千歌「会ってみたいのっ! 伝説のポケモンマスター、高坂穂乃果さんに!」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/10(火) 13:58:39.60 ID:pqQzyHrU0
千歌「――うぅ、話してみたいっ!! 伝説のチャンピオン綺羅ツバサさんとの、伝説の一戦!! 綺羅ツバサさんのエース、サザンドラが君臨した直後のあの攻防の時のことを……」パァ…


曜「そうだね」アハハ…

曜(またはじまった……)


梨子「――ふたりとも」

千歌「梨子ちゃんおはよー!!」

曜「おはよ」

梨子「おはよう、準備は出来てる? よく眠れた?」

曜「ばっちり!」


千歌「うぅ、ドキドキしてきた……つ、ついにポケモントレーナーになれるんだよね!?」

曜「千歌ちゃんね梨子ちゃんがポケモンと図鑑を持って帰って来てくれるのをずっと待ってたんだよ」


梨子「あはは……ごめんね、ちょっとお仕事が長引いちゃって」



梨子「――はい、この通り。オトノキ地方の西木野博士からポケモン図鑑と、ポケモンを預かってきたよ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1484024319
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/10(火) 14:03:56.16 ID:pqQzyHrU0

 梨子は楽しそうに跳ねる千歌を見て微笑みながら、袋から赤い機械を取り出す。


梨子「はいどーぞ。千歌ちゃん」

千歌「あ、ありがとう!!」

梨子「曜ちゃんも」

曜「ありがとうっ」

梨子「そしてこれが預かってきたポケモンだよ」


 持っていたカバンを広げる。中には三つのモンスターボールが入っており、千歌と曜が興味深そうに覗き込む。


梨子「西木野博士の娘さんとは友達だからね、お願いしたらとっても良いポケモンを預けてくれたんだよ」


千歌「本当!? り、梨子ちゃんすごい……っ」


梨子「わ、私は全然だよ……はい、三種類から選んでね」

曜「三種類?」


梨子「炎タイプのアチャモ、水タイプのワニノコ、草タイプのツタージャ」


曜「な、なるほど……」


曜(やっぱり水タイプがかっこいいかも……)

千歌「曜ちゃんから選ぶ?」


曜「い、いいよ千歌ちゃんから選んで? ずっと自分のポケモンが欲しかったんでしょ?」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/10(火) 14:06:55.32 ID:pqQzyHrU0
千歌「ぅ、い、いいの?」

曜「うんっ」

千歌「え、えーとね」

梨子「どれを選んでも、みんな強い子だから心配しないで」

千歌「り、梨子ちゃんが言うんだもんね間違いないよっ」

千歌「千歌はね――高坂穂乃果さんと同じ、炎タイプのこの子がいいっ!!」

梨子「ふふっ、そう言うと思った」

曜「わたしもそう思った」

曜「じゃあ私は……」

千歌「この、ワニノコでしょ?」

曜「あ、分かっちゃった?」

千歌「うん、絶対水タイプが好きなんだろうなって」

曜「えへへ、流石です」

梨子「じゃあモンスターボールのここのスイッチを押してみて」

千歌「う、うんっ」ポチッ

 ボゥンッ


『ちゃもッ……!」


千歌「おぉ……」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/10(火) 14:08:59.40 ID:pqQzyHrU0
 恐る恐るスイッチを押し、中からヒヨコの形をしたポケモンが出てくる。

 くりくりとした丸い目を千歌に向けると、千歌も視線を合わせて答える。


千歌「ごく……っ」


 手を差し伸べると、とことこと小さい歩幅で距離を縮める。すぐそばまで近づいたアチャモは、千歌の手に、挨拶がわりとしてすりすりと顔を擦り付けた。


千歌「はわぁ……かわいい」

梨子「相性は、大丈夫みたいだね」

梨子「次は曜ちゃんだよ」

曜「ごくっ……」

ボゥンッ

『ワニィッ』


 モンスターボールが開き、飛び出して来たのはワニの子供の姿をしたポケモン。飛び出すなり威勢良く一鳴き。辺りをキョロキョロ見回し、親となる曜の顔を見つめる。


 納得したのか、ゆっくりと近づいて、ワニノコから手を差し出した。

曜「わ……よ、よろしくっ!」


梨子「うん、おめでとう。これでふたりはポケモントレーナーの仲間入りだね」


千歌「ドキドキしてきた……っ」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/10(火) 14:09:56.27 ID:pqQzyHrU0
梨子「ふたりはこれからどうするの?」


