どうやら穂乃果がRPGの世界に入り込んだようです 2

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296 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/01/06(土) 00:22:50.96 ID:Z/LSPB/y0
あけましておめでとうございます!


ラインガイス「私の身体能力は上昇している」


ラインガイスが一歩踏み出すと、さっきとは別人のようなスピードでにこに接近。


にこ「な!?」


鋭利な凹凸のある右腕をにこに向けて振るう。


にこ(これを両腕で防いだら大変なことになる!!)


かがんで腕を躱しラインガイスの背後に回るが、その動きをするにも腹部の貫通傷から血が滲み出す。


にこ「くっ!」


かるくジャンプをしてラインガイスの背中を蹴ろうとするるが、ラインガイスは素早く振り向いてにこの足を腕で弾く!
弾いたときににこの足には鋭利な棘で切り傷が入ってしまい体勢が崩れる。
そのにこの腹部をラインガイスは思い切り殴る。


にこ「がはっ!」


にこは10m強突き飛ばされて病院の壁に直撃する。


にこ「なんてパワー…」


腹部からは、貫通傷以外の切り傷ができてしまいにこの腹部は血だらけになってしまった。


にこ「結構…まずいかも…」


ラインガイスはにこにゆっくりと歩み寄っていくが、その足取りを見てにこはあることに気付く。


にこ「ラインガイス…歩幅が一定じゃない…?」


ラインガイスの足取りはふらついている。


にこ「きっついのは、お互いさまってことね」


指先が冷たくなり頭もくらくらするが、にこはなんとか立ち上がる。


にこ(根性入れろ矢澤にこ!!)


足をパシンと叩きラインガイスを睨みつける。


ラインガイス「まだ立ち上がれるとはな」


にこ「諦めることだけは絶対に嫌なの」


ラインガイス「ならば、徹底的にやってやろう」


ラインガイスは急激に速度を上げてにこに詰め寄る。
右腕を振りかぶり、一気に突き出す。
にこはそれを屈むようにしてぎりぎりで躱し、右腕を地面について足を振り上げ左足でラインガイスの頭を狙う。
しかしラインガイスは突き出した右腕の凹凸を伸ばす。
突き出た棘はにこの左足を切り裂く。
運よく突き刺さりはしなかったが大きな切り傷をつけ、同時に左足の勢いは完全に止まってしまった。
それを逃さずにラインガイスは左腕を突き出して、にこの腹部を貫こうとする。


にこ(まずい!!!)
297 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/01(木) 20:57:49.31 ID:W2gc9MKz0
新年度に向けて準備中です
今しばらくお待ちを…
298 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/22(木) 22:14:02.65 ID:w1GtmzhQ0
にこは右足でエアスライドを発動して自分の体を吹き飛ばし攻撃を何とか回避。
地面に転がるが攻撃は当たらなかった。
ラインガイスが突き出した左腕は空を裂く。直撃していれば確実に絶命していただろう。

しかしにこは致命的な状態だった。左足に全く力が入らないのだ。
立ち上がることもできず、上半身を起き上がらせた状態でラインガイスを見つめる。

ラインガイスはにこに詰め寄って足で薙ぎ払う。
にこは右足でエアスライドを発動して自分の体を滑らせ、足を避けるがもちろんラインガイスは予測していた。
ラインガイスは右手の鋭利な棘でにこの左太ももを深く切り裂き、右腕の棘を射出させてにこの右肩に直撃させる。


にこ「うがぁっ…」


棘は右肩を貫通して突き刺さり、そこから傷口から血がにじみ出る。
ラインガイスは左手でにこの首をつかんで地面ににこの背中をたたきつける。


にこ「ぐ…うぅ…」


ラインガイスはにこの首をギリギリと締め付ける。


ラインガイス「これで終わりだ矢澤にこ。貴様は本当によくやった。最後はお前の額を貫き決着にしてやろう」


にこ(まずい…全然体が動かない…)


ラインガイスは右手の甲から鋭利な棘を出し、振りかぶる。


にこ「ごめんみんな…」


ドォォォ!!!!!





穂乃果「にこちゃん…?」


ことり「どうしたの穂乃果ちゃん?」


穂乃果は緊急のローブを体に纏いながら病院の方向を向く。
μ'sは傷ついた体を癒し、その合間でことりは緊急の服を用意していた。


穂乃果「…早くにこちゃんのところへ行かないと」


ことり「あと少し待ってね。あと少しで服が縫い終わるから」


絵里がよろよろと立ち上がって穂乃果の肩に手を置く。


絵里「あなたもついさっきまで立ち上がるのもままならなかったはずよ。傷ついた私たちが駆けつけてにこに迷惑を与えるのは愚策だもの」


ことり「できた!穂乃果ちゃんコレを着て!」


穂乃果「…わかった!」


海未「みんななんとか動けるみたいです。行けますよ」


穂乃果「にこちゃんのところへ行こう!」

299 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/22(木) 22:26:56.97 ID:w1GtmzhQ0
にこ(ごめんねみんな…。こころ、ここあ、虎太郎、ママ……)


振りかぶられたラインガイスの腕が振り下ろされる中、にこの目からは涙が一滴零れ落ちる。


にこ(ごめんね、真姫ちゃん…)


にこの視界が暗闇の中、暗闇の向こう側が赤く光り自分の額に痛みがない。


???「あきらめるなんて、らしくないじゃない!」
300 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/23(金) 21:37:40.35 ID:qhzGWOaR0
ラインガイスの腕の棘がにこの額に突き刺さる寸前に、ラインガイスは強い衝撃を右肩に受けてにこの上から吹き飛ばされた。


ラインガイス「ぐっ!!」


自分の右肩を確認すると、右肩は少し黒く焦げていた。
右肩に当たったものはくるくると宙を舞いながら病院の玄関のほうへ飛んでいく。


ラインガイス「貴様は…何者だ…」


宙を舞っていたモノを一人の少女がつかむ。モノが飛んでいた周辺には火の粉が舞っていた。
少女がゆっくりと前に進み、薄暗い玄関の中から出てくると顔を確認できる。


???「あきらめるなんて、らしくないじゃない!」


赤い髪に、体中に包帯を巻いている少女。少女が持っているものは扇。


にこ「真姫ちゃんっ…」


ラインガイス「そうか…貴様が西木野真姫…。キマイラを倒した少女だな」


真姫はゆっくりと扇を振るう。弱々しい動きだが、しなやかで美しい。


真姫「灼熱の舞」


振るった扇から炎が飛び出しラインガイスを襲う!
ラインガイスはなんとかその炎をかわし、さらに距離をとる。
その隙を見て真姫はにこに歩み寄る。


真姫「ついさっき意識が戻って、急いでここに来たから回復道具は持ってこれなかったの」


にこ「よかった真姫ちゃん…。意識が戻って」


真姫「私の心配より今は自分の心配よ」


真姫「まだ、立てる?」


にこ「…私のことを誰だと思ってるのよ」


にこは小さく深呼吸をしてゆっくりと立ち上がる。真姫が支えようとするがにこは「大丈夫」という手振りをして自力で立ち上がる。


にこ「私は、大銀河宇宙ナンバー1の踊り子でありμ'sの一人なんだから!」


にこ「真姫ちゃん、あなたもね」


真姫はにこの口ぶりから、完全にいつもの調子を取り戻したと判断し思ったことを口にする。


真姫「それじゃあナンバー1が二人できてるわよ」


にこ「みんなでナンバー1なの!!」


ラインガイス(さっきまでとまるで違う…。これがお前たちの強さなのか…?)


真姫「私はかろうじて立っているみたいなものだからずっと戦えるわけじゃないし…」


にこ「にこもそこまで動けないわ」


にこ「けどそれは敵も同じ。次の攻撃がきっと最後になる」
301 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/23(金) 22:42:39.43 ID:qhzGWOaR0
ラインガイスは自分の中にあるすべての闇魔力を両腕に集める。
空気が張り詰めるような強力な魔力のプレッシャーが二人を襲う。


にこ「真姫ちゃん、あれで行く」


真姫「…わかった」


にこ(壊れないでよ私の体…)


にこは低い姿勢になって右足に魔力を集める。ピンクの風がにこの右足を包んで風を起こす。
真姫は痛む体に構わずに大きく強く舞う。
炎が扇を包んでいく。


にこ「行くわよラインガイス!!」


ラインガイス「そのボロボロの体で何ができる!!」


ラインガイスが足を強く踏み出してにこに詰め寄っていく。
両腕を振りかぶり、闇魔力がその両腕から噴出する。

にこは右足を上げて、左足だけで立つ状態になる。風の魔力は右足の周りを絶えずに吹き荒れる。

ラインガイスが両腕を突き出すとそこから闇魔力が火炎放射のように吹き出す。
そのタイミングでにこは左足のみで前へ飛び出す。

闇魔力がにこを包むその時、にこは右足の魔力をすべて噴出させる。
ジェット・ラビットの動きだが、そのタイミングで真姫は扇の炎をにこの足へ放つ。
放たれた炎はにこの風にのり、炎の風になる。


にこ「バーニング・ジェットォ!!!」


ジェット噴射のように噴出した炎の風は闇魔力を吹き飛ばして超速で進んでいく。
にこは体から血が噴き出て、意識が飛びそうになるがこらえる。
ラインガイスまですさまじい速度で詰め寄ったにこは、渾身の力でラインガイスの胸部へ一撃!
その瞬間ににこと真姫の魔力は炸裂し、蹴りはより威力を増す。


にこ「はあっ!!!」


足を振りぬき、ラインガイスは吹き飛ばされる。


ラインガイス「がっ……」


にこはそのまま地面へ落ちるが、少し体がふわりと浮いて優しく地面に倒れる。
真姫が風の舞で風を起こしていた。


ラインガイス「グロノム…様…」


ラインガイスは闇のちりになって消えた。
にこはラインガイスが消えるのを確認し、倒れこんだままなんとか真姫のほうを振り向く。
真姫は倒れてはいないが膝をついている。

にこは真姫に向かって片手で小さくにこにこにーをし、そのまま目を閉じる。


真姫「にこちゃん…」


ラインガイスが消滅したことを確認して、病院の中から次々と人が走り出してくる。
真姫パパが真姫に駆け寄り声をかける。


真姫パパ「あの子はすぐに診察室へ運ぶ。真姫も病室へ戻るんだ」


真姫「わかった。ありがとうパパ」


ナースに手を貸してもらって立ち上がる真姫は担架で運ばれるにこをちらりと見ると、その顔は笑顔だった。
302 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/24(土) 21:29:30.98 ID:6pnSjI+W0
街の人々が戦いの勝利に沸く病院の中を8人の少女は駆け抜ける。


穂乃果「にこちゃん!!!」


病室内にμ'sが駆け込む。
そこにはベッドで治療を受けていたにこがいて、ベッドの横では真姫が座っていた。


にこ「みんな…無事だったのね」


穂乃果「にこちゃんも無事でよかったぁ…」


海未「ナースさんから聞きました。真姫も目が覚めたようですね」


希「にこっち、本当にお疲れ様」


にこ「みんなもお疲れ様。病院に魔物が流れてこなかったし、作戦大成功じゃない」


凛「真姫ちゃんも目が覚めたし、最高だにゃ!」


にこ「正面にケガ人がいるんだけど??」


凛「名誉の負傷だにゃ!!」


にこ「あんたねぇ…」


花陽「冗談だよにこちゃん。凛ちゃんは少しでも元気をつけようとー


凛「かよちん!しーっ!!」


にこ「ふふっ。あんたたちの顔を見れただけで元気よ」


にこ「病院の中の声を聴く感じだと、ずいぶんと盛り上がっているみたいね」


真姫「今だけは『病院内はお静かに』について大目に見ているみたい」


ことり「この病室に来る間にもたくさんの街の方々に感謝の言葉を言ってもらえたよ」


真姫「まだ病院の敷地内から出るのは禁止されているけどね」


穂乃果「真姫ちゃんも元気で本当によかったよ」


真姫「私もこんなにボロボロだけどね」


真姫パパ「μ'sも来ていたのか」


真姫パパが病室に入ってくる。


穂乃果「はい!街の中の魔物はすべて倒しました」


その言葉を聞いて真姫パパはほっとする。


真姫パパ「君たちの口から聞いてやっと落ち着いたよ」


戦いが激戦だったということは、μ'sの服装を見れば凡人でもわかる。
それだけの戦いだったということだ。


男性「院長!!ゴールゴストが来た!!」
303 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/24(土) 21:59:58.24 ID:6pnSjI+W0
病院の敷地内に鎧を着た男たちが入ってくる。
その数はざっと見て200人はいるであろう。
真姫パパとμ'sは窓からその男たちを眺める。


真姫パパ「ゴールゴストか…」


真姫パパ「誰か一人でいい。ついてきてくれないか?」


真姫ママ「私も行きます」


廊下から真姫ママも入ってくる。


にこ「誰か肩を貸して。私も行くからみんなで行きましょう」


凛「大丈夫?」


にこ「ええ。ゴールゴストは式典をするためにこの街を見捨てた奴らでしょう?この目でしっかりと見たいもの」


穂乃果「それじゃあみんなで行こう」


鎧の兵団200人は病院の玄関の前で整列をして止まる。
真姫パパとμ'sも玄関から出てその兵団のもとへ行く。
その中から豪華な鎧を着た男性が一人進んでくる。
両者は向かい合って制止する。

豪華な鎧を着た男性が真姫パパとμ'sを見て口を開く。


ザーグル「私はゴールゴスト第四兵団団長ザーグルだ。イムタージュより要請を受けて駆け付けたが、戦闘は終わっていたようだな。どういうことだ?」


真姫パパ「ここにいる…9人の少女たち『μ's』が敵の魔物をすべて倒し、イムタージュを救ってくれました」


9人という言葉に、μ'sと真姫は互いに顔を見合いとても笑顔になる。


ザーグル「その9人の少女たちが…?本当か院長」


真姫パパ「もし信じられないのなら街の方々に聞いてみてください」


ザーグル「……いや、大丈夫だ」


ザーグル「μ's、本当によくやった。第四兵団を代表して礼を言う」


ザーグルは小さく礼をする。


ザーグル「これならばゴールゴスト国王からの表彰をもらえるだろう。傷が癒え次第我が国へ出向き国王より表彰を受けたまえ」


μ'sは互いに見合い、穂乃果が答える。


穂乃果「その表彰は貰えません。私たちは表彰をもらうために戦っていませんし、私たちにあまり時間が残っていません」


その言葉を聞いて真姫パパも驚くが整列していた男たちの一人が口を開く。


兵士「何を言っている!!!国王から表彰されることは一生の誇りになるぞ!!それを自ら断るなど言語道断だぞ!!!」


穂乃果「いいえ、私たちの考えは変えません。お気持ちだけありがたく受け取ります」


兵士「な、なんだと!!!」


ザーグル「もうよい。…院長、君はどう考える?」
304 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/24(土) 22:15:07.93 ID:6pnSjI+W0
真姫パパ「…μ'sがそう言うなら、それでいいと思います。そして、皆様も来ていただいて申し訳ありませんがお帰り頂きたい。」


真姫パパ「この街の復興は私たちでやります。要請の中止を送りましたが、間に合わなかったようですし」


ザーグル「…わかった。全員引き返すぞ」


兵団はざわめくがザーグルの命令で引き返していった。




街を出た後も兵団の中で不満が爆発していた。


兵士「ザーグル団長。本当にあれでよかったんですか?私たちは無駄にここに来て、何もせずに引き返したんですよ!?」


ザーグル「黙れ、言われなくてもわかっている」


ザーグルは腰に携えていた長剣を抜き、魔物の進軍で荒れた木々の近くへ歩み寄り直径1m高さ15mはあるであろう大木の前で止まる。
そして剣で軽く一閃。
大木はバッサリと切断され大きな土煙を起こしながら倒れる。


兵士「あ、あんな大木を軽い一振りで…」


ザーグル「何をしている?さっさと進め」


兵士たちは慌てながら進む。


ザーグル「μ's…。小娘どもが調子に乗るなよ」


#39【イムタージュ制圧】end...
305 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/24(土) 22:15:58.38 ID:6pnSjI+W0
次回のラブライブ!


#40【それは僕たちの奇跡】
306 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/24(土) 22:22:41.23 ID:6pnSjI+W0
長い長い(リアルの投稿時間が)イムタージュでの戦闘が終わりました。
つながりの羽を手に入れ、導きのチュードを手に入れれば創世の剣を取りに行けるようになります。
リアルでもμ'sが再始動?してきたので、こっちのμ'sのこともこれからもよろしくお願いします。
307 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/26(月) 15:57:17.14 ID:XTUScEFM0
#40【それは僕たちの奇跡】


第四兵団が去っていき、日は沈み夜になる。


真姫パパ「μ's、本当にありがとう。君たちは恩人だ。今日は病院でしっかり休んでくれ」


真姫パパの言うμ'sには真姫も入っている、そんな気がした。
μ'sはその言葉に甘えて休むことに決める。
病院内に戻ると、μ'sと兵団の会話を隠れて聞いていた街の人から大きな感謝を受ける。
穂乃果は代用の服を借りたりするなど、μ'sメンバーは街の人々(おばちゃん中心)からもみくちゃにされる。

その中で真姫はにこの肩を支えていた凛に代わって肩を支える。
真姫はにこに新しいハンカチを渡す。


真姫「これ、前に借りたハンカチがボロボロになっちゃったから私のハンカチを代わりに返すわ」


にこ「あなた…案外律儀なのね」


真姫「借りたものを返しただけよ!」


そのハンカチを受け取ったにこはハンカチを胸に押し付けてにっこりと笑った。


そして夜が明けた!!


