【咲 -Saki- SS】 大学編 - いちご味 - ちゃちゃのん「おかえりなさい」

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734 :ケイ@サンクス♪ 愛と勢いだけのSSゆえ(恥) [saga]:2016/12/24(土) 22:04:16.26 ID:3F/6pDuw0




ちゃちゃのん「よっし。 ホンじゃ〜〜 改めて、今からみんなでパーティーじゃね♪」


洋榎「それって―――?」



ちゃちゃのん「京ちゃんも一緒に、みんなでパーーっと楽しんだらええと思うんじゃ!!」エヘヘッ


京太郎(実写)「い、いちごちゃん〜〜」ウルウル


洋榎「ま、まじか―――?」




セーラ「ええやん、ええやん!! お祭りは数が多い方が楽しいってな〜〜」カッカッカ


哩「ま〜〜 確かに… このまま叩き出すって言うのも、後味悪いかもしれんばい…」


塞「うん。 ま〜 ちょっと気の毒な感じだし、良いんじゃない―――ね、胡桃?」


胡桃「わ、私は別にどっちだって良いけどさ…///」





ちゃちゃのん「ヒロちゃんもええじゃろ―――」ニコッ


洋榎「あ〜〜 もう… いちごがそない言うんやったら、ウチかて賛成するしかないやん!!」


ちゃちゃのん「ヒロちゃん、ありがとなんじゃ〜〜〜」ダキツキーー


洋榎「だ〜〜 もぅ!! だから暑苦しい言うとるやろ〜〜〜////」




735 :ケイ@ちゃちゃのん誕生日SS [saga]:2016/12/24(土) 22:27:52.55 ID:3F/6pDuw0




ワイワイ ガヤガヤ


塞「それじゃ〜 ちゃちゃのん。 改めてケーキに挿した蝋燭の火を吹き消して…」


ちゃちゃのん「う、うん……」ドキドキ


ちゃちゃのん「ふ〜〜 ふ〜〜〜」プルプル


洋榎「何やねん。 火ぃ、全然 消えとらんで〜〜〜」カカッ


胡桃「ぷっ… ちゃちゃちゃん、超下手っぴ…」


京太郎(実写)「ちゃちゃのん、頑張〜〜!!」



ちゃちゃのん「うぅ〜〜 思っちょったよりも、難しいのぅ〜〜///」フヒー フヒーー


哩「ぷっ、過呼吸で顔 真っ赤になっとる!!」ゲラゲラ


セーラ「ええかぁ… こうゆーんは、こ〜〜やって 一息で消すんやで〜〜〜」ズモモモ…


ぶっほ〜〜〜〜〜!!



京太郎(実写)「おぉっ!? もの凄い風圧で、蝋燭の火を一発で吹き消した!?」


ちゃちゃのん「ほぇ〜〜 せーちゃん、凄っごい肺活量じゃのぅ〜〜」


セーラ「カカッ、西の『め組』 火消しのキャンドルセーちゃんとはウチのことやで〜〜!!」ドヤッ



736 :ケイ@ちゃちゃのん誕生日SS [saga]:2016/12/24(土) 23:00:42.05 ID:3F/6pDuw0




洋榎「そんじゃま… 今日はいちごのために集まってくれて、みんなサンキューやで〜〜」


洋榎「いちごの誕生日を祝してぇ――――かんぱ〜〜い!!」


一同「「ちゃちゃのん、誕生日おめでと〜〜〜♪」」カンパーーイ


ちゃちゃのん「みんな、どうもありがとう♪」





京太郎(実写)「いちごちゃん―――改めて、今日は誕生日おめでとう////」


ちゃちゃのん「うん。 京ちゃんも、今日はどうもありがとなんじゃ〜〜♪」


ちゃちゃのん「たとえ出番なくとも、おらんかった事にされても―――これからもモブとして、強く生きていくんじゃよ〜〜」エヘヘッ


京太郎(実写)「ぐっほっ……」グッサァ


洋榎「ひでぇ…」


胡桃「鬼ね…」


哩「コイツは天使の皮ば被ったアクマばい…」


ちゃちゃのん「えぇ〜〜 何でそうなるんじゃよぉ〜〜!?」



カッカッカ…♪ アハハハハ…♪






大好きな人たちと過ごす誕生日。



それは何ものにも代え難い、とっても素敵なみんなからの贈り物。



大切な人たちに支えられ、ちゃちゃのんは今日も元気いっぱいじゃ♪



そしてみんなにとっての次の一年が、今よりホンのちょっぴり素敵なものでありますように――――





ちゃちゃのん誕生日SS


カンッ!!





737 :ケイ@クリスマスということで、何となくそれっぽい駄話 [saga]:2016/12/24(土) 23:56:41.29 ID:3F/6pDuw0




〜 きよしこの夜 〜



メリークリスマーース!! カンパーーイ!!


ちゃちゃのん「ほうじゃ、ほうじゃ… この前 テレビで見たんじゃが―――」


ちゃちゃのん「ずっと昔のクリスマスにゃぁ、サンタさんじゃのーて 鞭打ちじーさんゆー人が来たんじゃって…」


洋榎「はぁ〜 何でクリスマスにむち打ちじーさんやねん!? トナカイ乗っとって、首でも痛めたんかぁ?」


セーラ「カカッ 何でそのむち打ちやねん!! スパーキングのことやろ!!」ズビシッ


漫「それドラゴンボールやないですかぁ。 スパンキングでしょ〜〜!!」


塞「それってお尻叩きのことだから、ちょっと違う気が―――」



ちゃちゃのん「う〜〜ん… 何かよー知らんけぇ、悪い子をムチで叩いたりして懲らしめるお爺ちゃんみたいじゃよ〜〜」


哩「鞭打ち……」


胡桃「して欲しいの…?」


哩「別に……///」ゴホンッ




胡桃「でもそれって『泣ぐ子はいねがぁ〜〜ッ!!』のナマハゲみたいなもんかしら?」


絹恵「ナマハゲ言えば東北ですし、胡桃さんちの方はエンカウント率高いんやろか〜〜?」


胡桃「ん、ま〜 ナマハゲは秋田の男鹿が有名なんで、宮守の方にはたまに遠征してくる程度だよ…」


ちゃちゃのん「ほぇっ!? ナマハゲさんって遠征してくるん―――!?」


胡桃「うん。 ナマハゲが遠野に来るぞーーって触れ込みで、時々 なまはげ郷神楽がみやもりホールで公演したりする」


塞「あ〜〜 何かそんなのあったね♪ 岩手と秋田の和太鼓コラボ企画みたいなヤツ」


ちゃちゃのん「ん… 何かちゃちゃのんが思っとったナマハゲさんとは、趣が異なるようじゃが…」コラボ…?


胡桃「このご時勢だもん。 ナマハゲだって手広くやらなきゃ、やってけないのよ…」


塞「あはは、そうかも。 あと岩手だったら吉浜のスネカが、ナマハゲに近いモノとして知られてるかしら」


ちゃちゃのん「スネカ…?」


塞「岩手の三陸町あたりに伝わる、来訪神の伝統行事でね―――」


塞「小正月の夜に奇怪な面を被ったスネカが、近隣の家々の怠け者や泣く子を戒めてまわるのよ」



738 :ケイ@クリスマスということで、何となくそれっぽい駄話 [saga]:2016/12/25(日) 00:19:09.66 ID:9YEYRwTG0



セーラ「そういや、いちごはまだサンタとか信じとるクチか〜〜?」カカカッ


ちゃちゃのん「ほぇ!? そんなん当然じゃろう―――?」


一同「「―――――!?」」


セーラ「マジか……?」



ちゃちゃのん「へへっ… 冗談じゃよ、冗談〜〜♪」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんじゃって、流石にサンタさんがお母さんってことくらい知っちょるよ〜〜」エヘヘッ


セーラ「せ、せやな。 自分の場合 そのへん分かりづらいんで、俺もリアクションに困ってもうたで」ヘヘッ


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、信用ないんじゃの〜〜」ムーー


洋榎「自分 アホなんやし、しゃーないやん!!」


ちゃちゃのん「んもぅ… ヒロちゃんはホンに失礼じゃの〜〜」


ちゃちゃのん「サンタさんは多忙じゃけぇ、世界中の子どもみんなにプレゼントなんて出来るわけないけぇのぅ―――」


ちゃちゃのん「じゃけぇ、家の人がサンタさんの代わりにプレゼントを配っちょるんじゃろ。 ちゃちゃのん、ちゃんと知っちょるよ〜〜♪」ヘヘン


洋榎「あ〜〜 せやな。 もうそれでええわ―――」





胡桃「今ある赤い服に白いあごヒゲのサンタクロースのイメージって、コカ・コーラの広告が作ったキャラなんだっけ?」


漫「えっ、そうなんですか?」


哩「それって確かコークロア言う、都市伝説か何かの類やなかったか?」


塞「うん。 今あるサンタのイメージ自体はそれ以前からあったと思うんで、正確には違うと思うよ」


塞「ただその赤服サンタのイメージを世界の共通認識として定着させたのは、コカ・コーラの功績かもしれないわね」


ちゃちゃのん「コーラって、飲むと骨が溶けちゃうんじゃろ〜〜」


漫「それこそ子どもの頃よく聞いた都市伝説やないですか〜〜」イヤヤー


セーラ「コーラ飲むと必ずゲップ 出るんやで〜〜」ゲプッ


漫「それは、ま〜〜 確実やろな〜〜〜」



739 :ケイ@クリスマスということで、何となくそれっぽい駄話 [saga]:2016/12/25(日) 00:42:57.75 ID:9YEYRwTG0



塞「クリスマスの話だけど、元々は一年で一番 太陽が出てる時間の短い『冬至のお祭り』だったらしいんだけど―――」


塞「闇の力が強まる冬至には死者や精霊たちが蘇るってことで、彼らに贈り物をして何とか死者の国に帰って貰おうっていう意味合いがあったみたい」


ちゃちゃのん「そん時に鞭打ちじーさんやって来て、悪い子たちを懲らしめてまわったんじゃね♪」


洋榎「そこで、何で鞭打ちじーさんの出番やねん!! やっぱそのセンスがよぅ分からんで!!」


塞「センス云々はちょっと分かんないけど、悪い子を叱ってくれるトコなんかはナマハゲと少し似てるかもね…」


ちゃちゃのん「きっとヒロちゃんはいっぱい鞭で叩かれてしまうのぅ〜〜」カワイソウ…


胡桃「アンタ、マナー悪いもんね…」


洋榎「うっさいわ、ボケ〜〜!!」




塞「ま〜 それが後にキリスト教の聖ニコラウスと結びついて、オランダ語のシンテル・クラースがアメリカでサンタクロースになったんじゃなかったかな」


塞「そうやってアメリカ化したサンタクロースは本来の生者から死者への贈り物ってカタチから―――」


塞「生きてる人間同士の資本主義的な大量消費のプレゼント交換会に姿を変えていったってわけね」



セーラ「ま〜〜 そんな話はええやん。 そろそろ恒例のクリスマスプレゼント争奪 麻雀大会始めんで〜〜!!」ジャラジャラ


漫「ええですね〜〜♪ どうせ私ら『ギブミー チョコレート』にアメリカナイズされきった 現代っ子ですもんね〜〜」


絹恵「ま〜〜た、漫ちゃんは身も蓋もないことを―――」


塞「あはは… ま〜 その通りなんだけどねぇ〜」



740 :ケイ@今年もお疲れ様でした。 来年あたりから、また鹿老渡番外編再開しますね。 [saga]:2016/12/25(日) 01:09:23.30 ID:9YEYRwTG0



セーラ「いちご〜〜 自分、しっかり高いモン買うて来たんやろな〜〜?」


ちゃちゃのん「ふぇっ、そこでなんでちゃちゃのん―――!?」


哩「私らん中では、現役アイドルの佐々野が一番 金持ってそうばい…」


洋榎「麻雀の方は、相変わらずド下手やけどな〜〜」カッカッカ


胡桃「かもねぎ音頭でガバチョノバ♪」


ちゃちゃのん「んもぅ… うっさいんじゃよぉ〜〜」



ちゃちゃのん「それとちゃちゃのんのプレゼントは、等身大サイズのクマさんのぬいぐるみじゃよ〜〜♪」ホシイジャロ?


セーラ「めっちゃハズレやないかい!!」


塞「あ〜〜 あの部屋の端っこにある2m超えのバカでかい箱そうだったんだ…」


漫「ぬいぐるみの中から姉帯さんとか出てこんでしょ〜〜ね…」




ピンポーーン


胡桃「ん、誰かしら―――?」ヨット…


姫子「おすかなりました〜〜 部長さんおんさんね〜〜?」


洋榎「鞭打ち爺さん、来たで来たで〜〜!!」パンパーーン


哩「ぶっ殺しちゃる!!」ガタッ


洋榎「はい、すんませ〜〜ん…」


姫子「――――?」




ちゃちゃのん「姫子ちゃん、メリークリスマ〜〜ス!! きよしこの夜じゃの♪」


きよしこ「きよしこと一緒にメリークリスマ〜〜ス!!」イヤッホーーイ!!


ちゃちゃのん「きよしこって誰じゃ!?」




もいっこカンッ!!



741 :ケイ@今年も宜しくお願いします。 ということで、ボチボチ鹿老渡・小学生編 再開していきます [saga]:2017/01/21(土) 22:51:50.73 ID:jHwXYFMY0



番外「鹿老渡・小学生編」 ** ねこの島 **




ザザザザーーン ミャー ミャー ミャーー


快活な長女さん「それんしてもここん海は、びっくりすっくらい綺麗で透き通っちょるのぅ」


ちゃちゃのん「うん。 ここは内海じゃけぇ、とっても穏やかでゆったりしちょるじゃろ」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、この綺麗で優しい鹿老渡の海が大好きじゃ♪」




儚げな少女「広島、倉橋の最南端にあたる 鹿老渡島―――」


儚げな少女「確かこの島全域が、瀬戸内海 国立公園に指定されてるんですよね?」


ちゃちゃのん「ほぇ… えっと…」キョトン


陽気な妹ちゃん「国立公園…?」




儚げな少女「瀬戸内海の真ん中に浮かぶ倉橋群島は―――」


儚げな少女「白い砂浜と透き通った海、手つかずの自然がそのまま残る奇跡の島―――」


儚げな少女「そんな瀬戸内海の奇跡とも呼ばれる倉橋の中でも、とりわけ安らげる場所がこの鹿老渡だとお聞きしましたわ♪」


ちゃちゃのん「そ、そうなんじゃ……」




ちゃちゃのん「なっ、何かそんなじゃったかもしれんの〜〜///」アセ アセッ


快活な長女さん「ちゃちゃのん、今のは絶対 知らんかったじゃろ〜〜」カカッ


しっかりものの妹ちゃん「ププッ、ちゃちゃのんってば 顔に出過ぎ〜〜♪」


ちゃちゃのん「ううう、うるさいんじゃよぉ!!」


ちゃちゃのん「そない難しいこと、ちゃちゃのん よぅ分からんよぉ……///」



742 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/01/21(土) 23:22:33.42 ID:jHwXYFMY0



陽気な妹ちゃん「の〜 の〜〜 国立公園ってなんじゃ〜〜?」


しっかりものの妹ちゃん「何か自然とかがいっぱいの、すっごいトコじゃろ?」


快活な長女さん「国が保護とか管理ばしちょる、自然公園のコトじゃなかったかの…?」


しっかりものの妹ちゃん「ヌーの群れいっぱいのサバンナとか、スーパーマンが子ども助けたデッカイ滝とか…?」


ちゃちゃのん「ヌーの群れとスーパーマン…?」




快活な長女さん「スーパーマンに出とったあの滝、何てゆーたかのぅ。 な、ナイジェリアの滝 じゃの〜〜て…」


儚げな少女「それはきっとアメリカ・カナダ国境のナイアガラの滝、ですわね」


快活な長女さん「お〜〜 そうじゃ、そうじゃ♪ それって確か、世界三大瀑布の一つなんじゃろ?」


陽気な妹ちゃん「世界、三大幕府じゃと―――!?」




儚げな少女「さて、それではここで問題ですわ―――世界三大瀑布、いちごさんは全部 言えますか?」ウフフッ


ちゃちゃのん「はわわっ、なんじゃろ〜〜 鎌倉幕府じゃろ。 あと、江戸幕府に…」アワワッ


ちゃちゃのん「ありゃ… じゃけぇ世界の幕府ゆーことは、よその国にも幕府ってあったんじゃろか…?」


快活な長女さん「ちゃちゃのん、瀑布っておっきな滝のことじゃよ…」チョイチョイ


ちゃちゃのん「はぅっ!?」ガーーン


しっかりものの妹ちゃん「ちゃちゃのん、まさかのコイツと同レベル……」プププッ


陽気な妹ちゃん「コイツゆーなし!!」フンヌッ




儚げな少女「因みに主に日本で言われる世界三大瀑布は、イグアスの滝、ヴィクトリアの滝、ナイアガラの滝ですわね」


儚げな少女「いずれの滝も2国間にまたがっていて、国境の役割を果たしていることが特徴でしょうか」


ちゃちゃのん「ほぇ〜〜 ゆーちゃんは、ホンに物知りさんじゃのぅ…」


儚げな少女「うふふ… 病院では読書をしたり、映画を見るくらいしか 楽しみありませんでしたから…」



743 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/01/22(日) 00:06:11.89 ID:Ie7H3CG60



快活な長女さん「それんしても、しーの中では ナイアガラの滝=スーパーマンなんじゃな…」


しっかりものの妹ちゃん「へへっ… 随分 前に見た映画じゃが、妙にそのシーンが印象に残っとっての〜〜」


陽気な妹ちゃん「ボク、全然 見た覚えないんじゃよ〜〜?」ナンデジャーー?


