貴方「奴隷たちに救済を」【安価スレ】【2スレ目】

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1 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/29(水) 02:16:48.23 ID:Q++3+EyA0
このSSは、奴隷たちを助けていくというシンプルなSSです。

助けた奴隷をどうするかは皆さん次第です。

皆さんのおかげで、次のスレを立てることができました。

ありがとうございます。

前スレはこちらです。

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1487518094/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490721407
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 02:24:39.16 ID:owlJMYp7O
立て乙
簡単な紹介ほしい
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 02:53:22.37 ID:YqBMi9Mzo
たて乙
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 15:27:35.22 ID:e9kFo6j10

紹介確かに欲しいな
5 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/29(水) 23:56:50.92 ID:Q++3+EyA0
それでは再開します。最初に、簡単な紹介だけして進めます。
6 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 00:08:39.28 ID:3Avv/HaN0
貴方 25歳 男性 能力値…戦闘(5) それ以外は未判定。

一週目の貴方。特級貴族の一人で、奴隷制度の廃止を目標に掲げている。

目標を見つけた理由には、ある人物が関係してるらしいが…?忘れさられているが、実は熱血漢。

超が付くほどの辛党だが、甘いのも全然イケる。25歳だが、童☆貞であり、交際経験もない。胃薬常備。探知魔法が得意。

ロリコンではないが、買った奴隷はなぜか二人ともロリ。まんざらでもないからやっぱりロリコンなのかもしれない。

献血などのボランティアをたまにするが、よく自滅しているので意外とマヌケ。趣味で薬を調合してたりする。

背中に火傷の痕があるが、それはアリサと出会い、救った証である。本人は醜いので疎ましく、だが誇らしくも思っている。
7 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 00:24:46.27 ID:3Avv/HaN0
アリサ・ブラックウッド 女性 20歳 人間 能力値…戦闘(8) 清掃(9) 炊事(1) 馬術(8) それ以外は未判定。

金髪ロングのいたって普通なスタイルのメイド。諸事情により、右足は太ももから先は義足、脇腹に火傷の痕がある。

仕事熱心で尽くすタイプ、プライベートと仕事でスイッチを切り替える出来る子なのだが、仕事モード時はどこかおかしい。

魔法に精通しており(というかし過ぎている)、ほとんどの魔法を使える。しかし、ごく一部の一族しか受け継がない魔法等は不可能。

使用武器は弓とナイフで、弓は貴方と攻略したダンジョンの戦利品、ナイフは貴方からの就任のプレゼント。

自称か弱い乙女だが、近接戦闘も充分強く、遠距離戦闘では手が付けられない。なんだかんだで脳筋。

ナイフは普通に使ったり、結界の破壊や解除、防御行動などに使う。もちろん投擲もする。瞬間移動もお手の物。

弓は魔力で生成した矢を使うためのものである。貴方のことは好きだが、正直になれない。耳年増。処女である。
8 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 00:48:08.12 ID:3Avv/HaN0
カエデ・イズモ 女性 23歳 人間 能力値…戦闘(8) 清掃(2) 炊事(0) 馬術(8)

紫がかったかなり長めのポニテで、スタイル抜群なメイド。過去に雇い主たちに陵辱されたので、全身に打撲痕がある。当然非処女。

アクティブな性格で、自分が女性らしいとは思っていない。貴方のことは好きであるが、基本的に一歩引いている。

料理の腕はチートだが、これは自分らしくいれた時間が調理中だけだったのと、上手くなれば、犯されることも減ると思っていたから。

武器は一族に伝わる刀で、近接戦闘はとんでもなく強い。実は昔に鍛錬を積んでいるので、大体の武器は使いこなせる。

魔力が異常に多いが、魔法は一切使えないので持ち腐れ中。いちおう放出等ができるから無駄ではないか。ザ・脳筋。
9 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 01:01:27.47 ID:3Avv/HaN0
アルヴァ 女性 100歳 フェニックス 能力値…戦闘(6) 清掃(8)

紅い長髪、碧眼、臀部から二本の羽根が生えたフェニックスの少女。貴女にべったりの一途な女の子。可愛い。

その特性上、死ぬことがまずあり得ないが、痛覚自体は存在するので案外厄介な体をしている。

貴方に買ってもらった純白のワンピースがお気に入り。精神年齢は見た目相応…というか幼い。

戦闘時は肉体の一部を本来の姿に戻す。空を飛ぶことも出来る。なんだかんだで貴方よりも強い。

好きな物はお肉だが、お肉以外は食べられない。四次元胃袋の持ち主。

自分よりも子供の奴隷が増えたので、お姉ちゃんっぽく頑張っている。
10 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 01:14:02.46 ID:3Avv/HaN0
レイス 女性 10歳 人魚 能力値…歌唱力(9) 折り紙(5) 貴方の折り紙判定は4、アルヴァは8です。入れ忘れてすみません。

母親を目の前で殺された人魚の女の子。猜疑心が強い上、やや人間不信。ツンデレ。ただし女子に対しては働かない。

貴方のことは嫌いではないのだが、疑いまくっているので、愛想が悪くなっている。だが、感謝の言葉ちゃんと伝える。

レイスが歌ったら、その歌の内容が他者に反映される。子守り歌を歌ったら周りの人が眠る、テンションが上がる曲なら力が出る等。

陸上での行動は苦手で、基本、他の人に手伝ってもらう。貴方絡みでなければ、ただの可愛い子供。
11 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 01:16:53.50 ID:3Avv/HaN0
とりあえず、これくらいでいいでしょうか…。他のキャラは、もう少しコミュったりした後で紹介します。

今だとまだ出てきてないものばかりだから、紹介してもアレだと思うので…。本編を再開するので、しばらくお待ちください。
12 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 01:46:37.24 ID:3Avv/HaN0
…さて…。

色々聞きたいことはあるが、まずはお前だ。

何でここにいるんだ?

「当主様は昼頃、奴隷と会いませんでしたか?」

会ったが。

「あなたが悲しそうな顔をしてたので、助けておきました」

そう言いながら、ピースをするアリサ。

どういうことなの…?

「…実を言うと、当主様が遠出をした時は、こちらも水晶玉に投影して視てるんです」

「あなたが危険な目に遭ってないか、とか」

プライバシー侵害だ。

訴訟も辞さない。

「内緒にしてたのは申し訳ありません」

「ですが、彼女たちを救えたので手打ちにしてくれませんか?」

まあ…。

………。

…今回だけだぞ。

「…すみません」

そういえば、助けた子供たちはどうするんだ?

おそらく、身寄りは無いだろうから町に戻すのは無理だぞ?

「アイリス様に預けようと思っています」

「彼女自体は誰からも見られていませんから」

「ですので、子供数人を裏で養うのも可能でしょう」

「むしろ、イメージアップにも繋がるかもしれません」

アイリス様自体はただの良い人だからな…。

権力とかを封じてるリゼルその他諸々がクソなだけで。

アイリス様に任せてあげてくれ。

俺みたいなどんな人なのか分からない男よりも、女性の方が心を開くだろう。

「了解しました」

次は…あんただな。

「…そうだな」
13 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 02:25:34.98 ID:3Avv/HaN0
いったい、どういうことなのか説明してほしい。

嫌なら別に言わなくてもいいが。

「…主君に隠し事をするのは好きではないよ」

「分かった…全て話そう」

「私は50年ほど前に、ある村で過ごしていた」

「平和だったよ…本当に平和だった…」

「…だけど、人間の傭兵たちに襲撃されたのさ」

「必死に抵抗したが住人を逃がす間もなく、全員が殺された」

「その時、私は二つの未練を持ったんだ」

「一つは、同胞たちの敵を討つこと」

「そして二つ目は、我々と同じような目に遭う人がいなくなる…そんな世界を目にしたい…ということさ」

「一つ目は、もう果たせないだろう」

「あれから50年も経ったから、きっと既に死んでいるはずだ」

「私は敵だからといって、同じ人間だからといって、無関係の人を殺めることはできない」

「…それに、私は見たいんだ」

「亜人が人と共に笑いあう姿を…」

…大体のことは分かった。

お前も辛かっただろう。

「まあ…ね…」

憑依する対象は自由なのか?

「まさか」

「これでも私は怨霊だ」

「故に、憎悪の感情を抱いている者にしか憑依できない」

「憑依している間は、完全に持ち主の意識は眠るがね」

つまり、情報を取るために憑依させたり、ということは出来ないか。

デメリットはあるのか?

「敢えて言うなら、憑依中に肉体が死んだら私も死ぬということ」

「それと、魂だけでは誰にも認識されないくらいだろう」

「結構大きいデメリットではあるがね」

ふむ…。

…お前の名前は何だ?

「え?」

いつまでもお前とかあんたとは呼べないだろう。

「…すまない」

「ここ50年ずっと呼ばれてなかったから、私も忘れた」

…そうか…。

…『ユウ』、という名前はどうだ?

安直ではあるが。

「…好きに呼んでくれて構わないさ」

「だけど、ありがとう」

「私を正当なものとして扱ってくれて」

仲間なのだから、当然だ。
14 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 02:31:43.93 ID:3Avv/HaN0
ユウに、他に聞きたいことがあれば↓1〜3にお願いします。

今回はこれで終了とさせていただきます。キャラ紹介に時間を掛けてすみませんでした…。

次回更新も24時頃を予定しております。お疲れ様でした。
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 02:42:09.25 ID:EppMtKFwo

自分以外の幽霊を見聞きしたことがあるか
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 04:01:01.77 ID:tsVekS29O
襲撃してきた人間の顔や名前を覚えているか

最終的には仇とってやりたいよな
仇が生きてるか知らんが
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 08:20:00.98 ID:4TdF4AcDO
生前の情報
18 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/30(木) 23:55:12.18 ID:usvdsH8+0
今から再開します。まず。情報についての判定を二つ行います。↓1、2コンマがそれぞれ5以上で成功です。

記憶の摩耗:↓2コンマ-2
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 23:56:43.84 ID:1d/xhL7nO
ほぇ
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 00:05:47.05 ID:qiXrBxYSo
失敗か
そしてレジスタンスの情報は聞かないか
21 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 00:35:17.75 ID:giqfs4DT0
襲撃した人のことは憶えているか?

それか、生前の自分のこととかは?

「…あれから50年が経過してるんだ」

「残念ながら、記憶が摩耗してしまって思い出せないよ」

「憶えているのは、そういう事象があったということだけさ」

なるほど…。

名前を忘れていたのだから、そういう可能性もあったな。

では、幽霊がいたとかいう情報は持っているか?

「私は聞いたことがないね」

「この近くで戦争があったから、怨霊の一つや二つでも生まれるかと思っていたが」

「もしや、聖職者がいるのかもしれないね」

「彼らがいる時はお手上げだ」

「私も浄化されてしまう」

憑依していてもダメなのか?

「彼らはアリサ嬢とは異なるが、皆霊魂や死霊等を察知できる能力を持っている」

「これらは、いかなる状態でも発揮されるのさ」

「強力な死霊は視認できるがね」

無敵というわけでもないのか。

「まあ、魂が剥き出しな分、弱点も多いのだろう」

「貴殿らはこのようにならないようにね」

言葉の重みが違うな。

「ああそうだ、このまま戻るのは少々不味いのではないか?」

警備だと言い張れば問題なさそうだがな。

「違う違う」

む?

「私が言いたいのは、人間が多いところにオークが入り込むのが不味いということだ」

あー…。

たしかに少しヤバいかもしれないな。

「…この肉体で過ごした間、人間には虐げられたからね…」

「貴殿らにも影響が出るなら、極力避けたいのさ」

「不本意ではあるが、この肉体を廃棄しても構わない」

「…私としては、持ち主に申し訳ないがね…」

抜けた後はどうするんだ?

「依代を見つけるまでは、貴殿に同行するよ」

「デリカシーは持ち合わせてあるから、風呂やトイレの時は外すよ」

覗いたりとかはしないのか。

「そんなことをしても意味がないのさ」

「そんな感情、とっくの昔に喪失してるからね」

「今の私にあるのは、死ぬ瞬間に抱いた願望を尊守する意志と、生前から守ってきた信念くらいだ」

それをずっと守れるのは凄いと思うぞ。

「どうも」
22 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 00:38:40.96 ID:giqfs4DT0
直下に、今の肉体を捨てさせるかをお願いします。

そのまま使うデメリット

目を付けられるリスクが上がる。行動に制限が付けられやすい。

捨てるデメリット

肉体を入手するまで、コミュニケーションが取れない。最悪、持ち腐れになってしまう。
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 00:42:28.03 ID:qiXrBxYSo
そのまま
24 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 01:08:16.39 ID:giqfs4DT0
「それで、私はどうすればいいんだい?」

そうは言われても、立場上慣れてることだしな。

そのままでいい。

「おや、いいのかい」

嫌がらせをするやつなど、たかが知れてる。

その程度のやつのすることは、無視してしまえばいい。

しつこい場合は、色々対処も出来るしな。

「…了解だ」

それでもというなら、何か布を羽織ればいい。

「…いや、私も隠しはしないよ」

「主が堂々とするなら、従者の私も同じようにしないとね」

これは頼もしい。

「私で良ければ、存分に頼ってくれていいさ」

「…話は終わりましたか?」

ああ。

「では、私は子供たちをアイリス様のところに輸送してきます」

「皆さんが家に着くころには戻っていますので、ご安心を」

了解だ。

「では失礼」

そう言ってアリサは姿を消す。

俺の仲間には人外しかいないのか。

「私は人間だ」

人間は分身してるようなスピードで動かない。

「えぇ…」

…あと数時間掛かるが頑張ろう。

今日中には到着するはずだ。

「そうだな…」

運転代わろうか?

「いや、私がやるよ」

疲れたら休んでくれよ。

「無茶はしないさ」

…それならいいが。
25 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 01:24:59.96 ID:giqfs4DT0
どうにかこうにか、本日中に戻ってはこれた。

「おや、視察しに行ってませんでしたか?」

こんな夜中にも警備しているとは、仕事熱心なものだ。

あのクソ貴族どもに、爪の垢を煎じて飲ませたいよ。

真面目に。

町長がいきなり攻撃してきたから、仕方なく逃げてきたんだ。

「…お疲れ様でした!」

ホントに疲れたよ。

襲撃されてる時点で予想はついてたけども。

「心中ご察しします」

「他の貴族には困りますよね…」

「ろくに仕事をせず、遊び呆けてばっかりで…」

「アイリス様がかわいそうです…」

どんな風にだ?

「あの人が統治する国なのに、王女様は一切関与できないところです」

「せいぜい、外交するのが関の山でしょう?」

今のところはそうだな。

「…ですが、権力を封じた貴族たちはあのザマです」

「貴方様やアーバン様が頑張っていなかったら、どうなっているか…」

「リゼル様も働いてはいますが、正直ただの犯罪ですし…」

兵士は、沈痛な表情を浮かべて頭を下げる。

「…どうか、この国を救ってください」

「このままでは、腐りきってしまいます…」

あ、ああ…。

…こりゃ真面目にマズい状況だな。

兵士がこんなことを言うとかとんでもないぞ。

…俺がやることがこの国を救うとは限らないのだがな。

「そういえば、そこのオークはどなたですか?」

色々あって、警備として採用したんだ。

「なるほど」

「そろそろ閉門するので、お入りください」

分かった。

「本当に、お疲れ様でした」

お前たちこそな。
26 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 01:35:49.08 ID:giqfs4DT0
家に戻り、門の鈴を鳴らす。

そうしたら、静かに門が開いていく。

「私は馬を戻してくる」

「みんなは先に入っていてくれ」

了解、と言葉を返し、ドアを開ける。

アルヴァは既に夢の中で、静かに寝息を立てている。

「フェニックスとは思えない、可愛らしい寝顔だな」

知っているのか?

