俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2

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477 :1 [sage]:2017/03/25(土) 19:59:42.72 ID:L+SLK72J0

と、ここで敢えて前回乗せなかった最後の一節を投入。
478 :1 [sage]:2017/03/25(土) 20:02:45.76 ID:L+SLK72J0

恐らくそれだけの言葉を口にするにも、なけなしの勇気を振り絞ったのに違いない。

俺の位置から見える由比ヶ浜の耳が、夕映えの照り返しとは違う色で赤く染まっているのがわかった。

その言葉の意味するところがわからぬほど俺も鈍くはない。それどころか逆に意識し過ぎて、なんと答えていいのか返す言葉に窮してしまう。

そんな俺の戸惑いを知ってか知らずか、今度は震えるような無音の溜息をひとつ、由比ヶ浜が静かに言葉を継ぐ。


結衣「 ――― ね、もうそろそろ、いいんじゃない?」


由比ヶ浜がゆっくりとこちらを振り向く。
その顔に浮かぶ、いつになく思いつめたような表情には、見ているだけで何かしら胸の奥が苦しくなるような差し迫ったものが感じられた。



結衣「 ――― ヒッキー、あたしに何か話したいことがあるんでしょ?」


479 :1 [sage]:2017/03/25(土) 20:04:47.30 ID:L+SLK72J0

次回更新はできれば近日中に。ノシ
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 20:49:38.62 ID:6J7ErDRdo
おつーな
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 21:55:52.32 ID:szNmJCeA0
>>476

作者様の意向了解です。連日の荒らしからの流れに気分を害されてるかと思い、ついしゃしゃりでてしまいました。続きを楽しみに待ってます。頑張ってください。
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 22:31:12.67 ID:fCd01lqao
乙カレー
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/25(土) 22:42:55.96 ID:Anz+VcD3o
おつ
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/26(日) 02:18:21.51 ID:wR8r9fVRo
乙です
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/26(日) 16:05:59.15 ID:8il0JHyAo
>>481
ほんとこういう無自覚な馬鹿いなくなるだけでガイルSSの寿命ってもっと持ってたって思うわ
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/26(日) 16:10:25.89 ID:Elr1+bUOO
>>485
ガハマや葉山と同じで無自覚に足を引っ張る無能な偽善者なんだろ
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/26(日) 17:08:40.90 ID:R6MC9280O
>>486
偽善すらできない害悪にしかならない電池くんってのがいるんだ
それに比べたらみな天使に見えるぜ
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/27(月) 22:49:51.86 ID:5kr37Ojuo
特に気にしないタイプの1みたいだからどうでもええやん
とにかく1を応援してるぜ
489 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:23:57.37 ID:vylvFlXW0


八幡「俺は、 ――――― 」


あれだけ繰り返し繰り返し何を言おうか考えていたはずなのに、由比ヶ浜を前にいざ口を開こうとすると、何ひとつ言葉が出てこない。

ガラスの壁面を一枚隔て、低く唸る海風の音ばかりが耳に遠く、くぐもって聴こえてきた。


結衣「 ――― あのね、前にも言ったけど、あたしってホントはズルイし、すっごい欲張りなの」

ふたりの間に落ちた沈黙を優しく埋めるかのように、由比ヶ浜が訥々と語り始める。


結衣「ゆきのんの気持ちにも、ずっと前から気が付いてたのに、留学するって聞いた時、もしかしたらチャンスかもしれないって」

溢れ出ようとする感情を懸命に堰き止めようとしているのだろう、湿り気を帯びたその声は、今にも途切れそうで心許ない。


だが、 ――― それは違う。卑怯なのはむしろ彼女にその言葉を言わせている俺の方だ。


490 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:28:03.94 ID:vylvFlXW0

例え嘘でも欺瞞でもいい。それでも俺は欲しかった。

本当の自分の居場所、通じ合う気持ち、言葉にしなくても伝わる何か、いつでも手を延ばせば届くと思われた平穏。

そんな小春日和の陽だまりのような居心地のいい場所が、奇跡のような時間が、いつまでも長続きする訳ないことなど、とうに気が付いていたはずなのに。


歯車の軋みに気が付いたのはいつなのか。ふとした瞬間、三人の間に流れるぎこちない空気に気が付きつき始めたのはいつ頃からなのか。今思えばそれとても定かではない。

しかし俺は、やっと手に入れたかけがえのない時間を、俺が俺のままでいることの許された、ただひとつの場所を失うのが恐かった。

だから敢えてそのことに気が付かない振りをして、ゆっくり朽ち果ててゆくかのような緩慢な死の方をこそ選んだのだ。

自らの手で、自らの否定してきたものを守らんがために。

491 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:30:23.83 ID:vylvFlXW0

結衣「あのね、今日、ヒッキーに会うこと、ゆきのんにも伝えてあるの」

八幡「そう …… なのか」

だが、由比ヶ浜であれば当然そうするだろう。だからその告白自体、別に驚きはしない。


結衣「それでね、あたし、ちゃんとヒッキーに自分の気持ち伝えるからねって」

そこで言葉は切れ、押し寄せる感情の負荷に堪え切れなくなったのか、そっと顔を俯ける。


結衣「 ……… そしたら、ゆきのん、“あなたならきっと大丈夫よ。頑張ってね”って」


続く言葉は、消え入るほどに小さくなり、ともすれば風の音に紛れそうになる。

492 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:33:13.89 ID:vylvFlXW0

結衣「あのね、うまく言えないけど、ヒッキーとゆきのんって、そういうところもよく似てるって思うの」

無理に絞り出すような明るい声が俺の胸に突き刺さる。こいつにはいつも明るい笑顔でいて欲しい。そんな風に悲しそうに微笑んで欲しくない。

それができない自分の無力さに、大切なものすら守ることのできない己の不甲斐なさに、いつも以上に嫌気がさす。

結衣「全然違うようだけど、すっごく似てるの。冷めているようでいて、ホントは優しいところとか」

八幡「 ……… 俺は優しくなんてねぇよ 」

変化を恐れるあまり、ずっと逃げ続けてきただけだ。単に他人と関わりを持つことで自分が傷つきたくなかっただけだ。

結衣「ゆきのんは嘘を吐かずに、ヒッキーは嘘を吐いてでも他人を助けちゃうの。ふたりともやり方は正反対なのに、やってることは同じで、自分が傷だらけになっても最後はひとりでみんなを救おうとするの」

