ブライアン・ホーク「鷹村に復讐する」

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20 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 02:29:07.21 ID:pNTRltSm0
>>19
たしかに日本語がおかしかったので、3レスほど訂正しときます
21 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 02:30:58.24 ID:pNTRltSm0
>>10(訂正)

ホーク「!?……ッ!!!」ガクッ

ミゲルの勧めを聞いた瞬間、ホークは腰が砕け、尻餅をつく
ガタガタと体を震わせながら

ホーク「ぼ、ボク、シング…」ガクガク

ミゲル「そうだ」

ホーク「イヤだ!!!そんな事したら、リングに上がれば余計、あいつの事を思い出しちまう…!!!」

ミゲル「ならば、キミの未来はゾンビだ」

ホーク「イヤだ!!またエクスタシーを感じたい!!心行くまで…」

ミゲル「ならば立ち上がるのだホークよ。これはキミがエクスタシーを取り戻すための…治療だ」

ホーク「治療…」

ミゲル「ただし、これは荒療治。以前の様に、練習をサボる事は許されない」

ホーク「れ、練習だと?このオレが?なんでそんな面倒な事を」

ミゲル「キミは今のままで、鷹村に勝てると思っているのか?」

ホーク「ッ!!」

ミゲル「鷹村はいまや、WBAとWBCの統一チャンピオン。階級も1つ上に上がっている。二階級制覇者だ」

ミゲル「キミがエクスタシーを取り戻すには…鷹村に勝つしかないのだ」

ミゲル「そのためには、努力と忍耐が必要なのだ」

ホーク「……」
22 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 02:32:34.66 ID:pNTRltSm0
>>11(訂正)

ミゲル「さあホーク、選べ」

ミゲル「堕落を選択し、一生エクスタシーを感じれない日々を過ごすのか?」

ミゲル「それとも荒療治を選択し、鷹村に復讐するか?」

ミゲル「好きな方を選ぶのだ」

ホーク「………………」

ホーク「わかった、やってやるよ」

ミゲル「……!」

ホーク「前はエクスタシーに達したいからボクシングを始めた。今度は…」

ホーク「エクスタシーを取り戻すために闘うよ。荒療治も覚悟するさ」

ホーク「奴をぶっ殺して、もう一度女を抱けるようになって見せる。夜も安心して眠れる様になってみせるさ」

ホーク「鷹村に復讐する」

ミゲル「そうか…」フッ

ミゲル「お帰り、ホーク」
23 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 02:33:20.41 ID:pNTRltSm0
>>13(訂正)

(スパーリング終了後)

ミゲル「すごいぞウォーリー、あのホークを相手に1ラウンドやり合うとは」

ウォーリー「ま、まるでゴリラだ…ぜぇぜぇ。凄い、凄いよホーク!」

ホーク「……」

ミゲル「どうしたホーク。浮かない顔して」

ホーク「……」

ミゲル「軽量級相手に1ラウンド、ノックアウト出来なくてショックだったかな?」

ミゲル「気にするな。彼はインドネシアの国内チャンピオンだ。実力も桁違い。天才の中の天才だ」

ホーク「……」

ホーク「全然、感じないんだ」

ホーク「殴っても殴っても、全然楽しくない…鷹村を思い出しちまう…」ガクガク

ミゲル「ホーク、荒療治は始まったばかりだ」

ホーク「オレはこの後、どうすればいい」

ミゲル「ウォーリーとロードワークに行くといい」

ホーク「マラソンタイムか…気が滅入る。だがこれも鷹村を殺すための荒療治…」

ウォーリー「さあ行こうホーク!」

ホーク「フン、仕方ねぇ」
24 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 02:34:03.72 ID:pNTRltSm0
訂正終了したので、書き溜めしてきます
25 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:06:16.76 ID:pNTRltSm0
投下します
26 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:06:55.76 ID:pNTRltSm0
ウォーリー「ただいま!」

ミゲル「うむ、二人とも、まだまだ元気なようだな。流石だ」

ホーク「……」

ホーク(疲れはするが、不思議と以前の様に、練習への面倒臭さは感じない)

ミゲル「二人ともシャワーを浴びたら、レストランへ行こう。そこでミーティングがしたい」

ウォーリー「やったー!楽しみだな」

ミゲル「こらこら、遊びじゃないんだぞ」
27 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:09:08.09 ID:pNTRltSm0
(レストラン)

ミゲル「さあ、食べたまえ」

ウォーリー「わぁぁ!ステーキだ!」

ホーク「おいおい、ボクサーがこんなもの食べて大丈夫なのかい」

ミゲル「まだ試合は決まってない。問題ない」

ミゲル「特にホーク。キミにはコレから毎日。ステーキを食べてもらう」

ホーク「なに?」

ミゲル「食事代は私がおごる。朝昼晩、しっかり食べるんだ」

ホーク「それじゃ、ブヨブヨになって動けなくなっちゃうよ」

ミゲル「心配いらない。毎日、しっかりとトレーニングを積んでもらう。それでカロリーは充分、消費できる」

ミゲル「何よりも君には、体重を増やしてもらわないと困るのだ」

ホーク「何故だ」

ミゲル「言っただろ?鷹村はいま、ミドル級へと階級を上げたと」

ホーク「っ!!」ガタッ

『鷹村』という単語を耳にした瞬間、ホークは手に持っていた、ナイフとフォークを落とす

ホーク「た、たか…むら…」ガクガク

ウォーリー「大丈夫?顔色悪い、もう無理して食べないほうがいいよ」

ミゲル「ホーク、いま鷹村はいない。安心したまえ」

ホーク「そ、そうだ…ここはアメリカ。いるはずがない」
28 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:09:59.59 ID:pNTRltSm0
ミゲル「もちろん食べるだけではない。それだけじゃ、キレのある動きは出来ない」

ミゲル「君にはしっかりと筋肉を付けてもらう。ウエイトトレーニングをしっかり積んでもらう」

ミゲル「ジュニアミドルから、ミドル級の体へと改造するのだ」

ミゲル「だが走りこみは怠るなよ。スピードが落ちてしまうからな」

ホーク「プランはよーく分かった」

ホーク「で、基礎練習ばかりで良いのか?」

ミゲル「もちろん、パンチの打ち方も改めて教えようとおもう」

ミゲル「ずっと自己流にまかせていたからね」

ミゲル「野生のままでは、鷹村には勝てない。野生と科学が融合してなければならない」

ミゲル「それと、ウォーリーとはスパーリングしてはならない」

ウォーリー「ええ!?なんで!」

ミゲル「ウォーリー、さっきも話したが彼は尋常じゃなく強い」

ミゲル「下手したら壊れてしまう」

ウォーリー「じゃあ、一緒に練習するのは?」

ミゲル「それは良いよ」

ウォーリー「やった!」

ホーク(ふん、変なガキだ)
29 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:12:23.24 ID:pNTRltSm0
(次の日)

ウォーリー「おはようミゲル」

ミゲル「やあ、おはよう。ホークは来てるかな?」

ウォーリー「うーん、分かんない」

ミゲル「そうか、せっかく朝食を作ってあげたというのに」

ミゲル「君も食べるといい」

ウォーリー「やったー!」

〜〜〜

ウォーリー「目玉焼きにパン、バナナ、スープ、サラダ…」

ミゲル「悪くないだろ?」

ウォーリー「うん。でもホークの分は、僕の倍の量があるね」

ミゲル「階級を上げるからね」

ミゲル「彼は以前、ほとんど練習しなくてもジュニアミドルの体重を保っていた」

ミゲル「逆を言うと、ほどよく練習しないと、体重が必要以上に落ちてしまう」

(数時間後・昼間の12時)

ミゲル「〜〜〜〜っ」

ミゲル「ホークはまだ来ないのか」

ウォーリー「どうする?いっしょに迎えにいく?」

ミゲル「ああ、止む終えない」

ガララッ

ウォーリー「あ、来た」

ミゲル「遅いじゃないかホーク」

ホーク「ぜぇぜぇぜぇ…」

ウォーリー・ミゲル「…?」

ホークは全身を汗だくにしながら、ジムへと入っていく
30 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:14:00.37 ID:pNTRltSm0
ホーク「ロードワークいって来たよ…ぜぇぜぇ」

ミゲル「お、おお…」

ミゲル(あの練習嫌いのホークが、自発的に特訓をしていたとは)

ホーク「いま、何時だ」

ミゲル「昼の12時だよ」

ホーク「なに?もうそんなに経ったのか」

ミゲル「……ちなみに、何時から走ってた」

ホーク「深夜の3時からかな」

ミゲル「なんだと!?」

ウォーリー「9時間走りっぱなし!?」

ホーク「いやいや、そんな訳ない。水飲んで休憩を挟みながら走ったよ」

ミゲル「休憩をはさんだとしても、これはオーバーワークすぎる」

ミゲル「なぜそんなに走り続けたんだ。あの練習嫌いの君が」

ホーク「寝れないだよ。全然」

ホーク「そのうち、鷹村を思い出して発狂しちまう」

ホーク「しかも女は抱けないし、酒を飲んでもハイになれない」

ホーク「だから走ったんだよ。走って走って…」

ホーク「鷹村を殺すための体作りしてたんだ」
31 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:14:58.78 ID:pNTRltSm0
ミゲル「そうか、君の意気込みはよーく分かった」

ミゲル「だがオーバーワークは体を壊してしまう。気をつけるんだ」

ウォーリー「ホーク!ミゲルが朝食を作ってくれたよ!」

ホーク「ふん、もう昼だけどな」

ホーク「まあ折角だ。いただくよ」

〜〜〜

ミゲル「食事を終えたな?ホークよ。休憩も終わったし、まずは体重計るのだ」

ホーク「ああ」ガシャッ

ミゲル「うーむ、やはり走りすぎて体重が落ちてる」

ホーク「食べ終えたばかりなのになぁ」

ミゲル「ホーク、午後からのトレーニングは、ウエイトトレーニングだ」

ミゲル「上半身の筋肉をしっかりつけて、体重を増やすのだ」

ホーク「ああ」

ホーク「フン!」

ホークはバーベルを上げ、上下に動かしていく

ミゲル「ウエイトトレーニングを終えたら、夜からシャドーをやってもらう」
32 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:17:00.55 ID:pNTRltSm0
ホーク「外はすっかり暗くなったね」

ミゲル「ああ。ではそろそろ、シャドーの時間だ」

ミゲル「まずはウォーリーの動きをみるのだ」

ホーク「あ?あの青臭いガキの動きを?」

ウォーリー「いっくよ!ホーク!」

シュシュッ!シュシュッ!

