うしおとセイバー

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528 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/09/30(土) 02:04:57.69 ID:hUnlMYrV0


とら「あんのォ〜〜〜〜馬鹿たれがァ〜〜〜〜」


とら「なにを槍使いにいいように遊ばれてやがる…………ん…………?」


とら「けけ…………」



529 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/09/30(土) 02:15:50.28 ID:hUnlMYrV0


うしお「はぁ……はぁ……」

ランサー「まさか槍兵がもう足を止める気か?」

うしお「まだまだ……!!」

ランサー「いいぜ。出来ることは全部試してくれ。その上を行ってやるからよ」


うしお「言ったなァーー!! ランサァァーー!!」

うしお「おおおおおおおお!!!!」


ランサー「ハッ!! 槍の一撃が当たらないからって、破れかぶれの乱撃かァ!!」


うしお「全部、避けられて……!?」


ランサー「この調子じゃ教会が穴だらけになりそうだな」


うしお「くっそォォ〜〜〜〜!!!!」


ランサー「あのなァ、槍を使うからってお前は攻撃が直線的過ぎるぜ」


うしお「ッ……消え……!?」


ランサー「終わりだ」


うしお「がっ……はっ……。蹴、り…………」



530 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/09/30(土) 02:27:31.29 ID:hUnlMYrV0


ランサー「期待外れだな」


うしお「な、に…………」


ランサー「あんな巨大なバケモノ、白面を倒した槍の使い手がこの程度か」

ランサー「いや、本当は白面は雷獣が倒し、バーサーカーもセイバーが倒したってところか」

ランサー「どっちにしろ期待外れだぜ」


うしお「ぐっ…………」


ランサー「坊主、お前に師はいるのかよ?」

うしお「し……?」

ランサー「師匠だよ師匠。槍の師匠さ」

うしお「槍の師匠…………」


うしお(う〜〜〜〜ん…………?)

うしお(親父はケンカ相手……。麻子のおじさんは空手か……)

うしお(杜綱さんの空骸の糸の骸……。いや、あれを師匠って呼ぶのはちょっとなァ……)


うしお「う〜〜ん……」

ランサー「そのツラ見る限り、いねえみたいだな……」

531 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/09/30(土) 02:37:22.07 ID:hUnlMYrV0


ランサー「どうりでおかしいと思ったぜ」

ランサー「お前の槍はなにかがモノ足りねえと思ったからよ」

ランサー「まぁスジは良かったぜ。その宝具の槍の力といっても英霊とやり合えるワケだからな」

ランサー「違った形で出会ってれば、オレが教えてやったんだが仕方ねえ」

ランサー「槍使いのよしみだ。手向けとして槍の一撃で終わらせてやる」


うしお「……ランサー。オレも同じだって言ってたよな」


ランサー「あ……?」


うしお「オレは別に、誰かと戦いたいとか思ってねえよ」


ランサー「そうかい。そいつは残念だな」

ランサー「でもな坊主、そんなお前はここで死ぬんだぜ」


うしお「いや、そんなオレでも出来ることは…………」




うしお「あるさ…………!!!!」




ドゴォォォォォォン!!!!




とら「へっ、お前にしちゃ上出来よォ」



532 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/09/30(土) 02:50:13.76 ID:hUnlMYrV0


ランサー「雷獣……!?」

ランサー「こんな短時間で、あの結界を壊せるはずが……!!」


とら「周り見てみなァ槍使い」


ランサー「中庭の四方の柱……結界の起点が壊されて……」

ランサー「ハッ、そうか、あの大振りな槍の攻撃は柱を破壊するために……!!」


とら「よく気付いたな、うしお」

うしお「西の空屋敷を脱出したときの間鎚の結界線を思い出したのさ」

うしお「四方の柱を壊せば結界線が途切れるんじゃないかと思ったんだ」

とら「けけけ、やるじゃねえか」


ランサー「一杯食わされたな……」

ランサー「だが坊主、まさか結界がなくなったからってオレから逃げれるなんて思ってないよな?」


とら「うしお、こいつァ結界があろうがなかろうが関係ねえよ。どこまでも追いかけてきやがるぜ」

うしお「そんな、それじゃ……」

とら「やるしかねえってことよ」

533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/09/30(土) 08:31:38.35 ID:akU6pVvAO
乙ー
534 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/03(火) 00:16:40.64 ID:bgPzaXSv0


ランサー(中庭の結界がなくなり二対一か……)

ランサー(だが坊主の槍を見させてもらったことに変わりはねえ)

ランサー(あっちは気にすることはない。動きは英霊並みとはいえ、あの程度の槍なら問題ないな)

ランサー(問題は雷獣だ。雷に炎、宝具も他にあると考え)

とら「まだだぜ槍使い、まだ言い足りねえよなァ?」


ランサー「は…………? なんのことだ?」


とら「この馬鹿に言い足りてねえって言ってんだよ!!」

とら「てめえの言うとおりだぜ!! このクソは戦い方がまるでなっちゃいねえのよ!!」

うしお「んだとォ!? とらァ!!」

とら「はっ、おめえの槍なんざ槍使いに比べりゃ三流よ三流」

とら「そのせいでわしは毎回メーワクかけられんのよ!! 分かるか槍使い!?」

うしお「おめーはどっちの味方だとらァ!!」


ランサー「お、おいおい……。お前ら、今はオレと戦って……」

535 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/03(火) 00:24:42.19 ID:bgPzaXSv0


うしお「そこまで言うなら見てろよォとらァ!!」

うしお「行くぞォォ!! ランサァァーー!!」


ランサー「ハッ、またそれかよ」


うしお「くっ、外した……!?」


ランサー「だから言ったろ。お前の槍は足りてねえ、直線的過ぎるってな」


ランサー(この一撃で坊主は仕留めて、雷獣に専念と……)




「な、だからもっと言えって言ったのよ」




ランサー「…………ッ…………!?」




とら「この馬鹿は言うこと聞かねえからよォ!!!!」




ランサー「ぐぅっ…………!!!!」


ランサー(雷獣…………。オレの動きを読んで…………)


ランサー(いや違う。今のは違うぜ…………)


ランサー(雷獣は、坊主の動きを読んで先に動いていた……!?)



536 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/03(火) 00:37:16.67 ID:bgPzaXSv0


とら「おいうしおォ!! もう終わりかァ!?」

うしお「なにをォーー!! まだまだこれからさァ!!」


ランサー(こいつ…………こいつらは…………)


うしお「ランサー!! これならどうだァァ!!」

うしお「うおおおおおおおお!!!!」


ランサー「その乱撃はもう見させてもらったぜ坊主……!!」


うしお「おりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!」


ランサー(なんだ、さっきより動きが…………避けきれねえ…………!?)


ランサー「チィッ…………!!」


とら「どうしたァ槍使い、遊びでもマジメにやらなきゃなァ!!」


ランサー(そうだろうと思ったぜ。お前が坊主のただのフォロー役なら…………)


とら「いねえ!? 消えやがった!?」


ランサー(こっちもそれを想定して動くまでよォ…………!!!!)


ランサー「その背中、貰い受ける…………!!!!」


キィィィィン!!!!


ランサー「毛の中から槍が…………!?」


うしお「危なっかしーなァ!!!! とらァ!!!!」




とら「いらんことすんじゃねえチビ人間!!!!」


うしお「そうかい、オレには大ピンチに見えたがな大妖怪!!!!」




ランサー(……ハッ、坊主の槍がモノ足りないだと……そりゃそうだ……)


ランサー(こいつらは、これで完全なんだからな……!!)



537 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/03(火) 00:51:54.55 ID:bgPzaXSv0


そうか、そういうことか

分かったぜ、お前たちのことが




とら「うしおォ!!!!」

うしお「任せろォォーー!!!!」


ランサー「ぐううぅぅ…………!!!!」




雷獣はアーチャーの枠を使って特殊に召喚された

この聖杯戦争、どの陣営もお前を重要視して監視した

それはお前が規格外の妖怪の英霊だから

いや、それもあるが一番の理由じゃない


それはクラスが分からなかったからだ


しかしお前と戦っても何もクラス補正を感じない

どんなイレギュラーなエクストラクラスなのか見極められなかった


気づけるはずがねえ……


特定の相手とともに戦わねえと……


クラス補正すら発動しねえ英霊なんて…………!!!!



538 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/03(火) 01:02:33.39 ID:bgPzaXSv0


坊主、お前は槍を使うがランサーなだけじゃねえ

しかし何かを乗りこなすだけのライダーも違う


雷獣、お前の宝具は槍だがランサーじゃねえよな

しかしその気性とは違って理性のないバーサーカーでもない


お前は…………お前たちは…………


どちらが欠けても、補正すらなくなるクラス


だが混然一体、混ぜるとキケンなほど力を発揮するサーヴァント


しいて名づけるとするなら…………協力者…………相棒…………いや…………




うしお「行っくぞォォーー!! とらァァーー!!!!」

とら「決めちまいなァ!!!! うしおォォーー!!!!」




戦友のサーヴァント!!!!




