【咲 -Saki- SS】 大学編 - いちご味 - ちゃちゃのん「おかえりなさい」

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779 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2018/07/07(土) 18:20:37.58 ID:UYPasyye0




鹿老渡―――


この猫の多い小さな島で、ちゃちゃのんとゆーと知り合って数日―――


最近は5人で集まっては、麻雀ばかりしとった気がする―――





快活な長女さん「ふぁ〜〜 もぅこないな時間か……」トタトタ


夕べはちゃちゃのんに借りた麻雀の本 読んどって、すっかり寝るの遅ぅなったんじゃ。



快活な長女さん「しー おはよ。 よーは?」


しっかりものの妹ちゃん「ちー姉 おはよう。 よーじゃったら朝早ぅ起きて、お爺の船じゃよ」


快活な長女さん「そういや、夕べそんな話 しとったのぅ―――」


よーはうちら姉妹ん中でも一番の爺さんっ子で、よぅ爺さんの漁船に乗せてもらっとる。



快活な長女さん「しーは、今日 どうするん?」


しっかりものの妹ちゃん「特に予定もないんじゃが、ゆー姉に借りた本を読もぅ思っちょるよ」


快活な長女さん「そか、了解―――」



今日はちゃちゃのんも、用事あるゆー話じゃったし―――


アタシは、何して過ごすかのぅ―――



快活な長女さん「それんしても、今日も えぇ天気じゃ……」



780 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2018/08/06(月) 13:07:39.80 ID:Le/aojs30



ミーーン ミンミン…


快活な長女さん「最近はいつも皆と一緒じゃったけぇ、こうして一人で島の散策するんも少し新鮮じゃ…」


快活な長女さん「さ〜〜て… どっか、ええトコないかの……」


快活な長女さん「うぉっ、何じゃこりゃ!?」ギョッ




ようこそ かろうとへ―――


そう書かれた塀には、魚を釣り上げる 釣りキチ三平らしきパチモンの壁画。


快活な長女さん「これ、大丈夫なん…?」ナンカ イロイロト…


でもって三平のすぐ側面には、『またきてね!』という カープ坊やの謎壁画。


快活な長女さん「カープ坊や、標準語なんじゃな…」


快活な長女さん「――――でもって、コイツがまた ごっついのぅ……」


謎壁画のすぐ横に、異様な存在感をもって鎮座する―――


アンパンマンやバイキンマン、バカボンのパパ、ドラえもんら人気キャラクターたちの無数の晒し首。


ひな祭りのひな壇のように段差をつけて横に3列、更にその上空に紐でくくられ数珠つなぎになった首が2列。


その首実検の数、ゆうに50以上はありそうじゃ。



快活な長女さん「夏祭りの夜店とかで売られとる、キャラクターの顔が描かれたビーチボールか何かじゃろか…」


快活な長女さん「それが何でこんなトコに、大量に吊るされとるんじゃ……」


快活な長女さん「もしかすっと、新種の魔除けの類かもしれんの―――」ゴクリッ


快活な長女さん「おぉっ、怖っ……」



クーー クーー トテトテ…


快活な長女さん「ん… この子猫って―――」


快活な長女さん「確か ちゃちゃのんちによぅ入り浸っとる、セクハラねこ……」クーコ?


快活な長女さん「どっかに、向かっとる―――?」



781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/09(木) 10:51:04.59 ID:X1hqzSlho
782 :ケイ@サーバー復活、ありがたい!! [saga]:2018/10/18(木) 14:15:05.67 ID:ROwsURA60

SS速報VIPが鯖落ちして もう随分経つので、復帰も絶望的かなと思ってましたけど

dat落ちすることなく、こうして無事に続きを書き込めること とてもありがたいです♪


このまま復帰することなく、スレ落ちするようなら、少しずつ書き貯めして完結した頃にでも

ドコか他所のサイトで一気に書き直ししようかと思ってましたけど、とりあえずその必要はなさそうですね。

ちゃちゃのんが主人公なうえに、咲キャラほぼ出ない誰得でもない鹿老渡話ですけど、もう少しだらだら続けていけたらなと思ってます。



因みに今は姉妹作品になる、優奈ちゃん主人公の下の作品を先に完結させたいと思って、そっち優先で書いてます。


【咲 -Saki- 】優奈「佐々野先輩、お誕生日おめでとうございます!」

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1513247658/


こっちの話と直接的な繋がりはありませんけど、こっちもヨロシクお願いしますということで…

相変わらずの超スローペースになると思いますけど、気の長い方お付き合い頂ければ幸いです。



783 :ケイ@祝・5部アニメ化。 みんなキャラ立ってて好きだけど、やっぱりリゾットがとても好き [saga]:2018/11/17(土) 18:07:33.22 ID:IIIgnqzE0



【鹿老渡 どっかの広場――】


ミーーン ミンミン… ニャーー ニャーー


ちゃちゃのん「み、みんな〜〜 今日はちゃちゃのんのコンサートに集まってくれて―――」


ちゃちゃのん「ど、どうも… ありがとなんじゃ〜〜〜////」ペッコリン


しげにぃ「ぶししっ… い、いちごちゃん… とっても可愛いんだどぉ〜〜」シシッ


ちゃちゃのん「えへへ、そうかのぅ〜〜♪」テレテレッ


島にゃんこ「にゃ〜 にゃ〜〜」


ちゃちゃのん「えへへ、ありがと〜〜♪」ニャンコ ナデナデ



しげにぃ「お、おらのママも美人だども、いちごちゃんも… とっても可愛ええんだどぉ!!」


ちゃちゃのん「これもしげにぃちゃんがくれた、アイドルさん衣装のおかげかのぅ?」ヒラヒラッ


しげにぃ「ししっ… いちごちゃん、本物のアイドルみたいなんだど!!」ヒュッ ヒュー ヒューー(吹けない口笛)


しげにぃ「お、おらの秘蔵のアイドルこれくしょんを… い、いちごちゃんが……」フガガッ


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、いつかキラキラのアイドルさんになれるじゃろか…?」エヘヘーー


しげにぃ「い、いちごちゃんなら… ぜ、絶対、可愛い アイドル なれるんだどぉ〜〜!!」ウワーーイ


ちゃちゃのん「しげにぃちゃん……」ジーーン…


784 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2018/12/16(日) 16:52:06.66 ID:wAHgAyV+0



しげにぃ「あ… イチゴのアメちゃん、あげるんだど…」ゴソゴソ


ちゃちゃのん「わ〜〜い!! しげにぃちゃん、ありがと〜〜♪」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、イチゴのアメちゃん とっても大好きじゃ♪」コロコロ…


ちゃちゃのん「ホイッ!! にゃんちゃんたちにも、おすそ分けじゃ♪」


島にゃんこ「にゃにゃにゃ〜〜〜!!」ベロベロベロッ


ちゃちゃのん「うひゃっ!? ちゃちゃのん舐めても美味しくないんじゃよ〜〜!!」


ちゃちゃのん「皆にゃぁ、こっちのアメちゃん溶かしたお水なんじゃ♪」ヨシヨシ


島にゃんこ「うにゃ にゃ〜〜ん」ペロペロ ペロペロ


ちゃちゃのん「ちゃんとしげにぃちゃんに、ありがとうするんじゃよ〜〜♪」サスサスッ



しげにぃ「ぶししっ… おらって、もしかして 優しい…?」


ちゃちゃのん「うん♪ しげにぃちゃん、とっても優しいんじゃ!!」


しげにぃ「しししっ… もしかして、今のおら とってもかっこいいのかど‥…?」キリッ


ちゃちゃのん「うん♪ とっても かっこええんじゃよぉ!!」


しげにぃ「ししっ ししししししし……」ニッカーーッ


島にゃんこ「…………」ペロペロ


785 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/01/16(水) 16:51:03.74 ID:E4ax8liz0


しげにぃ「い、い、い、いちごちゃんは… おっ おらのこと―――」


しげにぃ「す、すすすす… 好きだったり、するのかど……?」ドキドキ


ちゃちゃのん「ほぇ―――?」


ちゃちゃのん「しげにぃちゃん を―――?」キョトン




しげにぃ「い、イチゴ味のアメちゃん… 大好きかど〜〜〜!?」


ちゃちゃのん「うん!! 大好き〜〜〜♪」パクツキッ


しげにぃ「しし! しししっ! お おら、とってもモテモテなんだど〜〜〜」ウェヘヘッ




しげにぃ「し、仕方ないから… いちごちゃんは、おらだけのアイドルにしてあげるんだど…」キリリッ


しげにぃ「お、おらはとっても優しくて かっこいいから、たくさん感謝するといいんだどぉ〜〜!!」


ちゃちゃのん「ほぇぇ……?」キョトン



786 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/02/15(金) 20:21:53.62 ID:yIbaknhU0



