  '"´. . . . . . . . . . . . . . . .、
       /. . . . . . . ..................... . .. . . . . . .、
     , '. ./. . .. .:::::::::::::/::::::::::::::::::::\::\ . . ヽ
.     / . ./. .:/..:::::::::::::/::::::::::::::!:::::::::::::゙.::.ヽ.::. ゙. ←深夜に裸足でお百度参り中
    / . .'. .:/:/:::::::::::/!:::::::::::::::|、:::ヽ::::::::.:::..ヽ. 
   ,',イ . .!..::!::|::_::-─ |:|:::::::::::l::!ゝ--!、:::::l:::::..l:゙.. .l
   ,'/ !. . |.:::!;ィ´:::::!:L. |:l!::::::::::l::{-ヽ::|ヽ`::l:::::::.l::!. |
   |l |. .::|.:::!:|\:::||L,,.ヾ\:::::ヾ:;ァ=リxzレ!:::::::l::!: !
   || l. .::|::::トゝ,ィ'ヌ :::`ト \`ーY´{c::::。i} !:::::::l:|: |
    \Y:::|::::|ゝ{! {c:::ク|      込_ク λ::::::i|:.:!
.      |:l::!::::! ゙. ` ー‐''       ,, ,,  ,' |!::::::|!:.:!
.      リ|:|::::l\! " "   ′      jイ!:::::::i!:.:|
     0::|:::::l::::|ヽ    「  ̄j     ...イ|::|j:::::::l!:. ! 「うん、千回やろう!」
    /|:|::::l::::::l:::l:::::>....._` ‐   ィ、:::::|:!:/:::::::|!:.:.|
.    {iλ!:::|::、:::l:l:::::,':::::∧| ー ´/ \ヽl:::::/!':|:.:.:!
    `ハ::::!\、ヾ/:::ノ  〉-r<     〉:::/:/::':::::.!
    / .:::ヽ|::::::::::::l__|  人  λ   //::::::::ト、::::ヽ.
.   / .::; r‐'|:l::::::::::!.... ̄.フt≦ ̄ ̄.7´/:::::::::::,'  ` 、:、
  / .:/ |  !|::::::::::|........,イrト、.........../ :::::::::::::,'     ゝ、
. / .::,' ハ ||:::::::::l|─''....八...ヽ_ノ、 |:::::::::::|     /  l
../ .:::::!. !: Уi!::::::,ィ|-、..../ ヽ_..ィ_/ .!::::::::: |   ヽ ./ j  !
' ::::::r'|. l:.:./ /:://,'/   `l  /      |::::::λ!   |/ ./  |ヽ
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954 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/01(火) 18:43:02.99 ID:u1i2n3lXo

 11/11

 ・先日 高級料理店

                 _____
              ´        `
.         /             `丶
          /;'"`';,、                 \
.         /     `';,、
      ,'      `";;,    ',         ',
       {       f'′     !       i     }
.     γ⌒ヾ  _`,;'           ',
     { { rノヾ''''"       ー- 、     }   .{
      ', 、 {          ミ 、' ̄  ̄彡  ノ |
      从ヽ}         ` ` ーf弍ァ `ヽ ,.' 〉}
.      /''´ー、     ヽ     -‐ノ     {tッ' ′
     /     i     ',            v'
、    ′   |       }      ィ       ',  「珍しいガキに会ってよ」
:::\/     |           /     ー ノ
::::::∧     \       厂___  ´/
::::/::∧    !   ヽ    {   _ _    /
:::::::/ ∧  |:     `\ 、,,`     ` /
:::::::: /::∧ :!:.      ', ゛'',,. ,, ,,/
:::{::::::::/::∧ |::.       /ヽ;, '`´:;/


   /::::::::::::::::::::::/       `´゙,
.   i:::::::::::::::::::::::;'    \   i   |
   |:::::/ヘヽ:/ -、 -r-ミヽ 〈   !
   |::〈        " `゙´-  ´ノ-‐}
   |:::::、                以/
.  |:::::::;ト、      _,.     i |
.   |::::::ノ  i    /    、 .,ノ/
  |''"´  |,   f´ ー-、__   | / 「こっちもいたぜ。っていうかシゲちゃんかわいい絆創膏つけてんな」
  /     \, , , ,   ー-ニ\
'´〈_   |    \/ノノ/ /i i / \、
   \  |     \/,ノ///
    \|       /  ̄´


    //    l l
 //    川     ヽヽ
   //     川
ノノ   ノノノ       ヽヽ
.     ,  ト、ヾ  .,ヘ i
 ノノノ ./} ll.| .} ll ./ リ|  ll
    ,.ノフ .メ./ ./   .| ll /
ll 「´ ー '"∠ へ    _| .ム
 .| . ゙゙̄¨'tァ‐-, ,,, / レ"
!!,' ヽ` ‐--‐ ,;;'' :├-tァ‐,-
/   ` ー ''´   : ト-‐ ´  
     ,. -‐"   : |-‐ ´ ./
    /   '´− ' ト、  / 「ククク……」
ヽ  /  '‐- 、_   ¨´ }./
. ヽ        `¨''→ /
.  ヽ     ヒァ   , '
.   ヽ        , '
    \     /|\
      /\/:::::::| l`ヽ、



 なお、次の日の麻雀ではよわよわダメダメ京ちゃんに戻りました。カン!
955 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/01(火) 18:44:07.46 ID:u1i2n3lXo
 原作で老アカギ53、南浦68、大沼72なんで、それより10歳上乗せするイメージ
 アカギの病気なんてなかった
956 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/01(火) 18:49:33.47 ID:u1i2n3lXo
 またタイトルミス

 926
 京ちゃん、麻雀で覚醒!
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/01(火) 19:09:24.77 ID:nOx6uStvo
乙です
所々重い人たちがいますね…
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/01(火) 19:52:01.63 ID:XYdYfPK1o
シロ→だいたい割といつも監視してるだろうし、たまに24時間頑張ってみることもできるだろう
霞→滝行はつらいとはいえ前職に縁のある行為、何度も繰り返してきた(?)人生の中で何度か経験はあるだろう
クロチャー→人生でまずやらないであろう苦行を率先して笑顔で10倍ノルマ

