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西園寺「海の向こうから鳴り響くSIREN」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/17(土) 22:59:29.45 ID:F1yfLl9po


苗木誠    前日  23:58:02
     民宿/大宴会場



わはははは……


笑い声が木霊する、大宴会の席の中。
彼らはひとしきり笑ったあとで、そろそろ寝る準備を始めるところだった。


小泉「全くもう……なんでこんなに汚せるのよ」

苗木「あはは……す、すみません……」

学園長「明日もあるんだから、ちゃんと寝るんだよ」

「「「はーい」」」

石丸「本当にだらしのない……」


フィールドワークと称して行われている、学年混合の一泊二日の小旅行。
日本の伝統文化を学ぶため、とかなんとかの理由でやってきたのは小さな村だった。

【羽生田村】───

今でも不思議な宗教が信じられている場所だと噂があった。


村人「片付けはワシらでやりますけぇ、いいですよ」

学園長「いえ、そう言うわけには……」

石丸「……そう言えば、江ノ島くんが遅いな」

西園寺「どうせ松田おにいとしっぽりやってんじゃないのー?」


けれど彼らは気付かなかった。
その村が、呪われた地であることは。




──────警告。──────
ダンガンロンパシリーズでSIRENっぽいことをするスレ。
っぽいこと、であり完全なSIRENではない。
ダンガンロンパシリーズのネタバレと、SIRENシリーズのネタバレを含む。
>>1はゲームセンスがないため自力でSIRENシリーズがクリア出来ない雑魚。
自由安価重視、正否は安価内容と小数点以下の数値にて決する。絶望でも足掻け。
安価は絶対。
連投は禁止。また、連続取得は2回まで。
その他、詳細はやりながら。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1445090369
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part6 @ 2024/03/16(土) 18:36:44.10 ID:H9jwDXet0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1710581803/

昔、スリに間違えられた @ 2024/03/16(土) 17:01:20.79 ID:TU1bmFpu0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1710576080/

さくらみこ「インターネッツのディストピアで」星街すいせい「ウィキペディアね」 @ 2024/03/16(土) 15:57:39.74 ID:7uCG76pMo
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今日は月が……❤ @ 2024/03/14(木) 18:25:34.96 ID:FFqOb4Jf0
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どうも、僕は「げじまゆ」をヤリ捨てた好色一代男うーきちと言います!114514!! @ 2024/03/14(木) 01:23:38.34 ID:ElVKCO5V0
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アサギ・とがめ・新生活! @ 2024/03/13(水) 21:44:42.36 ID:wQLQUVs10
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そろそろ春だねー! @ 2024/03/12(火) 21:53:17.79 ID:BH6nSGCdo
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part5 @ 2024/03/12(火) 16:37:46.33 ID:kMZQc8+v0
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2 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/17(土) 23:11:13.64 ID:F1yfLl9po


西園寺日寄子  1日目  00:00:00
      民宿/大宴会場



大多数の生徒がその場に残り、片付けをする最中だった。

………ゥゥゥ………



西園寺「………?」

小泉「どうしたの?日寄子ちゃん」

西園寺「なんか………聞こえない?」

澪田「おっ!さすが日寄子ちゃんっす!唯吹にも伝わるっすよ、この変な異音ー!……マジ誰の仕業っすか?」

石丸「何を仰っているのか……とにかく僕も普段ならば寝ている時間なので、すぐにでも片付けを終わらせて」


ゥゥゥゥゥウウウウ


西園寺「ねぇ待ってよ!」

苗木「これ……なんだろう……?」

大和田「あ?」

村人「………」

西園寺「気のせい?それとも……」

村人「………ぎ、」

西園寺「え?」

村人「儀式……かえ……」ぎぎぎ

西園寺「は?え?なに……言ってるの?」


刹那、開け放たれる扉。
民宿の入口から、ぞろぞろと人が波のように入ってきた。
───が、それらは何か様子がおかしい。
まるで生気のない顔でこちらを見て、右手の鉈を振りかざし───


ざくっ。


苗木「……は?」

村人?「………」ゆらっ

苗木「なんで……そんな……」


よろめく苗木。
意味が分からないその場の全員。
あるいは、本人もまた。


舞園「キャアアアアアアアッ!!」

腐川「あ、ち、ちが……」ふらっ

学園長「何だか分からないけど……みんな逃げろ!」

西園寺「な、なに?なんで?いきなり、こんなこと、に」

がしっ

小泉「……逃げよう、日寄子ちゃん……!」

3 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/17(土) 23:27:02.47 ID:F1yfLl9po
西園寺日寄子 1日目  02:50:05
     学校/1階教室内

終了条件:『小泉真昼』と共に学校から脱出。



一体どれだけ待っただろうか。
確か、大宴会場から走って逃げてきてから、数時間経過している。
どのくらい経っただろう……この思いが伝わるなら、今すぐ逃げ出したい。

西園寺日寄子は、小泉につれられるままに遠くへ遠くへ走っていった。
時折小泉がとどめたり、目を伏せさせられたりしたが、ここまではなんとか順調に来ていたのだ。

にもかかわらず。 関わらず、だ。


西園寺「………おねえ………」


まさか逃げ込んだ場所が敵の巣窟だとは、彼女らも全く想像していなかった。
学校の中は薄暗く、またなぜか分からないがあちこちが窓が塞がれている。
さながら監禁されたかのような気分だ。
かと言って表から出るわけには行かなかった。
小泉が止めたのだ。


小泉「アタシが絶対に、日寄子ちゃんを逃がすから。道を探してくるからここにいてね」


そう言われて待ちぼうける教室内。
けれどまだ、小泉は戻らない。
離れて何分?いや、何十分………?


──────

ここから、行動安価。
すなわち自由な行動を取ることが出来る。
自由の解釈は各に任せる。

行動には難易度がある。
歩く<歩いて物を探す<歩いて探しながら警戒する<歩いて探しながら警戒して敵がいたら倒す
複数の事を一度に行うと当然難易度は上がる。

その上で、行動は安価のコンマ末尾にて正否を判定している。
数字は大きければ大きいほど良い。また数字が揃っても良い。ただし、【33だけは悪い】。

それでは、西園寺の行動安価を開始する。何も分からない手探りの状況だろうが、それは西園寺も同じだ。

↓2
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/17(土) 23:29:54.03 ID:rwXCwZcio
そっと扉を開いてまわりを見回す
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/17(土) 23:30:01.70 ID:dYOXLWBbO
警戒しながら歩く
6 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/17(土) 23:38:31.05 ID:F1yfLl9po
>>5

西園寺(……おねえ、遅いな)


別れてから1人でいると、その寂しさは倍になるようだった。
小泉にとっては、自分がいればより危険が増える事だと分かっている。
分かっていても、どうしても、小泉の為に行動しなければ、と思わされたのだ。


西園寺(……)


行こう。

音もなく決意した西園寺は、ひとり静かにうなずいた。
ここは村にある唯一の小学校。
しかし明かりは全くなく、闇には優しさはかけらも存在していなかった。

何かがうごめく闇に、滑り出す。


がら……


西園寺「……おねえ……どこ……?」


玄関からもっとも遠い3・4年生の教室から足を出した。
幸い廊下には誰もいなさそうだ。

……すぐ左側にトイレがあるのだが、男子トイレの方から足音がする。
誰か……いるのか?
いるにしてもそれは知っている人物なのだろうか?

脳裏によぎるのは、突然鉈で刺された苗木の姿だ。


──────

行動安価。
西園寺日寄子に、今戦うすべはない。
↓2
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/17(土) 23:42:42.83 ID:cJ+ojvk40
視界ジャックってもうできるのか?
安価下
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/17(土) 23:47:58.86 ID:fX2nTHGpo
音のする方を確かめてみる
9 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/18(日) 00:01:43.75 ID:sZ9GSGvdo
>>8


……恐怖は、ないと言えば嘘だ。
けれど、それが何かを確かめなければ。

西園寺(……)

そう言えば。
西園寺はふと思い出す。

ここに来るまでの間もそうだし、あるいは、ここで誰かを見つけた時もそうだった。

西園寺の目を、小泉が伏せたのだ。

つまり、それが意味する事実はひとつだけ。
西園寺に見せたくない物があったのだろう。
けれど、今はその小泉もいない。
だからたったひとりで、挑むしかない。
この状況に。

恐る恐る、確かめることにした。
そこに何がいるのか。

西園寺(さすがに変なやつはいないよね……?)

……人だ。
それはすぐに、西園寺にも分かった。



問題はその人が、目から血のようなものを流しながらトイレを徘徊していることだった。


西園寺(っ………!?)


夜と言えども分かるほどに、それは液体で、そして生臭い。
背筋がぞくぞくと波打つ。
まだ相手には気付かれていない。
だが、少しでも気を抜けば叫びだしてしまいそうで───


──────

行動安価。
西園寺は伝説の幼兵になれるのか。
続きは明日以降、出来る範囲で。
↓2
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 00:04:47.07 ID:3EucyyBI0
kskst
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 00:23:31.04 ID:rRjDKkwc0
そっとトイレに入ってみる
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 00:29:11.57 ID:Ajis9Y8rO
乙乙
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 00:30:31.76 ID:Feevp/0LO
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 01:48:53.50 ID:T5VF4/bVO
おつ
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 08:45:49.21 ID:G870cPE00
開始早々に苗木君が屍人に?

16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 12:17:00.43 ID:Ifo0cg7Xo
>学園長「何だか分からないけど……みんな逃げろ!」

嘘付け!どうせ学園長が黒幕なんだろ!
17 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/19(月) 20:29:00.03 ID:Y+ve0z3ro
再開。
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 20:30:34.94 ID:CMTvBiSa0
>>15
SDKみたいになるんだろ、多分
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 20:30:47.58 ID:NJUIU6z/O
ふくらはぎ!
20 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/19(月) 20:34:11.30 ID:Y+ve0z3ro
>>11


西園寺(……)


敵を知り、己を知れば百戦危うからず。
故事だ。
この得体の知れないものをもっと近くで見られれば、もしかしたら、今後につながる何かを得られるかもしれない。

故に西園寺日寄子はたじろがなかった。

己の小さな体躯に、持ちうるだけの勇気をありったけつぎ込んで、ゆっくりと前進したのだ。


西園寺(こいつ……にん、げん……にん、げんなの?)


小学校のトイレはそんなに広くはない。
さらには、何か腐敗臭がぷんと立ちこめており、正直あまり足を踏み入れたい場所ではない。
足を滑らせそうになりながらも、西園寺はゆっくり中に入る。


「…………、……、……」


【そいつ】は、手を洗おうとしている。
水が出ない蛇口をひねって、手を洗おうとしている。
石鹸は既に落としたらしく、床に転がっていた。

が、拾おうとは思わない。


西園寺(これ以上近づいたら、マズい……よね……)


廊下の辺りを誰かが歩いている音が、ずいぶん遠くから聞こえた。


──────

行動安価。
なお西園寺は体躯が小さいため、【一度でも触れられればその時点で逆転は不可能】であり、【触れられた時点でゲームオーバー】である。

↓2
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 20:37:43.24 ID:CMTvBiSa0
廊下に出て、足音が近づいてきた際は気づかれない様にすぐ近くの教室に隠れる
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 20:42:10.72 ID:59t1blxoO
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 20:42:45.54 ID:H8l58wn+0
24 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/19(月) 20:51:28.28 ID:Y+ve0z3ro
>>22
>>21


これ以上の長居は不要だ。
だから一度ここを離れよう。
足音も迫っている、近くの教室に隠れるべきだ。

西園寺はそう決断する。
英断ではない、決断だ。ただの、決断。

しかしそれでも、彼女自身が生き残るためには、これらの決断の無限なる積み重ねが要るのだ。

たとえ目的が遠くとも。


そろりと出て行った西園寺が見たのは、廊下の遠くをゆっくりと歩く人影だった。
まだずいぶん距離はある。
だが、確実にこちらに来ている!


西園寺(ま、ずい……隠れなきゃ、隠れなきゃっ……!)


滑りそうな足をなんとか保たせる。
ああ、わたし、なんで意地張って普段の着物で来たんだろう。
足袋は廊下で滑りやすいように思えた。

まだかなり遠くだからこそ、西園寺は教室に入ることが出来た。
最初にいた教室───つまり、玄関から一番遠く、トイレに一番近い【3・4年生の教室】だ。
そこに、手をのばして……


がらがらっ。

僅かな音。
それでも、背後の人物がそれに気付かないはずがなかった。


──────

行動安価。
↓2
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 20:52:33.79 ID:CMTvBiSa0
kskst
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 20:53:20.17 ID:H8l58wn+0
ロッカーの中に隠れる
27 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/19(月) 21:00:10.17 ID:Y+ve0z3ro
>>26


西園寺(……!)


その僅かな音が漏れ出た理由も、そしてそれに気付かれたであろう事も、西園寺には、分かっていた。
要は戸を開ける瞬間の気の緩み。
中に入れる、と言う歓喜に対する慢心。

早速背後で物陰が揺らめいたのが分かった。
今このままでは絶対にアイツに捕まる!


素早く教室を見回す。

中には教卓、片づけられた机、整然とした部屋、そして一番後ろにロッカー。
……ロッカー!
おそらく用具箱だろう。中に何が入っているともしれない。

それでも、賭けるしかない。
やらなければ死ぬだけだ。


西園寺(……入るしかないよね)


素早くロッカーに近付き、その戸をゆっくり開いた。
引き扉は軽い力ですぐに開いたが、中にはモップが立てかけられ、何よりも狭く、そして埃っぽい。

背後にアイツが迫る。
中に入る───



「……子供は……寝なさぁい……」


アイツは、教室の中に入っていた。
入口付近をうろうろしている……もう少し、黙っておかなければいけないだろうか?
用具箱の中からは、何も見えない。
黒だ。
真っ黒。


──────

行動安価。
↓2
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 21:02:38.90 ID:MMeHJpLcO
視界ジャック出来ないかな
目を閉じ息を潜める
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 21:02:55.00 ID:aYkYaFjro
物音がしなくなるまで松
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 21:02:57.03 ID:lepjas7Qo
31 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/19(月) 21:12:08.34 ID:Y+ve0z3ro
>>29


息を潜める。
いや、息を止めている。
もう何秒?何十秒?
恐ろしさと無の中で、それは無限にも思えるほどの長さだった。


「……子供ー……は……ふぅ」


やがて……足音は遠ざかり、声もなくなり、そこに静寂は戻った。
廊下の方まではちょっとよく聞こえない。
だが、この教室に近づいている足音は、今は、ない。
それだけでも充分すぎる。

ゆっくり、木製のロッカーを押し開いた。
相変わらず暗いが、ロッカーの中よりはマシな教室が現れた。

小泉は……遅いな。

一体どこに行ってしまったのだろうか?


西園寺「おねえ……?」


見当も、付かない。


──────

自由安価。
参加者諸君は疑問があれば常に書き記してくれれば良い。>>1は答えられる範囲で回答する。

>>28
西園寺に特別な力はない。強いて挙げるなら、【日本舞踊家】としてのステップで土壇場で逃げる事が出来る。

↓2
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 21:13:10.97 ID:CMTvBiSa0
再び廊下へ
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 21:16:29.52 ID:lepjas7Qo
扉の隙間から目視で確認してから廊下に出る
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 21:21:48.22 ID:0w11Cp310
コンマ低いな…
35 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/19(月) 21:23:51.49 ID:Y+ve0z3ro
>>33


やっぱり、怖い。
たった1人で歩かなければならないのは、怖い。

それでも、だ。

待っていて欲しい、と言った小泉が遅いなら、探さなければならないだろう。
この学校の中にも、さっきのみたいなのはうようよいるのだ。
だったら、おねえだって襲われてるかもしれないじゃないか。

……おねぇ。

西園寺は今一度自分を奮い立たせる。


西園寺「廊下の方、誰も……いない……よね」


恐る恐る覗き込む。

近付いていた人影らしきものは反対側に歩いて行っている。
元から距離はかなりあったのがさらに離れていく。

トイレにいる変なのの方が心配だが、先ほどこちらに来たばかりでまたこちらに来ることはないだろう。
おそらくは。


西園寺「……」

きょろきょろ。
向こう側の変なのには見つかっていない。
廊下に再び出ることは可能だった。

しかし、廊下に漂っているのは異様な空気だった。
……窓が全て、封じられている……。

何とか目を凝らして辺りを見回す。そういえば、背後には階段がある。


──────

行動安価。
まだ、大丈夫。
↓2
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 21:25:27.91 ID:CMTvBiSa0
会談の方へ向かう
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 21:28:18.36 ID:oQsryLkGO
ロッカーの中や机の中で使えるものを探す
38 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/19(月) 21:33:26.17 ID:Y+ve0z3ro
>>37


西園寺「……」


このまま廊下を進むのもいいだろう。
階段を上がるのも手かもしれない。

だが、分かるのは、このままではダメだと言うことだ。


西園寺は踵を返した。
教室に何かないか、探すためだ。

かといって、モップを常備するのは西園寺の体では負担だ。
それに彼女は、彼女自身の維持で普段から着ている和服姿だ。
あまり大きいものは持っていけない。

ふと、机のそばにお手玉が落ちているのを見つけた。

お手玉は小さく、しかし中にビーズか何かが入っているのか、小さく音を立てている。
どこかから落とせばそれなりの音がでるだろう。
誰かの意識を反らすにはいいアイテムなのかもしれない。


◆【お手玉】を入手。


逃げるのにしか使えなさそうだが。


──────

行動安価。
↓2
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 21:34:38.22 ID:uadjg+ZHO
ふみだい
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 21:36:04.20 ID:0w11Cp310
廊下の様子を伺う

こう、良いところが上下にずれるな…

41 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/19(月) 21:52:48.73 ID:Y+ve0z3ro
>>40


西園寺「……さっきの、やつ」


まだ警戒を解くわけにはいかない。
ここを脱したとて、きっと警戒はいつまでも解けないだろう。

まずは眼前の危機を取り払う必要がある。

廊下をそっと見ると、トイレのアイツはまだトイレで手を洗っているようだった。
こちらは大丈夫そうだ。


そしてもう1人は………ああ、いた。
時折廊下をうろうろしているようだが、今は西園寺とは反対側を見て止まっていた。

隣の教室………【1・2年生の教室】の辺りの廊下に立っている。
教室には前後、2ヶ所の出入り口があるが、そのちょうど中間辺りだろうか?

このまままっすぐ行けば当然見つかるだろう。
今はどうやら向こう側を見ているようだったが、いつこちらを向くとも分からないのだ。

隣の教室に行くためには……ふと西園寺は思い出す。
確か教室同士は小さな扉で仕切られていた。

先ほどまでいた【3・4年生の教室】と【1・2年生の教室】は、扉で行き来出来るのか。
覚えておけばいつか使うかもしれない。


西園寺「……こっち向くなよ……」

念をかける。


──────

行動安価。
↓2
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 21:55:05.10 ID:0w11Cp310
踏み台 kskst
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 21:58:24.67 ID:CMTvBiSa0
小さな扉から隣の教室に移動する
44 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/19(月) 22:07:19.12 ID:Y+ve0z3ro
>>43


西園寺「……」


階段も気になるが、まずはそちらに行くべき、だろうか?
西園寺は思い出したその小さな扉を開けてみる事にした。
こっそりと廊下から教室に戻る。
そのまま目線を滑らせると……あった。
壁際に小さな扉がある。

声を殺して、音を殺して、ゆっくり、開けてみる。

……ぎい……。

その程度の音で外のやつが気付くとは思えないが、いや、気付いていないでほしい。

西園寺が入った【1・2年生の教室】は先ほどの教室とあまり変わりなかった。
入ってきた扉側の壁に黒板が掛けられており、片付いた机、奥には用具箱であろうロッカー。

教室の外に続く扉はどちらも閉まっている。
そしてその中間部分に【ソレ】は立っていて、西園寺が見た時にはトイレとは反対側……つまり、玄関側を向いていた。

さて、どうしたものか。
なにか使えるものはあっただろうか?

知識を振り絞る、何かを思い出そうとする───

廊下には、赤いランプがいくつか煌々と輝いていた。
アレは確か……非常時に使うはずなのだが。

──────

行動安価。
↓2
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 22:09:02.95 ID:CMTvBiSa0
kskst
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 22:15:17.24 ID:0w11Cp310
人いないんかな?

お手玉を三・四年教室側へと投げる

47 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/19(月) 22:27:40.83 ID:Y+ve0z3ro
>>46


西園寺「……そうだ、これ……」


これでなんとか出来るだろうか?
手の中に握り込んだお手玉を見て、西園寺は思案した。
そうだ、これを投げて音が出れば、そちらにゆうどうされるかもしれない………。

まずは物は試しにやってみる。


西園寺「えいっ」


ぽすっ、と言う小さい音を立てて、お手玉は落下した。
しかし、廊下の外から足音はしない。

もしかして、この音では小さすぎて反応しないのか……?


ぎしっ、と音がした。
恐らく【1・2年生の教室】の外側の廊下に立っていたヤツが動いたのだ。
移動した方向は………玄関側か。

教室から離れたのだろう。
これで少しは出来ることが増えただろうか……?

地図、学校の見取り図が欲しい。
が、それを持ってくるのを、西園寺は忘れてしまっている。
置いてありそうなのはこの先の職員室だが、足音はまさにそちらの方に向かっている。


──────

行動安価。
廊下に輝く赤い光とは、果たして?
↓2
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 22:28:49.98 ID:btiQUwgwO
お手玉を回収してから廊下の非常ベルの前に向かう
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 22:29:56.64 ID:CMTvBiSa0
赤い光はアラーム鳴らしておびき寄せる感じのアレか?
安価下
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 22:33:05.52 ID:oQsryLkGO
お手玉回収してこの教室も漁る
51 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/19(月) 22:39:18.49 ID:Y+ve0z3ro
>>50


西園寺「………お手玉は………」

特に今は必要ないのかもしれないが、回収しておこう。
そろっと足音を殺しながら先の教室を移動してお手玉を拾い直す。
外側で何かが動く気配は止まっていた。
……大丈夫、だよね?

1・2年生の教室も、少し見ておこうか。

何か使える物はないか、と中を見回ってみた。
しかしどこを探しても何もない。
持ち運べそうな物はひとつだってない。

ロッカーにすら何も入っていなかった。

もしかして、もしかして?
いや、教室が合同であるところから気づける話か。
きっとここはあまり使っていない教室なのだろう。

そう言えば確かに、こう、生活感がないような気もしないことはない。


西園寺「こっちは使ってない教室……?」


にしてはやけに埃が少ないような?
謎が深まるが、今考えても仕方がない事か。
それにしてもこう得られる物がないと、孤独に加えて心が折れそうだ。


──────

行動安価。
まだそこまで無茶をしていないので、多少なら動ける、かも。
↓2
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 22:39:54.27 ID:CMTvBiSa0
kskst
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 22:40:12.72 ID:lkd7Wuy6O
kskst
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 22:41:27.34 ID:lepjas7Qo
教卓や生徒机の中見る
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 22:41:57.41 ID:CMTvBiSa0
アブアブ
56 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/19(月) 22:50:49.67 ID:Y+ve0z3ro
>>54


もう少し探索する余地はあるだろうか?

なんせ人がいないにしては埃がない。
教室として使用されていない、とはあまり言えない状況だ。
何も残されていない、とは考えにくい。

教卓の方に回って、軽く探索すると───


◆アーカイブ【子供たちの思い出】を入手。

ーーーーーーーーーーーーーーー

どこかの山のようなところに並んでいる数名の生徒らしき子供と、その引率の先生が写っている写真。
特に【はるみちゃん】と写真に書かれた少女は丸が付けられている。
写真の持ち主が彼女を気に入っていたのだろう。
中には校長先生らしき人も写っている。
全員無事だろうか………?

ーーーーーーーーーーーーーーー


西園寺「これ……この学校の……?」

いつの物かは分からないが、比較的最近のようだ。

なぜかは分からないが、西園寺はそれを胸元に仕舞い込んだのだった。


──────

行動安価。

アーカイブは本編に関わりはないが、見つけるとこうした情報が舞い込む。
この手の物はいくつかある。探してみるとみつかるかもしれない。
少なくとも、この教室にはもう何もない。

↓2
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 22:52:11.99 ID:CMTvBiSa0
>>48
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 22:55:57.81 ID:EWfXofMK0
とりあえず廊下へ
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 22:57:39.08 ID:EWfXofMK0
すまぬ…
60 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/19(月) 23:04:26.95 ID:Y+ve0z3ro
>>58


このままこうして教室でぐだぐだやっても仕方がない。
これなら………一旦、廊下に出てみるしかないだろう。

きっとそうすれば何か好転するはずだ。
何もしなければ何も起こらない。
なら、今は何かして何か起こすべきだ。

西園寺はそう思ったのだ。

彼女に足りなかったのは想像力なのだろう。
最悪を想定する力が、まだ足りなかった。


教室の前を彷徨いているソイツは、西園寺がこっそりと教室を出たのとほぼ同じタイミングで、こちらに振り返ったのだった。


西園寺「!」

人の形をしたそいつが、闇夜からうっすら、こちらに見えている。
ゆっくり近付いている。
ゆっくり、ゆっくり………。


「あ、」

西園寺「………しまっ」



「あ、あ、

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」




西園寺「……!?」

そいつは何かを、構える。

──────

絶体絶命。行動安価。
↓2
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 23:07:08.27 ID:lkd7Wuy6O
kskst
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 23:08:26.48 ID:/tM4ztyKO
必殺お手玉爆弾
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 23:09:36.46 ID:H8l58wn+0
全力で逃げる
64 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/19(月) 23:14:42.89 ID:Y+ve0z3ro
>>62


ええい、かくなる上は。

西園寺「お、お手玉爆弾!」


今更何を包み隠す必要があるのだろう。
静かにしてもいられず、だからといってその発言はどうなのかとは思うが、西園寺はお手玉をソイツに投げた。
もちろん当たらず、当たるような力もなく、床にぽとりと落ちる。

しかし、その落ちたソレがソイツにはとても気になるようだった。

しゃりっ、と中のビーズが廊下に当たって音を立てた。
その音が。

「………、………?」

目の前のソレはお手玉に気を取られているようだ。
今なら逃げることも出来るだろうか?

それにしてもなんなのだろう、みんなどうしてしまったのだろう?
村人達は、あのサイレンのような音から一変してしまった。


──────

行動安価。
お手玉で回避、お見事。
↓2

今日はこの辺りで。明日も出来たら。
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 23:16:07.08 ID:CMTvBiSa0

安価は逃げるんだよお!
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 23:34:45.96 ID:eO0EGhIvo
おとなしく逃げる
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/19(月) 23:40:40.24 ID:nGg327qSO
遅れたが乙乙
思ったよりウロだったんでSIRENやり直してくるわ
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 00:29:58.12 ID:98fMy+KE0
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 00:39:46.34 ID:JJILjyO+0

サイレンなんて聞こえない!!
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 00:55:06.13 ID:/sVxFuODo
乙乙
この恐怖感良いね
71 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 21:01:54.87 ID:mvFjEoBCo
……遠くから、聞こえるSIREN。
72 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 21:05:25.71 ID:mvFjEoBCo
>>66


やばい。

直感でそう思った。
相手が構えたそれが、手の中に収まるほどの小さいサイズである事から嫌なことを想像していたせいでもある。
まさかね、なんて。

しかしそれは当たる。

見たのだ。
逃げる途中、そのヒトの右手には握られていた。


拳銃。


本物かどうかは知らない。
それでもソレがそこにあることが問題だった。


西園寺(さっき……!見つかったままだったら……撃たれてた!)

西園寺(最悪だ!最悪だ!最悪だった!)

西園寺(……そうならなかっただけ、いいのかな……)


一目散に教室へと引っ込んだ。

外のソイツはまだ追いかけてこない。


──────

行動安価。
今宵も諸君等の健闘を祈る。

↓2
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 21:07:08.80 ID:evI1Ugu90
教卓に隠れる
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 21:22:15.75 ID:UMKFH3gDO
75 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 21:29:38.21 ID:mvFjEoBCo
>>74
>>73


とっさに教卓に隠れた。
それが一番だと、西園寺自身が思った。
だからもつれそうな足で、それでも滑らないようにゆっくりと、教卓の中に入ったのだ。


ごそ、ごそ。


西園寺(……え?)

廊下の方から音がした。
きっとさっきのヤツが、もうお手玉に飽きたのだろう。
なにやら立ち上がったような、ついでに体をあちこちにぶつけたような音だ。


西園寺(やっぱりあいつ……なんかおかしいよね……でも)

立ち向かう勇気はない。
戦うつもりもない。

西園寺(なんなの……何が起きてるの?)


一体どうしたらいいのか?
小泉はどこにいるのか?
何を最優先すべきなのか?

答えは未だに見つからない。


廊下のソイツは……教室に入ってくる様子はないようだ。


──────

行動安価。
参加者らが疑問があれば逐一。
↓2
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 21:31:06.00 ID:cNBCnV5M0
様子を伺う
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 21:35:55.46 ID:cHG1L8xsO
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 21:39:10.43 ID:cc6HRDDDO
もしかして耳聞こえない?
安価なら辺りに音を出すものがないか探す
79 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 21:40:54.26 ID:mvFjEoBCo
>>77
>>76


西園寺(……何してんだろ)

ソイツが寄ってくる様子が見られない事が、西園寺には改めて意外だった。

拳銃を持っていたのだ。
ましてや自分を襲おうとしていたのだ。
そんなやつが、たったひとつのお手玉を見つけただけで自分を見失うのだろうか?

謎がさらに深まる。

ぎこちない仕草。
目から流す赤い水。
光の無い学校。


西園寺(……アイツら……ほんとに、なんなの?)


こっそりと教室の端っこから様子を伺うと、今度は拳銃を持ったそいつが、再び前に歩き出していた。
入口側に進んだ……階段側から離れたのだ。

元の場所に戻ったのだろうか。

西園寺(……??)

自分を忘れている?
拳銃を使ってこないのか?

思考は深くなっていく。
疑問も増える。
けれど答えはまだ出ない。


──────

行動安価。

↓2
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 21:43:37.29 ID:evI1Ugu90
音をたてないように扉を開けて廊下に出てみる
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 21:45:32.43 ID:b7CofC1m0
教室の中から暫くばれないように相手の行動を観察する。
82 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 21:51:59.51 ID:mvFjEoBCo
>>81


西園寺(今なら……もう少し見てられるかも……)

恐怖を振り払いながら西園寺は観察を続けることにした。


拳銃を持っているやつ……通称『拳銃』は、どうやら廊下をうろうろしているらしい。
時折奥の方まで歩いていったり、一番奥の職員室の方をちらちら見たりしている。
さらにそこから先は距離が離れすぎていて、暗くて見えない。
が、恐らくは、中に入ろうとしているのではないだろうか。
だが、鍵でもかかっているのか、職員室には入れない。
そうするとしばらくして、思い出したかのようにこちらに引き返してこようとしていた。

そこで西園寺はゆっくり離れて教卓の方まで戻った。

見つかっては元も子もないからだ。

廊下をしばらく歩いている足音がする。

ぎし、ぎし、ぎし……。
その足音は、教室の前を横断しない。
途中で止まるのか。


西園寺(……分かった事は……)

西園寺(この『拳銃』のやつは……奥までは来ない……)

西園寺(理由は分かんないけど奥には来ない……)


ぎしっ。


西園寺(……え?教室の前を横切った……?)


西園寺の、期待を裏切って、そいつはゆっくり反対側の、つまり階段側の廊下まで歩いていこうとしているようだった。


──────

行動安価。
……敵は思ったより、動くようだ……。

↓2
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 22:01:54.23 ID:evI1Ugu90
kskst
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 22:02:17.46 ID:b7CofC1m0
希望への踏み台 kskst
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 22:05:36.16 ID:ciLE/t4XO
今のうちに職員室まで行ってみる
86 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 22:15:53.88 ID:mvFjEoBCo
>>85


西園寺(これって、でもチャンスかな?)


見張っているヤツがいないという事は、逆にそちらへと行けるチャンス。
そう確信した西園寺は、奥の扉からゆっくりと外に出る。
ヤツは廊下をさらに奥に進んでおり、西園寺に背を向けたままさらに歩いているところだ。
その歩みは案外遅く、しばらくは進み続けるだろう。

しめた。

ゆっくりと進んでいく。
玄関側は既にだめだ、何かで覆われているような後がある。
既にそこから脱出する事が、不可能になっている。
いつの間に?
自分達が息を潜めていた間だろうか?


それは今更考えてもどうしようもないのかもしれない。

ともかく、もう一つの部屋……【職員室】にたどり着いた。

が。


西園寺「……うそ、開かない……?」


鍵がかかっていた。
先ほどの拳銃のヤツは中に入らなかったのではない、やはり入れなかったのだ。


西園寺(……あと行ってないのは……)

西園寺(階段の上……それと……)

西園寺(……玄関とは反対側にも、廊下が続いてる……その先の『何か』)

西園寺(おねえを……探さなきゃ……!)


──────

行動安価。
↓2
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 22:19:42.93 ID:b7CofC1m0
kskst
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 22:23:47.47 ID:9dt7R1U8O
階段の上に向かう
89 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 22:31:12.91 ID:mvFjEoBCo
>>88


西園寺(おねえがいるとしたら……上、かな)

西園寺(探そう……上に行こう)


決断は早かった。
そうと決めると、西園寺は早速元来た道を戻ることにしたのだ。

廊下の奥の方へ、さっきの拳銃が歩いている背中を見つけた。
もちろんこのまま歩いていけばぶつかってしまう。
そこで西園寺は一旦【1・2年生の教室】に入ることにする。
やり過ごすつもりなのだ。


がら、と気付かれないほどの大きさの音しか出さずに、西園寺は教室の中に滑り込んだ。

廊下を歩いている足音は、やっと奥までたどり着いたのか立ち止まったようだ。


西園寺(……遅い……)

西園寺(動かない?それとも……)

西園寺(なんなのアイツ……階段側で立ち止まっちゃってる)

西園寺(このままじゃ……階段を上がれない)


ふと西園寺が思い出したのは、廊下に点々と並んでいる赤い光だった。
アレはなんだったっけ?確か小学生の時だか、誰かが間違えて押してひどい事になっていた気がする。
消防署にも連絡が入るのだっただろうか……?


──────

行動安価。
↓2
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 22:47:53.78 ID:b7CofC1m0
st
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 22:51:35.83 ID:cNBCnV5M0
もう押してみるしかないよね
92 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 23:00:30.83 ID:mvFjEoBCo
>>91


西園寺(……もう、それしかない)


そろりと、こっそりと、教室を再び抜けた。


教室のすぐ目の前の壁に設置されていたそれは【防災ベル】だ。
ベルの場所を表すライトが煌々と照っていることから、ここにはまだ電気があることが分かった。
一度押せば大音が鳴り響き、間違いなくこの1階にいるヤツらはそれにおびき寄せられるだろう。

迷っている暇などもう、彼女にはのこされていなかった。




ジリリリリリリリリリ!!!





静寂を切り裂いた。
押した瞬間にとてつもない音が鳴り響く。

続けて西園寺は素早く身を反転して教室へ。
それに目もくれずに、ヤツラはその音の在処へと急いだ。

拳銃のやつも、トイレにいたやつも、だ。
今までよりはかなり早いスピードで、その音に引き寄せられたのだ。


西園寺(やっぱり!あいつら音に敏感なのかな)

西園寺(……それよりも、今は階段を上った方がいいのかな?)


──────

行動安価。
初見殺しはありません。
↓2
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 23:00:53.71 ID:O5wNEqhTO
かそく
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 23:02:08.66 ID:evI1Ugu90
階段に直行
95 :今回66はセーフです。むしろゾロだから幸運。 ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 23:13:48.10 ID:mvFjEoBCo
>>94

西園寺(迷ってる場合じゃないよね!あのベル、いつ鳴り止むか分かんないし!)


ヤツラに会わない事を祈りながら、西園寺は教室の中を移動した。
廊下に出ずに、ヤツラに気取られずに移動が可能だからだ。
滑りそうになる足袋にいらだちを覚えるが、それも今は後回し。

そして西園寺は、階段にようやく到達した。

背後ではまだまだベルが鳴っている。
鳴り止む気配はなく、ヤツラに自分を察されるような事も絶対にないだろう。
なんせヤツラは、強い気配に反応するようだから。

音が大きいベルに気を取られるのは当然だった。


西園寺(……上るよ……)

かつ、かつ。
階段は……暗い。本当に月明かりも入らないので、夜目で何とかやって行っている。
それでもなお暗い。
全てを見通すのは不可能に近かった。

そして階段を登り切って、たどり着いた2階の廊下を見れば───


西園寺(……うっ、最悪……)


新たなヤツが廊下に立っている。ソイツもまた遠くの方を見ており、こちらには背を向けていた。
教室の扉がぽっかりと開いており、奥に進むには教室を経由するほかはないだろう。

中に何がいるかは、分からない。


──────

行動安価。
幸運。
↓2
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 23:14:56.33 ID:XkZ8oCWFo
ksk
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 23:19:06.01 ID:O5wNEqhTO
走り抜ける
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 23:23:13.57 ID:b7CofC1m0
もうセーフかアウトか分からんわ…
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 23:24:02.44 ID:cNBCnV5Mo
まさかの幸運付きファンブル
100 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 23:25:08.20 ID:mvFjEoBCo
やるじゃない。
101 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 23:29:59.87 ID:mvFjEoBCo
>>97


西園寺(教室の中に入る?)

西園寺(……だめだ!時間使ってらんない!)

西園寺(おねぇを早く見つけないといけないんだから!)

西園寺(……もう、一か八か走り抜けるしかない……!)


いけるか?
やれるか?

いや、やれるかじゃない、やるしかないのだ。

その廊下を、西園寺は滑るように一気に走り始めた。


『……あー……?』

西園寺「うああああああ!!」


だっだっだっだっ!

何か構えるのが見える……け、拳銃か!
そいつの脇をすり抜けて走りきる、がさらに奥に別なヤツがいた。
そいつは窓を板で塞いでいるところのようだ。

……背後のヤツは拳銃を構えている。
走りすぎたようだ。教室をふたつもぬかしてしまった。


後ろで、撃鉄が持ち上がる音がする。
このままだと、間違いなく打ち抜かれる。


──────

行動安価。
これで勘弁。
↓2
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 23:30:23.21 ID:XkZ8oCWFo
ksk
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 23:41:00.31 ID:cNBCnV5Mo
奥の奴の陰まで走り抜ける
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 23:43:12.35 ID:XkZ8oCWFo
うーん振るわない
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 23:43:51.15 ID:b7CofC1m0
これは足袋が滑って転けて銃弾は避けられる展開も…(震え声)
106 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 23:47:34.33 ID:mvFjEoBCo
>>103


西園寺「ああああ、っ……」


もうひとりいる。
それだけで跳ね上がる絶望感。
ああ、どうしよう、目の前に、いる。

そいつはこちらを見ることはしていなかったが、今までの走っている音が気に障ったのだろう。
こちらに首をもたげた。

西園寺「……!」

至近距離でそれの顔を捉えた。

両目から赤い涙を流しながら、手には金槌を握った、少し太った男だ。
そいつが窓を遮ろうとしながら、しかし今となっては西園寺に夢中で、



『きょうはぁ……きゃんぷだよ……』

西園寺「いやああああああ!!」



この距離では、避けられない、ダメだ、背後の拳銃を回避する事も出来ない、どうしようも……

おねぇ……
107 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 23:48:23.14 ID:mvFjEoBCo
条件未達成。

再挑戦?
→YES
108 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 23:49:04.56 ID:mvFjEoBCo
reload

──────

西園寺(迷ってる場合じゃないよね!あのベル、いつ鳴り止むか分かんないし!)


ヤツラに会わない事を祈りながら、西園寺は教室の中を移動した。
廊下に出ずに、ヤツラに気取られずに移動が可能だからだ。
滑りそうになる足袋にいらだちを覚えるが、それも今は後回し。

そして西園寺は、階段にようやく到達した。

背後ではまだまだベルが鳴っている。
鳴り止む気配はなく、ヤツラに自分を察されるような事も絶対にないだろう。
なんせヤツラは、強い気配に反応するようだから。

音が大きいベルに気を取られるのは当然だった。


西園寺(……上るよ……)

かつ、かつ。
階段は……暗い。本当に月明かりも入らないので、夜目で何とかやって行っている。
それでもなお暗い。
全てを見通すのは不可能に近かった。

そして階段を登り切って、たどり着いた2階の廊下を見れば───


西園寺(……うっ、最悪……)


新たなヤツが廊下に立っている。ソイツもまた遠くの方を見ており、こちらには背を向けていた。
教室の扉がぽっかりと開いており、奥に進むには教室を経由するほかはないだろう。

中に何がいるかは、分からない。


──────

行動安価。
幸運。
↓2
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 23:51:02.41 ID:mzzj/nlmo
ksk
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/20(火) 23:52:58.19 ID:f45YDGx1O
教室の中に入る
111 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/20(火) 23:59:57.66 ID:mvFjEoBCo
>>110


西園寺(……このままじゃあの突っ立ってるやつに見つかる……よね)

西園寺(とりあえず教室の中に入らないと……)


ぽっかり開いた扉に誘われて、西園寺は中に入っていった。
罠かもしれないが、それもまた上等と言わんばかりだ。

こそこそ、と中に入ったところ、特に人影はいなかった。
やはりここもまた下の教室と同じように、整然とした場所だった。
あまり使われている痕跡はない。
物もないし、なによりここにはチョークすらおいていなかった。
何か使えるものがないかどうか、探すのも困難だろう。

下と同じく、この部屋もまた隣の部屋と扉でつながっているようだった。
向こう側はどうなっているのだろうか?

西園寺(向こうにおねえ……いるかな?)

西園寺(……行こうかな?)


──────

行動安価。
今日はここまで。
↓2
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 00:00:47.28 ID:83CBtta3o
乙乙
ksk
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 00:03:45.03 ID:xnV9wjrvo
向こうの教室をうかがう
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 00:19:36.79 ID:KS8YjzTb0
視界ジャックってめだかボックスの欲視力って思っとけばいいの?
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 00:20:34.37 ID:83CBtta3o
お客様の中にSIRENとめだかボックスの両方知ってる方はおられますかー
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 00:45:11.97 ID:6Lbrw/EN0
視界ジャックは文字通り他人の視界を覗いて相手が何を見ているのかを知ることができる
ただ初代SIRENだと使用中は集中力がいるため無防備になる。使用する時は目を閉じる必要がある
稀に覗いた人の過去の出来事なんかも見れることがある
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 11:15:14.73 ID:7CaTVRU8O
SIRENの主人公はスキル持ちだったんやな!
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 12:01:12.58 ID:eIh9J0Uko
そろそろ日本舞踊のスキル使ってこうぜ
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 12:37:15.03 ID:euHNGGb2O
おつ
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 13:28:18.55 ID:RaitOdiiO
視界ジャックは全員使えるで
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 15:54:35.88 ID:Ogx9WtnaO
正確には羽生田村の全域に降り注ぐ赤い水を摂取すると幻視は使えるようになるな
羽生田村出身の中には赤い水を飲まなくても生まれつき幻視を使える人も少数だがいる
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 15:59:02.93 ID:rDJJlTSkO
屍人への第一歩やな。
出血した上で赤い水に触れると段々と人間やめていく
123 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/21(水) 20:59:31.21 ID:x1pcOHT4o
ゆっくりとその体を起こして。
124 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/21(水) 21:03:03.93 ID:x1pcOHT4o
>>113


西園寺(……)

西園寺(……行かなきゃ何も始まらない……)


正直このままでは何もよくならない事は明白だった。
進み続けなければならない。
進み続けなければ。


ぎぃっ


西園寺は教室の奥へと足を伸ばした。
そのまま、扉を、開く。
ゆっくりと。

ゆっくりと。


中で何かがうごめいたのが分かる。

生きている……?



