【蒼の彼方のフォーリズム】【オリキャラss】 蒼の彼方に光が見えた

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196 : :2018/03/24(土) 18:53:09.17 ID:BWZliUXS0
 ブザーを聞いて、二人が飛び出す。

 下で聞こえる音と上で聞こえる音とは、音速の問題でどうしても完全に同時とは言えないけれど、それでも音を聞いて動き出すその反応速度は、陸上のスプリンターと遜色ないだろう。

 ローヨーヨーで加速し、先に前に出たのは莉佳さん。バランサーオフにいくらグラシュのタイプが関係ないとはいっても、バランサーを切る前の動きの癖は残っているのか、元スピーダーの莉佳さんが最初の得点――セカンドブイに触れる。

 1-0。

 反重力子の反発作用を使って、莉佳さんは上昇する。ルール上、鳶沢さんは莉佳さんと交錯するまで、次のブイに触れられない。

 次のブイはサードブイだから、鳶沢さんはセカンドブイとサードブイの間にショートカットして、莉佳さんを待ち構えるのが定石――

洸輝「動いた!?」
197 : :2018/03/27(火) 23:15:44.29 ID:2BXwdLKR0
 定石を無視するからこその、奇襲。不意打ち。

 鳶沢さんの履いたグラシュから流れる黄色い軌跡が、凄まじい勢いで莉佳さんのところに昇っていく。

真白「莉佳! 下から来た!」

莉佳『え?』

 莉佳さんの声は聞こえないが、真白さんの動揺した声はセコンドに近い位置にいる俺たちにはっきりと聞こえる。

一成「まったく。彼女にもいつも驚かされる。倉科くんにも、日向くんにも……」

 うつむきながら、真藤さんは笑う。

一成「君たちの楽しいFCを、僕に見せてくれ」

みさき『さあて、莉佳! バチバチするよっ!』

 バァチィッ!

 上空ポジションが基本的に有利なFCで、相手の不意を突いて下からやってきた鳶沢さんと、上にいた莉佳さんが衝突して、反重力子がぶつかったことによる火花のようなものが散る。

弥生「おおっとスパーキング! 鳶沢選手、なんと上空の市ノ瀬選手を捕えました! 得点ではありませんが、どうでしょう先生!」

如月「少なくとも、一ノ瀬選手の理想の流れでないことは確かだ。ここで踏ん張れれば市ノ瀬選手の流れに、市ノ瀬選手を崩すことができれば鳶沢選手の流れに傾くだろう」
198 : :2018/04/14(土) 22:20:07.76 ID:uqMHnZhl0
莉佳『わあああどうしようピュッホ〜〜!!』

真白「莉佳、とりあえず落ち着きなよ! あとその呼び方懐かしい!」

 真白さんの声が焦っていた。

真白「みさき先輩すぐ来るよ! 宙返りでかわして!」
199 : :2018/04/14(土) 22:24:12.26 ID:uqMHnZhl0
弥生「市ノ瀬選手、鳶沢選手の二度目の攻撃を、見事かわしました! そのままブイに向かいます! 一方鳶沢選手は早くもショートカットを選択したようです」

如月「なんとかしのいだ、といったところか。二つ目のブイも市ノ瀬選手がとるのだろうが、ドッグファイトになったときに連続得点される可能性を考えると、全く油断のできない点差だろう」

洸輝「……そうなのか?」

 メディアでそういう事例は数多く見ているものの、莉佳さんの実力を信じている俺からすると、連続得点されるなんて考えられなかった。

詩緒「十分あるわ。確かに市ノ瀬先輩は強いけど、鳶沢さんは『久奈浜の二度目の奇跡』のメンバーだから……。油断はできない、どころか、連続得点はともかく、ドッグファイトでの失点は避けられないと思う」

 俺はこの時、まぁ詩緒の憧れのひとだから過大評価しているのだろう、程度にしか思っていなかった。

 この考えが崩されるのは、時間にして僅か20秒未満、試合がサードラインに移ったときだった。
200 : :2018/04/14(土) 22:24:43.20 ID:uqMHnZhl0
弥生「市ノ瀬選手、二つ目のブイを取って2対0!」

如月「ここからだな」

 今度は鳶沢さんから突撃することはなく、待ち構えるようにして静止していた。

真白「スピードで逃げ切る? 逃げ切れる?」

莉佳『どうだろう……。上から一気に行ってみようか』

真白「上を安全にいく?」

莉佳『うーん……そうだね。下に行って抑えられても厄介だし、ちょっと上から行こうか』
201 : :2018/04/30(月) 16:28:58.77 ID:5vfSJHgk0
 莉佳さんが降下しながら加速していく。