うーんこの
959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/01(火) 20:11:11.72 ID:mb3YF76uo
クロチャーの重さがだんだんクセになってきた
クロチャー好き好き
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/01(火) 20:14:59.25 ID:3HRJ4u3SO
乙乙
なぜか最初にハンタの奇運アレキサンドライト思い浮かんだ
照魔鏡の結果みてみたかったなあ
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/01(火) 21:13:37.61 ID:g7dwv1/2o

大沼プロ裏麻雀に浸かってんなあ
962 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/02(水) 17:16:45.32 ID:2qOC2g4po

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 私、松実玄は大学で友達になった京太郎君に恋をしています。

 キッカケは簡単で、東京の大学に進学した私は写真サークルに入っていました。

 1年生の頃は細々とやっていたんだけれども、2年生の時の見学会の後の飲み会の時に、事件は起こりました。
963 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/02(水) 17:18:01.65 ID:2qOC2g4po

 2/6

 ……
 …


 『うおー! 松実先輩かわいいー!』

 『俺、松実先輩目当てでこのサークル見に来たんだよねー!』

 『あうあう……』


:::|:::::/〃   斗-- 、 ヾメ、ヽ /::::/.: :/:::::/::::::::::::::::::::/::::::::::/}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
:::|:::/   /   {~⌒ヽ_ V》. {:::/ : : :/::/ /:::::::::::::::://:::::::/: :/:::::::/}::::::::::::::::: ど お ::::|
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:::|::|  ん  〃⌒) v‐ ' } : : : : : : : : : : : /::::::::::/:⌒//: : : :./::/: :/::::::/::::::::: し  .l ::::|
: W __{   {{ し' 〃  / : : : : : : : : : : :/::::::/: : : 斗=≡メ: ://: : /::::/:::::::::::::: よ .ち :::′
:::| (  ゝ⌒) `− ´  ./ : : : : : : : : : : :/:::/ : : : : : :  , -‐-ミx : : :/:/}::::::::::/:::::: う  ゃ /
:::|  〉- <\\\\ : : : : : : : : : : :.//: : : : : : :./  {   )ヾメ/: :/::::::::/::::::::: :  ん/
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::|l.  } /´               : : : : : : : : : : : : : :{ { { し 〃   }}/:::::::::/:::::::::::::/://
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:::::::ヽ} }                  ′  \\\/   `ヽ}/::::/:::::::/:::::::::|
::::::::::::\   斗-―-                 \\>- r' \/:::::::::::::::::::::|:::::::::|
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 飲み会に来たのは、いわゆる女の子目当てでサークルに入るような人たち。

 それ自体は珍しいことではないけれども、自分がその標的になるなんて思ってもいなかった。

 それこそ、かわいい女の子やおもちの大きい女の子はいっぱいいるのに……。

 他の人なら標的になってもいいなんて思わないけれど、とっても辛かった。

 そんな時、彼が声をかけてくれた。
964 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/02(水) 17:18:31.38 ID:2qOC2g4po

 3/6


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     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
.      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.
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     / _,/:.:..|  ::| \ !           j/        ′/:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:. 『あの、松実さんって、阿知賀女子の人ですよね!?』
        / :.:.:.:.:{  ::|\ハ_,          ノ            ,___/{:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.∧
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 初対面の印象は、見覚えのない金髪に、高身長でちょっと怖かった。

 あとあと聞いた話では、彼と私は30cmも身長差があるらしい。

 普段ならば見た目で判断することなんてないと思うんだけれども、この時は状況が状況だったからそう感じたんだと思う。


 『あっ、いきなりすみません。

  俺、清澄高校出身の須賀京太郎って言います。

  三年前、松実さんと決勝戦で戦った高校の男子部員です!』

 『ふえっ?』

 『あの決勝戦、照さんたち相手にドラ爆ぶつけた松実さんが印象的で覚えてたんです!』

 『そ、そうなの?』


 確かに間違ってはいないが、まだ怖い。


 『お前ら! 松実さん困らせるなよ!』

 『げっ、須賀だ!』

 『コミュ力の魔物須賀だ!』

 『はいはいー、俺たちは男同士で親交を深めましょうねー』

 『やべーぞ俺たち攻略されちゃう!』

 『須賀……、いいよね……』


 だが、それだけ言うと彼は周りの男の人を連れて別の席に向かっていった。

 どうたら、他の先輩たちに挨拶に行くらしい。


 『松実さんすみません。こいつらも悪い奴じゃないんです』

 『須賀ァ! 一人だけポイント稼ぐ気じゃねーか!』

 『ちーがーいーまーすー!』


 わたわたと大きなアクションで男の子とやりとりをする彼を見て、クスリと笑った。

 気づけば、恐怖はなくなっていた。
965 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/02(水) 17:19:25.67 ID:2qOC2g4po

 4/6

 ……
 …

 『須賀君、この前はありがとうございます!』

 『いえいえ、松実さんが美人で盛り上がっちゃったんですよ』

 『も、もう! 他の子達は入らなかったみたいだけれども、須賀君は入ってくれるんだ?』

 『……ええ。ちょっと写真に興味がありまして』

 『そうなんだ! じゃあ私が先輩だね!』


 それからは先輩と後輩として、仲良くなって。


 『松実さんは麻雀サークルには入らなかったんですか?』

 『うん。麻雀も好きだけど、写真も好きなんだ』

 『へー、なんだか意外です!』

 『それに、麻雀はあの時に燃え尽きちゃったっていうか……。

  プロを目指す人たちとはまた違うからね。

  阿知賀のみんなで麻雀をやるのが目的だったんだ』

 『あの試合、凄かったですよね。

  玄さんはどんな写真を撮るんですか?』

 『綺麗な風景とか、何気ないものを撮るよ!

