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モバP「アイドルサバイバルin仮想現実」 -
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1 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 20:45:17.15 ID:sA/EEehz0
前々スレ
渋谷凛「アイドルサバイバルin仮想現実」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1393849705/
前スレ
早坂美玲「アイドルサバイバルin仮想現実」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396415964/
いきなりラストバトルから始まるので
詳細は前スレ参照でお願いします
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1458387907
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
Twitter
]: ID:???
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:20:24.33 ID:WpWM+xYMo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227623/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:18:35.89 ID:Vr506SRJo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227515/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:17:49.87 ID:t6dKBjAuo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227469/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:17:17.71 ID:/UbTl3Hgo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227436/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:16:22.54 ID:Un8tNByuo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227381/
ミア「歩夢・・・辛かったな・・・」ナデナデ歩夢「ミアちゃん・・・うぅ・・・」 @ 2024/11/22(金) 00:59:47.53 ID:w7bhdEV4O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1732204787/
ちんぽいぬ @ 2024/11/21(木) 22:13:45.60 ID:BuRqeSctO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732194825/
無くても死にはしないけどある方が安心する気がしないでもない @ 2024/11/21(木) 02:19:47.82 ID:SZfofcdIo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1732123187/
2 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 20:46:51.02 ID:sA/EEehz0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
チャプター
ボット
「ぐがぁああああああああ!!!!!」
極限の破壊力を浴びた体が地面を抉りながら吹き飛んでいく
開戦から続いた南条光の窮状は結局一度も途絶えなかった
クレーターに塗れた地面にさらに凹凸を増やし南条光は地に伏す
「...ひかるー......いたいー......?」
その元凶たる幼女は全く意に介さない
背から生えた翼を得意気に揺らしながら滞空し、光に近づく
___能力発動『望月聖』___
光(ボット)「くっ......やるな」
こずえ(ボット)「...えへへー」
3 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 20:53:28.55 ID:sA/EEehz0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
実際のところ南条光の能力は望月聖の能力と相性が良かった
物質として光子に干渉する力にとって常に光を放つ翼は十分対処できるものだった
無論、翼そのものには触れない。触れればそれだけで南条光は消失する
しかし彼女なら、翼が放つ淡い光線には触ることができる
灼けた鉄の表面を低温の物質でコーティングするようなものだ
そうしてこずえが無作法に振るう攻撃をいなすことも弾くこともなんとか出来ていた
「...ん〜.........ひかるー...つよいからー...」
そこまでが彼女の限界だった
「光」という物質を通して人間もボットも対象を見ている中
その能力は見るもの全てを欺いた
___能力発動『塩見周子』___
南条光の力が望月聖の力に有効である以上に
塩見周子の力は南条光の力の天敵だった
光(ボット)「まさか幻覚系能力まで網羅しているとは......」
かといってヒーローがここで負けを認めるわけにはいかない
そう、言葉にしたかった
でもこずえは待たなかった
体重なら光の千倍以上ある、ぴにゃこら太の足の裏も待たなかった
複雑な能力を伴わず。ただシンプルに小柄な少女を踏みつぶした
ゲーム開始_分
南条光(ボット) 消失
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 20:56:29.12 ID:sA/EEehz0
障害は排除した、もう残っているボットは遊佐こずえと森久保乃々だけ
そして乃々はどこかに隠れてしまった。でも彼女ならこずえを邪魔しないし害しない
そのことはこずえも十分身に染みて知っている。彼女をここまで生かしたボットを忘れたりしない
だから狙うべきは不確定要素、天から降りた電車の塔
加えて、電車へ向かって走る”一人の”プレイヤー
自分たちに立ちふさがる”四人の”プレイヤー
どの目標を狙うにもやや遠い、そしてぴにゃは遅い
プレイヤーたちはどうやら、こずえが戦っている内に移動していたらしい
「............?......」
遠く離れていても敵の姿はよく見える、遮蔽物となる建物はもうどこにもない
二者を隔てているのは純粋に距離の問題だけ
その距離をまずは一歩ずつ詰める
ズンンッ!