千歌「ジムに行くっ! ポケモンジムでバッジを全部集めて……ポケモンリーグに出るのっ! でねでね、四天王と闘って、高坂穂乃果さんと同じ、チャンピオンになるんだ!」


梨子「そっか、うん」


曜「私はとりあえず千歌ちゃんに着いて行きながら、ジムに挑戦してみようかな。こんな生半可な気持ちじゃ通用はしないだろうけど」アハハ…


梨子「じゃあふたりともバトルをするジム挑戦がメインになるんだね」

千歌「うんっ、いつになるかわからないけど……梨子ちゃんにも勝ってみせるっ!!」


梨子「……その時まで、私も――四天王で居られるように、頑張るね」

 ポケモントレーナーの極みへと近づいた四人の称号、四天王を持つ梨子。史上三番目の若さでその地位についた天才は、未来を感じる二人に感慨深い瞳を向けた。

梨子「じゃあ、バトルの基本をおさらいして見よう?」


梨子「曜ちゃんと千歌ちゃん、今から闘ってみて?」


曜「え、ポケモンバトル?」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/10(火) 14:12:43.77 ID:pqQzyHrU0
千歌「曜ちゃんとするの!?」

梨子「いずれは私ともするんでしょ? 相手が誰だって、関係なくしないと」

千歌「うぅ、そうだよね……」

梨子「ポケモン図鑑を確認すると、自分のポケモンの詳細なデータが見られるの。自分の手持ちポケモンを見てみて?」

曜「えっ、と」

曜(これが、使える技……にらみつけると、たいあたりか、ふーん)

千歌「ひっかくに、なきごえ……むむ」

梨子「ふたりとも、なんとなくポケモンバトルはわかるよね? 自分のイメージ通りでいいから、やってみて?」

千歌(テレビにも出るくらい強い、梨子ちゃんから教えて貰えるなんて……こんなに幸せなことってないよっ……よーしっ)

梨子「はじめっ」

千歌「いくよ曜ちゃんっ」

曜「う、うんっ」

 身構えるふたり、アチャモにワニノコ。幼馴染ふたりが、ぶつかる。


千歌「えっ、と、アチャモ、ひっかくだよ!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/10(火) 14:13:18.83 ID:pqQzyHrU0
 先に動いたのは千歌の方だった。シンプルな攻撃! いつもテレビで見ていた憧れのトレーナーもずっと、そうしていた!

曜「え、え!? ワニノコっ、右にかわして!」

 すかさず曜もワニノコに指示。曜の指示通りに動いたワニノコ。アチャモの片脚が空を裂く。

千歌「あ、あれ」

曜「おおっ」

千歌「もういっかいひっかく!」

曜(正面っ! それなら……っ)

梨子「……」

曜「ワニノコ、にらみつける!」

 直立不動のワニノコは、堂々とアチャモを見据える。曜は初めてのポケモンへの技の指示、それを攻撃技ではなく、補助技を選択した。

 ワニノコはそれに答えて、大きな瞳が放つ強い目力、それが眼光となって正面から向かってくるアチャモを捉えた!


『ちゃも……』


 ひっかくを繰り出す前のアチャモはその眼光にやられ、一瞬動きが鈍る。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/10(火) 14:16:01.55 ID:pqQzyHrU0
梨子(にらみつける……これでアチャモの防御力は落ちた。曜ちゃんが有利になったね)

 梨子が戦況を見つめる中、アチャモが飛び上がった。ひっかく、唯一の攻撃技を当てることでしか勝利は得られない!

曜(動きが少し鈍いっ! これなら!)

