【ポケモン】しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」その2【クレしん】

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387 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/19(月) 21:29:01.16 ID:FDGs4cRn0
ジュナイパー『みんな、明日はいよいよ大大試練だね。今まで島巡りで培ってきたことを、ゼンリョクで出し切ろう!』

ヨワシ『でも、大大試練ってなにをするのかな?』

キテルグマ『名前からして、普通の試練や大試練とは一味違うってことよね』

フェローチェ『みなさんからお聞きになった話をまとめると、誰かと戦うのではないでしょうか?』

ミミッキュ『でも、しまキングたちは来ないって博士は言ってたよね』

ヨワシ『戦うとは限らないんじゃないかな。カキさんやマオさんの試練のように、ものを探したり、間違いを見つけたりするのかも』

キテルグマ『マサオくん、もう少し頭を働かせなさいよ。そんな子供だましな試練を二回もすると思う? それに、全国に放送されるのよ?』

ヨワシ『ご、ごめん……』

しんのすけ「わかった! お笑いの審査!」

ロトム図鑑「あるいはババ抜き」

キテルグマ『あたしの話聞いてなかったのかよ、あんたらは!』

しんのすけ「お笑いならテレビ映えすると思って」

フェローチェ『さすがしん様! ちゃんと自分たちが映されることも考えて予想するなんて!』

キテルグマ『どこがじゃ!』

ジュナイパー『絶対違うと思う』
388 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/19(月) 21:29:40.29 ID:FDGs4cRn0
ミミッキュ『大丈夫、みんな自信を持って』

しんのすけたち「!」

ミミッキュ『どんな試練が来ても、今までのように僕たちが力を合わせていこう。それで、みんなで島巡りチャンピオンになろう!』

ヨワシ『ボーちゃん……』

ミミッキュ『自分と仲間の力を信じれば、なれる!』スッ

ジュナイパー『そうだね! 今まで僕たちはそうやってたくさんの試練を達成してきたんだ。怖いものなんてないよ!』スッ

ボーちゃんの影の手の上に、カザマの翼が乗せられる。

ヨワシ『わかった、ボーちゃん! 僕やってみるよ!』スッ

キテルグマ『ここまで来たら、とことんやりましょ!』スッ

フェローチェ『あいも、しん様を勝利へ導けるのなら、みなさんに力をお貸ししますわ!』スッ

翼の上に次々と手やヒレが乗せられて、最後にしんのすけの手が乗っかる。

しんのすけ「よーし、いつもの奴行くゾ!」

ジュナイパー『アローラ防衛隊ッ!』

全員「『ファイヤーーッ!!』」
389 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/19(月) 21:30:23.66 ID:FDGs4cRn0
その頃、ハウの家では

ハウ「みんな、明日がんばろーねー! ゼンリョク出そーね!」

ハウは寝室の自分のベッドの上で、自分のポケモンが入っているボールたちに向かって呼びかけた。
もちろん、反応はないものの、心なしかどのボールからも気合の入った反応が帰ってきた気がする。
その中でハウは、ひとつのボールを手に取って話しかけた。

ハウ「君も、明日が晴れ舞台だねー。ガオガエンたちと一緒にゼンリョク出し切ろー!」
390 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/19(月) 21:31:16.68 ID:FDGs4cRn0
今日はここまで。
次回の更新は明日の夜です。

じゃ、そゆことで〜
391 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/19(月) 21:33:52.20 ID:FDGs4cRn0
【おまけ】

〜もししんのすけがカヒリと出会ったら〜

しんのすけ「あーミクリに弟子入りしたいなー」

???「ちょっとよろしいですか?」

しんのすけ「お?」

カヒリ「初めまして。あたし、カヒリと言います」

しんのすけ「おおっ! きれいなおねいさん! オラ野原しんのすけ5歳、暇なときはいつも浜辺に打ち上げられたナマコブシごっこしてますぅ」

カヒリ「……失礼ながら、ライチさんの大試練、空から見ていました。ヨワシに群れをまとわせられるトレーナーは中々いないので、驚きましたね」

カヒリ「最初は5歳でカプに選ばれたという話を聞いてうさんくさいと思っていましたが……なるほど、あなたはまだ幼いですが、もっと経験を積めば、間違いなく世界に羽ばたける実力者になれると思います」

しんのすけ「えっ? オラ天狗みたいに羽が生えて宇宙に飛んでっちゃうの?」

カヒリ「そういう意味での羽ばたける、という意味ではありません! 才能があるということです!」

しんのすけ「おねいさんオラを見る目ありますなあ、オラに惚れた?」

カヒリ「はあ……なんか調子、狂いますね」
392 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/19(月) 21:34:43.31 ID:FDGs4cRn0
しんのすけ「ところでカヒリのおねいさんってゴルフやってんの? 背中に5番アイアンしょってるけど」

カヒリ「5番アイアンとは違いますが……そうです。あたしはポケモンとゴルフを極めるため、世界中を巡っています。今はたまたま故郷のアローラに戻ってきたのです」

カヒリ「あなたの親がゴルフをなさっているのですか?」

しんのすけ「まあね、とーちゃんがいつも接待でゴルフやってんの。あとたまにかーちゃんがキャバクラから帰ってきたとーちゃんを5番アイアンでシバいてるの何度か見たから名前覚えちゃった」

カヒリ「そ、そうですか……」

カヒリ「……実はあたし、数年前にこのアローラの島巡りチャンピオンになりました。ですから、あなたの先輩ですね」

しんのすけ「いやぁオラ、おねいさんの後輩になれるなんてこーえーですなあ」

カヒリ「しんのすけくん、島巡り頑張ってください。あたし、次にあなたと会うときはゼンリョクで相手します!」

しんのすけ「オラはおねいさんとゼンリョクでおデートできればそれでぇ」

カヒリ(博士に呼ばれて来たのですが……ライチさんの大試練の時と同じ子とは思えませんね。この態度と気迫の変わり様はなんなのかしら)

カヒリ「では……失礼します」

しんのすけ「ほっほーい! またねー」
393 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/19(月) 21:36:43.03 ID:FDGs4cRn0
【おまけ】

フェローチェ『しん様、お願いがあるのですが……』

しんのすけ「なに?」

フェローチェ『一度、あいの技を見て欲しいの。どれだけしん様のお役に立てられるか、キチンとアピールしたいのですわ』モジモジ

しんのすけ「えぇーめんどくさ」

フェローチェ『そうおっしゃらないで。きっとあいの魅力に気付けますから』ガシッ

キテルグマ『ケッ、よく言うわよ』

フェローチェ『なによ、あなた』キッ

キテルグマ『離してあげなさいよ、しんちゃんが嫌がってるじゃない!』ガシッ!

フェローチェ『あなたには関係なくってよ!』ググッ

ギチギチギチ

しんのすけ「あのオラ真っ二つになっちゃいそうなんですけど!」グググッ
394 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/19(月) 21:38:33.17 ID:FDGs4cRn0
キテルグマ『えっらそうに! だいたい、あたしが先にしんちゃんにゲットされて旅してきたのよ』

フェローチェ『なにを言い出すのやら。ポケモンにとって大事なのはトレーナーに頼りにされるか、そうではなくって?』

キテルグマ『なによ! ちょっと触っただけでポッキリ折れそうな身体のクセに!』

フェローチェ『鈍重そうな身体。起き上がるのもさぞかし大変でしょうね』

キテルグマ『なんですってええ!!』

ジュナイパー『まぁまぁ2人とも』

ヨワシ『落ち着いてよ〜。ホントにしんちゃんが死んじゃうって』

キテルグマ&フェローチェ『ふんっ!』パッ

しんのすけ「あー、裂けるチーズみたいになるとこだった」

ジュナイパー『……あいちゃん、言っちゃあなんだけど、なんでしんのすけにあそこまでアピールするんだい?』

フェローチェ『しん様は、二度もあいの命を救ってくださったもの。一度はアーカラで、二度目はウルトラスペースで……』

フェローチェ『それに、しん様はわたくしに『あい』という名前を授けていただきました。これはしん様があいをあいたらしめさせてくれる証ですわ』

キテルグマ『あんた変よ』

キテルグマ『えっらそうに! だいたい、あたしが先にしんちゃんにゲットされて旅してきたのよ』

フェローチェ『なにを言い出すのやら。ポケモンにとって大事なのはトレーナーに頼りにされるか、そうではなくって?』

キテルグマ『なによ! ちょっと触っただけでポッキリ折れそうな身体のクセに!』

フェローチェ『鈍重そうな身体。起き上がるのもさぞかし大変でしょうね』

キテルグマ『なんですってええ!!』

ジュナイパー『まぁまぁ2人とも』

ヨワシ『落ち着いてよ〜。ホントにしんちゃんが死んじゃうって』

キテルグマ&フェローチェ『ふんっ!』パッ

しんのすけ「あー、裂けるチーズみたいになるとこだった」

ジュナイパー『……あいちゃん、言っちゃあなんだけど、なんでしんのすけにあそこまでアピールするんだい?』

フェローチェ『しん様は、二度もあいの命を救ってくださったもの。一度はアーカラで、二度目はウルトラスペースで……』

フェローチェ『それに、しん様はわたくしに『あい』という名前を授けていただきました。これはしん様があいをあいたらしめさせてくれる証ですわ』

キテルグマ『あんた変よ』

フェローチェ『こうなったら、どっちが好きか、どっちが頼りになるか、しん様に決めてもらいませんこと?』

キテルグマ『望むところよ! しんちゃん!』
395 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/19(月) 21:39:18.91 ID:FDGs4cRn0
しんのすけ「も〜なーにー?」

キテルグマ『あたしのほうが好きよね? 頼りになるわよね?!』

しんのすけ「えー?」

フェローチェ『あいですよね?!』

キテルグマ『はっきりさせなさいよ!』

フェローチェ『あなたには答える義務があります!』

しんのすけ「……あのねえ」ジロッ

しんのすけ「オラ、ポケモンには興味ないの。邪魔だからあっち行くかボールに戻って」

フェローチェ『……ッ!』
396 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/19(月) 21:39:50.74 ID:FDGs4cRn0
キテルグマ『白けるなぁ。ああいうのがダメなのよ、しんちゃんは。でも、人間とポケモンじゃあ仕方ないか』

フェローチェ『……かっこいい///』ポッ

キテルグマ『えっ』

フェローチェ『やっぱりしん様は他の方とは違う何かを持っていますわ!ゼッタイにあいの方へ振り向かせてみせますわん!』デレデレ

キテルグマ『……アンタ絶対変よ』

フェローチェ『しん様〜!』

ジュナイパー『くそーなんであんな奴があいちゃんに……』

ヨワシ『あいちゃん……僕も助けたのに』ウルウル

ミミッキュ『女心は、難しい』
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/19(月) 21:51:01.53 ID:HGyeBvF10

百戦錬磨の野原一家に影響与えるとかウツロイドの毒恐るべし
ハンサムさんはSMLとか温泉Gメンとかとつながり会ってしんのすけ達の事知ってるかと思ってた
6匹目は入れない方向か?そういやシロがバトル止められてる理由って何だ?
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/19(月) 22:03:10.15 ID:LERRLYJSO
乙です。

>>397
飼い始めた当時はトレーナーじゃないからバトルしない約束してたとかじゃないですかね?