しっかりものの妹ちゃん「よーはいついき映画始まっと、速攻 爆睡キメちょろ〜〜が!!」


陽気な妹ちゃん「へへへ〜〜 そ〜じゃったかもしれんの〜〜〜」



快活な長女さん「アタシはスーパーマンゆーと、地球を反対周りして時間を巻き戻したシーンが印象深いかの〜〜」


しっかりものの妹ちゃん「あ〜〜 アレは確かに印象的じゃのぅ…」


しっかりものの妹ちゃん「ほじゃけど、アレって いったいどーゆー原理なんじゃろうね…?」


ちゃちゃのん「な… 何かその… セガールと、アインシュタイン… 的な…?」


快活な長女さん「ちゃちゃのん、それ絶対 テキトーゆーちょるじゃろ…?」


ちゃちゃのん「はぅぅっ……///」


しっかりものの妹ちゃん「アンソニー、図星じゃった…」


儚げな少女「グレートですわ…」ボタボタ



ちゃちゃのん「ちょっ… ゆーちゃん、鼻血出ちょるよ〜〜〜」ティッシュ、ティッシュ…


儚げな少女「これはこれは、どうもご親切に…」ウフフ…



744 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/01/22(日) 01:01:10.19 ID:Ie7H3CG60



ちゃちゃのん「ほ、ほんで… ヌーの群れゆーんは…?」


儚げな少女「タンザニア・セレンゲティ国立公園のグレイト・ミグレーションのことかしら―――?」


ちゃちゃのん「ぐれーと・みぐれいしょん…?」


陽気な妹ちゃん「きゃとる・みゅーてぃれーしょん…?」


しっかりものの妹ちゃん「アブダクション!?」


快活な長女さん「イヤ、それ何か別のアレじゃ!? ヌー、別にキャトミュられとらんじゃろ!!」


ちゃちゃのん「そりゃ ヌーじゃのぅて、ムー(MU)じゃのぅ…」


快活な長女さん「コイツら、ムー民じゃけぇ…」


陽気な妹ちゃん「ムーをバカにする、許さないんじゃ…」ガルル…


しっかりものの妹ちゃん「ムーはスーパーサイエンシーな、超科学書じゃ!!」


ちゃちゃのん「ぐれーと・みぐれいしょんは、ど〜なったんじゃ…」




儚げな少女「グレイト・ミグレーションは、年に2回の自然界最大のビッグイベント」


儚げな少女「マラ川の合戦とも呼ばれる、ヌーの大群による大移動のことですわ―――」


快活な長女さん「ヌーの大移動!! こないだのわくわく動物ランドで見たんじゃが、ありゃ〜 ぶち鳥肌もんじゃったのぅ!!」


陽気な妹ちゃん「おぉ〜〜 ありゃぁホンに テンション最初からクライマックス!! 動物たちの厳島合戦ゆー感じじゃったのぉ!!」フンスッ


ちゃちゃのん「ほぇ〜〜 そんなに凄かったんか…?」


快活な長女さん「そりゃぁもぅ… パッとさいでりあな、亜星さんもビックリじゃ!!」


ちゃちゃのん「なんでさっきから、妙に例えが古いんじゃろうね…」


儚げな少女「いちごさん、『 シー!!』 ですわ…」シーー


ちゃちゃのん「う、うん… 何かゴメンのぅ…」




745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/25(水) 16:44:37.76 ID:7CG5Yw7IO
むーみん谷の住人かよwww
アンソニーとセガールとか懐かしすぎ
746 :ケイ@セガールとアンソニー覚えてる人ってどれ位いるんでしょうね [saga]:2017/02/22(水) 22:58:08.93 ID:hIS8V59C0



儚げな少女「もう少し付け加えますと、ヌーを中心とする草食動物たちが、1000キロにも及ぶミグレーション(移動)の末―――」


儚げな少女「川幅約百メートルのマラ川へと一斉に飛び込み、雨季のセレンゲティを目指す 草食動物たちの大移動のことですわね」


ちゃちゃのん「動物たちのスッゴイ大移動じゃけぇ、ぐれーと・みぐれいしょんゆーわけじゃの…」



儚げな少女「その大地を埋め尽くすヌーの群れの数は、なんと数百万頭とも言われておりますのよ―――」


ちゃちゃのん「ふぇぇ… 数百万頭!?」


陽気な妹ちゃん「おぉ… それって、どんだけじゃ…?」


しっかりものの妹ちゃん「むむ… 数が多すぎてよー分からん……」


ちゃちゃのん「と… とにかくスッゴイ、いっぱいっちゅーことじゃな…」フンフム




儚げな少女「そしてそこには草食動物たちを狙う捕食者、プレデターである肉食動物たちも集まりますの」


陽気な妹ちゃん「まさに血湧き肉躍る、草食系 Vs 肉食系の大合戦っちゅーわけじゃな!!」



儚げな少女「川の中には世界最強の爬虫類ナイルワニ、対岸には百獣の王ライオンに、狩りの名手ハイエナ、世界最速の陸上動物チーター」


儚げな少女「そして上空からはハゲワシやハゲコウが包囲網を敷いて、草食動物たちが川へ飛び込む その時を今か今かと待ち受けているのですわ―――」


陽気な妹ちゃん「ぶち緊張感のある光景じゃ…」ワクワク



ちゃちゃのん「えっと… なんで、川に飛び込むのを待っとるんじゃ―――?」


快活な長女さん「ヌーは泳げんけぇの、溺れて弱ったトコなんかを狙っとるんじゃろ…」


儚げな少女「草食動物とはいえヌーの体重は300キロ前後とライオン以上ですからね。 正面からまともに戦ってはさすがのライオンも分が悪いのでしょうね」


儚げな少女「だから彼らプレデターたちは、身体の小さい子どもや川で溺れて弱っているトコロを狙うために集まって来るのですわ」



747 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/02/22(水) 23:47:43.58 ID:hIS8V59C0



ちゃちゃのん「む〜〜 何かそれって、ズルっこいんじゃ…」


ちゃちゃのん「そんなんヌーたちが、かわいそうじゃよ〜〜」


快活な長女さん「ま〜〜 確かに一方的なデストロイじゃが、弱肉強食が自然界の掟じゃけぇ…」


陽気な妹ちゃん「志々雄さんも、言うとったけぇのぅ」


ちゃちゃのん「悪・即・斬……?」


しっかりものの妹ちゃん「いや、そりゃ違うじゃろ……」ベシッ




儚げな少女「う〜〜ん… 確かに可哀想ですが、やらないと自分や餌を待つ家族が飢え死にするわけで―――」


儚げな少女「百獣の王ライオンにしても、狩りは命懸けですから。 それぞれが今を生き抜くために必死なんですわ」


しっかりものの妹ちゃん「う〜〜ん… 大自然ゆーんは、げに厳しき世界じゃのぅ…」



儚げな少女「ま〜〜 そんな緊張感あるマラ川のほとりでのにらみ合いがありつつ、一頭のヌーの行動によって展開は大きく動きますの」


ちゃちゃのん「それって―――」



儚げな少女「ワニがいるかもしれない。深さも分からない。そんなマラ川に一頭の勇気あるヌーが決死のダイブをすることで―――」


儚げな少女「堰を切ったように他のヌーたちもダイブを始め、前を行くヌーが通ったルートをたどりながら、彼らは一列に川を渡り出すんです」


陽気な妹ちゃん「お〜 それボクもテレビで見たんじゃが、その川渡りがまた凄いんじゃよ〜〜!!」


快活な長女さん「渡っとる途中で溺れるモンおったり、ワニに襲われるモンがおったりと、なかなかにエグいんじゃがのぅ」


ちゃちゃのん「うひぃっっ!!」フルル



748 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/02/23(木) 00:03:14.62 ID:YGPEuzyc0




儚げな少女「そうやって命からがら川を渡りきっても、今度は対岸のライオンやハイエナ、チーターたちが疲れたトコロを狙ってきますからね」


儚げな少女「身体の大きいヌーたちは集団で壁を作ってプレデターたちの攻撃をかわし、雨季のセレンゲティを目指しますの」


ちゃちゃのん「―――なんで、そんなん出来るんじゃろぅね…」


快活な長女さん「ちゃちゃのん―――?」




ちゃちゃのん「死んじゃうかもしれんゆーのに、自分から真っ先に川へ飛び込むなんて―――」


ちゃちゃのん「――――ちゃちゃのん、おっかのぅて… 怖くって… きっと動けなくなっちゃう思うんじゃ…」フルフル


快活な長女さん「あぁ… 最初に川に飛び込んだ、勇気ある一頭のヌー?」




快活な長女さん「ん〜〜 ま〜〜 アタシもそれが出来るかって言われりゃ、ちぃーと自信ないかのぅ…」


陽気な妹ちゃん「そうじゃのぅ、ヌーはぶち偉いヤツなんじゃ!!」


しっかりものの妹ちゃん「そういう話なんじゃろか…?」




儚げな少女「皆がただ震えてそこで立ち尽くしていては、乾きによる確実な飢えが待っていますからね」


儚げな少女「どんなに危険だと分かっていても、例えそこが死地だとしても、ヌーたちは川へ飛び込み 前へ進むしかないのかもしれませんわね」


儚げな少女「そうすることで一頭でも多くの仲間や家族を守り、自分たちの種を後の世まで繋いでいく―――」




儚げな少女「命を繋ぐために命を懸ける、それが自然界に於ける大いなる生命の繋がり『愛』というものではないかしら―――?」




749 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/02/23(木) 00:21:12.12 ID:YGPEuzyc0



陽気な妹ちゃん「あ、愛…? ゆーちゃんの話は、何じゃか壮大で難しいのぅ…」


しっかりものの妹ちゃん「ま〜〜 何かええ話っぽいのだけは、何となく伝わってきたかの〜」


快活な長女さん「ちゃちゃのん、分かった―――?」


ちゃちゃのん「え… あ〜 うん… 愛って尊いんじゃの〜〜」ヘヘヘッ


儚げな少女「そう!! 愛とは、とても尊いものなのです!!」グッ


陽気な妹ちゃん「お〜〜 愛かっけ〜〜!!」グッ




儚げな少女「愛は偉大! 愛とは正義! そして愛とは勝つものなのですわ!!」ググッ


儚げな少女「アイ!カツ! アイ!カツ!」


陽気な妹ちゃん「アイ!カツ! アイ!カツ!」ワッホーーイ!!


儚げな少女「皆さんもご一緒に〜〜!!」アイ!カツ! アイ!カツ!


しっかりものの妹ちゃん「アイ!カツ! アイ!カツ!(て、何で私まで…)」



儚げな少女「さぁ、いちごさんたちもご一緒にどうぞ!!」アイ!カツ! アイ!カツ!


ちゃちゃのん「ほぇっ!? えと……」


陽気な妹ちゃん「アイ!カツ! アイ!カツ!」タノシインジャヨーー


しっかりものの妹ちゃん「アイ!カツ! アイ!カツ!(意外と楽しい…)」


ちゃちゃのん「あ、アイ… カツ… アイ… カツ……///」テレッ


儚げな少女「もっと胸を張って、アイドルスマイルで楽しそうに〜〜!!」アイ!カツ! アイ!カツ!


ちゃちゃのん「アイ!カツ!! アイ!カツぅ〜〜〜!!」


快活な長女さん「ゲシュタルト崩壊しそうじゃ…」



儚げな少女「いちごさん、今のはとってもグレートでしたわぁ♪」


ちゃちゃのん「えへへ〜〜♪」


快活な長女さん「何やっとんじゃ、コイツらは…」アイ!カツ! アイ!カツ!




病気療養のため鹿老渡まで来た、少し儚げな印象のあった、幽霊少女こと ゆーちゃん―――


彼女は凄いお嬢様で、博識で、アタシらの知らんようなこと 色々と知っとった―――


ほんでもって、最近 結構変なヤツじゃゆーことが分かってきた―――


750 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/02/23(木) 00:51:39.64 ID:YGPEuzyc0




快活な長女さん「一頭のヌーの話で思い出したんじゃが―――」


快活な長女さん「南極の皇帝ペンギンにも、何かそんなような話なかったかのぅ?」


儚げな少女「南極の、皇帝ペンギンですか―――?」


ちゃちゃのん「あ〜〜 ペンギンさん!! とっても可愛ええよね〜〜♪」パァァッ


快活な長女さん「お… 何かちゃちゃのんが食いついてきた!?」



ちゃちゃのん「ぺたぺた、よちよち歩く姿も可愛ええ思うし、ふかふかのもふもふじゃ〜〜♪」ペタペタ ヨチヨチ


ちゃちゃのん「あのキュートな姿 見ちょると、抱きまくらみたいにむぎゅ〜〜ってしたくなるんじゃ!! むぎゅ〜〜ってぇ♪」ムギューーー


儚げな少女「バカみたいにむぎゅ〜〜するいちごさん、これまたグレートですわぁ〜〜♪」


儚げな少女「あぁ… 私もむぎゅ〜〜されたい……」ハァハァ


しっかりものの妹ちゃん「おい……」ビシッ





しっかりものの妹ちゃん「ほいじゃが 野生のペンギンって、ちぃーと ヌメヌメ、ヌチョヌチョしちょって 生臭そうじゃの〜〜」


ちゃちゃのん「え"〜〜 ペンギンさんはそんなヌメヌメとか、ヌチョヌチョなんてしちょらんよ〜〜〜」


しっかりものの妹ちゃん「え〜〜 そ〜〜じゃろか〜〜?」


ちゃちゃのん「そうじゃよ〜〜〜!!」ンモーー




快活な長女さん「ちゃちゃのん、今度 可愛ええペンギンさんの抱き枕でも買ったらどうじゃ…?」


ちゃちゃのん「お〜〜 そりゃぁ とってもええ考えじゃのぅ♪」ポンッ


ちゃちゃのん「ペンギンさん抱きながらじゃったら、とってもリラックス出来て、上手に麻雀も打てるかもしれんしの〜〜」ヘヘヘッ


儚げな少女「え〜〜と… それはキャラ被り的にも、やめておいた方が良いかもしれませんわね―――」


儚げな少女「いちごさんの場合、ただでさえ広島弁にアイドル設定と被っちゃってるわけですし…」


ちゃちゃのん「ほぇ… キャラ被り―――?」


儚げな少女「あ〜〜 いえ… こちらのお話ですので、あまりお気になさらず…」ホホホ…


ちゃちゃのん「………? 妙なゆーちゃんじゃのぅ…」



751 :ケイ@駄文 「ちゃちゃのんはめっちゃ強い子」 [sage]:2017/03/22(水) 23:54:08.71 ID:6BA69SA40


ちょっと前の話になりますけど、小林 立先生がご自身のブログにて

「ちゃちゃのんはめっちゃ強い子」なんで、vita版のゲームでは強く調整して下さいって

感じのことをゲーム会社の方にお願いした的なコメントをされてましたね。


確かにvita版の、ちゃちゃのんのデフォルト性能を見てみると、

能力0、精神力2、自摸5、配牌5、運5 (最高値5)、とオカルト能力0にもかかわらず

合計値でベスト8に入るというとんでも性能してますね(実際にこれが反映された数値なのかどうかは不明ですが)


これと同じ合計値のキャラはというと、咲さん、和、透華、美穂子さん、霞さん、池田、

玄さん、宥姉、穏乃、渋谷さんと、かなり強力なメンバーが揃ってますね(因みに洋榎はベスト5みたいです)


ま〜 洋榎と同格と思われるセーラが数値的には42位だったり、淡や竜華、小蒔、怜なんかが

数値的にはだいぶ低いんで、あくまでこれに関してはゲーム内での数値ってトコなんでしょうけど。

それでも原作者さんから、ちゃちゃのんメッチャ強いのお墨付きを貰えたのはやっぱり嬉しいですね(単純)

これはいつか原作にて、ちゃちゃのんが個人戦で活躍する可能性がちょっとはあるのかな? あったら嬉しいな〜〜



とりあえず、このちゃちゃのんがメッチャ強い子っていう設定。

このSSを書き始める前に知ってたら、この話の中でのちゃちゃのんの悩みだとか、進路だとかも

今とはまた違ったものになってたのかもしれないなって少し思いました(この話の中のちゃちゃのん、よわよわですし…)

あと何げに精神力やたら低いの、ちゃちゃのんっぽくてなんか微笑ましいです。

精神力2のキャラなんて順位で見るとちゃちゃのん以外には42位までいませんし。

能力は非常に高いのに精神的に未熟なせいでそれを活かしきれてない。そんなアンバランスさも、ちゃちゃのんの魅力なのかもしれませんね。



あとどうでも良いですけど、同ブログ内での咲のキャラは母親もお婆ちゃんも

全員カレシいない歴=年齢で処女コメント、ちょっと受けました(何じゃ、そりゃって感じで…)

752 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/03/26(日) 23:07:48.81 ID:0XM4gu7X0



儚げな少女「氷壁の水際で飛び込むのを躊躇っている、南極の皇帝ペンギンたち―――」


儚げな少女「一羽が飛び込めば海中に獰猛なアザラシがいるかどうか分かるのですが、誰だってその一羽にはなりたくありませんもの」


儚げな少女「ですから、ペンギンたちは氷の上で押し合い、へし合い―――」


儚げな少女「あ… へし合うというのは、HBの鉛筆をベキっとへし折るの『へし(圧し)』のことでして、つまりは圧力を加えて押すという―――」ペラペラ


儚げな少女「因みに根掘り葉掘り聞くの『葉掘り』とは、根を掘るの『根掘り』の部分に引っ掛けた語呂合わせから生まれた言葉だそうでして―――」ベラベラ


儚げな少女「しつこく、徹底的に、葉っぱの1枚1枚まで掘り返すかの如く、その詳細を細心に聞き回るという意味合いが―――」ベラベラ


陽気な妹ちゃん「う"るせぇ〜〜〜!!」ズビシィッ


儚げな少女「はうぁっ!?」


ちゃちゃのん「ふぇぇっ!?」ビクゥッ


快活な長女さん「ちょっ!? おまっ!!」エエッ!!