そうじゃない。俺も雪ノ下も、由比ヶ浜に出会うまでは、他人を信頼し、頼るという事を知らなかっただけだ。


493 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:35:56.29 ID:vylvFlXW0

結衣「だから ――― だから、だから今回もきっと、ゆきのんもヒッキーもあたしのために ――― 」

もう十分だ。今のままでいいじゃないか、何もなかったことにして、残りの時間を三人でまたあの場所でずっと温め合えばいい。
お互いの傷口を舐め合いながら、ぬるま湯に浸り続けていればそれでいい。

それの何がいけないのか。誰に俺たちを否定する権利があるのか。


だが、その一方で、俺の中の別の声が抗う。

泥に塗れてまで貫いてきた信念、傷だらけになっても守ってきた矜持。それがひとりよがりの思い込みに過ぎないにしても、ここで妥協するわけにはいかない、と。

例えそれが、他の誰かを傷つけることになったとしても、自分の心に決して癒えることのないを疵を刻み付けることになるとしても。

そして、その声は再び問いかけてくる。それでもお前は本当に“本物”が欲しいのか、と。


―――― その答えはとうに出ているはずなのに。

494 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:40:59.57 ID:vylvFlXW0


結衣「あたしは、自分の気持ちを正直に伝えたよ。だから、だから次はヒッキーとゆきのんの番」

八幡「 …… そうだな」


結衣「ねぇ、正直に答えて? ヒッキーはゆきのんのことが好きなの?」

八幡「 ……… ああ」


その問いに対する答えは、素直に俺の口から滑り出ていた。ここで今更嘘をついても意味がない。
そんなことをすれば、由比ヶ浜の覚悟を、彼女の誠意を踏みにじることになってしまう。


結衣「 ……… あたしのことは?」

八幡「 ……… 好きだよ」


結衣「 ……… でも、あたしよりもゆきのんの事が好きなんだよね?」

八幡「 ……… すまん」


謝ってどうにかなる問題でもない。そもそも謝るべきものなのかどうかすらも判然としない。それでも俺は謝る事しかできない。
それが偽善だとわかっていながら、それが彼女を更に傷つけるとわかっていながら。

同時にその言葉は俺自身にも深い傷を負わせる。
だが、その傷は己にだけには正直であろうとあり続けた俺が唯一、自分自身に吐きつづけた嘘に対する代償であり、俺の支払うべき代価なのだろう。


結衣「あたしの方が先にヒッキーのこと好きになったのに …… 」

八幡「 ……… 先とか後とかの問題じゃねぇだろ」

結衣「 ……… そうだね」


こみ上げてくる嗚咽を無理に飲み込み、流れ落ちようとする涙に堪えようと天を仰ぐ。歪んだ視界に天井の照明が滲んで見えた。

495 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:44:32.84 ID:vylvFlXW0


結衣「ねぇ、ヒッキー?」」


由比ヶ浜の問いかけに、俺は無言のまま応じる。小さく身じろぎをしただけで微かな衣擦れの音と共に張り詰めていた空気が僅かに揺らぐ。


結衣「もし、三人の関係が今と変わったとしても、これからも …… あたしと …… ずっと仲良くしてくれる?」


俺は重く湿った息を、全ての想いと共に腹からゆっくりと吐き出す。


八幡「 …… 当たり前だろ。お前は …… 俺の ……… 俺の生まれて初めて自分の意思で選んだ」



―――――――― 友達、だからな。



そして俺は、友達という言葉を口にするのが、こんなにも辛く切ないものなのだと、生まれて初めて知る。




結衣「 …… 友達 …… なんだ」



消えてゆく太陽の最後の残滓を零れ落ちる涙に宿しながら、それでもなお由比ヶ浜は俺に向けて微笑んでみせた。

496 :1 [sage]:2017/03/30(木) 02:53:03.88 ID:vylvFlXW0

本日はここまで。次回は遅くとも今週中に。ノシ
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 02:57:10.24 ID:QQTny5JKo
おつおつー
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 04:01:57.13 ID:7vvM796Mo
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 08:20:09.05 ID:7b4n/qLKO
>結衣「あたしの方が先にヒッキーのこと好きになったのに …… 」

はぁ????一年間の間謝罪や何もしなかったくせに悲劇のヒロイン面してんじゃねえよ糞ビッチが
自分からは何もしなかった時点で、てめえが八幡を好きになる資格なんて欠片もねえんだよ
しかも、抜け駆けまでしておいて図々しく関係を続けようとしてるのが破廉恥にもほどがある
ここまでやったのなら縁切って2人の前から去るのが最低限のけじめのつけ方ってもんだろ
こんなの原作の八幡が嫌う欺瞞そのものじゃねえか、
こんなガハマに都合よすぎる展開とかありねえだろふざけんな
それを容認する八幡とかキャラ崩壊にもほどがある
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 08:28:33.02 ID:JeC2aRUkO
おつおつー
続き待ってるやでー
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 08:39:32.92 ID:IxS9UdLwo
乙です
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 13:02:36.39 ID:IEOWYoP6o
乙カレー
503 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:29:38.63 ID:kJTaB7og0