  美人な人とかも撮らせてもらうかな? ……おもちな人を』

 『へぇー。じゃあ写真撮ってれば美人に声をかけてもOKってことですか!?』

 『もう、須賀君! 不純な気持ちはダメだよ!』

 『大丈夫です! 美人といえば松実先輩でしょ!』

 『ふえっ!?

  せ、先輩をからかわないの!』


 他愛もない話がとても楽しくて。
966 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/02(水) 17:20:39.69 ID:2qOC2g4po

 5/6

 『須賀君。

  そ、その、京太郎君って呼んでもいいかな?』

 『……!?

  マジっすか! 超うれしいっす!』

 『よ、良ければ私のことも名前で呼んでくれないかな。

  お姉ちゃんがいるから、名前で呼んでもらった方が分かりやすいんだ』

 『わかりました! 玄さん!』


 気づけば胸がドキドキして、彼から目を離せなくなって。


 『じゃあ、写真撮りますよー』

 『こ、これでいいかな?』

 『玄さん表情固いっす……。

  ……よし

  玄さんは美人で超可愛いんだからもったいないですよ!

  玄さんかわいい超かわいい! 世界一かわいい!!』


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           /:..:./..:.:.:.|.:.:.:.:.:.|  ミト、     ィj/     ミト、     ィj/ | :.:.:.:.|:.:.:.:..:.∧   『……!?』
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 『いただきっ!』

 『だ、だめだよ京太郎君。消してー!』


 例え冗談でも褒めてくれる彼にドキドキが止まらない。
967 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/02(水) 17:21:13.32 ID:2qOC2g4po

 6/6

 ……
 …

 そして今、彼の家でじっとしている。

 何かと面倒くさがりな彼と、面倒を焼きたがる私。

 気づけば料理を作ってあげたり、お弁当を作ってあげたり、掃除をしてあげたりするのも日課になっていた。


 『玄さん。そんなに無理しなくてもいいんですよ?』

 『ううん。私がやりたくてやってるだけだから!

  あっ、迷惑だったらすぐ辞めるから言ってね?』

 『迷惑だなんてそんな……』

 『そうだ! 京太郎君の好きそうなおもち本を見つけたからいつもの場所に増やしておいたよ!』

 『……!? えっ、どして!?』

 『この前掃除した時に見つけちゃって。

  で、でも男の子なんだから当然だよね!』

 『は、はぃ……』


 そんな会話も楽しいんだ。

 今日は朝の4時にお邪魔しました。今日の京太郎君はお昼から授業。

 今は物音を立てることが出来ないので、暗い中じっと京太郎君の寝顔を見つめる。

 そのままだいたい3時間くらい見つめて、京太郎君が起きた時用に朝食を作る。

 目が覚めないように気をつけながら掃除をする。掃除機を使えないけれど苦には思わない。

 朝食は白いご飯とベーコンエッグ。

 念のため昼食の仕込みも済ませておく。


 ―――いつかこんなことをするお嫁さんが京太郎君にもできるかな。

 きっとそれは私なんかよりいい子で、おもちも大きくて、家事もうまいんだろうなぁ。

 でも、京太郎君が幸せになってくれるならそれでいいんだ!

 お姉ちゃんへ。私はとっても幸せです!


 カン!
968 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/02(水) 17:22:22.26 ID:2qOC2g4po
 グラビティですが無害です
 既婚者の家を掃除するイメージがどうしても湧かなかったので平行世界にしてみる
 次スレはこんな感じで平行世界もやっていきます。希望のお題があれば平行世界でもOK(単体カプなら咲照淡玄霞白セラ)
969 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/02(水) 17:27:41.07 ID:2qOC2g4po
 毎日やらかすタイトル後付け

 925
 他人の家を掃除しだすクロチャー【平行世界】
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/02(水) 17:28:25.48 ID:bHO6QX8oO
京白で最高に幸せな生活を見せて欲しい!
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/02(水) 17:37:41.08 ID:55NJv0hpo
霞さんの平行世界の話しまた見たいな
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/02(水) 17:42:57.48 ID:qrzwijnmo
シロ霞玄と宅を囲んだ結果、照魔鏡でいろんなものが見えてしまって悶絶する照とか
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/02(水) 19:16:43.11 ID:toEo+YnSO
無害…なの、かな……
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/02(水) 19:29:36.93 ID:l32pflIlo
乙です
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/02(水) 22:52:19.57 ID:nJdZikiM0
お題
竜華の病んでしまった理由
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/02(水) 23:52:47.04 ID:bdP2gC77o
このスレには平行世界が存在する
つまり霞さんがガチで平行世界の渡航者な可能性が再び浮上した……?
977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/03(木) 07:22:23.60 ID:QitOn+hH0
乙です

無害……無害?……無害って何だっけ?

お題:テルーの公式戦を観客席の最前列で見学する京咲
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/03(木) 07:36:11.75 ID:R5ly8W1Uo
照さんが京ちゃんへの恋に堕ちる瞬間
979 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/03(木) 16:49:54.80 ID:JWIYGgf0o

 1/8

 971
 霞さんの平行世界の話


 私と彼の出会いは、高校最後のインターハイだった。

 私は小蒔ちゃんの付き添いとして、インターハイまでやってきたの。

 高校最後の麻雀として結果を残せず、少し消沈したいたわ。

 清澄高校。全くのノーマークから勝ち進んだダークホース。

 2位抜けすら出来ず二回戦敗退。

 本当の目的は小蒔ちゃんの個人戦とはいえ、不甲斐ないわね。

 そう感じながら少し席を外して歩いている時に、それは起こった。



          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |
.      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |
     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
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     / _,/:.:..|  ::| \ !           j/        ′/:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:. 「咲! さっきの試合凄かったぜ!」
        / :.:.:.:.:{  ::|\ハ_,          ノ            ,___/{:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.∧
.    /:.:.:.:.:.:.:.::′ ::|:.:.|\圦                       / j/l/.:.:′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.∧
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980 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/03(木) 16:52:42.63 ID:JWIYGgf0o

 2/8

              . . -―━━━━―-. . .
            . :´ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `: .
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       l/       丶    ',    l:::::|   ゚'*。    ゚'* \\



 そう、それは運命の出会いだった。

 彼が話している相手は、私と戦った宮永咲さん。同じ高校の人なのかしら?