「いや、ただそう思っただけさ」

そうか。

「私はどうすればいいのだろうね」

部屋はまだ空いていたはずだ。

アリサに案内してもらってくれ。

起きていたら、だが。

「お呼びですか?」

だから…ね…。

「ユウさんの部屋はこちらですよ」

「その、なんだ」

「貴殿も苦労しているのだな…」

ホントだよ…。

第5週 終了
27 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 01:40:19.21 ID:giqfs4DT0
それでは、六週目を始めます。今回動かしたいキャラの名前(貴方組限定)を直下にお願いします。

これからの終了時の視点コンマ判定は、偶数週だけにしようと思います。
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 01:43:24.44 ID:rpqBPXPoO
アルヴァ
29 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 02:09:12.38 ID:giqfs4DT0
先週の視察は、酷いことになりました。

あの屋敷に入った途端、いきなり矢が飛んで来て…。

それから…。

…これ以上は思い出したくないです。

ご主人様のためだけど、それでも人を殺すのは…。

…だけど、私が戦うことで、ご主人様を守れるなら。

私が戦わなきゃ、ご主人様が死んじゃうのなら。

その時は、私も躊躇わない。

もしご主人様が死んだりしたら、私は一生後悔する。

そんなの嫌だ。

もっと、ご主人様と一緒にいたい。

もっと、ご主人様に褒めてもらいたい。

もっと…。

…ダメ。

こんなことを言ってたら、本当にご主人様が死んじゃいそう。

ご主人様は絶対に死なない。

絶対に死なせない。

私が、ご主人様を守るんだ。

朝の時間はご飯がちょっと少ない。

お腹いっぱい食べたら、眠たくなっちゃうから仕方ないのかもだけど。

レイスちゃんはまだ、ご主人様が嫌いみたい。

どうしたら仲良くなれるんだろう?
30 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 02:10:43.93 ID:giqfs4DT0
朝の行動を直下にお願いします。

参考

奴隷市場に行くと、珍しい奴隷の情報が来る可能性あり。昼に、戦争の結果が判明します。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 02:43:06.86 ID:qiXrBxYSo
レジスタンスが王都まで来た時のために住民の避難経路の確保


しかし軍部と主人公は無関係か
32 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 03:13:44.69 ID:giqfs4DT0
ご主人様は、今日戦争が始まるって言ってた。

もし、兵隊さんが負けたとしたら、こっちまでやってくるってことになる。

このまま何もしなかったら、関係ない人が死んじゃう。

その時に備えて、逃げ道を作っておきたい。

ご主人様も逃げさせられるように。

そうと決まれば、ご主人様に言わなきゃ。

ご主人様ー!

「どうしたんだ?」

あのね、もし、兵隊さんたちが負けたら…。

「言わなくていいよ」

「大体のことは分かってるからな」

「今から、そのあたりの申請を軍部にするところだったんだ」

「おそらく、許可は出されるはずだ」

「この紙を港まで持って行きなさい」

「こっちで申請は済ませておく」

はい!

「あとこれはお駄賃だ」

そう言って、ご主人様は札束を渡して来た。

ちょっと重い。

「これで、好きな物を買っていいぞ」

こんなにいらないよぉ…。

「気にするな」

「特別ボーナスと思ってくれ」

それなら…。

「ほほう?」

「私たちにはボーナスなんかくれないじゃないですか」

「何とか言ってくださいよロリコン」

「ロリコンちゃうわ!」

「そもそも給料自体バカ高いんだからいいだろ?」

「そういうことじゃないんですよねぇ」

「あ、私もロリっ子になった方がいいですか?」

「やめろぉ!」

あはは…。

「アルヴァは港に行ってくれ!」

りょ、了解!
33 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 03:32:40.57 ID:giqfs4DT0
ドアを開けて、背中から羽を出して空を飛ぶ。

腕を翼にすることも出来るけど、そうしたら紙が燃えちゃうから、やめておく。

背中から出す時は、炎にならないからありがたいなぁ。

…飛ぶ時に火の粉が飛ぶけど。

空を飛ぶのも気持ちいいけど、みんなと一緒にいるのが一番好き。

絶対に壊させるもんか。

チラチラ人に見られるのが気になるけど、急いで港に向かう。

…もしかして、スカートの中を見られてるのかも?

あうう…。

そう考えたら恥ずかしくなってきた…。

スカートを抑えたら大丈夫かな…。

港に着いたけど、その間ずっと見られてた。

やっぱり恥ずかしい…。

大きな男の人が船の前に立ってるから近づいていく。

「今日は荷物を積み込むだけだぞー」

「メイドさんがここに何の用だい?」

これ、お願いします。

紙を読んだ男の人は、ビックリした顔をする。

「軍部の印鑑は無いが、正真正銘の特級貴族のやつか…」

「…こりゃ無視できねえな」

「お前ら!」

「荷物の積み込みはいったん中止だ!」

「積み込むもんは保存食に限定!」

「民間人を出来るだけ積めるようにするんだ!」

「さっさとしろ!」

「俺たちの働きに、命が懸かってるんだ!」

イエッサーという掛け声が、周りから聞こえてくる。

凄く力強くて、こっちがビックリした。

「これが来たってことは、後で軍のやつが来るだろうな…」

「メイドさんは帰りな」

「お前さんたちも逃げなきゃ、ヤバくなるかもしれないぞ」

あ、はい。

ありがとうございました!

急いでこの場を離れる。

早くご主人様に伝えよう。

「おう」

「って、凄い女の子だな…」

「亜人だったのか…」

「見かけによらないもんだなぁ」
34 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 03:49:21.19 ID:giqfs4DT0
帰りに飛んでる間も、兵隊さんは港に行ったり門まで行ったりしてた。

本当に戦争があるって実感する。

あの塀の奥で、人が死んでるのかな…。

「アルヴァー、こっちだこっちー」

家に着く直前に、奥の王宮に続く道に立ってるご主人様を見つけた。

手には書類があるので、色々な仕事を済ませてきたのだろう。

「お疲れ様」

…どうなるのかな…。

「それはまだ分からんな」

「もうすぐ、伝令がやってくるはずだ」

「それを待つしかない」

…ここが戦場になったりしないよね…?

「…そうならないことを祈ってるさ」

…私たち、ずっと一緒にいれるよね。

「…ああ」

もう、一人ぼっちは嫌だよぉ…。

「そんなことさせないさ」

「まったく…」

「こんなことになったケジメ、リゼルに払わせないとな」
35 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 03:51:06.53 ID:giqfs4DT0
直下コンマとの合計が5以上で、勝利となります。5以下の場合は、防衛戦が始まります。

戦力上有利:+1
キメラ保有:+2
???:-1
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 03:52:19.46 ID:Gtf9f3dqO
ぐえー
37 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 03:59:09.33 ID:giqfs4DT0
損害をあまり出すことなく、戦争に勝利しました。同時にキメラの有用性が認められたので、リゼルの権力が増加しました。

ですが、勝利に繋がる貢献をしたとして、貴方の権力も増加しました。昼の行動を直下にお願いします。

同時に、捕虜の判定を行います。↓2コンマが5以上だと、オートで尋問が行われ、情報が入手できます。

その捕虜をどうするかは、コンマ判定で後ほど決定します。

今回はこれで終了です。次回更新は、一週間ほど空いてしまうと思います。再開の前日に報告をする予定です。遅くまでお疲れ様でした。
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 04:05:08.69 ID:qiXrBxYSo

亜人の捕虜が居る=キメラが増える


ところでリゼルの犯罪というのは亜人狩りとは関係なく汚職?
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 04:05:47.75 ID:qiXrBxYSo
ごめんなさい安価は下
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 04:15:10.64 ID:Gtf9f3dqO
行動がどうにも自由でようわからん
41 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/03/31(金) 04:30:11.77 ID:giqfs4DT0
>>38、とりあえず返答だけでも。リゼルがしている犯罪は、はっきり言って色々なものを内包してします。

亜人狩りや汚職だったり、倫理的な問題を孕むキメラ製造だったり…。特級貴族の権力でそれらを握り潰しているので、まだ捕まえることはできません。

行動安価は自由ですが、貴方を同行させることはできません。ですが、貴方に同行することはできます。

今判明してる予定関係は、奴隷市場に行けば、珍しい奴隷の情報が入ってくる可能性がある、貴方が後ほど尋問を行う、の2つくらいです。
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 04:37:16.78 ID:fe1XO0jeo
地の利を得るべく周辺の散策
いつか役に立つ日も来よう
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/31(金) 22:38:58.30 ID:qiXrBxYSo
法的には亜人も人として見られる権利はあるのか
リゼルにも法律を変えるほどの権力支持は無いってことか
44 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/05(水) 08:15:21.55 ID:Ddl4x3ayO
今日の夜に更新したいと思います。
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/05(水) 11:22:47.23 ID:MUh0e9pL0
備えよう
46 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/04/06(木) 00:40:56.01 ID:YuqzFPus0
>>43、この国では、民間人か奴隷か、の二つの区分で分けられています。残念ながら、奴隷には人権は一切ありません。

民間人には、貿易が盛んなのもあって、人間や亜人、その他の種族も含まれています。日を跨いでしまいましたが、今から再開します。
47 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 00:41:57.39 ID:YuqzFPus0
すみません、酉ミスです。
48 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 01:49:32.12 ID:YuqzFPus0
ご主人様は、これから仕事があるみたいで王宮に向かって行った。

私は自由にしていいらしい。

そういえば、私は外に出たことがない。

外と言っても、この街から出たことがないって意味なんだけど。

でも、視察の時に一回外に出てるなぁ…。

とにかく、この周りがどうなってるのかを知っていて損はしないと思う。

戦争があったところを避けておけば大丈夫なはず。

というわけで出発!

壁の上を飛んで外に出ると、そこには…。

何も無かった。

冗談でもなんでもなく。

近くに海があるからなのか、岩肌が剥き出しになっていて、草が少ししか生えてない。

自給することが厳しい国みたいだ。

だから、貿易が盛んなのかな、と思ったら納得する。

遠くには山が見えていて、山はけっこう緑でいっぱいになってる。

しばらく飛んでいたら、大きなドラゴンに追いかけられた。

そこまで速くなかったから、思いっきりスピードを出したら逃げられたけど。

街から少し離れたところに平原が見える。

煙が立ち上っていたり、えぐれていたりしている。

かなり大規模な戦いだったみたいだ。

もし負けていたら、と思ったら怖くなってくる。

兵隊さん、勝ってくれてありがとう。
49 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 01:50:17.98 ID:YuqzFPus0
直下コンマで情報判定です。5以上で成功です。
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/06(木) 01:56:35.53 ID:e2Q8p5JK0
ふむ
51 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 02:03:06.35 ID:YuqzFPus0
では、捕虜の処遇を直下コンマで判定します。

1〜3:リゼルが管理
4〜6:アーバンが管理(交渉すれば回収できるかも)
7〜9:自分たちで勾留(実質保護)
ゾロ目、0:処刑スタート
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/06(木) 02:11:12.08 ID:jo5kOFI9o
軍権は誰が
53 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 02:25:41.94 ID:YuqzFPus0
>>52、軍権自体は独立していますが、金銭的な意味での運営は特級貴族頼りなので、ある程度の干渉は可能です。

とは言っても、捕虜の尋問や管理くらいしかできないのですが…。

捕虜を入手しました。尋問で、情報を聞き出すことが可能です。
54 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/06(木) 02:28:46.13 ID:YuqzFPus0
短い…というか、本編が少ししか進んでいませんが、今回はこれで終了にさせてください…。

次回更新は24時頃を予定しております。すみません…。
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/06(木) 02:38:31.36 ID:jo5kOFI9o

主人公がレジスタンス事情を知らなくてアーバンが交渉次第で捕虜から情報を引き出させてくれるなら黒幕は見えたな
密偵を雇えないコネしか無い主人公がどうやって信憑性を持たせるんだろう
56 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 01:15:35.09 ID:weMAP0C40
遅れました。今から再開します。今回は捕虜の設定をしたいと思います。
57 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 01:17:13.87 ID:weMAP0C40
↓1〜3に種族をお願いします。亜人系統限定です。
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 01:18:59.73 ID:H99wWZT8O
ゴーレム
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 01:19:33.12 ID:7CYxK7vCO
ワーウルフ
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 01:27:41.24 ID:0maSSj0O0
竜人
61 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 01:30:47.79 ID:weMAP0C40
では、直下コンマで決定します。

1〜3:>>58
4〜6:>>59
7〜9:>>60
0の場合は二桁目で判定。
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 01:52:24.57 ID:7CYxK7vCO
ちょいと
63 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 01:56:04.76 ID:weMAP0C40
次は、性別を直下にお願いします。
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:08:19.62 ID:VmniUWvFo
おとこ
65 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 02:10:42.24 ID:weMAP0C40
次に特徴を↓1、2にお願いします。その後に名前を決めて本日は終了とします。
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:22:08.61 ID:uNW+ZfdNO
冷血
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:24:34.40 ID:7CYxK7vCO
ドジ
68 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 02:26:27.74 ID:weMAP0C40
最後に名前を決定します。↓1、2で募集です。
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:27:10.56 ID:fph62NA4O
バジルス
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:28:38.09 ID:ilhUhygsO
コーマイド
71 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/04/07(金) 02:30:38.11 ID:weMAP0C40
では、直下コンマで決定をします。本日はこれで終了です。ほとんど更新出来なくて申し訳ありません…。

次回更新は23時頃を予定しております。お疲れ様でした。

奇数:>>69
偶数:>>70
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 02:33:19.91 ID:VmniUWvFo

捕虜は一人しか引き受けられなかったのか
それとも生き残らなかったのか
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/07(金) 03:17:35.20 ID:0maSSj0O0
乙です
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/13(木) 21:15:37.08 ID:GxMKhmg9o
大丈夫かな
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 01:27:48.73 ID:2e5lJ0V5O
さて五月に入りましたが…
76 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/05(月) 16:43:37.69 ID:e3wiC3pNO
すいません、精神的に色々と死にかけていたので顔を出せませんでした。
本日の夜頃に再開します。大変遅れてしまい申し訳ありません…。
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 17:05:52.74 ID:12Tx/y33O
生きてるならよし
待機
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 17:45:46.33 ID:X89BuwbjO
カラダニキヲツケテネ!
79 : ◆rOVqyGu.Qw :2017/06/06(火) 00:01:01.77 ID:U564gzvS0
お待たせしました。それでは、二か月ぶりの更新となります。

拙いところや、前と文章が変わっていると思いますが、よしなに…。
80 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 00:25:10.07 ID:U564gzvS0
あまりに久しぶりだったからsaga付けるの忘れてました…。


屋敷に戻っていると、ご主人様が帰宅しているのが見えた。

隣には亜人の人がいた。

男の子…?だと思う。たぶん。

背中から大きな羽が生えているから、竜人なんだろう。

それにしては、ちょっと小柄だ。

まるで、今までに満足な食事にありつけなかったかのようだ。

「ご主人様ー」

「ん…?ああ、アルヴァじゃないか」

「隣の子は誰?」

「捕虜だな。さっきの戦闘で捕縛されたやつだ」

「………」

「…小さくないかな。もしかして子供…?」

「…いや、これでも二十歳は超えている」

「ただの栄養失調だ」

「え、それでも二十歳って見た目じゃ…」

「あいにく、竜人自体の成熟は非常に早くてな」

「10歳にもなれば成人だ」

「まあ、寿命は200年程度だが」

「普通の亜人で最も長生きなのは妖狐、キツネだな」

「千年生きれば九尾というものに成るらしいが、実際に見たことはないから分からん」

「へぇ〜」

「…要は、俺はもう成長しないということだ」

「故に、この体は一生治らん」

「…ごめんなさい」

「謝る必要は無かろうに」
81 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 00:42:37.18 ID:U564gzvS0
「そういえば、どこかに行ってたの?」

