少年エルフ「人間の娘を育てたら魔王を倒すことになりました」

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475 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/09(土) 22:28:37.51 ID:TDPltGNX0
娘「アーマーは私達が引きつけるわ、王女達はあの人達をお願い」

第七王女「わかったのじゃ」



ズシンズシン

魔王アーマーのスピーカーから帝国将校が呼びかける。

魔王アーマー(帝国将校)「投降しろ、次は当てるぞ!」

ドタドタ

ドワーフ兵A「走れ捕まるぞ」

ドワーフ兵B「ひぃひぃ……もう無理だ」

シャシャシャー

第七王女「まてまてまてーいっ」

第二皇子「叔父さん達掴ってーッ!」

第七王女達のソリが滑り込む。

ドワーフ兵A「まさか第二皇子殿か!?」

ドワーフ兵B「おお助かった!」

ドワーフ兵たちがソリにしがみつく
476 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/09(土) 22:31:36.88 ID:TDPltGNX0
魔王アーマー(帝国将校)「援軍!? 逃がす……」

ドォン

火球が魔王アーマーに炸裂する。



娘友「ここにも居るわよー!」

少年エルフ「友ちゃん座って、危ないよ」

娘「やっぱり効果は無さそうね」

ヒュドドドッ

魔王アーマーから魔法弾が放たれた。

少年エルフ「”二重風防波”」ギュルルッ

バヒュン バヒュン ドドォン

風の障壁が魔法弾を逸らす。

娘友「あーコワ、さてアッチに行くかコッチに来るか……」

魔王アーマーは一瞬ためらった後に第七王女達のソリを追いかけ始めた。

少年エルフ「あー、アッチいっちゃう」
477 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/09(土) 22:33:11.04 ID:TDPltGNX0
娘「”大火球”」ドォン

火球が魔王アーマーに放たれた。

\どわー/

娘「”大爆裂”」ズドドォン

\うおお/

娘「まだまだ”落雷”」

ピカッ ガッシャーン!

\うひょおおお!?/

帝国将校の悲鳴が響き渡るが魔王アーマーには効果はない。

少年エルフ「娘、病み上がりなんだから無茶しちゃだめだよ」

娘「大丈夫、これくらい肩慣らしよ」

娘友「あ、こっち来た」

\おまえらー/

ズンズン

魔王アーマーは少年エルフ達のソリに向かってきた。
478 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/09(土) 22:34:58.13 ID:TDPltGNX0


娘友「どーするのこの状況」

少年エルフ「どうするったって」

シャシャシャー

娘「雪面滑走できるなんて…… 振り切れないわね」

魔王アーマー(帝国将校)「絶対に許さんぞお前らーッ!」

シュババー

ソリの後を魔王アーマーがついて来ている。

娘友「とにかくもっとスピードだして」

少年エルフ「まってこの先は危ないってホビットが……」

娘友「危ないって何もないじゃない?」

少年エルフ「だからここは……」

魔王アーマー(帝国将校)「投降を今ならギリ受け付けるぞー!」

帝国将校ががなり立てる。

娘「丁度いいわ、あの木の近くに止めるわよ」

少年エルフ「ええ!?」

娘友「ちょっと!?」
479 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/09(土) 22:36:19.35 ID:TDPltGNX0
○魔王アーマー内

帝国将校「む、止まった……白旗か? やれやれやっと投降する気になったか」

魔王アーマーは木の近くにソリを止めた娘達に向かって近づく。

ズシンズシン……メキメキ

帝国将校「なに!? うおおおお」

バキンメキメキ ゴボボボボ

氷が魔王アーマーの重みで割れた。

帝国将校「氷!? 湖かここは!」

魔王アーマーは湖底へ沈んて行く。
480 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/09(土) 22:39:35.67 ID:TDPltGNX0


娘友「ざまぁーっ!」

娘「作戦通りね」

少年エルフ「ここは割れないの?」

娘「木があるじゃない、ここは小島よ」

少年エルフ「そっか」

娘友「じゃ、急いで合流地点にいかなきゃ」

娘「ずいぶん離れたからね」

少年エルフ「……乗ってた人大丈夫かな?」

娘「……ん」

娘友「……帝国兵でしょ? 敵でしょ」

少年エルフ「そうだけど……」

娘「ふぅ……(やっぱりエルフはそういうの気にするよね)」
481 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/09(土) 22:40:41.92 ID:TDPltGNX0
娘友「だいじょーぶでしょ、魔法全然効かないし、そのうち上がって……」

バシャ

帝国将校「うおおおおおさびぃいいい! 助けてくれーっ!!」

バシャバシャバシャ

娘「な!?」

娘友「……上がってきちゃったわね」

少年エルフ「大変、凍え死んじゃう!」

タタッ

少年エルフは帝国将校に駆け寄る。

帝国将校「ひいいい」ガチガチガチ

少年エルフ「娘、早く火をつけて、それに乾いた服も!」

娘友「あーあ、仕方ないわよね」

娘友はソリの荷物から服を探し始めた。

娘「だってパパだもの…… ”大火球”」ドォン

娘は枯れ木に向かって火球を放った。
482 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/09(土) 22:41:51.31 ID:TDPltGNX0
※つづく
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/11(月) 02:08:57.47 ID:T3RLO/nQo
乙!
484 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/16(土) 23:33:22.41 ID:adIN3ugC0
#33 赤魔王
485 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/16(土) 23:34:56.93 ID:adIN3ugC0
○ドワーフ城

娘友「はい、というわけで助けたドワーフ兵に連れられて秘密通路からお城までやってきました」

娘「ほらしゃべってないで早く、寒いんだから」

娘友「はーい」

第七王女「王よ無事じゃったか」

ドワーフ王「おお、王女よそちらも息災でなにより」

第七王女達をドワーフ王が出迎える。

第七王女「王よ、帝国軍の捕虜をとったのじゃが……」

ドワーフ王「なんと!? 流石王国の姫それはどちらに」

ドワーフ兵A「王よこちらが……」
486 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/16(土) 23:35:59.93 ID:adIN3ugC0
帝国将兵「……」ピチピチ

帝国将兵はドレスを着て現れた。

ドワーフ王「……」

第七王女「……」

ドワーフ兵B「……ブフッ」

帝国将兵「うっせ、どんなプレイだコレは!?」

少年エルフ「娘の服しか着替えなかったから……」

娘「あーあー、お気に入りだったのに」

娘友「もう着れないわねアレ」

ドスドスドス……

白竜「みんなやっと来た〜」

ホワイトドラゴンが現れた。
487 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/16(土) 23:36:57.50 ID:adIN3ugC0
第七王女「おお白竜、怪我はないかよかった」

白竜「大丈夫よ、帝国軍が襲って来た時はびっくりしたけど……あ、それよりエルフちゃん変身リングの充填お願いできない?」

少年エルフ「あ、うんいいよ」

少年エルフは白竜の変身リングに魔力を充填する。

娘「貴方ねぇこの状況より自分の事なの」

ボボン

白竜(人型)「だってここ狭いじゃない、娘ちゃんも呪いが解けたみたいでよかったわ」

第二皇子「あのドワーフ王様、ホビット族の族長は?」

ドワーフ王「む、皇子か…… うむ族長はこの城にはおらん」

第二皇子「もしかして帝国に捕まったの?」

ドワーフ王「それは分からん、何人かホビット族が避難してきておるからその者たちに聞くのがよかろう」

第二皇子「わかりました、ありがとうございます」

第七王女「ホビット、わらわも行くのじゃ」

女兵士「じゃああたしもー」

第二皇子と第七王女が部屋から出て行った。
488 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/16(土) 23:37:53.15 ID:adIN3ugC0
ドワーフ兵「伝令! 王よ、帝国の攻撃が再開しました」

