東方野猟日誌

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167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/17(日) 20:36:44.78 ID:q6xS9x600
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/01(月) 13:49:18.21 ID:JqsF4Wa70
まだか
169 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/01/07(日) 17:51:19.65 ID:G8pW+meK0
ーー厨房ーー

咲夜「男、今日はあなたが夕餉を作ってみなさい」

男「俺が?絶対咲夜の方が飯上手いだろ」

咲夜「あなたは腐っても雇われている立場なのだから、一応家事雑務のスキルを確認しておきたいのよ」ハァ

男「腐ってはねぇよ。そういうことなら任せておけ。メニューは?」

咲夜「あなたに任せるわ。食料庫にあるモノなら何を使ってもいいわ」

男「おっけぇ!まかせとけ!」
170 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/01/07(日) 17:52:02.75 ID:G8pW+meK0
レミリア「...そ、分かったわ。調べてくれてありがとう」

パチェ「ともかく、男については紫が帰ってこないと何とも言えないわ」

コンコン

咲夜「失礼いたします。お嬢様、パチュリー様、そろそろ夕飯のお時間にございます」

レミリア「もうそんな時間なのね。そういえば咲夜、今日一日男に付いていてどうだった?」

咲夜「そうですね...得に目立った事はありませんでしたが、守矢の祭神が気になることを」

レミリア「...ちょっと待って、もしかして神奈子と諏訪子に会ったの?」

咲夜「会ったといいますか、東風谷早苗に浚われまして」

パチェ「あぁ...あの子も外来人だから暴走したのね」
171 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/01/07(日) 17:52:40.97 ID:G8pW+meK0
レミリア「...先にこっちで囲っておいて良かったわ。それで?なんて言っていたの?」

咲夜「はい、“その子は取り扱い注意”だそうです」

レミリア「取り扱い...ねぇ...」

パチェ「レミィ...」

レミリア「分かってるわよ。近い内に幹部召集会が開かれる事になるでしょうね」

咲夜「やはり異変ですか?」

レミリア「まだ分からないわ。でも、フランの弾幕を避けきった不思議な武器を持つ外来人が、何の意味もなく幻想郷に迷い込むとは考えにくいわ」
172 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/01/07(日) 17:53:07.42 ID:G8pW+meK0
コンコン

小悪魔「失礼しますぅ。男さんが夕飯の準備が出来たそうです」

パチェ「あら小悪魔、見かけない思っていたら、男の所にいたのね」

小悪魔「あはは...居たと言いますか捕まったと言いますか...フラン様もご一緒でしたよ」

パチェ「本当に懐いているわね」

レミリア「...咲夜」

咲夜「はい、お嬢様」

レミリア「男の事、頼んだわよ」

咲夜「承知致しました。この十六夜、命に替えても」
173 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/01/07(日) 17:53:41.74 ID:G8pW+meK0
男「フランちゃんのご希望で、俺が好きものをとりあえず作ってみた」

レミリア「...」

フラン「おいしそう!」

パチェ「...」

美鈴「スタミナ料理ですねぇ」

小悪魔「あはは...」

咲夜「...おい貴様」

男「おっと、初めての呼ばれ方だ」

咲夜「この茶色のどんぶりはなんだ?」

男「ふっ、よくぞ聞いてくれた。これぞ男飯の中の男飯、白米の上に海苔、目玉焼き、豚肉とタマネギの炒め物を乗せて、濃いソースとマヨネーズをたっぷりかけた!その名もスタ丼だぁぁ!」
174 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/01/07(日) 17:54:26.38 ID:G8pW+meK0
小悪魔「あのぉ、私達女なんですけど...」

男「安心しろ、俺が立派な男にしてやる」

小悪魔「ちょっと何言ってるか分からないですぅ...」

咲夜「...こんなモノお嬢様に食べさせられるか!!」

男「ちょ!何キレてんだよ!メニューは任せるって言ってたじゃねぇか!!おいこらナイフ投げるんじゃねぇ!!」

ギャーギャー!!

フラン「いただきまーす♪」

レミリア「あら、以外と美味しいわね」

パチェ「美味しいけど...お腹にきそうね」

小悪魔「喉が乾きそうなのでお水持ってきます」

美鈴「私はこういうご飯大好きですよー?」
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/07(日) 18:24:13.78 ID:KLvJTsb+0
乙です
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/08(月) 01:10:42.80 ID:MCfQLJAA0
おつおつ
豪快な肉祭りじゃないだけマシかなw
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/11(木) 18:51:40.91 ID:ty+TH0iv0
めーりん意外と男らしいな
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/15(月) 16:41:51.60 ID:q349Ytx30
晩御飯の次はお風呂だな、ラッキースケベに期待、スケベ担当の小悪魔か、本命のめーりんか
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/17(水) 00:05:45.37 ID:5+Q1efNf0
安価とろうぜ安価
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 07:42:59.86 ID:8RkthFJ0o
安価いらね

あとsageろ
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/21(日) 17:04:38.57 ID:mJcvtphC0
続きまだか
182 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/05(月) 00:22:51.97 ID:bTD+E/ov0
ーーーー

男「...暇だな」

美鈴「ですねぇ」

紅魔館の雑用になってから早一週間が経とうとしていた。
基本的な家事等は覚えたが、ほとんどが咲夜だけで成り立ってしまうため、
こうして美鈴と一緒に門番をしていることが多い。

男「ん...来たな」

美鈴「え?ホントですか?」

男「奥に針葉樹が三本あるだろ?そこの裏に隠れてるはずだ」

美鈴「ちょっと待って下さい....本当だ。なんで気付かなかったんでしょう」
183 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/05(月) 00:23:44.69 ID:bTD+E/ov0
男「おーい魔理沙!バレてるぞ!」

