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ウルトラマンX 【輝く銀河の彼方から】
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:19:47.70 ID:HmRC+6KA0
※ウルトラマンXのSSです
※最終回後という設定です
※オリジナルのサイバーカードとフォームが登場します
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1497334787
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:20:21.02 ID:HmRC+6KA0
―――オペレーションベースX
チアキ「エリアK-3より通信です! 気温が45度を超え、熱中症の患者が続出しているようです」
タケル「エリアS-1から、黄泉比良坂の石がひとりでに転がっているとの通信が入っています!」
チアキ「隊長、エリアH-1より通信。遂に気温が氷点下になったようです。吹雪も観測されているとか」
神木「……どうなっているんだ」
八月のある日のこと。Xioの基地オペレーションベースXの司令室には朝からひっきりなしに通信が入ってきていた。
そしてそんな通信音の嵐を掻き消すような悲鳴が部屋に響いた。
マモル「ぎゃああああああーーー!!」
グルマン「ぐわあああああああーーー!!」
ルイ「きゃあああああーーー!!」
隊員たちが一斉に司令室の入り口に顔を向ける。息を切らしながらラボチームの三人が駆け込んできた。
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:21:00.67 ID:HmRC+6KA0
神木「どうした!」
マモル「た、たたた、た、た、隊長……! た、たた、たたたたた、た、た、大変です……!!」
ハヤト「何があったんだ。ちょっと落ち着け」
グルマン「世界の終わりかと思った……恐らく全宇宙でも最も悍ましいだろう存在を我々の目は捉えてしまった……」
神木「どういうことなんだ。ちゃんとわかるように話してくれ」
ルイ「ラボにね……こんなサイズの……」
そう言ってルイは、身体の前に1メートルくらいの幅を示した。
ルイ「こんなサイズの……ゴキちゃんが……」
ワタル「何ぃ?! そんなアホな――」
ルイ「本当だよ! 今、ダイくんが――」
言い終える前に、汗まみれの大地が部屋に入ってきた。
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:21:28.61 ID:HmRC+6KA0
ワタル「大地……とんでもないサイズのGが出たって……」
大地「本当です。捕獲しました」
アスナ「捕獲!?」
大地「もしかしたらうちでやっている研究が何らかの影響をもたらした可能性があります。調べてあげないと」
部屋の中が静まり返った。大地は不思議そうに小首を傾げた。
大地「持ってきますか? 虫かごに入れておきましたけど……」
橘「い、いや! そ、それはいいわ。ところで――」
副隊長の橘は激しく首を振って、乱れた前髪を決まり悪げに整えながらモニターを指した。
大地「これは……どうしたんですか? 世界規模で異常が起きているんですか」
神木「そうだ。今朝からずっと通信が入ってきている。日本だけでなく世界中でそうなっているらしい」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:22:07.45 ID:HmRC+6KA0
橘「おかげでXioは今てんてこまいよ」
ルイ「もしかしたら超巨大ゴキちゃんもそれの一種……?」
ハヤト「博士。何か分かりませんか?」
グルマン「うーむ……まだ材料が足りなさすぎるな。今の時点では何とも言えん」
アスナ「エックスは? 何か心当たりはない?」
エックス『いや。私も博士と同意見だ』
橘「幸いなことに、出動するほどの大事は報告されてないけれど」
そう言った途端、またも通信音が鳴り響いた。それを受けたチアキの顔色がさっと変わった。
チアキ「隊長! エリアT-S3に怪獣が出現!」
神木「何……! 監視衛星からの映像を!」
チアキ「了解!」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:22:35.09 ID:HmRC+6KA0
大地「こいつは……」
モニターに表示されていたのは全身を黒に包んだ怪獣だった。
頭に二本の角を生やし、頭部や胸部に黄色の発光体が存在している。その正体は一目でわかった。タイプG、“宇宙恐竜”ゼットンだ。
神木「警戒レベルフェイズ3! 都市防衛指令発令!」
橘「周辺の住人に避難指示を!」
神木「厄介な相手だが、こちらにはデータがある。各自、十分に注意を払い交戦せよ! Xio、出動!」
全員「了解!」
―――エリアT-S3
エリアT-S3――東京都品川区。建物が密集する市街地をゼットンは闊歩していた。
ゼットン「ゼットーーン……」
顔の発光体から放たれた火球がビルや家屋を破壊し炎上させていく。
地上は阿鼻叫喚、人々が一目散に逃げている。ゼットンが彼らに顔を向けた時だった。
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:23:02.84 ID:HmRC+6KA0
