西住みほ「シン・ボコラ 〜 君の名は進撃のボコ。」

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137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 22:15:42.38 ID:81L04H4g0
【大洗学園艦 みほ寝室】?

ボコ 「ん……」

ボコ (……また入れ替わったか)

ボコ (オイラそっくりのぬいぐるみ……。ぬいぐるみは沢山あるのに、あいついっつもこれ抱いて寝てるよな)

ボコ (ところどころほつれてるし、何年使ってんだ? どんだけ好きなんだよ)

ボコ (何だ……? 何で今日はこいつブラ付けて寝てんだ?)
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 22:21:47.39 ID:81L04H4g0
ボコ (取り敢えず日記読まねえと)

ボコ (オイラとみほが入れ替わりの間に起きた出来事を情報共有する為の日記)

ボコ (どれどれ……新しい情報は………)

ボコ (!?)
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 22:28:05.58 ID:81L04H4g0
【大洗学園艦 通学路】

優花里 (あれは西住ど……あの走り方はボコ殿ですね)

ボコ 「ハヒッ、ハヒッ、ハヒッ、ハヒッ……」

優花里 「おはようございます。どうしたんですか? そんなに慌てて」

ボコ 「優花里ッッ!」

優花里 「ヒャイ!?」

優花里 (顔が近いです。それに何ですかその真剣な表情は!?)

ボコ 「今朝、みほとの交換日記読んだらよ……」

ボコ 「廃校ってどういうことだよ?」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 22:45:28.54 ID:hhUil4jv0
【大洗学園艦 校舎 教室】

ボコ 「チキショウ、オイラが居ながらこんなことに……」

ボコ 「こうなったら入れ替わりが解けた後、オイラが東京に乗り込んで……」

華 「止めて下さい」

ボコ 「このままじゃ学校無くなっちまうんだろ!? 悔しくねえのかよ?」

華 「そんなことをしても余計ややこしくなるだけです」

沙織 「ここ教室だよ。他の子も居るんだからもっとみぽりんらしく喋って」

ボコ 「うるせえっ!」

卜ンッ!

沙織 (麻子がペットボトルを持った手でボコの肩を叩いた?)

麻子 「まずは君か落ち着け」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 23:14:23.89 ID:hhUil4jv0
【大洗学園艦 校舎 空き教室】

華 「あなた自身が手を染めていないことは理解した上で言います。元はと言えばあなたの同族が引き起こしたことです」

ボコ 「それは分かってる」

ボコ 「オイラもみほもあいつ等を止めようとしてるが上手くいかない」

沙織 「そもそもどうして人間を食べるの?」

ボコ 「あいつ等『旨い物を食うのにいちいち理由が居るか?』って言ってた」

麻子 「私達は餌か……」

優花里 「せめて『いつ』『どこに』現れるか分かればいいのですが」

沙織 「ボコ、次の襲撃スケジュールを聞き出せる?」

ボコ 「それは……無理だ。オイラ達はそこまで計画的に日々を過ごしてない」

ボコ 「海の中はカレンダーも無いし毎日夏休みみたいなもんだぜ」

ボコ 「あいつ等が学園艦を襲ったのもたまたま学園艦を見つけたからで、綿密な計画を立てた訳じゃない。そもそもオイラもあいつ等も学園艦の航路を知らない」

麻子 「駄目か……」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 23:17:28.41 ID:hhUil4jv0
今日はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 17:13:50.05 ID:1dmd3ouf0
【大洗学園艦 校舎 生徒会室】

柚子 「大洗を廃校から救う為にやることは2つね。1つは大洗をボコラから守ること。もう1つは文科省から廃校取り消しを勝ち取ること」

桃 「ボコラさえ倒せば文科省は大洗を廃校にする口実を失う。実質目標は1つじゃないのか?」

杏 「ボコラの襲撃が廃校日より後だといくらボコラ迎撃作戦を練っても水の泡なんだよねー」

桃 「言われて見ればそうですね……」

柚子 「桃ちゃんはどっちをやる?」

桃 「両方だ、両方進めよう」

杏 「決まりだね、まあ、私でもそう言うよ」

桃 (会長が生き生きしている。大洗の廃校が決まってからは少し様子がおかしかった)

桃 (亡命して来たプラウダの元隊長と話してた時も言葉が辿々しいというか、いつもの会長じゃなかった)

桃 (カチューシャが会長の心に火を点けてくれたんだ、感謝しないとな)

杏 「河嶋ぁ、何ニコニコしてる?」

桃 「何でもありません!」
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 17:45:13.06 ID:1dmd3ouf0
【大洗学園艦 通学路】?

ボコ 「優花里、これからエクレール行かねえか?」

優花里 「止めましょう」

優花里 「西住殿が気にしてました。体重が増え過ぎないようにしたいって」

ボコ 「そうか……分かった。あいつに悪いもんな」

優花里 (今日はボコ殿と入れ替わってますが、こうして西住殿と下校出来るのも何時まででしょう? 生徒会は学園艦存続に向けて動いていると言いますが……)

ボコ 「なあ、優花里」

優花里 「何ですか?」

ボコ 「オイラとのデートの約束だけど……あれ、優花里はまだオイラとみほの入れ替わりを知らずに誘ったんだろ?」

優花里 「ええ……」

ボコ 「安心しろ」

ボコ 「当日入れ替わっててもちゃんとオイラが相手してやるぜ」

優花里 「ハハ、それはどうも……」

ボコ 「優花里、お前、これから頑張れよ」

ボコ 「オイラも出来る限りのことをする。只……」

ボコ 「オイラはみほと一緒に行動出来ねえんだ」

ボコ 「その時はお前があいつを支えてやれ」

優花里 「ボコ殿……」

優花里 「勿論です!」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 18:10:47.47 ID:1dmd3ouf0
【大洗学園艦 みほ寝室】
みほ (向こうでボコられてこっちに戻って来たらもう夜中か……。これからお風呂に入って……)

や〜ってやる♪
や〜ってやる♪
や〜ってやるぜ〜♪

みほ (電話の着信?)

みほ (誰から? ……お姉ちゃんからだ)

みほ 「もしもし」

まほ 「私だ」

みほ 「どうしたのお姉ちゃん?」

まほ 「どうもこうもない」

みほ (お姉ちゃん少し怒ってる?)

まほ 「お前にだって言いたいことはあるだろう」

まほ 「たが、お母様だって好きでお前を勘当した訳じゃない」

まほ 「だからこそ今日、お母様はお前に電話をかけたんだ」

みほ (今日、電話があったんだ。入れ替わってる間に)

みほ (もう、嫌な予感しかしない)

まほ 「きっとお母様も大洗が廃校になると知って居ても立ってもいられなくなったんだ」

みほ 「知ってたの?」

まほ 「西住流家元ともなれば色々情報も入って来るだろう」

まほ 「その時お前とお母様の間でどんなやり取りがあったか詳しくは知らん。私もお母様から話を聞かされただけで。だが……」

まほ 「『うるせーババア!』と言って電話ガチャ切りは無いだろう」

みほ 「!?」

まほ 「お母様はカンカンだぞ。『二度とみほには家の敷居を跨がせない』と言っている」

みほ (やっぱりボコが電話に出たんだ!)

まほ 「みほ、聞いているのか、みほ?」

みほ (ああ……そんな……)
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:36:48.74 ID:1dmd3ouf0
みほ (お姉ちゃんとの電話が終わってから交換日記を読んでみたら……)

みほ (何が『お前はもっと堂々としてればいい』よ!)

みほ (余計なことして!)
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:46:30.84 ID:1dmd3ouf0
みほ 「私の人間関係勝手に変えないで!」

ボコ 「そんなんだからお前は甜められるんだよ」

みほ 「ボコだって甜められっぱなしじゃない」

ボコ 「オイラは甜められちゃいねえよ! ふざけたことばっか言ってるとお前がいつも抱っこして寝てるぬいぐるみに落書きすっぞ!」

みほ 「そう……。それやったらオッドボールの刑だから」

ボコ 「頼むからそれだけはマジで止めて」



ボコ (でもその後オイラがオッドボールにされることは無く、優花里とのデートも実現せず、何故かもう二度と、オイラとみほとの入れ替わりは起きなかった)
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 23:01:47.20 ID:1dmd3ouf0
今日はここまでですが話自体は今後も続きます。起承転結の承が終わったところです。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 00:55:08.45 ID:TqorjZXx0
おつおつ
これで承かあ
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/16(金) 19:32:16.46 ID:CdT4syJ+0
【太平洋 東日本沖】

ボコ (入れ替わりが途切れ、連絡の取りようも無く、だからオイラは直接みほに会いに行くことにした。あいつに会ってみたかった。でも―― 詳しい場所はわからない。手掛りは町の風景だけ)

ボコ (兎に角、どデカい船を見つけたら乗り込んでやるぜ)
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/16(金) 19:38:21.03 ID:CdT4syJ+0
【大洗学園艦 住宅街】

ボコ (でっかい船を見つけて甲板までよじ登ってみた……)

ボコ (間違いない……この校庭、周りの景色、この高校だって、はっきり覚えてる!) 