しっかりものの妹ちゃん「アホッ!! ゆーちゃん、虚弱なんじゃぞ!!」ベシッ


儚げな少女「あ… どうか、お気になさらず♪ それにしても、今のはなかなかに お見事なツッコミでしたわね―――」ゲッフ ゲッフッ


陽気な妹ちゃん「ゆーちゃん、さっきから説明 長いけぇ!!」ブーー


快活な長女さん「じゃかぁしゃッ!!」ゴンッ


陽気な妹ちゃん「ギャンッ!?」




陽気な妹ちゃん「う〜〜 ゆーちゃん、ゴメンの〜〜〜」イテテ…


儚げな少女「いえいえ、私 本当に全然平気ですから♪ ていうか、むしろご褒美ありがとうでございますわ―――///」


しっかりものの妹ちゃん「今、何かゆーたかの……?」


儚げな少女「いいえ、何も―――」ウフフッ




753 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/03/27(月) 02:01:30.93 ID:W0dcYc7F0



儚げな少女「ともかく氷壁のペンギンたちは、ツイてない最初の誰かが海へ落ちるのを待ち続ける―――確か、そんなお話でしたわね」


快活な長女さん「そうじゃ、そうじゃ。 確か そんな感じの話じゃったわ」


しっかりものの妹ちゃん「南極の皇帝ペンギン、なかなかに鬼畜じゃ。 伊達にエンペラー 名乗っちょらんのぅ…」


ちゃちゃのん「あぅあ〜〜 ペンギンさん、酷いんじゃ……」ウルウル


快活な長女さん「さっきの勇気ある一頭のヌーとは、エラい違いじゃの…」


陽気な妹ちゃん「じゃけぇ、それってまさに命懸けの おしくらまんじゅうじゃのぅ」


儚げな少女「ふふ、確かにその通りですわね」




快活な長女さん「おしくらまんじゅう、押されて泣くな〜〜♪」


陽気な妹ちゃん「あんまり押すとあんこが出るぞ〜〜♪」


しっかりものの妹ちゃん「あんこが出たら、つまんでなめろ〜〜♪」


ちゃちゃのん「あ… あんこ……?」




快活な長女さん「おしくらまんじゅうの歌じゃよ、ちゃちゃのん知らん―――?」


ちゃちゃのん「う、うん……」コクリッ


しっかりものの妹ちゃん「鹿老渡の方じゃ、友達としたりせ〜〜へんかった…?」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、友達おらんけぇ……」グスン


快活な長女さん(あ… これ地雷じゃ……)


陽気な妹ちゃん「あはは♪ ちゃちゃのん、どんま〜〜い!!」バシバシ


ちゃちゃのん「いたっ… よーちゃん、それ痛ぃけぇ……」




儚げな少女「いちごさん♪ のちほど私と二人で、親愛のおしくらまんじゅうしましょうね♪」ウフフッ


ちゃちゃのん「えぇ!? ホンにええんかぁ〜♪」ウレシーー


儚げな少女「ももも… モチのロンですわ〜〜!!」ジュルリ


快活な長女さん「モチロン、そん時ゃ アタシらも一緒にのぅ!!」ズイッ


儚げな少女「ちぃっ… ですわ―――」ガッデム!!




754 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/04/26(水) 14:11:58.86 ID:x4p08dHv0



ザザザザーーン ミャー ミャー ミャーー


ちゃちゃのん「それんしても、さっきのペンギンさんの話―――」トコトコ


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、なんか地味にショックじゃったわ…」ムーー


快活な長女さん「何じゃ… それ、まだ気にしとったん―――?」スタスタ


陽気な妹ちゃん「あはは♪ ちゃちゃのん、ドンマイ!!」バンバン


ちゃちゃのん「あたた… じゃけぇ、よーちゃん それ痛ぃよぉ……」


陽気な妹ちゃん「ごめ〜〜〜ん!!」




儚げな少女「ま〜〜 確かに夢のないお話だったかもしれませんね…」


儚げな少女「ただ、それが本当にペンギンたちの習性として正しいものなのかどうか、本当のトコロは分かりませんし―――」


儚げな少女「私はこのお話自体がペンギンを比喩とした、人間社会の風刺の一つなのかなって―――」


ちゃちゃのん「人間社会の風刺―――?」




儚げな少女「誰だって酷い目には、あいたくありませんもの―――」


儚げな少女「自分が助かるなら、誰か他人を犠牲にしても構わない。 そう考えるのが人というものなのかもしれませんでしょう?」


ちゃちゃのん「そ、そんなもんじゃろか―――?」



755 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/04/26(水) 14:26:22.50 ID:x4p08dHv0



儚げな少女「はてさて… それではいちごさんの本質は―――」


儚げな少女「勇敢なヌーと、他者の犠牲を待つペンギン、どちらなのでしょうね―――?」ウフフッ


ちゃちゃのん「ほぇぇ… ちゃちゃのんけ……?」


ちゃちゃのん「えと、その… ちゃちゃのんは、どうなんじゃろ……」


ちゃちゃのん「さっきの勇気あるヌーさんみたく… ちゃちゃのん、先頭に立って飛び込めるじゃろか……」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん… は……」


快活な長女さん「…………?」




グゥゥ〜〜〜


陽気な妹ちゃん「おろろっ… ボクのお腹センサーが、けたたましく鳴り出したんじゃ…」グゴゴゴゴ…


陽気な妹ちゃん「それ―――ボクじゃったら、真っ先に飛び込みたいかのぅ!!」


陽気な妹ちゃん「じゃって、早く飛び込みゃ ほんだけお魚 食べ放題、踊り食いパラダイスゆーことじゃろぉ〜〜♪」ニシシッ


しっかりものの妹ちゃん「ホンに、食い意地の張ったやっちゃのぅ〜〜」


儚げな少女「うふふ… それはとてもよーさんらしい、素敵な答えですわね♪」



快活な長女さん「カカッ!! 誰も空腹にゃぁ勝てんゆーこっちゃな。 のぅ、ちゃちゃのん―――」


ちゃちゃのん「ほぇ…? そ、そうじゃね、えへへ……」



756 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/05/25(木) 22:56:42.20 ID:Dnu15fzo0



陽気な妹ちゃん「あぁ〜〜 橋じゃ!! あっちに橋が見えるんじゃ!!」


しっかりものの妹ちゃん「おぉっ、ホンマじゃ!!」


快活な長女さん「そら、あるじゃろ。 今日はそれを見に来たんじゃけぇ」


儚げな少女「あれが倉橋と鹿老渡を繋ぐ、鹿老渡 最北端の堀切橋ですわね…」




陽気な妹ちゃん「いよっしゃ!! あそこまで駆けっこじゃ〜〜!!」ダッシュ!!


しっかりものの妹ちゃん「ちょっ… 今のは、フライングじゃろ〜〜!!」ビー ダッシュ!!


儚げな少女「あらあら… お二人は、今日もお元気ですわね」フフッ


快活な長女さん「こりゃ、自分らちぃーと待ち―――」


ちゃちゃのん「あわわっ… ちょっ、待っ―――て…」ガッ コケッ

ズベチャッ


快活な長女さん「ちゃちゃのん!?」


儚げな少女「あらら…」




ちゃちゃのん「…………」


快活な長女さん「ちゃちゃのん… 今、モロに顔面からイカんかった…?」ダイジョブ?


ちゃちゃのん「ふぇぇ… こんなん、ぜんぜん考慮のうちじゃもん……」ウルウル…


快活な長女さん「そか… 考慮しとったら、次からはもちぃーと気ぃつけよか……」ポフポフ


ちゃちゃのん「あぅ… 頑張る……///」ツーー


儚げな少女「あら、いちごさん… 鼻血が出てますわよ。 はい、ティッシュ♪」ズムッ


ちゃちゃのん「ふぎゅぅ… うぅ…… ゆ〜ちゃん、ど〜もありがとなんじゃ……///」ハズカシ…




快活な長女さん「ほんなら… アイツらんトコにゃぁ、アタシが先に行っとくけぇ―――」


快活な長女さん「ちゃちゃのんとゆーは、後からゆっくり来るとええじゃろ―――」


儚げな少女「ええ、分かりましたわ。 はい、いちごさん♪」ズムッ


ちゃちゃのん「ふきゅっ……///」



757 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/05/25(木) 23:08:05.10 ID:Dnu15fzo0



【堀切橋】


ダカダカ ダカダカッ

陽気な妹ちゃん「いよっしゃ、到着ぅ!! ボクが一等賞じゃ〜〜!!」ピョンコ ピョンコ


しっかりものの妹ちゃん「くぅっ、結局 追いつけんかったんじゃ…」ゼハー ゼハーー


快活な長女さん「くぉらぁ〜〜!! 自分ら急にかけ出すな、ゆーちょろうが!!」ハッ ハッ


陽気な妹ちゃん「へへ〜〜ん… そりゃぁ目的ん場所 見えたら、一番乗りしたくなるじゃろ〜〜♪」


しっかりものの妹ちゃん「こんアホは、体力だけは人一倍じゃけぇの…」


陽気な妹ちゃん「およ…? ちゃちゃのんとゆーねぇは…?」


快活な長女さん「ゆーは身体弱いけぇ、走れんじゃろ。 ちゃちゃのんは、後からゆーと一緒に来るはずじゃ…」


しっかりものの妹ちゃん「あ〜〜 そりゃ悪いことしたかのぅ…」


快活な長女さん「ん、ま〜〜 二人もすぐに追いついて来るじゃろ」



758 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/05/26(金) 00:35:57.23 ID:XAfJE0zQ0



ザザザザーーーン


陽気な妹ちゃん「ん〜〜〜 それんしてもこの橋、島と島を結んどるゆーわりにゃぁ あんま大っきくないんじゃな」


しっかりものの妹ちゃん「この堀切橋が北の倉橋と、鹿老渡を結んどるんじゃろ?」


しっかりものの妹ちゃん「橋の長さは… 30メートル、書かれとるの…」


快活な長女さん「確かに南にある鹿島ん方の大橋と比べっと、ちぃーとばかし地味かもしれんのぅ」


快活な長女さん「あっちはこっちの10倍以上の、340メートルゆーちょったし―――」




プオォーーーーン ボッ ボボボボッ ウォーーーイ!!


陽気な妹ちゃん「あっ、ジッチャンじゃ!!」ウォーーイ!!


しっかりものの妹ちゃん「ホンマじゃ!! 漁船から手ぇ振っとるんじゃ!!」オォーーイ!!


快活な長女さん「今から、ちょうど帰港するトコじゃろか―――?」



儚げな少女「この堀切橋は船舶を通すため、人工的に開かれた海峡なのかもしれませんわね…」


ちゃちゃのん「ようやっと追いついたんじゃ♪」


快活な長女さん「おっ、二人とも来たみたいじゃな」


儚げな少女「お待たせしてしまって申し訳ありません」


陽気な妹ちゃん「ちゃちゃのん、その鼻栓なんじゃ?」


ちゃちゃのん「あ〜〜 うん… ちょっとの……///」ヘヘッ


759 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/05/26(金) 00:46:50.94 ID:XAfJE0zQ0



【堀切橋 近くのお好み焼き屋】


ジュー ジューー

陽気な妹ちゃん「お好み焼き、うっま〜〜!!」


陽気な妹ちゃん「は〜〜 生き返るんじゃ〜〜〜!!」フハーー


しっかりものの妹ちゃん「ホンに、いちいち大げさなヤツじゃの〜〜」


陽気な妹ちゃん「ソウルスティーール!!」シュバッ


しっかりものの妹ちゃん「ちょっ、それアタシが育てとったヤツ―――」


快活な長女さん「それんしても、ホンにここのお好み焼きは美味いのぅ…」ハフハフ


儚げな少女「鹿老渡の綺麗な海を眺めながら食べるお好み焼き、最高ですわ〜〜」ホクホク


ちゃちゃのん「よーちゃんもお腹すいとったみたいじゃし、丁度良かったのぅ♪」




陽気な妹ちゃん「オバちゃ〜〜ん!! このロシアンルーレットたこ焼きゆーの、5人分ええじゃろか!!」


ちゃちゃのん「ちょっ… そんなん、ヤメた方がええよ〜〜」アワワッ


陽気な妹ちゃん「ちょっとした運試しじゃ。 アタリは一つじゃけぇ、全然 平気じゃよ〜〜」


しっかりものの妹ちゃん「平気て、誰かが確実にアタリ引くんじゃぞ…」


陽気な妹ちゃん「当たらなければ、どうという事はないんじゃよぉ!!」フフン


しっかりものの妹ちゃん「殴りてぇ…」


760 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/05/26(金) 00:54:32.06 ID:XAfJE0zQ0



オバちゃん「あいよ〜〜 ロシアンルーレットたこ焼き お待ち〜〜♪」ゴトッ


陽気な妹ちゃん「キタキタキタ〜〜 テンションアゲアゲじゃ〜〜〜!!」


儚げな少女「これはDOKI DOKIですわね…」


ちゃちゃのん「うぅ… イヤじゃな〜〜〜」オソル オソル



陽気な妹ちゃん「いっただっきま〜〜〜す!!」ヒョイ パクッ


陽気な妹ちゃん「――――!?」ブッホーーーーッ


陽気な妹ちゃん「○×△□〜〜〜////」ゴッホ ゴッホ…


儚げな少女「あらあら… 言いだしっぺが真っ先にアタリを引いてしまいましたわね」ウフフッ


快活な長女さん「いよっしゃ!!」グッ


しっかりものの妹ちゃん「へっへ〜〜ん、ざまをみろじゃ!!」ガッツポッ


陽気な妹ちゃん「み、水ぅ〜〜〜〜」プルプル…


ちゃちゃのん「酷い……」





ちゃちゃのん「じゃけぇ、これでもう安心じゃ―――」パクッ


ちゃちゃのん「――――!?」ブーーーーッ


ちゃちゃのん「○×△□〜〜〜////」ゴッホ ゴッホ…


快活な長女さん「うぇっ!! ちゃちゃのん!?」ナンジャ!?


しっかりものの妹ちゃん「これはまさか、見えざる第2の弾丸―――!?」


儚げな少女「いえ、もしかすると… 先ほどのよーさんの奇行自体が、私たちの油断を誘うための巧妙なお芝居だったのでは…?」


陽気な妹ちゃん「〜〜〜じ、実は… そうだったん… じゃ……」ウェッホ… ウェッホ… ミ、ミズ…


しっかりものの妹ちゃん「イヤイヤイヤイヤ!! 自分 メッチャボロ泣きやないかぁ!!」


オバちゃん「お嬢ちゃんたち可愛ええけぇ、オバちゃんからのアタリのサービスじゃ―――♪」カッカッカ


快活な長女さん「ちょっ… 何をシレっとゆーとんじゃ―――」




761 :ケイ@雑談 [sage]:2017/05/26(金) 01:08:22.26 ID:XAfJE0zQ0


第174局 『好敵』にて、カラーページでちゃちゃのん再登場しましたね。

おまけに名前のない怪物扱いだった、鹿老渡高校 先鋒の津秋優奈さんも初登場。

クールな話しぶりからして、ちゃちゃのんよりしっかりしてそうな子でしたね。

でもって二人とも個人戦には出られるっぽいですし、個人戦が今からとても楽しみです。


ただ、ま〜 やっぱりちゃちゃのんの声は松来未祐さんで再生されてしまうんで、

どうしても、嬉しいと同時にちょっぴり切ない気持ちにもなってしまいますね。



そんなわけで、新キャラの津秋優奈さんが登場しましたけど、

とりあえずこの話はこれまで通り、オリジナルの鹿老渡メンバーで続けていきたいと思ってます。


762 :ケイ@雑談 [sage saga]:2017/06/25(日) 23:55:54.01 ID:SYaVs9Ld0

再びの余談ですが、第174局 『好敵』の回でちゃちゃのんと津秋さんが歩いていた場所。

とても綺麗で印象的な赤いアーチに大規模ループ構造の大橋。 前方に音戸大橋、扉絵 後方に第二音戸大橋が見えることからも、

広島県呉市の本土と瀬戸内海の倉橋島を結ぶ、山肌のツツジでも有名な『音戸の瀬戸』と呼ばれる海峡のあたりみたいですね。

因みに「第二音戸大橋」は 2013年3月開通ということで、かなり最近出来たばかりの新しい橋になります。


「音戸の瀬戸」は幅の狭い海峡ですけど全国的に見ても潮流が早く、潮の干満で周期的に潮の方向が変わる海の難所として知られる一方、

かつては干潮時に歩いて渡ることが出来たとも言われていて、清盛のにらみ潮伝説、平家の落人がここを渡った伝説なんかもあるそうです。

そんなこんなで、隠れて渡るということから『隠渡』という地名が付けられ、それが今の音戸という地名の由来になったという説もあるようですね。

この手の特殊潮流と神話や英雄譚、伝承なんかを組み合わせた伝説とか物語が自分は昔から大好物みたいで、

松来さんが主人公である桂ちゃんを演じられたアカイイトの続編、アオイシロにもそんな話があったな〜と…ふと、思い出しました。



何が言いたかったのかというと、第174局で「音戸の瀬戸」にいたちゃちゃのんたちは何をしていたのかな〜と…

そもそも咲世界における鹿老渡高校って、いったい何処にあるんでしょうね…?

自分は勝手に倉橋島の南に位置する鹿老渡にあるものと思ってましたけど、よく言われるように小学校もない鹿老渡に高校があるのかなって問題。

今回ちゃちゃのんたちがいた「音戸の瀬戸」は呉市とも遠くない場所ですし、もしかしたらあの辺に鹿老渡高校があるって可能性も無きにしも非ず…?

ま〜 インハイ帰りに寄り道したとか、近くに用事があったとか、実は鹿老渡へは通いで自宅があの辺りにあるとかかもしれませんが…

いつかスピンオフや番外編、立先生のブログなんかでそのへんの事情が分かる日が来るんでしょうか?

あまり期待せずに、気長に待つことにしましょう。


それにしても、たまゆらなんかでも感じたことですが、やっぱり瀬戸内海の景色はとても素晴らしいものですね♪








763 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/07/24(月) 23:52:25.08 ID:P6RtQRGV0



ちゃちゃのん「うぅ… まだ喉ん奥からカッカしとるんじゃ…」ケホ ケホッ


儚げな少女「いちごさん。 私のお水、もう一杯 如何ですか?」


ちゃちゃのん「ううん、もぅ平気じゃけぇ。 ゆーちゃん、どうもありがとの…」


儚げな少女「どういたしまして、ですわ♪」


ちゃちゃのん「―――えと、お好み焼きのお金なんじゃが… 後で、ちゃんと返すけぇ……///」モジモジ


儚げな少女「あら… あれは私のおごりですから、どうかお気になさらずに―――」


ちゃちゃのん「ふぇ… そ、そ〜ゆ〜わけにゃぁ、いかんよぉ。 ちゃちゃのん、ちゃんと返すけぇ!!」


儚げな少女「ふふっ、そうですわね。 いちごさんがそう仰られるのでしたら、お待ちしておりますわ」


快活な長女さん「そういや、あのオバちゃん。 ツケでもええゆーてくれとったのぅ」


ちゃちゃのん「こんな小っさな島じゃけぇ、顔見知りしかおらんし…」



陽気な妹ちゃん「にしても財布忘れるなんて、ちゃちゃのんはうっかりモンじゃの〜〜♪」シシシッ


ちゃちゃのん「むぅ… ちゃちゃのん、用意周到じゃもん……」


快活な長女さん「ちゃちゃのん、それよぅゆーけぇ イマイチ説得力ないの〜」カッカッカ


しっかりものの妹ちゃん「残念ながら、ないの〜〜」ヘヘッ


ちゃちゃのん「じゃって… その……」ゴニョゴニョ…


快活な長女さん「ん……?」


ちゃちゃのん「う、ううん… 何でもないんじゃ!!」


快活な長女さん「あ、何じゃ……?」



ちゃちゃのん(と、友達と買い食いなんて… ちゃちゃのん、これまでなかったけぇ……)


ちゃちゃのん(そんなん、考慮出来んじゃろ……///)



764 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/08/23(水) 18:21:42.46 ID:gT9XzZQW0



快活な長女さん「ほんで、こっからどうするんじゃ――?」


しっかりものの妹ちゃん「ほうじゃの。 せっかく近くまで来たんじゃけ、こんまま倉橋にでも行って―――」


陽気な妹ちゃん「ほいほいほ〜〜〜い!! 虫取りがええ思うんじゃ!!」シュバッ


快活な長女さん「確かに倉橋じゃったら、色々と遊ぶとこありそうじゃな―――」


儚げな少女「バスを使われるのでしたら万葉集で有名な桂が浜のビーチや温泉、長門の造船歴史館―――」


儚げな少女「島の反対になってしまいますけど、音戸の瀬戸にかかる音戸大橋なども興味ありますわね」


しっかりものの妹ちゃん「長門の造船歴史館ゆーと… もしかして、長門ゆかりの聖地なん?」


快活な長女さん「長門って、あの戦艦 長門!?」マジッ!?


