西住みほ「シン・ボコラ 〜 君の名は進撃のボコ。」

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338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/03(水) 18:17:58.61 ID:KyNNC9gs0
【北海道 ボコミュージアム カフェスペース】

みほ (何だか胸騒ぎがする)

みほ (さっきのショーで聞いたあのボコの声……)

優花里 「どうしたんですか、西住殿? 何か考え事ですか?」

みほ 「ううん、何でもないよ」

優花里 「……実は、今回のサプライズはとても悩んだんです」

みほ (優花里さんが言おうとしてることは想像がつくよ)

優花里 「西住殿のボコ好きが従来通りなのは分かってますが、先程の西住殿の表情を見て昔を思い出させてしまったのかと。自分は余計なことを――」

みほ 「そんなこと無いよ! 私、凄く嬉しかった。ありがとう」

みほ 「だから、優花里さんもそんな顔しないで」

優花里 「はい!」

みほ 「私、ミュージアム内のキャストさんのサイン貰って来るから、皆さんはここで待っててくれますか?」

優花里 「サイン集めるなら手分けしては? 自分もやります」

みほ 「ありがとう。でもこういうのは自分で貰いたいから」

みほ 「皆はここでしばらく休んでて」
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/03(水) 18:27:30.86 ID:KyNNC9gs0
優花里 「西住殿、行ってしまいました……」

華 「しばらくみほさんの好きにさせてあげましょう」

沙織 「私……」

麻子 「どうした?」

沙織 「私、あんこうチームの皆が今も戦車道続けてて良かったと思ってるよ。大学は皆バラバラになったけど」

麻子 「私もだ。私の大学は六大学戦車道最弱だけどな」

優花里 「しかし冷泉殿出場の試合で勝ち点2を挙げたではないですか」

麻子 「観てくれていたのか」

優花里 「勿論です。それに引きかえ自分はまだ大学でレギュラー入りも叶いません」

華 「それだけサンダース大の選手層が厚いということですね」

優花里 「まあ、ケイ先輩からは『そのうちレギュラーになれる』と言われてはいるのですか……」

華 (大洗学園艦の放射能は来年で殆ど影響が無くなります。それまで国は大洗の廃校問題を保留すると宣言しました)

華 (可能性は低いですが、私達が学園に通うことはもうありませんが、いつか大洗で同窓会を開きたいですね)

華 (こうして5人で再会した出来ただけでもこんなに嬉しいんですもの)
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/03(水) 18:44:13.53 ID:KyNNC9gs0
【北海道 ボコミュージアム 屋外スペース】

みほ (さっきのショーでボコの着ぐるみを着てた人)

みほ (いや、きっと人じゃない)

みほ (こちらを見て明らかに動揺していた)

みほ (向こうも知ってるんだ、私を)

みほ (どこ、どこに居るの!?)
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/03(水) 18:55:20.91 ID:KyNNC9gs0
みほ (居た!)

みほ (階段の下からこちらを見上げてる……階段を上がって来た……)

みほ (どうしよう……いざとなると声をかけられない)

みほ (立ち止まってると変だがら取り敢えず階段を降りよう)

みほ (相手は着ぐるみで、中に誰が入ってるか何て分かりっこないのに)

みほ (ボコは2年前に自衛隊に殺されたってニュースにもなったのに)

ボコ 「あ、あの!」

みほ 「!」

みほ (階段を上がりきったボコから話しかけてきた!?)

ボコ 「オイラ、あんたをどこかで!」

グ、グググ……スッポン!

みほ (頭の着ぐるみを脱いだ!?)
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/03(水) 19:03:33.32 ID:KyNNC9gs0
明けましておめでとうございます
今日はここまで
次回投下で完結予定です
読んで下さった皆さんありがとうございました
なお今晩21:00からテレ朝にて映画『君の名は。』の放送があります!
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 13:02:18.17 ID:TEL6kAXi0


あと2,3回か
初めは一発ネタだし続かんだろうと正直思ったが
なかなかどうして面白く、よくここまで話を膨らませられるものだと感心しきりだわ。
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/06(土) 23:21:19.72 ID:xBMLDrXp0
みほ (ボコだ!)