ランサー「ぐっ…………はっ…………」




二体で一体の英霊…………




うしおととら!!!!







539 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/03(火) 01:12:25.33 ID:bgPzaXSv0


ランサー「…………負けちまったか」


ランサー「よっと……。だが妙に清々しい気分だ」

ランサー「お前たちにやられたヤツらは皆こんな気分になるのか?」

とら「何を抜かしてやがる槍使い……。わしはこれがおめえとの決着だなんて思っとらんぞ!!」

とら「大体なんで宝具を使わねえ!!」

とら「その赤い槍の力を使えば、クソうしおなんて一発で仕留めれるはずだぜ!!」

うしお「えっ……!?」

ランサー「おっと坊主、勘違いするなよ。オレは手加減なんてしねえ、やるならいつも全力だ」

ランサー「ただ、そうだな、そろそろ雇い主に嫌気がさしててね」

ランサー「お前たちと派手にやり合って、大暴れしてスカッとしたかったのさ」

うしお「ランサー…………」

とら「こっちはそんなことに付き合わされたのかよ」

ランサー「まぁそう言うなよ雷獣。わりと楽しかったろ?」

とら「けっ…………」

うしお「なぁ、ランサーのマスターって」




「何をしているランサー」




うしお「え…………」




言峰「私は侵入者の始末を命じたはずだが」



540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/03(火) 02:51:38.14 ID:ygarwC/eO
アニメOPをぶっ込んでくるとか最高かよ…
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/03(火) 21:37:38.15 ID:Opq1Np79O
乙ー
542 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/13(金) 02:09:51.93 ID:waWJtVxu0


うしお「言峰、神父…………」

言峰「あの夜以来か蒼月潮。よく来た、とでも言っておこうか」

言峰「しかし、いくら教会とはいえ勝手にこんな奥まで入り込むのは考えものだがね」

うしお「今、ランサーに命じたって…………」

言峰「あぁそうだが?」


うしお「ウ……ウソだろ……。ランサーのマスターは言峰神父……!?」


とら「けっ、思ったとおりかよ」


言峰「ほう、雷獣のほうには勘付かれていたか」


とら「あたりめえよ。わしは中庭の結界とかいうのを壊すのに特大の雷を落としたんだぜ」

うしお「そうか……こんな真っ昼間に落雷なんかあったら……」

とら「教会の、いや、ここら周辺の人間どもが集まってくるもんだろうが!!」


とら「それが人っ子一人かけつけねえ。そいつァこいつが教会全体に結界を張ってるからよォ!!」


言峰「そのとおりだ。まぁ、教会の結界はあくまで聖杯戦争のためのものだが」

543 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/13(金) 02:19:47.86 ID:waWJtVxu0


ランサー「おい、そんなことより聞いてた話と違うぜ言峰」

ランサー「テメェはこの聖杯戦争、最後まで姿を晒さずに勝ち残るんじゃなかったのかよ」

言峰「意外だな。お前が私のそんな話を信じているとは思ってなかった」

ランサー「信じちゃいねえよ。テメェの話も、テメェのこともな」


うしお「ど、どういうことなんだ……?」

うしお「言峰神父がランサーのマスターっていうのは本当なんだよな……?」

ランサー「あぁ、今はな」

とら「今はァ?」

ランサー「こいつはオレの正規の召喚者じゃない」

ランサー「オレを召喚したマスターは言峰に殺され令呪を奪われた」

うしお「殺されて、令呪を……!?」

とら「ちっ…………」

ランサー「契約者を失ったサーヴァントは魔力が枯渇し消滅を待つだけだ」

ランサー「だが、そのまま消えるには寝覚めが悪すぎる。だからオレは言峰と再契約した」

ランサー「いつか言峰を討つためにな。ま、今は令呪の縛りで言うこと聞くしかねえがな」

うしお「そんなことが……」

544 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/13(金) 02:35:13.53 ID:waWJtVxu0


言峰「殺された、か。フッ、まぁいい」

言峰「しかしランサー、蒼月潮にそんなことを語ってどうする?」

言峰「彼は聖杯戦争に巻き込まれただけの少年だぞ」

言峰「まして魔術師でもない彼に令呪の奪い合いの話をしてなんになる」


うしお「ちょっと待ってくれよ言峰神父……」

うしお「ランサーの話は、マジなんだな……?」


言峰「うむ……。そうだな、こちらとしては訂正する箇所はなさそうだ」


うしお「そうかい……。でもよ、他は訂正してもらうぜ」


言峰「なに?」


うしお「ここで言峰神父に初めて会ったときは、オレは何も知らねえガキだったよ」

うしお「ワケも分からねえ戦いに巻き込まれただけのさ」


うしお「でも、今ここにいるのは…………」


うしお「セイバァァァァーーーー!!!!」




セイバー「……マスター、指示を」




うしお「この聖杯戦争のいちマスター、蒼月潮だいっ!!!!」



545 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/13(金) 03:16:01.45 ID:waWJtVxu0


言峰「令呪による空間転移……。セイバーを呼び出したか……」


セイバー「あの男は……それにランサー……。なるほど、そういうことですか」


言峰「蒼月潮、それは確かに聖杯戦争のマスターとしては正しい選択だ」

言峰「フフ、こちらとしては好都合な展開だがね」




「どういうつもりだ。まさかこのような場所で宴の開幕を告げるつもりか」




セイバー「なっ…………」

うしお「お前は…………!?」




ギル「教えたはずだがな言峰。宴にはそれ相応の場所と余興が必要だと」



546 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/13(金) 03:26:06.80 ID:waWJtVxu0


言峰「紹介しよう。彼は、前回の聖杯戦争で私のパートナーだった英霊だ」


うしお「前回の聖杯戦争の……!?」

ランサー「どういうことだ!! そいつがお前のサーヴァントだとォ!?」


言峰「フフフ……。それはそうと十年前の再現になったなセイバー」


セイバー「なんだと……?」


言峰「私とサーヴァントと協力者、そしてお前もマスターと協力者」

言峰「十年前の再現だと思わんかね?」


セイバー「貴様、なにを言っている……」


言峰「ほう……。なるほど……」

言峰「ギルガメッシュの言うとおり、衛宮切嗣はセイバーには何も語っていないようだ」


うしお「えみや……? 誰のことなんだ……?」

とら「てめえ、さっきから何を言ってやがる……!!」


言峰「そうだな。ならば教えよう蒼月潮に雷獣よ」

言峰「なに、お前たちも無関係な話ではない。むしろお前たちはこの聖杯戦争の関係者なのだから」


とら「なにィ……?」

547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/13(金) 03:39:37.00 ID:mLS1ROtpO
乙ー
548 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/13(金) 03:41:01.25 ID:waWJtVxu0


言峰「まずは順序を追って話すとしよう」

言峰「前回の聖杯戦争のその前、第三次聖杯戦争の話だ」

言峰「ある陣営は早期に敗退した。だが、その陣営は他の陣営に聖杯が渡るのを阻止したかった」

言峰「そう……聖杯そのものを破壊してでも……」


言峰「その陣営は密かに手に入れたある物を、聖杯に混ぜた」


うしお「ある物……?」


言峰「蒼月潮、君も知っている物だ」

言峰「カムイコタンにあった物と同じ物だよ」


うしお「カムイ、コタン…………」


うしお「まさか…………白面の者の…………体の欠片…………!?」


とら「馬鹿がァ、んなことしたらなァ…………!!」


言峰「無論、聖杯は白面の陰の気により汚染された」


言峰「その陣営の計画通り、第三次聖杯戦争の聖杯は誰の手にも渡らなかったが……」

言峰「聖杯は白面に汚染され、時間をかけて龍脈から力を吸い上げることになる」

549 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/13(金) 03:58:06.01 ID:waWJtVxu0


言峰「そして十年前の第四次聖杯戦争」

言峰「白面の者は龍脈の、いや、自身の力を察知し聖杯戦争に使いを送り込んだ」


セイバー「そんな……。前回の戦いに白面が……」


言峰「しかし、白面のこととなると現れるのが光覇明宗のお役目だ」

言峰「光覇明宗はその事実を知ると、聖杯戦争に蒼月紫暮を参戦させた」


うしお「親父が…………!?」


言峰「ああ、そうだ」


うしお「ほ、本当なのかセイバー!?」

セイバー「はい、あの男の言っていることに嘘はありません」

うしお「親父が聖杯戦争に…………」

セイバー「すみませんウシオ……。いつか話すつもりではあったのですが……」


言峰「それから蒼月紫暮は前回のセイバーのマスター、衛宮切嗣と出会うことになる」


うしお「衛宮、切嗣……。セイバーのマスター……」


セイバー(……しかし、キリツグもシグレも白面の話などしていなかったはず……何故……)