しげにぃ「じ、実はおら、アイドル衣装の他に、ブルマーとスクール水着も持ってきたんだど!!」ガサゴソ


しげにぃ「い、いちごちゃんなら、きっとこっちも似合うと思うんだど!!」


しげにぃ「い、今から、秘密のさつえい会するから、早くこっちに着替えるといいんだどぉ〜〜!!」フンスッ フンスッ


ちゃちゃのん「ほぇぇっ!? これってアイドルさんと関係あるんか?」


しげにぃ「も、もちろんアリアリなんだどぉ〜〜!!」コクコクッ


ちゃちゃのん「でも、何じゃかちょっぴり恥ずかしぃ気ぃするのぅ……///」ウーーン


しげにぃ「や、優しくて… か、かっこいい… このおらの言うことが 聞けないのかど……?」ジロリッ


ちゃちゃのん「し… しげにぃちゃん……?」ビクッ



しげにぃ「い、いちごちゃん!! さっきおらのこと、確かに大好きって言ったんだどっ!!」


しげにぃ「な、なのに!! 何で おらの言うことに、イチイチ口答えを するんだど!!」


しげにぃ「大好きなおらの言うこと、聞かなきゃダメなんだど!! 逆らったりしたら 絶対に許さないんだどぉ!!」フガー フガーー


島にゃんこ「フニャーーッ!!」


島にゃんこ「クーーーッ!!」


787 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/02/15(金) 20:26:12.99 ID:yIbaknhU0



しげにぃ「お、お前ら、うるさいんだど!! ねこのくせに、おらに逆らうのか!!」シッシッ


しげにぃ「は、早くどっかに行くんだどぉ!!」ブンッ ブンッ


島にゃんこ「ニャーーーッ!!」


ちゃちゃのん「にゃんちゃん―――!?」


ちゃちゃのん「しげにぃちゃん、にゃんちゃんたちをイジメちゃ駄目じゃよ!!」


しげにぃ「うるさい! うるさい! うるさいんだどぉ〜〜!!」


しげにぃ「そうやって、みんなして!! おらのことバカにするんじゃないんだど〜〜〜!!」フーーッ フーーッ


ちゃちゃのん「し、しげにぃちゃん!! どうしちゃったんじゃ!?」ウルウル



しげにぃ「こ この優しくて、かっこいい… お おお おらが―――」


しげにぃ「お着替えさせてあげるから、いちごちゃんは 大人しくしてるんだど……」フーーッ フーーッ


しげにぃ「い、いちごちゃ―――」フーーッ フーーッ




788 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/02/15(金) 20:31:19.27 ID:yIbaknhU0




快活な長女さん「どっせ〜〜〜〜〜〜いッ!!」ダッシャーーー


ドッゴ〜〜〜〜〜ッ!!


しげにぃ「ブッギャ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」ドテーーンッ ゴロゴロゴロ…


ちゃちゃのん「〜〜〜〜〜!?」


ちゃちゃのんに にじり寄る変態野郎の顔面に、あたしの怒りの全力ドロップキックが炸裂―――




ちゃちゃのん「ち… ちーちゃん……?」


快活な長女さん「おい… こんイボイボ まんまる学ラン野郎!!」ザッ ザッ


しげにぃ「あひっ… あひぃーっ な… なななな……」ハナジ ドボドボ…


快活な長女さん「わりゃぁ、こんないたいけな幼女 とっ捕まえてぇ、な〜〜に晒してくれとんじゃい―――」グィィーーッ


しげにぃ「お お前、何なんだど!! 何なんだど〜〜〜〜!!」


快活な長女さん「そりゃ こっちのセリフじゃ、こんボケカス まりもようかんがぁ〜〜〜ッ!!」ボグッ ボグッ ボグゥッ


島にゃんこ「フッシャーーッ!!」ガリガリッ ガジガジッ


狼狽する野郎の顔面に、容赦なく怒りの鉄拳をぶちかます―――


ついでに近くの島ねこたちも、野郎の足を噛じったり 引っ掻いたりし始める―――




しげにぃ「い いたい!! 痛いんだど〜〜〜」ハヒィーーッ ハヒィーーッ


しげにぃ「もぅ ヤメッ―――」ブワワッ



ちゃちゃのん「ちーちゃん、もぅヤメてぇ!!」ガバッ


快活な長女さん「ちゃちゃのん―――」


快活な長女さん「―――何で、こんなクソ野郎を庇っとるんじゃ……?」


789 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/02/15(金) 20:38:36.48 ID:yIbaknhU0



ちゃちゃのん「しげにぃちゃん、ホントはとってもええ人なんじゃ!!」


ちゃちゃのん「時々 気が大きくなって変になっちゃうこともあるけど、ホントはとっても優しい人じゃもん!!」


ちゃちゃのん「じゃけぇ酷いこと、しないであげて欲しいんじゃ……」ポロポロッ


しげにぃ「い、いちごちゃん……」ジーーーン



ちゃちゃのん「そうじゃよね、しげにぃちゃん……」ニッコリ


しげにぃ「うぅ… お、おら、何てバカなことをしてしまったんだど……」ポロポロ


しげにぃ「お、おら、いちごちゃんのおかげで、すっかり目が醒めたんだど……」


しげにぃ「―――いちごちゃん… それに島のねこさんたちも、おらが悪かったんだど……」ペッコリ


島にゃんこ「フーーーーッ!!」ガリガリガリ


しげにぃ「あいたたたっ… ど、どうもごめんなさいなんだどぉ〜〜!!」ペコペコ



快活な長女さん「…………」


快活な長女さん「はぁ… ヤメじゃ、ヤメじゃ… アホくさ……」ポリポリ


ちゃちゃのん「ちーちゃん、ありがとぉ♪」




しげにぃ「お、おら… こ、これからは空き缶を拾ったり、人から感謝されることをして 尊敬される人間になるんだど〜〜!!」


ちゃちゃのん「しげにぃちゃん、頑張ってのぅ♪」ギュッ


しげにぃ「い、いい、いちごちゃん!! やっぱりいちごちゃんは、お おらだけの天使なんだど〜〜〜!!」フガーーッ ダキツキッ


快活な長女さん「だぁ〜〜〜ッ!!」


ゴッッッッ!!


しげにぃ「あひぃぃ〜〜!!」ゴロゴロ…


しげにぃ「はっ!? お おら、いったい 何を―――!?」キョロ キョロ


快活な長女さん「も〜〜 イヤじゃっ… こいつ……」



790 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/03/13(水) 16:31:34.86 ID:9n3C8OdC0



【鹿老渡 沿岸】


ザザザザーーーン


快活な長女さん「ほんで、さっきのトゲトゲは いったい何だったんじゃ?」スタスタ


ちゃちゃのん「さっきのって、しげにぃちゃん―――?」テクテク


ちゃちゃのん「しげにぃちゃんは毎年こん時期になると、ヤング婆ちゃんとこに帰省しちょる 近所のお兄ちゃんじゃ!!」


快活な長女さん「ヤング婆ちゃん―――どっちじゃよ……」


ちゃちゃのん「ヤング婆ちゃんは、ヤング婆ちゃんじゃよ〜〜」




快活な長女さん「ほんで、結構 前からの知り合いなん?」


ちゃちゃのん「昔から人見知りで、年の近い友達おらんかった―――」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんにも優しくしてくれた、とっても大好きなお兄ちゃんじゃ♪」


快活な長女さん「大好き―――?」


ちゃちゃのん「うん♪ いつも いちごのぺろぺろアメちゃんくれるけぇ、とっても大好きじゃ♪」ヘヘッ


快活な長女さん「……………」



人見知りなくせに、とっても寂しがりで 人恋しくて―――


警戒心強いわりにゃぁ、ちょっと優しくされるとすぐ 懐いてまう単純思考―――



アタシが出会った初恋の天使は、アタシが思っとった以上にアホの子じゃった――――



791 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/04/12(金) 19:41:19.14 ID:r1T10Zes0



