東方野猟日誌

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129 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/05(火) 23:27:01.84 ID:F+fJH+DA0
男「むぅ...」

咲夜「...なに野菜見て唸ってるのよ。ピーマンもちゃんと食べなさいよ?」

男「別に嫌いだから唸ってたわけじゃねぇ。お前は俺のかーちゃんか」

咲夜「あら?私の子供がこんな出来損ないになるわけないじゃない」

男「おし分かった。店主さん、太めのごぼう何本かくれ」

店主「いや...あの...」

この野郎...むしろピーマンは大好物だ。ピーマンの天ぷらとか日本酒に最高なんだよなぁ。
130 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/05(火) 23:27:39.09 ID:F+fJH+DA0

男「...単純にここの世界の文明レベルが分からんって思ったんだ。お前らは西洋風の屋敷で洋服を着ているが、いざ町に降りてみれば和服で平屋ばっかだ...売ってる食料品を見ても野菜や魚、肉はほぼ俺の世界と一緒だし...どうなってる」

咲夜「さぁ?...あなたの世界がどうだったかは知らないけど幻S「幻想郷では常識に捕らわれてはいけないのです!!」

咲夜「...」

男「...なんか変な人がいる」

咲夜「しっ!見ちゃいけません!」

「あれ!?私ってそういう立ち位置なんですか!?」
131 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/05(火) 23:28:55.19 ID:F+fJH+DA0
咲夜「はぁ...どうしたの早苗?カエルならあっちでモンゴリアンデスワームに襲われてたわよ」

早苗「モンゴリアンデスワーム!?」

男「モンゴリアンデスワーム!?」

ゴッ!

咲夜「な・ん・であんたも反応してんのよ」

男「えぇ...だってこの世界ならいるかもしんないじゃんって思うやん...」イタタ

132 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/05(火) 23:29:34.22 ID:F+fJH+DA0

男「んで?この頭弱そうなかわいい女の子は誰?なに?友達?いたの?」

咲夜「畳み掛けないでくれるかしら...この子は早苗。東風谷早苗」

早苗「はじめまして!あの山の先の神社で現人神をやらせてもらってます東風谷早苗です!」

男「あー...はじめまして。あらひとがみ?ね。知ってる知ってる。明日からあそこに向かって一日五回礼拝しとくよ。いんしゃらー」

早苗「無理に合わせなくていいですよ!?っていうか色々間違ってますし!」

男「あーすまんな。悪気はないんだ...この世界にはまだ疎くて...」

咲夜「あ、バカ」

男「んぇ?」
133 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/05(火) 23:30:16.38 ID:F+fJH+DA0
早苗「...もしかして外来人の方ですか?」

男「ん?あぁ、そうなるな。これからよろしく...ん?」

パァァァァ

男「うおっ!?なんかめっちゃ光ってる!?なにこれ?神パワー?」

早苗「...男さん...でしたよね?」ガシッ

男「お、おう。え、なに?なんで腕つかむの?ねぇ?怖いって、なんか怖いって」

早苗「ふふ...ふふふふ」フワッ

男「え?なんでこの人浮いてるの?魔理沙もそうだけどここの人達って浮くのが常識なの?煙なの?それともバカなの?」

咲夜「...」ハァ

早苗「是非守矢神社でお話を!!」ビューンッ!

男「んぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ!!??」

咲夜「あーあ...行っちゃった。早苗も悪い子じゃないんだけど...入信者とか外来人が絡むとすごく面倒になるわね」

咲夜(買い物終わったら迎えに行きましょうかね)
134 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/05(火) 23:30:59.42 ID:F+fJH+DA0
明日も頑張る
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 00:02:47.03 ID:Da/XA28Jo
シャンハーイ
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 00:23:24.70 ID:tti+FHxv0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/06(水) 00:46:23.33 ID:UuWLGQ+A0
おつおつ
この早苗さん吹っ切れてるなあw
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/06(水) 16:27:06.74 ID:tti+FHxv0
早苗さんヒロインレースに参加か
139 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/08(金) 12:27:47.70 ID:eeLX7NVQ0
早苗「到着です!」スタッ

男「うえっ...やった終わった...」

マジで怖かった...不思議なことに重力は感じられなかった。
感覚的にはダイビングでの中性浮力に似ている、無重力状態とでも言うべきか。
ホントこっちの世界に来てから驚きっぱなしだ。

早苗「ようこそ守矢神社へ!ささ、あがってください!」

男「お、おう...なされるがままに流されてるけど大丈夫なんかな...」

咲夜のやつ、絶対怒ってるだろうなぁ...
140 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/08(金) 12:29:34.29 ID:eeLX7NVQ0
男「随分とでかい神社だな」

霊夢の住んでる神社は言ってしまえば近所の小さい神社レベルだったのだが、対して早苗の守矢神社は広く清潔感があり、大社とかそういった雰囲気がある。

早苗「えへへ、ありがとうございます!元の世界ではかなり廃れてしまいましたが、幻想郷では沢山の方が信仰してくれています」

そう言いながら本堂ではなく、隣の小さい建物に連れていかれる。
おそらくこちらが居住エリアなのだろう。

男「ほーん...ん?元の世界?」

早苗「ただいまです!」ガラガラ
141 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/08(金) 12:30:03.40 ID:eeLX7NVQ0
引き戸を開けるとそこには二人の人間?がいた。
片や帽子を被った小さい女の子が机の上に顎を置き、煎餅をバリバリと囓っている。
もう一方では寝転がり、新聞片手に自分の首を揉んでいた。