そのまま小刻みに肩を震わせていた由比ヶ浜だったが、ぐすりとひとつ大きく鼻を啜り上げたかと思うと、袖口で目許を拭う。


結衣「 ……… だったら尚更、ゆきのんのこと止めないとね」

八幡「 ……… ああ。そうだな」


結衣「今更だけど、あたしもこんな形で三人の関係終わらせるの嫌だし」

例えそれがどのような形になったとしても、三人の関係の継続を最初から一番強く願っていたのは、紛れもなく由比ヶ浜なのだろう。

胸の内を全てを曝け出してふっきれでもしたのか、少し照れたような顔で付け加える。

迷いがなくなれば気持ちの切り替えも早い。その持ち前の明るさに、俺も救われる思いがした。

504 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:31:50.37 ID:kJTaB7og0

八幡「 ……… なぁ、由比ヶ浜。そのことなんだけど」

結衣「なに?」

八幡「俺の方こそ今更こんなことお前に頼める立場じゃないのはわかってるんだけど、力を貸してもらいたいんだ」

結衣「 ……… あたしの?」

八幡「ああ。 あいつの …… 雪ノ下の留学を止めるためには、どうしてもお前の協力が必要なんだ」

結衣「 ……… う、うん、わかった。でも、いったいどうしたらいいの?」

八幡「そうだな、とりあえず ――――― 」


結衣「とりあえず?」  由比ヶ浜がゴクリと音を立て唾を飲み込む。









八幡「 ――――― とりあえず、お前のオヤジさんに会わせてもらえないか?」









結衣「 ………… へ?」



505 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:36:08.51 ID:kJTaB7og0

由比ヶ浜がLINEを使って連絡すると、すぐさま母親からのリプライが返って来たようだ。

結衣「 えっと、……… 今からなら大丈夫 ……… みたいだけど?」

どうやら由比ヶ浜母の方から父親に取り次いでくれたらしい。


しかし ―――― 、


八幡「 ……… 今からって、今、これからかよ?」 ヒクッ

いくらなんでもさすがに展開が急過ぎるだろ。ある程度覚悟をしていたとはいえ、とてもじゃないが俺の心の準備が追いつかない。

506 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:39:35.93 ID:kJTaB7og0

結衣「パパ、明日から出張だから、今日を逃すと一週間は帰ってこれないかもって ……… 」

由比ヶ浜が申し訳なさそうに付け加える。


八幡「マジかよ …… 」

どうやら一難去ってまた一難ということらしい。

それが自らの行いのせいとはいえ、超えるべきハードルは次々と数を増し、しかも、どんどん高くなっているような気さえする。

とはいえ、既に夜の帳も落ち、俺達に残された時間はあまりも少ない。のんびりと構えてもいられまい。

それに、来週では遅すぎる。

俺は地上にまで届きそうな重く深い溜息を吐くと諦めて肚を括る。

ふと目を向ければ、窓ガラスに映し出された俺の顔はげんなりと疲れ切り、その目はやはりこれ以上はないくらい腐り切っていた。


507 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:41:35.98 ID:kJTaB7og0

モノレールと電車を乗り継いで由比ヶ浜の家まで着くと、玄関口で由比ヶ浜の母親とサブレが俺達を出迎えてくれた。

由比ヶ浜母は相変わらず若々しくお姉さんといっても十分通用しそうで、まるで由比ヶ浜をそのまま成長させたような感じだった。いろんなところを。


結衣母「あら、いらっしゃーい。ヒッキーくん、ご無沙汰ぁ。随分早かったのね、デート楽しかったぁ?」

八幡「 ……… あー…、いえ、はい。ハハ …… 」 


当然のように俺の口からは乾いた笑いしか出てこない。

チラリと見ると、隣では由比ヶ浜が顔を真っ赤にして下を向いている。


何が“ゆきのんの処にお泊りするかもって、嘘ついてきちゃった”だ、このアホ娘め。最初っからバレバレじゃねぇか。

508 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:43:48.38 ID:kJTaB7og0

結衣母「お父さん、さっきからずっとリビングで待ってるわよ」

由比ヶ浜母が囁くようにそっと告げると、いきなり緊張のボルテージが最高潮まで高まる。気分はもういきなりクライマックス。

しかし、よく考えてみたら、成り行きとはいえ振ったばかりの女の子の父親に会うって、いったいどんな罰ゲームなんだよこれ。


結衣母「パーパー、ヒッキーくん、お見えになったわよー」

由比ヶ浜母の声に返事は、ない。気のせいか、リビングからは何ともいいようのない無言の圧力がひしひしと伝わってくるような気さえした。

できればその場で暇(いとま)を告げ、回れ右をしてダッシュして家に帰りたいくらい。

框(かまち)を上がると勧められるままに来客用のスリッパを履き、そのままリビングに通される。

その間もひゃんひゃん鳴きながらせわしなくサブレが俺の足に纏わりついてくるので、危なく蹴躓いてひっ転びそうになる。

509 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:46:13.84 ID:kJTaB7og0

レースの暖簾を潜ると、リビングのソファーに座す由比ヶ浜の父はビールで晩酌の最中だった。

見た感じごく普通の、落ち着いた感じのするサラリーマン風で、当然のことながらどことなく彼女の面影を窺わせるものがある。