ぴにゃが地面を踏みしめる
___能力発動『桃井あずき』___
___能力発動『望月聖』___
滞空したままの姿でこずえが増殖していく
人数の差を埋める、戦力の差を開ける
最後に情報力の差を埋めよう
___能力発動『二宮飛鳥』___
仮想世界の間諜と盗聴を司る能力がこずえたちに宿る
五人に増えた分、それぞれが一人のプレイヤーの声を聴いた
一人だけノイズが多いのは現在進行形で遠ざかっているからだろうか
5 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 20:58:45.92 ID:sA/EEehz0
__「智絵里の能力を使えたらよかったんだけどな」__
__「でも、さっきみたいな不意打ちはもうゴメンだしね。それはベストじゃないって答え出たでしょ?」__
__「びっくりしたもんねぇ......えっと、今は智絵里ちゃんが電車に辿りつけばいいんですよね?」___
__「そうだよ、マークの付いたあの子さえ辿り付けばあたしの能力で全員ゴールできるし」__
__「じゃっ、しよっか。時間稼ぎ!」__
__「......わたしがっ.........わたしが、辿りつけばっ!」__
ゲーム開始_分
遊佐こずえ(ボット)
VS
プレイヤーズ
開始
6 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 21:03:12.02 ID:sA/EEehz0
銃はない
乗り物もない
戦闘力もない
これは消化試合にしかならない
まともに戦おうとすれば
___________
ジャンク -50MC
ジャンク -50MC
ジャンク -50MC
ジャンク -50MC
ジャンク -50MC
ジャンク -50MC
ジャンク -50MC
残7030MC
___________
「うおおおおおおお時間を稼げええええ!!!」
「はいいいいい!!!」
めきめきとバリケードが「生える」
壊れた武器、建造物の一部、瓦礫のオブジェ、折れた樹木
呼び寄せられたそれらが積み上がっていくことで電車への道を塞ぐ
ただ、現在のこずえたちの第一目標はより近くにいる四人であるから
無理に電車までの道を塞ぐ必要はないのかもしれない
「押すよ!紗南ちゃん!!」
「いいよ!最後はゴリ押しだよね!」
言うまでもないことだが、このバリケード自体はこずえに対して全く意味がない
現在、五体で肉薄しているこずえが例え一体だtったとしても、羽先であしらえる
望月聖の能力とはそういうものなのだ。誰にも負けない、誰にも砕けない、誰にも防げない
「あれー......」
「......なんでぇー......?」
だが、現実としてこずえの編隊は電車の塔まであと200メートルというラインから前進できていない
不壊の壁に阻まれ、その羽ばたく道を阻害されている
たった四人の人間が精一杯の力で押し返すだけで拮抗している
「レバガチャだ〜〜〜〜〜〜!!!!」
「よっしゃあ!なんとかこのままで...!」
「うっかり能力切ったりしないでよ愛梨!」
愛梨「はいっ!」
7 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 21:05:30.64 ID:sA/EEehz0
そういって愛梨はバリケードを押す腕に力を込める。少しでも自分の能力を強めるかのように
有無を言わさぬ破壊に抵抗できたのは有無を言わさぬ修復だけだった
そのことを証明できたのは早坂美玲と神崎蘭子のおかげだ
___________
ジャンク -50MC
ジャンク -50MC
ジャンク -50MC
ジャンク -50MC
ジャンク -50MC
ジャンク -50MC
ジャンク -50MC
残6680MC
___________
「お、親指攣りそうだっつの......!」
奈緒は足を踏ん張るようにして背中で瓦礫の山を押す
その間、絶えずボタンが押され何の役に立つかもわからないガラクタが召喚された
積み上がったそれらが愛梨の手により修復され体積を増し、原形を取り戻す
プレイヤーの精一杯にボットのこずえも流石に焦れた
「ちえりー......にげるー...?」
「これー.........じゃまー...」
しかし焦れようとボットはボット。思いつく最善手を選択する
そこに遠慮や容赦などは介在しない
「......どけー...どけよー」
直接攻撃が何故か通じないなら間接的に攻める、一体のこずえがバリケードの表面にぺたりと手のひらを当てる
___能力発動『高峯のあ』___
こずえから見た側に変化はない。だがその向こう側でバリケードが膨れ上がる
加蓮、紗南を押し返しながら変形して、やがて垂直に伸びた突起が少女の体を突き返す
「ちょっ、なにこれ!」
「第二段階じゃんこれっ?!」
8 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 21:07:55.25 ID:sA/EEehz0
___能力発動『大石泉』___
突起がドロドロに溶けていく。粘度が過度に上昇した結果、重力に引かれ垂れ下がっているのだ
スライムのように地面に流れ出たバリケードに隙間が開く、こずえの瞳が覗き込んだ
奈緒「やべえっ!!」
押し返された二人に続くように奈緒が手を離す。そこにいたらこずえの攻撃に触れてしまいそうだ
愛梨「いえっ!ここで止まれません!!」
引いた奈緒と入れ替わるように愛梨がバリケードに腕を折り曲げ詰め寄る
バリケードが修復される、はずだった
愛梨「ええっ!?なんでですかぁっ!?」
バリケードの穴は閉じない。とろけた穴が向こうから押し開けられていく
愛梨は知らない。彼女たちは知らない
十時愛梨の能力は対象に付随する能力さえ修復することを
早坂美玲が装甲車を身に纏ったとき、その事実は誰に知られることもなく証明されていた
装甲車を修復しながらも美玲の"爪"としての形状を維持していたのだ
その強みが今、逆手に取られている。誰も予期せぬ形で
「......ふ」
「.........ふわ」
「..................ふわぁー...」
小柄な体にとってその空洞を通るのは容易い。翼を折りたためばすぐだ
だが、もうその必要はない
四人のプレイヤーがこずえを引きつけていたように、こずえもプレイヤーをこの場につなぎ止めていた
それも、もう終わり
『ぴぃいいにゃああああああ.........!』
___能力発動『市原仁奈』___
もうすぐ、追いつく
9 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 21:10:07.81 ID:sA/EEehz0
奈緒「あたしらごと踏み潰す気かよ!」
泉の能力を作用させたのはバリケードだけではない
バリケードに至るまでの道路に対しても、その路面の摩擦係数を極端に下げていた
巨大な質量が地を滑る。支えきれない自重を移動力に昇華しながら
加蓮「奈緒っ、どうする!?止められる!?」
奈緒「いや、無理だ......」
紗南「なんで!愛梨さんとのコンボでいけてたんじゃん!」
奈緒「そりゃ壊されにくいけど、ただ積んであるだけなんだから崩れはするんだよっ!」
すぐにでも離れるべきなのは分かる。だが、智絵里はもう電車にたどり着いたのか?