穂乃果「明太子たい焼きパン!?」ガバッ


海未「おはようございます穂乃果」


穂乃果「お、おはよう…」


凛「なんだかすごい寝言で起きたにゃ」


穂乃果「すごく衝撃的な夢だった気がする…」


μ'sは穂乃果以外の全員が起床している。
真姫とにこは治療のために別室にいる。


希「さっきナースさんが来て、支度ができたら院長室まで来てほしいって」


穂乃果「わかった!」


穂乃果の身支度に時間をとられたμ'sだったが、7人で院長室に入る。


穂乃果「失礼します!」


院長室には真姫パパと真姫ママ、それににこと真姫がいた。


絵里「にこと真姫も呼ばれてたのね?」


真姫「ええ、二人ともかなり回復したから」


真姫パパ「揃ったね?」


9人は近くに寄り真姫パパのほうを向く。
すると真姫パパは頭を下げて謝罪をした。


真姫パパ「μ's、失礼な態度をとってしまい申し訳ない」


真姫「ちょっと、パパ!?」
308 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/26(月) 16:08:09.27 ID:XTUScEFM0
真姫パパ「いいんだ真姫。私は君たちに謝らなければ気が済まない。」


穂乃果「院長さん…」


真姫パパ「君たちは私たちの命の恩人だ。娘を安心して預けることができる」


真姫「それって…」


真姫パパ「真姫を、よろしく頼む!」


その言葉を聞いて、μ'sは涙を浮かべながら喜び合った!


ことり「よかったね真姫ちゃん!!」


海未「安心しました…」


真姫「ええ!本当にありがとうねみんな!」


穂乃果「まぎぢゃあああああああああん」


真姫「ちょ、ちょっと穂乃果!泣きすぎよ!あーっ!服に鼻水がついたじゃないの!!」


穂乃果「だっで…だっでぇぇぇぇぇぇ」


真姫「もう…困ったリーダーね」


凛「やったにゃぁぁ!」


花陽「やったね真姫ちゃん!!」


真姫「うふふ、そうね」


絵里「これからもよろしくね真姫」


希「真姫ちゃんの成長をちゃんと見ないとね〜♪」


希は真姫の胸元を凝視しながら言う。


真姫「ちょっと希!」


にこ「よかったわね」


真姫「うん、ありがとうにこちゃん」


にこ「私は、戻ってくるって信じていたけど?」


穂乃果「わだじもっ!!!」


真姫「きゃっ!!また鼻水!!」


9人の歓喜を見ている真姫パパとママ。
真姫ママは真姫パパに声をかける。


真姫ママ「よかったわね、真姫がこの人たちと会えて」


真姫パパ「ああ。子どもというのは、親の知らないところで大きく成長するものなのだな」
309 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/26(月) 16:39:45.42 ID:XTUScEFM0
真姫「パパ、ママ本当にありがとう!」


8人も真姫に合わせてお辞儀をする。


真姫パパ「真姫、いやμ'sの9人にお願いがある」


真姫パパ「必ず悔いの残らないように。そして、必ず全員無事に大切な人の場所へ帰ってほしい」


μ's「はい!」


穂乃果(大切な人の場所…。必ず、帰って見せる!)


真姫ママ「そろそろいいかしら?」


真姫パパ「そうだな。入りなさい!」


真姫パパの声掛けに合わせて職員と街の人合わせて6人が院長室へ入ってくる。
その6人は大きな箱を持っている。


真姫パパ「その中に入っているものは私たちからだ。受け取ってほしい」


6人の中の一人のおばさんが代表として前に出てくる。


穂乃果「あーっ!!パン屋のおばさん!!」


おばさん「まさか、μ'sがこの街を救ってくれるなんてね!」


穂乃果「あの時はパンをくれてありがとうございました!」


おばさん「いいのよもう!さて、それじゃあ渡していくわよ」


5人が物を取り出しておばさんへ渡す。


おばさん「街の人たちの人脈を駆使して手に入れた回復道具だよ!あんまり多くはないけど、それでも足りなくはないはずさ!」


穂乃果「ありがとうおばさん!ハイポーションがいっぱい入ってる!」


真姫「とりあえず、あとで私のクリスタルの中に入れておくわ」


凛「真姫ちゃんの何でも入れれるクリスタル!!」


真姫パパ「真姫がオトノキザカに行くときに渡した道具が役に立っているようで安心したよ」


凛「そのびっくりアイテムって全部真姫ちゃんのお父さんの!?」


真姫「今は彼らがくれる道具に集中しましょう?」


おばさん「もう大丈夫かい?次はこれだよ!」


まず目に入ったものがたくさんの矢だった。


海未「補充しようと思っていたんです!ありがとうございます!!」


次に渡されたものは美しい扇。


穂乃果「扇ってことは真姫ちゃんのだ!」
310 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/26(月) 16:54:58.46 ID:XTUScEFM0
真姫パパ「お前が使っていた扇はもうボロボロになっただろう?その状態で昨日の戦いでも使い、さらにボロボロになったはずだ」


真姫「ええ、困っていたところなの。イムタージュにはないから…」


おばさん「そこで私が病院長からの要請を受けて、あらゆる手を駆使して取り寄せたのよ!」


穂乃果「おばさんってパン屋さんじゃ?」


おばさん「ふふふっ、実は私はイムタージュの物流を牛耳っているのよ!!」


にこ「とんでもないパン屋さんね…」


真姫はおばさんから扇を受け取って、ゆっくりと開く。
開いた扇は、以前の『紅蓮の扇』よりも明るい赤で染まっている。
扇の弧の部分には刃がついており、一目で紅蓮の扇よりも切れ味が高いとわかる。
燃え盛る炎のような刺繍がされており、紅蓮の扇よりは少しだけ重い。


おばさん「その扇の名は『烈火の扇』よ!」


真姫「烈火の扇…」


真姫はかみしめるように扇を閉じて、おばさんに一礼をする。


真姫「ありがとう!」


おばさん「さぁ、まだまだ終わらないよ!次はこれさ!」


次に掲げられたものは2本のナイフ。
それを見てにこが前に出てくる。


にこ「ナイフということは私のモノね」


にこ「私のナイフもずっと使っていたし交換しようと思ってたのよ」


おばさん「そのナイフの名前は『アサシンナイフ』よ」


にこ「2本ともびっくりするほど軽いし、刃も特殊な形だから刺さったら簡単には抜けないかも。それにとても鋭利だから急所を狙いやすいわね」


ナイフの持ち手の底を互いにくっつけると、カコンという音とともにくっつく。


にこ「この戦い方もできるし…最高!ありがとう!」


おばさん「武器はこんな感じよ!そして最後にこれ!」


おばさんが取り出したものは1着の服。


ことり「あっ!その服!」


おばさん「あとはことりちゃんに任せるわね」


ことりが服を受け取り、穂乃果の前へ行く。


ことり「これは穂乃果ちゃんの新しい服です!実は昨日のうちに決めたの!」


穂乃果「えっ!?本当!?」


ことり「着てきて!」
311 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/26(月) 17:11:37.45 ID:XTUScEFM0
2分後に穂乃果が部屋に入ってきた。ことりに用意してもらった服を着て、ついでに武器も携えて入ってきた。
スカートの内側にはフリルがついており、スカートの上にスカートチックなパーツをつけることで見栄えが良くなる。
上半身の服は以前のものとあまり変化はないが、一番大きな変化はマントだ。
以前は大きなマントだったが、今回の服では赤いスカーフに変更された。


ことり「とっても似合ってる!」


穂乃果「さすがことりちゃん!とってもおしゃれ!」


ことり「しかも実用性も高いんだよ!布はただの布じゃなくて魔力でできた特殊な布なの!衝撃にとっても強いんだよ!」


ことり「しかも軽いから、穂乃果ちゃんのスタイルに合ってると思う!」


ことり「さらに、マントをスカーフにすることで邪魔じゃなくなった!」


やりきったような顔で穂乃果の服を眺めることり。


穂乃果「これで100人力だよ!」


おばさん「似合ってるね!…さて、これで全部だよ。みんながんばってきな!」


μ'sは6人にお礼をし、ひとまず院長室から退出する。
仮眠室に戻って全員で集まる。


絵里「さてと、それじゃあこれを見せましょうか?」


バックから取り出したものは『つながりの羽』。


真姫「それはつながりの羽ね!よかった!手に入ったのね」


にこ「それにこの街も守れたし、大成功ね!」


花陽「でも、また敵が攻めてきたらどうするんだろう?」


希「それに関しては、ゴールゴストの兵たちがイムタージュの近くに野営地を作って守ってるらしいで」


海未「用意周到ですね」


絵里「それで、これからのことなんだけど…一度サクラコ様のもとへ戻らない?」


にこ「そうね。導きのチュードがある場所が詳しくわかるかもしれないし」


真姫「その前に、みんなにお願いがあるの」


穂乃果「お願い?」


真姫「この街をもう一度離れる前に…ライブをやりたいの!」


ことり「いいね!私もやりたい!」


真姫「みんなも、いいわよね?」


みんなが笑顔でOKを出す。


真姫「それじゃあ、パパに聞いてくるわ!準備ができ次第やりましょう!」


312 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/26(月) 17:39:29.25 ID:XTUScEFM0
その3時間後、街の全員が病院の敷地内に集まる。
全員が注目しているのは、敷地内に臨時で作られたステージだ。

衣装に身を包んだμ'sがステージに上がると大歓声が上がる。
9人が一列に並び、代表として真姫が前に出て挨拶をする。


真姫「知っている人もいると思うけれど、私たちは踊り子としても活動しています」


真姫「みんなに集まってもらったのは、私たちの感謝を私たちのやり方で表したかったからです」


最前列で見ている真姫パパと真姫ママをチラ見して、真姫は続ける。


真姫「最初は私がセンターの曲で、ってなってたんだけど私の頼みで曲を変えました」


真姫「私がμ'sのみんなと出会えた奇跡と、これからの私達の思いをこの曲に乗せて伝えます!」


真姫「『それは僕たちの奇跡』!」


大興奮のままライブが始まる。
出会えた奇跡でもらえた勇気。
みんなが笑える明日を信じて精一杯力の限り、最後まで駆け抜ける。
μ'sの強い思いがその一曲に込められていた。




創世神の世界、その中心にある祭壇。
μ'sの9人はそこへ転送された。


穂乃果「あれ!?いきなりここだ!」


イムタージュでのライブを終えたμ'sは身支度を済ませて、サクラコから受け取った転送クリスタルでジーズへ飛んだ。
村長に事情を話してもう一度創世神の世界へ来ると、前回とは違って急にサクラコのいる祭壇へ飛ばされたのだ。


サクラコ「もう一度あの道を通るのは面倒でしょう?ですので、あなたたちがこの世界へ来るときはここへ飛ぶようにしておきました」


花陽「これで次からもすぐに会えるね!」


凛「便利だにゃ!」


穂乃果「サクラコ様、つながりの羽を手に入れました!」


サクラコ「よくやりましたね。それはこちらで預かりましょう」


穂乃果の手元からつながりの羽が浮き、サクラコのもとへ飛んで行って光に包まれる。
台座が魔法で用意され、その上に添えられた。


サクラコ「導きのチュードの場所はアマノダケの近くの聖なるほこらにあると言いました。詳しい場所を教えましょう」


サクラコが手を振るうと、9人の前に地図が現れてアマノダケの近くが光る。


希「この場所は…アマノダケの裏にある森林やなぁ?」


サクラコ「そのほこらはとある一族が守っています。名は『リーズン一族』」


海未「な!?」


穂乃果「どうしたの海未ちゃん?」


海未「…『リーズン一族』は、私が居た一族です」


#40【それは僕たちの奇跡】end...
313 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/02/26(月) 17:40:03.60 ID:XTUScEFM0
次回のラブライブ!


#41【故郷】
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/02(金) 01:45:03.02 ID:Up543X4j0
まだ続いてて安心した
315 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/03/02(金) 13:20:49.71 ID:+efpWNU20
かなり期間が空いてしまって、読んでくださっていた方々が離れてしまったことがとても悔しいです…

いつかその方々が
「あ、これ完結したんだ!読んでみようかな?」
って思っていただけるように頑張って進めます!
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/02(金) 19:39:13.00 ID:JiuZLFRqo
離れずちゃんと読んでるよー
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 17:57:51.99 ID:uFbtHkbA0
>>296-313
乙です!
やっと追い付いた!
318 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/03/23(金) 20:51:20.12 ID:+GKEbFRT0
続きはもう少し待ってくださいね
319 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/04/08(日) 20:48:59.21 ID:wI2PlHtn0
新生活ということもありまして落ち着いて書ける時間がありません。
適当に書きたくないということもあり、更新が大幅に遅れています……

次の投稿はもう少し社会の荒波に揉まれてからにさせてください…
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 20:51:21.97 ID:0PezrlE80
新卒か?
321 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/04/16(月) 20:21:13.60 ID:gdSVZTQ10
#41【故郷】


穂乃果「海未ちゃんがいた一族って…!?」


サクラコ「リーズン一族に会うためにはこの力が必要になります」


サクラコが手を振るうと9人の体に光の魔力が灯り、うっすらと消えていく。


花陽「この魔法って…?」


サクラコ「行けば分かります。私の力はまだ戻っていないのでみなさんのお手伝いをすることはできませんが、よろしくお願いします」


海未「いつかみんなには言わなければならないと思っていました」


海未「アマノダケ近くの祠へ向かう途中で…すべてを話します」


ことり「でも、アマノダケまでどうやって行こうか?」


真姫「アマノダケに近い場所は…マイルズやネルカドム、クロスシーラかしら?」


花陽「マイルズまでの転送クリスタルをことりちゃんが持ってなかった?」


ことり「うん!ヴォリザードと戦った後にママからもらったクリスタルがある!」


絵里「じゃあそのクリスタルを使ってマイルズまで行って、そこから歩きましょうか」



キュイイイイイイイン...



ことりが持っていたマイルズへの転送クリスタルを使用してマイルズまで来る。
転送された先はことりの家の前。
以前ここで出会った7人はマイルズに初めて来た時を思い出す。


ことり「マイルズを旅立ったのは1か月くらい前かぁ…」


真姫「あの時は穂乃果と海未と私と希と花陽とにこちゃんの6人だけでこの街へ向かってたのよね」


ことり「船が襲われて、その時に出会ってマイルズまで来ていろいろあって…」


にこ「すっごく前のように感じるわね」


凛「凛はその時のこと知らなかったにゃぁ」


絵里「私も知らないわ。マイルズでのことは大体聞いたけど、きっと言葉じゃ表せないくらい色々あったのでしょう」


ショウヘイ「ことり姉ちゃん!!!」


2人の子供が走ってくる。
マイルズでことりと仲が良かったショウヘイとカズヤだ。


ことり「ショウヘイくん!カズヤくん!久しぶり!!」


カズヤ「あっ!μ'sも一緒だ!!」


2人につられて村人がことりの家に集まってくる。


322 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/05/17(木) 12:47:47.77 ID:y4hDEgO3O
今日、続きを投稿します
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/17(木) 19:37:06.81 ID:4kkGm7l0O
待ってました!!
324 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/05/17(木) 21:59:03.53 ID:FaOf7pIX0
村人「どうしたんだいことりちゃん、帰ってきちゃって」


ことり「これからアマノダケに行こうと思いまして」


シュウヘイ「ええ!?少し休んでいかないの?」


ことり「本当は休んでいきたいんだけど、そうもいかないの」


カズヤ「μ'sは忙しんだから、わがまま言うなよショウヘイ」


ショウヘイ「だって…」


カズヤ「聞いてくれよことり姉ちゃん。ショウヘイってば毎日のようにことり姉ちゃんのことばっかりーー


ショウヘイ「わーーーーーーーーーーっ!!!!!!!」


村長「ことりをありがとうねμ'sのみんな」


穂乃果「いえいえ!ことりちゃんにはすごく助けられてます!」


穂乃果「これを見てください!」


穂乃果は背中に携えていた剣を抜き、村長に見せる。
太陽に照らされて刀身が輝く「フェアリー・サンシャイン」。


村長「なんと、美しい剣…」


穂乃果「村長さんからいただいたフェアリー・エフェクトが強くなった姿です!」


村長「なんとまぁ!使ってくれてたんだね!」


凛「穂乃果ちゃんの剣って、クロスシーラで打ち直されたけどもともとはマイルズでもらったものだったんだね!!」


真姫「わかりやすい説明ね」


絵里「その打ち直しの原因は私なのよね…」


穂乃果「私たちの成長の結果だよ!!」


にこ「ミス・ポジティブね」


穂乃果「この剣をもらった時に『村の名剣』って言われたんですけど、どうやら希少なレッドクリスタルっていうのが使われてたみたいなんです。いったい誰が作った剣なんですか…?」


325 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/05/17(木) 22:46:06.85 ID:FaOf7pIX0
村長「この剣は500年前からこの村にある剣なの」


