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金髪「お前の話、超同人誌すぎだろw」男「そうですか?」 -
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 19:57:31.67 ID:uQpsctFhO
〜校舎裏・伝説の桜の木の下〜
男「なあ。どこまで行くんだ?」
女「――……」たったっ…
クル
女「ねえ、男くん。ここ、知ってる?」
男「ん? ああ。クラスの女子が噂してたのってここだろ」
男「校舎裏の桜の木の下で告白すると、幸せになるらしい。とか何とか」
女「そう。なら話は早いや、あのさ男くん」
ザァアァア〜…
女「私と付き合ってください」ペコ
男「……」
ヒュウウ〜〜…
男「急にどうしたんだ」
女「だめ?」コテン
男「いや、ダメとかじゃ無くて。今更だろ、そういうのは」
女「そんなコト無いよ。ちゃんとやっておかないと、こーいうことも」
女「私たちってほら、曖昧に付き合って、なーなーでチュッチュしてたでしょ?」
男(ちゅっちゅて…)
男「…なあなあじゃ駄目なのか?」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1486897051
1.5 :
荒巻@管理人★
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/
笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/
【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/
トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/
【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/
【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713613334/
ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 19:58:29.09 ID:uQpsctFhO
女「んーん、だめじゃない……けど、言い合っておきたくてさ。大事だと思うから、付き合って下さいって、ちゃんと言えるような関係が」
女「だから付き合って欲しい。私と君と。この桜の木の下で、あらためて恋人同士になりたいの」
男「……、その髪」
女「え?」
男「髪。急に短くしたのは、この告白と関係あったりするか?」
女「…別に…ないけど、前から切りたかっただけで…」クルクル
男「誤魔化してる」
女「はあっ? ちょっと、私が聞きたいのは告白の返事! イエスかノーってだけ!」
男「………」ジッ
女「なに、その目。髪を勝手に短くしたの怒ってる? 君がそんな束縛系だとは思わなかったー」ムッ
男「いや、そんな似てるかと思って」
女「…なんの話?」
男「前から思ってた話」
男「俺は眼鏡掛けてもないし、髪型だって違う。背格好も全く似てない。雰囲気もタイプも全然一緒じゃあ無い」
男「どこが似てる? 俺の何処が【お前の兄貴】と似てるんだ?」
女「……………」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 19:59:00.03 ID:uQpsctFhO
男「教えてくれ。言ってくれたらちゃんと返事するから」
女「――は。なにッ、言ってるの…? 超絶意味わかんないですけど…?」
男「そうか。ならハッキリ言ってやる」
男「もう兄貴のことすっぱり諦めて、こっちに逃げるのか?」
女「…ッ…!」ギリッ
ぱぁんっ!
男「…痛ッた…」
女「分かったようなコト言わないでよッ! 君がッ、私のなにを知ってるて言うの……ッ!?」
男「分かるわけがないだろ。それはお前の問題だ、俺が知るわけ無い」
女「じゃあ変なこと言わないで、私と付き合えるかどうかだけ返事すればッ!?」
男「さっきも言った。お前がきちんと答えるなら、俺も答える」
女「…っ…」ギュッ
男「でも、まあ、それもさっき言ったとおりだけどな」
女「なによっ、それっ」
男「代わりなんて誰だって嫌だろ、普通に考えて」
女「……」
男「一度だって今の関係が良いとは思ったことは無いよ、俺は」