 ものの数秒で最高速まで達すると、鳶沢さんに近づいていく。

 速度を維持したまま、鳶沢さんの上を抜けようとする。

 この速度なら――

莉佳『行ける!』

みさき『いやぁ、それはちょっと甘いんじゃないかな?』

一成「有坂君。市ノ瀬君」

 その時テントで、真藤選手が呟いた。

 結果を予測していたような、完璧なタイミングだった。

一成「バランサーオフの高速程度で抜き去られていては、彼女は『第二の久奈浜の奇跡』とは呼ばれていないよ」

 バチィ! と、メンブレン同士が激しくぶつかった音。

 莉佳さんが、上に弾かれた。
202 : :2018/05/11(金) 21:44:18.61 ID:xZM0kEPt0
莉佳『っ!』

 前方向への勢いが完全に殺されたわけではないが、弾かれた衝撃で大きく減速する莉佳さん。

 鳶沢さんは体勢を立て直し切る前の莉佳さんの背中を狙って、二人の間の距離を詰めていく。

真白「莉佳、かわして!」

 もう手が届く、というタイミングで、なんとか体をひねって鳶沢さんの手をかわした莉佳さんだったが、立て直しかけていた態勢が再び崩れてしまっていた。

 ただ、さっきと違い、今度は鳶沢さんが近い。

みさき『さぁ、一つ目!』

 向かっていった勢いをエアキック・ターン(メンブレンをうまく扱い、蹴るようにして勢いよく方向転換する上級技)を使って反転すると、再び莉佳さんに襲い掛かる。

莉佳『やぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

 これを、体をひねって回転し、浮袋で弾く莉佳さん。

 が――

みさき『甘い!』

 鳶沢さんが向かっていった状態から急激に減速して、一瞬ふわりと浮いたように見えた。もちろん見えただけだが、その一瞬は莉佳さんの錐もみ飛行とはとても言えない、無茶な回転を簡単にかわすには十分だった。

弥生『鳶沢選手、〈パラシュート〉です! そして――!』

みさき『まず1点!』

 きゅいん! と、背中タッチをしたとき特有の音が響いた。

弥生『一点を返しました! 1対1!』
203 : [sage]:2018/05/17(木) 21:39:21.58 ID:Ib2J+Kgr0
>>202 修正 盛大にミスってました
弥生「一点を返しました! 2対1、市ノ瀬選手リード!」
204 : :2018/05/17(木) 22:09:35.22 ID:Ib2J+Kgr0
みさき『それっ! それっ!』

莉佳『きゃぁっ!?』

 点数では莉佳さんが勝っているのに、試合の流れは確実に、鳶沢選手にある。

 けれど、幾度となく接触して体勢が崩れていても、最初の一点以降、背中を取られることなくかわし続けている。

一成「鳶沢くん。一度ブイタッチをして仕切り直そう。最後の一手に時間がかかりすぎている」

みさき『……本音は不服ですけど、反抗しない方がよさそうですね。本音は不服ですけど』

一成「二度言わなくても。それに君ががつがつ行くタイプのファイタータイプのスカイウォーカーなのは僕も知っている。仕切り直して、次のラインで勝負すればいい」

みさき『はーい』

真白「莉佳! みさき先輩がブイに行った! ショートカットして待ち構えよう」

莉佳『……うん、わかった』

真白「……どうしたの、莉佳」

莉佳『格好いいとこ、見せたかったんだけどなー、と思っただけだよ』

真白「なに言ってるの莉佳。試合はまだまだ始まったばかりなのに。切り替えないと。莉佳らしくないよ?」

莉佳『……うん、ごめん。ちょっと気合入れる』

真白「がんばれ!」

莉佳『任せて!』
205 : :2018/05/19(土) 22:01:44.71 ID:VxKTJNqF0
弥生『鳶沢選手がブイタッチし、試合は振り出しの2対2! 二人がフォースラインに移りました』

 さっきのサードラインでの一方的な展開が、まだ目に焼き付いている。

 しかも今度は、立場が逆転している。

 鳶沢選手が有利な上をとり、莉佳さんが迎え撃つ。

詩緒「鳶沢さんの性格ならドッグファイト仕掛けそうだけど……。冷静に考えるなら、さっきの市ノ瀬さんみたいにブイ狙って躱した方が……」

 詩緒が冷静ぶって呟いているけれど、顔がドッグファイトを期待していた。

 ――いけ。魅せてくれ。

 わくわくに満ちた顔だった。けれど同時に……震えてもいた。

 洸輝「……」

 自分たち二人がかりでもあれだけ苦戦した莉佳さんが、攻撃を防ぐだけで精一杯だった。

 じゃあ、俺たちだったならどうなのだろうか?