今は(コケコに認められて例外的に)島巡りもしているので6体目にしても大丈夫そうですが。

現在の面子が草霊・水・無格・霊妖・虫格……タイプが被っている割りにはバランス良いですよね(飛行にやや弱い気もしますが)
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/19(月) 22:11:12.60 ID:Q95sg9az0
カスカベのみんなが中継見てる様子とか書いて欲しい
400 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:23:38.26 ID:Pr7L8+H70
翌日

ハウオリシティ 船着場

しんのすけとハウはそれぞれ大大試練の為の準備を終えて、港に集まっていると、ククイ博士とウラウラのしまキングクチナシ、そしてアセロラが待っていた。

アセロラ「しんちゃんお久しぶり! 元気そうでなによりだよ!」

しんのすけ「アセロラちゃんもお久しぶりぶりー」

ククイ博士「2人とも……いよいよだね」

ハウ「うんー。緊張して、いっぱいマラサダ食べてきちゃったー」

しんのすけ「なんでおじさんもいるの?」

クチナシ「博士から聞いているだろ? ウラウラ島はラナキラマウンテン、そこで大大試練をすることになってるんだ。カプの村への案内役だよ」

ハラ「ハウ、多くは言わん。ひたすらゼンリョクを出して大大試練に挑むのですぞ!」

みさえ「しんのすけも、頑張って! ママもパパも、みんな応援してるから!」

ハウ「うんー! おれー絶対に島巡りチャンピオンになるからねー!」

しんのすけ「いってきまーす」

クチナシ「じゃ、行こうか。旅は道連れってね」ニヤッ
401 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:24:45.32 ID:Pr7L8+H70
ウラウラ島 カプの村 ラナキラマウンテン麓

クチナシ「ここがラナキラマウンテンの麓だよ」

しんのすけ「でけー」

アセロラ「あのリフトに乗って登っていくんだよー。でも、アローラでは珍しく寒いから気をつけてね!」

しんのすけ「アセロラちゃんも行ったことあんの?」

アセロラ「キャプテンになるとき、ちょっとね」

アセロラ「アセロラ、しんちゃんもハウくんもどっちも応援してるからねー。エーテルハウスで子供達と見てるから!」

クチナシ「ま……2人ともゼンリョク出していきなってことだ。大大試練でなにがあろうとね」

ハウ「ここまで案内してくれてありがとー!」

しんのすけ「寒いのかーやだなー」

ククイ博士「よーし、それじゃあリフトに乗るよ!」
402 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:26:54.79 ID:Pr7L8+H70
ラナキラマウンテン 山頂

ハウ「う、うう寒いよー!」ブルブルッ

しんのすけ「やっぱりSSだからあっという間に着いたね」

ハウ「てゆうか、博士は寒くないのー?」

ククイ博士「平気さ! ぼくの心はブラストバーンよりも燃えている!」

しんのすけ「精神論って奴ですな」

ククイ博士「……それにしても、僕たちも随分遠くまで歩いて――ようやくここへ辿り着いたんだね」

そう言うと、ククイ博士はぐるりとラナキラマウンテンの山頂から大地を見下ろす。雪景色の中で、遠くにアローラの海が広がる。よく見れば、他の島やエーテルパラダイスが豆粒のように小さくだが見える。

ククイ博士「思い出さないかい? 君たちが最初にハラさんからポケモンをもらって、旅に出て……」

ククイ博士「4つの島をめぐり、試練と大試練を乗り越え……」

ククイ博士「スカル団と戦い、エーテル財団の闇に立ち向かい、ウルトラビーストにも負けなかった」

ククイ博士「たくさんの試練を経て、僕たちは今、ここにいるんだ!」
403 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:28:42.00 ID:Pr7L8+H70
しんのすけ「あのっ、はかせのお話よーくわかりました! だから早く行こうよーオラ大大試練前に凍え死んじゃいそう!」ガタガタ

ハウ「お゛、お゛れ゛も゛や゛ばい゛がも゛―!」ガタガタ

しんのすけ「オ、オラもとんしょくになりそう……」

ククイ博士「それを言うなら、凍傷だろ」

ククイ博士「よーし、あそこに中に入れる場所があるんだ。そこで大大試練を行うんだよ」

しんのすけとハウ、続いてククイ博士が目の前にある洞窟の中へと入ると、あちらこちらに輝く鉱石が壁から生えている長い通路を歩いた。

そして、階段を登っていくと、頭上が透明のクリスタルで覆われた広間へとたどり着いた。周りには壁に沿うように放送用の機材が設置されており、クリスタルの向こう側には夕日が広がっている。

ハウ「ここが大大試練を行う場所なのー?」

ククイ博士「ああ、そうだよ!」

しんのすけ「ひろーい。野球とか出来そう。ひょっとして大大試練って野球なの?」

ククイ博士「まさか! それよりしんのすけ、君のぶりぶりざえもんを借りるよ!」

ロトム図鑑「なにをするつもりなのだ?」

ククイ博士「ライブ中継の手伝いだよ。機材と接続して、カメラを回したり、通信を安定させるようサポートして欲しいんだ」

ロトム図鑑「いいだろう。だが、後で収益の半分はよこせよ」
404 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:29:40.42 ID:Pr7L8+H70
ハウ「博士―、大大試練ってなにをすればいいのー? そろそろ教えてもいいんじゃないー?」

しんのすけ「あまり焦らさないでよ、はかせ」

ククイ博士「ああ、だけどその前に君たちに言っておくことがある」

ククイ博士「まずは、よくここまで来たぜ! 島巡りでの試練、大試練をすべて達成! 本当におめでとう!!」

ハウ「えへへー」

ククイ博士「最後に残るのは! 大大試練挑戦! お楽しみはこれからだ!」

ククイ博士「ラナキラは、島巡りの仕上げをおこなう場所! さらに伝説のポケモンに敬意をこめて、空に一番近いここで執り行われる!」

しんのすけ「伝説のポケモンといえば、ほしぐもちゃんとリーリエちゃんも見てるのかな?」

ククイ博士「もちろん!リーリエには真っ先に放送があるって伝えたからね。彼女も絶対に見ます、と自分のことのように意気込んでたよ!」

ハウ「リーリエもみんな見てるからー、絶対に達成しなきゃねー」

しんのすけ「オラのかわいい姿が全世界に生中継されるなんて……は・ず・か・し・い///」

ハウ「いつもおしりとか出してるのにー恥ずかしいもへったくれもないと思う」
405 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:30:33.61 ID:Pr7L8+H70
ククイ博士「さぁ、放送が始まる時間だ! ぶりぶりざえもん、準備いいかい?」

ロトム図鑑「準備OKだ。放送スタートだ」

ククイ博士「よーし、たった今から放送が始まったよ。これから、大大試練の内容を伝えるね」

ククイ博士「大大試練の内容――それは」

しんのすけ&ハウ「……」ゴクッ

ククイ博士「君たちがポケモン勝負で戦うこと!」
406 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:32:20.48 ID:Pr7L8+H70
しんのすけ&ハウ「えっ?!」

ククイ博士「1人だ!」ビシッ

ククイ博士「島巡りチャンピオンになれるのはたった1人だけだ!」

ククイ博士「キャプテンから課せられた試練を越えて、しまキングとクィーンとの戦いを越えて――」

ククイ博士「そして最後には、一緒に困難を切り抜けてきた友も越えて――そこでやっと、君たちのうちどちらかが島巡りチャンピオンになれる!

ククイ博士「ポケモンと試練を乗り越えた強さと、お互いを知り尽くした友との戦いに勝つ心の強さ、その2つの強さを持つものが島巡りチャンピオンになれると、しまキングたちは判断した!」

しんのすけ「ほーほー……」

ククイ博士「君たちは親しい友の敗北を乗り越えるための覚悟は出来ているかい?」
407 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:33:07.54 ID:Pr7L8+H70
ハウ「……」

ハウ「しんのすけ!」キッ!

しんのすけ「ほい!」

ハウ「おれーしんのすけが相手でも負けないからねー!」

しんのすけ「おおっ、ハウくんすごい気迫」

ハウ「本気の真剣勝負だよー! おれとーポケモンたちのーゼンリョクをぶつけて勝つからね!」ビシッ!

しんのすけ「おーし、オラだって負けないゾ! オラのゼンリョク、受けるがいい!」

ドドドドド!

ククイ博士「うん、2人ともすさまじいきあいためだ! 激しい技のやりとりからうまれるすごいポケモン勝負、期待してるぜ!」

ククイ博士「しんのすけ! ハウ! 島巡りのトリを飾り、新しいチャンピオンを生み出すにふさわしいポケモン勝負をしよう!!」

ククイ博士「それでは、島巡り最後の締めくくり――大大試練、始め!!」

大 大 試 練 開 始 !!
408 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:50:26.52 ID:Pr7L8+H70
♪〜戦闘! チャンピオン〜


ポケモントレーナーの ハウが
勝負を しかけてきた!

ハウ「行くよーライチュウ!」ヒョイッ

しんのすけ「ボーちゃん、レッツラゴ!ー」ヒョイッ

ライチュウ「ライラーイッ!」ポンッ!

ミミッキュ『ボーッ!』ポンッ!


同時刻
〜メレメレ島 リリィタウン〜

イクヨーライチュウ!
ボーチャン、レッツラゴー!

ハラ「むおっ、始まりましたな」

ひろし「まさかしんのすけとハウくんの一騎打ちなんてな……」

みさえ「ハラさんもこの大大試練の内容を考えたんですよね。どういう理由で決めたんですか?」

ハラ「うむ……ハラを断つ思いで決断しましたな」

ハラ「本音を言えば、しんのすけもハウも、心身ともに島巡りを経て強くなりました。このようなことをせずとも、彼らは島巡りチャンピオンになれる資質があります。このハラも、そうさせてあげたかったですな」
409 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:51:15.11 ID:Pr7L8+H70
ハラ「ですが……2人とも島巡りチャンピオンになれば、いずれ自分の力に溺れ、驕ってしまう。自分たちが勝つこと、負けることの意味を知らずに育っていくでしょうな」

ハラ「この大大試練で敗者はもとより、勝者は親しい者を乗り越えなければいけない覚悟を背負わなければなりません」

ハラ「そしてなにより、勝つことと負けること……それを越えたものを彼らに知ってもらうために、2人に戦ってもうことになりましたな」

ひろし「言うことは正しいが、これはどっちを応援すりゃいいのか分かんねぇな……」

みさえ「私も、複雑な気持ちね……」

ひまわり「たい……」

グズマ「……」
410 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:52:23.64 ID:Pr7L8+H70
〜エーテルパラダイス〜

グラジオ「互いの手を知っている仲間同士のポケモン勝負、か。しまキングたちも考えたもんだな」

リーリエ「わたし……しんちゃんとハウさん、どっちを応援すればいいのかわからないです」

グラジオ「……だろうな。その気持ち、わからんでもないが、オレはどちらに肩入れするつもりはない」

グラジオ「オレにはこの大大試練の本質が、ポケモン勝負の勝ち負けとは別のところにあると思う」

リーリエ「勝ち負けとは別、ですか?」

グラジオ「そうだ。2人が勝ち負けを越えたものに早く気付けるか、そこが勝負の分かれ目になるだろう」

グラジオ「……リーリエ。オマエも1人のトレーナーとしてこの戦い、微塵も見逃すなよ。そして、しんのすけとハウが得たものを理解するんだ」

リーリエ「はい! わたしも、しんちゃんとハウさんの戦い、最後まで見届けるつもりですから! 2人とも、勝ち負けを越えたものを見つけられるよう応援します!」

グラジオ(この大大試練は甘さを見せたほうが脱落する。だが、この2人なら……あるいは)

グラジオ(勝ち続けることの意味……それをしんのすけとハウは知ることができるか? オマエたちの行く末、オレが見届ける!)
411 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:53:41.46 ID:Pr7L8+H70
ハウ(やっぱり来たねーボーちゃん)

しんのすけ「ピカチュウとライチュウ対決、ですな」

ハウ「そりゃー見た目だけだよー」

ハウ「ライチュウ、10まんボルト!」

ライチュウ「ラーイッ! チュウウウッ!!」バチチチッ!!

ミミッキュ『ボーッ!』シューン!!

ライチュウは全身から電撃をボーちゃんに向けて放ち、すぐさまボーちゃんも光の壁を出現させる。
しかし、光の壁を貼り終えるよりも早く、ボーちゃんに10まんボルトが直撃する!

ミミッキュ『ボッ……!』カクンッ

ジュナイパー(ボール)『あのライチュウ、早い!』

しんのすけ「でんじはは使えないの?」

ジュナイパー(ボール)『無理だよ。相手はでんきタイプだから、まひさせる事はできないんだ』

ミミッキュ『でんじはでまひして身動きを封じる作戦は取れない。なら……』

ハウ(たぶんボーちゃんはおにびか、のろいをかけてくるかなー? だけど、させる前に倒させてもらうからねー!)
412 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:55:01.39 ID:Pr7L8+H70
ハウ「ライチュウ、スパークー!」

ライチュウ『ライラーイッ!』ゴウッ!

ミミッキュ『えいっ!』ボウッ!

ライチュウが電気をまといながら、サーフテールに乗ってボーちゃんに急接近してくると同時に、ボーちゃんも頭上に火の玉を3つ出現させてライチュウに向けて放つ!

ライチュウ『ライライチュウ!』サッサッサッ!!

ミミッキュ『は、はやい!』

襲い来る火の玉に身体を傾けながら避けていくと、ライチュウはボーちゃんに電気をまといながら突進した!

ドンッ!

ミミッキュ『ボ……!』ザザザッ!

ハウ「まだまだー! ほっぺすりすりだよー!」

しんのすけ「ほっぺすりすり……?」

ライチュウ『ラーイッ!』ギュンッ!

サーフテールから飛び降りたライチュウは頬に電気を溜めながらボーちゃんに接近すると、そのまま顔を近づけて擦り寄った。
413 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:57:24.10 ID:Pr7L8+H70
ライチュウ「ライライチュウ///」スリスリバチバチッ!

ミミッキュ『ボボボボボボ!』ビリビリビリ!!

しんのすけ「頬ずりされてるのにボーちゃんビリビリしてる!」

ミミッキュ『ボ……身体が痺れる……!』バチッ、バチッ

ジュナイパー(ボール)『ボーちゃんがまひになっちゃうなんて……!』

ハウ『そのままもう一度スパークだよー!』

ライチュウ『ラーイッ!』バチチチッ!