女「……。今更なに? もういい、忘れて。告白、無かったことにするから」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 19:59:32.33 ID:uQpsctFhO
男「そうか。だったらもう、良いよな」スッ
女「……嫌なヤツ」
男「知ってる。それにお互い様だろ」
スタスタスタ…
「…ねえっ!」
男「ん」チラ
「確かに似てないけど――一個だけ、似てるんだ。君ってさ」
男「おう。参考までに聞いとく」
「笑顔。君の笑顔ってすごくお兄ちゃんに似てる。だから、良いなって思ったんだ」
「――良いなって思ってたんだ…」ポロ
男「……。頑張れ、応援してる」
「ありがとう。頑張る。それと、今までありがと…」
男「おう」
ヒュウゥウウ〜…
〜文芸部〜
金髪「んー、五点?」
男「それは何点中の?」
金髪「もちろん百点満点中の五点だし。ダメだわ、最後まで鳥肌凄いし」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:00:08.31 ID:uQpsctFhO
男「そうですか…」
金髪「どっかのエロ同人誌でも参考にした? ならセリフ長過ぎ。当て馬テイドのお前が出張りすぎ。一コマで収まってないと」
男「一コマ……」
金髪「あんさ、べっつに妄想でもイイケドさ、もうちっと現実味出してよ」ヘラヘラ
金髪「単なる暇つぶしでの恋バナだし、気軽にさ、意地張らなくても良いから」フリフリ
男「しかし、れっきとした実話なのですが」
金髪「恐れ入ったね。後輩君の根性入った妄想話、感動すっけど聞いてるこっち疲れちゃうんでー勘弁願いたいって言うかー」
男「なるほど。勉強になります」
金髪「ッショ? 文芸部の部長サン、超リスペクト出来るっしょ?」
男「はい。これからもよろしくお願いします」
金髪「オナシャース!」
男「だがしかし、文芸部部長。恋バナというのは難しい。貴方を満足させるような過去が、果たして俺にあるのかどうか」
金髪「ん? なんでもイイヨ? ただ妄想くっさいのマジ勘弁ってだけ」
男「妄想くっさいの…」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:01:08.11 ID:uQpsctFhO
金髪「ほら、見た目悪くないし? オレほどじゃないけど、身体がっしりしててバリバリスポーツやってます系狙い所っしょ?」
男「はい。中学までバスケ部の部長やってました」
金髪「バリ運動系でモテるじゃ〜〜〜ん! バスケ部とか女子超困んないじゃ〜〜〜ん!」
男「ですが、先ほどの恋バナはお気に召さなかったようなので…自信が…」
金髪「他なんかないの? バリって恋しちゃってるっしょ?」
男「……。ああ、ならばこれならどうでしょうか――――」
〜放課後・教室〜
眼鏡「なあ。部活、辞めるって本当か?」
男「昨日、退部届を出した。明日から晴れて帰宅部になる」
眼鏡「…どうして」
男「どうして? もう部長としてやることはやったんだ、邪魔者は消えないと」
眼鏡「なら! …なら退部届を出さずに、卒業までやり通せば良いだろう? どうして禍根を残すような事をするんだ」
男「……。さっきからどうして、ばっかりだな」
眼鏡「! キミが気にかかることをするからだろ!?」バッ
男「……」
眼鏡「…すまん、急に大声を出して…悪かった、謝る…」
男「気にしない。それじゃあな」ガタリ
「待ってくれ!」ギュッ
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:01:52.64 ID:uQpsctFhO
男「――っ、なんだ急に…?」
眼鏡「いかないで、くれ。置いていかないで、くれ。私を…ひとりぼっちにしないでくれ…」
男「ひとりぼっちじゃないだろ。部員は良い奴らばっかりで、他に女子マネだって居るだろ」
眼鏡「そういう事じゃない! 私が言いたいのは、そうじゃない……そうじゃないんだ…」
男「………」
眼鏡「なにが、悪かったんだ。なにをそこまで、キミを追い詰めたんだ。…私か? 私が悪かったのか? だったらっ、」ギュッ
男「違う」
眼鏡「なら私の目を見て言ってくれ…!! どうしてだっ、なぜキミは一度もっ! ここ数日間私の目を見てくれない…っ?」
男「…だって目が恐いんだもん、お前」
眼鏡「生まれつきだ! 悪かったな生まれつき眼光鋭くてッ! そうじゃない…そうじゃないだろ…!」