大声で声を掛けると、木の裏から魔理沙が出てくる。

魔理沙「またバレちまったんだぜ。それで?どっち?」

男「今日も俺だ。これで4日間連勝だな」

美鈴「いやー...」アハハ

魔理沙「能力持ちの美鈴より先に見つけるなんて、男はホントに人間なのか?」

男「人を人外呼ばわりすんなっつーの...っつーか俺がすごいんじゃなくて美鈴が不調なんじゃね?」

美鈴「いえいえ、私の修行不足ですよ」

男「いや、そういうのいいから」

美鈴「し、辛辣ですね」
184 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/05(月) 00:24:10.66 ID:bTD+E/ov0
男「んで?どうしたの?体調悪いの?」

美鈴「どうですかね、最近どうも調子が悪いと言いますか」

男「風邪か?」

美鈴「というより...能力が発動しにくくなってる感じがします」

魔理沙「美鈴もか!私も最近魔法が使えない時がたまにあるんだぜ!」

男「へぇ。そんなことあるもんなのか?」

美鈴「いえ、初めてです」

咲夜「...あなた達、仕事中になに談笑しているのかしら?」
185 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/05(月) 00:24:44.68 ID:bTD+E/ov0
美鈴「あ、咲夜さん。お疲れさまです」

男「これは談笑じゃねぇ。不審者に事情聴取するという立派な門番行為だ」

咲夜「門番行為って何よ...まぁいいわ、ちょっとお使い頼まれてくれる?」

男「おいよ。どこで何買えばいいの?」

咲夜「妹様がケガをしたのだけれど、何故か治りが遅くてね。永遠亭に薬を貰ってきて欲しいのだけれど」

男「永遠亭?どこそれ?」

咲夜「場所は魔理沙に教えてもらえばいいわ。吸血鬼に効く塗り薬を貰ってきて頂戴」

魔理沙「フランがケガかぁ。治らないってのはおかしいな」

男「擦り傷なんだろ?そこまでするほどか?」

咲夜「妹様の傷は私達の傷と同義よ。つべこべ言わずに行って来なさい」
186 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/05(月) 00:25:16.85 ID:bTD+E/ov0
おまた
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/05(月) 00:43:12.64 ID:4OEDMT5To

美鈴さんの株が・・・
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/05(月) 00:44:03.44 ID:Nk0Qc3V10
弱体化してるな
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/05(月) 01:14:53.92 ID:Tz9q5OzA0
おつおつ
はてさて何がでるやら…
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/05(月) 17:35:34.77 ID:Nk0Qc3V10
新参ホイホイのうどんげと、かぐや姫のかぐやが出るな、かぐやは美人だから惚れちまうんじゃねえかな
191 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:14:03.52 ID:O2A0zSmu0
人里を抜けた先に“迷いの竹林”と呼ばれる場所があるらしい。
そこへ足を踏み入れた者は、人であれ妖怪であれ等しく迷ってしまうらしい。
しかし永遠亭はその竹林を越えた先にある。

魔理沙「そんで、私の知り合いに案内を頼もうと思ったんだけど...」

男「その当人がいないってか」

魔理沙「これは困ったんだぜ」

男「空から探せないのか?」

魔理沙「竹林で隠れてるから厳しいかな」

男「となると歩くしかねぇか...」
192 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:14:40.10 ID:O2A0zSmu0
地面をジッと見つめる。
かすかではあるが、人が通った跡がうっすらと確認できる。

男「...?...なぁ、この竹林にはその永遠亭とやらしかないのか?他に建物とか住んでる人はいるか?」

魔理沙「どうだろうなぁ...人が住んでるなんて聞いたことないんだぜ」

男「了解。じゃあ大丈夫だな」チラッ

魔理沙「?」

男「ほいほい、さっさと行くぞ」

魔理沙「ちょ、流石に無謀なんだぜ!?」

男「へーきへーき。俺、森とか山で迷ったことねぇから」
193 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:15:17.39 ID:O2A0zSmu0
ーーーー

竹林の入り口でふらふらしていると、とてもおもしろいモノを発見した。
一人は霧雨魔理沙、私もよく知っている人間の魔法使いだ。
そしてもう一人、こちらははじめて見る人間のオスだ。
あろうことかそいつは魔理沙の制止を無視して竹林に入っていったのだ。

ちょうどいい。お師匠様は忙しそうだし鈴仙はまだ帰ってこないから、あいつで暇つぶししよう。

迷いの竹林へようこそ。


男「...」


194 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:16:28.60 ID:O2A0zSmu0
男「なるほど、この方向に真っ直ぐか」

魔理沙「な、なぁ。本当に大丈夫なのか?」

男「道もあるし人の痕跡もある。確かに景色は似てるし少し傾斜してるから迷いやすいかもしれんが、このくらいなんてことない」

魔理沙「道なんて全く見えないんだぜ...」

男「ここより酷い場所で作業したこともあるからなぁ。あん時はびびったぜ、知らない内にUターンしてるんだもん」


な、なんなんだあの人間!妖精ですら迷うこの竹林を平然と抜けていってる!?
ありえない!

で、でも大丈夫!この先には罠が仕掛けてある!
帰ってくる鈴仙の為に作った罠だけどしょうがない。
あの人間が落ちたところを指さして笑ってやろう。
195 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:17:17.62 ID:O2A0zSmu0
男「...ん?」ピタッ

魔理沙「急に止まってどうしたんだぜ?もしかして迷ったのか?」

男「いや...なぁ魔理沙、この竹林を拠点に遊んでる、もしくはここを所有している人っているか?」

魔理沙「ん?あぁ、一応この竹林は永遠亭が管理してるはずだぜ?後はよくてゐが人を迷わせて遊んでるな」

男「てゐ?」

魔理沙「そそ、因幡てゐ。永遠亭にいる妖怪兎だぜ」

男「へぇ...ウサギねぇ」

魔理沙「それがどうかしたのか?」

男「まぁ見てろ...それっ」

ズボッ!

魔理沙「落とし穴!?」

男「陥穽(落とし穴のこと)だな。先にも何ヶ所か仕掛けてある」
196 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:18:01.57 ID:O2A0zSmu0
なんでバレた!?
いままでバレた事なんて、それこそ鈴仙にだって気付かれた事ないのに!?