男「...」

???「...」

???「...」





???「「早苗が男をつれてきたぁぁぁぁぁ!!??」」
142 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/08(金) 12:30:42.97 ID:eeLX7NVQ0
また夜に書く。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/08(金) 16:23:56.09 ID:iFFKBT5R0
もう更新来てたのかうれしい
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/08(金) 23:44:56.19 ID:ghqyb7+co
夜って言ったから今夜だと思っていたが違うのか
C
145 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/09(土) 01:13:19.99 ID:80Y10/n00
早苗「紹介しますね男さん。こちらが守矢神社の祭神にあたる、諏訪子様と神奈子様です」

男「はぁ...どうも...祭神?ってことは神様なの?」

諏訪子「まぁそうなるねー。ところで君はぁ?見ない顔だけど、うちの早苗とどういったご関係かな?」ニヤニヤ

神奈子「私は彼氏なんて絶対に認めんぞ!!」

男「いや関係って言われても...出会ってすぐ拉致られた被害者と実行犯としか」

神奈子「出会ってすぐだと!?なんてふしだらな!!」

諏訪子「ふぅん?早苗が暴走するとなると入信者か外来人かだけど...どう見ても入信ではないよねぇ」

男「ご名答です。早苗さんが少しだけと言って...」

神奈子「すすすすす少しだけ!?何をだ!?何を少しだけだ!?先っちょなのか!?」

諏訪子「早苗も外来人だからねぇ...少し気分が上がってしまったのさ。許してやってくれ」

早苗「少し興奮して先走ってしまいました」テヘッ

神奈子「興奮して何が先走ったんだ!?ナニか!?ナニなのか!?」

男「うるせぇなこいつ!!下ネタに敏感な男子中学生かあんたは!!」
146 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/09(土) 01:14:20.23 ID:80Y10/n00
神奈子「ふぅ...ふぅ...」ズズッ

早苗「落ち着きましたか?」

神奈子「あぁ、もう大丈夫だ。お茶ありがとうな早苗」

諏訪子「早苗が男を連れてくるなんて初めてだからねぇ」

神奈子「すまない、少し取り乱してしまった」

男「いや少しってレベルじゃねーだろ...」

諏訪子「ところで君は外来人ってことでいいのかな?」

男「あぁーそうですね。こちらではそういうカテゴライズされてます」

早苗「でも珍しいですね...これだけ安定された結界が張ってあるのにも関わらずに外の人が流れ着くなんて」

神奈子「ふむ...確かに妙だな」

男「あの...質問なんですけどいいですか?」

諏訪子「うん?何かな?」

男「さっき早苗さんも外来人みたいな話がありましたけど」

早苗「はい。私も男さんと同じ、元外来人ですよ」
147 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/09(土) 01:15:33.23 ID:80Y10/n00
神奈子「ここ幻想郷は忘れ去られたもの、曖昧なもの、外の世界で幻想と呼ばれる存在が流れ着く郷だ」

早苗「守矢神社はもともと外の世界にあったのですが...時代とともに信仰は薄れ、私の代ではほぼ世間から忘れ去られる形になってしまいました」

早苗「神社は祭神のためにあり、神は信仰のために存在します。我々にとって忘れ去られるというのは、所謂死ぬことと同義なのです」

男「それでこちらの世界に...」

早苗「はい。でもこちらに来てからは妖怪の方々が沢山信仰してくれますし、最近では人の参拝客も増えているんですよ!」

諏訪子「ちょっと色々やって霊夢にしばかれたけどねー?」

神奈子「しばかれてはいないぞ。あれだ...ちょっと調子が悪かっただけだ」
148 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/09(土) 01:16:25.29 ID:80Y10/n00
男「なるほどねぇ...ちなみにお二人はなんの神様なんですか?」

神奈子「私は元々は風雨だったけど、今じゃ名前の通り山の神だな」

諏訪子「わたしは見ての通りカエルだよー」

男「見ての通り...?」

諏訪子「...んー?どういう意味かな?」

男「あぁすみません。目つきと雰囲気がどう見ても捕食側だったので...どっちかって言ったらヘビ側じゃないかなと...」

早苗「っ!?」

神奈子「...ほぉ?」

諏訪子「...あーうー...まいったな...。君ホントにただの人間かな?」

男「そのはずですけど...え、知らないうちに秘めたる力とかあったのかな」

何それ右手が疼く。もしくは右目を封印しないと。あ、それだと銃撃てねぇな。
149 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/09(土) 01:16:51.98 ID:80Y10/n00
諏訪子「ふんふん...男くんね...なるほど、いい目をしてるね」

男「え?はぁ、ありがとうございます」

諏訪子「それでいて業が深いね、その背中に背負っている命はなんだい?」

男「...流石に神様ですね。そこまで分かるんですか」

早苗「え?え?何が起こってるんですか?」

諏訪子「まぁまぁいいじゃないか。それで男君?今後はどうするのかね?もし泊まる場所がないならうちで暮らすかい?」

男「いやー大変ありがたいっすけど、一応紅魔館で働かせてもらう事になってるんで」

諏訪子「ありゃ?そりゃ残念だ」

神奈子「博麗の加護がついて紅魔組がケツ持ちか。なるほど、なかなか手は出せないな」
150 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/09(土) 01:17:39.56 ID:80Y10/n00
諏訪子「それじゃあそろそろいい時間だし、早苗、男くんを人里まで送ってあげなさい」