男「……」
眼鏡「…そうやって見てくれないんだな。私は今、キミに抱きついているというのに」
ぎゅっ
眼鏡「最後の最後まで私を見ないのだな…私を責めないんだな…」
男「ああ」
男「これ以上、眼鏡の側に居ちゃダメだってことぐらい、俺にだって分かってるから」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:02:42.29 ID:uQpsctFhO
眼鏡「…っ…ダメじゃ無い! 私はもう、キミと一緒に居られる! もうやましいキモチになんて抱かなくても済むんだ!」
男「え…?」
眼鏡「わか、れたんだ。もう先輩とは付き合ってない、私は……もう、誰とも付き合ってない」
眼鏡「今までずっとキミの側で曖昧な態度をして、長い間…困らせていた…」
男「気にしすぎだろ」
眼鏡「思い上がりでも良いッ! 私はキミに負い目を感じてるのは事実だ…!」
眼鏡「だから、もう、キミが私のことで振り回されている姿を…見たくは、ないんだっ」
スッ…
男「……?」チラ
眼鏡「っ…っ……っ…」フルフル…
男「お、おい…なんで下、なにも穿いてないんだ…っ!?」
眼鏡「好きに、していいから。もう、キミの思うがままに私を…使って…良いから…」ギュッ
眼鏡「――どうか、私の前から居なくならないでくれ…」
〜〜〜〜
金髪「一点」
男「手厳しいですね」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:03:21.16 ID:uQpsctFhO
金髪「アノ、気になるんだけどサ。どっしてさっきからntrっぽい展開ばっかなワケ? 聞いてるこっちが嘘っぱちでもこっぱずかしいんですケド!」
男「すみません。言われたとおり部活、セリフ少なめ、妄想臭くない恋バナ選んだつもりだったんですが」
金髪「ああ…要望通り選んだら、それになったと…」
金髪「でもサァ? それ、妄想くささなくなってないよ? むしろマシマシに盛っちゃってるから」
男「マシマシ……」
金髪「フフ。でも文芸部部長さんとしては? シャイで妄想ボーイの物語聞いてて楽しくなっちゃう系の人なんよ! どうどう? まだ語れるっしょ?」
男「ええ。恋バナに関しては事欠きません、まだまだあります」キッパリ
金髪「カァ〜ッ!ww 将来有望だわ〜wwwwwwこの子、すっごいわ〜wwww安心して将来の部長の座を明け渡せられるわ〜wwww」
金髪「まww 部員なんてオレとお前だけなんだけど。お前が入部する前に、他やめちまったしさ」
男「そういえば何故、先輩は文芸部を?」
金髪「ん? 見た目や雰囲気がやりそうにないって? …ふっふっふ、ここ、格好のヤリ場向きなの」
男「ヤリ場とは?」
金髪「人気少ない北校舎。誰も近寄らない四階の端っこ。都合の良い収納スペース。取って付けたかのような寝心地の良い高級ガウチ」
金髪「ここまでお膳立てされてちゃ使うっきゃないっしょ!?ww」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:03:58.74 ID:uQpsctFhO
金髪「あーもちろん、部員となったお前も使ってよし! けど掃除はこまめにな? そこ先輩超うるせーからな?」
男「成る程。では今度シフト表作りましょう、先輩と俺、日にちが被らないようきっちりと」
金髪「んん〜〜wwwwwwwwww 前がそーいうのならーwwww うん〜〜wwwwww」
男「はい」
金髪「あーお前超笑えるわ。どっからその自信沸いてくんの? じゃあよ、恋バナ続けて続けて。引き出しあんなら存分に語っちゃってよ〜ww」
男「分かりました。先輩の満足が得られるのなら、俺はやれるだけのことを語ります」コクコク
〜自室・夜〜
男(もう寝るか。受験勉強はやれるだけやったしな)パチン
男「……そういや今日、両親帰ってこなかったか」
男(何時までも仲良いのは良いことだが、子供達に放任すぎないか)ゴソ
コンコン
男「? なんだ?」
「…お兄ちゃん、起きてる?」
男「今から寝るところだ。何か用事か、だったら明日にしてくれると嬉しいんだが」
ガチャ
妹「――なら都合いいな、って思う、かな?」ヒョコリ
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:04:33.26 ID:uQpsctFhO
男「……。どうして枕持ってるんだ?」
妹「寝るためですけど…」
男「じゃあ寝ろよ」