曜「体勢を沈めて!!」

 透き通るような叫び声が、片田舎の風に乗ってどこまでも飛んで行く。

 ワニノコは動きの鈍くなったアチャモの動きを的確に見極め、脚が振り回される軌道を予測、そして指示通り――四つん這いに体勢を落として、ひっかくをかわしてみせる。


梨子(決まったかな……)

千歌「ぅぅ」


 アチャモは脚を振り回した反動で着地に失敗し、地面に叩きつけられる。体勢が整わない、次の千歌の指令が来るよりも早く――。

曜「たいあたりっ!!」


 四つん這いになりながらクルリと反転。クラウチングスタートの要領で、加速、加速! 体全体を使ったたいあたりは、体勢の崩れているアチャモにクリーンヒット! どん、と周りに聞こえる音を上げながら、アチャモは微かに鳴き、吹き飛ばされてしまう。

千歌「ああっっ!」


 よろよろと立ち上がろうとするアチャモだが……。

『ちゃも……』


 へなへなと、座り込んでしまった。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/10(火) 14:17:01.67 ID:pqQzyHrU0
梨子「そこまで、曜ちゃんの勝ち」

千歌「ぅぅ、負けちゃったぁ……」

千歌「ごめんねアチャモ……大丈夫だった?」ナデナデ…

曜「お疲れっ、ありがとうっ!」


 申し訳なさそうに謝る千歌に対して、これまた申し訳なさそうに俯くアチャモ。当然ともいうような態度で胸を張るワニノコの手を取る、自信に溢れた曜。

 明暗は分かれている。

梨子(曜ちゃん、センスいいなぁ……本当に初めてなのかな)


 梨子の目に映ったのは、曜のポケモントレーナーとしてのセンスが光っていたことだった。


 ここウチウラタウンに引っ越して来て、千歌と出会い、ポケモンバトルが好きな千歌が勝つのだろうとばかり考えていた。曜は接する限りではそこまでバトルにこだわりがないように思えたし、千歌ほどバトルの映像を見ていたわけでもない。なんでも出来る曜ちゃん、という認識であったが、ポケモンバトルでもそうなのだ、意外である。


梨子(二つしか技がないなかで、いきなり攻撃をせず、きちんと状況判断をしてからの一点攻勢……基本だけど、初心者になかなかできることじゃない)

千歌(うぅ……やっぱり曜ちゃんはすごいなぁ……千歌の方がポケモンバトルのこととか色々話してたのに……)
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/10(火) 14:18:35.27 ID:pqQzyHrU0
 梨子から見れば千歌は普通の初心者、という印象だった。そう、それ以上でもそれ以下でもない。

梨子(まあここから努力すれば……)


 千歌の状態では、血の滲む努力をした結果で、目標にたどり着く可能性があるだろう。そう、そこまで到達出来るのは数いるトレーナーの中でも一握り、だ。


梨子「はい、千歌ちゃんきずぐすりだよ、使ってみて」

千歌「ほぇ?」

 手渡されたスプレー式のきずぐすり、千歌はそれを見てきょとんと目を丸くする。

千歌は 「このレバーを引けばいいの?」

梨子「そう、アチャモに吹きかけてあげて」


 言われた通りにレバーを引くと、癒しの力を含んだ霧状の水がアチャモに降りかかる。それを浴びたアチャモは見る見る瞳に力が戻り、二本の足で立ち上がった。

千歌「おおっ!」


梨子「ポケモンバトルで傷ついたら、きずぐすりみたいな道具で回復するか、ポケモンセンターへ行ってあげてね」

千歌「うんっ!」


梨子「ふたりはこれからオトノキ地方に行くんだよね?」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/10(火) 14:20:21.47 ID:pqQzyHrU0
千歌「うんっ、こっちは田舎だからジムもないし……」

