貴方「安価で喰種の世界を生き延びる」【東京喰種】【喰種編】【TAKE3】

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763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/17(土) 22:46:57.65 ID:0Mvcsy/b0
保守がてら雑談、主人公兄妹をガンダムで例えると
イツキ:クロスボーンX1系列
マシロ:ファンネルガン積みしたV2
アサヤ:ZZ
こんな感じがする
764 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/22(木) 21:56:19.03 ID:xpalJNov0
報告です。明後日には再開出来そうでございます。死ぬかと思った(小並感)。報告が遅れて大変申し訳ございませんでした。

いちおう最新巻もチェックしてるんですが、いやーおったまげた…。反映出来るかなぁ。

自分のイメージはこんな感じです。

イツキ:武装をワイヤーアンカーに取り替えたΞ
マシロ:クシャトリヤ
アサヤ:ヴァーチェ
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/23(金) 02:34:21.14 ID:md2R8Rq0O
待ってた
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/23(金) 02:38:51.82 ID:lD814sG10
へーい
767 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/24(土) 22:08:33.07 ID:46k2/QeG0
お待たせしました!今から再開です!久しぶりなので、いくつか現状を纏めておきますね。


☆現状まとめ

・イツキが原因で14区の警戒が超強化。アオギリとの関係が予想されている。

・相対的に他の区の警戒が緩和。喰種たちの行動がしやすくなった。オークションとかも増えるゾ。

・お嬢様一行の危険性上昇。早急に救助しないと、駆除される可能性大。今後を考えると、助けた方が都合がいいかも。

・『アオギリの樹』がコクリア襲撃を達成。有馬がいなかったため大部分の喰種を吸収。7区の攻防戦が消滅し、嘉納の捜索にシフト。

・また、シロクロコンビの手術時期が原作で示唆されていないため、現在未施術とする。

カネキの後なのは確定だし、カネキのデータを基にやった的なことが書いてた気がする。
本来、攻防戦後に半年くらい空くからその間にオペッたと思います。カネキはすぐ回復したから合ってる…と信じてる。確認不足なのかもしれない。

・嘉納のことをイツキは把握していないが、エト、カネキから情報は貰える(エトの方が詳しい)。その気になれば、居場所を推測出来る。

・有馬が戦闘不能なので、当分の0番隊はお休み。モグラはしばらく叩かないので、地下利用が容易に。

他に何かあったら追記します。忘れてる可能性が高いので…。
768 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/24(土) 22:10:28.60 ID:46k2/QeG0
場所は変わって20区。

地下通路を介して、安全な場所へと移動した。

実質副リーダーのヨスケに、作戦が終了した旨を伝えるために電話を掛ける。

二回呼び出し音が鳴り、スピーカーから渋い声が響いてくる。

「…こちらイツキ。作戦は予定通り終了しました」

『ニュースで確認した。が、少々不味いのではないか?』

深夜とはいえ、今回の事件は大事だ。

CCGを喰種が単騎で襲ったなど、『梟』の襲撃以来のことだからだ。

「…問題ありません。警戒を他所に集中させることで、別の区にいる皆さんは行動しやすくなります」

「…俺はまだ14区から出ることは出来ませんが、警戒されるような状況ではないはずです」

――妹たちを弱冠22歳の学生が養っている時点で、どうかと思うがな。

そんな言葉を出しそうになったが、噛み殺す。

不自然ではないように、特待生だったり塾講師のアルバイトだったりをしているのだろう。

表向きでは品行方正もいいところ、な彼を疑うのは考えにくい。

『そうか。それで、お前はどうする』

「…まだ用事があるので。落ち着いてから連絡するので、皆さんは普段通りの生活を」

『了解だ』

プツリ、と通話が切られ、スマートフォンをポケットに直す。

追手を警戒して20区まで移動してきたのは良かったが、今の状況では14区に戻らない方が良さそうだ。

「マシロに誤魔化すメールを送って…。仕方ない、地下で休憩するか」

もう一度、イツキは地下へと潜った。
769 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/24(土) 22:11:21.01 ID:46k2/QeG0
数時間後の早朝の14区。

公園をジャージ姿で走る青年の姿が。

「…そろそろ戻ってもいいか。ジョギング帰りと言えばどうにかなる」

一般人と変わらないペースで走りながら、悟られないように注意を払い、周囲を一瞥する。

――数が尋常じゃない。5人一組で公園内だけで3班もあるとはね。

お嬢様たちの安否が気になる。

が、日が沈まないと行動出来ない。

少しだけペースを上げ、捜査官たちの横を通り過ぎる。

「ちょっと、すみません」

「はい」

声を掛けられてすぐに踵を返す。

下手に遅れたら怪しまれる。

「こんな早朝からランニングですか。運動好きなんですか?」

「いえ、最近は卒論を書いてばかりだったので。少しは身体を動かして、リフレッシュをしようかと」

「…へぇ。リフレッシュ、ですか」

ジロジロ、と身体を隅々まで見られているようで、気味が悪い。

「ところで、最近凶悪な喰種が出たので外出時は注意するよう言われてたはず…なんですがねぇ」

――なるほど、誘導尋問か。

目的を察知したイツキ。

瞬時に思考して、対応を行う。

「すみませんが、家を出る時点ではまだご近所さんは誰も起きていなかったもので。テレビを見てもいませんし」

「…そういえば、その凶悪な喰種って、夜の何時ごろに出たんですか?」

「…どうして、夜だと?」

「だって、自分が就寝した12時まででは、そんなニュースは無かったものですから」

「それに、喰種の犯行は夜が殆どだって、小倉さんが」

「…ああ、なるほど」

また小倉か、とでも言いたげな表情をし、捜査官は表情を曇らせる。

――まぁ、これ以上つつかれることは無いだろう。

捜査官たちの態度からして、これ以上聞くことが無いと見える。

「…では、失礼しますね。捜査官さんたちのおかげで、今は危ないと分かったので。早く帰らないと」

「…そうですね。お気を付けて」

意外とすんなりと引き下がったのが気になるが、彼らにも余裕が無いのだろう。

特に気にすることも無く、一礼だけして帰りを急いだ。
770 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/24(土) 22:12:18.88 ID:46k2/QeG0
ドアを開けた直後に抱き着いてきたマシロ。