妹「ここで寝たいんですけど…」
男「ダメだ」
妹「返事は聞いてないんですけど…」
パタン
男「お前なぁ、もう中学生だろ? 一人で寝るのが恐くなっても、ちゃんと我慢できるように…」
妹「よい、しょっと…」モゾモゾ
男「おいこら」
妹「うひひ。あったかいでゴンスなぁ〜」ムフフ
男「……はぁ」バタリ
チッチッチッチッ…
男「…すぐ寝ろよ、抱きつくなよ、涎も垂らすな、わかったか」
妹「りょーかいです」ぴしっ
男「ん」
チッチッチッチッチッ…
妹「ねえ。お兄ちゃん」
男「寝ろ」
妹「今日、お母さんとお父さん、帰ってこなかったね」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:04:59.87 ID:uQpsctFhO
男「……」
妹「いまごろ。なにやってるんだろうね」
男「知らん」
妹「わたし知りたい」
男「なら明日の朝聞いてみれば良い。教えてくれるぞ、きっと教えてくれる」
妹「わたし、お兄ちゃんから知りたい」
男「…………」
妹「だめ?」
男「…ダメだ」
妹「なん、で…? んっ、どうしてお兄ちゃんは教えてくれないの…?」ゴソゴソ
男「そりゃ兄貴だから。一人の家族としては、言ってはダメなこともある」
妹「んっ、あっ! ひゃっ…ふふ、お兄ちゃんらしいね、んふふ…」チュク…
男「………。お前、俺の後ろで、なにやってる、んだ?」
妹「え? そりゃもちろん、オナ―――」
〜〜〜
金髪「しゅーりょーーーー!!! はい! お前の持ち点ゼロになりました〜〜〜〜!wwwwww」
男「いつの間に持ち点制度が…ならば先ほどの点数は加点制…!? 把握をぬかりました先輩! もう一度チャンスを俺に!」ガタァッ
金髪「いや、単なるノリだからww 点数も持ち点ゼロも、オレのキモチの代弁的なヤツだからww」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:05:32.31 ID:uQpsctFhO
男「ぐぅぅ…先輩に気を遣われ、ましてや言い訳もさせるとは…っ」クッ
金髪「いや本音っすから! うんうん、もうなんつぅーかさ、家族はダメ? ましてや妹とか超ひくっていうか? 妄想の範疇超えちゃったというか?」
男「ええ。俺もこれは恋バナなのか、と判断に迷いました」
金髪「そこじゃなぁ〜〜〜い!ww 悩むとこそこじゃなぁ〜〜〜い!wwww」
男「そう、ですか。すみません、俺自身もあまり気配りできない人間だと思ってる次第で…」
金髪「そういったこでもなーーーし! …はぁ、うん、うん、はぁ〜〜〜〜……」
男「先輩?」
金髪「お前、童貞だろ?」
男「どうして分かったんですか!?」ガタンッ
金髪「アッハハ〜! …真性ですか、そうですか」ボソリ
金髪「オレも途中まで笑っちゃってっし、ここまで聞いておいて邪険にすんのもカワイソーだから言ってあげるケド」
金髪「ぜーんぶ―――どっかのエロ漫画か、同人誌から話パクってるだろ?」
男「……っ…!!」
金髪「やめた方が良いと思うなーそういう見栄っ張り? 大人ぶり? 見てて聞いててどん引きなんよ、つか、妹まで出しちゃうとか神経どうにかしてるっしょ?」
男「先輩……」
金髪「別に良いじゃんドーテイでも、彼女いなくても、モテなくてもサ」
金髪「でもさ。お前見た目悪くないし、身長もたっかいし、ちょっと抜けてるけどさばさば系で喋りやすいし、なんでウソなんてつくのよ?」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:06:27.15 ID:uQpsctFhO
男「………」
金髪「あ〜イイヨイイヨ〜ww トラウマとかあんなら無理して喋んなくてww それすら妄想ぽかったら、お前のどこを信じれば良いのかわかなくなっしwwww」
男「………」
スッ トン…
男「先輩。ありがとうございます」ペコ
金髪「アリガトウゴザイマス? なんで感謝?」ヘラヘラ
男「俺、やっぱり思い切って文芸部に入部して良かった。先輩、ズバズバと俺の恋バナを否定してくれる」
男「…それに部室に置いてあるたくさんの同人誌、読ませて貰って勉強にもなりました」
金髪「べ、勉強? なにを同人誌で勉強すんだ? …妄想の糧にしてた感じ?」
男「それは…」
男「【俺の恋バナが変だという事。それを勉強するためです】」
金髪「……」
金髪「は?」
男「だから是非とも先輩に聞かせたい。俺の最初で最後の、本当の恋バナを――」