ハヤト「ファントン光子砲、発射!」
飛来したスカイマスケッティの光弾がゼットンに命中した。
すれ違って飛び去る機体を向くゼットンだが、また別方向から攻撃が加えられた。
ワタル「食らえ! レッドキング徹甲弾!」
ワタルが乗るランドマスケッティがゼットンの隙を伺っていたのだ。
すかさず連射したが、ゼットンの周囲にバリアーが張られ防がれた。
ワタル「チッ……」
大地「エックス、ユナイトだ!」
エックス『よし、いくぞっ!』
一方、大地はアスナに連れられてジオアラミスで現場に到着していた。
車から降り、エクスデバイザーをエックスモードに変形させる。出現したスパークドールズをリードし、デバイスを掲げ上げた。
『ウルトラマンエックスと ユナイトします』
大地「――エックスーーーーーっ!!!」
エックス「イーーッ、サァーーッ!!!」
『エックス ユナイテッド!』
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:23:30.34 ID:HmRC+6KA0
『サイバーゼットンアーマー アクティブ!』
大地『ゼットントルネード!!』
迸る光の中から姿を現したエックスはゼットンアーマーを身に纏い、バリアーを展開しながらゼットンに突進した。
ゼットンシャッター同士がぶつかり合う。
エックス「イィッ、サァァッ!!」
しかし、勢いをつけて突進したエックスの方が勝った。ゼットンのバリアーが破られ、突き飛ばされる。
ワタル「ハヤト、一斉攻撃だ!」
ハヤト「おう!」
この好機を逃さず、地上と空からゼットンに攻撃の雨を降らす。
ゼットン「ピポポポポポ……」
息をつかせぬ攻撃でゼットンはバリアーを張ることもテレポートで逃れることもできない。
エックスが金色に光るカラータイマーに腕を翳す。身体を大きく捻ると足元に青白い電光が帯びる。
エックス「「ザナディウム――――」」
しかし、エックスが光線を放とうとしたその時だった。
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:24:00.31 ID:HmRC+6KA0
―――オペレーションベースX
タケル「これは……!」
神木「どうした」
タケル「エリアT-S3上空に強力なエネルギー反応をキャッチ!」
神木「!」
チアキ「この反応は……データベースに記録があります!」
橘「何なの?!」
チアキ「ダ……ダークサンダーエナジー。グリーザが放つエネルギーです……」
その言葉に司令室は凍り付いた。
―――エリアT-S3
エックス『何……!?』
光線を放とうとしていたエックスが動きを止める。
上空に突然、暗雲が現れたからだ。その黒雲は渦を巻き、中心から稲妻のようなエネルギーを落とす。
エックス「――グッ!」
衝撃波が飛ぶ。稲妻はエックスの目の前にいるゼットンを呑み込んだ。
ゼットンが唸り声を上げながらその姿を変えていく。体が巨大化し、発光体の数が増える。
EXゼットン「ゼェェットォォォォン…………」
エックス「……!」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:24:32.49 ID:HmRC+6KA0
ワタル「マジかよ……」
アスナ「どうして今になってダークサンダーエナジーが……!?」
ハヤト「まさか……!」
EXゼットン「ゼェェットォォォォン…………」
エックス「! ハァッ、セァァッ!」
こちらに歩んでくるEXゼットンを見てエックスは我に返った。
走って勢いをつけ、アーマーのガントレットで殴りつける。しかし――
エックス「セアッ……!?」
EXゼットン「ゼェェットォォォォン…………」
EXゼットンは微動だにしなかった。続けて何度か打撃を加えるがびくともしない。
逆にEXゼットンがエックスの横っ面をはたいた。重い衝撃が頭を揺らす。
エックス「デアッ……!」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:25:05.33 ID:HmRC+6KA0
EXゼットン「ゼェェットォォォォン…………」
エックスが怯んでいるところに火球を放つ。
至近距離から放たれたそれを躱すことができず、爆発でエックスが吹き飛ばされる。
エックス「グッ……デアァッ……!」
神木『ワタル、ハヤト、アスナ! エックスを援護しろ!』
ハヤト「了解! キングジョーデストレイ砲、発射!」
空中のスカイマスケッティが背後からサイバーキングジョーの力を込めたビーム砲を放つ。
後頭部に直撃し、火花が散る。だが――EXゼットンは全く動じない。
EXゼットン「ゼェェットォォォォン…………」
振り向いたEXゼットンが思わぬ行動に出る。背中に羽が展開され、宙に躍り出たのだ。
ハヤト「なっ……! ――くっ!」
急いでEXゼットンから逃れようとするが、標的はしっかりと定められていた。
空中で放たれる火球の数々。間一髪で躱し続けるスカイマスケッティ。
EXゼットン「ゼェェットォォォォン…………」
ハヤト「!」
だが、EXゼットンの飛行速度が上回った。追いつかれ、振り下ろされた腕に機体が撥ね飛ばされた。
ハヤト「うわああああああああ!!!」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:25:36.86 ID:HmRC+6KA0
ワタル「ハヤト!」
ハヤト「すまん、戦線離脱する……っ!」