ちゃちゃのん「おぉっ… 二人とも、凄い食いつきじゃ…」


儚げな少女「あらあら…」ウフフ


陽気な妹ちゃん「虫取り〜〜!!」






快活な長女さん「長門と陸奥は、日本の誇り〜〜♪」


しっかりものの妹ちゃん「栄光の40cm砲搭載・大艦巨砲主義ばんばんざいじゃ!!」フォーーッ


陽気な妹ちゃん「こげんちんちくりんなくせして、何が大艦巨砲主義じゃ―――」ツンツン グリグリ


しっかりものの妹ちゃん「てぇ〜〜〜ッ!!」ドスゥッ


ちゃちゃのん「うひゃっ!?」


陽気な妹ちゃん「ふぐぅっ… い、今のは、なかなか効いたんじゃ…」ヨロッ


しっかりものの妹ちゃん「世界のビッグセブンは、伊達じゃないんじゃ!!」




儚げな少女「たいへん盛り上がっているところ、申し訳ないのですが… 昔は倉橋のことを、長門島と呼んだそうでして―――」


儚げな少女「長門の造船歴史館もおそらくそこから付けられたもので、お二人の思う戦艦 長門とはまた別かと…」


しっかりものの妹ちゃん「ありゃ… そいつはちと残念じゃの……」


儚げな少女「長門型戦艦・1番艦は山口県の西側、旧長門国が由来と聞いたことがありますし…」


儚げな少女「とは言っても、倉橋は昔から造船で有名な島でしたから」


儚げな少女「実物大の遣唐使船の模型とか、とても見ごたえあるそうですよ」



765 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 ひとまず広島2連覇おめでとう!! [saga]:2017/09/22(金) 18:46:16.33 ID:HfTbf0/H0


陽気な妹ちゃん「絶対、虫取りのが ええんじゃよ〜〜」ブーブー


しっかりものの妹ちゃん「そない虫取り推して、自分は子どもか!!」


陽気な妹ちゃん「しーじゃって、まだまだ子どもじゃろぉ!! てか、むしろ赤さんの域じゃ!!」


しっかりものの妹ちゃん「誰が赤さんじゃ!!」ガルル


快活な長女さん「ちゅーか、まんま子どもの喧嘩じゃの」カッカッカ


儚げな少女「とても微笑ましいですわ…」ウフフ



ちゃちゃのん「…………」モジモジ


快活な長女さん「――――ちゃちゃのんは、どうしたいんじゃ?」


ちゃちゃのん「えと、その… ちゃちゃのん、バスに乗るお金 持っちょらんけぇ…」


ちゃちゃのん「どちらかと言えば、虫取りがええかのぅ…」ヘヘヘッ


陽気な妹ちゃん「へへ〜〜ん♪ ちゃちゃのんも虫取り派じゃ〜〜!!」


しっかりものの妹ちゃん「ちゃちゃのんは、バス代 気にしとるだけじゃろ…」


しっかりものの妹ちゃん「ちゃちゃのん。 バス代くらいアタシらで払うけぇ、気にせんでええんじゃよ―――」


ちゃちゃのん「あ… ちゃちゃのん、虫さん好きじゃけぇ―――」パタパタ


しっかりものの妹ちゃん「へ〜〜 何か ちと意外じゃの〜〜」


ちゃちゃのん「そ、そうじゃろか……」ヘヘッ


儚げな少女「そういえば、いちごさんは倉橋の学校に通ってらっしゃるんですよね?」


ちゃちゃのん「う、うん…」ドキッ


しっかりものの妹ちゃん「ん? 何じゃ、急に…?」


儚げな少女「あ、いえ… ただ急に思い出しまして…」



快活な長女さん「ん… そうじゃの……」


快活な長女さん「今から倉橋じゃと帰り遅ぅなりそうじゃし、とりあえず虫取りでええ思うんじゃが どうじゃろ?」


儚げな少女「そうですわね、私もそれで構いませんわ♪」ニコリ


陽気な妹ちゃん「おっしゃ〜〜!!」


しっかりものの妹ちゃん「ちぇ〜〜」ブスゥ


ちゃちゃのん「しーちゃん、ごめんのぅ…」


しっかりものの妹ちゃん「あ〜〜 ええよ、ええよ。 よーの案に乗っかるんが、気に食わんかっただけじゃし…」ポリポリ

766 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/10/21(土) 00:59:47.77 ID:u0WVMfAy0


ミーーン ミーーーン ジーーワ ジーーーワ…


快活な長女さん「―――ほんで、虫取りゆーても いったい何を捕まえるんじゃ? あのせせろーしぃセミでも採るんか?」


しっかりものの妹ちゃん「夏休みの虫取りゆーたら、当然 カブトやクワじゃろ!!」


快活な長女さん「それじゃったら、今からバナナトラップでも仕掛けて夜にでも採った方がええかもしれんのぉ」


ちゃちゃのん「バナナトラップ…?」


ちゃちゃのん「カブトムシがバナナの皮で滑って転ぶかのぅ…?」


陽気な妹ちゃん「なんでじゃぁ!!」スパーーン!!


ちゃちゃのん「あいた〜〜!!」



快活な長女さん「カブトやクワは、甘い樹液なんかによぅ集まるじゃろ…」


ちゃちゃのん「う、うん…」イタタ…


快活な長女さん「その習性を利用して、カブトやクワが集まるようなバナナを使った簡単なトラップを仕掛けるんじゃよ」


ちゃちゃのん「バナナを使ったトラップ…?」


快活な長女さん「ぶつ切りにしたバナナに砂糖や焼酎を混ぜて、それをカブトやクワが居そうな場所に吊るしておくんじゃ」


快活な長女さん「したら後はその日の夜か、次の日の朝にでも見に行けばオッケー。 簡単じゃろ…」


ちゃちゃのん「ほぇ〜〜 そうなんじゃ…」


陽気な妹ちゃん「大漁の時なんかじゃとカブトやクワが、うじゃ〜〜とクヌギの木なんかにひっついとるんじゃよ!!」


ちゃちゃのん「ひぇぇっ… それは、ちと怖いかもしれんのぅ……」



767 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/10/21(土) 01:11:23.57 ID:u0WVMfAy0


快活な長女さん「ちゃちゃのんは、どんな虫が好きなんじゃ?」


ちゃちゃのん「えっと… ちょうちょさんとか、綺麗で可愛ええ思うんじゃ…♪」


しっかりものの妹ちゃん「チョウチョゆーたら春頃じゃろ?」


ちゃちゃのん「ほぇ… そういえばそうじゃのぅ。 こん季節でも、時々 見かける思ったんじゃが…?」


陽気な妹ちゃん「チョウチョって、完全変態なんじゃろ!!」


快活な長女さん「ほうじゃが、その言い方はパピヨンっぽいからヤメ〜〜や…」


ちゃちゃのん「パピヨンゆーたら、ちょうちょさんのことじゃろ――?」


しっかりものの妹ちゃん「いや、ま〜〜 想像するイメージゆーか、ニュアンスの問題じゃ…」


陽気な妹ちゃん「蝶、サイコーー!!」


快活な長女さん「……………」




儚げな少女「種類にもよりますけど、多化性のチョウチョは一年の間に数回の世代交代を繰り返しますから―――」


儚げな少女「春、夏、秋、冬と一年の間に何度も羽化する発生時期というものがあるそうですわ」


ちゃちゃのん「じゃけぇ、ちょうちょさんは 色んな季節におるんじゃのぅ」フンフム


儚げな少女「花札の『牡丹に蝶』。 あれは旧暦の6月の札ですから、今で言えば8月のチョウチョということになりますわね」


快活な長女さん「お〜〜 そういや、そうじゃの!!」


しっかりものの妹ちゃん「確かに牡丹に蝶は旧暦の6月じゃ…」


ちゃちゃのん「牡丹に蝶―――?」


陽気な妹ちゃん「ちゃちゃのん、かぶしたことないん?」


ちゃちゃのん「かぶって―――?」


快活な長女さん「かぶゆーたら、おいちょかぶじゃろ…」


快活な長女さん「こいこいなんかのめくり系なら植物や月の知識はいらんが、かぶにゃぁ必要になってくるんじゃよ」


ちゃちゃのん「ちーちゃんたち、随分と詳しいんじゃのぅ?」


しっかりものの妹ちゃん「ん〜〜 まぁ…」


陽気な妹ちゃん「とーちゃ達のシノギ見とったら、自然とのぅ!!」ヘヘッ


ちゃちゃのん「シノギ―――?」


ちゃちゃのん(ちーちゃん達のお父さん、任○堂の社員さんか何かなんじゃろか―――?)



768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/21(土) 12:35:36.83 ID:rLOHaTsq0
実写版京太郎……だと………!?
769 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/11/20(月) 13:32:54.55 ID:msik71si0



【ミッション―――開始!!】


陽気な妹ちゃん「カミキリムシを捕まえるんじゃ!!」デデーーン!!


ちゃちゃのん「カミキリムシ………?」


しっかりものの妹ちゃん「はぁ……?」


快活な長女さん「何で、カミキリムシなんじゃ?」


陽気な妹ちゃん「カミキリムシを捕まえると、お金が貰えるんじゃよ♪」フッフーーン


しっかりものの妹ちゃん「本気(マジ)で…?」


儚げな少女「そういえば、以前 そのような話をどこかで聞いたことがあるような…」


しっかりものの妹ちゃん「ふぁ!? いつもん、よーのデマやないじゃと……」


儚げな少女「カミキリムシはミカンを始め、草花や樹木などほぼ全ての植物を駄目にしてしまいますから―――」


儚げな少女「四国や和歌山などの地域によっては指定害虫として、農協の方で買い取ってくれるとかなんとか―――」


しっかりものの妹ちゃん「それって、一匹いくら位になるんじゃ?」


儚げな少女「さぁ、そこまでは… 一匹、5円―――くらいでしょうか?」


快活な長女さん「うはぁ〜〜 メッチャ塵も積もればじゃなぁ…」




陽気な妹ちゃん「これぞ『カミキリムシを捕まえて、楽して億万長者』大作戦じゃ!!」ヒャッハーー


快活な長女さん「億万長者て、自分は一帯のカミキリムシを根切りんすっつもりか…」


快活な長女さん「あと、ちっともラクじゃね〜〜し!!」


しっかりものの妹ちゃん「一人でやっちょれや、ボゲッ!!」ケッ


陽気な妹ちゃん「何でじゃ〜〜〜!!」カッハーー


ちゃちゃのん「あはは……」ホッ…



【ミッション―――失敗、残念!!】



770 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2017/11/20(月) 13:44:58.22 ID:msik71si0



陽気な妹ちゃん「おっ… でっかいクモじゃ―――」


ちゃちゃのん「ひぇっ!?」ズザ゙ッ


陽気な妹ちゃん「綿菓子みたいで、ぶち美味しそうじゃ〜〜」ジュルリ…


ちゃちゃのん「そ、そっちの雲じゃったんか……」ホッ





陽気な妹ちゃん「ありゃぁ!? 青き伝説甲虫・ヘラクレスリッキーブルー!!(つよさ200)」ビシィッ


ちゃちゃのん「ふぇぇっ!?」


しっかりものの妹ちゃん「ムシキングか!! ちゅーか、そんなん日本におるわけないじゃろ!!」


ヘラクレスオオカブト「……………」


しっかりものの妹ちゃん「―――て、ホントにいた〜〜〜!?」ギャァァァッ!!


快活な長女さん「コイツは… ヘラクレスん中でも、超激レア級のブルーヘラクレス―――」ゴクリッ


儚げな少女「しかも、滋賀県 高島市の男性が作り出したという伝説のギネス個体―――181mm級の超大物ですわ…」


しっかりものの妹ちゃん「これ… 捕まえたらいくらで売れるんじゃろ?」ジリジリ


快活な長女さん「そりゃぁ もぅ、凄んごいじゃろ……」ジリジリ


陽気な妹ちゃん「ぶえっくしゅ!!」ブフォッ


ヘラクレスオオカブト「!?」ブーーーン


ちゃちゃのん「うひゃっ!!」シャガミコミッ


しっかりものの妹ちゃん「うぎゃ〜〜 逃げたァァッ!!」ダダッ


快活な長女さん「逃がすなァ!! 絶対、生け捕りじゃぁ〜〜〜!!」ダカダカダカッ


ちゃちゃのん「ほぇ〜〜 凄い迫力じゃ…」


儚げな少女「皆さんから、野生の目覚めを感じますわね……」



771 :ケイ@ちゃちゃのん誕生日おめでとうSS ◆qTV7IvBey2 [sage saga]:2017/12/14(木) 22:58:09.04 ID:MqHIbXSd0


ちゃちゃのん、誕生日おめでと〜〜♪

ということで、去年は咲 実写化の余波で京太郎(実写)な、おバカSS 書きましたけど

今年も懲りずに鹿老渡編とは別な、ちゃちゃのんの誕生日SS 書いてみようと思います。



今年はちゃちゃのんと津秋 優奈さんが、咲 本編にてカラーで登場しましたし

ちゃちゃのんと優奈さんを主人公にして、去年よりは少し真面目な感じで書いていくつもりです。

ただ、こちらの大学編と完全に別時空な内容になっちゃってますので、スレ分けました(こっちは優奈さんいませんし)

長さ的にはこちらの大学編の1章分くらいの分量でまとまればと思ってますけど、まだ未定です。

こちらのスレと違って出来るだけ早めに完結させて、それからこちらの鹿老渡編をまたゆっくり再会していけたらな〜と考えてます。

ホント、ドン亀進行でスミマセン。


↓コチラです
【咲】優奈「佐々野先輩、お誕生日おめでとうございます!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1513247658/

772 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2018/01/13(土) 23:57:37.95 ID:/VzPdgCQ0



快活な長女さん「畜生!! 見失ったんじゃ!!」


しっかりものの妹ちゃん「くぅぅ… 何たる無念……」


陽気な妹ちゃん「残念じゃったのぅ〜〜」


しっかりものの妹ちゃん「てぇ〜〜 自分がみょうちくりんなタイミングで、クシャミとかすっからじゃろ!!」


陽気な妹ちゃん「そんなんゆーて、クシャミと腹の虫は急にゃぁ止まれんモンじゃけぇの〜〜!!」ゲラゲラ


しっかりものの妹ちゃん「こんガキァ、ホンマ腹立つわ〜〜」グヌヌ…


ちゃちゃのん「残念じゃったの〜〜」


儚げな少女「皆さん、お疲れ様でしたわ…」




陽気な妹ちゃん「トカゲとかカエルって、惚れ薬の材料として売れるんじゃろ?」


しっかりものの妹ちゃん「うぇ… そりゃぁ、どこ情報じゃよ…?」


陽気な妹ちゃん「う〜〜ん… どこじゃったかのぅ……」


陽気な妹ちゃん「エリマキトカゲを探すんじゃ!!」イエーーイ!!


しっかりものの妹ちゃん「絶対、おらんじゃろ!!」アホッ


儚げな少女「うふふ……」




快活な長女さん「ちゃちゃのん―――虫とか、ホンマはあんま得意でもないじゃろ…」ヒソヒソ


ちゃちゃのん「う、うん… 実は、ちょっぴり苦手じゃ……////」


773 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2018/02/12(月) 22:55:50.89 ID:fGiwYrsg0



ボォーーーーーーッ ポン ポン ポン ポン…


ちゃちゃのん「あぁ… もぅこんな時間なんじゃな…」


儚げな少女「いくつかの船が、港の方に向かわれてますわね」


陽気な妹ちゃん「そういえば、あたりから美味しそうな匂いがしてきたのぅ…」スンスン


しっかりものの妹ちゃん「もぅすぐ、ゆうげの時間じゃな…」


陽気な妹ちゃん「う〜〜 お腹すいてきたんじゃ…」グゥーー


しっかりものの妹ちゃん「よーはいついき、そればっかりじゃ…」


儚げな少女「今日はたくさん遊びましたもんね♪」クスクス




ちゃちゃのん「漁師のじっちゃたちがな、帰り始める この時間―――」


ちゃちゃのん「あたりの家に明かりが灯り始めて、夜ご飯の匂いが島いっぱいに広がる この時間―――」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんな、このあったかい時間がとっても大好きじゃ…」


快活な長女さん「ちゃちゃのん……」



日の出と、日の入りの時間―――


それがこの静かな港町である鹿老渡で、最も人の生活の匂いゆーもんを感じられる時間―――


年の近い遊び相手のおらんかった ちゃちゃのんは、ずっとこの景色を一人 眺めてきたんじゃろうか―――





快活な長女さん「夕日、綺麗じゃな…」


ちゃちゃのん「うん、そうじゃねぇ……」



地平の向こうへ沈んでゆくお日さんが、あんまりに赤く鮮やかじゃったけぇ


アタシたちは言葉を忘れ、しばらくの間 真っ赤に染まった西の海を眺めとった。



774 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2018/03/11(日) 17:53:45.30 ID:sanHyL1f0




「あなたは、だ〜〜れ?」



ちゃちゃのん「ほぇ―――?」


儚げな少女「誰そ彼。 誰ですか、あなたは―――?」


ちゃちゃのん「えと… ちゃちゃのんは、佐々野 いちごじゃよ…?」


儚げな少女「黄昏時(たそがれどき)とか、逢魔時(おうまがとき)って言葉がありますよね」


ちゃちゃのん「えと… なんか古い感じの言葉じゃったかのぅ…?」


儚げな少女「えぇ、古くは『暮れ六つ』や『酉の刻』とも言われていたそうですが…」


儚げな少女「今ぐらいの夕暮れ時、隣の人の顔の判別も付きづらくなる この時間―――」




儚げな少女「誰そ彼。 誰ですか、あなたは―――?」


儚げな少女「昔の人たちはこう言って、お互いの存在を確認し合ったそうですわ」フフッ


快活な長女さん「あぁ、そういえば… いつの間にか、随分と薄暗ぅなってきたのぅ…」


ちゃちゃのん「鹿老渡は明かりも少ないけぇ、お日さま沈みきらんうちに帰らんとね…」


しっかりものの妹ちゃん「おうまがときって、おっかない妖怪とか幽霊が出る時間なんじゃろ?」


陽気な妹ちゃん「うぇぇっ、マジっすかぁ!?」


775 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2018/03/11(日) 18:08:47.71 ID:sanHyL1f0



儚げな少女「逢魔時は大禍時(おおまがとき)とも言われ、昔から魔物や禍いと遭遇しやすい、とっても不吉な時間とされていますわ―――」


儚げな少女「いちごさんのような可憐な少女が一人歩きなどされていては、魑魅魍魎や悪鬼羅刹に攫われてしまうかも〜〜〜!!」グヘヘヘヘ


ちゃちゃのん「ひぇぇっ… ゆーちゃん、おっかないこと言わんでよ〜〜〜」ビクビク


快活な長女さん「うは〜〜〜 ちみもうりょうって、絶対漢字で書けんヤツじゃろ〜〜!!」


儚げな少女「一般的に魑魅(ちみ)は山や石などから生じる怪、魍魎(もうりょう)は河や海など水から生じる怪とされていますわね」


快活な長女さん「それらをひっくるめて、『ちみもうりょう』ゆーわけじゃな…」



しっかりものの妹ちゃん「そうはゆーても―――」


しっかりものの妹ちゃん「やっぱうちらにとっては、そないな妖怪変化よりも人攫いのオジさんの方がおっかないじゃろ〜〜」


儚げな少女「それは、確かにその通りですわね―――」


快活な長女さん「うん、ま〜〜 そうかもしれんの〜〜〜」クワバラ クワバラ


儚げな少女「いちごさん、お一人の時はくれぐれもお気をつけ下さいね―――」


ちゃちゃのん「ふぇぇ… じゃけぇ、どうしてちゃちゃのん……?」ビクビク


陽気な妹ちゃん「ちゃちゃのん、つっかまえたぁ〜〜〜っ!!」ガッシィッ!!