再びライチュウはサーフボードに飛び乗ると、電撃をまとって再びボーちゃんへ突撃する!

ミミッキュ『ボ!』ジャキンッ!

すれ違いざま、痺れる身体をこらえて、ボーちゃんは影の鼻水を爪に変形させてライチュウに向けて振り下ろした!

ライチュウ「ライッ……!?」ザクッ!!

ミミッキュ『ボッ……』バチチッ

しんのすけ「ボーちゃん、だいじょぶ?」

ミミッキュ『ボ……あのライチュウ、とても早くて隙が無い。たぶん、僕におにびとかのろいを打たせないために速攻をかけてきてる。光の壁が張れて攻撃出来ただけでも幸い』
414 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 19:58:23.22 ID:Pr7L8+H70
しんのすけ「んーどうしよっか」

ミミッキュ『……とっておきの奥の手が、ある』

ジュナイパー(ボール)『奥の手?』

ミミッキュ『うん。でも……その奥の手使ったら、僕も力尽きちゃう。しんちゃん、どうする?』

しんのすけ「……やれやれ、このままボーちゃんが猫死にするのやだし、仕方ないか」

ミミッキュ『わかった。あと、猫死にじゃなくて、犬死にだよ』

しんのすけ「じゃあ奥の手ってバレないようにおにびとかやっちゃおうよ」

ミミッキュ『ボー!』

再び彼の周囲に青白い火の玉が出現する。

ハウ(せめてライチュウをやけどにさせてから退場ってところかなー? ここからが勝負どころだねー。どこまでボーちゃんのサポートを抑えられるか……)

ハウ「一気に決めるよー! ライチュウ! ボルテッカー!」

ライチュウ「ラーイッ……」バチチチチッ!!
415 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:01:10.46 ID:Pr7L8+H70
唸り声を上げると、激しい電撃が発生してライチュウを覆っていく。やがて、青い球体をまとい周囲の石が浮遊する。

ククイ博士「ボルテッカー……! ライチュウ系統だけが扱える、でんきタイプ最強のワザ! そこまで覚えていたとは!」

ハウ「行けー! ライチュウー!」ビシッ

ライチュウ「ヂュウウウゥッ!!」ゴウッ!!

ライチュウ自身が電気玉と化しながら、地面をえぐりおにびもかき消しながら、ボーちゃんへと突っ込んでいく!

しんのすけ「ボーちゃん!」

ミミッキュ『ボ!』ギンッ

ククイ博士「!」

バチッ!バチッ!バチッ!

時折バチバチと電気を大きく弾けさせ、ライチュウはボーちゃんへと突進し、壁に叩きつけるほどのスピードで跳ね飛ばした!

ドンッ!

ミミッキュ『うっ……』ドサッ

しんのすけ「ボーちゃん! 奥の手使うんじゃなかったの?」

ミミッキュ『……あとは……しんちゃんたちに……任せた』ガクッ

しんのすけ「そんなぁ」
416 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:02:11.95 ID:Pr7L8+H70
ハウ「やったー! ボーちゃんを倒せたー!」

ライチュウ「ライラーイ!」

しんのすけのパーティーの中で一番の厄介者であるボーちゃんを倒せて喜ぶハウ。しかし、ククイ博士は厳しい目でハウ、そしてミミッキュを見据えていた。

ククイ博士「……果たしてそうかな?」

その言葉が異変の皮切りになった。
突然、ボーちゃんの姿が被っているピカチュウの形をしたボロ布だけになった。
そして、ボーちゃんの本体らしき黒い塊が超光速でライチュウに接近すると、巨大化して覆い尽してしまった!

しんのすけ&ハウ「!?」

ライチュウ「ラ、ライッ!?」

ゴポッゴポポッ!

ライチュウ「ライッ! ライイイッ!」

ハウ「どうしたのー!? ライチュウ!!」

驚愕するしんのすけとハウ。
そして、あぶくが立つような音がひとしきり収まると、黒い塊が動き出して、ボロ袋へ戻っていく。
そして、力尽きてひんしになったライチュウが、地面に転がった。

ライチュウ「」
417 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:03:55.23 ID:Pr7L8+H70
ハウ「えー! そんなー!」

しんのすけ「ほーほー……」

ククイ博士(みちづれ……ボーちゃんが初めて見せる技だね)

ハウ「うー、ライチュウありがとー! 引き分けでも、ボーちゃんを倒せたもんねー」シュンッ

しんのすけ「ボーちゃん、ハウくんに好かれてますな。あとはみんなにお任せあれ」シュンッ

キテルグマ(ボール)『好かれているんじゃなくて、警戒されてるんでしょ』

ミミッキュ(ボール)『だね』

ジュナイパー(ボール)『ハウさん……敵にすると本当に強い相手だ!』
418 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:06:04.60 ID:Pr7L8+H70
同時刻 ポニ島

ハプウ「ふむう、相討ちか」

ハプウ「ハウはいい線行っておったな。しんのすけのミミッキュ……ボーちゃんとやらは、攻撃の起点にされるからのう。下手をすればヤツ1匹で勝敗が左右される。スピードと威力にモノを言わせて短期決戦を挑むのは正解とも言える」

ハプウ「だが、みちづれまで読みきれなかったのが失策じゃったな。もっとも、今のしんのすけの反応から見るにあやつも知らなかっただろうが……」

ハプウ「しんのすけたちのポケモンは、次にどんな出方をしてくるかわからない――それがあやつらの恐ろしいところであり、面白いところじゃ」

ハプウ「さぁて、次は何を見せてくれるのかのう。2人とも楽しみじゃ!」
419 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:08:06.38 ID:Pr7L8+H70
ハウ「しんのすけー! 最初は引き分けだったけれどー、次は負けないからねー!」スッ

しんのすけ「かかってきなさい!」スッ

ハウ「行くよー! ネッコアラ!」ヒョイッ

しんのすけ「ネネちゃん、レッツラゴー!」ヒョイッ

ネッコアラ「グーグー……」ポンッ!

キテルグマ『あたしの出番ね! 行くわよっ!』ポンッ!

ハウ「よーしネッコアラ、かわらわり!」

ネッコアラ「グー……!」ダッ!

ネッコアラは立ち上がると、手に持っているまくら木を抱えて走り出した! ネネも手に持ったピッピ人形を両手で握り締めて身構えた。

ネッコアラ「スピー!」ブンッ!!
420 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:08:55.20 ID:Pr7L8+H70
バリンッ!
ズンッ!

キテルグマ『――重ッ!』ググッ

光の壁を砕いた一撃が、そのままネネに振り下ろされる。かろうじてネネはピッピ人形で防ぐものの、互いに力の比べ合いが始まった。

ジュナイパー(ボール)『ボーちゃんが張った光の壁が壊されちゃった!』

しんのすけ「寝たまま攻撃するなんて、器用ですな」フムフム

キテルグマ『舐めるんじゃないわよっ! 起きて戦ってみなさいよ!』グググッ!!

ミミッキュ(ボール)『いや、ネッコアラは生まれてから死ぬまで寝てるから無理』

ハウ(このまま押し切るとーまた攻撃を我慢されちゃうかもしれないねー)

ハウ「ネッコアラー! そのままあくびだよー!」

ネッコアラ「ふぁ……」

キテルグマ『うっ!』モアッ!

キテルグマ『気持ちわるいわね! 離れなさいよ!』ブンッ!
421 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:09:52.98 ID:Pr7L8+H70
ネネはあくびして力を抜いたネッコアラを振りほどいたかと思うと、目の前がぼやけてくらくらしはじめた。

キテルグマ『う……なにこれっ』フラッ

しんのすけ「どした? なんか酔っぱらっちゃったみたいだけど」

ジュナイパー(ボール)『さっきのあくびだ! あくびでネネちゃんが眠りそうになってるんだよ!』

しんのすけ「あくびが移っちゃったのかーよくあるある」

ヨワシ(ボール)『感心してる場合じゃないよー。このままじゃネネちゃん眠っちゃうよ!』

キテルグマ『こんなあくびくらいで、眠ってたまるもんですか!』ギュッ

キテルグマ『おりゃあああっ!!』グワッ!

ハウ「ウッドハンマーで迎え撃とー!」

ネッコアラ「グー……!」ブンッ

ネネは眠気をこらえつつ、ピッピ人形を握ってネッコアラにアームハンマーを繰り出す! ネッコアラもまくら木を抱えて、逆袈裟に振り上げるようにピッピ人形とぶつかり合う!

バチッ!

キテルグマ『うっ!』

しんのすけ「ピッピ人形が飛ばされちゃった!」
422 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:10:55.41 ID:Pr7L8+H70
ハウ「隙アリー! 押し切っちゃえー!」

ネッコアラ「グゥー!」ブンッ!

ネッコアラのウッドハンマーがネネの頭にヒットする!

キテルグマ『うあっ!』フラッ

ドサッ

キテルグマ『ううっ……』クラッ

キテルグマ『……』zzz

しんのすけ「……倒れちゃったの?」

ククイ博士「いや、あくびの効果で眠ってるから、まだ倒れた扱いになってないよ」

ハウ「ここで一気に決めるー! 我慢を爆発させたらーこっちがやられちゃうしー」

ハウ「ネッコアラ! たたきつける!」

ネッコアラ「スピー……!」ブンッ!

キテルグマ『うあっ!』ドゴォ!
423 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:13:35.16 ID:Pr7L8+H70
ハウ「続いてこうそくスピンー!」

ネッコアラ「ムニャムニャ」ギュルルン!

まくら木を軸にコマのように回転しながら、ネッコアラはネネに体当たりを繰り返す!

ドコドコドコッ!!

キテルグマ『ううっ! うっ!』

しんのすけ「おわっ、ネネちゃん早く起きてー! ママー朝だぞー! 起きてー!」

ハウ「まだまだー!」

キテルグマ『うぅ……』
424 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:16:20.52 ID:Pr7L8+H70
ネッコアラに眠らされたネネちゃんは、赤い原野に立っていた。空を見上げると、赤い月が昇っている。

キテルグマ『んっ……ここは?』

ゾワッ!!

キテルグマ『!!』

「へへー……こんなところでなにしてるの?」
425 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:18:11.86 ID:Pr7L8+H70
突然強い気配がして振り返ると、キテルグマの目の前に、自分と同じくらいの大きさのピッピ人形が立っていた。

キテルグマ『え?』

ピッピ人形「ネネちゃん約束したよね? 必ず1匹は倒して、勝つって」

キテルグマ『え?』

ピッピ人形「へへー♪ あたしに嘘ついたの? ねぇねぇ、嘘ついたの?」

キテルグマ『そ、そんな……ネネ、嘘なんて』

ピッピ人形「さんざんわたしを武器にしてうさ晴らしに使って、挙句の果てには約束を破る。ずいぶんいい身分ね」

じりじり、とピッピ人形が赤い月をバッグに詰め寄ってくる。ネネも後ろへ下がろうとするが、恐怖のあまり足がすくんで動けない。

ピッピ人形「ネネちゃんの武器になって、うさ晴らしの道具になるのが私の存在意義なの。いっぱい私を叩いてくれないと困るの」

ピッピ人形「じゃないと、ネネちゃんのカラダ、乗っ取るから。へへー♪」

キテルグマ『ひ……ひいいっ!』
426 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:19:32.29 ID:Pr7L8+H70
キテルグマ『いやぁぁぁっ!!』ブゥンッ!

ネッコアラ「スビッ!?」ドゴォッ!!

ネネが悪夢を振り払うように思いっきり薙いだ拳が、ネッコアラにクリーンヒットした! 何度も何度も拳を振り回す。

キテルグマ『来ないで来ないで来ないで!!』ドゴッドゴッドゴッ!!

ネッコアラ「グッ……ズビッ!」

ハウ「あちゃー、眠っててもダメだったかー」

しんのすけ「おおっ、寝てても我慢するなんてネネちゃんやるー!」

ジュナイパー(ボール)『ホントにそうかな? なんか怖がってるように見えるけど』

キテルグマ『ハァハァ……夢、だったの? 今のはなに?』

ジュナイパー(ボール)『ネネちゃん、ぼーっとしてないで! しっかり!』

ハウ「だけど、向こうも相当ダメージを負ってる……。よーし、ここが勝負どころだ!」

ハウ「ネッコアラー! ウッドハンマー!」

ネッコアラ「グゥー……!」グワッ

キテルグマ『ハッ! そうだった! よくわからないけど、ネネ、こいつを倒さなきゃいけないんだっけ!』

まくら木を抱えて迫るネッコアラに対して、ネネもピッピ人形をすぐに拾って構え、攻撃の態勢を取る。
427 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:20:53.29 ID:Pr7L8+H70
ネッコアラ「スピー……!」ブンッ!

キテルグマ『おりゃああっ!!』ブゥンッ!

居合抜きをするように、互いの得物がそれぞれ相手に向かって振り抜かれていく。
ネネのピッピ人形はネッコアラの脇腹めがけて、ネッコアラのまくら木はネネの脳天めがけて振り下ろされる!