魔理沙「それにしてもよく分かったんだぜ」

男「よく見てみろ。穴の周りに色が濃い土が少しあるだろ?つまり最近掘られたっつーことだ。しかも穴のカモフラージュを意識しすぎて周りの落ち葉が減ってる。これじゃあここに何か仕掛けましたと言ってるようなもんだ」

魔理沙「確かに言われてみれば...いや、全然分かんない」

男「俺はわな猟もやるからな、経験値の差だ。この掛け方じゃ人間は掛かっても、動物はかからないだろう...っと誰か来るな」

魔理沙「?」

「あの...どうかしましたか?」

振り返るとそこには可愛らしい女の子が立っていた。

ピンク色の長い髪、クリクリとした紅い瞳、そして...

ピョコ ピョコ

男(うさ耳が生えてるー!?)
197 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:18:31.77 ID:O2A0zSmu0
なんでバレた!?
いままでバレた事なんて、それこそ鈴仙にだって気付かれた事ないのに!?

魔理沙「それにしてもよく分かったんだぜ」

男「よく見てみろ。穴の周りに色が濃い土が少しあるだろ?つまり最近掘られたっつーことだ。しかも穴のカモフラージュを意識しすぎて周りの落ち葉が減ってる。これじゃあここに何か仕掛けましたと言ってるようなもんだ」

魔理沙「確かに言われてみれば...いや、全然分かんない」

男「俺はわな猟もやるからな、経験値の差だ。この掛け方じゃ人間は掛かっても、動物はかからないだろう...っと誰か来るな」

魔理沙「?」

「あの...どうかしましたか?」

振り返るとそこには可愛らしい女の子が立っていた。

ピンク色の長い髪、クリクリとした紅い瞳、そして...

ピョコ ピョコ

男(うさ耳が生えてるー!?)
198 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:19:32.79 ID:O2A0zSmu0
魔理沙「お、鈴仙!仕事終わりか?」

鈴仙「うん、今日は町に薬を届けるだけだったから。...それで」チラッ

魔理沙「おっと、紹介するんだぜ。こいつは男、最近幻想郷に来た外来人だ。んでこっちが鈴仙・優曇華院・イナバ、永遠亭の薬売りだ」

鈴仙「...」ジーー

男「...あの、なんでしょう?」

鈴仙「わわっ!?す、すみません!なんでもないんです!」

あたふたと手を動かすうさ耳少女。うん、こいつあざといな。
199 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:21:41.75 ID:O2A0zSmu0
男「まぁ初めまして。これから丁度永遠亭に向かおうと思ってたんですよ。」

鈴仙「そうだったんですね。ではあと少しですが案内しましょう!」

男「それで?魔理沙の言った妖怪兎ってこの人か?」

魔理沙「鈴仙とてゐは別人なんだぜー」

鈴仙「あの...うちのてゐが何か失礼を?」

男「いやいや、失礼っつーかこれ」ユビサシ

鈴仙「落とし穴!?もしかして落ちたりしちゃいましたか!?」

魔理沙「男が先に見つけてくれたから大丈夫なんだぜ」

鈴仙「そうだったんですか...ホントにすみません!後で私から強く言っておきます!」

ものすごい勢いで頭を下げる鈴仙という少女。
この瞬間動作だけで、この少女が普段から苦労しているのが伺える
200 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:24:40.34 ID:O2A0zSmu0
男「いっつー!銃に弾いれてなくて良かった。暴発するとこだった...」

踏み板に足を置く寸前で腕を掴んだ。
不意に腕を引っ張ってしまったせいで、鈴仙共々後ろに倒れてしまった。
幸い男が尻餅をついただけで済んだが...

鈴仙「はわわ///」

男「あーすみません、急に引っ張っちゃって。大丈夫ですか?」

結果的に鈴仙を正面から抱き留める形になってしまった。

男「あ、あのー」

鈴仙「ひゃ!ひゃい!?」

男「そろそろ退いて頂けるとありがたいんですが...」

鈴仙「す、すびません!!」バッ

男「い、いえ、こちらこそ」

鈴仙「///」

男「...」

魔理沙「え、この空気はなんなんだぜ?」
201 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:25:20.37 ID:O2A0zSmu0
男「とりあえず、俺は陥穽がどこにあるか分かるから、鈴仙さんは道を間違ったら教えて下さい」

鈴仙「は、はぃ...」

うん、非常にやりにくい。
そんなに照れられるとこっちまで動揺するからホントにやめてほしい。

そして魔理沙、そんな目で俺を見るな。あれは唯の事故だ。
だから間違ってもさっきゅんに言っちゃダメだぞ☆
絶対に良くないことが起きるから。主に俺に被害が出る方向で。
202 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:25:51.65 ID:O2A0zSmu0
鈴仙「そ、そういえば、お二人はここまでどうやって来たんですか?」

魔理沙「あー、最初は妹紅に頼もうと思ったんだけどいなくて。結局は男が大丈夫っつってここまで来たんだぜ」

鈴仙「この竹林を初見で突破出来る人なんて初めて見ましたよ」

男「森歩きは慣れたもんだからな。それに案内人も付いてきてくれてたし」

魔理沙「ん?案内人?」

男「いいかげんでてこい!オラッ!」ヒュッ!