村長「歴史では、この村の危機に手練れによって使われた剣、とある」


にこ「そして穂乃果の手に渡ったのね」


穂乃果「よかったんですか?そんなすごい剣…」


村長「代々その剣を管理してきたのは村長なのよ。だから大丈夫よ」


穂乃果「この剣は光の魔力を携えているすごい剣なんです!!」


村長「この剣がこの村に来る前のことでわかっていることはほんの少しだけ」


村長「剣が作られてかなり早い段階でこの村に来たということと…」


村長「この剣の作成者の名前だけです」


にこ「いったい誰が作ったのかしら?やっぱり屈強な男?」


村長「いえ、女性ですよ」


絵里「すごいわね、女性の鍛冶師だったのね」


村長「『ユキホ』という女性がこの剣を打ったらしいです。500年も前のことなのでもう生きてはいないでしょうが…」


穂乃果「っ…」


凛「すごいにゃ!!凛も剣を打ってみたいにゃ!」


真姫「凛がやったら剣が折れそうね」


凛「真姫ちゃん!!!!」


穂乃果はぎゅっと剣を握りしめ、鞘に納める。


穂乃果「…ありがとう」


希「そろそろいこか?」


花陽「穂乃果ちゃんたちが話をしてる間に、ことりちゃんとショウヘイくんもお話しできたみたいだし大丈夫そう!」


穂乃果「私も、すごくいい話を聞けた!」


海未「それでは、アマノダケへ向かいましょうか。道中で、私のことを話します。」


マイルズの村人に見送られながら、μ'sは村を旅立った。
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/01(金) 02:09:44.13 ID:Z4DGzYQA0
>>321
>>324-325
乙です!
続きを気長に待ってます!
327 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/06/12(火) 22:30:34.47 ID:i/qOOlvs0
アマノダケへ向かう道中で海未は一族について口を開いた。


海未「私の一族は『リーズン一族』といいます。一族の里はレンドラストのスクリオーネから少し離れたところにあったといいます」


絵里「スクリオーネの近くってことは、レンドラスト大陸の中でもかなり西側なのね」


凛「あったってことは…?」


海未「私が生まれて間もない頃に、里が魔物に襲われてしまってなくなってしまったんです」


海未「私の母は魔物に襲われてそこで亡くなりました」


海未「父は私を連れて命からがら逃げ、オトノキザカの近くまで離れてそこで生活を始めました」


ことり「そういういきさつがあったんだ…」


希「海未ちゃんと海未ちゃんのお父さん以外の人たちはどうなったん?」


海未「ほんの少ししか聞いてませんが、生き残った一族の人ともめたみたいです」


海未「森で住んでいたのは、園田家の掟だといわれましたがそれが本当だったかはわかりません」


ことり「小さい頃、私と遊んでた時はお父さんはいたよね?」


海未「はい。でも、2年前にオトノキザカの森の中で父の遺体が見つかりました」


穂乃果「い、遺体って…?」


海未「父の体には切り傷や打撲傷、火傷傷と多くの傷があり、父が倒れていた場所の草木は荒れていました」


花陽「そんなことが…」


海未「それ以来私は、強くなることを決めたんです。それがこの旅で役に立つとは…」


希「強い決意やったんやね。じゃないとそんなに弓矢の扱いがうまくなることはないやん」


海未「リーズン一族は弓矢の才能に長けていたため、父にも弓について習っていたことがありました。ですが、弓に対して真摯に向き合ったのは父と別れてからです」


凛「海未ちゃんはμ'sの最強のアーチャーだにゃ!弓と矢を持たせたら右に出る者はいないにゃ!」


真姫「その弓の技術は一族の才能ではないわよ。海未の努力の結晶だわ」


絵里「あなたの射撃を見ればわかるわよ。あれはあなたの積み上げてきたものよね」


海未「…ありがとうございます、みなさん」


海未「みなさんと出会えて、本当によかったです」






328 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/06/12(火) 22:47:20.14 ID:i/qOOlvs0
一日かけて歩き、μ'sはアマノダケの裏に広がる大森林に到着する。
道中では魔物とエンカウントすることはなかった。(穂乃果たちのレベルが高すぎるため)


穂乃果「魔物とほとんど会わなかったから一日でついた!」


穂乃果がそう言いながら森に入ると、茂みから急に魔物が飛び出してくる。


穂乃果「言ったそばから!!」


背から剣を抜き、そのまま魔物の頭部を深く切り裂いて魔物は一瞬で生き果てる。


穂乃果「もうびっくりしたよ…」


凛「え、えぐいにゃ…」


真姫「きっとこの森には私たちに挑んでくる魔物もいるのよ。注意して進みましょう。地図によるとこっちよ」


魔物と戦闘をすることもあったが、苦戦することなく進んでいく。
開けた場所に着いたと思うと、木の柵で囲まれ、木材でできた家が密集した村を発見。


にこ「あれじゃないかしら?」


にこは村のほうへ走っていく。μ'sもにこを駆け足で追う。
すると村の門が少し開き、その間から男性2人が弓を引いた状態で現れる。


にこ「な、なに!?」


男性「止まるんだ」


凛「きょ、強行突破するかにゃ…!?」


真姫「待ちなさい」


真姫が周りを観察すると、木の柵の多くの箇所から少しだけ矢が飛び出ている。


真姫「きっと、あの柵の向こうにも弓を引いている人たちが大勢いるわ」


穂乃果「私たちはμ'sです!リーズン一族の方ですか?あなたたちに用があってきました!」


男性「私たちを知っている…?貴様ら、魔王の手下か!!」


にこ「悪化してるじゃないの!!!」


穂乃果「どどどどどどうしよう!!!」


329 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/06/30(土) 13:19:55.10 ID:EQimWHe5O
もうすぐ更新予定です
330 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/07/17(火) 22:13:39.61 ID:BxF9tXVT0
希「海未ちゃんが自己紹介してみるのとかどうやろうか?」


絵里「もしこの方たちが海未のことを知っていたら効果的かもしれないわ!」


男性「何をこそこそしゃべっている!」


時間がないと判断した海未は一歩前に出る。


海未「私の名前は園田海未。リーズン一族の園田海未です」


男性「海未…?」


男性たちがざわざわしだす。
門の中から男2人が槍を持って出てくる。


男性「ゆっくりと里の中に入りなさい」


ことり「だ、大丈夫なのかな?」


そのままゆっくりと大きい家へ連れて行かれる。
里は木製でできた家が並んでおり、里の中心と思われる位置には家はなく広場のようになっている。
里の住人も同じ家に向かっており、じろじろと見られている。
大きい家に入る。
中には屈強な男や女が集まっている。
中心にいたムキムキの男がしゃべりだす。


ムキムキの男「本当に海未か?」


海未「はい。私が園田海未です」


ムキムキの男は海未をじっと見つめ、答える。


ムキムキの男「…母や父にそっくりだ。本当に海未のようだね」


男がそう答えると、場の緊張感が急になくなり穏やかなムードになる。


穂乃果「信じてもらえたみたい!」


ムキムキの男「私がリーズン一族長のブラッシュだ。君は赤ん坊だったから覚えていないだろうがよろしくな」


ブラッシュは隣にいた好青年の肩を抱き寄せてμ'sに紹介する。


ブラッシュ「こいつは俺のせがれのコマートだ。言っておくが、この一族の中で俺の次に強いぞ」


コマート「よろしくお願いします!あなたたちがμ'sですよね?一度お手合わせ願いたいです!}


絵里「好青年ねぇ…」


希「なんやえりち狙っとるの?」


絵里「思ってもいないこというんじゃないの。狙っていないし、第一今の私たちにはそんなことしてる場合じゃないわ」


凛「ちょっと失礼なんじゃ…」


穂乃果「あとで手合わせしようね!」


コマート「はい!!!」


(先に言いますが、コマートは誰とも恋愛になりませんよ)
331 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/07/19(木) 22:04:38.13 ID:ndy8l+GF0
ことり「私たちは歓迎されているってことかな?」


ブラッシュ「今回だけは特別だ。同じ一族の血を引く者に武器を向けてしまったからな…」


真姫「リーズン一族は基本的に隠れて過ごしているのよね?」


ブラッシュ「そうだ。だがこうなったのも何かの縁だ、少しの間だがゆっくりしていきなさい」


海未「聞きたいことがあるのですが、いいですか?」


海未「なぜ、私はこの一族から離れることになったのでしょうか?父からはもめたと聞いたのですが」


リーズン一族で最長寿である男性も前に出てきて会話に参加する。


最長寿「わしがこの里で一番長い。わしが説明しよう」


ブラッシュ「ありがとう」


コマート「彼は昔の族長なんです」


花陽「族長って血とかで決まっていないんですか?」


コマート「族長は一番強い戦士がなるんです。彼は高齢のため族長を降りました」


最長寿「なぜ海未と父がこの一族から離れてしまったか…。それは、父が母の願いを聞いたからじゃ」


海未「私の母の願いを…?」


最長寿「海未が生まれて間もない頃、魔物との戦いがあったのじゃ。そこで母が力尽きる時に、海未を安全な場所へと父に頼んだのじゃよ」


真姫「それで追放?」


最長寿「海未の父は自ら追放されることを望んだのじゃ。しかし、理由もなく追放するなど、ふつうはおかしいもの。じゃが海未の父と母は一族の中でもかなり強かった。じゃから、生き残った一族全員はその頼みを聞き入れたのじゃ」


ブラッシュ「そして追放され、安全な場所へと避難したんだ」


真姫「でも、そのまま一族と一緒にいたほうが安全だったと思うのだけれど?」


ブラッシュ「この一族は特別な力で守られている。しかし、その時は魔物たちに発見されて戦いになってしまった直後だ。一族が安全だとは言いにくかった」


ブラッシュ「今はこうやって立て直せたが、多くの犠牲を…」


真姫「そうだったの…。ごめんなさい」


穂乃果「海未ちゃんが本当にリーズン一族だったってことは、海未ちゃんはこの一族の一員としてまた迎えてもらえるってこと?」」


ブラッシュ「それはできない」


ブラッシュ「リーズン一族にとって、一度追放された者は他人も同然。海未をもう一度一族の仲間として向かれることはできない」


最長寿「こうやって族長の前に連れてこれたのも、父と母の功績があったからじゃよ」


コマート「海未さんのお父さんは元気ですか?今もオトノキザカの近くに住んでいるんでしょう?」


海未は一度言葉に詰まる。


ブラッシュ「ま、まさか…!?」
332 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/07/19(木) 22:22:20.98 ID:ndy8l+GF0
海未「父は、2年前に…」


ブラッシュ「いったい何があったのだ!?」


他の一族の全員も、海未の父が亡くなっていたと知りざわつく。


海未「何者かにやられました。私もその場所には居合わせていないので、これ以上のことは…」


ブラッシュ「そうか…。彼は素晴らしい戦士だった。」


海未「父もそういっていただけて幸せだと思います。ブラッシュさん、ありがとうございます」


そしてその場が一度静寂に包まれる。
その静寂を切り裂いたのは…


穂乃果「あ、あの!」


全員が穂乃果のほうを向く。


穂乃果「なんとか…海未ちゃんを一族に戻していただけないでしょうか?」


海未「穂乃果…」


ブラッシュ「それは本当にできない。掟で禁じられている」


穂乃果「そう…ですか…」


海未「いいんですよ穂乃果」


最長寿「はてさて、おぬしらはなぜこの場所に?」


絵里「私たちは、創世神様の導きでこの里へ来ました」


ブラッシュ「創世神…?」


希「神話では、女神様やね」


ブラッシュ「それは、女神サクラコか?」


にこ「ええ、そうよ。彼女がリーズン一族のもとへ行って導きのチュードをもらってきなさいって…」


最長寿「そうじゃったか…。ブラッシュよ、ついにこの時が来たのう」


ブラッシュ「ええ、私が族長の時に来るとは」


ブラッシュ「想定外ですとも…」


真姫(…?)


最長寿「この里に伝わる古の話をしようかの。ばあさん、たのむわい」


最長寿の声掛けに答えて、優しそうなおばあさんが前に出てくる。


ばあさん「では、古の話だよう」


ばあさん「導きのチュードとは奇跡を引き起こすといわれている鏡。女神に選ばれし者が鏡を手にするまで、その鏡を守る存在が必要だった…。それに選ばれたのが、リーズン一族。世界に隠れてずっと導きのチュードを守っているのですよ…」
333 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/07/19(木) 22:40:20.16 ID:ndy8l+GF0
ばあさん「そして古の掟は、女神に選ばれし者が導きのチュードを手にするということです」


最長寿「ありがとうばあさん」


穂乃果「私達が、女神に選ばれし者でいいんだよね…?」


ブラッシュ「それを証明する方法が、この里には伝わっている」


ブラッシュ「よければすぐにでも儀式を始めよう。準備はできているか?」


穂乃果「うん!大丈夫です!」


穂乃果がそう答えると、μ'sは里の裏口から森の中に連れて行かれる。
リーズン一族の代表者(族長や最長寿、男たち)が先導し、その後ろをμ'sがついていく。
残る一族の者たちは、里に残る。


ことり「道もない場所を進んでいく…。この森の中でその場所にたどり着けるのはリーズン一族だけだね…」


にこ「彼らが味方でよかったわ」


しばらく歩くと小さな祠に着く。
その祠には小さい台座と、その上に小さい石がくっついている。


ブラッシュ「この石を触り、祠が光り輝けば選ばれし者だと証明される」


最長寿「どうぞ、触ってくだされ」


9人は石を囲むように立つ。


穂乃果「これで導きのチュードが手に入れば、やっと創世の剣を手に入れることができるね…」


穂乃果「でも、それと同時にリーズン一族の役目も終わるみたい。いいの?海未ちゃん」


海未「ええ…大丈夫です。きっとこの時のためにあるのですから…!さあ、やりましょう!」


9人で石に順番に触れていくと、触れるたびに祠に輝きが灯る!

ポゥンポゥン…


最長寿「おお…。これが選ばれし者の光…」


ばあさん「一族の役目もこれで終わるんですねえ」


コマート「きれいだ…」


すると台座が光に包まれて消滅し、中から光にあふれた何かが出現する。
それは宙をふわふわと舞い、穂乃果がキャッチ!
掴むと光は広範囲に拡散する。
穂乃果が手に持っていたものは小さな手鏡。小さいが、確かに光を感じる。


穂乃果「これが…導きのチュード…」


μ'sは導きのチュードを手に入れた!


最長寿「光が解き放たれ、我々の役目が終わった…」


ブラッシュ「それと同時に女神の守りも解けたということだ」


花陽「創世神の守り?」
334 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/07/19(木) 22:55:12.05 ID:ndy8l+GF0
コマート「導きのチュードの力で、外敵を寄せ付けないようにしていたんです。過去に一度だけ魔物に見つかってしまい、その時は守りが薄くなってしまいましたが、それ以降は外敵が里に近づくことはありませんでした」


真姫「やっぱり、特別なアイテムってことよね。里とこの祠を守る…。世界樹の簡易版のようなものかしら」


コマート「これからは、魔物たちに見つからないようにひっそりと暮らしていくしかないですね」

ドォォォォン!!!!!!

コマートがそう言った瞬間に、里のある方向から爆発音がする。


ブラッシュ「なんだ!?」


コマート「里が襲撃を!?」


ことり「いくらなんでも早すぎじゃ…」


絵里「とりあえず里のもとへ行かなくちゃ!」


ブラッシュ「リーズンの里へ戻り、外敵を排除するぞ!!」


ブラッシュの声掛けに合わせて、同行してきた男性やコマートも雄たけびを上げる。


ブラッシュ「何人か、彼らとともに」


男性2人が最長寿とばあさんとμ'sのそばに寄る。


真姫「導きのチュードは私が預かっておくわね」


穂乃果は真姫に渡し、真姫は収納クリスタルに導きのチュードをしまう。


穂乃果「私たちもたたかいますよ!」


ブラッシュ「いや、大丈夫だ。一族ではない者には関係がない戦いだ」


コマート「リーズン一族は戦闘の一族でもあるんです!数が少なくとも、戦闘能力は高いんですから!」


コマート「敵を弓でいる能力。槍で敵を討つ能力。短剣で獲物を狩る能力。それを兼ね備えて鍛え上げているのが僕らなんです!!」


ブラッシュ「そういうことだ。ひどい言い方をすれば、君たちはもはや部外者だ」


穂乃果「そ、そんな…」


穂乃果の前に海未が歩み寄る。


海未「彼女たちはリーズン一族とは全く関係ありませんし、私も一族の者ではありません」


ことり「う、海未ちゃん」


ブラッシュ「そうだ、だからーーー


海未「ですが、リーズン一族が私の故郷であることには変わりません!」


海未「父と母が愛したこの里が襲われているのに…。私達μ'sは、放っておくわけにはいかないんです!!」


ブラッシュ「だ、だが…」


最長寿「よいのではないかブラッシュ。掟を破らないことは大切じゃが、それ以上に守らなければならないものがあるじゃろう?」
335 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/07/19(木) 23:07:04.43 ID:ndy8l+GF0
ブラッシュ「…わかりました」


ブラッシュ「μ's、君たちはその二方を守りながら里を目指してくれ。里の場所は二方がわかる」


最長寿とばあさんに手振りをしながらμ'sにお願いする。


ブラッシュ「私達は里へ行く。道中では魔物が襲ってくるだろうから、どうか守ってやってくれ」


海未「わかりました。このお二人は私たちが責任を持って里までお連れします」


コマート「君たちが里に着くころには、戦いは終わってるよ!」


ブラッシュ「コマート、集中するんだ」


そう言って、ブラッシュ率いる代表者たちは木々の間を障害物とは思えないようなスピードで走り抜けていった。


穂乃果「それじゃあ行きましょう!」


μ'sも武装をし、最長寿とばあさんと共に里へと向かう。
歩き出そうとしたその時、木の間からサルのような魔物が10匹とびかかってくる!