ヒョイ、とそれを避けて、テレビを点ける。

どこのチャンネルでも『長槍』・『梟』特集が行われていた。

「守秘義務があるだろうに。…それだけ、本気ということか」

「…何をしてたんですか?」

ドアにぶつかったからか、赤くなった額を押さえながらマシロが問う。

「秘密。…どうせ、分かってるんだろうけど」

「ええ。ですが、意味が分からないんです。態々警戒レベルを引き上げさせるなんて」

「…それでも、言えないよ。マシロを関わらせるわけにはいかない」

「…仲間外れですか。家族なのに」

「違うよ。危険な目に遭ってほしくないだけさ。もしもの時は、『あんていく』に匿ってもらうから」

真っ直ぐこちらを見つめるマシロ。

だが、視線が交わることは無い。

諦めたようにはぁ、とため息を吐き、マシロは口を開く。

「…いいです。私も、散々迷惑を掛けましたから。お兄さんがダメと言うなら、踏み込む気はありません」

「だけど、死なないでくださいね。もし死んだら、後を追いますから」

「…はは、それは怖い」

冗談ではなく本気で言っているであろうところが恐ろしい。

どこで育て方を間違ったのだろうか。

――これは私の精神性の問題なので。お兄さんは関係ないはずですよ。

脳内に…直接…ッ!?
771 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/24(土) 22:13:46.22 ID:46k2/QeG0
朝の行動を直下でお願いします。目立つ行動を行う場合は、コンマ判定を追加で行います。
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/24(土) 22:26:19.90 ID:jNQ1N1uE0
お嬢様一行の新しい隠れ家を探したり考えたりする
773 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/24(土) 22:57:42.01 ID:46k2/QeG0
「…さて、と。まだあの子たちを失うわけにはいかないし、別の場所を探さないとね」

100%イツキが原因のことなのだが、それは置いといて。

まだ、彼女たちをメンバーと会わせることは出来ない。

行動理念が正反対だから、速攻で殺しに掛かりかねないのだ。

「うーん…。調べた限り、ちょこちょこ手放された建物があるなぁ」

住宅街にあるものは当然論外。

人目に付きにくい、山奥だとかの建物がよろしい。

「だけど。情報が出てる時点で怪しいんだよね」

家から出ずに調べた場合、安全の保障が出来ない建物ばかりがピックアップされる。

こういう時こそ他人を頼るべきなのだろうが、下手に動くとマークされかねない。

特に、『Helter Skelter』に行った場合は、色々とヤバいことになるだろう。

「…皆、天才だ何だと持ち上げるけど。俺一人で出来ることなんてたかが知れてるんだよなぁ」

天才だろうと、ただの喰種一人でしかない。

一人で何でも出来ていたら、それこそ神という存在なのだろう。

「…人は神に憧れるけど、神になることは出来ない」

「人は人でしかないのだから。別の存在にはなれないのだから」

――カネキくんだって、外側が変わっただけで、本質は人間と変わらない。

「…まったく、嘉納先生。あなたは神を気取っているのでしょうかね」

度々ワイドショーや討論番組で姿を見せた医者。

カネキの話を聞き、彼が喰種化させたのだとすぐに分かった。

「…まぁ、俺には関係ないことだ」

目的を為すために、動くだけ。
774 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/24(土) 23:01:42.55 ID:46k2/QeG0
直下で探す方法を決定します。

1:とにかく自分で探す!これが一番!(成功率、バレる可能性共に大。だが、チートなイツキが頑張れば安住の地を見つけられるかも)

2:助けてエトしゃん(成功率普通。バレる可能性は低いが、アオギリが把握している可能性が)

3:イトリえもんに助けを乞う(成功率特大。バレる可能性は???)
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/24(土) 23:06:22.23 ID:r27jTaNX0
2
776 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/24(土) 23:44:34.29 ID:46k2/QeG0
「…あ、喰種関係で詳しい人はいたな。あの人なら」

そう思い、スマートフォンを手に取る。

「あれ、メールがいっぱい来てる。迷惑メールはあり得ないし。誰だろう」

受信ボックスを開いてみる。

そこには、夥しい量のメールが。

「………」

無言で読んでいくイツキ。

――何で同じメールを繰り返し送るのかな。エトは。

これじゃあまるでヤンデレじゃないか、と心の中で思い、メールを一つだけ残して消去する。

流れるように電話帳を開き、通話を始める。

今度は、コールが始まった瞬間に出てきた。

『怪我は大丈夫!?腕とか千切れてない!?』

「…大丈夫です。怪我はしてません」

『良かったぁ…。有馬と戦り合ったから、てっきりどこか持っていかれたと…』

「…それより、少し聞きたいことがあります」

『…なんだい?私に出来ることなら何でもするよ』

何でも、という言葉が引っ掛かるが、まあいい。

「…『白鳩』に見つかることのない、喰種が使える隠れ家を知ってますか?」

『まあ、多少は。…でも、それを知ってどうするの?』

「俺が原因なんですが、必要になりまして」

『…分かった。ちょっと待って』

どこか元気の無さげな声で答え、ミュートになった。
777 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/24(土) 23:46:14.68 ID:46k2/QeG0
直下コンマが5以上で情報が入手出来ます。捜査官に発見される可能性は低いですが、成功時に↓2が3以下だと…。
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/24(土) 23:48:28.91 ID:gPF1IyS/0
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/24(土) 23:50:59.13 ID:r27jTaNX0
あっ…不味いかも
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 00:24:05.60 ID:pdz2U1ip0
ただの失敗扱いだと思う
781 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/25(日) 00:27:27.41 ID:Atjeo9B00
数分して、ミュートが解除される。