みほ (小顔で等身が高くなって、背丈も人間位になって……)

みほ (でもボコだ!)

みほ (高校生の時に私と入れ替わりを繰り返した、大洗で会った、あのボコだ……)

みほ 「私も……」

みほ (ボコの呼びかけに応えると同時に自然と熱いものが頬を伝ってゆく)

みほ (ずっと探していた)

みほ&ボコ 「君の名前は!」





この時、みほとボコが奇跡の再会を果たす姿を少し離れた所から見つめる人影があった。

??? 「恩知らず……」

??? 「遅いよとボコる君、これでも……♪」
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/06(土) 23:34:25.63 ID:xBMLDrXp0
みほ 「ボコ、ボコ、ボコが居る、ボコ!」

ボコ 「みほ……」

みほ 「でも、どうやって……ボコは自衛隊の攻撃を受けて……」

ボコ 「自衛隊の魚雷攻撃で文字通りボコボコにされた時」

ボコ 「流石のオイラも再生能力が追っ付かなくて」

ボコ 「再生じゃなくて進化したんだ」

みほ 「進化?」

ボコ 「元の身体を捨てて、尻尾の先からかろうじてこの姿で分離して、それから泳いで北海道に流れついた」

ボコ 「元々の身体の尻尾の先で、今の身体が出来上がるまでの長い間……」

ボコ 「お日様も届かない深い海の底で、お前の夢を何度も見た」

ボコ 「それから今のオイラは放射能出さなくなったから安心しろ」

みほ 「ボコ……」
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/06(土) 23:45:58.98 ID:xBMLDrXp0
華 「二人して互いを見つめ合ってますね」

優花里 「覗き見してるみたいで後ろめたいですが」

麻子 「みたいじゃなくて覗き見そのものだ。それにビデオカメラ回しながら言っても説得力が無い」

優花里 「今撮らないで何時撮るのですか!? これは『AKIYAMAFILM』の秘蔵版決定です!」

沙織 (二人は幸せなキスをして終了、二人は幸せなキスをして終了、二人は幸せなキスをして終了……キャーッ! もうやだー)
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/06(土) 23:59:31.18 ID:xBMLDrXp0
みほ 「背丈も人間位になって、放射能も出さなくなって」

みほ 「私はようやくボコに抱き締めて貰えるんだね」

ボコ 「みほ……」





??? 「だから戦戦戦車から僕は君を探しに来たよ♪」





みほ 「あなたは!?」

??? 「お客様、キャストとの過度なスキンシップはお控え下さい」

みほ 「愛里寿ちゃん!?」
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 16:48:08.12 ID:bu9QZX4V0
昨晩は寝落ちしました。
今日こそ完結です。
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 16:49:06.29 ID:bu9QZX4V0
愛里寿 「久しぶりですね」

みほ 「うん、お久しぶり」

みほ (彼女とは大学に入ってから対戦したことがある。島田流家元の後継者……)

みほ (島田愛里寿ちゃん)

愛里寿 「ボコ、頭の被り物を被って」

ボコ 「愛里寿、これは――」

愛里寿 「早く」

ボコ 「オウ……」

グググッ……カポッ!

みほ (ボコが頭の被り物をもう一度被った……)
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 16:58:18.05 ID:bu9QZX4V0
みほ 「どういうこと?」