どのような理由であれ、娘の男友達が面会を求めているのだ。可愛い娘を持つ男親としては素面(シラフ)ではいられまい。

特に由比ヶ浜はひとり娘である。それも高校生ともなれば、それこそ目の中に入れようとしても痛くて入りきらないはずだ。いやそれ当たり前だろ。

510 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:47:30.26 ID:kJTaB7og0

由比ヶ浜父はリビングに入ってくる俺をチラリと一瞥したが、さすがにあまりジロジロ見るのは失礼とでも思ったのか、すぐに目の前のコップに目を落とす。

八幡「あ …… どうも。お邪魔します」

何とか挨拶らしい言葉を口にして頭を下げると、由比ヶ浜父も黙って頷く。

緊張しているせいか明らかにそわそわしている様子なので、俺の方までどうしていいかわからず、ついそわそわしてしまう。

そんな俺のそわそわを感じ取ってさらに由比ヶ浜父も余計にそわそわしてしまうという、まさに絵に書いたような負のスパイラル。

いったい何がどう伝わっているのか知らないが、これからどうなるかは、神のみぞ知る、だ。

511 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:49:12.77 ID:kJTaB7og0

結衣母「ヒッキーくん、どうぞおかけになって」

八幡「あ、はい。失礼します」

由比ヶ浜母に促され、俺が由比ヶ浜父の正面に腰を下ろすと、


結衣&結衣母「よっこいしょーいち」


なぜか右隣に由比ヶ浜母、左隣に由比ヶ浜が俺を挟んで腰掛ける。最早心の中でツッコむ気にさえならない。

512 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:50:44.74 ID:kJTaB7og0

結衣父「 ……… ビールでいいかね?」

こちらを見もせずに、由比ヶ浜父がビール瓶を手に取る。


八幡「あ、いえ、俺、未成年ですから」

慌てて目の前で手を振ると、

なんだ、私の酒が飲めないとでもいうのかね?とでも言わんばかりに、少しだけムッとした表情になるのがわかった。


結衣母「もう、パパったら」

由比ヶ浜の母親が苦笑を浮かべると、拗ねたようにそっぽを向く。

ここで気分をが害してしまっては元も子もないだろう。


八幡「 …… あ、じゃ、じゃあ、少しだけ」



由比ヶ浜父「 ま だ 早 い っ !!!!!!」 ドンッ




………… なら最初っから勧めんなよ。

513 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:52:39.40 ID:kJTaB7og0

さて、いざテーブルを挟んで目の前に座ったはいいものの、まずは何と声をかけたらいいか、そのとっかかりからしてよくわからない。

知り合いの親と遭遇した時の身の置き所の無さはやはりちょっと異常。更にその知り合いが女の子で、しかもその父親が相手ともなれば言わずもがなだろう。

当然この場合、初対面で、いきなり“おじさん”と呼ぶのはさすがに失礼だろう。となれば、ここはやはり、


八幡「 ……… えっと、あの、由比ヶ浜さん?」


結衣&結衣母 「 はい? 」


いやいやいやいやいやいやいやいや、そうじゃないから。確かにそうだけど。

514 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:54:36.28 ID:kJTaB7og0

結衣父「遠慮はいらん。私のことだったら好きに呼びたまえ」

俺の躊躇いを察したのか、由比ヶ浜父は再び俺を一瞥し、そしてまたすぐに手にしたコップに目を戻す。

大事な娘の男友達である俺を警戒してはいるものの、恐らく根はフランクで砕けたいい人なのだろう ……… 何か恐ろしい勘違いをしていそうではあるが。

しかし、いきなり娘の男友達が面会を求めてきたのだ、この状況ではそれも致し方あるまい。

それに、言われてみれば確かに俺の方で変に意識さえしなければ、何と呼ぼうが特に問題はないのかもしれない。


八幡「それでは失礼して ……… あの、お父さん?」




結衣父「 ま だ 早 い っ !!!!!!」 ドンッ




……… うわもうやだこの家、超めんどくせえ。


515 :1 [sage]:2017/04/01(土) 01:58:22.32 ID:kJTaB7og0

結衣父「比企谷くん …… とか言ったかね?」

ややあって、不意に由比ヶ浜の父親の方から話を切り出してきた。


八幡「 ……… え? あ、はい。比企谷八幡、です」

結衣父「サブレの件では、うちの娘がキミには大変な迷惑をかけてしまったね」

由比ヶ浜父の言うサブレの件とは、勿論、入学式の日のあの出来事のことだろう。


八幡「や、あれは俺が勝手にしたことですし、もう済んだことですから」

結衣父「遅くなってしまったが、私からも改めてお詫びと礼を言わせてもらうよ」

そういって、いきなり深々と頭を下げられ、逆に俺の方が恐縮してしまう。


結衣父「それに、娘がキミには学校で、ひとかたならぬお世話になっているとも聞いている」

八幡「あ、いえ、そんなことありません」

結衣父「私にできることであれば、喜んで力になろう。なんなりと言ってくれたまえ」


八幡「はぁ、どうも。ありがとうございます」

俺もこれでやっと本題に移れるかと思うと、知らず安堵の溜息が出てきた。


八幡「それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます。あの、実は、由比ヶ浜 …… じゃなくて、結衣さんのことなんですけど」


