うしおとセイバー

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

749 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/04/29(日) 22:47:05.65 ID:aRXbxVaE0


とら「くっそがァ〜〜〜〜!!」


うしお「お、おいとら!! こりゃどうなってんだ!?」

とら「どうもこうもねえ、ヤツの本当の狙いは始めからこれだったのよォ!!」

セイバー「あれが白面の狙い……!?」

うしお「白面は言峰神父と協力して、復活を企んでたんじゃ……」

とら「タコが、そんなもんヤツは考えちゃいねーよ」


言峰「な、に……?」


とら「考えてみろクソうしお」

とら「あの白面が魔術師の儀式ひとつで復活なんて出来るのかよ?」

うしお「そ、そりゃ多分すげえ魔術師なら……」

とら「もし本当に出来るんなら大昔からヤツは世界中の魔術師に使いを送ってらァ」

セイバー「なるほど……。それでは白面は聖杯で復活出来ないことを知っていたと?」

とら「ああ、分かってたのさ」

とら「聖杯なんて大そうな名前で呼んでやがるが、ありゃただの魔力の塊よォ」

750 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/04/29(日) 22:58:33.86 ID:aRXbxVaE0


セイバー「しかし白面は、前回の聖杯戦争からあの男と組んでいたはず」

うしお「そうだぜとら。聖杯を利用して母ちゃんのいた柱を壊そうと……」

とら「そりゃヤツの分身の目的だ。白面の本来の目的じゃねえな」

セイバー「それでは……まさか……」


うしお「斗和子と白面の狙いは別だったってことかよ……っ!?」


とら「白面にとっちゃ聖杯も聖杯戦争もどうでもよかったのさ」

とら「ヤツに重要なのは、聖杯のなかにあるモンだけだからな」


セイバー「白面の体の欠片……」


とら「人間どもが勝手にやってた聖杯戦争だ」

とら「それを壊すために欠片を利用するなんざ、ヤツが見逃すわけがねえ」


うしお「そうか……。白面の本当の目的は……」

セイバー「自身の欠片を利用した魔術師たちへの報復……!?」

751 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/04/29(日) 23:10:24.08 ID:aRXbxVaE0


とら「ヤツは前回の聖杯戦争から仕組んでやがった」

とら「あとはそこの野郎にあることないこと吹き込んで今回の聖杯を降臨させたのよ」

とら「そして龍脈の魔力が大量に集まったところで、欠片を割って聖杯を違うモンに変える」



とら「それがヤツの……白面の計画よォ……!!!!」



セイバー「あらゆる願いを叶える聖杯が手に入る直前で……」

うしお「聖杯を変える……!?」



セイバー「それは確かに、魔術師への報復としては最大限のもの……」

うしお「いや、きっとそれだけじゃねえ」

うしお「白面は自分への恐れや憎しみを取り込んで力に変えるんだ」

うしお「どんな魔術師だって、そんなことをされたら……」

とら「ああ、それも狙いだろうな」

752 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/04/29(日) 23:18:32.80 ID:aRXbxVaE0


とら「まぁヤツにも誤算はあったぜ」

セイバー「誤算……?」

とら「欠片より先にてめえがブッ倒されるなんてヤツが想像するかよ」

うしお「そうか、憎しみを取り込む白面の本体はもういねえからな」




『…………お………………お……………………』




うしお「それじゃあよ、とら……。こいつは…………」

セイバー「願いを叶える聖杯でもなく、邪悪の化身の白面の者でもない……」


とら「ああ、そうだ」


とら「こいつは白面の泥…………陰の気に染まった大量の魔力…………」




とら「それが白面の皮を被っただけの…………」




とら「バケモノだぜ…………!!!!」




白面の泥『おおおぎゃああああああああーーーーーー!!!!!!』



753 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/04/29(日) 23:30:46.15 ID:aRXbxVaE0


言峰「フ……フフ……。そうか雷獣よ、白面は誕生しないか」


うしお「言峰、神父……?」


言峰「いや、その通りだ」

言峰「確かに白面の欠片とお役目の結界を使おうとも荒唐無稽な話か」

言峰「あの白面の者を誕生させるなど、魔法使いでも及び難い」


セイバー「まさか貴様、それを知りながら……!!」


言峰「それは違うなセイバー。私は白面の者を降臨するつもりだった」

言峰「白面の欠片の囁きに従い、聖杯戦争を開幕させた。私の願いのために」

言峰「そして……。その願いは叶ったようだ」


とら「あ……?」

うしお「とらの話を聞いてただろ言峰神父!! 白面に騙されてたんだぜ!?」

うしお「言峰神父のために復活なんて、白面はこれっぽっちも考えちゃいねえよォ!!」

うしお「あれは白面でもなけりゃ聖杯でもねえんだ!!」

754 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/04/29(日) 23:40:03.88 ID:aRXbxVaE0


言峰「やはり理解出来ないか、蒼月潮」


うしお「えっ……?」


言峰「聖杯を制御する中枢、白面の核となるはずだった欠片が割れた」

言峰「最早この聖杯、このバケモノが望むまま暴れるだけだ」

言峰「お役目の結界以上に龍脈の魔力を吸い上げ続け、泥を作り続けるだろう」


うしお「そ、そんな……」


言峰「龍脈とは星に流れる魔力の軌跡、一つの巨大な生命の鼓動、この大地の要だ」


うしお「大地の要……。妖たちが石となって支えてくれた場所……っ!?」

とら「そいつの力が吸われるってえことは……」

セイバー「この地、この国が、再び沈み始める……!!」




言峰「フフ……。蒼月潮、あれはお前にとって聖杯でも白面でもないか」




言峰「私にとっては、このバケモノは望みを叶える聖杯であり白面だよ」



755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/03(木) 00:43:31.18 ID:xtmJJD7Ro
乙ー
756 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/05/06(日) 00:22:15.66 ID:2Vzlj23Y0



白面の泥『おおおおおおおおおおおおーーーーーー!!!!!!』



黒炎「!?!?!?!?」

黒炎「ギャッ……!?」



セイバー「なんだ……。仲間割れ……!?」

とら「いーや、ヤツは黒炎どもを取り込んでやがるのよォ!!」


うしお「白面の細胞が暴走したときと同じだ……」

うしお「力を……魔力を手当たり次第に飲み込んで……」

うしお「こいつは言峰神父の言うとおり、この星の龍脈も吸い尽くしちまう……!!」



白面の泥『おおおおおお…………おおお………………』

ガシィッ

言峰「そうか、白面よ、聖杯降臨後は用済みか。フフ……ハハハハ……!!」



うしお「言峰神父!?」


757 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/05/06(日) 00:31:09.54 ID:2Vzlj23Y0


言峰「身体が動かん。いや、そうだろうな」

言峰「私はお前と同じ悪性を持つもの、何よりも先に取り込もうとするのは道理」

言峰「『この世全ての悪』を名乗るならば、私を取り込むのも必然か」

言峰「思惑通りだろうな白面よ。だが本来この力はお前のものだ」

言峰「前回の聖杯戦争、その力を借りて生き返った。それを返すだけのこと」


うしお「ま、待て……っ!!」


言峰「私としては好都合だ。二年前に見るはずだった地獄の光景、私が望んだ世界……」

言峰「それを、この白面に成り変わり見ることが出来る」


言峰「悦ばしい。私の望みはようやく、かな」


白面の泥『おおおぎゃああああああああ!!!!!!』

グシャァッ



うしお「あ……あぁ…………言峰神父………………」



とら「ちっ……。英雄王と同じ勝ち逃げかよ」

セイバー「しかし、置き土産が強大すぎる……」

758 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/05/06(日) 00:41:02.59 ID:2Vzlj23Y0