ボコ (なのに……町が瓦礫の山。それに誰もいない)

ボコ (ひょっとしてもう廃校になって艦の解体作業が始まってるのか)
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/16(金) 19:44:21.75 ID:CdT4syJ+0
ボコ (そんな……オイラは間に合わなかった?)

ボコ (大洗の皆は? 戦車道の仲間は?)

ボコ (お別れすら言えなかった……)

久子 「あんたぁ!」

ボコ (あれは麻子の婆ちゃん!)

ボコ (大洗に住んでるだと? 引っ越したのか?)

ボコ (改めて見ると人間の図体って小せえなあ)

久子 「どの面下げて現れたんだい?」

ボコ 「え?」

ボコ (そっか、麻子の婆ちゃんはオイラが人間食わないことを知らないんだ)

ボコ 「オゥ、オゥ、オゥ言ってくれるじゃねえか」

ボコ 「オイラは何もやってねえぜ」

ボコ 「オイラがこの姿でここに現れたのは今日が初めてだ」

久子 「実際この目で見るまでは半信半疑だったけど本当に喋るんだね。そんなことより……」

久子 「3ヶ月前にここをメチャクチャにしといて今更しらばっくれる気かい!?」

ボコ (3ヶ月前?)

久子 「あれから生き残った人間は皆、本土に避難したよ」

久子 「私は被災者の一時帰宅許可が出た時に遺族として本土からここに来て……帰りの船に乗らずに姿を晦ましたのさ」

久子 「それからは誰もいないスーパーやコンビニで缶詰やらペットボトルやらを拝借して暮らしてる」

久子 「悪いことだとは思ってるさ。只せめてここで孫娘を弔いながら最期を迎えたいんだよ。子供にも孫にも先立たれた天涯孤独の年寄りの最後の我儘さ」

ボコ (麻子が死んだ!?)
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/16(金) 19:54:50.03 ID:CdT4syJ+0
ボコ 「弔うって……死んだのか?」

久子 「私は聞いたんだよ。麻子の友達……沙織の嬢ちゃんが……同じ戦車に乗っていながら自分だけ生き残ってしまって申し訳ないって」

ボコ 「!」

久子 「こっちが見てられなかった……。その娘も自殺した。顔に残った火傷の跡を気にしてね、まだ若いのに可哀想に……」

ボコ (あんこうチームが全滅!?)

久子 「麻子やあの子の友達が何をしたって言うんだい? うちの孫娘は遅刻や居眠りこそ多かったけど……」

久子 「熊の姿をしたバケモノに生きたまま喰い殺されなきゃいけない程、罪深くはなかった筈だよ!?」

ボコ 「!?」

ボコ 「知らねぇ……オイラは人間なんて食ってねぇ。何も知らねぇ!」

久子 「待ちな」

久子 「私を食っていきな」

ボコ (何言ってんだ……)

久子 「麻子……。痛かったろうに、怖かったろうに……」

久子 「私に出来ることといったら、せめてあの子と痛みや苦しみを分かち合うこと位だよ!」

久子 「それとも、年寄りなんて食いたくないとでも言うのかい!?」

久子 「逃げ惑う人間や命乞いする人間をこれまで散々喰い殺してきたんだろ?  今更一人増えたところでどうってこと無いだろ! お前らはただの人殺しだ。何の罪も無い人を大勢殺した大量殺人鬼だ! この世界を地獄に変えたのはお前らなんだぞ! わかってんのか人殺しが!」

ボコ (く、狂ってる……来るな!)

ズシン、ズシン、ズシン、ズシン、ズシン

久子 「待てえええッ! 逃げるなあああ!」

久子 「私も殺せえええッ!」

久子 「私も麻子と同じ様に死ぬんだああああッ!」
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/16(金) 20:04:35.98 ID:CdT4syJ+0
ボコ 「ハヒッ、ハヒッ、ハヒッ……」

ボコ (負けたことはあっても逃げたことの無いオイラが……生まれて初めて逃げちまった……)

ボコ (オイラが麻子を食った? 大洗を襲った?)

ボコ (そしてあんこうチームは皆死んだ……?)

ボコ (そんなことない! きっと麻子の婆ちゃん、ボケておかしくなっちまったんだ)

ボコ (……でも町には人っこ一人居ない。学園艦解体の為なら、たとえ住民は居なくなっても産廃業者や最低限の作業員は残るだろ)

ボコ (それにこの大量の瓦礫。街中で試合したにしてもここまで酷いことにはならねぇだろうし……)

ボコ (そうだ! あの場所に行けば確認出来る)
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/16(金) 20:11:22.56 ID:CdT4syJ+0
【大洗学園艦 大洗女子学園女子寮】

ボコ (ここだったな)

ボコ (さっき麻子の婆ちゃんが一時帰宅があったって言ってた)

ボコ (もしみほが無事なら部屋を綺麗にしてから引き払ってる筈だ)

ボコ (この身体じゃ中に入れねえ。すまん、みほ。天井壊すぞ)

バリバリバリバリバリバリバリ!

ボコ (みほの部屋は……)
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/16(金) 20:20:36.91 ID:CdT4syJ+0
ボコ (残ってる……部屋の中の物が全部残ってる!)

ボコ (あいつなら最低限ボコグッズは持っていく筈だ。それがそっくりそのまま残ってるってことは……あいつが寝る時にいつも抱いてるぬいぐるみまで残ってるってことは……)

ボコ (やっぱり、みほは死んだのか……)

ボコ (ここ最近入れ替わりが起きなかったのもそのせいだったんだ)

ボコ (きっと優花里も、華も……)

ボコ (麻子の婆ちゃんが言ってたことは本当だったのか)

ボコ (オイラは取り返しのつかないことをしちまった。なのに……)

ボコ (何でオイラはそんな大事なこと覚えてないんだ……?)
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/16(金) 20:21:29.04 ID:CdT4syJ+0
今日はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/16(金) 21:38:03.33 ID:zc75iNBs0

急転直下でまさに転だな
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/16(金) 22:25:49.04 ID:hYPphbREo
どのような結末になるか
ある程度の覚悟は必要そうだ
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 19:37:28.45 ID:7PgEJZoz0
ボコ (麻子の婆ちゃん、前にみほの姿で会った時は人のいい婆ちゃんだと思った。それが鬼のような形相で半狂乱になって……)

ボコ (以前、ニコニコしながら話してたのが嘘みてえだ)

ボコ (『より集まって、形を作って、捻れて絡まって、時には戻って、また繋がって。それがムスビ。それが時間』)

ボコ (『水でも、米でも、酒でも、人の体に入ったもんが魂と結びつくこともまたムスビ』)

ボコ (!)

ボコ (オイラの身体に入ったもんが魂と結びつくなら、それが入れ替わりを引き起こしたなら……)

ヒョイ

ボコ (ちっこいから摘むの難しいな……)

ボコ (あいつがいつも抱いて寝ていたオイラそっくりのぬいぐるみ)

ボコ (時間が……ずれてた?)

ボコ (あいつの汗と匂いを何年もかけて吸い続けたあいつの半分……。ムスビ。本当に時間が戻るんなら。もう一度だけ……っはぁっ!)

パクッ
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 19:42:19.03 ID:7PgEJZoz0
ボコ 「ぬあぁっ!……はっ! オイラ!」

ボコ (目まぐるしく景色が変わっていく!)