結衣父「それとこれとは話は別だっ!!!!」ドンッ




……… だからまだ何も言ってねーだろ。

516 :1 [sage]:2017/04/01(土) 02:03:09.73 ID:kJTaB7og0

由比ヶ浜母のとりなしもあり、改めて話を切り出そうとしたが、よく考えてみればかなり込み入った話である。

ここにくる間も由比ヶ浜には詳しい事情は一切話していない。

場合によったら彼女自身の身に降りかかってくる可能性も危惧される問題だ。母親はともかくとして、やはり本人には直接聞かせるわけにいくまい。


八幡「あー…、スマン、由比ヶ浜。悪いけど、ちょっとだけ席外してもらっててもいいか?」


俺がそれとなく由比ヶ浜に席を外してもらうように声をかけると、


結衣「 ……… え? あ、うん」


少しだけ驚いた顔をしたが、俺の様子から何を察したのか、素直に応える。


すると、


彼女のその返事を合図に、なぜか家族三人揃って無言で立ち上がり、そのままぞろぞろと部屋から出て行き始めた。




………… だからそうじゃねぇってば。

517 :1 [sage]:2017/04/01(土) 02:03:51.21 ID:kJTaB7og0


* * * * * * * * * * * * *

518 :1 [sage]:2017/04/01(土) 02:10:19.36 ID:kJTaB7og0

要件を済ませ、由比ヶ浜父に礼を言って暇を告げると、サブレを抱いた由比ヶ浜と由比ヶ浜母が玄関まで見送ってくれた。

俺が帰ることを察してか、サブレはつぶらな瞳を俺に向け、しっぽを振りながら、くんくんと悲し気に鼻を鳴らしている。


八幡「今日は突然お邪魔してすみませんでした」

渡された靴ベラを返しながら軽く頭を下げると、


結衣母「いいのよ気にしないで。好きな時にいつでもまた遊びに来て頂戴」

由比ヶ浜母も慈愛に満ちた笑顔で応じてくれる。

父親と話をしている最中も余計な口を挿むことなく、ずっと耳を傾けていてくれていたので気持ちの上でも随分と助けになってくれた。

なんやかやで、由比ヶ浜の家の中では、やはりこの人が一番まともそうである。


八幡「ありがとうございました。じゃ、失礼します」

感謝の心を込めて再度頭を下げ、そのまま帰ろうと玄関のドアに手を掛けると、


結衣母「あ、ヒッキーくん、ちょっと待って。大事な事聞き忘れてたけど」


不意に背後から呼び止められた。

振り向くと、由比ヶ浜母は横目で娘をチラリと見ながら顔を寄せ、俺にだけ聞こえるように耳元でそっと囁く。





結衣母「 ――― ね、孫の顔が見られるのは、いつ頃になるかしら?」


519 :1 [sage]:2017/04/01(土) 02:13:02.65 ID:kJTaB7og0

本日はここまで。次回は来週になります。ホントに18日までに終わるのかこれ? ではでは。ノシ
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/01(土) 02:14:32.99 ID:VcTRgRwQ0
乙です

>>519
延期の可能性が濃厚らしですよ……
521 :1 [sage]:2017/04/01(土) 08:19:22.84 ID:G6FfJDSg0
>>512

10行目、由比ヶ浜父→結衣父 


>>520

ありゃ。ガガガの公式刊行予定からも消えてますね。 ふっ、どうやら命拾いしたようだな。俺が。

522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/01(土) 21:44:43.99 ID:OnprhLiCo
おつー
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/01(土) 22:09:23.19 ID:WF/7CBcso
乙カレー
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/02(日) 00:33:51.12 ID:DKikP493o
乙です
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/06(木) 09:11:29.33 ID:/5JBFrdC0
乙です.どうやって解決するのかわくわくです.
526 :1 [sage]:2017/04/10(月) 09:59:31.40 ID:V4c5Zqkj0

4月上旬の忙しさナメてました。(死
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/21(日) 08:37:57.81 ID:hGIAsniN0
続きを待ってるよ。
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/29(月) 01:05:54.58 ID:oMqtiwxd0
ガハマさん振られたかぁ
八結嫌いじゃないというかむしろ好きだったんだが
残念だが続きを楽しみにしてます
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/29(月) 08:20:24.51 ID:waS7vLIDO
>>528
本編のどこを見たら八結が成立する要素があると思うんだか
寧ろガハマが八幡にやってきた仕打ちを思えば好かれる要素なんざ欠片もない
毎回の様に「キモい、キモい」と暴言吐いてやることなす事disってきて、しかも八幡のトラウマやガハマが感情で動く奴って認識だったとしたら尚更好感なんて持ちようがないだろうが
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/21(水) 03:35:25.66 ID:HDbsjCz70
気長に待ってるよー
531 :1 [sage]:2017/06/28(水) 21:41:01.84 ID:7mXKmTT00

欠員補填の玉突き人事で、遠方の、しかも全く畑違いにの部署に異動させられてマジで死ぬところだったぞなもし。

やっとこさ落ち着いたので、近々再開。ちゃんと完結させる(つもりだ)からね?



