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シンジ「僕が?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/12(日) 01:38:03.02 ID:/Q/LJSUp0
- ネルフ 本部 -

マヤ「ハーモニスク正常値。A10神経接続への干渉、ありません」

リツコ「続けて」

マヤ「深度をさげます。0.1、0.2、0番1番、ともに汚染区域に隣接。限界です」

リツコ「……ふぅ」

マヤ「やっぱり、まだまだ、ですか?」

リツコ「エヴァとのシンクロやハーモニスクが安定しているからといって楽観視はできないわよ」

リツコ『シンジくん、レイ、上がっていいわよ』

シンジ&レイ『はい』

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空を自由に飛びたいな @ 2024/11/22(金) 15:47:22.22 ID:UV495csLo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732258041/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:20:24.33 ID:WpWM+xYMo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227623/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:18:35.89 ID:Vr506SRJo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227515/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:17:49.87 ID:t6dKBjAuo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227469/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:17:17.71 ID:/UbTl3Hgo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227436/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:16:22.54 ID:Un8tNByuo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227381/

ミア「歩夢・・・辛かったな・・・」ナデナデ歩夢「ミアちゃん・・・うぅ・・・」 @ 2024/11/22(金) 00:59:47.53 ID:w7bhdEV4O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1732204787/

ちんぽいぬ @ 2024/11/21(木) 22:13:45.60 ID:BuRqeSctO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732194825/

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 01:48:57.12 ID:/Q/LJSUp0
- ネルフ 本部 エレベーター -

シンジ「あの、綾波は、これからどうするの?」

レイ「……どうって?」

シンジ「や、その、もしかしたら、父さんと一緒なんじゃないかって」

レイ「…………」

シンジ「あ、あの……」

レイ「碇司令とは一緒じゃないわ」

シンジ「あ、そ、そうなんだ」

レイ「…………」

シンジ「や、やっぱり、父さんって、忙しいの、かな?」

レイ「…………」



シンジ「…………あはは(……はぁ)」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 01:55:39.39 ID:/Q/LJSUp0
- ネルフ本部 第三通路 自販機前 -

シンジ「(今日の晩御飯なににしようかなぁ)」

◯◯「やぁ、君が碇シンジくん、かな?」

シンジ「え? えっと……そうですけど」

◯◯「失礼。自己紹介がまだだったね。俺は加地。加地リョウジ。気軽に加地とでも呼んでくれ」

シンジ「は、はぁ」

加地「すこし、話がしたいんだが今は時間あるかな?」

シンジ「話、ですか?」

加地「そう、少し改まった話でね。もう少し静かな所に移動してくれるとありがたいんだが」

シンジ「(なんだろう……)……それは、大丈夫ですけど」

加地「悪いな。それじゃ移動しようか。おっと、コーヒーでいいかい?」

シンジ「はい」

加地「付き合わせるついでに俺からおごらせてもらうよ」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 02:05:05.72 ID:/Q/LJSUp0
- ネルフ 本部 郊外 スイカ畑 -

加地「ここなら、心配ない」

シンジ「あの、話っていったい?」

加地「シンジくんは生き物を飼ったことがあるかい?」

シンジ「……?」

加地「生き物はいいぞー。育てると色んなことが見えてくるしわかってくる」

シンジ「………そうですね」

加地「悪い。話を逸らすのは癖でね。ここにキミを呼んだのは父上について話たかったからだ」

シンジ「父さん?」

加地「…………あぁ。シンジくんはお父さんについてどこまで知ってる?」

シンジ「……父さんのことはあまり知りません」

加地「親子なのに、なぜだい?」

シンジ「……あまり、会わなかったから」

加地「シンジくんは、養父に育てられたんだったね?」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 02:12:20.70 ID:/Q/LJSUp0
シンジ「はい、そうですけど、あの、いったい……」

加地「キミのお父さんはある重大な隠し事をしている」

シンジ「隠し事、ですか?」

加地「あぁ。できれば、その隠し事を暴くために俺に協力してほしいんだ」

シンジ「協力?」

加地「そうだ。約束してくれるなら俺も君の味方になろう。約束するよ」

シンジ「……あの、ちょっと、意味が……」

加地「すまないな。詳しくは言えない。言ってしまえば君は協力を拒めなくなる。だから、嫌なら断ってくれてもいい」

シンジ「(拒めなくなるってどういうことなんだろう)」

加地「突然のことで驚きもあると思う。返事はすぐにとは言わないが、どうする?」

シンジ「………………」

加地「………………」

シンジ「……………どうして、父さんのことを知りたいんですか?」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 02:21:50.92 ID:/Q/LJSUp0
加地「俺は昔からアトランティスの海底都市とかUMAとか未確認のことには目がなくてね。どうしても興味がつきないんだ」

シンジ「父さんは、それに並ぶってことですか?」

加地「……少なくとも俺にとっては、ということにしておこうか。シンジくんもお父さんのこと知りたいんだろう?」

シンジ「………………はい」

加地「しかし、興味だけで首をつっこむにはすこしこわいかな?」

シンジ「よく、わかりません」

加地「……そうか」

シンジ「あの、返事は、すこし待ってもらえませんか?」

加地「かまわないよ。近々、会うことにもなるだろうね」

シンジ「えーと、ネルフの職員、なんですよね?」

加地「いや、俺はフリーターみたいなもんさ」

シンジ「……?」

加地「セカンドチルドレンと一緒に会うことになる」

シンジ「……セカンド、チルドレン」

加地「かわいい女の子だぞ? それじゃ、今度は船上で会おう、それまでに答えを決めておいてくれ」

シンジ「あ、あの………っ!」

シンジ「行っちゃった……なんだったんだろう……加地、さんか…………」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 03:51:16.59 ID:q8tE8Qa50
ツッコミどころ満載だし、もしわざとで伏線だったとかならすまん


加地さんじゃない加持さんだ


8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 15:05:27.98 ID:sxgGCuDLO
- ミサト宅 -

ミサト「ぷはぁ〜〜っ! くぅ〜〜っ! やっぱコレよねー!」

シンジ「…………あの、ミサトさん」

ミサト「どしたの〜? シンちゃん」

シンジ「ネルフってフリーターでも入れるんですか?」

ミサト「ふりーたぁー?」

シンジ「はい、あの、ちょっと気になることがあって」

ミサト「フリーターって僕アルバイトォのフリーターってことでいいのかしら」

シンジ「たぶん」

ミサト「シンジくんも知ってると思うけど、ネルフ本部に入るためには専用のゲートがあるわよね?」

シンジ「はい」

ミサト「通るにはIDカードが必要になる、ここまで言えばわかるかしらん?」

シンジ「……(じゃあ、あの人は?)」

ミサト「……シンちゃん、もしかして気になる女の子でもできた?」

シンジ「なっ⁉︎ ち、違いますよ!」

ミサト「むふふ〜照れちゃってぇ〜! 隠さなくてもお姉さんは大丈夫よ?」

シンジ「ほ、ほんとに違うんですって!」

ミサト「まぁまぁ、いいからいいから。そうねぇ、IDが必要になったらリツコにでも言いなさい。見学ならできるから」

シンジ「だから違うって言ってるでしょ! 僕は加地さんって人がいたから!」

ミサト「………………………」

シンジ「あの、ミサトさん、えびチュ、こぼれ」

ミサト「シンジくん、あんた、今、なんて言ったの?」

シンジ「え? あの、だから、僕は女の子じゃなくて」

ミサト「フルネーム、聞いた?」

シンジ「……あ、はい。えっと、加地リョウジって言ってました」

ミサト「か、かかかかかか、かぁじぃ〜〜っ⁉︎」

シンジ「ひっ⁉︎ ミサトさん! 首が締まる!」

ミサト「ホント⁉︎ 本当に加持リョウジだって言ってたのね⁉︎」

シンジ「いただだっ! はい! たしかに加地だって言ってました!」

ミサト「………………………」

シンジ「………(やっと離してくれた)……あの、ミサトさん?」

ミサト「…………あ、悪夢だわ」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 15:21:52.49 ID:sxgGCuDLO
- 翌日 ネルフ本部 ラボ -

リツコ「ーー加地くんが?」

ミサト「そうなのよ、昨日、シンジくんから聞いたんだけど」

リツコ「まさか。彼は今ドイツでセカンドチルドレンと帯同しているはずよ。ありえないわ」

ミサト「…………同姓同名って可能性は?」

リツコ「MAGIのデータベースにそんな名前はないわよ」

ミサト「ちょっち、キナくさくなってきたわね」

リツコ「気にしすぎじゃない?」

ミサト「そうかしら? シンジくんは加持と面識はないはずだし……名前を知ってるのはどう考えてもおかしいわよ」

リツコ「……サードチルドレンの警護レベルをあげる?」

ミサト「いえ、しばらくは様子を見ましょう」

リツコ「そう。そういえばセカンドチルドレンと二号機の引き渡し期日、迫ってきてるわよ」

ミサト「いつ?」

リツコ「明後日。護衛には米艦隊がつくらしいわ」

ミサト「はぁ〜。またやっかみがあるのね」

リツコ「仕事よ。セカンドチルドレンは喜んぶんじゃないかしら」

ミサト「あの子は当然と思っていそうだけど」

リツコ「シンジくんも連れていってあげたら?」

ミサト「ん?」

リツコ「たまには息抜き、させてあげてもいいでしょう?」

ミサト「いっがぁ〜い! リツコからシンジくんを気にかけるなんて」

リツコ「ヤシマ作戦ではそれなりの戦果をあげたから。それだけよ」

ミサト「……そうね。それもいいかもしれないわね」

リツコ「…………………」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 15:32:58.00 ID:sxgGCuDLO
- ネルフ本部 ??? -

冬月「君の息子に接触したようだが?」

ゲンドウ「心配ない。鈴はつけてある」

冬月「ふむ。しかし『加地』と名乗ったそうだが、いいのかね?」

ゲンドウ「……あぁ」

冬月「鳴らない鈴に意味はないのではないか?」

ゲンドウ「それならば鈴を変えればいいだけだ」

冬月「しかし、いずれ加地と加持が2人いるとわかるぞ」

ゲンドウ「……全てはシナリオ通りですよ、冬月先生」

冬月「………………」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 15:48:15.97 ID:sxgGCuDLO
- ミサト宅 -

ミサト「――と、いうわけでぇ、明後日にちょっとした旅行に行くわよん」

シンジ「は、はぁ」

ミサト「セカンドチルドレンは、女の子よ? どう? 嬉しい?」

シンジ「…………(あの人の言ったことは本当だったんだ)」

ミサト「……シンちゃん?」

シンジ「あっ、いえ、あの、はい。わかりました」

ミサト「……そう? お友達も連れていってかまわないわよ」

シンジ「え? でも、いいんですか? 機密とか」

ミサト「そこは私の権限でなんとかしましょう。シンジくんは日頃から頑張ってくれてるんだもの。それぐらいしてもバチは当たらないわ」

シンジ「………あ…ありがとうございます。ミサトさん」

ミサト「いつかも言ったけど、あなたは、みんなに誇れる立派なことをやってるのよ? もっと胸をはりなさい」

シンジ「…………本当に僕でいいのかなって思うんです」

ミサト「…………」

シンジ「誰かに言われて乗ってるだけだし、こわいんです」

ミサト「シンジくん――……」

シンジ「ご、ごめんなさい」

ミサト「……あなたの気持ちがどうであれ、あなたのおかげで結果私たちは生きていられる。今はそれだけを考えなさい。……ね?」

シンジ「……はい」

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 16:26:40.92 ID:sxgGCuDLO
- アスカ 夢の中 -

アスカ「――いいの。私はなんでもできる。もう子供じゃないの」

キョウコ「かわいいかわいいアスカちゃん」

アスカ「私のことはほっといて!」

キョウコ「アスカちゃん、アスカちゃん」

アスカ「いや! いやっ! 嫌! みんな大っ嫌い!」

キョウコ「アスカチャン――」

アスカ「ママッ! いなくならないで! 私のママをやめないで!」

キョウコ「アスカ――」

アスカ「私はママの人形じゃない! ねぇっ! お願いだからこっちを見て!」

キョウコ「一緒に死んでちょうだい」

アスカ「いやっ! ママッ! ママをやめないで!」

キョウコ「死になさい」

アスカ「いや! もういやぁっ!!!!!」

キョウコ「しね。しね。――シネ」

アスカ「嫌ぁぁああっ!!!」

13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 16:39:04.93 ID:sxgGCuDLO
- オーバーザレインボー 艦内 -

アスカ「…………」

加持「どうした? 嫌な夢でも見たのか?」

アスカ「……なんでもない」

加持「そうか」

アスカ「……ねぇ、加持さん」

加持「ん?」

アスカ「……抱いて」

加持「こりゃまたなんとも魅力的な誘惑だな」

アスカ「――どうして⁉︎ 私はもう子供じゃない!」

加持「…………」

アスカ「胸だってもうこんなにあるのよ! ねぇ!」

加持「……アスカは、まだ子供さ」

アスカ「…………っ」

加持「……明後日、ミサトが受け取りにくるそうだ」

アスカ「…………」

加持「サードチルドレンも連れてくるそうだぞ」

アスカ「……興味ない」

加持「男だって話だが――」

アスカ「ガキになんて興味ない!」

加持「……しかし、彼は初めてのシンクロで40%を超えていたそうだぞ」

アスカ「――――うそぉっ⁉︎」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 17:03:05.29 ID:sxgGCuDLO
- オーバーザレインボー 当日 -

ケンスケ「すげぇ〜っ! これがミニッツ級航空母艦! しびれるゥ〜〜っ!!」

シンジ「ケンスケ、あまり身を乗り出すと危ないよ」

ケンスケ「いかりっ! いや! 碇先生! 誘ってくれてありがとな!」

シンジ「あはは」

トウジ「ワシにはさっぱり良さがわからんわ」

ケンスケ「この良さがわからないだってぇ⁉︎ ……あっ! あっちのはアイオワ級母艦! アーレイバークレー母艦も!!」

トウジ「…………なんやねん」

ミサト「ふふっ、連れてきた甲斐があったわ」



アスカ「――――ヘロォ〜ゥ、ミサトっ!」

15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 17:08:49.69 ID:sxgGCuDLO
ミサト「アスカ、久しぶりね」

アスカ「……で? サードチルドレンはどこ?」

ケンスケ「お、おい。誰だよあのかわいい子」

トウジ「ほんまや、シンジ、知らんのか?」

シンジ「…………(たぶん、あの子が……)」

ミサト「ここにいるわよ」

アスカ「ふぅ〜〜〜〜ん」

トウジ&ケンスケ&シンジ「……………」

アスカ「あんたね! サードチルドレンは!」

トウジ「わ、わい?」

ケンスケ「――ぷっ」

アスカ「なによ? 違うの?」

ミサト「……アスカ、シンちゃんは、こっちよ」

アスカ「え、えぇ〜〜っ⁉︎ こんなにさえないやつぅ⁉︎」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 17:16:09.69 ID:sxgGCuDLO
アスカ「………………」

シンジ「………………」

アスカ「………………」

シンジ「………………」

トウジ「なんや、あの二人。見つめあってるで」

ケンスケ「二人の世界かぁ? いやぁ〜んな感じ」

アスカ「………っ⁉︎ ち、ちがうわよ!」

シンジ「……(この子が、セカンドチルドレン)」

アスカ「……(さえないと思ったのになに? この感じ?)」



シンジ&アスカ「(……懐かしい?)」



加持「――二人とも気に入ったようでなによりじゃないか」

ミサト「………………そ、そそその声は……」

加持「よっ、久しぶりだな。葛城」

17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 18:09:42.05 ID:sxgGCuDLO
ミサト「な、なななんであんたがここにいるのよー⁉︎」

加持「アスカの随伴でね。しばらく一緒の旅路になるな」

シンジ「…………」

加持「――よろしく、碇シンジくん」

シンジ「え? えっと……」

ミサト「シンジくん。前に言ってた加持リョウジってこの人?」

シンジ「………(この人『も』加地? カジリョウジ?)」

ミサト「――シンジくん?」

シンジ「すみません。えっと――」

加持「俺たちは初対面さ。そうだろう? シンジくん」

シンジ「……はい」

ミサト「――そう(初対面? だったらシンジくんに名乗った加持は誰? 警護レベル、真剣に考えた方がいいかもしれないわね)」

加持「……とりあえず、長旅お疲れさん。立ち話もなんだし、移動しないか?」

ミサト「え、えぇ…」

加持「アスカもシンジくんとじっくり話たいのはわかるが、彼は逃げないぞ?」

アスカ「ち、ちがっ! わ、私は別にっ!」

加持「さ、じゃあいこうか。狭い艦内だがコーヒーぐらいはだすよ」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 20:46:11.22 ID:TDyb0NhsO
- 数十分後 オーバーザレインボー デッキ -

加持「よう、遅かったじゃないか」

シンジ「どういうことなんですか?」

加持「すまない。いろいろと疑問はつきないだろうが先に答えを聞かせてくれないか?」

シンジ「でも、あなたとあの時の人は――」

加持「似ても似つかない別人、と言いたいんだろう?」

シンジ「……はい」

加持「それに答えるにも色々とたてこんでいてね。協力するのなら、という条件つきで解消することはできるが――」

シンジ「意味が、言ってることの意味がわかりません」

加持「そうだろうね」

シンジ「こんなので協力しろって言われてもできるわけないじゃないですか」

加持「ふっ。以前に会った俺は影武者みたいなもんさ」

シンジ「影武者?」

加持「代役、でもいいかな。とにかく、君と俺とのパイプ役をかねてもらっている。カジリョウジと名乗ったのは俺と君が合わずとも違和感がないようにしてもらった」

シンジ「そんなことのために?」

加持「それが必要だったからだよ。わざわざ口調を真似てもらったんだが、気がついたかな?」

シンジ「……どうでもいいよ、そんなの」

加持「気を悪くしてしまったのならすまない。ちなみに俺との会話は葛城……君にとってはミサトに言わないでくれると助かる」

シンジ「僕、まだ協力するとは言ってませんよ」

加持「協力する、しないにかかわらずだよ。できれば、ということだが」

シンジ「…………」

加持「そんなに葛城を慕っているのかい?」

シンジ「…………怪しい人よりは」

加持「ははっ、こりゃ一本とられたな。たしかに。違いない」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 21:00:52.41 ID:TDyb0NhsO
シンジ「協力は、できません」

加持「そうか」

シンジ「…………それだけですか?」

加持「意思は自由なものさ。誰のものでもない、キミだけのものだ」

シンジ「(なんなんだよ、この人)」

加持「さて、あまり時間がない。アスカのこと、よろしく頼むよ」

シンジ「……アスカを?」

加持「あれでいてなかなかに脆い子でね」

シンジ「約束は、できませんよ」

加持「それならそれでかまわないさ。ほら、コーヒー」

シンジ「…………」

加持「(そろそろか……)」

加持「シンジくん。君はこれから色々とやっかいなことに巻き込まれるだろう。だが、それは君のせいじゃない。……いいね?」

シンジ「……?」

加持「これだけは忘れないでくれ。トリガーはキミじゃない。初号機のコアだということを」

シンジ「なにを言って――」


『緊急入電。正体不明の物体接近。総員、戦闘配置。これは訓練ではない。繰り返す――』


シンジ「………っ⁉︎ ……なんだ⁉︎」

20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 21:12:37.36 ID:TDyb0NhsO
アスカ「はぁっ、はぁっ、こ、こんなところにいたの、サードチルドレン」

シンジ「あ、君は」

アスカ「いいから来なさい!」

シンジ「うわぁ⁉︎ ちょっと! なんなんだよ! いたたた! 耳ひっぱ!」

アスカ「い・い・か・らぁっ! 黙ってついてくんのよ!」

シンジ「いだだ! わかったから離して――!」

アスカ「……ふんっ!」




加持「(シンジくん、君の未来に幸せがあることを祈っている)」

21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 21:21:53.81 ID:TDyb0NhsO
- エヴァ二号機 エントリープラグ内 -

アスカ「LCL Füllung. Anfang der Bewegung. Anfang des Nervenanschlusses. Auslösung von Linkskleidung. Synchro-start」

シンジ「え? なに?」

アスカ「チッ、不純物が多い……。あんた、なにやってんのよ。ドイツ語で言って、ほら」

シンジ「あ、あぁ〜。えーっと、ぐ、グーデンボーゲン?」

アスカ「………………」

シンジ「………………」

アスカ「あんたドイツ語もできないのぉ⁉︎ これだからガキは嫌いよ!」

シンジ「で、できるわけないじゃないかぁ! 僕は日本人だよ!」

アスカ「はぁ………。エントリープラグ起動。言語は日本語で」

シンジ「だいたいなんで僕がこんなところにいなきゃらないんだよ」

アスカ「この私様の初陣を特等席で見せてやるって言ってんのよ? 感謝しなさい」

シンジ「別に僕は見たいなんて」

アスカ「なに?」

シンジ「なんでもない」

アスカ「あんた、ちょおっと良い成績だからって調子にのってるんじゃないの?」

シンジ「そ、そんなわけないだろ⁉︎」

アスカ「フンッ! どーだか! 見てなさい……(行くわよ、私の二号機)」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 21:33:44.06 ID:TDyb0NhsO
- 戦闘後 エヴァ弐号機 エントリープラグ内 -