愛梨「まだ、止められますっ!」
手を離した三人に対して、愛梨はまだ抵抗の意思を失わない
さっき弾き返されたバリケードに近づいていく。だが、彼女は気づいていない
奈緒「待てって愛梨!今そのバリケードは...!」
バリケードはもう、彼女たちのものではない。高峯のあの能力により牙を向いた
紗南「愛梨さん!それトラップ!!!」
バリケードの表面がクワガタの顎のように歪曲しながら伸びきる
愛梨「えっ!きゃあああ!!」
向かってくる少女を歓待するように表面に生えたトゲが花開く
紗南「愛梨さんっ!」
奈緒「愛梨っ!」
加蓮「逃げるよっ!」
瓦礫の牙が愛梨の豊満な胸をかすめる
奈緒が愛梨に掴みかかり、紗南が牙を殴り払い、加蓮が後ろから強引に引っ張らなければ捕獲されていた
「きゃんっ!」
四人が尻餅をつき、その姿を巨大な影が覆う
ぴにゃこら太の、巨大では済まされない図体の影がすでに彼女らを射程に捉えた
見上げた先、ぴにゃ特有の虚ろな眼孔の隣には先程までバリケードの向こうにいたこずえたちが滞空している
もう無理に突破する必要はないと判断したのだろう
彼女たちは、ここで、踏み潰されるから
加蓮「そんなの、認められるわけ無いでしょ!」
その言葉とともに四人が立ち上がる
振り返った視線の果て、電車に取り縋ろうと走る智絵里に向かって高速で飛行するこずえたちが見えた
思っていたより智絵里の速度が遅かった。いや、違う
「泥のようにぬかるんだ」地面が智絵里の足を掴んで引っ張り続けていたのだ
10 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 21:13:16.62 ID:sA/EEehz0
____能力発動『大石泉』___
____能力発動『島村卯月』___
強化された泉の力は例え数百メートル離れている場所にでも影響を及ぼす
ボットは既に、バリケードのみに執心していた訳ではないのだ
紗南はそれを認めた、隣を見ると奈緒も、加蓮も悲痛な顔をしている
多分自分も同じ顔をしているのだろう、愛梨の顔はここからは見えない
紗南「まずいって!智絵里ちゃん助けに行かないとっ!」
だが、このまま加蓮の能力でワープして、そのまま対応できるのか?
奈緒「んなこと考えてる場合か!?」
紗南「だよねっ!」
しかし紗南は、崩れていた姿勢から勢いよく立ち上がったところで思い切り腕を引かれた
紗南「ぎゃんっ?!」
愛梨「紗南ちゃん!?」
上へ向かっていた勢いが全て右腕に凝縮され、相殺され、
不意の痛みに顔をしかめ、尻餅をつく。
走り出すか、能力を使うかで逡巡していた奈緒と加蓮もその音に振り向いた
愛梨「何ですかそれ?」
最初に反応したのは愛梨だった。
見えているのは鎖と鉄輪で構成された拘束具。手錠
おそらく先ほど瓦礫の牙を殴り付けた時に引っかかり、装着されてしまったのだろう
その証拠に鎖の先はバリケードに向かって伸びている
紗南「嘘でしょ......こんな時に足止めとか...!!」
鎖を引き千切るアイテムはもうない
ぴにゃの足がバリケードにかかった
もう間に合わない
こずえ(ボット)「どーん」
足が振り下ろされる瞬間、加蓮は見た
鎖につながれた少女の下に駆け寄る少女を
奈緒「紗南っ!!」
11 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 21:15:13.67 ID:sA/EEehz0
バリケードの存在が視界から遮断された
修復とも、変形ともとれる歪な蠢きが、緑の足の下に消えた
数瞬遅れて、風圧が残りの二人を襲う
吹き飛ばされ、地面を跳ね、背中を打ち付けたあと、うなだれ
時間をかけて、ゆっくりと起き上がった
愛梨「奈緒ちゃん...紗南ちゃん..」
加蓮「なによ、なんでこんなとこで...あんな鎖」
最後の牙城は潰えた。それを作り出した奈緒もろとも
流れ星が飛んでいる
それは翼を光らせた遊佐こずえたちの群れだ
奇しくも街の中心に突き立った電車へと羽ばたいていく
ぴにゃこら太がもう一歩を踏み出す、地鳴りと地割れと共に
奈緒と紗南を潰した足と反対の足を
加蓮と愛梨を潰すために
愛梨「ど、どうしましょう...?向こうからこずえちゃんもきましたし...」
加蓮「もう...智絵里のとこに行くしかないでしょ...!」
手の中に握り込んだネイルを意識する
それを察した愛梨も胸元をまさぐり、あらかじめ渡されていたネイルを抜き出した
地面が揺れる中、加蓮は空を見上げた。どこを見ているのか分からない洞穴のような瞳を見上げる
ぴにゃこら太は傾いていく、持ち上がっていく足に比例して
傾いていく、傾いていく、傾いて___
ひび割れ、
倒れ伏した
12 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 21:23:18.22 ID:sA/EEehz0
最初に見えたのは雷だった
それも、地上から空へ向かって伸びる雷
加蓮も、愛梨も、こずえ達もその場から動けない
目の前で起きている、否、起きたことが理解できない
ぴにゃの足元から漏れ出した光が頭頂部へ突き抜けて雲間へ消える
静寂の後、やがて枯れ枝の折れるような音を掻き鳴らしながら
緑の巨体が俄かにパックリと裂け、黒く焦げ付いた断面を晒した