ちゃちゃのん「ぴっ、ぴゃ〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!」ビビクゥーーッ




陽気な妹ちゃん「なんつってぇ〜〜〜!!」ケラケラ


ちゃちゃのん「ぴゃ… ぴゃぴゃぴゃぴゃ…… ぴゃぴゃ………」カタカタカタカタ


しっかりものの妹ちゃん「ちゃちゃのん、壊れた……?」


陽気な妹ちゃん「ありゃりゃ……?」


快活な長女さん「自分、後でしっかり ちゃちゃのんに謝っとくんじゃぞ…」パカンッ


陽気な妹ちゃん「ちゃちゃのん、ごめ〜〜〜ん!!」



776 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ねこの島 [saga]:2018/04/10(火) 14:41:18.56 ID:eX90maVb0



陽気な妹ちゃん「ふは〜〜!! 今日は、ぶち楽しかったんじゃ♪」


しっかりものの妹ちゃん「うん、ホンマ楽しかったのぅ♪」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんも、今日はとっても楽しかったんじゃ♪」


儚げな少女「私も、大変楽しい時間を過ごさせて頂きましたわ…」


快活な長女さん「ちゃちゃのん、今度はアタシらにも麻雀教えてな〜〜!!」


ちゃちゃのん「うん♪ 約束じゃね!!」ニコッ



これは小学時代のある夏休み―――


小さな島で出会った、初恋のあの子と過ごした―――


特別なことなど何もない、アタシにとって特別な日々の物語―――





777 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2018/05/09(水) 21:12:04.78 ID:zs7n46Jh0




** ともだち **



快活な長女さん「いよっしゃ、こいつでリーチじゃな!!」ドッ


ちゃちゃのん「あっ、それロンじゃ♪」


快活な長女さん「だ〜〜 またやられたァ!?」


ちゃちゃのん「ちーちゃん、狙いが大っきいけぇ。 河が読みやすいんじゃよ」ヘヘッ


陽気な妹ちゃん「ちーねぇは平家の猪武者じゃけぇ!!」カカッ


儚げな少女「長門の壇ノ浦ですわね―――」フフッ


快活な長女さん「ぐっ…」




ちゃちゃのん「もぅちょい相手の河も見て、考慮してかんとのぅ」


快活な長女さん「むぅ… そんなん気にしとったら、おっきい役なんて狙えんじゃろ…」


ちゃちゃのん「そこはいっぱい経験積んで、ちょっとずつ慣れてくしかないかのぅ」


ちゃちゃのん「ちーちゃん覚えるん早いけぇ、麻雀は焦らずじっくり 楽しくじゃよぉ♪」ニコニコ


快活な長女さん「流石、センセイ。 ええことゆーのぅ♪」


ちゃちゃのん「―――セ、センセイ!?」



快活な長女さん「ちゃちゃのんはアタシらにとって、麻雀のセンセイじゃけぇ―――」


ちゃちゃのん「そ… そうなんじゃ…」


ちゃちゃのん「な、何じゃか… 照れくさいの〜〜」テレテレッ



778 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2018/06/08(金) 13:12:23.54 ID:TRdvKjow0



しっかりものの妹ちゃん「それんしても… よーのアホが、なかなか振り込まんの意外じゃったわ…」


儚げな少女「よーさんは奇襲メインでいて、退くべきトコロ しっかり退いている感じありますわね」


陽気な妹ちゃん「義経の八艘飛びじゃけぇ♪」イヨーーッ


快活な長女さん「ただのカンじゃろ…」


しっかりものの妹ちゃん「カンじゃな……」


陽気な妹ちゃん「カンとか、そんなん違うけぇ!!」


儚げな少女「―――というと?」


陽気な妹ちゃん「な、何となくイヤな感じする牌、手放さんようしとるんじゃ!!」


快活な長女さん「やっぱ、カンじゃったか―――」


しっかりものの妹ちゃん「カンじゃったな…」


陽気な妹ちゃん「何でじゃ!!」



ちゃちゃのん「カンの大半って、経験に基づくもんじゃけぇ―――」


ちゃちゃのん「経験浅いよーちゃんがそれを掴めとるんじゃとしたら、凄いことじゃって思うんじゃよ〜〜」




779 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2018/07/07(土) 18:20:37.58 ID:UYPasyye0




鹿老渡―――


この猫の多い小さな島で、ちゃちゃのんとゆーと知り合って数日―――


最近は5人で集まっては、麻雀ばかりしとった気がする―――





快活な長女さん「ふぁ〜〜 もぅこないな時間か……」トタトタ


夕べはちゃちゃのんに借りた麻雀の本 読んどって、すっかり寝るの遅ぅなったんじゃ。



快活な長女さん「しー おはよ。 よーは?」


しっかりものの妹ちゃん「ちー姉 おはよう。 よーじゃったら朝早ぅ起きて、お爺の船じゃよ」


快活な長女さん「そういや、夕べそんな話 しとったのぅ―――」


よーはうちら姉妹ん中でも一番の爺さんっ子で、よぅ爺さんの漁船に乗せてもらっとる。



快活な長女さん「しーは、今日 どうするん?」


しっかりものの妹ちゃん「特に予定もないんじゃが、ゆー姉に借りた本を読もぅ思っちょるよ」


快活な長女さん「そか、了解―――」



今日はちゃちゃのんも、用事あるゆー話じゃったし―――


アタシは、何して過ごすかのぅ―――



快活な長女さん「それんしても、今日も えぇ天気じゃ……」



780 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2018/08/06(月) 13:07:39.80 ID:Le/aojs30



ミーーン ミンミン…


快活な長女さん「最近はいつも皆と一緒じゃったけぇ、こうして一人で島の散策するんも少し新鮮じゃ…」


快活な長女さん「さ〜〜て… どっか、ええトコないかの……」


快活な長女さん「うぉっ、何じゃこりゃ!?」ギョッ




ようこそ かろうとへ―――


そう書かれた塀には、魚を釣り上げる 釣りキチ三平らしきパチモンの壁画。


快活な長女さん「これ、大丈夫なん…?」ナンカ イロイロト…


でもって三平のすぐ側面には、『またきてね!』という カープ坊やの謎壁画。


快活な長女さん「カープ坊や、標準語なんじゃな…」


快活な長女さん「――――でもって、コイツがまた ごっついのぅ……」


謎壁画のすぐ横に、異様な存在感をもって鎮座する―――


アンパンマンやバイキンマン、バカボンのパパ、ドラえもんら人気キャラクターたちの無数の晒し首。


ひな祭りのひな壇のように段差をつけて横に3列、更にその上空に紐でくくられ数珠つなぎになった首が2列。


その首実検の数、ゆうに50以上はありそうじゃ。



快活な長女さん「夏祭りの夜店とかで売られとる、キャラクターの顔が描かれたビーチボールか何かじゃろか…」


快活な長女さん「それが何でこんなトコに、大量に吊るされとるんじゃ……」


快活な長女さん「もしかすっと、新種の魔除けの類かもしれんの―――」ゴクリッ


快活な長女さん「おぉっ、怖っ……」



クーー クーー トテトテ…


快活な長女さん「ん… この子猫って―――」


快活な長女さん「確か ちゃちゃのんちによぅ入り浸っとる、セクハラねこ……」クーコ?


快活な長女さん「どっかに、向かっとる―――?」



781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/09(木) 10:51:04.59 ID:X1hqzSlho
782 :ケイ@サーバー復活、ありがたい!! [saga]:2018/10/18(木) 14:15:05.67 ID:ROwsURA60

SS速報VIPが鯖落ちして もう随分経つので、復帰も絶望的かなと思ってましたけど

dat落ちすることなく、こうして無事に続きを書き込めること とてもありがたいです♪


このまま復帰することなく、スレ落ちするようなら、少しずつ書き貯めして完結した頃にでも

ドコか他所のサイトで一気に書き直ししようかと思ってましたけど、とりあえずその必要はなさそうですね。

ちゃちゃのんが主人公なうえに、咲キャラほぼ出ない誰得でもない鹿老渡話ですけど、もう少しだらだら続けていけたらなと思ってます。



因みに今は姉妹作品になる、優奈ちゃん主人公の下の作品を先に完結させたいと思って、そっち優先で書いてます。


【咲 -Saki- 】優奈「佐々野先輩、お誕生日おめでとうございます!」

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1513247658/


こっちの話と直接的な繋がりはありませんけど、こっちもヨロシクお願いしますということで…

相変わらずの超スローペースになると思いますけど、気の長い方お付き合い頂ければ幸いです。



783 :ケイ@祝・5部アニメ化。 みんなキャラ立ってて好きだけど、やっぱりリゾットがとても好き [saga]:2018/11/17(土) 18:07:33.22 ID:IIIgnqzE0



【鹿老渡 どっかの広場――】


ミーーン ミンミン… ニャーー ニャーー


ちゃちゃのん「み、みんな〜〜 今日はちゃちゃのんのコンサートに集まってくれて―――」


ちゃちゃのん「ど、どうも… ありがとなんじゃ〜〜〜////」ペッコリン


しげにぃ「ぶししっ… い、いちごちゃん… とっても可愛いんだどぉ〜〜」シシッ


ちゃちゃのん「えへへ、そうかのぅ〜〜♪」テレテレッ


島にゃんこ「にゃ〜 にゃ〜〜」


ちゃちゃのん「えへへ、ありがと〜〜♪」ニャンコ ナデナデ



しげにぃ「お、おらのママも美人だども、いちごちゃんも… とっても可愛ええんだどぉ!!」


ちゃちゃのん「これもしげにぃちゃんがくれた、アイドルさん衣装のおかげかのぅ?」ヒラヒラッ


しげにぃ「ししっ… いちごちゃん、本物のアイドルみたいなんだど!!」ヒュッ ヒュー ヒューー(吹けない口笛)


しげにぃ「お、おらの秘蔵のアイドルこれくしょんを… い、いちごちゃんが……」フガガッ


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、いつかキラキラのアイドルさんになれるじゃろか…?」エヘヘーー


しげにぃ「い、いちごちゃんなら… ぜ、絶対、可愛い アイドル なれるんだどぉ〜〜!!」ウワーーイ


ちゃちゃのん「しげにぃちゃん……」ジーーン…


784 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2018/12/16(日) 16:52:06.66 ID:wAHgAyV+0



しげにぃ「あ… イチゴのアメちゃん、あげるんだど…」ゴソゴソ


ちゃちゃのん「わ〜〜い!! しげにぃちゃん、ありがと〜〜♪」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、イチゴのアメちゃん とっても大好きじゃ♪」コロコロ…


ちゃちゃのん「ホイッ!! にゃんちゃんたちにも、おすそ分けじゃ♪」


島にゃんこ「にゃにゃにゃ〜〜〜!!」ベロベロベロッ


ちゃちゃのん「うひゃっ!? ちゃちゃのん舐めても美味しくないんじゃよ〜〜!!」


ちゃちゃのん「皆にゃぁ、こっちのアメちゃん溶かしたお水なんじゃ♪」ヨシヨシ


島にゃんこ「うにゃ にゃ〜〜ん」ペロペロ ペロペロ


ちゃちゃのん「ちゃんとしげにぃちゃんに、ありがとうするんじゃよ〜〜♪」サスサスッ



しげにぃ「ぶししっ… おらって、もしかして 優しい…?」


ちゃちゃのん「うん♪ しげにぃちゃん、とっても優しいんじゃ!!」


しげにぃ「しししっ… もしかして、今のおら とってもかっこいいのかど‥…?」キリッ


ちゃちゃのん「うん♪ とっても かっこええんじゃよぉ!!」


しげにぃ「ししっ ししししししし……」ニッカーーッ


島にゃんこ「…………」ペロペロ


785 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/01/16(水) 16:51:03.74 ID:E4ax8liz0


しげにぃ「い、い、い、いちごちゃんは… おっ おらのこと―――」


しげにぃ「す、すすすす… 好きだったり、するのかど……?」ドキドキ


ちゃちゃのん「ほぇ―――?」


ちゃちゃのん「しげにぃちゃん を―――?」キョトン




しげにぃ「い、イチゴ味のアメちゃん… 大好きかど〜〜〜!?」


ちゃちゃのん「うん!! 大好き〜〜〜♪」パクツキッ


しげにぃ「しし! しししっ! お おら、とってもモテモテなんだど〜〜〜」ウェヘヘッ




しげにぃ「し、仕方ないから… いちごちゃんは、おらだけのアイドルにしてあげるんだど…」キリリッ


しげにぃ「お、おらはとっても優しくて かっこいいから、たくさん感謝するといいんだどぉ〜〜!!」


ちゃちゃのん「ほぇぇ……?」キョトン



786 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/02/15(金) 20:21:53.62 ID:yIbaknhU0



しげにぃ「じ、実はおら、アイドル衣装の他に、ブルマーとスクール水着も持ってきたんだど!!」ガサゴソ


しげにぃ「い、いちごちゃんなら、きっとこっちも似合うと思うんだど!!」


しげにぃ「い、今から、秘密のさつえい会するから、早くこっちに着替えるといいんだどぉ〜〜!!」フンスッ フンスッ


ちゃちゃのん「ほぇぇっ!? これってアイドルさんと関係あるんか?」


しげにぃ「も、もちろんアリアリなんだどぉ〜〜!!」コクコクッ


ちゃちゃのん「でも、何じゃかちょっぴり恥ずかしぃ気ぃするのぅ……///」ウーーン


しげにぃ「や、優しくて… か、かっこいい… このおらの言うことが 聞けないのかど……?」ジロリッ


ちゃちゃのん「し… しげにぃちゃん……?」ビクッ



しげにぃ「い、いちごちゃん!! さっきおらのこと、確かに大好きって言ったんだどっ!!」


しげにぃ「な、なのに!! 何で おらの言うことに、イチイチ口答えを するんだど!!」


しげにぃ「大好きなおらの言うこと、聞かなきゃダメなんだど!! 逆らったりしたら 絶対に許さないんだどぉ!!」フガー フガーー


島にゃんこ「フニャーーッ!!」


島にゃんこ「クーーーッ!!」


787 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/02/15(金) 20:26:12.99 ID:yIbaknhU0



しげにぃ「お、お前ら、うるさいんだど!! ねこのくせに、おらに逆らうのか!!」シッシッ


しげにぃ「は、早くどっかに行くんだどぉ!!」ブンッ ブンッ


島にゃんこ「ニャーーーッ!!」


ちゃちゃのん「にゃんちゃん―――!?」


ちゃちゃのん「しげにぃちゃん、にゃんちゃんたちをイジメちゃ駄目じゃよ!!」


しげにぃ「うるさい! うるさい! うるさいんだどぉ〜〜!!」


しげにぃ「そうやって、みんなして!! おらのことバカにするんじゃないんだど〜〜〜!!」フーーッ フーーッ


ちゃちゃのん「し、しげにぃちゃん!! どうしちゃったんじゃ!?」ウルウル



しげにぃ「こ この優しくて、かっこいい… お おお おらが―――」


しげにぃ「お着替えさせてあげるから、いちごちゃんは 大人しくしてるんだど……」フーーッ フーーッ


しげにぃ「い、いちごちゃ―――」フーーッ フーーッ




788 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/02/15(金) 20:31:19.27 ID:yIbaknhU0




快活な長女さん「どっせ〜〜〜〜〜〜いッ!!」ダッシャーーー


ドッゴ〜〜〜〜〜ッ!!