西園寺「……おねぇ!」

小泉「! 日寄子ちゃん!」


やっと、見つけられた……!
125 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/21(水) 21:09:20.83 ID:x1pcOHT4o
西園寺「おねぇ!よかった……」

小泉「ごめん、日寄子ちゃん……何か使える物がないかなって探してたら……」

小泉「アイツら、こっちを『見てた』から」

西園寺「あ、アイツら……なんなの?」

小泉「ううん、何もわかんない……とにかく変、よね」

小泉「多分……だけど、村の人だと思う」

西園寺「……なんで村の人があんな風になるの?」

小泉「考えても今は仕方ないよ、日寄子ちゃん……とにかくここから逃げよう」

西園寺「……、……でもアイツらがいるよ……」

小泉「……大丈夫」

西園寺「え?」

小泉「アイツらの『目線』を……『見』ればいいの……」

西園寺「言ってることがわかんないよ、おねぇ……」

小泉「……とにかく、ここから出よう、日寄子ちゃん」


引っかかる部分が多くて、このまま出てしまっていいのだろうかと、思案。


──────

行動安価。
参加者諸君らのコメントに毎回、助けられている。
引き続き宜しく頼む。

↓2
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 21:11:00.31 ID:+wQPO6lt0
kskst
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 21:16:58.54 ID:w+3tIC/zO
『目線』を『見』るについて追求する
128 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/21(水) 21:23:30.14 ID:x1pcOHT4o
>>127


西園寺「……待ってってば、おねぇ!」

小泉「なに?」

沼が深い。

やっと出会えたのに、妙な感覚。
背筋がぞわぞわと逆毛立つ。
外のアイツらもそうだが、小泉真昼にもまた、恐怖を覚えた。

西園寺「なんなの?アイツらの視線を見るとか、なんとか!」

西園寺「そんなの意味が……」

小泉「あんまり叫ぶと危ないよ、日寄子ちゃん」

西園寺「でもっ」

小泉「……落ち着いて」

西園寺「……」

いつになく真剣な様子に思えた。
小泉は西園寺を制し、それから瞬きする。
ゆっくりと。

小泉「アタシも……ちょっと前に気付いたの。頭の中に変なイメージが流れ込んでくるみたいで……」

小泉「落ち着いて、深呼吸して。それからゆっくり目を閉じて……」

小泉「そして……意識を集中するの。一点に……」

西園寺(……おねぇ……おかしくなっちゃったの?)

小泉「アタシは真剣に言ってるよ」

西園寺「!」

小泉「試してみて……アタシに意識を集中してみて」

確かなことなどないが、小泉は真剣だった。


──────

行動安価。
↓2
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 21:26:46.28 ID:xJl4EsC8o
言われたとおりにする
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 21:27:05.76 ID:U8BNsCVNo
131 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/21(水) 21:37:02.79 ID:x1pcOHT4o
>>130
>>129


西園寺「……」

制止しようかとも考えたのだが、しかし……。

小泉は真剣だ。
この非常事態で訳の分からないことを言う人ではない。
一度言われるとおりにしてみよう。

確か目を閉じて意識を集中してと言っていた。

西園寺は言われるままに目を閉じた。
小泉の言葉を頭の中で反芻する。
彼女に意識をあわせて、集中して───



ぼんやりと浮かぶ像。


闇の中で見たことがある人影が見える。
高校生には思えない小さな体躯、一張羅の美しい着物、暗闇でもはっきり浮かぶ金のツインテール……。


もしかして、これは。

「見える?日寄子ちゃん、『日寄子ちゃん』が」

意味が、分かってしまう。

恐る恐る目を開けて、前を確認した。
さっきと同じように、西園寺を安心させようとぎこちない笑顔を作った小泉がいた。


小泉「……日寄子ちゃんも出来たんだよね……これ」

西園寺「いまの……な、に……?」

小泉「わかんない……でも、他の人の視界を見ることが出来る……みたい」


──────

行動安価。
ジャック。
↓2
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 21:38:27.76 ID:+wQPO6lt0
試しに近くの村人の視線も見てみる
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 21:40:46.98 ID:KS8YjzTb0
この謎の能力にとりあえず命名してみる
134 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/21(水) 21:54:18.77 ID:x1pcOHT4o
>>133


西園寺「………ほんとになんなのこれ」

小泉「何だろうね……」

そもそもいつから出来たんだろう?
今、西園寺自身はこうして言われて試したから出来たのだけれど。

小泉「アタシも……学校歩いている間に気付いたんだ、これ出来るの」

西園寺「……」

なぜ出来るようになったのか?
そんなことはふたりには分かりもしなかった。
静かな教室でふたり、顔を合わせてしまう。

西園寺「ところでさ、おねぇ」

小泉「ん?」

西園寺「これ……この変なの、なんか……今のやつ、なんか分かりやすく名前付けようよ」

小泉「そ、そう?」

正直気分転換、と言うより現実逃避に近い。
それでも今の絶望的な状況から少しでも離れられるのなら、考える価値も多少あるのかもしれない。
西園寺の意識は舵を取る。
ところが、状況が状況だけにあまり頭は回らないようだ。

西園寺「なんて言うか……うーん……」


不意に、頭の中に浮かんだ単語。


西園寺「幻を見てるみたい……」

西園寺「幻を視る……ちから……【幻視】……」

小泉「なにそれ?」

日寄子ちゃんにしては、ずいぶん突飛な発想。
だなんて、小泉も言わなかった。
なぜか、小泉も同じような単語が頭を駆けめぐったから。


◆【幻視】が使用可能になった。
あらゆる生物の視界を『盗み視る』事が出来る。
それは仲間も、あるいは敵も。
これを使えば、きっと敵が今何をしているのか?どこを視ているのか?
すぐに分かるだろう。
気を付けなければいけないのは、幻視を使う間は無防備になることだ。


──────

行動安価。
階段を踏み外す。
↓2
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 21:56:59.56 ID:+wQPO6lt0
kskst
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 21:59:49.54 ID:riF61Kqp0
互いが離れていた間の状況を話し合って整理しておく。
137 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/21(水) 22:10:33.26 ID:x1pcOHT4o
>>136


西園寺「行く前に、ちょっと」

小泉「そうだ、日寄子ちゃんは変わった事なかった?」

西園寺「え?」

小泉「下に変なのとか、いなかったわよね……?」

西園寺「……それが、廊下にひとり。それにトイレにも1人いるよ」

小泉「そうなんだ……どこか行ったと思ってたのに……」


小泉と西園寺が逃げまどっているのは、それでもなお学校から出られなかったのは、元々中に敵がいたからだった。
内側、外側の両方から追いかけられ、危険になったため、ふたりでなんとか教室に逃げ込んだのだ。

隠れているうちに時間は過ぎた。
最初に追いかけていた方は玄関側に引き返していったらしい。
このままではジリ貧と判断した小泉が、隙を突いて階段をあがり、そのまま離ればなれになったと言うわけだ。


小泉「離れて何分経ったか分からないけど……」

西園寺「そうだね……」

小泉「……こっちは特に何も。アイツらがあちこち見てて、動きにくいから様子を伺ってたの」

小泉「この教室にも使えそうな物はないしね。でも」

西園寺「でも?」

小泉「見つけたよ、職員室の鍵はね。これで職員室から逃げられないかな?」

鍵がかかっていたなら、職員室に入った敵はいるまい。
ならば、窓も無事なはずだ。
そこから脱出出来るのではないだろうか?


──────

行動安価。
↓2
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 22:12:56.94 ID:riF61Kqp0
kskst
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 22:13:31.27 ID:+wQPO6lt0
一応ドアから様子を見る
140 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/21(水) 22:19:34.87 ID:x1pcOHT4o
>>139


西園寺「幻視が出来るからって、全部それに頼っちゃマズいよね」

小泉「………確かにそうだね。幻視……を使ってる間は、動けなくなるし」

小泉「それに意識全部そっちに行くからそもそも危機回避すら出来ないしさ」

西園寺「出来る範囲で、自分で確認しながら行こう?おねぇ」

小泉「………うん」


こくり、うなずく二人。
なんだか日寄子ちゃん、たくましくなった?
なんて思いながら、進む教室の中。

ドアの隙間から、廊下の方を覗き見るようにしてみた。

廊下の中心には拳銃のようなものを握り込んだ何者かが立ちはだかっており、あちこちきょろきょろ見ている。
先程は廊下の奥側を見ていたはずだが、今は逆方向、階段の方を見ている。
そちらになにかあるのだろうか。

耳を澄ませれば、規則正しいリズムが耳に届くかもしれない。
それは階段とは逆、最初に廊下に立っているやつが向いていた側。
何かを打ち付けているように聞こえる。
学校内の窓という窓を全て塞がれたのと同じような行動だろうか?


小泉「………」

西園寺「……どうしよう、まず一階に降りなきゃ……」


──────

行動安価。
大工。
↓2
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 22:21:00.17 ID:4fY9BUdvo
ksk
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 22:21:33.72 ID:+wQPO6lt0
kskst
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 22:37:40.57 ID:oaMuFfHEo
幻視 拳銃をもつ何者か
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 22:37:52.17 ID:riF61Kqp0
音の方を探る
145 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/21(水) 22:47:47.52 ID:x1pcOHT4o
>>142
>>143


西園寺「……おねぇ、わたし……やってみる」

小泉「……日寄子ちゃん」

西園寺「ちょっとだけ待っててね」

そいつのいる場所は分かる。
だから、さっきと同じ要領だ。
そいつに……意識を集中する。
まるで自分の一部になるように、そいつのことをよく、考えて……。

自らの意識を、とけ込ませる。
そいつの視界に入り込む。
ジャックする。




『……、……ども……は……』


視界はあまりいい、とは言えない。
かなり古いブラウン管のテレビのような映りだった。
その『視界』は、何事かを譫言のようにつぶやいている。
ちゃんとした言語かどうかは割と怪しい。
まるでその『視界』が自分のもののように感じられた。
時折自分の足下や廊下をなめ回すように見つめた。

数秒の沈黙のあと、そいつはその場で反転した。
向いている方向を変えたのだ。
ぼんやり、奥の方で何かを叩いている人間のような物が見える。
壁の方を向いて何か叩いているらしい。


『……ひ、かり……』


──────

行動安価。
幻視は中断するまでそのままになる。
時間で解除などはされないが、そのままにしておいてもメリットはない。
↓2
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 22:57:29.31 ID:+wQPO6lt0
中断して相談
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 23:00:16.42 ID:4fY9BUdvo
中断して相談
148 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/21(水) 23:10:22.59 ID:x1pcOHT4o
>>147


意識を一気に断つ。
ぶつん、とテレビが切れたみたいに目の前が真っ暗になった。


疲れが一気に体に押し寄せる。


西園寺「っ、はぁ……はぁ……」

小泉「日寄子ちゃん、大丈夫……?」

西園寺「……うん、大丈夫」

背中に汗が垂れていくのが分かる。
慣れないことはするものじゃないな、とひとりで苦笑いした。
ぼんやりしそうな頭を回転させながら西園寺は向き直った。

西園寺「それより、廊下のやつ……拳銃持ってるでしょ」

西園寺「あいつ……右見たり左見たりしてるみたいなんだよね」

小泉「廊下の橋を交互に見てるって事?」

西園寺「うん。どういう基準か分かんないけど、何十秒か片っぽを見たら、そのあともう片っぽに振り向く」

小泉「……なるほどね」

小泉「あいつに見つからないためには、あいつがどっか別な場所を向いている時に階段に行かなきゃいけないわね」

西園寺「そうなるかな」

小泉「まして拳銃で撃たれる訳になんて行かないし……」

西園寺「武器もないし、そもそもあんなやつ戦っても勝てないよぉ……」

彼女らには、『撃たれたら死ぬ』くらいの知識しかない。
しかし『撃たれたら死ぬ』のは大問題だ。
死にたくはない。
こんな意味の分からない状態で死にたくない。


──────

行動安価。
あとは運も味方になれば。
↓2
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 23:11:12.25 ID:r/jBvG1AO
ksk
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 23:16:08.69 ID:7Xv4OwyG0
kskst
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 23:18:12.03 ID:6Lbrw/EN0
拳銃持ってる奴が目を離しているすきに教室に入ってそこから職員室まで移動
152 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/21(水) 23:26:05.06 ID:x1pcOHT4o
>>151


西園寺「もう一回、やってみる」

小泉「え?」

西園寺「それで、あいつが違うとこ見たらすぐ言うから」

小泉「日寄子ちゃん」

西園寺「大丈夫だよ、おねぇ」

自分に出来る事はこのくらいしかない。
その思いが抑えられず、西園寺は早口で言い終わると同時に廊下のヤツの視界を幻視した。

数秒のラグのあと、しっかりと繋がった視界はやはり不良。
また階段側を向いているのが分かった。
あと何秒したら反対を向く?
自分の物ではない体に汗をかきそうな焦りを覚え、そして。

反転した。


西園寺「……今だよ、おねぇ」

小泉「!」


瞬間を狙って、教室間を移動した。
なるべく階段に近いところに出るためだ。
そのまま勢いを保って廊下に、さらに階段を駆け下りたいと思ったの、だが。


『草刈ー……くさ、くさー……』


西園寺「!?」

階段の半ばで足が止まる。
止まってしまう。

バカな、なぜ。
トイレにいたはずのヤツが、トイレから出ている。しかもトイレ周辺をウロウロしている。
そうでなくとも、一階にも拳銃を持っているやつが廊下をウロウロしているのに!

このまま降りればすぐに見つかる……!


──────

行動安価。
気まぐれ。
↓2
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 23:27:52.93 ID:+wQPO6lt0
kskst
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 23:38:53.01 ID:Ogx9WtnaO
このステージここら辺が鬼畜なんだよな
階段で下の階から見えない位置で立ち止まり奴がトイレから出てくる前に教室に移動
拳銃の奴がこちらを向いて無いのも確認のうえで

155 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/21(水) 23:50:48.36 ID:x1pcOHT4o
>>154


このまま進めば、いくらなんでも見つかることは明白だった。
一旦立ち止まった足を進めるのは、とても怖い。

西園寺は祈る。
トイレ前のアイツが、なるべく早くトイレの中に戻ってや行かないかと。
非常ベルが鳴り止んでいるのが分かった。
でなければこいつはここに来るわけはないだろう。
引き寄せられていたはずなのだから。

祈る。
祈る……。


西園寺(……戻ったかな)

音が遠ざかったような気がした。
また戻ってくる前に急いで教室に入らなければ……




階段を降りた先に、まだそいつはいた。




西園寺「……!?」

『子供はぁ……寝なさい……』

小泉「ッ!?な、なにこいつ!?」


奥からも足音がする!
これは逃げきれない……!?


──────

このまま行動?中断?
直下
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/21(水) 23:56:45.56 ID:zTo9ACqRo
ksk
157 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 00:00:50.77 ID:8hOq2PyHo
リロード。
158 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 00:01:29.92 ID:8hOq2PyHo
>>151


西園寺「もう一回、やってみる」

小泉「え?」

西園寺「それで、あいつが違うとこ見たらすぐ言うから」

小泉「日寄子ちゃん」

西園寺「大丈夫だよ、おねぇ」

自分に出来る事はこのくらいしかない。
その思いが抑えられず、西園寺は早口で言い終わると同時に廊下のヤツの視界を幻視した。

数秒のラグのあと、しっかりと繋がった視界はやはり不良。
また階段側を向いているのが分かった。
あと何秒したら反対を向く?
自分の物ではない体に汗をかきそうな焦りを覚え、そして。

反転した。


西園寺「……今だよ、おねぇ」

小泉「!」


瞬間を狙って、教室間を移動した。
なるべく階段に近いところに出るためだ。
そのまま勢いを保って廊下に、さらに階段を駆け下りたいと思ったの、だが。


『草刈ー……くさ、くさー……』


西園寺「!?」

階段の半ばで足が止まる。
止まってしまう。

バカな、なぜ。
トイレにいたはずのヤツが、トイレから出ている。しかもトイレ周辺をウロウロしている。
そうでなくとも、一階にも拳銃を持っているやつが廊下をウロウロしているのに!

このまま降りればすぐに見つかる……!


──────

行動安価。
トイレのヤツはまだトイレの外。
↓2
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 00:02:05.54 ID:/pf2ZhCno
日本舞踊で何とかしよう
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 00:02:49.62 ID:fGIhW/Yu0
ワンチャンに賭けてダッシュからの非常ベルぽちっ
161 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 00:08:49.77 ID:8hOq2PyHo
>>160


こうなったらワンチャンス。
掴むしかない、だろう。

西園寺は腹を決めたようだ。


西園寺「……おねぇ、わたし」

小泉「え?」
 
西園寺「行くよ」


すくっ、と立ち上がる。
全てを捨ててもいい、と言う気概で覚悟した。
あとは足が滑らない事を祈るだけだ。

日寄子ちゃん、と止めようとした声は、ついに西園寺の足を止めることはなかった。


西園寺「っやあああ!!」

『!?』


階段からの全速力。
トイレ前のヤツは緩慢な動きでそれに気付く。
だが、一手遅い。
西園寺を捕まえるに至らないのだ。
拳銃のヤツもまたこちらに近付こうとしている真っ最中だった。

このままでは挟撃される……!



ジリリリリリリリ!!



小泉「!?」


西園寺は一階の廊下の半ばで、そのボタンを押すことに成功していた。
あと少し遅ければ、撃ち抜かれていただろう。

──────

行動安価。
捨て身。
↓2
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 00:15:31.16 ID:HqRIfTra0
この場合、屍人はどっちを優先するんだろうか?

拳銃の射線から逃れる為に身を低くして教室へ飛び込み扉閉める
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 00:21:23.23 ID:6GQI6jPHo
164 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 00:28:25.34 ID:8hOq2PyHo
>>163
>>162


賭だった。
押す前に見つかるかも、捕まるかも、転ぶかも。
押してからも自分を狙うかも。
様々な思惑が交差した。
それでも、なお。

足を止めずに進めるか。


西園寺はその賭に勝った。
『ヤツラ』は音と光の方に吸い寄せられたのだ。


ジリリリリリリリ!!


耳が痛くなりそうな大音を奏で始めたベルを後目に、西園寺は即その場を離脱した。

すぐそばの教室に入ったのだ。
入口に近い方の【1・2年生の教室】だ。


ばんっ!

戸を閉めてからも遠くで音は鳴っていた。
ヤツラがそこに溜まっているのが分かる。
そこに居続けれくれれば何よりだが。
………小泉と合流しなければならないか。

まだ階段にいるだろうか?

小泉は小泉でタイミングを計って移動をしているところのようだ、と信じたかった。
非常ベルが鳴り止むのはもう少し先だろう。


──────

行動安価。
あと少し?
↓2
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 00:38:17.31 ID:HqRIfTra0
kskst
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 00:53:11.72 ID:WpjZeJqYO
職員室に単騎突入
167 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 00:58:30.89 ID:8hOq2PyHo
>>166


小泉を待っていても、仕方がないのか?
自分が先に行って、待っておくべきだろうか?

そう考えた西園寺は、教室内を移動して先に職員室に向かうことにした。

大丈夫だ、おねぇならすぐに追いつくさ。

そう思って飛び出したはいいものの、ひとつ西園寺は、大切な事を忘れていたのだ。




職員室の鍵は、小泉が持っていた。


西園寺「あ」


それともうひとつ不運が重なる。



非常ベルが鳴り止んだ。



西園寺「しまっ……!」

『そこの………ひと、とまりな………さ』

西園寺「!!」


迫った背後のそれに、西園寺が気付くのも遅れ、





一発の銃声が、全てに終わりを告げた。
168 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 00:59:55.52 ID:8hOq2PyHo
条件未達成。

再挑戦?
→YES
169 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 01:01:02.36 ID:8hOq2PyHo
reload

──────


賭だった。
押す前に見つかるかも、捕まるかも、転ぶかも。
押してからも自分を狙うかも。
様々な思惑が交差した。
それでも、なお。

足を止めずに進めるか。


西園寺はその賭に勝った。
『ヤツラ』は音と光の方に吸い寄せられたのだ。


ジリリリリリリリ!!


耳が痛くなりそうな大音を奏で始めたベルを後目に、西園寺は即その場を離脱した。

すぐそばの教室に入ったのだ。
入口に近い方の【1・2年生の教室】だ。


ばんっ!

戸を閉めてからも遠くで音は鳴っていた。
ヤツラがそこに溜まっているのが分かる。
そこに居続けれくれれば何よりだが。
………小泉と合流しなければならないか。

まだ階段にいるだろうか?

小泉は小泉でタイミングを計って移動をしているところのようだ、と信じたかった。
非常ベルが鳴り止むのはもう少し先だろう。


──────

行動安価。
小泉と一緒に。

今宵はここまで。神はまだこの遊技を終わらせてはくれなさそうだ。
↓2
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 01:01:20.71 ID:iR95zbq7O

ksk
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 01:07:12.66 ID:HqRIfTra0
小泉の視界を借りる

172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 09:37:19.91 ID:rPfFTjMaO
そういえばSIRENって死にゲーだった
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 18:08:24.72 ID:3p/dsgRfO
基本操作キャラが現代の一般人ばっかだからな
時間おくと敵は蘇るは、操作は簡単ではないは、マップの雑魚敵の武器は奪えないは、視界は悪いくせにスナイパーは的確に撃ってくるはで初見でクリアできる人なんていないだろ
174 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 22:06:40.68 ID:8hOq2PyHo
遅れたが、皆準備は良いか?
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 22:07:41.59 ID:wvYGJcbgO
ほどほどに
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 22:09:01.28 ID:6q43Umyo0
大丈夫じゃん
177 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 22:14:18.85 ID:8hOq2PyHo
>>171



西園寺(おねぇ、すぐ来るかな)


不安はない、わけではない。
やはり彼女の身に何かあってはいけない。
……ちゃんと来てくれる事を祈ろう。

西園寺(でも、ただ待ってるわけにも行かないし………)

すかさず、意識を集中する。



しばしの沈黙のあと、『視界』は繋がった。
闇の中、階段を見つめている『視界』だ。
間違いない、これは『小泉の視界』。

彼女は防犯ベルの音に少しだけ驚きながらも、
息を整えた。

『………日寄子ちゃん』

防犯ベルの意味が分かったのか、彼女は意を決してそこから動くようだ。
階段をゆっくりと降りていき、敵に見つからないままに、階段そばの【3・4年生の教室】へと入り込んでいくようだ。

きっとすぐにでも合流出来るだろう。


──────

行動安価。
今日は行けるところまで。
↓2
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 22:14:47.55 ID:6q43Umyo0
kskst
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 22:24:02.69 ID:wvYGJcbgO
今はじっと待つ
180 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 22:33:37.80 ID:8hOq2PyHo
>>179


今はただじっと待つ他はないだろう。
動いてどうなるわけでもない。

小泉の『視界』は、まだ動いている。


『………はぁ、はぁ』

荒い息づかいが、自分の耳の中に飛び込んでくるようだ。
彼女はまだ緊張状態だ。
教室内をキョロキョロと見回している。
中に何かないか、警戒している様子で。

『………日寄子ちゃん、どこ………』

言葉は西園寺を心配している。
やがて彼女は教室一番奥の小さな扉に気付いた。

突然うれしそうにはねる視界。
中に写る、どこか見覚えのある背中。
ゆっくりと近付く、陰。



ぽん



小泉「よかった……日寄子ちゃん」

西園寺「!」

やっと幻視を中断して、西園寺は振り返った。
今回は小泉だったからいいものの、もしこれが敵だったら笑えなかった。


──────

行動安価。
あと一歩。
↓2
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 22:35:51.35 ID:6q43Umyo0
二人で職員室へ
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 22:37:26.84 ID:HqRIfTra0
敵の様子を探って動けるタイミングを見計らう
183 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 22:45:54.94 ID:8hOq2PyHo
>>182


西園寺「よかった……おねぇ」

小泉「ありがとう、日寄子ちゃん。日寄子ちゃんのおかげで、アタシ」

西園寺「ううん、わたしにはこのくらいしか出来ないから」

首を振る。
本心でそう思ったから。
自分で何が出来るか、今のことくらいしか出来ないよ。

小泉「……うれしいけどもうこんな無茶なこと、しないでね」

西園寺「っ、」

小泉「日寄子ちゃんに何かあったらアタシ、耐えられないから」

西園寺「………ごめん、おねぇ」

小泉「分かってくれたらいいよ。……それで」

西園寺「うん。職員室、だよね」


ベルの鳴り響く音が途切れてしまいそうだ。
だが、まだヤツラの気はそちらに行っているはず。
念のため幻視してみたが、問題はなさそうだ。
今なら………行けそう。

小泉「……行こう!」

短く合図して、2人は教室を飛び出した。

184 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 22:48:56.84 ID:8hOq2PyHo
目指すのは職員室。
彼女らの背後にはまだ防災ベルに釘付けの男ふたり。

足早に廊下を駆けていく。
振り向くなよ、音は鳴り止むなよ。
祈りも込めながら。

目的地と、そう距離は離れていない。

2人はすぐに職員室にたどり着いた。


西園寺「おねぇ、鍵を」

小泉「うん」

かちゃかちゃ、開こうとする鍵。


ジリリリリリッ………


西園寺「………!」

『………?』

小泉「ベル、止まったの?」


タイミングがいつになく悪い。
思いがけず舌打ちする西園寺と、手が滑りそうになる小泉。
鍵が………


がちゃ


小泉「開いたッ」


何とか2人ですぐさま転がり込む。
背後のヤツは……気付いたか?それとも?

──────

行動安価。
↓2
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 22:50:27.20 ID:HqRIfTra0
kskst
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 22:50:36.51 ID:3KBEdgiOo
背後のやつの視界ジャック
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 22:50:41.88 ID:T7eigw5Co
鍵をかける
188 :(堪える) ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 23:02:12.28 ID:8hOq2PyHo
>>186


西園寺「後ろのヤツ、見てみる!」

小泉「え?」


西園寺はさらに意識を集中させる。
チャンネルを合わせて、心を開いて、つなぎ合わせる。

………見えた。


その『視界』は、赤い光を見ていた。
先程まで音が出ていたところだ。
今の今までそこにいたようだ。

『………ひゅう、ひゅう………』

息をするような音。
耳障りだが、致し方がない。
『視界』は音の途絶えた地点にいよいよ興味を失って日常に戻っていった。
きょろり、視線をそちらからはずす。

すた、すた。
一歩、また一歩進む。

つい先程見たばかりの、鍵を開けたばかりの扉に向かって前進している───


──────

行動安価。
↓2
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 23:04:37.01 ID:Yi8Lo5Gno
ksk
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 23:07:41.97 ID:4N1687g6O
中断して職員室に入り鍵を閉める
191 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 23:14:43.88 ID:8hOq2PyHo
>>190

西園寺と小泉の現在地は職員室内。
そこに背後から忍び寄っている『ヤツ』。

はっ、とした西園寺が顔を上げた。

西園寺「マズい……おねぇ、あいつ来てる!」

小泉「え!?」

西園寺「鍵、閉めなきゃ」

小泉「う、うん!」

戸を素早く閉め、鍵をかけた。
これで中の安全は保たれるだろう。
………しばらくは。
ヤツは拳銃を持っていた。
押し切られる可能性も十二分にあり得る。

西園寺「……早く逃げなきゃ」


さて、職員室内は思った通り、まだ窓が閉められていなかった。
中はそれなりの広さだが、使われている机は2つ、3つほどだろう。
それ以外は使用された痕跡はない。

使えそうなモノは……残念だがなさそうだ。


──────

行動安価。
もう逃げられるはず。

↓2
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 23:18:03.88 ID:6q43Umyo0
kskst
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 23:18:18.70 ID:HqRIfTra0
使えそうなモノはなさそうってあったら
アーカイブもないのかな?
kskst
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 23:18:43.41 ID:T7eigw5Co
窓から出てみよう
195 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 23:22:58.59 ID:8hOq2PyHo
>>194


小泉「あいつ、来てるんだよね?」

西園寺「うん………だから、早く」

小泉「そうだね、早く逃げよう」


2人でうなずく。
一刻も早く、ここから出なければ行けない。
そうでなければならない。
マズい、マズい。

そうこうしているうちに、足音はずいぶん前まで来ている。

小泉が腹を決めた。


小泉「窓が割と大きくて助かったね」

がらり、開け放つガラス窓。
外には雨が降っているようだ。
見てみるが、幸いにも誰もいなさそうだ。
これなら安全に逃げられるだろう。

小泉「行くよ、日寄子ちゃん。ちょっと地面まで高さがあるから、先にアタシが出る」

小泉「そのあと降りてきて。危なくないようにね」

西園寺「うん」

簡単に頷いて、小泉を見送った。
直後、すぐに着地音がする。
足下は砂利なのだろうか?

小泉「早く!」

そんなことはどうだっていいか。
西園寺は小泉に手を伸ばした。
196 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 23:23:39.99 ID:8hOq2PyHo



終了条件達成。



197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 23:26:01.81 ID:6GQI6jPHo
おおー
198 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 23:28:22.07 ID:8hOq2PyHo
西園寺日寄子  1日目  03:23:13
       学校付近      


小泉「……怪我してない?」

抱き抱えてくれた小泉が、地面に自分をおろしてから尋ねてきた。
当然、どこも痛まない。

西園寺「うん、大丈夫」

小泉「そっか、よかった」

西園寺が多少無茶したので、心配したのだろう。
もしくは───

小泉「それにしても、この雨……」

小泉「……すごく、やな感じ、するね」

西園寺「うん……」


小泉が何か言い掛けて、口を閉ざしたのを西園寺は見た。
けれど、何も言わないし言えなかった。
自分を案じた理由が分かったからだ。


降り注ぐ雨粒が真っ赤だったからだろう。
血のように、生命のように。


確かに、それをかわすすべも無いまま、降られる西園寺の心中はとても複雑だった。
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 23:32:21.53 ID:z6jpnvWio
真っ赤だなぁ 真っ赤だなぁ
200 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 23:33:30.77 ID:8hOq2PyHo
チャプター解放。


◆松田夜助   1日目 03:45:20
◆不二咲千尋  1日目 06:00:04(デモのみ)
◆田中眼蛇夢  1日目 17:30:45(デモのみ)


◇西園寺日寄子 1日目 02:50:05の終了条件2は未解放


チャプター選択、直下
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 23:34:50.37 ID:HqRIfTra0
不二咲千尋
202 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 23:40:47.95 ID:8hOq2PyHo
不二咲千尋   1日目  06:00:04
        山中


どうして、どうして。
疑問は何度も頭の中を駆けめぐったが、しかし答えは出ない。
どうしたらいいんだろう。
混乱が脳内を駆け回っていた。

涙しか出てこない。


『ふ、じ、』


目の前のソレは、もう知っている人ではない。

それでも、少しだけ期待してしまう。
他のヤツとは違うんじゃないだろうか?
僕を本当に助けようとしてくれているんじゃないだろうか?
そう思うけれど、けれど。

目の前の『彼』はもう───


「不二咲くんッ!」


はっ、として顔を上げる。
石丸だ。石丸清多夏だ。
どうしてここに、なんて言えなかった。
そのあとの事を、想像したら。


石丸「………これは………どういう事かね」

不二咲「………ごめんね……ごめん、僕が……弱いから……」


迫ってくる。
知っている顔で、寄ってくる。
けれど2人とも、今はまだ動かないままだ。
203 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 23:43:48.41 ID:8hOq2PyHo
チャプター解放。


現在選べるチャプター

◆松田夜助   1日目 03:45:20
◆田中眼蛇夢  1日目 17:30:45(デモのみ)

◆不二咲千尋  1日目 00:18:49(デモのみ)
◆日向創    1日目 06:50:40

選択直下
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 23:44:11.41 ID:T7eigw5Co
ガンダム
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 23:44:27.21 ID:z6jpnvWio
田中眼蛇夢
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sagdm]:2015/10/22(木) 23:58:18.99 ID:KiyM+WyF0
ところで倒した敵の武器はゲーム同様奪えなかったりします?
207 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 23:58:30.76 ID:8hOq2PyHo
田中眼蛇夢   1日目  17:30:45
      蛇ノ首谷付近     


『……テメ……じゃま、すん……』

田中「生憎だが邪魔は貴様だ、左右田和一」

『………』

田中「雌猫を執拗に追いかけるストーカーよ、俺様の魔力に屈せ」

『………あ、あああ、あ』

田中「せめて安らかに」


ゴッ


堅いモノが頭を打ち付ける音。

生きるために、殺す。
田中の決断はそう間違っていなかったのだろう。


田中「……」

ソニア「う、ううっ……!」

田中「貴様が気に病む必要はない。こいつも導かれたのだ」

田中「この瘴気に当てられ、人間では無くなった」

倒れたソイツを、今や人ではないソイツを。
見知った仲間だったソイツを、田中はきつくにらみつけた。

ソニア「ですが……そ、左右田さんは……最後にわたくしを……」

田中「二度まで言わせるな」

ソニア「ううっ……」

田中「とにかく、今はここを離脱する事だけを考え……」


何かに感づいて、言葉が途切れる。
ソニアが顔を上げた時には、田中の背後にソイツは迫っていた。

顔を真っ赤にした、左右田和一───

目からは夥しい量の血を流している。
直視など出来るはずがない。


田中の脳内によぎった疑問は、ひとつ。
なぜ、死なない?
208 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/22(木) 23:59:31.26 ID:8hOq2PyHo
現在選べるチャプター

◆松田夜助   1日目 03:45:20
◆不二咲千尋  1日目 00:18:49(デモのみ)
◆日向創    1日目 06:50:40

選択直下
今宵はここまで。デモのみチャプターは割と多い。

>>206
当然奪えない。
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/22(木) 23:59:39.58 ID:6GQI6jPHo
またしても左右田が死んだー!
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 00:02:54.94 ID:2MROuNPYo
すまん、安価下で
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 00:03:06.48 ID:14RC0jMP0
んでだよ!なんでおr左右田が死ぬんだよ!
もうちょっと使い道あっただろ!?そうですよね、ソニアさん!
安価下
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 00:03:25.94 ID:Wc95C0140
おつ
ちーたんで
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 00:03:42.33 ID:IEUVjTfDO
不二咲
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 00:11:34.23 ID:zuk6sC8g0
乙っした。
左右田の他にも多分…
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 10:25:42.59 ID:i5uPNGL5O
あれ、ちーたんのデモってもう見たやつじゃないん
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 10:29:32.25 ID:CTMcDvJ4o
こうなるからイヤやったんや、サイレン…
絶対生徒が屍人化するし、脱出してもハッピーエンドにはならない
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 13:28:39.04 ID:GuUotIOyo
一体誰が異界ジェノサイダー化するんだ?
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 15:25:10.81 ID:ead37wIyO
ちーたんの1回目は午前6時の、んで今回のが午前0時、だから苗木が殺られた直後のデモじゃない?
静岡といい左右田は損な役回りしかしないね!
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 17:34:59.02 ID:0JULrXUE0
脱出するにしても春海みたいに長時間家屋にいたり屍人と接触せず赤い水にほとんど触れないようにしないとダメだからな
しかも生まれつき春海は幻視が使えるっていうレアケースだし
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 19:10:11.75 ID:297DOVPfo
村への外来人でジャックできるって時点で
221 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 19:12:15.78 ID:yaBX/UNEo
左右田和一は勇敢だった。今はそれだけ取り急ぎ。
222 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 19:19:00.84 ID:yaBX/UNEo
不二咲千尋  1日目 00:18:49
      民宿/廊下      



走る彼に、半ば引きずられるように走り出す。
その背中はやっぱり力があって、頼りがいがあって、あこがれてしまう。
こんな状況だからこそ。

だからこそ、だからこそ。


大和田「ちっくしょ、何なんだよアイツら……!」

霧切「分からないわ。ただ」

大和田「ただ?!」

霧切「……人間ではない、のかもしれないわね」

顔色を変えないように、霧切は呟く。
努めて冷静にいるように心がけていたようだが、しかし動揺は滲んでいる。

不二咲「……はぁ、はぁ」

大和田「不二咲……逃げるぞ」

不二咲「……ぼく、もう……」

走っていた不二咲は限界だった。
息が続かない、声が出ない。
足もほとんど義務的に出されるだけだ。

それを見た大和田は一瞬だけ立ち止まり、

大和田「何言ってやがる」

抱える。
その小さな体を。

不二咲「!?」

大和田「オメェを残してけるかよ」

それは背後で時間稼ぎをしてくれた先輩を思うが故だろう。

霧切「……外に出たら別れましょう」

真っ先に部屋から飛び出した一群である彼らは、玄関を蹴り飛ばして外へと出て行った。
223 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 19:26:20.66 ID:yaBX/UNEo
チャプター解放。

現在選べるチャプター

◆松田夜助   1日目 03:45:20
◆日向創    1日目 06:50:40

◆左右田和一  1日目 01:07:02(デモ)
◆江ノ島盾子  前日  22:31:40(デモ)


※デモは安価進行なし。

選択直下。そして中断。
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 19:29:36.65 ID:D+BbkQ2Ao
江ノ島盾子
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 19:30:01.11 ID:KTysTv8Lo
左右田
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 19:40:25.00 ID:y0vyL0um0
左右田見たいなーソニアを庇ったんだろうか
227 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 20:00:59.93 ID:yaBX/UNEo
絶望は、闇を引き連れて。
228 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 20:07:31.42 ID:yaBX/UNEo
江ノ島盾子   前日  22:31:40
       廃病院内




松田「……」

からん、かちゃん。
もはや使い手のいなくなった器具を見回る松田。
その病院はいつから打ち捨てられていたのか、分からない。

松田「……信じがたいが、お前が言うんだから事実なんだろう」

見回す松田の隣に、金色の女がいる。

江ノ島「アタシも100%は信用してねーけどな」

松田「お前がそんなレベルの事を俺に話すのか?ブス」

江ノ島「えー?分かんないでしょー?」

松田「そうか、ならその時間を待たずに死ぬか?」

江ノ島「怖い事言わないでください……絶望してしまいます……」


ころころと表情を変える江ノ島盾子。
彼女はこの不気味な場所をも楽しんでいる。


江ノ島「アタシが死ぬのは、絶望が始まってから。でしょう?松田君?」

松田「……」

江ノ島「もう少し、だけ、待って」

江ノ島「噂がもしも、本当なら……」


今はまだ、満点の星空だ。
229 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 20:08:00.78 ID:yaBX/UNEo
現在選べるチャプター

◆松田夜助   1日目 03:45:20
◆日向創    1日目 06:50:40
◆左右田和一  1日目 01:07:02(デモ)

選択、直下。
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 20:11:06.86 ID:MRjuxu0h0
日向
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 20:13:19.94 ID:34oMs6rl0
いま来たばっかだけど…なんとなくアンテナ(日向)
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 20:21:03.34 ID:34oMs6rl0
ダベミさんのホラーssは全部面白い
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 20:26:41.98 ID:14RC0jMP0
言われて気づいた、これダベミか
納得の面白さ
234 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 20:27:06.43 ID:yaBX/UNEo
日向創    1日目   06:50:40
     上粗戸/路上   



「……ねぇ……」

呼ぶ声がする。

「起きて……お願い」

誰だ?
ああ、そう言えば、誰か一緒に来ていたような……。
でも、誰だっただろうか?

ええと……。



「日向君」

日向「!」


起きあがる。
いつの間にかこんな道ばたで意識を失っていたようだ。
頭が痛い。
なんだか、変なモノも頭の中にあれこれ浮かんでいる。
ううん、と頭を振ると、目の前に少女がいた。


日向「ん?お前は……」

「お前じゃなくて【七海千秋】、だよ。日向君、さすがに名前くらいは覚えててくれるかと思ったんだけど」

日向「………なな、み」

そんな名前聞いただろうか?
いや、なんだか記憶が曖昧だ。
でもとにかく……。

日向「俺、なんでこんなところに……」

七海「一緒に逃げてきたんだよ、覚えてないの?」

日向「………」

いまいちはっきりしない。


──────

 終了条件:『七海千秋』と商店街の脱出。

行動安価。
今は日向も、ただのひと。
↓2
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 20:27:44.24 ID:14RC0jMP0
kskst
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 20:32:57.38 ID:g2ii3Ps4O
落ち着いて現状把握
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 20:39:39.45 ID:/cyPdeiDO
なるほど、七海はなんかポジション的に合う感じ
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 20:40:23.98 ID:34oMs6rl0
「今は」ってことはもしかして…
239 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 20:49:32.20 ID:yaBX/UNEo
>>236


日向「………俺、ちょっと今何が起きてるのか、よく分かんなくて………」

日向「状況を確認させてもらってもいいか?」

七海「……うん。でもあんまりのんびりはしてられないよ」

日向「ああ、でも今訳が分からないままでは何も出来ないだろ」


辺りを見回す。
ここはほんとうにただの道端だ。
ただの、道端。
周辺には雨が降っているらしいが、金板で出来た簡易的な天井でそこからは守られていた。

地面にはいくつか水たまりが出来ているようだ。


七海「私と日向君は、民宿で彼らに襲われたんだ」

七海「彼らに……【屍人】に」

日向「しびと?」

七海「元村人」

日向「……な、なんでそんなのが俺達を襲うんだ?」

七海「分からない、でも……たぶん、理由があるんだと思う」

七海「とにかく、私達は逃げ出した」

七海「……弐大君や大神さん、終里さんが時間を稼ぐから、って言って……」

七海「それで私達もあちこち逃げたんだけど、屍人はあちこちにいたからどうしようもなくて」

七海「……日向君も意識が朦朧としてたから、安全そうなところで少し休もうって話だったんだよ」

日向「そうだったか……?」


よく思い出せない……思い出そうと思ってもなかなかうまく思考できない。
だが、一緒にいる七海がそう言うのだから間違いはないだろう。


──────

行動安価。
桜はいません。
↓2
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 20:51:01.81 ID:14RC0jMP0
今後どうすべきか相談
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 20:52:06.80 ID:IEUVjTfDO
辺りに店や家がないか見回す
242 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 21:04:06.86 ID:yaBX/UNEo
>>241


日向「とにかく、今は……そうだな、どこかに逃げ込まないと」

日向「こんな屋外でいつまでもそのままいるわけにもいかないだろ?」

七海「うん、そうしよっか」

日向「周りには……」

キョロキョロと周りを見回した。

日向達のすぐ側には、商店街がある。
彼らの側にはいくつかの木造の建物がある。

一番近いのは……使われているのかどうかも分からない八百屋のようなもの。 
さらにその前方、隣………しばらく建物が奥に奥に、続いているのか。

その中、いくつかの足音が。
水たまりを踏みしめるその音は不規則で、まばらで、何より歩みは遅い。


日向「この辺りにも、その………」

七海「いるみたいだね、屍人」

日向「このままここで時間を費やすわけには行かないよな」

七海「……安全だと思ったんだけど、なぁ」

七海「追いかけられてるのかな……」


──────

行動安価。
↓2
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 21:05:16.79 ID:D+BbkQ2Ao
kskst
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 21:09:52.70 ID:14RC0jMP0
気づかれぬように通り過ぎる
245 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 21:19:30.09 ID:yaBX/UNEo
>>244


ずちゃ、ずちゃ


日向「………なんか来てるな」

七海「とにかく今はばれないように!」

日向「だな。って言っても……」

七海「………もしかしたら建物の中にいるのかな」

日向「………」

日向「………ゆっくり、静かに通り抜けるぞ、七海」

日向「それしかない」

七海「……うん、分かった」


2人はうなずき、立ち上がった。
周りを見回すが人影はなく、足音はどこから?訝しがる視線に敵は写らない。
建物の裏側、奥側、それとも七海が言うとおり建物の中にいるのかも?