崩折れた生物の廃墟に立っているボットはいない
立っているのはプレイヤーだけだ
愛梨「え、なんですかそれ......?」
踏み潰されていたはずの彼女たちは護られていた
巨大な鉄の塊に、一連なりの鉄塊の群れに
加蓮「それって、確か......」
その形はどこにでもありふれている、しかしそのサイズは規格外だ
二人のプレイヤーの周りをとぐろを巻いて囲い、ぴにゃの体重に耐えたのだから
愛梨「おっきい鎖ですね〜...」
一人呑気なのは愛梨だけ、しかし生き残ったのも彼女のおかげだ
奈緒「.....っはああぁああ!!」
真上に構えていた拳銃を下ろす
そこからつながった鎖が長く、そしてとんでもなく太く連なりながら紗南の手首につながっていた
奈緒「思い出してよかったぜ...愛梨が蘭子の能力を修復できたって...」
それは手錠とワンセットの拳銃
とあるボットの能力を顕現させていたもの
奈緒がジャンクとして取寄せ、見た目の機能も廃品同様だったそれを愛梨が能力共々修復させた
あらゆる難敵に匹敵する。あらゆる絶望的苦境にギリギリで拮抗する力
紗南「これ、どういう必殺技なわけ?」
奈緒「ただの通常攻撃だよ............巴のな」
村上巴は、またもおせっかいを焼いたらしい
13 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 21:27:49.15 ID:sA/EEehz0
「んっ!......っはぁっ!はっ!」
足が重い、太腿が重い、ふくらはぎがとっても重い!
でもそれは疲れのせいじゃ、ない...
さっきからずっと、一歩走るたびに何かが足の裏を掴む
ただでさえ平坦な道じゃないのに、そうやってネバネバされると...
そうして膝に力を入れて腿上げを繰り返しながら進んでいると不意に足の裏が跳ね上がりました
同時に遠くで大きな音がして、振り返るとぴにゃが倒れていくのが見えました
地面のドロドロネバネバした感じは嘘みたいに消えていて、私の足に何もついていません
「そっか......誰かがこずえちゃんを倒したから」
邪魔するものがなくなった世界なら、目的地まで行くのも簡単ですっ!
なのですぎに電車まで辿り着きました、あとは皆が来れば...
「最初に来たのは智絵里か、お疲れ様」
「えっ」
やっとのこと電車にたどり着いたわたしにかけられたのは労いの言葉
その声は、さっきから絶えず繰り返されている晶葉ちゃんの声に掻き消えることもなく
なんだか最後に聞いたのがずっと、ずっと前だった気がして
モバP「お疲れ、他のみんなは?」
14 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 21:31:50.53 ID:sA/EEehz0
村上巴の拳銃が最後の弾をぶっぱなし
大石泉の力を行使していたこずえが消え
緒方智絵里が電車に無事辿り着いた後
残りの四人も加蓮の力で追いすがった
最後に晶葉の声が高らかに告げる
『ここがゴールだ!!』
そして電車は、発車した
こずえ達を残したままサーバーが落ちたのは、すぐあとの話だ
ゲーム終了
全てのプレイヤーのシグナル消失を確認しました
勝者:ボット
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
15 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/19(土) 21:34:08.90 ID:sA/EEehz0
今回はここまで、お読みいただきありがとうございました
このスレが初見の方には意味不明で申し訳ありません
本編はここで終了です。次回でいきなりエピローグです
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/19(土) 23:19:55.22 ID:uFVuCueKo
乙
エピローグも頼むぜ
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/20(日) 01:00:41.25 ID:I6lxS0vX0
乙
まさか乃々が最後まで生き残るとは…エピローグも楽しみにしてます
18 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:02:35.37 ID:ftFVPCyG0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
チャプター
エピローグ
DATA:bot
No.1
_____________
向井拓海
passion
稼働時間27分
単車の走行中はプレイヤーと地面以外の干渉を受けない
_____________
大原みちる
cute
稼働時間28分
アイテム類を無効化しパンに作り変える
_____________
上条春菜
cool
稼働時間32分
メガネのレンズの性能を上げ遠距離攻撃の精度を上昇させる
_____________
村松さくら
cute
稼働時間31分
ピンク色の物体を自身の元へ引き寄せる
_____________
塩見周子
cool
稼働時間34分
世界の見え方を偽る、その効果は自分にも及ぶ