ウォーリー「ふっふっ!」

ホーク(いい動きだ。惚れ惚れしてしまう)

ウォーリー「今やったのは左ジャブ…そして」

ブン!ブン!

ウォーリー「これが右ストレート!」

ホーク「ふむ」

ミゲル「キミは以前、自己流で世界一になった」

ミゲル「だが昨日も言ったが、野生だけでは駄目なのだ。鷹村には勝てない」

ホーク「」ビクッ

ホーク「ほ、ほひ…ほひ、本当に、左ジャブと右ストレートを形に出来れば、鷹村を殺せるのか?」ブルブル

ミゲル「勝利へ一歩、近づく事になる」

ホーク「……」ガクガク

ホーク「やるよ!!やってやるよ!!いますぐ!!」

ミゲル「そうか、ならばこれから一週間。左ジャブのシャドーの特訓をしてもらう」

ホーク「ん?右はストレートは?」

ミゲル「右は私からオッケーが出るまで封印」

ホーク「??」

ホーク「まあいい…やるよ。強くなるためなら、何でもするよ」
33 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:18:02.32 ID:pNTRltSm0
ホーク「フン!フン!」

ミゲル「力みすぎだ。もっと力を抜いて!」

ホーク「フン!フン!」

シュッシュッ!

ミゲル「そうだ、その調子だ」

ホーク(うん、たしかにキレのある音に変わってきたのが、よーく分かる)

ホーク(だがこんな地味な作業を延々と続けるのか?これは辛い)

ホーク(ああ!!右ストレートをサンドバックにぶちこみてぇ!!)

ブン!ブン!

ミゲル「こらこら、また力んできてるぞ。もっと力を抜いて」

シュッシュッ!

ミゲル「そうだ。その調子だ」

ホーク(ちくしょう。ちくしょう!)
34 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:19:11.97 ID:pNTRltSm0
ミゲル「さあ、今日はここまでとしよう」

ミゲル「レストランに行って食事だ」

ウォーリー「やったぁ!待ちわびてたよ!」

ホーク「」ドサッ

ウォーリー・ミゲル「!?」

ミゲル「ホーク!!」

ウォーリー「ホーク、しっかりして!」

ホーク「zzz」

ウォーリー「あれれ」

ミゲル「ふむ、疲労で寝てるだけか」

ミゲル(無理もない。常時寝不足なのに、朝からオーバーワーク)

ミゲル「医務室まで運ぼう。寝かせておくんだ」
35 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:20:56.98 ID:pNTRltSm0
〜〜〜〜〜

ホーク「ん?ここは…」

ワァァァァァ…!!!

ホーク「リングの上?観客の声…」

ホーク「ああ、そうだ。オレは戻ってきたんだ…」

ホーク「……戻ってきた?なんで?何のために?」

ホーク「敵は誰なんだ」

「……」クルッ

ホーク「ひっ…!!」

鷹村「オレ様だ」

〜〜〜〜〜〜〜

ホーク「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

ホーク「はぁはぁはぁはぁ…!」

ホーク「ゆ、夢…?」

ホーク「ぜぇぜぇ…」

ホーク「朝の5時か」

ホーク「ぅ……」ガクガクガク

ホーク「何かしてないと、落ち着かない…」

ホーク「頭の中で、鷹村が…グルグルとあいつの姿が…浮かんでくる…」ガクガクガク

ホーク「走ろう。どこまでも」
36 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:22:22.22 ID:pNTRltSm0
(朝8時)

ガラッ

ホーク「ただいま。ぜぇぜぇ」

ミゲル「む、今日は早かったな」

ホーク「ミゲル、腹が減った」

ミゲル「ああ、ちゃんと作ってあるよ」

ホーク「……」

ホーク「ハムエッグにスープ、パン、サラダ…」

ミゲル「ああ。量はウォーリーの倍だ。結構な量だろ?」

ホーク「これじゃ足りない」

ミゲル「むむ」

ホーク「これを食べたら、レストランへいきたい」

ミゲル「ふむ、そうか。今度からはもっとボリュームを増やしておこう」

ミゲル「ではレストランで、ステーキでも食べに行こう」
37 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:23:45.81 ID:pNTRltSm0
ホーク「ふぅぅ、生き返った」

ミゲル「帰ったら、縄跳びをやって、ウエイトトレーニングだ」

ホーク「んで、仕上げは左ジャブの練習か」

ミゲル「ああ」

ウォーリー「今日も頑張ろうねホーク!」

ホーク「あ?ああ…」

ホーク(なんか調子狂うぜ…)

ウォーリー「ねぇホーク!」

ホーク「んだよ」

ウォーリー「明日からさ、一緒にロードワークしよ!」

ホーク「あぁ?何言ってんだお前」

ウォーリー「練習は1人よりも、2人の方が楽しいよ!」

ホーク「チッ…調子狂うぜ」

ホーク「勝手にしろ」

ウォーリー「やったぁ!」

ホーク「……」

ホーク(純粋な目をしてやがる、スラムにいた頃には、こんなガキはいなかった)

ホーク(オレは悪の巣窟みたいな場所で育ったからな。無理もないが)
38 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:25:01.80 ID:pNTRltSm0
(次の日の朝)

ホーク「うわぁぁぁ!!!」ガバッ

ホーク「はぁはぁはぁ、ちくしょう…また夢の中で…あいつが…」

ウォーリー「ヘイ!ホーク!」

ホーク「あぁ?なんでお前がオレの部屋に」

ウォーリー「さあ!ロードワークの時間だよ」グイグイ

ホーク「お、おい!引っ張るな!」

ホーク「いま行くって…たく」

〜〜〜

ホーク「ぜぇぜぇぜぇ」

ホーク(やっぱり走ってる時が一番落ちつくぜ。この瞬間だけ、悪夢を忘れられる)

ウォーリー「ねぇホーク。なんでボクシング始めたの?」

ホーク「あ?オレは…」

ホーク「ミゲルから殺人許可証を貰ったんだ。気持ちよくなりたいから始めた」

ウォーリー「世界チャンピオンにもなったんでしょ?」

ホーク「ああ、無敵だったさ。あいつに会うまでは」
39 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:25:42.11 ID:pNTRltSm0
ウォーリー「鷹村だっけ?ビデオみたけど強いよねぇ」

ホーク「うっ!!」ドサッ

ホークは突然、つまづいて転んでしまう

ウォーリー「大丈夫?」

ホーク「あ、ぁぁ…」ガクガクガク

ホーク「あああああああああああああああああああ!!!!!」ガクガクガク

ウォーリー「わわわ!?ホーク落ち着いて!」

ホーク「やめろぉ!来るなタカムラァァ!!」

ウォーリー「大丈夫だよホーク!ここには鷹村はいないから!」

ホーク「ぁ…ぁぁぁ…」ガクガク

ウォーリー「ひとまず、ジムに帰ろう?ほら、肩を貸すから」

ホーク「ご、ごめんよ…ウォーリー…」ガクガク

顔面が真っ青になり、ウォーリーに肩を貸してもらいながら、不安定な足取りでジムへ帰っていく
40 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:27:50.30 ID:pNTRltSm0
ミゲル「……少しは落ち着いたかい?」

ホーク「ああ…」

ミゲル「じゃあ、昨日と同じメニューをこなしてくれ」

ホーク「ああ…縄跳びをやってくるよ」

ミゲル「ウォーリーはサンドバックを」

ウォーリー「まだホークが心配だから、一緒に縄跳びやる」

ミゲル「む、そうか」

ミゲル「……」

ミゲル「さて、挑戦者はどうしようか…」

ミゲル「まだ交渉するには時期が早いが、具体的な事を考えておかなければ」

ミゲル「鷹村が過去に戦った世界ランカーのビデオでも見るか」

〜〜〜

ミゲル「黒人ボクサーのピーター・ラビットソン…あの鷹村を相手に12Rまで粘った…」

ミゲル「だが鷹村自身も中盤までは、あまり調子が良くなかった。後半に鷹村が、強烈な一撃を与え、ラビットソンを一撃ノックアウトした」

ミゲル「技巧派で逃げるのが得意で、地道に点数稼ぎに徹している選手…」

ミゲル「ホークが、ボクシングの勉強をする上では持って来いの選手だ」

ミゲル「技術をしっかり身に付けて野生と科学を融合させるのだ」

ミゲル「そして鷹村戦前までの、総仕上げは…」

ミゲル「やはりWBCのデビッド・イーグルか、WBAのリチャード・バイソン…」

ミゲル「この二人のどちらかを乗り越えなければ、鷹村に挑戦できないだろう」
41 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:29:49.39 ID:pNTRltSm0
(2週間後・とあるジムにて)