腰に付けていた剣鉈を投げる。
木に刺さる鈍い音と同時に、小さな悲鳴があがった。

「ひっ!?」
203 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:26:35.64 ID:O2A0zSmu0
男「竹林に入った時からずっと付いて来てたよなぁ?出てこないと今夜は兎鍋にするぞ?」

鈴仙「あわわ」ガクガク

魔理沙「こっちの兎にもヒットしてるからやめてやるんだぜ...」

鈴仙「食べられる...食べられちゃう...たべられる?..............////」

魔理沙「おいコラ何想像してんだ発情うさぎ。私に分かるように言ってみろ?お?」
204 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:27:43.11 ID:O2A0zSmu0
>>197はミス
おやすみ
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/06(火) 00:29:08.36 ID:bJOK4AZk0

ここで>>21を思い出してみよう
206 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/06(火) 00:36:26.51 ID:O2A0zSmu0
すまん、>>199>>200の間が抜けてる。
眠いとダメだな。



鈴仙「それでは行きましょうか!」

そう言って前に出た鈴仙先へが進もうとする。
身内がしでかした責任からか、やけに張り切ってるように見える。
しかしその先には落とし穴が。

男「あぶねっ!」ガシッ

鈴仙「えっ?」フワッ



ドスンッ!
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 00:52:58.20 ID:M5w3pQ560
ツッコみどころはあるけど狩りに興味ある人間としては普通に面白い
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 01:56:57.34 ID:KgotTMzA0
おつおつ
狩人相手にてゐが翻弄されるってのもなかなか無いなw
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/07(水) 16:57:48.31 ID:wqOJcE170
さすがは年中発情期のウサギだな
210 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/12(月) 21:44:56.70 ID:NgwIurO60
???「...ッ」ダッ

魔理沙「あ、にげた」

男「逃がすか!」ダッ

鈴仙「む、無茶ですよ!竹林でてゐに追いつけるはずが無いじゃないですか!最悪迷ってしまいますよ!!」

魔理沙「...多分もう聞こえてねーんだぜ」

鈴仙「そんな...探しに行かないと」

魔理沙「まぁまぁ、先に私達だけでも永遠亭に行ってようぜ。きっと男は大丈夫だし...というか」

鈴仙「?」

魔理沙「この場合、てゐの方が心配なんだぜ...」
211 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/12(月) 21:46:37.88 ID:NgwIurO60
鈴仙「ただいま戻りました!」ガラガラ

永琳「あら、お帰りなさいウドンゲ。お客様かしら?」

魔理沙「お邪魔するんだぜ!」

永琳「久しぶりね魔理沙。今日はどうしたのかしら?」

魔理沙「いやー、私はただの付き添いだったんだが、当人がてゐを追ってどっか行っちまって」

鈴仙「あの...やっぱり今からでも探しに行った方が...」


ガラガラ!!


男「こんちわー、あれ?やっぱ先に行ってたのか」

魔理沙「...お、おう。予想以上すぎる早さなんだぜ...」

鈴仙「て...てゐ」

てゐ「」チーン
212 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/12(月) 21:47:56.67 ID:NgwIurO60
永琳「初めまして。永遠亭で医師をやらせていただいてます。八意永琳と申します。うちのてゐがご迷惑を...」

男「あ、これは丁寧にどうも、男と言います」ペコリ

永琳「里の方ですか?失礼ですがあまりお見かけしない方のようですので」

魔理沙「男は外来人なんだぜ。最近迷い込んできた」

永琳「そうでしたか。それは大変でしたでしょうに。ささ、あがって下さい」

男「こりゃどーも。では失礼します」

永琳「ウドンゲ、てゐを部屋に運んだらお客様にお茶を出して頂戴。私もすぐに行くわ」

鈴仙「は、はい!」
213 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/12(月) 21:49:21.16 ID:NgwIurO60
ーーーー

鈴仙「どうぞ」コトッ

男「お、ありがとうございます」ズズッ

魔理沙「それにしても、よくてゐを捕まえられたんだぜ」

男「んー?まぁ逃げようとする奴の心理なんて読みやすいからな。相手は妖怪だし地の利もある。どうせ走っても追いつけないから、戻ってきそうな場所で待ってたんだよ」

鈴仙「それであんなに早く捕まえられたんですね」

男「追いつかれる事はないと油断してたんだろ。でも相手の動きも気になる。だからある程度見えなくなったらすぐに戻ってくる。こんなところだな」
214 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/02/12(月) 21:49:53.80 ID:NgwIurO60

魔理沙「すごいんだぜ...ますます人間だとは思えない」

男「スレた鹿とかも同じ動きをするからな。最悪コイツを使おうと思ってたし」カチャ

魔理沙「や、やめてやるんだぜ...」

男「ははっ、冗談だよ」

鈴仙「...そろそろお師匠様を呼んできますね」ガラガラ







鈴仙「やっぱり...あの人が持ってるのって...銃...だよね」

215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/12(月) 21:53:03.95 ID:7TCwJSLl0
あんたも変な銃持ってるでしょ
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/13(火) 19:10:15.25 ID:r64odz7K0
乙です
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/13(火) 20:00:43.40 ID:SaAQVjzSO
座薬
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/02/18(日) 21:02:02.50 ID:nDWMoFrb0
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=67153575
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/26(月) 01:23:55.49 ID:LLyeqrHg0
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=67306827
220 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/03/07(水) 00:27:47.02 ID:W28GTvxU0
永琳「お待たせ致しました。これが吸血鬼用の塗り薬です」

男「どーもどーも、ありがとうございます」

鈴仙「それにしても、吸血鬼なのにケガが治らないなんて、おかしいですね」

魔理沙「というか、最近おかしくないか?」

鈴仙「おかしい?」

魔理沙「なんだか能力の発動がしにくくなってる気がするんだぜ」

男「そうなの?」

魔理沙「ほら、美鈴の能力も最近調子悪いだろ?いくら男の気配察知が鋭くても、“気を使う程度の能力”を持っている美鈴が遅れを取るハズがないんだぜ」
221 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/03/07(水) 00:28:54.48 ID:W28GTvxU0
鈴仙「そんなことが...それはちょっと不思議ですね」

永琳「...やはりそうなっているのね」

鈴仙「師匠...?」

永琳「私だけの不調だと思っていたのだけれど...魔理沙に紅美鈴...実は姫も今朝方、ささくれがずっと治らないって暴れていたのよ」

男「そんぐらいで暴れるなよ...なんだよその姫さん...」

永琳「魔理沙、霊夢はこのことについてなにか?」

魔理沙「いや、まだ何も言ってないんだぜ。単なる体調不良だと思ってる奴が大半だと思う」

永琳「早いとこ紫と合流した方がいいわ。何もないに越したことはないけれど...何か良くない事が起こりそうな予感がするの」





ガシャァン!!
222 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/03/07(水) 00:29:42.12 ID:W28GTvxU0