「民間人の避難をさせるための手続きだな」

あ、たしかお昼にそう言ってたなぁ。

「杞憂に終わったが」

「そっか」

平和なままでいれたから、それで良かったと思う。

改めて実感した。

私たちは、無数の死の上で生きていることを。

死があるから、私たちは生きていられることを。

考えてみれば当然のことなんだけど。

「それと、追撃部隊の再編だな」

「奴さんは逃げていったが、放置するわけにもいかなかった」

「だから、いくつかの部隊を追撃に向かわせた」

「うまくいけば、来週にでも指導者は捕まえることができるだろうな」

「そうすれば、この戦いも全て終わるのかな…?」

できることなら、死ぬ人は少なくなってほしい。

誰だって、人を殺すのは、殺されるのは嫌なはずだから。

「俺はそう思っているが、正直どう転ぶか分からないな」

「それまで分かっていたら、ここまで苦労はしてないさ」

「…そうだね」

未来は誰にも分からない。

だから、正しいと思ったことをするしかないのだろう。

その結果、全てを失うことになっても。

それでも、進まないといけないのだろう。

「…そう暗い顔をするな」

「お前には笑顔が一番似合ってる」

そう言って、ご主人様は私の頭を撫でる。

優しくて暖かい、私が大好きなもの。

「うん…ありがと、ご主人様」

「はは、感謝される理由が分からんな」

そっぽを向くご主人様。

まったく、ごまかし方が下手だなぁ。

…私も他の人から見たら、こうなのかな。
82 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 01:00:21.55 ID:U564gzvS0
夕方の行動を直下にお願いします。
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 01:27:38.34 ID:DhvPEmY9O
ごめん、今まで何してきたんだっけ?
84 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 01:33:53.47 ID:U564gzvS0
あ、たしかに久しぶりだからその辺りも書いた方が良かったですね…。

現在の状況


戦争には勝利し、追撃戦を実行中(来週の昼にコンマ判定)

奴隷市場に移動すればレアな奴隷が優先的に手配される…かも

リゼルを失脚させるための情報、パイプ形成に奔走中(成果はゼロ)

レイスちゃんからは凄い嫌われてる(貴方だけ)


…これくらいだったと思います。足りなければ追記します。
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 01:42:29.97 ID:DhvPEmY9O
じゃあ対リゼル工作を再度
86 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 02:20:08.12 ID:U564gzvS0
「ああそうだ、ちょっと一仕事頼みたいんだが」

「なになに?」

「スジャータ…憶えてるか?先週会ったあの女性だ」

「ハーブのお姉さんだよね」

「あれはハーブじゃなくてやくそ…いや、それはどうでもいいか」

「まぁ、これからはこちらに陣営を固めていきたくてな」

「アーバンが味方ではあるが、多いに越したことはない」

「ここからだいたい20分もすれば着くところなんだが…」

「分かった。スジャータさんにお願いすればいいんだよね?」

「そうだ。俺の名前を出した方が成功する確率は高い…と思う」

「場所はあそこに見える時計塔の傍にある屋敷だ」

「頼んだぞ」

「はーい!」

あの距離なら5分もしないはずだけど…。

もしかしたら、遊んでこいと言っているのかもしれない。

昼にお小遣い貰ってるし。

何はともあれ、お仕事を終わらせてから考えよう。

地面を蹴り、翼を広げる。

やっぱり、空を飛ぶのもいいなぁ。
87 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/06(火) 02:22:16.44 ID:U564gzvS0
今回はこれで終了です。久しぶりだからかペースが遅い…。もっと早く書けるようになりたいなぁ…。

次回も夜12時頃に再開できると思います。お疲れ様でした。
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 09:23:44.58 ID:WbLUl/fEO

久しぶりに見れてよかったよ、無理はしないでね
89 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 00:59:25.94 ID:4P67TS5x0
昨日はごめんなさい!今から再開します。
90 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 01:27:41.31 ID:4P67TS5x0
屋敷の前に到着したので、門を何度か叩く。

「動かないでください」

「ッ!?」

人が近づいている気配は一切無かった。

今、アルヴァの後頭部には銃が突きつけられている。

「変な素振りを見せたら、この場で射殺します」

いくらフェニックスのアルヴァでも動けなかった。

それほどの凄みを感じさせる声だったのだ。

「あ、あの…。私はご主人様に頼まれて来たんですけど…」

「つまり襲撃ですか?正面から堂々と来るとは、余程自信がおありなようで」

「違います!スジャータさんにお願いがあって来たんです!」

「では違うという証拠を提出願います」

「具体的には、貴女の名前、そのご主人様とやら…」

「…すみません。どこかでお会いしたことはありませんか?」

「ふぇ?」

声の覇気や辺りに漂っていた殺意が薄れる。

振り向こうとしたら頭を抑えられた。

返答は動かずに、ということだろう。

「えっと…。スジャータさんとは先週に西中島南方?みたいな場所で会ったけど…」

「…なるほど。だいたい状況は把握できました」

「無礼をお詫びします」

殺意が完全に消え、目の前の女性?は深々と頭を下げる。
91 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 01:48:55.94 ID:4P67TS5x0
「わわっ頭を下げなくていいですよっ」

突然の謝罪に慌てふためくアルヴァ。

下手に出られるのには慣れていないのだ。

「本当に申し訳ございません」

「何分、私は目が見えませんので」

「えっ…」

振り返り顔を見ると、両目を閉じた端麗な素顔が伺えた。

長い銀髪を一つ結びにして流していて、絹糸のように美しかった。

「私が胎児の時に、母親が流行り病に罹ってしまいましてね」

「産まれる前から、目が潰れてしまったのですよ」

「母親もすぐに亡くなってしまいまして、産まれた時点で奴隷の未来が確定してしまいました」

「まぁ、視力が無いので誰にも相手をされなかったわけですが」

そう言って、目の前の女性?は微笑む。

辛い過去のはずなのに、話している様は悲しそうには見えなかった。

「立ち話も何ですし、中で続きとしましょうか」

「お嬢様に用があるみたいですし、ね」

「あの、そこまで気を遣わなくても…」

「いえいえ、あのお方のメイドさん…ですよね?となれば、これくらいの配慮はしなくては」

「あうぅ…」

「それに、外にお嬢様を出すのも気が引けますよ」

「襲われる可能性は否定できませんので」

「たしかにそうですね…」

「では行きましょうか」

「ひゃわっ!?」

スジャータに仕えているであろう麗人は、アルヴァをヒョイと抱え、屋敷へと入る。

降ろされるまでの間、アルヴァの顔は真っ赤であった。
92 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 02:13:40.94 ID:4P67TS5x0
あれよあれよと客間に連れられ、目の前のテーブルには緋色のような紅茶が置かれている。

対面した席のスジャータは、優雅に紅茶に口を付けている。

何も知らないアルヴァでも、一つ一つの所作が綺麗に見えていた。

礼儀やマナーを叩き込まれた証拠だろう。

「…それで、何をしに来たのかしら?」

いきなり本題に入ってきた。

血縁関係があるからなのか、あの人とダブって見える。

「あ、はい。ご主人様に、スジャータさんと協力関係を結んでこいと言われました」

「成程。陣営を固めてリゼル卿と対等に渡り合えるようにしたい、と」

「たぶんそうだと思います」

「…先週、私はこう言ったはずよ」

「『どっちでも気にしない。私はコレクションを増やすだけ』ってね」

「その後に言った言葉は憶えてる?」

その後の言葉。

『家族のよしみもある』、『少しくらいは、サポートしてあげる』くらいだろうか。

「つまりはそういうことよ」

「私だって、きな臭いことをしている他人に従うくらいなら、家族を信じるわよ」

「なんだかんだで、あの人とは幼少期の頃からの付き合いだし」

「つ、付き合っているんですか!?」

純粋なアルヴァは、スジャータの考えている『付き合う』と別なものを連想してしまった。

「…男女の関係ではないわ。ただの家族、それだけよ」

「…この話はこれでおしまい」

「貴女は、この後時間はあるかしら?」

「終わった後のことは聞いてないです」

「そう。なら、今日はここに泊まりなさい」

「もう外は真っ暗だから危ないわ」

その言葉を聞いて、アルヴァは不安になる。

「で、でも…ご主人様に怒られるかも…」

「あの人はこれくらいじゃ怒らないわよ」

「それに、きちんと連絡もしておいてあげるから、その辺りも問題なしよ」

「うぅ…」

「…今なら、美味しいお肉もいっぱい食べられるけど…?」

「泊まります!」

「よろしい」

お肉の魔力には敵わないアルヴァであった。
93 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/08(木) 02:19:03.65 ID:4P67TS5x0
本日の更新はこれで終わりです。昨日は申し訳ありませんでした…。

今回出てきた(視察編でも言及だけはしてました)護衛さんの名前を募集してます。私は『アイン』と付けようかな、と。

他に名前が出てきた場合は、気に入った名前にしようと思います。背景等は設定済みです。

何か案がありましたら、その旨をレスしていただいたらOKです。

次回こそ、夜の12時に開始したいと思います。次回こそは…!皆さん、お疲れ様でした。
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 02:32:34.27 ID:yImI9TeJ0
乙です
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 03:09:51.86 ID:jDDDfYZ5o

主人公陣営の資金源ってなんだっけ?
特急貴族の資金力だとリゼルが一番強いのかな?
96 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 00:53:42.03 ID:XrlIYhHI0
>>95、資金力はリゼル>>アーバン≧貴方です。リゼルは完全なブラック、アーバンは厳しめのホワイトなのでこんな感じです。

送れましたが、今から再開です。
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 01:19:38.74 ID:bYjTr39dO
ういうい
98 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 01:28:00.84 ID:XrlIYhHI0
>>95、ちょっと抜けてました。貴方陣営の資金源は貿易や娯楽施設の運営です。

アーバンは人材派遣や物資生産、リゼルは真っ黒なことをしています。誤字していて恥ずかしい…。


話がまとまったところで、護衛の麗人が話しかける。

「連絡は誰がしましょうか?」

「言い出しっぺの法則、よ」

「かしこまりました」

「手紙は書いておくから弾を用意しておいて」

「…なるほど。了解いたしました」

そう言って護衛は部屋から出ていく。

二人きりになり、部屋には静寂が訪れた。

アルヴァは、疑問を素直にぶつける。

「護衛さんはどういう人なんですか?」

「護衛と呼ぶのはおやめなさい。彼女にも名前がある」

「『アイン』よ。最初に購入した奴隷だからこの名前にしたわ」

「どこかの国の言葉で、『1』を表す言葉みたいだからそう名付けたの」

手を止めることなく、淡々と返答をするスジャータ。

「…スジャータさんも、奴隷は物だと思っているんですか…?」

「ええ」

「…ッ」

アルヴァの心に、僅かな怒りが生まれる。

「失望したかしら?だけど残念、私はあの人とは違うのよ」

「だけど、私は自分の物は大事にする主義なの」

「アインを、他の子を棄てることなどありえない」

「私かその子が寿命で死ぬまで、面倒を見るわよ」

表情に変化は無いが、発せられた言葉からは覚悟が伝わってきた。

早とちりで怒りを覚えた自分が恨めしい。

「…ごめんなさい」

「…?貴女が謝るところは無かったはずよ?」

「いえ、謝らないといけませんでした」

「私はそれだけのことをしましたから…」

「…よく分からないけれど、自分の非を認めて、反省できるのは優れている証拠よ」

「そう小さくならないで、自信を持ちなさい」

そう言ってスジャータは笑う。

その姿を見たアルヴァは、無自覚で言葉を漏らす。

「ご主人様に似てるなぁ…」

一瞬、手紙を書くスジャータの手が止まる。

「そうかしら?血縁者だし、似てるところがあってもおかしくないはずだけれど」

「…これでよし、と」

「続きはガールズトークの時間にしましょうか」

この後アインが連絡を行うのだが、貴方たちがアルヴァ捜索部隊を結成していたことを、二人が知ることは無かった。
99 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 01:54:33.38 ID:XrlIYhHI0
「美味しかった〜!」

「そう。その言葉を料理人たちに言ってあげなさい」

「きっと大喜びするわ」

予め情報を入手していたのか、テーブルには大量の肉料理が並んでいた。

カエデの料理とはまた違った味わいで格別だった。

それでも、カエデの料理が一番なのだが。

「さて、と」

「ガールズトークの前には、風呂で体を清めるのがお決まりなのよ」

「そうなんですか」

「本当なのかは知らないけれど」

「えっ」

部屋での一件(というほどのことではなかったが)後から、スジャータとアルヴァは気兼ねなく話をしている。

もっとも、アルヴァのコミュ力が高いだけなのだが。

服を素早く脱いで、浴室へと一番乗り。

「わぁ…!」

浴室は、貴方の屋敷のものとはまた違った構造をしていた。

「西中島南方にある旅館の風呂場を参考にした…らしいわ」

「ここができたのは私が産まれる前だったから分からないのよ」

「…ふむ」

「きゃっ!?」

突然、おもむろに手をアルヴァの胸に当てて、揉むスジャータ。

あまりにも唐突だったため、アルヴァは反応できなかった。

「…14くらいなら妥当な成長具合ね。結構結構」

「この調子でご飯は食べなさい」

「ふぇぇ…」

ペタン、と座り込むアルヴァを尻目に、スジャータはアインの方を向く。

「貴女は節制しすぎよ。もう少し食べるべきだと思うわ」

「そう思いますか?」

「ええ。だって貴女の胸は絶壁もいいとこじゃない」

「まだ16なんだから希望は残っているわよ」
100 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 01:55:14.50 ID:XrlIYhHI0
ちょっとしたコンマ判定です。直下でお願いします。
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 01:57:22.17 ID:Skmse23go
102 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 02:19:07.35 ID:XrlIYhHI0
コンマ判定:7 その胸は実際ホウマンだった

そう言っているスジャータの胸はなかなか大きかった。

普段は目立っていなかったので、着やせするタイプなのだろう。

「ですが、私は自分の体が分からないので」

「いつもの食事量も、結構多くしているつもりです」

「まぁ、可能性はまだあるから気にしないで」

「私としては、このままの方がありがたいですね」

「そんな駄肉があったら動きに支障が出てしまいますので」

「…運動神経が無くて悪かったわね」

「そこがお嬢様のいい所だと思いますけどね」

「…ぷいっ」

なんだかんだ駄弁った後、三人で湯船に浸かる。

「そういえば、アインさんは目が見えないんですよね」

「ええ。完全に視力は無いですよ」

少し躊躇ったが、アルヴァは気を引き締めて言う。

「…でしたら、私の血を飲んでみませんか?」

「…はて?」

首を傾げるアインだが、無理もないだろう。

いきなり血を飲むか聞かれて、困惑しない人は僅かではないだろうか。

「…前にご主人様が言ってたんです」

「『お前がフェニックスだからだ』って」

「これは献血の時に言われたんですけどね」

「自分の体のことだし、気になって調べたんです」

「そうしたら、『フェニックスの血は、万病を治す、不治の病すらも治癒させる第一の奇跡』…こんな文章がありました」

「他にも『フェニックスの肉は、不老不死を授け、喪失した肉体すらも再生させる第二の奇跡』とかもあったんです」

「これを見て、私なりに考えたんです」

「私の肉は、失ったものを、あらゆる怪我を癒すもの」

「私の血は、病を、その肉体を巣食う障害を排除するものなんじゃないか、って」

「そうだとしたら、アインさんが私の血を飲めば、視力を手に入れられると思うんです」

「貴女…フェニックスだったのね…」

「あの人が素性を隠していた理由が分かったわ…」

「血…要りますか…?」
103 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 02:33:47.37 ID:XrlIYhHI0
厳しい顔つきをしながら、アインは答える。