快活な長女さん「ちゃちゃのん。 これまでアイツに妙ちくりんなこととか、されとらんじゃろうな?」


ちゃちゃのん「ほぇ… 妙ちくりんなこと―――?」パチクリッ


快活な長女さん「そ、その… さっきみたいな、変なことゆーか……///」


ちゃちゃのん「しげにぃちゃん、時々 さっきみたいに強引なトコもあるんじゃが―――」


快活な長女さん「あるんか!!」


ちゃちゃのん「あ、うぅん!? さっきみたいなしげにぃちゃんの持ってくる衣装を着ての撮影会とか、そんくらいのことじゃよ〜〜」パタパタ


快活な長女さん「あの変態… やっぱもっと どついときゃ良かったんじゃ…」


ちゃちゃのん「もぅ… 暴力は駄目じゃよ〜〜〜」




ちゃちゃのん「ほんでもしげにぃちゃんは、ちゃちゃのんの夢―――」


ちゃちゃのん「いっぱい応援してくれちょるけぇ、やっぱり優しいお兄ちゃんじゃよ…」


快活な長女さん「そういや、ちゃちゃのんの夢って―――?」


ちゃちゃのん「へへっ… ちょっと照れくさいのぅ……」モジモジ




792 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/05/11(土) 01:29:56.29 ID:P3iTF5JY0




快活な長女さん「―――そっか、ちゃちゃのんの夢は、アイドルだったんじゃな。」


ちゃちゃのん「うん。 ちゃちゃのん、いつか夢に見た―――キラキラなアイドルさんになることが夢なんじゃ…///」ヘヘッ


快活な長女さん「――――なるほどのぅ……」


ちゃちゃのん「おょ… あんまり驚かんのじゃね……?」


快活な長女さん「あぁ… そういや、そうじゃな……」



ちゃちゃのん「もしかして、こん話 婆っちゃたちから聞いちょった…?」


快活な長女さん「いや、初耳じゃよ……」


ちゃちゃのん「反応うっすぅ……」ショボーーン


793 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/06/10(月) 14:52:52.73 ID:lMdUnhL90



快活な長女さん「ほんで、ちゃちゃのんはプロの雀士には ならんでええん?」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんはプロの麻雀の人にも、絶対なるんじゃよぉ!!」


快活な長女さん「んっ!? 両方―――?」


ちゃちゃのん「だ、駄目じゃろか……?」


快活な長女さん「そうじゃのぅ……」



快活な長女さん「ちゃちゃのんなら、きっとなれるじゃろ!!」


ちゃちゃのん「そ、そうかのぅ!! ちゃちゃのん、なれるかのぅ?」


快活な長女さん「もちろん大事なんは、こっからの頑張り次第じゃ思うが―――」


快活な長女さん「アタシも応援したるけぇ、とりあえず今 出来ることから頑張ってみたらええじゃろ!!」ポンポン


ちゃちゃのん「うん、ちゃちゃのん頑張るんじゃ!!」グッ



ちゃちゃのんのアイドルになるゆー夢を聞いたんは、たぶんこの時が最初じゃったと思うが―――


出会ったその瞬間から彼女はアタシにとっての特別じゃったけぇ、その話を聞いた時もアタシはどこか納得いったとゆー感じじゃった。



794 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/07/09(火) 21:21:45.43 ID:TaHXm3r20



ちゃちゃのん「そういえば、今日はちーちゃん一人なんじゃね。 もしかして、お散歩中じゃった?」


快活な長女さん「そうなんじゃよ。今日はよーも、しーも用事あるゆーとったけぇ、たまにゃぁ 一人で島の散策でもと思っての…」


ちゃちゃのん「―――その持っちょるんは、スケッチブック?」


快活な長女さん「あぁ、うん。 海とか山とか、田舎の風景とか、そういうのスケッチするのが好きなんじゃよ…」


快活な長女さん「まぁ、ちょっとした趣味みたいなもんじゃな…」


ちゃちゃのん「ほぇ〜〜 とっても素敵な趣味じゃの♪」


快活な長女さん「普段やかましい奴らに囲まれとるせいかのぅ、時々一人でのんびりした時間を過ごしたくなるんじゃよ…」カカッ


ちゃちゃのん「ちーちゃんの絵、見せてもらってもええかのぅ?」


快活な長女さん「ま〜〜 別に構わんけど―――」


快活な長女さん「ちぃーとばかし、照れくさいのぅ……///」




ちゃちゃのん「ちーちゃん、こーいう絵を描くんじゃね〜〜♪」ペラッ


ちゃちゃのん「優しくて、とってもぬくくて、なんじゃか心がぽかぽかしてくるんじゃ―――」


快活な長女さん「いやいや、そない大層なもんでもないじゃろ!!」


ちゃちゃのん「このお花の絵とかも、ちゃちゃのんとっても好きじゃよ♪」


快活な長女さん「あぁ、アイリスの絵じゃな。 菖蒲の仲間なんじゃが―――」


快活な長女さん「このジャーマンアイリスは花びらごとに色が違ったりして、虹の花・レインボーフラワーなんて呼ばれたりもするそうじゃ」


ちゃちゃのん「花びらごとに色が違うなんて、不思議じゃの〜〜」フムーー


795 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/08/08(木) 17:18:44.76 ID:+bdRLYYZ0



ちゃちゃのん「ほんで、何かちーちゃんが描きたいものは見つかったんか?」


快活な長女さん「謎壁画と首実検の奇妙スポットなら見つけたんじゃがの〜〜」


ちゃちゃのん「あははっ、あそこ行ったんじゃね〜〜♪」




ちゃちゃのん「そうじゃ!! もし良かったら、この後 ちぃーと付き合ってもらってもええじゃろか…?」


快活な長女さん「そりゃぁ… これといった用事もないけぇ、全然 構わんのじゃが――」


快活な長女さん「どっか、ええトコの心当たりでもあるんか?」


ちゃちゃのん「へへっ、それは着いてからのお楽しみじゃよ〜〜♪」ルンルン


快活な長女さん「そいつぁ 楽しみじゃ!!」




ちゃちゃのんと二人 連れだって歩いとると、白く大きな建物とグラウンドが横目に映った。


快活な長女さん「あの建物って、確か例の小学校じゃよね…」


ちゃちゃのん「うん。 だいぶ前に閉校しちゃった、鹿老渡小学校じゃ。」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんは倉橋の小学校に通っとるんじゃが、一応 今でも災害なんかあった時の避難場所には なっちょるんじゃよ。」


快活な長女さん「ここが、鹿老渡小学校―――」


ちゃちゃのん「本当じゃったら、ちゃちゃのんもここに通っとったんかの……」


子どもたちの気配の消え失せた白く大きな建物、本来の役割を終えた その姿が少し物悲しく感じられた―――



796 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/09/07(土) 21:13:52.35 ID:sWT806IA0


ミーーン ミンミン…

快活な長女さん「ちゃちゃのんさ〜 もう山の中なんじゃが、どこまで行くんじゃ?」


ちゃちゃのん「へへっ、もうちょっとで着くんじゃよ〜〜」ザク ザク


快活な長女さん「そういや、島のこっち側にゃぁ まだ来たことなかったの…」ザック ザック…


胡子神社に荒神社、鹿老渡小学校の跡地を抜け、アタシたちは島の東側にある山の中を歩いとった。




快活な長女さん「そういや… この島って小っさいのも多いが、神社とかお寺さん結構あるんじゃな…」


快活な長女さん「ちゃちゃのんと初めて遊んだ、あの高台にあった伊勢の社もそうじゃったの―――」




ヒュゥゥゥ…

快活な長女さん「―――――!?」


薄暗い山道を抜け 明るく開けた場所へ出たところで、とても気持ちの良い海風がアタシたちの間を通り抜けた。


次の瞬間、アタシの視界全体に広がったのは 小高い丘と海との間の斜面いっぱいに広がる 太陽の花 ひまわり―――




快活な長女さん「おぉ… こいつぁ、凄いの……」


ちゃちゃのん「うん。 海辺のひまわり畑じゃよ―――」



常に潮風にさらされ続けることとなる、厳しい環境を ものともせず


そのひまわり達は、太陽に向かって その大輪の花を元気いっぱいに咲かせとった―――



797 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/10/06(日) 03:02:17.47 ID:R+L1bQJG0


ヒュゥゥゥ… バサバサッ

ちゃちゃのん「大丈夫―――?」


快活な長女さん「―――ちぃーと風があるようじゃが、ま〜 特に問題はないじゃろ…」シャッ シャッ


視界いっぱいに広がるひまわり畑と美しい鹿老渡の海をスケッチブックに描き写す―――




ちゃちゃのん「ほぇ〜〜 そうやって描くんじゃねぇ〜〜」ジロジロ ジーー


快活な長女さん「ちょっ!? そんな間近でじっくり覗き込まれると、流石に少し恥ずいんじゃ―――」


ちゃちゃのん「あぁっ、そうじゃよね!? ちゃちゃのん、反省じゃ……」


快活な長女さん(―――何か、ぶちええ匂いしたんじゃ……)ドキドキ




ちゃちゃのん「ちーちゃんは、ひまわり 好きかの?」


快活な長女さん「うん、大好きじゃよ。 何か ひまわりって、見とるうちに元気 貰える気ぃするけぇ」


ちゃちゃのん「うんうん、何かそんな感じ♪ お日さんの匂いでいっぱいじゃ!!」スンスンッ


快活な長女さん「ふふっ… 確かに―――」



798 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/11/05(火) 13:50:22.07 ID:pV5VPegR0