男「なんの音だ?」

永琳「庭からね...鈴仙!」

鈴仙「はい!」ガラッ

魔理沙「!?...なんだぜこいつら...!?」


庭にいたのは、ボロボロの鎧を纏った人型のナニか。
元は人だったのであろうか、鎧の隙間から見えるその身体はほぼほぼ白骨化しており、所々に付着している肉片がより一層不気味さを際立てている。
10体程いるそれらは、それぞれが刀や槍を持っており、明らかな敵意を見せている。
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 00:30:36.89 ID:SZ3Bq26x0
さまよう鎧かよ
224 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/03/07(水) 00:31:07.93 ID:W28GTvxU0
永琳「...薬を貰いに来たってわけではなさそうね」

男「いや分からんぞ、案外乾燥肌に悩んでるのかも」

魔理沙「乾燥肌ってレベルじゃないんだぜ...鈴仙、どうするんだ?」

鈴仙「...しい」

男「あ?」

鈴仙「...おかしい、波長が全く掴めない...」

魔理沙「鈴仙も不調なのか!?とりあえず弾幕を...あれ?」

鈴仙「嘘...弾幕が撃てない...?」

永琳(...これは想像以上にマズイ、能力も弾幕も使えない今の私達はただの女子供にすぎない...鈴仙は体術が使えるでしょうけど、魔理沙とてゐ、姫とこの人間を連れて脱出できるかどうか...)
225 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/03/07(水) 00:32:24.42 ID:W28GTvxU0
魔理沙「まずいんだぜ!こっち来てる!」

鈴仙「...ここは私が食い止めます!皆さんは避難を!」


先陣を切り込んできたのは2体。
一歩前に出た鈴仙は格闘の構えを取る。


そしてその拳より前に延びる一本の黒い鉄の棒。



ドォン!! ドォン!!

226 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/03/07(水) 00:33:44.40 ID:W28GTvxU0
永琳「!?」

鈴仙「...」


随分と久しぶりに聞いたこの音。
月では時代遅れの兵器として、すでに使われる事が無くなっていた。

プラスチックで作られた小さな筒が鈴仙の前に飛び込んでくる。
その先で、襲いかかってきていたモノが、その頭部を粉々にさせている。



男「地元住民への被害を確認。駆除要請を受理。有害駆除捕獲を実施します」カチャ
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 00:49:16.04 ID:SZ3Bq26x0
ただの猟師じゃねーなコイツは
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/07(水) 02:18:39.38 ID:gXwBusdA0
おつおつ
妨害系がガッツリ刺さるのかw
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/07(水) 16:29:17.98 ID:SZ3Bq26x0
えーりんは弓矢で戦えるでしょ
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/07(土) 22:00:55.11 ID:4VHjMtOz0
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 01:09:28.79 ID:/jVciu5A0
続きこないかなあ…
232 : ◆c820aNQT76 [saga]:2018/11/07(水) 00:34:34.77 ID:zcmUxUjOo
てすと&生存
近々続き書く
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/07(水) 05:37:18.90 ID:yrUHuvB9o
待っとるぜ
234 : ◆c820aNQT76 [saga]:2019/09/21(土) 00:45:27.85 ID:BeLXC/QC0
男「こうなるんならザック持ってくれば良かった...っと」カチャ ドン!ドン!

素早く弾込めを行い、近い標的から撃つ。
一番遠くても20m程しか離れていないので、外すわけがない。

男「くそっ、明らかに雑魚っぽい相手にスラッグ使いたくねぇのに」

魔理沙「男!!後ろ!!」

男「あ?うぉ!?」

恐らく背後の屋根の上にいたのであろう。2体の鎧武者が背後から男を襲う。
いきなり現れた至近距離の標的に急いで照準を合わせようとするが

鈴仙「フッ!!」

すかさず鈴仙がカバーに入り、1体を蹴飛ばしもう1体も一瞬で組み伏せる。

鎧武者「...」カチャリ

男「大人しくしとけ」ドォン!

蹴飛ばされた鎧武者が立ち直ろうとしたので、男がすかさず頭部を撃ち抜く。
235 : ◆c820aNQT76 [saga]:2019/09/21(土) 00:46:10.33 ID:BeLXC/QC0
男「鈴仙さんありがとうございます」

鈴仙「いえ、それより刃物をお借りしてもよろしいですか?」

男「いいですけど...ちなみに何を?」

鈴仙「こいつの首を落とします」

男「お、おう...どうぞ」

剣鉈を渡すと、鈴仙は躊躇無く首に振り落とした。

男(この子戦闘能力高過ぎでしょ...)ドォン! ドォン!

236 : ◆c820aNQT76 [saga]:2019/09/21(土) 00:46:57.27 ID:BeLXC/QC0
男「とりあえず終わった?」

鈴仙「気配はないようですが...」

魔理沙「ひ、久しぶりにドキドキしたんだぜ...」

永琳「...」

永琳は目の前に転がる骸を見ながら考える。

永琳(こいつらは一体なんなのかしら...弾幕勝負を仕掛けるわけでもなく、ただただ殺す為に襲ってきた?魔力や霊力がほとんど感じられないのも不思議だわ...)