 いえ、そんなことはどうでもいいわね。

 そんなことよりも、彼を見てから私の調子がおかしい……?

 胸がドキドキして、動悸が治まらない。

 落ち着くのよ、霞。六女仙たるものいついかなる時でも冷静に、冷静に……!
981 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/03(木) 16:53:49.20 ID:JWIYGgf0o

 3/8



   /  /     |  ハ       |  | i 、 ヽ  \     \_
.   i  /     |  | |       |  | |、 i  ゙、 、 \_     _>←霞視点
   |  i   | i  |  | |       |  ハ ハ _i!_ i   \ ヽ` ̄ ̄
   |  |   |+--|、_|! |   | i! ,/.ィ'|"i´ ハ  | i  ヾ 、 ヽ キラーン!
   |  |   |.|ヽ |、_|王!ー  |./i .;"´/=、!/ | ! |   \ 、i      人
.   !. r|   i.|、!,,ィ'":::._iミi!  |/ /彳:::: r:!ヽ,| ,イ | 、_   \      `Y´
.   | |^!.  N 《 _、o;;;;i_ 丶、/ / ┴゜‐'"´ !イ | λ i` ー--ヽ
    ! | i、i、 ゙、  ` ̄ ̄   メ(        /^|イ `、|
   ノi \ヾi:.、、         i!      i ノリ   `
    |  ヽ__i                 |イ|/
    ヽ i、  i    ____....,     |/
      ヽ!、  i\   `ー-- ―'´  /、!
       i !i 、 \     ̄´  /!/       人
         |ハ,i、! 、 \      / ./.|       `Y´
         ト、! ゙、  `ー---'′ /|V




.   ′:::::′:::::::::′::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::/ ':::::::::::::::::::::::. \
   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::′ ':::::::::::::::::::::::.
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   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::l:::::::::l:::i-l:: l‐::::::::::::: |::| ---|:::::::|l:::::::::::|   |
   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::l:::::::::l:::|八::|:::l:::::::::::::|::|__,  |:::::::|l:::::::::::|   |
   |:::::::: l :::::::::::|l::::::::::::|\从::l __}八{:::::::::::::l:ノ    从::::リ:::::::: 八 j
   |:::::::: l ::::::::::八::::::::::|  ,,xぅ斧笄ミ\::::::::|斗ぅ斧x )/:::::/:/  ノ
   |:::::::: l ::::::::::::::::\::::| 《 h __j刈   `ー┘ h__j_| 》厶イ イ
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::个゙  乂廴ソ        乂_ソ ,′:::::::|
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::::|               ,      ,′:::::::::|
   |::::::::┃ : :::::::::::::::::|    ``         `` ,′:::::::::::| 「(わぁ……! かっこいい!)」
   |:::::::::‘:::::::::::::::::::::::|\       r‐ ┐    人::::::::::::: |
   |:::::::::::‘:::::::::::::::::::::|::|       ` ´    イ:::_:_:__::::::::八
   |:::::::::::::‘:::::::::::::::::::「:|    `       ....::|:::::l:/ / /^Yヽ
   |:::::::::::::::‘:::::::::::::::::|八       T7^\:::::|::: / / / /Y^,
   |:::::::::::::::::‘:::::::::::::::|\\     //  `丶/ / / / | !
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 -‐'^´     ‘:::::::::: |   \\ //    / / / /  /   ト、


 うん。冷静になるなんて無理よ!

 思えば、出身地や霧島神社にはお爺様しかいなかったから、若い男の人と会ったのはこれが初めてだったの。

 私の男性観は少女漫画くらい。

 それも、当時は知らなかったのだけれども比較的描写が軽めの物ばかりだったわ。

 そんな中、高身長で体ががっしりとした彼に出会って、一目惚れしてしまった。

 一目惚れなんて漫画の中の世界だけだと思っていたわ。

 でも実際に会った私は、帰った後も胸がドキドキして、ずっとあの男性の顔が浮かんで、ボーッと過ごすことが多くなった。

 名前も知らない男の人。それが最初の接点だったわ。
982 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/03(木) 16:54:28.09 ID:JWIYGgf0o

 4/8

 でも、彼との出会いはそれで終わりだった。

 彼は宮永咲さんととても仲が良さそうで、もしかしたら付き合っているのかもしれない。

 そう考えるだけで胸が締め付けられてとっても辛かった。

 本当はここを飛び出して会いに行きたいけれども、そんな勇気もなかった。

 第一、見ず知らずの人にいきなりそんなことをされたら引いちゃうわよね……。

 何もできず悶々としている私に妙案が降りてきたのは、次の日だった。


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::l:::::l:::l::l l: /l:::/  :|::/ ,x≦斧⌒|:::::::::::::|
::l:::::|八{ l/´|/,,_ノ´   h_刈   |:::::::::::::|
::l:::::|  x≦芹⌒`     辷ソ  |:::::::::::::|  「神様の力を借りましょう!」
::l:::::l /{h_j刈           '''  |:::::::::::::|
八从{ 乂_少^        、     |:::::::::::::|
ー ||                      八::::::::::
`ー:||、             _     /::::::::::::/
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 今の何もできない状況からは何かが変わるはず!