落ち着いてゆっくりと行動開始する。

ずちゃ、ずちゃ、不規則な足音はすぐ手前の建物の側から。
中にはいないのだろうが、近いことは確かだ。

建物の前をゆっくりと歩いていく。
敵にはまだ出会わない。

そして、建物はまだ続いている。

まるで昭和の町並みのようにも見える。
駄菓子屋、肉屋、魚屋……それらしい看板やのれんがいくつも上がっており、その周囲にいくつかの足音と気配が漂っていた。

このままだと間違いなく、少なくとも一人にはち会うか?

彼らは最初の建物をゆっくり横切るところだった。

──────

行動安価。
何かをしないことも正解。
↓2
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 21:24:48.65 ID:14RC0jMP0
kskst
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 21:35:56.30 ID:lzKWsFB7O
入れそうな建物を探す
248 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 21:41:36.39 ID:yaBX/UNEo
>>247


日向「……」

通り過ぎる最中の八百屋の店構えを見る。
どうにも、清潔とは呼べないものだ。
ずいぶん埃も溜まっているようだし、既に人に使われていたような痕跡はひとつも残っていない。
なぜこんなものがここに?
時代錯誤としか思えないし、なにより、

こんな事になる前に、こんな商店街はなかった。

それは思い出せたのだ。
日向自身も自信がある。
建物が自分の覚えとは違う。それは言える。

なのになぜだろう、ここに来るまでの事が上手く思い出せないのは?


日向「……雨だよな、これ」

七海「……」

日向「なんで……赤いんだ」

異様な雨に不快感が高まっていく。
思わず、避難場所を探した。
すぐ近く、前方に定食屋があるようだ。
そこは入口も解放されており、それなりの広さに思える。

中に……誰かいるようにも見えるが、入ってしまってかまわないのだろうか?


──────

行動安価。
↓2
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 21:41:46.65 ID:D+BbkQ2Ao
ksk
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 21:43:27.52 ID:9e6+vUEUo
入ろう
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 21:43:51.27 ID:QPiFSlZv0
中の様子をばれないように伺う
252 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 21:50:34.90 ID:yaBX/UNEo
>>250


日向「避難しよう、七海」

日向「なんかこの雨……すごく、イライラする」

七海「うん、賛成。これに当たっていてもいいことはないんじゃないかな、と思うよ」


2人は定食屋へと急いだ。
足下にはいくつもの水たまりが、赤い水面を写しては彼らをどこかに誘おうとしている。
恐ろしいくらいだ。
これは果たして自分達の暮らす世界で起きていることなのか?本当に?

半信半疑のままだが、しかし眼前で事実起きてしまっているから仕方がない。
飲み込んだ。


定食屋にこっそり入ろうとしても無駄だった。
入口が完全に解放されて出入りし放題だからだ。
もちろんそちら側のモノからも、こちらは見えている。
こちら側からも、ソイツはよく見えている。

………定食屋の机に何かがおいてある。
そしてソイツは必死にソレを食べようとしている……。
なんだこれは……?

嫌な予感は続く。

厨房から、音がしたから。


──────

行動安価。
気付かれさえしなければ。

↓2
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 21:51:33.18 ID:14RC0jMP0
更に通り過ぎる
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 21:56:18.10 ID:2MROuNPYo
あー。イチゴジャムの羽生田そばか…

テーブルの下とか隠れられない?
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 21:57:50.99 ID:/cyPdeiDO
今日はコンマが好調だな
256 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 22:02:30.54 ID:yaBX/UNEo
>>254


日向「っ」

思わず息を飲んだ。
そいつに気付かれたらどうしよう、と少しだけ、焦ったのだ。

日向「……テーブル下に」

七海「………!」

床は若干雨か何かで湿っているようだが、まだ我慢できるレベルだ。
彼らはソレに気付かれる訳にも行かず、一旦姿を隠すことにする。
ソイツがいるのと、もうひとつ、使われていないテーブルもある。こっそりとそちらで身を隠した。
幸いイスもごちゃごちゃと置いてある。
何より室内はそんなに明るいわけではない。
まぁ、見つからないだろう事を祈る他はなかった。


『はふ………ぢゅる、んぶ……ぐ、ふ』

ソイツは手掴みで飯を食らっていた。
麺?だろうか?
なんだかベトベトしたなにかがついているようだ……正直触りたくない。


トントントン。
厨房からはそんな小さい音が聞こえてくる。
規則正しい、しかし何度かに一回狂った調子になる包丁音。
木のまな板でも叩いているのだろうか?

何かを切っているとは到底思えない。

見に行くのは怖い。


──────

行動安価。
はにゅうだめん。
↓2
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 22:10:59.84 ID:0JULrXUE0
ksk
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 22:17:39.16 ID:zuk6sC8g0
花村?

安価なら暫く様子を伺う
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 22:18:56.20 ID:PUoroKasO
こっそり見つからないようにテーブルからでて椅子で食ってる奴を殴り倒す
260 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 22:26:32.51 ID:yaBX/UNEo
>>258


いやいや、まさかそんな。

七海「………」

七海がこちらを見ている。
絶望を湛えた瞳だな、とひとり日向は思った。

そもそも超高校級でもなんでもない日向がここにいるのには、訳がある。
だけれど、それは今更、どうでもいい話だった。

七海はまだこちらを見ている。
まるで何かを試すように。


厨房からは音と声。

『美味しいよぉ……ぼくの……料理……』

規則正しい包丁音。

『んふふ………』

けれども、こんな状況でなぜ料理なんて?
疑問は増えて、消えそうで消えなくて、
それが聞き覚えがある声だった、と気付くのはほんの少しだけあとの話だ。

どうして、なんて言ったってどうしようもない。


目の前のヤツはまだ麺を食べている。
上手く食べられないのか?少しだけ床に落としているようだ。
うれしそうにはふはふと貪っている。
口の中にほとんど入っていないようにも見える。


七海はまだ、こちらを見ている。

日向「………なんだよ」

七海「君は………絶望しないでね」

含みのある台詞だった。


──────

行動安価。
ずんずんなごむ。
↓2
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 22:29:18.05 ID:0JULrXUE0
ksk
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 22:29:33.25 ID:NMaPTzJuO
ずんずんなごむ(全然よくない)ね
花村もホラーだと報われないなぁ…

安価下
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 22:31:23.18 ID:PUoroKasO
>>259
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 22:34:47.12 ID:NMaPTzJuO
田中のデモ見る限り不死身の気がするんですが
あと赤い雨って長く浴びると屍人になるって認識でいいの…?
265 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 22:37:44.40 ID:yaBX/UNEo
>>263


日向「………」

絶望、しないでね、か。
じゃあなんだ、俺以外は絶望しているのか?

そんな皮肉を言いそうになって、口をつぐんだ。
ダメだろ、そんなこと言ってちゃあ。
だけど、でも、けれど。

七海「おねがい、日向君」

日向「………」

七海は真剣にそう言う。
何のつもりなんだ?
勘ぐったって仕方がないのだが。

日向「……とにかくここを出るぞ、七海」

七海「うん」

日向「そのためには……」


食事中のところ、申し訳ないが、倒されてもらうしかなさそうだ。
こいつらが何の目的を持っているかは知らないが、見つかれば襲いかかってくるのだろうから。


日向「………ッ!」

『はふはふ……はふ?』

ごんっ!

『ぎ、がッ、い、たい』

日向「うおおおおっ……!」

ごんごんごん

『ひ、ひい、ひいい……』



ばたっ


日向「………」

倒した?
いや、殺した?
人を?
でも、こいつは人なのか?

胸中穏やかではなく、イスは軽くヘコんでいた。


──────

行動安価。
花村はなんだか運が悪い。
↓2
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 22:40:18.92 ID:297DOVPfo
kskst
浴びただけじゃ屍人にまでならなかったと思う、生きてるうちは
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 22:40:53.27 ID:0JULrXUE0
屍人は基本倒すことはできても復活する。個体差にもよるが早いと10秒〜30秒ほどで復活する
行動不能にするには杭みたいなので磔にしたり土砂で生き埋めにしてた
屍人になるには亡くなるか赤い水を直接飲まなければ大丈夫かな
赤い雨は浴びすぎれば屍人に近づいていくんで普通の人間が化け物に見えるようになる
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 22:49:06.68 ID:u+Ypzp5b0
その場から逃げる、さりげなにてるてるもくしして
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 22:49:14.70 ID:0JULrXUE0
厨房の奴がこちらに気付いているか確認して気づいていたら待ち伏せして部屋に入ったところを無事な椅子で殴り倒す
気づいていないなら殴り倒した奴から何か使えるものがないか探す
270 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 22:55:33.35 ID:yaBX/UNEo
>>268


日向「………行こう、七海」

七海「………」

日向「ここも……安全じゃなかった」

日向「もしかしたら、この商店街に安全なところなんてないのかも」

七海「………うん」

日向「出よう」


眼下のソイツは、先程まで横になっていたのだが、今見るとまるで団子虫の真似のような体勢になっていた。
土下座のような姿勢から、体をクルリと丸めている。
それがどんな意味を持つのかは分からない、が。

去り際、厨房をこっそりと覗き見た。

やっぱり、だった。

花村輝々が何もないまな板を叩いている。

『とんかつ………とんかつ………』

何か言っているがこの距離では聞こえない。
なんせ厨房とフロアだ、それなりに離れてはいる。
手に持っているのは包丁、それもかなり刃渡りの長いものだ。
その花村の様子は、はっきり言ってふつうじゃない。

声をかけるのも恐ろしく感じて、日向は何も言わずにその場を離脱することにする。

雨は一向に止む気配がない。


外に出ると再び雨に降られ始めた。
まだ外には何人か、村人がいるようだ。
商店街の終わりは、もう少し先か。


──────

行動安価。
↓2
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 22:58:38.68 ID:bmynPqz/O
とりあえず前進
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 23:00:22.80 ID:NMaPTzJuO
前進
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 23:01:41.36 ID:34oMs6rl0
何か武器が欲しいね。バールのようなものがあれば・・・
274 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 23:09:58.77 ID:yaBX/UNEo
>>272


日向「………進むぞ、七海」

七海「うん」

日向「ヤツラに見つかる前に、ここを出よう」


ふたつの影は素早く移動していく。
時折建物の影から音がしたり、あるいはなにかが歩いてくるのを見たりしたが、
それでもさっさと行けばいいのだと思った。
ここで足を止めてはどうなるか分からない。

だから日向は一心不乱に前を目指した。

花村の事を忘れようとしていたところもあるのかもしれない。


七海「……日向君?」


あともう少し、と言うところでその足が止まりかけた。
頭の中になにかが流れ込んでくるような、そんな錯覚があったのだ。
間もなく商店街の最後と言う辺り、その建物の中……自分達の右側の建物、恐らく刃物店。

そこから誰かが自分達を見ている。

いや、正確には『建物から自分達が見えているのが見える』。


日向「ッ!?」

頭痛がこみ上げて、日向は思わず目を瞑った。
あと少し、あと少しなんだ。

もうすぐ商店街を抜ける。
そうすればこの先は山と谷が多くなる。
これならきっと……。


──────

行動安価。
別れを。
↓2
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 23:11:40.48 ID:zuk6sC8g0
kskst
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 23:11:59.64 ID:14RC0jMP0
中断し、少し下がる
277 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 23:24:16.20 ID:yaBX/UNEo
>>276


日向「………っぐ、……なん、だ……これ……?」


乖離しそうな意識をなんとか掴んでいる。
足下がおぼつかない。
脳味噌が爆発しそうだ。

全身に汗が滲む。
拒みたいのに、拒めないイメージの流入。

七海「落ち着いて日向君」

その言葉に、やっと目を開く。
いつのまに、瞼を閉じていたのだろう?

日向「………悪い、七海」

七海「ううん。それより、今」

日向「まるでカメラ越しに自分を見てるみたいだった……頭もすごく痛いし、何なんだ……?」

七海「幻視……かな」

日向「え?」

七海「そう呼ばれる事があるんだよ。見えないモノが見える、って症状」

日向「………七海、お前何者なんだ………」

七海「私は私だよ、日向君」


少しだけ後ろに下がった。
刃物店から見えた視界が気になったからだ。

こちらを見ている。
明らかに見ている。

……武器があれば倒せるか?


──────

行動安価。

↓2
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 23:26:39.62 ID:0JULrXUE0
刃物店から武器を見繕う
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 23:26:44.50 ID:dJEPKYx5O
ksk
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 23:28:01.39 ID:PUoroKasO
>>278
281 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 23:33:37.47 ID:yaBX/UNEo
>>279
>>278


そうだ、刃物店。

そもそも忘れていた。
刃物店なら、武器があるんじゃないだろうか?

敵がいるならその武器で倒せばいいじゃないか。


日向「七海、行こう」

七海「え?」

ぐい、と引っ張るように向かうのはその敵が潜んでいるであろう刃物店だった。
そこから自分達を見ている人がいるのは分かっている。
ほら、入口を開いたらすぐそこにいたじゃないか。


『いらー……っしゃ……』

こちらにのんびりした足取りでやってこようとする男。
高齢なのか?とても動きは緩慢だ。
油断しなければそうそう捕まることはないだろう。

店内にはざっと見た感じでも、多くの刃物が置いてある。
いずれもいつ研がれたのかは分からないため、使用に適しているかどうかを判断するのは難しいが。


その内のディスプレイされた一本を手に取る。
刃渡りはそれなりに長い、包丁だ。
この期に及んで包丁しかないのか。

こんな村だから、日本刀くらいはありそうだが。
ひとりそんなことを考えながら、両手で包丁の柄を握りしめる。


◆包丁を入手。


──────

行動安価。
実は倒さなくても。
↓2
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 23:35:33.42 ID:297DOVPfo
動きが遅いならこのまま逃げちゃえ
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 23:35:47.91 ID:+4HS8tyfo
kskst
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 23:36:16.77 ID:D+BbkQ2Ao
>>282
285 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 23:42:51.93 ID:yaBX/UNEo
>>284
>>282


緩慢。

それ故、日向は思っていた。
わざわざ退治する必要はない、対峙する必要はない。

君子危うきに力寄らず、です。


日向「すぐに出よう、七海」

七海「分かったよ」

『あー………』


かすめることすらしない指先が、数分前の日向のいたところを掴んでいく。
もうすでに彼らはずっと遠くまで離れてしまっている。


周りからの不気味な音や、遠くから鳴り響く地響きのような音は耳障りだ。
だがそれを回避するすべもなく、彼らは仕方がなくそれを聞かされているところだった。

雨はまだ止んでいない。
早くこの雨が降り止む事を祈ろう。
今はソレしか、彼らにも出来る事がないのだ。


日向「………っ」


頭の中に流れ込むイメージの濁流に耐えながら、日向はそのまま商店街の終わりまで駆け抜けたのだった。
286 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 23:43:18.37 ID:yaBX/UNEo



終了条件達成。



287 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 23:47:21.05 ID:yaBX/UNEo
日向創    1日目  07:07:21
     上粗戸/商店街の外




雨はまだ降り止まない。
その雨はまるで、体から流れ出す血しぶきのような赤である。

自分も、七海も、全身が赤く染まってしまいそうなくらいだ。

バケツをひっくり返した、と言う表現はあながち嘘ではなさそうだ。


しばらく歩いて、突然七海が言う。

七海「この雨……体に悪いよ」

日向「え?」

七海「これを浴びすぎると……ああなる」

日向「屍人に?」

七海「……と、思うよ」

日向「なんだ、それ……?」


時折頭に流れ込むイメージがまだうるさい。
それは誰の視界なのか?
今だこの力を理解できない日向には、まるでイタズラのようだった。
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 23:48:17.73 ID:YsBXN7qNO
0ラッシュ凄かった
289 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/23(金) 23:52:20.09 ID:yaBX/UNEo
チャプター解放。

現在選べるチャプター

◆松田夜助   1日目 03:45:20
◆左右田和一  1日目 01:07:02(デモ)

◆舞園さやか  1日目 04:10:02(デモ)
◆十神白夜   1日目 04:59:40(デモ)
◆花村輝々   1日目 03:03:33(デモ)

選択、直下。
今日はひとまず、ここまで。
赤い水は呼んでいる。
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/23(金) 23:53:24.93 ID:IEUVjTfDO
左右田
291 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 19:31:38.23 ID:VaLkmsBTo
雨は降り止まず、慟哭は鳴り止まず。
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 19:33:14.79 ID:ma8Tmf2q0
それでも希望は前に進むんだ。
293 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 19:37:37.05 ID:VaLkmsBTo
左右田和一  1日目 01:07:02    
     合石岳/鉱山付近      



息が続かない。
思わず足がもたつきそうになった。

そんな体を何とか引きずるように、走り走って1時間。

こんな場所あったか?
顔を上げる。
まるでトロッコでも走ってきそうな場所だ、とひとりでに考えた。


左右田「……何だよここ……」

左右田「くそ、雨……」


止まない雨がいらだちを助長させる。
何がおかしい?
いや、この状況が全部おかしいんだ。
そもそもこんな場所、始めはなかったはずなのに!

考えろ、考えろ。

頭をクリアに。
思考をシンプルに。
焦るな、考えろ。


左右田「……そうだ、ソニアさん」


さすがの彼も、命の危機にあって姫を救う騎士にはなれなかったようだ。
今はただそれを、悔やむ。
294 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 19:38:09.17 ID:VaLkmsBTo
現在選べるチャプター

◆松田夜助   1日目 03:45:20
◆舞園さやか  1日目 04:10:02(デモ)
◆十神白夜   1日目 04:59:40(デモ)
◆花村輝々   1日目 03:03:33(デモ)

選択、直下。
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 19:38:47.66 ID:qQHcCWp00
舞園
296 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 19:47:46.55 ID:VaLkmsBTo
舞園さやか  1日目   04:10:02
     合石岳/鉱山付近      



舞園「……っ……」

唇を噛みしめた。
己の無力感が体をむしばんでいく。
雨が地面を穿っていくように。

見た。
見てしまった。
人が襲われているところを。
だけど、誰かまでは分からなかった。

助けられない。

私には何も出来ない。

雨は降り止まず、悲しみは抑えきれず。
思わず、雨ではない塩水が頬をなでた。
地面を血の海にするように、それはまだ止まない。


「舞園さん?」

舞園「……?」


耳慣れた声を聞いて、思いがけず振り返った。


舞園「せ、セレスさん?」

セレス「まあ、舞園さん。無事でしたの」

舞園「セレスさんも……無事でしたか?」

セレス「ええ、なんとか。私だけですが」

舞園「え?」

セレス「……花村先輩、と言う方と出会ったのですが、彼は……」

舞園「……」


気分が、沈んだ。


セレス「……ところで、舞園さん」

舞園「……なんですか」

セレス「ひとつ、噂話をご存じでして?」
297 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 19:48:22.39 ID:VaLkmsBTo
現在選べるチャプター

◆松田夜助   1日目 03:45:20
◆十神白夜   1日目 04:59:40(デモ)
◆花村輝々   1日目 03:03:33(デモ)

三択、選択。
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 19:50:32.62 ID:ma8Tmf2q0
輝々
299 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 20:03:37.16 ID:VaLkmsBTo
花村輝々   1日目   03:03:33
     不入谷/不入谷教会



花村「……よかった……」

やっと安堵した。
正直、本当にダメかと思っていた。
自分はそこまで運動が出来るタイプでもないし、こんな事があれば真っ先に襲われると思っていたから。

それでも何とか逃げ切れた。

本当に、安心出来る。
やっと敵のいない場所に来れたのだ。


「本当に……危なかったですわね」

花村「ありがとう、お姉さん!このごたごたが終わったら、体で恩返しするよ!」

「ふふ、元気ですのね?」


ここまで導いてくれた求道女に笑顔で冗談を言う。
やっと心の底から笑えた。

ここにいればきっと助けがくると、彼女が言ったから。







花村「ほんとうに……ありがとう、八尾さん」
300 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 20:07:00.38 ID:VaLkmsBTo
現在選べるチャプター

◆松田夜助   1日目 03:45:20
◆十神白夜   1日目 04:59:40(デモ)


◆腐川冬子   1日目 12:01:55(デモ)
◆左右田和一  1日目 07:28:28(デモ)

直下。
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 20:07:24.22 ID:oDcjw2Dco
十神
302 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 20:19:52.58 ID:VaLkmsBTo
十神白夜   1日目   04:59:40   
        山中        



ひとりだから寂しい、などと言うことではない。
この異変がなんなのか、不安で仕方がない。
生きていて初めての体験───
いや、生きて帰れるかも分からない。
これが自らの戦いの思いを高めている。

十神「……面白い真似を」

しやがる、と言い掛けて、背後から何かの足音を聞いた。
腐川か?それとも?


「ああ、ご無事な方が………!」

十神「……お前は?」


振り返った先には見たことがない女がいる。
学生ではない。

殺意を体に秘めているようにも思う、が。


「安全な場所にご案内します!」

十神「何を根拠に安全と?」

「私は羽生蛇の求道女(きゅうどうめ)です」

十神「………」


やはり怪しいのだが。
それでも、賭なら乗ってやってもいいかもしれない。
何もしないよりは、幾分かマシだろう。


十神「………話せ。この俺に無事を確保できるんだろうな?」
303 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 20:20:20.53 ID:VaLkmsBTo
現在選べるチャプター

◆松田夜助   1日目 03:45:20
◆腐川冬子   1日目 12:01:55(デモ)
◆左右田和一  1日目 07:28:28(デモ)

直下。
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 20:21:02.19 ID:p8Q5TcAao
松田夜助
305 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 20:42:48.67 ID:VaLkmsBTo
松田夜助   1日目   03:45:20
      比良境付近



いつから気を失っていたのだろう。
気付けば体は冷たい地面に横たわっていた。

俺は何をしていたんだった?

はっとする。
目の前にいたはずの江ノ島盾子がいない。
その体がない。

バカな、言われたとおりにしたはずだったが。


それに………


松田「………どこだ、ここは」


見たことがない道だ。
一体ここはどこだろうか?

とにかく……今は、元いたはずの病院を目指す他はないだろう。


松田「………」

降りだした雨を見る。
赤い。
赤い?

松田「………あの噂が本当だとでも?」


──────

 終了条件:『旧宮田医院』への到達。

行動安価。今宵は、こちらから。
↓2
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 20:45:14.01 ID:ma8Tmf2q0
取り敢えず
状況確認
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 20:47:06.66 ID:heCK2Tf0O
ネイルハンマー見つけなきゃ(使命感)
安価は上
308 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 20:54:20.38 ID:VaLkmsBTo
>>307
>>306


頭の中がぼんやりとする。
一体なぜこうなった?

ええと、確か?


松田「俺はあの女を、江ノ島を」

ここに、埋めたはずだ。


江ノ島に頼まれ、懇願され、絶望を得るために彼女を泣きながら、殺したのだ。
そして地面に埋めたはずなのだ。

ソレが目の前にいない。
穴は残っていたが、痕跡はない。

なぜ?

そこで思い出したのは、江ノ島が意味深に言った言葉だった。


「この村には、宗教がある」

「その宗教がとある儀式を行う」

「村を異界に変えてしまう」

「降り注ぐ赤い雨が全てを洗い流す」


松田「それで俺はなぜここにいる」

松田「………あの音のあと、倒れたのか?」


ちょうど、埋め終わった直後だったはずだ。
変な音がしたのだ。

まるで、地響きのような、サイレン。


松田「………」


頭が痛い。


──────

行動安価。
これが彼女の選択。

↓2
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 21:00:31.89 ID:030qsEf70
kskst
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 21:07:54.72 ID:XFCjAbjCO
周囲で何か使えるものや武器になる物を探す

この分だと恩田妹枠が残姉ちゃんになるのか勿体無いな
311 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 21:15:09.89 ID:VaLkmsBTo
>>310


松田「ちっ……」

がしがし、頭を掻く。
体に付いた土をはたき落として、見回した。

相変わらず暗い外。
何が潜むかも分からない森が鬱蒼と続いている。
一体なんだ?

鳥とは思えない声が鳴く。
何者かの足音が響く。
もしやこれが江ノ島か?

松田「ああ、くそ……何か……」

この辺りで何か使えるモノはないだろうか。

あの江ノ島の話が本当ならきっと、きっと……この村の人間は人ではないものに変異してしまっているだろう。

にわかには信じがたいが。

ならば身を守るべきか。
周りを見回すが使えそうなモノはひとつしかない。
学生服に忍ばせていた、メスだ。
鋭利なメス───人を切り裂くことはたやすい。


◆【メス】を入手。
武器である。松田愛用。


──────

行動安価。
↓2
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 21:17:26.94 ID:04AYVqq9o
ksk
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 21:19:37.67 ID:OvJdLbh/o
足音の正体を探る
314 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 21:28:21.06 ID:VaLkmsBTo
>>313


その足音はどこから来ているのか?
不穏だ。
森の中から、あるいは近くから聞こえているその砂利を踏みしめる音。
一体誰だ?

松田は少し、気を引き締めなおして、その音の方向を見つめる。

ゆっくりと近付いていく。


松田「……誰だ」

小さく声を上げる。
返事は来ない。
代わりに、何かのうなり声が聞こえてきた。

なんだ、この声は?


『……ああ、うう……』


ざりざり、歩く音の正体は知らない顔。
村人なんだろうか。
そう言えば昼間出会った人のような気がしないこともないが、対して覚えてやしない。

覚えていないし、それ以上に、目から血のようなものを流している。

これ以上近付きたくはない。
だが相手からもこちらは見えている。
鎌を持って、腕を上げながら少しずつ、こちらに迫ってきているようだ。

松田「……」


──────

行動安価。
鎌。
↓2
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 21:29:05.37 ID:ma8Tmf2q0
kskst
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 21:37:36.51 ID:rcJpAEVyO
相手から視線をそらさず後ずさる
317 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 21:48:08.95 ID:VaLkmsBTo
>>316


松田「……ちぃっ、こいつら」

何をする気なのか、だいたい分かる。
自分を殺す気だ。

理由ももちろん、松田には分かっている。

だからと言ってこんなところで死んでやる事は絶対にしたくはない。
もちろん、こんな意味の分からないやつに刈られるなど、もってのほかだ。
このままでは見えている。
だからこそ、視線を外さないままゆっくりと、ゆっくりと下がっていく。

ゆっくりと、ゆっくりと……。

がっ、と足が何かに引っかかった。

松田「!?」

後ろを見ればいつの間にやら、背中に土の壁。
これ以上は下がれないのだろう。

どうする?
倒すか?逃げきれるか?
目指す場所がどこにあるのかも分からない。
何をどうすればいいのかも分からない。

迫ってくる。
鎌が、それが、やつが。

松田「……人外め」


──────

行動安価。
松田は何かを知っている、らしい。
↓2
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 21:52:09.31 ID:XFCjAbjCO
逃げて相手をまく
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 21:53:22.95 ID:04AYVqq9o
320 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 22:02:34.10 ID:VaLkmsBTo
>>319
>>318


逃げきれるだろうか。
逃げられるだろうか。
逃げたとて、いつまで逃げるのだろうか。

しかし、俺が死ぬならここじゃないだろう?

松田の足は後ろではなく前へ。
後退ではなく前進へ。
ギアを入れ替えて彼は進み始めた。
ゆっくり迫り来る鎌はまだかわすのに距離がある。


『う、ああ、あ”』

松田「……黙れ」


一言吐き捨てて彼は足を踏み出した。
捕まるか、と見せかけた瞬間にその場から消えうせるようにステップを踏む。
思った以上に軽やかに体が動く。
眠ったからだろうか、それとも。

そんなことは今の彼には、どうでもよかった。

まだまっすぐの道、そこにはまだまだ森が続いているようだ。
木々生い茂る山道は薄気味の悪さを湛えて松田を誘っている。


松田「……そっち、か?」


何かが見えた気がした。
そちらに何かがいる気がした。

だが、その道の中にもまだ敵は多く潜んでいるのだ。

彼らは誘っていた。
彼らの世界に。


──────

行動安価。
まずはストレート。
↓2
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 22:04:55.68 ID:ma8Tmf2q0
敵の気配に注意しながら道を進む

322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 22:09:37.90 ID:XFCjAbjCO
>>321をしながら
幻視で周囲に何か武器や使える物がないかを探す
323 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 22:18:57.55 ID:VaLkmsBTo
>>322
>>321


気をつけるべきは敵の気配。
周りから多くの殺気が漏れているが、どれがどこからかまで特定が出来ない。
至る所から、視線を感じる。

とにかく襲われない事。
命を奪われないこと。

それを第一にすることにした。

道を気をつけながら選ぶ。
と言っても、進めそうな道はほぼ一本だった。


松田「!」

さっ、と岩影に体を隠す。
ここから先、少しだけ高くなっているのだが、そこに2人ほど敵がいる。
それぞれランダムにあちこち見ながら、彷徨いているようだ。

松田「もう……信じるしかないな」

目を閉じて意識する。
チャンネルを合わせてダイブする。


数秒後には、案外鮮明な場面が目の奥に焼き付いた。
はあはあ、荒い息遣いが嫌になる。耳にこびりつきそうだ。

道は二手に分かれているらしい。片方は森を抜け下りるルート、もう片方は恐らく上るルート。
目指す方向は登り道だが、そちらはまだまだ敵がうようよいる。

ふと、誰かの『視界』に金鎚が見えた。
砂利の上に落ちている。
ふたりの敵の交差するちょうど中央、目指す方向とも合致する。
このまま出て行けば、この『視界』の持ち主に襲われるだろうが。


──────

行動安価。
疑問はない、だろうが。
↓2
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 22:20:05.23 ID:ma8Tmf2q0
kskst
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 22:42:15.71 ID:4AA4Pv5gO
二人の屍人が武器持ちか幻視で確認
326 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 22:52:45.05 ID:VaLkmsBTo
>>325


このままさらに監視を続ける。
『幻視』、随分と便利なもんに目覚めちまったな。
自嘲する松田の口から漏れ出す吐息が自らに聞こえる事はない。


続いた視界のなか、ふたりの男が交差する。
松田が見ている『視界』の人物が何を持っているのかは見えなかった。
まっすぐ向いたときに、もうひとりの全身が見えてくる。
そいつも先程と同じように、目から赤い液体を垂れ流しにしており、何事かつぶやいているようだ。
手には武器らしいモノはない。
まぁ、そうであってくれなければな。

さらに松田は余念を入れて、反対側、つまり今見えていた側の『視界』も借りた。

そちらもやはり距離が近いせいか、景色ははっきりと写っている。
先程松田が盗み見ていた方は、バットのようなモノを握っている。
ああ、見ればそれなりに若かったのだろうか。
高校生でないことは確かだが。


意識がそちらに釣られていく。
もしも自らの肉体の側にだれかいても、気付やしない。

それでも松田が幻視を続けたのには、その物珍しさもあったのだろう。


自分のものではない、自分で見える『視界』。

これを使えば、苦労せずに前に進めそうだった。
もちろん、金鎚を拾って力業で進んでもいいだろう。


──────

行動安価。
ひたひたと。
↓2
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 22:55:32.05 ID:ma8Tmf2q0
安価下

328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 22:57:25.24 ID:w5HYgkZHO
幻視解除して速やかに離れる
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 22:58:14.02 ID:4fz1PaKno
どうなるやら
330 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 23:05:18.80 ID:VaLkmsBTo
>>328


すれ違うタイミングは覚えた。


松田「……案外、疲れるんだな」


『幻視』を解いて、松田は一度息を吐く。
意識を集中している以上、それ以外のことが出来なくなるのはあまりにも厳しい。
まして何人敵がいるのか分からない状況でいつまでもこうしている訳にも行かなかった。

さて、そろそろ行こうか?

松田の行動は早かった。

2人の『屍人』の導線が重なり、そして離れ行くそのタイミングで離脱を図ったのだ。
それはものの見事に成功した。
声も言葉も、息もなく速やかに移動したのが上手く行ったのだ。

ただし、金鎚を拾う余裕はない。

慌てて歩ききり、2人の屍人を置き去りにした。
随分知能が下がっているのか、自分が通り過ぎたのにすら気付いていないようにすら思う。
一度死んだ身で動けている事に感謝してほしいくらいだった。


まだ道が続いている。
頭が割れそうだが、進むしかない。

もうすぐ目的地に行けそうだが、前方にさらにひとり見える。
まるで自分を待ちかまえているようにすら思える。辺りを見回し、たばこを吹かしている……らしい。


松田「……最後に厄介だな」


何かで気を逸らさなければここは通れないだろう。


──────

行動安価。
記述次第で状況はわりとどうとでもなる。
安価を覆すのは記述。
↓2
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 23:06:40.55 ID:ma8Tmf2q0
周囲に何かないか確かめる。
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 23:06:57.36 ID:SP4tsEiUO
333 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 23:20:35.75 ID:VaLkmsBTo
>>332
>>331


松田「……」


何か、ないだろうか?
辺りを見回していた。
敵もこちらにまだ気付いていないようで、同じくあちこち見回しているようだ。
随分暇なのだろうか。

そう言えば、噂にはこうもあった。

死んでよみがえった人間は、生前の行いを繰り返すことがある。

もしかするとそいつは刑事か何かだったのかもしれない。
そして、こうして犯人を待っていたのかもしれない。
だからこそタバコなどふかしながら苛立っているのだろう。
なんせタバコに火も付いていないし。


松田「……!」

そんなやつの意識を逸らせるモノは……?

見回すと、草木の中に何か落ちている。
これは……?

見たことがある。
押すと喋る機械……『サウンドドロップ』だ。
確かこれはライトノベル原作のアニメのもの……だったような。


◆アーカイブ【サウンドドロップ】を入手。

ーーーーーーーーーーーーーーー
今年の夏クールで放送されたアニメ『最近この世界はフラグを折られた勇者である劣等生のものになりました』、略して『せふれ』のグッズ。
有名グラビアタレントである『美浜奈保子』が声優に初挑戦、などの話題作である。
この【サウンドドロップ】はヒロインで『フラグ建築士』と呼ばれている『ミコト』というキャラクターのもの、らしい。声優は……?
押すと音が鳴る。作中の台詞をいくつか、ランダムで喋るようだ。
ーーーーーーーーーーーーーーー


松田「……」


これを鳴らして投げてみるか?


──────

行動安価。
ゆゆゆ。
↓2
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 23:26:05.65 ID:ma8Tmf2q0
hmdi(踏み台)
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 23:26:28.98 ID:XFCjAbjCO
サウンドドロップで気を逸らしているうちに通り抜ける
336 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 23:35:06.41 ID:VaLkmsBTo
>>335


こんなモノがなぜ落ちているのか?
それを考えている暇はない。

とにかく、使えるモノは使うだけだ。

まずボタンを押してみる。


『へぇ、アンタナナって言うんだ』


松田「……」

『……!?』


可愛い声だな、などとホメている場合ではない。
その音に釣られた刑事だったであろうヤツがこちらに来ているではないか。
さらに何度か押してみる。


『アンタバカぁ!?』

『さすがはお兄様です』

『助けて……!』


なんか色々と言いたいことはあるが、とにかくそれをなるべく自分から遠いところに投げ捨てた。
まだ鳴っているサウンドドロップは、可愛い声を上げながら地面に落下する。

『なんだ……?女か……?女は帰れ……』

じゃりっ、迫ってくる足音。
それを聞いた松田は。


松田「……じゃあな、無能」


ソイツを置き去りにして走り去ったのだった。

そしてもうまもなく、行くべき場所は見えている。
337 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 23:35:33.11 ID:VaLkmsBTo




終了条件達成。   



338 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 23:39:37.18 ID:VaLkmsBTo
松田夜助   1日目  03:58:51
     比良境/旧宮田医院前   



すんででたどり着いたのは、あの時見たのと似ていて異なっている場所だった。
たしかあの時見た廃病院はもっと真新しかったのだ。
いや、廃病院に新しいも古いも、もしかしたらないのかもしれないけれど。

人の気配がない病棟。
明かりなどあるはずもない。


松田「……江ノ島、お前の目的はなんなんだ」

松田「俺をこんな世界に置いていってなにがしたい……」

松田「俺になにを感じさせたい?」


1人で考えたって仕方がない。
雨も止まない。

これ以上濡れるとまずいんだったか?
いや、外で倒れていた以上は気が抜けないのだが。


松田「……まぁ、いいか」


彼はひとり、この病棟へと足を踏み入れた。
339 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/24(土) 23:41:49.33 ID:VaLkmsBTo
現在選べるチャプター

◆腐川冬子   1日目 12:01:55(デモ)
◆左右田和一  1日目 07:28:28(デモ)


◇西園寺日寄子 1日目 02:50:05(終了条件2)

直下。
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/24(土) 23:42:45.07 ID:OvJdLbh/o
腐川さん
341 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 00:10:30.67 ID:sDevmxSeo
腐川冬子   1日目  12:01:55
    蛇ノ首谷/折臥の森     



耳鳴りがしそうなサイレン。
思わず耳を塞いでしまった。


腐川「……んなのよ……この音ッ……!」

桑田「あ?オレが知るわけなくね!?」

腐川「うるさいわね……アンタには聞いてないのよ……!」

桑田「つか、この状況なんだしつんけんすんなっつの!」


絶望から半日、日は高く昇っていた。
と言っても雨が降り止まないことから察してほしい、雲に覆われて「少し明るいかな」位の光量しか得られていない。
おかげさまなのか、この森の開けた辺りにはあまり敵がいないようである。
やつら、なぜだろう、光はあまり好まないように思える。


腐川「なんでアンタなんかがアタシと一緒に……」


ぼやく。
本人は覚えていないせいだ。

桑田「オレに散々ブチ切れといてなんだそりゃ」

腐川「……」

桑田「覚えてねーとか、無しな?」


こんなチャラ男じゃなくて、白夜様がいいのに。
その言葉を飲み込むので精一杯で、なにも言えない。
342 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 00:14:58.71 ID:sDevmxSeo
現在選べるチャプター

◆左右田和一  1日目 07:28:28(デモ)

◆石丸清多夏  2日目 07:30:00(デモ)
◆弐大猫丸   1日目 02:02:02(デモ)
◆罪木蜜柑   1日目 09:00:01(デモ)

◇西園寺日寄子 1日目 02:50:05(終了条件2)


時系列補完は各で。選択、直下
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 00:15:57.09 ID:sohBvXRAO
石丸
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 00:33:16.98 ID:rqKxo/ZQ0
サイレンはやってみたいけど怖くて出来ない
345 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 00:36:53.52 ID:sDevmxSeo
石丸清多夏  2日目   07:30:00
     上粗戸/商店街      



石丸「朝のランニングは素晴らしい、と言いたいところだが」

生憎天候は雨のままだ。

石丸「……」

空を見る。
雨の中、それでも世界はなんだか輝いて見えた。
初めて見る光景。
美しさに惹かれてしまう。

他のみんなにもこの景色を見せてあげたい。

そんな思いが去来した。

石丸「もちろん君にも、だ……不二咲くん」

普段の彼ならばそんな事は思ったりしないのだろう。
ならばなぜ突然そんな風になったのか?

限界なのか、あるいは。

世界の色が変わっていくのが分かる。
だからこそ、今伝えなければならない。
自分の異変を、世界の変調を。

それが終わったら、乾布摩擦でもしよう。
346 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 00:37:31.75 ID:sDevmxSeo
現在選べるチャプター

◆左右田和一  1日目 07:28:28(デモ)
◆弐大猫丸   1日目 02:02:02(デモ)
◆罪木蜜柑   1日目 09:00:01(デモ)

◇西園寺日寄子 1日目 02:50:05(終了条件2)


選択。今宵はこのあたりで。
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 00:38:45.54 ID:4WAd4oN1o
罪木
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 01:19:54.65 ID:x2WeR2/Xo
乙乙
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 01:30:42.95 ID:9M2b7ZZ70
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 09:26:51.12 ID:aATqLRESO
石丸お前もか……
351 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 20:02:31.15 ID:sDevmxSeo
今宵もそろそろ幕が開く。
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 20:06:38.00 ID:0H4/588f0
ふくらはぎっ
353 :世界の果てまで。 ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 20:12:31.88 ID:sDevmxSeo
罪木蜜柑   1日目   09:00:01
     比良境/旧宮田医院付近



罪木「どうですかぁ?」

終里「……だめだ、こっちじゃねぇな」

首を振る終里。
2人で歩いていても、道があちこち入り組んでしまっていて迷いそうだ。
さっきまで山を歩いていたはずなのに、今やその道はどこへやら。
目指していたはずの方向とは全く逆に来てしまっているようだ。

終里「それに、変なにおいもあちこちしてやがる」

終里「……アイツら、こっち見てやがるしよ」

罪木「雨も止みませんねぇ」

2人は空を見上げる。
暗い空が彼女たちを見下ろしているようにすら思えた。

罪木「病院に入りませんか?」

終里「いや、」

首を振る終里。
それを罪木は不安そうに見つめている。
注いでいる雨が赤くて、血の涙を流しているようにも見えるくらいで。

罪木「……」

罪木は振り返った。
その病院に何か思うところがあるのだろうか。
何か感じたのだろうか。

罪木「……次はどちらに行きますか?」

まだ彼女らは目指す。
そちらに何かあるのかは分からないのに。
354 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 20:13:08.62 ID:sDevmxSeo
現在選べるチャプター

◆左右田和一  1日目 07:28:28(デモ)
◆弐大猫丸   1日目 02:02:02(デモ)

◇西園寺日寄子 1日目 02:50:05(終了条件2)

直下。
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 20:15:59.65 ID:uOHNfBZWo
左右田
356 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 20:34:30.81 ID:sDevmxSeo
左右田和一  1日目  07:28:28
      蛇頭峠付近       



体が重く感じる。
仮眠を中断させられたのが大きいのだろう。
体を引きずる、と言う表現は大げさではない。

しかし彼はやっと、その目的を果たす騎士になるところだった。


左右田「………! ソニアさん!」


見えた。見つけた。
岩肌の中を駆けていく、金髪。
探していた彼女である事は間違いがなかった。

けれど、なんだろう、何かから逃げている?