真姫「敵よ!!」


μ'sメンバーは軽やかな攻撃で魔物を沈める。


最長寿「魔物からすれば、いつも無意識のうちに近寄れなかった場所へいけるようになっておる。魔物と遭遇する確率はいつもの比ではないぞい!」


そう言った矢先、地面の中から大きなモグラの魔物が飛び出してくる。
しかしそのモグラの眉間に強烈な矢で一閃!!
魔物は一撃で消滅する。


海未「何匹向かって来ても関係ありません。里へ向かう魔物を減らすためにも、遭遇した魔物はすべて倒していきましょう!」


絵里「賛成よ海未!」


凛「どっちに向かえばいいかにゃ?」


ばあさん「このまままっすぐじゃ」


にこ「よし…久しぶりに腕が鳴るわね!」


花陽「がんばる!」


希「ことりちゃんは2人に寄り添ってあげて!」


ことり「わかった!もし傷ついても回復するね!」


穂乃果「リーズンの里へ!!」


#41【故郷】end...
336 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/07/19(木) 23:07:39.41 ID:ndy8l+GF0
次回のラブライブ!


#42【reason】
337 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/07/19(木) 23:12:18.20 ID:ndy8l+GF0
次回よりリーズンの里での戦闘が始まります!
リーズン一族とμ'sが戦う相手とは…?
思いがけない展開にもなると思います!
戦闘を全員分書くか迷っています…。全員分書くとすれば結構な量になりそうです。


気づけばAqoursの映画公開日が決まりました…。
こっちはまだμ'sだけど、完結まで頑張るぞ……。
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/24(火) 23:08:00.76 ID:VpShGaz0O

更新されてた!
完結するまでずっと応援してますんで、頑張って下さい!
339 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/02(木) 21:43:49.24 ID:nODovJdp0
この作品のTwitterアカウントを作ろうと思います
詳細は後ほど
340 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/03(金) 00:30:11.24 ID:DG24VrXI0
ツイッターのアカウントが完成しました!
投稿予定です〜とか、細かい設定とか、質問等がメッセージで送られて来たらそれを返したりとか…
1人でも多くの人にこの作品に触れてもらいたいです!

よければ見てみてくださいね!
@douhono0803
https://mobile.twitter.com/douhono0803
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/03(金) 01:19:12.41 ID:DG24VrXI0
フォローしたよ〜
新しい試み面白そう〜
342 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/03(金) 01:24:07.80 ID:DG24VrXI0
ごめんなさい!
名前も入れず>>341に途中で投稿しちゃいました…

伝えたかったのは、>>341のようにこのスレで言っていただける感想もどんどんツイッターの方で言っていただけても嬉しいです!!
ということですw

もちろんこのスレにいただく事もすごく嬉しいです!!1人何回も書いていただいて構わないですよ!!(荒らしは嫌ですが…)

実際に、ツイッターアカウントを開くのは面白い試みだと思っていますw
ツイッターの穂乃果たちも試しに見てくださいね!
ではおやすみなさい!!
穂乃果誕生日おめでとう!
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/04(土) 17:11:42.46 ID:t6s7EKAA0
>>327-337
乙です!
次の更新楽しみに待っています!(^o^)/
344 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/08(水) 00:03:27.31 ID:E5OqIr5O0

【訂正】
1スレ目の>>442の海未の発言を訂正します
正しくは、今回のリーズンの里編で語られた『2年前』です
申し訳ありません





#42【reason】

ブラッシュたちが到着するが、里は大型の魔物に破壊されていた。
巨体のオーク、大きな足長グモ、2体のドラゴン。
そしてその中心にはグラマラスな女性がいた。

その女性の魔物は小さなツノと2つの翼に尻尾を持っていた。


コマート「父さん!!里がまずい!!」


里にいた者たちは避難していたり応戦している。


ブラッシュ「あの中心にいる魔物は…昔、一族を壊滅まで追い込んだ魔物…!!」


女性の魔物「あら?知ってる顔みーっけ♪」


ブラッシュ「くっ…全員、戦闘を開始せよ!!」


女性の魔物「ペットちゃんたち、一回やめなさい」


そう言うと魔物はピタッと攻撃をやめる。


女性の魔物「久しぶりね♪元気してた????」


女性の魔物はブラッシュのほうを見て挨拶をする。


ブラッシュ「気をつけよ!!奴は魔法の使い手だ!!」


戦士たちの中でベテランの戦士たちは、その魔物を見たことがある。
里の戦士たちは槍を構える。


女性の魔物「私ぃ、あなたたちのことず〜〜っと探してたのよ??」


ブラッシュ「リリバスッ…」


リリバス「あら?名前、覚えててくれたのね??」


リリバス「ご紹介に上がりました〜♪私は、サキュバスのリリバスで〜す♪」


ブラッシュ「全員、散れ!!コマートもほかの魔物のところへ!!」


里の戦士たちは散っていき、動かない魔物たちの周りで陣形をとる。


リリバス「ブラッシュ、私ね?あれからず〜っとあなたたちのことを探してたのよ?」


ブラッシュ「それにしては、見つけるのが早いな…」


リリバス「あなたたちが張ってた結界、ぜ〜んぜん私たちを引き寄せないんだもの。困っちゃった」
345 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/08(水) 00:04:57.67 ID:E5OqIr5O0
リリバス「さてと…それじゃあ、リーズン一族……死になさい??」


ブラッシュ「全員、戦闘開始!!!」


リリバスが指をパチンと叩くと、待機していた4体の魔物たちが一斉に動きだす!
ブラッシュは背から槍を抜き、構える。
他の3人の戦士もブラッシュの後ろに立って槍を構える。


リリバス「私の相手はあなたたちね〜??」


他の魔物たちともリーズンの戦士たちは戦っている。
ブラッシュの後ろからムキムキの戦士が飛び出し、リリバスに飛び込む!


ブラッシュ「まて早まるな!!」


リリバス「うかつね?」


そう言ってリリバスは足を地面に軽く打ち付ける。
するとそこから大きな氷が生み出され、ムキムキの戦士を襲う!!


リリバス「メガブリザ〜ド♪」


ムキムキ「しまっ――


ブラッシュ「ふんっ!!」


その氷をブラッシュが打ち砕くことで、ムキムキは体を貫かれずに済む。


リリバス「もう…なに邪魔してるのよ?」


ムキムキ「あ、ありがとうございます…」


ブラッシュ「気を抜くな」


リリバス「ふふっ」





最長寿「もうすぐ着くぞい!!」


穂乃果「戦ってる音が聞こえる!」


にこ「森を抜けるわよ!」


森の中から出ると、そこには戦場と化した里が…。
戦士たちは魔物になぎ倒される者もあれば善戦し魔物を苦しめる者もいる。


最長寿「な、なんということじゃ…」


最長寿「あれは…以前この一族を壊滅まで追い込んだ魔物…」


海未「あの女性の…?」

346 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/08(水) 00:07:07.60 ID:E5OqIr5O0
リリバスが魔法を打ち出す中、戦士たちはそれをよけながらリリバスに攻撃を入れていく。


ムキムキ「こいつ、素早い!!」


リリバス「ん〜…」


ムキムキやほかの戦士たちがとびかかると、リリバスの手から猛烈な炎が噴き出る。


リリバス「メガフレア〜」


ブラッシュ以外の戦士たちが炎に包まれ、地面に崩れ落ちる。


リリバス「あー…もう飽きてきたかも〜」


コマート「僕が相手でも飽きてられるか?」


コマートがリリバスにとびかかるが、リリバスは軽やかな動きでコマートの攻撃を回避。


リリバス「あら?若い男の子〜?」


リリバス「でも、飽きちゃうかも〜。ペットちゃんたち集合〜」


その呼びかけに合わせて、戦っていた魔物がリリバスのもとへ集まり小さい玉へと変化する。


リリバス「疲れたでしょ?休んでていいわよ〜」


コマート「君は…一人で僕ら全員と戦う気かい?」


リリバス「そうよ?」


コマート「ふざけたことを!!」


とびかかったコマートは猛烈なスピードの突きを放つが、リリバスは自分の正面に防御魔法を張って攻撃を防ぐ。






穂乃果「私たちも遠くから見てるだけじゃなくて参加しないと!!」


最長寿「待ってくだされ…。あの者たちに戦わせてはくれぬか…」


ばあさん「あのリリバスという魔物は私たちの宿敵なのです」


海未「でも…」


最長寿「よろしくお願いしますぞ…」


絵里「…ここはぐっとこらえましょう。それよりこの2人を安全な場所へ」


ばあさん「少し外れた場所に頑丈な家があります。みんなそこで隠れているでしょう」


希「じゃあそこまでいこか」


347 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/08(水) 00:08:15.83 ID:E5OqIr5O0
コマート「てぇいっ!!!」


槍でリリバスの足元を薙ぎ払うが、リリバスはふわっと浮いて槍をかわす。
コマートはそのまま槍を地面に突き刺し、背に携えていた弓矢を構えてリリバスめがけて放つ!


リリバス「動きが早いけど、だめよ?」


手をすっと振るうと、その軌道に合わせて氷が出現し矢をはじく。


コマート「一人ではないよ!」


リリバス「…へぇ」


周囲を見渡すと、周りを取り囲んでいた戦士たちが一斉に矢を放っていた!


コマート「くらえ!!!」


リリバス「詰めが甘いのよねぇ♪」


そう言って空中で腕を開いたリリバスの体から闇魔力の衝撃波が放たれる。
衝撃波によって矢はすべて弾き飛ばされ、近くにいたコマートも吹き飛ばされる。


コマート「ぐぁっ…」


リリバスはゆっくりと地面に降り立つ。


リリバス「う〜ん…やっぱり飽きたわ〜」


コマート「まだまだっ!!」


立ち上がろうするが、体の異変に気付く。
周りにいた男たちも異変に気付いた。


コマート「体が…動かない…?」


ムキムキ「どういうことだ?」


他の戦士「特に攻撃も受けていないのに…?」


リリバス「私はサキュバスよ?サキュバスは体から雄をしびれさせるフェロモンを出せるの」


リリバス「私はサキュバスの中でもこのフェロモンの技術が高くてね?私のフェロモンが体に振れた雄は完全に無力化するわ♪」


ベテラン「前回はこんな攻撃なかったのに…?」


リリバス「これやっちゃうとつまらないでしょ〜?だから前回は隠してたの〜」


リリバス「結局レディアフト様にこっぴどく叱られちゃったけどね〜」


リリバス「この状態の雄を一人ずつなぶり殺しすると…もう興奮しちゃうの♪」
348 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/08(水) 00:09:47.26 ID:E5OqIr5O0
コマート「そんな…」


ブラッシュ「私は動けるぞ!!」


ブラッシュだけはフェロモンを受けてなお立ち上がっていた。


リリバス「…まぁあたりまえよね〜。あなたには効果ないと思ってたもの」


ブラッシュは槍をまた構え、リリバスへ向かって突進していく!


コマート「やってしまえ父さん!!」


リリバス「…ねぇ、私さぁ――


ゆっくりと右手をブラッシュへ向ける。


コマート「まずい!父さん避けて!!」


リリバス「飽きたって言ったよね???」


右手に闇が集まり、一気にそれを放出する。


リリバス「ファイナルダーク♪」


ドゴォォォォォッ!!!!!


巨大な闇はブラッシュを覆い包み、そのまま地面を抉って木々をなぎ倒す。


コマート「なんて…威力だ…」


闇が消えると、そこには大きくえぐれた地面とその中で倒れるブラッシュの姿があった。


リリバス「お仕置きよ〜♪」





その光景を離れの頑丈な家から見ていたμ's。
その家には、戦えない一族の者たちが集まっていた。


ばあさん「以前の魔法よりも威力が上がっている…」


里の女性「族長さんもやらてしまった…」


穂乃果「くっ…」


最長寿「ここまでか……。μ'sよ、海未よ」


最長寿「この一族を、頼む…!」




349 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/08(水) 00:11:17.16 ID:E5OqIr5O0
リリバス「よ〜し、それじゃあ一人ずつやっちゃおったかな〜?」


そういうと、超速の矢がリリバスめがけて飛んでくる。
リリバスは防御魔法を張って矢を防ぐ。


リリバス「あら?動ける子がいたの…?」


矢が飛んできた方向を見ると、9人の少女たちが走ってくる。


リリバス「あら…やっぱり出てくるのね」


コマート「みゅ、μ'sさん…!」


リリバスは小さい玉を4つ取出し、宙へ投げる。


リリバス「おいで〜」


その玉は4匹の魔物へ変化する。


海未「私たちはあなたを止めます!!」


リリバス「私のフェロモンはメスには効かないのよね〜。仕方ない、やるかぁ〜。」


リリバス「私は魔王軍幹部『リリバス』♪あなたたちはどれくらいで飽きるかな?」


凛「魔王軍幹部…」


穂乃果「みんなで手分けしよう。私と海未ちゃんでリリバスを」


凛「凛はあの大きいオークを!」


真姫「じゃあ私は花陽とあの蜘蛛をやるわ」


希「じゃあウチとにこっちであの細いドラゴンやろか?」


絵里「私とことりはあの太いドラゴンね」


リリバス「戦闘開始♪」


350 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/08(水) 00:12:14.21 ID:E5OqIr5O0
これからリリバスとリリバスのペットとの戦闘になりますが、戦闘描写の相談です

1→海未と穂乃果の戦闘をメインにしてサクサク描写
2→全員分の戦闘をじっくり描写

どちらがいいでしょうか?
みなさん教えてください!
(早くて明日、予定では数日後に確認して続きを投下します)

ツイッターアカウントもよろしくね〜

https://mobile.twitter.com/douhono0803
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/09(木) 04:27:45.56 ID:KTCZMa+yO
サクサクがいいかなー
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/09(木) 04:28:28.76 ID:KTCZMa+yO
サクサクがいいかなー
353 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/21(火) 00:32:05.73 ID:a1jXs52s0
サクサクで行こうと思います〜


穂乃果&海未…リリバス
凛…オーク
真姫&花陽…蜘蛛
希&にこ…細身ドラゴン
絵里&ことり…太いドラゴン


前回のラブライブ!


襲われていたリーズンの里を一足先に助けに行ったリーズン一族の精鋭たち。
襲ってきた魔物たちのリーダー『リリバス』に苦戦を強いられる。
μ'sが里についた頃には、一族の戦士たちは戦闘不能の状態になっていた。
一族の者たちからの思いを背負って、μ'sは『魔王軍幹部:リリバス』との戦いに臨む。







リリバス「あら?私の相手はあなたたち2人ね?」


穂乃果「戦士のみんな…動けないみたい…」


海未「みなさんが倒れている中で戦うわけにはいきませんね…」


リリバス「まかせなさい」


そう言って右手をふわっと振るう。
穂乃果と海未はそれに合わせて構えるが、特に攻撃が来るわけではない。
すると、倒れていた男性たちがふわっと浮いて中央広場の橋のほうに飛んでいく。


リリバス「これで戦いやすいわね〜?」


穂乃果「わざわざありがとう!!!!」


海未「この場で彼らに攻撃する気はないようですね…」


ドォン!!!


大きな音とともに、周りの魔物たちとμ'sの戦いが始まる。


リリバス「私たちもやる?」


海未「気を付けてください穂乃果。相手は完全な魔法使いです」


穂乃果「魔法使いか…ヌベラス以来だね。私がガンガン突っ込むから海未ちゃんよろしくね!」


そう言ってフェアリー・サンシャインと風守の盾を握りしめリリバスに向かって突っ込んでいく。


リリバス「μ'sのリーダー『高坂穂乃果』。お手並み拝見と行こうじゃないの」


そう言って手を突き出すと、手のひらから大きな炎の玉が飛び出す。


穂乃果「海未ちゃん!」


叫んでから穂乃果が屈むと、頭の上を矢が一閃!
炎の玉に衝突して相殺する。
354 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/21(火) 22:52:16.03 ID:a1jXs52s0
リリバス「彼女の魔力は水属性なのね」


相殺により煙が舞い、穂乃果の姿が見えなくなる。
ワンテンポを置いて煙の上から穂乃果が落ちてくる!
煙に身を隠した穂乃果はそのまま高くジャンプをして虚を突いたのだ。


穂乃果「スパイラル・オレンジ!」


空中からリリバスに向かって突きを放つ!
急降下してくる穂乃果に向かって手をかざすと、穂乃果とリリバスの間に防御魔法によるバリアが張られる!


穂乃果「くっ!」


防御魔法に完全に防がれ、リリバスと距離をとる穂乃果。
リリバスは炸裂した穂乃果の魔力を掬い取る。


リリバス「いい威力ねぇ♪」


手を振り上げたリリバスは足元から上位氷魔法を発動させる。
氷はどんどん穂乃果と海未に接近していく。

向かってくる氷に対して穂乃果は、盾を地面に置いて剣を両手で持ち振り上げる。
海未も精神を統一して弓矢を構え自身の魔力を込める。


穂乃果「オレンジ・ストーム!!」


振り下ろした剣からオレンジ色の竜巻が発生し、2人に向かってきた氷を吹き飛ばしていく。


海未「ラブアローシュート!」


竜巻の中から青い閃光が飛び出し、超速でリリバスを襲う!


リリバス「リフレクト!」


海未の放った矢は防御魔法に阻まれてはじかれる。


穂乃果「海未ちゃんのラブアローシュートをあんな簡単に…」


海未「私は徹底して援護します!穂乃果が奴の防御を破ってください!」


穂乃果「了解!」


盾を拾った穂乃果は盾を腰に携えて左手をバッと開く。


穂乃果「シャイニーブレイド!」


魔力により出現した光の剣を左手でつかみ、二刀流となる。


リリバス「魔力の剣…面白いわねぇ」
355 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/21(火) 22:53:16.19 ID:a1jXs52s0
場面は変わってのぞにこ。


希「サモンコネクト・アルファング!」


氷を手足に纏った希は細身のドラゴン『ブレードドラゴン』に向かって飛びつく。
ドラゴンは翼が剣のようになっており、細身を活かして翼剣を振るう。

希は手足を使って獣のように地面を蹴り高く飛びあがって剣を回避!