「たしかに、見えるようになるのは魅力的です」

「…ですが、目が見えるようになった時点で、私は私ではないのです」

「不便ではありますが、私もこの体だからこそ、ここまで生きてこれたのだと思っています」

「それに、目が見えていたら、お嬢様と巡り合うことも無かった」

「私にとって、この目は希望への切符だった…いえ、お嬢様と繋いでくれた糸なのです」

「ですから、私はこれからもこの目とともに生きていきます」

「貴女も、そうやって体を売るようなことは控えた方がよろしいかと」

「私の見立てでは、今回が初めてのようですがね」

「うっ」

なぜ分かったのだろうか。

エスパーなのではないか、という疑問が浮かぶ。

「秘密、です」

「…のぼせたから私は上がるわ」

「承知いたしました」

「貴女たち二人で話していてもいいわよ」

「ではお言葉に甘えて…」

その後、アルヴァとアインは我慢比べをしたりして、仲良くすごしたんだとか。
104 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/09(金) 02:36:08.49 ID:XrlIYhHI0
今日はこれで終了です。次回で次の段階に進みたく思っています。

次の更新は再来週になりそうです…。また時間が開いて申し訳ない…。文章の感じとかが迷走してる気がする…。

皆さん、お疲れ様でした。
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 02:38:37.26 ID:Skmse23go

リゼルが欲しがるフェニックス
106 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/20(火) 00:38:19.92 ID:mkW8G2Ks0
お待たせしました。今から再開します。
107 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/20(火) 01:11:46.29 ID:mkW8G2Ks0
「あら、ずいぶんと長湯だったわね」

「アルヴァ様の要望に付き合っていましたので」

「えへへ…」

スジャータは、アルヴァとアインを交互に見る。

「まぁ何かを聞くつもりはないけれど…」

「それよりもアイン、貴女、顔が真っ赤よ?水を口にするべきだと思うわ」

「いえ、お気になさらず」

大きなベッドに三人で腰掛ける。

優しいハーブの香りが心を落ち着かせる。

少しの間訪れた静寂を、スジャータの一言が終わらせる。

「貴女がフェニックスだということ、誰にも教えてないでしょうね?」

「ふぇ?」

アルヴァは記憶を辿る。

憶えている限りでは、身内以外に知っているはずはない。

「ううん」

アルヴァの返答に一瞬、安堵の表情を浮かべたスジャータだが、また顔つきが若干険しくなる。

「…これからは、安易に空を飛んだり自分の種族を答えないことね」

「え?」

「これは警告よ。下手な組織に貴女の存在が知られたら、みんな死ぬわよ」

「それだけ、貴女は特殊な存在ということよ。憶えてなさい」

「えっと…具体的には…?」

スジャータは指を立てて答える。

「三つよ。まずはリゼルたち別勢力の貴族」

「彼らに知られた場合の貴女の末路は…。そうね、苗床、かしら」

「ただ、優秀なキメラを生み出すためだけの装置。一生、貴女はオークや竜人、魔物たちに犯される人生になる」

「犯す?」

純粋なアルヴァには、『犯す』という単語の意味が伝わらない。

「…帰ったら貴方にでも聞くことね」

「…二つ目は、マフィアといった犯罪集団ね」

「これは、まぁ見世物にされるか奴隷として売られるか、くらいね」

「最後は、商人やキャラバン、ハンターたちよ」

「二つ目と三つ目は、国とかお構いなしに貴女を捕まえに来るわ」

「特にハンター。彼らには気を付けて」

「ハンターは文字通り、次元が違うの。普通の人間とは思えないくらいに」

「防具一つでマグマを浴びても、多少の火傷で済むくらいにはおかしいから」

「ふぁい…」

この世界には、まだまだ凄い人がいる。そう思ったアルヴァだった。
108 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/20(火) 01:33:51.90 ID:mkW8G2Ks0
「それじゃあ、そろそろ寝るとしましょうか」

「貴女はこっちよ」

「わわっ」

手を引かれ、アルヴァはスジャータの隣へと倒れこむ。

「ではお嬢様、アルヴァ様おやすみなさいませ」

「ええ。アインも、今日は伝令お疲れ様」

「おやすみなさい!」

アインは、ドアを閉める直前、年相応な可愛らしい笑みを浮かべる。

「あ、来週のお食事、楽しんできてくださいね」

「…は?」

静かに、ドアは閉められた。

「ちょっとアイン、どういうこと?まさか手紙を…読めないか」

「とにかく、なんで貴女が内容を知ってるのよ?ねえ、怒らないから。カムバック!ハリー!」

どんなに叫んでも戻ってくることはなかった。

「………」

スジャータは頭に手を当てる。

「…まぁ、今更考えても、か…。早く寝ましょう」

「はーい」

布団を頭に被る仕草が、結構可愛かった。


第6週 終了
109 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/20(火) 01:40:00.78 ID:mkW8G2Ks0
それでは、仕様を変えてから初の視点判定です。直下コンマです。

1〜3:貴方陣営
4〜6:???(A)
7〜9:???(R)
110 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/20(火) 02:11:57.71 ID:mkW8G2Ks0
うーん…。この判定は廃止にしますかね。どんどん進めた方がよさそうです。

それに、これは貴方のお話なのに他のキャラを操作するのもおかしな話ですよね。進めていきます。
111 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/20(火) 02:41:02.67 ID:mkW8G2Ks0
朝は憂鬱だ。

気持ちよく眠っているのに起こされてしまう。

ずっと寝ていたいのだが、それでは目的が達成できない。

寝間着から、いつもの服へと着替える。

いくつか装飾品はあるが、なるべく質素に済ませた特注品だ。

矛盾している気がするが。

今日の朝食はサラダと味噌汁。

カエデの故郷の料理だと聞いている。

一気に口の中に流し込むと、濃厚でいてさっぱりとした味わいが広がる。

この味噌の風味がたまらない。

味噌自体は輸入していないからか、自作しているようなのだが、このクオリティは素晴らしい。

特別ボーナスでもあげた方がいいのかもしれない。

右手でサラダを口に運びながら、左手で書類を扱う。

先週の戦闘報告書に、気になる点があったのだ。

『亜人のキメラと思しき敵兵が存在していた』という報告がいくつかあったのだ。

もしこれが事実なら、この一連の騒動の首謀者は…。

だが、決めつけるのは早計だ。

まだ、追撃部隊が本拠地に到着していないのだ。

報告を待ってからでも遅くはない。

報告書を読み終えたのと同時に、食事が終わった。

今から働かないといけないが、働きたくない。

夜にはスジャータと外食の予定だし、ぐうたらしててもいいのではないだろうか。
112 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/20(火) 02:42:10.56 ID:mkW8G2Ks0
直下に、朝の行動をお願いします。

今回はこれで終了です。次回も明日の同じ時間くらいに再開予定です。お疲れ様でした。
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/20(火) 04:07:35.23 ID:RSLeHptzO
まぁ、最近忙しかったし、ぐうたらしよう
ついでにレイスとかユウとかの様子とか交流とか
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/20(火) 21:26:38.12 ID:zvPLwPxno
キメラの敵兵はガチで管理能力が低いのかそれともばれてもいいくらいの物理戦闘能力を確保しているのか
後者の場合亜人の内乱はキメラの宣伝目的ではなく威力偵察だったのかな?

そして説明に出てきたハンターというのは何を目的とした人たちなんだろう?
115 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/21(水) 01:18:46.05 ID:YCXCvsAk0
>>114、ハンターは、某狩猟ゲームに出てくるそれと大体は同じです。要人警護等のPMCがやるような仕事が増えているくらいです。

主人公として選ぶことも可能ですよ。というか、殆どの職業や立場は選べます。

今回は初回だったので自由に設定しましたが、次回からはコンマで決定になります。

少し遅れましたが、今から再開です。
116 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/21(水) 01:23:41.47 ID:YCXCvsAk0
では、誰と交流する(様子を見る)かです。↓1、2に一人ずつお願いします。彼らとどうするか、まで一緒に書いてもらえたら嬉しいです。

選ぶキャラは奴隷組からの選択でお願いします。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/21(水) 01:26:54.27 ID:U4psR5H9o
ユウ
118 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/21(水) 02:36:03.41 ID:YCXCvsAk0
すみません、ちょっと気分悪いので中止です…。明日の同じ時間に今度こそ…。すみません…。
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/21(水) 08:35:59.07 ID:jD6pyQAHO
アルヴァ
120 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/22(木) 01:49:08.36 ID:AIeTozxY0
すみません…。まだ気分が悪いです…。
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/22(木) 02:16:24.86 ID:E+3KeAZzo
よく休んで
栄養とって
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/22(木) 04:04:12.98 ID:DEqRVRDEO
体調整ってからで大丈夫やで

ところでアルヴァって戻って来てるの?
123 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/23(金) 00:45:36.98 ID:Gd8IZ1Zc0
>>122何かアナウンスしていなければ、その週に取った行動(監視や宿泊等)は次週では終わってますよ。

何とか復帰したので再開です。休んで申し訳ありませんでした…。
124 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/23(金) 01:38:53.92 ID:Gd8IZ1Zc0
前から働いてばっかりだし、今日くらいは気を抜いていいだろう。

それに、ユウとは殆ど話していないから、彼のことはもっと知っておきたい。

掲示板を見たところ、今は留守のようだ。

仕事を与えていないし、街でもぶらついているのだろう。

とはいえ、どこにいるか分からないのは困る。

アリサあたりなら知っているのだろうか。

「あーユウさんなら警備してますよ」

「警備?」

「ええ。彼が『この街は治安が悪いわけではない』」

「『だが、貿易が盛んな関係上警備が多い方が、商人たちも安心するだろう』と申しておりました」

「仕事を探している…のか?」

彼も暇なのだろうか。

今日会った時に聞いてみよう。

「いえ、そうは見えませんでした。たぶん彼の厚意だと思われます」

「…そういえば、一昨日は孤児院に差し入れしに行ってましたね」

「本当にユウは悪霊か?」

やってることが善人すぎる。

「悪霊(天使)なんじゃないですかね」

それにしても孤児院か。

ユウが言っていたことをそのまま受け取るなら、何かに執着したりはしないはずだ。

彼の出生に関係あるのかもしれないな。

「当主様もどこかに行かれますか?」

「まぁ、少し野暮用がな」

「私も同行しましょうか」

「愛人オーラを出しながらですが」

「やめてくださいお願いします」

「冗談ですよ」

「…で、真面目に結婚とかどうするんです?貴方もそろそろ適齢期でしょう」

「…ハッ!もしや今日は女漁りや恋人と逢いに…。やーん当主様がケダモノに!」

「違う!ホントにただの野暮用だから!あと俺はマトモだからな!」

「…結婚する気は無いさ。反吐が出る」

立場上、お見合いの話がいっぱいあるのだが、皆名声や資産目当てなのが明白だ。

「…まぁ、しない理由は分かってますけどね。あんなクズたちと結婚するなんて私が男でも嫌ですよ」

お見合い相手の素性調査はアリサに頼んでいる。

だから、どういう人なのかは彼女が一番理解しているだろう。

それ故の酷評なのだ。

「…でも、世継ぎをどうするかは考えるのは遅くはないかと」

「…全てが終わった後、かな」

「その頃にはお爺さんになってそうですがね」

養子を迎えるとか色々な方法があるし大丈夫だとは思うが。

「それはさておき、外出するならお気をつけて」

分かってる、と手を挙げて答え、外に出る。

アリサが弓を構えて姿を消したが、俺はそんなところを見ていない。
125 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/23(金) 02:10:58.36 ID:Gd8IZ1Zc0
外に出てから思ったのだが、どこにいるのかを俺は何も知らない。

虱潰しに捜すのは非効率的すぎる。

孤児院を優先的に捜せばいいのかもしれないが、孤児院にいるとは限らない。

どうしたものか、と思案していたら、足元に矢がぶっ刺さった。

淡い光を放っているところから、アリサが撃った矢だと理解できたが、辺りを見ても姿はない。

よく見たら鏃には紙が巻かれている。

魔力で構成された矢にどうやって巻くのだろうか。

疑問は残るがとりあえず読んでみる。

ホモ疑惑の掛かっている貴族様へ

『お捜しの人なら、この時間は近くの孤児院にいますよ』

謎の弓兵Aより

情報はありがたいが、ホモは流石に傷つく。

帰ったら食事を激辛カレーにすり替えてやる。

手紙を仕舞おうとしたら、文字がうっすらと浮かんできた。

『なお、この矢はあと1秒後に爆発しながら雷が落ちます』

読み終わる前に爆発して、雷まで当然直撃した。

いくらなんでも警告が出るまで遅すぎる。

飲む水まで唐辛子たっぷりにしてやらねば。
126 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/23(金) 02:22:37.82 ID:Gd8IZ1Zc0
アリ…弓兵のアドバイスに従い、孤児院に向かったら、何やら人だかりができている。

人だかりと言っても、少年少女ばかりだが。

その中心には、良く知るオークがいた。

「おや、主殿がどうしてここに?」

「ユウと話がしたくてな」

「それでわざわざここまで…。ご足労いただきすまないね」

「ねーねー、このおじさんは誰?」

お、おじさんちゃうわ。

「彼は私の雇い主さ。悪い人じゃないから安心してあげて」

「この剣凄ーい!変な文字が書かれてる!」

「こらこら、勝手に武器を使ったら危ないよ。早く仕舞いなさい」

「はーい」

「…慕われてるんだな」

「はは…。私もここ数日、毎日来ているからね」

毎日、か。

アリサは一昨日と言っていたが、それ以外にも来ているのか。

いよいよ悪霊詐欺疑惑が出てきたな。

「…失礼だが、少しいいかい?」

「なんだ?」

「どうして、貴殿は真っ黒焦げな上に髪の毛がブロッコリーのようにもっさりしているのだろうか」

「聞くな」

「え?」

「…聞かないでくれ」

「あ、ああ」
127 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/06/23(金) 02:24:17.07 ID:Gd8IZ1Zc0
本日はここまでです。病み上がりみたいなものなのですみません…。今回はこちらで自動進行させていただきますね。

次回は再来週の月曜日あたりになるでしょうか…。お疲れ様でした。
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/23(金) 04:22:53.97 ID:FUkKnzCFO

アリサへの仕返し安価はまかせろー
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/25(日) 14:36:18.20 ID:qw/4cjX5o
この主人公に子供が居たとしても国を犠牲にしてもいいレベルで奴隷制度を廃止してはくれないよね
130 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/04(火) 00:00:53.36 ID:+ID3DgED0
>>128、仕返し安価はまだ時間掛かりそうですけど…。行う日にはアナウンスしますね。

>>129、貴方も、色々あるまでは奴隷賛成派だったんですよ。ある事情があって反対派になりましたが。

子供がいても、そこまで本気で廃止させようとするなら、洗脳するレベルの教育が必要になるかもですね…。

遅れてすみません。今から再開します。
131 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/04(火) 01:14:38.89 ID:+ID3DgED0
「ところで、だ」

「なんだい?」

「どうしてユウはここにいるんだ?」

「それは…。私にも分からない」

ユウは空を眺めながら答える。

「私自身、意味がないことだと理解しているんだ」

「治安維持が目的なら、警備だけで充分だと、ね」

「分かっている…。のに、どうしてもここに来てしまうんだ」

「…不思議だね」

「…ああ。不思議だな…」

正直に言うと、ある程度の見当は付いている。

だが、本人は知りたいという意志を見せていない。

ユウの過去は、ユウ自身の問題だ。

部外者である俺が口出ししていいことじゃない。

「主殿」

「どうした?」

「…いや、何でもないよ。ただ、不思議な感じがしただけさ」

「そうか」

「また屋敷で会おう」

「ああ。また後でな」

…一雨来そうだな。
132 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/04(火) 01:37:22.69 ID:+ID3DgED0
「っあー!致命傷は避けれた!」