ミサト『シンジくん、アスカ、今引き上げるからちょっち待ってねー』


シンジ「……ふぅ〜」

アスカ「………………」

シンジ「(はやくプラグスーツ脱ぎたいなぁ)」

アスカ「……どうして、さっき邪魔したの?」

シンジ「ん?」

アスカ「開けって念じてる時、私の手を掴んだでしょ」

シンジ「あぁ、それはだって二人で乗ってるから――」

アスカ「なんで邪魔すんのよっ!!!」

シンジ「いだぁ!」

アスカ「私ひとりでもどうにかできたのに!」

シンジ「しかたないじゃないか! あの時はああするしかなかったんだから!」

アスカ「だからそれが必要ないって言ってんの!」

シンジ「だったらどうにかしてみせてから言ってよ!」

アスカ「――ぬぁんですってぇっ! 私の弐号機なのよ! あんたはただの見学なんだから!」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 21:40:32.11 ID:TDyb0NhsO
シンジ「僕はアスカを守ってあげたんだからいいだろ⁉︎」

アスカ「――守る⁉︎ あんたが⁉︎ この私を⁉︎ あんた何様よ!」

シンジ「結果倒せたんだしもういいじゃないか! 暴れるなって!」

アスカ「勝手に名前で呼んだ罰よ! あぁ〜〜んもう! なんでこいつと一緒にいなくちゃなんないのよ!」

シンジ「暴れたってなにも解決しないよ!」

アスカ「えっらそーに! あぁ〜ん! 無敵のシンジさまぁ〜! はんっ! そんなの期待してんでしょ! このスケベ!」

シンジ「このっ――! そんなの期待するわけないだろ! 僕にだって選ぶ権利ぐらいあるよ!」

アスカ「私のどこが気にいらないっていうのよ! バカバカバカ! このバカシンジ!」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 22:03:48.87 ID:TDyb0NhsO
- エヴァ弐号機 引き上げ後 -

シンジ&アスカ「…………ふんっ!」

ミサト「ど、どしたの? あの子たち」

ケンスケ「さぁ? でもたいして気にするほどでもないんじゃないスかぁ〜?」

トウジ「シンジがあんなに感情的になるのはめずらしいのー」

ケンスケ「たしかに。碇っていつも一歩引いてる感じがするんだよなぁ〜」

ミサト「……あなた達でもそうなの?」

トウジ「まぁ、たまーにですけど」

ケンスケ「うんうん」

ミサト「ふぅ〜ん」

トウジ「それよりミサトはん、あの帰った人はいいんですか?」

ミサト「――加持………っ! あの野郎、今度会ったらただじゃ!」

トウジ「…………」

ケンスケ「こっちもこっちで――」

トウジ&ケンスケ「いやぁ〜んな感じ」

25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 22:38:15.88 ID:TDyb0NhsO
- 三日後 ネルフ本部 ラボ -

リツコ「……ふぅ」

加持「ため息をついてるのかな」

リツコ「……。加持くん、もういいの?」

加持「あぁ、振られてしまったけどね」

リツコ「……そ」

加持「リッちゃんにも迷惑かけたな」

リツコ「アルバイトもほどほどにね。じゃないと火傷じゃすまなくなる」

加持「肝に命じておくよ。碇司令の様子は?」

リツコ「変わらないわよ、シンジくんについてもいつも通り」

加持「難儀だな。だが、まだ気がつかれてはまずい」

リツコ「いつまで誤魔化せるかしらね」

加持「さぁな。まだ今は大丈夫、それだけさ」

リツコ「ミサトにも言わなくていいの?」

加持「あぁ。だが、シンジくんには真実を知ってほしかったな」

リツコ「……そうね」

加持「今夜の予定はどうかな?」

リツコ「うふふ。でもだめよ。……こわぁ〜いお姉さんが見てるから」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 22:45:57.86 ID:TDyb0NhsO
ミサト「で? なんであんたまだここにいんの?」

加持「出向命令さ。また三人でつるめるな。大学の時みたいに」

ミサト「……………はぁ」

リツコ「ミサトもまんざらでもないんでしょ? 素直になったらいいのに」

ミサト「そ、そんなわけないでしょ⁉︎」

加持「こいつのそんなとこもいいのさ」

ミサト「ちょ⁉︎」

リツコ「あら、さすがは加持くんね」

ミサト「あ、あんたたち――!」

加持「それはそうと葛城。アスカの住まいの手続きは進んでるのか?」

ミサト「……まだよ! マンションに住むと思うんだけど」

加持「おいおい、遅くないか?」

リツコ「シンジくんと一緒に引き取ったら?」

ミサト「……ってことはウチ?」

リツコ「家族ごっこはもう飽きたの?」

ミサト「そんなことは……ないけど」

加持「いいんじゃないか。エヴァのパイロット同士」

ミサト「でも、あの二人大丈夫なのかしら?」

リツコ「合わなければ分ければいいだけよ」

ミサト「う、う〜ん」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 22:53:13.64 ID:TDyb0NhsO
- 数日後 ミサト宅 -

シンジ「な、なんだよ、これ……」

アスカ「あら? あんた帰ってきたの」

シンジ「あ、アスカ。これはいったい……」

アスカ「あんた、お払い箱よ」

シンジ「……お……おはらい……」

アスカ「あんたの部屋の荷物、そこのダンボールにまとめといたから」

シンジ「えぇ⁉︎」

アスカ「それにしても日本人ってなんでこんなに警戒心がないのかしら」

シンジ「……………」

アスカ「見てよ、このふすま。扉に鍵もかけられないのよ? 信じられないわ――」

ミサト「――日本人の信条は慎ましさと奥ゆかさだからよ」

アスカ「うわぁ⁉︎ み、ミサト……いつから………」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 22:59:55.15 ID:TDyb0NhsO
ミサト「――シンジくんとアスカにはこれから一緒に生活をしてもらいます」


シンジ&アスカ「えぇ〜〜〜〜⁉︎」


アスカ「なんで私がこんなやつと!」

シンジ「み、ミサトさん! 無理ですよそんなの!」

アスカ「男女七歳にして同衾せずって言うでしょ⁉︎」

ミサト「変なところで日本人なのね」

アスカ「とにかく! 私は嫌よ! だったら出てくわ!」

ミサト「あなたの住まいはもうここに登録されてるの。どうしてもって言うのなら通路しかないけど」

アスカ「そ、そんなぁ!」

シンジ「あの、なんでなんですか」

ミサト「ん〜? 特に理由なんかないわよん。エヴァのパイロット同士、仲良くしなきゃ……ね?」

シンジ「…………………………」

アスカ「…………………………」

シンジ&アスカ「はぁ」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 23:09:34.69 ID:/Q/LJSUp0
ミサト「突然で悪いんだけど、今夜はどうしても抜けられない仕事があるのよ」

アスカ「い、いきなりぃ?」

ミサト「だから、今夜はシンちゃんと二人で夕食食べちゃいなさい」

アスカ「ちょっと! 初日から二人きりって襲われたらどうするのよ!」

ミサト「…………襲うの? シンちゃん」

シンジ「…………いえ」

アスカ「なによ! 私に魅力がないってーの⁉︎」

シンジ「なんなんだよ!」

ミサト「あぁーはいはい。わかったから、それじゃ、戸締りはしっかりするのよ」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 23:17:54.50 ID:/Q/LJSUp0
- ミサト宅 一時間後 -

シンジ「アスカぁ、夕飯できたよー」

アスカ「…………」

シンジ「麦茶でいい?」

アスカ「……いい」

シンジ「なにがよかったからわからなかったからシチューにしたけど、大丈夫?」

アスカ「…………」

シンジ「…………(はぁ)」

アスカ「…………」パクっモグモグ

シンジ「いただきます」

アスカ「………まぁまぁね」

シンジ「ん?」

アスカ「味のこと言ってんのよ! でもシチューぐらい誰でも作れるんだから調子に乗るんじゃないわよ!」

シンジ「あ、あぁ。なんだそんなことか」

アスカ「特別に! 名前で呼ぶことを許可してやるわ!」

シンジ「今までだって名前で――」

アスカ「あんたが勝手に呼んでただけでしょ⁉︎」

シンジ「……わかったよ。ありがとう、アスカ」

アスカ「ふんっ!」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 23:23:55.87 ID:/Q/LJSUp0
- ミサト宅 食後 -

シンジ「ミサトさん、今日は遅いのかな」

アスカ「あんたっていつも家事してんの?」

シンジ「ん? うん。そうだよ、だってミサトさんやらないから」

アスカ「信じらんない。草食系ってやつ?」

シンジ「どうなんだろう? 自分ではよくわからないや」

アスカ「世も末ね……」

シンジ「アスカは料理しないの?」

アスカ「エヴァのパイロットなんだからしなくていいでしょ」

シンジ「そうなのかな」

アスカ「あんたねぇ、私たちの仕事は使徒を倒すことなのよ? あんた、なんのためにエヴァに乗ってるの?」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 23:32:33.95 ID:/Q/LJSUp0
シンジ「正直、よくわからないんだ。人のため、とかじゃないし、言われたから乗ってるだけで」

アスカ「…………あ、あんた、そんな理由でエヴァに乗ってるの?」

シンジ「うん。アスカはなんのために乗ってるの?」

アスカ「決まってるわ! 私は人に褒めてほしいからよ! 自分で自分を褒めてあげたい!」

シンジ「へぇー。なんかすごいね」

アスカ「そうよ! だからプライドをもって私はエヴァに乗ってるの!」

シンジ「プライドかぁ。でも、疲れないの?」

アスカ「…………え?」

シンジ「だって、頑張ってるってことは無理してるってことだよね?」

アスカ「そ、そうよ?」

シンジ「アスカは褒められたいから――でも、そうか、褒められるならいいんだ」

アスカ「ま、まぁそういうこと――」

シンジ「――息がつまったりはしないのかなぁ」

アスカ「…………っ⁉︎」

シンジ「……ん? どしたの?」

アスカ「あんたに、あんたなんかに! なにがわかるってーの!」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 23:38:26.04 ID:/Q/LJSUp0
シンジ「うわぁ⁉︎ いきなりなんだよ!」

アスカ「うるさい! うるさいうるさいうるさい!」

シンジ「…………なんなんだよ」

アスカ「……………」

シンジ「……………」

アスカ「…………もう寝る」

シンジ「え? あの、風呂は?」

アスカ「…………いい」

シンジ「そ、そう」





ペンペン「クェー」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/12(日) 23:54:29.15 ID:/Q/LJSUp0
- 深夜 シンジの部屋 -

シンジ「(アスカか、あの子も悪い人じゃないのかな)」

シンジ「(使徒。倒すべき敵。どこからきて、どこに行こうとしてるんだろ…………)」


――ガラガラ


シンジ「(ん?)」


ドサッ


シンジ「ぇ…………っ⁉︎ ぁ、ぁ、あ」

アスカ「……………………」スヤァ

シンジ「え、ちょ」

アスカ「……………………」

シンジ「(め、目の前に)」

アスカ「……………………」

シンジ「……………………」

アスカ「……………………」

シンジ「……………………(く、唇…………)」

アスカ「ん………」

シンジ「…………っ」

アスカ「……………ま…………ママぁ………」





35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 00:00:28.25 ID:bTzGF8zw0
シンジ「――っ!」

アスカ「…………」

シンジ「(あ、あぶなかった!)」

アスカ「…………」

シンジ「泣いてる。寂しいのかな……」

アスカ「…………」

シンジ「なんだよ。自分の方が子供じゃないか」

アスカ「…………」

シンジ「はぁ。しかたない、起こすか」

アスカ「…………」

シンジ「ねぇ、アスカ、起きてよ。風邪引くよ」

アスカ「………ん」

シンジ「アスカ、アスカってば」

アスカ「…………う、うぅん」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 00:10:07.12 ID:bTzGF8zw0
シンジ「起きてよ、アスカ」

アスカ「…………ん?」

シンジ「はぁ、やっと起きた。自分の部屋に帰りなよ」

アスカ「…………え?」

シンジ「……………」

アスカ「…………⁉︎ あ、あああんた!なんで私の部屋に! どっせぇい!」

シンジ「いだぁ!」

アスカ「草食系だと思ってたらよくもやってくれたわね! あんたなんかいられなくしてやる!」

シンジ「よく見ろよ! ここ僕の部屋だろ!」

アスカ「あんたが私を連れこんだんでしょ⁉︎」

シンジ「そんなことしないよ!」

アスカ「信じられないわ!」

シンジ「ママって言ってたから起こしてあげたのになんだよ!」

アスカ「――っ! あんた今なんて言ったの!!」

シンジ「自分の方が寂しいんじゃないか!」

アスカ「人の寝言を聞いてたの⁉︎ さいってーね!」

シンジ「聞きたくて聞いたわけじゃないよ!」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 00:29:58.50 ID:bTzGF8zw0
アスカ「………………」

シンジ「………………」

アスカ「…………だめね、やっぱりミサトに言って部屋変えてもらいましょ」

シンジ「………………」

アスカ「あんたとは一緒には――」

シンジ「――僕は、母さんの記憶があまりないんだ」

アスカ「………………」

シンジ「小さい頃に死んだらしくて、父さんもほとんど話てくれない」

アスカ「………………」

シンジ「生きていたとしても、どんな顔をすればいいかわからないから、きっと他人事みたいに考えてるんだと思う」

アスカ「あんたのお父さんって碇司令よね」

シンジ「うん。父さんは僕に興味なんかなくて、先生のところで育ったんだ」

アスカ「………………」

シンジ「いちおう、養父ってことになってるけど、久しぶりに会ったらエヴァに乗れって言われて」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 00:37:14.92 ID:bTzGF8zw0
シンジ「そう考えると、僕は父さんに認められるためにエヴァに乗ってるのかもしれない」

アスカ「……………」

シンジ「でも、誰かの役にたってたら、とも思う」

アスカ「……あっそ」

シンジ「アスカは、家族はやっぱり――」

アスカ「ドイツにいるわよ。……けど、嫌いなわけじゃないのよ? ただ、ちょっと疲れるっていうか」

シンジ「本当のお母さんは?」

アスカ「――っ!」

シンジ「あ、ごめん」

アスカ「あんた、何が悪いかわかってて謝ってんでしょうね⁉︎」

シンジ「……うん。きっと僕のデリカシーがなかったたからだと思う」

アスカ「……………」

シンジ「僕も母さんがいない、記憶にはないけど、いないのは同じだから」

アスカ「……………」

シンジ「だから、ごめん」

アスカ「…………ふん」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 02:56:47.62 ID:xGJgVbat0
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 12:49:42.69 ID://zzXo5nO
- 翌日 朝 ミサト宅 -

ミサト「うぅ〜、あだまいだぁ〜」

アスカ「うっ……。酒くさっ」

シンジ「ミサトさん、水飲みます?」

ミサト「ありがとうシンちゃぁ〜ん」

アスカ「昨日は仕事じゃなかったのね……?」

ミサト「仕事もしてたわよぉ〜」

シンジ「アスカ、ミルクでいい?」

アスカ「……ん」

シンジ「目玉焼きはきちんと焼く?」

アスカ「そうね」

シンジ「わかった」

ミサト「………(とりあえず、安心かしらね)」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 12:59:27.59 ID://zzXo5nO
- ネルフ 本部 ??? -

加持「いやはや、危険な賭けでしたよ」

ゲンドウ「………賭けは勝ってこそ意味がある」

加持「ご子息についてはよろしいので?」

ゲンドウ「問題ない」

加持「葛城一尉が少し勘繰っているようですが――」

冬月「君のもう一人の加地については、我々で処理しある」

加持「助かります」

冬月「しかし、本当に顔合わせが必要だったのかね? 私にはそうは思えんが」

加持「楔は打ってこそ意味があります。後々にね」

ゲンドウ「積荷はどうなった?」

加持「こちらです。特殊ベークラフトで保存されてますが――生きてます」

冬月「………ご苦労だった。もうさがっていい」

加持「はっ」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 13:16:52.29 ID:xrrgNCTK0
- 第三東京市立第壱中学校 2-A -

先生「あ〜、それでは、みなさんに転校生を紹介します。アスカくん、前へ」

アスカ「惣流・アスカ・ラングレーです! よろしくお願いします」


男子生徒「「「うおぉお〜〜! かわいいぃ〜〜」」」


トウジ「だ、誰や、あ、あいつは」

ケンスケ「別人みたいに愛嬌ふりまいてるよ」

シンジ「猫かぶっちゃってるねぇ」

先生「席は、そうですね、洞木さんの隣でいいですかね」

ヒカリ「はい!」


43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 13:27:52.02 ID:xrrgNCTK0
- 昼休み 教室 -

アスカ「あなたがファーストチルドレン?」

レイ「…………」

アスカ「私、セカンドチルドレン。弐号機のパイロット、惣流・アスカ・ラングレーよ。よろしく、仲良くしましょ?」

レイ「………命令があれば、そうするわ」

アスカ「! 〜〜〜ふんっ!」

トウジ「うはぁ〜あれは完全に油と牛乳やな」

ケンスケ「それを言うなら油と水だろ。にしても、あんなに対照的な2人もめずらしいねぇ〜」

シンジ「………………」

ケンスケ「碇はどっちがタイプなんだい? やっぱり綾波?」

シンジ「えっ?」

トウジ「センセだとどっちでもイケるで」

シンジ「いや、僕はそんなんじゃ」

ケンスケ「まぁまぁ。タイプぐらいいいじゃないか」

トウジ「せやせや! ビシっと男らしく言うたらんかい!」

シンジ「…………う〜ん」

ヒカリ「すずはらぁっ! また馬鹿なこと言ってるでしょ⁉︎」

トウジ「なんや委員長! 男同士の会話にはいってくな!」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 13:38:52.20 ID:xrrgNCTK0
シンジ「(アスカも悪い人じゃないし、綾波も仲良くなれるといいな………よしっ)」

トウジ「センセ、どこ行くねん?」

ケンスケ「おっ?」


シンジ「――綾波、ちょっといいかな」

レイ「…………?」

シンジ「さっきの、アスカ、その、悪い人じゃないよ」

レイ「……………」

シンジ「仲良くしても、大丈夫だと、思う」

レイ「……………」

シンジ「……………」

レイ「………碇くんは、仲良くしたいの?」

シンジ「ん? えっと、どうだろう」


トウジ「なんや、シンジ仲を取り持つつもりかいな」コショコショ

ケンスケ「やめたほうがいいと思うけどな〜」コショコショ

トウジ「おっ! アスカがじっと見て立ち上がった!」

ケンスケ「こりゃ、修羅場かぁ〜?」




45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 13:47:33.33 ID:xrrgNCTK0
アスカ「――バカシンジっ! あんたなに余計なことしてんのよ!」

シンジ「あ。アスカ」

レイ「………………」

アスカ「私はファーストと別に仲良くなりたいなんて望んでないわ!」

シンジ「え? でもさっき――」

アスカ「気が変わったの! これ以上余計なことしないで!」

シンジ「わ、わかったよ」

レイ「……………碇くんは悪くないわ」

アスカ「っ! なによ、あんたまともに口を聞いたと思えばシンジ?」

レイ「……………」

アスカ「はん! また黙っちゃって! もしかしてあんた、シンジのことが好きなの?」

シンジ「あ、あの――」

アスカ「――あんたは黙ってて!」

シンジ「はい」

レイ「………………」

アスカ「あんた、碇司令のお気に入りなんですってね?」

レイ「………………」

アスカ「黙ってちゃなにもわからないでしょう⁉︎ なんとか言いなさいよ!」

レイ「………………かわいそうな人」

アスカ「――――――っ!!!!!」


バチンッ!