男「んで、結局こいつらなんだったんですかね?」

鈴仙「分かりません...妖怪ではなさそうですし、悪霊のようなものなのでしょうか?それにしては霊力をあまり感じません」

魔理沙「それは私達も同じなんだぜ。今は魔法が使えるけど、こいつらに襲撃されてた時は魔力も何も使えなくなったんだぜ」

鈴仙「確かに、能力も元に戻った気がします」
237 : ◆c820aNQT76 [saga]:2019/09/21(土) 00:47:29.57 ID:BeLXC/QC0
魔理沙「それにしても男がいてよかったぜ。一時はどうなることかとヒヤヒヤしたんだぜ」

男「それは俺も同じだ。とりあえず襲われそうだったから撃ったが、未だに頭の理解が追いつかない」

本当に焦った。これ撃っちゃったけど大丈夫だよね?
追加の許可申請とかいるのか?あ、そもそも幻想郷の従事証とか持ってなかったわ。

男「俺としては鈴仙さんが戦闘なれしててビビッたんだけど...」

鈴仙「あはは...」

永琳「ウドンゲは元月の兵士なんですよ。なのでこういった戦闘はある程度できます」

男「月の兵士...?」
238 : ◆c820aNQT76 [saga]:2019/09/21(土) 00:48:56.60 ID:BeLXC/QC0

待たせたな
つまりはそういうことだ
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/21(土) 11:31:09.81 ID:JzeUtYKR0
ビ、ビックボス!?
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/09/21(土) 20:07:01.87 ID:yj1reyTW0
次は太陽の畑でゆうかりんとラブラブになろうぜ
241 : ◆c820aNQT76 [saga]:2019/09/21(土) 23:08:20.20 ID:BeLXC/QC0
男「月の兵士ってどういうことですか?」

鈴仙「なんといいますか...色々あったとしか」

永琳「ごめんなさい。簡単には説明できないの」

男「いえ、大丈夫です。むしろ詮索するような質問して申し訳ない」

鈴仙「ごめんなさい...」

男「ホントに謝まらんでください。とりあえず鈴仙さんは元兵士で強くて、俺は助けてもらった。それでいいですね?」

永琳「理解していただきありがとうございます」

永琳(これは私の失言だったわね...不信感を抱いてなければいいけど)

男(よく分からんけど、鈴仙ってすげぇのな。強くてかわいいって最高かよ)

対して男は気にもせず考えてもいなかった。
242 : ◆c820aNQT76 [saga]:2019/09/21(土) 23:11:27.94 ID:BeLXC/QC0
魔理沙「しっかし、この腐りかけっぽい身体はどうするんだぜ?」

先の戦闘で倒した鎧武者は12体。その躯があちこちに転がっている。
魔理沙が枝でつついてみるが、頭を砕かれた鎧武者は完全に機能を停止しているようだ。

すると...

サァァァ...

男「!?」

魔理沙「うお!?砂になった!?」

永琳「いえ、これは塩ね」

永琳が鎧武者であったはずの粉を手で掬う。

魔理沙「死体が塩になる?どういう魔術なんだぜ?」

永琳「いえ、恐らく魔術ではないでしょう」

いきなりの展開に各々が驚いていると、空から声が聞こえてきた。

霊夢「男!!大丈夫!?」

男「お、霊夢ちゃんか。なんとかな」

霊夢「団子屋でお茶を飲んでいたらその武器の音が聞こえたから...」

魔理沙「霊夢!遅かったんだぜ!」

霊夢「しょうがないでしょ!何故か飛べなくなってたし、能力が何も使えなかったんだから!」

永琳「やはり霊夢もそうだったのね。こちらも誰一人として能力が展開出来なかったわ」

霊夢「それで男が...結果的には男がいて助かったみたいね」

男「俺だけじゃない。なんなら鈴仙さんに助けられた」

霊夢「そっか、鈴仙は能力が無くても戦えるものね。男を助けてくれてありがとう」

鈴仙「そんな、とんでもないですよ!」
243 : ◆c820aNQT76 [saga]:2019/09/21(土) 23:13:58.90 ID:BeLXC/QC0
事の顛末を霊夢に話すと、少し考え込んでいるようだ。

霊夢「なるほど、骸骨のような鎧武者ね。そして機能を停止すると塩になる...」

魔理沙「やっぱりこれは異変なのか?」

霊夢「その可能性が高いけど...能力が使えなくなるってのがネックね。鈴仙とかは生身でも戦えるけど、それ以外は能力を無くせば唯の女子供になってしまうわ。解決するにしても対策が思い浮かばないわね...」

男「鎧武者みたいな手下を扱える知り合いはいないのか?」

霊夢「いるとすれば幽々子、もしくは青娥」

魔理沙「あとは正邪なんかも怪しいんだぜ」

男「紅魔館から一番近いのは?」

霊夢「多分白玉楼だから幽々子になるけど...あなた、何を考えているの?」

男「ん?そんなの行って確認するに決まってんだろ。こんなんが続かれると困る」

霊夢「はぁ!?あなたは紅魔館で異変が解決するまで避難してなさい!」

男「じゃあ誰が行くんだ?もしドンピシャだった場合、どうやって戦うんだ?」

霊夢「そりゃもちろん弾幕ごっこで...」

男「能力が使えなくなるのにか?相手は弾幕なんて撃ってこないぞ?めっちゃ肉弾戦だったぞ?」

霊夢「...」

魔理沙「二人とも落ち着くんだぜ。少なくとも紫と一緒で幽々子は明日まで帰ってこないんだろ?なら明日まで待つしかないんじゃないのか?」

男「あ、そうなの?直に日も暮れるだろうから近いとこ行きたかったんだけど...準備もできてないのに他に行くのは得策とは言えないな」

魔理沙「そういうことだぜ。とりあえず今日は解散、明日また考えようぜ。霊夢もそれでいいか?」

霊夢「...うん」
244 : ◆c820aNQT76 [saga]:2019/09/21(土) 23:15:02.14 ID:BeLXC/QC0
今日のところは魔理沙の一言で解散になった。
明日、事情を知る代表者が紅魔館に集まり、もう一度話し合う。
もうだいぶ日も傾き、薄っすらと夕焼けが空を覆っていた。

男「...さっきはごめんな。霊夢ちゃんの立場を考えてなかった」

霊夢「え...?」

男「色々聞いたんだけどさ。今までこういう事が起きてたら、霊夢ちゃんが解決してたんだろ?それなのに否定するようなこと言ってごめん」

霊夢「別に気にしてないわ...私もちょっと焦ってただけよ」

男「でもさっき言った事は考えといてくれ。実際問題能力が使えない状態がどうなるのか。こっちの世界に来たばっかの俺が言ってもしょうがないけどさ、頼ってくれていいんだよ」

霊夢「...ふんっ、現に私に抱えられてる人に言われても説得力がないわね」

男「そりゃそーだ。少なくとも二度目の空中浮遊にビビってる」ククッ

霊夢「二度目?咲夜かしら」

男「咲夜もそうだが、アイツの場合能力かなんかのせいで飛んでいた記憶がない。覚えてるのは早苗ちゃんの時だ」

霊夢「あぁ...大方、外来人だからって暴走したんでしょう」ハァ...