ヴォルグ「ぜぇぜぇ、ただいま」

団吉「おかえりヴォルグ」

ヴォルグ「……」

団吉「どうしたんだ?」

ヴォルグ「気のせいか…」

団吉「ん?」

ヴォルグ「ダン、聞いて欲しい」

ヴォルグ「さっき、ウォーリーを見かけた」

団吉「天才ウォーリーか、あの幕之内を苦しめた…」

ヴォルグ「そして、その隣に…」

ヴォルグ「ブライアン・ホークがいた」

団吉「なっ!?バカな…何かの間違いじゃないか?」

ヴォルグ「……ダンもそう思うかい?」

団吉「再起不能だと聞いたぞ。精神不安定にして戦意損失、それでボクシングが出来ない状態だと」

ヴォルグ「……だだの気のせいかもしれない。忘れてくれ」

団吉「うむ」

団吉(確信が持てるまでは、鴨川に連絡は取れないな)
42 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:30:56.56 ID:pNTRltSm0
ホーク「ミゲル、もう二週間たったぞ。約束が一週間もオーバーしてる!いい加減に右ストレートを教えろ!」

ミゲル「まずは左ジャブを見せろ」

シュッシュッシュッ!

ホーク「ほらどうだ」

ミゲル「うむ、合格だ」

ミゲル「右ストレートだけでなく、アッパーも教えてあげよう」

ホーク「ほう、気前が良いね」

ミゲル「元々、キミは性能が段違いだ。今日中に物に出来るだろう」

ホーク「何てったって、元王者だからな」

ミゲル(ジャブは基本中の基本。地味ゆえに、ホークみたいなタイプにはあまり好きな練習ではない)

ミゲル(逆に豪快な一撃技は、すぐに吸収できるだろう)

ミゲル(左ジャブはもう体に染みこんだ。あとは大砲を撃つための練習を積み重ねていく)

ウォーリー「いいかいホーク!お手本を見せるよ!」

ウォーリー「これが右ストレート!」ブンッ

ミゲル「ウォーリーの動きを目に焼き付けるのだ」

ホーク「ああ、分かったよ」

ミゲル(しかしウォーリーもまだキャリアが短いのに…この吸収力…まさに天才だ)
43 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:32:02.56 ID:pNTRltSm0
(それから、時がたち)

ミゲル「体重を量るのだ」

ホーク「うん」ガシャッ

ホーク「……」

ミゲル「ミドル級の体重になったようだな」

ウォーリー「やったねホーク!」

ホーク「……ああ。これで闘う準備は整った」

ミゲル「よし、ではこれから交渉をしてみよう」

ミゲル「二人は練習をしていてくれ」

ホーク「ウエイトトレーニングをしてくる」

ウォーリー「僕もやろうかな!」

ホーク「お前はムキムキになる必要ないだろ。体重が無駄に上がるぞ」

ウォーリー「一緒に同じ練習!しよ!」

ホーク「ほどほどにしとけよ」
44 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:33:18.76 ID:pNTRltSm0
(数週間後・鴨川ジム)

鷹村「……」ペラッ

一歩「ねぇ青木さん、今日の鷹村さん…やけに静かじゃないですか?」

青木「確かに、何かあったのか?」

木村「ボクシング雑誌を読み始めてから、様子がおかしくなったな」

板垣「ちょっとのぞいて見ます?」

木村「やめとけ、マジで機嫌悪かったら、とばっちり喰らうぞ」

鷹村「……」ググッ

鷹村(あの野郎…まだ生きてたのか)

〜〜〜〜

鴨川「おお…団吉か。久しぶりだな、どうした国際電話までして…」

鴨川「……」

鴨川「な、なんじゃと!?あの男が…復活しただと!?」
45 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/06/29(木) 06:35:34.38 ID:pNTRltSm0
今日はここまで
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/29(木) 08:50:27.64 ID:iC+I5yDXO
ホークとウォーリーのやり取りにほっこりする
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/29(木) 09:31:16.23 ID:C09lFUHIO
乙です
どんどん仕上がっていくホークに期待
48 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:17:40.72 ID:qxRoiZd60
一歩「ブライアンホークが復活…!?」

鷹村「ああ、1ヵ月後に復帰戦が行われるそうだ」

青木「いきなりミドル級の世界ランカー相手とは…」

木村「しかも、わざわざ階級を上げたって所に、妙な物を感じるぜ」

板垣「まさか、鷹村さんにリベンジを考えてるとか…」

鷹村「……」

鴨川「どうやら、既に情報が出回っているようじゃな」

鷹村「ジジイ、どうするんだ?」

鴨川「フン、貴様こそどうなんじゃ」

鴨川「散々、スーパーミドルに階級を上げたいと、言っておったが…この現状を知ってもなお、そういえるのか?」

鷹村「……ホークが以前と、どう変わったかにもよる」

鷹村「何も変わってないのなら、闘う価値もないしな。オレ様は次の階級を目指す」

鴨川「つまり変化があるのなら、闘い意志もあるのじゃな?」

鷹村「交渉の方は任せるぜ」

青木「で、でもよ、ホークって物凄く練習が嫌いで有名じゃねぇか」

木村「そう簡単に変わるのか?」

鷹村「いずれにせよ、1ヵ月後の試合をみて判断するしかねぇな」
49 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:19:45.75 ID:qxRoiZd60
ミゲル「復帰戦の相手は、世界ランカーの1人、ピーター・ラビットソンだ」

ミゲル「かつて鷹村とも戦ったこともある、黒人ボクサーだ」

ホーク「強いのかい?」

ミゲル「ビデオを見るか?」

ホーク「」ビクッ

ホークは体をビクッとさせると、ガタガタと震えだす

ホーク「た、たか、鷹村がビデオに映っているんだよな?」ガクガク

ミゲル「……わかった。無理に見なくてもいい」

ミゲル「鷹村を相手に、12Rまで戦い抜いた」

ホーク「!?」

ミゲル「ポイントを取るのが非常に上手い選手だ。だが、逆を言うと迫力に欠ける」

ミゲル「現に鷹村は最後の最後で、一発で倒した」

ホーク「小細工の得意なボクサーなんだね」

ミゲル「良くも悪くもね。だが良い勉強にはなる」

ミゲル「ひとまず『フリーダム』は封印だ。基本に忠実に立ち向かえ」

ホーク「オーケー。特訓の成果をみせてやるさ」
50 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:21:35.35 ID:qxRoiZd60
(1ヵ月後・ラスベガス)

実況「さあ、今日はラスベガスより、ミドル級の10回戦…ブライアンホークの復帰戦を開始します!」

ワァァァァ!!!

〜〜〜

一歩「わぁぁ、凄い盛り上がりですね」

一歩たちはジムで、テレビから世界戦を観戦していた

青木「鷹村さんと出会うまでは無敵だったしな」

木村「ああ。それに復帰戦で、わざわざ階級をあげたって所に、思う所あるのは客も一緒なんだろうよ」

板垣「今日の相手、鷹村さんがかつて戦った相手ですよね?」

鷹村「ふん、雑魚の事なんざ忘れちまった」

青木「12ラウンドまで苦戦したくせに」

鷹村「うるせぇー!」ボゴッ

青木「ぎゃっ!」

一歩「あ、選手入場ですよ」
51 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:23:58.61 ID:qxRoiZd60
実況「さぁ!選手入場です…!」

司会「青コーナー!ブライアン!ホォォォク!!」

ウオオォォォォォ!!!

鷹村「ん?」

一歩「あれ、入場がやけに地味ですね」

青木「ホークガールがいねぇな!」

木村「あのふざけた、鎧も身にまとってない。コートすらきてない。普通にセコンドと入場している」

板垣「悪ふざけを反省したのかな?でも地味すぎる入場でつまんないや」

鷹村「……そんな事よりも、なんだあの目は」

全員「目?」

鷹村「まるで生気の無い目をしてやがる」

青木「たしか、闘う前のボクサーの面構えじゃないな」

一歩「目に光が無い…」

木村「生ける屍って感じだな」

〜〜〜

ウォーリー「がんばれー!ホークー!」

ホーク「……」

ミゲル「良かったのか?ホークガールを連れてこなくて」

ホーク「そういう気分じゃねぇ…いまのオレはEDだしな」

ミゲル「そうか」
52 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:25:20.12 ID:qxRoiZd60
審判「両者、前に出て」

ホーク「……」

ラビットソン「……」

カーン!

実況「いま、ゴングが鳴った!!」

ホーク「……」グッ

観客1「お、あの構え…いつものホークと違う」

観客2「基本に忠実だ」

観客3「なんだよ、あのハチャメチャな打ち方はしないのか」

ラビットソン(ビデオで散々チェックしたが、あの型破り戦法はしないのか)

ラビットソン(ムム、これは計算外)

相手セコンド「まような!いつもどおり、コツコツとポイントを奪っていけ!」

ラビットソン「それもそうだな…覚悟!」

ホーク「うおっ!?」ツルッ

ドサッ!