トウジ&ケンスケ「………あちゃあ〜〜〜」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 13:55:35.66 ID:xrrgNCTK0
トウジ「もろにいったであのビンタは」コショコショ

ケンスケ「綾波もムキになっちゃってまぁ」コショコショ



シンジ「あの、えっと、だ、大丈夫? 綾波」

レイ「…………………」

アスカ「………………もういいっ!」


ドンッ

ダダダダダッ


シンジ「あ、アスカ⁉︎」

レイ「………………」

シンジ「あ、えーと、その」

ヒカリ「碇くん! なにやってんの! 追いかけて!」

シンジ「え? ぼ、ぼくが?」

ヒカリ「女の子が傷ついてるのよ⁉︎ ほっとくつもり⁉︎」

シンジ「わ、わかったよ!」

レイ「………………」

47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 14:02:44.10 ID:xrrgNCTK0
- 屋上 -

シンジ「………はぁっ、はぁっ、アスカ、足、はやいんだね――」

アスカ「うるさい! 私のことはほっといてよ!」

シンジ「……………」

アスカ「あんたもファーストの方がいいんでしょ⁉︎ さっさといなくなって!」

シンジ「……………」

アスカ「一人になりたいのよ! きらい! 嫌い! みんな大っ嫌い!」

シンジ「あの……これ、ハンカチ」

アスカ「……………っ!」

シンジ「………………」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 14:13:09.34 ID:xrrgNCTK0
アスカ「…………」

シンジ「………すこし、落ち着いた?」

アスカ「…………」

シンジ「僕たちはエヴァのパイロットだから、仲良くできたらいい、そう思っただけだよ。余計なことしたみたいでごめん」

アスカ「…………」

シンジ「アスカも、その、話てみたら悪い人じゃなかったから」

アスカ「………なにそれ、だからファーストにあんなこと言ったの?」

シンジ「うん」

アスカ「…………」

シンジ「アスカは初対面だし、綾波も、話てみたら悪い人じゃないよ」

アスカ「…………」

シンジ「も、もちろんアスカも」

アスカ「…………」

シンジ「あんまり、みんな大嫌いとか悲しいこと言うなよ」

アスカ「私はこれまで一人で生きてきたわ」

シンジ「すごいね。アスカは」

アスカ「そうよ! 私はなんでもできる!」

アスカ『だから! ママをやめないで!』

シンジ「……僕には無理だ」

アスカ「あんたには無理でも私はやらなくちゃいけないの!」

アスカ『なんでもやるから! 私のことを殺さないで!』

シンジ「だけど疲れたら、僕も助けるよ」

アスカ「必要ない!」

アスカ『――やめて! 私の中に入ってこないで!」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 14:19:00.75 ID:xrrgNCTK0
シンジ「だけど、一人じゃ限界もあると思うから」

アスカ「もうやめて! あっちいって!」

アスカ『私の心の中にはいってこないで!』

シンジ「こういうとき――どうしたらいいかわからないんだ」

アスカ「ひっ! ち、近寄らないで!」

アスカ『私の心にあゆみよらないで!』

シンジ「泣いたっていいんだよ、アスカ」


アスカ「――――――――っ!!」

50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 14:24:10.92 ID:xrrgNCTK0
アスカ「……………ぅぐっ…………ぅ………うぐっ…………」

シンジ「僕たちは、ここにいていいんだ」


アスカ「――うああああぁっ!」ポロポロ



シンジ「大丈夫、大丈夫だよアスカ」



――――
―――
――
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 14:33:08.01 ID:xrrgNCTK0
アスカ「…………」鼻ズビビー

シンジ「(ハンカチはそういう使い方じゃないんだけどなぁ)」

アスカ「……………ぁりがと」

シンジ「ん?」

アスカ「私、いままでなにしてたんだろ」

シンジ「………………」

アスカ「あんたと暮らしはじめて二日でこんなことになっちゃってるなんて」

シンジ「あー、うん、そうだね」

アスカ「私はこれまで大人の人が好きだったのに、あんたといるとよくわからないわ」

シンジ「そうなの?」

アスカ「このワタクシ様よ? 同年代なんてみんなサルみたいなもんだったし」

シンジ「……(黙ってればかわいいけどなぁ)」

アスカ「大人達には困った笑顔向けられるばかりだった」

シンジ「加持さんって人?」

アスカ「………まぁ、いろいろ」

シンジ「そっか」

アスカ「ねぇ、あんた、どこかで会ったことある?」

シンジ「いや? ないと思う……けど(でも、アスカも感じてたのか?)」

アスカ「そう、なら気のせいね」

シンジ「う、うん」

アスカ「あんた、私のこと守ってくれるの?」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 14:39:22.95 ID:xrrgNCTK0
シンジ「守るってなにから?」

アスカ「……あんたバカァ? 女の子を守るっていったらわかるでしょ?」

シンジ「……えーと、使徒?」

アスカ「ほんとにバカね……。いろんなことからよ」

シンジ「う〜〜〜〜ん」

アスカ「…………………」ジーッ

シンジ「できる範囲なら、守るよ」

アスカ「40点」

シンジ「えぇ⁉︎」

アスカ「ハッキリ言い切りなさいよ。男らしくないわねぇ〜」

シンジ「わ、わかったよ。守るよ」

アスカ「本当に?」

シンジ「うん」

アスカ「本当に本当に本当に?」

シンジ「う、うん」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 14:47:24.75 ID:xrrgNCTK0
アスカ「……そ。それなら私もあんたを守ってあげる」

シンジ「えっ?」

アスカ「約束破ったら承知しないからね!」

シンジ「わかったってば、しつこいなぁ、なんなんだよもう……」

アスカ「話は終わり! さ、もう昼休み終わっちゃうから戻りましょ!」

シンジ「あ! ちょ! ちょっと待ってよ! アスカぁ!」

54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 14:54:48.10 ID:xrrgNCTK0
- 夜 ミサト宅 -

シンジ「アスカ、そっちに皿並べてくれる?」

アスカ「わかったわ」

ミサト「………………」

シンジ「それと、箸も」

アスカ「もう持ってるわよ、ミサト、邪魔」

ミサト「………………」

アスカ「まだ焼けないの?」

シンジ「うん、もうちょっとかな」

アスカ「私、わりとハンバーグ好きなのよ」

シンジ「そうなの? なら、丁度よかったね」

ミサト「………………」

アスカ「あんた、いつもいつ買い出ししてるの?」

シンジ「特に決まってない。学校の帰りとか」

アスカ「そ。なら今度からは私もついていってあげる」

ミサト「ちょお〜〜〜〜っとストップ」

シンジ&アスカ「……………?」

ミサト「シンちゃん? アスカ? ちょっちそこに座りなさい」

シンジ「なんですか? ミサトさん今忙しいんですけど」

アスカ「そうよ、ミサトもちょっとは自分のことしなさい。シンジばっかりさせてないで」

ミサト「……………いいから、座りなさい」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 15:00:57.12 ID:xrrgNCTK0
ミサト「…………これはどういうこと?」

シンジ&ミサト「……………?」

ミサト「(本人達に自覚なしか……)」

シンジ「あの、ミサトさん――」

ミサト「シンちゃん、ちょっと部屋で音楽でも聴いてきてくれない?」

アスカ「ちょっとミサト、なんでシンジを邪険にさるのよ」

シンジ「あ、えっと」

ミサト「邪険になんてしてないわよ。ね? お願い、シンちゃん」

シンジ「………わかりました」

アスカ「シンジはいかなくていいわよ。ミサトがいけばいいのに」

ミサト「…………………」

シンジ「いや、うん、ちょっと音楽聴いてきます」

ミサト「……ありがと」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 15:08:55.11 ID:xrrgNCTK0
アスカ「それで? なに?」

ミサト「……(聞きたいのはこっちの方よ)」

アスカ「はやくしてくれる? シンジが部屋で待ってるし」

ミサト「アスカ、シンちゃんとなにかあった?」

アスカ「……あぁ。なんだそんなこと」

ミサト「そんなことって」

アスカ「別に。ちょっと目をかけてやろうと思っただけ」

ミサト「そ、それにしたって距離が近づきすぎじゃないかしらん?」

アスカ「ミサトには関係ないでしょ? エヴァのパイロットの管轄義務はそこまで含まれてるの?」

ミサト「そこまではないけど…………昨日の今日よ?」

アスカ「私たちはなにもやましいことなんかしてないわ」

ミサト「や、やましいことって?」

アスカ「不潔。なにか今変なこと考えたでしょ?」

ミサト「……………」

アスカ「……………」

ミサト「と、とにかく! すこし離れなさい!」

アスカ「いやよ」

ミサト「いやって……」

アスカ「絶対にいや」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 15:17:24.23 ID:xrrgNCTK0
ミサト「(こ、これはマズイわね……)」

アスカ「あぁ、それと私の部屋、引越しの荷物がまだ片付いてないのよね。だからシンジの部屋で寝るから」

ミサト「えぇ⁉︎」

アスカ「シンジにはまだ言ってないけど、後から言うわ」

ミサト「だ、だぁめよ! なにかあったらどうするつもり⁉︎」

アスカ「昨日は家をあけてたじゃない」

ミサト「そ、それは……」

アスカ「大丈夫よ。あいつヘタレだから」

ミサト「そ、そうは言ってもシンジくんもお年頃なのよ⁉︎」

アスカ「いざとなったら私の方が強いわよ」

ミサト「(こ、この子、本気なの?)」

アスカ「もういい? シンジのハンバーグはやく食べたいんだけど」

ミサト「だめよ! 認められません! 部屋が片付いてないんだったら私の部屋で寝なさい!」

アスカ「ミサトの部屋ぁ? あの状態で?」

ミサト「ぐ、ぐぬぅ……シンジくんを呼んできて」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 15:28:42.15 ID:xrrgNCTK0
シンジ「――えぇ⁉︎ アスカが僕の部屋で⁉︎」

ミサト「シンちゃんは、もちろん嫌よね?(……お願いシンジくん! 断って!)」

アスカ「………………」

シンジ「ほ、本気なの? アスカ」

アスカ「なによ、嫌なの?」

シンジ「い、嫌ってわけじゃあ」

アスカ「ならいいんじゃない」

ミサト「ちょっちそれは強引すぎない?」

アスカ「…………うざい」

ミサト「ちょ、ちょっとアスカ」

アスカ「私達はエヴァのパイロットなのよ! 普通にしててなにが悪いのよ!」

ミサト「…………落ち着きなさい」

アスカ「ミサトのは越権行為よ!」

シンジ「あ、あの」

アスカ「シンジだってパイロットなんだしなにも起きるはずない! それともそんなに信用できないわけ⁉︎」

ミサト「……………」

アスカ「……………」

ミサト「…………わかったわ、ただし、荷物は近日中に片付けること。いいわね?」

アスカ「…………ふん」

59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 15:35:31.45 ID:xrrgNCTK0
- 深夜 シンジ部屋 -

シンジ「(結局、ミサトさんは部屋に仕切りのカーテンをつけることで妥協した)」

シンジ「(けど、これってマズイんじゃないのかなぁ)」

アスカ「…………シンジ? もう寝た?」

シンジ「…………ん? ど、どしたの?」

アスカ「なんだか、眠れないの」

シンジ「へ、へぇ、そうなんだ」

アスカ「そっち、行っていい?」

シンジ「ぇ、ええ⁉︎」

アスカ「だめなの?」

シンジ「あー、えーっと」

アスカ「ん……………」ゴソゴソ
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 15:45:02.60 ID:xrrgNCTK0
シンジ「(ち、近い、数十センチ近くにアスカの顔が……)」

アスカ「なによ、あんた、もしかして緊張してるの?」

シンジ「す、するわけないだろ!」

アスカ「……うそつくのが下手ね」

シンジ「……………」

アスカ「今日は、ありがと」

シンジ「あ………」

アスカ「なんか、色々とふっきれた気分だわ」

シンジ「もしかして、それを言うために?」

アスカ「それもあったけど、部屋が片付いてないのはほんとよ」

シンジ「(やっぱり、良い子なんじゃないか)」

アスカ「……シンジ、シャンプーなに使ってるの?」

シンジ「スーパーのやつだよ」

アスカ「もっと良いのつかったら?」

シンジ「うーん、あんまり興味ないから」

アスカ「でも、悪い匂いじゃないわね」

シンジ「うわ、ちょ、ちょっ(嗅がれてる⁉︎)」

アスカ「うん、良い匂い」

シンジ「あ、あの、アスカ――」

アスカ「………………」

シンジ「アスカ……?」

アスカ「………………」

シンジ「ね、寝ちゃったのか……」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 15:53:53.37 ID:xrrgNCTK0
- 翌日 第三新東京市立第壱中学校 昼休み -

シンジ「……………」

トウジ「なんや、センセ、えらいクマやのー」

シンジ「うん、ちょっとね」

ケンスケ「夜更かしでもしたのかぁ?」

シンジ「(ほとんど寝られなかった)」

トウジ「……しっかし、昨日はどうなることかと思ったでー」

ケンスケ「ほんとほんと。アスカが戻ってきたときにはケロってしてたけどさぁ」

シンジ「なんでもなくてよかったよ」

アスカ「――シンジっ!」

トウジ&ケンスケ「うわぁ!」

アスカ「なによ、レディに対していきなり驚くとは失礼ね」

トウジ「いきなり現れるな!」

シンジ「どしたの? アスカ」

アスカ「お昼一緒に食べましょ!」

シンジ「えーと、洞木さんはいいの?」

アスカ「ヒカリなら平気よ。ちゃんと言ってあるから」

62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 15:58:30.78 ID:xrrgNCTK0
シンジ「あー、うん。わかった」

アスカ「それじゃ移動しましょ! 屋上でもいい?」

トウジ「……………」

ケンスケ「……………」

シンジ「アスカにまかせるよ」

アスカ「殊勝な心がけね、あ、これシンジが作ってくれたお弁当なんだけど――」

トウジ「まてまてまてまてまてぇいっ!」

シンジ&アスカ「……?」

トウジ「お前らどうなっとんねん!」

ケンスケ「こ、これはひょっとして……」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 19:52:10.62 ID:xrrgNCTK0
トウジ「シンジ! お前は今わいらと一緒に食べようとしてたんちゃうんか!」

シンジ「あ、それは、そうだね」

アスカ「…………」

トウジ「ワイらとそこの女とどっちとんねん!」

シンジ「えぇ? いや、あの」

アスカ「…………バッカみたい、行きましょ。シンジ」

ケンスケ「いかりぃ〜。一人で抜けがけする気かぁ〜」

アスカ「……あぁ〜んもう、うっさい! だいたいねぇ、あんた達も食べたいんなら誰かを誘えばいいじゃない!」

トウジ「ぬぐっ」

アスカ「自分じゃなんにもできないくせにシンジの足掴むんじゃないわよ」

トウジ「な、なんやとぉ⁉︎」

アスカ「なによ⁉︎」

ケンスケ「お、おい、トウジ」

トウジ「…………………」

アスカ「……………ふん」

シンジ「あの、アスカ」

アスカ「シンジ! 行くの⁉︎ 行かないの⁉︎」

シンジ「――トウジ、ごめん」

トウジ「……………おう」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 20:00:18.35 ID:xrrgNCTK0
- 屋上 -

アスカ「さ、食べましょ」

シンジ「――あの、アスカ」

アスカ「なに?」

シンジ「さっきのトウジのことなんだけど……」

アスカ「あぁ。それがなに?」

シンジ「あの、ちょっと言いすぎじゃないかなって」

アスカ「………………」

シンジ「悪気があるわけじゃないんだ。ただ、先に約束してたから」

アスカ「………わかったわ。後で謝っとく」

シンジ「えっ? いいの?」

アスカ「友情ってやつなんでしょ? 男のは気持ち悪いけど、悪かったわよ」

シンジ「アスカ……ありがとう」

アスカ「ん。食べましょ」モグモグ

シンジ「いただきます。………そういえば洞木さんと仲良くなったんだね」

アスカ「……昨日の借りもあったしね。面倒見がいいから悪い子じゃないみたい」

シンジ「(あぁ、他の女子からなにか聞いたのかな)」

アスカ「シンジ、聞きたいことがあるんだけどいい?」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 20:11:25.75 ID:xrrgNCTK0
シンジ「ん? なに?」

アスカ「あんた、ファーストとどういう関係なの?」

シンジ「綾波? えーと、エヴァのパイロット仲間、かな」

アスカ「ふぅ〜ん」

シンジ「アスカも仲良くなれると思うよ」

アスカ「私は別にいいかな。なんか興味なくなったし」

シンジ「興味って…………」

アスカ「ねぇ、シンジ。私があんたを守ってあげるからファーストとあんまり話さないで」

シンジ「えぇ?」

アスカ「私思うのよね。人間関係ってあまり多様性必要ないって」

シンジ「…………」

アスカ「一人の親友には何人の友達が束になってもかなわないじゃない? それなのに何人も仲良くなろうとする?」

シンジ「…………」

アスカ「何人も何人も、友達100人なんて言っても薄くなるだけよ。そんなの不毛だわ」

シンジ「…………」

アスカ「だから心を許せる人は大切なのよ」

シンジ「………アスカは僕に心を許してるの?」

アスカ「まだあんまり。でも許そうとはしてるわよ?」

シンジ「そうなんだ」

アスカ「うん」

シンジ「…………アスカは僕が綾波と話するのが嫌なの?」

アスカ「う〜ん、なんかザワザワすんのよね」

シンジ「そっか。…………うん。わかった」

アスカ「ほんとっ⁉︎」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 20:18:38.35 ID:xrrgNCTK0
シンジ「うわ⁉︎ ちょ! 顔近い!」

アスカ「……あ、だってそう言うとは思わなかったから」

シンジ「エヴァに関することは無理だけど――」

アスカ「うんっ! それでもいい! ありがとうシンジ!」

シンジ「(うーん、よかったのかな………)」

アスカ「あ、それとあんたが朝飲んでたマグカップ、お揃いのがほしいんだけどどこで買ったの?」

シンジ「え? あれは、たしかミサトさんが選んでくれたやつで――」

アスカ「ミサトがぁ?」

シンジ「うん。こっちに来た時、荷物ほとんどなかったから」

アスカ「……………ふぅ〜ん」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 20:26:15.99 ID:xrrgNCTK0
- ネルフ本部 ラボ -

リツコ「別にかまわないんじゃなくて?」

ミサト「もし間違いがあったらどーすんのよ……」

リツコ「避妊さえしてくれればかまわないわよ」

ミサト「え? そうなの?」

リツコ「エヴァはA10神経で接続しているし、良い結果が得られるかもしれないわね」

ミサト「もし、(子供)できちゃった場合は――」

リツコ「……クビね。間違いなく」

ミサト「どぉすんのよぉ⁉︎」

リツコ「気が早すぎるんじゃない? まだあの子達が開通したわけじゃないでしょう?」

ミサト「う〜」

リツコ「………………」

ミサト「しかし、最近は中学生でここまでマセてんのねぇ〜」

リツコ「あら、アスカは元々背伸びをしているし、エヴァのパイロット同士という吊り橋効果を考えれば不思議ではないわよ?」

ミサト「……………家に帰るのが億劫だわ」

68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 20:36:32.94 ID:xrrgNCTK0
- 夜 ミサト宅 -

ガラガラ
ガチャーンッ


アスカ「――――いったぁ〜〜〜」

シンジ「ど、どしたの⁉︎ アスカ!」

アスカ「……指切っちゃった」

シンジ「大丈夫? 今絆創膏持ってくるから」

アスカ「……あっ。シンジのマグカップ――」

シンジ「これを落としたんだ?」

アスカ「割れちゃった」

シンジ「うん。でもいいよ、また買えばいいから。破片があるかもしれないから動かないでね」

アスカ「うん――」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 20:44:27.86 ID:xrrgNCTK0
ミサト「たっだいまぁ〜!」

アスカ「ねぇ、シンジ。シンジってこういうのが好きなの?」

シンジ「うーん、あんまり」

アスカ「でも、クラスの男子はみんなかわいいって言ってるじゃない」

シンジ「僕はあんまり好きじゃないかな」

アスカ「この子は?」

ミサト「……ただいまぁ〜」

シンジ「うーん」

アスカ「はっきりしないわねぇ〜」

シンジ「あんまりテレビのアイドルとか見ないから」

ミサト「………………」

シンジ「ん? あ、おかえりなさい、ミサトさん」

アスカ「あら? いたの。ミサト」

ミサト「あんたたち! テレビ見てないでこっち座りなさい!」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 20:50:04.86 ID:xrrgNCTK0
シンジ「………………」

アスカ「………………」

ミサト「………………」

シンジ「……………え、えと」

ミサト「シンちゃん?」

シンジ「は、はい!」

ミサト「ソファーでテレビを見るのはいいけど距離が近すぎないかしら?」

シンジ「す、すみません」

アスカ「………………」

ミサト「アスカは部屋の片付け進んでるの?」

シンジ「あ、あの。今日は僕が手伝いをお願いしてて――」

ミサト「どうなの? アスカ」

アスカ「やってるわよ!」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 20:57:21.47 ID:xrrgNCTK0
ミサト「…………はぁ。シンちゃんは今日は私の部屋で寝なさい」

アスカ「――――っ⁉︎」

シンジ「み、ミサトさんの部屋でですか?」

ミサト「アスカはシンジくんの部屋で寝ること。いいわね?」

シンジ「でも、ミサトさんは?」

ミサト「私はソファーで寝るわ」

アスカ「…………………はん」

ミサト「……………アスカ?」

アスカ「なによ? 結局、ミサトも保身なのね?」

ミサト「私はあなた達を保護しています」

アスカ「保護ぉ? 勝手に住まい決めておいて。仲良くやってたら勝手に仕切るのが?」

ミサト「あなた達は適度な距離を保てなくなってるわ」

アスカ「まだ三日じゃない! 様子見しないでなにを焦ってるのよ!」

72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 21:05:31.65 ID:xrrgNCTK0
ミサト「………仲良くやるのは否定しないわ。でも、あなた達は男と女なのよ?」