男「ご名答。お、紅魔館が見えてきたな」

霊夢「男...」

男「あんじゃ?」

霊夢「...ありがと」

男「どういたしまして」ククッ
245 : ◆c820aNQT76 [saga]:2019/09/21(土) 23:15:39.63 ID:BeLXC/QC0
とりあえずここまで。
また気が向けば
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/22(日) 05:11:55.45 ID:vDwgE3250
人里に降りた子熊とかも駆除して理解無い人から非難されてそうだな
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 21:16:00.80 ID:ddAkeCJ/0
三毛別のあの事件を知ってればそんなこと言えなくなるだろうな
248 : ◆c820aNQT76 [saga]:2020/12/14(月) 22:44:42.73 ID:JP20b/Ti0

〜〜紅魔館〜〜

レミリア「そう、事情は分かったわ」

男「ということで、明日は朝から白玉楼ってとこに行きたいんだが」

パチェ「なるほどね。能力が一切使えなくなる・・・これは確実に異変ね」

レミリア「ただの異変だったらいいのだけれど、これは幻想郷の者にとっては厄介ね」

男「さっき話したとおりだが、霊夢ちゃんとかフランとかの最大の強みが失われている状況だ。部外者だから頼りにならないかもしれんが、俺が動くってのが一番合理的だと判断した」

レミリア「そうではあるけれど。男、一つだけ訂正しなさい」

男「?」

レミリア「あなたはもう部外者じゃない。紅魔館の家族よ。次そんな腑抜けたこと言ったら、全力でフランと鬼ごっこしてもらうから注意しなさい」

男「・・・ん、それならまずフランが全力を出せるようにしてあげないとだな」
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/14(月) 22:46:23.07 ID:JP20b/Ti0
パチェ「それで、乗り込むと言ってもどうするのかしら。あなた流石に一人で突っ込むような事はしないわよね」

男「とはいってもな・・・こればっかりはどうしようもなくないか?」

レミリア「・・・咲夜、美鈴、聞いてるんでしょ」

ガチャ

美鈴「あはは・・・バレてましたか」

咲夜「・・・」

男「なんか気配を感じると思ったら、二人だったのか」

美鈴「いやー、只ならぬ様子で男さんが帰ってきたので、これは何かあるなと思いまして」

咲夜「それで門番をサボっていい理由にはならないのだけれど?」

美鈴「そんなこと言ったって、咲夜さんなんて私よりさk「黙りなさい」ひぇ・・・」

咲夜「まったく・・・美鈴といい男といい、どうして私の同僚はこうも勝手に動く馬鹿が多いのかしらね」

男「おい、美鈴のせいで俺まで怒られちゃったじゃねぇか」

美鈴「この場合男さんのほうが怒られる割合多いと思いますけどね」

咲夜「・・・男、一つ言っておくわ」

男「そんなイライラしながら放たれる言葉怖すぎるんだが。何?」

咲夜「茶化さないの。・・・いい?」

咲夜「私はお嬢様にあなたを守るように言われた。そして何より、あなたは家族なの」

咲夜「家族で支えあう大切さを教えてくれたのは、あなただったはずだけれど?」

男「・・・自分で言ったことを曲げるわけにはいかないな」
250 : ◆c820aNQT76 [saga]:2020/12/14(月) 22:47:31.69 ID:JP20b/Ti0
レミリア「安心しなさい。美鈴は言わずもなが武術の達人。咲夜もナイフさえあれば負けることはないわ」

男「鈴仙さんのときも思ったけど、君たち能力あるのに戦闘力高すぎない??」

美鈴「伊達に何度も死線潜ってないですよー」

咲夜「して、明日の早朝に白玉楼へ向かえばいいのですね?」

レミリア「そうなるわね。男が強いことは知ってるけど、もし幽々子が犯人だった場合、男だけだと対処に困るはずよ。二人でしっかりサポートして頂戴」

咲夜・美鈴「はい!!」

レミリア「パチェは小悪魔に明日からの門番をお願いして、それと」

パチェ「分かっているわ。この異変に関連してそうなものを調べておく」

レミリア「とにかく今は情報が必要よ。早急にお願い」

251 : ◆c820aNQT76 [saga]:2020/12/14(月) 22:48:41.43 ID:JP20b/Ti0
〜〜翌朝〜〜

男「んじゃ、とりあえず行ってくるわ」

レミリア「分かってると思うけど、十分に気を付けてね」

フラン「行っちゃうの?」

男「いや、ちょっと近所に行って来るだけだから、そんな大層なことじゃないぞ」ナデナデ

フラン「むふー。ちゃんと帰ってきてね?帰ってこなかったら全部壊しちゃうから」

男「おう、それなら是が非でも帰ってこないとな」

美鈴「門番お願いしますね」

小悪魔「はい!こちらのことはお任せください!」

咲夜「ではお嬢様、行って参ります」

レミリア「3人とも、よろしくね」

252 : ◆c820aNQT76 [saga]:2020/12/14(月) 22:50:18.97 ID:JP20b/Ti0
〜白玉楼前〜〜

咲夜「さて・・・」

男「この階段を上がれば白玉楼」

美鈴「能力が使い辛くなってますね。もしかしたら本当に主犯はここかもしれません」

咲夜「2人とも、気を付け行くわよ」

男「・・・ちょっと待って。え?さっきゅんがリーダーなの?」

咲夜「何かしらその不名誉な呼び名は。不快だわ」

男「いや、こういうのってリーダーちゃんと決めておいた方がいいだろ」

咲夜「それはそうだけれど、別に私がリーダーになりたい訳じゃないわ」

男「いやいや、完全に前のめりになってたじゃないですか。いいですよさっきゅんリーダーで」

咲夜「次その名で呼んでみなさい。二度と声を発せなくするわよ」

男「おい、俺の護衛怖すぎんだろ。なんで前も後ろも気をつけなきゃいけないの」

美鈴「あのー・・・」

男「どうした美鈴。リーダーやりたいのか。それならまず小型移動式クレーンの免許を取ってだな」

咲夜「何の話をしてるのよ」

美鈴「そうではなくて・・・階段の上に」

男「あ?」
253 : ◆c820aNQT76 [saga]:2020/12/14(月) 22:51:43.81 ID:JP20b/Ti0
階段を見上げると、そこには昨日振りの姿があった。
3人を敵と認識したのか、武器を手にゆっくりと下ってくる。