_____________
福山舞
cute
稼働時間39分
一輪車に対して垂直に重力が働く
_____________
橘ありす
cool
稼働時間39分
周囲のボットとプレイヤーの分布を把握する
_____________
結城晴
cool
稼働時間39分
蹴ったボールの最終到達距離を設定できる
_____________
大石泉
cool
稼働時間40分
触れたものの物性値を改竄する、ただし重量だけは変えられない
_____________
19 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:04:43.72 ID:ftFVPCyG0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
晶葉「............」
『______という手打ちでどうでしょう?』
晶葉「......その提案を、飲む前にいくつかよろしいでしょうか...?」
『はい』
晶葉「...まず、あの機械、カプセルに改良を加えれば今回のような事態は二度と起こさないはずです」
『しかし30分にも満たない時間とはいえ五人もの人間が危険にさらされていた事実は揺らぎません』
晶葉「認めたくはありませんが...それは私個人の提案で持ち込まれたボットが原因でしょう?」
「...最初から仮想現実に入れるのを人間だけに限定して再試行すれば安全性は十分検証できます!」
『ボット...あのAIですが、その導入については、あなたの助手も含め我々で再三会議を重ねた上での決定だったはずです』
『あなた個人の責任でない以上その仮定は適切ではありません』
晶葉「しかしだからといってこのまま、こんな結果ではお互い認められないでしょう!」
『はい、ですがいまここで出さずともいずれ同じ結論に帰着......いえ、追いやられてしまうでしょう』
『仮想現実の人間への適用は、最低でも20年延期します』
20 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:08:19.88 ID:ftFVPCyG0
晶葉「......私はともかく、あなた方はそれでいいのですか......?」
「私のボットと違ってそちらで用意された仮想の街や精神をデジタル内へ入出力させる技術......」
「その基盤の開発に関わった人間や費用、時間に想像がつかない私ではありません......!」
『ええ、ご存知、我々は5年以内にこれらの技術の一般運用を予定していましたが、今回の事故によりその見通しは絶望的です』
『このプロジェクトが延期により頓挫すれば我々企業は致命的な損害を被るでしょう』
晶葉「仕事で協力した相手に損害を負わせたとあっては事務所としても外聞がよくありませんが...」
『だからこそ最初の提案です』
晶葉「......どうしても、人間に適用するという方針は打ち止めなのですか?」
「...私と助手なら、いえ賠償責任という意味でしたら私がこれまで以上に開発協力を.....」
『それは魅力的な提案ですね。ですが残念ながら我々の期待する利益には結びつかないでしょう』
晶葉「.........」
『気分を害したのなら謝罪します。ですが我々はあなたとあなたの助手の方を低く評価しているわけではありません』
晶葉「でしたら何故...」
『18人ものアイドルが関わった以上今件を完全に隠蔽するのは不可能、つまり我々が苦慮しているのは世間の反応ですよ』
晶葉「.......」
『ちなみにアイドルだと私は十時愛梨のファンです』
晶葉「......そうか」
21 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:10:55.02 ID:ftFVPCyG0
『それはさておき、民衆というのは我々の想像以上に無知で無思慮です。』
『例え厳密な検証と観測を繰り返し仮想現実の危険性が天文学的数字分の一ほどの確率しかないことが証明されようと、』
『ひとたび「可能性がある」という言葉を聞けばまるで致死性の劇物のようにしか見てくれませんし、そうとしか見えていません』
『...イメージ戦略の話ですから、アイドルのあなたには釈迦に説法でしたね』
晶葉「............」
『とにかく結論は変えられません。仮想現実に人間が踏み込めるのは20年後です』
『そのことについて責任を感じているのなら、改めて提案を受け入れてくださると幸いです』
晶葉「............」
『ちなみに私の姪はあなたのファンなので、これに腐らずより一層のご活躍を期待しています』
晶葉「......ありがとう」
22 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:11:43.15 ID:ftFVPCyG0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
No.2
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土屋亜子
passion
稼働時間40分
他者へ与えたダメージを金額に換算し商品を入手する
