【このすば】カズマ「この素晴らしい世界で喧嘩だ喧嘩ァッ!!」

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1 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:25:12.74 ID:1ikcy6Ygo

 この素クライド
 本編25話の終わりから飛ばされたという設定で、このすばのアニメパートまで


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1470781512
2 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:26:01.09 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・

〜向こう側の世界へのゲート〜


カズマ「…………ん、っ、また……ここかよ」

カズマ「(確か俺は、劉鳳と……本土のアルター軍団と戦ってたんだよな……)」

カズマ「(んで全滅させて…………この空間が開いたんだったか)」

カズマ「ったく、ちょっと本気を出したらすぐ吸い込まれらぁ」

カズマ「しかも今回は随分とここにいる時間が長えな」


 カズマの目の前に空間の裂け目が迫る!


カズマ「ッ、なんだ!? 吸い込まれ…………ぐおおおおおぉぉぉぉっ!?」
3 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:26:40.21 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・

〜女神空間〜


カズマ「うおっ!?」ドテッ

カズマ「いっつつ…………クッソぉ……どこだここ? まさか、例の向こう側……」

アクア「ようこそ死後の世界へ」スタスタ

カズマ「あ?」

アクア「あなたはつい先ほど、不幸にも死にました……短い人生でしたが、あなたは死んだのです」
4 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:27:24.33 ID:1ikcy6Ygo

カズマ「んだテメェは。勝手に人の生き死にを御大層に」

アクア「だってここは死後の世界ですから、あなたは死んだからここに来たんですよ」

カズマ「んなこたぁどうでもいい! とっとと俺を元の場所に戻しやがれ!!」

アクア「(うぜぇ)……それはできません。あなたは死んだのですから元の世界になんて」ムカムカ

カズマ「さーて出口はっと」

アクア「」ブチッ

アクア「だーかーら! あんたは死んだっつってんでしょうが! この本に書いてあるのよ!」バッ

カズマ「…………? 何も書いてねぇぞ」

アクア「え? いやそんなはず…………」パラパラ

アクア「……………………本当に無い!」
5 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:28:09.07 ID:1ikcy6Ygo

カズマ「チッ、嘘かよ」

アクア「ちょ、ちょっと待って!」

アクア「そんな、誰がここに来ても必ず経歴が書かれるはずなのに、何一つ分からない……!? もしかして本当に死んでない、完全なイレギュラーってこと……?」ブツブツ

アクア「こんなこと初めて…………」

カズマ「1人問答は終わったか?」

アクア「で、でも仮に死んでないにしろ、この空間に来たからにはこっちのルールに従ってもらうわよ!」

カズマ「知ったこっちゃねぇ。オラとっとと元の場所に返せ。俺にはまだやることがあるんだよ」

アクア「この世への未練? 一応聞いてあげるわ」

カズマ「お前には関係無ぇ……ちょっとした些細なことだ。ちっぽけな、な」
6 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:28:41.36 ID:1ikcy6Ygo

カズマ「そもそも、アイツとの決着も付けずにこの俺が死ぬわけねぇ。この、シェルブリットのカズマ様がな!」

アクア「カズマぁ? あんたカズマっていうの?」

カズマ「おう。名字は無ぇ、ただのカズマだ」

アクア「へぇーそうなの。あたしはアクアよ」

カズマ「どうでもいい」

アクア「なによ! 人がせっかく自己紹介してやったってのに!」

カズマ「ああもうなんでもいいから早くロストグラウンドに返しやがれ! 俺は気が長ぇ方じゃねぇんだ!」

アクア「それはできないわ! あんたには今、2つの選択肢しか無いのよ!」
7 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:29:10.35 ID:1ikcy6Ygo

アクア「まずここは、若くして死んだ人が来る場所なの。そしてあたしの仕事は、そんな不幸な人達に選ばせてあげること」

アクア「ひとつは天国的な所でおじいちゃんみたいにひなたぼっこして暮らすか……もしくは異世界に生まれ変わるか」

カズマ「どっちもノゥだ。俺は帰る。それじゃあな」

アクア「待ってぇぇぇぇ!! 話だけでも聞いてぇぇぇぇ!!」ブワッ

カズマ「うおっ!? テメェきたねぇな!! 鼻水付いてんだよ!!」

アクア「お願いだからぁぁぁぁ!!」

カズマ「わぁったわぁった! 早く言え!!」

アクア「うん……」グスン
8 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:30:02.17 ID:1ikcy6Ygo

アクア「その世界は! 魔王の軍勢によって脅かされていた!!」バッ

アクア「人々が築き上げてきた生活は魔物に蹂躙され、魔王軍の無慈悲な略奪と殺戮に皆怯えて暮らしていた!!」

カズマ「?」

アクア「そんな世界だから、皆生まれ変わるのを拒否しちゃって人が減る一方なのよ」

アクア「んで、他の世界で死んだ人を肉体と精神をそのままに送ってみてはってことなの! しかも大サービスで様々なチートからひとつ選べる特典付き!!」

アクア「どう!? そんなパラダイスみたいなところでかっこよく活躍してみない!?」

カズマ「断る」

アクア「そうよねーやっぱり行きたいわよね…………え?」

カズマ「話を聞くに一方的に蹂躙だの怯えながら暮らすだの、どうやら俺の元居たところと似てる。ならそこに必要なのは外から来た人間じゃねぇ。そこに住む人間が切り拓くモンだ」

カズマ「(……って、アイツならそう言うだろうな。まったくもって頭に来るが、俺も同意見だ)」
9 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:30:36.63 ID:1ikcy6Ygo

アクア「それじゃ困るのよ! 魔王を倒してこの世界を救わないと……」

カズマ「だったら手前でやれ。テメェがその異世界とやらに行ってやりゃぁいいだろうが」

アクア「ハァ!? なんで高貴な女神たるこの私がそんな下々の連中のやることをしなきゃならないのよ!」

カズマ「テメェ……さっきから人を見下してんじゃねぇぞ!!」

アクア「なに? やるっての? いいけどあんた1分後にはボコボコよ!」

カズマ「ハハハッ、おもしれぇ! 俺がボコるかあんたがボコるか……喧嘩といこうじゃねぇか!!」


 バッ、パァァァン!!