アスカ「不潔。なんにでもそんな風にしか考えられないのね」

シンジ「あ、アスカ――」

アスカ「あぁ〜〜あ。やだな。こんな大人になんかなりたくない」

ミサト「……………これは命令よ。現時刻をもって一緒に寝るのを禁じます」

アスカ「――っ!!」

ミサト「シンジくんも。いいわね?」

シンジ「……………」

アスカ「――ふざけるんじゃないわよ! やってらんないわ!」

シンジ「あ、あの。ミサトさん」

ミサト「……………」

アスカ「……わかったわよ。私は自分の部屋で寝る。だからシンジも自分の部屋で寝て」

ミサト「ほんとなのね……?」

アスカ「職権乱用されちゃお手上げよ!」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 21:42:48.65 ID:xrrgNCTK0
- 深夜 シンジ部屋 -

シンジ「……………」スヤァ

アスカ「シンジ、シンジ」

シンジ「……………ん? あすか?」

アスカ「シッ、声下げて話して」

シンジ「今何時……って夜中の3時じゃないか」

アスカ「ミサトもようやく寝たみたい」

シンジ「あぁ………寝るまで待ってたの?」

アスカ「あんたムカつかないの? 勝手な言い草で行動を制限されちゃってさ」

シンジ「うん、でも、一緒に寝るのはまずいよ」

アスカ「どうして? やましいことなにもしてないじゃない」

シンジ「(僕が我慢してるだけなんだけどなぁ)」

アスカ「ミサト、加持さんとうまくいってないのかしら?」

シンジ「加持さんってミサトさんとなにかあるの?」

アスカ「あんたバカァ? あの二人デキてんのよ」

シンジ「えっ? そうだったの?」

アスカ「うまくいってるならあっちで勝手にすればいいのに――」

シンジ「でも船のデッキでアスカも加持さんに抱きついてたじゃないか」

アスカ「――あっ。それは、その」

シンジ「アスカは、いいの?」

アスカ「いいの。シンジ、今、嫌な気分になってる?」

シンジ「ん? んー」

アスカ「……加持さんのことはもういいの。他の大人にも抱きついたりするのやめる」

シンジ「そうなんだ」

アスカ「ごめんね?」

シンジ「いや、僕は…………」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 21:52:04.39 ID:xrrgNCTK0
アスカ「明日、エントリープラグのテスト日よね」

シンジ「あぁ、そうだったね」

アスカ「私、エヴァに関しては誰にも負けたくない」

シンジ「うん」

アスカ「シンジならいいかなって思うけど、やっぱり、弐号機は私の全てだから」

シンジ「それならそれでいいよ」

アスカ「…………いいの?」

シンジ「うん。大切ならいいんじゃないかな」

アスカ「ありがと。なんかちょっとシンジって加持さんに似てる」

シンジ「そうかな?」

アスカ「うん、いると安心するし」

シンジ「そっか」

アスカ「ねぇ、シンジ。昨日、誰かの役に立ちたいって言ってたじゃない?」

シンジ「…………うん」

アスカ「それならもう役に立ってるのよ。私達はエヴァに乗ってるだけで役にたってる」

シンジ「…………そうだね」

アスカ「パレードしたっていいぐらいよ?」

シンジ「はじめて乗った時、僕はわけがわからなくて、トウジの妹を傷つけちゃったらしいんだ」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 21:58:52.48 ID:xrrgNCTK0
アスカ「……………」

シンジ「乗りたくて乗ってるわけじゃないのに、なんでトウジから殴られなきゃいけないんだろうって思った」

アスカ「………殴られたの?」

シンジ「うん、でもそれはいいんだ。トウジもエヴァの大変さを知って僕にワイを殴れって言ってきたし」

アスカ「……………」

シンジ「あれがなかったら、きっと今も、他人のことなんか考えずにエヴァに乗っていたと思う」

アスカ「……………」

シンジ「エヴァの一番はアスカがふさわしいと思うよ」

アスカ「ありがと」

シンジ「…………うん」

アスカ「今日はもう部屋に帰る」

シンジ「わかったよ」

アスカ「おやすみ、シンジ」

シンジ「――おやすみ、アスカ」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 23:06:32.16 ID:xrrgNCTK0
- 翌日 第三新東京市立第壱中学生 昼休み -

ヒカリ「アスカ、今日は碇くんとご飯食べなくていいの?」

アスカ「うん、一緒に食べましょ。ヒカリ」

ヒカリ「――えへへ、なんだか嬉しいな」

アスカ「……………」モグモグ

ヒカリ「……………」

アスカ「……………」

ヒカリ「…………あの、アスカ」

アスカ「なぁに?」

ヒカリ「碇くんばっかり見てない?」

アスカ「違うわよ」

ヒカリ「でも、碇くん達の方――」

アスカ「たまたまシンジが私の見てるところにいるだけ」

ヒカリ「そ、そうなんだ」

アスカ「………………」

ヒカリ「碇くんってわりと人気あるよね」

アスカ「…………どういうこと?」

ヒカリ「ひっ⁉︎ あ、アスカ。ちょっとこわい」

アスカ「……ごめんごめん。それで?」

ヒカリ「他のクラスでも碇くんって結構人気あったりするよ。エヴァのパイロットだし」

アスカ「……ふぅ〜ん」

ヒカリ「碇くんは鈴原たちと喋ってるから気がついてないみたいだけど……あ、ほら」

アスカ「…………」

ヒカリ「あの子も話しかけるタイミングいつも伺ってるみたいだけど、鈴原達が邪魔で話しかけられないみたい」

アスカ「知らなかったわ……」

ヒカリ「アスカは碇くんしか見てないでしょ?」

アスカ「そ、そんなことっ!」

ヒカリ「ない?」

アスカ「ないわ!」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 23:15:46.56 ID:xrrgNCTK0
ヒカリ「(いつも碇くんのこと見てるのに……)」

アスカ「だいたいあんなののどこがいいのよ。そりゃエヴァのパイロットっていうのはステータスだろうけど」

ヒカリ「うーん」

アスカ「ちょぉっとは、ほんのちょぉっとは頼りになるかな、なんて思う時もあるわよ? けど、それはエヴァに乗ってる時だけだし」

ヒカリ「…………」

アスカ「だから、あんなのに話しかける子が不幸にならないよう、私からあいつのダメなとこ言いまくってやるわ」

ヒカリ「…………そうだね、碇くんってダメダメだよね」モグモグ

アスカ「――ヒカリ。今なんつったの?」

ヒカリ「私もあの人のどこがいいのかわかんない。かっこわるいし――」

アスカ「――やめて」

ヒカリ「…………アスカ、やっぱり怒るんじゃない」

アスカ「えっ?」

ヒカリ「なんで止めようとするの?」

アスカ「え? え〜それはその〜」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 23:26:26.88 ID:xrrgNCTK0
ヒカリ「ずっと碇くんのこと見てるよね? ううん、目で追ってる」

アスカ「うっ」

ヒカリ「碇くんは今日はなにしてた?」

アスカ「…………今日?」

ヒカリ「うん」

アスカ「えっと、朝一緒に登校してから、ホームルーム前にトイレに行ってたわね。でもあんまり時間かからなかったから、たぶん小だったみたい。
それで、教室に帰ってきたら鈴原達と少し話して授業の準備。パソコン立ち上げてたんだけど調子悪かったのかな? ……なんだか顔しかめてたから。
そのあとは授業を受けて四回、窓の外を見てた。授業中によそ見しちゃだめよね。でもたまーに横顔もいいかな、なんて。
なにか気になることあるのかなって思って私も窓の外を見たんだけど、なにもなかったわ。
それからまたトイレに行って、今度は少し時間かかってたから大だったのかも。そのあと体育だったでしょ?
男子はグラウンドで走っててシンジは中間ぐらい。ほんとなんにでも中間ぐらいよね。

それから――――ヒカリ? どうしたの?」

ヒカリ「………………」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 23:32:04.07 ID:xrrgNCTK0
アスカ「ひ、ヒカリ? 箸が落ちてるわよ?」

ヒカリ「あ、アスカ。碇くんは見られてること気がついてる?」

アスカ「え? 気がついてないわよ。夢にも思ってないんじゃない?」

ヒカリ「そ、そう。それならよかった」

アスカ「…………ヒカリって私の友達よね?」

ヒカリ「えっ? う、うん」

アスカ「まだ日は浅いけど、私と仲良くしてくれる?」

ヒカリ「も、もちろんよ」

アスカ「ちょっと声をさげてほしいんだけど…………絶対に大声あげないでね?」

ヒカリ「う、うん。わかった」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 23:38:33.73 ID:xrrgNCTK0
アスカ「実は――ネルフの意向でシンジと私、一緒に住んでるの」

ヒカリ「え、えぇえええぇ!?」

アスカ「――声が大きい! みんなこっち見てるじゃない!」

ヒカリ「ご、ごめんなさい。でも、大丈夫なの?」

アスカ「なにが?」

ヒカリ「だって碇くんだって男の子だよね……」

アスカ「はぁ……。ヒカリまでそんなこと言うのね。大丈夫よ。あいつヘタレだし」

ヒカリ「アスカがそう言うなら……」

アスカ「うん、私も誰かに話聞いてほしかったの」

ヒカリ「話?――ちょっと待ってお茶飲ませて」

アスカ「――どうやってシンジと一緒に寝られるかなって」

ヒカリ「――ぶふぅっっっ!!」


81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 23:45:14.30 ID:xrrgNCTK0
アスカ「きゃあ⁉︎ ちょっとヒカリ汚いっ!」

ヒカリ「ご、ごごめんなさ――アスカ! 碇くんと寝るの⁉︎」

アスカ「シンジと一緒に寝るとぐっすり眠れたのよ」

ヒカリ「…………え? ってことはもう寝たの⁉︎」

アスカ「一晩だけだけど……ヒカリ、大丈夫?」

ヒカリ「………………い、碇くんは、その、大丈夫だった?」

アスカ「最初は戸惑ってたけど、受け入れてくれたみたい」

ヒカリ「………その、なにもなくて寝るだけなんだよね?」

アスカ「そうよ?」

ヒカリ「そ、そっかぁ」

アスカ「ヒカリ、顔真っ赤だけど………」

ヒカリ「なんでアスカは真顔で話せるの⁉︎」

82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 23:56:19.27 ID:xrrgNCTK0
アスカ「そんなにおかしい?」

ヒカリ「おかしいわよ!」

アスカ「そうなのかな……そうかも」

ヒカリ「例えば、誰でもいいけど相田くんとかと一緒に寝たいと思う?」

アスカ「思わないわね」

ヒカリ「鈴原がそばで寝てたらどうする?」

アスカ「[ピーーー]わ」

ヒカリ「碇くんは?」

アスカ「…………んー、まぁ、シンジだしいいかな」

ヒカリ「アスカって碇くんのことが好きなんだね」

アスカ「……なんでそうなるの?」

ヒカリ「………………」

アスカ「ひ、ヒカリ? こめかみがひくついてるわよ?」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 00:09:25.31 ID:Q9xDn2vR0
ヒカリ「……落ち着くから一緒に寝たいんだったよね?」

アスカ「うん」

ヒカリ「碇くんが受け入れてくれるなら、大丈夫なんじゃない?」

アスカ「それがそうもいかなくて、ネルフの管理人がいるんだけどその女が邪魔なのよ」

ヒカリ「じゃ、邪魔?」

アスカ「そう、あんまりにもムカつくから刺し殺してやろうかと思ったけど。死体の処理方法なんかわからないからやめたわ」

ヒカリ「………………」

アスカ「なにかいい方法ないかしらぁ、昨日はシンジの服を持ってきて寝たんだけど、イマイチだったのよね」

ヒカリ「ふ、ふく………」

アスカ「そう、シンジの服って結構いい匂いするのよ。私も昨日知ったんだけど。シンジがシャワー浴びてる時に脱衣所で歯磨きしてたら目に入って、部屋に持って帰っちゃった」

ヒカリ「………………」

アスカ「ずーーーーーっと匂い嗅いでたらなんだかふわふわしちゃったけど」

ヒカリ「あ、アスカって服かぐのが趣味なの?」

アスカ「ううん。シンジのがはじめて」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 00:18:51.38 ID:Q9xDn2vR0
ヒカリ「…………ど、どうしよう」

アスカ「ヒカリ? どしたの?」

ヒカリ「………アスカの心配してたけど……碇くんのほうが危ないかも……」

アスカ「シンジがぁ? 大丈夫よ。私が守ってあげるって約束したし」

ヒカリ「……やっぱり、自覚ないんだよね」

アスカ「ヒカリ? なに言って――」

ヒカリ「大丈夫! 私は応援するよ!」

アスカ「あ、ありがとう?」

ヒカリ「碇くんにもなにも言わな………ううん、なにも言えないから安心して!」

アスカ「そ、そう?」

ヒカリ「あの、だから、他の子になにかしちゃだめだよ?」

アスカ「私が? 誰に?」

ヒカリ「――碇くんが告白されたらどうする?」


アスカ「――――…………」バキィッ


ヒカリ「ひぃ⁉︎ 箸が折れっ⁉︎」

アスカ「――誰が告白するの?」

ヒカリ「しないしないしないしないっ! 誰も告白しない!」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 00:40:40.80 ID:Yd4JNMsQ0
シンジがちゃんと相手した結果一週間も経たずにこの病みっぷりである。
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 10:00:13.97 ID:Q9xDn2vR0
- ネルフ本部 -

マヤ「LCL電荷」

オペレーター「パルス送信。リスト、ヒトサンゴーマルまでオールクリア」

リツコ「レイ、シンジくん、アスカ。いつも通り、リラックスして」

ミサト「……………」

マヤ「ハーモニスク正常値。深度さげます。0.1、0.2、0.3………」

リツコ「……………」

マヤ「0番、シンクロ率50.3%。1番、シンクロ率53.4%。共に精神汚染ギリギリです。………2番にはかなりの余裕があります」

リツコ「あと0コンマ3さげてみて」

マヤ「了解。…………これはっ! す、すごいです! シンクロ率72.3%! 過去最高です!」

リツコ「……………」

ミサト「どういうこと?」

リツコ「見たままよ」

ミサト「アスカのドイツでのデータは?」

リツコ「平均して50%未満といったところかしらね」

ミサト「かなりの上昇率ね……理由として考えられることは? 赤木博士」
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 10:14:40.06 ID:Q9xDn2vR0
リツコ「第一に、アスカの精神状態がとても安定していることが考えられるわね」

ミサト「…………」

リツコ「エヴァとのシンクロは精神汚染とのせめぎ合いでもあるわ。より深く、高いシンクロ率をだすためには多幸感、すなわち心身共に健康であることが重要なのよ」

ミサト「…………シンジくんと一緒に住んでるから?」

リツコ「可能性としてはありえるわね。ただし、さらに検証するためには二人を引き離すことになるけど」

ミサト「うーん」

リツコ「科学者としては実験に賛同したいところだけど、あまりオススメはできないわ。とりかえしがつかなくなる可能性もある」

ミサト「…………ふぅ」

リツコ「どうするの? 作戦本部長さん」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 10:27:48.01 ID:Q9xDn2vR0
- ネルフ 第三通路 自販機前 -

アスカ「ふんふふ〜んっ♪」

シンジ「ご機嫌だね、アスカ」

アスカ「あったりまえよ! なんてったって私がシンクロ率70%を叩きだしたんだから!」

レイ「……………」

アスカ「まぁ、私がちょっと本気になればこの程度お茶の子さいさいなんだけど!」

シンジ「あはは」

アスカ「シンジはいいとして、あんたは残念ねぇ〜」

レイ「……………」

シンジ「あ、アスカ」

アスカ「……なんとか言ったらどうなの?」

レイ「……………別に」

アスカ「はぁ。あんたってほんと変わった子よね」

レイ「…………………」

アスカ「シカトしてるの? 優等生みたいになんでもはいはい聞く子は私なんか相手にする気ないのかしら〜?」

89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 10:33:16.39 ID:Q9xDn2vR0
レイ「……………シンクロ率が高いと、そんなに嬉しい? なぜ?」

アスカ「嬉しいに決まってるじゃない! みんなが褒めてくれる! ミサトだってバツの悪そうな顔してたわ!」

レイ「…………あなたは人に褒められるために、エヴァに乗ってるの?」

アスカ「――っ! 悪いっ⁉︎」

レイ「…………………」

アスカ「…………………」

シンジ「……二人とも、やめなよ」

アスカ「………はんっ。あんた、人形みたい」

レイ「……………私は人形じゃない」
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 11:14:43.81 ID:Q9xDn2vR0
加持「――とりこみ中かな?」

アスカ「あっ! かじさぁ……ごほん……加持さん、どうしたの?」

シンジ「……………」

加持「すこし、シンジくんと話がしたくてね」

アスカ「シンジとぉ?」

レイ「………………」

シンジ「……わかりました」

加持「すまないな。アスカ、シンジくんを借りてもいいかい?」

アスカ「え? えーと、その〜」

シンジ「アスカは先に帰ってなよ」

アスカ「いや!」

シンジ「すこし、遅くなるかもしれないよ」

アスカ「加持さん、遅くなるの?」

加持「いや、そんなに手間はとらせないさ」

アスカ「なら、待ってる」

シンジ「わかったよ、それじゃ行きましょうか。加持さん」

加持「ああ――」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 11:32:44.63 ID:Q9xDn2vR0
- ネルフ本部 男子ロッカールーム -

加持「アスカのシンクロ率を聞いた時は驚いたよ。うまくいってるみたいじゃないか」

シンジ「そんな、僕とアスカは別に」

加持「これからもアスカのサポートを続けてやってくれ」

シンジ「…………はい。大事な友達ですから」

加持「友達……ね」

シンジ「……?」

加持「ドイツでの暮らしぶり、アスカからなにか聞いたかい?」

シンジ「いえ、まだ、家族がいることだけ」

加持「…………そうか」

シンジ「加持さんはアスカとずっと一緒に暮らしていたんですか?」

加持「いや、日本に来るまでの三年間だけだ」

シンジ「……………」

加持「シンジくんと違い、彼女は幼い頃からエヴァ弐号機のパイロットとして選ばれてから英才教育を受けてきた」

シンジ「……………」

加持「あの歳で大学を卒業してるってこと、知ってたかい?」

シンジ「え、えぇ⁉︎ アスカってそんなに頭いいんですか⁉︎」
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 11:43:25.17 ID:Q9xDn2vR0
加持「もともとの物覚えの良さもあったんだろうが、努力の賜物だろうね」

シンジ「し、知らなかった」

加持「シンジくん。――アスカは愛情に飢えている」

シンジ「…………」

加持「まだ中学生の君には荷が重いかもしれないが、支えてやってくれ」

シンジ「…………加持さんは支えてあげないんですか?」

加持「ふっ。俺じゃダメなのさ。俺は大人の中で唯一アスカを女扱いしただけだからな」

シンジ「……………」

加持「難儀なことに、トラウマもかかえていてね」

シンジ「……………」

加持「そのトラウマを取り除くには、アスカ自身ときちんと向き合う異性が必要なのさ」

シンジ「……………」

加持「シンジくんさえよければ、アスカと向き合ってやってくれ。そうすれば、おのずとアスカからシンジくんに全てをさらけだすだろう」

シンジ「………………ずるいや、そんなの」

加持「君にはいつも謝ってばかりだが、すまないな」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 12:41:26.14 ID:Q9xDn2vR0
- 夜 ミサト宅 -

アスカ「…………」もぐもぐ

シンジ「…………」

アスカ「……だめ。我慢できない。どうかしたの?」

シンジ「…………ん?」

アスカ「帰ってからずっと変よ、あんた」

シンジ「あぁ……そうかな」

アスカ「加持さんとなにかあったの?」

シンジ「……………」

アスカ「加持さんは、悪い人じゃないと思うけど……なにか言われたの?」

シンジ「そうじゃないんだ」

アスカ「………?」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 12:50:35.99 ID:Q9xDn2vR0
シンジ「アスカは、加持さんのことが好きだったの?」

アスカ「えっ⁉︎ なに、いきなり」

シンジ「…………」

アスカ「あ、あんた………もしかして、ヤキモチ妬いてるの?」

シンジ「なんでそうなるんだよ!」ズッコケ

アスカ「だっていきなりそんなこと聞くなんておかしいじゃない!」

シンジ「……………」

アスカ「し、シンジ? そんなに嫌だった?」

シンジ「僕は、別に」

アスカ「うそ! ずぅぇ〜ったい変!」

シンジ「………はぁ」

アスカ「そ、その、加持さんのことはそりゃあ前はちょっと、ううん、かなりいいかなって思った時も…………あるけど」

シンジ「……………」

アスカ「でも! それはもう過去の話よ! 今は別になんともない!」

シンジ「……………」

アスカ「シンジ? ……なんとか言いなさいよ!」

シンジ「ごちそうさま」

アスカ「ぁ………」
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 12:57:37.53 ID:Q9xDn2vR0
ミサト「ただいまぁ〜………あら? 電気ついてない? シンちゃぁ〜ん? アスカぁ〜? いないの〜?」


電気パチッ


ミサト「――――………………いぃっっっっ⁉︎」

アスカ「……………」

ミサト「あ、アスカ……あんた、電気もつけないでなにやってるの………?」

アスカ「……………」

ミサト「ちょ、ちょっと?」

アスカ「……………」

ミサト「し、シンジくんは?」

アスカ「……………ない」

ミサト「はい?」

アスカ「いないって言ってんのっ!!!!!」
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 13:07:42.72 ID:Q9xDn2vR0
- 近くの公園 -

シンジ「はぁ、なにやってんだろ」

加持『アスカを、支えてやってくれ』

シンジ「ふぅ。僕は…………」



レイ「――………碇くん?」



シンジ「……綾波?」

レイ「………………」

シンジ「こんなところで、どうしたの?」

レイ「…………いま、帰りだから」

シンジ「あぁ、そっか。この公園、通り道なんだね」

レイ「…………碇くんは、どうして?」

シンジ「僕は、なんとなく、帰りたくなくて」

レイ「………………そう」

シンジ「うん」


レイ「…………うち、くる?」
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 13:30:01.82 ID:Q9xDn2vR0
- アスカ 自室 -

アスカ「なによなによなによっ! なんなのよ!」ドカンッ

アスカ「(昔のことなんかどうだっていいじゃない!)」

アスカ「(私だって、シンジにそんなのいても……。うーん、嫌かも?)」

アスカ「(待って。落ち着くのよ、アスカ。私、シンジが嫌なことしたのかな?)」

アスカ「(シンジが他の女と腕を組む……嫌。シンジが他の女に抱きつく……嫌。でも、私にとって加持さんはシンジにとってのミサトみたいな……そう、保護者?)」

アスカ「(加持さんは私のことを女の子、お姫様扱いしてくれた。だから良かった。好きだと思ってた)」

アスカ「(シンジがミサトに抱きついてたら………? 不潔。嫌。信じらんない)」

アスカ「(私、シンジにそういうこと見せつけてた………?)」
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 13:41:56.34 ID:Q9xDn2vR0
- ミサト宅 リビング -

ミサト「ペンペン〜。いつからこの家はこうなってしまったのかしらね〜。密度濃すぎると思うのよ」

ペンペン「クエ〜」


ドタドタドタドタッ!