ドワーフ王「よし、すぐ行く…… 王女のドラゴンと従者達よこの城は難攻不落、安心して休まれよ」

男子「お心遣い感謝いたします」

ドワーフ王「行くぞ者ども、蹴散らしてくれるわ」

\\オオ―//

ドワーフ王は部下を連れて城門へ向かった。

戦闘が始まり騒然としはじめた。

\ガヤガヤガヤ/

男子「ふーむ休めと言われても本当に休んでいてよいのかどうか」

娘「男子は真面目なんだから、休める時に休むのも大事よ」

男子「うむ」
489 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/16(土) 23:38:35.20 ID:adIN3ugC0

\衛生兵衛生兵/ \だれか治癒魔法出来る方はいませんかー/

少年エルフ「あ、ハーイ! 僕行ってくるよ」

娘「エルフ…… 男子、一緒についてって」

男子「わかった、娘と友は?」

娘友「アタシする事ないしどうしよ」

娘「友、帝国兵に着せた服、どうなったか見てきてくれない?」

娘友「あーあれ? 将校さんかぁ……ちょっといってこよっか」

娘「頼むわ」

ドドーンドドーン

戦闘音が城内に響く。

娘「さてと白竜、実際の現状は?」ボソ

白竜(人型)「んーよくないわね、上で話ましょうか」ボソボソ

娘「そうね」ボソ
490 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/16(土) 23:41:44.61 ID:adIN3ugC0
○物見の塔

塔の窓から白竜(人型)と娘が戦場の様子を見下ろす。

白竜(人型)「見てのとおり、城下と港は帝国に占領されたわ」

娘「ヒドイわね、それに魔王アーマーがまだあんなに、ドワーフ王はどうやって対抗してるの?」

白竜(人型)「主に籠城ね、4つの城門を破壊してアーマーを何体か巻き込んで倒したわ」

娘「帝国はどうやって……あの船で?」

港には帝国の輸送船が3隻停泊しているのが見えた。

白竜(人型)「そうね、最初は帝国兵が降伏勧告をもってきたんだけど、ドワーフ王が断ってね、そしたら船から魔王アーマーが…… 正当な手順を追っての急襲、王も驚いてたわ」

娘「でしょうね、軍艦でもなく輸送船だけならね…… 帝国の狙いは何かしら」

白竜(人型)「……戦っててわかったけど、帝国の狙いはドワーフ族自身ね」

娘「それって」

白竜(人型)「そう、魔力炉で魔力資源にするつもりよ、この島の亜種族みんな」
491 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/16(土) 23:42:41.11 ID:adIN3ugC0
○ドワーフ城・客間

第二皇子「捕まった!?」

ホビット族A「ええ、私達を逃がすために……」

ホビット族B「長老……」

第二皇子「そんな……」

第七王女「ホビット大丈夫か? 気を強くもつのじゃ」ぎゅう

第二皇子「兄様は本気でみんなを……ホビット族もドワーフ族も……」

第七王女「……ええい、捕まったのであれは助け出すまでじゃ」

第二皇子「でも帝国軍相手にどうやって……」

第七王女「それは……」
492 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/16(土) 23:43:50.81 ID:adIN3ugC0
○城門跡地

ドワーフ兵A「王よーッ!」

ドワーフ王「うおおお放せ!」

ドワーフ王が魔王アーマーに捕まった。

魔王アーマー「抵抗をやめよ、お前達の王がどうなってもよいのか」

\おのれ卑怯者ー/ \出てきて戦え/

ドワーフ王「怯むな、我に構わずに敵を打ち倒すのだ」

\\うおおおお//

魔王アーマー「これだからドワーフ族は」

メキメキ

ドワーフ王「ぐわああ」

魔王アーマーがドワーフ王を握りしめる。

\王よー/
493 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/16(土) 23:44:49.56 ID:adIN3ugC0
ひゅぅううん ズドン

魔王アーマー「うお!?」

ドワーフ王「わあああ!?」

何かが上から降って来て魔王アーマーを踏みつけた。衝撃でドワーフ王が解放される。

白竜「いったーい」

娘「ぐだぐた言わない、……助太刀するわ」

ドワーフ王「おお、ドラゴンと娘殿、かたじけない」


○帝国軍陣営

ドドーンドドーン

ドワーフ族の砲撃とホワイトドラゴンとで魔王アーマーが苦戦している。

帝国将軍「まさかドラゴンまで居るとは……」

帝国兵「本国から伝令、転送許可が下りました」

帝国将軍「本当にやるのか皇帝は? ……転送門最終確認は?」

帝国兵「完了しました。指示を」

帝国将軍「……魔力路つなげ、転送門起動」
494 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/16(土) 23:46:23.63 ID:adIN3ugC0
○城門跡地

娘「なにあの光は!?」

白竜「あれは転送魔法!? もうそんな魔法まで」

ドワーフ王「何だ援軍か?」

転送門の光から何者かが出てくる。

娘「誰?」

白竜「危ない下がって」

ヒュイン

ズドオオオンッ!!

白竜「きゃああああああ」

突如飛来した濃縮魔力弾から白竜が娘達をかばう。

ドワーフ王「ドラゴン殿!」

娘「今の、まさかアイツが撃ったの……?」
495 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/16(土) 23:47:25.15 ID:adIN3ugC0
○帝国軍陣営・転送門

赤魔王アーマー「うむ、良い仕上がりだ」

転送門から現れた赤い魔王アーマーから声が響く。

帝国将軍「なにも自らお越しにならなくても、皇帝陛下」

赤魔王アーマー(皇帝)「私は欲しい物は自らで掴み取る主義でな」

皇帝が転送門から現れた。
496 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/16(土) 23:47:53.21 ID:adIN3ugC0
※つづく
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 00:12:44.16 ID:B96GdR4qo
乙!
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/18(月) 12:15:35.86 ID:nz4M9WYf0
やっと追い付いた
レスめっちゃ少ないが見てるぞ
499 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/22(金) 22:24:56.95 ID:8I1Py9ya0
#34 親衛隊
500 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/22(金) 22:27:30.74 ID:8I1Py9ya0
○ドワーフ城・城門跡

娘「白竜、白竜」

白竜「……いったぁい、お肌ボロボロじゃない」

娘「よかった、一応生きてるわね」

少年エルフ「娘、白竜さん」

男子「どうなってるんだ、娘まで出張って」

男子と少年エルフが駆け付けた。

ドワーフ王「大丈夫かドラゴン殿は?」

娘「なんとか」

ドワーフ王「彼奴ら転送門まで使うとは罰当たりめ」

男子「転送門とは?」

ドワーフ王「一瞬で遠方と行き来できる古代ドワーフ族の遺産じゃ」

娘「ドワーフ族の遺産をなんで帝国が?」

ドワーフ王「それは……」

男子「それは?」

ドワーフ王「こないだワシが売り飛ばしました」

男子「うわあ」

娘「なんでよりによって帝国に」

ドワーフ王「まー、燃費が悪すぎて使い物にならないと思ったんじゃが、一体どうやってあれだけの魔力を」

娘「……あまり考えたくないわね」

男子「しかしどうするんだこの後、あの赤い奴が出てから帝国軍も止まってるが」

ドワーフ王「ううむ……」
501 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/22(金) 22:30:14.19 ID:8I1Py9ya0
○帝国陣営