カズマ・アクア「ッ?」

「カズマさんの願いを聞き届けました」

アクア「へ?」

カズマ「あ?」
10 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:31:25.94 ID:1ikcy6Ygo

「カズマさんが異世界に持って行くもの……それは、女神アクア様」

アクア「ハァァァァ!!? ねぇちょっと! それ無いんじゃない!? あたし女神よ!?」

カズマ「ちょっと待て! 俺はまだ行くとは言ってねぇぞ!!」

「あなたが数多の冒険者候補から、魔王を倒す勇者となることを願っております。さすればどんな願いでも叶えられるでしょう」

アクア「ああああああ! あたしの台詞!!」

「というかこれ以上長引くと尺……じゃなくて他の死者の相手をする時間が押されますので、強制的に異世界行きです」


カズマ「クソオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォ!!」

アクア「クソオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォ!!」




 デレッデッンデッデンテテテレレレ ジャン!テレレッテッテッテレレン!

 奪え! すべて! この手で!
11 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:31:58.52 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・


〜駆け出しの冒険者の街・アクセル〜


カズマ「……………………」

アクア「……………………」

カズマ「ここは……どこだ? ロストグラウンドよりかなりマシな土地みてぇだが……」

アクア「う、うぎあああぁぁぁ、うっ、ああぁぁぁぁ…………」

カズマ「おいうるせぇぞ、俺まで頭がおかしいと思われたらどうするんだ」

アクア「う、うう…………うううああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ガシッ

カズマ「ぬおっ!?」

アクア「うっきゃあぁぁぁぁ!! ひげええひぎいいああぁぁぁっ!!」

 
 アクアがカズマの服を掴み発狂する!


「ねーママ、あれなにー?」

「見ちゃいけません!」
12 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:32:44.03 ID:1ikcy6Ygo

カズマ「……落ち着いたか?」

アクア「ええ……」

カズマ「チッ、来ちまったモンは仕方ねぇ。とにかくすぐ帰るぞ」

アクア「あのねぇ……帰れないから困ってるのよ!」

カズマ「なに!?」

アクア「ここに来たら最後、魔王を倒さない限り私は女神に戻れないのよおおおぉぉぉ!!」

カズマ「じゃあなにか!? 俺もロストグラウンドに戻れないのかよ!!」

アクア「そうよ! あんたはもう終わりよ! あっはっはっはっはっは!!」

カズマ「この野郎……!」ガシッ

アクア「ヘッ、胸倉掴んで凄んでも無駄よ。なんとかブレッドだかコッペパンだか知らないけどあんたは一生ここで暮らすの!」

カズマ「ぐぐぐぐぐ……」パッ

アクア「ちょ、どこ行くの?」

カズマ「どこでもいいだろ」

アクア「待って、置いてかないで!」
13 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:33:23.32 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・

〜街の外〜


アクア「ねぇちょっと、街から出ちゃったじゃない!」

カズマ「うるせぇ、黙ってろ」

カズマ「(……ん? ちょっと待てよ? 元々は向こう側の世界への扉を開いたのが原因だ……なら、ここでまた開けば……!)」

カズマ「ヘッ、なんだ……簡単じゃねぇか」

アクア「へ?」

カズマ「フンッ!!」シュウウウ


 ボシュッ、ボシュツ!

 カズマの周りの地面が抉れる!
14 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:34:00.69 ID:1ikcy6Ygo

アクア「ひぇぇっ!?」

カズマ「シェルブリット……!」

アクア「ちょ、ちょっと……それ、なに?」

カズマ「あん? んだお前、アルター知らねぇのか?」

アクア「知らないわよ!」

カズマ「なら黙って見てな。シェルブリット……バーストォォォォ!!」


 カズマが拳を天に突き上げる!

 凄まじいエネルギーが迸った!!
15 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:34:50.79 ID:1ikcy6Ygo

アクア「ひええええああああぁぁぁぁっ!!?」

カズマ「………………ひ、開かねぇ……」シュゥゥン

アクア「お、収まった…………今の何よ!?」

カズマ「俺はアルター使いなんだよ」

アクア「だからアルターって何!?」

カズマ「アルターは…………あれだ、物をぶっ壊して作り直して…………細かい事は分からねぇ」

アクア「あんた分からない技使ってるの!?」

カズマ「これで開かなかったってことは……仕方ねぇ、ちとキツいが、最大出力で……」

アクア「ちょ、ちょっと待って」

カズマ「なんだよ、今度はお前まで巻き込みかねねぇぞ」

アクア「多分この世界はそのアルターっていうのが無いのよ。だからあんたが何をしようが、多分無駄だわ」

カズマ「やってみなきゃ分かんねぇだろ!」

アクア「とにかく今は私の言うことを聞いて!」

カズマ「………………チッ、分かったよ」
16 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:36:00.16 ID:1ikcy6Ygo