『…ごめん。私が持ってた場所はたぶん、全部アオギリが接収したと思う』

『言いたくないんだけど…。イッキュンは利用されてた。アオギリの方が上手だったね』

「…でしょうね。組織に気を取られて、アオギリの動向を気にしなかった俺のミスです」

『…でも、気になることがあるんだ』

「何ですか?」

『どうして、イッキュンの襲撃に合わせられたのか、なんだよね』

『私も速報を見て知ったくらいの極秘行動。それを知れたということは…』

「内通者がいる、と」

『うん』

確かに、心配する気持ちは分からないでもない。

イツキが集めた、信頼出来る人は幹部たち。

他の人は、幹部たちが集めた人や、集まった人が更に集めた人たちだ。

そこに、部外者が紛れ込む可能性もあり得る。

「…俺の予想は、既に準備を終えていて、どこかで大きな行動を起こしたらそれに便乗する、ですかね」

「まぁ、真相は分かりませんが。準備を終えていたのは確定でしょう」

「そうでないと、行動を起こすなんてあり得ないですから」

『…とにかく、私はアオギリの動向は見張っておく。何かあったらすぐ連絡するね』

「分かりました。エトも気を付けて」

『うん。またね』

一難去ってまた一難、とはこのことを言うのだろう。

一難は去ってすらいないのだが。

「…アオギリ。本当、厄介な連中だよ」

コーヒーを一杯飲み、イツキは頭を抱えた。
782 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/25(日) 00:31:01.12 ID:Atjeo9B00
さっきの判定にデメリットはそこまで無かったのでご安心を。外に出ていた場合は…(目を逸らす)。

次は昼の行動です。直下でお願いします。今更ですが、休んだりして時間をある程度進めることも可能です。
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 00:33:42.01 ID:CcJG66N/0
まあダメだったし次はイトリえもんかなあ…情報が洩れてればそれはそれで敵のあぶり出しが出来る

安価下
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 00:36:12.37 ID:fAB31i8c0
隠れ家を探す
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 00:58:40.09 ID:DquNWXI9o
あーっくそせっかく再開してるのに乗り遅れた!
786 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/25(日) 01:13:00.84 ID:Atjeo9B00
隠れ家探しは続くよどこまでも。直下で方法を選択してください。

1:自力で捜索(先ほどと同じ)

2:イトリ姉貴なら何とかしてくれる(先ほ(ry)

3:自由安価
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 01:17:07.25 ID:fAB31i8c0
2
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 01:18:09.45 ID:pdz2U1ip0
あんていくを頼れそうだけどイトリの方が安牌かな
安価下
789 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/25(日) 01:21:18.39 ID:Atjeo9B00
えー、特殊判定です。直下コンマが3以下だと、捜査官たちに検問されます。検問されたら50%で戦闘になります。
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 01:24:11.91 ID:CcJG66N/0
ほい
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 01:34:10.97 ID:DquNWXI9o
うええ
792 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/25(日) 01:37:16.65 ID:Atjeo9B00
「…多少のリスクは仕方ない。原因は俺にあるしね」

車のキーを手に取り、外に出る。

万一に備えて、マシロはお留守番だ。

車を出して大通りを進むが、やはり数が尋常じゃない。

というより、ところどころに検問所を設置するだなんて本気過ぎる。

「…不味い。検問所が多すぎて、安全なルートがない」

引き返したいのは山々だが、そうしたら余計に怪しまれる。

もし捕まった場合、大学を諦めて隠れなければならない。

当然、塾講師のアルバイトもそこで終了する。

戸籍があるため、マシロたちも匿う必要が出てくる。

――Rcゲートを設置したりは…ないよね?

専門的な検査をされたら、一発で終わってしまう。

血を抜くとしても、普通の針は通らないのだから。

それが、喰種の証明になってしまう。

「…クソ、車なんか使うんじゃなかったな」

CCGの本気度を見誤っていた自分を、殺したくなった。

――何が天才だ。どうしようもないほどの阿呆だよ、俺は。

そして、心の中でそう吐き捨てた。
793 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/25(日) 01:38:20.32 ID:Atjeo9B00
直下コンマ判定です。奇数の場合はアウト、偶数の場合はセーフです。ダメだったら戦闘です。
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 01:39:46.24 ID:plxvwYS3O
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 01:40:28.11 ID:plxvwYS3O
やったぜ
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 01:42:16.07 ID:CcJG66N/0
実際セーフ、危なかった
797 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/25(日) 01:43:56.60 ID:Atjeo9B00
ちょっとしたアナウンス


今回の判定で、成功だったらRcゲート、失敗だったら血液検査を行う予定でした。

また、成功したので『V』とCCGの関係にイツキが完全に気付きました。
798 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/25(日) 02:07:45.67 ID:Atjeo9B00
目の前の車の運転手が外に連れ出され、ゲートの真下を通り抜ける。