アスカ「ミサトッッッ!!!!」

ミサト「は、はい⁉︎」

アスカ「シンジは⁉︎ どこ⁉︎」

ミサト「さ、さぁ〜?」

アスカ「保安部でもなんでもいいからはやく連絡取りなさいよ!!! 私知ってるんだからね!!警護についてるの!!!」

ミサト「――っ⁉︎」

アスカ「シンジになにかあったらどうするつもり⁉︎」

ミサト「ちょっと、落ち着きなさい」

アスカ「チッ、押し問答にかまってる暇なんてないのよ! 私、探しに行ってくる!」

ミサト「アスカ⁉︎ ちょ! 待ちなさい!」


ダダダダダッ ガチャン バチンッ!


ミサト「………はぁ」
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 14:12:01.66 ID:Q9xDn2vR0
- 近くの公園 -

シンジ「――綾波のうち?」

レイ「…………」コクリ

シンジ「あぁ、うん。でも、悪いよ」

レイ「……………いい」

シンジ「うーん」



アスカ「――――シンジッ!!」



シンジ「あ、アスカ?」

レイ「……………」

アスカ「はぁっはぁっ……(ファーストがなんでこんなところに! でも今は……)……シンジ、私が悪かったわ。謝る。ごめん」

シンジ「……………」

アスカ「ごめん。加持さんとはもう本当になんでもないの。そう、気がついたから」

シンジ「…………アスカが謝ることないよ」

アスカ「……………」

シンジ「僕は、すこし、反抗してたのかもしれない」

アスカ「えっ?」

シンジ「(そう、誰かに押しつけられるのが嫌だったんだ。そうされなくてもアスカは友達なのに)」

アスカ「……私から加持さんに文句いってくる!」

シンジ「えぇ⁉︎ いいよ! やめてよ!」

アスカ「だって、シンジ、なにか言われたんでしょ?」

シンジ「加持さんは、アスカのこと心配してた」

アスカ「――え? え、そうなの?」

シンジ「うん。だから、悪い人じゃないんだと思う」

アスカ「……そう。…………あの、一緒に帰ってくれる?」

シンジ「…………そうだね。……綾波も、ありがとう」

レイ「……………もういいの?」

シンジ「うん。僕になにができるかわからないけど」

レイ「……………そう」

アスカ「し、シンジ? ファーストとなにしてたの?」

100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 14:21:24.00 ID:Q9xDn2vR0
シンジ「綾波は僕のこと心配してくれてたんだ」

レイ「………………」

アスカ「………………」

レイ「……………嫌になったら、言って」

アスカ「――なっなぁんですって〜⁉︎」

シンジ「あ、ありがとう」

アスカ「ふ、ファースト! あんた………っ!!」

シンジ「あ、アスカ! 帰ろう! 綾波も、また学校で!」

レイ「………………」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 14:36:02.70 ID:Q9xDn2vR0
- ミサト宅 -

アスカ「ねぇ、シンジ。ソファーもっとそっちつめてよ」

シンジ「これ以上、向こうにいけないんだけど」

アスカ「それじゃ私が寝転がれないじゃなぁ〜い」

シンジ「……………」

アスカ「よいしょっと。う〜いい感じ。膝枕ってわりといいのね」

シンジ「足、痺れそう……」

アスカ「そんぐらい我慢しなさいよ! 私の髪さわれるんだから役得でしょ?」

シンジ「え? 触っていいの?」

アスカ「…………触りたいの?」






ミサト「……………帰ってきてからずっとあの調子」

ペンペン「クエ〜」

ミサト「歳をとるってこういうことなのかしらねぇ〜〜」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 14:49:20.33 ID:Q9xDn2vR0
- 翌日 第三新東京市立第壱中学校 昼休み -

アスカ「――それでさぁ、シンジってば加持さんにヤキモチ妬いたらしくて、帰ってから様子おかしかったのよね。ずっと変だとは思ってたけど。
でも、私も悪いことしたなって気がつくことができて、謝ったの。そしたらシンジも許してくれて――ヒカリ、聞いてる?」

ヒカリ「……うん」

アスカ「それで、今日の朝なんだけど、私の好きなおかずお弁当にいれてくれて。これ見て? すごくない?
同年代でこんなやつなかなかいないと思うのよね。だめだめ。そんなに見たってあげないからね。これは私のなんだから」

ヒカリ「……うん、あのアスカ」

アスカ「シンジったらさぁ………ん? なに?」

ヒカリ「も、もう、碇くんの話はいいかなー」

アスカ「そう? でもかわいいとこあんのよねあいつ。なんていうか小動物? 無害っぽいしだから気が休まるのかしら――」

ヒカリ「あ、アスカ!」

アスカ「えっ?」

ヒカリ「もう! 碇くんの話は! いいから!」

アスカ「う、うん。わかった」


103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 14:53:54.43 ID:Q9xDn2vR0
ヒカリ「………………」もぐもぐ

アスカ「………………」もぐもぐ

ヒカリ「………………」もぐもぐ

アスカ「………………」もぐもぐ

ヒカリ「………………はぁ。アスカ、いいよ。碇くんの話して」

アスカ「えっ? だってさっき――」

ヒカリ「碇くんの話しないと何も喋らないじゃない!!」

アスカ「そんなことないわよ」

ヒカリ「ふぅ。碇くんとは一緒に、その、寝れたの?」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 15:00:01.72 ID:Q9xDn2vR0
アスカ「んーん。それはまだ」

ヒカリ「だから今日は眠そうなんだ」

アスカ「うん、一晩中起きてたから」

ヒカリ「……えっ。アスカってもしかして不眠症?」

アスカ「ううん。一晩中、シンジの顔ながめてたの」

ヒカリ「――――えっ?」

アスカ「…………」もぐもぐ

ヒカリ「アスカ。お願い、私の聞き間違いよね? ずっと起きて碇くんの顔見てたの?」

アスカ「そうよ?」

ヒカリ「その間、碇くんは?」

アスカ「寝てたわ」

ヒカリ「明かりもつけずに一晩中?」

アスカ「目が慣れてくるとけっこう見えるのよ?」

ヒカリ「あ、アスカっ! しっかりして!」
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 15:04:47.48 ID:Q9xDn2vR0
アスカ「ど、どうしたのよ? ヒカリ」

ヒカリ「碇くんはどこにもいかないよ!」

アスカ「なによ、突然。どっか行っても捕まえるわ」

ヒカリ「そういう意味じゃなくて……!」

アスカ「じゃあどういう意味?」

ヒカリ「もしかして、碇くんに、依存、しだしてるんじゃ……⁉︎」

アスカ「……?」

ヒカリ「どうしよう、碇くんに伝えた方がいいのかな………でも…………」

アスカ「ヒカリ、さっきからブツブツ言ってどうしたの?」

ヒカリ「いくらなんでも早すぎるよ!」バンッ

アスカ「うわぁ⁉︎ な、なにが?」
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 15:06:01.24 ID:KZbMBXQTO
やべぇよ、やべぇよ........
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 15:13:25.03 ID:Q9xDn2vR0
ヒカリ「アスカ。お願い。真剣に聞いて」

アスカ「う、うん」

ヒカリ「私たちまだ日が浅い友達だけど……ううん、碇くんとなにがあったかわからないけど」

アスカ「そうね?」

ヒカリ「アスカの、その、まっすぐなところは凄く良いとこだと思うの」

アスカ「ありがと」もぐもぐ

ヒカリ「碇くんと、一度話合った方がいいんじゃないかなぁ?」

アスカ「………なにを?」

ヒカリ「……(しっかりするのよヒカリ! くじけちゃだめ! でもどうしたら伝わるの!)」

アスカ「――ぷっ!」

ヒカリ「あ、アスカ?」

アスカ「ヒカリって本当に良い子なのね。みんなから委員長って言われてるのがわかるわ」

ヒカリ「あ……」

アスカ「うん、私達、親友になれそうな気がする」

ヒカリ「えっ?」

アスカ「これからもよろしくね! ヒーッカリ!」

ヒカリ「う、うん!」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 15:29:30.17 ID:Q9xDn2vR0
ヒカリ「そ、それでね、アスカ――」



女生徒「あの、碇くん」



シンジ「ん、えーと」

女生徒「あの、放課後、体育館裏まで来てくれませんか………待ってますから……!」

トウジ「な、なんやぁ?」

ケンスケ「ひゅ〜。やるもんだなぁ〜」

シンジ「あの……! 行っちゃった」

トウジ「センセ、今のはもしかして告白なんちゃいまっか?」

シンジ「えぇ⁉︎」



ヒカリ「さっきの子って、いつも話しかけるのを伺ってた――――ひぃっ!」

アスカ「――――………」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 18:44:49.01 ID:Q9xDn2vR0
ヒカリ「す、鈴原ぁっ! あんたちょっと黙りなさいよっ!」


トウジ「なんや委員長! 昼休みぐらい好きに騒いだってええやろがいっ!」

ケンスケ「まぁまぁ」


ヒカリ「――あ、アスカ? 」

アスカ「……どしたの? ヒカリ」

ヒカリ「あ、あれ? なんでもない?」

アスカ「さっきの子。大丈夫かな?」

ヒカリ「……え? うん。もう教室に帰ったみたいだけど」

アスカ「そうじゃなくて、シンジにフラれちゃうでしょ?」

ヒカリ「ん?」

アスカ「なぁに?」

ヒカリ「碇くんがフるかはまだわからないんじゃない?」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 18:48:33.87 ID:Q9xDn2vR0
アスカ「だって、シンジには私がいるでしょ?」

ヒカリ「……あのね、アスカ。碇くんとアスカはお友達なんだよね?」

アスカ「あったりまえじゃない!」

ヒカリ「碇くんと付き合ってるわけじゃないんだよね?」

アスカ「なぁっ⁉︎ な、なななななんで私がバカシンジと⁉︎」

ヒカリ「(…………これって………ひょっとして………)」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 19:02:31.38 ID:Q9xDn2vR0
- 放課後 体育館裏 -

ケンスケ「ほら! こっちだよこっち!」

トウジ「ほほ〜、こんなええスポットがあったとはのー」

ケンスケ「(本当は隠し撮りのスポットなんだけどさぁ)」

ヒカリ「アスカ、こっちこっち」

アスカ「……はぁ。私は別に」

トウジ「しっかし、委員長から覗きを提案してくるとは………おぬしも悪やのう」

ヒカリ「ち、違うわよっ! これはアスカのためで――」

トウジ「はぁ? なんや、それ?」

ヒカリ「(アスカはきっと好きってことを認められてない――だから、認めさせればいいのよ)」

ケンスケ「シッ! 誰かきた!」
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 19:13:49.95 ID:Q9xDn2vR0
シンジ「………………」




ケンスケ「先にシンジかー」

トウジ「なんや、えらいソワソワしてないか? ――いだだだだだだっ!」

アスカ「………っ!」

トウジ「ちょ! おまっ! 指が肩に! どんな握力――」

ヒカリ「鈴原! 静かに我慢して!」

トウジ「ぬ、ぐぐぐ…………」

ケンスケ「おっ、あっちから誰かくる」
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 20:35:14.55 ID:Q9xDn2vR0
女生徒「……ぇ……あ………」

シンジ「――……」




ヒカリ「〜〜っ! 全然声が聞こえないじゃない!」

ケンスケ「(しかたないだろ〜隠し撮りスポットなんだから)」

アスカ「…………」

トウジ「いっ⁉︎ ほ、骨がミシミシいうとる!」

ヒカリ「これじゃアスカが自覚できないじゃない!」

ケンスケ「……なぁるほど。そういうことかあ」

トウジ「ちょ、誰かこいつを止め……っ!」

ヒカリ「相田くん、わかったの?」

ケンスケ「まぁ、なんとなく」

ヒカリ「っ! あっ!碇くんの胸に飛び込んだっ――」



女生徒「……っ!」

シンジ「…………………」



アスカ「――――このっ!」

トウジ「あっ! いっ⁉︎ 」ゴキン

ヒカリ「あ、アスカ⁉︎ ちょ。ちょっとまって!」

ケンスケ「お、おい! トウジ! しっかりしろ!」

トウジ「……………」

ケンスケ「あ、泡ふいて………」

ヒカリ「だめ! 相田くん! アスカ止めて!」

ケンスケ「わあぁ⁉︎」



アスカ「――ちょっと! なにやってんのよっ!!!」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 20:57:15.26 ID:Q9xDn2vR0
シンジ「あ、アスカ?」

女生徒「えっ……あの……その……」

アスカ「はやく離れなさいよっ!」

女生徒「………ご、ごめんなさいっ!」


タタタタッ


ケンスケ「いてて……」

ヒカリ「もう! 覗かせるだけのはずだったのに!」

ケンスケ「あの女生徒はどっか行っちゃったのかぁ」

ヒカリ「私たちも碇くんの前に行かないと――!」
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 22:06:17.56 ID:Q9xDn2vR0
ヒカリ「――い、碇くん!」

シンジ「洞木さん、ケンスケまで?」

ケンスケ「よ、よぅ……」

アスカ「………………」

ヒカリ「あのっ! ごめんなさい! こんなつもりじゃなかったの!」

シンジ「え、えーと」

ケンスケ「……………はぁ」

シンジ「とりあえず、落ち着いてよ」

ヒカリ「どうしよう! 私、碇くんに言うべきだったのに!」

アスカ「ヒカリ……」

ケンスケ「(こりゃパニックになっちゃってるなぁ)」

シンジ「アスカ」

アスカ「なによ?」

シンジ「とりあえず、洞木さんを落ち着かせよう」

アスカ「……そうね。ほら、ヒカリ、大丈夫よ」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 22:12:28.87 ID:Q9xDn2vR0
――――
―――


ヒカリ「……ごめんなさい、取り乱しちゃって」

ケンスケ「(委員長はまじめだからなぁ)」

アスカ「……ん。もう平気?」

ヒカリ「……うん」

シンジ「ケンスケ、トウジは?」

ケンスケ「あっちで伸びてる」

シンジ「……やっぱり、いたんだ」

ケンスケ「なぁ、碇。………ごめんな?」

シンジ「……うん、まぁ、なんて言ったらいいか」

117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 22:21:11.80 ID:Q9xDn2vR0
ケンスケ「さっきの子は、フったんだろ?」

シンジ「うん……」

ヒカリ「…………あ、あの。碇くん」

シンジ「…………?」

ヒカリ「今回のこと、私がアスカたちを誘ったの」

シンジ「洞木さんが?」

ヒカリ「ごめんなさい――」

シンジ「えっと」

アスカ「ヒカリ……私が出て行ったから……」

ヒカリ「ううん。やっぱり良くなかったのよ」

ケンスケ「碇! 頼む! この地獄を早く終わらせてくれ!」コショコショ

シンジ「………はぁ。洞木さん、アスカ、ケンスケ。わかった。もういいよ」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 22:28:45.26 ID:Q9xDn2vR0
ヒカリ「ほ、ほんと――?」

シンジ「きっと何か理由があったんだろうから」

アスカ「…………シンジ」

ケンスケ「よしっ! これでもう終わりっ!」

ヒカリ「(碇くんに今言わなくちゃ――)」




ウーーーッ
『緊急警報、緊急警報、市民の皆さんは速やかに避難してください――』




シンジ「――アスカ!」

アスカ「使徒ぉ⁉︎」
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 22:35:04.46 ID:Q9xDn2vR0
- ネルフ本部 司令部 -

シゲル「警戒中の巡洋艦、「はるな」より入電、「ワレ、キイハントウオキニテ、キョダイナセンコウブッタイヲハッケン。データオクル」」

マコト「受信データを照合…波長パターン青、使徒と確認!」

冬月「総員、第一種戦闘配置」




ミサト「先の戦闘によって第3新東京市の迎撃システムは、大きなダメージを受け、現在までの復旧率は26%。実戦における稼働率はゼロといっていいわ」

ミサト「したがって今回は、上陸直前の目標を水際で一気に叩く!」

ミサト「初号機ならびに弐号機は、交互に目標に対し波状攻撃、近接戦闘で行くわよ」

シンジ&アスカ「了解!」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 22:42:18.23 ID:Q9xDn2vR0
- 初号機 弐号機 プラグ内通信 -

アスカ「シンジ。あんたは私が守ってあげるから後方で支援」

シンジ「えぇ⁉︎ 交互に近接なんじゃ?」

アスカ「怪我したらどうすんのよ! 私は日本でのデビュー戦なんだし……まぁ見てなさいって」

シンジ「命令違反はまずいよ! 僕独房に入ったことあるんだ!」

アスカ「……あんたがぁ?」

シンジ「その、二体目の使徒で………」

アスカ「あんたも逆らうことあんのね」

シンジ「うん、まぁ」

アスカ「ファーストまではいかないけど、あんたも優等生だと思ってたわ」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 23:04:59.68 ID:Q9xDn2vR0
シンジ「……くるよ!」

アスカ「チッ、通信中にしゃらくさいわねぇ!」



アスカ「どぉうりゃあぁ〜〜〜〜」ズパーン




シンジ「え? 終わった? ――お見事」

アスカ「ま、シンクロ率70%の私にかかれば当然よね。戦いは、常に無駄なく美しくよ」



シンジ「(なんだ? なにか違和感が………)」
アスカ「(これで、終わり、じゃないような……)」



シンジ「――アスカぁッッ!!! まだ!」
アスカ「シンジぃッッ!!!」



ミサト「ぬぁんてインチキッ!」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 23:10:56.64 ID:Q9xDn2vR0
- ネルフ本部 モニター室 -

マヤ「本日午前10時58分15秒、2体に分離した目標甲の攻撃を受けた初号機は、駿河湾沖合い2キロの海上に水没」

マヤ「同20秒、弐号機は目標乙の攻撃により活動停止。この状況に対するE計画責任者のコメント」

リツコ「無様ね」

マヤ「午前11時3分をもって、ネルフは作戦の遂行を断念、国連第2方面軍に指揮権を譲渡」

冬月「まったく恥をかかせおって!」

マヤ「同05分、N2爆雷により目標を攻撃」

冬月「また地図を書き直さなきゃならんな」

マヤ「構成物質の28%を焼却に成功」

アスカ「……………」

シンジ「……………」

冬月「再度侵攻は時間の問題だな」

加持「ま、建て直しの時間が稼げただけでも、儲けもんっすよ」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 23:18:32.12 ID:Q9xDn2vR0
- ネルフ本部 ミサト デスク -