ドロォ……ベチャ……

ベチャ、ベチャ


セイバー「トラ、あれは……」

とら「泥が溢れ出てやがる、白面の皮の許容量を超えやがった」

セイバー「それでは、このバケモノは完全に実体化を……」


とら「ああ、その通りよ」

とら「こいつは今すぐにでも暴れ出すぜェ……!!」


セイバー「私たちが倒せなければ、この国、いや、この世界は……」

とら「けけけ、なーに剣使い、心配なんかすんじゃねえよ」

セイバー「トラ……?」

とら「わしらは倒したことがあるのよ」


とら「こんな真っ黒な気味の悪ィ白面なんかじゃねえ、本物の白面よォ!!!!」


うしお「………………」

759 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/05/06(日) 00:46:18.79 ID:2Vzlj23Y0


セイバー「そうか……。トラの宝具の特性は白面に対して有効のもの……!!」


とら「獣の槍がありゃ、こんな白面くせえだけのバケモノに負けるかよ」


とら「なァ、うしお?」



うしお「……っ………」



とら「くくっ、やーっとこの聖杯戦争もしめえに出来そうだぜ!!」

セイバー「そうですね。ウシオ、私たちの手で決着をつけましょう!!」


とら「さぁうしお……!!」




とら「槍を呼びなァ!!!!」




うしお「…………」




とら「あ……?」



760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/05/06(日) 20:50:42.51 ID:j98RPoIYO
乙ー
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/08(火) 22:50:52.56 ID:KwQ4WPaB0
乙ー
相変わらず熱いなあ
762 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/06/03(日) 22:37:24.42 ID:2QgKRgO50


・柳洞寺付近道路


タッタッタッ

凛「ふー……」

凛「こっちはどうかしらキリオくん、みんな集まってる?」


キリオ「うん、大丈夫だよ。お姉ちゃんのほうは?」


凛「宝石はなんとか確保出来たわ」

凛「ま、帰って来たらメイドでもなんでもやってやるわよ」


キリオ(メイド……?)


凛「キリオくんのほうはどう?」

キリオ「大丈夫。法力もエレザールの鎌も準備は出来てる」

凛「了解、お互い戦闘準備はオッケーってことね」


キリオ(真由子姉ちゃん、必ず助けるよ)

763 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/06/03(日) 22:49:58.11 ID:2QgKRgO50


桜「でも姉さん、この山の上に本当にあの白面がいるんですか?」

凛「私だって信じたくないわよ。この聖杯戦争が二年前の延長戦だったなんてね」

凛「でも、私ととらの繋がりで大体の状況は把握してるつもりよ」


イリヤ「そのバケモノを倒せば全てが終わるならやるだけよ」

イリヤ「アインツベルンの……ううん、私自身の手で聖杯戦争を終結させるわ」


セラ「お嬢さま……。はい、やりましょう」

リズ「私も、戦う」


凛「みんな準備も覚悟も出来てる、か」

桜「私に出来ることは少ないかもしれません」

桜「それでも、私もうしおくんやとらさんたちと戦いたいです」

凛「桜……。ええ、そうね。それは私もよ」


凛「それじゃみんな、行くわよ!!」

タッタッタッ


凛(とら……。アンタは、どうするのよ……)

764 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/06/03(日) 23:05:22.71 ID:2QgKRgO50


セイバー「ん……?」

とら「おいうしお、聞こえなかったのかァ?」

とら「わしが槍を呼べって言ったろうが」


うしお「………………」


セイバー「ウシオ、どうしたのです?」


うしお「槍は……」


うしお「獣の槍は、使わなくてもいいさ」


セイバー「それは……どういう意味ですか……?」


とら「けけけっ、おいおいうしお」

とら「まさか今更おめえが白面に怖じ気づいたなんて言うんじゃねえだろうなァ?」


うしお「そんなんじゃねえよ、とら……。オレは……」


とら「ああ……?」

765 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/06/03(日) 23:15:58.69 ID:2QgKRgO50


セイバー「ウシオ、もちろん私たちも理解しています」

セイバー「サーヴァントである我々がマスターの貴方に戦いを要請するなど間違っている」

セイバー「ですが現状の戦力を考えればウシオも分かるはずです」


うしお「そりゃ、オレだって……」


セイバー「あの白面の泥のバケモノを倒すにはトラの宝具が、獣の槍が不可欠です」

セイバー「それにウシオの得物はリンの魔術か何かで焼失してしまっている、二槍になることもない」

セイバー「獣の槍を呼び出すことに何も問題はないはずです」


うしお「…………。ダメなんだ、セイバー……。獣の槍を呼んじゃ……」


セイバー「え……」


とら「おめえ、まさか……」


うしお「……っ………」

766 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/06/03(日) 23:28:27.28 ID:2QgKRgO50


うしお「そ、そうだ……っ」

うしお「何も宝具は獣の槍だけじゃねえ」

うしお「オレたちにはセイバーがいるじゃないかっ!!」


セイバー「私、ですか……?」

とら「……………………」


うしお「ははっ、なんで思いつかなかったんだ」

うしお「セイバーの宝具を使えば泥のバケモノなんて簡単に倒せるぜ!!」

うしお「なぁ、とらだって認めてたじゃねえか、セイバーの聖剣はすげえってよ」


とら「……………………」


うしお「そうだろとら、獣の槍を使う必要なんてないぜ……!!」


とら「うしお」


うしお「な、なんだよ……。それじゃダメなのかよ……」

767 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/06/03(日) 23:42:17.65 ID:2QgKRgO50


うしお「待てよ……。凛姉ちゃんから聞いたことがあるぜ」

うしお「セイバー、聖杯戦争の大元は魔術協会ってところなんだろ?」

うしお「白面の泥なんてオオゴトになったんだぜ、あとはそこに任せたほうがいいんじゃねえか?」


セイバー「ウシオ……。なにを、言って……」


うしお「それもダメだって言うなら、光覇明宗のみんなもいるじゃねえか」

うしお「親父も動いてるって話しだし……無理にオレたちが戦わなくても……」


ガシィッ!!


とら「おめえ、それ本気で言ってんのか?」


うしお「なんだよとら、放せよ……」

うしお「オレ、そんなに変なこと言ってるか……?」


とら「ああ、言ってるぜ」

とら「おめえらしくねえことをべらべらとなァ……!!!!」

768 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/06/03(日) 23:53:17.35 ID:2QgKRgO50


セイバー「本当にどうしたのですか、ウシオ」

うしお「………………」

とら「いいさ剣使い。この馬鹿が忘れたっていうんなら思い出させるだけよ」


とら「白面は、いや、白面に関係するものは獣の槍じゃなきゃ倒せねえ」


とら「そいつをこの世で一番よーく知ってんのはおめえだぜ」




とら「うしおォ!!!!」




うしお「そんなの…………分かってらい…………」


とら「だったら槍を呼べと言っ」


うしお「……え……んだろ…………」


とら「あ……?」




うしお「消えんだろ……。次に、獣の槍を呼んだら……」




うしお「とら…………消えちまうんだろ…………?」



769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/04(月) 23:49:50.59 ID:B/8Zb7gfo
乙ー
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/05(火) 08:17:04.56 ID:DUHWBG00O
うしおがこういう風に弱気になると、そういやまだ中学生だもんなぁってなるわ
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/05(火) 21:37:13.51 ID:mY4FQ+11O
このSSだと一応高校生では?
それにしたって2回目の別れは辛いよなぁ…
772 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/07(土) 23:40:16.36 ID:+sZ9dA/h0


