ハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!」 キョン「憤慨してみたり」

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102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 20:32:36.86 ID:7r7HtH3f0
とうかー
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 20:37:37.09 ID:7r7HtH3f0

「死とは何か」

「なんだ藪から棒に」

「そうでもないだろう。今際の際さ」


仰向けに寝ている女の顔は白く、生気がほとんど失われていた


「君はどう思う? 死とは、生とは何故存在する?」

「よせよ。死だとか生だとか、死にかけのやつが言うもんじゃねぇ」

「だからこそ、じゃないか。死の際ほど、それについて強く考える機会はないよ」


もっともらしいことだが、できれば俺はこの話題を続けたくはなかった


「……さあな。夢を見るような感覚じゃないのか? 永眠って言うからには永い夢をみることが死、なんじゃないのか」

「夢……夢か、それはいいね。死を享受することに楽観的になれる」

「なっていいものなのか……?」

「少なくとも、悲観的に捉えるよりかは、心情的に安らかな気持ちで永い夢を見れる気がするよ」



女は一呼吸一呼吸が、最期の呼吸だと言わんばかりに弱弱しくそれを繰り返す



「ところで、xxx」

「あーその前に一ついいか? 俺がxxxと呼ばれるのは確定なのか?」


xxx。それは最近になって女が俺につけたあだ名だ。由来についてはまたの機会にでも語るとしよう

104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 20:40:59.59 ID:7r7HtH3f0

「確定だね。僕の本能がそう伝えてる」

「本能レベルでかよ……んで昨晩見た夢について話せ、だっけ?」

「くつくつ、まだ言ってないんだけどね」

「言われれば、確かに今日の夢はなんか不思議な夢だったな」


まだおぼろげだが、記憶に新しい昨晩の夢


「くつくつ、xxxをもってして不思議と言うのだから、それはもう気宇壮大なものだろう」

「ハードルを無理にあげるなよ。どうだったかな……」

「確か、一人の女の子に俺が振り回される夢……」

「……」

「その女の子が起こす問題に他の、三人と……ってこれじゃあまるで予知みたくくっきり覚えちまってるな」


そしてその女の子は、どことなく目の前で寝ている女に似ていたような……そんな感覚


「それにしても珍しいな、俺が気に留めるほどの夢なんて」

「……xxx、それは本当にいつか出くわすであろうことなのかもしれないね」

「まさか……そんなことは――――――」


起きないだろう。そう口にする前に女が発言を遮る


「xxx……そろそろ、休ませてもらうよ」

「………………そうか」

105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 20:45:17.55 ID:7r7HtH3f0

「……楽しかったよ、親友。君といると」

「……そうか」

「…………そうだ、xxx。最期に……聞きたいことが、あるんだ」


女は最期の力を振り絞った、虫の鳴くようなか細い声で問いかける










「恋慕の情とは、なんだろうね?」






その質問にどんな意図が含まれているのかは汲み取らなかったが






「……はっ、俺らにゃ関係のない感情さ。そうだろ?…………親友」






女はそれを聞くと満足そうに






「…………そうだね。くつくつ、変なことを聞いてしまった」

「いつものお前らしいじゃねえか。変なことを言うのはよ」

「…………それも、そうだね。xxx…………それじゃあ―――」










106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 20:50:32.97 ID:7r7HtH3f0




「―――また会おう。親友」

「ああ―――またな、親友」











こうして、俺は親友との『最初』の別れを終えた












古泉・朝比奈・長門「「「……」」」

キョン「どうよ? ありのーままのー、だぞ?」

朝比奈「ええっと……」

古泉「小説としては悪くありません。恋愛小説としてみても……まぁ及第点ではあると言えましょう」

長門「しかし」

キョン「しかし?」

古泉「『含まれる』部分が多すぎます」

キョン「『含まれる』部分?」

古泉「タネ明かしを終えていないのですよ。あなたの小説は」

キョン「……ああ、なるほど。言いたいことは良く分かった。えぇ、お三方」

キョン「俺から小説って形で具体的な『佐々木』や俺の情報を知ろうたって無駄だからな!!」

朝比奈「!」ビクッ

古泉「……そんなつもりは、ない。とは言い切れませんが……まぁ、あればいいな程度には……」

長門「すまない」

キョン「ほら! 長門は正直だぞ!! えらいえらい、どこぞの超能力者は誤魔化そうとしてるのに」ナデナデ

長門「……」

古泉「本心ですよ。特に最後の一文、これは僕たちなら意味は通じるでしょう。『佐々木』さんが何度も生まれ変わりをしている、と」

古泉「ただ、なんの事情も知らない人がこれを見ると最期の文章を疑問に感じる人が多いと思われます」

キョン「お前も言ってたじゃねえか。それは、読者の解釈に委ねてもいいってよ」

古泉「適度があります」

キョン「俺その言葉嫌い」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 20:56:21.64 ID:7r7HtH3f0

古泉「もっと分かりやすく書け、とは言いません。あなたなりの叙述も味が出てまた良いものです」

古泉「ただ、このままではフィクションとしてもノンフィクションとしても中途半端なのです」

キョン「ノンフィクションだ!!」クワッ

古泉「読者はどちらでも構いません、が。ジャンルとしてのフィクション、ノンフィクションの差異があやふやなのです」

朝比奈「……?」

キョン「長門、古泉が難しいこと言ってるから訳してくれ」

長門「つまり、古泉一樹はあなたの書いた文章からの推測では、読者によって解釈に作為的な矛盾が生じることを示唆している
   物語のカタストロフィに置いて、それが正しいものであるのかどうかの判断基準がこの小説には記されていない
   読者の解釈に依存するならば、その根拠となる―――」

朝比奈「???」

キョン「長門、ありがとうストップだ。古泉、長門が難しいこと言ってるから訳してくれ」

古泉「無限ループは遠慮しておきますよ。僕も長門さんも朝比奈さんも、思っていることは同じでしょう」

古泉「リアリティを感じながら読んでいた小説のラストで、それを全く否定する一文が出てきたら、読者は萎えてしまいます」

古泉「あなたのジャンルは恋愛小説です。ワクワクさせるよりはドキドキさせることの方が重要でしょう」

キョン「つまり……最後の一文を書き直せと?」

古泉「可能であるならば、ね? もしくはさらに一文を付け足すか」

古泉「無理はいいませんよ。あなたにとってそれが最良と判断したなら文句はいいません」

キョン「朝比奈さんもこの最後の文が引っかかったんですか?」

朝比奈「う、うん。でも、あたしはこのサッドエンド? よりかはハッピーエンドの方が好きだなぁ、っていう好みの問題だから……その」

キョン「(朝比奈さんの童話は…………いや、触れないでおこう)」

古泉「大衆受けするのは確かにハッピーエンドですね」

キョン「大衆受けを狙ってるわけでもないが……そうか、うーん」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 20:59:39.08 ID:7r7HtH3f0

キョン「んー、気分転換がてら外歩いてくる」

古泉「そうですか。より良い作品になることを期待しておきますよ」

キョン「どうだろうな」ガチャ

キョン「んー……どうしたものか」スタスタ

キョン「……いっそのことそれっぽい小説からラスト丸パクリを……」ブツブツ

朝倉「あら? キョンくんじゃない」

キョン「いやそれだと……ハルヒが……」ブツブツ

朝倉「おーい。キョンくーん、聞いてますかー?」

キョン「……眉毛と……おでんで……ナイフ……」

朝倉「バッチリあたしのこと認識してるわよねそれ!!?!? って誰が眉毛とおでんでナイフだ!!!」ガガーン!!