迫る何者か、速度の遅い王女。
きっと逃げている間に、足を挫いたのだろうと推察した。
だから彼は、持てる限りの力をすべて振り絞って、


ざしゅ


左右田「っ、か……そ、にあさん」

ソニア「左右田和一!なぜあなたが!?」

左右田「こん、にゃ……ろっ!!」


愛用のスパナ、振り上げる腕は重くて、けれど気力でそれを振り下ろす。
叩きつける。
ソニアを追っていたそいつは、スパナで撃退されて倒れてしまった。


左右田「……っ……大丈夫ですか、ケガは……」

ソニア「あ、ああ……左右田さん、あなたこそ……!」


脇腹を切り裂かれた。
そこからぽたぽたと血がこぼれ落ちる。

やっちまったな。ズキズキいてーし。
………慣れない事はするもんじゃねぇな。

それでも、それでもなお、愛する者を守れた事がうれしくて。
大した傷じゃないですよ、と左右田は青い顔で笑って見せた。
357 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 20:34:57.19 ID:sDevmxSeo
現在選べるチャプター

◆弐大猫丸   1日目 02:02:02(デモ)

◇西園寺日寄子 1日目 02:50:05(終了条件2)

直下。
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 20:36:28.27 ID:M/4W4HbcO
猫丸
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 20:36:42.19 ID:B0hIrspNo
弐大
360 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 20:51:39.97 ID:sDevmxSeo
弐大猫丸   1日目  02:02:02
      折部/折部分校      


誰もやらないなら自分がやるしかなかった。
この男を隔離するのは、自分の役目だとそう思っていたのだ。

最初の15分で気付いたが、やつらは無限に戦い続ける事が出来る。
だからこそ序盤で全員を逃がし、数名で釘付けにしていたのに。


弐大「だと言うのに、なんでそんな風になっておるんじゃあ……」


目の前にいるのは見慣れたスーツの男。
既に彼らの手に落ちてしまっている。
その顔は人間のソレではなく、その表情もおかしくなってしまっている。


『きみ、き、きき、君達にも……きぼ、う……を』

弐大「学園長、ワシらを逃がしてくれたんじゃあなかったんか」

『いい気分だよ弐大君……』

『見てほしいんだ……き、きぼ、君た……』

弐大「お前さんはもう危険じゃあ」


ボディブローで距離を離した。
そのまま倒れ込んだのを見て、すかさず入り口を封鎖する。
自分の体に巻き付けている鎖を利用して、ぐるりと。扉を開けないように。

そうしているうちに、後ろで再び立ち上がる音。


弐大「……あと何回倒せばいいんじゃあ?」


仕組みが理解できない。
361 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 20:52:23.76 ID:sDevmxSeo
現在選べるチャプター

◇西園寺日寄子 1日目 02:50:05(終了条件2)


特に質疑なければ、チャプターに移動。
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 20:52:44.69 ID:l8NjVqK90
とくになし
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 20:54:23.31 ID:t4hCT1LD0
いきましょう
364 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 20:56:47.04 ID:sDevmxSeo
西園寺日寄子 1日目  02:50:05
     学校/1階教室内


一体どれだけ待っただろうか。
確か、大宴会場から走って逃げてきてから、数時間経過している。
どのくらい経っただろう……この思いが伝わるなら、今すぐ逃げ出したい。

西園寺日寄子は、小泉につれられるままに遠くへ遠くへ走っていった。
時折小泉がとどめたり、目を伏せさせられたりしたが、ここまではなんとか順調に来ていたのだ。

にもかかわらず。 関わらず、だ。


西園寺「………おねえ………」


まさか逃げ込んだ場所が敵の巣窟だとは、彼女らも全く想像していなかった。
学校の中は薄暗く、またなぜか分からないがあちこちが窓が塞がれている。
さながら監禁されたかのような気分だ。
かと言って表から出るわけには行かなかった。
小泉が止めたのだ。


小泉「アタシが絶対に、日寄子ちゃんを逃がすから。道を探してくるからここにいてね」


そう言われて待ちぼうける教室内。
けれどまだ、小泉は戻らない。
離れて何分?いや、何十分………?




西園寺「……あれ?」

わたし、ここに来るの初めてかな、
不思議な感じがする。なんだか、『2回目』な気がする。


──────

 終了条件:『小泉真昼』と脱出。
終了条件2:『小泉真昼』と『体育館』から脱出。


行動安価。
『幻視』ももちろん使える。
なぜって?それは、『   』だから。

↓2
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 20:59:37.81 ID:qJ0eAFYlo
kskst
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 21:00:05.71 ID:M/4W4HbcO
幻視で周囲を確認し使える物がないか探す
367 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 21:11:34.10 ID:sDevmxSeo
>>366


まずは落ち着いて、自分が使える能力を確認する。
体は良好、視界も良好。
それと、少しだけ浅く息をして、瞑想。


ざ、と少しだけ乱れてから、『視界』は切り替わる。

『それ』は教室の前に立っているようだった。
キョロキョロとあちこち見回しながら、時折小さく何かをつぶやいている。

『子供が多い……皆、家で……』

『フフ……寝なさい……』

キョロキョロ、辺り見回して、そのまま歩き始めるようだ。
どうやら階段の方に向かっているらしい。

……階段?なぜ分かるのだろう?


西園寺「……アイツの居場所は分かったから……」


すぐさま幻視を解除して、再び探索。
分かっている。
なぜだか、分かっている。
そこにソレはある。


◆【お手玉】を入手。


──────


行動安価。
さくさく。
↓2
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 21:14:48.76 ID:D+EFRJmYO
教室内から階段の逆方向へお手玉を投げる
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 21:23:47.13 ID:qINVpfBGo
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 21:24:29.64 ID:qJ0eAFYlo
371 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 21:35:59.00 ID:sDevmxSeo
>>369
>>368


西園寺「これ、部屋の中じゃ意味ないけど……廊下なら……」


敵はそこまで目がいい方ではないだろうし、なんせ頭も悪そうだし。
これで釣り出すことは可能だろうか。


西園寺「……えいっ」


お手玉を階段とは逆側に投げた。



ぽすっ。


『……?』


彼はそちらに気が向いたようだ。
少しずつ、少しずつ音のした方に歩こうとしている。


西園寺(……よし!上手く行った!)

西園寺(もう少し待たなきゃ……)

西園寺(今出てっても意味がない……)


──────

行動安価。
さすがに。
↓2
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 21:38:10.79 ID:D+EFRJmYO
幻視しながら階段に近い方の扉前で待機
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 21:38:12.72 ID:9vIELODP0
幻視で完全にお手玉の方向にいったのを確認してから体育館に向かう
374 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 21:49:25.34 ID:sDevmxSeo
>>373


西園寺(……すかさず!)


さっと身を翻して、奴の気配を感じ取ろうとする。
目を閉じて、動き始めたやつに意識を集中!



『子供はぁ、寝る……んよぉ』

ゆっくりと前進し始めた。
暗い闇の中に、右手を振り上げて前進している。
その右手には拳銃が握られているのだ。

はあはあ、と言う声がうるさくて。
塞ぎたい耳は自分のものではなくて。

『……?』

歩いていく先は、階段とは逆側の廊下の方だ。

そして、さらに移動していき、


西園寺(……よし、横切った!)


さらに奥へ。
教室を遙かに行きすぎたのを見送ってから、彼女は幻視を解除。
速やかに立ち上がって移動を開始しようと、───


西園寺(……あれ?)

西園寺(体育館って、どこだろう?)


──────

行動安価。
↓2
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 21:51:44.32 ID:lRVSuaQ00
kskst
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 21:54:05.20 ID:c3HIzOm2O
取り敢えず合流だ
階段を上がる
377 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 22:02:21.18 ID:sDevmxSeo
>>376


西園寺(……そんなことより、おねぇを探さないと!)


西園寺は思い直した。
さっさと小泉と合流しなければ!

西園寺(……おねぇは多分、上にいる)

西園寺(行かなきゃ……)

幸い廊下を見ている敵はこちらを見ることはない。
よろしい、今がその時だろう。

なるべく音を立てぬように、教室から抜け出した。
一階の教室には目もくれずに、そのまま二階へと行くための階段へと向かっていく。
トイレから何か物音がしているが、そちらのことは気にしないようにしよう。
どうせ、今はどうしようもないのだから。

階段を上がると、廊下に何者かの気配がした。
先程と同じように、廊下を見張っている何者かがいるのだろう。
もちろん不用意に出て行けば餌食になる。

西園寺(……)


──────

行動安価。
↓2
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 22:08:11.77 ID:aATqLRESO
幻視で廊下に居る人数・行動を確認して、次いでに教室に誰かいないか確認した後、教室に敵がいなかったら隙を見計らって教室に入る
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 22:10:45.94 ID:Yoi7usJ/O
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 22:10:52.81 ID:lRVSuaQ00
381 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 22:19:29.89 ID:sDevmxSeo
>>379
>>378



西園寺(っと、まだいるの……?)

西園寺(……そいつは……)


再び意識を集中する。
新手がどんな奴かは分からないが、このまま進んでも餌食になるだけだ。
分かっているのだ。

だからこそその場に止まって、瞼を閉じた。

意識をその気配の方に。
チャンネルを合わせるみたいに、かちかちと。



『……はあ、はあ、はあ……ふう……』

息が荒い。
疲れでもあるのだろうか?
はあはあ言いながらこちらを見ていた。

しばらくすると、体の向きを変えた。
気が変わったのか、それともそれが彼の意志なのか。
階段とは真逆の、廊下の奥の方を見ているようだ。
その奥側では、何かが動いているようだがわからない。


教室の側に何かいないかと確かめようとしたが、意識のチャンネルの合わせ方が分からなかったし、何より廊下のソレが教室の中を見ることがない。


西園寺(しかたがない……今のうちに行こう)

幻視を止めた西園寺はこっそりと教室に潜り込んだ。
階段に近い【5・6年生の教室】の中だ。
幸い、敵に気付かれる事はなかったようだ。

教室内は暗く、そして、一番奥側に小さな扉が見える。
どこかに移動できるのだろうか?


──────

行動安価。
↓2
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 22:20:39.54 ID:l8NjVqK90
kskst
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 22:23:11.61 ID:9vIELODP0
一番奥の小さな扉周辺を調べる
384 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 22:36:28.98 ID:sDevmxSeo
>>383


西園寺「……その扉……」

きっと隣の教室に続いているんだろう、と思った。
そうだろう。
さっきの教室にも、そういえばこんな扉があった気がする。

こちらに敵がいない、とそう思った。

ゆっくりと扉を開く。

見知った背中だ。
その背中が誰の者か西園寺は分かっているのだ。


西園寺「おねぇ!」

小泉「……日寄子ちゃん?」


出会えた。
探していた人を。

よかった、無事だった。


小泉「ごめんね……ごめん、遅くなっちゃって」


──────

行動安価。
ここからが真価。
↓2
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 22:38:30.84 ID:qJ0eAFYlo
kskst
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 22:44:08.92 ID:k9yFR4lDO
まずは体育館に行きたいことを説明する
387 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 22:53:23.98 ID:sDevmxSeo
>>386


西園寺「えっとね、おねぇ」

そこで、言葉が一瞬だけ止まる。
なんだろう、頭の中に浮かぶのは───

西園寺「この学校から出よう」

小泉「うん、そうだね……!」

西園寺「それで提案なんだけどさ」

小泉「ん?」

西園寺「この校舎の中は危ないじゃん?」

小泉「……そうだね。早く出よう?」

西園寺「だから思ったんだけど」


校舎の間取りは分からないけれど、あるはずだ。


西園寺「……体育館なら逃げられるんじゃないかな?」

小泉「体育館ね、いい考えだと思うよ」

西園寺「それで、どこにあるか分かんないんだけど……」

小泉「それならきっと、一階の奥に続いてる廊下の奥じゃないかしら」

小泉は言葉を紡ぐ。

小泉「きっとそっちなら逃げられるよ」


──────

行動安価。
理解が早くて。
↓2
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 22:53:58.81 ID:zRdKVNVs0
kskst
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 23:05:07.89 ID:qJ0eAFYlo
体育館にむけて注意深く前進
390 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 23:18:41.08 ID:sDevmxSeo
>>389


西園寺「うん、分かった」

こくりと、頷く。
そのままふたりは動き始めた。

さあ、行こうか。
どちらともなくゆっくりと始動し始める。
西園寺はすっと目を閉じた。

その『視界』が自分達の邪魔をしない事をしっかりと確認して、夢から覚める。

西園寺「いけるよ、おねぇ」

小泉「……日寄子ちゃんも、それ……」

西園寺「うん、見えるんだ」

頷く西園寺を、小泉が見つめた。
しかしそれにはものすごく驚いた、と言う様子はない。
小泉自身もまたその力を得たのだから。

階段を、下る。

話が早くて助かるのは、彼女らばかりではないはずだ。


こつ、と階段を下りながら2人で見合った。
トイレの影は中から出てくる気配はない。

一方で、廊下にいる奴がこちらに来る可能性は大いにあり得た。
むしろ、こちらにゆっくり進んでいるかもしれない。


時間稼ぎが必要か?


──────

行動安価。
↓2
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 23:25:18.09 ID:pWlmLY9Ro
kskst
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 23:26:57.96 ID:S4ve1Y4ko
音は立てず、でも気持ち早足で進む
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/25(日) 23:27:28.60 ID:SHgrDglP0
幻視を使って廊下にいるやつの
位置を確認した後いけそうなら警戒しながら体育館
無理そうなら一旦様子を見る
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/25(日) 23:28:07.57 ID:SHgrDglP0
幻視を使って廊下にいるやつの
位置を確認した後いけそうなら警戒しながら体育館
無理そうなら一旦様子を見る
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/25(日) 23:31:06.86 ID:SHgrDglP0
連投スマソ
396 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 23:40:12.81 ID:sDevmxSeo
>>392


西園寺「………行くしかないよ」

小泉「………」

選択肢はそうない。
だからこそ彼女らは階段から飛び出すしかなかった。
なるべく音を出さないように気をつけながら足を進めていく。
そこに敵がいないことを祈りながら。


確かに、その場には敵はいなかった。

しかし、拳銃を持ったそいつは一番奥からだんだんこちらへと歩いてくるところだった。
当然このままだと見つかる、と判断したために、身を隠さねばならなかった。

教室に入り込む。
そうすれば視界からはずれることが出来る。
そうすれば拳銃に襲われることはない。


小泉「……どうしよう」

小泉「このままじゃ体育館には行けないよ」

西園寺「うん……」

待つか?行動を起こすか?

どちらにせよ、倒す手だてはない。


──────

行動安価。
↓2
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 23:47:22.07 ID:zQ7KjUrCO
幻視でパターン把握
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/10/25(日) 23:47:22.44 ID:SHgrDglP0
連投スマソ
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 23:47:53.00 ID:CKOuzWbr0
>>397
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/25(日) 23:48:01.02 ID:aATqLRESO
教室の扉の鍵を閉めて音を立てて、隣の教室に続いてる扉から隣の教室に移り、幻視で拳銃を持った屍人が鍵を破壊して教室に完全に入ったところで解除して体育館に向かう
401 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 23:50:44.95 ID:sDevmxSeo
00………?

とは言え今回は不思議な事は起こったりしないので、特大クリティカル扱い。
402 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/25(日) 23:57:00.24 ID:sDevmxSeo
>>399
>>397



西園寺「おねぇ、アイツに見つからないとこに隠れて」

小泉「………うん」

西園寺「アイツのパターンを読むよ」

小泉「それで、安全な時に進もうって事だね?」


西園寺は同意する。
ソレが一番だと思ったからだ。
すぐさま、意識を集中させてみた。
最初はあんなに手間取る作業だったが、いざ慣れてみるとスナック感覚で意識が繋がるものだ。


ぱっ、と『視界』が広がった。相変わらず雑味があるし、暗い。
なによりも、周りを詮索する範囲がとても少ないことに西園寺も気付いていた。

その『視界』は、よろよろと、ゆっくりした歩みで進んでくる。
廊下の一番端から、教室の前で一旦止まった。
右側には赤い光が見える。
恐らく防災ベルか何かだろう、電気は止まっていないようだ。

数十秒の沈黙のあと、ぜえぜえ言いながら視界はさらに動き始めた。
今度は廊下のさらに奥、つまり階段側に動いているらしい。


しばらく『視界』を見続けた結果が出た。


廊下を歩く→教室前で立ち止まる→見回す→廊下を歩く→階段前で立ち止まる→見回す→廊下を歩く→教室前で立ち止まる→以下繰り返し


西園寺(………何でこれを繰り返してるのかな?)

西園寺(この人、学校の警備員か何か?でもだったらなんで拳銃なんか持ってるのかな)

西園寺(拳銃が偽物とか?うーん………)


──────

行動安価。
↓2
403 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 00:06:20.80 ID:rPqTaOfoo
安価ないけど今日はここまで。
トップアメリカ。
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 02:39:35.37 ID:0ngwlds8o

教室の扉の鍵を閉めて音を立てて屍人誘導
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 09:07:40.57 ID:v8vYqRl80
406 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 21:01:26.19 ID:rPqTaOfoo
笑い飛ばしてやるんだ。さて、準備は?
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 21:04:02.90 ID:6l4AN+GS0
OK
408 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 21:05:20.17 ID:rPqTaOfoo
>>404


西園寺「………いいこと思い付いた」

幻視を解いた西園寺がにひひ、笑う。
発想が柔軟なのはいたずらっ子のいいところだ。

小泉「?」

西園寺「待っててね……」


かちゃんっ!


大袈裟すぎる位に、大きい音を立てる。
それは教室の扉からした音だった。
鍵。
簡易的なものだが、この教室の扉にもつけられていた。
しかも、ご丁寧に金属製だった。

その音を、拳銃を持ったヤツが聞き逃すはずはなく。


『………子供は……ねなさあい……』


ずるずる、近づく足音。
しめたと思った。
作戦は成功したと言ってもいいだろう。


──────

行動安価。
今宵も、運に身を任せて。
↓2
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 21:06:05.92 ID:6DH/hVaBo
kskst
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 21:08:45.93 ID:6l4AN+GS0
姿が見えないのを確認しい体育館へ
411 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 21:16:53.36 ID:rPqTaOfoo
>>410


西園寺「……!」

そろり、そろりと扉から離れる。

こちら側に近づく気配にあわせて、西園寺達はその扉から離れた。
教室間を移動して進み、気配が完全に罠に釣られるのを待つ。
こんな単調な罠で釣られるとは彼らもよっぽどバカなのか?
そう思わざるを得なかった。


がたがたがたっ!!


扉を無理矢理開けようとする音。

ソレがする頃には、西園寺達は既に校舎の奥側の廊下へと駆けだしていた。
入り口からまっすぐ伸びた廊下の向こう側、暗い中にうすぼんやり立っている扉がある。

……間違いない、体育館の扉だ!

小泉「開けるよ」

西園寺「……」

言葉を出さずに、頷いた。
そのまま扉を開こうと……


がぢゃんっ



小泉「……え?」

西園寺「な、なに?なんか引っかかってるの?」

小泉「うーん……鍵かな?」

西園寺「体育館に鍵?」

小泉「だね……普段は悪さされないように鍵をかけてたんじゃないかな?」

西園寺「……でも、鍵なんてどこにあるの?」


──────

行動安価。
↓2
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 21:22:02.84 ID:6l4AN+GS0
職員室に鍵があるかも
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 21:22:31.10 ID:6DH/hVaBo
414 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 21:33:02.57 ID:rPqTaOfoo
>>413
>>412


小泉「そうだよね……どこにあるのか分からないと……」

いつまでもグズグズはしていられない。
今はあの敵が入口あたりでがたがたやっていてくれているからいいものの、このままだと大変なことになる。
こちらに来られたら終わりだ。
一巻の終わり。

反転する。

西園寺「それなら、たぶん職員室だよ!」

小泉「……なるほど」

西園寺「そこならきっと全部の鍵があるかも……」

小泉もすぐに合点が行って、すぐさま駆けだした。
鍵は小泉が持っている。
さっさと、施錠された職員室を解きはなった。

………なるほど、中は鍵がかかっていたおかげで特に異変はない。
本当ならこの職員室の窓からさっさと逃げてしまいたいが、なぜだか体育館が気になった。


小泉「………日寄子ちゃん、さすがだね」


目的のものは、壁に掛けられていた。


◆【体育館の鍵】を入手。

ーーーーーーーーーーーーーーー

体育館のすべての扉を開くことが出来る。

ーーーーーーーーーーーーーーー


西園寺「これで出よう、おねぇ、向こうも封鎖されてるってことは敵がいないかも」

──────

行動安価。
学校にはまだ亡者。
↓2
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 21:34:01.28 ID:pkKuo24jO
ksk
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 21:35:32.28 ID:k4kfIoUSO
慎重に体育館へ戻る
417 :はぴはぴ。 ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 21:41:46.71 ID:rPqTaOfoo
>>416


小泉「……うん、気をつけて戻ろっか、日寄子ちゃん」

西園寺「うん、もちろんだよ」


まだ遠くで扉をいじっている姿が見えた。
開かないならあきらめよう、と言う考えには至らないのだろうか?
ソレをとがめるような余裕は2人には当然無かった。
慎重に、慎重に、再び廊下を横切っていく。
まだ気付かれる気配などはないようだ。


西園寺「……」

さっと手早く戻ってきた。
もか目の前には体育館の扉があるのだ。

西園寺「……おねぇ」

なんだか、怖いよ。
ふるえる彼女を励ましながらも、小泉が鍵を開け放つ。


がらっ……



がらんどうの体育館がそこに現れた。
見れば体育館の端から壁づたいに通路が、そしてそこに上るための階段が設置されている。
入口からまっすぐ、右側の壁に沿うようにつけられた階段。

その階段の近くには何か別な気配もある。
がたがた、と下で何かが動いているようだ。


西園寺「……っ!?」

無視して進んでしまいたい。
だってゴールは目の前だから。

──────

行動安価。
にゃんにゃんにゃん
↓2
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 21:43:33.89 ID:R1SpB5DwO
kskst
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 21:46:15.67 ID:6l4AN+GS0
武器のようなものを探してから体育館の端の階段を昇る
420 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 21:56:43.88 ID:rPqTaOfoo
>>419


西園寺「……このまま手持ち無沙汰じゃ危ないよね」

小泉「そう、だね。何か持ってけるものは……」

見回す。
しかしどうにもこうにも、この体育館には物がない。
使えそうなものなど。

本当になにもないのか?

探してみようとするが、暗いし、何よりもなんだか恐ろしさに負けた。

小泉「……なんでないのよ!」


がたんっ!!


小泉「!?」

その時、地下らしきところから物音がした。
一体誰が反応したと言うのだろう。
もしかして、ヤツラなのか───


「早く逃げるんじゃあ、お前さんら!」

小泉「……! に、弐大?」

「この体育館も危険じゃあ、さっさと逃げろ!」

西園寺「え?そ、そんな……」

「ワシはええんじゃあ、早く……」



促す声、見つからない武器。
無力なままの2人は、階段を駆け上がっていく。
結局なにも得られなかったか。
いや、しかし、だがしかし、仕方がないかもしれない。

だって、こんな事、起きるなんて誰も思っていなかった。


「走れぇえぇぇぇえぇぇええ!!」


その声は最後の咆哮のようにも感じられた。

このまま通路の一番奥まで、奥まで。
その先にはどうやら、扉があるようだ。


──────

行動安価。
ただ、彼にしてやれることはない。それだけ。
↓2
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 21:59:18.51 ID:6l4AN+GS0
ksk
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 22:01:08.25 ID:ZDwgY7KmO
扉を開けて逃げる
423 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 22:11:35.77 ID:rPqTaOfoo
>>422


西園寺「……っ!」

振り返らない。
そんなことしたって何も出来ない。
分かっているから、分かってしまったから。

だから、走った。

もつれそうな足を引きずるようにして、西園寺は走る。
ああもう、着物が邪魔で仕方がない。
脱いでしまおうか、とすら思った。
一緒に走る小泉に連れて行かれるように、扉へと向かった。


「……おおおおおおおおおお!!!」


地響きみたいな叫びが聞こえる。
彼が何をしようとしているのかは一切合切不明だが、しかし、それが自分達にとっての行動であることは間違いない。


西園寺「ごめん、おにぃ」


最後まで、頼りきりだった。
その言葉を置き去りにして、扉を、開く。
424 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 22:12:11.27 ID:rPqTaOfoo




終了条件達成。



425 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 22:16:47.57 ID:rPqTaOfoo
西園寺日寄子  1日目  03:23:13
       学校付近      


がちゃん!

裏口の扉は開かれた。
体育館側から鍵がかけられていたようだ。
それはグラウンドへと誘う道の始まり。

雨はまだまだ止まないらしいが、彼女らは今まさにその雨の中に飛び込んでいこうと言うところだった。


小泉「それにしてもこの雨、」

なんか嫌な感じがするね。
その言葉を小泉が飲み込んだ。

西園寺「……うん」

何か言いたげな顔を見た西園寺が、それに同意するように頷く。


空が泣いている。
いや、空が出血している、と言った方がいいのではないだろうか。

その赤は地面を、村を、建物を、少女達を、等しくすべて染めるように降り続いていた。
まだ、止まない。
426 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 22:24:02.97 ID:rPqTaOfoo
チャプター解放。

現在選べるチャプター

◆腐川冬子    1日目 23:38:11(デモ)
◆九頭龍冬彦   2日目 14:20:15(デモ)
◆葉隠康比呂   1日目 14:55:16(デモ)

◇日向創     1日目 06:50:40(終了条件2)

選択は直下に。そろそろ動き出す。
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 22:24:38.08 ID:bB8wB3RmO
葉隠
428 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 22:31:04.36 ID:rPqTaOfoo
葉隠康比呂   1日目  14:55:16
      大粗戸/交差点    


本当に、悪運の強さだけはあるらしい。
これも一種の才能なのではないか?
そんな自嘲も今や空元気だった。

葉隠「しんど……」

そういえばぶっ通しで動いていた。
何度か仮眠を取ったとは言え、それで全力が出せている訳ではない。
体のだるさがだんだん蓄積されている。
このままじゃどっちみちじり貧だ。

息を整えながら歩く交差点。人影はない。

それにしても、まさか本当だったなんて。
懐から取り出したのは【月刊アトランティス】と書かれた胡散臭すぎる雑誌。
【羽生田村の神秘に迫る!】と書かれた特集記事にはびっしりとマーカーが複数。

そのうちのひとつ、羽生田村の儀式にまつわる項目を眺めて───


葉隠「……探すか、ツチノコ」


目を向けたのは、さらに隣の文字。
見つけた人には100万円!とある。
願ったりかなったり、だ。
429 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 22:31:31.56 ID:rPqTaOfoo
現在選べるチャプター

◆腐川冬子    1日目 23:38:11(デモ)
◆九頭龍冬彦   2日目 14:20:15(デモ)

◇日向創     1日目 06:50:40(終了条件2)

直下。
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 22:31:58.66 ID:kYVs5XEOo
九頭龍
431 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 23:02:04.35 ID:rPqTaOfoo
九頭龍冬彦   2日目  14:20:15
     刈割/放棄された田園   



やっと見つけた。すぐに分かった。

なぜ、君は気付かないの?


九頭龍冬彦は訝しんだ。
眼前のそれは、どうにももう言葉に出来ないほどゆがんで腐りきってしまっていたからだ。
なんで、テメェが。
言葉にならない言葉を吐き捨てる。

どうしてそんな姿になってしまったんだ。
いらだちを隠せず、けれど出会えた喜びも消せない。
やっと安息を、やっと信じられる物が見つかったから、これを彼女にも伝えたいと、そう願ったのだ。

腕を広げて、彼女を抱きしめようとした。

けれど、なぜだろう。
眼前の彼女は首を振り、後ずさりした。

なぜ君はそんな泣きそうな顔をしているのだろう?
なぜ君は、そんな顔で、木刀を振り上げたのだろう。


九頭龍冬彦は気付かない。
気づけない。
既に自分は罠にかけられていたのだと、理解する時はきっと来ない。


鈍痛。


それは愛する彼女が、お別れの言葉を呪いのように囁きながら見せた、最後の優しさだった。
432 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 23:04:32.22 ID:rPqTaOfoo
チャプター解放。

現在選べるチャプター

◆腐川冬子    1日目 23:38:11(デモ)
◆辺古山ペコ   1日目 09:29:04(デモ)

◆舞園さやか   1日目 22:03:43

◇日向創     1日目 06:50:40(終了条件2)

直下。
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 23:05:18.22 ID:7TvMzeHT0
舞園
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 23:05:28.08 ID:K3exedXtO
腐川
435 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 23:14:45.30 ID:rPqTaOfoo
舞園さやか   1日目  22:03:43
      折部/折部分校     



扉を開く。
きぃ、と小さな音が鳴って、ソレは開いた。
誘われる舞園さやか。

ステージはもうないけれど、彼女はまだ輝きたかった。

忘れられたくない。
ずっときれいなままで、輝きたい。

そんな彼女に飛び込んできた朗報。
輝けるかもしれない寸法。
彼女にとってはあまりにもおいしい話だった。

手に持っているのは、【月刊アトランティス】と書かれた怪しげな雑誌。
山中に落ちていたのを、舞園が拾ったのだ。
そこに書かれていた、永遠の話。

そうして読み上げて、いつの間にやら学校に来ていた。

この村は時空がゆがんでいるらしい。
村の外には出られない、目的地を目指しているはずが、遠ざかったり、
あるいは全く別な場所に道が出てしまう。
一体、どこまで行けばいいのだろう。


舞園「……ここに、あるんでしょうか……ヒントが」


握りしめるスコップ。
何が出てもおかしくはなかった。


──────

行動安価。
お気付きの方もいるとおり。
↓2
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 23:17:12.96 ID:oeuAELeMo
踊って歌おう
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 23:17:57.29 ID:/yU2BEgG0
kskst
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 23:23:25.43 ID:EZH15LUSO
現在地点の確認と今の自分に何が出来るかを確認する
439 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 23:28:56.48 ID:rPqTaOfoo
>>437
>>436

恐ろしがっても仕方がない。
今はもっと元気を出すタイミングだ。

私はアイドル。
歌って、踊って、笑って、そうやって。
そうしてみんなを元気づけるアイドル。
それが私の人生。
それが私のやるべき事!


舞園「……もっと、強くなれる……勇気……ほしい」


ばんっ!!


突然背後で大音がする。
なぞる言葉は音に乗れずに、その場に砕けた。
まずい、どうやら背後で扉が閉められたようだ。

慣れない目がゆっくりとその場をなぞる。
ここは……少し高いところにつけられた通路なのだろうか?
舞園は体育館……のようなところにいた。


舞園「……っ……」

脱出するにしても、背後の扉は既に開かなくなっており、どうしようもない。
そして、さらに嫌なのは───


かさかさと、物音。
それも、複数。


舞園「……なん、ですか……?」


──────


終了条件:学校からの脱出。


行動安価。
↓2
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 23:37:38.44 ID:06iVXxisO
身を潜めつつ周りをうかがう
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 23:39:11.91 ID:HmDhU2sDO
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 23:42:28.98 ID:6l4AN+GS0
舞薗さんが美浜役か
あっちと違って26年式短銃は持ってないがさてどうなる
443 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/26(月) 23:47:50.35 ID:rPqTaOfoo
>>441


さっ、と思わず身を屈める。
暗闇の中で早々自分を見つけられるはずはあるまい、などと高を括って。

こっそり、下をのぞき込むようにしてみた。


かさかさかさ、と何かがうごめいている。
複数体、確認できた。

あれは……?


舞園「……」


さらに目を凝らす。

その影はまるで蜘蛛のようにも見える。
蜘蛛のような物が、いくつか体育館の床を這っているようだ。
しかし蜘蛛にしては大きすぎる、ような?

舞園「……嘘でしょ……」


どうにも見間違いだと思うのだが、だが……。

その蜘蛛は、人の顔があるようにも見える。


舞園「……!」


──────

行動安価。
↓2

自分からあえて声を上げると言う選択も出来る。記述はコンマを乗り越える事もある、と言うわけで。
今日はここまで。
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 23:51:09.18 ID:/yU2BEgG0
乙っス。
踏み台
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/26(月) 23:56:24.41 ID:pVQs/Rcr0
乙です。
幻視が可能なら蜘蛛?に対して幻視をしてみる。
無理なら安価下
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/27(火) 01:22:41.84 ID:fDXP0u9Ko
蜘蛛の真似をしつつやり過ごす
447 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2015/10/28(水) 00:10:36.18 ID:MW6Jgsv5O
にさんにち あけます ふくらはぎ
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/28(水) 03:48:05.80 ID:NXt4Qvgt0
ここまでダベミがふざけないで真面目にやるスレも珍しいよね
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/28(水) 03:49:54.25 ID:NXt4Qvgt0
てか九頭龍と葉隠逝ったか
450 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/30(金) 21:44:00.18 ID:Dwefowoyo
海の向こうから還りました。よければ今宵から。
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 21:44:59.49 ID:OVmM/1+so
ういうい
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 21:46:17.95 ID:M3Jl8LGoO
お帰り
453 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/30(金) 21:49:42.20 ID:Dwefowoyo
>>445


舞園「……蜘蛛……じゃない……?」


かさかさ、と擦れる音。
しかしなんだかとても、気持ちが悪い音がしている。
これは何なのだろうか?

そういえば。
ふと、記事を思い返してページをめくる【月刊アトランティス】。

そこにはこんな記述がある。

【奇怪!?視界ジャック!】
他人の視界を覗き見る能力を持っている人がこの羽生蛇村にいるとかいないとか……?
その能力はかつて【幻視】と呼ばれ重宝されていたそうだ。


舞園「……もしかしたら、私も」

出来るのかもしれない。
そう信じて、目を瞑って意識を飛ばす。


ジャックした『視界』は、とても暗い。
荒い息で、時折キュルキュルと鳴きながら歩いているようだった。
どうやら体育館にはまだあと2体の蜘蛛がいるらしい。

遠くから見る姿は確かに、蜘蛛そのものだった。

首がねじれて、四肢が変形した人間だと気付くのに、そう時間はいらなかった。


──────

行動安価。 
ただいま。

↓2
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 21:50:42.65 ID:OVmM/1+so
ksk
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 21:54:35.00 ID:sfOaXwZmO
見つからないように前進
456 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/30(金) 22:09:06.95 ID:Dwefowoyo
>>455


舞園「っ……!?」


声を上げそうになった。
なんとかそれを堪えて、彼女はゆっくりと立ち上がる。

足が震える。
息も乱れてしまう。
ああ、どうしてこんなことに?

人が、蜘蛛みたいに、なんて。

真っ白になりそうな頭をフル回転させて、舞園は決意する。
脱出しなければ!


舞園「といっても……ですよね……」

さてどこから脱出すればいいのだろう?

ひとまず、舞園は前進を始めた。
体育館の高い位置につけられた通路を、慎重にこつこつと歩いていく。
蜘蛛達はかさかさ、地面を這っていた。
どうも階段は急だからか、それともそこを上がると言う発想が無いのか、蜘蛛はその辺で溜まっている。
こちらに来ないように祈るばかりだ。


──────

行動安価。
改めて、わかりにくければ都度確認を。
↓2
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 22:10:39.92 ID:9LOdZ68OO
ksk
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 22:11:05.89 ID:T6YJ5yWK0
おかえり。
kskst
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 22:14:49.51 ID:WNkmKb7nO
視界ジャックで周りを確認
蜘蛛が眼をそらした隙に体育館を出る
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 22:17:32.38 ID:ipy1PTCn0
そういや前回のコンマ00か
このスレはパルなしでクリ扱いだっけ?
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 22:18:16.67 ID:OVmM/1+so
>>460
>>401だね
462 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/30(金) 22:28:17.84 ID:Dwefowoyo
>>459


舞園「……まずは……」

今出来た感覚は間違いではなかった。
つまり、噂は真実へ。
【視界ジャック】は、【幻視】は本当にあり得る話だったのだ。
だが、それがなぜ自分に出来るのかは不明なままだった。

それでも使える物はすべて使わなければ。
決意を新たに、彼女は再び意識を研ぎ澄ます。

かすめる予感、高まる緊張、そして移る視界。


その『視界』は息が荒い。
なんだろう、喉が苦しいのか?
はあはあ、と短い息を漏らしながら、かさかさと前後している。

それが3体だ。なんとも上手く行かないようだ。
どうにも、あちこちを見回していて、すぐに目を離すような隙はなさそうだった。


『フゥー……ハァハァハァ……! に、ギギ、ギギギ……』

突然『視界』が何かに反応する。
何か聞こえたのだ。
恐らく舞園がいる辺りから、何かの音が。

『が、ぎ、グギギ……キュルキュル……』


確かに、そういえばこんな暗い体育館で鉢合わせにならない彼らは、視覚よりも聴覚が優れるのかもしれない。


──────

行動安価。
パルプンテはなし。特大クリティカルのため、やや優位に動いた。
↓2

短いが今宵はこの辺りで失礼。明日以降は通常に戻る予定。何卒宜しく。お休み。
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 23:00:25.17 ID:eoEk08APo

出口と反対の方に物を投げてみる
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 23:19:48.33 ID:D2OFYDXZ0
安価は↑

乙、楽しみに待つ。
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/30(金) 23:21:54.93 ID:kxp0m5ij0
乙です。
ついに33が…今回は33が特大ファンブルだが、sirenと関係あるの?
それともダベミの気まぐれ?
466 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/31(土) 20:41:37.25 ID:SVfW5nlto
それは神とも悪魔とも。
467 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/31(土) 20:53:58.42 ID:SVfW5nlto
>>464
>>463



舞園「っ……」

視界を元に戻す。
分かったことはいくつかある。

蜘蛛は音に反応する。

じゃあ、大音を出せばそちらに群がるのではないか?
解決策はあっという間に頭の中に現れる。
では、それを試してみよう。

そう思ったその時、


舞園「っあ、痛……!」


鈍痛。
脳裏を突き刺すようななにかが舞園を刺激した。

そのわずかな、ほんのわずかな、音が。
彼女が一瞬だけ苦しんだその音が。


『『……!!』』

舞園(しまっ……)


やつらを呼び寄せる。
急速に近寄る蜘蛛達。階段を上がる知恵はないものの、舞園がいる通路の辺りを目指して這い蹲る。
舞園の気配に完全に気付いたのだ。

これでは脱出など───


──────

行動安価。
ピンチはチャンスへ。今宵も諸君に期待。
↓2
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 20:55:34.42 ID:F7n9hkKRo
ksk
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 21:09:52.59 ID:TlDfZu170
自分がたてたのよりも大きな音が出るよう>>463
470 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/31(土) 21:21:51.51 ID:SVfW5nlto
>>469


舞園(くっ……!)


打開しなければ。
この状況は悪いが、逃げ出すこともままならない。
さあ、どうしたらいい?

舞園(……もっと大きい音を出さなきゃ……!)

手持ちでそんなことが出来ただろうか?
本?スコップ?
いやいや、そんなことは出来ない。

じゃあ、どうしたら……?

ふと見つけたのは、どこかで見たことがあるようなもの。
ガラス瓶?否、これは確か───【イン・ビトロ・ローズ】。
これは誰が持っていたのだろうか?
いいや、今はそんなことは、どうだっていいか。



放り投げた。
遠くへ。
なるべく遠くへ。
入口とは逆方向へ───


かしゃんっ


壊れた物はもう、元には戻らない。
それが、摂理だ。

『……フゥーッ、フゥーッ』
『ギ、ギギ、ギギギギギ……』

カシャカシャカシャカシャ。コソコソコソコソ。
歩いていく蜘蛛達は舞園から遠く離れていった。


──────


行動安価。
↓2
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 21:23:11.90 ID:kjbnp78NO
kskst
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 21:42:17.09 ID:uxMC7h16o
体育館から脱出
473 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/31(土) 22:00:44.25 ID:IeS9+NcKO
>>472


舞園(………!)


今しかない、と思った。
これ以上のタイミングが無いと舞園自身もそう感じたのだから、きっとそうなのだろう。

さっと通路を駆け抜ける。
金属質なため、少しでも動けば音が出そうだったが、そこには極力気を付けるようにした。
スコップを擦らないように、闇をまとって風を感じる。
極力、気付かれないように。


『ギギ、ギギギ……』
『フゥーッ、フゥーッ』


どうやら蜘蛛達は、イン・ビトロ・ローズにまだ夢中だったようだ。
そこからは仄かにバラの香りが漂っていた。
においもまた、彼らの気を引くアイテムだったのだろう。


体育館を出る。
よし、これでいいはずだ。
忘れないように、体育館の扉を閉じた。

これで蜘蛛はこちらに来ないはずだ。

今立っているのは、体育館と教室をつなぐ廊下のようなところらしい。
……右手側は……よく見ると扉がある。
体育倉庫?


──────

行動安価。
舞園ちゃんのにおいがするよ。
↓2
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 22:02:48.10 ID:F7n9hkKRo
ksk
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 22:07:25.00 ID:TlDfZu170
中に何か居てもそれに気付かれないよう、扉を少し開けて覗き込む
476 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/31(土) 22:11:00.06 ID:IeS9+NcKO
>>475


舞園(……何かいたら、困るんですけど……)

飲み込んだ吐息と生唾。
手汗は少しだけ溢れている。
最悪だ、最悪だ。
このままここで死ぬような事があれば……。

こっそりと、開く。

扉の向こう側には誰もいなかった。

思わずほっとして、胸をなで下ろしてしまった。
こんなことで安堵している場合ではないと、自身も分かってはいるのだが。
しかし、けれど、それで充分なのだ。
敵がいないだけで充分だったのだ。

舞園(……よかった)

汗を拭った。
体を伝う汗は生ぬるくて、時折嫌になる。

こっそり中をのぞき込んだが、上手く中を見回せない。
何もないように見えるが、と……足下で何かが光ったようだ。

鍵、だろうか?

取り出そうとするが、手に取る事は叶わなかった。
足下の隙間に挟まってしまったようで、普通に取り出すことは出来ない。


──────

行動安価。
そろそろか。
↓2
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 22:28:18.73 ID:w53gIYa7o
取り出せそうなアイテムを探す
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 22:28:22.01 ID:qq+ehLNxO
kskst
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 22:29:46.67 ID:mWitk1/6O
周囲に使える道具がないか探す
なかったら幻視を使って探す
480 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/31(土) 22:38:30.64 ID:IeS9+NcKO
>>479


舞園(あれは……鍵?)