550 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/13(金) 04:11:19.87 ID:waWJtVxu0


言峰「蒼月紫暮と衛宮切嗣は協力関係になった。白面の使いを倒すという目的のために」


うしお「白面の使い…………」


言峰「そうだ蒼月潮。そして、私も出会った…………」

言峰「私の心の虚無を埋める方法、それを享受してくれた存在…………」


言峰「それがこのギルガメッシュと、白面の者だ」

ギル「ククク…………」


とら「白面だとォォ〜〜!?」


言峰「私は白面の使い斗和子を通じて、白面の者と出会ったのだ」


うしお「斗和子……。キリオのときのアイツか……!!」


言峰「そして白面は私に命じた」

言峰「汚染された聖杯、龍脈を吸い続ける白面の欠片の力を使って…………」


言峰「白面の者を封印するお役目、その者がいる石柱の破壊を」




うしお「石柱…………母ちゃんがいた場所…………!!!!」



551 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/13(金) 04:25:04.57 ID:waWJtVxu0


言峰「しかし聖杯戦争も終盤、それを知った衛宮切嗣はセイバーに聖杯を破壊させた」

言峰「聖杯の破壊による反動……。その火災により私はその場から離れた」

言峰「そして斗和子は消え、衛宮切嗣は死んだ。そのとき何があったのかは私も知らない」


うしお「それじゃ、セイバーが聖杯を破壊してなかったら…………」


とら「白面が起き上がってたってことかよ…………!!!!」


セイバー「だからキリツグは、私に…………」


ギル「その聖杯破壊こそセイバー、貴様と小僧の繋がりよ」


ランサー「過去と現在で同じバケモノから国を守り、世界を救った英雄同士か」

ランサー「確かにこれ以上の繋がりはねえな」


言峰「フッ、だから初めて会ったときに言っただろう蒼月潮」

言峰「お前がセイバーを召喚したのは偶然ではない、必然だと」

552 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/14(土) 00:44:31.51 ID:fru2Z94G0


とら「この聖杯戦争に白面が関係してるってのは信じてやらァ」

とら「確かにヤツがかかわってるなら、わしもうしおも無関係とは言わねえよ」

とら「だがな、もう白面はいねえ。わしらがブッ倒したからな」

とら「それで白面入りの聖杯で何が出来るってんでえ。わしらを戦わせて何が目的なんだよ?」


言峰「フフ、何か思い違いをしているようだな雷獣よ」

言峰「私は白面に聖杯を汚染されたと言ったが、何も機能を失ったとは言っていない」


セイバー「まさか……願望機としての力を残していると……?」


言峰「そのとおりだセイバー。考えてみろ、お前たち英霊を召喚出来ていることが何よりも証明だ」

言峰「聖杯は汚染された。しかし聖杯降霊の儀式、それが壊されたワケではない」


言峰「そして教会の監督役、私の役割はその聖杯の持ち主を見極めることだ」


うしお「見極める、だけ……?」

とら「てめえ、槍使いを仕向けておいて、やり合う気はねえとでも言うつもりかよ!!」


言峰「誤解があるようだな」

言峰「私はお前たちが望むなら、お前たちにも聖杯を与えようと言っているのだよ」

553 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/14(土) 00:59:30.53 ID:fru2Z94G0


ランサー「待てよ言峰。聖杯はサーヴァントが残り一人になるまで現れないんじゃなかったのか?」

言峰「そうだ。残り三人ではまだ早いが、二人なら完成に近い。聖杯は降霊出来る」


言峰「……どうだセイバーよ」

言峰「その隣のマスターと雷獣を斬り殺せば、聖杯を与えよう」


セイバー「なに……?」


言峰「雷獣のことを案ずることはない。ギルガメッシュとランサーも協力させる」

言峰「お前たち三人なら雷獣にも負けることはない」


言峰「さぁ…………セイバーよ…………願いを叶えるがいい…………」


セイバー「……………………」


うしお「セイバー…………」




セイバー「聖杯など…………いらない…………」




言峰「ほう……。願いが叶わなくてもいいと?」




セイバー「あぁそうだ。聖杯など必要ない、ウシオもトラも殺させない……!!」




セイバー「私の願いは、すでに叶っていたのだから…………!!!!」



554 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/14(土) 01:20:23.11 ID:fru2Z94G0


うしお「セイバー……!!」

とら「くくく…………」


言峰「つまらん答えだ…………。お前たちはどうだ、蒼月潮に雷獣よ」

言峰「セイバーを殺せば聖杯、あらゆる願いを叶える器が手に入るぞ」


とら「そもそもわしは聖杯なんてものに興味ねえのよ」

とら「わしはただ気に喰わねえヤツらをぶっ飛ばす、それだけよォ」


言峰「フン……。いや、人間と価値観が違う妖怪に何を言っても無駄か……」


うしお「あらゆる願いを叶える、か…………」


言峰「そうだ蒼月潮。どんな物でも手に入る、欲しいと思うもの全てがお前のものだ」


うしお「悪いね言峰神父、もうオレは欲しいもんは持ってるしよ」


言峰「なに…………?」


うしお「見えないかい?」




うしお「オレの両隣に、オレの欲しいもんは揃ってるぜ…………!!!!」




セイバー「ウシオ…………」

とら「ったく…………」



555 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/14(土) 01:35:19.91 ID:fru2Z94G0


言峰「予想通りとはいえ、くだらん結果だ」

言峰「まぁいい。ランサー、宝具を使用し蒼月潮を始末しろ」


ランサー「…………」


セイバー「くっ、ランサーの因果逆転の魔槍か……。ウシオを守らなければ……」


ランサー「……やめだ、やめやめ。オレは降ろさせてもらうぜ」


ギル「ほう、聖杯を目の前にして契約を切るというのか」

ランサー「テメェと一緒にするな。もとよりな、オレは二度目の生なんぞに興味はない」


ランサー「それにな言峰、まさかオレがこの教会の地下にあるもんに気付いてねえと思ってねえよな?」


言峰「さて…………?」


ランサー「とぼけるんじゃねえ」

ランサー「調べたがよ。坊主と雷獣の戦い、白面との決戦で大勢の犠牲者が出てる」

ランサー「そりゃそうだ。あんなバケモノと戦って、死人が出ないなんてことはねえ」


ランサー「だがな、おかしいんだよ…………」


ランサー「この町だけ多くねえか、死亡者より行方不明者がよ…………!!!!」




言峰「さぁ、何のことを言っているのか分からんなァ……ランサー?」




ランサー「言峰ェ…………!!!!」



556 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/14(土) 01:43:39.34 ID:fru2Z94G0


言峰「しかし……。どういう心情の変化だ、ランサー」


ランサー「さーてね。まぁ、あの坊主の真っ直ぐな眼を見てたらよ……」

ランサー「死んだ魚のような眼ェしたヤツなんかに従うのが嫌になっただけかもな」


ギル「クク、よく吠える」

言峰「彼と共同戦線を張れば必ず勝てるとしても、降りると?」


ランサー「フンッ、それこそ死んでもごめんだ」


言峰「……そうか。ならば死んでもらおう」


ランサー「あ?」


言峰「ギルガメッシュ、先ほど宴には余興が必要だと言っていたな」


言峰「最後の令呪をもって命じよう」




言峰「自害しろ、ランサー」



557 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/14(土) 01:56:11.87 ID:fru2Z94G0


ランサー「なっに…………なっ、身体が…………勝手に…………!?」




セイバー「ランサー…………!?」

うしお「待っ…………!!」




とら「ちぃっ…………!!」




ザシュッ……




ランサー「おい…………」


とら「ぐぅ…………がっ…………」


ランサー「なに、やってやがる、雷獣…………」


とら「けけ、お前は、槍使いだろが…………」




とら「槍を使うヤツはなァ、わしの前でそう簡単に殺させねえのよ…………」




セイバー「トラ…………!!!!」

うしお「とらァ!!!!」



558 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/14(土) 02:08:10.10 ID:fru2Z94G0


ギル「ククッ、フハハハ!! 獣が狗を助けたか!!」

ギル「いいぞ!! 余興としては盛り上がりに欠けるが趣向は悪くない!!」


言峰「ギルガメッシュ、ここは任せる」

言峰「光覇明宗と蒼月紫暮が動き出した。私はことを進めるとしよう」


うしお「光覇明宗が…………。何を、企んでるんだ…………」


うしお「何をする気だよ言峰神父…………!!!!」




言峰「フフフ……。ギルガメッシュ……」


言峰「ゴミを始末しろ」



559 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/14(土) 02:18:25.58 ID:fru2Z94G0