土砂降りになった直後に、屋敷へと帰還する。

全身ずぶ濡れである。

あと数分でも遅かったら風邪確定だった。

「そういや、もう雨期に入ってたな…」

ここハイランディアは、5月の中旬から6月に入るまでが雨期だ。

もともと乾燥しがちな土地のため、雨期も極端に短い。

「うわーびしょ濡れだよ…。はい、タオル」

「ん、ありがとな」

「えへへ…」

こうやってアルヴァの頭を撫でるのが日課になってる気がする。

撫で心地がいいから、つい撫でてしまう。

これがレイスだったら指を噛まれるが。

めっちゃ痛いです。

アリサの場合は、アリサの態度はふざけてはいるが耳が赤いのが分かる。

で、指摘したら氷漬けにされる。

まぁ、体を凍らせるわけじゃなくて、周りの空間を凍らせる…つまり、氷で閉じ込められるわけだ。

凄い寒いから、好き好んで受けたくはない。

カエデは、俺が手をどけるまでじっと待つ。

本人曰く、「褒められるのは嬉しいが、他の人にするべきだ。その方が、私ごときを労うよりよっぽど有意義だろう」とのことだ。

昔の件があるからだろう。

自分に価値がないと思っている節がある。

こればっかりは、どうしようもないのかもしれない。

しかし、最初の頃に比べたらだいぶ改善された方だ。

彼女の問題だから、強くは言えないが、過去を知っているからどうにかしたい。

「…まーた難しい顔してる…。めっ、だよ?」

「…そうか。すまん」

「…むぅ」

ふくれっ面をされても困るのだが。
133 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/04(火) 01:51:13.82 ID:+ID3DgED0
「とりあえず着替えたらどうかな?」

「それもそうだが、ラフすぎる服装も、な」

「家の中だし別にいいと思うんだけどなぁ」

む、一理ある。

「…アルヴァは、家の中ではいつもワンピースなんだな」

「うん!今持ってる服では一番好きだし、ご主人様から初めて貰ったプレゼントだからね!」

ホンマええ子や…。

「じゃあ俺は着替えてくるよ」

「お手伝いしよっか?」

「一人でできるから大丈夫だ」

「んー…。じゃあお部屋の掃除!」

「大丈夫」

「むー!」

「カエデー!アルヴァが暴走したから抑えてくれー!」

「了解」

「もごもご!もごごごご!」

「な、ナイス」

呼んだら来てくれるのはありがたいが、どうやって来ているのかが気になる。

「さあ、主人は早く行くといい」

「サンキューな」

「どういたしまして」

「もごごー!」

「はいはい、試作品ができたから試食を頼むよ」

「もご!」
134 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/04(火) 02:00:46.39 ID:+ID3DgED0
ワイシャツに普通のズボン、うん。

我ながらだいぶラフな格好になったと思う。

「ワイシャツっていうかアロハシャツですし、グラサンを掛けて言うセリフじゃないと思います」

「暑いんだからいいだろう」

「室温下げておきますね」

「うん、氷点下になってるな」

加減というものを知らんのかこのメイド。

「注文が多いですねぇ。20度くらいならいいでしょう」

「最初からそうしてほしかった」

「ところでさ」

「はい?」

「謎の弓兵Aって誰かなぁ?」

「…ぴゅーひゅぷぴゅー…」

「………」

「………」

「三十六計逃げるに如かず!」

「待てやコラァ!」
135 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/04(火) 02:02:44.68 ID:+ID3DgED0
昼の行動を直下にお願いします。

短いですが、今回はここまでとさせていただきます。すみません…。次回は来週月曜日の予定です。お疲れ様でした。
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/04(火) 02:36:43.16 ID:Jecng1kno

バジルスから情報収集、亜人集団の主義主張やその信頼性について
137 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/11(火) 00:19:57.40 ID:IvOfTYyo0
お待たせいたしました。今から再開します。
138 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/11(火) 00:34:35.56 ID:IvOfTYyo0
言い遅れましたが、今回で仕返し安価をする可能性があります。
139 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/11(火) 00:41:41.88 ID:IvOfTYyo0
「クソ…見失った…。転移魔法はせこくないか…」

廊下の角を曲がった瞬間に、転移魔法で逃げられてしまった。

捕まえるの無理ゲーじゃないですかね、これ。

「うぐぅ!」

「へあっ!?」

凄まじい音がしたので、慌てて振り返ると、そこにはバジルスが倒れていた。

「ど、どうした!?」

「…足がもつれてこけただけだ」

何もない廊下でこけるとは、どれほどドジなのだろうか。

重要なことを忘れていたな。

彼から一度も情報について聞いたことが無かった。

そもそも、俺が聞いてないだけなのだが。

「今から俺の部屋で待機していてくれるか?少し聞きたいことがある」

「…?別に構わないが」

埃を払い、バジルスは部屋へと向かう。

カエデさん、いらっしゃーい。

「何か用か?」

「指を鳴らしたらすぐ来るのはおかしいと思うの」

「偶然近くにいたからな」

「本当に?」

「…本当だ」

何だその間は。

「それはそうと、一つ作ってほしいものがあるんだ」

「ふむ、私ができることなら何でもしよう」

「カツ丼を二杯作ってくれ」

「なぜにカツ丼」

昔読んだ本の内容を思い出す。

「ほら、昔三人で読んだ本があっただろ?『これであなたも名刑事!情報の吐かせ方スペシャル』って本」

「あぁ、懐かしいな」

「これにさ、『カツ丼を置いておふくろさんが悲しむぞ?』って言ったらイチコロって書いてたんだよ!」

「実践するしかないじゃないか!」

「…なるほど。状況は理解したよ。二十分ほど時間を貰うが構わないか?」

「ああ」

「…ここまで純粋だと心配になるな…」

聞こえないように言ったみたいだが、丸聞こえである。

なんでこうも立場が逆転しているのだろうか。

私、気になります。
140 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/11(火) 01:09:53.64 ID:IvOfTYyo0
部屋の前で待っていると、カエデがカツ丼を持ってきた。

卵やトンカツの香ばしい匂いが漂う。

バジルス用なのに、俺が食べたくなってしまうではないか。

「まぁまぁ、言えば作ってあげるから、今回は譲ってあげればいいだろう」

「取り調べの健闘を祈っているよ」

「いきなりの頼みだったのにありがとな」

「ふふ、主人の期待に応えられたならいいさ」

「では、持ち場に戻るよ」

「ん、お疲れさん」

カエデを見送り、部屋に入る。

そこには、倒れているバジルスがいた。

「………」

「…大丈夫か?」

「…生きてるから問題ない」

「いや、この部屋で死なれたら困るんだが」

逮捕されてしまうじゃないか。

「流石にこけて死ぬことはないだろう」

「正直心配なんだが」

「…両手のどんぶりはいったいなんだ?」

「っとそうだ、忘れてた」

机にどんぶりを置き、照明を点ける。

「…こんなことをしてたのを知ったら、おふくろさんが悲しむぞ?」

「怒らないから、正直に言ってみなさい」

「待て、明らかにおかしいところがあるだろう」

「これだと、俺が罪を認めたらそれで終わりって感じじゃないか」

「あ、用途が違うのか」

本の知識もあてにならないものだ。

「普通、情報を聞き出すのなら拷問や尋問を行うのが基本だろう」

「そんな辛いことしたくない」

「………」

なんで大丈夫かこいつ?みたいな顔するんだ。

こっちは至って大真面目なんだぞ。
141 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/11(火) 01:11:36.10 ID:IvOfTYyo0
直下コンマが4以上で情報が取得できます。ついでに↓2コンマで戦闘力を判定します。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/11(火) 01:26:19.84 ID:nAN5GFkTO
だがしかし
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/11(火) 01:27:44.17 ID:yhtVVvt8o
せんとう
144 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/11(火) 01:36:02.45 ID:IvOfTYyo0
情報判定:4 情報が入手できました。自動的に、今回の戦争の首謀者が特定されます。

戦闘力:7 カエデやアリサほどではありませんが、充分な強さを誇っています。

早いですが、今回はこれで終了にさせていただきたいです…。次回は来週の月曜日予定です。

↓1〜3に、アリサへの仕返しを募集します。それと、直下コンマで追撃部隊の進捗状況を判定します。皆さん、お疲れ様でした。
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/11(火) 01:37:54.50 ID:yhtVVvt8o

しばらく椅子にする
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/11(火) 07:28:59.70 ID:NeBvkbId0
気になる人が出来たと言って自慢げに話す(ドッキリ的な意味で)
いっぽうのアリサさんは気が気でない感じ(胸がモヤモヤ的な)
って感じで
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/11(火) 09:44:32.92 ID:KrWYxl9s0
無言で頭を撫でながら、抱き締める
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/12(水) 18:25:10.44 ID:FrHj7ZGJ0

















































































ああ
149 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/16(日) 12:01:29.85 ID:2RWj5N10O
すみません…。今週の更新は無理そうです…。来週なら更新できると思います。申し訳ありません…。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/16(日) 13:37:32.12 ID:h7scV+Q7O
カラダニキヲツケテネ
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/16(日) 17:01:55.59 ID:UILmcVjvo
待ってます
152 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/23(日) 12:43:51.57 ID:tBB/pjSMO
本日の深夜になら更新できそうです。

それと、バジルスから情報を引き出せた&まさかの追撃判定が0なので、(バレてる気がしますが)黒幕の正体その他諸々の情報が開示されます。

なので、次週に黒幕ぶっ潰しタイムに移行することが可能になります。報告は以上です。
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/23(日) 12:52:14.29 ID:4XTa9K0ho
待ってます
亜人側にキメラが居るってことはリゼルの目的は宣伝ではないんだな
154 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/24(月) 02:50:38.61 ID:q8bGJI1G0
予定よりも大幅に遅れてしまいました…。今から少しだけ再開します。
155 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/24(月) 02:54:25.88 ID:q8bGJI1G0
バジルスの戦闘力を直下コンマで判定します。
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 02:56:56.23 ID:uKtGCBlQo
>>143じゃないの?
157 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/24(月) 02:59:46.71 ID:q8bGJI1G0
>>156、あ、本当ですね…。すみません。少々お待ちください。
158 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/24(月) 03:23:19.77 ID:q8bGJI1G0
「…まぁ、これ以上あいつらに与する必要もない、か」

「俺の知ってることを全て話させてもらう」

「嫌なことを無理して言う必要はないぞ」

「そういうものは無いから気にするな」

「…そうか」

バジルスの言っていたことを纏めると、次のようになった。

バジルスは紛争地帯出身で、それ故に、幼少期から殺しあって生きていた。

そのため、気に掛ける家族も友も存在せず、生き延びるために何もかもを利用してきた。

紛争が終結した後は、傭兵組織を転々としていて、レジスタンスの占領地域に入った時にスカウトされた。

バジルスが知っていたのは、数ヵ月前からキメラを少しずつ入手していたこと。

それと、キメラの販売人は人間だということくらいらしい。

もう一つ加えるなら、レジスタンスの主導者は、人間に従うのを嫌う賢人とのことくらいか。

…となると、今回の戦闘…迎撃戦でも生存している可能性が高い。

追撃部隊が働いてくれれば、捕縛することも充分あり得るだろう。

「レジスタンスに戦力を供給しているのは人間か…。それも、キメラを有する」

「ああ。かなり物資も支給していた。莫大な資産を持っているのだろう」

「…ということは、首謀者はリゼル…で間違いないな。だが、情報が少ない」

「もっと有力な発言があればいいのだが」

「ふむ。この料理は美味いな」

口をリスのように膨らませているバジルス。

めっちゃ満足気にカツ丼を食べている。

というか、少し目を離した隙によくここまで食べられたな。

「一口でいいから食べさせてくれ。凄い美味そうだ」

「ほれ」

「…美味ーい!」

…忘れていたが、そろそろ追撃作戦の報告が来る頃か。

吉報があれば嬉しいのだが、そう事は上手く運ばないだろうな。
159 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/24(月) 03:36:34.67 ID:q8bGJI1G0
椅子の背もたれの寄りかかってぐったりしていたら、ドアがノックされる。

「ん、誰だ?」

「アリサです。緊急の連絡があります」

「…なんだ?」

「レジスタンスの主導者が捕縛されました。現在、輸送中とのことです」

「本当か!?」

「はい。伝令からの通達なので確定事項かと」

「よし、これで一気に事態が進展する」

「ここに戻るのはいつになる?」

「本日の夜だそうです。尋問は深夜ごろになるかと」

「分かった。他の特級貴族にも通達は行ってるな?」

「だと思いますけどねぇ」

「ならいい」

まさか、主導者を捕縛できるとは思わなかった。

上手くいけば、来週には決着を付けられそうだ。

…親父、もう少しだ。

あともう少しで、俺たちの願いが叶いそうだよ。

そこから見えるのなら、最後まで見届けてくれよ。

…それはそうとして。

「バジルスはもう出ていいぞ。食器は厨房に運んでくれ」

「承知した」

「では私も失礼し」

「あ、アリサは残れ。命令だ」

「うぐ」

積年の恨み、今晴らさでおくべきか。
160 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/07/24(月) 03:39:43.35 ID:q8bGJI1G0
すみません。時間がギリギリなので、短いですがこれで終了にさせてもらいます。次回は正直分かりません…。

一月経つことはないと思うのですが、いつ休暇になるか分かりませんので…。

更新日が判明したら報告しますね。遅くまでお疲れ様でした。
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 03:41:24.76 ID:uKtGCBlQo

待ってます

もしやリゼルが相手を選ばずにキメラを売っていたという話だったり……
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/25(火) 20:24:17.46 ID:ohv5+QOCo
捕縛されたのが本当に首謀者ならリゼルの配下が暗殺に来るかも
163 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/07(月) 14:54:14.06 ID:dRuwrWdcO
本日の夜10時頃に再開できそうです。
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 21:13:25.03 ID:RuNd9bDqo
待ちます
165 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/08(火) 00:34:49.94 ID:jlEeQR3M0
すみません…。予定を大幅に過ぎてしまいました…。今から再開します。
166 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/08(火) 00:53:29.74 ID:jlEeQR3M0
さて、今までにされたことの仕返しはどうするべきか。

痛くなるようなことはNGだし、心に傷を残すのももってのほかだ。

ドッキリ的な感じのやつでいいか。

「アリサ、とりあえず四つん這いになれ」

「は?」

「椅子だよ椅子。これは今までの蛮行に対する罰だからな」

真顔でこっちを見るな。

マジで怖いんだってば。

「…なるほど」

「当主様の趣味は他人を椅子にして優悦に浸ることですか」

「えっ」

「分かりました。どうぞご自由にお使いください」

そう言って四つん這いになるアリサ。

なんだか背徳感を感じる光景だ。

「ほらほら早く座ってくださいよー」

「んじゃ遠慮なく」

「んっ…。…ん?」

アリサ椅子に腰を下ろすが、直前でギリギリ止める。

実際に体重を載せるのはダメだと思います。

「あの、それ空気椅子状態ではないですかね」

「誰がなんと言おうと、今のアリサは椅子で、俺を座らせている。OK?」

「体重が載ってない時点で椅子になってないじゃないですかやだー!」

あっこれ凄い太ももにくる。

踏ん張れマイタイ。

「当主様一人なら充分耐えられますので…。ほらもう楽になってください?」

「断る!そんな酷い仕打ちをしてたまるか!」

「変なところで頑固ですねホント!」
167 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/08(火) 01:06:03.81 ID:jlEeQR3M0
どうして、四つん這いと入力しようとしたらヨツンヴァインが出るんですかねぇ…。


次の仕返しは…これだ!