カズマ「ッ!?」

アクア「どうしたの? 右目なんかさすって」

カズマ「右目が……開く…………アルターを解いたのに」

カズマ「右目だけじゃねぇ……腕のあざも消えてる…………なぁ、俺の顔……あざとかあるか? 線みたいな切り傷みたいな」

アクア「あざ? 特に無いわよ」

カズマ「この辺の髪がオレンジ色になってたりとか」

アクア「別に髪も特に変わったところは無いわよ」

カズマ「元に戻ってる……のか? それにシェルブリットを使っても右腕がなんともねぇ……」

アクア「もうそんなことはどうでもいいから、この街でやることやるわよ!」

カズマ「なんだよやることって」

アクア「そりゃこれから冒険者になるんだから、ギルドかなんかで登録するの! もーなんで私が先導なのよー!!」
17 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:37:12.13 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・

〜街中〜


カズマ「んで、そのギルドってのはどこだ?」

アクア「知らないわ」

カズマ「ぶっ飛ばすぞ」

アクア「本当に知らないのよ! それよりもカズマ、あんたが魔王を倒せば、なんでも願いが叶うのよ。その願いを『元の世界への帰還』にすればいいじゃない」

カズマ「なるほど……そりゃあいいな! ならこうしちゃいられねぇ、とっととなんたらって奴を倒して帰る!」

アクア「待ちなさいよ、そう慌てることも無いわ。帰るタイミングをあなたがその世界から消えた数分後とかにすればこっちでどれだけゆっくりしても大丈夫よ」

カズマ「お前、頭良いな!」

アクア「ふっふーん、でしょ。私頭良いでしょ?」

カズマ「ああ。どうやら俺よりは良いらしい」

アクア「……ホントに言ってる? ホントに?」

カズマ「なに嬉しそうな顔してやがる」

アクア「いやーはは」
18 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:37:45.90 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・

〜ギルド〜


アクア「はぁ……はぁ……よ、ようやっと見つけた……街中歩き回ってようやっと……」

カズマ「なぁ、この世界はなんたらって奴に支配されてるんじゃなかったのか?」

アクア「魔王軍よ。物覚えが悪いわね」

カズマ「ならなんでここの街の連中はどいつもこいつも、ムカつくほどに笑顔なんだよ」

アクア「そりゃこの街が魔王の本拠地から一番遠いからよ。街の外には弱いモンスターしかいないし、冒険者も多いから平和そのものってわけ」

カズマ「て、テメェ……! ますます俺が来た意味が無ぇじゃねぇか!!」

アクア「でも魔王に近付くにつれて危険も増すし、あんたが魔王を倒さないと私も帰れないのよ!! 協力しなさいよ!!」

カズマ「うおお引っ張るなぁ!」
19 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:38:29.69 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・


カズマ「…………」

アクア「…………」

カズマ「金、か……」

アクア「そうね……冒険者に登録するためにはお金が必要だったわね……」

カズマ「なんで持ってねぇんだよ」

アクア「私は女神なのよ? 女神に先立つものなんて必要ないわ」

カズマ「今必要じゃねぇかよ」

アクア「うぐっ、なら待ってなさい! 今あそこの人情味ありそうな老人からガッポリせしめてくるから!」

カズマ「(なんか色々インナーみたいな奴だなコイツ……ロストグラウンドでもくたばりそうにねぇ)」
20 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:38:58.14 ID:1ikcy6Ygo

アクア「…………」トボトボ

カズマ「………………」

アクア「はい、お金……」チャリン

カズマ「…………おう」

アクア「ねぇカズマ……私、女神だって言ってお金を要求したのにね、信じてもらえなかったの…………」ウルウル

アクア「だけどあの人エリス教徒で、女神エリスのご加護があらんことをって……エリスって、私の後輩の女神で……」ウルウル

カズマ「見てたから分からぁ……惨めだぜお前」

アクア「言わないでぇぇ!!」ブワッ
21 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:39:24.54 ID:1ikcy6Ygo

・・・・・・


カズマ「ほら、金持って来たぞ。これで冒険者とかいうのにしてくれんだろうな」

ルナ「は、はい! こちらの水晶に手をかざしてください!」

カズマ「お前先にやれ」

アクア「ええっ、なんでよ!」

カズマ「女神なんだろ、やれ」

アクア「なによその理屈……まぁいいけど」スッ
22 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:39:54.30 ID:1ikcy6Ygo

 パァァァ……


ルナ「アクア様ですね。能力値は…………ッ!!」

ルナ「すっ、すごい! 知力が平均より大幅に低いものの、他の能力は平均して高く、高位職にもなんなく就けますよ!!」

「マジかよあの青いネーチャン」

「頭がおかしいと思ってたけどまさかあんなか!」

「ああいう奴が魔王を倒すのかもな!」


ルナ「冒険者ギルドはあなたを歓迎します!!」

アクア「ふ、ふふふふ……まぁ私は女神だからぁ? これくらい当然よねぇぇぇ」

カズマ「じゃあ次は俺だな」スッ
23 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:40:39.19 ID:1ikcy6Ygo

 パァァァ……


ルナ「名前は……カズマ様ですね。それで能力が――こっ……! こ、こここれは!!?」

アクア「なぁにー? あまりにも低すぎたとか?」

ルナ「知力が5〜7歳児並みです!!!!」

アクア「へ……?」

「あっ」

「うわっ」

「俺ちょっとトイレ」

カズマ「……」ピキピキ
24 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:41:07.21 ID:1ikcy6Ygo

