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南条光「ヒカルリング?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:11:51.63 ID:wIzUVgGW0

※ウルトラマンオーブの変身アイテム「オーブリング」ネタ


光「何だそれ? 新しい発明か!?」

晶葉「その通り。そら見ろ!」バーン

光「! そ、それは……ウルトラマンオーブの変身アイテム『オーブリング』……」

晶葉「違う。『ヒカルリング』だ」

光「見た目は完全に同じだけど……」

晶葉「形状が一致していても原理が違えば別物なのだ!!」バンッ!!

光「は、はいっ!」ビシッ

晶葉「よろしい。で、このヒカルリングだが――」

光「アタシの名前が入ってるのは何故なんだ?」

晶葉「いいところに目をつけたな」

光「いや普通最初に気付くと思うけど」


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酸 @ 2024/05/01(水) 23:00:19.57 ID:lK9RWrTc0
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【進撃の巨人】俺「安価で巨人を駆逐する」 二匹目 @ 2024/05/01(水) 21:08:53.38 ID:iiJDb4My0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714565332/

旅にでんちう @ 2024/05/01(水) 14:47:47.55 ID:KgjR8ljxO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1714542467/

【クリスマス・年末・年始】連休暇ならアニソン聴こうぜ・・・【避難所】 @ 2024/04/30(火) 10:03:32.45 ID:GvIXvHlao
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1714439011/

VIPでガンダムVSシリーズ避難所【マキオン】 @ 2024/04/30(火) 07:03:33.32 ID:jpWgxnqGo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1714428212/

今日も人々に祝福 @ 2024/04/29(月) 23:42:06.06 ID:cZ/b8n+v0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1714401725/

ポケモンSS 安価とコンマで目指せポケモンマスター part12 @ 2024/04/29(月) 20:01:59.10 ID:OQox+0Ag0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714388519/

私が書いた文だ 一度読んでみて @ 2024/04/29(月) 13:03:50.96 ID:zomKow9K0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714363430/

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:12:36.76 ID:wIzUVgGW0

晶葉「これはお前へのプレゼントだ。だから光の名前を入れた」

光「アタシへのプレゼント? 突然どうして」

晶葉「デレステ実装記念だ」

光「でれすて……? 何だ? それ」

晶葉「なに、こちらの話だ。まあ受け取ってくれ」

光「はあ……。……でも、やっぱりかっこいいな! 塗装もDX版より凝ってる!」キラキラ

晶葉「だから別物だと……まぁ別に構わんが」

光「で、これは何をする機械なんだ?」

晶葉「ふふ、よくぞ聞いてくれたな。聞いて驚くなよ?」

光「ふんふん」

晶葉「それは、『ウルトラアイドル・ヒカル』にフュージョンアップするための機械なのだ!!」バアアアン!!!

光「な、なんだってー!!!」ガーーーーーン!!!
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:13:07.03 ID:wIzUVgGW0

光「……いや、何だよウルトラアイドル・ヒカルって」

晶葉「ふふ……まぁ物は試しだ。この二枚のカードをリングに通してみるが良い」スッ

光「これは……有香さんとゆかりさんのカード……?」

晶葉「そうだ。『アイドルフュージョンカード』。それも私の発明品だぞ」

光「よ、よし。とりあえずやってみるぞ!」

晶葉「うむ。光の好きなクレナイ・ガイの要領でやってみろ!」ビシッ!

光「わかった! ――有香さん!」

『ナカノ ユカ!』ピコーン! オス!

光「ゆかりさん!」

『ミズモト ユカリ!』ピコーン! ダメデスヨPサン…

光「ゆかゆかの力……お借りしますっ!!」バッ!!

『フュージョンアップ!』ピキーーン!!

『ウルトラアイドル・ヒカル ストレートフルート!』

 キュピィィィィィン……!!

光「お、おお……!?」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:13:40.53 ID:wIzUVgGW0

晶葉「ふふふ。どうだ気分は?」

光「な、何か……体の底から力が湧きあがってくるような感じです……!!」

晶葉「どれ。この瓦を割ってみろ」ドンッ

光「え、ええ!? 無理ですよ、アタシ鍛えてるけど瓦割りできるほどじゃ……」

晶葉「ヒーローに『無理』は禁句だ! いいからやれ!!」

光「ええーー!? ……でも、何だか今ならやれそうな気がします……!」

光「よーし……エイヤーーッ!!」ドゴォッ!!