舞園(ううん、でも……)

舞園(……だめ、取り出せない)


鍵に釣られて体育倉庫の中へ。
どうもよく見えていなかったが、実体が分かってきた。

まず、鍵は足下に落ちている。
そしてその足下は、簀の子のようなものがびっしりだ。
まるでとある南国の倉庫の床のよう、細かなものが落ちてしまう仕組みなのだ。

その倉庫と違うのは、下から入れるような階段や抜け道がない事だが。

もちろん普通に手を伸ばしても手に入る気配などみじんもない。

周りを見回した。
……だめだ、こんな隙間に入るような棒はどこにもない。
しかし、ひとつおもしろい物を拾い上げた。
これは……紙だろうか?新聞の切れ端だろうか?だが、汚れていてよく読めない。


◆アーカイブ【汚れた新聞の切り抜き】を入手。

ーーーーーーーーーーーーーーー

羽(汚れていて読めない)た女性は錯乱しており、化け物を見たなどと証言している。
また、自らを(かなり長文が書いてあるが、汚れていて読めない)探していると話している。
持ち物の中には鋭(汚れていて読めない)た、体にはいくつかの傷が発見された。
警察では女性の身元を特定するとともに、精神鑑定も行う予定。

ーーーーーーーーーーーーーーー


舞園(……どうしよう……学校の中に使える物があるでしょうか……?)

幻視を使おうと思っても、はてさて、使える相手が学校内にいるかどうか、なんだかチャンネルは合わなかった。


──────

行動安価。
↓2
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 22:40:15.67 ID:mhKtji5nO
ksk
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 22:42:45.59 ID:do0K3gyK0
普通のアイドルなら……まずやらないだろうけど、髪の毛とヘアピンで簡易的な?釣り針を作る的な
483 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/31(土) 22:51:12.38 ID:SVfW5nlto
>>482


舞園(……簡易的な釣り針で、拾えれば)

アイデアはなんだか無限に湧いて出てくる。
この鍵がなんの鍵だか分からないが、とにかく今取ってしまいたい。
何かに使えるかもしれないからだ。

善は急げと言う。
舞園はすぐさま行動を開始した。

幸いヘアピンも持っている。
髪の毛も、彼女のものはかなり長い。
釣りをするにはもってこいだろう。
これならば上手く行きそうだ。

しかし、問題があった。
中が暗くてよく見えないのだ。

発想はよかった。
けれども、鍵の部分に上手く引っかからない。
髪の毛ではしなやかすぎて上手くひっかけられない。


舞園「ううーん……」

舞園(考え方は悪くないし、これで普通なら鍵くらい取れると思うんですけど、)

悪手ではない、それは誰もが分かっている。

舞園「……でも」

しかしどうあっても取ることが出来ないとなれば。

舞園「……」

舞園(……きっと、奥の方に道具があって、それを使って取り出すんだ)

舞園(昔そんな本を読んだ気がします)

発想の転換。ならば、奥に進まなければならないのだろうか。
ここを出る?
まさか、そんな怖いこと。


──────

行動安価。
実はこのままでは進みません。
↓2
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 23:03:01.72 ID:mWitk1/6O
ここを出て使えるものを探す
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 23:03:40.21 ID:w53gIYa7o
スコップで板めくれないかな
駄目そうなら音を立てない様に細心の注意を払いながら外に出て探索
486 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/10/31(土) 23:13:09.50 ID:SVfW5nlto
>>485


舞園(………行きたくはないけど)

舞園(このままってのも、問題か)

こくり、うなずいて決意する。
スコップで簀の子を避けられないかと少し試したが、どうしようもなかったようだった。

腹が立つ。
ここですんなり行っておけばいいものを。

しかしそんなことに気を取られている場合でもないだろう。
進まなければ何も変わらない。

はぁ。
溜息混じりにひとつ。
それから、少し湿った空気を肺に入れ直す。

舞園「……進みましょう」


扉を開いたままでゆっくりと脱した。
そのまま足を進めていくと、さて、そこには校舎があった。
学校なのか?ここは。

ここにきっと何かがあるのだろう。
そう思ってさらに歩を進めようとして、

気付いた。

校舎に何かがいる。
一体………なんだ?

『………ハァ、ハァ………ハァ………』


息遣いが聞こえていく。
それは階段近くの教室───【3・4年生の教室】の方から、聞こえているようで。
思わず力が入るスコップ、たらりと流れていく汗。
どうする?
そいつは一体なんなのだろう?

ひたひたと、人外は歩みを止めない。


──────

行動安価。
↓2
今宵はこの辺りで。
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/31(土) 23:55:02.80 ID:uxMC7h16o

人外の行動パターンを物陰にかくれながら確認する
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 00:16:20.72 ID:zELiQKKW0
乙。安価は上。
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 00:19:37.26 ID:y3MWY63Ko
乙乙
進もうと思った途端にコンマが……
490 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/01(日) 21:15:39.61 ID:tXgHEdKMo
そろそろと、ひたひたと。
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 21:17:24.07 ID:0L7TDVixo
のそのそ
492 : ◆z.6vDABEMI [saga やばい。飲みすぎた。]:2015/11/01(日) 21:19:04.44 ID:tXgHEdKMo
>>488
>>487


舞園「……!」


さっ、と思わず身を隠す。
やってくれる、やつらだ。
どうにもこうにも、行かない。


それはどんなヤツなのか?
分からない。

それはこちらに来るのか?
分からない。

それはワタシをどうするつもりだ?
分からない!


息遣いは荒いが、こちらに訪れる足音は未だに恐ろしいままだ。

ひたひた、ひたひた。
近づいたり、遠ざかったり。


……教室から出てくるような感じではないのか?


舞園「……」

舞園「……なんなんでしょう……」

舞園(でも、見つかったら面倒ですし……)


──────

行動安価。
今宵も宜しく頼む。
↓2
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 21:20:41.60 ID:0L7TDVixo
ksk
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 21:21:02.68 ID:9/k09w400
kskst
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 21:25:19.31 ID:Y1grNz2fO
視界ジャックで周囲を探る
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 21:28:12.16 ID:GgeYlNY5O
やべー
497 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/01(日) 21:32:22.05 ID:tXgHEdKMo
>>495


舞園「……っ」

舞園(気配が察知できたから……出来るはず)

舞園(【視界ジャック】……!)


壁にもたれ掛かりながら、夢を見るように目を閉じる。
意識を込める。思いを飛ばす。
そちらへと、音のする方へと。



ざざざっ。


つながった『視界』はかなり不良だった。
先ほどより、以前よりもかなり悪い。
どうしてこうして、砂混じりだ。

『……ふぅ、はぁ、ふぅ……ひひ……』

その声はどこかで聞いた声だ。

『はは、ふはははは……』

狂ってしまっている、時折笑いながら、何かを撫でている。
……手袋?

『響子ぉ……ふひひ……きひひ』

まさかそんな、今のこの『視界』は……バカな。


『……臭いがするなぁ』

ふと、そんな声がする。

『希望は……そこかい……?』

教室を出ようとしてる?
さっきまでバレていなかったのに?
なぜ?どうして!


『ふひ……』

『君にも見せるよ……これが希望なんだ……』


ぬちゃくちゃ、何かが擦れる音がする。
粘液質なそれの音は耳障りだ。


──────

行動安価。
ヤツはきっと頭が切れる。
↓2
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 21:36:53.69 ID:1pdbVX62o
ksk
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 21:37:43.11 ID:u67RjCXE0
踏み台(お払いでいいコンマこい)
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 21:38:33.47 ID:9/k09w400
ゾロ目ェ…
ジャック切って鍵の部屋に撤退
501 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/01(日) 21:43:31.09 ID:tXgHEdKMo
>>500


舞園(……ちぃっ!)


慌てて後退する。
一進一退、であればいいのに後退ばかりを余儀なくされている。
まったく、ツいていない。

さっさと体育倉庫に引っ込んだ。


『……う……ぼ、き……ふひ……』


廊下からそんな声が漏れ聞こえる。
思わず握ったスコップの柄、祈る言葉、信じてもいない神。
どうか一瞬だけでも、助けてくれやしないかと。
願う。


『……、………………、響子……』


のすのす、とすとす。

惹いていく。
その足音は、どんどんと遠ざかっている。
もしかしてまた教室へと引っ込んだ?


舞園(出たり入ったり?)

舞園(何をしてるんだろう……)

舞園(……私に気付いたのならこちらに来てもいいはず)

舞園(もしかして……『見つかりたくない』?)

舞園(でもなぜ?)

舞園(だけど、この部屋以外に敵がいないとは限らないし……)


雑誌の一節にはあった。

やつらは知能が徐々に低下している。
下がりすぎれば、扉を開ける力すら奪われる。

ほかの教室に敵がいないとは言い切れない。

……目指すべき場所はどこだ?
見つからないようにどこか、別な場所に行くべきか……?


──────

行動安価。
鍵を取るには道具が必要で。
↓2
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 21:53:46.62 ID:oRxKpfYmo
何で学園長すぐ死んでしまうん?
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 22:09:20.69 ID:akFUmcd2o
学園長?の視界ジャックして行動パターンあるようなら見極める
504 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/01(日) 22:13:56.31 ID:tXgHEdKMo
>>503


舞園「……」

舞園(違いない……アレは……学園長先生)


彼らを誘ったのは彼だった。
そのはずだ。間違いない。来るときのバスも彼が手配した。
それがどうしてこうなるのだ。

絶望に打ちひしがれそうな心を振り絞り、再び視界へと飛び込む。


乱暴な映像のそれは、やはり息が荒いようだった。


『はあ、はあ……』

しばらく息をしている。
それからふと、思い出したように、握った手袋を嗅ぐのだ。

『響子ぉ……』

嗅いでいる間は絶対に周りには目を向けない。
それに集中しているようだった。

『……ふう、はあ……ひは、希望が……』

それからしばらくすると再び徘徊し始める。
しかし不思議なのは、教室内をうろうろしている事だった。

それとひとつ。
どうやら教室はふたつあり、それはお互い小さな扉で仕切られているようだ。
それぞれ行き来ができるようになっている。

『こちらか……?』

そちらに誰もいない。
けれど何かの臭いを感じるのか、教室を異動する。
そしてまた臭いを嗅ぐ。
繰り返している。

このループの意味は分からない。


──────

行動安価。
にょろにょろ。
↓2
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 22:14:27.39 ID:1pdbVX62o
ksk
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 22:26:53.52 ID:+IEETeCGO
思いきって一気に廊下を通過
507 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/01(日) 22:32:30.89 ID:tXgHEdKMo
>>506


男は度胸、と時に言う。
では女はどうなのだろう。

舞園(度胸しか……ない、じゃないですか)

はぁ、と息を吐いた。
そのまま、気を引き締める意味も込めて吸い込んだ。

もうやるしかない。
やる以外に方法もない。

体育倉庫から飛び出した。


『!?』

舞園(やっぱり、気付かれた……!?)


教室を横切ろうとした瞬間、中から音がするのが明確に分かった。
だから舞園の顔は、先ほどよりも引き締まってしまったのだ。
くっ、と歯を食いしばる。


『……きぼう……ははは、ひひ……』


廊下にそれは現れた。

確かに見覚えのあるスーツなのだ。
確かに聞き覚えのある声なのだ。

では、そいつの頭はどうして、どうして、

ぬるりとした足のような物が、生えているのだろう?


舞園「───」


声もなく、絶望。


──────


行動安価。
羽生蛇エンカウント。
↓2
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 22:42:32.75 ID:9/k09w400
kskst
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 22:48:25.27 ID:zELiQKKW0
ヤバい敵なの?
見つかったもんはしょうがないから取り敢えずスコップで一発殴って走り抜ける。
510 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/01(日) 23:09:55.97 ID:tXgHEdKMo
>>509


舞園「な、に……これ……?」

絶句。

人の頭から、触手のような物が生えて生えているなんて、見たことがない。
ましてやその人間の肌の色は緑のように見える。
おかしくなってしまっている。

思わず後ずさりした。
知っているはずのものが、知らないものに変わってしまっているからだ。


『希望……アイドル……ふふ、ふひ……』

ぽわぽわぽわ。
人体では出せそうにもない音がする。

舞園「ひ……!」

警戒最重点。
スコップを、振り上げた。

がんっ!

『ぶ、あ……』

舞園「……!」

『……』



『……まいぞ、の、くん』ぎゅおっ

舞園「!?」


舞園(い、一撃じゃ倒れない!?なんで!?)


どうする?
倒すか?逃げるか?


──────

行動安価。
ノックバックしない。
↓2
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 23:13:08.94 ID:xFO/U0j2o
もう一撃ぶん殴ってから逃げる
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 23:13:13.22 ID:In6jE5H8O
追撃
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 23:14:21.19 ID:9/k09w400
頭脳屍人か…
514 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/01(日) 23:19:52.55 ID:tXgHEdKMo
>>512


舞園「私は……」


ぎゅっ、と握った柄。
覚悟を決めたのだ。


舞園「……逃げない!貴方を倒します、学園長!!」

『……ぽわ?』

舞園「ああああああっ!!」


振り上げたのは正義感なんかじゃない。
自分が助かるための、武器だ。


がんっ……!

『が……』

舞園「このっ!このっ!!」

がんっ!がんっ!

舞園「倒れて!お願いっ……!!」


がんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんがんが


『……』

舞園「っ、!?」


気付いた時には、目の前にそれは横たわっていた。
いや、まるで土下座するみたいな体制だ。
頭を隠すように体を丸めて動かなくなっている。


舞園「……たお、し、た……?」


室内から、気配たる気配のすべてが、消えた。


──────


行動安価。
進むなら今だ!
↓2
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 23:20:29.55 ID:9/k09w400
kskst
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 23:29:44.59 ID:ikj05Iwco
3・4年の教室に入って鍵をかけれるなら鍵をかける
517 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/01(日) 23:34:40.16 ID:tXgHEdKMo
>>516


舞園「……はっ……」

こみ上げる嫌なもの。
酸っぱい感じが口の中に広がるが、すんでで何とか堪えた。
ああ、私は人を、殺したのか。
そんな疑惑を持つが、それでも目の前にいたこは人外だった。

頭が、だって、人のそれではないじゃないか。

まるで蛸、あるいは烏賊か?
どちらなのかは分からないが……いや、恐らく、烏賊だろう。
つやっとした足が頭頂部から目の辺りにかけてを覆っている。
正直、気持ちが悪い。

よろけそうになりながら、入ったのは手近な【3・4年生の教室】だった。

ひとまず休みたい。
とにかく何も見たくない。

鍵をかけられるだろうか?
少しだけ苦戦したが、簡易的な鍵をかけることは成功した。

舞園「……これでなんとか……」

しかし、使えそうな物はどこにもなかった。


──────

行動安価。
ぽわぽわ。
↓2
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 23:36:05.95 ID:FHhK03THO
kskst
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 23:46:23.49 ID:9/k09w400
取り敢えず教室の中に何かないか探そう
520 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/01(日) 23:50:55.53 ID:tXgHEdKMo
>>519


舞園「……なにか、ほんとに、なければ……」


月明かりも入らない教室の中を見回す。
相変わらずだった。
机ががらんと放置された、人気のない教室。
それがここだった。

教壇、机、あるいはロッカー……使えそうなものを探したのだが、全くと言っていいほどなかった。

そう、本当になかったのだ。
強いて言うなら、回転モップを見つけたのだが、かといってこれを振り回すかと言われたらとてもグレーだ。
それなら今持っているスコップのほうが威力を見込めるだろう。

舞園「……ないの……?」

すがる思いであちこち見回すが、写真の一枚くらいしかなかった。


◆アーカイブ【集合写真】を入手。

ーーーーーーーーーーーーーーー

今回の羽生蛇村への旅行を記念した一枚。
希望ヶ峰学園の生徒、ならびに学園長が全員写っている。
どうしてこうなってしまったのだろうか。

ーーーーーーーーーーーーーーー


舞園「……そういえば……階段が、あった……?」


──────

行動安価。

今宵はここまでで。
↓2
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/01(日) 23:54:38.42 ID:9/k09w400

踏み台
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/02(月) 00:01:50.93 ID:jn1utXO5o

廊下の様子をうかがい、行けそうなら階段へ
523 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/03(火) 19:49:36.77 ID:/k1wyh7XO
犬の形の敵って、断末魔「ふくらはぎ」派と「おぎやはぎ」派に分かれるよね。
524 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/03(火) 19:54:50.41 ID:/k1wyh7XO
>>522


舞園「……」

震える手、失いそうになる平衡感覚と、意識。
ダメだ、この罪を逃しては。
もうこれ以上歩けなくなれば、奴らにやられることは間違いがないのだから。

行かなきゃ、行かなきゃ。

自らを奮い立たせる。
そうしなければここで止まってしまいそうだ。

舞園「……廊下……は……」

気配を殺すようにのぞき込む廊下。
しかしそこには未だ、学園長だったはずのものが転がっているだけだった。
ひゅうひゅう、しゅうしゅう。
まるで体力回復を待っているようにも見える。


舞園「……行けるなら、今……」

ふらつきそうな足を、再び精神力だけでまっすぐ立たせた。
まだ戦える。まだ、歩ける。
その足で向かったのは、さらに奥の階段だった。


舞園「……?」

違和感があった。

階段のさらに奥の壁は、よく見ると扉になっていた。
階段に足をかけた時に気付いたのだが。
……多分、鍵がかかっているのだろう。
しばらく開けられた痕跡が、ない。


──────

行動安価。
ゆるゆるとやろうか。
↓2
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 19:55:18.47 ID:x6mzfQaQo
ksk
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 19:58:58.07 ID:JI/JZUaZO
一応鍵がかかってることを確認してから階段を進む
527 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/03(火) 20:09:47.59 ID:/k1wyh7XO
>>526


……それでも確認すべきだ。

舞園「……ええと」

ガチャガチャ。
ガチャガチャ。

後ろの気配はまだ立ち上がりそうにない。
ああ、よかったなと安心してもいいものなのだろうか?

ガチャガチャ。
扉はやっぱり開かない。

舞園「……」


やるべき事はやった。
上に行くべきだろう。
下に使えそうなものがないのだから、上で探す他はなかったのだから。


舞園「……行きましょう」


かんかん、小気味よいペースで上がっていく階段。
自分以外誰もいないのではないかと錯覚を起こしそうになるほどだ。

上がった先では、廊下で先ほどの蜘蛛のようなものが1体、丸まって倒れていた。

舞園「……?」

なぜだろう。
誰かいたのか?
いや、自分以外いないはず。
では、なぜ。


舞園「……」


廊下のすぐ近くには教室がふたつ。
さらに奥には、なにがあるのか?
光がほとんど無いために、見えない。

スコップを、握りなおした。

──────

行動安価。
↓2
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 20:11:07.26 ID:nXQvvVAlo
ksk
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 20:15:07.95 ID:7kpQzN5D0
蜘蛛に注意して近くの教室を伺って何もいなさそうなら中へ
530 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/03(火) 20:25:24.35 ID:/k1wyh7XO
>>529


なぜ動かないのだろう?
攻撃したわけでもないのに。

舞園「なにか理由が……?」

今は分からない。
とりあえず、動かずにその場でじっとしている。
分かることはそれくらいだ。

探索するなら今のうちだ。
そう考えて覗いたのは、階段にほど近い【5・6年生の教室】。
中をこっそりと、見つめる。

……中にはなにもいなさそうだった。
安心して中に入れそうだ。

そのまま、開けられたままの教室の中に入っていく。

ところがこちらもまた期待はずれだった。
片付けられた教室、チョーク一つない黒板。
つまりここもまた、あまり使われていなかったのだろう。

ひとっこひとり、蜘蛛の子ひとりいない。


舞園「……あの鍵を取るには……」

周りを見回す。
ここになにもないようだ。


──────


行動安価。
↓2
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 20:27:42.84 ID:7kpQzN5D0
kskst
ところで屍人復活の兆しってなんかあるの?
それとも突然、動き出すの?
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 20:31:04.20 ID:Dm+YOZvwO
もう一つの教室に移動
533 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/03(火) 20:38:33.00 ID:/k1wyh7XO
>>532


下の教室は、扉で二つの教室がつながっていた。
こちらもそうなのだろうか?

ふと、気になった。
目線をすっと、教室の奥へ。
奥の方にあった小さな扉は、やはりこの二階の教室の一番後ろにも存在していた。

なるほど、もうひとつと扉で仕切られている。
廊下に出るよりもこちらを経由で移動した方が良さそうだ。

少しだけ心の準備をしてから、その扉を開く。


そこには、やはり蜘蛛のようなものが横たわっていた。


舞園「ひっ……!」

ねじれた首、不自然な四肢。
立ち上がる様子は今のところない。
この教室も……使われていなさそうだ。
やはりぱっと見では、使えそうなものはない。

舞園「……なん、なの……?」

蜘蛛達は見れば男性のようだ。

それに、その蜘蛛はどこかで、見た事がある気が、なんとなく……する。
村人?いやいや、それにしては体が大きすぎる気がしたのだ。

気のせいであれば、それでいいのだが。

舞園「でも……ここでも使えそうなもの……ない……」


あと行っていないのは、ここからさらに奥だろうか?


──────

行動安価。
廊下の突き当たり。

↓2
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 20:45:16.47 ID:7kpQzN5D0
猫○?
kskst
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 20:58:49.03 ID:SIIAb2ODO
奥へ進む
536 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/03(火) 21:13:31.67 ID:/k1wyh7XO
>>535

舞園「……行くしかない、ですよ、ね……」


幾分大きな蜘蛛を無視する事にする。
彼女は気づけただろうか。
教室の内側に細かく残った傷跡に。
彼の苦悩に。

否、それもまた暗闇にかき消されて誰にも分からない。

ゆっくりとさらに進む。
なるほど、教室からは奥に行けない

さらに奥に進むなら、廊下に出なければならないわけか。

はてさて廊下に出てみれば、奥側に敵らしい敵はいなかった。
後はなにがあるのだろうか?

こつこつ、慎重に進んでみると、少しだけ荒れているようだった。

舞園「……?」

周りに何かが落ちている。
これは……?何が落ちているか分からない。
そのうちの一つが、鍵だと言うことだけはうっすらと分かった。
いわゆる南京錠のそれの破片だ。
どうやって破壊したかは分からない。


舞園「奥に……扉?」

廊下の最奥にはひとつ、扉がある。
『教材置き場』と書かれた小部屋のようだ。

右側には『図書室』と書かれた扉もある。
しかし、今行くならばこのまま直進だろう。


──────

行動安価。
図書室に行くのは別な機会に。
↓2
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 21:15:32.13 ID:7kpQzN5D0
中の気配を探りつつ教材置場へ

538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 21:17:12.16 ID:FndwAFhNo
539 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/03(火) 21:21:53.76 ID:/k1wyh7XO
>>538
>>537


誰もいないことを祈る。
そこに誰かいたなら、彼女の運命はもうひとつしかないだろう。

舞園「……ええと……誰も」

こっそりと扉を開いて、中を確認する。
暗い中でさらにひときわ暗い倉庫の中は、人の気配などみじんもしなかった。

舞園(……いない、よかった……)

ホッとするのもつかの間。
ここで何か有力なアイテムを見つけなければ、舞園の運命はまだ動かせないのだ。
暗い中での探索は少し大変だが、それでも何とかなるだろう。


ごそっ


舞園「……?これは……?」

ふと、壁に掛けられているものを見つける。
それが何なのか、うっすらと舞園の目に映っている。

これなら、あの鍵を引っ張り出せるのではないだろうか?
器用にやらなければならないが、そんなのどんなものでも一緒だろうに。


◆【教材用コンパス】を入手。

ーーーーーーーーーーーーーーー

大きく、足が長い。
これを使えば、遠く離れたものを引っ張り出す位は出来そうだ。

ーーーーーーーーーーーーーーー


他に何か使えるものはあるだろうか……?


──────

行動安価。
少しだけ、お時間頂戴。
↓2
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 21:25:03.97 ID:Yey88FlsO
スコップ構えて警戒しつつ倉庫まで戻る
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 21:27:33.79 ID:nXQvvVAlo
542 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/03(火) 22:50:17.04 ID:egwCA3kLo
待たせたな。
>>541
>>540


舞園「ここには他に……」

ふと、足下に何かある。
拾ってみようか?


◆アーカイブ【トライアングル】を入手。

ーーーーーーーーーーーーーーー

羽生蛇村の名産……らしい。
近くに説明書も落ちていた。
『名産・羽生錫で作られたトライアングルです。叩く度に音程が変わります』
どうやら安定した音は出せないようだ。
なぜそんなものをトライアングルに……?

ーーーーーーーーーーーーーーー


舞園「使わない……ですね」

拾えるものは拾っておこう。
とりあえず懐に入れておこう。

……何より不気味なのは、未だに廊下の敵は動く気配がない……。
慌てて下へと戻っていくが、なお廊下では蜘蛛の敵も学園長も倒れており、何も起きていない。

すんなりと体育倉庫まで戻ってきてしまったか。

舞園「……スムーズにいきすぎて……」

スムーズにいきすぎて、怖いくらいに。

──────

行動安価。
↓2
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 23:05:39.92 ID:7kpQzN5D0
kskst
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 23:06:09.59 ID:FndwAFhNo
コンパスを使って鍵を入手
545 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/03(火) 23:12:26.34 ID:egwCA3kLo
>>544


舞園「これなら……」

よいしょ、と小さく体を屈め、先ほどのコンパスを手に持ち直した。
スコップを地面に置き、コンパスを片手に。そして、隙間にその長い足を差し込む。

もうすこし、後少し、ゆっくりと引き出して───


からんっ


舞園「よし」

すんなりと鍵は手に入る。
ところでこれはどこの鍵だ?
鍵を使うところなんて……?


◆【どこかの鍵】を入手。


──────

行動安価。
↓2
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 23:14:53.57 ID:nXQvvVAlo
ksk
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 23:22:34.63 ID:jz7m7ZOKO
敵に警戒しつつ階段奥の扉まで移動
548 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/03(火) 23:36:59.92 ID:egwCA3kLo
>>547


舞園「鍵……」

この学校で鍵を使うところはあと……一カ所しかないはず……。
それならば、そちらへと向かうべきだろう。

舞園「……出なくちゃ……」


ふらりと、立ち上がる。

同時に、奥の方でなにかが立ち上がる。


舞園「───」

直感で分かった。
廊下のやつが立ち上がったのだと。
つまりそれは、あの学園長と再び対峙しなければ行けないと言うことだった。

戦わなければならない。

覚悟、しなければならない。


舞園「……はぁ、はぁ……」


ほんとうに、やらなければならない?
逃げては行けないのか?
無理だろう?廊下の中央にいるんだろう?


果たして、廊下に飛び出した舞園の目の前で、学園長はゆっくりとその体を起きあがらせている最中だった。


舞園「……やっぱり、立ちはだかるんですか」

『…………、うう……、ああ…………』


──────

行動安価。
↓2
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 23:46:25.43 ID:jz7m7ZOKO
スコップの先制攻撃だべ
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/03(火) 23:55:42.27 ID:7kpQzN5D0

551 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 00:08:38.36 ID:riBTgrTpo
>>550
>>549


『ぐ、うう』

やっと立ち上がったばかりのそいつは、再びこちらを見ようとしている。

舞園「……ッ、また……!」

疑問はあった。疑惑はあった。
あんなに叩いたのだ。
いくら何でも、そんなことあるのか?

たとえ人外だとして、だ。
それでも命あるものなのだろう?

疑惑は尽きず、疑問は沸き上がる。

目の前が正解であり、受け入れるべきと分かっていてもなお。


『まい、ぞ』

舞園「いやああああっ!!」

ざくっ、と刺さる音。
思わず彼もひるむほどに。

圧倒的な───スコップの先制攻撃だべ!


舞園「倒れて!お願い……倒れてっ!」

なお叩きつける舞園。
あと何度叩けば、この人は倒れるのだろうか?


──────

行動安価。
だべ。今日はこの辺で。思いの外長くなりましただべ。
↓2
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 00:09:44.89 ID:qODYXbfEo
乙だべ
ksk
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 04:09:15.16 ID:2buid9N5O
更に叩く
554 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 20:46:45.47 ID:riBTgrTpo
そろそろお時間だべ?
555 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 20:55:57.21 ID:riBTgrTpo
>>553


舞園「まだ、ま、だぁっ……!」

引くわけにはいかなくて、やめるわけにもいかなくて。
このまま退いてしまえば、どうなるか分からないから。

がんがん、叩く腕は痺れそうなほどだった。
なんだか、人ではない何かを、岩でも叩いているかのように堅いんだ。

『ぐ……』

舞園「倒れて……お願いっ……倒れて!倒れてぇえぇ!!」


涙がこぼれるほどの苦しさ。
それでもやめなかったのは───死にたくないからだ。


『舞園……くん……』

『……───』


最後に聞こえたのは、ごめんねの言葉。

どさり、倒れた体を見て。

舞園「………」

舞園「………学園長」


最後になんて言えば良かったんだろう。


────────────

行動安価。
やることがなければ、脱出へ。
↓2
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 21:04:37.17 ID:TooHyQx8O
本当にどうあがいても絶望だな

階段奥の扉から脱出
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 21:05:55.98 ID:6Ud6GR/50
558 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 21:35:36.39 ID:riBTgrTpo
>>557
>>556


舞園「………」

舞園「………」


分校で独り、ひとりきり。
何の音もない。
残ったのは舞園の呼吸音だけだ。

なんと言えばよかったのだろうか。


舞園「……行こっ、か」


誰に言うわけでもない。
ただ、誰もいないから、出て行こうと思ったんだ。
それだけだった。
倒れた学園長を見下ろして、立ち去っていく。

去っていく、去っていく。

もう戻れない。
すぎてしまった時間はもう、残念ながら戻すことは、出来ない。


鍵は、やっぱり階段の奥の扉だった。


舞園「………」


残った出掛けのさよなら。
そして再び血のような雨の下へ。
559 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 21:43:36.05 ID:riBTgrTpo
舞園さやか   1日目  22:43:43
       折部分校外



がちゃり。

開いた扉の先には、やはり雨が降り落ちていた。
最悪だ。
どうしてこんなことになったんだろう、と彼女の脳には疑問が湧き続ける。

けれども答えは全く出なくて、答えを教えてくれる人だって今はここにいなくて。


ひとりきり。


舞園「………どうして、なの」

舞園「どうして私達がこんな目に遭うのッ!」

舞園「………」


空を見上げて、ぽつり。


舞園「苗木君………」


もういない彼の名を呼んだ。
どこに行ってしまったのか、あるいは。

舞園(まさか、無事?)

そんなわけないのに、そうであってほしいと願っている。
それは喜劇と悲劇の始まり。
誰もがそう分かっているのに。
560 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 21:48:11.69 ID:riBTgrTpo
現在選べるチャプター

◆腐川冬子    1日目 23:38:11(デモ)
◆辺古山ペコ   1日目 09:29:04(デモ)
◆霧切響子    1日目 10:04:40(デモ)
◆朝日奈葵    1日目 05:10:06(デモ)

◇日向創     1日目 06:50:40(終了条件2)


お久しぶりにゃん。
直下。
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 21:48:37.07 ID:begYVMXLo
ペコ
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 21:49:14.08 ID:tNYWaroqo
ふかわ
563 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 22:02:10.51 ID:riBTgrTpo
辺古山ペコ   1日目   09:29:04
     蛇首之谷付近の山中    


斬っても斬っても、切り捨てても終わらない。
この雨のように、今の絶望のように。
いつになれば終わるのだろうか、と。


辺古山「………チイッ!」

持ってきていた竹刀くらいしか使えるものもない。
どんどん集まってくるやつらは、一体どこから湧いてくるのだろうか。

まるで吸い寄せられるように、こちらにどんとん来るじゃないか。
どこから?
倒しても倒しても、倒しても数が減るどころか増えている気がする。

辺古山「退けッ!」

こういう時には、自分の出自に感謝をする。
九頭龍組仕込みの体術、剣術。
多く切り抜けた修羅場、そして───

守ると決めたから、大切なものを。

その覚悟が彼女の体を動かし続けている。
その意志だけが彼女をずっと動かし続けている。
負けたくない一心。

辺古山「私は………行くべき場所があるんだ!」

明日はどっちか。


辺古山「たとえここにあるのが絶望でも……!」

辺古山「私には会わなければならない人がいる………!」


まださよならを言うのは早すぎたから。
564 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 22:02:52.03 ID:riBTgrTpo
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◆腐川冬子    1日目 23:38:11(デモ)
◆霧切響子    1日目 10:04:40(デモ)
◆朝日奈葵    1日目 05:10:06(デモ)

◇日向創     1日目 06:50:40(終了条件2)


舞園もそのうち、終了条件2が出るよ。
直下
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 22:04:49.78 ID:IkuM4gQQo
朝日奈
566 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 22:18:34.82 ID:riBTgrTpo
朝日奈葵    1日目   05:10:06
      田堀/民家付近


こつん、石を蹴る位しかやることがない。
雨が降り出して何時間だろうか。
止む様子は全くない。彼女は雨が嫌いだ。

朝日奈「もぉ……濡れちゃうし……」

風邪引いちゃうよ、なんて独り言。
まだ楽観的なのか?
いや、現実逃避だ。

朝日奈「………」

朝日奈「………さくらちゃん」

あっと言う間に時間が過ぎていた。
まもなく、こんな状態になってから6時間。
それでも逃げ切れていたのは、持っていた大神さくらへの思い。
自分達を逃がしてくれていた、強さと優しさ。

朝日奈「私……どうしたらいいのかな」

雨は何も教えてくれない。

朝日奈「どこにいるのかな、さくらちゃん」

雨は何も答えてくれない。


その周りに何かがいるのは、気付かないままで。
567 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 22:21:15.99 ID:riBTgrTpo
現在選べるチャプター

◆腐川冬子    1日目 23:38:11(デモ)
◆霧切響子    1日目 10:04:40(デモ)
◆狛枝凪斗    1日目 01:44:44(デモ)

◇日向創     1日目 06:50:40(終了条件2)


質疑はいつでも。
直下
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 22:22:19.52 ID:XYcyuQ4BO
霧切
569 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 22:28:57.80 ID:riBTgrTpo
霧切響子    1日目   10:04:40
      折部/折部分校    


一瞬の間。


霧切「………そう、貴方が」

悲しそうな表情をしたように見えた。
光の変化か、それとも本心か。
分からないままだ。
お互いにも、本人にも。


『響子』

霧切「触らないで」


冷たく言い放った。

分かったからだ。この男がもう、戻ってこないことを。
理解したからだ。この男は既に敵なのだと言うことを。


『きょう、こ』

霧切「………」

『う、あああ、が』

霧切「………」





『愛してる』




返答は激しい蹴り。
霧切響子は、凛とした顔で歩き始める。
彼女が求める答えは、この学校の中にあったのか。

見つかるのは、図書室の中だろう。
570 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 22:30:18.69 ID:riBTgrTpo
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◆腐川冬子    1日目 23:38:11(デモ)
◆狛枝凪斗    1日目 01:44:44(デモ)

◇日向創     1日目 06:50:40(終了条件2)
◇舞園さやか   1日目 22:03:43(終了条件2)


さぁ、物語の歯車は狂っていく。
直下
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 22:31:10.15 ID:j1L9zTCDO
腐川
572 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 22:39:30.24 ID:riBTgrTpo
腐川冬子    1日目   23:38:11
        蛇頭峠     



腐川「………白夜様」


信じていたのに、愛していたのに。
届かない手、振り払われる希望。
どうして、どうして?

信じれば救われるなんて、救われた奴だけが言える言葉なのだ。

忘れはしないだろう。
忘れられるわけがないだろう。
あの十神の顔は、本気だった。
自分で逃げるので精一杯で、もうどうしようもなかった。

ごめんの言葉は雨に紛れて負けてしまう。
どうせ救えなかった。

拳銃を持った十神と自分達ではどうしようもなかった。
どうしようもなかった。
だから見捨てた。
そうするしかなかった。

自分に言い訳をし続けている。
それで桑田が救われるのかなんて、実際どうでもよかった。


腐川「………雨」

ふと腐川は、思い出す。
民族学の話だ。
確か、どこかの村の宗教の言い伝えにこんな風景があったような気がする。

空から降り注ぐのは、雨ではなくて───


腐川「白夜様ぁ………」


赤に紛れた涙。
もう誰も拭わない。
573 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 22:40:19.37 ID:riBTgrTpo
現在選べるチャプター

◆狛枝凪斗    1日目 01:44:44(デモ)

◇日向創     1日目 06:50:40(終了条件2)
◇舞園さやか   1日目 22:03:43(終了条件2)


謎は謎を呼び。
直下。
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 22:40:51.62 ID:e+FYOdXAO
狛枝
575 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 22:52:17.22 ID:riBTgrTpo
狛枝凪斗    1日目   01:44:44
        民宿付近      



狛枝「……あの話は本当だったんだね」


笑いながら現れたのは道化師。


狛枝「疑って悪かったよ」

「誰!?」

狛枝「え?ボクだよ……ほら、ちょっと前に話したじゃない」

「………ああ、貴方でしたか」

狛枝「ふふ、キミに忘れられてどうなるかと思ったよね。ゴミクズみたいな才能でも、この絶望を乗り切れるとは思わなかったけど」

「ゴミクズだなんて」

そんな、と『相手』は言う。

狛枝「いいや、やっぱりゴミクズさ……この絶望から、希望を生み出すことは出来ないんだ」

「………貴方の、目的は」

狛枝「さっきも言ったとおりだよ。この絶望が、もっと強い希望を作ってくれればそれでいい」

「そんなことのために捨てるのですか、仲間を?」

狛枝「仲間?仲間じゃないよ、彼らは」

「え?」

狛枝「ボクの大切な宝物さ」


狛枝「もっと磨き上げなきゃ」

狛枝「この絶望を覆せる人がいつか現れるんだ」

狛枝「それを見届けるためなら、ボクはキミに従うよ」

狛枝「この、どうあがいても絶望な状態から……ね」


ふふ、と含み笑い。
まるでからかっているような口調だったが、目だけは真剣だった。
見届けたいんだ。
この世界の行く先を。


狛枝「だからこそまずは、その像を直すところから始めたらいいんじゃないかな?必要なんでしょ?」
576 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 22:53:17.98 ID:riBTgrTpo
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◇日向創     1日目 06:50:40(終了条件2)
◇舞園さやか   1日目 22:03:43(終了条件2)

どっちもあんまり長くならない、はず。
途中まで自動スキップ機能も使えます。必要ならスキップと一言。
直下
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 22:56:34.19 ID:0gl6cgMuo
日向
578 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 22:59:00.11 ID:riBTgrTpo
日向創    1日目   06:50:40
     上粗戸/路上   



「……ねぇ……」

呼ぶ声がする。

「起きて……お願い」

誰だ?
ああ、そう言えば、誰か一緒に来ていたような……。
でも、誰だっただろうか?

ええと……。



「日向君」

日向「!」


起きあがる。
いつの間にかこんな道ばたで意識を失っていたようだ。
頭が痛い。
なんだか、変なモノも頭の中にあれこれ浮かんでいる。
ううん、と頭を振ると、目の前に少女がいた。


日向「ん?お前は……」

「お前じゃなくて【七海千秋】、だよ。日向君、さすがに名前くらいは覚えててくれるかと思ったんだけど」

日向「………なな、み」

そんな名前聞いただろうか?
いや、なんだか記憶が曖昧だ。
でもとにかく……。

日向「俺、なんでこんなところに……」

七海「一緒に逃げてきたんだよ、覚えてないの?」

日向「………」

いまいちはっきりしない。


──────

 終了条件:『七海千秋』と商店街の脱出。
終了条件2:『猟銃』を入手して『七海千秋』と商店街の脱出。


行動安価。
さて、銃はどこだろう。
↓2
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 23:08:37.08 ID:eS1B9TRZO
幻視で屍人の目を使って猟銃を探す
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/04(水) 23:10:59.77 ID:6Ud6GR/50
上+七海にその間自分たちの周囲の監視を頼む
581 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 23:18:40.51 ID:riBTgrTpo
やるじゃない。
582 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/04(水) 23:26:14.08 ID:riBTgrTpo
>>580
>>579


日向「………七海、俺」

七海「どうしたの?」

日向「武器を見つけなきゃ行けないと思うんだ」

それは些細な違い、繰り返される物語の微差。
日向の脳裏に掠っていたのは、なんだかそんな言葉。

日向「よく分からない化けものばっかりだろ?だから」

日向「こういう村なら……猟銃があると思うんだ」

七海「………うん」

日向「それを……探したいんだ。七海、俺の周り見といてくれるか?」

七海「どうするつもりなの?」

日向「……分からないけど、出来る気がするんだ」

無意識の奥の方に刷り込まれた知識。
すっと、意識を集中する。

まるで自分の目がいくつもあるような錯覚にすら陥りそうだ。
集中する。
自分をどこかに繋げる───
【幻視】だ。

ぱっと開けた『視界』は繋がりが悪い。丼のようなものしか見えなかった。


そのあとつながった『視界』は………包丁で何かを叩いている。まな板?

『………ふふ………パクパク………行っちゃうよ』

どこかで聞いたせりふ。いやな予感がこみ上げる。
そう言えば、ホラーゲームの定番と言えば、重要アイテムは強い敵の先にあるものだ。
きっと七海ならそう言うだろう。

果たして、猟銃が写ったのはさらにその次の『視界』だった。
どこかの建物の二階らしい。
しかし二階建ての建物なんて、そうたくさんはないだろう。


──────

行動安価。
日向の脳裏、焼き付いた原理。

今宵はこの辺で。感謝、お休み。ご参加の皆様、赤い水にはご注意を。
↓2
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 23:32:00.15 ID:IkuM4gQQo
乙乙
ksk
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 01:59:45.64 ID:cJjkcTYb0
もっと具体的に特定すために幻視続行
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 02:35:54.08 ID:fzcJY8qXO
おつおつ
586 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/05(木) 20:10:28.88 ID:aOKeJ1Zao
点呼。
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 20:11:26.09 ID:fCliXF3do
うい
588 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/05(木) 20:16:57.73 ID:aOKeJ1Zao
>>584


ここはどこだ?


膨れ上がる疑問に答えられるものはなし。
焦りは禁物だろう、もう少しだけ、その場所を特定したい。

その『視界』には、小さな和室が見える。
どこだ?どこの二階だ?
下から何かの音がする、ような気がする。
誰かがいるのだろうか?
とても弱々しいような、そんな声。

その『視界』にも、同じように何かの声がする。


『……く……』

『……にく……』

『にく……用意……』

『……森に行く……森か……』


いや、『視界の持ち主の声』か?
肉?

ここに精肉店なんてあっただろうか……?


──────

行動安価。
開始。
↓2
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 20:18:19.82 ID:fCliXF3do
ksk
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 20:28:59.46 ID:dfFfw22i0
七海と相談する。
591 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/05(木) 20:39:06.32 ID:aOKeJ1Zao
>>590


そこでやっと、現実に戻った。


どっと疲れが込み上げて、全身に汗がにじむ。
目の奥が眩みそうだが、それでもここでずっと手ぐすね引いている訳にも行かない。


日向「……ッ……」

七海「大丈夫?」

日向「……ああ」

七海「その……」

なぜ君が、それを?
そんな顔をする七海。
教えてくれたじゃないか、と言い掛けたが、よくよく考えたら、おかしい。
そう言えば七海はこんなことを言っただろうか?