ボコ (これは……みほの記憶か……)
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 19:44:51.09 ID:7PgEJZoz0
ボコ (産まれたばかりのみほ)

しほ 「あなたの名前はみほ」

常夫 「まほ、みほ、二人は父さんの宝物だ」
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 19:51:32.32 ID:7PgEJZoz0
ボコ (大洗に来る前のみほ)

みほ 「勝てなかった……」

しほ 「貴方がそんなことでどうするのです」

みほ 「戦車道など続けたところで」

しほ 「黒森峰敗退の戦犯が何を言う!」

みほ 「私が愛したのは共に戦車道に励む仲間です。西住流ではありません!」

しほ 「出ていけ!」
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 19:55:04.36 ID:7PgEJZoz0
みほ (さようなら……私はもう戦車に乗りません)

しほ 「まほ、今日からずっと母と二人で西住流を守るのです」

まほ 「はい、お母様」
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 19:58:06.37 ID:7PgEJZoz0
ボコ (大洗に来たみほ)

みほ 「『オイラ、ボコだぜ』って本当にあのボコなの?」

みほ 「自惚れないで、彼女も居ないくせに」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 20:00:49.72 ID:7PgEJZoz0
ボコ (この記憶は……)

みほ 「ボコ……ボコ……ボコ……!」

ボコ 「え……?」

みほ 「あの、私。あー……覚えて……ない?」

ボコ 「……誰? お前」

みほ 「はっ……!」

みほ (ボコなのに……)

ボコ (誰? 変な人間)

みほ 「あぁ……」

ボコ 「あのさあ! あんたの名前……」

みほ 「みほ! 名前は、みほ!」
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 20:07:29.95 ID:7PgEJZoz0
ジークン 「何、知り合い?」

ボコ 「いいや」

ドーラ 「だったらあいつ等食っても文句言うなよ」

ボコ 「好きにしな」
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 20:11:50.92 ID:7PgEJZoz0
沙織 「みぽりん、気持ちは分かるけど……」

麻子 「腹を括るんだ。あれは西住さんの知ってるボコじゃない」

華 (みほさんを悲しませたこと、高くつきますよ、ボコ)

優花里 (以前ボコ殿が自分に言った『その時はお前があいつを支えてやれ』という言葉は……)

優花里 (これだったのですか……)
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 20:20:37.76 ID:7PgEJZoz0
みほ 「相手が硬いです。もっと接近します」

沙織 「レオポンさんチーム撃破されました!」

優花里 「大洗だけでの事実上の殲滅戦。分が悪いです」

華 「諦めてはいけません」

麻子 「そうだ。誕生日が命日なんて洒落にならん」

みほ 「はい、勝って麻子さんのお誕生日会です……撃って!」

ドゴォン!

エリガン 「グアッ!」

華 「命中! ……まだ動いてます」

みほ (もっと接近しないと……)

みほ 「!」

みほ 「麻子さん、右に避けて!」

麻子 (間に合え!)

キュラキュラキュラキュラ!

ドオオン!

ジークン (躱したか)

麻子 (ギリギリ避けた。あの石投げてくる奴厄介だ)

ドグシャアッ!

バラバラバラバラバラ!

麻子 (今度は家屋の破片か!)

優花里 「西住殿!」

沙織 (まさか今のでキューポラから頭を出していたみぽりんが!?)

ドゴオッ!

優花里、沙織、華、麻子 「キャアアアッ!」

ボコ (景色が真っ暗になった……)

ボコ (戦車から投げ出されて気絶したのか……)
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 20:29:41.48 ID:7PgEJZoz0
ボコ (景色が復活した)

ボコ (あれはオイラ!?)

ボコ (何でオイラが華を食ってんだよ!)

ブチブチィ!

ボコ (ああ、オイラが華の下半身を食い千切ってる……)

みほ 「お母様……お姉ちゃん……」

みほ 「私は何も……なんっにも出来なかったよ!」

みほ 「うあああああああ!」

優花里 「そんなことありません、西住殿」

優花里 「西住殿聞いて下さい。伝えたいことがあります」

優花里 「私と一緒にいてくれてありがとうございます」

優花里 「私に戦車道を教えてくれてありがとうございます」

優花里 「私とデートに行ってくれてありがとうございます」

みほ 「デートなんていくらでもしてあげるよ」

みほ 「現世(これまで)も」

みほ 「常世(これから)も」

ボコ (オイラがみほと優花里をいっぺんに捕まえた……ああ!)

ボコ (止めろぉぉおお!)

バクンッ!
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 20:35:34.73 ID:7PgEJZoz0
ボコ (3ヶ月前のあの時、まだお前を知る前……!)

ボコ (お前はあの時、オイラに食われたんだ!)

ボコ (優花里も、あんこうチームの他の面子も……)

ボコ (この後……入れ替わったら……)

ボコ (今度は絶対に死なせるもんか!)
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/18(日) 20:36:45.91 ID:7PgEJZoz0
今日はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/19(月) 01:19:37.28 ID:aDFiK3ko0
はえー
すごい展開
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/16(日) 23:50:35.90 ID:nVs+grkq0
【大洗学園艦 演習場】

華 「優花里さんが気を失ったみほさんを咄嗟に受け止めてくれてホッとしました」

麻子 「まあ、入れ替わりだろう」

沙織 「ゆかりん、みぽりんのことお願いね」

優花里 「任せて下さい」

優花里 (気を失った西住殿、こうして抱き抱えていると本当に愛らしい寝顔で……)

優花里 (普段、戦車の中では凛々しい西宮殿ばかり見ているので新鮮です)

華 「ボコにも困ったものです。こうして紅白戦の最中に入れ替わられても面倒ですね」

麻子 「気持ちは分かるが、考えようによっては4号という密室内で入れ替わってくれるのは不幸中の幸いだ」

華 「みほさんの秘密を守る上では確かにそうですね」

ボコ 「ハッ!」

優花里 「入れ替わったようです」

ボコ 「はああぁっ……みほだ……生きてる……」

優花里 「どうしたんですか、ボコ?」

沙織 (何か様子が変?)

ボコ 「はあああぁ……優花里……生きてる! 優花里いいっ!」

ガシッ!

優花里 「ひっ!? ひいいいいいっ!」

華 「優花里さんに何してるんですか!? 離れなさいスケべべア!」

ボコ 「優花里ィ……優花里ィ……良かったあ……」

優花里 (西住殿に名前を呼ばれながら骨も折れんばかりに抱き締められてます……これで中身がボコでなければ……)

麻子 「こっちは操縦で手が放せない。沙織、何とかしてくれ」

沙織 「ボコ、何があったの?! 落ちついて。ホラ鼻水出てるよ……。ゆかりんは鼻血出てる!」

ドオオン! シュポッ!

麻子 (やられた……)
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/17(月) 00:01:09.74 ID:RykOpB6Y0
ノンナ 「命中……赤組フラッグ車からの白旗を確認」

カチューシャ 「ハッハッハッ! 紅白戦は私達白組の勝ちね。カチューシャの戦術をもってすればこんなものよ!」

ノンナ (あんこうチーム、こちらの動きに気づかなかったようですが何かあったのでしょうか?)
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/17(月) 00:08:56.93 ID:RykOpB6Y0
左衛門佐 「紅白戦はイカさんチームをフラッグ車とした我ら白組の勝ちか」

エルヴィン 「彼女らの加入で紅白戦の組み合わせのバリエーションが増えた」

おりょう 「この前のIS-2、ポルシェティーガー、我ら三突の3両とそれ以外の6両の紅白戦は面白かったぜよ」

左衛門佐 「さらにノンナ殿の指導で大洗の砲手は皆腕を上げているし、戦力以外の部分でも頼りになる」

カエサル 「まさかカメさんチームの砲撃精度も上がったのか?」

左衛門佐 「前言撤回……」
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/17(月) 00:15:34.65 ID:RykOpB6Y0
沙織 「落ち着いた?」

ボコ 「そんなことより! このままだと……」 

ボコ 「みんな死ぬ」

優花里、沙織、華、麻子 (えっ!?)