とら「ぐっ……聖杯、だ……」


うしお「とらァーー!!」

セイバー「トラ、大丈夫なのですか!?」


とら「胸ェ貫かれたぐらいで、わしがくたばるかよォ」

とら「おめえら人間の英霊と一緒にすんじゃねえ、剣使い」


セイバー「全く貴方は……。ランサーの槍をその身で受けるなど無茶をする……」


とら「それより、やつァ槍使いを消して英霊の数を減らすつもりだった」

とら「それなら目的は聖杯しかねえ」


セイバー「あの男が聖杯降霊の儀式を強攻すると?」


とら「ああ、だが槍使いは殺せなかった。うしおはここにいる。それなら次の獲物は……」


うしお「まさか、凛姉ちゃん……!?」


セイバー「そうか……。リンを殺せば、一番の強敵のトラも消せる……!!」

560 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/14(土) 02:29:06.82 ID:fru2Z94G0


とら「ちぃっ〜〜!! 胸の傷塞ぐのに魔力使っちまった……!!」

とら「わしとしたことが、しばらく動けそうにねえかよ……!!」


とら「うしお、剣使い、りんのもとへ行きな!!!!」


セイバー「トラ、ですが……!!」


とら「わしのこたァーいい!! どの道りんが死んだらわしも終わりよォ!!」


うしお「そ、そうか……そうだよな……。分かったよ、とら」

うしお「早く凛姉ちゃんに知らせねえと……。セイバー!!」


セイバー「分かりました……。ただ、ここから脱出するには……!!」




ギル「クックックッ…………」




ランサー「行きな、坊主とセイバーは」



561 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/14(土) 02:35:19.80 ID:fru2Z94G0


うしお「ランサー……?」


ランサー「坊主、言峰にやった啖呵の切りかたはよかったぜ」

ランサー「そうだ。槍使いは敵を貫くだけじゃねえ、信条を貫いてこそだ」


ランサー「雷獣には借りが出来た、もう令呪の縛りはねえ」


ランサー「必ずお前たちのもとに雷獣は送り届ける。だから先に行きな」


うしお「ランサー、兄ちゃん…………」

セイバー「しかし、いくら貴方でもあの宝具の雨に無事には…………」


ランサー「けっ、仲間意識なんか持つんじゃねえセイバー」

ランサー「お前の剣に誓いがあるように、オレの槍にも誇りがある。ただそれだけだ」

ランサー「さっさと行け、育ちのいい騎士王様は目障りだぜ」


セイバー「ランサー……。ご武運を」


とら「うしおォ早く行けェ!!!!」


うしお「とら…………。兄ちゃん、頼んだぜ…………!!!!」



562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/14(土) 04:15:35.64 ID:E/8jF8iCO
乙ー
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 16:09:13.29 ID:Ay6ee/TeO
胸糞展開クラッシャーいいぞ
564 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/24(火) 00:48:05.06 ID:/5V9MxA/0


ギル「フフ……」


ランサー「テメェ、何故だ。なんで何もしねえ」

ランサー「オレたちを始末するように言われたはずだぜ」


ギル「実はなランサー、我もこのような決着は好みではなかったということだ」

ギル「貴様がそうやらなければ我がやっていた」


とら「うしおや剣使いを見逃すつもりだったってのか?」


ギル「あの女は我のモノだ」

ギル「そして、聖杯を呼ぶ儀式にはサーヴァントを残り一体にする必要がある」

ギル「ならば必要のないサーヴァントは誰と誰だ。クックックッ……」


とら「ちっ……。こいつの狙いはハナっからわしらかよ……」


ギル「それにだ、この聖杯戦争で言峰が主催する最初で最後の宴だ」

ギル「それ相応の参加者がいなければ盛り上がりも欠けるというもの」


ランサー「テメェら、一体なにを考えて……」

565 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/24(火) 00:59:27.76 ID:/5V9MxA/0


ギル「ランサーよ、この場は余興だ」

ギル「獣に助けられた命、余興なら余興らしく我を愉しませろ」

ギル「ククッ……。だが貴様に勝ち目などない」

ギル「狗畜生らしく逃げてもよいぞ、ランサー」


ランサー「テメェ……。今、オレのことを狗といったか……!!」


とら「待ちなァ!! そいつの宝具は……!!」


ギル「フフ……」パチンッ


ランサー「チィィ……!!」カキィィン!!カキィィン!!


とら「この馬鹿槍使い!! なーにをやっとる!!」

とら「あんな野郎の挑発に乗るんじゃねえや!!」


ランサー「へっ、言ってくれるぜ……!!」

ランサー「いいからテメェはオレに守られてなァ!!」


とら「な、なにィィ〜〜〜〜!?」

566 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/24(火) 01:05:15.74 ID:/5V9MxA/0


・遠坂邸


うしお「セイバー!! そっちはどうだ!?」


セイバー「いえ、こちらもリンの姿は見当たりません」


うしお「そうか……。凛姉ちゃん、どこに……」


セイバー「おそらく、探し物を終えたリンはウシオの家へ戻ったのではないでしょうか?」


うしお「オレの家に……。よし、セイバー急ごう!!」


セイバー「はい、ウシオ!!」

567 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/24(火) 01:18:07.58 ID:/5V9MxA/0


ランサー「ハッ……ハッ……」


ギル「どうしたランサーよ」

ギル「槍兵が足を止めるなと語っていたのは貴様のはずだが?」


ランサー「ハァッ……!!」カキィィン!!


ギル「ククッ、獣をかばいながらとなると自慢の足も使えんか」

ギル「己が信念を貫くのは厳しいな、ランサー」


ランサー「これも成り行き。ま、こういうのもいいもんさ」


とら「…………いいや、よかねえな」


ランサー「お、お前…………」


とら「槍を使う人間になァ、守られるなんざ…………」




とら「わしが一番キレエなことよォ!!!!」



568 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/24(火) 01:31:03.86 ID:/5V9MxA/0


ランサー「おいおい、もう動けるのか……」

ランサー「バケモンかよテメェ……いや、バケモンか……」


とら「りんに渡されてた石ころだ。そいつを喰ったからな」

とら「うげぇー、こいつが不味いのなんの……」

とら「はんばっかになァ、はさまねえと喰えたもんじゃねえや」


ランサー「ハッ、魔力入りの宝石を持たせてたのか」

ランサー「あの嬢ちゃん、うっかりしてそうでそういうところは抜け目ねえな」


とら「まぁ悪かねえぜ」


ランサー「それに美人で強情で肝が据わっているときている」

ランサー「女をマスターにするんならああいうのがいいよなァ、雷獣」


とら「りんはやらねえぞ。ありゃわしの喰いもんだ」


ランサー「そいつは残念」

569 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/24(火) 01:53:02.19 ID:/5V9MxA/0


とら「足ィやられてんのか?」

ランサー「まぁな、テメェの傷に比べりゃまだマシだが」

とら「わしはまだ動ける程度だ。雷も炎も出せやしねえ」

ランサー「刺されてすぐに動かれちゃ呪いの朱槍の名折れだぜ」

とら「ぬかせェ。わしは槍に貫かれてもそのまま五百年は平気な能力持ちよォ」

ランサー「ハッ、それがマジならテメェとやり合うランサーは相当長生きしねえとな」


ギル「クク……。どうだ、次の余興の準備は整ったのか?」


ランサー「……悪いな雷獣。テメェが動けるまで時間は稼げたが窮地に変わりなしだ」

とら「そうでもねーさ」

ランサー「あ? 何かあんのか?」

とら「わしは動けるが雷も炎も出ねえ、おめえは足ィやられてる」

とら「ならやるこたァ、一つさ」


ランサー「……おいおい、オレはランサーだぞ?」


とら「けけ、退屈はさせねーぜ?」


ランサー「へっ……。ま、これも成り行きかね」

570 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/24(火) 02:08:01.16 ID:/5V9MxA/0


ギル「ほう、次の余興は曲芸か。ククク、愉しませるではないか」


ランサー「よっと……。おー、意外に乗り心地はいいな」

とら「てめえ槍使い!! わしを乗り物扱いすんじゃねえ!!」

ランサー「ワリィワリィ、そう怒るなって」

とら「ちっ……。わしはヤツの妖怪用の宝具に一発でも当たったら終わりよ」

ランサー「安心しな。オレの槍で全部弾き落としてやる」

とら「ったく、本当だろうな」


ランサー「さてと、そろそろ始めるかい…………」

とら「おう、それじゃ…………」




とら「ドジるんじゃねえぞ槍使い!!!!」


ランサー「テメェもな雷獣よォ!!!!」



571 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/25(水) 00:55:32.75 ID:eroff3uG0


ダッダッダッダッ


うしお「言峰神父の目的はまだ分からねえ!!」

うしお「でも、本当に光覇明宗も動いてるなら……!!」


セイバー「あの男が聖杯で何かを行うことを止めようとしている?」


うしお「ああ!!」

うしお「前回の聖杯戦争で、言峰神父は白面を解き放とうとしていた……!!」


セイバー「今回も聖杯の力で似たような……いや、もしかするとそれ以上のことを……」


うしお「もしそうなら……。凛姉ちゃん、無事でいてくれ……!!」

572 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/25(水) 01:05:24.02 ID:eroff3uG0


ランサー「ハッハァー!! こいつはいいぜェ!!」

ランサー「こりゃライダークラスで召喚されるのもいいかもなァ!!」

とら「おい槍使い!! 次が来てんだろうが!!」


カァァン!!