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梅木音葉
cool
稼働時間43分
音のエフェクトを物体としてのオブジェクトに昇華させる
_____________
市原仁奈
passion
稼働時間57分
キグルミのモデルの動物と同じ身体能力を得る
_____________
桃井あずき
cute
稼働時間58分
鞠のアイテムに変身できる
_____________
前川みく
cute
プレイ時間59分
猫の身体能力、感覚を得る
_____________
八神マキノ
cool
稼働時間60分
離れた地点に短時間だけワープできる、ただし接触はできない
_____________
棟方愛海
cute
稼働時間60分
胸を揉んだ相手の能力を知ることができる
_____________
村上巴
passion
稼働時間61分
自身より優位な相手ほど攻撃力が上昇する銃器を持つ
_____________
浜口あやめ
passion
稼働時間86分
アイテムの隠し場所を見抜く視界を持つ
_____________
23 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:16:25.31 ID:ftFVPCyG0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回のエピソードが私の天才性を裏付けるような自慢話になることはないだろう
晶葉「......」
業者にてきぱきと指示を出す助手の背を目で追う
私が主導して造り上げた装置が他人の手でどこかへ運ばれていく。少なくとも名義上、あれらはもう私のものではない
今の私にできることは企業の方々があれらを上手く扱える未来を迎えることを祈るのみだ
モバP「晶葉」
晶葉「あぁ、助手...すまないな力仕事を押し付けて」
モバP「いや、いいよ。晶葉が志希と頑張ってる間に俺が手伝えることはなかったしな」
晶葉「.........そんなことないさ、私の目的に欠かせない存在だったよ」
モバP「そう言ってくれるとここまでの半年が報われるよ」
晶葉「だが、助手...」
今回の件がもたらした損害は決して無視できるものではない、それは私が認めなければならないことだ
モバP「よしっ、精神投射用のカプセル18機の運搬は終わったみたいだ」
晶葉「お、おぉ...助かった」
モバP「じゃ、俺は一旦事務所に戻って書類をしたためてくるよ」
私が失敗を認める前に、そのことを口にする前に助手は業者について部屋を出て行った
めげないと言うか、迅速というか...
私以外の人間が消え、無人となったフロアを改めて見回す
今は機械も止まり、無人かつ無音の空間が横たわったままだ
沈黙したケーブルやモニターが非難がましくじっとこちらを見ている気がした
晶葉「......戻るか」
24 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:19:55.31 ID:ftFVPCyG0
悲喜劇とアクシデントを濃縮した仮想の3時間が終わり
18人のアイドルが18台の機械から無事救出されたあの瞬間から72時間が経過していた
30時間程前に終わった企業側の担当者との話し合いは個人的には非常に苦いものだった
つい3分前、業者も助手もいなくなったラボを後にし、廊下を歩く
あのカプセルをはじめとした機器類が私の手の下に帰ってくる日はない気がしていた
これらの所有権は全て企業の方へ移譲。それが今回決まった事柄のうちの一つ
「......向こうは商業的には却って成功だったんだろうがな」
「そだねー、案外最初っからソレがお偉いさんの目的だったりしてね〜」
廊下の隅にひらついた白衣が見えたと思ったら隣を志希が歩いていた
志希「ふっふ〜、お疲れお疲れ〜」
晶葉「そうだな、飽き性のお前にしては快挙だろう」
確かに快挙だ。今回の件で人的被害が出なかったのは志希のおかげだろう
そう、人的被害は
志希「だったらそんなしかめっ面、見たくないな〜」
晶葉「.........そうか」
背負ったカバンの紐が肩に食い込んで、痛い
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25 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:21:12.49 ID:ftFVPCyG0
No.3
__________________________
望月聖
cool
稼働時間90分
攻撃力と防御力が「∞」に設定された翼を操れる
_____________
高峯のあ
cool
稼働時間111分
パーツ単位に分解した自身をオブジェクトに混ぜ込み操作する
_____________
アナスタシア
cool
稼働時間116分
感覚を麻痺させる氷を表出させる
_____________
水野翠
cool
稼働時間125分
矢を射た先が的になり、的と射手の間隔を強制的に決められた距離だけ開かせる
_____________
本田未央
passion
稼働時間126分
震動を伝え、増幅させる星型の道具を出現させる
_____________
白坂小梅?