 バキバキバキィィッ!!!

光「!! ……わ、割れた……」

晶葉「ふふふ。そろそろ理解できたか?」

光「……もしかして、有香さんの力がアタシの中に宿ったってことですか……!?」

晶葉「その通り。だがそれだけじゃない。今度はほら、このフルートを吹いてみろ」

光「……! ごくり……わかりました、やってみます……!」スッ
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:14:10.40 ID:wIzUVgGW0

 〜〜♪ 〜〜〜♪ 〜〜〜〜♪

晶葉「ほほう。良い音色じゃないか」

光(す、すごい……フルートなんて今まで一度も触ったことなかったのに、完璧に吹けてる……!!)

光「ゆかりさんの力も――そうか! 有香さんとゆかりさんの力をフュージョンアップしたってことなんですね!」

晶葉「どうだ、私の発明は凄いだろう」

光「すごい……すごすぎです池袋博士!」キラキラ

晶葉「ふふん。変身解除は自分の意思でできる。やってみろ」

光「はい! 押忍!」キィィィィン

光「……どう? 戻ったか?」

晶葉「ストレートフルートモードを解除して敬語が消えた。戻ったな」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:14:55.99 ID:wIzUVgGW0

光「あ……でもオーブは融合限界が3分。もしかしてこれも……」

晶葉「いいや、その心配はない。ヒカルリングはその欠点を改良し、制限時間を超越した融合が可能だ!!」バアアアン!!

光「つまり、制限時間はないってことか!?」ガーーーーン!!

晶葉「ああ。ただ、変身者の精神状態によってはそれも揺らぐかもしれん。何しろ実験の試行回数に乏しいものでな」

光「大丈夫! 正義のヒーローの信念は決して揺らがない!」

晶葉「その意気だ。とりあえず開発した残りのカードも渡しておこう」スッ

光「ありがとう! 池袋博士!」

晶葉「ふふっ、礼には及ばんさ」

光「よーし。この力で仕事がんばるぞー!!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:15:26.53 ID:wIzUVgGW0

〜事務所〜

P「うーーーん……どうしよう、どうしよう……」テクテク ウロウロ

飛鳥「……動揺しすぎだよ、プロデューサー」

P「だけど……」

飛鳥「いざとなればボク独りでも何とかなるさ。――そう、孤独なんて慣れっこだからね」

P「うーん……だけど……」

 ガチャッ!

光「おはよう! 南条光の登場だ!!」バーー-ン!!

P「あ、光……」

飛鳥「おはよう。……今日はキミの眩しさが、一層心に沁みるよ」

光「? どうかしたのか?」

P「実はな……」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:16:08.40 ID:wIzUVgGW0

光「えっ!? 蘭子ちゃんが風邪で来れない!?」

P「そうなんだ……今日は飛鳥とのラジオ番組の収録があったんだけど……」

光「……そうだ、だったら!」バッ

P「え、何だそれ?」

光「池袋博士の発明!」

P「なるほど博士の発明か」

光「ああ。だからちょっと見ていてくれ! ――蘭子ちゃん!」シュバッ

『カンザキ ランコ!』ピコーン! ヤミニノマレヨ!

光「飛鳥ちゃん!」

『ニノミヤ アスカ!』ピコーン! –-サァ,イコウカ

光「――痛いやつ、頼みますっ!!」バッ!!

『フュージョンアップ!』ピキーーン!!

『ウルトラアイドル・ヒカル ダークイルミネイト!』

 キュピィィィィィン……!!

飛鳥「な、何だこの輝きは……!?」

P「光……?!」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:16:56.03 ID:wIzUVgGW0

光「――我が名はウルトラアイドル・ヒカル」

P「えっ?」

光「――闇を照らして、闇を導く!」

飛鳥「え……?」

光「其れこそ我が力――ダークイルミネイト!!」バアアアアアン!!