キョン「ん、おお! そのツッコミは朝倉か!」

朝倉「ツッコミで人を判断しないでよ……珍しいわね、団活中に。何してるの?」

キョン「別に。気分転換の散歩さ。朝倉こそ放課後に残ってるなんて珍しい」

朝倉「学級委員の仕事があってね。少し時間かかっちゃったの。それにしても……」

朝倉「同じクラスなのにこうやって話すのはちょっと久しぶりね」

キョン「ん、そうか? 言われてみれば……そう、かもな」

朝倉「最後にこうやって話したのは、あの時よ」

朝倉「バレンタイン明けの……キョンくん涼宮さんの『力』を消失させちゃう発言の時ね」

キョン「あー…………、あれは俺が思春期だった頃か」

朝倉「いまは!!?!? 今がそうじゃないの!? ってそんな前でもなければ、キョンくん思春期あるの!!? あったの!!?」ギャーギャー!!

キョン「騒がしいなぁ……」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 21:00:05.23 ID:7r7HtH3f0
ここまでー
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/02(月) 21:15:15.87 ID:6lk1zH5Vo
乙です
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/03(火) 01:13:10.55 ID:JSg2F9J4o
乙!
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/04(水) 03:13:10.10 ID:FBnVyfz/O
短い…すっごい、いい場面で相変わらず切るな>>1は…
>>1ってドSだよ絶対…もやもやするなぁ
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/04(水) 11:00:52.28 ID:ZAIklZ5g0
駄目だ、、、
続きが見た過ぎてなんかカレー食いたくなってきた、、、
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/04(水) 15:16:26.49 ID:MhlsbGqSO
今晩はカレーおでんか
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/05(木) 21:11:58.57 ID:Ic34y8lu0
続きを...早く続きを...
このままじゃ年越せねえよぉぉぉぉぉぉ
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/05(木) 21:44:15.63 ID:uNURhI/KO
お前エンドレス大晦日に巻き込まれてねえ?
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/05(木) 22:01:51.52 ID:sCrONZX4O
カウントダウン楽しみだな
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/06(金) 00:06:00.72 ID:L8BVcGgk0
紅白始まったぞ-
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/06(金) 00:14:43.81 ID:UJ5CLIrO0
そういや曙が総合格闘技に出場するとかなんとか言ってた気がするけどこれからやるんだったっけ?
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/06(金) 01:19:59.83 ID:ExvE53WD0
「大晦日を15498回やり直した俺からなにかアドバイスは要るか?」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/07(土) 00:17:20.77 ID:bg2tT1TI0
俺は多分ループしてないはずだけど、>>120がどうやってループを抜け出したのかには興味あるな
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/07(土) 01:24:24.81 ID:ouk1bHWz0
ハルヒの新曲でも来たんじゃね?
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/07(土) 17:01:16.25 ID:yh6Z4Zj3o
みんなで0時になった瞬間ジャンプしないとループ発動
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/07(土) 18:46:57.73 ID:xnm1AgPA0
子供のころやったなww
そういうのww
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/07(土) 21:22:14.08 ID:9ysW3hiO0

楽しみに待ってます
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/09(月) 19:15:53.82 ID:Wm8kuSD/O
スレタイが全角になってるのはハルヒが憤慨してる様を表現してるのかと思ってた
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/15(日) 09:40:16.26 ID:Yxy8TwanO
エンドレスセンターにでも陥ってるのかな
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/17(火) 18:07:03.67 ID:jrngHg2co
よかろう
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/17(火) 19:31:13.87 ID:prjnrGxSO
続きが楽しみすぎる
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/22(日) 20:33:11.30 ID:XON67ffe0
マダー?
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/24(火) 14:50:03.65 ID:pnmNcLSK0
本日17時ごろまでには投下します――
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/24(火) 14:56:17.30 ID:TAlLxryQo
やった!待ってます
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/24(火) 16:42:35.27 ID:pnmNcLSK0
とーか
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/24(火) 16:47:23.49 ID:pnmNcLSK0

数週間前
















キョン「俺の力とハルヒの『力』を消失させる。『力』の継承者は―――涼宮ハルヒで終わらせる」


















朝倉「……えっ? そ、それってどういう意味……?」

キョン「…………」

朝倉「…………」ゴクリ

キョン「……なーんちゃって!! たまにはこういうシリアスキョンくんも見せておか―――」

朝倉「ごめん今そういうテンションじゃなくてガチの方」

キョン「そうか……」シュン

朝倉「……キョンくん。今の言葉の意味……教えてくれないかしら」

朝倉「あなたの……あなたと、涼宮さんをこの先どうするつもりなのか」

朝倉「言葉の通りの意味なら、あたしたちインターフェースはもちろん、涼宮さんの周りの組織全ての動きが変わる」

キョン「…………朝倉」

朝倉「な、なに?」

キョン「…………」

キョン「今度お前の好きなもの聞いてやるから、この話はなかったことにしてくれないか!!?」ボソボソッ!

朝倉「だからそういうテンションじゃないって言ってるじゃない!!! しかも聞いてくれるだけで買ってくれたりしないのね!!!!」ガーン!
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/24(火) 16:53:43.95 ID:pnmNcLSK0

キョン「ったく……そんなに知りたいかね。お、れ、の、こ、と」バチコーン!

朝倉「うっ……」クラッ

キョン「ああっ、お腹の子が……」

朝倉「違うわよ!!」バシッ!

キョン「痛ぇ……。まぁ、こんなこと言うつもりじゃなかったってのは本当だ」

キョン「直接じゃないが『佐々木』と話して……わりとそういう意志も出てきたって程度さ」

朝倉「『佐々木』さんの影響なの? キョンくんや涼宮さんの『力』を消そうとする理由は」

キョン「そうだな……。そう言っても間違いじゃない」

朝倉「歯切れが悪いわね」

キョン「言ったろ。そういう意志も出てきた程度ってだけで、別に絶対そうしようなんて思っちゃいない」

キョン「うっかり口から出てきたのがその時考えてたことってのはよくあることだろ」

朝倉「そうかもしれないけど……」

キョン「はい、ではこの話題はやめやめ!! それよか『スーパー平安時代!!』の極秘セール情報に興味はないか?」グフフ

朝倉「くっ! な、なんか流されてるような……ダメよ涼子、ここはキョンくんの真意を確かめるまで―――」

キョン「なんと野菜が全品半額の―――」

朝倉「いつ!!? そんな情報は入ってないわよ!!!」

キョン「ククク……同期を持たぬお前に未来の情報を知る術はない」

朝倉「ひ、卑怯な!!!」

キョン「情報戦は既に始まっている……この情報を持つ主婦の方々も少なくない」

朝倉「どうやって仕入れたの!!? 未来が見える主婦でもいるの!!?!?」ガーン!

