幼女「鬼さんこちら、手の鳴るほうへ♪」白鬼「話を聞けって」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check Tweet

1 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/21(木) 18:57:31.82 ID:Nom6TZuw0

幼女「おにーさーーんっ！こっちだよー！！」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ


白鬼「いやだからさ‥‥俺、本物の鬼なんだって」ﾀｯﾀｯ


幼女「きゃーーっっ！！」ﾆｹﾞｯ


白鬼「人の話を‥‥じゃなくて、鬼の話を聞いてくれよっ‥‥と。」ｶﾞｼｯ!


幼女「つかまったーー！！」ｷｬｯｷｬ


白鬼「よーし、じゃあ俺の話をきいt」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1461232651

1.5 ：荒巻＠管理人★(お知らせ) [Twitter]： ID:???

【 このスレッドはHTML化（過去ログ化）されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは１０００に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

君が望む永遠〜Latest Edition〜 ＠ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ ＠ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 ＠ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超Ａ級スナイパーが魔王様を狙ってる？」〈ゴルゴ13inひめごう〉 ＠ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです ＠ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「２号線」【コンマ判定新鉄・関東】 ＠ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

【安価】少女だらけのゾンビパニック ＠ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713613334/

ぶらじる ＠ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

2 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/21(木) 19:00:43.79 ID:Nom6TZuw0

幼女「ねぇお兄さん！今度は何して遊ぶ！？」ﾜｸﾜｸ


白鬼「お兄さんじゃないの。お・に・さんなんだって」


幼女「陰鬼する！？隠れ鬼する！？」


白鬼「んー2人だからなー。てか、俺もなんで遊んでんだ‥‥」ﾊｧ


幼女「たのしーね！！」


白鬼「‥‥あぁ。そうだな。」

3 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/21(木) 19:07:31.99 ID:Nom6TZuw0

幼女「ねー明日もここにいる？」


白鬼「まぁ‥‥居るけど…」


幼女「なら明日も遊ぼっ！ね！」


白鬼「はぁ‥‥。いいか？俺は鬼なの。分かるか？」


幼女「auのCMでよく見る‥‥」


白鬼「あれは鬼ちゃん。俺は本物なんだよ」


幼女「？？」

4 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/21(木) 19:10:58.59 ID:Nom6TZuw0

白鬼「いや、もういいや。とにかくお前は怖くないのか、俺のこと。」


幼女「なんで？ぜんっぜん怖くないよ！」ﾆｺﾆｺ


白鬼「そっか。ならまぁ‥‥別にいっか？」


幼女「あ、‥‥。お日様が沈んできちゃった‥‥」


白鬼「夕方だしなぁ」

5 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/21(木) 19:13:34.16 ID:Nom6TZuw0

幼女「もう今日が終わっちゃうね‥‥」


白鬼「おう。お子ちゃまの時間はここまでだな。こっからは大人の時間だ。」


幼女「お兄さんの時間？」


白鬼「あぁ、そうだよ。あと鬼な。」


幼女「じゃーまた明日ね！！」ﾊﾞｲﾊﾞｰｲ!!


白鬼「お、おぉ‥‥。」

6 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/21(木) 19:48:08.90 ID:Nom6TZuw0

ーーーーー


幼女「おーー！！にーー！！さーーんんん！！」ﾄﾃﾄﾃ


白鬼「まーた来たよ。」ﾊｧ


幼女「今日はなにして遊ぶ！？」ﾜｸﾜｸ


白鬼「まずお前に、昨日言えなかったことを言っておく。」


幼女「うん？」

7 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/21(木) 19:49:30.73 ID:Nom6TZuw0

白鬼「境界線ギリギリとは言え、ここは鬼の住処だ。」


幼女「ぬ？」


白鬼「他の鬼に出会ったら、すぐに食べられるぞお前。何かあっても知らないからな？」


幼女「よーわからん！そんなことより今日は色鬼で遊ぼっ！！」


白鬼「‥‥おいおい。」


幼女「よー‥‥、赤！」


白鬼「お前が鬼かよ。俺に赤の部分なんてないぞ？」ｷｮﾛｷｮﾛ

8 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/21(木) 19:51:37.47 ID:Nom6TZuw0

幼女「‥‥これ持って。」つトマト


白鬼「え？あ、おう」ﾊﾟｼ


幼女「はい、ターチ！」ﾎﾟﾝ!


白鬼「そんなルールだっけ！？ハメ技じゃねぇか！！」


幼女「お兄さんの負けー！！」ｸｽｸｽ


白鬼「しかも1発勝負かよ！」ｶﾞﾌﾞｯ!


幼女「あー！私のお昼ご飯食べた！！」

9 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/21(木) 19:54:42.87 ID:Nom6TZuw0

白鬼「あ、これお前の昼メシなのか。すまねぇ。」ﾊﾟｸﾊﾟｸ


幼女「あっあっ！全部食べちゃうの！？」ｱｳｱｳ


白鬼「‥‥ふぅ。このトマトうまかったよ。ありがとな。」


幼女「そりゃ、ばっちゃの畑で作ってるからね！！」ｴｯﾍﾝ


白鬼「婆ちゃんに感謝だな」


幼女「あぁーあ！お兄さんのせいでお昼に帰らなきゃいけなくなっちゃった！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ


白鬼「俺のせいか？色鬼でズルするお前が悪くねぇか？？」

10 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/21(木) 19:56:19.93 ID:Nom6TZuw0

幼女「あーあーきこえなーい」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ


白鬼「まったく‥‥子どもはこれだこら。」ﾔﾚﾔﾚ


幼女「色鬼で負けた罰として、お昼ご飯ちょーだい！！」


白鬼「‥‥まぁ、別にいいけどよ。野菜しかねーぞ？」


幼女「かまわんよ」


白鬼「何様だお前」

11 ： ◆f39OhGB9wF8x [Sage]：2016/04/21(木) 20:01:49.05 ID:Nom6TZuw0

今日はここまで。
説話や伝承文学は小さい頃から好きです。

では、またこのぐらいの時間帯に。

12 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/04/21(木) 21:32:29.19 ID:HKFJNWRMO

ｲｲﾈ

13 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/04/21(木) 21:36:12.87 ID:xAZH5OTEO

人外と子供のほのぼの話好き
乙

14 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/22(金) 23:02:39.12 ID:72ZpblIi0

ーーーーー


幼女「ごちそうさまでした！！」ﾌﾟﾊｧ


白鬼「お、おう。なかなか‥‥食べるんだな」


幼女「だってお兄さんがドンドン出すんだもん！残しちゃ悪いと思って！！」


白鬼「俺は、お前がドンドン食べるから出してたんだが‥‥。あと、いい加減に覚えろ。鬼だ。」


幼女「お兄さんって、うーん。なかなか野生的な家に住んでるんだね！」ｷｮﾛｷｮﾛ


白鬼「ここら一帯は鬼の住処っつたろ。洞穴がいっぱいあるんだよ。」

15 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/22(金) 23:05:09.28 ID:72ZpblIi0

幼女「じゃあ今度はお兄さんが私ん家に来る番だね！！」


白鬼「じゃあの意味がわからん。おい、さっきから会話が噛み合ってないぞ。」


幼女「いつ来る！？いつ来るの！？」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ


白鬼「はねんな。行かねーよ。」ｶﾞｼ


幼女「えぇ！？なんでー！来てよー！！」ｸﾞｸﾞｯ


白鬼「人の住む場所に俺が行くわけには行かねーからな」

16 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/22(金) 23:07:13.63 ID:72ZpblIi0

幼女「どーして？？」


白鬼「みんな鬼は怖がるんだよ。」


幼女「へんなの。私は怖くないのに」ｳｰﾝ


白鬼「変なの。」


幼女「へんなの？？」


白鬼「変なの」


幼女「あははっ！へんなの！」ｸｽｸｽ


白鬼「変なの？」


幼女「へんなのー！」ｱﾊﾊｯ!


白鬼「‥‥変なヤツ」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

17 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/22(金) 23:11:11.26 ID:72ZpblIi0

ーーーーー

幼女「じゃーねー！」ﾄﾃﾄﾃ


白鬼「‥‥はぁ。」


？？「かっかっかっ！幼子に好き勝手されとるのぉ！！」ｹﾗｹﾗ


白鬼「‥‥天狗の旦那ぁ。見てたんですか。」ﾐｱｹﾞ


天狗「鬼のお前が幼子と遊んでるだけで200年は笑えるわっ！さらに昼食を共にしたなどと！笑い[ﾋﾟｰｰｰ]気かっ！！」ｹﾗｹﾗｯ!!

18 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/22(金) 23:13:04.74 ID:72ZpblIi0

白鬼「旦那も一緒にどーです？アイツくらい若く変化することくらいお手の物でしょう？」


天狗「お前と幼子と一緒にか？たわけ！ガキだけで充分だわ！」


白鬼「でしょうね。」


天狗「それにお前の飯は不味い。草ばかりで食えたものじゃない」


白鬼「草じゃなくて野菜ですよ。俺は肉食わないんで‥‥」

19 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/22(金) 23:14:48.37 ID:72ZpblIi0

天狗「なんだお前。まだ肉を食わぬなどと腑抜けたことを言っとるのか。さては死にたいのだな？」


白鬼「野菜だけってのもいいものですよ。」


天狗「くだらん。‥‥さて、雑談はこのくらいにしておこうか」


白鬼「あ、やっぱり何か目的があってきたんですね」


天狗「爪を貰いに来た。薬を作るのに必要でな。」


白鬼「あ‥‥すいません。手の爪は最近、切ってしまって‥‥」

20 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/22(金) 23:16:27.17 ID:72ZpblIi0

天狗「なっ！お前、鬼だろう！なぜ爪など切りおるか！」


白鬼「‥‥えぇっと。幼子に当たってはいけないと‥‥思って。」


天狗「阿呆！鬼が爪を切りそろえるなど！笑い話にもならん！恥ぞ！」


白鬼「そんな怒らなくても‥‥。他の鬼に貰ってはどーです？ この辺にはたくさんいますよ。」


天狗「奴等は好かん。話が通じんし、ガサツだ。その奴等と一線を画してるからこそ、お前なんだ」

21 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/22(金) 23:18:02.65 ID:72ZpblIi0

白鬼「はぁ‥‥。足の爪ならありますけど‥‥」


天狗「我に足の爪を削らせる気か。無礼な奴め。」ｹｯ!


白鬼「どーしろと‥‥」


天狗「伸ばせ。１週間で手の爪をだ。出来なければ剥ぐ。」


白鬼「む、無理ですよ！鬼の爪が長い年月をかけて伸びることは知っているでしょう！！」


天狗「返事は御意以外許した覚えはないぞ小童」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ


白鬼「‥‥御意」

22 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga sage]：2016/04/22(金) 23:21:03.16 ID:72ZpblIi0

今日はここまで。
ピー音が入ってしまいましたね。
sagaじゃないといけないみたいですね。

殺す気 です。
脳内補完おなしゃす。

では、また、このくらいの時間帯に。

23 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/04/23(土) 11:02:11.06 ID:U6Rlf3IRo

乙ー

24 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/04/24(日) 11:17:02.08 ID:1TyR6xjMo

乙鬼かわいい

25 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/04/24(日) 20:48:00.78 ID:aQvFxLUW0

ーーーーー


白鬼「はぁ‥‥天狗の旦那も無茶をおっしゃるな」ｽﾄﾝ


稲荷狐「えらく沈んでるね、坊や。」ｽﾀｽﾀ


白鬼「‥‥なんだ、この山の奴等は盗み見るのが流行ってんのか」


稲荷狐「そりゃ違うさ。私ん中の流行りよ」ｹﾀｹﾀ


白鬼「困った狐だな」ﾊｧ

26 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/04/24(日) 20:52:02.92 ID:aQvFxLUW0

稲荷狐「こら白鬼。稲荷を付けんか。付ける付けないで、格が変わってくる。」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ


白鬼「狐には変わりねぇだろ」


稲荷狐「神の使いに向かって達者な口を聞くなよ。ここら一帯の草を枯らすぞ？」


白鬼「神様は一々、脅しの規模が大きいんだよな‥‥くそ‥‥」


稲荷狐「なんせ神だからね。白鬼はどうして浮かない顔をしてる？」


白鬼「いやー天狗の旦那が無茶を言ってきてさ。」

27 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/04/24(日) 20:53:22.38 ID:aQvFxLUW0

稲荷狐「あぁ、あ奴か。仕方なかろうて。あ奴も、この山の神だ。それに天狗の奴等は得てして傲慢な奴が多い。」


白鬼「１週間で指の爪を伸ばせだと‥‥」


稲荷狐「ぶふっ！１週間！？こりゃすごい！私も鬼の爪が短期間で伸びる様は見てみたいよ！」ﾜｸﾜｸ


白鬼「伸びるか！不可能だから落ち込んでんだよ！これじゃあ１週間後には手の爪、全部剥がされる！」ｶﾞｸﾌﾞﾙ


稲荷狐「こわや、こわや」ｸｽｸｽ

28 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/04/24(日) 20:54:51.35 ID:aQvFxLUW0

白鬼「なぁ、あんた神様の使いだろ。なんか出来ねぇの？」


稲荷狐「爪を伸ばす‥‥ねぇ。人間でもそんな願いをする輩は見たことないが‥‥」ｳｰﾝ


白鬼「人間はすぐ伸びるんだろ？」


稲荷狐「あぁ、成長が馬鹿みたいに早いからね。そのぶん、老いるのも早いがね。」


白鬼「今は羨ましいぜ‥‥」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

29 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/04/24(日) 20:56:21.10 ID:aQvFxLUW0

稲荷狐「お、そういえば助煮草と言う野草があるぞ。」


白鬼「なんだそりゃ」


稲荷狐「食べると爪が異様に早く伸びる野草だよ。私は力になれんが、この草は力になろう」


白鬼「それだ！この辺りに生えてるのか！？」


稲荷狐「いんや、人里だ」


白鬼「ここには！？」


稲荷狐「なーーい」ﾃﾍｯ

30 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/04/24(日) 20:58:10.21 ID:aQvFxLUW0

白鬼「なっっっんでだ！！！」ﾊﾞﾝ!