ランサー「余裕よ余裕!!」

とら「てめぇ今危なかったぞ!!」


ギル「ククク……。なるほど、次の見世物はなかなか動き回る」


とら「ちっくしょ〜〜〜〜!!!!」

とら「避けるのが精一杯で近づくことも出来やしねえ!!」

ランサー「あの宝具の射出がある限り間合いには入れねえか……!!」


ギル「さて、次は何を見せてくれる?」


とら「見下しやがってェ……!!」

573 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/25(水) 01:18:46.51 ID:eroff3uG0


ランサー「見下し……そうか……」

ランサー「おい雷獣、無理にヤツに近づくことはねえぞ」

とら「ああ?」

ランサー「ヤツの間合いに付き合う必要はねえって言ってんだ」

とら「もうわしの話を忘れたかよ槍使い!!」

とら「まだ雷も炎も出せねえって言っただろ!!」

ランサー「忘れちゃいねーよ。それに仕掛けるのはオレだ」

とら「まさかおめえ…………」

ランサー「雷獣、出来るだけヤツの宝具を引き付けて、上空に飛んでくれ」


ランサー「そのあとはオレの仕事だ」


とら「ちっ、仕方ねえ……。おめえの話に乗ってやるかァ……!!」


ランサー「乗ってるのはオレだけどなァ雷獣!!」

とら「うるせーよ槍使いがァ!!」

574 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/25(水) 01:30:12.56 ID:eroff3uG0


カキィィン!!

カキィィン!!


ランサー「よし、今だ雷獣……!!」

とら「跳べばいいんだろォォ!!」


ギル「余興ごときの獣どもが、天に仰ぎ見るべきこの我の上を取るか」

ギル「痴れ者がァ……!!」


とら「どうだァ槍使い!! こんだけ跳べば文句ねーだろ!!」


ランサー「この跳躍……マジにバケモンだな……」


ランサー「だがよ、オレも猛犬の名前は伊達じゃねえよ!!」




ランサー「突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)!!!!」



575 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/25(水) 01:45:39.56 ID:eroff3uG0


ギル「フンッ…………」パチンッ


ドゴォォォォン!!




とら「な、なんだこりゃ〜〜〜〜!?」


ランサー「壁……いや、盾か……!?」




ギル「クックックッ…………」




ランサー「こいつは…………!!!!」


とら「馬鹿デケエ剣かよ…………!!!!」



576 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/25(水) 01:58:25.81 ID:eroff3uG0


とら「くっそ〜〜!! 槍使いの宝具でも駄目かァ〜〜!!」

ランサー「これでいい。あの剣がある限り宝具の射出は遮られる」

ランサー「ここはもういいぜ雷獣。テメェは嬢ちゃんのとこに急ぎな」

とら「ああ!? なに言ってやがる!!」

ランサー「借りは返した。あとはオレの好きなようにやるだけさ」

とら「足ィやられたおめえが一人でアイツに勝てるワケねえだろうが……!!」

ランサー「テメェのほうこそなに言ってる、サーヴァントならなァ……」

とら「あ……?」


ランサー「サーヴァントならテメェのマスターを一番に考えやがれェ!!!!」


とら「りん…………」


とら「ちっ……。槍使いはどいつもこいつもうるせえなァ!!!!」


とら「死ぬんじゃねえぞ槍使い!!!!」


ランサー「ハッ、この程度でくたばるならオレは英雄になれてねえよ、雷獣」

577 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/10/25(水) 02:48:44.23 ID:eroff3uG0


ランサー「よっと……」


ギル「二対一の状況を自ら壊すか」


ランサー「あのままアレに乗り続けてたら坊主が羨ましくなっちまう」

ランサー「ま、テメェみてえに欲の皮がつっぱった怨霊には分からないだろうがな」


ギル「ククッ、死に際が鮮やかだった男は言うことが違う」

ギル「さあ、最後の見せ場だぞランサー」


ランサー「ハッ、もう少し付き合ってもらうぜ」

ランサー「テメェを嬢ちゃんたちのところに行かせるワケにはいかねえんでな」



578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/25(水) 05:35:48.70 ID:731kD1n1O
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/25(水) 10:17:19.36 ID:h/5PCYiv0


次も楽しみにしてる
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/29(日) 10:20:06.83 ID:GHt+mH2xo
乙ー
581 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/03(金) 00:51:50.09 ID:ha/uoHGz0


・大橋歩道橋・入口


ダッダッダッダッ


うしお「うわっ……」ガクッ


セイバー「ウシオ!? 大丈夫ですか!?」

うしお「あ、ああ、平気さ」

セイバー「まさか先ほどの戦闘の傷が……」

うしお「いや本当に大丈夫だ。ちょっと転びそうになっただけさ」

セイバー「そうですか……」


うしお「……サンキューな、セイバー」


セイバー「えっ?」


うしお「言峰神父が聖杯の力で破壊しようとした石柱……」

うしお「あそこには白面を封印してたオレの母ちゃんがいたんだ」


セイバー「石柱に、ウシオの母親が……」

582 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/03(金) 01:10:10.96 ID:ha/uoHGz0




うしお「セイバーと衛宮切嗣って人が聖杯を破壊してなかったら、白面は起き上がってた」




違う……


私は何も知らなかった


ただ、令呪で強制的に宝具を使用しただけ……




うしお「その頃はとらもいない、獣の槍もなかったんだ。もちろんオレだってただのガキさ」

うしお「きっとこの国、いや、世界中の人間が沢山死んだはずだぜ」


うしお「セイバーと衛宮切嗣さんが世界を救ったんだ!!」




まさかキリツグ……


貴方が言っていた世界の救済とは……




うしお「二人のおかげさ。だからサンキューな、セイバー!!」


セイバー「ウシオ、私は…………」




そんな目で……


あのときの私は、そんな目で見られる資格はない……



583 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/03(金) 01:27:54.96 ID:ha/uoHGz0


うしお「……っと、すまねえセイバー」

うしお「今はこんなこと言ってる場合じゃねえよな」


セイバー「そう、ですね……」

セイバー「リンたちが心配です。急ぎましょう、ウシオ」


うしお「ああ!!」




セイバー「…………」




キリツグ、貴方がくれたのですね


聖遺物などではないウシオとの確かな繋がり


白面から世界を救う


それを成し遂げた貴方と私は、たった三度の令呪のやり取りだけ……


どうして語ってくれなかったのです……




あの男は言っていた


聖杯が破壊された後、白面の使いは消え、貴方は死んだと




あの後、何があったのですか…………貴方に…………




キリツグ…………!!



584 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/03(金) 01:38:13.30 ID:ha/uoHGz0




【遠景『最後の令呪』】




・第四次聖杯戦争終盤・市民会館・地下駐車場








切嗣「……手を上げろ」


言峰「なんともつまらぬ結末だな」







585 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/03(金) 02:02:43.93 ID:ha/uoHGz0


言峰「なぜ聖杯を、いや、白面を拒んだ?」


切嗣「……貴様にも見えていたのか」

切嗣「ならば、今のは幻覚などではなく……」


言峰「聖杯は白面に汚染されたとはいえ、願望機には違いない」

言峰「お前は全てのものを犠牲にしてここまで辿り着いたはずだ」

言峰「なぜそれを今になって拒む。愚か過ぎて理解出来ん」


切嗣「願望機だと?」

切嗣「あんなものは万能の願望機などではない……!!」


言峰「願望機だ。お前にとっても、私にとっても」


切嗣「なに……?」


言峰「お前の望み、理想とは紛争の根絶……」

言峰「その願いを叶えようとしたのだ。聖杯が、白面が」

言峰「ならばそれを願望機と呼ばずなんという?」


切嗣「あぁそうだな。争う人間すべてが消え去ればそれは根絶だろう」

切嗣「あの聖杯がもたらすものはそういうものだ。白面による滅びしか手に入らない」


切嗣「僕が望んだ奇跡は、あんなものじゃない」

586 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/03(金) 02:19:36.06 ID:ha/uoHGz0


言峰「理解出来んな」

言峰「闘争は人間の本性だ。それを根絶することなど出来るわけがない」


切嗣「いつまでも人類同士で争っている場合じゃない。いつか必ず白面は起き上がる」

切嗣「終わらぬ連鎖を終わらせ、人類が手を取り合わなければ白面には打ち勝てない」

切嗣「人間、いや、きっと人間以外とも……。それを果たし得るには聖杯という奇跡しかない」


言峰「……なるほど、それがお前の本当の望みか。ならば聖杯は私に譲れ」

言峰「あの聖杯がお前にとっては願望機でなくても、私にとっては願望機だ」

言峰「いや……私と白面の使いにとっては、か」


切嗣「貴様……!!」

切嗣「この聖杯戦争には、お役目の予見通り白面の使いが……!!」


言峰「お役目……白面の者と未来永劫ともにいる女か……」

言峰「やはり、お前は光覇明宗と繋がっていたようだな」

587 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/03(金) 02:55:56.59 ID:ha/uoHGz0


切嗣「言え。貴様とともに行動していた黒髪の女、あれが白面の使いだな?」


言峰「さぁ、何のことか」


ドゥゥン!!