愛里寿 「私はこのミュージアムの館長、ボコの雇い主」 

みほ 「本当なの?」

ボコ 「ああ、愛里寿のおかげでオイラここで働いてるんだ」

みほ 「ねえ、ボコ……」

みほ 「ここを出て私と一緒に暮らそう」

ボコ 「みほ……」

愛里寿 「そんなこと勝手にきめないで」

みほ 「これは私とボコの問題だから」

愛里寿 「ボコとみほさんの間にどんな過去があったか知らないし知りたくもありません」

愛里寿 「ただ、みほさんが私達の間に入る隙間はもうありません」

愛里寿 「ねえ、ボコ……私を捨てたりなんてしないよね」

愛里寿 「海岸に打ち上げられてたボコを見つけて保護したのは私」

愛里寿 「他の目撃者を口封じして、ここで働けるように便宜を図ったのも私」

愛里寿 「『ボコは光に対して極端に皮膚が弱い人だから顔や身体を常に覆う必要がある。無理やり脱がせて万が一のことがあれば殺人罪で訴える』という設定で他の従業員を言い包めて、表向きは障害者雇用で雇ってるのも私」

愛里寿 「私はボコの為にそこまでしてきたんだよ」

みほ 「私だってボコの為なら何だってするよ」

愛里寿 「それだけじゃない。私はもうボコの愛を受け止めている」

愛里寿 「私のお腹の中には新しい命が


みほ 「えっ……」

ボコ 「そういうことしてねぇだろ! みほもいちいち真に受けてんじゃねぇよ」
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 17:07:21.66 ID:bu9QZX4V0
みほ 「だったら……」

みほ 「私もボコの赤ちゃん産む!」

ボコ 「何でそうなるんだよ……」

愛里寿 (こちらがブラフで言ったことを真に受けたみほさんの眼から光が消えたけど……)

愛里寿 (直ぐに立ち直った。私がライバルと認めたボコマニアだけのことはある)

愛里寿 「これでは埒が開かない」

愛里寿 「ただ……私がすべきことは自分のした行いや選択した結果に対し」

愛里寿 「戦車乗りと して最後まで責任を果たすこと」

みほ 「愛里寿ちゃん……」

みほ 「やるんだね!? 今……! ここで!」

愛里寿 「ええ!  勝負は今! ここで決める!」

ガシッ!

ガシッ!

みほ&愛里寿 「さあ、ボコ。私を選んで!」

ボコ「今ここで決めるのか? 聞いてないぞ!」
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 17:11:50.98 ID:bu9QZX4V0
麻子 「西住さんと島田愛里寿がボコのゴニョゴニョを一つずつ掴んでる」

優花里 「着ぐるみの上から的確に掴むとは流石西住流と島田流です」

華 「殿方のそういうところを握るというのはちょっと……」

沙織 (みぽりん、正念場だよ)
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 17:21:17.75 ID:bu9QZX4V0
ボコ (これどっちを選んでもオイラ、オッドボールじゃねえか!?)

ボコ (……)

ボコ 「あの、両方選ぶってのは……?」

愛里寿 「大して長くも生きてないけど、確信していることがある。何かを変えることの出来る人間がいるとしたら、その人はきっと、大事なものを捨てることができる人だ」

みほ 「何も捨てることができない人には、何も変えることができないと思う」

愛里寿 「つまり私とみほさんのどちらを捨てるか決められなかったボコの選択は……

みほ 「最低だよ」

グチャッ! グチャッ!

ボコ 「ギャアアオオ!↑ グオオオォ……↓」

ボコ 「……」
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 17:32:24.39 ID:bu9QZX4V0
華 「……ボコラ、完全に沈黙しました」

優花里 「西住流と島田流の連携による秘技、ダブルオッドボール……」

麻子 「ダブルの時点で最早オッドではない」

沙織 「……ボコラより怖いのは、私達人間ね」

355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 22:40:54.80 ID:bu9QZX4V0
これにて完結。HTML化依頼出して来ます。
昨年11月から元ネタ作品は地上波初放送とか映画とか展覧会とか博覧会とか盛り上がる中、このSSは盛り下がって終わった感があります。
それでも最後まで読んで下さった皆さんありがとうございました。
特にコメント頂いた方々ありがとうございました。
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/08(月) 01:28:57.70 ID:MxeU0StX0

完結おめでとうございます。
楽しい時間をありがとうございました。
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/10(水) 01:15:31.58 ID:IkdfBe3t0
>>356
1です
駄文に最後までお付き合い頂きありがとうございました
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