稲荷狐「ちょっと前に食い散らかしてった奴が居たからなぁ」ｸｽｸｽ


白鬼「誰だソイツ。俺は知らんぞ」


稲荷狐「無理もあるまい。ほら、覚えとらんか。前にバクが来たことあったろ」


白鬼「バクぅ？ってアイツか。なんか人間の悪夢ばっか食べる偏食の‥‥」


稲荷狐「そう、そやつだ。助煮草は酷く不味いから、この山の者は誰1人手を付けてなかったんだが‥‥」


白鬼「ま、まさか？」


稲荷狐「バクがえらく気に入ってな。全部食べていきよった。私らも、まぁ誰も食べん草だし良いかと放ってほいたんだよ」ｹﾀｹﾀ


白鬼「くっっっそ！！あの偏食め！今度会ったら、凄く美味いもの食わせてやる！！」


稲荷狐「はっはっはっ！その時は呼んでね！！」

31 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/04/24(日) 21:01:09.16 ID:aQvFxLUW0

ーーーーー
翌日


幼女「じょにぃーそう？」ﾊﾃ?


白鬼「知らないか？凄く不味いらしいんだが‥‥」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ


幼女「うーん‥‥、ばっちゃなら知ってるかもー」


白鬼「婆ちゃんか‥‥。年の功にかけてみるか。」ｶﾞﾀｯ

32 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/04/24(日) 21:02:09.92 ID:aQvFxLUW0

幼女「え？」ｷｮﾄﾝ


白鬼「何してんだ。行くぞ。」ｸﾞｲｯ


幼女「え、あ、‥‥え！？」


白鬼「前に私ん家きてー！とか言ってたろうが。それが今日だ！」


幼女「マジで？！」ｶﾞﾀｯ


白鬼「マジで！！」

33 ： ◆f39OhGB9wF8x [Sage]：2016/04/24(日) 21:08:18.11 ID:aQvFxLUW0

今日はここまで。
狂暴な人や、怖い人を"鬼のようだ"と言いますが
もしかしたら鬼は、優しさ溢れる者かもしれませんね。

ではでは、またこのくらいの時間帯に。

34 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/04/25(月) 00:55:45.99 ID:n94L82YM0

まあお疲れ

35 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/04/25(月) 22:26:21.65 ID:EsmYs1pMo

乙

36 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 20:35:42.53 ID:wNIS2giL0

ーーーーー
散歩中


幼女「ねー！はやくーー！歩くのおそーーい！！」ﾄﾃﾄﾃ


白鬼「だーかーらー、村人とかに、お前と一緒に歩いてるとこ見られたら、イケないんだって！」ｽﾀｽﾀ


幼女「またそれー？！意味わかんないっ！日が暮れちゃうよ！」ｸﾞｲｸﾞｲ


白鬼「あーもーやめてー」ﾖｲｼｮ


幼女「うえっ！？わわわわ！！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

37 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 20:37:11.43 ID:wNIS2giL0

白鬼「おいこら暴れんなって。背中から落ちるぞ」


幼女「う、うぅ〜‥‥。うん。」ﾋﾟﾀ


白鬼「傍から見たら幼子が鬼の背中で遊んでるってとこか。誰かが見たらきっと、お前も物の怪の類だと思われるだろうな」


幼女「オンブ恥ずかしいよ‥‥///」


白鬼「阿呆、なんの話をしてるんだ。」ｸﾞｯｸﾞｯ


幼女「な、なにしてるの？？」

38 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 20:38:28.34 ID:wNIS2giL0

白鬼「準備運動だ。体を動かすのは久しくてな。よし、しっかり捕まってろよ？」


幼女「う、うんっ！」ｷﾞｭｰ


白鬼「ぐぇっ！ちょ、まてまて！首に捕まる奴がいるか！服とか掴んどけ！！」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ


幼女「ここ？」ﾂｶﾐ


白鬼「まぁそこでいい。離すなよー‥‥」ﾀﾞﾝｯ!!


ビューーー‥‥ンッ！！！


幼女「うひゃっ！！た、高かね！」

39 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 20:39:15.88 ID:wNIS2giL0

白鬼「このまま一気に森を抜けるぞ！！目、閉じとけ！枝が目に入るかもだぞ！！」ﾋﾞｭﾝ!


幼女「うん！！」ｷﾗｷﾗ


白鬼「だから閉じろって‥‥ったく！」ﾋﾞｭﾝﾋﾞｭﾝ!!

40 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 20:44:55.63 ID:wNIS2giL0

ーーーーー

天狗「かっ！鬼が飛んどる」ｸｽｸｽ


天狗「背中に幼子を乗せるとは‥‥なぁ。堕ちたもんだまったく。」


小天狗「父様ぁ！もう僕には登れません！！」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ


天狗「たわけ！まだ10にもならん幼子が、この大木より高く飛んどるんだ！！はよ、登らんか！」


小天狗「またご冗談を！」ﾌﾟﾌﾟｯ


天狗「‥‥冗談だと？ならお前も飛んでみるか。」ｶﾞｼｯ!

41 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 20:46:41.62 ID:wNIS2giL0

小天狗「お、お待ちください！！僕にはまd」


天狗「黙って飛んでけぇぇえ！」ﾌﾞﾝ!


小天狗「ま、やめ、おい！バカ天狗ぅぅぐぅぅ‥‥！！」ﾋｭｰｰ…ｷﾗﾝｯ!


天狗「はっ！飛べるじゃないか！それにしても白鬼め。」ﾁﾗｯ




天狗「‥‥腑抜けた顔をしよって。顔が笑っとるぞ」ﾆﾔﾆﾔ

42 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 20:49:23.92 ID:wNIS2giL0

ーーーーー

ズズザアァァァアァン！！！


白鬼「っとっと‥‥っ！」ﾋﾟﾀ


幼女「んんーー！！はやいはやい！！あっという間に私ん家だね！！」ﾋﾟｮﾝ


白鬼「ま、俺にかかればこんなもんよ。」ｴｯﾍﾝ


幼女「お兄さん、足、速いんだね！！」

43 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 20:50:31.77 ID:wNIS2giL0

白鬼「鬼だからな。んなことより、お前の婆ちゃんはどこだ」ｷｮﾛｷｮﾛ


幼女「ばっちゃなら、多分、縁側にいると思うよ！！行ってみて！」ﾄﾃﾄﾃ


白鬼「あ、おい！お前はどこ行くんだ！」


幼女「畑みてくるぅー！！」ﾀｯﾀｯ


白鬼「ばか！お前が居ないと婆ちゃんが怖がr‥‥、…足、速いな。」ﾊｧ

44 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 21:23:46.82 ID:wNIS2giL0

ーーーーー

白鬼「おーい、婆ちゃーん！どこだー」ｽﾀｽﾀ


<ｱｲﾖｰ ｺｯﾁﾀﾞｰ


白鬼「あっちか‥‥」ｽﾀｽﾀ


白鬼「にしても、この家はチビとバアしか居ないのか？」ｷｮﾛｷｮﾛ


婆「おぉ、お前が呼んだのかえ？」


白鬼「お、婆ちゃん。縁側に座って日向ぼっこか」

45 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 21:24:56.88 ID:wNIS2giL0

婆「ふぇっふぇっふぇっ！ココが落ち着くんじゃて。お前さんはー‥‥、村のもんか」


白鬼「いや、違う。婆ちゃんに聞きたいことがあってきたんだ」


婆「老いた婆に聞きたいこととな？何なりと。何なりと。」


白鬼「助煮草って野草を探してるんだ。知らないか？」

46 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 21:25:54.00 ID:wNIS2giL0

婆「なんだお前さん。声が若いと思ったが年食いか。」


白鬼「‥‥おい婆ちゃん。もしかして目が見えないのか。」ﾁﾗｯ


婆「‥‥？あぁ、見えないとも。だが、もうじき迎えが来る身。不便じゃが不自由ではないさ」


白鬼「‥‥そうか。」


婆「それで助煮草じゃったな。あの草は年寄りが使うものじゃて。聞いた限りお前さんみたいな若いのが使うものじゃないんじゃがな‥‥」

47 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 21:27:32.23 ID:wNIS2giL0

白鬼「すまない。どーしても欲しいんだ。生えてる場所を教えてくれ」


婆「別にたくさん生えとるからいいんじゃが‥‥。恐ろしく不味いぞ？食えたもんじゃない」


白鬼「や、やっぱり‥‥。」


婆「名前の通り、煮て出た汁を飲むんじゃ。お茶のようなものと言えば、聞こえはいいが‥‥。まぁ、欲するなら良かろて。」


白鬼「あぁ、助かるよ。」


幼女「おにーーさーーん！！」ﾄﾃﾄﾃ


婆「およ？幼女かえ。もう帰ってきたのかい？」

48 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 21:28:40.80 ID:wNIS2giL0

幼女「あ、ばっちゃ！ただいま！」


白鬼「チビに婆ちゃんなら知ってるって教えてもらったんだ。」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ


婆「おおそうかい。そうかい。」


幼女「じょにぃ草ってのは分かった？？」


白鬼「おう。なんとかなりそうだぜ」


幼女「よかったね！！」

49 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 21:30:08.72 ID:wNIS2giL0

婆「幼女や。裏の土蔵のあたりに真っ赤な花が咲いとらんかえ？」


幼女「おぉあるある！」


婆「あれが助煮草じゃて。欲しいだけ摘んできんさい。幼女や、連れてってあげな」


白鬼「本当か！そんな近くにあるとは思わなかったぞ！」


幼女「こっちだよ！いこ！」ｸﾞｲｯ


白鬼「お、おう！」

50 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/27(水) 21:35:06.25 ID:wNIS2giL0

婆「ずいぶん大きな友だねぇ…」

51 ： ◆f39OhGB9wF8x [Sage]：2016/04/27(水) 21:37:17.41 ID:wNIS2giL0

今日はここまで。
では、またこのくらいの時間帯に会いましょ。

52 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/04/28(木) 01:01:24.14 ID:7nF7SeuAO

乙
昔話っぽい雰囲気だけど、舞台は現代なのかな

53 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/04/28(木) 06:50:51.35 ID:HqKRA+K1o

乙

54 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/04/28(木) 07:16:12.66 ID:ug3wyBeeO

>>50
視えないけど声が高いところから聴こえたからそう判断したのか、それとも実は視えてるのか・・・

55 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/04/28(木) 22:06:51.11 ID:UUH/SatY0

>>54
電磁波とか超音波とか色々組み合わせて周囲を把握してるサイボーグばーちゃんかもしれない

56 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/29(金) 20:40:51.15 ID:gQFq10nm0

ーーーーー
土蔵


幼女「えー‥‥と？」ｷｮﾛｷｮﾛ


白鬼「赤い、花だったな」ｷｮﾛｷｮﾛ


幼女・白鬼『あ』ﾋﾟﾀｯ


幼女「たぶん‥‥この花がそうかな‥‥」ｼﾞｰ


白鬼「‥‥、試しにチビ。食ってみろよ」ｼﾞｰ


幼女「やだべ。じょにぃ草はびっくりするくらい不味いんでしょ？」


白鬼「そうだけど、そうじゃないかも知れないだろ。」ﾎﾟｷｯ!

57 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/29(金) 20:41:56.68 ID:gQFq10nm0

幼女「う、うーん‥‥。そう‥‥なの？」


白鬼「そうなの。」つ花


幼女「こんなにキレイな花が不味いなんて思えないけど‥‥」ﾏｼﾞﾏｼﾞ


白鬼「まぁ食ってみろって。ほれ。ほーーれ。」ﾂｲﾂｲ


幼女「うぅー！えいっ！」ﾊﾟｸｯ!


白鬼「お‥‥。どうよ‥‥」


幼女「‥‥？？」ﾑｼｬﾑｼｬ

58 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/29(金) 20:43:25.43 ID:gQFq10nm0

白鬼「‥‥？？」


幼女「‥‥うん。花だね。」ｺﾞｸﾝ


白鬼「ぷはぁ！なんだよ！これじゃなかったのかよ！」ｶﾞﾌﾞｯ!


幼女「あ、茎も食べるの？」


白鬼「ったりめーだろ。摘んだからには全部食べてきっt」ｶﾞｸｶﾞｸ


幼女「‥‥え」


白鬼「ーーーー！！！！！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ


幼女「ど、どうしたの‥‥？」


白鬼「あっ‥‥！か‥‥、！」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ


幼女「え？え？」


白鬼「うっ‥‥！ぐふ‥‥、みっ！」


幼女「み？あ、水？水ね！」ﾄﾃﾄﾃ

59 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/04/29(金) 20:44:50.32 ID:gQFq10nm0

ーーーーー

婆「ふぇっふぇっふぇ！生で食ったのかえ！」


白鬼「ババア！笑い話じゃねーよ！！死ぬ所だったんだぞ！」ｺﾞｸｺﾞｸ!