・言峰教会


紫暮「間に合わなかったか……」


紫暮(この国と魔術協会、その二つの上層部に阻まれ光覇明宗は今回の聖杯戦争に関われなかった)

紫暮(しかし両者のパワーゲームが終わり、やっと光覇明宗が動けるようになったと思った矢先に……)

紫暮(言峰綺礼……。侮れん人物だ、前回の聖杯戦争で切嗣が最も警戒していただけはある)


紫暮「この瘴気の密度……。やはり聖杯の降臨場所は柳洞寺……」


??「紫暮」


紫暮「舞弥か。そちらはどうなっている?」


舞弥「全て伝令通りに」

舞弥「すでに厚沢一尉率いる特殊災害対策室の部隊はこちらに向かっています」


紫暮「うむ……。総本山の法力僧たちも駆けつけている」

紫暮「遅れたが聖杯戦争は終わっていない。舞弥、私たちも戦うぞ」

773 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/07(土) 23:52:54.88 ID:+sZ9dA/h0


・柳洞寺付近


タッタッタッ


紫暮「………………」

舞弥「どうかしましたか、紫暮」


紫暮「私は、切嗣との約束を何一つ果たせてないと思ってな」


舞弥「どういう意味です?」


紫暮「あれから、託された娘には森の結界で会うことも出来ず、使用人の二人に会えた程度だ」

紫暮「それに聖剣の鞘は、記憶を喰らう婢妖から逃れるための石化でうしおに渡せなかった」

紫暮「私は、前回の聖杯戦争で白面から世界を救ったアイツに何も出来ていない」


舞弥「……切嗣への手向けならば今からでも遅くはありません」

舞弥「あの人の望みは白面のいない世界、あの白面入りの聖杯を破壊することが最大の手向けです」


紫暮「舞弥……。ああ、そうだったな」

774 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/08(日) 00:06:44.12 ID:fkO4N3sR0


紫暮「それはそうと舞弥……」

紫暮「やはり、その……須磨子は、来とるのか」


舞弥「はい。紫暮の言葉、総本山に残るようにと伝えたのですが」

舞弥「押し切られました」


紫暮「舞弥でも駄目だったかァ〜〜」

紫暮「あれは本当にニコニコ笑って押しが強いんだよ……」


舞弥「また保険の勧誘、すすめてみますか」

紫暮「ホントーにやらせてみたくなってきたなァ」

舞弥「フ……」


紫暮「舞弥」


舞弥「そうですね、分かりました。護衛に戻りましょう」


紫暮「いつもすまん」


舞弥「いえ、押しの強いマダムの護衛は初めてではありませんから」

775 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/08(日) 00:18:00.99 ID:fkO4N3sR0


・柳洞寺山門


純「紫暮様!」


紫暮「おお。純、間に合ったか」


純「はっ。伝令通り聖杯戦争の後処理の件、埋葬機関の代行者へ伝えました」

紫暮「彼女はなんと?」

純「『この国の代行者として仕事をするだけです』と」

紫暮「そうか、彼女が動いてくれるならば安心だ」

純「それと、その……紫暮様に、伝言が……」

紫暮「ん……?」


純「『これは貸しですよ。またカレーの美味しい店に連れて行ってください』とのことです……」


紫暮「ふふ……」


純「紫暮様……?」


紫暮「いや、彼女も変わらずだな」

776 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/08(日) 00:47:06.66 ID:fkO4N3sR0


紫暮「杜綱、日輪。準備は?」


杜綱「整っています」


紫暮「そうか」

紫暮「しかし用意していたとはいえ、こんな手は使いたくなかったんだがなァ」


日輪「ですが紫暮様、今のヤツなら自分からひと役買ったかと」


杜綱「日輪がそんな風に言うとは思わなかったな」


日輪「フンッ……。まだまだ未熟者だがな」


杜綱「確かに、だが魔術の才能はなくても法力の才能は分からない」

杜綱「このまま修行を続ければあるいは……」


紫暮「うむ。なんにせよ、あとは彼しだいか」


杜綱「はい、ですが彼ならきっと」

日輪「無様な戦いをしたら私が許さないわよ、間桐」

777 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/08(日) 00:56:30.53 ID:fkO4N3sR0


照道「近隣の光覇明宗の法力僧、可能な限り集めております」

紫暮「よし……。総本山の和羅様たちが到着するまで我々だけで敵を阻止するしかない」




紫暮「聞け、光覇明宗の者たちよ!!」

紫暮「おそらく敵の魔術師の目的は、聖杯の力による白面の者の復活だ」


紫暮「白面の完全なる消滅は……我ら光覇明宗の悲願……」




紫暮「心せよ!!」




「「はっ!!」」



778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/08(日) 09:10:02.86 ID:66Jo5YjzO
乙ー
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/15(日) 02:28:56.24 ID:Gc0wOBqdO
fateとうしとらが見事にクロスされているSS初めて見た
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/15(日) 10:43:34.11 ID:B5X7kDcR0

今日見つけて一気に読んでしまったわ
続き楽しみにしてる
781 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/16(月) 15:11:14.09 ID:h0kV9j4Z0


・穂群原学園付近



タッタッタッ



慎二「よくも関守のヤツ、この僕に何度も遠慮なく土剋水を……」


慎二「いつかこの借りは……ん?」


慎二「柳洞寺の山の上のほうが光って……。チッ、もう始まってるか……っ」


782 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/16(月) 15:25:27.11 ID:h0kV9j4Z0


・穂群原学園校門


「おーーい、慎二。やっと来たか」


慎二「ああ、それより頼んだヤツらは集まってるのか?」


「言われたとおり弓道部の連中、それに生徒会の一成たちにも集まってもらった」


慎二「よし……。やっぱりこういうのは人並みにお人よしのお前に頼んで正解だったね」


「人並みってなんだよそれ、褒めてるのか……?」


慎二「気にするなよ。とにかく人手がいるんだからさ」


「それなら遠坂に頼まれたとかで三人組の女子や、それ以外にも結構な人数が集まってるけど……」

「でも本当に、柳洞寺一帯でガス漏れ事件が起きてるのか?」


慎二「いや、ガス漏れより恐ろしい二年前と同じことが……」


「えっ……?」


慎二「とにかく僕たちで周辺の住人を避難させるんだよ」

慎二「地元の人間なら抜け道の一つでも知ってるだろ」


慎二「それは光覇明宗の連中には出来ない、僕たちの使命さ」

783 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/16(月) 16:09:46.77 ID:h0kV9j4Z0


うしお「とらは、消えちまうんだろ?」


とら「おめえやっぱり、わしとりんの話を聞いてたのか」


セイバー「消える……? トラが……?」


セイバー「……いやウシオ、それは何かの間違いです」

セイバー「確かに我らサーヴァントの宝具は多大な魔力を消費します」

セイバー「ですが存在が消えるほどの消費はそうありません」

セイバー「リンは優秀な魔術師だ」

セイバー「それにトラがいくら大食いだといっても、今はサポートにイリヤやサクラもいる」


セイバー「獣の槍を使ったからと……トラが消えるようなことは……」


とら「………………」


セイバー「トラ……なぜ、否定しないのです……」


セイバー「本当、なのですか……?」

784 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/16(月) 16:21:44.27 ID:h0kV9j4Z0


