【蒼の彼方のフォーリズム】【オリキャラss】 蒼の彼方に光が見えた

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42 : ◆oUKRClYegEez :2017/01/21(土) 22:31:59.45 ID:rk9WrJwV0
 その後、三平は「俺にはやっぱ無理だった……。スポーツ少女ハーレムの夢は……お前に託すぜ洸輝……!」と言い残して、黍斗のいる食研に向かった。

 なにが「スポーツ少女ハーレム」だよ。まじめに部活やるっての。

 三平のことからもわかるように、半数以上は飛んでみたかっただけの人たち、残りのほとんどはそうそうに飛ぶことの難しさにFCを諦めたらしい。

 結局、今日の時点で入部するのは俺と詩緒、マネージャーとして悠佳、だけのようだった。

詩緒「洸輝」

洸輝「ん?」

悠佳「グラシュ、ちょっと貸して?」

洸輝「どうして」

詩緒「設定調整して、初心者の練習用にするのよ」

悠佳「具体的には、最高飛行高度を2、3mほどに設定するの。最初は高さを意識しないで、グラシュに慣れたり、前後左右に動く練習をするの」

洸輝「……そういうものなのか?」

 初めて飛んださっきの感覚を、もう一度味わいたい。

 上手く飛べずとも、何回かやっているうち、いつかは――。

詩緒「これから私たちの、普通に飛べる人たちの練習もするのよ? ふらふらしてるあんたがいたら危ないのよ」

洸輝「……そういうものなのか」

詩緒「そういうものよ。都市部の私たちは、日常的にグラシュで飛んでる四島とかの人たちと比べたら、練習時間が圧倒的に少ない。球技とかならずっとボールに触れることもできる。でも、FCはそうじゃない。それに例えるなら、私達はずっと飛んでいる必要がある。中学から始めても、四島の選手には手も足も出ない。飛ぶことへの慣れが違う。だから、短い練習の時間をいかに効率を高めていくかが重要なの。FCに本気なのはあんただけじゃない。……はっきり言うわ。邪魔なのよ」

洸輝「……」

悠佳「ちょっと、詩緒ちゃん! それは言い過ぎなんじゃ――」

「……その通りでは、ありますけどね」

悠佳「……副部長」

 上からフロアに降りてきた女の先輩。青のフライングスーツ。グラシュも同じ色だ。

 部長程ではないものの、詩緒よりは絶対に起伏の激しい体つき。

「私は東ヶ崎理亜。部長は私の姉よ。よろしく、新入部員さん」

洸輝「あ、俺は伊泉洸輝です。よろしくお願いします」

 握手ではなく、ぺこっと頭を下げる。

理亜「私のことも理亜でいいわ。みんなからもそう呼ばれ」

「りーちゃーん! これどう動くのー?」

理亜「ちょっと待ってて! …………今のは聞かなかったことに」

洸輝「わ、わかりました、理亜先輩」

 目がマジだった。姉同様、人を殺しかねない。ただしこちらは目力で。
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