婆「煮て飲んでも不味いのに、生で食らうとはなぁ。生きてて良かったねぇ。」


幼女「死にそうだったけどね」ｸｽｸｽ


白鬼「おいチビ。何笑ってんだ。」

60 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/29(金) 20:45:59.88 ID:gQFq10nm0

婆「ほんに、ほんになぁ。よう生きた。芯の強いやつよ」ｸｽｸｽ


白鬼「とにかく、あの花は全部もらってくぜ。煮て飲めばいいんだよな」ｶﾞﾀｯ


婆「あぁ、そうさ。鍋に水を張って花の茎を入れて煮るのさ。変なことに、緑の茎から赤の煮汁が出る。」


白鬼「赤いのか。そりゃ変だな」


婆「あぁ、変さ。血のように赤くドロっとなるまで煮込め。」


幼女「血‥‥。なんやら気味が悪か花やね‥‥」

61 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/29(金) 20:49:42.70 ID:gQFq10nm0

婆「そうじゃろ。これを飲む奴は、そうまでして生きたい老体と相場が決まっとる。」


白鬼「婆ちゃんも飲むか。こんだけ花があれば多分だが、婆ちゃんの分もあるぞ」ﾁﾗｯ


婆「爺さまが死ぬ時に、私も作ったがね。爺さまは飲まんかった。だから私も飲まんさ。」


幼女「ばっちゃ…」


婆「‥‥死ぬほどの思いをしてまで生きようとは思わん。大丈夫じゃ。幼女が大きくなるまで生きるよ。」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

62 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/29(金) 20:50:44.07 ID:gQFq10nm0

白鬼「‥‥じゃあな婆ちゃん。長生きしろよ」ｽﾀｽﾀ


婆「任せんしゃいや。」


幼女「お、お兄さん！また明日ね！！」


白鬼「おーう。」

63 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/29(金) 20:52:14.31 ID:gQFq10nm0

ーーーーー


コトコト‥‥コトコト‥‥


白鬼「なんだこりゃ。全く煮汁が出やしない‥‥」ﾊｧ


白鬼「‥‥徹夜で煮るのか」ﾁｯ


？？「‥‥ねぇ」


白鬼「！？」ｷｮﾛｷｮﾛ


？？「‥‥なにしてるの？」


白鬼「‥‥誰だ」ｷｮﾛｷｮﾛ

64 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/29(金) 20:52:59.53 ID:gQFq10nm0

？？「‥‥壁みて」


白鬼「あ、影女」


影女「やっぱり誰も気づいてくれないの‥‥」ｼｸｼｸ


白鬼「なんせ影だからな‥‥」ﾁﾗｯ


影女「‥‥う、」


白鬼「う？」


影女「うぇぇぇえんっっ！！」ｸﾞｽｸﾞｽ

65 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/29(金) 20:54:52.78 ID:gQFq10nm0

白鬼「ちょ、待って！泣くなよ！響くだろうが！！外で泣けよ！」


影女「だって影なんだもん！！ひっぐっ！夜になったら見ることすらで‥‥うぐっ！できないもん！」ﾀﾞﾊﾞｰ


白鬼「なんで家に来たんだよ！！」
影女「火の光があったからぁ！光がないと私、誰にも‥‥き‥‥」ｳﾙｳﾙ


白鬼「お、おい待て‥‥。響くから‥‥洞穴は馬鹿みたいに響くんだt」


影女「気づいてもらえなくてぇぇぇぇえ！！ふぇえぇぇええっ！！！！ひっくっ‥‥、誰かとっ、しゅ、喋りたくてぇぇぇえ！！！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ


白鬼「〜〜！！！」ｷｰｰﾝ!!!

66 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/29(金) 20:57:17.62 ID:gQFq10nm0

ーーーーー

影女「で、なにしてるの？」ｹﾛｯ


白鬼「‥‥煮込んでるんだよ」ｹﾞｯｿﾘ


影女「ふぅ〜ん。丑三つ時なのに火の光があると思ったら、そんなことしてたんだ。」


白鬼「お前は何しにきたんだ。本当に‥‥」

67 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/29(金) 20:58:22.03 ID:gQFq10nm0

影女「私？私はほら、光あるところに私ありみたいな？そーゆー感じ的な？」


白鬼「‥‥火、消そうかな」ｳｰﾝ


影女「やめてよ！私、消えちゃうじゃん！もっと喋ろうよ！楽しい夜を過ごさせてよ！！」ｽﾙｽﾙ


白鬼「あーおいこら。うろちょろすんな。影だけ動くのは変な気分になる。」

68 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/04/29(金) 20:59:33.82 ID:gQFq10nm0

影女「仕方ないじゃん！影なんだもん！なに？！また泣くよ！？」


白鬼「‥‥ほっんと、傍迷惑な奴だな」


影女「それが私なんです。はい。どーせ徹夜するんでしょ？なら話し相手になってよ！！」


白鬼「あぁ！もう！っしゃおらぁ！腹は決まった！なってやんよ！！」ﾄﾞｶｯ!


影女「そうこなくっちゃ！！」ﾜｸﾜｸ

69 ： ◆f39OhGB9wF8x [Sage]：2016/04/29(金) 21:00:42.36 ID:gQFq10nm0

今日はここまで。
またこのくらいの時間帯に会いましょ。

70 ： ◆f39OhGB9wF8x [Sage]：2016/04/29(金) 21:02:49.17 ID:gQFq10nm0

>>52
すいません、一応、舞台はむかしむかしのお話です。
auネタやりたくって時間軸壊しちゃいました。
でも、昔です。大切なことなので二度言いました。

71 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/04/30(土) 14:35:47.64 ID:9m8+ZwaC0

おっつ

72 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/04(水) 21:32:00.85 ID:qDkf1Oid0

ーーーーー
次の日


幼女「それでそんなに眠そうなの？」


白鬼「‥‥お、おう」ｳﾂﾗｳﾂﾗ


幼女「大丈夫？？」


白鬼「任せろ‥‥て。助煮草の煮汁もできたし‥‥乾杯といこうか」


幼女「あ、じゃあ私はお水もらうー」ﾄﾃﾄﾃ

73 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/04(水) 21:33:36.62 ID:qDkf1Oid0

白鬼「おぉ‥‥う。飲め飲め。」


幼女「‥‥よっいしよっと。」ｺﾄﾝ


白鬼「さーて‥‥。じゃあ行くぞー」


幼女「うんっ」


白鬼・幼女『かんぱーい！』ｶﾁｬﾝ!


ゴクッゴクッ！！


白鬼・幼女『〜〜！！』

74 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/04(水) 21:34:57.78 ID:qDkf1Oid0

白鬼「うぅー！ぺっぺっ！なんだこりゃ！！まっっっっず！！」


白鬼「こんなん飲むやつは正気じゃねーーな！！」ｻﾞﾜｻﾞﾜ


白鬼「いい眠気覚ましに‥‥お？」ｻﾞﾜｻﾞﾜ


白鬼「おお！？毛が逆立ちやがる！体が熱いぞ！？爪も心なしか伸びてる気がする！！」ｻﾞﾜｻﾞﾜ


白鬼「こりゃマジに効果ありそうだな！！全部飲むか！！」ｺﾞｸｺﾞｸ!


白鬼「ーーーーー！！！！」


白鬼「お、おい！おえっ‥‥チビ！水、水くれ！！」ﾍﾟｯﾍﾟｯ


幼女「あ、あい〜」ﾌﾗﾌﾗつ杯


白鬼「どうしたチビ」ﾊﾟｼｯｺﾞｸｯ

75 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/04(水) 21:36:14.30 ID:qDkf1Oid0

白鬼「！？」


幼女「ふぅ‥‥」ｺﾃﾝ


白鬼「おい！？チビ！？これ水じゃねーよ！酒だ！」


幼女「‥‥」ｽｩｽｩ


白鬼「おいチビ？」ﾕｻﾕｻ

76 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/04(水) 21:37:27.06 ID:qDkf1Oid0

幼女「‥‥」ｽﾔｧ


白鬼「やばいって。人間が鬼の酒を呑んだらやばいだろ‥‥」ｶﾞｼｯ!


白鬼「おい、起きろ。起きろって。絶対に起こしてやるぞチビ」ｵﾝﾌﾞ


幼女「‥‥すー‥‥。ふぅ‥‥」ｽﾔｽﾔ


白鬼「くそっ！」ﾀﾞｯ!

77 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/04(水) 21:54:58.98 ID:qDkf1Oid0

ーーーーー
鳥居前


白鬼「バカ狐ーーーー！！！！」ｷｮﾛｷｮﾛ


稲荷狐「こら白鬼。大きゅう声でバカとはなんだ。草を枯らしたこと、まだ根にもっとるな」ﾋｭﾀｯ!


白鬼「ったりめーだ！本当に枯らしやがって！んなことよりチビを見てくれ！！」ｽｯ


稲荷狐「ぶふっ！鬼が幼子を抱いてるよ！なんだ、お前が子を食うのを見てろと言うのかっ！」ｸｽｸｽ

78 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/04(水) 21:56:40.53 ID:qDkf1Oid0

白鬼「違うわ！様子がおかしいんだよ！！この山で人間に縁があるのはアンタくらいだ！頼むよ！」


稲荷狐「…あぁ、そういうこと。他の妖怪共は人を喰らうからなぁ。そこに置け。」


白鬼「あ、あぁ‥‥」ｽﾄﾝ


稲荷狐「どれどれ‥‥。おぉ、酔っとるね。酔っとる。酔っとる。」ｸｽｸｽ


白鬼「だ、大丈夫なのか‥‥？」

79 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/04(水) 21:58:16.29 ID:qDkf1Oid0

稲荷狐「ま、案ずることじゃないよ。安らかに死ぬさ」ｽﾀｯ


白鬼「は！？死ぬ？！」


稲荷狐「そりゃそうさ。鬼の酒を呑んだんだろ。もう起きることはないよ。」


白鬼「助かんねーのか！」ｶﾞｼｯ!


稲荷狐「こら！掴むな！おい！離せ！！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ


白鬼「助からないのかっ！！」

80 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/04(水) 21:59:43.72 ID:qDkf1Oid0

稲荷狐「だからそう言ってるだろ！やめてよ！尻尾が千切れちゃうだろっ！！」


白鬼「んな馬鹿な‥‥」ﾊﾟｯ


稲荷狐「きっさま‥‥！よくも無礼な‥‥」ｼｭﾀｯ!


稲荷狐「‥‥白鬼？」


白鬼「‥‥」ｽｸｯ!

81 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/04(水) 22:02:03.51 ID:qDkf1Oid0

稲荷狐「これ、どこへ行く。待ちなさい。こら待て」


白鬼「‥‥天狗の旦那んとこに行くよ。もしかしたら起こしてくれるかもしれない。」ｽﾀｽﾀ


稲荷狐「待て待て。その幼子は置いてけ。喰われるぞ。」


白鬼「‥‥嫌だ」ﾀﾞｯ!


稲荷狐「あ！こら待てと言ってっ‥‥！‥‥まったく。」

82 ： ◆f39OhGB9wF8x [Sage]：2016/05/04(水) 22:03:01.75 ID:qDkf1Oid0

今日はここまで。
では、またこのくらいの時間帯に会いましょ。

83 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/05(木) 13:55:27.87 ID:IuZ3Sg/40

おつ

84 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/06(金) 08:16:17.76 ID:SeN6hncVO

乙ー

85 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 22:07:40.92 ID:S5dNQzbt0

やっと見つけた‥‥
なぜかスレタイ検索ができなくて、このスレを見失ってしまい、更新が滞ってしまいました。

スレ乱立も相まって、だいぶ遡りました。自分で自分を褒めたいです。

では始まります！！

86 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 22:09:39.87 ID:S5dNQzbt0

ーーーーー
大木


天狗(アレは仕方なかろうて。悪いことはしとらんわ)←昨日、空の彼方へ吹っ飛ばした子天狗が帰ってこないことを後悔中


天狗「‥‥はぁ」


<ﾀﾞﾝﾅｰｰ!!!


天狗「‥ん。儂のことを旦那と呼ぶか。」


白鬼「‥‥」ﾁﾗｯ


天狗「おぉ、白鬼。何しに来た。」

87 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 22:13:45.68 ID:S5dNQzbt0

白鬼「この子を助けてください！！」


幼女「‥‥」ｽｩｽｩ


天狗「…なんだ。爪を寄越しに来たんじゃないのか。」ﾊｧ


白鬼「お願いです！この子を！」ﾐｱｹﾞ


天狗「いい加減にしろ。鬼のお前が幼子を助けるなどと。さっさと食ったらどうだ」ｹｯ!