希「ファングフリーズ!」


タロットを持った手に牙のような氷魔力が出現し、ブレードドラゴンの体を切り裂こうとする!
ブレードドラゴンは攻撃を素早く避けて、希の真上から翼剣を突き刺そうとする。


希「あかんっ!」


にこ「ピーチランサー!」


槍のような蹴りが翼剣を蹴りはじく!
希はその隙にドラゴンの足元から脱出し、にこもエアスライドで後方へバック宙して距離をとる。


にこ「こいつ…戦いづらいわね」


希「それなら…サモンコネクト・プラム!」


氷が弾けて、背中から炎魔力の翼が出現する。


にこ「遠距離ってことね?」クルクルッ


2本のナイフをクルクルしながらつかみ、ピンクの魔力を込める。


にこ「にこにも遠距離攻撃ができるようになったんだから!」


希「ファントムスローやったっけ?頼りにしてるでにこっち!」


にこ「それはこっちのセリフよ!希、プラム!」




場面は変わってまきぱな。


真姫「花陽はガンガン奴に攻撃して!」


花陽「了解!メガフレア!!」


杖の先から放たれた上位火炎魔法は細身だが巨大な蜘蛛「ネオギアントスパイダー」めがけて飛んでいく。


花陽「虫だから炎が苦手なはず!」


蜘蛛は口から水のブレスを吐き出して炎の威力を激減させ、足で薙ぎ払う。


真姫「私には相性が悪いかも!」


舞いながら飛び込んでいく真姫は扇を投げつける。
その扇から炎の鎖が放たれて真姫の手へ飛んでいく。


真姫「炎鎖の舞!」


炎の鎖をつかんだ真姫は鞭のようにしてネオギアントスパイダーの体を打ち付ける。
腕を振るって風の舞を発動し、真上へ舞いあがり扇を手元に引き寄せる。
356 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/21(火) 23:21:07.84 ID:a1jXs52s0
真姫「爆熱炎舞!!」


宙から扇を振りまくり、そこから強力な炎が弾け出る!
ネオギアントスパイダーは背中から水魔法弾を複数発射して炎を防いでいく!


真姫「今よ花陽!」


花陽「ヘヴンストライク!!」


上空から降り注ぐ風魔法の刃はネオギアントスパイダーに直撃!
真姫が花陽のもとに駆け寄ると、土煙の中から水魔法弾が飛んできて2人を襲う。
中からは傷が少しついただけのネオギアントスパイダーが飛び出してきた。


真姫「花陽のヘヴンストライクよ!?並の魔物じゃなくても一撃で…」


花陽「どうやらあの体…とっても固いみたい…」


真姫「固い蜘蛛……!!」


真姫「見覚えがあるわ。もしかしたら打開策が見つかったかも」


花陽「よし、頑張ろう!」




場面は変わって凛。


凛「くらうにゃ!」


凛が放つ拳を受け止めるのは、4mの巨体を持つ『ハートオーク』。
ハートオークは腕でパンチを防ぎ、逆にハートオークもパンチを放つ!


凛「今度は凛が防ぐにゃ!」


大きな拳のパンチは威力絶大で、凛は防いでも受け止めきれずに地面にたたきつけられる。
ハートオークは追い打ちとして、逆の手でパンチを放つ!
凛は後転をしながらバク転をして回避。


凛「なんてパワー…」


もう一度パンチを放とうとするハートオークに対してその場で何度もこぶしを突き出す凛。


凛「Ring a spark!!」


突き出した拳から雷魔力の電撃が放たれてハートオークに直撃!
ハートオークはパンチを放てず、その場でひるむ。
その隙を見て飛びついた凛は右手に雷を纏わせ、ハートオークの胸に向かって拳を突き出す。


凛「Ring a signal!!」


雷が炸裂して強力な衝撃波となりハートオークを吹き飛ばす!
起き上がったハートオークは腕に炎を纏わせて凛をにらむ。


凛「さぁ、来いだにゃ!」

357 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/08/21(火) 23:21:34.76 ID:a1jXs52s0
今日はここまで
358 : ◆G2i9TD/uc6FP :2018/10/23(火) 09:47:12.80 ID:skISRGvAO
本日更新です!!
色々ありましたがまたここで投稿していきます
359 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/10/23(火) 20:45:50.55 ID:mF9KGuSn0
場面は変わってことえり


絵里「ことり!回復よろしくね!」


ことり「まかせて!」


体が太いドラゴン『マギカドラゴン』の杖のような翼に魔力が集中して、火炎弾が複数発はじけ飛ぶ。
絵里は地面に盾を突き立てる


絵里「ドームシールド!」


ドーム状に張られた魔力の盾が火炎弾から絵里を守る。
しかしマギカドラゴンは絶えず絵里に向けて炎を放つ。
しかし絵里のシールドにはどんどんヒビが入っていく。


絵里(威力が強すぎて、もうドームシールドが破れる…)


ことり「絵里ちゃん!私も防御魔法を張るから飛び出て!」


ことり「せーーーのっ!!」


その合図でことりのロッドから白い魔力が飛び出す。
声に合わせて絵里もドームシールドを解除。
絵里は盾を地面から引き抜いて剣を構えると、絵里の前に白い防御魔法が張られて火炎弾をはじく。


ことり「走って絵里ちゃん!」


指示に従ってドラゴンに向かって走り出す絵里。
絵里に直撃しそうな火炎弾はことりの防御魔法ではじかれる。


絵里(ことり、防御魔法の技術がかなり上達してるわね!)


絵里「フローズンブースト!」


氷によって加速した絵里の切っ先から氷が弾けて、そのままマギカドラゴンへ。
マギカドラゴンは攻撃を受ける前に翼の先を絵里に向けて、風魔力をそこから噴出させる。


絵里「風!?」


強い烈風の斬撃を体に受けながらも、氷の加速に乗ってドラゴンを切り裂く。
そのままドラゴンから距離をとった絵里の体にはところどころ傷がついている。


ことり「エンジェリックヒール!」


上位治癒魔法が絵里を包んで、傷をみるみるうちにふさいでいく。


絵里「ありがとう!さぁ、いくわよ」





場面は戻ってほのうみ。


穂乃果「オレンジスプラッシュ!」


リリバス「メガサンダー」


光を纏った斬撃を命中させることができず、上位雷魔法をなんとか避ける。


穂乃果「くっ…」
360 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/10/23(火) 20:53:07.59 ID:mF9KGuSn0
リリバス「くらいなさい。メガダーク」


腕をひょいと振り上げると、地面から闇魔力が噴出して穂乃果と海未を包んだ。


穂乃果「ふき…とべっ!!」


闇の中から光が飛び出してメガダークを吹き飛ばす。
穂乃果が力任せで闇を吹き飛ばしたのだ。


海未「ラブアローストライク!!」


空を裂く青色の一撃がリリバスを襲う。


リリバス「リフレクト!!」


防御魔法を張るも、矢が障壁を打ち破ってリリバスの頬をかすめる。


リリバス「いっつ…」


穂乃果「まず一撃!」


海未「闇魔力を力づくで吹き飛ばすとは、流石穂乃果です」


穂乃果「ダメージもあったけど、こうやって無理やりにでも攻撃していかないと…」


海未(ラブアローストライクの反動で手が痺れている…。でもこの一撃でも虚を突かないと防御を破れないとは…)


リリバス「私の顔に傷をつけるとはね」


穂乃果「その小さい傷じゃすまないよ!」


コマート「あぶないっ!!!」


リリバスのフェロモンの影響で身動きが取れなかったコマートは、なんとか大声で2人に警告する。


穂乃果「えっ?」


とっさに背後に殺気を感じた穂乃果は後ろを振り向く。
するとそこには槍を持って穂乃果を突き刺そうとしているブラッシュがいた。

咄嗟に剣を振って槍をはじこうとするが、完全にはじくことはできない。
振り向いた穂乃果の左腹部に槍が突き刺さる。


穂乃果「うっ!?」


槍は貫通する。


穂乃果「ブラッシュさん、どうして…」


血を吐き出しながら槍を掴む。


海未「穂乃果!!!」


海未が矢を放とうとするも、リリバスのメガサンダーを受けてしまう。
361 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/10/23(火) 20:54:15.37 ID:mF9KGuSn0
ブラッシュ「ふんっ!」


ブラッシュが槍を振るうと、そのまま穂乃果は槍から抜けて投げ飛ばされる。


穂乃果「うあっ…」


海未は穂乃果に駆け寄ってハイポーションを渡す。
ビンを開けて穂乃果は飲んでいく。


ブラッシュ「リリバス様、おまたせしました」


リリバス「お疲れフェニグ」


穂乃果「フェ、ニグ…?」


ブラッシュ「私の本当の名前は『フェニグ』」


フェニグ「リーズン一族の族長であるブラッシュに化けていました。私はリリバス様の忠実なしもべ」


海未「化けて…いた…?」


リリバス「そうよ♪結構前になるかしら、この一族をたまたま見つけることができたときに戦いが起きたの」


リリバス「その時にブラッシュの代わりにフェニグをここに置いたの。内通者としてね♪」


コマート「じゃ、じゃあ父さんは…どうなってるんだっ!!」


リリバス「あら、しゃべれるぼーや。私のフェロモンを受けても喋れるなんてね」


リリバス「あなたがしゃべらなかったら彼女を一撃で仕留めれたかもしれないのに」


フェニグ「彼はあの戦いで死んだのです」


フェニグ「私の能力は…」


フェニグが指ぱっちんをすると、ブラッシュの見た目は変化して男性の老執事のような格好に変わる。


フェニグ「死体を自らに取り込んで姿をその者に変える能力です」


海未「いままで里のみなさんが会っていたブラッシュさんが偽物だったなんて…」


穂乃果「許せない…」


コマートは涙を静かに流しながら海未を向く。


コマート「海未さん…。お願いします。父の仇を…」


海未「ええ、任せてください。コマートさんは動かないで」


海未「私が戦っていますから穂乃果はことりのもとへ行って回復を…」


穂乃果「ううん、大丈夫。ハイポーションを飲んだらだいぶ楽になった」


穂乃果「それに2対1で食い止めれる相手じゃない」
362 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/10/23(火) 20:54:55.68 ID:mF9KGuSn0
地面に置いていた剣をもう一度手に取って構える。


海未「わかりました。絶対に負けないでくださいね」


穂乃果「海未ちゃんこそ!」


そう言った穂乃果はフェニグに向かって飛びつく。
海未は矢を引いて魔力を込め、リリバスに向けて矢を放って戦いを再開した!




ほのうみの周りで戦っているそれぞれのメンバーは魔物に苦戦しながらも順調にダメージを与えていた。


にこ「ジェットラビット!!」


ブレードドラゴンの翼の間をすり抜けてドラゴンの腹部を蹴る!


希「さすがの威力やなにこっち!」


よろめいたドラゴンの足に向けて、サモンコネクトしたヒュベリガルの雷を直撃させる。


希「ヒュベリサンダー!」


確かにダメージを受けたドラゴンは甲高い声を上げる。


にこ「何かしら?」


絵里「二人とも気を付けて!!」


にこ「絵里!?」


遠くから絵里の声が聞こえると、にこのぞの後ろに大きな振動が。
振り向くとそこにはことえりが戦っているはずだったマギカドラゴンがいた。
ブレードドラゴンは逆にことえりのほうへ向かっていく。


希「交代かぁ…」


にこ「絵里に近接特化のドラゴンをぶつけるってことね」


マギカドラゴンが翼から雷を出現させてのぞにこを襲う!


にこ「確かに私達にはこっちのドラゴンのほうがあってるかもね…」


避けながらにこは言うが、雷の猛攻を避けきれずに直撃してしまう。


にこ「きゃっ!!」


希「にこっち!!」


希(遠距離攻撃がすごすぎてうかつに近づけん…)
363 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/10/23(火) 20:55:33.33 ID:mF9KGuSn0
場面が変わって…


海未「ラブアローシュート!!」


青い魔力を纏った矢が放たれるが、リリバスは魔力を纏った矢をピンポイントで狙って上位氷魔法を放つ。
それにより矢自体が壊れて攻撃が無力化される。


海未(攻撃も防御魔法で止められますし、今のように攻撃そのものも止められるようになった…)


海未「どうすれば…」


リリバス「メガフリーズ」


海未の刃が出現する!
なんとか避けるが、その際に海未の持つ『蒼天の弓』が壊れてしまう!


海未「なっ!?」


リリバス「弓壊れちゃったわねぇ?♪」


海未の正面に詰め寄っていたリリバスは近距離で上位炎魔法を放つ!
体をそらして直撃を避けることに成功し攻撃が右脇腹をかすめる。
矢筒に納めていた刀を抜いてリリバスに向け魔力を纏わせた斬撃を振るう。


海未「海鳴斬!」


しかしその攻撃もリリバスの防御魔法で止められてしまう。


リリバス「刀なんて持っているのね」


リリバスが指先をひょいと振り上げる。
するとまた氷の刃が出現して刀に直撃。
刀も真っ二つに折れてしまう。


リリバス「メガダーク」


海未の胸元に上位闇魔法を放ち、海未は吹き飛ばされる。


海未「がはっ…」


リリバス「武器、なくなっちゃったわね?」


海未は自分に向けて放たれる攻撃を回避し続ける。


穂乃果(海未ちゃん、かなりピンチだ!)


フェニグ「行かせません!」


フェニグは薙ぎ払うように槍を振るい、穂乃果を海未のもとへ行かせない。
穂乃果は腹部の傷がまだ痛むため無理やり突破することができない。


穂乃果「くっ…海未ちゃん!」


海未にはどんどん攻撃が当たっていく。


海未(どうすれば…)
364 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/10/23(火) 21:05:47.39 ID:mF9KGuSn0
今日はここまでです

本当に久しぶりの投稿になりました。
色々転々としていましたが、こちらが復活したということでここで最新を更新していきます!

時間が空きすぎてかなり話を考える時間ができましたww


Pixivにて加筆修正されたバージョンを投稿しています!
こちらはかなり遅めの更新になりますが、物語をまた最初から描いていますのでよろしくお願いします!
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10110706


twitterアカウントもよろしく!
https://twitter.com/douhono0803?lang=ja
365 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/11/15(木) 22:50:04.48 ID:Pi+Rg/at0
リリバス「無様にやられているあなたたちを見て以前殺した男のことを思い出したわぁ」


リリバス「確か、あれはウェイスト大陸にある森の中だったわね…。一人の男が私を見ていきなり攻撃してきたから殺したのよねえ」


リリバス「そういえば、あの男どこかで見た顔だったような…」


ゆっくりと力を込めて立ち上がる。


海未「それは…私の父です…!!」


リリバス「あぁ確かに、リーズン一族の中にいたわねあの男」


リリバス「あらぁ、それは悪いことをしたわ。ごめんなさいね♪」


海未「っ!!」


海未は感情が爆発し、武器も持たずに走っていく。


穂乃果「海未ちゃんだめっ!!」


フェニグ「他人を気にする余裕はありますか!?」


槍を薙ぎ払い穂乃果を転倒させる。
海未は無言で突っ込んでいくが、その顔は明らかに怒り狂っていた。


リリバス「メガダーク♪」


そしてリリバスの上位闇魔法に包まれる。


穂乃果「あの威力をまた正面で受けちゃったら…」


しかし海未は攻撃を受けていなかった。
咄嗟に飛び込んできたコマートによって助け出され、射線から外れたのだ。


コマート「大丈夫ですか?武器もないのにダメですよ突っ込んじゃ」


海未「コマートさん…?動けないんじゃ…」


コマート「頑張れば動けました。さぁ、海未さんは下がってください。僕が時間を稼ぎます!!」


コマートはそう言ってリリバスに向かって走っていく。


リリバス「どうして動けるの…!?」


コマート「でりゃあああ!!!」


コマートは槍を使ってリリバスを攻撃していく。


海未(どうして…?コマートさんは父を亡くしていたとさっき知ったはず。なのになぜ麻痺を破りもう一度戦えるのですか…?)
366 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/11/15(木) 22:51:08.07 ID:Pi+Rg/at0
戦うコマートを見て海未は少しずつ冷静になっていく。


海未(まずは、武器を手に入れなければなりません。リーズンの里には弓があるはず。それを探さなければ…9


思い立って動き出した海未だが、正面へ大きな箱がドシンと投げ込まれた。
力持ちの女性たちが近くまで忍びより投げたようだ。その近くには最長寿もいた。


最長寿「開けるのじゃ!」


そう言われて箱を開ける。
すると、濃い蒼で塗装された木材と神秘的な金属が使われた”モノ”と、美しい鞘に納められた一本の短刀が入っていた。


海未「これは…?」


最長寿「それは「水界の槍弓(すいかいのそうきゅう)」と「水明刀(すいめいとう)」。今までのどの族長も扱うことができなかった代物じゃ!」


最長寿「それを、君に託す!!リーズン一族の勇敢な戦士『園田海未』に!」


海未「私に……!!」


刀を手に取って抜く刀身はとても美しい。
コマートを気にするとコマートもぎりぎりが近づいているようだ。
水明刀を腰に携え、今度は箱から水界の槍弓と呼ばれていた”モノ”を取り出す。
だが明らかに弓ではない。まるで弓が折りたたまれているかのようだ。しかし開こうとしても固くて開かない。


海未「これは本当に弓ですか…?」


最長寿「魔力を込めるのじゃ!」


そう言われた海未が魔力を込めると水界の槍弓に青い光のラインが走り、折りたたまれていた弓が開いて完全に弓の形になる。
折りたたまれていただけあり、かなり大きい弓だが不思議と重くない。解放された水界の槍弓は青い光を少しはなっており神々しい。


海未「矢がない…?」
367 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2018/12/14(金) 00:25:39.83 ID:evYy66da0
御免なさい更新が止まってしまっています!
多忙に次ぐ多忙でして…
368 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/01/31(木) 14:37:08.98 ID:KCbsU7VzO
お待たせいたしました
かなり書き溜めはできあがってます!