赤魔王アーマーの操縦席が開く。

プシュー

皇帝「なんという絶望、なんという魔力、素晴らしいこれが戦場か」

皇帝が操縦席から立ち上がる。

将軍「恐れながら申し上げます陛下」

皇帝「いってみよ」

将軍「命令通り出来る限りの捕虜をとらえましたがドワーフ王は籠城しておりこれ以上は捕縛命令ではなく殲滅命令を出していただかなければ……」

皇帝「黙れ」

将軍「……ッ!!」

皇帝「奴ら亜種族、亜人間はこれからの帝国の礎となるのだ、それにドワーフ王には直に聞かねばならぬことがあるのだ」

将軍「しかし今の戦力では……」

皇帝「ならば呼べばよいだけの事」

皇帝は赤魔王アーマーに戻り起動する。

ギュオオン

将軍「なにを!?」

赤魔王アーマーは転送門に魔力を流し込み再起動を行う。

バリバリバリバリ

将軍「そんな!? どこからそんな魔力が!」

赤魔王アーマー(皇帝)「出でよ親衛隊よ」
502 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/22(金) 22:32:22.61 ID:8I1Py9ya0
バリバリバリバリ

兎男「ウフフ…… あまり気持ちのよいものではありませんね」

転送門から兎頭の小男が現れた。

バリバリバリバリ

ゴリラ男「確かに」

転送門から筋骨隆々のゴリラ……いやかろうじて人間の男が現れた。

バリバリバリバリ

鯨男「……陛下の御前だぞ言葉を慎め」

転送門から鯨頭の巨体が現れた。

バリバリバリバリ

イカ女「キャハハハ、顔のうるさいアンタが言うなていうのウケル」

長身でイカ状の腕を持つオンナが現れた。

将軍「……(なんだこいつら!? 妙な扮装をして)」

皇帝「よしお前達、ドワーフ王を捕えて来い」

\\御意//
503 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/22(金) 22:34:15.43 ID:8I1Py9ya0
○ドワーフ城・城門跡

ドワーフ兵「伝令! 妙な奴らが来ます」

城門跡の上から見張りが叫ぶ。

ドワーフ王「妙な!? 一体どういう奴らだ」

ドワーフ兵「それが…… うわああああ」

ドカッガシャーン

ドワーフ兵が転落してガレキの山に突っ込む。

兎男「ウフフ…… 妙な連中とは心外なこれでも親衛隊なんですよ」

兎男が城門跡の上に現れた。

ドワーフ王「親衛隊!? 皇帝が来ているのか」

兎男「ご明察、我らが皇帝がはるばるこの北の島まで……」

ズズン ガラガラガラ

鯨男「口を慎め兎、ただ命令をこなすのだ」

ガレキの向こうから巨大な鯨男が現れた。

\なんだこいつは/ \こいつもアーマーか!?/

白竜「寝てる場合じゃなさそうね」ぐぐぐ

少年エルフ「白竜さん」

白竜が立ち上がり鯨男と対峙する。

鯨男「ほう、竜とまみえるとは……僥倖か」

白竜「鯨と合わすなんて…… 信じられない」
504 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/22(金) 22:36:35.53 ID:8I1Py9ya0
ドワーフ兵「王よ下がり下さい砲撃で支援を」

ドワーフ王「うむ……」

兎男「そのヒゲが王か……」バシュッ

兎男が高速でドワーフ王へ跳びかかった。

ドワーフ王「な!?」

ガキン

兎男「ウフフ…… よく反応しましたね」

男子「……不意を突くとは帝国の騎士はそんなものか」

男子が兎男の攻撃を弾いた。

兎男「フフ、私がそんなモノに見えますか?」

男子「……こんなところに居るんだ、ただの兎では無いだろうな」
505 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/22(金) 22:38:57.99 ID:8I1Py9ya0


少年エルフ「うわわ……白竜さんも男子くんもどうしよう」

イカ女「君カワイイねー、どうしよっか?」

少年エルフ「え!? うわ! いつの間に!!」

イカ女が擬態を解き姿を現した。

イカ女「いけない、つい出ちゃった」

娘「あんたパパに何やってんのよ”雷撃”」

娘がイカ娘に向かって魔法を放つ。

バリバリバリ

ゴリラ男「おっと、お嬢さんアンタの相手は俺だ」

ゴリラ男が現れ電撃を受けると平然と言ってのけた。

娘「どきなさい、割と普通のヤツ!」

ゴリラ男「普通とか言うな!!」
506 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/22(金) 22:39:38.87 ID:8I1Py9ya0
※つづく
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/23(土) 21:12:02.45 ID:s61cUEdOo
乙!
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/24(日) 01:20:10.96 ID:6jXz8hWS0
おつー
509 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/30(土) 23:04:17.85 ID:4Fe4rJ9C0
#35 シン・ゴリラ
510 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/30(土) 23:10:53.34 ID:4Fe4rJ9C0
○ドワーフ城

カキン

兎男「なかなかやりますね」

男子「く、早い(防ぐのがやっとか)」

ドワーフ兵「王は城へ、ギャッ」

兎男はドワーフ兵を倒して回り込んだ。

兎男「そうはさせませんよ」

ドワーフ王「おのれ化け物め」



少年エルフ「風弾」ヒゥゴオオ

イカ女「あーん、乾燥しちゃう」ピョイ

イカ女は擬態して姿をくらます。

少年エルフ「また消えて…… そこ”風弾”」

ビュゴオオ

イカ女「勘がいいのね、でもハズレ」
511 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/30(土) 23:11:58.17 ID:4Fe4rJ9C0


娘「”雷撃”」バリバリ

ゴリラ男「効かんというのにお返しだ」バリバリ

ゴリラ男の放電! あたりに電撃がほとばしる。

ババババババッ

娘「きゃ! なんでゴリラが雷に強いのよ」

ゴリラ男「はっはっは 進化の賜物だな まだまだ」

バババババッ



鯨男「手を焼かせてくれるな」

白竜「なんならベーコンにしようか?」

ゴオオオ……

ホワイトドラゴンは燃え盛る火炎を吐いた。

鯨男「ぬかせ」ブシャー

鯨男が海水を吐いて炎をかき消す。

ぶしゃああああ

水蒸気があたりに立ち込める。

白竜「やーもー、生臭いー」
512 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/30(土) 23:12:45.76 ID:4Fe4rJ9C0
○地下・秘密の通路

ドドン…… パラパラ

第二皇子「なに? 今の」

第七王女「なんじゃろな」

女兵士「王女サマー、勝手に出てきて良かったのかな?」

第七王女「敵を欺くにはまず味方からというじゃろ誰もわらわ達が捕虜の救出に行っておるとは思うまい」

第二皇子「まあ僕たちだけで、行くって言ったら止められるよね」

女兵士「だよねー」

第七王女「しかし長いのう、少し道を間違えたのう?」

第二皇子「あそこ光が見えるよ」
513 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/30(土) 23:13:41.76 ID:4Fe4rJ9C0
○雪の高台