532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/28(水) 21:41:31.37 ID:L5NdZ8ywo
ういー
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/28(水) 22:04:40.32 ID:Cq9zUiBHo
言い訳はいい
早く書きなさい
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/29(木) 14:17:23.23 ID:iLTplhTvo
まあこんなこと言ってる時点で終わらせる気なんて毛頭ないよね
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/29(木) 14:48:43.94 ID:HaFua/Vgo
まってる
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/29(木) 16:37:18.98 ID:PYk9bqMO0
>>534
書く気もないぞ
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/29(木) 18:33:53.33 ID:wdw5/tN7O
取り敢えず人としての最低な行為を行い、八幡の嫌いな欺瞞を肯定したガハマが八幡と雪乃の前から消える展開にしなければ潰すからよろしくな
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/29(木) 18:58:09.32 ID:317sqqfF0
潰す=無職が24時間掲示板を監視して電池切れを気にしながらコピペすること
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/29(木) 19:05:50.08 ID:wdw5/tN7O
>>538
ああ?黙れぶっ[ピーーー]ぞガハマ豚が
前にも読者に対して舐めた真似をしたら潰すって言ってんだよ
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/29(木) 19:18:45.97 ID:Eg8lD43l0
>>539
やっはろー
ほんと無職ヒキコモリって口だけは威勢がいいよね、
口だけはww
履歴書もコピペでできればいいのにねww
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/30(金) 08:08:24.66 ID:sSe8hHScO
自分のエゴを押し通して雪乃を蔑ろにした結衣に対して、自分の感情を封じて結衣に譲ろうとした雪乃という構図なわけなんだから
結果は逆になって然るべきなんだよな、ここまでやった結衣が八幡と雪乃の側に居続けるのは筋が通らないし都合が良すぎる
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/01(土) 21:44:37.69 ID:Jys/XVJA0
>>540

何言ったって無駄なんだから一々触るなよ。
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/02(日) 18:10:36.01 ID:6xgJIPVxO
現状で形成不利だからと雪乃潰しと不利な現状の立て直しや将来的な逆転の為の時間稼ぎに現状維持狙って提案という名の攻めにてに出て大失敗して
今度は雪乃がますます不利になったら抜け駆けして搦め手で雪乃を嵌めようとしたんだ、こんなクズみたいな事をやっておいて、どのツラ下げて八幡と雪乃の前にいるつもりなの?恥知らずにもほどがあるだろ
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/04(火) 15:53:34.31 ID:E+McGKBE0
まってる.楽しみにしてるよ.
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/05(水) 10:10:03.58 ID:H18eRJU60
期待.
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/12(水) 17:10:02.23 ID:U+4dJS0M0
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/19(水) 01:21:53.82 ID:6UBifIXZO
クソビッチが奉仕部から追い出される展開マダー?
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/25(火) 08:43:26.04 ID:UJKaE9xp0
がんばれ〜
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/25(火) 19:14:07.28 ID:Ci0RF5NTO
ビチヶ浜がこのまま奉仕部に居座る展開とか死ぬほどやめて欲しい
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/25(火) 21:03:04.60 ID:IlWLMLCJo
成仏しろよ
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage sage]:2017/07/25(火) 21:47:12.09 ID:1xcPMaRp0
ガハマは奉仕部に要らない
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/25(火) 23:37:02.07 ID:f50Zb+XQO
(´・ω・`)糞ヶ浜は奉仕部の癌
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/02(水) 01:59:11.41 ID:jW/6fCgFO
自分は八幡が考えた事なら基本肯定するけど
周りに妥協して馴れ合うに様になるのは八幡が絆されて妥協した様に見えるから薄っぺらく感じる
八幡が周りに流されて変化を受け入れるのはコレジャナイと思う
八幡自身が独特の価値観で「孤高」を貫いてきたキャラであるからこそ人気があるんだから、周りに尻尾ふって馴れ合うに様になるとは違うと思う
周りや親しい人間を敵に回しても自分を貫くから八幡はかっこいい
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 04:12:49.66 ID:tGAkjmjA0
由比ヶ浜うぜえ
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 18:40:50.81 ID:NQoWBS7G0
新刊9/20だってな
まあ、また延期かもしれないけど
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 21:40:06.62 ID:ehSXNYi80
>>555
アマゾンで予約受け付けてたし表紙の発表もしてあるから間違いないと思われ
557 :1 [sage]:2017/09/23(土) 00:05:25.88 ID:0guk6kq10

マジでちょっと死んでますた。(白目
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/23(土) 05:11:55.33 ID:SpB9VfDso
成仏しろよ
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/03(火) 06:14:34.60 ID:xSWAQy4Z0
続きをたのむよ.
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 01:52:50.61 ID:v/f0UgHk0
>>1は新刊読んだ?
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 02:27:45.36 ID:xeRWyN6po
読んだよ(裏声)
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 21:22:33.16 ID:8gDVPESaO
もう2度と潰すなんていいません
今まで邪魔ばかりしてすいませんでした
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 22:51:02.71 ID:FlWybqUEO
前スレから>>1様が投稿している最中に横コメをする様な真似や誹謗中傷の暴言の数々を行い本当にすいませんでした
謝っても許されない真似をしたのは本当にわかっています
もう絶対にこのスレに書き込む様な事はしませんし、読者の人達に暴言を吐く様な真似は絶対にしないと誓います
都合のいい事を言うなと言われるかもしれませんが本当に今までの事はすいませんでした
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 23:36:20.82 ID:YfZUylnfo
謝る暇あったら通報してこいよお前絶対負けないから

電池脅迫したら逆に捕まったとか最高に馬鹿すぎて面白いから超見たい。はよ通報しろ
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/04(月) 23:18:24.22 ID:1WkqRT660
566 :1 [sage]:2017/12/22(金) 00:24:42.14 ID:frZyzxzk0

>>558

終わらせるまで成仏できへんねん。

>>560

途中まで読みましたが、続き読むのは原作完結してからにしようかなと。

前任者がふたり立て続けに不幸に見舞わるという曰くつきの仕事を無理やり引き継がされ、それも10月の下旬にはなんとか山場越えたんですが、このSSの方は些細なところでつっかかって先に進めなくなってました。