うしお「教えてくれよ、とら」

うしお「なんで……なんで獣の槍を使うと、お前が消えるなんてことになるんだよ……」


とら「………………」


セイバー「トラ……」


とら「……そういう、契約なのよ」


うしお「契……約……?」


セイバー「まさか守護者の……英霊の……」


とら「うしお、獣の槍はどんな理由で作られた?」


うしお「え……。そりゃ、ギリョウさんが白面が憎くて、白面を倒そうと……」


とら「そうだ、獣の槍は白面を倒すために作られた。それだけに特化した宝具だ」


とら「宝具、獣の槍は……対白面専用宝具なのさ」

785 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/16(月) 16:40:12.41 ID:h0kV9j4Z0


うしお「獣の槍が、白面専用……」


セイバー「専用宝具……。いえ、そんなはずはありません」

セイバー「現に貴方はこの聖杯戦争で何度も獣の槍を使っている」


とら「けけ、そうさ。だからおめえらが見てねえところで何度も消えかけたぜ」


うしお「なっ……!!」


とら「なにを驚いてやがる、うしお」

とら「獣の槍を使えば代償がいるのはおめえが一番知ってんだろが」


うしお「そ、そんなことならオレは……っ!!」


セイバー(……きっとウシオは宝具を、獣の槍を使わなかった。使えなかった……)

セイバー(ですがそれではバーサーカーを倒せず、サクラも救えなかった)


セイバー(トラ……。貴方はそれが分かっていたから、何も言わず……)

786 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/16(月) 17:11:08.67 ID:h0kV9j4Z0


とら「なーに気にするこたァねえよ。うしお、剣使い」

とら「わしが消えるなんてことは、はなから決まってたことよ」


うしお「え……」

セイバー「それは、どういうことですか?」


とら「前に言っただろ、全部思い出したってよ」

とら「わしはこの聖杯戦争の正規の参加者じゃねえ、割り込んで来たのさ」


とら「あの白面を、獣の槍でブッ倒すためにな」


セイバー「……っ!?」

セイバー「そうか……。貴方は聖杯戦争の聖杯、あの白面を倒すために召喚された守護者……」


とら「その通りよ。本来ならこの聖杯戦争にゃわし以外の誰かが参加するはずだったろうよ」


セイバー「おそらく残ったアーチャークラスの誰かが……」

セイバー「しかし、この聖杯戦争には白面がかかわっていた。だから貴方が召喚された」


セイバー「白面を倒す唯一の宝具、獣の槍を持ったトラが」


うしお「とらは白面を倒すために……」

787 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/16(月) 17:37:18.67 ID:h0kV9j4Z0


とら「まぁ、わしも記憶をなくして忘れてたけどよ」

とら「りんが召喚で下手をこいたか、それともわしが無理やり割り込んだのが原因か」

とら「やつのたわ言を真に受けるなら、聖杯のなかの欠片がわしを呼んだからか」

とら「どれにせよ思い出すまで時間をかけちまった」


セイバー「多重の召喚の不具合で……。だから記憶を……」

セイバー「しかし、なぜ白面のことを黙っていたのです?」


とら「どの陣営にやつがいるのか分からなかったからな」

とら「りんに話せばりんが白面に狙われる。わしもますたーを失うわけにゃいかねえ」

とら「しっかし、聖杯自体が白面だとは思わなかったぜ」


セイバー「なるほど……。イレギュラーなエクストラクラスが召喚されたと思っていましたが」

セイバー「この白面主催の聖杯戦争、フタをあけて見ると貴方が最も相応しい参加者だったワケだ」


とら「へっ……。わしはやつをブッ倒すために来たんだ。契約は守るさ」


うしお「なにが…………契約だよ…………」

788 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/16(月) 17:54:17.45 ID:h0kV9j4Z0


うしお「オレは、お前が戻ってきたって思ったんだ……」

うしお「だからこんな聖杯戦争は早く終わらせて、またお前と……っ!!」


セイバー「ウシオ……」


うしお「これからじゃねえか、これからまた昔みたいにさ……!!」

うしお「お前だって真由子の顔を見ただろ!? あんなに喜んでたじゃねえかよっ!!」


うしお「いや真由子だけじゃねえさ、他のみんなだって…………!!!!」




うしお「それに……オレだって……な…………とら…………だから…………」




とら「………………」




とら「そういやァ、うしお」




とら「なーんでわしが英霊なんざやってるか話してなかったな」



789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/18(水) 10:11:06.61 ID:v6tVEEOsO
乙ー
790 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/29(日) 15:34:44.32 ID:t/QNP+jn0


とら「うしお、覚えてるか」

とら「わしとおめえで白面をブッ倒した、あの最終決戦だ」


うしお「ああ…………忘れるかよ…………」


とら「あんとき確かにわしはこの世から消えたのよ」

とら「けけけ、あんだけ大暴れしたんだ、仕方ねえさ」

とら「ちーっと休むのも悪かねえか、わしはそう思ってた」


うしお「とら……」


とら「だがな、気がつくと妙な場所にいた」

とら「やけに静かで、蔵の地下よりも真っ暗な場所さ」


セイバー「……っ……そこは…………」


とら「そしてわしの目の前に、あの野郎が現れやがったのよ」


うしお「だ、誰が……」


とら「そいつは、てめえのことを『世界』だと名乗った」

791 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/29(日) 15:51:17.41 ID:t/QNP+jn0


うしお「世界……?」

セイバー「…………」


とら「ごちゃごちゃとそいつは何かを言ってやがった」

とら「星がどうとか抑止力がどうとか、ほとんど聞いちゃいねーがな」

とら「わしはそいつに、興味ねーから他をあたんなって言ってやったのよ」


セイバー(それは……貴方らしいですね……)


とら「だが、そいつは何を思ったのか、わしに妙なもんを見せてきやがった」


うしお「なにを……」


とら「白面さ」


うしお「は、白面……っ!?」


とら「ああ、だがわしらが知ってるあの白面じゃねえ、別のやつだ」

とら「いろんな次元、時代、場所に、やつみてえのが大勢いやがるのさ」


うしお「そんな……白面が、たくさん……!?」

792 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/29(日) 16:09:52.17 ID:t/QNP+jn0


とら「奴らはわしの知らないところで、わしの食いモンを殺してやがった」

とら「そんな場面を、世界の野郎は何度も何度も見せてきやがる」


セイバー「…………」


とら「それを見てるだけなのが、なんだか悔しくてよォ……」


とら「それで、わしは英霊の契約をしたのさ」


うしお「……とら…………」


とら「どの場所にも白面を倒したい人間はいたぜ」

とら「そいつに宝具の獣の槍を渡して、そいつと白面をブッ倒す」


とら「けっけっけっ、そうやって何度も白面を倒してやったぜえ……!!」

とら「この前なんて目玉のついた四足の気味がわりい奴をブッ飛ばしてやった……!!」


うしお「何度も……」

セイバー「そうか……。先ほどの白面との会話には、そのような意味が……」


とら「そしてわしは消え、次の白面のもとへ行く」


とら「それが、わしの契約だ」

793 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/29(日) 16:33:25.27 ID:t/QNP+jn0