キョン「クク、教えてやろうか朝倉、この特大セールの情報を……!」

朝倉「くっ……惑わされては、いけない。そう、本来あたしの使命は涼宮さんをとりまく情報を―――!」

キョン「なんと、その日は魚介類のセールも行って―――」

朝倉「教えて教えて教えてー!!!」ピョンピョン!

キョン「……クク、容易い」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/24(火) 16:59:56.68 ID:pnmNcLSK0

中庭


朝倉「……あの時は高度な話術で目的を逸らされたわね」フッ

キョン「そこまで高度な話術を使用した覚えはないが」

朝倉「それで……今日は聞いてもいいのかしら?」

キョン「何をだ」

朝倉「決まってるじゃない、あの日の続きよ」

キョン「そんなやましいことをした覚えはない!!!」ドン!!

朝倉「そんなやましいことを言ってるつもりはないわよ!! 何言ってんのよ!!!」ガーン!

キョン「言っておくが、俺は今こう見えて忙しいんだ」

朝倉「どう見ても暇そうに歩いてたけど」

キョン「お前も知っての通り、SOS団は今、文芸部存続のために機関誌を作成している。俺はまだその原稿をあげていないんだ」

朝倉「あら、まだ終わってなかったの? あたしはもう数日前に涼宮さんに提出したけど……」

キョン「ハルヒが俺の作品を認めないのが悪い!!!」

朝倉「キョンくんは……確か恋愛小説だっけ? 例えばどんなの書いたの?」

キョン「スリの技術に惚れる話とか、埃フェチ同士の密室の恋とか……」

朝倉「読まずして没よそんなの!!! どんだけコアな層狙ってんのよ!!!」

キョン「だから俺は悩みに悩んでるんだ。朝倉の知りたいことについて答える暇はない」

朝倉「ふーん……まぁ、ほんとは別にいいんだけど」

朝倉「……キョンくん」

キョン「なんだ」

朝倉「……行き詰ったら相談してくれていいのよ?」

キョン「小説のことか?」

朝倉「それだけじゃないわよ。個人的な悩み事だとか、それこそ、これからのこと……だとか」

朝倉「あたしはそうせず失敗しちゃったから、ただの反面教師なんだけど」

朝倉「ていうかそもそもキョンくんに対しておせっかいな心配だとは思うけど、まぁ一応ね」

キョン「…………」

朝倉「……聞いてる?」

キョン「………………お母さん」ジーン

朝倉「ちょっ、誰がお母さんよ!!! 朝倉さんだから!!」

キョン「かつてない母性を感じた……朝倉、お前の可能性はこれからだ!!!」

朝倉「褒められたの!!?!? 励まされたの!!?!?」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/24(火) 17:07:01.57 ID:pnmNcLSK0

朝倉「あらいけない、もうこんな時間だわ」

キョン「タイムセールの時間ですわ奥様、急いで帰らないと」

朝倉「誰が奥様よ。あたしは帰るけど、キョンくんは部室に戻って続き書かなきゃいけないんでしょ」

キョン「ぐっ……俺の人の良さが憎い!」

朝倉「今別に人の良さを憎む必要なかったでしょ。それじゃあ帰るわね、キョンくん」

キョン「おう、長門によろしくな」

朝倉「逆逆、長門さんまだ部室にいるから。今日は……唐揚げにでもするって伝えといて」

キョン「唐揚げか……ちょっともたれるんだよなぁ……」

朝倉「なんでキョンくんが食べる気でいるのよ……」

キョン「うっし、気分転換もそこそこに、ぼちぼち戻るとするか」スクッ

朝倉「ん。頑張ってね、先生? 長門さんへの伝言も忘れずにね」

キョン「今日の夕食はコラーゲンって伝えりゃいいんだよな?」

朝倉「アバウト!!! 情報がアバウトすぎるっっ! コラーゲンじゃなくて唐揚げだからね!!」

キョン「分かった分かった。早く行かなきゃセールに間に合わんぞ」

朝倉「そうだったわ。それじゃキョンくん、またね」タッタッタ

キョン「………………朝倉!!」

朝倉「? なーに?」クルッ

キョン「……………………」

キョン「呼んでみただけだーーっっ!!!!」ドーン!

朝倉「……何よそれ―っ!!!!?!!?!?!? なんで今やるのよ!!?!?!?」ガーン!
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/24(火) 17:13:51.99 ID:pnmNcLSK0

キョン「ただいまー、っと。おっ?」ガチャ

朝比奈「あっ、おかえりなさい」

古泉「お待ちしていましたよ、僕たちと」

ハルヒ「………………」ジーー

古泉「団長が、ね」

キョン「外注回りから帰ってきてたのか。んで勝手に俺の原稿読んでんじゃねぇよ。完成してからって言ったろ、ったく」

古泉「気分転換の甲斐はありましたか?」

キョン「それを文字にすべく足早に帰ってきたんだよ」

古泉「それはそれは、楽しみですね」

ハルヒ「…………キョン!」

キョン「なんだ」

ハルヒ「これ、ホントにあんたの体験談なの?」

キョン「別にそんなこと一言も言ってないだろ」

ハルヒ「書いてあるじゃない」

キョン「書いてないだろう」

ハルヒ「書いてるの!!! そんな感じで書いてあるの!!!!」ウガー!

キョン「なんだそのフワフワした解答……仮に、体験談だとしたならなんだと言うんだ?」

ハルヒ「それは……! それは……別に、どうってわけじゃ……ないけど」

朝比奈「な、長門さん。しゅ、修羅場? これが修羅場というものなんですかね!?」

長門「違うと思われる」

古泉「ジェラシーですよ。ジェラシー」

ハルヒ「ち、違うからね! 分かってんの!? キョン!」

キョン「俺はなにも言ってないだろうに」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/24(火) 17:20:23.46 ID:pnmNcLSK0

ハルヒ「まぁ、これがフィクションだろうがノンフィクションだろうがどうでもいいわ」

キョン「いいのかよ」

ハルヒ「問題点はそこじゃないって話! まず、あんたが書いたこれ、恋愛小説かって言われると正直微妙なラインだわ」

キョン「それは古泉にも言われたし、ギリギリのラインを攻めたつもりだ」

古泉「攻めていたのですか……わざわざ?」

ハルヒ「ギリ恋愛小説と認めるとしても、この最後の一文! これで小説を締めるのはあたし的には気に入らないわ!」

キョン「それも古泉に言われて今書き直すべく戻ってきたんだよ」

ハルヒ「むっ……」

ハルヒ「…………古泉くん!! あたしの仕事とっちゃダメじゃない!!」プンプン!