ヒュオオオオ

第七王女達は秘密の通路を抜けて高台に出てきた。

第七王女「少し違うところにでたようじゃな」

女兵士「寒ーい、はやく降りましょーよ王女サマ」

第七王女「うむ、ホビットは寒くないかえ? ん?」ぎゅうぎゅう

第七王女が第二皇子にぎゅうぎゅう抱きつく。

第二皇子「大丈夫です、寒くないです王女姉様(というか動きにくい)」

第七王女「うむうむそうじゃろうそうじゃろう、さてみなはどこにつかまっておるかのう」ぎゅうぎゅう

女兵士「んー、ここからだとよく見えますね」

高台からは港町、ドワーフ城が見渡せた。

第二皇子「あそこ、みんな戦ってる」
514 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/30(土) 23:14:39.94 ID:4Fe4rJ9C0
〇ドワーフ城

ドドドドン

無数の砲撃で周囲が吹き飛ぶ。

兎男「ひょわーーー、味方ごと砲撃するなんて馬鹿ですか!?」

男子「俺はこれくらい平気だ」

ドワーフ王「ドワーフ族はこの程度日常茶飯事だ、のう皆の衆」

\おう/ \ライフで受ける/

兎男「馬鹿ですわあなたたちは、ひゃあああ」

ドドドドドン

兎男が砲撃と男子達の攻撃からボロボロになりながら逃げている。
515 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/30(土) 23:15:41.58 ID:4Fe4rJ9C0


娘「”電撃””雷撃””重雷撃”」

バリバリバリバリッ

ゴリラ男「うおおおおっ まてまてまてぇもう容量が…… グワーッ!」バボン

ゴリラ男の体から煙が上がる。

娘「まだまだいけるわよ”落雷”」

ガシャーンバリバリバリ

ゴリラ男「うがーっ」

鯨男「ぬううううう」

ドドン

鯨男も全身に火傷を負って倒れてきた。

鯨男「やはり陸では限界があるか」

白竜「やっとね、倒したらカマボコにするといいのかしら」

娘「それはサメでしょ」

娘とホワイトドラゴンが軽口をたたく。
516 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/30(土) 23:18:57.02 ID:4Fe4rJ9C0
ゴリラ男「ぬううピーンチ、しかしピンチがチャンス! イカァ我らに秘宝を!」

イカ女「えー? いいところだったのに」

少年エルフ「ひ!?」

イカ女は少年エルフの背後から現れた。

にゅるーん

触腕で壁を伝ってゴリラ男たちへ近づく。

イカ女「じゃ、いっくわよー」

ギラン

イカ女の左右の触腕から鋭い結晶が出現する。

鯨男「こうなれば仕方あるまい」

ドスッ

ゴリラ男「ぐっ」

ドスッ

鯨男「うおおお」

イカ女が結晶をゴジラ男と鯨男に刺した。
517 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/30(土) 23:22:17.29 ID:4Fe4rJ9C0
少年エルフ「あれは骨ドラゴンの時の奴!?」

ボボン

ゴリラ男と鯨男が融合した。

ゴリラ鯨男「グオオオオオ」

イカ女「ゴリラと鯨だからゴリジラ男ってとこかしらね」

白竜「あんた、それはギリギリよ」

娘「なによ更にデカくなったってどうだっていうの”重雷撃斬”」

バリバリバリ……ザシュン

ゴリラ鯨男「グフフフ…… 効かんな大きくなって容量アップだ」

娘「ぬうう白竜、火!」

白竜「……実は打ち止めなのん」

娘「ええ!?」

ドドン

ゴリラ鯨男が巨大な足で踏みつけてくる。
518 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/30(土) 23:23:56.52 ID:4Fe4rJ9C0
ドドンドドン

娘「きゃー」

白竜「いやー」

男子「おいおいおいマジか」

ドワーフ王「撃て撃て撃て」

ドワーフ王が逃げながら砲撃の指示を出す。

ドドドドドン

ゴリラ鯨男「はっはっはかゆいかゆい」

少年エルフ「大きすぎる、どうしよう」

白竜「そうだ娘、例の光は?」

男子「それがあったか、よしいつもの一発たのんだ」

娘「あんた達、気楽にいってくれるわね……」
519 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/30(土) 23:25:18.50 ID:4Fe4rJ9C0
娘「……」

娘は意識を集中する。

少年エルフ「……娘?」

娘「く……」

白竜「まさか…… 出ないの」

男子「ええ!?」

娘「光よっ!」

娘は剣を構えるが光は出ない。

ゴリラ鯨男「グワハハハハハ」

ゴリラ鯨男が大きな足で踏みつけてきた。

ドッスゥウン ゴゴゴゴゴ
520 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/30(土) 23:26:35.33 ID:4Fe4rJ9C0
〇帝国陣営

帝国兵「報告します、ドワーフ王と兵士、並びにドラゴンとその剣客達を捕らえました」

皇帝「遅かったな…… まあいい、王を連れてこい」

帝国兵「はっ」

帝国兵が走りさった。

皇帝「合成兵にかかれば伝説のドラゴンも形無しだな」

神官「ええ苦労した研究の成果ですから…… 私共のね」

カーテンの影から神官が現れた。
521 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/30(土) 23:28:16.44 ID:4Fe4rJ9C0
皇帝「貴様また勝手に…… それはそうと本当にあるんだろうなその塔は」

神官「ええもちろんですとも、転送門もお教えした通りの成果だったでしょう」

皇帝「それ以上の魔力消費だったな、これで計画通りに事が運ばなければ…… 貴様わかっているのか」

神官「フフフ…… ご安心を陛下には魔王様がついておりますので」

皇帝「フン、どうだかな…… 王が来る、お前は消えろ」

神官「仰せのままに」

神官が音もなく影に消える。

皇帝「フン……(最終絶望計画、これで俺は世界を執る)」

帝国兵「ドワーフ王を連れてきました」

帝国兵によってドワーフ王が連れてこられた。

ドサッ

ドワーフ王「うぬ…… 皇帝、貴様よくも」

皇帝「黙れ、単刀直入に聞く『破天の塔』はどこだ?」

522 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2017/12/30(土) 23:28:45.90 ID:4Fe4rJ9C0
※つづく
523 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/06(土) 22:42:41.71 ID:7X7NPQEA0
#36 タワー・イン・ザ・ダーク
524 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/06(土) 22:45:01.09 ID:7X7NPQEA0
○古の坑道、帝国軍の行進・後方

皇帝達はドワーフ王の道案内により古の坑道を進む、皇帝の左右を魔王アーマーが守り、その後を自走式牢屋が列となって続き帝国兵が並進しながら警備をしている。

ガシャンガシャン

娘とホワイトドラゴンは自走式魔力炉牢に捕らえられている。

娘「あああエルフ大丈夫かしらあのゲソ女に変なことされてなきゃいいけど」

白竜「まだ大丈夫みたいね」

白竜は首をもたげて行列の先頭を伺う。

娘「それにしてもこの扱いは随分じゃない?」

帝国将校「これでも頑張ったほうだぞ、近くにまとまってるだろうが」

牢番には捕虜になっていた帝国将校がついていた。
525 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/06(土) 22:46:13.66 ID:7X7NPQEA0
娘友「ホントにー、アタシ達って将ちゃんの恩人じゃなかったっけー?」