ドゴッ!
ドズムッ!

キテルグマ『うっ……!』クラッ

ネッコアラ「……!」フラッ

しんのすけ&ハウ「!!」

ほぼ同時に、キテルグマの頭にまくら木が、ピッピ人形がネッコアラの脇腹に当たって、両者が地面に倒れこむ……。

キテルグマ「」

ネッコアラ「」

ククイ博士「また、引き分けか……!」
428 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:21:58.10 ID:Pr7L8+H70
しんのすけ「こういうの、九と三分の一って言うんだっけ」

ハウ「五分五分、だよー」

ジュナイパー(ボール)『ネネちゃん、大丈夫?』

キテルグマ(ボール)『う、うん。なんとか引き分けに持ち込めたけど……さっきの感覚、なんだったのかしら』

ミミッキュ(ボール)『鬼気迫るものが、あった』

フェローチェ(ボール)『しん様、次は誰を出しますの?』

しんのすけ「それじゃーマサオくん、行きますか!」

ヨワシ(ボール)『任せてよ!』
429 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:23:30.96 ID:Pr7L8+H70
ハウ「シャワーズ! 行っておいでー!」ヒョイッ!

しんのすけ「マサオくん、レッツラゴー!」ヒョイッ!

ヨワシ(群れ)『いつもより派手にぶっぱなしてやるぜ!!』ポンッ!

シャワーズ「シャワワ!」ポンッ!

ハウ「みずポケモン対決だねー。今度は負けないよー!」キッ

しんのすけ「水着のおねいさんがいればもっと画面映えするかもね」

ハウ「こんな時でもそーゆーことしか考えないのー? シャワーズ、アクアリングだよー!」

シャワーズ「シャワッ!」ブクブクッ

ヨワシ(群れ)『なんだァ? あの輪っか』

ハウ(ハプウさんとの大試練とリーリエとの練習で、マサオに大きい攻撃当ててもー群れをバラバラにして避けちゃうことがあるからねー。だったら、確実に群れを減らすやり方で行くよー)

ジュナイパー『マサオくん! シャワーズはみずタイプだ! ハイドロポンプやねっとうを使うより、物理攻撃で攻めるんだ!』

ヨワシ『おうっ、このまま押しつぶしていくぜっ!』
430 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:24:39.99 ID:Pr7L8+H70
ゴウッ!

マサオが巨体を動かして、シャワーズに突進して攻め込んだ。マサオのとっしんを避けきれず、シャワーズの小さな身体が弾き飛ばされる!

ズズンッ!

シャワーズ「シャワ……ッ!」

ハウ「シャワーズ! どくどくだよー!」

シャワーズ「シャワーッ!!」バシャッ!

ヨワシ『なっ……!』ビシャッ!

シャワーズの口から放たれた紫色の液体がマサオの群れに飛び散った。ヨワシたちの群れに毒が行き渡り、何匹かのヨワシが群れから離れていく。

シャワーズ「シャワワ……」シュウシュウ

しんのすけ「なんか傷が塞がってない?」

フェローチェ(ボール)『あの輪っかがシャワーズの傷を治しているようですわん』

ジュナイパー(ボール)『そうか……! ハウさんは、マサオくんの攻撃を耐えて回復しつつ、どくで確実に体力を奪いに来たんだ!』

ヨワシ『群れをバラバラにして回避されるのを警戒してきやがったな』

ミミッキュ『それだけじゃない。シャワーズは、特性でみずタイプの技を受けると回復するから実質、マサオくんはハイドロポンプもねっとうも使えない』
431 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:25:56.00 ID:Pr7L8+H70
ヨワシ『マジで俺たちを倒そうとしてるのが伝わって来るぜ』

ヨワシ『その想いに答えてやんなきゃオスがすたるってもんだぜ! なぁしんのすけ!』

しんのすけ「おおっ、男らしい。いつもはへたれてるのに」

ヨワシ『るせーやい! 行くぜい野郎ども! 毒になんか負けんなよ!』

「ヨワーーーッ!」

マサオの号令で群れが一度バラけると、一斉にシャワーズへとなだれ込んだ。ほとんどそれぞれが体当たりするにとどまっているものの、次々とシャワーズにダメージを与えていく。

ドカドカドカッ!!

シャワーズ「シャワッ! シャワワッ!」

ヨワシ『そっちがチマチマ攻めるってんなら、こっちは一気に削りきってやるぜ!』

ククイ博士「うーむ、まさに『ふくろだたき』だね! ちょっと違うけど」

ハウ「シャワーズ、れいとうビーム!」

シャワーズ「シャワーッ!」ズピーッ!

押し寄せてくるヨワシたちに対して、シャワーズがなぎ払うようにれいとうビームを発射した。シャワーズに接近していたヨワシたちが次々と凍らされて地面に落下していく!

ヨワシ『やっべぇ! みんな戻れ!』
432 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:28:52.71 ID:Pr7L8+H70
れいとうビームを回避しつつ、マサオの呼びかけでヨワシたちが集まって再び群れた姿へと戻った。
しかし、れいとうビームで何匹かヨワシが撃墜されて、サイズが小さくなっている。更に毒によって、ヨワシが数匹ほど離れていく。

ビキビキビキッ!

ハウ(どんどん群れが離れていくねー。でも、まだ油断はできないやー)

ハウ「シャワーズ! シャドーボール!」

シャワーズ「シャワワーッ!!」ドンッ!!

ヨワシ『このっ!』ブシュッ!

シャワーズの口から影の球体が空を切り、マサオに向かって飛んでいく。すぐさまマサオはみずでっぽうで相殺しようとするが、毒でマサオ自身弱ってることもあり、まとっているヨワシの数が少ないため、そのまま押し切られて群れが大きく散らされてしまった。

ドンッ!

ヨワシ『ぐああっ!』

シャワーズ「……」シュウウウッ
さらにその間にも、アクアリングでシャワーズの体力が回復していく。

ジュナイパー(ボール)『厄介な奴だな。ここまで来たら、次の一発で仕留めないと群れが散っちゃうよ!』
433 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:30:35.40 ID:Pr7L8+H70
ヨワシ『おう……こうなりゃイチかバチかだ! しんのすけ! お前が見たいって言ってたワザ、今見せてやるよ!』

しんのすけ「おおっ、なになに?」

ヨワシ『野郎ども! ビーストと戦った時にやったアレ、やるぜ! あのちっこいのをブッ倒すぞ!』

ヨワシたち「ヨワーーッ!!」ドドドドドッ!!!

すると、再びマサオをまとっていた群れが分離する。今度はふくろたたきをするわけでも、技を回避するために取るわけでもない。

ハウ「マサオの群れが――」

ククイ博士「別のものに変わっていく!」

群れが巨大な魚の姿から、巨大ロボットの上半身へと形を変えていく。やがて、しんのすけの目の前には、慣れ親しんだロボットの姿が出来上がっていた!

しんのすけ「おおっ! カンタム!!」

ヨワシ『前に一度、お前の目を覚まさせるために見せてやったんだぜ。ま、覚えてねぇだろうが』

しんのすけ「いっけーマサオくん! カンタムパーンチッ!!」グッ!

ヨワシ(群れ)『行くぜぃ! うおりゃあっ!!』ドウッ!!

2つの豪腕を象ったヨワシたちがハイドロポンプによる推進力を得て、ロケットパンチの如くシャワーズへと飛んでいく!

ハウ「――!」
434 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:32:41.68 ID:Pr7L8+H70
すぐさまハウは回避を指示するも、それ以上のスピードでヨワシたちがシャワーズに突っ込んだ。

ドッゴォォォォォォッ!!!

大地を穿つ衝撃波と、爆発するようにヨワシたちがあたりに飛び散る。

しんのすけ「おーっ! マサオくんかっこいー!」ウキウキッ

ハウ「す、すごいー。今の技、なにー?」アゼン

しんのすけ「カンタムロボの必殺技、カンタムパンチだゾ」

ククイ博士(むしろヨワシの覚える技で言うなら、すてみタックルに近いね。それにしても、まさかあんな姿になってロケットパンチを放つとは……!)

霧が晴れると、倒れたシャワーズの姿があらわになり、同時にマサオのぎょぐんが解除された。

シャワーズ「シャ……シャワ」ピクピクッ

ヨワシ(単)『ううっ……もう毒が回って……動けないよぉ』クラッ
435 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:33:54.68 ID:Pr7L8+H70
同時刻 アーカラ島
コニコシティ

カキ「まさか3回連続で引き分けになるとは……! なんて熱い勝負だ!」

マオ「珍しいこともあるんだね!」

ライチ「それだけ、今のしんのすけとハウの実力は拮抗してるってことだよ。2人は一緒に島巡りしてきたからね。仲も良いし、お互いを知り尽くしているからよ」

スイレン「……」

マオ「どうしたの? スイレン」

スイレン「あっ、その……今のヨワシ……いえ、マサオさんの姿を見て、感動しちゃって」

ライチ「そういえば、あの子はせせらぎの丘でしんのすけにゲットされたんだっけね」

スイレン「はい。ライチさんとの大試練で群れを率いた瞬間が見られなかったのがとても残念ですが……こうして勝負を通して、立派な姿が見られただけでも満足です!」

スイレン(マサオさん……他のヨワシにいじめられていたあなたが、本当に、本当にここまで強くなりましたね。嬉しいです。しんのすけさんも、マサオさんのおやになって導いていただき、ありがとうございます!)
436 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:35:04.61 ID:Pr7L8+H70
ハウ「3回目も引き分けかー」

しんのすけ「運命の赤い糸的な何かを感じますなー」

ハウ「お互いのポケモンももう2匹しか残ってないんだねー! 勝負に夢中になってたら、あっという間だったよー!」

しんのすけ「アクション仮面とか見てたら、すぐ時間が過ぎちゃうよねー」

ハウ「でも、次のバトルからはもっともっと、楽しくなると思うよー。おれもーこの子を戦わせるのは初めてだからねー」スッ

ハウが手に持ったボールを掲げると、差し込んでいる光がきらりとボールの青いカラーと網目模様を照らした。

ククイ博士「ついに来たか! ハウ!」

しんのすけ「あれって、あいちゃんに入れてるボールと同じだ!」

ジュナイパー(ボール)『まさか!』

ハウ「行くよー! マッシブーン!!」ヒョイッ

マッシブーン「ブンブーンッ!」ポンッ!

筋肉そのものといえる赤い巨躯と、ダイヤモンドより硬くて長い口吻を持つ、異形のポケモンがウルトラボールから繰り出される。
437 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:37:42.86 ID:Pr7L8+H70
ジュナイパー(ボール)『ハウさんが、ビーストを!?』

しんのすけ「ほーほー……」

マッシブーン「ブーン!」サイドチェスト!

現れたウルトラビースト、マッシブーンは自らの存在をアピールするようにマッスルポーズを決めた。

しんのすけ「どこで捕まえたの?」

ハウ「ナイショー。さーしんのすけもあいちゃんを出しなよー。水対水の次はビースト対ビーストだー!」

しんのすけ「おーうっ!」スッ

しんのすけ「あいちゃん! レッツラゴー!」ヒョイッ!

フェローチェ『お任せくださいませ!』ポンッ!

ジュナイパー(ボール)『あいちゃーん!』

ヨワシ(ボール)『がんばって、あいちゃん!』

キテルグマ(ボール)『ケッ!』

あいとマッシブーンがそれぞれにらみ合う。マッシブーンが筋肉を膨張させて、あいも片足を前に出して構えを取った。
438 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:40:59.36 ID:Pr7L8+H70
同時刻 エーテルパラダイス

リーリエ「ハウさんがビーストさんをゲットなさっていたなんて……。にいさまは知っていたのですか?」

グラジオ「ああ……。母上が多くのウルトラボールを用いて多くのビーストを捕獲していたのは知っているな?」

リーリエ「はい、実際にカザマさんたちと一緒に、ビーストと戦いました」

グラジオ「そこで捕獲されたビーストたちは、ここで保護して生態の観察や研究することになったんだ。今アローラにいるやせいのビーストたちの保護に役立てるために。そして、いずれは人間とポケモン、ビーストたちが共存できるようにな」

グラジオ「なにより、ポケモンはトレーナーと供にいることで真価を発揮する……だから、おやがいるビーストの観察と研究も兼ねて、ハウに母上が捕獲していたビーストの1体を託したんだ。……さすがにウツロイドやアクジキングのような危険なビーストは渡せないがな」

グラジオ「あいつなら、ビーストもポケモンも隔てなく大事にしてくれるだろうからな。ハウも、ビーストと友達になれるのは嬉しい、と快く了承してくれた」

リーリエ「マッシブーンさんとハウさんが仲良くしている姿、目に浮かびますね」

グラジオ「この対戦は、世界中にも衝撃を与えるだろう。なにせ、アローラに災いをもたらしたビーストたちが、こうして2人のトレーナーが連れて、肩を並べて戦っているんだからな」

リーリエ「ビーストも世界こそ違うけれどポケモン……博士もそう言ってましたね!」
439 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:44:31.54 ID:Pr7L8+H70
最初に飛び出したのはあいだった。稲妻の如き速さでマッシブーンに近づき、けたぐりを放つ。

フェローチェ『やああっ!』ブンッ!