言峰「がっ……」


切嗣「次はどこを撃ち抜かれたい?」


言峰「フッ、無駄だ。私を拷問しても……。すでに白面の泥はあふれ始めている……」


切嗣「貴様は何を考えて……」


言峰「白面の者……。この世全ての陰の気の化生……」

言峰「あんなものが存在するのなら、私の迷いの答えも出るというもの……」


言峰「だからこそ解き放つ必要がある……!!」


言峰「私は生まれながらにして善よりも悪を愛する者!!」

言峰「どんな事柄よりも他者の苦痛に愉悦を感じるのならば!!」


言峰「白面がもたらすものこそ、私の望みなのだから……!!!!」




言峰「それを見届けるまで、私は……!!!!」




ドゥゥゥゥン!!




切嗣「貴様こそ、愚か過ぎて理解出来ないよ」







588 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/04(土) 04:09:02.02 ID:qxJDulow0


・市民会館・通路


切嗣「くっ……」


切嗣(誰かが近づいてくる……敵サーヴァント、ではない……。あれは……)


紫暮「切嗣ッ……!!」


切嗣「紫暮……」


紫暮「その怪我……。言峰綺礼をやったのか?」

切嗣「あぁ、仕留めたよ」

紫暮「そうか……。とにかく移動しよう、この会館は崩れ始めている」


切嗣「待ってくれ紫暮。状況を、教えてほしい」


紫暮「あ、ああ、舞弥殿は無事だ」

紫暮「危険な状態だったが光覇明宗の病院に運んだ。もう安心していい」


切嗣「……紫暮。アイリは?」


紫暮「アイリスフィール殿は……」

589 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/04(土) 04:23:50.44 ID:qxJDulow0


紫暮「…………」

切嗣「…………」

紫暮「すまん……」

切嗣「紫暮、君が謝ることじゃない」

切嗣「僕もアイリも覚悟の上でこの聖杯戦争に挑んでいる」

切嗣「それに、謝るのは僕のほうだ」

紫暮「ん……?」

切嗣「さっき一瞬だが聖杯に触れたよ」

紫暮「聖杯に!?」


切嗣「ああ……。そのとき感じた……アイリは器になったんだとね……」


切嗣「すまない紫暮……。本当は、分かっていたんだ……」


紫暮「切嗣…………」


切嗣「お役目の言うとおりだったよ」

切嗣「聖杯はすでに万能の願望機なんかじゃなかった」

切嗣「僕が求めた奇跡は、すでに白面に汚染されている」


紫暮「白面を倒すために求めた聖杯すら、白面に染められて……」

590 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/04(土) 04:52:41.43 ID:qxJDulow0


切嗣「あれを白面の使いに奪われるわけにはいかない」

紫暮「ああ、それを阻止するために私はここにいるのだからな」


切嗣「この先のホールでセイバーが交戦中、相手はおそらくアーチャー」

紫暮「分かるのか?」

切嗣「これでも僕は魔術師、マスターだからね」

切嗣「僕はセイバーを令呪で使って、聖杯を破壊する」


紫暮「セイバー殿を……。結局、セイバー殿には何も話さなかったのか?」


切嗣「言えるわけがない。僕たちは願いを叶えるという餌で彼女を釣ったんだ」

切嗣「お役目に言われるまで、聖杯が白面に汚染されているなんて知らなかった」

切嗣「アインツベルンは白面のことを伏せていた。いや、話す必要がなかったんだ」

切嗣「ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルンにとっては白面なんて関係ない」

切嗣「どんな聖杯でも、アインツベルンが手に入れた、という事実が欲しいだけなんだから」

591 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/04(土) 05:26:04.88 ID:qxJDulow0


紫暮「今更セイバー殿に、願いを叶えるかどうかも分からない聖杯……」

紫暮「白面入りの願望機のために戦ってくれ、とは言えないか」


切嗣「アイリにも、セイバーには白面のことは伏せるように言ってあった」

切嗣「僕は聖杯が万能の願望機ではないと確認出来たら、破壊するつもりだったからだ」


紫暮「それをセイバー殿に気づかれないために、か」


切嗣「いや、彼女の望みを叶えるのは聖杯ではないと思っただけだよ」


紫暮「お前……まさか……だからあえて何も話さず……」


切嗣「いつか彼女をあの呪縛から解放する者が現れる、でもそれは僕じゃない」

切嗣「結局、僕は僕らしく最後まで英雄様を利用するだけさ。何も変わっちゃいない」

切嗣「君と出会ったからって、僕とセイバーの関係が変わることはないんだ」


紫暮「なるほど……。お前らしくか」


紫暮(以前、アイリスフィール殿や舞弥殿に言われたことがある)

紫暮(私と出会い切嗣は変わったと。しかし本当は、お前は元はそういう人間だったんじゃないのか)

紫暮(それがいつか、セイバー殿にも伝わればいいのだがな……)

592 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/04(土) 05:32:22.04 ID:qxJDulow0


切嗣「……セイバーのことで紫暮の言いたいことは分かる」

切嗣「自分でも、自分が器用な人間だなんて思っちゃいないよ」


紫暮「それはお互い様だな切嗣。私も器用な人間じゃなかった」


切嗣「紫暮が……? そうには見えないが」


紫暮「私にも荒れてた時期ってやつがあったんだ。妻に出会うまでな」


切嗣「妻に、出会うまで……」

切嗣「前にアイリが言ってたよ。僕と紫暮は似た者同士だって」


紫暮「私とお前がァ〜〜?」


紫暮「そりゃアイリスフィール殿の勘違いだ。私はお前より器用だぞォ〜〜?」


切嗣「フッ、相変わらず言ってくれるね」

593 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/04(土) 05:39:07.13 ID:qxJDulow0


切嗣「すまない紫暮、肩を貸してくれないか?」

紫暮「よし……これでいいか?」

切嗣「ああ、この先のホールの入り口まで頼む」




切嗣「はぁ……はぁ……」


紫暮「もう少しだ、切嗣」


切嗣「紫暮……」


紫暮「ん?」




切嗣「……僕はね、正義の味方になりたかったんだ」



594 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/05(日) 01:23:22.92 ID:CFMz64ls0


紫暮「正義の、味方……?」

切嗣「笑うかい?」

紫暮「お前とはまだ短い付き合いだが、こんなときに冗談を言うようなヤツじゃないのは知っている」

切嗣「フッ、そうか」

紫暮「それで、その、正義の味方というのは?」


切嗣「僕は世界を救いたかったんだ。獣の槍を使い、白面の者を倒して」


紫暮「獣の槍ッ……!?」


切嗣「ああ」


紫暮「そうか……。だから、お前は初めて会ったときに蔵の扉を……」


切嗣「でも、僕は伝承者じゃないみたいだ」

切嗣「それに調べたが、きっとあの扉はどんな爆薬を使っても壊せない」


紫暮「お前……私の家の蔵を吹き飛ばす気だったのか……」

595 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/05(日) 01:35:02.98 ID:CFMz64ls0


切嗣「そういえば、あのときの決着がまだだったね」

紫暮「あぁ、次にやるときはお前のあの動きを見切ってみせる」

切嗣「僕だって、次は君の千宝輪を全て撃ち落としてみせるよ」


紫暮「しかし……お前が獣の槍を求めていたなんてなァ」

切嗣「いや、獣の槍でなくてもいいんだ。白面の者を倒しうる兵器ならなんだって」

紫暮「兵器……。切嗣、お前の望み、理想は以前聞かせてもらった。だが……」

切嗣「その理由かい?」

紫暮「聞かせてもらってもいいのなら」


切嗣「…………」


切嗣「……紫暮、僕たち魔術師はね、さまざまな研究をしているんだ」

切嗣「でもね、どんな分野、系統、属性、あらゆる魔術の辿り着く場所は全て同じなんだよ」


紫暮「違う研究をしているのに同じ……。それは……?」


切嗣「……永遠さ。魔術師は必ず、永遠の命に辿り着く」


紫暮「永遠の、命……」

596 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/05(日) 01:51:28.38 ID:CFMz64ls0