ルナ「なんでも、算数もまともにできないほどとか……」

アクア「ぷ、っくっくくくく……!!」プルプル

カズマ「てめぇ…………!!」

アクア「あーっはっはっはっはっはっはっはっは!!!! あたしより頭悪いって!! ひはははははは!!」

カズマ「表出ろコラァ!!」

ルナ「ッ、ですが力については群を抜いています! 力と言うよりも、戦闘力と言った方がいいでしょうか……これはアクア様以上です!!」

「なに!?」

「本当の勇者の誕生かぁ!?」

「いいぞニーチャン、俺はやる奴だと思ってたぞ!!」

カズマ「調子いいなお前ら!!」

カズマ「(だがなんかこの空気は……感じたことがある…………)」

カズマ「(まぁ少しくらい、このアホ女に付き合ってやるか)」

カズマ「(そんですぐに魔王をブッ倒して、ロストグラウンドに帰る…………!)」
25 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:41:54.41 ID:1ikcy6Ygo

アクア「(ハァー…………このバカ男、マジでヤバいの連れてきちゃったみたいね……)」

アクア「(粗暴で乱暴で、私より頭悪いときたじゃない)」

アクア「(でもこの男の力はアテになるわぁ)」ニヤッ

アクア「(さっきも見たアレなら、簡単に魔王を倒して私もとっととここからオサラバ)」

アクア「(うひひひひひ、頑張って私を楽させてね、カズマ♪)」




 テッテン!ジャンジャンジャンジャンテレレレ〜テンッ!

 い〜ますぐ捨てたい 偽り〜の
26 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/10(水) 07:44:04.08 ID:1ikcy6Ygo

 デレレレレレレレレン


 次 回


  始まりの街アクセル

  住民の平和とは裏腹に、情念渦巻く最果ての土地

  仕事できぬカズマ、容赦しないカエル、横行する爆裂

  女神アクアの、復職への想いを飲むこむ程に……

  傷は簡単には癒えない
                    
                                   第 2 話
                                    ア ク ア
27 : ◆wQQcI0pNtAGr [sage]:2016/08/10(水) 07:50:10.87 ID:1ikcy6Ygo
このすばを見ていて「カタカナでカズマとか狙ってるだろ!」とか思っていたものをようやく発散
ゲスマさん大好きですがここではスクライドのカズマです
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 07:55:36.76 ID:F1+TnQ0xO

そのタイトルと女神死ぬんじゃ…
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 09:18:21.41 ID:qC+hEVGz0

アクア様ご臨終ですか
30 : ◆S0pw.EDnyA [sage]:2016/08/10(水) 10:22:52.13 ID:cFRNDl42O
ども、以前仮面ライダー剣とこのすばのss書いてた者です。
私も最初はスクライドでクロスしようと思ってたから書いてくれるなんてマジ感動です。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 10:23:49.64 ID:GiYBcmmuO
乙、序盤はサブタイ名前でも死ななかったろ!さてはエリス教徒か
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 10:40:22.41 ID:Ch+RdJPQo
内容はともかくタイトルで笑った
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 11:56:48.51 ID:uZTWULDqo
ライダーの時も面白かったので今回も期待ww
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 13:01:56.81 ID:SSdvW5CmO
>>30
他者スレで自分の宣伝してんじゃねーよゴミクズ
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 13:58:05.28 ID:L4ETk6Aro
なんで荒れそうなことするんだよ、止めてほしいわ
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 14:30:21.13 ID:uGemnbaPO
このすば知らないからなんでスクライド増えたのかと疑問に思ったの思い出した
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 16:24:34.36 ID:vOSNlf3SO
激しく期待
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/10(水) 17:27:58.98 ID:K5Z9v3Tlo
臭い奴いるけど期待して舞ってる
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/11(木) 15:39:09.67 ID:Llmwcsn/o
めっちゃきたい
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/11(木) 20:03:40.55 ID:94uUVGWPO
その発送はあった
期待
41 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/11(木) 23:59:46.35 ID:gDjA9HReo













                                このすクライド
42 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:00:23.58 ID:HnaJaiP1o

・・・・・・

〜馬小屋〜


 チュンチュン……


カズマ「ん…………朝、か……」

アクア「グゴゴゴゴゴ、ンガー」Zzz

カズマ「……………………よし、寝てるな」

カズマ「壁作りは俺の趣味じゃねぇ。悪いが……」

アクア「くぁじゅま!」

カズマ「ッ!」ビクッ

アクア「Zzz」

カズマ「ふぅ……今日も行くか」
43 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:01:19.19 ID:HnaJaiP1o

カズマ「(この訳の分からねぇ世界に来て1週間。ギルドとやらの仕事にロクなのは無かった)」

カズマ「(ガキのおもり、土木作業、左官……どれもこれも俺に合わねぇ)」

カズマ「(まぁ飯や寝床については、ロストグラウンドより遥かに良かったがな)」

カズマ「(今日も壁塗りだろうが、そうはいかねぇ!)」

カズマ「俺は俺の思うまま、だぜ」




 デレッデッンデッデンテテテレレレ ジャン!テレレッテッテッテレレン!