弥生『鳶沢選手、まっすぐ市ノ瀬選手に向かっていきます! ドッグファイト真っ向勝負! 市ノ瀬選手が特攻を躱して背中を――え?』

 躱して背中を狙う莉佳さんに、鳶沢選手が翻ってエアキック・ターンをした。

 超近距離で反転してきた鳶沢選手に、莉佳さんは反応した。が――

みさき『さぁ、バチバチしようよっ!』

 鳶沢選手の振った腕、そのひじの部分にある浮袋が、莉佳さんを弾いた。

 勢いよく飛ばされる莉佳さんをすぐには、鳶沢選手は捉えられない。でも、確実に次のブイから遠くなるように弾いている。

洸輝「すげぇ……」

 あの莉佳さんを、翻弄している人がいる。

 空で、自由に、優雅に、強く、舞っている。

洸輝「すげぇ……!」

 自分より強いと知っている人が、負けかけている様子。それはかつて、真藤一成と乾沙希の、仇州夏大会の決勝戦のようで。

洸輝「……はは。楽しくなってきた……!」

 ――洸輝の姿は、かつてそれを見て「楽しい」と言った、倉科明日香のようだった。それがわかる人は、この場にはいなかったが。
206 : :2018/05/30(水) 18:43:11.31 ID:iEQcw7up0
 ――そんな洸輝とは対照的に。

真白「莉佳! 背中来るよ!」

莉佳『うそ、もう!? いくらなんでも、みさきさん速すぎない!?』

真白「嘘じゃない! みさき先輩、この数ヶ月でものすごく速くなってる!」

 高校生トップ組は、苦戦を強いられ苦悶していた。

一成「……鳶沢君。あとで一戦やる余裕はあるかい?」

みさき『んー……。このまま、真白たちがなにもできないのなら。でもそれ、あの子たちに失礼ですよ真藤さん?』

一成「ああいや、すまない。そんなつもりは全く。久しぶりに君の飛んでいる姿を生で見たからね。ちょっとわくわくしているんだ」

みさき『そうですかー。……っ、取った!』

莉佳『うぅっ!』

 きぃん! と、莉佳さんの背中で、メンブレンが弾かれた音がする。

弥生「鳶沢選手、連続得点です! このドッグファイトで三連続得点! 2-6! 鳶沢選手リード!」

如月「……差が空いてきたな」

弥生「逆転不可能なほど離れているわけではないのでしょうが、このままの勢いだと難しそうですね」

如月「…………解説のいらない実況ありがとう」

弥生「す、すすすすすみません!? 決してそんなつもりではっ」

如月「抗議してないで仕事しろ。また鳶沢選手が背中をとったぞ」
207 : :2018/06/03(日) 22:59:50.96 ID:liFig7jT0
 …………結局その後も、莉佳さんが逆転をすることはなかった。点数的にも、形勢的にも。

真白「おつかれ、莉佳」

莉佳「ありがと真白。ごめんね、負けちゃった……」

 戻ってきた莉佳さんに真白さんが声をかけた。

真白「いやわたしこそ、サポートできなくてごめん……。みさき先輩、どんな感じだった?」

莉佳「経験の差、かな。一瞬一瞬の判断の差が、どんどん広がっていく感じ」

真白「強い人と試合することでできる勘ってあるもんね。みさき先輩はその傾向強かったし……。うん、また目標が大きくなった!」

 真白さんが鼓舞するように言って、莉佳さんも同じように答えた。

莉佳「そうだね! また頑張らなくちゃ」

洸輝「先輩。莉佳さん、なんだか大丈夫そうですね」

 ほっとしたように俺は呟いた。が――

美亜「……洸輝。君はさっきまで何を見ていたんだい」

洸輝「……え?」

美亜「点差は広がっていく一方。状況も改善できない。自分の力が通じない。――これが悔しくなかったら、高校生のトップになんてなれてない」

理亜「負けた悔しさをかみ殺して、『エキシビションマッチの選手らしく振舞う』ことに専念する。伊泉くん、これがどれだけ大変なことか、理解しようとしてみてください」

美亜「ボクは、彼女はすごいって思うよ。FCが上手いとかそういうことじゃなくて、もっと他のこともさ」

 改めて莉佳さんを見ると、鳶沢選手に挨拶をして選手控えの更衣室に行くところだった。莉佳さんは俺たちを見ると軽く手を挙げたが、その手にあまり力が入っていなかった。

 そしてすぐさま顔を背けると、急ぎ足で更衣室へと入っていった。その肩を震わせながら。
208 : :2018/06/10(日) 22:21:54.02 ID:zDTNS4tN0
>>188 追加(後から見ると矛盾だらけだったので)

莉佳「まあ、真白が東京にいるのは私がセコンド頼んだからなんだけど。まさかうどん作るとは思わなかったよ」

真白「まさかわたしも許可下りるとは思ってなくて―」

 ……二人のミニコントを見た気分だった。
209 : :2018/06/10(日) 22:46:15.87 ID:zDTNS4tN0
一成「おかえりみさき君。すばらしい結果だったね」