ちゃちゃのん「妹のよーちゃんって、いつも元気いっぱいで ひまわりみたいな子じゃよねぇ」


快活な長女さん「そうじゃのぅ―――」


快活な長女さん「アレは太陽の子、元気の塊じゃけぇ―――アタシらもよぅ元気 貰っとるわ…」フフッ


快活な長女さん「ま〜〜 ドが付くアホぅじゃけぇ、いっぱい迷惑もかけられとるがのぅ……」


ちゃちゃのん「ありゃ〜〜〜」


ちゃちゃのん・快活な長女さん「「ふふっ… あははは……♪」」




ちゃちゃのん「ちなみに、しーちゃんをお花に例えるとなんじゃろね?」


快活な長女さん「しーはのぅ―――」


快活な長女さん「こまくって、純粋で、ちぃーとばかし毒っぽいトコなんかは、『鈴蘭の花』と言ったところかのぅ―――」


ちゃちゃのん「そっかぁ、スズランのぅ… 雪みたいに真っ白で、可愛らしゅーて、しーちゃんにぴったりじゃね♪」


快活な長女さん「最近は毒が強ぅなりすぎて、ちぃーとばかし腐り始めとるよーじゃがの…」


ちゃちゃのん「ふぇぇ… 腐る……?」


快活な長女さん「はは… ちゃちゃのんは知らんでええ世界じゃな……」トオイメ…



799 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2019/12/04(水) 23:02:09.77 ID:areyKG3g0




【同日 鹿老渡・儚げな少女宅――】


しっかりものの妹ちゃん「ふおぉぉぉ〜〜〜〜!!」


しっかりものの妹ちゃん「ゆ、ゆー姉ぇぇ〜〜 まさか、これは〜〜ッ!!」


儚げな少女「むふふっ… 流石は同志しーさん。 よくぞ気がついて下さいました―――」キュピーーン


しっかりものの妹ちゃん「去年のお祭りでも長蛇の列からの圧倒的 売り切れ―――」


しっかりものの妹ちゃん「ネット上でもはぐれメタル状態になって久しい 幻の一冊……」


しっかりものの妹ちゃん「男の娘×男の娘という新機軸の最高峰『スズランの蕾――』やないか〜〜〜!!」ドーーン


儚げな少女「まさしく、ですわ―――」クフフ…




しっかりものの妹ちゃん「そ、そして、こっちは―――!?」


しっかりものの妹ちゃん「その正当続編でもある、最新作… 悲恋『スノードロップの慰め――』」ガタガタ ブルブル


儚げな少女「スノードロップ(雪のしずく)には『希望』や『慰め』と言った素敵な花言葉がある一方、『あなたの死を望みます』と言った不吉な花言葉もあると誤解されていますの」


儚げな少女「それはイギリスのある農村地域の『ケガで亡くなった恋人の体にスノードロップをそっと置くと、彼は雪のしずくになってしまった――』という悲しい言い伝えがあるためだそうですけれど―――」


儚げな少女「これはその不吉な誤った花言葉をモチーフとした、禁断の愛の物語なのですわ―――」


しっかりものの妹ちゃん「ゆーちょることは よ〜〜分らんが、とにかく最高なんじゃ〜〜〜〜!!」ヒャッホーーー


800 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/01/03(金) 18:01:01.11 ID:VAlGbGRB0



しっかりものの妹ちゃん「ホンで、ゆーお姉さま!!」


しっかりものの妹ちゃん「コレは一体、どうやってゲットしたんじゃ!?」


儚げな少女「入手方法は企業秘密ですけれど、しーさんがこちら側だということを伺いましたので―――」フフッ


儚げな少女「昨日、何とか2冊目を手に入れたところなのですわ!!」


しっかりものの妹ちゃん「に、2冊……だと……?」ジュルリッ



儚げな少女「えぇ、これは私からのささやかながらの贈り物ですわ」ニッコリ


しっかりものの妹ちゃん「あぁ… マリアさまじゃ…… 聖母マリアさまが、ご降臨なされたんじゃ―――」ハハーー


儚げな少女「今年のお祭りも近いですわ。 今から気力を蓄えておかないと……」ムフフ…


しっかりものの妹ちゃん「ゆー姉… 病気療養中なのでは……?」


儚げな少女「細かいことを気にしてはいけませんわ。 さぁ、今日は心ゆくまで 読書に耽るとしましょう!!」


しっかりものの妹ちゃん「ガッテンじゃ!!」ビシッ




801 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/02/02(日) 21:36:58.00 ID:vPVGUXTm0



ザザザザーーーン


快活な長女さん「の〜 ちゃちゃのん、海の向こうにうっすらと陸みたいなもんが見えるんじゃが―――」


ちゃちゃのん「ありゃ〜 忽那諸島(くつなしょとう)の中島かの〜〜」


ちゃちゃのん「島全体にみかん畑がいっぱいあって、夏にゃぁトライアスロンの大会なんかもやっとるそうじゃ」


快活な長女さん「てことは、あっちの方が四国になるんかの?」


ちゃちゃのん「うん。 ちょっと見えづらいんじゃが、あっちの方に見える島影が愛媛じゃね―――」


快活な長女さん「へ〜〜 鹿老渡から四国って見えるんじゃな…」


ちゃちゃのん「瀬戸内を挟んだ、お隣さんじゃしね―――」




快活な長女さん「瀬戸内海にゃぁ、他にも色んな島があるんじゃろ?」


ちゃちゃのん「そうじゃの〜〜 近いトコでゆーと、海軍兵学校のあった江田島や、厳島神社のある宮島なんかはとっても有名かの〜」


ちゃちゃのん「後は猫と灯台で有名な男木島、桃太郎の鬼ヶ島伝説のある女木島、ひょっこりひょうたん島のモデルにもなったっちゅ〜 ひょうたん島」


ちゃちゃのん「いっぱいのオリーブ畑とエンジェルロードがロマンチックな小豆島に、歴史的な町並みが見どころな本島、村上水軍でも有名な因島―――」


ちゃちゃのん「他にも直島や豊島、大島、淡路島に粟島とか、瀬戸内の島はどこも景色が綺麗じゃし、映画やドラマの舞台になった島なんかも いっぱいあるそうじゃよ―――」


802 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/03/01(日) 18:05:54.50 ID:qs7eU9F30



快活な長女さん「確か、野うさぎで有名な島ってあったじゃろ?」


ちゃちゃのん「あ〜〜 うん… 竹原の大久野島のことかの―――」


ちゃちゃのん「うさぎと毒ガスの島 言われとって、地図から消された島としても有名じゃね―――」


快活な長女さん「おぉぅ… 何じゃか、随分と物騒な話じゃのぅ……」


ちゃちゃのん「もちろん今よりもずっと昔のことなんじゃが、そん島じゃぁ軍によって たくさんの毒ガスの製造、保管が行われとったそうでの―――」


ちゃちゃのん「軍の機密ゆーことで、そん島の存在は長い間 隠され、地図の上からも 消されてきたゆー話じゃな……」



ちゃちゃのん「そーゆーいきさつのあった島じゃけぇ、今ではそんな悲しい出来事をずっと忘れないために毒ガスの資料館が建てられ―――」


ちゃちゃのん「可愛いウサちゃんたちとたくさん触れ合える、癒しと平和に彩られた うさぎの楽園になったっちゅーわけじゃな!!」


快活な長女さん「なるほどの〜〜」




快活な長女さん「ほんで… そのうさぎたちって、もしかすっと そん時の毒ガス実験で使われとったゆー いわくのある―――」


ちゃちゃのん「いやいやいや!! そんなことはないけぇ!!」


ちゃちゃのん「それとこれとは、まったくもって別の話じゃけぇ!!」ブンブンッ


快活な長女さん「―――なぜ、そないに必死なんじゃ……」


ちゃちゃのん「…………」



ちゃちゃのん「えへへっ…」ニコッ


快活な長女さん「何か怖いから!! そのエンジェルスマイル!!」ヤメヨッ



803 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/03/31(火) 17:11:20.40 ID:FvaJnm3k0