咲夜「あれが話に聞いてた・・・」

美鈴「実際見ると不気味ですね。どれ・・・やっぱり能力は使えないみたいですね」

咲夜「使えてたらとっくにあいつらを串刺しにしているわよ」

男「どうしたさっきゅん、焼き鳥屋にでもなりたいの?鳥の妖怪とか虐めるなよな」

咲夜「そうなったら記念すべき最初のメニューは人間の串焼きね」

男「自分から肉を調達するわけか。言い値で買った」

咲夜「あんたの肉に決まってるでしょ!!」

くだらない言い争いをしている最中にも、鎧武者はどんどんと近づいている。
あと何段もしないうちに3人と接敵するだろう。

美鈴「2人とも、もうすぐ側まで来てますよ」

鎧武者の1人が腕を振り上げる。そうやら槍を投げるつもりらしい。
が・・・

ドォン!! ヒュッ!

鎧武者「!!??」

槍を投げるはずだった鎧武者の頭部が粉々に砕け、喉と心臓、槍を投げようとした手首にナイフが突き刺さっている。
そんな光景を目の当たりにした周囲の鎧武者が、明らかに動揺する。
なんてことはない、相手が悪すぎたのだ。

男「やっぱりバックショットがいいみたいだな」

咲夜「あなた達?まだ人が話してるでしょう?不躾な輩には教育をしてあげないとね」

美鈴(これ私いるのかなぁ・・・)
254 : ◆c820aNQT76 [saga]:2020/12/15(火) 00:04:35.96 ID:VdPzyVgr0

ドォン!!  ドォン!!

男「これぐらいならただの的だ」カチャ カチャ ガチャン!

咲夜「フッ…!!」ヒュッヒュッ

高速で放たれる鉛の粒と、視認不可能な速さのナイフが飛び交う。

男「くそ、もうちょっとで階段が終わるのに、どんどん沸いてきやがる」

咲夜「美鈴!後ろの頼むわよ!」

美鈴「りょーかいです!!」

美鈴が腰を深く落とし、鎧武者と対峙する。
切りかかる刀をいなし、懐に入り込んだ。

美鈴「ッセイっ!!」ドン!

深く踏み込んだ下半身から力が集中するように、美鈴の掌底が鎧武者の喉元を砕く。
放たれた衝撃は一転に集中し、ガラスを割るように骨が砕け、鎧武者の首が飛ぶ。

男「なにあれすごい。美鈴かっこいい」

咲夜「よそ見してるんじゃないわよ!」ヒュッ

咲夜から放たれたナイフが、男の脇を抜けて鎧武者に突き刺さる。

男「あぶね!なんで不機嫌になってんだよ。拗ねてんのか?」

咲夜「口はいいから手を動かしなさい!」

美鈴「階段が終わります!」

男「おっしゃ、ようやく本丸か」
255 : ◆c820aNQT76 [saga]:2020/12/15(火) 00:05:01.99 ID:VdPzyVgr0
階段を上がると門が見えた。
門は閉まっているが、中から何者かが戦っている音が聞こえる。

咲夜「どうする?」

男「決まってんだろ、突破するぞ」ガチャ

男「鍵がかかってやがる」

美鈴「男さん、少しどいてください」

男「おう?」

美鈴「スゥ・・・ハッ!!」

美鈴が鉄山靠を放ち、門を突破する。

男「流石門番。門の破り方に詳しいな」

美鈴「いやー、それほどでも」

咲夜「褒めているのかしら?」

男「この場においては大絶賛だろ」
256 : ◆c820aNQT76 [saga]:2020/12/15(火) 00:05:53.13 ID:VdPzyVgr0
美鈴が破壊した門をさらに蹴飛ばし、完全に門を開く。

男「おら!!紅魔組だ!!!であえであえ!!」

咲夜「あんたがそれ言ってどうするのよ」

白玉楼に侵入し、最初に目撃したのは

男「・・・女の子が襲われてる」

咲夜「妖夢!」

銀髪女の子が額から血を流し、片膝をついている。
手には刀を持っているが、多勢に無勢で襲われたのだろう。
周囲には何体もの鎧武者が立っている。その中に、ほぼ人の肉体をとどめている、明らかに周囲とは雰囲気の違う武者がいた。

???「・・・菴輔□雋エ讒倥i縺ッ縲り?蜉帙′菴ソ縺医↑縺??縺壹↑縺ョ縺ォ縺昴≧??」ドォン!!

理解できない言語を発している武者に対して、男は躊躇なく引き金を引いた。
頭部を撃たれた武者は膝から崩れ落ち、その場に倒れた。
銀髪の少女は何が起きたかのか把握できず、目を丸くしている。

咲夜「・・・あんたね、いや判断としては正しいのかもしれないけど、もうちょっと間というかなんというか」

男「んなもん逃げられたら意味がねぇ。安全が確保されてて捕獲対象が視認出来たら、俺は躊躇なく撃つぞ。しかも目の前に被害があるのに、戸惑う理由がねぇ」

美鈴(なるほど、これが男さんの強さの根源ですか)
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/07(木) 22:40:57.32 ID:hX8h4wz80
楽しみにしてるからな
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