日向「七海」

七海「ん?」

その思いを断ち切るように、質問した。

日向「多分、だが……武器はすぐ近くにありそうだ」

日向「肉とか、そういうものに関係がある場所にある……はずだ」

七海「うん……そうなんだ」

日向「そんな場所、この辺りにないか?二階建てで、肉屋」

七海「わかんないけど……二階建てならすぐそばにあるみたいだよ?」


それは一番目の前にある八百屋のようなもののすぐ向かい、二階建てのぼろい建物だ。
まず目に付いたのはそれだった。


──────

行動安価。
愛なんかとっくに売れちまって。
↓2
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 20:41:51.06 ID:H1/2Jc9SO
二階建ての建物へ向かう
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 20:54:09.06 ID:vt7kLURRo
594 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/05(木) 21:06:05.95 ID:aOKeJ1Zao
>>593
>>592


日向「……向かってみるか?そこに」

七海「それがいい、と思うよ」

日向「ありがとう」

突拍子もないことを言い出したな、と自分でもそう思う。
けれども、それに何も言わない七海は本当に優しいなと心から思う。

その優しさに、もう少しだけ甘えよう。

日向「行くぞ」

雨の降りしきる外へと、歩き出す。
辺りからは怪しげな足音がちらほら。
だがそれにかまうことも出来ない。

進まなければ何も始まりはしない。

雨の中、体はしっとりと濡れ始めた。
今までこんなに濡れなかったのが奇跡なほどだ。
顔を上げると、さて確かに二階建ての建物は立派だ。
木造建築のようだ、かなり年代を感じる。
一体いつ作られたものなのだろうか?

その建物の、本当に二階から何かの物音が、漏れ出した。


日向「……まさか、一発目で辺りか?」

七海「かもしれないね。どうする?」


──────

行動安価。
テイクイットイージー。
↓2
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 21:06:40.15 ID:HAbxr0Qp0
kskst
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 21:11:44.34 ID:cJjkcTYb0
全方位を警戒しながら中に入る
597 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/05(木) 21:19:57.38 ID:aOKeJ1Zao
>>596


日向「入るほかないだろ?」

七海「……、だね」

停滞する意味がないからだ。
進むしかない。
そうするしかもうない。

全身に緊張を張り巡らせる。
何が起きたっておかしくないのだ。
ここで自分達が死ぬ可能性だって大いにあり得て、恐ろしい。

慎重に進める一歩。

玄関は開けっ放しだ。
ショーケースは全くの空っぽ、何もかも取っ払われてしまった。
そこには何もない。
虫の一匹とて死んではいなかった。

奥には上がる階段。
多分家主はその先だろう。
ところで、なぜ二階に猟銃が?


がたんっ!

日向「!?」

『う、ああああ……』

七海「きゃっ……」


理由は簡単。
自分で捕って来ていたのだろう。

そして部屋の奥から現れたのは、エプロンを着た恰幅のいい女だった。
恐らく───

『ああああ……』

それも、ご丁寧に包丁など持っている。
肉斬り包丁……対して自分達はほぼ丸腰だった。

最悪、だ。


──────

行動安価。
↓2
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 21:32:19.31 ID:njopEpNXo
ksk
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 21:33:40.82 ID:eyb2++sLo
一旦引いて外に誘き出す
600 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/05(木) 21:41:39.09 ID:aOKeJ1Zao
>>599


このままじゃにっちもさっちも。

日向「外に誘い出そう、七海!」

七海「ナイスアイデアだよ!」

『うああ……』

七海「……でも、いやな予感するんだよね」

日向「え?」

七海「ほら、この手のゲームってよくあるんだよね」

まるでそれを知っているかのように、ささやく。

七海「キャラクターがそこから動かない事ってさ。追尾じゃなくて、その場に留まる為だけに配置された敵」

七海「ましてや屍人は元々ただの人間だからね。自分のなじみ深い場所に留まろうとしてるんだよ、多分」

七海「だから───」


言い終わる前に、ふたりして建物から足が出た。
その途端、追ってこなくなる女。
なるほど、なるほど。
これはやっかいだ。


日向「なんでこっちに来ないんだ?」

七海「多分ここが、彼女が人として生活してた一部だから、じゃないかな」

日向「……」

七海「だから出ない、出たくない」

七海「……たぶんだけどね」


しかしそう言う七海の顔はどうにも、まじめだ。
なお最悪の場面、動きやしない。
辺りに何か使えるものがあればいいのだが……。

もしくは、相手の動きが遅いのを利用して素手で殴るか?
いすか何かなかったか?
それとも、近くに鉄パイプでも?


──────


行動安価。
そう言う配置、嫌い。
↓2
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 21:51:20.14 ID:GzeeGcdDO
kskst
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 22:00:34.44 ID:dfFfw22i0
周囲に使える物がないか探そう。
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 22:01:18.44 ID:dfFfw22i0
…44って今回は大丈夫だったよね?

604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 22:02:25.61 ID:njopEpNXo
どれだけ出しても大丈夫だよ(ニッコリ
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 22:03:07.51 ID:v+PtALnDO
なにげに連続44ですげぇ
606 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/05(木) 22:03:13.84 ID:aOKeJ1Zao
44は大丈夫です。44はね。33はやめてね。お兄さんとの約束だよ。
607 :連続で44とかすげぇなオイ ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/05(木) 22:08:02.14 ID:aOKeJ1Zao
>>602


日向「……とにかくあの女の人を倒さない限りはどうしようもないな」

七海「なんかある……かな……?」

日向「探すしかないだろ?」


降りしきる雨はやはり邪魔で、憂鬱な気分をもり立てる。
最悪だ。
それでも最悪、だ。と言い続けて何か起きるのかと言われたら、そうでもなかった。
じゃあ、進むしかないだろう。
そう切り替えられたのは、いいことだった。

建物自体はとても古く、軋んでいるように見える。
どうやら、昔は看板なども立てていたようだが壊れてしまったようだ。
建物の端っこに何かの残骸が落ちていた。


日向「これは……」

七海「どこかに吊してたのかな?」


ふと、日向の目は一点に止まった。

瓦礫から生えていた一本の武器。
リーチもあり、なにより彼らの窮地をひっくり返すだけの価値がある武器だった。

【鉄パイプ】。

刃物をはじくことも出来るし、なによりリーチがあるから近寄られずに済む。


日向「……」

七海「あの人達は、もう人じゃない、から」

日向「!」

七海「……戦わなければ生き残れない、んだよ」


どこかで聞いたようなせりふだ。
瓦礫から鉄を引き抜きながら、思った。


◆【鉄パイプ】を入手。


──────


行動安価。
ホラーの基本は鉄パイプ
↓2
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 22:27:12.24 ID:j/u/Tzi0O
警戒しながら再び突入
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 22:27:29.86 ID:njopEpNXo
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/11/05(木) 22:33:42.57 ID:vonbLcWPO
なかなか面白い
611 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/05(木) 22:41:51.75 ID:aOKeJ1Zao
>>609
>>608


警戒を解けなかった。
理由はふたつ。
周りから足音がしていたこと。
そして今また入る場所にも敵がいたこと。

日向「気を付けろよ」

一言そう言った。
言うほかなかった。

七海に戦うすべはなく、かといって自分が守れるかと言えばあまり自信はない。
お前さんは、ラグビーなんかに向いてそうだの。
かつて弐大猫丸に言われた図体も、今やこの雨と恐怖で形無しだ。
何も出来やしないと、後込みしそうになる。

日向「………行くぞ、化け物」

『うう、ううう』

だからと言って何もしないのも、また日向には苦痛でたまらなかった。
自分をこれ以上否定したくなかった。
才能なんてなくても生きていけるはずと、自分を肯定したかった───
そんな機会がまさか、こんなタイミングだなんて思いやしなかったけど。

日向「悪いけど、倒れてくれ」

握り、力を込める。
目の前にいるのは、目から大量の血を流した女だ。
動きは緩慢、慌てなければ大丈夫。


七海「………思いっきり、やっちゃって。もう、死なないから」


──────


行動安価。
怖さを断ち切る。
↓2
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 22:45:40.61 ID:dfFfw22i0
kskst
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 22:45:41.09 ID:v+PtALnDO
こちらを見てない時に叩く
614 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/05(木) 22:51:59.44 ID:aOKeJ1Zao
>>613


『………!』

女性は目を赤く染め、床に己の証を次々と作り続けている。
そして不意に、言葉を発した七海の方を向いたのだった。
単に、音がしたから、だろう。

隙ありの一声、振り上げるパイプ。

日向「………おらっ!」

どごっ。

あまりに軽すぎるのに、打撃音は重い。
内側に響く音だった。
思わず両手が痺れそうになる。

『あ、ああ……?』

よろける女性。
今が好機だろうさ。

日向「倒れてくれっ!!」

続けざま、側頭部に放つ鉄パイプの鋭い突き。
体を貫通することはなかったが、それでも威力は充分だった。
よたよた、足下がふらついているようだ。

そして、やがて、女性はこの世のものとは思えない断末魔を上げた。
さよならのかわりの、言葉にならない言葉だ。
全身をふるわせて倒れて、そして体を丸くして収まったのだった。


日向「………はぁ、はぁ」

思い切り人を殴ったのは、初めてだ。

七海「行こう、日向君」

日向「七海」

七海「屍人は死なない。このままにしてたら、また起きあがる、から」

悲鳴すらもうあげない七海が、冷たい目でそれを見下ろして言った。


──────

行動安価。
↓2
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 22:53:03.39 ID:njopEpNXo
ksk
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 22:53:38.11 ID:dfFfw22i0
kskst
617 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/05(木) 23:07:38.13 ID:aOKeJ1Zao
お時間都合が悪いので今日はこの辺で。
諸君等のコメントが頼りになる。いつもありがとう。
また明日。
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 23:25:49.26 ID:cJjkcTYb0
二階に居るであろう敵に気取られない様気を付けつつ二階へ。
可能なら鉄パイプの先制攻撃だべ!
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 23:29:41.92 ID:CU4jnyyCO
おつ
鉄パイプって定番だけど日常生活では見ないよね
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/05(木) 23:40:42.31 ID:ZXkBRNJ7o
乙乙
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 13:09:53.76 ID:d1FQ6ijSO
だがSIRENでは鉄パイプが出てくるの終盤なんだよな
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 13:42:22.27 ID:GH+92iTa0
サイレントヒルでは相棒だよね
623 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 21:27:29.59 ID:wwg7bjDoo
鉄パイプより火かき棒派の須田君。
624 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 21:32:36.33 ID:wwg7bjDoo
>>618


日向「……」

罪悪感がないわけではない。
人を殴った。
そして、倒した。

果たしてそれは殺人ではないのか?

相手は人ではない、が、以前は人だった?
こちらに襲いかかってきた、が、ここは彼女の家だった?
自分がやっていることは正しいのか?

水を吸い込んでぬかるむ地面みたいに、ぐにゃぐにゃと思考。


七海「日向君」

日向「!」

しかし彼らには時間がない。余裕もない。
足を止めている場合ではなかったのだ。

七海「行こう。二階、でしょ?」

その言葉にうなずいた彼は、ゆっくりゆっくり階段を上がることにした。
木製の階段はみしみし、みちみち、不気味な悲鳴を上げているが壊れる気配などはない。

あとは決まっていた。
たどり着いた先に見えた、その頭に向かって───


がっ!


『お、お!?おおお!!』

日向「なっ!?」


奇襲は成功したはずだったのだ。
背後から完璧にたたけたのだ。
なのにだからこそか、人を辞めた成果、その程度で怯みやしない。

むしろ、立ち上がって襲いかかろうとしていた。
無手とはいえ、危険か。


──────

行動安価。
反応があればよく響く。
↓2
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 21:33:20.99 ID:6neMt7nXo
KSK
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 21:37:00.19 ID:XDn23A0eO
屍人を引きつけている間に七海に銃を取ってもらう
627 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 21:45:17.28 ID:wwg7bjDoo
>>626


がきんっ、と金属音。
何も持っていない元人間を叩いているはずなのに、そいつはまるで金属みたいに堅くて重い。
なんなんだよ、と口の中でだけ吐く悪態。


日向「七海!今のうちに!」

七海「え?」

がんっ

日向「俺がこいつを引きつけるから、銃を取ってくれ!」

七海「でも銃がどこにあるか……」

日向「いいから早く!」

がん、がきっ、がんっ

『おおおおお』

日向「こ……のっ!」


向かってくる体を、今度は蹴りで離す。
その力を殺さずに、鉄パイプを振り抜いた。

相手はなかなかしぶとい。
どんな誰なのかは分からないが、しかしどうにもすぐに倒れてはくれなさそうだった。


『銃……じじゅう……銃、狩り……鹿を』

日向「俺が狩りに行く!」

がんっ

再び振り抜いた鉄の凶器。
もう普通の人間なら、とっくに倒れていてもおかしくない。
それくらい全力でやっている。

なのに、なぜ倒れない!
628 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 21:49:28.44 ID:wwg7bjDoo
人の形をしているものを叩くのは、いささか疲れるのだ。
それは肉体的に、だけではない。
精神的に、だ。

蝕まれていくのだ。
己がしでかしていることに。

それはこの窮地には仕方がないとしても、それでもモラルを疑われるほどの行為だと日向も分かっている。

分かっているから困っている。

本当にこれでいいのかと。


けれど、そうするしかないから。
脳内がそう言っているのだから。


日向「七海いいい!」

ずっと戦い続ける事は出来ない。
日向は人間で、限界があるから。
対して相手は人間辞めているのだ。
まだまだ余裕があるのか、再びこちらに迫ってくる。


七海「………あったよ!猟銃!」

日向「助かった!」


何度か殴りつけて、なお倒れない相手の前、息切れしかかった日向に聞こえたのは救いの言葉だった。


日向(この遅さ、それにここに執着している事を考えれば)

日向(全力で逃げれば追ってはこなさそうだけど……)

日向(銃を取ったから、追いかけてくるか?倒した方がいいのか?)

日向(俺はあと何回この人を殴ればいいんだ?)


──────

行動安価。
↓2
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 21:51:20.95 ID:hlUwIFzFo
足払い、体当たり、突き落とし
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 21:52:33.93 ID:6neMt7nXo
631 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 22:02:57.94 ID:wwg7bjDoo
>>630
>>629
正否的に3割当たる



これ以上戦ったって埒が明かない!


日向「く……!」

『狩りにいく、のか?』

『ふふ、狩りは……俺が……』

日向「来るなっ!」


こちらに寄ってこようとするそいつの足を、払った。
力のない動作の男はそのままもんどり打って倒れる。
動く気配などはない。
いや、動こうとしているが、なかなか立ち上がれずにいるようだ。

日向「……!」

七海「日向君!」

日向「七海今だ、こいつが起きる前に走れ!」

七海「……うん!」


階段を急いで駆け下りる。
上から迫る足音などは聞こえない。

一階に着いたときには、まだあの女も丸まっている。


七海「直にまた起きあがる……急ごう」

日向「ああ」

軽く返事してさらに進む。
このままこいつらに捕まるわけには行かないのだ。


再び雨晒し。

そうしてやっと気づいたが、七海が手間取っていた理由が分かった。
猟銃をキャリングケースに突っ込んでいたのだ。
肩から下げて持ち運べるもので、なにより雨の中で火薬が湿気らない。

あの場面でよくそこまで頭が回るな、と日向はただ感心するばかりだった。


──────

行動安価。
後は一直線。
↓2
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 22:06:15.51 ID:hlUwIFzFo
Bダッシュ
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 22:10:24.48 ID:ozMc52tO0
ゴールに向けてただ走る
634 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 22:16:43.88 ID:wwg7bjDoo
>>633


脳内が言っている。
ここに留まる必要などないと。


日向「なるべく早く、抜けよう」

七海「賛成だよ。寄り道せずに、さっさと行こうか」

日向「ああ。どこに行けばいいか分からないけどな」

七海「……うん」


雨を受け続けるつもりもないし、この世界にただ呑まれる必要もないかと思っていた。
最後まであがくならあがいてみよう。
欲しいなら、欲しがろう。

ふたりは頷くと同時、なるべく細心の注意を払いながらも、


全力で走り出した。


ぱちゃぱちゃ、水がはねる。
周りに気付かれるななんて無理に近しい。
だが、彼らに仮に気付いたとて捕まえる事は不可能だろう。
動きが違いすぎるのだ。

そのまま、商店街の終わりまで、駆け抜けて行って───
635 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 22:17:10.03 ID:wwg7bjDoo




終了条件達成。



636 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 22:20:45.90 ID:wwg7bjDoo
日向創    1日目  07:07:21
    上粗戸/商店街出口付近


ぬかるんだ地面に足を取られ、転びかけた日向が踏ん張った。

ばしゃ、弾ける水音。
その背後に、迫っていたのは刃物屋の主人だった。

確か動きが遅くて、到底日向達を捕まえられるはずがなかったのだが。


『うちの商品はぁ………いかがぁ………』

日向「!」


足を取られた隙だった。
緊張が切れたと同時、周りへの警戒がすっぽ抜けた2人は、思いの外そこで時間を潰してしまった。
が、故に背後にそれがいたのだ。

しまった、と言い掛けた彼らに振りかざされた刃。


直後聞こえたのは、肉が断ち切られる音でも、心臓が破裂する音でもなく、
ずっと奥の方からの、発砲音だった。


日向「………え?」


そしてそれが、自分達の側にいた屍人に命中していたのを知るのは、数秒後だった。
637 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 22:22:44.73 ID:wwg7bjDoo
選べるチャプター


◇舞園さやか   1日目 22:03:43(終了条件2)


出したいチャプターは多分この後に。
質疑あれば今のうち。
特に何もなければ舞園に移行。
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 22:23:38.44 ID:owMP4BO7o
進もう
639 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 22:41:49.88 ID:wwg7bjDoo
舞園さやか   1日目  22:03:43
      折部/折部分校     



扉を開く。
きぃ、と小さな音が鳴って、ソレは開いた。
誘われる舞園さやか。

ステージはもうないけれど、彼女はまだ輝きたかった。

忘れられたくない。
ずっときれいなままで、輝きたい。

そんな彼女に飛び込んできた朗報。
輝けるかもしれない寸法。
彼女にとってはあまりにもおいしい話だった。

手に持っているのは、【月刊アトランティス】と書かれた怪しげな雑誌。
山中に落ちていたのを、舞園が拾ったのだ。
そこに書かれていた、永遠の話。

そうして読み上げて、いつの間にやら学校に来ていた。

この村は時空がゆがんでいるらしい。
村の外には出られない、目的地を目指しているはずが、遠ざかったり、
あるいは全く別な場所に道が出てしまう。
一体、どこまで行けばいいのだろう。


舞園「……ここに、あるんでしょうか……ヒントが」


握りしめるスコップ。
何が出てもおかしくはなかった。


──────

 終了条件:学校からの脱出。
終了条件2:『羽生蛇村民謡集』を入手し、学校から脱出。

行動安価。
そうです。
↓2
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 22:42:29.95 ID:Y71/1/VHo
どうです?
ksk
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 22:45:53.43 ID:ZNK6OV/EO
スキップ機能はどうやって使ったら良いのだろうか
安価下
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 22:52:43.66 ID:cIsoXW0g0
取り敢えず周囲確認で
643 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 22:53:33.53 ID:wwg7bjDoo
スキップは必要最低限の安価まですっ飛ばします。スキップって書いちゃえば胸が土器土器。
644 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 22:58:37.74 ID:wwg7bjDoo
>>642


ばたんっ!


背後で閉まった扉。


舞園「!?」

慌てて戻ろうとしてももう遅い。
後は絶たれてしまった。
もうこの建物から出るためには、進むしか方法がないのだ。
入ってしまったのだから。

まずは周辺をつかむことから始めようと思った。
なぜなら、舞園が今入ったばかりの場所からはかさかさと何かが動く音が聞こえ続けていたからだ。

舞園(………なに?)


自分はどうやら、体育館のようなところに入ったらしい。
それが分かったのは、夜目が効いてきたからだった。

そして自分が体育館の脇に付けられた非常階段から続く通路にいることも、
その通路の側に何かが落ちていることも、

体育館の内部で何か生き物が動いていることも、分かった。

まるで蜘蛛のように、数匹かさかさやっている。
非常階段は角度が急すぎるからか、彼らは登ってこないらしい。

改めて握るスコップ。
見下ろす階下はそれなりに高いらしい。


舞園「……なんなの、ここ……」


──────

行動安価。
↓2
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 23:00:01.00 ID:cIsoXW0g0
kskst
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 23:05:15.92 ID:ZNK6OV/EO
じゃあ思いきってスキップ
647 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 23:09:47.67 ID:wwg7bjDoo
舞園「……」

眼下に見えるのは、蜘蛛のような何か。
しかし、蜘蛛ではない、と気付くのにそう時間はかからなかった。

あれは───人だ。

体が捻れて奇形になりながら、背中を下に向けながら四足で歩く人だ。

おもわず、胃液がこみ上げる。

舞園(……だ、だめ……あんなのに見つかったら……私……!)

ぐっ、と堪えて、それから考える。
あの蜘蛛みたいなのはどうしてここに?
いや、答えはでないだろう。
では次に、ここを抜けるにはどうしたらいいのか?

舞園は思った。
彼らは勝手に動いているようだが、ぶつからないのだろうか、と。

試す価値はある。
面白そうだと最初は思ったのに、今や事実と受け止めるしかない、摩訶不思議な技。
【幻視】。
めくった【月刊アトランティス】には、他人の視界を覗き見るすべと記載があった。
もしかしたら、私にも?
謎の自信がこみ上げた。
648 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 23:13:27.77 ID:wwg7bjDoo
意識を統一して、身を投げる。

数秒もしないうち、舞園の視点は切り替わっていた。

『が、はぁ……キュル、キュルキュルキュルキュルキュル』

声ともならない声を上げながら、そいつはふらふらよたよたと歩いている。
『視界』はかなり悪い。
ほとんど先まで見えないのに、それでも周りとはぶつからない。

『キュル』

『ぐ、がが……』

鮮明になった気がした。
音のイメージが、だ。


舞園(……、……っ……もしかして……)


見つけた、たったひとつの仮説。
それを証明するために彼女が取ったのは───


ぱきぃんっ!


『『『!?』』』

舞園(イン・ビトロ・ローズ!なんで落ちてるのか分からないけど……ごめんなさい、使わせてもらいます)

大きな音がでるものを使いたかった。
そうして、確かめたかったのだ。

目の悪い彼らは、多分だけれど、耳を使っているのではないか?と言う仮説を。
かくしてそれは成功し、舞園は無傷で体育館を後にしたのだった。
649 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 23:18:01.99 ID:wwg7bjDoo
ばたん。


校舎につながる廊下に向かう、体育館の扉を閉めた。
蜘蛛のような身なりの彼らには、きっと扉は開けないだろう。

ふう、と一息付いてしまう。
けれどここで緊張をほぐすわけには行かなかった。
彼女のアンテナにいくつか、引っかかったいやな予感があったのだ。

舞園(……)

ふと、そんな最中に変なビジョンを思い浮かべる。
迷うことなく進んだのは、体育館すぐそばの体育倉庫だった。
ゆっくりと進入し、そして床を見やっている。

舞園「……やっぱり」

やっぱり?
なにが?

数秒して、舞園は思った。

はてさて、彼女の視線には簀の子の下に落ちている鍵が見える。
指は入らない、何か鋭利で細いものを刺さなければならないだろう。

それをやっぱり、と言ったのは、自分でもどういう了見なのだろうか?
毒づく舞園が、不意に立ち上がった。


舞園「と言うことは、この先に学園長が───」

舞園「……何で知ってるんだろう、私」


答えてくれる者はない。
そしてもうひとつ分かっているのは、このまま学園長を無視することも可能だと言うことだった。

舞園「……」

舞園「……学園長を無視したらどうなるんだろう」


──────

ここから行動安価。
倒すの大変、でも見返りも当然。
↓2
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 23:20:49.30 ID:d1FQ6ijSO
図書室の中はなぁ……
安価下
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 23:33:16.54 ID:GH+92iTa0
無視して階段から上目指す
652 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/06(金) 23:42:40.17 ID:wwg7bjDoo
>>651


舞園(なるべくなら出会いたくはない)

舞園(それなら───一旦無視してみるべきだ)


決断は早かった。
そして、見定める『視界』。
あっと言う間だった。

そいつが足を止め、警戒を消した瞬間に立ち去った。
廊下を横切る一陣の風に、もはや誰も声をかけやしない。

あっけない。
まさかこんなに簡単に抜けられるなんて。
きっと舞園もそう思ったはずだ。


階段に差し掛かるまでは。


『……キュルキュル……』

舞園(!?)


二階の廊下から足音がする。
そして、もうひとつ───がりがりがりがりがりがりがりがり。
まるで内側から、かきむしるような音が。


舞園(な、……なに……なんなの……何の音?)

舞園(廊下の方は多分……敵、さっきの……やつ)

舞園(でももう一つは……)

こんな時に、涙がでそうだ。


──────

行動安価。
こうなる。
↓2
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 23:49:22.75 ID:cIsoXW0g0
幻視しよう。
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/06(金) 23:54:30.86 ID:Y71/1/VHo
655 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 00:09:44.91 ID:IbUt95rJo
>>654
>>653


このまま何の策もなく入るのは無駄だと舞園は知った。
きっと廊下にひとり、そして教室に……ひとりだろう。
推察する。

そして、目をつぶる。
自分を遠くに飛ばすように、念じる。


『つながった』。
舞園のアンテナにかかった『視界』は、どうやら本命だったようだ。

『そいつ』は廊下を闊歩していた。
誰もいない、光の射さない廊下を、ぎちぎちと捻れた体をふるわせながら歩いている。
何のために?
誰のために?
そんなことを考えても仕方がないのだけれど。
だけれど、『そいつ』がいることは舞園にはとてもじゃまだ。

慌ててそこから気配を殺しながら、探っているうち、見つかったもう一つの『視界』があった。

今度はそちらに繋いでみる───


『はぁ、はぁ……はぁ……キュル……キュルキュル』

他の蜘蛛と何ら変わりのない音だった。
その『視界』が違ったのは、どこかの部屋の中だったと言うことだった。
多分、ここは教室だ。

もっと異様なのは、その教室の扉が真っ赤に染まっていることだ。
まるで何かに引っかかれたような傷が残っている。


『ぎ、敵……いか……ん、……ワシ……あ、キュルキュル』

『キュルキュル』

『ぎぎぎ……』


どこかで聞いた、ような。
いや、きっと気のせいさ。
そう思うほか、今はない。


舞園(……)


──────


行動安価。
↓2
今宵はこのあたりで、毎晩感謝。一言貰えるだけでも、うれしい。
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 00:23:19.70 ID:2uMW0CQL0
乙っス。
こちらこそ何時も楽しく見せて頂いてます。
安価は↓
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 02:08:07.69 ID:/2zrSKEA0
両方が隙を見せる瞬間を探る
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 02:55:56.34 ID:xqw7qN5AO
乙っす ↑
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 14:45:21.57 ID:f50McVSu0
>>533でまさかとは思ってたけど…猫丸さん…
660 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 20:28:40.58 ID:IbUt95rJo
闇に呑まれよ。
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 20:32:23.45 ID:KC8q2/52o
お疲れ様です!
662 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 20:33:42.63 ID:IbUt95rJo
>>657


舞園「……まずい」

舞園(隙を見つけなきゃ……前に、進まなきゃ……)


反撃の機会を伺った。
最大限、敵に見つからないようにしながら。

片方の『視界』は部屋中をうろうろしているがどこかに行く気配はない。
どうやらその教室は完全に閉め切られており、またそこを開けるための手段は彼にはもうないのだろう。
ぐるぐるうろうろ、キュルキュル。
呻き喚き、それでも自分を留めようとする声がする。
耳障りだ。
ひどく不愉快だ。

もう片方は、廊下をうろうろしている。
前に行ったり、逆に進んだり。
どこを見ているかわかりにくいが、『視野』はほぼ前方にしかなかった。
下もほとんど見てないし、それ以上に後ろなんて見えるわけがない。

それでも舞園が簡単に踏み込めないのは、蜘蛛の耳の良さだった。
先ほども立証したとおり、やつらは目の悪さを耳で補っている。

完全な隙を見つけるために数秒、数十秒、待った。


キュルキュル。


不意に、廊下の蜘蛛が立ち止まる。

舞園「!」

無視して通れるか?それともこいつをどこかに閉じこめられないか?
あるいは……倒すか?


──────

行動安価。
今宵も。
↓2
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 20:37:03.67 ID:TnZinu86o
やみのま!
月間アトランティスを教室内に投げて蜘蛛を誘導…?
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 21:02:52.39 ID:07QtIR4M0
665 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 21:17:14.59 ID:IbUt95rJo
>>664
>>663


咄嗟に目に入った、【月刊アトランティス】。
達筆でいくつも文字が書き込まれ、ところどころマーカーまであり、ご丁寧に【ツチノコ見つけたら100万円!】とまで書いてあるそれ。
誰かの───見つけたとて頼りになる存在ではないのだが、彼の手がかりとは知りながらも、それでも使えるものは使わせて貰おう。


ばさっ

『!? ぎぎぎ……!』


蜘蛛は知能が低いのか、音がした方向に勝手に移動する。
何も考えていないようだ。
そして知能が下がっているからこそ、その捻れた体を器用に行使できず、扉を開くことも叶わない。

『ぎ、が……だれだ、あの……高校生か……』

意味深。
けれど意味がない。
分かっている。

がららっ!ばたんっ!

『!』


誘い込まれたのならそのまま扉を閉めてやろう。
廊下にいた蜘蛛は、誰もいなかった教室内に誘い込まれてそのまま出られなくなってしまった。
もう片方の教室にもまた蜘蛛は存在しているが、しかし───それも扉さえ開けなければ出てくることはない。


舞園「……これで、この廊下の安全は保たれましたね」

下から誰かが登ってこない限りは安心してもいいだろう。
そして、誰かが登ってくる気配はしばらくなかった。

これで、誰にも襲われずに済む。
少なくともこの廊下の間は。


舞園「……そうだ、手がかりを」

探しているんだった。
永久の命、普遍のもの、それがこの雨と関係していると知ったから。
私は忘れられずに、永久にみんなのアイドルでいられるんだ。
そんな思いが彼女を加速させる。

目指すは───


──────

行動安価。
次は若干甘め判定。らっきぃ。
↓2
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 21:18:39.02 ID:KCRFXYbDO
図書室
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 21:20:23.18 ID:l6V73FijO
668 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 21:29:04.43 ID:IbUt95rJo
>>667
>>666


───図書室!


学校なのだからあって当然だろう。
そこに向かうこととしよう。

と、廊下を歩いていく。
その奥に、目当てのものがある気がしたからだ。
猛然と、何も迷わずに、進んでいく。
必要なものがあると信じたからだ。

そして、そこに着いた時に彼女が見たのは。


『ーーーーー! ーー! ーーーー!!』


重そうな本棚に潰されて動けなくなっている一匹の蜘蛛だった。
己の力ではこれを引きはがす事が出来ないらしい。
情けなく両手両足をじたじたしながら、こちらに尻を向けているような状態だった。


舞園「!?」


誰かが意図的にやった、としか思えない。
……でも、誰が?
自分よりも先に来た人がいるのだろうか?
謎が深まるが、それ以上に収穫はあった。

彼女の眼下に投げられているのは、一冊の古びた本。
ちょうどよくページがめくられたまま放置されていた。
これが───羽生蛇村の言い伝えをまとめた本……?


舞園「……いったいだれが……」

ここまでやってくれるのだ。
どういう考えなのか、気になってしまうじゃないか。


◆【羽生蛇村民謡集】を入手。


──────


行動安価。
あと3アクション。そして運。
↓2
669 :sage :2015/11/07(土) 21:30:16.86 ID:M3CoQqkSO
kskst
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 21:36:44.47 ID:07QtIR4M0
とりあえずここから脱出しよう
671 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 21:43:54.66 ID:IbUt95rJo
>>670


舞園「脱出……しなきゃ……」

そうだ、脱出だ。
それを忘れては困るのだ。
雨に濡れないのはいいことなのかもしれないが、かといって敵の巣窟にいるわけにもいかないだろう。

脱出。

そのために必要なのは、出口だ。どこから出ればいいんだ?
そう考える舞園の脳裏に掠めたのは、いつか見た階段脇の小さな扉だった。
あの扉から出られるかもしれない。
最後の希望として、使うことにした。

それで、その扉からでるには───

と、思考した舞園の足は、気付けば教材置き場に向かっていた。
手に取ったのは、大型のコンパス。

あれ?何で私、これを?

声が出ない。
まるではじめから知っているかのように、足は進んでいく。

世界はループしているのか、否か。

その舞園の足は、一階の体育倉庫の前で止まったのだった。


舞園(床の鍵……取ればいいのかな?)

舞園(でも、それでいいの?本当に?)

舞園(この学校にはまだ敵がいる───その敵を、先に倒す?それとも……)

舞園(……)


──────

行動安価。
あと2か、1か。
↓2
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 21:49:36.19 ID:07QtIR4M0
kskst
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 21:50:05.48 ID:z3HvMF7zo
幻視で敵がいるか探る
674 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 21:55:11.74 ID:IbUt95rJo
>>673


舞園(……焦っても、仕方がない)

舞園(……幻視で、敵を探しましょう)


合わせるチャンネル、飛ばす電信。
彼女の視界を、別な『視界』へと塗り替える。
心を無にして捜し当てたのは、ひとつの答えだった。


『響子……響子……?』

手袋を握った男は、きょろきょろと辺りを見回していた。
恐らくは階段に一番近い教室の中だ。
先ほど見つからなかったのは本当に幸運だったようだ。

『そっちなのか……響子……』

二足で自立している。
それだけで他の蜘蛛のような外見の敵とは全く違うと分かる。
あとは彼を排除するだけだろう。
その『視界』は、自ら扉を開けて廊下をうろうろし始めるところだ。

しかも間が悪いのは、こちらの方も見ていると言うこと。

このまま廊下から再び教室へ引っ込むのを待ってもいいだろう。
だが、鍵を拾ってからまた廊下に出られたら?
ましてや待ち伏せなどされていたら?
最悪の展開が脳裏を掠める。
いや、鍵さえ拾ってしまえば走って振り切れるかもしれない。
それとも、向かってくるなら倒せばいいじゃないか。

巡るいくつもの選択肢。


──────

行動安価。
運があれば無視できる。
↓2
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 21:58:48.79 ID:2uMW0CQL0
kskst
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 22:05:01.02 ID:l6V73FijO
鍵を取る
677 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 22:19:31.08 ID:IbUt95rJo
>>676


舞園(考えても………始まらない!)

舞園(まずはあの鍵!とります!)


眼下に見える小さな鍵。
それを器用に、コンパスを使って引っ張り出す。
このくらいの細さなら、床の隙間にも簡単に刺さるのだ。
たぐり寄せた最後の希望は、程なくして手の中に入った。


◆【どこかの鍵】を入手。


確信があった。
これは、脱出出来る鍵だと。
だがなんでこんなところに?
誰かが隠したのだ、恐らくは。
理由は定かではないが。

とにかく鍵を拾った。
あとは脱出するだけ、なのだが………


『きょ、きょ、響子……ぶるる……』


廊下で声がする。
教室の前に立っているらしい。


舞園(教室をくぐるように抜ければ見つからないでしょうか……)

舞園(もしくは走る?)

舞園(……た、倒す?)


やつは廊下に。
自分はすぐ側に。
どちらにせよピンチではある。


──────

行動安価。
見つからないように逃げるか、走って追いつかれないようにするか、倒すか。
↓2
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 22:21:42.93 ID:M3CoQqkSO
kskst
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 22:35:22.40 ID:JCaDDx1vo
教室をくぐるように抜ける
680 :ゆけむり ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 22:49:06.08 ID:IbUt95rJo
>>679


舞園(……なるべく音便に済ませたい)

舞園(私はあの人とは戦いたくない)

舞園(だから、教室内を通って……)

舞園(学園長に気付かれない内に抜け出す!)


覚悟を決めた舞園さやかの顔は凛としていた。
体に震えはいっさいなく、汗もかいていない。
これが……トップアイドルの覚悟というやつなのか。

舞園(……行きます!)


刹那。
こちらを向いていない事を確認してから、舞園は弾丸のように走り抜ける。
握ったスコップ、鍵も落とさないよう、それでいて音をわざと立てる。


かたん


『……響子?』


教室の入口に、食いついてくれればいい。
移動したことを知った上で、舞園は反対側の出入り口から飛び出した。

既に教室内はもぬけの殻だ。
残念だが、そこには誰もいない。


舞園「……さようなら、先生」


少しだけ、ほんの少しだけ悲しくなる。
顔を見なかったのは、きっと僥倖なんだろう。
681 :ゆけむり ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 22:51:20.59 ID:IbUt95rJo




終了条件達成。



682 :エスパー ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 22:56:52.31 ID:IbUt95rJo
舞園さやか   1日目  22:43:43
       折部分校外



降りしきる雨の中に再び飛び出した。

空はなんだかどんよりと重くって、それがまた彼女の脳にはダメージを与えてくる。


舞園「……」


手に入れた文献は、彼女にとってどんな意味を持つのだろうか。
脱出は果たして救いか、それとも別なものなのか。
学校の中にいた人達はどうなってしまうのだろうか。
まだ明確な答えは出せないままだ。

握りしめる本。
ここに自分が求めていた事が、きっとあるはずだ。

そして、ひとつの仮定にたどり着く。

この降り落ちる赤い雨が、永遠の命を与えるきっかけになるのだと。

死ではない。
得るのは、命、永遠の若さ。
誰にも忘れられないアイドルに。


舞園「……ふふ……ははは」


一瞬のきらめきだけでは終わりたくなくて、すがりつく。


舞園「私は、これを……そうだ、これを探してたんだ」



こうして彼女の旅は、終わりを迎える。
683 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 23:02:15.95 ID:IbUt95rJo
新たな物語を開示する。

デモ
◆澪田唯吹    1日目  17:47:19
◆葉隠康比呂   1日目  21:48:45
◆十神白夜    1日目  14:58:23

プレイ
◆朝日奈葵    1日目  16:23:33


好きなものを。質疑あれば都度。
直下
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 23:03:17.74 ID:KCRFXYbDO
だべ
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 23:03:21.17 ID:2uMW0CQL0
葉隠
686 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 23:14:58.91 ID:IbUt95rJo
葉隠康比呂   1日目   21:48:45
       比良境付近    



鈍痛。
それが最初に感じたものだ。

葉隠「っ!……な、なん……」

半袖でも問題ない時期だったが、言ってもここは森の中。
日が暮れるのは多分に早い。
ましてや日の光が満足に差し込まない状況だったのだ。

振り返っても敵の気配をすぐに察することは難しかった。

葉隠「誰だべ!?なな、何しに」

来たんだよ、の言葉が続かない。
何せそいつは葉隠の視界に入った時には、顔を真っ赤に染め上げて、手にハンマーを握っていたのだから。

葉隠「……き……ま、マジかいな」

『こっち……こっちこぉい』

葉隠「いや、いやいやいや遠慮するって……あれ?本が……」

『きれいだぞぉ……』

葉隠「い、ちょま」


交渉決裂、振り下ろされたハンマー。
寸ででかわして、そして葉隠康比呂は叫ぶのだ。


葉隠「誰か助けてくれってぇぇぇえ!!!」



それを終わらせたのは、二度目の鈍痛だった。
687 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 23:16:30.26 ID:IbUt95rJo
チャプター解放。

デモ
◆澪田唯吹    1日目  17:47:19
◆十神白夜    1日目  14:58:23
◆小泉真昼    1日目  23:45:50

プレイ
◆朝日奈葵    1日目  16:23:33

悪夢は間近に。
直下
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 23:16:43.71 ID:O68Dx3ROO
あー
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 23:17:27.44 ID:3vVNTn+fo
とがみ
690 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 23:36:15.90 ID:IbUt95rJo
十神白夜    1日目   14:58:23
     蛇ノ首谷/折臥の森



腐川「白夜様」

十神「……」

桑田「あ?お、オメー……無事、なんだよな」


ばったり遭遇した。
まぁいい、好都合だった。
この世界で生き残るのは俺だけでいい。
そしていつか、脱出してみせる。
十神の名にかけて。


桑田「……は?オメー……なに、し」

十神「分からないのか?」

腐川「え、な、何して……」

驚いて顔を青ざめさせる桑田が己の胸に手を当てる。
おびただしい血が、流れ出している。
それを止めるように、留めるように、手で抑えて。

桑田「こ、れ……お、オメー、オレを」

十神「撃った。この世界にお前は不要だ、桑田」

桑田「……は……?」

十神「お前もな、腐川」


続けざまに向けた銃口。


腐川「なん……な、何をしてるのですか?」

十神「分からないのか、お前にも」

腐川「だ、だだっ、て……」

十神「この世界には物資がほぼない。お前達が生き残っていたら、その残った物資もなくなる」

十神「それにどうやらこの現象……ふん、どうやらあらがえないものらしいからな」

桑田「アホかよ……オメー……?」

十神「違うな」

腐川「だ、だからって何で撃って」

十神「だからこそ撃つ」

装填。

十神「お前もだ、腐川」

腐川「……!!?」


真意が分からなくて、ただ、腐川は立ち尽くしていた。
救うことも、尋ねることも出来ないままだ。
691 :エスパーきました ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 23:36:57.03 ID:IbUt95rJo
デモ
◆澪田唯吹    1日目  17:47:19
◆小泉真昼    1日目  23:45:50

プレイ
◆朝日奈葵    1日目  16:23:33

謎ばかりで進まずに。
直下
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 23:39:39.21 ID:xKrIpAZnO
澪田
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 23:42:04.06 ID:/2zrSKEA0
真昼
694 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 23:48:45.18 ID:IbUt95rJo
澪田唯吹    1日目   17:47:19
     合石岳/羽生蛇鉱山   



澪田「唯吹達……最大のピンチってやつっすかね……はは」

山田「……ですな、囲まれております」


小屋のひとつに逃げ込んだもののその小屋の周囲には敵だらけ。
自分達を倒そうとしているのがよくよく分かっていた。


澪田「音が近づいてるっす……六本木心中ならぬ羽生蛇村心中?最悪……」

山田「……澪田唯吹殿」

澪田「どうしたんすか、一二三ちゃん」

山田「思えば、僕がここまで逃げ残れたのもあなたのおかげでした」

澪田「ちょっ、一二三ちゃん?」

山田「足の遅いどじでノロマなカメである僕を見捨てずに一緒に連れて行ってくれた」

澪田「それは唯吹が寂しかったから……」

山田「澪田唯吹殿」

澪田「……」

山田「……なあに、お任せくださいよ。僕が外に出てやつらを引きつけますから、その間に逃げればいいだけの話です」

澪田「やだよ……」

山田「そもそもがここまで一緒に来れたのが奇跡なのですから」

澪田「やだぁ……一二三ちゃん行かないで……」

山田「澪田唯吹殿」

澪田「何で行こうとするんすか?何で一緒に来てくれないんすか?!」

山田「……澪田唯吹殿」

肩を掴んで、彼らしからぬ顔で、答える。

山田「もしこれがホラーゲームなら、そっちの方が生存フラグが立つからですよ」

そして、扉の向こうへ。
お願いしますね、とだけ言い残して。

澪田はただ、涙を流して立ち尽くしていたが、数秒の沈黙の後、ゆっくりと動き始めたのだった。
695 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/07(土) 23:55:36.04 ID:IbUt95rJo
チャプター解放。


デモ
◆小泉真昼    1日目  23:45:50
◆セレス     1日目  01:02:00
◆松田夜助    1日目  22:54:11
◆九頭龍冬彦   2日目  10:37:40
◇八尾      2日目  10:11:15

プレイ
◆朝日奈葵    1日目  16:23:33


十神の真意、山田の生存フラグ。
気になる事は多いだろうが、今日はここまで。
湯けむり殺人。
直下
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 23:58:05.57 ID:qRRoPfQFo

セレスさん
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/07(土) 23:59:13.24 ID:2uMW0CQL0
乙っス。

澪田には山田の分も頑張って欲しいんだけれど…
どう足掻いても絶望って言葉が重くのしかかる…
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 00:05:40.23 ID:8RZ+x0ITO
乙!
どこを見ても不穏だなぁ…希望が見えない…
699 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 21:10:41.89 ID:cIyN9x1co
命燃やすぜ。
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 21:18:54.03 ID:56iT/A4YO
レツゴーカクゴー
701 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 21:20:18.05 ID:cIyN9x1co
セレス     1日目   01:02:00
     民宿/荒れた大宴会場



そこにはいくつもの屍があった。
弐大達が築いた、戦いの証だ。
しかし真実の屍ではない。
これは、いつか蘇る。
なぜなら、既に人を辞めてしまっているからだ。


セレス「用意周到ですのね」

そこに人であるはずの彼女が立っていた。

「……あなたは」

セレス「まさかあの伝説が真実だとは思いませんでしたが」

「……」

セレス「【不老不死】。こうなったら信じるしかないですわね」

「何が目的?」

そこに立っていた女に、セレスは笑いかける。

セレス「力を貸したいのです」

「え?」

セレス「私も不老不死、興味がありますので」

くるり、その場で振り向くセレス。
その顔は至って本気だ。

「なぜ、私に?」

セレス「だってあなた、襲われていませんわ」

「それはあなたも」

セレス「私は隠れておりましたので」

外の雨はいよいよ強くなる。

セレス「儀式は成功したのでしょう?ふふふ……」

「……」

セレス「くく……ははは、あははははははは!!」


実は失敗したんです、なんて、言い出せない空気だった。
702 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 21:21:18.65 ID:cIyN9x1co
デモ
◆小泉真昼    1日目  23:45:50
◆松田夜助    1日目  22:54:11
◆九頭龍冬彦   2日目  10:37:40
◇八尾      2日目  10:11:15

プレイ
◆朝日奈葵    1日目  16:23:33


説明していないことも多いので全くイミワカンナイ!と言う声もそろそろ聞こえそうな。
直下
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 21:23:35.51 ID:56iT/A4YO
小泉
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 21:24:28.90 ID:7Tbw81zcO
八尾さんいたんだ
八尾さんのデモで
705 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 21:33:14.70 ID:cIyN9x1co
小泉真昼    1日目   23:45:50
     下粗戸/無人の民家     


囲まれてるみたいね。
……どうしよう。
このままじゃ、ふたりともやられちゃう。
意味も分からないまま、あの変な人に。

それは……いやだ。
あの時、私は誓ったんだ。

日寄子ちゃんだけは助けるんだって。
だから、何があっても日寄子ちゃんにだけは生き残って貰うんだから。






たとえ私を犠牲にしても。






西園寺「……おねぇ?」

小泉「日寄子ちゃん」

無事を祈ってるよ、一緒には行けないから。
絶対私がここから逃がすから。
だから、出会ってくれてありがとう。



西園寺「おねぇ!!」


すぐそばの、打ち捨てられたトラックに乗り込んで、思いっきり叩くクラクション。

これで、いいんだ。
もう思い残すことは無い。


日寄子ちゃん、    。
706 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 21:34:40.05 ID:cIyN9x1co
デモ
◆松田夜助    1日目  22:54:11
◆九頭龍冬彦   2日目  10:37:40
◇八尾      2日目  10:11:15
◆西園寺日寄子  1日目  23:58:49

プレイ
◆朝日奈葵    1日目  16:23:33


火をつけて、森の中。
直下
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 21:35:28.52 ID:7Tbw81zcO
この儀式は黒幕が一種の思い込みでやってるだけだしな。長くやったせいで手段が目的になったが
攻略本によると儀式が成功しても黒幕に何にも良いことは起こらないみたいだし骨折り損のくたびれもうけだ
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 21:36:34.39 ID:7Tbw81zcO
夜助
709 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 21:42:39.74 ID:cIyN9x1co
松田夜助    1日目   22:54:11
       旧宮田病院       



鳴り止まない秒針。
蝕まれている病身。
目の前の男は、時折苦しむような様子を見せながらもちゃんと生きている。
なぜ森の中で倒れていたのだろう?
頭から出血していたが、傷はどうしたのだろう?