古泉「これはこれは、余計なお節介でしたね」

ハルヒ「……まぁいいわ。それで? あんたはどう書き直すか決まったの?」

キョン「ぼちぼちな。それよか、お前はどうなんだよ?」

ハルヒ「あたし? もうとっくに終わらせてるわよ。ほら」パサッ

キョン「バ、バカな……書き始めたのは昨日のはず……ッ!」

ハルヒ「だから昨日中に終わらせることができるって言ったじゃない。余裕よ余裕」フフン

キョン「全部ひらがなで書いて文字数稼ぎとか……」

ハルヒ「小学生か!!! しないわよそんなこと!!」

古泉「『世界を大いに盛り上げるためのその一・明日に向かう方程式覚え書き』ですか……」

ハルヒ「SOS団がSOS団であり続けるための言わば、理念や信条をまとめてみたのよっ!! これであたしたちが卒業してもSOS団は残り続けられるわっ!」

キョン「残す気満々なんだな。ん? どうかしましたか? 朝比奈さん」

朝比奈「こ、こぇ……これ……す、涼宮さんが書いたこ、これが……」

キョン「ん……あー、そう言えばそうでしたね。これ確か時間平面理論の―――」

朝比奈「わーっ! わーっ! 禁則事項ですぅ!!」バタバタ!

キョン「すいません。ただ、ハルヒのほぼ走り書きのこれをそのまま後世に伝えるわけにもいかないので」

キョン「簡略化して再編集したものを会誌に載せておきます。多分、未来にはその状態で伝わってるはずですから」

朝比奈「えっ? あれ? は、はぁ……。え、じゃあ時間平面理論を初めて解釈した人ってもしかして……」ブツブツ

ハルヒ「ほら! あたしだってちゃんと書いたんだから、あんたもさっさと書き直すなり書き足しなさい!」

キョン「へいへい。俺だってもう書くことは決めてんだよ」ガタッ
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/24(火) 17:24:30.22 ID:pnmNcLSK0

「―――また会おう。親友」

「ああ―――またな、親友」











こうして、俺は親友との『最初』の別れを終えた




























そして、俺は今――――――












「xxx!! ほら、早く行くわよっ! ついてきなさいっ!」

「……へいへい」












―――いつか親友に話した夢の中にいる
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/24(火) 17:24:57.50 ID:pnmNcLSK0
ここまでーーーー
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/24(火) 17:54:19.33 ID:1HlzwuUcO
ピョンピョンしてる朝倉さんが可愛い

野菜全品半額とか主婦(主夫)には嬉しいな
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/24(火) 18:02:46.10 ID:7uGhukYgo
朝倉さんのSSにおけるヒロイン力は高い
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/24(火) 18:27:09.13 ID:LB0mf0P4o
本編の出番が少ないだけに二次創作が本領のような存在だからな……。
薄い本
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/24(火) 19:50:51.65 ID:mG7KpAraO
眉は太いのにな…
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/24(火) 19:53:39.19 ID:TAlLxryQo
乙です
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/24(火) 20:21:24.47 ID:mQCq8m5yO
ヒロインなんだし特徴的な部分の1つや2つあってもおかしくない
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/24(火) 23:06:06.47 ID:0xhJgQWQ0
朝倉は太眉のせいで損をしているのか得をしているのかは人によるけど、個人的には眉が普通だったら完璧超人だったと思う。
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/24(火) 23:06:14.97 ID:RA4LZg5FO
太くて魅力的なのは眉だけじゃない
大腿部という素晴らしい特徴を…
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/24(火) 23:22:31.10 ID:YJZOmk+/O
朝倉さんの乳、尻、太ももを佐々木さんと一緒に褒め称えたい
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/25(水) 00:52:18.51 ID:HcEDeX7/0
おつ
スーパー平安時代!!の極秘セール情報を知ってる主婦の方々だけど、多分懇意にしている店員から聞き出すとか、そもそも息子なり娘なりがスーパー平安時代!!で働いてるんじゃないかなって思うんだ。
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/25(水) 12:17:44.43 ID:NlEUyRJJ0
おつです
なるほど、主婦の方々とスーパー平安時代!!の店員はグルだったか、、
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/25(水) 12:46:11.86 ID:DZwZ06tAo
パートで雇ってる地元の主婦によるスーパーの評判が主婦友達に広まると聞く。
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/25(水) 17:54:19.45 ID:Gv/+KQsSO
続き期待
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/28(土) 21:03:12.60 ID:rsLzJDNSO
やっぱ>>1さん忙しいのかな
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/29(日) 09:12:56.26 ID:CtrgDtyB0
>>1さんはもしかしたらスーパー平安時代!の連日セールに行って忙しいのかもしれない
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/29(日) 09:31:45.70 ID:zmZssl8SO
>>156
sageろー
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/29(日) 18:23:03.38 ID:led9IDE80
敵に人外2人居るんですがそれは
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/30(月) 23:47:02.14 ID:/rpxndsN0
>>155>>156
すまぬ……特売に行っているわけじゃないけど、中々時間が……
しかし、明日中には投下ーしますー
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/30(月) 23:56:32.72 ID:sAgNrsqOO
まぁ元々多忙だからやめるって言ってたくらいですし
無理せず少しずつでも続けてくれると嬉しい
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/31(火) 22:56:22.06 ID:8QcsHDZW0
投下しますー
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/31(火) 23:02:42.38 ID:8QcsHDZW0

ハルヒ「…………はぁーん?」

ハルヒ「結局これは実体験なの? フィクションなの!? はっきりしなさい!!」

キョン「どっちでもいいって言ったのはどいつだよ。ていうかなんというか……」

ハルヒ「? なによ?」

キョン「…………」フゥ

キョン「鈍い奴だな、お前も」ハハン

ハルヒ「ッ!? な、なによそのコケにしたような笑い方は!? ムカつく! 得体のしれないムカつきが今ここに!!!」

キョン「そんな新商品の売り出し文句みたいな感情が?」

古泉「ふむ、僕は修正前と比べ、よくなったと思いますよ」

朝比奈「あ、わたしもっ! そう思います」

長門「同意する」

ハルヒ「……そうかしら? そりゃ単純に死別で終わるよかいいとは思うけど……」

古泉「より読者に好まれるグッドエンディングに近づいた印象があります」

長門「単に憶測や推測で結末を丸投げするのは一部完結の会誌には相応しくない」

朝比奈「でも、ある程度想像の余地も残されてるから、読み手の幅も広げられそうかなぁ、って……思います」

キョン「……ハルヒ。すげぇ、絶賛の嵐だぞ!!!!」クワッ!

ハルヒ「そこまででしょうが。でも、うーん……」

古泉「涼宮さん的には、まだ納得のいかない点が?」

ハルヒ「うーん……そう言われると、そうじゃない、とは言い難い、っていうか……」

キョン「はっきりしないやつだな」

ハルヒ「はっきりしないものを書いた奴が言うな! でも、なーんか引っかかるのよねぇ……」ウーン

古泉「…………ふむ」
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/31(火) 23:08:56.59 ID:8QcsHDZW0

キョン「ともかく多数派の意見により、俺の原稿はこれで終了だ。これ以上はもう修正したりはしないぞ」

ハルヒ「こら! だからそれを決めるのは編集長のあたしなの! 大体多数って言ったってたかが3人の……」

キョン・キョン・キョン・キョン・キョン・キョン・キョン「「「「「「「ん? 数がなんだって??」」」」」」」

ハルヒ「分かった!! 分かったわよ!! 分かったから!!! 邪魔!!! もう邪魔すぎる!!!!」ウワァ!