それを確認した捜査官は車を検問所の先まで運転し、運転手と交代する。

――Rcゲート。Rc細胞に反応する仕組みの識別装置か。

最悪な状況だが、どうしようもない。

ここで逃げても、ゲートをくぐっても変わらない。

――仕方ない、か。指示に従って、警報が鳴ったらすぐに逃げよう。

もしもすらあり得ないがそれでも、一度は経験しておいた方がいい。

ゲートまであと三歩。

二歩。

一歩。

ゼロ。

「…ん…?」

鳴るはずの警報が作動しない。

捜査官たちも、それが当然だとでもいうかのように車を進めていく。

「ご協力ありがとうございました」

「…いえ。お仕事、頑張ってください」

アクセルを踏み、先を急ぐ。

「どういうことだ…。動作不良はあり得ない。配備しているのなら、メンテナンスをしているはずだ」

そこで、図書館での出来事を思い出す。

『CCGもきな臭くなったけど』

「…そうか。そういうこと、か。それなら納得だ」

――CCGは『V』と手を組んでいる。それも、現在進行形で。

両親は元『V』でCCGと結託しているのなら、Rcゲートに検知されないのも当然だ。

そうでなければ、『V』が報告する時にゲートをくぐると、検知されてしまう。

喰種がCCGと手を組んでいるのが知れたら、とんでもない大問題になるだろう。

そのため喰種だと他の人には知られてはいけない彼らなら、システムを弄っているはずだ。

『V』メンバーの赫包を検知しないように、設定しているはずだ。

そして今、イツキがRcゲートを突破出来たこと。

それは、今もなお関係が続いていることを意味していた。

「既に終わっているなら、そんなシステムは解除してるはずだからね」

「見えた。どうして両親が殺されたのか。全ての謎が解けたよ」

『V』にとって都合の悪い存在だった両親を殺すよう、『V』からCCGに依頼が出される。

それを受けた上層部が、正式な指令として辻褄を合わせ、処分に向かわせた。

新聞には『子供はいない』とあったが、おそらくそれは世間を騙すためのブラフ。

子供がいること自体は掴んでいるはずだ。

そして、両親の願い。

それが叶うということは、今までの関係が崩れるということになる。

「喰種は駆逐される存在でなければならないんだ。彼らにとって」

「だから、両親は殺されたんだ。その関係を崩しかねない危険因子だったから」

目的が、行動理念が分からない敵は厄介だ。

だが、それさえ分かれば、対処は簡単だ。

髪を軽く掻き上げ、青年は笑った。
799 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/02/25(日) 02:10:32.18 ID:Atjeo9B00
本日の更新はこれで終了でございます。久しぶりの更新でしたが、まだお付き合いいただける方がいてくださって良かった…。

まだ仕事が忙しくて、いつ更新出来るか分かりません。申し訳ない…。いつになったら、まとまった休みが取れるんだろう(遠い目)

皆さん、お疲れ様でした!そしてありがとうございました!
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 02:11:56.40 ID:CcJG66N/0
乙 まあゆっくりやってくだせえ
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 02:38:59.38 ID:pdz2U1ip0
乙乙 ヒヤヒヤする更新だった
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 04:01:53.38 ID:DquNWXI9o
おつおつ
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 21:03:52.90 ID:+LSFisPY0
:re最新刊の帯に俺達がガンダムだ!みたいなこと書かれてて草
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/13(日) 23:45:26.00 ID:DZOQxEm40
保守らねばならぬ
805 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/05/26(土) 00:41:55.98 ID:dATzPQsoO
やっと予定が取れました(ゲッソリ)。本日の昼から再開したいと思います!

前回から数ヶ月も経過してて危機感をずっと憶えてました…。申し訳ありません…。
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 00:50:07.68 ID:YC9cszE3o
おかえりなさい!
807 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/05/26(土) 18:08:37.34 ID:bqI4vSG50
夕方になってしまいましたが、今から再開したいと思います。


アドバイス?

クロシロの手術は、作中時間で四週間が経過するとオートで実行されます。手術後二週間で実戦投入。

また、アオギリによる捜索判定が一週終了毎に行われます。発見された場合でも、上記のカウントは進行していきます。

つまり、アオギリの庇護下で実験が行われる状況になります(原作十一巻辺りと同じ感じ)。

助けたいのなら、早いうちに何かしらのアクションを起こした方がいいのかも…?
808 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/05/26(土) 18:10:18.44 ID:bqI4vSG50
検問を突破したイツキは、目的地に向けて車を走らせる。

(…俺の身体が反応しないということは、CCGの中に立ち入っても問題ないということだ)

(そんな機会は無いだろうが。だけど、気に留めておいて損は無い、か)

駐車場に車を停め、外に出る。

いつもなら人通りがそれなりにあるはずなのだが、今日は違うようだ。

閑散とした裏通りには、人っ子一人見当たらない。

「…まあ、当然か。リスクは避けたいだろうしね」

静かな通りに靴音が反響する。

角を曲がり、建物に入る。

扉に掛けられている看板は『CLOSED』。

気にすることなく、イツキは扉を開けた。

「…看板見たわよね?何用でここに来たのよ」

「君のセイで大変なんだから。何とんでもないことしでかしてんのよぅ」

大変な割には、楽しそうな顔をしているが。

「…罰ゲームですよ。ちょっとしたゲームで負けてしまいまして」

「アハハハハ!そんな罰ゲーム、アタシだったら断ってるね」

そりゃそうだ。

「…で、何が入用なの?ここに来たってことは、そういうことでしょ?」

表情に変化は無いのに、その声色だけは冷徹なものになっていた。
809 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/05/26(土) 18:29:28.55 ID:bqI4vSG50
「…ええ。依頼に来ました」