ボコ 「だからオイラ達で!」
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/17(月) 00:25:14.85 ID:RykOpB6Y0
沙織 (ショッキングな話聞かされちゃった)

華 「つまり、このまま学園に残れば私達は全員死ぬと?」

ボコ 「そうだ。死にたくなければお前ら早くここから避難しろ」

麻子 「その話が本当だという証拠は?」

ボコ 「証拠は無い……でもオイラは見たんだ! 人が居なくなった学園艦を。さっき話した通りお前の婆ちゃんにも会った」

麻子 「にわかには信じられない」

華 「もし貴方の話が本当なら、貴方は同族を裏切ってまで私達を助けようとしていることになります。そこまでする動機は何ですか?」

ボコ 「動機もヘッタクレもねえ! お前らの為に言ってんだぞ、分からずや!」

優花里 「ボコ殿」

ボコ 「?」

優花里 「私はこの学園艦で生を受け、今日まで生きて来ました」

優花里 「物心ついてから今まで、この大洗には沢山の思い出が詰まっています」

優花里 「ボコ殿はその私に、戦わずに生まれ故郷を捨てて逃げろと言ってるのです」

優花里 「納得のいく説明をして下さい」

沙織 「ゆかりん……」
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/17(月) 00:31:12.63 ID:RykOpB6Y0
久し振りの投稿ですが今日はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/17(月) 13:50:41.76 ID:RykOpB6Y0
>>174でミスがあったので以下と差し替えて読んで下さい。すみません。

【大洗学園艦 演習場】?

華 「優花里さんが気を失ったみほさんを咄嗟に受け止めてくれてホッとしました」?

麻子 「まあ、入れ替わりだろう」?

沙織 「ゆかりん、みぽりんのことお願いね」?

優花里 「任せて下さい」?

優花里 (気を失った西住殿、こうして抱き抱えていると本当に愛らしい寝顔で……)?

優花里 (普段、戦車の中では凛々しい西住殿ばかり見ているので新鮮です)?

華 「ボコにも困ったものです。こうして紅白戦の最中に入れ替わられても面倒ですね」?

麻子 「気持ちは分かるが、考えようによっては4号という密室内で入れ替わってくれるのは不幸中の幸いだ」

華 「みほさんの秘密を守る上では確かにそうですね」

ボコ 「ハッ!」?

優花里 「入れ替わったようです」?

ボコ 「はああぁっ……みほだ……生きてる……」?

優花里 「どうしたんですか、ボコ?」?

沙織 (何か様子が変?)?

ボコ 「はあああぁ……優花里……生きてる! 優花里いいっ!」?

ガシッ!?

優花里 「ひっ!? ひいいいいいっ!」?

華 「優花里さんに何してるんですか!? 離れなさいスケべべア!」?

ボコ 「優花里ィ……優花里ィ……良かったあ……」?

優花里 (西住殿に名前を呼ばれながら骨も折れんばかりに抱き締められてます……これで中身がボコでなければ……)?

麻子 「こっちは操縦で手が放せない。沙織、何とかしてくれ」?

沙織 「ボコ、何があったの?! 落ちついて。ホラ鼻水出てるよ……。ゆかりんは鼻血出てる!」?

ドオオン! シュポッ!?

麻子 (やられた……)
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/16(水) 01:12:56.16 ID:9RoNFDS90
絹代 「本日はお招き頂きありがとうございます」

杏 「悪かったねえ。元々話を聞きたいって言ったのはこっちなのにわざわざ来てもらって」

絹代 「いえ、私としても久しぶりに生の戦車戦を見たかったので。試合を観戦させて貰い、勉強になりました」

絹代 (叶うことなら大洗と練習試合をしたかったが避難所暮らしの身としてはそうもいかない)

絹代 (今試合を組むということは、現在知波単の戦車を預かってくれているサンダースの手を煩わせることになる)

絹代 (サンダースのケイ殿は懐の広い方だが、だからといって甘え過ぎるものではない。隊員達の練度が下がるのは気になるが今は我慢だ)

杏 「後で干しイモ食べながらゆっくりと話そうよ」

絹代 「はい、ご馳走になります。ところで西住殿は?」

杏 「4号内で敗因分析中」
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/16(水) 01:15:06.90 ID:9RoNFDS90
沙織 「ボコを一人4号に残しておいて良かったのかな」

麻子 「他のチームが4号に乗ってくることは滅多にないだろう」

華 「お互いに頭を冷やす時間が必要です」

優花里 「……」

麻子 「秋山さん?」

優花里 「はい」

麻子 「しばらく黙り込んでたから……思うところがあるなら言って欲しい」

優花里 「はい、……ボコ殿が嘘をついているとはどうしても思えないんです」

優花里 「それに西住殿が信頼している相手なら私も信じたいですし……」

麻子 「悪いがその考えは危険すぎる」

麻子 「諸々類似点はあるが、西住さんが好きなクマのマスコットと自然災害に匹敵する巨大海洋不明生物はまるっきり別物だ。尤も、片方がもう片方の名前の由来くらいにはなったのかもしれないが」

華 「改めて思うと何の因果でしょうね。みぽさんとボコが不定期で入れ替わるなんて」

優花里 「西住殿のボコへの想いが奇跡を起こしたのでしょうか?」

華 「そういえば入れ替わりの話をみほさんが初めてしたのは神社へのお参りの後でした」

沙織 「だったら私も神社の階段で叫べばいいのかな? 『東京のイケメン男子にして下さーい!』って叫んだら私もハンサムな都会っ子と入れ替わってそこから大恋愛に発展とかしちゃうかも?」

麻子 「流石にそれは無理があるだろ」

沙織 「もー! ヒドイよ」

華 「ボコがあの海洋不明生物の中で最弱というのが難点です。彼がボコラ達の中で最強だったら他の人喰い生物共を大人しくさせたでしょうけど」













カチューシャ (ミホーシャに会いにいこうとしたらとんでもない会話を聞いた……)

カチューシャ (あいつら……よくも!)
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/16(水) 01:44:24.68 ID:9RoNFDS90
ボコ (オイラはあいつらを助けたいだけなのに……)

ボコ (死んでしまったみほの記憶を知って……いや……違うな)

ボコ (みほは死んだんじゃない、オイラが殺したんだ)

ボコ (麻子の婆ちゃんの言う通り……オイラは大量殺人鬼……)

ボコ (嫌だ、もう人間を喰いたくない。ここで未来を変えないと――)

カチューシャ 「ミホーシャ」

ボコ 「ウォッ!?」

カチューシャ 「何ビビッてんのよ」

ボコ 「いや……いえ、急に声かけられたから」

ボコ (こいつ誰? パンツァージャケット来てるってことは大洗の生徒か?)

ボコ (流石にこの小っこいのが高校生っておかしいだろ?)

ボコ (しまった! 今回入れ替わってからまだ交換日記読んでねえ)

カチューシャ 「何顔引きつってんのよ、とりあえず入るわよ。あんた達もいらっしゃい!」

ノンナ、ニーナ、アリーナ 「はい」

ボコ (色々4号に乗り込んできやがった。こいつらの情報がねえ……どう切り抜ける?)
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/16(水) 02:12:53.88 ID:9RoNFDS90
【大洗学園艦 校舎 生徒会室】

杏 「西住ちゃんそのうち来るだろうからちょっと待っててね」

絹代 「はい、ところで話というのは……?」

杏 「申し訳ないけど……知波単で何があったか聞かせて欲しい」

絹代 「……察しはついてました」

杏 「他校の生徒に傷を抉るようなことを聞くのもどうかと思うけど、こっちも余裕が無いのよ」

杏 「カチューシャは断固戦うべきだといった。ボコラとも、文科省とも。そして彼女の決意に絆されて私もその気になった」

杏 「でもね、その目的を達成する為に何人犠牲が出るのかなと思ってね」

杏 「目的の為なら逆らう相手を退学にするって脅す位ならやるよ。でも学校の為に死ねなんて相当テンション上げても言うのはキツイ……」

絹代 (戦うべきか戦わざるべきが……判断材料が欲しくて私から話を聞きたかったということか)

桃 「会長!?」

杏 「今取り込み中なんだけど」

桃 「すみません、一大事なもので」

杏 「何?」

桃 「カチューシャ達が西住を拉致しました!」

杏、絹代 「!」

桃 「先程会長には電話したのですが出て頂けなかったので……」

杏 (そっか、知波単の隊長と話す前に携帯の電源切ってたから)

絹代 「西住殿の行方は?」

桃 「紅白戦で撃破されなかった戦車が追ってはいるが……」

杏 「すまない、聞いての通りだ、話はまた今度聞かせて欲しい」

絹代 「分かりました、私もウラヌスでカチューシャ殿を追います」

杏 「生徒会もヘッツァーを出すよ」

桃 「はい、柚子が先に倉庫に向かっています」
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/16(水) 02:28:14.20 ID:9RoNFDS90
カチューシャ 「あんたがミホーシャじゃないって少し会話すれば分かるわよ!」

ノンナ 「最初にカチューシャから話を聞かされたときは半信半疑でしたが、私の名前を『ナンノ』と聞かされてそのまま納得した時点で明らかにみほさんではありません」

ボコ 「フガガ、フガガガガ!」

ボコ (チキショウ! おいらを拘束する時に猿轡しやがって! 口が聞けねえ!)