とら「なァ剣使い。この聖杯戦争、おめえは退屈したかよ?」


セイバー「それは……。いえ、退屈など一度たりとも」

セイバー「むしろ、これ程までに誇りを持って戦えたのは幾久しい」


とら「くく、そうさ剣使い。こいつといると退屈しねえのよ!!」


とら「わしは消えた後も退屈しなかったぜえ!!!!」


うしお「……とら…………」



とら「うしお、なんでわしが英霊になったと思う」



ガシィッ



うしお「……っ…………」



とら「おめえとの、あの旅があったからだろうが……!!」



うしお「…………!!」



とら「わしが英霊になったのは、おめえのせいなんだぜ!!!!」



とら「そのおめえが…………」



とら「白面が暴れ出しそうな今なにしてやがる!!!!」




とら「うしおォ!!!!」



794 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/07/29(日) 16:52:03.34 ID:t/QNP+jn0


うしお「…………よ………………」



セイバー(トラが英霊になったのはウシオとの旅を無駄にしないため……)

セイバー(ウシオは夕暮れの高台で、もうこぼさないと言った……)


セイバー(貴方たちは遠く、遠く離れていても……互いに続けているのですね……)


セイバー(あの旅を……)




うしお「……獣の……槍よ…………」




うしお「来い…………っっ!!!!」




パシィィッ!!!!




うしお「……い…………」


うしお「行っくぞォォーーーっ!!!!」




うしお「とらァァーーーーっ!!!!」




とら「へっ……。うるっせーんだよ」




とら「うしお」



795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/30(月) 04:18:45.51 ID:6O0wC95mO
乙!
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/08/01(水) 00:27:25.20 ID:pkh67b/Po
乙ー
797 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/10/21(日) 23:24:52.44 ID:kc835+oY0
良かった……
あのままだったらどうしようかと思ってました……

残りは最終話だけですが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/24(水) 01:54:19.68 ID:LCUbMXHQO

待ってます
799 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/03(土) 23:22:37.16 ID:T2KKDYrr0




【最終話 『太陽と月に集う者たち』 】



800 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/03(土) 23:42:20.70 ID:T2KKDYrr0


とら「剣使い。わしが消えたらあの馬鹿を」

セイバー「それは出来ません」


とら「あ……?」


セイバー「ウシオと私はマスターとサーヴァントです」

セイバー「何があっても私はウシオの背中を必ず守ります」

セイバー「ですから、横に立つ貴方の代わりは出来ません」


とら「おめえ……」


セイバー「……それに、そう簡単に消えてもらっては困る」

セイバー「この聖杯戦争、私との決着をつけないつもりか?」


とら「へっ……。いいぜ、あの白面をブッ倒したら次はおめえよ」


セイバー「ええ、それは楽しみです」


セイバー「それでは行きますよ、トラ!!」


とら「わしに命令すんじゃねえーーっ!! 剣使い!!」

801 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/03(土) 23:59:42.64 ID:T2KKDYrr0


・言峰教会・中庭


ランサー(……言峰の魔力が消えたか、だが他にとんでもねえ魔力を感じやがる……)

ランサー(何かが始まりやがったな……。おそらく、それが言峰の聖杯への望み……)


ランサー「チッ、こんな場所で鎖に繋がれてる場合じゃねえよなァ……」


カツン、カツン……


ランサー「誰だ!?」


須磨子「………………」


ランサー「し……いや違うか……」


キィィン、パキィィン


ランサー「鎖を……。何者だよアンタ……」


須磨子「ある方に頼まれました。ここに貴方がいる、助けてほしいと」

802 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/04(日) 00:24:32.60 ID:ehVG5Aml0


ランサー「ま、確かに助かったぜ」

ランサー「だがオレはもう消える身だ、無駄なことをさせちまったな」


須磨子「いいえ、きっとそれが私の使命だったのでしょう」

須磨子「私は貴方の事情を知りません」

須磨子「ですが、貴方はまだ立ち止まるような方ではない気がします」


ランサー「……へっ、槍兵が足を止めるなんてな」

ランサー「いい女にはとことん縁が無かったんだが……」


須磨子「……?」


ランサー「アンタの言うとおりだ、まだオレにはやり残したことがある」

ランサー「誰に言われたか知らねえが礼を言っといてくれ」


須磨子「はい」


ランサー「それじゃオレは行くぜ。あばよ!!」


須磨子「お気をつけて」

803 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/04(日) 00:43:26.96 ID:ehVG5Aml0


舞弥「……マダム」

舞弥「いつも言っていますが、このような無茶は困ります」


須磨子「ごめんなさい舞弥さん」

須磨子「ですが、そちらの方がどうしてもと言われるので」


舞弥「え……」


??『………………』


舞弥「スーツの……女性……」


須磨子「これで良かったのでしょうか?」


??『………………』ペコリ


スゥ……


舞弥「き、消えた……」

804 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/04(日) 01:07:13.52 ID:ehVG5Aml0


舞弥「マダム……今のは……」


須磨子「私にも分かりません」

須磨子「ただ、槍を持つ男性を助けてほしいと頼まれました」


舞弥「槍を……。なるほど、貴方が無茶をするはずだ」


須磨子「ふふ、槍を持つ方とは縁があるのでしょう」



須磨子「なにかが起こり始めています」


舞弥「それは……」


須磨子「舞弥さん、私たちも」


舞弥「フ、やはり止めても無駄のようですね」


須磨子「はい。行きましょう、柳洞寺へ」

805 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/04(日) 01:38:17.78 ID:ehVG5Aml0



白面の泥『おおおぎゃああああああああーーーーーー!!!!!!』



ドロォ……ベチャ……


ベチャベチャ



うしお「な、なんだありゃ……っ!?」

セイバー「白面の後方……なにかが実体化を……」


とら「おめえら、なーに驚いてやがる」


とら「こいつは魔力の泥でも白面なんだぜ……!!」


セイバー「まさか……そんな……」

うしお「聖杯は、白面の尾まで……」



うしお「完全再現ってことかよ…………っ!!!!」


806 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/04(日) 01:59:34.29 ID:ehVG5Aml0


セイバー「これが各々違う能力を持つ、白面の尾……!!」

うしお「ああ、そうさ!!」


うしお「海蛇に似た超巨大妖怪……あやかし!!!!」


うしお「霧状の体で触れるものを溶かす妖怪……シュムナ!!!!」


うしお「力を反射する能力を持つ妖怪……くらぎ!!!!」


うしお「前回の聖杯戦争でも暗躍していた白面の分身……斗和子!!!!」


とら「けけけけ、ほーんと退屈しねえぜえーー!!」

うしお「それでもオレたちは負けねえぞォーーっ!!」


黒炎「キキキキ……」

黒炎「キシャァァァァ!!」


セイバー「白面の尾から溢れ出る泥は、無数の黒炎と婢妖を生み出していく……!!」


セイバー「これでは…………宝具、獣の槍があったとしても…………」



凛「あらセイバー、なにか忘れてるんじゃないかしら?」


807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/10(土) 08:57:26.57 ID:kp1+bKACO
怒濤の中ボス熱い
808 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/11(日) 00:29:07.40 ID:K/FQ2B2K0