後方の自走式牢屋から娘友がいう。

帝国将校「友ちゃんそうはいっても俺の口添えじゃこれが精一杯でさ」

娘友「いやいやまだまだ個人的努力がさ……」

娘友が帝国将校にくどくどと文句を言い始めた。

娘「……まったく立場逆転ね」

白竜「そう?」

娘「それにしてもこんな坑道をどこまで行くつもりかしら」

白竜「……破天の塔ね」

娘「ハテンの塔?」
526 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/06(土) 22:49:33.21 ID:7X7NPQEA0
○帝国軍の行進・前方

少年エルフ「地下に塔があるの?」

ドワーフ大臣「さよう、古のドワーフ族が魔王との戦いに建造したという伝説の塔しゃ」
自走式牢屋の列の前方ではドワーフ兵と少年エルフが捕まっていた。

少年エルフ「魔王との戦いに…… でも塔で何をするの?」

ドワーフ大臣「それは…… ううむ」

神官「破天の塔は古代ドワーフ族の対魔王決戦兵器…… 実際に使われなかったそうですが計り知れない破壊力を持っているそうです」

少年エルフ「神官さん」

いつの間にか牢の外に神官が立っていた。

ドワーフ大臣「おのれ、帝国の犬めよくも我らの前に顔を出せたものじゃの!」

少年エルフ「知り合い?」

神官「そうですね〜、以前ドワーフ王と歓談した時にちょっと」

ドワーフ大臣「貴様がその時に王から転送門や塔の事を聞き出したのであろう、僧侶だと思って信用したのが間違いじゃた!」

少年エルフ「神官さん帝国の味方なの?」

神官「今はそうなりますね〜」
527 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/06(土) 22:51:06.28 ID:7X7NPQEA0
少年エルフ「ねぇねぇこっそり助けてくれない?」ぼそぼそ

神官「そんな率直に言われるとこまりますねぇ」ぼそぼそ

少年エルフ「駄目?」ぼそぼそ

神官「フフ……」

イカ女「何コソコソ話してのよ」

神官「おっと、おいででしたかイカのお嬢さん」

イカ女が現れた。

少年エルフ「う……」

イカ女「まさかアンタ…… ソッチもいける口なの?」

神官「いえいえいえまさかそんな……」

イカ女「そう、エルフちゃんは色々終わったらアタシとイロイロするのよねー」

イカ女が格子の隙間から少年エルフに触腕をのばす。

少年エルフ「ヒィ」

神官「やめてくださいチャノマ的にも」

イカ女「なんかいった」

神官「いえ、しかし全てはこの作戦が終わってからですよ…… そろそろ持ち場に戻りましょう」

イカ女「フン、偉そうに」

イカ女が前方の皇帝の方へ戻っていく。

少年エルフ「ふぅ」

神官「大丈夫ですよ、いずれチャンスはあるでしょう」

少年エルフ「本当」

神官「フフフ、ナイショです」
528 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/06(土) 22:51:53.69 ID:7X7NPQEA0
○港町跡

第七王女「どうやら、娘たちとは地下の坑道に連れていかれたようじゃ」

偵察から戻った第七王女が告げる。

第二皇子「どうしよう」

女兵士「助けにいく?」

第七王女「むろんじゃ、しかしまず最初は予定通りにホビット族を助けようぞ」

第二皇子「でもあんな大きな兵がまもってるよ」

帝国の輸送船の前には坑道に入れなかったゴリラ鯨男が見張りに立っていた。

第七王女「ふむ、大きいのう」

第二皇子「帝国兵も数人いるみたいだし……」

女兵士「あんなにおっきいとトイレ入れないね…… どうするんだろう」

第二皇子「……」

第七皇子「……」
529 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/06(土) 22:53:21.25 ID:7X7NPQEA0
〇古の坑道、帝国軍の行進・後方

娘「じゃあ、ドワーフ族の捕虜を連れていくのも」もぐもぐ

白竜「多分、塔の魔力源にするためね あ、それとって」

娘「はい」ポイ

パク

白竜「うん、おいしい」もぐもぐ

娘たちは娘友が交渉によって得た将校用の食事を堪能していた。

娘友「なーによー、あんた普段こんないいもの食べてるのー? んー?」

帝国将校「いやたまーにですよたまーに」

娘友「ほんとにー?」

娘友と帝国将校が格子越しにじゃれている。

白竜「……もしかして飲んでる?」

娘「……さーね」

白竜「さてと、娘さん」

娘「何よ改まって」

白竜「呪いはちゃんと解けた?」

娘「……解けてるわよ」

白竜「だよね…… じゃあ何があったの?」
530 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/06(土) 22:57:44.18 ID:7X7NPQEA0
娘「何って何が?」

白竜「こう…… なにか悲しい事」

娘「別に…… 呪術師に解呪してもらってバカ勇者が居て、そして貴方の呼び出しがあっただけじゃない」

白竜「ふーん…… 呪術師ね、たしかエルフ族だったって話よね」

娘「それが何よ」ゴゴゴ……

白竜「こわーい、娘ちゃん顔こわいわー」

娘「貴方がヤな事言いだすから……」

白竜「ヤな事ね…… それだけ?」

娘「もう…… それだけよ」

白竜「……それだけじゃないでしょ、呪術師はエルフ族の女性でエルフちゃんと仲良くなっちゃったんでしょ」

娘「なによ! わかってるなら言わないでよ!」
531 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/06(土) 22:59:09.00 ID:7X7NPQEA0
\なに!?/ \どうした娘?/

後方から娘友や男子が声をかける。

娘「……ごめん、なんでもない」

白竜「……」

娘「……で、それが何よ」

白竜「……エルフちゃんがほかのヒトと仲良くなるのがそんなにイヤ?」

娘「別に…… 他のエルフ族を見つけるのは目的の一つだったんだから願ったりかなったりだわ」

白竜「うーそ、本心は違うでしょ」

娘「う! もーなによ、結局何がいいたいのよ」

白竜「娘がそんなんじゃ光剣も使えないし皇帝には勝てないわよ」

娘「そんな、……光はなくても皇帝ぐらいどうってことは」

白竜「仮に皇帝をどうにかできたとしても魔王はどうするの」

娘「そんなの…… 知らないわよ魔王アーマーごと海に沈めればいいんじゃない」

白竜「無理よ無理…… 本来ならもっと世界中を回らなきゃいけないしそれ以前に王女のお付じゃ効率が悪いし……だいたい昔の勇者だって封印するのが精一杯で」ブツブツ

娘「いっても仕方ないわ、今あるもの、出来たもので勝負しなくちゃ」

白竜「そうだけど…… ねえ本当に大丈夫? 娘」

娘「……光だけはなんとかするから」

白竜「……お願いね」

娘「ええ……」
532 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/06(土) 22:59:53.17 ID:7X7NPQEA0
〇港町跡・埠頭

♪〜

ゴリラ鯨男「グオオオオオ……」

ズッドオオオオン バシャアアアアア

ゴリラ鯨男は第二皇子の魔曲によって眠り海へ倒れこんだ。

女兵士「うわー、すごい事になったね」

第二皇子「こんなにあっさり効くとは」

ゴリラ鯨男「グオオオオオ……」

ゴリラ鯨男は海面に浮いていびきをかいている。

第七王女「古来より巨人が状態異常に弱いのは基本じゃな」

第二皇子「他の帝国兵も寝てるし、急いで助けよう」

第七王女「うむ」
533 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/06(土) 23:01:41.70 ID:7X7NPQEA0
○古の坑道、帝国軍の行進・先頭