近日中に大量投下予定です!!
369 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:23:22.42 ID:544mzdxl0
お待たせしました!!!





リリバス「どきなさい!」


コマートは激しい闇魔法に襲われ、ついに倒れこんでしまう。


コマート「ぐあっ…」


海未(弦と矢がどこにも見当たらない…?)


リリバス「くらいなさい!」


強力な闇を手に集め、コマートに向けて放とうとしていた。
それを見た最長寿は去り際に「その弓に矢は必要ないのじゃ!」と伝える。


海未「まさか…」


もう一度水界の槍弓に魔力を込めると青魔力の弦が出現する。
その弦に手を添えて矢を引く動作をすると美しい青色魔力の矢が出現する!!


リリバス「メガダーク!」


放たれた上位闇魔法にコマートが飲み込まれそうになったその瞬間、青い一筋の光がコマートの前を駆け抜けた!
同時に闇魔法は吹き飛ばされコマートは無事だ。


コマート「えっ・・・!?」


リリバス「吹き飛ばされた!?」


海未は冷静に次の一撃をリリバスに向けて放つ。
美しい青魔力がはじけるとともに、すさまじい速度で矢が飛んでいく。


リリバス「でも、無駄よ!」


防御魔法を自分の前に展開するリリバス。


海未「無駄はどちらでしょうか?」


矢は防御魔法を完全に貫通しリリバスのわき腹に突き刺さる。
その衝撃でリリバスは倒れこんでしまう。

その隙に海未はコマートのもとへ駆けていき、ポーションを手渡す。


海未「あなたの諦めない心のおかげで、私はこうしてあなたを守ることができました。ありがとうございます」


海未「もう大丈夫です。ゆっくり休んでください」


コマート「宜しくお願いします、海未さん」


リリバス「何よ・・・なんなのよいまの・・・」


海未「リーズン一族の底力です」


そう言い放つと同時に魔力の矢を放つ!!
リリバスは強力な防御魔法を展開し、今度は矢が貫通せずに済む。


海未(魔力をもっと・・・込める!)
370 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:29:20.38 ID:544mzdxl0
次に放った一撃はそれまでの攻撃とは桁違いの威力だった。
リリバスの盾も砕かれるが、今度はリリバスは海未に向かって接近する!


リリバス「接近してしまえばこっちのものよ!」


上位魔法を放ちながら接近していくことで、海未の攻撃をかわしつつ効果的に近寄る!
リリバスが近距離に接近してくることにあわせ、海未は矢を放つのをやめて弓に魔力を込める。

すると弓が変形し、大きな槍になった!


リリバス「な!?」


海未「はっ!」


海未自ら距離をつめ、槍を大きく振るう!
リリバスはとっさに防御魔法でこらえるが、海未はすばやく槍を引いて突きを放つ!
ガキン!という音が響いて、切っ先は防御魔法で止められてしまう。


リリバス「メガ――?!」


反撃しようとしたリリバスだが、槍の切っ先に魔力が込められていることに気付かなかった!
槍の先端から青魔力が炸裂し、防御魔法は砕かれる!

槍なので瞬時の追撃はないと予想し一歩引くリリバスだったが、海未からすれば予想通り。
左手で槍を引きながら前進し体をリリバスに寄せる!と同時にリリバスの腹部は切り裂かれた!


リリバス「刀!?」


海未は背に携えていた水明刀をすばやく振りぬいたのだ。
驚くリリバスに対し、海未は冷静に刀をしまい同時に槍で突く!
切っ先がリリバスの胸部に直撃する手前で、魔力の壁によって防がれる。

リリバスの焦りを感じ取った海未はそのまま切っ先を滑らせて横へ振りぬくと、魔力を込めて弓へ変形させる。
フリーだった右手は変形が終わる前には矢を引く位置に添えられており、変形が終わると同時に引かれた矢が出現する。


海未「ラブアローシュート!」


ほとんどゼロ距離で放たれる強力な一撃は魔力の壁を簡単に砕き、リリバスの胸部に直撃!
そのままリリバスは大きく吹き飛ばされる。

倒れこむリリバスの胸には深い傷がついている。


海未(貫通しなかった・・・。さすが魔王軍幹部といったところでしょうか)


すぐに追撃を試みる海未だが、海未が矢を引くと同時にリリバスが目を見開く。


リリバス「あんたは終わりよ、園田海未!!」


激しい闇の渦が出現し、リリバスはその渦の中心で包まれる。
海未も少し驚くが、冷静にラブアローシュートを放つ!
青い閃光は空を裂きながら渦の中心へ!

攻撃が当たると同時に闇が払われる。
そこには無傷のリリバスがいた。

つばさが大きくなり、尻尾も長くなっている。ツノも生え、先ほどのグラマラスな女性な見た目と比べるとかなり魔物っぽい。


リリバス「この姿は、好きじゃないわね・・・」


海未「無傷・・・!?」


リリバス「ええ、そうよ。もう一度撃ってきなさい」
371 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:30:45.24 ID:544mzdxl0
海未「のぞむところです!!」


しっかりと矢を引き、ラブアローシュートよりも強く魔力を込める。


海未「ラブアローストライク!!」


弓から放たれたドリルのような矢はすさまじい速さで空をうなりリリバスへ!
しかしその矢はリリバスの体に直撃すると同時に粉のように消えていく。


海未「なぜ!?」


リリバス「これはサキュバスの真の姿。そして真の姿を解放した私には、魔力は通用しない」


リリバス「私には一度受けたりさわったりした魔力の質を完全に覚える力がる。忘れることはないし、覚えた魔力はすぐに感じ取ることができるわ」


リリバス「そして真の姿を解放すると『一度覚えた質の魔力に触れれば完全に無効化する能力』を得るのよ」


海未「完全に無効・・・!?」


リリバス「そうよ。一度覚えてしまえば、この星を破壊するような魔法ですらも体に触れさえすれば無効にすることできる」


しっぽをくるくるといじりながらにやりと笑う。


リリバス「だから、あんたは終わりって言ったのよ。園田海未」


リリバス「ファイナルダーク!」


海未の周りに出現した無数の闇が、一気に海未を襲う!!





ブレードドラゴンと戦っている絵里とことりは異変に気付く。


絵里「海未が戦っている敵が強くなったと思ったら、こっちのドラゴンも急に強くなってるわね・・・」


ことり「他のみんなが戦っている魔物も同様に闇が増してるみたい。呼応して強くなっているのかも」


絵里「苦戦してる場合じゃないわね・・・。早く倒さないとみんながまずい!」


リリバスの解放に伴ってペットたちはより強くなる。
それは穂乃果と戦っているフェニグも同様だった。


フェニグ「力がみなぎる・・・。どうですか高坂穂乃果?もう諦めては?」


腹部に刺し傷のある穂乃果はよろめきながら答える。


穂乃果「まだ負けていないし、負けるとも思ってない!!」


フェニグ「そうですか・・・。では、手加減はなし。」


闇魔力を込めた槍の薙ぎ払いを受けきれず穂乃果は吹き飛ばされる。
穂乃果が横目に見ていた海未は、いくら攻撃しても通用しない現状だ。


海未「矢での攻撃も効かず、接近も厳しい・・・」


海未「私たちが負ければ故郷が・・・」
372 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:31:48.42 ID:544mzdxl0
海未「そんなこと、させるわけにはいかないんです・・・」


海未「絶対に!!」


逆境を乗り越えた彼女はもう諦めることは無い。海未の中から、何かが込み上げてくる。
血の鼓動が激しくなり、目に青い魔力が灯る!


リリバス「雰囲気が・・・?」


その海未の変化は、その場の空気をも変えるほど強烈なものだった。
その場にいる全員が海未の何かが変わったことに気付く。

ゆらりと魔力の矢を引く海未。


リリバス「魔力の矢は無駄だと言ってるでしょ?」


矢は海未の弓から放たれる。
矢が接近してくる最中、リリバスは急に何かを感じ取る。


リリバス(何かが変・・・。あの矢はまずい!)


避けようとするも加速していく矢を避けることはできなかった。
矢はそのままリリバスの腹部に突き刺さる!


リリバス「ぐうっ!?」


リリバス「どうして!?」


刺さっている矢の魔力を調べると、驚愕する。


リリバス「魔力の質が、常に変化しているですって・・・?」


海未の放った魔力の質は常に一定ではなく絶え間なく変化している。周期性も無くランダムに絶え間なく。
リリバスは魔力を無効にする時、どの魔力なのか感じ取り自分が覚えているもののなかから対応するものを思い出すような形で無効にしている。

この絶え間ない変化には無効が追いつかないのだ。


海未「これでまた、攻撃できますね」


リリバス「一体あんたに何がおきたっていうの!?」


海未「・・・私にもよく分かっていません」


海未「なんというか、私の中のリーズン一族の血が・・・目覚めたような感覚で・・・」




373 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:35:17.66 ID:544mzdxl0
最長寿のもとまで退却したコマートは、海未の現象を最長寿に確認する。


コマート「あれって・・・?」


最長寿「・・・あれは、”覚醒”じゃ。」


コマート「覚醒?」


最長寿「我らの一族には”血の覚醒”をできる者がいるという昔話があっての。わしはお前の父ブラッシュの強さを見た時、彼は血を覚醒させた戦士なのだと思った」


最長寿「じゃが、それは間違いだったようじゃ」


コマート「・・・」


最長寿「彼女こそが・・・・・・」





絵里「海未、また強く・・・」


ことり「すごいや海未ちゃん!」


にこ「あんな姿見せられたら、刺激受けないわけがないわね」


希「うん、これ以上苦戦してたら海未ちゃんから怒られそうやもん」


凜「すごいびりびり感じるにゃぁ・・・かっこいい・・・」


真姫「やるき満々ね」


花陽「よし!頑張る!」


メンバーもどんどん触発されていく。


フェニグ「なんですかこの息苦しい感覚は・・・」
374 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:35:53.78 ID:544mzdxl0
穂乃果「てやあっ!」


ジャンプ攻撃を放つ穂乃果をとっさに避けるフェニグだが、穂乃果はそこにすぐさま斬り上げを放ちフェニグに直撃!


フェニグ「さっきとはまるで・・・」


穂乃果「味方に元気をもらって強くなるのは、あなたたちだけじゃない!」


穂乃果「海未ちゃん!私たちは大丈夫だから!!」


声かけを背中で受け止めた海未は少し微笑んでリリバスへ向きなおす。


海未「ここからです!!」


目に灯る青い魔力がよりいっそう燃え盛る!
すると左腕と右手に青い魔力が集まる!


海未「『射術のreason』!」


弓を引き矢を放つと、矢は4本に増えている!
さらにこれまでとは比べ物にならない威力と速度でリリバスへと飛んでいく!

リリバスは2本は避けるが残り2本は避けきれずふとももにつきささり脇腹をえぐる。

【射術のreason】(遠距離特化型)・・・左腕と右手に青い魔力が集まる覚醒状態。この状態だと弓矢の能力値が
                 飛躍的に上昇する。射撃距離は3倍まで伸び、一撃の威力と速度も上がる。
                 さらに同時に4本の矢を放つことができる。


リリバス「くっ!!これなら!」


手のひらから虫ほど小さい闇を出現させると、その闇は宙をすばやく舞いながら海未へ飛んでいく!
海未が4本の矢を放つが的が小さすぎて当たらない。
小さい闇が海未へ飛んでいくがギリギリで回避。足元へ直撃した闇は、地面を大きくえぐった。


海未「!!」


リリバス「もう一撃よ!」


また手のひらから小さい闇を放つ!
すると海未の手の魔力が消える。


海未「『捕捉のreason』!」


今度は目の青い輝きが増す。
ゆっくりと矢を引き、狙いを定めて放つと見事小さい闇を打ち抜いてみせた!


リリバス「あれを打ち抜くの!?」


しかしリリバスは海未の背後から闇魔法を発動し不意打ち!
それに対しても海未はとっさに回避し、リリバスに向けてもう一度矢を放つ!
矢はさきほどふとももに当たった箇所と同じ場所に直撃し、大きなダメージを与える!

【捕捉のreason】(視力特化型)・・・両目の青い輝きが増す覚醒状態。この状態だと視力と動体視力が増し、より精密な射撃を行える。
                 さらに、反射神経も上昇する。


375 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:38:32.10 ID:544mzdxl0
リリバス「こうなったら!!」


両手にムチを取り出し、海未へ接近!
矢を放つもムチに叩き落とされる。

すると今度は目の青い輝きが弱まる。


海未「『討突のreason』!」


両手のひらに青い魔力が集まると、海未は弓を槍に変形させる。
リリバスのムチ攻撃も槍のすさまじい攻撃ではじいていく。
すぐに間合いを詰めた海未は魔力を込めた槍の一撃を放つ!ムチをはじき、がら空きの体へ水明刀の抜刀斬りを放つ!


海未「海鳴斬!!」


リリバスは攻撃をまともに受けて、足元に闇魔力を放ち距離をとる。

【討突のreason】(近距離特化型)・・・両手に青い魔力が集まる覚醒状態。刀と槍のよる攻撃の威力とスピードが上昇する。




穂乃果「せやぁっ!」


フェニグは穂乃果にどんどん押されていく。
しかし穂乃果の隙をついて、腹の刺し傷へパンチを入れる!


穂乃果「うっ!?」


たまらず距離をとるが激しい痛みにうずくまってしまう。


フェニグ「とどめですよ!!」


槍を持ち突っ込むフェニグ。しかし穂乃果は起き上がり、フェニグに攻撃しようとする!
だがフェニグはそれを読んでいた。フェニグは攻撃を中断し、はじく構えに移行していたのだ。


穂乃果「上等だよ!」


剣にオレンジの強い光をまとわせ、両手で持って縦斬り!
凄まじい威力だがフェニグは槍ではじく!
フェニグがカウンターを決めようとするが、穂乃果は右手で剣をすばやく振り上げる。


穂乃果「もう一撃あるよ!!!」


フェニグ「それも読めていますよ!!」


そう、フェニグのカウンターの構えも囮で穂乃果の2撃目を誘っていた!
右手のよる斬り上げ攻撃もフェニグは防いでしまう!

完全に剣を振り上げてしまった穂乃果に向けて、フェニグは渾身の突きを放つ!!

だが、ここまでが穂乃果の想定内だった。


穂乃果「シャイニーブレイド!」


左手で光魔力の剣を作り出し、突きをなんとかはじいた!


フェニグ「な!?」


穂乃果「そして・・・」
376 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:39:09.29 ID:544mzdxl0
右手に持っている剣はずっと輝き続けていた!


穂乃果「3撃目!!」


フェニグ「避けれないっ・・・」


強い光をまとった最後の一撃を叩き込む!


穂乃果「オレンジ・エクスプロード!!」


オレンジの魔力は炸裂し、フェニグは消滅した。


穂乃果「勝ったぁ・・・」


倒れこみそうな穂乃果を絵里が支える。


穂乃果「絵里ちゃん・・・」


絵里「またボロボロね穂乃果。お疲れ様」


ことり「エンジェリックヒール!」


穂乃果「ありがとう・・・。二人は勝ったんだね?」


絵里「ええ、海未以外はみんな勝ってるわよ」


穂乃果は支えてもらわなくても立てるよと合図して立つ。


絵里「そして、きっと海未ももうすぐ・・・」





ファイナルダークが放たれるが、ラブアローシュートで弾き飛ばす。


リリバス「くそっ!!」


リリバス「こうなったら・・・この里全てを消し飛ばす!」


右手を振り上げて全身から闇魔力を出し大きな闇魔力弾を生成する。


海未「ラブアローストライク!!」


射術のreasonの状態で放つが、闇魔力弾を消し飛ばすことはできなかった。


リリバス「無駄よ!私の全魔力を込めてるんだから!!そして、私に撃とうとしても無駄!全身から出ている闇魔力がその攻撃を防ぐわ!」


海未「・・・では、お見せしましょう」


リリバス「なんですって・・・?」


海未は水明刀を抜刀し、矢のように水界の槍弓にセットする。


リリバス「消し飛ばすっていってんのよ!今更何をしても・・・」
377 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:40:05.80 ID:544mzdxl0
海未は水明刀を矢のように引く。
すると刀に青い魔力がどんどん集まっていく。


リリバス「無駄なのよぉぉ!!!」


右手で掲げていた巨大闇魔力弾を地面に向けて振り下ろす!
里を吹き飛ばすつもりなので、海未に放つ必要は無い。

だがそんな中でも海未は精神を統一し、この一撃に全てを込める。


海未「『勇気のreason』」


矢を放つように刀を放すと、刀自体は飛ばずに刀に込められていた海未の全魔力が一本の矢となって放たれる。
とてつもない勢いの矢は闇魔力弾を貫通し、そのままリリバスの胸を大きく貫いた。
闇魔力弾はあまりの威力に消し飛び、リリバスは吹き飛ぶことなくその場に崩れ落ちた。

【勇気のreason】(一撃特化型)・・・覚醒状態での必殺技。この技を使うと覚醒状態は解除される。
                水界の槍弓と水明刀を組み合わせて放つ絶対的な一撃。
                刀を矢のように引いて放つが刀自体は飛ばず、変わりに刀に込められていた覚醒状態の全魔力が一本の矢となって放たれる。
                凄まじい威力と高い貫通能力が特徴。


倒れたリリバスに海未は近寄る。


リリバス「はぁ・・・はぁ・・・。なんて威力よ・・・。μ'sではあんたが一番強いの?」


海未「・・・いえ、きっと違います」


リリバス「ふっ・・・。人間の癖に化け物ね。でも、安心しなさい?」


海未「どういうことですか?」


リリバス「あんたらじゃあ、レディアフト様には絶対勝てないからよ!あの方の強さは絶対的。何者とも比べられないわ」


リリバス「せいぜい、無様に殺される日を楽しみにしてなさい!!」


海未「ご忠告ありがとうございます」


海未「ですが、レディアフトは私たちが必ず倒します」


海未「”μ's”は、負けません」


リリバスはにやりと笑って消滅していった。
海未のもとへ他のμ'sメンバーが駆け寄ってくる。
リリバスの消滅に合わせて男性メンバーも動けるようになったようで、一族のみんなでμ'sの勝利を称えた!