しげにぃ「ブッギャ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」ドテーーンッ ゴロゴロゴロ…


ちゃちゃのん「〜〜〜〜〜!?」


ちゃちゃのんに にじり寄る変態野郎の顔面に、あたしの怒りの全力ドロップキックが炸裂―――




ちゃちゃのん「ち… ちーちゃん……?」


快活な長女さん「おい… こんイボイボ まんまる学ラン野郎!!」ザッ ザッ


しげにぃ「あひっ… あひぃーっ な… なななな……」ハナジ ドボドボ…


快活な長女さん「わりゃぁ、こんないたいけな幼女 とっ捕まえてぇ、な〜〜に晒してくれとんじゃい―――」グィィーーッ


しげにぃ「お お前、何なんだど!! 何なんだど〜〜〜〜!!」


快活な長女さん「そりゃ こっちのセリフじゃ、こんボケカス まりもようかんがぁ〜〜〜ッ!!」ボグッ ボグッ ボグゥッ


島にゃんこ「フッシャーーッ!!」ガリガリッ ガジガジッ


狼狽する野郎の顔面に、容赦なく怒りの鉄拳をぶちかます―――


ついでに近くの島ねこたちも、野郎の足を噛じったり 引っ掻いたりし始める―――




しげにぃ「い いたい!! 痛いんだど〜〜〜」ハヒィーーッ ハヒィーーッ


しげにぃ「もぅ ヤメッ―――」ブワワッ



ちゃちゃのん「ちーちゃん、もぅヤメてぇ!!」ガバッ


快活な長女さん「ちゃちゃのん―――」


快活な長女さん「―――何で、こんなクソ野郎を庇っとるんじゃ……?」


789 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/02/15(金) 20:38:36.48 ID:yIbaknhU0



ちゃちゃのん「しげにぃちゃん、ホントはとってもええ人なんじゃ!!」


ちゃちゃのん「時々 気が大きくなって変になっちゃうこともあるけど、ホントはとっても優しい人じゃもん!!」


ちゃちゃのん「じゃけぇ酷いこと、しないであげて欲しいんじゃ……」ポロポロッ


しげにぃ「い、いちごちゃん……」ジーーーン



ちゃちゃのん「そうじゃよね、しげにぃちゃん……」ニッコリ


しげにぃ「うぅ… お、おら、何てバカなことをしてしまったんだど……」ポロポロ


しげにぃ「お、おら、いちごちゃんのおかげで、すっかり目が醒めたんだど……」


しげにぃ「―――いちごちゃん… それに島のねこさんたちも、おらが悪かったんだど……」ペッコリ


島にゃんこ「フーーーーッ!!」ガリガリガリ


しげにぃ「あいたたたっ… ど、どうもごめんなさいなんだどぉ〜〜!!」ペコペコ



快活な長女さん「…………」


快活な長女さん「はぁ… ヤメじゃ、ヤメじゃ… アホくさ……」ポリポリ


ちゃちゃのん「ちーちゃん、ありがとぉ♪」




しげにぃ「お、おら… こ、これからは空き缶を拾ったり、人から感謝されることをして 尊敬される人間になるんだど〜〜!!」


ちゃちゃのん「しげにぃちゃん、頑張ってのぅ♪」ギュッ


しげにぃ「い、いい、いちごちゃん!! やっぱりいちごちゃんは、お おらだけの天使なんだど〜〜〜!!」フガーーッ ダキツキッ


快活な長女さん「だぁ〜〜〜ッ!!」


ゴッッッッ!!


しげにぃ「あひぃぃ〜〜!!」ゴロゴロ…


しげにぃ「はっ!? お おら、いったい 何を―――!?」キョロ キョロ


快活な長女さん「も〜〜 イヤじゃっ… こいつ……」



790 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/03/13(水) 16:31:34.86 ID:9n3C8OdC0



【鹿老渡 沿岸】


ザザザザーーーン


快活な長女さん「ほんで、さっきのトゲトゲは いったい何だったんじゃ?」スタスタ


ちゃちゃのん「さっきのって、しげにぃちゃん―――?」テクテク


ちゃちゃのん「しげにぃちゃんは毎年こん時期になると、ヤング婆ちゃんとこに帰省しちょる 近所のお兄ちゃんじゃ!!」


快活な長女さん「ヤング婆ちゃん―――どっちじゃよ……」


ちゃちゃのん「ヤング婆ちゃんは、ヤング婆ちゃんじゃよ〜〜」




快活な長女さん「ほんで、結構 前からの知り合いなん?」


ちゃちゃのん「昔から人見知りで、年の近い友達おらんかった―――」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんにも優しくしてくれた、とっても大好きなお兄ちゃんじゃ♪」


快活な長女さん「大好き―――?」


ちゃちゃのん「うん♪ いつも いちごのぺろぺろアメちゃんくれるけぇ、とっても大好きじゃ♪」ヘヘッ


快活な長女さん「……………」



人見知りなくせに、とっても寂しがりで 人恋しくて―――


警戒心強いわりにゃぁ、ちょっと優しくされるとすぐ 懐いてまう単純思考―――



アタシが出会った初恋の天使は、アタシが思っとった以上にアホの子じゃった――――



791 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/04/12(金) 19:41:19.14 ID:r1T10Zes0



快活な長女さん「ちゃちゃのん。 これまでアイツに妙ちくりんなこととか、されとらんじゃろうな?」


ちゃちゃのん「ほぇ… 妙ちくりんなこと―――?」パチクリッ


快活な長女さん「そ、その… さっきみたいな、変なことゆーか……///」


ちゃちゃのん「しげにぃちゃん、時々 さっきみたいに強引なトコもあるんじゃが―――」


快活な長女さん「あるんか!!」


ちゃちゃのん「あ、うぅん!? さっきみたいなしげにぃちゃんの持ってくる衣装を着ての撮影会とか、そんくらいのことじゃよ〜〜」パタパタ


快活な長女さん「あの変態… やっぱもっと どついときゃ良かったんじゃ…」


ちゃちゃのん「もぅ… 暴力は駄目じゃよ〜〜〜」




ちゃちゃのん「ほんでもしげにぃちゃんは、ちゃちゃのんの夢―――」


ちゃちゃのん「いっぱい応援してくれちょるけぇ、やっぱり優しいお兄ちゃんじゃよ…」


快活な長女さん「そういや、ちゃちゃのんの夢って―――?」


ちゃちゃのん「へへっ… ちょっと照れくさいのぅ……」モジモジ




792 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/05/11(土) 01:29:56.29 ID:P3iTF5JY0




快活な長女さん「―――そっか、ちゃちゃのんの夢は、アイドルだったんじゃな。」


ちゃちゃのん「うん。 ちゃちゃのん、いつか夢に見た―――キラキラなアイドルさんになることが夢なんじゃ…///」ヘヘッ


快活な長女さん「――――なるほどのぅ……」


ちゃちゃのん「おょ… あんまり驚かんのじゃね……?」


快活な長女さん「あぁ… そういや、そうじゃな……」



ちゃちゃのん「もしかして、こん話 婆っちゃたちから聞いちょった…?」


快活な長女さん「いや、初耳じゃよ……」


ちゃちゃのん「反応うっすぅ……」ショボーーン


793 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/06/10(月) 14:52:52.73 ID:lMdUnhL90



快活な長女さん「ほんで、ちゃちゃのんはプロの雀士には ならんでええん?」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんはプロの麻雀の人にも、絶対なるんじゃよぉ!!」


快活な長女さん「んっ!? 両方―――?」


ちゃちゃのん「だ、駄目じゃろか……?」


快活な長女さん「そうじゃのぅ……」



快活な長女さん「ちゃちゃのんなら、きっとなれるじゃろ!!」


ちゃちゃのん「そ、そうかのぅ!! ちゃちゃのん、なれるかのぅ?」


快活な長女さん「もちろん大事なんは、こっからの頑張り次第じゃ思うが―――」


快活な長女さん「アタシも応援したるけぇ、とりあえず今 出来ることから頑張ってみたらええじゃろ!!」ポンポン


ちゃちゃのん「うん、ちゃちゃのん頑張るんじゃ!!」グッ



ちゃちゃのんのアイドルになるゆー夢を聞いたんは、たぶんこの時が最初じゃったと思うが―――


出会ったその瞬間から彼女はアタシにとっての特別じゃったけぇ、その話を聞いた時もアタシはどこか納得いったとゆー感じじゃった。



794 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/07/09(火) 21:21:45.43 ID:TaHXm3r20



ちゃちゃのん「そういえば、今日はちーちゃん一人なんじゃね。 もしかして、お散歩中じゃった?」


快活な長女さん「そうなんじゃよ。今日はよーも、しーも用事あるゆーとったけぇ、たまにゃぁ 一人で島の散策でもと思っての…」


ちゃちゃのん「―――その持っちょるんは、スケッチブック?」


快活な長女さん「あぁ、うん。 海とか山とか、田舎の風景とか、そういうのスケッチするのが好きなんじゃよ…」


快活な長女さん「まぁ、ちょっとした趣味みたいなもんじゃな…」


ちゃちゃのん「ほぇ〜〜 とっても素敵な趣味じゃの♪」


快活な長女さん「普段やかましい奴らに囲まれとるせいかのぅ、時々一人でのんびりした時間を過ごしたくなるんじゃよ…」カカッ


ちゃちゃのん「ちーちゃんの絵、見せてもらってもええかのぅ?」


快活な長女さん「ま〜〜 別に構わんけど―――」


快活な長女さん「ちぃーとばかし、照れくさいのぅ……///」




ちゃちゃのん「ちーちゃん、こーいう絵を描くんじゃね〜〜♪」ペラッ


ちゃちゃのん「優しくて、とってもぬくくて、なんじゃか心がぽかぽかしてくるんじゃ―――」


快活な長女さん「いやいや、そない大層なもんでもないじゃろ!!」


ちゃちゃのん「このお花の絵とかも、ちゃちゃのんとっても好きじゃよ♪」


快活な長女さん「あぁ、アイリスの絵じゃな。 菖蒲の仲間なんじゃが―――」


快活な長女さん「このジャーマンアイリスは花びらごとに色が違ったりして、虹の花・レインボーフラワーなんて呼ばれたりもするそうじゃ」


ちゃちゃのん「花びらごとに色が違うなんて、不思議じゃの〜〜」フムーー


795 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/08/08(木) 17:18:44.76 ID:+bdRLYYZ0



ちゃちゃのん「ほんで、何かちーちゃんが描きたいものは見つかったんか?」


快活な長女さん「謎壁画と首実検の奇妙スポットなら見つけたんじゃがの〜〜」


ちゃちゃのん「あははっ、あそこ行ったんじゃね〜〜♪」




ちゃちゃのん「そうじゃ!! もし良かったら、この後 ちぃーと付き合ってもらってもええじゃろか…?」


快活な長女さん「そりゃぁ… これといった用事もないけぇ、全然 構わんのじゃが――」


快活な長女さん「どっか、ええトコの心当たりでもあるんか?」


ちゃちゃのん「へへっ、それは着いてからのお楽しみじゃよ〜〜♪」ルンルン


快活な長女さん「そいつぁ 楽しみじゃ!!」




ちゃちゃのんと二人 連れだって歩いとると、白く大きな建物とグラウンドが横目に映った。


快活な長女さん「あの建物って、確か例の小学校じゃよね…」


ちゃちゃのん「うん。 だいぶ前に閉校しちゃった、鹿老渡小学校じゃ。」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんは倉橋の小学校に通っとるんじゃが、一応 今でも災害なんかあった時の避難場所には なっちょるんじゃよ。」


快活な長女さん「ここが、鹿老渡小学校―――」


ちゃちゃのん「本当じゃったら、ちゃちゃのんもここに通っとったんかの……」


子どもたちの気配の消え失せた白く大きな建物、本来の役割を終えた その姿が少し物悲しく感じられた―――



796 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/09/07(土) 21:13:52.35 ID:sWT806IA0


ミーーン ミンミン…

快活な長女さん「ちゃちゃのんさ〜 もう山の中なんじゃが、どこまで行くんじゃ?」


ちゃちゃのん「へへっ、もうちょっとで着くんじゃよ〜〜」ザク ザク


快活な長女さん「そういや、島のこっち側にゃぁ まだ来たことなかったの…」ザック ザック…


胡子神社に荒神社、鹿老渡小学校の跡地を抜け、アタシたちは島の東側にある山の中を歩いとった。




快活な長女さん「そういや… この島って小っさいのも多いが、神社とかお寺さん結構あるんじゃな…」


快活な長女さん「ちゃちゃのんと初めて遊んだ、あの高台にあった伊勢の社もそうじゃったの―――」




ヒュゥゥゥ…

快活な長女さん「―――――!?」


薄暗い山道を抜け 明るく開けた場所へ出たところで、とても気持ちの良い海風がアタシたちの間を通り抜けた。


次の瞬間、アタシの視界全体に広がったのは 小高い丘と海との間の斜面いっぱいに広がる 太陽の花 ひまわり―――




快活な長女さん「おぉ… こいつぁ、凄いの……」


ちゃちゃのん「うん。 海辺のひまわり畑じゃよ―――」



常に潮風にさらされ続けることとなる、厳しい環境を ものともせず


そのひまわり達は、太陽に向かって その大輪の花を元気いっぱいに咲かせとった―――



797 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/10/06(日) 03:02:17.47 ID:R+L1bQJG0


ヒュゥゥゥ… バサバサッ

ちゃちゃのん「大丈夫―――?」


快活な長女さん「―――ちぃーと風があるようじゃが、ま〜 特に問題はないじゃろ…」シャッ シャッ


視界いっぱいに広がるひまわり畑と美しい鹿老渡の海をスケッチブックに描き写す―――




ちゃちゃのん「ほぇ〜〜 そうやって描くんじゃねぇ〜〜」ジロジロ ジーー


快活な長女さん「ちょっ!? そんな間近でじっくり覗き込まれると、流石に少し恥ずいんじゃ―――」


ちゃちゃのん「あぁっ、そうじゃよね!? ちゃちゃのん、反省じゃ……」


快活な長女さん(―――何か、ぶちええ匂いしたんじゃ……)ドキドキ




ちゃちゃのん「ちーちゃんは、ひまわり 好きかの?」


快活な長女さん「うん、大好きじゃよ。 何か ひまわりって、見とるうちに元気 貰える気ぃするけぇ」


ちゃちゃのん「うんうん、何かそんな感じ♪ お日さんの匂いでいっぱいじゃ!!」スンスンッ


快活な長女さん「ふふっ… 確かに―――」



798 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/11/05(火) 13:50:22.07 ID:pV5VPegR0



ちゃちゃのん「妹のよーちゃんって、いつも元気いっぱいで ひまわりみたいな子じゃよねぇ」


快活な長女さん「そうじゃのぅ―――」


快活な長女さん「アレは太陽の子、元気の塊じゃけぇ―――アタシらもよぅ元気 貰っとるわ…」フフッ


快活な長女さん「ま〜〜 ドが付くアホぅじゃけぇ、いっぱい迷惑もかけられとるがのぅ……」


ちゃちゃのん「ありゃ〜〜〜」


ちゃちゃのん・快活な長女さん「「ふふっ… あははは……♪」」




ちゃちゃのん「ちなみに、しーちゃんをお花に例えるとなんじゃろね?」


快活な長女さん「しーはのぅ―――」


快活な長女さん「こまくって、純粋で、ちぃーとばかし毒っぽいトコなんかは、『鈴蘭の花』と言ったところかのぅ―――」


ちゃちゃのん「そっかぁ、スズランのぅ… 雪みたいに真っ白で、可愛らしゅーて、しーちゃんにぴったりじゃね♪」


快活な長女さん「最近は毒が強ぅなりすぎて、ちぃーとばかし腐り始めとるよーじゃがの…」


ちゃちゃのん「ふぇぇ… 腐る……?」


快活な長女さん「はは… ちゃちゃのんは知らんでええ世界じゃな……」トオイメ…



799 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/12/04(水) 23:02:09.77 ID:areyKG3g0




【同日 鹿老渡・儚げな少女宅――】


しっかりものの妹ちゃん「ふおぉぉぉ〜〜〜〜!!」


しっかりものの妹ちゃん「ゆ、ゆー姉ぇぇ〜〜 まさか、これは〜〜ッ!!」


儚げな少女「むふふっ… 流石は同志しーさん。 よくぞ気がついて下さいました―――」キュピーーン


しっかりものの妹ちゃん「去年のお祭りでも長蛇の列からの圧倒的 売り切れ―――」


しっかりものの妹ちゃん「ネット上でもはぐれメタル状態になって久しい 幻の一冊……」


しっかりものの妹ちゃん「男の娘×男の娘という新機軸の最高峰『スズランの蕾――』やないか〜〜〜!!」ドーーン


儚げな少女「まさしく、ですわ―――」クフフ…




しっかりものの妹ちゃん「そ、そして、こっちは―――!?」


しっかりものの妹ちゃん「その正当続編でもある、最新作… 悲恋『スノードロップの慰め――』」ガタガタ ブルブル


儚げな少女「スノードロップ(雪のしずく)には『希望』や『慰め』と言った素敵な花言葉がある一方、『あなたの死を望みます』と言った不吉な花言葉もあると誤解されていますの」


儚げな少女「それはイギリスのある農村地域の『ケガで亡くなった恋人の体にスノードロップをそっと置くと、彼は雪のしずくになってしまった――』という悲しい言い伝えがあるためだそうですけれど―――」


儚げな少女「これはその不吉な誤った花言葉をモチーフとした、禁断の愛の物語なのですわ―――」


しっかりものの妹ちゃん「ゆーちょることは よ〜〜分らんが、とにかく最高なんじゃ〜〜〜〜!!」ヒャッホーーー


800 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/01/03(金) 18:01:01.11 ID:VAlGbGRB0



しっかりものの妹ちゃん「ホンで、ゆーお姉さま!!」


しっかりものの妹ちゃん「コレは一体、どうやってゲットしたんじゃ!?」


儚げな少女「入手方法は企業秘密ですけれど、しーさんがこちら側だということを伺いましたので―――」フフッ


儚げな少女「昨日、何とか2冊目を手に入れたところなのですわ!!」


しっかりものの妹ちゃん「に、2冊……だと……?」ジュルリッ



儚げな少女「えぇ、これは私からのささやかながらの贈り物ですわ」ニッコリ


しっかりものの妹ちゃん「あぁ… マリアさまじゃ…… 聖母マリアさまが、ご降臨なされたんじゃ―――」ハハーー


儚げな少女「今年のお祭りも近いですわ。 今から気力を蓄えておかないと……」ムフフ…


しっかりものの妹ちゃん「ゆー姉… 病気療養中なのでは……?」


儚げな少女「細かいことを気にしてはいけませんわ。 さぁ、今日は心ゆくまで 読書に耽るとしましょう!!」


しっかりものの妹ちゃん「ガッテンじゃ!!」ビシッ




801 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/02/02(日) 21:36:58.00 ID:vPVGUXTm0