みさき「ちょっとやりすぎたかもしれないですけどね。やらないと一ノ瀬ちゃんの練習にもならないし、と思って。で、真藤先輩、やるんですか?」

一成「場所と時間があるようならやりたいかな。少し聞いて来るよ」


小梢「美亜〜。了承もらってきたよ。ただし、一回戦の始まる30分前には切り上げなきゃいけないから、あと十数分だけど」

美亜「おっし十分! じゃあグラシュ持ってる人は飛ぶ準備して! 練習っぽくしないけど、貴重な海上練習時間だよ!」

洸輝「……え?」

 本部と観覧席を往復してきて小梢先輩が告げ、美亜先輩がマネージャー先輩と悠佳に声をかけた。

 ででん、と並んだのは、会場に来ている人の分のグラシュ。

洸輝「……まさかとは思いますけど、これメインじゃないですよね?」

美亜「まさか。あくまで莉佳の試合を見ることと応援がメイン。ただ、サブがないとは言ってないだけで」

 にや、と笑う美亜先輩に、俺は唖然としてしまった。海で飛ぶことが、もはや執念じみている。

美亜「あ、マネズは悠佳ちゃん残してましろうどん手伝ってくださいお願い」

寺元「了解、部長」

美亜「っしゃー、飛ぶぞー!」
210 : :2018/06/11(月) 22:16:18.27 ID:z3xsE6270
>>209 修正 寺元→楓 三年生マネージャーの寺元楓さんです
211 : :2018/06/11(月) 23:23:50.22 ID:z3xsE6270
真白「……莉佳、大丈夫?」

莉佳「……うー、ふぅうー……。うん、大丈夫」

真白「はいドリンク。テントに忘れてたよ?」

莉佳「……ごめんね、ありがとう真白」

真白「もう、まったく。いくらみさき先輩が強いって言っても、さっきの試合、莉佳らしくなかったよ?」

莉佳「なんていうか、本当、翻弄されてた。見たことある動きのはずなのに、その一つ一つのキレが知ってる動きじゃないというか。もっと練習しなきゃいけないなぁって思ったよ」

真白「そっか……。あ、莉佳。ハンカチ使う?」

莉佳「……ありがとう真白。大丈夫、タオルはあるから」

真白「うん。お疲れ様、莉佳」

莉佳「う……ん……っ! 私、真白、真白ぉ……っ! 負けちゃったよ……!」

真白「よしよし。落ち着いたら、うどん食べにテント行こうか。それまでは、わたしそばにいるからさ」

莉佳「あり…………がとぉ、ぴゅっほぉ……」

真白「……もう。莉佳ってば」
212 : :2018/06/19(火) 06:48:11.11 ID:hNW6P+9M0
 上ではすでに、大会に出場する大学生の選手たちやFC体験の人が飛んでいた。

 ウォームアップがてら飛んでいる選手たちからは離れて、体験の人たちより上空を飛ぶ。

 今の俺のグラシュ設定はお試しで30%ほどバランサーを切っていて、まだ完ぺきとは到底言えない飛行が、より覚束ない状態だった。

 いくらハンモックで似た感覚の練習ができるといっても、限度がある。特にバランサーカットをすると、その傾向が強い。

 ふと止まってブイのあるあたりを見てみると、二つの軌跡が舞っているのが見えた。

 黄色と紫。鳶沢選手と真藤選手。

 ぶつかって、螺旋を描き、どこまでもどこまでも伸びていく。

 他の色とりどりの軌跡よりずっと速く、まっすぐに。

 ――あの光は、莉佳さんよりも強いのだろうか。

 試合結果ではなく、憧れの対象として輝いているか――そう思ったら、あまりよくないことだと思いつつも、気づくと俺は二人の近くへと移動を始めていた。
213 : :2018/06/23(土) 22:14:38.47 ID:pWRFs7c90
 後から聞いたところ、ふらふらと近づいていく俺に気づいた人は、結構いたらしい。主に下から、選手たちのアップを眺めていた人たちだ。

 だが、その人たちは知らない。俺が、FCを始めて一ヶ月も経っていないど素人だということを。それはもちろん、鳶沢選手や真藤選手も知らないことだった。
214 : :2018/06/26(火) 22:43:01.93 ID:trT6ln950
一成「っねえ、鳶沢くん!」