リツコ「関係各省からの抗議文と被害報告書。で、これがUNからの請求書、広報部からの苦情もあるわよ」

ミサト「ふ〜……」

リツコ「ちゃんと目を通しておいてね」

ミサト「読まなくても分かってるわよ、喧嘩をするならここでやれ、って言うんでしょう?」

リツコ「ご明察」

ミサト「いわれなくったって、使徒が片付けばここでやるわよ」

リツコ「副司令官はカンカンよ。今度恥かかせたら左遷ね、間違いなく」

ミサト「碇司令が留守だったのは不幸中の幸いだったけどさ」

リツコ「いたら即刻クビよ。これを見ることもなく、ね」

ミサト「で、私の首がつながるアイディア、持ってきてくれたんでしょ?」

リツコ「一つだけね」

ミサト「さっすが赤木リツコ博士、持つべきものは心優しき旧友ね〜」

リツコ「残念ながら、旧友のピンチを救うのは私じゃないわ」

リツコ「このアイディアは加持くんよ」

ミサト「――加持の?」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 23:27:13.76 ID:Q9xDn2vR0
- ネルフ本部 第三通路 自販機前 -

シンジ「(あの瞬間、なにかデジャヴみたいな――)」

アスカ「(ううん、なにか、もっとはっきりした――)」


シンジ&アスカ「(――なんだろう?)」


加持「二人とも、残念だったな」

シンジ「…………」

アスカ「…………」

加持「――どうした?」

シンジ「あ、いえ……なんでも」

アスカ「ミサトは?」

加持「大人は片付けがあるものさ」

アスカ「……そ」

加持「おそらく、2日は缶詰めだろうな」

アスカ「え? それって……」

加持「俺が二人の監督を頼まれてるんだが、あいにく、暇じゃなくてね。口裏を合わせてくれるかい?」

シンジ「え? でも――」

アスカ「――合わせる! 加持さんはうちにいたことにすればいいのね!」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 23:51:21.66 ID:Q9xDn2vR0
- 夜 ミサト宅 -

シンジ「あ、あの…………アスカ」

アスカ「ん〜?」

シンジ「あの、ソファーでテレビ見るのはいいんだけど……ちょっとひっつきすぎなんじゃ」

アスカ「そぅ? 前に膝枕してたじゃない?」

シンジ「今日は僕が座って、あ、アスカがピッタリくっついてるじゃないかぁ!」

アスカ「…………だめ?」

シンジ「まずいよ! 胸あたってるよ!」

アスカ「当ててるって言ったら……?」

シンジ「………………」ゴクリッ

アスカ「いやらしい顔してるわよ……?」

シンジ「テレビ、見ないの?」

アスカ「シンジの顔見てる」

シンジ「(だめだ、だめだ、流されちゃだめだ!)」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 23:56:03.17 ID:Q9xDn2vR0
シンジ「そうだ! 風呂はいらなきゃ!」

アスカ「え〜」

シンジ「あ、アスカもLCLの匂いついてるよね?」

アスカ「シャワーで洗い流すじゃない」

シンジ「あ……そうだった」

アスカ「でも、いいわよ。はいりたいんでしょ?」

シンジ「う、うん」

アスカ「……そ。なら入ってきなさい」
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 00:01:24.56 ID:SaTmY3T50
- シンジ 風呂の中 -

シンジ「(……なにか、すごい危機を感じる)」

シンジ「(はぁ……どう接したらいいのかな)」

シンジ「(アスカと向き合うには……)」

シンジ「(とりあえず、上がったら普通にしよう)」

128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 00:07:44.08 ID:SaTmY3T50
- ミサト宅 リビング -

シンジ「…………あれ? アスカ?」

シンジ「(いない、寝たのかな)」



ゴンッ!



シンジ「――痛っ!」

アスカ「……………」

シンジ「(頭、殴られ)………あ……(意識が)……アスカ」ドサァ

アスカ「……………」



129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 00:18:37.46 ID:SaTmY3T50
アスカ「シンジ、やっと二人になれたね。今日はあんたが告白されるからびっくりしたわ。あんた、押しに弱そうだから抱きつかれた時は思わず止めに入っちゃった。
だいたいあの子――あの女もムカつくのよね。私たちみたいにエヴァパイロットじゃないのに勘違いしちゃってさぁ。
ありえなくない? 普通告白する? しないわよ。きっとあの女はシンジを騙そうとしてたんだわ。だから私が守ってあげたの」

シンジ「………」

アスカ「ヒカリも色々心配してくれて良い子なんだけどイラっとしちゃった。あぁ〜あ。せっかく親友になれると思ったのに。……でも、シンジがいればいい。私にはシンジがいればいいの。
とりあえず、あの女の自宅を今度エヴァで出撃したときにさりげなくふんずけとくわ」

シンジ「…………」

アスカ「加持さんのこと、本当にごめんね。でも私はもうシンジだけだから。シンジしかいないから。だから、もっと私を見て」

アスカ『私だけを見て』
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 00:29:50.22 ID:0HU90raSO
ヒエッ
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 02:20:00.41 ID:ei4Z/LWzo
伏線が回収されないからモヤモヤするけど面白いなこれ
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 06:08:12.29 ID:AhCVwc7pO
ダブルとか前世?とか伏線残しつつ本編は面白い
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 10:20:30.86 ID:SaTmY3T50
- 翌日 ミサト宅 -

シンジ「――……う……うぅん」

シンジ「(この天井は……部屋の……昨日はたしか……)」

ギシッ ギシッ

シンジ「(……なんだよこれ⁉︎ なんなんだよこれっ⁉︎)」

シンジ「(ベットに縛りつけられてる! 手足が動かせない……っ! それに口もガムテープで……喋れない!)」



アスカ「…………シンジ。起きた?」



シンジ「ふごふご……んんぅーっ⁉︎」

アスカ「昨日はごめんね? 痛かった?」

アスカ「今日は学校は行かなくていいみたいだから、ずっと一緒にいましょ。本当は、ずっとこうしていたいけど、ミサトにバレたら一緒に住めなくなるし」

シンジ「(アスカ……! これほどいてよ!)」

アスカ「暴れちゃいけないから、縛ったの。一応、口も。でも安心して。今日一日シンジのことはなんでも私がやってあげる。もちろんトイレも。なにも汚くなんかないよ」

シンジ「(どこ見てるんだよ……アスカ……あれは? 古い………人形? なんだ?)」

アスカ「ずっと、ずっと、ずっとずっとずっとズット。こうなる日を待ち望んでたのかもしれないわ。――だって! 私はこれまでで一番幸せを感じてる!」

アスカ「エヴァと比べたら……まだわからないけど、でも、きっとこのままいけば………!」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 10:28:21.91 ID:SaTmY3T50
シンジ「(アスカ………それは人形だよ!)」

アスカ「――私は、私は、よくわからなくなっちゃったの」

アスカ「どうしたらいいのか……ママは……私を見てくれない」

シンジ「(……! ママ?)」

アスカ「どうしたらママは私を見てくれたの? わからないのよ! シンジ! ねぇ! どうしたらママは私だけを見てくれたの⁉︎」

シンジ「(もしかして………アスカのトラウマって………! うっ!)」

ギュゥー ギリギリ

シンジ「(アスカッ……! 首を締めてきてる……!)」

アスカ「お願いだから私だけを見て! もうどこにも行かないで!」

シンジ「(い……息がッ……!)」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 10:33:32.60 ID:SaTmY3T50
アスカ「――…………ッ⁉︎ ご、ごめん! シンジ!」

シンジ「げほっげほっ! ……ふーふー……」

アスカ「私……ママと同じこと……ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」

アスカ「息が苦しいの? ガムテープはがした方がいい?」

シンジ「ふーっふーっ」コクコク

アスカ「………でも、騒いだりしない?」

シンジ「…………」コクリ

アスカ「わかった……。首赤くなってる。ごめん。今はがすね」

136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 10:46:08.35 ID:SaTmY3T50
シンジ「あ、アスカ……」

アスカ「…………」

シンジ「(ここは何て言うべきか、間違えちゃいけない気がする……でも、どうしたら……)」

アスカ「…………」

シンジ「その人形は?」

アスカ「――――ッ」ビクッ

シンジ「どうしても知りたいんだ。もしかしてお母さんに関係あることなの?」

アスカ「…………うん」

シンジ「(向き合わないと……! 逃げちゃだめだ。逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ……!)」

シンジ「………アスカ。お腹すいてない?」

アスカ「――――えっ?」

シンジ「お腹すいてるなら、なにか作るよ」

アスカ「どこか行こうとしてる?」

シンジ「そうじゃないんだ。アスカが心配なだけで」

アスカ「うそっ! いきなりこんな状態で私の心配なんかするはずないっ!」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 10:56:14.82 ID:SaTmY3T50
シンジ「……心配なんだ。アスカのことが」

アスカ「あんたバカァ⁉︎ 大バカよ! 私のこと嫌わないとおかしいじゃない!」

シンジ「(やっぱり、アスカはきっと揺れてるんだ。おかしいことがわかるってことは……)」

アスカ「シンジ! あんたまさか私を騙そうとしてるの⁉︎」

シンジ「(だけど、振り幅が大きい。不安になると信じられなくなって、疑って、傷つけようとする)」

アスカ「………もう私………」

シンジ「アスカ。本当なんだ。本当に心配してる」

シンジ「(だから、アスカには、気持ちで話すんだっ!)」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 11:19:49.92 ID:SaTmY3T50
アスカ「嘘よ! だってまだ一週間もたってないじゃない! それなのに、こんなの信じられない!」

シンジ「……僕も、そう思う。だけど、ほっとけないのは本当だから」

アスカ「シンジ……私、あんたにはじめて会った時、懐かしいって思ったの。ねぇ、あんた、なんなの?」

シンジ「――それは僕にもわからない。けど、今は、そんなことよりもアスカのことが心配なんだ」

アスカ「…………」

シンジ「信じてほしいんだ。アスカ」

アスカ「…………」

シンジ「僕はどこにもいかないよ。お母さんと何があったのかも、話せるときに話してくれたらいい。アスカが話やすい時に」

アスカ「………ぅっ……うっ……」

シンジ「焦らなくていいんだ。だって僕たちはまだ子供なんだから」

アスカ「シ、シンジィ………」



加持『そうしてれば、アスカから全てをさらけだすだろう』


シンジ「これからの時間も、これまでのアスカのことも、ゆっくり解決していけばいいんだよ。アスカ」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 11:36:31.60 ID:SaTmY3T50
――――
―――


アスカ「シンジ、縛ってたところ、痛くない?」

シンジ「うん」

アスカ「本当? 頭も、病院行かなくて平気?」

シンジ「血はでてないし、大丈夫だよ」

アスカ「な、なんでもするから。なにかあったら言うのよ?」

シンジ「大丈夫だよ、アスカ」

アスカ「あの、シンジ……」

シンジ「ん?」

アスカ「私、少し頭冷やしてくる。ヒカリにも、告白した子にも、なんだか悪いことしちゃったから」

シンジ「え? けど、今日は学校行ってないからあんまり出歩かない方がいいんじゃ」

アスカ「少し、考えたいの」

シンジ「………そっか」

アスカ「体調大丈夫よね? い、いなくならないわよね?」

シンジ「うん……」

アスカ「わかった。それじゃぁ……」

シンジ「――いってらっしゃい」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 12:20:57.88 ID:SaTmY3T50
- ネルフ本部 ラボ -

加持「よっ」

リツコ「あら、あの子達はもういいの?」

加持「俺の出る幕じゃないさ。多少余計な口出しはしてしまったみたいだがね」

リツコ「終わりよければすべてよし、とも言うわよ? それにシンジくんは理想的な成長をしているといえるんじゃないかしら?」

加持「…………」

リツコ「あの子、加持くん以上の女たらしになるかもしれないわね」

加持「ふっ。たしかに、シンジくんの働きぶりには感心させられるよ……アスカのトラウマは克服できそうじゃないか?」

リツコ「四歳にして目の前で母親が首吊り自殺をしているのを見るのは並大抵のことではないわよ」

加持「まだしばらく不安定だと?」

リツコ「さぁ? 未来は不確定だけど、条件付きならば、はやい段階で――とは言えるんじゃないかしらね」

加持「フォースの選定に間に合えばいいんだが――」

リツコ「(おそらく、あの子たちの立場が逆転することになる)」

加持「マルドゥック機関には介入できないかい?」

リツコ「口出しすれば、碇司令が黙っちゃいないわよ?」

加持「……ふぅ〜」

リツコ「加持くん、あまり根を詰めすぎると死ぬわよ。これは友人としての忠告」

加持「ご忠告痛みいるよ。しかし、俺はなんでも自分で確かめないと気が済まないタチでね」

リツコ「(やるつもりなのね、介入)」

加持「それじゃリッちゃん、また今度」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 13:52:27.06 ID:SaTmY3T50
- 第三新東京都市 繁華街 -

アスカ「(はぁ。今さらになって凄い自己嫌悪だわ……)」

アスカ「(冷静になってみると、痛いやつよね。私って)」

アスカ「(碇シンジ……。もうすぐ一週間だけど……普通に考えたらここまで心の距離が近づくなんてありえない)」

アスカ「(違う。そうじゃない。私から心を開くなんてありえない………だけど――――)」


アスカ「(――――惹きつけられる)」


アスカ「(これまでの人生で、加持さんだって、ううん、出会ってきた中でこんなことなかった)」

アスカ「(シンジ………懐かしいことと関係があるの?)」


カップル男「なぁなぁ、あの子かわいいな?」
カップル女「どこ見てるの! 信じられない!」


アスカ「(……はん。バッカみたい。昼間からイチャつくとか。しかも男も薄っぺらいし、あんなのならシンジのほうがよっぽど………)」

アスカ「(――いつから? 屋上で私を守るって言ってくれた時から、ずっとシンジのこと見てた)」

アスカ「(………もしかして、はじめて会った時から?)」

アスカ「………はぁ」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 14:02:28.56 ID:SaTmY3T50
- ミサト宅 -

ミサト「シンジくーん? アスカー? いるー?」

シンジ「――あれ? ミサトさん? 明日まで泊まりこみで仕事じゃなかったんですか?」

ミサト「えへへ、日向くんにお願いして切り上げてきちゃった」

シンジ「(昨日じゃなくてよかった)……はぁ、いいんですか?」

ミサト「まぁまぁ。それよりアスカは? ちょっと二人に話があるのよ」

シンジ「アスカなら今出てますよ」

ミサト「ん〜そっかぁ〜。帰りは遅くなるのかしら? あんまり時間がないのよねぇ〜」

シンジ「今日はすこし、時間を与えてあげてください。僕でできることならしますから」

ミサト「……なんかあったの?」

シンジ「いえ、仲直りしただけです」

ミサト「ふぅん。時間……必要なのね?」

シンジ「……はい」

ミサト「……わかったわ。今回の話は二人の協力が不可欠だし……どーんと! のんびりして待ちましょうか!」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 14:37:31.28 ID:SaTmY3T50
- 第三新東京都市立第壱中学校 放課後 校舎前 -

ヒカリ「…………」テクテク

アスカ「ヒカリっ! ヒカリっ!」

ヒカリ「………? ――アスカ?」

アスカ「ずっと待ってたのよ。よかった」

ヒカリ「待ってたってここで?」

アスカ「うん、昨日のこと謝ろうと思って」

ヒカリ「ううん。もういいの」

アスカ「昨日の、あの子は……」

ヒカリ「あの子には、私から謝っておいたから大丈夫よ。私のせいなんだし」

アスカ「…………」

ヒカリ「…………」

アスカ&ヒカリ「…………あの」

アスカ「……あ」

ヒカリ「……えへへ。ねぇ、よかったら、うちに遊びにこない?」
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 14:46:48.70 ID:SaTmY3T50
- 洞木宅 -

ヒカリ「もうすぐしたらご飯だけど、アスカも食べてく?」

アスカ「うぅん。そこまでしてもらっちゃ悪いし、いいわ。シンジも待ってるだろうし」

ヒカリ「――くす」

アスカ「なによ?」

ヒカリ「本当にアスカは碇くんのことが好きなんだなぁって」

アスカ「ヒカリ、前もそれ言ってたわよね」

ヒカリ「うん、だってそうなんだもん」

アスカ「……はぁ。シンジのことは、たしかに、うん、これまでにないぐらいの人だとは気がついたわよ」

ヒカリ「――ほんとっ⁉︎」

アスカ「……私がこれほどまでに気になるなんて、悔しいけど、認めざるをえないわ」

ヒカリ「アスカ、前に碇くんのこと「気にかけてやってる」って言ってたのってやっぱり認めたくなかったから?」

アスカ「……ん。そうなのかも。私からいくのは大人の余裕のある人ばかりだったから」

ヒカリ「…………」

アスカ「受け入れてくれるっていう安心感がないとだめなのよ。だから大人を求めてたのかもしれないわ」

ヒカリ「うんうん。年上ってそういうところあるよね」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 14:53:38.94 ID:SaTmY3T50
アスカ「だけど、大人はみんな私のことエヴァのパイロットとしてしか見てくれなかった。私のことを見てくれたのは加持さんだけ」

ヒカリ「…………」

アスカ「………。加持さんも私のことを女の子として扱ってたけど、子供としても扱っていたわ」

ヒカリ「…………」

アスカ「シンジは、シンジだけは、私と対等に、エヴァのパイロットとしても、子供同士としても向き合ってくれた」

ヒカリ「………なんだか、ずるいな」

アスカ「えっ?」

ヒカリ「恋愛って、自分と向き合ったり、人と向き合わなきゃできないことだから、アスカが大人に見える」

アスカ「そうかしら……」

ヒカリ「うらやましいよ。昨日はまったくそんなとこ見せなかったのに。気がつくことができたじゃない」

アスカ「…………うん。でも、ヒカリもそういうことわかってるってことじゃないの?」

ヒカリ「私は、少女漫画の影響だから……えへへ」

アスカ「…………ふふ」

ヒカリ「アスカも見たいなら言ってね? 少女漫画うちにたくさんあるから」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 14:59:57.96 ID:SaTmY3T50
ヒカリ「……でも、よかった」

アスカ「ん?」

ヒカリ「アスカ、このままだとなにしでかすかわからない感じだったから」

アスカ「――――あー、うん」

ヒカリ「……?」

アスカ「ヒカリ、引かないで聞いてくれる?」

ヒカリ「もう夜中見てたとか言われなくても引かないわよ」お茶グビグビ

アスカ「――シンジを監禁したの」

ヒカリ「ぶふぅっっっ!!」

アスカ「うわぁっ⁉︎」
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 15:16:44.99 ID:SaTmY3T50
ヒカリ「あ、アスカァ⁉︎」

アスカ「も、もう大丈夫。解放してあるから」

ヒカリ「解放って――碇くんは大丈夫なの⁉︎」

アスカ「う、うん。なんともないっていつも通りしてくれてる」

ヒカリ「…………」

アスカ「さ、さすがにやりすぎたとは思ってるわよ」

ヒカリ「………すごいね」

アスカ「………うん。でもあいつバカだから。凄いと思ってないんだろうけど」

ヒカリ「…………碇くんってね、転校した時、孤立してたのよ」

アスカ「そうなの?」

ヒカリ「うん。エヴァのパイロットっていうこともあったけど、昼休みは一人でいることが多かった」

アスカ「鈴原から殴られたことあるって聞いたことあるわ」

ヒカリ「……鈴原は妹さんが巻き込まれたから」

アスカ「でも、それは事故よ」

ヒカリ「……うん。私たちにはできないこと、碇くんやアスカたちはしてる」

アスカ「………」

ヒカリ「みんな感謝してるのよ。口にださないだけで。だから、鈴原のことあんまり悪く言わないであげて」

アスカ「……わかった」

ヒカリ「あのね、アスカ」

アスカ「うん?」

ヒカリ「ちょっと耳かしてくれる?」

アスカ「はぁ? だってここには誰も……まぁいいわ、なに?」

ヒカリ「実は、私――」

アスカ「――――――よりによって、すずはらぁっっっっ⁉︎」
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 15:23:25.52 ID:SaTmY3T50
転校した時→×
転校してきた時→○
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 16:31:13.48 ID:W/mdtUk0O
- ミサト宅 夜 -

アスカ「すぅー……はぁーっ。よしっ!」

ガチャ

アスカ「シンジ! ただい――」

ミサト「お帰りなさ〜い!」

アスカ「――ミ、ミサトっ?」

ミサト「待ってたわよん」

アスカ「仕事は?」

ミサト「まぁまぁ。いいからいいから。それじゃ、はじめましょーか!」

アスカ「なにを?」

ミサト「今度の作戦準備。ほら、シンちゃんはリビングで待ってるからさっさと行って」



ミサト「――第7使徒の弱点は1つ! 分離中のコアに対する二点同時の荷重攻撃、これしかないわ」

シンジ「……荷重攻撃?」

ミサト「つまり、エヴァ2体のタイミングを完璧に合わせた攻撃よ。――そのためには2人の協調、完璧なユニゾンが必要なの」

アスカ「ユニゾンってそんな無茶な……」

ミサト「そ・こ・で、無茶を可能にする方法。二人の完璧なユニゾンをマスターするため、この曲に合わせた攻撃パターンを覚え込むのよ」

アスカ「…………」

シンジ「…………」

ミサト「使徒は現在自己修復中。既に2日ロスしたから第2波は4日後、時間がないわ。頼むわね」
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 16:41:41.35 ID:W/mdtUk0O
- 翌日 ミサト宅 -

