響「まだ空っぽな明日は、限りなく黒に近いグレイ」【偶像喰種2章 後編2】

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144 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2018/08/25(土) 14:44:49.46 ID:6NtGgsk10

〜翌日〜


『捜査官一人死亡』

『喰種捜査官二人が喰種に襲撃され』

『草場一平さんが重傷を負い死亡する事件が発生した』


響「……」


「響ってシンブンとか読むんだね。意外なの」

響「…美希」

美希「何の記事?」

響「…喰種捜査官の訃報だぞ。ゴスロリを着た喰種に殺されたって……」

美希「ふーん。いい気味なの」


響「いい気味って、お前なあ……!」

美希「むしろ何で響はカワイソウって思うの? ミキ達を殺そうとしてるヒト達でしょ?」ボソ

美希「このゴスロリさんが誰かは知らないけど、このままどんどん殺してって欲しいって思うな」ボソボソ

響「……はあ」


響(社長の取ってた新聞で、気になった記事があったから読んでみたけど)

響(それを見つけた美希のせいで、ちょっと嫌な気分になった)

響(美希の言ったことだったから、余計に)


美希「雪歩ー、膝貸してほしいの」

雪歩「ええっ!? い、今から寝ちゃダメだよ美希ちゃん……!」

美希「いま765の皆の寝心地をチェックしてる所なの。昨日は春香だったから今日は雪歩……」

美希「……すやあ」

雪歩「う、うごけないよお美希ちゃん〜……」


響(あのリハーサルを見てから、美希はレッスンに真面目に取り組むようになって)

響(そして前より、人間の皆にも声をかけるようになった)


響(まあ、大体が『膝枕させて』って言うだけなんだけど……)


響(それでも、美希なりに自分から歩み寄っているのかもしれない)

響(相変わらず春香のクッキーを食べようとはしないから、せめてスキンシップで)


亜美「真美隊長、これはチャーンスなのでわ?」

真美「今こそ身勝手の限りを尽くすミキミキに正義の鉄槌を……!」キュポッ

亜美「ペンは剣よりも強しっていうもんね〜♪」スッ
145 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2018/08/25(土) 14:45:17.49 ID:6NtGgsk10

ガシッ


美希「…まだ寝てないの」ジロー

亜美真美「「ヒエッ!?」」


響(…自分も似たようなことされたなー)

響(こうやって、美希もだんだん765プロの一員になっていくのかな)

響(さっきみたいに、捜査官の命を軽く見たまんまで)

響(…ほかの皆も、そんな感じなのかな)


響(……いいのかな、それで)
146 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2018/08/25(土) 14:46:01.31 ID:6NtGgsk10

響(ふと、そんなことを考えてる時)

響(気付いたらエリーゼのことを考えていた)

響(エリーゼは捜査官の命のことを、どう考えていたんだろうって)


響(後から考えたら)

響(これは『虫の知らせ』ってことだったんだろうか)



響(それは、レッスンを終えた後の晩のことだった)


プルルルルルルル


響(! 電話だ)

響(ぴよ子も律子も外出中……自分が出てもいいかな?)ガチャ


響「はいさい! 765プロだぞ!」

響「…え? 石川さん? えーと……」

響「あ、876プロの! どうしたんだ……どうしたんですか?」

響「……」



響「―――涼が行方不明?」
147 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2018/08/25(土) 14:46:38.11 ID:6NtGgsk10

響(今日一日、涼は876プロにも学校にも姿が無かった)

響(電話しても繋がらなくて、家にもいなかった)

響(真っ先にアイツの姿が浮かんだ)

響(あの日も、涼はアイツの家に行ってたんだ)

響(―――――あの野郎!!!)


バンッ


響「夢子おッ!!!」

響「どこだ夢子!!! お前またやったのか!!!」

響「信じてくれた涼まで手にかけてッ……」


響「お前はどこまで腐ってるんだッッッッッ!!!!!」


響「涼が信じてっていうから……後一度だけ信じてみたのにッ……!!」


夢子「……っさいわね……!!」ムク

夢子「何なのアンタ……いきなり人の家に乗り込んでっ……やかましいのよ……」

夢子「涼が……なん……て……?」


響「……夢子ぉ……」

響「とぼけるなよ。お前涼を喰ったんだろ?」

響「876プロから電話が来たんだぞ! 涼がどこにもいないって!」

響「お前が涼を裏切って食べたんだろ!? 死体はどこだ! 出せ!! 吐け!!!」ベシベシベシ


夢子「ちょ……やめ……なにそれ、しらない……」

夢子「涼なら今日は来てないわよ……」

夢子「やめ……やめ…………」


夢子「……」


響「……ハッ!」

響「死んでる……」


夢子「……かってにころすんじゃないわよ……」
148 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2018/08/25(土) 14:47:10.38 ID:6NtGgsk10

響「……え? 涼は来てない?」

夢子「そう、よ……あたしは一日中ひとりで寝てた……」

夢子「どういうことよ……涼がいないって……!」


響(…夢子じゃない?)

響(じゃあ、誰が……?)

響(涼はどこだ?)

響(どうやって探せばいい?)


響(……そうだ)


響「な、なあ夢子! 涼の私物とかない?」

響「出来るだけ匂いのついてるもの!」

夢子「……は? 何アンタ、この状況で……」

響「匂いで涼を追うんだぞ! 自分、鼻いいし!」

夢子「ああそういうこと……それなら……」


響(夢子が指さしたのは、椅子にかけられたままのタオルだった)

響(一度、涼がレッスン帰りに急いでお見舞いに来たことがあったらしい)

響(夢子は弱弱しく『あいつが勝手に忘れた』と言い張っていた)

響(…なんか、思いっきり夢子の匂いが混じってるんだけど……)


響「…うん。でも涼のにおいは分かるぞ!」

響「これで探してみる! 夢子は待ってて! 疑ってゴメン!」

夢子「……待ちなさいよ」

夢子「あたしも行く……!」


響「…は!? そんな状態で何言ってるんだ! 無茶だぞ!」

夢子「アンタの言える台詞じゃないわよ……それに」

夢子「涼が行方不明って聞いて……家で寝てられないわよ……」

夢子「いいから早く連れてって……!!」


響「……?」

響(どうして夢子は、こんなに涼に執着してるんだろう)

響(あの、平気で友達を罠にかけた夢子が)

響「……わかった。行こう」
149 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2018/08/25(土) 14:47:57.89 ID:6NtGgsk10

響(嗅覚の強くなった自分ならもしかして……と思った)

響(でも、こんな真似をしたことはなかったから、不安はあった)

響(それでも、自分の鼻は優秀で)

響(涼がどこに連れていかれたのか、その行先を辿ることができた)


響(場所は、876プロからそう離れていない教会)

響(そこからは、涼と、もう一人……知らない喰種の匂いがした)

響(……扉を空けて姿を見ると、縛られて壇上に放置された涼と)

響(やっぱり、知らない姿のゴスロリ女がいた)


響(……いや待て)


響(……ゴスロリ?)




サイネリア「……アンタ誰?」
150 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2018/08/25(土) 14:49:07.57 ID:6NtGgsk10
今日はここまで。

原作通り進めるか少しオリジナル展開を入れるか悩み中。

151 : ◆AyvLkOoV8s [sage saga]:2018/10/15(月) 13:11:12.90 ID:HYGlUqrQ0
ss速報vip復活したみたいなので書き込みテスト
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