梨子「長旅になると思うけれど、応援してる」

曜「梨子ちゃんはしばらくこっちにいるの?」

梨子「そうしようかなって思ってるよ。ちょっとお仕事で疲れちゃって……しばらくのんびりしたいなって」

千歌「そっかあ、なんかお仕事って響きかっこいいね!」

曜「わかる!」

梨子「え、ええ……?」

梨子「こっちにいても千歌ちゃん達がいないし、寂しいんだけどね……」

梨子「またお仕事でオトノキ地方に行かなくちゃいけないこともあると思うから、その時は会ってご飯でも食べようね」

千歌「うんっ! 梨子ちゃんの故郷のアキバシティにも行ってみたいし!」

曜「都会なんだろうなー!!」

梨子「落ち着かないかもしれないね」

梨子「……そろそろ時間かな?」

千歌「そうだね! 乗り遅れたら一時間は電車ないし!」

曜「あはは……」

梨子「オトノキ地方に行って西木野博士の娘さんに会ったら、よろしく伝えておいて貰えるかな?」

千歌「もちろんっ! ポケモンと図鑑を貰ったんだもん!」

梨子「よろしくね」

曜「よしっ、じゃあいこーか! 全速前進、ヨーソロー!」

千歌「ヨーソロー!」ニシシッ

千歌「あ、待って! 果南ちゃんにもあいさつ!」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/10(火) 14:22:57.78 ID:pqQzyHrU0

◇――――◇

果南「お、ポケモンを持ってきて、ついに向こうに行くの?」


千歌「うんっ!! ポケモンリーグに出るんだあ!!」

果南「そっかそっかぁ、千歌も向こうに行くんだね」

果南「大変だと思うけれど、頑張ってね応援してるから」


千歌「千歌がリーグチャンピオンになって、四天王を倒してチャンピオンも倒したら、果南ちゃん、そしたらそしたら、千歌と戦ってくれる!?」

果南「あはは……そんなになったらすぐ負けちゃうから」

千歌「じゃあどーしたら戦ってくれるのっ! 前はトレーナーになったらって言ってた!」


果南「うーん……とりあえず千歌が自分で納得して、旅を終えられたら、かな?」


千歌「えぇ……納得? さっき言ったことに加えて、高坂穂乃果さんを見つけて、サイン貰って……あとそれから」


果南「とにかく」ポンッ


果南「がんばってきなよ」ナデナデ
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/10(火) 14:23:55.10 ID:pqQzyHrU0
果南「――世の中には、信じられないくらい強いトレーナーがいる。自分の考えが全部ひっくり返されるくらい、そう、この世の者とは思えないくらいのね。でもね千歌、諦めちゃだめだよ。諦めたら、終わっちゃうからね」


千歌「……うんっ!」

千歌「ゲッコウガも、帰ってきた千歌の成長見て驚いちゃうんじゃないかなあ」ニシシ…ナデナデ


『ゲコ?』


果南「この子は厳しいからねー、ねえゲッコウガ?」


千歌「わたし、決勝でのテレビで見た時みたいな! 果南ちゃんのゲッコウガの、あのー、形が変わるやつ! それを出させてみせるっ!! それが本気なんだもんねっ!?」


果南「あはは……だってさ」

『ゲコ』


果南「前も言ったけどキズナ変化はもう――」


曜「――千歌ちゃーん! いこー!」

千歌「すぐ行くよー!!」

千歌「じゃあそういうことで……千歌、出航して参りますっ!!!」

果南「うん、行ってらっしゃい」


果南「……私の分も、がんばってね」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/10(火) 14:25:02.72 ID:pqQzyHrU0
◇――――◇

オトノキ地方 ゲンカンタウン


千歌「なんか」

曜「うん」


千歌「普通だね!」


曜「だね!」


 ウチウラタウンより電車でしばらく、ヌマヅシティからリニアに乗り込み、オトノキ地方へ。ヌマヅからオトノキへ入り、一番最初のリニア停車駅で、千歌達は降り立った。


 そのまま梨子の故郷である、大都会アキバシティへと向かっても良かった。アキバシティはオトノキ地方の中央にあり、いきなりアキバシティへと向かうと、リニアで通り過ぎてしまう町が多く生まれてしまうことになる。


 千歌の目的であるジムはどこから挑戦しても問題はない。オトノキ地方の色々なところを見て歩きたい、という千歌の願望で、出来るだけヌマヅ地方から近い場所を選んだのだ。


 ヌマヅシティとほぼ同規模の、千歌達から見れば都会。オトノキ地方からすれば田舎、それが同規模ながらタウンとシティの違いである、ということをヌマヅ地方の雑誌で千歌達は読んでいた。


千歌「ほんとにヌマヅシティみたいな感じだなあ」
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