白鬼「そん…な‥‥。」


天狗「‥はぁ、そんな顔をするな‥なんだ。どーしたんだその幼子は。」ﾁﾗｯ

88 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 22:14:52.34 ID:S5dNQzbt0

白鬼「お、鬼の酒を飲んでしまって！」


天狗「かっかっか！幼子がか！鬼の酒を喉に通したのか！笑いの宝庫だなお前は！！」ｹﾗｹﾗ


白鬼「それから起きないんですっ！」


天狗「かっかっ！そりゃそうだろうて！鬼の酒が全身に回ったら誰しもそうなる！！」


白鬼「なんとかなりませんか！」


天狗「はぁ‥はぁ‥。ならん‥‥こともないが。諦めろ。はよ喰らえ。」ﾌｩ

89 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 22:17:00.86 ID:S5dNQzbt0

白鬼「た、助かるんですか！？」


天狗「さてな。お前、もう久しく人を食っとらんだろう。その手に抱えとるモノを食わんと、もうじき死ぬぞ。」ﾁﾗｯ


白鬼「そんなことは知ってます。でも助けたいんです。教えてください」ﾍﾟｺｯ


天狗「‥‥たわけが。本当に愚かな鬼ぞ。そこまでして幼子を生かしたいか。」


白鬼「はい。なんとしても。」

90 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 22:26:58.50 ID:S5dNQzbt0

天狗「‥‥はぁ。なら爪と引換に教えt」


ぶちっ！！ぶちぶち‥‥


白鬼「どうぞ。」


天狗「‥‥大した鬼だ。」ﾊﾟｼｯ


白鬼「それでどうすれば‥‥」


天狗「手から出る血を飲ませろ。さすれば起きるぞ」

91 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 22:27:42.71 ID:S5dNQzbt0

白鬼「そんなことで？」


天狗「あぁ。だがな。それ即ち、幼子が鬼になることになる。分かるか？」


白鬼「そんな！」


天狗「体の中に入った酒は抜くことができん。ならば、己が鬼になればいいことだ。簡単だろう。」


白鬼「‥‥できるわけがないっ‥‥！」


天狗「なぜだ？その幼子が鬼になれば、もう物の怪と人間なんて隔たりは無くなるぞ。それを望んでおったのだろう？」

92 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 22:38:32.16 ID:S5dNQzbt0

白鬼「ち、違う‥‥、俺はチビに…人間として幸せに生きてもらいたいっ‥‥！！」


天狗「‥‥勝手にしろ。爪は確かに受け取った。」ﾋﾞｭﾝｯ!


白鬼「だ、旦那っ！」


シーーン‥‥


白鬼「‥‥無理だよ。」ﾊｧ


天狗「ならワシが食らってやろうか」


白鬼「！？」ﾊﾞｯ!

93 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 22:44:46.23 ID:S5dNQzbt0

天狗「ほれ、はよ幼子を渡さんか。」


白鬼「旦那ぁ。いつの間に木から降りて、俺の後ろなんかとったんですか」ｼﾞﾘｼﾞﾘ


天狗「お前らの創る酒は美味いからな。それが染み込んだ肉は大層うまかろう」ｽﾀｽﾀ


白鬼「‥いくら旦那でも、それ以上こっちに来ないでもらえますか。」ｼﾞﾘｼﾞﾘ

94 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 22:48:11.63 ID:S5dNQzbt0

天狗「さっきの問いに答えてやろう」ﾋﾞｭﾝｯ!


白鬼「！！」ｷｮﾛｷｮﾛ


天狗「こりゃ、どこを見とる」ﾄﾞｶｯ!


白鬼「うぐっ！？」ﾄﾞｻｯ


天狗「軟弱な‥‥。儂の動きは見えずとも、打撃くらいは堪えてみせんか」ﾋﾞｭﾝｯ!


白鬼「旦那ァァァアッ！待ってくださいッッ！！！」


天狗「死にとうなかったら手にある子を食え。食わねば死ぬぞ」ﾋﾞｭﾝﾋﾞｭﾝ!

95 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 23:01:12.63 ID:S5dNQzbt0

白鬼 (くそ！旦那に殺される！俺が[ﾋﾟｰｰｰ]ばチビも死ぬぞ！俺が[ﾋﾟｰｰｰ]ばチビが泣くぞ！)


天狗「せめて両手を空けんか。片手で儂と渡り合う気か？傲慢な！」ﾊﾞｷｯ!


白鬼「ぐぁはッ！」


天狗「昔のお前は、もっと覇気があったぞ。それを今は子を抱き、地に跪く鬼とは‥‥無様な」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ


白鬼「ははは。それは申し訳ない‥ですッ！」ﾌﾞﾝ!


天狗「はぁ‥‥物を投げるだけか‥。猿を相手にしてるようだぞ」ﾊﾟｼｯ!

96 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 23:02:10.26 ID:S5dNQzbt0

白鬼「それ差し上げますよ」


天狗「ん？‥‥なんだこの赤い小瓶は。」


白鬼「1晩中、煮込んだ自信作ですよ」


天狗「ほう？‥‥それは旨かろうな」ｼﾞｰ


白鬼「それでは」ｽﾀｽﾀ


天狗「じゃあの‥‥って、待たんかたわけ！」


白鬼「…嫌です！」ﾀﾞｯ!

97 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 23:07:41.41 ID:S5dNQzbt0

天狗「儂から逃げきれると思っとるのか！」ﾋﾞｭﾝｯ!


白鬼「くっそ！！」ﾆｹﾞｯ!


天狗「ほぅら、幼子にこうも容易く手が届く」ﾂﾝﾂﾝ


白鬼「くッ！！」ﾋﾟﾀｯ


天狗「…本気を出さんか。ほれ、[ﾋﾟｰｰｰ]気で来い。」


白鬼「そんなこと‥‥」


天狗「もう永らく生きすぎて忘れたか。お前らの鬼は、人の憎悪・嫌忌を溜め込む器。殺意こそ力の源であろうが。」

98 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 23:08:56.64 ID:S5dNQzbt0

白鬼「‥‥」ｷｮﾛｷｮﾛ


天狗「まだ逃げる算段でもしとるのか。呆れたヤツぞ！」ﾀﾞｯ!


白鬼「！！」


<ｸｿﾃﾝｸﾞｰｰｰ!!!!


天狗「子天狗か！？」


子天狗「何やってんだ！！白鬼さん[ﾋﾟｰｰｰ]気か！！！」


天狗「阿呆！これは稽古だ！そこをどかんか！！」ｼｯｼｯ

99 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/13(金) 23:13:40.30 ID:S5dNQzbt0

子天狗「父様の稽古は死への直行便だわ！！死にかけたんですよ！僕！！」


白鬼「‥‥」ｿﾛｰｯﾄ


天狗「今は生きとろう！あ！こら待て白鬼！どこへいく！」


白鬼「やっべ」


子天狗「いいですよ！早く逃げてください！白鬼さん！」


白鬼「あ、ありがとう！」ﾀﾞｯ!


天狗「待たんか！！！！白鬼ィィ！！」

100 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/13(金) 23:15:13.17 ID:JcB4dS5WO

Sagaじゃなくてsagaだよ。全部小文字

101 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga sage]：2016/05/13(金) 23:15:48.99 ID:S5dNQzbt0

ピー音が‥‥

死ぬぞ
死ぬぞ

殺す気か
殺す気か

です。
脳内変換よろです

102 ： ◆f39OhGB9wF8x [Sage]：2016/05/13(金) 23:28:56.46 ID:S5dNQzbt0

今日はここまで！
ちょっと長くなってしまいました。

ではまたこのくらいの時間帯に会いましょ。

103 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/13(金) 23:31:05.26 ID:EdV4/kq4o

何故頭文字が大文字になるんだ

104 ： ◆f39OhGB9wF8x [sage]：2016/05/14(土) 00:28:23.96 ID:x/qJZHej0

>>103
すいません、癖で‥‥
直していきます、ありがとうございます。

105 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/14(土) 12:15:16.47 ID:PpGAuHHvo

乙
ブクマするなり専ブラで開いとけば探す手間省けるよ

106 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/16(月) 18:57:28.99 ID:b9xjnFKzo

頭文字はＤだろｊｋ

107 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/05/17(火) 22:36:51.78 ID:+/VepLpb0

ーーーーー

白鬼「はぁ‥‥」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ


幼女「すぅ‥‥すぅ‥‥」


白鬼「なぁに寝てんだアホチビ」ﾍﾟｼｯ


幼女「うっ‥‥、すぅ‥‥」ｽﾔｧ


白鬼「‥‥どーすっかな…」ﾁｯ


白鬼「キツネのとこはもう行ったし、天狗の旦那はガチギレしてるしなぁ」
ﾊｧ

108 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/17(火) 22:37:50.38 ID:+/VepLpb0

<ｸｽｸｽ


白鬼「‥‥なに笑ってんだ」


<ｸｽｸｽ…ｸｽｸｽ


白鬼「この山のヤツらは、本当に根性が歪んでやがんでるな‥‥」


木霊甲「なにしてるの？」ｸｽｸｽ


木霊乙「こんなところでなにしてるの？」ｸｽｸｽ

109 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/17(火) 22:38:39.66 ID:+/VepLpb0

白鬼「うるせぇよ」


木霊甲「その子食べるの？」ｸｽｸｽ


木霊乙「ようやく食べるの？」ｸｽｸｽ


白鬼「食わねぇって。あぁ、もう気が散るからどっか行けよ」ｼｯｼｯ


木霊甲「どうする？」ﾁﾗｯ


木霊乙「どうしよっか？」ﾁﾗｯ

110 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/17(火) 22:39:40.06 ID:+/VepLpb0

木霊甲「付いてく？」ｸｽｸｽ


木霊乙「付いてこっか！」ｸｽｸｽ


白鬼「あぁ！来んな！邪魔なんだよ！ほら、あっち行けよ！」


木霊甲「その子どうしたの？」ﾖｼﾞﾖｼﾞ


木霊乙「一体全体どうしたの？」ﾖｼﾞﾖｼﾞ


白鬼「おいこら、登ってくるな。」

111 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/17(火) 22:40:41.41 ID:+/VepLpb0

木霊甲「寝てるね」ﾂﾝﾂﾝ


木霊乙「ホントだね」ﾂﾝﾂﾝ


白鬼「‥‥起きないんだよ」


木霊甲「憎悪の酒を飲んだの？」


木霊乙「鬼のお酒は憎悪のお酒？」


白鬼「はぁ‥‥人の不幸は蜜の味って言うだろ？鬼は、それを込めながら酒を創るんだよ。ほら、分かったら、あっち行けよ」

112 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/17(火) 22:41:46.06 ID:+/VepLpb0

木霊甲「なら幸せは何の味？」


木霊乙「きっと不味いよ」


白鬼「不味くはないだろ。人間は幸福を求めて生きてるんだから。」


木霊甲「幸福ってなに？」


木霊乙「幸せってなに？」

113 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/17(火) 22:42:44.74 ID:+/VepLpb0

白鬼「‥‥鬼の俺が知るわけないだろ。お前らはどーなんだよ」


木霊甲・乙『なにが？』


白鬼「だからさ、こー嬉しい！とか楽しい！みたいな気持ちってあんの？」


木霊甲「嬉しい？」


木霊乙「楽しい？」


木霊甲・乙『あぁ、あるよ！』

114 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/17(火) 22:43:47.94 ID:+/VepLpb0

白鬼「へぇ。それっていつよ？」


木霊甲「お母様と居る時だよ。ね。」ﾁﾗｯ


木霊乙「お母様と居る時だね。うん。」ﾁﾗｯ


白鬼「親‥‥か。親‥‥ね。よしっ！」ﾊﾞﾝ!

115 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/17(火) 22:44:46.51 ID:+/VepLpb0

木霊甲・乙『うわぁっ！』ﾖﾛﾖﾛ


白鬼「婆ちゃんとこに行くか！」ｽﾀｽﾀ


木霊甲「お出かけ！？」


木霊乙「お出かけ！！」


木霊甲・乙『いく！』ﾋﾟｮﾝ!

116 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/17(火) 22:46:29.42 ID:+/VepLpb0

ーーーーー
野道


木霊甲「ねぇどこにいくの？」ﾁｮｺﾝ


木霊乙「ねぇどこに向かってるの？」ﾁｮｺﾝ


白鬼「お前ら‥‥なに肩に座ってんだ。降りなさい！」ｽﾀｽﾀ

117 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/17(火) 22:47:20.95 ID:+/VepLpb0

木霊甲「えーやーだー」


木霊乙「やだよねー」


白鬼「ち、チビが増えた‥‥」ﾊｧ


木霊甲「それでどこに行くの？」


木霊乙「きっと楽しいとこだよ」


白鬼「楽しかねーよ。人間の家だ」


木霊甲・乙『家！？』

118 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/17(火) 22:50:43.53 ID:+/VepLpb0

木霊甲「聞いた！？聞いた！？家だって！」ｷｬｯｷｬ


木霊乙「聞いた！！聞いた！！家だって！」ｷｬｯｷｬ


白鬼「あーもー！鬼の肩で騒ぐな！！なにがそんなに楽しいんだ！」


木霊甲「家ってなにかなー！？」


木霊乙「なにかな、なにかなー！」


白鬼「‥‥まったく」ｸﾞｯﾀﾘ

119 ： ◆f39OhGB9wF8x [sage]：2016/05/17(火) 22:52:40.73 ID:+/VepLpb0

今日はここまで。
またこのくらいの時間帯に会いましょ。

120 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/17(火) 23:59:15.68 ID:1K1fiZqtO

乙
この雰囲気好き

121 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/20(金) 07:59:10.73 ID:6WxTgHN1O

乙ー

122 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/20(金) 20:51:39.02 ID:zvs4BLja0

ーーーーー

白鬼「‥‥あれ」ｷｮﾛｷｮﾛ


木霊甲「ここ？」


木霊乙「ここが家？」


白鬼「っかしなー。ここら辺にあった気がするんだけど‥‥」


木霊甲「人間は土の中に住んでるの？」


木霊乙「だからここだけ土が新しいの？」


白鬼「いや、そんなことはないけど‥‥」


婆『おぉ、おぉ。聞き覚えのある声だわや』

123 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/20(金) 20:52:45.21 ID:zvs4BLja0