ドワーフ王「ここじゃ」

ヒュオオオ

皇帝「ここか? 何も見えないが」

ドワーフ王「あそこの操作レバーで照明がつく」

皇帝「兎よ」

兎男「はっ」バシュ

兎男が高速移動して操作レバーにたどり着く。

ガコン…… バッバッバッ

皇帝「ほう…… あれが」

巨大な地下空間の向こうに破天の塔が浮かびあがった。

534 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/06(土) 23:02:11.38 ID:7X7NPQEA0
※つづく
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/06(土) 23:51:02.53 ID:ILyofXQzO
乙!
536 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/13(土) 22:42:15.21 ID:Qj5gcima0
#37 最新絶望計画
537 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/13(土) 22:44:45.58 ID:Qj5gcima0
〇破天の塔・1階

将軍「よし亜種族どもを動力室へ連れていけ、グズグズするなよ」


ガラガラガラ

ドワーフ大臣「王は彼奴等と制御室かなんとかせねば」

少年エルフ「みんな大丈夫かな…… 娘」

ガチャガチャ

帝国兵達が自走式魔力炉牢の少年エルフ達を連れていく。
538 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/13(土) 22:46:19.58 ID:Qj5gcima0
〇制御室

ゴゴゴゴゴ

皇帝「よし起動したな、発射準備を進めろ」

制御盤に帝国兵達がついて作業を始める。

ドワーフ王「いきなりこの塔を使うつもりか? 何をするつもりだ!」

皇帝「天を貫き太陽をも墜とす、それがこの破天の伝説であろう」

ドワーフ王「なに? ……そんなものは御伽噺じゃ」

皇帝「どうかな? 貴様たち目標を太陽に設定、正午には撃てるようにしておけ」

\\御意//

ドワーフ王「馬鹿な、本当に太陽を…」

皇帝「こいつはもう用済みだ、動力室へ連れていけ」

帝国兵「御意」

ドワーフ王「正気か!? 貴様なぜそんなことを……」
539 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/13(土) 22:48:29.86 ID:Qj5gcima0
〇破天の塔前・自走式牢屋

娘友「太陽を撃ち落とす!?」

娘「正気の沙汰じゃないわね」

神官「そうですね今の陛下はご乱心しておられます」シュー

娘達を開放した神官は娘の電撃で黒焦げになっている。

男子「本当にそんな事が可能なのか?」

神官「……ええ充分に可能です(誰か対面した途端に電撃を放たれた私を気遣ってください)」シュー

白竜「アンタたしか……」

神官「おっと貴方は…… 娘さんたちを助けたということで…… ここは一つナイショに」ボソボソ

白竜「娘は判ってそうだけど…… 仕方ないわね」

神官「感謝します」
540 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/13(土) 22:49:54.37 ID:Qj5gcima0
娘友「さて、どうする?」

娘「もちろんパパを助けに行くわ」

男子「しかし友もいるし王女達も探しにいかないと」

第七王女「それには及ばんのじゃ」

第七王女達が現れた。

娘「王女! やっぱり無事だったのね」

男子「ホビットも女兵士さんも…… よかった」

女兵士「はろー」

第二皇子「よかった無事で」
541 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/13(土) 22:52:17.55 ID:Qj5gcima0


第七王女「本当だとすると事態は深刻じゃの」

第二皇子「でも太陽を墜とすなんて、なんでそんなことを……」

娘「……」

神官「……」

白竜「はぁ…… 詳しいことは省くけど皇帝には負の感情を魔力に変換する装置があるの

女兵士「フの感情?」

娘「不安や恐怖とかね」

神官「そんな時に太陽が無くなったら世界はどうなります?」

男子「文字通りのお先真っ暗だな」

白竜「世界中が恐怖と不安、絶望に包まれるわね」

第七王女「そのすべてが帝国の、皇帝の魔力になると」

神官「暗黒の世界で凛然と輝く都、それが皇帝の考える新帝国なのです」
542 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/13(土) 22:57:18.14 ID:Qj5gcima0
第二皇子「兄様……」

第七王女「うぬぬ、けしからん! ホビットよわらわがそちの兄の目を覚まさせてやろうぞ」

第二皇子「本当? 王女姉ぇさま」

第七王女「あたぼうじゃ! よしわらわ達は制御室へ乗り込むぞい!!」ブフッ

男子「まて王女、テンションがおかしいし、まず鼻血を拭け」

第七王女「ふむ、ちと正義感が溢れすぎたようじゃ」フキフキ

女兵士「正義感って鼻からでるんだ」

娘「じゃあ私はパパを助けに行くわ」

娘友「あたしも」

神官「では私はそろそろ……」

娘「アンタも一緒にきなさい! 友を守るくらいできるでしょ」

神官「えぇ〜 一応帝国側なんですが」

娘「ウソ。 それと白竜、一応コイツ見張っておいてね」

白竜「ハーイ、じゃあ変身してついていくわ」

神官「信頼されてないのに利用されるのですね、私」

第七王女「よし決まりじゃな」

娘達は二手に分かれて行動を開始した。
543 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/13(土) 22:59:13.43 ID:Qj5gcima0
〇制御室

帝国兵「動力室に魔力充填始まりました」

皇帝「……遅いな、もっと抽出速度を上げろ」

帝国兵「御意」

〇動力室

キュオオオオ

ドワーフ大臣「ぐわわあああ」

\ぎゃああ/ \ひゃああああ/

少年エルフ「うぐぐ…… 大臣さん他のドワーフさんたちも」

自走式魔力炉牢がフル稼働し少年エルフやドワーフ族から魔力を吸い上げる。

少年エルフ「このままじゃ、みんな魔力を吸い尽くされてちゃう…… そうだ」

少年エルフは天井の魔力抽出器に手を掲げて魔力を放出しだした。

少年エルフ「んぎぎぎ……(キツイけどまだ大丈夫)」

ドワーフ大臣「む、急に楽に…… エルフ殿なんて事を!?」

少年エルフ「大丈夫、ぼくはまりょくはたくさんあるか……ら……」

キュオオオ

\パパー/
544 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/13(土) 23:01:42.88 ID:Qj5gcima0


娘「パパーッ!」

娘達が動力室に飛び込んできた。

帝国兵「なんだ!?」

娘「”電撃”」

バリバリバリ

帝国兵達「「うわーー」」

帝国兵達を倒した。

娘友「はっや」

神官「おーこわいこわい」
545 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/13(土) 23:02:47.29 ID:Qj5gcima0
少年エルフ「うぅ…… 娘、よかった逃げ出せたんだね」

ドワーフ大臣「オナゴ達よ早くこの装置を止めるのじゃ、エルフ殿が」

娘友「わかったわまかせて」

娘友が制御盤を操作する。

娘友「えーとこれかな? どうかな」

娘「早く早く」

娘友「えい」ポチ

ビーッビーッ

警報が作動した。

娘友「あら間違ったようね」

ガチャガチャ

魔王アーマー兵「お前たちいつの間に!」

魔王アーマーの帝国兵が現れ襲ってきた。

白竜(人型)「あちゃー」

娘「倒すわ、友は装置をお願い」

娘友「が、がんばる」ガチャガチャ
546 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/13(土) 23:05:21.94 ID:Qj5gcima0
〇制御室への道