小さく頷き、椅子に座る。

昼から飲酒は如何なものかと思ったのか、缶コーヒーがカウンターに置かれる。

店で缶を振舞うのもどうかと思うが。

「とは言っても。こんだけ警備されてちゃ、情報なんて期待出来ないのよね」

くあぁ、と大きな欠伸をするイトリは横目でイツキを見つめる。

「…それでも、イトリさんなら問題ないと思いました」

「イトリさんの情報収集力は信用してますから」

「信用ねぇ…」

(信頼されるほどじゃないってこと、ね。ちょっち凹むわ〜)

「なら、その想いに応えてあげたくなるのが乙女心よね」

「…乙女?」

「あぁ〜ら。ひっぱたかれたいの?」

「………」

「ちょ、否定してくれないとアタシがおばさんってことに…」

「…自覚してるんですか」

「むぐ!?」

ワインに口を付けていたイトリは、堪らず吹き出した。
810 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/05/26(土) 18:31:51.57 ID:bqI4vSG50
直下コンマに新しいセーフハウスの場所(地区名。14区は除外)と特徴をお願いします。直下コンマが3以上で成功です。

成功時に↓2コンマが3以下だった場合は…?
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 18:44:21.00 ID:VDbLr2Gm0
20区 あんていくの近所
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 18:49:31.34 ID:VDbLr2Gm0
00か…
強制成功?
813 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/05/26(土) 19:15:13.17 ID:jhgabeXU0
アッアッアッ… 00とか物語壊れちゃーう。どうしよ、ホントどうしよ。ちょっと考えさせてください…。
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 19:57:48.13 ID:VDbLr2Gm0
コンマ神も久々の更新が嬉しいんだろうね
仕方ないね
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 20:13:22.58 ID:YC9cszE3o
コンマ神の愛が凄いスレ
816 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/05/27(日) 01:23:28.56 ID:YDO5iCzY0
漸く思いついたので、再開していきます。遅くなってすまない…。
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 01:28:46.16 ID:QY0Q5j8/0
待ってた 00出してすまない
818 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/05/27(日) 01:36:50.83 ID:YDO5iCzY0
「…という茶番は置いておいて。依頼というのは、隠れ家が欲しいんです」

「ここはいつから不動産屋になったのかしら」

イツキ自身、情報屋に聞くようなことではないと分かっている。

だが、一番確実だと思ったのが彼女だった。

ただそれだけのことだ。

「まっ、それだけアタシの能力を認めてると思っておきましょうかね」

おもむろに取り出したUSBメモリ。

投げ渡されたそれを、左手で取る。

「望んでいる情報はその中よ。…それと、少しだけサービスしてあげる」

「サービス…?」

「耳、貸して」

イトリの手招きに従い、顔を近づける。

イトリは耳元に口を近づけ、囁いた。

「…アオギリよりも警戒すべき相手がいるわ。『白鳩』とは違う…いえ、『白鳩』と喰種、そのどちらにも存在する奴らよ」

「それは遠いところにも、意外と近いところにもいる。そして、強大な力を持っている」

「その内一つは…既に君の中に潜んでいる、カモ。…喰われないように、注意することね」

「…『V』ですか」

「…さあ?どうかしら」

「ほら。必要なのは渡したから、早く出ていきなさい。お客様に取る態度じゃないけど」

「…そうですね。今長居するのは得策じゃない。失礼しました」

情報をくれた感謝を込めて一礼。

素早く踵を返し、外に出た。

イツキが外に出て数分後。

店主は壁にもたれ掛かり、呟く。

「…なーにやってるんだ私は。余計な情報まで渡してさ」

「…いや…。これは先行投資。娯楽を提供してくれることを見越しての、ね」

「そう思ってないと…やってられないわ…。これは立派な裏切りですもの」

「これは…情報屋にとって致命的な失態ですもの…」

見上げた天井の照明が、イトリを照らす。

後悔先に立たず。

そんな諺を思い出し、イトリは頭を抱える。

「…一回寝ますかね。嫌なことがあった時は、寝るのが一番よ」

入口に鍵をかけ、照明を消す。

カウンターは思ったよりも温かかった。
819 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/05/27(日) 02:13:13.85 ID:YDO5iCzY0
自宅に戻ったイツキは、PCにUSBを挿し込み、ファイルを開く。

そこには、一軒家の間取りについて纏めた書類データと、メッセージが添えられていた。

「…これか」

データを開示すると、ディスプレイ一杯に情報が広がる。

「…プレハブ小屋よりは当然マシだな。管理者は…実質芳村さんか。書類上は別の人だけど、放棄してるみたい」

一通りデータを確認した後、メッセージを開く。

書かれていたのは、僅かな文章。

『獅子人面像の下に箱がある』

それを見たイツキは、そっとPCを閉じた。

「おちょくっているのか…。あの人は…」

TVに映る自分の顔。

無表情なそれを掻き消すように、電源を点ける。

『赫者』特集は未だに続き、荒唐無稽な推測ばかりが伝えられている。

静かに眠る妹にブランケットを掛け、考え事をするでもなくただTVを眺めていた。
820 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/05/27(日) 02:14:42.07 ID:YDO5iCzY0
直下に夜の行動をお願いします。終了後にコンマ判定です(行動無しも可)。
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 02:22:56.88 ID:QY0Q5j8/0
お嬢様方をお引っ越しさせる
822 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/05/27(日) 02:40:40.57 ID:1ZjpMlJa0
全然進んでいませんが、今回はこれで終了とさせていただきます…。仕事のピークは過ぎたので、ボチボチ更新出来るはず。