ところがそれは、松田夜助には関係のない話だ。


松田「本筋にも関係がなさそうだしな」


溜息しか出ない。
どうしてこんな事をしたのだろうか。
自分でもまた全く分からない。

だから理由付けをした。

『人間がいかにして屍人になるのかを見ているだけなんだ』
『だからこの男を救った、倒れているのを引きずって連れてきた』
『そうでなければ利益が出なさすぎる』


松田「……ま、分からんことだらけだがな」


男の隣には、呻いている『ヒトだったもの』が括り付けられていた。
710 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 21:43:12.26 ID:cIyN9x1co
デモ
◆九頭龍冬彦   2日目  10:37:40
◇八尾      2日目  10:11:15
◆西園寺日寄子  1日目  23:58:49

プレイ
◆朝日奈葵    1日目  16:23:33


わぁー、やおってだれだろーう(棒読み)
直下
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 21:46:40.26 ID:56iT/A4YO
森に倒れていた男……あっ(察し)
九頭竜
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 21:47:34.88 ID:uk0EIZmeO
ひよこ
713 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 21:53:26.74 ID:cIyN9x1co
九頭龍冬彦   2日目   10:37:40
      刈割周辺/田園     



光が射していた。
そんなバカな、と言いかけたのだが、だが突然すぎて信じるほかはない。


九頭龍「なんっ……だこりゃあ……?」

チョウチョ?
いや、違う。
光の束が、空を舞っている。
なんだこれは。
生まれて初めて見る景色だ。

だけど、これは───

九頭龍「……綺麗、だ」

彼らしからぬ言葉が漏れ出す。
そんなこと初めて思った。

ああ、なんて美しいのだろう。

どうしてこんな景色が?
いつのまに?
これがこの世界の真意なのか?

美しさに思わず笑みがこぼれるほどだった。

九頭龍「はは……なんだこりゃ」

九頭龍「こりゃ……ははは、はは……」

そうか、そうだったんだ。
あいつらは、これを見せたかったんだ。

そして、それに気付いた九頭龍の胸に訪れたのは、たったひとつだった。


九頭龍「見せてやりてぇな……ペコに」
714 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 21:53:59.35 ID:cIyN9x1co
デモ
◇八尾      2日目  10:11:15
◆西園寺日寄子  1日目  23:58:49

プレイ
◆朝日奈葵    1日目  16:23:33


森で倒れてた男って誰でしょうね。
直下
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 21:57:01.28 ID:W2SlJd8DO
八尾
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 22:03:13.61 ID:sODDHsYp0
原作よくわからないんだけど、八尾さんって誰?
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 22:07:51.28 ID:7Tbw81zcO
ネタバレになるんで行っていいかどうか?
718 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 22:13:47.14 ID:cIyN9x1co
八尾比沙子   2日目   10:11:15
     不入谷/不入谷教会    


八尾「やっと彼も『ブレイン』になってくれたのね」


ふふ、と笑いを堪える。
ずっとどうなったかと見守っていたが、無事に策は実ったようだ。

やっぱり希望だけじゃあ、この世界はどうしようもないじゃないか。

その先には、どうあがいたって絶望しかないんだと、みんなに知らせてやればいい。


八尾「後は……」

行程を繰り返し、脳内で考える。
あとは壊された首を取り戻すだけか。
……不可能か……いや、むしろあれはそのままでいい。
『実』を手に入れなければ。
そして、贖罪を終わらせ、楽園へと。
悲願を達成したいだけだった。

求道女として勤めたこの長き時間は、無駄ではなかった。

自らの名も命も忘れて生きてきた、無限の生命を終わらせる時が今来たのだ。

そのための犠牲など安いものだ。
どうせこの村の末路は決まっていた。
それに、あの学生達は───


八尾「無限世界に取り込まれる運命、なの」

目を細める。

八尾「真実を……知りたいだけ、私は……真実を」

八尾「この不死の命を……赦されたいだけ」


這いだす絶望は全て彼女のために。
719 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 22:15:45.22 ID:cIyN9x1co
デモ
◆西園寺日寄子  1日目  23:58:49

プレイ
◆朝日奈葵    1日目  16:23:33


八尾さんとは?(現段階)
求道女であり安全な場所こと教会にいる
花村を救った(が、その花村は襲われて屍人化?)
十神にも接触した
セレスと接触した?
不死らしい
許されたいらしい


まだまだ謎多く。
直下
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 22:16:35.81 ID:62Nr8+pCO
西園寺
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 22:18:32.02 ID:9A5wjZxh0
西園寺
722 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 22:25:36.84 ID:cIyN9x1co
西園寺日寄子  1日目   23:58:49
      下粗戸/民家      



聞こえた、最後の言葉。

「ごめんね。」

それがどういう意味か、一瞬分からなくて、分かりたくなくて。
分かってしまったら、どうしようもなくなるから。

逃げて、と小泉は言った。
自分がなんとかするから、その間にここから逃げてと言った。

まさか。
気付いても言えなかったのは怖かったから。
すがりつくことはいくらでも出来たけれど、しなかったのは認めたくなかったから。



西園寺「───おねぇ!!!」



クラクションに群がる屍人達。
音に、光に反応して、そして思いやりをもって、やってきている。


次のアクションはなぜか分かっていた。

わかっていたけどとめられなかった
たすかりたかったから?

罪悪感と勇気で足を何とか動かす。
言われたとおりにしなきゃ。
ここから逃げなきゃ。
それが、おねぇの───



爆音。
723 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 22:26:14.87 ID:cIyN9x1co
現在選べるチャプター

デモ
(条件解放)

プレイ
◆朝日奈葵    1日目  16:23:33

何もなければ次に。
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 22:36:09.07 ID:+ADoZhXXO
いきましょう
725 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 22:51:19.89 ID:cIyN9x1co
朝日奈葵    1日目   16:23:33
      刈割/田園風景     



朝日奈「もう……疲れたよぉ……」

考えれば休むこともほとんどしないまま、歩きっぱなしだった。
変なのに追いかけられてたし、何よりも……何よりも、この雨が止まないのがいやになる。
私、雨って嫌いだなぁ。
そんなことをひとりで言いながら歩いていた。

傍らに、普段いる友人の姿がなくて。
その彼女を探して歩いている。
けれども、強いはずの彼女がどこにもいない。

朝日奈「どこぉ……さくらちゃん……?」

もうくたびれてしまった。
どこかで休まなければいけないだろう。

どこか建物を探さなきゃ、けれど周りに変な奴がいっぱいいる。
道は遠く、長い。
どうしよう……どう歩いていっても、変な奴があちこちいるじゃないか。


朝日奈「なんか……周りに変なのも浮いてるし……明るいし……」

朝日奈「何これ……私、変になっちゃったのかなぁ……」


──────

終了条件:『不入谷教会』への到達。

行動安価。
放送禁止の。
↓2
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 22:55:33.25 ID:+ADoZhXXO
辺りを見回す
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 23:03:16.93 ID:3H1a3A/vo
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 23:03:24.20 ID:EbFagAsL0
状況確認。自分が何を持っているか、周囲には何が見えるか
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 23:07:08.15 ID:4RqRU8dN0
朝日奈
台詞ぅ…
730 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 23:11:48.70 ID:cIyN9x1co
>>727
>>726


朝日奈「うーん……」

あたりを見回す。
荒れ果てた田んぼのようだが、それが嘘のように輝いて見える。
空から光が降り注いでいるかのようだ。
突然の出来事すぎて、何がなにやら……。

朝日奈「……なんだろこれ……さっきまで真っ暗だったよね……?」

うんうん言いながらさらに考えるが、答えは出ないままだ。
やっぱりわからない。
さっぱりわからない。

ああ、でも違う、さくらちゃんを探さなきゃ。


朝日奈「何でこんなことに……ひゃっ!?」


朝日奈が突然声を上げたのは、田んぼにいたヒトが突然こちらを向いたからだった。
その目からはだくだくと血が垂れ流されている。

しかし、こちらに来ようとはしなかった。

むしろこっちを見て笑っているようにも見える。
世界がきれいに変わってきたからだろうか?

朝日奈「あ、あれ?」

朝日奈「……なんで……?」

自分がここにいるのはバレている。
けれど誰も攻撃してくる気配がない。

なんでだろう?

考えても無駄か?


──────

行動安価。
↓2
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 23:14:11.79 ID:7Tbw81zcO
すでに手遅れか
とにかく進む
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 23:15:20.44 ID:+ADoZhXXO
成る程赤ジャージ繋がりかな
安価上
733 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 23:25:27.16 ID:cIyN9x1co
>>732
>>731


朝日奈「……行くしかないよね」

分からないことは分からないまま、分かることだけを考えている。
だってそうじゃないか。
理由が分からない以上は、考えていたって今は無駄なだけだ。

とにかく、進もう。

田んぼ道は雨のせいでぬかるみ始めていた。
それもほとんど気にならない。
むしろ、地面に生み出された水たまりが全て輝いて見えた。
まるで妖精でも住んでいそうな湖に見える。

空はきらきら、水もきらきら。


朝日奈「ちょっと楽しくなってきた……かな」


そんな世界に囲まれると心はうきうき弾んでいく。
怖いままだったけど、こんな場所なら悪くないかもしれない。

周りの人達も案外優しいもんだった。
誰も自分に手を触れることは無かった。
どんな至近距離でも、何もせずににっこりと笑うだけだ。
その人達もなんだかきらきら見える。

この世界の美しさを共有している人達なんだ。
直感でそう思えた。
そして、またそうなんだと強く信じた。

空は本当にきれいだ。
快晴ではないけれど、眩い。


朝日奈「さくらちゃんもこの景色、見てるかな」


みせて、あげたいな。


まもなく長い長い、岩肌の多い道にさしかかるところだった。
このまままっすぐ進めば、多分誰かがいるはずだ。

──────


一応、ここでも行動安価。
まっすぐ進むと終わります。

ところで、察しのいい方もいるようで。
↓2
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 23:29:51.96 ID:vgivdO4qO
進もう
735 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/08(日) 23:46:43.31 ID:cIyN9x1co
安価来てないけどこのへんで。おやすみなさい。
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 23:49:56.79 ID:EbFagAsL0
>>734
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/08(日) 23:50:09.62 ID:7Tbw81zcO
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 00:05:47.08 ID:LLGA43Hto
乙乙
739 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 21:02:23.45 ID:C3Pt9/slo
振り向けばみんないるから。
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 21:04:34.84 ID:ffq7QlNe0
前に進むんだ。
741 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 21:07:01.00 ID:C3Pt9/slo
>>736
>>734



進んだ。
進んだ。
進み続けた。
直進しか道はない。
進め乙女、もっと先へ。


朝日奈「……うーん……」

朝日奈「あめ、ほんと……ひどいなぁ」


しとしと濡れる体と、突然現れた石畳。
それらはやはりどこも、雨から逃れられる場所ではない。

全てが赤に染まっていく。

そして空に光の玉がいくつも浮かんでいるのが、見える。


朝日奈「……ふふ、ふふ……」


心が晴れ晴れしていた。
理由はよく分からない。
けれど、なんだかとても楽しかった。

途中でいぬみたいなのも見つけた。
頭から角みたいなものが生えている。
人の顔をしているのに四足歩行だ。
ほんといぬみたいだ。

そらを飛んでる人もみた。
頭から羽が生えていて、すごいなと心から思った。
いいなぁ、私も飛んでみたい。
でもわたしじゃ空は飛べなさそうだねぇ。


朝日奈「……あ。」


その眼前に建物が現れるのにそう時間はかからなかった。
742 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 21:07:43.45 ID:C3Pt9/slo



終了条件達成。



743 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 21:15:17.86 ID:C3Pt9/slo
朝日奈葵   1日目    16:43:33
     不入谷/不入谷教会   



見つけた。
人がいそうな建物だ。
そこにさくらちゃんがいればいいな、朝日奈はそう思ってそちらに向かう。

しかし敵がいたらどうしよう?
ふと思った朝日奈は、まずは窓から中を見てみることにした。
様子をうかがって、おかしなことになるようなら逃げればいいんだ。


その窓の向こう側にいるのはまさしく、大神さくらだった。


朝日奈「!」

駆け出す。そして───


ばんっ!

朝日奈「さくらちゃん!」

窓に飛びついた。
ガラスを叩きながら、大神に無事を伝えようと思ったのだ。


朝日奈「さくらちゃん!私だよ!」

しかしガラスの音に気付いた大神は驚愕にゆがんだ。

朝日奈「よかった!無事だったんだね!」

体に力をみなぎらせている。分かる。

朝日奈「今から行くよ!どこから入ったらいいかな!」

こちらを見て臨戦態勢に入ったようだ。

朝日奈「ねぇさくらちゃん!」

なんで?どうして?私だよ?






朝日奈「トビラヲアケテヨ」




不幸は、己の体に起きた変化を知らないからこそ起きていた。
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 21:17:36.66 ID:MFqtaPqe0
うわぁ…
745 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 21:21:36.69 ID:C3Pt9/slo
チャプター解放。

デモ
◆十神白夜    1日目  10:30:01
◆田中眼蛇夢   1日目  09:52:22
◆腐川冬子    1日目  11:40:37
◆西園寺日寄子  2日目  00:07:47

では、また物語を始めよう。
直下

ちなみに朝日奈の元ネタはこれ。割と怖いので閲覧は自己責任でどうぞ。
https://youtu.be/Gfbmt9XyYAs
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 21:22:20.40 ID:ffq7QlNe0
白夜
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 21:30:25.62 ID:kdxge7ito
原作だと親も後を追うが、さくらちゃんは果たしてどうする
748 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 21:41:10.36 ID:C3Pt9/slo
十神白夜    1日目    10:30:01
      折部/折部分校     


発砲音。

続けてまた発砲音。


どうやら霧切響子とはニアミスだったらしい、と彼自身思った。
なぜって、ご丁寧に痕跡が残っていたからだ。
彼女が離さなかった、黒い手袋。
それを気味の悪い化け物が掴んでいるのを見た。


三度発砲音。

だからそいつを倒した。
自分が殺されると感じたからだ。


十神「………どうなってる」

意味が分からないことばかりだった。
学校の探索も無駄足に終わりそうだ。
あの女の正体を暴ければ、と思ったが。

さらに発砲。

たどり着いた図書室、十神はとある本を見つける。
宗教、儀式、永遠の命、ループ現象、狂った世界、取り込まれた異界、降り落ちる雨の正体。
忌み嫌われた血族、不死の呪い、赦しを乞う修道女、屍人、幻視、村人殺し。

それに気付いたのは彼が優秀だからだろう。

分かってしまった。
この世界の事実が。

十神「……なるほど、俺自身もまた、化け物に近付いているのか」

彼は思った。

十神「ならば生き残るのは俺だけでいい」

十神「見つけてやる……儀式の鍵……不死の呪いのかけられた『実』とやらを」

十神「十神の名にかけてな」
749 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 21:43:12.34 ID:C3Pt9/slo
デモ
◆田中眼蛇夢   1日目  09:52:22
◆腐川冬子    1日目  11:40:37
◆西園寺日寄子  2日目  00:07:47
◆松田夜助    1日目  23:09:16


正しいのか、それとも。
直下
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 21:44:04.56 ID:R7/+i3z+0
田中
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 21:51:41.04 ID:jP+Z/6OPO
さくらちゃんが屍人になったら親子3人のステージで包丁振るってる姿が見れるのかw
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 21:52:15.39 ID:ffq7QlNe0
手刀でまな板を割っている姿しか思い浮かばない…
753 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 21:56:02.81 ID:C3Pt9/slo
田中眼蛇夢   1日目   09:52:22
      合石岳/蛇頭峠     



田中「………風が、泣いている」


あながち間違いでもなさそうだった。
森の木陰に隠れて、なるべく濡れないように気をつけながら彼は進んでいた。
いやな予感はたっぷりしていたのだ。
彼の、所謂『中二病』まがいな心はこの手の事象に詳しい。


と言っても、それを理解できていたのは、あくまでフィクションだからなのだが。


田中「ち……矮小なる人間の身では、この世界での生存は困難か……」

どこかで聞いた噂、あくまで作り話だと思っていた状況。
それが全て事実だったとしたら、どれだけ無力だろうか。
田中の足は震える。
想像以上のことが起きすぎている。

田中「だが……俺様もただでは死なんぞ、堕神……」

田中「俺様に出来ることをこなそう……この世界のために」

凛々しい立ち姿で、空に宣言する。


「……田中さん!ご無事だったのですね!」


背後からかけられた声に振り返ると、見覚えのある人物がいた。

田中「……雌猫?なぜここにいる?それに……」

左右田「はは、よォ」

田中「貴様!既に手負いか!」

ソニア「わたくしを……かばって……」

左右田「慣れねェことはするもんじゃねェな……」

田中「……」


言えない。言えない。言いたくったって。
それがたとえ破滅の道でも。
左右田、貴様は───


田中「……傷を見せろ。治癒魔法で応急処置してやる」
754 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 21:56:41.24 ID:C3Pt9/slo
デモ
◆腐川冬子    1日目  11:40:37
◆西園寺日寄子  2日目  00:07:47
◆松田夜助    1日目  23:09:16


例のステージは鬼畜難易度でお届けします。
直下
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 21:58:35.85 ID:MFqtaPqe0
腐川
756 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 22:09:17.82 ID:C3Pt9/slo
腐川冬子    1日目   11:40:37
     蛇ノ首谷/折臥の森     



くしゅん、とくしゃみひとつ。
それだけで腐川のスイッチが切り替わる。


「……ぁあ?どこここ?」


それは腐川冬子のもう一つの才能、【殺人鬼】と【ジェノサイダー翔】。
キョロキョロ、見回して、それから思う。

翔「なんつか、暗すぎね?つか、雨振りすぎ?ギャハハハッ!!」

どんなところでも笑える。
むしろこんな状況だから笑える?


「っ、な、オメーも敵かっ!」

数秒後には、森の中から突然飛び出す赤い影が、彼女を見つけて叫んでいた。

翔「なにが?つか、三倍はえーのか、」

よっ、と言うかけ声とともに跳躍した。
人間のリミッターの向こう側にいるようなジェノサイダー翔は、その化け物みたいな身体能力を持つ赤い獅子を捕まえる。
どさ、ふたりとももんどりうって倒れた。


桑田「っつつ……なにすんだよオメー」

翔「あり?れおちん?どったの、こんなボロボロで」

桑田「……ボロボロにもなんだろ、いきなり変な奴らに襲われて……」

翔「?」

なにが起きてるんだか理解できない。

桑田「オレ……死ぬんかな、死にたくねぇけど……生き残る自信もあんまねーわ……」

桑田「なんもしてねーだろオレ……なんで襲われてんだっつーの……死にたくねぇ……!」

涙垂らす、らしからぬ姿。

翔「あっそ」

桑田「……?」

翔「じゃ、アタシが殺してあげようか?」

桑田「な!」

翔「つっても今のテメーなんざ殺す価値もねーわ」

ぬるっと立ち上がった。挑発的に見下ろすジェノサイダー翔は、眼光鋭く言い放つ。

翔「そんな顔したやつなんか殺す価値もねーっつったんだよアホがァ」

翔「死にたくなきゃ生きな、れおちん。ダサくてもクサくても、何しても」

翔「それが生きてる奴の権利じゃね?」
757 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 22:10:03.14 ID:C3Pt9/slo
選べるチャプター

デモ
◆西園寺日寄子  2日目  00:07:47
◆松田夜助    1日目  23:09:16

5人とか6人とかになったらごめんとしか
直下
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 22:16:36.78 ID:nUiVDFPUO
松田
759 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 22:22:42.71 ID:C3Pt9/slo
松田夜助    1日目   23:09:16
     旧宮田医院/一階     



泥のような眠りから覚めたようだ。
やれやれ、やっとか。
思わず溜息を吐いてしまう。

松田「目覚めたか?」

そいつに向かって第一声。

松田「で?気分はどうだ、視界に異常は?」

松田「体におかしなところはないだろうな」

さらに二声三声。

松田「それとも俺の言葉の意味が理解できないか?」

寝ぼけ眼にも容赦なく、松田夜助の言葉は次々と突き刺さっていく。

松田「出来ないなら出来ないでいい、人間辞めたと見なして……」

松田「俺の好奇心のために使わせて貰うだけだ」


え?
揺らぐ視界、そしてちょうど左側───



『が、がっ、ま……まづ、っぐ……ぎ、こ……』


松田「どれだけ解剖しても死なないとは、おもしろいだろ?こいつ」





そこで葉隠康比呂は、救われたことと、己がまな板の上の鯉になっていることを理解した。



葉隠「んぎゃああああああ!!!??」
760 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 22:27:12.14 ID:C3Pt9/slo
チャプター解放。

デモ
◆西園寺日寄子  2日目  00:07:47
◆日向創     2日目  00:01:33
◆狛枝凪斗    1日目  03:59:58
◆戦刃むくろ   1日目  06:12:30

あがいても。
直下
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 22:30:16.75 ID:V4iUnCyoO
きゅるってる‼︎
狛枝
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 22:30:22.26 ID:jP+Z/6OPO
残姉ちゃん
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 22:31:14.26 ID:GqAo26JDO
西園寺
764 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 22:46:12.24 ID:C3Pt9/slo
狛枝凪斗    1日目   03:59:58
      不入谷/不入谷教会   


ぱたん。
教会からこっそりと出てきたのは狛枝凪斗だった。


狛枝「これでいいのかな?安心させてきたよ」

傍らに立つのは、求道女だった。

八尾「本当に、いいの?」

狛枝「え?」

八尾「あなたの……クラスメイト、でしょう?」

確認は念を入れて。
なんせ、教会にいるのは花村輝々。
数時間前までは仲間だったはずだろうに。

狛枝「いいんだよ……」

八尾「……そう、それなら」

合図を出す八尾、どこからともなく現れるのは不死の軍団。
それらは、止まらずに一気に教会へとなだれ込む。


「! 狛枝く……じゃない?」

「うわ、な、なに?ちょっと、いきなりボディタッチ?」

「強引だなぁ、もっと焦らし……き、かはっ」

「が、ああ、やっ、止めて!なんでこんなこと」

「あああ!痛い!痛いよっ!はな……」


ごしゃっ。


狛枝「……くくく……っ」

八尾「……?」

狛枝「これで花村クンという希望は失われちゃったけど……もっと強い希望が生まれるんだ……」

狛枝「あははははははっ!!」

八尾「……そう」


そして、その様子を影から見ているものが、たったひとり。


セレス(あの方……胡散臭いですわね)

セレス(まぁいいですわ、狛枝さんと私とは目的が違いますもの)

セレス(私が求めるのは、永遠の生命)

セレス(それまでは死ねない……だからこそ、狛枝さんに気取られる訳には行きませんわ)


狛枝(……ふぅん?セレスさん……かな?)

狛枝(あくまでもボクには頼らず、八尾さんを利用しようってことかな)

狛枝(ボクが求めるのは、絶対の希望)

狛枝(ボクが気付いてるってことは分かってなさそうだし……放っておこうかな)
765 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 22:46:56.37 ID:C3Pt9/slo
現在選べるチャプター

デモ
◆西園寺日寄子  2日目  00:07:47
◆日向創     2日目  00:01:33
◆戦刃むくろ   1日目  06:12:30

三平方定理はピタゴラス〜
直下
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 22:47:31.42 ID:MFqtaPqe0
戦刃
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 22:47:33.59 ID:/zwRFboZo
むくろ
768 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 23:02:22.10 ID:C3Pt9/slo
戦刃むくろ   1日目   06:12:30
      旧宮田医院付近     



いない。いない。どこにも。

盾子ちゃんがいない。

それは戦刃むくろには一大事だった。
こんなに探しているのに見つからない?
なぜ?どうして?

そして彼女がたどり着いたのが、突然山中に現れた気味の悪い病院だった。


戦刃「……!」

そういえば。
戦刃むくろは思い出す。
確か盾子ちゃんは、松田君と一緒に病院を見に行くと言っていた。
もしかしたらここに───一緒に?

開けはなった扉。
すぐさま目当ての人物を見つける。


戦刃「松田君ッ!盾子ちゃんが!」

松田「騒ぐな、頭に響く」

あくびをしている松田。どうやら仮眠でも取っていたようだ。

戦刃「……一緒にいたんじゃ、ないの……?」

松田「だったんだがな、途中で別れた」

今生の、別れだった。

戦刃「……そう、なんだ。どこにいるか知ってる?」

松田「……」

松田「……知らん」
769 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/09(月) 23:06:32.61 ID:C3Pt9/slo
現在選べるチャプター

デモ
◆西園寺日寄子  2日目  00:07:47
◆日向創     2日目  00:01:33
◆辺古山ペコ   2日目  00:55:49

プレイ
◇松田夜助    1日目  03:45:20(終了条件2)

姉妹愛。
直下

おやすみなさい。
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 23:07:44.81 ID:eRQBdG7to

日向
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/09(月) 23:14:34.29 ID:nUiVDFPUO
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 01:20:20.86 ID:WRbsFa5jo

狛枝さんどこの世界でも狛枝さんしてるな
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 04:30:27.71 ID:PEVJBx2QO
サイヒルの時の十神好きだから今回のギャップがなぁ
葉隠生きててよかった
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 13:49:52.64 ID:I38grCG2O
まとめてみた
生存
舞園・霧切(調査中?)・腐川・戦刃・十神(何かしらやばげ)・セレス(敵?)・葉隠・大神・不二咲・松田・日向・七海・西園寺・辺古山・澪田・狛枝(敵)・罪木・終里・ソニア・田中

屍人化
苗木?・石丸・大和田・朝日奈・九頭龍・弐大・左右田・花村・学園長

安否不明
桑田・山田・江ノ島・小泉・豚神
775 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 21:19:44.26 ID:BihOHj2OO
許したいんだ。
776 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 21:23:56.34 ID:BihOHj2OO
日向創    2日目   00:01:33
       比良坂      



ざあざあ、雨は未だやまない。
それを見上げて、不愉快そうな顔を作った。

体にまとわりつく絶望の温度が、嫌いだ。

隣に着く七海は、さらに不安そうな様子だ。
自分が弱っているから、だろう。
確かにからだの温度が、どんどん下がっているような、そんな気がした。
だからだろう。

徐々に痛みが増す。
徐々に乖離していく。
己が己ではなくなる。
その感触が、ありありと手の中にある。
だから、だろう。


七海「……日向君」

握る手のひら、心地よい暖かさ。
日向の心を落ち着ける、唯一になりつつある。

日向「七海……悪い」

七海「ううん、無理しないで」

日向「俺はまだ……」


大丈夫、だ。

大丈夫、か?

なにが?どこが?なにをもって?


日向「……」


日向「……あ」


そんな2人の前に現れたのは、病院。
777 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 21:25:09.25 ID:BihOHj2OO
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デモ
◆西園寺日寄子  2日目  00:07:47
◆辺古山ペコ   2日目  00:55:49

プレイ
◇松田夜助    1日目  03:45:20(終了条件2)


今宵も始めようか。
皆の疑問はなるべく解消しながら進めよう。
だが、全ては描写しない。
皆が思い描いた事件が、この事件だ。
直下
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 21:25:56.93 ID:gy5D9rk1o
ぺこ
779 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 21:34:36.03 ID:BihOHj2OO
辺古山ペコ   2日目   00:55:49
       ??????     



昼も夜ももう分からない。
歩き疲れて、もはや体の感覚がほとんどない。
いったいどれだけのヤツを斬った?
そしてどれだけ立ち上がってきた?
まさしく絶望を形にしたような奴らが、彼女を幾重にも襲っていた。

そして、ついに瓦解した。

辺古山ペコが超高校級とは言え、それでもただの人間だ。


辺古山「……坊ちゃん」


守りたかった手は、どこにもいないのか。
側にいたかったはずなのに、結局見つけられなかった。
悔しくて、悲しくて、どうしようもなくて。
そうして、歩き疲れてしまった。

踊らされている。
何となく分かっている。
分かっていても、それでも踊るのは止めない。
だって、それが自分の生き方だから。


辺古山「私は……ペコは……」

辺古山「坊ちゃん……あなたを……」


やっと見えてきたのは、ひとつの建物。
見た目にはどうも清潔には見えないが、それでもきっと衛生は保たれる場所だろう。
入って、そして、それから坊ちゃん、の、居場所───


それからどうしたのか、よく覚えていないんだ。
780 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 21:35:35.56 ID:BihOHj2OO
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デモ
◆西園寺日寄子  2日目  00:07:47

プレイ
◇松田夜助    1日目  03:45:20(終了条件2)


のうみそぜんぶこんなかんじ。
直下
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 21:36:09.90 ID:J5Um/kq50
西園寺
782 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 22:11:24.67 ID:BihOHj2OO
西園寺日寄子  2日目   00:07:47
       田堀/廃屋     


すっかり泣き疲れてしまった。
この赤い水は危ない、そう思っていたはずなのに。
これが体に入ると危ない、そう知っていたはずなのに。
それでもなお、涙が止まらなかった。
止められなかった。無理だった。

小泉が目の前で、爆発した。

自分のために。

西園寺を守るためだけに。

それだけの、ために。

雨は止まない。
止む気配すらない。
あの爆発のおかげで、周りの屍人はみんな倒せた。
一時的とは言え、そのおかげで西園寺は窮地を脱したのだ。
けれど、だけれども。


西園寺「おねぇ……おねぇ……ッ」

西園寺「なんで……ぐすっ」


彼女に残ったのは、喜びよりも悲しみ。
それさえ分かっていて、小泉真昼は献身的な愛を捧げたのだ。
分かっていたのか。
きっと、分かっていたんだ。

自分が助からないことを。


西園寺「わたし、わたし……」


そうしてひとり歩く西園寺がたどり着いたのは、いよいよお化けも出なさそうな一軒家。
中に誰もいないのを確認して、そして、誰にも見つからないことを祈りながら、ふすまを開いた。
783 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 22:15:00.98 ID:BihOHj2OO
十神白夜    2日目   13:33:33
       蛇ノ首峠付近    


発砲音が数発、した。


「……また、撃ったのか」

彼はそちらを見やる。
ふたりの男の口論と、射撃が見えたり

片方はすでに人の意識もなく。
片方はすでに罪の意識もなく。


「……」

そいつになら撃ってもいいです、と言い掛けて言葉を止めた。
そんなわけないだろう。
自分のクラスメイトだぞ。
撃たれたなら、怒るべきだ。

「……お前……」

それでも何も言わなかった。
言えなかったし、言い出さなかった。
なによりも、遠くから彼を見ていたから。
影である彼は、光である彼を遠くから見守っていたから。


「……」

その真意は分からないまま。
784 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 22:17:59.41 ID:BihOHj2OO
現在選べるチャプター

デモ
◆十神白夜    2日目  13:30:09
◆苗木誠     2日目  09:00:00
◆罪木蜜柑    1日目  12:51:15

プレイ
◇松田夜助    1日目  03:45:20(終了条件2)


この感情は、生まれ持っていたって。
直下
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 22:21:20.26 ID:YUSLNsQro
十神

上の十神は豚神か
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 22:23:54.60 ID:VewlOvLX0
苗木
787 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 22:27:32.96 ID:BihOHj2OO
十神白夜    2日目   13:30:09
       蛇ノ首峠付近    


『てめ……なに、お』

十神「じゃまだ、と言った」

簡潔な挨拶。
それが流儀だった。

『……ころ、す、ころすころすこここころ』

十神「簡単に殺すと言うな」

直後、発砲音が森の中に響きわたる。
森の中でその音におののくのは、わずかにひとりだけだった。

十神「どうせ貴様はただの屍人だ、九頭龍冬彦」

眉間を打ち抜いたが、それでもそいつは止まらない。
むしろ、自分が持っていた護身用の短銃でこちらを狙ってくる。

なんてやつだ。
いや、そうなるのがこの常なのか。

俺は───そうはならん。
必ずや実を手に入れ、掴み取る「不老不死」の能力。
そうして、この世界で生き残ってやる。
そう決めていたのだから。


さらに発砲音。
それは十神からの宣戦布告。


知る由もあるまい。
十神には。
その男は、すでに愛する者によって心すら砕かれているのだ。
788 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 22:28:03.43 ID:BihOHj2OO
現在選べるチャプター

デモ
◆苗木誠     2日目  09:00:00
◆罪木蜜柑    1日目  12:51:15

プレイ
◇松田夜助    1日目  03:45:20(終了条件2)


命は、短い。
直下
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 22:28:52.56 ID:J5Um/kq50
苗木
790 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 22:36:52.78 ID:BihOHj2OO
苗木誠     2日目   09:00:00
      大粗戸/商店街     


妙に心地が良かった。

3時間ほど前のサイレンから一部記憶がない。
どうも、自分は海に還っていたようだ。
母なる海、己を浄化する場所へ。
そのおかげで、さらなる一歩を踏み出せた。
これで贖罪は果たされるのかもしれない。

苗木「……」

苗木「…………うん」

己の責務はよくよく分かっていた。
前に進むための意志を。
皆に、この世界の有様を分からせるための一歩を。
そうだ、これは絶望ではなくて希望なんだ。

苗木「希望は、前に進むんだ」

舞園さん、霧切さん、みんな……元気かな。
見せてあげたいんだ。
この世界の真実を。

ゆっくりと彼は歩く。
歩き出してしまう。

周りの世界は美しく輝き、オーロラが彼を出迎えている。

それは、彼の成長であり退化。


苗木「みんな……まってて、ね……」


体はとうに人間であることを捨てている。
しかし脳だけは、苗木誠であったことを忘れようとはしなかった。



まるでしなびたヒトデが、一人歩きしているようなそんな、見た目だった。
791 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 22:39:40.08 ID:BihOHj2OO
舞園さやか   2日目   02:23:08
       羽生蛇鉱山     



ざぶざぶざぶ。

舞園「……命」

ざぶざぶざぶ。

舞園「永遠の……」

ざぶざぶざぶ。

舞園「もう誰も私を……」

ざぶざぶざぶ。

舞園「……枯れない、忘れられない」

ざぶざぶざぶ、ざぶざぶざぶ。

舞園「掴むの、私は」



舞園「永遠の命を」




とぷんっ。
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 22:40:55.88 ID:N3tzTK69O
苗木・・・
ブレインになったんか
793 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 22:41:41.54 ID:BihOHj2OO
現在選べるチャプター

デモ
◆罪木蜜柑    1日目  12:51:15

プレイ
◇松田夜助    1日目  03:45:20(終了条件2)


愛なんて。
直下
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 22:43:49.67 ID:WRbsFa5jo
罪木
795 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 22:50:09.33 ID:BihOHj2OO
罪木蜜柑    1日目   12:51:15
     比良境/旧宮田医院付近


罪木「……ここ」

なにかある、気がする。
けれど何があるかまでは分からない。

罪木「……ふゆぅ」


つい数時間前まで、終里と道を共にしていたというのに。
その終里は、何か言いながら自分を置いて行ってしまった。
足も速いし、自分では到底追いつけそうにもない。

だからと言ってここに還ってくる必要は無かったのだが、それでも何かが自分をここに引き寄せたのだ。
何かがいる、気がすると。


罪木「なん、でしょうねぇ?」

不意に振り返る罪木の目の前に、ひとりの女。
そいつはすでに、人であることを辞めている。
それに、よくみれば、その頭はまるで……水性生物みたいな……?

罪木「……江ノ島さん……ですか?」


出会ってしまったんだ。
796 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 22:50:38.85 ID:BihOHj2OO

プレイ
◇松田夜助    1日目  03:45:20(終了条件2)


質疑なければこちらに入ります。
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 22:54:57.23 ID:iIdTq7OIO
今日も絶望的だなぁ
行こう
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2015/11/10(火) 22:58:02.98 ID:aEH6i6h70
八尾が言ってたブレインになった彼というのは苗木のことだったのか・・・?
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 23:03:50.64 ID:4co2Gct10
江ノ島さん逝ってたか
800 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 23:08:50.59 ID:BihOHj2OO
松田夜助   1日目   03:45:20
      比良境付近



いつから気を失っていたのだろう。
気付けば体は冷たい地面に横たわっていた。

俺は何をしていたんだった?

はっとする。
目の前にいたはずの江ノ島盾子がいない。
その体がない。

バカな、言われたとおりにしたはずだったが。


それに………


松田「………どこだ、ここは」


見たことがない道だ。
一体ここはどこだろうか?

とにかく……今は、元いたはずの病院を目指す他はないだろう。


松田「………」

降りだした雨を見る。
赤い。
赤い?

松田「………あの噂が本当だとでも?」


──────

 終了条件:『旧宮田医院』への到達。
終了条件2:『ハンマー』を入手して『旧宮田医院』へ到達。

行動安価。
今生の別れだから。
↓2
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 23:10:53.08 ID:VewlOvLX0
kskst
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 23:14:21.20 ID:iIdTq7OIO
持ち物と周囲の確認
803 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 23:22:14.42 ID:BihOHj2OO
>>802


ええと……どうして俺はここにいる?
思い出そうとしてもなかなか思い出せない。
確か俺は、江ノ島の首を絞めて。
生々しく思い出す感触も、夢ではなかったのだと彼に思い知らせてくる。

そうだ、俺はあいつの言うとおりにしたんだ。

それがどうしてこうなる?
松田の頭の中はパニック寸前だった。
突然訳の分からない状態に放り出されたのだ、無理もないだろう。


松田「それで……」

持ち物を確認しても、愛用のメスくらいしか見つからない。
なんてこった、メスなんか持ってなくてもどうだっていいじゃないか。
もう少しましな武器でも持っていればよかったが、なんて自嘲してみてももう無駄だ。

ところで、江ノ島が言っていたことが正しいなら───

空から降り落ちる、幾重の赤い雨。
体に悪いらしい、とは覚えている。
あまり頭が整理が着かなくて……それで、なんだったっけ?
もう少ししたら思い出せそうな予感もしていた。

ここは、森の中か?