シュタタタタ

第七王女「まかりとおーるっ」

第七王女が俊足で帝国兵の間を駆け抜けていく。

\え!?/ \なんだ?/

ドタタタタタ

男子「フンっフンっ」

\\ ウワーっ!//

その後に駆け上って来た男子がみねうちで昏倒させる。

第七王女「何をしておる早くせんか」

男子「ふぅふぅ…… 相変わらずむちゃを言う」

第二皇子「王女姉ぇさま、あっち」

第七王女「なんじゃホビット…… ムッ!」

兎男「いやはやここまで来るとは」

イカ女「あーあ、めんどくさーい」

兎男とイカ女が立ちふさがった。
547 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/13(土) 23:07:56.52 ID:Qj5gcima0
男子「フ、再戦ってトコだな」

兎男「今度は支援砲撃はないですな、どうしますか?」

イカ女「うわーよく見たら君、カッコいい! ねーねーアタシと付き合わない?」

男子「……」

女兵士「ダメですー! 貴方敵じゃないですかイカじゃないですか何考えてるんですかー」

イカ女「なによアナタ、ケチー、ポニテー可愛いとかホントに思ってるのー」

女兵士「なにおー!? 貴方だってツインテールとか、ぶりっ子すぎじゃないですかーブリブリー」

イカ女「こーれーはー触腕ですー、いわば地毛ですー」

女兵士「えー地毛ー、キモーい」

イカ女「いい年してキモーい言わないでよムカつく!」

\ギャーギャー/

女兵士とイカ女が口論を始める。

兎男「えーと、なんか申し訳ない」

男子「……いやこちらこそスマン」

548 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/13(土) 23:08:43.46 ID:Qj5gcima0
※つづく
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/14(日) 13:34:17.35 ID:mexK7qM/o
乙!
550 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/20(土) 23:51:38.09 ID:wCLPKput0
#38 最狂絶望計画
551 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/20(土) 23:53:13.29 ID:wCLPKput0
○動力室

ドドン ガキィン

白竜「押さえたわ、娘!」

娘「”重雷撃斬”」

ズガッバリバリバリッ

魔王アーマー兵「ギャアアア」

白竜「ひゃあああああ」

魔王アーマー兵は気絶した。

娘「よし」

白竜「よし、じゃないわよ!巻き込まないでよォ!!」

娘「いいじゃない、どうせビリっとする程度なんだし…… それよりパパは?」

少年エルフ「んにゅうう」ガクガク

ドワーフ大臣「まだか!? 早くここを開けるのじゃ」

娘友「やってるってあーもうこれでどう」

ポチ
552 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/20(土) 23:54:09.22 ID:wCLPKput0
〇制御室への階段

ダダダダダダっ

第七王女「奴らは男子達に任せるのじゃ」

第七王女はホビットの手を引きながら駆け上がっていく。

第二皇子「まって誰か上からくる」

第七王女「む!?」

帝国兵と連行されているドワーフ王が降りてきた。

帝国兵「なんだお前は」

ドワーフ王「第七王女! 皇子まで!」」

第七王女は素早く眠り袋を投げつけた。

シュッ ボン

帝国兵「ブホっ なん……フニャ」ドサッ
553 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/20(土) 23:54:55.32 ID:wCLPKput0
第二皇子「すごい効き目」

第七王女「エルフ特製じゃからな」

ドワーフ王「助かったぞい」

第二皇子「ドワーフ王、兄ぃ……皇帝は一体何を」

ドワーフ王「彼奴は破天の塔をすぐさま使うつもりじゃ」

第七王女「なんじゃと!?」

ドドォン ゴオオオオオッ!!

ドワーフ王「なんともう!?」

第二皇子「なにあれ…… どういうこと!?」

第二皇子が指さす外では破天の塔が爆炎を噴き上げて上昇していく。

第七王女「なんと…… 浮いておる」
554 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/20(土) 23:56:56.49 ID:wCLPKput0
〇上昇する破天の塔内

娘「止まったと思ったら」

娘友「飛んでるーっ!?」

男子「塔が飛ぶなんてどんな仕組みだ!?」

娘「まってこれどこに向かって」

白竜「そりゃあ、太陽目指して……」

少年エルフ「へ……」

一同「「はあぁーー!?」」

〇制御室

帝国兵A「まもなく地表に出ます」

皇帝「順調だな」

ビーッビーッ

皇帝「なんだ!」

帝国兵A「射出口が閉まって……いえ、障害物が! いきなり!?」

帝国兵B「先端が接触…… 上昇が停止、損傷軽微」

皇帝「どうした原因をさっさと調べろ!」
555 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/20(土) 23:59:06.73 ID:wCLPKput0
〇上昇する破天の塔内

白竜「何にぶつかったの…… 氷?」

娘「氷程度でこの質量が止まるなんて……」

少年エルフ「上ですごい魔力が…… この声……師匠さん!?」

〇地上・射出口付近

片耳エルフ「フフ…… 待たせたなエルフ」

魔法勇者「師匠、俺病み上がりっすよー」

片耳エルフ「ぐだぐだいうな、止め続けるろ!」

魔法勇者「うへー」

片耳エルフと魔法勇者が氷結魔法で氷塊を撃ち続けている。
556 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/21(日) 00:00:05.71 ID:hu7JDsln0
〇制御室

帝国兵A「信じられません、雹、いえ氷塊で蓋されています」

帝国兵B「嘘だろおい」

皇帝「亜種族めでたらめな…… 出力最大だ吹き飛ばせ」

〇上昇する破天の塔内

ゴオオオオオオっ

娘友「どうするの止まってても脱出できないんじゃ」

娘「白竜なんとかならないの」

白竜「無理よー、あの炎じゃ私でも黒焦げよ」

少年エルフ「師匠さん…… ドングリを? わかった!」

娘「エルフ! 何を」

少年エルフは巨大なドングリを取り出すとそれが光出した。

少年エルフ「光ってる……」

娘「駄目、やめて……」

少年エルフは祈った。

少年エルフ「……(僕の世界を……)」

パキィン

巨大なドングリがさらに輝きを増す。
557 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/21(日) 00:00:44.15 ID:hu7JDsln0
※つづく
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/21(日) 00:19:07.61 ID:BCe/phPzo
乙!
559 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/27(土) 21:27:43.08 ID:8XdBnhhg0
#39 最終絶望皇帝
560 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/27(土) 21:28:48.77 ID:8XdBnhhg0
〇破天の塔

ずどどどぉーん

ガラガラガラ

ヒュオオオオ

娘友「なになに一体なにが起こったの?」

当たりには縦横無尽に木の枝が蔓延っている。

白竜「これは木?」

破天の塔は内部から生えた巨木によって動きが止まっている。

白竜「すごいわね、一瞬でこんなに」

娘「パパ! パパはどこ!?」

娘は慌て少年エルフの居たあたりをさがす。
561 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/27(土) 21:29:48.82 ID:8XdBnhhg0
少年エルフ(木)「うん……」