咲夜「その必要は無いわよ」

早苗「咲夜さん!?」

男「うぉ!?びびったなおい!いつの間に後ろに、っつーかいつ来た?」

咲夜「まったく、これから夕飯の準備もしないといけないのに...とっとと帰るわよ」

男「へいへい。ってか、今回に関しても俺は完全な被害者だからな。え?また飛んで帰るの?俺嫌なんだけど」

咲夜「もう説明が面倒だから少し目を瞑ってなさい。すぐ人里まで下ろしてあげるから」
151 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/09(土) 01:18:17.99 ID:80Y10/n00
諏訪子「おーい、レミリアんとこのメイド長よ」

咲夜「はい?何か御用ですか?」

諏訪子「主に言っておけ“その子は取り扱い注意”って」

男「俺は壊れ物かなにかか?確かに心は繊細だが」

諏訪子「それと男くん。何か困ったことがあったらいつでもウチにおいで。神奈子も早苗も君を待ってるよ」

早苗「もちろんです!入信もいつでもオーケーです!」

男「あはは...考えておきます」

咲夜「それでは失礼します...“時よ止まれ”」パチンッ

152 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/09(土) 01:19:20.77 ID:80Y10/n00
早苗「行っちゃいましたね」

諏訪湖「また来てくれるさ。それにしても...すごい子だったね」

神奈子「あぁ...沢山の獣の命を奪ってきてる。それも食べる為ではない...殺すために殺してるのか...それに強い獣の加護を感じる」

早苗「え...?誰の話ですか?」

諏訪子「愛しの男くんだよー。あの歳の人間であれだけのモン背負ってる奴は初めてみたな」

神奈子「安心しろ。無意味や愉悦のための殺しではない。何か強い意志、そうせざる得ない、しなければならない事が秘められているのだろう」

早苗「そんな...」

諏訪子「...神奈子、賭けてもいい。近々でかい異変が起こるぞ。それも我々では対処できない...博麗の巫女でも対処できない何かが」

神奈子「...」
153 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/09(土) 01:19:48.07 ID:80Y10/n00
おまたせ
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/09(土) 02:05:50.32 ID:I2gM4pGA0
おつおつ、賑やかなところだw
それに色々と意味深過ぎるw
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/09(土) 04:26:46.16 ID:GRBs13COo

ここのとこ更新が続いて嬉しい
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/09(土) 15:11:56.51 ID:M3fHFSg90
だって仕事で猟師をしてるんだし命を奪ってるのは当たり前じゃん
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/09(土) 15:40:19.92 ID:eQ77+k7zO
幻想郷には基本的に獣を間引くって思想がないんだろ
人間も立場としては動物と変わらないから
人間の安全や利益のために食いもしない獣を[ピーーー]って行動が異質に見えるんじゃね
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/09(土) 18:27:00.41 ID:M3fHFSg90
猟師は基本仕留めた獲物は捌いて食べるんじゃないのか?熊とか猪とか鴨とか食うよ
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/09(土) 18:28:17.33 ID:M3fHFSg90
>>24でシカ食ってたし
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/09(土) 22:21:33.61 ID:BCl7Oo700
管理捕獲者なら自家消費以上の狩猟も当然やるやろ
獲物が納得して殺されてるわけでもない以上、なんかよくわからん念とか憑いててもおかしくはない
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/09(土) 22:25:30.17 ID:BCl7Oo700
なんか訳のわからん書き方になったが
要はそういう、人ひとりが食った量から想定される数を超える命を単身で背負ってる奴が
幻想郷の人間としては奇異だってことなんじゃないかと
162 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/11(月) 00:31:50.37 ID:y/xCxx5F0
咲夜「“時は動き出す”...目を開けてもいいわよ」

男「ん?あぁ...あぁ!?いつの間に人里に戻ってきたんだ!?」

咲夜「妖怪の山を素直に通ると面倒臭いからね」

男「あ、ありのまま今起こった事を話すぜ...」

咲夜「話さなくていいから荷物を持ちなさい。能力使ったせいで疲れてるんだから」

男「能力?あー、ルーミアちゃんが周囲を真っ暗にしたのもソレか」

咲夜「一般人や普通の妖精以外ならほぼほぼ全員が何かしらの能力を持っているわ」

男「して、お前の能力は?」

咲夜「ひみつ」ニコッ
163 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/11(月) 00:33:20.05 ID:y/xCxx5F0
美鈴「あ、お二人ともおかえりなさい」

男「ただいまっす」

咲夜「あら?今日は起きてたのね」

美鈴「あはは...いつも起きてますよー」

咲夜「どうだか」

男「なぁ、美鈴さんも能力とか持ってるの?」

美鈴「能力ですか?私は“気を使う程度の能力”ですよ」

男「気を使うですか?空気を読む的な?」

美鈴「いえいえ、なんといいますか気配とか雰囲気とかオーラとか。そういったモノを読み取るのに長けてるんですよ」

男「なるほど。だから門番なんですね。気配を読める門番とかすげぇ有能じゃないですか」

美鈴「そ、そうですか?なんだか照れますね」テレテレ
164 : ◆c820aNQT76 [saga]:2017/12/11(月) 00:36:33.84 ID:y/xCxx5F0
>>157>>161がほぼほぼ正解
男は猟師とはちょっと違います。
その辺の事情もそのうち書くよ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/11(月) 00:57:12.42 ID:YMm1hFsh0
めーりんかわいい
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/13(水) 04:09:10.59 ID:CV0w6riio
確かに気配読める門番て考えるとかなり有能だな
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/17(日) 20:36:44.78 ID:q6xS9x600
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/01(月) 13:49:18.21 ID:JqsF4Wa70
まだか
169 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/01/07(日) 17:51:19.65 ID:G8pW+meK0
ーー厨房ーー