 傷つくのが怖いのか?
44 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:02:31.56 ID:HnaJaiP1o

・・・・・・

〜工事現場〜


アクア「もーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!! カズマの奴ーーーーーーーーー!!」

「なんだい、またあの野郎はサボりか?」

アクア「そうなのよ!! こんな可愛い女の子を残してサボりよサボり!!」

「ワハハハハ! 俺が見るに、アイツは甲斐性無しのろくでなしだな!」

アクア「まったくよ! ったくアイツぅぅぅぅ! 今日なんか起きたら居なかったし!」ブンブン

「おぉ……今日は一段と壁塗りが速いな」

アクア「誰のおかげでおまんま食べられてると思ってるのよあのクズ! 帰ってきたらゴッドブローよ!!」
45 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:03:26.51 ID:HnaJaiP1o

・・・・・・

〜ギルド〜


ルナ「はいカズマ様、今回の報酬です」

カズマ「おう。随分袋が重いがこんなもんなのか?」

ルナ「はい。相場ですが」

カズマ「そうか、サンキュ」

ルナ「しかし、この前一緒にいたアクア様は……?」

カズマ「あんな奴には壁塗りがお似合いだからな。俺はこういう仕事の方が合ってる」

ルナ「ふふっ、優しいんですね」

カズマ「そんなんじゃねぇ。足手まといは邪魔なだけだ」

ルナ「しかしアクア様も高い能力値のはずですが」

カズマ「1人の方が気が楽なだけだ」
46 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:04:09.95 ID:HnaJaiP1o

・・・・・・

〜夕方・馬小屋〜


カズマ「帰ったぞ〜」

アクア「フンッ!!」ドゴォッ!

カズマ「ぐえええっ!」


 カズマが吹っ飛んだ!


カズマ「テメェ…………! 不意打ちたぁいい度胸してるじゃねぇか!」

アクア「いい度胸してるのはどっちよ!! このろくでなしの穀潰しが!!」

カズマ「んだとぉ!?」
47 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:04:38.82 ID:HnaJaiP1o

アクア「今日もフラフラフラフラ……働きもせずにチンピラがぁぁ!!」

カズマ「うおっ!」


 アクア、カズマの襟をつかみ振りまくる!


アクア「あたし1人であんな土臭くて男臭い場所でぇぇ!! 壁塗ってぇぇ!! あんたは気楽に遊びまわってるのが許せないぃぃぃ!!」

カズマ「ま、待て落ち着け! 俺だって働いてんだよ!!」

「うるせぇぞ!! 死にてぇか!!」


 隣から怒号が飛んでくる!!


カズマ・アクア「うっ、すみませーん……」
48 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:05:52.66 ID:HnaJaiP1o

カズマ「とにかく、俺だって働いてんだよ。ほら、これが証拠だ」ジャラッ

アクア「え、ええ、ええぇぇぇぇぇ!!?」

アクア「こ、これ……ざっと6万エリスはあるじゃないのよ!!」

カズマ「なんだ、これそんなに高いのか?」

アクア「はぁぁ!? 金の価値も知らないの!?」

カズマ「うるせぇ! こういうのは苦手なんだよ!」

アクア「それよりどうやってこんな金を…………ハッ、あんたまさか……カツアゲ……」

カズマ「ちげぇ! ちゃんとギルドで稼いでるんだよ。討伐でな」

アクア「とうばつ?」
49 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:09:22.66 ID:HnaJaiP1o

カズマ「なんか狼の群れを追っ払ったりしてたら、今日達成したとかでくれた」

アクア「ズルイ!! なんであたしも誘わないの!?」

カズマ「群れるのは好きじゃねぇからな」

アクア「私女神よ!!? 私みたいな高位職にこそ戦いは相応しいでしょうがぁぁ!!」

アクア「それにくらべてなに? あんたは力が強いだけの荒くれもの! は? なに? なんで頂点に立つあたしと底辺に這うあんたが一緒の馬小屋に寝泊まりしてるの!?」

カズマ「そりゃ金が無ぇからだろ! それに雨風しのげてこんな柔らかい場所で寝られるなんて、もうけもんじゃねぇか」

アクア「あんたどんだけ酷い生活してたのよ!」
50 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:10:09.42 ID:HnaJaiP1o

アクア「とにかく、明日は私もついてくからね! 討伐クエスト!」

カズマ「だけどもう狼の群れは倒しちまったぜ」

アクア「他のがあるでしょ他のが!」

カズマ「あるといいがなぁ……だが、つまらねぇ相手だったらテメェ1人で行けよ」

アクア「ふっふん任せなさい、私の見抜き力は女神界随一よ」キラン

カズマ「んじゃあ今日は飯食ってとっとと寝るか」

アクア「そうね、おやすみなさい」

カズマ「おう」
51 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:11:15.65 ID:HnaJaiP1o

アクア「……………………ねぇ」

カズマ「なんだ?」

アクア「あんた、今私と寝食を共にしてるわよね」

カズマ「ああ」

アクア「なんとも思わないの?」

カズマ「何にだ?」

アクア「いや、私一応ピチピチの女の子だけど」

カズマ「女だからどうした」

アクア「………………なんでもない」

カズマ「おかしなこと言ってないで寝るぞ」

アクア「え、ええ」

アクア「(もしかしてコイツ、性欲無いのかしら)」
52 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:11:46.31 ID:HnaJaiP1o

・・・・・・

〜翌日・平原〜


アクア「今日のクエストはぁぁ!! ジャイアント・トード5体撃破ー!」

カズマ「あのでかいカエルか。ヘッ、倒しがいがあるな!」シュウウウ


 ボシュッ、ボシュツ! シャアァアァア……!

 カズマの右腕がこの前とはまた違う形に変化し、同時に背中に3枚の羽が出現する! 


カズマ「まずは俺から行かせてもらうぜ! 衝撃のぉ、ファーストブリットォォ!!」


 3枚の羽の内1枚が砕け、推力エネルギーと変わる!

 カズマはその勢いのままジャイアント・トードに突っ込んだ!
53 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:12:16.09 ID:HnaJaiP1o

アクア「凄い! 早速にジャイアント・トード1体を倒した!!」

カズマ「ッ、いや、まだだ!」

 カズマの攻撃を受けたジャイアント・トードだが、ダメージは受けても倒しきれていない!

 ベロ攻撃を避けろカズマ!