白鬼「婆さん！」


木霊甲「婆さん？」ﾁﾗｯ


木霊乙「婆さんだって」ﾁﾗｯ


婆『やはりそうかい。お前さんがこないだ幼女と一緒に来たお方だね』


白鬼「あ、あぁ、そうだが‥‥、婆s」


木霊甲「ねぇ」ﾂﾝﾂﾝ


木霊乙「ねぇねぇ」ﾂﾝﾂﾝ

124 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/20(金) 20:53:44.14 ID:zvs4BLja0

白鬼「‥‥あんだよ。邪魔しないって約束だろ」


木霊甲「あっちに行っていい？」ﾕﾋﾞｻｼ


木霊乙「あっちで遊んでいい？」ﾕﾋﾞｻｼ


白鬼「あ、おう。あんま遠くに行くなよ。俺が見えるとこまでだからな」


木霊甲「わかったー？」ｸｽｸｽ


木霊乙「わかったー！」ｸｽｸｽ

125 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/20(金) 20:55:28.75 ID:zvs4BLja0

白鬼「本当に分かってんだろうな。‥‥ったく」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ


婆『あれは木霊様かえ。なんとも童子なお姿だねぇ』


白鬼「！…やっぱり婆さん、死んでるな」


婆『まぁの。幼女との約束をはじめて破ってしまったわ』


白鬼「そう…か。そのチビのことなんだがよ。」

126 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/20(金) 20:56:50.68 ID:zvs4BLja0

婆『ふぇっふぇっふぇ。気持ちよさそうに眠っとるわい』


白鬼「悪い。チビはもう起きない」


婆『…はて？トンと話が飲み込めなんだ』


白鬼「鬼の酒を飲んじまったんだ。もう起きることはない」


婆『‥‥』


白鬼「すまない」


婆『‥‥そうかい。これも運命かもしれんのぉ』


白鬼「あ？運命だと？」ﾋﾟｷｯ

127 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/20(金) 20:58:24.13 ID:zvs4BLja0

婆『あぁ、運命だとも。幼女の親は鬼に喰い殺されたんじゃよ。だから村では鬼憑きと忌み嫌われておった。』


白鬼「…おいおい」


婆『その子は、鬼のあんさんに懐き、友として家に招き、眠るように死するとはねぇ。』


白鬼「待て、待ってくれ」


婆『うちの家系は、鬼が憑く運命なんだわい』


白鬼「待て、待てって言ってんだよ！」ﾊﾞﾝ!


婆『おお、どうなさった？』

128 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/20(金) 20:59:47.95 ID:zvs4BLja0

白鬼「いつの話だ。チビの親が死んだのは何年前だ、どの時期だ」


婆『4年前の梅雨の時期さ。』


白鬼「あぁ、くそ。嘘だろ‥‥俺だ。」


婆『喰らったのかい？』


白鬼「奴らが望んだんだよ」


婆『…幼女が懐くわけだねぇ。あんさんの体には親が宿っているのだから』


白鬼「‥‥」

129 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/20(金) 21:00:31.89 ID:zvs4BLja0

婆『それにしても。なんと無念や』


白鬼「なにが」


婆『幼女の親は、肉体朽ちても…あんさんの中で娘を見守っているというのに。この老いぼれは、それすら出来ん』


白鬼「そういやー婆さんの体はどこだ。家もねぇし。」


婆『燃え尽き、この世にはあらんよ。』


白鬼「どーゆーこったよ？」

130 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/20(金) 21:02:16.14 ID:zvs4BLja0

婆『こないだ家に来たろう。それを村の者に見られたようでな。焼き討ちにあったんじゃよ』


白鬼「ッ！！まさか！」


婆『元々、鬼憑きの家系。これも運命かもしれん。』ｽﾀｽﾀ


白鬼「ば、婆さん？」


婆『無念‥‥無念‥‥。あぁ、無念』ｽﾞｽﾞｯ


婆『孫の行く末を、見ずに死する老体も‥‥、村の者共に、この世に、弾かれるこの命にも。』ｺﾞｺﾞ...


白鬼「まて婆さん！」

131 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/20(金) 21:03:43.01 ID:zvs4BLja0

婆『世の中におこりて、人々を呪い殺すまでは行かずとも、やがて止むる類にならんことを願おうぞ！』ｺﾞｺﾞｺﾞｯ


白鬼「おい、落ち着けって！逝けなくなるぞ！」


婆『やぁら無念やらッ！！かくなる上は、この世に留まるこの魂を！奴らを呪う礎に差し出さん！』ﾋｭﾝ!!


白鬼「くっそ！！木霊共！付いてこい！」ｷｮﾛｷｮﾛ






白鬼「居ねえじゃねぇーか！！！どこ行ったクソガキどもーー！！！」

132 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/20(金) 21:08:45.36 ID:zvs4BLja0

ーーーーー


木霊甲「人間どこだろーね？」


木霊乙「あっちじゃない？」


木霊甲「そっちかな？」ｸｽｸｽ


木霊乙「どっちかな？」ｸｽｸｽ


木霊甲・乙『じゃあこっち！』ﾄﾃﾄﾃ

133 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/20(金) 21:09:39.49 ID:zvs4BLja0

木霊甲「ねぇねぇ」


木霊乙「なぁに？」


木霊甲「白鬼はどこ？」


木霊乙「うーんどこかな？」


木霊甲「迷子かな？」ｸｽｸｽ


木霊乙「迷子だね」ｸｽｸｽ


木霊甲「まったくもー」


木霊乙「ほんとにもー」


木霊甲・乙『白鬼が迷子になっちゃった』ｸｽｸｽ

134 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/20(金) 21:11:22.33 ID:zvs4BLja0

<ｻﾞﾜｻﾞﾜ


木霊乙「あ、なんか聞こえるね」


木霊甲「人間の声かな聞こえるね」


木霊乙「こっちじゃない？」


木霊甲「そっちかな？」ｸｽｸｽ


木霊乙「どっちかな？」ｸｽｸｽ


木霊甲・乙『じゃあ〜あっち！』ﾕﾋﾞｻｼ

135 ： ◆f39OhGB9wF8x [sage]：2016/05/20(金) 21:13:48.37 ID:zvs4BLja0

今日はここまで。
終わりまでもう少しです。お付き合い頂ければ幸いです。

ではまた、このくらいの時間帯に会いましょ

136 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/20(金) 21:14:03.58 ID:Y1Avvu4Fo

乙

137 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/21(土) 01:43:26.83 ID:Z5jPvRano

乙ー

138 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/22(日) 22:51:15.50 ID:fOwES++rO

ーーーーー
村

村人「おぉ、とうとう離れの鬼憑き共を討ちとったか！」


村長「あぁ！人に化けた妖怪を討ち取ったぞォォ！」


わぁぁぁぁぁ！！！！



木霊甲「うるさいね」


木霊乙「人間はとってもうるさいね」



村長「これで鬼に怯えることなく日々を過ごせるぞ！！今日は祝いだ！」

139 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/22(日) 22:52:16.29 ID:fOwES++rO

木霊甲「なんだかとっても嬉しそう」


木霊乙「なんでかとっても楽しそう」


木霊甲「そういえば乙」


木霊乙「なぁに甲」


木霊甲「人間の家はどれかな？」ｷｮﾛｷｮﾛ


木霊乙「どれかな？どれかな？」ｷｮﾛｷｮﾛ

140 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/22(日) 22:53:16.86 ID:fOwES++rO

村人「よし！祝いの準備を家に帰ってするか！！」ｽﾀｽﾀ



木霊甲「家っていった！？」ﾁﾗｯ


木霊乙「家っていった！！」ﾁﾗｯ


木霊甲・乙『行く！！』

141 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/22(日) 22:54:40.31 ID:fOwES++rO

ーーーーー
家

木霊甲「これが家？」


木霊乙「ここが家？」


木霊甲・乙『なんて惨い』


木霊甲「これってお母様？」


木霊乙「お母様の一部分？」


木霊甲「それを切って打って」


木霊乙「それを砕いて折って」


木霊甲・乙『なんて酷い』ｼｸｼｸ

142 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/22(日) 22:56:27.88 ID:fOwES++rO

木霊甲「‥‥痛い痛い」ｼｸｼｸ


木霊乙「痛い痛いね‥‥」ｼｸｼｸ



村人「おおーい、帰ったぞ！今日は祝いだ！！」ｶﾞﾗｶﾞﾗ



木霊甲「なんてなんて嬉しそう」


木霊乙「とてもとても楽しそう」


木霊甲「痛みを知らない顔だよね」ﾁﾗｯ


木霊乙「苦しみを知らない顔だね」ﾁﾗｯ

143 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/22(日) 22:57:56.10 ID:fOwES++rO

木霊甲・乙『みんなまとめて教えてあげる』ｺﾞｺﾞｺﾞｯ


ﾋｭﾝ!!


木霊甲「なにか通った？」


木霊乙「なにか通ったね」


木霊甲「見にいっt」ﾋﾞｭﾝ!


木霊乙「あれ甲が消えt」ﾋﾞｭﾝ!

144 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/22(日) 22:59:34.08 ID:fOwES++rO

ーーーーー
村はずれ


白鬼「なぁーにやってんだお前らァ‥‥」ｶﾞｼｯ!


木霊甲「いてて」ﾌﾟﾗｰﾝ


木霊乙「いててのて」ﾌﾟﾗｰﾝ


白鬼「ずいぶん探したんだぞ？あ？それなのにお前らときたら‥‥」ﾐｼｯ

145 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/22(日) 23:00:14.20 ID:fOwES++rO

木霊甲「乙の頭、ミシッて言った」ｸｽｸｽ


木霊乙「甲の頭もミシッて言った」ｸｽｸｽ


白鬼「お前らの頭を砕いてやろうか。」ｽﾄﾝ


木霊甲「どうしたの？」ﾖｼﾞﾖｼﾞ


木霊乙「元気ないの？」ﾖｼﾞﾖｼﾞ

146 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/22(日) 23:01:37.80 ID:fOwES++rO

白鬼「はぁ‥‥。お前らを捕まえるので精一杯で、婆さんを止められなかった。」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ


木霊甲「さっき通ったのかな？」


木霊乙「きっとそうだよ」


白鬼「あぁー‥‥どーすっかな。」


木霊甲「どうする気？」


木霊乙「婆さんはどうする気？」


白鬼「‥‥婆さんはきっと、村の人間を呪いまくるだろうな。」ﾊｧ

147 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/22(日) 23:02:32.36 ID:fOwES++rO

木霊甲「どうする気？」


木霊乙「白鬼はどうする気？」


白鬼「‥‥婆さんはああなっちまったしな。チビも助からない。打つ手無しだ。」ﾁｯ


木霊甲「じゃあ遊ぼ？」


木霊乙「一緒に遊ぼ！」


白鬼「んな気分じゃねぇんだよ。せめてチビを安らかに逝かせなきゃなんねぇ」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

148 ：saga ：2016/05/22(日) 23:03:19.14 ID:fOwES++rO

木霊甲「この子？」ﾂﾝﾂﾝ


木霊乙「死んじゃうの？」ﾂﾝﾂﾝ


幼女「‥‥ぅぅ、すぅ‥‥」


白鬼「おいこら。つつくな。」ｼｯｼｯ


木霊甲「ならもう食べちゃえば？」


木霊乙「まると食べちゃえば？」

149 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/22(日) 23:04:48.10 ID:fOwES++rO

白鬼「だーら、俺はもう喰わねぇんだっt」ﾋｭﾝ!!


ビーーーーン！


白鬼「‥‥えぇっと」ﾁﾗｯ


村人《鬼だーー！！！鬼が出たぞー！！！！！》ｷﾞﾘｷﾞﾘｯ!


木霊甲「またアイツ」


木霊乙「嫌なヤツ」

150 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/22(日) 23:15:59.25 ID:fOwES++rO

白鬼「弓持って矢を放つとはなぁ。同じ人間でも、チビや婆さんのようにはいかねぇか」ｽﾀｯ


村人《討て！！討ち取れ！！》ﾋﾞｭﾝ!


白鬼「逃げるが勝ちっぽいな。」ﾋｮｲ


木霊甲「逃げるの？」


木霊乙「倒さないの？」


白鬼「‥‥倒す理由なんてねぇよ。俺にはな。」

151 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/22(日) 23:16:40.23 ID:fOwES++rO

木霊甲「婆さんの敵なのに？」


木霊乙「婆さんの仇なのに？」


白鬼「っ、うるせーよ。ほら、行くぜ。早く肩に乗れよ」



村人《おい！鬼の腕にいる幼子は！鬼憑き共の1人じゃないか！？》


村人《よもや、鬼さえも手懐けているか！殺せ！射殺せ！！》ﾋﾞｭﾝ!ﾋﾞｭﾝ!