ザザザザーーーン


快活な長女さん「の〜 ちゃちゃのん、海の向こうにうっすらと陸みたいなもんが見えるんじゃが―――」


ちゃちゃのん「ありゃ〜 忽那諸島(くつなしょとう)の中島かの〜〜」


ちゃちゃのん「島全体にみかん畑がいっぱいあって、夏にゃぁトライアスロンの大会なんかもやっとるそうじゃ」


快活な長女さん「てことは、あっちの方が四国になるんかの?」


ちゃちゃのん「うん。 ちょっと見えづらいんじゃが、あっちの方に見える島影が愛媛じゃね―――」


快活な長女さん「へ〜〜 鹿老渡から四国って見えるんじゃな…」


ちゃちゃのん「瀬戸内を挟んだ、お隣さんじゃしね―――」




快活な長女さん「瀬戸内海にゃぁ、他にも色んな島があるんじゃろ?」


ちゃちゃのん「そうじゃの〜〜 近いトコでゆーと、海軍兵学校のあった江田島や、厳島神社のある宮島なんかはとっても有名かの〜」


ちゃちゃのん「後は猫と灯台で有名な男木島、桃太郎の鬼ヶ島伝説のある女木島、ひょっこりひょうたん島のモデルにもなったっちゅ〜 ひょうたん島」


ちゃちゃのん「いっぱいのオリーブ畑とエンジェルロードがロマンチックな小豆島に、歴史的な町並みが見どころな本島、村上水軍でも有名な因島―――」


ちゃちゃのん「他にも直島や豊島、大島、淡路島に粟島とか、瀬戸内の島はどこも景色が綺麗じゃし、映画やドラマの舞台になった島なんかも いっぱいあるそうじゃよ―――」


802 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/03/01(日) 18:05:54.50 ID:qs7eU9F30



快活な長女さん「確か、野うさぎで有名な島ってあったじゃろ?」


ちゃちゃのん「あ〜〜 うん… 竹原の大久野島のことかの―――」


ちゃちゃのん「うさぎと毒ガスの島 言われとって、地図から消された島としても有名じゃね―――」


快活な長女さん「おぉぅ… 何じゃか、随分と物騒な話じゃのぅ……」


ちゃちゃのん「もちろん今よりもずっと昔のことなんじゃが、そん島じゃぁ軍によって たくさんの毒ガスの製造、保管が行われとったそうでの―――」


ちゃちゃのん「軍の機密ゆーことで、そん島の存在は長い間 隠され、地図の上からも 消されてきたゆー話じゃな……」



ちゃちゃのん「そーゆーいきさつのあった島じゃけぇ、今ではそんな悲しい出来事をずっと忘れないために毒ガスの資料館が建てられ―――」


ちゃちゃのん「可愛いウサちゃんたちとたくさん触れ合える、癒しと平和に彩られた うさぎの楽園になったっちゅーわけじゃな!!」


快活な長女さん「なるほどの〜〜」




快活な長女さん「ほんで… そのうさぎたちって、もしかすっと そん時の毒ガス実験で使われとったゆー いわくのある―――」


ちゃちゃのん「いやいやいや!! そんなことはないけぇ!!」


ちゃちゃのん「それとこれとは、まったくもって別の話じゃけぇ!!」ブンブンッ


快活な長女さん「―――なぜ、そないに必死なんじゃ……」


ちゃちゃのん「…………」



ちゃちゃのん「えへへっ…」ニコッ


快活な長女さん「何か怖いから!! そのエンジェルスマイル!!」ヤメヨッ



803 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/03/31(火) 17:11:20.40 ID:FvaJnm3k0



ちゃちゃのん「確かに… そんな怖い噂話も あったみたいじゃが―――」コホンッ


ちゃちゃのん「実際にゃぁ、そんなことは ちっともないみたいじゃよ…」


快活な長女さん「あ、そうなん…?」



ちゃちゃのん「うん。島におる うさちゃんたちは、戦争の後に地元の小学校で飼われとった8羽がいつの間にか野生化して―――」


ちゃちゃのん「それが増えに増えて、今では1000羽を超えるくらいにまで増えたっちゅーのが真相みたいじゃな……」


快活な長女さん「うさぎの繁殖力、ハンパね〜〜〜」


ちゃちゃのん「ほ、ほうじゃね……」



快活な長女さん「可愛い見た目して、うさぎの性欲はマジでヤバいってゆーしのぅ…」


ちゃちゃのん「…………」


快活な長女さん「うさぎのオスは絶倫、うさぎのメスは常に妊娠したがっちょる ゆーしのぅ……」


ちゃちゃのん「…………///」


804 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/04/30(木) 21:33:45.29 ID:7UDwITNN0



快活な長女さん「常に捕食される側の、か弱い生き物じぇけぇ。 うさぎはたくさんの子どもを産むことで、絶滅の危機を免れてきたゆーわけじゃな―――」


ちゃちゃのん「この話は、もぅおしまいじゃ!!」


快活な長女さん「そうなん? まだもぅ少し ええじゃろ―――?」


ちゃちゃのん「しまいじゃ、しまい!!」


快活な長女さん「カッカッカッ!! ちゃちゃのんは、照れ屋さんじゃの〜〜〜!!」


ちゃちゃのん「…………////」マッカッカ




快活な長女さん「それんしても、随分と島のこと詳しいんじゃな。」


ちゃちゃのん「あ、ちゃちゃのん… 竹原とは何かと縁があったけぇ……」


ちゃちゃのん「そん時に、大久野島にも行ったことがあるんじゃよ―――」


快活な長女さん「ほ〜〜 縁、ゆーと……?」




ちゃちゃのん「竹原は、お父さんが生まれ育った街なんじゃ……」


ちゃちゃのん「そんで、ちゃちゃのんもな……」


ちゃちゃのん「お父さんに連れられて、何度か遊びに行ったことがあるらしいんじゃ―――」


快活な長女さん「ほぅほぅ……」



ちゃちゃのんが、大好きな婆ちゃん以外の家族の話をするのは 珍しいなと―――


ちゃちゃのんの話を聞きながら、何となく そんなことを思った―――



805 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/05/29(金) 23:57:40.78 ID:pkoXOvQT0



快活な長女さん「ちゃちゃのんの そん頃の話、もちっと聞いてみたいかのぅ…」


ちゃちゃのん「ほぇっ!? そんな話がええのん…?」


快活な長女さん「ま〜〜 何となくじゃが―――」


快活な長女さん「ちゃちゃのんがイヤゆーなら、もちろん無理にとは言わんがの……」


ちゃちゃのん「―――別に、イヤではないんじゃが……」


快活な長女さん(イヤではないけど、あまりしたい話題でもないんかの……)




快活な長女さん「あぁ、えぇよ、えぇよ!! やっぱさっきのナシじゃ、ナシ!!」


ちゃちゃのん「ほぇぇっ―――!?」


快活な長女さん「よくよく考えると、あんま興味なかったけぇ!!」カッカッカ


ちゃちゃのん「そ、それはそれでちぃーと失礼な話じゃの…」ムゥ…


快活な長女さん「ま〜〜 細かいこたぁええじゃろ!!」ポンポン




ちゃちゃのん「―――ちーちゃん、ありがと〜〜の……」


快活な長女さん「ん―――?」


ちゃちゃのん「何か、気ぃ使ってくれたっぽいけぇ……///」ヘヘッ


快活な長女さん「……………」


ポカッ


ちゃちゃのん「あいたぁーーっ!!」


ちゃちゃのん「何で、今 叩いたん―――?」ナミダメ


快活な長女さん「あ… イヤ…… 何でじゃろ……?」ツイ…



806 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/06/28(日) 13:22:09.90 ID:rGqd8ePk0




ちゃちゃのん「ちゃちゃのんな―――」


ちゃちゃのん「あの頃のことで、一つだけ よぅ思い出すことがあるんじゃ―――」


快活な長女さん(あ… 結局、話してくれるんじゃな……)




ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、ちっちゃい頃に竹原港から大崎下島の御手洗(みたらい)まで 家族で旅行をしたことがあったらしいんじゃが―――」


快活な長女さん「今でも充分 ちっさいじゃろ……」


ちゃちゃのん「今よりも、もっともっと ちっちゃい頃の話じゃよぉ…」ブーー


快活な長女さん「冗談じゃよ、冗談!! 御手洗ゆーと―――」


ちゃちゃのん「お、お手洗いじゃないけぇ!!」


快活な長女さん「まだ何もゆーとらんじゃろ……」


ちゃちゃのん「ほいじゃが、絶対 ゆーつもりじゃったろ……?」ジーー


快活な長女さん「ま〜〜の!!」カッカッカ


ちゃちゃのん「んもぅ……」



807 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/07/27(月) 23:41:19.85 ID:2xWGPT0I0



ちゃちゃのん「大崎下島の御手洗は鹿老渡と同じで、潮待ちの港として栄えた 港町なんじゃが―――」


ちゃちゃのん「そこの名所 歴史の見える丘公園で、ちゃちゃのん 迷子になってしまったことがあるそうなんじゃ……」


快活な長女さん「ん、よう覚えとらんの…?」


ちゃちゃのん「うん… その頃のことは―――」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、あまりよぅ覚えちょらんのじゃ……」


快活な長女さん「ま〜〜 ちっさい頃の話じゃしのぅ…」


ちゃちゃのん「うん………」




ちゃちゃのん「ただその時 一人の女の子に親切にしてもらったことは、今でも何となくじゃが思い出すことがあるんじゃ―――」


快活な長女さん「それって、どんな子だったんじゃ?」


ちゃちゃのん「綺麗な長い黒髪をした、物静かな印象の女の子じゃったかのぅ……」


ちゃちゃのん「その子は迷子になって泣きじゃくるちゃちゃのんに少し慌てながらも、絵本を読んでくれたり、楽しいお姫さまの物語を聞かせてくれたり―――」


ちゃちゃのん「そうやってお父さんがちゃちゃのん 見つけてくれるまで、一緒におってくれたんじゃ―――」


808 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/08/26(水) 17:08:10.96 ID:dj5+TNvd0



快活な長女さん「その子ってさ、ちゃちゃのんのともだち―――?」


ちゃちゃのん「ほぇぇっ!? ともだち―――!?」


快活な長女さん「いや… 何となくじゃが、そうなんじゃろかって―――」


ちゃちゃのん「えと、たぶん… そういうのとは、ちょっと違う気がするんじゃ―――」


快活な長女さん「そうなん……?」




ちゃちゃのん「ん…… 何となく、そう思うとしか言えないんじゃが―――」


ちゃちゃのん「会ったのも、その一度きりじゃったし……」


ちゃちゃのん「たぶん あの子にとって、あの日のことは 特別ではなかったと思うけぇ―――」


快活な長女さん(―――特別のぅ……)


809 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/09/25(金) 23:35:29.75 ID:IFs0pnUJ0



ちゃちゃのん「ほんでも、ちゃちゃのんは―――」


ちゃちゃのん「あの日のことを とっても感謝しちょるけぇ、それでええ 思っとるんじゃ…」


快活な長女さん「ま… ちゃちゃのんがそう思うんじゃったら、きっとそうなんじゃろう!!」


ちゃちゃのん「うん……」



ちゃちゃのん「その子とまた出会えた時にゃぁ、今度はちゃんとお礼を言いたいって思っちょるんじゃ!!」


快活な長女さん「お礼、言えるとええね……」


ちゃちゃのん「そうじゃねぇ〜〜」ヘヘッ




ちゃちゃのん「な、なんじゃか… いつの間にか、妙な話になってしもうたの〜〜」テレッ


快活な長女さん「ちゃちゃのんが、昔っからボンヤリしとったゆーことがよぅ分かったんじゃ!!」カカッ


ちゃちゃのん「うぅっ… 否定したいけど、出来んのが悔しい……」


快活な長女さん「そうやって、しょっちゅう迷子になっては親父さん 困らせとったんじゃろうな!!」


ちゃちゃのん「んもぅ… その話はもぅええじゃろ……」



810 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/10/24(土) 01:33:37.76 ID:7zEtf9820




快活な長女さん「おっしゃ、こんなモンじゃろ!!」


小高い丘に広がるひまわり畑と、青く澄みきった鹿老渡の空と海をスケッチブックに描き終え 一息つくアタシ―――




ちゃちゃのん「ほぇ〜〜 ちーちゃん、ホンに絵ぇ描くん得意なんじゃね〜〜」


ちゃちゃのん「とっても 上手いんじゃ……」


快活な長女さん「ま〜〜 こん程度の風景画なら、誰だって ちぃーと練習すりゃ描けっようなんじゃろ。」


ちゃちゃのん「ん〜〜ん、そんなことはないけぇ――」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、ちーちゃんの このひまわり畑の絵 とっても大好きじゃよ♪」


快活な長女さん「そっか… じゃったら、こん絵は彩色まで仕上げ終えたら、ちゃちゃのんにあげるんじゃ!!」


ちゃちゃのん「ええの……?」


811 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/11/23(月) 15:16:28.37 ID:CnSWqeMB0


快活な長女さん「アタシの絵を褒めてくれたお礼じゃけぇ―――」


ちゃちゃのん「えへへ、ちーちゃん、ど〜〜も ありがと〜〜の♪」ニコッ


快活な長女さん「―――――///」


ちゃちゃのん「ちーちゃん……?」


快活な長女さん「いんや、何でもないんじゃ―――」


ちゃちゃのん「ほぇぇ…?」




快活な長女さん「それんしても、ここはホンにええトコじゃな…」ゴロンッ


ちゃちゃのん「ほうじゃろ、ほうじゃろ―――♪」ヨイショ


ちゃちゃのん「ここはとっても気持ちええ風が吹きよるけぇ、いつまでもこうしてたくなるんじゃ……」



優しい風がひまわり畑を通り 海岸線へと吹き抜ける、なだらかな丘の上―――


アタシたちは緑の絨毯に背をあずけ、どこまでも広がる青く澄みきった空を見上げながら 過ぎゆく時の流れを楽しんだ。



812 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/12/22(火) 18:42:04.81 ID:WGdb0abg0




それから数日―――


アタシたちはいつものように顔を合わせては麻雀をする、そんな楽しくも変わらない日々を過ごしとった―――



しっかりものの妹ちゃん「だ〜〜!! もちぃーとシャッキリやらんかいッ!!」バンッ


陽気な妹ちゃん「イ〜〜ヤ〜〜じゃ〜〜〜!! 」ブンブンッ


陽気な妹ちゃん「せっかくの夏休みに勉強とか、正気の沙汰じゃないけぇ―――」


しっかりものの妹ちゃん「やかましい!! 休みじゃけぇ、宿題があるんじゃろうが!!」


しっかりものの妹ちゃん「おとんから、アンタに宿題させるようキツく言われとるんじゃ!!」


陽気な妹ちゃん「夏休みはまだあるんじゃけぇ、別に今やらんでもええじゃろ〜〜」


しっかりものの妹ちゃん「そうゆーて、よーはいつぃき サボりよろ〜〜が!!」


陽気な妹ちゃん「むぅ〜〜〜〜〜」


しっかりものの妹ちゃん「今日はちゃちゃのんも ゆー姉も用事があって来られんゆーとったけぇ、えぇ機会じゃろ!!」ホレホレッ


陽気な妹ちゃん「用事ってなんじゃ!!」


しっかりものの妹ちゃん「ちゃちゃのんは、夏休みの登校日じゃけぇ 遊べんゆーとったし―――」


しっかりものの妹ちゃん「ゆー姉も定期健診で今日から暫くの間は、実家から病院通いするってゆーとったじゃろ―――」


813 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/01/21(木) 18:58:27.27 ID:j8+ne4gd0


しっかりものの妹ちゃん「分かったら勉強じゃ、勉強ッ!!」


陽気な妹ちゃん「ボク 昆虫採集とセミ捕りで忙しいけぇ、勉強はまた今度にするんじゃ!!」ダッ


しっかりものの妹ちゃん「まて〜〜いッ!!」ガッシッ!!


しっかりものの妹ちゃん「それはいつぃき やっとろうが!! 今日は部屋で大人しゅ〜 勉強じゃ!!」


陽気な妹ちゃん「しーの裏切りモ〜〜ン!!」バタバタッ


しっかりものの妹ちゃん「知らんわ!! 自分に勉強させにゃぁ、アタシがおとんに沈められっじゃろ!!」


陽気な妹ちゃん「しーの鬼! 鬼! 鬼! 鬼! 鬼〜〜〜ッ!!」


しっかりものの妹ちゃん「よーのアホ! アホ! アホ! アホ! アホ〜〜〜ッ!!」



快活な長女さん「世は並べて事もなし―――」カキカキ


快活な長女さん「今日も平和じゃのぅ……」シャッ シャッ


快活な長女さん(そういや、今日は登校日ゆーとったが―――)


快活な長女さん(今頃 ちゃちゃのん、何をしとるんじゃろ―――?)