ラビットソン「ん??」

審判「スリップ!」

実況「おおっと!ブライアンホーク、いきなりスリップダウン!緊張しているのか!?」

ホーク「」ガクガクガク

ホーク(ちくしょう…なんだ…急に足が、ガクガクしてきやがった…)ガクガク
53 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:26:53.05 ID:qxRoiZd60
ホーク(なぜだ…なぜ、こんな時に限って…)

ホーク(鷹村を思い出してしまうんだ…!!)

ミゲル(リングに上がった事で、鷹村との闘いを思い出してしまったか…!)

ミゲル「ホーク、今日の相手は鷹村じゃない!」

ホーク「……!」

ミゲル「思い出せ。今日は勉強の日だ」

ミゲル「積み重ねてきた基礎を、ココで発揮するんだ」

ホーク「そうだ…今日の相手は鷹村じゃない…」ガクガク

ホークはゆっくりと立ち上がり、拳を構える

審判「ボックス!」

ラビットソン(いつもとおり、ヒットアンドアウェイでポイントを稼ぐんだ!)

ボス!ボス!

ホークの顔面に、二発のジャブが飛んでくる

ホーク「うっ!」

ミゲル「もっとガードを!高めにガッチリと構えるんだ!」

ホーク(顔面を殴られないように…ガッチリと)

ラビットソン「今度はボディが、がら空きさ」

ボス!ボス!

ホーク「ぐぅ!」

実況「今度はボディに二つ!」

ボスボス!

ホーク「ぐぅぅ!」

実況は「続いてリバーブローを二つ!」

ラビットソン(なんだ?これじゃ、逃げる必要がないじゃないか)

ラビットソン(ホークはどうしたんだ。なぜ攻撃しない。調子が悪いのか?)

ボス!ドゴ!ボキ!

ミゲル「落ち着けホーク!避けれるパンチはしっかり避けて、厳しいのはしっかりガードして受け止めるんだ!」
54 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:28:40.50 ID:qxRoiZd60
カーン!

実況「ここで1ラウンド終了です」

ホーク「ぜぇぜぇ…」

実況「ブライアンホーク、手も足も出ずに、ラビットソンにポイントを持っていかれる!」

〜〜〜

一歩「調子が悪すぎる」

青木「無理に基本に忠実にしようとするからいけないんじゃねぇか?」

木村「たしかに、あいつの性にあわないんだろうな」

鷹村「……あいつの気持ち次第さ」

鷹村「あんな格下相手、ホークなら難なくクリアできる」

鷹村「だがオレ様のことでも思い出して、びびってんだろうよ」

板垣「じゃあホークが本気を出せば…」

青木「まだ本気じゃねぇのか。まあ見るからにアレは本気の状態とは言えないが」

鷹村「セコンド次第だ。ホークの力を呼び起こせるか、否か」
55 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:31:07.26 ID:qxRoiZd60
ホーク「どうしようミゲル…やっぱりどうしても、頭の中で…鷹村がちらついて…」

ホーク「」ガクガク

セコンド1「困ったな…」

セコンド2「やはりトラウマが邪魔して、本領を発揮できない」

ミゲル「……」

ミゲル「良いのか?ホーク」

ホーク「え?」

ミゲル「キミは鷹村に勝ちたいのだろ?だがこの試合に勝てないようじゃ…鷹村との再戦はありえない」

ミゲル「そして当然、キミは永久にエクスタシーを取り戻せず、一生を終えることになる」

ホーク「ッ!!!」

ビーー!

審判「セコンドアウト!」

ホーク「……イヤだ」

ホーク「オレはまた…絶頂を感じたいんだ!!」

〜〜〜

鷹村(相変わらず、目が死んでるが…)

鷹村(どことなく、雰囲気が変わった)
56 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:32:49.54 ID:qxRoiZd60
審判「ボックス!」

カーン!

実況「さあ、第二ラウンド開始!」

ラビットソン(さて、まずは手始めにジャブから)

ホーク「ゴートゥーヘル…」

ズバァァン!

ラビットソン「ッ!?」

ポタ、ポタ…
赤い液体が、マットに落ちる

ホーク「……」

ラビットソン(なんだ…いま、まぶたに凄い衝撃が走った…)

ラビットソン(左目が…見えない?何かが目に入り込んで…)

実況「おおっと!ゴングと同時にラビットソンの左瞼が切れた!!」

実況「いったい何が起きたんだ!?」

ラビットソン(血か!?血で左目の視界を塞いでいるのか!?)

ラビットソン(なぜだ…なぜいきなり、まぶたが切れたんだ)

ズバァァン!!

ラビットソン「ぐぁぁ!」

ラビットソンの頬に衝撃が走る

ズバァァン!

ラビットソン「ぐぅ!!」

相手セコンド(いかん、ホークのやつ、本気できやがった…!)

相手セコンド「まずい!ひとまず逃げろ!!」

ラビットソン「オーケー…」サッ
57 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:33:56.35 ID:qxRoiZd60
ホーク「逃がさないよ」

ホークがボソッと呟いた、その瞬間

ラビットソン「なっ…!」

ラビットソン(なんだ…これは…)

ラビットソンの顔面に、無数のジャブが、一瞬にして飛び交う

シュパァァ…

血しぶきが、リング上に舞う
58 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:35:43.59 ID:qxRoiZd60
審判「ストップ!」

ホーク「チッ」

ラビットソン「……!!」

ラビットソン(た、助かった…あのまま続いてたら…完全にやられていた…)

実況「ここで審判がストップ、すかさずドクターを呼ぶ」

ドクター「どれどれ」

ラビットソン(まだ2ラウンドの序盤だ。これでTKOにはなるまい)

ドクター「……」

ドクター「審判…これは…」

審判「む、そうか」

審判「……」サッ

カンカンカンカン、カーン!

ラビットソン「ッ!?」

実況「おおっと!審判の両腕が交差した!試合終了!!」

ラビットソン「おいちょっとまて!どういうことだ!」

ドクター「まぶたのキズが、筋膜に達している」

ラビットソン「馬鹿な!!まだ2ラウンド序盤だぞ!?こんな簡単に筋膜に達するハズがない!ありえない!!」

審判「ルールはルールだ。あきらめろ」

ラビットソン「そんな…」ガクッ

相手セコンド「」
59 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:38:08.86 ID:qxRoiZd60
実況「ブライアン・ホークの復帰戦!2ラウンド10秒!まさかのTKO勝ちぃぃ!!」

ホーク「……」

ミゲル「」

ミゲル(想像以上の仕上がりだ。思わず震えてしまったよ)

セコンド達「やったー!」

実況「ここで勝者インタビューがなされます」

女性「おめでとうホーク、いまの気持ちはどう?」

マイクを向けられるが、ホークは相変わらず生気の無い目で、ジッと遠くを見ていた

ホーク「………」

女性「あ、あの…」

ホーク「つまらないな、全然気持ちよくなれない」

ホーク「誰かおれを気持ちよくさせてくれ」

女性「あ、ちょっ…」

ホークは生気の無い目のまま、マイクを持つ女性に背を向け歩き出す

ホーク「帰ろうミゲル」

ミゲル「ああ」ニヤッ

セコンドのミゲルは怪しく微笑みながら、ホークの背中をゆっくりと追う

ウォーリー「ホークゥゥ!!」ダキッ

ホーク「なんだウォーリー。抱きつくな、暑苦しい」

ウォーリー「すごい!すごいよホーク!!」

ホーク「フン、お前じゃなくて女を抱きてぇよ。EDだけど」
60 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:39:49.04 ID:qxRoiZd60
一歩「」

青木「」

木村「」

板垣「2ラウンド10秒のTKO勝ち…!?嘘だろ…」

青木「しかもホークが攻撃をし始めたのは2ラウンドからだ」

木村「その気になれば、1ラウンド10秒でケリがついた訳だ」

青木「鷹村さん、これちょっとヤバイんじゃないですか?」

鷹村「…………」

鷹村「フン、格下相手に2ラウンドも使いやがって。さっさと1ラウンド10秒で倒して来いってんだ」

そういうと鷹村は、ソファから立ち上がる

一歩「鷹村さん、どこに」

鷹村「ロードワークだ」

ガチャンッ

全員「……」

一歩(鷹村さん…)
61 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:41:50.24 ID:qxRoiZd60
一歩(それにしても物凄い左ジャブだったな…速過ぎてよく見えなかった)

一歩(いったい、何発打ち込んだんだろう?)