152 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/22(日) 23:18:06.27 ID:fOwES++rO

木霊甲「殺す気だよ。」ﾁﾗｯ


木霊乙「その子を殺す気なんだよ？」ﾁﾗｯ


白鬼「‥‥いい加減に口閉じて、肩に乗らねぇと置いてくぞ」ﾁｯ


木霊甲「鬼なのに変なの」ｸｽｸｽ


木霊乙「ねー鬼なのにね」ｸｽｸｽ


白鬼「あーもう置いてくからな！知らねぇかんな！」ｽﾀｽﾀ


木霊甲・乙『待ってー！！』ﾄﾃﾄﾃ

153 ： ◆f39OhGB9wF8x [sage]：2016/05/22(日) 23:23:17.95 ID:s5pDr3tk0

今日はここまで。
最後をハッピーかバットかで悩んでおります今日この頃。

とりあえず、またこのくらいの時間帯に会いましょ。

154 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/22(日) 23:26:07.87 ID:J4iRkg5+O

ハッピー書いてからＩＦでバッド書いてくれると嬉しい

どっちかだけならハッピーで

155 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/22(日) 23:50:14.36 ID:2soLjzG9o

困ってるならハッピーにしとこう
乙

156 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/23(月) 01:50:46.60 ID:7V8rJ6U6o

ハッピーに越したことはないが、両方書くならバッドの後にハッピーの方が読後感がいい

157 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/27(金) 23:24:02.50 ID:M8G1/K3e0

ーーーーー
鬼の住処

木霊甲「じゃーね白鬼ー」ﾊﾞｲﾊﾞｲ


木霊乙「またねー白鬼ー」ﾊﾞｲﾊﾞｲ


白鬼「"また"はねーよ。じゃあな。」




白鬼「‥‥結局、どうすることも出来なかったな。」ﾊｧ


幼女「‥‥すぅ。すぅ‥‥」


白鬼「あぁぁあ！くそが！やっぱり人間と鬼は相容れないてか！」ﾎﾞﾘﾎﾞﾘ

158 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/27(金) 23:25:38.27 ID:M8G1/K3e0

白鬼「ちっ、なぁチビ‥‥。婆さん死んだぞ。‥‥お前の親も俺が喰っちまった。」ｶﾞｼｯ!


白鬼「はぁ‥‥チビは生きたいか？それとも‥‥親に会いたいか」ｺﾞｸｯ


白鬼「俺はっ、俺はなクソチビ‥‥お兄さんじゃねーんだって‥‥鬼なんだよッ‥‥！」


白鬼「親に会わせるなんて良さげなこと考えてもな‥‥。つまりは、お前を喰いたくて仕方ないんだ」

159 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/27(金) 23:26:35.69 ID:M8G1/K3e0

白鬼「‥‥だから俺はチb」


天狗「おい白鬼。表に出ろ」ｸﾞｲｯ


白鬼「びっ！？だ、旦那ァ！声くらい掛けてくださいよ！」


天狗「じゃかあしい！！洞穴で叫ぶな阿呆！！」


白鬼「〜〜！」ｷｰｰﾝ


天狗「いいから来い！」ｸﾞｲｯ


白鬼「あ、あい‥‥」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

160 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/27(金) 23:28:52.26 ID:M8G1/K3e0

ーーーーー
大木

天狗「ほれアレを見んか」ﾁﾗｯ


白鬼「旦那ァ。俺は旦那みたいにヒョイヒョイ飛べないです。待ってくださいよ」ﾖｼﾞﾖｼﾞ


天狗「えぇい！愚鈍な鬼め。はよ来んか」ｸﾞｲｯ


白鬼「うわっと！」


天狗「‥‥ほれ。人間共が境界線の近くで火を灯し始めとる」ﾁﾗｯ

161 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/27(金) 23:30:00.16 ID:M8G1/K3e0

白鬼「…ホントですね」


天狗「どうする気だ？人間共が山を燃やし始めたら、儂等は零落しかねん。」


白鬼「‥‥」


天狗「お前が人間共に姿を晒したからだぞ」


白鬼「まぁ、そう‥‥でしょうね。そうだと思います」

162 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/27(金) 23:30:44.83 ID:M8G1/K3e0

天狗「なんとかしろ。儂も山が苦しむような事は避けたい。」


白鬼「‥‥ほっといたらマズいですもんね。きっと他の鬼達は暴れるだろうし…」


天狗「鬼だけではないわ。他の奴等も騒ぎ出すぞ。血肉と祭りは、物の怪が好む。山が荒れるぞッ‥‥！」ｷﾞﾘｯ!


白鬼「そりゃ大変だ。」ﾊﾊﾊ


天狗「事の大きさを分かっとらんようだな。」

163 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/27(金) 23:33:29.56 ID:M8G1/K3e0

白鬼「旦那ァ。俺は鬼なんですよ？‥‥詰まるところ、暴れて壊すのが好きなんですよ。」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ


天狗「ならば暴れてこい。奴等を蹴散らせ。山に踏み入らせるでない。」


白鬼「‥‥御意」ﾀﾞｯ!




天狗「死ぬより辛き事は、己を偽ることだぞ白鬼や。」ﾊｧ…

164 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/27(金) 23:35:13.41 ID:M8G1/K3e0

ーーーーー

白鬼「‥‥」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ!


影女「おぉ〜と！何をそんなに急いでるの〜！？」ｽﾙｽﾙ


白鬼「‥‥うるさいな」ﾀﾞﾀﾞｯ!


影女「もうすぐ陽が落ちるよ？暗くなったら、私暇だからお喋りしよ！」ｽﾙｽﾙ


白鬼「俺は忙しいんだ。悪いな」ﾀﾞﾝｯ!


影女「あっちょっと！‥‥空中はいけないって‥‥」ｼｮﾎﾞｰﾝ

165 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/27(金) 23:36:29.69 ID:M8G1/K3e0

ーーーーー
境界線あたり


白鬼「‥‥」ｺｯｿﾘ


<ｻﾞﾜｻﾞﾜ ｻﾞﾜｻﾞﾜ


白鬼（本気で攻めこむつもりか人間。どう考えても勝ち目は無いのに）


白鬼 (旦那に言った手前、攻めこむ兆しがあったら、なんとかして止めなくちゃなんねぇ)ﾊｧ

166 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/27(金) 23:37:39.24 ID:M8G1/K3e0

<ｲｲｶｰ!!! ﾜﾚﾗﾉｰ!!!



白鬼 (なんだ、なにを言ってんだ？)


影女「何言ってんだろうね」ｽﾙﾘ


白鬼「んー‥‥さぁな」


影女「ふぅ〜ん」


白鬼「‥‥」


影女「‥‥」

167 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/27(金) 23:39:08.35 ID:M8G1/K3e0

白鬼「は！？」ﾊﾞｯ!


影女「てへっ♪」


白鬼「‥‥」ｻｯ


影女「待って待って！たんま！光を遮らないでよ！」ｽﾙｽﾙ


白鬼「今日は忙しいって言ったろ！お前に構ってる暇はねぇんだよ！」ｻｯｻｯ

168 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/27(金) 23:42:06.31 ID:M8G1/K3e0

影女「それはさ〜アレが原因だったりするのかな？」ﾁﾗｯ


<ｳｫｫｵｰｰ!!!


白鬼「まぁな」


影女「手伝おうじゃないか！猫の手でも借りたい感じでしょ！？」ｴｯﾍﾝ!!


白鬼「猫にも及ばねぇよ。帰って自分の影と喋ってろ。」ｼｯｼｯ


影女「‥‥ほほぅ？みてろよ。」ｽﾙｽﾙ


白鬼「あ、おい！何すんだよ！？余計なこと‥‥、くそ！どこ行きやがったッ‥‥！」ﾁｯ!

169 ： ◆f39OhGB9wF8x [sage]：2016/05/27(金) 23:44:33.60 ID:M8G1/K3e0

今日はここまで。

皆さんのおかげで何となく方針が決まりました。
最後まで楽しんで書きますので、頑張って読んで頂ければ幸いです。

ではでは、またこのくらいの時間帯に会いましょ。

170 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/28(土) 01:53:22.89 ID:c12+kW/XO

乙

171 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/28(土) 06:37:30.14 ID:NQo9clcf0

おつ

172 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/28(土) 13:04:15.16 ID:GbUaq7Roo

おつー

173 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/29(日) 01:54:53.98 ID:upQhGJdfo

影女ってなんかエロい気がする

174 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/29(日) 23:35:01.29 ID:Uf5SN5dE0

ーーーーー
村


村人1「今日でこんな暮らしも終わりだー！！」ｽﾀｽﾀ


村人2「なー！やっとだぜー。上手くいってくれればいいんだけどなー」ｽﾀｽﾀ


村人1「きっと上手くいくさ！俺達は、ここで知らせを待てばいいだけのことよ！」ﾜｯﾊｯﾊ


村人2「それもそうだな！じゃあまた明日な！」


村人1「おう！またな！」

175 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/29(日) 23:36:16.59 ID:Uf5SN5dE0

村人1「‥‥ふぅ。やっと、やっと終わるんだ」


『ふふふ、本当におしまい？』


村人「！？」ﾊﾞｯ!


『今から始まるんだよ？』


村人「だ、誰だ！」ｷｮﾛｷｮﾛ


『ねぇ、一体なにをしようとしてるの？』

176 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/29(日) 23:37:07.13 ID:Uf5SN5dE0

村人「い、言うわけないだろ！」ｷｮﾛｷｮﾛ


『ねぇ、一体なにを終えようとしてるの？』


村人(くそ！ここは暗いな！火！火を付けなければ！)つ松明


『火は危ないよ。ふふふ、気をつけて』


村人「黙れ！この！物の怪の類か！？」ﾎﾞｩ

177 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/29(日) 23:38:02.04 ID:Uf5SN5dE0

『火は危ないよ。ふふふ、本当に気をつけて』


村人「黙れ！黙れ！」ﾎﾞｩ…ﾎﾞｩ


『あちこち火を付けてくれてありがとう。これで‥‥私が分かるよね？』ｽﾙｽﾙ


村人「ひっ！影が勝手に動いてるぞっ！？」


影女「ひっ！だって。傷つくなぁ。」ｽﾙｽﾙ

178 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/29(日) 23:38:39.82 ID:Uf5SN5dE0

村人「く、来るな！うゎぁぁあ！！」ﾎﾟｲﾎﾟｲ


影女「‥‥だから気をつけてって言ったのに。ふふふ。」


ﾎﾞｩ…ゴゴゴゥ‥‥


村人「火が！火事だ！火事だァ！」ﾆｹﾞｯ


影女「なんておバカさん」

179 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/29(日) 23:39:58.09 ID:Uf5SN5dE0

ーーーーー
境界線あたり


影女「うぃ〜す」ｽﾙｽﾙ


白鬼「おいこら、何してたんだよ。村の方で火が上がってんぞ」


影女「知らないよー勝手に驚いて、勝手に家に火を付け出したんだもん！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ


白鬼「‥‥そりゃ誰だって影が喋れば驚くだろ」

180 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/29(日) 23:53:33.67 ID:Uf5SN5dE0

影女「え！？なに！？私が悪いの！？あぁ！？」ｲﾗｲﾗ


白鬼「お、おい！んな怒んなって！居場所がバレたらどーすんだよ」ｼｰ!


影女「べっつにー？私影だからー？バレるとかの問題じゃないしー？」ﾌﾝｯ!


白鬼「‥‥でもまぁ、ありがとうな。これで多分、境界線近くにいる奴等も、火を消すために村に帰るだろ」


影女「ふ、ふん！今更お礼言われても何も思わないよ！影だもん！皆が思ってるように影には意思なんてないもん！」

181 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/29(日) 23:54:35.51 ID:Uf5SN5dE0

白鬼「‥‥そっか。今晩、暇だから喋って欲しかったんだけど‥‥。影なら仕方ないな」ｸﾙｯ ｽﾀｽﾀ


影女「ごめん！やっぱ嘘！嘘です！意思めっちゃあるよ！踏まれるとなんか悲しいし！！」ｱｾｱｾ


白鬼「ははっ。月が照らすお前は、俺なんかよりよっぽど影が濃くて、生きてるなって感じがするぜ」


影女「？？」


白鬼「さっ！帰ろうぜ！」ｽﾀｽﾀ


影女「ういっす！」

182 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/30(月) 00:03:32.50 ID:LGrIINN60

ーーーーー
村


村人1「‥‥」ｶﾞｸｶﾞｸ


村長「おい！何があった！」ﾊﾞｰﾝ!


村人1「か、影がッ‥‥影が俺に向かって‥‥」ｶﾞｸｶﾞｸ


村長「‥‥影？」ﾁﾗｯ


女房「へぇ‥さっきからこんな調子で‥。ご迷惑をば」ﾍﾟｺ


村長「ん、いやいいんだ。燃えた場所も村はずれの古びた倉庫。いつか壊そうと思っとった」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ


女房「でしたら、その‥‥」




村長「‥‥あぁ、事は問題なく進んどる。」

183 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/30(月) 00:04:32.44 ID:LGrIINN60

ーーーーー
鬼の住処


白鬼「な、」


影女「わーお」



ゴチャゴチャ グチャグチャ



白鬼「なんでこんな荒れてんだ‥‥」

184 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/30(月) 00:05:16.05 ID:LGrIINN60

影女「野生的な感じがして、こーゆー家も好きだよ私」


白鬼「馬鹿。んなこと言ってる暇あったら手伝えよ。猫以下でもなんか出来んだろ」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ


影女「ちぇ〜。‥‥つっても、物とか動かせないし。盗まれたモノが無いか探しますか」ｽﾙｽﾙ


白鬼「盗まれた物って。ここら辺の奴等に物欲なんざねぇよ」ｺﾞｿｺﾞｿ

185 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/30(月) 00:06:47.33 ID:LGrIINN60

影女「あ」


白鬼「…あ？んだよ、そーゆー冗談は嫌いだぜ？」ﾋﾟﾀｯ


影女「いや、冗談じゃなくて‥‥さ。盗まれたモノあった‥‥」


白鬼「はぁぁ？まっさか。‥‥どんな物だよ？」


影女「…いや、盗まれた"者"だよ。白鬼。」


白鬼「？」

186 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/05/30(月) 00:07:33.38 ID:LGrIINN60

影女「女の子が居ない」

187 ： ◆f39OhGB9wF8x [sage]：2016/05/30(月) 00:10:53.02 ID:LGrIINN60

今日はここまで！
ではでは、またこのくらいの時間帯に会いましょ

188 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/05/30(月) 06:54:30.36 ID:+hHc+kfXo

乙

189 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/06/05(日) 14:23:14.27 ID:xyxG4tAw0

はよ

190 ： ◆f39OhGB9wF8x [Saga]：2016/06/08(水) 11:30:43.89 ID:susHcTakO

ーーーーー

白鬼「‥‥はぁ、は、はぁッ‥‥」


影女「まっ、てよ‥‥白鬼ぃ‥‥」


白鬼「ーんなこと言って‥‥んじゃねーよ。もっと声出せって！」ｽｩ‥


影女「‥‥だ、っからさ‥‥」ﾊｧﾊｧ

191 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 11:33:17.67 ID:susHcTakO

白鬼「クソチビーー！！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ!