「聞いてくれよアリサ」

「はいはい何ですか?」

「俺、気になる人ができたんだ」

「…はぁ!?」

突然叫ばないでくれ。

ビックリするじゃないか。

「それって恋的な感じですか?それともライバル的な感じですか?」

「あっ!そもそも相手は女性ですか?男性ですか?ショタですか?ロリですか?」

「っていうか人間ですか?まずそれは生きていますか?」

「うん、俺に対するイメージが尋常じゃないくらい酷いことだけは分かった」

ホモ疑惑を掛けられているどころか、無機物フェチとかそんな感じのレッテルを貼られている可能性があるな。

「普通に女性だよ。気になるっていうのも、たぶん恋だと思うぞ」

「今までしたことが無いから分からんが」

下のアリサを見ると、明らかに動揺しているのが分かる。

凄い震えてるんですけど。

氷水に落ちたおっさんですかあなたは。

「そ、そうですかー!遂に身を固める気になったんですね!良かった良かった!」

「ところで相手はどなたですか!?」

「プライバシーってものがあるからな。秘密だ」

「せめて特徴だけでも!」

「ダメ」

「うぅ〜…!」

どうしてそんなにがっつくんだ?
168 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/08(火) 02:04:08.29 ID:jlEeQR3M0
最後は、ぶっ飛ばされるかもしれないが、アレでいこう。

「もう終わっていいぞ」

「あ、はい。全然辛くなかったですけどね」

「誰かさんがずっと空気椅子してたおかげで」

「太ももがヤバいです」

「でしょうねぇ」

立ち上がったアリサの目の前へと歩き、見つめる。

「な、なんですか…?」

そして、右手で頭を撫でながら、左腕で抱き寄せる。

「ひゃっ!?」

アリサが驚いてもぞもぞと動くが、そんなことは気にせずに抱きしめる。

「冗談はやめってっ…くだ…さい…」

抜け出そうとしても、決して離しはしない。

「はうぅぅ…」

20秒もすれば、アリサは全く動かなくなった。

アリサの耳まで真っ赤だが、こっちの方がよっぽど恥ずかしい。

5分ほどそのままの状態が続き、充分だと思ったので抱きしめるのをやめる。

すると、力が抜けているかのように、ペタンと地面に座り込むアリサ。
169 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/08(火) 02:16:12.49 ID:jlEeQR3M0
「…いきなり何するんですかぁ…」

「いや、今までいいようにされてきたからな。一泡吹かせようと思ってつい」

俺が答えたら、アリサはふくれっ面になる。

「ということは今のは全部嘘だったってことですかぁ。酷いですね」

慌てている姿が見られただけでも満足だ。

全て種明かしをしよう。

「嘘なのは気になる人云々と椅子のところだけだ」

「それ以外は全部本心だぞ」

アリサが突然、小悪魔のような笑みを浮かべる。

「つまり、私は大切な人なんですね?」

「当たり前だ。この家の人はみんな大切に決まっている」

「ふふっ。それは嬉しい限りです…ねっ!」

「…!?」

状況が理解できない。

アリサが飛び込んできたと思ったら、唇に柔らかい感触を感じる。

息もできない。

そのまま、時間が止まったと錯覚するような感覚が続く。
170 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/08(火) 02:46:02.31 ID:jlEeQR3M0
「…ぷはっ」

その感覚は、アリサが離れることで終わりを迎えた。

それと同時に、自分が何をされたのかを理解した。

「ど、どうしてこんなことを…」

「…当主様は、今までに何回私を抱きしめたか憶えていますか?」

しばらく記憶を掘り起こすが、該当するものは何も出てこない。

「…いや」

「3回ですよ。といっても、私がここに来てすぐのことですけど、ね」

アリサは下を向きながら、一つ一つ言葉を発していく。

「…私は、結構悩んでいたんです。ずっと伝えられなくて。本当の気持ち」

「正直に言おうと、伝えようとしても、照れ隠しできつい行動を取ったりしてましたから」

「…ですが、もうやめます。当主様が本心をぶつけてくれたなら、私も本心をぶつけなきゃ」

アリサは顔を上げる。

その目からは、一筋の涙が零れ落ちており、その顔は、優しく微笑んでいた。

「…愛しています。当主様。主としても。一人の人間としても」

「そして、一人の男性としても、です」

「今まで散々ふざけた行為をしておいて言えるような口ではありません…」

「だけど、はっきりと、何度でも言いましょう」

「私は、貴方に助けられたあの時から、ずっとお慕いしておりました」

「この体は、命は、心は、すでに貴方のものです」

「どうか、この命が尽きるまで、私をお使いください」

「それが、それこそが、私の最大の悦びですから」

それほどまでに、俺は慕われていたのか。

どうして、俺がそこまで慕われていたのかは分からない。

俺はただ、正しいと思ったことをしているだけだ。

正しいと思ったから、瓦礫に埋もれていたアリサを助けた。

正しいと思ったから、カエデの飼い主をこの手で殺めた。

後悔はない…はずだ。

「…俺は」

アリサに言わなければならないことがある。

それは。

「お前たちが老衰や病気で死ぬ以外は許さない」

「命が尽きるまで使え?ハッ、馬鹿馬鹿しい」

「何があっても、死なせはしないさ」

「大切な家族だ。死なせるわけがないだろう」

「だから…」

言いたいことを言いきる前に、アリサの指が口に触れる。

「…いえ、言わなくていいですよ」

「…何があっても、私は貴方の傍にいます」

「だから、これからも共に進みましょう」

「…言われなくても、そのつもりだ」

そうはっきりと答え、拳と拳を軽くぶつけた。
171 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/08(火) 03:07:39.08 ID:jlEeQR3M0
その後、今までの自分の行いを振り返ると、凄い恥ずかしくなってきた。

「俺めっちゃ痛いやつじゃないか…。黒歴史確定だ…」

「私は胸キュンでしたけどね」

「大切な家族って言ってくれた時は、本当に嬉しかったですよ」

「私の家族は、目の前で死にましたので…」

「…自殺に見せかけた他殺…だっけか」

「…はい。おそらく、土地と遺産目当ての人たちです」

「今、その場所は都会になっているようですから」

「…帰りたいとは思わないのか?」

「全く。…とは言えませんかね。両親の墓参りくらいはしたいです」

「もっとも、両親が眠っているわけではないですが…」

「…全てが終わったら、みんなの故郷を回ってみるか」

「いいですね」

「…絶対生き残るぞ」

「はい」

時計を見ると、約束の時間が近づいていた。

「俺はそろそろ出るよ。アリサには、一仕事頼みたい」

「何なりと」

「現在帰還中の追撃部隊の護衛だ。そろそろ西中島南方に到着する頃だからな」

西中島南方は、ハイランディアの首都、我々の住むレステルとレジスタンスの本拠地の中継地点だ。

自動的に、この場所を通ることになる。

「リゼルのことだ。暗殺部隊を向かわせている可能性が高い」

「主導者を連れてくれば、それで全て終わるはずだ」

「殲滅するよりも、守ることを優先してくれ」

「分かりました」

そう言って、アリサは姿を消す。

転移魔法が使えて羨ましい。

だが、使えないものを求めても仕方ない。

早く店に向かわなければ。
172 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/08(火) 03:10:20.80 ID:jlEeQR3M0
これで今回の更新は終わりです。自分で書いていて顔から火が出ていました。

ただの仕返しでワイワイするはずだったのに…。どうしてこうなった。

次回更新は今日の同じ時間に再開できれば…と思っています。あと数回で終わりそうですね。お疲れ様でした。
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 03:19:48.71 ID:UFsr+cwCo

決戦前に告白……死ぬのか

暗殺者は直接主人公やアーバンを取りに来る可能性もあるな
174 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/09(水) 00:07:33.37 ID:WQ6XKafM0
>>173、充分あり得ます。今まではそこまで目立った行動をしていませんでしたが、今回は襲撃判定を行います。

失敗すれば、強制的に戦闘となります。貴方が死亡する可能性もありますよ。今から再開します。
175 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/09(水) 00:54:58.33 ID:WQ6XKafM0
これから向かうレストランは、俺が所有しているものだ。

というより、この街にある娯楽施設は殆どが俺の一族の管轄内だ。

その中には飲食店も含まれている。

大衆食堂などはそこまで経営していないが、いわゆる高級レストランは殆ど管轄内である。

今回向かうレストランも、所有している高級レストランの一つだ。

他の貴族も使うため、安全面には細心の注意を払っている。

店内外に警備員を配置し、要望があれば、送迎用の馬車も向かわせる。

従業員は、シェフと警備員は俺の一族から、それ以外は民間人を起用している。

全員保険にも入れているし、住居等の手配も当然している。

ホワイトなのが自慢なので、その辺りの整備はしっかりとしているのだ。

屋敷を出て、門外に停められている馬車へと乗り込む。

今回、護衛は付けていない。

アリサは別の護衛任務に就いているし、カエデはみんなに食事を振舞っている時間だ。

アルヴァは洗濯中だし、レイスにはそんなことはさせられない。

バジルスは名目上は捕虜だから仕事はさせられないし、ユウはまだ孤児院にいるらしい。

警備員もいるから、襲われるようなことはないだろう。

リゼルだって、民間人が近くを通るような場所で襲撃するほど、傍若無人な行いをするバカではないはずだ。

「到着いたしました」

「分かった」

知らせを聞き、馬車を降りる。

店内に入ると、すでにスジャータが席に着いて待っていた。

護衛のアインも一緒だ。

「貴方は護衛を付けてないのね」

「ここなら安心だしな」

「貴方は当主なのよ?常に護衛を付けるべきだと思うわ」

「相変わらず心配性だな。スジャータは」

「貴方がいなければ、法律を変えるのだって不可能でしょうに…」

「お爺様が敵の時点で、正面から戦って勝つのは厳しいわよ」

「爺さん、闘病中なのに現役だもんなぁ…」

昔は非常に腕の立った剣士だったらしいが、病には勝てないようだ。

「そういえば、お爺様とは面会したの?」

「いや」

「…最近、また容体が悪化したわ。早く会いなさい」

「間に合わなくて後悔しても遅いのよ」

「…そうだな」
176 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/09(水) 00:58:08.72 ID:WQ6XKafM0
スジャータに聞きたいことがあれば、↓1、2にお願いします。無い場合はその旨をお書きください。
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 01:16:30.53 ID:8phcNhCMo
最近の周辺警備員の人員管理についての意見
178 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/09(水) 03:28:03.93 ID:WQ6XKafM0
なさそうなので、先に進めます。ちょっと待ちすぎでしたね…。深夜だから人はいないのに…。
179 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/09(水) 04:03:00.10 ID:WQ6XKafM0
「しかし、今日は警備員が多いわね」

「まぁ、ちょっと気を遣ってな」

人数が多い方が、相手からしても攻めにくいだろう。

「…私としては、今の半分でもいいと思うわ」

「…ふむ。詳しく頼む」

「まず、この店は開けた作りをしているでしょう」

「つまり、見通しがいい、ということよ」

「人数が増えるほど、見通しが悪くなる。だから、隠れる場所が増えてしまうのよ」

「それに万が一、戦闘になった時に、相手が動きやすいったらありはしないわ」

「そもそも、ここの警備員は巡回させるのではなく、一定の距離に配置して、監視させるタイプよ」

「だから、数を増やせばいい、という話でもないのよ」

「お、おう」

矢継ぎ早に話すスジャータに、つい気圧されてしまった。

いちおう俺の方が年上のはずなんだがな。

「だけど、状況に合わせて考えるのは悪くないことよ」

「これは一つの意見として、軽く捉えていればいいから」

「最後に決めるのは貴方でしょう?」

こうして、他人の意見を貰えるのはありがたい。

自分とは違う視点から見て、判断された意見は、考えもしなかったものばかりだからだ。

「ありがとな、スジャータ」

「別に感謝されるようなことじゃないけれど」

「素っ気ないなぁ」

だが、そこがスジャータのいいところなのだろう。

人によって態度は変えず、はっきりと物を言える。

つまり、誰に対しても平等に接するということだ。

そんなところがあるから、アインだってずっと従っているんだろう。
180 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/09(水) 04:22:32.46 ID:WQ6XKafM0
「そうだ。数日前に、他国の首脳と話し合ってきたんだ」

「へぇ。結果はどうだったのかしら?」

「上々だ。近いうちに、ここに鉄道が通ることになったぞ」

「凄いじゃない。移動手段が増えるということはレステルの、いや、ハイランディアそのものの利益が増えるのと同義よ」

「ああ。貿易の手段も増えるし、何より、ここに来る人が増えるだろう」

レステルは、ハイランディアが位置する大陸の玄関口でもある。

他の大陸や島国の物資はいったん、ここを通るのが殆どだ。

空路…飛空艇を使った場合は、直接輸送されるのでここは使われない場合が多い。

こちらも幾つか飛空艇は飛ばしているのだが、空路で得られる収益は少なくなってしまう。

なので、新しい貿易ルートが増えることは、ハイランディアの所得が、仕事が増えるのと同じなのだ。

今まで数ヵ月掛けて移動していた場所へ、数時間で行けるようになるのは非常に大きい。

観光に利用することもできるだろう。

とはいえ、鉄道の開通にはまだ時間が掛かる。

あと数ヵ月は必要だ。

気長に待とう。
181 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/09(水) 04:23:44.34 ID:WQ6XKafM0
襲撃判定です。直下コンマが4以下だと戦闘に移行します。
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 04:43:09.93 ID:8phcNhCMo
空路あったのか
183 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/09(水) 05:08:55.32 ID:WQ6XKafM0
「今日、主導者の尋問を行う予定で、来週にはたぶん終わるはずだ」

「先週頼みにきたばかりじゃない…」

「俺も驚いてるさ…」

まさか、主導者を捕縛できるとは思いもしなかった。

兵士たちの報酬を増やさなければ。

「まぁ、早く終わるのならいいことじゃない」

「だな」

「それと、全てが終わったらアリサたちの故郷を巡る予定でな」

「スジャータが良ければだが、一緒にどうだ?」

「構わないわよ。面白いことがありそうだし」

「そうか」

「…話していたら、時間がかなり経過してたわね」

「…あっ。早く王宮に行かないと」

「でしょうね…。早く行きなさい」

「ああ。またな」

「ええ、また」

席を立ち、外に出ようとした瞬間、目の前で爆発が起こった。

「ぐぅっ!?」

直撃は免れたが、爆風に耐えられず吹き飛ばされる。

「…最悪だ。このタイミングで襲撃されるか…」

「貴方様、それとお嬢様は後ろへお下がりください」

「アイン…」

「大丈夫です。命に代えても護りますから」

「…頼んだわ」

「奴らの数はざっと十人…。警備員を増やしていて正解だったかな」

「相手がバカ、とも言えるわね。わざわざ狙うタイミングじゃないわよ」

「とにかくスジャータは俺の後ろだ。俺だって多少は戦える」

「分かったわ」

腰に差していた剣を抜き、相手に向ける。

数人キメラが交じっており、戦力差は大きい。

ここで死ぬ可能性も充分ある。

そう思った直後、紫色の光が降り注ぐ。

「このアホみたいな魔力は…!?」

「すまない、処理するのが間に合わなかった」

「カエデ!お前は飯を作ってたはずだろう!」

「急いで済ませてきたのさ。嫌な予感がしたのでな」

「さて、手早く片付けようか」

「ああ…!」

恐れないで、できることだけをしよう。

カエデがいる今なら勝てるはずだ。
184 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/08/09(水) 05:10:33.26 ID:WQ6XKafM0
>>182、申し訳程度ですが、存在はしてます。九割以上は陸路(キャラバンとか)と航路に依存してますが…。