陽気な妹ちゃん・しっかりものの妹ちゃん「「ちーねぇ(姉)も 絵ばっか描いとらんで、コイツに何か言ってやって欲しいんじゃ!!」」ギャーギャー


快活な長女さん「え"え"っ!! 何でアタシが―――!?」



814 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/02/20(土) 21:20:37.02 ID:BEwj4M4H0




【倉橋島 とある小学校―――】


バシャバシャ キャハハッ キャッ キャッ…


男性教師「おら〜〜 お前ら、遊んでばっかおらんで 碁石を拾え! 碁石を〜〜!!」


男性教師「こら佐々野ォ!! お前まだ一つも拾えとらんじゃないか!! 何をやっとるんじゃぁ!!」


いちご「」ビクッ


いちご「ご、ごめんなさぃ… なんじゃ……」


男性教師「そう思うなら、いつまでもプールサイドで縮こまっとらんで、早よプールに潜らんか!!」


男子生徒1「先生〜〜!! 佐々野さんは水がおっかの〜〜て、プールに入れないんじゃよ!!」


女子生徒1「いちごちゃんはうんちじゃけぇ、しゃーないわ!!」キャハハッ


いちご「…………」シュン…



男性教師「水が苦手なら苦手で、水に慣れる努力すっとか やれっこともあろーに―――」チャポン


男性教師「ホレ… 先生が身体ぁ 支えとってやるけぇ、まずは水に浸かるトコから始めればえーがの!!」


男子生徒2「先生〜〜 それ確実に逮捕されるヤツ〜〜〜」


女子生徒2「何か目つき いやらしい〜〜〜」キモッ


男性教師「ア、アホッ!! 人聞きの悪いことをゆーんじゃない!!」


815 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/03/19(金) 15:09:36.40 ID:TINE49A20



男子生徒1「じゃけぇ、いちごちゃんのスク水姿はサイコーじゃ〜〜 思うわ!!」


男子生徒2「それな〜〜!! それだけがプールの日の楽しみじゃけぇ!!」


男子生徒3「いちごちゃ〜〜ん、こっち向いて〜〜〜♪」ヒューヒューー


いちご「あ… えと……////」モジモジ



女子生徒1「うわっ… また出たんじゃ、男子の佐々野さん贔屓……」チッ


女子生徒2「ちぃーとばかし うちらより可愛え思ーて、ええ気になっちょるんじゃ……」


男子生徒1「ちぃーとばかし〜〜? 自分らプールに映る自分のツラぁ、よー見てからモノ言えや〜〜!!」


女子生徒2「はぁ〜〜 アンタ喧嘩 売ってんの〜〜〜!!」


男性教師「コラ、お前ら〜〜!! 今 授業中って分かっとんのか〜〜〜!!」


いちご「…………」




イヤじゃな―――


無神経な男子たちの視線、先生の大きな怒鳴り声―――


女子たちの冷ややかな視線、ぶつけられる重たくて黒い感情―――


こん場所におると、ちゃちゃのんはちゃちゃのんでは居られなくなってしまうけぇ――――



816 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/04/18(日) 23:54:56.32 ID:K39W6+eW0



キーーン コーーン カーーン コーーーーン


男性教師「よし! これで今日の登校日は終了じゃ!!」


男性教師「各自 着替えが済んだら、真っすぐ寄り道とかせんで 帰るんじゃぞ!!」


生徒たち「「は〜〜〜い!!」」



男子生徒1「は〜〜 終わった 終わった…」


男子生徒2「こっからどうする? ゲーセンでも寄ってく?」


女子生徒1「着替え直して、呉の方まで買い物 行こうぜ〜〜」


女子生徒2「了解〜〜♪」


ワイワイ ガヤガヤ…




いちご「…………」


男性教師「佐々野、自分はこの後 居残り練習じゃ―――」ガッシ…


いちご「ひゃぅっ―――!?」ビクッ


男性教師「島人のクセに水が苦手じゃ、何かと困るじゃろ―――」


男性教師「今日は自分が泳げるようになるまで、先生が付き合ってやるけぇ 感謝するんじゃぞ―――」


いちご「あ、ありがとぅ… ございます……」シュン…


女子生徒3「セクハラ教師、マジ引くわ〜〜〜」


817 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/05/17(月) 17:42:42.37 ID:fm0JjhIi0



男子生徒4「先生〜〜!! 俺も泳げないんで、コーチお願いしま〜〜す!!」


男性教師「あ〜〜 今日は佐々野の指導が優先じゃけぇ、自分はまた今度じゃ―――」


男性教師「ていうか、自分 確か泳ぎ得意じゃったよなぁ―――」


男子生徒4「あれあれ〜〜 もしかして、俺がいると お邪魔だったりします〜〜〜?」


女子生徒3「マジ引くわ〜〜〜」クスクス


男性教師「バッ、バカな事 言うんじゃない!!」


男性教師「―――分かった、分かった。 残りたいなら勝手にせい!!」チッ


男子生徒4「あざーーす!!」




男子生徒4「佐々野さん、ヨロシク〜〜♪」


いちご「う、うん……」


男子生徒4「佐々野さんだけだと、何か心配だったからさ―――」ヒソヒソ…


いちご「あ、ありがとぅ………」ホッ…



818 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/06/16(水) 17:26:38.56 ID:SXP2D4No0



バシャ バシャ

男性教師「先生が溺れないよう、身体で抱きとめてやるけぇ―――」


男性教師「佐々野もいつまでもビビッとらんで、早よ プールに飛び込まんかぁ!!」ヘイ、カモーーン!!


いちご「…………」フルフル


男性教師「そうやって固まとっても、ど〜にも ならんじゃろ!!」


男性教師「最初は怖いかもしれんけぇ、勇気を出して 早ぅ飛び込まんかぁ〜〜!!」ガッシ


いちご「うっ、うひゃぁぁ〜〜ッ!! 足、足を引っ張らんでぇ〜〜〜ッ!!」ナミダメ


男子生徒4「先生〜〜 佐々野さん、マジで心底 嫌がってますよ〜〜〜!!」


男性教師「だ〜〜 お前、うっさい!!」




ミーーン ミンミンミン…

男性教師「ま〜〜 今日はこんなもんじゃろ、お前ら後片付けして さっさと帰るんじゃぞ!!」ペタペタ


男子生徒4「ほ〜〜い!!」


いちご「はぁ………」ヤット オワッタンジャ…



男子生徒4「あ、佐々野さん。 この後、ちょっと時間いい……?」


いちご「…………」





819 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/07/15(木) 23:21:11.59 ID:ij/dDup/0




瀬戸内海にほど近い 古い町並み―――


少年の後を追うように、2人の少女が石段を駆け上がる―――



ほらほら、早く早く〜〜〜


んも〜〜 ―――君、上るの早い〜〜!! いちごちゃんが死にかけとるけぇ!!


いちごちゃん、大丈夫? 少し休む〜〜?



あはは、ゴメン ゴメン!!


いちご〜〜!! 大丈夫か〜〜〜!!


手ぇ貸してやっから、少し休んだら もちぃーと 頑張ろうなァ!!


あ〜〜 ずる〜〜い!! アタシも アタシも〜〜〜!!


ダメ、ダメ!! 自分、メッチャ元気そうやん!!


うわっ!? 危ないけぇ、背中にしがみつくな〜〜〜!!




わぁ〜〜〜!! すっごぉ〜〜い!! メチャメチャ ええ景色じゃねぇ!! 海の方までよぅ見えよるね〜〜!!


凄いじゃろぉ〜〜!! ここの石段を上ったお寺さんからじゃと、竹原の街並みが よぅ見えるんじゃ!!


ここ西方寺普明閣はのぅ、京都の清水寺ってトコをイメージして作られとってな〜〜


それ、どうせいつもの オジちゃんの受け売りじゃろぉ〜〜


グッ、何故 バレた……


820 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/08/14(土) 13:55:09.03 ID:BB8hLET+0



あ〜〜 こっからじゃと いつものお好み焼き屋さんも、よぅ見えよるねぇ。


おいおい、お腹すくこと言うなよ〜〜〜!!


じゃってぇぇ〜〜〜!!


クゥゥーー

ん、今の音って……?


あ、アタシのお腹の音ではないけぇ!!


ちゅ〜〜ことは……?



ぎゃはは、いちごの顔が真っ赤っかじゃ〜〜〜!!


きゃはは!! いちごちゃんが、食べごろのイチゴみたいになっとる〜〜!!




スマン、スマン。 ついつい調子に乗って笑い過ぎたんじゃ。


謝るけぇ、そんなに泣くなって〜〜


いちごちゃん、ホンにゴメンの〜〜〜


いちごちゃんのお腹の音があんまり可愛かったけぇのぅ……




美味しそうなお好み焼きの香り漂う、懐かしい街並み―――


それは私がまだお婆ちゃんのいる鹿老渡での生活を始めるよりも以前の記憶―――


臆病で家族以外の誰とも馴染めず、話すことも出来なかった私に、とても親切に接してくれた 同い年の二人―――



821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 14:07:40.27 ID:noX0jODpO
いい…
822 :ケイ@コメント、ありがとね。 [saga]:2021/09/13(月) 02:02:29.39 ID:NhfbSC880



これは―――?


この前、とーちゃん達と行った夏祭りの夜店で買ったんじゃ。


―――君といちごちゃんの分、それにアタシの分も含めて3つ。


3人 お揃いのアクセサリー!!


アタシ達3人、これからもずっと―――でいる誓いの証みたいなもんじゃ!!


そうじゃな。 コレは自分らがずっと―――でいよーゆー 誓いの証じゃ!!




て… いちごちゃん―――?


いちごぉ… 自分、ちぃーと 泣きすぎじゃろ〜〜


いちごちゃんは、ホンに泣き虫じゃの〜〜〜


ホラホラ、しっかり鼻をかめ!! 自分、今 スッゴイ 酷い顔しちょるけぇ―――


んも〜〜 女の子にそんなんゆーたら ダメじゃろ!!


よしよし、これからもアタシ達はずっと―――じゃよ……



それは、私の心の深いところに棘のように刺さったままの一つの記憶―――


素敵でかけがえのない、とっても綺麗で大切な記憶の欠片じゃったもの――――




823 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/10/12(火) 16:42:39.27 ID:utshXVke0



【倉橋島 とある小学校―――】



男子生徒4「実は俺さ…… 前からずっと、佐々野さんのこと良いなって思っててさ―――」


男子生徒4「佐々野さんさ、俺と付き合ってよ――――」


いちご「……………」




男子生徒4「佐々野さん、クラスのブスどもから苛められてるだろ…」


男子生徒4「アイツら、佐々野さんが可愛いからって 露骨な嫉妬とかしてんじゃね〜〜っつの……」


男子生徒4「それにクラスのバカ男子どもとか、あの変態クソ教師からも、何かいつもエロい目で見られてるっぽいじゃん!!」


いちご「……………」



男子生徒4「だったらさ―――」


男子生徒4「俺と付き合ってるってことにすりゃ良いと思うんだ!!」


男子生徒4「俺だったら、佐々野さんのこと守ってやれると思うんだよね―――」




ミーーン ミーーン


いちご「えと… その……」フルフル


男子生徒4「ん、何……?」


いちご「ちゃちゃ… うちは、その………」ジワァ…



824 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/11/11(木) 20:08:34.35 ID:xEW8vM+b0



いちご「その… そのぅ……」ポロポロ…


いちご「ぐすっ… ひっく………」グスグス…


男子生徒4「げっ、マジかよ… 本当に泣きだしちまったよ……」


男子生徒1「うわぁ〜〜 コイツ、いちごちゃんのこと泣かせとるわぁ!!」ガサガサッ


いちご「――――ひっ!?」ビクゥッ



男子生徒2「ぎゃははっ!! 自分、ホンマ サイテーじゃのぅ!!」


男子生徒3「いえ〜〜ぃ!! 俺たちの大勝利〜〜〜!!」


男子生徒4「うっせぇよ!! 大体、出てくんのが 早ぇ〜んだよ お前らはよ〜〜」チェッ


いちご「…………?」



男子生徒1「ゴメンのぅ、いちごちゃ〜〜ん!!」ポンッ


いちご「」ビクッ


男子生徒1「いちごちゃん、告白されっとすぐ泣いちゃうじゃろ―――」


男子生徒1「じゃけぇ、このイケメン気取りが いちごちゃんのこと落とせるとか言いよるけぇ―――」


男子生徒2「―――告白した後に泣かれっかどうか、ちぃーとばかし賭けをしとったんじゃよ!!」


男子生徒4「ま〜〜 そうなんだけど…… さっき言ったこと自体に嘘はね〜〜かんな……」チェッ


いちご「えと… その……」グスッ


825 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/12/10(金) 23:59:55.37 ID:u5KmjMm+0



男子生徒2「それはさておき、まだしっとり濡れスケな いちごちゃんのスク水姿―――」ハァハァ…


男子生徒3「ほんのり残る塩素臭と、いちごちゃんの鮮やかな濡れ髪、たまりませんの〜〜〜」クンカ クンカッ


いちご「ひぃっ……!?」



男子生徒4「お前らな〜〜 あんまそういう目で俺のいちごを見るんじゃね〜〜よ!!」


男子生徒1「お前のじゃね〜〜し!! 泣かした張本人が何を言っても―――」



快活な長女さん「くぉ〜〜ら〜〜〜〜〜〜ッ!!」


ドッゴ〜〜〜〜〜ッ!!


男子生徒4「うっぎゃぁ〜〜〜〜〜ッ!!」


快活な長女さん「うぉりゃぁっ!!」バチコーーンッ


男子生徒1「ぐぼわっっっ!!」


快活な長女さん「うだらぁ〜〜ッ!!」ズビズバーーッ


男子生徒2「あべべべしっ!!」


快活な長女さん「おらおらおらおらぁ〜〜〜ッ!!」ドコドコドコドコッ


男子生徒3「グペペペペ〜〜〜ッ!!!」



快活な長女さん「ウチらのちゃちゃのんを、何 泣かしてくれとるんじゃ!! こんダボがぁ!!」


いちご「ちっ、ちーちゃん!?」



男子生徒ども「「何だぁ、やんのかこのクソアマがぁ〜〜〜ッ!!」」


快活な長女さん「おっしゃぁ〜〜ッ!! 全員まとめて かかって来んか〜〜〜い!!」ガルルル…


いちご「ちょ… ちーちゃ〜〜ん!?」


ドカッ バキッ グシャッ… グェェ…



826 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2022/01/10(月) 21:40:43.35 ID:vXKf47X20



【倉橋島 桂浜海岸・夕刻―――】

カァーー カァーー ザザザーーン


ちゃちゃのん「ちーちゃん、大丈夫……?」ヌレタオル、ポフッ


快活な長女さん「あいたたた、もちぃーと優しく頼むんじゃ……」


ちゃちゃのん「あぅぅ… ごめんのぅ……」



快活な長女さん「ちくしょう、アイツらマジで4人がかりで掛かって来やがんの―――」


快活な長女さん「男としてのプライドは無いんかっつ〜〜の……」


ちゃちゃのん「……………」



快活な長女さん「じゃけぇ最後はアタシの渾身の一撃で、アイツら見事に撃退してやったんじゃ!!」


快活な長女さん「ちゃちゃのんを泣かせるヤツぁ、このアタシがしばいちゃるけぇのぅ〜〜〜」カッカッカッ


ちゃちゃのん「ケンカなんて… しちゃダメじゃよ………」


快活な長女さん「いやいや… 気に食わんヤツがおったら、そりゃもぅ命がけの抗争以外ありえんじゃろ!!」


ちゃちゃのん「じゃけぇ… さっきだって悪かったんは、ちゃちゃのんじゃけぇ……」


ちゃちゃのん「ちーちゃんが、擦り傷だらけになることなんてなかったんじゃ―――」グスッ


快活な長女さん「ちゃちゃのん………」


ズビシッ

ちゃちゃのん「うひゃぁっ!?」


ちゃちゃのん「―――なんで、チョップ……?」イタイ…


快活な長女さん「これでケンカ両成敗、これでおあいこじゃ―――」ニカッ


ちゃちゃのん「う… うん……」


827 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2022/02/10(木) 15:17:22.56 ID:RhjoKeHf0



快活な長女さん「それにしても、やっぱりちゃちゃのんは ようモテよるんじゃなぁ―――」


ちゃちゃのん「えっと、そんなことは……」


快活な長女さん「ま〜〜 ちゃちゃのんくらい可愛けりゃ、世の男どもがほっとくわけもないか……」


ちゃちゃのん「好きとか、嫌いとか―――」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんにゃぁ、よぅ分からんよ……」


ちゃちゃのん「それにちゃちゃのんに、それを言ってもらう資格とかないけぇ―――」


快活な長女さん「ちゃちゃのん……」




ちゃちゃのん「ちーちゃんは、どうしてあそこにおったん……?」


快活な長女さん「ん―――?」



快活な長女さん「そりゃぁ… ちゃちゃのんの学校がどんなトコなのか―――ちぃーと興味もあったけぇ……」


快活な長女さん「もしかして、迷惑じゃった―――?」


ちゃちゃのん「……………」


快活な長女さん「……………」



それは肯定から来る沈黙じゃろう―――


決してアタシと目を合わそうとしないちゃちゃのんの態度からも、それは容易に読み取れた―――


思えばちゃちゃのんは、以前にもアタシたちと一緒に倉橋に行くことを嫌がっとったような節があった―――



828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/10(木) 17:22:55.82 ID:nJVV8/LDO
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
829 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2022/03/10(木) 15:11:01.57 ID:ajB8b2PJ0



快活な長女さん「いよっしゃ!! 泳ぐかぁ!!」ヌギヌギ


ちゃちゃのん「ふぇぇっ!?」


ちゃちゃのん「ちょっ… ちーちゃん!?」


快活な長女さん「せっかくの綺麗な桂浜ビーチに、スク水姿のちゃちゃのん!!」


快活な長女さん「この状況で泳がんとか、ぶっちゃけありえんじゃろ!!」ポイポーーイ


そういうや否や、着ていたものを砂浜の上に次々と脱ぎ捨てていく―――



ちゃちゃのん「そ、そない恰好、もし誰かに見られでもしたら―――///」ヒェェッ


快活な長女さん「どおりゃぁ〜〜〜っ!!」バシャーーンッ


ちゃちゃのん「うひゃっ、冷たっ!!」


快活な長女さん「ちゃちゃのんは、あれこれ考え過ぎじゃ!!」


快活な長女さん「海ん中は、ぶち気持ちええぞ〜〜!!」


ちゃちゃのん「うぅっ… そうはゆーても―――」


快活な長女さん「妖怪・磯女じゃ〜〜〜ッ!!」ザバザバザバーーッ


ちゃちゃのん「ふぎゃぁ〜〜〜ッ!!」

ドッボーーン!!


はっきりしないちゃちゃのんの腕を掴み、半ば強引に海の中に引きずり込んだ―――



快活な長女さん「どうじゃ!! ちぃーとは、さっぱりしたじゃろ!!」カッカッカッ


快活な長女さん「ん、ちゃちゃのん―――?」


ブクブク ブクブク…


快活な長女さん「うげっ!? 溺れちょる!!」



830 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2022/04/10(日) 16:12:27.78 ID:anHNd4jD0



ちゃちゃのん「ゲホゲホッ……」


快活な長女さん「おぉぅ… ちゃちゃのん、大丈夫かぁ〜〜?」サスサスッ


ちゃちゃのん「し、死ぬかと思ったんじゃ―――」ハァハァ…


快活な長女さん「スマン、スマン。 まさか足の届くトコで溺れるとは思わんかったんじゃ―――」


ちゃちゃのん「…………」


快活な長女さん「ちゃちゃのん……?」


ちゃちゃのん「そりゃぁっ!!」

バッシャーーン!!


快活な長女さん「うぉっ!?」


ちゃちゃのん「へへへっ、これでおあいこじゃね―――」ニッコリ


快活な長女さん「まだまだ〜〜〜!!」

バシャバシャッ


ちゃちゃのん「うひゃっ、冷たいんじゃ!!」ヒャーー


ちゃちゃのん「えいっ、えいっ!!」

バシャバシャッ


快活な長女さん「カッカッカッ!! ちゃちゃのんも、なかなかやるのぅ!!」



831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/10(日) 21:24:56.96 ID:zUSHUibt0
ルフィ「ナミ、ナミ、トイレ」ナミ「ちょっと待ってね」
と同レベルのクソスレ
自己満足もここまでいくと病気を疑う
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/06(金) 17:57:44.46 ID:rYV+b3N9O
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/16(木) 20:01:48.75 ID:v5uCx6xP0
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