松田「……人は、いない、な?」


──────

行動安価。
線で繋がる。
↓2
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 23:23:27.07 ID:4co2Gct10
スキップ
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 23:26:42.32 ID:J5Um/kq50
806 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 23:30:32.31 ID:BihOHj2OO
>>805
>>804
スキップ



松田「……」

確か、俺は、江ノ島に、江ノ島盾子に言われて、江ノ島盾子を。
何とか思い出せそうな過去、思い出したくない過去。
お前は俺に何をするつもりなんだ?
けれど、問いたい相手はすでにどこにもいなかった。

松田「……ちっ、勺だが付き合ってやるか」

口ではそういいつつ、本当に怖がっていた。
死んだはずだ。
脈だって見た。出血量は間違いなく致死の域だ。
あれは間違いなく死んだはずだ。

なのになんでいないんだ。

胸中、去ってはくれないいやな予感。
江ノ島が語った儀式、異界への扉が仮に開かれたのなら、俺達はもう───


次の瞬間には彼はもう歩き出している。
後ろから迫り来る鎌など気にせず、ずんずんと、進んでいる。
807 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 23:35:27.27 ID:BihOHj2OO
道はきわめて平坦に見えたが、その割にあちこち変だった。

森かと思ったら突然岩肌に切り替わったのだ。

突然道が変わったみたいだ、と松田は初見でそう感じた。
まるで、増改築を繰り返しすぎた建物のようだ。
和洋折衷とかそんな生やさしいレベルじゃあない。

違うものと違うものが融合している。

その恐ろしさたるや、言葉でいかに表せるだろうか。
これ以上は無理かもしれない。
松田夜助はそこで初めて戸惑った。


松田「……?」


その前方、ふたりの屍人が目から血を垂らしながらうろうろしている。
慌てて岩の一角に飛び込んで身を隠した。
幸い、気付かれてはいないようだ。
バカで何よりだ。
さて、どうしたものか?と松田は思案する。

目を閉じてあわせるチャンネル。

一瞬ブレたのち、合わさった『視界』はそれぞれ、あちこち見回してからうろうろとしている。
どちらも、一定のタイミングで近づいたり離れたりを繰り返すようだ。
知能が低いのか、タイミングをずらすと言う思考には至らないらしい。
必ず同じタイミングで、向きが変わる。

内側を向いたり、外側を向いたり。

その彼らの視線が交差する部分の地面に、果たして金槌が落ちていた。

松田「あれは……」


武器か?
たとえ違ったとしてだからなんだ?
これを武器にすればいいじゃないか。


──────

行動安価。
たたけ。
↓2
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 23:41:10.93 ID:J5Um/kq50
kskst
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 23:49:27.35 ID:S7wAb9a8o
タイミングを見計らって突っ込みハンマーを手にしてヒット&アウェイ
810 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/10(火) 23:55:14.58 ID:BihOHj2OO
>>809


松田「……」


俺はあいつらと違って頭がいいんだ。
なんて、ひとり言いながら見つめる視線の先。
ふたりの屍人はうろうろしながら、やがてどこかへと視線を泳がせた。

このタイミングを、ずっと待っていたんだ。
松田は一目散に走り出した。
今しかない。やるっきゃない!
手に入れたいのは、きっかけと武器だ。

『……?』

『ぐ……』

しかしやつらもそう何も気付かないほどバカじゃない。
砂利の擦れあう音に、さすがに不審に思って振り返ったらしい。


ごしゃ、と言う砕ける音の後、ひとりはそのばに崩れ落ちたのだった。


『か……?』

松田「ちィッ……!」


もうひとりはごまかせなかったか!
こちらを完全に向いており、臨戦態勢だ。
幸い距離は取れた。
むしろ、走ってこいつを置いてけぼりにしてやればいいんじゃないか?
そんな風にすら思う。

やるなら、やるか?

臨戦態勢が整ったのは松田も同じだ。


──────

行動安価。
実はあと2手くらい。
↓2
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 23:57:09.36 ID:6UmnC1ZDO
走って距離をとろう
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/10(火) 23:58:17.01 ID:qMMKsNHzo
813 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 00:07:56.49 ID:qNpCZraZO
>>812
>>811


かと言ってじゃあ戦うのか?
いや、戦うだけが正義じゃないし、戦うだけが知恵者でもない。

松田は即座に離脱を決意した。


『ご、ぐが』

松田「争う利がない」

それだけだ。理由はそれでいい。

松田「じゃあな、化け物」


そういって駆け出そうとして、不意に足下に違和感を覚えた。

ん?


松田「……!?」


岩肌に石ころがいくつも転がっている。
不幸なことに、そのうちのひとつを踏んでしまい、松田は大きく体勢を崩したのだった。

松田「しまっ」

彼らしくもないミスだ。
派手に転んだ松田が、天を見上げる。
このままじゃ、食らう───!

体をなんとか反転しようとしたが、上手く行かなかった。

振り下ろされた拳。

松田「が、は……」

無慈悲なそれは、余りに重く冷たい。
思わず息が止まりそうになるが、それでも何とか体勢を整える。


松田(……まずい、まずい、まずい)

松田(もう一発も食らえば天国が見える!)

松田(ちっ、くしょ……)


──────

行動安価。
ぴいぴい。
↓2
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 00:12:01.13 ID:TGxqKGeN0
踏み台
815 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 00:14:56.67 ID:qNpCZraZO
限界です、おやすみなさい。
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 00:19:36.40 ID:Ztkfaq3O0


取り敢えず自分の前面に向けて金槌闇雲に振り回そう
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 00:20:16.03 ID:LwDswoh+0
おやすみ。
安価は「起き上がることは一旦諦めて、相手を攻撃して怯ませることを優先」
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 12:46:19.85 ID:MIoIa1+y0
苦し紛れだろうとコンマが高ければいいのだ、コンマが
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 15:36:34.28 ID:6w+tGh+Bo
これ雨に濡れてなくても、何もしなくても屍人になっちゃうんだっけ?
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 16:04:40.44 ID:JP8t0mcbo
赤い水を摂取しなければしばらくは大丈夫
でも空気中にも浮いてるしこの空間から出られないから結局アウト、だったみたいな気が
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 19:17:54.98 ID:HGSfDnO+o
ある程度生き残ればSDKが乗り込んで来てくれるから大丈夫
何年か何十年か何百年かはわからないけど
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 19:34:13.20 ID:6w+tGh+Bo
異界に閉じ込められても2みたいに闇人が平和に暮らしてるところだったら共存できる…のかね?
823 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 20:08:09.58 ID:/JuDCXoUo
私を殺してそれからちゃんとひとりで死ねるのかい?
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 20:13:03.29 ID:rZEoFZsfo
もう一つの方生きる方はどう?
825 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 20:14:20.67 ID:/JuDCXoUo
>>816


死ぬ?
死ぬ。
死ぬ!


松田「……ッ、ああああ!!」


死ぬのはイヤだ。
あの女に最後まで振り回されて終わるのは、イヤだ!


答えは、全力で応戦。
手に握りしめた武器を闇雲に振り回す。
なんせ松田は体を動かすのが得意なタイプではない。
だけれど、その手数にはさしもの屍人とて押し負けたのか。

ごっ

砕く音がした。
やつら、頭が悪いから突っ込んでくることしか知らない。
だから突っ込んできたところに、クリーンヒットしたのだ。

僥倖───!


どさ、倒れた男。
後に残っているのは、松田の呼吸音だけだ。


松田「……はっ、俺……はぁ、はぁ……俺は……」


やった、のか?


──────


行動安価。
はなまるぴっぴはよいこだけ。
↓2

>>819-820
わずかでも雨に濡れれば皮膚から染み込むだろう、と言う説(以前の晴海ちゃんに言われてた説)を採用した。
そして人間、絶対に雨に濡れないというのは不可能に近い。たとえ屋内で気を配ったとて、誰かが濡れていた飛沫が飛んで付けば終わり。
………と、思っている。万一濡れなくても、水蒸気になって吸い込まれるかも。
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 20:15:33.68 ID:giDxt3LnO
ksk
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 20:22:46.40 ID:rZEoFZsfo
ひとまず屍人に見つからない場所に隠れてあたりを見渡す
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 20:23:53.46 ID:q625C+uYO
紐探して縛って復活しても動けないようにする
829 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 20:32:50.31 ID:/JuDCXoUo
>>827


松田「………」

冷静になれよ。
脳内で別な自分が言うのが聞こえる。
ふう、と息を吐いて立ち上がった。
衣服はかなり汚れたが、まぁ仕方がないだろう。

土を払う。

さて、どうしたものか。
このままにしておいてもどうしようもない。
まだこいつらの仲間がうようよしているかもしれない、しな。

ちっ、と舌打ちしてからゆっくり前進を始めた。また森に続こうとしている道だったからだ。
そちらに行けば、身を隠せるだろう。
あちこち木々が並び立っているせいで、敵には見つからなくて済みそうだ。

松田「っと、やはりな………」

少し進んだ先に案の定敵がいる。
やつに見つかっては少々面倒なことになりそうだ。
そいつは刑事なのか、あるいは張り込むのが得意なのか、その場から動こうとはしないようだ。
方角が間違いなければ、そいつの先に、目指す場所がある。

………どうする?
強行突破してもいいとは、思うが。


──────


行動安価。
↓2
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 20:39:36.08 ID:TGxqKGeN0
踏み台
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 20:47:08.08 ID:JP8t0mcbo
周りを見る
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 20:48:09.49 ID:q625C+uYO
何か陽動になるものを探す
833 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 20:55:27.29 ID:/JuDCXoUo
>>831


松田「……」


松田は辺りを見回していた。
敵もこちらにまだ気付いていないようで、同じくあちこち見回しているようだ。
随分暇なのだろうか。
それとも、やはり。

死んでよみがえった人間は、生前の行いを繰り返すことがある───

江ノ島がどや顔で語っていた噂話。
仮に事実なら、やはり生前もああして何かを見張っていたのだろうか。


松田「……ちっ、何か使えるものがあれば……」

やつの意識を逸らせるモノなんてあれば楽なんだが、と見回す中、草木の中に何か落ちているのを見つけた。

これは……?
見たことがある。
いや、二回目な気がする。
中心のボタンを押すと喋る機械……『サウンドドロップ』だ。
確かこれはライトノベル原作のアニメのもの……だったような。


松田「………俺は、これを知っている………?」


ループし続ける、時空の果ての果て、刷り込まれた既視感が松田の脳内でぐるぐる回転する。
これは以前拾ったことがあるものだ。
そう決断的に言い切れる。

あとはこれを………?


──────


行動安価。
もう大丈夫。………多分。
↓2
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 21:00:33.22 ID:PBLJTFoOo
サウンドロップで陽動、スキをついて突破する
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 21:01:26.41 ID:GF5RqQcoO
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 21:08:43.80 ID:kp1VHcHu0
ファンブルぅ
837 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 21:20:07.83 ID:/JuDCXoUo
>>835
>>834



松田「………後は野となれ、山となれ………だ」


きっ、と整える。
手に取ったサウンドロップ、握りしめて、ひといき。
それから、ボタンを押す。


『へぇ、あんたもナナって言うんだ』


ずいぶんかわいらしい声だ。
どこかで聞いたことがある気がする。
なんだろう、江ノ島にちょっと似ている………のか?
………気のせいだな。


空へと放り投げた。


かしゃ、音を鳴らしながら地面に落下した。
もちろん、刑事?らしき屍人もその音に引きつけられてゆっくり動き始めた。
よしよし、狙い通りじゃないか。


ひとつ誤算があるとすれば、それは松田に近すぎたことだ。
出て行くタイミングを間違えれば、誘導したのにバレてしまいそうな、距離感。

薄皮一枚繋がっている。
………本当に木を挟んで対面しているくらいの距離しかない!

松田「………」

もはやこれまでか?


──────

行動安価。
見つからないようにいけるかどうか、もはや運だ。
↓2
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 21:30:18.88 ID:WLr8Oo5MO
タイミングを見極め通過
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 21:33:27.29 ID:q625C+uYO
安価上
840 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 21:41:53.92 ID:G4Zjh7w7O
>>839
>>838
グッド。


松田「………」

無益な争いは、自分の為にならない。
こいつのためにもならない。
よろしい、では戦わずに逃げよう。
息を殺して、やつの動きを読むことに専念する。


『………はあ、はあ』

『こども、か………』

そいつは小さくそう言いながら震えている。
きっとサウンドロップと言うものを知らないのだろう。
屈んで、そしてそれをゆっくりさわって………

『アタシに任せな!』
『えっへっへー』

『!?』

ドロップから何度も何度も聞こえてくる音声。
どれも可愛らしい少女の声だ。


それに気取られているのを確認してから、松田は風に乗ってそこから逃げ出した。
841 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 21:42:50.28 ID:G4Zjh7w7O




終了条件達成。



842 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 21:48:22.20 ID:G4Zjh7w7O
松田夜助    1日目    23:20:47
       旧宮田医院     


松田「それは、」

まさかの事態だった。

松田「本当なんだな?」

肩を無理矢理掴む。
そして再度、確認する明確な事実。
だって、もしもそれが本当なら、この儀式は失敗しているはずだ。

葉隠「この期に及んで嘘付くほど出来た人間じゃねーよ……」

松田「………」

葉隠「でも、なんでそんなビビってんだべ?」

松田「今のが本当なら、ちょっとまずいことになるかもしれない」

葉隠「へ?」

松田「いや……あのブスの思い通りにならなかった、って意味じゃ正解なのかもしれないがな」

真意が読みとれず、葉隠は置いて行かれている。
一方の松田は嬉々として、或いは危機とした。

松田「いいのか悪いのか……どちらか分からない。だが、お前のおかげで計算違いが起きてることは確かだ」

松田「もう一度聞くぞ。お前、ほんとに首を壊したんだな?」

葉隠「………だ、だから………落として壊して………」

松田「………壊したんだ、な」

語気は、先ほどよりも強い。

『ぎ、おま、えガ、ぅが……!』

松田「黙れ屑」

葉隠「誰が屑だ」

松田「お前じゃない」
843 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 21:54:09.52 ID:G4Zjh7w7O
葉隠康比呂    前日    23:52:33
        民宿付近     



金目のものはどこかにないかな、と。
葉隠康比呂の魂胆は明白だった。
便所帰りにふらふらと出歩く悪い子ひとり。
羽生蛇村はどうも歴史が古いから、価値のある像とか置いてあるんだろうな、くらいの気持ちでいたようだ。

この村から出た後に売り払えば、それなりの額にはなるだろう。
そう思っただけなんだ。

外の庭に、午前中はなかったはずの、よく分からない像を見つけた。
暗がりだったため、何をモチーフにしているのかはよく分からない。
少し雨が降り始めている中だったが、それは雨に当たらないところに置いてあった。


きっと、高価なものに違いない。


葉隠の直感がそう告げる。
これはきっと歴史的価値があるものだ。
ってことは、バレずに持ち帰ればきっと、高値でうっぱらえる!
そしてウハウハ、オーパーツをここからここまで全部!と棚買い出来る世界に到達するんだべ!

独りでにそう思いながら、向かった足。
それが悲劇と喜劇の始まりだと誰も知らない。
誰も知らない、知られちゃいけない。


ばきっ。

葉隠「………あ。」


これが、この像が、今回の儀式に使われるものだなんて、
そしてそれを壊したのが、まさか葉隠だなんて。

知られちゃいけない。
844 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 21:58:12.72 ID:G4Zjh7w7O
選べるチャプター

デモ
◇八尾       1日目  00:02:22
◆山田一二三    1日目  00:19:29
◆十神白夜     2日目  20:38:11

会話パートで安価受け付けられそうなの
◆松田夜助     2日目  01:05:39


やつは大変なことをしでかしていきました。
直下
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 21:59:22.62 ID:GuDqVOKRO
とりあえず葉隠しばく?安価↓
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 22:02:50.32 ID:1teB2DX7O
八尾
847 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 22:15:07.47 ID:G4Zjh7w7O
八尾比沙子   1日目  00:02:22 
       民宿の中庭    


八尾「そん、な………」


崩れ落ちそうになった。

なぜ、像が壊れている!?

見張っていたはず、見守っていたはず。
彼ら生徒にも言っていないはず、なのに。
誰がやった?
『花嫁』か?
それとも、裏切り者が?

思考する脳内、纏まらない答え。

このままでは儀式が出来ない。
どうする?どうする?
どうしたらいい?
この村を異界に引きずり込んだって言うのに、肝心の『神』を呼べないんじゃあ贖罪どころじゃないじゃないか!

胸中焦りはどんどん増えていく。


八尾「殺す………絶対に………!」

八尾「私のじゃまをするなら……!!」

八尾「神に赦されるための……準備をしていたのに……ッ!」

八尾「真実を……!知りたかったのに!!」


自分が何者なのか、もはやそれすら忘れそうな悠久の時を歩んできた。
そのうち現れたのが、八尾比沙子と言う名前と、求道女の職だった。

私は何者なのか。
そして、なぜ死なないのか。

きっと、これは神に背いた罰なのだ。
だから八尾は儀式を行うことにした。
なのに、なのになんでこうも邪魔されるのか。

高校生が多少来たところで、おなじように神に仕える存在にすればいいと踏んでいたのに、
だから村人にこの儀式がバレないように、わざわざ高校生の来訪を断らなかったのに。

ああ、もう、鬱陶しい。
848 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 22:15:55.62 ID:G4Zjh7w7O
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デモ
◆山田一二三    1日目  00:19:29
◆十神白夜     2日目  20:38:11

会話パートで安価受け付けられそうなの
◆松田夜助     2日目  01:05:39

>>845
シバいてもいいと、思うよ?

直下
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 22:17:42.24 ID:gBvfmcoDO
山田
850 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 22:28:13.40 ID:G4Zjh7w7O
山田一二三   1日目   00:19:29
       民宿すぐそば



叫び声があちこちから聞こえる。

誰の?なんの?
どうして?

考えない、考えたくない!

民宿の玄関から転がるように走ってきた。
今のところ、なんとか逃げおおせているようだ。
足の遅い僕にしては、やった方じゃないですか?
なんて、最後の気力で笑ってみせる。
とは言え頼みの綱はひとつもないのだが。


山田「ふひゃ………ぶひゃ………」

山田「マジしんど……マジダル1000パーセントって……感……」

のども震えない、息も続かない。
体力不足がありありと見えている。
自分でもそう思う。
なんてバカなんだ、僕はと。

普段から少しくらい歩いておくんだった。
アンバランスな体型は、いよいよ足ががくがくと震えている。

かくん。

山田「うごっ!」

そしてついに倒れた。
と言うか転んだのだ。

山田「あててて……何が……」

『……学生さん……か』

山田「ひゃあああ!?」

『こっちにこぉい。いいもん見せてやる』

山田「って言って鉈持ってるじゃないですかー!やだー!」

このままじゃまずい、と思っていた次の瞬間に彼の前に現れたのが、角を生やしたJKだった。

こんな子なら、たとえ絶望の中でも、ふれんどしたい。
851 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 22:28:39.92 ID:G4Zjh7w7O
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デモ
◆十神白夜     2日目  20:38:11

会話パートで安価受け付けられそうなの
◆松田夜助     2日目  01:05:39


ここにはちゃんと夢がある。
直下
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 22:29:39.00 ID:2U262XrAO
十神
853 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 22:37:35.02 ID:G4Zjh7w7O
十神白夜    2日目   20:38:11
     蛇頭峠/眞魚川水門   


体が重たい。
物理的に重たいのだから仕方がない、か。

かつての村人の無念を、その魂を解放するためには、この水門を開けることは必要なのだ。
だから、開けよう。
この水ですべて洗い流そう。

自分の過去も、この村の罪も、
そして、お前の罪もまた、そうだ。

がこん、と小さく物音。
さび付いて動かないかと思ったが、水門は何とか開きそうだ。


「ついでにこれは、餞別だ」


ぽいっ、と投げたのは───鉱山でくすねた薬品の一部だった。


じゃあな、またな。


何度目かの爆音。
留まっていた水は、罪を洗い流しに外へと放り出された。
そして、見つけてしまったもうひとつの罰。
この村の、以前の村人たち。
死を受け入れたくとも死ぬことが赦されなかった者達、即ち───屍人のままあらがっていた人達。

彼らを解放する事にもなってしまったが、まあ、赦せよ、と彼は笑った。


「……あとはやるべきことをやるよ」

「僕は、僕として」
854 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 22:40:10.24 ID:G4Zjh7w7O
選べるチャプター


デモ
◆ソニア      2日目  09:43:13
◆終里赤音     2日目  05:05:15

会話パートで安価受け付けられそうなの
◆松田夜助     2日目  01:05:39

いよいよ核心に迫れ……るかも。
直下
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 22:40:31.47 ID:Ztkfaq3O0
松田
856 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 22:56:28.96 ID:/JuDCXoUo
松田夜助    2日目  01:05:39
     旧宮田医院/病室    



苦しむ人間が3人に増えたじゃないか。
ああ全く、俺の柄じゃないんだ。
そもそも俺は神経系の専門で……と、あれこれ文句が吹き出している。
いらだちの隠せない松田夜助の前に現れたのは、七海千秋だった。


松田「……何がしたい」

七海「え?」

松田「俺のところに来たのにも、意味があるんだろ」

七海「……」

松田「どうなんだ?」

七海「……あのね」

松田「あ?」

七海「ひとつ、言わないといけないことが、あって」

松田「……それはもしかして」

七海「?」

松田「このままにしとくと、こいつら全員……俺も含めて、全員……屍人になる、って話か?」

七海「……」

松田「……沈黙は肯定と見なすぞ」

七海「……そう、だよ」


時計の針がやけにうるさい。


七海「そう……あなた達はみんな……このままじゃ、死んでしまう」

七海「死ななくても、あの水が体に入ってしまう……たとえどんな形だとしても」

七海「だからこのままじゃ……」

松田「……どうしたらいい」

七海「屍人にならない方法は……ある」

七海「でも、それは……」


──────

>いいから教えろ
>質問させろ(内容あれば併記)
>お前は何者だ

↓2
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 22:59:09.57 ID:1teB2DX7O
お前は何者だ
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 23:01:28.51 ID:TGxqKGeN0
お前は何者だ
859 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 23:10:30.59 ID:/JuDCXoUo
>>858


松田「待て」

七海「?」

止まる息、止まりそうな時間。
別な部屋で呻く声が、廊下伝いに聞こえてきそうだった。
あいつは、まぁあれでいいのだ。
姉と一緒に来られたら面倒だから、な。

松田「……今の言い方だと、お前は死なないようだが?」

七海「……」

松田「それにもっと言えば、お前……」

確信して、踏み込む。

松田「誰だ?」

七海「……」

松田「俺達と同じ学園の高校生、のように振る舞っているが、誰だ」

松田「俺はお前を知らん。多分このバカも、そっちの女も知らんだろう」

松田「日向をどう言い負かしたのか分からんが……」

七海「……」

松田「お前は、何者だ」

七海「……『神の花嫁』」

松田「?」

七海「私は……『ある呪い』のかけられた血族……なの」

七海「呪いは……とても強力、そして……それが、神に捧げられる理由になる」

松田「もっと分かりやすく言ってもらおうか」

七海「彼女の目的は私を贄にする事だよ」

松田「!」

七海「私じゃなきゃダメ、何だって……私じゃなきゃ、『神代』の血じゃなきゃ」


──────

>助かる方法とは
>神代とは?
>日向に何かしたのか
>彼女とは?
>その他の質問

↓2
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 23:14:54.28 ID:ONfy0xEPO
神代……例の変態諜報員かな??

安価は助かる方法とは
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 23:15:24.78 ID:HGSfDnO+o
ダベミスレに七海が出てる時点で怪しいと思ったんだ

助かる方法とは
862 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/11(水) 23:26:42.77 ID:/JuDCXoUo
>>861

松田「……」

七海「……」

確かこの女、自分を『七海千秋』だ、と名乗らなかっただろうか。
それを、神代の血?何言ってんだこいつ?
いや、そうか、七海千秋とは世を忍ぶ仮の姿、と言うことか?

松田「……話せ」

七海「え?」

松田「助かる方法、と言うヤツだ。気が変わらん内に早くしろ」

七海「……うん」

彼女は決意した顔で、松田に向き直った。

七海「私は死ぬことが赦されない『不死』の存在」

七海「その神の花嫁の血を、……不死の血を体に取り込めば、屍人にはならなくなる」

七海「その時点で、くい止められるの。人としての死からはずれる」

松田「……そんなことが」

あってたまるか、と松田は言ってしまう。
だって、不死だと?
あり得ない……あの化け物でもない限りは。

七海「あるの。私はそういう血族だから」

松田「……」

七海「だから私の血を、体に入れることが出来れば」

松田「……人としての死がなくなるから、化け物にもならなくなる?」

七海「ただし、その人も不死になる」

松田「不死?」

七海「たとえ肉体が滅びても、精神が、魂だけが、生命だけはそこに残る。死ぬことは赦されない」

七海「それが不死の呪い。私の血筋の人達も、この村にみんないるよ」

松田「……」

もはや言葉が出てこない。
なんと言ってリアクションしたらいいんだろう?

七海「それに、もしもそれが成功すれば、───」

松田「?」


──────

>神代とはなんだ
>日向に何かしたのか
>彼女とは何だ
>神代優兎と関係があるのか?
>そのた

↓2
そろそろこの辺で。謎を解くなら今聞くしかないぞ。おやすみ
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 23:31:29.67 ID:Ztkfaq3O0
乙っス。
お前が知っている事を全部話せ
とか出来ないんかな?
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/11(水) 23:34:10.29 ID:TGxqKGeN0
おやすみ

神代優兎と関係があるのか?
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 00:13:05.34 ID:b0xZ7sYAO
儀式に使う像の首が壊れたが、どうなる?
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 00:36:44.04 ID:WZnxcGWJ0
神代も出る(かもしれない)ってことは斑井も出るのか…?
本当の不死身になれるな、やったね!
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 01:19:12.67 ID:Yt7Jz3aZ0
絶対関係ないやろ!
868 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 20:25:27.80 ID:L1ntaqgSo
誰かのために泣いたって、君は君だよ。
869 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 20:34:25.09 ID:L1ntaqgSo
>>864


七海「……」

それにしても。

松田(……神代……)

聞いた覚えのある名前だった。

七海「……あの、ね」

松田「ひとつ気になるんだが」

七海「え?」

松田「それは、【神代優兎】と関係があるのか?」

七海「……ああ、優兎君……彼だね」

意味深に、笑う七海。

七海「ううん、彼は……養子」

松田「なに?」

つまり神代優兎は関係あるようで、関係ない?

七海「彼はこの呪いはかかってないよ、安心して」

安心なんて出来るもんじゃないが。

七海「それにしても考えたね、『かみしろ』、なんて」

松田「……」

七海「『かみしろ』……『かじろ』……、読みは違うけど、書きは一緒か」

七海が言ったのは、『かじろ』。
松田が聞いたのは、『かみしろ』。

その違いは、松田にはよく分からなかった。


──────

>神代とはなんだ
>日向に何かしたのか
>彼女とは何だ
>神代優兎が養子だと?
>そのた

今日も1日伸び伸びと。
↓2
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 20:36:06.62 ID:JFL9Ghig0
kskst
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 20:36:49.43 ID:zFZSZYhxo
日向に何かしたのか
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 20:40:42.12 ID:KFwhTbrkO
しかしこう人数多いと男性の1人ぐらいは蜘蛛屍人になってもおかしくないな
873 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 20:55:35.40 ID:L1ntaqgSo
>>871


松田「……日向に何かしたのか」

確信、切り込んだと。

七海「してないよ?」

松田「あ?」

七海「まだ、してないよ」

七海はすっと視線を逸らした。
彼らのすぐそば、呻く人影は全部でみっつある。
そのうちの一つに、視線を落とした。
玉のような汗を額に垂らしている。
苦しんでいる、のか。

七海「……ほんとに、してない」

松田「……」

七海「しようかどうしようか、悩んでた、迷ってた」

七海「きっとそんなことしたら、日向君は……嫌がるかなって思ったから」

松田「どこから日向の名前を」

七海「生徒手帳、だよ」

松田「……」

七海「……」


沈黙が辛い。


七海「……悪いとは、思ってるの」

七海「利用しようとした。私は、日向君を利用しようとした」

松田「実際利用しただろ?」

七海「してない」

松田「……」

どうだか?

七海「でも、直感で思ったんだ」

松田「何がだ」

七海「日向君なら、助けてくれるかもって」


──────

>神代とはなんだ
>彼女とは何だ
>そのた
↓2
874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 21:00:31.69 ID:W4Ni8ApuO
神代とはなんだ
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 21:02:22.30 ID:KFwhTbrkO
安価上
876 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 21:17:43.07 ID:L1ntaqgSo
>>875
>>874


松田「神代……『かじろ』とは、何だ?」

七海「……」

沈黙。
時計の針だけがうるさい。
時折、呻くような声が入り交じる。
ここは地獄か、はたまた天国か。
それとも、それ以外のなにかか?

七海「……神代は」

七海「呪われた血筋。そして、この村で忌み嫌われ、最も大切にされる存在」

松田「……?」

七海「さっきも言った通り、神代の一族は死ねないし死なない。そして、生まれつきに特別な能力を持つ」

七海「幻視と呼ばれてる、人の視界をのぞき見る能力、だよ」

松田「……」

言葉を挟む余地もなし。

七海「……」

七海「……だから、そんな特別な血筋だから」

七海「神に最も近づいて、神に呪われた血筋だから」

松田「何?」

七海「私は神の花嫁として捧げられる運命なんだよ」

松田「さっきっからお前は……いちいち曖昧なんだよ」

七海「……う、ご、ごめんね。あんま人と話すの、慣れてなくって」

七海「私……ずっと村の中で隔離されて生きてきたの。戸籍も登録されてないらしい、から……」

七海「私はこの世界にいないことになっている存在。いわばNPCみたいなものかな」

七海「ううん、……もっとひどいか」

松田「……ッ」

七海「家族から与えられるのは心ばかりの食事と、暇つぶしのゲームくらい?あんまり学もないし、ひとともほとんど話さないから……ごめんね、話がへたっぴで」


──────

>何か聞きたいことがあれば
なければなしでイベント進行
↓2
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 21:24:18.80 ID:KFwhTbrkO
ここから脱出する方法はないのか?
ここには土着の宗教があるみたいだがもしかしてそれが関係してくるのか?
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 21:32:03.10 ID:W4Ni8ApuO
879 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 21:45:08.04 ID:L1ntaqgSo
>>878
>>877


七海「……分からないことがあれば、答えるから。答えられる範囲で」

松田「何を聞いたらいいやら……」

頭が痛くなりそうだ。
謎が余りにも多すぎて、多くなりすぎて。
空は泣いている。
雨はまだ降り止まない。

松田「……ここを脱出する方法は」

七海「残念だけどないかな」

松田「……ない?」

七海「時空がゆがまない限りね。それこそ、儀式のすべての元凶、ひいては降臨する神───『堕辰子』が滅びないと」

松田「だたつし?」

ああ、また知らない単語が増えた!

七海「それが、彼らがあがめている宗教の神様、だよ。光に弱いのが特徴って言われてる」

松田「宗教……ねぇ。もしかしてそれが儀式と関係があるのか?」

七海「そうなるよ」

松田「……なるほどな。儀式、宗教、神……繋がったと言えば繋がったか」

松田「この異界化は、世界に神を降ろすための前段階って訳だな?」

七海「そして呼び出した堕辰子に、実を捧げて全てが成される」

松田「あまたの屍人を、無限の命を堕辰子に捧げて贖罪をすると」

七海「……私もあまり詳しいことは分かってない。とにかく、儀式のために私が死ぬことだけは、確実だよ」

松田「……」


不意に、眠っている日向から声が挙がった。
それはだんだん強く大きくなり、ついに七海が顔を曇らせる


七海「……あんまり時間がないかな、次で最後にしよっか」


──────

>首謀は誰だ?
>江ノ島を知らないか?
>葉隠が壊した首は?
>人の姿をしていない屍人はなんだ?
>ほか何か聞きたいことがあれば
なければイベント進行
↓2
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 22:01:36.90 ID:KFwhTbrkO
周りの風景や物を見ているとところどころ変わって行ってる気がするがそれも儀式とやらの影響なのか
あの葉隠が壊した物もさっきまでなかった気がするが何か重要なものなのか?
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 22:18:51.69 ID:czFq4j51O
江ノ島
882 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 22:31:20.33 ID:L1ntaqgSo
>>881


松田「……聞かせてくれ」

七海「なに?」

松田「……江ノ島」

七海「え?」

松田「江ノ島盾子を知らないか?美しい髪、チワワ100頭分の愛らしさ、開かれた目、スタイル」

松田「……俺が生涯で唯一愛した女」

七海「うーん」

少し、悩む。
確かこの1日、松田は彼女を見ていないのだった。
見たとしたら、姿の変わった姉だけか。

七海「ごめんね、私も分からないや。」

松田「……」

七海「……」

松田「……そうか」

七海「……」

針が、止まらない。
音は、止まない。
時間はもう戻らない。
すぎてしまったら、それまでだ。

七海「……もう、悩んでる暇はない」

松田「何をするつもりだ」

七海「……メスとか、そういうもの、ないかな」

松田「あ?」
883 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 22:39:05.21 ID:L1ntaqgSo
七海千秋    2日目   03:03:03
       旧宮田医院内     



七海「……ごめんね」

贖罪?
ううん、そんなんじゃないの。

これは、私のわがままだから。

つなぐ手と手。
つながれた命。
途切れることがない螺旋に、彼をも組み込んでしまったことへの、罪の意識。
それらが七海を押し上げた。

涙が出そうだ。
やったのは自分なのに。


先ほどまで苦しそうだった日向が、ようやく安定した息づかいに戻った。
それを見て松田が目を丸くしている。


松田「まさか……本当だった、とはな」

七海「……それでも」

このせいで日向に死は赦されない。
それは神を食らった一族と同じ呪い。

七海「私の、せいで」

松田「それであんなに悩んでたってわけか」

物知り顔の松田夜助は、ふとベッドのひとつを見下ろしてにやけた。
いやな予感。

松田「なぁ、カジロ……いや、七海か。どっちでもいいが」

七海「何?」

松田「せっかくだ、お前の器、その実だとか言うの、ぐっちゃぐちゃにしないか」

七海「なにを……言ってるの?」

松田「こいつにも同じことをやれって言ってんだ」

確かに、松田が見た先には、同じように苦しむひとりの男。
だけど、けどけれど。

松田「拒否権はないぞ?」

七海「……あなたは?」

松田「俺は必要ない」

七海「……」


「ならばその血、私にももらおうか」


そう声を上げたのは、眠っていたはずのもうひとりの剣士だった。
884 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 22:40:45.00 ID:L1ntaqgSo
選べるチャプター


デモ
◆ソニア      2日目  09:43:13
◆終里赤音     2日目  05:05:15
◆狛枝凪斗     2日目  01:08:18
◆日向創      2日目  03:13:57


道化は誰だろう。
直下。
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 22:41:53.12 ID:z7qx3xz00
ソニア
886 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 22:50:22.78 ID:L1ntaqgSo
ソニア     2日目   09:43:13
      刈割/田園付近    


『そに、そ、ソソソソソソ、そ』

田中「チィ……ッ!また貴様かっ!」


一触即発。再び現れたのは、もはや蛍光ピンクの跡形もないほど赤に濡れた男の姿。
そのつなぎも今や台無しだ。
超高校級とはどこに行ってしまったのか。
涙が出そうなほどに悲しいし悔しい。

左右田さんの気持ちはうれしいですが、受け取れません。

それは左右田の生前からもソニアが言い続けていたことだ。
左右田がソニアの好みではなかったのかもしれない。
しかし、現実問題はもっと根本だった。

『ソニアは左右田を友人と思っていた』。

伝わりにくいほど伝わらない、この感情。
だがそれがまた左右田和一を曇らせる。
これは左右田さんにやってもいい、これなら言ってもいい。
だってみんな言っていたから。
そうして愛する人にすら淘汰された。

その愛の感情だけはこうして最後まで残ってしまった。
だってどうだ。
海にも還らず、いまだ二足でソニアを追いかけて来るじゃないか。


田中「いい加減に悠久に還れと……」

『ソニア、さん』

ソニア「来ないで!ち、近寄らないでください!」

入り交じった感情、もはや何が本心か分からない。

ソニア「あ、あなたに触れてほしく、ありません」

『あなたに見せたい、景色が……け、けし……ガがガががが』

田中「アブソリュート・ゼロ!」

近くの角材で応戦する田中。
その一撃はちゃんと利いたのか、左右田は崩れ落ちた。


『きれいなけしきを、みせたいんです、そにあさん』


そう、言葉を残して。

ソニア「……きれいな、景色?」
887 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 22:52:21.57 ID:L1ntaqgSo
選べるチャプター

デモ
◆終里赤音     2日目  05:05:15
◆狛枝凪斗     2日目  01:08:18
◆日向創      2日目  03:13:57

どっちが正義だ?
直下
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 22:54:17.49 ID:wAI7VqSNO
日向
889 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 23:06:04.22 ID:L1ntaqgSo
日向創    2日目   03:13:57
     ここではないどこか    



海の奥底にいるような感覚。
体が重く冷たい。


やめろ……やめろ!

全身になにかがまとわりつく。
自分が侵されていく。
別な者に置き換わっていく!
辞めてくれ!
止めてくれ!

叫ぶ声は全てかき消されている。


ああ、もう俺は───



差し込む光。


重みを解放していくようだった。
自らの人ならざる者への道を、誰かが断ち切ったみたいだった。


誰、だ?

日向は顔を上げる。
水面に誰かが見えた。

その人が、中に、自分の中に、海の奥底に入って、自分を作り替えていく。


七海「……ごめんね。」


その意味は誰にも分からないまま、全ての色が褪せていく。
そして、再び戻ってくる力強い感覚。

取り戻した、人間の意志と意思。


ありがとう。

その言葉と共に日向の意識は深く沈んでいった。
890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 23:08:46.44 ID:rGC3vXX20
なんだろう…この原作ロンパ以上にどう足掻いても絶望感…
891 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 23:11:23.14 ID:L1ntaqgSo
葉隠康比呂    2日目   03:33:51


無慈悲な張り手。
葉隠への手向けらしい。


葉隠「っだ!?」

松田「起きたか屑」

葉隠「な、なん……」

事情は知らない。

松田「体に異常はないか?」

何度目かの質問だった。

葉隠「へ?……あー、」

そういえば息苦しさから解放された、ような。
そんな気がしないこともない、ようなあるような?

松田「おい、成功してるんだろうな?」

七海「間違いないよ」

ふたりでなんか言っている。
おいおいなんだよ、俺を置いて何の話だって?

そばには人が増えている。
いつの間に?

七海「……ほんとに、ごめんね」

その意味は知らない。分かりたくない。

葉隠「ん?オメー、どっかで」

七海「……」

夢の中、聞いた声。あやまるその言葉、まるであの子のように。

葉隠「……?」

松田「俺達はじきここを出るぞ、屑」

葉隠「は?」

そして始まった急展開は、松田夜助が手綱を握っていた。

松田「どうも嗅ぎつけられたらしい。しかも目当ては俺だけだ」

松田「……面倒だがやつらを潰す。お前は俺のモルモットらしく付いてこい」

葉隠「は?……えーと」

松田「拒否権は、ない」
892 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 23:15:43.24 ID:L1ntaqgSo
選べるチャプター

デモ
◆終里赤音     2日目  05:05:15
◆狛枝凪斗     2日目  01:08:18
◆澪田唯吹     2日目  14:40:33

プレイ
◆葉隠康比呂    2日目  04:04:15
◆西園寺日寄子   2日目  15:57:19


残念残念、また残念!
直下
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 23:18:22.26 ID:KFwhTbrkO
狛枝凪斗  
894 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 23:28:49.77 ID:L1ntaqgSo
狛枝凪斗     2日目    01:08:18
     不入谷/不入谷教会内部   



狛枝「かじろ、ね」

八尾「そう。その血筋が、『神』の復活と贖罪に必要なの」

狛枝「……ふぅん。じゃあ、彼女以外は不要なの?」

八尾「そうなるわね」

悪い顔をしたままの求道女が言う。
もはや彼女に求道の資格はないだろうが。

狛枝「なんだ……そうなんだ」

がっかりしてしまう。
彼女以外にも希望を見出していた狛枝には予想外のことだったのだ。

あらがう日向。
運命をつかもうとする十神。
振り回される松田。

それらは狛枝凪斗には実に面白い生き物だった。
そしてどれかが、彼の思う希望に達するのだと信じていた。


なのに、そうなのか。


八尾「がっかりしたのね」

狛枝「……まぁね。ボクがほしいのは絶対的な希望さ」

八尾「そのためなら自らをも絶望に染められる。……恐ろしいひと」

狛枝「誉められてるよね?」

八尾「誉めたつもりはないわ」
895 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/12(木) 23:29:59.27 ID:L1ntaqgSo
選べるチャプター

デモ
◆終里赤音     2日目  05:05:15
◆澪田唯吹     2日目  14:40:33

プレイ
◆葉隠康比呂    2日目  04:04:15
◆西園寺日寄子   2日目  15:57:19


次のシナリオ直下

残りレス的に終わらないので明日後編のスレを建ててそっちで続きやるようにします。
今日はひとまずここまで。
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/12(木) 23:31:11.19 ID:z7qx3xz00
おやすみ

終里で
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 01:16:29.26 ID:E+vIaVxoO

SDKになるのは日向か辺古山か
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 08:00:50.25 ID:cBGNLd8FO
西園寺が主人公とは一体…うごご
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 12:48:01.94 ID:OwlDtkFio
西園寺は春海ポジか、ベラポジかのどちらだろうか
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/13(金) 19:17:36.48 ID:eyDn9rNXO
>>890
ロンパ本編だと要所要所で活躍するアルターエゴがここでは役に立たないからな
901 : ◆z.6vDABEMI [saga]:2015/11/13(金) 21:40:37.73 ID:+e6XbMwjo
続きはこっちで。
西園寺「絶望の底から込み上げるSIREN」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447417837/
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/14(土) 08:22:35.44 ID:zY/ThOEKO
質問コーナーしないの?
903 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2015/11/14(土) 11:48:18.20 ID:zfIoEqrqO
ダベミだけどなんか質問ある?
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/14(土) 13:39:28.94 ID:ZKv5iE0xO
こんにちはアタックのチャンスはありますか?
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/14(土) 16:44:51.64 ID:ZKv5iE0xO
八尾さん以外のサイレンキャラは出る?
906 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2015/11/14(土) 17:50:21.97 ID:zfIoEqrqO
>>904
こにちは〜

おそらく出番はない。ヤるつもりだった病院ステージは尺とストーリー都合でカットです。
あと出来るとしたらこの後の日向くらいですかね?ね?

>>905
出なかったので2スレ目の頭で全員(でもないけど)出しました。
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/14(土) 19:17:34.36 ID:0s4Cr8gQ0
次スレで少し出ていた名瀬夭歌さんは登場しますか!?
908 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2015/11/14(土) 20:15:50.54 ID:fVzO8IGNo
>>907
くじらさんは出ません。
CVくじらさんは出ます。
松田夜助も出ます。
909 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2015/11/14(土) 20:39:30.19 ID:fVzO8IGNo
答えられる範囲で。
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 00:58:13.31 ID:lb2dGWNT0
>>908 CVくじらさん既に人間やめてたんですがそれは……まぁ元々半分人間やめてたけど。おや?誰か来たようd
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/15(日) 17:01:23.43 ID:/Vd05uxM0
このスレとは関係ないけどピクミンのED忘れてない?
912 : ◆z.6vDABEMI [saga sage]:2015/11/15(日) 18:55:30.57 ID:5T1FnZsQO
>>911
忘れてた。
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