P・飛鳥「「はっ?」」


 ・
 ・
 ・


飛鳥「――やぁ。ボクは飛鳥。二宮飛鳥だ。ラジオ『The Ascension to New World』にようこそ」

飛鳥「突然だが残念なお知らせだ。今日はボクの片翼――蘭子が風邪をひいてこの場所に来られなくなった。堕天使でも風邪をひくと考えると、何だか可愛いね。フフッ」

飛鳥「ということで今日は――彼女の代わりと云っては何だが、ゲストを独りお呼びしよう。さあ、入って」

光「……ラジオの前に群がる迷える子羊達。初めまして」

光「我が名はヒカル。闇を照らして闇を導く者……」

光「今宵は特別に我がキミ達をもてなそう。此の一夜限りの、混沌の囁きで……」

飛鳥「……と、いう事で今日は南条光がゲストだ。――フフッ、キミもまたボクらと同調する素質を持っていたとはね。いつも近くにいたのに、ボクの眼も節穴なものさ」

光「フフッ、宴の始まりぞ! ――さぁ、往こうか!」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:17:37.25 ID:wIzUVgGW0

〜収録終了後〜

光「よし、変身解除!」キィィィィン

P「光、お前どうしたんだ?」

光「これだよ。池袋博士の発明品『ヒカルリング』の力さ!」

P「それで熊本弁がしゃべれるようになったのか?」

光「ああ。これで仕事の幅も広がる!」

光「ヒーローは色んなことができなきゃダメだからな! プロデューサーも協力してくれ!」グッ

P「ふむ……。そうだな、考えとくよ」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:18:24.24 ID:wIzUVgGW0

〜翌日・事務所〜

光「グラビアの撮影?」

P「うん。三人ほど出してほしいって言われたんだけど、ちょっと問題があって」

光「問題?」

P「可愛い担当とかっこいい担当は決まったんだけど、セクシー担当が決まらないんだ」

光「セクシー担当……」

P「昨日、幅が広がったって言ってたから光に声かけてみたんだけど……流石にやめとくか?」

光「いや。ヒーローに『不可能』はない! 確かそういう組み合わせもあったはず……」ゴソゴソ

光「あった! よっし……莉嘉ちゃん!」シュバッ

『ジョウガサキ リカ!』ピコーン! リカダヨー☆

光「――美嘉さん!」

『ジョウガサキ ミカ!』ピコーン! ミカデース★

光「――セクシーなやつ、頼みますっ!!」バッ!!

『フュージョンアップ!』ピキーーン!!

『ウルトラアイドル・ヒカル ファミリアツイン!』

 キュピィィィィィン……!!
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:19:01.40 ID:wIzUVgGW0

光「ハァーイ♪ JCヒカルが、みんなを骨抜きにシ☆チャ★ウ♪」バアアアアアン!!!

P「ぐっ…………!?!?」ビリビリ

P(な……何だこの色気!? これまでの光ではとても考えられない……!!)

光「グラビアのお仕事だっけ? じゃ、行こっか☆★」ギュッ

P「こ、こら! くっつくな!」///


 ・
 ・
 ・


 ざわざわ……

カメラマン「ね、ねえプロデューサーさん」

P「はい……」

カメラマン「南条ちゃんってこんな子だったっけ……? 表情とか仕草とか、色気が半端じゃないよ……?」

P「ちょっと色々目覚めたらしくて……」

光「エヘヘッ☆★ なになに、二人でこそこそ話してー♪」

カメラマン「い、いや! 何でもないよ!」///

光「オトナのお話ってヤツ? もー、アタシのことを忘れちゃダ・メ・だ・ぞ☆★」

カメラマン「う、うん……!」パシャパシャ

P(やべえ……)
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:19:34.21 ID:wIzUVgGW0

〜撮影終了後〜

光「変身解除っ! ――ふぅ、なかなかハードだったな」キィィィィン

P(何だろう、すごく安心してる自分がいる)

光「プロデューサー! アタシ、これでまたヒーローに近づけたかな!」キラキラ

P(ヒ、ヒーローというより悪女系の敵だった感じが……いや、いやいや)

P「そ、そうだな。これもまたある意味ヒーローだったと思うぞ」

光「そっかぁー……へへっ。よーっし、これからも仕事がんばるぞー!!」グッ!

P(大丈夫かなぁ……)
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:20:08.72 ID:wIzUVgGW0

〜三日後〜

光「今日はアイドル球技大会の撮影だったよな! プロデューサー!」

P「う、うん」

光「球技大会……よーっし、こういう時は……」ゴソゴソ

P「またヒカルリングを使うのか?」

光「もちろん! これでもっともっとヒーローに近づくんだ!」

P「……」

光「よし、この組み合わせだ!」シュバッ

光「――友紀さん!」

『ヒメカワ ユキ!』ピコーン! カットバセー!!