カチューシャ 「今は大人しくしてなさい。後で好きなだけ話させてあげるわ。あんた達プーガロのこと全部ね!」

ボコ (あんこうチーム以外の連中に入れ替わりを知られただけでもマズいってのに。このままじゃ大洗を助けるどころか……)

アリーナ 「攫うどこばを見きゃれたのは失敗だ」

カチューシャ 「フン、そんなの大洗の戦車を全部やっつけちゃえばいいのよ」

カチューシャ 「こんな大事なことを隠してた大洗の奴らなんか……」

カチューシャ 「『地吹雪のカチューシャ』の恐ろしさをたっぷりと味わうといいわ!」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/16(水) 02:29:22.03 ID:9RoNFDS90
今日はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 00:39:24.96 ID:wRscRV4K0
ぴよたん 「 めちゃくちゃだっちゃ……」

ねこにゃー 「イカさんチームは何で暴れてるにゃー……」

ももがー (呆気なく撃破されたナリ……)

みどり子 「紅白戦が終わった直後で動ける戦車が少ない時に不意討ちなんて校則違反どころじゃないわよ!」

ツチヤ 「せめて4号が紅白戦で無傷だったら……」

ホシノ 「4号は車長を人質に取られてる時点で詰んでるって」
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 00:47:32.70 ID:wRscRV4K0
桃 「柚子!」

柚子 「ごめん、私もやられた……」

桃 「砲手無しじゃ逃げ回るしかなかっただろう」

杏 「河嶋が乗ってても当たんないじゃん」

桃 「会長!」

柚子 「それよりも……もう動ける戦車が残ってません」
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 00:55:49.99 ID:wRscRV4K0
優花里 「西住殿を返して下さい!」

カチューシャ 「こいつはミホーシャじゃないでしょ! 知ってんのよ!」

優花里 「!」

麻子 (私達あんこうチームの会話を聞かれてしまったか、迂闊だった)

カチューシャ 「生徒会、よくもこのカチューシャを騙したわね!」

桃 「何を言っている!?」

杏 「話が見えないんだが」

カチューシャ 「しらばっくれる気!? こんな大事なこと隠しといて!」

沙織 「カチューシャさん、生徒会は本当に何も知りません! あんこうチームだけの秘密だったんです!」

カチューシャ 「カチューシャがここに来た経緯は知ってるわよね!? カチューシャ達がどんな思いでここに流れ着いたか」

カチューシャ 「それが……不倶戴天の敵がこんな近くに居たなんて……」

華 「みほさんだって悲劇を繰り返さないようこれまで必死に動いてました。皆さんに打ち明けなかったのは無用な混乱を避ける為です!」

カチューシャ 「事前に打ち明けてくれたら今の混乱は避けられたでしょうね」

華 「クッ……」
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 01:04:43.91 ID:wRscRV4K0
優花里 「西住殿を返して貰います」

カチューシャ (生身でIS-2の前に? フン、どうせハッタリよ!)

カチューシャ 「そこを退きなさい」

優花里 「退きません」

カチューシャ 「退かないとキャタピラの錆になるわよ!」

優花里 「……」

ビシッ!

絹代 (あれは陸自の敬礼!)

優花里 「自分は既に戦車道に心臓を捧げた者!」

優花里 「戦車によって死ぬるなら本望!」

カチューシャ 「だったら……」

カチューシャ 「もしこいつらが喰ったのがミホーシャでもあなたは同じこと言ってあいつ達を庇うの?」

優花里 「それは……」
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 01:15:06.26 ID:wRscRV4K0
カチューシャ 「カチューシャはプラウダで……クラーラがこいつらに喰われるところを見たわ」

カチューシャ 「大勢の仲間が喰い殺される姿を見ておきながら、おめおめと引き下がるしかなかったカチューシャの気持ちが分かる!?」

カチューシャ 「この辛さを知らない人間なんかに、カチューシャを悪く言う資格なんて無いわ!」

ナカジマ 「カッちゃん……」

絹代 「ならば……」

絹代 「私にはその資格が有る筈です!」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 01:16:32.59 ID:wRscRV4K0
今日はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 11:45:38.44 ID:2IAHRs6/0
めっちゃおもろいやん
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/12(火) 16:16:30.30 ID:TyQg+cDPO
追い付いた
1レス目見たときは元ネタの多さにゲッってなったけど読んでみたら面白かった
ケイさんが似合ってる。バッコーラでワロタ
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/13(水) 20:40:04.27 ID:i3CXSKLT0
優花里 (西殿!)

絹代 「知波単で、共に戦車道に励んできた仲間が英霊になったことをご遺族にお伝えした時、私はその場で泣き崩れました」

絹代 「私も死んでいった仲間やご遺族の悲嘆にくれる姿が瞼に焼き付いて離れません」

絹代 「その度に自責の念にかられ、生き恥を晒す位ならあの時散っていればと何度も思いました」

絹代 「それでもこうして生きているのは、英霊とご遺族の方々に対して生き残った者として責任を果たす為です」

絹代 「そしてそれは他者を憎むだけでは成しえない。仲間と手を取り合い、何が出来るか、何をすべきか見極めることも大事な筈です」

優花里 「そうです!」 

優花里 「西住殿はこれまでボコと絆を築いてきました。だからこそボコは私達を助けようとしてるんです」

優花里 (そう、今なら分かります)

優花里 (何故自分がボコ殿の言葉を素直に信じられなかったか、いや、信じたくなかったか)

優花里 (自分はボコ殿に嫉妬していたのです)

優花里 (彼が西住殿を救うことで、西住殿の中で彼の存在がこれ以上大きくなることを恐れたのです)

優花里 (西殿、感謝します。おかげで目が覚めました。自分は危うく道を踏み外すところでした)
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/13(水) 20:54:16.60 ID:i3CXSKLT0
優花里 (自分はもう迷いません)

優花里 「彼が提供する情報こそが、西住殿の齎した成果です!」

優花里 「それを活かすも殺すも今後の私達の行動にかかっています!」

優花里 「それを端から否定すると言うのなら、彼の持つ情報の価値を説きます!」

カチューシャ 「で、その情報が虚偽だったら、奴が私達を裏切ったらどうするつもり?」

絹代 「その時は刺し違えてでも彼を討ちます!」

カチューシャ 「ミホーシャはあんたを恨むわよ」

絹代 「それでも……責任を果たします。特攻も覚悟の上です!」

カチューシャ 「……」

カチューシャ 「プラウダの全隊員に命令するわ」

カチューシャ 「私から新たな指示があるまで絶対にミホーシャにもボコにも手出ししないこと」

カチューシャ 「背いたらカチューシャの名の元に粛清よ、いいわね」

ノンナ 「仰せのままに」

アリーナとニーナ 「分かりますたぁ」

絹代 「カチューシャ殿……」

カチューシャ 「今回だけよ! このカチューシャが話を聞いてあげたんだから感謝しなさい!」

優花里 「ありがとうございます!」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/13(水) 21:02:51.42 ID:i3CXSKLT0
みほ 「ンーッ、フグ……フーッ!」

ノンナ 「カチューシャの寛大な処遇に感謝して下さい。猿轡を外します」

みほ 「……プハァ、ハァ、ハァ……あの……」

ノンナ 「何ですか?」

みほ 「ノンナさん、どうして私縛られてるんですか?」

ノンナ 「……みほさん?」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/13(水) 21:15:29.25 ID:i3CXSKLT0
【大洗学園艦 校内 戦車倉庫】