マッシブーン「……!」バッ!

ドッ!

だが、マッシブーンも攻撃が来るのを予測していたのか、すぐさま胸の前で両腕を交差して、けたぐりを防ぐ!

フェローチェ『はっ!』ダッ!

あいも負けず、素早く背後に回り込むと、背中に向けてもう一度けたぐりを放つ。

ドゴッ!

……だが、一撃で並みのビーストを屠れるほどのあいの蹴りに、マッシブーンはびくともしなかった。

マッシブーン「ブーン……」

フェローチェ『……さすがですわん』

ハウ「マッシブーン! かみなりパンチ!」

マッシブーン「ブーンッ!」バチチチッ!
440 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:46:44.17 ID:Pr7L8+H70
振り向きざまに、マッシブーンがあいに向けて電気をまとった裏拳を繰り出す! すぐさまあいはマッシブーンから離れるが、白くほっそりとした身体に、電撃が飛び散る!

フェローチェ『うっ! これは厄介ですわね……』

フェローチェ『驚きましたわ! ウルトラスペースにいた方々と違って、とても鍛え上げられていますわん! これがトレーナーに育てられたビーストの力ですか!』

フェローチェ『ですが、わたくしだって同じです! わたくしも、しん様のお役に立つために、この世界でカザマさんたちと一緒に特訓しましたもの!』

フェローチェ『その力、とくとお見せしますわん!』キィィィン

あいは空中で態勢を立て直すと、マッシブーンに向かって両手を伸ばした。すると、青い光が両手の中心に集まり、光線が発射された!

ズピーーーッ

ハウ「マッシブーン、きあいだまーっ!」

マッシブーン「ブゥゥン!」ギュオオッ

あいに対抗するように、マッシブーンは両手を掲げて気合を込めるとと、両手のひらの上に気が集まり、光の玉を形成していく。

マッシブーン「ブンッ!」ゴウッ!

そして、あいの放ったれいとうビームに向けて、きあいだまを投げ放った!
れいとうビームにきあいだまが直撃すると、瞬く間に凍結した。

ビキビキビキッ!
ドォォォンッ!
441 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:49:20.30 ID:Pr7L8+H70
フェローチェ『行きますわ!』ギュン!

氷の欠片と黒煙を突き破りながら、あいがマッシブーンにとびひざげりを放つ!

マッシブーン「ブゥゥンッ!」ドッ!

マッシブーンは再び両腕でとびひざげりを受け止めると、あいが地面に着地に、今度は前蹴りを繰り出した!

フェローチェ『ふっ! やっ!』ブンブンッ!

マッシブーン「ブゥゥゥン!」ガシッ! ドカッ!

マッシブーンも、あいの猛攻を受け止めるだけでなく、隙を見つけては右ストレートを振り放つ。あいも回避しつつ、押し蹴りで反撃する。

ドカ!バキッ!ドゴッ!グガッ!!

フェローチェ『ふっ! やぁ! たぁ! せい! はぁ!』

マッシブーン「ブンブンブンッ!!」

ドカ!バキッ!ドゴッ!グガッ!!

2匹のビーストによる足と拳による激しい応酬が繰り広げられ、このまま永遠に続くかと思われた。
しかし、あいは一瞬の隙を突き、マッシブーンの腹に前蹴りを打ち込んだ!

フェローチェ『やっ!』

ドゴッ!

マッシブーン「ブンッ……!?」グラッ
442 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:50:45.47 ID:Pr7L8+H70
フェローチェ『たーっ!』ゴウッ!

さらに、瞬間200km/hで繰り出されるドロップキックがマッシブーンの胸筋を押し出した。巨体を誇るマッシブーンもさすがに堪えたのか、うめき声を上げながら後退した。しかし、再び構えを取ろうとする。

マッシブーン「……」ググッ

しんのすけ「!」

フェローチェ『これで終わり、ですわ!』グッ

地面に着地して、とどめの一撃としてとびひざげりを放つ構えを取る。

しんのすけ「あいちゃん! ストップ!」

フェローチェ「!」ダッ!

しかし、しんのすけの言葉にあいの身体は追いつかず、マッシブーンに向かってまっすぐ飛び出してしまった!
途端に、ハウが勝ち誇った笑みを浮かべた。

ハウ「マッシブーン、カウンター!」

マッシブーン「ブンッ!」ゴウッ!

ゴスッ!

フェローチェ『うぐっ!?』メキィ

ククイ博士「入った! 凄まじいカウンターだ!」
443 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:52:15.13 ID:Pr7L8+H70
あいのとびひざげりがマッシブーンを屠る直前に、右ストレートがあいの細い胴体に命中した。くの字に曲がって、あいの身体があっさりと吹っ飛んでいく!

キィーーン
ドゴォン!

フェローチェ『うぐっ……』

ヨワシ(ボール)『あ、あいちゃんっ!』

ハウ「ばっちり決まったねー!」

マッシブーン「ブンブーン!」バックダブルバイセップス!!

ハウ「フェローチェってとても素早いからー見切ってカウンターを入れればなんとかなるかなって思ったけど正解だっだねー」

フェローチェ『ううっ……』

ヨワシ(ボール)『あいちゃん、大丈夫?』オロオロ

キテルグマ(ボール)『あんなデカブツの攻撃をまともに食らったら、あいなんて一撃KOに決まってるでしょ』

しんのすけ「ほうほう、デカブツの攻撃でオダブツ、ですな」

ヨワシ(ボール)『ダジャレ言ってる場合じゃないでしょ!』

ミミッキュ(ボール)『相手もかなりタフネス。あいちゃんの攻撃をあれだけ食らっても、まだ平気そう』

フェローチェ『こっちも……まだ行けますわん!』ユラリ
444 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:53:44.37 ID:Pr7L8+H70
ジュナイパー(ボール)『無茶しちゃダメだ! 僕が代わりに――』

フェローチェ『あの方はカザマさんにとって不利なタイプですわん。それにハウさんの手持ちにはまだポケモンが1匹控えていますもの』

ジュナイパー(ボール)『それは……』

フェローチェ『わたくしが最悪、引き分けまで持ち込んでみせます。あと1回は耐え切れますわん』

ヨワシ(ボール)『でも、あっちにはカウンターがあるんだよ? また当たったら今度こそあいちゃん倒れちゃうよ』

しんのすけ「カウンターが当たらないところから攻撃すりゃいいじゃん。れいとうビームとか」

フェローチェ『さすがしん様! その手がありましたわね。遠距離を中心に攻めていけば、カウンターは仕掛けられませんもの』

しんのすけ「じゃ、あいちゃんおねがーい!」

フェローチェ『がってんですわん!』

あいは後方に下がると、後頭部に生えている髪のように見える翅を小刻みに震えさせた。耳障りな羽音から繰り出される超音波がマッシブーンに襲いかかる!

ジジジジジ!!

マッシブーン「ブブブッ?!」

ハウ「うー、カウンターを警戒してきたかー。でも、おれだってー! ストーンエッジ!」
445 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:54:42.94 ID:Pr7L8+H70
マッシブーン「ブーンッ!」グワッ!

ドンッ!

マッシブーンはむしのさざめきを耐えながら拳で地面を叩くと、槍のように鋭く尖った岩が飛び出し、あいに向かって次々と伸びていく!

フェローチェ「!」

むしのさざめきを止めると、あいは足に力を溜めて頭上へ跳躍、さらに両手かられいとうビームをマッシブーンに放った。

マッシブーン「ブー……!」ビキビキビキッ!!

今度はきあいだまで相殺できる余裕はなく、れいとうビームを受けて全身が凍りついてしまった。
しかし、氷漬けになったマッシブーンは自ら震えだし、氷にひびが入る。

バリンッ!

マッシブーン「ブーーーンッ!!」ダブルバイセップス!!

ハウ「マッシブーン、いわなだれ!」

氷漬けの状態から自ら脱出すると、マッシブーンはストーンエッジで出来た石の柱を砕き、あいに向けて怒涛の勢いで投げつける。

フェローチェ『……!』シュパパパパ!!

あいは反復横跳びをするように避けつつ、確実にマッシブーンに向けて距離を詰める。そして、顔めがけて上段蹴りを繰り出す!

ドゴッ!

マッシブーン「ブブッ!?」
446 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:55:55.72 ID:Pr7L8+H70
いわなだれを中断されながらも、再びカウンターの構えを取る。マッシブーン。しかし、
軽やかな身のこなしであいはしんのすけの傍へ戻っていった。

ククイ博士(カウンターを警戒しながらのヒット&アウェイか)

フェローチェ『うっ……』フラッ

マッシブーン『ブーン……』ゼイゼイ

マッシブーンも先ほどのむしのさざめきとれいとうビーム、そしてけたぐりでだいぶ体力が削られた。あいも、カウンターのダメージが響いている。

ククイ博士(両者ともに満身創痍だね。次の攻撃で、決着が付く)

ククイ博士(でもやっぱり――)

ハウ(たぶん、これ以上カウンターだせる機会はなさそうだねー。だったらここで攻めて決めるー!)

ハウ「……マッシブーン! アームハンマー!」

しんのすけたち『「あいちゃん! ファイヤーッ!」』

マッシブーン「……ッ!」ダッ!

フェローチェ『はい! 行きますっ!』

両者が走り出し、急接近する。マッシブーンがアームハンマーをあいめがけて、あいはマッシブーンにとびひざげりを、それぞれ放つ!
447 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:56:27.10 ID:Pr7L8+H70
マッシブーン「ブーーンッ!」ゴウッ

フェローチェ『はぁっ!』バッ!

ドゴッ!

マッシブーン「……!」

フェローチェ『……!』

あいのひざがマッシブーンの腹にめり込み、腹と背中がくっつきそうなほどに沈んでいく。だが、マッシブーンの大木のような右腕も、あいの腹に叩きつけていた。

マッシブーン「ブ……」フラッ

フェローチェ『しん様……あい、成し遂げましたわ』フラッ

ドサッ!

しんのすけ&ジュナイパーたち「あいちゃん!」
448 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:57:30.45 ID:Pr7L8+H70
同時刻 ウラウラ島
エーテルハウス

アセロラ「やっぱり引き分けだねー!」

クチナシ「こうなるだろうとは思ってたけどよ」

クチナシ「っていうか、試合見んのにおじさんを巻き込むなよ……」

アセロラ「おじさん一人じゃ寂しいかなって思って! こーゆーのはみんなで見たほうが楽しいでしょ?」

クチナシ「……ま、これを見る価値はあったな。ビーストを連れたトレーナーが、こうして大大試練で戦わせるなんて……すげーもん見ちまった」ニヤッ

アセロラ「お口あんぐりしちゃったよ! だってしんちゃんもハウくんも、ビーストを捕まえてたんだもん」

クチナシ「だが……本番はこれからだね」

アセロラ「うん! まだ2人とも、Zワザを使ってないからね!」

アセロラ「しんちゃんとハウくんのゼンリョク……それでチャンピオンが決まるよ!」
449 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 20:58:30.17 ID:Pr7L8+H70
ハウ「マッシブーン、よく頑張ったねー」シュンッ

フェローチェ(ボール)『ふぅ……ポケモン勝負ってこんなに大変なものですのね』

キテルグマ(ボール)『ふーん、よくやったじゃん』

ヨワシ(ボール)『あいちゃん、お疲れ様!』

ミミッキュ(ボール)『お互いに、あと残り1匹。カザマくんと……』

ジュナイパー(ボール)『ガオガエン、だね』

ミミッキュ(ボール)『タイプ相性は悪いけど……大丈夫?』

ジュナイパー(ボール)『わかってる。僕らにはあのZワザがある。それで決着をつける! ……向こうもそれをわかっててZワザを撃ってくるだろうけどね』

ククイ博士「さあ2人とも! ここまで引き分け続きだったけど、泣いても笑っても互いに残り1匹! どちらかがこの場所で立っていた方が島巡りチャンピオンだ!」

ハウ「しんのすけー」

しんのすけ「なにー?」

ハウ「おれーしんのすけと島巡り出来てよかったー! だって、こんなに楽しい勝負が出来るなんて思わなかったからー!」

しんのすけ「いやん、なんだか告白されたみたい。でも、オラもハウくんと島巡りして楽しかったゾ」

ハウ「だから最後はーおれとガオガエンのゼンリョクをしんのすけにぶつけていくねー!」

しんのすけ「じゃーオラもカザマくんと一緒にハウくんにゼンリョクぶつけちゃうねー!」
450 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:01:48.04 ID:Pr7L8+H70
ハウ「行くよー! ガオガエン!」ヒョイッ!