男「――どうか、それは何点なのか、ご教授願いたいです」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:07:08.08 ID:uQpsctFhO
〜〜〜
中学一年生の頃。
俺はとある女子生徒に【呪われた】。
経緯は多分、二学年で人気だった女子を振ったから。
「無理。部活が忙しいから、つきあえないです」
無難な返答だったと今でも思うのだが、しかしそれがダメだったらしい。
次の日から壮絶な【悪質な噂】が周囲に立ちこめ始めた。
『両親と血が繋がってないらしいよ。親がアバっててとっかえひっかえで』
『中学生何人か堕ろさせたってマジ? すげーよな、やっぱモテるヤツは』
『隣町の女子も言ってた。すぐ手が出るんだって、こっわーい』
否定しても否定しても新しい噂が蔓延っていく。
どす黒くて、真っ新で、純粋で邪悪な悪意。
じきに部活も行きづらくなって、学校にすら行く気を無くしていって。
「……今日も良いっすか」ガラリ
それでも、俺が中学一年間を続けられたのは、とある女子生徒のお陰だった。
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:07:39.48 ID:uQpsctFhO
「こんばんわ。男くん、今日はどうしたの?」
「新しい本、読みたくなって。また、オススメを教えて欲しいなって、思って…」
「うふふ。そうなんだ、じゃあこれなんてどうかな? 今の気分にぴったりだと嬉しいけれど」
「ウッス…」テレ
放課後の図書室に何時も残っていた上級生。
丸い野暮ったい眼鏡をかけた、影が薄くて記憶にあまり残りにくい女子生徒。
でも、
好奇な視線と悪意的な噂から逃げ場所を探してた俺にとって、彼女はもう女神当然だった。
彼女だって俺の噂を耳にしているはず。
俺のような背の高い生徒なんてそう居ない。だから、邪険にされたって仕方ない。
でも、
「あ。そうだ男くん、君ってば同人誌は知ってる? 商業誌ではなくて、個人誌。そこにはたくさんの自由があって、色んな物語ができるんだよ」
彼女は何時だって俺の側に居て、たくさんのことを教えてくれて、その優しさは暖かった。
でも。
それも今では届かない過去の想いだった。
「……嘘だろ」
彼女が自殺したと知ったのは【俺がバスケ部に復帰し、やけにモテ始めた頃だった】。
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:09:24.11 ID:uQpsctFhO
中学一年終了間際。彼女にとっては卒業間際。
何があったのか、彼女に身に一体どんな悩みがあったのか――
俺は知るよしも無かった。だって、噂なんてなくなってて。
確かに図書室に行く機会も減っていたのは事実だが、それでも、彼女が思い悩んでる姿なんて。
「……どうしてだよ、なんで、一言も」
ああ、そうか。
きっと彼女は俺に言いたくなかったんだ。幸せになっていく俺を邪魔したくなかったんだ。
だから黙ってたんだ。俺の前だけは押し隠して、何度も何度も作り笑いを浮かべて。
いつも通りをふりを通し続けていたということか。
ああ、なんて恩知らずで馬鹿な人間なのだろう。俺というヤツは。
訪れた彼女の葬式には多くの友人とみられる人たちが来ていた。
意外にも彼女には友人関係が広かったらしい。当たり前だ、俺自身が知らなくてどうする。
彼女の優しさは人を癒やす。俺が一番知っていることだろうに。
でも、少しだけ気になった。
同世代があまりにも少ない。年上か、ましてや異性。その年齢層が広すぎる。
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:10:21.01 ID:uQpsctFhO
「あの、すみません」
だから聞いてみたのだ。
どういった関係性なのだと、…興味本位で、一つでも彼女の気持ちを知りたくて。
「君。もしかして、過去に酷い噂をされたり、いじめを受けてたことある?」
「…え?」
「ああ。ごめん、私は彼女と同業者だったの。同人誌販売とかしてて、もちろん彼女も描いてたよ」
「は、はあ…」
「ふーん。そっか、なにも知らないだ。そうだよね、こうやって葬式にこれるぐらいだし」
「そっちのほうが幸せだものね」
同業者と語った人が言う、その意味を俺は理解できなかった。
でもなんとなく、ただなんとなく、ちょっとした思いつき程度の考えで。
――彼女の作品を、ここ最近に置いての同人誌を、読んでみたのだ。