 初美ちゃんや巴ちゃんに相談しても呆れられるばかりで何も進展しなくて、私は焦っていたの。

 私が降ろせるのは悪神様。例え、それでも構わない。

 何か一歩前に進めるのならば、私に迷いはなかった。
983 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/03(木) 16:54:57.14 ID:JWIYGgf0o

 5/8

           ,  ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::..ヽ
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;、:.:.:.:.:.:.:::::ヽ:::..:.ヽ
       // .:./..::::/.:::;:::::::::::/ ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:';::::....;
        /,'::.:::;'.:::::/.:::l!::::::::::;'  .';::::::::::l:::::::::l:::.:.:..i
        /.i::::::::|:::lL::-亠 : :::l  ̄丁T!::‐!::::::l:l:::::.:.::|
.       i !:、::::l::::l!、:_」L::::l:::l --+HL_:::l:::.;リノ:::.:.:...|
        ! .l:::::トゝ:!´__::_ヽ:川  ,,z=-zy/j;イ:::::::::::::::.|
        | .l :::::. lv'筰:卞 ヽ. ´ b::::::::jヽ .!l::::::::::::::.|
       l ::::::::l! .辷.ノ      ー.―   ll::::::::::::::.|
          l :::::: l. ,,,    '     '''    'l:.:::::::::: .|
        l::::::::::l             /l:::::::::: .| 「神様! 私はどうすればいいのでしょうか!」
.         l::::: :::.l.    ャー‐ッ     /:::l:/::: :.l
         l:::: ::::::>...            イ:::::/ :: ::::::l
.          l:::: :::::::::::::>.....___ <  |:l:/:::: ..::::::'
          l::: .:::::: :::::/:::::l     /:::::::::.:::::: /
.           l::: :::::..:::/{:::::::|    /::::::::.:::::::::/
          l:: .:::.::/ ゝ´ll  /,':::::::::::::::::./> 、
         l: .::::::///  ! / /::::::::::::::: イ./   ヽ
.           l:.:::::/  ,'  /  /::::::::::::::;.' /    | .i
.          l=;/   l /   ,;:::::::::::::::,' /       ! l
           ,':::l  ./      i:::::::::::: / /    / l! .l
        /::丿, '     /!:::::::::::;' /    /     !



          _、ー 、_,. -- 、
       >  `       \
      ∠  "          ゙  ヽ
      /. " " " " ノヘ ゙ ゙ ゙ ゙ l ←降りてきた神様
.      イ ." " ,イ ,イ|||l| ト、i、゙ ゙ ゙|
      lイ."ノlノ|レH|||||N||Nヘ.゙ ゙ |
      h |:=== u::_ ===::||^i│
       |f.||: `ニ゚´::|.| `゚ニ´ ||リ|:l 「知らん、寝ろ」
      ヾl| u , r|」、 、  |レ'/
         !ヽ、l ──- | ,.イ '/ 
        `ヘl\ =  / |:\
       /::|::::::`ー ´   :|::::::ヽ、_
 _,. -‐'''"´|::::::::l::::       /:::::::::| : :``'''‐- 、.._
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984 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/03(木) 16:55:26.51 ID:JWIYGgf0o

 6/8

 私は神様の言う通り、床についたわ。

 早く眠らなければと思えば思うほど焦って寝付けない。

 あの人のことを考えれば考えるほど胸がドキドキして眠れない。

 逸る気持ちを抑え、何とか眠りについた。

 ―――そして私は、平行世界の存在を知ることになる。
985 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/03(木) 16:56:04.11 ID:JWIYGgf0o

 7/8

 ……
 …

 そこに広がるのは、彼との毎日。


 『霞さん。フランス語わかります?』

 『い、いえ、まったくわからないです……』

 『ですよね。どうしたもんかなぁ』


 たくさん辛いことがあって、多くのものを切り捨ててきた。


 『ジェスチャーでもなんとかなるもんですね』

 『京太郎さんはすごいですね!

  海外の人ともすぐ仲良くなっちゃうんですもの!』

 『い、いやァ、照れますよ』


 それでも、一歩一歩進んでいって、本当に欲しいものだけは手を離さなかった。


 『霞。行ってくるよ』

 『京太郎さん。行ってらっしゃい。

  お怪我はしないでくださいね?』

 『うっ、でもハンドボールって接触競技だからさ』

 『もう。私と娘で泣いちゃいます』

 『そ、それは困る! 絶対勝って、怪我しないで帰ってくるよ!』

 『はい……っ! お待ちしております!』


 だから私は、幸せです!
986 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/03(木) 16:56:34.75 ID:JWIYGgf0o

 8/8

                ...-―――-...
               /:::::::::::::::::::::::::::::::::\
             /::::/:::::::::::::::::::::::::ト:::\::\
           /::/::/:l::::l::::|l::l::::::::::::i‘:::::::ヽ::::ト、
           .:::::l::::l:l:l::::l::::リ:ハ:::::::::リ-‘:::|::|l:::|i|
            |:::::l::::l从/i::// }::::::/__ l::|::リ:::|i|
            |:::::l::::|,斗≠ト 厶イ,斗=ミル::::::|i|
            l::八:::l〈 V炒    V炒 〉|l::::::リ | 「神様、こういうことだったのですね!」
            |:::::个ト、 ,,    、  ,,, ,小::/ !
.          ‘::::::i:∧      __     //::/  ノ
             ‘::::i::::分、   ` '   ...:i/::/i
             ‘::∨:::::::i〕i=-  -≦::/::/:::|
            ‘::i:::::l:::|∧   l ∨:/::::::|
             /‘:::::l:::| ∧_// ∨:/::::|
            /  /‘卅li   ∨/  W:::::::ト 、
        ∠   i  |:i::l|\   /  |‘::::::::|   \
.        ∧ `ヽ l _|:l::リ_ヽ./  / ‘:::::|\  i‘.
       ′'.   V´ ノ::/  / ̄\/   ‘:::\\i i
.           \ //:::/  /   /⌒ヽ   ゞ===ニ≧ミi
        i    \::::/  /   /     ∨/      ∨ノ
        i     -==ミヽ /_  /      }'         ‘.
        |  〃    / ̄ `丶       i         i
       〈  {i   〈 ,ィ  、   \  ノ        ノ
        |\八   ∨⌒ト、 〉 ! ! i/        /{
        |  \\   ヽ  }/}_j_j_,ノ⌒>=-- -=≦  |