みさき「なんです、真藤さんっ!」

 パキィン! と背中にタッチしながら聞きかえした。

一成「あの子、どうしたのかな」

みさき「え?」

 ふわりと浮いた俺を見て、真藤選手たちの動きが止まってしまう。

洸輝「あ、えっと……。近くで見させてもらっても、いいですか?」

 そんな俺の言葉が意外だったのか。真藤選手と鳶沢選手は顔を見合わせて。

みさき「真藤さん?」

一成「僕は、妨害をしないのなら構わないよ。見られて困るってものでもないし」

みさき「真藤さんが言うのなら、私もいいや」

洸輝「あ、ありがとうございます!」

 思ったよりすんなり了承してくれて、こっちが意外なくらいだった。

みさき「待つことはしないけど、いいかにゃー?」

洸輝「むしろ全力に近い飛行を、見せていただけると嬉しいです」

みさき「……ついてこれるの?」

 それは、鳶沢選手なりの心配だったけれど、否定したのは俺じゃなかった。

一成「大丈夫じゃないかな? 君のグラシュ、バランサー少し切ってるだろう?」

215 : :2018/07/01(日) 22:55:23.77 ID:3s4ng+le0
一成「僕はバランサーオフに苦労したからね。段階的に切っていく方法で練習していたから、少し切ってる状態の『羽』がわかるんだよ。流石に何%かまではわからないけど」

 そう真藤選手は言った。

みさき「そうは言いますけど、もし間違ってたら恥ずかしいですよ真藤さん」

洸輝「真藤選手の言った通り、少しバランサーを切って試し飛びしている段階です」

みさき「なぁんだそっかぁ」

 鳶沢選手が少し残念そうに言った。

みさき「それじゃまぁ、続きしますか真藤さん」

一成「そうしようか。君も準備はいいかい?」

洸輝「お願いします」
216 : :2018/07/09(月) 00:25:14.03 ID:23q8xYZ00
一成「それじゃあ用意……スタート!」

 その掛け声で、二人が一斉に飛び出した。

 俺も、少し切ったバランサーに流されつつも、追いかけようとして――

洸輝「……はっや」

 ものの数秒で、おおよそブイ間の距離の半分以上の距離を空けられてしまう。

 けれど、強くなるには。見なければ。できる限り近くで。

洸輝「いいや違う」

 あの二人の試合を、あのバランサーを切っての高速飛行を、自分のモノにするために、見に行くのだ。

 とりあえずは、莉佳さんの飛行をイメージしながら……。

洸輝「まっすぐに。余計な行動を入れていたら、俺じゃああの人たちに縋ることもできない」
217 : :2018/07/16(月) 14:46:41.58 ID:MaElaN1N0
 感覚を研ぎ澄ます。

 胴体から指先に至るまで、すべてに意識を向けるように。

 目を瞑り、僅かに深く呼吸する。

 膝を曲げて足元にメンブレンを集中させ、平泳ぎのように蹴り出して足をのばす。

 初速を得たら、可能な限り片膝を挙げて上昇する。

 あの人たちに、追いつくために。

 無理だとわかっていても、せめて近くに――。



一成「ねえ、鳶沢くんっ」

みさき「なんですか真藤さん」

 一瞬止まって話しかけ、油断した鳶沢選手に真藤選手がスイシーダを放つ。下方向に、腕で叩きつける技だ。

一成「彼、すぐそこだよ」

 叩きつけられた先には、上昇する俺がいる。

一成「手を伸ばせ! 背中にタッチだ!」

 言われて俺は手を伸ばす。が。

みさき「そう簡単には取られない、にゃぁっ!」

 くるり、と反転した鳶沢選手に、逆にスイシーダをくらわされてしまった。

洸輝「のわっ!?」

 状況についていっていない頭で、とりあえず急停止をかけるために大の字に腕と足を広げた。

一成「いやー、ごめんごめん。上がってくるのが見えたから、つい」

 そんな俺と、ため息をついている鳶沢選手のところに、真藤選手は微笑を浮かべて降りて来た。

一成「そろそろ時間だ。地上に戻ろうか」
218 : :2018/07/22(日) 23:21:09.51 ID:TTft4zC00
一成「いやあ、ほんとごめんよ鳶沢くん」

みさき「ほんとですよ。すごくびっくりしたんですから」

 降りてきて、『出張ましろうどん』でお昼を取る2人を横目に、俺はお手伝いに奔走していた。

 流石に水を飲んだりはしたが、お昼はまだだ。空を、バランサーややカットした状態で飛ぶのはいつもより体力を消耗する。加えてさっきは、2人の動きを見ながら追いつくために全力飛行をしていた。お腹が減って仕方がない。

 ちなみに莉佳さんは、有坂さんの配慮で隅の方の席に着き、山盛りの肉うどんの3杯目にとりかかろうとしていた。目元が赤くなっていたが、もう俺は、それをわざわざ問い詰めたりはしない。