娘「エルフ!」

バサバサバサ

枝葉に埋もれた少年エルフを娘は助け出す。

娘「パパ!大丈夫!? 起きて、目を覚まして」

少年エルフ「うん……どうなったの」

少年エルフは目を覚ました。

娘「……よかった」

シュタッ

片耳エルフ「初めてにしては上出来だ」

片耳エルフが降りて来た。

娘「あんた……」

少年エルフ「師匠さん、今のって」

片耳エルフ「森のエルフ族は秘術で木を操る…… 予想通りその種は術の媒体の役割があったようだな」
562 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/27(土) 21:31:23.81 ID:8XdBnhhg0
娘「あんたねぇエルフにこんな術をつかわせて何かあったらどうするの!!」

片耳エルフ「問題ない、エルフ族の術だ…… 人間にはわからないか?」

娘「キーッ!」

少年エルフ「娘、僕は大丈夫だから……」

ふらっ

娘「エルフ」

片耳エルフ「これほどの巨木を作り出したのだ、少し休め」

少年エルフ「はい」

娘友「結局この塔はどうなったの?」

片耳エルフ「これだけ根をはれば動くことはあるまい、あの皇帝の企みは阻止されたのだ」

少年エルフ「皇帝…… ホビット、お兄さんを止めれるのかな?」

片耳エルフ「さあな」

娘友「ねえねえそれよりどうやってここから降りるの?」

娘「……枝を伝っていくしかないわね」
563 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/27(土) 21:33:57.81 ID:8XdBnhhg0
〇制御室

帝国兵「破天の塔、完全に停止」

皇帝「馬鹿な……」

バァン

第二皇子「兄ぃ様!」

第七王女達が制御室に飛び込んできた。

帝国兵A「侵入者!?」

帝国兵B「捕らえろ」

第七王女「せやっ」

シャシャッ

第七王女が投げナイフを投げつける。

帝国兵A「ぐぅ……」

帝国兵B「しびび……」

第七王女「安心せい、しびれ薬じゃ」
564 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/27(土) 21:35:36.87 ID:8XdBnhhg0
第二皇子「兄ぃ様、どうしてこんなことを」

ドワーフ王「貴様の悪行もこれまでじゃ」

皇帝「……何をしている全員でかかれ!」

帝国兵達「「わーー」」

帝国兵達が第七王女達に襲い掛かる。

第七王女「むぅ!」

ドワーフ王「おのれ卑怯な」

\おりゃあああ/

帝国兵達「「うわーーー!」」

男子「王女、ホビット無事か?」

第七王女「男子」

ドワーフ王「これは頼もしい、軟弱な帝国兵などわしらで一捻りじゃ」

第七王女「皇帝よ神妙にお縄につくがよい」
565 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/27(土) 21:36:49.53 ID:8XdBnhhg0
皇帝「……」

第二皇子「兄ぃ様…… 兄ぃ様に何があったのですか話してください」

皇帝「フ、フフフ……」

第七王女「なんじゃ!?」

皇帝「フハハハ…… お前たちがここまでやるとはな」

ドワーフ王「まだ何か企んでおるのか?」

皇帝「いやいや、世界征服も楽は出来んな」

皇帝は大げさに嘆きながら窓辺へ移動する。

第二皇子「兄ぃ様?」

皇帝「やはり、一つずつ丁寧にすり潰さねばならないのだな」

第七王女「なに?」

ガシャーン

男子「危ない」

第二皇子「兄ぃ様!」

突如窓を破って突き出た巨大な腕が皇帝を掴んで消えた。
566 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/27(土) 21:37:18.04 ID:8XdBnhhg0
ドワーフ王「今のは……」

\フハハハハ/

第二皇子「みんな逃げて!」

ギュオオオオオッドドドドドドド

567 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/27(土) 21:44:32.82 ID:8XdBnhhg0
〇連絡路

女兵士「へぇーお父さんがいるの、いいなー」

イカ女「あのねー、父親を美化しすぎよ、うるさいし面倒だし」

女兵士とイカ女は戦いから友情が芽生えて談笑している。

ゴゴゴゴゴゴッ

イカ女「何の音!?」

女兵士「揺れてる!?」

ダダダダッ

第七王女達が上層から駆け下りてきた。

第七王女「何をしておるおぬしら」

女兵士「え、いやちゃんと戦ってたんだけどなんか話があって……」

そんな事より逃げるぞ、ここは崩れる」

イカ女「何なに!?」

ギュドドドドドッ

魔力弾が部屋の一部を吹き飛ばす。

イカ女「ヤッバ」
568 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/27(土) 21:45:38.09 ID:8XdBnhhg0
〇破天の塔発射場跡

娘友「やっと降りれたって、何!?」

ドドドドドッ

瓦礫が落ちてきた。

少年エルフ「”風防波”」シュルルル

風の障壁で瓦礫を防いだ。

娘友「一体なにが」

ガシャアアン

娘友「きゃああああ!?」

赤魔王アーマーが降ってきた。

赤魔王アーマー(皇帝)「ほう、お前たちが破天の塔を…… やってくれたな」

娘「皇帝っ!」
569 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/27(土) 21:46:14.02 ID:8XdBnhhg0
赤魔王アーマー「まずは掃除だな」

ギュオオオ

赤魔王アーマーの砲塔に魔力が集約する。

ドドドドドドド

四方八方に魔力弾が放たれる。

片耳エルフ「”大防護”」ヒィイン

バヅンッバヅンッ…… バギィン

片耳エルフ「なんと禍々しい」

少年エルフ「あれって」

白竜「……魔王の一部いえ、そのものを使っているわね」

〇赤魔王アーマー内

皇帝「フハハハッ そうだ最初からこうすればよかったのだな」

異形の首「……」ゴポッ

操縦席の後部にあるガラス管の中から異形の首が蠢く。

570 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/01/27(土) 21:47:10.96 ID:8XdBnhhg0
※つづく
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/27(土) 23:48:51.09 ID:K7RCx3Ffo
乙!
572 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/02/04(日) 00:38:30.72 ID:43UkMw/W0
#40 世界樹の英雄
573 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/02/04(日) 00:39:32.71 ID:43UkMw/W0
〇破天の塔跡地

娘「光よ!」

ヒュゴオオオオッ!

光の奔流が赤魔王アーマーを直撃する。

赤魔王アーマー(皇帝)「なんだ目くらましか?」

白竜「そんな全然効かないなんて」

赤魔王アーマー(皇帝)「お返しだ」

バシュッ!

濃縮魔法弾が放たれた。

少年エルフ「”二重風破波”」シュルルル

ヒュバババッ ドドンッ

「「うわあああ」」

風の障壁で魔法弾を防ごうとするも防ぎきれない。
574 : ◆VEKixXsFvlSQ [saga]:2018/02/04(日) 00:40:40.33 ID:43UkMw/W0
シュタタタッ

片耳エルフが赤魔王アーマーの後ろに回り込む。

片耳エルフ「ここならどうだ! ”焔”」

ギュオオオ ゴオオオン!!

白熱する熱塊が赤魔王の背部に直撃する。

赤魔王アーマー「ちょこざいな」

ボシュウウウウウウウウウッ

片耳エルフ「あつっ ぬうううううう!」

赤魔王アーマーの背部から高熱が噴き出す。

赤魔王アーマー「フハハハハッ 這いつくばれ亜人種」

ボシュウウウウウッ

片耳エルフ「何!? 飛んだ!」

ボボボボボンッ

片耳エルフ「ぐぅうううウッ!」

少年エルフ「師匠さん!」
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