 そして全てを悟った私は、しばらくお布団の中から出なかったわ。

 初美ちゃんや巴ちゃんが何度も起こしにきたけれども、決して起きなかった。

 お父様やお母様が心配してくれていたけれども、私は平行世界を見ることに夢中になっていた。

 私と京太郎さんが結ばれた未来を見て、起きればそれを忘れないようにすぐにノートに記述。

 その作業に慣れてからは自分で理想の世界の記述も始めた。

 白望ちゃんと出会ったのもその時。

 そして家を出た私は小説家としてデビューし、今に至るの。

 それから10年間。咲ちゃんや白望ちゃん、玄ちゃんとも仲良くなれたわ。

 今がとっても充実していて嬉しいわ。

 ……今回はこんなものかしら、今度はもっと詳しく、平行世界のお話をしましょうね。カン!
987 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/03(木) 16:57:52.40 ID:JWIYGgf0o
 もうちょっとがっつり平行世界の京霞書きたいのでネタバレにならない程度
 次スレ建ててきます
988 : ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/03(木) 17:06:54.13 ID:JWIYGgf0o
 次スレ建てました
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1449129501/

 ↓以下、お題なり雑談なりで埋めちゃってOKです。ご協力いただければ幸い
989 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/03(木) 17:09:36.53 ID:GemWtlySo
姉妹喧嘩をうまく仲裁する京太郎
990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/03(木) 17:59:14.98 ID:CBXCJHGSO
いろいろ乙
お題はマスオさん状態の緊張を京太郎が克服した瞬間
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/03(木) 18:02:06.79 ID:XrVNqbVQo

これは面白い
992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/03(木) 18:32:27.84 ID:70miu3mpo
乙です
父の日(or母の日)に子供たちから似顔絵をもらう宮永夫妻
993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/03(木) 18:48:14.90 ID:Tsf/WlSmo
白望の平行世界で幸せそうに暮らす京太郎
994 :埋めネタ ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/03(木) 20:11:51.78 ID:JWIYGgf0o

 1/3

 【クロチャー軽くなる】

              , r ───−- 、
           r '´ : : : : : : : : : `ヽ、
         ./ : : : : : : : : : : : : : :\
        / : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : ヽ
       ./ : / : : / : : : : : :|: : : : : : :ハ: : :ヽ : ヽ :ヽ
      / : / : : : /: : : : :l: ::j: :|: : : : : | }: : : :ヽ: ::ヽ : ヽ
      / : :{ : : : ::{: : : : :ノ:ノ}:::ル: : : : リ、}::ハ: : ヾ,: ::}: : ハ
     .{ : : | : : : 」; 斗七´/.}:/.}: : : :リノ }`ト;、: :}:}:: l ; ;} }
     ! { : :! : : : :!: : :ノ':/`/' .j: : : ://  .リ |: 外|: :l: : ト|
     .|::l : ::| : : : |:/,r=≠ミ /: : ノ ' ,r=≠ミ/ |リ:: :| :ハ}
     .|::|: : :| : : : | 《{////゚} ´    .{//゚/}.ヾ|: : : :|/' ' 「(最近、玄ちゃん元気ないな……)」
     .|::| : ::|: : : ::| ヾゝ//ソ       リ゚/ソ‖!: : ::Y|
     .|::|: : :l: : : : |  , , ,      ,   , , ,  .j:::: : :|:|
     !:l : : :{: : : :{                l: : : :|::!
     }::l : : :l: : : ::{               .j : : :リ: |
     .}::i : : :l: : : ::ト、.     ⊂⊃    .ノ: : : ::j: :|
      l: 〉: : :〉: : : :V>、         rl'´リ: : : :/: リ
     .} :∧: : :W、: :ゝ、_.|_` ー __, ィr<、: |:/': : ::/ : /
     ノ : : :ヽ: : :ヽ:\ヽ   ̄ ` ヽ、{ _, r'  フ: ::/:: /
   / : : :r‐'ヽ: : : : ∧           /:/: : :∧、
 ,/': : : ::/  .∧: l: : ::ヽー-        ./: : : : :∧: : \
//: : : , r'ー-  ∧l: : : :ヽ   ー-−  j: : : : ::/ ) 、::ヽ::ヽ
/./::/     `> 〉: : : : }         l: : : : /r'´  `ヽヽ:)
! {:/ヘ        ノ:,: : : : :ト--  ___, -{: : : : {     ハ V
 V ∧      ノ' .|: : : : :}   `ー-'´ ヽ、: : l:ゝ   /.}



                -‐‐…‐‐- ..
               ´: : : : : : : : : : : : : : : : : 、
          /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
        , : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : : : :.
        /: : : : /: : : : : : : : : : : : : : ハ: : : : : : : : :.
       ; : : : :.:′: : : : : : : : : ノ} : : : : | : : : : : : : ハ
        : : : : : :{: : : : : : :.}:_ ∠ |: : : }: |: ハ : : : : : :.:.l
      i: : : :{: :|: : : :^T:フ/   |: : :八「 T}:‐: ハ: : : :l
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    ./: : :∧j:人{:.八:八     T〔 :| : : |: : |: :.:イ
     ′: : : ハ: : : :.iノ\{ー-    l }∨ : |: :ノ: : : {
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   /   、    |: : :|\__ ,∧    \__{__ .|: : :|  
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  i      ', |: : :l    } __ ノ} ├一く: : :.:|  ノ  :i
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995 :埋めネタ ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/03(木) 20:12:29.76 ID:JWIYGgf0o