影女「ちょっと！ちょっと！だからさー！闇雲に探しても無理だって！！」ｽﾙｽﾙ


白鬼「うるせーー！！俺が甘かった！！絶対に見つけ出してやる！！」


影女「だから待ちなって！！どんだけこの山広いと思ってんの！！」


白鬼「んなことは分かってんだよ！だから走ってんだろ！」ﾀﾞﾀﾞｯ!

192 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 11:35:47.91 ID:susHcTakO

影女「それに人を喰う妖怪もいっぱい居るし！誰が連れ去ったか検討なんてつかないよ！」ｽﾙｽﾙ


白鬼「くそが！！だったら全員に会って回るぞ！」ﾀﾞﾀﾞｯ!


影女「もう！時間かかるって！話を聞いてよ！」ｽﾙｽﾙ


白鬼「あぁあ！！んだよ！！何が言いたいんだ！！」ﾋﾟﾀｯ


影女「誰が連れ去ったか1発で分かるかもしれない方法があるの」

193 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 11:39:37.12 ID:susHcTakO

白鬼「！！それを先に言えよ！何だそりゃ！」


影女「正直、賭けなんだけど‥さ‥」


白鬼「なんでもいい！教えてくれ！」


影女「‥‥よし、じゃあ行こうか。」


白鬼「おう！！」


影女「美しいあのお方のもとへ。」

194 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 11:40:51.65 ID:susHcTakO

ーーーーー
老樹


白鬼「‥‥このあたりか？」ﾎﾞｿ


影女「‥‥うん。」ﾋｮｺ


白鬼「おい。なに俺の影に隠れてんだ。出てこいよ」


影女「いやだって、私付き添いだし。トバッチリ嫌だし‥‥」


白鬼「‥‥確かにな。隠れてろ。今から呼ぶぞ」ｽｩ…


影女「りょ」ｺｿｯ

195 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 11:45:03.58 ID:susHcTakO

白鬼「木霊ぁぁぁあ！！！どもーーーー！！！！！！」


影女「ーー！！！」ｷｰｰﾝ


白鬼「‥‥スゥ、こーだーまーd」


木霊乙「‥‥うるさい」ﾋｮｺ


木霊甲「‥‥うるさいね」ﾋｮｺ


白鬼「よう」

196 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 11:47:37.41 ID:susHcTakO

木霊乙「こんな夜更けに何の用？」


木霊甲「一体全体、何の用？」


白鬼「お前らの親に聞きたいことがあんだよ。会わせてくれ」


木霊乙「無理だよ」ﾌﾟｲｯ


木霊甲「うん無理だね」ﾌﾟｲｯ


影女「‥‥か、帰ろ白鬼。これ以上はまずいよ」ﾎﾞｿ

197 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 11:48:37.24 ID:susHcTakO

白鬼「無理なことは分かってんだ。そこをなんとかして会わせてくれ」


木霊乙「お母様は今、深い眠りに入ってる」


木霊甲「朝日が出るまで待てないの？」


白鬼「待てねぇな。眠ってるなら起こせばいいだろッ‥‥！」ｶﾞｼｯ!


木霊乙「できないよ」ﾌﾟﾗｰﾝ


木霊甲「できないね」ﾌﾟﾗｰﾝ


影女「やばいって‥！神の使いだよ、その子達‥！」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

198 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 11:56:56.96 ID:susHcTakO

白鬼「‥‥なぁ、たった1つ聞きたいだけなんだよッ！それを聞いたらすぐに消える！頼むよッ‥‥！」


木霊乙・甲『おこがましいよ白鬼』ｺﾞｺﾞｺﾞ


影女「に、逃げなっー」


白鬼「っ！」ﾌﾞﾝ!ﾌﾞﾝ!


木霊乙「うわー」ﾋﾟｭｰ


木霊甲「うひゃー」ﾋﾟｭｰ


影女「‥‥神の使いを投げるって。なんて罰当たりな」ﾊｧ

199 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 11:58:11.60 ID:susHcTakO

樹神『まったくです』ﾊﾟｼｯ


木霊甲・乙『あ、お母様』


白鬼「！！」


影女「‥‥」ｺｿｯ


樹神『こんな夜更けに私の下で騒がれてはかないません。』ﾁﾗｯ


白鬼「申し訳ありません」ﾍﾟｺ


樹神『あなたが私に用があると騒いでた鬼ですね。まったく‥‥これだから鬼は粗暴で困ります』

200 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 11:59:07.16 ID:susHcTakO

木霊乙「おはようお母様！」


木霊甲「お母様おはよう！」


樹神『えぇ、甲に乙。おはよう。そしてなんて無礼な鬼でしょう。私の眠りを妨げるなんて』


白鬼「‥‥申し訳ありません」


樹神『して聞きたいこととは？私を起こしてまで聞きたいことがあるのでしょう』

201 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 12:00:16.39 ID:susHcTakO

白鬼「…はい。実は人間の幼子を探してます。ご存知でしょうか。」


樹神『おぉ、あの子ですか。最近、毎日のように私の中に入ってきてるあの子。』


白鬼「ソイツの居場所が分からないんです‥‥。あなたはこの森の神。居場所をお教え頂ければと思い、来ました」


木霊乙「ソイツ？」ﾁﾗｯ


木霊甲「あの幼子だよきっと」ﾁﾗｯ


樹神『はぁ‥‥その様な雑用で私の眠りを‥‥』ｺﾞｺﾞｺﾞｯｯ!!!


白鬼「‥‥」

202 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 12:01:57.79 ID:susHcTakO

木霊乙「うわうわっ！」ｷｬｯｷｬｯ


木霊甲「あわあわっ！」ｷｬｯｷｬｯ


影女「ま、まずいよ白鬼！逃げよって！」ｽﾙｽﾙ


白鬼「‥‥聞くまでは下がらねぇよ」


樹神『‥‥と、いきたいところですが。』ﾋﾟﾀ


樹神『あの幼子、私の下を通る時は、いつもお辞儀をして花やら綺麗な石やらを置いていくほどの子でした』


白鬼「‥‥アイツ」


樹神『知っての通り、神としてそのような信仰は嬉しいものです。‥‥いいでしょう。あの子の友が憂う事態のようです。』ﾊｧｰ…

203 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 12:03:11.61 ID:susHcTakO

木霊甲「離れた方がいいよ」ｸｲｯ


木霊乙「離れた方がいいね」ｸｲｸｲ


白鬼「‥‥おおそうなのか」ﾊﾞｯ!


樹神『ーーーーー』ﾋﾞﾘｯﾋﾞﾘﾘｯ!!!!


木霊甲「しびれるぅー！」ｸｽｸｽ


木霊乙「あこがれるぅ！」ｸｽｸｽ


白鬼「‥‥アレで分かんのか」ｼｭﾀ


影女「うん。なんせ森の神様だからね。木の下に居るモノなら何だってわかるよ。影の私すら見つけられるし。」

204 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 12:04:49.11 ID:susHcTakO

白鬼「‥お前もか。なんだ見つかったことあんのか」


影女「樹神様の影をペロペロしてた時にね。」


白鬼「何してんだお前」


樹神『ーー‥‥‥‥。分かりましたよ。』ｼｭｳｩｩｩ


白鬼「ほ、ホントですか！？」ﾊﾞｯ!


樹神『えぇ、本当ですよ。そこの影女が言ってることもです。』

205 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 12:05:37.23 ID:susHcTakO

木霊甲「ペロペロ」ｸｽｸｽ


木霊乙「お母様ペロペロ」ｸｽｸｽ


白鬼「」


影女「‥‥‥引いてんじゃねーよ」


白鬼「‥そ、それでチビの場所って！？」


樹神『そのことですが、安心なさい。鬼の出る幕ではありません』ﾌﾜｧ…

206 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 12:07:32.03 ID:susHcTakO

影女「それって、どーゆーk」


樹神『変態は黙っててください』ﾍﾟｯ!


影女「」


白鬼「お、俺の出る幕はないって‥‥いったい」


樹神『ですから、人間が担いでいるのです。歩いてる場所からして、村に戻るんでしょう。』


白鬼「人間が！？妖怪ではなく人間なのですか！？」ｶﾞﾀｯ!


樹神『そう言ってます。幼子を取り戻しに来たのでしょう。夜中に忍び込むのは不愉快ですが、元ある場所に戻ることは喜ばしいことです』

207 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 12:09:33.83 ID:susHcTakO

白鬼「そん‥‥なはずは‥‥」


樹神『なんと見苦しい鬼でしょう。人間が人間の子を、物の怪から取り戻すのは至極当たり前でしょう。友なら、この事を喜びなさい。』ｽﾀｽﾀ


木霊甲「おねむ？」ﾁﾗｯ


木霊乙「お母様おねむなの？」ﾁﾗｯ


樹神『目を閉じるだけです』ｽﾄﾝ


白鬼「で、でも！アイツらはチビに矢を放った奴らですｯ‥‥！」

208 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 12:30:55.80 ID:unltQE2m0

影女「それにさっきまで攻め込む勢いだったよね」ﾋｮｺ


樹神『‥やはり影には知恵が‥無いのですね‥。そのおかげで白鬼。あなたは‥‥家を空け確認に向かいました‥‥』ｽｩｽｩ


影女「」


白鬼「！！」


樹神『それに他の妖怪も野次馬‥で見に行き‥‥森は夜にも関わらず‥‥もぬけの殻‥‥』ｽﾔｧ

209 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 12:35:35.72 ID:unltQE2m0

木霊甲「寝てる？」ﾂﾝﾂﾝ


木霊乙「寝てるね」ﾂﾝﾂﾝ


樹神『起きてます』


影女「妖怪を陽動とは、ププッ！いやはや恐れ入ったよ」ｱﾊﾊ


白鬼「笑ってる場合かくそ！！」ﾀﾞｯ!


木霊甲「ばいばいー白鬼」


木霊乙「またねー白鬼」


影女「あーじゃあ‥‥私も行きますね」ｽﾙｽﾙ


木霊甲「ばいばいー影女」


木霊乙「またねー影女」

210 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 12:36:40.55 ID:unltQE2m0

樹神『‥‥』ｽｩｽｩ


木霊甲「ねぇお母様ー。寝ちゃうのー？」ﾕｻﾕｻ


木霊乙「ねぇお母様ー。遊ばないのー？」ﾕｻﾕｻ


樹神『‥‥甲に乙。』ﾑｸﾘ


木霊甲･乙『なぁに？』

211 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 12:37:31.41 ID:unltQE2m0

樹神『あの鬼に着いて行き、ことの成り行きを見てきなさい』


木霊甲「いいの！？」ﾋﾟｮｰﾝ


木霊乙「やったー！」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ


樹神『えぇ、えぇ。早くお行きなさい。ほら、位置についてー‥‥』


木霊甲「ズルはダメだよ乙！」ｼｭﾀ


木霊乙「ズルはダメだね甲！」ｼｭﾀ

212 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 12:38:14.12 ID:unltQE2m0

樹神『よーーーい』


木霊甲「ドキドキしてきたねー！」ｸｽｸｽ


木霊乙「わくわくしてきたねー！」
ｸｽｸｽ


樹神『どーーーーん』


木霊甲･乙『わぁーーい！』ﾄﾀﾀ!

213 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/08(水) 12:39:08.11 ID:unltQE2m0

樹神『‥‥やれやれ。やっと二度寝ができますね』ｽﾔｧ

214 ： ◆f39OhGB9wF8x [sage]：2016/06/08(水) 12:41:52.64 ID:unltQE2m0

今日はここまで。

最近、忙しくて更新遅れてすいません。
ではでは、また会いましょ。

215 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/06/08(水) 16:11:42.69 ID:vJ+OSH7+O

乙

216 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/06/25(土) 19:51:24.55 ID:yheg8Zf30

はよ

217 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/29(水) 21:18:07.35 ID:/JGflRpX0

ーーーーー

大男１「えっほ、えっほ。」ｻﾞｯｻﾞ


大男2「えっほ、ほっほっ」ｻﾞｯｻﾞ


大男１「夜の森は、やはり恐ろしいな」ｻﾞｯｻﾞ


大男2「なんで俺達が、こんな仕事を‥‥」ﾁﾗｯ ｻﾞｯｻﾞ


幼女「すぅ‥‥ん、‥‥すぅ‥」

218 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/29(水) 21:19:45.11 ID:/JGflRpX0

大男１「コイツまったく 起きな、いな」ｻﾞｯｻﾞ


大男2「あぁ。バカみ、たいに寝て、るな」ｻﾞｯｻﾞ


大男2「‥なぁ、おい、あ。と、どれほどで村、かいな‥？」ｻﾞｯｻﾞ


大男１「‥‥ん。あと、少し。あと、少しだぞ」ｻﾞｯ


大男2「その言 葉、も、う。4度 目だ」ｻﾞｯ


大男１「いい、から。走れ 。コイツを村へ、持ってく ぞ」


大男2「‥なぁ、 お ぃ」


大男１「こ、ん ど は、なん 、だ」ﾋﾟﾀｯ ﾊﾞﾀﾝ!