アスカ「な、なによこれぇ〜〜〜⁉︎」

ミサト「あら? 気に入らなかった?」

アスカ「こんなダサいTシャツを私に着ろってゆーの⁉︎」

ミサト「シンちゃんとペアルックよん?」

アスカ「――ほ、ほんと?」

ミサト「もちろん、シンちゃんは今自分の部屋で着替えてるから」

アスカ「は、はん。ま、まぁ。しかたないわね!」

ミサト「アスカ、あんた素直になったりつんつんしたり忙しいのね」

アスカ「どういう意味よっ⁉︎」

ミサト「ご覧の通り見たままの意味よ、さ、ちゃっちゃと着替えちゃいなさい」

アスカ「む、ムカつく……っ!」
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 17:38:37.11 ID:SaTmY3T50
- ミサト宅 リビング -

ミサト「さて、それじゃ今日から本格的に特訓スタートよ! はりきって――どうしたの? 二人とも」

シンジ「(こ、この服は……予想以上に)」
アスカ「(恥ずかしい……っ!)」

ミサト「ちょっと、大丈夫?」

アスカ「な、なんでもないわ! 続けて」

ミサト「……まずは、リズムを覚えるところから。曲に合わせてゲーム感覚でやってもらいます」

シンジ「ゲーム……ですか?」

ミサト「シンちゃんはゲームセンターとかいかない? ネルフスタッフがダンスゲームみたいに作ってくれたのよ」

アスカ「ふぅ〜ん」

ミサト「まずは、合わせてみましょうか」

シンジ「はい」

ミサト「それじゃ! ミュージックスタートォゥ!」
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 18:30:54.87 ID:SaTmY3T50
- 3日後 ミサト宅 玄関前

トウジ「しかし、シンジの奴どないしたんやろなぁ」テクテク

ケンスケ「学校を休んで、もう三日だもんなぁ〜」テクテク

トウジ「この間の出撃となにか関係あるんやろか?」テクテク

ケンスケ「さぁ〜?」テクテク

トウジ「あれ? あそこにおるんは、委員長やんか」テクテク

ヒカリ「す、鈴原、相田くん」テクテク

トウジ「なんでイインチョがここにおるんや?」テクテク

ヒカリ「私はアスカのプリント渡しに。あなたたちこそどうしてここに?」テクテク

ケンスケ「シンジのプリント渡しに」テクテク


ヒカリ「そうなんだ」ピタッ

トウジ「……なんでここで止まるんや?」ピタッ
ケンスケ「……なんでここで止まるんだ?」ピタッ


ヒカリ「え? えーと、その………(二人はアスカと碇くんが一緒に住んでるって知らないの……?)」

トウジ「……ケンスケ、ほれ、チャイム」

ケンスケ「あ、あぁ……」



ピンポーン



シンジ&アスカ「はぁ〜〜〜い」



トウジ「…………おまっ⁉︎ まままままままぁっ⁉︎」

ケンスケ「……………いやぁ〜んな感じ」

ヒカリ「……………はぁ」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 18:45:14.30 ID:SaTmY3T50
- ミサト宅 リビング -

トウジ「――それならそうとはよう言うてくれればよかったのに」

アスカ「…………学校でいいふらしたら承知しないからね」

トウジ「するか! シンジもいい迷惑やろ!」

アスカ「なにが迷惑なのよ⁉︎」

トウジ「どっちやねん!」

ヒカリ「……それでユニゾンはうまくいってるんですか?」

ミサト「それが――」

ケンスケ「うまくいってないんすか?」

ミサト「うまくいっちゃったのよね……」

アスカ「またその話?」

ミサト「だぁってこんなに合うとは思わなかったんだもの! 時間があまりまくっちゃってさぁ」

アスカ「昼間からビール飲めていいじゃない……」

ヒカリ「(……アスカ、うまくできてるんだね)」

トウジ「なぁなぁ、シンジの部屋はどこや?」

シンジ「それなら、あっち――」

ケンスケ「碇! 今日は俺たちからプレゼントがぁ⁉︎」

アスカ「なに? これ」ヒョイ
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 18:51:55.58 ID:SaTmY3T50
トウジ「そ、そそそそそれはぁ⁉︎」

ケンスケ「と、トウジ! 緊急事態だ! 取り返せ!」

トウジ「よしきた――! ぐへぇ⁉︎」バキッ

アスカ「――フンッ。エリート育ち舐めんじゃないわよ」

ヒカリ「アスカ、それなんなの?」

アスカ「ちょっと待って……なんか……ケースみたいな………⁉︎」

ヒカリ「――ど、どうしたの? アスカ」

アスカ「ヒカリも見てみたら?」

ヒカリ「うん…………こ、これは⁉︎」

ケンスケ「…………碇、部屋に行かせてくれ」

シンジ「部屋なら、そこまっすぐいって左手だよ」

ヒカリ「ちょっと鈴原と相田くん!! アンタたちっ!! そこ座りなさいよっ!!!」

ミサト「(思春期と言ったら、どうせエロ絡みね……)」
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 19:00:18.69 ID:SaTmY3T50
――――
―――


ヒカリ「碇くんはあんた達とは違うんだからね!!」

トウジ&ケンスケ「…………はい」

アスカ「………サル」

トウジ「ぐっ⁉︎ ゴミを見るような目で……!」

アスカ「ゴミに失礼ね」

ケンスケ「………はぁ」

シンジ「あ、あの………そろそろ」

トウジ「シンジだって溜まるもの溜まってしょうがないに決まっとるやろがいっ!」

ヒカリ「す、鈴原ぁっ!!」

トウジ「見てみいや! 家に帰ればミサトさん! ……とゴリラ女がおるんやで!」

アスカ「――誰がゴリラですってぇ⁉︎」

トウジ「シャラップッ! ミサトさんのこんなあられもない姿を見たシンジがワシはあわれであわれで……」

ミサト「あはは」

アスカ「遺言はそれだけ?」

156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 19:14:22.05 ID:SaTmY3T50
トウジ「センセも男ならわかるよなぁ⁉︎」

シンジ「いや、えーと」

アスカ「…………」

ヒカリ「…………」

ミサト「(さぁ、シンちゃん。どう切り抜けるのかしら)」

シンジ「うーん、まぁ、少しはあるよ」

トウジ「ほら見て――ぐっ」バキッ

アスカ「シンジッ! 私とミサトどっち⁉︎」

シンジ「あー。んー………」

ヒカリ「ちょ、ちょっとアスカ」

アスカ「……………」

ミサト「(身を乗り出しちゃってまぁ)」

シンジ「アスカ、かな」

アスカ「ほんとっ?」

シンジ「うん」ポリポリ

アスカ「じゃあ部屋行きましょ!」

シンジ&ヒカリ&ケンスケ&ミサト「えぇっ⁉︎」

アスカ「……なによ?」
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 19:22:46.00 ID:SaTmY3T50
ヒカリ「アスカっ! ぜんぜん変わってないじゃない!」

アスカ「私は何事も焦らないようにしただけよ。シンジはいなくならない。それはわかったわ。だけど、そういうことに興味もあるし――」

ミサト「それはちょぉっとストップ!」

ヒカリ「アスカ! はじめては大切なのよ!」

アスカ「シンジと私の邪魔する気……?」

ケンスケ「…………いかりぃ。感想はきかせてくれよなぁ」

シンジ「そ、それははやすぎるよ!」

アスカ「シンジなら嫌じゃないし私のことでしょ!」

ヒカリ「アスカはまだ気持ちに気がついたばかりじゃない!」

シンジ「え? 気持ちって?」

アスカ「――ヒカリっ⁉︎」

ヒカリ「え? ――うそ⁉︎ 碇くんまだ知らないの⁉︎」
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 21:11:25.93 ID:SaTmY3T50
アスカ「その、シンジは――」

ケンスケ「(普通、ここまであからさまなら気がつくけどなぁ)」

シンジ「アスカ、ゆっくりでいいよ」

アスカ「…………う」

ヒカリ「(知らないんだわ。アスカがもう受け入れてること……碇くんはアスカを待ってるつもりなのね……でも、待って。碇くんの気持ちは?」

トウジ「いつつ〜」

ヒカリ「(碇くんがアスカを友達だと思ってるだけだとしたら……? きゃーっ! なんか少女漫画っぽい!)」

アスカ「………ヒカリ?」

ヒカリ「――え? な、なに?」

アスカ「鈴原はいいの?」

ヒカリ「え⁉︎ あ、アスカぁっ⁉︎」

トウジ「…………なんや?」

アスカ「ふん……お返しよ」

ミサト「とにかく、これで戦闘準備は万端ってことで」

159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 21:20:49.43 ID:SaTmY3T50
- 作戦決行日当日 発令所-

シゲル「――目標は、強羅絶対防衛線を突破!」

ミサト「……おいでなすったわね、今度は抜かりないわよ」

ミサト「音楽スタートと同時に、A.T.フィールドを展開。後は作戦通りに。2人とも、いいわね?」


シンジ&アスカ「了解!」


シゲル「――目標は、山間部に侵入!」


アスカ「準備はいい? 最初からフル稼動、最大戦速で行くわよ」

シンジ「分かってるよ。62秒でケリをつける」


シゲル「――目標、ゼロ地点に到達します!」

ミサト「外電源、パージ」

ミサト「期待してるわよぉ。発進っ!」
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/15(水) 22:12:47.20 ID:SaTmY3T50
- 作戦決行から1日後 第壱中学校 屋上 -

シンジ「アスカはネルフだし、なんだか、久しぶりに一人の気がするや」

シンジ「(短い期間に色々とあったけど……)」

シンジ「(アスカは、トラウマを話てくれるようになってはじめてきちんと向き合うことになるのかな)」

シンジ「(今は、アスカはきっと勘違いしてるだけなんだ……)」




〇〇「どいてどいてぇ〜〜〜〜!!」

シンジ「――えっ?」




ドカンッ


〇〇「……………いたたぁ〜〜。………ねぇ⁉︎ ちょっと大丈夫⁉︎」

シンジ「……………」

〇〇「あっちゃぁ〜〜。こりゃ完全にオチちゃってるじゃん!」


ピリリリリ
――ピッ

〇〇「――Hello? あぁ。なんだ加持くんか。こちらマリ。予測地点から5kmも離れてるよぉ〜」

マリ「うん………うん………ゲンドウくんには気がつかれてないのね……了解」

マリ「――あぁ〜〜まった! それと、1人処理お願い。中学校の屋上でのびてるから」

ピッ

マリ「さぁてと――」
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 12:37:20.21 ID:K9SVglgJO
これ誰か読んでるのか?
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 13:03:25.41 ID:etk4KPtGo
読んでるぞ
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 14:01:40.74 ID:xBCsP1ILO
読んでるぞい
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 20:56:53.68 ID:IlEdCiTd0
- ネルフ本部 ラボ -

リツコ「――月経ね」

アスカ「……女だからってなんでこんな思いしなくちゃならないのよ」

リツコ「痛み止め、飲んどく?」

アスカ「……ちょうだい」

リツコ「3日もすれば痛みはだいぶなくなると思うわよ。その間はプラグテストもしなくて大丈夫」

アスカ「……………」

リツコ「シンジくんとの生活は慣れた?」

アスカ「……えぇ。問題ないわ」

リツコ「ミサトからかなり親密な関係だと聞いたけれど」

アスカ「ミサトってそんなことまで話すの……」

リツコ「一応、私はパイロットのカウンセリングも仕事なの。アスカにとってシンジくんはどんな存在?」

アスカ「…………」

リツコ「報告させたくはないんだけど?」

アスカ「…………っ! プライベートはないの⁉︎」

リツコ「あなたの精神面に問題がなければ聞きはしないわ」

アスカ「…………」

リツコ「ふぅ。キョウコ博士についてなんだけど――」

アスカ「――やめてっ!! わかった! 言うわよ!」
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 21:02:27.77 ID:IlEdCiTd0
リツコ「それで?」

アスカ「…………シンジは、私にとって大切な人よ」

リツコ「具体的には?」

アスカ「そ、それは……」

リツコ「異性として見ている、ということ。かしらね」

アスカ「…………」

リツコ「沈黙は肯定とするわよ」

アスカ「…………」

リツコ「必要なことだから聞くけど――」

アスカ「…………」

リツコ「――シンジくんが死んだらどうするつもり?」

アスカ「――っ⁉︎ シンジは死なないわっ! 私が守るものっ!」

リツコ「なぜそう言いきれるの? 彼もエヴァパイロットなのよ? 常に危険は側にある」

アスカ「そんなことないっ! 絶対に死なせない! シンジが死んでほしいの⁉︎」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 21:09:27.61 ID:IlEdCiTd0
リツコ「論点のすり替えね。誰も彼に死んでほしいなんて言ってないわよ?」

アスカ「………っ!」

リツコ「ただし、私達にはいつでも代替え案が必要だとは言っておくわ。人が生き残るためにはね」

アスカ「使い捨ての駒にするつもりっ⁉︎」

リツコ「――いいえ。そうできるほどあなた達パイロットに価値がないわけではない。エヴァパイロットを選ぶのはそう簡単ではないのよ」

アスカ「……………」

リツコ「あなた、加持くんはもういいの?」

アスカ「……………」

リツコ「恋愛はロジックではないわ。しかし、簡単に乗り換えるのはシンジくんに不誠実だと言えるのではないかしら?」

アスカ「――――っ⁉︎ 違うわ! 加持さんは私が勘違いしてだけよ! シンジみたいに本当に見てくれてたわけじゃなかった」

リツコ「加持くんになにを求めようとしていたの?」

アスカ「…………」

リツコ「大人の余裕、かしらね?」

アスカ「くっ………」

リツコ「人は分析をしていても、その分析が間違っているか正解かどうかなんてわからないものよ。自分で判断している」

アスカ「な、なにが言いたいのよ⁉︎」
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 21:17:21.08 ID:IlEdCiTd0
リツコ「あなたは周囲から認められなければいけないという強迫観念に囚われているんじゃない?」

アスカ「…………」

リツコ「そう考えれば、加持くんへ……大人達への強い憧れも一種の自立性と見えなくもないわね」

アスカ「…………」

リツコ「シンジくんに依存しすぎるのはやめなさい」

アスカ「――っ! な、なんでそんなこと言われなくちゃならないのよ!」

リツコ「危険だからよ」

アスカ「私はシンジに依存なんかしてないっ! 対等に向き合ってるだけよっ!」

リツコ「……………」

アスカ「こんなカウンセリングに意味もない! 不快なだけだわ!」

リツコ「パイロットとして機能しなくなれば、シンジくんにしろあなたにしろ、どうなるかわからない?」

アスカ「今はうまくできてるじゃない! シンクロ率だって私は70%なのよ⁉︎」
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 21:24:35.13 ID:IlEdCiTd0
リツコ「…………今はそれでいいかもしれないわね」

アスカ「そうよ! 嫌なことがあっても乗り越えて見せるわ!」

リツコ「失うものが大きすぎるほど失った時に辛いわよ。失った時に、それがわかるわ」

アスカ「わかってるわよ! ママみたいになるのはもうたくさんっ!」

リツコ「…………そう」

アスカ「――もう帰るわよ」

リツコ「またカウンセリングが必要になった時はいつでもいらっしゃい」

アスカ「よくも……っ! 二度とくるわけないでしょ⁉︎」

リツコ「(――いいえ。あなたは来るわ。必ずね)」

アスカ「……………ふんっ!!」
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 21:38:34.79 ID:IlEdCiTd0
- 第三新東京都市 繁華街 -

加持「のびてるのがシンジくんだと聞いた時は驚いたぞ」

マリ「……あぁ。彼がネルフのワンコくん?」

加持「なんだあ? 知らなかったのか?」

マリ「にゃはは。資料では見たけどあんまり興味なかったから気がつかなかった」

加持「……はぁ」

マリ「それより、ゲンドウくんは本当に気がついてないの?」

加持「おそらく、ね。泳がされてるだけかもしれないが」

マリ「可能性は?」

加持「五分五分といったところかな。分の悪い賭けかもしれないが」

マリ「ふぅ〜ん。あぁ〜ぁ。大人たちを巻き込むのは気後れしちゃうな」

加持「……よく言うよ」

マリ「それで? シナリオは?」

加持「ゼーレと碇司令のシナリオはいずれ剥離するのは確定済みさ」

マリ「それじゃ、『こっち』のシナリオは?」

加持「…………なんとも言えないね」

マリ「頼りないなぁ〜」
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 21:44:55.66 ID:IlEdCiTd0
加持「ま、なんとかなるさ。命ある限りは」

マリ「ふふん。そっちの方が頼り甲斐あるかも」

加持「そいつはどーも。……マルドゥックにはこのまま?」

マリ「……それしかないっしょ〜?」

加持「……愚問だな」

マリ「よいしょっと。さぁーて、それじゃはじめますか」

加持「わかってるだろうが、派手にやるなよ?」

マリ「だぁいじょーぶ! どんな物語にも種明かしは必要なのだよ!」

加持「……ふっ。違いない。その時が来ればだけどな」

マリ「それじゃ、また!」

加持「あぁ」





マリ「しっあわせわぁ〜♪ 歩いてこない♪ だぁから歩いてゆくんだ!ってね」
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 21:58:02.60 ID:IlEdCiTd0
- 夜 ミサト宅 -

シンジ「アスカぁ。今夜は炒め物でいい?」

アスカ「うん」

シンジ「……どうかした?」

アスカ「え? な、なんで?」

シンジ「落ちこんでるように見えたから」

アスカ「な、なんでもない! 私は元気よ!」

シンジ「……そっか」

アスカ「…………」

シンジ「(えーと、あれ? コショウきれてたかな……?)」

アスカ「…………」

シンジ「(後でミサトさんに電話して買ってきてもらおうかな?)」

アスカ「…………ねぇ、シンジ」

シンジ「ん? どしたの?」

アスカ「――もしも、もしもなんだけど、私たちってエヴァパイロットじゃなくても仲良くなれたかな?」
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 22:05:17.41 ID:IlEdCiTd0
シンジ「…………」

アスカ「…………」

シンジ「…………どうだろう」

アスカ「そ、そうよね。わからないわよね」

シンジ「うん……。だけど、僕はアスカと仲良くなれて嬉しいよ」

アスカ「…………うん」

シンジ「エヴァパイロットであることに嫌な気持ちしかなかったけど、アスカには助けてもらってるから」

アスカ「…………うん」

シンジ「今はパイロットだからわからないけど、そうじゃなくても他のことで仲良くなってたんじゃないかな」

アスカ「……そ、そう?」

シンジ「うん。わからないから仲良くならなかったかも、じゃなくて、仲良くなってた未来もあるはずだから」

アスカ「…………」

シンジ「………アスカ? どしたの?」

アスカ「…………」

シンジ「…………」

アスカ「エヴァパイロット……やめてもいいかもね」
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 22:09:21.92 ID:IlEdCiTd0
シンジ「アスカ……?」

アスカ「……ううん。なんでもない!」

シンジ「……?」

アスカ「シンジ! 私料理覚えるわ!」

シンジ「えぇ⁉︎」

アスカ「……そこってそんなに驚くこと?」

シンジ「え、でも、アスカ。包丁握ったことある?」

アスカ「ない、けど」

シンジ「…………そ、そうなんだ。じゃあまずは包丁の扱い方からだね」

アスカ「教えてくれる?」

シンジ「もちろん――」

アスカ「――シンジは、絶対に死なせない」ボソッ

シンジ「……え?」

アスカ「なんでもないの! さぁ! やるわよ!」
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 22:20:08.41 ID:IlEdCiTd0
- ネルフ本部 ??? -

キール「我々にはないシナリオがあるようだが?」

ゲンドウ「……問題ありません。とるにたらない出来事です」

委員会01「しかし、弐号機の艦隊戦はなんとかならなかったのかね。あの遭遇戦で、米艦隊は戦力の1/3を失ったよ」

委員会04「失ったのは君の国の艦隊だろう。気にすることでもない」

委員会03「左様。この程度で済んだのは、むしろ幸いと言える」

委員会02「碇君。本当に問題はないんだろうな?」

ゲンドウ「……はい。ネズミはいずれ罠にかかり自滅します」

委員会01「この場所での虚偽の発言は死に値するよ?」

ゲンドウ「……わかっております。皆様方には結果をもって成果を」

キール「よろしい。碇……余計な考えはおこすなよ?」

ゲンドウ「はい。全ては……ゼーレのシナリオ通りに」
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 22:30:35.70 ID:IlEdCiTd0
- 翌日 第三新東京都市第壱中学校 昼休み -