――それが、彼女の全てが詰め込まれた【俺の対する呪いだと知らずに】。
〜〜〜
男「先輩。『色野トーコ』という作者をご存じですか」
金髪「…え? え、あ、おう、知ってるというか…『陵辱系』やら『純愛系』やら…」
金髪「ジャンル問わず、とにかく多くの同人誌をネットやら本誌やらで描きまくってて…」
金髪「すげー短い期間だったけど、なんか超信教的なファンばっかりの有名作家、だろ…?」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:11:19.31 ID:uQpsctFhO
男「読んだことは?」
金髪「あ、あるけど? つか、短期間で絵柄変わって上手くなって、話もやばいぐらい変で、けど…ああ、そうだ…」
男「――そう、いつもいじめられていた男子生徒が主役だった」
金髪「……、……っ……」ゴクリ
男「それ。俺の好きだった先輩なんです」
金髪「…え、えっと」
男「俺が好きで、なのに彼女の悩みを一つたりとも知らなくて」
男「だけど、俺が初めて好きになって。今でも思い続けてる人で、そして…」
男「今でも俺を呪い続けてる。死んだ今でも尚、俺の側に居てくれる人なんです」
金髪「―――は、」
金髪「は、ははっ! んだよそれっ、今度は恐い系の話!? まったく話つきねーなーお前なぁーww」
男「読んでいるのなら知ってますよね、先輩」
男「明るく、楽しいギャグ調子の純愛系は主人公が幸せになる」
男「暗く、酷いオチがある救われない陵辱系は主人公が不幸せになる」
男「そして何か似通ってませんか? どこか見覚えがあったりしませんでしたか?」
金髪「なっ、ないけど!?」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:12:26.91 ID:uQpsctFhO
男「いえ。その同人誌を読んだ当時、ではなくて、今まで俺の恋バナに対してですよ」
金髪「…ごく、り…お前が、経験したことって……」
男「はい。貴方が言ってくれたとおり【本当に同人誌っぽい恋愛ばかり】だった」
金髪「…どう、して」
男「呪われたんです。彼女は俺に対し、憎しみか、それとも別の感情か。それを抱えたまま黙って同人誌を書き続けた」
男「なにも俺に伝えないまま自殺をして、残ったモノは同人誌。描き上げていった主人公は全て俺」
男「関係性なんて、ないわけがない。俺は……もう、普通の恋をさせてもらえない」
男「俺は一生【同人誌のような恋愛】ばっかりし続けるんでしょう…」
金髪「………」
男「…わからないんです、恋愛の普通さが、日常の境目と創作めいた境界線が」
男「だからここの文芸部を知ったとき心から嬉しかった。やっと同人誌を読むことが出来る」
男「…対処法を学ぶことが出来る」ギュッ
金髪「ばっ!!」ガタァッ
金髪「ばっかだなぁ〜〜!! お前ってば、んなこと事実だったとしても真に受けるなっつーの!」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:13:20.47 ID:uQpsctFhO
男「………」
金髪「あのなぁ!? 幾ら何でも突拍子もなさ過ぎっつーか!? なによなによ、じゃあお前は、それから恋愛全部そんな感じってワケか!?」
男「そんな感じです。超同人誌っぽいです」キッパリ
金髪「阿呆いえ! ああーーーーーーくっだらねぇーなぁ! おい、話としてはじゅーぶん笑えたけど、語ってるお前の態度が気に食わん!」
金髪「マジで語るのやめてくんない? はぁーあ、いいよもう、今日は帰るぞ、かえろかえろ」
男「…はい」ガタリ
金髪「……」チャリチャリ
男「先輩。明日から俺、その…」
金髪「んだよ」チラ
男「…すみません、なんでもない、です」
金髪「………はぁ、イイヨべっつに」
男「えっ?」
金髪「気にくわねーけど、入部は認めるって。ぜんぜん良いから、パイセン達が置いていった同人誌、ばんばん読んじゃってよ」
男「いいん、ですか?」
金髪「ほいほい。けどオナった匂い残すなよ!? オレそこんところウルセーからな!」
男「…………」じぃ〜〜〜ん…
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:14:02.65 ID:uQpsctFhO
金髪「きめーよ、んだよノッポくんよ」
男「先輩。俺、すごく感動って、いうかっ、………感謝します」ペコォオオオオ!!