とら「りん!!」

うしお「凛姉ちゃん!!」



白面の泥『おおおぎゃああああああああーーーーーー!!!!!!』



凛「……分かってたつもりだけど、こう目の前にするとさすがの迫力ね」

イリヤ「怖気づいたならリンは下がってなさい。あとは私がやるわ」

凛「まっさか、私の聖杯戦争のラストを飾るに相応しい相手じゃない」


桜「あれが聖杯から生まれた白面……」

リズ「大きい」

セラ「しかし、これほどとは……」


うしお「イリヤや桜姉ちゃんたちまで、もう大丈夫なのかい!?」


桜「はい。うしおくん、私たちも戦います」

キリオ「あの尾は僕たちに任せて、うしお兄ちゃんたちは本体をお願い」


キリオ「真由子姉ちゃんを助けるために……!!」

809 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/11(日) 00:43:50.79 ID:K/FQ2B2K0


黒炎「ギャァ……!?」


セイバー「黒炎が何かに弾かれ……!?」

とら「今度は結界かよ!!」


紫暮「光覇明宗の者たちよ!!」

紫暮「結界にて黒炎が町に出るのを阻止するのだ!!」


「「はっ!!」」


うしお「親父っ!?」


日輪「まったく……。君のフォローはいつだって大変だな」

杜綱「だが、この柳洞寺から聖杯の泥を出しはしないさ」

純「それが私たちの使命だから!!」


うしお「光覇明宗のみんなも!?」

810 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/11(日) 00:56:52.59 ID:K/FQ2B2K0


イズナ「おーーい!!」

イズナ「うしおーーっ!! 長飛丸〜〜!!」


イズナ「援軍を連れてきたぜ〜〜い!!」


セイバー「イズナ!! それに……空一面に妖怪の大軍!?」

うしお「ありゃ東西の妖たちだ!!」


とら「やいイズナ!! てめえ、どこに行ってやがった!!」


イズナ「なんでか白面のニオイがするからよ、おんじと仲間を呼びに行ってたのさァ!!」

おんじ「なーんでわしがこんなことを……。妖と人間は」


リズ「おんじー」

セラ「おんじ様!!」


おんじ「ま、まぁいいわい。ほれ長飛丸、この国の妖たちが来てくれたぞ」

811 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/11(日) 01:17:13.62 ID:K/FQ2B2K0


一鬼「イズナの報告どおりだ。白面くせえバケモノがいやがる」

一鬼「東の長代理としちゃ、あんなバケモノは野放しには出来ねえなァ……!!」


黒炎「ガァッ……!?」


とら「てめえ一鬼!! わしのエモノまで取るんじゃねえや!!」

一鬼「長飛丸かよ。また五百年は見かけないかと思ってたぜ」


かがり「とら様……!!」

雷信「あの白面の尾は我らにお任せください!!」

イズナ「だから長飛丸は白面を頼むぜい!!」


とら「おめえら……へっ……」


とら「おう、横取りされる前にヤツをブッ飛ばすとするかよ!!」

812 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/11(日) 01:32:00.39 ID:K/FQ2B2K0


イリヤ「なんで……」

バル「間に合ってよかった、イリヤ」

イリヤ「どうしてバルがここに……」

バル「今回のことを、この国の妖怪たちが教えてくれたんだ」

バル「世界の仲間たちを集めるのに時間がかかったけど、僕も戦うよ」

イリヤ「バル……」

バル「でも本当によかった。お兄ちゃんたちに会えたんだね」

イリヤ「……ええ。バルの言うとおり、この国にはスゴイ人間がいたわ」


セラ「まさかとは思いましたが……」

リズ「バル、久しぶり」


イリヤ「今度は私たちがスゴイところを見せないとね、バル」

バル「そうだねイリヤ」


イリヤ「やっちゃえ!! バルトアンデルス!!」

813 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/11(日) 01:43:55.80 ID:K/FQ2B2K0


うしお「みんなが…………来てくれた…………」


黒炎「キシャァァァァ!!」


??「そこっ!! バレルレプリカ、フルトランス……!!」


黒炎「ギャァーー!?」


うしお「なっ……!?」




??「まったく、戦闘中に余所見とは感心しませんね」




シオン「うしお」




うしお「シオン姉ちゃん!?」



814 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/11(日) 01:58:36.12 ID:K/FQ2B2K0


うしお「ど、どうして……」


シオン「別れのときに言ったはずですよ。果てのない契約をすると」

シオン「貴方が私を必要と思うとき、私は必ず貴方の力になる」


うしお「シオン姉ちゃん……」


シオン「それに私は白面に個人的な借りがあります」

シオン「あの白面との決戦前、記憶を奪う婢妖に貴方の知識を奪われた」

シオン「エーテライトで他者から知識を奪うエルトナムの私にあってはならない失態です」


シオン「その借りを今ここで返します。この計算は誰にも邪魔させません」


うしお「……へへっ、シオン姉ちゃんらしいや」


シオン「だから、その別に、うしおのためだけに来たワケではなく、その……」

シオン「と、とにかく志貴たちも来ています、下で黒炎たちの処理をしていますよっ」


うしお「そうか……兄ちゃんたちも……」




うしお「よォーし……それなら、オレだってえ……!!」



815 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/11(日) 02:14:22.70 ID:K/FQ2B2K0




みんなが……


みんなが、来てくれたんだ


あのときみたいに……




今オレの隣には、とらとセイバーがいる


そして


この手には獣の槍が……




そうだ……


あのときみたいに……


そうだ……


行こうぜ、みんな……!!



816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/11(日) 02:49:57.98 ID:kTYcWA5TO
からの怒濤の仲間参戦
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/11(日) 12:00:44.25 ID:33sYrfMNO
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/11(日) 13:28:14.41 ID:aK44Pp660
乙!
819 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/24(土) 16:44:24.02 ID:QdAM71s50


・柳洞寺付近道路


慎二「おい、お前のはぐれた兄貴は本当にこっちに行ったのかよ?」

女の子「うぅ……ひっぐ……うん……」

慎二「チッ……。これだから妹ってやつは……」


慎二(山のほうから馬鹿デカイ音が聞こえてくる……)


慎二「こんな場所からは早く逃げないと……」


女の子「え……?」


慎二「ボーッとしてると置いてくって言ったんだよ」

慎二「ほら、行くぞ」


女の子「う、うん……っ」

820 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/24(土) 16:56:01.42 ID:QdAM71s50


慎二「はぁ……はぁ……」

女の子「ごめんなさい……足、くじいて……」

慎二「いいから黙って背負われてろよ」


慎二(もう柳洞寺からは距離もあるし、ここまで来れば……)


慎二「もう一人で歩けるか?」

女の子「うん……」

慎二「よし、この道を抜ければ」



黒炎「キキキキ……!!」

黒炎「キシャァァァァ!!」



女の子「えっ……!?」

慎二「こ、黒炎っ!?」

821 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/24(土) 17:08:13.49 ID:QdAM71s50


黒炎「キキキキーー!!」


女の子「きゃ……」

慎二「早く行けっ!!」

慎二「この僕が逃げろって言ってんだよ!!」

女の子「で、でも……」


慎二「まだ僕の法力じゃコイツらは倒せない……」

慎二「それでもさァ……!!」


黒炎「シャァァァァ!!」


慎二「ぐっ……がっ……」


黒炎「キキキキ!!」


慎二「ははっ……関守に、もっと真面目に土剋水を習っときゃよかった……」

822 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/24(土) 17:26:29.05 ID:QdAM71s50


黒炎「キシャァァァァ!!」


慎二(チッ、ここで終わりかよ……)

慎二(でも……これでいいんだろ、蒼月のオヤジ……)

慎二(まぁ確かにさ……悪い気分じゃ、ないかも……)


女の子「お兄ちゃん!!」


慎二「なっ!? この馬鹿、なんで逃げてないんだよ……!!」


女の子「この、お兄ちゃんをイジめるなっ!!」


黒炎「シャァァァァ!!」


慎二「チィッ!! これだから妹ってやつは嫌いなんだ……っ!!」


ガバッ!!