時間も遅いですので、これで終了にしたいと思います。

次回更新では、主導者の尋問まで進ませようと思います。いつ再開できるかはまだ分かりませんので、後ほど連絡します。

皆さん、お疲れ様でした。
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 21:56:14.11 ID:8phcNhCMo

スジャータを守り一般人を壁にされながら伏兵も気にして多数と戦う
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 22:16:49.89 ID:MnJsns3zo
そういえば複数の亜人を合体させたキメラってどんな見た目だろう?
今回のは市街地なんだから邪魔にならない程度の人型なんだろうけど
187 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/03(火) 15:56:23.09 ID:Np1IfwbvO
>>186、この世界では技術的にはまだキメラ製造が可能なレベルに到達してません。
ですので、ベースとなった素体に複数の種族の特徴(角や尻尾、指や腕の数、体毛etc…)がごちゃ混ぜになってます。
基本的にサイズはベースよりも大きくなっております。技術的な問題で、寿命は短命です。助ける手段は2つしかありません。
片方はすぐに実行可能、もう一方は時間が掛かる可能性が高いです。

ある程度落ち着いてきたので今週の土曜の深夜に再開をします。お待たせして申し訳ありませんでした…。
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/03(火) 20:51:09.78 ID:6SrAiHkXo
そのレベルでも戦争を左右するくらいに強いという意味なのか
そんなレベルの物をリゼルはたくさん造ってしまったという意味なのか
189 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/06(金) 13:11:55.83 ID:IOtoIe+pO
>>188、どちらかといえば前者です。

すみません、再開時間を本日の深夜に変更します。
190 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/07(土) 03:00:41.77 ID:I5K9xarh0
まずい…。流石に深夜になりすぎました…。せめて戦闘だけでも終わらせます。
191 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/07(土) 03:11:48.55 ID:I5K9xarh0
勝利条件:四回の判定成功、または特殊判定の発生

敗北条件:貴方の死亡

直下コンマで判定します。

1:ファンブル(無補正の値のみ該当)
1〜4:失敗
5〜8:成功
9:クリティカル
0:特殊判定(無補正の値のみ該当)

キメラの重圧:-1
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 03:16:56.58 ID:h9Vee1xRo
おきてる
193 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/07(土) 03:37:48.63 ID:I5K9xarh0
判定:7 成功


「敵の気勢を削ぐ!」

カエデは居合切りの構えを取り、暗殺者たちの懐へと走り出す。

真っ先に反応したのは大型のキメラで、肥大した右腕を大きく振るう。

龍の鉤爪に酷似したそれは、まさに必殺の一撃。

しかし、それは空しくも空を切った。

体に触れる刹那の間に、カエデはキメラの真後ろまで一瞬で移動した。

キメラは明らかに狼狽えたような挙動を見せる。

僅かに残っている知性が、何をしたのかを必死に分析しているのだ。

別に、カエデは何か特別なことをしたわけではない。

ただ、魔力を放出して加速しただけ。

それだけなのだ。

大型のキメラは思考を戻し、同じように右腕を振る。

キメラでない暗殺者たちも、続けて各々の武器を持ち、カエデと貴方に向かって走る。

振るわれる腕を躱しながら、暗殺者たちと剣戟を結ぶ。

一人で対応するには些か厳しい、とカエデは焦りを覚えるが、一人でも多く引きつけるため、更に苛烈に斬り掛かる。

少しでも、貴方たちの負担を軽くしよう、という思いを胸に、カエデは戦う。

主君を護るために敢えて、前で刀を振るうのだ。

カエデの気迫に気圧されたのか、暗殺者を弾き飛ばしたのと同時に、大型のキメラの動きが止まった。

その隙を、熟練の戦士であるカエデが見逃す筈が無い。

カエデはその黄金色の瞳でキメラを見据え、一言呟く――。

――斬り捨て、御免。


直下コンマ判定

1:ファンブル(無補正の値のみ該当)
1〜4:失敗
5〜8:成功
9:クリティカル
0:特殊判定(無補正の値のみ該当)

キメラの重圧:-1 未完成:+1
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 03:43:52.21 ID:h9Vee1xRo
195 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/07(土) 03:47:53.91 ID:I5K9xarh0
ファンブルなので、ダメージ判定を行います。

直下コンマ判定

1:カエデ、貴方、スジャータ、アインのうち一名死亡
2〜4:四人のうち一名が負傷(大)
5〜8:味方の支援により回避成功
9:カウンター
0:特殊判定
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 03:55:31.21 ID:h9Vee1xRo
カウンターあるのか
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 03:56:13.60 ID:h9Vee1xRo
いまのはちがうから
198 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/07(土) 03:59:30.39 ID:I5K9xarh0
流石に草を禁じ得ない…。誰が天に召すか直下コンマ判定をします。

1〜4:スジャータ
5、6:アイン
7:カエデ
8、9、0:貴方
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 04:02:04.94 ID:h9Vee1xRo
なんかごめんなさい
200 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/07(土) 04:25:38.58 ID:I5K9xarh0
>>199、コンマ判定なので悪いってわけじゃないんですけどね…。まさかのお嬢様退場。何やってんだ貴方。

判定:4 スジャータ死亡

カエデが前線で奮闘するが、撃ち漏らした暗殺者は、躊躇なく貴方たちの所へと向かってくる。

「お嬢様は下がって!」

アインは、暗殺者たちを右手の拳銃で牽制する。

盲目とは思えないほど、狙いは正確だが、正確であるが故に弾道を見切られ、悉く回避をされる。

杖を持ったドワーフと思われるキメラが、魔法の詠唱を始める。

空に幾重もの魔法陣が展開され、無数の氷弾が降り注ぐ。

「ちぃっ!」

「っ!」

貴方はスジャータの前に立ち氷弾を捌くが、受け損なった氷弾が全身を撃ち抜く。

すぐさま回復用ポーションを飲み干し、傷の修復を図る。

だが、蓋を開けたと同時に、今度は雷が地面から蛇のように襲い掛かる。

避けられない。

そう確信して、防御用の障壁を展開するも、虚しく撃ち抜かれる。

アインも護衛に行こうとするが、複数名に囲まれてしまっており、迂闊な行動はできない。

もう、貴方には対抗策が残されていなかった。

だが、貴方はそれでも、と剣を構える。

たとえ不可能でも、尻尾を巻いて逃げるわけにはいかないから。

護らないといけない人がすぐ後ろにいるから。
201 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/07(土) 04:39:32.25 ID:I5K9xarh0
「うあぁぁぁぁ!」

剣に力を込め、雷を受け止めようと前に突き出す。

だが突然、視界が斜めになる。

「え…?」

理解ができなかった。

いや、したくなかった。

何故なら、先ほどまで貴方がいた場所にスジャータがいて、スジャータの胸を雷が貫いていたのだから。

「スジャータッ!」

「お嬢様ッ!」

地面に手をつくと同時に体を捻り、スジャータの元へと走り出す貴方。

妨害を無視して、ナイフで数ヵ所を刺されながら、アインもスジャータの元へ向かう。

倒れる直前に、貴方はスジャータを抱きかかえるが、胸からの出血が止まらない。

ポーションを飲ませようとするが、気管や食道が焼けているせいで、飲むことができない。

それなら、と治癒魔法を唱えるが、貴方の魔力では治ることは無かった。

「クソッ!治れ!治れよ…っ!治ってくれよ…!お願いだから…」

「お嬢様、大丈夫です…。すぐ治りますから…。すぐ…」

アインはスジャータの手を握り、まるで自分に言い聞かせるかのように鼓舞をする。

貴方は、震える手を抑えながら治癒魔法を唱え続けるが、傷が癒えている兆候は見られない。

風が流れるような、力のない呼吸をしながら、スジャータはアインの手を払いのける。

そして、涙を浮かべながら微笑み、二人に力なきハグをする。

貴方を抱きしめると同時に、眼の光は消え、腕はゆっくりと地に落ちてゆく。

「嘘…だろ…」

「嫌…嫌ぁぁぁぁぁ…!」

今、一つの命の灯が消えた。
202 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/07(土) 04:44:08.79 ID:I5K9xarh0
後味の悪い終わり方ですが、時間が少々まずいので誠に勝手ながら、終わりにさせていただきます。

次回は同日の深夜を予定しております。今日よりも早く始めたい…。

自分で書いておいて言うのもなんですが、やっぱり死ぬ描写を書くのは辛いですね…。

遅くまでお付き合いいただきありがとうございました。
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 04:49:11.00 ID:h9Vee1xRo

おじいさんの病気を治そうとしてたんだ
204 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/08(日) 02:22:45.40 ID:/K3p9hZa0
昨日よりは早く再開できた…。けど遅い…。
205 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/08(日) 02:45:38.44 ID:/K3p9hZa0
「っ!スジャータ嬢が…」

一閃を放とうとしたが、それは令嬢の死によって中断された。

これ以上離れているのは逆効果だ、と思い、貴方の元へと駆け出す。

カエデが敵中に突入し、混乱を起こす。

このスタイルは、カエデ自身が貴方に志願したものだ。

だが、これには致命的な欠点がある。

如何に混乱を起こすために暴れようと、戦力を分散されれば意味が無い。

(リゼル卿の方が上手だったか…!)

リゼルの手のひらの上で踊っていたことに苛立ちを覚えながら、カエデは吼える。

「主人!いつまでも突っ立っていたら、スジャータ嬢が命を棄てて貴方を救った意味がないぞ!」

彼女は賭けたのだ。

貴方が生きて、この国を変革(かえ)ることに。

ここで貴方が死んだら、彼女の想いが、覚悟が無意味になってしまう。

そんなことは、決してさせない――。

――もう、大切な人を、愛している人を失いたくないから――。

――まだ、自分を救ってくれた人に、恩を返せてはいないから。

刀を抜き、迫りくる凶弾と凶刃を捌く。

暗殺者は、完全に狙いをカエデへと変えた。

既に二人は満身創痍。

この場で最も危険な従者を始末すれば、全ては終わる――。

――そんな思惑が透けて見える、とカエデは嘲る。

そして、力強く啖呵を切った。

「私が命を棄てることで主人が助かるのなら本望!」

「我が命に代えてでも、貴様らはここで皆切り伏せる!」

「この刃…決して貴様らを逃しはしない!」

カエデの手に握られた刀が、紫色の光を帯び、瞬いた。


直下コンマ判定

1:ファンブル(無補正の値のみ該当)
1〜4:失敗
5〜8:成功
9:クリティカル
0:特殊判定(無補正の値のみ該当)

キメラの重圧:-1 未完成:+2
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 02:52:34.72 ID:npf4wLUBo
死ぬなよ
207 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/08(日) 03:15:38.14 ID:/K3p9hZa0
判定:3 失敗


カエデは放った斬撃が、キメラが展開した障壁によっていなされる。

守るのではなく、無効化する。

その方が効率が良いのだが、簡単なものではない。

相当な手練れだ、とカエデは舌を巻くが、相手は待ってくれない。

キメラが杖を翳すと、先端から無数の鎖が撃ち出される。

魔力を変換しての物質の生成、若しくは、イメージの具現化。

嘗てはさぞかし高名な魔術師だったのだろう。

これほどスムーズに、正確に生成するのは、並大抵の者では逆立ちしたって出来やしない――。

――称賛に値するものだが、それが、無抵抗で受ける理由にはならない。

動きを見切り、最小限の動作で回避する。

自然、カエデめがけて飛んでいた鎖は絡まり、操作ができなくなる。

絡まった鎖を右手で力いっぱい引き寄せる――。

――ドワーフやエルフといった所属は元来力は貧弱だ(例外もあるが)。

故に、力をあまり必要としない杖や弓を使いがちになるのだ。

眼前のキメラは、素体(ベース)がドワーフで、組み込まれたもの(エッセンス)はエルフである。

魔術、魔法の行使に特化したキメラなのだろう。

だが、それが災いして呆気なく引き寄せられる。

左手で構えた刀が、まるで死神の持つ鎌のようにも見える。

「逃しはしないと言っただろう?」

その時、キメラの僅かな知性に明確な死のイメージが刻まれた。


直下コンマ判定

1:ファンブル(無補正の値のみ該当)
1〜4:失敗
5〜8:成功
9:クリティカル
0:特殊判定(無補正の値のみ該当)

キメラの重圧:-1 未完成:+3(上限値)
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 03:20:35.85 ID:npf4wLUBo
8割なら
209 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/08(日) 03:46:23.73 ID:/K3p9hZa0
判定:7 成功


恐怖のあまり、杖を手放すキメラ。

瞬時に魔法陣を形成し、蛇の如き雷を数発発射する。

それらは、鎖を持っていたカエデの全身に吸い込まれるように刺さった。

だが、それこそがキメラが持っていた死のイメージ。

極限状態に陥っていた脳に刻み込まれた虚像だったのだ。

当然、それは霧のように消える。

どこに移動した、と辺りを見回すが、視界に一つの光が見えた。

同時に、キメラの意識はそこで途絶えた。

カエデは、鎖を引き寄せた直後に、近くにいた暗殺者の懐に潜り込んだ。

そして、暗殺者の首を刎ね、刀に手を翳した。

先ほどと同じように光を帯び、無防備になっているキメラに向けて、一閃。

前回とは打って変わって、あっさりとキメラの頭部が切り裂かれた。

明らかに動揺する暗殺者たち。

絶対的優位に立っていると思い込んでいた彼らの心は、味方の死によって呆気なく崩れ落ちた。

殆どの知性を失ったキメラだけが、未だに戦意を失わない。

己を奮い立たせるためか、はたまた情けない味方(と言えるのかも怪しい)を鼓舞するためか、空気を振動させるほどの怒号を上げる。

皮肉なものだ、とカエデは思う。

戦いを優位に立たせるために知性があるのに、その知性の所為で戦いから逃げようとしてしまう――。

――ああ、本当に哀れだ。

死の覚悟を持たず、戦いに身を投じるとは。

救いようもない愚者に向け刀を構える。

「主人、前を見ろ」

それは、最愛の人へと向けた鼓舞。

「貴方が前へと進む限り、後悔はしない」

「それはきっと、スジャータ嬢が今思っていることさ」

「男なら、女の期待の一つには応えないとな?」

「…ええ。きっとお嬢様はそう思っているでしょう」

銀髪の従者は、涙を左手で拭って立ち上がる。

「何故なら、お嬢様は貴方を信じていましたから」

「『貴方なら、この国を変革(かえ)られる。そう確信している』と」

「そう…か…」

貴方の剣を持つ手に力が篭る。

「…なら、応える義務があるな…」

「それが、スジャータへのせめてもの餞だ」

言葉とは裏腹に、貴方の剣はどす黒い靄に覆われていた。


直下コンマ判定

1:ファンブル(無補正の値のみ該当)
1〜4:失敗
5〜8:成功
9:クリティカル
0:特殊判定(無補正の値のみ該当)

キメラの重圧:-1 未完成:+3
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 03:53:33.41 ID:npf4wLUBo
本来こっちが有利なはずだから
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 04:04:40.86 ID:UTuRwxJn0
まあ、憑いてんだろうなって
212 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/08(日) 04:08:16.36 ID:/K3p9hZa0
>>210コピペ修正忘れですね…。マイナス補正は全部消失します。

またファンブル…。直下コンマ判定です。

1:貴方、アイン、カエデのうち一名死亡
2〜4:三名のうち一名が負傷(大)
5〜8:味方の支援により回避成功
9、0:特殊判定(貴方の剣補正で範囲拡大)

本日はこれで終了です。次回は月曜日の夕方とかにできたらな、と…。再開できるか微妙ですが…。

夕食抜きだと流石にきついですね。頭も痛いですし…。

貴方はこれからどうなるのやら…。一週目でリタイヤは悲しすぎますよ(フラグ)。遅くまでありがとうございました。
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 04:20:23.76 ID:npf4wLUBo