カズマ「クッ、おっと!」ヒョイッ

カズマ「なんだぁ? 今日は妙に威力が乗らねぇな……」

アクア「情けないわねカズマ! なら私が……おりゃー!」


 パクッ


アクア「あ」

カズマ「あ?」


 アクアがジャイアント・トードに捕食された!
54 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:12:46.21 ID:HnaJaiP1o

カズマ「何してんだお前ぇぇ!!」

アクア「助けて! 助けてカズマ様ぁぁ!! 靴を舐めるからぁぁぁ!!」

カズマ「チッ、世話の焼ける奴だ……撃滅の、セカンドブリットォォ!!」


 カズマの拳がジャイアント・トードの腹に深くめり込む!

 今度は芯まで攻撃が通ったのか、ジャイアント・トードはうめき声をあげて地面に沈んだ!


カズマ「これ、倒したんだよな? おーい、生きてるか」

アクア「うわあああぁぁぁぁん!」ダキッ

カズマ「うおおっ!!? く、くせぇ!! 生臭ぇぞ!! それに汚ぇ!!」

アクア「あ、あっ、ありがとぉぉあ゛り゛が゛ど゛お゛ぉ゛ぉ゛」

カズマ「いいから離れろ!」
55 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:13:35.98 ID:HnaJaiP1o

アクア「うっ、ふぅぅ……ふぅぅぅぅぅ…………」

カズマ「まず1体か。あと4体だな。次はあそこに居る奴を……」

アクア「ふ、ふふふふ……女神のあたしにこんな屈辱を味合わせるとは…………死をもって償えやぁぁ!!」ダッ

カズマ「ッ、奴の拳から炎が!」

アクア「神の力思い知れ! 私の前に立ちふさがったこと、そして神に牙を剥いたこと、地獄で後悔しながら懺悔なさい! ゴッドブロオオォーーッ!!!!」


 アクアがカズマよろしく拳をジャイアント・トードに繰り出す!!


アクア「ゴッドブローとは女神の怒りと悲しみを乗せた必殺の拳! 相手は死ぬ!!」


 ポヨンッ


アクア「あ」

カズマ「あ」


 アクアのゴッドブローはジャイアント・トードの腹に衝撃を吸収された! カズマの拳ほど威力が無ければジャイアント・トードにダメージを与えることができないのだ!!

 そして流れるような捕食!!
56 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:14:38.15 ID:HnaJaiP1o

アクア「ぎゃああああああああああぁぁぁぁ!! カズマ様ー! カズマ様ーー!!」

カズマ「アホかぁぁ!!」


 その後2体目のジャイアント・トードも抹殺のラストブリットで倒し、今日は中断となった!


アクア「うわあぁぁぁんありがとおございましゅううぅぅ!! いらない、もう私この人以外なにもいらない!」

アクア「この人の進むべき道を私が照らす! 前に小石が落ちていたらあたしが拾う! あたしはあたしの全身全霊をかけてこの人の盾になりゅううう!!」

アクア「それがあたしがこの世に存在する意味! あたしのすべてええぇぇぇ!!」

カズマ「だからくっつくなぁぁぁ!!」
57 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:15:30.01 ID:HnaJaiP1o

・・・・・・

〜翌日・食堂〜


アクア「このままじゃ駄目よ!! 仲間を増やしましょう!!」ダンッ

カズマ「はぁ?」

アクア「昨日の無様な戦い……あれは女神史に刻んではいけないものよ……アクシズ教徒が知ったら暴動が起きるわ」

アクア「今後ああならないためにも、私の壁……じゃなかった、仲間は必要よ!」

カズマ「駄目だ。ただでさえお前という邪魔者がいるんだ。これ以上俺を群れさすな」

アクア「うっ、昨日は悪かったわよ! でも絶対仲間は要るって!」

カズマ「昨日のも俺1人で十分だったんだが……」

アクア「でももう貼り紙しちゃったもんねー」

カズマ「ああ……あの胡散臭い募集、お前のだったのか」
58 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:16:03.11 ID:HnaJaiP1o

アクア「私達と一緒に旅ができるラッキーちゃんは勿論上位職のみって決まってるじゃない」

カズマ「はぁ……とにかく、どんな奴が来ても俺は入れねぇからな」

「募集の貼り紙、見させていただきました」スタスタ

カズマ・アクア「え?」

めぐみん「我が名はめぐみん! アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法『爆裂魔法』を操る者!!」

カズマ「ほう?」ピクッ

めぐみん「ふふふ」ムッフー

カズマ「最強かぁ……俺の口角を上げさせる言葉だぜ」

めぐみん「そうであろうそうであろう、このあまりの強大さに世界に疎まれし我が力を欲するなら――」

カズマ「おいガキ! 俺と勝負だ!!」

めぐみん「ふっふふふふふ、このめぐみんの爆裂魔法は天を裂き山を砕く。我に敵対すれば爆発四散は待ったなし!