女の子「…………あ…………ぁ…………」

823 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/24(土) 17:59:25.50 ID:QdAM71s50


女の子「あ……お……」


慎二「な、なんで……。やられて、ない……?」


女の子「お姉ちゃん……」


慎二「え……」




ライダー『………………』




慎二「お、お前……ラ、ライダー……?」



824 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/11/24(土) 18:05:56.68 ID:QdAM71s50




ライダー『マスター、指示を』




慎二「は……はは……ははは……」


女の子「お、お兄ちゃん?」


慎二「お前はさ……僕のサーヴァントのくせに来るのが遅すぎなんだよ……」



慎二「……そいつら全員やっちまえ」



慎二「ライダー!!!!」




ライダー『了解』




黒炎「!?!?!?!?」



825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/25(日) 03:03:36.27 ID:M1iCTvr+O
うそだろかっけえ
826 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/09(日) 15:42:47.19 ID:RAP94L5C0


・柳洞寺裏


黒炎「キキ……キ……」


葛木「………………」


キャスター『やはりここでしたか』


葛木「光覇明宗の連中が結界を張ったようだ」

葛木「だが結界には脆い位置が存在する、柳洞寺ならばここだ」


キャスター『あまり、驚かれないのですね……』


葛木「驚く私が見たかったのか?」


キャスター『…………いいえ、微塵も』


葛木「キャスター。拳に対バケモノ用の補助を頼む」

葛木「私たちの家を荒らす連中に遠慮はいらん」


キャスター『ええ、もちろんです。宗一郎様』

827 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/09(日) 15:58:06.96 ID:RAP94L5C0


・柳洞寺山門


黒炎「ギャァ!?」


かがり「今のは……!?」



アサシン『秘剣…………燕返し…………』



黒炎「キキキキ……!!」


アサシン『ほう、多勢に無勢か』


雷信「その刃の速さ、何者かは知らぬが頼りにさせてもらうぞ」


アサシン『それは僥倖』

アサシン『このような間近で物の怪の技が見れるなら、また呼ばれた甲斐があるというもの』


かがり「あなたはいったい……」


アサシン『なに、いささか太刀の鋭さには自信がある』


アサシン『お前たち鎌鼬とも舞ってみせようぞ』

828 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/09(日) 16:10:27.05 ID:RAP94L5C0


リズ「大旋風ぐるぐるぐーるぐる。ごめんあそばせ」

一鬼「へっ、ちいせえくせにやりやがるな」

セラ「貴方ほどではありませんよ……」


バル「こうやって肩を並べて戦う日が来るなんて思ってなかった」

バーサーカー『■■■■■■■■■■』


リズ「よく分からないけど、みんな仲良くが嬉しい」

セラ「ええ、その通りです」


イリヤ「バル!! バーサーカー!!」

イリヤ「やっちゃえ〜〜〜〜!!」


バル「よーし!!」

バーサーカー『■■■■■■■■■■』

829 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/09(日) 16:23:20.01 ID:RAP94L5C0


セイバー「これは……いったい…………」

セイバー「何が起こっているというのですか…………」



『『王よ』』



セイバー「そんな、まさか……お前たちまで…………」

セイバー「私と……また、戦ってくれるというのか…………」



アイリ『セイバー』



セイバー「アイリスフィール…………。キリ、ツグ…………」



切嗣『…………』コクリ



セイバー「……はい、マスター」


830 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/09(日) 16:39:31.12 ID:RAP94L5C0


黒炎「キキキキ!!」


イズナ「姉ちゃんたち気をつけなァ!! 周りは泥だらけだぜい!!」

凛「そんなの見ただけで分かるわよっ!!」


桜「きゃっ……」


凛「桜!?」

イズナ「姉ちゃん!!」


黒炎「キシャァァァァ!!」


桜「……あ……あぁ…………」



時臣『………………』


桜「お、父さん……?」



イズナ「す、すげえ……。炎で、黒炎も泥も吹き飛ばしちまった……」



桜「……お母さん…………」



時臣『二人とも……』

葵『幸せに……』



凛「こんなの……もう、完璧よ……っ……」


831 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/09(日) 16:53:53.47 ID:RAP94L5C0


桜「姉さん、今のは……」


凛「……桜。魔術の本にはね、必ず書いてあるコトワザみたいなのがあるのよ」


桜「え?」



凛「『太陽と月には、かかわるな』」



桜「太陽と、月……」


凛「私、あれって朱い月のことを言ってるんだと思ってたけど違ったみたいね」


凛「……そりゃそうよ、だって敵うはずがないもの」


凛「昼と夜のように交わることのないバラバラの存在、太陽と月……」

凛「でも何年何十年に一度、その太陽と月が交わる瞬間がある」


凛「そのとき、この世界では不思議な現象が起こるわ」


桜「それは…………」




凛「ええ、これが……これこそが獣の槍の真の能力…………」






とら「あいっかわらずトロいのなァ!!!! うしお!!!!」



うしお「お前だって危なかっしいぜ!!!! とらァ!!!!」






凛「そして……うしおくんととらの本当の宝具…………」








 太陽と月に集う者たち!!!!!!!!

(ヒーローズ・カムバック)







832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/09(日) 18:08:12.18 ID:iZ/sihXl0
本編通り(助っ人集合)とは言え、死んだ両親は卑怯
泣くやろ
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/09(日) 22:31:13.96 ID:2xaFn7Ke0
死者との共闘アツいよなぁ
834 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/27(木) 23:12:29.22 ID:oKI7swdM0
今週末あたりに最終話の最後まで投稿出来そうです。

なんとか年内に終わりそうでよかった……

最後までお付き合い頂ければ幸いです。
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/28(金) 01:43:40.44 ID:W0R2ERDnO
おお、楽しみだ
待ってる
836 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/29(土) 21:58:27.17 ID:JyoUNk8n0


「はぁ……はぁ……。ぐっ…………」


黒炎「キキィィーー!!」


??『……まったく長飛丸め。相変わらず無茶苦茶をする』


黒炎「キキ……キ……ッ!?」


??『これから頑張っていくと宣言したというのに、またこの世界か』


「黒と、白の……短剣……?」


??『この先に逃げ遅れた人間たちがいる。お前が行って誘導しろ』


「え……ど、どこに……」


??『弓兵の目を侮るな。早く行け』


??『どの世界でもお前にはやるべきことがあるはずだが?』


「……!!」

837 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/29(土) 22:09:45.35 ID:JyoUNk8n0




「はぁ、はぁ……」




「なんだったんだ、アイツ……」


「言われなくたって……分かってるさ……」


「白面との決戦を経験したヤツなら誰だって……」



「ああ、誰だって……」



「出来ることを精一杯やるだけだ……!!」



838 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/29(土) 22:23:35.02 ID:JyoUNk8n0


黒炎「キキィィーー!!」


紫暮「セイバー殿!!」

セイバー「シグレ……!?」


ガキィィィィン!!