一歩(雰囲気も別人だ。野生のボクサーから…)

青木「まるでロボットみたいだったな」

木村「ああ、凶暴な野生児から、冷酷無比のマシーンになったな」

板垣「危ない事には変わりないですけど…いずれにせよ前よりもやっかいですね」

一歩「鷹村さんは、またブライアンホークとやりあうのかな…」

一歩(本気を出したら、たったの10秒でTKO勝ちなんて…聞いた事ないよ)
62 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/03(月) 04:42:16.35 ID:qxRoiZd60
今日はここまで
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/03(月) 05:28:16.40 ID:TtkeGXKBO
乙です
つぎはバイソンかな
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/03(月) 09:36:19.63 ID:k7hKVRW7O
鷹村より圧倒的に早く倒したことで自信を取り戻すんかな?
おつ
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/03(月) 10:08:29.28 ID:bTDHMhwxO
鷹村「エクスタシー感じたいだと?俺様が教えてやるぜメスイキってのをな」パンパンパン

ホーク「おぉぉぉおーーイエースもっともっとついてー!」
66 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/04(火) 06:35:00.77 ID:sqs3teAp0
ミゲル「おめでとうホーク。良い仕上がりだ」

ホーク「ああ、それで次の試合はいつなんだい?」

ミゲル「うむ、大してダメージは受けてないようだ」

ミゲル「とりあえず二ヶ月後を目安に、次の相手に交渉してみよう」

ホーク「……二ヶ月も待つかの?」

ミゲル「無茶はよくない。いくらキミが頑丈でもね」

ホーク「チッ」
67 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/04(火) 06:36:27.58 ID:sqs3teAp0
(4日後・ジムにて)

ガチャッ

ホーク「ぜぇぜぇ…ただいま」

ウォーリー「ただいまミゲル!」

ミゲル「うむ。二人ともお帰り」

ミゲル(試合が終わった次の日からも、ひたむきに練習に励むとは…以前のホークなら考えられん)

トレーナー1「散々、体を休めるように言ったんだけどなぁ…」

トレーナー2「大丈夫なのかいミゲル」

ミゲル「ダメージ自体は小さい。それに止めたところで、いまのホークが素直にいう事を聞くとは思えない」

ミゲル「ひとまず、問題はないだろう」

ウォーリー「さあ、縄跳びの時間だよ」

ホーク「分かってるよ」

ミゲル「待て、少し呼吸を整えてから」

タンタンッ

ホーク「ゼェゼェ…!」

ウォーリー「ふっふっ!」

ミゲル(二人とも練習に熱くなりすぎて、全然耳に入っていない…まあ、これはこれで、良い傾向だ)
68 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/04(火) 06:37:46.74 ID:sqs3teAp0
ウォーリー「そろそろ休憩しよう」

ホーク「ああ、流石に限界だ」

ジムメイト達(あの二人、バケモノだろ…一体、何時間まともに休憩なしで動いてんだ)

ガチャッ

ミゲル「ん?君たちは…」

扉が開かれると、その先には4、5人ほどの美しい女性が立っていた

ホークガールズ「ホーク!久しぶり!」

ホーク「みんな…」

ホークガール1「この間の試合、見たわよ!」

ホークガール2「凄いじゃない、圧倒的だったわ」

ホーク「ハハハ!そうだろ?」

ホークガール3「復帰したなら私たちを呼んでよ」

ホークガール4「また応援してあげるわ。今度の試合は一緒に入場しましょ?」

ホーク「ああ。君たちが望むなら、それでも良いぜ」

ホークガール5「それと久しぶりに私たちと良いこと、しない?」

ホーク「…………」

ホーク「ごめんよ皆、おれ実は…EDになっちゃって」

ホークガールズ「ッ!?信じられないわ…あのホークが!?」

ホーク「オレがボクシングを再開したのも、もう一度エクスタシーを取り戻すためなんだ」

ホークガールズ(病院に行ったほうが早いんじゃ…)

ミゲル「キミ達が考えてる事は大体わかる。だがホークの精神的ダメージは尋常じゃない」

ミゲル「彼の治療はボクシングで、鷹村に勝つしかない。それしか彼が復活する方法はないのだ」

ホーク「ごめんよ、オレは必ず鷹村をぶっ殺して…」

ホーク「またみんなを気持ちよくさせるから、もうちょっと待っていてくれ」
69 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/04(火) 06:40:18.96 ID:sqs3teAp0
ホークガール1「そう、寂しいわね」

ホークガール2「試合が決まったら、また呼んでね」

ホーク「ああ、勿論さ」

ホーク「それと皆、どうしても欲求不満なら、変わりに別に相手がいるぜ」

ホークガール3「ええ?言って置くけどホーク以外の男は勘弁よ」

ホーク「あそこにオレのブラザーみたいなのがいる」

ホークガールズ「ブラザー?」チラッ

ウォーリー「え、ぼく?」

ホークガールズ「……」

ホークガール1「あら、かわいいボーイね」

ホーク「ああ見えて、遠いお国の国内王者だぜ」

ホークガール2「屈強な男は好きよ」

ホークガール3「強い上に、可愛い…最高じゃない!」

ホーク「ハハハハ!良かったなウォーリー…これでオレとお前は、正真正銘の『穴兄弟』さ!」

ウォーリー「…?うん、ホークにそう言われると嬉しい」

ウォーリー「で、僕は彼女たちと、なにをすれば良いの?なにをすればホークと兄弟になれるの?」キョトン

ウォーリー(なんだろ穴兄弟って。ゴルフでもするのかな?)

ウォーリーは無垢な表情で、首を傾げる

ホーク「なんだよ〜察しが悪いなぁ」

ホークガールズ(やだ、超純粋)
70 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/04(火) 06:42:18.51 ID:sqs3teAp0
ホーク「お前なぁ、もう17だか18歳になるんだろ?いい加減に察したらどうだ」

ホーク「耳を貸せ」

ウォーリー「うん」

ウォーリー「…………」

ウォーリー「〜〜〜〜ッ///」プシュゥゥ

ウォーリーは顔を真っ赤に染める
いつになく落ち着きがなく、目を泳がせる

ウォーリー「ぼ、ぼくは…そういうこと、故郷の女の子と、するって…き、決めてる、から…」ドキドキ

ホークガール1「やだ、顔が真っ赤よ〜」

ホークガール2「オー、プリティー!」

ホーク「なんだお前、彼女いたのか?それとも気になる女でもいるのかい?」

ホーク「だったら今のうち経験しておけ!女をイカせるには経験を積むしかないのさ!」

ホーク「みんな!兄弟の筆下しを手伝ってやるんだ!」

ホークガールズ「オーケー!」

ウォーリー「もう!ホークのバカ!」ダダッ

ウォーリー「ミゲル!ぼく、またロードワークに行ってくるよ!」

ホーク「待てウォーリー!お前も真のエクスタシーを知っておく義務があるぜ!!」ダダッ

逃げるようにウォーリーは走り去り、ホークはウォーリーの背中を追う

ミゲル「……」

ミゲル(下品極まりない最低な会話ではあったが…ホークに笑顔が戻ってきたな)

ミゲル(試合に勝った影響か…いや、それだけじゃない)

ミゲル(自分を支えてくれる同じボクサーが、仲間が出来たからだ)

ミゲル(考えてみれば以前のホークは、私や女以外とはつるまなかった)

ミゲル(彼は孤独だったのかもしれない)

ミゲル(精神的に安定してきた今、そろそろ次のステップへと進む必要があるな)
71 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/04(火) 06:43:32.14 ID:sqs3teAp0
(数日後)

ミゲル「ホーク、次の試合が決まったぞ」

ホーク「ついに来たか」

ミゲル「場所はニューヨークの会場」

ホーク「ほう、それで?相手は」

ミゲル「元WBCミドル級世界チャンピオン…」

ミゲル「デビッド・イーグル」

ホーク「っ!!あいつか…」

ミゲル「流石に知ってるか」

ホーク「ずっと前、ウチに来たよ…オレの心配をして様子を見に来た」

ホーク「優等生気質の善人で、気にいらない奴だった」

ホーク「思い出したらイライラしてきちゃったよ…ああ、ブチ殺してぇ…」

ミゲル「フフフ、そうか」

ミゲル「ホーク、やはりキミは、段々と元気を取り戻してるようだね」

ホーク「ん?そう見えるかい」

ミゲル「ああ」

ホーク「……」

ミゲル「さて、イーグルのファイトスタイルを知っておくために、ビデオを見る必要がある」

ミゲル「鷹村VSイーグルの試合をな」
72 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/04(火) 06:45:03.66 ID:sqs3teAp0
ホーク「ッ!!…!!?」ドサッ

ホークは思わず腰が砕けてしまう
だがミゲルは、そのまま喋り続ける

ミゲル「復帰戦は見事な物だった。そして徐々に、以前の活気を取り戻しつつある」

ミゲル「さらなるステップを進むには、鷹村の姿を、ビデオで確認しておく必要がある」

ホーク「」ガクガクガク

ミゲル「ホーク、いつまでも恐怖心に負けてる場合じゃない」

ミゲル「その目で!鷹村の姿を見るんだ!」

ミゲル「気持ち良くなりたいんだろ?」

ホーク「はぁはぁ…ぜぇぜぇ…」ガクガク

ホークは両足をガクガクと震わせながらも、立ち上がる

ホーク「分かった…見るよ。ビデオ」
73 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/04(火) 06:46:25.85 ID:sqs3teAp0
ミゲル「これが鷹村VSイーグルの試合だ」

ホーク「……」

ミゲル「見てのとおり、彼はかなり高等なテクニックを持っている。元五輪金メダリストでもある。キャリアも長い」

ホーク「……」

ミゲル「平たく言ってしまえば、前に闘ったラビットソンの強化版と思えばいい」

ホーク「……」

ミゲル(ふむ、思ったよりも静かに視聴しているな…もっと発狂するんじゃないかと思ってたが)

(ビデオ視聴終了後)

ミゲル「彼は全体的に安定感もある。前の試合の様に、簡単にはいかない」

ミゲル「特訓を積み重ね、力を底上げするしかない」

ホーク「……」

ホーク「」ドサッ

ミゲル「!?」

ミゲルが解説をしていると、ホークは突如倒れる

ミゲル「おい!しっかりしろ!」

ホークの大きな体を抱えるミゲル
そのホークの顔面は青ざめていて、口から泡を吹いていた
74 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/04(火) 06:47:08.25 ID:sqs3teAp0
ホーク「……ん」パチッ

ホーク「医務室か」

ホーク「……」

ホーク(そうだ。たしかビデオを見てたら気を失ってしまったんだ)

ホーク「た、たた、たか…鷹村…」ガクガク

ホーク「いま、何時だ」チラッ

ホーク(明け方4時…)

ホーク「れ、練習だ。練習しよう」

ホーク「少しでも、不安を…」

ホーク「サンドバックを叩こう」
75 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/04(火) 06:48:48.80 ID:sqs3teAp0
ドスン!ドスン!ボゴォ!ドゴォ!