咲夜「男、今日はあなたが夕餉を作ってみなさい」

男「俺が?絶対咲夜の方が飯上手いだろ」

咲夜「あなたは腐っても雇われている立場なのだから、一応家事雑務のスキルを確認しておきたいのよ」ハァ

男「腐ってはねぇよ。そういうことなら任せておけ。メニューは?」

咲夜「あなたに任せるわ。食料庫にあるモノなら何を使ってもいいわ」

男「おっけぇ!まかせとけ!」
170 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/01/07(日) 17:52:02.75 ID:G8pW+meK0
レミリア「...そ、分かったわ。調べてくれてありがとう」

パチェ「ともかく、男については紫が帰ってこないと何とも言えないわ」

コンコン

咲夜「失礼いたします。お嬢様、パチュリー様、そろそろ夕飯のお時間にございます」

レミリア「もうそんな時間なのね。そういえば咲夜、今日一日男に付いていてどうだった?」

咲夜「そうですね...得に目立った事はありませんでしたが、守矢の祭神が気になることを」

レミリア「...ちょっと待って、もしかして神奈子と諏訪子に会ったの?」

咲夜「会ったといいますか、東風谷早苗に浚われまして」

パチェ「あぁ...あの子も外来人だから暴走したのね」
171 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/01/07(日) 17:52:40.97 ID:G8pW+meK0
レミリア「...先にこっちで囲っておいて良かったわ。それで?なんて言っていたの?」

咲夜「はい、“その子は取り扱い注意”だそうです」

レミリア「取り扱い...ねぇ...」

パチェ「レミィ...」

レミリア「分かってるわよ。近い内に幹部召集会が開かれる事になるでしょうね」

咲夜「やはり異変ですか?」

レミリア「まだ分からないわ。でも、フランの弾幕を避けきった不思議な武器を持つ外来人が、何の意味もなく幻想郷に迷い込むとは考えにくいわ」
172 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/01/07(日) 17:53:07.42 ID:G8pW+meK0
コンコン

小悪魔「失礼しますぅ。男さんが夕飯の準備が出来たそうです」

パチェ「あら小悪魔、見かけない思っていたら、男の所にいたのね」

小悪魔「あはは...居たと言いますか捕まったと言いますか...フラン様もご一緒でしたよ」

パチェ「本当に懐いているわね」

レミリア「...咲夜」

咲夜「はい、お嬢様」

レミリア「男の事、頼んだわよ」

咲夜「承知致しました。この十六夜、命に替えても」
173 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/01/07(日) 17:53:41.74 ID:G8pW+meK0
男「フランちゃんのご希望で、俺が好きものをとりあえず作ってみた」

レミリア「...」

フラン「おいしそう!」

パチェ「...」

美鈴「スタミナ料理ですねぇ」

小悪魔「あはは...」

咲夜「...おい貴様」

男「おっと、初めての呼ばれ方だ」

咲夜「この茶色のどんぶりはなんだ?」

男「ふっ、よくぞ聞いてくれた。これぞ男飯の中の男飯、白米の上に海苔、目玉焼き、豚肉とタマネギの炒め物を乗せて、濃いソースとマヨネーズをたっぷりかけた!その名もスタ丼だぁぁ!」
174 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/01/07(日) 17:54:26.38 ID:G8pW+meK0
小悪魔「あのぉ、私達女なんですけど...」

男「安心しろ、俺が立派な男にしてやる」

小悪魔「ちょっと何言ってるか分からないですぅ...」

咲夜「...こんなモノお嬢様に食べさせられるか!!」

男「ちょ!何キレてんだよ!メニューは任せるって言ってたじゃねぇか!!おいこらナイフ投げるんじゃねぇ!!」

ギャーギャー!!

フラン「いただきまーす♪」

レミリア「あら、以外と美味しいわね」

パチェ「美味しいけど...お腹にきそうね」

小悪魔「喉が乾きそうなのでお水持ってきます」

美鈴「私はこういうご飯大好きですよー?」
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/07(日) 18:24:13.78 ID:KLvJTsb+0
乙です
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/08(月) 01:10:42.80 ID:MCfQLJAA0
おつおつ
豪快な肉祭りじゃないだけマシかなw
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/11(木) 18:51:40.91 ID:ty+TH0iv0
めーりん意外と男らしいな
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/15(月) 16:41:51.60 ID:q349Ytx30
晩御飯の次はお風呂だな、ラッキースケベに期待、スケベ担当の小悪魔か、本命のめーりんか
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/17(水) 00:05:45.37 ID:5+Q1efNf0
安価とろうぜ安価
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 07:42:59.86 ID:8RkthFJ0o
安価いらね

あとsageろ
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/21(日) 17:04:38.57 ID:mJcvtphC0
続きまだか
182 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/05(月) 00:22:51.97 ID:bTD+E/ov0
ーーーー