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 ・数日後

                   __
              . -'" ̄     ̄`   、
            /              ヽ、
            /      .  . . . : : : : : : . . .  \
           /    .:r . : ! : : : |: : : : : :゙.: : : : ヽ:.\
        /    .: :| . : : !.: : : :| : : |: : : l!: : : :ハ.:l: : .ヽ
        ,'     ..: :|. : : :l: : :∠L: :l|: : :l:|l: |: :l :| :!: : l:ハ
         !   . :l.. : :|. : : :|:///:/:/|: :/l/リTTヽ: !: :.i!:.|
       ,  l  . .:|.. : :!: : : :!/ "´'" '" ´  l从:!: |: :,'l: !
        |  l . : :|: : :.|: : : :l  ,ィ==、    ,ィ=、リ!: :l:/ l/
         l.  ! . :.:|: : λ: : : !           {: :.| ´
         !.  l . :.:|: :/ |: : : :.l """     , "" l: :.:!
       ,  .| .:.:.|:k  !: : : :.l      ___     |: : |  「聞いてお姉ちゃん!
      ,   .:! : : :!:ハヽl: : : : |    r.{_::::;ノ   ..イ: : :l
       .  : : !: : :|:ハ: :!.: : : :ト 、  \ヾ _..ィ´: |: : :j     私軽くなったよ!」
        .: : :l : :|'\∨l:ト: : :l   ` ァ、 ヾ.:.:!: :.:|: :./
      '  . : : :.! : : : :.`゙、ヾ\ヾー‐ァtノニヽ: |: :_!_,':!
     .  . ;.r‐''ヽ: : : : : :ヽ、r''ヾ!ヽ'_/─, | ト-y'/_: |
        /    \\: : : : ヘ\:::::::〈 ‐(_!ノ'゙ Y /  ヽ
     ,'  .!     ヽ.\: : :∧<:_:/l  ヽ   .|   λ
     /  .:l         Yヽ: : :K_::::}、  } ノ    l ゙.
    ,  .: l         } ヽ: :.ヽ. Y \  /   Y   !
.   /  . : ハ       ∨  ヽ: ,L/   ヽlヽ   ヽ  !
  /  . :/: :.ヽ       ヽ   Y      `l    丶 l


/  /  . : . |  . : |. : . : . :.|.|| . :  ゚,: . 。: .   ゚。
  .:′. : . /: |  . : .:|. : . :} : /|.||. : . |.: . ゚: ..  ハ
  ゚ . : . 。 : .| . : . :|. : . 斗匕"「||. : . ト、 : :。_/i! :
 .° . : . ゚ : /| . : . 斗匕´: ./: / j/1 . : / | |\: .! ̄`ヽ} }
 ′. : . |..: .|. : . : | . : イ:/ 〃 ′:../j:/ jノ |: .|: .  || |
/ . : . : |...../|. : . : |_/ノ.-=示ミ / :/〃    :...j. :j :゚}.i
 . : . : . | 〃:。 . : . : .| 〃|゚:i:i:i:i:i:i:|/イ     示ミ|ィ: . / / j:′
. : . 。 : .lー<゚. : . :.|《  ,)、:i:i刈|        |爿∨/ィ′
. : . :°: |⌒ヽ゚: . : .l  込:.:.:.:ノ      リ:!/|: . |
. : . :..゚, :.|   :, : . :.:,    ¨¨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.¨:.: |: . |
. : . : ゚,:.|     :, . : .:′  i::i::i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.i::i:.|: . |
. : . : ..゚:|\__,゚. : . :,                |: . |
. : . :  八.--〈 ゚, . : . ′     ( ー―ァ    丿.:..│  「すごく…うれしい…っ」
. : . : . : \. .\:,. : . ,        ̄  -=ニニニヽ:.ノ
\.. : . : . : \ . ゚, . : .′   __   ィニニニニニニム.―┐
. . .ゝ . : . : . : ヽ..゚,__/ヽ ¬/ ノイニニニニニニニニム  「ヽ
. . . . \>  。: . :/  ヽ  ‘ , }ニニニニニニニニニニニ} } 「}、
. . . . . . \. . .}\ / \   ‘:,  } ノニニニニニニニニニニニ|..ノ // 〉
996 :埋めネタ ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/03(木) 20:12:58.82 ID:JWIYGgf0o

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                 .. ----  .
             .  ≦        ミ  .
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         /  . . . : : : : : : : : : : : : : : : . . . . ヽ
        . ....: : : : ..:.:./.::.:.. ..:..:..\ ..:.. ヽ: : : ∨‘,
          / ./../..:.:.:./:./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:..:Vヽ: . ∨ハ
       / \′:.:.:.:.':.:′:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.Vハ:....ノ i
        / .7T..ト....:.:i :i| :i:.:.:.:.{:.|、:{:.:.:.:.:ハ:.:.:.:ト::.i一:. . |
      ′/..:|..:|、:.:./|:.|{ :|:.:.:.:.ト:{ \:.、:.:.:/ : ヽ:|:.:.. i: .|   「1kg痩せたんだ!」
      : / ..:i|..:{:.\ |:ハ:{、:.:.:.廴__ 斗<:.:|::.:.:.|:.:|:.:.. |: .
.      |:il .:.::ii:八:{::{ |≧十\:∨ ,.     `|:.:.:..ト:|:.:.: |: .{
.      |:|!..:.::,| ..:.トド\ _,   `  z.、__レ|::.:.:.|´j:.:.:..|: .   ( \    / ) {_.}_} r‐
      ,|:{ .::/l| .:小≧==' '^     ´` ̄´`!:.:.: |' }:.:.:..|: . {   \ \/ /    _| |_/ )
     八| :ハ| .:.:{:.i xxx   ,     xxx |:.:.:.:|_,}:.:.:..|: . .i    .>  /    (__  __ ヽ  __
       (__) | .:. 八            |:.:.:.:}V:.:.:..:: . . {   / 〃        | |  ) } (_  ヽ
      .イ   i! .:.:| :i::..     丶 ノ     ,:.:.:./:i::.:.:. :i: . .   { {____.     | |  (_ ノ    )  }
     〃{   .}: :.:.{ :|::::i:>...      イ/.:.:/i:,′:.::.八 : .l  乂 ___ )    ._ノ         (__ノ
     {:i.:{   ハ:.:.:V :::|l:.:.:.}:.r } ̄ __ ノ/:.:./:./:.:.:.:. ::i{: . . {
.    八从 ,: .∧ :.{:::::リ::::::ノ 入_/'i{  /ィ /::/:.:.:.:. /::{:. . . .
       ∨ .:.:.:.\V‐≦ムイ  /》___.ノイ 7:.:.:.:. /廴:.. . .八
       /;..:.:.:.:.:./ \}!  r‐〉ォ´ ̄  }ノ /::.:.:.:./  , ヽ: .∧
.      /:/ .:.:::::/  ノ{{   '介′   i{ ./::.:.:.:./  /  ∨. ∧
     ノイ ..:.:.:./! く 廴. / .|乂 __人/::.:.:.:./   /    i: : . .:.
    __ノ/ ..:..::厶}/  \ ノ{ /j__ 斗-/::.:.:.. / i /      {: : . ∧