大男2「お ま」ﾋﾟﾀｯ ﾊﾞﾀﾝ!

219 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/29(水) 21:22:37.00 ID:/JGflRpX0

獏「‥‥」ｼｭﾀ


獏「よ〜やく寝たか。もう。」ｽﾀｽﾀ


獏「‥‥美味しい夢をちょうだいよ」ｼﾞｭﾙﾘ


幼女「‥‥すぅ、すぅ。」


獏「‥‥不味そうな子だね」ｵｪ


獏「う〜ん、でも。」ﾁﾗｯ


大男2・1「‥‥」ｽｬｧ

220 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/29(水) 21:23:46.70 ID:/JGflRpX0

獏「まだ男どもは夢見てないし‥‥。暇つぶしに見てやるか〜？」


獏「！！」ｷﾞｭﾙﾙﾙ


獏「ま、まぁお腹も減ってるし。見るだけ見てやるよ。」ﾋﾟﾄ…


幼女「‥‥う、」


獏「まっずそ‥‥」ｸﾞﾊﾞｯ!!!


獏「あーーーん」ﾊﾞｸｯ!!

221 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/29(水) 21:25:12.40 ID:/JGflRpX0

ーーーーー
ーーー
ーー
ー


幼女「うわぁぁぁぁんんっ！！」


婆「お〜よしよし、良い子だから泣き止んでおくれ。」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


幼女「だっで、ばっちゃ！お母ちっうぐっ！」


婆「‥少し遠くへ行っただけだろうさ。大丈夫、ヒョッコリ戻ってくるよ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


幼女「ひ、ひっぐ‥‥お父ちゃ‥‥っ！」


婆「父ちゃんもきっと‥‥大丈夫さ。」

222 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/29(水) 21:26:07.17 ID:/JGflRpX0

婆「‥はぁ‥こんな幼い子を残して逝きおって‥。」ｷﾞｭｰ


幼女「う、うぐ、ううぅぅうっ！！」


婆「おお、おお、なんて可哀想な子よ。」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


幼女「っ！！」ﾊﾞｯ!


婆「おっと。どうしたんじゃえ」


幼女「‥‥」ﾀﾞｯ!!


婆「‥？幼女？‥、これ、幼女！？」ｷｮﾛｷｮﾛ


婆「‥‥。‥行ったのかえ。」

223 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/29(水) 21:27:40.88 ID:/JGflRpX0

バタン！！


幼女「うっ、うっぐっ！ 」ﾀｯﾀｯﾀｯ


幼女( 鬼め！鬼め！！母ちゃんとお父ちゃんを返せ！返してよ！！)


幼女(なんで私だけ置いてっ！私だけっ！)



幼女「なんで！！！！」


幼女「なんでなんでなんで！！！」

224 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/29(水) 21:28:42.87 ID:/JGflRpX0

パン


幼女「お母ちゃ！お父ちゃ！！！帰ってきてよ！！今よりもっ！ずっと、ずっっっと良い子に、うぅ‥ひっ、良い子にするからぁぁ‥‥っ！」


パンパン


幼女「‥‥あぁぁ」


パン…パン


幼女「‥‥？なんの、音‥？ 手の叩く‥‥」


パン…パン

225 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/29(水) 21:29:56.66 ID:/JGflRpX0

幼女「‥お母ちゃん？ お父ちゃ‥‥ん？」


パンパン


幼女「！！」

幼女「お母ちゃ！お父ちゃ！」ﾀﾞｯ!!


パン‥‥パン‥‥


幼女「ま、待って！！行かないで！！置いてかないで！！！！」ﾀｯﾀｯ!!


パン‥


幼女「っ！お願い！もう、嫌なの！こんなっ思いは、」ﾋﾟﾀｯ


白鬼「‥ん？」ﾁﾗｯ

226 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/29(水) 21:30:51.81 ID:/JGflRpX0

幼女「お母ちゃ‥お父ちゃ‥‥？」ｷｮﾛｷｮﾛ


白鬼「なんだ、迷子か。」ｽﾀｽﾀ


幼女 「あ、鬼‥‥」ﾊｯ!


白鬼「おう。」


幼女「‥‥さん？」


白鬼「おう？」

227 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/29(水) 21:33:26.64 ID:/JGflRpX0

幼女「おに‥さん。おにーさん‥‥」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ


白鬼「おーい」


幼女「お兄さん！！」ﾆｺｯ


白鬼「は？」


幼女「遊ぼ！」ｸﾞｲｯ!


白鬼「は！？」


ー
ーー
ーーー
ーーーーー

228 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/29(水) 21:35:00.53 ID:/JGflRpX0

獏「〜〜ペッ！！」


幼女「うぐっ！‥‥すぅ‥‥」ﾍﾞｼｬｯ!


獏「‥‥へぇ。思ったより美味しそうな夢みてんじゃん。」


獏「なんだコイツ。最初は鬼に食われて死にたかったのか。」ｽﾄﾝ


幼女「‥‥」ｽﾔｽﾔ

229 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga]：2016/06/29(水) 21:35:59.94 ID:/JGflRpX0

獏「くふふ。悪いな。意外に美味そうだ。その夢、食べさせてもらうよ」


大男2・1「‥う‥‥っ、」


獏「ん。忘れてたや。こんな夜に森に入ってくる輩だから、よっぽど美味しい夢を見ると思ったんだが‥‥」ﾁﾗｯ


獏「‥‥うん、ちっこいコイツの夢を食べるとするか」ﾋﾟﾄ…


獏「いただきまーー」ｸﾞﾊﾞｯ!!!


獏「すっ！！」ﾊﾞｸｯ!!

230 ： ◆f39OhGB9wF8x [sage]：2016/06/29(水) 23:51:28.00 ID:yaEkBPdKO

今日はここまで。
またこのくらいの時間帯に会いましょ

231 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/06/30(木) 00:26:46.92 ID:mdeQgejiO

乙ー

232 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/06/30(木) 01:19:57.28 ID:EDTXhEoEO

おひさ

233 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga sage]：2016/07/30(土) 13:22:07.68 ID:M2GGpfqy0

ーーーーー

大男1「‥‥〜〜ッ、はっ！」ｶﾞﾊﾞｯ!


大男2「うぅ‥‥」ｽﾔｧ


大男1「‥‥おい、起きろ。ッ！起きろ！！」ﾕｻﾕｻ


大男2「う！？‥‥な、なんだお前か。もう朝なのか‥‥？」


大男1「バカ野郎！仕事の途中だ！どうやら俺達、寝ちまったらしい！」

234 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga sage]：2016/07/30(土) 13:23:40.12 ID:M2GGpfqy0

大男2「寝ちまうって‥‥。そんなミスするはず‥‥」ﾊｯ!


大男1「？」


大男2「ガキは！？」ｷｮﾛｷｮﾛ


大男1「！！」


幼女「‥‥すぅ‥‥すぅ‥‥」


大男1「‥‥居るな。」


大男2「はぁ‥‥良かったぜ。」


大男1「にしてもコイツ‥前より‥」ﾁﾗｯ


大男2「‥‥あぁ、確かに前よりも。」ﾁﾗｯ

235 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga sage]：2016/07/30(土) 13:24:38.28 ID:M2GGpfqy0

大男1・2『なんて幸せそうな寝顔なんだ』

236 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga sage]：2016/07/30(土) 13:32:28.90 ID:M2GGpfqy0

ーーーーー


獏「ふ〜ふん♪ふふっふふ〜ん♪」ﾄﾃﾄﾃ


獏「今日は〜♪いい天気〜♪お腹もっ！いっぱい！美味し〜いご飯も！食べれて〜満足ぅ♪力も〜みなぎるぅ♪」ﾋﾟｮｰﾝﾋﾟｮｰﾝ


獏「なんだかとってもいい気分♪」ﾙﾝﾙﾝ


獏「あぁあ！ここはなんて素晴らしい森なんだ！美味しいものがいっぱいだ！」ｷｮﾛｷｮﾛ


ビュンッ！


獏「‥‥ん？なにか通っt」ｶﾞｼｯ!


白鬼「よ〜ぅ。」ｷﾞﾛｯ!


獏 (げ〜。鬼じゃん。今日中に帰れっかな)ﾁﾗｯ

237 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga sage]：2016/07/30(土) 13:34:06.04 ID:M2GGpfqy0

白鬼「てめー、ずいぶんとご機嫌じゃねぇか。」ｷﾞｭｰ


獏 (なーんでコイツは怒ってんだよ‥‥完全なトバッチリじゃん？)ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ


白鬼「‥‥暴れんなよ」ｽｯ


獏「プハッ‥‥！もう、なんだって言うんだよいったい。」


白鬼「お前、偏食の獏だな？」


獏「偏食ってーのは心外だなぁ。真の旨みを追求してるだけなんだけど」

238 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga sage]：2016/07/30(土) 13:41:06.68 ID:M2GGpfqy0

白鬼「おおそうか。じゃあ聞くぜ。ここら辺に美味そうな幼子がいたろ？どこに行った。」


獏「？美味そうな幼子？‥‥、つまり人の子ってことかい？」


白鬼「あぁ、そうだ。」


獏「ふはっ！なんだ！冗談を言いに来たのか！うん！いいよ！笑っちゃったよ！」ｹﾗｹﾗ


白鬼「何笑ってんだお前」ｲﾗｯ


獏「いや、だってこんな夜更けにさ！人の子が森に入ってきたりなんかしないだろ？なのに！君ときたら、ふふふ。必死な顔して言うんだもん！」


白鬼「あーめんどくせー！つまり居たのか！居ねーのかどっちだ！！」


獏「なに怒ってんのさ。居なかったよそんな奴」ﾊｧ…


白鬼「とぼけんなよ？樹神に聞いた場所はここなんだよ。なのにどうだ？居たのはチビじゃなくて、バカみたいにご機嫌な獏ときた。」ｷﾞﾘｨ


獏「お、おいおい！待ってくれ！獏は人を喰わないんだよ！あんな不味いもの食えたもんじゃない！！」


白鬼「じゃあチビはどこだ‥‥ッ！」


獏「な、んなこと‥‥知るわけないだろ。美味そうな幼子なんて居なかったんだよ。本当だ。」

239 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga sage]：2016/07/30(土) 13:42:38.83 ID:M2GGpfqy0

白鬼「‥‥くそッ！！」ﾄﾞﾝ!


獏「も、もういいかい？帰りたいんだけど‥‥」ﾁﾗｯ


白鬼「‥‥勝手にしろ」


獏 (なんだよもー！だから鬼は嫌いなんだ！せっかくの食事の余韻が台無し‥‥だ‥‥?)


獏「‥ねぇ、幼子って言った？」


白鬼「‥‥あぁ。」

240 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga sage]：2016/07/30(土) 13:44:58.09 ID:M2GGpfqy0

獏「美味そうな幼子は居なかったけどさ。すっっごい不味そうな幼子だったら‥‥居たよ」ﾊｧ‥


白鬼「‥‥は？」


獏「あぁ‥‥！そうか。‥‥うん、ソイツの夢の中で確かにアンタを見たよ。」


白鬼「俺を？」


獏「あぁ、親を喰われ、祖母に可哀想だと言われ、死にたい死にたいと嘆き鬼に喰われようとする。最高に美味しい夢だったなぁ」ｳｯﾄﾘ

241 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga sage]：2016/07/30(土) 13:52:03.43 ID:M2GGpfqy0

白鬼「ど、どこだ！今、チビはどこにいる！？」ｶﾞｼｯ!


獏「くふふ。大きな男2人に担がれて行ったよ。今頃、山のふもとじゃないかなぁ」


白鬼「！！」ﾀﾞｯ!


獏「行くのかい？」


白鬼「当たり前だ！！そのために俺は今！動いてんだ！！」


獏「くふふっ。やめておいた方がいいよ。人間が死ぬ前に見る夢ほど美味しいものはないんだ。」


獏「君が助けたところでどーせs」


白鬼「黙ってろ！！！さっさと消えな！」ﾋﾞｭﾝ!!


獏「‥‥まったく。これだから鬼は。少しは話を聞いたらどーなんだ」ﾔﾚﾔﾚ

242 ： ◆f39OhGB9wF8x [saga sage]：2016/07/30(土) 13:56:34.32 ID:M2GGpfqy0

獏「鬼の君が行ったところで、助けたところで。幼子は死ぬよ。あんなに美味しい夢を見てたんだ。これは変わらない。」


獏「それでも‥‥行くなら、勝手にしなよ。君も一緒に死ぬことになるだけだ。」


獏「‥‥‥‥鬼も死ぬ前に見る夢は美味しいのかな。」ｳｯﾄﾘ


獏「ま！居ない鬼に言っても仕方ないか！美味しそうなものを見つける旅に、また出ようかなっと！」ﾋﾟｮｰﾝ

243 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/07/30(土) 23:39:39.87 ID:KHcyUPsk0

まってた

244 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/08/22(月) 19:15:53.99 ID:LbAFzcOJ0

乙

245 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2016/09/23(金) 18:51:31.68 ID:6/2XRr6Z0

はよ

246 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします ：2016/11/03(木) 05:58:56.30 ID:Rekd5UQmo

ẅ)