男「...暇だな」

美鈴「ですねぇ」

紅魔館の雑用になってから早一週間が経とうとしていた。
基本的な家事等は覚えたが、ほとんどが咲夜だけで成り立ってしまうため、
こうして美鈴と一緒に門番をしていることが多い。

男「ん...来たな」

美鈴「え?ホントですか?」

男「奥に針葉樹が三本あるだろ?そこの裏に隠れてるはずだ」

美鈴「ちょっと待って下さい....本当だ。なんで気付かなかったんでしょう」
183 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/05(月) 00:23:44.69 ID:bTD+E/ov0
男「おーい魔理沙!バレてるぞ!」

大声で声を掛けると、木の裏から魔理沙が出てくる。

魔理沙「またバレちまったんだぜ。それで?どっち?」

男「今日も俺だ。これで4日間連勝だな」

美鈴「いやー...」アハハ

魔理沙「能力持ちの美鈴より先に見つけるなんて、男はホントに人間なのか?」

男「人を人外呼ばわりすんなっつーの...っつーか俺がすごいんじゃなくて美鈴が不調なんじゃね?」

美鈴「いえいえ、私の修行不足ですよ」

男「いや、そういうのいいから」

美鈴「し、辛辣ですね」
184 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/05(月) 00:24:10.66 ID:bTD+E/ov0
男「んで?どうしたの?体調悪いの?」

美鈴「どうですかね、最近どうも調子が悪いと言いますか」

男「風邪か?」

美鈴「というより...能力が発動しにくくなってる感じがします」

魔理沙「美鈴もか!私も最近魔法が使えない時がたまにあるんだぜ!」

男「へぇ。そんなことあるもんなのか?」

美鈴「いえ、初めてです」

咲夜「...あなた達、仕事中になに談笑しているのかしら?」
185 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/05(月) 00:24:44.68 ID:bTD+E/ov0
美鈴「あ、咲夜さん。お疲れさまです」

男「これは談笑じゃねぇ。不審者に事情聴取するという立派な門番行為だ」

咲夜「門番行為って何よ...まぁいいわ、ちょっとお使い頼まれてくれる?」

男「おいよ。どこで何買えばいいの?」

咲夜「妹様がケガをしたのだけれど、何故か治りが遅くてね。永遠亭に薬を貰ってきて欲しいのだけれど」

男「永遠亭?どこそれ?」

咲夜「場所は魔理沙に教えてもらえばいいわ。吸血鬼に効く塗り薬を貰ってきて頂戴」

魔理沙「フランがケガかぁ。治らないってのはおかしいな」

男「擦り傷なんだろ?そこまでするほどか?」

咲夜「妹様の傷は私達の傷と同義よ。つべこべ言わずに行って来なさい」
186 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/05(月) 00:25:16.85 ID:bTD+E/ov0
おまた
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/05(月) 00:43:12.64 ID:4OEDMT5To

美鈴さんの株が・・・
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/05(月) 00:44:03.44 ID:Nk0Qc3V10
弱体化してるな
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/05(月) 01:14:53.92 ID:Tz9q5OzA0
おつおつ
はてさて何がでるやら…
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/05(月) 17:35:34.77 ID:Nk0Qc3V10
新参ホイホイのうどんげと、かぐや姫のかぐやが出るな、かぐやは美人だから惚れちまうんじゃねえかな
191 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:14:03.52 ID:O2A0zSmu0
人里を抜けた先に“迷いの竹林”と呼ばれる場所があるらしい。
そこへ足を踏み入れた者は、人であれ妖怪であれ等しく迷ってしまうらしい。
しかし永遠亭はその竹林を越えた先にある。

魔理沙「そんで、私の知り合いに案内を頼もうと思ったんだけど...」

男「その当人がいないってか」

魔理沙「これは困ったんだぜ」

男「空から探せないのか?」

魔理沙「竹林で隠れてるから厳しいかな」

男「となると歩くしかねぇか...」
192 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:14:40.10 ID:O2A0zSmu0
地面をジッと見つめる。
かすかではあるが、人が通った跡がうっすらと確認できる。

男「...?...なぁ、この竹林にはその永遠亭とやらしかないのか?他に建物とか住んでる人はいるか?」

魔理沙「どうだろうなぁ...人が住んでるなんて聞いたことないんだぜ」

男「了解。じゃあ大丈夫だな」チラッ

魔理沙「?」

男「ほいほい、さっさと行くぞ」

魔理沙「ちょ、流石に無謀なんだぜ!?」

男「へーきへーき。俺、森とか山で迷ったことねぇから」
193 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:15:17.39 ID:O2A0zSmu0
ーーーー

竹林の入り口でふらふらしていると、とてもおもしろいモノを発見した。
一人は霧雨魔理沙、私もよく知っている人間の魔法使いだ。
そしてもう一人、こちらははじめて見る人間のオスだ。
あろうことかそいつは魔理沙の制止を無視して竹林に入っていったのだ。

ちょうどいい。お師匠様は忙しそうだし鈴仙はまだ帰ってこないから、あいつで暇つぶししよう。

迷いの竹林へようこそ。


男「...」


194 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:16:28.60 ID:O2A0zSmu0
男「なるほど、この方向に真っ直ぐか」

魔理沙「な、なぁ。本当に大丈夫なのか?」

男「道もあるし人の痕跡もある。確かに景色は似てるし少し傾斜してるから迷いやすいかもしれんが、このくらいなんてことない」

魔理沙「道なんて全く見えないんだぜ...」

男「ここより酷い場所で作業したこともあるからなぁ。あん時はびびったぜ、知らない内にUターンしてるんだもん」


な、なんなんだあの人間!妖精ですら迷うこの竹林を平然と抜けていってる!?
ありえない!