朝比奈「か、数の暴力を見ちゃった……」

キョン子「分かればよろしい」ポンッ

古泉・ハルヒ「「誰ッッ!!?!?!?!?」」ガーン!

キョン「おっと失敬」ポンッ

ハルヒ「いや失敬とかじゃなくて……えー……えー??」

キョン「ともかく、これで全員分が出そろった。今日中には製本して明日にゃ会長に見せに行かなきゃいけねぇんだろ?」

ハルヒ「あんたのは少し妥協が入ってるみたいだけど」

キョン「苦手なんだよ。頑張った方だろ?」

ハルヒ「…………ま、時間もないしそういうことにしといたげる。感謝しなさい」

キョン「ああ、サンキュー」

ハルヒ「…………ふんっ!」

ハルヒ「さっ! そうと決まれば早速印刷室に行くわよっ!!」

ハルヒ「あの憎っくき会長の鼻っ柱をへし折る出来の会誌が今、完成するわっ!!!!」

ハルヒ「キョン!! ほら、早く行くわよっ! ついてきなさいっ!」

キョン「……へいへい」

古泉「おやおや……偶然ですかね?」

長門「偶然ではない。必然」

朝比奈「やっぱり涼宮さんもいいなぁ……」ホワワ
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/31(火) 23:14:37.28 ID:8QcsHDZW0

翌日


ハルヒ「ふんっ!」ドンッ!

会長「ほう」ドドンッ!

ハルヒ「三度交えたわね陰険会長!! 条件通り、1週間で見事に会誌をつくってあげたわよっ!」

会長「陰険とは……とんだご挨拶だな。ふむ、一応条件通りの体裁は整えてきたわけか」

会長「無論、重要なのは中身だ。私が拝見し、文芸部にそぐわない内容であると判断した場合は……」

ハルヒ「ターイム!!!」

会長「なに?」

ハルヒ「ちょっと作戦会議!! だから少しだけ待ってなさい! いいわね!?」

キョン・長門「「よかろう」」ドドンッッ!!!

会長「……きさ―――ッ!」グッ!

喜緑「待ちましょう。会長?」ニコッ

会長「…………分かった」

古泉「(さすがは喜緑さん)」

ハルヒ「ちょっと! 今からでもいいから谷山のやつ抜いた方がよくない?」ボソボソ!

キョン「谷倉のでヌく……?『個人的! 北高美少女ランキング! 最新版!』でか!?」ボソボソ!

ハルヒ「なんか違う!! あんたが想像してることなんとなくだけど違う気がするから!!!」ボソボソ!

朝比奈「で、でもせっかく書いてくれたのを無断ではけちゃうのはかわいそう……だと」コソコソ

長門「ランキング調査は高校生、主に女生徒に人気のジャンル」ボソボソ

ハルヒ「いやでもその内容が女生徒の反感を買いそうなんだけど……」ボソボソ

古泉「まあまあ、この際SOS団は関係者含め一蓮托生。この会誌こそが我々の集大成ではありませんか」コソコソ

ハルヒ「むぅ、それは……まぁ、そうよね。谷口だって一生懸命自分なりに考えて書いてくれたみたいだし」ボソボソ

キョン「谷口なりに書いたんだ。谷口なりにな」ボソボソ

ハルヒ「よし……そんじゃあ……!!」

ハルヒ「作戦会議終了!!!! ほら! どうぞ!! 気の済むまで! 穴が開くまで見てくれちゃって構わないわ!!」バンッ!

会長「……では、拝見しよう」
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/31(火) 23:18:29.16 ID:8QcsHDZW0

会長「…………」ペラ

ハルヒ「…………」

朝比奈「……」ドキドキ

長門「……」ペラ

古泉「長門さん、またコンピ研のラノベ読んでるんですか? 何週目ですか、それ」

長門「15498」ペラ

古泉「えぇ……」

会長「…………」ジィ

ハルヒ「……随分じっくり見てるわね」

キョン「北高美少女ランキングのページだったりして」ボソッ

ハルヒ「じっくりじゃなくてむっつりだったのね!!?!?!?」ガーン!

会長「静かにしたまえ」

ハルヒ・キョン「「はーい」」

会長「…………」ピクッ

ハルヒ「? なにかしら?」

会長「…………」

会長「『あらそいは終わり 王国にはへいわがもどったのでした そして』」

ハルヒ・朝比奈「「!!?!?」」

会長「『王子さまとそのけらい68人は とわのねむりにつきました おしまい』……これは」

朝比奈「…………ッ」ドキドキ!

会長「童話? にしては少しホ、ラァあッッ!?!?!?」グググッ!

ハルヒ・古泉「「!!?!?!?!?」」ビックゥ!!

キョン「ここを……チョイチョイっとして……ふんっ!」グッグッ!

会長「あ、アー……トテモ、オモシロイ、モノガタリ……ダッタヨ!!」

朝比奈「や、やったぁ……!」パアァ!

ハルヒ「…………なにしたかは分からないけど、ナイスよキョン」グッ

キョン「朝比奈さんの笑顔のためさ。造作もない」フッ

古泉「もう少し! もう少しでいいので会長にも慈悲を!!」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/31(火) 23:22:35.01 ID:8QcsHDZW0

会長「……ぐっ!? わ、私は今何を……?」クラッ

ハルヒ「いいから、続き! 早く読みなさいよ」

会長「あ、ああ……」ペラ

朝比奈「……わーい、わーい!」コソコソ

ハルヒ・キョン「「(かわいい)」」キュン

会長「…………」ペラ

ハルヒ「……淡々と読み進めてるわね。リアクションとか無いのかしら?」

古泉「それだけ集中して読めることのできる出来というわけではないでしょうか」

キョン「お前たち、静かにしないか。今、会長は北高の美少女ランキングの詳細を暗記中だ」

ハルヒ「今それしてるの!!?!? いや今じゃなくてもおかしいけどね!!?!?」ガーン!

会長「静かに」

ハルヒ・キョン「「はーい」」

会長「……やけに文芸部、またはSOS団なるものに所属していない生徒の作品が多い気がするが?」

ハルヒ「協力してもらったのよ!! それもみんな喜んでしてくれたわ!! これもSOS団の人望があってこそよね!!!」

会長「喜緑くん」

喜緑「はい会長。実は先日、生徒会に匿名のTさんという方から『タスケテ ゲンコウ モウダメダ』という文書が震えた字で送られて」

ハルヒ「過ぎたことよ!!! 現に完成した会誌は既にここにある!!!! 問題は手段ではないわっっ!!!」バァーーン!

キョン「ひ、開き直り方が大物すぎるぞーーっ!!!! ハルヒーーっ!!!」キャーー!

ハルヒ「これがあたしのカリスマ!!! THE・カリスマなのよっっ!!!!」ババーン!