ガオガエン「ガォォォッ!!」ポンッ!

しんのすけ「カザマくん! レッツラゴー!」ヒョイッ!

ジュナイパー『しんのすけ! 準備は出来てるか?』ポンッ!

しんのすけ「まっかせなさい!」

対峙するカザマとガオガエン。
唐突にハウが笑顔を浮かべた。

ハウ「ねーねー、しんのすけが初めて戦った時を思い出さない?」

しんのすけ「そーいや、そうですな」

ジュナイパー『うん、そうだね。あの時はオマエ、ろくな命令しか下さなかったんだから……』

――じゃ、カザマくん、オラにおしゃくしてくれたまえー
――指示って、そういう指示じゃなぁぁい!
451 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:02:28.00 ID:Pr7L8+H70
しんのすけ「オラもまだまだ子供でしたなぁ」

ジュナイパー『今も子供だろっ! 大体、今だって指示出せてないじゃないか!』

ジュナイパー『まったく……ここに来ていい加減なこと言ったら、承知しないからな』

しんのすけ「ほーい!」

ハウ「あの時はおれが勝ったけどー。今度もまたおれが勝つよー!」

しんのすけ「いやいや今回はオラが勝つもんね。おねいさんが懸かってるから!」
452 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:04:14.23 ID:Pr7L8+H70
しんのすけとハウは、それぞれゼンリョクのポーズをする構えを取った。
同時に、2人の脳裏には島巡りで出会った人達の顔と、たくさん思い出が蘇ってきた。

ククイ博士に連れられて、ハウと出会った。

橋ではコスモッグがオニスズメに襲われて困っているリーリエを見つけた。

最初に選んだポケモンではカザマと出会った。

スカル団からリーリエを守った。

試練でカザマとぶりぶりざえもんと力を合わせて(?)ラッタを倒した。

アーカラでマサオとネネ、あいに出会った。

グラジオと戦い、敗北したものの、勝つことの意味を教えられた。

アセロラの試練でボーちゃんと会った。

スカル団に連れ去られたヤングースを助け出した。

二度目に来たエーテルパラダイスでは、ハウとグラジオ、ひろしたちが力を合わせてリーリエを助けた。

ポニ島では、ナッシーアイランドでリーリエと互いに自分の気持ちを語り合った。

ルザミーネにウルトラスペースへ連れ去られて、アローラのみんなに助けられた。

知恵を絞り、試練を乗り越えた。

友と力を合わせ、しまキングたちに打ち勝った。
453 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:04:58.79 ID:Pr7L8+H70
そして今、自分たちはここにいる。
この旅で得たもの全てを、ゼンリョクで相手にぶつける。それだけだ。

ハウ「行くよー! しんのすけ!」

しんのすけ「おうっ!」

バッ バッ ブゥゥン バァーン!

ガオガエンは Zパワーを 身体に まとった!

ガオガエンが 解き放つ
全力の Zワザ!

ハ イ パ ー ダ ー ク ク ラ ッ シ ャ ー !

ガオガエン「ガオオオッ!!」

ガオガエンは咆哮を上げると、カザマの周囲の地面が隆起し、炎で出来た特設リングが出現した!

ジュナイパー『あぢぢぢぢっ! しんのすけまだかよ!』メラメラメラ

しんのすけ「もうちょっと待ってー!」

ガオガエン「オオッ!」ドドドド!

リングへ駆けたガオガエンは、そのままコーナーポストに乗ると、へそを中心に炎と闇の力を溜め始めた!
454 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:07:33.81 ID:Pr7L8+H70
バッ! バッ!
A! B! B! A! A! B! →! →! ←!

ククイ博士「なんだ? あんなZポーズ、見たことがない!」

ピカッ! ゴウッ!!

カザマは Zパワーを 身体に まとった!

カザマが 解き放つ
全力の Zワザ!

ア ク シ ョ ン ビ ー ム ガ ン !

カザマは片翼を上げると、赤と青と白色の光が集まってきた。そして空いたもう片方の翼を弓状に折り曲げた。光が虹色の矢の形になると、カザマは光の矢を翼につがえて引き絞った。

ハウ「ゴーゴー! ガオガエンッ!!」バッ!!

闇と炎の力をまとったガオガエンは、コーナーポストから大きく飛び上がりカザマの頭上めがけてダイブしてくる。その様子は黒く燃える火山岩に思える。

一方、カザマも手を離すと、光の矢が先端にアクション仮面を象った赤いビームとなり、ガオガエンに向けて発射される!

キィィィン
ドゥゥゥッ!!

ガオガエン「ガオオオッ!!」

ビームガンとZパワーを纏ったガオガエンがぶつかりあい、周囲に白と黒の閃光と衝撃波が走る!

ククイ博士「うおっ! なんてワザのぶつかり合いだ! ギガインパクトも真っ青だぜ!」
455 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:09:17.81 ID:Pr7L8+H70
ジュウウッ!

ジュナイパー『うぐっ!』

足元に展開されている炎のリングの熱がカザマに伝わり、足から全身にかけて焼けるような苦痛が走る。それがビームガンの威力を弱めてしまった!

ガオガエン「ガオオオッ!!」ズズズッ

ジュナイパー「!」

ハウ「もうちょっとだよー! 頑張れーガオガエン!」

しんのすけ「おわっ! カザマくん!!」

光に包まれながらも、ガオガエンの巨体が見えた。様子がうかがえるほどに圧されていることに、カザマは更に焦りを覚えた。

ジュナイパー(だ、ダメだ! このままじゃ負けちゃう――!)

ビームガンを放つ手が震えて、どんどん気力が抜けていく。カザマの脳裏に、初めてしんのすけと会った時の記憶が蘇る。

――だーいじょぶだいじょぶ、オラにまっかせなさい

あの時は、本当に島巡りを達成できるのか不安でしょうがなかった。
だけど、新しい仲間と出会い、試練と大試練を達成して、しんのすけとカザマは大きく成長して、自分たちの足でここまでやってきた。
その結末がこれか。

ジュナイパー(くそっ……! ここまで来たのに!)

しんのすけ「カザマくん! 負けるなーーっ!!」
456 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:10:04.47 ID:Pr7L8+H70
ジュナイパー『!』

しんのすけの応援を皮切りに、次々とボールからマサオたちが飛び出して、カザマに激を送る。

ヨワシ『諦めちゃダメだよ!』

キテルグマ『へたれてんじゃないわよ! ネネたちのエースなんだからもっと気張って!』

ミミッキュ『そのとーり!』

フェローチェ『しん様と一緒にここまで来たのなら、もっとゼンリョク出せるはずですわん!』

ジュナイパー(みんな……)

みんなの激励を聞いた瞬間、カザマは夢から覚めたような感覚になった。同時に、消えかけていた闘志と勝ちたいという意志に再び火が灯った。

ジュナイパー(そうだ、僕らのゼンリョクはこんなものじゃ終わらないはずだ!)

ジュナイパー『おおおおおっ!!』

しんのすけ「アローラ防衛隊、ファイヤーーッ! カザマくん! ファイヤーーーッ!!」

ヨワシ&キテルグマ&ミミッキュ&フェローチェ『ファイヤーーーッ!!』

ジュナイパー『ファイヤーーーーーーーッ!!』ゴウッ!!

再びカザマは赤いオーラを纏い、全身全霊、ゼンリョクをビームガンに込める。すると、ビームガンに勢いが戻り、ガオガエンを押し戻していく!
457 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:12:55.11 ID:Pr7L8+H70
ゴォォォッ!!

ガオガエン「ガッ……ガオオッ!?」

ハウ「ガオガエンッ!」

威力が高まったビームガンに圧され、とうとうガオガエンはクリスタルの天蓋を突き破り、天空高く飛ばされてしまった。ラナキラマウンテンのてっぺんに、空を貫く勢いで赤い光の柱が立ち昇る。

ドォォォォォン……

ビームガンの光が収まると、ガオガエンが落下し、炎のリングのど真ん中に落下した。同時に、炎のリングも散るように消えてしまった。

ガオガエン「……」

ハウ「……!」

ガオガエン「ガ……ォォッ……」グググッ

ジュナイパー『……ガオガエン』

まだだ……まだ勝負はついちゃいない、ガオガエンはビームガンでボロボロになった身体に鞭を打ち、緑色の瞳でカザマを睨みつける。

ガオガエン「……!」

フラッ

ドサッ
458 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:13:44.46 ID:Pr7L8+H70
ミミッキュ『……勝った』

キテルグマ『あたしたち、やったのね!』

ジュナイパー『うん! 僕たち勝ったんだ!』

ヨワシ『やったやったー! 勝った勝ったー!!』

フェローチェ『しん様! カザマくん、お見事ですわ!』

しんのすけ「よくやったー! カザマくんはポケモンの中のポケモンだゾ!!」

「せーのっ!」

しんのすけたち『「わーっしょい! わーっしょい!」』

しんのすけたちはカザマを囲むと、一斉にカザマに胴上げをした。カザマは照れながらも笑い返した。

ジュナイパー『ハハッ、みんなのおかげだよ。ありがとう!』
459 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:14:27.44 ID:Pr7L8+H70
ひろし「やったーっ! しんのすけが勝ったんだーっ!!」

ひろし「みさえっ、島巡りチャンピオンだ! 俺たちのしんのすけが、島巡りチャンピオンになったんだ! それも、最年少だぞっ!」ウルウル

みさえ「うんっ、しんちゃん……! よく頑張ったね……!」ポロポロ

ひまわり「たいーっ!」

ハラ「……あっぱれ、と言う他ありませんな」

グズマ「……マジかよ。あのじゃがいも小僧」
460 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:15:46.28 ID:Pr7L8+H70
しんのすけたち『「わーっしょい! わーっしょい!」』

ハウ「ううっ……悔しいーっ!!」

しんのすけ「!」ビクッ

ハウが今までにないほどの大声を上げて、びっくりしたしんのすけたちは胴上げをやめてハウを見た。

ジュナイパー『いでっ!!』ドスン!!

ジュナイパー『急にやめるなよ!』

ハウ「ごめんねー! 勝利を味わせられなくって……みんな、ここまで頑張ってきたのにー!」

ガオガエン「……ガオ」

ハウ「おれ、もっと強くなるー! この悔しさ、絶対に忘れないからー!」

ククイ博士「……ハウ」
461 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:16:55.09 ID:Pr7L8+H70
顔がクシャクシャになるほど、悔しい表情になりながらガオガエンをボールに戻すと、ハウは一度顔を袖で拭って、身体の中の悪いものを取り除くように深呼吸をした。そこには、いつものように明るい笑顔が戻っていた。

ハウ「島巡りチャンピオンおめでとー! スゴイよしんのすけー!」アクシュ

しんのすけ「寝起きのかーちゃんの方がもっとスゴイ顔になるけどね」

ハウ「おれ負けちゃったけどーもっと鍛えて、大大試練また受けるからー。おれが島巡りチャンピオンになったら、また戦ってくれるー?」

しんのすけ「ヒマがあったらね」

ククイ博士「……しんのすけ!」

しんのすけ「お?」

ククイ博士「すばらしい! 以前、僕は言った……。その時、ベストの技を選べるポケモンとトレーナーのコンビが繰りだす技が最強だと。まさにその通りだった!」

ククイ博士「誰もが認める、島巡りチャンピオンの誕生だ! ホクラニ岳のてっぺんで言っただろ? アローラ地方のポケモンもトレーナーもみんな、最高だからね!」

しんのすけ「そうだっけ?」キョトン

ククイ博士「だけどまだまだ、僕は満足できていない! こんなに素晴らしい勝負だったのに、ただネットで生放送するだけなんてもったいない!」

ククイ博士「もっともっと、たくさんの人たちにアローラを知ってもらいたい! 世界に 知ってほしい! だから僕は今ここで世界中に宣言する!」

ククイ博士「最高のトレーナーと最高のポケモンが最強の技を繰り出せる場――アローラポケモンリーグをここに設立するよ!」
462 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:17:35.75 ID:Pr7L8+H70
ハウ「ホントに作っちゃうんだねー!」

ククイ博士「ああ! キミとしんのすけの戦いを見て、なおさら夢を叶えたくなった! 今の僕の心は、ブラストバーンなんて目じゃないほど燃え盛っている!」メラメラ

しんのすけ「おお、暑苦しい……」

ククイ博士「さあしんのすけ、ハウ。とんぼがえりでメレメレ島に戻ろうぜ! リリィタウンでお祭りだよ! みんな、大大試練をこなしたしんのすけと、ゼンリョクで戦い抜いたハウを祝福してくれるさ!」

しんのすけ「おお、お祭り。今度はちゃんとした屋台置いてあるといいですな」

ハウ「わーい! みんなに大大試練のこと、いっぱい話したいー!」

ロトム図鑑「おい、私を置いてくな!」

ククイ博士「ああ、ごめんごめん! それじゃあ改めて、みんなで戻ろうか!」
463 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:18:46.36 ID:Pr7L8+H70
メレメレ島 リリィタウン