ホーク「フン!フン!フン!」

ドスン!ドスン!ボゴォ!ドゴォ!

ミゲル「む、今日も朝から気合が入ってるね」

ミゲル(しかし朝からサンドバック打ち…いつもと練習の順序が違うな)

ウォーリー「ん?ねえミゲル、床が赤くなってる…」

ミゲル「なに?」

ウォーリー「ほら、ホークの叩いてるサンドバックの下の床」

ミゲル「これは…一体…」

ミゲル「……ハッ!」

ミゲル「ホーク!いますぐやめなさい!」

ホーク「フン!フン!フン!」

ドスン!ドスン!ボゴォ!ドゴォ!

ミゲル「ウォーリー!一緒にホークを抑えてくれ!」

ウォーリー「…?うん、わかった」

ウォーリー「ホークごめん!練習止めて!」

ミゲル「やめるのだホーク!」

ホーク「離せ、離せぇぇ!!!」

ホーク「練習してないと、気がおかしくなっちまいそうなんだよぉ!!」

ミゲル「うおぉ!?」

ミゲルは軽々と吹き飛ばされるが、ウォーリーは辛うじてホークにしがみ付く

ウォーリー「つ、強い…」ググッ
76 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/04(火) 06:50:14.13 ID:sqs3teAp0
ウォーリー「ホーク!頼むからやめて!」

ヌルッ

ウォーリー「え、いまの」

ウォーリー「っ!?ホーク、血が!血が出てるよ!」

ホーク「ぜぇぜぇ…なに?」

ツーッ…ボタボタ…

ミゲル「いますぐ拳を見せなさい!グローブを外せ!」

ミゲルは強引にホークから、グローブを奪う
そしてホークの左右の拳を、確認する

ミゲル「……遅かった」

ホークの拳は、真っ赤に染まっていた

ウォーリー「ホークの拳…真っ赤…これ、マズイ…」

ホーク「ぜぇぜぇ…大げさなんだよ!いちいち!」

ホーク「早くグローブを返せ!」

ミゲル「残念だが当分は、サンドバック叩きも、ミット打ちも禁止だ」
77 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/04(火) 06:52:19.48 ID:sqs3teAp0
今日はここまで
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/04(火) 07:59:53.46 ID:kgnbi84BO
乙です
仲良くなりつつあるホークとウォーリーに和んだ
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/04(火) 08:06:16.81 ID:aZhQs01tO
このホークには頑張ってほしい
ってかホークガールズ意外と一途なのな
80 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/05(水) 07:01:33.86 ID:Teo8qDKx0
拳の治療後、ミゲルと今後の事を話し合う

ホーク「痛てて…急にジワジワと痛みが…」

ミゲル「アドレナリンのせいで痛みが緩和されていたが、時間が経って、その影響も薄れてきたのだろう」

ホーク「なるほど、これじゃミット打ちもサンドバックも叩けない訳だ」

ホーク「今後、オレはどうすればいい?」

ミゲル「一ヶ月間は治療に専念」

ホーク「試合は二ヵ月後なんだろ?何もせずに一ヶ月を過ごすのか」

ミゲル「一ヶ月間の準備期間も残っている。君なら遅れを取り返すのに、さほど苦労はしないだろう」

ミゲル「グローブを付けれない期間は、ひたすら走り込みだ」

ホーク(走りこみもずいぶん慣れた。打てない期間は陸上選手以上に走りこまないと)

ミゲル「言っておくが寝れなくても、深夜での走りこみは禁止だぞ」

ホーク「なぜだ!打てないなら徹底的に走り続けるしかないだろ!」

ミゲル「キミはオーバーワークをして拳を痛めた。足でも同じ事を繰り返すつもりか?」

ホーク「〜〜〜〜ッ!!」

ミゲル「どうしても不安ならシャドーボクシングをやればいい」

ホーク「シャドーだけじゃ足りない!」
81 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/05(水) 07:02:17.81 ID:Teo8qDKx0
ミゲル「言うとおもったよ。そこで私にも考えがある」

ホーク「なんだ?」

ミゲル「これからは毎日毎晩、ボクシングの試合のビデオを見るんだ」

ホーク「ボクシングのビデオ…」

ミゲル「これも勉強だ」

ミゲル「それと鷹村慣れするために、鷹村の試合を特に注目してみるんだ」

ホーク「それは…気がすすまないな」

ミゲル「以前の君なら、『鷹村』という名前を聞いただけで震えていただろ?」

ミゲル「だが今はどうだ?」

ホーク「あ、そういえば…」

ミゲル「キミは前進している。心も体も」

ミゲル「だから今度は、目に焼き付けるのだ。鷹村守の姿を」

ホーク「鷹村の…姿を…」
82 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/05(水) 07:03:26.23 ID:Teo8qDKx0
ミゲル「それとこの度、合宿を行おうと思う」

ホーク「合宿?ドコへ旅行に行くんだい」

ミゲル「ちょっとしたバカンスさ」

ホーク「ほう。ヌーディストビーチにでも行くのかな?」

ミゲル「いや、もっと珍しい場所さ」

ホーク「フーン、まあいい。楽しみにしてるよ」

(数日後・インドネシアのとある島)

ミゲル「ついたぞ」

辺りには美しい海、おいしい空気に溢れる大自然、ゴミ1つない白い砂浜、そして暑い日差し

ホーク「……なるほど、確かに珍しい場所だ」

ミゲル「ここはウォーリーの故郷。合宿はこの場所で行う」

ウォーリー「みんなー!ただいまー!!」

先住民たち「おかえりウォーリー!」

ミゲル「ちょうど1ヵ月後、ウォーリーの防衛戦がある」

ホーク「一ヶ月…オレの拳が復活する時期か」

ミゲル「今日はパーティーを開く。特訓は明日からだ」

ホーク「パーティー?」
83 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/05(水) 07:05:37.58 ID:Teo8qDKx0
(夜の食事会)

ウォーリー「みんな!僕は必ず次の試合勝ってみせるよ!」

先住民たち「うおお!いいぞウォーリー!!」

先住民たち「ウォーリー!ウォーリー!ウォーリー!」

先住民1「はい、これ食べて!」

ホーク「あ?ああ」

ホークの目の前に、たくさんの食事が用意される

ホーク「……」

ウォーリーを含む、先住民たちは楽しく踊り歌っている
その姿を、食事を取りながら眺めるホーク

ホーク「……」

ホーク(なんとも…不思議な気持ちになるぜ)

ホーク(旅行自体が初めてだからか?いやそれだけじゃない)

ホーク(何かここは、オレの故郷には決して無い、温かみがある)

ミゲル「フフフ、いい場所だろ?」

ホーク「ああ。マイタウンとは大違いだ。実に気持ちが和らぐ」

ミゲル(闘いに身を投じるだけではダメだ。時にはホークの心を癒すのも大事だ)

ミゲル(ホークは、今まで感じた事のない感覚を覚えてるだろう)
84 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/05(水) 07:06:30.89 ID:Teo8qDKx0
(次の日の朝)

日の出とともに、三人は砂浜に立つ

ミゲル「さあ、二人ともロードワークの時間だ」

ミゲル「砂浜の走りこみは難しい。ホークは、しっかりとウォーリーの背中を追うんだ」

ホーク「……??おいおいミゲル、このオレがウォーリーに走り負けると思ってるのかい?」

ミゲル「いまに分かる」

ミゲル「さあ、行くんだ!」

ミゲル「行くよホーク!」ザッ

ホーク「おう!」ザッ

ザクザクザク!

ホーク「んん??」

ウォーリー「ぜぇぜぇ」

ホーク(なぜだ…いつもならオレが先頭きってるのに)

ホーク(それにしても、何て走りづらいんだ)

ホーク「な、なるほど。ミゲルの言ってた意味が分かった気がする」
85 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/05(水) 07:07:21.10 ID:Teo8qDKx0
陽が上って来たころ、二人は砂浜からジャングルへと進む

ウォーリー「さあ今度はここでロードワークだよ!」

ホーク「ふっふっ!」

ホーク(ここも足場が安定していない…走りづれぇぇ…!)

ホーク(ドロでベチョベチョしたり、急にまともな道になったり…草木ばかりある道だったり…)

ホーク(そ、それに…日陰にいるのに…暑い、暑い…!!)

ウォーリー「ははは!遅いよホーク!」

ホーク「くそ…さすがアイツのホームグランドだけあるな…」

ウォーリー「あ、上から何か落ちてくるよ」

ホーク「あ?ぐあ!?」

ドサッ!