#42【reason】end...
378 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:40:58.84 ID:544mzdxl0
次回のラブライブ!


#43【私たちは未来の花】
379 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:44:13.49 ID:544mzdxl0
#43【私たちは未来の花】


リーズン一族を追いかけていた魔王軍幹部はμ'sとリーズン一族によって倒された。
死人も0で、完璧な勝利だった。
だが、今回の戦いで明らかになったことは多い。
海未の両親を殺めた敵の正体、族長の死、海未の覚醒・・・。

それぞれが勝利を喜びつつ様々な思いを抱き、夜を迎えた!


ことり「穂乃果ちゃん、傷は大丈夫?」


穂乃果「まだ傷が少し痛いけど、大丈夫だよ」


ことり「穂乃果ちゃんの傷が誰よりも深かったもんね・・・。一晩眠ればよくなると思うよ」


空き家を借りて夜まで休息をとっていたμ's。


凜「最後の最後にオークがすごい力を出してきてびっくりしたんだにゃ」


花陽「でも倒せたんだし、凜ちゃんすごいね」


凜「力で戦ったら勝てないと思ったから、攻撃を避けてカウンターを決めたのんだにゃー!」


にこ「こっちの魔法を使うドラゴンも一苦労だったわね・・・」


絵里「私たちの剣を使うドラゴンも結構やり手だったわぁ」


真姫「私なんて虫よ・・・」


穂乃果「でもやっぱり一番は・・・」


そういうと8人は海未のほうを向く。


海未「な、なんですか??」


穂乃果「海未ちゃんだよー!!」


とびつく穂乃果を海未は受け止める。


絵里「すごいわ海未。1人で魔王軍幹部を倒しちゃうなんて」


海未「偶然相性のいい相手だっただけです・・・。魔力を無効化する彼女の戦意を削ぐことができたのが勝因ですかね」


凜「海未ちゃんすごい雰囲気だったよ〜?結局あれはなんだったの??」
380 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:44:42.51 ID:544mzdxl0
花陽「凜ちゃん、夕方の最長寿さんの話キイテナカッタノォ!?」


凜「あの時眠くて・・・」


海未「あれはどうやらリーズン一族の血が覚醒したようです。だから、リーズン一族が長けている弓術や近接戦闘についての力が増したのでしょう」


にこ「覚醒ってかっこいいわよね・・・。私も覚醒したいわ!」


希「うちのわしわしMAXで覚醒する〜??」


にこ「ぬわぁんでよ!!」


真姫「あっちは置いといて、覚醒は自分の意志でできるの?」


海未「どうでしょう・・・。もしかしたら偶然できたのかもしれませんね」


海未「ですができたとしても、あの状態は体力と魔力を大量に消費するので奥の手になりそうですね」


真姫「やっぱり代償は大きいのね」


ことり「海未ちゃんだけは、傷を治しても疲れとか全然戻らなかったもんね」


穂乃果「でも、かっこよかった!」


海未「ふふっ、ありがとうございます。穂乃果」


そういって穂乃果の頭をぽんぽんしていると、コンコンとノックの音が。


絵里「どうぞ」


ドアが開かれると、一族の女性が一礼して入ってくる。


女性「みなさん、お食事を用意してあります。食事の前に最長寿からお話がございますのでお集まりください」


つれられて広場まで集まる。
広場には一族全員が集まっていた。
μ'sを前に並ばせ、最長寿とコマートがその前に立つ。


最長寿「まずは礼を言わせてほしい。ありがとうございました」


最長寿「あなた方がいなければ私たちは滅んでいたじゃろう」


穂乃果「いえいえそんな・・・」


最長寿「あなた方がお休みになられている間、一族として決めたことがあるのじゃ。それをお伝えするためにお呼びした」


穂乃果「決めたこと?」


最長寿「そうじゃ。ではここからは次期族長に交代しようかの」


海未「次期族長がもう決まったのですね」


最長寿「うむ。敵の麻痺と父の死を乗り越え勝利に貢献した『コマート』が次期族長である!」
381 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:45:17.13 ID:544mzdxl0
一族から拍手が起こり、μ'sも合わせて拍手を送る。


コマート「ふがいない自分ですが、父の意志を引き継ぎ精一杯みんなを引っ張っていきます」


最長寿「ちなみに満場一致での可決じゃった」


コマート「さ、最長寿さん!」


最長寿「ほほほ。わしは下がるから後は任せるぞい」


コマート「ゴ、ゴホン。では気を取り直して・・・。族長のコマートです。僕からもお礼を言わせてください。ありがとうございました!」


コマート「では、これからのリーズン一族について皆で決めたことをお話します」


コマート「リーズン一族は『導きのチュード』を守り続ける役割がありましたが、その役割も終えました」


コマート「ですから、これからの一族は世界を旅しようと思っています!今までのように隠れて生活するのではなく堂々と!」


ことり「一族で旅かぁ・・・。とっても楽しそう!」


コマート「そして、園田海未さん。あなたを一族として迎えることを正式に決定しました」


μ'sメンバーは驚きながら海未のほうを向く。海未も驚いた顔をしていた。


海未「ですが掟が・・・」


コマート「あなたの勇敢な姿の前に、もう掟は関係ありません。一族の全員があなたを迎えたいのです」


穂乃果「よかったね海未ちゃん!!」


海未「ええ、本当に有難いです・・・」


海未「ですが、今はお受けできません」


その言葉に、その場にいる全員が驚く。


コマート「今は、ですか?」


海未「はい。嫌というわけではありません。ですが、私はこれから彼女たちと共に使命を果たさなければならない。」


海未「なのでその使命を全うしてから、この一族に帰ってきたいんです」


海未「それでもいいでしょうか?」


彼女の強い言葉を聞いたμ'sは笑顔に変わる。
同じくコマートも喜びながら海未へ言葉を返した。


コマート「それでは、海未さんが使命を果たした時、この一族はあなたの帰る場所となりましょう」


そう伝えてコマートは青色クリスタルを海未へ手渡す。


コマート「それは特殊な転送クリスタルです。それを使えばリーズン一族族長が持つクリスタルへ飛ぶことができます」


海未「ありがたく受け取りますね」
382 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:46:44.59 ID:544mzdxl0
コマート「私たちの力が必要なときは、すぐに駆けつけますから!」


そう言ってコマートは下がり、もう一度最長寿が前へ出る。
その最長寿は箱を持っていた。


最長寿「海未。これをキミに。」


海未が不思議そうに受けとり箱を開く。
中には動き易そうな服とカバン、そして一通の手紙が入っていた。


海未「これは・・・?」


最長寿「それは、海未の母が亡くなって父が一族を去る直前に預かったものじゃ」


最長寿「一族を去るときに持っていかなかったのは、いつか海未が一族に戻れる時を祈ってあえてワシに渡したのじゃろう。まさか、渡せる日が来るとはの・・・」


海未「父と母からの贈り物・・・」


箱を地面において、服とカバンを取り出す。


最長寿「その服はおぬしの母が作り、そのカバンは父が作ったのもじゃ」


海未は涙ぐみながらその2つを抱きしめる。まわりのμ'sメンバーも涙ぐんでしまう。


最長寿「そしてその手紙は・・・おぬしの母が亡くなる戦いに行く直前に箱に入れていったようじゃ」


海未「これを母が・・・」


服とカバンを置いてゆっくりと手紙を取り出す。便箋にはいっているわけでもなく、紙を2つ折りたたんでいるだけだ。
紙を開くと、文章は少ししか書いていなかった。



私たちの未来の花へ
あなたが咲き誇る時、父と母はそばにいれないかもしれない。
でもあなたのそばには、私たちに代わる巡り合った仲間がいるでしょう。
咲き誇ったあなたと仲間たちを待つ新しい未来が、すばらしく幸せな未来でありますように。



夜を越し、里を旅立つμ's。
一族も旅立つ準備をする中で、全員を見送ってくれる。
水界の槍弓と水明刀を装備し母の服、父のカバン、そして母の手紙を持った海未は里に一礼をする。μ'sもあわせて一礼。
『導きのチュード』を手に入れたμ'sたちは、創世の剣を手にするために創世神のもとへ向かう!

#43【私たちは未来の花】end...
383 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:47:17.33 ID:544mzdxl0
次回のラブライブ!


#44【創世の剣】
384 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:48:08.32 ID:544mzdxl0
#44【創世の剣】


ジーズへ転送しサクラコのもとへたどり着くμ's。


サクラコ「導きのチュードも手に入れたようですね」


穂乃果「はい!お待たせしました!」


サクラコ「いいえ、あなたたちが最初に創世神界に来てからまだ1週間と少ししか経っていません。むしろこの短い期間でよく手に入れてくれました」


サクラコ「では、これからみなさんを台座へ転送します」


絵里「台座?」


サクラコ「はい。穂乃果さん、これを」


穂乃果はサクラコから透明なクリスタルを受け取る。
それと同時にμ'sたち9人は光に包まれ、浮遊してる感覚になる。

浮遊感がなくなると同時に光が晴れて周りが見えるように。
μ'sたち9人の前には大きな台座が。


にこ「大きいわねぇ・・・」


凜「ここどこなんだろう?」


普通に空も見えるし、奥のほうには山も見える。
丘の上かと思った凜が景色を見ようと歩いていくと・・・


凜「にゃぁぁぁぁぁぁっ!!」


真姫「どうしたの!?」


凜「こ、ここ・・・断崖絶壁だにゃ!!」


それを聞いた全員が凜の元へ駆け寄り地面から下を除くと森が広がっている。
確かに断崖絶壁で、普通はまず上れないだろう。高さは60m程度だ。


ことり「皆見て!」


ことりが遠くを指差している。皆がそっちを見ると、遠くに見慣れた城が見える。


希「あれは・・・オトノキザカ?」


ことり「うん、確かにオトノキザカ・・・」


絵里「ということは、ここはウェイスト大陸?」


サクラコ『そのとおりです』


穂乃果の持っていたクリスタルから創世神の声がする。


穂乃果「これ、そのためのクリスタルだったんだ・・・」


サクラコ『今皆さんがいる場所はオトノキザカ東の森の高台です』


海未「確かにそうですね、違う方向には城の廃墟がありますし・・・」
385 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:49:00.46 ID:544mzdxl0
花陽「ウォリザードと戦ったところだね」


凜「サクラコ様はなんで来ないんだにゃ?」


真姫「まだ力が戻ってないのだと思うわ」


サクラコ『はい。神の道具を二つ集めていただきましたが、私の力はまだまだ戻っていませんので創世神界から出れません』


サクラコ『みなさん、台座をご覧ください』


台座に注目すると、光り輝く神の道具2つが浮遊していた。


穂乃果「あれを台座にはめ込めばいいんですね?」


サクラコ『宜しくお願いします』


9人は台座に近づき、代表して穂乃果が2つの道具を台座の2つのくぼみに置く。
すると、つながりの羽が輝きを灯し、導きのチュードがその輝きを吸い込んで最後には光の塊へと変化する。
その光は台座全体に浸透していくと、台座の前に光のゲートが出現した。

ゆっくりと全員でそのゲートによって転送される。


転送が終わり視界が開けると、目の前に神々しい神殿がある。
その神殿が建っている陸地は広くなく、陸地の大半を神殿が占めている。
どこだろうかと周りを見渡すが空しか見えない。


凜「ん〜?」


真姫「あっ、凜!行かないほうがいいわよ!」


凜が陸地の端に行って下を向くと絶句した。
この陸地は空高くに浮いていたのだ。


凜「そ、空高くにある・・・倒れそうだにゃ・・・」


真姫「もう・・・最初のサクラコ様の説明の時に言われたじゃない。【浮遊神殿】があるって」


9人は神殿の階段を登って中に入る。
神殿の屋根にはガラスの細工が施されており、太陽の光がそのガラスを通って神殿内の一箇所を照らしている。
照らされた場所には一本の剣が刺さっていた。


穂乃果「あれが、創世の剣(つるぎ)・・・」


サイズは普通の片手剣と変わらないが、剣から発せられている神々しさはこれまで見たことがないほどだ。
現在のサクラコよりも神々しいかもしれない。
サクラコは創世の剣の説明を始めた。


サクラコ『創世の剣(つるぎ)。以前も軽く説明しましたが、ラシュータ創世時から存在している神器です』


海未「神器・・・ですか?」


サクラコ『神器とは人が作りしモノを超越した力を秘める武器です』


神器の説明を受け、全員は創世の剣をじっくりと見つめる。
色は白がベースで、鍔の部分は花びらが9枚の一輪の花になっており、それも白い花だ。
花の中心には黄色い宝石が埋め込まれている。

386 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:50:51.74 ID:544mzdxl0
サクラコ『そしてこれも以前説明した通り、この剣に秘められている創世の力を使って”魔界”への扉を開きます』


ことり「そうだったね。創世の力・・・確かにあの剣からはサクラコ様とよく似た力を感じるね」


サクラコ『創世の剣には創世の光の力と幻影を打ち破る力が秘められています。そして・・・』


穂乃果「そして?」


サクラコ『感じられている通りその剣の創世の力は強すぎるのです。なので、この世界の人間は扱うことが出来ません』


穂乃果「ええええっ!?扱えないの!?」


穂乃果「じゃあなんのためにここまで・・・」


希「・・・”この”世界の人間は扱えない、かぁ。サクラコ様も中々いじわるな言い方するやん」


穂乃果「えっ!?」


希「つまり・・・この世界、『ラシュータ』以外の人間なら扱えるってことやろ?」


サクラコ『さすがですね東條希。その通りです。今このラシュータでたった一人、この剣を扱うことのできる存在が――


穂乃果「・・・私だね」


希「さすがの穂乃果ちゃんでも気付くね♪」


サクラコ『さぁ、高坂穂乃果。創世の剣をその手に。』


穂乃果は全員にアイコンタクトをとり、海未へサクラコからもらった透明クリスタルを渡す。
ゆっくりと剣に向かっていく穂乃果。


穂乃果(近づくほど力が強くなる。この剣すごすぎる・・・)


ついに創世の剣の前までたどり着き、剣の持ち手にその両手をかけたそのときだった!
剣から光が飛び出して穂乃果のらだを覆う!
その光は強力な波動となり穂乃果を吹き飛ばそうとする!


穂乃果「なんて力なの!?」


しかしこれまで数多の戦いを乗り越えてきた穂乃果だ。そう簡単には吹き飛ばされない!
光の波動は見ている8人にも伝わる。


花陽「すごい力!」


なんとか引き抜こうとする穂乃果だが中々抜けない。
8人も応援の声をかけようとするが、光波動の轟音が酷く届かない。
さらに神殿もきしみ出す。


穂乃果「くぅ・・・・・・このーっ!!」


がっちりと掴む剣にオレンジの魔力をまとわせ、創世の剣の光を自分の光で少し押さえ込んだ。


穂乃果「このままっ・・・!」
387 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:51:48.29 ID:544mzdxl0
そのまま魔力を発動し続け、思い切り引き抜く。
大きな光を放ちながら創世の剣は引き抜かれた!光波道や轟音もやみ、神殿は静寂に包まれる。

8人が穂乃果へ駆け寄る。剣は白い光に包まれており、穂乃果が一度剣を振るうとその光は剣を離れ9つに分かれる。
9つの光はメンバーそれぞれに吸い込まれていった。


にこ「力が・・・みなぎってくる!?」


凜「転職した時みたいだにゃ」


サクラコ『剣は高坂穂乃果を主として認めました。今の9つの光は創世の剣よりみなさんに与えられた力です』


サクラコ『体になじむまで時間がかかるとは思いますが、強力な力ですよ』


穂乃果「この剣から与えられた力・・・」


ついに手にした創世の剣を全員が見つめる。
剣は先ほどのようにすさまじい力は発してはいない。なくなったとわけではなく、剣の中に留まっているだけのため静かではあるが強い力を感じる。

凜が少し目をそらして神殿の窓から外を見る。すると空を黒い何かが飛んでいた。


凜「・・・あれ、なに?」


海未「あれは・・・黒い、龍?」


希「そうやね。確かに龍や」


遠くで空を飛んでいる龍は地上へ急降下して見えなくなった。


にこ「なんだったのかしら」


ことり「待って・・・。あの龍が降りた方向には、オトノキザカがある!」


真姫「オトノキザカを襲いに行ったってこと?」


にこ「こっちには見向きもしてなかったわよ?」


絵里「この神殿は結界で守られて視認できないんじゃなかったかしら。だからここは気付かれなかった」


穂乃果「サクラコ様!今、龍が飛んでいてオトノキザカへ行ったんです!μ'sはこれからオトノキザカへ向かいます!」


サクラコ『わかりました。気をつけてください』


ことり「ウォリザードと戦ったあの後にママから貰った、城の玉座に転送できるクリスタルがあるよ!」


穂乃果「うん、それを使おう!」


すると創世の剣がすこしきらめき、穂乃果の背中に新しい鞘が出現する。
そこへ剣をしまい、ことりのクリスタルでオトノキザカへ転送する!