来週頃に更新予定でございます。お疲れ様でした!
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 11:02:11.94 ID:eEG9w99co
おつおつの
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/28(月) 19:32:38.34 ID:G2QIu5sg0
イツキがまた女の人たらしこんでる…
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/29(火) 13:23:57.47 ID:Ef9hJ8tz0
おほー追いついたじぇー
イトリさんの好感度ってどれくらいだっけか
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/08(日) 20:56:08.85 ID:C/4et76q0
保守
827 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/08/09(木) 02:07:22.34 ID:kPoX8VzB0
>>824、このままハーレムを作ってしまいそうな雰囲気。

>>825、不明(ただ判定するタイミングを逃しただけ)なのですが、判定により100(仲良し二人組(95)以上)となりました。

状況にもよりますが、基本イツキ達に+となる行動しかしなくなります。どんどん活用しましょう。


熱中症、久し振りになりましたがキツいですね…。ちょっと、再開の目処は分からないです…。すみません…。

最終巻、拝見させていただきました。ネタバレは伏せますが、ロリコンになるかと思いました。見てない方は是非。

お詫びと言ってはなんですが、ジューゾーと篠原さんのお話を少しだけ。
828 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/08/09(木) 02:08:19.19 ID:kPoX8VzB0
番外編 怪物との談話


「お、ジューゾー。まぁたこんなところに立って…。落ちても知らないよ?」

「大丈夫ですよ篠原さん。僕がそんな失敗…おっとっと」

「ほらもう言わんこっちゃない!」

歩道橋の欄干を平均台のように歩くジューゾー。

案の定と言うべきか、一度バランスを崩してあわや大惨事になるところであった。

そんなジューゾーは今、篠原の脇に抱えられている。

「はぁ…まったく、お前は手が掛かるなぁ…」

「放っておけばいいじゃないですか。僕が死んでも、誰も悲しまないですよ?」

「…っ!…お前…は…」

まるで『それが当然』とでも言わんばかりに、平然とジューゾーは言い放つ。

(あまりにも軽すぎる。コイツにとって命の重さなんてのは、紙切れ一枚みたいなもの、か…)

ジューゾーからしてみれば、誰が死のうと、自分が死のうと、それを気にするのがおかしいのだ。

命は皆、消えるのだから。一々気にしていたら、心が保たない。

――彼にとって、それは一種の防衛機構なのだろう。

凄惨な生き地獄を乗り越えるために、心が無意識に課した、最後の砦。

資料でしか見たことのない篠原には推測することしか出来ないがそれでも、そうせざるを得ないほど追い詰められていたこと、それだけは理解出来た。
829 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/08/09(木) 02:09:35.64 ID:kPoX8VzB0
「…私は」

「???」

「私は…悲しいよ。ジューゾー。お前が死んだら、悲しいと絶対思う」

「どうしてです?」

「…お前は、私の大切なパートナーで、部下だ。…そもそも、私は誰が死んでも、きっと悲しいと思うさ」

「命ってのは、尊い物なんだ。失ってしまえば、二度と戻らない。だから、不必要に奪ってはいけない」

分かっている。自分が言っていることは矛盾していると。

それでも、篠原は最後まで言う。

「…誰かを想い、悲しむ。それは、私たち人間にしか出来ないことなんだ。それを棄てるのは…無理なんだよ」

いまいち理解出来ていないのか、ジューゾーは首を傾げる。

だが、これでいい。今は理解らなくとも、いつか理解る日が来るはずだ。

いつかのきっかけになってくれれば、それで。

「…まぁ、お前が大切ってことさ。息子みたいなもんだからね」

「気持ち悪いです…」

「傷つくなぁ…」

再び歩き出した二人は、沈みゆく太陽に目を向ける。

「おぉ〜。綺麗な夕日ですねぇ〜」

「だねぇ。これを見ると、仕事が終わった実感が湧いてくるよ」

「お仕事って夜に始まる方が多くないですか?」

「…そういうの、思いついても口には出さないのが出来る大人ってもんだよ」

「そういうものですか」

「そういうものです」
830 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/08/09(木) 02:10:36.30 ID:kPoX8VzB0
「はむっ。むぐっ」

「おーおー…。素晴らしい食べっぷりなことで…」

財布の中身が心配になる篠原をよそに、リスのようにドーナッツを頬張るジューゾー。

傍から見れば、親子で楽しんでいる微笑ましい光景だ。

「そういや、何でクインケの名前をアレにしたのさ?」

「むぐむぐ…ゴクン。篠原さんはどうしてだと思います?」

「んーと。CCGの誇る怪物…強い捜査官になってやるっていう抱負かな?」

「違います」

「あらら、即答…」

指でバッテンを作り、否定するジューゾー。

その目は、どこか悲し気だ。

「…僕は、色々な人から変な目で見られます。まるで、気持ち悪いものを見るように」

「別に気にしてはいないです。だけど、何となく思ったんですよ」

「僕は化け物でしかない、と。それが理由です」

「………」

篠原は悲しかった。只々悲しかった。

たしかに、彼は普通の人とは少し感性が違う。

だが、彼には心がある。楽しいと思う心が。美味しいと思う心が。

ならば、彼だって立派な人間だ。化け物で、怪物である筈が無い。

「違う…違うよジューゾー。お前は人間だ。化け物なんかじゃない」

「お前は什造!CCG20区所属、三等捜査官『鈴屋什造』だ!…それを、忘れるな…」

途中で大声を上げていたことに気付き、頭を下げて篠原は席を立つ。

ジューゾーはただ、それを見つめていた。
831 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/08/09(木) 02:11:07.51 ID:kPoX8VzB0
篠原が退店して十分後、ドーナッツを食べ終えたジューゾーがやって来る。