cool
稼働時間128分
ボットの体を変化させる(詳細不明)
_____________
島村卯月
cute
稼働時間133分
他者の能力を強化する、どのような形で強化されるかは決まっていない
_____________
古賀小春
cute
稼働時間133分
ボットではなくアイテムとしてのヒョウくんとスタミナ、ステータスを共有できる
_____________
佐城雪美
cool
稼働時間133分
@自分に近づく危機をCHIHIROを通して感知できる
ACHIHIROを通じて現実世界にアクセスできる
_____________
26 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:22:48.91 ID:ftFVPCyG0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「プレイヤーたちの今の様子は?」
「大体みんな持ち直したかな〜凛ちゃんと智絵里ちゃんも仲直りできたみたいだし〜」
「そうか」
いくつかあるうちの一つの懸念事項
それは長時間の仮想現実への潜行が精神に及ぼす影響だ
プレイヤーの年齢層を中学生以上にしたのも、
それ以下はあくまでボットに留めたのも安全面に気を遣った結果だ
私はまだ事務所に顔を出せていない。だからそのあたりは志希に任せていた
晶葉「中学生組はどうだった?問題はなかったか?」
志希「麗奈ちゃんは相変わらず、ただ若干光ちゃん相手に緊張してるみたいだね、苦い敗北だったからね」
晶葉「ボットと本人は別物なんだがな...」
志希「蘭子ちゃんは魔王の眷属の幅が広がった〜みたいなことをいってたねニューウェーブとも仲良くしてたよ」
そうして諸々の状況を聞き出していく
亜季が真剣な様子で周子を相手にトランプに興じている、とか
凛が仏頂面で未央と卯月のほっぺをむにむにしていた、とか
輝子のキノコ鉢が勢力を増している、とか
ただでさえ飽きっぽい志希の話である以上、どこまで信じられたものかは分からないが
今のところ尾を引いているわけではないらしい
晶葉「.......」
尾を引いてるのは私のほうか
志希「んっん〜?尾を引いてるのは晶葉ちゃんの方かな〜?」
右肩に志希の頬がこすりつけられた
身長差もあるのに、しかも歩きながら器用なやつだ
そのまましばし会話が途切れると、沈黙の中で嫌でも思い出す
30時間前に出た、あるいは出された折衷案を
27 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:23:59.03 ID:ftFVPCyG0
No.4
__________________________
白菊ほたる
cool
稼働時間153分
触れたものを劣化させる能力、を持った小型ボットを大量生産する
_____________
二宮飛鳥
cool
稼働時間164分
ボット、プレイヤーの発した言葉をチューニングにより受信できる
_____________
高森藍子
passion
稼働時間164分
自分の周りで起きる事象の処理に対して回線速度を落とす
_____________
古澤頼子
cool
稼働時間173分
他者の能力を盗む。どのような形で盗み出すのかは不定
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南条光
passion
稼働時間不明
ある程度の強い光を可接触の物体として扱える。ただし光である以上常に散乱していく
_____________
森久保乃々
cool
稼働時間不明
「密室」を構成するパネルを操作し、その中で失われた他者のスタミナを自身のものに変換する
_____________
遊佐こずえ
cute
稼働時間不明
No Data
_____________
28 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:27:14.19 ID:ftFVPCyG0
人間はまだ仮想現実に入れない、少なくとも今回の事故を知れば世間は認めないだろう
だから、企業が欲したのは仮想現実を闊歩できる存在だった
人間の代替、人間の精神と知能の代替
人工知能、AI
ボット
責任と賠償の請求と遠まわしな弱音を交えて、
企業が要求したのはボットだった
私は企業側の企画の責任者と綿密に話し合い
その半日後、助手を連れてもう一度綿密に話し合った
そうして話し合うこと数時間
あの「街」にいたボットは、私の手元から消えた
29 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:31:25.96 ID:ftFVPCyG0
晶葉「......仲間を身売りした気分だ」
志希「まぁーねー、ロールモデルが事務所のコたちだもんねー」
「あ、もう一回作ったりできるんじゃない?ボットの方の技術は晶葉ちゃん謹製だし」
晶葉「それは出来るが、そうやって出来たものはもはや別物なのだよ。あの街での記憶がないんだからな」
「生きた人間から受けた刺激、ボット同士で受けた刺激、それらの記憶がリセットされた代替品だ」
志希「そっかそっか、もう絶望的だね〜フラスコ代わりだったあの街はもうココにないもんねっ!にゃははっ!!」
晶葉「.........今思えば豪華すぎるフラスコだったな、あれは」
チュートリアルに用いた、プレイヤーを模した18体も
ユニットで動いたニューウェーブも、にゃん・にゃん・にゃんも
徒党を組んだ八神マキノも、
プレイヤーに味方した村上巴も、
仲間すら敵に回した『夜』のボットも
自殺した二宮飛鳥も
そして世界ごと敵を殲滅しようとした遊佐こずえも
彼女らがフラスコの中で何を感じ、
何を考え、行動に踏み切ったかを解析することはできないのだ
ラボの出口から一歩外へ踏み出す。熱くもない陽光が頭皮に触れた
カバンを下ろして小ポケットをあさる
振り返り業者もいなくなったラボの扉に取り出した鍵をかけた
志希「にゃは〜...残念だったね」
「フラスコの外”にいたボットしか残らなくて」
晶葉「全くだ」
30 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:35:41.94 ID:ftFVPCyG0
DATA:player
_____________
佐久間まゆ
cute
プレイ時間58分
(未獲得)
倒したボットの分だけスタミナが回復する
_____________
小日向美穂
cute
プレイ時間59分
ぬいぐるみの中に入り込むことができる
_____________
小関麗奈
passion
プレイ時間80分
触れた部分を爆発させる、長い時間触れているほど威力は増す
_____________
渋谷凛
cool
プレイ時間90分
視界に入った床、壁、天井なら距離に問わず瞬時に足を付けることができる
_____________
早坂美玲
cute
プレイ時間90分
手袋の周りにオブジェクトを吸い付け爪にできる。ただし支えられる重みは本人次第
_____________
双葉杏
cute
プレイ時間90分
恒久的にスタミナを回復できる。ユニットメンバーにも同様に作用する