黒炎「ギギ……ギ……」


黒炎「キキキキ!!」

黒炎「キキキキ!!」


紫暮「こりゃまた……次から次に……」

セイバー「ええ、再会を祝うことは出来ないようだ」


紫暮「ならばセイバー殿、前回の聖杯戦争ぶりにやりますかな?」


セイバー「そうですね」

セイバー「私とシグレの組み合わせは、どの陣営にも遅れをとらなかった」


セイバー「それをこの者たちに教えてやりましょう……!!」


黒炎「!?!?!?!?」

839 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/29(土) 22:46:26.97 ID:JyoUNk8n0


紫暮「今回の聖杯戦争、愚息が世話になりましたな」

セイバー「いや……むしろ世話になったのは私のほうです、シグレ」

紫暮「セイバー殿にそう言われるとは……。アイツもマシになったもんだ」


セイバー「シグレ、いい子息を持ちましたね」


紫暮「いやはや……どうしたものやら……」




紫暮「しかし、それはセイバー殿も同じでは?」




セイバー「え…………」




『うおおおおおおおおーーーーーーーー!!!!!!!!』




セイバー「ああ…………そのようだ…………」



840 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/29(土) 23:13:27.16 ID:JyoUNk8n0


とら「おらよォォ!!!!」


ゴォォォォォォ!!!!


シュムナ『ヒィィ〜〜〜〜』


凛「あの霧のバケモノ……。とらの炎を嫌がってた……?」


ランサー「なるほどな。アイツの弱点は火ってワケだ」


凛「アンタは……ランサー!?」


ランサー「まさかキャスタークラスで召喚されときゃよかったなんて思う日が来るとはな」


ランサー「やるぜ、霧ヤロウに炎の魔術を同時に叩き込む」

ランサー「嬢ちゃんも合わせなァ!!」


凛「ちょ、ちょっと!! アンタの魔術に合わせるなんて……!!」


キャスター『そうよランサー。あまり現代の魔術師に無理を言わないほうがいいわ』

キャスター『もちろん私なら余裕ですけど。ねぇ、お嬢さん?』


凛「キャスターまで!?」


凛「ああああ〜〜!! もう……っっ!!」


凛「やってやるわよっっ!!!!」

841 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/30(日) 18:23:56.08 ID:g0vCFW/t0


アサシン『ここが勝負どころよな……!!』

イリヤ「バーサーカー!!」


バーサーカー『■■■■■■■■■■』

アサシン『秘剣……燕返し……!!!!』


斗和子『ぎゃああああああああーーーーーー!!!!!!』


バーサーカー『■■■■■■■■■■』

アサシン『終わりだ。女狐は一人で十分であろう』




あやかし『おおおおおおおおーーーーーー!!!!!!』


ライダー『あれだけ巨大なら狙いを定めなくて済みますね、セイバー』

セイバー「同感だライダー。何の憂いもなく剣を振れる」




ライダー『騎英の手綱(ベルレフォーン)!!!!』

セイバー「約束された勝利の剣(エクスカリバー)!!!!」



842 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/30(日) 18:37:19.76 ID:g0vCFW/t0


イリヤ「今なら……!!」


イリヤ「バル!!」


バル「よーし!! お姉ちゃんを助けるよ!!」


イリヤ「やっちゃえ!! キリオ!!」


キリオ「はああああああああ!!!!」


麻子「………ぅ………」

真由子「………ん………」


桜「麻子さん!! 真由子さん!!」


リズ「大丈夫」

セラ「はい、二人とも気を失っているだけみたいです」


キリオ「真由子姉ちゃん…………良かった…………」

843 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/30(日) 18:54:17.88 ID:g0vCFW/t0


ランサー「この一撃、手向けと受け取れ!!!!」

ランサー「突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)!!!!」


くらぎ『ギギィィィィーーーーーー!!!!!!』


ランサー「ハッ、呪いまでは反射出来なかったみてえだなァ!!」


サァァァァ……


凛「ラ、ランサー……!!」


ランサー「今のが最後の尾だな。さっきの宝具に残りの魔力を全部つぎ込んだ」

ランサー「直接の仇討ちは出来なかったが、悔いはねえさ」


凛「ランサー……。アンタは……」

凛「ううん、ありがとう。私、貴方が私のサーヴァントでも良かったわ」


ランサー「……あの女に言われるなら嬉しいが、小娘じゃあなァ……」


凛「なんですってええーーーーっ!!!!」

桜「ね、姉さんっ、落ち着いて下さいっ」




ランサー(また、やろうぜ……。なぁ……うしお……とら……)



844 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/30(日) 19:56:31.10 ID:g0vCFW/t0


黒炎「………………」


??『この周辺の黒炎は、これで終わりだな』


??『ん……?』


??『日の出か……』


??『あとは長飛丸たちに任せるとしよう』


??『挨拶は…………必要ないか』


??『すぐに会うのだからな』




??『あの場所で』



845 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/30(日) 20:08:30.73 ID:g0vCFW/t0




白面の泥『おおおぎゃああああああああーーーーーー!!!!!!』




うしお「な、なんだ……!?」

セイバー「上空に飛んでいく……?」


とら「結界の皮を維持してたマユコを助けて、尾を全部ブッ倒したんだ。なら……」

凛「まさか今更、飛んで逃げようっていうの?」


イズナ「本物と違って往生際が悪い白面だぜい……」


とら「全ての悪なんて名前をつけられりゃ、それぐらいしても……ん……?」



サァァァァ……



とら「チッ…………」



846 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/30(日) 20:34:28.39 ID:g0vCFW/t0


とら「うしお!! 剣使い!! わしに乗れェ!!」




うしお「とら!?」

セイバー「なにを……!?」




とら「おめえらで決めんだよォ!!!!」


とら「この聖杯戦争を終わらせなァ!!!!」




うしお「聖杯戦争を…………ああ、分かったぜ…………!!!!」




セイバー「ええ、やりましょう…………!!!!」



847 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/30(日) 20:48:13.18 ID:g0vCFW/t0




白面の泥『おおおぎゃああああああああーーーーーー!!!!!!』




とら「追いかけられてんのに気づいて向かって来やがったァ!!」




とら「うしお!!!! 剣使い!!!!」


とら「決めちまいなァァーーーーッッ!!!!」




うしお「白面…………!!!!」


セイバー「聖杯…………!!!!」




うしお「これで…………」




うしお「終わりだァァァァーーーー!!!!」




セイバー「約束された勝利の剣(エクスカリバー)!!!!」






白面の泥『おおおぎゃああああああああーーーーーー!!!!!!』





848 : ◆I4R7vnLM4w [sage saga]:2018/12/30(日) 21:13:02.24 ID:g0vCFW/t0




・朝焼けの山頂




とら「白面は……聖杯はどうなった?」


セイバー「完全に破壊されました。魔力も感じません」


とら「そうかよ。まぁ悪くねえ散り様だったな」


セイバー「私は……」

とら「剣使い。おめえは英霊にゃ向いてねえよ」

セイバー「なっ、私は剣士の英霊、セイバーですよ!?」

とら「くく……英霊なんざ、わしみてえのがなればいいのよ」


セイバー「トラ……」


セイバー「……はい。私はこの世界に残り、見続けていたい」


セイバー「貴方とウシオが守った、この国を」


とら「剣使いっ!! まーたおめえ勘違いしとるようだなァ!!」


とら「わしはァ!!」


セイバー「気に喰わない相手を倒しただけだ、でしょう?」


とら「……分かってりゃいいのよ」


セイバー「トラ、ご武運を」


とら「おう」

557.62 KB Speed:0.3   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)