光「晴ちゃん!」

『ユウキ ハル!』ピコーン! オーバーヘッドシュート!!

光「ゆきゆきの力、お借りしますっ!!」バッ!!

『フュージョンアップ!』ピキーーン!!

『ウルトラアイドル・ヒカル ボール・フレンズ!』
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:20:49.03 ID:wIzUVgGW0

 キュピィィィィィン……!!

P「こ、今度は何だ……!」

光「…………」

P「ひ、光……?」

光「……フン、何でアタシがアイドルなんかに……」

P「光!?」

光「まぁ今成がキャッチャーするようなもんか……仕方ねーな、ったく」

P「よくわからない表現!」

光「はぁ……終わったらビール奢ってよ、プロデューサー!」

P「未成年だろ!!」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:21:29.44 ID:wIzUVgGW0

〜球技大会〜

実況『さあ始まりましたアイドル球技大会! 最初の種目は野球です!』

友紀「よーっし! しまっていこー!」

「「「おーーっ!!」」」

実況『プレイボール! ピッチャー姫川、振りかぶって第一球を……投げましたっ!』

 カキーーン!!

実況『打ったぁーー!! しかしこれはショートゴロ!』

友紀「よし、光ちゃん!」

光「――!」バシィッ!!

友紀「へっ?」

実況『お、おおっとー!? 南条選手、何故かゴロをキック!』

友紀「ちょっと、何してんのー!!」

光「だって、手を使ったらハンド……」

友紀「それはサッカー! これは野球だよ!!」

実況『そうこうしている間にランナーは3塁を回って――今、ホームイーーン!』

友紀「あちゃー……」

光「…………」ポカーン
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:22:04.72 ID:wIzUVgGW0

実況『さぁ、第二種目はサッカーです! 第一種目ではミス連発だった南条選手、挽回できるか!』

光「す、すまねえみんな……」

友紀「ドンマイドンマイ! 取り返してこー!」

晴「つーかオマエ何かキャラ違くねえ……?」

審判「キックオフ!」ピーーッ!!

光(これはサッカー……手は使っちゃダメ……足だけ、足だけ……!)

友紀「光ちゃん! 来てるよ!」

光「!」ハッ

実況『青チーム、赤チームの陣地に攻め入っていくー!!』

光(足だけ……足だけ……!)

 シュパーーン!!

実況『ゴーーール!! キーパーの南条選手、全く動けなかったぞー!?』

晴「おいおい何してる!」

友紀「光ちゃん! キーパーは手使っていいんだよ!」

光「――あっ、そうか……」


P(強引に友紀と晴を混ぜたから頭が混乱してるんだ……)

P(まずい、このままだと……)
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:22:42.49 ID:wIzUVgGW0

〜翌日〜

光「はぁ……」

P「そ、そんなに落ち込むなよ光。何もお前のせいだけじゃないだろ」

光「いや……アタシのせいだ。アタシがポカばっかやらかしたから……」

P「でも、番組的には良かったじゃないか。ちょっとドジするアイドルって可愛いもんだしさ」

光「……。それじゃダメなんだ……」

P「光……」

光「アタシが目指してるのはヒーローだから……」

P「…………」

P(……やっぱり、ヒカルリングを使うのを禁止すべきか)

P(でも……)

『プロデューサー! アタシ、これでまたヒーローに近づけたかな!』キラキラ

P(…………)

P(せめて……せめて、ヒカルリングを使わなくても大丈夫な仕事を……)
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:23:17.64 ID:wIzUVgGW0

〜翌日〜

 バーーーン!!

光「プロデューサー!」

P「ど、どうした突然」

光「夏樹さんたちがバンドメンバーを募集してるって本当!?」

P「あ、ああ。だけど光は楽器できないだろ」

光「大丈夫。これさえあれば……」スッ

P「ひ、光……」

光「心配しないでプロデューサー。もうこの前みたいな失態は繰り返さない……!」

P「…………」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:23:52.68 ID:wIzUVgGW0

光「――夏樹さん!」シュバッ

『キムラ ナツキ!』ピコーン! ロックニイクゼ-!

光「李衣菜さん!」

『タダ リイナ!』ピコーン! ロックダネソレ!

光「ロックの力――お借りしますっ!!」バッ!!

『フュージョンアップ!』ピキーーン!!