ちゃちゃのん「確かに… そんな怖い噂話も あったみたいじゃが―――」コホンッ


ちゃちゃのん「実際にゃぁ、そんなことは ちっともないみたいじゃよ…」


快活な長女さん「あ、そうなん…?」



ちゃちゃのん「うん。島におる うさちゃんたちは、戦争の後に地元の小学校で飼われとった8羽がいつの間にか野生化して―――」


ちゃちゃのん「それが増えに増えて、今では1000羽を超えるくらいにまで増えたっちゅーのが真相みたいじゃな……」


快活な長女さん「うさぎの繁殖力、ハンパね〜〜〜」


ちゃちゃのん「ほ、ほうじゃね……」



快活な長女さん「可愛い見た目して、うさぎの性欲はマジでヤバいってゆーしのぅ…」


ちゃちゃのん「…………」


快活な長女さん「うさぎのオスは絶倫、うさぎのメスは常に妊娠したがっちょる ゆーしのぅ……」


ちゃちゃのん「…………///」


804 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/04/30(木) 21:33:45.29 ID:7UDwITNN0



快活な長女さん「常に捕食される側の、か弱い生き物じぇけぇ。 うさぎはたくさんの子どもを産むことで、絶滅の危機を免れてきたゆーわけじゃな―――」


ちゃちゃのん「この話は、もぅおしまいじゃ!!」


快活な長女さん「そうなん? まだもぅ少し ええじゃろ―――?」


ちゃちゃのん「しまいじゃ、しまい!!」


快活な長女さん「カッカッカッ!! ちゃちゃのんは、照れ屋さんじゃの〜〜〜!!」


ちゃちゃのん「…………////」マッカッカ




快活な長女さん「それんしても、随分と島のこと詳しいんじゃな。」


ちゃちゃのん「あ、ちゃちゃのん… 竹原とは何かと縁があったけぇ……」


ちゃちゃのん「そん時に、大久野島にも行ったことがあるんじゃよ―――」


快活な長女さん「ほ〜〜 縁、ゆーと……?」




ちゃちゃのん「竹原は、お父さんが生まれ育った街なんじゃ……」


ちゃちゃのん「そんで、ちゃちゃのんもな……」


ちゃちゃのん「お父さんに連れられて、何度か遊びに行ったことがあるらしいんじゃ―――」


快活な長女さん「ほぅほぅ……」



ちゃちゃのんが、大好きな婆ちゃん以外の家族の話をするのは 珍しいなと―――


ちゃちゃのんの話を聞きながら、何となく そんなことを思った―――



805 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/05/29(金) 23:57:40.78 ID:pkoXOvQT0



快活な長女さん「ちゃちゃのんの そん頃の話、もちっと聞いてみたいかのぅ…」


ちゃちゃのん「ほぇっ!? そんな話がええのん…?」


快活な長女さん「ま〜〜 何となくじゃが―――」


快活な長女さん「ちゃちゃのんがイヤゆーなら、もちろん無理にとは言わんがの……」


ちゃちゃのん「―――別に、イヤではないんじゃが……」


快活な長女さん(イヤではないけど、あまりしたい話題でもないんかの……)




快活な長女さん「あぁ、えぇよ、えぇよ!! やっぱさっきのナシじゃ、ナシ!!」


ちゃちゃのん「ほぇぇっ―――!?」


快活な長女さん「よくよく考えると、あんま興味なかったけぇ!!」カッカッカ


ちゃちゃのん「そ、それはそれでちぃーと失礼な話じゃの…」ムゥ…


快活な長女さん「ま〜〜 細かいこたぁええじゃろ!!」ポンポン




ちゃちゃのん「―――ちーちゃん、ありがと〜〜の……」


快活な長女さん「ん―――?」


ちゃちゃのん「何か、気ぃ使ってくれたっぽいけぇ……///」ヘヘッ


快活な長女さん「……………」


ポカッ


ちゃちゃのん「あいたぁーーっ!!」


ちゃちゃのん「何で、今 叩いたん―――?」ナミダメ


快活な長女さん「あ… イヤ…… 何でじゃろ……?」ツイ…



806 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/06/28(日) 13:22:09.90 ID:rGqd8ePk0




ちゃちゃのん「ちゃちゃのんな―――」


ちゃちゃのん「あの頃のことで、一つだけ よぅ思い出すことがあるんじゃ―――」


快活な長女さん(あ… 結局、話してくれるんじゃな……)




ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、ちっちゃい頃に竹原港から大崎下島の御手洗(みたらい)まで 家族で旅行をしたことがあったらしいんじゃが―――」


快活な長女さん「今でも充分 ちっさいじゃろ……」


ちゃちゃのん「今よりも、もっともっと ちっちゃい頃の話じゃよぉ…」ブーー


快活な長女さん「冗談じゃよ、冗談!! 御手洗ゆーと―――」


ちゃちゃのん「お、お手洗いじゃないけぇ!!」


快活な長女さん「まだ何もゆーとらんじゃろ……」


ちゃちゃのん「ほいじゃが、絶対 ゆーつもりじゃったろ……?」ジーー


快活な長女さん「ま〜〜の!!」カッカッカ


ちゃちゃのん「んもぅ……」



807 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/07/27(月) 23:41:19.85 ID:2xWGPT0I0



ちゃちゃのん「大崎下島の御手洗は鹿老渡と同じで、潮待ちの港として栄えた 港町なんじゃが―――」


ちゃちゃのん「そこの名所 歴史の見える丘公園で、ちゃちゃのん 迷子になってしまったことがあるそうなんじゃ……」


快活な長女さん「ん、よう覚えとらんの…?」


ちゃちゃのん「うん… その頃のことは―――」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、あまりよぅ覚えちょらんのじゃ……」


快活な長女さん「ま〜〜 ちっさい頃の話じゃしのぅ…」


ちゃちゃのん「うん………」




ちゃちゃのん「ただその時 一人の女の子に親切にしてもらったことは、今でも何となくじゃが思い出すことがあるんじゃ―――」


快活な長女さん「それって、どんな子だったんじゃ?」


ちゃちゃのん「綺麗な長い黒髪をした、物静かな印象の女の子じゃったかのぅ……」


ちゃちゃのん「その子は迷子になって泣きじゃくるちゃちゃのんに少し慌てながらも、絵本を読んでくれたり、楽しいお姫さまの物語を聞かせてくれたり―――」


ちゃちゃのん「そうやってお父さんがちゃちゃのん 見つけてくれるまで、一緒におってくれたんじゃ―――」


808 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/08/26(水) 17:08:10.96 ID:dj5+TNvd0



快活な長女さん「その子ってさ、ちゃちゃのんのともだち―――?」


ちゃちゃのん「ほぇぇっ!? ともだち―――!?」


快活な長女さん「いや… 何となくじゃが、そうなんじゃろかって―――」


ちゃちゃのん「えと、たぶん… そういうのとは、ちょっと違う気がするんじゃ―――」


快活な長女さん「そうなん……?」




ちゃちゃのん「ん…… 何となく、そう思うとしか言えないんじゃが―――」


ちゃちゃのん「会ったのも、その一度きりじゃったし……」


ちゃちゃのん「たぶん あの子にとって、あの日のことは 特別ではなかったと思うけぇ―――」


快活な長女さん(―――特別のぅ……)


809 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/09/25(金) 23:35:29.75 ID:IFs0pnUJ0



ちゃちゃのん「ほんでも、ちゃちゃのんは―――」


ちゃちゃのん「あの日のことを とっても感謝しちょるけぇ、それでええ 思っとるんじゃ…」


快活な長女さん「ま… ちゃちゃのんがそう思うんじゃったら、きっとそうなんじゃろう!!」


ちゃちゃのん「うん……」



ちゃちゃのん「その子とまた出会えた時にゃぁ、今度はちゃんとお礼を言いたいって思っちょるんじゃ!!」


快活な長女さん「お礼、言えるとええね……」


ちゃちゃのん「そうじゃねぇ〜〜」ヘヘッ




ちゃちゃのん「な、なんじゃか… いつの間にか、妙な話になってしもうたの〜〜」テレッ


快活な長女さん「ちゃちゃのんが、昔っからボンヤリしとったゆーことがよぅ分かったんじゃ!!」カカッ


ちゃちゃのん「うぅっ… 否定したいけど、出来んのが悔しい……」


快活な長女さん「そうやって、しょっちゅう迷子になっては親父さん 困らせとったんじゃろうな!!」


ちゃちゃのん「んもぅ… その話はもぅええじゃろ……」



810 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/10/24(土) 01:33:37.76 ID:7zEtf9820