墜落寸前、スカイマスケッティからジオアトスが分離するのが見えて、ワタルはほっと息をついた。
しかし次の瞬間には表情は険しくなっていた。サイバーゼットンのカードをデバイスにセットする。
ワタル「サイバーカード、リミッター解除!」
『リミッター解除します 危険です、危険です、危険です』
ワタル「食らえッ、ゼットンレールキャノン!! トラアアアアアイ!!」
空中のEXゼットンに向けてレールキャノンを放つ。しかし命中の寸前、その姿が突如消失した。
ワタル「! ――しまった!」
EXゼットン「ゼェェットォォォォン…………」
EXゼットンはテレポートしていた。地上に降り、ランドマスケッティに顔を向ける。
アスナ「ワタル、早く離脱して!」
ワタル「くそっ……!」
だがリミッター解除の負荷により機体が応えない。コックピットには迫りくるEXゼットンの姿が。
アスナ「まずい……! ゴモラ、力を貸して!」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:26:04.76 ID:HmRC+6KA0
『リアライズ!』
サイバーゴモラ「ギャアオオオオオン!!!」
リアライズしたサイバーゴモラがEXゼットンの前に立ちふさがる。
猛然と突進し、前転して尻尾を叩きつける。しかし少々怯むだけでほとんどダメージになっている様子はなかった。
EXゼットン「ピポポポポポポポポ」
放たれた火球が命中し、サイバーゴモラが後ずさりさせられる。
両腕を顔の前に構え、連発された火球を防ぐ。しかし――EXゼットンはまたしても姿を消した。
アスナ「……!」
テレポートでサイバーゴモラの背後に回り込む。ゴモラは振り向こうとするが、
EXゼットン「ゼェェットォォォォン…………」
EXゼットンが火球を放ったのが先だった。
一撃受けるともう次への対処ができない。なされるがまま続く三発を受け、サイバーゴモラは消滅した。
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:26:39.63 ID:HmRC+6KA0
エックス「グッ……!!」
EXゼットン「ゼェェットォォォォン…………」
エックス『大地。さっきのエネルギーは……何故かはわからないが、ダークサンダーエナジーと見て間違いない』
大地『そうみたいだな。だとしたら――』
『ウルトラマンエックス パワーアップ』
エックス・大地『『いくぞ! エクシード――――エーーーックス!!』
エクスラッガーで描いたXの光がエックスに重なり、新たな姿に生まれ変わらせる。
虹色の巨人、エクシードエックスに。
エックス『『エクシード――――エクスラッシュ!!』』
エクスラッガーを手にEXゼットンに突撃する。
この技でダークサンダーエナジーを祓えば普通のゼットンに戻るはずだ。だが――
EXゼットン「ゼェェットォォォォン」
大地『ぐぅっ……!? ぐああああっ!!』
EXゼットンが張ったゼットンシャッターを破ることができず、エックスは撥ね返された。
地面に倒されるエックス。そのカラータイマーが赤く点滅し始めた。
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:27:14.08 ID:HmRC+6KA0
エックス『なんて奴だ……!』
EXゼットン「ピポポポポポポポポ」
EXゼットンがシャッターを解除する。その顔の発光体の前にエネルギーが溜められる。
先程までとは比べ物にならないほど強力な火球が来る。そう予測できるが、対抗手段がない。
エックス「……!!」
エックスだけではない。地上ではアスナもワタルもハヤトも、息を呑んでそれを見詰めている。
EXゼットン「ゼェェットォォォォン…………」
頭部を覆い尽くさんほどに巨大化した火球をEXゼットンが放つ――
――そう思われた、その瞬間。
「サァァッ!!」
虚空を裂く金色の光線。それがEXゼットンの頭部に命中する。
火球が爆発し、EXゼットンが炎に呑みこまれる。その呻き声を掻き消す轟音が鳴り響く。
大地『え……?』
アスナ「なに……?」
全員の視線がその方向に向けられる。
腕を十字に組む銀色の巨人――それが宙に浮かんでいた。
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/13(火) 15:27:41.62 ID:HmRC+6KA0
―――オペレーションベースX
チアキ「新たなタイプA……ウルトラマン……!?」
グルマン「あれは……!」
橘「知っているんですか、博士」
グルマン「うむ。あれは勇士司令部のウルトラマン――ウルトラマンネオス!」
神木「ウルトラマン……ネオス……」
グルマン「彼が来たということは……。成程、分かったぞ。今朝から発生している異常現象の原因が!」
―――エリアT-S3
大地『あなたは……』
ネオス「…………」
ネオスは頷き、エックスに手を差し伸べた。彼に腕を引かれて立ち上がる。
再び爆炎の方を振り向くネオス。すると炎が掻き消され、その中からEXゼットンが姿を現した。
EXゼットン「ゼェェットォォォォン…………」
ネオス「テヤァッ!」
エックス「ハア――セエアッ!」
二人揃ってファイティングポーズをとる。EXゼットンが火球を放ったのと同時に駆け出した。
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