『ウルトラアイドル・ヒカル ロック・ザ・ビート!』

 キュピィィィィィン……!!
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:24:26.76 ID:wIzUVgGW0

光「――ロックに燃えるぜっ!!」バアアアアン!!

P「そ、そのモードは……楽器を弾けたりするのか?」

光「おいおい、何当たり前のこと言ってんだ? プロデューサーさん」

P「お、おう……」

光「倉庫に確かギター一本あったよな? 初顔と呼吸を合わせんのは難しいが、これもまたロックってもんだろ」ヘヘッ

P「…………」

光「じゃ、行ってくる!」ダッ

P「…………」

P「大丈夫かなぁ……」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:25:16.64 ID:wIzUVgGW0

〜レッスンルーム〜

 バアアアアン!!!

夏樹「ん?」

光「――バンドメンバー募集の話を聞いて来た。聴いてくれるかい? アタシのメロディー」

涼「おやおや。威勢のいい奴がやってきたもんだ」

夏樹「それは歓迎するところだけど……光、お前楽器弾けたっけ?」

 ギャーーーン!!

光「――それは、自分の目と耳で確かめてくれ」ギュィィィィン

涼「ふっ……いいな」

夏樹「じゃ、聞かせてもらうぜ。オマエのロックを見せてみな!」

光「ああ! 行くぜッ!!」

 ギャギャギャギュィィィィィン!!!

夏樹・涼(……ん?)
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:26:08.86 ID:wIzUVgGW0

 ギャアアアアアアアン……

光「――ふぅっ。どうだった? アタシの音は」

夏樹「……オマエ、それ……」

涼「……まるで夏樹が二人いるみたいだった」

光「えっ?」

夏樹「勘違いだったら悪いけど、もしかしてアタシのを参考にしてたりする?」

光「あ……いや、そういうことじゃなくて……」

夏樹「ふぅん……そっか」

涼「じゃあ、何を参考に? いや、影響を受けたアーティスト、か。それは誰だい?」

光「え、えっとー……影響を……」オロオロ

夏樹「おいおい、今度は何だかだりーみたいだな」ハハッ

光「!」ギクッ
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:26:42.42 ID:wIzUVgGW0

夏樹「……だけど、ひとつ言わせてもらってもいいかな」

光「な、なに?」

夏樹「さっきの演奏……本当にオマエのハートが奏でた音だったか?」

光「……アタシのハート……」

夏樹「だりーはあの通りニワカだしまだまだ下手だけど、音を聴いてみると、芯、みたいなものがあるんだ」

夏樹「『下手だけど上手くなりたい!』とか『ニワカだけどロックが好き!』とか、そんな感じに」

夏樹「それが、オマエの音には感じられない」

光「……そ、そんな! アタシだって――」ガチャッ

 ギュィィィィインン……?

光「あ、あれ……? アタシ、どうやって弾いてたんだっけ……?」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:27:20.09 ID:wIzUVgGW0

 ギュワーーン ギャイイーーン

光「あれ、おかしいな……さっきまで……」

光(――!)

『つまり、制限時間はないってことか!?』
『ああ。ただ、変身者の精神状態によってはそれも揺らぐかもしれん』

光(まさか……融合がもう解除された……?!)

夏樹「……ちょっと厳しいこと言ったかな。だけど、まあ、アタシらのバンドに入るならそこからだな」

涼「厳しいな」

夏樹「涼だって同じこと言うだろ……」

涼「……そうだなぁ。テクは申し分ないんだが」

光「…………」

夏樹「ま、そういうことだ。待ってるぜ、今度は本当のオマエのロックを聴かせてくれよな?」

光「う、うん……」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:27:56.91 ID:wIzUVgGW0

 ガチャ……

光「ただいま……」キィィィィン

P「どうだった?」

光「……」フルフル

P「……そっか……」

光「…………」

P「…………」

光「…………」

P「……そうだ! 光、お前らしい仕事を探してきたんだ。次はこれやらないか?」

光「アタシらしい仕事……?」

P「ああ。ヒーローショーの司会のお姉さんなんだけど――」

光「アタシらしさって……何だっけ……」

P「えっ……?」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:28:50.89 ID:wIzUVgGW0

光「ヒーローになりたいって気持ちで頑張ってきたのに……」

光「それどころか、逆に遠ざかってる……!」

光「信念だけは揺るがないって、そう思ってたのに……」

光「アタシの音は、ハートから来てないんだって……」

光「ヒーローになりたかったアタシって……」

光「南条光って……どういう奴だっけ……」

P「光……」

光「……アタシ、ヒーローにはなれないのかな……」

P「……!」

 ぐいっ!