快活な長女さん「おっしゃ、こんなモンじゃろ!!」


小高い丘に広がるひまわり畑と、青く澄みきった鹿老渡の空と海をスケッチブックに描き終え 一息つくアタシ―――




ちゃちゃのん「ほぇ〜〜 ちーちゃん、ホンに絵ぇ描くん得意なんじゃね〜〜」


ちゃちゃのん「とっても 上手いんじゃ……」


快活な長女さん「ま〜〜 こん程度の風景画なら、誰だって ちぃーと練習すりゃ描けっようなんじゃろ。」


ちゃちゃのん「ん〜〜ん、そんなことはないけぇ――」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのん、ちーちゃんの このひまわり畑の絵 とっても大好きじゃよ♪」


快活な長女さん「そっか… じゃったら、こん絵は彩色まで仕上げ終えたら、ちゃちゃのんにあげるんじゃ!!」


ちゃちゃのん「ええの……?」


811 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/11/23(月) 15:16:28.37 ID:CnSWqeMB0


快活な長女さん「アタシの絵を褒めてくれたお礼じゃけぇ―――」


ちゃちゃのん「えへへ、ちーちゃん、ど〜〜も ありがと〜〜の♪」ニコッ


快活な長女さん「―――――///」


ちゃちゃのん「ちーちゃん……?」


快活な長女さん「いんや、何でもないんじゃ―――」


ちゃちゃのん「ほぇぇ…?」




快活な長女さん「それんしても、ここはホンにええトコじゃな…」ゴロンッ


ちゃちゃのん「ほうじゃろ、ほうじゃろ―――♪」ヨイショ


ちゃちゃのん「ここはとっても気持ちええ風が吹きよるけぇ、いつまでもこうしてたくなるんじゃ……」



優しい風がひまわり畑を通り 海岸線へと吹き抜ける、なだらかな丘の上―――


アタシたちは緑の絨毯に背をあずけ、どこまでも広がる青く澄みきった空を見上げながら 過ぎゆく時の流れを楽しんだ。



812 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2020/12/22(火) 18:42:04.81 ID:WGdb0abg0




それから数日―――


アタシたちはいつものように顔を合わせては麻雀をする、そんな楽しくも変わらない日々を過ごしとった―――



しっかりものの妹ちゃん「だ〜〜!! もちぃーとシャッキリやらんかいッ!!」バンッ


陽気な妹ちゃん「イ〜〜ヤ〜〜じゃ〜〜〜!! 」ブンブンッ


陽気な妹ちゃん「せっかくの夏休みに勉強とか、正気の沙汰じゃないけぇ―――」


しっかりものの妹ちゃん「やかましい!! 休みじゃけぇ、宿題があるんじゃろうが!!」


しっかりものの妹ちゃん「おとんから、アンタに宿題させるようキツく言われとるんじゃ!!」


陽気な妹ちゃん「夏休みはまだあるんじゃけぇ、別に今やらんでもええじゃろ〜〜」


しっかりものの妹ちゃん「そうゆーて、よーはいつぃき サボりよろ〜〜が!!」


陽気な妹ちゃん「むぅ〜〜〜〜〜」


しっかりものの妹ちゃん「今日はちゃちゃのんも ゆー姉も用事があって来られんゆーとったけぇ、えぇ機会じゃろ!!」ホレホレッ


陽気な妹ちゃん「用事ってなんじゃ!!」


しっかりものの妹ちゃん「ちゃちゃのんは、夏休みの登校日じゃけぇ 遊べんゆーとったし―――」


しっかりものの妹ちゃん「ゆー姉も定期健診で今日から暫くの間は、実家から病院通いするってゆーとったじゃろ―――」


813 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/01/21(木) 18:58:27.27 ID:j8+ne4gd0


しっかりものの妹ちゃん「分かったら勉強じゃ、勉強ッ!!」


陽気な妹ちゃん「ボク 昆虫採集とセミ捕りで忙しいけぇ、勉強はまた今度にするんじゃ!!」ダッ


しっかりものの妹ちゃん「まて〜〜いッ!!」ガッシッ!!


しっかりものの妹ちゃん「それはいつぃき やっとろうが!! 今日は部屋で大人しゅ〜 勉強じゃ!!」


陽気な妹ちゃん「しーの裏切りモ〜〜ン!!」バタバタッ


しっかりものの妹ちゃん「知らんわ!! 自分に勉強させにゃぁ、アタシがおとんに沈められっじゃろ!!」


陽気な妹ちゃん「しーの鬼! 鬼! 鬼! 鬼! 鬼〜〜〜ッ!!」


しっかりものの妹ちゃん「よーのアホ! アホ! アホ! アホ! アホ〜〜〜ッ!!」



快活な長女さん「世は並べて事もなし―――」カキカキ


快活な長女さん「今日も平和じゃのぅ……」シャッ シャッ


快活な長女さん(そういや、今日は登校日ゆーとったが―――)


快活な長女さん(今頃 ちゃちゃのん、何をしとるんじゃろ―――?)


陽気な妹ちゃん・しっかりものの妹ちゃん「「ちーねぇ(姉)も 絵ばっか描いとらんで、コイツに何か言ってやって欲しいんじゃ!!」」ギャーギャー


快活な長女さん「え"え"っ!! 何でアタシが―――!?」



814 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/02/20(土) 21:20:37.02 ID:BEwj4M4H0




【倉橋島 とある小学校―――】


バシャバシャ キャハハッ キャッ キャッ…


男性教師「おら〜〜 お前ら、遊んでばっかおらんで 碁石を拾え! 碁石を〜〜!!」


男性教師「こら佐々野ォ!! お前まだ一つも拾えとらんじゃないか!! 何をやっとるんじゃぁ!!」


いちご「」ビクッ


いちご「ご、ごめんなさぃ… なんじゃ……」


男性教師「そう思うなら、いつまでもプールサイドで縮こまっとらんで、早よプールに潜らんか!!」


男子生徒1「先生〜〜!! 佐々野さんは水がおっかの〜〜て、プールに入れないんじゃよ!!」


女子生徒1「いちごちゃんはうんちじゃけぇ、しゃーないわ!!」キャハハッ


いちご「…………」シュン…



男性教師「水が苦手なら苦手で、水に慣れる努力すっとか やれっこともあろーに―――」チャポン


男性教師「ホレ… 先生が身体ぁ 支えとってやるけぇ、まずは水に浸かるトコから始めればえーがの!!」


男子生徒2「先生〜〜 それ確実に逮捕されるヤツ〜〜〜」


女子生徒2「何か目つき いやらしい〜〜〜」キモッ


男性教師「ア、アホッ!! 人聞きの悪いことをゆーんじゃない!!」


815 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/03/19(金) 15:09:36.40 ID:TINE49A20



男子生徒1「じゃけぇ、いちごちゃんのスク水姿はサイコーじゃ〜〜 思うわ!!」


男子生徒2「それな〜〜!! それだけがプールの日の楽しみじゃけぇ!!」


男子生徒3「いちごちゃ〜〜ん、こっち向いて〜〜〜♪」ヒューヒューー


いちご「あ… えと……////」モジモジ



女子生徒1「うわっ… また出たんじゃ、男子の佐々野さん贔屓……」チッ


女子生徒2「ちぃーとばかし うちらより可愛え思ーて、ええ気になっちょるんじゃ……」


男子生徒1「ちぃーとばかし〜〜? 自分らプールに映る自分のツラぁ、よー見てからモノ言えや〜〜!!」


女子生徒2「はぁ〜〜 アンタ喧嘩 売ってんの〜〜〜!!」


男性教師「コラ、お前ら〜〜!! 今 授業中って分かっとんのか〜〜〜!!」


いちご「…………」




イヤじゃな―――


無神経な男子たちの視線、先生の大きな怒鳴り声―――


女子たちの冷ややかな視線、ぶつけられる重たくて黒い感情―――


こん場所におると、ちゃちゃのんはちゃちゃのんでは居られなくなってしまうけぇ――――



816 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/04/18(日) 23:54:56.32 ID:K39W6+eW0



キーーン コーーン カーーン コーーーーン


男性教師「よし! これで今日の登校日は終了じゃ!!」


男性教師「各自 着替えが済んだら、真っすぐ寄り道とかせんで 帰るんじゃぞ!!」


生徒たち「「は〜〜〜い!!」」



男子生徒1「は〜〜 終わった 終わった…」


男子生徒2「こっからどうする? ゲーセンでも寄ってく?」


女子生徒1「着替え直して、呉の方まで買い物 行こうぜ〜〜」


女子生徒2「了解〜〜♪」


ワイワイ ガヤガヤ…




いちご「…………」


男性教師「佐々野、自分はこの後 居残り練習じゃ―――」ガッシ…


いちご「ひゃぅっ―――!?」ビクッ


男性教師「島人のクセに水が苦手じゃ、何かと困るじゃろ―――」


男性教師「今日は自分が泳げるようになるまで、先生が付き合ってやるけぇ 感謝するんじゃぞ―――」


いちご「あ、ありがとぅ… ございます……」シュン…


女子生徒3「セクハラ教師、マジ引くわ〜〜〜」


817 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/05/17(月) 17:42:42.37 ID:fm0JjhIi0