で、でも大丈夫!この先には罠が仕掛けてある!
帰ってくる鈴仙の為に作った罠だけどしょうがない。
あの人間が落ちたところを指さして笑ってやろう。
195 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:17:17.62 ID:O2A0zSmu0
男「...ん?」ピタッ

魔理沙「急に止まってどうしたんだぜ?もしかして迷ったのか?」

男「いや...なぁ魔理沙、この竹林を拠点に遊んでる、もしくはここを所有している人っているか?」

魔理沙「ん?あぁ、一応この竹林は永遠亭が管理してるはずだぜ?後はよくてゐが人を迷わせて遊んでるな」

男「てゐ?」

魔理沙「そそ、因幡てゐ。永遠亭にいる妖怪兎だぜ」

男「へぇ...ウサギねぇ」

魔理沙「それがどうかしたのか?」

男「まぁ見てろ...それっ」

ズボッ!

魔理沙「落とし穴!?」

男「陥穽(落とし穴のこと)だな。先にも何ヶ所か仕掛けてある」
196 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:18:01.57 ID:O2A0zSmu0
なんでバレた!?
いままでバレた事なんて、それこそ鈴仙にだって気付かれた事ないのに!?

魔理沙「それにしてもよく分かったんだぜ」

男「よく見てみろ。穴の周りに色が濃い土が少しあるだろ?つまり最近掘られたっつーことだ。しかも穴のカモフラージュを意識しすぎて周りの落ち葉が減ってる。これじゃあここに何か仕掛けましたと言ってるようなもんだ」

魔理沙「確かに言われてみれば...いや、全然分かんない」

男「俺はわな猟もやるからな、経験値の差だ。この掛け方じゃ人間は掛かっても、動物はかからないだろう...っと誰か来るな」

魔理沙「?」

「あの...どうかしましたか?」

振り返るとそこには可愛らしい女の子が立っていた。

ピンク色の長い髪、クリクリとした紅い瞳、そして...

ピョコ ピョコ

男(うさ耳が生えてるー!?)
197 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:18:31.77 ID:O2A0zSmu0
なんでバレた!?
いままでバレた事なんて、それこそ鈴仙にだって気付かれた事ないのに!?

魔理沙「それにしてもよく分かったんだぜ」

男「よく見てみろ。穴の周りに色が濃い土が少しあるだろ?つまり最近掘られたっつーことだ。しかも穴のカモフラージュを意識しすぎて周りの落ち葉が減ってる。これじゃあここに何か仕掛けましたと言ってるようなもんだ」

魔理沙「確かに言われてみれば...いや、全然分かんない」

男「俺はわな猟もやるからな、経験値の差だ。この掛け方じゃ人間は掛かっても、動物はかからないだろう...っと誰か来るな」

魔理沙「?」

「あの...どうかしましたか?」

振り返るとそこには可愛らしい女の子が立っていた。

ピンク色の長い髪、クリクリとした紅い瞳、そして...

ピョコ ピョコ

男(うさ耳が生えてるー!?)
198 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:19:32.79 ID:O2A0zSmu0
魔理沙「お、鈴仙!仕事終わりか?」

鈴仙「うん、今日は町に薬を届けるだけだったから。...それで」チラッ

魔理沙「おっと、紹介するんだぜ。こいつは男、最近幻想郷に来た外来人だ。んでこっちが鈴仙・優曇華院・イナバ、永遠亭の薬売りだ」

鈴仙「...」ジーー

男「...あの、なんでしょう?」

鈴仙「わわっ!?す、すみません!なんでもないんです!」

あたふたと手を動かすうさ耳少女。うん、こいつあざといな。
199 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:21:41.75 ID:O2A0zSmu0
男「まぁ初めまして。これから丁度永遠亭に向かおうと思ってたんですよ。」

鈴仙「そうだったんですね。ではあと少しですが案内しましょう!」

男「それで?魔理沙の言った妖怪兎ってこの人か?」

魔理沙「鈴仙とてゐは別人なんだぜー」

鈴仙「あの...うちのてゐが何か失礼を?」

男「いやいや、失礼っつーかこれ」ユビサシ

鈴仙「落とし穴!?もしかして落ちたりしちゃいましたか!?」

魔理沙「男が先に見つけてくれたから大丈夫なんだぜ」

鈴仙「そうだったんですか...ホントにすみません!後で私から強く言っておきます!」

ものすごい勢いで頭を下げる鈴仙という少女。
この瞬間動作だけで、この少女が普段から苦労しているのが伺える
200 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:24:40.34 ID:O2A0zSmu0
男「いっつー!銃に弾いれてなくて良かった。暴発するとこだった...」

踏み板に足を置く寸前で腕を掴んだ。
不意に腕を引っ張ってしまったせいで、鈴仙共々後ろに倒れてしまった。
幸い男が尻餅をついただけで済んだが...