会長「慎め」

ハルヒ・キョン「「はーい」」
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/31(火) 23:28:01.47 ID:8QcsHDZW0

会長「…………ふん」パタン

会長「なるほど、ジャンルを限定せず幅広い層の需要に―――」

ハルヒ「あ、読み終わった? ちょっと待って! こっちももうすぐ終わるから!」ワイワイ

朝比奈「(どっちが勝ってるんだろう……?)」ウーン

キョン「何を……抜かしやがるッ……! 勝負は……ここから……ッ!!!」

キョン「俺の奴隷は……二度ッ!! 二度ッ……刺すッッ!!! くたばりやがれ……ッッ!!!」ペラッ

ハルヒ「はい、あたしの勝ち。またせたわね! 会長!!」ペラッ

キョン「ッッッ!!?!? なんで……? どうして……俺が……あぁああぁああああぁあ!!!!」グニャァアア

古泉「イカサマ無しだとやはり天運は涼宮さんにあるということですね」

長門「……」

キョン「う˝うっ!!?」

長門「地下行き15498年」

キョン「うわぁあぁあああああああぁあああああああああ!! いやだぁぁあぁああぁああぁあ!!」ジタバタ

古泉「やけに拘りますねその数字に……なんの数字でしょう?」

会長「…………何をやっている」

ハルヒ「いや、あんたがあまりにもノーリアクションで読み続けるものだからつい暇で」エヘヘ

会長「……生徒会権限で文芸部を無期限の活動停止―――」

ハルヒ「わー!! 悪かった! 悪かったから!! 無視して遊んでたのは謝るから!! 感想! 感想からちょうだい!」

キョン「なんで……ッ!! なんで俺ばっかり……ッッ!!」ポロポロ

ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン!! あんたもいつまでも遊んでないでこっちきなさい!」

会長「……緊張感の欠片も感じないな」

喜緑「彼らには無縁のもののようですから」
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/31(火) 23:33:41.70 ID:8QcsHDZW0

ハルヒ「それで! どうだった? あたしたちSOS団、及び関係者一同の集大成であるその会誌は!!」

会長「……はっきり言おう」

キョン「カスであると!?」ガーン!

朝比奈「ええっ!!??」ガガーン!

古泉「被害妄想が過ぎます」

会長「……特別、何かを言うような内容ではない。少なくとも内容が公序良俗には反していないことは分かった」

ハルヒ「うえっ!? そ、そう……ま、まぁ当然よね!! うん当然!!」

キョン「谷本のやつ言ってくると構えてたが故に拍子抜けだな。いいのか? あれ」ボソボソ

古泉「計画的には、ここで止めるわけにもいきませんし……あと、谷『口』さんです」ボソボソ

会長「これならば、問題なく製本が完了したと言っていいだろう」

ハルヒ「つまんない感想ね!! あれだけ読んでそんな感想しかないわけ? キョン! 感想の手本を見してあげなさい!」

キョン「その会誌のどこかに隠しコマンドが記載してある。それを入力すると古泉が爆発するようになっているぞ」

ハルヒ・古泉「「どういうこと!!?!?!?」」ガーン!

ハルヒ「コマンドって何!? ってかあんた勝手になにしちゃってんの!!?!?」

キョン「サープラーイズ」イェー

古泉「誰に対するサプライズで、どういう原理で僕の体が爆発するんですか!!? 情報量が多すぎる!!」

長門「……」ペラッ ペラッ

古泉「長門さん!! 探さないでください!!! 理由は分かりませんが、あなたなら隠しコマンドを入力できそうな気がするので!!」

会長「騒々しい」 
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/31(火) 23:40:36.78 ID:8QcsHDZW0

ハルヒ「じゃ、検閲が終わったってことだから渡り廊下に置いとけばいいのよね?」

会長「ああ。200部全て捌けさせれば文芸部の活動として認めよう」

ハルヒ「ついでにSOS団の公認も―――!」

会長「ならん。そんなものは初めから学園に存在しない」

ハルヒ「ケチ!」

会長「これでもかなり譲歩しているつもりだが」

ハルヒ「ふんっ! まぁいいわ。これで文芸部の廃部はなくなったわけだから有希は安心して本を読めるわけだし」

ハルヒ「次はSOS団の存在を賭けてまた生徒会と対決してやるから覚悟しなさいっ!!」

会長「まだ文芸部が存続できるかは決まっていない。3日以内に全て捌け―――」

ハルヒ「そんな心配はしてないわ!! 絶対に全部なくなるもの!! 自信しかないわ!」

会長「大した自信は結構だが……もし、ノルマを達成できなかった場合は……」

ハルヒ「分かってるわよ!! みくるちゃんのグラビア好きなだけ撮りなさい!!!」

キョン「なにぃ!!?」キラーン!

朝比奈「えっ? えぇえええぇええぇえええええぇえええ!!?!?」ビックゥ!

ハルヒ「それがお望みなんでしょ? まぁ、交渉次第じゃ朝倉さんや有希、どうしてもって言うならあたしが……」

キョン「ハルヒ」ポン

ハルヒ「なによ?」

キョン「結構です」ニッ

ハルヒ「フンッッ!!」ドゴッッ!!

キョン「ぐはっっぁあぁああああ!!!」

ハルヒ「ならキョンが脱ぐ!!! こっちのペナルティはこれでいいんでしょ!!?」ゴォオッ!

古泉・朝比奈「「えっ」」

会長「誰にとってのメリットがある。それはどちらかといえば生徒会側のペナルティになりかねん」
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/31(火) 23:45:15.43 ID:8QcsHDZW0

ハルヒ「3日後見てなさい!! 苦悶の表情を浮かべながら跪いてあたしを崇める準備をしておくことね」

会長「仮にノルマが達成できたとしてもそんなことはしない」

ハルヒ「ふんっ! さっ、とっととこんなトコおさらばして打ち上げやりましょ、打ち上げ!!」ガチャ!

ハルヒ「みくるちゃんと有希は鶴ちゃん朝倉さんに声かけてきて! あたしは他の連中に声かけてくるから!!」ダダダッ!

朝比奈「はぁい」

長門「……」コクリ

喜緑「……では、わたしもこれで」バタン

古泉「……無事、生徒会対SOS団の第1回戦はこれで終了ですね」

キョン「ふぃー。終わった終わったー!」

会長「………………あ˝ぁ!!」ゴンッ!

会長「ストレスだ……お前たちにこれ以上関わると胃どころか体中に穴が開きそうだ」

古泉「まあまあ、これからもよろしくお願いしますよ。会長さん」

会長「チッ……面倒くさい契約をしちまった」ゴソゴソ

キョン「煙草か?」ヌッ

会長「うおっ!!? き、急に背後に立つんじゃねぇ!! っ、一服ぐらいさせろッ!!」

キョン「別に構わんが、一服した後はブレンバスターの形だぞ?」

会長「〜〜〜っあぁ!! クソッ! 分かったよ、吸わなきゃいいんだろ!!」バシッ!