みさき「というか真藤さん。あのタイミングであの子が見えてたんですか?」

一成「見えていたというか、見たんだよ。ちゃんとついてきてるのかなあって。思っていたより早くて驚いた」

 ちらりと真藤選手が俺を見た。

洸輝「ご注文ですか?」

 2人の手元にはすでにうどんがあるが、そういうことにすれば話を聞けるかもしれないと思った。

一成「ああいや、大丈夫だよ」

洸輝「失礼しました」

 大人しく引き下がった。そう言われてしまえば、別に用があるわけではないのだとわかる。

 ……ただ、真藤選手に果敢に話しかけるのは俺だけではなかった。

洋行「あの、真藤一成さんとお見受けします。自分は、閑東高藤学園のFC部顧問、坂巻洋行と申します。少々お話よろしいですか?」

 先生だ。

一成「ええ、大丈夫ですよ。あ、ねえ君。これはどこに持っていけばいいかな?」

洸輝「ゴミ袋のある場所に汁を捨てる流しがあるのでそこに汁を捨てて、器は隣の袋の中に入れてください。割りばしも同様です」

一成「わかった、ありがとう。それじゃあ鳶沢君、また今度」

みさき「お疲れ様です〜」

 そう言って真藤選手は立ち上がり、先生と話をするべく店を出た。鳶沢さんは、4杯目を平らげたところだった。
219 : :2018/07/28(土) 19:30:32.48 ID:i/CXddmh0
みさき「はぁ〜〜〜、食べた! ありがとね真白〜」

真白「いえいえみさき先輩! 戻ってもお願いしますよ!」

 ひょいと置いていたバッグを担ぐと、鳶沢選手は莉佳さんの机に向かった。

みさき「りーかちゃん!」

莉佳「んむっ、んっ、んっ……ぷぁ、なんですか鳶沢さん」

みさき「夏大会に向けて本腰いれないと。このままだと真白に負けちゃうかもよ?」

莉佳「…………」

みさき「おせっかいだけどね。さっき飛んでた子も真藤さんが言うにはバランサー切ってたみたいだし。ゆっくりしちゃ――」

莉佳「大丈夫です」

みさき「――」

 莉佳さんの声が、思ったよりいつも通りだった。

莉佳「もう格好悪いとこ、見せられないですから」
220 : :2018/08/04(土) 14:00:29.00 ID:n9sSTXBw0
美亜「莉佳っちもう帰っちゃうんだね……」

莉佳「恒例の、久奈浜とのゴールデンウィーク合宿があるから早く戻らないと」

美亜「やーだー! もっと莉佳っちと遊ぶ―!」

小梢「いやそこは帰してやれよ」

 駅の新幹線ホームに行く改札口の前で、部長はわんわんと泣いていた。

 半分くらい演技が入ってそうな泣き方だと思ったが、あとから小梢先輩が「あれガチだぜ?」と言っていた。

莉佳「それじゃあさ、美亜。公式戦で会おうよ」

美亜「公式戦」

莉佳「そう。夏の、私たちの最初で最後のインター・ハイ。全国大会なら、確実に会えるからさ」

 それは部長への激励のようで――莉佳さん自身の、インター・ハイ出場宣言でもあった。

莉佳「だから、勝ち上がってきてよ。それが終わったら、流石にちょっとオフになるからさ」

 まあこの人の場合、二年前のような「突然全国クラスの選手が二人出てくる」(倉科明日香と乾沙希)ようなことがなければ、余裕をもって全国大会に出るのだろうが。

莉佳「SNS使えるから、連絡は取れるでしょ?」

美亜「うん……ぐす」

莉佳「私、美亜たちと会えてよかった。全国に向けて、頑張っちゃうんだから! みさき先輩にも、負けてられないし!」

 莉佳さんはぐっと手を握ってみせると、ぱっとそれを開き、腕を上げた。

莉佳「それじゃあ、また夏に!」

小梢「ああ。色々ありがとう。莉佳」

莉佳「こちらこそ、小梢!」

美亜「うええええ、うええええん」

理亜「姉さん、ちょっと静かに」

 結局グダグダになってしまったが、莉佳さんは見送りに来た俺たちに手を振りながら、改札を抜けていった。
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/04(土) 15:18:41.97 ID:zfLm0KgtO

悲報
クソまとめサイトあやめ速報、あやめ2nd
創作活動への冒涜続行


・SSちゃおラジシリーズの盗作が発覚
作者も自白済み


・各まとめサイトにちゃおラジの盗作が伝えられる
真っ当なまとめサイトはちゃおラジシリーズを削除


・まとめサイトあやめ2ndはちゃおラジの削除を拒否
独自の調査により盗作に当たらないと表明


・あやめ2ndが荒れる
あやめ管理人は盗作だというちゃんとした証拠をもってこいと言う


・かと思いきやあやめ管理人、盗作に当たらない発言も証拠を求めた発言も寄せられたコメントもなにもかも削除
全部もみ消してなかったことにする気かとあやめ2ndもっと荒れる