特に何か言うこともなく傍に来て、歩き続ける。

不意に、篠原が口を開いた。

「…万が一、万が一だ。もし、ジューゾーが化け物だとしたら」

「したら?」

「私は、共にいるよ。お前を一人になんか出来ないからね」

「へー」

「…お前は。自分の思っているほど、どうでもいい存在じゃない。それを理解することだね」

「………」

その言葉が届いたのか、それは定かではない。

しかし、無言のまま歩いているジューゾーの顔は、笑っているように見えた。

いつものような笑顔ではなく、子供が褒められて照れているような、そんな笑顔。

「…篠原さんが隣、ですか」

「特等が付くっていうんだ。不満かい?」

「ドーナッツの貢ぎ物があれば許します、かねぇ」

「はっはっはっは。私よりもドーナッツの方がヒエラルキーは上か。…嘘でしょ」

「…どうですかねぇ」

楽し気に歩く二人の姿。

それは、美しい夕日が霞むほどに輝いていた。


おしまい
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/09(木) 10:12:26.57 ID:yvju8iYYo
おつお
終わっちゃいましたねぇ原作…
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/10(金) 21:36:30.08 ID:mvTauzyq0
乙 熱中症気をつけて
番外編はイツキTHE ORIGINとかアサヤとリゼのファーストコンタクトとか見たい
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/10(金) 21:37:25.82 ID:yhBSvbrz0
おつ
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/15(月) 11:45:01.39 ID:4EB8HyDFO
ss速報復活記念保守
836 : ◆BOjnShBY1I [sage]:2018/10/16(火) 20:01:49.86 ID:F4pNfT6NO
1ヶ月の時を経て、SS速報は蘇った!
というわけで明日の昼から再開したいと思います。いや、まさか鯖が落ちるとは思いませんでした。
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/16(火) 20:07:11.56 ID:eCKEB9eoo
おかえりー
838 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/10/16(火) 20:32:55.18 ID:F4pNfT6NO
上げ忘れてました…すみません。
839 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2018/10/17(水) 21:16:41.17 ID:LYRckQBeO
すみません…寝落ち&PCフリーズからのデータ破損コンボが起きました…。
頑張って復旧してみますが、本日中に更新するのは無理かもしれません…。
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/01(土) 23:00:47.53 ID:xs3UTnbZ0
マシロのステルス性能はイツキの言いつけを守ろうとして極力目立たない様にして、
アサヤのNT力はそんなマシロの面倒を忙しいイツキの代わりに見てたから身についた
という妄想保守
841 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2019/01/02(水) 18:32:21.99 ID:eFnCSUiiO
新年明けましておめでとうございます。色々あって死にかけてましたが私は元気です。
突然ではありますが、本日の夜(いつになるかは不明ですが、割と早く開始するかも)更新予定です。
全く進んでないグダグダ具合ですが、それでも付き合っていただけたら幸いです。
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/02(水) 18:37:26.93 ID:R0aLsBB2o
生きとったんか!
よかったあけおめ
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/02(水) 21:30:41.54 ID:cDRlJMrA0
待ってました‼
844 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2019/01/02(水) 21:30:49.33 ID:vVSVy91e0
今から更新開始です。イツキとかが持ってる戦闘時のスキルですが、廃止にさせていただきます。
代わりにネームド補正が掛かります。いくら何でもイツキがチート過ぎるので…。
845 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2019/01/02(水) 21:31:42.23 ID:vVSVy91e0
「…よし、丁度いい。この家は有効活用させてもらうか」

プレハブ小屋に、今のところ安全な場所にいるとはいえ、警備が厳重な14区にいる以上、見つかる可能性は存在する。

移動という行為自体にリスクがあるだろう。が、放置していたら、そのリスクを放置するリスクが上回るのは確実だ。

利用価値がある彼女たちを、このまま喪うのは勿体無い。

「…はぁ、甘いね。俺も」

多少関わったからと言って、手助けをしてしまうのは悪い癖だ。身を亡ぼす事態を招かなければいいのだが。

しかし、性分だから如何にもならないものだ。仕方ない、と割り切り、補っていくしかない。

「…行くか」

妹を布団まで運び、窓から外を眺める。人は誰もいないようだ。

今回は車を使う余裕は無い。地下通路を利用することにしよう。

度々探索を行っていたから、構造は把握している。14区から20区に移動する程度なら、造作もない。

「…嫌な予感がするな」

この予感が的中しなければいいのだが。
846 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2019/01/02(水) 21:33:24.63 ID:vVSVy91e0
直下コンマが3以下でプレハブ小屋が襲撃されています。
847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/02(水) 21:38:23.56 ID:cDRlJMrA0
新年一発目
848 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2019/01/02(水) 22:05:19.95 ID:vVSVy91e0
「うぅ…。CCGが来ないか心配ですわ…」