ナカジマ 「カッちゃん、そこの工具箱取って来て」

カチューシャ 「ノンナ、聞こえたわね」

ナカジマ 「私はカッちゃんに頼んだんだけど」

カチューシャ 「カッちゃん言うな!」

ナカジマ 「カッちゃんのせいで自動車部の仕事が無駄に増えたんだけど。あー今夜は徹夜かな」

カチューシャ 「分かったわよ」

トボトボ……

スズキ 「1年生が2人も自動車部に入ってくれるなんて嬉しいね」

アリーナ (今回の騒動ば不問さ附す為の条件が、わんど二人の自動車部加入のんて)

ニーナ (プラウダさ居た時かきや戦車の整備さは慣れてたばって、わんどの意思はあって亡きが如しだ)

ノンナ (私はバレー部への入部か……)
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/13(水) 21:25:36.16 ID:i3CXSKLT0
【大洗学園艦 校内 生徒会室】

桃 「会長、プラウダへの処遇甘過ぎませんか?」

杏 「でもこれで3年生3人が卒業したら自動車部が1人になってしまう事態は避けられたじゃん。それにバレー部にも恩を売れたでしょ」

柚子 「バレー部の皆、泣いて喜んでたわね。これで対外試合が出来るって」

杏 「それに今はもっと他に片付けたい問題があるからねー」

杏 「と言う訳で今まで秘密にしてたこと、全部話して貰おうか」

杏 「西住ちゃん」

みほ 「……」

優花里 「……」

華 「……」

麻子 「……」

沙織 「……」

絹代 「あの……私がこの場に同席してもよろしいのでしょうか?」

杏 「頼むよ、遠慮無く意見を聞かせて欲しい」

みほ (ボコの馬鹿……)
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/13(水) 21:31:32.28 ID:i3CXSKLT0
今日はここまで。
200レス到達するのに4.5ヶ月、筆が遅スギィ!
それでも年内には完結させたいです。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/14(木) 02:13:23.04 ID:I46zf05Lo
完結するなら来年内まで延びても良いよ
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/14(木) 07:45:34.70 ID:0AGU/yv5O
乙ラ
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 22:16:32.78 ID:a8+DvgQT0
柚子 (信じていいのかしら? 嘘をついてる様には見えないけど)

杏 (たまげたねえ……)

絹代 (さっきは状況がよく分からないままカチューシャ殿を止める為に声を上げたが……そんな驚天動地な現象が起きていたとは……)

桃 「そんな大事なこと、何故今まで黙っていたッ!?」

みほ 「すみません。……話したらきっと大騒ぎになると思って」

桃 「だからと言って! 今回の騒ぎが無かったらお前はずっと隠し事を続けるつもりだったのか!?」

華 「失礼ですがそれはお互い様ではありませんか?」

桃 「何だと?」

華 「生徒会も、試合に負けたら廃校という話を長い間隠してました」

桃 「そんなこと話せる訳無いだろう! もし話していたら……」

華 「話していたら?」

桃 「それこそ……騒動に……」

華 「私達も同じです」

桃 「チッ!」

華 「……」
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 22:32:00.07 ID:a8+DvgQT0
華 「それにボコは生徒会に不信感を持っていました」

杏 「言うねえ」

華 「私はボコに言われました」

華 「次の生徒会長になって今の生徒会長をボコれと」

桃 「貴様!」

優花里 「今の話は本当です」

麻子 「そんな状態でボコを生徒会に引き合わせたらトラブルになっていた可能性が高いです」

みほ 「ただ、これだけは信じて下さい」

みほ 「ボコは我々人類の味方です!  ボコをよく知る私に言わせれば、彼は見た目よりずっと単純なんです!」

麻子 (見た目より?)

沙織 「ボコは生徒会の西住さんへの仕打ちに怒っていました。先輩方にも事情がお有りだったとは思いますが、ボコは子供なのでそこまで推し図れないんです」
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 22:42:49.49 ID:a8+DvgQT0
柚子 「私達生徒会失格ね」

桃 「柚子……?」

柚子 「学園存続の為に憎まれ役になるのは厭わなかったけど……」

柚子 「だからと言ってそれが西住さんの優しさに付け込んだ免罪符にはならない」

柚子 「西住さん、今まで本当にありがとう。そしてごめんなさい」

みほ 「いえ、そんな……私は大洗で戦車道が出来たことが嬉しいんです」

みほ 「もしここで戦車道をやってなかったら、私はずっと自分の過去に背を向けたままでしたから」

みほ 「私は大洗で皆さんと戦車道が出来たことに感謝しています」

優花里 「西住殿ォ……」

杏 「……」
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 22:53:23.90 ID:a8+DvgQT0
杏 「西住ちゃん」

みほ 「はい?」

杏 「小山はああ言ったが、私はこれまで自分がしたことを後悔していない。詫びるつもりもない」

杏 「只、恩は感じている」

杏 「だから、私が出来ることで一つだけ西住ちゃんの願いを叶える」

杏 「それでいいかい?」

みほ 「気にしないで下さい、会長」

杏 「いいや、私の為だと思ってこの話を受けて欲しい。このままでは寝覚めが悪い」

桃 「そうだ。会長のせっかくのご好意を無駄にする気か?」

みほ 「分かりました」

みほ 「会長、お願いです」

みほ 「ボコラが来る前に学園艦の生徒と住民を全て艦外に避難させて下さい」

杏 「えっと……」

杏 「口約束は約束じゃないって知ってる?」
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 23:10:19.90 ID:a8+DvgQT0
桃 「西住、嫌がらせか?」

みほ 「いいえ」

沙織 (みぽりんはそんな事しないよ)

麻子 (酷い言い草だな)

華 (言いがかりも甚だしいです)

優花里 (学園の恩人に何と無礼な)

桃 「だったら何だ!」

みほ 「西さんには辛い話になりますがすみません」

絹代 「分かりました」

みほ 「既に知波単とプラウダで多くの尊い命が失われました。これ以上の犠牲は避けるべきです」

絹代 「……」

桃 「しかし大洗はまだ被害が出ていないぞ」

みほ 「全国の学園艦全体から見れば既に多くの血が流れました。」

柚子 「試したとは思うけど、ボコとの入れ替わりを上手く利用出来ないかしら?」

みほ 「それも手を尽くしたのですが……。ボコの仲間は説得にも応じませんし、みんなボコより強いんです」

杏 「西住ちゃんの指揮でも勝てないの?」

みほ 「大洗の8輌だけではとても勝てません」

麻子 (プラウダの50輌で1体も倒せなかった相手を大洗の8輌だけで全滅させるのは無理だ)

みほ 「仮に他校に応援を頼んで数を集めたとしても、犠牲は避けられません」

桃 「しかしこの学園は今でこそ戦車道以外に実績は無いものの、伝統ある高校だ。それを……」

絹代 「それでは我々知波単と同じ道を辿りますよ」

絹代 「連中の手で既に我が校とプラウダの2校が失われました。ある者は故郷を失い、ある者はかけがえの無い家族や友人を亡くしました。それも1人や2人ではありません」

絹代 「それでもまだ貴方は犠牲が足りないと仰るのですか?」

桃 「……」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 23:35:43.99 ID:a8+DvgQT0
みほ 「もう、大洗だけの問題では無くなりました」

みほ 「政府はボコラ問題にかこつけて全国の学園艦の廃校を推し進める気です。その口実を与えてはなりません」

みほ 「大洗が犠牲者を出さずに住民の避難を完了させ、その後自衛隊がボコラを倒せば、これ以上事は大きくならないでしょう」

みほ 「しかし大洗がボコラの撃退に失敗し、多くの犠牲者が出たら、大洗が廃校になるだけでは済まないんです。その時は……」

みほ 「全ての学園艦が政府の強制疎開の名のもとに、廃校となります!」

みほ 「私達はこの艦の中で死んではならないんです」

みほ 「どうか、どうかここから逃げて下さい!」

杏 「……」

杏 「西住ちゃん……これで貸し借り無しだよ」

桃 「会長……?」 

桃 「ウ……ウエエエエン!」

杏 「気落ちは不要。生徒と住民を守るのが私達の仕事。攻撃だけが花じゃない。住民の避難を急がせるよ!」
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 23:43:26.14 ID:a8+DvgQT0
今日はここまで
プロット修正する度に杏のキャラがブレる
可哀想だけど杏がこのSSで一番の物語の奴隷
読んで下さった皆さんありがとうございました
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 07:20:55.91 ID:JiywhxepO
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/26(火) 23:17:17.06 ID:W0Z3nxL8o
楽しみにしてる
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/27(水) 00:11:20.35 ID:FCff12F40
【大洗学園 校内 体育館】