鈴仙「はわわ///」

男「あーすみません、急に引っ張っちゃって。大丈夫ですか?」

結果的に鈴仙を正面から抱き留める形になってしまった。

男「あ、あのー」

鈴仙「ひゃ!ひゃい!?」

男「そろそろ退いて頂けるとありがたいんですが...」

鈴仙「す、すびません!!」バッ

男「い、いえ、こちらこそ」

鈴仙「///」

男「...」

魔理沙「え、この空気はなんなんだぜ?」
201 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:25:20.37 ID:O2A0zSmu0
男「とりあえず、俺は陥穽がどこにあるか分かるから、鈴仙さんは道を間違ったら教えて下さい」

鈴仙「は、はぃ...」

うん、非常にやりにくい。
そんなに照れられるとこっちまで動揺するからホントにやめてほしい。

そして魔理沙、そんな目で俺を見るな。あれは唯の事故だ。
だから間違ってもさっきゅんに言っちゃダメだぞ☆
絶対に良くないことが起きるから。主に俺に被害が出る方向で。
202 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:25:51.65 ID:O2A0zSmu0
鈴仙「そ、そういえば、お二人はここまでどうやって来たんですか?」

魔理沙「あー、最初は妹紅に頼もうと思ったんだけどいなくて。結局は男が大丈夫っつってここまで来たんだぜ」

鈴仙「この竹林を初見で突破出来る人なんて初めて見ましたよ」

男「森歩きは慣れたもんだからな。それに案内人も付いてきてくれてたし」

魔理沙「ん?案内人?」

男「いいかげんでてこい!オラッ!」ヒュッ!

腰に付けていた剣鉈を投げる。
木に刺さる鈍い音と同時に、小さな悲鳴があがった。

「ひっ!?」
203 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:26:35.64 ID:O2A0zSmu0
男「竹林に入った時からずっと付いて来てたよなぁ?出てこないと今夜は兎鍋にするぞ?」

鈴仙「あわわ」ガクガク

魔理沙「こっちの兎にもヒットしてるからやめてやるんだぜ...」

鈴仙「食べられる...食べられちゃう...たべられる?..............////」

魔理沙「おいコラ何想像してんだ発情うさぎ。私に分かるように言ってみろ?お?」
204 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:27:43.11 ID:O2A0zSmu0
>>197はミス
おやすみ
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/06(火) 00:29:08.36 ID:bJOK4AZk0

ここで>>21を思い出してみよう
206 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:36:26.51 ID:O2A0zSmu0
すまん、>>199>>200の間が抜けてる。
眠いとダメだな。



鈴仙「それでは行きましょうか!」

そう言って前に出た鈴仙先へが進もうとする。
身内がしでかした責任からか、やけに張り切ってるように見える。
しかしその先には落とし穴が。

男「あぶねっ!」ガシッ

鈴仙「えっ?」フワッ



ドスンッ!
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 00:52:58.20 ID:M5w3pQ560
ツッコみどころはあるけど狩りに興味ある人間としては普通に面白い
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 01:56:57.34 ID:KgotTMzA0
おつおつ
狩人相手にてゐが翻弄されるってのもなかなか無いなw
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/07(水) 16:57:48.31 ID:wqOJcE170
さすがは年中発情期のウサギだな
210 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/12(月) 21:44:56.70 ID:NgwIurO60
???「...ッ」ダッ

魔理沙「あ、にげた」

男「逃がすか!」ダッ

鈴仙「む、無茶ですよ!竹林でてゐに追いつけるはずが無いじゃないですか!最悪迷ってしまいますよ!!」

魔理沙「...多分もう聞こえてねーんだぜ」

鈴仙「そんな...探しに行かないと」

魔理沙「まぁまぁ、先に私達だけでも永遠亭に行ってようぜ。きっと男は大丈夫だし...というか」

鈴仙「?」

魔理沙「この場合、てゐの方が心配なんだぜ...」
211 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/12(月) 21:46:37.88 ID:NgwIurO60
鈴仙「ただいま戻りました!」ガラガラ

永琳「あら、お帰りなさいウドンゲ。お客様かしら?」

魔理沙「お邪魔するんだぜ!」

永琳「久しぶりね魔理沙。今日はどうしたのかしら?」

魔理沙「いやー、私はただの付き添いだったんだが、当人がてゐを追ってどっか行っちまって」

鈴仙「あの...やっぱり今からでも探しに行った方が...」


ガラガラ!!


男「こんちわー、あれ?やっぱ先に行ってたのか」

魔理沙「...お、おう。予想以上すぎる早さなんだぜ...」

鈴仙「て...てゐ」

てゐ「」チーン
212 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/12(月) 21:47:56.67 ID:NgwIurO60
永琳「初めまして。永遠亭で医師をやらせていただいてます。八意永琳と申します。うちのてゐがご迷惑を...」

男「あ、これは丁寧にどうも、男と言います」ペコリ

永琳「里の方ですか?失礼ですがあまりお見かけしない方のようですので」

魔理沙「男は外来人なんだぜ。最近迷い込んできた」

永琳「そうでしたか。それは大変でしたでしょうに。ささ、あがって下さい」

男「こりゃどーも。では失礼します」

永琳「ウドンゲ、てゐを部屋に運んだらお客様にお茶を出して頂戴。私もすぐに行くわ」

鈴仙「は、はい!」
213 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/12(月) 21:49:21.16 ID:NgwIurO60
ーーーー