ケンスケ「いよいよ来週は修学旅行だぁ〜!」

トウジ「いやっほーう!」

ケンスケ「なぁ、どこからまわろうか?」

トウジ「そら決まっとるやろ! 沖縄ゆうたら首里城や!」

シンジ「うん、いいね」

ケンスケ「首里城か〜! カメラで撮ろうかな〜」






ヒカリ「――鈴原たち、すごくはしゃいでるね」

アスカ「……そうね」

ヒカリ「アスカ、悩み事?」

アスカ「……ううん。でも、なんだか頭から離れないことってない?」

ヒカリ「……? 水着のこととか?」

アスカ「…………」ガクッ

ヒカリ「ど、どうしたの?」

アスカ「なんでも。……そうね。いい加減切り替えなくちゃ。私らしくないわね」

ヒカリ「アスカ。悩み事があるなら、聞くよ?」

アスカ「……ありがと。――それはそうと、鈴原とは進んでるのぉ?」

ヒカリ「えぇ⁉︎」

アスカ「どうなの?」
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 22:50:36.20 ID:J2NUTy13O
エヴァ世界の沖縄って水没してそうだけどなんか作中で言及あったっけ
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 22:55:17.35 ID:IlEdCiTd0
ヒカリ「………その、まだ、なにも」

アスカ「はぁ? 少女漫画知識はどうしたのよ?」

ヒカリ「あ、あれはっ! 漫画だから……実際にできるわけじゃ……」

アスカ「……はぁ。私の時はすぐお節介するくせに」

ヒカリ「う、うぅ……」

アスカ「――いいわ。それじゃちょっと、私がお節介してあげる!」

ヒカリ「え⁉︎ アスカッ⁉︎」

アスカ「いくわよ、ヒカリ」グイッ



アスカ「…………」スタスタ
ヒカリ「(ちょっ、ちょっとアスカァッ!)」


トウジ「それと――なんや? ゴリラ女やないか」

アスカ「いい度胸ね。でも殴るのは話を聞いてからにしてあげる」

シンジ「……?」

アスカ「鈴原。あんたいっつも購買パンよね? なんで?」

トウジ「はぁ?」

アスカ「答えるか死ぬかどっちかにしなさい」

トウジ「簡単に[ピーーー]るか! ……ワシは妹の見舞いがあるからな。弁当を作る時間がないんや」

アスカ「ふぅ〜ん。購買パンって飽きるわよね?」

178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 22:56:38.94 ID:IlEdCiTd0
>>176
修学旅行先はアニメでも沖縄になっている
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 23:03:29.17 ID:EjDH3y8tO
>>178
サンクス
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 23:09:46.51 ID:IlEdCiTd0
トウジ「あぁ、まぁ。そやなー」

ケンスケ「トウジはいつも同じパンだもんなー」

アスカ「……ですってよ? ヒカリ」

ヒカリ「え、えぇ⁉︎ ここで私っ⁉︎」

トウジ「……はぁ? 委員長? 」

ヒカリ「――あ、あの!」

トウジ「……?」

ヒカリ「わ、私! 妹とお姉ちゃんのお弁当作ってるんだけど!」

トウジ「はぁ……それはえらいなぁ」

ヒカリ「い、いつも、作りすぎて、あまっちゃうんだ」

トウジ「………はぁ、そら大変やなぁ」

ケンスケ「…………」

シンジ「…………」

ヒカリ「だ、だから、食べてくれる人を、探してるんだけど」
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 23:15:22.09 ID:IlEdCiTd0
トウジ「…………はぁ?」

アスカ「(――ぐっ! この鈍感!)」

ヒカリ「あ、あの……だから、その………」

ケンスケ「それなら、トウジがぴったりだなぁ〜。碇もそう思うだろ?」

シンジ「……うん、そうだね」

トウジ「………ワシが?」

シンジ「うん、だってトウジ、パンに飽きてるんだろ?」

アスカ「(ナイスよ! シンジ! 相田!)」

トウジ「…………そうなるな」

ヒカリ「……………」

トウジ「…………それなら、委員長。ワシ、食べてもええんやろか?」

ヒカリ「――うんっ!」

ケンスケ「なぁ」コショコショ

シンジ「うん?」

ケンスケ「俺に春はいつくるのかなぁ〜」
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 23:22:49.55 ID:IlEdCiTd0
シンジ「……ケンスケって自分のこと僕って言ってなかった?」コショコショ

ケンスケ「雰囲気だろ! ていうか、ツッコむとこそこかよ!」コショコショ

アスカ「……よかったわね。ヒカリ」

ヒカリ「…………べ、べつに。鈴原に作るのはついでだから」

トウジ「そらえろうすんません」

ヒカリ「――ち、ちがうの! ちがわなくて! あ、アスカぁっ!」

アスカ「はいはい、わかったわよ」

ヒカリ「もう! ……でも私、料理できるなんて言ってた?」コショコショ

アスカ「いいえ」

ヒカリ「じゃ、じゃあどうして?」

アスカ「だって委員長ですもの。できて当たり前じゃない」

ヒカリ「…………」
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 23:30:46.04 ID:IlEdCiTd0
- 第三新東京都市 繁華街 デパート -

アスカ「ねぇねぇ、シンジ! こんなのはどうかな〜?」

シンジ「あ、え、えと。その。いいんじゃないかな」

アスカ「……もう。ちゃんと見てくれてる?」

シンジ「だ、だってここ、女性の水着売り場じゃないかぁ」

アスカ「……恥ずかしい?」

シンジ「う……。みんな僕たちのこと、その、カップルだって思ってるよ」

アスカ「それでもかまわないけど?」

シンジ「……………」

アスカ「シンジももうちょっとな部分があるのよね。でも私たち子供だからしかたないけど」

シンジ「…………うぅ」

アスカ「シンジ? まわりはまわりよ? なんとでも思わせておけばいいのよ。どうせ会うこともないんだし」
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 23:34:26.29 ID:fJjLz9mv0
もうエヴァの設定時代の2014年から、更に3年も経ったのか…
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 23:36:09.46 ID:IlEdCiTd0
シンジ「た、たしかに、会うことはないんだろうけど……」

アスカ「でしょ? 他人は他人。みんなそうやって生きてるのよ――あ、ほらほらっ! これは⁉︎ どう⁉︎」

シンジ「ちょ、ちょっと面積が少なすぎるんじゃないかな」

アスカ「えぇ〜〜。かわいいのに。シンジ。私がこんなの着て他の男に見られるのヤダ?」

シンジ「…………えぇと、どうかな」

アスカ「はい! そこも! そういう時はちゃんと嫌だって答えてくれなくちゃ!」

シンジ「あ、そうなんだ」

アスカ「そうよ? 私から指摘させたんじゃ、言わせてるってことになるでしょう?」

シンジ「……うん。そうだね」

アスカ「シンジもゆっくりいきましょ」

シンジ「……ありがとう。アスカ」

アスカ「いいのよ。それじゃこれは――⁉︎」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 23:44:45.80 ID:IlEdCiTd0
- 夜 ミサト宅 -

ミサト「ぷはぁ〜〜〜っ! くぅ〜〜! なんだかこの声あげるのも久しぶりな気がするわ〜!」

アスカ「ミサトは家にいる時、基本的に飲んでたでしょ」

ミサト「気にしなくていいのよん。メタ発言ってや〜つ」※ただの遊び心です。本編にはなんの関係もない

アスカ「……?」

シンジ「ミサトさん、来週、修学旅行なんですけど。知ってますよね?」

ミサト「あぁ〜。えっと沖縄だったかしら?」

アスカ「そうよ! まさか、行くな、なんて言うんじゃないでしょうね〜?」

ミサト「う〜ん。そのまさか」

アスカ「ふっ、ふざけるんじゃないわよ!!」

ミサト「仕方ないじゃなぁ〜い。エヴァがいつでも発進できるようにパイロットは必要なんだもの」

シンジ「……でも、僕たちの修学旅行ですよ?」

ミサト「私としても行かせてあげたいのが心情なんだけど、これも仕事なのよ」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 23:49:16.20 ID:IlEdCiTd0
アスカ「なんでもかんでもエヴァエヴァエヴァエヴァって!!」

ミサト「…………」

シンジ「アスカ……」

アスカ「私たちに人権はないの⁉︎」

ミサト「……申し訳ないと、思ってるわ」

アスカ「口ではなんとでも言えるわよっ!」

ミサト「……そんなに楽しみにしてたのね。ごめんなさい」

アスカ「私が欲しいのは謝罪じゃないわ! 許可よ!」

ミサト「…………」

アスカ「あぁ、もう! せっかく気分転換できると思ったのに!! なんなのよ!!!」
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 23:56:10.56 ID:IlEdCiTd0
ミサト「…………謝ることしかできない。ごめん」

アスカ「…………」

シンジ「…………」

アスカ「…………大人ってゴミね」

シンジ「アスカ……言いすぎだよ」

アスカ「シンジだってそう思うでしょう⁉︎ ずるいわよこんなの!」

ミサト「……厳しい言い方をするようだけど、あなた達の住まいやその他の待遇は、エヴァパイロットだからってこと忘れないで」

シンジ「――っ! み、ミサトさんっ!」

ミサト「シンジくんも。よく聞きなさい。あなた達は人類を守れる力がある。………そしてその義務も責務もある」

アスカ「…………」

ミサト「甘ったれたことばかり言ってちゃだめなのよ」

アスカ「…………ゴミに申し訳なかったわ。クズね」

ミサト「なんとでも言っていいわ。だけど、修学旅行は、ごめんなさい」

シンジ「……………」
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 00:01:17.31 ID:t0kjk3LK0
アスカ「………ミサトとは一緒にいたくない」

ミサト「…………」

アスカ「…………シンジ、部屋いきましょ」

ミサト「…………二人で部屋に行くの?」

アスカ「そうよ! 悪い⁉︎ 文句あんなら言ってみなさいよ!!!」

ミサト「いえ……ないわ」

アスカ「……行きましょ、シンジ」

シンジ「…………」
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 00:07:07.84 ID:t0kjk3LK0
- ミサト宅 アスカ部屋 -

アスカ「…………」

シンジ「…………」

アスカ「…………あぁ〜ぁ。シンジが選んでくれた水着きたかったなぁ」

シンジ「……また、機会はあるよ」

アスカ「シンジはムカつかないの?」

シンジ「しかたないことなのかなって思うから」

アスカ「ふぅん。やっぱりシンジは優等生なんじゃない? 本当に命令違反で独房に入ったの?」

シンジ「それは、本当だよ。……ごめん。やっぱり腹は立ってるのかもしれない」

アスカ「……シンジって、少し内罰的よね」

シンジ「そうかな?」

アスカ「シンジっていうか、日本人? なんでも自分が悪いんだ、しかたないことなんだぁって思いこもうとしてるでしょ?」

シンジ「……そう……かもしれない」
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 00:19:27.67 ID:t0kjk3LK0
アスカ「ムカつくことがあったら言い返していいのよ。だって私達はエヴァパイロットなんだもの。モチベーション管理ってもんがあるでしょーが」

シンジ「……うん」

アスカ「…………シンジ、もうちょっと男らしかったら完璧なのに」ボソッ

シンジ「……そうだね」

アスカ「――あっ……聞こえてた? ごめん。今のは私が悪かったわ」

シンジ「いや、いいんだ。男らしくないのは事実だから」

アスカ「だから、そういうとこがぁ……ごめん。イライラしてるみたい」

シンジ「……僕も男らしくなりたいと思ってるんだ。だけど、これまでこうやって生きてきたから、なかなかすぐにはできなくて」

アスカ「……うん」

シンジ「でも、いつかは、男らしくなってみせるよ」

アスカ「シンジなら、できるよ」

シンジ「ありがとう、アスカ」

アスカ「ううん。私こそ感謝してるの。してもしきれないぐらい」

シンジ「……約束したの覚えてる?」

アスカ「――私のこと?」

シンジ「そう。アスカのこと守るって言ったの」

アスカ「うん。あれがあったから私は変わるきっかけを手に入れた。もちろん、覚えてるわよ」

シンジ「――アスカのことは、守ってみせるよ」

アスカ「シンジ……」

シンジ「水着はのことは――……そうだ」

アスカ「……?」

シンジ「アスカ。なんとかなるかもしれないよ?」

アスカ「……え?」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 00:27:33.06 ID:t0kjk3LK0
- ミサト宅 リビング -

ミサト「…………」

シンジ「――――あの、ミサトさん」
アスカ「…………」

ミサト「……シンジくん?」

シンジ「修学旅行の件は――」

ミサト「――ごめんなさい。行かせられないわ」

シンジ「……最後まで聞いてください。ネルフにプールありませんか?」

ミサト「……プール?」

シンジ「はい。実は、僕たち、修学旅行の準備で水着
を買ったんです。それで待機するにも、少し遊べたらいいなって」

ミサト「プール、ね」

シンジ「どうですか?」

アスカ「…………」

ミサト「なるほど。それなら、協力できるかも、いえ、協力させてもらうことができるかもしれないわ」

アスカ「……当たり前よ」

シンジ「……よかった」

ミサト「もちろん、貸し切りで準備させてもらうわ。期待してて」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 00:41:40.25 ID:t0kjk3LK0
- 修学旅行日 ネルフ本部 プール -

レイ「……………」

アスカ「……なんでファーストまでいるのよ」

シンジ「綾波だってパイロットなんだから、いてもいいんだよ」

アスカ「私はシンジと二人がよかったのに!」

レイ「…………」

シンジ「あ、その、アスカはお土産頼んだの?」

アスカ「もっちろんよ! ヒカリが買ってきてくれるって!」

シンジ「……そっか。綾波も、修学旅行に行けなくて残念だったね」

レイ「…………別に」

アスカ「〜〜〜っ! ほんっとーに愛想がないわねぇ! シンジが提案しなかったらプールもないのよ⁉︎」

レイ「…………碇くんが、言ったの?」

シンジ「……まぁ、そういうことになるかな」

レイ「…………そう」

アスカ「はぁ……。シンジ、こんな人形ほっといてむこうで遊びましょ」

レイ「…………」

アスカ「私のスキューバー仕込みのバックスクロールエントリー見せてあげる!」

シンジ「わかったよ」


194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 00:51:58.49 ID:t0kjk3LK0
――――
―――

アスカ「――ぷはぁっ!」

シンジ「はぁっはぁっ」

アスカ「シンジ、大丈夫?」

シンジ「ちょ、ちょっと休ませて」

アスカ「もうちょっと体鍛えた方がいいわよ?」

シンジ「はぁっはぁっ……。そ、そうだね」

アスカ「………ねぇ、シンジ。なにか忘れてない?」

シンジ「ふぅ…………。……えーと……」

アスカ「ヒントはあげないわよ。前に教えてあげたから」

シンジ「……? ………あっ! ……アスカ。水着、似合ってるよ」

アスカ「正解! まぁ、本当は一目見たら言わなくちゃだめなんだけど、指摘させなかったから及第点をあげるわ」

シンジ「…………気がきかなかったね」

アスカ「次はもっとうまくできるように期待してるわ!」

レイ「……………」スィー

アスカ「……うわぁ⁉︎」

シンジ「あ、綾波?」

レイ「……………」

アスカ「な、なによ。邪魔しにでもきたの?」

レイ「……………ここ、レーンだから」

アスカ「…………あぁ、そう」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 01:27:21.94 ID:t0kjk3LK0
- ネルフ本部 男子ロッカールーム -

シンジ「(えぇ〜と、タオルは…………)」

〇〇「――……そのまま、ロッカーを見たまま話して」

シンジ「――えっ?」

〇〇「――こっち向くなッ!!」

シンジ「えっ! あっ、はい!」

〇〇「……ふふん。よろしい。素直なワンコは好きだよ?」

シンジ「――だ、誰?」

〇〇「名前ってそんなに重要かにゃ?」

シンジ「……自己紹介をするのは、当たり前だと、思います、けど」

〇〇「にゃるほど。たしかにそれはそーかも。……じゃあ1つだけ約束。私のこと誰にも言わない?」

シンジ「……?」

〇〇「簡単なこと♪ それができるならはれてキミは私の名前ゲットー♪ ってね!」

シンジ「…………」

〇〇「さぁーて、どうする? もうあまり時間はないよー?」

シンジ「……わかり、ました。……誰にも言いません」

〇〇「ふぅん。どーしよっかなー。信用があるわけじゃないし」

シンジ「え? でも、いま」

〇〇「キミは選択をした。でも、私にも選択権があるのよ♪」

シンジ「…………それで?」

〇〇「ふふん。まぁ、ごーかく点をあげましょう! 私はマリ。真希波・マリ・イラストリアス。長いから省略してマリで呼んでね」

シンジ「マリ、さん。僕は――」

マリ「あぁ、いいのいいの。君のことは知ってるから。姫のボーイフレンドだよね?」

シンジ「(姫……?)」

196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 01:37:44.03 ID:t0kjk3LK0
マリ「お楽しみ中のところもうしわけないにゃー」

シンジ「あの……いったい?」

マリ「今日は顔合わせに来たのだ。ワンコくんにとっては声だけだけど」

シンジ「…………は、はぁ?」

マリ「うんうんっ。これから色々とキミは大変な思いをするからねぇ〜。それを思うと泣いてしまいそうだよ」

シンジ「……………」

マリ「あ? 信じてない? 私の言うことは信じたほーがいいよ〜?」

シンジ「…………(す、すごいマイペースな人だな)」

マリ「戸惑っちゃってるかにゃ? まぁどう思おうが、勝手だけど」

シンジ「…………」

マリ「さぁて、それじゃ私は行こうかな。名前、忘れないでね?」

シンジ「…………えーと」

マリ「あと、姫にもよろしく、じゃなかった。誰にも言わないでね? それじゃまた今度ー!」

シンジ「……………」

シンジ「…………あの、マリさん?」

シンジ「………振り向いてもいいんですか?」



アスカ「……シンジ、なにやってるの?」



シンジ「うわぁ⁉︎」

アスカ「…………どうしたのよ?」

シンジ「アスカ! ここ男子ロッカーだよ!」

アスカ「私達の貸し切りだし、シンジがなかなか戻ってこないからきちゃった」

シンジ「…………そ、そうなんだ」

アスカ「…………シンジ、なんかひとり言いってたの?」

シンジ「――…………いや、なんでもない」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/17(金) 01:48:12.62 ID:+3F3F5MSO
これは面白い
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 02:12:15.50 ID:t0kjk3LK0
基本的にネタバレに関することや投稿中はあれ?と思うつっこみきても答えないかもしれない
でもなにかしら反応があるのは嬉しかったりする
そしてこのスレ中に収まるかわからなくなってきてるからヤバイ
寝ます
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 05:21:28.14 ID:kxuTeCZ3O
エヴァだし、このパターンねと予想は簡単だが口にするのは無粋。

一つだけ。面白いがre-take方面ならスレを変えたほうがいい
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 11:50:38.64 ID:t0kjk3LK0
>>199
展開について言及しない配慮はありがたい

そういうオチだとは言わないがSSスレははじめて立てたので勝手がわからない部分がある
なぜなのか教えてもらっていい?
書きだめじゃなくリアルタイムで書いてるから誤字とか結構ある
だから立て直しするのはいいんだけど
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 13:45:52.01 ID:aa/OVTZ7o
直接的なエロ描写は規定違反なのよ。ないならこのままでいい。
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 14:46:55.49 ID:t0kjk3LK0
なるほどたしかにリテイク方面なら直接的なエロなくはないですね
進めておいて今さらだが板のルール調べて検討するまで投下は停止する
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 15:36:58.92 ID:KYTJV1Tmo
単純にエログロあるならRに行けって話だからそこまで深く考えなくてもいいんだよ

一応貼っとくね
SS速報R - VIPサービス掲示板
http://ex14.vip2ch.com/news4ssr/
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 16:37:31.86 ID:t0kjk3LK0
できるだけ制限なく自由にできた方が気にせず書きやすいから未明に立て直しすることにします
このスレはHTML化依頼をするのでここまでで一旦終了ということでお願いします

スレタイの変更と最初の>>1は趣旨説明がはいるかもしれない
また暇なら見てください
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/18(土) 02:56:10.62 ID:p+FgjiHR0
お知らせ

HTML化依頼とスレ立てが完了しています
SS速報R板にて追いつかせるため作業中です
本日はもう寝ます

スレタイに変更はありません
こちらがタイトルとURLになります
追いついた際にこちらでお知らせする予定ですが、もしこのスレがない場合は、
あちらのスレを一度sageしないことで目につきやすいようにするのみとします

シンジ「僕が?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1487335262/
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/18(土) 19:45:10.52 ID:p+FgjiHR0
お知らせ その2

立て直したスレが現行に追いついたのでこちらで報告です
レスをまとめたりしたので新しい分は新スレの>>179以降になります
今日は移行させるのに疲れたので投下はしません
明日未明以降になると思います
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/18(土) 23:36:22.45 ID:34upg9jbo
おつ
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