金髪「どぅあっ!? 気をつけろよ! あぶねぇ!!」ヒョイ
男「先輩! あとでシフト表作りましょう! 俺、頑張りますから! というか俺、今日夜なべして作ってきます!」
金髪「ああ、そう……じゃ、頑張ってね」ハ、ハハ…
ガチャン スタスタスタ…
金髪(不思議な奴が入部したもんだ。見た目、完全に運動部系でどうすかっと思ったが)
男「あ」
金髪「どした?」
男「忘れ物しましたッス! 先輩! すみません! すみません!」ペコペコ
金髪「謝るな謝るな…その程度でよ、こっちも危ねえから…ほれ、鍵だ」チャリ
男「ありがとうございます!」
ダダァンッ
金髪「ったく、早まったかなオレも。ちっと面倒くさいキャラ臭がほんのりするわ…」グテー
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:14:44.48 ID:uQpsctFhO
金髪(ま。融通効かなそうだが真面目だし、こっちのことも深く詮索してこねーだろ)
金髪「ハハッ!ww なにが同人誌みたいな展開ばっかりだよ。くっく、そうだったらここでオレも、」
シーン
金髪「―――………」サー…
くるっ ダダダダダダダダ!!!
ガラァ!! どがぁーん!
金髪「おいっ!! こ、後輩…っ…お前変なところ触るんじゃねーぞ!!」バッ
男「え?」
金髪「はぁ…はぁ…!? あっ、いや、何でも無いなら、別に…!」ブンブン
男「は、はあ…」
金髪(思い過ごしか、そりゃそうだ。なにがあるってんだ、オレはちゃんと隠して――)
ミチミチ… バキン メシメシ…ッ
金髪「…ん?」
男「?」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:15:27.73 ID:uQpsctFhO
バギィイイッ!!
【女装用一式その他モロモロ『ピー』マグラ、しっぽ付き『ブー』、配信用ノートpc、カメラ、大小揃った小型『ブィイイイ!!』】
ドッサーーーーーーーー!!!
金髪「…………………」
男「……………………」
カチッ ブィッ ブブブ ブィイイイイイイイイイイインンンンン!! ガタガタガタガタガタ…
金髪「待て」
男「はい」コクコク
金髪「これは、だな。違う、オレのじゃなく、過去ここでヤリ目的で使ってきた先人達の、」
ピチュン! ブゥーン…
『はぁーいっ! おまたせ全国津々浦々の、男の娘だいちゅきなヘンタイお兄さんたちーっ!』
『もう準備はで・き・て・る・よん! だめだめ〜! もっとイイね押してくれなきゃ、だ・め♪』
男「あ、この声。先輩に似てますね」キッパリ
金髪「………」ダラダラダラダラダラ
金髪「あの、さ。後輩君よ」
男「はい?」
金髪「お前、本当に、同人誌すぎ、マジで」
男「? そうですか?」
終
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/02/12(日) 20:15:56.07 ID:uQpsctFhO
続くかも知れない
元気が出たら ノシ
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/02/12(日) 21:32:45.95 ID:Wsz/KoEhO
おつ
え?続きはR板でだって?(難視)
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/02/12(日) 21:34:26.65 ID:H80vFm1EO
乙
なかなかおもしろい話だった
続きあるなら期待
26.50 KB
[ Aramaki★
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