鈴仙「どうぞ」コトッ

男「お、ありがとうございます」ズズッ

魔理沙「それにしても、よくてゐを捕まえられたんだぜ」

男「んー?まぁ逃げようとする奴の心理なんて読みやすいからな。相手は妖怪だし地の利もある。どうせ走っても追いつけないから、戻ってきそうな場所で待ってたんだよ」

鈴仙「それであんなに早く捕まえられたんですね」

男「追いつかれる事はないと油断してたんだろ。でも相手の動きも気になる。だからある程度見えなくなったらすぐに戻ってくる。こんなところだな」
214 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/12(月) 21:49:53.80 ID:NgwIurO60

魔理沙「すごいんだぜ...ますます人間だとは思えない」

男「スレた鹿とかも同じ動きをするからな。最悪コイツを使おうと思ってたし」カチャ

魔理沙「や、やめてやるんだぜ...」

男「ははっ、冗談だよ」

鈴仙「...そろそろお師匠様を呼んできますね」ガラガラ







鈴仙「やっぱり...あの人が持ってるのって...銃...だよね」

215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 21:53:03.95 ID:7TCwJSLl0
あんたも変な銃持ってるでしょ
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/13(火) 19:10:15.25 ID:r64odz7K0
乙です
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/13(火) 20:00:43.40 ID:SaAQVjzSO
座薬
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/18(日) 21:02:02.50 ID:nDWMoFrb0
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=67153575
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/26(月) 01:23:55.49 ID:LLyeqrHg0
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=67306827
220 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/03/07(水) 00:27:47.02 ID:W28GTvxU0
永琳「お待たせ致しました。これが吸血鬼用の塗り薬です」

男「どーもどーも、ありがとうございます」

鈴仙「それにしても、吸血鬼なのにケガが治らないなんて、おかしいですね」

魔理沙「というか、最近おかしくないか?」

鈴仙「おかしい?」

魔理沙「なんだか能力の発動がしにくくなってる気がするんだぜ」

男「そうなの?」

魔理沙「ほら、美鈴の能力も最近調子悪いだろ?いくら男の気配察知が鋭くても、“気を使う程度の能力”を持っている美鈴が遅れを取るハズがないんだぜ」
221 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/03/07(水) 00:28:54.48 ID:W28GTvxU0
鈴仙「そんなことが...それはちょっと不思議ですね」

永琳「...やはりそうなっているのね」

鈴仙「師匠...?」

永琳「私だけの不調だと思っていたのだけれど...魔理沙に紅美鈴...実は姫も今朝方、ささくれがずっと治らないって暴れていたのよ」

男「そんぐらいで暴れるなよ...なんだよその姫さん...」

永琳「魔理沙、霊夢はこのことについてなにか?」

魔理沙「いや、まだ何も言ってないんだぜ。単なる体調不良だと思ってる奴が大半だと思う」

永琳「早いとこ紫と合流した方がいいわ。何もないに越したことはないけれど...何か良くない事が起こりそうな予感がするの」





ガシャァン!!
222 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/03/07(水) 00:29:42.12 ID:W28GTvxU0

男「なんの音だ?」

永琳「庭からね...鈴仙!」

鈴仙「はい!」ガラッ

魔理沙「!?...なんだぜこいつら...!?」


庭にいたのは、ボロボロの鎧を纏った人型のナニか。
元は人だったのであろうか、鎧の隙間から見えるその身体はほぼほぼ白骨化しており、所々に付着している肉片がより一層不気味さを際立てている。
10体程いるそれらは、それぞれが刀や槍を持っており、明らかな敵意を見せている。
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 00:30:36.89 ID:SZ3Bq26x0
さまよう鎧かよ
224 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/03/07(水) 00:31:07.93 ID:W28GTvxU0
永琳「...薬を貰いに来たってわけではなさそうね」

男「いや分からんぞ、案外乾燥肌に悩んでるのかも」

魔理沙「乾燥肌ってレベルじゃないんだぜ...鈴仙、どうするんだ?」

鈴仙「...しい」

男「あ?」

鈴仙「...おかしい、波長が全く掴めない...」

魔理沙「鈴仙も不調なのか!?とりあえず弾幕を...あれ?」

鈴仙「嘘...弾幕が撃てない...?」

永琳(...これは想像以上にマズイ、能力も弾幕も使えない今の私達はただの女子供にすぎない...鈴仙は体術が使えるでしょうけど、魔理沙とてゐ、姫とこの人間を連れて脱出できるかどうか...)
225 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/03/07(水) 00:32:24.42 ID:W28GTvxU0
魔理沙「まずいんだぜ!こっち来てる!」

鈴仙「...ここは私が食い止めます!皆さんは避難を!」


先陣を切り込んできたのは2体。
一歩前に出た鈴仙は格闘の構えを取る。


そしてその拳より前に延びる一本の黒い鉄の棒。



ドォン!! ドォン!!

226 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/03/07(水) 00:33:44.40 ID:W28GTvxU0
永琳「!?」

鈴仙「...」


随分と久しぶりに聞いたこの音。
月では時代遅れの兵器として、すでに使われる事が無くなっていた。

プラスチックで作られた小さな筒が鈴仙の前に飛び込んでくる。
その先で、襲いかかってきていたモノが、その頭部を粉々にさせている。



男「地元住民への被害を確認。駆除要請を受理。有害駆除捕獲を実施します」カチャ
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 00:49:16.04 ID:SZ3Bq26x0
ただの猟師じゃねーなコイツは
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/07(水) 02:18:39.38 ID:gXwBusdA0
おつおつ
妨害系がガッツリ刺さるのかw
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