このスレッドはSS速報VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

松尾千鶴「私はここにいる」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 : ◆Ee6aKqE1Tg [saga]:2016/03/21(月) 13:21:46.14 ID:gHydqPPF0
○雰囲気が暗いけど松尾千鶴誕生日SSです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1458534105
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 : ◆Ee6aKqE1Tg [saga]:2016/03/21(月) 13:22:28.52 ID:gHydqPPF0
みんなの背中が見える。

それでも私は追いかけることができない。

みんなの背中が離れていく。

それでも私は立ち上がることができない。


「待って、置いていかないで!」


私は叫ぶことしかできない。

私は…。
3 : ◆Ee6aKqE1Tg [saga]:2016/03/21(月) 13:23:08.21 ID:gHydqPPF0
「はっ!はあ、はあ…。」


私はそんな悪夢で目を覚ました。


「また嫌な夢みちゃったなあ。」


今は夜の12時をまわろうとしているところだ。

明日も仕事があるのに。

だから早く寝ないといけないのに。

私はベッドから立ち上がり、寮の部屋に備え付けられた流しに向かう。

グラスを取り出し、水道水をそそぎ、それを口に運ぶ。

中身を飲み干そうとすると、携帯がなっていることに気づいた。


「こんな時間にどうしたんだろう。」


携帯を見ると『佐藤心』と表示されていた。

私は少し迷ったが、結局電話に出ることにした。


「はい松尾です。こんな夜遅くになにがあったんですか心さん?」

『……。それマジで言ってんの?』

「はい?」


マジもなにもないと思うのだけれど、こんな日付の変わる時間に。


『まあ、いいや。今から部屋行くからちょっとまっててねぇ、千鶴ちゃん☆』

「えっ?今からですか?って切れてるし。」


相変わらず自由すぎる人…。
4 : ◆Ee6aKqE1Tg [saga]:2016/03/21(月) 13:23:51.24 ID:gHydqPPF0
30分後部屋のドアがノックされる音が聞こえた。


「ケーキもってきたよ〜。」


私がドアを開けるとケーキの箱をかかげつつ心さんが部屋に入ってきた。


「ホントに来た…。」

「ホントに来たぞぉ☆ってどうした目真っ赤だぞぉ、おい。」

「はっ!なんでもありませんから。」


無意識に泣いていたんだ、私は。


「ホントに、ホントぉ?うそついちゃやだぞぉ☆」

「ホントです!ただちょっと悪夢を見ただけで…。はっ!」

「うそつけないよねえ、千鶴ちゃんてっさ。」


なぜか心さんは嬉しそうな顔をしていた。
5 : ◆Ee6aKqE1Tg [saga]:2016/03/21(月) 13:24:27.49 ID:gHydqPPF0
「それでそれで、どした?このしゅがぁはぁとに話してみ?」

「どしたも何もありませんよ。」

「ふーん。誕生日を忘れちゃうくらいなのに。」

「えっ?嘘?」

「マジで気づいてなかったかあ。誕生日を忘れるにはちょっと若すぎだぞ☆」

「ホ、ホントだ…。」

慌ててカレンダーを確認すると明日は、いやもう今日だけど、私の誕生日だった。


「おい、どうしたんだよ千鶴ちゃん。」

「どうもなにもありませんよ。」

「強情だなあ、おい☆。そんなにはぁとが信用ならんか。」

「そうじゃなくて、くだらないことだから。」

「じゃあなんでそんなに悩んでいるのかなぁ?」

「悩んでませんよ!みんなにおいてかれそうだなんて。はっ!」


またしても墓穴を掘った私に、心さんは千鶴ちゃんはやっぱり可愛いよねぇ、と言った。
6 : ◆Ee6aKqE1Tg [saga]:2016/03/21(月) 13:25:34.32 ID:gHydqPPF0
「ふーん。つまり最近仕事が少なくて不安なのか。」