アクア「(あ、駄目だ……この2人、人の話を聞かない)」
59 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:16:54.91 ID:HnaJaiP1o

アクア「ねぇカズマ! とりあえず話だけでも聞きましょうよ!」

カズマ「話なら聞いた。奴は自分が最強だと言う、俺も自分が最強だと疑わねぇ。ならどうするか……白黒つけるしかねぇよなぁ!!」

アクア「その話じゃないわよ!! この子は私達の仲間になるって言ってるの!!」

めぐみん「ザッツライト!」

カズマ「仲間?」

アクア「ええそうよ。アークウィザードといえば上級職だし、それにその子の目……紅魔族よ」

めぐみん「一目見ただけで我が才気を見抜くとは……貴様只者ではないな」

アクア「まぁね、女神だしー」

めぐみん「女神、か……あいにくと、私は神に祈らない」

アクア「はいはい、祈らなくてもいいわよ別に。カズマ、紅魔族っていうのは生まれつき魔力と知力が高い魔法使いの種族なのよ」

カズマ「アルター使いってことか?」

アクア「この世界にアルター使いとやらはあんた一人だけでしょうけど……」
60 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:19:04.94 ID:HnaJaiP1o

めぐみん「それで、我が力を欲するか?」

カズマ「別に――」

アクア「ええ歓迎するわ!!」

カズマ「おい!」

アクア「(この子はアークウィザードで攻撃役、そこの鉄砲玉と一緒に突っ込ませて私は後ろから見ているという最強フォーメーションを組んでやるわ!)」

アクア「じゃあまず、めぐみんだっけ? 力を試すがてら、私達のクエストに同行してくれないかしら」

カズマ「おい勝手に決めてんじゃねぇ!」

アクア「お願いよ! もし役に立たなかったり邪魔だったら断ってあげるから(断るとは言っていない)」

カズマ「チッ……今回だけだぞ」

めぐみん「いいでしょう。ただその前に……」

カズマ・アクア「ん?」

めぐみん「なにか……食べ物をください……」ドサッ

カズマ・アクア「………………」
61 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:19:40.96 ID:HnaJaiP1o

・・・・・・

〜平原〜


カズマ「とりあえずあそこに2体見えるが……俺は好きにやらせてもらうぜ」

アクア「え、まずはめぐみんの実力を見るんじゃないの? 最強って言ってるくらいだし気になるでしょ」

カズマ「ああそうだったな、忘れてた」

アクア「あんたねぇ……」

めぐみん「では、あの遠い方のカエルをやりましょう。爆裂魔法は準備時間がかかります。もう片方の足止めは任せました」

カズマ「おう。んじゃあ早速右の方を」

アクア「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃーーーーー!!」ダッ

カズマ「なっ、オイお前!」

アクア「昨日はよくも私に辛酸を舐めせてくれたわねぇぇぇ!! このクソガエルがぁぁ!! くらいなさい、ゴッドレクイエム!!」
62 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:20:29.98 ID:HnaJaiP1o

カズマ「なっ、奴の杖が!」

アクア「ゴッドレクイエムとは、女神の愛と悲しみの鎮魂歌! 相手は死ぬ!! 震えろ! 恐れと共に爆散しろ!!」


 パクッ


アクア「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!! 助けてええぇぇぇ!!」

カズマ「…………」


 その時だ! カズマの横で詠唱が始まるのだ!


カズマ「ッ……! こいつぁ……!!」

めぐみん「【今オマエの夢の中でこのオレはどう映るのだろう? 遠い街で重ねた日々 anyway,everyday ガムシャラだったmy life……敵は誰? とわめいたりイキがっても不意に虚しさが襲ってくる。優しさに触れたい? でもそれは甘え。空回るだけなら、いっそ……!】」

めぐみん「これが最強の攻撃魔法……エクスプロージョン!!!!」
63 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:21:39.45 ID:HnaJaiP1o

 めぐみんのタマ付き杖から放たれる魔力! 収束、解放、爆発!!

 ジャイアント・トードはなすすべなく爆発四散! サヨナラ!

 後に残るのはMagmaが噴き出したかの如く赤黒いクレーター!!


カズマ「ク、クククク……どうやらハッタリばかりのガキじゃねぇらしいなぁ」ニヤッ

カズマ「こんなん見せられて、燃えねぇ奴はいねぇ、ああいねぇよ!」

カズマ「おいガキ! 次は俺とやろうぜ! 派手な喧嘩と――」

 
 ドサッ


カズマ「………………あ?」
64 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:22:12.44 ID:HnaJaiP1o

めぐみん「我が奥義である爆裂魔法はその絶大な威力故、消費魔力もまた絶大……要約すると、限界を超える魔力を使ったので身動き取れません」

カズマ「おーい、なんかお前の真後ろの地面からカエルが出てきたぞ」

めぐみん「近くからカエルが湧き出すとか予想外です。ヤバイです。食われます。すみませんちょっと助けて」


 パクッ


アクア「」

めぐみん「」

カズマ「お前らぁぁぁ…………!!」


 カズマ、アルターを発動! シェルブリットだ!!


カズマ「巻き添え喰らっても文句言うんじゃねぇぞぉぉぉぉ!!」


 ジャイアント・トード計5体撃破完了!!
65 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:23:17.81 ID:HnaJaiP1o

・・・・・・

〜夕方・町〜


アクア「うううぅぅぅ……生臭いよぉ…………生臭いよォ……」ヌルヌル

めぐみん「腕の骨が折れた……」ヌルヌル

アクア「人間には215本も骨があるのよ! 1本くらいなによ!」

めぐみん「薄情な! あ、でもやっぱり折れてません」

カズマ「どっちだよ! 落とすぞ!」

めぐみん「ああごめんなさい! おんぶやめないで!」
66 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:24:08.08 ID:HnaJaiP1o

カズマ「にしてもこんな棒っきれであんな爆発を起こせるんだな」

めぐみん「先端の宝玉が魔力を増大させてくれるんです」

カズマ「この玉がか」チョンチョン


 パリン


カズマ「あ」

めぐみん「わ、私の大切なタマがぁぁぁぁーーーーッ!!」

カズマ「わ、わりぃ! まさかつついただけで割れるとは……」

めぐみん「ま、まぁ大丈夫です……この杖、買った時予備の宝玉もつけてくれましたから…………そう、私のタマは2つあるッ!」
67 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:24:36.56 ID:HnaJaiP1o