大大試練を終えたしんのすけたちはラナキラマウンテンを下り、ウラウラ島からメレメレ島に戻り、リリィタウンに向かうと、ひろしたち野原一家、ハラ、グズマ、そして街の人々が島巡りを終えたしんのすけたちを歓待していた。

しんのすけ「ほっほーい! とーちゃんかーちゃーん!」フリフリ

ハウ「じーちゃーん!」フリフリ

ハラ「おお! 2人とも帰ってきましたぞ!」ニッ

みさえ「しんちゃん、島巡り達成おめでとう! よく頑張ったね!」

ひろし「さすが俺の子だ! 大大試練見てて年甲斐もなく泣いちまったよ」

ひまわり「たいたーい!」

しんのすけ「あー疲れた。でもこれで、オラもゆーめー人になっておねいさんにモテモテですな! ワッハッハッハッ」

ハラ「しんのすけ、見事に島巡り達成ですな。太陽と月のように照らし照らされる関係……きみの島巡りにおいてそのような出会いがあり、成長なされたようですな!」

しんのすけ「ここはまだそんなに大きくないけどね」

ひろし「だからそこの話じゃねぇって」

ハラ「ハウ、大大試練……いかがでしたかな?」

ハウ「悔しいけどーしんのすけが島巡りチャンピオンになれたのが嬉しいのー。それにーしんのすけとゼンリョクで戦って、とても楽しかったー! 引っ越してきたのがしんのすけで、おれ、ホントによかったよー!」
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/20(火) 21:19:03.27 ID:+vLt6Px40
正義は勝つ! ワーッハッハッハッハ!
465 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:20:30.90 ID:Pr7L8+H70
ひろし「ああ、ハウくん。君もよく頑張ったよ。しんのすけのポケモンとぶつかりあったお前の姿、かっこよかったよ。いろんな意味で、この戦いはお前の成長につながっていくと思うぜ」

ハラ「うむ、この敗北はハウが強くなるための大きな一歩となりましょうぞ。このハラ、ハウが島巡りを経て成長したことに、感動を覚えますな。オニのハラにも涙、ですぞ」

ハラ「ハウ、あなたは私の誇りですぞ」

ハウ「えへへー、じーちゃん、おじさんーありがとー」

ハラ「互いを尊敬し、力を高め合う。それを大大試練を経て、2人は知ったわけですな。グズマ、大大試練を通して君に感じるものがあったのではないですかな?」

グズマ「ハッ、どうでもいいぜ」

しんのすけ「くさやのおじさんも島巡りすれば?」

グズマ「今更しねえよ、バカバカしい」

しんのすけ「んもぅ、恥ずかしがっちゃダーメっ」

ハウ「ねー」

グズマ「あぁ、うっとおしい奴らだ! 帰るぜ!」スタスタ

しんのすけ「あーあー、行っちゃった」

ハラ「そっとしておいてやってくだされ。ああ見えて、彼なりにしんのすけのことを祝ってやっているのですな」

ハラ「では! アローラ最年少島巡りチャンピオン! その誕生を祝って、みなでとことんまで楽しみますぞ!」

「おおーーうっ!!」
466 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:21:29.98 ID:Pr7L8+H70
リリィタウンで開かれた、ささやかながら盛大なお祭りが開かれた。
穏やかに照らされる月の下、リリィタウンの人々はしんのすけたちを囲いながら祭りは続いていく。

リーリエ「しんちゃん!」

しんのすけ「おーリーリエちゃん。クジラくん」

リーリエ「島巡りチャンピオン、おめでとうございます! エーテルパラダイスからですが、ちゃんとバッチリ見ていましたよ!」

グラジオ「フッ……ハウも、たいしたものだ」

ハウ「えへへー」

ハラ「本当なら、アローラ中のキャプテン、そしてしまキングたちも祝いのため、来てもらうはずでしたが……」

みさえ「いいえ、こうしてリリィタウンの人たちに祝ってもらえるだけでも充分です」

しんのすけ「なら、ハラのおじさんのハラ太鼓見せてよ」

ハラ「ハラ太鼓ですかな? はっはっはっ、そんなことをすれば、このハラ、攻撃力が上がるより先に体力が切れてしまいますな!」
467 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:22:46.95 ID:Pr7L8+H70
イリマ「はい! キャプテンのイリマです!」

イリマ「しんのすけくんもハウくんも、大大試練お疲れ様です! 初めて会った時と比べると、めざましい成長を遂げましたね!」

ハウ「へへーイリマさん、ありがとー!」

ハラ「だが、びっくりしましたな。しんのすけがビーストをゲットしていたのは知っましたが、ハウも捕まえていたのはあの映像で初めて知りましたぞ」

イリマ「ビーストは確か普通のボールでは捕獲できませんよね? どうやって捕獲なさったのですか?」

ハウ「エーテル財団からビーストを捕まえられるボールごと借りたのー」

イリマ「なるほど……エーテル財団はポケモンを保護していますから、ビーストに関しても保護活動の一環で専用のボールを作ったのでしょうか? 仕事が早いですね」

イリマ「ビーストをしんのすけくんとハウくんが勝負で出したこと、他の島でも持ち切りになってるんですよ」

ハウ「うんー。どうやって捕まえたのー? とかー、襲ってきたりしないー? とか言われるー」

イリマ「ビーストを捕まえることについては賛否両論ありますからね。新しい共存の形と言う意見もあれば、アローラを襲った敵をポケモンとして扱うなんてとんでもないことだ、という意見もありますから」
468 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:23:31.78 ID:Pr7L8+H70
しんのすけ「ビーストがオラたちと一緒に旅したいって言うんならいいんじゃない?」

ハラ「向こうがゲットされてそれを望んでいるのなら、こちらも喜んで受け入れますが……」

イリマ「確かにビーストには凶暴なところはありますが、こうしてゲットされてトレーナーと供に戦えるということは、人とポケモン、そしてビーストが共存出来る道もきっとありますよ。いつか僕も、ビーストをゲットしてみたいですね」

ハラ「人とポケモンとビースト……異なる3つが合わされば、アローラにどんな未来がやってくるのか、このハラ、ハラハラしてきますなあ」
469 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:24:42.89 ID:Pr7L8+H70
しんのすけ「さてーいっちょ、オラがお祭りを盛り上げますかー!」

ハラ「お、なにをして盛り上げるのですかな?」

リーリエ「ケツだけ星人はやめてくださいね」

しんのすけ「ちょっとまってね」ゴソゴソ

しんのすけは持っていたリュックから黄色い衣装らしきものを取り出すと、それに着替えた。
モヒカンのようなとさかに黄色い外殻を手に持ったそれは、エーテルパラダイスで見せたカプ・コケコのコスプレだった。

しんのすけ「カキークケコー!」

ハラ「おお! カプ・コケコの仮装ですかな?」

ハウ「あー! おれもピカチュウのコスプレするねー!」

グラジオ「……嫌なものを思い出させるな」

ハウ「グラジオもールガルガンのコスプレしなよー!」

グラジオ「するか!」

リーリエ(にいさまのコスプレ……ちょっと気になりました……)
470 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:25:23.99 ID:Pr7L8+H70
今度はコスプレしたしんのすけとハウが土俵に上がって、めちゃくちゃな踊りを踊り始めた。それでも周りの人は盛り上がり、合いの手や笛、太鼓といった楽器の演奏が始まった。

しんのすけ「カノエイコー! コイケユリコー! カキクケコー!」

ハウ「ピッピカピカピ、ピッピカチュー! ピッカァ!(裏声)」

ハラ「わはは、全然声が似てませんぞ、お二人共!」

ククイ博士(ポケモンのコスプレ……なんか近視感あるんだよなあ)

ギュンッ
バチチチッ!

ハウ「!」

ハラ「!」

ククイ博士たち「!」

合いの手も音楽も止まり、しんのすけ以外の全員が土俵に視線を集中させて驚愕の表情を浮かべていた。ただひとり、しんのすけだけきょとんとした表情でみんなを見る。

しんのすけ「どうしたのみんな? 食あたりでもした?」

リーリエ「……しんちゃん、後ろです」

しんのすけ「お?」クルッ

カプ・コケコ「……」
471 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:26:22.84 ID:Pr7L8+H70
しんのすけの背後、全員が集中させているその場所に、本物のカプ・コケコがしんのすけを見下ろしていた。
そしてカプ・コケコは、不思議な模様で彩られている黄色い殻で、軽くしんのすけを小突いた。

カプ・コケコ「……」

しんのすけ「コケ?」

ハラ「……どうやら、カプ・コケコは、しんのすけ――そしてカザマと戦いたいようですな」

リーリエ「カプ・コケコさんが?」

ハラ「カプ・コケコは大大試練をご覧になっていたようですな。しんのすけとカザマ、ハウとガオガエンの繰り出したゼンリョクのZワザの応酬、それがカプ・コケコの闘争心に火をつけたのでしょうな」

ハラ「しんのすけ、カプ・コケコと戦ってくだされ」

しんのすけ「えー、めんどくさ」

みさえ「しんのすけ!」

ジュナイパー(ボール)『しんのすけ! 戦おうよ! 守り神と戦える機会なんて滅多にないよ!』

カプ・コケコ「カプゥーコッコォー!」

しんのすけ「やれやれ、仕方ありませんな」スッ
472 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:27:30.78 ID:Pr7L8+H70
ハウは急いで土俵から降りると、代わりにハラが上がり、審判を務めるかのように両者の間に入った。

グラジオ「……こんなことになるとはな」

ククイ博士「ああ、カプ・コケコと戦うなんてね!」

ハウ「うんー」

リーリエ「ハプウさんがしまクイーンになられたときを思い出します。少し、ドキドキしてきました! 守り神カプ・コケコさん……」

しんのすけとカプ・コケコが向き合った瞬間、Zリングを通じ、頭の中に声が響く……。

カプ・コケコ『……イクゾ』

しんのすけ「!」

しんのすけ「カザマくん! レッツラゴー!」ヒョイッ!

ジュナイパー『カプ・コケコ……ゼンリョクで行きます!』ポンッ!

カプ・コケコ「コッコォォッ!」

バチチッ!

しんのすけ&ジュナイパー「!」

みさえ「な、なにこれっ! 土俵が電気で覆われたわ!」

しんのすけ「なんかピリピリするぅ」
473 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:28:57.80 ID:Pr7L8+H70
ハラ「カプ・コケコは雷を司る守り神。一度、戦闘に出れば周囲が電気に覆われるのですな!」

カプ・コケコ「カプゥーコッコォォーーッ!!」バリバリバリッ!!

カプ・コケコの全身から稲妻が放たれ、場に広がっている電流の力も借りて威力を増しながらカザマに襲いかかる!

バチバチバチッ!

ジュナイパー『うわっ……くっ!』

ひろし「なんて威力だ……ケタが違う」

ククイ博士「しんのすけ、エレキフィールドになっているときは、でんきタイプの技が1.5倍になるんだ! 気を付けろよ!」

ジュナイパー『こっちも反撃だ!』ドシュドシュッ!!

負けじとカザマもかげぬいで2つの矢羽根を飛ばした! しかし、カプ・コケコは2本の影の矢を素早く躱すと、今度は全身に電気をまとい始めた!

カプ・コケコ「コッコォォーッ!!」ギュンッ!

ジュナイパー『スパークか! くっ……!』スッ

ガキィンッ!

すかさずカザマは翼を逆立ててカプ・コケコのスパークを受け止める。全身に電撃が走り抜くが、決してカザマはカプ・コケコから目を離さず堪える!

ジュナイパー『ぐぅぅっ……! はあっ!』ブンッ!

カプ・コケコ「カプゥッ?!」ザンッ!
474 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:29:42.71 ID:Pr7L8+H70
ジュナイパー『やぁ! とぉっ! てぇっ! たぁっ!』ブンブンブンブンッ!


反撃とばかりに今度はカザマがリーフブレードでカプ・コケコを追い詰める。しかし……。

カプ・コケコ「カプゥーーッ! コッコォォォッ!」パァッ!

カプ・コケコから放たれた不思議な波動が、カザマに殺到する!

グワァァァン!!

ジュナイパー『ぐぁぁぁぁっ!!』ドサッ

しんのすけ「カザマくん、だいじょぶ?」

ジュナイパー『あ、ああ……だけど、なんて威力の技だ……!』

ハウ「今の技、なにー?」

ククイ博士「あれは恐らく……カプ神のみが使うとされる、しぜんのいかりという技だろう」

イリマ「僕の見立てでは、恐らくジュナイパーの体力は半分を切っているでしょう。メレメレ島の守り神……改めて能力の高さに驚かされます」

カザマが体勢を立て直すと、再びカプ・コケコの声がしんのすけとカザマの頭に響く。

カプ・コケコ『アノZワザデコイ……!』

ジュナイパー『しんのすけ! アクションビームガンだ!』

しんのすけ「ブ・ラジャーッ!」
475 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:32:18.37 ID:Pr7L8+H70
バッ! バッ!
A! B! B! A! A! B! →! →! ←!