猿「ウキィ!」

ウォーリー「あ、友達だ!久しぶり〜!」

ホーク「友達を叱っておけウォーリー…」
86 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/05(水) 07:08:36.56 ID:Teo8qDKx0
ミゲル「午前中はずっと走っていたようだな。どうだ、ここでの練習は?」

ホーク「ウォーリーが天才だと言われる理由がよく分かったよ」

ミゲル「そうか。だが天才は君も一緒だ」

ミゲル「午後からは、ウォーリーはグローブつけての練習」

ミゲル「そしてホーク、キミは腹筋と縄跳び、水中でのスクワット、シャドーをやってもらう」

ホーク「ひたすら基礎練習ってやつか」

ミゲル「拳が回復してきたら水泳もしてもらう。水泳は全身を使うから良いトレーニングになる」

ホーク「そうか、なら早く拳を治さないとな」
87 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/05(水) 07:09:38.21 ID:Teo8qDKx0
夜になり、宿舎に戻る

ミゲル「今日のトレーニングはここまでだ」

ホーク「流石に、もうクタクタだ」

ミゲル「夕食を終えたら、私の部屋に来て欲しい」

〜〜〜

ホーク「おっ…なんだ。テレビがある」

ミゲル「電源はバッテリーからだ。貴重だからな、あまり無駄使いするなよ」

ミゲル「君にはビデオを見てもらう」

ホーク「なんだい、AVでも観るのかい?だったらウォーリーも呼ばないと」

ミゲル「AVよりも刺激的な物さ」ガチャッ

ホーク「む、これは…ボクシングの試合…」

ホーク「っ!?た、たた、鷹村…」ガクガク

ミゲル「そうだ。鷹村戦の試合だ」

ミゲル「目に焼き付けろ…彼の試合を」
88 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/05(水) 07:10:37.09 ID:Teo8qDKx0
(次の日の朝)

ウォーリー「ふわぁぁ…さーて、今日も頑張る」

ウォーリー「わわ!ゲロがまき散らされてる!?」

ウォーリー「だれか酒に酔って、吐いちゃったのかな」

ホーク「オレのゲロだ」

ウォーリー「え!どうしたのコレ?」

ホーク「……ホラー映画を見すぎてな。あまりの恐怖に吐いちゃったよ」

ウォーリー「??」

ホーク「さあ、いくぞ」

ウォーリー「大丈夫?」

ホーク「もう大丈夫だ」

ホーク(今夜もゲロを吐き散らすハメにはなりそうだがな)
89 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/05(水) 07:15:07.01 ID:Teo8qDKx0
(3週間後)

砂浜を走る二人
ウォーリーは防衛戦を一週間後に控える

ホーク「ぜぇぜぇ」ダダッ

ホーク「おらどうした!完全にオレが逆転しちまったぜ!?」

ホーク「試合前なんだろ?そんなんで大丈夫なのかい?」

ウォーリー「ぜぇぜぇ待ってよホーク!ペースが早すぎるよ!」

ホーク「ぜぇぜぇ…どうした、お前のホームグランドだろ!?」

〜〜〜

ホーク(ジャングルの走り込みも慣れたぜ)

猿1「ウキィ!」

ホーク「おっと危ない」サッ

猿2「キキキッ!」

ホーク「甘い甘い、オレをおちょくるなんざ100年早い」

ウォーリー「ひゃっほう!」

ホーク「おいおい、ターザンはずるいぞウォーリー!ロードワーク中だぜ!」

ウォーリー「ワードワーク終わったら、次はこの先にある、大きな川でスイミングだよ!」

ホーク「ああ!」
90 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/05(水) 07:15:33.44 ID:Teo8qDKx0
(深夜)

ミゲルとホークは、共にビデオを観戦する

ミゲル「……」

ホーク「……」

ミゲル「どうした、今日は吐かないのか?」

ホーク「いまにも吐きそうだよ…くそ、あんなに果物たべなきゃ良かった…」ガクガク

ミゲル(体は震えている。だがいつもなら、もうとっくにゲロを吐き散らし、倒れてる頃だ)

ミゲル(前進している。ホークは確実に前進している)

ホーク「……」ガクガク
91 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/05(水) 07:16:38.28 ID:Teo8qDKx0
(数時間後)

ミゲル「今日のビデオ鑑賞は終わりだ」

ホーク「ああ、寝る前にちょっと…散歩してくる」

ミゲル「あまり遠くへ行くなよ」

ホーク「分かってる」

(ジャングルの中)

ホーク「まったく。毎晩のように、鷹村主演のホラー映画を見るのはキツイぜ…」

ホーク「ん?ウォーリーじゃねぇか」

ウォーリー「あ、ホーク!」

ホーク「どうしたんだい。こんな深夜に」

ウォーリー「なかなか寝付けなくて、ちょっと散歩」

ホーク「そうか。オレもそんな所だ」

ウォーリー「一緒に歩こうか」

ホーク「おう」
92 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/05(水) 07:19:12.74 ID:Teo8qDKx0
ホーク「ん?おい、アレ見ろ」

ウォーリー「??」

ウォーリー「……」

ウォーリー「はわわわ///」

ホーク「ほう、良いね良いね。野外プレイは燃えるよな」

ホーク「……」

ホーク「オレも…女を抱けるようになりたい…一生不能のままは、イヤだ。絶対イヤだ」

ホーク「そのためには、鷹村をブチ殺さないと…」

ウォーリー「はわわわ///す、凄い…」

ホーク「ウォーリー。防衛戦が終わったら、好きな女に告白しろ」

ウォーリー「え?」

ホーク「しっかりその口で伝えるんだ」

ホーク「キミと朝まで気持ちよくなりたいと、な」

ウォーリー「そんな事いえない!順序メチャクチャ!」

ホーク「ハハ、男と女はヤリ合ってなんぼさ」
93 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/05(水) 07:19:43.78 ID:Teo8qDKx0
今日はここまで
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/05(水) 07:43:09.22 ID:BXNvlWAGO
乙です
ウォーリーの恋は実るのか
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/05(水) 08:01:05.43 ID:zl8hRYNLO
このウォーリーをお断りする女はいないだろ
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/05(水) 17:43:36.55 ID:i+IMtDZFO
ホークとウォーリーのやり取りが、鷹村と一歩の間柄に近い感じがする
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/05(水) 23:40:34.19 ID:YUJJffELO
もうちょい対等っぽいけど、確かに近いかもね
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/07(金) 08:14:13.80 ID:3pb5BZi/O
ミゲルよくウォーリー見つけれたよな世界各国に飛び回ってるから運が良すぎる
ウォーリーも杖もったヒョロッとした体格でよくぞここまでの選手になったな
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/07(金) 21:24:05.09 ID:aGuaj1zA0
絵が頭に浮かぶな
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/07(金) 21:36:44.28 ID:0tNRhl2So
確かにウォーリーはホーク復活にうってつけだな
そもそも強いし素早いからホークに潰されないのがいい、おまけに天然だから恐れないで近づけるし
101 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/08(土) 05:27:37.98 ID:OUGqG+o/0
(合宿終了日)

ウォーリー「じゃあね、みんな!」

原住民たち「ウォーリー!がんばれー!」

ホーク「良い場所だった。また来たいな」

ミゲル「ああ、インドネシアでの国内防衛が続く限りはまた来るだろう」

ミゲル「それで、ホークよ。拳の方はどうかな?」

ホーク「痛みなんざとっくに引いてるよ」

ミゲル「そうか。ならばアメリカに帰ったら、グローブを付けての練習をしよう」

ホーク「やっとか。毎日、基礎練習間ばかりで、いい加減飽き飽きしてた所だ」

ミゲル「まずはウォーリーの試合をみて、しっかり勉強しなさい」
102 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/08(土) 05:28:32.04 ID:OUGqG+o/0
(インドネシア・フェザー級王座決定戦・試合当日)

ウォーリー「今日はどんな風にやっていけばいい?」

ミゲル「今日は、『半分フリーダム』だ」

ウォーリー「半分?」

ミゲル「そうだ」

ウォーリー「んー、わかったよ。やってみる」

カァァン!!

ウォーリー(ゴングなった!)

挑戦者「フン!」シュシュッ

ウォーリー(しっかりガードして…ダメージを防ぐ)

挑戦者(ガッチリガードをしてるが、噂じゃとんでもない事をしてくるとも聞く)

挑戦者(油断できない!)

ウォーリー(半分フリーダム…半分フリーダム…)

ウォーリー「……」

ウォーリー「よし、これで行こう」

挑戦者「ん、あの構え…」

ミゲル「なるほど、そう来たか」

ウォーリーの左腕がだらりと下げ腹部に添え、右腕は上げたまま口元で添える

ミゲル「ヒットマンスタイル…フリッカーで行く気か」
103 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/08(土) 05:30:59.23 ID:OUGqG+o/0
ウォーリー(相手のジャブを避けて)サッ

挑戦者「くっ…早い!!」

挑戦者(体ごと豪快に避け、オレの視界から消えた)

挑戦者(横か?オレの真横へと移動したのか)

ウォーリー「……」シュッ

スバァァン!

挑戦者「ぐぁ…!」

ウォーリーの伸びていく、しなやかなジャブが挑戦者の頬にヒットする

挑戦者(は、速い!ジャブも…足も…!)

スバァァン!スバァァン!スバァァン!