典子 「どうだった? 入部初日の感想は?」

ノンナ 「ハァ、ハァ……皆さん凄い体力ですね。ついていくのがやっとです」

忍 「ノンナさんも未経験とは思えない位上手ですよ」

あけび 「驚きました」

妙子 「ノンナさん、あの、一つ聞いていいですか?」

ノンナ 「ええ、いいですよ」

妙子 「昨日プラウダの皆さんが暴れた理由って何だったのですか?」

典子 「私も気になってた」

ノンナ 「お昼寝です」

忍 「お昼寝?」

ノンナ 「カチューシャはお昼寝が出来なかった時は極端に不機嫌になって暴れるのです」

ノンナ 「プラウダに居た時は本人の好きにさせてたのですが、大洗で同じ様にさせたのは失敗でした」

バレー部一同(ノンナ除く) 「……」

ノンナ (ここまでふざけた話にしておけば呆れ果てて追求しないでしょう)
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/27(水) 00:27:22.55 ID:FCff12F40
【大洗学園艦 戦車倉庫】

カチューシャ 「最近随分と楽しそうじゃない」

ノンナ 「カチューシャ……」

カチューシャ 「腰抜け生徒会が大洗の廃校確定を通達して早一週間」

カチューシャ 「誰かさんのせいでカチューシャはお昼寝させないと暴れるってことになってるし」

ノンナ 「……」

カチューシャ 「何が楽しくてもうじき無くなる学校の部活に精出してんのよ?」

ノンナ 「私が欠けたらバレー部はまた4人に逆戻りです」

カチューシャ 「答えになってないわ。ノンナが居ようが居まいがバレー部は学校ごと無くなるのよ!?」

ノンナ 「だからこそです」

ノンナ 「だからこそ最後まで5人で練習したいのです」

カチューシャ 「ノンナ、私達がここに来た理由は?」

ノンナ 「はい、ボコラに雪辱を果たす為の拠点を設ける為です」

カチューシャ 「その目的は達成出来た?」

ノンナ 「いいえ」

カチューシャ 「そうよね」

カチューシャ 「だったらバレーやってる暇なんてないんじゃない?」
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/27(水) 00:37:41.90 ID:FCff12F40
ノンナ 「大洗は近々廃校になります。拠点については次の編入先で考えましょう」

カチューシャ 「ノンナは変わったわ」

ノンナ 「変わってません」

ノンナ 「私のカチューシャへの忠誠心には一点の曇りもありません」

カチューシャ 「……」

カチューシャ 「ノンナはバレー部、ニーナとアリーナは自動車部でそれぞれ楽しくやってるのに、カチューシャには居場所が無い」

ノンナ (流石にあれだけ暴れたら声をかけてくれる人はなかなか現れないでしょう、しかし……)

カチューシャ 「ノンナ」

ノンナ 「?」

カチューシャ 「これまでのカチューシャは間違ってたと思う?」
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/27(水) 00:47:52.01 ID:FCff12F40
ノンナ 「いいえ、カチューシャが間違ったことは一度たりともありません」

カチューシャ 「そうよ。カチューシャは間違ったことなんかない」

カチューシャ 「そうじゃないと……カチューシャが判断を誤ったからボコラに負けたとなると」

カチューシャ 「クラーラ達は無駄死にしたことになる」

カチューシャ 「それだけは絶対に認めない! あの日戦死した仲間の一人一人が意味ある戦いに身を投じたのよ、違う?」

ノンナ 「カチューシャの言う通りです」

カチューシャ 「当たり前よ。……そろそろ部活でしょ、行ってきたら?」

ノンナ 「はい、失礼します」

スタスタスタスタスタ
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/27(水) 01:05:36.63 ID:FCff12F40
ノンナ (体育館に向かう道が涙に霞む)

ノンナ (自衛隊でも何でもいい、誰かボコラを粛清して)

ノンナ (カチューシャを苦しめる存在からカチューシャを解放して)

ノンナ (以前はカチューシャと過ごす時間が至福の時だったのに、今のカチューシャを見るのは辛い)

ノンナ (貴方だってそう思うでしょ? クラーラ)
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/27(水) 01:12:58.36 ID:FCff12F40
今日はここまで
読んで下さった皆さんありがとうございました
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 07:42:37.22 ID:r+n+mgDdO
乙ラ
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 11:35:16.40 ID:S+AFNMnrO
君の名は。観たこと無いけど楽しく読ませてもらってる
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 20:07:51.41 ID:WJeIUxXJ0
【都内 国立新美術館 正面入口】

優花里 (遂に念願叶って西住殿との初デート!)

優花里 (大洗が廃校となり、皆が学園艦を降ろされ、今は陸での分校暮らし……)

優花里 (来月からは各々が編入先に転校になります……)

優花里 (辛い思いをした分、たまにはこんな楽しいことがあったってバチは当たらないでしょう)

みほ 「ありがとう、優花里さん」

優花里 「『ありがとう』って何がですか?」

みほ 「私、どうしてもここに来たかったから。優花里さんが一緒に行くって言ってくれて凄く嬉しかった」

優花里 (今日東京まで出て来た理由……)

優花里 (かつてボコのアニメを作った監督の展覧会が開催中だったとは)

優花里 (自分はアニメに詳しくないのでよく分かりませんが)

優花里 (これ程の美術館で展覧会が催される位ですからきっと巨匠なのでしょう)

優花里 (○島○展ですか)
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 20:26:19.91 ID:WJeIUxXJ0
みほ 「優花里さん、ボコの音声ガイドだって」

優花里 (美術館でよくある音声ガイドですね、500円ですか)

優花里 「折角だし聞いてみますか」

みほ 「うん!」

みほ 「これ、レシーバーにイヤホンが2つ付いてるよ。ハイ、優花里さん」

優花里 「あ、ありがとうございます」

優花里 (些細なことかもしれませんがこうして1つの機材を共有してると)

優花里 (本当にデートって感じがします)

音声ガイドの声 「オウッ、お前等よく来たな。オイラボコだぜ!」

優花里 (雰囲気ぶち壊しです……)
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 21:12:00.77 ID:WJeIUxXJ0
【都内 国立新美術館 企画展示室】

優花里 (BOCO SHOWの再現……)

音声ガイドの声 「みんな! オイラに力をくれ!」

みほ 「ボコーッ! 頑張れーッ!」

優花里 「西住殿、美術館ですので叫ぶのはちょっと……」

みほ 「えっ……ごめんなさい、つい興奮しちゃって」

優花里 (ばつが悪そうな表情の西住殿もまた可憐です)
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 21:24:20.16 ID:WJeIUxXJ0
【都内 国立新美術館内 カフェ「サロン・ド・テ ロンド」】

みほ 「いろんなボコが見られて楽しかったね」

優花里 「はい!」

優花里 (西住殿には申し訳ないですが、自分は展示自体にはあまり興味が……)

優花里 (ただ、とびっきりの笑顔を見せる西住殿と二人きりで過ごせるのは天にも昇る程嬉しくて……)

みほ 「このポタージュ美味しいよ、一口飲んでみない?」

優花里 「え、いいのですか?」

みほ 「ハイ、あーん」

優花里 (これは何という僥倖!)

優花里 (西住殿が自身のスプーンで私にスープを!)

優花里 (行きます!)

ガクン、ベチャッ!

優花里 「エッ!?」

優花里 (西住殿がスープ皿に突っ伏した!)