・あやめ2nd、ちゃおラジシリーズは盗作ではないがこのままではサイト運営に不都合なためと削除


・後日あやめ2nd、ちゃおラジが盗作ではない独自の理論を公開
ちゃおラジシリーズ再掲載


・あやめ2nd、多数のバッシングにあい数時間後ちゃおラジシリーズ全削除
自らの非を全て認める謝罪記事を掲載


・謝罪記事掲載から5日後、あやめ2nd謝罪記事削除
サイトは謝罪時から通常通りの運行だった
またもみ消して逃げるのかと荒れる


・あやめ2ndに迷惑だから釈明するなり謝罪するなりしろとの訴えが出される


・あやめ管理人釈明なし
責任を逃れ私欲に走る

この間、あれだけちゃおラジへのコメントを削除したにも関わらず以下のようなコメントの掲載を承認
ダブルスタンダードは健在
http://ayamevip.com/archives/52295361.html#comments


ご意見はこちらまで
ayamevip@gmail.com


あやめ管理人は謝罪記事の再掲載を行え

222 : [sage]:2018/08/06(月) 00:38:57.33 ID:zC/KsmCi0
>>221
こういうさあ
誰も得しないリンクや記事を他人のssスレに貼るのどうかと思う
感想とかなら、例えそれが酷評だったとしても見てくれたことに感謝するけれど、見返すのにも長すぎて邪魔なやつ、本っっ当に止めてほしい
223 : :2018/08/12(日) 14:18:52.79 ID:6e9REt5w0
美亜「行っちゃったね」

洸輝「そうですね」

 莉佳さんを見送った帰りのバスの中。

 部長はなぜか、俺の隣に座りたがった。たぶん、こうしてひそひそ話をするためだろう。

美亜「鳶沢選手の飛び、どうだった?」

洸輝「速かったです」

美亜「知ってるよ。大切なのはそこから何を得たか。何を学んだのかを聞いたんだよ」

洸輝「バランサーオフでの姿勢、ですかね、技術的なことならば」

美亜「掴めそう? コツ」

洸輝「なんとか。慣らしは必要ですけど、直線はまともに飛べると思います」

美亜「そりゃすごい」

洸輝「技術的なことでないもので言えば……一点にかける姿勢、でしょうか」

美亜「続けて」

洸輝「はい。俺は今までスポーツとか、勝負がつきもののことをしてきませんでした。だから、『どうして勝ち負けにこだわっているんだろう。負けて泣くくらいだったらしなければいいのに』って、思ってました」

 部長は黙ったまま、俺の話を聞いていてくれた。

洸輝「今日の莉佳さんを見て、勝った鳶沢選手や真藤選手を見て……。これだけやりこんで、打ち込んで、時間と努力を捧げて、それが負けという形で返ってきたのなら、確かに悔しいんだろうなって……。こういう勝負事で努力する難しさは、試合をやって悔しい思いをしないとわからないものなんだってわかりました」

美亜「そか。それで、洸輝はどう? この勝負事の世界に、もう片足を突っ込んじゃったわけだけど。ずっぷりはまりたい?」

 小学生で習い事じゃない。本気でやりたいなら、それだけの覚悟が必要だ。

 もう、高校生なのだから。

洸輝「入り、たいです。負けることを恐れて何もしないんじゃあ、変われないと知ったので」

 勝利という快感を得るために、負けることを恐れて、練習をする。その意味を、俺はようやく理解した気がした。
224 : :2018/08/16(木) 07:38:47.71 ID:E1reKoHA0
 莉佳さんが帰った翌日の午前中。莉佳さんから教わったことを生かすため、練習メニューや今後の予定を見直す部活ミーティングが開かれた。

 昨日莉佳さんの試合を見に行った人は飛んでいるから、午後からは全体で部活は休み。ゴールデンウィークの中休みとなった。

美亜「ボクは一対複数の練習入れてもいいと思うんだけど、どうかな?」

小梢「練習時間は限られてる。何かを削るか?」

理亜「いえ、いくつかのメニューを一セット減らすことで対応できるかと。一つに対する練習量が少なるのは少々苦しいですが、一対二や三は、価値のある練習だと思うので」

 とここで少しひっかかって、隣の詩緒に小声で聞いてみる。

洸輝「なぁ、なんで練習時間が変わらないのに苦しくなるんだ?」

詩緒「そのメニューで培うはずだった能力が、伸びにくくなるかもしれないでしょ。『そこがあれば試合に勝てたかもしれない』ってなる可能性があるでしょ。まあ一対多を入れなかった場合も、その可能性はあるんだけど。ようはどっちを取るかってことよ」