「またあけすけに…。それもありますけど、それだけではなくて…。」

「それだけじゃなくて?」

「私やっぱりアイドルに向いてないんじゃないかなって。」

「なんじゃいそりゃ☆」

「一人になると後ろ向きな思いでいっぱいになるんです。」

私は可愛くなんてない。

努力なんて報われない。

なんでみんなはそんなにきらきらしてるの。

こんなネガティブな思いは断ち切ったと思ってたのに。

「なぁるほどね。」

「ね?くだらないでしょ?」


心さんはふと唇を結びまじめな顔になった。

そしてこう言った。


「今から年上としてアドバイスしてあげよう。」

「いつも年齢のこと言うと怒るくせに。」

「おい。黙れや☆」

「はい、すいません…。」


さすがに今のは私が悪い。
7 : ◆Ee6aKqE1Tg [saga]:2016/03/21(月) 13:26:19.91 ID:gHydqPPF0
「まず最初に言っとくとそんな悩みはみんな抱えてんだよ。」

「だから最初にいったじゃない、くだらないって。」

「おい結論を急ぐな☆」


心さんは話を続けた。


「悩まない人間なんて人間じゃなくて化け物でしょ?」

「それはいくらなんでも言い過ぎですよ。」

「そうかなぁ?じゃあ天使ってことで似たようなもんだし。」


まあいま大事なのはそこじゃねえと続けて言った。


「つまりみんな悩んでいるってことだ☆そういうときはこれだ。」


そこで持ってきたケーキの箱を開けた。

中に入ってたのはオーソドックスな生クリームといちごのケーキ。


「甘いものでも食べりゃいいってこと☆」

「それ、なにも解決してませんよね。」

「別にいいんだよそれで。世の中解決できない悩みばっかりなんだから。」


大人なら酒があるけどなあと心さんはつけたした。


「それにみんな千鶴ちゃんのこと大好きみたいだしねぇ☆」


心さんは携帯を指さした。

私は携帯を確認した。

たくさんのメールが届いていた。

きらりさん、菜々ちゃん、ほたるちゃん、晶葉ちゃん。

たくさんのお誕生日おめでとうのメールだった。

「私も言わないとなあ。」
8 : ◆Ee6aKqE1Tg [saga]:2016/03/21(月) 13:26:58.88 ID:gHydqPPF0
「お誕生日おめでとう千鶴ちゃん。」
9 : ◆Ee6aKqE1Tg [sage]:2016/03/21(月) 13:28:14.47 ID:gHydqPPF0
以上です。

こんなSS書いてますが松尾千鶴ちゃんが大好きです。

お誕生日おめでとう。
10 : ◆Ee6aKqE1Tg [sage]:2016/03/21(月) 13:29:10.82 ID:gHydqPPF0
【おまけ】

「ところでこのケーキ心さんの手作りですか?」

「そうだよん☆よくできてるでしょ?」

「上にのっているこの人形も?」

「そうそう。千鶴ちゃんによく似てるでしょ?」

「私こんな怖い顔してませんよ!」

「そうかあ?いつも眉間にしわ寄せてんじゃん。」

「寄せてません!」


ほんとこの人は…。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/21(月) 13:52:07.19 ID:qo3UTmMU0
 乙。誕生日を祝ってもらえるって嬉しいよね。素敵だったわ
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/21(月) 15:41:59.31 ID:Znacn3k70
過去作あったら教えてください!
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/21(月) 17:19:52.24 ID:gHydqPPF0
どうも感想ありがとうございます。作者です。
まとめサイトのリンクですが過去作を貼っておきます。

岡崎泰葉「アイドル最後の日」
http://elephant.2chblog.jp/archives/52153851.html#comments

【デレマス】一ノ瀬志希「My last secret, and …」 
http://456p.doorblog.jp/archives/47019388.html

岡崎泰葉「恋と」 宮本フレデリカ「愛」
http://ayame2nd.blog.jp/archives/1768075.html
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/23(水) 03:55:06.80 ID:ilDXBZqOo
【デレマス】一ノ瀬志希「My last secret, and …」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457241840/

これすっげえ良かったです、大好き
読んだときにはhtml化済みで書き込めなかったんで失礼ながらこちらに……

今作も良かったです
他の2作も既読でしたし悪くなかったけど今作のほうが好きです
次も楽しみにしてます
7.33 KB   
VIP Service SS速報VIP 専用ブラウザ 検索 Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)