マイナスがあろうとも成功率8割なら勝つはずだし失敗後の救済もあるんだから負けは無いだろうと思ったら……
そして怒り補正がプラスでよかった

スジャータが死んでなかったらぬるいとか言ってたかもしれないけど
214 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/11(水) 18:56:49.58 ID:XOJEZ/BQO
すみません。唐突ですが、19:30頃から再開します。

それと補足ですが、スジャータが生き返る可能性はあります。あくまでも可能性ですが。
215 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/11(水) 20:26:36.79 ID:jGF5t7AZ0
すみません…。渋滞にぶち当たっていました…。今から再開します。
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 20:27:47.71 ID:SGBQD5Ado
はーい
217 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/11(水) 20:53:21.18 ID:jGF5t7AZ0
判定:6 回避成功


貴方は地面を蹴り、暗殺者へと接近する。

近づくほど、剣を覆う靄が濃く、多くなる。

危険を感じた暗殺者はナイフを投擲し、距離を取る。

対して、貴方は迫りくるナイフを意に介さず、速度を上げた。

全身にナイフが刺さるが、一向に止まる気配を感じない貴方に、暗殺者は違和感を覚える。

そして、すぐにその違和感は的中した。

全身のナイフを靄が包み、数秒して剣へと戻る。

すると、そこにあったはずのナイフが、傷が、跡形もなく消えていた。

「っ!」

貴方に気を取られていた暗殺者は、偶然認識できたアインの射撃を体を逸らしてギリギリ回避する。

そのまま、逸らした勢いを活かして貴方へと回し蹴りをし、腰のホルスターから針を取り出す。

一撃でも当てれば。

そう思った暗殺者の意識を汲み取ったのか、貴方は回し蹴りを右肘で相殺しながら後退する。

キメラを抑えているカエデは、一連の攻防を見て恐怖を感じた。

今の行動は、いつもの貴方ならまず行わない。

被弾覚悟の接近よりも、防御を優先する。

そして、剣を覆う黒い靄。

『それ』からは、得体の知れない禍々しさが溢れている。

自分の勘違いなのかもしれない、と前向きに考えようとするが、眼に映ったものが、それを許さない。

あの剣は、貴方の一族が代々受け継いできたもの。

つまり、一族の宝、とも言えるものだ。

だが、それほどの代物が、ここまでの禍々しさを放つのか。

今のカエデには、貴方の持つ剣が触れてはならない、禁忌そのものにしか見えなかった。


直下コンマ判定

1:ファンブル(無補正の値のみ該当)
1〜4:失敗
5〜8:成功
9:クリティカル
0:特殊判定(無補正の値のみ該当)

未完成:+3
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 21:01:00.12 ID:OST9kCRqo
自動回復?
219 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/11(水) 21:17:15.13 ID:jGF5t7AZ0
判定:5 成功


「アイン、下がっていろ」

貴方は剣に手を翳し、告げる。

突然の指示に困惑しながらも、アインは従い後ろへと下がる。

眼が見えなくても、いや、見えないからこそ、貴方の負の感情をアインは鋭敏に感じ取った。

今の貴方は危険だ。

そう思っても、アインは口には出せない。

出してはいけない。

彼の気持ちは、痛いほど分かっているつもりだ。

純粋な家族ではない自分でも、お嬢様の死はどうしようもない辛い。

今も、胸が張り裂けそうなほどだ。

家族である貴方なら、自分よりももっと辛い思いをしているはずだ。

だから、言うことができない。

貴方が手を翳した刹那、剣から夥しい量の靄が溢れ、剣を包む。

そして、その靄は圧縮され、飽和状態となる。

「これが、貴様たちの蛮行に対する報いだ」

貴方はただ一度だけ、薙いだ。

同時に、飽和状態に到達していた靄が解き放たれ、眼前の暗殺者たちを包む。

あまりにも疾い『それ』に反応できなかった暗殺者たちは、その場から動けなかった。

靄が全身を包み、大きな黒い球体となる。

「終わりだ」

貴方が指を鳴らすと、靄は高速で剣へと回帰する。

先ほどまで暗殺者たちがいた場所には、塵だけが残されていた。


直下コンマ判定

1:ファンブル(無補正の値のみ該当)
1〜4:失敗
5〜8:成功
9:クリティカル
0:特殊判定(無補正の値のみ該当)

未完成:+3
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 21:17:36.04 ID:SGBQD5Ado
せいや
221 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/11(水) 21:42:53.04 ID:jGF5t7AZ0
判定:7 成功 規定回数成功したので、戦闘に勝利しました。


どれほどの剣戟を結んだのだろう。

数えるのが億劫になるほど、キメラの拳とカエデの刀がぶつかり合った。

強者同士の戦いは、一瞬の隙を見せれば終わる。

それを自覚していた両者は、付け入る隙を見せないように、注意を払いながら攻防を繰り返していた。

だが、その見せないようにしていた隙が、一瞬だけ姿を現した。

未完成故か、キメラの腕に亀裂が走る。

それと同時に、キメラの動きが少しだけ鈍る。

カエデの顔に笑顔が浮かべられる――。

――この一騎打ち、私の勝利だ。

袈裟斬り、右薙ぎ、突き、と続けざまに放たれる鋭い斬撃は、いとも容易くキメラの肉を裂く。

突き刺したまま独楽のように一回転し、体から刀を抜き、キメラの懐から上に向かって、飛び上がりながらの一閃。

出雲流抜刀術飛龍裂き″。

腹部から頭部まで、二つに分かたれたキメラは、音を立てて倒れ伏す。

父から教わった殺すための剣術は今、愛する主君を護るために使われた。

カエデの一撃を以て、暗殺者たちによる襲撃は終わりを迎えた。

彼らの心に、深い傷痕を残して。
222 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/11(水) 22:36:06.80 ID:jGF5t7AZ0
カエデの一撃を見届けたのと同時に、貴方は糸が切れたように倒れる。

間一髪、アインが前から押し上げる形で止めるが、アインも怪我の所為で、上手く体態勢を維持できない。

「ぐ…ぅっ…」

よろけて、アインは貴方を離してしまう。

地面に頭が当たる前に、まるで小石でも拾い上げるようにカエデは貴方を抱き上げる。

「…スジャータ嬢を屋敷まで運ぶぞ」

「…っ。…はい…」

スジャータの体に触れる。

既に冷え切ってしまったスジャータの体を感じて、アインの眼から涙が零れる。

もっと、私が強ければ。

私の眼さえ、見えていたなら。

どうしようもない自責の念にアインの心が押し潰されていく。

カエデは言葉を掛けることなく、スジャータも抱えて屋敷へと飛ぶ。

下手な慰めは、却って逆効果になる。

それを理解していたからだ。

激痛で鈍くなった体に喝を入れて、アインも後に続く。

カエデは、先ほどの戦闘を思い返す。

あの時の貴方は異常だった。

あれほどの力を振るっている自分に、一切の疑問を持っていなかったのだ。

言い方が悪いが、貴方はそこまで強くない。

強くないから、私やアリサが護衛に就いているのだから。

あの時の貴方は、本当に貴方だったのだろうか。

もしや――。

――これ以上の詮索は無意味だ。

真実がどうであれ、あの力があったからこその勝利だ。

その代償があまりにも大きすぎたのだが。

スジャータの胸に穿たれた穴を見て思う。

もしかすると、アルヴァなら、フェニックスの力なら、きっと。

カエデは、貴方から叱責される覚悟をして、アインへと告げる。

その被害者になる、とも言えるアルヴァに、申し訳ない、という気持ちを持ちながら。
223 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/11(水) 23:09:03.97 ID:jGF5t7AZ0
屋敷に到着するや否や、すぐさまスジャータの亡骸をベッドに安置し、アインへと例のことを頼む。

「心苦しいかもしれないが…。スジャータ嬢を救いたいなら…それしか…」

アインは頷く。

「覚悟の上です。こうなってしまったのは、全て私の責任ですから」

「いや…。寧ろ私の…」

「私の責任です」

はっきりと言い放つアインに、カエデは口を紡ぐしかなかった。

「カエデ様も早く城内へ。間に合わなかったら元も子もありませんよ」

「…すまない」

カエデは、今もなお眠る貴方を抱え、城へと最高速度で走る。

アインは決意を固め、呟く。

「…こちらも手早く終わらせますか」

お嬢様の魂が還ってしまう前に、と心の中で付け加えながら。

扉を開けると、目の前にはアルヴァがいた。

アインには分からなかったが、覚悟を決めた目をしている。

「…アインさん、話は全部聞きました」

「スジャータさんのために、ご主人様のために、命を懸けてくれてありがとうございます」

アルヴァは深々と頭を下げ、お辞儀をする。

「…私は奴隷ですから。主人のためならば当然のことです」

「そう…ですか…」

奴隷、という単語を聞き、アルヴァは苦虫を噛み潰したような顔をする。

流石に、その感情の機微を感じ取れないほど鈍いアインではなかった。

「…すみません。嫌な思いをさせてしまいましたか」

アルヴァは首を振り、答える。

「ううん、大丈夫」

そして、碧眼が焔のように紅く輝き、尾羽根から火の粉が漏れ出る。

アルヴァは数回深呼吸をしてから、それを力いっぱい引っ張り、引き千切った。

「っ!ぐぅぅぅぅ〜〜〜!」

かつて尾羽根が生えていた場所からは、先ほどよりも激しく火の粉が噴き出し、血が滴っていた。

「大丈夫ですか!?」

痛々しい呻き声を上げて蹲るアルヴァにアインは近づく。

「私は…大丈夫…だから…。早く…使っ…て…」

手渡された尾羽根は温かく、そして力強い鼓動を感じる。

「…了解!」

アインはスジャータの胸の穴のすぐ下に、アルヴァの尾羽根を突き刺した――。

――今一度、命の灯をその身にお与えください。

この世界に、神様がいるのなら。


直下コンマが5以上で蘇生成功となります。
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 23:13:03.53 ID:OST9kCRqo
0が10なら
225 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/11(水) 23:19:26.63 ID:jGF5t7AZ0
※アルヴァの尾羽根は残り一本です。使用しますか?(再生不可なので、もう一度使ったら二度と復活チャレンジはできません)

↓1〜3で多数決です。
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 23:23:48.56 ID:OST9kCRqo
使おう
無事かどうかわからないアーバンは仕方ない
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 23:32:41.09 ID:6kWrGN2DO
使わない
正直スジャータよくわからん
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 23:33:43.24 ID:j8UAF7bQ0
使用しない
229 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/12(木) 00:12:03.06 ID:2IroYXSM0
突き刺した羽根は光となり、傷口に吸い込まれていく。

光が消えると、そこにあった穴は塞がっていた。

しかし、スジャータの肌は未だに蒼白いままだ。

「もう一本…!」

アルヴァはもう一つの尾羽根に手を伸ばすが、それはアインに阻止された。

「なんで!?まだ助かるかもしれないのに…!」

アインは涙ながらに返答する。

「それは…本当に必要な時のために残してください…!」

「何本抜いたっては生えてく…あれ…?」

どんなにアルヴァが集中しても、羽根は生えてこない。

たしかに傷は塞がっている。

だが、それだけだ。

すぐ治るものだと思っていたが故に、そのショックは計り知れなかった。

「どう…し…て…?」

「もし何度も採取できるのなら…多少は市場で出回っているはずでしょう…!」

そう、何度も採取できるなら、そこまで目の色を変えて乱獲することはないのだ。

尋常じゃない生命力を持ったフェニックスなら、数匹ストックしておけば無限に生産できるのだから。

しかし、その生態上フェニックスは、非常に個体数が少ない。

ただでさえ長命なのに、転生することで寿命をリセットできるからだ。

「これは罰です…。あまりにも非力だった私への…」

「もう…アルヴァ様が傷ついてほしくはないのです…」

「うぅ…うっ…。うわぁぁぁぁぁん…」

先週まで親しくしていた相手の死。

それは、アルヴァの心に一生残る傷痕だった。
230 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/12(木) 00:27:58.80 ID:2IroYXSM0
城に到着したカエデは、すぐさまソファーにくつろいでいるリゼルのところへと向かった。

「んぁ…。遅かったじゃねぇか」

下卑た笑みを浮かべてこちらを見据えるリゼル。

拳を握りしめるカエデだが、何とか理性で押しとどめる。

「まぁ、まだアーバンも追撃部隊も戻ってきてないからゆっくりしとけよ」

貴方はずいぶんグッスリ眠ってんなぁ?と笑いながら小馬鹿にするような物言いをするリゼルへと、殺意が芽生えてくる。

(耐えろ…。でないと、今までの苦労が、犠牲が水泡に帰してしまう…)

ここまで来たのに、癇癪を起こしてしまっては意味が無い。

逸る気持ちを抑えて、精神を鎮めるために瞑想を始める。

沈黙が漂う。

手で宝石を弄るリゼルと、眼を閉じて瞑想をしているカエデ。

お互いに行動には出さないが、水面下では激しい攻防が繰り広げられている。

そして、それは唐突に終わりを迎えた。

「ほっ、報告!」

「っ!」

伝令兵が焦った様子でこちらへと走ってきた。

何やら重要な情報が送られてきたのだろう。

「おうおう焦んなって。まずは落ち着いて正確に話すんだぞ」

「はっ、はい」

勝利を確信しているのか、リゼルの笑みは一層極悪さを増した。
231 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/12(木) 00:30:20.21 ID:2IroYXSM0
今日の更新はこれで終了です。次回は来週の火曜日辺りになるかと思います。状況が変わりましたら、順次報告をしていきます。

直下コンマで追撃部隊の、↓2コンマでアーバンの判定をします。どちらとも4以上なら成功です。

突然の再開でしたが、お付き合いいただきありがとうございました。
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 00:31:33.92 ID:jQfBA1sno

主人公がこの場に居るのに勝利を確信……?
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 10:15:39.89 ID:UWGnHByQ0
早くも失敗
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 18:59:46.32 ID:jQfBA1sno
主人公の命令が遅かったということなのか
アリサ差し向けても跳ね除けるような戦力がリゼルにはあるということなのか

リゼルとアーバンの配下についてはほぼ出てきてないからな
235 : ◆rOVqyGu.Qw [saga]:2017/10/17(火) 15:25:31.32 ID:zYuVNGSHO
更新は明日の夜に開始する予定です。

>>232、この状況で伝令兵が焦っていたので奇襲が成功した、とリゼルが判断したためです(勝利を確信したことについて)

貴方の武器の特性は、感情の変化に応じた性質付与(エンチャント)です。今回は負の感情だったので、攻撃的なエンチャントになりました。

貴方の使用時のエンチャントは負の場合が分解、再構築の性質を持つ靄の生成と使役、正の場合が複数の対象に再生効果(リジェネ)を付与する靄の生成と使役です。

この武器の特性は所有者によって変化します。また、使用時は所有者の性格をコピーした武器の内部データに切り替えられます。なので、本人は自覚していません。

このスレではコンティニューは行いません。死んだらその時点で次のキャラにバトンタッチです。ご了承ください。

追撃部隊の被害状況を直下コンマで判定します。

1:アリサ、主導者両名死亡、部隊全滅
2、3:どちらかが重傷を負い捕縛or死亡、部隊壊滅
4、5:両名負傷、部隊半壊
6〜0:アリサらの仕込んだブラフ
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/17(火) 15:30:47.02 ID:pnHSPIu10
死ぬなーっアリサ!
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/17(火) 17:21:27.58 ID:+IxJe1e8O
死んでもいいよ
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/17(火) 20:17:36.79 ID:t891BKJXo
重傷を負ったのがアリサだったなら敵が生かしておく理由は無いな
主導者が重症ならアリサが治癒魔法を使えるはず
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