光「わわっ!?」

P「光! 来い!」グイッ

光「ちょ、ちょっと、プロデューサー!?」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:29:26.11 ID:wIzUVgGW0

〜カラオケ〜

光「ど、どこに連れて行くかと思えば……何でカラオケ……」

P「光!!」ガシッ!!

光「!」

P「今、お前らしさを思い出させてやる!!」

光「え……?」

P「この曲と……この曲と、この曲と……」ピポパ

P「よし! 全部歌ってみろ!」

光「え、ええ……!? でも……」

P「ヒーローに『でも』は禁句だ! さあやれ!」

光「わ、わかったよ……」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:30:39.80 ID:wIzUVgGW0

―SURPRISE-DRIVE―

光「雨上がりBreak Cloud 隙間から〜 青空が手招き〜し〜てる〜 All right そろそろ行こうか〜」

光「サプラーーイズ!! 世界中がドラーーイブ!! フィーリンハーーイ!! 目醒めるような〜〜!!」

光「始まるーー運命にはーー!! バック〜ギアは〜な〜い〜♪」

光「All we need is “DRIVE”!!」


―烈車戦隊トッキュウジャー―

光「果てしない線路の向こう側 輝いているものはなんだろう!?」

光「ドキドーキー経由の列車に乗って〜 確かめに〜 行こう〜〜!!」

光「さあ走れ! おーれーたーちーのエクスプレーース! Don’t be late! のっりっおくっれに〜ご注意〜!」

光「ガーターゴートー 夢を〜乗せ〜♪ 風を〜♪ 切って〜♪ 進むーー!! どこまでもーーっ!!!」


―Shine your ORB―

光「とーりーもーどーせーひ〜か〜り〜〜!!」

光「とーもーにーたーちーあ〜が〜れ〜〜!!」

光「今誰も知らない〜無限の力呼び醒ませ〜〜!!」

光「まだ見ぬ あーしたを〜〜 追いかーけて〜〜♪」

光「きーみーをーとーりーも〜ど〜せ〜〜!!」

光「ゆーめーにーたーちーあ〜が〜れ〜〜!!」

光「今誰も知らない〜無限の彼方突き進め〜〜♪」

光「輝く〜オーブを〜♪ 手〜に〜し〜て〜〜♪」

光「どこま〜でも行〜けるさ〜♪ 君と〜な〜ら行〜けるさ〜♪」

光「確かな〜未来を〜これか〜ら〜も〜〜♪」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:31:48.19 ID:wIzUVgGW0

光「…………」

P「取り戻せたか」

光「……アタシは、人に勇気を与えるヒーローが好き」

P「うん」

光「アタシは、みんなに勇気をあげるヒーローになりたい」

P「うん」

光「これが……これが、アタシの心からの言葉だ!!」

P「完全復活だな」

光「ああ! ……あ、あの、プロデューサー」

P「どうした」

光「……でも、実は、ヒーローも……けっこう悩んだり、苦しんだりすることはあるんだ」

光「そういう時……誰かの一言で目が覚めたり、決心がついたり、迷いが吹っ切れたり……」

光「……今日のプロデューサーは、アタシにとってそんな存在だった」

光「……ありがとう。プロデューサー」

P「ああ。……『どこまでも行けるさ 君となら行けるさ』……だろ?」

光「……うん!」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/22(金) 02:32:27.90 ID:wIzUVgGW0

〜翌日、池袋ラボ〜

光「博士。これ、返すよ」

晶葉「せっかく作ったのに……いいのか?」

光「ああ。アタシがヒーローになるために一番大切なこと……それを見つけたからさ!」

晶葉「そうか。それでこそ、みんなのヒーロー南条光だ」

光「ありがとう! それじゃ、そろそろ次の仕事だから!」

晶葉「うむ。頑張って来い!」


光(アタシがヒーローになるために一番大切なこと……それは!)

光(自分の力を信じること!)

光(信じ抜いて、どこまでも突き進むこと!)

光(その信念がアタシを、みんなに勇気を与えるヒーローにしてくれる!)

光「よーーっし! 頑張るぞーー!!」


おわり
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 15:18:04.78 ID:Ba4qLJ/QO
いい話だった
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