このスレッドはSS速報VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

渋谷凛「行ってきます」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/19(火) 04:18:38.60 ID:iFAYVApt0

数年前のある日、少女は男に出会った。

「あなたとならば頂点に辿り着ける」

男はそう言って手を差し出す。

少女は訝しがりながらも男の手を取った。

こうして歯車は小気味の良い音を立てながら回り出す。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1461007118
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

チョベリバ @ 2025/08/23(土) 05:11:12.67 ID:0XU/1e/E0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1755893472/

うりゃー! @ 2025/08/22(金) 23:27:28.54 ID:tg4YRP3+o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1755872847/

男「ブルードラゴンラルグラド?」 @ 2025/08/21(木) 02:17:16.64 ID:qI1gMjwxO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1755710236/

ひさしぶりにA雑来たけど @ 2025/08/20(水) 23:05:18.14 ID:OGWtQL890
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1755698717/

【コードギアス】俺「安価の力を使いブリタニアに反逆する」TURN2 @ 2025/08/20(水) 17:39:49.30 ID:P7oidm6v0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1755679188/

【クリスマス・年末・年始】連休暇ならアニソン聴こうぜ・・・【避難所】 @ 2025/08/17(日) 15:53:05.03 ID:8Hi8e/2Y0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1755413584/

(安価&コンマ)鬼滅の刃 新星の書 二冊目 @ 2025/08/17(日) 00:48:56.69 ID:eO2jd/RL0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1755359335/

おいおいVIP死んでんじゃねーか! @ 2025/08/15(金) 20:47:26.59
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1755258446/

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/19(火) 04:19:32.53 ID:iFAYVApt0

男は少女に曲とドレスを贈った。

「行ってきます」

ドレスを身に纏った少女はステージに立つ前に決まって男にそう告げる。

振り返ることはただの一度もなかった。

「行ってらっしゃい」

男の言葉を背中で受け取ると少女は光の中へと進んで行く。

これが少女と男の日常であった。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/19(火) 04:20:07.20 ID:iFAYVApt0

少女は男の期待にステージで応えた。

「よくやった。お疲れ様」

スーツを着込んだ男はステージが終わった後に決まって少女にそう告げる。

視線が合わないことはただの一度もなかった。

「ありがとう」

肩で息をする少女が頬を緩ませ礼を述べる。

男は黙ってタオルと常温のスポーツドリンクを差し出す。

これが男と少女の日常であった。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/19(火) 04:21:31.17 ID:iFAYVApt0

そんな日々を繰り返すうちにいつしか少女はトップアイドルと呼ばれるようになった。

「いつの間にか遠くまで来ちゃったね」

そう言って彼女はデビューシングルのジャケットを撫でる。

「いつの間にかトップなんて大層な称号が付くようになっちまったなぁ」

男はパソコンから目を離して彼女の方へと向き直りそう呟く。

「私達のゴールってどこなんだろうね」

彼女は漠然とした質問を投げかける。

男は眉を少し上げて「さぁ?」と返す。

少なくとも“此処”ではない。
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/19(火) 04:22:12.61 ID:iFAYVApt0

あの日の少女の名は渋谷凛。

女子高生。

現在の彼女の名は渋谷凛。

トップアイドル。

外見は変われども彼女の芯はぶれていない。

どれほどの喝采を浴びようとも彼女の瞳は変わらぬ場所を映している。

ならば、男の取るべき行動は一つである。
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/19(火) 04:26:41.05 ID:iFAYVApt0

「約束は守るよ」

男は自身に誓うかのように呟く。

「じゃあ行こうか」

彼女はそう言って手を差し出す。

男は迷うことなくその手を取った。

こうして歯車は再び回り出す。
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/19(火) 04:27:50.59 ID:iFAYVApt0

***



「183分の1」

アイドルの中のアイドル、シンデレラガール。

口に出してみると改めてその倍率にゾッとする。

私は、渋谷凛は一度シンデレラガールになっている。

にも関わらずこうしてまたこの舞台に帰ってきた。

お前は贅沢だ、と言われてしまうだろうか。

お前は我儘だ、と言われてしまうだろうか。

私はそれでも構わない。

自分の気持ちに嘘をつくくらいならばそっちの方が何倍もマシだ。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/19(火) 04:28:16.93 ID:iFAYVApt0

あのガラスの靴を履きたい子がたくさんいるのは私も知っている。

だけど、それは私が進むのを諦めていい理由にはならない。

私をここまで育ててくれたプロデューサーと

私をここまで支えてくれたファンのために。

二足目のガラスの靴を持って帰りたい。

彼が渋谷凛のプロデューサーであることを誇れるように。

ファンのみんなが自慢できるような存在であるために。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/19(火) 04:30:57.95 ID:iFAYVApt0


ドレスを身に纏った私は振り返って彼を見る。

「行ってらっしゃい」

スーツを着込みそう言った彼の瞳はステージを映していた。

「不安そうな顔しないでよ」

私がそう言うと彼は、はっとして私を見る。

「そう、だな。信じてる」

「うん。待ってて」

大きく深呼吸をして「よし」と呟き光の中へと歩き出す。

「行ってきます」



おわり
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/19(火) 04:32:45.72 ID:iFAYVApt0
この話の続きは20日後に皆様の手で。
どうか渋谷凛に皆様の力をお貸しください。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/19(火) 07:17:00.07 ID:XQRRMB6lo
おつ
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/19(火) 14:58:22.63 ID:NoAGvOtDo
おつおつ
4.69 KB   
VIP Service SS速報VIP 専用ブラウザ 検索 Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)