キョン「そうか? 練習台を探していたからちょうどいい、と……思ったん……だが」ジィー

古泉「……………………ん?」

キョン「そうか、練習台……そうかそうか」スタスタ

古泉「な、なにに納得したかは存じませんが、危機を感じましたので、先に退室させていただきます! そ、それでは!」バンッ

キョン「チッ、逃げやがった……俺も戻るとするか。じゃあな会長」

会長「……とっとと行け。二度と来るな」

キョン「よかろう」バタン

会長「ッ!……チッ……」スッ

会長「こんな面倒な事になるはずじゃ……クソ……!」

会長「(火……火……)」ゴソゴソ

「どうぞ」ボッ

会長「ん? おぉ、フー、悪い……な」ポロッ

キョン「…………」ニッ
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/31(火) 23:46:49.61 ID:8QcsHDZW0
ここまでー
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/31(火) 23:57:31.54 ID:o+Njezqso
あっ・・・
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/31(火) 23:57:48.18 ID:HPIYRGXWO
乙〜
相変わらず理不尽が古泉と会長を襲う
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/01(水) 00:18:46.45 ID:a+8z8DNJ0
otu

ここのキョンには「やると言ったらやる」スゴ味があるっ!!
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/01(水) 00:19:48.71 ID:u7lQ+4M9O
このあとキョンはメチャクチャブレンバスターをしたって感じか?
古泉の自爆コマンド見たかったな
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/01(水) 00:20:07.66 ID:a+8z8DNJ0
ageすまんなんかsagesaga消えてた。
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/01(水) 00:20:53.48 ID:u7lQ+4M9O
>>176
よかろう
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/01(水) 00:58:54.16 ID:y5hRQNqho
乙です
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/01(水) 09:39:56.20 ID:wYczRpy60
グラビアの対象に鶴屋さんが入ってないあたり、SOS団での立ち位置がうかがえるな
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/01(水) 09:43:40.34 ID:jyebZbqmO
>>179
ルール読んでからレスしようね
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/01(水) 09:43:51.16 ID:o1631wnQO
そりゃ一瞬で人気がかっさらわれるからな
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/01(水) 11:18:17.36 ID:hBaOT2ahO
爆発した後の処理はどうするのか…
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/01(水) 21:52:48.90 ID:9gH9tctSO
情報操作でなんとかなる(適当)
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/02(木) 06:21:01.84 ID:VjVYy4nZO
最初からいなかったことになる
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/02(木) 10:17:44.46 ID:u+7eASY9O
キョン子のグラビアならワンチャン
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/04(土) 17:19:12.44 ID:GXwbLrfSO
キョ子ンのグラビア?(難視)
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/06(月) 22:01:27.68 ID:9Qd8odPSO
続き期待
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/09(木) 03:51:50.51 ID:VAgcahcJ0
明日、ってか今日中に投下しますね
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/09(木) 09:10:10.21 ID:nFCmHkLUo
待ってる
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/09(木) 12:40:59.97 ID:1y5kHeVQ0
舞ってる
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/09(木) 16:55:26.76 ID:N+f9R2+c0
投下しますー。編集長編はこれで終わりですー
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/09(木) 16:58:47.77 ID:N+f9R2+c0

数日後


キョン「ちぃ―っす」ガチャ

古泉「やあ、こんにちは」

朝比奈「こんにちはぁ、今お茶入れますね」

キョン「ありがとうございます。朝比奈さん」

古泉「涼宮さんは? ご一緒ではなかったのですか?」

キョン「なにやら文芸部存続にあたり、長門と一緒に職員室で手続きがあるんだと」

古泉「あぁ、それで長門さんもいなかったのですね」

キョン「あの会長も手が早い。休部の手続きがほぼ完了しかけてたってんだから、台本に力を入れすぎてたんじゃないか?」

古泉「いえいえ。ここまで手の込んだことをしなければSOS団対生徒会は盛り上がりませんから」

キョン「そうかよ。まぁ、その甲斐あってかなくてか、今日もSOS団はこうして文芸部室でだらだらと怠惰な時を過ごしてるってことか」

古泉「まさか涼宮さんの宣言通り、1日で200部全てを捌けさせてしまうとは……これはさしものあなたでも予測し得なかった事態では?」

キョン「そんなわけないだろ。予定調和、当然の帰結だ。あれだけ騒々しくハルヒが外注回りしてりゃ、何かがあることぐらい皆分かる」

古泉「仰る通りですね。半数以上は野次馬の類みたいでしたし」

キョン「ちゃんと読んでるやつがいるのかいないのか……男子人気は固まりそうではあるが」

古泉「谷口さんが思わぬMVPになりかねませんね」

キョン「ともかく、今回の茶番は骨が折れた。これなら妹に付き合ってやる方がマ―――」

キョン妹「ホント!? じゃあ今日はエンドレス鬼ごっ―――」パッ

キョン「フンっ!!! おかえれッッッ!!!!」ゴォオ!!

キョン妹「アハハー―――!!」ジュッ!

キョン「ったく、迂闊なこと言うもんじゃないな」

古泉「………………」

古泉「確かに。恋愛小説に悪戦苦闘するあなたの姿は貴重でしたね」ハハ

キョン「ノーリアクションかよ。今のがどれだけ異常な光景だと思ってんだ、おい」

朝比奈「あれ? 今キョンくんの妹さんの声がしたような……?」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/09(木) 17:03:04.45 ID:N+f9R2+c0

古泉「SOS団対生徒会の第2回戦はどのような内容がよろしいでしょうかね」

キョン「プロレスとか」ズズ

古泉「完全にあなたがやりたいだけじゃありませんか……結局あの後生徒会室から謎の断末魔が聞こえてましたし」

キョン「当分はいらねーよ。今回の一件で生徒会がこれ以上いちゃもん付け加えるのも不自然だろ」

古泉「そうですか。となると、次の対戦相手となる組織は……そろそろ学外のライバルの存在でも作りましょうか?」

キョン「いらんいらん。正体不明の団のライバルになりえる存在ってなんなんだ。それこそ人外でなけりゃ釣り合わんぞ」

古泉「となれば、やはり我らがSOS団のライバルに足りえる存在は『彼ら』ぐらいしか心当たりはつきませんね」

キョン「ライバルなんてもんじゃねえよ。巨乳フェチに、ロリツインテに、電波宇宙人だろ? 変人しかいねぇじゃねえか」

キョン「………………………………あれ? 釣り合う…………?」ハッ!

古泉「自信喪失しないでください。確かに僕たちは周囲から奇妙な団だと思われているかもしれませんが……」

キョン「ハルヒ7割、古泉5割の割合でな」

古泉「どんな割合ですか。10割超えてますよね、それ」

キョン「朝比奈さん、長門でマイナス3割でギリギリセーフだ」

古泉「何がセーフの基準なんですか……」

キョン「もう春休みになろうってシーズンにごたごたは勘弁だ。穏やかに、晴れやかに新学期を迎えるための準備期間を過ごそうじゃないか」パアァ

古泉「SOS団的には、そんな静かな休暇があるとは思いませんが」

キョン「ある!!! あるの!!!」クワッ!

古泉「そんな、根拠もなしに……」

キョン「いいじゃないか! 春休みぐらい! こちとらこの1年間相当頑張ったぞ!! そうは思わんか!? えぇ!?」

古泉「思います。思いますとも。しかしですね、何もこの1年頑張ったからといってそれで終わりでは……」

キョン「はぁ……五月病を患ってるかもしれん」

古泉「まだ春と呼ぶには少し早いですよ」
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/09(木) 17:07:23.46 ID:N+f9R2+c0

ハルヒ「お待たせっ!!」バンッ!