_____________
諸星きらり
passion
プレイ時間90分
(未獲得)
触れたオブジェクトのサイズと重さを自在に変更できる
_____________
堀裕子
passion
プレイ時間90分
スプーンを曲げる、壁を突き抜けるなどの破壊行為にのみ膂力が倍増する
_____________
神崎蘭子
cool
プレイ時間90分
スケッチブックの中に書いていた者を実体化させる、ただし一度の使い切り
_____________
31 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:36:10.16 ID:ftFVPCyG0
_____________
星輝子
passion
プレイ時間125分
キノコのボットを無限増殖させる。そのボットは輝子のダメージに反応して強く大きくなる
_____________
大和亜季
cool
プレイ時間127分
二人分のリタイヤを取り消せる、ただし一定時間を越えた対象には使えない
_____________
輿水幸子
cute
プレイ時間164分
(未獲得)
一度の攻撃で受けるダメージを半減させる
_____________
白坂小梅
cool
プレイ時間164分
取り込んだ物体を自分の手足のように操作できる、切り離すこともできる
_____________
緒方智絵里
cute
プレイ時間不明
自分だけの仮想世界の中に出入りできる。ただし主不在の場合に入るとクローバーボットに攻撃される
_____________
三好紗南
passion
プレイ時間不明
ゲーム機にサーチ機能とコントロール機能を備えさせる
_____________
十時愛梨
passion
プレイ時間不明
プレイヤーとボット以外の対象物を修復する。能力も修復できる
_____________
神谷奈緒
cool
プレイ時間不明
倒したボットをポイントに換えて、買い物と取り寄せができる
_____________
北条加蓮
cool
プレイ時間不明
マークした箇所に瞬間移動できる、ただし用意されたネイルの回数だけ
_____________
32 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:40:46.59 ID:ftFVPCyG0
企業のもとへ運ばれていく18機のカプセルを思い出す
18機というのは予算内で用意できる限界の数だった
そしてできる限りのデータを得るため18人のアイドルを集めた
クール6人
キュート6人
パッション6人
18機のカプセルに18人のアイドル
そこにプロデューサはいない
志希「そーだよねー」
仮想の街にもプロデューサーはいない
志希「ボット製作の実験体第一号だったもんねー、プロデューサー」
彼は、
彼のボット”は終始電車の中にいた
雲の上に停まっていた車内から、街で起きた全てを俯瞰していた
晶葉「......そうだな」
志希「だねだね〜〜」
33 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:49:17.25 ID:ftFVPCyG0
改めてカバンを背負い直すとノートパソコンの角が内側から背中を突いた
最後の瞬間、こずえによって閉ざされたあの街へアクセスを強行した時のパソコンだ
このメモリの中で今、一人分の知能が眠りについている
志希「いや〜楽しみだね〜! プロデューサーの人格データで何ができるんだろ〜?」
晶葉「...それはこれから考える」
だがきっと、現実の助手も加えればなんだって出来るだろう
それは科学者として?あるいはアイドルとして?
晶葉「しかし、まずは志希......言っておきたいことがある」
志希「にゃに〜?」
晶葉「このペースだとレッスンの時間に間に合わないぞ」
志希「にゃぎっ!?」
言うと同時に走り出す。そのあと志希はすぐに追いついてきた
今はアイドルとして
現実の世界を走ってみよう
そういう気分だ
34 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 22:52:24.37 ID:ftFVPCyG0
ゲームクリアー!
池袋晶葉&一ノ瀬志希
モバP(ボット) 獲得
35 :
◆E.Qec4bXLs
[saga]:2016/03/27(日) 23:05:57.82 ID:ftFVPCyG0
以上、終了
一レス目から数えて二年と二十四日、全部で60万文字
三ヶ月くらいで終わらす予定が延びに延びました
反省点は山ほどありますが割愛します
就活しながら漫画を描いて学業に勤しむ生活が待っています
なので次回予定作は短編か掌編になります
今井加奈ちゃんか星輝子ちゃんのどっちかです
このスレと同じトリップを見かけたらその時は気軽にお付き合いください
最後に、今まで長い間お付き合い頂きありがとうございました!!
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/03/27(日) 23:13:23.71 ID:fRZQv3a10
すごく面白かった!作者乙!遂に完結して少し寂しくもあるな
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/27(日) 23:13:49.38 ID:5YkCg0jq0
おっつおっつ
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/28(月) 00:20:31.62 ID:kEWyJ4MN0
乙乙!
最初に読んだのがいつかおもいだせなかったが2年もかかってたのか!
完結ありがとう!
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/28(月) 02:46:39.51 ID:OLLJ8agL0
乙
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/28(月) 04:38:39.79 ID:FUOMwfix0
ついに完結したか……いやあ面白かった
盛大に乙
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/29(火) 02:27:28.56 ID:CLoTSgPL0
乙、完結おめでとうそしてありがとう
ほんとに面白かった
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/29(火) 03:13:11.36 ID:h3Z2G5160
完結乙
本来のルールに基づいて成績集計してみました
智絵里・亜季・まゆの同点優勝
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/29(火) 10:16:22.81 ID:h3Z2G5160
乙
20年後編はよ
42.55 KB
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
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