カズマ「なんにせよだ、毎回撃ってすぐぶっ倒れるのも辛いだろ。これからはそのなんたら魔法ってのじゃなくて他のもっとやりやすい技とかでなんとかしろ」

めぐみん「使えません」

カズマ「は?」

めぐみん「私は爆裂魔法しか使えません。他には一切魔法が使えないんです」

アクア「…………ま、マジ?」

めぐみん「マジです」

アクア「で、でも爆裂魔法が使えるなら他の魔法も使えるでしょう? 私なんか宴会芸スキルを習得してからアークプリーストのスキルを全部習得したし」

めぐみん「私は爆裂魔法をこよなく愛するアークウィザード。爆発系統の魔法が好きなのではなく、爆裂魔法だけが好きなのです!!」
68 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:25:53.38 ID:HnaJaiP1o

めぐみん「勿論他の魔法も覚えれば楽になるでしょう……でも駄目なのです、私は爆裂魔法しか愛せない!!」

めぐみん「たとえ1日1発が限度でも、魔法を使った後に倒れるとしても!! それでも私は爆裂魔法しか、愛せない!!」

めぐみん「だって私は、爆裂魔法を使うためだけにアークウィザードの道を選んだのですから!!」

カズマ「……」

アクア「…………す、素晴らしい……素晴らしいわ! 非効率ながらもロマンを追い求める姿に私は感動したわ!!」

めぐみん「ふっ」グッ

アクア「ふっ」グッ
69 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:26:28.06 ID:HnaJaiP1o

アクア「カズマ、どう? この子なかなかいいじゃない!」

カズマ「駄目だ」

めぐみん「んなっ!?」

アクア「どうして!?」

カズマ「1日1発が限度とか技とは言えんだろ。外したらどうする、防がれたらどうする。当てても相手が生きてたらどうする。お前は倒れてなすすべなくやられるのか?」

めぐみん「で、でも……」

カズマ「お前に足りないもの、それは生きる術だ」

カズマ「この世界の人間がどんだけ他人に優しいかはこの1週間で多少なりとも学んだ。だがもしもの時、自分以外に何が頼れる。頼れねぇよ」

カズマ「俺達はお前のセーフティじゃねぇ。他人に頼るな、自分を生かせ」ギロッ
70 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:27:10.10 ID:HnaJaiP1o

めぐみん「う……」

アクア「カズマ、ちょっと言いすぎじゃ――」

カズマ「だが、お前の考え方は否定しない。むしろ好きな方だ」

めぐみん「え?」

カズマ「俺もこの右腕に何度も振り回された。使ってぶっ倒れたり、使って痛めたり感覚が無くなったり……だが頼れるものはコイツだけだった」グッ

カズマ「お前が頼るのがそれなら、お前がそれを貫くなら、やり通せ」

めぐみん「も、もとよりそのつもりです! ゆくゆくは何発撃っても倒れないアークウィザードに!」

カズマ「ヘッ、その覚悟があるなら俺からは何も言いやしねぇ」
71 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:27:42.38 ID:HnaJaiP1o

めぐみん「でっでは仲間にしてくれるんですね!?」

カズマ「あ? ああそんな話もあったな……まあいいんじゃねぇか。俺は好きにやらせてもらうが、邪魔すんじゃねぇぞガキンチョ」

めぐみん「むっ、ガキではありません」

カズマ「?」

めぐみん「我が名は、めぐみんです」

カズマ「……ああそうかい、めぐみんか。オーケー刻んだ、ならお前も俺を刻め。俺の名を。カズマという名を」

めぐみん「カズマですね。オッケーです」

アクア「あ、私はアクアね。一応」

カズマ「お前そんな名前だったのか」

アクア「あんたブッ殺されたいの!?」
72 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:29:24.41 ID:HnaJaiP1o

めぐみん「で、では……」スッ


 ヌチャァという音と共にめぐみんが手を差し出す!



カズマ「なんだこれ」

めぐみん「見て分かりませんか。握手です」

カズマ「違うだろ」スッ

めぐみん「えっ?」

カズマ「こうだ」グッ

めぐみん「……グーですか?」

カズマ「ああ」

めぐみん「……ふっ、では」グッ


 拳を、合わせる!




 テッテン!ジャンジャンジャンジャンテレレレ〜テンッ!

 い〜ますぐ捨てたい 偽り〜の
73 : ◆wQQcI0pNtAGr [saga]:2016/08/12(金) 00:34:30.61 ID:HnaJaiP1o

 デレレレレレレレレ


 次 回


  爆裂魔法後の激しい消費が、めぐみんの体を蝕んでいく……

  動けず倒れためぐみんに、脱出の道はあるのか

  それとも未来無き闇に、覆われてしまうのか

  ああ、めぐみんよ!
  
  そのギラついた目は、どこへ向かう
                    
                                   第 3 話
                                    ギ ル ド
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 00:39:31.29 ID:aH1QRtYgo
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 00:46:01.03 ID:oreffX0Po

キャラに違和感ないし面白いわ
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 01:36:50.60 ID:uGfFm+sco
おつ、予告ネタバレワロタ
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 02:15:52.24 ID:K7CO7Wzno
唐突にニンジャスレイヤーが
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 03:01:55.67 ID:BANB+6S0O
ギルドじゃねーか!
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 09:57:36.76 ID:41gdEslX0
乙乙
この小説を待ってたんだ…
web版からカズマを名乗るならシェルブリッド使えよと読みながらツッコんでたわ
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 11:01:46.88 ID:gp69uzO7O
元の3話がホーリーだから組織繋がりか
てことは4話のタイトルはあの…
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