              , r ───−- 、
           r '´ : : : : : : : : : `ヽ、
         ./ : : : : : : : : : : : : : :\
        / : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : ヽ
       ./ : / : : / : : : : : :|: : : : : : :ハ: : :ヽ : ヽ :ヽ
      / : / : : : /: : : : :l: ::j: :|: : : : : | }: : : :ヽ: ::ヽ : ヽ
      / : :{ : : : ::{: : : : :ノ:ノ}:::ル: : : : リ、}::ハ: : ヾ,: ::}: : ハ
     .{ : : | : : : 」; 斗七´/.}:/.}: : : :リノ }`ト;、: :}:}:: l ; ;} }
     ! { : :! : : : :!: : :ノ':/`/' .j: : : ://  .リ |: 外|: :l: : ト|
     .|::l : ::| : : : |:/,r=≠ミ /: : ノ ' ,r=≠ミ/ |リ:: :| :ハ}
     .|::|: : :| : : : | 《{////゚} ´    .{//゚/}.ヾ|: : : :|/' '
     .|::| : ::|: : : ::| ヾゝ//ソ       リ゚/ソ‖!: : ::Y|
     .|::|: : :l: : : : |  , , ,      ,   , , ,  .j:::: : :|:|
     !:l : : :{: : : :{                l: : : :|::!
     }::l : : :l: : : ::{               .j : : :リ: |
     .}::i : : :l: : : ::ト、.     ⊂⊃    .ノ: : : ::j: :|
      l: 〉: : :〉: : : :V>、         rl'´リ: : : :/: リ
     .} :∧: : :W、: :ゝ、_.|_` ー __, ィr<、: |:/': : ::/ : /
     ノ : : :ヽ: : :ヽ:\ヽ   ̄ ` ヽ、{ _, r'  フ: ::/:: /
   / : : :r‐'ヽ: : : : ∧           /:/: : :∧、
 ,/': : : ::/  .∧: l: : ::ヽー-        ./: : : : :∧: : \
//: : : , r'ー-  ∧l: : : :ヽ   ー-−  j: : : : ::/ ) 、::ヽ::ヽ
/./::/     `> 〉: : : : }         l: : : : /r'´  `ヽヽ:)
! {:/ヘ        ノ:,: : : : :ト--  ___, -{: : : : {     ハ V
 V ∧      ノ' .|: : : : :}   `ー-'´ ヽ、: : l:ゝ   /.}

 カン!
997 :埋めネタ ◆Y.lj54HWGU [sage saga]:2015/12/03(木) 20:13:53.47 ID:JWIYGgf0o
あとはお題でもなんでも埋めちゃってください
998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/03(木) 20:20:55.34 ID:zzKbq8zXo
1000ならアコチャー祭り
999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/03(木) 20:32:50.81 ID:CBXCJHGSO
ksk
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/03(木) 20:40:47.02 ID:A7wxdiRoo
1000ならセーラとクロチャーが変な化学反応を起こす
1001 :1001 :Over 1000 Thread
           , -―  、
         /       丶
        /          ヽ      こんなにもスレ住民達がおじぎに飢えてるとは思わなかった
        i   _,,_ル,,rョュ 、 i
        |  ィ rっフ , 弋ミア |r,         わたしの愛を  全てのスレ住民に!!!
       _|  "''"~ ハ   ハ   .i;{ 
       } ;    / " '  ヽ   |j  _   \ニニニ ニニニ   
        λヽ    r―''"入  /イ/ハ:.:/{ ノ !:::::|    ___ノ^ヽニニニニニ
      /.:::::  i   廷廾ニツ, , -――- 、 /:::::/ /      ̄`ヽニニニニニニ
     /.:::::::::::::: i、  - / -―- 、⌒V::::::/ // j___ノ、  ヽニニニニニ
  /ニニ、`ヽ`ヾ;  ヘ.イ 、__(   >  \/ (__ ノニニニ     \ニニニニニ
 ,仁ニニニ\ヽヽヽ ∨   /ニニ>彡>--')__ ノ    `ヽニ     \ニニニニ
 ニニニニニニヽ   /     {ニニ> ´ `¨¨´         ニ}      \>''"´
 ニニニニニニニニ/     ∨ /               }八
 ニニニニニニニ./        }ニ{  >>1000 thread over    ノニヽ     ノ
 ニニニニニニニ/       }ニハ               /⌒ヽヽヽ ___彡
 ニニニニニニニ!        ノニニヽ、            /     ` ー=彡'ニニニニ
 ニニニニニニニ}          ⌒`丶、     /⌒ヽ  ノ     ノ____
  / ̄ ̄ ̄`ヽ/ヽ、 _彡ヘ{ {        > 、 /     /  ̄ ̄ ̄
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島村プロデュース 三村P VS 島村P @ 2015/12/03(木) 17:37:28.89 ID:dN/UOHeEO
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川島瑞樹「川島瑞樹です。……真壁ではありません」 @ 2015/12/03(木) 17:35:54.37 ID:+akXOV+NO
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【ポケモン】N「この寒空にキミの…トモダチの顔を浮かべる」 @ 2015/12/03(木) 17:14:49.88 ID:1H46ER1dO
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