あまりにも放置期間が長くなって申し訳なくて、このスレ覗くのもちょっと怖くなってたんですが、dat落ちしてなくてマジ安堵してます。
いつもやるやる詐欺ですみませんが、ちゃんと最後まで書き上げるつもりで現在進行形で執筆中です。
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/22(金) 01:45:40.57 ID:s74f1q0MO
SS作家には付き物なこと
・PCが壊れる、もしくは書き溜めたデータが吹っ飛ぶ
・板を覗くわずかな数分間の時間も取れないほど仕事や私生活が忙しくなる
・長らく放置していても何者かが保守をしていてなぜか落ちない
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/12(火) 20:20:37.99 ID:AyGAPIp5O
まだ?
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/14(木) 15:29:26.21 ID:mlFLmGMK0
【最悪のSS作者】ゴンベッサこと先原直樹、ついに謝罪
http://i.imgur.com/Kx4KYDR.jpg

あの痛いSSコピペ「で、無視...と。」の作者。

2013年、人気ss「涼宮ハルヒの微笑」の作者を詐称し、
売名を目論むも炎上。一言の謝罪もない、そのあまりに身勝手なナルシズムに
パー速、2chにヲチを立てられるにいたる。

以来、ヲチに逆恨みを起こし、2018年に至るまでの5年間、ヲチスレを毎日監視。

自分はヲチスレで自演などしていない、別人だ、などとしつこく粘着を続けてきたが、
その過程でヲチに顔写真を押さえられ、自演も暴かれ続け、晒し者にされた挙句、
とうとう謝罪に追い込まれた→ http://www65.atwiki.jp/utagyaku/

2011年に女子大生を手錠で監禁する事件を引き起こし、
警察により逮捕されていたことが判明している。
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/14(木) 15:30:14.38 ID:mlFLmGMK0
>>569
私こと先原直樹は自己の虚栄心を満たすため微笑みの盗作騒動を起こしてしまいました
本当の作者様並びに関係者の方々にご迷惑をおかけしました事を深くお詫びいたします

またヲチスレにて何年にも渡り自演活動をして参りました
その際にスレ住人の方々にも多大なご迷惑をおかけした事をここにお詫び申し上げます

私はこの度の騒動のケジメとして今後一切創作活動をせず
また掲示板への書き込みなどもしない事を宣言いたします

これで全てが許されるとは思っていませんが、私にできる精一杯の謝罪でごさいます

http://i.imgur.com/QWoZn87.jpg

私が長年に渡り自演活動を続けたのはひとえに自己肯定が強かった事が理由です
別人のフリをしてもバレるはずがない
なぜなら自分は優れているのだからと思っていた事が理由です

これを改善するにはまず自分を見つめ直す事が必要です
カウンセリングに通うなども視野に入れております

またインターネットから遠ざかり、しっかりと自分の犯した罪と向き合っていく所存でございます

http://i.imgur.com/HxyPd5q.jpg
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/14(木) 15:31:12.75 ID:mlFLmGMK0
>>569
ニコニコ大百科や涼宮ハルヒの微笑での炎上、またそれ以前の問題行為から、
2013年、パー速にヲチを立てられるに至ったゴンベッサであったが、
すでに1スレ目からヲチの存在を察知し、スレに常駐。
自演工作を繰り返していた。

しかし、ユカレンと呼ばれていた2003年からすでに自演の常習犯であり、
今回も自演をすることが分かりきっていたこと、
学習能力がなく、テンプレ化した自演を繰り返すしか能がないことなどから、
彼の自演は、やってる当人を除けば、ほとんどバレバレという有様であった。

その過程で、スレ内で執拗に別人だと騒いでいるのが間違いなく本人である事を
確定させてしまうという大失態も犯している。


ドキュメント・ゴンベッサ自演確定の日
http://archive.fo/BUNiO
572 : [sage]:2019/06/30(日) 00:07:21.89 ID:UuBroTXy0

* * * * * * * * * *

573 : [sage]:2019/06/30(日) 00:12:28.62 ID:UuBroTXy0

帰りの電車で揺られている間も、去り際に無言で小さく手を振る由比ヶ浜の寂しそうな笑顔が脳裏から離れないでいた。

ぽつぽつと空席が目についたが座る気にもなれず、僅かに後ろ髪を引かれる思いと模糊とした焦燥に駆られるまま、寄りかかったドアの窓を意味もなく手の甲で小突いてしまう。


がたり


と、電車がひと際大きく揺れ、バランスを崩した拍子に我に還る。

何はどうあれ自分の中で選択は為されたのだ。済んでしまったことを今更悔やんだたところで仕方あるまい。

未だ燻り続ける胸の蟠りを散らすように溜息をひとつ。その息で白く濁ったガラスを何気に掌で拭うと、色のない空に滲む月の影が目に映った。
その朧な光の輪郭に、憂いを秘めた雪ノ下の美しくも儚げな横顔が重なる。


―――― あなたは、どうなの?


流れゆく街の灯の上に静かに留まり続けるそれは酷く現実味を欠き、ともすれば触れられそうなほど近く感じられたが、いくら手を伸ばしたところで届きはしないことは子供だって知っている。

頭ではそうとわかっていながらも、気持ちのうえで納得できない距離感がいつになくもどかしい。

無意識に伸ばしかけた指がガラスに阻まれ、あまりの愚かしさに気が付いて苦笑しながら頭(かぶり)を振る。

決して届かない高みにある葡萄を酸いと断じた寓話のキツネも、口では何と言おうと心の奥底ではずっとそれを夢見ていたに違いない。
今の俺にはその捻くれ者のキツネの気持ちが痛いほどよくわかる気がした。
574 : [sage]:2019/06/30(日) 00:15:38.11 ID:UuBroTXy0

車内アナウンスが終点の駅名を告げ、降車する人の群れに混じってホームに降り立つ。

吐く息は白く煙り、僅かに露出した肌の部分をちくちくと刺す外気の冷たさは、暦の上はともかく体感上は未だ春が近からぬと告げているかのようだった。

人の流れに身を任せて昇りエスカレーターに乗り、長く狭い無言の列から解放されると、ここ数年続いた改装工事を終えて見違えるように広く明るくなった駅構内へと出る。

未だ微かに漂う新建材の香る中、急ぎ足で行き交う人々の合間を縫うように改札口へと足を向ける途中、ふと思うところあって足が止まった。

―――― 駅の音声ガイダンスの“多機能トイレ”って、なんでいつも“滝のおトイレ”に聞こえちゃうのかしらん?