切嗣「いつか必ず来るという世界の滅亡……」

切嗣「白面による絶対の滅びから逃れるために」

切嗣「魔術師は、永遠を目指す」


紫暮「白面から逃げるため……それが魔術師の辿り着く場所……」


切嗣「ああ……」

切嗣「白面が存在する限り魔術師は、どれだけ死体の山を積み上げるか分からない」


切嗣「…………」


紫暮「切嗣……?」


切嗣「……白面さえいなければ、僕の父親も狂うことはなかったはずなんだ」

切嗣「そして、僕の大切な人たちも……」


紫暮「お前が白面の者にこだわる理由は……そうか……」

597 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/05(日) 02:01:50.90 ID:CFMz64ls0


切嗣「紫暮、これを持っていってくれ」


紫暮「これは……。セイバー殿の聖遺物、聖剣の鞘か?」


切嗣「ここから先は僕一人で行く。紫暮は予定通り行動してほしい」


紫暮「ばっ、馬鹿を言うな!!」

紫暮「そんな怪我をしたお前を単独で行かせられるか!!」

紫暮「言峰綺礼は倒したようだが、まだ白面の使いがいる。どこに潜んでいるか分からんのだぞ!!」


切嗣「だからこそだよ、何が起こるか分からない」

切嗣「その鞘を白面の使いに奪われるワケにはいかないんだ」


紫暮「それは、そうだが……」


切嗣「アヴァロンを、いつか現れる獣の槍の正統伝承者に渡してほしい」

切嗣「白面との決戦で役に立つはずだ」

598 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/05(日) 02:19:22.35 ID:CFMz64ls0


切嗣「行ってくれ紫暮」

切嗣「それに住民の避難や誘導は、魔術師殺しの僕には出来ない」

切嗣「でも、光覇明宗の蒼月紫暮にはそれが出来る」


紫暮「…………」


紫暮「その人が出来ることを、その人が出来る限り精一杯やればいい」

切嗣「え……?」

紫暮「商店街の中華料理店の親父が、娘にそうやって言い聞かせてたのを思い出した」

切嗣「それは、いい父親だね」

紫暮「ああ、それに作るメシも美味いんだ」


紫暮「……前に約束したことを覚えてるか、切嗣」

紫暮「私の息子とお前の娘をいつか会わせようと」


切嗣「もちろん覚えてるよ」


紫暮「こんな聖杯戦争パーッと終わらせて、その店にメシを食いに行こう」


紫暮「私たちの子供を連れて」


切嗣「それは…………願望機に頼らなくても叶えられる…………」


切嗣「僕が一番、叶えたい望みだ」



599 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/05(日) 02:24:58.97 ID:CFMz64ls0




切嗣「……………………」




切嗣「紫暮…………。イリヤを、頼む…………」








紫暮「切嗣……?」


紫暮「いや、気のせいか。声が聞こえるはずがない」


紫暮「それよりも急いで光覇明宗に……」



600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/05(日) 04:56:08.69 ID:oJFCTLWQo
乙ー
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/05(日) 06:17:37.27 ID:bmrZ/4naO

紫暮と切嗣いいね
602 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/09(木) 23:35:02.05 ID:AFVFBiJM0


・市民会館・コンサートホール




切嗣「衛宮切嗣の名をもって命ずる」


切嗣「セイバーよ、宝具をもって聖杯を破壊せよ」




ギル「我が婚儀を邪魔立てするか雑種!!」


セイバー「や、やめろ…………」




切嗣「セイバー。聖杯を、破壊しろ」




セイバー「やめろおおおおーーーー!!!!」



603 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/10(金) 00:07:15.41 ID:LP0ssVaW0


切嗣「ハァ……ハァ……」


切嗣「聖杯を、破壊……出来たのか……?」


切嗣「やった……終わった……。終わったんだ……」




??「それは、どうかしらねえ」




切嗣「お、お前は……!?」


??「この姿で会うのは初めてね、人間」


切嗣「言峰綺礼と協力し、この聖杯戦争を裏で操り、聖杯を手に入れようとした黒髪の女……」




切嗣「白面の使い…………!!!!」



604 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/10(金) 00:22:34.99 ID:LP0ssVaW0


??「ふふふ、よーく知ってるのね」

??「そう……。私は白面の御方の分身、斗和子」


切嗣「斗和子……。残念だったな、すでに聖杯は破壊した」


斗和子「ええ、そのようね」

斗和子「この聖杯戦争で貴方はことごとく邪魔をしてくれたわ、セイバーのマスター」


切嗣「これで、貴様の計画は水の泡だ」


斗和子「ふふふふ」

斗和子「そうね、綺礼もお世話になったようだし、お返しをしないとね」


切嗣「なに……?」


斗和子「空を見上げてご覧なさい」


切嗣「なっ……なんだ……あれは……!?」



605 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/10(金) 00:37:06.75 ID:LP0ssVaW0


切嗣「馬鹿なっ!! 聖杯は破壊したんだぞ……!?」


斗和子「すでに御方の力は器からあふれ始めていた。それなら器を破壊しても……」

斗和子「ね、分かるでしょ?」


切嗣「そ、そんな……そんな馬鹿なことが……」

切嗣「白面の聖杯は、もう止められないっていうのか……!!」


斗和子「ふふっ……。ほほほほ!!」


切嗣「まだだ、まだ!! 貴様にさえ聖杯を渡さなければ……!!」


ドゥゥン!!


斗和子「本当に残念ねぇ」


切嗣「妖怪用の銃弾が効かない……!?」


切嗣「今のは銃弾を体外に反射した……。こいつの能力は、まさか……」



606 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/10(金) 00:57:30.26 ID:LP0ssVaW0


斗和子「セイバーのマスター、私は聖杯戦争のお返しをすると言ったのよ」


切嗣「ぐっ……。なんだ、黒い靄、囲まれて……!?」


斗和子「私とお揃いの黒いドレス。よーく似合ってるでしょう?」


切嗣「アイ、リ……。くっ……はっ、放れ、ろ……!!」


斗和子「先ほどの聖杯はちょっとした試験だったの」

斗和子「貴方が綺礼のように御方の素晴らしさを理解出来たら聖杯を与えようと」

斗和子「でもね、御方を拒否するというのなら……。染まりなさい……」


切嗣「くそっ……このォ……!!」


斗和子「今度のは戯れも何もない。本物の御方の聖杯、極大の呪い……」




切嗣「ぐっ……うっ……ああああああああ!!!!」




斗和子「染めさせておくれ、人間」


斗和子「ふふふふ……。ほほほほほほ!!!!」



607 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/11(土) 18:03:26.06 ID:CXou20dr0


切嗣「………………」


切嗣「ここは……?」




『片方の船に三百人、もう一方の船に二百人。この二隻に同時に致命的な大穴が開いた』




切嗣「なんだ、これは……」




『船を修復するスキルがあるのは衛宮切嗣だけだ。時間的にどちらか一隻しか修復出来ない』


『さて、どちらの船を修復する?』




切嗣「そんなものは……。当然、三百人の船のほうだ」




『正解。それが正しい選択、賢い選択。それでこそ衛宮切嗣だ』



608 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/11(土) 18:18:59.62 ID:CXou20dr0


切嗣「やめろ白面……!!」

切嗣「こんなものを僕に見せてなんになる!!」


切嗣「もう僕はそんな選択をしたくないから、奇跡を……」


切嗣「聖杯を求めたんじゃないか……!!」




『しかし、生き残った三百人の船、その船には人間以外のバケモノが混ざっていたようだ』




切嗣「化け物……?」




『白面の者だ。白面は次に滅ぼす国を、弄ぶ国を決め、この船に乗っている』


『あの島で起こった悲劇を、白面はまた引き起こすつもりだ』




切嗣「そんな……。そんなこと、させるものか……!!」



609 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/11(土) 18:35:08.21 ID:CXou20dr0


『もう船は港に着く。衛宮切嗣には三百人のなかの誰が白面の者かは分からない』


『さて、どうする?』




切嗣「それは……だが……」


切嗣「やめろ、待ってくれっ……!!」




『正解。全員を殴殺する。正しい選択、賢い選択だ。これで次の国の大勢の人間は救われた』




切嗣「やめてくれ……」


切嗣「こんな天秤の計算なんてやりたくないから、僕は……!!!!」




「だが、残念だったなァ……」




切嗣「っ……!?」




「すでに我は、その船にはいなかったのだ」



610 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/11(土) 18:47:34.17 ID:CXou20dr0