小屋の片隅でお嬢様は、自慢の艶やかな黒髪を弄っている。

「…誰もいねえよ。大丈夫だ、姉ちゃん」

「暇ですね。珈琲でも淹れましょうか」

「こんな状況で良くもまあ…。…道具が無いのに如何やって淹れるんだ?」

「…先程の言葉は無かったことにしてください」

「…はぁ」

こんな汚い場所にいるだけでも苛立っているのに、CCGという脅威に怯えている自分そのものが一番苛立つ要因になっている。

もっと力があるならば。小心者でなかったら。

皆を守ることが出来るのに。あんな怪しい奴に頼らなくても済むのに。

「…クソッ!」

「きゃっ!?」

「…ごめん」

苛立ちを壁にぶつけると、ただでさえ強度の低い壁は老朽化によって更に脆くなっていたようで、音を立てて崩れてしまった。

ああ、イライラする。
849 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2019/01/02(水) 22:24:20.34 ID:vVSVy91e0
「…五月蝿いな。外まで丸聞こえだよ」

「っ!?」

「あぁ…!来てくださいましたのね!」

「有難いです。このままだと、ジン様が暴走しかねなかったので」

「言うな…」

「失言でした」

神を崇めるようにイツキを見るエリカと、心底憎そうにイツキを睨むジン。

ヨウハは特に感情を抱いていないらしく、無表情で眺めている。

「…ハッ。俺がああするまで待っていたのか?趣味が悪いな」

「まさか。ここまで来ている途中に聞こえたから、急いだだけだよ」

「随分と耳が良いことで」

皮肉を込めて、そう吐き捨てる。尤も、本性は見抜かれているかもしれないが。

「…誉め言葉として受け取っておくよ」

随分と、余裕を持っているようで。

「移動するよ。セーフハウスを手配しておいたから」

「何区ですか?」

「20区」

「ぬるい連中のとこか。まぁ、安全かもしれないな」

「24区の浅層を経由するから、気を付けてね」

「迷ったりしないんですの?」

「…だとしたら、そもそも使いはしないよ」

「だな」

コイツはいったい、何者なんだ。
850 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2019/01/02(水) 22:32:16.28 ID:vVSVy91e0
「はい、ここを入ってね」

「げ、下水道ぅ…」

「失礼します」

一切の躊躇いも無しに、ヨウハが飛び込む。経歴を考えれば納得は出来るが、仮にも女性なのに、よくもまあ。

「…どうしたの?早く行かないと、死ぬよ」

それだけ言って、イツキも中に入った。こちらのことを分かってやってるんじゃあるまいな。

「…うう。わ、私も参ります!」

スカートを押さえながら、意を決して飛び込む姉。もう後には引けない。

「…ハッ!むざむざ死ぬ気はねえからな!従ってやるよ!」

もう如何にでもなれ。
851 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2019/01/02(水) 22:33:19.12 ID:vVSVy91e0
直下コンマが3以下で喰種と交戦します。
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/02(水) 23:03:38.75 ID:cDRlJMrA0
取るよ
853 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2019/01/02(水) 23:16:01.34 ID:vVSVy91e0
下水道を進む一行だが、途中から周囲の様相が変わる。

多少荒れてはいるが、しっかりとコンクリートで固められた通路が通っている。

目を凝らしてみると血痕が幾つも見えるが、敢えて無視をする。こんなことに一々気を取られては堪ったものじゃない。

「…前方30Mの曲がり角に喰種3人。迂回するよ。音は立てないで」

「…ああ」

「…四時方向から4人。気付いているみたいだから急ごう」

「………」

指示に従って行動する。信じられないほど、スムーズに進んでいる。

コイツの勘の良さは何なんだ。さっきから、誰よりも先に危険を察知している。

これが『長槍』の力だとでもいうのか。

「ここを上ったらもう終点だよ。お疲れ様」

「………」

癪だが、認めるしかない。コイツは本物だ。本物の化け物だ。

「はふぅ…。これで…助かりますのね…」

「外出は無理だけどね。顔が割れてるし」

「私も無理ですね。付き人である以上、把握されてるでしょうから」

しかし、心を許すわけにはいかない。利用されている可能性だってあるのだ。

大切な人は、何があっても護ってみせる。

漢なら、そうする義務がある。
854 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2019/01/02(水) 23:17:18.57 ID:vVSVy91e0
『アオギリ』による嘉納先生捜索判定です。直下コンマが1だと発見されて、『アオギリ』傘下になります。
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/02(水) 23:23:19.30 ID:xvS5qpuc0
856 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2019/01/02(水) 23:26:17.91 ID:vVSVy91e0
あ゛あ゛あ゛あ゛!(声にならない声)

当たり前のように0出すのやめちくり^〜(ちょっと待ってください)
857 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2019/01/02(水) 23:35:19.08 ID:vVSVy91e0
お待たせしました。追加で判定を行います。直下コンマです。


1〜8:機械や身体データに不備を発見、施術までの時間が二週間延期。情報漏れも同時に発生。イツキらが干渉しやすくなる。
9、0、ゾロ目:クロシロ姉妹が脱走し、『if』or『あんていく』に居候しに来た(どちらにするかは安価、施術後かは後ほど判定)
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/02(水) 23:36:09.29 ID:cDRlJMrA0
コンマ神もあけおめ
やっぱり愛されてるってはっきりわかんだね
859 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2019/01/02(水) 23:43:26.06 ID:vVSVy91e0
ああああああああああもうやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

はい、というわけで大幅に物語が変更になりました。嘉納先生が可哀想。

『if』、『あんていく』どちらに所属させるかアンケートを取ります。先に二票入った方を採用です。

同時に、直下コンマで施術判定をします。どちらでもメリットはありますよ。

奇数:施術前。CCGなどに潜入出来る。
偶数:施術後。色々と使い道がある。
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/02(水) 23:44:02.06 ID:xvS5qpuc0
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/02(水) 23:45:03.29 ID:xvS5qpuc0
すまん、ifで
862 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/02(水) 23:49:28.89 ID:cDRlJMrA0
ifで
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