男子生徒4「先生〜〜!! 俺も泳げないんで、コーチお願いしま〜〜す!!」


男性教師「あ〜〜 今日は佐々野の指導が優先じゃけぇ、自分はまた今度じゃ―――」


男性教師「ていうか、自分 確か泳ぎ得意じゃったよなぁ―――」


男子生徒4「あれあれ〜〜 もしかして、俺がいると お邪魔だったりします〜〜〜?」


女子生徒3「マジ引くわ〜〜〜」クスクス


男性教師「バッ、バカな事 言うんじゃない!!」


男性教師「―――分かった、分かった。 残りたいなら勝手にせい!!」チッ


男子生徒4「あざーーす!!」




男子生徒4「佐々野さん、ヨロシク〜〜♪」


いちご「う、うん……」


男子生徒4「佐々野さんだけだと、何か心配だったからさ―――」ヒソヒソ…


いちご「あ、ありがとぅ………」ホッ…



818 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/06/16(水) 17:26:38.56 ID:SXP2D4No0



バシャ バシャ

男性教師「先生が溺れないよう、身体で抱きとめてやるけぇ―――」


男性教師「佐々野もいつまでもビビッとらんで、早よ プールに飛び込まんかぁ!!」ヘイ、カモーーン!!


いちご「…………」フルフル


男性教師「そうやって固まとっても、ど〜にも ならんじゃろ!!」


男性教師「最初は怖いかもしれんけぇ、勇気を出して 早ぅ飛び込まんかぁ〜〜!!」ガッシ


いちご「うっ、うひゃぁぁ〜〜ッ!! 足、足を引っ張らんでぇ〜〜〜ッ!!」ナミダメ


男子生徒4「先生〜〜 佐々野さん、マジで心底 嫌がってますよ〜〜〜!!」


男性教師「だ〜〜 お前、うっさい!!」




ミーーン ミンミンミン…

男性教師「ま〜〜 今日はこんなもんじゃろ、お前ら後片付けして さっさと帰るんじゃぞ!!」ペタペタ


男子生徒4「ほ〜〜い!!」


いちご「はぁ………」ヤット オワッタンジャ…



男子生徒4「あ、佐々野さん。 この後、ちょっと時間いい……?」


いちご「…………」





819 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/07/15(木) 23:21:11.59 ID:ij/dDup/0




瀬戸内海にほど近い 古い町並み―――


少年の後を追うように、2人の少女が石段を駆け上がる―――



ほらほら、早く早く〜〜〜


んも〜〜 ―――君、上るの早い〜〜!! いちごちゃんが死にかけとるけぇ!!


いちごちゃん、大丈夫? 少し休む〜〜?



あはは、ゴメン ゴメン!!


いちご〜〜!! 大丈夫か〜〜〜!!


手ぇ貸してやっから、少し休んだら もちぃーと 頑張ろうなァ!!


あ〜〜 ずる〜〜い!! アタシも アタシも〜〜〜!!


ダメ、ダメ!! 自分、メッチャ元気そうやん!!


うわっ!? 危ないけぇ、背中にしがみつくな〜〜〜!!




わぁ〜〜〜!! すっごぉ〜〜い!! メチャメチャ ええ景色じゃねぇ!! 海の方までよぅ見えよるね〜〜!!


凄いじゃろぉ〜〜!! ここの石段を上ったお寺さんからじゃと、竹原の街並みが よぅ見えるんじゃ!!


ここ西方寺普明閣はのぅ、京都の清水寺ってトコをイメージして作られとってな〜〜


それ、どうせいつもの オジちゃんの受け売りじゃろぉ〜〜


グッ、何故 バレた……


820 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/08/14(土) 13:55:09.03 ID:BB8hLET+0



あ〜〜 こっからじゃと いつものお好み焼き屋さんも、よぅ見えよるねぇ。


おいおい、お腹すくこと言うなよ〜〜〜!!


じゃってぇぇ〜〜〜!!


クゥゥーー

ん、今の音って……?


あ、アタシのお腹の音ではないけぇ!!


ちゅ〜〜ことは……?



ぎゃはは、いちごの顔が真っ赤っかじゃ〜〜〜!!


きゃはは!! いちごちゃんが、食べごろのイチゴみたいになっとる〜〜!!




スマン、スマン。 ついつい調子に乗って笑い過ぎたんじゃ。


謝るけぇ、そんなに泣くなって〜〜


いちごちゃん、ホンにゴメンの〜〜〜


いちごちゃんのお腹の音があんまり可愛かったけぇのぅ……




美味しそうなお好み焼きの香り漂う、懐かしい街並み―――


それは私がまだお婆ちゃんのいる鹿老渡での生活を始めるよりも以前の記憶―――


臆病で家族以外の誰とも馴染めず、話すことも出来なかった私に、とても親切に接してくれた 同い年の二人―――



821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 14:07:40.27 ID:noX0jODpO
いい…
822 :ケイ@コメント、ありがとね。 [saga]:2021/09/13(月) 02:02:29.39 ID:NhfbSC880



これは―――?


この前、とーちゃん達と行った夏祭りの夜店で買ったんじゃ。


―――君といちごちゃんの分、それにアタシの分も含めて3つ。


3人 お揃いのアクセサリー!!


アタシ達3人、これからもずっと―――でいる誓いの証みたいなもんじゃ!!


そうじゃな。 コレは自分らがずっと―――でいよーゆー 誓いの証じゃ!!




て… いちごちゃん―――?


いちごぉ… 自分、ちぃーと 泣きすぎじゃろ〜〜


いちごちゃんは、ホンに泣き虫じゃの〜〜〜


ホラホラ、しっかり鼻をかめ!! 自分、今 スッゴイ 酷い顔しちょるけぇ―――


んも〜〜 女の子にそんなんゆーたら ダメじゃろ!!


よしよし、これからもアタシ達はずっと―――じゃよ……



それは、私の心の深いところに棘のように刺さったままの一つの記憶―――


素敵でかけがえのない、とっても綺麗で大切な記憶の欠片じゃったもの――――




823 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/10/12(火) 16:42:39.27 ID:utshXVke0



【倉橋島 とある小学校―――】



男子生徒4「実は俺さ…… 前からずっと、佐々野さんのこと良いなって思っててさ―――」


男子生徒4「佐々野さんさ、俺と付き合ってよ――――」


いちご「……………」




男子生徒4「佐々野さん、クラスのブスどもから苛められてるだろ…」


男子生徒4「アイツら、佐々野さんが可愛いからって 露骨な嫉妬とかしてんじゃね〜〜っつの……」


男子生徒4「それにクラスのバカ男子どもとか、あの変態クソ教師からも、何かいつもエロい目で見られてるっぽいじゃん!!」


いちご「……………」



男子生徒4「だったらさ―――」


男子生徒4「俺と付き合ってるってことにすりゃ良いと思うんだ!!」


男子生徒4「俺だったら、佐々野さんのこと守ってやれると思うんだよね―――」




ミーーン ミーーン


いちご「えと… その……」フルフル


男子生徒4「ん、何……?」


いちご「ちゃちゃ… うちは、その………」ジワァ…



824 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/11/11(木) 20:08:34.35 ID:xEW8vM+b0



いちご「その… そのぅ……」ポロポロ…


いちご「ぐすっ… ひっく………」グスグス…


男子生徒4「げっ、マジかよ… 本当に泣きだしちまったよ……」


男子生徒1「うわぁ〜〜 コイツ、いちごちゃんのこと泣かせとるわぁ!!」ガサガサッ


いちご「――――ひっ!?」ビクゥッ



男子生徒2「ぎゃははっ!! 自分、ホンマ サイテーじゃのぅ!!」


男子生徒3「いえ〜〜ぃ!! 俺たちの大勝利〜〜〜!!」


男子生徒4「うっせぇよ!! 大体、出てくんのが 早ぇ〜んだよ お前らはよ〜〜」チェッ


いちご「…………?」



男子生徒1「ゴメンのぅ、いちごちゃ〜〜ん!!」ポンッ


いちご「」ビクッ


男子生徒1「いちごちゃん、告白されっとすぐ泣いちゃうじゃろ―――」


男子生徒1「じゃけぇ、このイケメン気取りが いちごちゃんのこと落とせるとか言いよるけぇ―――」


男子生徒2「―――告白した後に泣かれっかどうか、ちぃーとばかし賭けをしとったんじゃよ!!」


男子生徒4「ま〜〜 そうなんだけど…… さっき言ったこと自体に嘘はね〜〜かんな……」チェッ


いちご「えと… その……」グスッ


825 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2021/12/10(金) 23:59:55.37 ID:u5KmjMm+0



男子生徒2「それはさておき、まだしっとり濡れスケな いちごちゃんのスク水姿―――」ハァハァ…


男子生徒3「ほんのり残る塩素臭と、いちごちゃんの鮮やかな濡れ髪、たまりませんの〜〜〜」クンカ クンカッ


いちご「ひぃっ……!?」



男子生徒4「お前らな〜〜 あんまそういう目で俺のいちごを見るんじゃね〜〜よ!!」


男子生徒1「お前のじゃね〜〜し!! 泣かした張本人が何を言っても―――」



快活な長女さん「くぉ〜〜ら〜〜〜〜〜〜ッ!!」


ドッゴ〜〜〜〜〜ッ!!