長門「……」スッ

古泉「お二人とも、こんにちは。手続きは無事済みましたか?」

ハルヒ「おっけーおっけー! 万事オッケー!! これで何の文句もつけられずこの部室を使うことができるわよっ!」

キョン「文芸部の活動の範疇でな」ズズ

朝比奈「涼宮さんと長門さんもすぐお茶入れますねー」

ハルヒ「ありがとみくるちゃん! 熱々で頼むわ」

朝比奈「はぁい」

ハルヒ「あ、そうそう読者間投票の現時点の集計結果だけど……」

キョン「読者間投票? 待て、なんだそりゃ? 初耳だぞ、なぁ古泉」

古泉「いえ、僕は知っていましたが」

キョン「……朝比奈さんと長門は?」

朝比奈「あ、一応涼宮さんから……」

長門「聞いていた」

キョン「……なんで俺知らない?」

ハルヒ「なんであんた知らないのよ」

キョン「聞いてないぞ」

ハルヒ「言ってないもの」

キョン「そりゃ言われなけりゃ知らんだろう、なぁ古泉。朝比奈さん?」

古泉・朝比奈「「…………」」

キョン「……あれ?」

ハルヒ「あんたは別に言わなくても知ってるのが普通でしょ。逆に何で知らないのよ、気が抜けてるわよ」

キョン「えぇ……この場合俺が悪いの? 理不尽じゃないか?」

古泉「僕からすれば、その程度のことは理不尽でもなんでもありませんよ」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/09(木) 17:12:13.73 ID:N+f9R2+c0

キョン「それで、会誌に付いてる投票用紙に印象深かった作品を書いて投函してるものの集計結果がなんだって?」

ハルヒ「知ってるじゃないの!!」

キョン「俺の中の情報が更新されたんだよ」

ハルヒ「初めからやっときなさいよ、まったく……で、それの現時点での集計結果なんだけど」

ハルヒ「なんと、一番人気が高かったのは……ドラムロール!」パチンッ!

キョン「ドゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル、ダンッッ!!!」

古泉「多才ですねぇ」

ハルヒ「……意外や意外、キョンの作品でした」ムス

古泉「おぉ」

朝比奈「おめでとうございます!」ワァ

長門「……」パチパチ

キョン「ほう、これは真剣に物書きの道を目指すべきか……?」

ハルヒ「調子乗んな。これは単に脳内ピンク色のお花畑系女子が恋愛小説ってジャンルだけみて投票したに決まってるわ!」

キョン「バカ! 読者様に向かってそんなこと言うんじゃない!」

ハルヒ「さっそく物書き気取ってんじゃないわよ!!!」

古泉「まぁ、意外というよりかは順当だと思いますよ。もちろん、恋愛小説と言う彼の取り扱ったジャンルそのものが人気なのはありますが」

ハルヒ「でも、他には朝倉さんや鶴ちゃん、国木田くんとかの秀才組が書いた役に立つコラムとかもあるのよ?」

ハルヒ「それに、一番許せないのがキョンの次に人気を得た谷……谷……」

キョン「谷崎?」

ハルヒ「それっ!」

古泉「違います。谷口さんです」

ハルヒ「なんで……ッ! あんな犯罪まがいのランキングなんかが、あたしの論文を差し置いて……2位なんかに」

キョン「ちなみにハルヒの論文の人気は0票で単独最下位だ」

古泉・朝比奈「「あっ……」」

ハルヒ「わざわざ言うなっっ!!!」
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/09(木) 17:16:29.27 ID:N+f9R2+c0

朝比奈「す、涼宮さん」アワアワ

ハルヒ「コンピ研のラノベや古泉くんのミステリーにも負けるなんて……」ズーン

古泉「(えっ? 僕の評価ってコンピ研のラノベ並の評価……?)」ガーン!

キョン「(なんかショック受けてるし古泉のはドベ2だってことは黙っておくか……)」

長門「(コンピ研よりも下)」

古泉「(そうですね……僕の作品はドベ2……コンピ研よりも下……)」

古泉「直接脳内に語りかけてる!!!?!!?!??」ガーン!

キョン「おっと、心の声がテレパシーになってしまった」ハッハッハ

長門「すまない」

ハルヒ「…………まぁいいわ! まだ中間集計だし、最終的に1位になれれば!」

キョン「現在の集計数的に1位はさすがに厳しいと思うぞ」

ハルヒ「…………」

ハルヒ「打倒コンピ研!!」メラメラ!

キョン「意識低っ」

ハルヒ「まぁそれにあたしのは大衆向けじゃないしね。分かる人に分かればいいのよ。SOS団の良さはね!」

キョン「俺らが読んでも分からんがな」

ハルヒ「さてと! これで生徒会とのごたごたも一区切りついたわけだし、新しい面白いこと探さなくっちゃ!!」

古泉「また頑張らなければなりませんね」ボソッ

キョン「別にいいっての、そんなに定期的に供給しなくても……」

キョン「この面子がいて、退屈するなんてこたぁそうそうねぇ、だろ」

古泉「……その通りですね」ニコッ

ハルヒ「手始めにキョン!! なんか面白いことやりなさい!!」

キョン「じゃあ……コント。人間パトリオット」

古泉「」ダッ!!

キョン「あっ! ハルヒ! 捕まえろ!! 逃がすなっ!!!」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/09(木) 17:18:43.73 ID:nFCmHkLUo
古泉哀れw
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/09(木) 17:21:12.54 ID:N+f9R2+c0

屋上


キョン「む……今日は風が強いな」ビュウウゥウ

キョン「…………ふー」

キョン「(にしても……言うに事欠いて『夢』だとさ)」

キョン「……この今が、か」

キョン「(……『夢』にしちゃ出来過ぎだとは思わんか?)」

キョン「……なぁ『佐々木』」

キョン「………………ふ」

キョン「届くはずも……ないか」

キョン「…………」クルッ







――――――――――――







キョン「……」ピクッ












――――――夢は

いつか醒めるものだよ――――親友













キョン「……ああ、その通りさ」

キョン「そろそろ目を覚ますべきなんだろうよ。俺も―――」

キョン「お前もな―――」シュン!







―――――――――――――――――――


199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/09(木) 17:23:25.27 ID:N+f9R2+c0

キョン「集計の結果、ハルヒには結局1票も入らなかったとさ」

ハルヒ「………………」

朝比奈「え、えっと……」オロオロ

長門「致し方ない」

古泉「優れた作品は時間をかけて評価されますから……」

キョン「どんまいどんまい、編集長(笑)」ポン

ハルヒ「うっさいバカキョン!!!!」


                                                        編集長★一直線! 完
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/02/09(木) 17:26:25.06 ID:N+f9R2+c0
ここまでー。この次はワンダリング・シャドウ準拠です。皆さん覚えてますでしょうか?
スローペースに板がついてきて申し訳なくありません……
もう少しお付き合いの程をよろしくお願いします
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/09(木) 17:33:15.65 ID:3ZEY29MA0
乙!
分裂で完結するのかな…
てか原作がもう絶望的なのは…
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