洸輝「……なるほど」

 いい練習だから即取り入れよう! とはいかない訳か。特にFC部は、飛べる時間が限られるからな……。

美亜「理亜ちゃんあー言ってるし、入れてもいいかな? みんな」

 そう言って部長が部員を見渡していく。

 頷きや笑みで返すメンバーを見て、部長が大きくうなずいた。

美亜「じゃ、そういうことで! この議題は終わり。これで全部終わったけど、何かある人?」

洋行「あ、自分から一つ」
225 : :2018/08/20(月) 10:38:38.19 ID:spy4talc0
洋行「昨日の大会で、僕は少し縁を広げてきました。歴史の浅い高藤閑東FC部に縁というものは、大会で勝利するに等しい、今後を思うとそれ以上の意味を持つものになります。あ、いえ、皆さんの勝利をないがしろにするつもりは全くないですよ、もちろん。言葉の綾です」

 坂巻先生は慌てて訂正をした。慌てなくともわかっているんだけどなぁ。

洋行「というわけで、そこで出会った方にゴールデンウィーク中だけ、外部コーチをお願いしました。市ノ瀬さんのとき同様、しっかりと学んでください!」

部員「「「はい!」」」

 莉佳さんの後の人。坂巻先生が誰を引っ張ってきたのか……察しはつくけれど、だからこそ期待感が高まる。みんな同じなんだろう。

洋行「僕からは以上です」

美亜「他に何かある? ……なさそうだね。それじゃこれでミーティングを終わります。また明日、練習でね!」

一同「「「お疲れ様でしたー!」」」

洸輝「……あれ、坂巻先生も?」

洋行「いやぁ、こういう学生ならではのノリ、結構好きなんですよ。僕だって顧問とはいえ、閑東高藤FCの一員ですから」

 そう言って坂巻先生は笑った。
226 : :2018/08/26(日) 12:49:10.64 ID:r27f1gqg0
 午前中の、補習とは名ばかりの通常授業を受けた後、FC部の練習が始まった。

 四月の終わりとはいえ、ゴールデンウィーク。海には観光客がいる。そのため、海での練習許可は夕方の限られた時間しかない。

 それまではランニングとか、反復横跳びをしてトレーニングする。

 ランニングは持久力、反覆横跳びは反射的な動きをするためのトレーニングだ。

 実際、左右に動くときの初動は反覆横跳びに似ている。フェイントをかけるときも、反復横跳びの要領で体重移動をするイメージらしい。そのままではないだろうけれど。

 そうしながら体育館が空くのを待って、体育館が空いたら高度制限をかけたグラシュで飛ぶ。

 颯汰、詩緒と一緒に先輩に混ざって飛ぶ。おおきくバランサーを切ったグラシュを自在に使いこなせるわけじゃないから、練習時には50%でなく10〜20%くらい切る程度だ。それでも、通常のグラシュで練習することすら疲れてしまうのに、いつも以上に体力と集中力を使う。

 大会は五月、中間テスト前。俺はそもそも、学校に設けられた出場枠の中から漏れるだろう。

 5人出場の団体戦。6、7人の個人枠。補欠も入れればもう少し。セコンドに入ることも、一年生ではないだろう。

 でも。だからと言って、練習をしないわけにはいかない。

 一足飛びに上手くなるのは、ビギナーズラック。初心者のまぐれだけ。そこからは才能がものを言うし、才能に追いつきたいなら努力しかない。

 無論オーバーワークなんてもってのほかだが、それまでは自分を追い詰めていかないと――あの光どころか、颯汰に抜かれ、詩緒にも勝てずじまいだ。

 ――負けなくない。追いつきたい。

 その感情を僅かでも知ってしまったのなら、もう俺は後戻りなんてできないんだ。

 勝ちたいから、上手くなりたいなから練習する。精神と体調が生まれて初めて同調し、今までにない成長感があった。
227 : :2018/09/02(日) 12:08:22.61 ID:AHQkX4yp0
 それから数日後。

 先生が呼んだコーチが、練習に参加する初日が来た。

 土曜日だが、帰省した生徒は部活に参加していない。詩緒は明日、家に日帰りするらしく、今日は参加で明日は参加せず。俺もそれを聞いて、同じスケジュールにしてみた。

 颯汰は昨日から帰っていて、日曜から練習に参加するらしい。部長と理亜先輩に連行される形だった。

 いつもよりかなり少ない参加メンバーでわいわい話していると、部室のドアがノックされ、音が響いた。坂巻先生だ。ぴたりと、話し声が止んだ。

洋行「皆さん集まって……は、いませんね。帰省組のことは聞いていますから、仕方ないですが。それでは、特別コーチの方、お入りください」

 入ってきたのは――

一成「はじめまして。……と、一部には久しぶり。仇州高藤学園FC部OB、真藤一成です。短い期間だけど、よろしく」
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/09/02(日) 17:27:46.46 ID:ojJxsWBHO
菜々「え?何を今更…」
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