優花里 (まさか……このタイミングで……)

ボコ 「……」

ボコ 「ぷはッ!? 何だコリャ、顔ベットベトじゃねえか?」

優花里 (ああ、入れ替わってしまいました……)
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 21:40:37.00 ID:WJeIUxXJ0
ボコ 「顔拭いてくれたのはいいけどよ……」

ボコ 「優花里、何か嫌なことでもあったのか?」

優花里 「いえ……何でも」

ボコ 「ひょっとしてみほと喧嘩したか?」

優花里 「してません」

ボコ 「ならいいけどよ」

優花里 「……」

優花里 (ここは我慢です)

優花里 (そのうち西住殿が戻ってくる筈です)

優花里 (オッドボールでも何でも手段は問いません。出来るだけ早く戻って来て下さい、西住殿。このままでは折角のデートが台無しです) 

ボコ 「何か落ち着きねえな、ションベンなら気にせず行ってこいよ」

優花里 「違います!」
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 21:51:41.81 ID:WJeIUxXJ0
優花里 「入れ替わったということは、ボコ殿はまたケンカしたのですか?」

ボコ 「ああ、エリガンの奴に左腕持ってかれた」

優花里 「エッ!?」

ボコ 「今度こそボコってやると思ったらアイツ噛み付きやがって――」

優花里 「待って下さい!? それじゃ西住殿は?」

ボコ 「入れ替わる直前、ドーラとジークンが止めに入ってるから大丈夫だろ。それにオイラの身体は再生するし」

優花里 「そういう問題じゃありません! 今、西住殿は痛い思いしてるってことじゃないですか!?」

ボコ 「まあ、そうなるな」

優花里 「『そうなるな』じゃないですよ……西住殿に申し訳ないと思わないのですか?」

ボコ 「……」
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 22:00:19.23 ID:WJeIUxXJ0
ボコ (何か空気が変になっちまった……)

ボコ (ここは話題を変えるぜ!)

ボコ 「優花里、ここは……どこだ? 初めて見る場所だな」

優花里 「……国立新美術館です」

ボコ 「国立新美術館?」

優花里 「はい、西住殿とデートの最中でした」

ボコ 「そうか! 今日がデートの日だったのか!」

ボコ 「安心しろ、前にも言ったろ? デートの日に入れ替わってもオイラが相手してやるって」

優花里 「……」
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 22:10:40.34 ID:WJeIUxXJ0
ボコ 「そうか、優花里おめかししてると思ったらそういうことか、似合ってるぜ」

優花里 「どうも」

ボコ 「ここ、学園艦じゃないよな。窓ガラスの向こうの景色って陸地だし……」

優花里 「はい、ここは東京です」

ボコ 「東京か……」

ボコ (みほの身体で陸に上がったのは戦車道の決勝以来か)

ボコ 「東京……つうことはよ、学園艦が東京に来てんのか?」

優花里 「いえ、学園艦は今頃自衛隊の配備を終えて太平洋を航行している筈です」

ボコ 「じゃあ、お前ら……船を降りたのか?」 

優花里 「はい、大洗女子学園は廃校になりました」

ボコ 「そうか……」

ボコ 「オイラの忠告聞いてくれたんだな」

ボコ 「良かった」

優花里 「!」
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 22:21:19.01 ID:WJeIUxXJ0
優花里 「良かったって……どういう意味ですか?」

優花里 (もう我慢の限界です)

ボコ 「おい、どうしたんだ優花里?」

ボコ (何だコイツ、えらくおっかねえ顔してるぞ……)

優花里 「何が良かったというのですか? 西住殿を始めとする皆の努力が報われなかったことですか?」

優花里 「それとも私の両親が長年営んできたお店を畳んで引っ越すことですか?」

ボコ 「チョッ、落ちつけよ! 優花里」

優花里 「落ちつけって、ボコ殿が言いますか?」

優花里 「元はと言えばあなた達のせいじゃないですか!」
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/11(水) 22:25:14.47 ID:WJeIUxXJ0
今日はここまで
読んで頂きありがとうございました

庵野秀明
『特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』(シン・ゴジラは絡んでないが)
於?東京都現代美術館? 2012年開催

諫山創
『進撃の巨人展』
於?上野の森美術館 2014〜2015年開催

新海誠
『新海誠展』
於?国立新美術館 来月開催予定


水島監督だってもっとアカデミックな扱いを受けてもいいと思う
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 08:10:59.90 ID:bgOPmNxKO
乙です
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 15:23:24.76 ID:78HS1gF20
ボコ 「そんな言い方ねえだろッ!」

ボコ 「オイラは! ……優花里達が死なずに済むのを『良かった』って言っただけじゃねえか」

優花里 「ええ、分かってます。分かってますよ」

優花里 「しかしそれは最悪の事態を免れただけです」

優花里 「全国大会に優勝して折角廃校を回避出来たんです。本当だったら2学期以降も大洗に通って、私の家もお店を続けて……」

優花里 「それらが全て駄目になって……」

優花里 「今日だって西住殿との二人きりの時間を……貴方は……」

ボコ 「だからオイラが代わりにデートしてやるって――」

優花里 「自惚れないで下さい! 自分にとって西住殿の代わりなんていません」

ボコ 「……」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 15:56:26.26 ID:78HS1gF20
優花里 「ボコ殿は知らないでしょうけど、会長に廃校を進言したのは西住殿です」

優花里 「廃校を阻止する為に頑張ってきた西住殿が、生徒会に廃校を勧める。誰よりも人命を尊重する西住殿らしい決断ですが、それでも本当は悲しかった筈です」

優花里 「誰よりも優しいあの方にそんな苦渋の決断をさせておいて……」

ボコ 「ちょっと待て、優花里。お前普段そんなキャラじゃねえだろ?」

ボコ 「お前は昔、オイラのことがちょっとは好きだったんじゃねえのか?」

優花里 「……」

優花里 「……どうしてそう思うのですか?」
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 16:04:23.43 ID:78HS1gF20
ボコ 「だってよ、優花里はいつもオイラのこと助けてくれただろ?」

ボコ 「学校の勉強がちんぷんかんぷんだった時、戦車道のことが丸っきり分からなかった時、突然の生理でパンツが真っ赤になった時……」

ボコ 「みほと入れ替わってた時に勝手が分からなかったオイラをいつも助けてくれたのは優花里じゃねえか」

ボコ 「他の奴らも親切にしてくれたけど、一番支えてくれたのはお前だった。これでも感謝してるんだぜ」

優花里 「ハァ……」

優花里 「何も分かってないんですね」
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 16:14:47.91 ID:78HS1gF20
優花里 「貴方を献身的に支えてきたのは西住殿に恥をかかせまいと思ってのことです」

優花里 「それに入れ替わりが明らかになってから西住殿に頼まれたんです。『入れ替わってる間、きっと迷惑をかけてきたしこれからも迷惑をかけるけどボコを助けて欲しい』と」

優花里 「西住殿は貴方の為に……自分やあんこうチームの皆に頭を下げたんですよ……」

優花里 「そんなことしなくても私はいくらでもあの方を支えるつもりでいたのに」

優花里 「西住殿の身体を乗っ取って迷惑をかけ続けておきながら平然といる貴方のことなんか……」
 
優花里 「嫌いになることはあっても好きになんてなりませんよ」

ボコ 「本気で言ってんのか?」

優花里 「ええ、貴方なんて……」

優花里 「大洗で自衛隊に殲滅されればいいんです」

ボコ 「ケッ! 勝手にしやがれ!」

ボコ トボトボトボトボ

優花里 (ボコがカフェから出て行きました)

優花里 (やってしまいました……)

優花里 (ただ、これは誓って嫉妬ではありません。ただ彼の無神経さがどうにも我慢ならなかったのです)

優花里 (とはいえ、ボコに非道いことを言ってしまいました)
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 16:24:02.82 ID:78HS1gF20
ボコ (褒められると思っていた……)

ボコ (危機を伝えて優花里達を救えたと思っていた。オイラはヒーローになったと思ってた。でも……)

ボコ (オイラはそんなにお前に恨まれていたのか、優花里……)

ボコ (散々だったデートの結果は、次に入れ替わった時に伝えればいい。そして……)

ボコ (みほ、お前にも迷惑かけちまったな)
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/15(日) 16:31:29.11 ID:78HS1gF20
【太平洋 東日本沖】

ケイティ (皆はどこに行ったの? 誰もいないよ……)

ケイティ (ドーラとジークンは行方不明だし……まさか、人間にやられちゃったの!?)

ケイティ (あっ、あれは)

エリガン ムシャ、ムシャ、ボリ、バリ

ケイティ (エリガンだ、良かった)

ケイティ 「ねえ……エリガン」

エリガン 「食事中」

ケイティ 「ごめんなさい、みんなの姿が見当たらなくて私逸れたのかと思って」

ケイティ 「それ、美味しいの?」

エリガン クルッ

エリガン 「まあまあ。人間の方が美味しいわよ」

ケイティ (何食べてるんだろう? 何かの頭みたい……)

ケイティ 「!?」

ケイティ 「それって……まさか……」

エリガン 「マッキー」

ケイティ 「ヒィッ!」
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