ハウ「あのZワザだー!」

ピカッ! ゴウッ!!

カザマは Zパワーを 身体に まとった!

カザマが 解き放つ
全力の Zワザ!

ア ク シ ョ ン ビ ー ム ガ ン !

カザマは片翼を上げると、赤と青と白色の光が集まってきた。そして空いたもう片方の翼を弓状に折り曲げた。光が虹色の矢の形になると、カザマは光の矢を翼につがえて引き絞った。
カザマは手を離すと、光の矢が先端にアクション仮面を象った赤いビームとなり、カプ・コケコに向けて発射される!

ドドドドド!!!!

カプ・コケコ「……!!」バシンッ!
476 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:33:03.31 ID:Pr7L8+H70
カプ・コケコはビームガンを避けようとせず、外殻を閉じた。ビームガンが直撃し、あたりに閃光と暴風が巻き起こる!

ドッゴォォォォォッ!

ハラ「むおっ! なんという威力ですかな!」

グラジオ(これがリーリエの言っていた、新しいZクリスタルの力か……!)

リリィタウン全てが吹き飛びそうな衝撃波が収まり、しんのすけとカザマの前方には砂煙が舞い上がっていた。

シュウウウ

カプ・コケコ「……」

その砂煙の中から、外殻で身を守ったカプ・コケコの姿が現れた。煤汚れた外殻が2つに割れて、中の顔が露わになると、カプ・コケコは平然としてしんのすけとカザマを見据えていた。

ハウ「うそでしょー!  無傷!?」

ジュナイパー『僕らのゼンリョクが防がれるなんて……!』

しんのすけ「すげー」

カプ・コケコ「カプゥーコッコォー!!」

唖然とする一同を他所にカプ・コケコは雷のような囀りをあげると、赤いオーラをまとい始めた!

しんのすけ「あれってZワザ!?」

ハラ「……まさか!」
477 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:37:09.36 ID:Pr7L8+H70
ピカッ! ゴウッ!!

カプ・コケコは Zパワーを 身体に まとった!

カプ・コケコが 解き放つ
全力の Zワザ!

ガ ー デ ィ ア ン ・ デ ・ ア ロ ー ラ !

カプ・コケコ「……!!」バシンッ!

ズズンッ!

ひろし「な、なんだ?」

リーリエ「地震ですか……?!」

ビキビキビキッ!!

ハウ「地面からなにかが出てくるー!」

土俵を突き破り、地面がひび割れて中から黄色い光の巨人が現れた。巨人はしんのすけとカザマが見上げるどころか、リリィタウンに建っている家より巨大で、頭部がない。

カプ・コケコ「……!」ガシンッ
478 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:38:44.54 ID:Pr7L8+H70
殻を閉じたカプ・コケコは首に当たる場所にくっつくと、ちょうど巨人の頭部になった。
そして巨人と一体化したカプ・コケコは、大木を束しにしても足りない太さの腕を振り上げた。

ブゥンッ!

ジュナイパー『うわああああっ!!』

ドシンッッ!!!

カザマは潰されて大きな振動が周囲に広がり、完全に土俵は原型を失った。中には体勢を崩して、転んでしまった人もいる。
巨人が消えると、ノックアウトになったカザマが現れ、カプ・コケコは地面に降り立った。

ジュナイパー「」ピクピク

ひろし「な、なんだったんだ? 今の」

みさえ「しんのすけ! カザマくん! 大丈夫?」

しんのすけ「オラは平気。カザマくんは?」

ジュナイパー『見ればわかるだろっ!』

ククイ博士「ハラさん、今のは……!」

ハラ「うむ」

しんのすけ「ハラのおじさん、今のZワザ?」

ハラ「あれはガーディアン・デ・アローラ。島の守り神のみが扱える、究極のZワザですな。このハラも、若い時に一度、お目にかかったことがあります」
479 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:39:26.19 ID:Pr7L8+H70
ククイ博士「僕も、名前と伝承で聞いたことがあるぐらいで、実際に見るのは初めてだよ!」

ハウ「すごいー! アローラにはまだまだ知らないZワザがたくさんあるんだねー!」

ハラ「カプ・コケコはしんのすけを一流のトレーナーとして認めたようですぞ。これからも驕らず、精進せよ、と言うことですな」

しんのすけ「ほうほう、闘魂注入みたいなものですな!」

リーリエ「カプ・コケコさんは、島巡りを終えたしんちゃんのことを祝っているのですね!」

カプ・コケコ『……シンノスケトカザマノZワザ、ヨカッタ』

ジュナイパー『あ、ありがとうございます。カプ・コケコ……』

しんのすけ「どういたまして。カプ・コケコくんもすごいZワザ持ってるねえ」

カプ・コケコ『マタ、タタカエルトキガ、タノシミ』

リーリエ「あの……カプ・コケコさん」
480 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:40:40.08 ID:Pr7L8+H70
リーリエは一歩カプ・コケコに近づいて、ルナアーラの入っているウルトラボールを見せた。

リーリエ「あなたのおかげで、コスモッグはルナアーラなれました。代わってお礼を申します。本当に、ありがとうございます!」

カプ・コケコ「……」

カプ・コケコ『ホシノコノセワ、カンシャスル。アラタメテ、タノンダゾ』

ハラ「カプ・コケコもリーリエに感謝しているようですな。これからも、ルナアーラを大事にしてくだされ」

リーリエ「はい!」

ククイ博士「でも、しんのすけも水臭いぜ! 新しいZワザがあるなら、僕に教えてくれても良かったのに」

ハウ「そうだよー、あんなZワザ、初めて見たー」

しんのすけ「こってり忘れてた」

リーリエ「うっかり、です。そういうわたしも人のこと、言えませんけど……」

ククイ博士「そのZクリスタル、見せてくれよ。君たちの放ったアクションビームガンという技について、もっと知りたいんだ!」

しんのすけ「洗って返してね」
481 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:41:21.93 ID:Pr7L8+H70
しんのすけのZワザに興味津々なククイ博士とハウ、そしてそのやり取りを笑顔で見つめるリーリエたちを、ひろしとグラジオは眺めていた。……しかし、満足そうなひろしに大して、グラジオの表情には、どこか翳りがあった。

グラジオ「……ひろし、すまないな。あんなことになってしまって」

ひろし「いや、グラジオ君が気にするようなことじゃないさ。それより、今はしんのすけを祝ってやらないとな。そんな辛気臭い顔するなって」

グラジオ(あの3人に……また辛い思いをさせることになるとはな)
482 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:41:58.83 ID:Pr7L8+H70
ふと、しんのすけは隅っこを見やると、ぶりぶりざえもんがうつむいているのが見えた。しんのすけは祭りを楽しむ人々のもとから離れると、ぶりぶりざえもんのそばに近寄った。

ロトム図鑑「あーあ、結局図鑑は大して埋められなかったか。ビーストのデータも先にマーレインが作っちゃったみたいだし」

しんのすけ「……」

しんのすけ「ぶりぶりざえもん」

ロトム図鑑「あ?」

しんのすけ「ほい、これあげるよ」つ でかいきんのたま

ロトム図鑑「え?」

しんのすけ「だってぶりぶりざえもん、オラと一緒に島巡りしてくれたし、妖怪メノクラゲオババに捕まってた時も、夢でオラをお助けしてくれたし」

しんのすけ「……それに、またそのうち助けてもらうから」

ロトム図鑑「フン、そこまで言うならもらってやる」

ロトム図鑑(……ありがとよ)

――ぶりぶりざえもんはねー、オラの友達で、救いのヒーローポケモンなんだよ

ロトム図鑑(救いのヒーロー、か。人助けも、悪くないもんだな)

ククイ博士「しんのすけ!」

しんのすけ「お?」
483 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:42:53.96 ID:Pr7L8+H70
ククイ博士「ご覧よ、みんなが喜んでいるぜ! なんといっても、島巡りを終えたからね!」

ハウ「おれー、もっともっとーイリマさんたちと修行して、本気のじーちゃんに勝ってー!またしんのすけに挑むねー!!」

しんのすけ「がんばってねー」

リーリエ「しんちゃんも頑張るんです! しんちゃんもカザマさんたちも、もっともっと、強くなれるんですから!」

ククイ博士「しんのすけ! キミのパートナーも、みんなにみせてほしい! 島巡りの冒険で、ともに たくさんの発見と体験をしたパートナーを!」

リーリエ「はい、今のしんちゃん、とっても輝いています!」

しんのすけ「おっしゃー! みんな、レッツラゴー!」ヒョイッ
484 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:43:32.75 ID:Pr7L8+H70
ポンッ!ポンッ! ポンッ! ポンッ!

ジュナイパー『カプ・コケコに認められたけど、まだまだ僕らは強くなれるんだ! しんのすけもみんなも島巡りチャンピオンになっただけじゃ物足りないだろ?』

ヨワシ『うん! もっと強くなって、色んなところを冒険したい!』

キテルグマ『ネネも、島巡りチャンピオンになるだけで満足してないわよ! もっともっと、グローバルに活躍しなきゃ!』

ミミッキュ『ボー!』

フェローチェ『あい、しん様と出会えてとても幸せですわ! こっちの世界に来てよかった!』

ハラ「では、もっともっと祭りを盛り上げましょうぞ!」

しんのすけ「ほっほーい!!」

こうして、島巡りを終えたしんのすけを祝う小さな祭りは、遅くまで続いた。いつまでもいつまでも、みんなと一緒にこの穏やかな幸せが続くと、ひろしとグラジオを除いて誰もがそう思っただろう。


だが、別れの時は、刻一刻としんのすけ達へ近づいていったのだった……。
485 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:45:18.86 ID:Pr7L8+H70
それからしばらく経ったある日。
エーテルパラダイスのシークレットラボにて、リーリエとグラジオはビッケ、ザオボーとこれからのことを話し合っていた。主にルザミーネの容態と、アローラに残っているビーストの保護についてである。

リーリエ「かあさまの容態は?」

ビッケ「やはり野原さんのように血清のみでの治療法では……。効き目は出ておりますが、もう一息、といったところですね」

リーリエ「そうですか……」

グラジオ「……リーリエ、オマエの耳に入れておきたい話がある。母上の治療についてだ」

リーリエ「え――どんな話ですか?」

グラジオ「カントーにいる、マサキという男を知っているか?」

リーリエ「……マサキさん?」

ザオボー「ソネザキ・マサキ。カントーのポケモン預かりシステムの管理者ですね」

リーリエ「預かりシステムの管理者がどうなさったのですか?」

グラジオ「知らないのか? 10年ほど前、ポケモンを転送する実験の失敗でそのポケモンと合体してしまった話を……」

リーリエ「あっ、思い出しました! 本で読んだことがあります! その後、レッドさんに手伝ってもらって、ポケモンから無事に分離できたとか……」

グラジオ「その融合と分離の技術を、かあさまの神経毒を取り除くのに応用できないか、と思ったんだ」

ビッケ「その手があったとは……盲点でしたね」

リーリエ「なら、わたし……カントーに行ってきます! マサキさんから話しを聞いて、かあさまを助けられる方法を見つけてきます!」
486 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 [saga]:2017/06/20(火) 21:48:45.94 ID:Pr7L8+H70
グラジオ「慌てるな。どちらにせよ、捕獲されたウルトラビーストの預かりシステムの管理について話しもしなくちゃいけないからな。アローラに来てもらうようオレからアプローチをかけておく」

ビッケ「捕獲されたビーストは、預かりシステムに認識されませんからね。ウルトラボールは、ビーストを捕まえるために1からボールの構造を変えていますので……」

リーリエ「そうなんですか?」

ザオボー「ええ、ええ、セキュリティの都合上、ビーストはパソコンに預けた方が安全面でも効率的ですからね。放置していい問題じゃないですよ。ビースト独自の預かりシステムを作ってもらう必要がありますねえ」

グラジオ「それに、マサキは生粋のポケモンマニアと聞くからな。おそらくウルトラビーストに興味を示してくれるだろうよ」

リーリエ「みなさん……。なにからなにまで、ありがとうございます」

グラジオ「それに……今は時間が必要だ」

リーリエ「え?」

グラジオ「家族が元通りになるための時間が、な」

リーリエ「……そうですね。家族の絆の強さを、ウルトラスペースで見せつけられました。ひろしさんとみさえさんがいなければ、かあさまとしんちゃんは助けられなかったです。わたしたちも、ああいうふうになれるでしょうか?」

グラジオ「なれるさ。時間はかかるだろうが、その分じっくりと繋がりを深めていけばいい」

グラジオ「まだ……あと1人残っているしな」

ビッケ「モーン博士……ですね」

リーリエ「とうさま……」
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