ウォーリーはグルグルと挑戦者の周囲を、円を描くようにして動き、確実にフリッカージャブを打ち込んでいく

挑戦者「ぐぅ…がぁぁ…」ガクガク

相手セコンド「な、なんだあいつ…」
104 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/08(土) 05:31:29.97 ID:OUGqG+o/0
挑戦者は早くもダメージが深刻な物となる
両手のガードもゆるくなっていく

相手セコンド「意識をしっかり保て!ガードをしっかり!」

ウォーリー「……」ピタッ

挑戦者(…?なんだ、急に動きが止まった)

ウォーリー「……」ニヤッ

ウォーリーはニヤリと微笑むと、クイクイと手首を動かして、相手を挑発する

挑戦者「!?……っ!?!?」

相手セコンド「なめやがって…おい!負けんな!行け!」

挑戦者「ガキが…図に乗るな!」ダダッ

挑戦者「フン、フン!」

頭に血が昇る挑戦者。
基本を忘れずに、左ジャブ、そして右ストレートと、ワンツーを素早く打つ

だが、二発のパンチはウォーリーには当たらない

挑戦者(なんだ!?また消えたぞ!)

相手セコンド「おい…なんだあのスウェー!?」

挑戦者「なっ…!なんだあの体勢は…!?」

ウォーリーは体を大きくのけぞって避ける
同時にのけぞった体勢から、片腕を振り上げる

ボゴォォン!

その拳は挑戦者のアゴに直撃する
105 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/08(土) 05:32:42.04 ID:OUGqG+o/0
ウォーリー「……」ニヤッ

挑戦者「がぁ…ぁぁ…」ガクガク

挑戦者のマウスピースが鮮血と共に、跳ね上がっていく

挑戦者(駄目だ…こんなクソガキに…舐められたままじゃ…)クルッ

意地でも倒れない挑戦者
歯を食いしばって振り返ると、やはりウォーリーの姿がいない

挑戦者「どこだ…!」

相手セコンド「うしろだ!うしろ!」

挑戦者「そっちか!」クルッ

スパァァンッ!スパァァンッ!

挑戦者(またフリッカージャブが…!)

後ろに振り返った瞬間、あっと言う間に挑戦者のガードを、鋭いフリッカーでこじ開ける

ウォーリー(ガードが開いた、これはチャンス)

ウォーリー「グッバイ」

ズドォォン!!

ウォーリーの強烈な右ストレートが、挑戦者の顔面を襲う

挑戦者「っ!!?」

ドサッ!

そのまま挑戦者を、リング場外へと叩き落す
106 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/08(土) 05:33:35.30 ID:OUGqG+o/0
審判「これは…」

審判「……」サッ

カンカンカンカーン!

審判「勝者、ウォーリー!」

ウオオオオオ…!!!

観客が驚きとも歓喜とも言える声が会場に響く

相手セコンド「おい、しっかりしろ!」

挑戦者「」

ミゲル(相手選手はタンカーに運ばれ退場か…まあ、1ラウンドでの出来事だ。命に別状はあるまい)

ウォーリー「やったよミゲル!防衛成功!」

ミゲル「ああ、見事だよマイボーイ!!」

ホーク「……」

ホーク(1ラウンド、55秒KO勝ち……)

ホーク(1分もかからずに倒しやがった。全く驚きだ。仮にも相手はランキング1位の国内ランカーだぜ?)

ウォーリー「あ、ホーク!やったよ!勝ったよ!」

ホーク「流石だぜブラザー」

ウォーリー「んー、でも出来ればホークみたいに10秒で相手を倒したかったな〜」

ホーク「オレのは2ラウンドかかったぜ」

ウォーリー「でも、本気出してからの10秒だったでしょ?前の試合は」

ホーク「まあな」
107 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/08(土) 05:35:01.33 ID:OUGqG+o/0
アメリカに帰ってからも、さっそくジムでトレーニングを積む二人

ホーク「フン!フン!」

ミゲル「いいぞ!その調子だ」

ミゲル(久しぶりのミット打ちだが、衰えていない…それどころか、パワーアップしている)

ミゲル(基礎練習を徹底したかいがあったな)

ホーク「……」ピタッ

ミゲル「どうした?」

ホーク「すこし、試したい事が」ブラン

ミゲル「む、その構え…」

ホーク「オレもやってみるよ」

スパァァン!スパァァン!

ミゲル「おおお…フリッカージャブ…!」

ホーク「うーん、難しいねこれ」

ミゲル「その割には、なかなかサマになっている様だが。実は密かに練習でもしてたのかな?」

ホーク「いいや、全くの初めてだよ」

スパァァン!スパァァン!

ミゲル「うん!良い感じだ」

ホーク「フン!フン!」

ミゲル「もっと力を抜いて、スナップをきかせて!」

スパァァン!スパァァン!

ウォーリー「あ!ホークがフリッカーやってる!」

ウォーリー「ぼくもフリッカーやる!」

スパァァン!スパァァン!

ホーク(だけどやっぱり、フリッカーは打ちづらいな…試合ではどうしようか…)
108 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/08(土) 05:37:51.05 ID:OUGqG+o/0
(4週間後・試合前日)

ウォーリー「ホーク、明日の試合がんばってね!」

ホーク「ああ、必ず勝ってくるよ」

ミゲル「計量も問題なくクリアだな」

ホーク「腹がへった。レストランへ行こう」

ミゲル「うむ」

オオオォォ…!

部屋の中にいた記者たちが、驚きの声が響く

ミゲル「ん?あれは…」

ホーク「来たな…」

イーグル「……」

ホーク・ミゲル(デビッド・イーグル…!!)

パシャッ!パシャパシャッ!

カメラのシャッター音が鳴り響く

イーグル「やあホーク、久しぶりだね」スッ

ホーク「フン」

手を差し伸べるイーグル
だがホークはそれを無視して帰っていく

ホーク「ミゲル、早くレストランへ行こう」

ミゲル「すまないな、イーグルよ」

ホーク「ウォーリー!!そんな奴と握手するな!」

ウォーリー「え、どうして?良い人だよイーグル」ギュッ

イーグル「……」ニッコリ

ホーク「おい、オレのブラザーから手を離せ。そのニヤケ面もやめろ。殺すぞ」

イーグル「オー…ソーリー」パッ

ウォーリー「??」
109 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/08(土) 05:40:43.27 ID:OUGqG+o/0
(数時間後・記者会見)

記者「ミスターイーグル、この度の試合について何か」

イーグル「あのブライアンホークと闘える事が、今でも信じられない」

イーグル(あの壊れてしまった、ブライアン・ホークが…良くぞここまで復活を…)

イーグル「彼は凄いボクサーだ。失礼のないように、全力尽くすつもりだ」

記者たち「オオオォォ…」

記者「ありがとうイーグル。では次に、ミスターホーク、この度の試合について何か」

ホーク「イーグルはね、前にオレが鷹村に負けてヘコんでた時に、心配して声をかけに来てくれたんだ」

ホーク「しかも、わざわざウチに来てね」

記者たち「そんな事が…さすが紳士イーグル」

ホーク「ああそうさ、彼は優しくて素晴らしい男だよ」

ホーク「だから彼に恩を返したい」ガタッ

そういうとホークは立ち上がる

イーグル(……ん?)

ホーク「イーグル、ボクシング人生も楽じゃないよな?」

ホーク「だから一生楽にしてやるよ。明日、お前のリングが墓場となる」

ホーク「今のうち、遺書でも書いておくんだな」

そういうとホークは親指を下に降ろす
イーグルの顔をジッと、にらみながら

記者たち「」

イーグル「……」

相手トレーナー「なんて失礼な男だ…どうやら性格は相変わらずの様だな」
110 : ◆l4sgZhbp7U [saga]:2017/07/08(土) 05:41:31.49 ID:OUGqG+o/0
今日はここまで
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/08(土) 07:24:18.04 ID:dh7h+oPkO
乙です
次でVSイーグルか
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/08(土) 09:10:16.16 ID:4TTZFz9XO
性格は下衆のままでいてほしい
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/08(土) 15:23:27.46 ID:fqvetrUDO
ゲスにはゲスなりのプライドがある
紳士が教科書通りの模範解答でゲスに接したとしても
ゲスは教科書通りには受け取らない
「プライドを傷つけた奴」としか見ない
相手にそんなつもりがなくても、本物の紳士だったとしてもね
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/08(土) 16:03:33.39 ID:VjIQ+H0To
ミゲルやウォーリーと仲良くしてるだけで十分
それ以外には下品で傍若無人でいいだろう
鷹村も似たようなもんだし
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/08(土) 17:02:54.42 ID:tHL4g/zA0
もうイーグル行くんか
ホーク強くなりすぎそうだな
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/08(土) 17:32:00.21 ID:VjIQ+H0To
ホークの元の性能もイーグル並みだったから、それからどれくらい向上しているか
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/09(日) 09:11:01.55 ID:OdfoNq9io
ウォーリー何故こんなになっちゃったんだろ昔は世界中の人気者でウォーリーの本を沢山の子供たちが集まって騒いでたのに……
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/09(日) 13:59:29.28 ID:b4E7NBtKO
待て!?それはどっちのウォーリーの話だ!?
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/09(日) 15:08:31.39 ID:zUa8jWw5O
実際まともに練習しないうえにボクシング好きじゃなくても世界チャンプになれるセンスだからな
ボクシングを少し好きになってちゃんと練習したらそりゃ化け物になるよ
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