キュイイイイイン....

388 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:52:41.97 ID:544mzdxl0


女王「黒い龍・・・いったいどうすれば・・・」


バリード(大臣)「民の避難はすすめております。兵も対応しようとしていますが、空を飛ばれては圧倒的に不利のようで・・・」


キュイイイイイン....

そんな玉座の真ん中で光が放たれ、中から現れたのはμ'sだった。


女王「μ's!」


ことり「ママ、龍が攻めてきてない?」


女王「まさしくその通りよ、テラスから外を見て御覧なさい」


μ'sは玉座にあるテラスに出る。
すると城下町を襲っている黒い龍『ダークドラゴン』の姿が。
大きさは30mほどあるだろうか。


女王「ついさきほど襲ってきたの」


バリード「兵たちもなにぶん攻撃が届きません。矢も魔法もまったく」


穂乃果「よし、私たちの出番だ」


サクラコ「いいのですか?」


穂乃果「はい!オトノキザカは私たちが絶対に守ります!」


全員が戦いの準備を進める。


女王「絢瀬絵里さん」


絵里「はい」


呼ばれて女王の前へ進む。


絵里「お久しぶりです。オトノキザカ女王」


女王「よく、戻ってきてくれましたね。あなたがμ'sに入ったと言うことはスクリオーネ王より聞いています」


絵里「長い間不在にしてしまい、申し訳ありません」


女王「いいえ、よいのです。今のあなたはスクリオーネの兵士長でもあるのです。自分の所属している国を守ったのはすばらしいことです」


絵里「ありがとうございます。ですが元々はオトノキザカより派遣された兵です。女王様のおかげです」


女王「そんなにかしこまらないでください。東條希のように砕けていいのですよ?」


希「エリチは兵士長になって少し硬くなっちゃったんよね〜」


遠くから希が茶々を入れる。


絵里「もう希!!」


女王「・・・2人の関係はずっと気にしていました。μ'sとなることで元に戻ったのですね」
389 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:54:09.54 ID:544mzdxl0
絵里「・・・はい。あの頃よりももっと深い絆で結ばれています!希だけではありません。私たち全員がそうです」


女王「あなたたちを誇りに思います。どうかこの町を宜しくお願いします」


絵里「はい!では失礼します」


絵里はそのまま自分の準備に戻る。


穂乃果「女王様!」


女王「なんでしょうか?」


穂乃果「ここに剣を立てかけておいてもど、大丈夫ですか?」


女王「もちろんですよ」


海未「創世の剣を置いていくのですか?」


穂乃果「うん。あの剣は”魔界への道を作るため”に手に入れたでしょう?サクラコ様にはこの剣の力をなるべく多く使って欲しいんだ」


海未「そういうことでしたか」


海未「では私も、戦いに少し邪魔になるこの透明クリスタルを一度誰かに預けないといけませんね・・・」


サクラコ『園田海未、オトノキザカ女王に預けていただけますか?』


そう言われた海未は女王に事情を説明してクリスタルを渡す。


穂乃果「海未ちゃん、いくよーっ!」


海未「今行きます!では女王様、バリードさん方、クリスタルとあの剣をよろしくお願いします」


女王「ええ、私のほうこそ宜しくお願いします」


μ'sたちはテラスのドア式窓を閉める。


バリード「女王様、それは・・・」


女王「彼女たちが創世神と会話をするクリスタルのようですよ」


バリード「創世神ですと!?」


女王「ええ。神話では女神とも言われていましたが正しくは創世神です」


コホンと一つ咳払いをしてから、女王はクリスタルを見つめ口をひらく。


女王「お久しぶりです。サクラコ様」


サクラコ『ええ、お久しぶりですね。オトノキザカ女王よ』


バリード「な・・・おひさしぶり・・・?」


大臣たちやバリードは頭がパンクした。
390 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 21:54:58.71 ID:544mzdxl0
サクラコ『あなたに話があって園田海未にお願いしました』


女王「話とは??」


サクラコ『心して聞いてください。これから話すことは今後の世界についてのことです――




場面は変わってμ's。
希はテラスで魔方陣を描き、そこからバハムートを召喚する!
紫の魔力に包まれながら巨大な龍が飛び出す!
バハムートは背中に穂乃果、ことり、花陽を乗せて一足先に飛び立った!

バハムートに続いて、他の6人はテラスから飛び降りる!屋根を伝って城下町まで駆け下りていく!

ダークドラゴンへ接近したバハムートは火炎ブレスを発射した!
完全に不意打ち成功で直撃、ダークドラゴンはこちらを向くが追撃は3人が勤める。
3人の魔力を結集し、オレンジ、白、緑色の光の柱が上空に出現!


Printemps「Shine marginal!!」


一気に魔力を解放すると、その光の柱はダークドラゴンめがけて飛んでいく!
頭、腹部、右翼に直撃し、ドラゴンは地面に着地する。
その場所は城下町中心広場。バハムートも降りていき、地面に着地すると他の6人も到着する。


希「ありがとうバハムート」


召喚が解除され紫魔力に包まれながら魔法陣へ消えていく。
乗っていた3人も地面に着地。


凜「すっごく体が軽くて、屋根の上をぴょんぴょん飛んでこれたにゃ!」


海未「創世の剣が与えてくださった力は想像を超えるものですね」


にこ「まだ馴染んでいないとはいえ、この効果はすごいわね!」


絵里「さぁみんな、不意打ちは成功したわ。ここからが本当の戦いよ!」


ダークドラゴンは大きな咆哮を放つ!
それにひるまずにまずは凜と希が飛び出す!


希「サモンコネクト『ヒュベリガル』!」


雷をまとった希と凜。
そして海未はその場で魔力を込めて矢を引く。


凜「凜たちも合体技いくにゃー!」


希が雷魔法を放ちダークドラゴンの気を引くと、凜は全力でジャンプをする!
ダークドラゴンの頭上まで飛び上がった凜に向けて希は雷を込めたタロットを投げつけた!
それをキャッチし、自身の雷も込めてタロットをダークドラゴンの頭上から投げつける!
さらに、凜が投げつける直前に魔力を込めた矢を凜の頭上めがけて放つ!


凜「にゃぁぁぁ!!」


思い切り投げつけたタロットは雷の如く降り注ぎダークドラゴンに直撃!
さらにジャンプの勢いでその場を離れる凜。今度は彼女のいた場所に青い矢が!
矢は凜がもといた位置で炸裂し、雨のように無数の矢が降りそそいだ!!


Lily white「雷雨のMystery!」

391 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 22:00:24.47 ID:544mzdxl0
ダークドラゴンも避けようとするが矢の降り注ぐ速度はかなり速く、直撃してしまう。
そのまま移動しようとするダークドラゴンだが、自身の周りで炎が渦を巻いているため動けない!


にこ「私の風と!」


真姫「私の炎!」


その炎の渦の中に現れる小さい隙間を通って、絵里がダークドラゴンへ突っ込む!


絵里「そして私の氷よ!」


絵里が中に入ったのを確認すると、にこまきは力を合わせて炎の渦をダークドラゴンへ直撃させる!
そして足元から絵里が剣を振り上げた!


BiBi「氷帝の予感!!」


氷はダークドラゴンの足から顔までかけあがり、大ダメージを与える!
3人が離れて9人集まる。

ダークドラゴンは自身の闇を放って氷を壊し、もう一度咆哮をあびせたのだ!


穂乃果「ぜんぜんひるまない・・・。攻撃効いてるのかな・・・」


絵里「かなりタフということね」


真姫「・・・見ていて一つ思ったことがあるの。みんなはそれぞれドラゴンに攻撃して!」


真姫「花陽だけは残って」


花陽と真姫以外の7人はダークドラゴンとの戦闘を再開する。


真姫「黒い龍はかなりタフよ。だから攻撃を避けないし受けてもひるまない」


花陽「そうみたいだね・・・」


真姫「でも、一度だけ攻撃を避けようとしたの。それは海未たちの連携技のときよ」


花陽「確かに、頭上から降ってくる矢を避けようとしていたかも・・・」


真姫「ここで立てた仮説は、もしかしたら黒い龍の弱点は首の後ろなんじゃないかってこと」


真姫「だから、花陽には物陰に隠れてヘヴンストライクを撃って欲しいの」


花陽「首の後ろだね。わかった!」


移動を完了した花陽は真姫に合図を出す。
真姫は全員に指示を出した!


真姫「全員、真正面から攻撃するわよ!!」


その指示を聞いて、μ'sは真正面から攻撃する!
突っ込んでいく中で真姫は花陽にアイコンタクトをする。

全員の攻撃で注意を引いているそのとき、ダークドラゴンの頭上から強力な風魔法が降り注いだ!


花陽「ヘヴンストライク!!」
392 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 22:01:03.03 ID:544mzdxl0
完全に不意をつき、ダークドラゴンの首の後ろに直撃!
たまらずひるんでしまう!


穂乃果「やったぁ!すごいよ花陽ちゃん!」


ダークドラゴンは怒り狂いながら闇ブレス弾を放つ!
穂乃果に向かって飛んでいき、直撃!
吹き飛ばされてしまう。


ことり「穂乃果ちゃん!」


地面にころがる穂乃果だが、傷は無い。


穂乃果「大丈夫!盾で防いだから!」


そういって左手を見せると壊れた風守の盾が。


穂乃果「壊れた!!!」


集中しなおしてダークドラゴンを見ると、全身が闇に包まれている。


穂乃果「あれはディアボロスのときの・・・」


少しはなれたところから戦いを見ているが、こちらの攻撃がさっきよりも効いておらず逆に攻撃の威力も上がっている。
そのとき、穂乃果のもとへオトノキザカ兵が駆け寄ってくる。
サクラコと会話できるクリスタルを持っているようだ。


兵士「これを渡すようにと女王より命令がありました!」


穂乃果に渡すと兵士は城へ戻っていった。
そんな穂乃果の様子を見ていたにこまきは、穂乃果のもとへ寄っていく。


穂乃果「サクラコ様!どうしました??」


サクラコ『あの龍の闇・・・かなり強い闇でできていますね』


にこ(そのクリスタル、見ることもできるのね)


サクラコ『強力な光の致命打を当たれば倒せるかもしれません』


穂乃果「じゃあ私が!」


サクラコ『高坂穂乃果の光も強力ではありますが、足りないでしょう』


サクラコ『・・・こんなこともあろうかとクリスタルを運んでいただいて正解でした』


穂乃果「えっ?」


サクラコ『高坂穂乃果。今すぐに創世の剣を取りに行って下さい』


サクラコ『一振りだけですが、創世の剣の使用を認めます』


真姫「なるほど・・・。穂乃果、作戦があるの」


真姫がにこと穂乃果に作戦を伝える。
393 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 22:01:58.58 ID:544mzdxl0
にこ「・・・了解したわ。凜にも伝えてくる」


穂乃果「じゃあ私は剣を!」


真姫「ええ、これならきっとうまくいく」


サクラコと会話ができるクリスタルを真姫に渡して、穂乃果は城のほうへ走り出した!
町の中を全力で走り、正門から城に入る。
そのまま玉座まで駆け上がり、扉を開けた!


穂乃果「剣を取りにきました!」


女王「サクラコ様とお話されたのですね」


自分のフェアリー・サンシャインを代わりに立てかけ、創世の剣を背に携える。


穂乃果「はい!私たちに任せてください!」


笑顔でそう伝えて、穂乃果はテラスから飛び降りた。


女王「その頼もしさは、初めてここで会ったあの日から変わっていませんね」


女王は微笑みながら穂乃果を見送った。

テラスから飛び降りて屋根を伝い降りていく。


穂乃果「やっぱり体が軽い!」


屋根の端に来たところでジャンプをする!
かなり高く飛び上がり、城下町の屋根に着地する。


穂乃果「今すごい距離ジャンプできた!!」


そのまま屋根を伝って城下町中央広場まで詰めていく。
先ほどにこまきと確認した家の屋根に身を潜める。
すると、しきりにこちらを確認していたにこと目が合う。
にこはまず凜に指示を出すと、まず凜がダークドラゴンへ突っ込んでいく。
わざと攻撃を外し、そのまま凜は穂乃果のほうへ走りジャンプ!!。

それを確認したにこは今度は全員でいっせいに攻撃をする指示を出した。
全員の攻撃が直撃するタイミングで穂乃果はジャンプする。
凜は空中で穂乃果をキャッチしてそのまま上空へ投げ飛ばす!その際に穂乃果もジャンプすることでより高く飛んでいく!

全員の攻撃のうち、にこは得意のエアスライドでダークドラゴンの顔を狙っていた。
ダークドラゴンは怯まないが全て直撃。そしてにこもそのままドラゴンの背後へエアスライドで駆け抜ける。
飛び上がってくる穂乃果は上空のにこの足に着地し、にこはそのままエアスライドを利用してもっと高くへ蹴り上げる!

穂乃果は完全にダークドラゴンの意識から外れていた。


海未「もっと気を引きましょう!」


遠距離攻撃があるメンバーは固まってダークドラゴンに攻撃することで注意を引く。
そして、上空に上がりきった穂乃果は剣を背中から抜き滑空姿勢に入る。


穂乃果「狙う場所は首の後ろ!」


かなりの高さから滑空する穂乃果。
剣は突きの構えで持ち、オレンジの魔力を込める。すると創世の剣の光も共鳴し光魔力は増大して落下速度も加速する!

そんな光に気付いたダークドラゴンは上を向こうとするが、もう手遅れだった。
394 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 22:02:44.90 ID:544mzdxl0
穂乃果「スパイラル・オレンジ!」


光による突きはダークドラゴンの首の後ろに炸裂し、穂乃果もそのまま貫通して地面まであっという間に到達する。
ダークドラゴンの首には光による穴が開き、さらにその部位を光魔力が切りつける!!
穂乃果の攻撃は完全にダークドラゴンの急所を貫いた。


ダークドラゴン「グォォォォォォォッ!!!!」


最後に大きな咆哮を放ちながら倒れていく。体も闇魔力となり消えていく。
そして消えきる直前――


ダークドラゴン「フッカツノトキハ・・・チカイ・・・」


そう言い残して消滅した。


#44【創世の剣】end...


#45【新たなステージ】


戦いに勝利したμ's。
8人は穂乃果へ駆け寄っていく。すると8人が到着する前に穂乃果は倒れてしまった。


ことり「穂乃果ちゃん!?」


最初についたことりは、うつぶせの穂乃果を仰向けにする。
穂乃果に傷はないが、ずいぶんとぐったりしている。


穂乃果「うぅ・・・」


絵里「あの黒い龍を貫いた時に何かを受けたのかしら?」


全員が心配する中で、真姫の持っていたクリスタルからサクラコの声が響く。


サクラコ『彼女は創世の剣の反動を受けてしまっただけです。安心してください』


真姫「反動?」
395 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2019/02/07(木) 22:03:22.48 ID:544mzdxl0
サクラコ『高坂穂乃果はまだ創世の剣を扱えるほどの力を持っていないということです。そのため、全力で一撃を打ち込んだだけで反動を受けてしまった』


花陽「そんな・・・。武器を扱うだけで反動なんて・・・」


サクラコ『それが神器です。本来は人間が扱うようなものではないのですから』


サクラコ『西木野真姫さん。そのクリスタルを創世の剣につけてください』


サクラコ『その剣は私が預かります。詳しくは明日』


そう言われ、真姫はクリスタルを創世の剣につける。
するとクリスタルが砕け、創世の剣と穂乃果の持つ鞘は消えてしまった。


にこ「すごい・・・」


海未「まずは穂乃果を運びましょう」


穂乃果「ごめんね・・・。全然力が出ない・・・」


その後勝利を知り駆けつけた兵に連れられ城の客室へ。
久しぶりに帰ってきた絵里は以前オトノキザカにいたころの知り合いと話したり、ことりは女王と家族の会話をしていた。
初めてオトノキザカに来る面々も多かったため、各々が自由に過ごした。
μ'sは長旅の疲れを癒し、そのまま一泊した。




翌日、玉座である女王の間に行くμ's。穂乃果も体調は回復した。


穂乃果「失礼します!」


部屋に入ると、玉座の横に水晶があることに気付く。


ことり「あれ、水晶なんてあった?」


女王「これは今朝方ここに出現したのよ」


サクラコ『その水晶は昨日あなた方にお渡ししたクリスタルと同じものです。オトノキザカに置かせていただきました」


凜「サクラコ様だにゃ!」


サクラコ『昨日の戦いはお疲れ様でした。創世の剣は創世神界にあるので安心してください』


少し間が空いてから、水晶を通してサクラコがもう一度話を始める。


サクラコ『あなた方は神の道具を2種類集め、ついに創世の剣を手に入れました。これから私は剣の力を借りて自分自身の力を復活させます』


サクラコ『それと同時に、魔界への扉を開く準備も進めます』


海未「その間、私たちは何をすればいいのでしょうか?」


サクラコ『そこからが本題になります』


μ'sだけでなくその場にいる大臣や女王もかなり真剣に聞く。


サクラコ『正直に、昨日戦った黒き龍ともう一度戦って勝てますか?』
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