切嗣「な、なにを……なにを言ってる…………」


切嗣「そんな…………それじゃ…………」


切嗣「僕が、救いたかった四百九十九人は…………」




「無駄死に、だったなァア」




切嗣「あ、あぁ…………」


切嗣「ふざけるな白面…………ふざけるなっ…………」


切嗣「馬鹿ヤロウ…………馬鹿、ヤロウ…………!!!!」




「くっくっくっ…………」




切嗣「貴様は……貴様は……」


切嗣「なんて、嬉しそうな……カオなんだ……」




「我を、憎め……」




切嗣「う、あ…………あぁ…………」


切嗣「ああああああああああ!!!!!!」








「我を憎めよ…………人間…………」







611 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/12(日) 03:10:20.13 ID:qPzrXHll0




切嗣「…………っ…………」




斗和子「その苦痛の顔、たまらないわァ」


斗和子「ふふ、御方の泥で溺死出来るのだから光栄に思いなさいな」




切嗣「……………………」






泥、か……




ああ……そうだ……




あの時も、僕は…………





612 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/12(日) 03:24:58.82 ID:qPzrXHll0


舞弥『切嗣。切嗣?』


切嗣「ん……。あ、あぁ、舞弥……」


舞弥『どうしたのです切嗣。放心するなど貴方らしくない』


切嗣「いや、何でもないんだ舞弥。気にするな」


舞弥『はい。それで、紫暮との定時連絡は?』


切嗣「ああ、終わったよ」

切嗣「これから紫暮は息子と用事があると言っていた」


舞弥『それでは予定通り別行動で動きます』

舞弥『しかし、紫暮のご子息に会わなくてもいいのですか?』


切嗣「必要ない。紫暮の家族や周辺に接触することは最小限に抑える」

切嗣「光覇明宗と僕が繋がっていることを他のマスターに知られるワケにはいかない」


舞弥『そうですね。どの陣営に白面の使いが紛れ込んでいるか分かりませんから』




少女「あぁっ……!!」



613 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/12(日) 03:40:36.50 ID:qPzrXHll0


切嗣(なんだ……?)


少女「そんな……風で、帽子が……」


切嗣「…………」


切嗣「舞弥、そこから見えるか?」

舞弥『はい、見えています』

切嗣「あれをどう見る?」


舞弥『……少女の帽子が突風で飛ばされ、沼のなかに落ちた』

舞弥『幸い、帽子は木の枝にかかり泥に浸かったわけではない』

舞弥『少女はそれを見て、取りに行くか迷っている。簡単な罠ですね』


切嗣「ああ、その通り。子供を使った典型的なトラップだ」


舞弥『近づけば少女の身体に巻きつかれた爆薬が爆発』

舞弥『それとも帽子が落ちた沼のほうに仕掛けが?』


切嗣「あの子に話しかけた瞬間に狙撃、いや、少女自体が特殊な訓練を……」

切嗣「どれにせよ、こんなもの戦場で腐るほど見てきた」

614 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/12(日) 03:47:51.54 ID:qPzrXHll0


切嗣「フッ……」


舞弥『切嗣?』


切嗣「あの程度のトラップを切り抜けられないようじゃ、この聖杯戦争は勝ち残れない」


舞弥『なるほど。受けて立つと』


切嗣「舞弥、周辺の確認を任せる」

切嗣「事の顛末を見ている狙撃者、マスター、サーヴァントを見逃すな」


舞弥『了解です切嗣』



615 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/12(日) 04:07:52.40 ID:qPzrXHll0


切嗣「どうかしたのかい?」


少女「えっ……あ……」


切嗣「ああ、帽子が飛ばされてしまったんだね」


少女「はう……。赤いリボンが可愛くて、お母さんに買ってもらった帽子……」

少女「取りに行きたいけど……」


切嗣「暗くてじめじめしている。そんなに深くはなさそうだが泥の沼だ」


少女「私やあさこ、みんなはヘビ沼って呼んでるの」


切嗣「ヘビ沼か。それは危険だね、どんな蛇がいるか分からない怖い沼だ」


少女「ど、どうしよう……」

616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/12(日) 10:35:51.57 ID:cv4LZe8SO

切嗣も救われてほしい
617 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/13(月) 03:15:53.27 ID:Qz7TCnNO0


切嗣(洗脳は違うな、魔力は感じられない)

切嗣(トラップではなかった、か……。いや、油断はしない)

切嗣(だが接触した以上、何も言わずに立ち去るのも不自然か)


切嗣「…………」

少女「うぅ……」


切嗣「君は……。君は、賢い子だね」


少女「え?」


切嗣「君は正しい選択をしたんだ。賢い子だ」

切嗣「あの帽子と、この沼に入って帽子を取りに行く危険性を天秤にかけたんだ」


少女「てん、びん……?」

618 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/13(月) 03:34:08.89 ID:Qz7TCnNO0


切嗣「それでいいんだ。それは正しい選択だよ」

切嗣「危険性だけじゃない。君のその綺麗な洋服、きっと泥だらけになってしまう」

切嗣「そんな姿を見たら君の親御さんも心配する」

切嗣「帽子を買ってくれた大好きなお母さんに心配をかけたくないだろう?」


少女「は……う……」


切嗣「賢い君は、あの帽子を天秤にかけて計算したんだ」

切嗣「大のために小を切り捨てる。当然だ」

切嗣「天秤が傾かなかった帽子は尊い犠牲さ。気にすることはない」


少女「で、でも……!!」




ガッポォ、ガッポォ、ガッポォ、ガッポォ




少年「……………………」



619 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/13(月) 03:48:42.10 ID:Qz7TCnNO0


少女「えっ……!?」

切嗣「な……!?」




ガッポォ、ガッポォ


少年「…………」




少女「あっ……あっ……」


切嗣「お、おい!! 君、駄目だ!! この沼は危険なんだ!!」

切嗣「何をしてるんだい!! 戻ってくるんだ!!」




少年「…………」


ポフ



620 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/13(月) 03:58:02.03 ID:Qz7TCnNO0


ガッポォ、ガッポォ


少年「ん!!」


少女「あっ、ありが」


切嗣「……待ってくれ、どうしてだい」

少年「ん?」

切嗣「どうして君は帽子を取りに行ったんだ」

切嗣「あれは救うことが出来ない少数、助けられないんだよ」

少年「……?」

切嗣「駄目なんだ……諦めるしかないんだよ……」


ビュゥゥウ


少年「あっ……!?」


少女「また帽子がっ……!!」



621 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/13(月) 04:04:59.30 ID:Qz7TCnNO0




切嗣「くっ……!!」




バシャ、バシャ、バシャ、バシャ


バシャァァァァ




切嗣「…………」




切嗣「……やった」




切嗣「間に合った!! 帽子に泥はついてない!!」



622 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/13(月) 04:19:50.10 ID:Qz7TCnNO0


少女「わ、私……」

切嗣「今日は風が強い日だ。もう飛ばされないようにね」

少女「はいっ」


少年「へへ」


切嗣「君は……。いや、教えてくれないかい」

少年「ん?」

切嗣「その格好は結婚式かなにかの服だ、しかも下ろし立ての」

切嗣「きっと君は、今から親御さんに酷く怒られるだろう」

少年「うっ……」

切嗣「計算しなかったのかい?」


少年「だって……。大事なんだろ、それ?」


少女「う、うん」


少年「それならさ」




切嗣「たった、それだけの理由で…………泥だらけに…………?」



623 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/13(月) 04:36:51.73 ID:Qz7TCnNO0




少年「…………!!」




切嗣「今、なんて……」


少年「でもオジサン、変なこと聞くんだね」


切嗣「え?」




少年「オジサンだって、泥だらけじゃーないか」




切嗣「えっ…………あ…………」




グイグイ


少女「あの……てんびんのはなし分からなくてごめんなさい……」


少女「でも、帽子を取ってくれて……」




少女「ありがとう!!」




切嗣「……っ……」






ああ……




僕は……




僕は、本当は…………





624 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2017/11/13(月) 04:51:06.25 ID:Qz7TCnNO0




斗和子「そろそろ終わりかしらねぇ?」


切嗣「………………ぃ……」


斗和子「な、なにィ……?」


切嗣「……て…………」


斗和子「あっ……ありえない……御方の極大の呪いを受けて……」


斗和子「人間が立ち上がれるはずがない……!!」




斗和子「聖杯の泥を浴びて……!!!!」




切嗣「…………だ……い……」






切嗣「泥なんて、なんだい……!!」





625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/13(月) 14:09:18.49 ID:jxQVKFeYO
乙ー
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/13(月) 15:52:48.76 ID:Nviu0g8CO
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/13(月) 19:26:03.25 ID:W4YHcz7FO
泣いた
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