そんな本当にどうでもいいようなことを考えていたせいもあるのだろう、俺のすぐ後ろを歩いていた通行人に気が付かず、背中でぶつかってしまう。


「 ―――― ちょっとぉ、あんた、どこ見てんのよ?」 


え? 何、もしかして青木さ○かなの?

苛立ちを隠そうともせず、頭ごなしに浴びせかけられたそのセリフに戸惑いつつも、急に足を止めた非はこちらにある。

それに今はそんな些細なことでいちいち目くじらを立てるような気力も残ってないし、変にゴネられてイザコザに巻き込まれるのもまっぴらゴメンだ。

もごもごと謝罪の言葉らしきものを口にし、逃げるようにその場から立ち去りかけたところで、ふと声に聞き覚えがある気がして、再び足が止まる。


八幡「 ―――――― って、お前、三浦か?」

三浦「あ゛?」

振り向き様声をかけたその相手 ――― 三浦優美子はつかつかと足早に詰め寄ったかと思うと、むんずとばかりに俺の胸倉をつかみ、ぐいと顔を寄せる。


近い恐い近い恐い近い恐い近い恐い近い恐い近い恐い恐い恐い恐い恐い恐い! 近すぎるし、それ以上に恐すぎるだろっ!


三浦「 ―――――――― あんた」

八幡「よ、よう」


三浦「 ……… 誰だっけ?」

八幡「って、俺だよ、俺、比企谷だよ、比企谷!」
575 : [sage]:2019/06/30(日) 00:17:47.90 ID:UuBroTXy0

三浦「 ……… なんだヒキオじゃん、そうならそうって言いなよ」

八幡「 ……… だからそう言ってるだろ」

やっと俺が誰だか気が付いたらしい三浦が眉間にキツく寄せた縦皺を解く。
っていうか一応クラスメートなんだからいい加減名前くらい覚えろよ。俺も他人のこと言えねぇけど。

八幡「あー…、ところで、お前、どうしたんだ、こんなところで?」

行きがかり上とはいえ、自分から声をかけてしまった手前そのままただ黙って突っ立っているのもなんかアレなので取りあえず俺の方から話を振ってみる。

三浦「あーし? あーしは姫菜と遊びに行った帰りなんだけど、……… そんなのあんたに関係ないっしょ」

八幡「 ………… まぁ、そりゃそうなんだが」

けんもほろろというか、取り付く島もにべもない返事だが、正直俺だってこいつに限らず他人が休みの日にどこぞで誰と何をしてようが、いちミリだって興味もないし関心もない。

そうでなくとも今日は由比ヶ浜とあんなことがあったばかりだ。
できればあまり顔を会わせたくない相手なのだが、なぜかそんな時に限ってやたらとエンカしてしまう確率が高くなるのが八幡流引き寄せの法則。
576 : [sage]:2019/06/30(日) 00:23:29.32 ID:UuBroTXy0

三浦「あんたは、ひとりなの?」

ただでさえ不機嫌そうな顔に更に輪をかけて不機嫌そうな声で三浦が問うてくる。 

八幡「 ……… ん? ああ。 まぁ、大抵そうだな」

自慢ではないが俺がひとりなのは何も今日に限ったことではない。つか、んなもんいちいち聞かなくたって見りゃわかんだろ。

それにしても普段から気軽に言葉を交わすように相手でもなし、そもそも俺の場合普段に限らず気軽に言葉を交わす相手すら滅多にいなかったりする。
それがなんで今日に限って、そんな分かり切ったことまでわざわざ聞いてくんのかね、などと訝しんでいると、


三浦「っていうかー、ホントは今日、結衣のことも誘ってたんだけどー、あの娘、昨日の夜になっていきなり“大切な用事ができたから”って断り入れてきてー」

八幡「 ………… お、おう、そ、そうなのか」

ドンピシャのタイミングで放たれたそのセリフに、心当たりのありすぎるほどある俺の目が意志に反して泳ぎ出し、背中を冷たい汗が音もなく流れ落ちる。

そういえば、由比ヶ浜と今日ふたりで会っていたことは雪ノ下にも伝わっていると聞いている。
だとすれば、あいつの性格からして三浦に黙っているということの方が考え難い。

というか、俺の過去の経験から推測するに、みんな知ってたのに俺だけ知らなかったという可能性の方が遥かに高かったりする。
小学校のクラスメートのお誕生会とかでも、俺だけ呼ばれてないのを知らないのも俺だけだったりしたんだよな。

恐らく由比ヶ浜のことだ、俺に気を遣わせまいとして先約があったことはずっと黙っていたのだろう。

三浦の機嫌を損ねないよう電話越しにお団子髪を揺らしながら、コメツキバッタか社畜営業の如くひたすらぺこぺこと頭を下げまくっている由比ヶ浜の涙ぐましい姿が目に浮かぶようだった。

でもあれな、よく考えたらいくら頭を下げたところで相手からは見えてないんですけどね。

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