男子生徒4「うっぎゃぁ〜〜〜〜〜ッ!!」


快活な長女さん「うぉりゃぁっ!!」バチコーーンッ


男子生徒1「ぐぼわっっっ!!」


快活な長女さん「うだらぁ〜〜ッ!!」ズビズバーーッ


男子生徒2「あべべべしっ!!」


快活な長女さん「おらおらおらおらぁ〜〜〜ッ!!」ドコドコドコドコッ


男子生徒3「グペペペペ〜〜〜ッ!!!」



快活な長女さん「ウチらのちゃちゃのんを、何 泣かしてくれとるんじゃ!! こんダボがぁ!!」


いちご「ちっ、ちーちゃん!?」



男子生徒ども「「何だぁ、やんのかこのクソアマがぁ〜〜〜ッ!!」」


快活な長女さん「おっしゃぁ〜〜ッ!! 全員まとめて かかって来んか〜〜〜い!!」ガルルル…


いちご「ちょ… ちーちゃ〜〜ん!?」


ドカッ バキッ グシャッ… グェェ…



826 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2022/01/10(月) 21:40:43.35 ID:vXKf47X20



【倉橋島 桂浜海岸・夕刻―――】

カァーー カァーー ザザザーーン


ちゃちゃのん「ちーちゃん、大丈夫……?」ヌレタオル、ポフッ


快活な長女さん「あいたたた、もちぃーと優しく頼むんじゃ……」


ちゃちゃのん「あぅぅ… ごめんのぅ……」



快活な長女さん「ちくしょう、アイツらマジで4人がかりで掛かって来やがんの―――」


快活な長女さん「男としてのプライドは無いんかっつ〜〜の……」


ちゃちゃのん「……………」



快活な長女さん「じゃけぇ最後はアタシの渾身の一撃で、アイツら見事に撃退してやったんじゃ!!」


快活な長女さん「ちゃちゃのんを泣かせるヤツぁ、このアタシがしばいちゃるけぇのぅ〜〜〜」カッカッカッ


ちゃちゃのん「ケンカなんて… しちゃダメじゃよ………」


快活な長女さん「いやいや… 気に食わんヤツがおったら、そりゃもぅ命がけの抗争以外ありえんじゃろ!!」


ちゃちゃのん「じゃけぇ… さっきだって悪かったんは、ちゃちゃのんじゃけぇ……」


ちゃちゃのん「ちーちゃんが、擦り傷だらけになることなんてなかったんじゃ―――」グスッ


快活な長女さん「ちゃちゃのん………」


ズビシッ

ちゃちゃのん「うひゃぁっ!?」


ちゃちゃのん「―――なんで、チョップ……?」イタイ…


快活な長女さん「これでケンカ両成敗、これでおあいこじゃ―――」ニカッ


ちゃちゃのん「う… うん……」


827 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2022/02/10(木) 15:17:22.56 ID:RhjoKeHf0



快活な長女さん「それにしても、やっぱりちゃちゃのんは ようモテよるんじゃなぁ―――」


ちゃちゃのん「えっと、そんなことは……」


快活な長女さん「ま〜〜 ちゃちゃのんくらい可愛けりゃ、世の男どもがほっとくわけもないか……」


ちゃちゃのん「好きとか、嫌いとか―――」


ちゃちゃのん「ちゃちゃのんにゃぁ、よぅ分からんよ……」


ちゃちゃのん「それにちゃちゃのんに、それを言ってもらう資格とかないけぇ―――」


快活な長女さん「ちゃちゃのん……」




ちゃちゃのん「ちーちゃんは、どうしてあそこにおったん……?」


快活な長女さん「ん―――?」



快活な長女さん「そりゃぁ… ちゃちゃのんの学校がどんなトコなのか―――ちぃーと興味もあったけぇ……」


快活な長女さん「もしかして、迷惑じゃった―――?」


ちゃちゃのん「……………」


快活な長女さん「……………」



それは肯定から来る沈黙じゃろう―――


決してアタシと目を合わそうとしないちゃちゃのんの態度からも、それは容易に読み取れた―――


思えばちゃちゃのんは、以前にもアタシたちと一緒に倉橋に行くことを嫌がっとったような節があった―――



828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/10(木) 17:22:55.82 ID:nJVV8/LDO
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
829 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2022/03/10(木) 15:11:01.57 ID:ajB8b2PJ0



快活な長女さん「いよっしゃ!! 泳ぐかぁ!!」ヌギヌギ


ちゃちゃのん「ふぇぇっ!?」


ちゃちゃのん「ちょっ… ちーちゃん!?」


快活な長女さん「せっかくの綺麗な桂浜ビーチに、スク水姿のちゃちゃのん!!」


快活な長女さん「この状況で泳がんとか、ぶっちゃけありえんじゃろ!!」ポイポーーイ


そういうや否や、着ていたものを砂浜の上に次々と脱ぎ捨てていく―――



ちゃちゃのん「そ、そない恰好、もし誰かに見られでもしたら―――///」ヒェェッ


快活な長女さん「どおりゃぁ〜〜〜っ!!」バシャーーンッ


ちゃちゃのん「うひゃっ、冷たっ!!」


快活な長女さん「ちゃちゃのんは、あれこれ考え過ぎじゃ!!」


快活な長女さん「海ん中は、ぶち気持ちええぞ〜〜!!」


ちゃちゃのん「うぅっ… そうはゆーても―――」


快活な長女さん「妖怪・磯女じゃ〜〜〜ッ!!」ザバザバザバーーッ


ちゃちゃのん「ふぎゃぁ〜〜〜ッ!!」

ドッボーーン!!


はっきりしないちゃちゃのんの腕を掴み、半ば強引に海の中に引きずり込んだ―――



快活な長女さん「どうじゃ!! ちぃーとは、さっぱりしたじゃろ!!」カッカッカッ


快活な長女さん「ん、ちゃちゃのん―――?」


ブクブク ブクブク…


快活な長女さん「うげっ!? 溺れちょる!!」



830 :ケイ@番外「鹿老渡・小学生編」 ともだち [saga]:2022/04/10(日) 16:12:27.78 ID:anHNd4jD0



ちゃちゃのん「ゲホゲホッ……」


快活な長女さん「おぉぅ… ちゃちゃのん、大丈夫かぁ〜〜?」サスサスッ


ちゃちゃのん「し、死ぬかと思ったんじゃ―――」ハァハァ…


快活な長女さん「スマン、スマン。 まさか足の届くトコで溺れるとは思わんかったんじゃ―――」


ちゃちゃのん「…………」


快活な長女さん「ちゃちゃのん……?」


ちゃちゃのん「そりゃぁっ!!」

バッシャーーン!!


快活な長女さん「うぉっ!?」


ちゃちゃのん「へへへっ、これでおあいこじゃね―――」ニッコリ


快活な長女さん「まだまだ〜〜〜!!」

バシャバシャッ


ちゃちゃのん「うひゃっ、冷たいんじゃ!!」ヒャーー


ちゃちゃのん「えいっ、えいっ!!」

バシャバシャッ


快活な長女さん「カッカッカッ!! ちゃちゃのんも、なかなかやるのぅ!!」



831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/10(日) 21:24:56.96 ID:zUSHUibt0
ルフィ「ナミ、ナミ、トイレ」ナミ「ちょっと待ってね」
と同レベルのクソスレ
自己満足もここまでいくと病気を疑う
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/06(金) 17:57:44.46 ID:rYV+b3N9O
SS避難所
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833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/16(木) 20:01:48.75 ID:v5uCx6xP0
続き待ってる
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